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5回国会衆議院1949/04/14

予算委員会 第11号

発言数
397
登壇者
22
会派数
10
開催日
1949/04/14

会議録

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 これより会議を開きます。  前日に引続いて質疑を継続いたします。笹山茂太郎君。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 重複を避けまして、簡單に大藏大臣にお尋ねいたしたいと思います。  まず第一にお伺いいたしたいことは、農業所得に関する課税の問題でございますか、御承知の通り、わが國の農業経済の動向は、戰後におきまして膨大な失業人口の環流等によりまして、現在非常に零細化の一途をたどつておるような状況でございます。現在五反歩以下の百姓が全國の農家戸数事の約半分を占めるような態でありまして、しかもこれから得るところの農業所得、これは國民所得の約二割にしか相当しない、きわめて僅少なものでございますが、この少い所得でもつて約半分の人口を養つて行かなければならぬ、こういつた事情にありまして、さらに今後企業整備等によりまして相当の失業者群が農村に還流すると思いますが、この税の徴收につきましては、これらの点について相当愼重にやつていただかなければならぬと思います。今年の所得税は、農業から四百九十七億ぐらいになつておるのでございますが、これは米の供出代金の約半分ぐらいに相当する大きな額でありまして、さらに地方税の増徴あるいは強制寄付等によりまして、農家経済が受けるところの打撃が相当あるだろうと思います。ことに米の單作地帶におきましては甚大な影響かありますので、私はこの所得税の課税、あるいは地方税等の課税につきまして、愼重適正を期する意味合いにおきまして、地方ごとにこれらの税に関しまして関係機関あるいは農民の代表も交えまして、一つの税に関する調査委員会のようなものをつくつて、そうして農民の納得し得るような課税をしなければならぬと思いますが、これについてまず第一にお尋ねする次第であります。  さらにまたこの予算によりますと、農家租税負担の合理化につき適切な措置を講ずるための経費二百九十七万五千円というものがあるのであります。これは一体どういうふうに運営されるのでございますか、この点についてまずお伺いしておきたいと思います。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 笹山さんの前段の御質問は、実はもう質問のあつたことですけれども、簡單に大藏大臣の答弁を願いますが、あなた方の割当時間はオーバーしております。まだほかの小さな党派の方はちつとも質問なさらないのですから、ごく簡單明瞭に要点だけの質問をお願いいたします。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 農業所得につきまして、その地方の組合の方、あるいは精通者におきまして十分調査して課税してもらうようにいたしておるのであります。今農業所得にだけ審議機関を設けるということは考えておりません。審議機関を設けるとすれば、農業並びにその他の産業につきましても同様に取扱いまして、いかなる審議機関を設けるかにつきましては今研究中でございます。  第二の問題につきましては、政府委員より答弁いたさせます。

河野一之大藏事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 これは農業経済の実態を調査いたしまして、どういうふうな経費の支出があるか、收入があるかというような問題につきまして、実情を調査する、こういう関係の経費であります。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 農業所得の関係につきましては、基礎控除に関する分につきましては、先般大藏大臣からよく了解さしていただいたと思うのでございますが、さらに農業所得の計算方法につきまして從來收穫年度計算方式によつておつたのでございますが、これではこのインフレ過程の際におきましては、私は農家の経済の実態に沿わないと思うのでございまして、やはりその年度において確実に收入したものから、その年度において実際かかつたところの経費を差引き、その期間簿記計算というようなものによつて計算したものが、最も農家の事情に沿う方法だろうと思います。これらの算定方式につきましては、これは何も法律を改正する必要はないし、またアメリカの顧問團の指示を受ける必要はないだろうと思うのでありまして、簡單に大藏省だけできまる問題だと思います。これによりまして農家の経済に非常に影響するところが大きいのでありまして、ぜひ農家経済の実態に沿うように、この期間簿記出計算方法をこの際採用する意思はないかどうか、この点をお伺いいたします。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 御質問の内容がはつきりいたしませんが、多分收穫主義でなく、賣却主義によるべきではないか、こういう御質問だと想像いたします、かかる場合におきまして、收穫のときの所得にしないということになりますと、一年間所得を納めなくてもよいということになるのであります。從來の実績課税から現在の予算課税にかわりますときに、問題になつたのでありますが、やはり收穫主義がいい。ことにただいまの財政状況から申しまして、一年間農家の所得について課税しないという方法につきましては、賛成しがたいと思つております。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 私の申し上げまするのは、一年間農家の所得に対して課税しないというのではなくして、その年度におきまして、確実に收入になつた分を收入としまして、その期間内において実際に要したところの経費を差引く。そうして差引して所得を計算する、こういう方法であります。その際のやり方は、たとえば飯米等につきましては、米價が十一月に改訂されるのでございますが、それまでは、前年産米の米價によつて農家におきましては計算するのでございます。しかるに收穫年度計算によりますと、新米價によりましてその保有米の計算をする。保有米の收入、すなわち経営面から消費部面へまわした代金、こういうふうに考えて行きますと、いかにも不合理でございまして、しかもこれらの供出代金につきましては、翌年にまたがるような場合も往々ありますし、また米價に関するところのいわゆるバツク・ペイの收入もあるのでございます。これらは收得の時期によつて課税するのが、私は適当だろうと思います。そういうような考えから、もう一度御意見を伺いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 收穫のときの所得にするという原則がかわらなければ、その他の点につきましては研究いたしてみたいと思います。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 次には所得税の免税に関する問題でございますが、これは現在所得税法の第二十條に金の地金とか、あるいは化学肥料の生産とか、あるいは石炭、石油、亞炭、こういう事業に対しましては、創業に着手した翌年から三箇年間は所得税を免除する、こういう規定があるのであります。現在わが國は食糧の関係におきまして非常にきゆうくつになつておりまして、その増産がしばしば要請されておるのでございますけれども、その食糧の増産というような大切な問題も、これらの鉱工業と同じような、いなこれより以上の必要性があるのでございます。從いまして開墾して新しく食糧増産をするとか、あるいは土地改良をしまして新しく設備を設けるといつたような場合におきましては、やはりこういう鉱工業と同じような取扱いをしていただきたいと思うのでありますが、これに対しまして大藏大臣の所見をお伺いしたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 免税の規定はなるべく縮少したい方針で進んで参つております。從いまして開墾した場合のその所得に対する免税につきましては、ただいままでは考えていなかつたのでありますが、將來の問題として研究してみたいと思います。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 これはほんとうに食糧の増産を獎励するという上から考えると、これらの地下資源の開発とか、あるいは鉱工業の奨励といつたような問題と同じような性質の問題でありまして、ことに化学肥料の増産については、これはなぜ免税するかという点は、これは食糧の増産が大切だからという理由だろうと思います。從いまして本末を顛倒して、末の方だけとにかく免税にして、本の食糧増産に関するような事業について免税しないということは、均衡を失するだろうと思います。將來ぜひとも研究していただきたいと思います。  次には金融の問題でございますが、昨日安本側から農業の長期金融は約百億と算定しているという御説明がありましたが、この資金の実際の運営は、どこから調達してどういうふうに運営されるのであるか、もつと具体的に大藏大臣から御説明を承りたいと思います。     〔委員長退席、庄司委員長代理着席〕

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 安本長官の農業の長期資金に対しまする百億の算定の基礎はまだ聞いておりません。從來農村金融といたしまして、一四半期に十五億円の計画で行つております。將來はこの金融をふやして行きたいという考えでおります。百億円ということはまだ聞いておりません。しかしいろいろな金融状況から勘案いたしまして、適当に処理いたしたいと思います。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 現在特別会計の書類を見ますと、自作農創設特別措置特別会計においては剰余金が三十二億余あるようでございますが、これは多分買うときには農地証券で買い、小作人に賣る場合には現金で賣る、こういつた関係から出た剰余金だと思いますが、こういう剰余金はどういうふうに今後運営されるつもりでありますか、その点をお伺いいたします。

河野一之大藏事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 自作農創設特別事措置特別会計で三十二億の剰余金があるのは事実でございます。これは預金部に現在運用いたしておりまして、三十二億のうち、二十二年度に出ましたものが二十二億、これは、二月の末に預金部に運用されております。あとの十億は二十四年度中に出る見込みでありますが、これはおつしやる通り、買入代金と賣拂い代金との差額がたまつているわけであります。これは將來はこれをもつて農地証券が償還されて行くことになりますので、必ずしも剰余というふうにも考えておらないのであります。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 しかし農地証券の償還期限はああいうふうにずつとあとでございますので、これらのたまつたところの金は農業にちつとも利用されないで、他の方面に利用されるということは、いかがかと思います。ぜひともこの農地証券の償還かあるまで、この三十二億余の剰余金、あるいは來年度においてはもつとふえるかもしれませんが、これらの剰余金は、私は農業のために長期の金融に充てるのが至当だと思います。この点について大藏大臣のお考えを伺いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 お説もつともの点がございますので、善処いたしたいと考えます。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 農業金融につきまして、從來農業手形という制度がありましたが、この手形の適用範囲をさらに拡張して、家畜の購入その他の農業改良代金に利用する方面に、この手形を拡張するお考えはないか、あるいはまたこの農業手形のわくをどのくらい本年度においてはお考えになつておるか、その点を伺いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 実情に沿いまして、農業の発達に資するように、これまた善処して行く考えであります。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 公共事業費の中で、農業に関する公共事業費は去年よりも相当減つておるのであります。これは先般農林大臣が申されました通り、この際食糧増産を大いにやつて、外國からの食糧の輸入をでき得る限り減らす。これがわが國の農政の眼目であるというふうに申されたのでありますが、しかしこの声明にかかわらず、現在現われておるところの予算について見ますと、この農業の公共事業費、これは昨年よりも相当減つておるような状況でありまして、私非常に残念に思うのであります。輸出産業を振興するということももちろん大切でありますが、年年莫大な一千億円以上の食糧を輸入するというような、わが國の状況下におきましては、でき得る限り食糧の自給度を高めるという方向に向つて行かなければならないのでありましてその点から考えて、もつと食糧の増産方面に経費を支出するのが至当だろうと思います。英國は一九五一年まで、戰前の農産物、食糧の生産を五割以上にふやすという目的をもちまして、三千七百万ボンド以上の金を年々支出するようでありますが、これらの関係から見ましても、特にわが國のような食糧の少い國柄におきましては、もつと食糧の増産に経費をさかなければならぬと思います。これに関しましてはイロア・フアンドの方から今後の公共事業費の増加につきまして相当さき得る見込みがあるか、この点について伺いたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 農産物の増産につきましては、極力力を用いなければならないことはお説の通りであります。しかしただいまは何よりもまず経済の安定が必要であるために、遺憾ながら公共事業費は御承知の五百億円にとどまつた次第であります。経済が安定したあかつきにおきましては、御説のように農産物の増産に邁進いたしたいと考えております。

庄司一郎民主自由党

○庄司委員長代理 笹山委員にちよつと御注意申し上げます。あなたの党の持ち分のタイムは少々経過しておりますから御了承願います。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 あと一点であります。  最後にお尋ねした公共事業費の不足分といいますか、足りない分を、將來関係方面との交渉によりまして、イロア・フアンドの方から供給を仰ぎ得るかどうか、この点を伺います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 そういう希望は持つておりますが、実現の目通しはまだついておりません。從つてただいまのところ、はつきりお答えはできない状態であります。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 終りました。

庄司一郎民主自由党

○庄司委員長代理 米原君。

米原昶日本共産党

○米原委員 私は第一にお尋ねしたいのは、先日風早委員から質問がありまして、主税局長がいないからあとに留保するという、例の八千億の脱税の問題があつたわけであります。きよう病氣のため欠席しておるのでありますが、あの問題については主税局長心がいなければ、回答ができないと思いますが、ただ問題はことしの予算の説明書の中でも同様な問題があるわけであります。これはここに書類があるわけですから、これについてだつたら大藏大臣の説明も聞けると思いますから、この点について初めにお聞きします。  それは課税の見込みの所得、あとの方で配当の利子、退職所得、こうした所得の点につきましては、主税局長の方から資料をもらつたわけですが、それを合計してみると、あとに出て來る國民所得の推定、これもこの前の返答では、年度計算と暦年計算では違うから、差が二千五百億出ておるというようなことで、逃げられたようでありますが、実際暦年計算に比べてみると、この差が大体九千五百億ほど今度の場合の予算にも出ておるわけであります。これをどういうふうに説明されるかということであります。つまり捕捉できない所得があるということであります。これはこの前の説明ではさらに暦年と年度の所得の差異、これが二千五百億円ほどある。免税点以下のもの、または控除されるものが二千億円ということであります。ところがこの前取引高税の問題に対する質問の際に、大藏大臣の回答では、三百万人の課税者のうち、三十万人が免税になる。今度一箇月三万円以下の取引を免税したということから減税になる。しかしその結果としては、取引高税は総額としては減額されていない。この点について三万円から計算してみましたが、確かに問題にならない数でありました。その点大藏大臣の説明は大体当つておると思いますが、そうしますと、その免税点以下の所得を削つて行つても、三千億という大きな差が出て來ないと思うのであります。たといおつしやるように二千億円の差が出たとして、九千五百億円の差というものから二千億円引いたところで七千五百億、この大きな差をどういうふうに解釈するか、その点を伺いたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 國民所得の中にある程度課税に乗つかつて來ない所得は認めざるを得ません。しかしそれが八千億円になるかどうか。しかもその八千億円の脱税が大資本家や大やみ師の所得ばかりであるというのは問題だと思います。從いまして後刻主税局長より数字的に御説明いたしたいと思いますが、國民所得と課税所得のずれ、これは一兆何千億かあると思うのでありますが、その中にはお話の全然課税にならない所得、並びに基礎控除その他によつて免除されるもの、あるいはまた事業税で所得税より控除するということを考えてみますと、相当の金額はございますが、しかしこれを勤労所得の中の課税漏れの所得、農業所得の中の課税漏れの所得、商業所得の中の課税漏れの所得、こうやつて参りますと、共産党の言つておるように、大やみ師とか、あるいは大資本家の所得といえば商工業所得と考えていいと思いますので、給與所得とかあるいは農業所得に大やみ師とか大資本家というものはあまりない。そうしてみますと、商工業所得の課税漏れの所得が何ぼになる。こうやつてみますと、お話のような八千億円の脱税とはわれわれは考えていないのであります。その点の数字は主税局長より後刻説明いたさせます。

米原昶日本共産党

○米原委員 ただいま勤労所得をわけてみるとそういう違いがあるとおつしやいましたけれども、事実はそんなに違いがない。勤労所得の場合をわけて私は計算してみたが、これはほとんど違いがない。もちろん勤労所得の場合に脱税がある実証がある。私は実際の例を知つている、それは地方のたとえば農業関係の土木事業などを請負つている人が、税金をかけられるから勤労所得を脱税してやるのだ、こういうことを言つて、労働組合をつくるのを妨害しているという事件にタッチしたことがある。実際上はやはり大きなボス勢力が脱税をやつている。でもありますから源泉徴收ならこんな大きなものが出て來るはずがない。やはりあるのは商工業所得のあるものが大部分であります。この場合でも今申しました九千億のうちの七千億のものが商工業所得で、ほかのものもあまり差がない。その点はこの前説明を聞いたところの二千億、二千五百億、これを引いたところでこれだけの差が出て來る。現在の中小業者の実情を考えてみたら、実際これは総理大臣もこの前正式に言つておられたように、担税力が限界点まで來ていることは事案であります。だからこれは大体においてそういうものだという論旨が成立つ。しかし問題の焦点はそこにあるのではない。そこに問題があるとおつしやいますけれども、そうではない。相当大きな把握されない所得がこれだけあることを認めるかどうか、この点を聞きたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 大やみ師その他の大資本家の脱税が八千億に上る。その計算は一兆六千億の課税外の所得があつて、平均税率五十%として八千億ある。こういうお話、これにつきまして大藏当局としてはそんなにありません。その数字的のものは後刻説明いたしまするが、それはわれわれも脱税しておる人がないということは申し上げないのであります。御承知の通りに査察部を設けまして、どんどん大納税者の脱税につきましては摘発しておる状況でありまするから、脱税しておる人はございます。それは極力調べてみますが、問題の大やみ師の脱税額八千億円ということについて大藏省は異議がある。こう言つておるのであります。

川島金次日本社会党

○川島委員 ちよつと関連して……。今の米原君の非課税の所得の中に相当の脱税があるということは、われわれも推察にかたくなく考えております。この予算説明の中で現われておりまする給與所得者の人員、それから業種所得者の人員と、実際の給與所得者の人員並びに業種所得者その他の人員との違いが相当ある。言いかえれば給與所得は一千百万人だが一千百万人ではない。業種所得においても七、八百万人でありますが、それ以上であることは推定にかたくない。そこで給與所得者でしかも免税されておるいわゆる非課税の分になつておるものがどのくらいになり、人数にしてどのくらい、そうしてその課税所得とみなすべき全体の所得はどのくらい、それから業種その他の人員及び非課税所得になつておる分がどのくらいということを一應わけてある筋合いのものであろう。それをひとつ大藏省に資料があつたならここで説明してもらいたい。それによつてさらに問題が分析されるのではないかと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 先ほどから申し上げておりますように、こまかいことは今主税局長を呼んでおりますので、そのときに御説明いたさせます。

米原昶日本共産党

○米原委員 では要するに、この問題で長く議論する必要はありませんが、捕捉できない所得があることははつきり認められたわけでしよう。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 捕捉されない所得があるというのでなしに、課税漏れの所得があります。

米原昶日本共産党

○米原委員 問題は同じことですね。そうするとやはり課税漏れというと、大体においてさつきも私が言いましたように、脱税が主だとも言えるわけだと思います。その問題はあとでさらに主税局長の数字の説明があつた場合に、詳しく尋ねる予定になつておるわけでありますから、保留しまして次の問題に移ります。  この三月、総理大臣は、担税能力がない者は課税しないようにした方がいいと言われたということが新聞にも出ております。同様なことを官房長官も言われた。官房長官のところにわれわれ代表が行つたときには、面接われわれ代表に向つてその話をされた。滯納八百億円を年度内に強制的に取立てるやり方は、苛斂誅求のやり方であるという言葉も事実吉田首相の言葉として、都内の大新聞にほとんど全部出ておるわけである。そうしますと、この前から税金の問題で各員から質問がありました場合に、相当税金は軽減しなくちやならぬと大臣も考えておると言つておられる。そうしてそのためにはシヨープ・ミッシヨンが來たときに、そこで解決するというように今まで言つて來られた。しからばこの担税能力が限界点まで大体來ておるというようなことを大藏大臣が言つておられるようでありますが、限界点とは一体どういう点を限界点と考えておられるか。これをひとつ聞かしていただきたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 担税能力の限界点ということは、非常にむずかしい問題でございまして、また所得税が重いか軽いかという問題も、財政、経済全体から考えなければならぬ問題だと思います。いたずらに國民所得に対して町制だというふうに、こういう問題は簡單に片づけられる問題事じやない。そのときによつて考えなければなりません。ただ総理や官房長官の言つておられる氣持は、相当所得税がふえて参りますので、しかも所得につきましては税額がふえたほど所得がふえたわけでもない。こういうところで非常に重いと考えておられると思うのであります。

米原昶日本共産党

○米原委員 確かにそのときどきで、その國の状態、いろいろなことで違うということも一應はりくつとしては成立つ。たとえば租税の負担率の國民所得に対する比率というような問題でも、日本の比率は今度とつておる地方税、その他を合して大体二十七、八パーセントでございます。これがたとえば英米ではもつと高いから、日本では軽いのだというような意見も聞いております。しかしこれは実際問題としては、日本の現在の場合、一人当りの國民所得と比較してみなければ、問題にならない。現在の日本ではたとえば強制的な寄付金とか、強制的な農民に対する供出、これは実質上は課税である。生産費を割るところの米價で供出させておるのですから、これは明らかに強制的な課税と同様のものだと思う。そういうものを考えて行けば七十パーセント、八十パーセントにも実際なつておる。この前も公聽会の場合にそういう意見は経済同友会の方でしたか、言つておられたのですが、そういうことが言えると思う。そういう意味で大藏大臣の言葉はうなずけると思うのでありますが、そういう意味に解釈して行つて、すべてをショープ使節團が來た場合にはかるというようにこの前から言つておられる。それでその点について、いろいろ今まで質問が出て、結局ではどういうことになるかという点が各員が質問した結論です。これはいろいろありましたが、総合して一体どこまでそのときにやるつもりなのかという点について聞きたい。一つは、この前から聞いておりますと、取引高税を廃止するということは、まず不可能であるというように考えておられると思う。もう一つ所得税についてですが、所得税の軽減も先日から問題になつておりました。免税店を若干一万五千円を二万円に引上げるという例は、ある程度のものなら実際にできるんじやないかと思うというような大臣の回答だつたと思うのですが、それだけのことを大体考えておられるのかどうか、それ以上のほかの点を、税の軽減について考えておられるのかどうか、その点を聞きたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 先般基礎控除一万五千円を二万円に引上げるということを考えておつたというだけでございまして、シヨープ・ミッシヨンとの折衝のときにそういう案を持つて行くか持つて行かないかはわかりません。また結論がどうなるかにつきましては、私からただいま何とも申し上げられません。

米原昶日本共産党

○米原委員 今大臣の御返答ですと、ショープ・ミッションが來てからの問題である、すべて税金についてはそういう今までの返答だつた。全然確信が一つもない。來なければ最後の結論は下されないというふうに答弁なさつておる。その前には少くとも確信があるということを言つておられた。これは今の答弁では全然ない。そういう確信は全然ないのですか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 前の大藏省内における税制審議会においては、そういうような一万五千円を二万円に上げるような案を考えておつたのであります。しこうしてショープ・ミッションとの折衝の場合におきましては、今まで大藏省における税制審議会で考えておつた案を持つて行くかあるいはまたそれ以上のものかそれ以下のものかは、ただいま研究いたしているのであります。しかし問題の所得税の軽減、取引高税の撤廃につきましては、極力こちらの國内事情を説明すると同時に、外國の制度の模様も聞いて、そうしてまた財政経済全般から言つても、適当なる結論を得たいと思つております。私はこの前言つたように所得税の軽減、取引高税の撤廃、あるいは法人税の改正、中央地方を通ずる根本的な改正につきまして、今案を練つておるのであります。

米原昶日本共産党

○米原委員 先日の話では所得税の軽減については、確信があるとはつきりこの委員会でおつしやつた。きようの言葉ではこれがそれ以上になるかもしれない、あるいはそれ以下の案になるかもしれない。こういうあやふやのことである。一体それでどういうことを考えておられるか、もう少しはつきりしたことを言つていただきたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 今まで答えた通りであります。

米原昶日本共産党

○米原委員 大体はつきりしました。今までと同じように確信がない。こういうことだと思います。それでもう一つ聞きたいのは、今までのこの委員会の発言によると、ショープ・ミッションはまるで日本の税金を免税する目的のために來るような印象をわれわれは受けておりますが、このショープ・ミッションの使命は、はたしてそういうところにあるかどうか、大体どういうものであるがということを聞かしていただきたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 向うさんが日本の税制につきまして再檢討をしに來られるのでありますから、減税とか増税とかいう基本的な考え方を持つて來られるのではないと思います。ただこちらの税制負担等について研究に來られるので、自分の希望としては所得税、取引高税等につきまして改正を加えたい、こういうわけでございます。

米原昶日本共産党

○米原委員 それで大体様子がわかりました。要するに今までの公約を破つて、こういう税金をかけなければならなくなる。その弁解のためにショープ・ミッションの來る機会に、おぼれる者はわらをもつかむというような意味で、今までそういう弁解をされていたということが、今の発言で明らかになつた。ですから、次に進みます。  先ほど担税力の限界という点については、はつきりした言葉も何もなかつたのですが、実際に現在の免税点一万五千円では、たとえば扶養家族が三、四人の普通の小さな商賣人は、免税されるものも相当にある。しかしこの免税点で免税されるものは、三、四人の扶養家族を持つていて、月五、六千円で生活するという状態でなくては免税にならない。事実上現在の税法はそういうようになつておる。三、四人の家族で月五、六千円で生活できるかどうか、これは常識で考えてもわかる。明らかにこれは担税能力を破るというよりも、憲法できめられている日本國民は健康で文化的な生活を営む権利を有するという基本原則を、この税法が無視しておると言えると思う。この税法ははつきり無視していると、私はそう考えておる。そういうものでありながら、しかも今度の予算案を見ると、今度のような政策をとりながら、税金のすべてが増加するような見込みが書いてある。これは今もその点について委員が質問をたくさんしておる。だからその点繰返す必要はないと思いますので、今までの委員が質問しなかつた点についてちよつと質問いたします。  それは源泉給與所得のことでありますが、ここで雇用増加を見込んでおる。給與が上昇するということを見込んで、これだけ今後徴收できるということが書いてある。雇用の増加ということは今までの労働大臣の説明を聞いても、失業者が百二十万人か百七十万人出るということを言つておるわけです。その中で現在就業しておる者で失業する者が七十万ないし百万、これは実際よりもはるかに見積りが少いと考えるのでありますが、こればかりではない。実際は、税金という点から考えれば、最近給料の遅配、欠配が起つている。中には給與が上昇するのではなく、二、三日前の新聞にも出ておりますが、たとえば三共薬品化学では給料を三割引かれている。こういう現象が起つている。おそらくこれは今後続いてつて來ると思います。今までの返答だと、月に現在で百億円源泉徴收できておるから、一年間千二百億は大丈夫だ、こういう返答だつたように思いますが、これらのことを考えてみると、決してそんなにとれるとは思えない。その点について説明していただきたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 見方の相違でございまして、昨年も勤労所得につきまして六百億程度見込んでおつたのに対して、いろいろな議論もあつたと思うのでありますが、しかし結果におきましては、二十三年度の勤労所得に対する所得税は、七百四、五十億円に相なつております。昨年に比べて非常にふえたということは、官公吏につきましても三千七百円ベースが一年間フルに六千三百円ベースになつたこと等を勘案いたしますと、大体この程度の收入はあると確信いたしております。

米原昶日本共産党

○米原委員 見方の相違でおそらく逃げられると思つておりましたが、それは去年の場合は明らかに通貨を増発して、いわゆるあなたたちのおつしやるインフレをあおつた。今度の場合はやらない言われるけれども、事実はおそらくやらざるを得ないという意味だと解釈する。この問題でいくら議論しても水かけ論でありましようし、次に進みます。  結局今までの質疑應答で、この税金がとれるかとれぬかの問題がいろいろ論議された結果、いつも水かけ論に終つて、大藏大臣の言葉を開くと、徴税技術を強化する。徴税の機構の改善をする。だからできるということを結局結論としてここに逃げ場を持つて來ておる。ところで一体徴税技術を強化するということは、どういうことをやるのかということが問題になつて來る。今まで機構を改正するとか改善するとかいう場合いつも改悪だ。公務員法の場合も改正されて改悪、今度の労働法の場合でも改悪。でありますからそういう抽象論は抜きにしましても、実際に最近いわゆる徴税技術が相当強化されている。その点について仮定でなくて、現実に起つている問題について、こういうことを強化と考えておられるかどうかということについて聞きたい。その前に徴税強化と関連して、今度は納税準備預金というものをやると言つておられる。この納税準備預金とは一体どういう性質のものであるか。半ば強制的な貯金をやらせる制度そういう性質の預金を納税のためにやらせようと考えておられるかどうか。この点についてこの際説明していただきたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 徴税技術の向上をはかりまして、徴收の確保を期するつもりであります。徴税技術の向上と申しますと、まず税務職員の素質の向上、すなわち経済に対する相当の知識を持つている人を入れる。あるいは現在の職員の再教育等によつて行きたいと考えております。なお納税預金の制度は強制的のものはございません。任意的のものでございまして、これに対しては所得税の免除等を考えております。

