法務委員会 第11号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/11/25
会議録
○花村委員長 これより会議を開きます。 本日はまず裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を一括議題といたし、これより討論に入りますが、討論はいかがいたしましようか。
○北川委員 討論はこれを省略し、ただちに採決に入られんことを望みます。
○花村委員長 御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○花村委員長 御異議がなければ、討論は省略いたし、これより両案を一括して採決に入ります。 両案に賛成の方の御起立を願います。 〔総員起立〕
○花村委員長 起立総員、よつて両案は原案の通り全会一致可決いたしました。 なお右の委員会報告書は委員長に御一任を願います。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に請願の審査を行います。請願の審査は紹介議員の見えられません請願につきましては、委員より便宜その説明を聞き、政府の意見を聽取し、異論のない請願については本日決定いたし、他はその決定を延期いたしたいと存じますから、さよう御了承を願います。 日程第一、第五、第六、第十五、第二十、第二十一の戸籍事務費全額国庫負担に関する請願は同趣旨でありますから、一括議題といたし、紹介議員が見えられませんから、他の議員より説明を願います。
○角田委員 私がかわつて御説明を申し上げます。 本請願は盛岡市長小泉多三郎君外一名により提出されましたもので、その要旨は、民法及び戸籍法の改正によつて、戸籍事務は非常に増大し、事務諸費もまた多額に要する状態でありますので、この経費を全額国費負担として市町村に交付されたいというのであります。 御承知のように戸籍事務は、市町村長が管掌するところの重要な国の委任事務でありますが、これが事務執行に要します経費負担は不明確で、しかも終戰後民法及び戸籍法の改正によりまして、事務取扱い内容は非常に増大し、従来の六倍強に及んでおります。何とぞかかる地方公共団体の実情を参酌して、御審議、御採択あらんことをお願いいたします。
○花村委員長 政府の意見を求めます。牧野政務次官。
○牧野政府委員 この戸籍事務国庫負担の問題につきましては、これまでもしばしば請願がありました問題でありますが、ただいまも申されましたように、戸籍事務につきましては国の行政事務でありまして、国に重大なる利害関係があることは申すまでもありません。従つて政府といたしましても、常に請願の御趣旨に沿うよう努力して参つたのであります。その結果、昭和二十三年度におきましては配付税により、現実に戸籍事務経費が増加された地方公共団体もあるのでありますが、なお十分満足な結果を得るに至つていないことは、国家財政の現状からやむを得ないところとは申せ、遺憾に存ずる次第であります。昭和二十五年度におきましては、税制改革により、戸籍事務に要する経費は国庫負担金の形式でなく、平衡交付金によつて調整せられることになるものと首肯せられますが、実質的には請願の趣旨を実現する方針のもとに、目下鋭意検討を加えておる次第であります。何とぞ御了承をお願いいたします。
○花村委員長 御質疑はありませんか――御質疑がなければ、以上の六請願は採択いたし、採択の上内閣に送付することを適当と認めますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○花村委員長 御異議なければ、さようとりはからいます。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に日程一〇、中津簡易裁判所に岐阜地方裁判所及び家庭裁判所の支部を併置の請願文書表第四三二号を議題といたし、紹介議員の説明を求めます。紹介議員がおりませんから、武藤嘉一君、かわつて御説明願います。
○武藤(嘉)委員 紹介議員岡村利右衞門君がおられませんから、私からかわつて請願の趣旨を説明申し上げます。 中津町は岐阜県のうちで一番大きな郡にあります。ことに裁判所は多治見裁判所があるたけであります。従いまして中津町と多治見市との間は相当の距離がございます。のみならず鉄道もきわめて運転回数が少いところであるのに、ただいま申しました通り、中津町は非常に大郡でありますから、事件の件数も非常に多いと思いまするし、非常に地域的に偏したところに裁判所があるのみでありますので、地方の町村長その他から、何とかして中津町も簡易裁判所のほかに岐阜地方裁判所の支部並びに家庭裁判所の岐阜の支部を中津町にも併置せられたいとの請願がしきりであります。何とぞ御採択のほどをお願いいたします。
○花村委員長 政府の説明を求めます。牧野政務次官。
○牧野政府委員 ただいまお述べになりました岐阜県惠那郡中津町に地方裁判所支部及び家庭裁判所支部設置の請願の御趣旨は十分了解いたしました。政府といたしましても、御不便の事情はよく承知いたしておりますが、裁判所支部に関する事項は最高裁判所の権限に属しておりますので、最高裁判所に御趣旨を伝達いたしまして、十分の考慮を願うことにいたしたいと思いますから、さよう御了承を願いたいと思います。
○花村委員長 最高裁判所より発言の申出がありますから、これを許します。本間事務総長。
○本間説明員 現地の所長からも必要だというような申出があります。事件数はよそと比べてそう多いわけではないようでありますけれども、十分考慮して行きたいと思つております。これは裁判官の数、その他そういうものと比較考量して、できるだけ努力したい、こう思つております。
○武藤(嘉)委員 事件数は大都市あるいは中都市でありませんので、あるいは少いかもわかりませんが、交通の点から非常に偏しております。裁判所の所在地が多治見市ではあまりに偏しておりますから、地域的の点からもぜひ御考慮を願いたいと思います。
○花村委員長 ほかに御質議はありませんか。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に日程第一八、岐阜地方裁判所大垣支部の昇格並びに定員増加の請願文書表第八九〇号を議題といたし、紹介議員の説明を求めます。武藤嘉一君。
○武藤(嘉)委員 大垣市にあります岐阜地方裁判所大垣支部は、前に申しました中津町と多治見市と比較いたしますと、交通関係は非常に便利であり、また距離は非常に短かいのでありますが、何分大垣市はその地方における第二の都会でありますのと、治安上において県下でも最近著しく不安な地帶であります。しかるにここに駐在せられるところの判事はかなり老齢の判事がお一人きりでありまして、わずか一人きりの判事でこの相当広い一市五郡にわたる区域を持つておるのでありますから、いろいろ民事、刑事の処理が遅れているのではないかと私は非常に憂慮いたしております。この点について、距離の問題は別といたしまして、少くともここに一名の判事では足りないのではないか、判事の増員を要するのではないかと申し上げたいのであります。なおこの際申し上げたいことは、大垣の裁判所管内のうちに、大垣支部の区域のうちに揖斐郡というところがあるのでありますが、これはかなり山間僻地であり、交通の非常に不便な村落が相当あります。大垣から同じ郡内の村へ達しますのに交通がほとんどありません。歩いて行くより方法がないという村があるのでありまして、これが三箇村ほどあります。従つてこの大垣裁判所支部に、單なる従来の支部よりももつと判事の増員をされるとともに、何とぞこの揖斐郡地帯の裁判事務に対しては、特に今後政府において御考慮願いたいと思います。その地帶に発生いたします事件については、はなはだしく犯罪捜査その他が遅れるように考えられますから、判事の増員と同時に、揖斐郡地方に対します裁判所関係の処理につきましては、特に迅速に処理できるように、この際特にお願いしたいと思います。
○花村委員長 政府の意見を求めます。牧野政務次官。
