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5回国会衆議院1949/05/14

文部委員会 第18号

発言数
80
登壇者
15
会派数
7
開催日
1949/05/14

会議録

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 これより会議を開きます。  目下内閣委員会において審議中の文部省設置法案に対して本委員会として修正の意見を申入れたいと思います。ただいま修正の箇所を若林委員より説明をしていただきたいと存じます。

若林義孝民主自由党

○若林委員 文部省設置法案に対します文部委員会としての修正希望意見を朗読をいたします。  一、第二條第一項第四号中「高等学   校における教育」の下に「(職業教   育を含む。)」を加える。  理由といたしましては、一、学校教育法でも職業教育については重要な教育目的の一つとしてあげられておるからである。二、経済九原則の要望するものと教育の目的とを一致させる意味においても(司令部関係に対しましても)職業教育を重んずることに重点を置かれておるからであります。三、教育使節團の勧告の中にも職業教育を強調しておるからであります。  二、同條同項第六号中「生活向上の   ため」の下に「職業教育及び」を   加え、「及びレクリエーシヨン」を   「、レクリエーシヨン」に改める。  理由は前段と同じ意味で、他は字句の修正にとどまるのであります。  三、第四條第一号中「研究機関」の   下に「(他の行政機関に属するもの   を除く。以下同じ。)」を加える。  理由といたしましては、他省の所属の研究機関までも一元的に文部省で所管するものと誤られるからであります。  四、第七條第二項第一三号中「國立学   校共済事組合及び」を削る。  理由といたしましては國立学校共済組合は、今國会に提出された國家公務員共済組合法の一部改正によつて文部省共済組合に統合せられることになつたためであります。  五、第八條第五号ロ、第九條第四号   ロ及び第十條第四号ロ中「その開   催を委託し、若しくは」を削る。  理由といたしましては、委託は文部省が強制的圧迫を加えるかのごとき誤解を與えるからであります。  六、第九條第十一号中「、科学技術   行政協議会及び」を削る。  理由といたしまして文部省は基礎的な科学の研究に力を入れるのが本義であつて、科学技術行政協議会は科学を行政面に浸透させようとする機関であり、科学行政の連絡調整を審議する機関である。從つて科学技術行政協議会は各省に関係する機関で、文部省のみのものでない方がよいからであります。  七、第十條第九号中「、維持及び利   用」を「及び維持」に改める。  理由といたしましては、社会教育局は文化財等の保存と維持に関する事務を処理するのはよいが、利用もするということは、文化財が所有者の意思に反して文部省の職権によつてのみ利用せられることを避ける必要があるので修正するのであります。  八、第十一條第八号中「文部省の出   版物(教科用図書を除く。)」を「文   部省が著作の名義を有する教科用   図書その他の出版物、檢定教科用   図書」に改め、同号を第九号と   し、以下順次一号ずつ繰り下げ、   第八号として次の一号を加える。    八 文部省が若作の名義を有す     る出版物の著作権を管理する     こと。  第五條の修正点を加えていただきたい。   第五條第一項第十五号、第十二條  第一項第八号及び附則第十項第二号  中「関係政府機関」を「関係行政機  関」に改める。  こう挿入を願います。  九、第十二條第一項第十号中「第八   号」を「第五号」に改め、同條同   項第三号、第五号及び第六号を削   り、同條同項第四号を第三号と   し、同條同項第七号を第四号と   し、以下順次三号ずつ繰り上げ   る。  理由といたしましては、前八の両方に関係して御説明申し上げます。後の第十二條第三号及び第六号に修正案と同一の規定があるが、これは管理局の事務として規定してあります。修正案では、調査普及局の事務内容にそれと関連するものがあるので、これを調査普及局に一元的にまとめる方がよいと思い、管理局の事務内容の規定から削つて、第十一條に納めたのであります。  十、第十二條第三項中「第八号から   第十四号」を「第五号から第十一   号」に「第十五号から第十八号」を   「第十二号から第十五号」に改め   る。  理由としましては條文整理のためであります。  十一、第十七條第四項を削り、同條   第五項を第四項とし、同條第六項   を第五項とする。  理由といたしましては、長崎資料館は昭和二十四年度において事務費以外人件費の予算が認められていないので、これをただちに設置することは運営上支障があるからであります。  十二、附則第十三項中「管事理局」を   「調査普及局」に改め、同項を第十一項とする。  理由は條文整理上であります。  十三、附則第十一項を第十二項とす   る。  理由は條文整理上であります。  十四、附則第十八項中「第二章第三   節に規定する」を削る。  以上修正希望條項の朗読を終ります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 他に御意見もありましようが、この際若林委員説明の文部省設置法案に対する修正箇所を本委員会の修正の要望として内閣委員会に申入れすることに御了承賜わりたいと存じます。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 それではさようとりはからうことにいたします。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 次に学校教育法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案に対しては各派共同提案にかかる修正案が提出されております。まず修正案の説明を願います。今野武雄君。

今野武雄日本共産党

○今野委員 この修正案は別にこの内容をかえるものではありませんので、ただ用語の点だけであります。念のために読み上げます。    学校教育法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第五十六條の改正規定中「医学又は歯学の学部を置く大学に入学することのできる者は、」を「医学又は歯学の学部を置く大学に入学し、医学又は歯学を履修することのできる者」に改める。  理由はさつき申した通り、内容はかわりませんけれども、この原文の通りでありますると、医学または歯学の学部を置く大学のいかなる学部に入学する場合にもという意味にとられやすいのであります。それでは事実に、相違することになりますから、そこで言葉が事実に合うように修正しようというのであります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 これより原案と修正案とを合せて討論に付します。千賀康治君。

千賀康治民主自由党

○千賀委員 各派共同提案の修正案に賛成をいたしますとともに、修正部分を除いた原案に対して同じく賛意を表するものであります。学校教育法の一部を改正する法律案に対して、法律案の修正点に対する賛成討論を申し上げます。  この法律の骨子とするところは、医科または歯科の学部を置く大学におきましては、單に練達した技術者を養成するにとどまらず、社会人としてもりつぱな医師または歯科医師を養成しなければならない。そこでこの教育の改善と向上をはかるために、これらの学校の入学資格の程度を特に高め、その目的を達成しようとするのでありますから、まことにけつこうでございます。  次に新制大学は、学校教育法においては修業年限五年となつておりまするが、わが國の現状としましては、入学志望者の側における父兄の経済的負担力の点、あるいは短期間に実務者を養成しなければならない社会的必要性などを考慮いたしますと、短かい期間に完成するいわゆる短期大学をも必要とする。ことに女子の上を考えると、特にこの短期大学を必要と認めるものであります。この法案によると、当分の間修業年限二年または三年の短期大学の制度を認めることになつておるのでありますから、これにより一面すみやかに新制大学の完成をはかるとともに、他面社会の要望に沿うことになるのであります。なお希望者には、短期大学卒業生もさらに一定の基準に従い四年制大学の相当学年に編入する道が開かれておることはまことに妥当な処置であると思いますから、修正案並びに修正部分を除いた原案に賛成するものであります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 松本七郎君。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 私は社会党を代表いたしまして、ただいま提出されました修正案並びに修正箇所を除いた原案に賛成の意見を申し上げます。  修正箇所は内容にはかわりございませんけれども、はなはだ意味が誤解しやすいような箇所を修正しようとするものでありますから、無條件に賛成するものであります。  その他私どもがこの審議期間中に主張いたしました点にもう一つ、この第百九條にあります「当分の間」というのを削除すべきであるという意見を主張いたします。その理由といたしましては、四年制の大学のほかにやはり恒久的な短期大学が必要なのではなかろうか。特にわが國の実情にかんがみまして、経済的な状態あるいは女子は四年制の大学に入る希望着というものは比較的少い、短期の間に済ませるような大学を希望しておる者が多いというようなわが國の特殊な事情に基いて、恒久的な短期大学を必要とする理由に基いておつたのであります。また質問を継続いたしておりました過程において、政府の御答弁によつてもこの当分の間、二年または三年にするというようなことで、その臨時的な短期大学というものが、四年制の大学になるための基準に脱落したものを救済するというような印象が非常に強くないか、そういう面も除きたいというようなことで主張申し上げたのですが、大体これについては各党の意見も、また文部省当局も大体御賛成であつたようであります。ただ問題は、これを修正いたそうといたしますと、文部省原案では、第百八條、つまり附則の改正ということになつておりますが、附則であるから「当分の間」ということがあつてもいい。もしも「当分の間」を除くとなると、附則でなしに本則の方に入れなければならぬ。そうなると、ほかの箇條にわたつていろいろ大学及び短期大学というものをわけて規定しなければならぬというように相当廣範囲に修正しなければならなくなつて参ります。そこでそういう期日もありませんし、技術的に相当な困難を伴いますので、しかたなしに、今回のこの修正は見合すことにしたのであります。  この機会に私ども特に強調しておきたいのは、重要な法案であるものを、いざ修正となると、その修正をする期目的な余裕もない、そして審議期間もはなはだ不十分なまま、われわれが通してしまわなければならぬという例が今までたくさんあります。これでは國会の審議権というものが高められて行かない。どうしても今後はあらゆる法案について、國会に提出されるときには、相当な時間的余裕をもつて提出されることに一層の御努力をしていただきたいと思うのであります。それでこの点では、短期大学のことは実行が二十五年からやるということになつておりますから、できますならば、この次の國会においてその点を改正されるようにわれわれは努力したい、このように希望するものであります。  以上をもちまして、私は先ほど提出になりました修正案並びに修正箇所を除いた原案に賛成いたすものであります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 今野武雄君。

