運輸委員会 閉会後第4号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1949/10/10
会議録
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。本日の会議は、先般來の委員会における継続といたしまして、先ず第一に、日本國有鉄道法の改正の経過、それから國有鉄道の運賃の改正問題、尚又船舶運営会が廃止されるについて、船舶運営に関する將來の見通し、港湾行政、特に港湾法の経過について、尚又観光予算について、それぞれ政府の意見を承りまして、これに対する質疑應答を行うということでありまするから、さよう御承知を願います。 先ず第一に國有鉄道法の改正の経過ということになつております。
○説明員(足羽則之君) 日本國有鉄道法の改正につきましては、先般來しばしばこの委員会で御質問がありまして、その内容については御説明を申上げたのでございますが、その後大体この前御説明を申上げました点と殆んど変りがなく、大体條文の体裁を整える程度の修正をいたしまして、大藏省とも大体話が纏りまして、先月の末に閣議に提出をする運びになりましたので、この次の議会にはこの前御説明申上げましたような内容で提出できるかと考えております。尚一箇所この前御説明申上げた外に修正を追加いたしました点は、日本政府の職員は國有鉄道の職員になれないという欠格條項が現在の現行法にございます。ところが、政府のいろいろな、例えて申しますと、観光委員会とか、各種の委員会で國有鉄道の役職員がそれになることが必要であり、且つ、事実上支障のない場合が相当あるのでございますが、そういう場合に、民間の人はなれる、或いは官吏はなれる、そこで、中間の國有鉄道の役職員だけそれになれないというので、非常に不都合な点がございまして、それは現在の法律の解釈として、やや困難だという一部の見解もございますので、それがなれるように改正をしたい、そういう点の修正をやはり同時にこの際いたしたいとこう考えております。それ以外の点につきましては、今まで御説明申上げました点と変りなく進んでおります。大体以上でございます。大変簡單でございますが、國有鉄道法の改正の経過については以上の通りでございます。
○委員長(板谷順助君) 何か御質問することがございませんか。專門員の方で何か……。まあこの委員会では先だつて來よく改正の内容を承りましたが、いずれ又研究いたしまして、又更に申上げることにしましよう。
○委員長(板谷順助君) その次に運賃の改正の経過ですが、これは運輸審議会から答申案が出たということも伺つておりますが、その経過を一つ御説明願います。
○説明員(足羽則之君) 前回にも國有鉄道から貨物運賃につきまして、八割値上げをしたいという案が運輸省に出て参りまして、運輸大臣はそれを運輸審議会に諮問をいたした次第でございます。で運輸審議会はその内容について審議をいたしまして、尚これについて九月の一日から四日間公聽会を開催をし、それによつて更にその意見を纏めて、最近に運輸大臣に答申がございました。答申の内容につきましては、貨物運賃の八割値上げという点を修正いたしまして、貨物運賃は九割上げる、尚八割と九割との差額を以て旅客運賃の調整に充てることが妥当であろう。尚海陸運賃の調整の点につきましても、その方針の内容は触れております。旅客運賃の調整につきましては、その内容は遠距離の旅客の運賃の逓減、調整を図つたらよかろうという点が一点、第二点は、定期乘車券についての調整を図つたらよかろう、即ち定期乘車券の三ケ月及び六ケ月の定期乘車券の率を変えた方がよかろう、こういう点が第二点であります。 それから第三点は、一、二等の運賃の調整を図つた方がよかろう、こういうのが第三点でございます。その運輸審議会の答申に基きまして、これを運輸省といたしましては、尊重することになつておりますので、運輸省として案を作りまして、目下関係方面及び物價廳にそれを御説明をいたしておる、大体極く概略を申上げますると、そういう経過でございます。尚それの詳しい内容につきましては、その関係方面と詳しく折衝いたしております石井鉄道部長も出席しておりますので、その内容について説明をすることにいたします。
○委員長(板谷順助君) ではどうぞ、石井部長。
○説明員(石井昭正君) それでは御説明申上げます。國有鉄道の貨物運賃八割値上げという國有鉄道からの提案は、大体の理由が本年度内におきまする收入の不足の見込みが約九十一億くらいに達する。これは主として旅客の運送が運賃改正以後、特に輸送量が予定通り上らないという点に大きな原因があるのであります。貨物の点につきましても一億四千万トンという輸送は、現在の生産状況その他から見まして、多少過大に失するというような観点で、その点から檢討いたしまして、第一四半期の実績に基いて本年度の予想を立てますときに、予定收入に対しまして、先程申上げましたように約九十一億程度の不足が考えられるのではないかということでございます。その收入の不足を補うということも、本年度の予算の財源上必要なことでございまするが、尚それと共に御承知のように、貨物の運賃は著るしく原價を割つております。そのために國鉄といたしましては、貨物の運送を旅客運賃の犠牲においてしなければならないというような、非常に均衡を失した運賃会計になつておる。そのために、海運又は自動車というような、他の、対抗と申しますか、競爭と申しますか、並行いたしております輸送機関との間に運賃のバランスがとれないために、貨物の輸送分野が著しく正常化することも妨たげられておる、いわゆる海陸運賃の調整の見地からもほぼ原價を償う程度の値上げは必要である、それから更に第三点といたしましては、本年度の收支のみならず、これを來年度、或いは平常年度に引き直して考えました際におきましては、御承知のように本年からドツジ・ラインの線で均衡予算が組まれておりますので、工事費の財源について適当な財源を考えなけければならん。勿論將來の利益を生みます分につきましては、借入金或いは見返資金等から資金を受けまして、工事をいたすことも必ずしも不可能ではないのでありまするが、施設の補修と改良との中間程度でありますれば、取替的な工事につきましての財源は、自己資金で賄うことが必要であろうという点から考えまして、貨物運賃を値上げて、來年度におきまするところの工事財源の幾分かを自己資金で賄うという態勢を作ることが必要であるというので、彼此勘案いたしまして、約八割という現行の貨物運賃の改正、これを十一月一日から実施いたしますことによつて本年度の收支の均衡も取れて、且つ來年度におきますところの健全なる予算が組まれる、海陸運賃の調整も可能であるということが主な理由であつたようであります。これに基きまして、この申請を受けまして、運輸大臣は直ちに運輸審議会に諮問をいたしました。その諮問に際しまして、特に鉄道の貨物運賃のみならず、海陸運賃の調整という見地も併せて考えられたいということを諮問したのでございます。この点につきまして、運輸審議会が九月一日より七日間に亘りまして各方面二十数名の意見を聽いたのでございまするが、この審議会の公聽会の公述者の意見は殆んど貨物運賃の引上げに賛成でございます。中には條件付の賛成もございまするが、中には八割程度の引上ではまだ不足である。海陸運賃の調整の面から言えば十割以上も引上げなければならんというような議論もございました。一部荷主の中には貨物運賃の改正に対して否定的な意見を述べたものもございます。これは本当に極く一部の意見に過ぎませんでございました。