文部委員会 第14号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1949/05/09
会議録
○原委員長 これより会議を開きます。
○若林委員 事きわめて重大でありますので、日程に先だつて緊急質問をお許し願いたいと思うのであります。 目下地方財政委員会において地方税法(昭和二十三年法律第百十号)の改正法律案を御審議になつておるのでありますが、この改正案の、第七十五條の第一項の第二種の場所とは、左に掲げるものとするという中に、現在の税法に入つていないものが追加されているのであります。すなわち博物館、美術館及び展覧会場、植物園、動物園及び水族館という項目が加わつたのでありますが、文化國家を目ざそうとする日本の現状に照しまして、事きわめて逆行の形になつておると思うのであります。幸いにしてこの中には、同じような目的、同じような性質でありますところの図書館が加えられておらぬのでありますが、おそらく図書館をこの中に加えていないところの精神をくみとつてみまして、まことに多とするところでありますが、一歩進めて、ただいまこの申に加えられようとしておるものを見ると、何ら図書館と区別すべきものはないと思うのであります。図書館をこの中に加えないところの精神をもつてするならば、この博物館、動物園等に対するところの課税はやはり不当であるという氣持がするのでありまして、文部委員会といたしまして、この点をお取上げを願うと同時に、文部事局のこれに対する御所見を伺いたいと思うのであります。なお事ここに至りますまでの経路その他を伺うこともよいと思うのでありますが、この法案が立案せられましたときの経過と文部御当局のこれに対する御所見を伺いたいと思います。
○高瀬國務大臣 ただいまの御質問に対してお答えいたします。御趣旨につきましては、文部省といたしましてはまつたく同感でありまして、ただいまおあげになりましたような施設は、社会教育振興の見地から申しますれば、すべてきわめて重要なものでありまして、入場税を取るというようなことは極力避けるのが至当であろうと私も考えております。図書館はとらないことになり、ほかの方はとることになつておるという点は、社会教育振興の上からの、多少の程度の違いということから来たかと思いますが、全然すべての課税をしないことが至当だと思いますが、國の財政の都合から、今回はやむを得ずそういうことになつたかと思います。今後につきましては、御承知のようにアメリカから使節が参りまして、課税制度についての根本的な檢討が行われるということになつておりますので、その際文部省としては十分に意見を出しまして、できるだけ御趣旨に沿うようにいたしたい、こういうつもりであります。御質問のただいままでのこまかい経過につきましては、局長から御説明申し上げることにいたしたいと思います。
○柴沼政府委員 地方財政法の改正に伴いまして、御指摘のような施設の入場料に課税をすることは、從来は実際問題といたしましても、この課税ということは取上げられておらなかつたのであカまして、実は私ども、今後も当然そういう形で進んで行くものと考えておつたのですが、何か地方財政法の改正が非常に取急がれた様子でありまして、われわれ事務的な意味での御相談が十分になかつたのであります。われわれとしては、次官会議、閣議等の後にようやく氣づいたような、そういう実情なのでありまして、実はびつくりしたのでありますが、話が非常に進んでおりますので、われわれの方としては、いかんともしがたいような状況であります。もしできるならば、今度の税制改正の際にでも、せめてこれが改正できるならばというふうに考えておるような状況でございます。そういう事情でございますので、折衝の経過というようなものも、事務的にはございませんで、申し上げるような材料がないような次第であります。
○若林委員 四月七日の次官会議において、これが御審議になり、四月十二日の閣議で御決定を見たと承つておるのであります。今度の予算編成にあたりましては、税制全体について重大な事柄は、この次に起るであろう税制改革の時をまつてという今文部大臣のお話であつたのでありますが、金額においては些少かもしれませんが、社会教育に重点を置かなければならぬという意味からいつて、税制改革には今議会においてはあまり手をつけないという意味ならば、これは留保するということも可能ではないかと思うのでありまして、その点事務的にどういうような手続をふむべきかということは、私たちつまびらかでないのでありますが、文部委員会といたしましては万全の措置を講じて――課税から抜くのもこの次の税制改革ということになるならば、課税の中の対象として加えるのも、その時まで待つてもいいじやないかというような氣持が妥当であるように思うのであります。きわめて簡單でありますけれども、思いは簡単な言葉で盡せないだけの氣持を持つておるのであります。特に文部委員会として、これを阻止し得るよう万全の措置を講ぜられんことを、切に希望いたします。
○松本(七)委員 事務的に連絡がなかつたということでありますが、若林さんのお話のように、次官会議あるいは閣議にも出されたのであります。大臣として、これが阻止方について、どのような努力をされたか、伺いたいと思います。
○高瀬國務大臣 今回の予算の編成につきましては、時間的に非常に短かいことであつたことは御承知の通りであります。そしてもう閣議に出て参りました時分には地方財政についての予算は大体きまつて出て来て、それをいろいろ審議しておるのにも十分な時間もございませんし、本年度としては、どうしてもこれはやむを得ないと、こう考えた次第であります。
○松本(七)委員 閣議に出る前に大体きまつたというのは、どこできまつたのですか。
○高瀬國務大臣 これは地方財政のことでありますから、地方財政委員会であります。
○渡部委員 今の問題については、若林君の御意島にまつたく同感です。文部省としては、もちろん金額の内容の問題ではなくて、これは事の本質の問題になつて來るのでありまして、從つて金額の軽少とか、過重とかいう、そういうことよりも、文部省の考えとしては、もつと本質的なものであるはずだと、われわれとしては考えるのであります。ところで、その本質的な問題について、すでに地方財政が予算の中に出て來ておつたのでどうにもならなかつたとか、あるいは大体事が進行しておつたのでどうにもならなかつたというようなことだけでは済まされない。ものの考え方における根本問題だと考えなければならないと思うのです。從つて今まで閣議、次官会議等においても、もうすでに手が盡せなかつたというようなことで打切るべき問題ではなくて、すぐどうする腹なのかという根本問題が、なお残つておるはずだと思うのです。現にどうすべきかという点について、大臣の御見解を伺います。
