法務委員会 第38号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/10/06
会議録
○花村委員長 これより会議を開きます。 本委員会は閉会中の審査におきまして、犯罪の科学的搜査に関する調査を種々行つて参りましたが、さらにその調査を進め、具体的結論を得たいと存じますので、犯罪の科学的搜査に関する小委員会を設けないと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○花村委員長 御異議がなければさよう決定いたしますが、小委員の選任に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、いかがでしよう。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○花村委員長 御異議がなければ、小委員の数は八名とし、 角田 幸吉君 田嶋 好文君 高木 松吉君 佐瀬 昌三君 花村 四郎君 猪俣 浩三君 中曽根康弘君 梨木作次郎君 を小委員に御指名いたしたいと思います。 —————————————
○花村委員長 それではこれより本日の議題であります法務府の二十五年度予算概要の説明を求めたいと存じますが、その前に林君より発言の通告がありますので、これを許します。林百郎君。
○林(百)委員 私の質問は大綱にして三つありまして、一つは去る三日だと思いますが、福井検事総長が函館視察に行かれる途中に発表されました談話であります。これが各新聞紙に発表になつておりますが、この意義について質問したいということが一つ、それから第二としましては、最近九月十九日でありますが、公務員の政治活動に関する人事院規則が発表になつたのでありますが、これがポツダム宣言、あるいは憲法と比較考量しまして、明らかに違憲的な規則であるというように考えられますから、この点についての法務府としての見解をただしたいというのが第二。第三としては、最近朝鮮人連盟の解散が命ぜられましたけれども、この朝連解散自体の問題と、それからこの手続の問題についていろいろ問題がありますので、この点の質問をしたい、この三つの点であります。なるべく簡潔にしたいと思つておるのであります。 第一に佐藤刑政長官にお尋ねしたいのは、この十月三日、検事総長は北海道の視察に函館に行つたようでありますが、その際に表明された談話の意味でありますが、新聞の伝えるところによりますと、検察庁の機構改革という意見がありまして、この中で「検察庁は現在日本で認められたほとんど唯一の全国的統一組織であるのに鑑み、最高検を頂点として、全国の検察庁の組織を調整強化したいと思つて、目下具体案を検討中である。この問題に関し是非実現したいのは、検察職員の教養、訓練機関の拡充と庁舎、電話、官舎、自動車等の充実による執務の能率と機動力の増大である、これには諸種の困難は十分推察されるが、治安維持の根本的重要性に鑑み、実現を期したい」とあるのでありますが、この検察庁の機構の改革と拡充強化という意味でありますが、これは具体的にどういう案が検察当局として考えられておるかということの説明を願いたいと思います。
○佐藤説明員 福井検事総長が旅行の途中において談話を発表せられ、その談話が新聞紙上に伝えられまして、私もその新聞を拜見したのでありまするが、総長がはたしてどういうことを言われたか、その総長の言われた趣旨をそのまま新聞が報道されたのであるか、あるいは聞き手の方でその趣旨を幾らか違つた意味で掲載されたのであるか、その点は私は真実のところはわからないのであります。ただお尋ねの検察庁の機構の改革の問題につきましては、先般以来の最高検察庁と法務府との間で、いろいろ研究し、また立案をいたしておるのであります。その目的とするところは、申すまでもなく検察庁内部の組織を調整しまして、各係の責任を明らかにすると同時に、それぞれの係の事務の能率をあげよう。こういう目的で内部組織を改革し、また調整しようということを目標にして、いろいろ意見を鬪わせているのでありますが、まもなく成案を得ますれば、さつそく実行にとりかかりたいと考えておるのであります。ただそのことが新聞紙上、あるいは検察機構を強化されるようなふうに伝えられたのでありますが、検察庁の内部の機構が改革せられて、事務の能率が増進せられまするならば、從つて検察庁の活動が活発になり、それがあるいは強化という文字で表現されるような結果になるかもしれませんけれども、私どもの目ざしておるところは、別に検察庁の機構の強化というようなことではないのであり、内部の組織において、それぞれ職務遂行について分担をきめ、責任と権限を明らかにして、事務の能率をあげようということを目ざしておるにすぎないのであります。
○林(百)委員 どうもはつきりしない答弁ですが、具体的に言いますと、検事総長の談話の中には「検察職員の教養、訓練機関の拡充と庁舎、電話、官舎、自動車等の充実」こういうふうなことがあるのでありますが、相当具体的な根拠なくしては、検事総長のこういう談話は出て来ないと思うのでありますが、この検察職員の教養、訓練機関の拡充ということはどういうことか。庁舎、電話、官舎、自動車の充実ということは、具体的にどういうことをどういうふうにしようというのか説明を願いたい。
○佐藤説明員 現在検事職員の教養訓練のために、法務府の中に法務研修所という機関が設けられておるのでありますが、この研修所において、專任の教官もおりますし、その他外部から講師を京頼して、時々全国の検察職員を中央に集めて教養訓練をいたしておるのでありますが、その機構を充実させるために、若干明年度の予算の増額も考えておるのであります。おそらくそのことをさされておるのではないかと思います。それからなお宿舎、官舎の増設というような問題は、これは検察職員に官舎がありませんために、現在の住宅難の時代において、適材を適所に配置しようと思いましても、住宅難のために人事交流が円滑に行われないのであります。また他面非常に不便なところに住宅を持つておるために、通勤に時間を要するとか、あるいは不時に、夜中に出張しなければならぬというような場合にも、迅速に行動ができないというようなうらみもありますので、できれば検察職員に対して若干の官舎を建設して、検察の執務が迅速的確に行われるように、その足しにしたいと考えておりまするので、おそらくそのことをお話なされたのではないかと思います。 それから最後の自動車の問題でありまするが、これは先般来当法務委員会におきましても、犯罪搜査が的確に迅速に行われるためには、どういうような具体的に方法を講じなければならぬかということについて、いろいろ御配慮をお願いしておるのでありまするが、その一環として、犯罪搜査について迅速、的確な行動をなすためには、どうしても現在の状態においては、検察庁自体に若干の自動車を必要とするのであります。今でも各地方検察庁は一台ぐらいの自動車を持つておりまするけれども、とうていまかないかねまするので、さらに全国的にもう少し自動車をふやして、検察陣の活動を活発にし、また能率を上げたい。かようなことを考えておりまするので、さような意味合いが談話として現われたのではないかというふうに想像いたされるのであります。
○林(百)委員 もう一つは、最高検を頂点として全国の検察庁の組織を調整強化というのがあるのでありまするが、これはどういうことであるかお聞きしたい。
○佐藤説明員 検察庁の組織は、申し上げるまでもなく、新憲法と同時に施行されました検察庁法の法律に規定されておりまするように、最高検察庁を頂点として、八ブロツクにそれぞれの高等検察庁があり、また高等検察庁のもとに全国に四十九の地検察庁があり、その地方検察庁のもとにそれぞれ相当数の区検察庁を管轄しておるのでありまして、いわゆるピラミツド型に組織がなされておるのであります。この組織について現在変更しようとか、あるいは改革しようというようなことは、私どもの方としては考えてはおらないのであります。ただその検察庁の中で、それぞれの各検事の係をどういうふうにきめるか。その係のきめ方によつて各係の責任権限を明らかにし、事務の能率を上げようということだけは、先ほど申し上げたように、目下研究立案いたしておるのであります。
○林(百)委員 そうすると、そうした今日検察庁が考えておる検察機構の整備強化、あるいはいろいろの施設の強化のために——これはあとで詳しいことは説明があると思いますが、大体予算的な措置としてはどれだけのものを要求しようと考えているのでありますか、総額でいいのですから、お答え願いたい。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。明年度の予算については、すでに大蔵省に法務府の予算を要求しておりまして、二、三日前に第一回の査定を受けておるのであります。予算の組み方が各項目に全部わかれておりまするので、今さつそく検察に要する経費が合計どのくらいであるかということは、ちよつと計算しなければわかりませんが、その中でただ新たに計画しておりまする検察の科学化に必要な経費としては、八千四百万の数字をもつて明年度の予算要求をしておる次第であります。