○牧野政府委員 ただいまお述べになりました請願の御趣旨はごもつともと存じます。この問題につきましても、前回申し上げましたように、裁判所支部に関する事項は、最高裁判所の権限に属しておりますので、この請願の御趣旨は最高裁判所に伝達いたしまして、十分の御考慮を願うことにいたしたいと存じますから、さよう御承知を願いたいと思います。
○花村委員長 最高裁判所の意見を求めます。本間事務総長。
○本間説明員 岐阜地方裁判所の所長からも、同様に昇格の必要なことの申出があります。予算その他のことを考えて、十分御趣旨に沿うように努力したいと思つております。
○武藤(嘉)委員 何とぞすみやかに実行方をお願いしたいと思います。
○花村委員長 ただいまの二請願はこれを採択いたし、採択の上はこれを内閣に送付すべきを適当と認めますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○花村委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に日程第二二、戸籍法の一部改正に関する請願文書表第九九九号を議題といたし、紹介議員の説明を求めます。吉田省三君。
○吉田(省)委員 戸籍法の一部改正の請願についてその趣旨とするところは、戸籍法第二節出生の節、第四十九條の三項「医師、助産婦又はその他の者が出産に立ち会つた場合には、医師、助産婦、その他の者の順序に従つてそのうちの一人が命令の定めるところによつて作成する出生証明書を届書に添附しなければならない。但し、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。」という法文中の「その他の者」を削除されるよう請願いたします。 医師、助産婦、その他の者の出生証明のできますのは、法律が寛大で、国民生活の上に便利でありますが、往々これを運用して、出生の場合、医師、助産婦を必要とする場合にも、これらを拒否し、その結果過誤を起すことが多いのであります。たとえば出生の際の点眼もせずに盲目にさせたり、新生兒の臍帶を不潔に取扱い、化膿する場合もあり、母体の不潔な処置によつて産褥熱の発病等、母子ともに不健康になるばかりでなく、生命をも奪われることさえあります。 ここにおきまして出生証明書のうちの「その他の者」を削除していただきたいのであります。その他の者を削除いたしましても、この項に「但し、やむを得ない事由があるときは、この限りでない」。とありますから、決して不便を来すことはないと思います。よろしくこの法を御改正あらんことを切にお願いいたしまして、すみやかに御採択をお願いいたします。
○花村委員長 政府の意見を求めます。牧野政務次官。
○牧野政府委員 請願の御趣旨は、戸籍法第四十九條第三項に、医師、助産婦以外の者が出産に立ち合つた場合には、その者の出生証明書を添付して届出をしなければならないという趣旨の規定があるので、医師、助産婦の立会いを拒否し、ために母子が発病したり、その生命を奪われるというような重大な過誤を生ずることが多い。よつて医師、助産婦以外の者が、出生証明書を作成することがないように規定の改正を求めるということにあると存じます。しかし右の規定は、出生の際医師、助産婦の立会いなく、従つてそれらの者の証明書を得ることができない場合があることを予想し、この場合にも出生届の正確を期するために、医師、助産婦以外の者の証明書を添付せしめようとする趣旨でありまして、医師、助産婦を必要とする場合に、この規定がありますために、あえてその立会いを拒否するというような例が多数あるというようなことは考えられませんので、政府といたしましては、ただいまのところ、にわかに右規定を改正いたす考えはございません。右お答えいたします。
○花村委員長 御質疑はありませんか――なければただいまの請願もこれを採択いたし、採択の上は内閣に送付するを適当と認むるのでありますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○花村委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○花村委員長 日程第二、遺失物法の一部改正に関する請願文書表第二三号を議題といたします。請願の紹介を願います。
○角田委員 本請願は昭和二十四年七月十日盛岡市において開催された東北六県各市議会議長会議で決議され、盛岡市議会議長北太郎外各市会議長連名にて提出されたものでありまして、その要旨は、遺出物法第十五條の規定を、警察署長において保管する物件で交付を受ける者なきときは、その所有権は自治体警察所在地の市町村に所属するよう改正していただきたいというのであります。昨昭和二十三年七月から自治体警察の費用は全部市町村の負担となりましたが、最近市町村の財政は極度に逼迫しており、また統制物資等の取締りに自治体警察員が従事しており、その経費も相当額であるにかかわらず、国庫において負担しないので、このような収入を得ることは適当ではないかと思います。何とぞ地方公共団体の実情を御参酌の上、御採択あらんことをお願いする次第であります。
○花村委員長 政府の意見を求めます。牧野政務次官。
○牧野政府委員 遺失物法第十五條の改正についての請願にお答えします。現行の遺失物法が、交付を受ける権利者のない遺失物は国庫に帰属するものと定めている理由は、権利者のない財産は国庫に帰属するという建前をとることが公共の福祉に適合すると考えられるからであります。無主の不動産や相続人のいない場合の相続財産はすべて国庫に帰属することになつているのもこの趣旨であります。しかしながら現在の自治体の性質と権能とを考察すれば、従来の建前と違つて、請願の趣旨にありますように遺失物を預かつた警察が、自治体警察である場合に、権利者のない遺失物を自治体に帰属させるという構想にも相当の理由があると考えられますので、政府におきましては、今後十分検討いたしてみたいと存じます。
○花村委員長 御質疑はございませんか――ないようであります。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に日程第三、碧南市に簡易裁判所並びに検察庁設置の請願文書表第三九号を議題といたします。請願の紹介をお願いいたします。
○北川委員 本請願の要旨は、さきに愛知県碧海郡安城町に簡易裁判所並びに検察庁が設置され、碧南市、高浜町及び明治村はその管轄区域に編入されたのでありますが、碧南市の市制が実施された今日においては、碧南市に設置した方が種々な点で利便が大きいのでありますから、これが実現を要望いたす次第であります。
○花村委員長 政府の説明を求めます。牧野政務次官。
○牧野政府委員 ただいまお申し述べになりました碧南市に簡易裁判所及び区検察庁設置の請願の御趣旨は十分了解いたしました。 簡易裁判所は、去る第五国会におきまして六箇所の増設が認められまして現在全国に五百六十五箇所が設置されているのでありますが、いまだ必ずしも十分とは申せないのであります。碧南市に簡易裁判所及び区検察庁を設置する件は、さきに当府にも陳情書が提出されましたので、目下関係庁へ照会いたしまして調査中のものであります。重ねてここに請願もありましたので、政府といたしましても調査の結果をまつて愼重に考慮いたしたいと存じますから、さように御了承の上、今後何分の御援助をお願いいたす次第であります。
○花村委員長 最高裁判所より発言の申出がありますが、これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○花村委員長 御異議なければ最高裁判所より意見の陳述を願います。
○本間説明員 裁判所の調査によれば、簡易裁判所の必要があるように思われます。従つて予算その他の手配ができれば、何とかいたしたいと考えております。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に日程第四、吉田町に簡易裁判所設置の請願文書表第一二七号を議題といたします。請願の紹介をお願いいたします。