○高瀬國務大臣 それにつきましては、先ほどお答えした通りでありまして、文部省といたしましては、その他の課税の問題につきましても、ぜひもつと改めたいというものは、まだたくさんあるのです。しかし現在の財政状態から申しますと、國家財政から申しましても、地方財政から申しましても、なかなか思うように行かない点がずいぶんあります。そういう点におきまして、今回は、これはやむを得ないものと考えたわけであります。将來ぜひとも何とか努力して行きたい、こう考えて、きめたわけであります。
○渡部委員 それで、文部省が今後これを急速に改めなければならぬという見解を持つておられるならば、われわれとしては、これ以上質疑的な形で追究するというようなことはやめまして、この委員会におきまして、若林講の御提案のように、急速にこれを阻止するような手段を、しかも強硬な手段をとらるべきことを、われわれとしましては希望申し上げて、質問を打切ります。
○水谷(昇)委員 大体この問題については、当委員会は、各委員諸君も同じ意見だろうと思いますが、これは新しい課税でありますから、この委員会において大体意見が一致いたしましたならば、地方行政委員会の方へ、文部委員会の意向として申入れをしたらいいと思います。この点委員長からお諮り願いたいと思います。
○原委員長 ただいまの入場税の問題についての水谷君の動議に対して、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 それでは御異議ないと認めます。委員長より地方行政委員会の方に、委員会の満場一致の御趣旨をお傳えいたすことにいたします。 ―――――――――――――
○原委員長 これより日程に入ります。教育職員免許法案、教育職員免許法施行法案を一括して議題といたします。政府の提案理由の説明を求めます。
○高瀬國務大臣 ただいま議題となりました教育職員免許法案並びに教育職員免許法施行法案につきまして、その提案理由及びこれらの法律案の骨子とするところを御説明申し上げます。 昭和二十二年三月、学校教育法が制定されまして、いわゆる六・三・三四の新学制が定められました。この新学校制度は、民主主義教育の根本である教育の機会均等を実現すべく、從來の学校制度を根本的に変革し、民主的平和的な文化國家創造の原動力となるにふさわしい國民の育成を期したのであります。この新学制は、着々と実施を見つつあるのでありますが、これらの新しい学校の校長及び教員となる者は、それぞれよく新教育の精神及び方法を体得し、その職務の重責を果すに足る十分の資質と能力とを有しなければならないことは、言をまたないところであります。学校教育法におきましては、校長及び教員の免許状その他資格に関する事項は、監督聽がこれを定めることとし、同法施行規則で、暫定的に一定の者をそれぞれ校長または教員の仮免許状を有するものとみなす旨規定いたしました。他方政府は、終戰以來、校長及び教員に対し、新教育の精神及び方法を徹底させるべく、あらゆる機会を利用して、現職教員の再教育のため多大の努力を傾注して参つたのであります。 しかるところ、校長及び教員の免許跋その他資格に関することは、きわめて重要な事項でありますから、民主主義立法の精神にのつとつて「その基本的事項は法律をもつて制定すべきであるとの趣旨により、昭和二十三年の教育委員会法及び教育公務員特例法の制定にあたりましては、これらの事項は法律で定めるとの原則を規定したのであります。また教育委員会の教育長及び指導主事につきましても、その職務の特殊性にかんがみ、免許状を要するとの建前をとつたのでありますが、その免許状授與の所要條件につきましては、校長及び教員の資格ともにらみ合せる必要がありますので、その悟久的立法はすべて将來に譲り、教育委員会法及び教育公務員特例法の施行令で暫定資格を定めたのであります。 政府は、これらの教育職員の資格の問題重要性を考慮し、またこの問題が教員養成機関の問題や、教員需給の調節の問題とも多大の関連を持つことにかんがみまして、欧米諸國の例をも比較研究しつつ、これが成案を得るよう努力して参たのであります。 かかる情勢の中にありまして、この昭和二十四年度よりは、新学制の頂点たる新制大学がいよいよ発足することになり、幼稚園から高等学校に至るまでの教員養成は、すべて大学において行うことになりました。從いまして、これらの新制大学における教員養成のための教育課程を編成する必要からいたしましても、教員等の免許状その他資格について、早急に立法する必要に迫られたわけであります。 以上申し述べました理由に基き作成しましたのが本法案であります。 次に本法案の骨子とするところを簡単に御説明申し上げたいと存じます。 第一は、本法の適用範囲でありますが、本法は大学を除き、幼稚園から高等学校に至りますまで、國土、公立、私立を問わず、すべての学校の校長及び教員並びに教育委員会の教育長及び指導主事に適用されるのであります。これらの教育職員には、本法により、それぞれ免許状を有することを必要とするのであります。なお、旧学校制度の時代には、御承知のように教員についてのみ免許状の制度があつたののでりますが、今回本法により、新たに校長免許欣制度が確立されたことを申し添えたいと存じます。 第二は、免許状の種類を、旧來のものに比して多種にしたことであります。これは一面におきましては、教育職員の充足を容易ならしめる必要からでありますが、その大きなねらいとするところは、教育職員が常に研究と修養に励むごとによつて、その地位の向上をはかる道を開いたことであります。すなわち免許状は、普通、仮、臨時の三つにわけ、さらに普通免許状は、一級、二級とし、これによつて本法第一條に掲げる教育職員の資質の保持と向上をはかろうとするのであります。またこの免許状の種類を合理的に分類することによつて、将來教育職員の職階制を定める場合の一つの基準を與えることができたと存ずるのであります。 