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5回国会衆議院1949/04/12

法務委員会 第6号

発言数
45
登壇者
8
会派数
2
開催日
1949/04/12

会議録

花村四郎民主自由党

○花村委員長 これより会議を開きます。  本日の議題に入ります前に、お諮りいたしたいことがあります。理事鍛冶良作君が理事の辞任を申し出られておりますが、これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

花村四郎民主自由党

○花村委員長 異議なしと認めます。それではさようとりはからいます。  次に理事の補欠選挙を行いたいと思いますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

花村四郎民主自由党

○花村委員長 異議なしと認めます。では高木松吉君を理事に御指名いたします。     —————————————

花村四郎民主自由党

○花村委員長 これより罹災都市借地借家臨時処理第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案、内閣提出第三〇号を議題といたします。政府より提案理由の説明をお願いいたします。     —————————————

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案の提案理由を御説明申し上げます。  罹災都市借家臨時処理法は、あるいは罹災建物の旧借主に優先的に借地権を取得させ、あるいは罹災地の借地権で、今後存続させる意思のないと認められるものを消減させる等の道を開き、借地借家関係を調整して、戰爭による罹災都市の急速な復興をはかることを目的として制定されたのでありますが、その後同法の改正により、第二十五條の二の規定が追加せられた結果、戰災の場合のみならず、別に法律で指定した火災、震災、風水害その他の災害の場合にも同法の規定を適用して、かかる災害地の復興の促進に資することとなつたのであります。そして同法第二十七條第二項によりますと、その適用地区もまた災害ごとに、別に法律で定めることとなつているのであります。よつて去る二月二十日秋田縣能代市に発生いたしました火災につきまして、地元の縣及び市の意向をも参酌しまして、その被害状況等を調査檢討いたしましたところ、右災害につき、同地区にも罹災都市借地借家臨時処理法の規定を適用することといたしますのが同市の借地借家関係を調整して、もつてすみやかに復興させるゆえんと考えられますので、ここに本法律案を提出した次第でございます。なにとぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことを御願いいたします。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。北川定務君。

北川定務民主自由党

○北川委員 二つの点につきまして質問いたしたいと存じます。まず第一は本法を適用する範囲、すなわちいかなる場合に罹災都市として本法を適用するかというその標準であります。たとえて申しますと、ある都市が五百軒罹災したという場合に適用するか、あるいは縣会や委員会がその適用を求めた場合に本法を適用するかという、その標準についてお尋ねいたしたいと存じます。もう一つの点は、先般罹災いたしました明石市は、本法の適用範囲に入つておらないようでありますが、いかなる理由で入つておらないかということをお尋ねしたいと思います。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 大体一千戸以上の災害がありました場合には本法を適用するというのが、戰後の慣例でございます。明石市の場合は五百戸程度でございましたし、同市の地元からも要求がございませんでした。なおこまかい点につきましては民事局長よりお答えをいたさせます。

村上朝一法務廳事務官(民事局長)

○村上(朝)政府委員 私から補充して御説明申し上げます。ただいま法務総裁からお答えがございましたように、從來この法律が適用されました例は、大体罹災戸数千戸を基準といたしております。これになお地元地方公共團体の意見を参酌しまして、適用すべきかどうかを定めておるのであります。もう一つの明石の点でございますが、これは罹災戸数が正確に申しますと三百三十戸でございます。しかもこの罹災地域は戰災跡地でありまして、大部分が仮建築のいわゆる自由市場であります。地元の意見としても必要がないであろうということでありましたので、除外いたしたのであります。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 本案について他に御質疑はありませんか——他に御質疑がなければ次会に質疑を続行し、でき得るならば、本案の内容は簡單でありまするから、次会において討論採決に入りたいと存じます。  暫時休憩いたします。     午後一時五十三分休憩      ━━━━◇━━━━━     午後二時四十五分開議

花村四郎民主自由党

○花村委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。  ちよつとお諮りいたします。梨木君より大阪市のデモ取締り事件に関し、人権擁護の見地より質疑を行いたい旨の申出があり、理事会におきまして打合せました結果、梨木君の質疑を聞いた上、正式に委員会において取上げるかいなかを決定いたすということになつたのでありますが、大阪の警察局長がただいまここへ見えることに相なつておつたのでありますが、ただいまどこかへ参りましておりませんので、次会に連絡をとることにいたし、本日は法務廳の意見を求めたいと思いますが、いかがでしようか。御異議がなければさようとりはからいたいと存じます。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