○林(百)委員 そうすると法務庁全体の予算は、本年度の予算と比べてどれだけ多くなるかという、総額的な数字は出ないのですか。時間をとるだけですから、結論だけでいいのですが……。
○佐藤説明員 法務府全体の今年度の実行予算と明年度の要求との関係は、ここに專門の経理部長が見えておりまるするので、経理部長からお答え申し上げたいと思います。
○岡原説明員 本年度の法務府所管の予算総額は約八十六億でございまして、そのうち検察庁の占めておる予算額は、こまかい数字は除きまして、合計十五億五千二百万となつております。なお本年度の要求総額は約百七十億でございます。
○林(百)委員 その百七十億が二十五年度ですか。
○岡原説明員 二十五年度の予算要求額が約百七十億であります。
○林(百)委員 八十六億は二十四年度ですか。
○岡原説明員 そうです。そうして検察庁関係の要求は二十六億二千九百万、若干ずつ端数がございますが、そうなつております。
○林(百)委員 そうすると大体本年度の倍額を要求しておると解釈していいですね。
○岡原説明員 ほぼそんなような感じであります。
○林(百)委員 その次に刑政長官にお尋ねしたいのですが、この法務庁の組織の整備強化の理由として、深刻化した集団犯罪ということが言われておるわけなのです。この深刻化した集団犯罪で、犯罪が非常に複雑深刻、組織化されて来たということの例の中に平事件、福島事件、三鷹事件、この三つの例があげてあるのであります。これは今いずれも非常に問題になつておる事件でありまして、明らかにこれは労働組合、あるいは共産党、あるいは朝鮮人連盟というような、あなた方から見れば左翼と思われるかどうかしらぬが、そういうような方面の事件だけをあげて来て、こういうような事件が起るから検察庁は強化しなければならないのだということになつておるのでありますが、そうなると結局検察庁としては、こうした労働組合、農民組合、あるいは朝鮮人連盟、共産党というような民主的な組織の彈圧の費用として予算を要求するというふうに考えられますが、この点についてはどうですか。
○佐藤説明員 先ほど申し上げましたように、検察庁の内部組織について、それぞれの係官を明らかにして、責任と権限を明らかにし、また検察事務の能率を上げようということは、これは大分前からお互いに研究いたしておる問題でありまして、最近平事件、あるいは三鷹事件等が発生したために、さようなことを考えたのではないのであります。なお予算について、そういう集団犯罪が最近発生したから、特にその方面の治安維持のために多額の予算を要求するというような数字は、特に現われておらないのであります。まつたくただいま林委員のおつしやるようなぐあいに、集団犯罪があつたから予算が増額されて、要求されるのだというふうな観念は持つておらないのであります。
○林(百)委員 私の質問したい要点はその点にあります。たとえば予算がたくさんかかつたという点ならば、帝銀事件などというものは厖大な予算を要しているわけです。ところがそういうものはこの例の中に出ておらない。また三鷹事件にしましても、これは集団的になされたものか、あるいはまた單独でなされたものかは、全然裁判にも諮つておらない。むしろ検察庁としては單独でなされた行為を、集団的なものとして三鷹事件というものを世間に発表しておる。こういうことになりますと、われわれはまた三鷹事件のみではなくして、松川事件その他の事件も非常に疑わしい。明らかに嫌疑がかけらるべきでない者に対して嫌疑をかけて来るような、いろいろな事件を検事当局自身が捏造しておるような印象を與える事件が、最近たくさん起きておるのであります。ところがたまたま検事総長が深刻化した集団犯罪があるから、検察当局を拡充強化し、予算的な要求もことしはふやしたいということになると、三鷹事件あるいはその他の事件は、あたかも予算要求のために検察当局が捏造したものとまで推察し得るような印象をわれわれに與えているわけです。少くともこうしたまだ世間に非常に大きな問題になつており、また集団的にしたのか、あるいは個人がしたかわからないような事件を、しかも一方的に左翼的な色彩があると考えられるような事件だけを拉し来つて、これを引例しておるという点について、われわれはどうしても検察当局の一方的な、いわゆるフアシヨ化のための予算の増額請求というように考えられるのですが、なぜこうした一方的な事例、しかも三鷹事件のごとき、世間で今もつてその真相が不明として争われておるような事件を、すでに集団的な犯罪として引例されておるのかということを、お聞きしたいと思います。
○佐藤説明員 先ほど申し上げましたように、福井検事総長の談話がどの程度発表されたのか、またその中でどういうふうに取捨選択して記事になつたのか、その辺のことはよくわかりませんが、私が想像いたしますのに、検察庁の機構の中でそれぞれの係をきめて責任を明らかにし、事務の能率を上げようということと、それから最近の犯罪現象として新聞をにぎわしておる三鷹事件、平事件その他の集団的な犯罪があるので、非常に搜査に困難を来しておるというようなことも、お話になつたろうと思うのであります。それからまた犯罪を搜査し、犯罪事実を証明するには、従来と違つて、犯人の自白に頼らずに、科学的方法によつて犯罪を搜査し、犯罪を証明しなければならないのだというようなことも、おそらく述べられたのではないかと思うのでありますが、それをたまたま話された時期が同じ時期であるために、記事としてこういう三点のことが出て来たので、その三点の事実を林委員はいかにも因果関係といいますか、関連があるように、そこにコネクシヨンをつけられるのであつて、さような関連した意味合いで御質問なさいましても、私の方としては、その記事に基いて、どうも御満足の行くような答弁はいたしかねるのでありまして、私の方としては、その事件などとは全然関係なく予算案が組まれ、そうして目下大蔵省と予算の折衝をしておるのでありまして、お尋ねのように、そういう集団犯罪があるから、予算がこれだけなければならぬというようなことを考えて、予算案を編成したのでは絶対にないのであります。
○林(百)委員 その点ですが、集団的な犯罪ということの中には、明らかに最近胎動しておる、たとえば右翼の暴力団体だとか、そういうものの犯罪、あるいは取締りが十分あるはずなんです。それから検事総長の説明の中にも、労働公安関係とあつて、労資左右いずれを問わず、断固たる態度をもつて臨むと言いながら、ここで引例している例は、一切左翼的な事件で、しかもこの事件も現象的に見れば、検察当局が取締りをすべき事件だと言つておりますが、実際は生活の不安定、あるいは賃金の遅配欠配、行政整理というような時の政策の犠牲のために、やむを得ず生活の苦痛から出ているような事件が非常に多いわけであります。ところがいかにも最近の集団犯罪は、一切こうした労働関係、あるいは左翼的な諸政党の関係しておる事件のような引例をここへ持つて来て、こうして集団犯罪が起きておるから、当然検察当局の機構は整備強化しなければならないという点に、われわれが検察当局の一方的な立場を疑わせるに十分な点があるわけなんです。その点について、検察当局の立場をもう一度聞いておきたいと思うのであります。
○佐藤説明員 検事総長の談話の中で、最近の犯罪現象をお話になつたということはよくわかるのでありますが、その犯罪現象をとらえて、かような犯罪現象であるから、検察の機構を強化しなければならぬ、強化するためには予算をうんと計上しなければならぬというような、そういう関連は、これは読む人によつて、あるいはそこまでいわゆる色をつけて読まれる方もあるかもしれませんが、私たちが新聞を読んだだけではそういう感じは起きなかつたのであります。実際の問題として、先ほどから申し上げておりますように、明年度の予算案を編成するについては、最近そういう集団犯罪がたくさんあるから、これだけの予算でなければならぬというようなことを頭に置いて予算編成をいたしたのではないのであります。その点は誤解ないように御了解を願いたいと思います。
○林(百)委員 そうすると、検事総長の談話がもしそういう意味にとられるような談話であつたならば、法務府検察当局の方針とは異なるのだ。検察当局としては、検事総長の談話がそういう意味にとられるならば、そうした検事総長の談話のような方向ではないのだということなのですね。だからわれわれこの新聞を見ると、明らかに深刻化した集団犯罪があり、——これは新聞の見出しもそうである。深刻化した集団犯罪があり、従つて検察当局の機動力と能率で対処しなければならない。その集団犯罪の問題として云々とあるわけです。だから検事総長がもしそうした意味で談話を発表したというならば、検事総長の談話は検察当局の方針とは異なつた談話である。あるいは新聞社が間違つて発表しているのであるというように解釈していいかどうか。
