内閣委員会 第5号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/11/22
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 本日の日程は、特別調達庁の機構及び業務に関する件及び請願、陳情書の調査及び審査であります。 まず特別調達庁の機構及び業務に関する件について、先日の委員会において要求いたしておきました資料の説明を求めたいと思います。
○阿部政府委員 この間委員会で御要求のありました資料をお手元に差上げておきましたが、この数字は大体私の方の工事を扱つております促進監督部の数字によつたものでありまして、経理の計数とは多少食い違つておる点があるかもしれません。と申しますのは集計の方法が違うものですから、多少そういう点はあり得るのでございます。総額については大したかわりはないのであります。 御説明いたします。事業費としては、ここにAでありますが、予算として約九十一億三千五百万円、そのうち示達額が十九億八千三百万円余り、認証済額が二億一千万円、支出済額が約三千九百万円、履行済額が約一億円、これを比例で表わしますと、計画に対するものがA分のD五・一%、契約に対するものがB分のD五〇・七%、それから役務関係におきましては、この表にあります通り作業費その他二項にわかれておるのでありますが、予算額が約二百十八億三千九百万円、うち示達額が九十九億四千四百万円、認証済額が六十九億一千九百万円、支出済額が五十五億二千八百万円、履行済額が六十五億三千五百万円余りでありまして、DをAの示達額で割りましたものが作業費が六五・七%、維持費が五八・六%、運輸費が七九・六%、こういうぐあいになつております。需品関係におきましては、予算額が百三十二億五千四百万円、示達額が七十八億三千百万円、認証済額が四十一億五百万円、支出済額が十九億三千六百万円、履行済額が二十二億九千百万円、件数が千五百四十六件、完了PD数が二百八十八件、進行中が千二百五十八件、進捗率が六七%、こういう数字になつております。既定調達費の方では認証済額が百億四千六百六十七万円、履行済額が九十八億四千五百余万円、示達額が百四十億六千五百万円、こういつた数字になつております。大工事につきましてはこの附表にあります通りに進行しておるのであります。
○鈴木委員長 御質疑はございませんか。
○根本委員 これは十月一日現在の調査でございますか。
○阿部政府委員 大体九月三十日締め切つたのであります。
○根本委員 それで工事関係のうち、認証済額に対する履行済額が約五十パーセントになつておる。大体半分程度でありますが、示達額と認証済額がかなりの差があります。これはどういう意味において認証がそういうふうに遅れておるのか。実際上必要がなくてそういうふうになつておるのか、あるいは事務上の手続のために示達額が認証済額よりずつと幅が出ておるのか、その理由について説明していただきたい。
○阿部政府委員 示達額はPDの出ましたものに対して大体予算がついておりますから、予算をつけたPDに対する総額であります。そのうち入札になり、あるいは契約になるというものだけが認証になりますから、その関係でこういうぐあいに数字が違つておるのであります。
○根本委員 この示達願というのは結局調達庁で必要として示達した額でございますね。従つてそれが国家で必要として示したものです。それに対して現在の履行済額は五・一%、ほとんど言うに足らない。それで認証済額に対して約五十パーセント、そうしますれば示達額というものは必要なために示達したものだ、しかるに認証が何ゆえにそのように遅れておるかということが問題になると思う。必要がなくてこれは認証しないのか、必要があるけれども、その査定とかいろいろな事務的な手続の煩瑣なためにこれができないということになれば、国政運用上非常に重要な問題になると思います。またもしこの示達額が非常にラフであるとするならば、この工事関係は最初の計画それ自身が非常にずさんなものになると思いますが、その点を少し具体的に説明していただきたい。
○阿部政府委員 示達額は今申し上げましたように、工事の初めにおきまして、大体予算のあるものについては予算がついて来るのであります。それから認証済というのは、これはわれわれの部内の技術部にまわりまして、それを十分検討いたしまして、その結果が契約の方に来まして、契約から認証を申請して参ります。この間多少時間をとるわけでありますが、一番大きいのは年度初めにおいて非常にたくさんのPDが出るわけであります。それも実際にウワーク・オーダーが出なければ仕事ができないわけであります。その仕事の命令が出ましてから初めて詳細な点がわかるのであります。ウワーク・オーダーは図面がつき、また数量がついて参ります。それによつて初めて認証し得る程度に進みます。どうしてもこういう大きな差が年度初めにおいては免れないという実情にあるのであります。
○根本委員 そうしますと、九月末日現在工事の最盛期において示達額に対する履行済額は、わずかに五・一%です。これから工事も非常に国難になつて来る冬季に入ります。その間にあとの九十五パーセントというものが実際工事ができ得る見通しがあるかどうか、こういう問題が出て来ると思いますが、その点の見解を承りたいと思います。
○阿部政府委員 これは少し説明を要する問題でありますが、最初の示達額というのは、おおむね年度一ぱいのものになる場合が多い。たとえば半年あるいは一年間契約するのでありますが、総額がこの示達額の中に入つておりまして、それが一箇月ごとに切つて出るウワーク・オーダーもありますし、連続して出るウワーク・オーダーもありますが、そのウワーク・オーダーが出るごとに精算をしまして、認証にまわすということになりますから、今申し上げたように大きな差が起ります。それから仕事はもちろん四、五、六、七、八、九月ですから、半箇年たつておりますけれども、冬季に至つて仕事ができないというものでは大体ないのであります。冬季においても相当に進行し得る仕事であります。