○北川委員 本請願の要旨は、廣島県吉田町は高田郡の行政の中心地でありますが、該地方の犯罪は逐日増加の傾向にあります。しかるに現在管轄となつている三次裁判所までは遠路かつ交通の便きわめて悪く、そのため捜査及び逮捕上多大の支障をきたしておるのであります。つきましては、すみやかに吉田町に簡易裁判所を設置されたいというのであります。
○花村委員長 政府の意見を求めます。
○牧野政府委員 ただいまお述べになりました請願の御趣旨は十分了承いたしました。本件は政府といたしまして最初の請願でありますので、早速関係省へ紹介いたしまして、諸般の状況を調査中でありますから、さように御了承の上、今後何分の御援助をお願いいたします。
○花村委員長 最高裁判所の意見を求めます。
○關根説明員 ただいまの御請願の御趣旨はまことにごもつともだと存じますので、十分考慮いたしまして、その実現に努力いたしたいと存じます。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に日程第七、地方法務局及びその支局の独立庁舎建設の請願文書表第三〇五号を議題といたし、紹介者の説明をお願いします。
○北川委員 請願の要旨を申し上げます。 法務局及び地方法務局は法律に関する政府の最高顧問官庁として、法務行政の全般を統轄する法務府の外局として設置されたものでありまするが、新憲法により司法と行政とは明らかに分離されて、すでに二年余を経過しておりまするのに、いまだに裁判所庁舎の一室に仮居している現状で、事務上多大の不利、不便を忍んでおります。すみやかに地方法務局及びその支局の独立庁舎を建設されたいと希望する次第であります。
○花村委員長 政府の意見を求めます。
○牧野政府委員 法務局、地方法務局及びその支局の庁舎は、その発足当初の昭和二十二年度においてこれを建設すべきでありましたが、国家財政の実状、その他の事情により、その実現を見ずに、昭和二十三年度及び昭和二十四年度において若干庁舎の建設をすることができましたが、その大部分は、今なお裁判所庁舎等の一部を使用している実情でありまして、昨今裁判所庁舎が職員の増加その他の事情により、最近著しく狭くなりました。また他面法務局等において取扱う事務の量がますます多きを加えて来たので、その庁舎の建設は焦眉の問題となつているのであります。よつて目下その解決にあらゆる努力を拂つているところでありまして、逐次これが建設に着手し、近い将来には全面的にこれを解決いたしたい所存でございます。 ―――――――――――――
○花村委員長 日程第一一、住民登録法制定に関する請願文書表第五〇一号を議題として、紹介者の説明をお願いいたします。
○北川委員 本請願の要旨を申し上げます。 現行の寄留法はまつたく有名無実にひとしい制度でありまして、これがために市町村は多大の経費を投じております。住民登録法の制定は、常住人口を正確に把握するというばかりでなく、複雑な市町村の行政事務を簡素化するとともに、財政的にも負担を軽減され得るのであります。つきましては、すみやかに住民登録法を制定せられたいのであります。
○花村委員長 政府の意見を求めます。
○牧野政府委員 現行の寄留制度が国及び地方事公共団体、特に市町村が住民の人口及び居住状況を常時正確に把握するのに不適当であつて、その制用価値に乏しき現状のもとにおいては、配給、徴税、選挙人名簿、学齡簿、予防接種台帳などの調製にあたつては、その基本資料がないため、これらの諾目的のため、多大の経費を費してそれぞれ住民調査が行われており、しかも相互の間にはほとんど連絡統一がない実情にあることは、まことに遺憾と存ずる次第であります。かかる現状にかんがみ、従来市町村においては住民把握のための統一的な制度の樹立を強く要望されておりますことは、その国会においても大体同様の御請願があり、政府といたしましても、現行寄留制度を廃止し、簡易にして迅速かつ正確に住民調査を行うため、公の証明力を持つた基礎資料設定のための住民登録の制度を確立し、これによつて労力と経費の節約をはかり、あわせて行政事務の円満な運営に資することができるような構想のもとに、住民登録に関する新しい法律の制定に関して研究と準備を進めておるのでありまして、市町村多年の要望にこたえるべく鋭意努力しておる次第であります。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に日程第一二、小湊町に国立少年院設置の請願文書表第五二八号を議題とし、紹介者の説明を願います。北川定務君。
○北川委員 本請願の要旨と申し上げます。東北六県中、青森県ばかりが少年院の設置なく、全国においても教養程度が低く、県下青少年の犯罪量は飛躍的に激増している現状でありまするが、その収容兒は、経済的その他の事情によりまして、保護の徹底を欠き、多大の影響を與えております。つきましてはすみやかに立地的好條件にありまする小湊町に、国立少年院を設置されたいと望んでおるのであります。
○花村委員長 政府の意見を求めます。
○牧野政府委員 青森県内に国立少年院を設置する請願の御趣旨は十分了承いたしました。しかしながら現在少年院は全国に五十二箇所あるうち、四十箇所は本年において新設し、発足に至つたものであり、現下の国家財政の状況からすれば、一応発足したこれらの少年院の整備が焦眉の問題であり、これを完全に運営した上、必要に応じて新設を考慮したいと考えているのでありまして、その際に請願の御趣旨を尊重することにいたしたいと存じております。
○花村委員長 御質疑はありませんか。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に日程第一三、釧路地方裁判所網走支部を地方裁判所に昇格の請願、文書表第五八九号を議題とし、紹介者の説明を願います。北川定務君。
○北川委員 本請願の要旨を申し上げます。釧路地方裁判所網走支部は、大正七年に設置せられて、現在甲号支部として運営されておりまするが、網走郡、斜里郡、常呂郡及び紋別郡の四郡にまたがり、二市二十一町村の広区域に及び、設置当時に比して該地方は各種産業が急速に発展し、取扱い件数も増加いたしたのであります。従つて昨年設置された官下五簡易裁判所からの控訴事件も多数に上り、遠隔の釧路地方裁判所で執行するには時間的、経済的に不利でありまするから、該支部を地方裁判所に昇格されるよう望んでおるのであります。
○花村委員長 政府の意見を求めます。
○牧野政府委員 ただいまの御請願の御趣旨はごもつともと存じます。 北海道は、あの広大な地域に札幌、函館、旭川及び釧路の四地方裁判所があるのみでありまして、御不便の事情はよく了承いたしておるのであります。去る第五国会におきましては、北見市に地方裁判所を設置せよとの請願が衆、参両院で採択されまして、帯広市に地方裁判所設置の件と競願の形になつておることは御承知の通りでありまして、今回の網走支部の昇格の件とは、さらに三箇所が競願の形となるものでありますから、政府といたしましては、最高裁判所とも協議いたしまして、なお、十分に研究いたしたいと存じますから、さように御了承を願いたいと存じます。
○花村委員長 最高裁判所の意見を求めます。
○本間説明員 今政府委員のおつしやつたように、ここには三箇所の競願がありまして、裁判所といたしましては十分に検討して研究してみたいと思つております。ただ釧路地方裁判所をもし地方裁判所にするとすれば、事件数が日本で一番少い地方裁判所になるような事件の現状であります。
○花村委員長 御質疑はありませんか。 ―――――――――――――
○花村委員長 次は日程第一四、大年寺山少年院設置反対の請願、文書表第五九二号を議題とし、紹介者の説明を願います。北川定務君。
○北川委員 本請願の要旨を申し上げます。東北少年院の敷地を史蹟大年寺山にいたしますことは、同地区が風致地区であり、特殊機関の独占にまかせられないこと、治山治水の上から見て不安があること、偏性少年の教化に不適地であること等の理由で、少年院の敷地は大年寺山以外に別に選定されたいというのであります。
○花村委員長 政府の意見を伺います。
