文部委員会 第9号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/11/24
会議録
○原委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。教育委員会法の一部を改正する法律案について、全国教育委員会連絡協議会議長山崎匡輔君、都道府県教育長協議会議長、東京都教育長宇佐美毅君、日本教職員組合代表坂尾徳太郎君の三名を参考人に指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたしました。 これから参考人の御意見を徴することといたします。山崎匡輔君。
○山崎参考人 最初に御了承願いたいと思いますることは、ただいま委員長の御紹介にありましたように、全国教育委員会連絡協議会議長としての御呼出しのように拜聽いたしましたが、お話を伺いました時から今日までの、時間的余裕がございませんので、私は協議会に意見を徴するいとまがなかつたのでありまして、従つて今日ここで私の申し上げますることは、山崎匡輔一個の意見だけでございまして、全体の協議会の意見をまとめてここで申し上げることができないのでございます。その点はいかがでございまししようか。委員長からお諮りを願いたいと思います。
○原委員長 ただいま山崎匡輔君から御発言がありました、一個人としての山崎君でさしつかえございませんか。
○今野委員 先日私が東京教育庁へ参りましたときに、何か東海、北陸などの委員たちが修つて、やはりこの問題について、大部分がブロツクとしての意見がきまつているから、各方面へ陳情に行くのだということで集まつておつたのですが、そういうような動きが各方面にあろうと思います。こういうことでこの参考人が呼ばれることになつたわけでありますけれども、特に教育委員会並びにその下にある教育長お二人がここに来ていらして、私見ということになると、どうもまずいのではないかということを、この間の理事会でも話し合つたわけであります。できるなら全体の意見をまとめて来ていただきたいということだつたのですけれど、その点で個人の意見では不適当のような気がするのです。
○千賀委員 今野君の御意見のあつた通りにすれば、これからどれだけの時間がかかるか、はかり知れません。たとえばこれに十日、二十日を費しましても、まだおれの方の意見はあそこに吐いていないというような文句がついて来て、それをまたやり直すということになる、結局だめである。そこでわれわれは参考人の三君の方の意見によつて、われわれはすべてのこれから審議せんとする問題を、制約を受けるわけではありません。ただわれわれは自分らの参考といたしまして、また一つは自分らの信念に対する心のかてとして、その御意見を聞きたいということでありまして、御謙遜から、自分は個人としての意見を言うほかにしかたがないのだと言われまするけれども、やはりその職責上からいたしますれば、毎日のおつきあいその他の関係からいいましても、相当多数の人の意見を代表しておるわけだと思います。ただこれは法的に、あるいは手続上異論が出たときにという責任上の問題から、個人の意見として聞かれたいというわけなんでしようけれども、その点は個人であろうが、手続を経ない意見であろうが、われわれにとつてあまり大きな問題ではありません。現在身を置いていられる位置の上からいつて、比比較的この人はその会の意見に一番触れておる方だという意味で意見を聞けば、私はけつこうだと思います。
○松本(七)委員 先般の理事会でも問題になつたよううに、できればこの連絡協議会の意見をお聞きしたいわけですけれども、時間の都合でそういう意見が持つて来れないと言われれば、しかたがないと思います。それでこれは聞く方の側で個人の意見として含んで聞けばいいし、また千賀さんの言われるように、大体ここで聞いたところで、全体の意見と判断される場合もあろうと思います。それはわれわれの判断にまかせてもらつて、せつかくおいでくださつたのですから、一応個人の意見という前提の上でお聞きしたらどうかと思います。
○原委員長 いろいろ御発言がございましたが、山崎さんの御発言は個人の資格として御発言するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 それではさよう決定しました。
○山崎参考人 それではお許しを得まして、私個人の意見を申します。 なお先ほどの御意見の中に東北地区のブロツクで、ある一定の見解をもつて嘆願をする運動ということで、御上京になりました事実はございます。これは去る木曜日でございまして、ちようど一週間前でございます。全国教育委員会の連絡協議会を招集いたしますのに、全国のブロツクの人に通知を出しまして、あらかじめ時間のゆとりをとつて、そうして御上京を願つて御相談しなければならない、いかにもそういうゆとりがございませんことを、あらためて皆さんに申上げて、御了承を願いたい。なお本委員会に出席するようにという御内示がありましたのは、四日前でございまして、その間に休暇もございますので、私といたしましては、いかんともいたし方なかつたということを御了承願つておきたいと思います。 なおこの改正案につきまして、一通り拜見いたしたのでありますが、時間の制約上、ごく端的に一部分の問題を申し上げてみたいと思います。 第三十二條に「委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後においても同様とする。」こういう條項がございます。この條項につきまして、多少異論のある向きがあるように考えられるのでありますけれども、これはどういたしましても、一つの責任を持つた公務員として行動いたします場合には、ほとんど例外なくこういうことは規定されることであろうと思うのであります。またこういうふうでなくては、実際委員会を運営いたしました過去の経験から考えましても、委員会を運営して行く上におきまして、はなはだしく不便を感ずるということを私は経験いたしております。