花村四郎民主自由党

○花村委員長 なお本事件に関しましては地方行政委員会で取上げ、実地調査のため委員派遣を行うことになつておりますことを申し添えておきます。それでは梨木君の質疑に関しまする通告を許します。梨木君。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 それでは法務総裁並びに檢務長官にお伺いいたします。去る三月の二十七日並びに四月の二日、この二回にわたりましてこれが大阪で行われた。三月二十七日の分は生活権擁護人民大会、四月二日の分は労働法規改惡反対労働者大会という名目のもとに開かれた大会でありますが、この大会の後に示威行進が行われたのであります。その際に大阪地方自治警察がこのデモ行進に対しまして非常に不当な取締りを行い、その結果多数の負傷者を出している事件があつたのであります。私の調べたところによりますと、三月二十七日のデモ行進の際には檢束者十八名、それから負傷者が十六名、これは重傷であります。その他軽傷者が百名有余あつたと聞いております。それから四月二日の分は重傷三名、その他軽傷者が多数、檢束者十九名を出しておるのであります。四月二日の場合におきましては、消防自動車を動員いたしまして、このデモ行進に参加した勤労者に対して放水をしておるのであります。こういう事件があつたのでありますが、こういう事件があつたことを檢務長官において報告を受けられておるかどうか、報告があつたとすればどんな報告があつたか、これをまず伺いたいと思うのであります。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 梨木委員のお尋ねにお答えいたします。大阪地方檢察廳から報告があつたところによりますと、三月二十七日のデモ行進の際には、参加者がしばしばジグザグ行進を行いまして、これに対して市警察隊員が道路取締法によりまして制止を試みたところから、暫時混乱状態に入り、その上デモ参加者は腕力またはプラカードで警察隊員を毆打したり、石を投げたりするに至つたので、市警察隊員は警棒をもつてこれに対抗し、道路交通取締法違反、公務執行妨害罪等の現行犯として、これを逮捕鎭圧を行うに至つたものであるということであります。この間の乱鬪によりまして市警察側は七十数名の軽傷者を出しており、またデモ参加者にも多数の負傷者を出したということであります。この鎭圧には警察は拳銃とか、あるいは消防ポンプ、そういうものはまつたく使つていない。こういうことであります。この関係で大阪市警察が檢挙した状況を申しますと、公務執行妨害、暴力行為等処罰に関する法律違反の現行犯として檢挙した者が十名、それから道路交通取締法第五條違反の現行犯として檢挙した者が七名で、合計十七名だそうであります。その身柄につきましては三月二十七日、その日に——婦人で檢挙された者があるそうでありますが、その婦人二名はすぐ釈放し、三月二十九日に十五名を現行犯として身柄拘束の上、大阪地方檢察廳で事件の送致を受けたということであります。檢察廳といたしましては即日、つまり二十九日に当りますが、七名だけを勾留し、他は全部釈放したということであります。なおこのうち二名につきましては、交通取締りの公務に対する執行妨害ということで公判を請求し、その他の者につきましてはまだ起訴、不起訴いずれとも決定していないということであります。なおこの檢挙に関しまして、三月三十一日に至りまして、デモ行進の責任者及び被檢挙者二名から、大阪市警察局長、及び公安部長に対し、職権濫用等の告訴、告発がありまして、これは目下大阪地方檢察廳において取調べ中であるということであります。それから四月二日のデモ行進の際には、デモ参加者は道路の上に坐り込みを始めて、市警察側においては警棒を使い、あるいは消防ポンプを使用して解散させるとともに、交通取締法第五條違反及び大阪市條例違反、現行犯として十九名のデモ参加者を檢挙したということであります。市警察側の処置としましては、即日四名は釈放しまして、翌三日に残り十五名全部を釈放するとともに、大多数のものは大阪地方檢察廳に事件を送致し、これを檢察廳で受付けたということであります。檢察廳の措置としましては、大阪地方檢察廳におきましては現在捜査を進めておりますが、デモ参加者と市警察側との紛爭を生じた原因を十分究明して、適正な処置を行う方針で、目下取調べを進行中であるとのことであります。この事件につきましては、法務廳といたしましても嚴正公平に取調べをやるよう指示しておるような次第であります。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 四月二日、デモ行進の際に消防ポンプが出て、それで放水したということは、今の御報告でも認めておられるのでありますが、一体、法務総裁に伺いたいと思いますが、警察がデモ行進の取締りのために消防ポンプを出動させるというようなことは、はたして適切な処置とお考えであるかどうでありますか、この点をひとつお伺いしたいと思います。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 ただいまのお尋ねでありますが、これは警察当局が職務を執行する態度と申しますか、方法と申しますか。その問題でありまして、実際の場合にどういうふうにそれが行われたかをよく具体的に調査いたしませんければ、その当否につきましてお答えが困難であります。しかしながらこの警察の現在の機構から申しますと、自治体警察は、まつたく当該自治体の問題として残されておるのでありまして、政府が何と考えましても、これを直接指揮監督する道がないのであります。御承知のように警察法では、市及び一定の市町村はその区域内において警察を維持し、法律及び秩序の執行の責に任ずるとありますと同時に、市町村警察は國家地方警察の運営管理または行政管理に服することはない。こういうことになつておりまして、自治体警察を直接監督する機関がないのであります。自治体警察は、ほとんど完全に自治体そのものの運営にまかされておるのでありまして、これを自治体内において監督いたしますものは、その自治体の公安委員、公安委員会及びその自治体の議会であろう、もつとも非常事態の宣言がありますれば、それは中央政府が直接指揮監督ができるのでありますが、しからざる通常の場合におきましては、今のところ自治体警察に何ら干渉する手段がないのであります。從いまして、ただいまの自治体警察の態度が穏当でなかつた、適切でないということをわれわれが考えましても、これを直接是正する道がないのであります。しかしそういうことを何ら矯正する道のないのは不都合ではないかというようなこともあろうかと思いますが、それはその点からも考えられるのでありまして、自治体警察がその職務の執行にあたりまして、適正な、また合理的な仕方をしなかつた、あるいはしない。