米原昶日本共産党

○米原委員 仮定に立つたのでなく、実際問題として、現在の徴税の実際に行われている点について一々場所とか具体的の名前を言うと非常に時間がかかりますから、仮定ではなく事実起つておることですからこれについて聞きます。たとえば、これは二月の初めに起つたことですが、東京の洋服屋さんのところに差押さえにやつて來ている。ところが日本映画社のニュース班を差押えの人が連れて來た。十五、六人で押しかけて威嚇をやつて、そこにあるところの人から預つた物、それから配給の品物、こういう物と一緒に洋服屋のミシン、仕事場、こういう物を押えた。今月一ぱいに納税したら公賣しないということを言つておきながら、月末にならないうちに公賣をやつているのです。それからたとえばこれも都内の寫眞屋さんの所ですが、やつばり差押えにやつて來て、その税金全部は拂えないから、そのときに三千円ほどとにかくどこかで工面して出したところが、これ受取らないで、その商賣道具よりほかの物があるのに、商賣道具の写眞機、それから衣食住に必要なたんすというような物を押えて、そこでやむを得ないで方々まわつてやつととりそろえて拂つたところが、そのときに税務署の言つて來た額がまた違つて來たというので、それよりもさらに一万二千円多いのがほんとうだつたというのでこの差押えを解除しない。こういうことが現実に行われている。これが徴税技術の強化ということなのです。経済上の知識とかいろいろなことをおつしやるけれども、最近徴税機構強化、いろんなことを言われておりますけれども、実際に行われておることはこれなのです。こういうふうにたくさんある。そこで私聞きたいのは、こういう例もあります。徴税の事務官でなくて單なる事務員が差押えをやる。それからたとえば税務署員以外の今言いました人たちを、トラックに乗せて威嚇的に連れて來る。こういつたようなやり方は一体正しいと考えておるかどうか。この点をひとつ聞きたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 事実を調べなければ何とも申し上げかねます。

米原昶日本共産党

○米原委員 私は仮定を言つておるの場ではない。事実を言つておるのである、私の言つただけの事実でよろしい。こういうことが違法かどうかということを返答してもらいたい。大藏大臣は税金の專門家であるから、この程度の簡單なことはわかると思う。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 税金の專門家といわれますが、今のあなたの御質問は重点がどこにあるかというと、威嚇徴税だというところにあると思うのであります。どんな威嚇か、それが威嚇になるかならぬかわかりませんので、お答えできないと申し上げたのであります。

米原昶日本共産党

○米原委員 そうでなくて、威嚇は確かに解釈の相違があるかもしれませんが、事務官でない事務員が差押えておる、事務官が來ていない。このことはどうであるか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 差押えにつきましては職責のある者が行つておるはずであります。もし職務に從事すべき者でない者が差押えすればそれは違法であります

米原昶日本共産党

○米原委員 そういう例が少しありますからまとめて聞きます。たとえば督促状を出さないで差押えをやる場合、それから財産差押えの証票を見せないで差押えする、こういうようなやり方が実際に行われている、この点についてはどうですか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 督促状を出しても着かない場合もありましよう、いろいろの事実の点があるのであります。しかしそういうことがなくていろいろなことが行われて違法であり不法であれば、取消さなければなりません。

米原昶日本共産党

○米原委員 それから差押え証票のない場合……

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 一々証票の提示の要求があれば提示いたすでしよう。提示の要求のない場合には提示しなくてやる場合もあるでしよう。

米原昶日本共産党

○米原委員 今までのところ実際問題として提示を要求し、また督促状についてもあとで調べに行つての問題である、だから違法であるということがわかりました。それからさつきも例としてあげました他人からの預り品、生活必需品、衣食住に必要なものを第一に差押えする、こういうやり方はどうか。それから最初に商賣道具を差押えるやり方、これについてはこういう話も聞いておる。財務局長が滯納のときは競賣第一主義で差押える、滯納者の一番痛いところを抑える、こういう方針を出しているということも聞いております。そういうやり方が國税徴收法の趣旨にのつとつたやり方であるかどうか、これについては実際判例があると思う。実際こういう問題が起つておるか、こういうことは許されてないと思うがどうであるか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 いろいろな具体的の問題をお出しになりましたが、こういう場合はその場その場で処置すべき問題であろうと思います。

米原昶日本共産党

○米原委員 私は一々の例をあげればもつと詳しく言えるけれども、問題が多いし、こういう例が至るところに起つている。だから現実問題としてこういう点が上つておるから聞いておる。先に押えるものがあるのに生活必需品を第一に押えることができるのかどうか、このやり方が違法であるかどうか……

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 法規に規定してあります。それに違反すればやり方が悪いのであります。

米原昶日本共産党

○米原委員 それでは今までの私の言つたことは全部違法だということがわかります。それでは保留して川島君にかわります。

川島金次日本社会党

○川島委員 簡單に大藏大臣に御質問を申し上げます。途中で主税局長が見えられますれば、主税局長にも一應質問をいたしたいと思います。けさの新聞の報ずるところによりますと、金融政策の根本的改編を目途といたしまして、日銀法の改正、さらにまた金融機関の債権発行特例法の一部改正、融資準則の改正、信用統制法案等々を、政府は最後の腹をきめ國会に提出するということが報ぜられておるのでありますが、この問題はきわめて重要な事柄でありますので、もし政府においてその具体的な方途が決定いたしておりますならば御説明を願いたいし、まだ決定の段階にありませんでも、大体の構想はすでにまとまつて來たのではないかと想像されるのでありまして、この点についてまずお聞かせを願いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 第一日の銀改組につきましては、日銀総裁の上にボードを置きまして、民間人を入れました合議制によつて日本銀行の運営を民主的にいたしたいと考えております。また本年度におきましては、復金債の償還あるいは國債の償還も考えられます。しかしてそれらの資金を日本再建に有効適切に運用いたしますために、債券発行銀行を強化いたしたいという考えのもとに、関係方面と折衝いたしております。ただいまのところ興業債券の発行限度が拂込資本金の十倍というのを二十倍ぐらいにいたしたい、また他の一、二の銀行について債券の発行を認めたいという方針で、関係方面と折衝いたしております。融資準則につきましても、時々金融の情勢によりまして適切にかえて行きたい。信用統制法につきましては考慮中でございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 先般の閣議決定でありましたか、記憶がさだかでないのでありますが、日銀の民主的改組についての決定がなされたものと私は記憶いたしておるのでありますが、その日銀の民主的改革の問題については、今回は日銀法の改正の申には織り込まないという方針でありますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 先般の閣議決定は私は存じておりません。日銀法改正の主たるものは、総裁の上にボードを置くということでございます。しかしてそのボードの性格は、あくまで日本銀行の改組でございまして、これを行政機関にするというふうな考えはないのであります。

川島金次日本社会党

○川島委員 そこでさらにお伺いいたしますが、信用統制を強力にやらまする場合に、今日の金利政策の点は現状維持で行くのか、それとも金利を下げて行くかあるいは上げて行くのか、この問題も非常に重要な問題と思いますが、政府はどのように考えておりますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 貸出金利につきましては、上げる意思はただいまのところございません。なるべく下げたいという氣持でおります。

川島金次日本社会党

○川島委員 政府は國民資金蓄積を本年度二千三百億を予定するごとに資金計画ではなつております。その三千三百億の國民資金蓄積を達成するかしないかは、きわめてこれまた重要な関係を持つのでありますが、その二千三百億の資金蓄積の目標を達成するために、何らか新しい具体的な手を打つという考えがあるかどうか、それを伺いたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 從來の方針でやつて行きたいと思つております。新しい手はただいまのところ持合せがないのでありますが、いろいろな状況の変化によつて、極力二千五百億円を目標にいたしまして、二千三百億円の蓄積を期したいと考えております。

川島金次日本社会党

○川島委員 大藏大臣は先般のこの委員会で、問題となつておりまする税制の改正、ことに所得税法の改正を考えておるが、將來の財源については、價格調整金等を見合つて考えているのだという口吻を漏らされたのであります。價格調整金は二千二十億円と思いましたが、この二千二十億円のうち、輸入補給金の八百三十億その他で千三、四百億円になります。この價格調整金の問題につきましては、ことに輸入補給金を減らせば非常に物價が騰貴する。價格調整金も同断でありまするが、この調整金を若干でも減らせば相当物價に影響があるという考え方のもとに、この調整金を持続されておるのでありますが、今申し上げましたように、大藏大臣の所得税の軽減のかわり財源として調整金を考えておるという言葉を関連して考えてみると、この調整金というものは、本年度内において將來若干消減をするという見通しをもつてこのような言葉を漏らされたかどうか、その点をひとつ伺つておきたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 私はこの債務調整金の各部門につきまして、できるだけ減らしたいと考えております。個々の業種につきまして、その経理状況を徹底的に調べ、できるだけこれを減らすという考えで進みたいと思います。また減らし得ると思つております。

川島金次日本社会党

○川島委員 今の大藏大臣の話によりますと、二十四年度中にこの價格調整金は減らし得るものと見通されておるらしいのでありますが、個々調整によつて減額ができるということになれば、予算の編成当初において、すでにそういう考え方が織り込まれておるとすれば、大体この調整金の減額に関するところの具体的な見通しがあつてしかるべきではないか、かように私は考えるのでありますが、大藏大臣はその見通しをどの程度に持つておるのか、それを伺いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 これは経理状況を見まして——私の想像でございますがどの会社においてどれだけ、あるいは石炭部門でどれだけ、肥料部門でどれだけ、こういう数字はございません。しかし私の見るところでは、経理の合理化を会社の方ではかつていただければ、ある程度減らし得るのではないか、こういう見通しをつけておるのであります。

川島金次日本社会党

○川島委員 どうもまことに納得がいたしかねるのでありますが、まだ実施に入つておらないこの予算の額に対して大藏大臣みずからが、その実施面においては相当の消減ができるという見通しのもとに、この調整金の予算を出したということになるのでありまして、ここに計上されました價格調整金の二千二十億円は、まことに不確定な感じがするような感もいたすのであります。私どもはこの價格調整金の問題については重大な関心を持つておるのでありまして、大藏大臣は先般來しきりと信用統制をやる、そしてデフレではないがディスインフレで行くんだ、しかも一方においては通貨の増発はやらない、從來の債券は償還をする、こういつた一連のデフレ的なディスインフレーションを強行するという建前でありますれば、今後物價の暴騰は当分の間考えられないということになる。そこで問題となるのは、この價格調整金の二千二十億を國民の税の負担においてやるほど、今日絶対に必要な條件であるかどうかというところに、私は相当の疑問があるのではないかと思う。そこでこの價格調整金の二千二十億を何んらかの形において徹底的な洗いをして、そしてできるだけこれを縮小して行くということはきわめて必要なことであろうと思うのであります。しかるに大藏大臣は、ただ将來において個々の内容において調整金を消減する見通しは持つておるが、今のところはほとんどわかつて、おらぬというような答弁でありまするけれども、しかし予算の今や当初であります。当初においてすでに大藏大臣は、繰返して言いますが、これを消減の見込みがあるものだということを言われておる。言われておるからには、私はそこに具体的な若干の見通しはあつてしかるべきだとかように考えるのであります。そこで私はお尋ねいたしますが、これは安本長官もおりませんければわからぬと思いますが、この輸入の補給金等はここで潔く撤廃する。   (庄司委員長代理事退席、上林山委員長代理着席)こういうことになりましたならば、一体國民の経済の上にどのような影響があるか、あるいは具体的に言えば、物價の上にどのようなはね返りの影響があるかというようなことについて、さだめし研究された事柄であろうと思いますが、それについての具体的な所見がありましたならば、まずお聞かせを願いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 予算の実行にあたりましては、各部門につきまして、できるだけ節約いたしたいと考えておるのであります。ことに先ほど來問題になりました補給金につきましても、会社の経理状況を檢討いたしまして、トン当り幾らという当初計画より、合理化あるいは増産になれば、相当減らされるのではないかという見通しを持つておるのであります。なお輸入補給金撤廃という問題でございまするが、これは輸入補給金を撤廃いたしますと、輸入物資の價格がそれだけ高くなりまして、小麦で申しますと、内地分のものをプールしなければならぬ。そうすると主食が土つて來る、こういうので私は撤廃は不可能かと考えます。

川島金次日本社会党

○川島委員 小麦の実例をとつた話でありますが、小麦の國民價格が上つて來るということはわかるのであります。しかし一方において國民は二千二十億円の百厖大な價格調整金を負担し、そこで補給金、調整金は非常に國民の負担を大きくして、一方においてただ物價を押えるという建前だけでもつて補給金を出す、二千二十億の價格調整金を全体において出す。そういう形はインフレーションの時代においてはそれでもよろしい。しかしながら政府は今度は経済安定をする、そうしてディスインフレーションにする、しかも信用統制一方においては強力に行つて行くということになれば、インフレーションの時代とは違つた観点に立つて、いわゆる物價というものは考えらるべき性質ではないかと私は私見としては考えられる。そこで私はかりに輸入補給金八百三十億を、乱暴な話ですが、一ぺん削つてみる。削つてみて一体物價の上にどう影響して、國民が今負担しておるところの二千二十億の調整金との関係はどうなつて來るか。インフレーションの時代に補給金あるいは調整金をちよつとゆるめたり、減らしてみたりすればすぐに物價は上つて來る、物價ははね返つて賃金は上る。賃金が上ればまた物價が上るということはわかるが、今度の政府の方針はディスインフレーション、インフレを収束しさせるというねらいである。一方においては信用統制を強力にやつて行くということになりますれば、物價のはれ返りというものは、インフレーション政策の時代とは違つた形で出て來るのではないか。そういうふうなことについて大藏大臣は調査をされたことがありましようか。それをお聞かせ願いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 われわれ財政当局といたしましては、價格補給金のために税を徴収することはあまり賛成しないのであります。たとえば千二百億円の中に百七十四億円の肥料に対する補給金がございます。農業所得と限つておりませんが、百七十四億円の肥料の價格調整金を出すために所得税をとることがいいか悪いか、こういう問題は檢討しなければなりません。しかしただいまのところ物價水準を動かさないという建前で参りますと、今度のような予算になるのであります。しこうしてこれによつて経済界が安定すれば、その後においては御説のような措置をとる場合を想像し得るのであります。物價水準は動かさないか、ある程度特殊なものには動かして二次、三次製品に持つて行く、そうして補給金を減らすという考え方もありまするが、今回の分は一應これで安定の態勢を整えて、しかる後に物價政策その他につきまして徐々に、いわゆる國際物價市場への橋渡しをするという二段構えの方向で行きたいと私は考えておるのであります。

川島金次日本社会党

○川島委員 この問題はいろいろ私の見解があるのですが、この程度にとどめておきます。  次にお伺いいたしたいのは、先般この委員会の公聽会の席上で、日銀の川北さんからの意見といたしまして、本年度の産業資金は少くとも三千四、五百億程度必要だ、その中で自己資金、あるいは市中銀行の融資等を見合いまして二千二、三百億は何とか調達ができる。その残りの千百億あるいは、千二百億程度は絶対不足額を生ずる。こういつた意味の話が川北氏からありました。この千一、二百億程度の産業資金は、一体、千七百五十億の残りの千四百八十億でありましたか、その千四百八十億の見返り資金の中から、どの程度の産業資金が融通調達されるのであるか、そういう問題について、まだ大藏大臣はきめかねておるようなお話がしばしばあつたようでありますが、もうそろそろこの問題についても具体的になつて來たのではないかと思うのであります。今の産業資金の千百億、あるいは二百億の絶対不足額をどういうような形で大藏大臣は補填をして行こうという考えを持つておるか、具体的に言えばこの千七百五十億の見返り資金の中から、どの程度産業資金が直接投資されるか、この点について見通しがすでにもうついたと思いますが、つきましたならば、この機会にひとつお示しを願いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 川北副総裁の論議は存じませんが、貯蓄の目標、あるいは事資金計画につきましては、先般本委員会へ提出いたしました通りであります。しこうして千七百五十億円の見返り資金特別会計の用途につきましては、先ほど來申し上げておりますように、どれだけが産業資金に行き、どれだけが國債の償還に行くということは、特別会計法に示してあります通りに、先方の承認を受けねばならないことであります。しこうしてまた先方もただいまのところ、はつきりきまつていない状況でありますので、ここで申し上げることはできない状態でございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 公式的には申し述べられないようでありますが、大藏大臣の私見としてはどの程度の希望を持つておるか、それがお話できればお話願いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 先般來たびたび申し上げておるのでありますが、この見返り資金特別会計の鉄道、通信の建設勘定公債を引受けます二百七十億を引きました千四百八十億につきましては、できるだけ産業資金、経済復興資金に向けたいと考えております。

米原昶日本共産党

○米原委員 ただいまの見返り資金の予算について、まだ出てないという話でしたが、きのうの話では二、三日中に出すということであつたのではないですか、これが出なければ、今度の予算の根本がくずれてしまつて、予算の審議ができなくなる。これは重大な問題だと思う。昨日の発言では、この二、三日中に出すとおつしやつたが、その点はつきりひとつ……

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 昨日は予算の明細書を出すと言つたのでありまして、この千七百五十億円の運用計画を出すとは申し上げておりません。

川島金次日本社会党

○川島委員 それでは次に、政府はしばしば行政整理を言明され、そういう構想が具体的にはまとまりつつあるように伺つておりますが、本年度の予算の実行は、問題は私はこの見返り資金の運用、一方一般会計においては徴税の問題、この二つが非常に重要な関連を國民経済に持つものであろう。そこでこの徴税機構の問題も、先ほど米原君からもしばしば言われておりますが、一体税務官の行政整理に伴いまする減少をやはり二割ないし三割を見込んでおるか、その点をまずお聞かせ願いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 税務職員の行政整理につきましては、他の一般官廳とはその趣を異にいたしますので、三割は整理しないと考えております。ただいま一割か二割かにつきましては檢討いたしておると思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 そこでお伺いしますが、一体今日の税務官の数、あるいは税務官の担当しておりまする事務の量、こういつたものを勘案して、しかも本年度は相当の増徴をやらなければならぬ、こういう問題に当面しておるときに、はたして税務官の人員を減らすという可能性があるか。減らしてなおかつその上に立つてこの徴税が完全に円滑に遂行できると大藏大臣は考えておるか、その点をひとつ……

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 税務職員の予算定員につきましては、かなり欠員があるのであります。なぜ欠員があるかと申しますと、今の状況ではなかなか採用しても適当な人が参りません。從つて今徴税機構につきまして関係方面と折衝いたしておりますので、人員が結果においてはふえるようなことに相なつて來るかもわからぬと思つております。この問題は、二百、三日中にきまると思つております。

川島金次日本社会党

○川島委員 おそらく私の見解では、今年度の大増徴を実施しなければならぬという当面の問題を解決するためにも、現在の税務署の人員では、むしろ私は不足をすると感ずるのであつて、決して整理の余地はないのではないかとさえ私は思う。今税務署の実際の勤務を見ておりますと、一人当りその徴税の件数から見ますと、三百ないし三百五十も負担しておる税務官も相当に多いと私は聞いておる。しかも現在の人員で三百件ないし三百五十件の大きな負担を背負い込んでおりますために、私は國民に対するいわゆる納税者に対する親切を欠き、いわゆる税務官僚の独善や、横暴がやかましく論ぜられておるという一つの原因があると思うのであります。從つて場合によればふえるのではないかという今の大藏大臣のお話がありましたが、実際において整理が、できなくて、税務官吏の問題に対しては、整理が実際面において、不可能だという見通しを確実に持つておるのではないかと思うのでありますが、この点はいかがですか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 一人で三百件ないし四百件というお話でございましたが、実は昔は一人で営業税、所得税について二千件、二千五百件持つた例があります。しかしお話の通りできるだけりつぱな人を置いて、そうして調査の適正を期することが、最も國民経済に適切でありますので、先ほど申しましたように、他の一般官廳は三割を原則として整理いたしましても、税務関係につきましては、別途の観点から考えて行きたいと思うのであります。しかもただいま整理の問題は、予算定員に対しての問題でございまして、税務官吏につきましては、相当の欠員があるという状況でございますので、彼此勘案いたしまして、お説のような方向に行きたいと考えております。

川島金次日本社会党

○川島委員 私はこの徴税の問題は非常に大きな問題でありますので、今後税務官の優秀な成績のよい者に対しては、相当特別の優遇をしてしかるべきではないかと思う。しかしその反面において、そうでない不徳の者もあるし、あるいはまたきわめて不親切な独善的な考え方を持つて徴税強行に臨んでおるという税務官もずいぶんあると思うのでありまして、この点は大藏大臣はよく御案内のことだと思います。そこで私は税務官に一定の徴税に対する責任制を確立したらどうかという考え方を持つておる。その一例といたしましては、たとえばただいま申し上げましたように、優秀な税務官に対しては、徴税費の中で資金繰りもできることでありましようから、できるだけ優遇をするということは言うまでもないのでありますが、その反面において、税務官が何か誤つた問題につきましては、これは徹底的に追究して処置をするという、一つの責任制を確立する必要があるのではないかと思います。たとえばこのごろ國民の間で問題になつておりますのは、更正決定等に対しまして、國民の中からしきりと多数の再審査の請求が出る。その再審査の請求を出しても——それは法律上の根拠を持つて出しておる、しかも正当な手続によつてなされたものを、税務官がそれを受付けつぱなしにしてしまう。そういうわけで一箇月たつても二箇月たつても、それに対する何らの調査もしなければ、再審査の要求に対する処置もしておらぬという場合が非常に多いのであります。そこでこういうことはどうかと思うのです。たとえば納税者が再審査の請求を出した場合、一箇月なら一箇月という期間をつけて、その間に税務署の担当官から申請者に対して、何らの通報がなかつた場合には、それは申請者の申請が正しいものと認め、その申請に対して申請者の納税をさせるといういわゆる一つの責任、期間的の責任を持たせる、こういうことはどうかと思いますが、大藏大臣いかがでございましようか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 税務官吏の信賞必罰の御意見は至極同感でございまして、今までもある程度やつておりましたが、その点を強力に進めて行きたいと思つております。なおまたこの信賞必罰につきましては、どうしても内部的に見ただけでは不十分でありまして、一般納税者の協力を得まして、あの税務官吏はこういう態度でいかぬ、あの税務官吏はこうやつておるというようなことを、外部からもわれわれにお知らせ願つたならば、この信賞必罰の制度がうまく行くのではないかと考えております。なお審査請求につきまして、一箇月たつても返事がない場合には、その審査請求が適当なものと認める、ここまで行くのは少し行き過ぎではないかと思います。何と申しましても、ただいまの陣容で、どうしても一箇月以内に何とかしなければならないということは困難でありますので、陣容が整備してから後に考うべき問題だと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 現在の人員では、とてもそういう再審査を一々迅速かつ適正に処理ができないということでありますれば、しばしばこの議会でも問題になつておりまする、税務署ごとにいわゆる民間の代表を加えた徴税調査会とか、あるいはそれに類した委員会などを設けて民間の協力を得て、一般の納税者の再審請求に対する迅速公正な処理をするというようなことを考えられれば、またそこには一つのおのずから通ずる道があるのであります。そういつたことを一体大藏大臣は考えておりますかどうか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 先般から申し上げておりまする通りに、紛争処理機関の設置方につまして、檢討いたしております。

川島金次日本社会党

○川島委員 さらに私は税務官の責任制について一言申し上げたい。こういう場合がある。税務官がたとえば甲に対する所得が百万円あるにかかわらず、非常に錯覚を起したり、あるいは誤つて、ことさらにそれを五十万円くらいに査定してみたり、あるいは百万円のものを逆に百五十万円と査定してみたり、そういう常識的には一見乱暴な結果を見ておることがしばしばあるのであります。そうして、再審査の請求によつて、それがしばしば訂正されることもある。こういつたことは、やはり税務官に責任が持たされておらないというところに私は重大な要素があると思う。そこで私は税務官に著しい怠慢あるいは錯誤あるいは故意、そういうような形で査定を不当にいたしたような場合があつたということがあとで、明瞭になつた場合には、その税務官に対して懲戒とかあるいは何らかの処置を次々にして行くことも、やはり私は一つの税務官に対する責任制だと思う。そういうことがないので、今のところでは一見乱暴なことが常識的に行われているという形であるのであります。そういつた問題に対して、大藏大臣は何とか税務官の本來の責任制をそこそこに確立しておくことをもつて、こういうあやまちをできるだけ防いで行くというお考えはないか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 お尋ねごもつともでございまして、そういうことを考えております。ただあまりに責任制をやりますと、非常に萎縮してしまいまするから、これも程度問題で考えなければならぬと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 そういう責任制をもちろん大藏大臣は考えておると言われるのでありますが、何か具体的な構想はありませんか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 具体的の構想ということよりも、これは税務機構内においてそういうことをいつも監視して、おりまする、税務署長がやるべきだと考えております。そしてまた一般納税者の方からも、甲という税務官吏の態度はこうだというようなことを御通報願えれば、内外協力してお考えの点が実行できるのではないかと考えます、

川島金次日本社会党

○川島委員 さらに続いてお伺いしたいのでありますが、大藏大臣もすでに御案内のように、納税者が正当に完納しておるにかかわらず督促状が盛んに來る、中には誤つて差押えなんかの通知が來る。そこで善良な納税者は貴重な一日を費して税務署に飛んで行くが、窓口ではなかなか話がつかない。一日費してようやく最後に担当税務官に会つて、それは間違つておつたといつて帰されてしまう。私はこれほど國民の貴重な時間を空費させるものはないと思う。これは政府の大きな責任である。一体憲法にも、人権の最も尊重すべき事柄が書いてあるにもかかわらず、そういうことが全國的に非常に頻発していることは大臣も御案内だと思います。そういう場合、町民に対しては一体一日幾らの所得がある。一箇月は幾らある、一年は幾らあると通算しておるにもかかわらず、一方においては税務官の誤りのために、貴重な國民の、瞬間を空費させて行く、こういつた事柄は、私はまことに穏やかでない事柄であろうと思うのであります。そこで私はこういつた事柄に対して、完納者が誤つた通知を受けたために貴重なる時間を費し、日時を費した場合には、政府は何らかの形においてその完納出者に対して実費を弁償するとか、あるいは日当を出してやるとかいうようなことをすることが、政府の当然なすべき仕事ではないか、そういうことについて大藏大臣は何か考えたことがありますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 結論から申し上げますが、実費弁償をやるような制度は使いたくないと思います。御承知の通り三、四年前までは、所得税等は市町村役場で徴収しておりました。それが大部分でありまして、郵便局、あるいは銀行へ納付するのはごく小部分であつたのであります。しかし徴収方法をかえまして、市町村等の公共團体がこれに関與しないことになりました関係上、おおむね郵便局あるいは銀行に納付することに相なつたのであります。しこうして最近の状況を申し上げますと、これは他の官廳のことをとやかく申し上げるのはいかがかと思いますが、郵便局へ拂込みましても、それが納付済みの通知が税務署に非常に遅れる場合があるのであります。それが一定期間遅れることになつておればいいのでありますが、非常に早く通知の來ることもありますれば、非常に遅れる場合もありますので、そういう場合が起こつて來ると思います。從いまして、そういうことを予想いたしまして、督促状を出す日にちを考える、あるいは東京都内等におきましては、向うを呼び出すよりも税務署の方で進んで行くとか、そういう面から納税者に御迷惑をかけることのないように努めて行きたいと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 今大藏大臣はそう言われるのですが、実際はそうでない。実際は場合によると、完納者が督促状を受けたり、差押えの通知を受けてあわてて、飛んで行つて、その日に役に立てばよろしいが、その日はで話がつかぬ場合がある。     〔上林山委員長代理退席、庄司委員長代理着席〕 そしてまた二回重ねて出て行く。二回目に出て行くと担当税務官がおらないということでまた帰つて來る。三度も足を運んで、ようやく完納者が完納したのだといつて結末がつく。こういうことを政府は無責任に考えることはいかぬと思うのです。國民にいたずらに貴重な時間を費さしておいて、しかもそれが政府間の都合、もしくは誤りによつてそういうことが生ずる。そういう場合に私は國民に対して一つの正当な請求権がもつてしかるべきであると思う。請求権というよりは、政府が何らかそれに対して処置をしてやるということは当然な事柄である、そういうことがないからやはりいろいろ乱暴な通知が誤つて出される。やはり責任というものがない。その責任はやはり確立する必要があると思うがどうですか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 私は、まずもつてそういうことのないようなことを政府の方で努むべきだと考えております。それができなければ、二段構えで川島委員のおつしやるようなことを考えなければならぬと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 ないように努めて行くということはもちろんでありますが、事実際において多いわけですから、こういうことの問題はできるだけ早く政府は何らかの対策を立つべきだと私は考えます。なお続いて、お伺いしますが、國民が滯納をいたしました場合には、滯納利子は日歩二十銭今とつておる。ところが一方において政府が誤つて納税義務者から余分のいわゆる過納金ですが、余分の税金をとつてしまう。そういう場合に、納税者から請求があつた場合にそれに当然還付しなければならない。ところがその環付する場合に、國民の側では、滯納した場合には二十銭の滯納利子をとられる。しかるに政府が誤つて税金を余分にとる。その余分にとつた税を國民に返す場合には日歩十銭である。こういう形が今の税法にあるのです。これは私非常に、不合理だと思うのでありますが、その点大藏大臣は何か訂正をする所見を持つておりましようか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 日歩の問題につきましても、從來は三銭あるいは五銭、それから十銭に上り、二十銭になつたような状況でございます。過納金の日歩につきましての——日歩のことは私は今不敏で知つておりません。しかし過納金の支拂いのときの利子と滯納の利子とは必ずしも一致しなければならぬとも実は私は考えていないのであります。しかしこの問題については研究いたしたいと考えております。

