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5回国会衆議院1949/05/14

本会議 第29号

発言数
71
登壇者
23
会派数
4
開催日
1949/05/14

会議録

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  國会の会期延長の件

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) お諮りいたします。國会の会期は明後十六日をもつて終了することになつておりますが、各常任委員長の意見を聞き、議院運営委員会にも諮つた上、参議院議長と協議の結果、來る十七日より五月二十三日まで七日間会期を延長したいと存じ、これを発議いたします。  本件について発言の通告があります。これを許します。松井政吉君。     〔松井政吉君登壇〕

松井政吉日本社会党

○松井政吉君 私は、ただいま議題になりました会期一週間延長の件に関して、日本社会党を代表いたしまして反対の意見を述べんとするものであります。  第一点の問題は、今会期を再び延ばさなければならないという責任は一切をあげて政府にあるということであります。(拍手)前回会期延長が議せられました際におきまして、四月の二十一日に会期が切れるのでありまするが、政府からの申入れは二十日間延長をしてほしいという國会に対する申入れであつたのであります。しかしながら、國会独自の立場において考えました場合に、いろいろ考慮をいたしまして、われわれは二十五日間延長をいたしまして、本月十六日までと延長を決定したのであります。  そのときにおきまして、政府に対するわれわれの申入れは、少くとも再び会期を延長するがごときことのないよう法案の取扱い方をしてもらいたいということに対する具体的な要望をいたしておつたのであります。すなわち、重要法案にして十分國会において審議をなさなければならない法案は少くとも四月一ぱいに國会に提出してほしい、遅れても五月の初めには必ず提出するよう、これは各派全会一致の申合せ事項として強く要望したのであります。しかるにもかかわらず、労働組合法あるいは定員法等重要なる法律は、四月一ぱいどころではなく、五月に入りましてもさらに提出をいたしませんで、定員法のごときは、二日ほど前に、会期が切れる直前にようやく提出して來たのであります。こういうことで重要なる審議ができる道理はございません。  さらに十日に至りまして、運営委員会において官房長官に、われわれは十六日に至つても全法案の審議が困難である、從つて政府としての会期延長に対する責任問題、法律提案が國会の申入れを無視したことについて追究したのでありますが、そのとき官房長官は会期延長をしないでも、十六日には全法案は審議が完了するということを言明したのであります。にもかかわらず、会期間近になつて、十分審議をしなければならない重要法案を出して参つたということであります。  われわれは、この事柄は明らかに政府の怠慢であり、さらに政府が國会を無視した態度であり、さらに再び会期を延長しなければならない事柄についての責任は一切をあげて政府にあるということを申し上げなければならないのであります。從つてわが党は、本日の運営委員会におきましても、一たび十六日の本会議を終了して、審議未了の残余の法律案は、継続審議の形において新たに審議を開始すべきだという動議を提出したのでありますけれども、これは多数の民主自由党を中心とする與党によつて否決されたのであります。われわれは、こういう考え方の上に立つて、第一点の反対理由といたしたいのであります。  第二の理由といたしましては、今回の会期延長は、参議院において一週間延長するということを参議院議長から本院議長に申入れがあり、さらに衆議院の常任委員長会議においてこれを相談されておるのであります。会期延長をするかしないかという重要な問題は、衆議院の態度がきまつて参議院と相談するということが原則でなければならない。にもかかわらず、さような参議院の申入れによつて、そのまま衆議院が受入れるということになりますならば、衆議院の優先性というものを失うのであります。この例は善例にあらずして、きわめて惡例を残すものであるというのが私の反対理由であります。  簡單でありまするが、この二点の理由から、会期延長について社会党は反対をするものであります。(拍手)

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 石田博英君。     〔石田博英君登壇〕

石田博英民主自由党

○石田博英君 お立場が違うと、はなはだけつこうな御議論ができるもので、私ども片山内閣並びに芦田内閣二代にわたる議会運営の経過を野党といたしまして見て参りました者から、ただいま社会党の反対の御議論を承つて、まことに笑止千万であります。(拍手)卑俗な言葉を用いますならば、へそが茶を沸かす議論であるといわざるを得ないのであります。(拍手)御自分が政権をとつておられた時代の法律案の処理の経過を靜かに胸に手を当ててお考えになつてみれば、ただいまのような御議論はどこを突いても出ないはずであります。  政府が法律案の提出にあたりまして、今日まで努力を重ねて参つた経過並びにその間における事情につきましては、野党の諸君といえども十分御承知のはずであります。われわれ自身が、政府に、國会独自の立場から、できるだけすみやかに法律案を提出しなければならないというゆえんを申し送り、ともにすみやかなる法案の提出に努力をして來たことも同樣であります。しかしながら、本院が議案の審議にあたつて会期を延長すべきかいなかという点は、いかなるところにおいて私どもが判断をしなければならぬかと申しますると、提出をせられてわれわれが受けつけたところの議案につきまして、これを会期が短かいために審議未了にした方が國家のためになるか、あるいは國政運営上いかなる努力を拂つても法律の成立を見なければならぬか、そのいずれをとるかによつて会期を延長するかしないかということを決するのでありまして、これが会期延長を決する唯一最大の論拠であると私どもは確信いたすのであります。(拍手)政府の提出いたしました議案が、本院の許されました会期におきまして、とうてい審議ができないというのであれば、提出をせられたときにそれを受けつけることを拒否すればいいのであつて、提出せられたあとの責任は、院が独自の立場におきまして、その法律案を握りつぶすことが國家のためになるか、否決することが國家のためになるか、成立せしめることが國家のためになるかを判断しなければならないのでありまして、法律案を受けつけてからの責任論のごときは、われわれはまことに笑止千万であるといわざるを得ないのであります。(拍手)  さらに参議院において、緑風会並びに民主党の諸君の御主張によりまして、現在本院に提出せられておりまする議案を成立させ、愼重なる審議を終了せしむるためには一週間を要するということに決定をいたしました。その動議の提出者、延長に賛成をせられた諸君は、民主党の野党派が圧倒的多数を占めておられるのでありまして、その参議院において賛成をせられた民主党が、今日ここで反対を述べるがごときは、これは党内の不一致というのは民主党野党派のお家藝かもしれませんけれども、まことに笑止千万である。  会期延長に反対をする一切の論拠は、われわれから言わしむるならば、もつともらしくここに立ち合つてお相手するさえも、おとなげないと存ずる次第であります。私どもといたしましては、提出せられました議案につきましては、國政運営上最大の努力を拂つてこれを成立せしめなければならないと信ずるのでありまして、そのために必要なる会期をここに延長することは理の当然であり、本院の権威を確立し、われわれの自主的な立場を確保するゆえんであると信ずるのであります。その提出者が参議院であるか衆議院であるかによつて本案に反対するか賛成するかの態度を決するごときは、感情にはしつて理を忘れるの態度であると私どもはいわざるを得ないのであります。(拍手)われわれは、むしろ今回の会期延長にあたつて両院のとつて参りました態度は、両院協力の善美なる習慣を確立したものであると考えるのであります。  以上賛成の理由を述べ、本延期の御決定を願いたいことを提案いたすものであります。(拍手)

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 椎熊三郎君。     〔椎熊三郎君登壇〕

椎熊三郎民主党(第九控室)