第三は、免許状は、大学において一定単位を修得した者かまたは教育職員検定に合格した者に與えることとした点であります。その単位数については別表において定め、これを修得した旨の証明書があれば、それによつて免許状を授與しようというのであります。また教育職員検定というのは、現職者について一定年数以上良好な成績で勤務した旨の証明書を有し、大学またはこれにかわるべき施設において、一定単位を修得した者について、人物、身体を調べた上、免許状を授與しようとするのであります。第四は、免許状の授與権者についてであります。旧制度では、旧制の中等学校、高等学校教員については文部大臣、國民学校、幼稚園の教員についでは都道府縣知事が授與権者となつておりましたが、この中央集権的傾向を排して、すべて都道府縣に一任することとしたのであります。すなわち國立または公立の学校の校長及び教員並びに教育長及び指導主事については都道府縣の教育委員会を、私立学校の校長及び教員については都道府縣知事を授與権者としたのであります。 第五は、旧免許状はすべて終身有効でありましたが、本法によれば、仮免許状、臨時免許状については、有効期間が制限されているのであります。これはわが國の経済状態にかんがみまして、教育職員となるものの負担を軽減するとともに、教育職員の充足を容易にするため、とつた措置であります。なおこれらの免許状を持つた者が、現職中に努力すれば上級の免許状を得る途も開いたのであります。 第六は、從來もありました免許状の取上げについて、その事由を定めるとともに、取上げの場合には特に愼重を期して、本人の利益を守りますため、事前の審査制度を確立したことであります。 第七は、罰則規定を設けたことであります。虚偽または不正の事実に基いて免許状を授與しまたはその授與を受けた者を罰するとともに、免許状を有しないのにかかわらず、これを教育職員に任命雇用した者または教育職員となつた者にも刑罰をもつて臨み、免許状制度の徹底を期したことであります。 その他從來の免許法令の不備欠陷を是正して、新免許制度の運営に遺憾のないように処置いたしました。 次に教育職員免許法施行法案でございますが、本法案は免許法の制定に伴つて必要な事項を規定したのであります。 その第一は、旧令による教員免許状を有する考につきまして特例を設け、これらの者にはそれぞれ適当な新免許状を有する者とみなす旨を規定したのであります。 第二は、從前の規定による学校の卒業者等に対しまして、教育職員檢定によつて、それぞれ相当の新免許状を授與することができる旨規定したことであります。 第三は、今申述べましたところによつて、新免許状を授與された者について、それぞれ在職年数と相当の講習終了を條件として、上級の免許状を授與することといたしたことであります。 第四は、免許法の制定に伴い改正を加える必要のある学校教育法、教育委員会法及び教育公務員特例法について一部改正を行つたことであります。 以上申し述べましたのが教育職員免許法案及び同法施行法案の提案理由及びその骨子とするところであります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○稻田政府委員 両法案の内容につきまして概畧御説明申し上げたいと存じます。 教育職員免許法案でありますが、その第一條は、この法律は、教育職員の免許に関する基準を定め、教育職員の資質の保持と向上をはかることを目的とする旨を定めておるのであります。 第二條の規定の中心は、免許状を必要とする教育職員の範囲を定めるのにあるのでありまして、小学校、中学校、高等学校、盲学校、ろう学校、養護学校、及び幼稚園の教識、助教諭、養護教諭、養護助教諭及び講師と、これらの学校の校長並びに教育委員会の教育長、及び指導主事がその範囲に入つております。 第三條におきましては、教育職員は免許状を有する済でなければならないという趣旨と、それから講師につきましては格別の免許状を発行いたしませんけれども、相当の教員の免許状を有する者でなければならないと定めております。なお盲学校、ろう学校、養護学校の教員につきましては、それぞれの学校の教員の免許状のほかに、盲学校、ろう学校、養護学校の小学部、中学部、高等部等それぞれ相当の学校の教員の免許状を有しなければならないという趣旨の規定であります。 次に第四條以下におきましては、免許状の種類を定めております。免許状としては、普通免許状と仮免許状及び臨時免許状の三種類にわけております。普通免許状といたしましては、先ほど申しましたあらゆる学校の教諭について設け、さらに校長、教育長、指導主事について設けられておるのであります。しかして普通免許状は一級及び二級としております。 次に仮免許状でありますが、仮免許状につきましても、教職の範囲は普通免許状と同様であります。それから臨時免許状につきましては、小学校から高等学校に至るまでの助教諭について設けられております。 さらに幼稚園及び小学校につきましては、いわゆる全科掛任の趣旨をとつておりますが、中等学校及び高等学校につきましては、免許状は各教科別に授與することにいたしております。 次に第五條でありますが、普通免許状及び仮免許状につきましては、別表に掲げてありますような基礎資格を有して、大学あるいは大学院において一定の單位を修得した者あるいは教育職員檢定に合格した者に授興する趣旨の規定を設けております。さらにいわゆる欠格條項として、免許状を授興せられない事項をあげております。すなわち一定の年齢に達しないとか、あるいは一定の学歴を持つていないとか、精神に欠陥があるとかその他の事項を掲げております。 次に第六條でありますが、これは教育職員檢定は、受験者の人物、学力、実務及び身体について行う旨を規定し、学力及び実務の検定は、別表による旨を定めております。 第七條でありますが、先ほど申し上げましたように、一定の学校を卒業し、また一定の單位を修得することが基礎になつておりまする関係上、大学または所轄廳が免許状の授與または教育職員検定を受けようとする者から請求があつた場合には、人物、学力、実務等につきまして、証明書を発行しなければならない義務を定めております。 第八條は、免許状を授與いたしました場合に、授與権者が原簿を作成いたしますとともに、その事項を公告によつて周知せしめる趣旨の規定であります。 