本会議 第14号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/04/15
会議録
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。 この際お諮りいたします。川上嘉市君より、病氣のため会期中請暇の申出がございました。許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 議長はこの際、欠員中の決算委員に伊藤保平君を指名いたします。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 次に、お諮りして決定いたしたいことがございます。外務委員長より、連絡調整の事務運営並びに地方自治体の占領軍との渉外状況実地調査のため、今期國会中、神奈川縣に佐藤尚武君、野田俊作君、伊達源一郎君、團伊能君、徳川頼貞君、伊東隆治君、淺井一郎君、金子洋文君及び岡田宗司君を二日間、愛知縣に徳川頼貞君、伊東隆治君、團伊能君、淺井一郎君、岡田宗司君及び伊達源一郎君を三日間の日程を以て派遣いたしたい旨の申出がございました。これらの議員を派遣することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつて議員派遣の件は決定いたしました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) 日程第一、食糧の増産確保に関する決議案(楠見義男君外二十名発議)(委員会審査省略要求事件。)を議題といたします。本案につきましては、楠見義男君外二十名より委員会審査省略要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。これより発議者に対し趣旨説明のため発言を許します。楠見義男君。 ————————————— 〔楠見義男君登壇、拍手〕
○楠見義男君 只今議題となりました食糧の増産確保に関する決議案につきまして、提案者の一人といたしましてその提案の趣旨を御説明いたしますると共に、満場の皆樣方の御賛同をお願いいたしたいと存ずる次第であります。 先ず決議案を朗読いたします。 食糧の増産確保に関する決議 日本経済自立の根幹が食糧の増産確保にあることは言を俟たない。しかして農家の異常な努力があるにもかかわらず、農業生産はきわめて苛酷な生産條件の下におかれ、しかもその打開に関する政府の施策には見るべきものがない実情である。更に土地改良及び災害復旧に関する施設の大幅縮減のように、政府が執ろうとしているところはむしろその重要性を沒却し、食糧自給度向上の必須性に逆行しようとするものであつて、誠に遺憾である。 政府は、食糧増産の緊要性を認識し、拡大再生産を可能且つ容易にするために供出制度及び農家の税負担の公正合理化を図るとともに、土地改良、耕地復旧その他の積極的な増産助長施設を強化し、一日も速かに日本経済自立の基盤を整備すべきである。政府は、右に関する施策を速かに樹立し、これを本院に報告するよう要求する。 右決議する。 決議の趣旨といたしまするところは、この案文によつて明白なるところでございますが、これを敷衍して、以下簡單に提案の理由を御説明申上げます。 戰爭中、食糧問題が如何に深刻な問題であつたかは今暫くこれを措くといたしましても、終戰後における我が國の食糧不足があらゆる部門における産業復興に大きな支障となり、又インフレ増進の直接原因となつて、一般大衆生活に極度の不安をもたらし、更に又我が國政治の自主性を失わしめんとするに至つたことは、誠に遺憾なことではございますが、御承知の通り事実であります。即ちアメリカからの援助によつて漸く糊口を過ごし、大量の食糧飢餓より救われておる実情でありまして、終戰後、昨年までの輸入食糧は数数の種類を合せて米換算約四百五十万トン、金額にして約七億ドルでありますが、大食糧年度においても依然約二百万トンの輸入援助を期待せざるを得ない食糧需給の実態であります。 而してこの状態は、若し今日のごとき状況がそのまま続くといたしますれば、一面において國内入口の年々著しく増加する傾向と相俟つて一層惡化すべきことは火を見るより明らかでありまして、現に來食糧年度におきましては、事前割当の供出予定数量より推測いたしましても、本年度より更に多くの食糧輸入を期待せざるを得ない情勢であります。而もこれらの輸入資金は、今申上げましたごとく、今日は全く米國の救済資金に頼り、自前による輸出代金で賄える見通しは今のところ全く立つておりません。政府は現に輸出振興に最善の努力を拂わんとするがごとくでありますが、年々三億ドルにも上る輸入代金を賄い得るだけの輸出力の増加は極めて困難なことでありましようし、それどころか我が國輸出の大宗たる蚕糸業は、御承知のように昨年度においては輸出総額約二億七千万ドルのうち、生糸及び絹織物で約七千万ドルを占めておるのでありますが、この重要な蚕糸業も單一爲替レートの設定を目前に控えて、一歩その方策を誤まるならば、將に壞滅せんとする実情であります。尤も事食糧に関することでありますから、自由貿易に復した場合、身を切るような努力によつて得た輸出代金を、最優先的に食糧輸入代金に割くことも想像せられまするけれども、かかる場合においては、我が國の産業復興はそれだけ遅れ、ただ食うためにのみの國民経済が何年も何年も続くことでございましよう。更に純消費物資たる食糧のために、長期且つ多額の海外クレジツト設定を期待することの極めて困難且つ不可能に近いことも亦自明の理でありまして、この点からいたしましても、現状を以てすれば、講和会議の実現後、我が國食糧危機の再來を祕かに憂える者の少くないことも、決して故なきではありません。況んや今日においてすら、米國國民は対日救済のための税負担を一日も速かに軽減乃至免れんことを希望しておる実情からいたしましても、誠に憂虞に堪えぬところでありまして、海外援助と昨年の豊作とによつて、表面一時安定しておるかに見える食糧事情は、一皮剥げば実に危險極まりなき危機を孕んでおるとしか思われません。まして、巷間憂うるがごとき國際情勢の惡化が生じた曉の我が國食糧事情に思い至りまするとき、誠に慄然たらざるを得ないのであります。政府はこの実体を知つてか知らずか、或いは知つても殊更にこれに目を履い、目前の易きに頼らんとしてか、(「そうだ」と呼ぶ者あり)食糧自給度向上に対する何ら見るべき施策もなく、その無定見に近き有樣は、心ある者のひとしく眞に憂えるところであります(拍手) 一方農家の諸君は、戰時中より引続いた供出制度、而も改善の余地極めて多い供出制度と、過重な且つ不公正な納税制度の下に、更に又いわゆるシエーレの重圧の下に苦しみながら、父祖傳來の農地を愛するが故に、及祖國再建の基盤たるの重責を自覚するが故に、默々として生産に從事しております。併しながらこのことは別の観点からすれば、未だに農村に残存する封建性と組織力の欠如の故でありまして、このことは我が國民主化のためには却つて不幸と言わねばならず、又いつまで続くものではありません。