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5回国会衆議院1949/03/25

法務委員会 第2号

発言数
29
登壇者
7
会派数
3
開催日
1949/03/25

会議録

花村四郎民主自由党

○花村委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。すなわち弁護士法案起草、少年犯罪防止、横浜地檢問題、以上の三件は法務委員会として特別の関心を持つておりますので、今後これらの問題を取上げて、十二分に調査いたしたいと思うのであります。  そこで國政調査の承認を議長に要求いたしたいと存じます。要求書の案文を朗読いたします。    國務調査承認要求書  一、調査する事項 弁護士法に関する事項、少年犯罪に関する事項檢察不当調査に関する事項  二、調査の目的 弁護士法を改正する法律案起草のため、少年犯罪防止のため、檢察当局不正防止のため  三、調査の方法 小委員会の設置、実地調査、関係各方面より説明及び意見の聽取、資料の要求等  四、調査の期間 本会期中  五、其   他  右によつて國政に関する調査を致したいから衆議院規則第九十四條により承認を求める。   昭和二十四年三月二十五日      法務委員長 花村 四郎    衆議院議長幣原喜重郎殿 右のごとくにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

花村四郎民主自由党

○花村委員長 御異議なしと認めます。よつてそのようにとりはからいます。     —————————————

花村四郎民主自由党

○花村委員長 次に理事の追加選任でございますが、さきに理事は七名とし、そのうち六名のみ指名いたし、一名を留保いたしておきましたが、本日その一名として吉田安君を理事に指名いたします。     —————————————

花村四郎民主自由党

○花村委員長 法務総裁が見えておられますので、横浜地檢問題及び少年観護所問題等について御質問があれば、総裁より御答弁をいただくことにいたします。法務総裁は二時よりGHQの方へ行かれるということでありますので、その時間に間に合うよう、質問をお願いいたしたいと思います。

石川金次郎日本社会党

○石川委員 ちよつと議事進行について……。本会議が開会されておりますが、続けますか。議長の許可をとつておりますか。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 許可はとつておりませんが、今まで本会議開会中においても委員会を開くという長い間の慣例がありますので、その慣例に則つて本委員会を進行いたしたいと思います。

上村進日本共産党

○上村委員 この横浜問題は新聞で大体は承つておりますけれども、やはり当局から概要の御説明を願いたいと思います。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 では法務総裁より大体の御説明を願いたいと思います。