○根本委員 冬季においてもなし得るといたしましても、実際の計画に対して、わずか五パーセントにしか達していない。あとの九十五パーセントというものは、そのあとの下半期において完成できるというような見通しであるかどうか。またおそらくこれは進駐軍関係工事でいろいろ必要の工事としてやられたものだと思う。そうしてみますれば、半年にしてわずか計画の五パーセントより行かないというような状況が、はたして適切であるかどうかという問題も出て来ると思うわけです。それでこれはどういう理由によつてこのように計画に対する履行済額が少いか。今の政府委員の説明ではぴんと来ないのです。それほどのろのろやつていいものか、あるいはそれほど緊急性がないものとすれば、こうした工事それ自身が予算査定において、もう少し減らしてもいいじやないかという感じもするわけです。その点についてなぜ計画より実施が遅れたか、そうしてまたこれが遅れても国政上何らさしつかえないものであるかどうか、この点について承りたいと存じます。
○阿部政府委員 繰返して申し上げますが、この示達額が半年あるいは一年――大体一年ですが、その総予算になつておるのでありまして、認証済額はそのときどきによつて発表せられるものであります。実際に工事になつて進行中のものでありますから、割合は非常に少いことになつておりますが、実際の仕事は進んでおるのでありますので、われわれとしては、こ仕事が完成できないというようなことはないのであります。
○根本委員 どうもはつきりしませんが、いずれまた機会を得て伺うごとにして、保留しておきます。
○阿部政府委員 どうもおわかりにならぬと言われますが、この示達額は大蔵省から示達されて来るものであります。これは大体予想されるPDによりまして予算配賦になります。それから一番しまいに認証済はその中からPDなり、従つてウワーク・オーダーなりがすでに発せられた額でありまして、あとの残りというものは、大体将来にPDが発行されるものと予想されるのであります。従つてこの二億一千万円に対して一億円というのが実際に進行しておる量でありますから、先ほど委員からお話がありましたように、約五割ほど進んでおるということになりますが、この認証済額というのと示達額というものは――示達額の中には必ずしもPDとして発行されていないものがある、これは内部の仕事を進める方法から言いますと、第一にプロツクというものが出る。そのプロツクというのに大体こういう仕事が出るのだということを予想されて向うで出して参ります。それによつて――そればかりではありませんが、示達額というのがきまるのであります。プロツクからPDになるまでは相当な時間があるという関係があるのであります。
○鈴木委員長 この際お諮りいたします。共産党の木村榮君のかわりに高田富之君が委員になることになり、もう手続が済むと思いますが、ただいま委員外になつておりますが、発言ぼ申出があります。これを許すに御異議ありませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり]
○鈴木委員長 御異議がなければ、高田富之君。
○高田富之君 特別調達庁の購入資材代金に価格差益金を業者の方で生ずる場合があると思うのです。こういう場合の処置はどういうふうにやつておられるか。物品が納入されてから新たに価格が非常に上つたというような例です。実例を申し上げますと、昭和二十三年の第一・四半期の維持管理用資材としまして高島屋本店と資材用ドレイプ一万ヤード購入の契約があつた。これは二十三年八月三十一日が納期になつております。ところがその後業者の方から延納の申請がありまして、十二月三十一日まで延納を許可してもらいたいというので、これが許可になりました。それからこれはその後移管になりまして、大阪の特別調達局でありますが、この一万ヤードの代金としましては結局支拂いましたのは、一千万円ちよつとであります。ところが最初の契約によりまして、これは八百十万円何がしのものであつたのでありますが、これを二十四年三月十日に新たに例外許可価格の申請をいたしまして、納入したのは二十三年十二月でありますが、ずつとあとになつて、二十四年三月十日に至りまして、例外許可価格の申請がありまして、結局今申しましたように一千万円ほど支拂つたのです。その結果価格差益金がたいへん生じましたので、この価格差益金につきましては四分の三を納入せしめて、四分の一を高島屋本店の利益にしておるというようなことになつておるのです。こういう関係についてちよつとわからない点がありますが、これはどういう点でそういうふうな価格の申請が非常に遅れて出たものを許可したり、現物がずつと前に入つておるのにもかかわらず、こういうふうになつたのか、その間の事情をちよつとお話願いたい。
○阿部政府委員 その実例については調査の上正確な御返答をいたしたいと思いますが、購入したときよりも納品の時期が遅れまして、マル公がかわつた場合の差益金は物価庁その他の官庁で扱うのでありましてその差益金を徴收するとかいうようなことは、調達庁ではやらないのであります。
○高田富之君 今の実例の問題につきまして、こまかいことはあとから御説明願いたいと思います。 それからこの機会に関連して調達庁の行政全般にわたるものでありますが、簡單なことを二、三お伺いしたいと思います。地方の民事部が廃止されるとか、あるいは縮小されるとかいうようなことを聞いておるわけでありますが、これに伴つて地方の出先機関における人員整理の問題が起るのではないかというので、今職員の間にたいへん不安があるというふうに聞いております。それから建設業務や資材関係業務等につきまして、やはり廃止になるもの、縮小になるもの、こういうものがあるかと思います。そういう関係の人員整理に伴ういろいろな予測から不安があるのでありますが、この点はどういうふうになりますか。またその処置はどういうふうにされるのか、ちよつと御説明願いたい。
○阿部政府委員 地方におります八軍あるいは司令部の出先機関の方のいろいろ申入れがありまして、人員を減したいというようなことを申しておる向きもありますが、これは私どもとしてはまだ聞いていないのであります。またそういうことがありましても、特別調達庁としてはこれをただちに整理しようという考えは持つていないのです。これは法律によつて定義がきまつております関係と、また向うの意見とわれわれの意見と違う場合もあります。あちらでは局部的なことを考えておりまして、人を減そうというようなことを言われる方もあるそうでありますが、全体的に見ますれば、そうでない場合もある。われわれは仕事がある方面に人を向けまして、仕事のないところでは減すということはやつておりますけれども、全体として減らす意思は今持つていないのであります。従つてこれ以上退職者あるいは解職者を出そうという考えはないのであります。
○鈴木委員長 御質疑はございませんか。なければ次に請願の審査に移ります。 ―――――――――――――