現状を以て推移すれば、農地改革によつて折角解放せられた農民も、再び昔に戻るか、或いは離農する外、道はないでございましよう。現に極く最近の農林省の発表によりますれば、昭和二十三年度において二万四千七百三十五戸の農家が、主として供出及び税金の過重と災害とによつて耕作を放棄したと傳えておることは、如実にこの間の消息を物語るものであります。僥倖によつて富籖の百万円当り籖金に対しては税が免除されても、血の出るような早期供出や超過供出に対する僅かばかりの奬励金に課税されたり、(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)或いは又多額の赤字補償が他の鉱工業部門に出されたり出されんとしたり、更る又不正融資すら行われておるときに、農業部門に対しては、搾れるだけ搾るというあの徳川時代の政策が行われておることは、(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)何としても了解に苦しむところであります。 先日、本議場るおいて行われた総理大臣の施政方針演説や、これに対する質疑應答を通じて看取せられたところによりましても、我々はいよいよ悲観せざるを得ないのであります。即ち総理の演説は、経済自立の緊要性にすべてを盡しておるにも拘わらず、同僚帆足計君の食糧自給に関する質問に対しては、ただ高い國から輸入するよりも、できるだけ安い地方から入れるように輸入先を変えたいというだけでありまして、自立の何たるかを解せざるがごとくでありまして、工業專門家たる帆足君が石炭よりも何よりも食糧増産が大切であると言うその卓見と、余りに対蹠的であります。安本長官や大藏大臣の演説も亦、実の一つだになきを悲しむいわゆる山吹演説でありまして(笑声、「その通り」「うまいうまい」と呼ぶ者あり)殊に安本長官に至つては、土地改良予算を大幅に削減して置きながら、農業増産には土地改良その他の施設を大いにやるとそらぞらしくも述べております。(「大出來々々々」と呼ぶ者あり)大規模の土地改良の重要なことは申すまでもなく、極く小規模の土地改良によりましても、反当收量を著しく増大し、或いは水稻單作地帶に二毛作を可能ならしむる等、増産上最も効果の多いことは、万人のこれを認むるところであります。從來これに対しては國家は多年助成をして参つたのでありますが、本年度から三百町歩未満の土地改良は、個人の私的企業なりと称して助成を打切らんとしております。農業経営が全く自由なる時代においてすら助長して参りましたこの農業政策を、作付から供出まで、がんじがらめの統制で以て、いわば強度の國家管理を行なつておる今日の時代に、土地改良はやりたい者は勝手になれ、農業の引合わぬ者は止めても止むを得ないとする農業政策の急轉換は(「自由党の政策だ」と呼ぶ者あり)経済自立の中心が食糧であるとする今日であるだけに、何という矛盾でございましよう。(拍手)殊に災害復旧助成の打切りに至つては、政府の補助を引当てに借金までして一日も速かに耕地を復旧し食糧増産と供出の重責を担いつつある正直者の農家に対し、何という背信的な苛酷な措置でありましよう。(拍手、「そうだ」と呼ぶ者あり)農業政策に関して將にとられんとする措置はこればかりではありません。いわゆる経済九原則の一項目たる供出計画の能率向上、即ち追加供出に対する法的措置にいたしましても、マツカーサー元帥の指令においては、食糧増産に関する奬励施策は最大限にこれを継続実施すると共に、そのできた食糧を最も公平に分配するためにこの措置が必要であると述べられております。もとより我々といたしましても、輸入食糧によつて辛うじて國民の生命を繋いでおる以上、供出計画の能率向上は同感であり、当然の義務とも考えますが、指令にもありまする通り、増産の徹底がその前提でありまして、この前提なくして徒らに供出のみを責めることは、供出完了後の自由販賣という公約違反以上の惡政であります。(拍手)而も政府はこの前提を無視して正に食糧確保臨時措置法の改正案を今期國会に提案せんとするやに傳えられております。更にもう一つ農業生産に最も必要な肥料につきましても、例えば硫安の現有設備能力は百四十万トンであるにも拘わらず、本年度生産計画は百万トンに止め、一方で設備を遊ばせ、その分だけ輸入硝安によつて賄わんとする実情であります。由來、現内閣によつて立つところの民主自由党は、政友会の昔から農村に対する極めて理解深き政党として知られ、その故にこそ今日尚農村に多数の支持者を持ち、先般の衆議院議員総選挙において絶対過半数を占めた最も大きな原因も、これらの人々の支持に繋がるところが大であつたと思われるのでありますが、(「これから騙されないぞ」と呼ぶ者あり)この内閣にして而もかくのごとき状況、誠に遺憾でありまして、日本再建の基盤が崩れ去らんとすることを眞に憂うるものであります。かくのごとくしてこれを見るとき、我々は農政及び食糧政策に対する政府の意図果して奈辺にあるやを疑わざるを得ないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり) 尚この際特に強調いたしたいことは、我々は農業が徒らに負担軽減や政府の助成にのみ汲々たらんとするものではないということでありまして、日本再建のために農業、農村が負担すべきものは、当然の責務としてむしろ喜んで受けんとするものでありますが、併しながらそこには公平の観念を以て措置せられることが必要であると共に、特に大切なことは農業の拡大再生産を可能ならしむるがごとき政策が必要であるということであります。從つてこの見地において現行供出制度の改善合理化や、税負担の公正妥当なること、或いは土地改良、災害復旧、災害防除等の諸対策が講ぜられ、更に進んで食糧自給の具体的方策が講ぜられなければならんと確信するものであります。 要するに結論として言えば、政府にして若し眞に我が國経済自立の何たるかを理解し、この基礎の上に立つて農政をとるならば、食糧自給度を最大限に上げること必ずしも不可能ではなく、農村振興に伴う商工業の振興、そうして又我が國経済の再建又決して夢想のことではありません。政府はよろしく活眼を開き、我が國永遠の自立の大計を一日も速かに立てられんことを切望して止みません。以上が本決議案提案趣旨の大体であります。何とぞ皆樣方の御賛同を切にお願いいたします。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。藤野繁雄君。 〔藤野繁雄君登壇、拍手〕
