文部委員会 第8号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/11/22
会議録
○原委員長 これより会議を開きます。 教育委員会法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。 全体に対する質疑はこの程度といたしまして逐條審査に入り質疑を許します。 第八條、第十五條、第二十一條、第二十七條、この四箇條につきまして、御質疑はありませんか。
○松本(七)委員 この四箇條の間にある十六條についてお聞きしたいと思います。この推薦人を、「六十人以上百人以下」こういうような規定を設けようとしておるのですが、大体候補者に対する推薦ということの趣旨から言えば、これは最高人数をきめるということ、そのことがおかしいじやないか。推薦制である以上は、最小限度をきめることはともかくとして最高は幾らあつてもいいはずであります。それを百人以下に規定したことはその本旨にもとる。ただ事前選挙運動になるということだけで、本旨にもとるような規定をすることが妥当かどうか、この点について政府の意見を伺いたい。
○辻田政府委員 お答え申し上げます。昨年十月五日に選挙いたしまして、その結果を見ますと、推薦人を非常にたくさん記名されまして、出された向きもあるのでありますが、そういう場合に、ややもしますると、選挙の事前運動に類するような行為が行われる場合もありますし、また選挙管理委員会等におきまして整理する事場合に、非常に事務上困難を生ずる点もあつたのであります。その実績にかんがみまして、これを「六十人以上百人以下」というふうにいたしたのでございます。
○松本(七)委員 百人を限度とした根拠はどういうところにありますか。
○辻田政府委員 どの程度にきめるかということにつきましては、いろいろ御意見のあるところと思いますが、大体六十人という数字が——これは町村長の場合においては三十人以上の推薦人があればいいということになつておりますが、教育委員会の場合におきましては、地域が町村の場合と異なりまして相当広い関係もありますので、六十人にいたしたのでありますが、百人に限りましたのは、六十人以上百人ぐらいまであれば推薦制度の目的は達し得るという考えであります。
○今野委員 ただいまの点について、もう一ぺんお伺いしたいのですが、百人以下に限るという場合に、何かその推薦のやり方について、事務的に今までとかえるとことはどんなところが、それを具体的に説明していただきたいと思います。
○辻田政府委員 現在の法によりますと、六十人以上であれば、百人でも二百人でも、極端に言えば一万人でもいいわけでございますが、それを選挙資格を持つております者から推薦をされまして、これを選挙管理委員会の方に出すわけであります。選挙管理委員会においては、それをいろいろ選挙資格があるかどうかにつきましても審査いたしまして、その上で推薦人が六十人以上であれば、適法として認めておるわけであります。今回におきましては、それを六十人以上、百人以下とすれば、百一人以上の推薦人は必要でなくなりますので、管理委員会の方におきまして調べます場合にも、この範囲内において選挙人名簿によつて調査いたしますと、それで有効か有効でないかということをはつきり判断することができるわけであります。
○今野委員 たとえば従来多くあつた実例について申しますと、労働組合などにおいて推薦するかしないかというようなことを決定する場合、どうしても代表者が個人できめるわけに行かない、大勢の意見を聞かなければならない。労働組合として推薦する場合は、どうしても人数が多くなるわけです。しかし今度代表者を一人にすれば済みますけれども、その意見を聞くような活動は、事前運動と見なすのかどうか、その点疑義が出ると思うのですが、いかがですか。
○辻田政府委員 組合の方で推薦されるかどうかということは、直接関係ないことでございまして、選挙資格を持つておる人が六十人以上百人以下で推薦すればいいわけであります。
○今野委員 そうじやないのです。これは事前運動を防ぐためにという趣旨で出ておるのですね。そうしますと、今のような推薦のために会議を開いてやることは、一体事前運動と見なすのかどうか、その点をお伺いしておるのです。
○辻田政府委員 具体的な個々の場合によりますが、適法な審査機関によつてそれが選挙運動と見なされれば、それは選挙運動であります。これは具体的な事件によつて判断しなければならぬと思います。
○原委員長 ほかに御質問はございませんか。——それでは二十九條について御質疑ごございませんか。——それでは次の「委員の服務等」の各條全般について御質疑ございませんか。
○松本(七)委員 この三十二條の「秘密を漏らしてはならない」という点は、教育委員という特殊の任務から考えて、その委員の良識にまつべきじやないかと思いますが、その点に対する考え方をお伺いしたい。
○辻田政府委員 この点につきましては、先般もお答えいたしたのでありますが、職務上知ることができた秘密というものについて、どれが秘密であるかということについては、教育委員会自身できめるわけでありますが、およそ公務員であります以上は、職務上知り得た秘密について一般に漏らしてはいけないことは当然でございますし、この委員の服務としても重要な部面でありますので、規定したわけでございます。
○松本(七)委員 ただいまの御答弁は、教育委員を一般公務員とまつたく同じに扱う、こう解釈してよろしゆうございますか。
○辻田政府委員 一般の公務員とは違いますが、地方公務員の中の特別職と申しますか、その方に当る、一般職ではございません。
○松本(七)委員 特別職であるけれども、秘密條項に関しては、こういう規定が一般職と同じように必要だ、このように解釈して、間違つておればあとで御訂正を願います。その次の第三十二條の二ですが、「委員は、教育委員会の職務を一体として行うものであつて、個々の委員としてその権限を行使するものではない」。こういう規定があります。その委員は、委員会の決議によつて行動する場合もあるわけでありますけれども、やはり公職委員として、その個人、自己の良識と責任で行動する場合もあり得るだろうと思います。特に民主化がまだ十分に行われておらない場合に、教育委員会の中のごく少数の意見というものがあるわけでその少数意見を十分生かして行く必要があるのではなかろうか。そういう場合にはやはり全体としての行動ということとあわせて、個人、個々の委員の行動というものが非常に重要性を帯びて来るのではなかろうか。そういう教育の民主化という趣旨から、教育委員会の今後の強化というような点からも、この條項ははなはだ不穏当のように思うのですが、この点に対するお考えを承りたい。
○辻田政府委員 第三十二條の二は、新しく加わつた規定でございますが、これは教育委員会が会合議制の合議機関であるという趣旨から考えまして、当然といえば当然のようなことでございますけれども、過去一箇年間の経験にかんがみますと、教育委員が、必ずしも合議制の合議機関としての活動でなしに、それを構成する一人々々が委員会の権限を行使できるかのような場合もあつたのであります。そこでこういう点につきましては、この委員会制度の根本に触れますので、教育委員会の委員は一体としてその職務を行うものでありまして、しかも個々の委員が教育委員会の権限を個々において行うということではないということを示した、いわば委員会制度の根本に触れる問題であると同時に、徳義的な規定でございます。それで「一体として」と書いてありますのは、一つの構成体としてという意味でございます。
○今野委員 ただいま三十二條の二についてのお話ですけれども、具体的な過去一箇年の経験においてどういう例があつたのか。特別にこういうことを法律できめなければならないほど強い例があつたかどうか、ちよつと具体的にお知らせを願いたいと思います。