そこで運輸審議会におきましては、この公聽会の意見を聞くと共に、いろいろな資料を関係方面より提出せしめまして、愼重審議をいたしたのでありまするが、昨月の二十九日に一應の中間結論に達しましたので、これを運輸大臣に答申いたしました。尚併しながら一應中間報告でございまして、正式報告書は提出はやや遅れるという意味合で概要の中間報告があつたわけでございます。その内容は先程監督局長から御説明申上げました通りでございまするが、その要点を申上げますると、大体運輸審議会の基本的な態度といたしましては、國鉄の運賃改正は本年度は赤字と申しますか、收入不足を埋るという便宜的な見地でなくして、今日の情勢から健全な時期におきまして旅客貨物の輸送に関する公正妥当な原價を算定して、これを根幹といたしまして、経済の安定並びに海運或いは自動車等の輸送機関との間の本互の調整を考慮して決定するという根本態度を取つたわけであります。單純なる赤字補填ということでなくして、妥当な原價に基き他の運送機関との調整の取れた運賃を決定する、こういうことの見解に立たれたわけであります。この根本方針によつて見ますると、現在の貨物運賃は非常に原價を割つておるということが、これは資料の上において十分証明されることでございます。且つその原價等につきましては、大概國鉄側の説明の資料を以てでも大体妥当なところであろうと、正当な資料であるという見解を持たれたものでございます。それに基いて結局昭和二十五年度、來年度におけるところの運送原價と運賃との関係を見ますると、只今の運賃におきましては、貨物は原價の四九%を充すに過ぎない、旅客運賃は逆に原價の百一%になつておると、こう認定されたわけでございます。この認定に基いて結論を出しますると、現行の貨物運賃は十割以上値上げすることが妥当であるという結論になるのでございまするが、併しながら又同時に海運、自動車等のいわゆる並行関係にありますところの運輸方面からは、原價を相償う程度の値上は絶対に必要であるという要望が相当強くあつたのでありまするが、又その御主張も尤もな点があつたのであります。併し我が國の鉄道は諸外國特に米國における鉄道などとは異りまして、從來とも旅客におきまして若干余分の收益を挙げておる。貨物につきましてはいわゆる勿論直接費を償うのは当然でありまするが、間接費の幾分かにつきましては、これは全然原價を徹底してこれを償うというような立場にはないので、我る程度旅客の方でそういう点も持つておつた。旅客運賃の方でそういう点を肩替りしておつたということは、國鉄の從來の運賃体系及び收入と支出との関係を見ても言えるのであります。從いまして今日原價主義を完全に徹底するということは、更に今回引続き貨物運賃の体系を是正する際にやるということが適当である。今日においてはただその点において足らないけれども、先ず九割で止めることがよろしいという議論であります。この場合は海運との関係がどうなるかと申しますと、これは海上貨物の出荷利用如何が非常に大きなフアクターとなりますので、確実な予想はむ奉かしいのでございまするが、いろいろな点から考えまして、國鉄の貨物運賃を九割値上げいたしますれば、現在の実施中の海上運賃も調整の面から九割から十割の幅の間におきまして、値上げすることが可能になるという資料を得たのでございます。從いまして、そうなりますると、この程度の値上が可能となりますれば、内航の統制解除いわゆる自由運賃市場の形成ということが可能となつて参りまする、船舶運営会の存廃についてはいろいろの問題もございまするが、少くとも内航につきましては運航の統制を解除いたしまして、自由市場という形でこの大体ほぼ九割値上げされます國鉄の貨物運賃と釣合を持つて十分な採算運賃を作つて、自由競爭ができるのではないかというふうな見通しに立ち得るということでございます。 次に旅客運賃でございまするが、旅客運賃につきましては、日本國有鉄道の方からの申請には一應据置ということで、貨物運賃の改正だけを申請しておつたのでございまするが、併し公正妥当の原價という見地から貨物運賃の値上を必要として、且つそれをいわゆる八割のものを更に一割上げて九割案といたしますると、年間約二十九億の増收となるのであります。從つてこの増收は、必然に旅客運賃の引下げに振り向けるべきであると考えまして、取敢ず目下緊急と認められておる遠距離逓減且つ一、二等旅客運賃倍率の引下げ並びに定期運賃の調整に使用すべきであるという、こういう意見でございます。 只今の旅客運賃は、御承知の通り二地帶でございます。百五十キロまでは、一キロについて一円四十五銭、百五十キロ以上は一円五銭でございますが、そのために遠距離におきましては、戰前の遠距離逓減制の運賃と比較いたしますと、近距離の値上げ率よりも遥かに高い値上り率になつておるわけでございます。それで今日の実情がら申しまして、絶対額が殖えますことは、著しく遠距離旅客の旅行を困難ならしめておるという実情でございますので、取敢ずこれを四地帶制に改めて、五百キロ以上それから一千キロ以上という地帶を作りまして、そうしてこれを五百キロ以上につきましては一キロごとに六十銭、千キロを超える部分は一キロごとに四十銭といたしますと、大体鹿兒島などを例に取りますと、鹿兒島までの三等運賃におきまして、只今では千六百二十円でございますが、これが千八十円となつて、約五百四十円の値下げになるわけでございます。札幌は只今千三百円でありますが、これが千六十円というような値下げになるわけであります。そういうようなふうに地帶を改めることによつて、遠距離旅客の負担を相当緩和することができるというのでございます。 それから現在の一、二等旅客運賃は、御承知のように二等は三等の三倍、一等は三等の六倍で、一・三・六の比例になつておるのでございますが、これは戰前におきましては、一・二・三の比例でございまして、御承知のように戰爭中優等車を極度に圧縮いたしましたために、いわば利用を禁止すると言つては言い過ぎかも知れませんが、そういうような抑制の意味も非常に含んでおる倍率になつておるわけであります。今日旅客の旅行がいささか緩和いたしまして、戰前に復帰することは望み得ないといたしましても、戰爭中或いは終戰直後のごとき非常に極端なる輸送力の逼迫から、やや今日改善されて参りましたので、サービスも向上いたしまして、一、二等客車或いは一等寢台車等も相当使用車輛を増して、殊に去る九月十五日の時刻改正におきましては、急行列車以外にも二等車を附けるというような状態になつて参りましたので、その利用を図ると共に、現在の倍率では余りに高率であるために、サービスの内容或いは客車の定員等から考えましても、二等は二倍に止めることが妥当であろう、一等は今日の情勢におきましては四倍程度がいいんではないかというので、一・二・四の比率に改めるようにしたらよかろうということでございます。 それから定期運賃につきましては、御承知のように本年五月の改正におきまして、六ケ月、三ケ月という割引を廃止いたしまして、只今三ケ月、六ケ月定期も賣つておりますが、これは一ケ月定期券の賃率をそれぞれ三倍乃至六倍しただけでございまして、何ら長期定期を買つたことに対しましては割引はなくなつたわれであります。御承知のように國鉄の定期の割引率は、普通運賃に比較いたしますると、極めて割引率が大きいために、非常に定期の濫用等もございまして、その割引率を大幅に又増加するということは、余り運賃体系の上から申しますと望ましくはないのでございまするが、長期の定期の利用者が一ケ月の定期の利用者と同じ運賃であるということは、必らずしも妥当ではないのではないか、而もそういう長期通勤、通学者等につきましては、或る程度現在の高い旅客運賃を何とか緩和してやることも必要ではないかという御意見でございまして、その結果三ケ月定期につきましては、一ケ月定期の三倍から一割引く、六ケ月家期は一ケ月定期の六倍から一割五分くらい引いた程度の割引をしたらよろしかろうということでございまして、そういう具体的な内容を附けまして、旅客運賃の調整について答申があつたわけでございます。 