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6回国会衆議院1949/11/24

農林委員会 第10号

発言数
60
登壇者
11
会派数
3
開催日
1949/11/24

会議録

小笠原八十美民主自由党

○小笠原委員長 これより会議を開きます。  食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案及び食糧増産確保基本法案を一括議題として質疑に入ります。  この際農林大臣より、先日の委員会で補正に関する報告を求めておりました件の報告を聽取いたします。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 本年度の米の補正問題について、今日までの経過を御報告申し上げたいと存じます。  御承知の、例年の通り作報事務所の調査統計並びに食糧事務所等の参考調査等によりまして、本年の收穫量の予想をいたしておつたのでありますが、当初六千五百余万石の予想をいたしておりまして、その後坪刈り調査等をやりまして、その成績によりますと、以後非常ないもちの発生もありましたような関係で、一割くらいな減收が予想されておつたのであります。ところが、各府県からは減收千百万石というような、大きな減收の報告がありまして、その査定上非常な困難を生ずるような情勢になつておつたのであります。ところが、十一月十五日に司令部より指令されたのであります。それによりますと、本年の米穀及びその代替作物の生産は六千九百二十三万五千石と見られる、この判断に基き、若干の地域に起つた災害を考慮するに、供出割当は少くとも三千百十八万八千石でなければならない。そしてこの割当は十一月二十五日以前に会議を開いて、知事に割当を指示すべきものであるという指令を受けたのであります。三千百十八万八千石と申しますと、事前割当に対しまして百十四万六百石というものが補正することになるのであります。その数字が当時政府として考えました数とあまりにもかけ離れますので、いろいろ先方に内交渉いたしておつたのでありますが、容易に承認を受け得られないのであります。しかし政府といたしましては、十一月の十九日に、この問題について天然資源局局長に対して書面を出したのであります。それは本年の作柄は、当初六、七月ころには予想がよく考えられておつたのであるが、いもち病が九月の下旬から十月にかけて非常に発生いたしたために、当初の予想を裏切るような状態である。ところで、今十五日に指示されたような百十四万六百石というような補正は、実際問題としてどうも供出面に困難をいたすと考えられる。願わくは実收が決定した上において適当に考慮するような方法をとりたいと思うということを、向うへ書面をもつて交渉いたしたのでありますが、それは断じていけない。この百十四万六百石をもつてただちになすべきである。こういう重ねての指示がありまして、とりあえず百十四万石というものを、今日までの被害状況、人口の増減等をしんしやくいたしまして各府県に割当てまして、そして二十二日に調整委員会を急遽招集を求めまして、今日までの経過を報告して、協議を進めたのであります。ところが、その結論といたしましては、百十四万六百石では、どういうところを基礎として考えられたかわからない。とうてい中央調整委員会としては、このままにおいてはこの補正額を容認することは困難であるという結論を得たような次第であります。しかし政府といたしましては、明日知事会を招集いたしまして、ぜひとも二十五日までに一応割当をしなければならぬことになつておりますので、この数が変更されない、絶対に変更されないといたしますれば、一応はこの数字において補正割当をいたしましてどうせ十二月の末には実收高もはつきりいたすのでありますから、その実收高がはつきりいたしました上において、適当な措置をとりたいということを、昨日も天然資源局に交渉いたしているのであります。まだよろしいともよろしからずともはつきりした回答は得ておらないのでありますが、いずれにしましても、百十四万六百石を一応の基準として割当をせざるを得ないというような実情にあるのであります。これが今日までの補正問題に対する経過でございますので、一応御報告申し上げた次第であります。