○辻田政府委員 たとえば教育委員の方々の中で、一個人が学校へ出て行かれまして、学校でいろいろ直接に指導されたり、監督されたりしたことがあるわけでございます。これは教育委員の個々の方々が、直接に指導監督することはできないわけでございまして、やはり教育委員会が一体として一つの方針のもとになされなければならぬ。しかも指導する場合には、それぞれの機関、たとえば指導主事等を通じてやるというようなことになるわけでございます。
○今野委員 そうすると、こういうような場合はどうなるのでしようか。つまりこういうように明文がきめられると、たとえば教育長のやつた措置に対して、何か反対の意見を持つて、そして次の委員会においてそういうことについて論議しようという場合に、委員は学校なりその他へ出かけて行つて、その事情を調べなければならないというような場合があるわけですが、こういう條項がありますと、学校長はその調査を拒否することができるわけなんです。そういう点については、一体どういうふうにお考えになつているのでしようか。
○辻田政府委員 ただいまお話がありましたような事柄につきましては、教育委員会において議題に供しまして、教育委員会自身において一定の方針をきめましたならば、それによつて調査をし、あるいは研究するということになるわけであります。それで教育委員自身が教育委員会の決議なり何なりによらずに、かつてに行つて、指導したり調査することはできないのでございます。
○今野委員 その指導するという場合は、なるほどそうだと思いますけれども、たとえば議題に供する前に、やはり議題に供するやいなやをきめる場合に、事実をはつきり知る必要があると思う。そういう場合に絶対できないということになるわけで、教育委員の権限を不当に制限するようなことになるわけですけれども、その点はどういうお考えですか。その指導の面はしばらくおき、調査の面だけに限つて、しかも議題に供するために調査が必要であるような場合です。
○辻田政府委員 一定の事項を調査するという場合にも、教育委員会におきまして、これこれの件について調査するという決議をいたしまして、その調査のために、だれそれの委員をそこへ派遣して調査するという決定がありまして、その決定に基いて調査が始まるわけであります。
○今野委員 けつこうです。
○原委員長 それでは次に会議録の各條について御質疑願いたいと思います。
○水谷(昇)委員 現行法の第四十二條に「教育長は、教育委員会の指揮監督を受け、教育委員会の処理するすべての教育事務をつかさどる。」これを改正の方では削除するのでありますが、これまで教育委員会の指揮監督を教育長が受けて、すべての教育事務をつかさどるということに、何か支障があつ、たかどうか。どういうわけでこれを削除するのでありますか、その点を御説明願いたいと思います。
○辻田政府委員 現在の第四十二條を削除いたしましたのは、これが適当でないからという意味の削除ではございません。第三節は教育長及び事務局のことでありますが、教育長の職務につきましては、方々に散在して規定がございますので、それを今回の五十條の三にまとめまして、そこに教育長のなすべき仕事を規定いたすため、條文の整理上削つたわけであります。
○水谷(昇)委員 そうすると、ここにあります「教育委員会の指揮監督を受け、」というような言葉がこれには抜けておりますが、従前はそういうような指揮監督を受けておつたのが、今回は抜いてあるということになりますと、そういう指揮監督を受けるということに何か支障があつたかどうか、その点を御説明願います。
○辻田政府委員 五十條の三に教育長の職務を全部まとめたのでありますが、その第二項に「教育委員会の一般的監督のもとに」ということがございまして、それによつて教育長はあくまでも教育委員会の補佐機関にすぎないので、独自の機関ではないということを明示いたしたのであります。
○水谷(昇)委員 わかりました。
○原委員長 ちよつと申し上げますが、大臣は予算委員会へおいでになる時間をお待ちになつて、ここにおいでになつておりますので、時間が来れば予算委員会に出なければなりません。もし御質疑があるならば大臣に御質疑願いたいと思います。
○今野委員 大臣にお伺いいたします。実はこの教育委員会法の改正が、実施以来一年をもつて出されたわけでありますが、その実施の状況について、文部省としては、もちろんお調べになつたでしようけれども、教育委員会側としましては、この改正に関して、どうもその手続についても非常にふに落ちないところがたくさんある、自分たちの方にしかるべく諮問があつてよかつたろうというふうに申しておるのでありますが、教育委員会側にこういことについて諮問をしなかつたのは、法規上はともあれ、どういう理由でありますか、ちよつとお伺いいたしたいと思います。
○高瀬国務大臣 むろん改正をいたします場合には、事実もよく知つておつて、改正する必要があるわけであります。別に会議を招集して諮問をするということはいたしませんでしたけれども、文部省としては委員会に対して書面をもつて法規の改正をするということは言つて、いろいろ意見は聞いたわけであります。
○今野委員 それからもう一つ大臣にお伺いいたしたいのは、先般来、どうも教育委員会の重要な任務である人事のことや何かについても、大臣に御質問いたしますと、それは教育委員会のことであるから自分としては関知しない、こういうお答えでありました。しかしそういうことについてこういう改正を出されるならば、十分お調べのことと思うのですが、何か矛盾したような感じがするので、そういう点について十分お調べになつて、しかも意見を言う限りじやない、こういう意味なのかどうか、お答え願いたいと思います。
○高瀬国務大臣 今度の改正には、別、に教育委員会で扱う人事に関する問題は少しも入つておりませんから、改正と直接関係のない問題だと思います。私が今お答えいたしましたのは、教育についての地方分権ということが、民主主義的な教育制度のもとにおいて必要である、その一つの重要な一環として、教育委員会制度というものが実施されておるわけでありまして、人事の問題も民主的にこれが取扱われなければならないので、その意味ではやはり教育委員会を中心として愼重公正にやるべきものであるという立場でお話を申し上げておるわけであります。
○小林(信)委員 ただいまの四十二條の削除の問題に関連して、この際大臣の御意見を承りたいのです。先ほど質問された方も非常に疑問に思われたのですが、五十條の三の方に新しく出ておるとはいえ、大分性格が違つておるように、一般からは受取れるわけであります。四十二條の従来のものは、「教育委員会の指揮監督を受け、教育委員会の処理するすべての教育事務をつかさどる。」こういう上下の関係をはつきりしてあるのですが、新しい教育長の教育委員会に対する関係は、非常に教育長の方に権限が強くなつておるように感ぜられるのであります。これがやはり今度の改正の全般を通じて見受けられるところであります。何ゆえ教育長の権限がこういうふうに重大視されるかというような点からして、私は一つの考えを持つものでありますが、それはこういう形になつて来ますと、官僚的な統制が強くされて、せつかくの教育の新しい方向が阻害されるおそれを感ずるわけであります。その意図を一応私たち考えますと、一部行き過ぎの人たちによつて、非常に教育者の動向が社会一般から心配されたわけでありますが、しかしその渦中にあつて、教育者というものは非常に苦悶しております。その苦悶の中から新しい自分たちの行くべき道を今見つけつつあるのです。この自立的な自覚した教育者の状態が、ほんとうに民主主義を生み育てる強い力ではないかと思うのですが、それを非常に憂慮されて、ここでこういうふうな法的な措置によつて統制するというようなことは、せつかくの教育者の芽ばえを非常につむのじやないか。もう少し教育者の自発的な自主的な活動を育てることによつて、ほんとうに民主主義というものが育成される、そこに文教政策の強い正しいところがあるのではないか、こういう考えで大臣の御見解を承りたいのです。これは教育委員会法の問題ばかりではなく、あらゆる問題に対して、教育者の自主的な正しい行き方を広く大きい目で見なければ、教育者の正しい道行きというものは見つからないのじやないか、こういう考えからお伺いする次第でございます。