○藤野繁雄君 私は只今上程されました食糧の増産確保に関する決議案に対し賛成の意を表するものであります。 我々は経済九原則を実施し、一日も早く日本経済の安定と復興とを図らぬばならないのでありますが、そのためには先ず第一に食糧の増産確保、進んでは食糧自給体制の確立が焦眉の急務であるのであります。即ち農業は我が國が自立経済へ飛躍するための原動力たるべき重大使命を負わされておるのであります。然るに農村の実情を見まするに、戰時中から治山、治水、砂防、災害復旧の放置、又一方的な收奪農法の強行によつて、農地は荒廃し、その生産力は限界に達しており、この上の食糧増産は到底不可能な状態であるのであります。更に又農業経営の実態におきましても、農地改革によつて耕作農民は殆んど自作農になつたのでありますが、それ故に理想的な経営を行なつて收益を上げ、生活の改善を図ろうと努めておるのでありますが、作付は全面的に統制せられ、而も收穫されたところの農産物は再生産を保障するに足らない安い値段で供出を強要せられておるのであります。加うるに税負担は重く、而も戰後の人口重圧によつて零細化の傾向はいよいよ強いのであります。かくして農業経営は非常な苦悶に直面し、耕作を放棄するところの農民すら生じつつあることは最近における農林省の調査によつて明らかにせられたところであります。即ち四月十一日の毎日新聞は、耕作放棄面積は全國で四千二百五十九町歩、そのうち全く荒廃した耕地は三千五百二十五町歩と報じておるのであります。このような状態がその下において、農家の自力のみを以て復興に図ることは極めて困難であり、災害復旧や土地改良等の負担に堪え得ないのはむしろ当然と申さねばならないのであります。そこで今後根本的に生産力を向上し、経営の合理化を図るためには、治山、治水、砂防、災害復旧の実施、土地改良、交換分合、更に経営技術の向上普及等の施策を、政府の責任において積極的に推進するのでなかつたならば、農業生産の増強を期待することは到底できないのであります。かかる見地から政府の二十四年度予算の編成を見てみまするというと、食糧の増産確保の施策において極めて消極的であり、殊に農業関係の公共事業費は大削減を蒙りまして、災害復旧、土地改良等の事業が全面的に圧縮せられましたことは、誠に憂慮に堪えないのであります。即ち総額において僅かに九十九億円、昨年に比して十八億円の減少であり、而も物價騰貴を考えますならば、その事業量においては昨年の三分の一程度にしか当らないような状況であります。次にその内訳を見ますと、災害復旧は昨年の四十四億円に比較いたしまして三十一億円、而も耕地の流失、埋沒等の復旧は全然除外せられ、全部農家の負担による復旧が要請せられておるのであります。即ち昭和十八年以降二十三年までの未復旧事業量六百八十七億円の殆んどを農民の自力だけによつてやれという、誠に寒心に堪えないところの措置であると思うのであります(拍手)。又土地改良においては、昨年の十六億円に比べ、八億円で、府縣営の継続事業及び北海道の直轄事業に限定せられ、團体営の継続事業は勿論、新規事業は一切補助打切りとなつているのであります。このことは農家経済に深刻なる影響を及ぼし、これら事業の実行はおろか、食糧の増産及び供出の確保にも障害を來して來るのであります。勿論財政均衡の必要から從來の補助金政策が批判の対象となつておることは、私も十分にこれを認めるのでありますが、他のお坐なり的の補助金と一律に、災害復旧、土地改良のごとき長期巨額の資金を要するものまで補助を打切られたことは問題となるのであります。而も今回の政府の補助打切りが、農業は私の企業であるから、その利益を受くるところの者が即ち受くる農家が、当然みずから負担すべきであるという主張に基いたということは、何としても承服ができないところであります。何故なれば、作付統制と公定價格による供出制度によつて、農家経済全般が國家の強い統制の下にある今日において、農家は到底私の企業として成立ち得ないのであります。而も國家が補助金政策を廃止せんとするならば、米その他の農産物の價格は、農家が企業的に成立ち得るまでに引上ぐべきであります。或いは又土地改良であるとか或いは災害復旧に要する経費を、農産物の價格構成要素に含ますべきものであるのであります。そうでなくて一方的に公企業的体制の下に置きながら、他方においては私企業なりと断じて、これを放置することは、甚だしく片手落ちの措置と言わなければならんのであります。飜つて政府が今國会に提出せんとする土地改良法案の要綱を見て参りまするというと、その第一條第二項において「土地改良事業の施行に当つては、その事業の内容が國土資源の保全の必要を充たし且國民経済の発展に資するものでなければならない」と謳つておるのであります。即ち土地改良事業は、事個々の農家の耕地に関するものとは言いながら、決して私企業的立場にあるものではないのであります。それが國土資源の保全と國民経済の発展に資すべき公企業として行わるべきものであるということを示しておると言わねばならないのであります。 以上の見地から、災害復旧、土地改良は政府の補助においてなすべきが当然であるとの前堤に立ち、尚又今回の補助打切りが農家の生産意欲、延いては食糧の供出確保に重大なる影響を及ぼす虞れがあることを憂慮いたしまして、農政研究会を中心として、両院の農林関係議員が去る三月三十一日以來数回に亘つてこれが対策について愼重に檢討を続けました結果、この際耕地の災害復旧と土地改良を重点的に考え、この両事業に対し、尚最小限度四十九億円の政府補助金の追加計上と、更にこれらの事業を遂行するための経費として長期低利の資金百四十三億円が絶対必要であるとの結論に達したのであります。而してこれらの予算及び金融措置が十分に講ぜられないとしましたならば、みすみす増産可能なる食糧を失い。全耕作農民の不信を招き、延いては又國民を不安に陥れることは、我が國再建に一大支障を來す結果となるのであります。 私らは政府がこの点について十分認識を新たにして、現在の誤まつたる構想を再檢討し、速かに本決議案の趣旨に基いて具体案を作成し、以て食糧確保の重大使命達成に遺憾なきを期すべきであると信ずるのであります。以上を以て私の賛成討論を終ります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 鈴木順一君。 〔鈴木順一君登壇、拍手〕
○鈴木順一君 私は民主党を代表いたしまして、只今上程されました決議案に対し賛成の意を表するのであります。提案者並びに藤野議員より縷々御説明がございましたので、私は簡單に賛成の趣旨を申上げます。 戰爭中より農家は、少い資材と、而も労力が不足し、その他すべて足りないながらも供出を完了して來ておるのであります。敗戰後の今日におきまして、失業者と都市の人口が農村に過重に殖えまして、農村経済を圧迫し……如何にも現在の経済九原則により、日本の経済自立の最も重大な要素である食糧増産につきましても、これ以上の増産は現在の農村の経済から行きまして非常に困難な状況にあるのであります。勿論経済の自立に際しまして、海外の援助を得ることも必要でありましようけれども、何と申しましても日本の中で食糧を更に増産し、端的に申上げるならば、價格調整費のごときものも大幅に、土地改良、開拓、農業増産の施設に重点的に他の基礎産業と同じく配分さるべきであると考えるのであります。打ち続く水害によりまして、これを現在の状況に放任して置くならば、如何に食糧の確保増産を監励されようとも、現状からは不安な状況の下に完遂することはできないのであります。現在の農村の実情から見ましても、土地改良、開拓、すべての事業に対し、政府が大幅に地方配付税も減らし、その上に農村に向つて更に過重なる税負担をかけようとするような現在の予算を見ますとき、農村の人たちが如何にこの政府の施策におきまして協力することに対し不安な状況におるでありましよう。いろいろ申上げてもよろしいのでありますが、提案者その外から申上げられましたから、簡單に賛成の意を表するものであります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 羽生三七君。 〔羽生三七君登壇、拍手〕