これをどうして是正するかにつきましては、これは機構なりその運営なりにつきまして、われわれとしても考えなければならぬ問題でございます。また國会においてもお考えをいただく問題であろうと考えております。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 私の調査したところでは、あらかじめ消防署に対して、大阪の鈴木警察局長はその出動を要請した、ところが消防長はこれを断わつたそうであります。それにもかかわらず、どういう手続をしたものか知らないが、とにもかくにも、消防ポンプが数台出動したのであります。この消防署の管理というものは、明らかに地方長官の管理下にあるものと私は理解しております。この点について、地方長官の承諾を得て警察局長がやつたものかどうか、この点まではわれわれは捜査する権限がないので明確ではありませんが、こういう点についても一警察局長の一方的な判断で、一つの事態を想定して、それに基いて消防ポンプまでも出動させて、デモ行進に参加している人たちに対して非常に威圧的な印象を與え、しかもさらにその必要がないと認められる事態において放水をしているということ、こういうことは明らかに、憲法で保障されておるところの示威行進の自由というものを蹂躙しているものだと私は思うのでありますが、こういう場合におきまして、國家としても、自治警察の点についてはどうも今の法制上干渉する余地がないのだということで、これを放置しておくということは、自治警察に関する限り、いかなる人権蹂躙、職権濫用の行動でも、どうも國家の方で取締ることが非常に円滑を欠くようなことになるように思うのでありますが、この点について、大阪の方から、消防ポンプを出動させるについて、一体どんな手続に基いて出動させたのか、どんな判断に基いてやつたのか、これに関する御報告が來ているようだつたら、聞かしてもらいたいと思います。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 消防自動車がどういうふうにして出ましたのでありまするやら、まだその辺の詳しい報告に接しておりませんので、お答えができかねます。またどんな方法によりまして出ましたにいたしましても、やはり自治体においてみずから処置すべきことでありますので、警察と同樣でありまして、これは自治体内におきまして考えてもらうよりほか、今のところ方法がないのであります。もつともその職権を逸脱いたしまして、他の法規に触れるごとき事態が生じましたならば、それはむろん檢察といたしまして徹底的に捜査をし、適当な処分をいたすのにやぶさかではございません。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 法務総裁にちよつとお伺いしたいのですが、警察官等職務執行法によりますと、武器の使用については非常に嚴格な條件がついているのでありますが、一体消防ポンプを出動させるということは、武器の使用ということになるのですか、ならないのですか。法務総裁はどういうお考えでしようか。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 消防ポンプは武器ではないと思います。  それからお話を伺いますと、消防はちやんと独立の機関があるのでありますから、その場合警察と消防と両方が出て行つたということではないかと思います。警察の指揮下に消防があつたのではないのではございませんでしようか。私はそこは詳しくわかりませんが、やはりさように解すべきものではないかのように、お話で想像いたします。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 私の理解しておるところでは、警察上の必要で消防が出動した場合は、これは警察官の指揮下に服するということには、警察法か何か法規できまつておるわけでありますから、これはおそらく私は警察の指揮下においてこの消防ポンプが出動したものだと理解しております。  そこでもう一つ伺いたいのは、警棒は武器になるのでしようか、ならないのでしようか。これはどうでしよう。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 警棒というのは、警察官の持つている棒でございますね。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 そうです。それから大きい六尺棒。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 あれも武器ではございませんでしよう。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 どうもその点については、私はいささか法務総裁と見解を異にする。私はあれはやはり武器だろうと思うのでございます。從つて警察官等職務執行法の武器使用の、この嚴格な規定の制約を受けるものと私は理解しておるのであります。  その次に伺いたいのでありますが、四月の二日に大阪の鈴木警察局長の名義で、デモ行進に関する警告文というのが出ておるのでございます。これを法務廳の方で入手されておるかどうか。もし入手されておらなければ、私これを読んでもよろしいのでありますが、この点から伺いたいのであります。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 それは入手いたしておりませんそうであります。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 これは前文はちよつと長いのでありますが、私が今質問と関連するので一應読んで見ますが、前文がついておりまして、そのあとで「一、デモ行進等の大衆運動で不法越軌の行動を継続するものは警棒その他の方法により徹底的な制圧を受くること。二、警察吏員の警備地区内に故意に侵入し、または交通遮断線を突破した者は警棒その他の制圧を受くること。三、警察吏員の身体に触れ職務執行を妨害する者特に逮捕を拒み抵抗する者またはこれを妨害するものは、警棒その他による強力な制圧を受くること。四、暴動等の混乱に乘じ投石その他危險物を投擲して一般人民またはこれが鎭圧に從事する警察吏員の生命身体に危害を及ぼす緊急状態に立至つたときは、警察吏員は拳銃を発射して制圧することができる。」こういう警告を出したのであります。私が今読み上げましたような、こういう警告を警察局長が発行する権限の法的根拠を法務総裁に伺いたい。