川島金次日本社会党

○川島委員 主税局長は出ておられますか。——主税局長がおらぬでも資料を持つておる人がいると思いますから、ちよつとお伺いをいたします。先ほど私が米原委員の質問中に関連してお伺いいたしたのでありますが、給与所得者の政府の説明書による人員と課税所得、そのほかに給與所得者が課税されない分の人員、これは業種所得その他も同じでありますが、その点について資料が、主計局でも持たれておるのではないかと思うのですが、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 主税局長はただいまおりませんので、私のところにも資料が來てはおりますが、これを見て説明いたして過誤をおかしてはなりませんから、主税局長が参りましてから、御説明いたします。

川島金次日本社会党

○川島委員 私は先般資料をちよつと見ただけで、よくわかつておらぬのでありますが、お手元にあるのでありますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 あることはありますが、作製した人でないと説明が誤ると困まりますから、作製者にお話いたさせます。

庄司一郎民主自由党

○庄司委員長代理 それでは午後一時まで休憩いたして、四十五分後に、再開いたします。     午後零時十六分休憩      ————◇—————     午後一時三十二分開議

庄司一郎民主自由党

○庄司委員長代理 休憩前に引続きこれより会議を開きます。  先刻の川島委員に対する大藏当局の答弁が保留になつておりますから、その順序で平田主税局長にお願いいたします。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 所得税の納税者といたしましては、給與所得と事業所得の中では農業所得者、営業所得者その他の事業所得者、この数は明らかでございますが、源泉課税の分になりますと、たとえば預貯金等の分は正確な納税義務者がわかりませんので、この方は調査いたしておりません。その他の分はお手元に配りました参考書の中に載つておると思うのでございます。從いまして大体におきましてその数字が全体の所得税でわかる納税人員だと考えております。銀行預金の利子等は件数等で行きまして、たとえば実人員で何人納税者であるかということは、調査困難であります。もう少し具体的にどういうものかということを御発言願います。

川島金次日本社会党

○川島委員 予算説明の十八ページに出ているのは、二十三年度課税見込み人員及び所得金額を基礎として云々とありますね。その中手、源泉徴収の分の千百四十三万二千人、所得総額は一兆という、これは事業所得の方にもそれぞれありますが、これ以外に課税せられない分の所得があります。その人員と所得額の概算が必ず調べられてなければならないわけだと思います。それをお聞きしているのです。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 そうしますと、結局課税されない見込みの人員ということだろうと思いますが、それは結局國民所得を計算する際に、一応算定しておりますところの人員と課税見込み人員との開きになろうかと思います。その開きは大体勤労所得におきましては、國民所得で見ております人員が千二百九十二万八千人になつております。課税見込みが千百四十三万二千でございます。百四十九万六千人ほど落ちることになると考えます。農業の場合におきまして、國民所得におきましては五百九十万九千人、これは兼業の分も入つております。それに対しまして納税見込み人員は三百五十四万人になりますから、差引きまして二百三十六万九千人というものが課税されない農家ということになります。営業その他におきましては國民所得の計算では三百七十八万七千人でございます。それに対しまして納税見込み人員が二百九十四万七千人でございますから、八十四万人ほどが課税にならないものだと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 今の開きの人員がすべて課税所得以外の非課税、所得に割出されて來るのですか。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 私どもの方は課税人員というものは、前年の実際に課税しました人間に対しまして所得の増減、税法の改正等の関係を考慮しまして、來年度は何人が納税義務者になるだろうか、かような計算方法をいたしているのでございます。從いまして今申し上げました納税見込み人員は、そういう從來の課税実績に対しましてさような考慮を加えまして見込みを出しているのでございまして、國民所得の参考にはいたしておりますが、課税の実際から算定いたしている次第でございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 そうすると國民総所得から課税所得を差引いた一兆億というものが、今お話になつた源泉徴収において百四十九万、農業において二百三十六万、営業において八十四万になつておりますが、この開きの人員の所得が総体的に計算すると非課税所得の分である一兆億に該当すると理解されるものでしようか。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 さようには考えておりません。さような所得の部分と、それから課税の捕捉が困難で、実際において課税されない分と、それから國民所得の計算がはたして正確性を得ているかどうか、その誤差が、その開きの中に入つていると考えます。ただ課税の方は私どもはあくまでも事実において昨年度において課税したものをもとにして、それで見込みを立てておりますから、それは正確なものと考えておるわけでございます、

川島金次日本社会党

○川島委員 この人員の開きを通算いたしまして、大体課税見込み人員と課税所得の関係から照し合せて、その以下の所得になりますが、その所得を基、礎としてこの開きの人員を換算してみますと、おそらく一兆には達しないことは明瞭であります。そうすると今の局長さんのお話のように、この一兆億の非課税所得の中には、國民所得を基礎とする場合には相当の脱税所得があるということが言えるのではないかと思う。そこでかりに本年度において一兆九百七十億円の非課税所得があるとすれば、このうちどの程度が一体脱税所得、いわゆる捕捉しがたき所得であるという推定をされておるか、それをお尋ねしたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 これは私どもは極力税務の能率を上げまして妥当となる課税をやるという前提で、從來の実績に対しまして來年度の所得の状況等も考慮しまして、課税所得を見積つておるのでございます。從いまして現在の実際の税務の能率から申しますと、この程度の課税所得を見込むのは正しいと考えておりまして、お話のごとく、しからば國民所得と課税所得との間におけるギャップ、これが相当ありますことは、前々から申し上げておる通りでございまして、この差額の中には勤労所得の部面にも相当の開きがございます。それから農業所得の中にも相当な開きがございます。それから営業所得等の中にも相当の開きがございますが、それがはたしてただちにこの際完全に捕捉できるかということになりますと、それはやはり徴税能率との関係もありますので、さような点を見込みますのは危険だと考えまして、予算の見積りに対しましては先般から申し上げましたように、前年度において実際に捕捉し得たものに対しまして適当な増減率を乗じまして算定しておるのでございます。問題は大口の方がどれくらいあるだろうか、こういうことになろうかと思います。これは率直に申し上げまして、前から申し上げておりますように、國民所得と課税所得との比較からは簡單には出て來ない。この推定はなかなか困難でありまして、單純に國民所得と課税所得との比較から大口所得の脱税所得を計算するのは、どうも私どもとしては理由がないということを先般から申し上げておるのであります。もちろん脱税調査につきましては、相当勇氣を振つてやつておるつもりでありまして、國税査察部ができてから現在まで約五十億ほど調査によつてふえております。これは主として大きな方面だろうと考えますが、そういうものは全体で幾らあるかということはなかなか軽々に言いにくいのではないかと考えております。

川島金次日本社会党

○川島委員 それでは國民所得は從來の実績課税を続けて行くのだということになると、いつまでたつても非課税所得分の捕捉、ことに大口脱税の捕捉はなかなか容易でないことになる。そういうことを放置しておるのではないでしようが、非常に緩慢な、手ぬるいやり方であることは、國民の負担の公正の上からいつてもまことによろしくないことであると思う。そこでお尋ねしますが、今の局長のお話によると、國税査察部によりまして、昨年度は五十億ばかり見つけた、こういうお話のように承つたのでありますが、ついでに承つておきたいのは、從來やつておりました脱税所得に対する第三者の通報制というものを実施しておるわけでありますけれども、本年度も何か二億五千六百万円ばかりその方面の費用に充てておるようでありますが、二十三年度の第三者通報によつて得られた件数あるいは所得額、あるいはまたそれに対する課税額、こういつたふうに最も最近の場合においてはつきりしている数字をお持ちでありましたならば、この際お示しを願いたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 通報による実績の方はすぐ取寄せまして御報告いたしますが、大体國税査察部におきまして調査しました結果をもう少し詳しく御報告いたしておきたいと思います。今年の四月二日現在の調べで、大体三月末日までの実績ということになりますが、調査が済みました分が件数で千十五件、ふえました税額が四十億七千二百万円、それに現在調査中のものがあります。それを見込みに入れますと件数で百七十五件、ふえる見込みの税額が十五億百万円、合せて件数が千百九十件、税額で五十五億七千三百万円、こういう実績を出しております。税収別によりますると法人税で三十七億三千九百万円、所得税で十四億千九百万円、その他で四億一千五百一万円、かような実績が昨年視察部を設けまして以來最近までにわかつた結果でございます。この点につきましては本年度におきましても、さらに相当なれて参りますので、一層活発に機能を発揮するようにいたしまして、極力そういう方両の調査の徹底に努めたい、かように考えておるのであります。

川島金次日本社会党

○川島委員 重ねてお尋ねしますが、昨日私は商工大臣に税の過重からやむなく廃業をしておるものが全國的に非常に多くなつた。その事柄をお尋ねいたしましたときに、場合によればそれは大藏省の方に明細な統計が出て來ておるのではないか、こういうふうに答弁されたのでありますが、主税局長の手元にそういう資料がまとまつておりますれば、この際お聞かせを願いたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 今のお話のようなこともときどき聞いておるのでございます。税のために廃業したというような事実を確認することも、実際問題になりますとなかなかむずかしい場合もございますし、今手元にそういうことを特別に調べました材料を持ち合せておりません。必要でございますれば今後適当な時期に取調べまして、御報告してもよいと考えますが、現在のところではさような資料を持ち合せておりません。御了解を願います。

川島金次日本社会党

○川島委員 両三日前に農林省から発表になりましたものによりますと、全國の農村において耕作権の放棄面積がおおよそ一千三百町歩にまたがつて來た。これは今年一月あたりの計算であるらしいのでありますが、さらにその後最近においてそういう事態が各所に私も聞いておるのであります。その中で、しかも税金のために耕作権を放棄したと農林省が認めておりまするものも相当の部分になつております。こういう事柄を考え合せて、また一般営業者等の方面におきましても、そういう事態が非常に多くなつてきておることも事実であります。そこでこういう問題を大藏省の税務当局においては一体どういうふうに考えておられるかということは、非常に重要な事柄であろうと思いますので、直接担当になつておりまする平田さんからこの問題に対する所見を伺い、同時にこれに対する何らかの対策を考えておるかどうか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 お話の問題はなかなかむずかしい問題で、私どもが簡単にお答えいたしかねる点が多いと思いますが、農業所得の課税が相当重いものでありますことは御指摘の通りでございます。ことに從來所得税は農業者にはほとんどかかつていなかつたのであります。戦前におきましては、一箇村におきまして、相当な地主の連中がせいぜい十二、三人か二十人くらい納税をしておりまして、地租の負担は相当ございましたが、所得税の負担はほとんどなかつたのでございます。その後財政事情の増大に伴いまして、とにかく現在のような免税点の控除で課税をすることになりましたので、その結果現在の所得税が相当なものになつておりますことは、御指摘の通りでございます。その総額、昨年度におきまして約三百三、四十億くらい農業者に所得税として納めてもらつたのではないか、かように考えておりますが、これは所得税全体の問題でございまして、たとえば現在勤労所得者が源泉で相当重い負担を差引かれて納税しておるという事実から考えましても、今の実際の財政事情と所得税の制度のもとにおきましては、いたしかたのない負担であると考えます。昨年の農家の、特に供出によつて販賣した金額の総額を調べてみたのでございますが、今手元に正確な資料がございませんが、これがたしか千五百億ちよつと足らないくらいの数字ではないかと思います。一方野菜等は供出によらないで賣つておる分もございますから、そういう現金収入も見なければなりませんが、大づかみに千五百億円の現金收入といたしまして、それに対しまして三百三、四十億でございますと、大まかに見て二割五分くらいの供出代金に対する所得税の負担になるという見当がつくと思います。これは以前に比べるとなまやさしい負担ではないとみえますが、今日勤労所得者等が今の税法によりまして、相当な負担をいたしておる点から申しますと、今の財政事情ではどうもいたしかたない負担じやなかろうか。もちろん私ども低所得者の負担につきましては、でき得る限り基礎控除なり扶養家族控除を引上げまして、財政の許す限り負担を緩和するという方向に持つて行くべきものだと考えますが、今の全体の財政事情、所得税の状況から見ますと、やむを得ない点が多々あるということを御了解願いたいと思います。  なお耕作権の放棄の問題は、税金の問題だけでなく、農業政策全体の問題として解決せらるべき問題であろうと思います。おそらく農林省方面でもそれぞれ妥当な対策がおありだろうと思いますので、さような点につきましては、私からお答えすることは差控えさしていただきたいと考えます。

川島金次日本社会党

○川島委員 さらにお尋ねしますが、大藏省で今度の予算をつくるときに、税制の一部改正を相当つつ込んだところまで考えておつたらしいのであります。今そういう事柄をお尋ねしてもむりかと思うのでありますが、たとえば所得税において、基礎控除一万五千円を二万円に引上げたい。あるいは扶養家族の控除千八百円を二千四百円だかに引上げる。それから税率の問題につきましても、最低二〇%、最高七〇%か七五%くらいに改めるというようなことが新聞に報道されておつたと思うのであります。事務当局としては、大体あの程度のことを考えておられたのかどうか、それを承つておきたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 最近における所得税の実情並びに負担の現況から見まして、私ども事務当局といたしましては、そういう業の実現をはかるのがよいと実は考えているのでございますが、今度の財政政策のあくまでも健全財政を確保する、総合予算の均衡という大原則に照しまして、この際としましてはしばらく見送りまして、現行税制でやつて行くということに相なつたのでございます。私ども事務当局といたしましても、なるべく早い機会にそれに近い改正案が実施になりまするように努力してみたい、かように考えております。

川島金次日本社会党

○川島委員 ついでに参考のために伺つておきたいと思います。  先般大藏省が内々において考えておつた、ただいま申し上げました勤労所得税の基礎控除一万五千円を二万円に引上げ、千八百円の扶養家族の控除を二千四百円程度に引上げる。こういうことによつて一体どの程度の財源が必要になるのですか。大体お知りであつたならば、お示しを願つておきます。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 改正の問題につきましては、今後改正さるべき状況に応じまして、いろいろ正確な計算をする必要があろうと考えますので、今ここであまりこまかいことを申し上げることは差控えた方がかえつてよろしかろうと存じますから、省略さしていただきたいと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 差控えずにひとつ示してもらいたい。この税制の問題は、國民全体が関心を持つ重大な問題である。均衡予算内における財源の問題が、今日では政治的な財源のようなものになつておる。これがどの程度になるかということによつて、相当檢討する余地が出て來る。從つていろいろなことを考えないで、当時大藏省が考えられたあの程度のことでやれば、どの程度の財源が必要であつたかということぐらいは、あまり差控えないで正直にお示しを願いたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 あまり事前に大づかみな数字を申し上げましても、かえつて御判断の材料として不適当な場合もあろうかと考えます。もちろん前にそういうことにつきまして計算をいたしましたものもございますけれども、今度の予算案に基きましてかえた場合にどういうふうになるかということにつきましては、実は現在正確な計算をいたしていないのであります。そういう意味におきまして、本日委員会において申し上げますことは、差控えさしていただいた方がよろしかろうと考えております。

川島金次日本社会党

○川島委員 それでは私の方から逆問いたします。大藏省が当初考えておられた一万五千円の基礎控除を二万円に、千八百円の扶養家族の控除を二千四百円に引上げた際の財源は、四百億ぐらいだつたとわれわれは推定しておりますが、どうでありますか。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 実は私ども今度の税制改正におきまして、租税制度を合理化しまして、それによつて極力捕捉の適正化を期しまして、一方におきまして減りまするが、他方におきましては合理化されますると、おのずから所得税がまた出て來る部面もありますので、そういう点もいろいろ考えまして、歳入の増減関係を見積りたいと実は考えております。從いまして、今ここでであまりはつきりした数字を申し上げることは、どうも今後の進行につきまして適当でなかろうと考えますが、大体の見当でございますれば、お話のような点も一つの計数かと考える次第でございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 さらにお尋ねしますが、ごく最近において、今國会中に政府は所得税の問題は別として、税制の一部の改正案を出す用意があるか。ありとすればその内容をひとつここで聞かしていただきたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 実は非常に提案が遅れておりまして、恐縮に思つておる次第でございますが、大体におきまして、直接税の方は原則としまして現行税制でさしあたり行きまして、將來の改訂に譲るということに方針としてはいたしております。ただ差迫つた問題といたしまして、所得税におきましては、約期を三面にする。六月と十月と來年の一月三分の一ずつ三回に納めるという改正案を提案する考えでございます。それから法人税におきましては、例のプレミァムに対する課税、これはなるべく早くこの際資本の累積をはかる意味において撤廃した方がよかろうということで、この改正案を提案するつもりでございます。プレミアムに対する課税を免除するという改正案でありますが、直接税につきましては、さような点がおもなもので、あとは加算税についていろいろ考えております。なお間接税の方は、相当な改正を実は行うことになつております。  次は酒税の改正でございますが、酒税につきましては、この際公團を廃止しまして、原則として自由販賣にする。ただ労務特配だけは残すという前提のもとに、妥当な税率をつくるということで大体いたしておりまして、自由販賣酒の値段は、大体從來の自由販賣酒、すなわち特價酒と配合酒との値段のまん中くらいの税率にして販配いたします。高級酒については相当高い値段をつけるが、燒酎等の大衆品には相当低い値段になるような税率にいたしたいと思います。それからもう一つの労務特配酒等につきましては、やはり最小限度残しまして、その値段は、生産費は高くなりましたが、税率をそれだけ引下げまして、現行の價格を維持する考えであります。その他の密造酒の取締り等に必要な若干の規定を追加する考えであります。  取引高税につきましては、これは御承知の通り原則として申告納税になりましたが、同時に非課税範囲を拡張するという考えであります。その他物品税につきましては、相当軽減するようにというあちこちからの希望がございますが、現在の財政状態では大幅な軽減はなかなか困難であります。從いまして、さしあたり一面においては小型自動車に対して二〇%程度の課税をしまして、それによつて若干の財源が出て來ます。財源の出て來る範囲におきまして、現在の課税がいかにもひどいという面については、若干調整するべく考えております。たとえば乳母車であるとか運動具というような種類の数種の物品につきましては、税率を若干緩和する。それからお茶につきましては、課税方法がいかにも重であるというので、トラブルを起して非常に困難でありますので、若干負担を軽くして從量税にかえるという改正案を提案する考えであります。そのほか清涼飲料税については、非常に賣れ行きを阻害しているように考えられますので、若干の軽減をしたいと思います。その他関税につきましては、それに類似の若干の改正がございまするが、大体においてさような趣旨の改正案を、できますれば本日にでも提案をいたしまして、御審議を煩わしたいと思います。     〔庄司委員長代理退席、委員長着席〕

川島金次日本社会党

○川島委員 その一部改正案はここ一両日中に出るのでありますが、実施は一体いつからという見込みで出す予定でありますか。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 その実施は原則として五月一日から施行する見込みでございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 ただいまお伺いいたしますと、その改正の中でプレミアムの課税は今回思い切つて免除するということでありますが、もしこういうことを急いでやる氣持が政府にあるならば、当面の大衆が負担して、しかもその負担の過重に悩んでおる税についても、急速にやるという熱意が政府にあつてしかるべきだと思うのです。ことに卑近な例でありますが、政府は今回行政整理を行う、あるいはまた一般企業の整理も必然的にこれに伴うのでありますが、その場合およそ百万近くの失業者、退職者が出るのでありまして、その退職者にそれぞれの一時所得が入るわけであります。そういう所得に対しましては、從來その所得額の二分の一に対して課税をしておつたのであります。そこでプレミアム課税を免除するという事柄はそれほど重大なものではないとわれわれは思うが、その重大でない事柄を急いでなされて、しかも一般の勤労者が受ける問題についてはあとまわしにされるということであつては、私どもは一般の町民としても納得できないのではないかと思う。從つて政府においては、当局の行政整理、企業整備に伴うそれらの人たちの退職所得に対する課税を免除するという考え方はないか。これを大藏大臣から承りたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 ただいま参りましたので、御質問の要旨が聞きとれなかつたのでございますが、もう一回お願いいたします。

川島金次日本社会党

○川島委員 今私が税のことで発言中でありますが、大藏大臣は話をしておつて聞いておらなかつた。どうもそういうことでは困ります。私の言うのは、政府は一両日中に税法の一部改正案を出す、しかもそれは五月一日から実施する、その中にプレミアムに対する課税を免除するという法案を出すという。まことにその勇氣よみすべきものがあります。しかしながら、一方そういう問題はそう急がなくてもよろしい問題ではないか。一方において当面政府が実施をする行政整理及びそれに伴う全國の産業の企業整備があるが、こういう方面のいわゆる整備によつて退職する人たちは非常に大きな数に上る。しかもそれらの人たちが受取る所得に対しては、税法では二分の一に対して課税があるが、こういう問題こそ、今日の退職者の生活事情、將來の事情等を勘案して、政府は熱意を持つべきではないか。そこで政府において、こういう退職所得に対して課税を免除するという方針を持つべきだと私は思うのでありますが、そういう考えはないかどうかというのであります。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 プレミアムの課税の廃止は、日本の産業の発展、すなわち資金の募集に便ならしめるために行うのでございます。しかして退職金に対しまする所得税の課税とは別個の問題と考えております。またただいま二分のを所得に加算いたしますことに対しての御意見は、御意見として承りまして、將來研究してみたいと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 プレミアムの課税免除の問題は、なるほど日本の産業の復興に資する、あるいは法人の資本蓄積に間接的に寄与するということで、私も一応意味はわかる。しかしながら、今度の政府の行政整理と全國の企業整備によつて出るところの失業者の大部分は、これまた日本の財政の健全化、日本の産業の発展のための犠牲者である。もしプレミアムに対する課税を免除する熱意があるならば、政府は当然またこれらの犠牲者に対する当面の処置として、何らか考えを及ぼすべきだと考えて、その意味で私は御質問申し上げたのでありますが、政府はそういう意思がまつたくないのでありますか。それとも考えようという考え方でありますか、もう一ぺん念のためにお尋ねしておきます。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 まつたく考えないということではございません。税制につきましては、常に各般にわたつて考えておるのであります。しこうして増加所得については、最近の経済事情に即應いたすために、今まで二分の一を課税いたしておつたのを、ある場合におきましては三分の一にするという案も考えておるのであります。常に考えておりまするが、見通しといたしましては、退職所得につきましては今の課税方法をただちに改正する意思はございません。

川島金次日本社会党

○川島委員 大藏大臣は本会議の席上及びこの席上におきましても、來月の五日に予定されておりますショープ博士の來朝を機会に、税制の再檢討を行う。そしていずれは税制体系の根本的な改正を行うつもりだ、こう言われておるのでありますが、一体この税制改正はシヨープ博士が來てから今年度中にやるのか、それとも明年度になつて考えて行くのか、この点がまだはつきりしておらない。そこで大藏大臣に尋ねておきたいのですが、この税制の根本的な改正を一体いつの時期にやるか。その見通しについて具体的にお示しおきを願いたいと思うのであります。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 ただいまこちらからも準備をしておりますし、またシヨープ・ミッションの一部の人は來られております。五月に來る予定になつておりますので、ただちに調査書を開始いたします。結論の得次第、できるだけ早い機会に実施いたしたい、かように考えております。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 川島君、ただいまのような御質問はもう何回もあなたのお留守のときに出ておる質問ですし、あなたの時間はオーバーしておりますから……

川島金次日本社会党

○川島委員 オーバーしておることは承知しておりますが、私だけではなく、みなオーバーしております。一時間のところを三時間もやつておる人もあります。われわれはそういうことを黙過して來ました。ところがわれわれのときにだけ時間を削減されては困ります。公平にやつてください。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 私はみなに公平にやるようにいたしております。

川島金次日本社会党

○川島委員 だから私にも公平にさしてください。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 しかし繰返しの質問はさせません。

川島金次日本社会党

○川島委員 そこでさらにお伺いいたしますが、政府はできるだけ予算の編成にあたつて歳出を削減したのだということを言われております。そこで私は党の立場から一言政府にお伺いしておきたいのですが、國債は全体において千七、八百億円に上つております。  この國債の償還の一部にもこの千七百五十億円の見返り勘定の資金が充てられるやにわれわれは承つておるのでありますが、その中で軍事公債は七百七十余億円ございます。この軍事公債の問題につきましては、御案内のように、われわれは根本的な打切りを多年主張して参りました。しかし前年連立内閣当時において、この軍事公債の利子の支拂いの延期を主張し、衆議院では御案内の通り通過をいたして参つた。そしてその筋でもこれは了承された問題であることは御承知の通りであります。そこで今回この國債償環等に相当貴重なる資金が與えられることになつておるのでありますが、この軍事、公債に関する利子、すなわち三十数億円に上るのではないかと思うのであります。國民は今日窮乏の中にあり、さらに政府からは耐乏生活が要求されておる。そして日本経済の安定を強力に推し進めたい考え方であることは言うまでもないのでありますが、政府におきましては、この軍事公債の七百七十余億、その中で必要なるところの利子三十数億が——これは金額ではまことに僅少であると言えばそれまででございますが、少くとも政府が日本の経済を安定せしめ、大衆の犠牲においてこの日本の経済の復興をはかるからには、できるだけ各方面にわたつて強力な削減政策をとることは必要なことではないかと私は思うとのであります。そこでこの軍事公債の七百七十余億円に対する利子の支拂いの延期、もしくは打切り、こういつたような考え方は政府にはまつたくないのであるか、その点をお聞かせ願いたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 千七百五十億円の見返りと関連しての御質問でございますが、私は軍事公債につきましては、川島さんその他の方々のお考え方とは全然違つております。