小笠原八十美民主自由党

○小笠原委員長 ちよつと速記を止めてください。     〔速記中止〕

小笠原八十美民主自由党

○小笠原委員長 速記を始めてください。足立委員。

足立篤郎民主自由党

○足立(篤)委員 私は食糧確保措置法の一部改正案について、私の結論的に考えておりますことを若干申し上げまして、政府当局のお考えをただしたいと思います。  第一に、この案につきまして考えなければならないと思いますことは、この案がすでに一年近く前に考えられた案であるということであります。申すまでもなく、この一年間に食糧事情、ことに世界の農産物の需給の状況は、著しく変化を見て参つておるのであります。このような急激な変化、他の産業面に見られますより以上に、非常に大きな変化をこの食糧事情の上に見ておるということを考えますときに、もわれわれはわが国の食糧生産、ひいて農政の基本的な対策を、ここでいわば白紙の立場に立ちまして、もう一度真剣に、根本から考え直す必要があるのじやないかということを、痛切に感ずるものであります。終戰以来いわゆる食糧難のために、一貫した統制方針でやつて参つておりますが、この際こそ先を見て転換すべき一大時期に遭遇しておると、われわれは考えるのであります。そこですでに新聞その他で報道せられております通り、世界における農産物の需給の状態が一変して参つておるのでありまして、かねて国際的な管理下に置かれました食糧の需給関係が、本年度に入りまして自由になり、なお最近の情勢は、わが国にも希望以上の食糧が輸入されんとする状況に相なつておるのであります。このような状況から考えますと、私ども農政に関係いたす者といたしましては、特殊な地理的條件のもとにあります日本の農村の保護政策の問題を強く取上げて、今後の農政の根幹としなければならないという点を痛感いたす次第であります。そこで最近巷間伝えられますところの、たとえばいもの統制を撤廃するという問題につきましていろいろ論議がかわされておりますが、最近の一部の理論といたしましては、いもの統制を維持することによつて農村の保護政策たらしめよという声が、相当強く起つております。しかし私ども冷静に判断いたしますと、統制というものと保護政策というものとは、はつきり観念を別にして考え直さなければならぬと考えるわけでありまして、便宜的に統制の手段を保護政策に利用するということは、今後の問題を処理します場合に、過渡期的にはいいといたしましても、将来を考えます場合に非常な困難を来す、間違いを起す危險があるということを、私は警告いたしたいのであります。統制は物の需給の関係から、需要に対して供給か不足する、これを公平に分配せんがために行われるものでありまして、これを保護政策に利用するというような考え方で将来とも参りましたならば、これこそ本末を転倒するもので、大きな間違いを惹起するおそれが十分あると私は憂慮いたすものであります。この際農政の将来の行き方というものを、基本に立ち返つて考え直し、その線に沿つて、一つ一つ手を打つて行かなければならないというふうに考えるわけであります。そこで今後の農村の保護政策の根幹となるべき問題は、現在アメリカにおいて行われております通り、農産物の価格の維持政策と申しますか、いわゆるプライス・コントロールという問題と、もう一つは、わが国の農村が特殊な地理的條件のもとに置かれておるということから考えまして、治山治水を初めとする災害対策、並びに災害によるところの損害の補償政策、このような積極的な面と消極的な面と、両様相まつて、この保護政策を強力に実施に移すべきものと、私は日ごろ考えておるわけであります。かような観点からこの食糧確保臨時措置法の一部改正案を考えます際に、すでに時世は過ぎ去り、この古色蒼然たる改正案をここに審議せんとすることは、私どもいかがかと存ずるわけでありまして、この際政府当局の御意向をはつきりと確めたいと思いますことは、ただいま私が申し上げました通り、この機会に農村政策を根本的に建て直して、新しい立案をなさる意思なきやどうかという問題でございまして、まつたく角度をかえて、この保護政策を取上げて立法措置をとられるよう、私は希望してやまないわけでありますが、これに対する当局の御意向を、この機会にはつきり伺つておきたいと思うのであります。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 ただいま足立委員より、本委員会に御審議を願つております食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、いろいろ御意見を伺つたのでありますが、この機会に政府の所信を申し述べまして、御批判を願いたいと思うのであります。  この改正法律案につきましては、第五国会に提案をいたしたのでありますが、参議院の修正可決を得たのみでありまして、衆議院の可決を得るに至らず、現在継続審議に付せられておる次第であります。この改正法案の骨子といたしますところは、御承知の通り、経済九原則に基きまして、食糧集荷の法律化をはからんとするところにあるのであります。従つて国内産食糧の、食糧需給の必要とする最大限の政府による集荷を実現するところに、ねらいがあるのでありまして、事前割当数量に比しまして減收の場合は、各生産者別に供出数量の補正を行い、收量が当初の見込みに比しまして、生産者に供出の余力があり、かつ国の食糧事情からも、食糧需給の均衡の保持上必要があると認めます場合には、生産者の供出数量の増加を行い得る道を開かんとするものであります。  今この改正をする理由につきまして二、三申し述べてみたいと思うのでありますが、最近食糧事情の若干の好転によりまして提案当時とは客観的情勢がある程度変化し、一部にはこの食糧確保臨時措置法の一部改正法律案は、その改正を要しないといつた認識があるかのようにうかがえるのでありますが、わが国の食糧事情は、必ずしもこの法律の改正を要しない程度まで回復し、事前割当数量の確保のみで、食糧需給の均衡を保持し得るとは言いがたいと思うのであります。確かに今年春の均衡予算編成と、為替レート設定を中心といたします経済安定計画の実施によりまして、終戰以来のインフレーションも終熄の段階に入り、わが国の経済は漸次安定化の線をたどり、物資によりましては有効需要の減退を示し、統制の解除ができるまで需給が緩和したものもあるのであります。しかしながら、食糧が国民生活維持の基幹であり、現在二合七勺の配給基準量維持のためには、二百万トンに近い輸入食糧の供給を仰ぎ、しかも御承知の通り、それの大部分は連合軍の対日援助資金によつて輸入されておる事情にあるのであります。従つてわれわれは、いつまでも、あまりにも安易にこれにのみすがるわけにはいかないのであります。最近に至りまして、国際聞における穀物の割当制が廃止されまして、国際小麦協定参加の議がある。かのコマーシャル・フアンドによります輸入食糧の確保には、まだ大きな困難と不安定があると思われるのであります。そうして食糧の消長いかんは、食糧需給の安定にただちに至大なる影響を持つ事情にありまして、食糧配給の遅延が、賃金、物価及び生計費に対する重大な影響を持つことを考えますならば、一方必要な輸入の確保をはかるほか、まず国内産食糧の、食糧需給の必要となる最大限の集荷をはからねばならぬ事情は、ごうもかわつていないと思います。またこのことは、単に食糧需給の見地から必要なばかりでなく、国際收支の見地から言つても当然なことであります。将来の日本の農業の健全な維持発展のためにも必要であると思われるのであります。  次に食糧需給の安定を目標といたします農業計画の運用の点につきましても、法律の改正を要する所があるのであります。すなわち現行法によりますと、事前割当数量の変更は減額補正のみでありますため、一部には減收農家があるが、他に農作農家がある場合においても、豊作農家に対して、供出数量の追加割当を行うことができないのでありますため、わが国の現在の食糧事情では、災害農家の期待する通りの供出数量の補正を、行えないような事情にあるのであります。しかしながら、もしこの点を改正しますならば、豊作農家に対し追加割当を行うことができるのでありますから、豊作農家の超過供出による補填を見返りとして、減收農家の期待に沿うごとき供出数量の補正を行うことが可能となるのでありまして、政府として直に均衡のとれた補正を行いあわせて農民の供出負担の公平化を、より完全に実現することができるのであります。そもそも供出制度については、種々改善を要する点があり、漸次改善もなされつつあるのでありますが、何といつても供出負担の公平を実現することが、供出制度の円滑な運営を期する根本であると思うのであります。この意味におきましても、食糧需給の均衡保持のためにも、あわせて今般の法律改正を要するのでありまして、何とぞすみやかに御可決くださいますようお願いする次第であります。  なお追加割当を法制化することは、政府が生産者に対し一定数量の売渡しを強制することになるのでありますが、この半面買手としての政府としても、それに対し価格、資材、資金、報奨物資等の点で、次年度の農家生産を確保するための措置をとらねばならぬことは当然でありますので、これにより農家生産に対する一種の保障を受けることになるのであります。現在経済が安定に近づき、農家のやみ経済に依存する面が漸次縮小するとともに、農産物の販売も、やみ流しをするよりも政府に供出するといつた傾向になりつつあるのでありまして、供出に対し政府による特別措置が講ぜられることは、これらの措置が従来持つていた以上に農家経済に好影響を與えることになるので、追加割当の法制化は、食糧事情の安定化をはかるためばかりでなしに、将来において農家に一定の所得を保障する効果も持ち得るものと理解し得るのであります。かような意味におきまして、ぜひ今国会におきまして本改正法律案の通過を政府は期待いたしておるような次第でございます。

