P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
6回国会衆議院1949/11/29

厚生委員会運輸委員会連合審査会 第1号

発言数
25
登壇者
7
会派数
1
開催日
1949/11/29

会議録

松永佛骨民主自由党

○松永委員長代理 これより厚生委員会、運輸委員会連合審査会を開会いたします。  協議により私が委員長の職を勤めさぜていただきます。まず青柳一郎君外十名提出の身体障害者福祉法案を議題といたします。これに対して御質疑はございませんか。

前田郁民主自由党

○前田(郁)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、「政令の定める身体障害者」というものの大体を御説明願いたい。

大石武一民主自由党

○大石委員 提案者の一人として御答弁いたします。これは文章がちよつとややこしいのでありますが、結局は政令の定めることをすることの困難な者という意味でありまして、大体身体障害者で身体障害者手帳というものを申請して、その手帳をもらつた者がこの政令で定めるものに該当いたします。さらに身体障害者福祉審議会という審議会がございまして、この審議会の特別審議会において、いろいろと検討いたしまして定められたものが、この第五十條の「身体障害者」に該当するのでありまして、これはほとんど一人歩きはできない、だれか介護者がいなければ、一人ではとても汽車に乘つたりおりたりすることのできない者に限定いたしております。

前田郁民主自由党

○前田(郁)委員 ただいま御説明を承りますと、介護者が同行しなければ一人歩きもできないというのが、政令の定める身体障害者であるというお話であります。しかしこの中に「乘車又は乘船することの困難な者」ということがありますが、船に乘つたり、あるいは乘車することが困難だという点をだれが見るか。もうすでに政令で介護者は同行しなければならぬというように定めてありますれば、ここに「困難な者」ということを入れてありますと、あるいはこれをだれが認定するかというような問題が起つて来ると思います。つまり同行者がなければ乘船も乘車もできないような身体障害者ということが政令できまつておりますれば、ここに「困難な者」という文字はいらないのではないか。しかしこれは関係方面の了承が得てありますれば、私はこの際強く主張いたしませんけれども、むしろこういう「困難な者」という文句が入らないで行つた方がはつきりするのではないか、実はこう考えておるわけであります。これは相当折衝されたわけでありますか。また論議があつたわけでありますか。この点お聞きしたい。

大石武一民主自由党

○大石委員 この最後の五十條にあります「乘船又は乘車することの困難な者」というのは、二段の規定になつております。一つは身体障害者というのがこの法律できまるわけであります。この身体障害者には、いろいろな職業能力のある者もありまするし、あるいは全然働けない者も全部ひつくるめての身体障害者でありまして、さらにそれが申請をして、検査によつて身体障害手帳をもらつた者が「身体障害者」ということになつております。さらにここに規定をしておりますのは、その手帳を持つた身体障害者で、さらに乘船乘車の非常に困難な者でありまして、それは審議会において認定することにいたしておりますが、そういう二段がまえの「困難な者」でありますから、ただ身体障害者だけではなくして、身体障害者手帳を持つてさらに一人歩きのできない者、それを二段に規定することになつております。

前田郁民主自由党

○前田(郁)委員 そうしますと、二段の規定というのはどこでやりますか。

大石武一民主自由党

○大石委員 お配りしました法案の第二節に、身体障害者福祉審議会というものがございます。この身体障害者審議会というものは、中央には中央身体障害者福祉審議会がございますし、各府県にはさらに地方身体障害福祉審議会がございまして、この審議会において十分その資格を認定したものをさすことにいたしております。

前田郁民主自由党

○前田(郁)委員 そこで政府の方へお尋ねしますが、この法案が通過いたしますれば、運輸省としてはどういう点、につきまして特に従来よりも注意しなければならぬか。また手続上いろいろ煩瑣な点があるが、そういう点を一応この席で御説明願いたいと思います。