川島金次日本社会党

○川島委員 安本長官が見えておりますので一言お伺いをいたしておきたいと思います。先月長官は私の質問に対しまして、國民の食糧生活の面におけるカロリー、生活水準は絶対に引下げる意思はないということでありました。しからばこの年度における國民の全般的な生活水準は、一体二十三年度を維持するのか、それとも二十四年度においては二十三年度中における國民の一般的な生活水準をこれ以下に引下げるという御方針なのか。もし引下げるとすれば、どういう程度において引下げる方針を持つているのか、それをお伺いしたいと思います。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 川島委員の御質問でございますが、われわれは千四百カロリーを、絶対にとは申しませんが、下げないつもりだ、こう申し上げたと存じております。そこで今年度におきまして物價体系としての水準を保つて行くということにつきまして、御承知の通り相当に價格調整費が見積られております。この方針も、やはり物價を上げないという方針のもとにこれが支出されることになつているのでありまして、私の考えといたしましても、なるべく生計費に影響のないようにということを考えて、そしてカロリーを減じないような方針をとつて参りたい、こういう考えでございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 長官の今のお話は先日承つたことと同じだと思うのでございます。ただ食糧を中心とした國民生活の一般的な水準、これが二十三年度の水準が二十四年度においてもそのまま維持されて行くのか、多少下つて行くのか、この点でございます。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 私の考えとしては、下げないようにということで、まず一応このカロリーを保つて行けると考えている次第であります。

川島金次日本社会党

○川島委員 長官、違うのです。カロリー問題は再三承つていてよくわかつております。そこで全般的な面における國民生活の水準です。食糧だけではなくて、その他の一切の生活物資を含めた関連した自主的な生活水準、それをどう維持するつもりか、あるいはそれとも耐乏生活を要求されている以上は、二十三年度中における國民の自主的な生活水準を引下げるつもりであるか、こういうことです。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 私はカロリーということ言われたので、その方に力を入れて申し上げましたが、今年十度の予算の編成ということから考えてみて、いろいろな面で耐乏生活を要求している、こういうふうに考えられております。私どもも節約しなければならぬ。國家が節約するのだから、國民もまた節約しなければならぬ。こういうことを考えておりますが、しかし物價も上げない方針だ、それから生計費にもなるべく影響を及ぼさないようにとこういうことを考えております。たとえば蓄積資本とか何とかいうものを考えれば、今日急速に日本の産業上における自立性ということが要求されておりますので、こういうことから考えますると、これまでいろいろ御議論がございましたように、デフレ状態になるのではないか、こういう御懸念があるということをたびたび承つております。そういうことから考えれば、多少そういう点に影響があるということも考えられるのでありますが、しかし一般水準ということから申せば、私どもとしては、これを維持して行けるのではないか、こういう観点から考えておる次第であります。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 川島君まだありますか。

川島金次日本社会党

○川島委員 もう一、二点。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 今までの二つの点は、この前の繰返しですからね。

川島金次日本社会党

○川島委員 繰返しでも質問は違うのです。経本で一昨日出されました総合資金の需給見込みの中で、金融機関は昨年が三千五百三十八億、今年は二千三百億とあります。これは單なる市中銀行の國民貯蓄だけでなくして、その他にもいろいろあるのだろう思いますが、その内訳をまずお聞かせ願いたい。それから直接投資が七百億その内訳をちよつとお答えしていただきたいのであります。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 今おつしやることは預貯金ということになると思いますが、その内訳につきましては、政府委員がただいま参りましたから、政府委員をしてお答えいたさせます。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 貯蓄に関しましては、大藏省の方である程度算定に参画いたしましたので、私から申し上げます。二千三百億円の金融機関の貯蓄の内訳でございますが、一般金融機関が幾ら、郵便貯金が幾ら、あるいは無蓋会社、信用組合につきましてはその内訳が出ておりません。ただいま檢討中であります。しこうして直接投資の問題につきましては、大体株式投資を三百億円と考え、社内留保を四百億円と考えております。

川島金次日本社会党

○川島委員 最後にまた大藏省にお伺いをいたしたいと思います。この税金の調整の問題は非常に重大なことで、私ども繰返し繰返しお尋ねをいたして來たのでありますが、税法の改正をなさずしてこの予算が組まれたことは、私どもまことに遺憾に考えておるのであります。ことに六千三百円ベースに上つた出初の税と、三千六百円ベース時代の税とは、勤労者の負担をいたします税が、賃金ベースは上つたが税が増徴されるというような形になるのみならず、その六千三百円のベースの中でも、たとえば勤労強化、超過勤務手当、こういつた問題があります。さらにまた最近労働組合等で大きな問題になつております徹夜手当、あるいは農民組合等で問題にいたしておるのでありますが、超過供出の代金の問題、あるいは早期供出に対する代金に関する課税の問題、これらが非常に大きな問題として、取上げられておるのでありますが、今度の税制の改正にあたりまして、政府はこういつた問題について、何らかのお考えを持つて税法の改正をするという考え方があるかどうかということをお尋ねいたしたいと思うのであります。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 お話の事項等につきましては、他の事項と同様に十分檢討いたして行きたいと思います。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 今井耕君。     〔「順序が違う」と呼ぶ者あり〕

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 新しい人に発言してもらいます。今井さんに発言を許しました。

今井耕国民協同党

○今井委員 私事は大藏大臣に價格調整補給金の問題につきまして、もう少しお尋ねしてみたいと思うのであります。今年度の價格調整補給金の総額が二千二十二億円に達しておる。國民一人当りにこれを勘定いたしますと二千五百円、一戸当り一万二千円という非常な負担になるので、われわれとして非常に重大な関心を持つておるわけでありますが、これを二つに分けまして、安定帯物資に対する補給金、こういう点について考えてみますと、ちようど政府は一月の十八日に閣議で内定されて、その結果が新聞に発表された。そのときにはその金額を七百億円にせられたい。そうして基礎物資は多少値が上つても、その差額は第二次、第三次製品でこれを吸収する、こういうような御意見が当時発事表されておりもて、われわれ非常にこの考え方はけつこうな考え方である、また経済九原則の趣旨にも非常に合うように考えておつたのであります。それが安定帶物資の本年度分だけを考えましても、一千二億円に増加しておるということは、はなはだ遺憾に思うのでありますが、一体これはどういうふうになつたのか、この点を伺いたいのであります。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 新聞に発表いたしたことはございません。私はこの値格調整補給金につきましていろいろなことを、考えてみましたが、ただいまのところ、物價水準を動かさないという建前で、千二億円の安定帶物資に対する價格補給金を認めたわけであります。

今井耕国民協同党

○今井委員 そういたしますと、基礎物資の價格を上げたい、このように考えて來ますと、この前いろいろ新聞なんかに御発表になつておりました第二次、第三次製品で相当吸収する余裕がある。こういうふうに考えられるのですが、その点は吸収する余裕がないというお考えですが、この点を伺いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 今の安定帶物資の補給金につきましては、先ほど申し上げました通りいろいろ考えたあげく、今回予算案に盛つた通りにいたしたのであります。今後補給金の支出につきましては、十分檢討を加えまして、でき得る限り厳格に額を減らすことに努めて行きたいと考えております。

今井耕国民協同党

○今井委員 そうすると第二次、第三次製品では、吸收する余裕がないという御意見ですか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 吸収する余裕があるところには吸收さして補給金を減額したいと思つております。

今井耕国民協同党

○今井委員 他の輸入物資の製給金についてお聞きしたいと思うのですが、この金額がちようど八百三十三億ということになつておる。このうちで四百六億円が食糧のための補給金になつております。この四百六億円ちようど國民一人当りに勘定すると、約五百円、一戸平均ざつと二千五百円ほどになつております。この分は輸入食糧が高くつくために、國内で生産した食糧との差額を補給する。たとえばこの資料によりますと、小麦一トン輸入すると價格が三万四千二百五十五円かかる。ところが内地産の小麦は一トンが二万一千六十円。だからその差額一トンについて一万三千百九十五円を補給金として出す。小麦粉の場合においては、一トンについて二万一千二百十八円を補給する。こういうふうにして補給金が出されておるということになるわけでありますが、この小麦なるものを生産した農民の立場からこれを考えてみると、現在の小麦の價格が、あるいは小麦でないほかの農産物の價格が、相当抑えられておる。これは自然の價格ではないのであります。國が政策上きつく押えておる。この点についてはまた安本長官にもお伺いしたいと思いますが、その抑えた價格が輸入食糧より安い。從つてその差額について補給金の負担を農民も平等に負担する。こういうことになつて來ると、これは農民に非常に過重な負担になる。こういうことになりますが、この点について藏相の御意見を承りたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 安定帶物資におきまする肥料の價格差補給金は百七十四億円になつております。これは農民のためという考え方もあると思うのであります。世界の物價事情と、日本の物價の状況とはかわつて來ております。違つております。この点をいかに調整するかは、今後の問題でございます。今の小麦や小麦粉を世界の市場と同じように上げて行けば、それは農民の方々には非常にいいかもわかりませんが、それがひいて一般物價水準を動かし、労賃に影響するということを考えますと、ただいまのところは、物價水準を一應動かさずに補給金でまかなつて行こうという考え方のもとに、かく予算案を作成いたした次第でございます。

今井耕国民協同党

○今井委員 ただいまの大藏大臣の御意見もよくわかつたのでありますが、肥料に対する補給金は、これは一千億あまりの安定帶物資の補給金に対して、ざつとこれを農業パリティー指数から言うと、一割二分ほどになる。その他の分に対しては、農民から言うならば、ほかの鉱工業生産に出す補給金の方が多いのであります。從いまして特に肥料に対する補給金が、農民だけに非常に恩惠がかつておるというたちのものではありません。なおまた輸入食糧を安くするために補給金を出すということは、わかるのでおります。それによつて、物價を押えるということもわかるのであります。しかしそれがための負担は公平にみなが負担しなければならぬ。しかしこの分だけは純然たる農民の一方的負担になる。これをもう少し考えてみますと、農産物の債務を低く押えれば押えるほど、その差額が大きくなつて、その分だけ負担がふえて來る。つまり農産物の價格が安くなればなるほど負担が重くなる。こういう理論に立つことになつて、ここに非常な矛盾ができて來ると思う。だから物價を上げたいために補給金を出すというそのことによくわかるのでありますが、その犠牲はこれを公平に負担しなければならぬ。こういう点から考えますと、私はここに相当な矛盾があると思う。この点についてひとつ御意見を伺いたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 今の國内の物價のあり方が経済原則に沿つておりませんので、矛盾は非常に多いのであります。農家の関係いたしまする繭並びに生糸にいたしましても、小麦の値は世界市場からいつて安いけれども、生糸、繭は非常に高い。こういうふうな状態でございます。そしてまた石炭につきましても、外國から持つて來れば、やはりこれに対して補給金を出さなければならぬのでありまして、補給金制度自体がお話の通り物價に対して相当矛盾の点があるのであります。しかしこれを全面的に改めることになりますと、物價並びに経済界に非常な影響を及ぼしますので、今のところこれで行つて、將來徐々にかえて行きたいという考えでございます。

今井耕国民協同党

○今井委員 今の藏相のお話はよくわかるのであります。補給金を出して輸入食糧を安くすることにつきましては、私も異論はないのであります。ただそれが、農民はこれによつて少しもその恩恵に浴さない一方的の負担になるというところに疑問があるのであります。從いまして、國の農産物を輸入食糧にさや寄せするためにある程度上げて、その差額について食糧全体に補給金を出す。こういうふうにお考えになれば、農民が一方的に負担するものを、多少農産物を上げておいてそして負担するようになれば、これは一方的に負担することにならぬと思う。そういうような方法によつて一方的の負担にならぬようにして補給金を出す。これが最も公平な負担の仕方であると私は考えるのでありますが、この点について御所見を伺いたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 多少上げるというその多少が問題でございまして、各般の事情を考えてやらないと、小麦の値ばかりで物價の問題は解決つかぬと思うのであります。

今井耕国民協同党

○今井委員 理論はいろいろつきます。私も農民の立場だけからものを考えてはおらないのであります。どうもこの点に非常にふに落ちぬところがありますが、これはむしろ見解の相違でもありますので、これでやめておきます。  次に安本長官にお伺いしたいと思います。やはり價格調整補給金の問題でありますが、このうちで安定帶物資の分が一千二億円ある。これも一戸あたりの平均の負担を考えてみると、これだけで六千二百円も負担する。これもやはり農民という立場から考えてみると、一戸平均六千二百円の負担をする。そうして一般の物價を安くする。もちろんこの中には先ほど藏相も申されたように、百七十億円ほどの肥料などに対する補給金がございますが、これは一部分である。そしてその抑えた價格がかりに基準年度の百十倍であつたら、その農産物の價格も百十倍である。こういう方法で行きますと、つまり税金をたくさん出して一般の物價を安くする、その安くした物價が百十倍だから農産物の價格も百十倍である。こういうやり方にしますと、農民の立場からこれを考えてみると、非常に重い負担をして一般物價を安くしたために、農産物の價格も安くなる。補給金を出さない経済においては、パリティー計算によつて價格をきめることは合理的でありますけれども、重い負担をして補給金を出して、物價を押えておる経済において農業パリティーをやることは、農民の立場からいえば、税金が重くなると同時に、それによつて農産物の價格が非常に安くなつて來ると思いますが、これについてお考えを承りたいと思います。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 お答えいたします。おつしやるように農民の立場からお考えになりますると、不利なことになるということでありますが、この價格調整金について特に安定帯物資に対する補給金に対しては、これは一般國民の立場から考えたのでありまして、時に農家の立場からは考えておらないということから來ておるのではないかと思います。なお詳細のことは政府委員よりお答えいたさせます。

今井耕国民協同党

○今井委員 ただいまのお話の中で、特にという言葉がございましたが、私は農民だけの負担を軽くするということは考えないのであります。農民だけが犠牲になつてはいけない、公平でなければならぬという立場から考えるのでありまして、補給金による負担をしておる経済において、パリティー計算でものをきめることは農民には非常に不利である。アメリカあたりのああいう経済においては、これは合理的でありますけれども、補給金のために非常に重い負担をしておる経済において、パリティー計算で農産物の價格をきめることは——今パリティー計算で價格をきめるというのは農産物だけに適用されておる。別に農業の生産品が生産費できめられておるなればそれでよろしいけれども、今農産物だけが農業パリティーできめられておるというところに、不公平があると考えるのでありますが、この点についてお伺いしたいと思います。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 お答えいたします。私の今考えておりまするところ、私の知つておる知識の範囲では、もちろんその点だけをお取上げになつてお考えになれば、農家だけが何か不利な立場に置かれることになる点もあろうかと存じますけれども、しかし國民経済全般から見て、今日の食糧の問題は御承知の通りに日本の特別な事情のもとに、統制下にかような方法が行われておるのでありまして、私どもがこれを取上げてパリティー計算をする場合においては、農業のパリティー計算を中心として、考えておるのでありまして、全般的に見てどこか不利益である、あるいは農業のみが不利益であるというようなことも、あるいはあり得るかもしれません。しかし國民全般から見て、われわれはこの計算をいたしておるのでありまして、その点において多少矛盾があるかもしれませんが、ひとつ御了承を願わなければならぬと存ずる次第であります。

今井耕国民協同党

○今井委員 ただいま御答弁の國民経済の上から言つて、食糧をあまり高くすることが好ましくないことは十分承知をしておるのであります。そこでそのための犠牲は、やはり國民が平等に負担しなければならぬ。だから國が困るからこうするんだということだけでは公平ではないのでありまして、公平の理論に立つたものでなければだれが考えてもいかぬと思う。こういうことになるので、しんぼうするとかせぬとかいうことではないのであります。從つて農業パリティーによつて農産物の價格をきめる場合であるなれば、補給金を出さぬ場合においては一般物價が何倍になる、だから農産物を何倍にする、こういう場合においてはその負担をしてもよろしいけれども、今のような制度でありますと、極端な例を二つ申しますと、補給金を借出して、一般物價をかりに二割下げるという政策を行つた場合にどうなるかというと、税金は倍出して、農産物の價格は二割下げるという勘定になります。そういう理論に立つての農民への経済はやつて行けないのが当然である。こういうことが根本にありますから、今日の農民の経済が非常に行き詰まつておる、農民の負担が過重だということになつておる。今日の農民の負担の問題につきましては、今日の税法において適正に農民が負担をすることは必要でありますけれども、國の行き方そのものに根本においてそういう大きい矛盾があるのであります。從つて農民の負担が非常に過重になつて來る。そうして農産物の價格が農民の負担が過重になれば過重になるほど低くなる、こういう矛盾した理論がここに立つ。現にそうなつておる。この点はぜひとも是正されなければ、農民は非常に不公平な重い負担をするということになると思う。これはしんぼうするとかせぬとかいうことではなしに、國民として公平に考えた場合においてそうなるのであります。これについて、もう一度安本長官のはつきりした御意見を承りたいと思います。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 ただいまの御意見に対しましては、私自身はやはり大体公平の観念に從つてやつておるのでありまして、これを広くいろいろな面について考えますれば、いろいろ社会的な問題に関連して参りましようし、大体われわれは公平な立場でやつておりますので、これ以上今のところそれについてただちに云々する考えを持つておりません。

今井耕国民協同党

○今井委員 ただいまのところ安本長官として、これに対してはつきり私の氣に入るような答弁はできぬと思うけれども、私は私の考えが絶対に正しいと思うておる。そうして農民の立場から言うなれば、公平に考えてこれは是正されなければならぬ、はつきりこう考えるのであります。そこで特にこの点は御研究願つて、公平にみなが犠牲を負担することにしてもらいたいということを希望いたします。こういうような例は非常にたくさんあるので、たとえばその最もはなはだしい例を申し上げますと、ちようど昨年の七月三十一日の物價改訂が行われました際に、農民の生産しておる菜種の價格でありますが、この菜種の價格がどういうふうにきまつておるかと申しますと、一かます六十キロ入りの價格がちようど百十倍で抑えられまして、その價格が九百九十円に押えてあります。ところが菜種から油をしぼつたその油かすの値段は幾らであるかと申しますと、同様一かます六十キロの値段が九百六十七円であります。從いまして菜種と油をしぼつたかすと同様十六貫で比較しまして、その價格の差が二十二円五十銭であります。そうして一かます六十キロの菜種から油が幾らしぼれるかと申しますと、これは搾油機のよしあしによりまして違いますが、一斗一升五合から一斗三升も取るのであります。その油の値段が幾らにきまつているかと申しますと、一千七百九十四円となつておるのであります。そこで菜種一斗からとれる油を、平均一斗二升とれるというふうに勘定しますと、菜種十六貫一かますからとれる油が二千百五十二円八十銭になるのであります。そうすると農民のとつた菜種は九百九十円、そのかすは同じ目方で九百六十七円、その差はわすか二十二円五十銭である。そこからとつた油の値段が二千百五十二円八十銭、こういうことになつておるのであります。こういうことは非常な矛盾である。しかもその搾油工賃は、基準年度の二百四十倍がはつきり認められております。私ははつきりとした書類を調べて確実な数字を申し上げておるのであります。二百四十倍の搾油工費を認めても、なおとつたところの油は、菜種の價格が安過ぎるために、油が安くでき過ぎるのであります。從いましてとつた油の原價は一斗が九百十九円である、ほかの油に比べると安くて比較がとれない、從つてほかの高くつく油とプール計算をいたしまして、この菜種の安い油に、一斗について五百五十三円を追いかぶせて販賣價格をきめておる、こういうことになつておるのであります。これは最もはなはだしい例であります。農産物の價格はいろいろりくつはつきます。しかし事実において非常に安くされておるために、こういうところに合わぬところができる。こういうことはどうしても首肯することができない。悪くいうと、昔から百姓の汗とあぶらはしぼるほど出るという言葉がありますが、ちようどその通りのことが行われておるというようなことが感じられるのであります。だからこういう点がもつと是正されなければ、百姓の経済はとうていやつて行けないと思う。こういうこまかい問題につきましては、安本長官は御承知でないかもわからぬと思いますが、ひとつ御研究願つて、そうして公平な立場から、こういう價格がきまるように御努力を願いたいと考えるのであります。特にこの問題につきましては御相談になつて、納得の行くようにしてもらいたいと考えます。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 今井委員の御熱心なお教えをいただきまして、私はその点、まつたく存じておりませんので、菜種の問題はひとつ十分研究させてもらいたいと存じます。

今井耕国民協同党

○今井委員 次に農業所得の問題についてお伺いしたいと思いますが、資料によりますと、歴年度において、二十三年の農業所得は四千七百八十三億円、二十四年度においては五千六百九十八億円ということになつておりまして、一割九分増になつております。そこでこの二十四年度の農業所得を御計算になりましたときに、農業所得の最も大きいものは米の代金であります。この所得に米の代金を幾らに見込んで計算されたか、この点ひとつお尋ねしたいと思います。

内田常雄総理廳事務官(経済安定本部財政金融局長)

○内田政府委員 お答え申し上げます。國民所得の算定にあたりましては、具体的に米の値段あるいはいもの値段あるいは野菜の値段を幾らに見たという見方をいたさないで、二十三年におきまする農家の所得を、御承知の農林省等における農家の生計費調査等から拾い上げまして、それに農家の戸数をかけるというやり方で、二十三年における農家の全体所得を計算して、それに対して二十四年におきましては農産物價格等上昇の割合、あるいは農産物の生産の増加をかけ合せて見ております。さらに具体的に申しますと、價格の点につきましては先ほど來お話がありました農産物價格のパリティーの実際の上り方と、それから一般消費者における生計費のうちの農産物、蔬菜等の消費者の実効價格と両方をとりまして、そしてきめた数字でありますから、具体的にそういうぐあいに見ておるという数字にはなつておりません。もつと全体的な見地からはじかれていることになつております。

今井耕国民協同党

○今井委員 一々そういう價格のことを考えないで、全体的に考えてやつた、こういう御答弁でありましたが、これは相当基礎のあるものにしないと、こういうことが原因いたしまして、むりな水増しの課税が行われる原因になると思う。そこで今米の代金という方面から考えてみますと、現在の米の價格は昨年の十月一日に農業パリティー指数一三二というものによつてきめられまして、その價格が石三千五百九十五円である。これを今日まで発表されております農業パリティー指数一四三、これは消費者價格がこれによつて本日から実施されることになつておりますが、大体新聞などの発表によりますと、本年中くらいは変更しないという方針で行くことが発表されております。そこで農業パリティー指数四三で計算いたしますと、二十四年度の産米一石三千八百九十三円三十八銭、こういうことに計算がなります。そうするとこの値段は現在の米價三千五百九十五円に対しまして八分三里高になるのであります。麦、ばれいしよにつきましては、これはちようど昨年百七倍できめられておりますから、多少ぐあいがよくなりますが、ほかの蔬菜類とかそういうものについては値段が高くなるということは、まず考えられないのであります。そういう点から考えまして、総括的に考えたとお答えになりましたけれども、これを一々基礎のある檢討といたしてみますと、農業所得において一割九分増ということは、相当過大であることにわれわれが計算するとなるのであります。それを基礎にして課税所得において二割七分増、そしてこれが申告所得税の平均から行くと五割五分増、こういうことに基礎を置いて課税することになると、非常にむりが出て來る。こういう点から考えてみると、相当過大な見積りと考えるのでありますが、この点について御意見を拜聽したいと思います。

内田常雄総理廳事務官(経済安定本部財政金融局長)

○内田政府委員 先ほどの私の説明したことが足りなかつたかと存じますが、農業所得のはじき方が二十三年から二十四年の数字を出します際は、一応二十三年の先ほど申し上げましたような実際の價格と申しますか、二十三年の一月から十二月までに農産物の價格もずつと上つているコースをたどつておりますが、それの平均額に対しまして、原則としては昨二十三年の十一月の実際の價格を対照いたしまして、それで二十四年の價格とした。言いかえますと二十三年の十一月の價格のままで二十四年はその償格が平らで行くという考え方を原則にとりまして、計算をいたしておりますから、これから農産物の慣格が幾ら上るであろうという見込みをかけたものではございません。なおただ一言申し添えたいことは、米についてはただいまお話のパリティー指数が一四三になることを、この調査をいたします際にわかつておりましたから、米については昨年の十一月当時ではなしに、今回改正を見るべき一四三のパリティーを使つております。但し米以外のものにつきましては、先ほども申しましたように、むしろ消費者の生計費調査における昨年十一月の價格が、昨年一年中に占めておつた價格に対する割合をとつておりますから、水増しというかつこうにはこの國民所得はなつておりません。もつぱら学問的の見地に立つてつくられておる。かようにご理解を願いたいのであります。

今井耕国民協同党

○今井委員 もう少しこの点こまかくお尋ねしたいのですが、時間がないから次に農林大臣に一、二の点についてお尋ねしたいと思います。  一昨日土地改良及び災害復旧促進の問題につきまして、各派共同提案の決議案が可決されました、この経費の復活されることを非常にわれわれ期待しておるののであります。政府におかれてはいろいろ御心配願つておると思うのでありますが、だんだん予算審議の日も辿つて來ます。その後どういうふうになつておるか経過を承りたい。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 お答えいたします。この問題につきましては、先般本会議でお答えいたした通りであります。

今井耕国民協同党

○今井委員 そうするとその後何ら御心配願つておつてどうこうという点がないのでしようか。——なお今後いろいろ御心配を願わなければならぬと思うのでありますが、どうも土地改良のことは時期が大切でありまして、この五月、六月のうちにやらぬと、たちまち今年の植付に非常に支障を來して、食糧確保の上において非常に困るということになつて來る。それで何とかならぬかと困つておるのでありますが、特に縣営、國営以外のものでありましても、継続的にやつておる仕事がなかなかたくさんある。そうしてこれは過去三十年來ずつと助成しておつたのでありますから、やはりその助成があるものとしてもう着手もしておる。また政府の方の関係当局の意向もそういうことで指導をして來ております。それで今これをぽんと打切られてみると、進退きわまるということになつて、これは実際に困ることになるのであります。なるほどそういうことは農民の自力でやればいいんだということも、九原則の竹馬の足を短かくする上から言うと、ひとつの理論でありますが、しかし農業そのものに今日自主性を与えておらぬのであります。形式的には與えておるけれども、そり実は農業は國営であるといつてもいいのであつて、つくるものは指定されるし、つくるのに必要な肥料は配給されるし、つくつたものは完全供出させられる上、出したものの値段は一方的に拂つてもらう。ただ百姓の氣ままになるのは、田の草取りを何べんするとか、肥えを何べんやるとかいうことしか自由はありはしない、だからほとんど農業経営の自主性はないのであります。この自主性のない農業に、お前らがかつてにやれ、自主的にやれと言つたつて、これは一方が自主性がないんだから、やれるはずがない。ここが非常に自由な経済の場合と違うのであつて、この点が何とかならぬと百姓は実際因つてしまう。そこでこれをアメリカ式の考え方でこういうことを考えられては非常に困る。せめて今着手している仕事だけなりとも、うまく行かぬと非常に困るのでありまして、大体ほかの産業でもそう一ぺんにやめてしまうということはない。やはり今年も補給金を相当出しているわけである。これだけ一ぺんに切られることは困ると思うのでありますが、こういう立場にあつては農林大臣はどういうお考えを持つておりますか、御所見を伺いたい。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 今日の農業に自主性がないというようなことは、私は考えてはならないと思います。われわれは決して農業を農奴化いたしたくはないのであります。予算面の点につきましては、先ほどお答えいたした通り、本会議にもお答えいたしました通り、何とかしてこの土地の改良、開墾、干拓等の経費を考えて増産に導いて行きたいということは、その後とも努力を継続いたしておることを御承知願いたいと思います。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 今井さん、もうあなたの質問はよろしいでしよう。

