両院法規委員会 第6号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1949/05/07
会議録
○會長代理(角田幸吉君) これより会議を開きます。 参議院議員の通常選挙の施行期日に関する勧告案を議題にいたします。お手元に配付してある案につきまして、参議院両院法規委員長藤井新一君の説明を求めます。
○參議院兩院法規委員長(藤井新一君) 法制局参事をして説明いたさせます。
○參議院法制局參事(菊井三郎君) 命によりまして、御説明申し上げます。 要旨 参議院議員の通常選挙が、改選されるべき議員の任期滿了前に施行されるようにするため、参議院議員選挙法第九條第二項及び第七十條但書の規定を削除するよう立法措置を講ぜられたい。 その理由につきまして、御説明申し上げます。憲法第四十六條の規定によりますれば、参議院議員は三年ごとに議員の半数を改選することになつております。從いまして、改選されるべき議員の任期が滿了する前に、その選挙が行われるのでなければ、参議院はある期間議員の半数を欠くという結果を招くのであります。このようにいたしまして定員の半数の議員が欠けまして、残りの半数の議員で参議院の運営に当るということは、國権の最高機関である國会の権能を行使する上において、これは決して望ましいことではないと思われるのであります。またかような間隙のないようにすることが憲法の全体の精神において、要請するところであるとも考えられるのであります。かような意味におきまして参議院議員の通常選挙は、その施行期日が國会の開会中であつても、また閉会中であつても、必ず改選されるべき議員の任期が滿了する前に行われるように参議院議員選挙法を改正する必要がある、かように考えられまして、この要旨に対しまして、かような理由を付して案としてお手元に配付した次第であります。
○參議院兩院法規委員長(藤井新一君) この案について、前回の懇談会におきましては、ほぼこの参議院議員選挙法第九條第二項を削除するという意見にまとまつたのですが、その会議は懇談会であつたために決をとらずに終つたわけであります。そのときに衆議院の方においても、この第九條第二項をとるならば、大体賛成ができるという意思表示があつたわけであります。その意味合いからいたしまして、ここに参事をして説明せしめたのでありますが、この第九條第二項を削除すれば、國会法の第二條が生きて來る、こういうことになつてそこに矛盾がないのでございます。私はこの勧告案の仮案に対しては、このようにして行きたいという希望を持つております。そのとき、國会図書館長の金森徳次郎君から、これについて相当時間を費して述べられたのですが、それが懇談会であつたために速記録に載つていない。金森図書館長からは、任期中に選挙をすべきものであるという発言があつたのでございまして、私はこれに対して賛意を表したのですが、当時憲法をつくつた金森図書館長も、そういう意味においてこの法案をつくつたということを裏書きしておりますから、この際これに賛意を表して行くことが正しいように考える次第でございます。 〔会長代理角田幸吉君退席、会長高橋英吉君着席〕
○會長(高橋英吉君) ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○會長(高橋英吉君) 速記を始めて。
○委員(角田幸吉君) この際修正動議を提出いたします。 まず要旨につきまして申し上げます。 参議院議員の通常選挙が、改選されるべき議員の任期滿了前に施行されるようにするため、参議院議員選挙法改正の立法措置を講ぜられたい。 こういうふうに修正を願いたいのであります。 理由を申し上げますと、いろいろ申し上げましたが、ともかく現行法によつては、とりあえず明年の選挙にたいへんな不都合がありますので、適当なる改正をする必要があることは、前回本委員会において皆様から論議されたところでありますので、この際前回皆様から承つたいろいろな議論を拜聽しました結果、参議院議員選挙法第九條第二項及び第七十條但書の規定をただちに削除すべきであるというように具体的なことを明示しないで、この際勧告される方が適当であろうと考えまして、ただいまの修正動議を提出する次第であります。皆様の御賛成を願います。
○參議院兩院法規委員長(藤井新一君) 今角田委員の述べられた発言のうち「参議院議員選挙等」と「等」の字が必要であろうと思います。 なおこの要旨が参議院議員選挙法等改正の立法措置を講ぜられたいとする以上は、理由においてもこれと並行して直すべき必要を生じました。ついては理由のところにおいて終りから四行目ですが、「この意味において、参議院議員選挙法等関係法を改正する必要がある。」と、こう直したいと思います。そうすれば前の要旨と一致いたします。