殖田俊吉國務大臣法務総裁

○殖田國務大臣 まず横浜の問題について私より概要を申し上げまして、こまかい点については事務当局が参つておりますから、それより御聽取を願いたいと存じます。横浜の事件は新聞にいろいろ報道されておりますし、私のところへ横浜檢察廳の若い事務官が参りまして建白をして参りました。まことに遺憾なことでありまして、申訳ないと考えております。横浜には前々からも問題があつたそうでありまして、その都度これは相当な処置をいたしたのでありましようが、たび重なつておりまして、何らかそこに根本的な事情が伏在するのではないかのごとく考えておるのでありますけれども、ただいままでの報告によりますれば、それも実は偶然のことであつて、昔から今に至るまで連続しておるような大きな問題ではないようであります。このたびの事件は、前々からの事件とは連絡はないのであります。木舟事務官というのが非行がありまして、その取調べに端を発して、都内の職員の不正非行というようなものが世の中に喧傳せられるに至つたのであります。ただいま横浜の檢事正は熱心にこれが調査に從つておりますので、おそらく今月一ぱいくらいには全部の調査を終りまして、私の方へ完全な報告をいたして参ることと思つております。その上で最後の処置を決したいと考えております。  明確にわかりました事柄は、事務官五名にわたる非行事実でありまして、そのほか事務官以外の檢事の身辺に疑惑の存ずるごときことは、まつたくないようであります。問題になりましたのは、この事務官の問題を調査しております間に、主任の檢事を更迭せしめた事実がありまして、そのために事件のもみ消しをはかつたものではないかというような誤解を生じたのでありますが、これは決してそうではありません。調査をさらに徹底するために、人をかえて調査を続行したのであります。そこに誤解が生じたのであります。主任檢事を更迭いたしましたことについては、檢事正の格別の考慮がそこにあつて行われたのでありまして、事件後一層徹底的に調べるために行われたことでありますが、それがその事にあたりました人々の誤解をかもした点であります。横浜の檢察廳では、ただいまのところ今申し上げました事件のほかには事件はないようであります。ところが新聞等で、しきりに横浜地檢にえらい問題があるようにいわれておりますのは、先年から横浜に後藤問題というのがありました。これは一年以上も前の問題でありまして、この問題はすでに大きなうわさを生んだのでありますが、その後鋭意粛正をいたしまして、今ではこの後藤問題はすでに解消をみておるのでありますけれども、新聞紙上におきまして、このすでに解決いたしました後藤問題と、今度の新しい問題とを混同いたしまして、大きく傳えられておるのではないかと考えております。いずれにいたしましても、はなはだ不祥なことでありまして、この際問題が起りましたにつきまして、臭いものにふたをするというがごときことなく、徹底的に調べまして、徹底的な粛正を加えて、今後この種の問題の生ぜないように努力をいたしたいと考えております。私はごく概要だけを申し述べましたが、これの詳しい事実につきましては、檢務長官その他から御説明を願いたいと思います。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 ただいま横浜事件の概要につきまして、法務総裁から御説明がありましたが、これを敷衍いたしまして、少しく内容にわたつて詳しく御説明申し上げたいと思います。  横浜事件と一口に申しまするが、これは二つにわけて考えなければならない問題であります。一つは先ほど総裁も申されました後藤という婦人を囲んでの問題と、最近起りました木舟という檢察事務官の不正事件にからんで起つた事件と、二つあるのでありまして、これがごつちやになりまして問題が大きく取り上げられたわけでありますが、その事件の内容に入る前に、先ほどちよつと総裁からもお話がありましたが、なぜこれが新聞等にやかましくいわれるようになつたかという問題について、まず一言申し上げておきたいと思うのであります。木舟という事務官は自分の職務を利用いたしまして、経済事犯等に関連しまして涜職をやり、あるいは関係事件を利用いたしまして恐喝をしたというので、涜職恐喝罪で二月の十一日に横浜の裁判所に起訴されて、目下公判中であります。この事件は橋本檢事が主任として調べておつたのでありまするが、その橋本檢事が調べておる間に、木舟事務官は、おればかりではないのだ、部内の檢察事務官にもいろいろ不正なことをやつておる者がおると申しまして、いろいろの事実を書面にして提出したのであります。これは項目が非常にたくさんあるわけでありまするが、うわさみたいなものとか、まただんだん調べてみると、どこかへ吹つ飛んでしまうような問題でありまして、結局その中のものをいろいろ拾い上げてみますと、一應具体的に取上げられるような問題は、先ほど総裁が申されました通り、大体四項目ぐらいになるわけであります。ところが橋本檢事がこの取調べ中に、いろいろうわさになつた事務官連中は、檢事が事務官の非行を故意にあばくものだという空氣が出まして、橋本檢事を非常に誹謗し始めた。そこで橋本檢事の方も、お前がそういうことを言うならば、おれは徹底的にやつてやるぞというような調子で、部内で、事務官連中と橋本檢事との間に感情の対立ができた。事部内のことにわたる問題でありますから、市島檢事正といたしましては、とにかくそういう感情的対立になつておるのに、その主任檢事をそのままにしておいて調べを進めて行くことは、部内の統制上困るし、また主任檢事自身が調べる場合にも、いろいろな色めがねをもつて見られることがあつても困る。橋本檢事を傷つけるようなことがあつてはいかぬという檢事正の親心から、これはむしろ別の檢事に今後の調べをさせた方がいいと考えまして、むろん橋本檢事も皆話合いの上で主任をかえることにいたしまして、香取檢事が主任となつた。もちろん木舟関係の事件は、橋本檢事の調べによつて一段落つけたわけでありまして、さらに先ほど申しました他の檢察事務官の問題の取調べでありまするから、一應橋本檢事の仕事としてもけりがついておつた形であります。そこで香取檢事を主任といたしまして、木舟事務官がいろいろ申立てた事項について詳細に調べを始めたわけであります。ところがこれは部内のことにわたる問題でありますから、部内をあまり刺激したくないという考えから、檢事正はひそかに檢事正官舎を調べのために提供しまして、関係者の取調べをしておつたわけであります。そうしますると、いわゆる正義派と称しまするか、いわゆる問題の反対側の立場に立つ事務官連中の方は、これはどうも檢事正が事件を橋本檢事から取上げて、事件を伏せてうやむやにするのではないかという一つの誤解が起つたわけでありますが、事実はその調べは進行しておつた。そこでこの一部の事務官連中は、檢事正がかような部内の臭いことにふたをするのではいかぬというので、檢事正に上申すると同時に、総裁にも上申書を持つて來て、そうして部内粛正のためにひとつ徹底的にやつてもらいたい。内容はしごく簡單な文句でありまして、だれがどうした、かれがどうしたというようなことはちつとも書いてないのである。ところがかねて先ほど申し上げました横浜檢察廳内に、後藤という婦人に関連しての問題が数年前からいろいろいわれておつた。そこで新聞社の方では上申書をもつて行つたな、何かまたやつたな、後藤問題について問題が再燃したのではないかということを——これは私の想像でありますが——誤解をしたのではないかと思うのであります。それが朝日新聞に、後藤問題とこの上申書問題がくつついて記事になつて現われた次第であります。しかしながら先ほども申しました通り、上申した者の側の考えも、また上申書の内容も、後藤問題とは全然関係がないのであります。後藤問題は次に申し上げますが、まず事務官の不正関係の事件について申し上げますると、木舟事務官その他数名の者は、何と申しますか、経済違反事件のあつた関係者の中で、望月という事務官がかねて知つている間柄の自轉車のタイヤの製造工場を見学に行つて、自轉車のタイヤをもらつて來て、小田原へ行つて、それを小田原の知合いの自轉車店へ賣つて、その金で遊興したというような事実が一つになつておるわけであります。それから木舟という事務官と濱田という事務官が、神奈川縣高座郡に御所見村というのがありますが、そこの事務官の亀井という人の家へ行つてごちそうになつた際に、濱田事務官が、物價統制令違反の被疑者として調べたことのある金子という男がそこへやつて來た。これは近所の男で、その後その違反事件については処分を受けておるわけでありますが、帰りが遅くなつたので金子にオートバイで送つてもらい、途中でごちそうになつたというような事件だとか、あるいは濱田という事務官が檢事の補助として取調べておつた経済関係の事件につきまして、その後関係者から簡單なごちそうになつたという事件だとか、あるいは岡本という事務官が生ゴムの拂下げ問題について、知人を横浜にあります東京地方商工局神奈川地方事務所にいろいろ口を聞いてやつて、そのためにごちそうになつたというような、大体この四つの事件は一應明確になつたようであります。しかしながら、これはそのほかの関係者も現在引続き取調べ中でありますし、一應大体四つの事件で、それ以外にはないのではないかという見通しを今檢事正はしておるわけでありますが、なおこのほかにもありはしないかというので、この際徹底的に調査するという考えから、主任檢事の香取檢事が極力捜査中であります。從つてまだ結論的に事件はそれだけであるとか、その問題の処置についてどう扱うというところまでは参つておりません。先ほども総裁の仰せられました通り、大体今月末までにはその結論を得て、結末をつけることになつておる次第であります。  それから後藤問題と申しまするのは、これは前からいろいろ問題にされておつたのでありますが、数年前、どういう関係か、今のところまだ調査中でありますからわかりませんが、檢察廳へ出入りするようになつたこのおばあさんというのは、なかなか男氣のある女であつて、檢事などが轉任して來ても、御承知の通り横浜には燒けて家がない、それじや自分の家に下宿させましようというようなことから、檢事のうちで以前そこに下宿した者もあるのであります。むろん当時毎月相当の下宿料と申しますか、それを拂つております。その後そういうような機会のために、檢事のうちでもそこへ出入りする者が数名あつたわけであります。しかしながら、これは市島檢事正の前の福尾檢事正の時代に、もうすでに問題になりまして、さような女が檢察廳へ出入りすることはいかぬ。それからもし不正があるならば、ひとつ徹底的に調べろということで調べをしております。現在は東京におる堀檢事正が、横浜の檢事正時代に調べた結果、別に不正ということはないが、しかしこのおばあさんが出入りするためにいろいろの誤解を受けたということがわかりまして、檢察廳への出入りを禁止したそうであります。從つて現在の市島檢事正時代になりましては、むろんこの婆さんの関係の問題というものはありませんし、またこのばあさんが檢察廳へ出入りしたという事実もないのであります。しかしながらなおこの問題が新聞に取上げられましたので、市島檢事正はこの際疑惑を残してはいかぬというので、現在この点についても各方面にわたつて調べをしております。ことに後藤つぎというこの婦人は、目下肺炎で寢ておるわけでありますが、昨日も主任の香取檢事が臨床尋問をいたしまして、いろいろ聞いておるそうであります。後藤なる女が、檢察廳の名前をどの程度に使つたかということについての調べは、先ほど申しました通りまだ全部ついておりませんが、檢察廳側がその疑いをもつていろいろ事務上のこと、仕事のことにおいて利益を得たとか、あるいはごちそうになつたというようなことはないという檢事正の一應の報告でございます。これも最後的な報告は、多分月末ごろになるだろうと思います。ただ中間報告のあつた点を簡單に御説明申し上げて、御了承を得たいと思うのであります。     —————————————