○佐藤説明員 談話の発表がどういうふうになされたか、またその談話に基いて各新聞社の新聞記事がいかように取扱われるかということは、これはそれぞれの新聞記事を見、また検事総長自身からお話を伺わなければその真相はよくわからないのでありまして、ただいま林委員のおつしやるようないろいろな想像のもとに、ある仮定をおいて、その仮定に対して法務府としてどういう見解を持つているかというようなことをただされましても、私としては何らお答えするすべはないのであります。
○林(百)委員 そうすると、結局これは意見の対立で、解決できないと思います。 次の問題に移りたいと思いますが、実は今参議院の法務委員会で問題になつております集団暴力取締法というのがありますが、これは参議院の法務委員会の伊藤委員長みずから、私がお聞きしたところによると、政府も同様な法案の準備を実はしているのである。しかし政府に出させるよりは、社会党員としての自分が出した方がむしろ緩和され、あるいは公正な法案ができると思つて自分がやつているのであるが、実は政府自体がこうした法案の提出を考えているという意見を、かつて私が聞いたことがあるのであります。集団暴力取締法というようなものを法務庁自体は考えているかどうか、あるいは腹案をつくつておられるのかどうか、この点をこの問題と関連してお聞きしておきたいと思います。
○佐藤説明員 先般参議院の伊藤法務委員長から、集団的な暴力犯罪の取締りについていろいろ御意見を承りましたので、法務府におきましても、さような犯罪を取締るのにどういうような方法がよろしいかあるいは現行法で十分まかなえるかどうか、いろいろ研究はいたしておりまするけれども、現行法を改めて新たなる立法をなすべきかどうかという結論にはまだ到達しておりません。従つてただいまのところ、成案は得ておらないと申し上げるよりほかないのであります。
○林(百)委員 そうすると政府としては、集団暴力取締法というようなものを目下のところは意図しておらないと解釈していいかどうかという点が一つ、そこで参議院の法務委員長の伊藤氏の言うように、政府自体も実はこれを考えているが、政府自体がこれを出すということになれば摩擦などがいろいろ多いから、結局議員提出という形になるというようなことを表明されたことは、事実と相違しているというように法務庁は説明されるかどうか、この点をお聞きしたい。
○佐藤説明員 それは先ほどの検事総長の談話と同じように、伊藤委員長がどういう気持で、どういうふうな形で林委員に対して談話をせられたのか、その真相がはつきりいたしませんので、いろいろ仮定のもとにおいてそういうことをお尋ねくださいましても、私の方としては何ら答える資料は持ち合せございません。
○林(百)委員 そうすると、もし国会がみずから集団暴力取締法の提出を中止する、あるいはこれを断念するというような事態が起つた場合には、法務庁独自で集団暴力取締法を出す意思はないというように解釈してよいですか。
○佐藤説明員 法務府としましては、今のところ何ら成案を得ておりませんので、今の段階においては提案をするだけの材料は持つておりません。
○林(百)委員 そうすると、二つの点ですが、集団暴力取締法の参議院法務委員会の審議については、政府は全然関知しておられないかどうかという点が一つ。それからかりに参議院法務委員会でこの法案を提出しないということになれば、将来法務庁としてはどう考えられるか。現段階ということになれば、明日も将来になりますが、将来についてはどういう考えを持たれているか。特別にこういう法案を出して取締りの必要ありやいなや。その点については法務庁としてはどういう見解を持つておられるかということをお聞きしたい。
○佐藤説明員 集団的な暴力行為に対しては、現在の法規以上に何らか適当な取締法があれば、それによつて取締ることが適当であろうというふうには考えておりますけれども、先ほど来申し上げたように、今のところ何らそれに対する対策的な成案を持つていないのでありまして、将来立案するか、あるいは立法について考えているかと申されましても、将来のことは今として言明いたす程度には至つておりません。
○林(百)委員 参議院の審議と政府の関係はどうですか。
○佐藤説明員 参議院の法務委員会において研究されている途中において、その案を示されたことはありますけれども、参議院の法務委員会の立案について、政府は別に関與はいたしておりません。
○林(百)委員 そうすると、将来こうした法案がある方が取締りには便利だという希望的な意見は持つているように言われているが、その点が一つ。それからもう一度確かめますが、今の参議院の法務小委員会のこの法案の審議には、全然政府は関與しておらないか。全然資料の提出、意見の提出、こういうことがないと解釈してよいかどうか、この点をこの問題について最後にお尋ねいたします。
○佐藤説明員 具体的にその取締法案を見なければ、どの点が賛成であり、どの点が反対であるというようなことは、もちろん意見は出ないのでありますが、最初か、あるいは中途か、よく存じませんが、その参議院の案を示されまして、それに基いて研究いたしたことはありますけれども、政府として立案に関與したというようなことは絶対にございません。
○林(百)委員 そうすると検事総長の談話の点についてはこれで打切りたいと思いますが、その次に人事院規則の問題については、刑政長官としては、この前の違憲性の問題ですが、答弁の能力がおありになるかどうか。ちよつとお尋ねしておきたいと思います。
○佐藤説明員 人事院規則が国家公務員法に基いて制定されまして、その規則は私も見ておりまするので、私がどの程度答弁する能力があるかどうか、それは御質問によつてでありまして、この立案の経過等については、何ら知識がありませんから、答弁することはできません。できた法律規則との関係等については、私の知識だけで、あるいは答弁申し上げることができるかもしれません。
○林(百)委員 この公務員法の百二條に基く人事院規則につきましては、まつたくわれわれの常識では、解釈することのできない取締りの規定がたくさん含まれているのであります。たとえば特定の内閣の支持または反対、これがすぐ政治目的に該当するような意味があります。また具体的な行動の場合には、公私の影響力を利用するような場合には制限にひつかかつて来る、適用を受ける。あるいはこの特定の政党、または他の政治団体の構成員になることを勧誘しただけで、もうこれは規則に違反して来るのだ。あるいは拡声器、ラジオ等をもつて演説をしただけで、政治目的の行動に該当して来るのである。あるいは演劇、演出を援助しただけで公務員の政治活動の制限に該当して来るのだ。あるいは勤務中に政党の機関紙を配つたり、あるいはその記号を着用しただけで、公務員の政治活動の制限に違反して来るのだというような、まつたくわれわれの常識を超えた人事院規則が設けられたのでありますがこの点について第一に聞きたいことは、かかる広範な白紙委任が公務員法の百二條によつてなされておるものであるかというような解釈が、新しい憲法下において解釈し得るかどうかという点を、まず第一にお聞きしたいと思います。
○佐藤説明員 お示しの人事院規則が制定されまして、国家公務員の政治的行為が広範に制限を受けておるのでありますが、かような人事院規則が設けられましたのは、これは申し上げるまでもなく、公務員は国民全体の奉仕者である。それであるから公務が常に公正に遂行せられなければならぬのであつて、その公務の公正な遂行を妨げるような行為をしてはならない。常に公務の民主的かつ能率的な運営を期しなければならぬという目的の下に、かような制限規定が設けられたことと私は考えておるのであります。従つてこの規則が制定されましたのは、單に国家公務員の百二條だけではなく、国家公務員法第一條から全体の趣旨及びその源をなしておる憲法第十五條の精神にかんでみてかような規定ができたと思うのでありまして、何らこの点について憲法あるいは法律に抵触するものとはごうも考えておりません。