この運輸審議会の答申につきましては、物價に及ぼす影響につきましては、個々の貨物につきましては多少の差違があるが、全体としては比較的軽微である。昭和十一年におきまして、鉄道の輸送に係る主要貨物二十六品目について、その價格の中に占める運賃の割合を見ますと、大体四・六一%でございます。現在におきましてはそれが二・三%となつておるわけであります。仮に九割値上げいたしますると、四・三二%となるのでございます。大体昭和十一年程度に全体としてはほぼ近くなるという程度ではないかと思うのであります。この決定は、運輸審議会の委員の多数決で決まつたのでございますが、その際、鉄道、海運その他の輸送機関におきる輸送分野を正常に復帰せしめるという論拠で、運賃算定のコスト主義を飽くまで徹底して、國鉄貨物運賃は十割或いはそれ以上値上げをすべしという少数意見が最後まであつたということも、運輸審議会の答申の中に入つてございます。 以上のような審議会の意見の決定がございましたので、運輸省といたしましては、この決定に基きまして國鉄の輸賃改正案を修正いたしまして、その修正した姿におきまして、関係方面にも占今折衝中でございます。又國内的には、その意見に基いて物價廳の方と協議いたしまして、できるだけ速やかに國内関係の結論をつけまして、そうして関係方面の承認を得まして、來る臨時國会に運賃法の改正法律案といたしまして、只今申上げましたような内容を盛つたものを御提案申上げて御審議を得たいと、かように考えておる次第でございます。
○委員長(板谷順助君) 只今の政府の説明に対して何かお尋ねがあつたら、お述べを願いやす。
○小野哲君 ちよつと伺いたいのですが、只今の説明の中で、旅客運賃の方はこの際是正して行くというふうな意見があるのですが、先般來の國有鉄道の原案によれば、國鉄貨物運賃は八割値上げをしたい、今度は運輸審議会等における研究の結果九割というふうなことになるようでありますが、いろいろ光程お話があつたように、優等車を附けて見たり、或いは特急を運轉させたりして行くような関係から、当初お考えになつたような收入減が、こういうふうなサービの向上によつてどういう影響を與えておるか、又今後どんなふうな今年度予定收入の上に影響を及ぼすであろうかというような点のお見込みと並びにサービスの改善をやられた結果どういう状態になつておるか、現状と……その点を伺つて置きたい。
○説明員(石井昭正君) 私ちよつと御説明の際に省略して申上げなかつたのでありますが、貨物運賃の値上げが一割違いますと約二十九億になるのでございますが、それではこれを一体旅客運賃を只今申上げましたような修正に使いますると、どういう割振りになるかということを申上げなければならなかつたのでございます。それは大体遠距離逓減、只今申上げましたように遠距離逓減を四地帶制にすることによりまして、その減收が大体一億四千万円、これは年間でございまするが、なるのでございます。一、二等の倍率の引下げによりまするところの減收額の見込みが、これが約六億六千万円、定期券が三ケ月を一割引き、六ケ月を一割五分引きいたします結果といたしまして、十三億一千万円という大体減收に相成る次第でございます。でまあここにそれでお分りのように、鉄道におきましては一、二等の倍率、一、二等の旅客というものは全体の旅客に比較いたしますと、極めて数字が少い数字でございまして、個々の運送について見ますると、いろいろコントの関係、その他から見まして、利用を増加するということは、個々の運送或いは一箇列車当りの原價等を見まする際には非常に大事なことかと、殊にコーポレーシヨンになりまして、経営の合理化を努めて参ります際には大事なことかと思うのでありますが、全体の運賃收入の面から見ますると、この高級車の増加によりますいろいろの收入というものが、それ程大きな影響はないのじやないかと、かように考えられる次第でございます。一般的に今日の旅客運賃の模樣でございまするが、これは第一四半期以後におきます実績も、第一四半期当時予想いたしました実績に対しましてやはり依然として幾らか下廻つておるというような恰好でございますので、この九月の中旬に行ないましたサービスの改善、時刻改正によります旅客の増加がどの程度であるか、誠に恐縮ながら只今その数字は持つておりませんのでございますが、多少これがあつたといたしましてもほぼそれを相殺する程度ではないか。やはり第一四半期当時に立てた見通しにつく付いて参るだけが精いつぱいではないかというような、只今の現況ではないかと考える次第でございます。
○小野哲君 それではもう一点伺いたいのですが、今の問題に関連して、最初の國有鉄道の旅客運賃を六割値上げするという場合の利用者が何%か見込まれておつたと思うのですが、大体その線が確保されるというお見込みですか。或いはその利用者の率が多少ともサービスの改善によつて緩和される一方において、二百九十億何がしの旅客運賃の減が見込まれなければならんわけですが、それを或る程度カヴァーするような結果は現れて來ないだろうか、こういうふうなやや好轉し得るような見込みはおありになりますか、どうですか。
○説明員(石井昭正君) 旅客運賃を六割値上げいたします際に、一〇%の利用減を予算上見たのでございますが、これは総收入の一〇%減るという計算をいたしたのでございます。実際の利用者が一〇%減るというのと、多少意味が違つておるわけでございます。利用者が一〇%減ります場合に、若し遠距離なり、近距離なりの旅客の分布が同じ状態でございますれば、それはやはり收入の方も一〇%の減でございますが、実際におきましては運賃改正以後非常に遠距離、近距離の分布が変つて参りまして、平均乘車券は非常に減つたために、人員が一〇%減りましても、收入は更にそれ以上減るというような状態になつたわけでございます。その結果といたしまして、実効見込を立てておりまするのは、その予算の一〇%減よりも、更に遥かに低い実効見込を立てて、それに基きまして本年度の收入不足を算定いたしましておるわけでございます。この実効見込に対しまして、現在の状態ではサービス改善を行なつてどうやらおつかつつに参るのではないかというのが私の只今申上げましたお答であつたのでございます。
○委員長(板谷順助君) 外にどうぞ。
○高田寛君 今の貨物運賃の値上げによつて、前に問題になつておりました海陸貨物運賃の調整という点が、或る程度図られると思うのでありますが、その影響として海の貨物が鉄道の方に轉嫁して來た。それが逆に今度の鉄道貨物運賃の値上げによつて海の方に轉嫁するというのはどの程度に考えておられるか、その点一應お伺いいたしたい。
○説明員(石井昭正君) 本年度におきまして、只今予想しておりまする総数量のうち鉄道の輸送の約三%程度は、これは全部が海とは申しませんが、或いはトラツクに轉嫁するものもあるかと思うのでありますが、鉄道の輸送量として減じ得るのではない。かように考えております。
○高田寛君 三%というのは数量ですか。
○説明員(石井昭正君) そうでございます。
○委員長(板谷順助君) 外にありませんか。
○小野哲君 もう一度恐縮ですが…。念のために伺つて置きたいのは、只今石井部長から詳細な経過報告を承つたので了承するのですが、運輸省設置法によりますと、運輸審議会の意見を尊重して政府は恐らく法律案の作成をされるということになるのであるし、又そういう御説明であるのですが、全面的に運輸審議会の答申そのままを政府が受入れられて運賃法の改正法律案をお出しになるお見込であるか、その点を念のために伺つて置きたい。