○牧野政府委員 御存知のごとく、戰後犯罪少年ないし非行少年の数は著しく増加しつつありますが、東北管内にはこれら少年を収容教化するに適当な施設がきわめて乏しく、やむを得ず他管区へ移送したり、あるいは収容を差控えてもらつているような状態にあります。当局といたしましては、すみやかに当地方に少年院の施設を整備したいと考えまして、諸方面にわたり敷地を物色いたしたのでありますが、少年教化にふさわしくて、まとまつて買収しやすいという土地は容易にあるものではなく、その結論として選定したのが、この大年寺山であります。この大年寺山は、かようにしてようやく発見した土地であり、地勢、環境よりするも、少年院の用地として好適なものでありますが、しかし仙台市からその変更方の申出がありましたので、当局といたしましては、この土地のみを固執するものではなく、他に適当な土地があれば変更に応ずるよう回答し、市の方から二箇所別の候補地を推薦して参つたのでありましたが、しかしこれまた地元の反対によりまして、遂に実現を見ることができなかつたのであります。大年寺山の土地につきましては、地元の反対意見も十分しんしやくしまして、なるべく風致を害さないように努めるはもちろん、施設を整備して、市民各位に不安感を與えないよう、工事の施工並びに今後の運営にも万全を期したいと考えている次第であります。
○花村委員長 御質疑はありませんか。 なければ本日の請願審査はこの程度といたし、他の請願は次会にいたしたいと存じます。 ―――――――――――――
○花村委員長 次に猪俣委員より法務府に対し質疑の通告がありますから、これを許します。猪俣君。
○猪俣委員 裁判所側にお尋ねしたいと思うのであります。これは裁判官の独立性に関係あることでありますので、私は裁判官の独立性についての疑問を持たれるような意味で申し上げるのではないのでありまして、司法行政の面からお尋ねをするのでありますが、近ごろ農地委員会の裁決と裁判所の判決とが非常に齟齬をしていることが起きておりまして、これが地方の農民に大きな動揺を與えている事実が各県にあるのであります。私は日本農民組合の資料によりまして、抽象的に御質疑を実は申し上げたいと思う。あまり具体的に申し上げることは、裁判官の独立性にも影響があるかと存じまするが、それはある村におけるところの農地問題につきまして、村の農地委員が自作農創設特別措置法十五條に基きまして買収計画を立て、これを耕作者に売却いたしまして、土地の開放を行つたのでありますが、これに対してこの土地の所有者が異議の申立てをいたしまして、県の農地委員会に訴願をした。県の農地委員会も愼重現地調査までやりまして、結局村の農地委員会の決定を妥当なりと認めて、この異議を却下したのであります。そういたしますと、県の農業委員会を相手にいたしまして、この被開放者は地方裁判所に訴訟を起した。そうしましたところが、最初は県農地委員会の方が判事の必証がよくて、ほとんど敗訴するというようなことをその代理弁護人も考えておらなかつたのが、とつぜん敗訴の判決を受けて今控訴中であります。かようなことが各地に行われて来る傾向がある。そこで御承知のように、終戰後の小作問題につきまして、小作調停委員会の調停と村農地委員会の意見とが齟齬するようなことが多々ある。はなはだ困つたことがあつたのでありますが、これは小作調停法が改正されまして、小作調停についてはまず村農地委員会の意見を尊重する、その農地委員会でまとまらざるものに限り、裁判所が加入したる調停委員会に持ち出す、しかもその農地委員会は県農事地委員が入るというように改正されまして、この民主的な団体であります農地委員会を尊重するというようにかわつて来て、この点は非常に改良されて来たのであります。ところが、県の農地委員会と裁判所とが対立するような傾向に相なつて来ることは、私ははなはだ喜ぶべき現象でないと思うのであります。私どもはその裁判官に対してかれこれ言うのではありませんけれども、どうも急に裁判所が何だかそういうような態度にかわつて来たように見受けられるので、最高裁判所が司法行政上何かの通牒でもお出しになつたようなことがあるのかないのか、まずそれを承りたいと思います。
○關根説明員 ただいま猪俣委員からのお話の点でありますが、自作農創設特別措置法が施行されまして、耕作者の地位の安定をはかるという趣旨から、農地改革が前面に行われましたことは、ご承知の通りでありますが、何分にも全国の地主と小作人との間の所有権の調整ということに関連いたします関係上、農地委員会が買収計画を立てまして、しかも県農地委員会の承認を受ける。その買収計画及び承認に対しまして、地主の側からいろいろな異議が出ることが非常に多いのでありまして、ただ全部の地主の数から見ますと、非常に少いのでありますけれども、それにいたしましてもただいまお話のように、結局のところ農地委員会の決定に対して地方裁判所に取消しの訴えが出ましたのが、昨年度におきまして約二千件近く出ております。その中の大部分は、買収計画または買収決定に対する取消しの訴えでありますが、そのうち裁判所が農地委員会と反対の立場をとりましてそれを取消したという事案はごくわずかでございまして、その二千件近くのうち十八件、ほんのわずかであります。ただ仰せのごとく、たまたまそういう事例があつたものと存じますが、これは農地の地主の立場を考えまして、やむを得ない場合がかなりあるのではないかと思います。たとえば一時菜園のために土地を使わしているというような場合に、たまたま農地委員会で農地と決定してしまつた、そういう場合には地主の側を考えなくちやならぬという事例が、その十八件のうちにあるのでございます。それは最高裁判所といたしましては、裁判所の独立性を考えまして、裁判の内容に触れるということはございませんけれども、ただ農地改革全般の指導精神と申しますか、そういつた理念的なことは会同その他を通じまして、あらゆる機会に裁判官と意思の疎通をはかることはいたしております。ただ、ただいま猪俣委員の仰せられたように、逆に農地改革に反対の措置をとるような通達を出したというようなことは絶対にございません。それからただいまお話のように、小作調停と農地委員会の見解との関係でありますが、これはお話のように、調停委員にまず農地委員の中から選ぶという傾向が非常に多くありまして、全国約二万近くの調停委員のうち、農地委員の資格のある方で調停委員に選任されている数が約四千人あまりございます。そういつた事情から考えまして、農地委員と調停委員、さらに裁判所との関係は、かなり密接に意思の疎通ができているのではないかということは考えられるわけでございます。
○猪俣委員 今の御説明を聞きまして、たいへん了承したので、さもあるべきことだと思うのでありますが、二千件のうち十八件くらいしかないとしますと、今回の某地方裁判所に行われました判決は、私どもとしてはまつたく不可解千万な判決だと思うのであります。開放を受けた人間は十数年聞そこを賃借し耕作していた人間でありまして、しかしてその土地を取上げられると、ほとんど一町何反の耕作が、農業施設がないために不可能になるような、まつたく追い込まれた事情のものであつて、客観的に見まして、どういうふうに考えても開放することが至当であると思われる、地形上からもそうなつているのでありますが、それで農地委員会が、つまり自作農創設特別措置法の十五條の一号であつたか一号で解放したのだが、そういうようなことを問い詰めると、農地委員会と申しましてもしろうとの集まりでありますから、何か妙な返事をした、それによつてすぐ敗訴をさしたというような事案でありまして、私も相当農地改革の問題につきましては事案を取扱つたのでありますが、まことに異例な状態でありますので、どうも何か裁判所の空気がかわつて来たんだろうかというような疑問が出て来た。なおこれを政治的に見まして非常に重要なことは、これが敗訴の判決が伝わりますと、その村の地主連中が一齊に裁判をする傾向になつて来たのでありまして、これは大きな一つの問題であると思います。県農地委員会も非常に驚愕いたしておるのであります。有効妥当にやりました開放問題が、裁判所の判決によつてくつがえされた。