懲罰委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/06/20
会議録
○委員長(太田敏兄君) これから開会いたします。調査関係の、本会議の会議録なり、委員会の会議録を一應御覧になつて下さつたと思いまするが、今日までの審議の結果いろいろの証言をも調べましたので、その間大体明らかになつた点もありまするし、まだ不十分のところもあるかと思うのでありまするが、そういう点につきまして今朝皆樣と懇談の形で一應取纏めをしまして、今後の審議の方針を決めたいと思いますので、暫く懇談に移りたいと思いますが、御異存ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田敏兄君) それでは懇談に移ることにいたします。それでは速記を中止して下さい。 午前十一時十二分懇談会に移る。 —————・————— 午後零時三十八分懇談会を終る。
○委員長(太田敏兄君) 速記を始めて下さい。只今懇談いたしました結果、四人の懲罰事犯について、尚取調べの不十分な点についての今後の取調べにつきまして、証拠固めをするために、更に事務局の方から事務総長と近藤次長、それからマイク関係の技術者と速記者、それから議員関係では草葉議員、淺岡議員、カニエ議員、北村議員、矢野議員、早川議員、村上議員、この七名を証人として喚問する。それでそのうち草葉君は主としてカニエ君の問題、淺岡君はカニエ君と中西、金子三君の関係、カニエ君には倒れたときの状況を更にもう一度再び細密に聞いて見る。北村議員は金子君が副議長席の書類に手を触れたかどうかということの問題、矢野君は一般的な関係、それから早川君は主として板野議員の関係、村上氏は板野、金子、中西三氏の関係、それからその外に新聞記者中の朝日、毎日、読賣、共同四社の同日の新聞記事の担当記者、これだけの人に御苦労願つてもう一度取調べをするということになつたのでありますが、そのうちで議員と新聞記者関係は特に証人として喚問するということにいたしたいのでありますが、この点は異議ございませんですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田敏兄君) それでは議員、新聞記者は正式に証人として喚問することに決定いたしました。 後の取調べの順序でありますが、これは本日午後から直ちに始めまするか、それとも明日にいたしますか、その点を一つ。
○遠山丙市君 本日お廻しを願いました金子、カニエ、中西、草葉君の供述等もまだ十分に見ておりませんし、今まで懲罰委員会における速記記事も昨日御配付を願つたようなわけで十分に読んでおりませんので、この点をよく頭に入れまするために本日はこの程度にして頂きまして、明日開会せられんことを要求するものであります。
○委員長(太田敏兄君) 他に御意見ございませんか。 〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
○鈴木直人君 明日から招集して頂く証人について大体どの点を調べるということがありましたが、その外のことにつきましても疑問の点についてはお聞きしていいというわけですね。
○委員長(太田敏兄君) それは大体の見当を立てましたので、その証人が見えた場合は便宜この事犯に関係あることは御質問になつていいと思います。
○遠山丙市君 今の点でありますが、今各証人を喚問せられる、そうして喚問するその趣旨、要点というものが今委員長の申された通りで、関連性のある点は訊問して差支ないということでありますが、主要なる点はどの証人に対してはどれを聞くというようなことを今日中にちよつと刷り物にして、明日朝でも御配付願つて置いて、それを中心に大体進んで行いたいと思います。
○委員長(太田敏兄君) 承知いたしました。そういうようにいたします。
○竹下豐次君 ちよつと今日是非決めて貰わなければならん問題でもないのですが、伺つて置きたいのです。我々が審査する範囲ですが、刑事事件の取調については訴えられた事実の範囲を逸脱して調査する必要もなし、する権限もないということになつておるように承つておりますが、この懲罰委員会の我々の権限というものはどこまでであるのか。四人の人が付託されておりますが、その人が何をしたということを草葉君から何と言いますか、懲罰動議に付せられております。草葉君が述べられている事実以外に亘つて仮に外の事実をその四人の中の誰かが行つたことがあるというような場合にそこまでも立入つて我々は審査することができるのか、或いはもうそこまで伸びることができないのか。その点を決めて頂きたいと思つております。それは刑事訴訟法でははつきりそこまで伸びることができないという規定があるけれども、懲罰の場合においてはそこまでのはつきりした規定もないのだから伸び得るんだ、伸びるのが当然だという解釈もあるようでありますが、これは大事な点だと思つております。明日でも結構ですが、一つお決め願いたいと思います。