○説明員(石井昭正君) 運輸省といたしましては、全面的に運輸審議会の答申を尊重いたしまして運賃改正を実施いたしたいと考えております。併し御承知のように運賃の問題は運輸省限りの問題でもございません、他の関係方面とはこの運輸審議会の答申通り賛成して貰えるように運輸省といたしまして極力折衝いたすつもりであると、かような意味合いで申上げたのでございます。
○小野哲君 もう一つ伺つて置きたいのですが、先程……只今もお話がありましたが、関係方面と極力折衝しておるというお話でありますが、第五國会において運賃法の改正法律案が出ました際に、我々も関係方面と折衝いたしましたのですが、あの時の修正案は全面的に受入れられなかつたというふうな経過を持つておるわけであります。支障のない限り交渉の現段階はどんなふうになつておるか、又関係方面はどの程度打診されておりますか、必要に應じては速記を止めてでもいいのですが、あなたに伺つて置きたい。
○説明員(石井昭正君) では速記をちよつて止めて下さい。
○委員長(板谷順助君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(板谷順助君) 速記を始めて……。それでは私からもちよつとお尋ねしますが、只今の説明を承わりますというと、この前九十一億の赤字である、恐らくは運賃改正が成立するのは十二月以降だと思う。そこで問題は今あなたの御説明の中に鉄道が独立採算制をとる場合においてはどうしても十割でなければいかん、こういう少数意見もあつたということでありますが、この運賃改正に基いて、將來鉄道として独立採算制が採れるという確信が一体……。これはちよつとむづかしいかも知れんがそれはどうですか。
○説明員(石井昭正君) 御承知のように本年度におきましては國会の聞会、御審議の都合で実施時期が遅れましたので、本年度においては收支の償わない点が多少出て來ると思いますが、來年度から運輸審議会の答申の通り若し御決定が願えるといたしますれば、來年度の予算といたしましては、戰後初めて國鉄といたしましては健全な姿の予算ができるというように私は考えております。
○委員長(板谷順助君) 荷物ですが、あなたの方では一億四千万トン、或いは一億三千万トンになるというふうな計数の基礎の下に割当てられておるのだと思うけれども、將來鉄道、船舶、自動車というものが、或る程度競爭時代が來ると私は見ております。そこで問題は現在荷物が非常に不足しておるが、これも予定通りの荷物が集まる見込ですか。
○説明員(石井昭正君) 貨物の方は大体、実は当初は一億四千万トンというものを出したのでありますが、御承知のように第一四半期の実績に基きまして、安定本部でも計画を修正いたしまして、約一億三千万トンの計画にいたしたのであります。この修正計画に基いて先程申上げました九十一億の不足という結咲が出ておるのでありますが、この修正計画につきましては、これは貨物の負担をほぼ達成し得るのみならず、まあ御承知のように國鉄の運轉用炭の陸送をやつております。これはもともと自分のところで支拂う金が自分のところに入つて來るというような関係でございますが、一應運賃收入になるのでございます。それを入れますと、むしろそうした一億三千百万トンの修正計画よりは多少上廻わるのではないか。併しこれは海陸運賃が是正されれば、当然正常な状態に復帰するものと思われますので、それを度外視いたしましても、修正計画には大体この程度の貨物が入るというのが最近の見込でございます。 —————————————
○委員長(板谷順助君) それでは運輸次官、海運局長がおいでになつておりますので、運営会が廃止されて、その後どういう方針で政府として行くか、又海運國策について何か御意見があつたら承りたいと思います。
○説明員(岡田修一君) 只今お尋ねのありました運営会問題でございますが、來年度の予算編成に当りまして、大藏省の方から運営会の予算の面から見て、これを判止をられたいという要望があり、これが閣議で論議されました結果、一應運営会を廃止する。併し運営会を廃止した後における日本海運に対する打撃と申しまするか、現在の不自然なる海軍状況に対する政府の救済措置として二十億程度の予算をつけようじやないか。こういうことが閣議で話合いされたのでございます。ただ問題はこの運営会というのは、日本側の機関でありますると同時に、CMMCを通してアメリカ海軍の日本船舶管理に関する機関ということになつておるのでございますから、その方面の考えがこの運営会を廃止することについてどういうふうに出て來るか。全然その方面の了解なしに決められたものでございますので、その関係方面の意向によつてこの運営会の今後の方針が進められなければならないのでございます。運営会につきましては、私共におきましても亦民間海運業者におきましても、予てから速かにこれを廃止して民営に還元せられたいという要望をあらゆる機会に表利しておつたのでございます。併しその前提といたしまして、一つは國内航路に関しましては鉄道運賃を採算点まで引上げて、從つて海運もこれとフエアな競爭をなし得るような状態に置いて頂きたい、この鉄道運賃の上根げということが一つの條件であります。もう一つは外航に関しましては現在のような不自然な状態、日本船が外へ出ます場合に一隻々々相手國の了解を得なければならん、或いは運賃その他の條件にいたしましても、すべてがこの関係方面の手で決められる、海運業者自身の手で自主的に採算を取つて仕事を進める、こういうことができない現状のような曲つた状況、是を速かに是正していわゆるコンマーシヤルベースで仕事ができる、こういう状態の実現を前提としておるのでございます。ところで現在の状況におきましては鉄道運賃の引上げは幸いにして目下議題といいますか、提案されんとしつつあり、これが実現を期待し得るのでございますが、今申しました海外配船に関する不自然な状態、これはいつこれが除去されるか、まだ見通しがつきません。來年度の初めからでもそれがはつきりとそういう状況が除去されるということが見通しつきまするならば、運営会の廃止、從つて民営への還元ということは誠に望ましい状況であるわけでございます。その見通しがつかない今日、運営会を廃止するということが妥当であるかどうか。日本海運の維持という点から見て賢明なる策であるかどうかということは相当檢討を要することかと思うのでございますが、ともかく運営会を廃止するという一應の話合いがまとまつたものでございますので、現在のところそういう方向において、先程申しました來年度予算で考えんとしている二十億の金を如何合乳高化尾撲湖納維持のために使うかということを目下考究しておる次第でございます。
○委員長(板谷順助君) まあ大体世の中が自由経済に移行しつつあります状況でありますから、運営会の廃止ということも止むを得ないことと私共思つております。ところで問題は政府が戰時以來、終戰後と雖も、いわゆる國策として運営会を運用しておつて、そこでそれを運輸審議会の答申案によりますれば、貨物運賃は九割まで、船舶に対してはそのままもうおつ放すという答申のように聞いておりますが、併し苟くも國策を変更するということについてはその後始末をどうするかということは私は重大問題じやないかと思う。又内航、外航、外航に対しても政府が極力やはり國策として推進せねばならんという、これは私は政府の責任だと思うのでありますが、まあ勿論関係方面の指示もあるだろうけれども、もつとやはり海運國策を將來どうするかということについての具体的の案を今ここで御答弁は困難だと思いますけれども、一應当局としては達て委員会にお示しを願いたい、こう思います。
