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5回国会参議院1949/10/24

法務委員会 閉会後第10号

発言数
31
登壇者
6
会派数
3
開催日
1949/10/24

会議録

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) それでは只今より法務委員会を開きます。檢察裁判等に関する調査に関しまして、休会中調査いたしました事項について御報告をお願いすることにいたします。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 中國方面の出張に対しまする報告を私より一括してこの際御報告申上げます。大体調査の眼目としましては、家庭裁判所の運営、少年院の運営、暴力團問題、それから賣春問題、新刑訴の運用問題等に重点を置きまして調査をいたして参つたのであります。大体格段取上げて著しく皆樣の御参考に供したいと思いまする事項としてはございませんが、総体を通じまして、私共の参りましたうちで特に今後の我々立法上に関しての大きな参考にしなければならんと思いまする事項としては、御承知の山口縣の柳井に新設されましたる特別少年院の規模並びに運営の実際を見て参りました。これは日本において初めて試みられた各少年院中において非常な成績のいい者、それを仕上げいたしまする意味において、大体成績の優良な者を各少年院から送りまして、そうしてこの少年院において仕上げをすることになつております。その設備、運営等は実は理想的にできておりまして、私共実際を視察いたしまして得るところがあつたのであります、願わくは何かの機会に各位親しく一つ現状を御覽頂きますれば、大変今後の青少年に対しまする保護改善等について大きな示唆を與えられるものと存じております。その外顯著なるものとして、私共の強く感じましたこととしては、廣島地方裁判所において統制違反の闇事件について保釈金五百万円の決定をいたしました被告人濱川源兵衞という者に対しまする事件でありまして、これは檢事の方で後に懲役十年の求刑をされました事件でありまするが、併しさすがに五百万円の決定に対しましては、その予納ができなくて決定のまま拘留継続をいたしておりました。事件の内容は、格別深くは堀下げて聞いて見なかつたのでありますが、これは余りに尖端的ではなかろうかと感じて参りましたので、前回の当委員会において私共よりお願いいたしまして全國各裁判所に対しまして保釈金の最高度の調査をお願いいたしたのであります。余りに凸凹が甚だしい場合には何とか法的措置を講ぜなければならんのではなかろうかと感じて参つたのであります。その他格段取上げて御報告しなければならんことはないと思います。視察いたしました細かい状況はこの報告書にございまするから御参照頂けば分ると思いますので、この程度で御報告を終ります。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 只今の鬼丸さんの前回の委員会においてお取調するようにとお命じになりましたが、調査員の方で照会いたしましたところが、東京では最低千円、最高五十万円という例はあるそうです。それから北海道で保証書で百万円という例はあるそうですが、目下全國に照会しておりますから、追つて分り次第回答する、こういう御返事であります。大野君。

大野幸一日本社会党

○大野幸一君 休会中の議員派遣といたしましていわゆる北海道第一班を構成いたしました法務委員大野幸一、同來馬琢道、同深川タマヱ及び法務委員会專門員長谷川宏、同調査員及川泰吉の五名は八月六日より十四日間北海道の函館、小樽、札幌、室蘭等の各地に派遣せられまして、一般調査といたしまして少年犯罪の一般的状況とその処理、町の顔役及び暴力團体の実態及びこれらの犯罪檢挙、更に賣春取締の状況、これを一般的調査といたしまして調査して参りました。その詳細は出張報告書、北海道第一班報告書を提出いたしまして御報告に代える次第であります。  特別調査といたしまして、いわゆる小樽事件調査報告書なるものを提出いたします。ただ現地でこれが檢察官の調査に関しましたので檢察官方面からその結論はどちらになろうと一應公に発表して貰いたいという希望がありましたから、結論だけをここに速記に留めるために朗読したいと思います。  その報告の第四の結論といたしまして、本件の調査はその根幹たるべき北水事件が現在札幌地方裁判所に繋属中であるためその調査に相当の制約を受けねばならなかつたこと等の事情もあつて、細微の点に及ばなかつたところもあるが、その全貌は大体において把握し、必要なる範囲においてその核心にも触れておるものと確信するものである。  第三の調査の結果において縷述せるところを本項において要約するならば、先ず兜岩の魚供養事件に関しては、これが北水事件との間には何らの関連もなく、又岸本檢事長、野尻檢事正等がこれに参加したことも別に非難に値する事柄ではない。  次に土田檢事が捜査のため小樽に出張したときの状況については、大川が常務理事たるマル海北海道海産物商業協同組合を捜索しなかつたことにつき非行を疑うに足るべき事実は存在せず、從つてこのことと土田、大川との間に非難すべき関係があろうとも認められないこと、但し捜査終了後の札幌地方檢察庁小樽支部の招宴に関しては、宴席に大川を参加せしめたことについて、土田檢事並びに池永上席檢事等檢察職員が捜査の目的と大川の地位に鑑み、その時期がよくないもので、苟くも檢察の職にある者として愼重を欠くものがあり、軽卒の譏りを免かれないことになるだろう。  最後に公判請求書書替事件については、土田檢事の下僚の事務処理について、不慣れの者に対する注意を怠つたことの責任あることを認めなければならないが、同檢事に悪意ある作爲的行動としての責任を負わせるのは酷であろう。  次に以上三つの事件の根幹をなす北水事件は、前述のごとく目下札幌地方裁判所に繋属中なる事実に鑑み、委員会においては本件の本格的調査は一先ずこれを保留し、右北水事件の裁判の終結を待つて、更に考えてよいものであろう、という結論に達しました。本件は今公判審理中でありますから、いわゆる未確定の裁判に影響することがあつてはいけないという意味で、最後の結論といたしまして、本格的の調査を裁判終結に持つて行つては如何であろうとの結論に到達したものであります。