このことをここで皆さんに申し上げたいと思うのであります。 それから第五十條の三「教育長は、教育委員会の行うすべての教育事務につき、助言し、推薦することができる。」以下五項目までございます。大体の項目から見ますと、いかにも教育長の権限が非常に拡張したように見える向きがございますので、この点に関する反対意見を、実はしばしば耳にいたしております。私どもの過去一年間の経験から見ますと、教育委員は、自分の本職を待つており、その余暇に教育の事務に從事するのであります、ところが実情においては、実に教育の事務が厖大でありまして、全責任を持つてやることにつきましては、どこまでも責任は持つのでありますけれども、仕事を処理して行きます場合において、ある程度教育長にはつきりした職務権限を與えませんと、教育長も困るでありましようが、教育委員会も実は困るのであります。例を東京都にとりましても、校長だけでも千六百人ございます。この千六百人の人をわれわれが短時日の間にことごとくよく知り、そしてそれに徹底的な知識を持つて事に当るというようなことは、私はとうてい神様でもできないことのように思つているのであります。一つの事務機構を通じまして、教育長が相当にそれに対しましての資料を集め、そうして仕事をして行かなければ、とうていわれわれといたしましても、晏然としていることができない。いわんや、一人々々に対しての処置というようなことまで考えておりましては、ほとんど仕事にならないのであります。大体において教育委員会に付議されるところの問題が、私どもが考えますには、いま少し大綱において散らないような行き方にして行かないといけないので、ある教育関係の指令部の人が、われわれの委員会の討議の中に、小学校の窓ガラスの問題を討議したといつて、たいへんやじられたのであります。ああいうことは論議を用いないで事務職員にまかせてもできいるではないか、教育委員会のやり方がそういうこまかいところに入つては、ほとんど仕事にならないだろう、こういうことまで私は言われたことがあるのであります。実際われわれが教育委員会に従事しておりますと、やはり事の大小をすつかりわけて仕事を進めて行きたい。ただこの五十條の三で書かれました問題を見ますのに、教育長の職務権限の拡張というふうには、実は私には感ぜられないのであります、むしろ教育長の職務をはつきり明確にしたというふうにとれるのでありまして、こういうふうにして行つた方が、大体において教育委員会の運営においてはよろしくはないだろうか、こういうふうに考える次第であります。 このほか教育委員といたしましても、今度の條項には、教育委員がいかに行動しなければならぬかということが、前よりはつきり書いてありますし、教育委員としての責任もはつきりして参ります。要するに案全体を見ますと、教育長並びに教育委員のなすべき行動が、前より非常に明確化した、私はこれでことごとく盡きたとは考えられませんけれども、今度の改正案の方が、前より明確化したという印象を受けたということを申し上げる次第であります。 ただここで全般的に、私が今後の問題として委員諸兄にお願い申し上げたいと思いますことは、財政問題のことでございまして、それと地方議会との間の関係でございます。これは大体旧法とほとんど同じようなことでありまして、地方議会が最後の教育費の支出の決定をするように拜見いたすのであります。ただこの中で前と違いますことは、その意見が違つておりましても、いつも教育委員会の意見を付して地方議会に出すことを常例とするという言葉が入つておるように思いますが、おそらくそういうことはあまり常例になりませんで、大体の了解を得て、そして教育費の支出は財務当局におきまして、これでさしつかえないというところで地方議会に出しておるそういうような意味におきまして、意見の反対が表まで出るようにはなつておらないということが実情でございます。そおういうことは、法の精神とはなはだしく違つておりますけれども、運営上どうしてもそういうふうな形になるということを、皆さん方のお心の中へお入れを願えれば、非常に仕合せでございます。従つて私個人の意見といたしましては、これは現在のような形であつては、とうてい法の精神を現わすような形には、この法令をもつて行くことはできない、従つてこれは地方自治法という他の法律との関係がございましようと思いますし、また税法との関係もあろうと思います。将来シヤウプ博士の勧告によりまして、平衡資金その他が支給されるような場合も、また考慮されるでありましようが、いずれにいたしましても、教育費というものが、教育委員会において自主的にはつきり要求する権利があまりに薄いということであります。もちろんただいまのように、地方の財政と教育費というものは、非常に密接な関係にありますので、地方の財政負担の点から考えまして、かつてに教育費だけ独善的に考えて、その予算の獲得権というものを認めることはできないのでありますけれども、何らかの形におきまして、ある制限とある標準と、そういうようなものの範囲において、教育費が教育委員会にある程度の自主権が実際に行われるような法律ができますことを、本参考人は念願しておる次第であります。 なお、つけ加えて申し上げまするならば五大都市の教育委員会と、それからその五大都市のあります都道府県の教育委員会との間に、どう考えましても、いろいろの意見の疎通を欠くような実情がございます。これも委員諸兄の御参考に申し上げたいと思うのであります。五大都市の教育委員の取扱います教育の数量というものは、相当大きいのでございまして、あるいは地方によりましては、都道府県の一県の取扱います教育事務量、あるいは教育費の量にも、はるかに増したような形のものがございますので、そういうような点から考えますと、都道府県の委員会と五大都市の教育委員会というものと、それから普通の市町村の教育委員会との間には違うところのものがあると思うのでありまして、法制上そういうふうなお取扱いを願えるように、今後とも御配慮を願えるならば、私はたいへん仕合せだと思うのであります。 なお、はなはだ小さな問題でありますが、教育委員の任期などは、選挙をいたしました時から起算されるように考えておりますし、教育委員会の成立は、その選挙を行いました十月一日ということになつております。そこらにも多少——これはあまりに小さなことで、御参考にもならぬかも知れませんが、何かそこに全体として統一されない、時間的のずれと申しますか、そんなものがあるように考えます。 はなはだ不勉強でございまして、皆さん方の御参考に相ならなかつたかと思いますが、私の大急ぎで拜見いたしました個人的の感想を述べまして、御参考にしていただきますならば、非常に仕合せであります。