○説明員(岡田修一君) 只今委員長の御注意がございましたが、日本の海運國策といたしまして言わずもがなのことでございまするが、日本船をできるだけ遠く外國航路に就航させるということであります。これに対しまして幸い関係方面の理解ある態度によりまして、本年度三十万トンを目標に外航適格船の建造に着手せんとしつつあるのでございます。ただこの外國航路への日本船の配船に対しましては、非常に多くの障碍が予想されるのでございます。これは関係方面におきましても非常に好意的に取計つてくれてはおるのでございますが、海運のここに外の商品貿易と違つた特殊の関係があるということを十分御了解をお願いしたいと思うのでございます。他の商品貿易でございますると、相手國との間においていわゆる有無相通の関係で、お互いに利益を得るという関係にあるのでございまするが、この海運産業におきましては、日本の海運が興るということは明らかに連合國の海運と鋭く摩擦をするわけでございますが、そういう点。それから更に日本の海運というものがそれらの連合國の手に今握られている形で、今日本船が外へ出ますのも日本船として出るのではなしに、いわゆる連合軍の管理船として連合國の特別のフエーバーの下に出して貰うというような特況にある。尚日本海運に対する規模をどういうふうにするか。日本の海運の將來をどの程度にするかということがまだ連合國間でこれからの問題として残つているというふうな点がございまして、私共の最も念願とする日本船の外国航路への進出ということが今より以上に始難な事態を残している、包藏しているということを御了承置きを願いたいと思うのでございます。この運営会自体の問題にいたしましても、そういうむずかしい状況の下において日本海運をどういうふうにして育成して行くか。外國の海運につきましては非常に手厚い保護の下にその助長を図つている。而もそれらの海運國は日本の占領國である。それが非常に強い日本海運の復興に対する競爭相手國と、こういうふうな状況下において、どうすれば日本海運を育成して行くか。その日本海運の維持のために船舶運営会というものがどういう役割を演じて行くかということも併せて御了解置きを願いたい事項であると、かように考えているのであります。
○委員長(板谷順助君) この前の委員会におきまして、我が運賃改正案を修正をしたいというその案は、先程石井部長のお話のように、昭和十一年の戰前には、その当時の物價と運賃の割合は四・六だつた、そこでその際における物價と運賃の割合が七割上るならば、丁度その四・六になるというような意味において我々は修正案を作つたわけでありますが、今承るというと、九割上げるというと運賃の割合が四・三というような御説明であつたが、要するに鉄道のつまり独立採算制を維持し、或いは又貨物運賃を、飽くまで九割で守るということについては、どうしても船の調整を図らなければならん、内航、外航をどうするかということが、從つて將來鉄道貨物運賃を修正する結果になると私は思います。先ず第一に現在の船舶をどの程度まで外航へ出すか、或いは内航においてはどの程度まで海陸運賃の調整ができるかというようなことについては、当局としては非常にお考え置きを願いたい。今日の新聞あたりを見るというと、石炭まで要するに、國策としてやつたものであるが、中小炭鉱が、三十近く廃坑になるというような関係から、政府はこれに対する何か補助政策をとるということも出ておりますが、補助ということは、なかなか困難と思いまするけれども、この、つまり内航、外航これをどうするか、その調節によつて、この鉄道貨物に重大な影響が來るのじやないかと私は思います。それはまあ一つ数字等もお考えを願つて適当な措置をとつて頂きたいと思います。 外に何かお尋ねがございますか…。それじやこの問題はこの程度にしておきまして、高田君あなたの御要求によつて、御説明を伺うことにしましようか。
○高田寛君 鉄道監督局長にお尋ねしたいと思いますが……。
○委員長(板谷順助君) 銀行局長もおいでになつております。
○高田寛君 今度のシヤウプ使節團の勧告によりまして、私鉄事業者の負担というものが、私共の認識するところでは、非常に重くなるのじやないか、つまり固定資産の再評價による差益に対する課税とか、或いは不動産税とか、或いは附加價値としての事業税というものを合算しますと、非常に私鉄業者に負担が重くなつて、営業が続けて行かれないような状態になるのではないかということを懸念しておるのであります。それで、関東地方の主要な鉄道だけに当つて大体調べましたところが、今度の租税制度によりますと、全部の営業收入に対して二六%ぐらいが税金として來年度に取られるんじやないかというような調査も聞いております。まあこういうようなことになりますと、大体大きな不動産を固定させていて、而も鉄道事業というようなものは、さほど大きな收益を挙げることはできない状況でありますので、まあこれに対して何らか特別な配慮が必要じやないかと考えております。つきましては、この監督官廳として運輸省方面でこの税制制度に関連しまして、私鉄事業について、まあ何らかの考慮をしておられるかどうか、その点を一つお尋ねしたいと思います。
○説明員(足羽則之君) 今のお話でございますが、お話のように私鉄鉄道に関しては、資産の再評價の問題、竝びにその後の課税の問題について、非常に大きな影響があるように我々も観察いたしております。数字の取り方によりまして、いろいろまちまちで、はつきりした数字はなかなか簡單に掴めないと思うのでございますが、二十三年度の数字だ極く概況を観察いたしまして、二十三年度では営業收支に対して、税金が約全國的に見まして、一・六%乃至一・七%ぐらいのように、大体計算としては出ておりますが、この税制改正になりました後、非常に数字はまちまちであると思いますが、約それが三四、五%ぐらいな税金になるのではないか、こういうふうに感じを持つております。その基礎にはこの再評價の問題が非常に大きな問題になりますことと、それから鉄道企業というものが非常に大きな部分を固定資産に投資いたしますので、これの減價償却というものが非常に問題になりまして、その今後の税金と、それから減價償却がどういうふうになるかという問題とが絡んで、私設鉄道の企業としての今後の存立に対して、非常に大きな影響がある、こういうまあ見方をいたしておるわけでございます。そこで再評價の問題、それに対する課税、それから今後の不動産税、それから附加價値税、そうした問題につきまして、いろいろと大藏省竝びに地方自治廳と連絡もとり、実情もいろいろ打合せをし、お願いしておるんでありますが、そうした点について、丁度唐沢民営部長を帶同いたして参つておりますので、その経過なり、我々の今考えておりますことを御説明申上げたいと思います。