○林(百)委員 公務員は国民全体に奉仕するのだ、従つてその奉仕を阻害するような行動が公務員にあつてはならないということで、この人事院規則が設けられたと言いますが、具体的な例を申しますと、たとえば政党のバツジをつけているということが、一体公務員の国民としての全体に奉仕するにどこに妨げがあるか。これは一例でありますが、あるいは政党に入ることを勧誘することが、どうして一体この公務員としての仕事の能率に影響して来るのかを私は問いたいのであります。そこで第一にポツダム宣言によりますと、明らかに日本の国民は思想の自由、基本的人権の尊重は確立させろということが書いてあります。それから極東委員会の十六原則によつても、日本の労働者が自分の地位を向上するために労働組合を結成し、しかもその労働組合が日本の民主化のために政治的の運動に参與することはむしろ勧奬するということが書いてある。さらに憲法の第十九條でありますが、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」というように書いてあるのであります。従つて刑政長官は憲法の十五條だけをたてにしておりますが、このポツダム宣言あるいは極東委員会の諸決定、これに照してこのたびの人事院規則が日本の占領政策並びに憲法に明らかに違反しておると思いますが、この点についての見解を問いたいと思います。
○佐藤説明員 先ほど例に申されましたバツジ、ある政党のバツジを一つつけても規則違反になるかというようなお尋ねでありますが、この人事院規則を見ましても、ある政党のバツジをつけただけで規則違反になるとは解釈できないのでありまして、特定の政治的目的、特別の政治的目的をもつてそういう政治的活動をした場合に初めて規則に違反するのであります。さような解釈にはならないと思います。
○林(百)委員 どうも刑政長官は読んでおらんのではないかと思いますが、明らかに「政治的目的をもつて、勤務時間中において、前号に掲げるものを着用し又は表示すること。」とあるわけであります。しかも政治目的というのは、たとえばある内閣の支持または反対の意思を持つていただけで、客観的の行動に現われなくても、そういう意思を持つていただけでも、政治目的になるのだということで、そういう内示的の意図をもつてバツジをつけておると、もうそれが政治活動の制限に違反して来るのだということになれば、何ら公務員として国民全体に奉仕することに妨げがないにもかかわらず、明らかにこれは不当な公務員に対する政治的彈圧を加えることになり、しかも政治的目的を持つておるのかどうかという。客観的行為の意思表示がないにもかかわらず、そういう認定になるのでありますから、これはそういう官側の一方的の認定によつて政治目的の有無を断定し、しかもその断定によつたならば、かりにバツジをつけただけでも政治活動の制限に違反するというふうに解釈される。これは明らかに行き過ぎな人事院規則だと思うのであります。そこでこの問題についてもう一つ根本的な問題でお聞きしたいのは、一体この人事院規則を制定するにあたつて、法務府は意見を求められたのかどうか、この点を第一に聞きたいと思います。
○佐藤説明員 法務府の組織はいろいろ係がわかれておりまして、法制当局にあるいか意見を求められたかどうか、その点は存じませんが、刑政当局に対しては別に意見は求められておりません。
○林(百)委員 実はこの問題が今各官庁の公務員にとつては非常に大きな問題になつておりまして、一方的な官側の認定で、この人事院規則に違反するかどうかということで、かりに司法罰を求めて来ないまでも、非常な首切りとか、彈圧が来ているのであつて、公務員としては非常に切実な問題だと思う。そこで公務員諸君がこの解釈上明らかにしたいと思う点を二、三、ちようど刑政長官も見えているから、意見をお聞きしたいと思うのでありますが、この人事院規則は、一体勤務時間外においてこういう行動、たとえばバツジをつけている、吉田内閣の批判をする、あるいはある政党の機関紙を仲間の人たちに配るというようなことを勤務時間以外にした場合にはどうなるか、その点をまずお聞きしたい。
○佐藤説明員 人事院の方から、この人事院規則ないし政治的行動の禁止制限に関するこの規則についての一般的に解釈は、まだ示されておりませんので、立案者の人事院においてどの程度の解釈をくだされるか存じませんけれども、この制定された規則を今私どもが見ますると、お示しのようなバツジを勤務時間以外につけているというような場合には、どうも規則違反にはならないように解釈されます。
○林(百)委員 バツジ以外はどうですか。
○佐藤説明員 バツジ以外の点では、これは條文によつて私の方から一々申し上げるまでもなく、何ら勤務時間中あるいは勤務時間外というような制限規定がありませんから、條項によつては勤務時間外といえども、この規則の適用を受ける場合があるだろうと思います。
○林(百)委員 そうすると、勤務時間以外に、たとえばある政党に入つたらどうかというような話をする、あるいはある内閣の批判をするというようなことは、やはりこの規則に違反するということになる。そうなると、公務員というものは一切政治的な話はどこへ行つてもできないということになる。しかも公私、私の影響力を使つて、女房に話してもいけないということになりますが、それでもいいわけでありますか。
○佐藤説明員 具体的な行為が現われたときでなければ適切な解釈は出て来ないと思いまするが、ただいまお示しのような例については、その行為がここに掲げるような政治的目的のためにやつた行為であるかどうかということと、それからその政治上の話をしたというのが、いわゆる政治的な行為、たとえば選挙運動とみなされる程度のものであるかどうかというようなことで、この規則の適用を受けるかどうかということになるのでありまするが、具体的な場合でなければ、それがはたして政治的目的のためにやつたのであるかどうか、またその話の内容あるいは話したその行動がただちに政治活動と認められるかどうか、これは具体的な事件でなければ、適切な解釈はいたしかねると思います。
○林(百)委員 私の言つているのは、何も極端な例を言うのでなくして、あなたも御存じだと思いますが、政治目的の定義の中に、特定の内閣を支持または反対することとある、だから吉田内閣のもとでは公務員の生活は苦しくなるようなことを言うことが、ある内閣の支持または反対することになるわけであります。こういう目的のもとに、たとえば女房にどうも民自党の政策ではぐあいが惡いから、たとえば共産党を支持するようにしようかというような、今度は政治行為としてそういう行為があつた場合に、公私の影響力を利用してもいけないというのだつたら、公務員が家へ帰つて来て、内閣の批判をし、妻にたとえば社会党なり共産党なりを支持するようにしてはどうかというような話をしても、あなたの言うように、時間外でもいけないというならば、これは明らかに人事院規則の政治制限にかかつて来るわけであります。それでもいいのかということです。
○花村委員長 林君、質問の重複を避けられないと、時間がありません。さつき佐藤刑政長官の説明で大体わかつているようですが……。
○林(百)委員 刑政長官の説明はこの法律に従つていないですよ。あなたの言うように、政治目的があつて、その目的のもとに政治的な行為がある場合なんです。それを含めてあなたに質問しているわけです。だから、一つの例を引けば、公務員が自分の苦しいことを解決するために、吉田内閣の批判をし、それを家へ帰つて来て、公私——私の影響力を使つてもいけないということになれば、妻に話してもいけないということになるわけであります。そんなむちやなことを一体人事院規則できめることができるかどうかということです。
○佐藤説明員 同じことを申し上げるよりほかないのでありますが、この規則の適用を受けるのは、今申し上げましたように、政治的目的のためになした行動であるかどうか、それからその行動が政治的行為と認められるかどうか、この認定で結論が出るのでありまして、今お示しのような具体的な例が政治的目的と認められるかどうか、あるいは政治的行為と認められるかどうかということは、具体的な場合でなければお答えいたしかねるのであります。
○林(百)委員 それが食い違つている。大事なところです。刑政長官の方が法律を知らない。私どもはこんなことは明らかに知つている。政治目的の定義の中で、特定の内閣を支持し、または反対することだけで政治目的と認定されているのだ。定義の中に入つている、しかも……。
○花村委員長 林君、具体的の問題が発生した場合に解釈しなければ、林君の言うように、こういう問題が起きた場合という想像的な事例をあげられても、それは困る、こういうことです。それは幾らやつても同じことですよ。
○林(百)委員 これは実は私が想像で言ついてるのではなく、現に職場ではどんどん首切りが来ている。現に赤い教員の首切り、これは人事院規則でもされているわけであります。ですから、職場では戰々競々としている、いつ首切りが来るかわからない。極端に言うと、けちをつけようと思えば、それがかりに共産党員で、しかも労働組合の幹部であれば、アカハタ一枚職場で配つても、それで首切つてしまう。だからこそここで真劍に聞いているわけです。私は刑政長官を目の前においてやつつけようというのではありません。