今野武雄日本共産党

○今野委員 私は共産党を代表いたしまして、この修正案並びにその修正案を附した改正案に賛成するものでございます。但しさきに質問の際にも申し上げておいたのでありますが、現在の新制大学というものがいよいよ出発するということになりますと、学校教育法が制定された当時、予測されないようないろいろな事件が起つて参ります。これは六・三制が非常な困難に陥つたことなどもその最も大なるものでありますが、このことは同時に予算の裏づけがない新制大学が非常に困難に陥るであろうということ、並びにたとえば新制高校の学科課程などがはつきりして参りますと、その課程において十分な教育を受けないものが、四年間でもつてはたして十分な教育を受けることができるかどうか、特に理科、工科、医科などにおいてしかりであります。医学並びに歯学の部面においては、今回の改正において六年ということになりましたので、これはたいへんけつこうだと存ずるのでありますが、しかし大学の問題というのは、特に長い間一國の学問の水準を決定するものでありまして、一時の経済的な理由によつて、これをどうこうするというわけには行かないような重要な問題であろうと存ずるのであります。そこでこの学校教育法の等五十五條にあります「大学の修業年限は、四年とする。但し、特別の專門事項を教授研究する学部及び前條の学部については、その修業年限は、四年を超えるものとすることができる。」という規定があります。また今回の改正は、この規定に基いて行われておるのでありますが、しかしながら、たとえば理学または工学などにおいても、画一的にどの学校全部といわなくても、現在の相当高い水準を保つておるところの東京大学とか、京都大学とか、その他の大学において、こういう水準をわざわざ低めるようなことなく、できるならやはり今度の改正の場合の医学または歯学と同じような扱いをしたい。もつとも医学または歯学の場合には、どういう学校もみなそうでありますが、理学または工学の場合には全部がする必要はないと思いますけれども、そういうような特例を設けることを許さるべきではないか、こういうことを申し上げたのでありますが、しかしこのことは現在すぐできないとのことであります。なおそのときに、今後の経過のうちに、二年後までにそういうようなことができれば、したいと思うというような御意向でありますが、できるだけすみやかにそういうような措置をとられることを希望いたしまして、私の賛成意見を終えたいと思います。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 船田享二君。

船田享二新政治協議会

○船田委員 新政治協議会を代表いたしまして、私は理由に関する説明を全部省きまして、修正の部分及び修正部分を除いた原案に賛成することを表明いたします。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 これにて討論は終局いたしました。  学校教育法の一部を改正する法律案について採決いたします。まず修正案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 起立総員。  次に修正部分を除く原案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 起立総員。よつて原案は修正議決せられました。  なお学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、本会議における報告は、その内容は委員長に御一任願います。     〔「異議なし」〕 と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 それではさようとりはからいます。     〔委員長退席、圓谷委員長代理着席〕

圓谷光衞民主自由党

○圓谷委員長代理 暫時休憩いたします。     午後三時四十三分休憩      ————◇—————     午後四時二分開議

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 休憩前に引続き会議を続行します。  教育職員免許法案を議題といたします。本案に対して、修正案が水谷昇君より提出せられております。修正案の説明を願います。水谷君。

水谷昇民主自由党

○水谷(昇)委員 同時に施行法案をあわせて上程してほしい。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 教育職員免許法施行法案を一括上程に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 それではさよういたします。

水谷昇民主自由党

○水谷(昇)委員 民主自由党を代表いたしまして、教育職員免許法案並びに教育職員免許法施行法案に対する修正意見を述べて、各位の御賛同を切望いたします。  教育職員免許法案は、教育職員の免許に関する基準を定め、教育職員の資質の保持と向上をはかることを目的としたものでありますから、議員各位に配付してあります教育職員免許法案中一部修正案中の三のように、「職業指導」の字句を加入し、また七のごとく、原案「三年」を「一年」に改め、十三のように別表第三の基礎資格に「ロ」の一條件を増加し、十四のごとく在職年数三年を五年に、單位「三〇」を「四五」に、また「一〇」單位を「一五單位に改めて、資質の向上をはかり、その他はこの條文を技術的に見て一部の規定が他の條文と均衡を失している点があると思いますから、この際配付したる一部修正案のごとごと修正することを適当と思います。各位の御賛成を願いたいのであります。  次に教育職員免許法施行法案の一部修正案、お示ししてある通りに、原案はきわめて複難であるために、引用條文を参照して誤謬を発見し、また切りかに不均衡を発見しましたから修正する次第であります。  以上の修正の動議を提出いたしますから、各位の御賛成を希望いたします。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 これより教育職員免許法案及び職員免許法施行法案の両案を一括して討論に付します。水谷君。

水谷昇民主自由党

○水谷(昇)委員 民主自由党を代表して、ただいま上程中の両案に対し、その一部を修正し、その他は原案に賛成の意見を表明いたします。教育職員免許法案は、教育職員の免許に関する基準を定め、教育職員の資質の保持と向上をはかることを目的としたものであります。そこでこの法案がこの目的達成に遺憾なきやいなやを愼重審議いたしましたところ、新学制実施の現段階においては、大体妥当であると認めたのでありますが、しかしなお完璧を期するためにその内容において数箇所修正し、あるいは條文を技術的に見て一部の規定が他の條文と均衡を失している点を修正したものでありますから、この修正案に賛成いたします。なお教育職員の欠格事項については原案をもつて妥当なるものと認める次第であります。  また教育職員免許法施行法案の一部修正案は、原案がきわめて複雑であるために引用條文を参照して、誤謬を発見し、また切りかえに不均衡を発見しての修正でありますから、この修正案にも賛成いたします。その他は両案とも原案賛成であります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 松本君。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 私は社会党を代表いたしまして、両案に反対の討論をごく簡單に行います。  この免許法の規定の中で、審議中におきまして政府の答弁を求めた一番重要な点は、この第五條の第六号「日本國憲法施行の日以後」云々の点であります。この点は政府の答弁では、將來予想せられるところの非合法的な政党その他の團体ということでありましたけれども、第一「暴力」という考え方が非常に漠然としてあいまいである、「その他の團体」ということの内容も明確を欠いておる。どうしてもこれは時の権力者によつて不当に抑圧されるおそれが多分にありまして、思想の自由その他基本的な人権を侵害する危險が十分に認められるのであります。もの一つは、四号の禁錮以上の刑に処せられた者に免許状を與えられないという点でありますけれども、これはあまりにも重過ぎる。少くともこれには年限をつけて、一定年限がたつたならば、再び免許状を與えられるようにすべきであるという点において、むしろ修正を必要とするのではなかろうかと考えておつたのでありますけれども、これらの点に修正を加えるだけの十分な余裕がございませんでしたので、遺憾ながら修正を撤回いたしまして、原案全体に対して反対せざるを得ないようになつたのであります。  またただいま水谷委員から御提案になりました修正案につきましても、臨時免許状の点で……