○高瀬国務大臣 この四十二條を削除いたしまして五十條の三にまとめた点につきましては、これは條文整理上の技術的な問題と私は考えております。内容につきましては、実際に委員会と教育長の関係について、上下の関係を乱すというようなところはないものと、私は解釈しておるのでありまして、あくまでも教育長は教育委員会の下に立つて、專門的な立場に立つて助言をすべきものと解釈しておるのでございます。 教育者の自主的な立場についてのお話でありますが、これもむろん尊重しなければならないと思います。しかしながらやはり教育者も独断的であつてはならないと思います。教育委員会というものは、さつき申しましたように、民主的な制度として確立されたものでありまして、一般の普通選挙によつて適任な方々が就任されており、りつぱな教育行政についての権威を持つべき制度であると思うのでありまして、こういう委員会を中心にしてやることが、今までの官僚統制を排撃するのに必要なことで、やはり教育委員会の権威はどこまでも尊重し、やつて行くべきであろう。その教育委員会のもとに教育長は立つのでありまして、教育長だけの権限で独断でやれるということにはなつておらないのであります。
○甲木委員 四十七條についてちよつとお伺いしたいのであります。四十七條は、「教員をもつて、これに充てることができる」というふうにあつて、その期間中は、教員の職務を行わなくてもよいということになつておるのであります。これは当然教員を使用することになると思うのでありますが、そういたしますと、現在ですら定員が不足している折柄ことに小学校や中学校の推進力といいますか、これらの中堅層が乏しく、大部分が青年教官でありまして、しかもこれらの青年教官は新教育の研鑚等にあらゆる方面に出張が多いのであります。そうすると自然児童教育に間隙を生ずることになりはしないかと思うのでありますが、いかがでございましようか。
○辻田政府委員 四十七條の專門職員につきまして、教員から充てることができる。その期間中は教員の職務を行わないことがで出きるということにつまして、教育自身がおろそかになるおそれはないだろうかという御心配だろうと思います。これにつきましては、本来特別の仕事を永続的にいたしますためには專任の人を必要とするのでありまするが、この四十七條におきましては、特別の技術、才能を持つておる教員の方々に、短期にこういう仕事をやつていただくという意味でありまして、教育を非常に阻害するようなことは、教育委員会自身において任命する場合においていたさないと思つておる次第であります。
○渡部委員 これは法案には直接の関係はないのですが、財政の問題です。教育委員会が各県下において、財政的な裏づけがないために、その必要とする活動がほとんど困難な状態になつておる。これは政府の方でも御承知のことと思うが、これに対して教育委員会の財政的裏づけを十分にして、教育財政を確立する具体的な案が立つておるのかどうか、伺いたいのです。
○高瀬国務大臣 教育委員会の活動を有効にして行くためには、財政的な権限につきましても何らか考慮する必要があるということは、一般に考えられており、文部省としても、そういうことが適切にできるならば、望ましいと考えておるのであります。教育財政法というものも、実は文部省で研究をいたしておりまして、その中には、相当程度の財政権を教育委員会に持たせるようにしたいという構想が入つております。しかし今度は御承知のように地方の教育費に対する国庫の補助のやり方がかわつて参りまして、一般平衡交付金の中でもつてこれをやるということになりましたので、今まで文部省が構想しておりました教育財政法とは、また行き方が違つて来ましたから、これは練り直す必要があるだろうと考えておるわけであります。現在文部省といたしましては、地方の義務教育の水準を何とかして維持しなければならない。一般平衡交付金の形において補助される場合においても、それが確保される必要がありますので、標準教育費、あるいは基準教育費を確立するような法案をつくりたいと、今考えておるわけであります。ただしかし、それによつて教育委員会に財政権まで与えられるかどうかは、まだ問題でありまして、御承知のように県議会の予算の編成権の問題と関連いたしますと、いろいろと困難な複雑な問題がありますので、何とかある程度の財政的権限をも持たせたいとは考えながら、その点で十分はつきりした解決ができない状態で、いろいろ研究はいたしておりますけれども、まだ具体的な案は持つておりません。
○渡部委員 財政上において教育委員会が権限を持つというよりも、教育委員会が活動し得るような財源を、具体的につくり出すような方途が立つておるのかどうかということをお聞きしておるわけです。それはそのために教育委員会がほとんど活動できないために、大部分の教育委員会的な任務が、教育長によつて行われがちであるということが、一般地方のあり方なんです。従つて教育長の專断的な動きが、各地方に現われております。そこへもつて来て、このように教育委員会の教育長の権限が非常に強化されると考え得る多くの條項が加えられ、あるいはそれを制約しておると思われていた條項が削られることになると、ますますもつて教育長の專断、言いかえるならば教育に対する官僚統制が強化される事情にあるわけです。従つてこの財政の問題は、こういう官僚統制の問題にも関連して来るわけなのです。従つてそれを急速に確立することが必要であると考えられるので、その点について具体的な方途をお伺いしたわけなのです。
○高瀬国務大臣 ただいまのお話でありますと、教育費の不足というような点から教育長の権限が自然に強くなり、教育委員会が無視されるようなことになるおそれがあるんだというようなお考えのように思いますが、そういう危險がないこともないと私も思います。しかし来年度からは義務教育費につきましては、本年度よりはよほど余裕が出るだろうと私は予想しておりますので、そういう御心配も非常に少くなるんじやないかと思います。
○水谷(昇)委員 現行法の第四十九條、第五十條ともに「教育長に対し、助言と推薦を求めることができる」という規定になつております。これはこの現行法が議決になるときに、原案を修正してかくのごとくなつたものでありますが、今回の改正にあたりましては、第五十條の三に「教育長は、教育委員会の行うすべての教育事務につき、助言し、推薦することができる。」またその第四項を見ますと、「教育長は、議事について発言することができるが、」こういうふうに書かれてあるのであります。これを変更した意味はどういう意味合いか、過去実施いたしました経過について、何か不都合なことがあつたか、あるいは不適当なことがあつたか、そういうような点について御説明を願いたい。
