労働委員会 第7号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/04/23
会議録
○倉石委員長 ただいまより会議を開きます。 本日は失業保險法の一部を改正する法律案、職業安定法の一部を改正する法律案、緊急失業対策法案、以上三法案を一括議題に供します。 まず政府側より御説明を求めます。鈴木労働大臣。
○鈴木國務大臣 ただいま委員長から御報告のありました三つの法案につきまして、一括して提案の理由を御説明申し上げます。 最初に職業安定法の改正案の提案理由でありますが、昭和二十二年、第一回國会におきまして、新憲法の精神にのつとり、公共職業安定所その他の職業安定機関が、国民各人に対し、その有する能力に適当な職業につく機会を與え、もつて職業の安定をはかるとともに、産業に必要な労働力を充足し、経済の興隆に寄與することを目的とする職業安定法が制定され、同年十二月一日から施行されておりますことは、すでに御承知の通りであります。爾來一年有余を経たのでありますが、その間、公共職業安定所その他の職業安定機関は、この法律の完全な実施をはかるべく努力を傾注し、今日に至つたのであります。しかるに、さきに発表された経済安定九原則の強力な実施、及び單一為替レートの設定に伴いまして、近く深刻な失業者の出る情勢となつたのであります。このような経済情勢に対應するために、政府は失業対策に万全を期しているのでありますが、この失業対策の中核である職業安定機関の業務の刷新強化をはかり、失業保險法の改正及び緊急失業対策法の制定と相まつて、失業者の生活を安定させ、ひいては経済の興隆に寄與させまして、経済安定九原則の円滑な実施をはかりたいと在ずる次第であります。これが本法律案を本國会に提出した理由でありますが、その概要を御説明申し上げます。 まず、学生、生徒ないしは学校卒業者の職業問題が、今後ますます深刻化する情勢にかんがみまして、新たに規定を設け、学生、生徒の職業紹介の円滑な運営をはかることといたしたいのであります。その第一の方法としましては、公共職業安定所と、学校間の協力体制を確立することであります。すなわち公共職業安定所は、学校の同意を得た場合、または学校の要請があつた場合に、学校にその業務の一部を分担させることができることとしますとともに、学校に対しまして、労働力の需要供給の状況、その他職業に関する情報を提供し、職業選択に必要な助言、援助を與える等、学校と公共職業安定所との連絡を密にすることを規定したのであります。この場合におきましては、学校が職業安定組織の中に入り込んで、職業安定機関として、公共職業安定所と相携えまして、学生、生徒等の職業紹介等に当るわけであります。第二には、学校がその在学生またはその学校卒業者の職業をあつせんしようとするときは、労働大臣の許可を必要とせず、労働大臣に届け出ることにより、無料の職業紹介事業を行うことができることとしたのであります。すなわちこの場合におきましは、一般私営の無料職業紹介事業と同じ規制を受けるのでありまして、政府の監督のもとに、学校の創意くふうにより、学生、生徒等の適切な職業あつせんを期しているのであります。從つて学生、生徒等の職業あつせんにつきましては、学校の実体に即應し、以上の二者択一により、これが完全な実施をはかろうとするのであります。 次に失業者に対する短期の技能養成機関として、今後ますます重要性を増大いたしております職業補導事業、特に身体障害者に対する職業補導については、これが必要な規定を整備し、肢体の不自由なこれらの者に対し、單なる生活上の保護のみでなく、有効適切な職業訓練を與え、その職業生活の前途に光明を與え得るようにいたしますとともに、産業界の要請に即應して、職業安定機関が工場、事業場の行う監督者の訓練に対し、援助いたすことを規定し、深刻な失業情勢に対処すべき職業補導事業の目標を、明確にいたしたのであります。 次に、職業安定機関以外の者の行う職業紹介事業、労働者の募集等に関しましては、非民主的な職業のあつせんに対する弊害を根絶するために、その監督を強化する等、所要の規定を整備いたしたのでありますが、さらに有料職業紹介所に関する国際労働條約の規定及び勧告の趣旨にかんがみまして、政府以外の者の行う有料職業紹介事業を、実費及び営利の二極に区別し、そのおのおのに許可料、保証金に差等を設けますとともに、政府以外の職業紹介事業を行う者が、料理店、飲食店、旅館業、古物商等の事業を、兼ね行うことを禁止することといたしたのであります。 以上申し上げましたほか、失業対策の企画運営、求職者及び求人者に対する無料奉仕業務等が、政府の行う業務であることを明確に規定し、調査、審議事項が密接な関連を有する失業保險委員会を、中央職業安定委員会に統合し、職業安定業務の周知宣傳に関する規定を新たに設ける等、本法施行以來の運営の実績にかんがみ、諸般の規定を整備いたしたのであります。 次に緊急失業対策法案の提案の理由を御説明申し上げます。 公共事業については、昭和二十一年五月に連合軍総司令部の命令として発せられました日本公共事業計画原則に基きまして、昭和二十一年度から、経済再建と失業者吸收を目途として、計画実施せられて參つたものであります。しこうして公共事業に対する失業者吸收のためには、公共事業に就労する労働者は、公共職業安定所の紹介によることが、同上覚書に命令せられており、政府はこの命令に従い、行政措置としてこれを実施し、さらに昨年四月以降は、公共事業にさらに一層の失業者を吸收活用するため、公共事業について一定の失業者吸收率を定め、この方針に基き、失業者吸收のために努力いたして參つたのであります。しかるに今般経済九原則の強力な実施に伴いまして、今後の失業の問題は、いよいよ深刻化することが予想せられ、一部の企業においてはその経営の合理化のため、すでに失業者の発生を見るに至つたのであります。こういう情勢に対処いたしまして、強力な失業対策を樹立し、社会不安の除去と経済安定興隆に寄與いたしますることは、まことに緊要なことでありまして、政府におきましては失業保險法及び職業安定法の改正と相まつて、ここに本法案を提出する次第でございます。 次にこの法律案の概要を御説明申し上げます。まず第一点は、この法律は多数の失業者の発生に対処して、失業対策事業及び公共事業に、できるだけ多数の失業者を吸收し、その生活の安定をはかるとともに、経済の興隆に寄與することを目的とするものでありまして、従來行われて來た公共事業を、失業対策事業及び公共事業の二つに分類したことであります。すなわち従來の公共事業の一環として実施して來たところの失業應急事業を、失業対策事業として、災害復旧、道路、河川等、経済安定本部の認証を要する公共的建設及び復旧の事業を、公共事業として規定したのであります。 第二号は、失業対策事業に関することでありますが、これは公共事業における失業者吸收の過去の実績にかんがみ、将来の失業情勢に対処し、失業者吸收を主たる目的として、労働省の樹立する計画により、これを行うこととしたのであります。しかしてこの法案は、将來の失業の情勢に対処し、失業救済のために、失業対策事業を実施すべきことを定めるとともに、その失業対策事業の性質、失業対策事業実施の準備及び具体的の実施に関し、必要な規定を整備することとしたのであります。失業対策事業は、先に述べましたごとく、深刻な失業情勢に対処して実施するものでありますので、その性質として、多くの労働力を使用するものであること等の要件を定め、これが実施に関しては、労働大臣は常時失業情勢の調査分析を行い、これに基き、所要の失業対策事業の計画をあらかじめ樹立しておくこととなつているのでありますが、その事業種目の決定については、公共事業の事業種目との調整等を勘案するため、経済安定本部に協議してこれを定め、将來の失業情勢に対処すべき失業対策事業の実施の準備を整備しておき、具体的な事業の施行につきましては、労働大臣がその開始及び停止を定めることといたしておるのであります。なお失業対策事業に使用する労働者は、公共職業安定所の紹介する失業者を使用することといたしておるのであります。 第三点は、公共事業に対する失業者の吸收活用の方法の規定でありまして、これについては昭和二十一年五月覚書に基き、今日まで行政措置として実施して來た方針を踏襲し、これを法律に明記することとしたのでありまして、公共事業の事業主体は、その実施する事業について、労働大臣と経済安定本部総務長官と協議して定める失業者吸收率に達する数までに、これを公共職業安定所の紹介により、常に雇入れ使用していなければならないということにいたし、公共事業の失業対策としての任務を明らかにしているのであります。