そうするとどうせ取上げられる地主たちは、不愉快な思いで、ただ国法に従う意味でやつたのでありますから、裁判所がそういう態度なら、おれもひとつやつて見るというようなことで、続々とそういう訴訟問題が起つておる。そうするとこの開放問題が安定しないという状態がその村に起りつつある。これはもちろん裁判官諸公に対しまして、われわれが要求がましいことはできないのでありますけれども、いわゆる司法行政の部面として、十二分に司法の裁判官のそういう頭の問題につきましては、最高裁において監督指導をお願いしたい。むやみにあまりにささやかなる專門的な技術を弄しまして專門家ならざる農地委員会の決定を、片つぱしからひつくり返して行くというようなことは、これはどうも私は時勢に沿わない動向じやないかというふうに考えられるのでありますが、今お聞きいたしますれば、全国的にはまれな事案であるということで、さもあつてほしいと思うのであります。農地委員会は民主的な委員会でありまして、まず土地の開放のごときは、実際の経験に従つて決定いたしております農地委員会の意思を、まず裁判所も多分に尊重するという態度で進んでもらいたい。そういたしませんと、この開放問題は裁判所によつてくつがえされて行く、日本の民主化を裁判所がまずはばむ態度に出て来たというような印象を與えますことは、裁判所にとりましても私は遺憾なことだと考えまして、十二分なる御指導を願いたいと要望するものであります。具体的な例はここに遠慮して申し上げないことといたしておきます。 それから次の件は、やはり自作農創設特別措置法によりまして、いわゆる自作農としてここに登場した人たちに対しまして土地の名義の書きかえをする登記手続であります。これが現在遅々として進捗いたしません。地主とされたということになつておりましても、登記上はほとんどそれがはばまれておるという状態でありますので、その原因と、これに対する対策というようなものを、法務府の方々からお聞きしたいと思うのであります。
○村上(朝)政府委員 農地改革に伴う登記が予想通り順調に運んでおりませんことは、御指摘になりました通りであります。その原因につきましては、御説のように、この登記は都道府県知事の嘱託によつてやるのであります。その嘱託をいたしますにつきましては、農地委員会の協力を得なければ、都道府県知事としては嘱託書の作成が困難で、またその嘱託をする書類を作成する前提といたしまして、税務署における分筆合筆等の手続をまずいたさなければならぬというような関係もあります。ところが農地委員会もはなはだしく手不足であり、また税務署も手不足であるというような関係で、嘱託書の作成が遅れておりますために、自然登記の嘱託が出て来ない。従つて登記の進行が思うように行かないというような状況なのであります。その対策といたしましては、関係都道府県税務署等と協力いたしまして、極力促進いたすように法務府及び農林省が中心となりまして、各末端の方へ徹底いたすように、今なお努力を継続いたしております。最近少し嘱託書の出ますのがふえて参りました。この分ならば逐次成果を上げて行くのではないかと考えております。
○猪俣委員 今の御答弁によりますと、結局農地委員会なり税務署の方で、嘱託書の提出が遅れておるから遅れておるのだという御答弁のようでありましたが、昔は登記所といつたのですが、今の法務局の登記官吏なんかも、どうも嘱託書が出てもすぐ登記をしない。何だか山のように書類を積み重ねて、忙しくてできないというような状態で、さつぱり登記が進まぬということも聞いておるのでありますが、一体法務府といたしましては、登記に関する官吏は現状のままで、嘱託書さえ出るならばスムースにできるというお見込みなのでありますか。嘱託書が出ないからという御説明でありますけれども、われわれの聞くところによれば、どうも登記の官吏のところに相当つかえておるというふうに聞くのでありますが、それはいかがでありましようか。
○村上(朝)政府委員 嘱託書が出ますと相当厖大な書類になりますので、登記所はおおむね一人の登記官吏が登記事務を扱つております関係上、相当の日数を要する場合もあるかと思いますけれども、登記官吏のところで書類が停滯してはかどらないということは、あまりないように私の方では考えております。ただ心配いたしますのは、嘱託書が順次出て参りますと処理できますけれども、一度にどつと年度末あたりに固まつて参りますと、現在の登記所の陣容では処理が困難ではないかと思いまして、その点を心配いたしておるわけでありますが、先ほど申しましたように、極力嘱託書が順序よく出ますように手配をいたしておるような次第であります。
○石川委員 関連してお伺いいたします。政府が売り渡しを決定いたしました。そうして代金を拂い込みいたしました。けれども前の地主がその土地をすでに耕作しておりますために、まだ引渡さない。つまり小作人は借受けましても、耕地の引渡しを受くることができないというようなことがありますが、これに対して政府はどういう方針であり、どういう処置をおとりになるおつもりでありますか、もし具体的な内容、こういう事情で引渡しができなかつたのだということをお話すればおわかりでしようけれども、要するに政府が売つて、なおかつ売つた耕地を引渡しできないで、それでどうして政府の責任がとられるかということです。
○村上(朝)政府委員 ただいまの御質問の点は、実は私まだそういう事例がありますことを聞いておりませんのですが、農地改革の実行につきましては、農林当局で監督いたしております関係上、農林省の方へよく事情を聞いてみたいと思います。
○石川委員 農林省にはあとで聞きますけれども、具体的に法務府にも伺つておきます。昭和二十二年になりましてから、地主が不当に小作地をほとんど暴力で取上げたのであります。そうして地主が耕作しておりました。しかし昭和二十二年十月二十三日の基準に基いて政府は買収いたしました。買収いたしましたけれども、現に耕作しておるのは前の地主であります。すでに売り渡しも済みましたが、依然として耕作は前の地主によつて続けられておるのであります。そのために、買いました耕作者がその土地を引取ることのできない事件が岩手県によほどあります。そうして政府は何ともしてもくれません。そのためにせつかく買いました耕作人が困つておるのであります。そうしてみずから訴訟を出さなければならぬという事態にあります。そのために農林省では心配したようでありまして、調査には来ておりました。訴訟をやつてくれということで訴訟はやつておりますけれども、すでに売り渡し済み、代金も拂い込んだものでありますから、政府が積極的にこれを耕作すべき人に引渡してやるという当然の責任があると思います。それに対して、政府に対する法律上の意見を持つておるところの法務府は、何ら適切な措置をやつておらないかに思われます。御調査願わなければなりません。あとでひとつ御答弁を願います。
○村上(朝)政府委員 後ほどよく調査いたしまして御答弁いたします。
○石川委員 なお今猪俣君の御質問に関連して申し上げますが、そのときに引渡しの訴えを起して参りますと、代金を拂い込んだだけで、まだ登記が完了していないから、第三者に対抗することができないという條文で対抗して来るのです。ですから、どうしても登記は急いでもらわなければならない。もちろん私たちはそれに対して、一種の法律上の見解を持つておりますけれども、一応そういう抗議が出ておりますから、登記がただちにできるようにお手配をしていただかなければならぬと思います。あるいは農地委員会の準備ができなかつた、税務署の準備ができなかつた、こういうことのみではいけない。やはりその点は法務府がやつてくださることが一番いいのです。法務一府もその点努力していただきたいと思います。