○辻田政府委員 四十九條と五十條につきましては、ただいまお話がありましたような経過で、現在の法律ができておるわけでありますが、これは元の政府原案におきましては、教育長の助言と推薦は、教育委員会の事務を執行いたします場合の必須の條件でありまして、それがなければ、教育委員会は事務を行うことができないというふうな規定の仕方であつたのでありますが、それを前の国会で改められまして現在のような法律になつておる次第であります。今回の改正におきましても、この国会における改正の御趣旨を改めるというふうな考えは、全然ないのでございまして、その点は現行の通りでございます。ただ教育長に対して助言と推薦を求めることができるというふうなことは、これは先ほど大臣から申し上げましたように、教育委員会と教育長との関係は、教育委員会が上に立つべきものであり、教育長はその下にあつて補佐をする專門的な補佐機関であるというところから考えまして、当然できることでありまして、條文に規定をする必要はないのであります。そういう意味もありまするし、また第三章では全部教育委員会の職務権限について規定してあることでありますので、教育長の職務等についてここに規定を設けるということは、適当でないというふうに考えまして、さきに申しましたように、教育長の職務につきましては、五十條の三にまとめて規定することにいたしたのでございます。従つてこの四十九條及び五十條の但書が不都合があるから改めたということではないのでありまして、この改正におきましても従来通りというふうにお考え願えればけつこうだと思います。ただ教育長の職務を五十條の三にまとめで條文を整理して規定いたしたのでございますが、これは教育長の職務が專門的な技術知識を持つておるものでありましてそれが教育委員会を補佐する職責を持つております関係上、補佐をいたしまする一つの責任内容といたしまして、教育長の方から助言しまたは推薦することができるとしておかないと、これは事務を執行する上から見ましても、どういうふうな経過において一つの決議がなされたか、方針がきめられたかということが全然わからずに、教育長はその下にあつて事務を執行すことが、できないような次第でありますのでこういうように五十條の三に規定したようなわけでございます。あくまでも教育長の地位と申しますか、職責は、教育委員会の下にある補佐機関にすぎないのであります。この点を五十條の三に明らかにしたつもりであります。なお五十條の三の第四項におきまして、「すべての会議に出席しなければならない。」また「議事について発言することができる」とありますが、これはただいま申しますように、教育長は事務局長であり、また補佐機関であります立場上、どういうふうに会議においてなされるか、またなされたかということを十分承知しなければ、事務を執行することができませんので、そのためにすべての会議に出席しなければならぬというふうに、むしろ義務づけたわけであります。なお議事について発言することも、これは一つの資料を提供する、あるいはまた專門家としての立場から意見を申すということでありまして、しかしその決定につきましては、教育委員会は教育長の発言あるいは推薦のいかんにかかわらず、独自に議決をなし得るのでありまして、あくまでも教育長、教育委員会の両者の関係においては教育委員会が頭であつて、教育長はその下における事務補助者であり、意見具申をする機関であるにすぎないのであります。
○水谷(昇)委員 ただいま局長の御明によつて大体了承したのでありますが、われわれが前回に修正いたしましたそのおもなる点は、教育長の助言と推薦ということが必要條件になつておりましたから、そういうことになりますと、委員会がロボットになるという心配から修正したものであります。今回この但書を削除いたしまして、第五十條の三に教育長の事務の点について規定になつておりまするが、こういう書き方にいたしますると、教育委員会の方では非常に疑問を持つのでありますから、大体局長の御説明で了承はいたしましたが、大臣からもこの点、特にひとつ御趣旨を御説明いただいておく必要があると思うのであります。大臣からひとつ御答弁願いたいと思います。
○高瀬国務大臣 ただいま局長から御説明申し上げました通りでありまして、決して今度の條文改正によりまして、教育長の権限を拡大し、教育委員会を軽視するというようなことは、まつたく入つておらない、そういう精神は少しも考えられておらないと御了解を願います。
○高木(章)委員 四十七條の件でありまするが、教員が教科書の検定または採択に参画することについて、あえて反対するものではないのでありますが、先ほどの回答によりますと、それによつて教育に何らの支障のないように漏れ承つたのでございまするが、現在すでに教員がこの仕事に参画しているために、朝から夕方まで学校をあけることがしばしばありまして、生徒としては非情に迷惑をこうむつているのであります。従いましてこの法文にある通り「その期間中は、教員の職務を行わないことができる。」こうはつきりしておりますと、ますますこの仕事にかこつけて、教員の本分であるところの教育を放棄する期間が長くなると思うのであります。つきましてはこの仕事に参画することに反対するものではないのでありますが、授業に支障のない方法を講じていただきまして、あるいはその期間中はかわりの職員を出していただくとか、あるいはその教員の授業時間を参酌して、午前中授業があるならば午後から出ていただくとか、そういうふうなぐあいに、施行にあたつて考慮を願えればけつこうだと思うのであります。
○辻田政府委員 この四十七條の規定によりまして、本来の教育の仕事それ自体が支障を生ずるというようなことになつては相ならないのでありましてその点は教育委員会におきまして任命をされます場合に、十分注意をしておられると思うのでありますし、また今後そういうことのないように、われわれといたしましてもお勧めしたいと思つております。
○松本(七)委員 先ほど水谷委員の質問に対する辻田局長の御答弁で、大体教育長と教育委員会との関係の問題は條文整理の趣旨はよくわかつたのですが、やはり教育委員会の方では教育長の権限を強化したように誤解するおそれが多分にあると思うのであります。しかし政府として何らかこの趣旨を徹底させるように考慮されているかどうか、この点をひとつお伺いいたします。
○辻田政府委員 教育委員会の方で、今回の改正によりまして、教育長の権限が非常に拡大される、教育委員会自体の権限が非常に縮小されたというようなお考えをお持ちになることは、非常に残念なことでありますので、われわれといたしましては、さようなことのないように、規定の普及徹底をいたしまするために十分注意いたしまして、その点を力説したいと思つております。
○甲木委員 四十五條に対して、先般松本委員からも質疑がありましたが、実情から行きますと、地方公務員の地方教育委員会の事務局には、都道府県委員会の事務局に準じて必要な職員を置くことができる。そうしますと、実際小さな小学校が一つしかないという山村、漁村に至るまで、一律に教育委員会を設置し、その上事務局まで設けるということは、地方の負担がいよいよ過重になつて来る。そうすると先般から騒がれました自治体警察の返上論のように、教育委員会の返上論が出て来はしないかと思うのであります。これにつきましては、他に何らかの方法がありはしないかと思うのでございますが、いかがでございましようか。
○辻田政府委員 ただいまのお話はごもつともでございまして、この地方委員会の事務局が母体になつて、そのために地方の財政を圧迫するというようなことがあつては相なりませんので、政府におきましても、町村に設置されます地方委員会の問題につきまして、十分研究中でございます。先般申しましたように、町村のどの地域に地方委員会を置くか、またもう少し広地域にこれを置いて財政的にも支障のないようにしたいという考えのもとに、目下全国をまわつて調査をいたしまして、その上で適当な基準を得て、適当な機会に、できるだけ近い機会に法の改正をいたしまして、さようなことのないようにいたしたいと思つている次第であります。