佐瀬昌三民主自由党

○佐瀬委員 横浜事件の質疑應答の途中でありますが、法務総裁も時間がないように承つておるので、この際特に他の問題について、二、三法務総裁から御説明を願つて、それからなお継続して、横浜事件その他について詳細な論議を進めるという議事進行にお願いしたいのですが、いかがでしようか。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 そうしますと少年犯罪に関する少年観護所の問題ですか。

佐瀬昌三民主自由党

○佐瀬委員 便宜上そういうとりはからいを願いたいと思います。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 それでは、佐瀬君の御意見もありまするので、少年犯罪に関しまする少年観護所の、このごろ起きた問題についての法務総裁の説明を願いたい。

佐瀬昌三民主自由党

○佐瀬委員 犯罪者予防更生法案の審議に際しての重大な内容として、少年犯罪予防対策ということが論議の対象になると思うのでありますが、東京少年観護所の事件の問題もありまするので、この際少年犯罪防止対策及び東京少年観護所の事件の概況について、政府の一般的な御説明を伺つておきたいと思います。特に法務総裁には時間の許す限り詳細な御説明を願いたいと思います。

殖田俊吉國務大臣法務総裁

○殖田國務大臣 ただいまの佐瀬さんの御質問につきまして、私の存じておりますところを申し上げたいと思います。東京のみならず、廣島、福島等におきまして、少年観護所において少年が逃走したとか、ことに最近の東京観護所の放火のごとき重大な失態をかもしまして、まことに申訳ないことに考えておるのであります。  実は中でも東京の観護所の放火事件が最も大きな問題でありまするが、本年一月から少年法、少年院法等を施行いたします際、実はああいうりつぱなる法律ができましても、これを完全に実行するためには、物的、人的の設備が絶対に必要である。しかるに財政の都合によりまして、十分なる予算をさいてもらうことはできませんし、また実際上に予算がとれましても、これを設備する時間がありませんので、相当の余裕をもつて、完全な設備ができた上で、この法律を施行いたしたいと思いまして、熱心に努力をいたしたのでありまするが、いかんせん、諸種の事情によりまして、そういうふうに私どもの当初考えました計画のごとく運びません。とにかくこの新しい法律を今年一月から施行しなければならぬ事態に立ち至りました。あるいはもしか不祥事件が起りはしないかということを心配しながら、この法律を施行いたしたようなわけであります。しかしながらそれをもつて責任を逃れようというわけではございませんが、事実そういうことのために、ああいう不祥事件ができたのではないかと考えておるのであります。しかしながらこれを、そういうただ内部の情勢にその責を嫁して放置しておくというわけには決して参りません。なんとかこれを実情に即した善後の処置を講じたいと今考えておりまして、つまり放火をいたしましたのも、逃亡をしたいがための放火でありますから、逃亡のできないような構えの中にこの看護所を持つて行くか、あるいは一時、新しい法律の精神とははなはだ違うことになりまするが、やはり一定の、おとなの犯罪者の拘置所のごときものに一時入れることにでもしようかというようなことも考えております。何分にもこういう不十分な設備でありますところへもつて來て、少年犯罪が日に日にふえて参りまして、初めの予定よりも二倍も三倍も家庭裁判所から送致されるというようなことで、実はどういうふうに処置をしていいか、はなはだ困却をしておるのであります。今度お話のごとく、犯罪者予防更生法を近々に御立法願いまして、実施する段階になつておりまするが、これも実はこのたびの予算の緊縮からいたしまして、十分なる予算をいただくわけには行かない状態であります。この乏しい予算をもつてこの大きな仕事をどうしてやつて行くか、先ほども少年法等について申し上げましたごとく、十分な予算をもらいまして、りつぱな設備ができた上で、これを発足いたしたいと考えておつたのでありまするが、これもまたどうしてもさようなわけに参りません。やはり立法を先にし、そしてその乏しい中から実施をして行けということでありますので、これもさようにいたすよりほか仕方がないのであります。しかしながらわれわれは設備なり金なりの点、あるいは人間の数も十分ではありませんが、あらゆる知惠をしぼりまして、これに対するできるだけの措置を講じ、またこの不詳事件をしでかしましたのちの対策を講じて参りまして、万遺憾なきを期するようにいたしたいと、ただいま考えておるのであります。何分にも今日の社会上、経済上のいろいろな情勢からいたしまして、犯罪者は日に日にますます殖えるばかりであります。現に刑務所のごときは戰前の二倍以上の人間を收容いたしております。しかしその設備たるや、戰災等によりましてはなはだ不完全、不十分であります。物理的にも実はこの人数を收容し、これを矯正することがほとんど不可能のような状態であります。しかし今度御立法願います犯罪者予防更生法は、これらの実情をいくらか緩和するのに役立ちはしないかと考えております。そのためにも、実ははなはだ実情困難をいたしまするので、早くやつた方がいいというような考えにもなつておるのであります。  ただいま佐瀬さんのお尋ねの事件の概要は、私が今申し上げたようなことでございまするが、もつと詳しくその辺の実情をお聞き願つて御参考に供し、なおかつ將來いろいろの御援助を得ます上に役立てたらどうかと考えますので、幸いここに当局者が参つておりますから、詳しいお話をお聞きとり願えますれば、なおけつこうだと思います。     —————————————