○説明員(唐澤勳君) それでは只今部長から概略の御説明がありましたが、経過を少し敷衍して申上げます。再評價の差額の課税につきましては、非常な大きな固定資産を持つておりますので、この再評價をあのシヤウプ勧告案の通りにやる場合においては非常は厖大なものになつて参りまして、この再評價のことにつきましては、告程お話もございましたように、関東の業者が出しましたやり方と、我々のやつたのと、若干違いがありますが、最小限度見ましても十四五倍になると思います。從つてその六%の相当額を一年、二年、三年というふうに分けるということは、非常に税の負担が重くなるます、そこでこの再評價につきまして、特別な措置を講じて貰いたい、尚この分納につきましても、一般の個人企業におけると同樣な方法をとつて頂けないかというようなことで、大藏省の方とも御相談しておるわけでございますが、お願いといいますか、御相談しておるのでありますが、その結論はまだついておりません。本日実はこれらの問題につきまして、関係各廳の相談の会もある模樣です。これらにおいてもいろいろ議論があることと思いますし、尚又本日の新聞にもあるように、主税局としての案も出ているようでありますが、我々としましては、何らかこれについて特段の措置を講じて貰うというふうに考えておるわけでございます。それから固定資産税の方につきましては、地方鉄道企業につきましては、土地に対する租税について、從來免税されておるのでありまして、從つてこれも從來通り免除をして貰う、それから尚この勧告案によりますと、電柱税であるとかそれから軌道税というようなものは、存置することになつておりますので、固定資産税の適用に当つては、これらと重複するということになると思いますので、固定資産税からは、こういうものは、電柱税、軌道税というものを除いて貰いたい、尚電柱税、軌道税というものの中に、例えば隊道であるとか橋渠であるとか、その他電柱に当然附帶するところの資産というものも附加して、これを固定資産税から除いて貰う必要があるのじやないか。かように考えておるのでありますが、この点につきましては、地方自治廳の方においてもその趣旨は了とせられて研究したいというような模樣もあるようであります。尚まだ具体的には結論に至つていないように見受けられます。それから附加價値税の方につきましても、この鉄道軌道のごとく特に公益性が強く、而も固定資産が非常に多額を要するものでありますから、從來ともこれらの事情を考えまして、いろいろ施策して來ているのでありますが、特に採算度は從來とも非常に低い、而も資本の回轉率は大企業には非常に惡い。又現業の從事員が多数要る。それで人件費が多くなる。そういうようないろいろな特殊な性質がありますので、これを附加價値税につきましては他企業と同樣一律課税にはとても堪えられないだろう。どうしてもこれを相当程度にまで課税率を低くして貰いたい。そういうふうにする必要があるということで、これも自治廳の方と相談しているわけでありますが、この点につきましても御趣旨とするところは了解されているようでありますが、まだ実はこれも結論に至つていないような状況であります。その他法定外の地方税につきましても、特別に緩和して貰う必要があるのじやないかというふうに考えて、これも種々交渉中であります。以上のようなわけでありまして、只今お話もありましたように、あの勧告案を文字通りに適用しますというと、こういう特殊な事業については非常な重い負担になりまして、その事業の存立も危いというような状況になることが考えられますので、いろいろな観点からこれを何とか緩和する必要があると考えまして、以上申上げましたような大体の線によつて関係の省と目下交渉相談中であります。只今までのところでははつきりした結論を得ておらないというような状況であります。
○高田寛君 只今この問題については運輸当局におかれてもいろいろと配慮されておる点を伺つたのでありますが、我が國の輸送事業の相当大事な部門を担当している私設の鉄道軌道事業が今後とも成立ち得るように、この存立を危くすることのないように、この上とも運輸当局で特別の配慮を願いたいと思います。 それから次に問題を変えまして、大藏省の銀行局長にお尋ねしたいと思うのでありますが、問題は主として観光事業の方面のことであります。この観光事業を振興いたしまして、今日の貿易外の外貨を獲得しなければならぬということは、今日では廣く認識されておることと思うのでありますが、これにつきましてやはり大筋は、大事なことは何といいましても外國観光客の宿泊施設、道路の改善、それから又一方対外外容誘致宣傳というようなことが先ず第一に必要なことと思うのであります。この中におきまして、観光客に対するホテルの建設ということが数年來強く叫ばれているに拘わらず、一向捗つておらないのであります。これにつきましては、政府の費用を以てホテルを建設し、この経営は民間の專門の事業家に委託するというような方法も考えられたのでありますが、この点は今日の情勢から言いましてなかなか困難な点が多いと思いますので、その次に考えられます点は、大藏省の預金部の資金の運用によりまして、観光ホテルの建設をすべきであるということか、当委員会の観光小委員会においても言われておるところなのでありますが、まあこれにつきましては、戰前においてすでに預金部資金によつて十四、五の観光ホテルが作られておるのでありますが、今日まあ今年度とは申しませんが、來年度から又預金部資金の貸付によつて、この観光ホテルを建てるという途が開き得るものかどうか、この点を最初にお尋ねしたいと思うのであります。この経済安定の九原則に則つて、経済復興に寄與すると認められる地方起債事業のみを預金部資金の融資対象としておるということも承つておりますが、こういう点から言えば観光事業のためのホテル建設というようなことも、この趣旨に適合するのではないかと考えていますので、この点を一つ銀行局長にお尋ねしたいと思います。
○説明員(愛知揆一君) この問題につきましては、大藏省といたしましても外貨資金の獲得という点から申しまして、戰前の國際收支の計画等に顧りみて見まして、非常に重大な関心を持ちまして、何とか早く計画を推進したいものとかねがね考おておるわけであります。ところ員現在のところは只今お話の通り十分な成果を挙げておらないわけでございますので、その経過を最初に申上げてみたいと思ます。 私共が当初考えましたのは、やはり何らかの形で預金部の資金を活用する以外に差当り良い案はないという結論でございまして、その方向でいろいろと計画をいたしたわけでございます。ところが御承知のように観光施設の問題に限らず、いわゆる九原則下における金融政策の一番大きな要素といたしまして、財政と金融とを完全に分離するということが非常に強く要請されておるわけでございまして、その観点から当初私共が考えましたごとく、預金部資金で例えば地方債、或いは興業銀行債券というものを引受けまして、その金で外客誘致のための施設をするという案は、なかなかその根本的な考え方から言うと、筋が通りにくいわけでございます。でその次に考えましたのは預金部が地方債を通して、そうして覧光施設を拡充するという考え方でございやすが、これは地方公共團体の公営という形をとらなければならないわけでございまして、ところが御承知のごとく今年度におきましては、地方債の発行許可額いうものが二百三十三億ということに限定されておりまして、その殆んど大部分は災害復旧等に充当されなければならない極めて緊急なものでございました。それすら、災害復旧の関係すら、この額を以つてしては十分とは言えないわけでございまして、最近恐らく三十至乃四十億は地方の枠が特別に拡げられると思いますが、到底他の施設にこれを向けることができないというような状況でございまして、その方も現在行詰りを來たしておるわけでございます。で今年度の状況はそういう状況でございますが、同時に新らしく他の金融問題が起つておりまして、例えば公團の関係でございますが、公團は政府機関であるということからいたしまして、むうろ覽光施設等に先んじて公團の金融というものを預金部が先ず第一に見るべきげやないか。れそがいわゆる財政と金融との分離という線から出て参りまするところの一つの考え方で、この点についてはいろいろ私共も実は異論を持つておるわけでございます。今日の結論としてはどうしても止むを得ず公團の方のお手傳いを預金部がしなければならぬという状況でございますが、そういたしますると、当年度におきまして約六百二十六億の預金部として運用し得る金があるわけでありますが、只今申しました地方債の関係と、それからすでに公團関係で融資しております金が二百億足らずに達しておるのでございます。