第九條は、各免許状について効力を規定いたしております。普通免許状はすべての都道府縣において効力を有します。仮免許状はすべての都道府縣において五年間有効であります。但し一回に限り有効期間を更新することができることになつております。臨時免許状は都道府縣の教育委員会規則、あるいは都道府縣規則で定める期間、その都道府縣のみにおいて効力を有することになつております。 さらに申し落しましたが、第五條第二項によりまして、免許状は國立、公立の学校の校長及び教員、教育委員会の教育長及び指導主事につきましては、都道府縣の教育委員会が授與権者になつております。しかしながら学校の校長及び教員につきましては、都道府縣知事が授與権者になつているのであります。 第三章におきましては、免許状の失効及び取上げに関する規定を設けております。 第十條の規定は、免許状を有する者が、先ほど申し上げました第五條第一項に掲げる欠格條項に該当するに至りましたときは、免許状はその効力を失う規定であります。その免許状が失効いたしましたときには、都道府縣の授與権者はその免許状を返還させる趣旨の規定であります。 次に第十一條は、免許状の取上げ処分に関する規定であります。免許状を有する者が、法令の規定に故意に違反し、あるいは教育職員たるにふさわしくない非行があつて、その情状が重いと認められたときには、授與権者は一定の手続を経まして免許状を取上げることができる。しかしながら現に職にある者については、懲戒免職の処分を受けてその情状が重いときに限つております。 しかしてこの取上げに関しまして、その取上げが愼重に行われ、公正を期し、免許状所有者の利益を保護する趣旨のもとに、第十二條の規定が設けられておるのであります。取上げの場合に、一定の手続を経て十分免許状所有者において審理を要求することができるようにいたしておるのであります。 第十三條におきましては、免許状が失効したとき、あるいは免許状が取上げられた場合における公告等の規定を設けております。十四條もそうした場合において、関連ある教育委員会の間において通報する規定が設けられております。 第四章といたしまして第十五條におきましては免許状を有する者が名前がかわり、あるいは本籍地がかわり、あるいは免許状を失つたような場合におきましては、書きかえ、再交付が請求できる。第十六條におきましては、免許状書きかえ、再交付に関しまする手数料については、政令で定める旨を規定いたしております。 第十七條の規定は盲学校、ろう学校または養護学校の高等部において、特殊の教科、はり、灸あるいはあんま術等につきまして、そうした教授を担任する教員の免許状の授與については、別に文部省令をもつてきめる趣旨の規定であります。 第十八條においては、外國において授與された免許状を持つておる者、または外國の学校を卒業した者等についての特例を規定いたしております。 第十九條は監督の規定でありまして、文部大臣が授與権者のなした処分に対する監督権の発動に関する規定を設けております。地方自治法の條項適用の規定の例によりまして、ある事項を命令し、あるいは高等裁判所の裁判を請求する、あるいは授與権者にかわつて当該事項を行うことができる旨を規定いたしております。 なお第五章は罰則でありまして、免許状を規定に違反して授與し、あるいは教育職員の檢定を行つた者、虚偽または不正事実に基いて免許状の授與または教育職員の検定を受けた者、あるいは虚偽または不正の事実に基いて証明書を発行した者に関する罰則を設けております。 さらに附則といたしまして、この法律は昭和二十四年九月一日から施行する趣旨の規定があります。これは都道府縣委員会あるいは府縣知事において、本法実施のために相当期間の準備を必要とする趣旨から、九月一日から施行する旨を規定いたした次第であります。 次に教職員免許法施行法案についてであります。この法案は先ほど提案理由の説明にも申し述べられた通り、今までの各種の学校を卒業した者につきまして、その卒業資格を本法の趣旨から見まして適宜その相当する新制の学校に比べてきめました点と、現在までの教育職員の職務経歴を尊重いたしまして、今までの学校を卒業し、または今まで教育職員としてその職にある方方の不利益に帰しないように考慮いたした規定であるのであります。また同時に、新しい法律実施によりまして、ただちに教育職員の需要供給に支障を來さないようにという趣旨で、今までの規定と対比いたしまして整理いたしたのであります。つまり現在旧免許状を持つております者につきましては、それも適当な免許状を持つている者とみなす趣旨の規定もあり、また今までは免許状を持たないで一定の資格を持つている者に対しましては、教育職員検定によつて適当な新らしい免許状を授與する趣旨の規定もございます。またこれらの者が一定の在職年数のある者につきましては、教育職員檢定によつてそれぞれ上級の免許状を授與する道も開いておるのであります。 以上概畧の御説明といたします。
○原委員長 これより両案に対する質疑に入ります。質疑は通告順にこれを許します。船田享二君。
○船田委員 ごく簡単にただ一点だけ臨時免許状につきまして、その有効期間が第九條第三項によりますと三年以内ということになつております。現在各地の学校におきましては、この臨時免許状を與えなければならないようなもの、つまり第五條第三項によりますと臨時免許状は、普通免許状又は仮免許状を有する者を得ることが困難なる場合に限つて與えられることになつておりますが、この得ることが困難な場合が、現在の状態では非常に多いのではないかと思われるのであります。これに対しまして普通免許状あるいは仮免許状を許されるに要する要件は、別表などを見ましても、かなり困難な要件となつておるように思われるのであります。この要件を最長三年目内に満たすことができるかどうかということについて、疑いなきを得ないのでありまして、この期間について、また現在のような状態がしばらく続いたときに、臨時免許状の有効期間が切れてしまつたような場合に、どういうふうな状態になるか、これに対しでどういう対策を講じておられるかというような点につきまして、文部省側の御説明をお願いしたいと思います。