今井耕国民協同党

○今井委員 もう一点だけ……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 あなたの興味ある陳述をなるたけ節約して、質問の中心に触れていただきたいと思います。

今井耕国民協同党

○今井委員 生糸の輸出補給金の問題でありますが、春蚕につきましては、いろいろ特に話が進んでおるようでありますが、その後の事情を伺いたいと思います。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 蚕糸業の現状につきまして簡単に申し上げます。生糸は現在四百二十円の特別レートをもつて取引されておりまして、五千六百掛の掛月に、よつて繭が取引いたされておるのであります。現在製糸が持つておりまする原料は、この五千六百掛の標準による原料を加工いたしておるのであります。もしかりに為替レートが單一になりまして、この四百二十円を非常に割るということがありますならば、蚕糸業の前途に対して、輸出がまつたく杜絶するという情勢になるのであります、それで政府といたしましては、今後とも輸出の大宗たるべき蚕糸業が、この際一頓挫を來すということがあつてはたいへんであると考えまして、企業整備、企業の合理化をやらすことはもちろんでありますが、どうかしてこの蚕糸業が頓挫しないように、現在少くとも、手持しておる原料だけでも、相当の價格によつて取引せしむるように努力をいたしておるのであります。すでに近く春繭も出荷するような時期にも迫つて参りますので、この春繭と、そして手持になつておる原料だけは何とかして特別の手配によりまして、生産を維持し得られる、ようなことに導きたい、かように考えておるのであります。しかし、しからばどういう方途をとるかということは、まだはつきりと成案を得ておりませんので、申し上げる段階には達しておらないのであります。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 金子與重郎君。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 農林大臣にお尋ねいたします。ただいま今井委員の質問にありました、農業の自主性の問題でありますが、今までにたくさんの委員の方だから私の聞かんとする要点はつかれておると思いますから、三、四点具体的な問題をお尋ねしたいと思います。その前に基本的な問題だと思いますので、一言農林大臣に日本の農業に関します企業性の問題について、お考えを承りたいのであります。  御承知のように、日本の農業は平均耕作反別一町足らず、そこに家族人口六人強を擁しておりますので、極端な土地集約の農業経営をやつております。この農業の経営の状態と申しますと、今労働者、農民等、要するに國家の生産を上げる基礎的な地位におります者のうち、この農業者だけは一般の労働者が労働基準法によりまして、朝八時から四時まで、一日八時間、一週四十八時間の労働を基準とする。そして生活の基礎を立てる、こういうことになつておりますが、農業者は事業の性質も違いますが、とにもかくにも國家の重要生産のために当りまして、時間を超越して働かなければ実際の土やつて行かれない。かりに現在の農産物の價格をきめますときも、もしこの生産費を考えるときに、朝飯前に草を刈つたらこの時間外手当は幾ら、夕になわをなつたらこの時間外手当は幾ら、こういうように計算いたしましたならば、現在のパリティー計算に、よる農産物價格の数倍になるのではないか。こういうふうな実際の農業のあり方なのでありまして、從つて日本の農業が企業性があり、企業として成立つかというと、企業として成立たない。まつたく一つの労働をもつて生産にかえる、その生産の要素の大部分は家族労働である。こういうことであるならば、そこに私は企業としての價値を持たない、これが農産物の價格をきめる上に、あるいは農民に対する農業所得税の決定の上に、大きな岐路になるものだと考えますので、この点、抽象的な質問でありますが、日本の農業は企業的な價値があるという前提のもとに、すべてをお考えになつておられるか、あるいは企業的な價値はない。まつたくアメリカその他の國の農業と性質を異にした特典性を持つておることを御承認なさつておるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 農業の実態は今お話の通りであります。全然これは企業体と単純に考えることもでき得ないと思うのであります。勤労の面において今お話のように十何時間も働いて、これがほんとうの労働である。労働をやるということから考える面もありますが、さればといつてこれを普通の労働者と同じように考えることもどうかと思うのであります。やはりそこに企業体としての二面があることを認めるのであります。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 その点は私も了承したのでありますが、企業としてみなせない。一般企業と同列と見ることはできないということで了承いたしたいと思います。  それから先ほど今井委員の安本長官に対する質問の場合に、農産物の價格の問題で質問があつたのでありますが、この問題につきまして、答弁が私にも納得行かないのでありまして、私は單純に申し上げますが、現在の農産物のパリティー計算方式による價格の決定と、農業者の労働力とをほかの労働者と同じように六千三百円ベースに一應基準を置いたときに、はたしてどちらが高くなるか、要するに生産費よりも現在の米の値段、その他の農産物は安いか、高いか、こういうことをお聞きしたいのであります。私どもの長い間の調査によりますと、これは中農でありまして、一町五反内外を耕している精農の調査によりましても、たくさん例を引くことはやめまして、米、麦にいたしましても米の生産費が四千八十四円四十六銭かかつておるのが、現在の公定は御承知のように三千五百九十五円、そうしてそれは八八%に当つておる、大麦の生産費につきましては三千三百二十八円かかつておる。それがマル公千五百九十三円、これは驚くなかれ四九・八%、これは二毛作地帶の調査でありますが、こういうふうに私どもの調査といたしましては、パリティー計算が、國民全体の食糧の観点から行きましたときに、ある物價関係から見て、水準に置かなければなりない全体の立場からいつて、このパリティーの計算が正しいといたしましても、農民の生産費から見たときに、こういうふうに相違があると私どもは思つておるのでありますが、農林大臣はそれをどうお考えになつておりますか。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 農産物の價格は食管法によりましては、生産費その他の事情をしんしやくして定めるということに一應なつておるのであります、生産費と申しましても、御承知の通り單作地帶があり、二毛作地帶があり、また近郊地帶あり、山間地帶等ありまして、その生産費の基準を求めることは、はなはだ容易でないのであります。ことにまたその農業者の技術の点において、同じ立地面から収穫するところの収穫量の相違が非常にありますがために、生産費をはつきり認めることは、非常に困難なる事情にあるのであります。今日パリティーによつてやることが不都合ではないかという議論も立たないのではありませんが、今日の場合といたしましては、このパリティー指数によりまして、すべての生産資材等を考えて行くのでありますから、この農産物價格におきましても、その当時々々におけるパリティー指数によつてこれを算出することが、やむを得ない場合における今日妥当なやり方である、かように考えておるのであります。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 ただいまのお話によりますと、現在の状況といたしましては、農産物の價格はパリティー方式による計算によつてきめるよりほかない、こういうふうなお話でありますが、私がただいま御質問申し上げましたのは、そのパリティー計算による現行價格と、現在の生産費が、どちらが價額が高くなるかということをお尋ねしたのでありまして、それにつきまして農業の規模により、あるいは地帶により、非常に変化がある。これは私どもも昔から專門でそれをやつておるのでありますから、これだけ廣い日本の國において、農業の規模において、あるいは地帶によつてかわることはよく存じております。しかし日本の農業というふうなことで考えたときに、おのずから標準が、一つの純増規模というものがあるのであります。たとえば私は人口別にして、あるいは耕作反別の統計の上からでなく、全体的の常識から見て、日本の農業とするならば二毛作地帶における一町ないし一町五反、あるいは単作地帶におけるその倍近いものが標準農家である。そうしてそれによつて農業が食つて行かれるのでなければならない。こう考えておるのでありまして、その標準のもとに計算した場合に高くなるか、安くなるかということに対して、はつきりとお答え願いたいのであります。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 ただいま比較する数字を持つておりませんから、お答えを差控えます。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 今そこに数字がないとすればやむを得ないのでありますが、それならば、私はこの生産費調査について御注意申し上げたいのであります。実際農村におきますところの生産費調査は、現在作物報告その他において行われておる数字あるいは食糧研究所において行われておるのでありますが、これはたまたま大きな誤謬を持ち、そうして私どもが納得できない数字があるのでございます。將來こういうふうな農家の家計調査をおやりになるときに、單に上の官吏の調査機関だけでなく、民間に納得の行くような、なるほどこの地帶ではこういう程度の収入があり、この程度の農家経営の状態であるということを、官民合同の機関によつて御調査願いたいと思うのでありますが、その点いかがですか。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 まことに御説ごもつともでありまして、農家が一体自分が経営いたしておるその農業が引き合つておるのか、引き合つておらぬのか、一日の手間賃がどのくらい報いられておるのかということを、はつきり認めておらないのであります。これはほかの両でありますが、先ほどこの委員会においても、たびたび論議されました農民に対する課税の問題でありますが、この課税がはたして適正であるか、適正でないかということが議論されましたが、これは政府として税務署を通じて課税いたしますものも基準がありません。はつきりした科学的に説明するものは私はないと思います。またこの更正、決定されたものに対して、納税者が不服を申し上げておるけれども、それもはたしてこれを科学づけるものはないのであります。そうすると、ただはつきりしない、ただやむを得ないから納める。これだけあると思うから、とるんだというふうに、まことに不合理な納税が続けられておると私は考えております。これではならぬ。國民の一員の義務として、納税はどうしてもしなければならぬのでありますから、農業経営の上におきまして、はつきりと、自分の業態を見つめて、いかに税務署の役人がこれだけのものはあろうと言つても、絶対私はこれだけしか収支がありませんということを、はつきり示すだけの科学資料をつくるべく、私は本年全國にわたりまして標準農家を相当数指定いたしまして、最も簡易な簿記式によりまして収支を明らかにして、そうして一面には納税の義務を完全に果す。一面においては農業経営を改善して行く一助といたしたい。かように今計画を進めておるわけであります。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 ただいま農林大臣から、現在の農民の家計調査につきまして、非常に御苦心の計画を聞きまして、たいへん安心したのでありますが、その結果が出ましたあかつきには、現在のパリティー計算による價格よりも、生産費の方がはるかに上まわつておることが、必ずわかると私は信じております。  その次に供出の問題でありますが、この供出の制度が行われましてからもはや数年たつております、今日民主的な割当であるとか、あるいは自主的な割当であるとか言つていながらも、今日依然としてこの割当が見越しであり、あるいはときに政治的なものになる。そうして公平な割当というものに近づくならばいいけれども、年々にかわつて参つておる、要するに公平なものに近くならない、これが現状なのであります。そうして統計の上から見ますと、どこの縣は一〇〇%、あるとか、あるいはどこの縣は八〇%、その下におきましては縣同士、あるいは郡同士、あるいは町村ごとにおきましてもどこの村は八〇%、どこの村は一〇〇%だということを一言つて、非常に百姓はこの点で不自然な割当であることを、個々の農家はみな知つておるのであります。たとえば八〇%しか供出のない村におきまして余裕綽々として、完了して余つておる村、あるいはそういう同じ八〇%の割当を受けて八〇%の供出の状態であつても、非常に苦しい場合、こういうふうに差異があることは、基本的に数字的に割当の方法に何らかの欠陥がある。最もいい一例は縣と縣の境目、あるいは縣と郡との境目、あるいは町村の境目におきまするならば、あぜ道一つを境にいたしまして、一方は供出基準をとる。一方は多量基準をとるというような現状になつておることは、農林大臣も御承知だと思うのでありますが、こういうふうなことにつきまして、過日農林大臣のお話に、この供出の制度に対して、あるいは基準に対して、根本的にやり直したい。こういうふうなお話があつたようであります。これに対して十五億三千万円の経費が計上してあるようであります、この十五倍億三千万円というのは各市町村に一人ずつの人間を置くようでありますが、この程度では非常に困難である。そこで私の考えといたしましては、作物報告事務所の現在の行き方に対して非常にいけない点がある。というのは作物報告事務所が現在隱密的な考え方を持つておる。作物報告事務所が中央へ報告した数字は一般民間に見せない。そのために作物報告事務所と一方食糧委員の間に非常に摩擦ができておる地方が特に多い。そこで私は、この作物報告事務所関係の調査費が二十四億円あるようであります事が、これを人間の上にも予算の上にも、そこにひとつの融和性を持たせる考え方がほしいと思うのであります。これは非常に重大な問題で、ありますので、現在農民は税金と供出、この二つだけで最も頭を悩ましている。このためには町村長をやめるというようなところまで行つておりますので、その点の御所見を承りたいのです。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 まことに金子さんのお述べになりました通り、供出制度をやり出しまして八、九年たちましたが、まだはつきりとした合理的な方法が見出されておりません。その実情は今お話の通りであります、よく私はその事情を知つておりまして、これじや生産意欲も起らなければ、増産にもならない。何とかしてこの供出制度の方式をかえたいということで、今せつかく研究を進めておるのであります。しかして今のお話のように供出割当をするところの標準を、いずれに求めるかということにつきましては、これは地方、またその土地とその地方との労力関係等、いろいろのものを考察しなければならぬと思うのでありまして、これはなかなか一年や二年でほんとうの調査を完了することはむずかしいと考えます。今調査いたしておりまする作報事務所は、お話のような欠点も私は認めております。しかして作報だけの力ではとうていこれはでき得たいのでありまして、農地調整委員の諸君あるいは食糧事務所の諸君、あらゆる團体が協力いたしまして、眞に一致團結した姿で根本的な調査をいたし、そうして基準をできるだけ早くつかみたい。かような考えを持つておるわけであります。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 ただいま御答弁になりました農林大臣のお話は、これを全國の農民が聞くならは非常に喜んでくれると思います。從つてただいまの御答弁を責任を持つて本年度から着手いたすことをお願いしておきまして、農林大臣への質問をこれで打切ります。  次に大藏大臣二、三お伺いしたいのであります。先ほど農林大臣の御所見にもありました通り、私もそう信ずるのでありますが、日本の農業は單なる企業としての考え方では割切れない。要するに自分の損失あるいは自分の利得の責任というものは自分にありますために、労働者でもあり得ない、こういうふうなきわめて変態的なものであります。そこで今後農業の所得税の課税については非常に考え直さなければならぬ問題があるのではないかと私は思うのであります。     〔委員長退席、西村(久)委員長代理着席〕  御承知のように日本の農業者は、明治以來農業経営により、要するに自分の手に汗をかいて作物をつくつた。その農業者は直接所得税を納めたことがないのであります。そのわけは日本の農業は明治以來世界に比類のない、収穫物のおよそ半分ないしは半分に近い、きわめて高額な小作料の形において地主に上納して、その地主が所得税その他において國家的な負担をしておつた。そうして日本の農業者は大体において、比類のない高い小作料という形において、國家に間接に負担をしておつた。直接所得税という形において考えられたのは今度が初めてであるのであります。それだけに私は研究しなければならぬ問題であると思うのであります。これはあるいは当初のお考えははつきりしないかもしれませんが、たとえば、現在農業所得の税率の計算は、御承知のように総収入から必要経費を引きまして、なお基礎控除を引いて、それに税率をかけて、扶養家族の控除をする。こういうふうなことでありますが、農家の収入は、先ほど申し上げたように極端な労力疎放の形にありますので、その生産費の大部分は自家労力であるのであります。自家労力であるとするならば、これを私はほかの給與所得と同じように、農業に從事する者の一人々々に対して、基礎控除を認めることが妥当ではないかと考えるのでありますが、これに対するお考えはいかがでありますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 その問題につきましては、本委員会でたびたびお答えいたしております。日本の農業の実態に照しまして、農業所得を得るために家族が労務を提供いたしました場合には、事礎控除とは申し上げかねますが、それに似た程度の処置を講じたいと考えております。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 その次に伺いたいことは、農業所得の算出の場合に、必要経費を控除することは当然でありますが、この必要経費のとり方であります。この中で地方によつてどこの地方でも一番問題になつておりますのは、農機具、農事その他の償却の問題でありますが、この償却費を取得價格で見るということが今行われているようであります。取得價格と申しますと、現在農家の使つております道具は三年なり二年なり前に買つたものである。それは現在の價格から見ますと、五分の一、六分の一という價格でありますが、このものがかりに破損いたしました修理費だけでも、その取得した当時よりも高いというふうに非常に変化をしておりますので、地方におきまして税務署と農家との見解の相違が一番多く逢着している問題は、この問題なのでありますが、これは単なる取得價格ということでありましても、たとえば二百円で買つた脱穀機が今日五千円、六千円している。こういうふうな事情では、農業を経営する立場から行きますと、非常に不合理だというふうに見えるのでありますが、その点はどうお考えになりますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 所得控除の必要経費といたしまして、それの資産の評價がえの問題は、單に農業所得のみではございません。各産業にあるのでございます。先般來資産の評價がえの問題を課税の面かち研究いたしておりますので、今後農業所得の計算につきましては、他の企業と同様に、減價償却につきまして檢討を加えてみたいと考えております。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 農業所得の問題が先日他の委員からも出ましたときに、北海道その他におきまして一つの標準をつくりまして、それを農家に示して事前割当をしたときに、非常によろしい成績が出ておるというようなお話がありましたが、私の知る範囲におきましても、お話の通り標準收入が一反当りこの地帶におけるたんぼは幾ら、この地帶における畑は幾ら、こういうような基準をきめまして、地方の協同組合、あるいは農事実行組合等に税務署員が出張いたしまして、その基準でやつてくれ、耕地はこういうふうに出してくれというふうにやつておる向きが多いのであります。ただこの問題で注意をしなければならぬことは、その率が税務署の一方的な行き方でやつておるために、実際自分の農業ではこれだけの収益はないと思いましても、そうしなければまた次の問題でこの申告が通らないというような関係になつて來る。それならばほんとうのことはどうかというと、実際上現在の農家はやみをしなければ生計が立ち得ません。從つてやむを得ずそういうことで標準通りに書けばよいのだというようなことで一般に行われておる向きが多いのでありますが、これはこの標準をつくるときに、でき得るならば税務署の一方的な見解だけでなしに、何らか民意を入れた合理的なものにしたい。そうするならば前日來の大臣のお話がもう一応完璧を期し得るのではないかと思われますが、その点は御所見いかがですか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 ただいま諮問機関を設けて、その機関の答申によつてやる考えはございませんが、実際問題として、農業精通者その他いろいろ審議のある方等の意見はなるべく聞かせていただいて、税務署の算定の基準をきめたいと考えております。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 その次は、先ほど農林大臣のお話にも養蚕の大きな打撃のことがありましたが、それにつきまして、現在繭につきましては事業税百分の十を課しております。繭もほかの農産物と同じように供出の形がありまして、農民の自由勝手にできないものであります。しかも國家の重要生産でありますので、繭だけに事業税をかけるということは、私はきわめて不穏当だと思うのでありますが、これに対してはいかがですか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 繭に対しましても業税免除について檢討いたしましたが、ただいまは主として主食のみに限つておるのであります。繭に対しまして事業税を課せないとするならば、專賣品であります塩業に対しても課税できないことになりますし、またタバコ等につきましても考えなければならぬようになりますので、ただいまのところ、繭について事業税を課税しないということは、私は不適当であると考えております。

金子與重郎公正倶楽部

○金子委員 その次の問題といたしまして同じく養蚕の問題でありますが、現在輸出が非常に困難な状態にありまして、御承知のように滯貨がおびただしくある。この際許されるならば輸出不向きのものに対しては、内地需要に向けて行く。そのためには、大きな支障になつておるものは絹織物消費税の四割であります。これに対して綿織物その他と同じような比率にすることがよいではないか。現在絹織物が非常に高いために消費税をしぶつておる面が非常に多く見られますので、これをもし下げましても、その税金徴収額が結果において減ることは、比較的ないのではないかということが、実際の産地において見えるのでありますが、その点に対する御所見を伺いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 從來絹織物に対しましては四割の課税をいたしております。しかして綿織物との比較がありましたが、綿織物は御承知の通りに、内地向けのあるものはドル七十数円の拂下げの價格になつております。今後三百三十円の想定レートで参りますと、綿織物は相当上つて來ると思います。從つて今綿織物との比較から考えて、絹織物の四割を軽減する考えは持つておりません。ただ今後におきまして、輸出が非常に不如意のために、内地向けにどんどん出て來るというような、今までよりも非常にかわつた情勢が出て参りますならば、そのときには考慮いたしたいと考えております。

西村久之民主自由党

○西村(久)委員長代理 この際松本君にちよつとお諮りいたしますが、文部大臣がお見えになつておるので、ごく二、三分の間、今井君の質疑が残つておりますから、今井君を済ませてからあなたの御質疑を願いたいと思います。今井耕君。

今井耕国民協同党

○今井委員 文部大臣に六・三制の実施に関する経費についてお尋ねいたします。すなわち建築費、設備費等の問題でありますが、これを削除してしまうということは賛成できかねるのであります。何とかしてこれは復活しないと困ると思います。その後政府としてはお見込みがないのかどうか、それを承りたい。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 お答えいたします。六・三制の建築費補助の予算の問題でありますが、政府といたしましては、毎日のように折衝を続けておるのでありますけれども、まだ見込みが立たない状態であります。私としても非常に苦慮している状態であります。

今井耕国民協同党

○今井委員 予算審議の期間も、だんだん短かくなつて來たのでありますが、もし見込みがないということになつて來ると、これは教育上一大頓挫を來すと考えるのであります。すでに助成があるつもりで今やつておる部分もある。それをどうするか、あるいは近い將來にそれが復活するということになれば、そのつもりでやらなければならぬが、当分ないということになれば、今の小使室とか納屋を使つておる部分をもう少し改造して、完全なものにして行かなければならぬということも考えられる。ある程度の見通しが何とかならぬと、國民としてはどうしてよいかわからない。われわれも実際相談を受けたときに、どうしてよいか見通しがつかぬ、こういうことでは國民は非常に迷うと思う。それについてやはり政府として、はつきりしたことを言わないと、國民として非常に困る。その点御意見を承りたい。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 お答えいたします。その点につきましては、私どもといたしましても非常に苦慮いたしておる次第でありますが、予算との関係につきましては、私としては何とかもしできるものならば、たとえここできまりましても、あとからできるならやつていただきたいというふうに考えて、事実は折衝を続けておる次第であります。一体できるかできないのか、またできるといたしましても、幾らになるかということがきまりませんと、確かに実施する方からいえば、非常に困難があるだろうと思いますが、現在の情勢が奥はそれをはつきりさせることのできない状況でありますので、その点ひとつ御了承をいただきたいと思います。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 ちよつと関連質問をさせていただきます。文部大臣にお尋ねいたしますが、ただいま総司令部と交渉中であるというお話がありましたし、それからまたここでどうしてもこの予算で復活の見込みがなければ、何とかほかに方法を講じてみたいという意味のことをお答えになつたのでありますが、最後のお答えは追加予算でも出してもらうというような意味でおつしやつたのでありますか、どういうことでありますか、その点をちよつとお尋ねしておきたいと思います。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 お答えいたします。むろんただいま努力しておりますのは、この本予算についての問題でありますが、これでできない、あるいはできましても少額であるというような場合におきましては、私といたしましては今後あらゆる機会をとらえ、あらゆる手段を講じまして、予算の増額に全力を盡したいと考えております。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 私のお尋ねしたことにはつきりお答えになつていないのでありますが、増額というのはこの予算のわくの中で何とかやりくりするという意味ですか、それとも追加予算でも求めたいという御意向なのでありますか、その点をはつきりお聞きしたいと思います。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 お答えいたします。ただいまやつておりますのは、前からお話いたしておりますように、五百億のわくの中での問題であります。しかしそのほかにもし追加予算等でやる機会があるといたしますれば、むろん私はやりたいと考えておる次第であります。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 それではそれに関連いたしまして大藏大臣にお尋ねいたしたいと思います。元來追加予算はことしは考えないというように從來しばしば私ども聞かされておりましたが、この点に関するわれわれの見解は違いますけれども、ただいま文部大臣のお話によりますと、何だか追加予算の計上も、あるいは可能であるかもわからないというような御見解のようでありました。大藏大臣はこれに対してどういうようにお考えになりますか、その点伺いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 追加予算は、原則として出さないつもりでありますが、いろいろな事情の変化によりまして、追加予算を組む場合もあると思います。しかし、その追加予算の組み方は本國会中か、あるいは今年度内のあるときか、それはわかりません。私の推測では今後國会におきまして追加予算を組むようなことは万々あるまいと予想いたしております。  なお文部大臣のあらゆる機会というのは、追加予算ばかりではないと考えております。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 それでは追加予算を組むこともあるかもわからない、そういうことをわれわれは頭に置いてよろしゆうございますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 國政の運用上、常にそういうことは考えなければなりません。

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 それに関連して質問したいのですが……

西村久之民主自由党

○西村(久)委員長代理 今の六・三制の問題だけに限定しての質問でしたら……

笹山茂太郎民主党(第九控室)

○笹山委員 ただいま文部大臣がわくの中でということをおつしやいましたが、この五百億のわくの中は、あとでもつて話合いによつて自由に変更になる余地があるものでありますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 かわつてお答えいたします。一應細目として御審議願つておるのでありますが、財政法上、会計法上、かえ得られないことはございません。