○鈴木委員長 この際日程二八を議題とし、紹介議員有田喜一君より発言の申出があります。これを許します。有田喜一君。
○有田喜一君 恩給法臨時特例改正に関する請願をいたします。その要旨は、一、すみやかに恩給法臨時特例を改正し、現恩給受給者が適当なる生活を維持するに足る程度に恩給額を増額されたきこと、二、国家公務員に対する賃金ベースが上つたときは、その都度現恩給受給者に対する恩給額も、これに伴つて増額されるように考慮されたきこと。三、恩給法臨時特例中の恩給額の不均衡を是正されたきこと。大体以上の三点でございます。 さきに第三国会において恩給法臨時特例が改正されまして、全国の恩給受給者の宿望でありました恩給の増額が実施されましたことは、恩給受給者の感謝おかないところでございます。しかしながらその後物価の騰貴はなはだしく、恩給受給者の生活は困窮の度を加えておる現状であります。かようなことは、わが国家再建途上障害となるべき重大問題の一つと考えられます。国家財政のきゆうくつな折柄ではございますが、願わくばかかる恩給受給者の実情を深く洞察されまして、恩給受給者の切実悲痛な要請を了とされまして、これを解決すべき適応の措置として、以上請願の趣旨を採択せられ、その実施のすみやかならんことを懇望いたしてやまない次第であります。
○鈴木委員長 それでは政府側の御意見を求めたいと思います。
○三橋政府委員 ただいまの請願につきましては、この前のこの委員会におきまして同じ趣旨の請願がございまして、それに対しまして私答えたところでございますから、そのように御了承願いたいと思います。すなわち現在の恩給受給者の恩給の金額は、六千三百七円ベースの俸給で退職しました公務員には、六千三百七円ベースでもらつた退職当時の俸給を基礎といたしまして、それ相当の恩給の金額を計算し、支給しておるのでございます。六千三百七円ベース以前の低い俸給ベースで退職いたしました公務員に対しましては、今申しました恩給金額の支給水準よりも、相当低い支給水準の恩給を支給されておるような事情であります。従つて今お話のありましたように、現在の物価その他から考え、公務員としまして退職当時相応の生活を、国家公務員法の線に沿いまして営むという見地からいたしますと、相当少い金額じやないかというような気がいたします。そういう見地に立ちまして、こういうような人たちの恩給につきましては、近く増額する方針のもとに法案の整理を急いでおるところでございます。 なお将来、俸給のベースが改訂せられ、増額されました場合におきましては、それに伴つてなおまた恩給も増額するように考慮してもらいたいという今の請願でございますが、これもこの前の請願がありましたときにお答えいたしました通りでありまして、政府といたしましては、俸給ベースがかわつて来ますれば、それに伴つて恩給の増額のこともとくと考慮いたしたいと考えておるところでございますが、何と申しましても恩給の金額は、総額におきましては予算に対しましてもかなり大きな影響を與えると考えます。従つて国家といたしましては、恩給受給者のことも考えなければなりませんけれども、また他面、恩給の増額が国家財政にどういうような影響を及ぼすかということを考えつつ国家として施策経営しなければいけない。諸般の問題も考慮しつつ、善処して行かなければならない問題だろうと思つております。そういういろいろな他方面のことも考えながら、恩給増額の問題につきましては、俸給ベースの改訂されました際におきましては、しかるべく善処して行きたい、こう考えております。 それから最後にございました、現在の恩給金額についての不均衡を是正するように、恩給増額の場合においては考えてもらいたいということでございますが、これも先般のこの委員会におきましてお答えいたした通りに、今度の増額を実施するにあたりましては、退職のときに応じまして、同じ官職にあつた者の間において恩給の金額にはなはだしく均衡を失することのないように、調節をはかつて均衡を維持するようにとりはからつて行くように考えております。
○有田喜一君 政府におかれましても、ただいま請願いたしました趣旨を大体了とされましたことを感謝いたしますが、これの実施時期と申しますか、政府はいつこの改正法律案を国会に提出され、いつから実施される見込みであるか、お伺いしたいと思います。
○三橋政府委員 増額の改正法案につきましては、次の通常国会に法案を提出したいと考えております。また予算的な措置もそれぞれ講じておるところでございます。その増額の実施の時期でございますが、できますれば恩給受給者の現状にかんがみまして、一日も早く増額をしたいという考えを持つておるところでありまして、来年の一月一日からの恩給を増額いたしたいと考えております。来年の一月一日から増額するといたしましても、恩給の支給はそれから三箇月遅れるのでございますから、結局四月に支拂います恩給から、恩給受給者の方に金が入ることになるわけであります。ところで来年の四月から現実に増額された金が支拂えるかということになりますが、これはまだ恩給法の法律案も通常国会に出すところであり、まだきまつておりませんし、予算もきまつていないことでございますから、通常国会において法律案がきまり、予算案が通過したといたしましても、準備その他の関係から、増額したその恩給を四月に支拂いするということは、事実問題としては結局不可能で、四月の支給期より遅れましてお支拂いすることになると思います。しかし遅れてお支拂いすることになりますけれども、増額された金額は、いずれにいたしましても一月一日分からお拂いする、大体こういうふうな方針のもとに準備を進めております。
○有田喜一君 大体わかりましたが、要するに実質は来年の一月分から値上げされる、こう了解してよろしゆうございますか。ただその支拂い手続が多少遅れるかもしれぬが……。かように承つたのですが、さように了解してけつこうですか。
○三橋政府委員 大伸そういうような方針で進んでおります。
○高田富之君 ただいまの請願の趣旨に全面的に賛成なんですが、この機会に、先ほど出ました恩給のでこぼこの中で特にお考え願いたいと思う問題があるのでありますが、これはただいま元陸軍将兵を収容しております国立の箱根療養所の実情でありますが、ここでは恩給の額が、元の普通の兵士に対しましては年三千二百円、将官に対しましては二万円というようなことが行われておるのでありますが、これはやはり軍隊時代のものをそのままに認めておるようなな形になつて、現在はなだおもしろくない問題になつておると思います。こういうふうな問題についてはどういう御見解を持つておられますか、この機会にちよつと伺つておきたい。