○稻田政府委員 ただいまの御質問のごとく、今日の小学校、中学校、高等学校の現状におきましては、相当多数の助教諭が必要なのであります。概畧全教員の三分の一程度は、そうした方方によつて維持されておる状況でございます。お話のごとくただちにこれを切りかえるということは、まつたく困難な問題でありまして、從來文部省におきましても、あるいは都道府縣におきましても、いわゆる現職教員としてのそうした方々についての講習等に努めて参りましたが、今後におきましてもそうした点について努力をいたしまして、でき得る限りそうした方々が早い機会に上級の資格を得られるように努めて参りたいと思つております。
○船田委員 もう少し数字的に御説明を願いたいと思うのであります。臨時免許状を與えられた人が、三年内に仮免許状あるいは普通免許状を得られなかつたというようなことになりまして、せつかく今まで教育に当つて来た人たちが、すべて整理されなければならないような状態が、近い将來に起づて来るというようなことになりますと、それでもつて新しい学校制度が運営できるお見込みであるか、また少くとも現在助教諭として働いておられる人たちが、三年なら三年の間に、文部省の方もあるいは都道府縣の方も御努力になるでしようが、そうしてまた助教諭の方でも努力せられるでありましようが、この法案を拜見いたしましたところでは、必ずしもそのすべてがやすやすと普通免許状あるいは仮免許状を取得することができるとも考えられません。そういうような点につきまして、大体、今助教諭の数がどのくらいになつておるのか、またそれが三年なら三年たつたあとでどういう状態になるかというようなことについての大体のお見通しを数字的にお示し願えればけつこうだと思います。
○稻田政府委員 先ほど助教諭が三〇%と申し上げましたがこれは二〇%程度であります。その点をまず訂正いたします。 大体その程度であるのでありますが、もちろん各都道府縣教育委員会においてもう一回いわゆる臨時免許状を発行することは、その道をふさいでないのであります。三年以内の期間において発行いたしまして、それが切れますときに、またそれをあらためて発行するというような方法もとり得るのでありますけれども、この免許制度の本旨といたしますところは、資質の向上でありますので、先ほど申し上げましたように、いろいろな講習等やつて参ります。本法の別表第四にもありますように、小学校あるいは幼稚園の教諭の仮免許状を得ますためには、臨時免許状を持つておる人が、三年の間の良好なる実務成績があり、三十単位の習得があればよろしいのであります。毎年の夏期休暇その他において各大学に置かれる公開議座であるとか、あるいはそのほか文部大臣の指定する講習等を受けて参りますれば、上級の仮免許状を得るということは、そう困難ではないものと考えております。
○船田委員 御説明によりまして、大体の輪郭はわかつたような氣がいたしますが、私といたしましては、なお現在助教諭をしておられる人たちの立場、あるいは学校を経営する立場の人たちからも一体私のおそれているようなことがないものかどうかということにつきましての意見を聞きたいと思うのであります。その他この教育職員免許法案の審議につきましては、でき得れば公聽会あるいは非公式でもかまいませんが、そういうようなものを開いて、今申し上げたような点につきまして、学校側と申しますか、教職員側と申しますか、意見なり何なりを聞く機会を與えられることを希望いたしまして、一應私の質問を終ります。
○松本(七)委員 第五條第一項第六号に掲げてあります「日本國憲法施行の日以後において、日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の團体を結成し、又はこれに加入した者」とありますが、具体的にどういう政党、どういう團体を指しておるのでありますか。
○稻田政府委員 具体的には想像できないのでありますが、ここに掲げておりますのは、こうした趣旨のことをその政党の綱領として掲げ、あるいはまた秘密綱領として掲げ、要するに非合法の手段をもつてそうした目的を達成しようとする政党を想像しておる次第でございます。
○松本(七)委員 非合法的な政党及び國体を想像しておるのだということですが、非合法的なものを存置させておるということは、将來もしそういうことがあるとすれば、これは政府の怠慢というか、政府がそれを許しておること自体が憲法上おかしいので、そういうことを法律で予想して規定するということは、はなはだ不適当な立法の仕方だと思いますが、この点はいかがでしようか。
○稻田政府委員 この点につきましては、國家公務員法におきましても、まつたく同じような規定があるわけであります。もとよりお話の通り、こうした事態は予想したくないのでありますけれども、しかしながら規定といたしましては、あらゆる場合を考慮いたしまして、こうした規定を設けざるを得ないと考えております。
○松本(七)委員 そうすると、これはあくまでも非合法的な團体を予想しておるということに限定されておるのですか。
○稻田政府委員 政府を暴力で破壊することを主張するというのは、非合法な方法をもつてそれを実行する、こういう趣旨で申し上げたわけであります。
○松本(七)委員 教員の政治活動について、今までいろいろ問題が起つておりますが、現在政府はどのような方針でこれに臨もうとしておるのか、大臣の教員の政治活動に関する御所見をこの際伺つておきたいと思います。
○高瀬國務大臣 お答えいたします。ただいまの教員の政治活動についての問題は、教育基本法第八條第二項の規定によりまして、文部省としては処理しておるわけであります。
○松本(七)委員 先般來、法務廳との間に、いろいろこの問題についての意見の交換等があつたようですが、具体的にどういうふうな経過になつておるか、それを御説明願いたい。
○高瀬國務大臣 新聞紙に、法務廳の見解とか、あるいは法務廳のある局長の見解というようなことで、これに関連しての意見が出たようでありましたが、あれは正式に直接私どもの認めておるところではございません。具体的な問題といたしましては、多分御承知かと思いますが、東京都の教育委員会から具体的な例を幾つかあげまして、こういう場合は教育基本法第八條第二項に抵触するものかどうか、文部省の、意見を聞きたいという質問事項が来ておるわけで、それに対して文部省の意見を答えることになつておるわけでありますが、違反するかしないかという問題でありますから、法律上の非常に厳格な解釈を要しますので、法務廳とも相談をいたしまして、研究して答えるということで、今具体案を作成中であります。