西村久之民主自由党

○西村(久)委員長代理 次は松本六太郎君。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 私は大藏大臣に、まずお尋ねをいたしたいと思います。本年度の予算を通覧いたしまして、私どもはいかにも不安にたえない予算であるという感じを持つのであります。と申しますのは、歳入の面におきましてこの厖大なる所得税の増徴は、先般來しばしばこの委員会でも問題になり、大臣はこれは必ずとるという強気で御答弁になつておるのでありますけれども、私は今まで質問せられた方と違つた角度から、これを檢討いたしてみまして、これは不可能だという感じを強くするのであけます。國民の税の負担力は、もはやもう限界点に達しておる。しかるに新たに所得税、その他において約二千億に上るところの増徴を見込んでおられるということは、これは何としても私は不可能に属する、かように考えるのであります。なかんずく農業、中小企業、勤労大衆、これらの負担すべき分野における見込額はまことに過大であるということが、われわれの強く指摘いたしておる点であります。この予算案をめぐり、それからこれと一連の財政経済政策をずつと見て参りますれば、どうしてもさような庶民階級、農民等の所得は著しく増大するという結論は出て参りません。現に経済安定本部からお出しになつた資料にも、農業所得の増加の率は、約九パーセントを見込んでおられます。しかるに税の上では二七・五%の増税を農業の面に見込んでおられる。ここにも大きな矛盾がある。所得がふえないのに、所得税が現在の法律の範囲においてかくのごとく増徴できるということにはならないと思うのであります。この点について大臣の御所見を承りたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 たびたびこの問題つきましてはお答えいたしたのでありますが、課税所得につきましては、二十三年に対して二十四年は、もつと所得額がふえておると考えております。なお所得額が一割ふえますと累進税率の関係上、所得税はそれ以上の割合で相当増収になることに相なるのであります。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 さらにこれと関連いたしまして、もう一つお尋ねいたしたいのであります。それは前にもどなたか御質問があつたかのようにも思いますけれども、ただいまもちよつと触れました一般や大衆の負担にかかりますところの源泉課税もしくは申告の所得税が千二百六十七億ふえることになつております。それから法人税は九十二億ふえるということになつておりますが、その率が今度の経済政策から申しますれば私はどうもおかしいと思う。それは今回の経済安定政策は、中小企業は没落せざるを得ないような方式になつておるが、いわゆる大企業は今後ますます発展するという段階に向つておる。しかるに大企業の占める法人税は徴税の歩合が非常に低くて、大衆課税の方は七二%であるにかかわらず、法人税の方は五〇%程度であるというような比率になつておる。これは矛盾であると私は考えますが、この点についてはいかがでありますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 勤労所得に対しまする所得税の増加は、昨年十二月でございましたか、官公職員の三千七百円ベースが六千三百円になりましたのがフルに一年間出て参ります関係上、かような増加を見越したわけでございます。なお官廳職員ばかりでなしに、ほかの一般の給與も昨年は徐々に上つて來たのであります。その上つて來た労賃がフルに出て参りましたので、この程度の收入はあるものと確信いたしております。なお大企業について相当利益が上るだろうというお見込みでございますが、敗戦後の状況におきましては、大企業はあまり利益が出ていないのでございます。從いまして、法人税の二百七十二億円は大体適当であると考えております。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 今の問題は、それ以上申し上げても、結局見解の相違ということになりましようが、これは私どもはどうしても納得できない点であります。  次は農業所得に対する事業税の関係でありますが、先ほど養蚕の問題について御答弁がありました。しかしそれだけではなしに、農業に対する事業税の中には、非常に不合理なものが多く含まれておるので、これに対してぜひとも改善をせられなければならぬと思うのであります。たとえば農業を経営いたしまするためには、どうしても牛馬を一つの農具として養はなければならぬが、牛馬に與える飼料をつくると、これは事業税を賦課されることになつておるのであります。また自分のうちで食べるわずかばかりの野菜をつくりましても、これまた事業税をとつておる。こういうことは農業の本質を理解しない悪税でありまして、嚴に戒めなければならぬ点であると考える。こういう点について、先ほど養蚕に関してのお答えはありましたけれども、私の申し上げるこの矛盾と申しますか、不合理と申しますが、農業の経営のために必要な家畜の飼料をつくつたら事業税をかける、うちで食べる野菜をつくつたら事業税をかけるということは、どうしてもいけないと思いますが一大臣の御意見を伺います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 自分のうちの食糧を生産した場合に、事業税を課すか課さないかは、程度問題でございまして、理論としては課税に乗つかるべきものではないかと思います。なおまた自分の農業経営に使つておる牛馬の飼料の生産について、事業税を課すか課さないか、これもやはり程度の問題であるのであります。飼料を買つた人には必要経費として控除するし、飼料を買はない人については何ら考えない、こういうような不公平な場合もありますので、実態に滑つたようなことをやつていかなければならぬと思います。なお事業税につきましては、所管が木村國務大臣の方でございますので、詳しいことは木村國務大臣からお答えに相なることと思うのであります。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 次に取引高税の問題であります。取引高税は現内閣の頭痛の種であり、また民自党の諸君も廃止をしようと強く主張せられた点でありますが、結局存続することになつておるのであります。しかし農業協同組合が組合員に配給する品物に対して取引高税を賦課するということは、これはどうしても不合理であると私は考える。御承知のごとく、協同組合の組織は商行為ではなくて、組合員の協同購入、つまり購買事業というものは組合員の協同購入でありまして、農業組合の事務所において取扱いをするということになつておる。しかるにこれを組合員に分配する場合に取引高税をかけるということは、不合理でもあるし、悪税でもあると考える。この点はぜひ改善をせられなければならぬと思うのでありますが、大臣の御意見を承ります。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 多分ある程度の改正は今回加えたいと思います。大体取引高税などは、法律論よりも、実際そこに担税力があるという場合に課税する実際論の方が、適当ではないかと考えております。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 次に農業の金融政策でちよつとお尋ねいたしたい。現在農村の最も苦痛といたしております点は、税金の重いということと同時に、金融の極度の梗塞が農業再生産をはばんでいる重大な問題となつているのであります。そこで本年度の諸般の日本の産業の資金全体の問題についても、先日來論議せられておるのでありますが、特に農村の今日の金詰まりの現状にかんがみまして、大藏大臣は農業資金に対しまして、いかなるお考えをお持ちになつておりますか、それを承りたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 税金の高いのと金詰まりは農業に限つたことではないのでございまして、全般の問題であるのであります。農村金融につきましては、從來も御承知の通り四半期大体十六億円という割当で行つております。しかるに復金がなくなりました関係上、將來從來のような方針で相当程度農村の方に流して行かなければならぬと思つております。農村にしましても、あるいは漁村にいたしましても、いろいろの面につきまして大体先般資金計画をごらんに入れたあのわく内において、万全を期して行きたいと思います。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 農村の資金には御承知のごとく長期のものと、短期のものとあるわけでありますが、先日來問題になつております対日援助見返り資金の使い方の問題、これは大臣のお考えになつておるラインは大体わかつたのでありますが、農村におきましても、長期の資金を非常に必要としておる。たとえば畜産をやりますのに、これらの設備を必要とする。あるいはまた畜産を振興いたしますための諸般の長期的な資金、あるいはまた土地改良その他の長期的な資金、かような資金を必要といたしておるのでありますが、これらの面に対しましても、一千七百五十億のあの対日援助見返り資金から御融通になるという御考えであるかどうか、この点を伺いたいのであります。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 先般來たびたびお答えいたしたのでありますが、これの使い方につきましては、特別会計法第四條でございますか、あれに載つておる通でございます。これから直接に農村に出すか、あるいは國債または復金債を償還いたしました金にひもをつけて出しますか、今のところはつきり申し上げかねますが、農村金融につきましては、資金計画を立てまして、あらゆる努力を拂つて行きたいということを申し上げておきます。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 さらに農村金融の問題におきまして、これは相当前から前内閣もしくはその前の内閣当時からも、しばしば問題になつておる点でありますが、農村復興金融金庫等のごときものを設けて、積極的に農村金融の仕事を推進いたして参る、こういうことは、全日本の農村の要望であり、また歴代内閣も、このことについては相当研究もいたして参つておる点であります。遺憾ながら、いまだ実現はいたしておりませんが、この機会に私はさような制度を設けることが最も望ましいと考えるのでありますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 農村金融金庫をつくる案は、わが民主自由党からも申出がありまして研究いたしました。しかしただちに農村金融金庫をつくることにならなかつたのであります。從つてこれがかわりといたしまして、先ほど來お答えいたしましたように、別の方面から農村の金融を円滑にして行きたいと考えております。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 次に、農林大臣はいらつしやいますか。

西村久之民主自由党

○西村(久)委員長代理 いらつしやいます。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 農林大臣にお伺いいたします。  食糧供出に関する問題は、本委員会におきましてもしばしば論議せられた点でありますが、この食糧確保臨時措置法の改正案は、まだ國会には提出せられていないと思うのでありますけれども、政府の考えておられますこの法案の内容を仄聞いたしますと、私はこれは非常な改悪となるという見解をとろのであります。なぜならば、超過供出というものは、あくまでもこれは超過供出でありまして、その超過供出の性格を失いまするような法律を制定いたしますことは、いたずらに農民の反感を高め、生産意欲を低下せしめまして、わが國の食糧増産をかえつて阻害するのである、かように考えます。一体適正なる事前割当をやりまして、その上に農家が刻苦精励いたしまして、いささか増産いたしたいというものを、強権を発動してまでも取上げるというような法律をつくりますことは事前割当をいたします意義も失いますし、また農民が増産に対しての熱意を振起いたします上にも、非常な障害となるのでありまして、これさえいたしますれば——現に本年の実績に徴しても明らかであります。農民は出し得る限りは出すのでありますから、あくまでも農民の自主的な協力に訴えて、超過供出の成績を上げるということが、超過供出の眞の意味である、かように考えるのでありますが、大臣のお考えを承りたい。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 今日の食糧事情は御承知の通りであります。アメリカから輸入を受けまして、ようやく配給をいたしておるようなわけなのでありますが、このたび超過供出をやる場合において、今日では自主的にやつておるのであるが、それを法制化しなければならないということになりましたことは、現在事前割当をいたしまして、超過供出を自主的にやつておる。ところが超過供出はなかなか予定した通りで來ないのみならず、相当その他の方面に米が動いているという、この事実によりまして、アメリカにおきましては、苦しい中から日本に食糧を輸出しておるのである。そしてこの事情のもとに、日本が事前割当よりさらに出し得るものがある、それを自由意思によつて超過供出をせずして、この政府の意図にそむいて、やみからやみに流れておるというこの事実は、アメリカのこの食糧援助に対しても不都合ではないか。もしそういう余裕のある場合においては、超過供出すべきこの食糧に対して法制化すべきである。九原則にも示されております通り、この食糧の集荷を一層強化せよということになつておるのであります。この氣持で今回、まだ提案はいたしておりませんが、法制化をいたしまして、超過供出をなし得る場合においては、これを法制化して行く。いわゆる四囲の食糧事情、その年の作柄等にかんがみて、なお余裕ありと認めた場合においては、これを供出せしめるという法制をすべきであるという示唆を受けたのであります。それでありますから、事前割当が適正に行われておりまして、これがその年の食糧事情にうまく適合しておる場合においては、あえて法制化のもとに超過供出を強要する必要はないのであります。その年が事前割当以上に相当の作柄であつて、また國内の食糧事情もきゆうくつであるにもかかわらず、なおどこかに余裕があるというような現象の場合においては、これを供出せしむるというのが、今回関係方面より示されたる趣旨と考えておるのであります。でありますから、法制化いたしましても、必ずしも、強制的にこの超過供出を出さしめるということには限らないのでありまして、これは事前割当が適当に割当ててあつたということになれば、そういう心配はないことになるのであります。この問題については、なお皆様に十分の御相談を願う機会があろうと存じますが、今回、今日の食糧事情が、アメリカから補給を受けながらも、なおそこに余裕が残されてあるというこの氣持に対して、そういうものがあれば、これは供出を強制すべきものであるという示唆を受けまして、政府は成案を急いでおるようなわけであります。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 次に肥料問題でお伺いいたしますが、本年度の肥料の計画はどうなつておりますか、これを承りたいと存じます。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 本年度の肥料事情は、幸いに電力等の事情がよくありまして、春肥の場合においては、窒素肥料におきまして百五万トン、燐酸肥料におきましては六十五万トン、カリ質肥料におきましては十五万トンが供給し得られる見込みであります。これが全量におきましては、所要量の約七割程度になると思うのでありますが、まずこの程度において本年の春肥は、完全にとは申しませんが、七割程度においては十分に配給し得る計画が確実になつておることを御了承願いたいと思います。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 ただいま農林大臣は大体所要量の七割を供給する見込みであると申されましたが、その七割の中には、おそらく輸入肥料の硝安の約三十万トンを見込んでおられることと思うのであります。これは硫安に換算して約四十五万トンに当るのでありますが、この輸入いたします肥料の硝安は、地帶にもよりましようが、農民があまり歓迎しない肥料である。しかも非常に値段が高い。これは輸入の場合に補給金を出してバランスをとつておるということでありますが、かような厖大な肥料を輸入にまつということは、私はどうかと思います。これは硫安の生産のやりようによつては、國内において百五十万トン程度の製造はすぐにもできる可能な状態にあるわけであります。しかるにこのたび政府のとられますいわゆる健全財政の建前から、これらの國内における肥料産業は苦しく圧迫せられまして、今まで生産を続けておつた工場も閉鎖するものが大分できる模様であります。こういうふうになつて参りますれば、私は経済九原則の実行の上からいつても、輸出入のアンバランスだんだん大きくいたしまして、國内産業を非常に圧迫する。しかもまた輸入にまつということは、適当な時期に農民に肥料を渡してやるということにも大きな支障が起つて参る。こういうようにあらゆる面から見まして、排斥しなければならぬような政策をあえておとりになることは、どうしても納得が行かないのであります。この点について、農林大臣のみならず、経済安定本部長官もお見えになつておられますから、日本の本年度の肥料生産に対します御見解、御計画、そして一体この政策から起つて來るところの肥料の減産はどの程度になるか、國内の減産がどの程度になるお見込みであるか、また將來これをどういうふうに持つて行こうとしておられるのであるか、さような点について、安本長官から御説明を願いたいと思います。     〔西村(久)委員長代理退席、委員長着席〕

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 私から便宜お答えいたします。日本の窒素質肥料の生産能力は、百二十万トンは許されておるのであります。しかしながら電力、鋼材、硫化鉱の原料の関係より、その全能力を発揮することを得ないのであります。たまたま硝安の輸入を得ておるわけでありますが、御説の通り、硝安は輸入肥料でありますので、非常に價格が高いのであります。しかし日本の畑地におきましては、石灰窒素、硫酸アンモニア等よりも、性質といたしまして適当な肥料と考えられますので、ある程度の輸入は、今日内地の肥料の生産の現状から見まして、やむを得ないと思うのであります。これは一日も早く独立自営いたしまして、そして日本において肥料を十分に生産しなければならぬのであります。松本議員も御承知と思いますが、日本の硫酸工場の経営はなはだ種々雑多な方式がとられております。しかも戦前輸入されたパテントの機械でありますし、戰争後資力も十分にまわりません、また鋼材等の関係もあり、先ほど申しました硫化鉱の関係がありまして、戦前のような計画通りの生産が、今あらゆる努力をいたしましても、できないような情勢にあるのであります。この復興については、政府としても相当力を入れて復興せしめ、自給自足の道を考えたいと思つておるのでありますが、今ただちにその道に達することができ得ないので、やむを得ず硝酸アンモニアを輸入して、ようやくこの肥料の全量を補つておるという事情であることを御了承願いたいと思います。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 次に畜産関係について、農林大臣にお伺いをいたします。日本農業のこれは特質とでも申しましようか、むしろ畜産を重点的に取入れなければ、将來の日本農業は立つて行けないのでありますが、この畜産に対します政府の施策は、最近においてはまことに消極的でありまして、農民の要望にこたえるような施策が行われておらない。牧野の問題にいたしましても、家畜飼料の問題にいたしましても、いずれをあげましても、日本農業の実態に即した畜産政策が行われておらない。これに対して農林大臣はいかようにお考えになつておりますか。

森幸太郎民主自由党農林大臣

○森國務大臣 お説の通り、まことに家畜の面が戦後頓挫いたしておりまして、日本の肥料事情から申しましても、増産面から申しましても、家畜を農業に取入れなければならないことは申し上げるまでもないのであります。ことに化学肥料に依存し過ぎまして、地方を非常に減退させておる日本の耕土は、畜力によつてこれを回復するより道がないのであります。しかし御承知の通り、食糧事情が非常にきゆうくつになつておりまして、家畜に食べさすものを人間が食べなければならないというような情勢にありますので、現在飼料も相当海外からの輸入を仰いでおるような次第でありまして、この家畜の問題は飼料と相伴わない情勢であるのであります。しかしながら家畜の増産につきまして、相当力を入れておるのであります。種畜用に対しましても從來馬が、軍馬主義に置かれておりました種畜用を役畜用に乗りかえまして、そして家畜の増産に力を入れておるのであります。なお一部におきましては、まことに飼養しやすい朝鮮の赤牛の輸入も考えられますが、牛疫等の関係もあり、また先ほど申し上げました通り、飼料等が非常に欠乏しておりますので、不本意ながらその実現も見られないような情勢でありますが、牧野の開放等と相まちまして、この大きい家畜をできるだけ増殖いたしたく、政府はあらゆる施策を盛つて行きたいように考えておる次第であります。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 農林大臣の希望的な御意見は了承いたしますけれども、大体この予算面に現われております数字がこれを物語つておるのでありまして、これはよほど大臣が固い決心と非常な努力をお払いにならなければ、とうてい農村の要望にこたえることはできないと思うのでありまして、この際特に強くこのことを要望申し上げる次第であります。  それから経済安定本部長官にお伺いいたしますが、わが國の電力の問題が今日各方面から、産業の上からも、國民生活の土からも強く要望せられておる。つまり電源開発の問題が叫ばれておるのでありますが、これはどういう計画をお立てになつておりますか、お尋ねいたします。

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 御承知の通り、経済安定本部といたしましては、從來電力開発には相当注目いたしまして、これが開発の予定を大体五箇年計画の線に沿つて実現いたしたいというのでやつて参りましたが、九原則の実施に伴つて、われわれの五箇年計画は多少ずれるのではないかということから、今日その予定計画通りに進んで参るということについては——大体現在必要なる電力量を中心といたしまして、昨二十三年末から今年にかけまして、比較的雨量等もありましたために、一応予定のような、あるいはそれを上まわる程度の電力量を保持することができたと存じます。從いまして今年度におきましても昨年程度、あるいはそれよりも少し増した程度の予定を立てておる次第でありまして、電力の開発によつて今後わが國の経済、文化その他の点で、たとえば鉄道の関係でもありますが、電力化を考え、あるいは家庭電力の増加を目標といたしますと、相当な開発を行つて行くということになるのでありますが、この電力開発等は、もちろんもつとわが國としては力を入れなければならぬということを強く考えておりますので、その方面の投資面の必要が何とか見出されて参りますれば、その点を五箇年計画の線に沿つてやつて参りたいと存じております。御承知の通りに、アメリカの援助見返り勘定の中参から、電力開発等に投資すべき資金が見出され得るといたしますれば、それに從つてさらにその五箇年計画の線を推し進めて参る考えを持つておる本次第でございます。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 ただいま五箇年計画のお話がありましたが、その御答弁のうちに、大体昨年度相当量の開発をした、また今年もその程度のことをやろうという御答弁でありますが、地域的には昨年あるいはある程度の開発をやられたかもしれません。しかしながら北海道のごときは、全然開発ができておらない。東京に來てみますと、電氣がさほどきゆうくつであるという感じをわれわれは持たないのでありますが、北海道は昨年以來現に今日もその通りでありますが、今はサンマー・タイムで時間が一時間ずれますけれども、午後の六時から七時の間に三十分全道一体電氣を消します。八時から九時の間にまた三十分消します。それから十時になりますれば、朝まで全然電氣を消してしまうのであります。こういう一般電燈に対しましても、非常に強い規制をやつておる。それにもかかわらず、産業はことごとく半身不随の状態にある。かような点について、しばしば政府でも折衝はいたしますけれども、何ら積極的の対策をお持ちになつておらぬ。最近ようやくただいまお話の五箇年計画で、二十六万キロワットの電源開発をやろうということになつたようでありますけれども、それも今長官からお話のあつたように、今度の財政経済政策のあおりを食つて、あるいはその通りやれぬかもしれぬというようなお話もある。かようなことではせつかく日本再建をやろうとか、北海道の総合開発をやろうとか言つてみても、それは全然不可能であります。あらゆる面において、電氣の重要であることは議論の余地はないのでありますが、得に地域的にかようなひどい所もあるということを十分御認識になつて、この五箇年計画の実行に当つては、ひとつ積極的な熱意を持つて当られたいということをお願いするのでありますが、北海道の計画の遂行に対して、一体どういうようなお考えをお持ちになつておりますか、この点もう一つ……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 あなたの時間もリミットに來ておりますが……

青木孝義民主自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官

○青木國務大臣 特に北海道の電力の問題につきましては、われわれも非常に注目をいたしておるところであります。御承知の通り、わが國の今後の産業を考えますれば、電力の開発はひとり北海道にとどまらず、非常に重要なものでありまして、たとえば新潟、長野縣にわたる地域であるとか、あるいはまた四國であるとか、和歌山縣であるとか、そういつた地域の問題、あるいはその他の各地域におきまする電力の開発は、相当大きなものを計画されておることも御承知の通りだと存じます。ことに北海道につきましては、先ほども申し上げましたように、われわれもその費用と機会とをとらえまして、できるだけ力を盡して参りたいと存ずる次第であります。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 総理大臣の御出席はないのでございますか。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 きようは総理大臣は出られないと言つて参りました。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 それではこれは適当の機会に留保いたしておきます。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 黒田壽君。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 私は、ただいま出席されております大臣に御質問いたします前に、まず総理大臣に質問したいと思う事項があつたのでありますが、きようはお見えにならないのでしようか。先ほどたびたび事務の方にこの点につきましてお聞きいたしましたら、今呼んであるから來るだろうというような話でしたが……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 総理は先刻、きようさしつかえがあつて参られないと言つて参りました。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 それでは私の総理に対する質問の分は、きよう質問できなければ、あすいたすことをお許し願いたいと思います。そのことをはつきりさせておいていただきたいと思います。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 まずきよう出ておる大臣にあなたの御質問をお尋ねください。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 それはわかつておりますが、その前に総理大臣がきようどうしても來られないならば……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 御希望は傳達いたします。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 委員長として單に希望を傳達するというだけでなく、松木君の分も残つておるのでありますから、総理に質問する機会を委員長として必ず与えるという……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 必ず与えるということはお約束申せません。なぜかならば、これまで総理が出ておつたこともありますけれども、あなた方御欠席であつた。総理が出ておるときに、特に順序を問わずに質問を許したことがあります。そのときにもお出かけになつておらないこともありました。総理も一人きりの総理でありまして、そこら中に用がありますから、必ずあす登院させますとも、どうも申されません。御希望を傳えて、なるべくさようにとりはからいたいと思います。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 しかし必ずしも総理がきよう出るから、必ず出ろというようなことの特別な御注意も過去においてなかつたと思いますが……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 委員は当然毎日登院しておることが原則であります。この委員会の初めに、あなたは御存じないでしようけれども、御出席なかつた方はその質問を放棄したという一応の取扱いをして進めますということまで申し述べておきました。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 私はきよう初めて順番が來たのであります。きようになつて総理がおいでにならなければ、私の総理に対する質問は放棄しなければならないということは、これは私は國会の建前から、そういうことはあるべきことではないと思います。ことに私は先ほどからたびたび事務当局に対しまして要求し、事務当局は今來る、今要求しておると言つておる、私は今初めて委員長からきようは來ないとうことを聞いた……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 今私も総理から傳達を受けました。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 けさから來ないということがわかつておれば、またいろいろ考えられるが、今になつてそういうことを言われると困るのです。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 あなたは御存じありませんけれども、総理が出られた日は、順序にこだわらずに質問を許しております。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 しかしそのときにほかの委員会で出られないこともあるのですから、自分の順番をまず見て質問の考慮をするというのが、大体委員の本則の考え方だろうと思います。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 あなたの御意見は承つておきます。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 私はあくまで総理大臣の出席あるまで私の質問は留保するという見地から、いま御出席になつておられます大臣に質問をいたします。私が質問いたします時間は、はなはだ制限せられておりますので、きわめて限定した質問をいたすよりほかしかたがないと思うのであります。そこで私は大きな問題を三つだけお尋ねいたしたいと思います。ただその質問の趣旨を徹底するために、多少こまかい議論をさしていただくかもしれません。  大体私の政府に対する質問の根本的態度は、今回の予算案が、九原則を実行いたしますについての政策の実行について、國民のうち特に勤労階級に対しまして、不公平に犠牲の負担をしいている、こういう見解をわれわれは持つております。そういう見解から、どうしてこれを公平化するかということに関する考え方を、またわれわれは持たなければならないのであります。そういう観点から本予算の、勤労階級に対する犠牲の負担において、きわめて均衡を失しておると考えられます部分を取上げまして、これに対する政府の見解をただしたいと思うのであります。形式的に申しますれば、追加予算を出すかどうかということにつきまして、なおもう少しはつきりさせておきたいと思います。それから……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 黒田君に申しますが、今のあなたの質問も、追加予算の問題も、繰返してここで質疑應答のあつた問題であります。まああなたおいでにならなかつたから、お許しはしますけれども、そのことも委員会の劈頭において私はお断りしたのです。なるべく同一質問は繰返さないようにしてくれろということを、理事の御相談の結果によつて、委員諸君の御了解を得ている事項であることを御承知願いたいと思います。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 質問をする観点がそれぞれの委員によりて別な立場がありますから、私はこれを繰返してもさしつかえないと思います。それから一言委員長に私は希望を申し上げますが、時間等つきましては、他の委員諸君で、相当に制限以上にやられた人もある。きようになつて委員長は時間の制限についてやかましく言われますが、少し質問時間の均衡をはかつていただきたいと思います。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 それもすべてのただいまの党派のとり時間も、少数各派になんすれば、相当考慮して時間の割当をしてあることも御了承願いたいのであります。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 そこで私はまず第一に大藏大臣に質問いたしたいと思います。この予算か提出せられます前に、政府は去る二月二十二日に一つの予算案をつくつておりましたが、それが急に今回の予算案に変更せられているのであります。この二つの予算案の比較におきまして、私は今回のものが、從來の民主自由党の政策の性格を全然取入れることのできていない予算案であるというように見ております。そういう予算案を急に組まなければならなかつたという事情のために、この予算案に含まれた諸政策の影響に対する対策が十分に立てられなかつた。ここにわれわれから見て、犠牲負担の不均衡が生じるというふうに見ております。  第一に労働者の場合でありますが、今回の予算におきまして、賃金は六千三百七円ベースですえ置かれるということになり、しかも物價は御承知のように、すでに主食は値上りを発表されておりますし、鉄道運賃、通信料金その他の値上りもあります。そしてまた從來輸入の物資で補助を受けておりましたようなものも補給金の打切りというようなことになつて來たのでありましてこの点から値上りになるものもある。その結果、実質賃金が低下する傾向にあるというようにわれわれは見ておりますが、この点について大藏大臣はどういう見解を持つておいでになりますか。要するに、この予算は労働者に対する賃金低下の予算である、こうわれわれは見ている。こういう不公平が現われているということを私は言いたい。これを当局はどういうふうに認識されているか、大藏大臣にお尋ねしたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 本予算は勤労階級のみならず、國民全般に耐乏をお願いいたしているのであります。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 これはあとから総括的に……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 黒田君許可を得て発言願います。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 はなはだ不親切な答弁に対して……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 黒田君、委員長の許可を得て発言を願います。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 承知しました。労働大臣がおいでになつておりますので、ついでに労働事大臣にお伺いいたします。まだ大藏大臣に対する質問は続行いたしますけれども……  この予算においては、失業対策に対しまして、二月二十二日でありましたか、その日の閣議の決定による政府の予算によりますと、最初百五十億円を予算しておつたのでありますが、それが今回の予算おきまして、二十九億ぐらいになつております。ことにそのうちの二十億が失業保険費でありましで、いわゆる失業対策費については見るべきものはわずかな額しか計上せられていないのであります。しかるにわれわれが今まで聞いたところによりますと、行政整理に関する政府の方針はかわつていないのに、対策費だけが極度に削減されているということになつている。これは一体どういうわけでこういうような額の変化が起つたのであるか。われわれから見れば、先ほど申しましたように、今回提出せられております予算は、あまり急速につくり上げなければならぬ事情があつて、対策十分盛つていない予算である、こういうように見ている。ここに労働者に対する非常な不公平が現われているというように思うのでありますが、行政整理の方針はかわらないのに、何ゆえに失業対策費がこのように削減せられたか。この問題について労働大臣の御所見を承りたいと思います。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木國務大臣 本予算に盛られている失業対策費は、御指摘のように二十一億の失業保険に対する國庫負担、それから別に失業対策事業費として八億八百余万円が計上されておるのでありますが私自身も、失業の問題は、大体今年の上半期末から下半期、來年にかけて起きて來る問題であり、その推移によつて、今計上されているところの金額が予算の最終措置であり、終結であるというふうには考えておらないのでありまして、情勢の必要に應じて、適宜な予算的措置をとつていただきたいということを考えております。同時に、これは質問にはありませんでしたけたども、関連しておりますから申し上げますが、緊急失業対策法というような法律を準備いたしまして、これを中心として、必要なときに、迅速に予算的措置をも伴つて、そうして直接的な失業対策事業を必要な時期、必要な場所において展開するという方式は同特に持つておるのであります。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 それをもう少し具体的に言えば、やはり追加予算を要求する意思があるという意味でございますか。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木國務大臣 追加予算かあるいはまた予算内の措置か、そういつた問題は、今年の予算は、これは私から申し上げるまでもありませんが、今までとは性格、組立て方がかなり違つておりますので、どの措置によるかという問題は、予算自体の新しい運営にもよりましようし、事いずれにせよ情勢いかんによつて、いずれかの方法をとつていただきたいと考えます。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 労働大臣は予算のわく内において、一部分の組みかえでもできるというように考えておいでになるわけでございますか。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木國務大臣 そういう問題は、ただいまも申しましたように、新しい予算の性格でありまして、大藏省自体が檢討さるべき問題であり、私自身そういうことができるならばやつてもいいのでありますけれども、できるかできないかという予算的技術の檢討は、私自身ではいたしておりません。大藏当局におまかせするわけであります。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 結論といたしまして、一部の組みかえというようなことで対策費を新たに捻出するか、それとも追加予算によるか、いずれにいたしましても、今ここに計上されているだけのものでは不十分であるという点は、はつきりお認めになるかどうかですか。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木國務大臣 大体全体の政治的情勢のいかんによるのでありますけれども、しかし九原則が嚴格に実行され、行政整理が行われて行くという、この二つの大きな前提のもとにおいては、不足して來るという事態が來るであろうということを見越しております。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 その点は政府の意向がはつきりいたしました。  ついでに労働大臣にお伺いしたいのですが、これは労働大臣の御所管になるかどうか、実は人事院総裁を御出席願うように申出ておきましたが、まだお見えになつておりませんので、廣い意味では労働大臣の所管の方にも関係して來ると思いますから、念のためにお尋ねしておきたいのであります。これはお答えにならなければそれでもけつこうであります。それは官吏の給與についてでありますけれども、これは自然、民間の労働者の賃金にも影響を及ぼすことになるので、労働大臣にもお尋ねしてみたいのですが、官吏の給與につきまして、國家公務員法第二十八條によりますと、給與を百分の五以上引上げるべき事情が生じたときは、人事院総裁は國会または政府にそのことを勧告せねばならぬということになつております。そこでCPIの変化を見ますと、政府の去年の七月から今年の三月くらいまでにCPIの変化を見通しておりましたものに対して、実際はそれより率が上つているのであります。さらに今後失業等が起りますれば、残留者に能率の強化を要請せられるというようなことにもなる。われわれは物價のその後の騰貴というようなこととあわせ考えまして、どうしても官公廳の官吏の給與につきまして、國家公務員法の規定によりまして、人事院から勧告すべき状態にすでに達しているように考えるのであります。こういう見地から見ますと、今年も相当の追加予算をとり、こうした官公廳職員の給與に対する訂正部分をこれをもつて充当する必要が生じて來るのではなかろうかと考えるのであります。この点は直接の御所管でないかもわかりませんが、労働大臣の御意見が承われますれば、聞かせていただきたいと思います。