足立篤郎民主自由党

○足立(篤)委員 ただいま政務次官より、提案理由の説明と同じような長い御答弁をいただきまして、感激にたえませんが、実は私が伺つておりますポイントを、若干はずれているように思うのであります。経済九原則の線に沿つて本案が立案されたということは、よくわかつておるのでありますが、すでに今期国会におきまして、総理大臣は施政方針演説中に、経済はすでに安定したと言われております。本年初めいわゆるドツジ・ラインが実施されます際に、これと財政計画を並行して考えるような、経済九原則の線が全面的に取上げられて、強力に安定への道が要請されなければならなかつたのでありますが、財政計画が先行してこの面が遅れて参つておるわけであります。すでに経済が安定し、一方に巷間伝えられるところによりますれば多分に恐慌のけはいが見えておる。私どももこれは現に認めざるを得ないのであります。ことに農村におきましては恐慌の一歩手前であるということは、私ども身をもつて承知いたしておるのであります。のみならず最近の食糧輸入の状況から考えますと、輸入食糧による国内産の農産物の圧迫と申しますか、農家経済に及ぼす影響というものは、まことに憂慮にたえないような状況になつておるのであります。このような場合に、ただいまのお話では、供出制度によつて将来は農家の収入を保障し得るというようなお話もございましたが、現在の米価その他農産物価は、生産費を償つて余りあるものであるならば、これは保障し得ると言つてもはばからないと思うのでありますが、実情は遺憾ながらそう行つておらない。現在の農産物の価格でこれを保障し得るとするならば、これ以上大きなあやまちはないと思うのであります。ここで私どもお伺いいたしたいと思つておりますことは、今後の農村恐慌に備えての政府の農村保護政策をこの食糧法の一部改正と並行してどのようにお考えになるかという点を、伺つておるわけであります。  もう一点具体的な問題をお伺いいたしたいと思いますが、スターリング地域から入つて来ると予想されます三十万トンの数字が、最近新聞に出ておりますが、過日の委員会でお話がありました三百十数万トンの輸入が予定されております。そのうちにこの三十万トンが含まれるものであるかどうか、それ以外であるとすれば、この輸入食糧の数量はさらに多くなると考えられますので、この点を具体的に一点確かめておきたいと思います。この二点につきまして御質問いたします。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 日本におきます経済が逐次安定の方向に向いておりますことに、過般の総理の御演説の中にもあつたのでありまして、経済九原則、いわゆるドツジ・ラインを強硬に実施するということからいたしまして、いろいろな制約を受けながら、その中にわれわれが農村問題を考えて行かなければならないのであります。ただいま御指摘になりました通り、米価が農業の再生産を確保する、農家の生産原価を割らないと保証できるかということについては、いろいろ御意見もあろうと思いますが、生産者の立場のみでなく、あわせてまた消費者の立場も考慮して決定された米価であるということからいたしまして、輸入食糧も相当多量のものが予想されておる今日としては、このためにこうむるいわゆる農村の恐慌と申しますようなものについては、十分政府が強力なる保護政策をとらなければならぬことは、われわれも同様に考えておるのであります。先ほど申し上げました通り、必ずしも米価がこれをもつて償い得るとは考えませんが、これは足立委員も御了解願えると思います。ただ生産者の立場のみにおいてこれを主張するということはどうかと思うのでありまして、ことに今年度の米価についてはパリティー計算方式を採用いたしましたが、その中にも農家の必需物資についての価格の変動については、パリティーの修正に十分力をいたしておるのでありまして、われわれは十分ではないにいたしましても、生産消費両面から見ましたならば、まずこれをもつてごしんぼうを願わなければならないかと思います。個個に対します農村の保護対策については、われわれは今愼重に研究いたしておりますが、いろいろ情勢も変化いたして参りますので、これに対してはいろいろ今後の対策も考えなければならないと思います。今御審議を願つております食確法を、今国会においてぜひ通過させてもらいたいというような事柄も、今申しましたように刻々と情勢も変化しておりますので、むしろ政府が一定の価格でもつてこれを買上げることが、農家の経済を安定させるのではないか、かような考え方で、先ほども申し上げたような次第でございます。今後の保護政策等につきましては、さらにわれわれも具体的な案を策定いたしまして、御審議を願いたいと思うのであります。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 スターリング地域からの買入れは、大体三百万トンの輸入のうちと考えております。

河野謙三民主自由党

○河野(謙)委員 われわれは食確法の審議にあたつて、まず大前提として世界の食糧事情がわからなくては、この食確法の審議はできない。世界の食糧事情がわかつて初めてわが国の農政も立ちますし、また食糧の政策も立つと思うのであります。そこでひとつこの機会に、食糧管理局の長官の手元にある一切の資料を御提供願いたい。私が聞いておる範囲では、たとえばアメリカについては、戰前に比較して実に七割の食糧の増收がはかられておる。世界全体を通じましても、すでに二割の食糧の供給増になつておるということを聞いておるのですが、これらの点につきまして、アメリカの食糧事情並びに世界の食糧事情を伺いたい。もう一つお伺いしたいのは、小麦国際協定に加盟していないロシアなりアルゼンチン等の食糧の供給事情はどうなつておるか、これらの協定に加盟していないアルゼンチンなりロシアが、一体どの程度輸出力があるか、また現在これらの国が輸出する場合に、その輸出価格の見通しについても、ひとつこの際十分御説明いただきたいと思うのであります。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 ちよつと時間を貸していただきたいと思います。