○羽生三七君 只今提案されました食糧増産確保に関する決議案につきまして、社会党を代表して賛成の意思を申述べたいと思います。決議案の具体的内容につきましては、只今楠見農林委員長その他議員諸子から詳細に説明がありましたので、これと重複することを省略しまして、私は全く純粹に基本的な角度と且つ又全く別個の観点から、本決議案に対する賛成の趣旨を申述べたいと存じます。 所論が非常に飛躍いたしますけれども、我が國が無謀な戰爭の結果から今日の悲境を招いた原因につきましては、人多くは軍閥、官僚、財閥、政治家等の一部独裁的指導者の責任としてこれを論じております。勿論それは確かに重要なる原因でありましよう。併し原因はそれだけでございましようか。私はその他の原因の一つとして、而も重要な原因として、過去の日本の半封建的な社会的諸條件を挙げることができると思います。そうしてこの社会的諸條件の一環は、当時の、そうして或る意味においては現在でも亦そうでございますが、日本の農村の封建性、非近代性、非科学性であると信じております。試みに昭和五年の農業統計を見まするならば、同年の米價は石代十八円であります。麦は石代五円なにがしであります。繭は一貫目二円八十銭であります。如何に物價の安い当時におきましても、これで農民がやつて行ける筈がなかつたし、又事実極度の貧困に喘いでおつたのであります。そういう生活環境にあつた当時の農民の大部分は、恐らく世界の動きも知らなかつたでありましよう。或いは又日本の政治や、経済や、社会がどのような方向に移行しつつあるかについても十分知るところがなかつたと思います。一言にして言うならば、自分自身で政治や経済について自主的な判断の下せるような生活状態が存在しておらなかつたということであります。かかる封建的な社会的諸條件の上に一部指導者の支配というものが確立されたものと信じておるのであります。更にそればかりではない。かかる農民の低い生活水準というものが、半植民地的と言われた低賃金と失業を勤労大衆にもたらした最大の原因であると考えられます。從つて今日我が國が眞に日本の自立を考えるならば、農民の生活を昔日の姿に逆轉させることなく、先ず從來の半封建的な生産條件を拂拭し、日本農業を近代化し、科学化し、以て農民の地位を安定させると共に、これによつて拡大再生産の基礎を確立しなければ、食糧増産を確保することは困難であると考えられます。(拍手)農民の大多数は今日苛酷な生産條件の下で辛うじて生活だけは維持しております。過重な税金の負担、供出制度の欠陥等はそれでありましよう。この場合、都会地近郊の一部農家に若干の異なつた状態があるといたしましても、それは全く異例の存在でございます。とにかくこのような状態でどうして食糧の増産が確保できましようか。ただ併し農民は、最後に自分を護る一つの途を持つております。それはどういうものであるかと申しますならば、恐らく三つ付けておる電燈は一つにしてしまう。新聞も雜誌も断わつてしまう。学校へやつておる子供はやめさせて家で手傳いをさせる。そういう昔の生活に再び戻るというならば、辛うじて生活は維持できるでありましよう。併しそのような状態に日本の農民が置かれた場合に、果してそこに日本の民主化があり、自立が確立されるかどうかということは多言を要しないと思います。日本農業がかような結果から再び昔日の状態に戻るようなことがないように、私はあらゆる努力を拂いまして、日本自立の基礎的な諸條件を確立しなければならないと思います。何故ならば日本農業の発展と農民の地位の確立は、日本の自立と民主化の重大な前提條件を構成するものと信じておるからであります。のみならず日本がです、その必要とする食糧すらも、いつまでも外國の援助に頼らなければならない状態に置かれるでありましよう。然るに昭和二十四年予算におきましては、先程來お話がありましたように、土地改良、災害復旧等に関する施設は大幅に縮減されまして、我々の所期する方向とは全く異なつたものとなつたのであります。もとより片山内閣当時におきまして農業対策が十分であつたとは考えておりません。我々も率直にそれを認めます。併し現内閣におきまして、七千余億の厖大予算におきまして、それが逆に縮減の方向を迫るとは、我々の夢想だにしなかつたところであります。鉄や石炭だけが重要産業でなく、食糧の生産が日本の自立にどれ程重要であるかという事実を政府は十分認識しまして、本決議案の趣旨を尊重し、以て見るべき施策を速かに講ずることを希望且つ要求しまして、本決議案に対する賛成の趣旨とするものでございます。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 國井淳一君。 〔國井淳一君登壇、拍手〕
○國井淳一君 私は無所属懇談会を代表いたしまして、ここに上程されました食糧の増産確保に関する決議案に対しまして、満腔の賛意を表するため、且つは増産を阻んでおりまするところの二三の惡條件、これを指摘いたしまして、これを剔抉して貰うという考えから、ここに立つた次第であります。 私共は現在九原則の枠内にありまして、予算も決定し、それから政治もその線に副つて運営されておりますることは当然でございます。國民がひとしくこの線に沿つて耐乏し、創意を十分に活かすことによつて、初めてこの九原則が達成せられ、経済の安定ができるわけなんでありますが、然るにこの九原則の下において政策が進められておりまする今日、農民の立場はどんなふうになつておるか。これは前の議員諸君が一生懸命にここで怒号された通りであります。負担は非常にいよいよ過重になつて参ります。それから供出制度はいよいよ強化されました。而も農産物價は生産費以下に切下げられておるような現状でございまして、農家の経営はいよいよ行詰つて、轉落の一途を辿り始めておる。東北の方におきましては、無論冗談であると存じまするが、娘賣りが始まつたというようなことを申します。今人身賣買禁止の令があるが、これを撤去して貰わなければ我々は生活できないのだというような冗談すら、もう飛び始めた。それから借金でありまするが、借金はもう軒並に始めた。どこの協同組合長の話をお聽きになつてもお分りであると思いますが、朝飯前に五人も十人も借金をするために組合長のところへ押し掛けて來ておる。こういうようなことでありまして、もう借金は常識の域に達しておるのであります。