なお公共事業の事業主体は、各四半期ごとの労働者の使用予定人員を、所轄の公共職業安定所長に通知せしめることとし、これに基き、できるだけ多数の失業者の紹介、あつせんが行えるよういたしておるのであります。 第四点は、事業に対する監督でありますが、これは事業面に対する直接の監督ではなく、あくまでも失業者の吸收活用の面からの労務監督に限つておるのであります。從つて罰則については、まつたく規定がないのでありますが、ただ失業者吸收率の定められている公共事業の事業主体が、理由なくその吸收率までの失業者の雇入れを拒んだ場合等のように、本法の規定に反した場合においては、公共職業安定所の報告に基いて、労働大臣が経済安定本部総務長官に請求して、所要の措置を講ずるよう規定するとともに、失業対策事業については、補助金の返還等、必要の監督の措置をも講ずることとしおるのであります。 最後に、失業保險法の一部を改正する法律案の、提案の理由を御説明申し上げます。 昭和二十二年、第一回國会におきまして、経済緊急対策の一環として、労働者が失業した場合に、失業保險金を支給して、その生活安定をはかることを目的とする失業保險法が制定され、昭和二十二年十一月一日から施行されておりますことは、すでに御承知の通りであります。爾來一年有余を経たのでありますが、この間におきまして、政府は関係職員を鞭励いたしまして、次々その成果をあげ、所期の目的に向つて鋭意努力して參つたのであります。しかるに、さきに発表せられました経済安定九原則に基く諸般の施策を強力に実施することによつて、企業合理化のための企業整備は、その程度、規模等は別として、避けることができないこととなつたのであります。その結果、今後深刻な失業状態が発生するものと予測せられるのであります。しかしてこれら企業整備によつて生ずる失業者は、いずれも失業保險の対象となるものでありますから、これらの失業者に対する失業対策としましては、全般の失業対策の一環として、失業保險によつてこれを保護救済する必要があるのでありますが、現行法の規定は、現下の失業情勢に対処し、その内容において不備で、改善を要するものがありますので、今回失業保險法を改正し、その不備を補い、内容を改善し、失業保險が眞に失業対策一環として、失業者の生活安定、ひいては経済の復興に資することができるようにいたしたいと存ずる次第であります。これが本改正法律案を本國会に提出した理由でありますが、その概要を御説明申し上げますと、次の通りであります。 まず失業保險法の適用範囲を拡張いたしまして、土木建築、映画演劇及び旅館、料飲店等の事業に及ぼすことといたしておりますのは、これらの事業を適用事業とすることについては、本法の制定当初から懸案となつておつたのでありますが、その後の調査によりまして、これが適用に関する成案を得るに至りましたので、今回これらの事業に対しても、失業保險法を適用し、本制度の充実をはかることといたしたのであります。 次に失業保險金の額につきましては、現行法においては百分の六十の率を基準として、賃金の低い者については、最高百分の八十まで逓増した率で支給し、賃金の高い者については、最低百分の四十まで逓減した率によつて支給することとなつておりますが、実際の支給状況を見ますと、その平均は百分の五十四程度にすぎないのでありますので、今回現行の給付率を一律に百分の六十の率に改めて、失業保險金の実質的増額をはかることといたすとともに、賃金水準の変動に應じて、機を失せず、失業保險金の額を自動的に改訂いたしまして、失業者の最低生活の保障をはかり、失業保險の眞價を発揮することができるようにいたしたのであります。 次に保險料につきましては、過去一年間における保險料積立金の状況と、将來における失業の予想とを勘案いたしまして、現行の千分の十一を、千分の十に改めることといたしました。しかして保險料の徴收につきましては、従來の方式を改めて、申告納入の制度によることとし、これによつて事務の簡素化と事業主の自主性の向上とをはかることといたしたのであります。 次に日雇労働者に対しまして、新たに失業保險制度を設けることといたしたのであります。日雇労働者に対し失業保險を適用することにつきましては、本法制定当初において、すでにその必要性が痛感せられていたのでありますが、日雇労働者に関する実情を正確に把握することが困難であり、また技術的に研究を要する事項が多々ありましたために、今日までその適用を見なかつたのであります。しかるに職業安定法による労働ボスの排除と、企業整備の進行に伴つて、予想される就職困難等にかんがみまして、日雇労働者に対する失業保險制度の創設が、緊急の要務となつて參つたのであります。ここにおきまして、新たに本制度を設けまして、日雇労働者に対する失業対策に万全を期することといたしたのであります。 なおそのほか本法施行以来の実績にかんがみ、多少の事務的整備を行うこととした次第であります。 以上三法案はいずれも失業対策の一環として、相互に関連を持つておる問題でありますので、一括して御説明申し上げました。御審議の方式等は委員会自体で決定していただきますけれども、政府といたしましては、三案をできるだけすみやかな機会に、御協賛を得ることを希望いたします。
○倉石委員長 質疑を許します。この際本多國務大臣及び商工省に対する質疑を先に行いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉石委員長 しからば前田種男君。
○前田(種)委員 本多國務大臣がお見えになつておられますので、行政整理の問題について、できるだけ簡単に質問をして、その内容を明確にしていただきたいと考えます。 吉田内閣が行政整理を口にしてから、すでに半歳近くになるわけです、前大臣の岩本國務相が岩本試案を発表してからでも、相当日にちが経過しております。私はこの際、議会も相当過ぎた今日でございますから、行政整理の結論的な段階が、どういう時期に行われるかという点を明らかにしていただきたい。いつを期して行政整理を断行する意思があるか。その内容、人員、あるいは経済的に國費がどれだけ節約になるかということを承つておきたいと思います。実は行政整理の問題について賛成する党派もありますし、絶対反対を唱える党もあるわけで、いろいろ意見はございますが、行政整理ということを口にしてから、半年近くもたなざらしにして置くというようなことで、公務員がどういう状態に置かれておるかということは、大臣もよく御承知であろうと思います。昨年二割、三割の行政整理をやるという発表をされてから今日まで、どこの官廰に行きましても、話に花が咲くのは行政整理の問題だけです。どういうように職制がかわるか、だれが首を切られるか、一体どうなるかということのうわさばかりで、実際に仕事が手につかないというのが、今日の現状であるわけです。私はこうした問題は、できるだけ急速に短時日の間に断行する決意でないと、長い間さらして置くことは、非常に國家的に損失を招くと考えます。数字的には出て來ませんが、そのために政府の仕事が遅延することは、やむを得ない現状になつております。しかも今日では相当感情的になつておる部署もあるやに聞いております。各課の中には、二級官以上はだれとだれで、その中で何人が首を切られる。三級官は何人おるから、そのうち何人首を切られるということを、その課の出入り口に名前を書いて張つてあるということで、全国から集まる人々に、官廰の門をくぐつて、そういう状態で仕事がされておるのを見られるのは、実に寒心にたえないわけです。こういう問題について、当の責任者である本多さんに、その全貌、内容等を明らかにしていただきたい。特に本日は失業対策の三案が上程せられておりますから、そうした見地から、行政整理の内容を発表していただきたいということをお願いし、その答弁を希望いたします。