花村四郎民主自由党

○花村委員長 殖田法務総裁に対しまする質疑應答の時間が少くなりましたから、時間の許す範囲において、横浜地檢の問題に関する御質問をお願いいたしたいと思います。

上村進日本共産党

○上村委員 今当局の御説明では、事務官だけのように言われて、檢事は一向関係のないようなことを言つておりますが、きようの朝日新聞の神奈川版には、ここにはつきりと横浜弁護士会の調査の記事として、登石檢事というのが邸宅をもらつたというようなことが出ております。これはどうでございましようか。こういう事実があるのですか。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 ただいま御質問の点については、私もその新聞記事を見ておりませんですからわかりませんが、今お話のような事実はないように聞いております。大体檢事がこの問題について疑惑を受けるようなことはない、こういう一應の中間報告であります。なおさような点についてもさらに調査いたしまして、お答えいたすことにいたします。  先ほど問題の横浜事件の点の概要を申し上げましたが、これは法務総裁の時間もあるので、私がはしよつて申し上げましたから、私の言葉の足りないところもありますし、今後御調査になる御参考にもなるだろうと思いますから、もう少し具体的に私が申し上げてみたいと思います。  この四つの事件というのは、まず第一は日本タイヤに関する饗應と物品收受の関係であります。これは檢察事務官の望月正身、濱田幸一、亀井僖久、先ほど申した木舟敏沖の四名が、昨年十二月上旬望月の案内で横浜市戸塚区の日本タイヤ株式会社横浜工場に参つて、工場を見学した後、同工場次長兼営業課長馬場誠から、その工場のクラブで酒食の接待を受けて、同人からそれぞれ自轉車用タイヤ、チユーブ一組ずつの贈與を受けたわけであります。その帰り道にこれらの事務官四名が小田原に参つて、望月の知人である小田原市緑町の自轉車屋鈴木作太郎方で、前にもらつた自轉車用タイヤ、チユーブ四組を合計八千円で鈴木に賣りまして、おのおの二千円ずつこの金を分配し、濱田、亀井の両名はその金で小田原の新開地に行きまして、女を相手に遊興一泊した。その後木舟はさらに望月に頼んで、同月下旬ごろ、同人の斡旋でまた馬場からリヤカー用タイヤ、チユーブ二組を手に入れて、即日前に申した鈴木作太郎に合計一万五千円で賣却した。その金の中、望月が一万一千円、木舟が四千円を受取つた。望月が一万一千円を領得したのは、馬場に対するタイヤ、チユーブ代金の支拂にあてる目的であつたということを言つているそうであります。同月二十九日ごろ、望月、木舟両名は横浜地方檢察廳内で、前申した馬場からお歳暮名儀でかつお節三箱及びサントリー・ウイスキー一本の贈與を受けた。  この日本タイヤ株式会社には経済事件が二件起つておつたのであります。一件は、昨年十一月二十七日横浜檢察廳受理の物價統制令及び臨時物資需給調整法違反事件、他の一件は、本年二月三日横浜檢察廳受理の物價統制令違反事件、ともに現在これは未済になつているそうであります。  馬場誠と望月とは、一昨年十一月ごろから知合いで私的交際があり、望月ら事務官四名とも、本件のような行動をした当時、右会社や馬場の経済事件が起つていることは全然知らなかつたと主張しており、馬場もまたその趣旨を裏書きしておるが、状況の上からは信じがたい。馬場自身の氣持は、將來檢察廳で事件の取調べのある場合を予想して、本件の接待贈與をしたものではないかと思われる。望月はその後昨年末ごろ、本件のタイヤ・チユーブ全部を鈴木作太郎から二万三千円で買戻して、馬場に返却しておつて、このもらつた品物は一應返しているわけであります。これが一つの事件である。  別のもう一つの事件は、金子廣志関係の饗應の事件であります。これは檢察事務官濱田幸一、木舟敏沖の両名が本年一月八日、同僚の事務官亀井僖久から招かれて、神奈川縣高座郡御所見村の同人の家におもむいて飲食したのであるが、その際たまたま濱田が昨年十二月十日自分が取調べをした物價統制令違反事件の被疑者であるところの製粉業金子廣志と会つた。金子の事件はその後藤澤檢察廳の山本副檢事係りで、本年二月十日罰金三千円の求刑を略式命令で請求しております。この帰り道に、濱田、木舟両名は、金子の運轉するオート三輪車で茅ケ崎駅まで送つてもらつたが、金子の案内で同駅附近の料亭初音に上つて同人と一緒に飲食して、それぞれ女を相手に一泊した。この飲食遊興代金は合計四千二百円であつたが、金子がそのうち三千二百円を支拂い、残金千円は未拂いになつている。その後木舟が檢挙されてから、濱田は亀井事務官の父を通じて金子に三千円支拂つて弁償した。濱田、木舟はこのときそれぞれ米五升くらいづつを持ち帰つておるのでありますが、これはかねて亀井事務官に頼んで買つてもらつたもので、濱田から代金二千円を亀井に先渡ししているわけであります。  第三の事実としましては、濱田哲夫関係の饗應の事件であります。檢察事務官相原甫は、丸物檢事の補助として、本年一月二十一日ごろ同僚の濱田事務官の兄の濱田哲夫の重要物資輸送証明規則違反事件の取調べを行つたわけであります。この事件は犯状きわめて軽微なる事件であつて、同日付で丸物檢事が不起訴処分に付しておるが、大体檢察廳の意見としては、これは処分としては相当であると思うということでありました。この事件に関して、濱田事務官はあらかじめ相原に対し、兄の処分の寛大なるよう依頼しておつたが、取調べが終つて不起訴処分の見通しがついたので、その礼心で、同日相原事務官及び亀井事務官を誘つて、横浜市神奈川区宮前町の貸席の松田で、兄の哲夫らとともに両名を接待して酒食の饗應をした。相原はこの饗應を受けたことはもちろんであつて、亀井もこの事件には関係はないが、事情は十分察知して同席したものと思われる。浜田が特に亀井をも招待したのは、前の一月八日に亀井からその招かれた返礼の意味もあつたということであります。  それから四番目の事実というのは、岡本事務官の生ゴム拂下げ斡旋の関係であります。