更に今後需要されるところの公團関係の資金、地方債の額の増額ということから申のまして、今後は当初相当余裕があると見込んでおりました預金部資金それ自体に余裕がなくなつて來るということになりますので、根本的な考え方の問題、それから実際の資金繰りの面と両方からますます以て問題が困難になつて参つたのでございます。然らば來年度においてはどう考えられるかということでございますが、來年度中預金部資金増額運用見込額は大体固く見ますると、四百億、相当樂に見ますると五百億となるかと思うのでありますが、然るところシヤウプ勧告にも多少示唆が出ておりますけれども、地方債の許可は今少の現在よりも樂にのてやるべきではないかというような示唆ひ現われておるような関係がございますしで、仮に四百億という純増加資金でありますると、これはやはり地方債に殆んど喰われてしまうということになるのではなかろうか。若干余有がございましても、來年の四月以降に若干存続すると思われる公團関係の方面にも或る程度の手当をしなければならんということになりますると、折角のこの預金部資金の導入ということもちよつと今のところは見込みが立たないという状況になつておるわけでございます。それで最初に申上げました財政と金融とをはつきり分離しようという考え方は、例えで覽光施設というものが國策として是非とも取上けられなければならついということであるならば、むしろこれは財政措置としてやるべきではないか。その際には要するに一口に申のますならば、租税收入その他でその年度の國の事業として行なうべきである。若し金融として行ううならば、預金部、或いは復金というような政治的機関によるところのフアイナンスによつてこれをやるべきではないかという考え方が、非常に率直に申しますと、強過ぎるのではないかという感じもするわけでございます。後で又お話も出るかと思いまするが、序でに申上げけすが、そういうような状況でございますので、只今のところは覽光施設についてはどうしても普通融資で以て考える以外に方法はないのだ、こういう状態でございますので、先般來衆議院等における委員会でも要望が非常に強く出ておるのであります。融資斡旋については相当力を入れて強力にやつておるわけでございます。 その一つの隘路であつたと思われまする外客誘致だけの目的でありますならば、融資順位も優先順位を與えているのでありますので、今回例えば問題になつております日本の宿屋を改裝いたしまして、外國人にも泊り得るようにするという施設への融資は、從來は丙に扱つておりました。これが銀行側の一つの口実にもなつておつたような感じもいたしましたので、実は一昨日取敢えず融資順位を変えるということになりますと、非常に問題が大きくなりますので、いささか疑義はごさいましたけれども、銀行局通牒を発しまして、先般來覽光審議会で取上げられておりまするが、全國三十六ケ所のホテルの改裝につきましては、これを取敢えず乙とみなすという通牒を出したわけでございます。現在融資規制はなきにひとしいのでございますので、丙でありましても実は殆んど支障がない筈なのでありますが、今申しましす銀行側の口実には利用される虞れもありますので乙にいたしました。尚運輕当局とも御相談をいたしまして、尚一層必要ということであるならば通牒で甲の扱いをすることも考えておるわけでございます。取敢えず乙ということにいたしました。この金額は若し銀行が應じますならば、取敢えず差当りのところ確か一億五千三百万円くらいの金額であつたと思いますが、これによりまして三十六ケ所の日本の宿屋が外人にも泊り得るように最小限度に改裝されるということになつておるのでございます。それから他にも実はよく御承知のことと存じますが、外資の導入に関連しての計画が二、三ございます。その際外資の導外につきましても、導入されました外資の日本における利潤が上りました場合に、これをどれだけ米國に還すことができるかということが、外資導入を計画している外國人側の非常な問題になつておりました。又國内的には、例えば米國の資本が半分入ります場合に、後の半分くらいはどうやつて調達するということになりますと、この点はやはり長期に寢る金でございますので、現在の金融組織ではなかなか普通銀行にはこれの援助を求めることは困難であると思われます。それらに関連いたしまして、不動産金融会社というものを別に只今法律として研究を殆めておるわけでございましては必ずしもホテルのためだけというわけではございませんで、不動産にも住宅もというようなことを考えまして、できるだけ長期の金融債券を発行いたしまして、そうして相当長期に固定するような設備資金に充当し得るような組織も現在考案中でございますが、例えば勧業銀行が近く改組されるわけでございますが、その有能なスタツフ、或いは從來の経驗というようなものをそういう方面に活かす意味におきまして、第二勧業会社とでも申しますようなものを或る程度大規模に計画しているようなわけでございます。
○高田寛君 今銀行局長の手廻しよくいろいろな私の御質問したい点を詳細に御説明伺つたんですが、そうしますと、この預金部の資金の運用の関係はこれは先頃郵政省あたりが郵便貯金一千億に達したといろいろ宣傳しているような関係で、この金額に非常に期待をかけていたんですが、今の局長のお話によると、又そこで使い途が、いろいろ使ら方にも相当な面が出て來ておるようでありますが、給局これは以前にやりましたように地方債を起して、その地方の公共團体の事業としてホテルを建てる、建てた物は実際の運営はこれを民間の事業に委託する、こういうような方法はやはりとり得るのですか、如何ですか。この点にちよつと重ねて伺いたいと思います。
○説明員(愛知揆一君) お答えいたします。これは考え得るわけでございます。現にそれに以た例といたしまして、例えば福井は震災のために赤十字病院その他の病院の施設がすつかりやられました場合に、縣の施設として縣を起債を発行して預金部がこれを引受けまして、そうして建てました病院を実際上は或る程度恐らく委託経営されておると思ひます。こういう最近の例もございますし、それから戰前の預金部資金が観光施設をやつておりました場合にもそういう例はあるわけでございます。これは考え得るわけでございます。そこで然らばどういう順預でと申しますと、これは地方自治廳の所管になりますんですが、関係の縣でそういう起債を計画し得るかどうか。又地方自治廳が災害復旧等と見合せてそれを承認するかどうかというところに課題がかかつて來ると思います。先程申上げましたように、來年度例えば四百億以上も地方債が認められるということになれば、私は個人的な考え方でございますが、若干は災害復旧とか、六三制の関係とか、非常に緊急を要するもの何外に多少の別箇の國策的な観点から取上げ得るものが出て参りはしないか、こういうように考えております。
○委員長(板谷順助君) この前の委員会でも問題となつたのですが、大体関係方面において外客誘致ということについては相当熱がある。又先だつて第八軍の司令官ですか、大分接收家屋を返した。又返す方針であるということも新聞に報道されておるのであるから、差当つてその何ですね、外人向きのホテル、接收家屋を返して貰うことが、現在の対策としては本当に政府が積極的にやつて貰わなければならないと思います。
○高田寛君 もう一点お伺いしたいのですが、対日援助見返資金の問題ですが、この見返資金の貸付を受けて、まあ観光ホテルのうちでも最も急を要するようなものを幾つも建てたいというような計画は政府部内においてもあるように承つていたんですが、これはその後の情勢がどんなふうになつていますか。この年度でその実情を見得るような情勢にありますかどうか、この点を一点伺いたいと思います。