鈴木正文民主自由党労働大臣

○鈴木國務大臣 これは皮肉を申し上げるのではありませんけれども、黒田さん自身がお答えの一部を言われたようなものでありまして、こまかい数字の檢討は、これは私どもの方でもやつているのでありますが、今私その数字を持つておりません。それから、公務員の給料の問題は、やはり人事院の方から適当な機会に聞いていただきたいと思います。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 大藏大臣に御質問申し上げたいと思いますが、今回の予算におきまして、その基礎となります國民所得の推定に関して、政府が配付せられました昭和二十四年度の予算の説明書の付録表を見ますと、勤労所得が昭和二十三年度に比べまして、相当に増加の計算になつておる。われわれから見るとこの基礎がはつきりしない。賃金の面からこの点をもう少し明確にしていただきたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 たびたびお答えいたした問題でありますが、昭和二十三年度中におきまする賃金の上昇の状況を見まして、昭和二十四年度を推計いたしたのであります。しこうしてまた最近の勤労所得に対しまする毎月の収入状況も勘案いたしまして、千二百億円程度が適当と考えた次第でございます。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 雇用指数というような点から考えて参りますと、今年は相当な規模において行政整理を政府はやると言つておられますが、われわれはそういう点から見まして、これだけの数字が出るということは、不当ではなかろうかと思う。政府の発表せられました資料の中で、雇用の指数が昨年より今年の方がふえておるような数字を私は見ているのでありますが、これは鈴木労働大臣もおいでになりますから、なおついでにあわせてお聞きしてもよろしいと思いますが、はたしてこういう雇用指数になるものであるか。私は前の予算案、二月二十二日案のできました当時に、政府が発表した資料の中から見たのでありますが、雇用指数は一〇二から一〇四に増加するようになつております。この点がわれわれにははつきりのみ込めないのですが、これをひとつ御説明願いたい。

内田常雄総理廳事務官(経済安定本部財政金融局長)

○内田政府委員 雇用指数は、本日配付いたしました資料にごらんの通りに上つております。しかしその上り方はわずかに〇・六%という上り方でありまして、これはむろん行政整理による失職、またその他の企業の合理化による失職も含んでおる数字でありますにもかかわらず、なお〇・六%上るのでございますが、これは総体的に見ますと、決して上つた数字ではなくて、この表にも上つておりますように、人口の増加を推定いたしますと、人口は二十二%ふえまして、一〇二・二%になる。しかるに雇用指数はわずかに〇・六しかふえないので、その相違が結局失業の現われになつて來る。これは政策のためにつくつた資料ではございませんで、ありのままを申し上げますと、人口増加指数と雇用指数の差で、本年度に現われる失業数は、私どもが科学的に見た点では、おそらく総数においては約百六、七十万くらいになる。それは本年度だけで百六、七十万現われるのではなしに、二十二年、二十二年等にある失業者をも加えまして、失業者が若干ふえるという正直な数字を現わしております。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 結局二十四年度において、勤労所得が前年に比して相当多額に計上されておりますのは、雇用指数という面よりするか、賃金指数の面からするか、これらが上昇しているというふうに解釈するほかはないと思います。しかし昨年度に比し賃金の形式的な上昇がありましても、結局今年は先ほど申しますように、実質賃金は低下する、今、現にそういう傾向が現われております。この予算案と政府の政策の結果といたしまして、そういう傾向がすでに現われております。われわれからいたしますと、単純に昨年と今年との賃金指数からの比較だけでは、はなはだ不満を感ずるのであります。しかしこれはわれわれの意見といたしまして、こういうところにも勤労所得に対する見積りの不当な増加があるということを指摘しておきたいと思う。  なお六・三制の問題ですが、この予算のままでかりに本予算案が國会を通過いたしまして、これ以上の予算が獲得できないことになりますと、これはまさに文教破壊予算であるとわれわれは言うことができると思います。この点は単なる物質上の問題だけでなく、事が教育に関係しておりますだけに、その予算がこのまま通過して、これ以上に予算がとれないということになると、それによる精神的影響は、非常に深刻であると考えるのであります。先ほど私が他の委員の文部大臣に対する質問に関連して質問いたしました六・三制の予算につきましても、追加予算ないし予算のわく内における組みかえという方法でこの予算を増加したいという話を聞きましたが、この点も私はそういう措置をぜひとる必要があるということを指摘しておきます。  その次に公共事業費の額についてであります。この点はこれもやはりこのままで、それ以上他に何ら予算上の措置も講ぜられないということになつて参りますと、これは國土の荒廃をこれ以上激化せしめる大きな原因となると思うのであります。こういう意味でこの予算を私は國土荒廃予算であると言うことができると思う。私はこれをはつきり指摘することができる。この公共事業費の減額に対する地方の大衆諸君の不満は、相当深刻なものがあります。これ至もわれわれは追加予算の提出、ないしこの予算のわく内における一部組みかえの原因になると思うのでありますが、この点大藏大臣はどういうような見解を持つておられますか、重ねてお伺いいたしたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 絶対均衡予算をつくります観点から、公共事業費あるいは六・三制の問題が、お話の通りになつていることは、やむを得ないことと考えております。將來の問題につきまして私ははつきり申し上げることはできませんが、経済再建の見通しがつきましたならば、なるべくそういう線に沿つて行きたいと考えております。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 これはわれわれ予算に対する態度に関係がありますので、もつとはつきりさせておいていただきたいと思います。大藏大臣はみずから編成せられました予算案でありますが、このままの数字においてこれをあくまで通過させようという方針を固執されるか、それとも追加予算につきまして單に漠然と何とかしたいと思うというようなことでなくて、この予算案のわく内において組みかえをやるとか、それとも追加予算を出すか、そのほかには他に方法はないと思いますが、はつきりした言葉で大藏大臣の御所見を承つておきたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 この問題につきましては、たびたび申し上げているのでありますが、経済安定が第一でございます。そしてこの見通しがつけば、お話のようなことをとくと考えまして、そのときどきの情勢によつて善処いたしたいと考えております。五百億円のわくにつきましても、先般文部大臣が言われておりました通り、ただいまある程度折衝をいたしております。御承知の通りに五百億円のうちで、災害とか、道路補修とかいう問題につきましては、財政法上、あるいは会計法上組みかえができない建前ではございません。できますが、しかし一應これによつて進んで行きたいと考えております。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 この問題につきましては、他の問題についてと違つて、一應このままで行きたいと言はれましたが、それでは先ほど申されましたのとちよつと違つて來たと思います。先ほどはこの問題につきましても何らかの処置を講じたいと言われたと思いますが、前後矛盾しているようでございます。これは非常に重要な問題でございますので、私がここでやかましく言うようでございますが、全國の自治体の死活に関し、かつまたことに食糧増産の見地からも真劍に考えなければならぬ問題でありますから、はつきりお答え願いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 大体非常なる事態が起らざる限り、この方法で行くつもりでおります。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 この点につきましては、池田大藏大臣の御方針ははなはだ消極的で、無意識だと解釈いたします。なお地方配付税配付金の減額の点でありますが、これは私の率直な表現を用いると、地方自治体破壊の予算であると申し上げることができると思います。農村破滅予算であると言えると思います。これは笑いごとではありません。他の委員もこの点同感であろうと思います。これに関しまして、やはりこのままの数字を固執するのでなくて、他に何らかの処置を講ずる意思があるか、この数字も私は九原則の犠牲を、弱い農民に押付けようという政策の現われであると思います。このままではわれわれは納得することができない。これに対する政府の御所見を伺います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 黒田委員は、私が確信をもつて出した予算に対しまして、かえるつもりはあるかということをお聞きになるのでありますが、これは少し私はふに落ちないと思うのです。私はあなた方の御審議を願つているのであつて、私からかえる余地があるとかないということを申し上げることではないと思います。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 それならば先ほど私が指摘いたしました他の問題につきましても、同様に言われるべきであろうと思います。他問題につきましては、相当考慮する、あるいは追加予算も必要であると言われた。私はこれを尋ねるのであります。追加予算を出すか出さないか、政府は今回の予算の説明書の中におきましては、本予算は本年度中に必要とする経費は、現在見通し得るものを計上しており、追加予算を必要としない建前をとると説明されておりますし、また大藏大臣もそのように本会議においておつしやつたと思いますけれども、それはあの予算を急速に組まなければならなかつた事情のもとで、一應そういう計数を出したのかもしれませんけれども、この予算案を見て、國民がどう考えておるかということを、この案を出した後においてさらに政府においてよく観察した上で、新たなる見地に立つて対処する、こういうやりかたは、十分あり得ることと思います。原案を自分がこしらえたのであるから、その通りにやるのだということでは、私はあまりにも働く大衆の氣持を無視した見解と態度であると考えます、特にこの問題につきましても、政府があくまで原案を主張するのでも、固執するのでもなく、先ほど他の問題につきまして示されたような態度をとられて、この問題についても考慮するかどうか、このことをお尋ねするのです。実は私、昨日名前を申しませんが、ある縣の知事並びに庶務課長等に会いましたし、またその縣の町村会長にも会いましたが、とうていこういう内容の配付金では、この予算案は自治体破壊予算であると申しております。こう申すと、過激な言い分のようにお考えにたるかもしれませんけれども、事実彼らもそう言つているのであります。このことを政府は冷静に認めなければならないと思います。私が私自身の立場からそう言うのではありません。これらの人々の意思を受継いで私は申しておるのであります。これに対しまして、原案の立案をした自分にそういう要求をするのはむりだというような形式論ではなく、あくまでこれを変更する必要はないと思う、あるいはあると思う、そういう見解をはつきり述べ得られると思います。それをはつきりさせていただきたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 配付税配付金の五百七十七億円につきまして、本國会に提出したものをただいまかえる氣持は全然ございません。ただいろいろな事情によりまして、將來これを増加するようなことがあり得るか、こういう御質問なら、これは情勢の変化であり得るでしよう。しかしてまた五百億円につきましては財政法上会計法上に組みかえを許しておる関係上将來の情勢によつて、これは配付税配付金とは性質が違いますので、ある程度組みかえるということも情勢によつてはこの予算の中においてできる。こういうことを出し上げているのであります。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 黒田君あなたの時間はリミットをかなりオーバーしております。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 私はこれ以上に他の個々の問題について質問いたしますことは、時間の都合上簡単にいたしたいと思いますが、要するに私がただいま出しましたような各予算の項目にわたりまして、要するに今回の予算は平たい言葉をもつて言えば、結局弱い者いじめの予算であると思う。そして最も経済的に弱いのは農民であり、また労働者でありますから、結局そういう人々の犠牲において、九原則を実行する、いう内容において組まれておる予算であると思うのであります。池田大藏大臣は先ほど相当公平にやつておるというように言われましたが、しかし私はこの上不公平の例を並べるまでもなく、ただいま私が指摘いたしましたようなことだけで、いかに不公平な弱い者いじめの予算であるかということの証拠になつていると思うのであります。私はなお別の別の問題を指摘して、大臣の見解とわれわれの見解の相違を明らかにしてみたいと思います。  今回の予算によりますと、價格調整費が二千二十億円でありまして、それから政府出資及び投資金が八百四十二億円、これを合計いたしますと二千八百六十二億円でありまして、昨年度の價格調整費が、六百二十五億円、政府出資及び投資金が約百九十一億円でありまして、合計八百十六億円でありましたのに対しまして、二千四十六億円の増加になつております。これを他面、租税の収入の面から見ますと、本年度租税収入五千百四十六億円でありまして、二十三年度は三千百六十億円でありますから、これを差引いたしますと、千九百八十五億円余の租税の増加になつておる。しかもわれのわれの計算によりますと、そのうちの五七%が大衆課税であります。大衆課税も昨年度に比しふえております。こういうように数字を比較してみますと、今年は相当に税額が増加した。しからばその税額の増加した部分がどう使われるか、そのほとんど大部分が價格調整費とか、あるいは政府出資及び投資金というものの増額分によつて吸い込まれてしまつておるのであります。この價格調整金ないし政府出資及び投資金は、われわれから見ますれば、資本蓄積に関するものであります。こういうふうに資本家に対する保護政策につきましては……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 黒田君、あなたはこの予算委員会の出席率がきわめて悪いので、そういう質問もすでに繰返されておつたのですから、討論は討論の際に十分なさることができますので、討論のときになさることは少しも妨げませんけれども、今のところ大衆を犠牲にして一方の階級だけの有利な予算の組み方であると、今價格差補給金をあげたようなあなたの御質問は、繰返し繰返しこの委員会において質疑應答の行われたことでありますからして、そのおつもりでなるべくあなたの説明を短かくして要点だけお願いいたします。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員(続) こういう点を見ても、政府は資本蓄積に対する保護的政策については、できるだけ苦心を拂つていて、他面先ほど申しましたような勤労大衆の生活、それは生産の増強と深い関係があると思いますけれども、そういう方面、農民の生活あるいは労働者の生活に関する方面につきましての予算が、先ほどから申しましたように非常に削減せられている。しかも税金の増加部分のほとんど大部分が、資本蓄積に対する保護政策費の増加部分に使われる。私はこういう政策が公平な政策であると言われるならば、そういう人はそう考えるかもしれませんが、われわれは承服することができないのであります。この予算はこういう諸多の不公平を持つた、犠牲の負担に関するはなはだしき不公平を持つた予算であります。私はただいま申しましたように、あるいは失業対策、あるいは六・三制の問題、あるいはまた地方配付税配付金の問題等につきまして、それからまた賃金関係の面からいたしましても、どうしてもこの予算は公平という見地からしては、このままでこれが決定せられるならば、國民の一部に不当な犠牲をしいるものである。そこでわれわれはこれを匡正するために、先ほどから追加予算を出すか、あるいは組みかえるかということをただしておるのです。こういう見地からいたしまして、もう一度念のため質問をしたいと思いますが、追加予算を出す必要を認めるかどうか、これについてはつきりとした結論を伺いたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 黒田君のお説とは全然私は反対でございます。黒田君は今まで通りアメリカの援助を陰に隱しておつて、どれだけ日本國民が援助を受けておるかということを知らさずに、しかもまた財政インフレを続けて行く観点からしての御議論だと思います。私は日本の経済を安定さすことが、農民の各位あるいは勤労階級の方々のために、最もいいやり方であるという面で、今回の予算を組んだのであります。從いましてお説のように税金を拂わずに、貿易会計でうんと赤字を出して、あるいは復金でどんどん赤字融資をしたりするということをやめるために、今回の予算をつくつたのであります。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 この場合共産党米原委員の脱税八千億円あるとのかねての質問につきまして、平田主税局長の答弁が保留されておりますから、平田主税局長よりこの際御答弁願います。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 私の質問はまだ続いております。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 黒田君もう一問ということで質問を許しましたけれども、あなたの時間はオーバーしております。もう一度ということであなたもずいぶん長い説明の間の時間を許したのであります。あなたもそれをお考えになるならば繰返して同じ質問をなさらぬでよかろうと思います。

黒田寿男労働者農民党

○黒田委員 私はまた別な質問をした。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 もう時間をオーバーしております。平田主税局長。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 昨日問題になりました脱税額の問題につきまして、お答えいたしておきたいと考えます。  八千億という大脱税がある、これは毎日新聞に載せられたところでございますが、二十二年以來の悪質資本家が、大やみ会社の大口脱税が八千億に上る、かような結論を國民、所得と課税所得との比較から勇敢にも出しておられるのでございますが、私ども檢討いたしたところによりますと、かような方法によつてかかる額を悪質資本家や大やみ会社の大口脱税というように推定いたしますることは、何ら科学的根拠がないという結論に到達しましたことを申し上げておきたいのでございます。その内容を若干御説明申し上げたいと存じます。まず最初に申しますが、國民所得と課税所得との間に相当の開きがありますことは、前から申しますように事実でおります。問題はこの開きが、今申しましたように大口脱税であるかどうかということにかかるわけでございまして、大口脱税をかくのごとき方法によりまして推定いたしますことは、非常に当を失しておるのではないか。率直に申しまして、前から申し上げておりますように、相当なる脱税のあることは事実であります。目下大藏省におきましても國税査察部を設けまして、極力この摘発に努力いたしております。その実績が先ほど申しましたように五十五億円という実績が上つております。ただしかしながら今ここに申し上げましたように、單に國民所得と課税所得との比較から、八千億からの大口脱税があるということは、なかなかそうは言い得ないのではないかと考えるのでございます。その点をやや詳細に御説明申し上げておきたいと思います。  まず昭和二十二年度の國民所得額は一兆一千七百二億円ございます。それから昭和二十三年度の國民所得は二兆四千六百十一億ございます。これに対しまして実際の課税所得は、昭和二十三年度におきましては五千八百九億、二十三年度におきましては一兆三千四百二十六億ございますので、この二箇年間における会計年度の國民所得と課税所得との比較差引はまさに一兆七千億ほどあります、これは先ほどの八千億の課税の際に一兆六千幾らという数字を出しておられますが、この数字とほとんど同様であります。この差はおそらく二十三年度の國民所得の見積りにおきまして、当初は二兆三千九百億という見積りを安定本部が発表しておりましたが、その後精査の結果若干増加いたしまして、二兆四千六百十一億となつております。その開きが若干ふえております。だからあとの判断に大きな狂いはございませんが、一兆七千七十八億の差額がございますから、これからただちにこれは大口脱税所得であるから、五〇%の税率を課税いたして八十億の大口脱税がある、こういうように断定を下されておられるように見受けるのであります。ところでかような方法によりましてかかる所得税を計算することは、私としてはどうも感心しない方法であると思います。かりにこういう方法で計算するといたしましても、非常な開きがございます。まず所得税は御承知の通り、勤労所得は大体会計年度の所得と一致いたしますが、事業所得税の方は、暦年で課税することになつております。その関係で相当の開きが出て來るわけでございまして、昭和二十二年度におきましては一千六百七十四億、二十三年度におきましては、一千四百四十一億、合せまして三千百十五億という実は本來課税すべからざる数字が、脱税所得として計算されるということに相なるかと思います。その次に事業所得税の計算にあたりましては、経費を差引くことに相なつております。この額が昭和二十二年度におきまして百四億円、昭和二十三年度におきまして二百五十四億円、合せまして、三百五十八億円という数字がございます。これも少しよけいに見積られているのではないかと思います。それから失格者の所得、これは実際のところなかなか正確な調査は困難でありますが、一應計算いたしてみますと、少くとも二十二年度におきましては三百四十九億、昭和二十三年度におきましては千二百二十五億、合せまして千五百七十四億程度は失格者の所得ではないか、これよりも少くなることはあるまいと思います。それらを合せますと、五千四十七億円という数字が、一兆七千億円の中に当然課税すべからざる所得として算入されております。それでなお一兆二千億ほど残ります。これはいろいろの点ではなかろうかと思いますが、このうち勤労所得と農業所得、これはおそらくだれが見ましても、かりにぬけているのがありまして、大口脱税と見るわけには参らないと思いますが、この勤労所得、農業所得との間に関しまする國民所得と課税所得の開きが、二十二年度におきましては千七百八十八億、二十三年度におきましては四千三百四十二億、合せまして六千百三十億の開きが実はあるのでございます。これはぬけておるのかもしれない、あるいは國民所得の計算が適正でないかもしれませんが、とにかくこれだけの差がございます。この差が大口業者の脱税と言うわけには参らないかと考えるのであります。その他の所得、営業なり法人とかの中に、あるいはそういう要素が入つておるかもしれませんが、その額が所得額で五千九百一億でございます。ただこの中におきましては中小商工業者の所得が大分入つております。現在の課税状況から見て、ぬけておるのは大所得者だけで、中小商工業はぬけていないという論理でつくつておるようでありますが、なかなかそうばかりは言えないのではないかと思います。かりにこの数字がある程度入つているといたしましても、その数字がただちにもつて大口脱税だとはなかなか言い切れないのではないかと考えます。從いまして八千億を出されました根拠につきましては、どうも私ども納得行きかねるのでございまして、むしろそういうものは率直に申しまして、実際上軽々に数字として出し得ないのではないかと思います。先ほど申しましたように、課税した結果の実績によりますと、査察部が調べました数字が五十五億で、これは結果の数字でありますから正確であろうと思いますが、こういう数字をああまり根拠なくして言いますのはどうであろうかと考えます。私どももそういうものにつきましては、軽率な数字を申し上げることはこの際差控えておきたいと思います。むしろ一般の納税思想等にも、非常に悪影響を生じておる向きがあるようでありますから、この際國民所得と課税所得の差額でもつて、大口脱税の額を推計なさいます方法は、ひとつ見合せていただくようにお願いいたしておきたいと考えます。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 先刻松本六太郎君から大藏大臣に対しての御質問中、地方税の問題について留保になつておりますから、松本六太郎君地方税の問題に限つてどうぞ……

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 先ほど大藏大臣に質問をいたしましたが、木村國務大臣から答弁をいたしますということで、大藏大臣からは詳細なる御答弁がありません。その点につきまして木村國務相がおいでになりましたから、お尋ねいたします。  農業に関しまする事業税の問題でありますが、元来農業に対する事業税は、不合理なものが非常に多いのであります。そこで先ほど例にあげました問題は、農業を経営いたしますためには、必然的に家畜を持たなければならぬ。家畜は一種の農具である。牛馬を使用しなければならぬが、この牛馬に食わせる飼料をつくりますと、これに対して事業税を賦課しておる。それから自家用の蔬菜をつくりましても、わずか三畝か五畝のものに対しましても事業税を賦課する。かようなことは農業の本質にかんがみまして、はなはだしく不合理である。しかも乳牛等を飼育いたしますために飼料を耕作したといつて、これに事業税を賦課し、さらに乳をしぼつたからといつて、その仕事に対して事業税をさらに賦課するというような、二重、三重の課税をやつておるのでありますが、これらはすみやかに改善すべきものである。われわれはかような見解の上に立つておるのでございまして、当局のこれに対する見解を承りたい。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 私は参議院に行つておりましておりませんで、遅れて参りまして相済みません。農業事業税はどういうふうに考えておるかというような御質問の要旨だと思いますが、事業税は申し上げるまでもなく、昔の営業税のかわつたものであります。ただいまのところ、免税いたしておりまするものは、主食に限つております。主食は御承知の通り、連合國からの供給を仰いでおりまして、これに限定するということにして、他のものは漁業でありましようが、——これは見方によると、ある一種の勤労的な収穫のあるものでありますけれども、漁業であろうが、何であろうが、一切事業税をかけておる。ただいまのお説のような何重にもかけておるがというようなお話の御趣旨に拜聽いたしたのでありますが、ただいまのところ、これを免除いたしますというような考えは持つておりません。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 ただいまの御答弁は了解に苦しむのであります。なるほど営業として事業をやります場合は、事業税を賦課することは当然であります。農業をやるから事業税をかけるというのならば、これはわかるのであります。しかし主食をつくれば事業税はかからないが、私が今例にあげたごとく、その他のものをつくつた場合はかけるというに至つては、これは税の本質に反しておると思う。営業をやりますれば、それによつて収入を得るという場合においては、これは課税されなければならぬのでありますか、農具にひとしいもの、農耕に使います牛馬の自家用の飼料をつくつたからといつて、これに対して事業税を賦課するということは当らないと思います。また蔬菜等に至つてもその通りであります。これは何か主食にあらざる他の作物をつくつて、これを販賣するというような場合においては、事業税を賦課されるということもわかるのでありますけれども、全然販賣の用に供しない自家用の蔬菜とかあるいは自家用の家畜の飼料とかいうものに、事業税を賦課することは不当である、われわれはあくまでもさように考えるのでありますが、さようなものに対しても賦課すべきであるという見解にお立ちになるのであるか、これをひとつ伺いたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 今日地方の財政が非常に窮乏いたしておりまして、課税対象が至つて限界に達しておりますので、ただいま御趣旨のごときものも、昨年事業税を創設したかと思いますが、やむなく米麦のような主食だけを除外してかけておるような次第であります。いずれ地方財政が緩和でもいたしましたような場合には、必ず考慮いたしたいと思つております。

松本六太郎農民新党

○松本(六)委員 これ以上申し上げても無益だと思いますけれども、これはあくまでも不合理であるということを私は断定いたします。從つてすみやかに改善せられんことを希望して、質問を打切ります。

米原昶日本共産党

○米原委員 先ほどの、主税局長の説明でありますが、いろいろ数字をあげられましたが、いろいろここに問題があります。この問題についても聞きますが、結論として一兆二千億のものはやはりこれはわからない、ここにはやみがあるということは認められたですね。これは脱税を行つておると認められた。脱税ということを先ほど言われましたが、この点はつきり認められるかどうか、これを第一に伺いたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 この國民所得がどこまで正確かどうか、これは非常に問題でございます。從いましてこれをもつてただちに脱税だと断定することはどうかと思いますが、差があることは御指摘の通りであります。そのうちでさらに御注意していただかなければならないのは、勤労所得と農業所得の課税所得と國民所得の間に、一兆二千億の中の六千百億円余というのは、そこに差があるということを先ほど強く申し上げておきましたことを御了承願いたいのであります。