○松本(七)委員 この問題はまだ質問したいことはたくさんございますが、長くなりますから、今日はこれで打切つておきます。ただ関連して、緊急を要する問題について、ひとつはつきりさせておきたいと思います。それは教員であつて、地方の議会の議員を兼ねておる考が大体六月三十日でどつちかやめなければならないことになつております。これは、昨年七月に地方自治法の第九十二條第二項で禁止されておりますが、その附則の第一條において、地方公務員の議員の兼職というものが、その任期中は認められておる。それが教員に限つて例の教育公務員法特例法施行令において六月三十日でやめなければならないことになつておる。地方一般の公務員に比べまして、教員が差別待遇されておるという結果になつておる。この施行令を改正して任期中認めるという御意見があるかどうか。
○高瀬國務大臣 お答えいたします。この点につきましては十分愼重に研究してきめるつもりでございまして、現在研究をいたしておるところであります。
○松本(七)委員 その見込みはございますか。
○高瀬國務大臣 研究をいたしておるのですから、全然見込みがないことはないのでありますが、はつきりそうなるかと言われれば、研究しておるのですから、むろんはつきりしたことは申し上げられない。まじめに眞劔に研究をいたしておるのであります。
○松本(七)委員 これは全國で約二千五百名くらいの関係者がおりますし、東京だけでも六十三名くらいの者が今非常に関心を持つておりますから、なるべく早く有利な結論を出していただくように御努力願いたい。いずれ公聽会その他で意見を聞いて、後にまた質問を留保いたしまして、これで終ります。
○今野委員 ただいままでの船田委員並びに松本委員からの御質問と重複するところもございますので、ごく簡單に重複しない点について御質問いたしたいと思います。 この第四條第三項によりますると、「普通免許状は、一級及び二級とする。」というふうになつております。しかるに從来は教員の間にそういうような資格の上での差別はなかつたのであります。戰前よりもかえつて自由になつたと言われておる今日、そういうような差別を設けて、言つてみれば教員室なんかにおける空氣も、いろいろの階級があつて軍隊の組織を思わせるような、そういうふうになりはしないかということを心配するのでありますが、その点について文部大臣はいかにお考えになりますか。
○高瀬國務大臣 お答えいたします。むろん小学校の教員、中学校の教員についても、すべてが最上級の資格を持つた者だけにしたい、これは理想であります。ですから、文部省といたしましては、この法案にありますような二級の教員だけが小学校、中学校の教員になることが理想なのであります。ただしかし今すぐその理想を実現することは実際問題として困難でありますから、現在といたしましては、やはりそれだけの資格のない者にも資格を認めて行きたい、こういうような意味で段階ができたわけであります。
○今野委員 この点につきましては、私は先ほど船出委員並びに松本委員からおつしやつたように、教員の意見を十分に聞きたいと存ずるのであります。なお日教組などの意見を聞きますと、こういう点について、現賦から見て非常に不適当である。何か職階制ができて、非常におもしろからぬ空氣ができるように考えられるという意見があることをここに一つお傳えしておきます。 なお次に、今度免許状が府縣の教育委員会から授與されるというようなことになりますと、府縣の教育委員会の責任というものは、非常に重いわけでございますが、しかし現然において見ますると、府縣の教育委員会の人事等において、非常にいろいろな事実が発生しておるように見受けられます。たとえば長野縣等におきましては、教職員組合の活動を活撥にした。そしてそれがたまたま教育委員会において不適切であるというふうに認められて、そのために退職を命ぜられるというような教員が多数に発生しておるやに聞き及んでおるのでありますが、教育委員会のそういうようなやり方については文部大臣としてはいかがお考えでございましようか。
○高瀬國務大臣 教育委員会に教員免許の権限も與えるということは、教育行政民主化の線から申しまして、これはもう当然なことであろうと思うのであります。すなわち教育委員会の運営につきまして、現在遺憾な点があるのじやないか、こういうような御意見でございましたが、教育委員会ができまして、まだ半年ばかりでありますから、運営上十分整備されていない点もあるかと思います。しかし教育行政民主化の線でできたものであカますから、これを十分に整備いたしまして、運営にも誤りないようにして行くというのが、文部省としては希望するところであります。長野縣の問題につきましては、具体的にこまかい事情を、文部省はまだ十分に知つておりませんので、調べております。その点は調べました上で、文部省としての意見を申し上げます。
○今野委員 教育委員会のそういう重大な責任について、この法律が施行されるにつきましては、もちろん十分文部省で関心をお持ちのことと存じますので、今後もそういうようなことについてお調べの上、この委員会で御報告あらんことを希望いたすものであります。 なおもう一つの点について簡単にお尋ねしたいのでありますが、ここで校長並びに教育長、指導主事というような、こういうようなものの免状が特に新たに設けられることになりましたが、こういうようなものについて、たとえば私立学校の校長などについて申しますと、相当教育の土で識見のある人が、軍に免状を持たないという理由でもつて校長になれぬ。校長であることからしりぞかなければならぬというようなこともあるかもしれぬと思いますし、また教育主事、あるいは教育長、あるいは指導主事というような人たちは練達な教員の中から選ばれるべきであると考えるのてありますが、何か免朕ということの方が先にものを言うということで、何か実情にそぐわないような、不適切な点もあるように考えるのでありますが、それちの点についてはいかなるお考えで、特別にこういう今までなかつたものを設けるようになつたか、お伺いいたしたいと思います。