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 発言中でありますが、本会議の委員長報告の通告がありましたので、委員長席をしばらくあけたいと思いますが、御了承願います。それでは水谷君にかわつていただきます。     〔委員長退席、水谷委員長代理着席〕

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 修正案の御説明によりますと、原案に「免許状を授與したときから三年以内」とあるのを、「一年以内」にこれを短縮しようということであります。なるほど三年間たつて切りかえるものを、今度は一年ずつ切りかえれば同じであるというような議論も立つけれども、しかし、建前は短期間に切りかえるということになつておつても、臨時免許状を持つておる者をなるべく早く整理してしまおう、これが不当な首切りの材料に使われる危険性が多分にあると思うのであります。またその次の第十一條に「教育職員たるにふさわしくない非行があつて、その情状が重いと認められたときは」云々という規定があります。これも教育長その他の一方的な解釈、判定によつてこれが不当に濫用される危険が多分にありますので、そういうふうな根本的な点に、われわれは不賛成の意を表せざるを得ないのであります。從いまして、この免許法原案に反対すると同時に、それと当然関連いたしますところの同施行法案にも反対の意見を表明する次第であります。

水谷昇民主自由党

○水谷委員長代理 渡部君。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 この教育職員免許法案というものの趣旨は、將來の民主主義日本にとつて必要な、またそれにふさわしい教育職員をつくり出すということに関係してつくられた法案だと私たちは考えておるものです。そのためには、言うまでもなく教育職員の学術的な質的向上や、自主性を助長するようなものとして法案の中に現われなければならないと思います。ところがこの法案の内容をよく読んでみますと、こういう見地から見てきわめて不十分であるというだけではなく、まつたくこれに逆行している條項が非常に多いということを申し上げなければならぬと思います。たとえば第四條の第六項におきましては、これは教員となるための教員の科目でありますが、この点から見ると、職業的な、あるいは実習的な科目は非常に偏重しておるけれども、しかしながら他の科学の点では、たとえば社会科とか理科とかいうように、一括的に一般的に出されておつて、從つて社会科の場合には哲学とか経済とか、そういつた專門的な教育が施されないようになつておる。こういう点では非常に学術水準を下げるものであるし、また理科というような一般的な教師をつくるようになつておるけれども、これも生物とか物理とか化学とかいうような專門的な研究がなされない結果、やはり学術水準を非常に低める結果になるおそれがあるわけです。なおそればかりでなくて、確かにそうなるに違いないと考えられる点があるわけです。こういうふうな点から言つて、この教育職員免許法案は、教員の学術水準を非常に下げる憂いが十分にあるという点から、反対しなければならぬと思います。  それから教育職員の自主性に逆行し、あるいは自由を抑圧する條項としましては、今松本君からも述べられましたが、私は若干の補足をしながらこれを述べてみたいと思います。  第一に、第五條第一項の四号及び六号であります。第四号は、禁錮以上の刑に処せられた者、これは教員の免許状を受けることができないということになつておりますが、これは單に法律技術の上から見ましても、單に禁錮以上と称しておるのであつて、刑の軽重の度合いというものが現わされてない。この点で法律技術的な面から見ても非常に不備であるのみならず、政治犯というような問題が起きますと、これは必ずどのようなものであつても、禁錮以上の刑に処せられるのが從来の例であります。從つて政治犯人は教員の免許状を與えられない結果になる憂いがあるわけです。そういう点でこの條項はまつたく反対されなければなりません。  第二には、第五條第六号、これは松本君からも述べられましたが、日本國憲法施行の日以後において、日本國憲法またはそのもとに成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入したる者に対しては、免許状を與えないということになつておりますが、これは憲法が保障しておるところの思想や、新党支持や、結社の自由に対する憲法の保障を奪つており、これを破壊する結果になるという点を、まず私たちは強調しなければならぬと思います。同時にこの解釈は、松本君の言われたようにあいまいきわまるものであるということ、さらにつけ加えなければならぬのは、関係方面でさえも、このような項目を設けることは、あまりに自由を制限することになりはしないかというような参考意見を述べて——私は関係方面でさえもと強調するのでありますが、このような参考意見を述べられているのに、しかもこういう項目を挿入しておるということは、われわれとしては根本的に反対しなければなりません。現に思想上や政治活動を口実に、教員の馘首や解雇が盛んに行われておる例があります。また秋田師範のようにやはり政治活動とか思想問題に関連する口実のもとに免許状を與えないところもあります。このような第六項目がもしこの法案に盛られることがあるならば、現にこのような不当ななされ方をしておるところのあらゆる現象を合法化することになるわけであります。こういう現象を合法化するならば、教員に対して再び治安維持法ができたのだということを、私たちは強調しなければならぬと思います。のみならず現在行われている思想上政治上に関するいろいろな動きに対しては、單に一地方においてそういう事実が起つているだけではなくて、文部次官のいわゆる学生運動に関する通牒の精神にも現われておるが、この法案はこの通牒の精神を合法化する結果になるのであつて、この点もわれわれは断固として反対しなければならぬと思うのであります。  それから第十一條でありますが、これは情状の認識に関して具体的な基準というものが何ら規定されていない。從つて松本君も指摘したように免許状を與える権利を持つておる人が、かつてな裁量によつて免許状を與えるかどうかを決定する結果になる。もちろん十二條においてそういう処分を受けた人は何らかの弁明または保護を獲得するような條項はあるが、実際問題としては、こういうことは少しも行われていない。現に非常に不当な形で解雇されておる多くの職員があるのであります。これはわれわれは現在無数にあげることができる。しかも正当な理由を述べたとしても学校当局がそれを取消して再び教員にするということをしないし、文部省に持つて行つたところでもちろん文部省はこういう問題を取上げない。そうだとするならば、第十二條のごときは單なる空文にすぎないのであつて、少しも教員の置かれている不安な地位に対して、何らの保障を與えるような性質のものではないのであります。  それから第十四條でありますが、この第十四條こそは今申し上げた精神を、さらにはなはだしくむてつぽうな形で表現したところの法文でありまして、これは教職員に免許状を與えるかどうかういう問題に関連して、それに必要な行動を所轄官廳は免許状を與える者に通知しなくてはならないとういう規定であります。しかしこれはわれわれは非常に問題であると考える。なぜならばこれは教員に対する監察制を設けることであり、文教の上に特高警察的な制度を設ける結果になることはきまりきつておるからである。なぜかういうとそれでなくてさえ、現に茨城縣、鹿児島縣では、指導主事が教員の功罪表をつくつて思想調査をやつておる。このようなやり方は教員特例法に反するやり方である。明らかにこれは法律を無視したやり方であるが、このように現に法律を無視して教員の思想調査を指導主事がやつておるというような状況のもとでは、もしこの條文が法律となつた場合には、このことが公然行われるばかりではなくて、一般的に行われる。しかもそれが行政的にも行われるという結果になるのであつて、明らかにこれは教員の上に監察制度を設け、特高的制度を設けるということになるのであります。その結果は教員たちの憲法上のいろいろな自由を押えるだけでなく、教員にとつて最も必要であるところの、將來持たなければならぬところの教員の自主性をますます弱くして、帝國主義時代、戰争時代におけるように、教員を卑屈な教員にしてしまう。もし日本の將來を思うならば、教員をこのような卑屈な状態に陥れることを避けなければならぬ。むしろ教員に自主的な、解放された生き生きとした精神と性格とをつくり出して行くことこそが、日本の教育の將來にとつて、最も重大なる問題であるとわれわれに考えるのあります。  このように考えて來ますと、以上述べました理由によつて、この免許法案というものは教員の質的な低下、学問水準の低下を來さしむるものである。また教員が日本人として保障されておるところの憲法上のいろいろな自由を、教員なるがために制限し、教員なるがために剥奪するものであるという点、さらにまた現在そのようなことが実際に行われておる、その上に立つてこれを合法化することによつて教員に対する監察制度を設け、一切の教員の自主性を失わせ、卑屈なものにし、教員を支配階級のための教員にしてしまい、教員を日本の科学や文化に隷属させようとする国際的な傾向に対して從属させる結果になると思います。われわれとしてはおそらくここに集まられた文部委員の方々はそれぞれみな学問をやつておる方々である。それぞれ日本の学問の將來を背負つておられる方方である。この委員の諸君に対して、單に現在の党派がどの党派に属するからどうということは、もちろん超越してもらわなければならぬ。さらにまたそういうことはもちろん超越して、ほんとうに日本の將來を考えて、日本の將來の教育の基本問題としてこの法案を考えてもらわなければならぬと思います。しかもこの法案は非常に未熟である。免許法案にしても、その施行法案にしても、このように反動的であるばかりではなく、未熟であると思う。この点においてもわれわれは絶対にこういう法案には反対をし、かつ全面的にこれがほんとうに民主的につくりかえられなければならぬと信ずるのであります。從つてわれわれはその修正案として出された水谷昇君の提案についても、もちろん反対しなければなりません。同時にこの修正案なるものはさらに今まで出た原案を改惡したものになつておるという点において、特にわれわれは反対を強調しなければならぬ点があるわけであります。それは本案の第九條第三項において「臨時免許状は、その免許状を授與したときから一年間、その免許状を授興した授與権者の置かれる都道府縣においてのみ有効とする」というふうになつておりますが、この本文においては三箇年となつておる。こういう点で教員にとつて明らかに修正案は不利になつておる。從つてわれわれはこの修正案にも絶対に反対するものであります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 船田君。