○原委員長 次に宇佐美毅君。
○宇佐美参考人 先ほど委員長が、都道府県の教育長協議会という肩書でお話がございましたが、実は都道府県教育長協議会というのに、本来の二月二十五日に成立をいたしました。その後、たしか五月だつたと思いますが、総会の席に、関係方面から、教育委員会法の改正ということが問題になつておるので、協議会として改正の意見を出してはどうかという勧奨があり、その後、これは都道府県の教育長だけでございますので、五大都市の教育長にも意見を出すように伝えてほしいというようないきさつもございまして、各教育長としての技術的な、あるいは事務的な団体としての協議会が検討を加えまして、七万の末ごろに文部省その他関係の方面に提出をいたした次第でございます。その内容につきまして、大体金国の教育長の総意と考えますので、それを申し上げたいと思います。 約十三項目にわたつているのでございますが、その前提といたしまして、多少考えがまとめられているのでございます。それは教育委員会法ができまして、まつたく新しい制度としてわれわれがこの育成に直接当つて参つたわけでございますが、なかなかこの精神かり運用というものが一般に徹底しない。あるいに規定から見ましても、不備なところもございまして、これを正しい制度に、所期するように運営するという面について、これは委員各位初め、関係者は非常に苦労をいたして参つたところでございます。ところでその後、いわゆる日本の税制制度の改正が企図せられまして、シヤウプ・ミツシヨンによる勧告が行われたりでございますが、この案をつくるときには、そういつた問題についてのまだ見通しが立ちません。その財政の立て方とこの教育委員会の制度というものを切り離して考えることはできない。ただいま山崎委員からもお話がございましたように、一年間苦しんで参りましたことは、財政の問題だつたわけでございまして、これらの問題と、今後特に地方の財政、税制、こういうものとのにらみ合いを考えずに、この委員会制度を考えるということは、ほとんどできない。しかし今はこれを見通しすることが、困難なので、現状において意見を出すことを断つてあるのでございます。 第一の問題は、地方委員会の設備單位についてということで、現在の法律の第三條に関係する問題でございます。すなわちただいまは、都道府県市町村まで設置される。ただ市町村につきましては、時期的なずれがあるのでございますが、これを将来どう扱うかという問題についてでございます。これらにつきましては、非常に論議があり、また結論の出しにくかつた問題でございますが、町村ごとにこれを設置するということは不適当であるという結論が、大多数であつたのでございます。但し市にこれを設置することは適当であるという結論に相なつておるのであります。しかしながら、町村に将来設置しないという場合に、都道府県及び市だけにとどめてよろしいだろうか、教育行政の地方分権という建前から、そこにとどまつて、はたしていいだろうかという問題が起つたのでありますが、それはさらに下部におろして、地方事務所あるいは郡といつた單位において教育委員会というものが設置されていいのではないか。しかしこの問題は、設置する方法について非常に実際上困難が生じますので、郡のような地域においても、町村の一部事務組合のような姿における教育委員会の設置は、将来非常な紛淆を来すというような考え方で、いずれにしてもこの際は一応都道府県の教育委員会の出先的な考え方で、これらの選出をせられた人たちが、その地方に適合するような教育、住民の意思を反映させたものを加味して、将来それが一つの有機的な売込を遂げる段階を期待しておるのであります。このことは当初におきまして、日本の今後の地方財政のあり方と、また現在の市町村の区域をそのままにした地方自治制度との関係が出て来る問題でございまして、教育行政について課税権を持ち、あるいは学校の自治的な働きをする一つの教育自治団体というものを考えますときに、そこに現在の地方自治制度というものとの関係を考えなければいけないという議論が相当出たわけで、結局ただいま申し上げたような結論に到達いたしたわけでございます。 それから第二の問題は、私立学校と教育委員会との関係でございます。現在教育委員会は、私立学校を取扱わないという考え方になつております。この問題につきましては、いろいろ経過もあるようでございますが、実際問題といたしましては、仕事の上で非常に二重になる場合がございます。特に大府県大都市のようなところにおきましては、私立学校が非常に多く、同じようなことを知事と教育委員会が重ねて行い、経費の問題からいつても非常な問題であり、その方針から言いましても、受ける学校側からしましても、非常な問題が起ることがあるのでございます。小さな私立学校の少いところに参りますと、そのために知事に一つの機構を持つということが、非常にむだと申しますか、むずかしい問題がございまして、と実際問題として知事から教育委員会に委任した形において仕事をやつておるのが多いのであります。こういうようなことでございまして、今公立学校、私立中学を、一つの機関で扱うことが困難であるならば、知事が私立学校の仕事を教育委員会に委任し得る合法的な根拠を與えてもらいたいという声が相当ありましたので、この問題が提案せられたのでございます。 それから第三は、教育委員の任期の期限の問題でございます。