○本多國務大臣 行政整理が叫ばれてから、実行に時間を要するために、不安な心持で動揺を生じておりはしないかという、御心配からの御質問でありますが、それはそうした面もあろうと思います。それには一日も早くその範囲を明らかにし、安定をはからなければならねと思いますが、御承知のごとく政府におきましては、第三次吉田内閣成立当初におきまして、その根本方針を決定いたしたのでございます。その方針は、行政機構刷新審議会の答申等をも尊重いたしまして、一般会計において三割、特別企業会計において二割、さらに機構は全般にわたつて三割というような方針を決定いたしまして、これに基いて私の行政管理廰がこれを所管いたして、仕事を進めて參つたのでありますが、元來行政機構を根本的に改革するとなりますと、とうていこんな短かい期日で、結論が得られるものではないのでありますけれども、当面の方針といたしまして、まずこれくらい縮小しても、大した支障もなくやつて行けるだろうということから、これでよかろうという結論をつけまして、根本方針を定めて、今度の行政整理は始つたのであります。これに基きましてだんだん調査を進めた結果、各省の機構の縮小案がまとまりまして、これが機構において三割、部局の数が二百九十八かありましたのが、二百十五になりまして、全体において七二%が残り、二八%が縮小されるという機構改革が、現在のところでは、関係方面に行つております農林省を除いたほかは、全部提案されております。この機構縮小に伴う法律案は、三十件近くに上ると思いますが、これは大部分、ただいま申し上げました通り、すでに議会に出ております。あとの問題は、人員整理の問題でありますが、この人員整理につきましては、ただいま申し上げました通りの根本方針に基いて査定を加えたのでありますが、方針はそうきまつておりましても、でき得る限り実情に即するようにという考えから、予算査定の区分等によりまして、職種別等によつていろいろ例外的なものを調査いたしまして、査定が大体まとまつて來たところでございます。この人員の査定がまとまると、今度は定員法となつて議会で御審議を願うことになるのでございますが、この定員法が議会で確定をいたしますと、過剰の人員が整理されるということになりまして、それが予算査定以外の部分については、六月一日から実行されることになつております。しこうして各省において人員を整理いたしまして、最後のところ九月一ぱいに、定員法の定員と、省内の実際の人員とが、符合するようになるという方針で進むことになつておりまして、十月一日には、実際の職員と定員法の定員とが、一致するという結果になることになつております。ここまで參りませんと、今お話のありました、だれかまだ整理されるのではないか、退職を命ぜられる者がまだあるのではないかというような不安は、去らないことと思うのでありますが、でき得る限りその内容等についても、早く人心を安定させるように方針を定め、あるいは退職を申し渡す者には、なるべく早くそういうふうな申渡しをして、安定させるように進みたいと考えております。
○前田(種)委員 今の御答弁でございますが、さらに私が先ほどお尋ねした中に答弁の漏れております点は、今説明された内容から行きますと、一体二十四年度の予算から行きましても、あるいは本年一月から三月までの二十三年度の一番しまいの三月間の実情からいつて、一体経済的にどういう数字が出て來るか。いわゆる行政整理をやることによつて、國費がどれだけ節約になるかという点を、もう一つ明らかにしていただきたいと考えます。それから今六月一日からやると言われましたが、はたして六月一日からやれるかどうかという点を、もう一度だめを押しておきたたいと考えます。 さらに公團関係の問題になりますが、昨日參議院かどこかで御答弁された記事も出ておつたのでありますが、一体公團関係はどういう内容を持ち、どの程度の人員を整理するという見込みか。さらにやめてもらう人々に対するところの退職手当、あるいは失業対策の点について、どういうことを考えておられるか。この点を一括して質問いたしますから、どうぞ御答弁いただきたいと思います。
○本多國務大臣 今回の行政整理の結果、予算にどう影響を及ぼすかという問題につきましては、実は整理人員が確定いたしませんので、実際の今回の行政整理の人員に対應する予算の結果はまだ判明いたさないのでありますが、しかし大蔵省におきまして、本年度の予算査定の際に、二十三万人ほど予算上整理いたしております。この結果どういうふうな予算の縮減になつているかということは、予算委員会等でも説明申し上げたようでありますが、ただいま手元に資料がありませんので、これは後刻資料によつてお目にかけたいと思います。 六月一日から実行できるかという問題につきましては、ぜひとも実行せなければならぬと考えております。さらに退職手当の問題もあつたようでありますが、この退職手当につきましては、從來の閣議決定の準則がありまして、これは普通の場合の退職の二倍の退職手当を出すということになつておりますが、この準則の程度を下らないようにという方針を決定いたして、関係方面とも今折衝中であります。 公團関係につきましては、公團は行政整理の一環としてでき得る限りこれを廃止する。また統合整理するという方針で進んでおりますが、残存するものについては、二割整理する方針になつております。
○前田(種)委員 今退職手当は、從來の閣議決定の内容から、二倍にして支拂いするという答弁でございますが、それは一時金として現金でお渡しになる予定か。それともそれ以外の方法をとられるのか。さらにそれきりで打切るのか。あるいはその他の失業対策の意味も含めまして、退職される人々に対しては、もつとほかの方法を考えておられるかどうか。あるいは職業あつせんの問題についても、その他の方法を政府全体として考究しておられるかどうかという点について、もう一度お尋ねしておきたいと思います。
○本多國務大臣 この退職手当の問題につきましては、これは失業保險金との関係もあるのであります。これはもちろん、ただいまの方針では全額現金をもつて一時に支給するという方針でありますが、御承知のように勤続年数がきわめて短かい人々におきましては、ただいま申し上げました閣議決定の準則によりますと、非常に少額になるのであります。そういう人に対しては、失業保險金との差額はやはり政府が支出しなければならぬ建前になつておりますので、その差額まで含めたものを一ぺんに支給する。すなわち非常に少い人の最低というのを、大体失業保險金との差額の程度まで一まとめにして支給する方法をとつたらどうか、この点もやはり閣議の方針といたしまして檢討中であります。失業対策の問題につ心ましては、これは政府全体の方針としては申し上げることもできますが、こまかく行政整理から何人の離職者が出て、そのうち何人が失業者になり、その民間の失業者と合計されたものが、どういうふうに吸收される計画になつておるかということは、労働大臣からひとつ御説明願いたいと思います。
○前田(種)委員 本多国務大臣に対する質問は他の委員がされるから、私はこれでおきたいと思います。ただし私は商工大臣に質問を申し込んでおりますので、便宜上本多さんのいらつしやる間に、他の委員の方が質問されるなら、私は商工大臣に対する質問はあとまわしにして留保いたします。
○有田政府委員 今前田委員から公團のお話がありましたが、商工省所管の貿易公團につきましては、御存じの通り四月一日に約二千七百名整理されたのであります。いずれも今日までの段階におきましては、大体において就職をいたしたのであります。その点御報告申し上げます。
○川崎委員 今本多國務相の御答弁を聞いていますと、行政整理の対象になる人数は確定しておらないということです。よく新聞に五十万であるとか、あるいは増田官房長官の話では四十万、数字がしばしば違つて載るものですから、非常に不安を覚えておると思いますが、あなたの御答弁のように聞いてさしつかえありませんか。