○委員長(太田敏兄君) 私の感じとしては、懲罰委員会は審議権はあるが、追訴権はないのだ、そこで積極的に懲罰委員会は動くということはないので、議長から付託された事件について審議するということであると思うのです。そこで今は懲罰動議が議員から出されて、それを議長から付託された。その範囲において審議する。その場合にその審議の過程で、例えば別の事実が現われて來たという場合は、そういう新事実に対して改めて議長から付託になつて初めてそれは審議することになるのじやないですか。
○竹下豐次君 その付託が人を付託されたのであるか、事実を付託されたのであるか。そこがどうもはつきりしないので、刑事訴訟法程はつきりした規定がないとすれば、そこに議論の余地が残る。それで或る法律家などは懲罰委員会は刑事訴訟法の場合とは違うということを言つている人もあるそうです。この点を決めて頂くことが必要だと思います。全くその人に関係のない事実に手が伸びるということは、これはできないだろうと思つておりますけれども、その人に関する範囲においてですね、例えば具体的に言うならば、草葉君が見落した事実がその人に関してこの審査中に発見されたというような場合に、それをどう取扱うかという問題……。
○委員長(太田敏兄君) その新たに発見された新事実が草葉君の動議を提出した趣旨の中に含まれれば、当然取調べるでしようけれども、草葉君の提出した動議の趣旨の範囲外であれば別問題であるし、その趣旨の範囲に含まれれば、草葉君が具体的にその事実を指摘しなくても、草葉君が提出した動議の中に含まれれば当然含まれることになるのじやないかと思いますが……。
○竹下豐次君 そうすると、こういうことになりますか。仮にその動議を提出するときに、いろいろな調査が非常に疎漏であつて全部を盡していなかつた。ところがあとで非常に重大な点が動議の中に落ちておつたというような場合に、それがその人に関することであつても、何も委員会としては手を触れることはできない。それが如何に参議院の体面を傷付けるような証拠が上つておつてもいけないのだと、こういうことになります。
○鈴木直人君 それに関連して……例えば議長が議長席に着かんとすることを阻止したということが最後に書いてあつて、こうこういうことこうこういうことをして阻止したという場合に、事実がそれ以外にまだあつたという場合にそれは附加えられることであり、又議長が議長席に着くことを阻止したという一つのそれは條件に過ぎないのであるから、それはやはり事実審査としてそれを取上げるということはできるのじやないかと思います。それから副議長が議長の代理として職務を執行しようとするものを阻止したということがあるので、何々ということをして、それをやつたのだという場合に、いわゆる何々等ということですね。その事実が更に附加えられておるという場合にもそれは審査ができないというふうになるのですね。
○委員長(太田敏兄君) それは動議提出者が、例えば議長の登壇を阻止したとか、或いは誰かが副議長の手を引張つたという問題は、それをそういう問題の事実を限定して、そういうことが懲罰に値いすると言つて事実を限定して動議を出したか。或いは例示的にこういうこともあつた、こういうこともあつたと、そういういろいろな事柄が議場の秩序を紊し、又議院の品位を傷付けた。こういう総括的な議場の一つ一つの混乱事件を取上げて懲罰問題を提起したのであつて、阻止したとか、マイクをどうしたということは例示的に言われたのだ。つまり例示的に事実を挙げたものと見るか、個々の事実を限定して、これが何だと言つてこういう動議を提出したか、その見方ですが、併しこの場合にはそういう解釈のしようで問題が決まつて來ると思うのですがね。
○松井道夫君 私別に結論を申上げるわけでも何でもないのですが、具体的問題になるのは、要するに調べた経過の事実で、金子氏が紙を掴んだということが一つ、それから板野氏がマイクを副議長の席に叩きつけたということが一つ、その他に別にないと思いますので、只今いろいろ御意見を伺いましたが、そういつた疑問の起らない趣旨で一番初め草葉隆圓君に來て頂いて、私としては草葉氏の動議提出の趣旨を聞いたつもりなんですが、その中で板野氏に関することは、これは議長の登壇を阻止したことを申されておるので、副議長とは関係がない、こうはつきり言つておるのであります。それから金子氏の方は、これは副議長の職務を阻害したということが重点になつておりまして、その内容としては要するに副議長を引張つたということを指摘して、今の紙の点は恐らく触れておらなかつたのであります。それで只今いろいろ御意見の中で例示的かどうか、例示的なんだという御意見であれば、金子氏の場合は、これは紙を掴んで阻害したという事実があればそれも入ると考えられるのでありますが、今の板野氏が副議長の方の職務執行を阻害したということは、これは全然抜いておられるから、若しそういうことでは趣旨を訂正するということであれば、草葉氏に改めて出て貰つて、この前申上げたのは間違いで、副議長の方も入るのだ、こうはつきり言つて頂かなければ困る。