○今野委員 先ほど渡部君の財政に関する質問について、大臣は平衡交付金の問題についてお話になりましたが、あの平衡交付金千二十億のわくの中で、はたして今までのようなものが十分できるかどうか。あの千二十億というわくは、決して大きくないわけであります。今までの地方配付税でもそのくらい出さなければならないところへ持つて来て、教育費や何かをそこへ盛り込めるかどうかについて、たいへん疑義を持つているのですが、その点について、いかがでございましようか。
○高瀬国務大臣 平衡交付金の予算金額につきましては、最初予定いたしましたよりも約二十億くらいを教育費方面によけい計上するという方針に大体なつて参つております。ですから、その点から見まして、私は地方の義務教育費につきましては、本年度よりよほど余裕が出るだろう、こう申し上げたわけであります。
○原委員長 次は事務の委任及び臨時代理、七ページであります。
○松本(七)委員 この五十條の二において、教育委員会の事務を委任し、あるいは臨時代理をする規定が掲げられているわけでありますが、元来こういう教育事務の執行にあたつては、教育委員会とその事務機関とが、有機的な関連を持つて事務を行つて行くというのが、これがむしろ当然なことであろうと思います。この点についての先般の辻田局長の御答弁によりますと、今までもそういうこまかい仕事は、実際に委任されたような形でやつておつた。それであるからそれを單に法制化したにすぎない、こういう御答弁がございました。しかしこれは結局、先ほど渡部委員から御質問がありましたように、教育委員会法をつくる時から一番の問題であつた。教育委員会に何らかの財政的な裏づけが確保され、また多少なりともその権限があつて、教育委員会が実際に強くなつて来て、初めてこの教育委員会というものが生きて来る。そういう根本的なことが解決されずにおりますならば、結局教育長がこれを牛耳つて行くような傾向が、だんだん強くなるじやないかとおそれられるわけであります。そこでむしろこういう点は、当然に有機的な関係で事務執行をやるのでありますから、やはり従来通りにやつておいて、そうして教育委員会の実質の力を強めて行くような方策を、もつと積極的にやつて、これを改めて行くという方法の方がいいじやないか。当然なことをここに法制化したとことに、われわれは疑念を感ずるのですが、この点御見解を承りたい。
○辻田政府委員 教育委員会は行政機関でありまして、その開会が月に一回または二回というような箇所が多いのであります。さような場合に、重要な事件については、もちろん教育委員会自身で決議されなければならないと思いますが、その事務の細部の点につきまして、その委員会を一々開くことができないことがあるわけであります。そのような場合に教育委員会規則ではつきりと定めまして、これこれのことは教育長に教育委員会の事務の一部を委任するというようにいたしまして、法制的にはつきりいたした方が、教育長との関係においても明瞭になりますし、また教育委員会自身の強さをはつきりと示し得るものであると思うのであります。教育委員会規則は、これは教育委員会自身できめられる問題でありますので、さようにいたしまして、法文上もはつきりした上で、教育長はそのもとにおいて仕事をするというふうにいたした方が、すべてが明瞭になると思いますので、かような規定を設けた次第でございます。
○今野委員 ただいまの五十條の二の点について、やはりお伺いしたいのですけれども「事務の一部を教育長に委任し、又はこれをして臨時に代理させる」というのですが、その範囲が非常に広範囲にわたる場合には、現在でも教育委員会というものはロボット化していると言われているのですが、さらにそのロボット化を促進するようになるわけです。その点について、「一部」というけれども、それはどの程度であるか。たとえば、重要な学校の人事などを決定する際に、調査も、またその実施も、すべて教育長に委任されてしまうというようなことになつてほんの一回の会議だけで相談を受けるというようなことになりますと、まつたく人事に関する限りはロボットであるというような観を呈するわけですが、そういう点について、どういうようにお考えでありますか。
○辻田政府委員 その点につきましてはただいま御説明申し上げましたように「教育委員会規則の定めるところにより」ということになつておりまして、教育委員会規則は、教育委員会自身できめるわけであります。そこで重要な問題である人事というようなことの基本方針、あるいは実施につきまして、教育委員会が教育長に委任することは考えられないのであります。ここで「教育委員会規則の定めるところにより」というふうにはつきりといたしました点は、従来の慣行的に行つておりましたものから一歩進めまして、教育委員会自身の権限と申しますか、強さをはつきりと表わしたつもりでございます。
○今野委員 ただいまの点、どうもふに落ちないのです。こういう規定を設けるとロボット化を促進するというふうに私は考えるのですが、そうじやなくて、そういうことを法律の上でも防ぐようなことが必要ではないか。それは教育委員会の規則できめれば十分と考えるかどうか。そういうようなお考えのようですけれども、こういう條文がある以上、これと反対の條文も必要ではないか。
○辻田政府委員 教育委員会の自主性がありますので、教育委員会自身が適当と思うことを、教育委員会規則で明瞭にされて、それに基いて五十條の二を執行するということになれば、それで十分であろうと思います。
○原委員長 大臣は予算委員会から呼びに参るまでおられるそうでありますから、その点御了承を願います。 次に教育長の職務の各條につきまして、先ほど関連して御質疑がありましたが、御質疑はございませんか。
○小林(信)委員 最初の「教育長は、教育委員会の行うすべての教育事務につき、助言し、推薦することができる。」——先ほどからの御意見を承つておると、何ら前の教育委員会の内容とかわつておるところはないと言いますが、その教育事務の内容について、何かお考えがあるかどうか、單なる教育事務であるかどうか、お聞きしたい。
○辻田政府委員 五十條の三の「教育委員会の行うすべての教育事務」と申しますのは、四十九條に教育委員会の事務が列記してございますが、これに関する事務ということでございます。
○小林(信)委員 この五十條の三の條項は、前の條文の通りにしても、何ら意味は違わないということを、先ほどからのお話で承れるのですが、四十二條の條項と、意味においては何らかわらないわけですか。五十條の三に、教育長と教育委員会との関係のことはまとめた、こう申されたのですが、四十二條に従来出ておりました「指揮監督を受け、教育委員会の処理するすべての教育事務をつかさどる。」これと性質においては何ら異ならないというわけですか。
○辻田政府委員 この五十條の三の第一項は、教育長が專門的知識を持つておる人でありますので、その特殊性にかんがみまして、教育委員会に対して助言と推薦をすることができるというふうにいたしたのでありまして、これは教育委員会が、本来あるいはしろうとの集まりである場合も相当ありますので、それに対して補佐をするという、補佐の一つの態様を示したのであります。文章の書き方が違つておりますが、内容においてはおおむね同様であります。
○小林(信)委員 それだつたら、前の言葉の方が教育委員会の性格あるいは任務、責任というようなものを明確にして、非常に感じがいいと思うのです。先ほどのお言葉の中に、ちよつと教育長の特殊性にかんがみというふうな言葉が使われたのですが、やはりそこに何か改正に対して意見があるのではないかと思うのです。何か教育長の特殊性というものが、新たに再確認をされたというような点はないわけですか。