齋武雄日本社会党

○齋武雄君 九州班の出張について御報告します。伊藤委員長に松村眞一郎君と僕の三人で九州を調査して参りました。九州出張班については報告書によつて詳細御了承願いたいと思います。  次に福島事件の報告でありますが、これは伊藤委員長と私が参つたのであります。その詳細については報告書によつて御了承願いたいと思います。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 次に福井縣に出張いたしましたことについて申上げます。遠山さんがお出でになりませんから、私から御報告申上げます。  調査事項といたしましては、暴力團関係及び少年犯罪関係並びに賣春関係、これが一般調査事項でありまして、北陸地方の調査としては初めての事実であつたのでありますが、同地方は一般的に暴力團の横行跋扈する事実が顯著なものがあつたのでありまして、これを詳細に調査して参つたのであります。殊に朝鮮人の密輸出入事件がありまして、三國警察においてこれが船舶を拿捕し差押えいたしまして、この事件についての國警との関係、國家の費用との関係、いろいろな警察法関係についての新らしい事実を調査し得たのでありまして、警察法改正についての、そういう点に対するところの参考事項としては相当の資料を得た次第でありますが、詳細は調査報告書によつて御了承願つて置きたいと思います。

泉芳政常任委員会專門員

○專門員(泉芳政君) 北海道第二班は岡部委員と宮城委員、遠山委員が行かれたわけでありますが、只今御三方ともお見えになりませんので、私から代つて御報告申上げたいと思います。  調査事項は檢察及び裁判運営等に関する問題中暴力團事件、それから兼ねて賣春調査、少年犯罪関係等の調査でありますが、報告書ができておりますので、報告書によつて御了承願いたいと思います。  それから委員長の命によりまして、專門員泉芳政は部員伊藤利夫、法制局参事菊井三郎三人で八月中岐阜及び大垣における暴力團事件の調査をして参しました。  概略を申上げますと、岐阜市における博徒の親分山田儀一という人が、その岐阜市内における地区的なやはり博徒の親分である村木政一という者に繩張を追せというようなことを言つた。つまし繩張爭いから村木の子分が山田儀一を殺害したというような事犯、これも調査の結果は、大体において村木もその情を知つておるのじやないかということが推測されたのでありますが、刑事事件としては、村木の子分で下手人二人ばかりが殺人罪で起訴せられたに止まりまして、遂にその親分である村木には捜査の手は延びておりません。その古式に從つて、山田一家と村木の間には手打式が行われ、村木が博徒の社会から足を洗うということによつて結末を見ておるようであります。  それから岐阜市外、むしろ大垣に近いのですが、大須村のおちよぼ稻荷の縁日に際しまして、岐阜市の的屋の親分である林勘兵衞が、名古屋の的屋内木組の内木守武の子分松井利行外数名の者に因縁をつけられまして、相当な傷害を被むつた。ところがその現場である羽島地区警察署ではこれに対して手を着けようとしなかつた。そこで林勘兵衞の一家の者は非常に憤慨しまして、今度しその松井利行一派に対して反撃を加えたわけでございます。事がそこまで行つて初めて隣接地区の安八地区署でこの問題に手を着けまして、初めて羽島地区署に起りましたおちよぼ稻荷の傷害沙汰も表に現われて來たというような、的屋の親分同士の出入関係。それから大垣市において相当な勢力を張り、暴力的傾向があると見られた石田という土建業者が、その細君が安藤という青年と姦通をしたというので、その安藤を責めまして、彼らの社会において一種の仁義とされておりまする指を詰めると申します。小指を切つて謝罪をさしたというような事件があり、これは法律的に相当困難な事情もあるようでありますが、その小指を切つた、或いは切らしたとい点は、警察及び檢察庁では全然まだ問題にしておりません。