本会議 第34号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/05/20
会議録
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。 —————————————
○山本猛夫君 この際暫時休憩せられんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。この際暫時休憩いたします。 午後一時三分休憩 ————◇————— 午後四時四十六分開議
○議長(幣原喜重郎君) 休憩前に引続き会議を開きます。 ————◇—————
○議長(幣原喜重郎君) 佐々木秀世君より議員立花敏男君を懲罰委員会に付するの動議、また平川篤雄君より議員立花敏男君、同小西寅松君を懲罰委員会に付するの動議、右いずれも成規の賛成を得て提出されております。まず平川篤雄君提出、議員立花敏男君、同小西寅松君を懲罰委員会に付するの動議を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。提出者平川篤雄君。 〔平川篤雄君登壇〕
○平川篤雄君 私は、立花敏男、小西寅松両君を懲罰委員会に付するの動議を提出いたします。両君の行動が懲罰事犯であると断ずる根拠は、きわめて簡明であります。すなわち、神聖なるべき議場内において暴力を行使し、ために國会の威信を失墜したという点、それのみにて懲罰に値すると断ずるがゆえであります。 今國会は、民主自由党の過半数をもつて運営せられて参りました。與党運営委員の、議事運営の合理的な方式を見出そうという努力に対しまして、野党委員も満幅の賛意を表して、ただいままで協力して参つたのであります。ために昨日は唯一の例外でありましたが、開会時刻の嚴守の習慣も確立せられまして、その他にも好もしき幾多の事例が二、三にとどまらないのであります。私はひそかに、少なくとも議事の形式的な運営に関しましては、大体満足すべき姿をもつて今國会は終始し得ることを期待しておつたのであります。しかるに、会期切迫いたしますとともに各種の事情が山積いたしまして、その結果、数度にわたつて懲罰動議の提出を見、━━のごとき、遂に懲罰に処せらるるに至つたのでありますが、その都度議長の忠告を受けまして、與党・野党とも率直に至らざる点を認め、自粛を申し合せたことも再三に及んだのでありました。しかるに、昨夜の大混乱、大失態を講じましたことについては、私は諸君とともに深く遺憾とせざるを得ないところであります。 われわれ新政治協議会におきましては、從來━━、━━等の失言問題につきましては、常に懲罰委員会に付すべきものでないという態度を堅持して参つたのであります。一つには、速記録に記録せられる壇上の発言は責任を問われるにかかわらず、卑猥、下劣、中には個人の名誉を徹底的に損壊する底のものであつても、やじは切捨てごめんであり、そのために、元來相手を持つておりまして、その相手によつて制約を受けるところの言論であるにもかかわらず一方のみが不当に取安芸られて論ぜられるということに対する抗議であつたのであります。第二には、本來かかる性質を持つ言論が、唯一の武器といたしまして國会において許容せられておる場合に、その不穏当性を明確に規定する基準を見出しがたい、結局は見解の相違という対立のままで、数によつて正否を決せられることに多大の疑問をさしはさんで参つたからであります。 しかしながら、昨日の場合はまつたく疑問の余地がありません。白昼数百の眼が明確にこれを見たのであります。幸いカメラの目は逃れたのでありますが、本朝は各新聞に報道せられまして、これによつて数千万の國民の目が昨日行われた行為と行為者とを確実にとらえております。すでにのがれるすべはないのであります。すでに民主國会となりましてからも数度の暴力ざたが起りまして、これに対して國民の批判が澎湃と巻き起つております。 申すまでもなく、議会政治は言論によつて、説得了解の上に立つて運営せらるべきであつて、暴力は実に議会政治を根底より覆すものである。國会における暴力の介入は、いかなる観点に立ちましても合理性を絶対に見出すことはできないのであります。諸君も御承知のごとく、原因、動議がいかなる種類のものであるにせよ、言論の府における腕力行使も排撃することは、これはおおうべくもない國民の感情といわなければなりません。私はここにおいて、この事実のみで懲罰に付する十分の理由があることを確信いたします。これは数によつて正義、不正義が決せられる種類のものでは決してありません。 もとより、ゆえなくして行為せられることはないのでありますから、そのよつて來るところは究明されなければなりません。しかし、それは懲罰委員会の任務であります。愼重に審議せられまして、情状において酌量するものがあるならば、温情ある解決をはかられることは、もとよりわれらの望ところであります。けれども、子供や病人ならばともかくも、判断力に欠けるところなく、出処進退に責任を重んずることを生命といたしておりまするわれわれ國会議員が、暴力という最後の手段を選ぶよりほかなかつたとは、たれしも納得のできないところであります。しかも、今朝はすべての國民が耳目を一点に集中いたしております。すでに行われ、いかなる方法をもつてしても抹殺し得ないこの事実に対しまして、懲罰に相当するという判断を、故意に、あるいは形式にでも怠りますならば、それこそ恥の上塗りであり、議会政治の前途のために眞に憂慮にたえないところであります。われわれの絶対にとることができないところであります。國会は、これを單なる一部の当事者の問題とせず、みずからの問題として國民の前に粛然として反省し、國民大衆の理性と感情に従順であるべきであると私は考える次第であります。 もとより私個人の場合におきまして、小西君といい、あるいは立花君といい、いずれも親しき間柄であります。また、もとよりせんじつめて参りますならば、昨夜の乱闘の中にあつて懲罰に値するものは、おそらく数十をもつて数えるに足るであろうと思います。この点におきまして、両君のみを指摘いたしますことには一抹の感慨なきを得ないのである。しかしながら、私の望みますところは、むしろ当事者を罰することではなく、これによつて同時に八千万國民に対し厳粛に遺憾の意を表する衆議院の態度を明らかにすることこそ大切な問題であると思うのであります。全國民の理性と感情が公平な処置を求めております。これにこたえたい念願にほかなりません。暴力を民主主義日本から永遠に放逐せんとするわが衆議院の最高の意思を中外に宣明せんとするものであります。 かかる点におきまして、民主自由党、共産党の諸君は申すに及ばず、その他の諸君におかれましても、大乗的な見地において本動議に全幅の賛意を表せられまして、この両君を懲罰委員会に付せられんことを私は直に希望いたす次第であります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) ただいまの平川君の御発言中、本件そのものに関係のない方の名前を出してありました点は、平川君において自発的にお取消しになつてはどうでありますか。
○平川篤雄君 取消します。
○議長(幣原喜重郎君) 取消されました。 懲罰動議は討論を用いずして採決をいたすのであります。よつて、ただちに採決いたします。平川篤雄君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて議員立花敏男君、同小西寅松君を懲罰委員会に付するに決しました。 右の結果、佐々木秀世君提出の議員立花敏男君を懲罰委員に付するの動議は議決不要といたします。 ————◇—————
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一、臨時鉄くず資源回収法案、日程第二、配炭公團法の一部を改正する法律案、日程第三、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基き、通商事務所の設置に関し承認を求めるの件、日程第四、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基き、繊維製品檢査所の支所設置に関し承認を求めるの件、右四件は同一の委員会に付託された案件でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員会理事神田博君。 〔神田博君登壇〕
○神田博君 ただいま議題となりました臨時鉄くず資源回収法案につき、委員会における審議の経過並びにその結果を簡單に御報告いたします。 本法案は、鉄鋼生産のため必要欠くべからざるくず鉄の供給確保を目的とするものであります。本年度の鉄鋼百八十万トン生産計画を達成するために必要なくず鉄の量は同じく百八十万トンであり、なかんずく四十万トンは、いわゆるくず化物件よりの供給にまたなければならない実情であります。大戰以來、世界的鉄くず飢饉のため、戰前のごとく國外よりの輸入を期待することは至難であります。從つて、本年度の鉄鋼生産計画を達成するためにも、また來年度以降に備えるためにも、この際鉄くずの消費節約に関する根本的対策、すなわち鉄鋼生産の際発生する循環くずのみによつて自給自足し得るような鉄鋼生産方式をすみやかに樹立するとともに、これに達する過渡期の切抜け策として、戰災建造物その他の國内資源よりくず鉄を回収するための適切なる措置を講じなければならないのであります。本法案には、こ目的のために必要な各種の事項をそれぞれ規定いたしておるのであります。 本法案は、去る二日提案理由の説明を聽取、その後数回にわたり審議を重ねました。その際小金良照君より修正案が提出せられました。修正案の内容は、 第十二條第二項を次のように改め、同條第三項を第六項とする。 2 政府は、前項第一号に掲げるくず化物件の譲渡又は引渡しに関する命令による損失を受けた者に対し、その損失を補償する。 3 前項の規定により補償すべき損失は、通常生ずべき損失とする。 4 第二項の規定による補償の金額は、通商産業大臣が大藏大臣に協議して、審議会の意見を廳いて定める。 5 前三項に定めるものの外、損失の補償に関し必要な事項は、省令で定める。以上を骨子とするものであります。 討論を終り採決の結果、本法案は多数をもつて右修正案の通り修正議決せられました。以上、概要を御報告いたします。 次は、ただいま議題となりました配炭公團法の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びにその結果を簡單に御報告いたします。 配炭公團法は、その有効期間が去る三月末日をもつて満了いたします関係上、とりあえずその存続期間を三箇月間延長するとともに、その間政府当局において公團の機構及び運営に関し愼重に檢討を加えました結果、今回本法案の提出を見るに至つた次第であります。 本案の趣旨は、おおむね次の四点であります。 第一点は、配炭公團の存続期間を一應來年三月末まで延長するが、期間満了前といえども、需給状況にかんがみ随時解散せしめること。 第二点は、現下の需給状況を勘案し、発熱量四千カロリー以下の石炭その他数種の品目を公團統制より除外すること。なお、この実施時期に関しては特に七月一日まで延長すること。 第三点は、統制を存続する品種に対し民間販賣業者を復活せしめること。 第四点は、上述の改正に伴う必然の結果として公團の機構及び業務を縮小すること。 以上のごとくであります。 本法案については、去る十二日提案理由の説明を聽取し、その後数回にわたり愼重審議を重ねました。特に統制を除外すべき品種、その実施時期、四千二百万トン生産計画に及ばず影響、融資その他に関する企業者の救済、公團その他の失業者対策等に関しそれぞれ活発な論議が展開せられました。 その際、委員長代理神田博を初め委員全員をもつて提出せられた修正案を小金良照君が説明いたしました。修正案の内容は、別表第一第四号を発熱量四、〇〇〇カロリー以下の石炭(常磐炭及び本土炭については発熱量三、七〇〇カロリー以下、宇部炭については発熱量三、五〇〇カロリー以下のものとする。)と修正すべきであるというのであります。 討論を終り採決の結果、右修正は満場一致をもつて可決せられ、修正部分を除く原案は多数をもつて可決せられました。 なお本法案審議の際、公團統制を除外すべき品種に関し総司令部経済科学局石炭担当官より特に示唆を與えられた旨、入江法制局長より本委員会に報告がありました。以上、簡單ながら御報告いたします。 次は、ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基き、通商事務所の設置に関し承認を求めるの件につき、当委員会の審議の経過並びに結果を概要御報告申し上げます。 從來通商に関する地方行政機関としては貿易廳地方貿易事務局及び出張所分室がありましたが、今回通商産業省設置に伴いまして通商産業局に統合されることになりましたが、現今の管理貿易の現状におきましては、政府が通商の当事者となる建前上、通商物資の積出し、引取等現地港湾において処理すべき業務は特殊專門的通商業務が多く、地理的関係から申しまして業務処理の円滑を期する趣旨から、通商産業省設置法にも通商事務所を設けるようにしているのであります。本案においては、この趣旨によつて通商事務所の設置について承認を求めているのであります。 本案は、五月十六日当委員会に付託せられ、十七日提案理由を聞き、続いて質疑に入りましたところ、貿易の現状、貿易事務、公團所有滞荷の処理、貿易の見通し等について熱心なる質疑應答がありました。五月十八日、討論を省略し採決に入りましたところ、全員一致をもちまして承認を與うるに議決いたした次第であります。以上報告いたします。 次は、ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第4項の規定に基き、纖維製品檢査所の支所設置に関し承認を求めるの件について、当委員会の審議の経過並びに結果を簡單日御報告申し上げます。 そもそも纖維製品檢査所は、昭和二十三年十一月十五日政令第三百三十七号によりまして、從來の輸出絹織物檢査所及び輸出毛織物檢査所を廃止しまして纖維製品檢査所を設置することとなつておるのであります。以上により設置する纖維製品檢査所は、京都以下八箇所に本所を設けまして、從來の輸出絹織物檢査所の支所、出張所をそのまま纖維製品檢査所の支所、出張所といたしましたが、輸出絹織物及び輸出入絹織物の依頼檢査のほかに、輸出品取締法に基いて輸出纖維製品の檢査を行うことになりましたところ、依頼檢査の受檢者の便利をはかるためには、業務の円滑かつ迅速を促進せねばならぬ実情であります。ところが、依頼檢査のため多額の出張に要する経費と往復の日時を要する等のむだが生じまして、業務の遂行上多大の支障をもたらしているので、各生産地の業界の利便をはかり、事務能率をあげるため、各生産地、すなわち廣島、今治、岡山、久留米、足利、松本、加茂、浜松に支所を置きたいというのが、今回の承認を求めるの要旨であります。 本案は、五月十六日当委員医に付託され、十七日政府委員より提案理由の説明を聽取し、引続き質疑に入り、今村長太郎君より熱心なる質疑があり、十八日質疑を終了し、討論を省略して採決に入りましたところ、廣島、岡山、久留米の三箇所を除く他の五箇所に対して承認を与うることに全員一致をもちまして議決した次第であります。 以上、簡單でありますが御報告申し上げます。
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。順次その発言を許します。今澄勇君。 〔今澄勇君登壇〕