○椎熊三郎君 私は、民主党第九控室、すなわち民主党在野派を代表いたしまして、ただいまの会期延長に反対の意を表するものであります。以下、いささか反対の理由を申し上げます。  一体今度の國会は、吉田内閣ができまして最も重要な幾多の法案が國会の劈頭から予想されておりました。しかるに、重要なる法案が国会に提出せられることが非常に遅れたのでありまして、これらの関係はいささか同情に値する点もございますけれども、根本の原因は、ことごとく政府の不誠意と怠慢によるものである。(拍手)  國会に提出せられまして後の重要法案の審議が予定のごとく進行せず、常に遅れがちであるという理由は、一体何にあるのか。それは第一に、吉田総理大臣の國会軽視の観念に原因があるのである。吉田総理大臣は、諸君本日も見らるるがごとく議席におらぬ。委員会等におきましては、予算委員会には数度出席に相なつたが、その他の委員会は、外務委員会にただ一度顏を出しただけである。その際委員の一人は、父帰るがごとき観を呈するとまで言われたくらい、まれに見る総理の行動でありまして、かくのごとくして、総理大臣以下各閣僚は常に國会軽視の態度をとつておる。このことが幾多の重要法案審議の上に影響いたしまして、絶対多数二百七十名もとつておるくせに、一向進捗して行かない状態は一体何か。これは絶対多数二百七十名の諸君の責任にもなる。(拍手)  そこで私は、今回の会期延長のごときも、石田君に言わせますると、片山内閣、芦田内閣の國会運営はどうであつたか、あなたは御記憶がないわけはないと思う。芦田内閣においても、片山内閣においても、会期を短かくしてくれなどということは断じて申したことはない。常に誠意をもつて國会にお願いをして会期を延長して参つておる。しかるに……(「それだから小菅に……」と呼び、その他発言する者あり)無礼なことを言うな。——今度は一昨日‥‥(「無礼とは何だ」と呼ぶ者あり)無礼とは彼の言を言うのだ。無礼は無礼ではないか。そういうことをやると、これには時間の制限がないから、ゆつくりやる。よく聞かせるから聞いていたまえ。  一昨日、参議院の運営委員会で会期延長の方針をきめたという。これは参議院としては当然のことで、参議院の運営委員会に民主党の在野党がいかに多数あつても、参議院としては十六日までに審議ができないから一週間延ばした方がいいと考えたことは、あえて不当でも何でもない。そうして昨日に至つて、会期を七日間延長することを決定したということでございます。そうして、参議院の議長から衆議院の議長に申入れがあつたということでございます。われわれは、この参議院の申入れに対して、法案審議未了の責任を衆議院の責任にしたくはない。  そこで、昨日実は民主自由党の有力なる運営委員の方から私に非公式に相談があつて、一週間会期延長ということだが、これは三日ぐらいにしてもらいたいと思うから賛成しないか、こういうことなのだ。そこで私は、それは君、とんでもないことだ、それは絶対多数を持つているから、三日ときめれば三日ときめられる、ところが、参議院が一週間というのに、こつちが三日ときめれば、もはや参議院としては三日間以上の努力はしない、それで審議未了の部分が残つても、それは衆議院の責任ということになるのだから、会期延長をもし一週間と申し入れたならば、政府與党としては、それをまるのみにしてあげた方がいいのではないか、ということを親切に教えた。それで今日彼らの意見が三日にしたかつたのを一週間にしたのは、実はぼくの入れ知惠なんです。あなた方はそういうところにおつて中央部の苦心を知らないから、そんなことを言つておる。中央部の人はみんな苦労しておる。  そこで、しからばわが党はなぜ会期延長に反対するか。それはこういうわけだ。先般來私どもは、運営委員会に官房長官をお招きして、これほどたくさんの法案が出ておるのに、会期は足りないではないか、政府においてはこれに対していかなる方針があるかと聞いたところ、官房長官は、会期延長の意思は絶対にございませんということを、二回までも言明しておる。それに対して、私どもはこう思つた。これほどの重大法案を、とうてい十六日の会期一ぱいでは、参議院の審議を完了することができないことはわかつておるにもかかわらず、政府としては会期延長の意思なしとするならば、もはやこの法案に対しては誠意をもつておらないのだなと私どもは感じておつた。もし政府の責任においてどうしても出さなければならぬ、どうしても通過せしめなければならぬ重大な責任を感ずるならば、政府当局としては断固として通すだけの努力をしなければならぬ。総理大臣以下閣僚は、本会議、委員会等に十分出席して、この審査の運営を迅速ならしめることに努力してこそ初めてその目的を達することができる。  しかるに総理大臣は、私は前國会以來たびたび追究するが、今なお國会を侮辱して、ともすれば大磯の別莊だとか、ともすれば大臣官邸とかに引こもつて、てんで國会に出て來ない。(拍手)この状況を一体何と思うか。日本はそんななまやさしい状況でございません。ことに重大な時期にあるにもかかわらず、殿樣然としてのこの國会を睥睨している形は、民主主義國家の大宰相では断じてないと私は思う。(拍手)そういう点は御反省願いたい。そうでなければ、ほんとうに國会というものが國家最高の機関としての権威を維持することができないのです。しかも総理大臣は、みずから衆議院議員の候補に立つて当選し、議席を持つている。それほどの人が、こう國会を軽視する行動をたび尊重ねるにおいては、私どもは國民の名において断じてこれを黙視することができないのであります。(拍手)  総理大臣かくのことし。しかも官僚の態度はどうであるか。ことに昨日のごときは、重大なる労働法規改正のあの論戰が済んで、大法案が衆議院を通過し、しかも政府当局としては、ただちにこれが事務的の処理をして参議院に回付し、参議院の了解を求めて、一刻も早く通過させることに御盡力相なるべきをしかるべしとするにかかわらず、彼らは何だ、あの法案が通過するや、ただちに労働省の政府委員室に大臣以下が集まつて、神聖なる國会食堂においても今日禁止している酒を飲んで乾杯している。(拍手)こういう状態が眞にまじめな政府当局の態度であるか。そういうずぼらなことをして、そういうふしだらなことをして、ここに至つて会期を延長するとかいうことは、一体どこからそんなことが言えるか。(拍手)  私は、こんなことは言いたくなかつたのだが、もつと簡單に反対の理由を述べようと思つたのだが——————————————————私は断じて許すことはできない。  そこで諸君‥‥(「懲罰々々」と呼ぶ者あり)何で懲罰か。懲罰するならしてみろ。そこで私は、かくのごとき議事妨害の態度をする者を責めずして、発言中にみだりに——を加えて発言者の言動に妨害を與うるがごとき者を奬励しているような絶対多数党では、断じて國会の運営はスムースに行かないと思うのであります。  私は、かくのごとき理由によつて、國会の法案審議における一切の責任は政府並びに二百七十名の絶対多数党にあることを明確にここに申し上げて、しかして一週間の会期延長には反対の意を表するものであります。(拍手)

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) ただいまの椎熊君の発言中不穏当の言辞があれば、速記録を取調べの上適当の処置をとることといたします。  本件につき採決いたします。会期は五月十七日より五月二十三日まで七日間延長することに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 起立多数であります。よつて会期は七日間延長することに決しました。      ————◇—————

山本猛夫民主自由党

○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、植原悦二郎君提出、現内閣の蚕糸業対策に関する緊急質問を許可せられんことを望みます。

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  現内閣の蚕糸業対策に関する緊急質問を許します。植原悦二郎君。     〔植原悦二郎君登壇〕

植原悦二郎民主自由党

○植原悦二郎君 私は、ここに院内各党各派の蚕糸業に対して最も深き関心を有せらるる諸君を代表いたしまして、政府の蚕糸業政策に対し数項にわたる質疑を試みることをお許し願いたいのであります。  言うまでもなく蚕糸業は、過去においてわが輸出産業の王座を占めたものであります。現在においても、さようであります。また將來においても、わが國の独特なる理由によりまして、さようにあるべきことを期待いたすものであります。しかるに、事業の性質上、戰時中は非常な打撃を受け、終戰後、最近ようやく復興の曙光を見るに至りしと思いましたのに、今や現内閣の新経済政策の実施によつて、わが蚕糸業は予期せざる一大危機に直面いたしておるのであります。  政府が経済九原則を嚴守し、眞の均衡予算を編成し、インフレを收束せしめ、三百六十円建の單一為替レートを設定し、國際貿易の振興をはかり、よつてもつてわが経済の安定自立を期せんと企図されておることにつきましては、これを了とするものでありますが、さしあたり、これがわが蚕糸業に與うる重大な影響については、これを默視することができないのであります。この場合、もし政府がわが蚕糸業に対して、この危局を脱せしむべき機宜の処置を誤りましたならば、わが蚕糸業のすみやかな復興は不可能なるのみならず、わが國際貿易の振興も、経済の安定自立も、容易にその実現不可能なることを思わしめるのであります。よつて私は、ここに数項の質疑を試み、政府ははたしていかなる対策をもつて現在の蚕糸業の危機を打開せんと企てつつあるのであるか、その所信をただし、これを全國の蚕糸業家及び養蚕家に知悉せしめ、でき得るならば前途に光明を與えてやりたいと思うのであります(拍手)  実は蚕糸業の主管大臣であります森農相は、かつては全國養蚕組合連合会の会長として活躍された方で、蚕糸業に対しては深き理解と認識を有し、斯界の一大権威者でありますから、必ずやこの危機に対しても機宜の措置を講ぜられ、斯業の復興を確保せしむるものと確信いたしておつたのでありますが、國会の会期もまさに盡きんとする今日、政府はその新経済政策に対應すべき何らの具体的蚕糸政策を明示せられざるがゆえに、あえてこの緊急質問を試みねばならぬゆえんであります。  質問の第一は、現在製糸家は、生糸に換算いたしまして約七万俵の古糸及び古繭を保有しております。うち三万五千俵は、滯貨としてすでに在庫品になつておるものでありますが、これらはすべて政府が強行いたしました蚕糸業統制政策の結果にほかならないのであります。しかるに、今回の單一為替レート設定によつて巨額の差損を來しておりますが、政府はこれに対していかなる措置をとられんとするのでありますか、まず第一にこれを伺いたいのであります。  第二に、かかる状態にありますから、製糸業者の金融業者に対するところの昨年度の購繭資金の返済も、いまだ四割にしか達しておらないのであります。從つて、近く春繭の出まわり期に際しておりますが、購繭資金の調達は、現在においては不可能だと思われるほどの状態であります。その結果、養蚕家に與うるところの打撃はすこぶる甚大、これが農村経済に及ぼす影響及びわが養蚕の將來に與うる衝撃を考えますれば、まことに寒心にたえないのでありますが、政府はこれに対していかなる対策を有せらるるか、滯貨三万俵をいかに処理されようとするのでありますか、これに対してしかるべき御用意があるかどうか、これについて明確なる御答弁を煩わしたいのであります。  第三に、なお春繭の購繭資金について政府はスタンプ手形制度を存続せしめ、全手形による融資限度額を昨年度と同樣八五%を認めらるる意思ありやいなや、これをも伺いたいのであります。また横浜、神戸金融機関における別約制度に対し、日本銀行をして特別の優遇措置を講ぜしめることができるかいなか、これをも伺いたいのであります。  第四に、政府はこの際蚕糸、絹業に関する統制は全面的にこれを解除し、桑苗、蚕種、繭、副蚕糸、生糸、玉糸、絹製品等蚕糸に関する一切の物資はすべてこれを自由販賣に帰せしむる方針を有せられるやいなや、これをも伺いたいのであります。  第五に單一為替レート設定に伴う養蚕家の経済的損失と打撃を緩和するために、政府はこの際養蚕事業税の撤廃、絹織物消費税の軽減を実現される意思ありやいなや。また繭増産に必要な肥料の増配と資材の加配について、政府はすでに発表された通り実施するとこの場合に再確認されるかいなか、これをも養蚕家のために確かめておきたいのであります。  第六に、統制撤廃後、政府は蚕糸業の健全な発展を期するために早急に繭價安定施設の実現をはからんとする御意思ありやいなや、これについても御明答を煩わしたいのであります。  以上は、私がこの場合お尋ねしたいところの諸点でありますが、蚕糸業は外貨獲得についても、わが経済の安定自立を期する上につきましても、わが産業経済の中枢をなすものであるばかりでなく、わが農村経済に重大なる関係を有するものでありますがゆえに、以上の質問に対して、関係当局者よりきわめて的確に、明瞭なる御答弁を煩わしたいと思うのであります。(拍手)     〔國務大臣森幸太郎君登壇〕

