厚生委員会社会事業団体及び施設の振興に関する小委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/10/24
会議録
○委員長(山下義信君) 只今より開会いたします。本日は本小委員会の調査事項として休会中継続審査いたしました愛兒の家事件に関しまする調査を終結いたしまして、厚生委員会の方に報告いたしたいと存じますので、この際委員の各位から本調査に関しまする御所見を承つておきたいと存じます。
○竹中七郎君 本問題に対しまして甚だ遺憾の点は、丁度終戰直後にありましていろいろの接收のありましたる物資を利用いたしまして、ブローカーが入りその物資を引出すことにおきましていろいろの手段を講じた。その手段の一つといたしまして社会事業団体を種にいたしましてやつたというように、いろいろの証人その他を喚問いたしまして感ずるのであります。かように私は考えます。今後日本の組織が整備されましてかようなことはないと思いますが、我々考えますというと、或る特定人が自分の生活費を稼ぐために社会事業団体を種にした。社会事業団体も、いろいろ証人の方々に聞きますと、社会事業団体の金融面が非常に苦しいからそれに引掛かつたと申しますか関與した。こういうような問題でありまして、我々は社会事業団体が本当に強く育成されまして、現在の世相におきまして、この人々に社会のために働いて頂きますことは非常に結構でございますが、その金を工面するにその人物を本当に見極めなくてここに入られたということは、立派な日本赤十字社とか或いは民生委員連合会のような立派な団体が入りまして、いろいろ世間の疑惑を招いたということは甚だ遺憾であります。今後政府といたしましては、社会事業団体が本当にうまく行くようにいろいろな手段を講じて貰いたい。現在の共同募金形態におきましてもう少し社会事業団体には公平にと申しますか、普遍的に資金をそれに與えてやるというふうになることを希望する者でありまして、本問題に対しましては非常な私は遺憾の意を表する者であります。政府におきましてはこの点特に留意して社会事業団体の育成に一層の力を注ぐ、そうして特定のものに利用されないように指導されるよう希望する者であります。
○草葉隆圓君 小委員会を設置されまして、愛兒の家関係のいわゆる最近社会事業界に大きく問題になりました資金獲得のためのバザー開催に関する問題につきましては、数回に亘つて熱心にその原因その状況等を調査いたして参つたのでありますが、事件そのものにつきましてもいろいろまだ問題が残つておると存じまするが、併しこれは検察廳の関係に移つておる問題でもありまするし、委員会といたしましては、その社会事業団体なり、今後の社会事業関係の方向なりというものをこの問題からよく掴んで、今後このような問題が起らないように、且つ今後の社会事業団体の方向に向つての大きな支障を與えた問題として考えて行かねばならないと存ずるのであります。私はこういう問題が起りましたことは、終戰後の日本人の心理的な問題とも絡み合つて来ておると存じまするけれども、社会事業界にとりましては誠に遺憾に堪えないのであつて、せめて社会事業界だけはもつと純真なもつと崇高な観念から、たとえ事業資金の獲得にいたしましても考えて来なければならないことだと存じます。一、二の関係者が何とかして資金を獲得するために、自分は本門仏立講の信者でありながらクリスト教の代表になつて見たり、いろいろそこに画策しながら資金の獲得のために動いて来たのです。この問題の動向を見ますると、今後の日本の社会事業界にもつと考えて行かにやならない幾多の問題を提供したのではないか。從つてこのような状態になつて参りましたことにつきましては、私は一つの大きな政府にもその方針、態度に対する責任があろうと存じます。 で、最近におきましても、現在、数日前に終了したと存じますが、ボーイス・カウトのバザーの問題にいたしましても、今後いわゆる社会事業乃至は教化事業方面の資金獲得については、もつと方針をとつた行き方をしませんし、必ずやかような問題が起る可能性の余地があるのではないか。從つて、本日はまだ政府の出席がないようでありまするが、この点につきましては十分この委員会の態度を政府に要望いたしまして、例えばこういう問題の許可を與えます場合におきましても、当時商工省或は厚生省或は文部省というものがよく関連を保つて、一体になつて進んで行く方向をとつて行くべきではないか。幸い只今厚生省の社会局長がお見えになりましたが、かような社会事業団体の資金募集に対しまする問題にいたしましても、厚生省が中心になられまして、或いは通産いわゆる商工省なり或いは文部省なりと十分の関連を保ちながら、再びこのような問題の起らないような連繁を保つておつて頂きたい。 