○今澄勇君 私は、ただいま上程されました二つの法案について、日本社会党を代表いたしまして見解を申し述べます。 第一の臨時鉄くず資源回収法案は反対でございます。その理由は、ここに本年度百八十万トンに上る鉄くずの回収をするにあたつて、わずかに四十万トンを対象にこの法案はつくられておるのでありまするが簡單に申し上げまするならば、集中生産による犠牲として生ずる中小企業が持つておつたいろいろの機械やその他の物を鉄くずとして買い上げんとするというような意図も含まれており、これに対する補償については予算の上に何らの措置も講じられておらないということでございます。かくては、本鉄くず資源の回収は、フリー・クーポン制によつてこれを割当てる限り、第二の兵器処理委員会になる危険が多分にあることを指摘いたしまして、反対の意思表示をする次第でございます。(拍手) 次に配炭公團方の一部を改正する法律案につきましては、まず私は、修正された別表第一第四号において発熱量四千カロリー以下を修正されまして、本土、常磐において三千七百カロリー以下、宇部においては三千五百カロリー以下との修正点については賛成の意を表するものでございますが、それを除いた他の原案全部については反対の意を表する次第でございます。 本配炭公團法の一部を改正する法律案の目的は、低能率、低品位の石炭、コークスを自由市場に放逐して石炭産業の自立態勢の確立を促進せしめるとともに、政府が企図する集中生産遂行の障害として、配炭公團の存在がようやくじやまになつて参りましたので、その廃止を目的としておることでございます。配炭公團がいわゆる公企業として統制経済の中の一環にあり、いろいろして参りましたことについては、功罪両方面から議論されるところでございましよう。しかしながら、公企業としてこういう存在が必要である、計画配炭の上に、末端にいたるまで石炭の配給を完遂して産業の機動的なる活動をいたすということと、放任された自由経済市場のもとに、自由な賣炭操作によつて石炭を供給するということのいずれが是なりや、われわれは、大きく公團法全体を連ねて、これを公社とすべきか、あるいは他の公企業形体とすべきか、全部いずれも自由放任として自由経済にゆだねるべきかという根本的な大きな問題が何ら論ぜられることなく、ただ単にそのときの思いつきによつて、配炭公團から順次いろいろと取扱い品目をはずして行こうとするこの法律案は、その日暮らしのものであり、根本的な檢討が檢討が加えられておらないということを指摘いたしたいのであります。 しかして、これらのわが國における石炭の生産が四千二百万トンと木ひよぅづけられております。政府の答弁によると、本年度の需要は四千五百万トンであるのであります。需要が供給よりも多いにもかからわず、何がゆえに順次これらの石炭をはずして参るのか申し上げますると、小さな中小炭鉱がその販賣機構を整備し得ない間に、大手筋の、特殊な力を持ち資金を持つところの炭鉱が、全國の販賣網を一手に握り占めて、そして小さな中小炭鉱はこの大炭鉱の販賣網に頼らなければ生きて行けない状態にしようということが、その根本目的であることを私はあえて断言いしたいのであります。(拍手)なぜかなれば、需要と比べて供給が少ないにもかかわらず自由放任にするということは、少くとも需給の上のバランスがくずれたのではないかという一点から見ても、統制をはずすという理由にはならないのでございます。ここにおいて、本配炭公團の中から無煙炭、せん石その他三千五百カロリー以下の炭がはずされたのでありますけれども、あすはこれが五千カロリー以下となるかもしれない。あるいは、あさつては全部を一挙にはずして、しかも小炭鉱が何らの力も持ち得ないうちに販賣市場を大炭鉱が制覇するかもしれない。その現実の証拠には、株式市場において、ほかの株式はこの数日間いずれも下落をたどつているのに、北海道炭鉱その他大手筋五、六炭鉱の株式のみが連日高騰を続けているという、この資本主義市場における事実は、雄弁にこれらのことを物語つて余りあると存ずる次第でございます。(拍手) 私は、さらにこの法律の中の小さな五、六点の箇所に触れて意見と希望を申し述べておきたいのであります。 まず第一点は、配炭公團の職員一万二千名より六千名が犠牲になります。ごについては、長い間の石炭の経驗者であるから、優先的にかつ集團的にごを新しき販賣機構へ入れるということが当然の処置である。私は、それらの処置が当然講ぜられるべきであることを追及いたしたところが、商工大臣は、できる限り優先的にその就職をあつせんするということでございました。断じてその言葉のかわらないように、これら公團の六千名の失業者は絶対に優先的に職場配置をいたすべき責任が政府にあるのであります。 さらに私は、公團の取扱いよりはずれた低品位炭、すなわち三千五百カロリー以下の低品位炭鉱も、その生存の上に政府が大きく援助をするということが絶対必要であると思う。その理由は、これまでの増産はすべてコスト主義に加えるにメリツト主義をもつてして三千六百万トンを達成しておるのであります。今日政府の方針で、ここにメリツト主義的な要素を入れて低品位炭をはずしたのであるから、全國の百幾十をもつて数える三千五百カロリー以下の石炭、無煙炭、せん石を掘つておるところの炭鉱は、ここに政府の政策によつて、まつたく企業が成り立たなくなるのである。これに対する責任は、どうとても責任において負うべきものであるということを私は申し述べたい。(拍手) さらに私は、工場別荷渡しの実績把握が不可能であるから、計画遂行の実績を把握することがこの法律の改正によつて困難になるであろうということを指摘し、それらの配炭の計画の実績の把握が困難であるということは、せんじ詰めればわが國の産業全般にわたる計画的な生産が非常に困難になるだろうということを指摘しなければならない。炭代の回収の部面において、價格統制の部面において、発券方法の複雑化において、二本建の配給による幾多の矛盾と弊害をこれらの法律の中にわれわれは認めるのでございます。 これを要するに、根本的にはさきに申し上げたような立場において、その法律の具体的内容においては以上の五点において、私どもは本法案に反対をいたさなければならないのであります。十六億に上るひもつき融資は、すでに大炭鉱に向けて融通せられております。特別見返資金は四基礎産業のみにこれが割当てられることは新聞紙上の報ずるところでありますが、しかもまた、これが大炭鉱のみに向けられているのであります。争議が起るといえども、政府は最後の段階まで何らこれに対しては積極的な対策を示しておらない。本法案の改正は、すでに將來のわが國の経済の実力が特殊大手筋炭鉱に占められるべき行手の門を開いたものである。しかもまた、それらの経済的実力を握つた大炭鉱が將來炭鉱財閥としてわが國の政治の上に大きなる力を伸ばさんとする門戸を開いたものである。断固私どもは、それらの門戸を開くべき本法律案に反対の意思を表明する次第でございます。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 岩川與助君。 〔岩川與助君登壇〕
○岩川與助君 私は、民主自由党を代表いたしまして、この臨時鉄くず資源回収法案に対し、修正部分をも含めて賛成の意を表するものであります。 本法の対象となるくず化物件は、罹災、老朽、破損によつて本來の用途に供せられていないものであつて、昨年八月十五日現在の調査によれば、一應九十万トンであるということであります。沖合いに沈沒している艦船とか、とりこわし困難な建造物を除いて、第一次に本法の対象となるものは約四十万トンであつて、物件のあり場所、所有者等も判然としており、修理中のものであるとか、單なる遊休中のものは除外されているのであります。今年のスクラップの需要見込量は百八十万トンであつて、リターン・スクラップが約八十万トン、各種手持のスクラップが約六十万トンであり、その不足額の約四十万トンは、本法によつて回収せられたものを充当せんとするものであります。 本法の対象となるものは一應判然としているのでありますが、法の運用いかんによつて、きわめて好ましからざる結果が生ずるのであります。くず化物件の指定等に関する方針を審議するくず化物件審議会は、個々の異議の申立てについても、諮問に應じて所有者を正当に保護してもらいたいのであります。 次に、このくず鉄は、くず鉄として大体平均トン当り二千五百円であつて、その範囲内において自由に交渉し取引することができると説明しているのでありますが、銑鉄の消費者價格の三千六百円を基準として定めたものでありますから、やむを得ないとしても、國民経済上有用なものを、みだりにくず化物件としないようにせねばならないのであります。 そこで私は、第一に、國有財産の拂下げに際しては公定の物價体系を基準として嚴正に処理すること、第二、中小企業の不振に乗じて、その所有にかかる施設をスクラップ化するごときことを嚴に戒めること、第三、これらのくず鉄は、二、三の企業者に偏重することなく、一般平炉業者、特殊鋼メーカー、伸鉄業者にも妥当公平に分配すること、第四、作業困難等のためにあとまわしになつたものについては國家補償でこれを償うか、價格政策で補いをつけるか、すみやかにその方針を決定して時宜に適した処置をとること、第五、本法のねらいは製鉄用原料を國内に求むることにあるのであるから、これらのスクラップを海外に輸出するごときは嚴に戒めること、第六、現にわが國は年間百数十万トンの鉄鉱石及び百数十万トンの原料炭並びに約十五万トンの銑鉄を輸入しているのであります。國内のくず化物件はきわめて有限的であります。かかるものを対象とする政策は、國土の清掃ができることは別でありますが、きわめて姑息であるといわねばなりません。そこで、國内資源、特に鉄鉱石、マンガン及び原料炭の開発にもつと積極的に乗り出すとともに、海外からの原材料の輸入については、さらに有利確実なる手段方法を講ずること、以上六項目について強く政府に要望して本案に賛成するものであります。 次に石炭について申し上げます。先刻議題になりました配炭公團法の一部ほ改正する法律案に対し、その修正部分をも含め、民主自由党を代表して賛成するものであります。 石炭は鉄鉱とともに一國産業の基礎をなすものでありまして、わが國におきましても、石炭の生産いかんは経済産業の復興を左右するものであることは言をまたぬところであります。掘り出された石炭の配給を適正妥当ならしむることはきわめて大切な事柄でありまして、この配炭の巧拙いかんは、ただちにわが國産業の全般に重大な影響を及ぼすものであると同時に、資金の回収獲得に直接関連を有するものであります。わが國の現状は、経済九原則にのつとり実質的な均衡予算を実施して、経済産業の再建を実現すべくすでに数歩を踏み出したものであります。 今ここに議題となりました案件は、石炭の配給について、いわゆる公團方式をなるべくすみやかに解消して、石炭の需給関係の実情に即應した配給制度に逐次移行する具体的の段階を規定したものでありまして、まず第一に配給公團法の有効期間をさらに暫定的に延長するとともに、相当大幅に公團統制を縮減し、地方公團の取扱い品種については民間の販賣業者を復活せしめ、さらにこれに関連して、でき得る陰り公團の機構を縮小する方針をとつているのであります。また昭和二十四年度においては四千二百万トンの石炭を掘り出す計画を実現しなければならぬのでありまして、この石炭がいかに適正妥当に需要に向けられ、またいかにすみやかに資金化されて行くかは、この出炭計画を実現する上においてももつとも重要な事柄であります。傳えられるがごとき、大炭鉱のみが利益に浴することとなるがごとき結果を來すことは嚴にこれを戒むべきでありまして、中小炭鉱もともに立ち行けるよう万遺憾なきを期するべきであります。 また、本年七月一日以降公團統制の外に置かれる石炭の区分を、わが國の実情に即して、それぞれ四千カロリー、三千七百カロリー及び三千五百カロリーの三段階に改めたことは、眞に機宜に適した妥当な修正であります。本法の施行と同時に統制の外に置かれる無煙炭、せん石並びに右の三標準熱量以下の石炭といえども、わが國においてはそれぞれりつぱな利用價値があることを決して忘れてはならないのであります。よつて私は、次の二つの條件を付して本案に賛成するものであります。 第一、政府は公團統制の対象から除外する石炭、無煙炭及びせん石その他のものに対しても資金・資材・輸送などについて特別援助の措置を講ずること。 第二、公團の縮小によつて職を失う人たちは、おおむね石炭の販賣、配給についてはその道のエキスパートであるから、今後できる石炭の販賣業務に從事せしめるよう特別援助の措置を講ずること。 以上をもちまして、民主自由党を代表して賛成の意を表する次第であります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 聽濤克巳君。 〔聽濤克巳君登壇〕
○聽濤克巳君 私は、日本共産党を代表いたしまして、配澄公團法の一部改正法案に対しまして反対討論をを行いたいと思います。社会党の今澄君から主要な点につきましての反対討論がありましたので、なるべく簡單にやりたいと思います。 この改正法案は、やがて公團を全面的に廃止するということを目的にして出されたものでありまして、販賣機構を新しくつくるとか、あるいは四千カロリー以下の低品位炭を統制から除外するというようなことが、その経過措置として入つておるのでございます。 ところで、この法案で一番問題になります点は、政府は公團を今まで必要としたけれども、今日では必要がなくなつて來た、だんだんにこれを廃止して行くのだ、その根拠としては、石炭の需給関係が緩和して來たということを理由にしておるのであります。ところが、政府自身が発表しておるいろいろな関係の数字を当つて見ましても、この根拠は出て來ないのであります。たとえば、今澄君も指摘しておりましたが本年度政府は四千二百万トンの増産計画を立てております。これに対して政府委員のみずから説明したところによりましても、全國の需要量は四千五百万トンであると発表しております。そういたしますれば、本年度の四千二百万トンが百パーセント遂行されましても全國の需要量を満たすことができない状態であるのであります。しかも、現在の日本の石炭の実生産量は幾らかと申しますれば、御承知のように、わずかに三千五百万トンにしか達していない状態であります。これでは、いわゆる自由経済論をもちましても、統制を廃止するという民主自由党の理論をもつてしましても、根拠が出て來ないわけでございます。 実は、このことにつきまして政府は数字を発表しておりますけれども、ほんとうはあまり眞劍には考えていないのでありまして、事実はほかの方に目を向けておるのであります。それは何かと申しますれば、政府はこういうように言つております。すなわち、上級炭は日本で不足しておるけれども、低品位炭は最近は非常にだぶついて來ておるということを言つておるのであります。それは確かにその通りの現象が現れております。しかしながら、低品位炭がだぶついて來たという理由は一体どこにあるか、これが問題であります。と申しますのは、今日低品位炭をほんとうに需要しておるところの全國のあらゆる産業における中小企業というものはどういう状態にまるつつあるか。御承知のように、單なる中小企業だけではなくして、相当大規模の工業におきましても、すでに破滅の状態が全國津々浦々に起こりつつある。一方では金詰りがひどい。中小企業におきましては、石炭は買いたくても買えない。あるいはどんどん工場がつでれて行くのでありますから、石炭は事実いらないような状態ができて來ておる。一体だれがこういう状態に陥れて來ておるかということが問題なのであります。これは民主自由党の、吉田内閣のあの有名な集中生産、ごく一部の大資本のみを残して、その他の企業をほんとうに犠牲にして行くような、あの産業破壊の聖作が行われている結果であるのであります。(拍手)まずこのことは、公團法廃止の根本の問題として現れている。やがて石炭の統制を全部廃止する。 ところで、一方では計画生産と言つておりますけれども、事実これに対しては何らの熱意も持つていない。計画生産どころか、計画配炭すらも廃止して、事実一方では石炭をいらないようにする政策をとつておるのでありますから、両々相まつて、実に日本の全産業にわたり非常に破壊的な結果が近い將来現れて來ることは必至であります。皆さん、ここに本法案の根本的なねらいがあるのでありまして、私たちは、この政策に対して根本的に反対せざるを得ないのであります。 しかももう一つは、この公團を廃止するにつきまして、日本共産党は、これを設置とれる当初から、こういう官僚統制を強化するようなやり方には反対であることを主張して來ました。事実今日の公團は、すでに世上のうわさにあるように、不正と腐敗の巣窟になつている。われわれは、これを廃止すること自体に対しては何ら反対しないのであります。しかしながら、問題はこの公團を廃止するやり方であります。すでに今澄君も指摘しましたように、事実この公團廃止は、いかなるものの利益のために行おうとしているか。言いかえますならば、これは明らかに日本におきます大炭鉱資本の地位を確保し、中小企業をほんとうに破滅させるためにこれがやられておるというこの点に重大な問題があるわけであります。これについては、私はいまさら今澄君の説明した以上にあまりつけ加えたくはありません。 しかしながら、ここで私がはつきり申し上げたい点は商工委員会におきまして、原案では四千カロリー以下の低品位炭を統制から解除するというようになつておりましたのを、宇部におきまして三千五百、さらに本土炭及び常盤において三千七百、こういう修正に各党全員が一致した理由はどこにあるかということを、皆さんにお考え願いたいのであります。これには多数を占める民主自由党の各委員が皆賛成しておられる。これはなぜ賛成されたか。この法案は明らかに大資本の地位だけを確保して、この陰に中小炭鉱がつぶされるということが非常に明白になつて來ているからであります。皆さん、商工委員会におけるこの結果は、民主自由党の委員諸君も実は心の中では、吉田内閣のこの政策に対しては、ほんとうは反対しつつあるということを証明しておるのであります。(拍手)またそうなるのが当然であると私は考える。この点は、皆さんはほんとうに眞劍に考えていただきたいのです。 われわれは、このほかに、もう一つの問題を指摘しなければならないと思います。こういうふうにいたしまして、今度の法案の実施によりまして、大体全國におきまして二百五十八炭鉱、これはこの修正によりまして幾分緩和されるでありましよう。しかし、これは時期の問題でもあります。大体年産にいたしまして四百万トン、さらに無煙、せん石などを入れまして百万トン、こういうふうに相当量の石炭が犠牲に供されつつある。ところが一方では、御承知のように外國炭の輸入は年々歳々ふえつつあり、本年度の計画においても相当の数字になつております。こういうふうにして、実際に日本の國内資源を犠牲にしながら、外國の余剰炭に対して日本の國内市場を開放しようというような、こういう政策が現れておるのであります。(拍手)私たちは、この点はまさに賣弁的政策であると称せざるを得ないのであります。(拍手) しかも、さらにこれが從業員にとりまして首切り法案であることは、これまたここでるる説明するまでもございません。あの法案の中に、どこを探しても、この公團廃止に伴うところの從業員の生活保障については、ただの一字一句も書いてない。これによりまして、結局はこの公團の一万二千名の從業員の生活はふいにさせられる。しかも、問題はこれだけではなくして、中小炭鉱の破壊から、大体近い將來に全國で約九万に達するところの炭鉱労働者が失業せざるを得ない状態が來るであろうといわれる。その証拠には、あの宇部や、あるいは常盤におきましては、労働者と経営者と、さらにその町の人たちまでが一緒になつて、宇部や常盤の郷土の産業を守れという鬪いがすでに開始されておると私は聞いておるのである。こういうふうな重大な内容を持つておるこの改正法案に対しまして、わが党は絶対に賛成することはできません。 さらに一言申し上げたいことは、われわれがこれを通観いたします際に、この法案の中に、民主自由党が多年主張して参りました、特にこのたびの選挙において非常に力を入れて宣傳して参りましたところのいの自由経済論の見本がはつきり出ておるということであります。それは何だ。この自由経済は、いわゆる日本における独占的な大資本に対しまして、自由自在にその他位を確保して、その利益を追及する、こういう自由を與える。中小業者あるいは労働者に対しては破滅と餓死の自由を與えておるという事実であります。共産党が独占資本ということを申し上げますと、民主自由党の皆さんは非常におきらいになる。ところが、民主自由党の諸君のおきらいなのは独占資本ではなくして、実は中小商工業者であつたことが明らかになりました。皆さん、われわれはこういう法案に対して賛成するどころではなく、断固これに対して反対するものでございます。 私は、これをもつて討論を終ります。(拍手)