森幸太郎民主自由党農林大臣

○國務大臣(森幸太郎君) ただいまの緊急質問に対しましてお答えいたしたいと存じます。  蚕糸業のわが國における重大性は、いまさら申し上げるまでもないことであります。戰爭のために非常な打撃を受けました蚕糸業も、戰後やや回復の一途をたどつて参つたのでありますが、経済九原則のもとに為替レートを一本にせなければならないという立場になりまして、非常に重大なる危局に突入いたしたのであります。御承知の通り蚕糸業におきましては、特に四百二十円の為替レートを定めまして、今日まで價格が制定されておつたのでありますが、今回これが三百六十円ということに決定されましたために、今日蚕糸業として非常なる窮境に立つたのであります。  蚕糸業の重大性から、どうしてもこの難局を切り開いて行かなければならぬのでありますが、第一に問題となりますのは、五千六百掛、四百二十円のレートによつて購繭せられました製糸の原料並びに現在製糸家が絹糸として持つております滯貨であります。これは今植原議員の御説明になりました通り、約六万俵に達しているのであります。第一の問題は、この六万俵の糸をどういうふうに処理するかという問題であります。第二には、九原則に基いて為替レートが三百六十円に決定いたした以上、今後蚕糸業全般の経営をどういうふうにして行くかという問題であります。  四百二十円のレートが三百六十円のレートになりましたがために、この損失に対してどういうふうに処理するかという問題でありますが、これは申し上げるまでもなく財政処置がいるのであります。この問題につきましては、政府は目下愼重にその計画を進めておりまして、ここしばらく猶予をいただいくならば、この問題打開の政策を発表し得られるのではないかと考えているのであります。  しかして、今後の蚕糸業に対しての処置であります。申し上げるまでもなく、レートの決定はあらゆる産業に影響を及ぼすこと重大でありますが、蚕糸業経営の上において、まず蚕糸家の立場であります。養蚕業者が今後養蚕を続けて行くかどうかということでありますが、蚕糸業が今後におきましても輸出の面において重大なる役割を持つている以上、今日よりますます増産を企図せなければならぬのでありますが、今日の現状においてこの増産を考えて行く場合に、いかなる措置をとるべきかということであります。この原始産業といい、あるいは第二次産業といい、今日の経済情勢のもとにおきましては、生産費の切詰め、いわゆる企業の合理化をまず第一に取上げて行かなければなりません。  今日全國の平均反收は八貫目ないし九貫目であります桑園が、食糧増産のために非常な迫害を受けまして、肥料の配給も少くせられまして、桑園が荒廃に陷つて、從つて反当り收繭が落ちて來たのでありますが、政府におきましても、この際肥料の増配を続けまして、一反当りの收繭額を増加して、養蚕経営の上におきまして労力の節約をいたし、共同的な飼育によつてできるだけ労力を節約いたして行くこと、これは養蚕家自体の考えることでありますが、政府といたしましては、肥料をさらに増配いたしますのと、多收量の蚕品種を奬励いたしまして、養蚕の能率を今日以上に上げて行きたいと考えておるのであります。  また製糸企業の上におきましても、五箇年計画に基きまして相当企業の整備もできたのでありますけれども、産繭の増産が計画通り進捗いたしませんために、製糸業の企業状態ははなはだ不合理な計画になつておるのであります。今後生産費切詰めのために製糸企業上においても格段の施設を考えて行かなければなりません。これは製糸企業者自体の問題でありますが、機業の機械の設備の改善等まだまだ残された面があろうと思いますが、レート設定の今日は、できるだけ生産費の低下に努力をせなければならぬと思うのであります。政府はこの方面に対して今後特別の指導をいたして行きたいと考えておるのであります。  しかして、さらに今日の蚕糸業の状態から見まして、あらゆる部面に統制 をいたしておるのであります。桑苗の生産から、産繭はもちろん、製糸は言うまでもなく、織物から絹糸の消費面までも統制をいたしておるのであります。この際この統制を撤廃することが今日の状態としていいのではないかと考えておるのであります。すなわち、桑苗におきましても、繭におきましても、糸におきましても、織物におきましても、これを過去の自由の立場において、あえて價格の統制等もせないことが、かえつて今日の絹糸の消費を増進する意味ではないかと考えておるのでありますが、この問題も近く発表をいたす機会が來ると存ずるのであります。さような構想を持つておるのであります。  今日生糸の輸出状況は、昨年度は相当に輸出いたしたのでありますが、現在におきましては、この輸出が停頓いたしておるのであります。しかしながら、絹糸の本來の性質から申しまして、決して今後の輸出を悲観するものではありません。消費地米國の経済事情の巨細な点までは承知できないのでありますけれども、今日輸出が一時的に停頓いたしましても決して前途を悲観すべきものではないと、かように考えているのであります。從つて、今後製糸の生産は輸出の面を重大視いたしまして、重要産業としてこれを指導せなければならぬと、かように考えているのであります。  つきましては、先ほど植原議員からお話になりました資金の問題であります。資金の問題は、ひとり製糸企業者だけの問題ではないのであります。お述べになりました通り、現に昨年の購繭資金がなお八十四億円滯つておるのであります。この問題が今日の滞荷の処分に影響を及ぼし、今日の滯荷の処分が本年の春繭の処理に影響を及ぼして行くのであります。要するに、昨年來の資金の面を解決しないで、どうして本年の繭の処理ができるであろうか、この点を考慮いたしまして、政府におきましては、今お述べになりました通り、資金の面におきましてもあらゆる角度から財政処置をとつて購繭資金の緊迫を緩和いたしたいと、かよに考えておるわけであります。  一々これを具体的に申し上げることはでき得ないのでありますが、御質問に対して、政府の現段階において考えておりまする構想の一半を申し上げて、お答えといたす次第であります。(拍手)     〔國務大臣池田勇人君登壇〕

池田勇人民主自由党大蔵大臣

○國務大臣(池田勇人君) ただいまの植原議員の御質問にお答え申し上げます。  まず御質問の第一点は、單一為替レートの設定に伴いまして、すなわち四百二十円から三百六十円になつたための生糸業者の損失をいかに処理するかという問題でございます。お話にもありました通りに、五千六百掛によつて買い入れた繭の滯荷は、製糸になつたもの等を入れまして、大体七万俵と推定されるのであります。しかして、このうち三万俵を貿易会計において買い入れるかどうか、しかも買い入れる場合に四百二十円で買い入れるべきか三百六十円で買い入れるべきかの問題があるのであります。しかして、ただいまにおきましては、三百六十円として決定いたしました以上、四百二十円で買い上げることは困難な問題だと思うのであります。從いまして、他の方法でこれの差損を補給するとかいう問題を考えなければなりません。そういたしますると、從來の政府貿易でやつておりました生糸あるいは造船、電線、電纜にも同樣な問題が起つて來るのであります。從つて、三万俵の買入れの値段をどうするかという問題は、残る四万俵の問題にも関係いたしますし、また同一性質を持つておりまする造船、電線、電纜にも関係いたしますので、ただいま大藏当局で研究中であります。できるだけ早い機会にこれが解決をはかりたいと思つております。  第二に繭資金並びに政府資金の製糸の資金につきましてお答え申し上げます。繭の買入資金ならびに滞荷の買入資金につきましては、ただいまの三百六十円で買い入れるかどうかの問題と関連いたしまするが、いずれにいたしましても、金融梗塞の状況を考えまして、少くとも三百六十円によつてこの取引がただちに行われるよう処置いたすことをここに言明いたします。  第三の、三百六十円に為替レートが設定いたしましたために從來の蚕糸業者並びに農村に相当の影響がある、從つて繭の生産に対しまする事業所得税の軽減をしてはどうかという御議論でございますが、繭の生産者に対する事業所得税の軽減は單一為替レートの問題とは別箇の問題でございまして、これはほかの方面から檢討いたさなければなりません。また織物消費税の四割課税をこの際軽減してはどうかという御意見でございますが、これは生糸の海外市場の状況、あるいは統制をはずした後の國内消費の状況等を考えまして、將來研究いたしたいと思つております。

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 植原君、再質問はありますか。

植原悦二郎民主自由党

○植原悦二郎君 再質問がありますから、自席から発言をお許し願います。  ただいま農林、大藏両大臣からお答えがありまして、まだ未決定であり、十分考慮するというお話でありますが、それらのお言葉について考えましても、特に大藏大臣について私は申し上げたいのでありますが、大藏大臣は、この蚕糸業がわが國の輸出産業上王座を占めておるものであるということを徹底的に御理解願いたいのみならず、これは一造船業者というような事業家の問題ではなく、全國の農村民に重大なる関係があることをなお御了解願いたい。  のみならず、この滯荷をどう処分しようということを私はかれこれ申すわけではありません。経済九原則は守らなければならない。單一為替レートは、これを設定した以上は、どこまでもこれが実行できて永続することを期さなければならないことは申すまでもないことでありまするが、ただいまお述べになりました七万俵の滯荷というものは、御承知の通り政府の強い統制経済によつて製糸家が余儀なくされて、その命令に従つたものである。今日この窮境に立ち至つておりますことも、政府の経済政策の採用によつてのことでありまするがゆえに、その責任は政府にあるということを十分御理解願わなければ、この問題は解決できないと思います。  のみならず、御承知の通り経済九原則を嚴守して日本の経済の建直しをしようということを考える場合に、輸出貿易の振興をはかり、外貨の獲得を眼目にいたさなければ、わが國のごとく資本の枯渇しておる、原料、資材のきわめて窮乏せる國におきまして、わが國の産業経済の復興は不可能である。そのためには、蚕糸業の、森農林大臣の言われたことく、この場合に一大衝撃を受けた者を、これに絶望せしむることなく、前途に光明を與えて蚕糸業の復興をはかることは、わが國経済の再建の上において最も重要なことであることを御了解願いたいのであります。(拍手)  かようなことを十分に御了解くださつて、とりあえずの購繭資金の問題ばかりでなく、將來の蚕糸業の安定、さらにこれが復興して盛んになり、わが國のほとんど外資獲得の基礎産業であるところの蚕糸業をますます隆盛ならしむるために、糸價安定の政策、過去においてやりましたごとき問屋制度を復活するかどうか、なお本年の資金を融通される上にスタンプ制度を実行せしめて購繭資金を滑らかにするがよいかどうか十分に御研究くださつて、現在の政策を、この重大なる時局において誤りなきようにせられんことを希望して、最善の努力をせられんことを望みまして、私の質問を打切る次第であります。(拍手)      ————◇—————

山本猛夫民主自由党

○山本猛夫君 この際議事日程の順序を変更し、日程第十五は提出者の要求の通り委員会の審査を省略して繰上げ上程し、その審議を進められんことを望みます。

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程の順序は変更せられました。  日程第十五、遺族援護に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。青柳一郎君。