○會長(高橋英吉君) 藤井君の要旨並びに理由に対する修正の動議は、会長も適当と思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○會長(高橋英吉君) 別に御異議がなければこれより参議雄議員の通常選挙の期日に関する勧告案を議題として採決に入ります。藤井君の提案に対する角田委員からの修正動議が出ましたが、角田君の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○會長(高橋英吉君) 総員賛成であります。 次に藤井委員から要旨並びに理由に対する修正動議が提出されましたが、これに対し御賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○會長(高橋英吉君) 総員賛成であります。 それでは修正部分を除く他の部分に対する賛否を表していただきます。御賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○會長(高橋英吉君) 総員賛成であります。 それでは修正されました本勧告案を両院法規委員会の勧告案として、両議院に勧告することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○會長(高橋英吉君) 御異議なきものと認めます。それではさよう決定いたします。 —————————————
○會長(高橋英吉君) 次に角田委員の提案になりました臨時法制審議会法(仮称)を制定すべきであるとの勧告案を議題といたします。角田委員より説明を求めます。
○委員(角田幸吉君) 憲法施行に伴いまして、民法、商法、刑法等多くの法律が憲法の約束に從つて改正せられなければならなくなつているのであります。そのうち刑法あるいは民法中の親旅編、相続編は、すでに改正されているのであります。ところが憲法第二十九條第二項には「財産の内容は、公共の福祉に、適合するように、法律でこれを定める。」と規定しております。從つて本來からすれば、民法の中で親族編、相続編の改正されたと同じように、商法、民法等の財産に関する規定も、その内容が公共の福祉に適合するように改正されまして、民法施行の際に同時に施行すべきであつたのであります。しかも民法、商法中に、憲法第二十九條の規定に適合せざる規定が今なお存在しておるのでありますが、これが改正がいまだに企てられておりません。 ことにお考えを願つておきたい点は、憲法第二十九條第一項は「財産権は、これを侵してはならない。」として、私有財産を保護しているのでありますが、同條第三項には「私有財産は正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」と規定しております。憲法は、一方におきましては私有財産を保護しているとともに、他方におきましては、これを公共の利益のために正当なる補償を供して用いることができることにしているのであります。この場合に、何を公共のためにというか、また何を正当なる補償というかは、きわめて困難な問題でありまして、この意義が財産法の規定によつて明瞭にされなければならないと思うのであります。ことに農地調整法をめぐりまして、この問題は相当紛糾しておりますが、いまだその解決がなされておらないようであります。おそらく漁業法の改正にあたりましても、同様の問題が起るであろうと考えるのであります。 さらに民法の規定中、財團法人に関する規定が、そのまま憲法第二十九條の精神に合致せるやいなや、この際公益信託制度も考えておく必要はないかどうかなどといつたような、たくさんの問題が起つているのであります。 ただいま私が申し上げましたのは、民法中の一部について申し上げたのでありますが、これは商法につきましても、その他の法律につきましても、幾多の問題が起つて参るのであります。そこで憲法施行と同時に、憲法の精神に沿うように、あらゆる法律規定というものが全面的に改められなければならないものがあると思うのであります。しかしこれらの法制を短時間に一挙にこれを制定立案するということは、きわめて困難なことであろうと思うのであります。そこで私は國会に付属する臨時法制審議会法、これは仮称でありますがさような法律を制定いたしまして、國会議員あるいは学識経驗者を網羅いたしました一つの法制審議会の設置が、この際必要であろうと思うのでありますが、いまだ國会及び政府におきましてこの企てが行われておりませんので、私はここに本勧告案を提出する次第であります。
○會長(高橋英吉君) 何か御質疑御意見等がありますか。——なければ、本件につきましては次会において決定することとして、それまでに皆様の御考慮をお願いいたしたいと思います。ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○會長(高橋英吉君) 最後に会期は五月十六日をもつて終了いたしますので、その前に本委員会において処理した事項につきまして、衆参両院の議長に報告書を提出いたさねばなりませんので、次会においてはこれについても協議いたしたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十五分散会