石井昭正(国有鉄道部長)運輸事務官

○石井政府委員 この法案が通過いたしますれば、運輸省といたしましては国有鉄道に命じまして、割引の実施の準備をいたさせなければならぬと思うのであります。この規定によりますと、各等旅客運賃並びに定期旅客運賃につきまして、その準備をしなければならないということであります。それから運賃法の中の政令でございますから、これは運輸省におきまして、関係各省と折衝することは当然でございますが、運輸省におきまして用意しなければならない。かような準備はいるかと考える次第でございます。

前田郁民主自由党

○前田(郁)委員 実は私ども運輸委員といたしましては、この運賃に関する問題は、なるべく運賃法によつて統一される方がいいと思います。各種の委員会におきましてこういう案を出されますと、たとえば文部省において学生定期の問題であるとか、またインターン学生の問題であるとか、いろいろな問題を法律案をもつてやるということになりますれば、運賃法というものが各委員会において規定されて統一がとれないことになりますが、本国会においてはもはや時期もありませんし、しかもこの法案の内容は私ども賛成であります。そういう意味から厚生委員会といたしましては、なるべく早い機会において、最も立法の精神に適合するような方法によつて改正をする御意思が発案者におありになるか。その点を明確にしていただきたいと思います。

大石武一民主自由党

○大石委員 ただいまの御意見まつたくごもつともと思います。私どもといたしましても、これがいい前例になりますように念願いたしまして、愼重審議をするために連合会を開いていただきまして、いろいろな御意見を承つて、意見の一致をもつてこの法案を通したいと念願いたしておるのであります。なお不備の点がございましたら、将来いつでもこの法案を直すことはやぶさかでないことをお答え申し上げておきます。

大澤嘉平治民主自由党

○大澤委員 ただいま前田委員からも運賃法の問題に対して運輸当局に伺つたようでありますが、もちろんこの身体障害者等に対しましての鉄道運賃の割引ということは、決してむりなことではなく、むしろ厚生施設の方面から言つても、当然のことであるとも考えられますが、鉄道運賃法の審議に対しては、先ほど来運輸委員会におきましても種々各党からの意見も総合いたし、いろいろの人の御意見を伺つたのでございますが、ただいまのこの国有鉄道運賃法の五條に対しての審議は、運輸委員会としては今度のこの連合審査会において初めてやつたわけであります。われわれといたしますれば、運賃法の改正に対しては運輸委員会としても、十分愼重に取扱いたいと思つているのでありまして、臨時国会の会期も余すところあまりなくなつた今日、ここで連合審査会においてこの点を審議してこれを決議しようということは、まことに重大な問題ではないかというようにも考えられますので、運輸当局のこれに対しての忌憚のない御意見を承つておきたいと思うのであります。

石井昭正(国有鉄道部長)運輸事務官

○石井政府委員 ただいまの大澤委員の御質問でございますが、私どももお気の毒な方々に対しまして、十分その福祉のために御協力申し上げるという精神については、まつたく皆さん方とかわるところはないことを確信しておるのでございます。ただ御承知のように国鉄が独立採算制という建前で、自己の收入でもつて支出を支弁するという建前をとられておるのでございますから、運賃の減額等に対しての処置といたしましては、第一番に政府より補償していただくということが最も望ましい。国有鉄道の運賃は企業的な観点において定められることが、運賃法の第一條に定まつております。もちろん社会政策、経済政策的な割引等の措置をとることもできないと申し上げるわけではございませんが、そういう点は、むしろ一般会計において御負担願うのが一応の建前ではないか、かように考えておる次第でございます。そこで第一番に望ましいことは、こういう社会政策的な御処置に対しては、一般会計において御負担を願う。しかし予算の関係その他もありましようし、また国鉄の財政收支から見ますれば、あるいはそういう点は問題にならぬというような事柄もあると思うのであります。そういうときにおいては、喜んで心から自発的に協力させるという態勢が、第二点に望ましいと思うのでございます。かように法律をもつて規定づけられますることは――この法案の精神に対しては、私どもは何ら反対はないのでございますが、しかし社会政策、経済政策上の御要望は、ほかにも非常にございますので、こういうことが先例となりまして、各種の立法におきまして運賃の軽減の措置をとられるということになりますと、国鉄の財政上の大きな問題になりはしないかと考える次第でございます。そこで運輸委員会におきましては、国鉄全般について予算その他運営全般についての御審議を願つておりまする関係上、運輸審議会と同時的に運輸委員会において御決定になつて、これがしかるべきものと御決定になりますれば、それは立法府のお定めになつたことで、私ども欣然喜んでその御趣旨に従うべきものと、かように考える次第であります。運輸当局の考え方を一言かいつまんで申し上げると、ただいま申し上げたような次第でございます。