青柳一郎民主自由党

○青柳一郎君 本決議案は厚生常任委員会の小委員会におきまして檢討審議の結果でき上つたものであります。  まず本決議案を朗読いたします。    遺族援護に関する決議   戰死した者の多くは好んで戰場に出たものではない。終戰後すでに四年、その遺族は、戰爭を憎惡し、平和を希求し、國家の平和的再建を念願している。しかるにこれらの遺族に対する國家の処遇は他の戰爭犠牲者に対する援護に比して冷淡を極めている。   今や遺族の多くは、精神的に、物質的に窮境のどん底に陷り、殊に、か弱き女手にいたいけな子供や老人の重荷を背負い、嚴しい社会の中に孤立し、生活苦と戰い、いばらの途をよろめきながら歩んでおり、人道上これを放置するに忍びないものがある。   遺族は遺族たるの故をもつて他の犠牲者より以上の援護を要求するものではなく、少くとも他の犠牲者と同等にして差別なき援護を要求しつつある。しかしながら遺族の中には老人や婦女子が多い。政府は、この婦女子に対する特殊の援護にでき得る限りの温き措置を講ずべきである。   戰爭に出たのは、多く國家の強制による公務である。戰死者の多くは公務による死亡者であることは言をまたぬところであるが、政府は改めてここにこの事実を確認するとともに、これに伴い速かに遺族に対する次の如き援護方策を樹立し、物心両面にわたる救済の方途を講じ、これが急速なる実現に努め、その結果につき、次期國会において、本院に報告すべきである。  一、戰沒者に対する葬儀その他の行事につき、一般文民同樣の取扱とすること  二、遺族年金又は弔慰金を支給すること  三、生活保護の基準額を眞に人たるに値する生活をなし得る程度まで即時引き上げ、特に老人、婦女子の家庭の生活の確保を図ること  四、子女の育英に対し特別の考慮を拂うこと  五、生業扶助制度の活用及び生業資金制度の拡充を図ること  六、授産所、母子寮及び保育所を増設すること  七、その他課税、農地及び供出等の問題に関して、老人、婦女子の家庭の特殊事情を充分参酌して、適当の改正を行うとともに、その実施上円滑を期すること   右決議する。 以上であります。  次に本決議案の趣旨につきまして説明を行います。戰爭におきまして、むごたらしく自分の肉親を失つた遺族、自分たち一家の生計をつちかつておつた、ほんとうの大黒柱であつた働き手を奪われた遺族は、精神的打撃だけでなく、非常に大きい物質的な打撃を受け、ために引込思案、消極的であります。しかも婦女子、老人が多いのであります。ますます消極的ならざるを得ないのであります。從つて、遺族は物を言わない、権利を主張しない傾向があるのであります。  民主々義の政治が布かれておる世の中とはいえ、政治は、なお弱い、苦しんでいる者を助け、声なきにも聞かなければならぬと信ずるものであります。しかも遺族は、死んだ人のためにも平和を再建することをその責務と感じ、心よりこれを念願しておるのであります。しかるに、これらの遺族に対する國家の処遇は、他の戰爭犠牲者に対する援護に比べまして冷淡をきわめておるのであります。最近に至りまして、この弱い遺族の中からも次第に声があがつて來たのであります。ほんとうに精神的に物質的にせつぱ詰つて來たからであります。今にして遺族援護のためにでき得る限りのあたたかき措置を講ずるにあらざれば、何どき乱を好むに至るやもはかり知れないのであります。  戰爭において戰死した者の中の多くは、好んで戰場に出たものではない。國家の強制によつて徴兵せられたものであります。当時の國家の要望によつて、その愛する肉親と離れ、家を捨て、あるいは國土を外にして、あの悲惨な戦争を戰つたものでありまして、戰爭に出たのは当時の國家の公務としてであることは言をまたないのであります。戰死者は、この公務のために倒れたものであります。私はここに、政府はあらためて戰死者の多くは公務による死亡者であるという明白な事実を確認言明せられんことを、まず要求するものであります。  しかして、國家の要請による公務であつた以上、國家はこれに対して処遇あるべきであります。その残された遺族に対して國家として処遇に遺憾なきを期すべきであります。現在未復員者の家族には給與が與えられております。傷痍軍人の恩給も増額せられました。これらの人々は、それだけで生活することが困難でありますので、そのほかに生活保護法による保護を受けておるのであります。しかるに、遺族に與えられているのは、ただ生活保護法による保護のみであります。私は、遺族にも、未復員者家族、傷痍軍人と同樣に特別に援護の手が差し延べらるべきであると信ずるのであります。  私は、この点に関する要求を物質的な面からのみいたすのではありません。遺族に対してかかる思典が與えられるということによつて社会が遺族を人並に扱つてくれるのであります。遺族は、その愛する肉親の死沒が公務によるものであることを明白に承知して心励むのであります。現在戰沒者に対する葬儀、慰霊祭等の儀式、行事には、村長、村会議員とかいうような公職を持つておる者の列席、弔辞の朗読、花輪の贈呈等は、たとい私人の資格においてでも許されないのであります。このことは、小学校の生徒の間に、村人の間に、しかしてこれらの遺族を援護すべき村の有力者の間にさえ遺族を戰犯者視する傾向を次第に助長しつつあります。戰死した者の多くが、戰場に出たのは國家の強制によるのであります。しかも、その残した遺族は何ら戰場において働いた者でもなく、惡事を行つておらないのであります。私は断じて遺族を日陰者にしたくない。これを戰犯者視し、あるいは戰犯者扱いするのは大きな道徳的犯罪であります。いかにかして戰死者に対する葬儀その他行事につきまして一般文民に対するそれと同樣程度の取扱いをすることによつて、遺族を戰犯者視する傾向を拂拭いたしたいのであります。政府の、地方の実情に應じての熱心なる折衝と措置を切に望むのであります。  遺族の特殊性として老人、婦女子が多いのであります。それだけ生活力が足らないのであります。多くの遺族の生活は悲惨を極めております。現在の生活保護法の基準として與えられておるものは飲食費が実にその八五%を占め、石鹸などは年に一人当り一箇半にも足らない。これで洗濯をし、身体を洗うのであります。入浴は月二回、住居については五人世帶で六疊間一室という計算であります。しかも、これに取入れられております品目の價格は、多くは昨年三月現在のものであります。政府は一日もすみやかにこれが改訂を行つて、少くとも人たるに値する最低の生活をなし得る程度まで引上げられますとともに、声を立てない、遠慮がちな婦女子、老人家庭の生活確保に、民生委員制度の眞に実情に即した積極的活動を促進し、十分遺憾なき措置を講ぜらるべきであります。  遺族の、今は夫なき母の切なる願いは、子女の養育、育英であります。生活保護制度の中に教育扶助の別わくを設けられるとともに、これが指導養護に万全を期せられ、さらに義務教育以上の教育進学についても温情ある考慮を拂われたいのであります。  遺族は、極力國家の温情にすがることを避け、か細き弱き腕ではありながら、みずから生活の方途を開かんと孜孜自立に努めつつあるのであります。婦人、老人に対する職業の補導はもとより、その生業につかんとする、生業に励まんとする意欲に答うるために、授産場、母子寮、保育所の増設運用並びに生業扶助、生産資金両制度の拡充活用をはかるべきであります。  さらに課税については、主人が死沒した場合は、内地にある遺族の構成は何らかわりがないのに、その妻に対する扶養控除はなくなるのであります。また婦女子、老人が收入をあげるために要する、控除さるべき必要経費は、男子に比して多額を要するのであります。  現在の米麦などの供出の事前割当には、婦人、老人の労働力は男子のそれと同等に見られ、その間に何等の差別がないのであります。嚴しい供出に應ずるために、これらの家庭は人を雇わねば相ならぬのであります。また主人が死沒すれば、農地調整法第九條による遺族の小作地返還の要求は農地委員会によつて拒否せらるるのが多くの実情であります。これら課税、供出、農地等の問題に関し、老人、婦女子のみの家庭の特殊事情を参酌し、適当な改正を行うとともに、これらの制度の実施運用の面において十分実情に即した措置をとらるべきであります。  戰爭のために死亡した者の数は約二百万人、遺族の数は五百万人に及ぶでありましよう。しかも、この遺族援護の道は、母子のみの困窮家庭、未亡人問題の解決にも通ずるのであります。政府はよろしく國民協力、平和國家樹立のために、眞に遺族の身になつて、すみやかに物心両面にわたる救済の方途を講じ、これが急速なる具体的実現に努め、その結果につき次期國会において本院に報告すべきであります。  私は、ここに國会において遺族援護のための決議案が初めて上程せられ得るに至つたことを衷心より喜びますとともに、何とぞ満場一致御賛同を與えられんことをこいねがうものであります。(拍手)

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 本案については討論の通告があります。この発言を許します。堤ツルヨ君。     〔堤ツルヨ君登壇〕