檢察事務官岡本開は、橋本檢事の指揮のもとで捜査に從事中、昨年五月三日ごろ、日本鋼管株式会社工場から生ゴム一トン余の隠匿物資を発見して押收したわけであります。その後同年六月中旬ごろ、日本タイヤ株式会社営業課員高井斌夫から、この押收の生ゴムをこの会社に拂下方の請託を受けて、これを了承して、東京地方商工局神奈川地方事務所に対し、日本タイヤへの拂下方の運動をしてやつたが、その代償として、そのころ横浜市中区山下町の中華料理店で、高井から酒食の饗應を受けたという事実であります。で岡本の行為は直接職務行為ではないが、自己の取扱いの刑事事件に関連して業者の便宜をはかつたもので、その後この生ゴム隠退藏事件の法廷でも問題にされたのだそうであります。なお商工局では結局日本タイヤの生ゴム拂下げは取上げなかつたわけであります。  大体四つの事件の詳細はただいま申し上げた通りであります。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 今の事件に関連して、御質問がありますか。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 横浜地檢の問題について、私は遅れて参りまして、今檢務長官の説明を詳細に聞かれませんでしたが、先般社会党の役員会で決定せられまして、私代表として横浜地檢へ参つたのでありますが、実は非常に驚いたのであります。そこで私は当局者の御説明を願いたいことが数点あるのであります。  初めは抽象的な問題でありますが、ある捜査事件を甲の檢事に委任しておつたものを、今度は急にこれを乙檢事に捜査の主任を振りかえる場合の手続について、何か檢察当局においては慣例なり一種のルールがあるものなりやいなや。この点につきましてなぜ質問いたしまするかというと、横浜の檢察廳における疑惑がこの点に実は中心点があるのであります。橋本という檢事が当然この事件について捜査をすべきものであつて、木舟事件についてはその主任として捜査しておつた。その木舟が書きましたるところの上申書についてなお捜査を続けておつたところが、いつとはなしにその主任を剥奪せられて、香取という檢事に捜査主任がまかせられた。そして香取という檢事は長官の部屋へ、その木舟の手記に書かれてありまするいわゆる容疑者を一人一人呼んで極祕裡に調べておるというのであります。ここに私どもははなはだ疑惑を持たざるを得ないのみならず、現職の檢事が三人も四人も口をきわめてその透明ならざる長官の態度、次席の態度について不満を漏らされておつたのであります。そこで檢務長官も長い間檢事をなさつた方のようであるが、一体こういうある事件について、主任の檢事を、その人の承諾なしに、いつとはなしに他の檢事に、事件を横取りしたような形で調べさせるというようなことが、今まで慣例としてあるものなりやいなや、この点についてお答えを願いたいと思います。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 ただいまの御質問の点につきましては、先ほど私から冐頭に一應御説明を申し上げた点でございます。抽象的にまず猪俣委員からのただいまの御質問のように、主任檢事をかつてにかえることができるかどうか、なお承諾なしに横取りしてしまうような慣例があるかというような点につきましては、御承知の通り捜査中に、主任檢事をそれぞれの必要があつた場合において、かえるということもあるわけでありますし、また私どもの過去において承知しておる場合も、そういうこともあり得るわけであります。それは事情はいろいろあります。しかしながら相手方の主任檢事に何ら了承を得ず、無断で取上げるというようなことは、慣例もありませんし、さようなことも今までなかつたと私は承知しております。ただこの事件につきまして、橋本檢事が主任であつたのを、香取檢事に主任をかえたという点につきましては、先ほど冐頭で御説明申し上げたのでありますが、あらためてここでもう一度申し上げますと、お話のように橋本檢事が木舟事件に主任檢事として捜査して、二月十一日にこれを起訴し、なお取調べ中に、木舟が同僚の事務官の中においても非行があるということを言い出し、それを手記に書いて橋本檢事に出したということは事実であります。ところが問題は、要するに部内のいろいろ疑いを受けておる事務官連中であると思うのでありますが、橋本檢事はわれわれ事務官連中の非行を故意にあばいて、われわれをいじめようとしておるというようなことを言つて、いろいろ橋本檢事を追究した者もあるということを聞いております。すると橋本檢事としては、何を言うか、お前らは別にないのだが、そういうことを言うなら、徹底的にやつてやるぞということで、双方の間が非常に対立的な形になり、從つて橋本檢事も調べを進めて行く上において非常につらい立場になつた。そこで事件は部内のことであり、檢事正としても、この事件をやつておる橋本檢事を窮境に陷れることがあつては、橋本檢事に対しても氣の毒だというので、檢事正が橋本檢事を呼んで、とにかく一應木舟関係の事件は済んだのだから、あとの問題の調べの方法についてはおれに一任してくれ、とにかくあとはこちらにまかしてくれということで、橋本檢事は了承して、一切を檢事正にまかしたということであります。そうして檢事正といたしましては、先ほど申しましたように橋本檢事の立場も考え、それでは別の檢事にかえてやる方が橋本檢事のためでもあるし、また部内の情勢から見てもそれが妥当である。こう檢事正は考えて、別に香取檢事を主任檢事にして調べをさせた。そうしてこれは内輪のことであるから、なるべく目につかぬようにして調べを進めようといつて、わざわざ檢事正の官舍を調べの場所に提供し、香取檢事がひそかに関係双方を檢事正官舍に呼んで調べを進めておつたのであります。ところが橋本檢事といたしましては、その後周囲の者もいろいろ騒ぎ出す。そこであるいは檢事正は事件を取上げて、部内のことであるから、うやむやにするのではないかというふうに考えたようであります。そこでその後橋本檢事は檢事正に、一体この事件をつぶす氣かということを言つたとき、檢事正は、いやこれはつぶすのではない。