○議長(幣原喜重郎君) 橋本金一君。 〔橋本金一君登壇〕
○橋本金一君 ただいま議題になりました配炭公團法一部改正に関しまする法律案のうち修正に対しましては、民主党を代表して賛成をいたします。(拍手) 本法案は、すでに三月末に有効期間満了に際しまして一應審議に相なつたのでございます。しかし、当時歩政府におきましても、まだ具体的な方針も立つておりませず、いろいろな複雑なる問題もありまして、六月一ぱいまで延長をいたされて來たのでございます。さらにこれが來年の三月まで重ねての延長と相なつておるのでありますが、その間におきまして一部改正をいたされまするのが、今回の低品位炭に対するところの除外の面であるのでございます。 この低品位炭に対しましては、もちろん公團の除外となる法案とは申しながらも、この改革がむしろ改悪でありまして、各方面に問題を起して参つて來たのであります。かような影響によりまして、委員会といたしましても相当檢討をいたして参りましたのですが、とにもかくにも、この改正によつて犠牲となりますものが、ほとんど中小炭鉱業者であるのでございます。また多くの労働者にこれが課せられておるのでございます。ひいては需要者面に及ぼす影響も相当大きな問題があるのでございます。かような見地によりまして、さらに檢討をいたして参りますと同時に、委員会におきましては、あるいは公聽会を開き、それぞれの意見を徴しましてまとめて参りました上に、さらに当局に対しましては、これらの改正後におけるところのこの犠牲者に対する救済の方法、あるいは價格の問題、あるいはまた多種多様にわたりますところの需要者に対する販賣機構の整備、かような点につきましていろいろと質疑をかわし、当局の意見を聞いたのでございますが、遺憾ながら、これに対するところの具体的な方策は立てておらないのでございます。しかし、方策は立てておらないとは申しながら、また反面に一番問題になりましたのが、四千カロリーを中心といたしますこれらの整理の問題であつたのでございます。この問題の重点に対しまして、私どもは各面より檢討し、ただいたずらに熱量をもつて整理せんとするところにあやまちがあり、あるいは地域的要素により、あるいは用途によりましてのみの利用價値というものは、必ずしも同一ということは言い得ないのでございます。かような点から、逐に四千カロリー以下の除外のものに対しましては、常盤、本土炭に関する限り三千七百カロリーをもつてなし、あるいは宇部炭に対しましては三千五百カロリーをもつて一應除外いたすことに相なつたのでございます。 ことに問題になりましたのが七月の整理でございます。この点については、先ほど申しましたように、何ら整理に対するところの方針の立たざるうちに七月をもつて打切るということは、多くの犠牲者を出すことは忍び得ないものがあるのでございますから、これが延期対策に対してもそれぞれの方面に交渉を進めて参つて來たのでございますが、この点に関する限り、内外の事情やむを得ず、一應本案のままに決定をいたしたのでございます。しかし、特に重点とせられましたカロリーの問題が多くの業者の希望に一致いたします限りにおいては、ここに委員会といたしまして、先ほど委員長の報告にありましたような修正をいたし、多数をもつて決定をいたした次第でございます。かような点において、私ども不本意ではありますが修正案に賛成をいたしますと同時に、特に当局に要望をいたしておきたいことは、審議過程における各方面の意見を十分に参酌せられると同時に、現実を見きわめられまして、これが実行にたいしまして遺憾なきを期していただきたい。以上要望したし、修正案に賛成をいたします。
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。 まず日程第一につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手) 次に日程第二につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手) 次に日程第三につき採決いたします。本件は委員長報告の通り承認を与えるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認を与えるに決しました。(拍手) 次に日程第四につき採決いたします。本件は委員長報告の通り、神戸纖維製品検査所の廣島支所、岡山支所及び久留米支所を除いて承認を与えるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り決しました。(拍手) ————◇—————
○議長(幣原喜重郎君) 日程第五、賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事小川原政信君。 〔小川原政信君登壇〕
○小川原政信君 ただいま議題と相なりました賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。 〔議長退席、副議長着席〕 本案は、行政整理を目的とする機構改革の根本方針にのつとり、かつ密接なる寒河関連を有し、対外関係においても賠償関係事務と特殊財産関係事務とを同一事務局で取扱うことの便利に應じて、外務省特殊財産局の所掌事務の全部と大藏省管理局の所掌事務の一部とを賠償廳に統合しようとするものであります。しかして、長官の乾元に関する規定を整理するとともに、長官を助けて廳務を総理する次長を置き、官房のほか、局を部と改め賠償及び特殊財産の一部を置くこととなし、その他所要の改正を加え、本年六月一日から施行しようとするものであります。 本案は、四月二十二日、本委員会に付託せられ、ただちに政府の説明を聞き、外務委員会と連合審査会を開いて審査を進めて参りましたが、本案に対し、賠償廳長官は、その所掌事務中連絡調整事務局が分掌するものについては連絡調整事務局長を、また財務部及び税務署が分掌するものについては財務部長及び税務署長をそれぞれ指揮監督することに定める修正案が提出され、五月十九日討論採決の結果、多数をもつて修正案の通り修正議決いたしました。 以上御報告申し上げます。
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。 ————◇—————
○副議長(岩本信行君) 日程第六、競馬法の一部を改正する法律案、日程第七、特殊勝馬投票券に関する法律案、日程第八、食糧管理法の一部を改正する法律案、日程第九、農業災害補償法の一部を改正する法律案、右四案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といします。委員長の報告を求めます。農林委員長小笠原八十美君。 〔小笠原八十美君登壇〕
○小笠原八十美君 ただいま議題となりました、農林委員会付託にかかる、内閣提出、競馬法の一部を改正する法律案、特殊勝馬投票券に関する法律案、食糧管理法の一部を改正する法律案並びに小笠原八十美君外二十四名提出、農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、審議の経過及び結果の大要を御報告申し上げます。 まず最初に競馬法の一部を改正する法律案より御報告いたします。 御承知のごとく、第二回國会におきまして、從前の競馬法及び地方競馬法を廃止いたしまして、新たに競馬法を制定して今日まで運営して参つたのでありますが、今日までの実績にかんがみ、また同法第四十條の規定により、施行後一年内に改廃の措置をとる必要もあり、所要の改正を加えております。その第一点は、競馬の公正を維持するために必要な改正を行つたこと、第二点は、國営競馬の開催日数を地方競馬と同一とし、また國営及び地方を通じて新たに電勝式勝馬投票方を採用したことであります。以上が提案理由の大要であります。 本法律案につきましては、去る五月十三日質疑を行いましたところ、民事党小笠原、野原、山村、藥師神各委員、民主党大森委員、社会党井上委員、共産党竹村、深澤両委員より、現在の國営競馬は單に浮動資金吸収を目的とするのみで、畜産振興に何ら寄與するところがないとするならば大藏省の所管に移すべきであり、またもし健全娯楽を目的とするものならば文部省の所管に移すべきである。この際むしろ民営に移すのが至当ではないかとの発言がありました。この趣旨に基きまして、昨十九日、井上委員より各党派を代表して修正意見が述べられ、討論を省略して採決に付しましたるところ、全会一致をもつて修正可決いたしました。なお修正箇所はこれを速記録に譲ることにいたしますが、その要点は、第一、本法の施行期間を來年三月末日までに限定したこと、第二は、勝馬投票券の発賣による純益の三分の一を畜産振興費に充当するようにと、以上の二点であります。 次に特殊勝馬投票券に関する法律案につきまして御報告いたします。 本法律案は、國営競馬の勝馬投票券の賣却金額の増大をはかるため勝馬投票券に特殊の措置を講じ、あわせて競馬法中にこれに必要な規定を設けようとするものであります。以上が本法律案の提案の理由の大要であります。 本法律案につきましては、去る五月十二日質疑を行いまして、民事党小笠原、野原、山村、藥師神各委員、民主党大森委員、社会党井上委員、共産党竹村、深澤両委員より、現在の國営競馬は單に浮動資金の吸収を目的をするのみで、畜産振興に何ら寄與するところがないので、この際勝馬投票券の発賣により得たる利益の一部を畜産振興に利用すべきである旨の発言がありました。以上の趣旨に基きまして、昨十九日、坂本委員より各党各派を代表して修正意見が述べられました。次いで討論を省略して採決に付しましたところ、全会一致をもつて原案を修正可決いたしました。なお修正箇所はこれを速記に譲ることにいたしますが、その要点は、第一、特殊勝馬投票券の発賣を銀行のみならず農林大臣の指定する法人にも認めるようにしたこと、第二、この馬券の発賣による純益の三分の一を畜産振興に振り向けるようにしたこと、以上の二点であります。 次に食糧管理法の一部を改正する法律案につき御報告いたします。 御承知のごとく、わが國は現在主要食糧につきまして約二五%を輸入に仰ぐ状態でありまして、今後とも嚴正かつ計画的な配給統制を続ける必要があるわけでありますので、主要食糧の配給統制の基本法規であります食糧管理法の一部を改正することとなつたのでありますが、その要旨の第一点は、從來の同法に欠けておりました主要食糧配給割当手続を明確に定めまして、主要食糧の配給計画の設定と配給実施との一体化をはかることといたしたことであります。第二点は、食糧管理法第九條の基本の民主化をはかりましたことであります。すなわち、第九條の委任に基きまして政府が主要食糧の配給、加工、製造、使用、消費、保管及び移動に関し命令を発しましたる場合に、その命令の規定について直接の利害関係を有する者から経済安定本部総裁に不服の申し立てをなし得る道を開きましたことであります。第三点は、食糧配給公團の基本金を五千万円増額して一億三千万円といたしたことであります。以上が提案の理由及びその内容の大要であります。 本法案につきましては、去る十六、十七の両日にわたり質疑を行いましたとところ、民自党坂本、河野、淵、坂田、遠藤各委員、民主党寺島委員、社会党井上委員、共産党深澤、竹村両委員、新政治協議会吉川、寺崎両委員より、食糧供出割当補正については適正になさるべきこと、轉落農家に対する食糧配給の円滑化をはかり、特に生産意欲の減退防止の措置をとるべきこと、さらにまた現下の食糧事情にかんがみまして強力な増産対策の推進をなすべきこと等の発言がありました。またこれに対し政府側より、供出割当補正については食糧確保臨時措置法の一部改正の中で法的規定を與えており、轉落農家に対しては実情に即した措置をとる旨の答弁の答弁がありました。 次いで、昨十九日討論に移しましたところ、民自党坂本委員より賛成意見を、民主党寺島委員より同樣賛成意見が述べられました。これに対し、社会党井上委員、共産党深澤委員、新政治協議会寺崎委員より反対意見が述べられましたが、採決に付しましたるところ、多数をもつて原案通り可決いたしました。 次に農業災害補償法の一部を改正する法律案について御報告申し上げます。 農業災害保障制度の重要性は、農業経営の安定と農業生産力の確保上一層高められつつありますので、この際本制度につき一段と完備せしめる必要があります。その要旨の第一点は、現行の農業共済團体の必須共済事業のほかに、團体限りにおいて任意に行うことができるものとして、地方的特殊農作物、建物、農機具、輸送中における家畜等を対象とする共済事業を加えましたことであります。第二点は、農家がむりなく加入できる掛禁負担の範囲内において、総会の議決を経て、牛馬を死亡廃用共済に付すべきものといたしたことであります。第三点は、総代会を設けて、総会にかかつて議決できるやうにしたことであります。第四点は、農業共済保険組合を農業共済組合連合会という名称に改めたことであります。以上が提案の理由並びにその内容の大要であります。 本法律案につきましては、昨十九日、提案者を代表して民自党坂本實訓より提案理由の説明が行われましたが、すでに趣旨が十分明瞭になつており、かつ農林委員全員を提案者としており、また本制度の活用により農民に卑益することは疑いないところでございますので、質疑及び討論を省略して、ただちに採決に付しましたところ、全会一致をもつて原案通り可決いたしました。 以上御報告申し上げます。
○副議長(岩本信行君) 質疑の通告があります。これを許します。吉川久衛君。 〔吉川久衛君登壇〕
○吉川久衛君 ただいま議題になつております競馬法の一部を改正する法律案並びに特殊勝馬投票券に関する法律案の二つの案が農林委員会において審議されておりますときに起りました問題、並びにこの予算に関して大藏大臣に二、三のご質問をいたしたいと思つております。 委員会におきましては、農地改革のためにいやが上にも零細化されましたところの日本人の農業経営というものは、どうしても園藝とか畜産とかいうような問題を導入することなくしては考えられないような状況にある、あるいはまた立体的な、集約的な高度の科学性を取入れた農業経営形態に移行しまければならないという観点から、特に畜産の導入問題は大きな問題として考えられて論議されたのであります。このときにおきまして、この競馬法の一部を改正する法律案におきまして、政府のお考えによりますると、ほとんど収入のみを考えて、畜産の振興というような問題については全然考えられていないのであります。 政府は、金融面の措置によつて日本の経済の復興をお考えのようであります。しかしながら、これはきわめて重要な問題ではありますけれども、ただそれだけをもつて日本経済の復興を考えられることは、はなはだ不十分であるのであります。すなわち、食糧の増収確保によつて國民生活を安定するということが先決問題でなければなりません。國民生活が安定され、生産が増強されて初めてこの金融措置も全きを得るのでありまして、主客傳倒されるような施策は決して國民生活の安定、日本経済の再建のために良策でないと言わなければならないのであります。 農林省の所管いたしますところの國営競馬の問題でありますが、農林省畜産局の予算を見ましても、昨年が九億九千六百万円であります。しかるに、二十四年度は五億四千四百万円であります。すべての單價が高騰いたしておりますときに、九億九千万、約十億に近いものが、その半分の五億四千四百万円に削減されているということ、またかくのごとき畜産の問題にたいして、ほとんど一顧も顧みないような予算を編成されているということは、これで日本の國民の食生活を改善し、國民の生活を安定するという問題について、大藏大臣は一体眞劍に御配慮になつておるかどうかという問題について、私どもは疑いなきを得ないのであります。ただ取上げるだけで、その振興を考えないようなお考え方で、重大なる日本経済を担当される大元締である大藏大臣は、その職責を全うし得るでありましようか。そこで、われわれ委員会におきましては、もしこの競馬問題が、ただ單なる健全スポーツ問題であるとするならば、所管は農林省でなくて文部省でなければならない、まただ取上げるだけで、畜産振興にその予算を考えないとするならば、競馬問題は大藏省が担当すべきである、というような極端なる議論さえ出たのであります。 私どもは、このような考え方から、日本の畜産を振興し、日本の食糧問題を解決するために、この競馬そのものはまことに好ましい事柄ではありませんけれども、これによつて生ずるところの相当部分を畜産振興のために充てなければならないということを政府に伺つたのでありますが、満足なる御答弁を得ませんので、各派共同いたしまして、これが修正案を考えたのであります。そうして関係方面へ参りまして御相談をいたしましたところが、國会において考えられるならば、それはそちらのやり方でけつこうであるということでありましたので、二十二億三千九百余万円の予想されております収入の中の三分の一を畜産振興のために充てるという修正案を各派共同提案として可決いたしたのであります。