堤ツルヨ日本社会党

○堤ツルヨ君 ただいま上程されましたところの決議案に対し、わが日本社会党は双手をあげて賛意を表するものであります。(拍手)一刻も早く國家的救済実現の手を差延べられんことを切望するものであります。  自分の血を賣りながら子供を生かさなければならぬところまで來てしまつたと、長野縣南佐久郡の未亡人会は訴えております。戰時中より耐乏生活を続けて参りました日本の母が、一日に三回、百グラム五百円の血を賣つておりましたらば、生命の危險は疑う余地もございません。今日大都市の接客婦、賣春婦の八〇%は、悲しいかな未亡人であるとさえ傳えられるのであります。生活窮乏のため邪道に入らんとするところの戰災遺兒は三百万になんなんといたしており、もはや人道上よりもこれを見るに忍びざるものがあると本決議案にうたわれておりますのも、むべなるかなであります。終戰四年を経過いたし、すでに当然救われるべきであつたものが、何がゆえに救われなかつたかのうらみさえあるのでございます。さいわい次の國会までに本決議事項に対する結果を政府は答えられることになつておりますので、その実現の近きを信じて疑いません。窮迫せるこれら婦女子、老人家庭は、がけの上から千尋の谷底に轉落せんとするところの車体にも等しいということを、厚生大臣は肝に銘じていただきたいと思うのでございます。(拍手)一刻も停止することなく成長せんとする遺兒たちでありまするがゆえに、特に左の数点につき希望をいたすものであります。  第一は、働き手を失つた婦女子、老人家庭は最も大きな戰爭犠牲者であるということであります。同じ戰爭犠牲者にも、働き手の夫やむすこの帰つた家庭はまだしもであります。泣けど叫べど帰らぬ老人、婦女子の遺族がどうしても立上り得ないのは当然であり、むしろきようまでこれらの母子が生きて來たこと自体が私は不可思議でございます。(拍手)関係方面よりの無差別平等の取扱いの指令のもとに、むしろ戰犯視さえされ、文民同樣の取扱いさえ受けられなかつたことはまつたく遺憾であります。およそ建築をいたしますにも、まず地ならしを必要といたします。戰爭犠牲のでこぼこを是正することなく、いたずらに文化國家と永遠の平和をうたいましても無謀でありましよう。遺族年金も與えず、遺兒の育英も考えず、生活保護法に特例も設けられず、職も與えず、むしろ男子世帶同樣の税金を取上げ、供出をしいて來たことは、はなはだしく差別的であり、不平等であると言わねばなりません。遺族年金による一律の救済策を講じ、人たるに値する生活をこの哀れな遺族に施さるべきであります。  第二は、子女の育英はこれを全額國庫負担となさるべきであります。今日の生活保護法による義務教育学費の補助は月額百五十円でありまして、あまりにも少額であり、今日の社会情勢に照らして、その目的を達しません。なおかつ上級学校に進み得る能力のある優秀兒に対しましては、どこまでも進学の道を講ぜられたいのであります。遺兒なるがゆえにあたら人材の埋もれることを遺憾といたします。  第三は、生活苦にあえぐ乏しい親子の切実なる要求であるところの母子寮、保育所、授産場の総合的な國家公営の充実と拡充であります。これにつきましては、過日の兒童福祉法の一部を改正する法律案に対する賛成討論の節、希望條件として私の述べました通り、働くに働けぬ子供をかかえた未亡人の現状の解決は、子供を安心して預けて働ける施設以外にはないのであります。中間搾取をされるところの現在の授産場、三つがばらばらの施設、三日にあげず仕事がなくて休まなければならない現在の悲しさは、今日や明日のパンに追われている未亡人親子を救つておりません。何とぞ、厚生省当局の熱意ある積極策を切に願うものであります。  第四は、職業の補導、あつせんであります。技能を獲得し、おそまきながら資格を得ようといたしておりますけれども、生活に追われて、今日その目的をどうしても達しません。この間國家が生活を扶助し、子供を預かり、職業の補導をなすべきであります。明けても暮れても要保護の立場に置くよりも、子供が成人するまで細々ながら自活し得るところの母子家庭にしてやつていただきたいのであります。なお業者に押されて職業が思うにまかせません。遺家族独得の事業のあつせんを、省みずからがなさるべきであります。  第五は、働く老人、婦女子への課税は、その能力のいかんにかかわらず、法外なやみ利得者でない限り免税されてしかるべきであります。夫を國に捧げて雄々しくも自立する、か弱き女の力一ぱいの所得に対して免税のないということは、何たる血も涙もない政治でありましようか。(拍手)また農業に從事するところの婦女子に、その労働賃金をも考えないところの供出、これはとくと考えて是正さるべきであります。  最後に第六点として強調いたしますのは、今回の、行政整理による首切りの対象から未亡人を除いていただきたいということであります。辛うじて難関を突破し、やつとありついたいすを、今未亡人から取るということは、この親子一家に対して心中をしろと言うにもひとしいということをここで申し上げておきたいと存じます。ことにわが党の立場といたしましても、これにつきましては断固鬪うものであるということを宣言いたします。(拍手)  なお、全國の未亡人を代表いたしましてのお願いであります。お互に遺兒をかかえた未亡人の私どもは、やがて子供が成人の曉、よくも母は生き抜いてくれたと限りない敬意と讃美を子供たちが贈るような半生を送りたい念願で一ぱいなのでございます。夫に死なれて、物心ともに天涯孤独のわれわれ未亡人を轉落せしむることなく、遺兒を殺すことなく、最下層の弱き者を救うためのよき政治に徹していただきたいということであります。目下署名を依頼しておりますところの戰災未亡人並びに遺家族援護議員連盟なるものは、衆参両厚生委員会の協力のもとに、衆参両院婦人議員二十三名が超党派的に結束して、懸命なる運動を展開いたしておるのであります。ほとんど全議員の賛助を得られるかと思うくらい理解ある御承諾を得て、非常に喜んでおるのでございます。國民の選良みずからがまず先頭に立つて輿論を喚起し、弱き者のために努力を惜しまぬというところを見せていただきたいのであります。どうかよろしく……。(拍手)

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)  この際厚生大臣より発言を求められております。これを許します。厚生大臣林讓治君。     〔國務大臣林讓治君登壇〕

林讓治民主自由党内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣

○國務大臣(林讓治君) ただいま上程になりました遺族援護に関する決議に対しまして、政府の考えを申し上げてみたいと思います。  決議案の中にも強調せられてありますように、戰死者は公務による死亡者でありますが、戰死者の遺族のうちにはまことに同情すべき状態に置かれておる方々が非常に多く、政府といたしましても、その援護に最善の努力を拂うべく各般の処置をとつて参つたのでありますが、諸種の事情によりまして意にまかせざることもあり、はなはだ心苦しく考えておる次第であります。今日の御決議になりました事項のうちには、政府のみでは処理いたしかねる事項も多いと思いますけれども、このような、まことに氣の毒な方々の援護は一日もゆるがせにすべきものではないのでありますから、今回の御決議の御趣旨を十二分に体得いたしまして、そのすみやかなる実現に最大の努力を拂うことをお誓い申し上げる次第であります。(拍手)      ————◇—————  選挙法改正に関する特別委員会に関する決議案(生田和平君外三十名提出)

山本猛夫民主自由党

○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、生田和平君外三十名提出、選挙法改正に関する特別委員会に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  選挙法改正に関する特別委員会に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。生田和平君     —————————————

生田和平民主自由党

○生田和平君 ただいま議題となりました選挙法改正に関する特別委員会に関する決議案の提出者を代表いたしまして、本決議案の趣旨を簡單に御説明申し上げたいと思います。まず本決議の案文を朗読いたします。   選挙法改正に関する特別委員会に関する決議案  一 本委員会は、國民の代表機関たる國会並びに地方公共團体の議会の機能を最高度に発揮し、民主主義の原理に基く國民政治の発達を図るため、選挙制度全般の整備確立に関する調査をなし、その結果に基いて、法律案を起草し、第六回國会の初めにこれを報告するものとする。  二 本委員会及びその小委員会は、國会の会期中たると休会又は閉会中たるとを問わず、必要と認めた場合には、開会することができる。又本委員会及び小委員会は、何時でも必要な報告、記録等の提出又は証人の出頭を求めることができる。  三 議長は、本委員会の申出により必要があると認めたときは、調査員、事務員等を臨時に任命し、その報しゆうを決定することができる。    本委員会に要する経費は、第六回國会召集の日まで月平均二十万円以内とし、委員長又は委員長が指定する理事の請求により議長が支出させる。  四 内閣は前項の経費につき速かに予算的措置を講ずるものとする。   右決議する。  御承知の通り、去る四月二十一日、本議場におきまして選挙法改正に関する特別委員会が設置せられたのであります。申し上げるまでもなく、國民の代表機関たる國会並びに地方公共團体の議会等の機能を最高度に発揮いたしまして、民主主義の原理に基く國民政治の発達をはかるために選挙制度全般にわたる整備確立に関する調査立案等をなすにあるのであります。  わが選挙法は、終戰直後、昭和二十年の暮に大改正以來数次の改正が行われ、またその間施行せられましたが、数回にわたる選挙の実際等にかんがみまして、その選挙制度の改善整備のために調査及び法律案の起草等の事業はまことに重大であり、かつまた困難の伴う仕事であると思うのであります。よつて、この選挙法改正の重大な事業を完全に実施するためには、本委員会は、國会の会期中たると休会または閉会中たるとを問わず自由に開会いたしまして、その運営の活発化をはかり、かつまたその調査立案等に関與する事務機構の整備充実を期する要があると思う次第であります。これが本決議案の要旨であります。何とぞ御賛成あらんことを切望いたします。(拍手)

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。      ————◇—————

山本猛夫民主自由党

○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、星島二郎君外二十九名提出、海陸貨物運賃調整に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  海陸貨物運賃調整に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。關谷勝利君。     —————————————