尚その石田の家へ安藤が謝まりに行つて帰り遂に、石田の子分両名が、安藤親子を殆んど瀕死の重傷に遭わしたという事件がありまして、これは我々調査の結果によりますと、危うく一命を失うくらいの重傷でありますが、それにも拘わらず、警察は手を拱いて手を着けようとしなかつたのを、漸く告訴があつたので檢挙しましたが、その取扱が頗る緩慢で、かような重大な傷害犯人に対して逮捕状による留置もしないし、又起訴前の未決拘留にもしない身柄不拘束のまま取調を進め、檢察庁でもこれを受継いで依然として身柄不拘束のまま起訴しているというような状況でありまして、これらの事件を通じて眺めて見ますと、岐阜縣下にはまだ相当に暴力的な博徒、的屋の存在があり、又これに対してその取締管轄である警察方面の処置も所によつては非常に緩慢であるというようなことが多分に見受けられたのであります。先般小委員会で立案しておりました集團暴力取締法案の立案を急速に思い付かれた一つの材料ともなつたわけであります。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 簡單に……

泉芳政常任委員会專門員

○專門員(泉芳政君) 尚詳細は報告書によつて御覽を願いたいと思います。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 次に閉会中におけるところの暴力團関係に関するところの小委員会の経過並びに結果を小委員長として御報告申上げます。小委員会は與えられましたいわゆる現下の集團暴力行爲に対し如何なる対策がありや否や、殊にこれに対して現行法規において賄い得るや否や、若し賄い得ざるとするならば如何なる法的措置が考えられるか、こういう事項につきまして小委員会を数回開いた次第であります。小委員会の先ず第一の運営といたしましては、警察及び檢察、法務庁関係の各第一線関係の人の、現行法規において賄る得る程度、実態というものを聽取いたしました。それに基きまして現行法規においては賄い得ざる部面が多々あると、かように考えられた次第であります。從つて次の段階として、然らば法的措置としてどういう事項が考えられるかということについて数回小委員会を開きまして檢討いたしました結果、お手許に差上げましたところの第一案並びに第二案というものが考えられた次第であります。これと雖も勿論完全とは申し難いのでありますが、少くとも小委員会としての考え方の最終的なものであるという意味において、両案を本委員会に報告する次第であります。詳細につきましてはお手許の法案を御覽願うこととして、尚法制局と專門調査員室と両方から簡單に内容を御報告申上げることにいたします。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 この集團暴力行爲の取締法というものを立法化するということは、この法務委員会において決まつたのですか。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 先程申上げました通り、現在の社会状態から考えまして、何らかのこれに対して手当をしなくてはならん。それに対しましては政府当局、即ちその衝に当る人において、尚暴力團に対するところの取締を強化するというのも一つの方法であろうと考えられます。そしてその場合において現行法規のみによつてこれが治安維持ができるかどうかという点も、これらの取締当局の直接の意見を聽いた次第であります。現行法規によつては多々不便の点があつて到底その完璧を期せられない。從つて何らかの法的措置を願いたいというような意向でありました。從つて委員会としては、然らばどういうような法律が考えられるかという研究をいたした次第でありまして、その研究によつて委員会において、然らばその研究の結果を法的措置に成文化して行くかどうかということは、各位の御判断、御意見にお任せしたいと考えます。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 そうするというと、最初立法化するということにこの委員会が決まつたのでなくして、如何にも現下の情勢からして集團暴力行爲の跳梁跋扈に対しては何らかの方法を講じなければならんという趣旨において、小委員会を作られたのですか。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) そうです。調査研究をするという。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 調査研究の小委員会……