然るに一方株式市場などを見ますと、どういうことであるか、非常な活況を呈しておりますことは皆さん御承知の通りであります。こういう株式市場が非常に活況を呈しているということを農民が見まして、一体これはどういうことであろうかと疑問に感じておると思うのであります。私が思うのに、この九原則を活かすための方向がどんな方向を辿つているかということが、これで明らかではないかと思うのであります。即ち一部の者を擁護し、勤労者や農民を犠牲にすることによつて、果して日本再建、それから民族の復興ができるでございましようか。私共はこの民族復興と日本経済の再建、國民生活の安定は、一にかかつて食糧の増産以外にないと確信しているわけであります。帆足君の例を先の委員長が詳しく申されましたが、全くその通りでございます。この点につきましては、私はどんな人でも否定する人はないと思うのでありまするが、併しよく考えて見ますると、終戰以來の歴代の内閣は食糧増産のためにどんな施策をやつて來たのでございましようか。私をして言わしめれば、農民は飽くまで食糧を増産する意欲に燃えている。この点につきましても委員長が、默々として日本國民を飢えしめないために農民が努力しているということを申されましたが、その通りでございまするけれども、併しどの内閣も、私をして言わしめれば、この熱意を消し止め若しくは阻止するような方策しか取つておらなかつたのではないか、こういうふうに考える外ないのであります。今日参議院におきまして今更のようにこの決議案が上程されざるを得なかつたということは、如何に今までの政策が貧困であつたかということを物語つている外の何ものでもないと思いますが、一体今まで農民が働くための衣服だとか、それから地下足袋だとか、それから肥料、農機具、こういうようなものが農民に渡つておつたでありましようか。私はこれを渡すべき政府に義務があると、こう考えておるのであります。何となれば、農民はこれは個人企業ではなくなり、國家の工場の一労働者になつた。去年の七月からなつたわけなのであります。こういう点から、こういうものが渡つておらなければならないと思うのでありまするが渡つておらない。更にこの惡條件の下で、いろいろ実情を無視いたしました割当を供出をいたしまして、更に非常な困難を忍んで早期の供出をし、それから超過の供出をしておるのでありまするが、この僅かの早期供出などにつきまして、僅かの金額に対しましてすら税金をかけているというような始末でございまして、農民が次第にこういうようなことから増産の意欲に失つてしまうことは当然なのであります。そのために全國に亘つて耕作放棄という重大な問題を惹起しつつありますことは、これも委員長からお話のあつた通りであります。どうぞこの際政府は決意を以ちまして、早期供出に対する課税、これを取止めにして頂きたいと思うのです。若しこれが事情上できないということであれば、早期供出と、それから普通の供出と、所得税において累進される結果になりますが、この点を二つに分けて、累進しないような特別な課税をするというような方法ならば取れないことはなかろうと思う。この点是非一つ御考慮願いたいと思うのであります。 更に、その税金の問題につきましては、その基本となりまするところの所得税でありまするが、この所得税の中の必要経費の計算は全く実情を無視しておるのであります。牛馬、農機具の耐用年数にいたしましてもそうでありまするが、第一に農業労働に対する労賃を全然認めておらないのであります。つまり百姓を只で使用しておる。こういうふうな実情なんであります。よろしくこの点も労働從業者の基礎控除を認めて頂きたいと思うのであります。外に地租を引上げるとか、若しくは土地使用税をかけるとかいうような噂があるのでありまするが、こういうような噂が飛ぶだけでも増産の意欲を減殺すること夥しいと思う。食糧と直接関係はございませんが、先程の楠見さんのお話の輸出の大宗であるところの蚕の事業税、こういうようなものは即時廃止して貰いたい。もう一つ煙草でありまするが、煙草は私共は全くこれは國家より委託された栽培品だ。一葉でも自家用に供することはできないのであります。こういうような委託栽培品についても事業税が課せられておるわけであります。これは是非即時撤廃して貰いたいと思うのであります。次に農産物の物價の問題でございますが、御承知のように農産物價はパリテイ計算、パリテイ方式によつて計算されているわけでございまするが、このパリテイ計算の内実は甚だ農民としてこれはもう納得の行かない点が多々あるのでございます。(「その通り」と呼ぶ者あり)今日は時間がありませんので詳しく申上げませんが、(「もつとやれ」と呼ぶ者あり)第一、國民の生活費を計算いたしまする場合に、闇購入費を計算に入れておるのであります。それにも拘わらず農産物の基準品目となりまする生産生活資材の七十四品目を取つて参ります場合に、パリテイ計算においては全然七十四品目を公定價格で計算しておる。私は百姓でありまするが、それは七十四品目を決して公定價格で買つておりません。何割しか買つておらない状態なんである。これがパリテイ計算の基礎になるわけであります。私は生産費を償わないということを先に申上げましたが、ここに全國平均地と思われるところの群馬縣京ケ島村のまじめな調査がございますので、ちよつと皆さんにお聽かせしたいと思うのですが、実に群馬縣京ケ島村では米の生産費四千八十四円四十六銭かかる。然るに米の價格は幾らであるかというと、御承知の通り三千五百九十五円、生産費に対して八八%しか支拂つておらない。大麦は大体三千三百二十八円、これに対して千五百九十三円でありまするから四八%、甘藷は六六%しか支拂つておらないのであります。こういうような実情、百姓を叩きに叩いて安く買つておる。更に追加拂にいたしましても、我々の計算、これは農林省の方式によつて計算したのでありまするが、大麦一俵について二百円、小麦が二百六十六円、バツク・ペイしなければならないのでありまするが、この支拂われておる額が僅かに五分の一に過ぎないのであります。時間が参りましたので急いで切上げまするが、こういうような実情の中で、私共はどうして増産をすることができるでありましよう。先程から前の方たちが一生懸命に耕地改良、こういうようなことにつきまして細かい数字を挙げまして、どうしても耕地改良をやらなくちや駄目だと言われた。開拓をやつておりまするが、開拓はなかなか手間が取る、併し耕地の改良をやれば二割や三割は確実に最も手早く穫れる。濕田を乾田にするために裏作ができるとか、若しくはそのために肥料の吸收がよくなるという、こういうようなことで早く穫れるのでありますが、このための予算が実質において去年の半分しか組まれておらない。これは一体どういうことか。本氣になつて増産をさせる意思が政府に本当にあるんですか。私はそういう意思はないんじやないかと疑う程なんです。こういうような今の九原則を活かすために必要なこの食糧増産に対してですね。こんなことで本当に食糧を増産する熱意があるかどうかということを考えるのでありますが、これらの補助はこれはもう全部要求通り復活して、この全額を私は國庫が支拂わなくちやならんと思うのです。なぜかというと、先程申上げましたように、私共は去年の七月からこつち、すつかり個人企業だというようなことを言われておりますが、それは個人企業でも何でもない。これはまあ言つて見れば國家の生産工場の労働者になつた、國家管理が行われたんです。主要食糧確保措置法によりまして、去年の七月から私共は國家管理に入つた。入つた以上國家がこれは予算の裏付をして、私共の増産を助ける方法を急速に採つて呉れということを要望する。そうでなかつたら私共はとても(「もういいよ」と呼ぶ者あり)増産はできない。(「分つた」と呼ぶ者あり)どうぞ一つその点御賛成願いたいと思います。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 板野勝次君。 〔板野勝次君登壇、拍手〕