河野謙三民主自由党

○河野(謙)委員 それでは例によつて肥料の問題なんですが、ちよつと政府に御忠告申し上げておきたいことがある。先日本委員会において、農林大臣は本年の米の作柄の説明のときに、みずから犯した罪に気がつかずに答弁されておつたことがある。それはかようなことを言つておる。本年は非常に雨が多かつた。その他いろいろの事情で米の収穫が悪かつた。そのいろいろの事情の中に、肥料の配給が非常に順調なために、麦の肥料を早く配給した。その麦の肥料が稲の追肥に使われたために、肥料過多のためにいもちが起つて、それが一つの減收になつた原因である。こういうことを農林大臣は言つておられる。これは肥料の統制の衝に当つておられる農林大臣がかようなことを言うのは、私非常にふしぎだと思う。肥料の統制は單に数量の統制だけではない。施肥基準、消費規正をはつきりやることが、肥料の統制の大きな眼目なんです。すなわち適期に肥料を配給するということが、大きな統制の眼目なんです。間に合う時期に肥料を配給する。遅れてはいかぬ、また繰上げて配給することもいけない。この肥料の眼目であるところの適期配給、消費規正、これをやらなかつたために、麦の肥料がいもちの原因になつた、それで減收になつたということは、肥料の配給指導をやつておられる農林省として、農林大臣の答弁によれば、肥料の配給についてきわめて大きなあやまちを犯したということになるわけであります。そこで私は、過去の問題はとにかくといたしまして、今後の問題として、少くとも今ごろから来年の三月四月に使う肥料を配給するようなことはやめてもらいたい。農家の経済上から行きましても、今ごろから来年の春の三月四月の肥料を押しつけられることは、非常に迷惑であります。迷惑だけでなしに、同時に今ごろから来年の春肥料を配給いたしますと、これが稲の肥料に使われずして、他の果樹その他の作物に流れるということは、当然起るわけなんであります。そこで今全国的に来年の春の肥料の配給をやつておりますが、これは少くとも政府の責任において、肥料資金の支出をして、適期まで保管することをやつてもらいたい。この春の失敗にかんがみて、それは責任を持つてやつてもらいたい。万一肥料代金その他の点で、政府の責任において十分なる手持ちができない場合には、農家にこれを一時渡す場合に、農家に対して少くとも来年の春までの金利、倉敷料を加算した格差をつけて、私は配給すべきものだと思う。来年の三月四月の肥料を、その時期に買つても、今押しつけられても、一月、二月に取つたと同じ値段にすることはあまりに不合理であります。ところがこの不合理を平気でやつておられる。これにつきましては、まず第一に肥料代金の手当を至急にやつてもらいたい。同時にもし来年の春までの肥料の一部でも今渡すならば、肥料に格差をつけべきであるということを、私は政府に御忠告申し上げる次第であります。ちよつと事務当局にこの点だけをお願いしたいと思います。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 肥料の配給の時期等につきまして、いろいろ御意見があるかと思うのでありますが、御承知のように、生産者といたしましては、あげて公団にそのできたものを持ち込むのであります。生産者は常に一年を通しまして平均的に生産しておる。ところが配給の方は春肥、秋肥といつたようにいろいろ区別されるのであります。この間配給を受けられる方にはいろいろむりがありまして、これはすべて公団において適当に調節するのでなければならないと思うのであります。ただ公団が今日までの運営におきまして、必ずしも適切な運営がなされたとは考えられないのでありまして、御承知のように、肥料公団の問題につきまして、存廃の問題、あるいは今後の配給の問題につきまして、ただいまいろいろ論議をされておるときであります。これにつきましては、十分研究をいたしまして、再びかようなあやまちの起らないようにいたしたいと考えておる次第であります。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 世界各国の食糧の需給状況についてのお尋ねでございますが、あいにくちよつと手持ちの資料に、各国の需給状況及び輸出力の資料を持つておりませんので、これは次の機会に申し上げたいと思います。  この際に各国におきます食糧の輸出関係の価格の点をちよつと申し上げてみますが、大体申し上げる国々は輸出力のある国でありますから、さよう御了承願いたいと思います。大麦について申し上げますとアルゼンチン、イラク、オーストラリア、北アフリカ、アメリカ、こういうところが考えられるわけであります。この国の大体の価格はCIF価格でアルゼンチンが七十一ドルから七十二ドル見当、イラクが二十一、二ポンド、オーストラリアが二十四から二十五ポンド、北アフリカになりますと六十ドル見当、アメリカが七、八十ドル見当、こういうふうに考えられております。それから米でございますが、米はエジプト、シャム、アメリカというような国が一応考えられます。もつともこのほかに仏印でありますとか、ビルマがございます。エジプト米になりますと、CIF価格で大体百四十ドル見当だろうと思います。シャムが百三、四十ドル、アメリカはずつと高くなりまして二百二十ドルくらいになると思います。それから小麦でございますが、小麦はイラク、アルゼンチン、オーストラリア、アメリカというところがございます。そのほかまだカナダもございますが、イラクの小麦でございますと三十四、五ポンド、それからアルゼンチンが八、九十ドル、オートラリアが二十二ポンド見当、アメリカが百ドル見当、こういうふうになるわけであります。これは概数でございますが、このほかこの裏づけになります数量、輸出力という点につきましては、資料を整備いたしまして、各国の状況を御報告したいと思いますので、しばらく時間を拝借いたしたいと思います。

河野謙三民主自由党

○河野(謙)委員 そうしますとこの資料につきましては、一両日中にちようだいいたしたいと思います。

石井繁丸日本社会党

○石井委員 資料提出の河野委員の要求に関連してお願いいたします。小麦、大麦、米の価格とそれを国内に輸入された場合において、三百六十円レートで仕切つたときにおいて、横浜渡しが幾らになるか、それから内地において販売するときの価格と、それに対する補給金の関係、これをあわせて御提出願いたいと思います。