大澤嘉平治民主自由党

○大澤委員 ただいまの運輸当局の御意見を承りますれば、運賃法の改正については、運輸審議会の諮問を経なければならぬというような御意見のようでありまするが、最後の一点について、本国会において運輸審議会の諮問を受けるというようなことになると、とうていこれが本国会では、実際問題としてはいかにこれを決議しようとしても、その諮問機関に諮つている以上にはでき得ないのではないか、かようにも考えられますので、なお本條の精神についてはよくわかるのでありまするが、身体障害者といたしましても、あるいは介護者を同行する身体障害者といたしましても、この中にはいろいろの関係もあり、いろいろの環境によつていろいろのものがあると考えられまするので、もちろん汽車賃の割引などは考えてないというような身体障害者もないとは限らないので、むしろ一等の運賃を拂うから一等に乘せろと言わないとも限りませんので、この点はやはり政令という先ほどのお話もありましたが、その政令のお話を伺いまするならば、一様にただ資産の程度とか――あるいは国家がこれを保護しておる者も、先ほど申しましたように相当の資産を持つて、汽車賃のことなど考えていないということも一つに含まれたものになつているのではないか、さようにも考えられまするので、この点等の見解を、もう一度厚生当局から御意見を承りたい。

木村忠二朗(社会局長)厚生事務官

○木村(忠)政府委員 この点につきましては、私の方といたしましては、国会におきましておきめになりましたように運用されればよろしかろうと存じておりまして、これに対しまして、特にただいまどうするというような見解は持つておりません。国会におきましてしかるべく御決定いただければけつこうだろうと思つております。

大澤嘉平治民主自由党

○大澤委員 先ほど運輸当局のお話によりますれば、運輸審議会の議を経なければという御意見もあつたようでありまするが、この点に対してもう一度運輸当局の御意見を承つておきたいと思います。

石井昭正(国有鉄道部長)運輸事務官

○石井政府委員 お答えいたしますが、私が先ほど申し上げましたのは、国会の運輸委員会のことを申し上げたのでございまして、運輸省設置法によります運輸審議会は、運輸大臣としまして運賃の改訂を行う際に、この諮問を経なければならないことは、運輸省設置法に明示されておるのでございます。しかしながら国会の御提案にかかるものでございまするから、この場合は運輸審議会の議を経なくてもさしつかえないのではないかと考えるのでございます。ただ私の申し上げましたときには、各方面の割引というようなことが個々ばらばらに国会で各委員会でおきめ願うということになりますると、国鉄全体の運営上さしさわりが出て来る問題も将来起りはしないかということで、その点全般的に経営、財政等を御審議願つております運輸委員会におきまして御審議を経て、しかるのちに法律化されるものならば、これは妥当な御決定がいただけるものとかように考える、こう申し上げたのであります。

大澤嘉平治民主自由党

○大澤委員 そうしますと政府の提案によつて運賃の改正をする場合は、運輸審議会の議を経なければならぬ。今回の場合は議員提出の法案であるからその手数はいらない。従いまして運輸当局の趣旨とすれば、運輸委員会の審議にはかりたいというようなお考えであるか、それともこの法案を議員提出法案であるから、これをきめられることが望ましいという見解であるか、はつきり運輸当局の御意見を承つておきたい。