○玖村説明員 ただいまの御質問に関してお答えいたします。 校長の方は学校教育法で校長という新しい職ができましたし、教育委員会の方で教育長、指導主事という新しい規則。ができたわけであります。そういうことで特別免許はいらないではないかという御質問の趣旨だと思いますが、それらの理由は、学校管理あるいは教育管理というような特殊な専門職でありますので、ただ教員という職を途中で一定年数した、その中の練達の士を求めるということでは、専門職としてのこれらの人々の職責を完遂することが困難でありますので、特に一定の特殊な教育を要求して免許状を出すことにいたしたのであります。
○今野委員 まだいろいろお尋ねしたいのでありますけれども、時間もありませんから、このくらいにいたしまして、後ほど公聽会などの機会に十分に專門家、並びに教員諸氏の御意見を伺つた後に、また御質問いたしたいと存じます。
○稻葉委員 この提案理由の説明の第四、柴沼政府委員の内容説明に関する第五條、第二項の点についてちよつとお伺いしたいと思います。 免許状の授與権者についてでありますが、國立又は公立の学校の校長及び教員並びに教育長及び指導主事にあつては、都道府縣の教育委員会が授與権者であるという点と、私立学校の校長及び教員にあつては、都道府縣知事がその授與権者であるという区別をしている理由について、お答えを願いたいと思います。
○玖村説明員 授與権者につきましては、公立の学校は都道府縣の教育委員会、私立学校につきましては、今の場合教育委員会によるよりも、都道府縣知事にしておいた方がよいということでありますので、今はこういうようにきめてありますが、将来私立学校法というものができて、そこでまたかわることがあれば、かわつてもいいと思つております。ただ都道府縣の教育委員会に公立、私立を一切まかせると、かえつて公立を主として私立を從にするというようなことが起りはしないかという心配が、私立学校の團体の側から出ておりますので、その意見を尊重してこういうような形にしておいたわけであります。
○稻葉委員 ただいまのところ、私立学校については、都道府縣知事を授與権者とする方が適当であるという意見は、私学團体総連合の意見ですか。
○玖村説明員 監督廳を都道府縣知事にしてほしいというのが私学團体の意見であります。從つて監督聽ですから、そこが免許状を出すということにしたのであります。
○稻葉委員 その点についてはいろいろ意見がございますので、いずれ討論の際に、私の意見なりを申し上げるこどにいたしまして、とにかく御趣旨の説明を承つておく次第であります。 ―――――――――――――
○原委員長 いろいろ御質疑もあろうと思いまするが、時間の関係上この程度にして、この次に延ばしまして、文部省設置法についての質疑に移ることにいたします。どなたか御質問がありますか。
○今野委員 この文部省設置法案を通覧いたしますと、大体文部省の事務が三つの系統にわかれているように見受けられます。第一は助言、指導、第二は調査弘報第三は管理というような三つの系統にわかれておるように見えます。そういたしますと、先般森戸委員その他の御質問にもあつたようでありますが、三つの系統にわかれておるとはいえ、たとえば管理の仕事をやるためには、やはり当該教育部門の専門家がいなければならない。それから調査弘報についても、また同じであると考えられるのであります。そうすると、こういうように機構が改められることによつて、ちよつと考えると、何か、かえつて人員が非常に余計にいるのではないか、ことにこの間大臣も体育局の問題について、それの事務の統合をはかるために、適切な省内での連絡措置などを考えるというようなお話でありましたが、そういうふうにして見ると、かえつて事務が煩雑になつて、簡素化という目的は達せられないのではないかというふうに考えられるのでありますが、この点はいかがお考えでございましようか。
○高瀬國務大臣 お答えいたします。この点につきましては、前に森戸委員からやはり同趣旨の御質問がありまして、お答えいたした通りでありますが、つまり文部省の性格の主たる部分は、管理的でない、助言、指導という方面に今度はかわつたわけであります。それがために今御意見にありましたように、まあ連絡上の不便が生ずる場合があるということは、むろん予想されるところでありますけれども、しかしそういう性格変化ということをはつきりいたしまして行政をやることが、これからは最も必要であるという点からこういうふうにいたしたわけで、それがための連絡上の不便は、前に申しましたように連絡協議をいたしながらやるということと、管理両の事務職員にもやはりそれぞれ内容のわかるような職員を配置しておきまして、そう大した不便のないようにしたい、こう考えておるわけであります。
○今野委員 その点につきましては、いずれ定員法が出るというお話でありますが、そういう定員並びに現賦とにらみ合せて考えてみなければ、十分考えがつかないではないかと私ども思う次第であります。從つてその点定員法が出て、もう一ぺんこの点を審議し直さなければならないのではないかと考えておる次第であります。 なおさきに教育使節團が来朝されまして、そうしてこの新しい文部省の趣旨とするような指導、助言を主とするということについて、いろいろと報告の中で述べておるわけでありますが、こういうふうに具体化されたものを見てみますと、あたかもこれでは文部省というのは、一番適切にいえば、教育の研究機関である。そうして少し大きな研究所であつて、その研究所でいろいろな重要な指導をするのだ、こういうふうに見えるわけであります。そういう研究所の機能のほかに、実際にいろいろなことを実施するにあたりましては、いろいろな審議会というようなものが設けられておるわけでありますが、そうしますと、文部省が今まで監督行政をやつて来たという点は、ほとんどなくなつておると見てよろしいと思うのであります。從つてこの案を実際的に見ますと、形をかえた文部省解消論であるというふうに見られると思うのでありますが、そういうふうに見でさしつかえないものでございましようか。
○高瀬國務大臣 お答えいたします。その点も実は森戸委員から御質問があつてお答えした通りでありますが、文部省は教育行政民主化の結果といたしまして、解消してもいいのだというような意見も一時ありましたけれども、やはりそうではない、文部省というものは國全体に対する教育の問題を考えて、適当な基準をきめ、指導、助言を與えるということが必要であり、また國全体に関連する教育の法令案、あるいは予算案等につきましては、どうしても文部省が必要であると、うような立場で、文部省はどうしても解消してはならないという結論になつて、こういう法案が出て來たわけでありますから、文部省といたしましては、そういう立場でもつて、あくまで文部省は必要である、こういう考えでおるわけであります。