○猪俣委員 これは私どもの党におきましても重大な問題でありますが、私どもはきようこういう質疑応答があるということは考えて来ない。そこでもちろん法務府でも解釈についての責任はありましようが、直接の第一の責任は人事院であります。これは当委員会におきまして人事院総裁に来ていただいて、詳細なる質疑応答をさせていただきたい。これは共産党から申されたように、重大な問題なのであります。そして今の問題については刑政長官に、あるいは人事院総裁から連絡がなかつたと思うが、昨日わが党の淺沼組織局長が淺井人事院総裁に質問した点によれば、勤務外にそういうような話をしても、それはさしつかえないという解釈であつたというのであります。刑政長官はこれを知らぬので、政府部内で意見が対立してはいかぬから、刑政長官の方においても、罰則がついておるのでありますから、法務府として責任がありますから、もう少し御勉強になつて、しかる後に人事院、法務府の出席をいただいて、根本的に明らかにして国民を帰趨に迷わさぬようにさしていただきたいと思うのでありますが、どうでしよう。
○花村委員長 ただいまの猪俣君の御意見に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○梨木委員 人事院の淺井総裁がどういう答弁をしようと、法務庁としては政府の最高の法律顧問なんだから、こういう憲法に違反した人事院規則なるものを、政府としては認めちやならぬと思う。だから政府の最高の法律顧問である法務庁が、どういう見解を持つておるか、この点を明確にしなくちやならぬと思う。ですから今の刑政長官のようなのんべんだらりとした答弁では、これは事実どんどん毎日のように人事院規則の犠牲者というものが出て来ておるのでありますから、だから実際の監督の刑政上の立場であるとともに、牢屋にぶち込むところの親玉が、こういう解釈をされては困る。ですからこの点については、人事院総裁の方の意見と、法務庁の意見が違つて来ておる場合において、実際あなたの方はこれで取締りをやるのだから、われわれの方では非常にあなたの方の御意見を聞かなければならぬのです。もう少し勉強して来てもらいたい。
○林(百)委員 それでは猪俣さんの意見もありますから、人事院側と法務庁が十分研究、検討をなさつて、政府側の意見が一致するまでは、法務庁としては取締りは一切しないというなら、猪俣さんの意見に従つて賛成する。
○佐藤説明員 この公務員の政治活動の禁止または制限に関する規則が出ました際に、法務府におきましては、全国の検察庁に通知を出しまして、この規則の解釈適用については愼重にやらなければならぬ。もしある公務員が規則違反をしたというような場合には、その当該公務員の所轄庁と十分連絡をとつて、なるべくならばその所轄庁の行政処分をまず先にして、その後に検挙あるいは犯罪搜査、検察の処分に移るべきであるというようなことを申し渡しておるのでありまして、ただいま懸念されておるような、そういう解釈に疑問のあるような場合について、決して検察当局が初めから出て行くというようなことは絶対にないのであります。十分搜査の着手についても愼重を期しておるのでありますから、その点は御安心を願いたいと思います。
○花村委員長 それでは次に法務府の二十五年度予算概要の説明を求めます。
○岡原説明員 ただいまお話のありました昭和二十五年度の法務府関係の予算の概要でございますが、先ほどお手元にお配りいたしました簡單な紙ですが、それに基いて一応申し上げたいと思います。 御承知の通り、法務府全体の機構がたいへん込み入つておりますので、部局の数がたくさんございますのと、二十四年度と二十五年度の予算の立て方が若干違いがございますので、あるいはおわかりにくい点もあるかと思いますけれども、一応概要だけを大急ぎで申し上げたいと思います。 一番左に事項別というのがございますが、これが大体各おも立つた事項の頭書でございます。そのあとに書いてあるのが二十四年度予算額、その次が二十五年度の要求額、つい一昨日でございましたが、大蔵省から第一次の査定がございましたので、査定額がその次の欄に載つております。大きくわけまして、法務府関係の予算の組立ては、総裁官房の分、法制意見部の分、それから一つ除きまして刑政部の分、民事法務部の分、大体こういうふうにわかれます。さらにこれに附随するものとしていわゆる犯罪者予防更生関係のものがつくのであります。これが大体の筋であります。 最初の総裁官房の分から申し上げますと、一の法務総裁官房一般行政に必要な経費、これはいわゆる機構に関する一般行政費と申すものでございまして、要するに人件費とか、それに伴う若干の物件費を中心にした経費でございます。これは例のいわゆる標準予算的なものとして、特殊の増員がない限り、あまり動かぬ経費でございます。これが本年度若干減つておりますのは、例の行政整理とか何とかの関係でございます。 二つ国家公務員法の実施に必要な経費は、人事院の方からいろいろ所望がありまして、たとえば特殊な人事研修をやれとか、あるいはカード・システムを採用しろとかいうようなことでございまして、これに相当大きな御要望がございますので組み入れましたのですが、査定ではわずかに百九十三万円でございました。 その次の建物の補修に必要な経費は、御承知の通り法務府の所管の中には、明治十年とか十五年とかいう古い建物がたくさんございますので、その修繕費でございます。昨年度より若干ふえております。 次の土地建物等の購入に必要な経費は、昨年度というか、二十四年度において一億ほど入つておつたのでございますが、本年度は千五百万円に査定されております。これは二十四年度の要求は、ちよつとこまかくなりますが、二十三年度において公共事業で建物が建つたけれども、土地が買えなかつたという分を、二十四年度で見ていただいたためにこの費額が大いのでありまして、二十五年度の一千五百万は主として刑務所、少年院の耕耘地が中心でございます。 五の通信施設に必要な経費というのは、これは法務府に法務府專用電信というのがございまして、それと警察電話の費用が入つております。昭和二十五年度の要求額より査定額の方がややふえておりますが、これは間違いではございませんので、警察電話の專用料の値上げに伴う分です。 六の経理事務能率増進に必要な経費というのがございますが、これは御承知の通り本年四月一日から財政法、会計法並びにこれに関連した一連の会計法規が全般的に改正になりまして、とても従来の人員では処理し切れないほど事務分量がふえたのであります。そこで八百四十八名の人員増を持つて行くと同時に、いろいろな講習その他も考えたのでありますが、認められたのは人員で八十名ほどと、それから若干の物件費でございます。これは二十四年度においても当初から問題になつたものでございまして、財政法、会計法が実に複雑多岐になつたのでございます。それに対して人員の手当が全然してございませんのを、今度見ていただいたのでございます。大蔵省はこの関係でだけで、昨年主計局だけでほぼ倍にふえております。 次の超過勤務手当の支給に必要な経費、これは御承知の通り時間外勤務手当でありまして、これを一応括弧で包んでありますのは、昨年度は、超過勤務手当の支給に必要な経費というのは一項目を立てておりましたが、本年度の査定額四億一千八百万というのは、各部局に割り振つてございますので、比較対象の関係で一応括弧でくくつてございます。 次は公共事業事務費に必要な経費、これは来年度の公共事業が法務府関係で幾らになるか、まだ経済安定本部より査定がございませんけれども、それに関する人員とかその他の事務費がいるわけでございます。この点で七十八名の人員の減を査定されて来ておりますので、これは復活要求をすることに相なつております。 次は法制審議会等に必要な経費、これはほんのわずかの経費でありまして、法制審議会運用上の諸経費でございます。十一の国立国会図書館支部法務図書館に必要な経費、これは御承知の通り法務府の図書館——元司法研究室と言つておりましたが、この法務府の図書館を国立国会図書館の支部として、おそらくほかの各省のどれよりも優秀であるという定評がございます。そこでこの図書を従来通りの收集方法でふやして行くには、昨年度の五十万円ではとても足りませんので、何とかしていただきたいといろいろお願いしたのでありますが、図書館は依然として五十万円でありまして、ただ人件費として七名分を法制意見部の第四局から振りかえてございます。人員の話ではございませんで、振替でございます。それで金額が少し減つている。 次は刑政部でございます。十二の刑政部一般行政等に必要な経費は、これは先ほど官房のときに申し上げたと同じことでございます。金額の方は同じことになつております。 それから十三の旧陸海軍将校調査に必要な経費、これは旧陸海軍将校が現在どうしているか。そのカードがございまして、それが異動したり何かしたりする都度、そのカードがいろいろ動いて行く。その他いろいろな行動を調査するのでありますが、それらの費用でございます。