船田享二新政治協議会

○船田委員 この法案はその趣旨はまことにけつこうであると考えるのでありますが、その個々の規定につきまして、これを現在の学校教育の実情と照し合せて考えますときに、いろいろ疑いを持たれるような規定が置かれておるのであります。すなわち教育職員の思想及び研究の自由を不当に抑圧することを疑わなければならないような規定もありますし、また免許状に多くの段階を設けておる規定は、教員職員の間に階級的な差別を設けまして、教育上おもしろからぬ影響を及ぼすおそれがあるものといわなければなまりません。また臨時免許状に関する規定は、現在のような教員不足の実情に即して考えますときは、仮免許状あるいは普通免許状がとれないという理由のもとに、必要欠くべからざる教員を整理してしまいまして、いよいよ教員不足の状態を惡化せしめるおそれがあるものと考えるのであります。さらに免許状取上げに関する規定、あるいは免許状の公開に関する規定、その他、罰則の規定に至りましては、この法律の実施にあたりまして、各種の支障を來すおそれのある規定といわなければならないのでありまして、これら各種の疑いのあります規定につきましては、実態に即した十分な検討を加えまして、修正すべきものはこれを修正して、法案の趣旨がほんとうに実現され得るようなものとすることを要するものと考えまして、現在までの程度の審査審議のみによつて、法案全体を原案のままで成立せしめ、あるいは先ほど提案されましたような程度の修正を加えることのみによつて成立せしめるということは、不穏当といわなければならないと考えるのであります。よつて新政治協議会を代表いたしまして、両法案に対する修正案にも、また修正部分を除いた原案にも、反対の意思を表明する次第であります。

水谷昇民主自由党

○水谷委員長代理 稻葉委員。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 私は民主党を代表いたしまして、本法案の修正案にも反対かつ修正部分を除いた原案に対しても反対の意見を申し上げたいと存じます。  本法の目的は第一條に「免許に関する基準を定め、教育職員の資質の保持と向上を図ることを目的とする」とありますけれども、内容の各個々の規定は、この目的を十分に達成するがごとく規定されておらないうらみが多々ありますので、その点を指摘しつつ反対の意思を表明したいと思います。  第一に、教員の免許に関する基準を定めるとあります、基準でありますからこの点につきましては、私立学校の教員であろうと、官立学校の教員であろうと、同一基準に從うべきことをまず正確にいたさなければならぬのでありますが、この前お聞きいたしましたときに、政府のお考えは、第五條の第二項について教育行政の系統が異なるから、私立学校の教員には教員免許状授與権者が知事になつており、官立学校の教員免許状授與権者は教育委員会がこれに当る。すなわち私立学校は教育委員会の管理外に置かれておる系統の学校であるからという御趣旨の御答弁と承つて明確になつたわけでありますが、なおかつ学校の管理ということと免許状を付與することとは事柄が別個でありまして、いかなる資質のある者が教員たるにふさわしいかの基準、すなわちそういう免許状を與えるについては同一基準に從うべきものであると私は考えますので、本法はできるならば教員免許状については府縣知事が、都道府縣教育委員会の議を経て、これを授與するといつたふうに統一されることを望みたいのでありますが、他に修正しなければならぬ点も多々ありますので、それだけの修正ではとうてい足りませんから、反対意見の一つの理由として、この点を揚げる次第であります。  さらに、教員免許に関する基準を定めることは、もちろん必要でございますけれども、その基準の定め方いかんによつて、教育を萎縮せしめるおそれのある規定が二、三箇所見えますので、それを指摘したいと思うのであります。第一には、第四條第三項の一級、二級という階級制度を設ける点、第二には第五條第一項第四号、第六号の先ほど指摘された点、第三には免許状取上げに関する第三章の規定の、ことにその第十二條と、きわめて不明確なる理由のもとに免許状を取上げるおそれがあるという疑ひを持たれるような規定を、立法の上に少しでも置いておくということは、教員をして萎縮せしめるおそれがありますので、この点につきましても、何らかの修正がなされなければならないと思うのであります。  第三に、資質の向上をはかることを目的とするとありますが、もちろん教員の資質の向上をはかることは必要でありますけれども、資質の向上をはかることをあまりに重視するの結果、教員が青少年を教育するという本來の任務に熱中することをおろそかにいたしましてたとえば二級免許状を有する者が一級免許状を得んがために、そういう方面への努力だけに熱中する、あるいは臨時免許状を有する者が普通免許状を獲得せんがために、そういう方面にのみ熱中するというような弊害を惹起せしめるおそれのある規定が間々見受けられます。その例といたしましては、第四條の三項、普通免許状に一級、二級の區別を設ける点とが、第九條の第三項の、臨時免許状の付與のいたし方について、三年を限る点とか、あるいはそれをさらに一年に短縮するとかいうことになりますと、普通免許状を得ようと思つて、あせつて自分の勉強ばかりしておつて、児童の教育をおろそかにするような弊害もありはしないかというおそれを抱きますので、本法案の目的を掲げた第一條の後段の、教職員の資質の向上をはかることを目的とするそれ自体はまことにけつこうでありますけれども、その弊害を最小限度に食いとめるような処置が、万全に講ぜられておらないうらみがありますことを、反対の一つの理由にいたしたいわけであります。  要するにそういう多くの欠陥がありますので、愼重審議はされたかもしれませんけれども、なおかつ私は十分にこの点について根本的に議を練り直す必要があると考えまして、先ほどの修正案、並びに修正箇所を除く本法原案全体に対しまして、反対の意見を明確にいたす次第であります。