關谷勝利民主自由党

○關谷勝利君 ただいま上程に相なりました海陸貨物運賃調整に関する決議案に対しまして趣旨弁明をいたしたいと存じます。まず案文を朗読いたします。    海陸貨物運賃調整に関する決議案   政府は、國鉄並びに船舶運営会の貨物運賃が政策を加味した低率運賃であるのに対して、機帆船の貨物運賃が採算運賃であるために、名目上低率な官業が不当に民業を圧迫している実態を調査し、直にこの不公正な事態を改善する措置を講ずるべきである。   なお、このような不公正な貨物運賃体系が正常の事態に復帰するまでは、政府は物資の海上輸送に対する競爭入札制を一時停止すべきである。   右決議する。  さきに國鉄の独立採算制を堅持いたします建前から、國会は國有鉄道旅客運賃の六割値上げを決定いたしたのであります。ところが当時懸念をいたされておりました事態が早くも現実の姿となつて、最も憂慮すべき事態が発生いたしつつあるのであります。それは貨物運賃の問題であり、陸と海との貨物運賃のアンバランスの問題であります。貨物運賃のアンバランスとその及ぼす影響が日本再建途上いかに大きな障害であるか、ゆえに政府はいかにしてこれに善処すべきかについて、いささか申し述べたいと存じます。  元來、陸上貨物運賃と海上貨物運賃とを比較する場合、海上運賃の方が陸上運賃より安いというのが原則であり常識であつたのであります。しかるに、現在は海運運賃が鉄道運賃よりはるかに高いという、まつたく逆なる奇現象が行われておるのであります。このアンバランスの原則の原因の一つは、海運の戰時被告が八〇%という壞滅的打撃を受け、しかも残存船の大部分が非能率な戰時標準型船によつて占められている等の理由によりコストが高くなつていることは爭われない事実であるにしても、根本原因は実に鉄道貨物運賃が政策上不当に低く置かれていることにあることは、すでに皆さん方御承知の通りであります。現行の鉄道貨物運賃は、その所要原價のわずか四三%を満たしておるにすぎないのでありまして、しかもなおその原價構成には税金、償却、金利、保險料等の、民間企業においては重要なる企業要素が含まれていないのであつて、いかに國家の低物價政策のために不当なる低位にすえ置かれているかが分明するのであります。  海上貨物運賃についてこれを大別すれば鋼船運賃と木船運賃とがあるのでありますが、前者は船舶運営会の國家補償による低い政策運賃であり、後者は自営業者の採算運賃であつて、同一産業部門はありましても、かくのごとく高低二つの價格が併存しているということは、他の産業にも類を見ざるところでありまして、まことに奇妙なる現象であります。たとえば若松・大阪間の石炭運賃が、自営業者の木船で運べば一千百二十五円、ところが船舶運営会の総トン八百トン以上の鋼船で運びますと三百三十六円となり、鋼船と木船のコストの相違はあるにいたしましても、たかだか二割ないし三割程度と思われるのでありまして、かかるアンバランスのよつて來る根本原因が國家補償のあるなしにあると知るに及びましては、早急にこの幣を調整いたさなければならないことを痛感するものであります。  以上申し述べましたところによりまして、運賃界のアンバランスの現況、原因を究明いたしますると、次の二つに要約できるのであります。すなわち、一方において國有鉄道並びに船舶運営会は厖大な國家の予算措置によつてまかなわれ、かつそれぞれ低物價政策なる國家の要請によつて、その運賃が不当に安くくぎづけされておるのであります。他方自営の機帆船業者のそれは、過去においてもそうであつたが、國家の予算的裏づけはもちろん、その他一切の政府補償から閉め出されておるのであります。  経済九原則が実施されまして以來、各公團は経済九原則に名をかりて、かつ現在の不手ぎわな運賃ベースの間隙に乗じまして、最も安價な輸送機関の選択に狂奔しておるのであります。端的に申しますれば、いわゆる大荷主は、荷物の輸送をなさんとするにあたりましては、政策的に最も安い鉄道に輸送を依頼し、それができない場合、次にまた政策的に安い運営会の汽船に頼り、國鉄、運営会の双方から閉め出されたものが切めて機帆船に荷物をまわすということになつておるのでありまして、幾回も指摘いたしまするごとく、その間に政府の手厚い庇護があるとかないとかいう一切の事実は考慮に入れられておらないのであります。將來、幸いGHQの好意によりまして外航配船が許可された場合を仮定いたしますならば、貿易外收入の源泉こそは大型鋼船であり、しかしてこれら大型鋼船の外航配船後におきまする國内沿岸輸送の担当者は、実に機帆船をおいてはないのであります。  以上、アンバランス運賃の影響及びこれが改善の緊急性について述べた次第でありまするが、これが改善方法はしからばいかんと申しまするならば、まず考え得られまする事柄は、基本的な考えといたしまして、第一、國鉄運賃を二・三倍とする。第二、船舶運営会の大型鋼船運賃を一・八倍、小型鋼船運賃を二倍とする。第三、機帆船運賃をすえ置きとする。貨物運賃を値上げすることに対しまする反対の理由は、これが物價に影響すると申すのがその主要なる理由でありまするが、かくのごとくにいたしますなれば、機帆船以外の國家機関の收入はそれぞれそれだけ増加するはずでありまするから、その余剰收入を合算いたしましたものを、かりに運賃調整基金と名づけまして、この基金の中から、いわゆる重要物資に対しまして値上げ分相当額を還元いたしますなれば、少くとも運賃引上げによつては安定帯物資並びに重要物資の物價には影響を與えなくて済むのであります。  またこれは、最近われわれが調査いたしたところでありまするが、國鉄、すなわち鉄道総局におきましては、その自家用炭の海上輸送の請負契約にあたりまして、從來年間運営会に約二百八十万トン、機帆船に九十万トンを、随意契約の形式をもつて請負わしめて來たのでありまするが、本二十四年度におきましては、九原則による独立採算実施のために、一・四半期ごとに競爭入札制をもつてこれを競落せしむることをいたしておるのでありまして、しかも不当にも、先に述べた國家補償のある運営会の政策運賃と競爭入札するにあらざれば事実上落札することができないという不公正な立場において不当なる運賃競爭を余儀なくせしめるという方法をあえてとつておるのであります。  さらに驚くべきことは、名目上國鉄運賃が安價であるというだけの理由で、從來機帆船にて請負わせておりました航路を、入札発表に先だち、ほとんど全量をあらかじめ國鉄輸送に振りかえてしまつた後のその残量に対しましてこの方法をあえてしたことでありまして、この点最もわれわれの了解に苦しむ点であります。  このような不公正なる競爭があらゆる面から見て当然排除さるべきことは、ただいま説明したところにより、これ以上贅言を要しないのでありまして、これは当國会といたしましては、すみやかに院議をもつて警告を発せなければならないと存ずるものであります。もちろん、運賃の基本的体系が確立いたしましたあかつきには当然競爭入札を実施すべきであることは、ここに言うまでもないことでありまするが、現状のごとき事態のもとにありましては、第二・四半期以降においてもなおかつかかる種類の競爭入札を実施する意図ありとするならば、絶対にとりやめさせるべきものであると考えられるのであります。  なおこの際申し上げまして議員各位の御批判を得たいと存ずることがあります。それは、かくも不当の取扱いを受けて、默々と國家の最も強く要請する重要物資の輸送に当つてまいりました機帆船に対し、五月以降突如その必要とする燃料油の割当を大幅に削減して、ただでさえ不合理な運賃競爭に悩んでおります機帆船を、今度は油を與えないで窒息死に至らしめるがごとき事態が惹起したことであります。すなわち、四月には一万四百九十五キロの割当に対しまして、五月が七千四百九十五キロ、六月が七千キロであり、これを換言いたしますれば、五月においては前月比が二九%減、六月においては三三%減となつておるのであります。さらに詳細に述べますれば、ただいま述べた機帆船全体の割当量のうち、主として石炭輸送に從事している中央機帆船事業者に対する割当は、四月六千キロ、五、六月とも三千キロでありまして、五、六月の割当は、四月に比して実に半減という、想像しがたい割当減少であります。  この燃料油の割当削減によりまして、機帆船業者が致命的打撃を受けることはもちろんであります。しかもこのことは、國家全体から見ますれば、それ自体としては重大な影響を意味しないと考える向きがもしありとすれば、それこそ重大な錯誤でありまして、機帆船業は、わが國沿海の特殊な事情から興るべくして興つた産業、いわゆる中小企業とも称すべきものでありまして、民族産業と申しますか、零細資本の結集であります。しかも特筆大書すべきは、この種産業は、現在補助金とか、助成金とか、あるいはいかなる名目にしろ、國家から一銭、一厘の補助を受けずして、独力で今日を守り、その個々の実態は弱小産業ではありますが、結集すれば國鉄の輸送力に比肩すべき輸送実力を持つておりまして、現在においては、わが海運界に不動の地歩を占めているのであります。その機帆船を人間にたとえて申しますれば食糧とも言うべき燃料油を突如として人為的に削減せられましたことは、その永年営々辛苦して積み上げました蓄積資本、その從業員、その家族を暗澹たらしめる結果となるのでありまして、國家としてとるべき施策ではないと存ずるのであります。  なおまた産業面に対しましても、きわめて大きなる影響があることが予想されるのであります。それは、機帆船が運ばなければ、まず炭鉱、特に北松地方一帶の炭鉱業者においては貯炭の増加を來し、またこのことは、ひいては出炭面に制約を加えて、石炭の出炭減を來すのでありまするし、一方配炭公團の配炭面から見ますれば、現状のごとき燃料油の割当、すなわち輸送力の減少により、西部日本に対する石炭供給は、その配当量に対しまして三〇%の減少となる見込みでありまして、またこの場合公團が炭鉱から買い上げる量は、五月中には十一万四千トン、六月中には十四万トンをそれぞれ減少することとなり、またこのように石炭買上げを減少することは、ただちに炭鉱業者の経済的破綻を招來する結果となり、かくして一つの波紋は次なる波紋を呼び、実に終止するところを知らないという事態に立ち至るのであります。  以上述べたところによりまして、運賃の不合理と燃料油割当削減という両面の圧迫攻撃を受けて氣息奄々たる機帆船を救う道は、申し上げるまでもなく、すみやかに運賃体系の正常化に向かつて善処努力を傾倒すると同時に、運賃体系が正常に復帰するまで無辜の彼らの死を早めないためにも、何よりも先に機帆船業者に対し、少くとも過去一箇年月割平均割当量一万一千三百キロを下まわるようなことなく割当を実施し、それぞれ業者をして希望を持つて輸送力増強、ひいては産業復興に寄與せしめるよう措置することが最も肝要であると信じて疑わないのであります。  何とぞ政府当局はこの事態に対し適切なる措置を講ずるよう強く要望いたしますとともに、全員の御賛同と御支援をお願いいたしまして趣旨弁明といたしたいと存じます。(拍手)

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)  この際運厖大臣より発言を求められております。これを許します。運厖大臣大屋晋三君。     〔大屋晋三君登壇〕

大屋晋三民主自由党運輸大臣

○國務大臣(大屋晋三君) ただいま上程可決されました運賃問題につきまして、実は政府といたしまして、海陸運賃の不均衡を是正いたしますために、貨物運賃の値上げに対しまして努力をいたしたのでございますが、今回の予算措置におきまして、その実現を見るに至らなかつたのはまことに遺憾でございますが、今後も政府としては、実態をよく把握いたしまして善処いたす考えでございます。  なお機帆船の問題につきましては、ただいまの趣旨弁明の中にもありました通り、鉄道用の石炭の競爭入札という制度のかわりましたこと並びに機帆船に供給に相なります油が非常に減つたということで、特に中央機帆船が非常な痛手をこうむつておることは、まことに憂慮にたえないところでございます。これまた政府といたしましても、あらゆる角度から実相を研究いたしまして善処いたすつもりであります。(拍手)      ————◇—————

幣原喜重郎民主自由党議長

○議長(幣原喜重郎君) 日程第七、獸医師法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長小笠原八十美君。