足羽則之(鉄道監督局長)運輸事務官

○足羽政府委員 條文を手元に持ち合せませんので、正確には御答弁申し上げかねますが、設置法におきましては、運輸審議会のいたします事項しては、運輸大臣が次にこれこれの事項をする場合には、運輸審議会に諮問しなければならない、運輸審議会がそれに対して答申をした場合には運輸大臣はこれを尊重しなければいけない、こういうふうにたしか書いてあると記憶しておるのであります。従つてただいま石井鉄道部長が話しましたようなお考えであろうと考えております。

前田郁民主自由党

○前田(郁)委員 ただいままでの運輸当局の御意見で大体わかりましたが、もう一言お伺いいたしたいことがあります。いよいよ法案が実施されるということになりますれば、この衝に当る者は運輸省であります。今まで連絡もなかつたようでありますので、多少いろいろな点で面食らつている点もあると思いますが、大体どういう点において事務的にお困りになる点があるか、そういう点を率直に聞かしていただきまして、それから私どもいろいろなことをきめたいと思います。

石井昭正(国有鉄道部長)運輸事務官

○石井政府委員 事務的に起ります問題は、まず第一は政令に定める身体障害者の政令をどういろように規定するかということであろうと思います。それからいま一つの問題は、本法律によりますると一、二、三等の各等並びに定期乘車券について、これを割引、半額にいたさなければならないことに相なります。その際におきまして、定期乘車券の販売の方法、主として一般の定期乘車券と識別の方法等について、やはり利用はきわめてまれだというふうに承知いたしておりますので、財政的な問題はございませんが、各現場におきまして、いつでもそれの販売し得るような体制を整えるために、多少の事務的な問題はあろうかと思います。しかしこれも国会でおきめ願つて、相当実施期間を置いていただけるものならば、法案の精神に沿つて十分一生懸命やらなければならぬことと考える次第でございます。

大澤嘉平治民主自由党

○大澤委員 先ほども御答弁の中にあつたようでありますが、政令の定むる身体障害者ということは、まだそうするとどういうものが法令の定むる身体障害者であるかということも、きまつておらないように承つたのでありまするが、その点の見解をひとつお述べ願いたいと思います。

大石武一民主自由党

○大石委員 大体われわれが考えておりまする基準を申し上げます。この政令に定める身体障害者というものは、大体二つの級にわけております。一級と二級とがそれでありまして、大体一級に入りますものは、両眼ともほとんど見えないという者と、それから両方の上肢、あるいは両方の下肢が全然機能を失つている者、あるいは常に寝ておりまして、複雑な介護がなければ全然身体活動のできないという者、そのような程度の者を大体一級に数えておりまして、これがいわゆる介護人を要する、乘車、乘船の困難な者ということにいたしております。

前田郁民主自由党

○前田(郁)委員 先ほど大澤君からお話がありました通り、運賃の問題は運輸省といたしましては、運輸大臣が運輸審議会にかけて、そうしてこれを私ども運輸委員会にかけて決定をする。そうして本会議で御決定を願う、こういうことになるのが当然でございまするが、しかし今回はそういう余裕もなかつたわけであります。なお私ども両委員会がこれを決定すれば、国家の最高権威であるところの国会でもつて決定をするわけでありますから、これはさしつかえないかと考えている次第でありまして、私どもはこの改正の精神、趣旨というものには全然賛成でございます。それでこの法案を実施するにあたりまして、十分に運輸省のただいままでの御意見を尊重していただいて、そうしてなお将来これを実際に実行しました場合に、いろいろな事務上の欠陥その他があつた場合は、あらためてこれをただちに改正をしていただくということをば條件といたしまして、本案に賛成いたしたいと思います。

松永佛骨民主自由党

○松永委員長代理 他に御発言はございませんか――御発言なければこれにて厚生委員会、運輸委員会連合審査会は終了いたします。     午後五時十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