こういうふうにして原因も調べておるのであるということで、橋本檢事もそれならけつこうだと言つて了承したというように私は聞いております。  また私どもがこの事件の取扱いを見ましても、檢事正がこの主任をかえた手続及びやり方については、檢事正に少しも手落ちがない。かように私は考えております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 今の檢務長官の答弁は私どもの聞いたことと違うのであります。それは橋本檢事が、自分が捜査主任にあらざることを長官から聞かされて、君はこれから手を引いてくれと言われたのが三月八日、しかるに三月四日から香取檢事は、今言つたような長官室で、ひそかにその手記に示された人たちを呼んで調べておるのでありまして、それがために非常に橋本檢事が激昂したのであります。橋本檢事は、当然自分がその木舟事件の主任であるし、木舟の上申書に現われた事実について徹底的に粛正すると、すでに本間及び横溝という檢察事務官を使いまして、相当の傍証固めをやつておつた。しかるに香取檢事は一切連絡をしないのであります。それから香取檢事になぜ連絡をしないかというと、忙しくて会えなかつたと言う。同じ廳内の同じ建物に存在しておりながら、忙しくて会えない道理はない。実際現在に至るまで香取檢事は橋本檢事に連絡しない。香取檢事は香取檢事の方針においてやつておるかもしれませんが、かような次第で、はなはだ檢事同一体の原則に反するし、どうもそこに疑惑を生む原因がある。三月八日まで知らない、それがために例の檢察事務官三人は、どうしてもこれは橋本檢事によつて粛正しなければならぬというので、この本廳まで上申書を出して來た。原因はそこにあるのでありまして、これは長官はそういう説明を聞いていらつしやるかもしれませんけれども、事実は違うのであります。すでに橋本檢事に引導を渡す前に、香取檢事も大体やつておつた。三月八日の長官からの言明以前、三月四日から調べておつたということは明らかなる事実なのであります。そうして現在に至るまで橋本檢事に何らの相談もしないということも事実であります。その辺、一方的なことのみならず、なお両方のお調べを願つて、將來そういう弊のないように、他から疑われるようなことのないような態度をとつていただきたいのでありまして、今の長官のお説に対しましては、なお私どもは釈然としないのであります。何がゆえにさような異例の取扱いをやつたか、結局長官が中に立つて、橋本檢事の事務を香取檢事に引継いでやるということが一般のルールになつておるのを、今回に限つてまつたくさような態度をとつたために、この橋本檢事に同情する粛正派が立ち上つたというのが、本件を起しました原因であつたのでありますから、今長官が言うように、何らわだかまりもなく事務の引継ぎができたということは、われわれ想像することができないのであります。これはなお御調査を願いたいと思います。  それからなお私が調査に参りまして、はなはだ想像だもしないところの意外なことを実は聞いたのであります。これはもちろんただ聞いただけでありますけれども、その話をした人が現職檢事でありまするがゆえに、デマだというわけには行かぬのです。横浜地檢におきまして数々の不正がある。檢事が、たとえば略式命令で一万五千円という求刑の評額を出しておつたにかかわらず、それが檢察事務官の手に移ると一万二千円になつてしまつたという事件があり、それからなお調書、いわゆる檢察の取調べ調書を燒いてしまつた事件があります。それから刑事の番号を甲の番号と乙の番号を故意に取違えてしまつて、記録がわけがわからないようにしてしまつた事件がある。かようなことで、どうも私どもは想像だもしないことが多々ある。そういうことを一体檢察事務官が大胆にもやるという原因がどこにあるかというと、はなはだ聞き捨てならぬことが実はわれわれの耳に入る。私どもは的確なる証拠を持つてあなた方に申し上げるのじやないのであるから、これは法務廳においてお取調べ願いたいことであるが、それはこの檢察事務官たちがかような不正なことをする前は、必ず自分の上の檢事の、いわゆる俗に言うしつぽをつかむ、それをまず第一にやる。しつぽをつかむというと惡いことを始める。そこで結局事がばれてもお互いに帳消しをやる。そういうことがここ三年來続いて來ておる。かようなことを、粛正派の若い檢察事務官は頬を赤らめて、われわれに激辞をもつて訴えておつたのであります。それであるからして、この木舟手記なるものは、書いたことは表面を見れば何でもないことのようであつて、これをいわゆる本式に捜査をするというと、必ず上層部の方へ重大問題としてこれは発展する。時限爆彈のようなものであるということを、ある檢事は明言しているのであります。それがために廳内は、この木舟事件の手記について、橋本檢事が捜査を始めるということが傳わりまするというと、三日間というものは、ほとんど全部の檢察事務官は仕事が手につかなかつた。それでわれわれをやるならば、檢事に対してもわれわれは暴露戰術をとるからということを強硬に主張した。こういうことと、そこで橋本檢事が、そういう無礼なことを言うならば、徹底的にやつてやるからということを揚言をしたということと、それを長官は、どうも感情問題になつておもしろくないから、檢事をかえたんだとおつしやるのでありまするけれども、どうも横浜地檢における両三年來のやり方というものは、臭いものにふたをするようなやり方をして來ておつたのであつて、その事件件数も明らかなものが六、七件あるにかかわらず、ようやく略式命令で起訴されたものは二件しかない。しかも起訴を免れた事件も驚くべき綱紀紊乱の事件である。かようなこととにらみ合せますると、この橋本檢事を捜査の第一線からしりぞけて香取檢事にかえたというところに、私がさつき申しましたように、廳内全部の空氣から推察いたしまして、はなはだ不審な点が多々出て來るのであります。かように三日間も檢察事務官が仕事に手がつかなかつたということは何を意味するのか。