○辻田政府委員 教育長の職責は、教育委員会制度の初めから一応はつきりしておつたわけでありますが、実際一箇年間の経験にかんがみますと、その点が必ずしも明瞭でないというふうな経験を持ちましたので、その点でこの性格を明らかにしたという点はございますが、しかし特に従来よりこれをつけ加えた、あるいは強化したという点はないのでございます。
○小林(信)委員 それと関連いたしまして、四項の、教育委員会のすべての会議に教育長は出席しなければならないという條項があります。この解釈の問題ですが、教育長が出席しなければ会議は、構成されないのか。出席するということは、教育長の責任であつて、教育委員会の方には何ら関係がない、こういうように解釈してよろしいかどうか。
○辻田政府委員 もちろん、教育長が出席しなければ、教育委員会が構成されないという問題ではございません。ただ教育長がこの会議に出席しなければならないという、むしろ教育長に対する義務を規定したわけでございまして、教育委員会は委員だけの集合でけつこうでございます。
○小林(信)委員 そうすると、この條項は何か誤解を受けはしないかと思うのです。教育長に対してだけの責任から、こういう言葉を使つたとしましても、條項から受ける感じというものは、何か教育長が、教育委員会に対して拒否権のようなものを持つのじやないかというように解釈されるおそれがあるのですが、そういう点を直す意図はありませんか。
○辻田政府委員 立案に関係いたしました者といたしましては、この全部の條文を読んでみますと、おのずからこの五十條の三においても、そういう心配はいらないのじやないかと思つておるわけであります。
○原委員長 次に指導主事の職務について、御質疑はございませんか。——なければ、学校の保健について——なければ学校その他の教育機関の職員について。
○松本(七)委員 六十六條の三項の問題ですが、教職員の定数を決定するということが、教育運営全般に重大な支障を与えるものであるということは、現在までに行われております定員定額制、あるいは地方公共団体で定めた定数條例というようなものが、いかに大きな障害になつておるかという事実を見ても、明らかであろうと思う。そういう点から考えましても、この三項に規定してあるように、職員の定数を地方公共団体の條例で定めるというようなことにしておることは、不当ではなかろうかと思います。この点に対する政府の見解を伺います。
○辻田政府委員 学校の校長、教員、事務職員及び技術職員の定数につきましては、それぞれの属する地方公共団体の條例で定めるということが、地方自治法、あるいは最近提出されるでありましよう地方公務員法の一貫した考え方でございまして、それぞれの公共団体において、その設置いたします営造物の職員は、その公共団体自体の條例で定めて行くという考え方でございますので、その一環としてここに規定いたした次第でございます。
○松本(七)委員 そうすると、将来予定される地方公務員法等の考え方がそうであるから、ここにそのまま出した、こういうことですか。
○辻田政府委員 地方公務員法は、まだ提出されておりませんので、それをすぐどうというわけには行きませんが、その思想、考え方をやはりここに採用したわけでございます。
○今野委員 その点について実際の実例を見ますと、今まででも定数や何かの問題については、中央の財政の都合から規定されてしまうという場合が非常に多いわけです。それで教育に熱心な府県、地方団体といつたようなものが、どうも十分にその熱心さを実際の上に表現することができない、こういうことが出て来るわけでありますが、こういうように地方公共団体というふうにして、他の方面の予算上の問題から責められると、やはり同じことになりはしないか。この夏衣来の苦杯をまたなめはしないかというような心配があるわけですが、その事実上の問題からお答えを願いたいと思います。
○高瀬国務大臣 ただいまの御質問は、多分義務教育費国庫負担の定員定額制と、地方公共団体できめます條例との関連についてお考えになつて御質問があつたのじやないかと思うのでありますが、定員定額の制度は、決して地方の教員の定員をきめるという制度ではありません。正式に定員をきめるという制度ではありませんで、国庫予算におきまして、地方に対する補助額を計画的にきめようとする一つの標準として採用されておるのでありますから、定員の問題はやはり條例できめるべきであろうと思います。
○今野委員 それが今度の場合を見てみますると、地方自治庁からの話でもつて、もし中央できめたこの義務教育費の定員定額の予算に従わない場合は配付税などを削る、こういうようなことを言われて、大分おどかされた。そういうふうな横やりが出る余地が、やはりこういうふうにして残されるということは、たいへん残念なように思うのですが、いかがなものでありましようか。
○高瀬国務大臣 やはり定員をきめるということは、今野さんの言われるような意味においての学校教育を充実して行くのに、必要なことではないかと思います。むろんあまり少くきめられるのはよくないが定員法によつて確保するということは必要なことで、これを地方公共団体が十分教育尊重の観念をもつてきめてもらうようにするのが、一番いいのだろうと思います。それで今度は一般平衡交付金でもつて負担されて行くことになると、今までとは大分やり方が違つて参りますから、今までのように地方自治庁からのああいう通牒なんかとは、関係がなくなるのではないかと私は思います。 —————————————
○原委員長 この際委員長から御了解を得たいことがあります。それは文化財保護法の問題でありますが、これはすでに皆様御承知のように、参議院の方で一昨年より愼重審議をされ、去る第五国会に提出に相なつたのでありますが、審議未了に終つております。衆議院側としても本委員会において大体きまりましたので、はなはだ僭越でありますが、皆様方の意のあるところをくみ入れまして法制局と衆議院案というものをつくりまして、すでに皆様方にお読みいただいておることだと思います。その後はなはだ独断で僭越でありますが、委員長は委員会の空気を察しまして、参議院の委員長と会い、衆議院側としては参議院側の先議したことに敬意を表して、参議院側において法案の提出をしたらどうかということを参議院の委員長に申し上げたのでありますが、それには條件がある、参議院から提出して衆議院に送付された場合に、衆議院側で大幅に修正しなければならぬということでは、また審議未了に終る危険性があるから、衆議院側の意向を十分入れて提出してもらいたいということを言つてあります。まだ法案は提出になつておりませんが、それで衆議院側の意向を大幅にくみ入れたものを昨日御配付申し上げましたが、なおもつとくみ入れたいということがありましたら、お申出いただいて、法案の中にくみ入れて、参議院側に提出させたらどうかと思います。この点はなはだ独断で、そういうふうに進めて参りまして申訳ないのでありますが、皆様方の御了承を賜わりたいと思います。参議院側としてはこの臨時国会に出したいという熱意に燃えておりますから、その点特に御了承を賜わりたいと思いますが、いかがでございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○原委員長 速記を始めて——それでは午後二時より再開することにして、暫時休憩いたします。 午後零時十八分休憩 —————・————— 午後三時十一分開議
○原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 教育委員会法の一部を改正正する法律案の逐條審議を続行します。 次は教育長等の身分取扱について、御質疑事はありませんか——なければ教育長等の給与。