○板野勝次君 産業坊衞のために鬪つております我が党は、本決議案に対しまして反対でないことを表明するのであります。(笑声) 昨年の河川、耕地、山林、港湾等の総被害額は実に八百六十三億円に上つたのに対しまして、僅かに二百六十億円が補充されたのみで、あとは全く放置されたままだと言つていい状態であります。又水害に大きな影響ある山林は、旧來の地主的所有のまま、社会的な利用の途を切り拓く解放が頑固に拒まれている。政府は戰爭以來の過伐と地主の濫伐に任せてこれを放置しておる。而も造林は戰爭以來サボられて一層事態の惡化に拍車を加えておるのであります。そのために現在は実に百七十万町歩余の要造林面積がある状態であります。然るに二十四年度公共事業費予算に対する圧縮は、農業その他の社会的施設の荒廃を一層激成する結果となつております。約五百億円の公共事業費案における農林関係の安本案も他の部門に比較して四分の一に過ぎないのでありますが、提出予算案はこれをさえも無視する態度を示しておるのであります。本決議案におきましても「土地改良及び災害復旧に関する施設の大幅縮減のごとく、政府の採らんとするところはむしろその重要性を沒却し、食糧自給度向上の必須性に逆行せんとするがごときは誠に遺憾である」と指摘しております。これは日本農業を破壞せんとする政府の意図に対する不信任の表明であり、各派共同の抗議の言葉であります。 他面、政府は独占資本擁護の價格調整費を当初七百億円を予定いたしました。当時我が党は吉田内閣の政策よりするならば、價格調整費の増大は必至であることを逸早く指摘したのでありますが、果してかくのごとく臆面もなく二千二十二億円を計上し、そのうち安定帶物資補給金分のみでも実に千百五十二億円の多額に上つて、特定産業向け石炭、鉄鋼、肥料及びソーダ等の独占資本奉仕を露骨に示しておるのであります。これは併しながら吉田内閣の性格を率直に物語つたものであります。 政府は経済白書におきまして供米が好成績を挙げておると言つておりますが、これは生産費の三分の一乃至半分の價格で暴力的威嚇による強権によつてなされたものでありまして、本決議案におきましても「農家の異常なる努力あるにもかかわらず、農業生産はきわめて苛酷な生産條件の下におかれ、しかもその打開に関する政府の施策には見るべきものがない実情」と指摘しておる点を裏返しまするならば、強権供出の事実を否定することはできないのであります。更に農業破壞的な食確保をさえも認めていない超過供出をさえも強制しておるのであります。このような無理な供出を政府は強権発動を以て強行し、そのため全國的に夥しい悲劇を続出しておるのであります。すでに廣島、岐阜、三重を初め、最近では千葉や埼玉などでは、農家の種芋までも取上げられ、千葉縣下では「よもぎ」、「かじき」、切干などを主食代用としておる村のあることが報道されておるのであります。 農民に対する不当な課税も亦到る処に自殺や人身賣買を続出さしておるのであります。これらは明らかに「曉に祈る」悲惨な農民生活の姿であります。不当課税や強権供出方法の当然の結果として、昨年の官廳統計によりましても、夏作だけでも耕作放棄面積二万五千町歩に達し、関係農家が五万戸に及んでおるのでありますが、本年も新たな作付の放棄が起つておるのであります。このような状態を放置して、政府は農調法、自作農創設法、小作調停法を改訂し、小作料の引上げを策し、それのみか超過供出を強要する食確法の改惡を企らんでおるのであります。このようにどの面を見ましても我が國農業の破壞を推し進め、そうして輸入食糧依存を強化し、自給体制確立を妨害しておるのであります。首相はその施設方針演説におきまして、「経済再建を強力に衷心より希い、その途に直進協力して行こうと決意しておる國民であることを信じて疑わない」と言つておるのでありますが、正にその通りでありますが、併しながら首相は語を継いで、「併しながら又あらゆる手段を弄して祖國の再建を妨害するは勿論、祖國に破壞と混乱とをもたらさんと企らんでおる者が少数ながら一部に存在する」と言つておるのでありますが、それは民族の独立と平和に叛旗を飜えす吉田首相自身であり、これを支持する小数者であることを首相みずから告白しておるのであります。 我が党が本決議案に賛成するのは、一片の紙ぎれに書かれた文字に賛成しておるのではないのであります。眞に我が國農業の破壞を防衞するために、全農民、全人民と共に鬪つておるが故であります。我が党は本年迎えんとするメーデーのスローガンに、一、公共事業費の削減反対。治山、治水、災害復旧予算を組め。二、小作料引上げ、地租値上げに反対。第三次農地改革の遂行。三、耕地放棄と人身賣買をもたらす重税と、強権供出に反対。農業を守れ。四、警察力の増強、人民彈圧反対。等を掲げておるのであります。これに賛成する人々と共に我々が飽くまで鬪うことを表明し、全農民の要望の達成のために鬪わなければならないのであります。農民をして曉に祈らせることを拡大再生産し農業破壞の元兇である吉田内閣退陣を、國会の内外呼應して強力に推し進めなければ、本決議案も(「違う違う」と呼ぶ者あり)一片の作文に終ることを強調いたしまして、我が党は賛成するものであります。(拍手)
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告者は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。(拍手) 只今の決議に対し農林大臣より発言を求められました。森農林大臣。 〔國務大臣森幸太郎君登壇、拍手〕