これは新しい改正法律案にそのことが入つておりまして、特に詳しくは御説明申し上げません。新しい法律の第八條二項のいわゆる任期満了の但書を加えることになつたのであります。 それから第四番目は、教育委員の被選挙権等について意見が出たのでございます。現在の教育委員につきましては、通称教育知事とも称せられておりまして、知事と同様な考え方になつております。選挙関係におきましても、委員会法十二條において、選挙区を設けないというようなことがございますが、被選挙権の問題になりますと、知事は三十歳以上としてございますが、委員会法によりますと、第二十八條によつて、委員の選挙については地方議会の議員並ということになつて年齢が低まつておるのであります。こういうような関係から、知事と同様に被選挙権を年齢三十歳以上にしてはどうかという意見でございます。 それから第五は、教育委員候補者の六条二項中の改正案として、ここに改正法律案が出ておりますが、六十人以上の推薦を必要とするということになつておりまして、最高の規定はございません。そのために相当事前運動の問題が起つた例もあるようでございまして、六十人以上百人以下という、最高限を規定する必要があるというふうに意見がまとまつておるのでございます。 それから第六は、教育委員の服務に関する問題でございます。この改正法律案によりますと、三十二條に祕密の漏洩問題が規定されておりますが、協議会の方といたしましては、この問題は教育委員が公務員として、何か公務員法等において明確になつているのではないかという意味において、直接に触れてはいなかつたのであります。ただ地方公共団体の長と同様に、地方自給法の百四十二條と同趣旨の規定が必要ではないか。すなわち「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体に対し晴負をし、又は当該普通地方公共団体において経費を負担する事業につきその団体の長若しくはその団体の長の委任を受けた者に対し請負をする者及びその支配人、又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役若しくは監査役又はこれに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない」というような意味のことがやはりあつていいのではないだろうかという意見でございます。 第七は、委員会と教育長との関係についてということでございます。この問題は、教育長が集まりますごとに、非常に問題が出て、関係方面に質問が一番多い事項であるわけであります。法律の建前は、申し上げるまでもなく、七人の委員が会議体をもつてやるのであつて、しかもその会議体は月一回これを開くというような建前になつておるのであります。従つて毎日出勤をして、たとえば公共団体の長のような仕事の仕方をするのではないという性格でございます。言いかえますと、大きな基本的な問題について審議する、方針を樹立するようなことが主として考えられる。一切の事務を常時出動して処理をするということでない以上は、そういうふうに考えざるを得ない。従つて日常の事務は、教育長以下教育委員会事務局の者において、これを執行するというような建前になつておると考えられるのであります。法案におきましては、過去における修正の経過もありまして、そういう考え方でない動きもございます、また実際に関係方面からの指導は、今私が申し上げましたように、なかなかこまかくこれが指導せられておりまして、実際その衝に当りまする教育長といたしましては、法案の明確でない点において、非常に困つた感じを一様に持つたわけでございます。これらの点につきまして、委員会の本質的な性格を、はつきり法案においても出していただいて、お互いの責任をはつきりして仕事をして行くということにしなければ、非常にやりにくいということでございます。いろいろこまかい例を申し上げますと、たとえば一つの事業をいたしますのに、主催を教育委員会の名においてするというようなことにつきましても、それはいけない、直せというようなことも、過去においてしばしばございますし、なかなか実際に当ります者といたしましては、これを法律においてはつきりとしていただくことが、今後の委員会の発達上最も必要であるという考え方から、結論といたしましては、今申し上げましたようなことを要約いたしまして、委員会と教育長との権限関係を明確にしてもらいたいという要望を出しておるのでございます。 第八は、事務局の部屋でございますが、これも新しい法案の四十四條関係の第一項中「会計及び土木建築に関する部課を除く。」その他においてこの趣旨が法案に出ておるのでございます。 第九は、教育委員会の事務委任権の問題でございます。新しい法律案におきましては、委員会がその権限に関する事務の一部を教育長に委任し、あるいは臨時に代理させることができるということでございます。また教育長が、学校その他の教育機関の長に委任ができるという規定になつております。協議会といたしましては、その問題はもちろん含んでおりますが、それよりも都道府県の委員会と市区町村の委任関係のことを明確にしていただきたいということであります。従来知事が教育行政をいたします場合に、市区町村に一様に根拠を持ちまして、ある仕事を担当委任しております。こまかいことを申しますと、たとえば学校長が管外出張をするのに一々知事の承認がいらないで、市区町村長限りでいいというような委任規定があります。ところが教育委員会法におきましては、その委任の根拠がございませんために、市区町村に仕事を委任することができないのでございます。従来の知事が委任しました規定は、法律の附則によりまして、当分効力があるという解釈でそのまま使つておりますが、しかし時代に合うように改正することもできない非常に変な状況になつております。これらの点の何か根拠をもらいたいというのが第九の意見でございます。 第十は、委員会の極限の範囲の問題でございます。四十九條関係でありますが、これも従来知事と教育委員会の仕事の分野が、はつきりしない問題が相当ございまして、いろいろ紛議をかもしておつた例があるのであります。