渕通義民主自由党

○渕委員 今日までの食糧法の審議の経過をながめてみましても、特に確認をしなければならない問題につきまして、私は質問を展開したいと思います。いろいろと論議がされたのでございますが、その間におきまして、いささか確認性を欠く点が多々ありますので、その一点から質問いたします。  まず政府は、食確法の精神通りに食確法を実行する意思ありやいなやということを、お伺いしたいと思います。—私の質問がわかりませんか。どうも質問がピントはずれかもしれませんが、私の言わんとするところは、食確法をその通り実行する意思ありやいなや、もし実行したければならないという前提があるとすれば、しからば保有量を優先確保すべきである。同時にまた一部の保有農家は供出の責任がないということが明らかであると思うのです。この点をはつきり答えていただきたい。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 法律の建前はさようになつております。これは委員会等においても御質問を再々受けておるのであります。法律上の建前はまさしくその通りでありますが、国全体の需給状況からいたしまして、一部保有農家についても、相当供出をしていただいておるという実情もあることを御了承願いたいと思います。

渕通義民主自由党

○渕委員 いつもそういう結論が出るのでございますが、しかし今日農民が何がゆえに補正を要求しておるかということを、まず静かに反省してもらいたい。今日の農村におきましては、裸供出をよくやります。しかしながら供出をしてなくなつたために、また自分の供出した米を買わなければならないという現実が現われております。すでに麦の補正の場合におきましても、安孫子長官御承知の通り、いまだに解決を見ていない事件がある。一方には一部保有農家で、わずかばかりつくつた人は自分の米を食べておる。しかるに一生懸命に働いておる完全供出農家というものが、つくつた米を再び高い価格で買わなければならないという現実の問題を、一体どう解決するか。われわれはいかに国家全体の需給のバランスの上から言おうとも、この問題を解決してこそ、初めて優先確保という問題が行われて来ると信じますが、その点はつきりしてもらわないと、いまだに解決しない問題が多々あるのです。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 価格の問題は、御説の通りに配給価格ということになつておるわけであります。この点保有を食い込みまして出しました農家については、相当酷であるということは私もその通りだと思います。各種の法規の制約がございまして、ただちに生産者価格をもつて還元するという措置ができませんので、われわれといたしましては、できるだけの措置を講じまして、買收価格を、御承知のように玄麦等の価格というようなことにいたしまして、われわれとしてはできるだけその線に近い措置を講じて参つておる次第でございます。還元措置を講じます場合の価格は、別途法制的にでも考えざるを得ない問題ではないか。現行法のもとにおいては、私どもが実行して行きます程度以上の措置はなかなか困難であると考えておるわけであります。

渕通義民主自由党

○渕委員 政府はどうも法律を自分のかつてな方向に運用しておるきらいがありますが、もともと還元なるものはあり得ない。司令部におきましても、御承知の通りNRSとESSにおきまして、おのおのセクションがかわつておる。従つてNRSにおいては還元はほとんどやらない、ESSにおいては経済を担当しておる関係上絶対還元がないというので、ここに大きな問題が起つておる。それを政府みずからが全力を注いで、これを解決するという努力かなければならないと思う。その努力を放つておいて、ただ農民にできるだけ供出をしてもらいたい、農林大臣は今度の食確法は農民のためにけつこうなことである、今までの災害のあつた場合においても、法律において補正を認めると得々として言つておられます。しかし得々として言うならば、なぜそういつた根本問題を解決して出直しにならないかということを、私は注文したい。この点に対して長官並びに政務次官—もし農林大臣がおいでになるならば、農林大臣に明確な答弁を承りたい。なるほどこの法律がその他精神通りに行くならばけつこうです。しかし法律が実行されていないという現段階においては、少くとも悪法であると言わざるを得ないと信じます。その点農林大臣にもお伺いしますが、政務次官の考えを一応承りたいと思います。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 ただいま渕委員が述べられましたような、いろいろなむりが末端に起つておろうということは、われわれも想像でき得るのでありまして、これらの点につきまして逐次これを改正して行かなければならない。これは食糧事情の好転によりまして、ずいぶん今までむりな供出をしいて参りましたが、これらも逐次是正し得ると、かように考えているのでありまして、どこまでも災害その他によりまする減收地帯におきましては、十分減額補正をし、なおまた増收のあつた部面につきましては、ひとつ大いに超過供出等をやつてもらうという方向にも、進むべきものであると考えている次第であります。

渕通義民主自由党

○渕委員 答弁がいつもそれますが、私は農民の実際の気持を考えて質問しているのでありまして、何を苦しんで民自党がこの問題に四つに組んでいるかと申しますと、今日補正が百十四万石ということになつて来ると、そこに問題があります。そこを静かに反省してもらいたい。今日農村に参りますと、苦しくてもつくつたものは出そう、しかし今年の段階では、どんな命令があろうとも、天国に行こうとも出せないものはしかたがないと言つております。またこういうことを言つております。今年はないから出せと言つてもしかたがない、そこで今年はどうか紙切れで供出さしてもらいたい。来年か再来年か、五箇年計画で供出いたしますと言つております。これに対して政府はどう思つておりますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 何箇年かに分割してということは、ただいまのところ考えておりません。  それから価格の問題につきましても、私ども実際農政を担当いたしておりまして、非常にむりを感じているのであります。この点につきましては、従来いろいろ努力をいたしているわけであります。しかしただいま詳しく内容なりあるいは会計の点も御指摘になりましたが、その点からいたしまして、なかなか根本的な解決を得ますことが困難で、今日に至つているわけでありますが、今後ともこの点の解決については、努力をいたしたいと考えます。