○本多國務大臣 行政整理の数につきましては、岩本案のときに、たしか五十七万という数字が発表されたと思つておりますが、その内容には公團関係政府代行機関の関係、あるいは地方公共團体の関係等も含まれておるのでありまして、地方公共團体でも御承知の通り百二、三十万もあるのでございますから、これを含めるということになり、しかもその整理率を幾らにするかということによつて、非常に数が違つて來るわけであります。私はこの際は政府としては、國会で議決を願います予算の中から、國家公務員として給料をもらつている者という中央政府の人員について、さいぜん大蔵省の二十三万というものを申し上げたのでございますが、これはすでに予算査定の際、定員が落ちているのでありまして、それが二十三万余あります。多少これに上まわる数字が私の方の案として出て来るのでありますけれども、四十万とか五十万とかいう数字には、中央だけでは、ならないのであります。かりに中央を三十万といたしましても、地方公共團体百二、三十万の二割を整理して、それに加算するということになりますと、やはり五十数万ということになつて来るのでありまして、この地方公共團体の整理につきましては、中央の方針に準じてやるということにはなつておりますけれども、ちようど中央と同じような定員法を設けて、人員整理をやらせるかというような問題については、あまりに自治権に介入し過ぎはしないかという点もありまして、これは檢討中であります。でありますから、中央だけについては、その数は、今まで新聞等で漠然といわれた数とは、大分違つているということを御了承願いたいと思います。この段階になりまして、大体の数字を申し上げないということは、まことに不本意でありますけれども、実は問題になつている点が、相当大きな人員を対象とすることでありまして、大体の数を私が申し上げますと、それがどうなるかという具体的なものがわかることになつて参りますので、実は閣議に月曜の朝、私の方の案を提案することになつておりますから、そこで内定いたしましたならば、また御説明申し上げてよかろうと思います。 〔発言する者あり〕
○倉石委員長 委員長は通告の順に從つて発言を許しております。静粛に願います。
○川崎委員 大体わかりますけれども、各省設置法案は農林省の関係がきまらないので、それがきまり、定員法が出れば、その時期には、中央官廰だけでもの整理の数は言明されますね。
○本多國務大臣 お話の通りはつきりいたします。
○土橋委員 本多國務大臣に私は二、三御質問申し上げます。あなたの方では、大体行政機構刷新審議会というものをおつくりになりまして、そうして人員の整理及び機構の改変について、いろいろ諮問的におやりになつたと思うのでありますが、行政機構刷新審議会の構成というものについても、これに特にその対象となるべき公務員諸君の代表を入れられて、御審議になつたかどうかという点を第一にお聞きしたいということと、それからその構成は、どういうような人々によつて構成をしておつたかということが第二点であります。特に今もあなたの御説明なすつたように、この行政機構刷新審議会の答申に基いて行つたということを仰せになつたわけでありますが、その行政機構刷新審議会の内容についても、私は非常に疑問を持つのであります。 次に第二点の大きな問題としては、政府はいかような方針で、いかような政策を断行せられるとしても、実際国家公務員の人事行政に関しましては、國家公務員法の要請に基いて、現在の人事院において、あらゆる方法、あらゆる手段が講ぜられることは、あなたも國家公務員法の第三條の第一項及び第二項から御承知になつておると私は思うのであります。そうすれば、行政機構刷新審議会において、人員整理に関する問題を取扱うには、少くとも人事院と十分な了解なり、あるいはそういう方面における権威ある査定なり、そういう方法をおとりになつて、お聞きになつたかどうか。それをお聞きにならないで、ただ政府の一方的な考え方で、行政整理の問題を、行政機構の改変と同時にやられるということは、これは國家公務員法の明らかな干犯であると思います。これは国家公務員法の完全な政府の干犯である。從つてこういうりつぱな人事院というものをつくつておきながら、法律をもつて政府が單独に、自分の都合で、財政上の都合で、あるいはいろいろな都合で行政整理をやることは、國家公務員法の違反ではないかということが第二点であるわけであります。 それから第三点としては、今あなたの川崎君に対する御答弁にもあつたのでありますが、地方公務員について、國家が何割かの基準で首を切れというようなことを発する権利は、私はないと思うのであります。今あなた自身もこの点については非常に疑問があるというような御答弁であつたのでありますが、まつたく疑問どころではなくて、地方公務員の行政整理に関する問題は、地方自治体が自分たちの地域内において、自分たちの事業面において当然考える問題であると思う。政府が地方公務員は二割というようなわくを発表すること自身が、地方自治権に対する重大なる干犯でありますので、なぜこういうことをおやりになつてまで、そういうことをやられるかどうかという点について、まず最初に御答弁を願いたいと思います。
○本多國務大臣 行政機構の刷新につきまして、各方面の有力なる、また貴重なる意見を聞きまして、方針を定めるということは、何らさしつかえないと思います。行政制度審議会の意見に基いて、今度の政府の行政整理が行われたと言われました点は誤りでありまして、その意見も尊重して政府が方針を決定いたしたのであります。行政制度刷新審議会の構成につきましては、実はただいま手元に資料がありませんが、あとからこれは構成メンバーなどの資料をお目にかけたいと存じます。 さらに地方公務員の問題につきましても言及があつたのでありますが、この点についても、私は國会が法律を決定する場合に、地方に行政整理を命じ得るかいなかという法律上の権限の問題については、別に申し上げたのではないのでございます。ただ政府の方針として、行き過ぎることのないようにということを申し上げたのでありまして、権限がないかという点になりますと、私は権限はあると思います。國会で法律をつくる場合に、できないことはないと思いますけれども、行き過ぎるようなことをしてはならぬというふうに、私の意見を申し上げた次第であります。 さらに行政整理は人事院において行うべきものであつて、これを政府で取上げてやつたということは、越権ではないかという意味のことがありましたが、この定員法の問題と機構の問題は、行政管理廰の所管事項でありまして、公務員個人々々の、たとえば綱紀粛正問題だとか、だれが能率がいいとか悪いとかいうような問題、あるいは公務員の福利を保護してやらなければならぬというような問題、こういう問題については、お話の通り人事院でありますが、行政機構と人員の整理と、定員法という問題につきましては——今回は定員法によつて行政整理を行うのでありまして、これはまつたく政府の独自の考えで断行して、少しもさしつかえないと思います。ただ具体的な、個々のだれを整理するかという場合の準拠は、公務員法によつてやることになると思います。
○土橋委員 ただいまの三つの御質問のうち、私は第一の点については、行政機構刷新審議会の答申に基いてあなた方はおやりになつたが、労働者の代表、特に行政機構の改変と同時に、行政整理のために失業する諸君がおりますので、そういう諸君の意見をなぜ聞かなかつたかという点を中心にして、行政機構刷新審議会というものは、どういう構成であるか、どういうふうな意見の内容を聽取したかということを聞いておるわけであります。それでまだあなたの御答弁は違うわけでありますが、そういう点で明確にもう一回あなたの御答弁を私はお願いしたいと思うわけであります。 第二の問題は、地方公務員は明らかに地方の財政の関係と、そして地方事務の量によつて人員がきまつておるものでありますので、あなたのいうように一定の基準をきめること、あるいは法律をもつてやることについては、地方廰ではどうにもできないというようなことではなしに、これは全体の問題として、やはり各地方自治團体において、必要な人員の整備は、いかように言われても、自分の地区内の行政を行うために確保しなければならない。これは地方自治の基本的な原則でありますから、そういう点まで、あなたの方でお入りになりますのは、越権じやないかということを申し上げたので、あなたの御答弁はちよつと違うのです。 第三の点は、これは非常に大切な問題で、特に私は十分な御説明を期待しておつたのであります。ところが、あなたのお話によると、行政整理の問題は政府がやるのである。從つて人事委員会は、この問題については何ら権限がないような御発言の趣旨と承つたのであるが、実際は第三條の規定は——これを読みましよう。そうすればよくわかると思う。「人事院は、この法律に從い、左に掲げる事項について職員に関する諸般の方針、基準、手続、規則及び計画を整備、調査、総合及び指示し、且つ、立法その他必要な措置を勧告する」こういう規定があるわけであります。その中の第一号の後段の三行目を見ますと「退職、恩給、免職、人員の減少、勤務成績の評定、人事行政用語の定義及びこれらに関連する事項」とありまして、これらについては当然人事院がやるわけであります。第二号の末段の規定を見ましても、こういうことを書いております。