もう一つは、このような問題が起つて参りまする一つの原因は、現在の共同募金のやり方或いは方法或いは配分というものに相当欠陷があるからこういう問題が起る可能性があるのではないか。将来におきましても現在のような状態であるならば、必ずや又このようなことが起つて来る可能性がありはしないか。從つてこれはただこの問題だけでなく日本の社会事業界の全般に対する一つの問題でありまして、從つてこの問題を契機として或いは社会事業全体の見通しなり方向なり或いは共同募金のやり方なりその方法なりについての大きなやはり一つの問題を提供していると存じます。從つてこの点につきましては、この委員会としても重大なる関心を持ちながら幸いにこの問題を取上げましたのでありまするから、将来の日本の社会事業界のために一層の明朗さとその資金獲得の適正を図る方法を採りながら、社会事業の進展に費して行くべきものだと本員は考えている次第であります。この問題につきまして幸い社会局長の御出席がありまするので、政府の方針態度をこの機会に承つて置いて結構だと思います。
○姫井伊介君 今、竹中、草葉両委員より御意見を御開陳になりまして、私も同感であります。若干蛇足を附けさして貰いますと社会事業家が世間知らずだという点も私共は反省しなければならない。言い換えますると、正直は結構ですけれどもあまりに時代相に活眼を開くことができないとでも申しますが、社会の表裏に暗い点があつたことが原因の一つではなかつたか。 次には更に社会事業家乃至団体が経済問題ということに対しまして非常に暗い。これは各団体の経理状況などを見ましてもそうでありますが、経済乃至経理ということがその事業の運営と伴いましてもう少し研究されなければならない。 もう一つの点は各団体間の連絡が緊密を欠いている。或いは曲解かも知れませんけれども若し突込んで考えまするならば、互いに協調して公正な分配を得ようとすることの裏に、或いは自分の方がより良くといつたような考え方がやはり一つの欠陷を生み出したのじやないか。丁度そうした欠陷に乘じてそこにこういうような不正が起つた。言い換えますると、そこにそういう欠陥がありまするために、監督などというものが十分に行かなつた点があるのじやないか。こういう点から考えまするとこれを一つの契機といたしまして、将来社会事業団体というものは或る程度緊密なる連繋を取るということよりも、今日問題となつておりまする総合化して行かなければならない統一化して行かなければならない当然その線に来ておるのだと思います。この際各団体もただ自己の畑にのみこびり付かないで本当に新日本の社会事業団体の中核をなすものといたしまして、みずから進んで総合的な体系を作ることに努力せられることを私も切に希望せざるを得ないのであります。 尚政府側におきましての監督が十分であつたと言えないことは先程お話があつた通りなのであります。この問題の解決につきましては十分に検察廳の方で調査を徹底せしめて、再びかくのごときことのないようにされんことを希望する者であります。
○岡元義人君 草葉委員から今社会局長の回答を求めておりますが、その前差支なかつたら併せてお願いしたいと思います。各委員から今非常に有益な御意見が開陳された後でありますが、私も多少これに蛇足を加えて置きたいと思うのであります。 幸いにこの委員会ができまして社会事業団体の整備調査が行われるわけであります。今度の愛兒の家のこういうような問題は多少金錢的な問題としてあつたわけですが、併しながら社会事業団体としてその外にもその対象はいわゆるあらゆる犠牲者を対象としておる社会事業団体でありながら、これも亦一つの政治的な方面に利用されるというような傾向さえも見受けられておるのであります。そこでこの機会に只今姫井委員がおつしやつたように、少くとも総合的な末端までよく筋の通つた統一的ないわゆる社会事業団体というものが政府においても掌握されなければならない。それによりまして社会保障制度が確立するまで最も有効にこれができるだけ早く手を差伸べて行くという大きな使命を達成する上から非常に大事なことではないかと思うのであります。飜つて考えて見まして例えば同胞援護会等の処理に関する関係方面等の指令があつたときにでも、政府がもつとあれをばよく愼重に検討されてそうして抜本的ないわゆる対策が構じられて然るべきであつたと考えるのです。そういうようなことをばよく考え合せまして幸い小委員会がこういう問題をば取り上げる。