○松本(七)委員 第七十條第一項の改正案についてですが、この教育委員会の設置範囲は、制定当時から問題になつておつたのですが、今までの教育委員会の実績にかんがみて、制定当時も問題になつたように、当分の間都道府県と五大都市に限定するというように、現行法及びこの改正案で修正されるような御意向は全然ございませんか。
○辻田政府委員 教育委員会の設置範囲につきましては、いろいろ御意見があるのでありますが、教育委員会制度の目標とします点を、できるだけすみやかに実現いたしますために、地方公共団体の最下部の町村にまで委員会を設けるという趣旨において、一貫して参つたのでございます。ただしかし町村につきましては、財政の関係あるいは人事交流等の場合における関係、その他教育行政を円滑にいたしまするために、必ずしも個々の町村に委員会を設けることは適当でないというようなことも、相当大きな輿論的な意見もありますので、この点につきましては、鋭意調査いたしまして、その上で適当な基準を設けて、法制もまたそれに伴いましてあらためて御審議をお願いしたいと思つておる次第でございます。
○松本(七)委員 現在地方行政調査委員会議設置法案というのが審議されておると聞いておるのですが、そういう法律案ができて後に、地方行政の変更に件つて、なお将来これを縮小するとか、あるいはその期限をまた延ばすというようなことをやる考えはありませんか、その関連についてお伺いします。
○辻田政府委員 地方行政調査委員会議設置法案が提出されているのでありますが、これは主として国、府県、市町村の事務の分担、配分につきましての審議をされる会議のように聞いているのであります、従つてこの委員会関係の仕事の分野につきましても、全然関係がないということは言えませんが、教育行政につきましては、委員会法によつて規定されておりますので、その点は関連はありますが、しかしこの委員会法の方が優先するものであると考えております。
○今野委員 やはり七十條の問題でありますが、こういうふうに非常に決定的に二十五年、二十七年というような線を出して来たのは、何か特別な理由があるのですか。さつきは非常に一般的な一貫したというお話でありますが、それは初めからきまつているのですか。前に二十四年及び二十六年には行わないと、非常に消極的に考慮の余地を残して、今度は非常に決定的に二十五年、二十七年にやるというふうになつたのは、何か特別な理由があつてのことですか。
○辻田政府委員 教育委員会の設置の期限の問題でございますが、この前の国会におきまして教育委員会法の一部改正をいたしまして、その際に二十五年また二十七年に市町村の委員会を設置しなければならないというふうに改めたのでございますが、その後いろいろ研究してみました結果、市につきましては二十五年または二十七年という、この両年においてこれを確立するということを認めていいと思うのでありますが、町村につきましては、るる申し上げましたように、その設置の單位を、現在のままの町村にそれぞれ置くのが適当であるかどうかということについて、研究の余地が相当多くありますので、これを二十七年に延ばした次第でございます。
○今野委員 これについては、もう変更しないつもりでお延ばしですか、非常に強い要求なのですか。
○辻田政府委員 町村に設置される委員会を、二十七年度に限るか、またはそれから先に延びるかという問題につきましては、二つの問題がありまして、一つはできるだけ委員会制度の目標とするところを早く実施したいという要請と、一つには町村の実情から考えて、いつごろやれば最も適切であるかという二つの問題であります。両者をにらみ合せまして、最も適当な時期にしなければならないと存じますが、現在の段階におきましては、二十七年度にいたしたい考えであります。
○今野委員 わかりました。
○原委員長 次は附則全体について御質疑を願いたいと思います——御質疑は、ございませんか。 それでは大体逐條審議をいたして参りましたが、委員の方々には、漏れている点もおありかと思いますので、本法案に関係のある質疑並びに本法案に独立している各條について御質疑を一括して許します。
○松本(七)委員 先ほど水谷委員からの御質問のときに、辻田局長から御答弁があつた問題ですが、教育長と教育委員会との関係の問題です。これを五十條の三で一括して規定したのだ、それで従来の教育委員会法の根本趣旨とは少しも違つていないのだ、こういう御言明があつたのです。しかしながら、表現の仕方から申しますると、今までは教育委員会が教育長に対して助言と推薦を求めることができる、つまり教育委員会が必要と認めれば、教育長に助言、推薦を求めておつた。その求めに応じて、教育長はこれを行つている。ところが今回は、教育委員会の行うべき教育事務について、教育長は助言し推薦することができる、こういうふうな表現をしますと、やはり何といつても、教育長の方に力が注がれているような印象を受ける。そこで、もしも局長の御答弁にあるように、従来の趣旨を少しもかえる意図がないとすれば、そのときにもう少し表現の仕方にくふうがあつたのではなかろうか。たとえば「教育長は、教育委員会の行うすべての教育事務につき、教育委員会の求めによつて、助言し、推薦することができる、」こういう規定をして、趣旨は従来とは少しもかわらないのだということをはつきりされることができたのではなかろうか。こういう点についてどの程度御研究されているか。そういう文句を入れることが不当であるかどうか、この点について伺いたい。
○辻田政府委員 従来の法律と今回の改正案とによりまして、教育長と教育委員会との関係は、根本趣旨においてはかわつておらないのであります。従来の法律によりますと、両者の関係が必ずしも明確でなかつた点があるのであります。従つてそれぞれの地方の教育委員会におきまして、いろいろな解釈をされまして、非常に教育長の権限を強く考えられたり、また教育委員会で細部のことに至りますまでされる。その場合に非常に事務の能率が悪くなるといういろいろな弊害が、過去一箇年間の実績にかんがみますと、あつたのであります。そこでその関係も考慮いたしまするし、また條文の全体における構想をも十分整理いたしまするために、この教育長と教育委員会との職務、権限を明確にするということが必要になつて参りまして、教育委員会の職務権限につきましては、第三章の方にこれをうたいまするし、その教育委員会の下にありまするところの教育長につきましては、第五十條の三を設けて明らかにしたのでありまして、第五十條の三の第一項は、教育長の本来の職責を明責にいたした次第でございます。従つて教育委員会は、求める必要があれば、もちろん従来通り助言と推薦を特別にさせることができまするが、教育長の職責から考えまして、教育委員会を補佐しなければならぬ立場にあります。そこで教育長が教育委員会を補佐しなければならぬ場合におきましては、專門的な立場におきまする助言なり推薦なりをすることができるようにしておかなければ、教育長はその職責を全うし得ないのでございますので、そこで五十條の三の第一項を規定いたしまして、はつきりいたした次第であります。
○松本(七)委員 どうも局長のお話を聞いておつて、明確になるはずのものが、かえつて明確になつてないように思うのです。元来教育委員会というものが強力になつて行かなければならぬというのが、この教育委員会法の根本趣旨になつておるはずです。それなればこそ教育長の助言、推薦は、教育委員会があくまでも主力で、その必要があると認めた場合に、初めてその求めに応じてやるということを、わざわざ国会で修正している。それであるにかかわらず、今回この求めによりというような言葉を入れておるというところに何か意図があるように感ずる。そういうことをむしろはつきりすることによつて教育委員会と教育長というものの関係がどういう関係であるか、教育委員会があくまでも主体でなければならぬという点が初めてはつきりするのではないか。これを除いておるために、一層教育長と教育委員会との関係が不明確になつて来ると私は思う。その点もう少しはつきりしていただきたい。