そうしてそれならば、檢事の方に対してもわれわれは大いに暴露戰術をやると言うて脅迫した。これは一体何を意味するのであるか。いずれにせよ、これは最も硬骨をもつて鳴つておりますところの橋本檢事にやらせることが、かような疑惑を一掃する最高の手段であつたと私は思うのでありまするが、それを香取檢事にかえたということに、どうも釈然たらざるものがあるのであります。長官はかような、今私が申しましたような綱紀紊乱の事実をお聞きになつたことがあるのであるかないのか。あるいはまた調査したことがあるかないか。ここ三年來、この横浜地檢におけるいわゆる後藤つぎ事件などというものを中心とした数々の事件が何件あり、それが不起訴処分になつたのが何件あるかというようなことを、調査なされたことがあるかお伺いいたしたいと思います。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 ただいま主任檢事をかえた点につきまして、いろいろ猪俣委員のお調べになつたことをお聞きいたしましたが、私は檢事正から伺つたところを申し上げたのであります。なおその点について猪俣委員の方で疑惑をお持ちになるようでありまするから、この点はなおとくと調べてお答えいたすことにいたしたいと思います。  それから記録の整理の不備等の問題についてお話がありましたが、この点も私は聞いて承知しております。というのはこれは確かに横浜檢察廳の記録の整理が非常に不備であつたということは事実のようであります。ことに現在記録の紛失という問題でありますが、あるいは紛失しているかいないか、実は私どももわからないものもあるようでありますが、これは一つは、横浜の檢察廳が一時進駐軍に接收されまして、そうして水上警察の隣りの建物に移り、またもとの檢察廳に戻つて來たというようなことがありましたためと、それから事務官のふなれのために、事件の受付が非常にまずかつたために、はたしてこういう事件があつたのかないのかというのも、はつきりしない点もあるらしいという話は私も耳にしました。この点については、現在の市島檢事正が現在檢察廳を動員しまして、いろいろ調査しておるのであります。いずれこの問題については報告があることと思います。  なお先ほど私からも御説明申しましたし、猪俣委員からもお話が出ました後藤問題、これもからんで、数年來いろいろのうわさにうわさを生み、私どもも耳にしておりまして、現在の東京檢事正堀君が横浜の檢事正に参りまして、この点についていろいろ粛正をやりました。また調査すべきものはそれぞれ調査しておつたようであります。そうして結局後藤というばあさんが檢察廳へ出入りすることが、幾多の疑惑を起すというので、堀檢事正時代に、絶対に檢察廳に出入りを許さぬということになつて、爾來、檢察廳には出入りしないということであります。ことに市島檢事正になりましては、この当時いろいろのことを言われておりましたので、練達堪能な市島氏を特に横浜に迎えて、横浜の粛正のために努力してもらつているのでありまして、市島檢事正も、ただいま問題になつている問題はもちろんのこと、すべての問題について一切の禍根を明らかにし、どこまでも横浜の檢察廳を粛正するという考えで、十分な決意をしてやつておるわけでございまして、私どもはその点について、市島檢事正を絶対に信頼いたしておる次第でございます。いずれその結果は、当面の問題は多分末ごろまでには結論を得ることと思います。その他の問題につきましても、徹底的に調査をされることになつておりまするから、その点はいましばらく時間をお許し願いたいと思うのであります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 実はまだ全部調べがついておらぬということでありまするから、その後にいたしてもいいのでありまするが、私が市島檢事正に会いましたときには、市島檢事正は、この木舟の手記に現われた事件というものは、実につまらぬ事件なんだということを言つておられました。しかるに橋本檢事は、これは非常に重大な事件で、これを徹底的に捜査追究して行かなければ、この横浜地檢の長い間の因襲というものを打破できない、これは私は断言する。こういうふうに言つておるのでありまして、いわゆるその事件の手記を書かせ、なお捜索をやりました橋本檢事の考えと、檢事正の意見とはまつたくかように違つておるのであります。これも私どもは、はなはだ奇怪に存ずる一つであります。法務廳にはいかようなる報告が來ておるか知りませんが、なお市島檢事正は、またこれを発表するというと、何だそんなことか、それじやあまたみんな臭いものにふたをしたということを言われますから、心配だというふうに言つておるのであります。現職の檢事がさような意見を持つているとすれば、われわれとしてさような疑惑をもつことは当然なことでありまして、この点につきましては、十二分にひとつ御調査願いたいと思うことと、いま一つ捜査の方法が、われわれにはふに落ちないところがある。申すまでもなく、ある容疑事件を捜査するためには、傍証を固めて、しかる後に本人につきつけて、のつぴきならぬ自白をやるということが通常の方法であると思います。しかるに木舟事件に現われましたところの容疑者の取調べにつきましては、先ほど申しましたように、彼らをひそかにこの長官の部屋に呼んで、こうこういうお前は容疑があるんだというふうに調べておるらしいのであります。これでは何も私は捜査にならぬと思う。あるいは惡意に考えまするというと、暗にもみ消しを彼ら自身に示唆するようなやり方じやないかと考えられるのであります。ここに私どもの疑点が一つあるのであります。さような捜査の方法につきましては、もちろん檢事独特の手腕によつてやりましようけれども、かような疑惑に満ちておりまする事件につきまして、さような通例ならざる捜査の方法をとるということは、われわれの疑惑を深めるのみであつて、これに対して檢察廳は何かの指示をなさつておつたか、上の方から、もう大きな指示が來ているようなことを聞かされておりまするが、何か指示をなさつたかどうか、その点についてお伺いいたします。