殖田俊吉法務総裁

○殖田國務大臣 それは警察局長みずから考えまして、自分の職務執行に適当と思う警告をいたしたのでありましよう。どういう根拠に基いていたしたか、私にはよくわかりません。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 警察官が警告を発する場合には、警察官等職務執行法第四條で條件があるわけなんです。これは非常に嚴格な條件がついておるのでありまして、警察官等職務執行法は第四條で「人の生命若しくは身体に危險を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壞、交通事故、危險物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雜踏等危險な事態がある場合においては、その場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に必要な警告を発し、」こういうことになつておるのでありまして、しかもこういう警告を発した場合におきましては、ただちに順序を経て、所属の公安委員会にこれを報告しなければならぬとなつておるのであります。ところが私の調査したところでは、こういう事態は発生しておらないし、しかも公安委員長はこういう警告を発するについて、何ら報告を受けておらないという事実があるのであります。從いまして今法務総裁のお答えですと、必要があればいつでも警告が発せられるというような趣旨のものではないと思うので、こういう点についても、私は鈴木警察局長のこの警告文というものは権限を逸脱した、しかもこの内容を読みますと、警棒で制圧することがいともたやすくできるように書いてある。ところが警棒が一つの武器だということになれば、この武器を使用するには非常に嚴密な法律上の條件があるのであります。第七條にありまして「警察官等は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に應じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。」というきわめて嚴密な條件がついておる。それにもかかわらず、單に「不法越軌の行動を継続する者は」即座に警棒で徹底的な制圧を受けるというような、こういう人民を威嚇するような警告をあらかじめ発しておる。それから「警察吏員の警備地区内に故意に侵入し又は交通遮断線を突破した者は」即座にこの警棒の制圧を受けるというような、こういう何か人民を威嚇するような警告をあらかじめ発しておるのであります。大体デモ行進というものは、憲法で保障された勤労者の権利なのであつて、これは正当なる合法的な権利なのであります。この権利に基いて行動しておる。もしもこれがたまたま警備地区に入るようなことがあつても、それだけのことで即座に武器を使用するというようなことをあらかじめ許容しておるような、つまり警察官等職務執行法に規定しておる條件以上の條件を許容するかのごとき、非常に憲法を蹂躙し、人民の権利を侵害するような警告が、あらかじめ一警察局長によつて発せられたということのうちに、私は去る三月二十七日並びに四月二日の労働者大会のときにおけるデモ行進に対してとつた大阪の警察局長のやり方の、非常に人権を蹂躙するおそれのある行動であつたということを認定せざるを得ないと思うのであります。  それから今の檢務長官の報告では、ジグザグの行進が行われたので、それは道路交通取締法に違反するから檢挙したのだという御報告でありましたが、これは事実と非常に違うのであります。私の調査したところでは、デモの指揮者を突然檢束したという事実、そのために大衆が非常に興奮いたしまして、いささか隊列が乱れた。こう私は聞いておるのでありまして、この点事実と非常に相違しておるのであります。それからデモ行進の途中において、行進に参加した人がすわり込んだ事実もあるのでありますが、このすわり込んだことがまた道路交通取締法違反だと、こう認定したようになつておるのでありますが、これは事実がうらはらでありまして、実際はデモ行進に向つて警棒を使つて、ここで血を流すような事実があつたわけなんで、これに対して大衆が興奮し、さらにそこへ消防自動車で放水するというようなことが起つたために大衆はそこにすわり込んでしまつたというのでありまして、これは警察側の挑発的な活動によつて必然的に起つた事実なのでありまして、この点が報告と実際とは非常に違つておるということを私は指摘したいのであります。  