米原昶日本共産党

○米原委員 脱税があつたか、どうかということを聞きたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 脱税が全然ないとは申し上げません。御承知の通りでありまして、勤労所得税その他についても課税漏れは確かにあると思います。從つてそういうものについては徴税機構を改正し、さらに一層納税者の協力を得まして、適正な納税をして行くように私どもは努力いたしたいと考えております。

米原昶日本共産党

○米原委員 今の発言によりまして、明らかに脱税を認められたと思います。とにかく一兆二千億円の捕捉できない所得がある。もちろんそこに國民所得の誤差がある。誤差といいますのは、これは先ほど川島委員が同様の問題で本年度の所得にも一兆億の差があるということについて尋ねられたときに、同じことを答弁されておる。そのときにも誤差ということを言つておられる。誤差ということは少い方の誤差もあるし、大きい方の誤差もある。この誤差が大きければもつと差が大きくなるのであります。これが少いということになると、これを五、六千億も七千億も少いというのなら、これはてんでわれわれが予算を審議する基礎にもならないほどでたらめなものであるということを証明することになる。おそらく誤差というものはそんな大きな差ではない。そうしますとやはり大部分は捕捉できない所得である、こういうことが言える。これは実際認められた。それから前に風早委員が毎日新聞に出しておる投書の点について、計算は確かに國民所得が始終少しずつかわつておりますから、その計算のあやまちが多少あつたと思う。これは発表された時期によつて実際にかわつて來ますから、そのことはある。しかし失格者の免税は二十二年度、二十三年度合計して千五百億ということを言われた。この問題はけさほど私は大藏大臣に同様の問題で聞いたわけですが、そのとき言つておいた。今年度取引高税を見てもはつきりわかる、取引高税を三万円以下のものを免除にしたけれども、課税の総額においてはかわつてない。こういうことをこの委員会の席上で今まで委員からも質問があつた。そのときに大藏大臣は何と答えたかというと三百万人ほどの中の三十万人を大体免税できる。三十万人を免税にしながら、しかも取引高税の総額にはかわりないということがこの予算に出ておる。そうしますと、この免税点以下の所得というものは問題にならぬ、無視できるものであるということを証明しておる。だからこれを千五百億だということには相当の疑いがある。この千五百億の根拠を説明するとすれば、いろいろな理由をつけられるかもしれぬが、結局これも推定で水かけ論に終るかもしれませんから、この点はさらにもつと具体的な根拠があつて説明されるなら説明されてもよい。しかしそこに問題があるのではなくて、少くとも脱税は——脱税といえば、もつと捕捉できない所得かあるということを認められたと思う。そこで問題は、さつきの御返答では、大口脱税という方に重点を置いて話をしておられる。だから大口でなかつたら何でもある、こういう意味になります。脱税はやはり大体において認められておる。大口を言つておるのではありません。ここにも戴いてある。風早委員の質問があつたから、毎日新聞に書いて出しておるのです。これにはやみ資本家という言葉を使つております。それから大きな会社ということも出ております。これは事実です。これからいろいろな問題の証拠をあげます。だけれども全部が全部いわゆる大資本家とは書いていない。問題はそういうことにあるのではない。これだけの脱税に近いもの、捕捉できない所得を認めるかどうかということが問題である。これは國民所得に誤差があるといつても、これが非常に大きいものだとしたら、それこそ予算の審議も何もできぬことになる。主税局長の答弁としてこれは認めることができない。そうすると大部分捕捉できない所得だ。これは今年度の予算でも同じことだ。私は歴年とこの年度の予算を区別してやつてみると、一方九千五百億の課税所得と國民所得の差が出て來る。二の九千五百億も、その大部分は捕捉できない所得と認めざるを得ない。失格者を少し引いてもそういうふうに解釈せざるを得ない。そうすると実際上この中で問題が起つて來ると思う。だからどうしてもこういうものをやつておるものは実際どうかというわれわれ推測せざるをを得ない、こういうことも大体言えるわけだ。しかし問題はそこにあるものではなくて、この捕捉しがたいものを認めるかどうか。(「言つていることがわかつているのか」と呼ぶ者あり)捕捉せられていないんだ。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 米原君、私語を禁じます。

米原昶日本共産党

○米原委員 その中で先ほど勤労所得の差が非常に多いから、これは脱税だとか脱税でないとかいう意味のことを言われましたが、勤労所得税というものは労働者が納める税金ではありません。資本家が納める税金である。何も労働者がやつておるわけではない。実際に資本家が脱税をやつておる。これも問題ははつきりしておる。それから農業者の所得のことを言われた。農民は——農民といつてもこれはいろいろな階層がある。たとえばこの農民所得の中には大きな果樹園業者というようなものも相当含んでおると思う。いわゆるやみ富農といわれるものも相当含んでおる。そういうところでなければ、こういう大口のものが出る根拠はない。実際に社会常識的に見てもありはしない。そういうことをわれわれは推測して言つておる。だから査察の手によつてどんどん脱税は摘発しておる。五十五億円の脱税があるということも摘発したと報告されておる。それも先ほどの御説明によりますと、その中の大部分は法人税であると言われておる。五十五億のうち四十数億は法人税、こういうこと自身が大体資本家の方に脱税があるということを、事実が証明して來ておる。世の中の実際を見れば相当出ておる。だから大体においてこういう推計はそういう層の脱税というものがこの中に含まれておるということは言えると思う。そうしてここで聞きたいのは、法人税の問題についてであります。たとえば紡績関係の諸会社などは、横流しによつて四、五億の利益を上げておるということが、税務署で発見されたということを聞いておる。ところがこの利益が戦災施設の復旧費に使われていて、会社の方ではこれを経費に向けよということを言つておる。そしてそれに対してまだ課税していないといううわさを聞いておるが、これは事実かどうか、こういうことをはつきり返答していただきたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 私が申し上げましたのは、実は何も間違いはございませんで、こういう新聞の記事に対してお答えをいたしたのであります。ちよつと読み上げてみます。   共産党がある事実を指摘すると、働いても食べられない人たちは「その通りだ、よく言つてくれた」という。だがすねに傷持つ人々はこれを「うそ」だ、「誇張」だ、「ひが目」だという。先日の本欄で、仙台の中村氏は私の放送討論会二十二年以来の悪質資本家や大やみ会社の大口脱税が八千億に上る」と言つたことを取上げ、風早の数字がうそでないとすれば、税務当局の責任が追究されなければならい、と言つておられるが、私の言つた数字は根拠ある計算に基くものであることを答えておきたい。  これに対しまして私税務当局として、先ほどお答えした次第でありまして、先ほど申しましたのに対しまして、あまり多くつけ加えるものはございません。

米原昶日本共産党

○米原委員 今何でも問題を大口脱税の方だけへ持つて行つて、それで脱税はないというふうにすべてを類推しようとする。その点をはつきりしなければ、この問題は解決しない。脱税を認めるかどうか、こういう捕捉できない所得を認めるかどうか、これをもう一ぺんはつきり伺いたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 課税漏れがないと言つておるのではございません。しかし共産党の言われるように、八千億円の脱税があるということを否定しておるのでございます。

米原昶日本共産党

○米原委員 今とにかくこういう大きい差がある。そうしてこれは國民所得の誤差というものも、そんなに大きく見ることができないということを聞いた。だから課税漏れがあるということを認められたことは、この大部分が課税漏れだということになるのではありませんか。これは反することができますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 課税漏れのあることは認めますが、私は八千億円の脱税があるとは認めておりません。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 米原君、その問題ならもう議論は盡きております。

米原昶日本共産党

○米原委員 まだ盡きていません。もう一つ重大な発言がある。共産党がこの悪影響を与えるということに……

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 まだあなたに発言を許しておりません。もう一つだけですか。それならそれを許します。

米原昶日本共産党

○米原委員 先ほどの返答では、そういうことを言うのが納税に悪影響があるということを言つておる。これはさきに官房長官がラジオ放送のときに、税務署員の中に共産党員がいて、そうして苛斂誅求をやるように言つておるというような話がある。こういう放送だつた。こういうことを言つて、いかにも共産党が税金をむごたらしく取立てているという印象を與えられた。これと同じようなことは実際ある。そうしてまたそこに農林大臣がおられるから、この点についてはつきり聞きたいのでありますが、四月十二日の午後五時十五分、民自党の第四控室で、愛媛縣から來ました農民代表、それから縣廳の食糧課の人たち、そういう人と会われたときに、こういうことを話しておられることを、私は証人をもつて知つておる。共産党はこれと同様だということを言つておられるから聞いたのだ。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 米原君、議員内の控室で起こりましたことを、この予算委員会において問題とされては困ります。

米原昶日本共産党

○米原委員 同じ性質の問題です。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 同じ性質でも、控室において問題とされたことをとらえられることは、この委員会において発言を許しません。あなたの前段のことに対して政府から御答弁あれば御答弁願います。——もう答弁ありません。井手光治君。

井手光治民主自由党

○井手委員 だんだん質問も修了に近づいて参つたようでありますが、私大衆的な問題といたしまして、大藏大臣に二、三御質問申し上げたいと思います。  日本の本年度の予算の編成にあたりまして、いわゆる竹馬経済を排除いたしまして、健全なる自立経済に切りかえるということを目途として、この予算が編成されておることは、私どもよく了承できるのでございます。そこで今日までに至ります池田大藏大臣の最大の努力に対しまして、私どもは敬意を表するにやぶさかでないのであります。この予算を総括的に見てみますと、いわゆる國家財政の本格的な立直りに対しまする一應の基盤整備を終つた予算であるということが達観せられる。そこでそのためにはここに自立態勢をつくるという本格的な予算を編成いたしますために、またこの予算を執行いたしますためには、三千百億円にわたりますいわゆる過重であるといわれる所得税の賦課がここに横たわつており、あらゆる面におきましての國民の耐乏を要請せられておるのでありますが、その目的におきまして、本年度の予算がいわゆる財政の健全性を回復いたしまして、根底から経済を建て直そうという画期的な企てであるということが、この予算説明書に盛られております。そこで私はこの画期的な財政計画であるということを、國民の前に政府が端的に指摘いたしまして、一應本年度予算の終局の目標を、國民のために披瀝することも適当であると思うのであります。間もなく為替レートが設定をせられまして、いわゆる日本経済が國際経済に立ち向つて行きます一つの血路がここに開かれるという段階に相なつてつておるのであります。そこでこの血路を通じまして、日本経済が敗戦後占領國とはいいながら、どういう方向に向つて向けられて行くのであるか、言いかえますと、この財政計画、つまり日本経済の世界経済に対します一連の指標は、どういうふうに一体向けられなければならぬかということを、池田大藏大臣はお考えになつておるかどうか、この点を大きな構想におきまして、別な観点から十分の御説明をいただいて、將來の参考にいたしたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 敗戦後の三箇年余り、四箇年近い日月の間、ほんとうに再建の計画を立てた施策は少かつたのでございます。私は今回連合國軍の示唆によりまして、今こそ立ち直る一番いいときだと考えまして、今回の予算を出したのでございます。御承知の通り國内情勢、國内経済は、繰返して申し上げておりますように、非常な温室経済でございまして、為替一本レートができても、なかなか外國市場への乗り出しは困難であるのであります。今回の予算によりまして一應安定を期しまして、そうして徐々に世界経済に向つて乗り出して行きたいと考えております。この間におきましては、まず非常に乱れております物價につきまして、相当の是正を加えなければなりますまい。しかもその方法は國際経済との橋渡しということを考えて行きたいと思つております。また物價につきましてそういう施策を講じますならば、労働貸金その他企業関係におきましても、相当の決心をもつて施策を講じなければならぬと思うのであります。私は皆様方の御協力を得ましたならば、ここ一、二年のうちに必ずや世界市場に乗り出し得る日の來ることを確信いたしております。

井手光治民主自由党

○井手委員 その次に、本予算の質問におきまして、連日取上げられておる問題でありますが、いわゆる申告納税制度につきまして、從來のごとく腰だめの納税制度がいいのではないか、あるいは申告納税制度を廃してはどうかという質問につきまして、大藏大臣は申告納税制度を合理的に調節をいたしまして、これが明朗なる課税の完璧を期したいということを言つておられます。そこで今日の國内情勢におきまして、最も國民が苦難を訴えておりますものは、いわゆる勤労所得に課税されます所得税でなくて、事業所得に課せられます一般所得税の申告納税の問題が、一番大きな問題として國民の中に言われております。そこで今日の第一・四半期のいわゆる更正決定にあたりまして、各税務署の課税の内容を見てみますと、最初の課税に当りました税額の基礎を雪だるま式にふくらましておる。このことがあらゆる階層にわたりまして調節がうまく行つておらない。こういうことが一番課税の重いという怨嗟の声になつております根本のように考えられます。そこで私どもはどういうところから一体雪だるま課税にならざるを得ない原因が生じておるかということを掘り下げて考えてみますと、申し上げるまでもなく、勤労所得に対します課税は、いわゆる勤労所得の内容がきわめて明白にさらされておりまして、そのさらされております金額に対しまして、合理的な税が課せられておるというところに、多少の重いという点はありましても、國民は納得してこの課税に感じておるのであります。しかるに一般所得につきまして、ただいまもお話がありましたように、課税対象の完全なる把握が、今日の申告納税制度の中においては完璧を期し得られない。これは國民が申告納税を満足すると、税金の重圧のために生活権を脅かされるのではないか、あるいは企業の根底を倒されるのではないかという不安がありますために、申告納税制度の明朗を期しておらない、申告納税に対しまして國民が納得をしない、こういうところに申告納税制度の不安定な状況があると思うのであります。そこでこの問題を解決いたしますためには、いろいろ皆さん方からも御意見等がございまして、結局これら國民の苦難にこたえるために、その納得する妥当な納税を期するために、苦情処理機関、あるいは一方におきましては脱税の査察機関等を設けて、これが完璧を期しておる。さらに今後に対しましての合理的な機関を設けてこれらの調節に当りたいということを言われておりますが、静かに今日まで日本の納税及び地方税のいろいろな制度の変遷を見てみますと、今までのいわゆる所得税の調査員でありますとか、そういつたような期間がたびたび設けられております。今日も苦情処理機関等を設けて、國民を納得する線に持つて行きたいということが言われておりますが、私はこういう点についてはむしろ苦情処理機関を設けて、國民の声を一方に聞くが、一方におきましては税務当局の税金に対します課税の合理性ということも、十分これは考えて行かなければならぬと思う。この間にその機関と税務当局との間におきます。さらに調節を要するようなことが生じて來るのではないか、調節機関にさらに調節を要する機関を設ける必要が生じて來るのではないかということも考えられる。そこでむしろこれは單なる苦情処理をつけて税務当局との調節をするというばかりでなしに、一歩これを進めまして、申告納税制度は合理的に申告をいたしますれば、明朗に申告をするならば、その課税はきわめて適正に、合理的に妥当な課税がされるのである。こういうことを実例をもつて國民の前に示しますならば、この納税申告制度がきわめていいものであるということを十二分に國民は知つて、おそらく納税申告制度の進歩が期し得られると私は考える。そこでこの苦情処理機関を置くのもいいでありましよう。査察機関の強化もいいでありましようが、私がお尋ね申し上げたいのは、申告納税制度に対しますむしろ並んだ指導の面、この指導性を付與することに、強力なる力を持つて行つて、明朗に申告納税が行われるならば、適切妥当な課税がここに行われて決して納税というものに不安がないのであるというところを見せるように指導せなければならぬのではないか、その指導性に重点を置く機関をつくる御意思はないか、こういうことをお尋ねしてみたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 お答え申し上げます。まことにごもつともな御意見でございまして、本予算が通過いたしました後におきましては、まず非難の的になつております割当額、私の方では目標額と申しておりますが、目標額のきめ方につきまして十分愼重な態度と考慮を拂いますと同時に、目標額についての考え方を査察機関に十分しみ込まして、むりに課税のないように努力いたしますと同時に、お話のいわゆる一般納税者の協力を得まするために、帳簿のつけ方、税の取入れ方等につきまして格段の努力を拂つて行きたいと考えております。

井手光治民主自由党

○井手委員 先般この問題も盛んに出て参りましたが、政府支拂いの遅延ということが、國内をあげて相当大きな問題になつております。そこでいろいろ伺つてみますと、これは主として各省の予算外契約、つまり契約超過に対する未拂い金が大きな原因をなしているということを各局長も言明されておりますが、これはゆゆしい問題であつて、いやしくも國会が議決し、大藏省が各省に配賦いたしておりますものを全然無視して、予算外契約をすることが、大きな支拂い遅延の原因となつていると察せられますが、これは今後大藏大臣の責任におきまして、各省予算の執行の越権的な行為を十二分に取締つて参りますと同時に、今日までの金詰まり段階を打開しますために、どういうふうな緊急的な処置をおとりになろうとするか、こういう点もちよつと伺つておきたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 昨今の金詰まりの原因の一つといたしまして、御指摘の通り予算にない仕事を、すなわち來年度ではこういう注文ができるだろうということを予想いたしまして注文した場合も相当ございます。かかる行為をなくしますために、先般財政法並びに会計法に改正を加えまして、支拂い予算につきまして大藏大臣がタッチすることにとどまらず、契約をいたしますときにも認証を得る方法をとりまして、先注文のないようにいたしたいと考えております。從来年度末にはずつとこういうふうなことが起つたのでありますから、今二十四年度におきましては、御指摘の通り十分予算の執行につきまして注意をし、万全を期したいと考えております。

井手光治民主自由党

○井手委員 從来の予算におきましても、いわゆる生産増強の線に沿いまして、國家が発注をいたしております事業とか物資とかいうものがたくさんあるが、発注を受けております事業体は、日本におきましてもその信用の度合あるいは設備の関係というものが、非常にりつぱなものになつておりまして、代表的ないわゆる事業体であります。ところが多数発注をされております事業体の今日の金融状況は、きわめて不円滑きわまるものでありまして、具体的に申しますと、一億円の政府の発注を受けておりますが、この生産に対して金融の裏づけが行われておらない。そのためにきわめて健全なる企業体であるにかかわらず、金融面に関します限りは、きわめて不健全な金融をやつておる。いわゆる町で言つております複式金融で、銀行の当座を何口にもとりまして、小口の金融操作をしながらやつておる。それはまずいいとしても、このために政府が発注しておる品物の納付あるいは事業の内容に、非常な悪影響を持つて來ておるのではないかということが言われております。そこでこういう健全なる事業に十二分に財政的な裏づけ、金融の裏づけをいたしまして、そうして政府みずからも、いわゆる発注その他の事業等につきましては、十二分に所期の成果を収め得るような態勢をつくらねばならぬ。今後の日本経済が自立態勢をとろうとすれば、政府諸機関の仕事が忠実に堅実に行われるということによつて、初めて民間企業もそれにならつて來ると考えられるのでありますから、こういう点につきまして、いわゆる政府発注の事業体に対します金融の裏づけにつきましては、具体的なお考えがあるのかどうか。これで私の質問は終ります。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 政府発注の場合におきます金融も、また産業復興に対しましての各民間会社の発注にいたしましても、時と場合に應じまして、できるだけの考慮をいたしたいと考えております。

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 奧村又十郎君。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 中小商工業者に対する徴税と金融の問題について、大藏大臣並びに安本長官に御質問をいたしたいと思います。同僚委員より中小商工業の金融について御質疑があつたのでありますが、いまだ満足な御答弁を得ておらないように思いますので、重ねて二、三御質問いたしたいと思います。今や中小商工業者が徴税の苛酷と金詰まりによつて、全國的破産に瀕しつつあり、なおまた現実に破産しつつあるということは御存じの通りであります。ところが先般來、昭和二十四年度の総合資金需給の概算を見ますと、中小商工業に対するところの昭和二十四年度の融資につきましては、金融機関よりの二千五百億のうちからわずかの金融がなされるという程度の御答弁上か得ておりませんが、この点を重ねてお尋ねいたします。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 私は一般金融機関からの二千五百億円のわく内という答弁はいたしておりません。これはカウンター・パート・ファンドの使いようによりまして、いかようにもそのときどきにできると考えております。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 それでは安本から出されました需給見込み概算の数字、五千四百五十五億円のうちの、どの項目からどの程度出されるか、おつしやつていただきたいと思います。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 金融の円滯はどの項目からどの程度ということを前もつて申し上げれば、かえつて不円滑に相なるのであります。そのときと場合によつて善処いたしたいと思います。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 今回の予算実施によつて、これは非常にデフレになる。ただ政府の金融政策によつてこのデフレを幾分か補おうというふうに考えられます。今の経済活動の大変革において、さしあたつて中小商工業者の金融の問題が焦眉の急であると思います。その際において何ら安心の行くような御答弁を得ないということは、この審議上非常に迷惑と考えるのであります。そこで御答弁がないようでありますから、なおつつ込んで御質問申し上げたいと思います。  米國の対日援助見返り資金の勘定からは、中小商工業者に対する融資は出されないということは確実に考えられるのであります。——あるいはこれは言い過ぎかもしれません。対日援助見返り資金から中小商工業者に対する資金は出されるかどうかお尋ねいたします。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 金融というものは源泉がどこであろうとも、まわりまわつているいろいろな方面を潤すものでございます。ただちにこの特別会計から中小商工業者に出すとはつきり申し上げられませんが、この資金によりまして市街地信用事組合あるいは無盡会社の持つておる國債、あるいは一般市中銀行の國債、復金債等も償還いたしますならば、これが中小商工業者に行くことも当然予想できます。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 それでは金融事機関の手から融資されることと解釈いたします。それでよろしゆうございますか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 先般来申しておりますように、四千七百億円程度の産業資金を予定いたしておりますので、私はこれで日本の経済復興の金融はまかなえると考えております。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 今回の予算実施によつて金融政策が非常に重要になつて來ますが、おそらくやみ金融が猖獗をきわめるようになるだろうと予想せられます。すなわち金を持つている側から申しますれば、やみ金利は日歩二十銭あるいはそれ以上をとなえております。正式な金融機関に預ければ日歩一銭であります。こうい矛盾でありますからして、どうしてもやみに金をまわすことになる。また一方において、特に中小商工業者においては、銀行から借入れが非常に困難であるから、やみ金融業者からこれをまかなうということになりおして、このやみ金融は今後猖獗をきわめることと思う。特に今日の新聞を見ますと、東京財務局管内における所得税の第一、第二、第三位がどうやらやみ金融業者によつて占められるというようなことを読んでおります。このやみ金融に対して、これを防ぐ具体的の方法がありましたら、お教え願いたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 やみを防止しますことは何も金融に限つたことではございません。なかなかむずかしい問題でございます。先般も関係者と協議いたしまして考慮いたしておりますが、これを防ぎますのにはやはり金融の円滑化をはかりますことが、一番の捷径であると思うのであります。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 大臣の御答弁の通り、もちろん金融を円滑にするのはけつこうであります。しかしこれは残念ながら金融梗塞を承知しながら、この困難な予算を実施するのであります。一般金融梗塞は当分覚悟しなければならぬ時代において、効果的のやみ金融対策はないかということをお尋ねしておるのであります。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 金融梗塞を考えておりません。日本銀行を民主的に改革するとか、あるいは金融機関の公共性を十分吹き込み、いろいろな方法を講じまして、二千三百億円の貯蓄などもできますならば、資金計画でごらんいただいた通り、昨年よりもふえることに相なるのであります。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 それらの点はもう観点の相違でありますからやめまして、それでは銀行の行員の手から、あるいは銀行の重役の手からかわかりませんが、銀行預金のやみ貸出しということを最近まま耳にするのであります。これに対する当局の取締りがはなはだ緩慢のように考える。かつて金融緊急措置令をつくりましたときに、銀行あるいは農業会などの金融機関において、ほとんど半公然と封鎖預金を新円に切りかえたその際に、二割とか三割とかの手数料をとつて、これは銀行員もやつておるし、またはなはだしきは銀行の重役などがやつておるところがある。ところがこれを監督する何らの方法も講ぜられておらなかつたように考える、ただいま大藏省の方において、銀行監査官が置かれておるように思いますが、ころいうようなことでは、銀行の取締りはとうてい期せられないと思いますが、今後の御方針を承りたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 預金封鎖の場合におきまして違反があつた場合、これを処罰いたしておるのであります。しかして御質問の銀行行員あるいは職員が預金を貸し出すことは当然でございます。ただ資金融通準則に反しました場合においては、適当な措置をとつております。しかして預つた金を一般の金利以上に貸し付けた場合、協定違反になりますから、適当な措置をとります。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 それでは徴税の面についてちよつとお尋ねいたしたいと思います。最近税務署、特に財務局あたりは非常に苛酷な更正決定が行われておりますが、その際所得税の解釈に疑義が生じておるように思います。特に大事な所得の算定基準において、十二月三十一日現在のたなおろし價格をいかにして算定するか、買受價格をもつて算定するか、あるいは製造原價をもつて算定するか、あるいは時價をもつて算定するか、この点を明らかにしていただきたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 原價主義によつておると考えております。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 それでは最近財務局においても、税務署においても、時價によつてたなおろしをしておる事例があります。もしかような事例がありましたならば、更正決定をもう一度更正していただけるものと思いますが、いかがですか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 原則を申し上げたのでございます。すなわち個人について申しますならば買入れ原則、個人の製造業者でありますならば製造原價をもつて、たなおろしをすることを原則といたしております。しかし法人等におきましては、時價または原價いずれかという場合もあるのであります。たとえば資産によりまして、原價よりも時價が下つておる場合には、下つた時價をとらす場合もございますので、一概には申し上げられません。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 原價よりも時價が下つた場合は、時價をとるという御答弁でありますから、それでは十二月三十一日現在手持商品の、いわゆる時價による利益は所得に見込まないということははつきりしておりますね。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 大体その方針でやつております。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 今にしてもなお徴税において第三國人に対しては、手心を加えておるという感じを國民に與えておるようでありますが、この点はいかがですか。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 國民の感じは何とも申し上げられませんが、税法上手とは加えておりません。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 昭和二十三年度の歳入実績の見通しについて、概算でもよろしいから大体予定の通りか、あるいはそれ以上に入るか、伺いたい。

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○池田國務大臣 まだ締切り時期に至つておりませんので、的確な数字を申し上げかねます。

奧村又十郎民主党(第十控室)

○奧村委員 これをもつて質疑を終ります。

小坂善太郎民主党(第十控室)

○小坂委員 本予算に関しましては、熱心に各委員から質疑が繰返されたのでありますが、大体この程度で審議が終了したものと考えてよろしいのではないかと考えますので、ここに審議打切りの動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 小坂君の質疑終了の動議があります。賛成の方が多数でありますから、動議はすでに成立いたしております。小坂君の質疑終了の動議に対して、御賛成の方の起立を願います。     〔賛成者起立〕

植原悦二郎民主自由党

○植原委員長 賛成多数であります。質疑は終了いたしました。(拍手)  なおこの際に念のために申し上げておきます。ただいま小坂君の述べられました通り、委員諸君はよく御精励くださいまして、委員長の手元まで御通告になりました方々、また関係大臣に対する質疑應答は大略終りました。ただ先刻黒田君が申されました総理大臣に対する二、三の方の質疑が残つておるやに思われます。討論に入る前にもし総理大臣の御都合がよくありまして、御出席がかなえることができましたならば、その質疑だけを終了いたしたいと、委員長は考えて、なるべくさようなことが実行できますように手配いたします。さよう御了承願いたいのであります。(拍手)なお明日は各党各派で予算に対する態度御決定のこともあろうと思いますがゆえに、明日は休会いたします。明後日は午前十時より閉会いたします。  本日にこれにて散会いたします。     午後六時三十七分散会

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