これが予算措置につきましては、すでに決定を見たところの予算の補正をしなければならない、組みかえをしなければならないという問題を大藏当局は御心配でありましようが、しかしながら、それは次の機会において必ず予算が補正されなければならない問題が起きて來ることが予見できるのであります。そのときに大藏大臣はこれに対する予算の補正をする意思があるかどうかということをお伺いいたしておきたいと思います。 次に、この修正案が可決されましたときに、主計局長の河野氏が委員会の部屋に入つて來られました。どこからか聞いて來られたのでしよう、非常に興奮をして入つて來られまして、農林政務次官苫米地氏を呼びつけまして、一体このようなオーケーをどこからとつて來たのであるか、このようなものがどうしてここで審議されるのか、これがためには予算の組みかえまでやらなければならない問題である、これは参議院に働きかけて、参議院で修正に対する再修正をやつていただく、関係方面に働きかけて、これを取消して、別に改めてオーケーをとるような措置を講じなければならない、ということを苫米地氏に言われたのであります。皆さん、苫米地政府委員はこれを農林委員長に報告され、農林委員長はわれわれ委員会の理事に報告されたのであります。これを聞いたときに、各党の代表であるところの農林委員会の理事諸君は——かつて軍閥はなやかなしころに、佐藤賢了という人が、議員の発言に対して默れということを言われたそうであります。佐藤賢了に次いで、大藏官僚から、かくのごとき國会の院議を無視するような極端なる言動をもつてされたということは、私どもはこれを軽く取り扱うわれに行かないのであります。(拍手) 皆さん、私はこの壇上に立つて、もつと熱烈にこの問題を論及いたしたいと思つたのでありますが、私の迫力の足らない点は——ただいま農林委員会において苫米地政府委員が、実は主計局長が了解を求めに來たんだというお話がございましたが、そのうちにまたお呼出しがありましたから、私は廊下へ出ましたら、主計局長がおいでになりまして、私はただ予算の組みかえのみ心配しておりまして、かような氣持ちはなかつたのであるからという御了解を求められた。心臟の弱い私は、ただそれでいささか迫力をそがれた感じがするのでありますけれども、これは私個人の問題ではない。院議を無視し國会を軽視するところの、あるいはそうとられるような言動をなされたということは、ゆゆしきわが憲政上の重大問題であります。(拍手) 私は必ずしもそうまで強く思つていないが、世間では、大藏官僚は官僚の牙城であるとさえ言われております。そうなきことを私は信じたい。これに対しまして大藏大臣は、この世間のうわさは根拠のないことでありますけれども、少くともただいまの河野主計局長のこの言動に対しまして、いかなるお考えを持つておいでになりますか、お伺いをいたしたいと思います。私は國会の権威を重んじ、そして國民の代表としてのこの最高機関の権威保持のために、かくのごとき一官僚によつて、委員会が、國会が、軽視されることが今後再び起こり得ることをおそれまして、この際あえて大藏大臣の責任ある答弁を望むものであります。(拍手) 〔國務大臣池田勇人君登壇〕
○國務大臣(池田勇人君) 畜産の経費につきましてはお話がございました。昨年度より費目につきましても減少したことはお話の通りでございます。経済九原則の線に沿いまして、できるだけ経費を減すように努めた結果にほかならないのであります。しかし、畜産は経済の再建、あるいは食糧の点から申しましても非常に重要なる問題の一つでありますので、ない中からも、実はこの方面に六億数千万円を出しておるのであります。しかして、今回御決議になりました勝馬投票券の収入金の三分の一をこの経費に充てるといたしますけば七億四千万円を計上することになるのであります。御決議の結果によりまして、今後の予算補正について十分善処いたしたいと考えております。 次に河野主計局長の農林委員会における苫米地議員に対しまして申し上げたことにつきまして、私からその事情を申し述べ、おわびを申し上げたいと思います。実は昨年の國営競馬方制定の際に、勝馬投票券収入の三分の一を計上するという案があつたのであります。この案は、関係方面の話がございまして、削つた事例があるのであります。主計局長は、当時その任に当つておりましたので、そういうことがありますぞということを申し上げたのでございます。しかるに、これだけならばよかつたのでありまするが、今お話のような行過ぎた点があつたと重々わびておる次第でございます。私は大藏大臣としまして、部下職員の行過ぎた言動につきまして、十分この席でおわびを申し上げまして御了承を得たいと思うのであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて質疑は終了いたしました。 討論の通告があります。これを許します。八百板正君。 〔八百板正君登壇〕
○八百板正君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました食糧管理法の一部を改正する法律案に対し反対を表明するものであります。 おもなる反対理由を申し上げますれば、第一、主要食糧の配給計画と配給そのものの実施の一体化をはかり、すなわち計画と実施を事こまかく明文化し、強化いたさんとしたことであります。しかしながら、この点について考えるに、手続上法文は事こまかく改められたけれども、この運用の基礎をなす数字的な根拠は一向に整えられていないのであります。すなわち、一般消費者、食糧の加配を受ける労務者、農家であつて年間食糧を保有せず、食糧の配給を受けるもの、この数、また農家保有米算出の根拠たるその年齢別人口計算等々、まつたく整備されておらないのでありまして、この結果は中央地方の数字の食い違いとなり、計画と実施に齟齬を來し、遅配欠配を生じ、特に轉落農家の飯米に配給不足、欠配を來し、この誤算の犠牲が農民にかぶせられていることは、ただいま各地において目のあたりに憂慮されているところであります。一方、幽霊人口、不正受配による不正なる食糧の浪費が行われているという事実を前にして、かくのごとく單に官僚的抹消手続をこまかく、やかましくしたところで、配給統制の効率的運営を期することは断じて不可能と申さねばなりません。 次に、本改正は委任命令があまりに多すぎるという点であります。すなわち政府は、食糧管理と配給確保のために、その認定に基き、配給、加工、製造、譲渡その他の処分、消費、保管、移動を一片の政令によつて命令する権限を持ちますとともに、都道府縣知事、さらには市町村長に対してもかなり廣汎なる権限を持たせることであります。これらの権限に基づく命令、処分に対しては、不服の場合、不服の申立ができるのでありますが、これは申訳的に、事実上できそうにもない不服申立の途を開いたことによつて、この憲法違反的な、廣範囲の委任命令の違法を合理化し、民主的なもののごとく偽装いたすものと言わなければならないものであり、われわれ承認し得ざるところであります。 次に改正の第三点は、食糧公團の基本金の増額であります。公團の末端においては、人手が足りなくて所定の持込配給もできず、サービスも悪くなつていると聞くのでありますが、これに対し政府は、しやにむに行政整理の首切りを押しつけんとしておるのであります。二割の首切りを唱えるところの現内閣が、首切りは二割で人を減らし、一方基本金は四割ほど増額するなどということは、まつたく政策の一貫性を欠くものであると言わなければならないのでありまして、(拍手)この矛盾もまたわれわれの了解に苦しむところであり、反対せざるを得ないのであります。 申すまでもなく、本食糧管理法は、農民に対して米、麦、いもなどの主食を供出せしめ、これを管理し、食糧配給公團をして一般消費者等に配給いたしますところの基本法であります。民主自由党は、六箇月前の党大会において、その党議として米の供出後の自由販賣を決議し、さらに統制の撤廃を唱え、一月総選挙にあたつても、またこれを一枚看板のごとく振りまわしながら、一たび政権をとり内閣を組織しまするや、この党の方針とは似ても似つかぬところの、米の自由販賣に対しては逆に追加供出の強化を法文化して農民生活を圧迫せんとし、また統制の撤廃については、かえつてかような官僚統制の強化をはからんといたすものでありまして、その撞着と矛盾に驚くものであります。かような筋道の通らぬことをなされて、なおかつ恬として恥じない態度に対しましては、われわれは國民とともにその政治的良心の麻痺を悲しむものでありまして、いわゆる健全なる保守党、民主自由党の育成のために、吉田内閣に対して強い反省を促し、ここに本案に反対いたすものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 深澤義守君。 〔深澤義守君登壇〕
○深澤義守君 ただいま上程いたされました食糧管理法の一部を改正する法律案に対しまして、日本共産党を代表いたしまして反対の意を表明するものであります。 まず、食糧管理法は昭和十七年に制定されたものでありまして、いわゆる戰時統制経済のもとにつくられた戰時立法であります。その後においても数回これが改正は行われておりますが、依然としてこの法律を一貫しているものは、いの戰時統制のイデオロギーであるということを、われわれは指摘しなければなりません。なぜならば、まず米價の決定が一方的に政府において行われるという根拠を持つておるのであります。今日生産費を償えない米價を押しつけられているところの全國の農民き、この米價の改訂を要求し、この米價の改訂のためには農民の意思を尊重するところの機関を設けることを要求しておるのでありますが、本改正は何らこれに触れていないということであります。 さらに、この法律を根拠といたしまして農民から強制的に米を買上げるという問題でございます。この点につきましても、ひき会わない米價によつて強制的に農民の粉々辛苦の生産物が買上げられることに対しましては、農民としては断じて承知することのできない問題であります。 さらに、今日吉田内閣が実行しておりまするところの集中生産方式によりまして、行政整理、企業整備によりまして、大量的な失業者が続出しておるのであります。明日の米を買うのに困つておるところの勤労大衆が全國にいかに多いかということは、すでに皆さん御承知でございましよう。この危急を救済するために貸賣制度の確立いたさんなければ、あすの米に困つておる勤労大衆を救うことはできないのであります。從つて、かかる内容を盛つたところの改正が行われるべきにかかわらず、全然それが考えられておらない。 このたび改正せられるところの重要な点は、まず毎月農林大臣が計画するところの地方都道府縣に対する配給量の決定でありまするが、一度その配給量を決定したが最後、それ以上引上げることができないという、はつきりした法律の明文があるのであります。そういたしまするならば、おそらく一般消費者に対する配給、完全保有農家が供出過重のために保有量を割つて供出いたしました、いわゆる裸供出に対するところの還元米の措置が行われることができないのであります。 今日、一部保有農家が飯米のために非常に困窮をいたしておるのでございますが、今まで各地方の都道府縣が、実際の基礎の上に立つて必要量を要求するのでありますが、それに対する農林省の査定は非常に少ないのであります。そこに轉落農家の飯米問題が、毎年端境期を機といたしまして全國的に大問題になるのであります。さらに農繁期の農民に対する加配米の問題でありまするがこれも非常にきゆうくつな状態になるということでございます。 かように、このたびの改正によりまして、一般消費者、完全保有農家の飯米問題、轉落農家の飯米問題、農家の労務加配の問題等が非常に縮減せられる結果になるということをわれわれは憂うるのであります。こういう点におきまして、われわれは、このたびの改正に対しまして断じて賛成することはできないのであります。 しかも、このたびの改正によりまして一般消費者用と農家配給用、労務加配用の三つのわくがきめられまして、このわく内の操作は絶対に禁止せられておるがために、食糧操作の面において非常な支障を來すこともこれまた明らかであります。 第四点といたしまして、食糧公團に対する基本金の増額でありまするが、今日全國の消費者は、食糧営團以來、食糧公團に対しましても非常に多くの疑惑を持つておるのであります。去る十八日の日本経済新聞におきましても、大阪の食糧公團の支局長が一千万円の横領をしたという問題が暴露されております。これが官廳方面にもおそらく影響するであらうということが報道されておるのでありまするが、かかる不正なる事実が食糧公團に対する第二会社等と結託をいたしまして、全國至るところに相当あると思うのであります。こうした問題を徹底的に究明し、こうした不正を徹底的に摘発することがまず先決問題であります。しかるにもかかわらず、この問題を全然不問に付しまして、ただ食糧公團の基本金を増額することをうのみにするということは、断じてわれわれは承知できないのであります。 この法案が通りましたことによりまして、おそらく全國の消費者の上には、食糧の円滑なる操作が阻害されるでありましよう。完全農家の還元米に対しても重大なる支障が來るでございましよう。また飯米問題につきまして、轉落農家の生活苦、危機が到來するということを、われわれははつきり見通しをつけるものでございます。こういう意味におきまして、もしもこれに賛成し、もしもこれを支持する政党があるとするならば、一般消費者あるいは轉落農家、完全保有農家等から一大反対を受けるであろうことをわれわれは付言いたしまして、本法案に対しまして絶対に反対の意を表するものであります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 寺崎覺君。 〔寺崎覺君登壇〕
○寺崎覺君 私は、新政治協議会を代表いたしまして、ただいま上程になつておりまする食糧管理法の一部を改正する法律案にたいして反対の意見を申し述べます。 御承知の通り食糧管理法は、昭和十七年の戰争中に、政府の一方的見解によつて成立いたしました供出制度でございまして、その供出制度は農民の努力を無視したものであり、その供出價格は農村の生活経済を破壊するものであります。この根本的問題に何ら改正を加えずして、ただ枝葉末節の一部改正ということになりますと、農村はますます苦しみを重ねるばかりであります。この意味において私は反対をいたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて戸討論は終局いたしました。 まずは日程第六、第七及び第九を一括して採決いたします。日程第六及び第七の委員長の報告は修正でありまして、日程第九の委員長の報告は可決であります。三案を委員長の報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り決しました。(拍手) 次に日程第八につき採決いたします。本案の委員長の本案は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手) ————◇—————
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、鈴木仙八君外十三名提出、住宅等建築促進に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 住宅等建築促進に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。鈴木仙台八君。 〔鈴木仙八君登壇〕