○國務大臣(森幸太郎君) 只今御決議になりました件につきまして、政府として一言申上げたいと存じます。 今日我が國の食糧事情につきましては、提案者が御説明になりました通り、漸くアメリカの輸入食糧によりましてその生活を保証されておるのであります。今日経済九原則が行わけなければならぬ時代におきまして、我々は一日も早くこの食糧の自給を考えなければならぬと思つておるのであります。現在政策の面におきまして、この食糧増産にあらゆる角度から努力を傾けて行きたいと考えておるのであります。然るに本年お示しなすつたような公共事業費が非常に削減せられまして、殊に土地改良等におきましては、特殊の場合の外、從來の通り助成をせないということに決定いたしたのであります。これは食糧増産を考えておる政策と全く矛盾するではないかという御批判でありまするが、御承知の通り本年の予算は先般大藏大臣より申上げました通り、或る制約の下に止むを得ないような事情に置かれて作り上げた予算でありまして、我が農林当局といたしましても、当初の計画を遂行することができ得ないことに対しまして、非常に苦心を重ねて参つたのであります。併し農林当局といたしましては、機会を得るならば、必ずやこの食糧増産のために当初考えておりまするところの事業以上の計画を、実際の上に現わしたいというこの氣持を今尚持続いたしまして、計画を進めておるような次第であります。その成案につきましては速かに本議場に報告せよとの御趣旨でありましたが、或いはこの会期中に御報告することができ得ないかとも存じまするが、我が農林当局といたしまして、又政府といたしましても、この食糧増産の重大なことをよく了承いたしておりまするから、あらゆる角度からこの問題について善処いたしたいということを御承知を願いたいのであります。 尚肥料等につきましてお示しがありましたが、提案者も御承知の通り、日本の肥料の生産能力は相当あります。百五、六十万トンの生産能力を持つておりまするが、御承知の通りその原鉱石、電力等の関係から、百五万トンの生産予定でありまして、敢て殊更に海外から高き硝酸アンモニアを輸入するという計画の下に、減算を計画しておらないということを御承知を願いたいのであります。尚農民に対する課税の重いということも痛感いたしておるのでありまして、できるだけ税金を軽くいたしたい、又家族労働者に対するところの免税の点におきましても、十分予算の許す範囲内においてこれを実現いたしたく、目下努力を続けておるのであります。 以上を以ちまして御決議になりました御趣旨を尊重して、速かにこの問題解決に最善の努力を拂いたいということをお誓い申す次第であります。(拍手) —————・—————
○議長(松平恒雄君) この際、日程第二より日程第五までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員会理事西川昌夫君。 ————————————— 〔西川昌夫君登壇、拍手〕
○西川昌夫君 只今議題となりました請願第二十八号、北海道暖ちゆう房用石炭に特殊價格設定の請願外四件の請願の委員会における審議の経過並びに結果につきまして御報告申上げます。 請願第二十八号及び第二百五十一号は、それぞれ札幌市議会議長及び北海道知事より、北海道暖ちゆう房用石炭に特殊價格設定の請願として提出せられましたものでありまして、その願意は、北海道における嚴冬の暖ちゆう房用石炭は生活必需品であるが、石炭價格は逐年高騰し、道民の経済に重大な影響を與えておるから、昭和二十三年度に引続き、昭和二十四年度以降も家庭及び学校、旅館、病院、官公廰等の暖ちゆう房用石炭に特殊價格を設定せられたいとの趣旨であります。本委員会といたしましては審議の結果、特別價格の設定は價格政策上困難といたしましても、家庭用石炭には継続的な價格補償等、これに代る適宜の措置を講ずるのが至当であるとの観点から、本請願を議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。 次に請願第七十五号、蚕糸業の統制撤廃に関する請願、及び請願第百七号、絹・人絹織物統制改革に関する請願は、それぞれ現在各種統制法規により制約を受け、発展を阻害されておりまする蚕糸業並びに絹・人絹織物業の振興のため、この統制を実情に即して撤廃、緩和或いは改善せられたいという願意でありまして、審議の結果、これらの措置は情勢を勘案し、順次実施に移すことが妥当であるから、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。 次に請願第二百八十一号、東北地方の大口産業用電力料金低減に関する請願は、現行電力料金の地域差が適当でないから、電源地帶たる東北地方の工業振興のため、大口電力の料金率を引下げて欲しいとの趣旨で、本委員会といたしましては、現行電氣料金制の根本的問題は別に考慮することといたしまして、本請願を議院の会議に付し、内閣に送付するのを適当と決定いたしました。 詳細は速記録に讓りまして、以上で御報告といたします。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以つて採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第六より第十三までの請願及び日程第二十二の情情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員会理業宮城タマヨ君。 ————————————— 〔宮城タマヨ君登壇、拍手〕
○宮城タマヨ君 只今議題になりました請思第一号外七件と陳情第百二十六号の法律委員会における審査の経過及び結果について、御報告申上げます。 先ず請願及び陳情の趣旨につきまして簡單に御説明いたしますと、宮城刑務所福島支所移轉に関する請願第一号の趣旨は、同支所は福島市の中央部にあるので、將來の大福島発展上阻害をなしており、又同支所所在地区一帶は信夫山公園として都市計画法により風致地域に指定せられ、遊覧諸施設も備わり、且つ本年度においては兒童公園も建設される筈であるし、該公園を貫通するトンネル開鑿事業の計画もあるので、刑事所の存在は社会風致上にも、右の計画実施の上にも、多大の支障となるので、是非他に移轉せられたいというのでございます。次に福岡地方裁判所小倉支部並びに福岡地方檢察廳小倉支部昇格に関する請願第四十八号は、現在同支部の管轄区域は門司、小倉、若松、八幡、戸畑の五市と、京都、築上、遠賀の三郡で、その人口は九十万に達し、近接他縣一縣の人口を凌駕する状態である。又占領軍二十四師團の外、憲兵隊本部、鉄道局、税関、海運局、海上保安廳等の諸官廳がいずれも管轄区域内にあり、取扱事件数は民刑共に激増しておる現状であるし、一縣下に二つの地方裁判所及び檢察廳を設けることは、北海道の例もあり、別に法規の制限もあるわけではないから、至急に同支部をそれぞれ昇格して貰いたいという趣旨でございます。又郡山市に仙台高等裁判所支部設置の請願第五十九号は、郡山市は東北の咽喉を扼する交通の要衝で、先に福島地方裁判所郡山支部が設置されたけれども、裁判所法の改正によりまして、簡單裁判所の刑事事件一審判決に対しては高等裁判所に控訴しなければならぬことになつたので、仙台まで行かんければなりません。そこで経済的にも交通上にも不便を免れないので、同市に仙台高等裁判所支部を設置されたいという趣旨でございます。 