○三橋政府委員 恩給という問題につきまして一番考えなくてはいけないことは、退職当時の俸給を基礎として恩給金額を計算しておる、こういうことに意味があるのではないかと思つております。国家公務員法におきましても、公務員に対しては退職後それ相応の生活を営むために恩給を支給しなければならない、こういうふうに書いてあります。そこでこの退職当時相応の生活は何で考えるかということになるわけでありますが、これを今まではほかに方法がないものですから、みな退職当時の俸給を押えて、一応これを土台として恩給の金額を考えて来ておるわけです。陸海軍の将兵につきましての恩給の面でも、従来からやはり退職当時の相応の生活をいたしめるということで、俸給を基礎として考えて来ておるわけです。傷病軍人に対する恩給も、ほかの恩給とかわらない考えに基いておるのであります。そこでそれでは将校と兵隊とおかしいじやないかということになるのであります。しかしそれならば将校と兵隊をどういうことで差別するのか。こういうことになつて来ると、結局俸給ということに恩給という観念をつないで来るならば、そうならざるを得ないと思うのであります。従来からそれで来ておりましたものを、今度は連合軍総司令官の命令によりまして軍人恩給を廃止せられまして、但し傷病軍人の恩給については一定の制限の範囲内において許され、その一定の制限の範囲内で許されたというのはどういう範囲で許されたか。すなわち民間において、軍人的な以外の理由によつて傷痍疾病を受けた場合において、そういう人たちに支給される金は一体どういうふうな金額か。その金額を土台として軍人の恩給に支給されると考えてよかろう、こういうことになつて来たわけであります。そういう非軍人的な理由によつてけがした場合に支給される金といいますと、それは一般的な制度といたしましては、厚生年金保険を考えられるんじやないか。厚生年金保険法の制度において與えておる金といろものは、一体どういう金かと考えてみますと、やはりこれは退職当時の俸給とちよつと違いますが、大体退職当時の俸給を土台としてこの金額が考えられておるわけです。それでその思想をとりまして、将兵につきましても、軍人俸給のそのままの流れをくみまして、将校なら将校の退職当時にもらつていた俸給はどれだけ、兵隊はどれだけ、これを考えまして、それを基礎として実は計算しておる、こういうことになつておるのであります。これを全然考え直しまして、従来の軍人恩給を全然御破算にしてしまつて、新しい軍人傷病恩給というものをつくるということになれば、また別個の考えが出て来ると思いますが、しかし従来あつた日本の恩給法のもとにおいてもらつておる恩給を、一定のわくの中において減す、こういうことになつて来ましたから、こういうことになつて来ておるのでございます。
○高田富之君 その御説明はわかりましたが、しかしそういうことで軍人恩給というものは全面的に廃止になつたのに、一つのわくの中で許されておるものでありますから、廃止になつたその精神を、やはり新しいわくで拂う場合には出す必要があるのではないか。少くとも元の軍人の階層がそのまままた生きているということでは非常におもしろくない、非常に悪い影響を及ぼすと思います。ぜひこれは何か特例を設けまして善処するようにお考えを願いたいと思うけですが、そういうお考えはありませんか。
○三橋政府委員 今のお話のこともいろいろ考えてみましたが、厚生年金保険法と同じようなわくで来ているのでありますから、厚生年金保険法では、やはり俸給をよけいもらつておつた者は、それだけたくさん金が行くようになつておるわけです。俸給の少かつたものには、それだけ厚生年金保険の方の金も少くなつている。その考え方をそのままこつちへ持つて来ておるものですから、今のお話のようなことになるには少しむりじやないかと思つております。
○高田富之君 この問題についてはまた別の機会に、もう少しわれわれの方でも案を示してお考えを願いたいと思います。その希望を付して一応打切りたいと思います。 ―――――――――――――
○鈴木委員長 次に日程第五〇ないし五三、恩給法の一部改正に関する請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。中島守利君。
○中島守利君 恩給法中一部改正について、東京都職員を代表して東京都労働組合連合会執行委員長重盛評治君から請願書が提出され、その紹介議員として、その要旨を御説明申し上、げます。 御承知の通り、東京都は東京府及び市が統合され、その職員を引継ぎ採用しておりますが、旧東京市よりの引継ぎ職員の中には、併合市町村から引継ぎの者も多く、職員に対する退職金、退隠料、すなわち官吏でいえば恩給でありますが、非常に複雑であります。特に都制施行後職員の一部が官吏に任用され、その後昭和二十二年地方自治法の施行によつて再び都吏員となつたため、いよいよ複雑となり、引続いて同一職務にありながら、数回にわたつてその身分の変更された者も少くないのであります。そしてその身分の変更の経過によつて、退職金、退隠料または恩給の算定根拠となる法令の適用が異なつておりまして、これを大別すると、請願書の附表にもありますように、三種類となるのであります。すなわち一つは、都制施行と同時、すなわち昭和十八年七月一日に官吏となつた者で、この者は昭和二十二年法律第七十七号恩給法附則第十條の規定の準用を受けて、全在職期間を恩給法によつて計算される者、二つは、都制施行後、すなわち昭和十八年七月二日以降官吏となつた者で、市または都吏員としての在職年数は退職した者として一旦打切られ、官吏任用以後の年数を、恩給法附則第十條の規定によつて恩給法によつて計算される者、三つは、東京市より現在に至るまで一貫して都吏員となつている者で、都の恩給條例一本で適用されている者、以上でありまして、これら全部の職員は地方自治法施行以来、都吏員となつている者であります。しかしながら、このように同一職場に引続いて同一年限勤務していても、その身分の変更によつて、退職金、恩給が異なつて、別表のように非常に不均衡が生ずる結果となり、その取扱いもますます複雑さを加え、理事者もこれに悩まされるとともに、職員の間にも不満と焦燥の声も多く、退職に対する障害ともなつているのであります。特に都制施行当時ば、封建的な官吏尊重の観念が強く、その官吏任用についても、上司は成績優秀者を抜擢する意をも含めて官吏に任用せしめたのでありますが、結果においては、かえつて不利な待遇となつて来ているのであります。このように考えてみますときに、都吏員の処遇に著しい不均衡を生ぜしめている恩給法附則第十條の規定を改正して、都吏員の待遇を均衡にし、事務の簡素化をはかるとともに、職員の不平不満をなくすることが、妥当であると考えるものであります。 この改正については、すでに東京都知事からも再度にわたつて地方自治庁長官、恩給局長に意見書が提出されているような状況であります。 委員各位におかれましては、何とぞ愼重審議の上、絶大なる御協賛を賜わりたく、切に希望する次第であります。