○説明員(愛知揆一君) 見返資金の関係は私共の所管外になつておりまするので、ちよつとはつきり申上げにくいのでありますけれども、私の承知しておりますところでは、計画はございますようでありますが、直ちに取上げ得るような、関係方面の了解を直ぐ取り得るようなものはちよつと今のところないのじやないか。尚これも御承知のことと思いますが、見返資金の観光施設への利用ということについては私共随分その筋へ折衝に勉めたのであります。そのときにまあ預金部資金ならば或いは考えてやろう。見返資金に直接持つて來られるのはちよつと持てというようなことがそういう折衝の場合にも話が出ておりましたので、尚一層当面のところは、そこのところがむずかしいのではなかろうかと思つております。
○委員長(板谷順助君) それでは港湾法の効力について大体でよろしうございますから説明をお願いいたします。
○説明員(松村清之君) 局長に代りまして……。港湾法につきましてはずつと以前からC・T・Sとの関係におきまして交渉を続けて参つて來ておりましたのでございますが、去る七月の二十九日に総司令部からメモが出たのでございます。これはまあ御承知とは思いますが、それによりますると、横浜、神戸の占領軍の占領しておる埠頭を返還するから日本側の受け入れ計画を八月一杯までに提出せよというメモでございます。このことにつきましては、昨年八月にもこういつたメモが出まして、日本政府の計画を提出したのでございますが、いろいろの事情、特に日本側におきまする官廳の権限の問題等からこれについて確たる返答がなかつたのでございます。この七月二十九日付のメモにつきましては、まず昨年出しました日本政府側の計画についての不十分であることを指摘いたしまして、次に港湾の管理運営の一元的な母体である。ポート・マネージメント・ボデイというものを設立すること、そして國の機関は港湾の管理にタツチしてはいけないとこういう主要な二点を示唆してこられたのであります。それによりまして日本政府といたしましては、八月三十一日の閣議決定によまして案を立てて、九月一日にG・H・Qに提出いたしておるのであります。ところがその日本政府のこの案の樹立に当りまして、総司令部との折衝の結果反明いたしましたことは、メモは去年からの経緯上横浜、神戸の問題に限定してあるけれども、これは日本全般の港湾の管理運営の計画を出せということであるという趣旨が申述べられましたので、日本政府側といたしましても、九月一日に提出した計画には、日本全体の港湾の管理運営計画を述べまして、その後に横浜と神戸の問題をどうするかということを附け足して出されてあるのでございます。そうしてその補足といたしまして、横浜、神戸の問題については、九月末までに追報告するということになつていて、九月一日に返事が出されてあるのであります。ところがその後横浜、神戸の港湾の管理問題につきまして……ちよつと話が又途切れるようでございますが、大体に九月一日に出しました日本政府の港湾の管理運営の計画によりますると、日本の港湾には主要な所には先程申述べました港湾の管理母体を必ず置くので、管理母体には関係地方公共團体が協議の上適当な者を決めて、それがなつてもよろしいし、或いは特別の公法人、これはまあ外國の一流の港で採用されておりますポート・オーソリテイ或いは地方公共團体の組合でもよろしうございますが、こういう特別の公法人を組織して、これを管理母体に当ててもよろしいと、こういうことになつておりますが、どういう形態に横浜、神戸についてとるかということについて、関係縣市の間におきまして意見が遂に纒まらなかつたのでございます。そこで九月の終りに木村、本多両國務大臣の試案を関係地方公共團体に、横浜、神戸の地方公共團体にお示しになつたのでございます。これも新聞紙上等にちやつと出ておりましたので御承知かと思いますが、それには二案を示されまして、第一案は横浜はポート・オーソリテイでやること、そうしてポート・オーソリテイのの委員の構成は、横浜市が三名、川崎市が二名、神奈川縣が一名、これらの委員は横浜市長が任命する。それから神戸港につきましては、差当り神戸市が管理母体になる。但し市の中に委員会を作つて、それに神戸市の代表五名、兵庫縣の代表二名ということでやる。併しピアーが三本以上返還されるようなことが來たなポート・オーソリテイを作つてやつて行くと、こういうのが一案でございます。第二案は神戸、横浜ともポート・オーソリテイを立ててやつて行く。併し市の持つておる港湾施設については、市條例でポート・オーソリテイに関理運営を委託して、市の所在施設から上がる收入は一度市の收入に全部入れて、ポート・オーソリテイに要する費用は市から改めて支出として出す。この案が出されたわけであります。この二案につきまして、更に地元の公共團体におきまして意見を出しておつたのでございますが、結局横浜港につきましては、委員の数と任命の仕方につきまして、川崎市と神奈川縣とに異議がごずいました。そうして神戸の方につきましては、神戸市がピアーを三本以上を返還ということでなくて、ピアーが全部返還されるまでには遅くともポート・オーソリテイを作るという意見をそこに附け加えたわけで政すいます。そこで結局完全な意見というものができ上りませんでしたので、政府といたしましては政府の試案と、今申上げました二つの試案と、これについての公共團体の意見と、從來の経過とを附けまして、先月末総司令部の方へ提出したのでございます。先程申上げました九月一日に日本政府が出しました日本全國の港湾の管理運営の経過の内容と申しますものは、丁度私の考えておりまする港湾法案の内容とあらかた一致するわけでございます。この港湾法案につきましては、一應先月の十五日にCTSとの関係につきましては、両方でございまするけれども、仮の決定がなされまして、現在C・T・SにおきましてGHQの関係部局との間において交渉されております。從いまして、この法案の問題につきましては、そのメモが出ておりまする関係上、メモについての日本政府の回算に対するGHQ側の態度が如何に表明されるかということが、一應確定するまでは、港湾法案というものを出すというわけには行かないような状況になつておるわけでございます。併しこの事態如何によつては、GHQの方からは、日本政府の計画書の回答として港湾法案というものを出すというような勧告が出ないとも限りませすけれども、一應常識的に考えられますることは、只今の日本政府の計画に対してGHQが如何なる意見乃至は回答をなすかによつて、それに根拠を置いた法案を出さなければならないと思われるのでございます。大体現在の段階におきましては、そのメモの関係と、法案の関係が織り込んでおる関係になつておりまして、法案につきましてはそういつた事情になつております。
○委員長(板谷順助君) 大体分りました、ちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(板谷順助君) それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十六分散会 —————・————— 出席者は左の通り。 委員長 板谷 順助君 理事 飯田精太郎君 委員 内村 清次君 植竹 春彦君 大隅 憲二君 小野 哲君 高田 寛君 結城 安次君 説明員 大藏事務官 (銀行局長) 愛知 揆一君 運 輸 次 官 秋山 龍君 運輸事務官 (海運局長) 岡田 修一君 運輸事務官 (港湾局管理課 長) 松村 清之君 運輸事務官 (鉄道監督局 長) 足羽 則之君 運輸事務官 (鉄道監督局國 有鉄道部長) 石井 昭正君 運輸事務官 (鉄道監督局民 営鉄道部長) 唐澤 勳君