水谷昇民主自由党

○水谷委員長代理 これにて討論は終局いたしました。     〔水谷委員長代理退席、委員長着席〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 討論は終局いたしました。これより両案を一括して採決いたします。  まず両案に対する水谷昇君提出の両修正案を一括して採決いたします。水谷昇君提出の両修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 起立多数。よつて水谷昇君提出の両修正案は可決せられました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた両原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 起立多数。よつて両案はいずれも修正議決せられました。  なお本法案に対する委員長報告につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 それでは、さようとりはからいます。     —————————————

水谷昇民主自由党

○水谷(昇)委員 まだ時間もあるようでありますから、國立学校設置法案を上程していただきまして、大学設置委員会の答申をこの際御発表願つて、なお引続いて小林君の質問もひとつお許しを願いたいと思います。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 ただいまの水谷君の意見に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

庄司一郎民主自由党

○庄司委員 議事進行について——。本員が一昨日文部当局に質問いたしました、ただいま議題となつておりますところの國立学校法案に関する総予算並びに大学学生、生徒、一人当り一箇年間におけるところの教育費、これらに対する質問に対して、先刻きわめて粗雑に書き流したプライベートな文書をもつて本員に御回答がありました。しかしながら、私はこれを公に速記録に残しておきたいのでありまして、もとより正式なる質問でありましたから、正式なる答弁を文部当局に要望しておつたのであります。しかるに、ただ乱雑に書いた手紙のような御返答だけが本員にありましたが、あらためてその点に対する答弁を保留しておつたのでありますから、文部当局より責任のある御答弁を願つて、これを速記録に残しておきたいと思うのであります。右文部当局に委員長より御照会をお願い申し上げます。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 庄司君の御発言と前後いたしますが、これより國立学校設置法を議題といたします。

小林運美民主党(第九控室)

○小林(運)委員 議事進行について——この問題につきましては、先般来いろいろ長々と質問申し上げましたが、二、三関係方面との折衝もありますので、さらにお延ばしを願つて、明後日にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 庄司君の御発言より処理して行きたいと思いますが、政府委員の御答弁を求めることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 それではさよういたします。

日高第四郎文部事務官(学校教育局長)

○日高政府委員 お答えいたします。庄司委員から國立新制大学の学生一人当り教育費はどのくらいになるかという御質問でありましたが、メモのようにしてお答えいたしました数字は、旧制の学校の学生と、新制の大学の学生との総計について、病院関係の費用を除いた全予算をもつて割りましたので、大体学生一人当り五万八千円ぐらいになつておるのでありますが、これにはなお分析をいたしまして、学科別のものも大よそのところを確実に御報告申し上げたいと思いますので、いましばらく時間をおかしいただきたいと思います。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 ほかに御質疑はございませんか。

水谷昇民主自由党

○水谷(昇)委員 この際要望を申し上げたいと思います。  東京藝術大学設置に関し、邦樂科の存廃問題は、各位御熟知の通り、しばしば論議せられ、現在の東京音樂学校邦樂科の各教授、在校生、卒業生等から、熱烈なる陳情、請願がたびたびありましたが、われわれ委員は、一方的な意見のみを聞いて、この邦樂科存廃の大問題を決すべきではないと存じまして、この問題の本尊である小宮音樂学校長にも、二回にわたりその意見を徴し、相当質疑、應答もいたしました。また各方面のいわゆる世論を徴して、愼重熟慮した結果、この際東京藝術大学に邦樂科を設置して、わが國古來の傳統の音樂をますます研究練磨して、日本民族の思想感情を十分表現し、もつて世界の音樂界に誇るに足るよう大成せしめたいと存じますから、本委員会は次のような強い要望をしたいと存じます。その要望の案をここに朗読いたします。    東京藝術大学に邦樂科を設置する要望   東京音樂学校に邦樂科の設置せられたのは昭和十二年であつたが、今回國立学校設置法の実施に伴つてこれが廃止せられることは、まことに遺憾である。本委員会は、新たに設置せらるべき東京藝術大学音樂学部に邦樂科を設置せられるよう強く要望する。政府はすみやかにこれが実現に努力すべきである。  なお本委員会は確固たる決意を表明するためにこれを決議いたしたいのでありますが、この國立学校設置法案に現われたる内容は、これ以上の方法がないのでありますから、この要望こそは東京藝術大学に邦樂科を設置すべしとの決議の意味をもつて政府はすみやかにこれが実現に努力すべきであります。  以上申し述べました趣旨によつて満場一致御賛成くださるよう切望してやみません。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 ただいまの水谷君の要望に対して御異議ありませんか。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 この問題については、私たちはよく考えてみなければならぬと思うのです。かつて明治初年に、日本の紀元を何年にすべきかという問題について学者の間で盛んに討論がありました。その際どうしてもきめるというふうな政府側の意見の反映もありまして、日本の國家紀元は何年であるかということについて討論がかわされたのであります。そしてこれは二千何百何年というふうに、明治初年に多数決によつてきめられたのであります。しかしこの問題は歴史的な事実の問題であつて、言いかえるならば、科学の問題でありまして、多数決によつてきめらるべき性質のものではなかつたのであります。はたせるかなこの二千六百何年というようなことが決定されて來たところが、最近科学的な研究によつて建國二千何百何年という考え方は完全に葬られてしまつたのであります。われわれは今申し上げた事実にかんがみまして、やはりこの問題を取扱う場合にも、もつと愼重に考える必要があると思うわけです。もちろん委員会では一、二の人を呼びまして邦樂科を設くべきか、設くべきでないかという根拠について相当考えられたと存ずるのでありますが、しかしながら委員会としてこのような問題について一方的にこうすべきであるというような見解を正式に発表するためには、まだ問題が大いに残つておると思います。われわれが音樂学校長の御意見を聞いたところによれば、科学的な学術的な問題の考え方をなされておられる点が多かつたのでありまして、もしも委員諸君の中で邦樂をどうしても設くべきであるというならば、あの音樂学校長のほんとうに科学的な藝術的な專門家的な見地からの主張に対して完全に反駁して、設けることが正しいのだという結論が生れるようなものがなければならぬはずだと思います。しかしわれわれが聞いているところでは、そういうふうな討論が十分行われていたとは考えません。もしわれわれが設けるかどうかということについて委員会としての重大な意思表示をするならば、その前にさらにもつと廣汎な專門家や、また現にそこで学んでおる学生諸君の意見を聞くなり、文化人の意見を聞くなりして、もつと委員会として権威ある方法によつてその態度を決すべきだと思う。明治初年の紀元のきめ方が非常に不手ぎわであつたばかりでなく、恥さらしであつたというような結果に断じてならないように、この委員会としては愼重であるべきだという点から、私は今これを提出することには反対であります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 私はそういう要望をするということには賛成なのでありますが、ただ多少希望的な意見がございますので、それを申し上げたいと思います。邦樂はわが國の文化において重要な地位を占めておりますし、從つてその維持発展のための研究教授が大切であることは申すまでもありません。また家元制度というものが、多くの弊害欠陥がありまして、この要求を満たすことができないことも明らかであると思います。かような事情から邦樂研究者の邦樂科存置に関する熱意は十分尊重さるべきであると思いますが、それと同時に邦樂の現状というものが、大学の課程としてふさわしい科学的な発達を遂げておるかいなかという点については、多少疑問があると思うのであります。むしろ邦樂は大学よりももつと自由な形でその教授研究の行われることが望ましいのではなかろうか。特にそれに十分な科学性を與えるためには、研究所でも設けまして一般の研究を進めることが望ましいと考えられるのであります。現在は音樂学校に邦樂科がありますので、これを存置することには異議はございません。しかしこのことは邦樂の現状が科学性の要請にこたえるに十分であるという意味ではない。むしろ邦学関係者はこの措置に安住することなく、進んでその研究を進めて邦学の欠陥を克服して、大学の課程にふさわしいものにすることに全力を盡していただきたいと思うのであります。  以上申し上げましたような意味でこの要望をすることに賛成するものであります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 ただいまの水谷君の要望に対して反対の意見も出ておりますので、この際採決いたします。水谷君の要望に賛成の方の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 起立多数。よつて要望は可決されました。     —————————————