○鈴木委員長 日程第五一、松岡駒吉君紹介のものは、中島君と同趣旨のものであると思いますが……。
○松岡委員 省略いたします。
○鈴木委員長 それでは次に政府の御意見を求めます。
○三橋政府委員 ただいまの請願の趣旨といたしますところは、東京市吏員として東京都制施行の際に東京都の官吏になつた、それが先般の憲法施行に伴う地方自治法の改正によりまして、東京都は新しい自治団体になりましたが、この自治団体になつた東京都の職員になつた者につきましては、昭和二十二年法律第七十七号恩給法附則第十條を廃してしまつて、こういうような人に対しては恩給法の適用を除外し、言いかえますれば、国でもつて恩給を支給することを廃止して、都においてしかるべき退職給與金なりが支給されるように條例できめ得るように、法律的措置を講じてもらいたい、こういうことにあるのではなかろうかと思います。これにつきまして問題となりますところは、第一、国の官吏であつた者に対しまして、国が恩給を出さないで、都に恩給に相当する退職與金を出させることを、法律で規定することができるかどうかということが、まず第一に問題になると思います。恩給は使用者と被用者との関係におきまして、使用主である者が被用者に対しまして、退職後一定の金を支給するのでありまして、国家が官吏に対して恩給を支給しますのは、結局国家が使用人として官吏を国家の事務に従事せしめるから、そこに恩給を支給するのであります。これは当然国家の義務であります。この国家の義務を国家が果さないことを法律で規定し、しかもそれを関係のないところの地方自治団体の義務に負わせるがごとき法律をつくるということは、これはよほど考えなければいけない問題ではなかろうかと思います。 第二点といたしまして考えなければいけないことは、官吏になります者の前身を考えてみますと、あるいは東京市の吏員から官吏になつた者も、今まで多くの官吏の中にはあつたのであります。また大阪市、神戸市その他の市町村の吏員からなつた者もたくさんございます。また都道府県の吏員から、あるいは会社の社員等から官吏になつた者も少くないのであります。こういうような官吏になります前の前職について、その前職に設けられておりました退職給與制度というものを考えますと、官吏の恩給制度よりもいい退職給與制度の備わつているものもあれば、また官吏の恩給制度よりも劣つておるような退職給與制度のところもあります。たとえば大阪市のごときは、相当いい退職給與制度を持つておるのであります。そういうような官吏になる前のいろいろな退職給與制度があつて、その退職給與制度の恩典に浴しておつた者が官吏となつた場合におきましては、これは官吏関係におきまして全然考慮していないのが従来の取扱いであります。これは筋といたしましては、官吏関係には全然関係ないものでありますから、考えないのが至当ではなかろうかと思うのであります。従来からそういう取扱いをいたしております。ただ東京都制施行の際におきましては、従来の東京市の吏員を相当多数一時に東京都の官吏にいたしました関係上、本人の承諾を前提といたしまして東京都の官吏になつた東京市の吏員につきましては、恩給の在職年に東京市吏員としての在職年を通算するとりはからいをいたしたのであります。これはもちろん本人が承諸しないで、東京市吏員として退隠料條例の恩典に浴したいという意思表示をしたならば、そのような取扱いをしたのであります。そういうようにしておりますので、この東京市吏員から東京都の官吏になつた者だけに特別に取扱いをするがいいかどうかということにつきましては、これはまたよほど考えてみなければいけないと思います。またこの請願の趣旨とするところは、東京都の職員で現在地方自治団体である東京都の職員をやめた者に限るのでありまして、東京市の吏員から引続いて東京都官吏になつた者の中には、あるいはほかの県に官吏として転任して行つた者もありますし、あるいはまた国の機関の官吏として残つた者もあるのでありまして、そういうようなものをいろいろ考えてみますと、ただ東京都という現在の地方自治団体の職員になつておる者だけに限るがごときことも、これも考え直さなければいけない問題ではないかと思うのであります。いずれにいたしましても、官吏になる前身の職においていろいろな退職給與制度があつた、その退職給與制度の恩典によつて、官吏になつてから後もその恩典にとやかくの差をつけるようなとりはからいをすることは、よほど考えなければいけない問題ではなかろうかと思います。 それから第三に問題になりますところは、地方自治法の施行に、伴いまして、従来の都道府県が地方自治団体となりました。そこで地方自治団体である都道府県に勤務しておりました官吏は、地方自治法の施行によりまして、従来の官吏の身分から吏員の身分に切りかわつたわけであります。その身分の切りかわります際に、厳格に言いますならば、これは国の使用人でなくなつたわけでございますから、そこで恩給を計算してしまつて、将来吏員になつてから後のことは見なくていいはずでございますけれども、その当時におきまして、現在でもそうでございますが、地方自治団体である都道府県の退職給與制度というものが、まだ整備された状態になつていないのであります。そこで新しい地方自治団体にふさわしいところの退職給與制度が整備されるまでのとりあえずの処置といたしまして、現在のごとく、従来の国家の官吏と同様な取扱いをして来ておるのでありますが、現在今申し上げますように、従来の官吏と同様な取扱いをしておるのを、東京都だけ特別な取扱いをするかどうかということが、また問題になるわけであります。しかしたまたま地方自治法の施行されましたときに、その者が官吏として東京都におつたか、あるいはまた北海道におつたか、あるいは大阪府に勤務しておつたか、ただそれだけのことによつて差別を設けることはどうかと思うのでありまして、やはり全官吏に対しては、同じような公平な取扱いをするのが至当ではなかろうか、私たちはこういうような見解に立つておりまして、これは東京都だけの職員に限つてはずしてしまうことはいかようなものか、実はこういうふうな考えをもつて、これを請願の通りの取扱いをするという結論までには、いまだ至つていないような実情でございます。