社会教育、学校衛生、学校給食、福利事業、募集図書の取扱い等が問題になつておりますが、これも新しい法案に大体その趣旨が盛られておりますことは、われわれといたしまして非常にありがたく考える次第でございます。それから財産の処分の問題につきましても、委員会法と地方自治法との関係が明確でない点がございまして、これらり扱いにつきましても、場所によりましては、非常な紛議をかもした例がございます。これらにつきましては新たにある程度明確にしていただくことになりますれば、非常に仕合せに存ずるところでございます。 それから第十一は、学校教員の人事等に関する協議会の問題でございます。委員会法の五十一体及び四十九條第五号の問題でありますが、これは各都道府県委員会と地方委員会との間におきまする人事その他共通の問題について、協議会を開くことができることになつておりますが、その運営が、先ほど山崎教育委員のおつしやいましたように、特に五大都市等におきましては運営上非常に問題が起こつておりまして、この間の運営につきましては、都道府県の方の委員会が大体方針を決め得る根拠を與えてもらいたいということでございます。 第十二は、收入命令権の問題でございますが、これは現行法におきましては、委員会は收入命令権を持つておりませんので、非常な支障になつております。この点も改正法案をもつて解決せられる方向になつておりますので、詳しく申し上げません。 それから十三番目は、地方公共団体の議会と委員会との関係でございます。これは地方自治法によりますと、地方議会の議長は、議案説明のために教育委員の出席を求めることができるということになつておりますが、この運営につきまして、いろいろトラブルが地方において起つておるのであります。その委員を指名して議長が呼び出す。しかし教育委員は会議制でございまして、個人々々の意見は委員会の意見ではないという建前から、個別的に指名されることは委員会として非常に困るという問題があるのであります。委員会が説明をする場合には、教育委員会みずからが代表を選んで出すというふうにすべきではないかという意見でございます。 それから、もう一つの問題は、請願の問題でありますが、教育の問題について、一般選挙民からいろいろ請願が参ります。これは地方自治法によつて議会にも出せますし、教育委員会においても受取つておるのでありますが、同じ事件について両方において審議をしておるという央何でございまして、これに大体において意見が一致するのでございますが、時に相反する問題もある、こういうような問題について調整をとる必要があるのではないかというのが、最後の意見でございます。 非常に急ぎましておわかりにくかつたかと存じますが、以上申し上げたようなことで、教育長協議会といたしましてお願いをいたした点で、非常に多くのものがこの法案として採用せられていますが、またただいま申し上げましたようにまだ未解決のものもございます。以上協議会としての意見を申し上げまして、御参考に供する次第でありす。
○原委員長 次に坂尾徳太郎君。
○坂尾参考人 日本教職員組合の坂尾であります。これから申し上げますことは、日本教職員組合の決定によります基本線に従つて申し上げたいと思います。 教育委員会法につきまして、まず第一に申し上げたいことは、教育の財政並びに教育財政権の確立がなされていないということであります。この問題につきましては、第二国会において、本委員会で教育委員会法を審議される過程中におきまして、最も重要な問題の一つとして、慎重な、しかも活発な討議が行われたのでありまして、その結果御承知のように附帯決議までがなされているのであります。御参考までにそのときの附帯決議を申し上げますと、次のようになつております。本法の最大の欠陥は、教育財政の確立が何らなされていないことである。よつて本委員会は、次期第三国会までの間に各方面の資料を收集して、第三国会においては特に教育財政の確立の点について改正案を審議作成するものである。よつて委員長はこれを議長に申出で、ただちに事務手続をなすというふうなことになつておるのであります。われわれ機会あるごとに、教育財政の確立に関して強く要望して来たのでありますけれども、第三国会以来、現在に至るまで、そのままの状態で来たのであります。本改正案におきましても、この問題につきまして根本的な問題に触れられておらないということは、われわれとしてはなはだ遺憾に存ずるものでありまして、この教育財政並びに教育財政権の確立を早期に実現していただきたいということを、最も強く要望するのであります。なお日教組といたしましては、すでに教育財政の確立につきましては、具体的な基本線を決定いたしまして、着々各関係方面に要望を続けておるのでありまして、この点につきまして、時期がありましたならば、あとで申し上げたいと思います。 それから第二番目には、教育委員会の設置の範囲に関する問題でありますが、前に述べました教育財政の確立とともに、これもまた本法審議の際に、最も問題になつた一つであります。特に地方公共団体の現状から、現在すベでの市町村に教育委員会を置くことが、現実の問題として是か非かという問題が、非常に討議されたのであります。その結果、委員会におきましては、二箇年の猶予期間が與えられて、現行法のような状態になつたのであります。この問題に関して、われわれとしましては、地方公共団体の財政の現状、あるいは民主化の程度、あるいは教育運営面の上から考えて、都道府県、五大都市にとどめるということを強く関係者各方面に要望してきたのであります。この点に関しましても、本改正案において考えられたようでありますけれども、根本的な解決がされていないのでありまして、ぜひとも都道府県、五大都市にとどめられるよう、強く要望いたしたい点であります。 次いで今回本委員会に提出されました改正案について申し上げたいと思います。本改成案ついてわれわれの最も問題としている点は、教育長等の権限が拡張強化されている点であります。