これは單にいじり廻わすというようなことではなくて本当に何とかしなければならないというような段階に到達した故にこの委員会が設けられたものであると考えますので、社会局長も幸いにお見えになつておりますが、どうぞ委員会の我々の意のあるところを十分汲み取られまして、政府自体も大きな決心を持つてこの機会に社会事業団体の整備をば断行される肚を先ず決めて貰いたいと思います。それが先程述べましたように社会保障制度の確立に至るまでの最も緊急な手として当然これはやらなければならん私は処置だと思うのであります。尚今後こういう委員会において逐次取り上げられて行くことと思いますが、一応政府当局に対して私の意見をば述べつとた頂く次第であります。
○説明員(木村忠二郎君) 愛兒の家の問題に関しましては、我々といたしましては、そういう事件を起しましたということにつきまして非常に遺憾に存じておるような次第でございます。前にもお話申しましたように、厚生省といたしましては、この件については極めて消極的な関與をいたしておりました関係上、その前後の経緯につきましても十分承知いたしておらず、ただ最後の上りました收益の配分という点につきまして、文部省と相談をして、これについて間に入つて仲介の労をとるという程度に相成つたわけであります。從いましてこの問題につきまして、どちらかと申しますと監督が十分でなかつたということは誠に遺憾に堪えないところでございます。一般に社会事業団体が各種の收益事業を、その事業資金を造成いたしますためにいたしますということにつきましては、いろいろな問題があるのでありまして、從来の社会事業法におきましてはこの点につきましての考慮が拂われていない。これは勿論その当時の社会情勢といたしましては、社会事業の資金の大部分は基本金から得ますところの果実と、その事業に対しまするところの寄付金によりまして、主として事業を経営いたしておるということが実情でありまして、社会事業団体がみずから收益事業をやりまして、その收益により事業を営むということは、殆んどないというのが当時の情勢でありました関係上、法制的にこの点におきまして欠くるところがあつたのであります。最近の経済界の情勢によりまして、社会事業団体の事業資金というものが極めて枯渇いたして来た関係から、特に最近新たに起りました社会事業におきましては、その事業資金を得まするために、各種の收益事業を行うものが非常に多数見られております。これが、一つの新らしい社会事業の行き方となつておるのでありまするが、この間正しいものとそうでないものといろいろあるのでありまして、これらの監督については、今後どういうふうにするかということについて十分考究いたしまして、新らしい社会事業法を制定いたしまする場合には、この点について十分遺憾のない措置ができるようにいたしたい、かように考えまして、そのつもりで以て準備をとり進めておるようなわけでございます。 尚岡元議員からお話がありました社会事業団体の整備につきましては、現在までのところといたしましては、我々としては、社会事業の連絡、統制というような面におきましては、日本社会事業協会一本で参りたいと考えておりまして、その他のものにつきましては、そういう仕事は地方的なものは別といたしまして全国的なものは考えていないのであります。ただ從来全国的に各種の事業を営んであります団体につきまして、今後どういうふうに措置するかということにつきましては、その全国的な団体が必要であるかどうかということによつて考えなければならん問題だと思います。尚これにつきましては、それらの団体自体の自主的な考え方というものも十分尊重しなければならんと考えますので、それらの点を勘案いたしまして、遺憾のないように措置して参りたいと、かように思つております。
○草葉隆圓君 この小委員会は、委員長の熱心な運営によりまして、いよいよ継続審査としての今日がお終いでございますが、この点に関し我々も委員長に厚く敬意を表する次第であります。又只今木村社会局長の御答弁にありましたように、この委員会の一つの問題として取上げました愛兒の家は、これは直接は殆んで御関係がなかつたので後で関係が出て参りました。從つてこの問題については、いろいろむしろ消極的であり御迷惑であつたと思いますが、全体の将来の本委員会の目標から考えてこれは今日でおしまいになりますので、次の本委員会等において、この小委員会の我々の希望は、更にこのような委員会を措置して頂いて、もつと本質的な問題に、先程岡元委員の述べられたような問題が、十分この会期に設けられた委員会の目標を更に達する方法をとつて頂くように、最後に私はお願い申上げたいと思います。