○鈴木仙八君 ただいま上程いたされました本院各党共同提案によります住宅等建築促進に関する決議案の提出理由の説明をいたしたいと存じます。 まずその決議案文の朗読をいたします。 住宅等建築促進に関する決議案 終戰以來四年に垂々する今日、住宅の不足は依然として深刻であるり、建築復興は前途なお遠いものがある。 しかるに、住宅の建設に関しては、資金その他の障碍があり、又一般に建築に関しては現行制限が余りに嚴重であつて、これらのことが住宅等建築の復興を阻碍しつつあるものと認められるから、これらの障碍を除去し、制限を緩和することは國民の切実なる要望である。 よつて、本院は政府に対し速やかに次のように措置するよう要請する。 一、住宅資金に関し特別の措置を講ずること特に貸家並びに罹災復旧住宅に対しては建築の妨げとなる租税を減免すること 一、住宅に関する十五坪の建築制限を緩和し、一定規模以下の小住宅等については許可を制撤廃すること 一、戰災都市で区劃整理の換地が決定した区域については、特に建築制限を緩和すること 一、消防法による建築物の防火に関する制限と市街地建築物法の制限とは重複するから、これを統一する等適当な措置を講ずること 一、公営による耐震耐火の文化的集團住宅を建設すること 右決議する。 以上が住宅等決議促進に関する決議の案文でございます。 すでにこの決議案文によりまして、住宅問題解決の重要性とその容易でないことを御認識になつたことと存じますが、ここに現下の住宅不足の現状を御参考までに申し上げて御了解をいただきたいと存じます。 わが國における住宅の不足は、終戰当初におきまして四百二十万戸であり、二十四年三月末日までに百九十四万戸が建設されましたが、火災、風水害、自然腐朽及び出産、引上げ等による人口の増加等による需要戸数が百四十二万戸でありまして、終戰後四年になんなんとする間に、差引五十二万戸の増加があつたにすぎません。この状態で行きますと、現在の不足戸数三百六十八万戸の莫大な住宅の不足を解決するには、十年計画として年間五十万戸ないし六十万戸の建設を必要とする状態であります。しかるに、今年度当初に計画した住宅対策五箇年間計画によりますと、昭和二十四年度において公営住宅五万戸、長期低利資金貸付による民間建設の助成が五万戸、産業労働住宅四万戸が計上されており、その資金は百四十億を絶対に必要とするのに対し、公営住宅資金として、わずかに二万五千戸分の二十五億円が計上されているのにすぎません。 都市における勤労庶民階層の住宅難は、ことにはなはだしいもので、戦前において全住宅の七割が貸家であつたものが、現在では三割にも足りない状態で、借家と持家との比率はまさに戦前に比較して逆轉し、庶民の住宅難は深刻をきわめており、戰災都市において、まだ焼けトタンの壕舎に住んでいる者が三十万人もあり、その居住状態は極度に低下し、昭和十六年当初における三・六畳に一人などは夢のようなもので、六畳に六人、三畳に四人といた驚くべき過密状態となつておるばかりか、一雨振れば雨水とともに汚水が屋内に侵入し、また兵舎跡のいわゆるトンネル長屋は火災対策もなく放置され、一部屋で炊事をすれば全室もうもうと煙に包まれるというようなありさまで、風紀、衛生いずれの面から見ても住宅難は寒心すべき状態であり、これがまた社会悪の温床となつているのは争えない事実だと考えられます。 たとえば佐賀縣の農村で、台湾から引揚げた弟が住宅問題で兄一家五人をみなごろしにしたとか、足元を見すかした悪家主が、棺桶を持ち込んで店子を追出そうとしたとか、家主、店子ばかりでなく肉親の角突合いから、新婚の夫婦が家のないために別居していて逐に離婚してしまつたという悲劇など、まつたく住宅地獄絵図を繰廣げているのでありまして、住むに家なき人々は、学校の教室を占領し、教室の窓におしめをかわかし、二階、三階の窓から選択の汚水が捨てられるとあつては、教育上これまたゆゆしい問題であると思います。 かくして、住宅難は家庭紛議発生の原因となり、また風紀衛生等社会悪の温床となり、さらに職場と住宅との遠距離通勤による労働力の浪費は労働意欲減退の原因となり、ひいてはわが國経済復興の一大障害となつている現状であります。食糧問題のやや安定した今日、住宅問題は一日もゆるがせにできない重要な社会問題、経済問題から大きな政治問題にまで発展しているのでありまして、住宅問題の解決は、現在の日本にとつて焦眉の急を要するのであります。 しかるに、住宅の建設に関しましては、さまざまな障害が横たわつているのでありまして、この障害を除去しないことには、住宅はいつまでたつても建築されないのであります。 まず第一の障害は住宅建設の資金難であります。住宅資金は長期でしかも低利であることが條件でありますが、インフレ進行中の現在では先行き不安であつて、民間投資は至難であり、國家資金にしても、インフレの抑制と資金の生産性より見てその支出が控えられている状況でありまして、かくの如き状態におきましては住宅の建築など至難のことであり、貸家経営なども、現行の地代家賃統制令下にあつては望み得べくもないのでありまして、ここに國庫補助または対日援助見返資金の運用によるのほか何らかの対策がなされなければならないと考える次第であります。 第二の障害は租税でありまして、不動産取得税が五分から二割に引上げられ、これに伴つて地價、資材の騰貴により、四十坪の土地に十五坪の家を建てれば三十万円となり、税額が六万円、合計三十六万円となる計算でありまして、これに加うるに地租、家屋税、登記税、都市計画税も増額された結果、税額は膨大な金額となり、庶民階級の住宅建設の意欲を著しく減殺しているのであります。よつて賃貸住宅と災害復旧住宅にはその取得税を免除し、さらに家屋税も三年ないし五年の間これを免除する等の思い着つた措置が講じられなければならぬと思うのであります。 第三の障害は建築制限と消防法第七條の問題であります。都市における防火問題はもちろん重要なことでありますが、一つの書類が建築所管の部局から消防所管の部局へと轉々と回送され、それに対して各方面からそれぞれの意見が添付される結果、出願と許可との間に非常に複雑にして煩わしい手続が存し、長い日時を要する上に、消防法第七條の存在はこれに拍車をかけるものであると思うのであります。ここにおいて、現行十五坪の制限を、三十坪以内の住宅または九十坪以内の学校、診療所、工場などは届出のみで許可を要しないというふうに改変し、國民の利便をはかるべきであると思うのであります。 次に最も重大な障害は、現在実施されている区画整理であります。区画整理に積極的な熱意を示めさないで非協力的であつた者は、いつまでもがんばつていて商賣を継続し、十分な利益をあげているのに反し、区画整理に協力した者はさまざまな條件に束縛されて、自分の家を建築したくも建築することができず、また整理案に從つて着実にその方針を進めていた者がいざというときに、建築規則と区画整理に一貫したものがないために建築認可がおりず、ただいたずらに敷地を遊ばしておかねばならないという、きわめて矛盾した統制にかかつて手も足も出ない。結局正直者がばかを見るというのが現状であります。このようにねこの目のようにかわる規則に縛られた善良な國民こそまつたく氣の毒であり、これを見た人々がその後区画整理に協力しないのも当然で、区画整理の遅々として進まない原因もここにあると思うのであります。家は疎開でとりこわされた、戰災によつて焼失した、いざ家を建てたいと思つたときに、敷地は区画整理にかかつている、家は建築法と消防法にかかつて建築ができない、これなどまつたく笑えないナンセンスであり、人生の悲劇であると思うのであります。 まつたく深刻な住宅問題の解決は、資材、資金、経営、土地問題を通じ、國家の総合的な大きな政治問題としての意義を有すると考えるのでありまして、思想の悪化も、社会道徳の低下も、教育の問題もすべて住宅問題に基因することを考えるとき、住宅基の解決は一日もゆるがらにすることのできない重大問題あります。 終りに望んで、公営による耐震耐火の文化的集團住宅の建設につき一言申し上げます。從來の木造建物は、貴重な資金資材と莫大な労力及び相当日時等を費やしてせつかく竣工しても、かんじんな耐震耐火の條件を具備しないために、往々にして思わざる災害をこうむつた場合、これら努力の結実である建物が一朝にして滅失した幾多の悲しい経驗に顧みまして、一時的の資金的難点は何とか克服いたしましても、絶対安全にして、かつ木造建築物に比し採算的である、永久的構造をもつ文化的集團住宅の建設経営に、國及び地方公共團体等実力ある機関がその担当の衝に立ち、一日もすみやかにこれが実現を期待してやまざるものであります。この問題に関しまして、建設省はすでに昨年までに二千戸の永久構造集團住宅を建設され、今年度さらに八千戸建設の予定が、予算削減のため辛うじて二千五百戸建設の予定が、予算削減のため辛うじて二千五百戸の建設にその計画が縮小せざるを得なかつたことは、最も遺憾とするところであります。 以上は全國民の切実なる要求でありますので、本決議案を上程したわけであります。皆樣の賢明なる御理解により本決議が満場一致で採択されますようなお願いいたす次第であります。
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。 この際建設政務次官より発言を求められております。これを許します。建設政務次官内海安吉君。 〔政府委員内海安吉君登壇〕
○政府委員(内海安吉君) ただいま採択せられました決議事項に関連いたしまして、この機会に政府の意図するところを一言申し述べたいと思います。 現在の住宅問題の最大の隘路は、御指摘のごとく住宅資金の問題であります。すなわち、住宅に困窮する勤労者が自力をもつて家を建てるだけの資力がない上に、住宅資金そのものが長期低利資金であることを必要とする関係上、現在ののもとにおいては、一般民間金融機関にこれを求めることがきわめて至難であるからであります。よつて政府といたしましては、昭和二十四年度より財政資金による住宅金融公社を設立し、勤労者向き住宅の供給を企画したのでありますが、均衡財政の都合上中止のやむなきに至りましたことは、まことに遺憾とするところであります。しかしながら、本問題の緊要性にかんがみるとき、今後もせつかく努力いたしまして、御期待に沿わんとするものであります。目下重要産業に從事する勤労者住宅の建設資金を対日援助見返資金より融資を期待し、関係方面とせつかく折衝中であります。 なお特に御指摘の貸家並びに罹災復旧住宅に対し建設の妨げとならないよう租税を軽減せよとの御意見につきましては、地方財政との関連もありますので、シヤウプ使節團による一般税制の改正の際において右の点をよく研究して見たいと思います。 次に建築制度の緩和の問題でありますが、この問題は重要資材の需給状況と関連して考える必要がありますので、御趣旨の点もあわせてよく研究いたしたいと存じます。 最後に市街地建築物法と消防法の建築物取締りに関する関係につきまして申し上げたいのでありますが、仰せのごとく重複する面も出て参りまして、これがため國民に迷惑を及ぼす場合が考えられますので、今後消防方面と十分に連絡調整をはかりまして遺憾なきを期したい考えでございます。 —————————————
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。この際暫時休憩いたします。 午後七時三分休憩 ————◇————— 午後八時四十五分開議
○副議長(岩本信行君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。 ————◇—————
○副議長(岩本信行君) 日程第十、中小企業等協同組合法案、日程第十一、中小企業等協同組合法施行法案、右両案は同一の委員会に付託された議案でございますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員会理事神田博君。 〔神田博君登壇〕
○神田博君 ただいま議題となりまた中小企業等協同組合法案につきまして、商工委員会における審議の経過並びに結果を概略ご報告申し上げます。 現今、わが國経済の再建上、中小企業の維持育成が不可欠の要諦であることは、申し上げるまでもないのであります。このときにあたり、中小企業の組織化をはかり、その水準の向上を期しまして、中小企業者の競争力の強化をはからねばならぬことは、ぜひとも必要であるまして、この前提の上に立ちまして諸般の中小企業振興策が講ぜられることが最も適当であると思惟されるわけであります。中小企業に関するこれが具体的運営対策といたしまして、協同組合制度の確立は焦眉の急を要することであり、これらの制度に関しては、組織の基礎の安定と拡充とをはかり、その組織が中小企業自身の意思によつて中小企業のために奉仕し得るがごとく運営されるようにその民主化をはかるべきものと考えられますので、今日までの各種の協同組合制度では不十分の点を海星市、民主的な中小企業者の組織をつくつて行くというものが本法案の趣旨であります。 なお本法案の特色につき申し上げます。第一に、本法案は協同組合の組織者の範囲を廣くし、かつその組織の仕方に融通性を持たせていることであります。すなわち、事業の種類により、事業協同組合組合、保險協同組合、信用協同組合の三協同組合のほか、新しい経営組合の三協同組合のほか、新しい経営体としての企業組合を認めているのであり、協同組合に関する包括的な組織法たる体制をとちておるのでありまして、このことによつて業種的な隔てを除いて異業間の組織交流をも企図し、さらに勤労者その他の者を加えることによつてその組織の基礎の拡充をはかつているのであります。 第二に、この法案はこれを中小規模の事業者、勤労者その他の者自身の組合にしなければならぬとの点より、独占禁止法、事業者團体法及び今日施行されています協同組合法に明記されていない小規模の事業者の相互扶助組織であると認められねところに線をひいているのであります。 第三としまして、組合の設立に準則主義を採用し、設立については官廳の認可がいらないこととし、官廳の監督権限をなくして、組合の内部的な事項についての行政干渉を排除し、組合の自主性の確立を期することとしたのであります。また組合内部の運営についても、一部の組合員による独裁を防止するため、役員の総会決議による専任の方法を選挙方式に改め、出資の口数を制限し、員外理事を廃止し、役員の兼職を制限する等の規定を設けまして、組合員がみずからの意思によつて運営される組合の出現を期待しているのであります。 第四として、本法案では、協同組合の事業の種類によりそれぞれの具体的実情に應じて事業が活発かつ確実に行われるように配慮していることであります。すなわち事業協同組合にありましては、從來認められていた事業のほかに組合員の福利厚生事業、團体協約の締結等の事項を加え、組合員の経済的地位の向上を期しておるのであります。また信用事業は、その機能を確実に果すということに特に意を用いる必要があると認められますので、預金の受入れと資金の貸付をあわら行うのは、それだけの仕事を運営する信用協同組合に限ることと、一般の事業協同組合が信用事業を兼営することによつて資金操作上の危險を招くというがごときことのないように配慮いたしているのであります。以上が本法案の趣旨並びに要点でございます。 当商工委員会におきましては、四月十五日、中小企業に関する懇談会の形式によりまして、本法案を中心として、関係人を招きまして意見を聽取したのであります。引続いて右の事前審査の後、本法案は四月二十八日当商工委員会に付託せられ、大藏委員会との連合審査を行い、さらに数次にわたり当委員会において質疑を行い、愼重に檢討を重ね、なお活発なる質疑の應答がありましたが、これが詳細は速記録に譲ることにいたしたいと思います。 ついで十九日の委員会において、民自党門脇勝太郎君より修正案が提出され、これが提出理由の説明を聽取したのであります。修正案の要点を御報告申し上げますと、本法案中、保険協同組合の部分は全部削除いたしたのであります。また第三号中「信用協同組合」の下に、新たに「又は信用組合」を追加いたしたのであります。さらに信用協同組合は三百人以上の組合員がなければ設立することができないという規定を設け、第三十六條第一項中、役員の任期が二年でありましたのを三年に改めたのであります。以上が門脇君より提案されました修正のおもなる要点であります。 次いで修正案を含めて討論に入りましたところ、民自党門脇君、社会党今澄君、民主党永井、橋本両君、新政治協議会河野君より賛成の意を表され、日本共産党川上君より反対の意を示されたのであります。引続き採決に入りましたところ、原案を除く修正案は多数をもつて議決し、修正案を除く原案は多数をもつて可決すべきものと議決した次第であります。簡單でありますが御報告申し上げます。 次は、ただいま議題となりました中小企業等協同組合法施行法案につきまして、当委員会における審議の経過並びに結果を概要御報告申し上げます。 本施行法案は、ただいま述べました中小企業等協同組合法案を施行する場合の経過規定についての法案であります。すなわち、中小企業等協同組合法案は農業、水産業、消費生活の三協同組合を除く他の協同組合を包括する組織法の体制をとつておるものでありまして、これが施行に伴いまして、既存の各種組合の中小企業等協同組合への移りかわりをスムーズにいたしますとともに、移りかわりによつて財産の不必要な分散や不自然な課税などということのないように措置を講ずる必要がありますので、この点を趣旨として規定しているのであります。なお本法案の内容の要点を二、三説明いたします。 まず、第一点としまして、本法案は、協同組合に関する制度といたしましては、農業、水産業、消費生活の三協同組合制度を除いて他はすべて中小企業等協同組合に一括いたすものでありまして、從いまして、その他の組合、すなわち商工協同組合法、林業会法、市街地信用組合法などを廃止し、蚕糸業法中蚕糸協同組合に関する規定を削除することにいたしております。なか旧塩專賣法に基く塩業組合も、旧塩專賣法が別途提出される新塩專賣法によつて廃止され、組合に関する規定は削除されることになつておりますので、中小企業等協同組合にまとめることになるわけであります。 第二点としまして、既存のこれらの組合で單位組合的なものは、新法施行後八箇月以内に所要の手続を経て新しい組合に組織変更することができるようにしておるのであります。なお旧組合で本法施行後八箇月を経過した時に現に存するものは、單位組合的なると、また連合会的なるとを問わず、解散することになるのであります。この各種の組合で連合会的なものは、新法の協同組合連合会についての規定によれば、連合会への移行は認めないことにしてありますが、既存の連合会的な組合員である單位組合が新しい組合となり、それらを会員とする協同組合連合会ができた場合には、財産分割の協議をし、その承継をすることができるようにして、財産の不必要な分散を避けるようにいたしているのであります。 第三点として、旧組合から新組合に移りかわりの際の財産の移轉に対する法人税、有價証券移轉税及び地方税による不動産取得税等の適用につきましては、旧農業会から新農業協同組合への移りかわりのときの取扱いと同樣にし、法律の改正のために起め不自然な課税ということのないように配慮しております。 以上が本法案の趣旨並びに要点の概略でありますが、本法案は中小企業等協同組合法案と表裏一体をなすものであるといい得るのであります。この意味におきまして、本法案は中小企業等協同組合法と同時に四月二十八日当商工委員会に付託せられ、五月七日政府委員より提案理由の説明を聽取しましたところ、信用協同組合及び保険協同組合については、大藏委員会との関係もありますので、五月十二日大藏委員会との連合審査を行つたのであります。この連合審査におきましては活発なる質疑応答が行われましたが、その詳細は速記録に譲ることにいたします。 次いで十九日の委員会におきまして、民自党門脇勝太郎君より修正案が提出され、提出理由を詳細に聽取したのであります。この修正案の要点を申し上げますれば、商工協同組合中央会は本法施行後三箇月後に解散すること、市街地信用組合法の廃止は、法律施行の日から起算して六箇月を経過した日から施行すること、以上がその内容でありまして、これは七箇月間の猶予期間を設けまして、この案に移行するに支障なく運行できるように処置しているのであります。 引続き討論に入りましたところ、民自党門脇委員、民主党橋本委員、永井委員、社会党今澄委員、新政治協議会河野委員より各党を代表賛成の意見があり、日本社会党代表川上意見より反対の意見がありました。続いて採決に入りましたところ、原案を除く修正案に対して多数をもつて議決し、修正案を除く原案も多数をもちまして議決することを可決したしました次第であります。 簡單ではありますが、右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。川上貫一君。 〔川上貫一君登壇〕