渕通義民主自由党

○渕委員 私解決の方法を一つ教えておきます。最も簡単に解決できる方法は、この食確法をそのままりつぱに実行するならば、今の価格の問題は解決すると思います。ということは、NRSとBSSの関係において還元配給がなければ問題は解決する、その点を教えておきますからそのように御努力を願いたい。  それから分割供出はできないとおつしやいますが、この法律は分割供出を否定するものではないと思います。これは何べんに分割してもよろしい。特に過去においては非常に食糧事情がきゆうくつでございましたから、分割供出はなかなか困難であつたでしよう。しかしことしの段階におきましては、どうも聞くところによりますと、外国からたくさんの食糧が入つて来る。また今までの統制を廃止するという段階に至りましたから、百姓が一年、二年分割供出してもさしつかえないと私は考えます。法律において禁止してあるならば、明らかに教えてもらいたいと思います。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 食確法の精神なり食糧需給の観点からいたしまして、やはり年度内に供出していただくというのが私は建前だと考えます。

渕通義民主自由党

○渕委員 安孫子長官と押問答してもしようがないので、農林大臣から聞いてはつきりしないと悪い問題ですが、私は次にお伺いしたい点は、今日一部保有農家と完全保有農家との保有率につきまして、あなた方は完全無欠なものと思つておりますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 完全無欠なものだとは考えておりません。

渕通義民主自由党

○渕委員 しからばこれをさつきゆうに解決する責任ありと思いますが、どう思いますか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 できるだけ早く解決いたしたいと考えておりますが、何分にも全体の需給計画の観点からいたしまして、そう急に御満足の参りますような解決は困難かと思います。しかし一部改善することについては、いろいろただいま話を進めているわけでありますが、まだ申し上げる段階に至つておりません。

渕通義民主自由党

○渕委員 政府はいろいろと、食糧需給の状況がいまだに緩和しないとおつしやいますが、二十五年度に対するところの需給の見通しについて、もし発表する数字があつたならば発表してもらいたい。十一月二日の朝日新聞にはわれわれの知らない記事が、これは農林省から出たと思いますが、ちやんと載つております。これによりますと、明らかに米、麦、さつまいも、じやがいもだけが供給の数字になつておりまして、雑穀は入つていないのですが、雑穀はすでに統制を廃止したと思われますが、そうですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 記事の点は私も調べまして申し上げたいと思いますが、雑穀はただいまのところはずれておりません。それから二十五米穀年度についての見通しでございますが、これはいまだ補正数量も確定いたしておりませんので、正式の需給推算というものは、私どもとして決定し得ない段階にあります。大体の見通しとしては、輸入食糧等との関係もありまして、来年度より悪くなるということはない。少くとも本年度と申しますか、二十四米穀年度の程度の需給の操作は、十分やつて行けるものだというふうに考えております。いずれこの補正その他が片づきまして、数字が確定いたしますれば、明確な需給推算を提出しなければならぬと思います。

渕通義民主自由党

○渕委員 いろいろと質問を展開したのですが、的をはずれたのかもしれませんが、すべては期待はずれでありました。最後に私は農業計画の変更問題についてお伺いしたいと思います。いも類が今日統制撤廃の段階に突入いたしますと、今まで農村がいもを栽培しておりました農地に対しては、農民の自由意思による計画の変更が認められるやいなや。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 かりにいもが食確法の主食の対象からはずれました場合には、この耕地に対する作付については自由になると一応考えられます。

渕通義民主自由党

○渕委員 いもを栽培していた面積については、統制が撤廃になるのだから自由になるという結論を得ましたので、その点は一応安心したのであります。しからば今後いも以外の米麦中心の供出ということになりますと、小麦のごとき非常に不安定な作物をもつて食糧需給の見通しをされているということは、まことにわれわれといたしまして困難性があると思いますが、いものごときコンスタントなものの統制をはずして、不安定な麦を入れるということに対して、政府は需給に対してどれだけの危険率を見込まれているか、その点をお伺いいたします。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 いもの問題につきましては、まだ最後的な結論に到達しておりませんので、仮定の上についてのお答えになると思いますが、たとえば来年度、食確法からいもがはずれたとかりにいたした場合に、このいもがどういうふうになるかということになりますと、やはり他作物に転換するものもあろうかと思いますが、相当大部分のものはかんしよをつくらざるを得ない情勢になろうかと思います。     〔委員長退席、松浦委員長代理着席〕  これについての善後措置を政府としては考えなければならぬと思いますけれども、結局食糧に供されるものが大部分であろうかと思います。従つて非常に不安定な米麦による食糧需給計画を立てて、いもについてはどう考えるのだというようなお話を承つたのでありますが、計画には載りませんけれども、日本の食糧の重要なものとして、やはりいもは残つて参るというふうに考えております。その潜在的と申しますと語弊がありますが、計画的にはなつておりませんけれども、潜在的な非常な給源として残つて参ると考えます。