「政府の人事行政に関する調査、研究及び監察並びにこれらに関連する事項」については人事官は当然の責任を持つて出るわけであります。しかも第五條の規定を見ますと、「人事官は、人格が高潔で、民主的な統治組織と成績本位の原則による能率的な事務の処理に理解があり、且つ人事行政に関し識見を有する」云々ということを書いてあるわけであります。こういう点から考えまして、当然行政整理で首が切られるという問題については、人事院等の何分の勧告なり、忠告を受けて、政府がこれをすることが、この規定によつても明確になつておるわけであります。しかるにもかかわらず、政府が一方的に行政機構刷新審議会なるものをつくり上げて、どういうメンバーであるか私は存じませんが、そういう一方的な諸君のお考えで、行政整理の政府の基本的な方針の参考にするなり、諮問的な事項にするということは、政府の非常な誤りではないかという点を、私は指摘しておるわけであります。それに対して今のお話によると、人事院は單に政府がつくつた法律の範囲内において、その内容を実行するというような説明でありますが、この國家公務員法の第三條第三項には、さように書いておりません。この点について政府はどういう交渉をし、今日どういう過程にあるかということについて、まずひとつお聞きしたいと思います。なお行政管理廰は、予算の面から、こういうことをおやりになつたということを聞いておりますが、現に先ほど前田委員の御質問にもあつたと思いますけれども、今年度の政府のあらゆる会合においての説明を聞きますと、大体六十億ないし五十億程度の予算がふえるというような御説明であつたが、そういうような、わずかな予算で五十七万ないし六十万の人を街頭へほうり出し、一方きよう鈴木労働大臣が提案しているような、こういう三つの法律によつても、多額な予算を計上しなければならぬと私は思うのであります。一方首を切つておいて、他の方面で失業救済なり、あるいは失業保險法をつくるなり、あるいは緊急失業対策法案を上程するということは、政府自身が何ら國家の全体のわくから見た場合に、一方首を切つて費用を浮かすが、出た費用は、また失業対策の方に持つて來るというようなことまでやつて、なぜ首を切らなければならないか。この点明確に説明していただきたいと考えます。
○本多國務大臣 政府と人事院との関係ですが、これに人事院におきましては、職階制等についてただいま非常に研究中のようでございます。この職階制ができますと、おのずからそこに過剰人員というものが判明するような組織になるそうでございます。そうした場合の整理については、おのずから職階制と相まつて、人員整理が行われるわけでありますが、今回の行政整理は、政府が一つの政策として、これを断行したいという方針に基いてやつておるのであります。しかしこれについては、人事院と緊密なる通路を保つて行かなければなりませんし、人事院側から、この行政整理をやるについて、必要なる勧告でもなされる場合がないとも限りませんので、進行状況を十分連絡をとつてやつて參つております。勧告が必要であると認められる場合には、向うから適当な勧告をされることだと思いますが、その勧告でなくて、人事院関係において今日研究されておる問題は、たとえば自己の意思に反して解雇を命ぜられた者は訴願でしたか、訴訟でしたかができるというような規定がありますけれども、何十万というような人が退職を命ぜられた場合に、それがみな訴願でもするというようなことになると、人事院では非常に事務量がふえて困るのではなかろうか。こういう際は、ひとつ職階制を法律化しておいたらどうか、というような問題が話題に出ております。さらにまた、勤めていた役所に関係のあつた方面への就職が二年間禁止されておるが、こういう天くだり人事の禁止規定も、この際これを除外したらどうかという問題もあります。さらにまたさいぜん公務員法によつてお示しになりました整理の基準等につきましても、何らか御意見がありはしないかと思いますけれども、人事院におきましてもそこまで結論が出ないものと見えまして、今日まで勧告はしないのでございます。公務員法の規定はいろいろ完備されておりますけれども、それに基く職階制等が整備されておりませんために、それに基く人事院本來の整理の基準、あるいは整理数の基準、あるいは人員の基準というようなものが、今日まだ明確化していないものだろうと思います。 さらに整理の結果の予算に及ぼす影響でありますが、これは退職金という問題があるために、本年度内においては、この人員整理の効果を予算の上でその通り盛り込むことはできないのでありまして、これを一人当り十万円年に人件費がいると考えてみましても、何十万人ならば何十億円という見当がつくわけであります。それに伴う物件費等を勘案いたしますと、来年度からは相当の予算の軽減にも役立ち得るものと考えております。しかしそのために、失業対策の方もそれ以上の金がいる、あるいはそれに相應ずるような金がいるということになつては、これは何にもならない。混乱を起すだけのことでありますから、そういうことのないように、労働対策の方も、それほど金をかけなくても、効果のあがるような準備をしてもらいたいと思つております。
○土橋委員 ただいまの御答弁を聞くと、人事院は不羈独自の立場において勧告をしてしかるべきである。しかるに現在は職階制を中心に研究しているために、そういう人事行政の大きな問題については、まだ人事院では整備ができていない、こういうふうにお考えになつているわけでありますか。
○本多國務大臣 そうです。
○土橋委員 そうすると、これは私は非常な人事院に対する政府の一種の苦情だろうと思うのであります。ところが人事院の方へ參りますと、この問題について、あなたがお考えになつているような答弁はしていないわけであります。特に人事委員会における答弁を聞きますと、これはやはりすベて政府の責任において行われるのが至当であつて、その決定した事項について、人事院はいろいろな問題を処理する。こういう説明をしているわけであります。ところが私はあなたと同じ見解を持つております。アメリカの公務員に関する法律は、ちようど一八八三年であつたかと思いまするが、そのころできた、國家公務員法の制定された根本的な原則からして、政府がどういう処置をしようとも、人事行政に関しては人事院が——現在は職階制を中心に働いているけれども、もつと大きく全体の官職の事務量と、その定員の関係、あるいは一人当りの事務量の関係、時間の関係、あるいはそれが就職から最後の退職するまでの問題、すべてこういう問題について、人事院は総括的な、しかも廣汎な、多角的な檢討を加えて、政府がいかような処置に出ようとも、常に人事院としては適当な勧告を下すなり、給與べースに対する意見を述べることが、基本的な態度であるわけであります。ところが現在人事院は何もしない。ただ政府は一方的に行政管理廰なるものをつくり上げて、一種の御用的な行政機構刷新審議会というようなものをつくり上げて、そこの答申に基いてやるというようなことは、これは明らかに政府が、人事行政に対するところの一方的な誤つた解釈と、誤つた方法によつて、人事行政を実行しているものと考えておるのであります。そこであなたがいかように仰せられても、今あなたがお認めになつておる國家公務員法を、政府は明らかに干犯をして、一方的に行政整理をやるということは、憲法の規定に私は違反すると思う。憲法の規定を見ても、國家公務員法の規定を見ても、政府はさようなことを行うべきものではなくして、給與ベースあるいは行政整理、そういうような問題については、常に人事院の勧告なり、人事院の意見によつて、政府がさらに考究をして、他の面からやるべきであるにもかかわらず、あなたの御意見を承つてみると、首切りに人事院も協力してくれるような態勢だとあなたは御答弁になつている。事実はそうではない。人事院は政府がどういうふうに——九割五分まで首を切ろうとしても、人事院としては默つて今のような状態を見ているわけである。こういう人事院をつくつていることについて、政府は重大なる責任がある。政府自身が人事院の育成発展のためにあらゆる努力を講じないで、行政管理廰というような行政執行の機関、いとも怪しげな機関をつくりあげておいて、そこで行政整理を持つて來るということは、国家公務員法の完全なる干犯である。これは大臣も今の御答弁によつて明白に認められていると私は思つておる。從つて私はこういうような行政整理は、國家公務員法の干犯であるとともに、これは憲法の違反である。