本来教育委員会と教育長、事務局等の関係は、教育委員会が中核となつて、これらの機関と緊密な連繋のもとに教育事務を遂行することは、言うまでもないことだと思います。教育委員会と教育長及びその事務局等を二本建とするというような考え方は、最も排除されなければならないと思うのであります。また教育委員会は議決機関であるとともに、一面教育行政の執行機関でもあるという特殊な性格を持つている点も十分に考えらるべきであると思います。教育長の権限を法文に明記しなければ事務執行ができないという点に、われわれは重大な疑義を持つものでございます。まして教育長の権限を強化拡大することには、絶対に賛成できないものでありまして、この点具体的な條項につきましては、あとで申し上げたいと思います。 教育委員会に対する教育長の権限問題につきましては、これまた第二者と同じように、本法審議の際に最も問題となりました点でありまして、本法が衆議院文部委員会において議決されたときの速記録によりますれば、現在この席においでになります水谷先生が各派代表として討論をされましたとき、教育長の権限問題に関する事柄につきまして次のように発言されておることを御参考までに申し上げたいと思います。すなわち、第四十九條教育委員会の事務に関する規定で、原案には「教育委員会は、教育長の助言と推薦により、左の事務を行う」とありますが、これでは教育長の助言と推薦が前提となり、せつかく過去の教育の中央集権の弊を排除して、教育の民主化を徹底させるというにもかかわらず、教育長の権限が過去の弊を繰返すようなことになつてはならぬのであります。ここにおいて「教育委員会は、左の事務を行う」といたしまして、十八項目からなる広範囲の事務を行うに自主性を確認し、但しこの場合教育長の助言と推薦を求めることができると、教育長の任務についても明確に規定したのでありますから、これまた適正なる修正案であります、というふうな御発言があつたわけであります。委員会法の趣旨、並びに本法議決のときの精神を十分尊重されまして、本改正案に対するわれわれの要望を必ず取入れられることをわれわれは確信するものでございます。 以上重要な三点について申し上げましたが、以下本改正案に対する具体的な修正條項並びに修正理由を申し上げて御参考に供したいと思います。 まず第十六條の問題であります。改正案といたしましては「第十六條第二項中「六十人以上」の下に「百人以下」を加える。」こうなつております。われわれといたしましては、六十人以上とする現行法通りとしたいと思います。修正理由を申し上げます。候補者に対する推薦の本質的な考え方から、推薦人数の最高を限定することは不合理である。また最高人数を百人としたということは、何ら根拠を認めない。従つてわれわれは申し上げた修正案を持つものであります。 次いで第三十二條について申し上げたいと思います。第三十二條におきましては、教育委員の祕密の問題が規定されておるのでありますが、われわれとしましては、この第三十二條第一項を例除する修正意見を持つております。修正理由といたしましては、教育委員の良識と責任にかかる問題であつて、あえて法文化する必要はない、こういうのであります。 それから第三十二條の二の改正におきましては、教育委員会は職務を一体として行わなければならないというのでありますが、この点は、われわれとしましては例除すべきである。修正理由といたしましては、委員の行動は、常に教育行政の民主化と教育復興のため、結論的には、各自の良識と責任において行動されなければならない。委員は委員会の決議によつて行動する場合もあり、公職の委員として自己の良識と責任において行動する場合もあつてよい。特に教育委員会の民主化のまだ完全に行われていない現段階においては、正しい少数派の意見も十分に尊重されなければならない。よつてわれわれに、本條を解除する意見を持つておるのであります。 次いで第四十九條、第五十條の二、第五十條の三、第六十七條、この四條でありますが、これは主として教育長の権限問題に関する規定であります。この点につきまして、以下修正並びに修正理由を申し上げたいと思います。 まず四十九條の「教育長に対し、助言と推薦を求めることができる。」という條項の削除につきまして反対いたします。理由といたしましては、第四十九條のこの項を削除して、あとの條で教育長の権限を一括して、そこに前よりも強く改正されている点において、本條は現行法通りとすべきである。 次いで第五十條の二、教長長並びにその下部機関に対して、委員会の権限の一部を代理執行させる面について申し上げたいと思います。この点につきましては、やはり現行法通りといたしまして、本改正案を削除すべきである。その下部機関に委任する点につきましての修正理由を申し上げたいと思います。これも最初に申し上げました通り、教育委員会と教育長並びにその下部機関に、その事務の執行にあたつて有機的な連繋をとつて行うことは当然で、あえて法文化し、しかも内容に対して、相当自由性のあるところの教育委員会規則によつてその権限委任事項を規定するということは、要するに教育長あるいはその下部機関に対するところの権限の強化拡大にほかならない。さらに強く言いますならば、教育委員会の権限を合法的な手段によつて侵すという結果にもなると思うのであります。委員会の立法精神並びに目的に反するものである。單にこれを入れて、運用いかんによつてこれが実際に実現できるのだという点につきましては、あまりにも重大な問題であると思うのであります。また現行法第六十四條の教育長の代理執行に関する條項とも矛盾するように考えられるのであります。 次いで第五十條の三に移りたいと思います。第五十條の三、教育長は、教育事務につき助言し、推薦することができるという点と、第四項の「すべての会議に出席しなければならない。」この二点であります。これは前にも申し上げました通り、本委員会法議決のときの精神に反するものでありまして、言いかえますならば、最初に委員会法が提出された時の政府原案に逆もどりをするものである。