○中島守利君 御説明で大体わかつたのであります。しかし東京都のような形に身分の変更したものは、日本には今のところはないのであります。これは特別な何かの――官吏にしましたり、公務員にしましたり、国家の立場から申せば、職員に対する方面から考えてやらなければならないのではないか、政府の都合ばかりで、あるいは法令のもとにばかり解決することはむりである。同じ仕事をやつておる者でも、いろいろ身分の変更がありましたために、その者が恩給を受けることに非常に不安を持つということは、使用者としてはまずい結論になる。これに相当な同情をして、恩給局ではなるべくわかりやすく平等に、職員が安心して勤め、またこれまでの退職者に対しても、むりがなかつたと言えるように扱うことが、私はよろしいのではないかと思うのであります。今伺いますればごもつともな御議論でありますが、どうか十分御研究くださいまして、請願の趣旨に適応するように当局の方ではおはからい願いたい。また委員諸君にはぜひ御採択を願いまして、政府に御送付くださるようおとりはからい願いたいと思います。
○三橋政府委員 今の中島先生のお言葉はよくわかりましたのでありますが、この法律をもつて自治団体にこうせよ、ああせよと義務づけるようなこがかできるかどうかということが問題になるのでありまして、東京都とも話をしておるのでありますが、都條例でこの適正な調整を考えるかどうかということもあるのであります。問題の起りと申しますのは、もう中島先生も御承知のことと思うのでありますが、東京市における退職金規程が官吏の恩給に比しまして、非常にいい制度になつておる。それをそのまま現在まで存続しておるところにこういう問題があるのでありまして、これもまた東京都としてむりからぬことであると思うのであります。政府といたしましても、東京都ではそういうふうな一般官吏に比しまして、有利な退職金制度をつくつておる案をやめて、官吏の退職金並にしてしまえということも私どもとしては言いにくいのであります。それからまた現在官吏に対しまして、私たちが支給しておりますこの恩給を、東京都の吏員になつた者だけに、特別に割のいい恩給を国では出さないで東京都で出せということを命令することもこれまた困るのであります。結局東京都でもつて東京都制の施行の際に、東京市吏員から一時東京都の官吏になつたという者につきましては特別なとりはからいをする、こういうことができるかどうかということになると思います。これは地方自治団体としてきめられるべきことでないかと思いますが、これもよく東京都とも話しておりますけれども、結論を得ていないのであります。以上御了承願いたいと思います。
○鈴木委員長 御質疑はありませんか。――本日の日程第一ないし第一五、第一七ないし第五三、第五五ないし第六五の恩給に関する請願はこれを採択いたし、採択の上は内閣に送付することを適当と認めるのに御異議あり、ませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なければさようとりはからいます。 ―――――――――――――
○鈴木委員長 次に日程第五四、水産省設置に関する請願外一件を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。紹介議員小高熹郎君。
○小高熹郎君 請願の目的は水産省設置に関することでございます。日本旋網漁業協会並びに千葉の漁業協同組合長会議から請願が出ましたので、紹介議員として趣旨を説明いたします。 水産行政の総合一元化は、私どもの多年にわたる主張でございましたが、たまたま先年水産庁の設置と相なりましたのでございます。これは外局として認められたのでありますが、現在の水産庁は内容的には一内局と何らかわるところがございません。加えて漁船金融、資材の面、あるいは漁業労働等の面は、全部他省の所管に属しております関係上、はなはだ不便きわまるものがあるのでございます。先般連合国の好意によりまして、漁区の拡張が認められ、これを契機として水産庁の省への昇格を期待し、そしてこれによつ。て強力なる行政権を発動せしめて、海をたたえて水産日本の実をあげよということは経済復興が叫ばれておる今日、全国漁民の熱烈なる意見でございます。私どもは先般手わけをいたしまして、全国各地に漁業法の継続審議という名目のもとに、現地調査に参つたのでありますが、そのとき本漁業法もさることながら、強烈に響いて来ました問題として、水産省設置の強い要望がございました。この理由のもとに水産省設置を要望いたす次第でございますから、願わくば当委員会においてこの趣旨をお取上げいただき、そうしてわれわれの目的が達成いたしまするよう懇願いたしまして、説明を終ります。
○鈴木委員長 政府の意見を求めます。
○山本説明員 長官があいにく休んでおられますので、私からかわつてお答えいたしたいと思います。水産行政の強力なる推進のために、水産省を設置してくれという要望は、ここ二、三年来の民間の声でございます。また水産庁に仕事をとつておるわれわれといたしましても、国家の水産行政の重大なる点を考えまして、非常にけつこうなことであると考えておるのであります。しかし一方考えてみますと、先般水産局を水産庁にいたした経緯もございますし、また一方先般来役所の機構の改革、あるいはまた定員法というようなことを取上げられましたまぎわでもありますので、水産庁といたしましてはこの趣旨には賛成でありますけれども、四囲の情勢とにらみ合せまして、これをいかに取扱つて行くかということにつきましては、庁並びに省におきましても、目下愼重考究中であります。一つの考えといたしましては、現在の機構がまだ開店間もない次第もございますので、もう少し人を有効適切に動かす方法はないであろうかというふうな点も、目下水産庁におきましてはいろいろと研究をいたしておるような次第でございます。大要そのような状況でございます。