要するに草葉氏が動議を提出して述べられた事実について各議員が本会議において弁明しまして、その弁明に基いていろいろ考慮して委員会に付託されておりますので、委員長の言われたように委員会は訴追権も何もないので、若し趣旨に含まれておつたということであれば更にはつきりして頂く。金子氏の問題もこれは例示的であるが、紙を掴んだという事実があれば入るのだとはつきり述べて趣旨を訂正して頂いて、それに対する弁明を更に聞いて進まなければならん。若し今のように板野氏の場合が一番問題と思いますが、若し明白にそれを訴追しない趣旨だと一般に考えられるような陳述を草葉氏が言うておられるとすれば、若しその点も加えることにすれば改めてその点で懲罰動議を出す。これは日数も三日に限られておるから、事実上不可能の方に近いでしようけれども、これは議長が提起すればできるわけです。とにかく一身上に関することであり、又弁明の関係などもあり、この点、將來決定されるについて私無論今申しましたように、結論を申上げるわけでなく、御参考に申上げたのであります。十分愼重に御研究の上、決定されることを希望します。
○岡田宗司君 只今松井さんの方からいろいろ御意見があつたのですが、そのうちに若しいろいろ調べておる間に分つた事実を取上げて行く、これは非常にむずかしい問題でありますが、その場合、草葉君の方の趣旨を訂正するということは、これは非常に重大な問題だと思います。一旦本会議に掛けまして、そして本会議で趣旨の弁明をされて、これを又委員会で改めてやるということは、これは私はできないとこう思います。從つてやはり本会議で以て草葉氏が述べられました趣旨の範囲内において問題を解決して行く以外にはない。而もこの新らしい事実が草葉氏が述べられました趣旨の範囲内にあることであるならば、それは当然取上ぐべきでしようけれども、併しそれ以外のことでありましたならば、やはりこれは委員会としては勿論関連の事項として出て参りますけれども、併し結果においては取上げる必要のないことになる、こういうふうに考えるのであります。
○竹下豐次君 先程の委員長の御解釈によりますというと、やはり例示として云々という御説明からしまして、やはり刑事訴訟法の扱いと同じ扱いで行くという結論になつて來るだろうと思いますが、私の疑問は刑事訴訟法と違うのだから、もう少し廣い意味で取調をして、その動議のうちに加わつていないけれども、参議院の体面を非常に汚すものであるという事実が発覚した場合に、それまで考慮に入れて裁くことができるかどうかということをお尋ねしておるわけです。これは私の意見を申しておるのじやありません。そういう疑問がありますので、その点をよく御考慮下さいまして御決定願いたい、こういう意味で申上げたのであります。ここで是非今日承わる必要もありません。
○委員長(太田敏兄君) そこで問題は、この懲罰動議の成文から見れば、二十三日の本会議場における九名の行動は議場の秩序を紊したものと認められ云々とありまして、総括的にこう言つておられる。九人の行動を総括して言つておられるので、動議の本文である。説明ではまあ具体的の事実を指摘されておるので、そこでこの委員会として今の問題は重要な問題ですが、どういう解釈でそれを進んで行くかというところに問題があるのです、一應委員会としてそういう扱い方を決定していいんじやないですか。
○松井道夫君 それは結構ですな。
○委員長(太田敏兄君) そうすると今の新らしい事実を仮に限定して取上げないということで行きますと、ところがそういうふうに行きましても、そういう問題は速記録に残りますね。例えば板野君のマイクの問題は出て來ても……、速記録の問題は残つております。ところがそういうマイクをがちやがちやいわせたという事実が現われて來た。それは併し草葉君の趣旨弁明のうちには指摘していないから、これは付託されない刑事事犯の審理の範囲に入らないという解釈で行くこと、そうした場合に速記録にそういうことが残つておるから、そういう事実がここで仮に速記録に残されれば、もはや草葉君としては岡田君の言われるように当局に三日以内に提出して、今更に訂正はできないということになつております。それを議長の職権で、新たにそういう事実を、議場の秩序を紊し議院の品位を汚したものとして、議長が改めてそれを取上げて委員会に付託されれば、これは又新らしい問題になつて行く、そういうふうな扱い方もありますし、それから仮にここでもつと廣く解釈してこれを取扱つた場合に、本会議に委員長がそれを報告した場合に、それを議長が委員会に付託した範囲外である、こういつた点で削られれば又一應の行き方である、委員会としてどういうふうな取扱い方をするかということを委員会自体で決定して一應進んだらいいんじやないですか。