○今野委員 地方には地方教育委員会というものができまして、各地の教育をつかさどつておるわけでありますが、これを全國的に統轄するものとして前々から、何か中央教育委員会といつたようなものが考えられていたようにも聞いておりますが、この中央教育委員会といつたような、そういう組織をつくつて行くというお考えは、文部省として今のところありますか、ないのでしようか、この点をはつきり知りたいのであります。
○高瀬國務大臣 地方教育委員会に対して、それを総合した意味の中央敷育委員会というようなものをつくる考えは、現在持つておりません。
○原委員長 なお先ほど若林君からの御質疑に対しまして、地方行政委員会に文部委員会の総意として要望いたしたいと思います。要望事項を読み上げます。 目下貴委員会において御審議中の地方税法改正案第七十五條においては、新たに博物館、美術館乃至動物園、植物園、水族館等に対しても入場税として、その入場料金の百分の六十を課することになつておるが、これは國民文化教育上きわめて重大な影響を及ぼすものであるから、本委員会としては、全会一致をもつてこれが削除を要請するに決議した。よつてこれが善処方を要望する。かような要望事項を申し出たいと思いますが、御異議ございませぬか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 それでは早速さようと。はからうことにいたします。なお國立学校設置法、教育職員免許法は重要な法案でありますので、先ほども公聽会というような御要望もありましたが、何しろ会期は十六日まででございますので、公聽会を正式に開きますと、規定上一週間前に告示通告しなければなりませんので、正式な公聽会は困難なことと思います。いかがとりはからいますか、御意見を承りたいと存じます。
○松本(七)委員 正式なものができないとすれば、非公式な公聽会か、さもなければ参考人でも來ていただいて、意見を聞くということにとりはからつていただきたいと思います。
○若林委員 徹底的に公聽会を開き、衆智を集めて万全を期すべきものだと思いますが、今委員長から仰せになりましたように、時間的にそれが不可能とするならば、文部省としてこの立案をせられるに至るまでに、先ほど來御説明にもありましたように、各方面の意見を参酌せられたかどが多々あるように思うのであります。そういうことのありのままをできるだけ詳しく聞くということも一つの方法かと考えます。皆様方にお諮りを願いたいと思います。
○原委員長 若林君の御動議は、参考人として有識者を本委員会に呼ぶということでございますか。
○若林委員 文部省が今までいろいろな意見を聞かれたりした様子を、文部省の方からまとめて御報告を承ればいいのではないか、こういうわけであります。
○原委員長 ただいまの若林君の動議に御異議ありませんか。
○受田委員 若林さんの御意見は、いい案であると思いますが、われわれが直接特定の参考人を呼んで、その意見を聞いて、文部省の案と調整をとつて、ここに審議をする必要がありますので、限られた範囲内の少数の直接関係する者の代表者を参考人としてお呼びになつて、早急のうちに審議を進められることを希望します。
○原委員長 御意見が若林君と受田君とは多少違うようでありますが、この点は理事会にお諮りして決定いたしたいと思いますが、さよう御了承を願いたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員 この前の問題でちよつと発言させてください。さつきの動物園の入場料の問題ですが、私は途中からこちらに席を移して来たので、前の関係がわからないから、先ほどの御動議に対して沈黙を守つておりましたが、地方行政委員会といえども、教育上、動物園その他博物館の入場料を上げたいなどとは考えておらないだろうと思うのであります。かようにすれば子供のため、教育のために、いろいろな遺憾の点があるということは、十分知つておられるのだろうと思うのです。先ほどの決議は、あたかも向うの人にはそういう関心が全然ないようで、ここだけで決議をして、突きつけるというようなことは、見ようによつては責任転嫁にも思われるし、調整のとれるべき委員会の関係をわざわざ悪化してかかる、自分さえよければ他人の迷惑はどうでもいいというような氣持の現われも見えるような氣がして、すこぶる私は不愉快であります。もちろん趣旨には私は賛成でありますが、当然かような場合には合同審査のできる権能をわれわれは持つておる。これは合同審査をやるべきだと思うのでありますが、さようなお考えにおなりになつたことがあるのかどうか、これをちよつと伺います。
○原委員長 ただいま千賀君の御発言でありまするが、すでに決定してしまつたものであります。事前にさようなことが本委員会に判明しておれば、さようなとりはからいもできたのでありますが、どちらかといえば寝耳に水で、すでに決定してしまつたあとでございます。今後の善処方を地方行政委員会に申入れしたい、先ほどの若林君の御意見を付度して私はかよう想像するのであります。
○千賀委員 それにしても、合同審査申入れができるのですから――しかし今の委員長の言葉のように、きわめて軽い意味に解釈して私は賛成いたしておきますが、将来かような場合には、できるだけ委員会間の相剋摩擦を減らすような御措置を願いたいと思います。
○原委員長 承知いたしました。
○圓谷委員 大学設置法を審議するにあたりまして、前の委員会で、普通学校の小宮校長にいま一回この委員会に來ていただいて、意見を聞きたいということであつたのですが、そのおとりはからいを願いたいと思います。
○原委員長 承知いたしました。 明日は十時から法務委員会と出版法及び新聞紙法の廃止に関する法律案の連合審査がございますから、十一日の十時から委員会を開きます。それまでに必ず参考人として來ていただくことに手配いたします。 本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十四分散会