○委員長(山下義信君) 最後に文部省の篠原宗務課長の答弁を願います。
○説明員(篠原義雄君) 御回答申します。愛兒の家につきましては、昨年の六月下旬か七月の上旬と思いますが、初めて我々の方に仏立宗の社会事業連盟の方がお出でになりまして、そのときに全貌が初めて分りましたようなわけです。それまではその経緯については殆んどはつきりしなかつたわけであります。仏立宗の属しますところの社会事業連盟と申しますか、これについてバザーによる利益ですか、收益の恩惠に浴し得る資格あることを証明して頂きたいといううよう申出でがありました。そこで初めてその内容を聞き及んだようなわけです。この点につきましては、所管が厚生省にございます関係上、十分厚生省との関係も密にいたしまして、いわば文部省にありましては受身の形と申しますか、社会事業それ自体のいわば所管関係が少いものでございまして、実情を聞いて、すでにでき上つておる事業計画のうちに、その事業関係として我々が事実の証明をなし得る、この関係からこの問題に入つて行つたわけでありまして、尚その間につきましては、我々も所属の各宗教団体の事業等を多少承知しておりますので、これにつきましては十分に正しい方向に進むように折を得て申し伝えておりますが、この問題につきましても殆んど私達の報告によりますと、受益者の協議会と申しますか、それによつて内容その他のものが比較され運行されております。いわば從たる地位におきまして正しい運営の仕方、受益者団体の運営の仕方をやつて行つておるかどうかということについて関心を持ついてたような次第であります。 甚だ御質問に対する回答としましては物足りないものがあるかも知れませんが、この点につきまして前提として宗教団体の関係をちよつと申上げたいと存じます。終戰前におきましては宗教団体法という法律がございまして、從つてその範囲におきまして宗団或いは寺院、教会等のある程度の指導監督を権能として持つておつたのでありますが、終戰直後宗教の自由保障のために宗教団体法が御承知の治安維持法その他の一連の関係の下に廃止すべき指令を受けまして、終戰の年十二月末になりまして宗教団体法に代るポツダム刺令として宗教法人令というものができましたわけでございますが、この宗教法人令は非常に信仰の自由を保障し、政教分離の観点から政府の監督権というものを非常に制約されておる次第でございます。從つて宗教団体が行う個々の各種の事業或いは活動の面におきまして情報を蒐集する程度でございまして、監督指導ということは宗教団体に対してはできなくなりました。これに併せましてその年の十二月に御承知の神道指令が出ておりますので、そういう関係からも相当我々の権能は直接的に監督、指導ができないということになりました。その関係から宗教団体の活動状況につきましても、指導的な或いは監督的な行動には出ておりません次第でございます。從つてこの問題に関連いたしましても、いわば消極的に或いは事がうまく行くように、或いは側面から注意はいたしておりますが、このこと自体に対する指導或いは監督ということは、直接その権能がないというところに問題がございまして、聊か我々としてもこの問題につきましては甚だ心苦しいところもある次第でございますが、そういうような法制上の関係且つは文部省の現在の立場というものから、このことにつきましての指導或いは監督というものに不十分であつた傾きがあるのではないかと、こう考えておる次第でございます。
○委員長(山下義信君) 休会も本日で終了いたしますので、小委員会はこの程度で閉じたいと存じますが、小委員会の報告はどういうふうに取計らいましようか。
○草葉隆圓君 小委員会の報告内容等は一切委員長に御一任して、委員長で一つお纒めを願い御報告を願うようにお願いいたしたいと思います。
○委員長(山下義信君) 草葉委員の御意見に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。尚先刻草葉委員から第六国会においてもこの種小委員会の設置をすべきであるという御意見でありましたが、右御意見を厚生委員会に報告することに御異議ございませんですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。それでは小委員会はこれを以て散会いたします。 午前十時三十五分散会 出席者は左の通り 委員長 山下 義信君 委員 草葉 隆圓君 竹中 七郎君 岡元 義人君 姫井 伊介君 説明員 厚生事務官 (社会局長) 木村忠二郎君 文部事務官 (大臣官房宗務 課長) 篠原 義雄君