○辻田政府委員 教育長と教育委員会との関係について、教育委員会が主体であり、教育長が出先機関でありますことにつきましては、五十條の三で、はつきりこの点をうたつたつもりでございます。すなわち一般的監督のもとに職務を輔佐するのでございまして、教育長が独自に職務を執行するということはとうてい考えられないのであります。第五十條の三の第二項によつてその関係は明瞭になつていると思うのでございます。
○水谷委員 松本君の質問は、私が先般質問をいたしました点でありまして局長の説明がはつきりしないので——ただいま大分はつきりして来たのでありますが、現行法と今回のとは、根本においてはかわるところがなくても、教育長がみずから助言と推薦をすることができるというふうになつておる点がかわつておるのであります。それは今局長の説明するように、委員会の方において求める場合がある。そういう場合でも教育長の方としては委員会を補佐する上に助言をしたり推薦をしたりすると、まことに都合のいいときがあるのだ。ところが委員会の方で求めない場合がある。そういうときには教育長としての職務を完遂することができないから、ここに助言と推薦をすることができるという規定をするのだ、こういうふうに説明してもらつたらはつきりわかるのだと思う。そこをはつきりしないと、今度の改正の箇條においても、求めに応じて助言と推薦ができるというふうになぜできないか、こういうふうに松本委員が言われるのでありますが、そういう点をもう一回はつきり御説明になつたらよかろうと思います。
○千賀委員 私はこれはこう考えております。教育委員会は何としても主である。だから教育長は助言と推薦をいつの場合でもなし得るが、これを用いるか用いざるかは、教育委員会の独自の見解によつて定めるものである。教育長の助言を委員会が採用しなければ、教育委員会の機能が発揮できないということであれば、皆さんの御質問通りに、今までとは逆に委員会の機能が減殺されることになるのであるけれども、私の解釈の通りに、教育長がいいつでも助言をしたり、かれこれおせわをしても、場合によれば、これを不必要であると思えば採用しない。採用しなくても、教育委員会の機能がりつぱに発揮できるということであれば、この御質問の趣旨は、みんな紀憂に属するということになります。この点いかがでしようか。
○辻田政府委員 ただいま御質疑がありましたが、御趣旨の通りでございまして、教育長は、その職責から考えまして、助言と推薦がいつでもできるということになりますが、それを採用するかしないか、あるいはまた決議をどういうふうに反映するかということは、教育委員会自体のお考えでできるわけでありまして、いわば参考の意見というふうなことになると思うのであります。
○松本(七)委員 そうすると、今までの実績からいつて、教育長の助言と推薦ということが十分に行われておらなかつた、こういう点からそういうふうに改正されるというのですか。
○平島政府委員 今までのが十分でないというのではなく、今後、より以上その機能を発揮しようというのであつて求められても求めなくても、これを助言し推薦し得ることにした方が、この委員会の運営の面においてもよくなるであろうということを考えて、こうしたのであります。
○渡部委員 この六十七條に、「事務員及び技術職員は、教育長の推薦により、教育委員会が、これを任命する」とあるが、これは教育長の推薦によらなければ任命できないものかどうか、ここに問題がある、この点いかがですか。
○辻田政府委員 六十七條の点は、教育長の推薦によつて委員会が仕命ずるのでありまして、そこに一つの條件があるわけであります。
○渡部委員 教育長が推薦しなければ、そういう人事が決定されないというようなところに、教育長の権限を拡大したというふうな感じが、多くの人たちに出て来る一つの根拠があるわけなんです。もし教育長の推薦がなかつたら、こういう職員の任命ができないということになれば、その点において教育委員会がやはり一つの権限を縮小されることになる。そうではなくて、われわれの考えでは、ほんとうに民主的になされるならば、たとえば履歴書が何通も出て来ると、そういう履歴書がそのまま教育委員会に提出されて、委員会がその履歴書を審査することによつて、初めて適当とする人を任命するということでなかつたならば、人事関係すらも教育長の專断によつて決定されることになつてしまう。この点はどうなんですか。
○辻田政府委員 その点は、現在の法律第四十五條の第四項に「第一項及び第二項の職員並びに学校の事務職員は、教育長の推薦により、教育委員会が、これを任命する」とございます。この現行法をここに移しただけでございまして、現行法を改正する考えは全然ございません。
○小林(信)委員 今のお話の中にありました技術職員、これをどうして今度取入れたか。それからこの技術職員に対する待遇というようなものについて、考えておられるところをお聞きいたしたいと思います。
○辻田政府委員 従来事務職員あるいはまた專門職員の中に、技術職員を抱括して入れておつたのでありますが、実際技術に従事する人を事務職員という名前で呼ぶのは、適当でないという考え方から、事務職員または技術職員というように普通名詞に直しただけでありまして、技術職員という官職ができたわけではないのであります。従来事務職員というのは、少し漠然とし過ぎておつたというので、事務職員と技術職員とわけた次第であります。 給料等につきましは、地方公務員法ができれば、六十八條の規定により給与を支給する、それができるまでは八十一條によつて処理するというふうになつているわけであります。
○小林(信)委員 今までも高等学校におつた技術職員は、非常に冷遇されておつたのですが、この点を確認して、こういう技術職員というのを新たに加えたのではないですか。私は今後技術職員に対しては、相当な待遇をする、定員等についても考慮するというふうに考えておつたわけなんですが、技術職員が今までどういう境遇に置かれておつたたかということは、文部省はあまり熟知しておらなかつたのですか。
○辻田政府委員 技術職員と事務職員の関係におきまして、技術職員が冷遇されておつたかどうかという問題につきましては、今すぐ数字によつてお答えすることは出きませんが、そういう事実がありましたならば、すみやかに改めなければならぬと思います。そういうことについての規定あるいは給与等の標準といつたものにつきましては、これはそれぞれの委員会におきまして、その根拠法規に基いてきめることになると思つております。なお現在の法規によりますと、技術職員で保健衛生といつた仕事に従事しておりますものは、医者でございますが、医者などもやはり事務職員の範疇に八つておりまするので、これも適当でないというふうに考えて、技術職員を特筆したわけであります。 —————————————
○原委員長 質疑は後日に譲ることとして、この際本法案に関して参考人を招致して意見を聞くことに昨日委員会散会後理事会で話合いがありました。よつて参考人身招致するかどうかを、委員会としておきめ願いたいと存じます。お諮りいたします。参考人を本委員会に招致するに御異議ありませんか。 「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたします。 なお人選及び期日につきましては委員長に御一任を願いと存じます。が、御異議ありませんか。
○原委員長 御異議なしとみとめます。それではさよう決定いたします。 本日はこの程度で散会したいと思いますが異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十分散会