○川上貫一君 私は、日本共産党を代表いたしまして、本法案に反対するものであります。 法案は、説明によれば、中小企業に対して適切な活動の基礎を與えるということが一言にして言うところである。しかもこの法案は、今の内閣が中小企業大差としてたつた一つ出した法案である。吉田内閣の中小企業対策はこれ一つなんだ。しかるに、その内容はまつたく空虚なんです。何もないのです。(「共産党の考えと違うよ」と呼ぶ者あり)これからそれを明らかにする。 そもそも中小企業の組織化をはかるという場合、何が大事なのであるか。まず第一に金融の措置を完全にすること、第二番目には資材の確保を保障すること、第三番目には、組合に対して政府が強力な、積極的な支援を行うこと、第四番目には、この組織が独占資本の圧迫に対して自分を守るために戰える力を持つこと、この四つの條件が具わらなければ組織はだめなんだ。ところが、この法案の中には、このうちの何にも入つておらぬ。何一つも入つておらぬ。たとえば資金の面においても、これは私が言うのではない、中小企業廳においても、中小企業に対する資金最低四百億ないし五百億なければだめだと言つておる。ところが、今日今の政府が中小企業に対して幾らの資金をまわそうとしておるか。これは皆さん多くの人は聞いて帰つた方がよろしい。たつた十四億五千万円しか取つていない。これが吉田内閣の中小企業に対する資金なんだ。こんなものの裏づけで、いくら法案をつくつてみたところで、一体中小企業はどうなるか。 特にこの資金の問題は重要なんだ。日本に一万九千の工場があるが、その九九%は百人以下なんだ。その七〇%は五人以下の小工場なんだ。独占資本に対しては價格調整金だけだつて幾ら出しておる。二千億近いものを出しておる。中小企業よ対しては、たつた十四億九千万円出しておる。こんな法案に賛成しておいて、一体國へ帰れるか。(拍手、笑声) 中小企業を今日助けようと思つたら、これは笑いごとではない、税金を考えなければ中小企業はつぶれるのだ。この法案の中のどこに税金について考慮してあるところがあるか。一つもありはしない。なかんずく、本法案の中にある信用組合はどうです。この信用組合について、われわれが商工委員会で質問したところによると、実に驚くべし、大藏当局はこう言つておる。この市街地信用組合をこの法案の中に取入れて、これで運用ができるかという私の質問に対して、愛知銀行局長は、これは私は自信がありませんと、はつきり言つておる。(拍手)この市街地信用組合をこの組織法の中に入れることが、そういう形でやるならば、もしもこけをわけることを委員会がしたらどうなるかという私の質問に対して、愛知銀行局長は、わけることができたらわけてもらいたいと、はつきり言つておる。大藏当局が賛成もしないような——これを商工大臣に質問したら、これは内閣が責任を持つて出した法案であるから、大藏当局が何と言おうとも、これが一番いいのだと言つておる。こんなでたらめな法案がどこにあるのか。この國会中を通じて、大藏当局と商工当局とが委員会でけんかしたようなものは、おそらくほかにありはしない。(拍手)こんな法案を平氣で出して來ておるのだ。これがまつたくでたらめ法案であるということは明らかである。(拍手) もしもこの法案が独占資本よ関係する法案であるならば、かようなずさんな法案を出すはずはないのだ。独占資本といえばじきに出る。集中生産といえばじきに出る。一体ほんとうにりこうな人は、ばかだと言われても腹は立たないけれども、ほんとうのばかは、ばかだと言われたら腹が立つのだ。(拍手)今の内閣が中小企業に対してまことに無責任なことをやつておる証拠は明らかだ。民主自由党の諸君は、選挙中にいかなる公約をしたか。中小企業の振興と言つたんだ。これが中小企業の振興なんだ。中小企業廳をたつた九十三人にしておいて中小企業の振興だ。國に帰れるかというのだ。(拍手) そもそも吉田内閣が中小企業の救済とか何とか言つているが、その一方において中小企業をつぶす政策をやつている。たとえて言えば、石炭は何をやつたか。四千カロリー以下の石炭をぶち切つたのは、一番これに反対したのは民主自由党の諸君だ。メリット制を強調して弱小炭鉱をつぶそうとしているのが今の政府だ。これに対して反対しているのが民主自由党の諸君だ。ここの中に信用組合を編入することについて、大藏委員会がこれを一緒にしないということを申し出て來た。これは民主自由党の諸君が言つて來たんだ。鉄鋼はどうか。鉄鋼は大きな日本製鉄や日本鋼管だけは残るかしらぬが、大部分の日本の鉄工業がつぶれようとしているんだ。油脂産業を少し考えて見ればわかる。油脂産業がどんなになつているのか。この内閣のやろうとしていることは、一千に余る油脂産業をたつた五つか六つにつぶそうとしている。これが吉田内閣の中小企業に対する根性なんだ。メリヤスについてはどんなことをやつているか。備前の兒島郡においては、七千台に余るところの被服加工ミシンの七〇%まで登録を取消しているのが吉田内閣じやないか。一方においてかようなことをやつておいて、こんな中身のない法案を出して、わらをつかもうとしている中小企業をだまして適当な顔をしようといつたところで、こんなたが抜けの法案など、どこにあるものか。しかも、残る産業は飢餓輸出一点ばりである。 さらに政府はどんなことをしているか。政府の支拂い抑制が四百億もある。このために中小企業はつぶれているんだ。石炭の関連産業の未拂いが百五十億ある。この百五十億に対して、委員会において、政府はいかなる考えがあるかと言つたら、何にもない。たな上げだろうと言つたら返事ができないんだ。こんなことをやつて中小企業をつぶしておいて、こんなインチキな予算を出しておいて、わらをもつかむ中小企業を欺こうとしている。これが吉田内閣の根性なんだ。その結果中小企業が壊滅することは明らかだ。このことを一番よく御承知なのは皆さん方だ。民主自由党の諸君だ。 全國にわたり、中小企業がいかなる状態になりつつあるか。これがもしわからなくなつたら明きめくらだ。桐生、足利がどんなになつているんだ。米沢がどんなになつているんだ。秩父がどんなになつているんだ。あるいは阪神一体の中小企業がどんなになつている。かように壊滅するような状態になつているところに、資材の裏づけもない、資金の裏づけもない、何にもないようなペテン法案を出していて、これをうのみにするような國会であるならば、この國会は中小企業に対して無責任きわまる國会であるというはんこを押されちまうんだ(拍手)これが本法案の性格である。 日本共産党は、全日本の中小企業の名において、かくのごとき法案には断固として反対する。(拍手)これが共産党の反対する理由である。
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り決しました。 ————◇—————
○副議長(岩本信行君) 日程第十二、簡易郵便局報告を議題といたします。委員長の報告を求めます。逓信委員長辻寛一君。 〔辻寛一君登壇〕
○辻寛一君 ただいま議題となりました簡易郵便局法案に監視、逓信委員医における審議の経過と結果とを御報告申し上げます。 郵政事業の窓口機関は、現行制度におきましてはすべて國の直轄であり、現在普通郵便局、特定郵便局を合せて、その数一万四千をこえるのでありますが、今日なお窓口機関を持つていない町村は全國に約千八百を算する状況でありまして、一局当りの人口比を諸外國と比較いたしましても、わが國における郵便局の普及率はいまだ著しく低位にあるといわざるを得ないのであります。從つて、郵便局新設の要望は、國会の請願を通じてみましても、きわめて熾烈なものがあるのでありますが、一方郵政事業財政の実情は、料金の引上げ、行政整理等を行つて辛うじて独立採算を維持しておるような次第でありまして、直轄要望の新設のごときは、きわめて困難な状態にあるのであります。そこで、窓口機関を必要とするが、その取扱事務の量が著しく少ない場合においては、國の直轄による郵便局によらないで、地方公共團体または各種の協同組合等に委託して一定範囲の事務を行わせるという、簡易にして経済的な簡易郵便局制度を創設して、僅少な経費で一つでも多くの窓口機関を普及させることが郵政事業の公共性に沿うゆえんであるとして、政府は本案を提出するに至つたのであります。 本法律案のおもなる内容といたしましては、一、郵政大臣の委託により窓口事務を行うものを、地方公共團体、農業協同組合、漁業協同組合、職域によるもの以外の消費生活協同組合に限定いたしましたこと、二、委託事務の範囲は、郵便、郵便貯金、郵便為替、簡易生命保險、郵便年金に関する窓口事務中はわめて簡易かつ利用度の多いものを選んで省令をもつて定めることとし、個々の局におきまするその範囲並びに事務取扱い日、取扱い時間等も全國画一とせず、実情により彈力性を與えることといたしたこと、三、受託者は取扱いに必要な経費、要員を負担するのでありますが、郵政大臣はこれに対し、月額二万円以内において取扱い数量に應じた手数料を支拂うこと等であります。なお、本法律案は公布の日から起算して三十日を経過した日から施行することとなつております。 本本案の付託以來、委員会はまず提出理由を聞きまして後、引続き政府との間に、現行特定郵便局制度と簡易郵便局制度との関係、地方公共團体にこのような國家事務処理を委託することの可否、受託者を一定の非営利團体に限定して個人を認めない理由、委託事務取扱い、ことに國の現金の出納保管に関する監督の方法等につき詳細なる質疑應答を行つたのでありますが、その詳細は会議録に譲ることにいたしたいと思います。 かくて委員会は、五月十九日、本本案に対する質疑を終了し、ただちに討論を行つたのでありますが、その際、日本社会党を代表して松井政吉君は本案に反対の意見を、民主自由党を代表して橋本登美三郎君は本案に賛成の意見を、日本共産党を代表して田島ひで君は本案に反対の意見をそれぞれ述べられたのであります。次いで採決の結果、多数をもつて原案通り可決いたした次第であります。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。松井政吉君。 〔松井政吉君登壇〕
○松井政吉君 ただいま議題になりました簡易郵便局本案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして、きわめて簡單に反対の意見を述べたいと考えておるのであります。 大体本本案の内容が、全國の郵便事業取扱いのない千八百以上にわたりまする不便な村に郵便事務を介しいたしまして、不便な國民に便利を與えようという趣旨でありますので、私はめちやくちやに反対するのではございません。趣旨については、きわめて了とするものでありまするが、それだからといいまして、簡易郵便局のこの本案の内容と方法手段によつてやることについて私は反対の意見を申し上げます。 その第一点は、御承知の通り郵便事業は國営事業であります。從いまして、末端の事務系統に至るまで、國営事業でありますならば國の直轄として取扱うことが本質でなければならないのであります。しかるに、この内容の第一点は、委託契約によつて末端の事務を行おうといたしておるのであります。この問題につきましては、委託契約とは請負制度ではないかという私の質問に対しまして、政府当局は、民放上における委託契約であるかどうかということについては明確ではないが、請負に類似の契約であるという御答弁であつたのであります。しかし、この本案を出す前に趣旨、構想について政府側から出しておりまする中には、請負経営形態として明確なる文字が入つておるのであります。從いまして、請負経営形態であることには間違いないと私は解釈するのであります。少なくとも公共的國の独占事業の仕事が、末端であるから請負であつていいというりくつは成り立たないと考えるのであります。從いまして、この法律の内容によつて取扱います簡易郵便局の事務は、末端におきましては、郵便局の局員にあらざる、すなわち郵政省の公務員にあらざる役場の吏員、農業協同組合の役員等が取扱うことになるのであります。しかも、この取扱いに関する金銭等の問題も、郵政省の公務員にあらざる、郵便局の局員にあらざる者が取扱うことが、独占的公共事業体としての國営事業の本質に反するというのが、私の反対の第一点であります。 次に申し上げたいのは、この簡易郵便局本案を初めといたしまして、國家の経営いたしまする公共事業としての郵便事業の数々が、請負制度的な、しかも封建的な、家内工業的な傾向に移行するところの形勢があるのであります。たとえば、二名以下の電報配達夫のいる局が全國に七百五十以上を数えておるのであります。その從業員が八千五百名あるのでありますが、この従業員を整理いたしまして、電報配達夫を請負にしようという事柄が今日政府部内において研究されておるということの御答弁もお伺いしたのであります。そういたしますと、定員法と行政整理の政府の方針をめぐりまして、結局は二名以下の電報配達夫のおる局の八千五百名の配達夫を整理いたしまして、これが再び請負制度に相なつて、昔のごとき文箱をかついで歩くという形に復活する危險性があるのであります。こういう形にして行くことは、國営事業の、上から下まで一貫した國家の公務員が等扱うべき性質を阻害するのであります。かような考え方によつて、この本案の内容から見て、こういう形の手段方法によつて取扱おうとする簡易郵便局本案に反対をいたすのであります。 きわめて簡單でありまするが、反対の理由の説明にかえる次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 田島ひで君。 〔田島ひで君登壇〕
○田島ひで君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりまする簡易郵便局本案に反対の意を表明するものであります。 医者のない村、電燈のない村に医者や電燈を置きますと同じように、現在郵便局のない約一千八百町村に郵便局にかわる窓口機関が設置されますことは、その趣旨におきましては、もちろんわれわれも賛成なのであります。今日郵便局のない町村の住民がいかに切実に郵便局を要求し、不便を忍びつつあるかにつきましては、特定局設置の数多くの請願に悩まされておりますところの民主自由党の皆樣自身が身をもつて知つておられるところであります。わが党は、住民の要求の切なるものがありますがゆえに、すでに全逓労働組合がかつて琴平大会におきまして決定し、具体案までつくつて政府にその実施を要求いたしましたところの、一村一局運動を強く支持して参つたのであります。郵便局にかわる窓口機関といたしまして、出張所または分室を一村に一局設置いたしますことこそ、通信事業の公衆へのサービス提供であり、経済的運営をはかる最善の道であり、また國営公益事業といたしましての本來の方策なのであります。(拍手) われわれは本案の趣旨には賛成いたしまするが、しかし、本案そのままの形に賛成し得ないのは、明治初年特定局制度が実施されまして以來長い間この弊害に苦しんで参りましたさころの請負制度が、そのまま再現される結果となるからであります。(拍手)この点にわれわれはあくまで反対いたし、封建的な請負制度の温存を完全に避けるために、本案中数箇所の修正を政府に要求いたしたのであります。われわれ、國益のための公営の通信事業が損だから、得だからというような立場から、あるいはただ目の前の利害から考えられているようなことではなく、町村の住民の眞の便益を考え、一切の必要な費用を当然國家が負担いたしまして、集配局の出張所または分室を設置すべきであると考えるのでございます。 政府が今日このような法案をあわてて提出しなければならない理由こそ——言うまでもなく、本年度通信省家計建設予算がが無慈悲にも削減されまして、あるいは定員法によりまする人員整理の結果、郵便局を一つもつくり得ない、戦争中に二局に合併いたしましてものすら復旧できない、このことは、いかに通信事業に破壊的影響を與えているかということの実証にほかならないのであります。その復旧も新設もはばんでおりますところの破壊的姿の一つの現れが郵便局の不足となつて現れているのであります。政府がみずからの責任を住民の負担によつて回避し、いかにも住民の要求に應ずるかのごとき本法案を急ごしらえにいたしますことは、民自党の人氣取り政策としてはまことに名案でありましよう。 われわれは、住民大衆の便宜を無視し、國家公益事業として何ら根本的方策を立てる能力を失つた政府の通信事業破壊政策に根本的に反対するものでありまするが、住民の切なる要求と意思に從いまして、当面早急を要する問題でありまするがゆえに、本法案中のその弊害を伴う数箇所を修正いたしました上での修正案の提出を政府に要求したのであります。しかしそし賛同を得られず、法案のままにおいては反対せざるを得ない結果となつたのでございます。 以上簡單でありまするが、わが党が法案に反対するに至りました理由を明らかにいたしたのでございます(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。 採決いたします。法案の委員長の報告は可決であります。法案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて法案は委員長報告の通り可決いたしました。 ————◇—————