岡延右エ門民主自由党

○岡委員 私は民主自由党を代表いたしまして、國立大学設置法案中の「東京文教大学」を「東京教育大学」に修正するの動議を提出いたします。  まずその経過及び理由を簡單に申し上げます。  この大学は東京文理科大学、東京高等師範学校、東京体育專門学校、東京農業教育專門学校、この四校をまとめて、一つの大学を設置しようという案でございます。そうしてこの学校名につきましては、まず参議院の文部委員会において、文教大学よりは教育大学の方が、よりふさわしいという勧告が行われたのであります。それから旬日にいたしまして、当衆議院の委員会におきましても、文教大学よりも教育大学の方がさらによろしいという意思表示をいたしたような次第でございます。そこで文部当局におかれましては、衆議院が意思表示を行いました翌日、文部省におきまして四校代表を招致し、教育大学で行くということの申渡しをしたのであります。その際文理大を除く三校を即時了承したのでありますが、文理大のみは態度を留保し、國会に対して今後運動をすべきことを声明して即時了承に行かなかつたのであります。ところがその直後に関係方面より、ユニバーシテー・オブ・エジュケーシヨン(文教大学)として、その案に対してオー・ケ—が参つたような次第でございます。そこで文教大学を支持するところの文理大側がその情報に勢いを得まして、さらにさきに文部当局に言明せる通り國会に対して猛運動を展開しましたことは、われわれ御同様文部委員の熟知するところでありまして、また一方において高等師範系統が運動を展開したことも、これまた皆さん熟知せる通りであります。  かくのごとくこの問題は院外において一應政治問題化したものでございますから、幾分丁寧にこの動議提出の理由を御説明いたしたいと思うのでありますが、この文教大学を支持する側の文理大の言い分というのは、教育大学なる名称は、今日までの過程におきまして、師範なる名称を教育と置きかえようとした事実があるから、教育という名称を冠すると、過去におけるところの師範教育の弊害を温存し、学的水準を低下せしむるゆえに、この名称を避けたい。また教育者のみを養成する学校では物足りない。東京大学のごとく学術の蘊奥をきわむる底のものでなければ、教授としてのプライドも満足されないという点に大体盡きておるようであります。  ところが私考えまするに、第一点の今日まで師範を教育と置きかえようとした事実があるから、教育とすると、從來の師範教育の弊害を受け継ぐおそれがあるというのは、あまりにも神経質的な考えであつて、文教大学なる名称が初めての名称であるとすれば、同じく教育大学なる名称もまた初めてであることにかわりはないのであります。  第二点の、教員を養成することでは物足りない、学の蘊奥をきわむる底のものでなければならないという考えは、この大学に職を奉ずる者の考えとしては、必ずしも妥当ではないと存じます。何となれば、りつぱな教育者、最高の教育者を養成する学校、これより尊い高い使命を持つ学校が一体どこにあるか。教員を養成する学校という観を避けようとの思想は、教育者なるものの天職が何ものにもまさる崇高なる天職であることを忘れた議論であると申さなければならないと私は確信いたします。もしそれ、学の蘊奥をきわむる底の理想を第一義的であると考えるものとしたならば、本郷の東京大学その他の総合大学があれば足りるのであります、ことさらにこの大学をつくる必要はないのであります。昨日長野委員は札幌農学校の例を引かれまして、かの学校の創設者及びその継承者及び教授連が烈々たる学問、教育に対する熱情を傾けたことによつて、ひとり農業界のみならず、科学の分野に、あるいは宗教の分野に、あるいは哲学の分野に一流の人物を輩出したとの例を引かれ、名称は教育大学であろうとも、その本來の使命たる教育者を養成するほか、その適性に應じて、深い高い研究をなしたならば、各分野にも権威あるところの人物を輩出するであろう。されば最高の教育者の養成をするこの学校は、その実にふさわしく教育大学によるべしとの御意見を、熱誠あふるる態度をもつて力説されたのでありますが、私もまつたく同感であります。フランスにエコール・ノルマル・シユペリオルという学校があります。これはもちろんフランス語でありますが、すなわち文字通り名は高等師範学校にすぎないのであります。ところがこの師範学校なるものは、その教授連の烈々たる学問に対する教育者養成の熱誠と、これに相應じて、そこに集まるところの生徒とが相一致いたしまして、フランスにおいてどの大学よりも高い水準を持ち、フランス第一流の学校であることは、おそらく教育に携わる人はご存じのところであろうと思うのであります。高等師範学校の名称しか持たない学校にしてしかりであります。いわんや本校は最高学府たる教育大学の名を冠せられ、しかも本大学の目的及び使命は、その第一條に示すごとく、本学は人類文化の向上のために、学術に関する高度の專門的研究教授と、教育科学の深い研究教授とを行うことによつて、高い識見と廣い視野を持つ有能な教育者たるべき適材を育成し、併せて教育に関する権威ある研究機関となることをもつて目的使命とする、以上の通りでありまして、本大学の目的及び使命がいかに崇高なものであり、学術の蘊奥をきわめんとの熱誠を持つ教授を満足せしむる内容をも兼ね備えているのでありますから、全体の條文から見ましても、やはり教育大学なる名称がより妥当であると私は確信するものであります。  さればいみじくも教育大学なる名称を支持する世論はまさに圧倒的であります。すなわち五月七日四校教官及び事務官に署名を求めました結果は、総数三百七十二名中、二百九十名が教育大学を支持し、一月下旬の学生の輿論調査は、教育大学二百に対して、文教大学十すなわち五分という比率を示し、文教大学及び高等師範の卒業生約一万をもつて組織するところの同窓会すなわち若渓会は、各府縣別に支部長を持つているのでありますが、本年春季支部長総会においてもまた満場一致をもつて教育大学を支持しておるような次第であります。また辞表提出中とはいえ、新大学設立委員長たる文理大学長もまた教育大学たるべしとの固い信念を持つているのであります。また文部当局及び関係方面も教育大学がより妥当であるとのお考えを持つておられるやに仄聞するのであります。その上声を大にして申し上げなければならないことは、八千万国民を代表する國会、その國会の衆参両院の文部委員会が、教育大学がより妥当なりとの勧告をなしたという一大事実であります。さればどの点から見ても、世論の動向は炳として明らかであります。なるほど二、三日前に文理大の学生が圧倒的に文教大学を支持するとの署名を行つたとも聞き及んでおりますが、これは問題の解決が教育大学へ確定的となつた情報を手にした同校の教授團が連訣辞職もしかねまじき氣勢を示したことによつて動かされたのでありまして、学生たちもそれではたいへんだと署名をしたということを、学生代表もわれわれに漏らしているのでありまして、かかる場合の署名というものが、そう重く信憑性を持つものであるとは断じがたいのであります。  世論の動向が以上の通りであり、しかも内容的に見ましても、教育大学が妥当であると私は確信するのでありまして、国家百年の大計上、國家百年の教育行政上、教育大学と修正することを私は強く主張するものであります。  さりながら教育大学と修正することによつて師範学校の旧弊を温存し、学問研究の水準が下るのではないかと憂うるところの文理大学の教授團の学的な良心、文教大学という名称を冠して学術の最高水準をきわめんとする烈々たるところのその母校愛、学問尊重の燃ゆるがごとき信念を持つ教授團に対しましては、理論的にはともかく、私はその学者的至誠に対しましては、深く深くこうべをたれて敬意を表せんとするものであります。されば私は文部当局に対して強く要望したい点がございます。願わくは文部当局はこの学者諸公の学問的良心にこたうべく、予算、施設、教授のあつせん等において遺憾なきを期せられ、教育大学の名称及びその第一條に掲げられたるところの崇高なる目的、使命が空文に終ることなく、名実ともに日本における最高水準の学校たらしめ、もつて学者たちの学的良心を満足せしめ、現在の心配を單に杞憂に終らしむるよう特段の考慮を拂われんことを強く要望する次第であります。  次に委員各位に申し上げますが、本件はすでに過日の委員会において同様の趣旨が勧告されていることは御承知の通りであります。この点多少疑義をさしはさむ方もあるかのようにも伺つておりますが、これは速記録を神聖視するところの議会人である以上、議事録にはつきり明記されておるところでありますから問題はないと存じます。されば新憲法下國会が國権の最高機関として認められ、國会法において常任委員会の地位が非常に高くなつた事実を深く考慮せられまして、一たび意思表示を行つたものを運動、陳情等によつて改変するかのごとき印象を與えますることは、國会及び常任委員会の権威にも関するものであるという点に潔く思いをいたされ、また事案の性質にかんがみまして、起立採決の方法等によらず、満場異議なく私の動議に御賛成あらんことをお願い申し上げまして、私の動議提出の趣旨弁明といたします。(拍手)