小笠原八十美民主自由党

○小笠原八十美君 ただいま議題と相なりました、農林委員会付託にかかる、内閣提出、獸医師法案につきまして、審議の経過及び結果の大要を御報告申し上げます。     〔議長退席、副議長着席〕  御承知のごとく、現行獸医師法は大正十五年に制定せられたものでありまして、その免許資格につきましても一般に水準が低いのでありますが、最近獸医業務は、畜産関係ばかりでなく公衆衛生の領域への関係も深くなりまして、獸医師の水準を一層高めることが必要となつたのであります。しかるに、一方学校教育制度の根本的改革もようやく達成されるに至りましたので、現行獸医師法を全面に改正いたさねばならぬこととなつたのであります。  その改正の要点を申し上げますと、第一は、從來獸医教育を行う大学、專門学校の卒業者または獸医師試驗に合格した者に農林大臣は獸医師の免許を與えていたのを改めまして、新制大学を卒業し、かつ獸医師國家試驗に合格した者にのみ免許を與え、新制獸医師の称号を用いることができることといたしました。  第二は、獸医師免許審議会を設置いたし、獸医師國家試驗の執行機関となるほか、免許に関する重要事項の諮問機関といたしたことであります。  第三は、從來の獸医師試驗は農林大臣が行い、かつ学力檢定試驗の性質をもつておりましたのを改めまして、獸医師免許審議会がこれに当り、かつ得業試驗の性質をもつたことであります。  第四は、從來の診療業務に関する制限家畜に新たに鷄を加え、また獸医師の就業の態樣を明らかにするため獸医師は毎年定期的に届出をすることとして、家畜衛生の万全と獸医業の適正を期することといたしたことであります。  第五は、戰時特例として設けられました獸医手制度及び未成年者に対する免許に関しまする臨時特例を廃止することにいたしたことであります。以上が提案理由並びに内容の大要であります。  本法律案につきまして、四月二十五日質疑を行いましたるところ、民自党坂本、藥師神両委員、民主党長谷川、中垣両委員、共産党深澤、竹村両委員、農民新党寺崎委員より、獸医師の水準を高め、畜産の振興、公衆衛生の改善に資することはもとより賛成するところでありますが、今日の農村の実情よりいたしまして、獸医手は畜産振興上重要な役割を果しておりますし、また今にわかに廃止いたしますことは獸医手の生活安定上にも影響がありますので、これが廃止につきましては愼重に考慮する必要のある旨力説せられたのであります。この趣旨に基き、昨十三日、民自党坂本委員より各党各派を代表して修正意見を述べられ、続いて討論を省略して採決に入りましたるところ、全会一致をもつて修正議決いたしたのであります。  なお修正箇所を朗読いたしますと次の通りであります。  獸医師法案の一部を次のように修正する。   附則第十項の次に、第十一項及び第十二項として次の二項を加える。 11 この法律施行の際、獸医師法等の臨時特例に関する法律第一條の規定によつて獸医手の免許を受けている者であつて、現に同法第二條の規定によつて業務として家畜の疾病に関する診療を行つているものは、この法律施行の日から一年間を限り、農林大臣の定めるところにより、第十七條の規定にかかわらず、その業務(鷄の診療の業務を含む)を行うことができる。この場合においては、第八條、第九條、第十八條から第二十一條まで、第二十八條及び第二十九條第二号から第六号まで並びに前項の規定は、獸医手に準用する。 12 前項に規定する者は、家畜傳染病予防法(大正十一年法律第二十九号)麻薬取締法(昭和二十三年法律第百二十三号)及び薬事法(昭和二十三年法律第百九十七号)の適用については、獸医師とみなす。   附則中第十一項を第十三項とし、以下第十四項まで順次二項ずつ繰り下げる。   第十五項中「第七項」の下に「若しくは第十八項」を加え、同項を第十七項とする。   第十七項の次に第十八項として次の一項を加える。 18 この法律の附則第十一項に規定する者は、この法律の附則第四項の規定にかかわらず、この法律施行の日から一年間を限り、旧法第一條第二項第二号の獸医師試驗を受けて合格したときは、この法律の附則第六項の規定にかかわらず、獸医師國家試驗に合格しないでも、この法律の規定に從い、獸医師の免許を受けることができる。この場合においては、同法第二項第二号及び第三項の規定は、なおその効力を有する。   第十六項を第十九項とする。  以上御報告申し上げます。

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長の報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 日程第二、総理府設置法案、日程第三、総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案、日程第四、建設省設置法の一部を改正する法律案、日程第五、経済調査廳法の一部を改正する法律案、日程第六、統計法の一部を改正する法律案、右五案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長齋藤隆夫君。

齋藤隆夫民主自由党

○齋藤隆夫君 ただいま議題となりました総理府設置法案、総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案、建設省設置法の一部を改正する法律案、経済調査廰法の一部を改正する法案及び統計法の一部を改正する法案について、内閣委員会の審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  まず総理府設置法案について申し上げます。  本案の要旨は、國家行政組織法の施行と行政機構の改革に伴い、総理廳を総理府と改め、その所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を設けました。すなわち、從夾総理廳の外局でありました新聞出版用紙割当事務廳と賞勳局とをそれぞれ簡略化して、内部部局の新聞出版用紙割当局及び官房賞勳部とし、四部制であつた統計局を三部制として、一官房、三局四部となしたのであります。また外局については、これを網羅的に列挙してそれぞれの根拠法を揚げ、内閣総理大臣の所轄に属する國の中央行政機関を一目瞭然たらしめました。從來の地方財政委員会と官房自治課とを統合して新たに地方自治廳という外局を置きましたことは最も注目すべき改正の一つであります。また、外局でありました連絡調整事務局は機構を縮小して外務省の一局とし、経済安定本部、経済調査廳、物價廳及び外資委員会は、総理府の所轄から離して経済安定本部及びその外局として別個の設置法で規定することになりました。附属機関としましては、俘虜情報局のほか統計職員養成所、新給與実施本部、日本学術会議及び國立世論調査所が設けられることになつております。本法案は本年六月一日から施行しようとするものであります。  本案は、去る四月十八日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、審査を進めて参りましたが、本案に対し、日本学術会議を附属機関から離して内閣総理大臣所轄の特別の機関とするとともに、食糧対策審議会を附属機関から除き、かつ総理府の権限中から政府職員に対する給與、勤務時間その他勤務條件を定める事項を除こうとする修正案が提出され、討論を終結、採決の結果、五月十三日多数をもつて修正案通り議決いたしました。  次に総理府設置法の制定等に伴う関係法令の整理等に関する法律案について申し上げます。  本案の要旨は、総理府設置法の施行に伴いまして、総理廳は総理府、宮内府は宮内廳と改められたほか、各種機関の名称が変更せられましたので、皇室典範、皇室経済法を初め関係法令中の字句を改めるとともに、宮内廳の内部組織を、國家行政組織法の規定に從いまして必要な改正をしようとするものであります。  本案は、去る五月十日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、質疑を行つた後、五月十三日討論を終結、採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたしました。  次に建設省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案の要旨は、行政整理を目的とする機構改革の根本方針に基いて、第二回國会において成立を見ました建設省の機構を統合するものであります。すなわち、現在の六局を一局減じまして管理、河川、道路、都市及び住宅の五局とし、管理局には営繕部を置いて現在の総務局及び特別建設局営繕部の事務をつかさどらしめ、住宅局は建築局の事務をつかさどらしめることとし、他の諸局の所掌事務については若干字句の整理が加えられました。建設工事本部はこれを廃止しまして、その事務をそれぞれの所掌に應じて各局及び地方建設局に統合いたしたのであります。そして、現在の建設省設置法施行令に規定されてあります特別の職、附属機関及び地方支分部局の組織、権限等を設置法に明記することとし、本年六月一日から施行しようとするものであります。  本案は、去る四月二十三日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、質疑を行つた後、五月十三日討論を終結、採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたしました。  次に経済調査廳法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案の要旨は、経済調査廳を総理廳の外局から経済安定本部の外局に移し、中央経済調査廳長官は経済安定本部総務長官たる國務大臣をもつて充てることを明らかに定め、また行政監査のため関係行政機関に対し報告を求める事務の範囲を廣め、なお地方経済調査廳長もその所掌事務について関係行政機関から報告を求めることができることとして、本年六月一日から施行しようとするものであります。  本案は、去る五月四日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、質疑を行つた後、五月十三日討論を終結、採決の結果、多数をもつて原案の通り可決いたしました。  次に統計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案の要旨は、國家行政組織法の施行と行政機構の改革に伴い、統計委員会官制を廃して統計委員会の組織及び権限に関する事項を統計法の中に規定しようとするものであります。そして、地方公共團体の長に指定統計調査の事務の一部を委任し、統計官の資格要件に所要の改正を加え、もつて統計委員会の運営の能率化をはかることとし、本年六月一日から施行しようとするものであります。  本案は、去る四月二十日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、審査を進めて参りましたが、本案に対し、統計官は一般職なので、これに対する資格要件を除くことにするとともに、改正後における統計委員会の最初の委員長任命に関する手続きを規定した修正案が提出され、五月十三日、討論を省略し採決の結果、全員一致修正議決いたしました。  右御報告申し上げます。

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) これより採決いたします。まず日程第二、第三及び第四を一括して採決いたします。日程第二の委員長の報告は修正でありまして、日程第三及び第四のの委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて三案とも委員長報告の通り決しました。  次に日程第五について採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。  次に日程第六について採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 日程第七、司法試驗法案、日程第八、刑事訴訟法の一部を改正する法律案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長花村四郎君。

花村四郎民主自由党

○花村四郎君 ただいま上程に相なりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案並びに司法試驗法案の要旨及び委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  要旨の第一点は、家庭裁判所の開設に伴う改正であります。刑事訴訟法は、家庭裁判所が家庭、少年の刑事事件を取扱うことを予想して制定されていなかつたので、家庭裁判所における刑事裁判の円滑なる運用をはかるためには、刑事訴訟法に若干の改正を加える必要があるのであります。  第二点は、本國会に提出しております刑法の一部を改正する法律案に関連する改正でありまして、この法案によれば、裁判所は懲役または禁錮刑につきその執行を猶予する場合に必要と認めたときは、その刑の執行期間内被告人の遵守事項を付することができることといたし、かつ保護観察に付された者が遵守事項を守らなかつたときは刑の執行猶予を取消し得ることにいたしております。  委員会においては、わが國の実情にかんがみ、執行猶予者を保護観察に付することを一般的に認めることはなお愼重に考慮する必要ありと考えたのであります。よつて、刑法の一部改正の法案が今國会を通過することはあるいは困難と思われますので、この部分の規定を削除する必要があります。右の理由にて、五月十二日各派共同提案として修正案が提出されました。その内容は、執行猶予者を保護観察に付することを前提とした第三百三十三條等を削除せんとするものであります。この修正案は全会一致で可決されました。その他の部分は政府原案の通り可決されました。結局、この法案は修正議決された次第であります。  次に司法試驗法案について申し上げます。  これまで裁判官、檢察官、弁護士等の法律專門家は、高等試驗令による高等試驗司法科試驗に合格した者が司法修習生または弁護士補として実務を修習してその職につくことを原則としていたことは御承知の通りであります。ところが、國家公務員法の改正によつて高等試驗令が廃止せられ、高等試驗司法科試驗の制度は昨年末でなくなりましたので、これにかわるべき試驗制度を早急に定める必要があるのでありまして、ここにこの法律案が提出された次第であります。  法案の内容について簡單に御説明いたしますと、この試驗は法学徒の資格試驗を行うことを目的とするもので、これを第一次試驗と第二次試驗にわかち、第一次試驗は、第二次試驗を受けるのに相当な教養と一般的学力を有するかどうかを判定することを目的とし、学校教育法に定める大学卒業程度において、一般教養科目について筆記の方法によつて行うことにいたしたのであります。第二次試驗は、將來法律專門家として必要な学識及びその應用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、第一次試驗に合格した者またはその免除を受けた者について筆記及び口述の方法によつて行うこととし、筆記試驗は、憲法、民法、刑法、民事訴訟法及び刑事訴訟法の五科目のほか、商法及び行政法のうち受驗者があらかじめ選択する一科目、商法、行政法(すでに選択した場合を除く、)破産法、労働法、國際私法及び刑事政策のうち受驗者があらかじめ選択する一科目、合計七科目について行い、また口述試驗は、筆記試驗に合格した者について憲法、民法、刑法、民事訴訟法及び刑事訴訟法の五科目について行うものであります。  次に司法試驗に関する事項を管理する機関といたしましては、司法試驗が法律に関する学力檢定の國家試驗たる性質にかんがみ、政府の法務統轄機関たる法務総裁の所轄とし、その所轄のもとに司法試驗管理委員会を置き、委員会は法務総務官房長、最高裁判所に事務総長及び法務総裁の推薦によつて任命する弁護士一人、都合三人で構成し、委員長は委員の互選に基き法務総裁が任命することにいたしました。  本委員会は、この法案が一般の学徒に重要な関心を抱かせているのみならず、所轄官廳についても政府と裁判所との間に意見の相違があるので、公聽会を開いて廣く世論の動向を知ることといたしました。公聽会では、所轄は最高裁判所か法務廳か、また試驗は資格試驗か採用試驗かを議題として意見を聞きました。  かくて公聽会一回、本委員会数回を開いた後、本委員会は、当分の暫定措置として所轄は法務廳とし、試驗は資格試驗とすることに決定いたしました。この決定は原案とまつたく同じであります。よつて五月十三日、この法案は政府原案の通り多数をもつて可決された次第であります。  右御報告いたします。(拍手)