○猪俣委員 民間の土地の売買は、登記と同時に代金の受拂いをするのが普通なんでありますが、政府になると、金だけ取つて名義はかえていない。これは大体社会通念から言つても、政府の怠慢だと言われてもしかたがないと思います。これはいろいろの予算の関係、人員の関係でやむを得ないことかと存じますが、このために、今石川委員が申されたようないろいろの問題が起つて参つておるのでありまして、これは農林省とも御相談の上、至急この土地開放を登記面からでも実現するように御努力願いたいと思うのでありま なお資料といたしまして、どのくらいの登記の件数があるのに、実際完了したものがどのくらいあるかという、その計数をお願いしたいと思うのであります。これは今日でなくてもよろしいのであります。 それから今の石川委員の発議と多少関連があるのでありますが、これはあるいは刑政長官に伺つた方がよいのかと思うのですが、これも私は日本農民組合の要望によりまして質問をいたすのでありますけれども、農地調整法の第九條、すなわちいわゆる耕作者から耕作権を取上げるという問題、これは処罰せられる規定になつているにかかわらず、この違反者があつて、これを告訴あるいは告発をいたしましても、ほとんど検察庁では取上げないで、ほつたらかしておるということがひんぴんとして訴えられて参つておるのであります。これもこの農地調整法の精神を蹂躙するものであつて、この九條の違反者のごときは、すみやかに調査研究いたしませんければ、いわゆる土地の耕作権の確立ということが阻害されるのでありますが、もちろん人殺しだの、どろぼうというような方が忙しいためもあるかもしれませんが、どうもこういう問題についてはほつたらかしになる傾向がある。そのためにたちの悪い人間は、なあに検察庁は何もしはしないというようなことで、その横暴を継続してやつておるという事例が多多あるのであります。私も最近三通も新潟県の方から、自分の選挙区以外からも手紙を受取つておるのであります。いくら言つても取上げてくれないという事案があるのでありますが、農地開放の精神を徹底せられまして、この農地調整法九條違反のごとき悪徳者に対しましては、検察権の発動をすみやかにして、かような不穏の行動が農地解放にまとわないように、特別の御配慮を願いたいと思うのでありますが、こういう問題については、何かあとまわしにしてもよいような御通牒でも出しておられるのであるか、検察の責任者は一体どういうふうに考えておられるのであるか、刑政長官の御意見を承りたいと思うのであります。
○佐藤(藤)政府委員 この前の国会においてもそういうお話がありましたので、とりあえず全国の検察庁に対しましては、農地調整法の違反事件については、民事上の解決をまつことなく、すみやかに事件を処理するようにという通牒を出しておる次第でありまして、仰せのように、そういう事件はすべて民事上の解決を先にして、検察当局の処分はあとまわしにするというようなことは全然言つておらないのでありまして、むしろ農地改革を促進するために、農地調整法違反の事件についてもすみやかに事件を受理し、これを処理するようにということを伝達しておる次第であります。
○猪俣委員 次に解散団体の資産処理の問題についてお伺いしたいのでありますが、これは具体的に申し上げてみたいと思うのであります。今私のところに陳情に参りましたのは、横須賀市ですか、海人会というものがあつて、久里浜にその海人会の久里浜支所というものが終戰前にあつたのであります。海軍の何かのものだろうと思うのであります。これがもちろん終戰後解散を命ぜられて、この海人会なるものは解散団体になり、その久里浜支所も拂い下げになつたのでありますが、この拂い下げの価格が本年の五月にきまつたのだそうであります。これは建坪の総数が千八百坪あり、棟数が十三棟あるのであります。土地の総坪数が四千八百坪ある。それに三十五馬力のボイラー二台、暖房装置が全館に施されている。炊事用の三斗釜が三箇ある。冷凍器二分の一馬力のものが一台あり、揚水機ニ台あり、その他おびただしい備品全部ひつくるめて五十五万円で拂い下げられている。その価格の決定も、どうも現在として私どもにはふに落ちないのでありますが、一体拂い下げはどういう人間にどういう方法で拂い下げられるのであるか、その辺を承りたいのであります。その機構と申しますか、方法と申しますか、解散団体の財産の処理につきましては、いかなる機関において、いかなる方法をもつて拂い下げを行うのであるかということについて、まずお伺いしたいと思うのであります。
○村上(朝)政府委員 海人会久里浜支所の土地、建物の処分の問題でありますが、海人会と申しますのは、元海軍下士官の福利のためにつくられました財団法人でございまして、昭和二十年の暮れに自発的に解散いたしました。その後財産を早急に処分することになりまして、昭和二十一年四月三十日に財団法人海人会が合名会社久里浜会館に譲渡したのであります。そのときの売買代金が土地、建物その他の工作物につきまして五十五万円であつたのであります。ところがその後財団法人海人会は、解散団体の財産の管理及び処分に関する政令によつて解散団体となりましたので、海人会の財産は国庫に帰属したことになります。そしてこの政令によりますと、解散団体がその前に処分した処分行為は、原則としてすべて無効になりますけれども、不当に低廉でない代価をもつてした財産処分は、例外として有効と認められることになつております。そこでこの処分当時の価格を調査いたしましたところ、当時施行されておりました土地建物等価格統制令による統制額が五十七万四千六十七円という額になるのであります。そこで売買代金五十五万円と比較いたしますと、この代金はごくわずか約四%ばかり安いと考えられますけれども、この政令の適用上不当に低廉であるとも言われないと思われますので、この海人会が合名会社久里浜会館に対して行つた売買行為は、有効として取扱つて参つたのであります。なおこの建物の中にありました備品、什器等の動産につきましては、同じく二十一年の四月当時、別個に海人会と久里浜会館の間に売買が行われておりますが、この方につきまして、これを政令の適用上有効として扱うか、あるいは無効としてそれを回収するかという点については、ただいまなお調査であります。 以上申し上げましたような事情で、国が久里浜会館に対して、海人会のものを拂い下げたという関系ではないのであります。
○猪俣委員 今の御説明ちよつと不可解なんですが、海人会の持つておつたものが、合名会社久里浜会館に五十五万円で売却された。そうすると、それは何人が久里浜会館に売つたわけでありますか。
○村上(朝)政府委員 財団法人海人会の清算人であります。
○猪俣委員 財団法人海人会の清算人が、合名会社久里浜会館に売つた。ところがその清算人なるものが一―これは合名会社でありますか、合資会社ではないのですか。
○村上(朝)政府委員 合名会社で、後に株式会社になつて、おります。
○猪俣委員 その合名会社のメンバーの最も重要な人間になつているのではないですか。なお言葉を変えて言えば合名会社なる名前は僣称で、この清算人の一人、旧海人会の事務長をやつておつた北川某というものが、名前をかえて久里浜会館という名前において、自分に売つてもらつたという形じやないですか。
○村上(朝)政府委員 その合名会社久里浜会館の代表者は北川菊松であります。海人会の清算人として、海人会を代表して売買行為をいたしましたのは、桑武彦という人であります。
○猪俣委員 その北川菊松なる人間が、海人会の事務長であり、実際は財団法人海人会なるものを運営して来た人物なのであります。それが合名会社というような名前にかえて、実際その北川某が事務をやつたのであります。その辺はもう少しお調べいただきたいと思います。なおこの合名会社久里浜会館が、今度は株式会社に売つたというのでありますが、それは幾らで売つたのでしよう。
○村上(朝)政府委員 合名会社久里浜会館が二十一年十月五日に、株式会社に組織変更をいたしたのであります