さらにこれは法務廳の方へどういうような報告が來ておるか伺いたいのでありますが、あらかじめデモ行進の順路というものは届出をしまして、その許可を得ておるのであります。ところがその当局が許可した道路というのは、わざわざ裏道の狹い道を許可しておる。それで解散すべき場所といたしましても、公園の廣い場所をこちらが申し出たにもかかわらず、特にこの狹いところを指定しておるということのために、デモ行進がやはり非常に制約を受けておるわけです。こういう点について、なぜわざわざこういう狹い道路を指定したかということ、こういう点のうちに、今までと今度のデモの取締りについて行われた一連の行為を想像してみますと、何かこう警察当局が、わざわざ混乱を起させるようにしてやつたというような印象を受けるのであります。この点について法務廳といたしまして、こちらが届け出た行進順路の道路と、当局が指定した行進順路の道路とは、こういうデモ行進を許可するについて、しかもそれが最も適切に行われるについて、当局の指定した道路がはたして適当であつたかどうかというようなことについての調査と、それに基く判断があつたらお示しを願いたいと思います。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 殖田法務総裁は、ただいま閣議に出席いたしましたから、木内政府委員に答弁を願います。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 ただいまの御質問の点につきましては、詳細は報告がまだ参つておりません。先ほど申し上げましたのが報告のあつた全部でありまして、いずれまた十分取調べが終りましたら、報告があることと思つておりますから、その際また御報告申し上げることにいたしたいと思います。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 梨木君にちよつと申し上げますが、先ほども申し上げましたように、大阪の警察局長に御出席を願うよう連絡を取ることに相なつておりますので、今までの御質問をお聞きしましても、警察に関する部分が多いように考えますので、本日はこの程度でいかがでしようか。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 私は大体その程度で終るところだつたのでありますが、ちよつと上村さんがこれに関連して質問したいということでありますから……。

上村進日本共産党

○上村委員 大体梨木君の説明で質問は盡きておりますが、この自治体の警察的方面、それから法務的方面の監督権が法務廳にないというようなことで、結局大阪のような大きな自治体におきましては、厖大な警察力を自治体としても持つているわけであります。それの上に監督者がないというようなことで、かつてに職権を濫用するということになると、これは人民に対しては非常な脅威であると思う。從つて人民の今日のごとき非常にインフレと競合生活をしておるときに、いろいろの人民的の要求があるわけなんです。そのたびに、今問題になつているような大きな市の自治体警察が監督権がないというので、かくのごときことをやる。それに対して政府の権力というものがどうにもできぬということでおるならば、これは大きな不安を人民は感ぜざるを得ないのでありますが、これに対して法務総裁は根本的な何か考え方を持つておるかどうか、この際確かめておきたいと思います。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 今の御質問でありますが、御心配の点は私もごもつともと思うのであります。しかしながら今日の警察法の建前がさようになつておる以上、これは何ともいたし方のない点でありまして、かような点につきましても、法務総裁も何とか適当な改正なり、何かができないかということを御考慮になつておるということは私も承知しております。しかしこれは國会においても、その点をひとつ十分御檢討を願えれば仕合せと思う次第であります。