○山本猛夫君 記事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、農業資産相続特例法案、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基づき、作物報告事務所の新設に監視承認を求めるの件及び地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出食料品檢査所及び輸出農林水産物檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件の三件を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その真偽を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 農業資産相続特例法案、地方自治法第百五十六條第四項に基づき、作物報告事務所の新設に関し承認を求めるの件、地方自治法第五十六條第四項の規定に基づき、輸出食料品檢査所及び輸出農林水産物檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長小笠原八十美君。 〔小笠原八十美君登壇〕
○小笠原八十美君 ただいま議題となりました、内閣提出、農業資産相続特例法案につきまして、農林委員会における審議の経過及び結果を御報告いたします。 本法律案は、かつて第一國会に提案されたものでありましたが、当時の経済状態が不安定でありましたことと、また憲法違反の疑いがありまして、審議未了に終つたものであります。しかるに、近時ようやく経済状態も安定の方向に向い、また憲法違反の疑いのある箇所修正されて、今回新たに提案されたものであります。 すでに御承知のごとく、わが國農業の経営規模は至つて零細でありまするが、戰後民法の改正によりまして、農家におきましても均分相続制度が実施され、ますますこの傾向が助長されるおそれがあるのであります。そこで、民法上の原則を維持しつつ、しかも農業経営の安定をはかろうとして、農業資産に関する一子相続制度に関する本法律案を提出されたものであります。もとより、本法律案に関しましては立法論上種々の問題を残してはおりますが、その点につきましては近い機会に改訂することといたしまして、本法は、いわゆる封建的な家の制度の復活をはかるものでなく、また農家の子弟の相続上の機会均等の原則を破る強行法規でもなく、農村社会に一定の基準を與え、できるだけ農業の零細経営化を食いとめようとするものであります。以上が本法律案提出の趣旨の大要であります。 本法律案につきましては、法務委員会との連合審査会と一回開催し、その後農林委員会において單独審査を続行中でありましたが、本日質疑を打切り討論採決を行いました。民自由党坂本委員、民主党寺島委員、新政治協議会吉川委員よりおのおの、本法施行後において農業資産相続人以外の者の求償権によつて生ずる資金上の困難について、あるいは農家のいわゆる次男、三男の問題については産業金融政策上強力な措置をとるべきことの要望を付して賛成意見が述べられ、また社会党石井委員より本制度の実施が時期尚早であること、共産党竹村委員より、この制度が反動的内容を含んでいることの理由をあげて、それぞれ反対意見が述べられました。次いで採決を行いましたところ、多数をもつて原案の通り可決すべきものと決しました。 ただいま議題となりました、農林委員会付託にかかる、内閣提出、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、作物報告事務所の新設に関し承認を求めるの件、及び内閣提出、地方自治法第百五十六自治法第四項の規定に基き、輸出食料品檢査所の支所及び輸出農林水産物檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件につきまして、審議と結果の大要を御報告申し上げます。 まず地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、作物報告事務所の新設に関し承認を求めるの件につき御報告を申し上げます。 作物報告事務所は、昭和二十二年四月各都道府縣に設置せられ、主要農作物の作付面積及び収穫高を推計し、その性格な把握に努めて來たのでありますが、北海道につきましては從來一作物報告事務所の管轄のもとに調査をなして参り、その管轄区域は他の作物報告事務所に比して、耕作面積、作付面積及び農家人口等において著しく大きく、かつ各種の農業地帯が含まれており、調査上種々不便が感ぜられております。しかるに、作物報告事務所はますます精密な調査が必要とせられますので、現在札幌にあります北海道作物報告事務所を廃止して、数支廳を單位として函館、札幌、帯廣、北見の四作物報告事務所を新設することにつき、地方自治法第百五十六條第四項の規定により承認を得たいというのが、本案件提出の理由と内容の大要であります。 本案件につきましては、本日提案理由の説明を聽き、質疑を行いましたところ、民自党平野委員、共産党竹村、深澤委員より簡單な質問がありました後、提案の理由及び内容が明白でありますので、討論を省略して採決に付しましたところ、全会一致をもつて原案通りに承認を與うべきものと議決いたしました。 次に、輸出食料品檢査所及び輸出農林水産物檢査所の支所及び出張所の設置に関し承認を求めるの件につき御報告申し上げます。 輸出農林水産物の檢査を行うため、輸出品取締法に基き、さきに輸出食料品檢査及び輸出農林水産物檢査所をそれぞれ東京に設置し、去る三月十五日から輸出檢査を実施しているのでありますが、檢査は輸出港または生産地で行うことになつているので、檢査の都度一々檢査官が出張することが多く、多大の経費と時日を要しますので、神戸のほか六箇所に檢査所の支所及び市出張所を設け、常時檢査を行い得るようにする必要があるというのが提案の理由であります。 本案件につきましては、趣旨、内容ともに簡易明瞭でありますので、本日提案理由の説明を聽取いたしました上、質疑及び討論を省略して、ただちに採決に付しましたところ、全会一致をもつて原案通りに承認を與うべきものと議決いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。猪俣浩三君。 〔猪俣浩三君登壇〕
○猪俣浩三君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程せられました農業資産相続特例法案に対して反対をいたすものであります。以下、その理由を箇條書的に、ごく簡單に申し上げます。第一は、本法案は民法の均分相続制度の特例をつくることによりまして憲法第十四條、第二十四條に規定せられましたところの個人の尊厳と両性の平等との大精神を破壊するものでありまして、なお憲法第二十二條の職業選択の自由をも奪うような法案であると考えるのであります。御承知のごとく、民法は憲法の大精神によりまして、相続制度について革命的な大改正をなして、家督相続制度を廃止し、均分相続制度の温床を破壊いたし、ここに社会構成單位の民主化をはかるに至つたのであります。 しかるに今農業資産につきまして特例を設け、指定せられましたところの一人に相続させるということは、家督相続の思想の復活でありまして、これはゆゆしき大問題であると思うのであります。ことにわが國のごとく、農村の人口が全体の四割を占めるのみならず、都会におきましては、勤労階級り大部分は相続するような財産を持つておりませんから、こういう実情から、本法が通過いたしますならば、わが國の七、八割の人たちが、民法のこの均分相続に反する相続をすることに相なりまして、憲法の大精神は没却せられることに相なると存ずるのであります。(拍手)ことに、封建思想の残滓が濃厚に残つておりまする農民において、また民主化を最も必要とたいしまするところの農村におきまして、その特例を設けることは、わが國百年の大計のために重大深刻なる問題と申さなければならぬと思うのであります。(拍手) 政府当局は、この法案は家督相続の観念で立案したものではないと言いますけれども、過般法務委員会におきまして、わが党の石川委員の質問に答えまして、政府委員は、胎兒——お腹の中にある子供でも指定相続人として指定せられることがあるということを認めたのでありまするが、胎兒や三つ、四つの子供を指定相続人にするということは、家督相続の観念をもつてしまければ考え得られないことであります。政府の提案理由によりますると、農業を営む見込みのある者一人にする制度であるということに相なつておりまするが、これは神樣とか大予言者でもなければ、お腹の中にある子供が農業を営む見込みのある者であるかどうかということは判定ができないわれでありますから、これはまつたく家督相続の観念でありまして、問うに落ちずに語るに落ちるということで、この法案は家督相続の理念でもつて提案されたということがわかるのであります。 かくて、農村におきましては長子相続制が行われ、農業資産相続人が物質的な背景を備えて他の備えてを支配し、ここに時日上戸主権が発生すると思うのであります。これは昭和二十二年におきまして、社團法人であるところの輿論科学協会の調査によりますと、おやじさん方がもし農業資産を譲るとすれば何人に譲るかという輿論調査に、ほとんど大半は長男に譲るという答えをしている。そのまた理由がどこにあるかというと、これは家の存続という観念から來ているということが政府の提供しました資料によつて明らかである。すなわち、やはり昔の家の観念、長子存続の観念、これによつて維持せられるであろうことは火を見るよりも明らかでありまして、私どもがこれをいわゆる旧民法の家督存続の観念の復活と考えるゆえんは、ここにもその根拠があるのであります。この意味におきまして、私どもは本法案は農村の民主化を阻むものとして反対をいたすものであります。これが反対の第一点であります。 第二点は、本法案はすでに過去の思想となつておりますところの自作農創設という理念に拘泥しまして、わが國の農業経営に新しい構想を樹立することを阻んでおるところの法案であろうと考えられるのであります。わが國の農業経営もやがて世界経済と連結するように相なりましたならば、現在のごとき原始的な経営、自給自足的な経営で立ち行かないことは明らかでありまして、ここの農民に企業精神を振起するとともに、その経営も企業化し、高度化しなければならぬことは自然の理であります。本法案は二反対歩以上の農地に適用されるのでありますが、かかる小規模な経営面積をそのまま固定化することは、それ自身非合法的でありまして、今後はできるだけこの小規模経営より大規模経営に統合しまして、集團的経営を考慮し指導しなければならぬと思うのであります。本法案は、かかる構想に反しまして、封建色の濃厚な家産制度的なものを温存せんとするものでありまして、これは新しき農業経営のあり方とははなはだ相反した、非進歩的な法案であろうと思うのであります。これば反対の第二点であります。 第三点といたしまして、本法案は民法のいわゆる均分相続制度とむりに調和せしめんといたしまして、指定相続人が他の共同相続人に対して賠償をすることに相なつておりまするが、農家におきましては、農業資産以外の財産なんというものはないのが普通でありまするから、その賠償が指定相続人の非常な負担となることは明らかでありまして、農業経営者となつた瞬間に多額の債務者となるというような結果に陥るのであります。これを救済しようといたしまして、ここに特定の金融機関または國家から低利資金を融通するようなことわおやりになりますならば、農業経営上最も必要な資本を土地に固定せしめることに相なりまして、農業の高度化の阻害原因をつくることに相なり、永久にかような状態を続けることに相なりましたならば、日本の農業の高度化ということは得て望むことができないのみならず、なおその借金のためにいわゆる指押えを受け、強制競賣を受けるように相なりますならば、法案の趣旨ともそむくことに相なつて來るのでありまして、いずれにしても適当でないと思うのであります。これが反対の第三点であります。 第四点といたしまして、本法案は農業経営の細分化を防止することを、ただ所有権の方面ばかりから考えておつて、ここに法律上の技術を適切に利用することの考慮を欠いておるのであります。所有と経営を分離する近代経済理念をもつていたしますならば、いわゆる均分相続制をとりながら零細農の発生を防ぐ道は多あるのであります。共同相続人として共同経営をさせて何が悪いのか。夫婦兄弟が共同経営して、どこに悪いことがあるか。 私は新潟縣人でありますが、越後の國では、妻や母が男より余計共同経営して働いておる。これを共同経営として何で不都合がありましようか。これをもしこの法律でやつたならば、必ずや男一人の名義になることは明らかでありまして、これは共同経営にすることがかえつて適切な場合がある。かようなことによりまして、妻あるいは妹、あるいは姉さんというような女の権利を侵害するようになることは明らかであります。また越後の國の蒲原地方のように、三町歩も五町歩も経営しておるような農家におきましては、一人ではできないのでありますから、兄弟三人あるなら三人で共同経営をして何も悪いことはないのでありまして、むりに法律の力によつて一人に限定するということは、どうも妥当を欠くと思うのであります。 なおまた均分相続制度にいたしましても、この所有を経営に結びつける法律技術は多々あるわれでありまして、賃貸借の制度、あるいは信託管理の制度、あるいは現物出資の制度によつて共同経営する方法は多々あるはずであります。かようにして農村を企業家することによりまして、ここに家計費と経営費との分離をはかり、わが國の農村を世界農村に比肩することのできるように高度に農村化する道が開けると思うのでありますが、本法案はまつたくそれと反対の趣旨によつた提案せられておるみのであります。 なおまた農民の零細経営につきましては、農業協同組合あるいは農地委員会等に適当な管理権を與えることによつて、経営の細分化は幾らでも防げる方法があるのであります。さようなことにつきましても少しも考慮しておらないといううらみがあるのであります。かかる構想のもとに十分農民や学識経験者の意見を聞きまして、法律技術的にリフアインされましたことろの立法をしてもらいたいのでありまするし、また國会におきましても、公聽会等を用意いたしまして愼重審議してもらいたいのであります。かかる重大なる法案を、十分審議も盡さずして通過せしめるのは、農民を軽視するこれにりはなばたしきはないと私は考えておるのであります。こんな法案を出すぐらいでありますならば、現行法のままにしておきまして、民法の原則に從いまして、その零細化はいわゆる生前贈與または遺贈というような制度によりまして、農民自身の自主的精神によつて処理させてけつこうなのであります。この法案がないがために農民が零細化した農民に轉落したなんという実例はないという政府の答弁を見ましても、こんな法案を出すくらいならば、今の民法の原則を実行いたしまして、農民に自主的に処理させた方がより適切であり、わが日本の農民をして自主経営に熟練せしめるゆえんであると思うのであります。 今委員長の報告を聞きましても、この法案のはまだ幾多の欠点があつて、ただちにこれを改正するようなことを言うのでありまするが、相続というような重大問題をたびたび改正するがごときは、農業経営を安定せしめんとして、実はこれを不安定に置く法案に相なるのでありまして、この点につきまして、どうぞ皆さんの良心に訴えて愼重なる誤討議を願いたいと存ずるのであります。 私の反対理由は以上四点であります。(拍手討議
○副議長(岩本信行君) 竹村奈良一君。 〔竹村奈良一君登壇〕
○竹村奈良一君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま提案されておりまする農業資産相続特例法案に対しまして絶対反対の意見を表明するものであります。 農業資産相続の特例法の根本をなすものは、これはいわゆる農業資産の細分化を防止することが目的だといわれておるのであります。しかしながら、今日農業のいわゆる耕地が細分化しておるところの原因を尋ねますならば、單に新憲法がしかれたから農業の耕地というものが細分化したのでは絶対にないのであります。少なくとも耕地の細分化というものは今日の農村の経済状態がしからしめたものであり、たとえば農村に課せられたるところの重税あるいは供出の過重等々によつて今日の耕地が細分化されたものであり、またその上に、農業改革によつて多くの地主が無法にも土地取上げを各地において強行したがゆえにますます細分化されたということが、今日の農業統計においてはつきりと表明されておるのであります。この実例は全國において種々ある。こういうことを考えましたときに、今日の農地改革というものが完成していないゆえに、その上にこれを行おうとするところに大きな矛盾がある。これをおおい隠すために、まずこの一片の法律によつて耕地の細分化を防止できると考えるのであります。(拍手) なおこれは先ほど言われたように、本法案は憲法第十四條、それから第二十四條の二項に違反することは、はつきりと各憲法学者によつて指摘されておる。 〔発言する者多し〕
○副議長(岩本信行君) 靜肅に願います。——靜肅に願います。