從つて日本共産党は、そういう行政整理はその面からいつても賛成ができないと同時に、片方の失業対策の面からいつても、私はこういうような行政管理廰の機構はただちに改組いたしまして、そうして各省ごとに——実際の現在の状況についてはよく御存じでありますから、そういう廰において十分研究をせられ、そうして人員の点については、特に作業官廰においては、大臣も御承知と思いますが、現在鉄道においても、逓信においても、現在の機構を維持するため、より以上のサービスを提供するためには、少くとも人員は、増をするとも、減をしてはならない現状にあるのであります。それは一般会計から特別会計への補助金なり、あるいは繰入金が不十分なために、資材の面の持ち運び、あるいは逓送関係、あるいは運轉関係においても、人員を要するのであります。從つて私は現業に対する二割の行政整理というものは、絶対にこれは考慮願つて、こういう点をまず撤廃をしていただきたいということを、大臣にちよつとお願いをしたいのであります。それから一般中央官廰においても同様でありますが、やはり中央官廰においても——私が現在の電氣通信省の設置法の内容を見ますと、こういうようになつている。大臣はおそらく御承知と思いますが、各郵便局においては、たとえば府中の郵便局を例にとりますと、府中郵便局では八十名程度の從業員であります。その八十名の從業員のところへ、まず郵便局長ができ、その次に今までなかつた課長が——郵便課長あるいは電話課長、電信課長、保險課長、こういう課長をつくつている。そうして一般労働組合では考えられないような、身分的な職階制がしかれておるために、そういう諸君の数だけはふえるのであります。そして実際の下級の職員、逓送、配達あるいは電信のオペレーター、電話の交換台、そういうような諸君は、どんどん人員整理をせられる。こういうような現状であります。行政整理を行うためには、結論的には國家のあらゆる機構から考えまして正しくこれをやらなければならない。ところが上級のそういうものはどんどんつくつて行つている。しかし下の方だけは首を切つて行く。こういう機構が現にあるわけです。逓信省でも、鉄道省でもそうです。そういう点について大臣はどういうふうにお考えになつて、現在の行政整理を一級官、二級官、三級官に至るまでおやりになる考えであるか。現実にそういう問題がある。これは中央官廰も同じだと私は思うのであります。中央官廰もそういうようないわゆる官僚といわれる人、あるいは下級官僚といわれるような人、そういう諸君を、ふやしておいて、下級の諸君が首を切られるという体制が現に現われている。そういう事実についても、私は遺憾ながら賛成することができませんので、そういう点について御説明願いたいと思います。
○本多國務大臣 今回の行政整理が公務員法を犯してやしないかという御意見でございますが、政府はあくまで公務員法の精神を尊重し、今日やつている行政整理は、当然政府として行わなければならない段階であり、やり得るものであるという見解をとつております。あとは御意見でございますからこの問題に関しては以上お答えいたしておきます。さらに現場の実情について詳しく御説明があつたのでございますが、この点は十分研究いたしたいと存じます。
○春日委員 今の点については、今日出されておる三つの法律案に非常に関連があると思います。そういう形で首を切るという問題が非常に應酬されましたけれども、では労働省の問題として実際どういうことになつているかといえば、私は下の方の職業安定所なり、基準局なりをぽつぽつまわつて実情を調べて來ておりますが、たとえばここで失業保險法の一部を改正して、日雇労働者の失業保險を取扱うということになると、この認定をするために、各安定所で非常に人数がいるわけです。あるいは最近の傾向では、昨年暮あたりから見て、倍以上求職者がふえている。人の應接、面接、これにも非常に人数が必要になつて來るというような面ができて來ている。あるいは基準局などにしましても、大体行つて見たところでは、三年に一ぺんくらいしか監督が行き届かない。そのために、たとえば設備なんかに非常に悪いところがあつても、基準法から見てそれを十分監督することができない。たとえば日産の鋳物工場あたりでは珪肺が非常にたくさん発生しておる。これは今まで基準局へ行つてその方の係の課長さんに会つて話してみた。大体今まで珪肺といえば金属鉱山に限ると思つておつた。横浜とか東京に珪肺がありますかと言つてびつくりしておつた。そういうものが製鉄所だとか、鋳物工場というようなところに発生しておる。しかもそれらがほとんど監督されていないというような状態です。もつと基準監督官をふやさなければならぬ。あるいは安定所の人間もふやさなければならぬというのに、私ども聞くところによりますと、基準局と安定所というような、この法律が出される必要がない面にも、やはり三割首を切ると言つておる。そういうことをしてこの法律を出して、これをきめて一体実行できるか、その点についてのあなたの方の見解を伺いたい。
○本多國務大臣 実はどの部局にいたしましても、完全に調査をやり、完全に実行するために必要があるという論点に立つて、人員をふやしますならば、これはまだまだ厖大なものになろうと思います。しかしおのずから國力に相應ずる役人しか、かかえて行けないということは、これはやむを得ないところでありまして、そういう観点から見ますと、おのずからつり合いというものがきまつて來るのでありまして、今御指摘の問題については、研究もいたしますけれども、必要があるからといつて、この論点から、その部局のみにとらわれて行政機構を考えて、厖大化して行くということができない今日の実情であうことを、御了承願いたいと思います。
○倉石委員長 関連質問を求められております。石野久男君。
○石野委員 私途中から來ましたので、あるいはこういうことを大臣から言われたかもしれませんけれども、ただいまも土橋君、あるいは春日君からも申されておりましたが、私ども人員整理について、実際は各行政官廰におきましては、むしろ整理じやなくて、実務から行きますと、人が多く必要だというふうに感じる部面が多いのであります。そこで政府としては、政策をもつてこの行政機構の改革をやり、そうして約二八%の縮小をするということになつたわけであります。この基本的な考え方について、特に政府はどういうような考え方であるのかということをお尋ねしたい。行政機構を改革することについては、今も大臣が國力に相應ずるというようなことを言われましたが、この國力というのは、いわゆる財政的な面において、どうしても行政整理はやらなければならないという考え方から來ておるのか。それともあるいは政府としては、この行政機構が過剰で、非常に冗費が多いという意味から、ほんとうに行政機構の能率化をはかるということが最も重点になつてやつて行くのか。この二点について、いずれが特に重要な政策の重点になつておるのかということをお尋ねしたい。この点については、どちらをも兼ねているという御答弁があるいはあるかもしれませんけれども、それではいけないのでありまして、この点について、私どもはやはり日本の再建という問題を考え、しかもこれによつて起きるところの労働者の犠牲、あるいは日本の再建を阻害するであろうというようなことを考えますときに、どうしてもこの点についての政府の基本的な考え方が、まず第一番に明確にされなければならぬ、こういうように思いますので、その点を大臣からお聞きしたい。
○本多國務大臣 重点は予算の緊縮にあるのであります。
○前田(種)委員 私は先ほど留保しておつた商工省関係の質問を続けて行きたいと考えます。意見はさしはさまないことにして、要点だけ申し上げますので、政府側にできるだげ親切に答弁を願いたいと思います。 今回成立いたしました予算、さらに経済九原則、あるいは三原則、その他いろいろな面から制約されておりますが、ここで必要な問題は、産業面を担当しておる行政官廰としての商工省のいろいろな計画からいつて、はたしてどの程度の失業者が出る見込みをしておるかという点は、われわれが審議する上に重要でありますので、商工省が見て、本年度の失業者の数をどの程度に押えられておるか、その数字を明らかにしてもらいたいと思います。 さらに、今日石炭関係の関連工業においても、あるいは輸出産業、あるいは平和産業としての重要な部門においても、当然今日いろいろな制約のために工場を縮小し、閉鎖をしなければならぬ運命にあるものが、全國に無数あるということは、言うまでもありません。特に中小企業の今日のさんたんたる状態は、目に余るものがあるわけです。しかも行政整理から民間の企業整理ということになつて參りますと——企業整備の中には、整理したならば倒れるというような見方をする人もありますが、私は少くとも商工省としては、その前に設備その他の内容をベストを盡して改善して、日本の産業を守り、育成して行くということについて、最善の努力と指導を與えなければならぬと考えます。そうした面から考えて、商工省の見解を明らかにしていただきたいという点を質問申し上げます。