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 両案を一括して採決いたします。日程第七の委員長の報告は可決でありまして、日程第八の委員長の報告は修正であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り決しました。      ————◇—————

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 日程第九、郵便為替法及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、日程第十、郵便貯金法の一部を改正する法律案、日程第十一、郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律案、日程第十二、郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律案、右四案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。逓信委員会理事飯塚定輔君。

飯塚定輔民主自由党

○飯塚定輔君 ただいま議題となりました郵便為替法及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律案及び郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律案を一括いたしまして、逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  最初に政府の議案提出の理由並びに法案の内容の概略を御説明いたします。  まず郵便為替法及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案についてでありますが、さきに本國会において加入の承認を與えました万國郵便條約に附属する郵便為替約定及び郵便振替約定に基く外國郵便為替及び外國郵便振替貯金の料金は、財政法第三條の規定によつて法律でこれを定める必要がありますが、右料金については、國会において加入の承認を與えた約定中にその基準が示されておる関係上、具体的な料金額については一々法律で規定するよりも、その基準を超えない範囲において内閣総理大臣及び郵政大臣が命令で規定する方が適当でありますので、財政法第三條に対する例外規定として本法案が提出せられたのであります。  次に郵便貯金法の一部を改正する法律案は、現行の郵便貯金法制定以後における経済事情の変化に即應して、さらに一段と郵便貯金の利用を容易にして貯蓄の吸收をはかる必要が生じたため、その一部を改正しようとするものでありまして、定額郵便貯金及び積立郵便貯金のすえ置期間の短縮、通常郵便貯金及びすえ置郵便貯金の最低預入金額の引上げ、無記名の地方債証券及びその利札による郵便貯金の預入制度の廃止、積立郵便貯金の一回の預入金額の引上げ等をその内容といたしているのであります。  次に郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律案について申し上げます。  郵便貯金の預金者の便宜をはかるため郵便貯金の一部で國債証券等を購入保管する取扱い及び預金者の所有する証券を受入れて保管する取扱いは、創始以來数十年の歴史を有し、証券の保管高は今日において約一億三千九百万枚、額面金額二十二億七千万円に上つておるのでありますが、一方この取扱いに要する経費は年額約二億四千万円の巨額に達しておるのでありまして、現下の情勢においては、この業務をこのまま採算のとれない状態で続けて行くことはとうてい許されないところであり、また取扱い料金の引上げによつてこの経費を支弁しようとすることも、保管証券の大部分が戰時中の発行にかかる少額証券である現状にかんがみ実行困難でありますので、この際過去の保管証券については、郵政大臣がこれを一括して適当な價格で大藏省預金部等に賣却し、その代金を貯金として積み立てておく簡便な方法をもつて臨時的に整理を行う必要があるため本法案が提出せられた次第であります。  最後に郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律案について説明申し上げます。  郵便切手類賣さばき所、印紙賣さばき所並びにこの事務を行う賣さばき人に関しましては、從來逓信省令で規定していたのでありますが、新郵便法の規定によれば、郵便の業務たる郵便切手類の賣さばきを郵便官署以外の賣さばき人に委託執行させる場合には法律でこれを定める必要があり、また郵便の附帶業務である印紙の賣さばきの場合においても郵便切手類の場合と同樣法律で定めるのを適当と認め、賣さばき所及び賣さばき人に関する基本的な事項を定めるために本法律案が提出された次第であります。  本委員会は、右各法案の付託以來しばしば会議を開き、法案提出の理由、内容について、あらゆる角度から詳細檢討を加え、政府側との間にも種々質疑應答を重ねたのでありますが、それらはすべて会議録に讓りたいと思います。  かくて委員会は、本月十三日各案の質疑を打切り、討論を省略の上、ただちに採決に入つたのでありますが、各法案とも全員一致可決いたした次第でございます。  右御報告いたします。(拍手)

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 四案を一括して採決いたします。四案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて四案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 日程第十三、未復員者給與法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員会理事宮幡靖君。

宮幡靖民主自由党

○宮幡靖君 ただいま議題となりました未復員者給與法の一部を改正する法律案について、大藏委員会における審議の経過並びに結果を、きわめて簡單に、要領だけ御報告申し上げます。  過ぐる第四回國会において未復員者給與法を改正いたしまして、未復員者の所定の疾病負傷に対し復員後所定期間必要な療養費を支給する等のことを規定したのでありますが、今回これを改めて直接療養を行う療養給付の建前とし、これに伴う諸改正を行うとともに、あわせて時効、非課税及び無料証明書等の諸規定を設けようというのであります。  本法律案は、五月十二日大藏委員会に付託せられ、十三日政府委員の説明を聽取し、質疑を経て、各党代表者の賛成討論の後採決いたしましたところ、総員起立をもつて原案の通り可決いたしました。  右御報告申し上げます(拍手)

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 日程第十四、年齢のとなえ方に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員長原彪君。

原彪民主党(第十控室)

○原彪君 ただいま議題と相なりました年齢のとなえ方に関する法律案につきまして、この法案の概要並びに委員会における審査の経過及びその結果を御報告申し上げます。  本案は、去る五月九日参議院から本院に送付され、文部委員会に付託となつたものであります。すなわち、國民は年齢を数え年によつて言い表わす從來のならわしを改めて、年齢計算に関する法律(明治三十五年法律第五十号)の規定により算定した年数によつてこれを言い表わそうとすることを目的とする、きわめて簡單な法案であります。  わが國では、学童年齢や民事、刑事など法律上の取扱いには満で数えているのでありますが、一般には、國民の長いならわしによつて、数え年で数えて参つているのであります。そのために、第一に物資の配給面からみても、食糧配給量は満による年齢のカロリー計算によつて算出されているのにかかわらず、十二月に生れた乳兒が翌年一月に二才となつてキヤラメルの配給を受けたり、実質上の年齢では五十才台であるのに六十才台にされて配給量を減らされるなど種々の欠陷が存するのであります。  第二に、出生兒の届出の場合、十二月生れの者を翌年一月にして届け出るなど正確でないことが多いのであります。生れた時からすぐうそをつくような習慣をつけることは、まことにおもしろくないのであります。  第三に、國際的にも外國の統計などみな満年齢でつくられておるのに、わが國だけが数え年であることは、種々なる不便が多いのであります。  以上の三点を改め、現在のこの困難な再建途上に、予算を要せずして、國民が年齢的にみな若返ることは、國民の心を明るくするものと思われるのであります。  その審議中、おもなる質疑といたしましては、毎月満年齢による届出によつて配給所は事務処理が煩雜になりはしないかなどの議論があつたのでありますが、そのために施行期日を明年一月一日とし、その間十分なる対策を講ずることとし、農林省、経済安定本部、法務廳、総理廳統計局など各関係当局より施行可能との返事を得ている旨、発議者の一人である参議院議員山本勇造君より答弁がなされたのであります。詳しくは速記録によつて御了承願いたいと思います。  次いで討論を省略し採決いたしました結果、全会一致をもつて原案通り可決いたしたのであります。右御報告申し上げます。(拍手)

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————

今村忠助民主自由党

○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、在外公館等借入金整理準備審査会法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  在外公館等借入金整理準備審査会法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長岡崎勝男君。

岡崎勝男民主自由党

○岡崎勝男君 ただいま議題と相なりました在外公館等借入金整理準備審査会法案について、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、五月十二日内閣から國会に提出され、ただちに本委員会に付託されましたので、本十四日委員会を開き、政府委員より詳細なる説明を聽取いたしました。  その説明によれば、本法案の対象となつている在外公館等借入金とは、終戰に際して日本より外國へ送金出來なかつたため、東亞各地における在外公館、居留民会等が、外務省の訓令に基き、在外邦人の救済、引揚げ等に要する資金を各地において居留民から借入れたものでありまして、右関係の債権者は約二十八万名、借入金額は邦貨にして合計約九億円と見積もられております。今般政府は、本件借入金を調査確認し、これが整理の準備を進めることにつき関係筋との間に話がまとまり、本法案を國会に提出する運びとなつたということでありました。  次いで、各委員と政府側との間に質疑應答が行われ、討論に入りましたが、賛成意見としては、この種借入金の問題は國会に対しても多数の陳情、請願があり、引揚者の救済などの見地からも一日もすみやかにこれが解決を要するものであるとの趣旨が述べられ、反対意見としては、法案の精神には賛成であるが、平和回復を見ない今日では関係資料の收集も不十分であり、また本法案に関連して定めらるべき法律についても並行的に審議せらるべきである等の趣旨が述べられました。これが詳細については速記録に讓ることといたします。  右をもつて討論を終結し、採決の結果、多数をもつて本案を可決した次第であります。つきましては、本院において本案を可決せられんことを希望いたします。右報告いたします。(拍手)

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

岩本信行民主自由党副議長

○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)  明後十六日は定刻より会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十九分散会

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