○猪俣委員 その株式会社の社長は、小田光治、淺野物産株式会社の専務である。今追放されている人物であります。そのまた株式会社久里浜会館の專務である柴田某、これは淺野物産株式会社の大阪支店長、これも追放された人物であります。それから常務というのが、合名会社久里浜会館をやつて、前から海人会の実際の実権を握つておつた北川菊松である。監査役が近藤百合子という女であるが、これは何か海軍大佐の未亡人であるとかいうことである。こういうものに今度はこの名前をかえて来たのでありますが、実は淺野物産がこれによつて巨額なもうけをやつたということは、世上一般に伝わつておることなんです。その組織を見ますると、どうも疑う余地が多々ある。第一点は、この動産についてはまだ御考慮のようなあれがあるのですが、一体いかなる品物が海人会に存在しておつたかということを、法務府ではお取調べになつたのでありましようか。実際存在したものの十分の一くらいしか申請しておらぬらしいのでありまして、他はみなやみ売りをやつてしまつて、莫大なもうけをしたらしいのであります。最近の事例でも、三十万円である物をある人に売つたが、その買つた人は瞬時にそれを百六十万円で他に売つておるという事実が、人名もあがつております。あなた方にこまかく申し上げて、人名を言つたつてわからぬと思うから、私は今読まぬが、みな調査が済んでおる。そして今また盛んにその動産を売り出しておるそうであります。一体そういう財産の監督というようなものは、どういうふうな方法でやつておるのでありますか。とにかく終戦のまぎわに、そういうふうな国家の品物を、われわれの膏血をしぼつてつくつた国家の品物を、一、二の野心家のために、ただみたいにしてみな売却せられて、それがまた現在まで盛んにやつておる。盛んに今まだ品物を売つておるそうであります。繊維製品その他多大にある。いま一点聞きましよう。この海人会に元存在しておつた品物、動産なるものの申告は一体どこへやりますか。どこへ行つて、何人が監督し、実際存在するかどうかを調査するのであるか。その機構をひとつお聞かせ願いたい。
○村上(朝)政府委員 解散団体の財産を占有している者が住所地の都道府県知事を経由して法務総裁に報告しなければならないということになつております。本件につきましては久里浜会館の取締役社長小田光治から二十三年の九月十七日に報告書が出ております。
○猪俣委員 その報告書について、実際それだけであるのか、他にあるかというようなことは、法務府としては調査なさらぬのであるか、報告されたままを、そのままうのみにされて許可されるのであるか。その点を承りたい。引合いをなさるのであるかどうか。
○村上(朝)政府委員 この報告書以外に海人会の動産があつたかどうかということは、今まで調査いたしておりませんが、もし御指摘のような風評がありますならば、調査いたしたいと思います。
○猪俣委員 はなはだどうも間の伸びた話だと思うのでありますが、昭和二十一年からのものであります。今調査に行かれても、真相はわかるかどうかわかりませんが、もう明らかに動産として自動車が四台あつたのが一台もない。しかもこれは警察に申告しておりますから、警察を調べればすぐわかる。それから金庫とか、散髪用のいすとか、寢台とか、食堂の什器類、これが一切なくなつておる。こういうものは申告してない。かような一見してすぐわかるようなものさえ、申告しないで、みな他に売り拂つてしまつておるらしいのであります。これは備品原簿があるはずであります。あつたのを現認しておる人が私に話しておるのであります。これは法務府でひとつ検察庁に連絡しまして、今夜でも手配りしませんと、焼き捨てるおそれが十分ある。これはもう発覚したのであります。私は写真をとるように命じまして、今写真をとつておると思います。しかし検察庁の方からすぐこれを何とか手配していただきませんと、十分の一も届けてないそうです。そしてこれをみなやみ物資にして今流しておる。莫大なものである。とにかく当時の物価で――あなたの御答弁によりますれば、統制令があるかもしれませんけれども、とにかく五千坪の土地と千八百坪の家屋十三棟、これに一切の備品をつけて五十五万円、ただもらうようなものだ。そんなものなら借金しても私は買いたいと思う。(笑声)これはおそろしいことだと思う。それでしかもこの拂い下げするのは、何かドレスメーカーの学校を建てるとかいうようなことを名目にしておるのだそうたが、そんなものはやらないで、映画館に改造するとか、洗濯屋に一坪三百円か五百円の賃料で貸す飲食店には貸すというようなことをやつておる。その経営者はみな追放組の淺野物産の重役だ。こういうことではどうも世論は納まらぬと思う。法務府の名誉にかけまして、これはひとつ嚴重に御調査を願いたいと思うのでありますが、これは敏速にやつていただきませんと証拠書類をみな隠匿されるおそれがあるのであります。法務府におかれましても、たいへんな問題を引受けておられるので、御苦心のほどを察するに余りあるのでありまするけれどもただ彼らが申告したことを漫然と処理なさつておるのでは、私は法務府まで持つてきた意味がないと思うのであります。それを実地に御調査なさるのが法務府の責任ではないかと思うのであります。そしてこの中心人物が、この海人会を戰前から牛耳つていた北川菊松という者であつて、これが実際の清算の事務をやつた。それで合名会社久里浜会館というので、名前は自分の中心の会社に名前をかえて、なお世論がうるさいものだから、株式会社というものにかえて、そして淺野物産の重役どもを持つて来て、会社にした。そしてこの会社が非常に不当なもうけをやつたというようなことは、実に私は普通のやみ商人なんかよりは、なお悪質なるところのやり方ではないか。こう考えられるのでありまして、私の方では相当調査をしてありまするが、法務府におきましても至急御調査願いたいのでありまするし、なおまた御協力を求められれば、私の方の資料も出してもよいと思うのであります。その御調査を至急なさるかどうか、御決意のあるところを一言承りたい。
○村上(朝)政府委員 できるだけ敏速に調査いたします。
○梨木委員 その問題に関連してちよつとお尋ねいたします。この二十四年度の補正予算を見ますと、法務府所管で、民事法務部といたしまして、解散団体の財産接収等に必要な事務費の不足を補うためということで、九千二百四十七万三千円を計上しておるのでございます。これはことしの当初予算に比べますと非常に莫大な金額であります。今猪俣委員のお話を伺つておりますと、一体解散団体の財産の接収などで非常な怠慢があるということが明白になつた。またこういう厖大な予算を計上して、これは何に使うのか、非常に疑問にたえないのでありますが、その明細を伺いたい。
○田中(治)政府委員 ただいまのお問いにお答えいたします。ただいま御指摘になりましたように、朝連関系の財産接収のため補正予算を要求しております。その内容は、ただいま資料を持つておりませんので詳細申し上げることはできませんが、大ざつぱにわけて申し上げますと、御承知のように朝鮮人連盟、それから民青、この関係は非常に複雑でありまして、しかもその機構は全国に及んでおります。従つてその仕事は全国の都道府県においてございまして、しかも複雑と先ほど申し上げましたその内容は、各府県に本部があり、その支部があり、そうしてその下に班があるのであります。各府県におきましても各地に及んでおります。しかも財産の接収でありますから、一時にこれをいたしませんと財産の逸散をするおそれがありました。名地にいろいろな手配をいたしましてこの接収の事務に当つたのであります。そのために非常な手数と非常な費用がかかり、各都道府県に配付すべき予算が出ておりますのと、本部におきまして、それに伴います多少の予算が必要であつたので、そういう計数を得たわけであリます。
○梨木委員 そうするとこの増額は、朝連並びに民青の解散に伴う財産接収等のことが主たる原因になつて、こういう多額の費用を計上したというように伺つてよろしいわけでありますか。
○殖田国務大臣 それは現在持つております予算を使いまして、この年度内の予算の不足を生ずるおそれがあることがはつきりいたしましたので、それを補正いたしますためにそれだけの予算を計上いたしたのであります。実際には不足いたしましようと思いますけれども、ほかの方面を倹約いたしまして、まずその程度で埋合せをつけたいと考えまして、予算を要求いたしたのであります。