上村進日本共産党

○上村委員 そういうふうに法律の欠陷というのですか、それから來まして、行政的な方面にはそういう監督権の行使ができないにしましても、法務廳もしくは檢察廳においては、何といつても警察以上に治安維持の重大責任をもつていると言わねばならないと思うのです。そういう場合には、行政的な監督が法的にできないにしても、そういう乱暴な行過ぎを警察が法の欠陷に乘じてやるという場合には、やはり司法的な監督は嚴重になされなければならないと思うのです。そのためには人民に告発の権利がある。官吏といえども、公務員といえども職権を逸脱して、これを不当に使用すれば職権濫用罪があるわけです。しかもこの事件は重大なでき事として被害者から告訴が出ているわけです。大津靜夫ですが、この告訴に対しては嚴重に、行政的な監督がないかわりに、司法的の監督として即座に徹底的にこれを調べて、そうして人民の不安を一掃すべく処置をとつてほしいと思うのですが、これに対する檢察廳の指揮、方針、決意というようなものを、この際明らかにしていただきたいと思います。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 仰せのごとくむろん職権を逸脱し、それが犯罪の疑いがあるというようなことになれば、もちろん檢察権の発動があることは当然のことなのであります。これは最初私が御報告申し上げた点でありまして、これは今お話のような、職権濫用等の告訴告発の出ておることも事実でありまして、それを目下大阪地方檢察廳におきまして、嚴重取調べをしておるわけであります。なお私先ほど申し上げましたのでありますが、法務廳といたしましても、この事件につきまして、双方に対して最も嚴正公平に取調べを進めて行くように特段の指示をいたしておるのでございます。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 今の檢務長官の御答弁に関連して、私の希望を申し上げておきたいのであります。と同時に事実を報告しておきたいのですが、この鈴木警察局長のやり方につきましては、大阪出身の衆議院議員が集まりまして、この問題についての懇談会を開いております。この席上で各党の代議士が、全部鈴木局長の從來のやり方から見て、彼ならば消防ポンプを向けて水をぶつかけそうなことをやりかねない男だ。彼のやり方の行過ぎとして認めており、特に中山マサさんは、鈴木警察局長がおるために、実際大阪の婦人連中は困つておる。あの人が今度の問題で責任を問われてやめるようなことになれば、どれだけ大阪の婦人は喜ぶかもしれん。こういうことすら言つておるくらいなのでありまして、民意を代表して当該地区から出しておられる衆議院議員が口をそろえて言つておるくらいなのでありますから、この事実に徴しても、いかに鈴木局長という者が、從來のやり方から見て人権蹂躙的な軽卒なやり方をやつて來たかということは、明白だと思うのであります。これをも考慮に入れて、至急しかも迅速に告発の出ておるものを、取調べの進捗をはかつていただきたいことを希望いたします。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 御趣旨の点はよく承知いたしました。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 ただいま議員川上貫一君より、当該事件に牽通して、委員外の意見を述べたき旨の申出がありますが、これを許可いたしましようか。

古島義英民主自由党

○古島委員 意見を述べるということは、別にこの委員会では許すわけにいかぬと思います。質問があるというなら質問を許すことはいいが、意見を述べるということを許すことは際限がないと思います。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 速記を止めてください。     〔速記中止〕

花村四郎民主自由党

○花村委員長 速記を始めてください。  ただいま議員川上貫一より、委員外の発言を取消される旨の申出がありましたから、これを取消します。  先般梨木君よりの質問にかかりまする法務廳の答弁に対しまして、本日木内政府委員よりその答弁をやりたい旨の申出がありますから、これを許します。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 四月八日の本委員会におきまして、梨木委員から松山刑務所における拷問云々の御質問がありましたので、さつそく照会いたしましたところ、簡單な電報だけでありまして、なお実情は目下調査中であるから、調べたらいずれ報告するということになつておりますから、詳細なる報告がありました上でさらに報告したいと思います。ただ電報だけの報告によりますと、この武田は刑務所内でタバコをのんだということから、裸にされて、看守部長になぐられたということを裁判所で陳述したという事実がある。はたして喫煙したかどうか、あるいは裸にされたかどうかというような点は、目下調べ中だということでございますから、御了承願いたいと思います。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 本日はこの程度において散会いたします。  次会は明後十四日午後一時より開会いたします。     午後三時三十七分散会

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