○竹村奈良一君(続) しかもこの法案によりまして、いわゆる家長制度を復活しようとしておる。家長制度の復活というものは、封建的な農村の復活である。つまり農村をして徳川時代のごとき封建制をとりまどさして、ますます今日の政府において供出を加重し、税金を加重して、農村の破滅を導くために、単に一人の家長だけ、一人の長子だけの身を守るということによつて大衆をごまかすところに、この法案の本質があると思うのであります。 少なくともこういう考え、しかも家長に農業資産を継がせましても、今日の農村におけるところの次男、三男坊は一体どうして行くのか。本年の一月において、総理廳は莫大な農村の失業者の数字を発表しておる。この農村のしておると土地の細分化というものは一体をなすものである。農村に潜在するところの多くの失業者があるがゆえに、ますますこの土地というものは細分化されておる。つまり土地の細分化を防止するのは、こうした封建的な、いわゆるフアツシヨ化への法案の制定ではなくして、農村におけるもろもろの矛盾を解決し、しかも農業経営が引合うつころの米價と、そうした制度を確立することによつて農業の発展と集團化への道を、しかも農業科学化への道を見つけなければならないと私は考えるのであります。 しかるに、これをなさずして、今日の吉田政府というものは、一方のおいて労働組合法を改悪し、あるいは定員法の無理押しの制定によつて失業者を出し、農村におけるところの失業者人口の救済を考えず、すなわち一方において働く階級を押えつれることによつて、一部の独占資本の利益を守ることによつて日本におけるフアツシヨ政権の復活を考えておるところのこの法案に対しましては、われわれ共産党は絶対に反対する意思を表明して、法案の討論を終る次第であります。(拍手)
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。 まず農業資産相続特例法案につきさて決いたします。法案の委員長の報告は可決であります。報告を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。につて法案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手) 次に、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、作物報告事務所新設に関し承認を求めるの件外一件につき採決いたします。両件は委員長報告の通り承認を與するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議しと認めます。よつて両件は委員長報告の通り承認を與えるに決しました。(拍手) ————◇—————
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、協同組合による金融事業に関する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 協同組合による金融事業に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員会理事小峯柳多君。 〔小峯柳多君登壇〕
○小峯柳多君 ただいま議題となりました協同組合による金融事業に関する法律案につき、大藏委員会における審議の経過奈良美に結果を御報告申し上げます。 この法案が提出いたされました趣旨は、先ほど本議場において成立を見ました中小企業等協同組合法案によつて金融事業を行う協同組合、すなわち信用協同組合が設立つれることとなりますが、右の法案では信用協同組合の組織に関する規定が設けられているだけでありますから、その行う金融事業に関する基準及び監督等に関する規定をこの法律で定めようとするものであります。 次にこの法案の趣旨について申し上げますと、第一はこの法律の目的に関するものでありまして、その目的は協同組織による金融業務の経営を健全ならしめ、預金者その他の債権者及び出資者の利益を保護し、もつて協同組織による金融の発達をはかることであるといたしております。 第二は免許に関するものでありまして、信用協同組合は大藏大臣の免許を受けなければ事業を行うことができないことといたしております。 第三は出資金額に関するものでありまして、その金額は外部負債の総額の百分の三以上でなければなせないことといたしております。 第四は余裕金の運用の制限でありまして、その余裕金は銀行、信託会社、農林中央金庫等所定の機関への預金、大藏省預金部への預金または郵便貯金、国債、地方債、ーまたは大藏大臣の認可を受けた有價証券の取得以外には運用してはならないことといたしております。 第五は監督に関するものでありまして、その監督については銀行法並びに貯蓄銀行法の規定を準用することといたしております。 第六は発足に関するものでありまして、右の諸規定の違反に対して所要の罰則を規定しております。 この法案は、四月三十日、本委員会に付託されたものでありまして、五月六日提案理由の説明を聽取し、五月十日質疑に入りましたところ、内藤委員より出資額等につき質疑がありましたが、本法案は中小企業等協同組合法案及び同施工法案と家計がありますので、右両法案並びに保険組合に関する法律案とともに、商工委員会との連合審査会において審議することといたしまして、十二日同連合審査会におきまして質疑を行いましたところ、小山委員より中小企業等協同組合に信用協同組合を入れた理由等につき、前尾委員より市街地信用組合との関係等につき、宮幡委員より中小企業に対する金融政策等につき、小峯委員より市街地信用組合廃止後における信用協同組合発達の見通し等につき質疑がありまして、稲垣商工大臣並びに愛知銀行局長よりそれぞれ答弁がありました。さらに十四日質疑を続行いたしましたところ、内藤委員より組合金融に関する根本的見解等につき、小山委員より金利取締りに関する規定、免許に関する取扱い等につき質疑がありまして、政府委員よりそれぞれ答弁がありました。 なお十四日、大藏委員長にり商工委員長に対し次の要望事項を申し入れました。すなわち一、中小企業等協同組合法中より保険協同組合及び信用協同組合に関する条項を削除すること。一、中小企業等協同組合法施行法案中より市街地信用組合法廃止に関する条項を削除すること。 かくして、本日討論に入るに先だちまして、小山委員は民主自由党、民主党、社会党共同提案になる修正案を提出いたしました。修正案は次の通りであります。 協同組合による金融事業に関する法律案の一部を次のように修正する。 第二条第三項を削る。第二条及び附則中「第七十九条」を「第七十七条」に改める。 以上が修正案でありますが、修正の理由として述べられましたところは、第二条第三項を削るのは、大藏大臣の監督を有効ならしめ、協同組合による金融事業の健全な経営を確保する上に支障があるためであつて、第七十九条を第七十七条に改めるのは、中小企業等協同組合法案が商工委員会で修正議決されて、保険協同組合に関する条項が削除された結果、条文配列が変更されたのによるものである。以上が修正の理由として述べられたところであります。 次いで、修正案並びに修正案を除く原案について討論に入りましたところ、河田委員は共産党を代表して反対の意を表せられ、田中委員は社会党を代表して賛成の意を表せられ、荒木委員は民主党を代表して賛成の意を表せられ、小山意をは民主自由党を代表して、現在の信用組合に大きな変動を與えないことを眼目とする十一箇条の条件を付して賛成の意を表せられました。次いで修正案並びに修正案を除く原案について採決いたしましたところ、いずれも起立多数をもつて可決され、かくて本案は修正議決いたされました。 以上御報告申し上げます。
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。 ————◇—————
○副議長(岩本信行君) 日程第十三、國立國会図書館法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。図書館運営委員会理事水谷昇君。 〔水谷昇君登壇〕
○水谷昇君 ただいま議題となりました國立國会図書館法の一部を改正する法律案につきまして、委員会における経過及び結果を御報告申し上げます。 この法案は参議院提出の法案でありますが、國立國会図書館がその目的を達成するためには、全國におけるあらゆる出版物、文化財を網羅収集して、これを確保することが絶対に必要な要件であります。しかるに、現在國立國会図書館への納本状況はまことに不満足なものでありまして、民間出版物の納本数は全日本の出版物推定数の約半数に及ばず、また國会と密接なる関係を有している官廰出版物についても、その納入成績ははなはだかんばしくない状態であります。従いまして、この際從來不備であつた納本制度に多少の改正を加え、図書その他の資料の収集に遺憾なきを期せんとするのが本法案の趣旨でありまして、その改正の要点として、第一点は、現在納入せしめているいわゆる官廳出版物を、さらに地方公共團体の出版物にも及ぼしたことであります。第二点は、いわゆる民間出版物の納入について、從來は全日本出版物の目録を代償として送付していたのを、本法においてはこれに代償金を交付することに改め、正当な理由なく納入しないものに対しては出版物の小賣價格の五倍以下の過料に処する規定を新たに加えたことであります。 法案は、去る十八日委員会に付託になつたのでありますが、委員会におきましては、きわめて適切妥当な法案と認め、全会一致可決いたした次第であります。 以上、簡單でありますが御報告いたします。(拍手)
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて法案は委員長報告の通り可決いたしました。 —————————————
○山本猛夫君 委員会に付託したる議案審議の終了を待つため、この際暫時休憩せられんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。この際暫時休憩いたします。 午後十時十二分休憩 ————◇————— 午後十一時三十一分開議
○副議長(岩本信行君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。 ————◇—————
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、行政機関職員定員法案、行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案及び大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案の三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 行政機関職員定員法案、行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長齋藤隆夫君。 〔都合により最終号の附録に掲載〕 〔「総理大臣を呼べ」と呼び、その他発言する者多し〕
○副議長(岩本信行君) お靜かに願います。——お靜かに願います。この際ちよつと申し上げます。お靜かに願います。 総理大臣は事故のために出席いたしかねておりすので、副総理が出席いたしております。(拍手) 〔「発言する者多し〕
○副議長(岩本信行君) 御靜肅に願います。 ————————————— 〔齋藤隆夫君登壇〕
○齋藤隆夫君 ただいま議題となりました行政機関職員定員法案、行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案及び大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案について、内閣委員会の審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。 まず行政機関職員定員法案について申し上げます。 法案は、國家行政組織法の施行に伴い、各省設置法の制定による行政機構の簡素化と相並んで職員の縮減を行い、もつて行政整理を実施しようとするものであります。すなわち、総理府、法務府、各省、経済安定本部及びこれらの外局に常時勤務する國家公務員で一般職に属する者について定員を定め、この定員数にまで職員の数を本年六月一日から九月三十日までの間において逐次整理するものとし、これに必要な事項を定めたものであります。 その大要について申し上げますと、まず行政機関の職員の定員の定め方につきましては、本府または本省と外局とを区別いたしまして、そのおのおのに置かれる省の総定員を定め、これらの行政機関の内部部局、地方支部部局及び附属機関別の定数は、それぞれの定員の範囲内で総理府令、法務府令、省令または経済安定本部令で定められることになつておりまして、その総計は八十七万一千二百七十九人と相成つております。なお引揚援護廳の職員の定員は、引揚援護事務の状況により特に必要がある場合は予算の範囲内において増加することができ、また終戰処理費関係事務に從事するものは行政機関を通じて五千四百六人いないとされているのであります。なか各行政機関の長は、毎月一日現在において当該行政機関に在職する職員の数を行政管理廳長官に報告しなければならないことになつているのであります。 この法律は本年六月一日から施行しようとするもので、通商産業省に関する部分については五月二十日から、中央更生保護委員会に関する部分については七月一日からそれぞれ施行するものであること、また法務府の本府の定員は本年六月三十日までの間は四万千八百五十四人とされております。地方自治法附則第八條による都道府縣の職員の定員つきましては、同法に基く政令の定めるところにより、以上に準じて整理されることになつておりのであります。 今次の整理については、國家公務員法における職員の意に反する不利益な処分に関し人事院の審査を請求できる規定は適用がないこととされているのであります。その他大藏省及び運輸省の職員の相当部分が移管されることになつている日本專賣公社及び日本國有鐡道についても整理が行われることとなり、日本專賣公社の職員については、本年十月一日において三万八千百十四人、日本國有鐡道の職員については、本年十月1日において五十万六千七百三十四人をこえないように、本年九月三十日までの間にそれぞれ逐次整理されるものとされております。これに対しては、日本專賣公社及び日本國有鐡道のの総裁は、その職員をその意に反して降職し、または免職することができることとなつております。この場合には、公共企業体労働関係法における團体交渉及び苦情処理共同調整会議に関する規定及び日本專賣公社法第十七條の二の規定は適用されないこととなつております。 しかして、今次の整理による退職手当につきましては、昭和二十四年度予算の範囲内において、恩給法、國家公務員共済組合法及び労働基準法等の施行に伴う政府職員にかかる給與の應急措置に関する法律に基く給與その他の給付との関係を考慮して政令で定められることとなつており、未帰還職員についてはなお従前の例によつて取扱われることといたしておるのであります。日本專賣公社及び日本國有鐡道の職員についても同樣であります、 本案は、五月十一日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、人事委員会と連合審査会を開いて愼重に審議を進めて参りましたが、本案に対し、法務府、大藏省、運輸省、経済安定本部における機構かくかくに伴つて該当機関の定員を表示するとともに、附則中施行期日について、通商産業省に関する部分については通商産業省設置法施行の日から適用することの規定を加える修正案が提出され、五月二十日討論採決の結果、多数をもつて修正案の通り修正議決いたしました。 次に行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案について申し上げます。 本案は、行政機関職員定員法の施行に伴い、全國選挙借り委員会法のほか六法令について、行政機関職員定員法に抵触し、または不要となる規定をそれぞれ削除または訂正するとともに、統計委員会官制のほか七つの政令及び勅令を廃止しようとするものであります。 本案は、五月十四日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、審査を進めて参りましたが、五月二十日、討論省略、採決の結果、多数をもつて原案通り可決いたしました。 次に大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案について申し上げます。 本案は、大藏省の機構改革に伴い行政機関職員定員法その他各種の関係法令を整理しようとするものでありまして、名称の変更等に伴う字句の修正が大部分であります。ただ実質的な改正といたしましては、会計士管理委員会の廃止に伴い、大藏省の附属機関として公認会計士審査会及び公認会計士試驗委員を設け、公認会計士法中において、公認会計士制度の運営に関する重要な事項については、この審査会の議決または諮問を経なければならないこととし、公認会計士等の試驗を同試驗委員をして行わせることといたしてあります。その他不要官制の廃止並びに改正前の專賣局特別会計、印刷局特別会計及びアルコール專賣事業特別会計のりえきの一般会計への納付の特例に関する法律の規定は、日本專賣公社法の規定においてその例による限りにおいてなおその効力を有すること並びに公認会計士試験委員についての経過規定を定めて、本年六月一地にから施行しようとするものであります。 千案は、四月二十八日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、審査を進めて参りましたが、五月十九日、本案に対する政府の修正が本会議において承認されましたので、ただちにその説明を聞き審査を進めて参りましたが、本案に対し行政機関職員定員法に関する事項を削る修正案が提出され、五月二十日討論採決の結果、多数をもつて修正案の通り議決いたしました。 以上をもつて御報告といたします。
○副議長(岩本信行君) これより三案の審議を継続いたすはずでありますが、時間がありませんから、明日午前零時五分にり本会議を開きこれを継続することといたし、本日はこれにて散会いたします。 午後十一時四十七分散会