P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
6回国会参議院1949/11/25

厚生委員会 第6号

発言数
10
登壇者
3
会派数
2
開催日
1949/11/25

会議録

塚本重藏日本社会党

○委員長(塚本重藏君) それではこれより委員会を開会いたします。身体障害者福祉法案を議題にいたします。先ず発議者を代表して提案理由の説明をお願いいたします。

中平常太郎日本社会党

○中平常太郎君 只今議題となりました身体障害者福祉法案につきまして、先ずその提案の理由を申上げたいと存じます。  戰後の激動混乱の中に新憲法が施行され、新らしい国家の体制の下に、国民福祉の諸問題である生活保護法、兒童福祉法その他各種の社会保險立法等により、国家は何人も健康にして文化的な生活を享受することができるように整備されつつありますが、今尚惨怛たる戰禍や業務上の災害や或いは又疾病その他によりまして身体に強度の障害を負い、不慮の災難とはいえ、悲惨な運命に苦しむ人々は、現在凡そ八十万を超えているのであります。かかる人々に対する福祉立法といたしましては、先般制定されました、国家光明寮及び身体障害者更生指導所設置法の二つの現行法があるだけでありまして、これらはいずれも応急施設の設置法に過ぎず、いわゆる身体障害者に対する更生援護の根本法は未だなかつたのであります。たまたま昨年九月ヘレン・ケラー女史来朝以来、これらの人々の福祉の問題が急激に国民の要望として高まり、政府当局及び民間諸団体においても、その福祉立法促進の努力が続けられ、国民の熱列なる請願及び陳情も山積いたしました。従つて、本院厚生委員会においては、第一回国会以来の諸般の事情も考慮に入れて、その立法の促進に努力いたし、不断の準備を重ねて参つたのであります。只今提出いたしました法案は、本院厚生委員会において研究の結論を中心とし、各方面の協力を得て、この成案提出の取運びに至つたものでありまして、いわゆる身体障害者の更生援護に関する基本を定めるのが、本法案の骨子であります。即ち、国及び地方公共団体がみずからの義務として、身体障害者のために各種の指導、援護、保護を行なつて、一日も早くこれらの人々をその暗い憂鬱な日常生活から引上げて、明るい社会活動の世界に送り出すことを目的とするものでありまして、現在並びに将来の社会的、経済的事情から見ましても、早急にこれが制定を必要とするものであります。これが本法案を提出するに至つた理由であります。  次に、この法案の内容を簡單に御説明いたします。第一は、この法律案におきましては、身体障害者各人の自発的な更生意慾が促進されることを根本といたしまして、その更生を助長するために必要な器具・物品等を交付し、更に周到適切な訓練を施し、社会活動能力を発揮せしめることを主眼とするものであります。従つて、身体障害者たるの故を以て、これに特別の権利を附與するとか、或いは特別な保護を與えて、その一生を国の負担において世話をするという、いわゆる特殊な保護を規定するものではないのであります。  第二は、本法の対象といたしましては、兒童福祉法その他の関係法をも考慮いたしまして、十八歳以上のいわゆる労働年齢にある者で、盲、聾、唖、肢体不自由等の身体障害のため労働能力の損傷をされている者であります。又これらの人々に対しまして、すべてを強制して登録せしめるのではなく、本人の自発的な申請に基いて身体障害者手帖を交付し、これに基いて適法の取扱をするのであります。  第三は、更生援護の行政的体系といたしましては、厚生省に中央身体障害者福祉審議会を置き、又都道府県には地方福祉審議会を置き、法の施行機関は都道府県知事とするものであります。知事の下に数名の身体障害者福祉司を置き、実質的にはこの專門家が個々の身体障害者の指導的な世話をするのでありまして、市町村長は知事の行政活動に協力するという態勢をとつておるのであります。  第四は、福祉の措置であります。これは一定の手続によりまして、身体障害者手帖を受けた者に対しては、或いは義肢、補聽器、車椅子等を交付し、必要な更生訓練施設や職業安定所等へ紹介し、或いはその他万般の更生相談を行うのであります。更に障害の程度が重度の者に対しましては、国有鉄道の運賃の減額、煙草小売人指定の場合の取扱、或いは公共施設内に売店を設置する場合の優先的許可取扱に関すること、更に盲人その他重度の障害者の製作品は、国及び地方公共団体が一定の條件の下に購買して、これらの人々の福祉増進に資するものであります。尚、煙草小売人指定や売店設置や製品の購買についての特別な規定を置きましたのは、たとえ義肢を具え、訓練を受けましても、障害のために一般人に伍して経済活動をすることは困難であるところの重い者に対しましては、ややはり安定した職場を特に備えることが必要であるからであります。  第五は、国、都道府県及び市町村においては、これらの者に訓練、指導を與え、又は各種の利便を與える施設を設置することができるように規定してあります。尚、私人がこれらと同じような施設を設置することは何ら差支ありませんが、その運営等について監督する必要がありますので、供出制を採ることにいたしておるのであります。  第六は、この法律の施行において、予算とか法的な諸準備のため、昭和二十五年四月一から施行することにいたしてあります。  最後に、この法律の施行に要する経費は、一応すべて都道府県の支弁でありますが、生活保護法、兒童福祉法などと同じように、一般の行政的経費については二分の一、特殊の行政経費、即ち義肢等の交付に要するもの、又は施設の運営に要するもの等については十分の八、施設の設置費については二分の一と、それぞれ国庫が負担することを規定いたしております。  以上が本法案の内容の大要であります。何とぞよろしく御審議の上、本案の通過をお願い申上げます。