渕通義民主自由党

○渕委員 最後に、このたびの補正予算を見ますと、食管特別会計に百七十億円の金が出ておりますが、これに対しまして、きよう大蔵省の人がお見えになつておりませんが、大蔵省は三百万石の超過供出、この條件のもとにこれだけのものを入れたいということを聞いております。それに対しまして農林省は百四十万石ということになつておりますが、その百四十万石しか出なかつたら—おそらく百万石も出ないだろうとぼくらは存じますが、百万石しか出なかつた残りの金は、いかなる方法に使われるのかさつぱりわれわれには見通しがつきませんが、政府の予算はかくのごときわけのわからぬものを提出していいものかどうか、この点をお聞きします。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 大蔵省とも連絡をとりまして、はつきりしたお答えをいたしたいと思いますが、これの推定の前提と申しますか、それに超過供出の三百万石というものが確かにあつたのであります。私どもといたしましては、本年の作況から見て、三百万石というものはとうてい期待できない、いかに馬力をかけましても、百五、六十万石程度のものではなかろうかということを実は話しておつたのであります。しかし三百万石という前提で一応の繰入れができておるわけでありますが、この繰入れが余つたと申しますか、そういう場合には、一体どう措置するのだというお尋ねの要点になるようでありますが、やはり一応繰入れがありまして、食管特別会計としての、やはり会計の健全さを保持して行くという形になるのではなかろうかと私は思つております。やはり一応全部繰入れるものだと考えております。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 その補正の問題ですが、一体政府はこれで本年度の補正は治まるというつもりでありますか、あした知事会議を開くそうですが、一体知事会議においてこの案が承認されるという自信がありますか。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 政府が考えておりましたような減額補正と、司令部の見解との間におきましては、相当大きな相違があるのでありまして、二十二日に開きました、中央審議会におきましても、いろいろこれらの問題もありまして、各委員から熱心な御審議があつたのでありますが、われわれといたしましても、相当本年度はむりな補正ではないかというふうな考え方をいたしておるのでありまして、先ほど大臣も申し上げました通り、むしろ実收高を十分把握いたしまして、その上でひとつ最後的な補正を行うことが妥当ではないかというような考え方をいたしておることは、すでに申し上げた通りであります。われわれといたしましましても決して楽観をいたしておるのではないのであります。しかしながら情勢は十分ひとつ知事会議等におきまして開陳をいたしまして、御了承を願う所存でございます。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 政府が持つておりました本年度の補正量というものは何ぼですか、司令部に交渉した補正の数字は幾らですか。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 いろいろ補正の問題につきましては、農林委員各位にも十分御報告を申し上げ、また今後の御協力も願わなければならぬものと思うのでありまして、政府の今日までとり来りました経過につきましては、十分ひとつ御説明させていただきたい。さような意味でこの際秘密会にお願いいたしたいと思うのであります。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 私は秘密会議で聞く必要はないと思います。こんなあたりまえのことですから、政府が政府としてこれだけの確信をもつて要求したということを、堂々と天下に発表したらいいので、それが意志と違つて来ているわけです。そこであなたの方では、最後の実收高を抑えた上で適当な処理をとりたい。こういうことを大臣も申し、あなたも今申されたのですが、御存じの通り、ほとんど全部收穫は終つているのです。現実に実收高の上では非常な減收を来しているわけです。そうすると、将来適当な処置をとるというのは、一体どういう処置をとるのですか。それも秘密会ですか。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 坪刈りの成績につきましては、各府県から順次資料が集まつているのでありますが、まだ全部がまとまつているわけではございません。従いまして、今御指摘になりましたように、全国的に見て非常な大きな減收であるかどうかという問題につきましては、まだ結論を見出し得ないのでありますが、なお今後これらの実收高によりまして、いかにこれを補正とにらみ合せて処置するかというような問題につきましても、いろいろ委員各位の御意見もあろうかと思うのでありまして、むしろ秘密会におきまして忌憚ない意見を述べさせていただく方がいいじやないか、かように考えます。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 秘密会を政府が要求されましてもけつこうでございますが、私は別にそこまでしなくてもいいだろうと思います。ただ問題は、全国の知事の方から一千百万石の要求が来た、これは相当水をかぶつているとは考えますが、それにしてもあまり政府の補正の数字というものとの開きが多過ぎる、これをこのままおろしましたところで、とてもおりまいと思います。これをまた県へ持つて帰りましても、県下における農業調整委員会が、とてもこの補正の数字は受付けまいと思います。そうなるとただちに供出に重大な支障を来して来るわけです。政府ははたしてこの数字によつて、今年の供出が完遂されるという自信をお持ちですか。これは非常に大事な問題ですよ。あなた方農林の最高の責任者として、やはり供出を三千百万石なら三千百万石を、どうしても出させなければならない責任があるのですから、そうしたら農民の協力を求めなければならぬ。つまり実際の開きは非常に大きいのですから、この供出の責任者である市町村長は、至るところでおそらく辞職する者が続出するだろうと思います。こんな数字を持つて行つたらやれぬと言うて辞職をするでしよう。食糧調整委員もまた辞職をするでしよう。そして全体の供出の状況というものは大混乱を来すという見通しがつきますが、それでもこの数字で押し切るというお腹ですか。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 補正の問題をめぐりましていろいろが起るのではないかという御心配があるのでありますが、われわれも、先ほど来各委員からも御意見が出ましたように、ここの問題は非常に重大であると考えておるのでありまして、でき得るならば補正会議を開くまでに、確固たる見通しをつけたい、こう考えておつたのでありますが、先ほど大臣が申し上げました通り、司令部の御意見もあるのでありまして、御指示の通り知事会議も招集いたしたのでありまして、政府といたしましては、あらゆる努力をいたしまして、できるだけこの補正をもつて供出の完遂のできまするように、努力いたしたいと考えている次第であります。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 最後に、この食確法に関連するのですけれども、本年政府は、二十四年度の追加予算と二十五年の予算の編成において今年二百九十万トン、来年三百七十五万トンというものを—そのうち米麦は三百四十万トンくらいじやないかと思いますが、そういう莫大な食糧を輸入しようとしている。そうすると実際において現在の二合七勺の配給べースで行きますと、この食確法を改正して、追加供出を農民に強制しなくとも、これで十分まかなえ、しかもまだ余りがあるという見通しを持つておるのですが、その点はどうですか。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 食確法の示す通り、食糧の事情によりまして、その年度におきまする供出を農家に割当てるのでありまして、いろいろ情勢の変化によりましては、現在のようないわゆる裸供出までも強いなければならないというような結果になるのではないかと考えます。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 非常に大事なことを聞いたのですが、そうしますと、この法律はつくつておいても、必要がなければ適用はしないということになると思いますが、適用しないでもよいような法律をことさらにつくつておく必要はないじやないか。それからいま一つは、あなたはそうおつしやるけれども、さきに渕さんからお話がありました通り、本年度の産米から約三百万石くらいの追加供出を政府は予定しておるのです。だから今あなたのおつしやることと、予算上出て来ておりますこの数字と、輸入食糧との関係を考えますと、三百万石というものをむりに出させなくとも、十分まかない得る具体的な事実があるのですが、その点はどうですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 本年度産米についての超過供出を大体三百万石に見込むという点でございますが、私どもは三百万石はとうていできないと考えております。一応予算上の算出の基礎といたしましてそういうものを見込まれておるのが事実でありますが、私どもといたしましては、本年の作況から見て決してさようなことは認め得ない。実情がこれを証明すると考えております。それで三百万石の追加供出の割当ということはただいまのところ全然考えておりません。