すなわち現行法は、教育長の助言と推薦に関して、教育委員会が主体になつているにもかかわらず、改正案は、最初の政府原案と同様の趣旨で、教育長が主動的になつてる点であります。この点につきましては、教育委員会法の中の第三十六條の会議成立の問題並びに会議公開に関する第三十七條の規定との関係において、非常に解釈に苦しむ点があります。このような点は、前にも申し上げました通り教育長の権限の強化拡大にほかならないのでありまして、特に本法がてきてわずか一年足らずの間に、この重要な問題が一年前に討論議決された精神に反して、最初の政府の原案に逆もどりしたところの改正案となつて現れれたことにつきましては、われわれは最も重大な関心を持つておるのであります。 もう一つ、第六十七條の「学校その他の教育機関の事務職員及び技術職員は、教育長の推薦により、教育委員会が、これを任命する。」この点につきましては、これまたわれわれは反対をいたすものであります。この條項は最も端的に教育長の極限強化を表わしておるところの條項でありますので、これも前と同様の理由によつて、この條項を削除していただきたい、こういうふうに考えるものであります。以上が教育長の権限問題に関するわれわれの修正案並びに修正理由であります。 次いで第六十六條の中の第三項の職員に対する定数條例の問題でありますが、この問題につきましては、われわれは削除を修正案として持つておりますることは、教育運営に重大な障害を與える。現在までに行われた教職員に対する定員定額制、地方公共団体における定数條例等が、いかに教育の上に大いなる障害を與えておるかについては、私がここで説明を申すまでもないことだと思います。教職員に対する定数條例等の決定は、現実の教育運営に背反することはなはだしく、規定すべきではないという理由であります。 次いで第七十條第一項の、都道府県並びに五大市、それ以外の市町村に関する設置の規定でありますが、これも最初に申し上げました通り、われわれといたしましては、現状におきましては、ぜひとも都道府県並びに五大市にとどめていただきたいというのでありまして、修正理由につきましては、これは略したいとおもいます。以上がわれわれの主たる本改正案に対する修正意見並びに修正理由であります。 最後に本法の改正中、第四十九條の第十六号、第十七号、第十八号、第五十條、第五十四條の二の、学校の保健に関する條項については、学校教育の保健の重大性にかんがみまして、本改正案に賛意を表するものであります。 また第五十條中の学校給食に関する事項を挿入することに関しても、從來種々の問題があつたこの問題を、ここに挿入いたしました点につきまして、将来運営の完璧を期しまして適当なる改正と考えるものであります。並びに第六十三条の四、学校等の廃止における教育財産に関する問題につきましても、この点を法文化されましたことには、教育施設の充実の上から、今後のこれが実際的な実現を期待いたしまして、賛意を表するものであります。 以上反対並びに一部賛意を表する点について申し上げたのでありますが、われわれはあくまでも教育委員会法の立法精神並びに教育委員会法の目的をしつかりとつかみまして、この意見を申し上げたのであります。何とぞ委員諸員におかれましては、われわれの修正意見を十分に御参考に供せられまして、本法がりつぱに改正されんことを切にお願いする次第であります。以上申し上げて終ります。
○原委員長 次に委員の質疑を許します。
○松本(七)委員 山崎さんにちよつとお伺いしたいと思います。最近学校の先生の首切り問題が、各地方に起つておるのですが、その理由を明示しないということを、方々から言つて来ております。それで教育委員会に聞いても、辞職勧告の理由はどこにあるかさつぱりわからない。それを中央に持つて来ても、中央はすべて教育委員会のことだというので、相手にされないというような問題が起きているのですが、そういう問題について何かお考えがありましたら伺つておきたいと思います。
○山崎参考人 ただいまの御質問は、教員の整理の問題だろうと思うのでございますが、それにつきましては、調査の報告も何ら受けておりません。今ここでお答えするまでの段階に至つておらないと考えます。
○松本(七)委員 宇佐美さんに伺いたいと思います。私学との関係に御言及になつたのですが、私学の立場から申しますと、教育委員会法ができた当時に、すでに私学校というようなものができて、はつきりそこを規定してもらいたかつた、こういうわけですが、それができなかつたために、教育委員会ができてから、教育長が従来通りの頭で私学に対して非常な干渉圧迫を與えたので、地方の私学では、それによつて非常に困つたというような事例を持つて来ておるのがたくさんあるのですが、そういうことが今後、さつきお話のような一体化することによつて、むしろ除かれて行けるお考えであるか、その点を伺いたい。
○宇佐美参考人 私立学校の問題でございますが、これは現在、今のお話の圧迫をされたという事実を私ども寡聞にしてまだよくわかりませんが、たとえば東京都のことを申しますと、私立学校の高等学校は、公立よりずつと数が多い。あるいは新制中学におきましては、公立の方が少し多いのでありますが、大体似たような数字になつておる。教員の免許状の問題でありますとか、講習の問題であるとか、いろいろ共通的な問題が非常に多いのであります。そういう問題を処理するために、大体同じことを知事と教育委員会がやらなければならない。行政費の面においても相当の負担が出て来るわけでございます。そういうような面から、何とか一つになつたらどうかという意見がございます。もちろんその場合に、公立学校と私立学校のあり方というものは、根本的に違うわけでありまして、これを無視して一つにせよというのではござません。あくまでも私立学校がその自主性というものに立つその育成についてと申しますか、事務上の問題について統一してやつてはどうかということでございます。