金額がふえておりますのは、内容的には全然同じことでございますけれども、昨年度地方財政委員会に組まれた地方公共団体の補助金がそのままこちらに移つて来たということであります。事務内容は全然同じでございます。 次の引揚げ調査、これも金額がふえておりますが、今と同じようなものでございます。十五の追放者監察もまつたく同じでありまして、それをまとめてずつと申し上げます。 十六の諸団体調査等に必要な経費、この四つはいずれも特別審査局の関係でございますが、いずれも前年通りに査定されております。前年通りと申し上げましたのは、地方財政委員会の方に組みかえたというだけで、あとは前年通りでございます。ですから向うの地方財政委員会から補助するか、こちらから補助するかということでありまして、内容的には全然同じことであります。 次は検察庁関係でございますが、十七の最高検察庁の一般行政、それから十八の高等検察庁の一般行政、十九の地方検察庁の一般行政、これはいずれも検察庁の人件費、一般行政費等でございまして、これは昨年度とほぼ同じ、ややふえておりますのは超勤の関係で、昨年度のは超勤で一本で組んでありまして、各部局には触れておりませんので、その分が二十五年度査定の金額中にふえて来ているのでございます。 その次の二十一年の検察事務に必要な経費、これが昨年度二億円でありましたのが、とても足りないので、今年度七億円ほど要求いたしました。しかるにこれに対して査定は三億八千一百万円ということに相なつております。この二億円の検察費というのは、実は二十四年度予算成立当初におきまして、これではどうも足りないというふうなことを大蔵省に申しておつたのでございますが、当時の予算の見通しといたしまして、二十四年度の予算において相当額の予備費が計上されるだろうという見通しでありましたので、法務府としてはこれはいわゆる補充費でございますので、足りなければあとでもらえるという安心感から、一応二億の査定をのんでおつたのでございますが、その後ドツジ公使の九原則の線にはばまれまして、予備費が削限せられ、二十四年度は御承知の通り一文も計上されておりませんの関係から、たいへんきゆうくつな目にあいました。公判立会いの出張もできないような事情に立ち至りましたので、先般来大蔵省と交渉いたしまして、さしあたりこの検察費は本年度内において約一億円増額してもらうことに相なつております。そこで第三・四半期においてさらにもう一度現況を調査いたしまして、おそらくまだ不足だろうと思いますので、本年度はもう一億くらい要求しなければ検察活動が完全に行かぬだろうというふうな見通しを、私ども数字の上から持つておるのでございます。そこで来年度は諸般の事情を参酌いたしまして、七億を要求いたしましたところ、三億八千万という査定でございます。 次の二十二の公安事件等特殊重大犯罪に必要な経費、これは昨年度一千百万入つておつたのでございますが、これは一応ゼロという査定になつております。これは御承知の隠退蔵事件等が相当ありまして、その隠退蔵物資を摘発し、これを正規のルートに載せるという目的から、たしか昭和二十二年度の暮だつたと思いますが、人員の増並びに物件費を若干もらいましたのでありますが、その後隠退蔵事件が最近もとほどはでに出て参りませんので、大蔵省はこういうものはいらぬだろうというような考えがひとつあつたらしいのであります。それからもう一つ、公安事件等特殊重大犯罪と申しますのは、一般犯罪事件について先ほどちよつと二、三お話が出たのですが、單に平とか三鷹とかいうことのみならず、たとえば炭鉱国管の事件とか、吉村隊の事件とか、特別調達庁の汚職事件、大阪の壁新聞事件、下関事件、日鋼事件、大阪の酒の密造事件、また横浜の人民電車事件といつたようなたくさんの事件がございまして、それらの際に、事件によつて非常に金の使い方が違いますけれども、検察庁として五、六百万くらい使つておる事件も相当あるのでございます。さような関係からいたしまして、さような大きな事件が生ずる際においては、いろいろ連絡等にも必要な経費がいるだろうということを考えまして、要求したのでありますが、これは昨年度の隠退蔵というような頭書で要求したのが振りかえてございますので、一応ゼロと査定されたのでございます。 二十三の搜査記録フアイル作成に必要な経費、これは従来の検察庁の調書様式がいわゆる大福帳と申しますか、非常にだらだらした調子でできておつた。これを全部カード式に統一して、検察の科学化をはかるという目的からいたしまして、現在東京、長野の両地検においてカード・システムを採用しております。これをさらに全国に順次推し広めることに相なつておりますので、それに必要な経費を理想的な形で一億円ほど要求いたしたのでありますが、これはまだ実施庁が少いじやないかというような点から、その他の理由もございますが、一千八百万の査定となつております。 次に二十四の司法警察刷新に必要な経費と申しますのは、いわゆる警察官の指導でございます。これは大分古くから通つている経費でございます。御承知の通り最近の警察官がたいへん質が惡くなつておりますので、検察庁の手でこれを質のいい警察官に育て上げたいということから、いろいろ企画、立案、実施しておるのでございます。この費用も少いと思いますので、若干復活の要求をすることにいたしております。 次に教育委員会委員の選挙取締りに必要な経費、これは二十五年度において若干の教育委員会委員の選挙がございますので、その取締りの費用でございます。 二十六の参議院議員の選挙取締りに必要な経費、これは二十五年度において参議院議員の三年議員の最初の改選がございますので、その取締りでございます。 二十七の犯罪搜査の科学化に必要な経費、この金額はちよつと御訂正願いたいのでございます。三千八百となつておりますが、八千四百二十万八千円に御訂正願いたいと思います。これは当委員会においてたいへん御関心を持たれております。いわゆる犯罪搜査の科学化を、いかに具体化するかということに必要な経費でございまして、その構想並びに実際の今後の動き方といいますか、そういうことにつきましては、私どもの方としては、直接の專門担当の責任者ではございませんので、いずれ検務局長なりからお話願うのが適当かと思います。私の方といたしましては、お手元にお配りいたしました「衆議院法務委員会に対する予算説明資料」という厚いものがございますが、その二ページ以下に「検察の科学化に必要な経費」というものがございますが、これにあります通りの数字を計上いたしてございます。これはちよつとややこしくなりますので、一応数字をこれでごらん願いまして、研究所の構想と相関連いたしますので、そちらの方でお話願つた方がかえつてけつこうかと思います。こういうふうに一応中央の犯罪調査研究所というものを考えると同時に、各地方検察庁については、科学的な搜査の設備を設けたいということから、各地検にも鑑識関係の若干の金額を計上することにいたしてございます。この要求に対しては大蔵省も大分御理解ある態度を示しておつたのでありますが、いろいろな新規事項は原則としてこれを落すという建前がございますので、その建前からこれを落して参りました。しかし私の方といたしましては、これはこちらのせつかくの御熱心な御好意に報ゆることにいたしたいと思いまして、また私どもといたしましても長年の懸案のことでございます。何とかしてこれを実現いたしたいと思いまして、最大の努力を拂うつもりでおります。 それから二十八の不正入国外国人送還に必要な経費、これは従来不法入国外国人の送還につきましては、GHQの方のしかるべき手続によりまして送還をいたしておつたのでございますが、今度法務総裁の責任において、各都道府県を使つて送還するということに相なりましたので、それに要する通信費、補助負担金等を中心にいたして計上いたしたのが、千七百七十四万円でございます。これに対して大蔵省の見解は、都道府県に対する補助負担金はいらないじやないか、国警を使えばいいじやないかというような見解からして、ほんのわずかの物件費を認めて来たのでございます。 次は二十九の矯正保護管区本部一般行政に必要な経費。これは全国八十箇所に保護管区と管区本部というのがございまして、刑務所、少年院その他矯正関係一般のブロツク・センターを形成しております。その管区の機構に必要な経費でございます。 三十の拘置所一般行政に必要な経費。その次の二つもまとめて申し上げますが、三十一の刑務所一般行政に必要な経費、三十二の少年刑務所一般行政に必要な経費。これはいずれも拘置所、刑務所、少年刑務所の機構そのものに要するいわゆる行政費でございます。これは大体において拘置所の部局においてたいへんふえております。というのは、これは予算の建前をちよつとお話ししなければいかんのでありますが、従来拘置所、刑務所、少年刑務所というのが一本の部局に統一されておつたのでありますが、二十四年度の予算から三つにわかれまして、その結果、たとえば小さなところで、下妻なら下妻に支所というのがございますが、これは従来は刑務所のあれとして取扱つて来たのでありますが、こんどは未決だけを入れることになりまして、これは当然その性質上拘置所ということになります。