○小高熹郎君 ただいま御説明でございますが、趣旨には賛成であるが、諸般の事情から設置はできないというような意味に了承いたしたのでありますが、趣旨に賛成であるならば、なぜ政府当局においてすみやかにこの実現を期さないのか。ことに先ほど申し上げました通り、外局ではありますけれども、今の水産庁は内局と同様なきわめて微力なものである。ことに水産行政は先ほど申し上げました通り、国家経済復興の大目的にも相なつておりますので、この面を強める意味においても、さしむきこの水産庁の長官は国務大臣が兼務して、そうして閣議に強力なる意見が展開されなければならぬという輿論さえ高まつておるのでありますが、さような今の機構を人的にいじるよりも、先般米国から調査に参りました水産視察団の方々も、何ゆえ水産省の設置を日本はいたさないのかという注意すら発したということを聞いておりますので、先ほどの考えをさらにお考え直しをいただきまして、この水産省設置ということが、いかに全国の水産業者にとつて大なる話題であり、また熱望であるかということを再考願いまして、われわれの目的が達しますことを重ねて希望いたしまして、質問を打切ります。 ―――――――――――――
○鈴木委員長 次に日程第六六、及び第六七、行政整理に関する請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。高田富之君。 〔「あとまわし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 それでは高田富之君の説明は保留いたしまして、日程第六八及び第六九、失業対策審議会の委員任命に関する請願を議題にいたします。紹介議員の説明を求めます。春日正一君。
○春日正一君 失業問題が大きな問題となつておる、一番大きな問題じやないかと思うのです。それで大体今度の失業の特徴というのは、国民が戦争で燒かれたり何かして貧乏しておるところに持つて来て、その後のインフレ、こういうもので非常に苦しくなつておる。いわゆるたけのこ生活も底がついて、現在の就業労働者さえ、私どもの調査で行くと、大体一箇月三千円平均くらいの赤字になつておる。だから家族が内職をやるとか、借金をするとかいうようなことで、ひどいところになりますと、現在米を買つて、米を売つて粉を買うというようなことまでして、食生活を詰めて行くというようなものがおる。働いておる人たち自体がこういう状態のところへ失業して行くというので、ほんとうに窮迫し切つて失業しているために、大きな工場あたりでは失業保険も半年はありますし、あるいは退職手当も若干もらえますので、三月、半年は何とか持つようですけれども、中小の企業なんかでは、ほとんど六割以上が退職手当ももらわずにやめておるというような状態になつておるわけです。だから非常に生活が窮迫して、板橋の明治製糖など調べてみますと、六割以上が一食抜きという状態になつております。こういうふうな状態で失業した人自身が現在非常に苦しんでおるし、それだけでなくして、そういう失業者が出ても、一般が窮迫しておるために、以前の失業者のように、日本の家族制度の中に何とか吸収してしまうというようなぐあいに行かない。ということで現在では、その失業者が職業紹介所に行つても仕事がないために、しかたなしに本を売るとか、石鹸を売るとか、くだもの屋というような簡單な商売を始めますために、今の不況の状態のもとで、今まである商人が非常に営業を脅かされて来ておる。あるいは農村へ帰るというようなために、農家が非常に失業の圧迫を受けるというような状態になつて、これは單に失業した人だけの問題でなくして、経済全体として大きな問題になつておるわけです。そういうわけで失業対策審議会もこの解決策ということで設けられたと思いますけれども、この審議会には遺憾ながら労働者代表というものが一人も入つてなかつたのであります。この九月になつて総同盟の熊本虎藏君が一人入つたようでありますけれども、わずか一人です。しかも失業対策の対象になる、一番失業の問題で苦しんでおるのは労働者であつて、そうしてそのいろいろ複雑な事情というものは一番労働者がよく知つている。たとえば緊急失業対策事業費などが国会で決議されまして、いろいろ出されますけれども、それが職場に行つて私ども調べてみますと、あそこにいわゆるボスというものがありまして、この仕事を横取りして、自分たちの子分に與えて、そうしてばくちを打たせて、金を巻き上げる。ばくちの仲間に入らなければ仕事を與えないというようなことが、至る所で行われておるというような状態になつております。こういうような実際失業して苦しんでおる、しかも政府の失業対策のいろいろなものを、一番下で受取つておつて、一番その不備を感じる者、あるいは自分が生活しておつて、そのために失業対策にこういうことをやつてもらいたいというような、いろいろな失業対策に対する積極的な意見の一番出せる者は、やはり失業者だ。あるいはそれに関連しておる労働者、こういうものが一番いいなまの材料を持つて出られる。その材料を持つて出られる人が入つていないということでは、いかに達識な人々を集めても、ほんとうにぴつたりした失業対策というものができないじやないか。そういう意味で労働組合の方面でも、学識経験者は十二人あるそうでありますけれども、それと同数くらいな労働者の代表を各方面から審議会に入れて、この審議会をもつと力のあるものにしてもらいたい。さらに労働者の勢力を基盤にしていると言われております社会党、共産党、労農党、こういうところからも労働代表として一人ずつでも入れてこの対策審議会を強化して、今後ますます深刻になつて行く失業問題の解決のために、強力な措置をとるようにしていただきたい。これが請願の趣旨であります。 最後につけ加えておきますけれども、きのうの新聞かを見ますと、この失業対策審議会が廃止されるのじやないかというようなことが報ぜられておりますけれども、そういう趣旨で今までの審議会が無力で用がないから廃止するというのかもしれませんけれども、今失業の問題は、もつと対策あるいはそれに対する施策を強化して行かなくちやならぬという時期にあることは、どなたも御異論のないところだと思いますので、この際ぜひそういうふうにこの審議会を強化して、十分国民の不安を解いて、日本の経済の根本的な大きな問題としての失業問題を解決して行くというようにしていただきたい。このことをお願いしたいと思います。
○鈴木委員長 政府側の意見を求めます。