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 ただいまの岡君の動議は、国立学校法の一部の修正と関連いたしておりまして、質疑終了前に修正の箇所を一々動議で出されますと議事が非常に長くなりますので、ひとつ岡君の動議のみにしていただきたいと、委員長よりお願い申し上げます。岡君の動議に御異議はございませんか。     〔「討論々々」と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 討論の御希望があるようでありますから、これを許します。松木君。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 私は社会党を代表いたしまして、ただいま提出されました修正動議に反対の意見を申し述べます。それは教育大学がいいとか、あるいは文教大学の方がいいとかいう、そういう名前がどちらがいいという立場で反対するのではございません。別な立場から反対せざるを得ないのであります。それはこういう問題は元来新しくできようとする大学を……。(「速記録を見たまえ」と呼ぶ者あり)速記を見ました。賛成決定を委員会はしておりません。——それでは申し上げますが、あのときは勧告したらどうかという意見が出た。勧告するかどうかを決定する前に、日高局長から四校の当局者に話をしようということまでで、その後の発展はしていないのであります。  それで大体新しい大学を構成する四校の当事者が話をまとめ、そうして大学設置委員会で案をつくつて國会に提出されるのが私は妥当であろうと思うのであります。こういう問題は、やはりなるべく大学の自治を尊重して、外部で決定するようなことは避けたいと思います。そこで私たちの希望いたしますところは、こういうふうに現在は当事者の間で紛糾しておりますから、一應國立大学設置法案の審議をしばらくとめてでも、これを大学設置委員会の方にもう一度返して、そこでよくまとめるということが一番望ましい方法であろうと思うのであります。しかしながらすでに現在修正案が出て参りましたので、これに対する態度を決定しなければなりません。  そこでもう一つわれわれが考えますのは、この名前はむしろ第二義的である。問題は新しくできる大学がどういう実質を備えたものになるかということが最も大事な点でありまして、そういう意味からも両説を唱えておられる方々の双方の歩み寄りを期待しておつたのであります。ところが遺憾なことにそれが歩み寄りができませんで、今日のようなことになりました。日本再建のために、教育の刷新がいかに重要であるか、また教員の養成がいかに重要であるかということは申すまでもありませんが、それと同時に、やはり古いいわゆる師範式の教育の惡いところは、これを克服して行かなければならぬ。このことはアメリカの教育視察團も大いに強調しておつたところであります。もちろんこの名前については双方に御意見がございまして、それぞれ理由のあることであろうと思います。それがこういう形でこの委員会で一方的に決定するということになりますと、どうしても他方に不満ができる。その影響するところ、またおもしろくないものがあろうと思うのであります。そういう意味で私どもは教育大学という名前も、必ずしもこれは排斥すべきものではないと思うのでありますが、その原案で今出て來ておるものを積極的に変更する必要を認めないのであります。そういう意味から私どもは遺憾ながらただいまの御提案には反対せざるを得ないのであります。

岡延右エ門民主自由党

○岡(延)委員 直接関連しておりますから、ただいまの松本君の御発言に対してでありますが、爾余の討論者があるといたしますれば錯覚を起されるおそれがあると考えますから、私はそのときの議事録を読み上げてみたいと思います。  私から「委員長をおいてこれを勧告するかしないかを、決をとつていただきたい」と発言をいたしました。そのときに圓谷委員から「日高さんにお伺いしますが、手続は観点であつてもいいのですが、教育大学を原案は出ている」これは「文教大学」の誤りであろうと思います。「教育大学と原案は出ているのですが、直すことができますか。」日高政府委員「改正はできると思います。」圓谷委員「それならば委員長においてとりはからつて勧告していただきたいと思います。」〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕——異議ありという場合は、必ず速記者としてこういう表現はしません。原委員長「ちよつと速記をとめて……。」この速記をとめておる間に、私は前文部大臣森戸委員に敬意を表するために、森戸先生、あなたはいかがですかと申しましたところ、発言はなさいませんでしたが、あの森戸先生の独特のこつくりこつくりを二、三回繰返したことをはつきり私は記憶しております。社会党のこの問題に対する態度はその通りである。——〔速記中止〕原委員長「それではさようにとりはからうことにして、本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが……」こうあります。これをよく熟読願いたい。さようはからうということは勧告するということであります。それで委員長から文部当局に対してはつきりとした勧告をしたはずであります。委員長ひとつ御承認を願いたい。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 速記をとめておる間に、私は皆さん方にお願いしたいのですが、勧告は角が立つから申出をしようと申しました。そうして満場一致の皆様の御意思を政府に対して申し入れました。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 それで私は当時期待いたしましたのは、日高局長から関係者にそういう申入れをして、その結果どういうふうになるか。まとまるということを第一にわれわれは期待しておつたのであります。森戸元文部大臣はあのとき文教と教育とどつちをとるかと言えば、自分は教育の方がいいような氣がするということをはつきり言つておられます。けれども、その後の事情がこういうふうに再び紛糾してまとまらないようになりましたので、そこでまとまらないものなら、積極的に案を改正するということには反対せざるを得ない、こういうふうに意見がかわつて來たのであります。採決はここではしておりませんから、そういうふうに御了承願いたいと思います。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 今野君、御発言がありますか。——簡單にお願いいたします。

今野武雄日本共産党

○今野委員 今問題になつております件につきまして、岡委員よりこの前に御発議がございましたときに、私は教育の科学的研究が、今まで日本ではなされて來なかつたという事実、これを知つておりますし、今後それがなされなければならないという見地から、筋が通つた教育大学という名前は非常にけつこうだということを、はつきり申し上げました。その結果、先ほどの委員長申入れとなつたことを覚えております。そして岡委員の言われておる御趣旨は、非常によく了承しておるつもりであります。しかしながらその後に至りまして、これは單なる名前の問題ではなくして、非常に紛糾した事情が背後にあるということが明らかになつて参りましたので、私どもとしては、大学の自治がここにおいてもすでにくずれておるということを非常に遺憾に考えたのであります。そしてできるならば、こういうことをこの委員会において採決等の手段によつてきめることはなく、もう一ぺんこの委員会として、大学の自治を尊重するように、そして両方が意見を一本にまとめるように勧告すべきであると考えておる次第でございます。そういう意味において、ただいまのような修正案を出すことには、賛成しかねる次第でございます。

稻葉修民主党(第九控室)