○竹下豐次君 草葉君の動議の記録を読んで見て、ただ参議院の体面を傷付ける行爲をしたというようなことに重きを置くということに解釈すれば、つまり今の例から言つて板野君のマイクのような問題はオミツトされておつても、やはり動議の中に含まれるという解釈もでき得るわけですね。そうでない解釈も又でき得るわけでしようし、そこは非常にデリケートなことになるでしようが、私などは法律などの命ずるところに從つて眞直ぐ調査して行かなければなりませんから範囲を逸脱してはいけないと思います。
○岡田宗司君 草葉君の出した動議そのものは極めて抽象的で、あれだけを基礎にしてやるということになると非常に廣くなつてしまう。從つてやはりその動議の趣旨弁明がその範囲を決定するものであろうと私は思います。そういたしますと、その趣旨弁明の範囲を越えない、その関連するものは無論当然でありましようけれども、やはりその趣旨弁明の範囲を越えない範囲で我々が問題を取扱つて行くということが妥当であろう、こういうふうに考えます。
○松井道夫君 先程私が申上げたことにちよつと誤解もあるのじやないかと思いますから一應申上げて置きますが、私が草葉氏の弁明を訊いたというのは、勿論懲罰委員会に付された後のことで、草葉氏の本議場で述べられた趣旨弁明についてはつきりしないところがありましたので、それで特に本委員会に來て貰つて、その趣旨を更に具体的ならしめたのであります。それで岡田さんが趣旨を訂正することは不可能じやないか、本会議で述べられたことを訂正することは不可能じやないかと言われますのは御尤もなことでありますが、私の申上げておりますのは、本会議で述べられた趣旨がはつきりしないのでここで更にはつきりさせた。それでここに述べられた事項を、それは間違いであつたからということで訂正するということで、本会議の趣旨弁明を変更する。そういう意味じやないのであります。念のために申上げて置きます。
○遠山丙市君 大体話はよく分つて來たのでありますが、竹下君もいろいろ御心配になつているようでありますが、刑事訴訟法に書いてあります規定から行きますというと、檢事が起訴する、起訴するのには人を対象として、指示した人以外には及んではいかん、犯罪事実も又然り、それを一体その通りこちらは應用して行くのか、又拡げて行くのかどうか、こういうような点があるわけであります。この草葉氏の懲罰動議というものは、誠にこれは抽象的であります。文章のうちでもやはり抽象的でありますが、今も委員長が何か読上げられておつたようでありますが、この金子議員外八名の行動というものが議場の秩序を紊したものと認められる、こういう工合に書いてあります。そういたしますと、その一人々々がああした、こうしたでなく、今この限定せられて四人になりましたけれども、四人の人がいわゆる議場の秩序を紊した疑いがあるというので審理して行く形でありますから、そこにいろいろ違つたものが出て來る、この出て來る人を又捉えて、ここに究明でき得ない四人以外の人を捉えて処罰するとか何とか言うのじやないのでありますが、議場の秩序を紊した行動があつたかどうかという点について、ここに具体的にマイクがどうしたのこうしたのということに対する食違いがあるということであつても、我々審理して行く上においては一向差支ない。とにかく事実を明瞭にして行く形においていろいろなことが出て來るだろうと思うのでありますが、それは懲罰委員会としては一向差支ない、疑義も何も挾む余地は私はないと思います。どんどん御進行になつても私は差支ないと思うのであります。十分御研究を願いたいと思うのであります。
○松井道夫君 ここで是非結論を出す必要もないだろうし、軽卒に亘つても困りますから、尚今日よく速記録その他をお調べになりまして、その上でこの問題についてもよくお考え下さいまして、そうして明日の問題にして頂きたいと思います。
○竹下豐次君 この委員の中にも法律の專門家もおいででありますから御相談願えばいいようなものでありますけれども、或いは必要があるならば法制局長とか、やはり法制の方の專門家に來て頂いて、その意見も聽取して貰うということも必要じやないかと思つておりますが、その点を御考慮に入れて頂きたい。
○鈴木直人君 このくらいで一つ……。
○油井賢太郎君 私は懲罰動議というものが抽象的でありますが、その内容に亘つて、やはり例えば草葉委員が第二の條項として参議院の使命のことを言つております。その場合において又第三の場合においても議院の品位と体面を汚すものこれより大なるものはないと存ずるのでありますというようなことを理由に述べてありますから、個々別々に、一つ一つの行爲というよりも、こういう大きな大堀から見て我々委員会で審議して行くのがまあ妥当じやないかと思うのでありますが、竹下委員のお話もありますから、尚この点明日でも明確にせられて審議に便を図られることをお願いいたします。
○委員長(太田敏兄君) それでは又後で法制局長その他一應意見を聞きまして、よくこの点は研究することにいたします。今日はこの程度で散会いたします。 午後一時十二分散会 出席者は左の通り 委員長 太田 敏兄君 理事 遠山 丙市君 松井 道夫君 委員 岡田 宗司君 油井賢太郎君 鈴木 直人君 竹下 豐次君