木内曽益檢務長官

○木内政府委員 いろいろ御心配をいただく点につきましては、私どももまことに感謝にたえない次第でありますし、これはむろん私どもの方の考えといたしましても、どこまでも疑惑の点は一掃する。そうしてとことんまで事案を明らかにしたいという考えを持つているわけであります。  なお上層部においても、この問題について何か指示をしたかということでありますが、先般市島檢事正が中間報告に参りました際も、最高檢及び東京高等檢察廳においても、徹底的にこの取調べをして、檢察廳の威信のために大いにやるようにということを、最高幹部は激励した次第であります。  なお搜査方法につきましては、実はここでそういうことを申し上げるのもいかがかと思いますが、市島檢事正は、私どもから見ましても、檢察の搜査につきましては、優秀な檢事だと私は信じており、部内においてもその人ありと言われる檢事正でございます。この檢事正が腕によりをかけて、徹底的にやると言つておいでになるのでありますから、私どもその点を絶対信頼いたしている次第でございまして、その点、ひとつ御安心を願いたいと思うのでございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 実はなお根本問題につきまして、この横浜地檢問題を契機といたしまして、私ども檢務行政について意見があるのでありますが、これは法務総裁の御出席を願つて質問を続行いたしたいと思いますから、これで打切ります。

花村四郎民主自由党

○花村委員長 他に御質問はございませんか——猪俣君の法務総裁に対する御質問があるようでありますが、法務総裁は先ほどまでおられましたが、GHQの方に参られて、本委員会の開会中には帰られないだろうと思いますので、この次にお願いいたすことにいたします。  なお当委員会のあとを受けまして、訴追委員会が開かれることになつておりますので、本日の法務委員会はこの程度において散会いたしたいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

花村四郎民主自由党

○花村委員長 御異議なしと認めて、本日はこの程度で散会いたします。     午後二時三十六分散会

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