そこで全国のそういう支部、その検察庁に接着するところの刑務所支所から拘置所とかわりましたので、拘置所としての金額がふえて参つたのであります。なお刑務所につきまして若干ふえておりますのは、今回新たに刑務所が増築されました分の所長以下の機構に伴う当然の増強分としまして五百名増員になりました分でございます。少年刑務所も大体その通りであります。 次に三十三刑務所等の治安対策強化に必要な経費。これは刑務所の主として物的戒護と申しておりますが、たとえば塀をいくら高くしても逃げる場合には逃げる。そこでこれをたとえば警報機をつけるとか、サーチライトを設けて、なるべく少い監視の手で逃走事故などがすぐわかるようにというふうなことを目的としたのでございます。昨年度十箇所ほど認められましたのを、本年度さらにそれを推し広げて行くことになつたのでございます。 三十四の矯正保護研修所一般行政に必要な経費。これは矯正保護研修所が東京に一箇所、全国管区所在地に八箇所ございます。それの刑務官の教養訓練、そのために必要な経費でございます。 三十五の刑務所施設の増強に必要な経費——ちよつと間違いました。先ほど刑務所一般行政に必要な経費と申しました中には五百名入つておりません。これを取消します。三十五の刑務所施設の増強に必要な経費の中に五百名増員が入つております。これが中心でございます。 次に三十六、三十七、三十八をまとめて申し上げますが、拘置所收容者の收容に必要な経費。刑務所、少年刑務所の收容者の收容に必要な経費。これは拘置所、刑務所、少年刑務所の收容人員に対する食糧費、被服費等、收容に直接必要な、いわゆる收容費と申しておりますが、それに必要な経費を計上してございます。来年度は現在のところ大体この三部局を通じまして、年間平均十万五千名という予想を立てておりますが、それの食糧費、被服費その他でございます。 次は三十九の刑務所作業に必要な経費。これは本年度五億三千二百万円でありますが、すでに相当作業実績をあげまして、收入も相当出て参りました。そこで来年度はさらにこれを増強しまして、作業成績をあげて、歳入をもう少し高めたい。そのためには原材料費、その他作業の資金が必要だというので、約十三億要求したのですが、八億五千万円の査定となつております。なおこの作業につきましては、本年度補正予算において三億一千六百万円増強をお願いすることに内定しておりまして、いずれ御審議をわずらわすことと存じます。 次に十五の少年院一般行政に必要な経費。これは少年院のいわゆる機構費でありまして、これはほぼ同額でございます。 次は四十一の少年院收容者の收容に必要な経費。ちよつと飛びまして四十三の少年観護所及び鑑別所收容者の收容に必要な経費。これは本年度若干施設が整備されて来るに伴いまして、收容人員も少しふえるだろうという見込みからやや増しております。 四十二の少年観護所及び鑑別所一般行政に必要な経費。これは普通の機構費でございます。 次は民事法務部関係でありまして、四十四の民事法務一般行政に必要な経費。これは東京にある法務部本部の民事法務部関係の予算であります。御承知の通り民事訟務、民事局、人権擁護局の四局がございますが、その行政に必要な経費でございます。これは若干機構にやりとりがありましたので、金が少しふえておりますが、大して内容的には違いはありません。 四十五の訟務遂行に必要な経費。これは民事訟務並びに行政訟務と申しまして、国を当事者とする訴訟事件につきまして、法務総裁がその責任者としてあるいは提訴し、あるいは応訴するのでございますが、それに必要な、たとえば出張旅費とか、保証金を納めたり、いろいろ国が調査をしたりする金が必要でございますが、それらでございます。二十四年度は五百万を入れたのでありますが、これも予備費の中からいずれ出るだろうと思つて、小さい金額を入れておいたので、これはやはり本度度内に若干ふやしてもらわなければ動かぬことになるのじやないか。従つて来年度は少し税務訴訟などもふえることでもありますので、少したつぷり訟務費を取つておこうと思いましたので、査定は倍額の一千万円になつております。 次の四十六戸籍事務処理に必要な経費。これは長年の懸案でございますが、戸籍事務が国家事務であると一応されておりましたので、この全国の戸籍事務に関する国庫の補助をしなければいかんじやないか。各都道府県、市町村、あるいは資材等の関係で相当要望の強い費用でありますけれども、何分にも十九億というふうな金額でございますので、大蔵省といたしましても簡單にはいれかねると見えまして、これは例年ずつとゼロになつている経費でございます。 次に四十七でございますが、人権擁護運動の推進助長並びに人権侵犯事件の調査等に必要な経費、これは先ほど申し上げました人権擁護局の関係で、人権侵犯事件が起つたときの調査に必要な経費、それから人権擁護思想の普及宣伝等に必要な経費を特に計上したのでありますが、これはゼロという査定を受けております。 四十八の法務局一般行政等に必要な経費、これは元司法事務局と申したのでございます。登記、戸籍、供託等を所管するほか、本年度の法務府設置法の改正によりまして、地方的といいますか、人権擁護の地方事件の調査を担当し、さらに訟務事件を担当することになつておるのでございます。この全国八箇所の法務局並びに四十一箇所の地法法務局、その機構に必要な経費が五億五千九百万円ということに相なつております。この点につきまして、訟務関係の仕事が来年はふえるだろうというので、十六名の人員の増加を認められております。 四十九は自作農創設特別措置法施行に必要な経費でございます。これは御承知の通り第一次、第二次、第三次の農地改革に伴いまして、自作農創設特別措置法に伴う農地の調整がただいま行われております。二十三年度、二十四年度の当初におきましては、農地委員会からわれわれ法務局に引継がれる登記申請の事件が割合に少かつたのでございますが、最近五、六、七、八と急に増加いたしまして、着々登記を受付け、かつ登記簿の記載を行つております。これに伴う経費といたしまして、昨年度とほぼ同額が計上されてございます。 次は五十で登録税徴收の適正化に必要な経費、これは従来とも地方の法務局の出張所等におきまして、あるいは法務局においてもそうでありますが、税務署と地方の官庁との連絡の不十分なために、土地、建物の評価があまり時勢にそぐわない。従つて登録税が思つたほど上らぬ。ぜひこれはその時その時の時価を標準にして登録税をとらなければいけないのじやないかということからいたしまして、いろいろな連絡等をいたしましたり、その資料を交換し合う等の費用でございます。これは何とか歳入とも関連いたしますので、もう少し活発にやりたいと思いまして、相当要求いたしましたが、前年通りの査定でございます。 五十一の登記、戸籍、供託に必要な経費、これはいわゆる登記諸費と申しております。これがやはり補充費でございまして、昨年度一億五百万の予算でございましたが、二十五年度において一応一億二千万と千五百万の増加を査定して参りました。 五十二の寄留制度改革に必要な経費、これは住民登録法というのが問題になりまして、閣議で決定しましたが、従来の寄留制度というものがその実施の面においては空に帰して、寄留の実態をあるいは住民の現在の状態をつかむにははなはだ遠いものである。従つてこの無意味な制度を廃止いたしまして、現にある市町村に何人現在するかということを的確に把握するために、新しい住民登録の制度を持つて来よう、そうしてある場合には配給台張のかわりをし、ある場合には特別の調査を要せずして選挙権の有無に関する調査の基本台張ともなる、またある場合いは税金の納入の基本にもなつて、結局この台張一つができておることによつて、それが随時正確に記入されておることによつて、そういう住民の現状を調べるときのあらゆる基本資料にして行くという制度でございます。特に漏れ承るところによりますと、昭和二十五年度において国勢調査を行うというふうなことに相なつておるやに聞いておりますが、この国勢調査をこれとからみ合して考えますと、特に著しい費用を要せずして、この国勢調査と寄留制度の改革の両方が組み入れられ得るという利点を持つております。なおこの寄留制度の改革によつて得る諸般の利益をいろいろ胸算用いたした資料もございますが、それによりますと約二十五億円ほどの経費の節約になるということでございます。さような関係からいたしまして、私の方としては全然新規の事業でありますけれども、この寄留制度の改革、相当熱意を持つて復活要求をいたしたいと思います。 五十三の商法改正に伴い必要な経費、これは新聞にちよつと発表になりましたが、現在商法、主として会社法の全面的な改正が考えられております。