○梨木委員 それでは次に伺いたいと思いますが、この解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令というのがありますが、過般の朝連並びに民青の財産の接収に関する手続の実際の扱いを見ておりますと、まちまちでありますが、私が二、三経験いしたところでは、富山県と石川県でありますが、最初何にも書類を持つて来ないのであります。解散団体に指定されたというあの告示書の写しのようなものを持つて来まして、これをもちまして、その場で家屋の接収とか物品の接収というものをどしどしやつておるのであります。これは、今申し上げた解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令のどこを見ましても、こういうことで財産を接収し得る法的根拠というものはないのでございまして、そこで当事接収にあたりまして、法務府といたしましてはどういうふうなやり方で接収するようにと指示されたのか、これを伺いたいと思います。
○田中(治)政府委員 お答えいたします。私の方の所管で接収の事務をいたしております。この接収といいますのは、御承知の通りに引渡しを求めることと、保全の処置をすることの二つにわかれておりますが、これは必ずしも文書によることを要しないのであります。私の方といたしましては、この引渡し保全の処置をとるにあたりましては、その局に当る各都道府県の係員は、文書をもつてその事務に当るように指示をいたした次第であります。
○梨木委員 文書をもつて事務に当るようにしたという今のあなたの御答弁だと、保全処分としてやつた、こうおつしやるのですが、保全処分として財産の引渡しを求める場合に、引渡し命令書というものは必要だと思うのでありますが、あなたは必要ないとおつしやいますか。
○田中(治)政府委員 私の申し上げました引渡し命令と保全命令というのは違つておるのであります。引渡し命令と申し上げますのは、御承知の通り国庫に帰属したものをただちに法務総裁が引渡しを求めるなり、解散団体の持つている財産が多数に及びまして、それが逸散したり毀損したりされるおそれがある場合におきましては、御承知の六條によりまして、保全の命令を出すわけであります。従つてこの引渡し命令と保全命令は意味が違います。そのように御承知願います。
○梨木委員 ですから第六條の保全の一つの方法として引渡しを求めたというのは、過般の九月八日の財産接収のやり方であつたのではありませんか。
○田中(治)政府委員 引渡し命令を出したところもありますし、梨木委員のごらんになりましたのは、私の申し上げた引渡し命令が出ていないので、おそらく保全命令で物の引渡しを求めたものではないかと思います。
○梨木委員 そこで保全の方法として引渡しを求める場合でも、解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令施行規則の第二條が準用せられねばならないと思うのでありますが、引渡し令書というものを交付して、そうしてこれによつてやらなければならないと私は解釈するのでありますが、いかがですか。
○田中(治)政府委員 ただいま御指摘になりましたところと少し私ども見解が違います。御指摘になりました施行規則の二條による場合は、令第五條の規定により、法務総裁が解散後引渡しを命ずるとありまして、私の申し上げております令六條の場合には、これが適用にならないと私ども考えておりますので、そのような処置をいたしました。
○梨木委員 でありますから、第六條の場合は、これは解散団体の財産を保全するため、必要の措置をとることができるとあつて、その保全の一つの方法として引渡しを求めておるのでしよう。だからこの場合はやはり保全処分として掛渡しを求めるのだからといつて、引渡し命令書も何もなくて人の財産をかつてに持つて来られるのでありますか。それでは強盗と間違えていろいろ抵杭してもしかたがないじやございませんか。しかも引渡し命令書を持つて行く場合には、身分の証明書を持たせることになつているのでありましよう。こういうものも何も持つて来ておらないのですよ。一体これが適法な引渡し財産の梓収のやり方といえるでありましようか、そこらへんの所信を伺いたいのであります。
○田中(治)政府委員 ただいま申し上げた通り、六條の場合には引渡し命令書はいらないのであります。御承知のようにこういう財産接収に当ります者は身分証明書を携滯することになつております。おそらく事務局におきましては、そういうものを携滯するように指示しておりますし、用意もしております。今回の接収に当りました者は、身分証明書は持つて行つておるはずであります。また持つて行つていないことをまだ聞いておりません。それから第六條の御解釈の点でありますが、私どもの考えでは、第六條の保全処分というのは、先ほどから申し上げております通り、財産の毀損を防ぐために必要なる措置をとることができる。必要なる措置と言いますのは、具体的に申し上げますと、たとえば封印することもそうでありましよう、あるいはある一定の場所にそれを移しまして、それに適当なる保存の方法を講ずるのも一つの方法でありましよう。従つてそこにありますものを引渡しを受けて行くことも、保全の処置の一つの態様であると考えております。
○梨木委員 それじやもう少し具体的に伺います。実際全国的に朝連財産の接収をやりましたのは、具体的にはもちろんいろいろあるでありましようが、どういうふうにやつたかということが、統計的に何か資料が集まつておると思うのであります。それは相当複雑多岐にわたつておるだろうと思いますが、その資料があるかどうか、あつたら御報告願いたいと思います。
○田中(治)政府委員 お答えいたします。御指摘になりましたように全国に及んでおりますので、財産の範囲は非常に広いのであります。しかもその土地土地の状況によつて保全処分をやつて参りましたので、必ずしも全国画一的にすべてが同じだとは申し上げかねると存じます。従つて土地によつて多少の違いがあることは当然であります。その接収の方法、状況については各都道府県からの報告に接しております。しかしながらいまだそれを統計的に分類をして、表につくつているという程度には参つておりません。
○梨木委員 今の御答弁でありますが、あなたはそういうことをおつしやいますが、私が実際接収の現場に当りました石川県並びに富山県においては、全然そういう身分証明書というものを持つて来ておりません。名刺を渡しただけであります。そこで問題が起つておる。ところがその問題の起つたのは公務執行妨害で、今金沢では三十名くらい、横浜では二十名くらいの入が起訴されております。保全命令の場合には、引渡し命令書はいらないとあなたはおつしやるが、しかし実際私はこの点を追究した。引渡し命令書も何もなくてどうして引渡しを要求するのかといつて追求すると、そのときには何も持つて来ておらない。ところが数時間の後にそれをつくつてつ持つて来て――持つて来たのではなくて、持つておる、持つておるといつて逃げておりまして、とうとう県庁へ行つて追い詰めたところが、どうもその間につくつたらしい。その県知事の名前で命令書をつくつで持つて来ておる。これが石川県の例の場合。それから富山県の場合は、九月九日付で引渡し命令書を出しておる。ところが実際引渡しを執行したのは九月の八日である。そういうようにやつておるのでありまして、末端や現場におきましては、貴重な財産の接収というものは非常に乱暴に行われておるのが事実でありまして、これはもう少し出先の接収についての詳しい御報告をとつてくださらないと、非常に弊害が起つておるのであります。もう少しお伺いしたいこともありますが、本会議があるそうでありますから、次会に質問を留保して、この程度で終ります。
○田中(治)政府委員 私の方といたしましては、今御指摘になりましたように、非常に重大な財産の接収に対しましては、愼重の上にも愼重を期してやるように指示しております。石川県、冨山県に起りましたような、ただいま御指摘になつた事実は聞き及んでおりません。そういう事実がありますならば、今後注意いたしたいと思います。ただいま仰せになりました引渡し命令書をあとでつくつて持つていたという事実がかりにありといたしますれば、それはさきに申しましたように、本来いらないものであります。それを念のためにつくつて行つたものだろうと想像いたしております。これはなおよく調査してみるつもりであります。
○花村委員長 本日はこの程度で散会いたします。 午後三時四十六分散会