それから宮城縣須木村に順木登記所設置の請願第六十六号は、同村は面積が廣く人口も多いが、山間の僻地にあるので、北方約五里余の小林登記所まで往復に多くの時間を要し、非常に不便を感じているが、近來農地法の関係等によつて登記事務の増加で予想され、登記所新設は村民全部の熱望するところとなつているので、村発展のためにも同村に登記所を設置されたいという趣旨でございます。宮城刑務所相馬支所復活に関する請願第九十七号は、福島縣相馬郡中村町にあつた宮城刑務所の相馬支所が廃止せられてから、中村地区警察署の留置場が代用監獄に指定され、附近五警察より送致される被疑者が常時十名乃至二十名に達しているが、刑務所看守の配置なきために、同署管下の十二名の駐在巡査が看守勤務並びに被疑者の護送勤務に從事しているため、駐在巡査の不在が多く、管内町村の治安は多大の不安にさらされており、又留置場の監房も五室に過ぎず、收容能力も乏しいので、警備上の不安もあるので、中村町に刑務所支所を復活して貰いたいとの趣旨であります。借地家法改正に関する請願第百五十四号は、新憲法第十一條によつて國民はすべての基本的人権を保障せられ、同じく第二十五條によつて、すべて國民は健康で文化的な最低生活を営む権利を認められているに拘わらず、これと甚だしく矛盾牴触する現行借地借家法によつて、國民の大多数を占むる借地借家人は絶えず居住の不安に脅かされている現状であるから、借地借家法を徹底的に改正して居住権の確立を図られたいとの趣旨であります、北見市に地方裁判所設置の請願第二百二十号の趣旨は、北海道北見市から管轄地方裁判所所在地の釧路市までは三日乃至五日の日程を要し、不便少からず、同地方に地方裁判所がないことは犯罪件数の激増に照して誠に遺憾であるから。急速にその設置を望むという趣旨であります。 岐阜地方裁判所大垣支部を甲号支部に昇格の請願第二百七十二号は、岐阜地方裁判所大垣支部はその格式が乙号支部であるが、その管轄区域が一市五郡に亘り、取扱事件数も激増しているので、これを甲号支部に昇格して、あらゆる民刑事一審事件を取扱うことができるようにして貰いたいという趣旨であります。 最後に、労働者の債権に関する法的措置の陳情第百二十六号は、中央労働委員会の末弘嚴太郎君の提出でございまして、民法第三百六條第三号によれば、一般の先取特権の一種として、雇人の給料を規定されて、この中に給料以外のもの、例えば退職金等が含まれないのは妥当でないので、企業整備等による退職者の続出する現況に鑑み、この規定を「雇人ノ賃金又ハソノ性質上賃金ニ準ズルモノ」と改め、又民法第三百九條但書に規定するところの右雇人給料の先取特権の制限金額五十円は低過ぎるから、同但書を削除し、次に民事訴訟法第六百十八條第二項の差押禁止債権の金額も、右に述べたところと同樣の理由で、現状に適合するよう、相当程度の金額に引上げるべきであるという趣旨であります。 委員会におきましては、以上の請願陳情につき、紹介議員の説明、法務廰最高裁判所側の意見をそれぞれ聽取いたし、愼重審査いたしたのでございますが、その結果、借地借家法改正に関する請願第百五十四号及び労働者の債権に関する法的措置の陳情第百二十六号を除く他の請願七件は、議院の会議に付し内閣に送付することを要するものと決定いたしましたが、右の二件については、その趣旨がいずれも立法事項に関することであり、それぞれ法律の改正に建つて國会の審議の対象となる事項でございますし、殊に陳情第百二十六号中の民事訴訟法第六百十八條は、すでに第二國会で陳情のような趣旨の適当な改正がなされていますので、この点は解決済でありますから、この点を除き、その他の点について以上の二件を採択はいたしますが、内閣には送付することを要しないものと決定いたし、今後における関係法案の審議に際し、これを十分参考とし、研究することといたした次第でございます。 以上簡單ながら御報告を申上げました。(拍手)
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、借地借家法改正に関する請願及び労働者の債権に関する法的措置の陳情の外は、内閣に附付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、借地借家法改正に関する請願及び労働者の債権に関する法的措置の外は、内閣に送付することに決定いたしました。 —————・—————
○議長(松平恒雄君) この際、日程第十四より日程第二十までの請願及び日程第二十三の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長板谷順助君。 〔板谷順助君登壇、拍手〕
○板谷順助君 只今議題となりましたる請願第四号、西若松駅東口待合室拡張に関する件外六件、陳情第二十六号、國鉄の民間機帆船事業圧迫排除に関する陳情の運輸委員会における審議の経過及び結果を御報告申上げます。 即ち請願第四号、西若松駅東口待合室拡張に関する請願、請願第六号、川東、谷田川両駅間に宇津峯駅設置の請願、請願第二十五号、函館港ふ頭並びに防波堤工事完成促進に関する請願及び請願第五十六号、酒田港船だまり修築等に関する請願、請願第六十一号、喜久田駅待合室拡張に関する請願、請願第百三号、久之浜駅にこ線橋架設の請願及び請願第百二十七号、相浦港の國直轄産業施設工事施行に関する請願は、審議の結果、願意妥当と認めました。 次に陳情第二十六号國鉄の民間機帆船事業圧迫排除に関する陳情であります。その要旨は、從來機帆船に依存していた貨物が、最近鉄道に轉移する傾向が最も甚大にして、國鉄の政策的低運賃に対し、採算運賃を建前とする機帆船は到低競爭できないので、極度の窮境に陷つておる。政府はよろしく海陸運賃を調整し、公平なる競爭が行われるよう処置せられたいとの趣旨であります。審議の結果、政府は先ず海陸輸送の分野を明確にし、海陸運賃の調整を図り、民間事業を圧迫せざる政策を実現することが肝要であるが、この根本問題は別途審議することとし、本陳情の趣旨は適当なるものと認めました。 以上請願七件、陳情一件、計八件は全会一致を以てこれを内閣に送付を要するものと議決いたしました。尚詳細は四月五日の委員会における小委員長の報告に記載してありまするから御了承を願います。以上御報告申上げます。
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。これらの請願及び陳情は委員長の報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。 〔総員起立〕
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。 本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十八分散会 —————・————— ○本日の会議に付した事件 一、議員の請暇 一、常任委員補欠の件 一、議員派遣の件 一、日程第一 食糧の増産確保に関する決議案 一、日程第二乃至日程第五の請願 一、日程第六乃至日程第十三の請願及び日程第二十二の陳情 一、日程第十四乃至日程第二十の請願及び日程二十三の陳情