井上良二日本社会党

○井上(良)委員 非常に大事ですから、私お願いしておきたいのですが、さきに河野さんからお話がございました世界食糧事情と、同時にわが国が今輸入しております—これは全部入つておるものではありませんが、本年大体二百九十万五千トン、来年三百四十万トンの輸入を基礎にして、これに三千百万石の供出を見込み、麦類、いも類の供出を織り込んで需給推算をあさつてまでに至急に出してもらいたい。それによつてこの食確法をあくまで通過させなければならないかどうかということの、基本的な問題が出て来ますから、この輸入食糧を基礎にし、供出を予定した数量を織り込んで、二合七勺べースで需給推算を出してもらいたいと思います。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 食確法の一部改正案を、いまだに本議会に議決してもらいたいということが問題になつておるのですが、その前に、現在行われておる食確法そのものを、政府みずから破つてしまつて、その効力を失わせておると思うのです。その事情はさきほど来大臣も言われましたが、本年度の補正は大体百十四万六百石、こういうふうに数字をはつきりされておる。ところが先般米来当委員会において食糧庁長官は、本年度の減收見込みは、地方からは一千二十万石程度の要求があるけれども、しかし作報その他において調査したところによると、大体五百万石だということを本委員会ではつきり言われておるのです。そういたしますと今日の食確法からいうならば、五百万石減收があるとするならば、当然補正は五百万石しなければならない。しかるに政府は総司令部から命令があつたから、百十四万六百石しか補正しないということになると、この差引の三百八十万石というものは、食確法ではつきりと補正しなければならないときめられておるにもかかわらず、これを補正しないということになると、政府みずからが、現在の食確法そのものを破壊しておる。現在食確法を破壊しておいて、もう一ぺんそれを改正してくれというのは、大きな矛盾であると思うのですが、大体これに対して政府はどう考えておるか。しかも先ほどからいろいろ問題にされておりますけれども、本年度の供出は、分割して五箇年くらいで割つて出すということに対して政府はいや、それはできない。食確法ではそういうことはできないと言つておられるけれども、いもの供出等において政府は時期別に分割をしてとつておられる。そういうふうに政府の方は、自分たちの都合のいいようにやるという考え方で、法律を全然無視しておいて、なお改正するというようなことを、政府としてまじめに考えておられるのかどうか。従つて私は、この際一部改正法ではなしに、食確法を全部廃止する気持があるかということを聞きたい。

坂本實民主自由党農林政務次官

○坂本政府委員 食確然を廃止する意思はございません。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 しからば政府は食確法を廃止する意思なくして、その法律に規定された通りのことを行わなかつた場合においては、政府は法律的にどういう責任をお負いになるか、お聞きしたい。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 ただいま本年の補正百十四万六百石というものと、食糧庁の調査その他の数字との開きについてのお話があつたわけでございますが、これは竹村さん御承知のように、四、五百万石のものが出て参りましても、補正量の上に響きますのは、もちろんそのままの数字ではないかと思います。それにしても百十四万石との開きは相当あると言われますが、百十四万石というのは、司令部としてこの辺の見方をしておるのであります。この辺の食い違いについて、私どもは今後相当研究を加えて行く必要もありますし、また実收高がいずれ判明いたしますので、その際問題にもいたしたいと考えております。この際百十四万石で補正はいたしまするけれども、食確法の精神を全然蹂躙して、このままで済ましていいと考えておるのではございません。その善後措置については、私どもあわせて講じて行きたい、食糧法の精神に、できるだけ沿うて運用して行きたいと考えております。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 政府は食確法の精神をくんで今後善処する、こういうようなお考えでありますけれども、それではもし補正が少くて出せなかつた場合に—これは重要な問題ですからはつきり答えてもらいたい。もし補正が個人別に割当てられて補正された分が実際の收穫高よりも多くてそれだけ出せなかつた場合、もちろん食確法からいいますと、保有優先でありますから、保有量を引いた残りのものが供出量に満たなかつた場合において、政府自身が法律に沿うてという考えでありますから、農民もそういうふうに沿うて、できるだけはお出ししますけれども、出せなかつた場合には、これに対して、政府は一体どういう処置をとられるか。出さなくつてもいいと思うのでありますけれども、その点をはつきり聞かしてもらいたい。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 その点は昨年の米についても問題があつたわけでありますが、やはり米の補正の問題について、昨年は各種の災害があり、その事情を認定いたしまして、その結果に基いて、真にやむを得ざる事情のあるものにつきましては免責にするという措置を、昨年の米の補正につきましてはとつたわけでございます。そうした措置もあわせて考えてみる必要があるのではなかろうかと、ただいまのところ考えております。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 この点一点だけはつきりさせていただきたい。そういうことを考えておるということだけでは、納得できないのでありまして、現実に出せないものがおる。政府はそう考えておつても、地方の出先あるいは地方のいろいろの形において昨年も問題になつた。たとえば埼玉県の二合半領で首をくくつて死んだ者が出て来たように、もしこれを強行すればたいへんなことになる。全国の農民は非常に暗い気持になつております。従つてこの点だけは、はつきりさしてもらいたいのであります。考えるとか、そういうあいまいなことでなしに、実際なかつたならば、出せないのだから、その者に対してはいかんともしがたいので、あるいは強制執行とか、いうようなことの全然ないように、そうして責任を問わないということを、政府はここではつきり言明してもらいたい。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 これは御承知のことと思いますが、各農家について見ました場合に、ほんとうに物がないというのは、いろいろな原因の場合があろうと思います。そのうちの一つといたしまして、ほんとうに実收がなかつたために、そうした結果になつたという場合ももちろんあると思います。またしからざる場合もあるのは御承知の通りだと思います。その辺のけじめをやはり行政的にはつける必要がありますので、その点は知事会議等においても十分相談をいたしまして、私どもの方針を決定して、はつきりしたところを示したいと思います。

松浦東介民主自由党

○松浦委員長代理 本日はこの程度にとどめまして、次会は二十五日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十三分散会

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