○有田政府委員 前田委員の御質問にお答えいたします。九原則の線に沿つて失業するのを、商工省で調査いたしましたのでは、大体三十万から六十万程度になると考えております。さらにこれに対して生産計画遂行の結果、政府としては大体五億五千万ドルの輸出を予定しております。それが完成いたしますと、大体重要基礎産業で約二十万、この関連産業で約二十万を要する、かような見解を持つておるものであります。
○前田(種)委員 先ほど私は申し上げましたが、さらに中小工業の対策、あるいは石炭関係の関連産業が非常に今日行き詰まつた状態にあることについて、商工省当局に相当努力してもらつている実情は知つておりますけれども、その後のそれに対する対策について、さらにお聞きいたします。
○有田政府委員 中小企業のあり方につきましては、政府といたしましても非常に関心を持つておるのでありまして、民主自由党が選擧のときに公約いたしました線においても、中小企業のあり方については、政府は非常な重点を置いております。商工省といたしましても、九原則の線に沿いまして、でき得る限り中小企業のあり方に努力いたしておるのであります。一例を申し上げますれば、先般石けんの問題にいたしましても、覚書をわれわれは頂戴いたしたのでありますが、その覚書の中において許された範囲内において、中小企業をあらしめるという線に、商工省としてはあらゆる努力をいたしておるのであります。またその他の面につきましても、九原則、あるいは企業三原則、あるいはドツジライン、そういつた線で、中小企業をあらしめるということに努力をいたしておるのであります。 また失業対策につきましては、今後輸出生産増加のために、産業合理化が行われ、多数の離職者が発生し、その中の相当部分は、今後相当期間再就職の機を失することになると思われますので、失業対策については、生産担当廰として重大な関心を有するところであります。失業対策の確立なくして企業合理化の促進は困難であります。從つて生産増強は困難である。しかも実際問題として、いやおうなしに失業者の発生が増大する傾向にあるので、早急にこれが対策を急務と考えておるのであります。政府としましても、昨年度に引続き、公共事業の実施について、法律的な失業吸收を考慮するとか、失業保險法の改善強化を実施するとか、種々苦慮いたしておるわけであります。われわれとしては眞の失業対策の王道は、生産振興拡充による、雇用機会の積極的増加以外にはないと考えておりますので、この意味からも、輸出産業振興に全力を傾注しつつある次第であります。ただいま申しましたように、現に商工省所管産業における昭和二十四年度生産計画上、九原則実施に伴う雇用変動を推測しても、一方において少からぬ離職が発生しても、他方において少からぬ雇用増加を必要とする状況にあることが、その間の事情を物語つておるものと私は思うのであります。 さらに中小企業の振興のためには、既設の中小企業廰を中心として、鋭意努力しつつあるのでありますが、そのねらいとしては、中小企業の経営及び技術の改善を指導振興して、その水準向上をはかり、第二には、中小企業の公正な企業活動の障害をなす諸条件を除去し、事業活動上の機会均等を質的に保障するという、二つをとつておるのであります。重点産業主義に即應し、輸出部門、関連部門を優先的に取上げて、能率第一主義に立脚しておるのであります。労務問題の最大なものは、労働基準法の適用の問題でもありますが、要は、本法を遵守して、大企業と競争でき得るだけの優秀な中小企業を育成することを、目標として行くべきであると考えております。過渡的には、角をためて牛を殺すようなことのないように、十分実情を考慮した適切な運用で、善処する必要があると考えておるのであります。今後の中小企業の企業合理化については、わが國経済及び社会構造上占めるところの重要性にかんがみ、経済合理性を第一と考え、生産量にとらわれた機械的合理主義を排し、特に合理化に伴う大企業の負担轉嫁から、中小企業を防衛すべきであると、われわれは考えておる次第であります。 石炭の関連産業につきましては、御存じの通り支拂いが非常に遅れておるのでありまして、この点につきまして関係方面と目下交渉を続けておるのでありますが、いまだはつきりした返答をわれわれは受けていないのであります。さらに商工省所管の貿易資金につきましては、おかげをもちまして衆議院は通過いたしました。昨日參議院の委員会は通りましたが、まだ參議院の本会議は開会されておりませんので、參議院の本会議を通過いたしますと同時に、大体貿易関係といたしまして、約百億の遅れておる政府支拂いが、ただちに支拂い得るという方向に通んでおります。また石炭関係におきましても、マル炭関係の支拂いにつきましては、政府としては最善の努力をいたしたいと考えておる次第であります。
○川崎委員 さつき質問しようと思つたことに関連するわけですが、商工省としての失業対策、今失業者が大体企業整備によつて三十万から六十万出るという御答弁があつた。これは鈴木労働大臣がこの間言われたことと符節を合せておるわけで、これを吸收する方面では、貿易産業関係方面に二十万、こういうことを先般鈴木労働大臣は言つておられますが、これに商工省とは関係あつて答弁されたことと思います。一体どういう種類の産業がそれに予定されておるのか伺いたい。
○有田政府委員 輸出産業振興による増加の雇用量は、鉄鋼におきまして昭和二十三年度は二十一万五千九百五十人でありますが、二十四年度には二十四万四千八百人、すなわち三万八千八百五十名増加するものと考えておるのであります。非鉄金属にいたしましても、昭和二十三年度は十三万九百人、それが二十四年度には十三万七千八百五十人、すなわち非鉄金属において六千九百五十人の増加を見込んでおります。また化学方面におきましては昭和二十三年度は二十八万一千九百四十人、それが二十四年度には三十一万三千百三十人、すなわち差引三万一千百九十人の増加を見込んでおります。また繊維関係では二十三年度に四十三万五千三百十人、これに対しまして、昭和二十四年度は五十七万二千九百九十人、すなわち十一万七千六百八十名の増加を見込んでおります。また窯業関係では、昭和二十三年度は十四万七千七百五十名に対しまして、昭和二十四年度は十七万二千百八十名、すなわち二万四千四百三十名の増加を見込んでおります。また機械器具につきましては、昭和二十三年度は八十七万人でありますが、昭和二十四年度は八十七万九千五百人を見込んでおりまして、九千五百名の増加を見込んでおります。計二十一万八千六百名の増加を見込んでおるのであります。
○川崎委員 それは貿易関係の産業ですか。
○有田政府委員 輸出産業です。
○川崎委員 その他の一般産業へ二十万という数字もあげられておりますが、それの内訳はありませんか。
○有田政府委員 大体関連産業——輸出産業に関連しておる産業として、約二十万と見込んでおるのであります。
○川崎委員 本日朝日新聞の号外によれば、為替レートが決定された。久しく業界といわず、一般国民からも待望されておつたところの本問題が、解決の端緒についたわけでありますが、これは公式の発表はまだないものと考えておりますけれども、今回の予算は言うまでもなく、一ドル三百三十円というものを予想して組まれておつたと思うのであります。從いまして輸入関係については特に補給金を追加予算で組まなければ、ここに大きな混乱が起るのではないかと私は思うのです。それらについて商工省としては今日どういうような対策を持つておられるか。商工大臣が関係当局へ行かれたというのも、おそらくそういうことであろうかと想像いたしておりますが、政務次官としてどういうお考えを持つておられるか、伺いたいと思います。