塚本重藏日本社会党

○委員長(塚本重藏君) 尚、衆議院からもこれと同一内容の法案が予備付託になつておりますが、これに対しまする提案理由の説明は省略いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塚本重藏日本社会党

○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。この機会にお諮りいたしますが、本法案は重要案件でありますので、国会法第四十四條に基きまして、衆議院の厚生委員会と合同審査会を開きたいと存じますが、御異議ございませんか。

小林勝馬民主党

○委員外議員(小林勝馬君) その前にちよつと発言さして頂きたいのですが……。

塚本重藏日本社会党

○委員長(塚本重藏君) どうぞ。

小林勝馬民主党

○委員外議員(小林勝馬君) この度この身体障害者福祉法案が提案されることになりまして、私共満腔の敬意を表する次第でございます。この法案を提出される発議者に只今御指名して頂きまして、これ又感謝する次第でございます。  実はここに法制局の中原課長もおいでになられて御承知でございまするが、この法案はもともと第一国会以来、私共といたしましては、盲人福祉法案を主体として、今日まで研究をしと参つておつたような次第でございまして、この法案が途中におきまして、身体障害者福祉法案というように、いろいろな面からこれを改正されまして、ここに提案をされるに当りまして、不幸にして私共民主党におきましては、厚生委員の希望者が非常に多いために、くじ引をして厚生委員に入るというような結果に相成りましたために、私共そういう関係でありましたから、厚生委員の一員となり得なかつた。それにつきましては、ここに谷口理事が代表しておられまして、私共としましても、一々御報告を受けておつたのでございますが、この法案の提案者の発議者の問題につきましては、不幸にして御案内を受けなくて、私共何にも知らないうちに、こういう結果に相成つたようなことになりまして、賢明なる委員長のお取計らいによりまして、今日ここに入れて頂きましたことを感謝申上げると共に、今後是非とも一つ私共には特別の関係の深い法案でございますから、発言をお許し願いたく、これをお願いする次第でございます。

塚本重藏日本社会党

○委員長(塚本重藏君) 合同審査を開くことには御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塚本重藏日本社会党

○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。  それでは衆議院の厚生委員会と合同審査を開くことに決定いたしました。  尚、この合同審査会には、厚生委員会全員が臨むことに御異議ございませんね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塚本重藏日本社会党

○委員長(塚本重藏君) さように決定をいたします。  本日はこれを以て散会します。    午前十一時二十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事            谷口弥三郎君            岡元 義人君    委員            姫井 伊介君            中平常太郎君            山下 義信君            井上なつゑ君            小杉 イ子君   委員外議員            小林 勝馬君

国会会議録検索システムで原文を見る ↗