○今野委員長 山崎さんと宇佐美さんにお伺いしたいのですが、六十六條の三項の、先ほど日教組の代表から言われた点ですが、定数を地方公共団体の條例できめる。こういうものは、主として財政上の理由からであろうと推察するのでありまするが、教育を充実させよう、りつぱにやつて行こう、こういうような建前からは、こういう規定は障害になりはしないかどうかという点を、ちよつとお伺いしたいと思います。
○宇佐美参考人 定数の問題でございますが、現在の法規におきましても、たしか学校教員について定数をきめるという規定があつたかと思つておりますが、これは現在のような定員定額制が採用されるという場合におきまして、條例をもつてきめるということは、実際問題としていろいろが起ることが多い。ことに東京のごとく非常に人口がふえつつある際に、この條例という問題が、ある余裕を持つた條例がつくり得ますならばよろしいのでありますが、財政に縛られたままで放置されますと、実際の教育の配当ということは相当困難がある。條例をもつて定数をきめるということは、私どもは理論的には問題はないと思うのでありますが、実際のつくり方について、相当いろいろ問題が起る余地があるように考えております。
○今野委員 これは地方公共団体についてはどうですか。
○宇佐美参考人 今は委員会規則であつたと思いますが、今度條例にかわるという改正案だつたと思います。これは予算の面との問題でございまして、全部の職員がやはり條例になつておりますので、これだけが別に定められるということは、理論的には私は立たないと思うのであります。しかし実際問題として普通の事務職員と違いまして、現状における変化がはげしい時代でありますのと、定員定額の政府の補助金の面との関係において、これをきめるには非常に苦心を要するものがあるというふうに考えます。
○山崎参考人 ただいまの御質問につきまして、お答え申し上げます。大体宇佐美参考人から申し上げました通り、趣旨といたしましては、定員がきまるということは、これはきわめて当然のことだと考えます。教育の内容が非常にまちまちでありまして、地方によりましては、ずいぶん小さい教室の單位もございますし、可なり大勢の教室の單位もございます。それからまた学生がちようど五十人あるいは四十人きつかりに割切れた数でもございませんし、教室の構成とか、地方的の事情とか、そういうようなものをよく考えまして、定数條例というものができれば、非常にけつこうだと思うのでありますが、技術的には、ずいぶんむずかしいことだと私は考えております。
○今野委員 それから第四十五條の二項でありますが、「地方委員会の事務局には、都道府県委員会の事務局に準じて必要な職員を置く。」こういう規定がございますけれども、実際の事務の経験から言つて、市町村その他地方団体に置かれた場合に、どのくらいの負担になるか、大体その見通しがつくのじやないかと思うのですけれども、その点を宇佐美さんからお伺いしたいと思います。
○宇佐美参考人 地方委員会の事務局に、都道府県に準じて置くということになりますと、相当その負担が大くなるであろうということを考えます。たとえば指導主事のごときものを、ある程度間に合うように置くということは、不可能でありまして、これらはアメリカなんかも置けない状況になつて、従来の指導主事がこれを助けているというようなことがあるようであります。この規定にありますようなものを一そろい置くということは、非常に困難だというふうに考えております。
○今野委員 教育財政が確立されていない今日、教育委員会の仕事で一番重大な問題に、人事の問題があるのじやないかと思うのですけれども、この人事の問題について、教育長の推薦によつて教育委員会が決定するというのですが、その実情は、たとえばいろいろな採用なんかの場合に、履歴書なんか出す、そうすると教育長がこれをちやんとあらかじめ審査してふるいわけして、それからほとんど決定的なものを教育委員会に出しているのかどうか。その点と、それから今度は採用とあべこべの馘首するというような場合に、どういうような手続でやつておるのか、その実例をちよつとお話を願いたいと思います。
○宇佐美参考人 ほかの例はよく存じませんで、東京都の例でありますが、東京の都下約三万の教員の人事につきましては、市区町村と事務当局がいろいろ調査いたしまして、資料を集めておるのであります。その場合、現在東京都におきましては、学校長以外の職員につきましては、教育長以下の事務職員に委任せられておりまして、委員会規則できめられておりますので、その範囲において処理をいたしております。それから学校長につきましては、こういう候補者のうちから、こういう理由によつて、こういう人を一つの学校の後任に選任させたいということで出しておるのであります。処分の場合においても、同様の筋合いでいたしております。
○今野委員 普通の教員の処分の場合は、委任ですね。
○宇佐美参考人 たしか懲戒処分は、委員会に出すことになつておると思います。
○山崎参考人 今の御質問に、私が御返事することではないと思いますが、大体宇佐美君の言われたようでありまして、たとえば校長その他の任命のありますときには、何人かの候補者を並べまして、そしてそれについて利害得失の意見も添え、そして判断をわれわれに求められるのであります。そういうふうな実情でございます。
○原委員長 ほかに御質疑はありませんか——なければこれにて暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 それでは暫時休憩いたします。午後は二時から開くことにいたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 午後四時五分会議
○原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。質疑は後日に譲り、本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 御異議なしと認めます。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後四時六分散会