○中川説明員 ただいま失業対策審議会の委員の構成、それから失業対策審議会そのものをもつと強力に推進発展せしむべきだという御趣旨の請願の御説明があつたのでありますが、失業対策が非常に刻下の重大問題であるということにつきましては、まつたく御同感であります。しかしながら審議会の現況というものにつきましては、政府といたしましては、現在政府内部におきまして公式のもの、あるいは非公式のものと合せまして、約三百に近い審議会がございます。これを行政の簡素化及び行政機構を強力に推進するような体制にしたいという趣旨から、でき得るだけ嚴選をいたしまして、真に必要なもの、また効果が上り得るものだけを残して、あとは一応整理したいという方針をとりまして、目下具体案を研究中でございます。この失業対策審議会につきまして、まだ最終的結論は出ておらないのでありますが、ただいまの請願の趣旨は十分勘案いたしまして研究してみたいと思つております。従いましてこの失業対策審議会がこのままの形で残るどいたしますれば、その上の問題といたしまして、さらに委員の構成をどうするかというようなことも、これを強力に推進するという趣旨から再び検討を加えたいと考えております。
○鈴木委員長 質問ありませんか。 ―――――――――――――
○鈴木委員長 御質疑がなければ前に留保しておきました日程第六六及び第六七、行政整理に関する請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。江崎君。
○江崎一治君 請願者は全国官庁労働組合執行委員長の佐藤安政君であります。 行政整理に関する件、去る八日吉田総理大臣の施政方針演説におきまして、第二次行政整理を断行する旨の言明がありました。政府はこれにより予算の節減をはかると申しておりますが、第一次行政整理により、現在末端の行政機構はまつたく麻痺の状態にあります。公務員は人手不足と労働強化による疲労のために、病欠者が続出している状況にあり、事務の澁滞もますます著しくなつて参りました。私ども公務員といたしましては、国民の負担を軽減することにはまつたく賛成でありますが、政府の申しておりますような行政を破壊し、末端の公務員を犧牲にする、ごとき行政整理をやることは、絶対に反対するものであります。私どもはむしろ人員の増加を要望しておるものでありまして、予算の節減は現在政府の準備されております予算案を見ましても、他に巨大な額の節約が可能であると考えます。 さらに政府は統制の撤廃を主張しておられますが、現在の経済状態にありましては、政府の言つておりますような統制撤廃では国民の経済を破壊するばかりであり、かかる行政機構の改革、整理にも強く反対するものであります。貴国会におきましても、民意により第二次行政整理に対し反対の決議をされるよう請願いたします。これが請願の要旨であります。 今度の行政整理におきまして、たとえば電気通信省、郵政省、元の逓信関係においてはどういう形が出ておるかといいますと、名古屋におきますところの一つの例を皆さんに申し上げて御参考に供したいと思うのでありますが、まず名古屋の某局では、首切り後、官側は組合員に対しまして一週六十二時間の勤務を強要しておりますが、これに対して超過勤務手当を支拂つておりません。これは労働基準法も、人事院規則もまつたく無視したフアシヨ的なやり方でありまして、組合員の憤懣を非常に買つております。こういうような状態でありますので、この点は特に御関心をもつて考えていただきたいと思います。今度の行政整理は行政の簡素化と言つておりますけれども、むしろ実は実際に働く人たちだけを首にして、いわゆる上級の課長とか、局長とかいう人たちはいすがふえておるという状態である。むしろ日本のすべての行政機構をほんとうに拡充するためには、ほんとうに働く人たちをもつとふやすべきだと私は思いますので、この点をつけ加えておきます。
○鈴木委員長 政府の意見を求めます。
○中川説明員 ただいま御紹介になりました請願は、いわゆる第二次行政整理というようなものはしないでもらいたいという御趣旨であるように拝聽したのでありますが、その前提といたしまして、今回いたしました行政整理の結果が、末端において非常に混乱を来しておる。事務の澁滞、職員の労働過重を来しておるというような点もその理由の一つとして述べてあるのでありますが、この点につきましては、全体といたしましては、今度の行政整理によつて、官庁の行政運営の仕方というものが、ある意味で簡素になつたのではないかというふうに考えております。あるいは個々の末端におきましては、御説のような混乱があるところがあるかとも考えられますが、われわれといたしまして、まだそういうような報告を受けておりません。今回のいわゆる第二次整理といわれますものは、これは統制経済等の廃止あるいは緩和ということに伴いまして、相当官庁事務の中で不要になるものが出て参りますので、そういうものにつきましては、それに当つておりました人員は減したいという考えを持つておるのであります。しかしながらその反面新しく事務がふえたというものも若干あるのでありまして、また真に人員が少くて困つておるというような部門におきましては、真にやむを得ざるものといたしまして、増員ということは必要であろうというふうに考えております。その事務のなくなることに基きます減員と、事務の新しく加わりますこと等によります増員、これらを一緒にいたしまして第七通常国会におきまして、定員法の改正を上程いたしたいというふうにただいま考えまして、愼重研究をいたしております。それがおそらくいわゆる第二次行政整理といわれるものであろうと思うのでありますが、これはわれわれとしては国家全体の見地からできれば総定員を減らしたいと思いますが、はたしてそう行きますかどうか、これは研究の結果を見ないとわからない状況でございます。決してこの前やりましたように、二割あるいは三割等を原則として減らすというような趣旨の行政整理を考えておるわけではないのでございます。もつばら事務の繁閑によりまして再調整を加えたいという趣旨でございますので、その点はひとつ御了承願いたいと思います。
○鈴木委員長 御質疑ございませんか。 ―――――――――――――
○鈴木委員長 御質疑がなければ、次に陳情書日程第一は、請願と同趣旨でありますので、審査を省略いたし、委員会において了承いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なければさよう決定いたします。 本日採択いたしました以外の請願につきましては、なお研究いたす必要があると存じますので、その決定を延期いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なければさようとりはからいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十七分散会 ――――◇――――― 〔参照〕 請願に関する報告書 〔都合により別冊附録に掲載〕