そうしてその改正に伴いまして商業登記の全般的な登録がえが行われることになるのでございます。それらの関する費用でございます。 五十四の解散団体財産売却理事会に必要な経費、これは御承知の通り解散団体の財産は法務総裁の所管になつておりまして、現在売却しつつありますが、その事務をつかさどつております理事会の一般経費でございます。これは本年とほぼ同額でございます。 次は中央更生保護委員会関係でございますが、五十五の中央更生保護委員会一般行政に必要な経費、これはいわゆるオパール法と申しまして、犯罪者予防更生法の実施に伴いまして、中央に更生保護委員会を設け、現在三名の委員のもとに事務局がございますが、法律の示すところによりまして、来年度から五名の委員に相なります。その二名の増員とそれから二十四年度、本年度、この委員陰が発足するときには経費が非常に少いために、法務府が現に持つておりますこの委員会の前身であるところのいろいろな機構を全部統合した費用のわく内において委員会を発足いたさせましたために、たいへんきゆうくつな形になつておりますのを、いろいろお願いいたしまして、少しずつふやしてもらつておるのがこの更生委員会関係でございます。 五十六の犯罪者予防活動及び再犯防止に必要な経費、これはいろいろ見方があると思いますが、大蔵省におきましては、この仕事は更生委員会そのものの本来の仕事であつて、特に新規事項として取上げるべきものではないじやないかというふうなことから、たいへん手痛く、ゼロという査定でございますが、やはりある程度復活しなければいかぬと思つております。 五十七の司法保護団体の助成に必要な経費、これは例年と同じでございます。 五十八の地方保護委員会に必要な経費、これは中央更生保護委員会の地方機関といたしまして、全国八箇所に成人地方保護委員会、それから少年地方保護委員会の二つがございます。全国で十六ございます。その機構に必要な経費でございます。 五十九の仮釈放等の審査決定事務に必要な経費、この仮釈放の審査決定につきましては、従来刑務所の文書課その他においていろんな意見をまとめ上げて、所長の名で法務府に申請して参りまして、仮釈放を決定しておつたのでございますが、今回更生保護委員会の活動に伴いまして、地方の委員会においてこの審査決定事務をいたすことに相なりました。原則として刑務所に臨んでその囚人に会い、そうして個個面接の結果、この囚人がはたして仮釈放に適するかどうかということを決定するということに相なつておりますので、それらの旅費その他の事務費を入れたのでございます。 六十の保護観察所の一般行政に必要な経費、これは全国四十九箇所に成人、少年の二つにわかれまして、保護観察所がございますが、それの一般行政機構に要する経費でございます。 六十一の補導援護に必要な経費、これは刑務所から出たり、あるいは少年院から出たり、検察庁から釈放されたりいたしました被疑者、被告人、受刑者等に対しまして、あるいは着物を與え、あるいは旅費を與え、とめてやり、あるいは生活援護に移る前の若干の応急的な援護をするための費用でございまして、これを理想的に行いますれば、再犯防止にたいへん効果があると思いまして、相当理想的な形で五億二千五百万円の要求をいたしたのでございますが、査定といたしましては、前年度のほぼ倍額の五千百万円程度に相なつております。なおその他といたしまして二億三千九百万と出ておりますが、これはたいへんこまかい事項ばかりでございまして、御説明するほどのこともございませんので、省略させていただきます。
○花村委員長 次にただいま御説明になりました二十七の犯罪搜査の科学化に必要な経費に牽連をいたしまして、その構想を簡單に承りたいと存じます。
○高橋説明員 大体私どもは犯罪搜査の科学化ということについて、その実際の方法といたしまして、取上げるのは四つくらいの事項があるのじやないかというふうに考えておるのでありますが、その一つはたとえば法医学であるとか、その他の理化学を実際の搜査に応用するというのでありまして、いわゆる鑑識とかいう言葉で現わされているのが、大体こういう部門だと思うのであります。それからもう一つは、この検察科学研究所の構想に現われておりますことでありますけれども、検察科学研究所の構想の中に二つの事項が含まれておりまして、その点は後に御説明いたすことにいたしまして、第四は、係官の教養訓練を強化するということだろうというふうに考えておるのであります。私どもは検察科学研究所の構想を練りますときに、まず他にそういう施設がすでにあつて、これを改善することが非常に望ましいけれども、国費をこの際その方に向けることは忍びないというようなものは、これを思い切つたのであります。従いまして最初に申し上げましたような、いわゆる鑑識というような点につきましては、検察科学研究所の構想の中には、ほとんど入つておりません。それから係官の資質を向上せしめるということは、單に犯罪搜査の科学化ということだけではなくて、そのほかのいろいろな観点からもぜひ必要なのでありますが、また法務府研修所において実際にそういう検察庁職員の訓練を実施しておりますので、それについて若干の予算を今度の予算の中に計上してあるのでありますが、検察科学研究所は、法務府研修所とは別建のものだというふうに考えておるのであります。従つて検察科学研究所に盛られました構想は、一つは犯罪科学研究室というふうに名づけたのでありますが、これは実際の検察庁の経験からいたしまして、犯罪の搜査の実際の経験というものが、今日まで非常に科学的に研究されることが少くありまして、せつかくいろいろ困難な事件、あるいは珍しい事件などを搜査いたしまして、あるいは成功し、あるいは失敗したのでありますが、そういう検察庁全体として貴重な経験というものが、そのときどきの経験というだけにとどまつて、今日に少しも残つておらないのであります。たとえば先日の下山事件のような問題にいたしましても、古い先輩に聞いてみますと、前にああいうふうな状況のもとで発見されて来たような事件がないではなかつたらしいのでありますが、その事件名でありますとか、あるいは主任検事、あるいは記録といつたようなものが散逸いたしまして、今日においては少しもそういうことが参考にならない。これは何もそういう殺人事件だけに限らないのでありまして、あらゆる犯罪につきまして、そのときどきの貴重な経験を累積して、それを保存し、これを研究して参りますと、類似の事件が起りました場合に、非常に能率が上るのではないか。こういうふうに考えて、その機能をこの犯罪科学研究室において果させようというふうに考えておるのであります。 それから構想の第二点は、犯罪資料調査室でありますけれども、これはいろいろな犯罪人、あるいは犯罪人ではなくとも、検察庁の調べの上にいろいろ関連を持つて参つた人、別にそれに入つたから惡いという意味ではなくして、とにかく検察庁ですでに一ぺんいろいろな点で調べをした人というようなものについては、その事項を整理して保存しておきますれば、同じ事項につきましてもう一ぺん調べをするというようなむだな手数が省けるわけであります。それは何も人に限りませんで、あるいは事項として考えてみましても、そういうことが言えるわけであります。たとえばいろいろな事件の関係で、あるときの新聞記事にどういうことが出ておつたというようなことなどは、今日の実情から申しますと、たとえば昭電や炭管の実際の搜査においても、つくづく経験したのでありますが、いろいろな会合などが当時の新聞に出ております。しかしそういう新聞を整理をしておくということ自体も、今日までは粗略にされておつたのであります。もちろんこれを事項別に、たとえば切り拔きをしておきますとか、索引に便利なようにこれを整理しておくというようなことがない。そのために搜査の都度、大体の見当をつけて、その前後の新聞を一々探してみるというようなむだな手数を何回も繰返しております。このようなことをしないように、一例をあげて申しますと、新聞などもありますが、このほかいわゆる犯罪人名簿を整理し、いろいろな出版物を整理して、事項別にいろいろなでき事などを索引によつて自由に見出し得るようにする。こういうことをやれば、長い年月の間には、国家的に見ても非常に経済的に、能率的に行くのではないかというふうに考えたのであります。大体この二つの構想の骨子は以上のような点でありまして、限られた予算の範囲内で、とにかく一つのこういう施設をつくつて、できるだけ早くそういうことに着手して参りたい。初めから十分なことはもちろんできないのでありますが、漸次これを整備して参つて、そうしてほかの面でのいろいろなむだを省きたいというように考えた次第であります。なお具体的な点等につきましては、御質問に応じてお答えいたします。
○花村委員長 ちよつと速記をやめて……。 〔速記中止〕
○花村委員長 それでは速記を始めてください。 本日はこの程度で散会いたします。 午後四時五十一分散会