○有田政府委員 川崎委員のおつしやる通り、大体商工省としては三百三十円で計画を進めて立てておつたのが、聞くところによりますと、大体三百六十円になるというようなことであります。ちようどその計画を今立てつつあるのでありまして、正式に発表されますと同時に、商工省といたしましても、川崎委員の御質問に対しまして、はつきりした答弁をいたしたいと考えます。
○土橋委員 ただいま有田次官の御説明の中に、労働基準法の基準に從つて監督行政、特に監督監視を十分やりたいという御説明があつたわけでありますが、実際問題として、ただいまの政府の方針から參りますと、今の御答弁でも、中小企業のあり方は、そのままあらしめるというような御答弁が四回目ばかり出ていたのでありますけれども、どういうふうにあらしめようとしておるのであるか。また実際、今の御答弁の内容のように、政府の方針に從つて、労働基準法の基準によつて監督を嚴に強行いたしますと、労働省の労働基準監督局も、中小企業の諸君が崩壊するお手傳いをしているという、結果が考えられるわけであります。これについてに労働省と商工省とに、どういう関連性においてこれを行われておるか。実際に片方においては、御承知のように輸出産業を重点的におやりになる、そして中小企業の諸君については、労働行政の建前上、基準法の規定に從つて嚴重監視をして、設備の悪いもの、その他機械の悪いものをどんどんかえさせる。そうすると中小企業者は、資金にも資材にも実際困つておりますので、労働省自身が企業整備の、要するにちようちんを持つて歩いているというふうに考えられますが、これについて商工次官はどういうふうにお考えになるか。今あなたの御答弁ではそういうに思われますが、あなたはどういうふうに企業整備をなさろうとしておるのであるか、御答弁願いたいと思います。
○有田政府委員 まず今日の政府を形成いたしておる民自党としても、選挙のときに公約いたしましたように、統制をできるだけはずす、こういうことを計画いたしておりますが、商工省におきましても、今日は統制をできるだけはずす、たとえば繊維方面におきましても、綿あるいはその他の一部を除きまして、大幅に統制を撤廃して、中小企業の自由なる競争をあらしめて行く、そうして中小企業のあり方をあらしめる。さらにまた海外から輸入されるところの原料その他につきましても、でき得る限り統制をはずし得られるものははずして行く、はずし得られないものにつきましても、単なる集中生産制というような行き方でなく、とにかく中小企業をできるだけ育成し得られる面において、今日考究されておるのであります。たしか月曜日には安本長官が、參議院においてそういつたことの答弁をなさるそうであります。近くまた中小企業のあり方につきまして、政府が声明をする。すなわち今日では中小企業につきましては、集中生産制その他の問題におきまして、いろいろなデマが飛んで、中小企業の方々が非常にお困りになつておられるという観点から、政府としてはこれに対して当然声明をすべきであるという見解をとりまして、近く政府はこれに対してはつきりした所信を発表することになつておるのであります。目下安本においてさような御計画がなされ、近く声明せられるということを私は聞いておるのであります。しかしながらわれわれといたしましては、あくまでも許す範囲内で統制をはずして、そうして中小企業を十分育成し得る面に、さらに努力をいたして行きたいと考えておる次第であります。
○土橋委員 ただいまの御発言は非常に私たち感謝しておりますが、そういたしますと政府の方で、長期貸付、短期貸付、あるいは資材の面においても中小企業には万全の御処置が講ぜられる、かように理解をしてよろしいかどうか。さらに先ほど申し上げたように、労働基準法の規定を嚴重に監督するということになりますと、今あなたが御答弁なさつてくださつた内容と、若干異なる方向へ中小企業は參るのでありますが、それも御承知の上で、今私が伺いただしておるような資金、資材の面においても、十分中小企業に対して與えて、中小企業を崩壊させない処置を講じて、なお労働基準法の規定に從うような処置を政府は十分打つて、監督行政をおやりになるということでありますけれども、こういうことは、労働省と相関連をしておやりになつておるかどうか、この点第二点としてお伺いいたしたいと思います。
○有田政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。資金の面につきましては、企業三原則で赤字融資を認められていないのであります。この点につきましては、政府としても與えられた原則の線におきまして、許されない点でありますけれども、要は優秀企業に対してはあらゆる援助をなす、あるいはまた能率第一主義にこれを指導して行くというような点で、中小企業の育成に努力いたして行きたい、かように考えておるのであります。また労働基準法の問題につきましては、中小企業なるがゆえに、特別に差別待遇をするというようなことのないように、大企業と同じような方向に行くべきである、かような考えを持つて、さような差別待遇のないように努力いたしたいと考えておる次第であります。
○土橋委員 最後にもう一点。ただいまの御発言は非常に私は遺憾だと思うのであります。前の発言に対しては私は非常に敬意を表し、感謝しておるのでありますが、ただいまの御発言であると、結局資金なり、資材なりの裏づけのない——特に赤字というものは、会社経理能力が不十分であると同時に、その生産されたものについて十分なる購買力がないというようなことも考えられるし、また会社経営がきわめて不十分であるという点も考えられる。そういうものを育成助長をするためにに、どうしても商工省において、十分な資金なり、資材なりの方法について御考慮願わなければ、これをあらしむることはできないわけであります。從つてあなたのお考えのように、自由的にやらすということになるならば、現在ほとんど日本のすべての、繊維といわず、鉄鋼といわず、石炭といわず、その他あらゆる中小企業は、崩壊せざるを得ないことをあなたは御承知の上で、ただいまのような御答弁をなすつたとするならば、少くとも労働委員会に対して、あなたは重大なる責任を負わなければならぬと思います。從つてこの点は明確にあなたから御答弁願わなければならぬし、また労働基準、監督に関する問題にいたしましても、何も私は中小企業と大企業を差別をつけて、嚴に監督せよとは一口も言つておりませんので、從來のまま労働省とどうい関係でおやりになつておるか、事実これをやれば、中小企業は、さらに労働基準、監督の面からも崩壊せざるを得ないし、あなたの方で資金、資材その他あらゆる便宜をはからつて、これを崩壊しないという確約、あるいは明言をここでおやりにならなければ、ただいまのような御答弁であるならば、これは明らかに先ほどの御答弁と違うのでありますので、この資金、資材をどういうふうにするか、そういう点をもう一回明確にしてもらわないと、われわれは了解できないのであります。
○有田政府委員 金融につきましては、御存じの通り今日は輸出立國の建前をとつておるのでありまして、輸出の面につきましては、でき得る限り金融の道が開いて行くようになつているのであります。從いまして金融の必要のある方々は、こういつた輸出の点に重点を置いて御努力願うことによつて、金融の面もおのずから開けて行く、かように考えておるのであります。
○石野委員 討論をしておるわけではありませんが、一言だけお聞きしておきたい。これは吉田内閣としての一つの考え方を私たち知る上において必要なんですが、ただいま有田政務次官がおつしやられました統制をはずしまして、自由に競争をやらせるということが、今の中小企業を育てるということに合致するというお考えを、やはりお持ちになつておるかどうかということでございます。私どもとしては、むしろそうなると、中小企業は一層苦難の道に入り込んで行くのではないかと思つておりますが、その点について、簡單でよろしゆうございますから、伺いたい。
○有田政府委員 政府といたしましては、大体統制をできるだけはずすことによつて、中小企業の生きるべき道がある、かような見解をとつておる次第であります。
○吉武委員 本日はこの程度にされまして、來週引続き委員会を開会せられんことを望みます。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○倉石委員長 御異議がないようでありますから、本日はこの程度にとどめまして散会いたします。次会は明後二十五日午前十時より開会いたします。 午後三時十六分散会