○稻葉委員 大学と國会、いわば文部委員会との関係について、もし大学本來の機能であるところの研究と教育ということの問題に実質的に触れて來るような場合には、国権といえどもそういうことに関與することは、眞実なる文化の所産を阻害するおそれがあるというふうに考えます。この問題につきましては、名前で云々される問題ではなくして、大学内部の紛糾した事件の結果であるということは、岡委員も申された通りであり、文部当局からもしばしば明らかにされたところであります。そういうわけで、先般の本委員会における申入れをするという申合せは、事態を平和裡に解決できるならばと、それを期待してああいう申合せをいたしたのでありますけれども、この委員長の申入れの結果によつても治まらずして、今日こういう事態を引起し、動議がここに提出されて、民主自由党におきましては教育大学案を支持して起立し、他の政党におきましては原案を支持して起立をしないというような結果になりますと、賛否両論にわかれておる政治的な色彩が、神聖なる学内に及ぶような忌まわしい結果を予想せられるのであつて、これはただ單に当大学のみならず、他の大学の自由にとりましても、ゆゆしき問題となるおそれがありますから、問題の処理を十分愼重に扱われることを希望いたす次第であります。そういう意味合いで、動議の形でお出しにならずに、もう一度私どもは委員会の名において文部大臣に、こういう事態の推移をよく究明し、十分なる資料を添えて、本來大学名をいかにすべきかということについての権限を有する大学設置委員会に再答申を要求せられるよう、切望いたしたい次第であります。そういうふうにこの問題の処理を持つて行きたいと思います。そしていわゆる高等師範派の人々、あるいは文理大派の人々にも御反省の機会をやりまして、両者の歩み寄りにより、この大学の眞の目的たる最高水準を行く教育者の輩出に実績をあげられるように切望したいのであります、今日のような状態で採決をいたしますならば、この大学には永久に派閥の争いが残されるのであつて、最も最高水準を行くところの、りつばな教育者を養成する大学の設立の目的を根底から破壊するおそれがあると思うのであります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 稻葉君の御発言に、岡君御意見ございますか。  暫時休憩いたします。     午後五時三十八分休憩      ————◇—————     午後五時四十一分開議

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  東京文教大学を東京教育大学に修正する動議を岡君より出されております。岡君の動議について採決をいたします。賛成の方の御起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 起立多数。よつて岡君の動議は成立いたしました。

庄司一郎民主自由党

○庄司委員 委員長、岡君の動議は成立したのではありません。可決確定したのであります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 可決確定いたしました。     —————————————

千賀康治民主自由党

○千賀委員 議事進行について。——愛知工業大学の校名を、名古屋工業大学に修正する件でありまするが、一挙手一投足の労でこれも済みますから、どうか御上程を願いたいと思います。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 それでは千賀君。

千賀康治民主自由党

○千賀委員 國立大学設置法案に対しまして修正動議を提出いたします。  すなわち第三條の表中「愛知工業大学」を「名古屋工業大学」と修正することの件でございます。簡單に理由を説明いたします。  この大学は長く名古屋市及び愛知縣の両方の経営にかかる二つの学校がここに寄せられたのでありまして、名古屋高工という名は、すでに縣民に親しまれること数十年に達しておりまして、愛知大学ということでは、何となしに縣民になじみが惡いという声が盛んに起つておるのであります。この点に関しまして、愛知縣選出の國会議員、衆議院議員十九名、参議院議員六名、合計二十五名の大部分の方に陳情を受け、ないしは私みずから意見をとつてみたのでありまするが、ことごとくこの修正に賛成を表しておられます。この修正によりまして、地元縣において紛糾を起すことは絶対にないことをここに保証いたしますから、どうか委員各位も御安心の上、御賛成を願いたいと思います。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 ただいまの「愛知工業大学」を「名古屋工業大学」に修正する千賀君の動議に御異議はございませんか。     〔「異議事なし」と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 満場一致可決確定いたしました。     —————————————

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 國立学校設置法案はこの程度にとどめ、社会教育法に対する提案理由について、政府当局より御説明を求めます。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 政府から提出いたしました社会教育法案について、御説明申し上げます。  終戰後早くも四年になろうとしておりますが、祖國再建のための重要なる施策の中で、最も重要なるものの一つは教育であると申しても過言ではありません。なかんずく、祖國再建をになう現在の國民の間で行われる社会教育の重要性は、いまさら多くの言葉を用いる必要のないことと存じます。元來社会教育は、国民相互の間において行われる自主的な自己教育ではありますが、教育基本法第七條にもありますように、一面國及び地方公共團体によつて積極的に奨励されなければなりません。しかるに從來國及び地方公共團体の社会教育に関する任務はあまり明瞭でなく、社会教育の重要性が叫ばれましても、それがなかなか実際の行政面に具体的に現われて來なかつたのであります。従いまして、社会教育を推進いたしますためには、これに必要な法的根拠を與え、國及び地方公共團体の任務を明らかにいたしますことが、ぜひとも必要と思われるのであります。  このことは政府のみならず、一般識者の間においても強く認識されているところでありまして、昨年四月の教育刷新委員会の建議をはじめといたしまして、各方面よりの社会教育法制定に対する要望があり、文部省はこれらの要望を背景とし、その意見を基礎として急速に社会教育法制定を進めて参つた次第であります。  次にこの法案の骨子について申し述べます。  第一に、この法律案は、教育基本法る精神にのつとりまして、社会教育に関する國及び地方公共團体の任務を明らかにすることを目的としております。ことにすでに発足を見ました教育委員会制度に即應し、從來都道府縣及び市町村の教育委員会として、社会教育に関し、いかなる権限と任務を持つべきかということについて、明確を欠いた点がありますので、この際、できるだけ具体的に、國及び地方公共團体の社会教育に関する事務の内容を明確にしたいと思います。これがこの法律の目的とするところであります。  第二に、社会教育関係の各種の團体と、國及び地方公共團体との関係について規定しているのでありますが、國及び地方公共團体としては、民間の社会教育関係團体が、できるだけ自主的にかつ積極的に活動を続けて行くことができるように、これを助長することが大切でありまして、そのために各團体の指導者の養成に努め、それらの團体の情報センターたるの機能を果すべきものと考えております。從つて本法案中に、國または地方公共團体がこれらの任務に應じ得るように規定しているのでありますが、一面各團体の自主性を確保するためには、團体に対して不当に統制的支配を及ぼしたり、その事業に干渉を加えたりするような事態に陥らぬようにし、また補助金を與えることも、これを差控えるべきであると考え、そのように規定いたしておるのであります。  第三に、都道府縣及び市町村に社会教育委員を置くことができることとし、社会教育に関し、教育長に助言を行う機関とするように定めてあります。  第四に、現在すでに約五千の設置を見ております公民館の目的、事業、運営方針、職員の取扱い等を明らかにするとともに、政府においても積極的にその運営に対する財政的援助をなし得る道を開き、公民館が眞に市町村においての社会教育の総合的な中心施設として発展するように定めてあります。  第五に、國立または公立の学校の施設の公共性を明らかにいたしまして、学校教育に支障のない限り、十分に社会教育のために利用されるよう、その方法等について定めてあります。  第六に、社会教育の有力な手段であるところの通信による教育につきまして、社会教育奨励すべきものと認められますものを文部大臣が認定いたしまして、認定した通信教育に種々の利便を與えて、通信教育の発展をはかるように定めてあります。  以上、本法案の提案の理由と、その内容の骨子について御説明いたしましたが、この社会教育法案が成立しまして、社会教育に法的根拠が與えられますならば、わが國社会教育の進展に資するところは、はなはだ大きいと存じます。何とぞこの法案の必要性を認められ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くだされんことをお願いいたします。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 本法案に対する質疑はあとに譲りまして、本日はこの程度にて散会したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 御異議なしと認めます。  月曜日は午後一時より開会いたすことといたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十三分散会

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