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) そうです。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 小委員会の方でこれは結局立法化することの方がよかろう、こういう意味で小委員会の方で立法化の協議が決まつて、そこでこれに対し調査し立案した、こういうことですか。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) そうでございます。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 そこで私伺いたいのですが、非常に不勉強で恐縮ですけれども、この問題は大分対世間的に大きく扱われて來ておりますために、委員会としては頗る愼重なる態度を持つて貰わなければならんと思うのです。当時小委員会を結成するときには、委員会の出席者はどのくらいあつたでしようか。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 九名です。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 それはいつでしたか。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 七月二十九日です。私は、岡部君、宮城君、大野君、齋君、遠山君、深川君、來馬君、松村君の九名です。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 そうするというと、委員会では立法化するとまでは決まつていなかつたのですか。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 若し立法を必要とするならば、それを調査研究して、その案を勿論作るということになると考えます。

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 小委員会はどなたでしたか。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 岡部君、松村君、遠山君、深川君、齋君、私の六名です。そのときに同時に少年犯罪に対する委員会ができたわけであります。二つに割つたわけであります。勿論そのときの委員会には速記録がついておりますから……

鬼丸義齊民主党

○鬼丸義齊君 私大変我がままを申上げて相済みませんが、ちよつと今議員総会がありますので欠席したいと思うのですが、これは非常に大きな問題に扱われておるのでございますから、直ぐ今日只今この席においてこの扱いをどうするかということは、余程愼重にお決め願いたいということだけをお願いして、ちよつと私は退席いたしたいと思います。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 以上を以ちまして小委員会の報告は終るということにお願いして置きまして、尚集團暴力に関しまして過去一年間本委員会において調査いたしました今日までの調査の集積ですね、今まで皆さんが御調査になりましたやつを要約した中間報告的な報告書は作つてありますから、これをも議題にして報告いたしたことにして差支ありませんか。それで後にこれをずつと、これはここで読んでおるということも大変ですから、各委員にお廻しいたしますから眼を通して頂いて、この程度の報告でいいかどうかということを御協議願いたいと、かように存じます。併せていわゆる集團暴力事犯調査報告書と題するものを御報告申上げたいということにいたします。

來馬琢道緑風会

○來馬琢道君 それで今日の話が終つたとすれば、私共が調査して歩いているうちにしばしば話題に上りましたことですな。最高裁判所と法務委員会との間における確定判決に対する批判問題、これは法務委員会が委員会の議を経て、何か適当な方法で意見を発表するようなことにするのが、地方における司法関係の諸君にとりましても非常に参考にもなるし、又議院としましてもそういうことができておりますことが、今まで多少のことは委員長の談に出ておりますけれども、法務委員会としてはとるべきではないかと思います。それでこれはむしろ私の観察では軽々に決定することのできない問題でありまして、世界の憲法における問題であるとも考えております。故にこの委員会におきましては適当な方法で処理せらるることを一つの仕事としてお取扱いあらんことを希望し、又今回起りました最高裁判所のあの過失の問題につきましても、この委員会は或いは調査すべきものかと思います。その辺委員長において然るべく御考慮あらんことを希望いたします。

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) お答えいたしますが、次の第二の問題は、これはいずれも衆議院の訴追委員会において然るべくお扱いになると思いますが、これは当法務委員会はその御処置があることを持つてから考えても差支ないことと考えます。それから第一の問題は、先に皆さんの御研究によりまして一應の法務委員会の意見というものは発表してありますから、それ以上尚詳細に発表するかどうかということは皆さんの御協議によつて然るべく取計らいたいと思います。ちよつて速記を止めて。    〔速記中止〕

伊藤修日本社会党

○委員長(伊藤修君) 速記を始めて、それではこれを以て委員会を終ります。    午前十時四十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     伊藤  修君    理事      鬼丸 義齊君    委員            大野 幸一君            齋  武雄君            深川タマヱ君            來馬 琢道君            松井 道夫君            星野 芳樹君    常任委員会專門    員       泉  芳政君

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