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5回国会衆議院1949/03/26

文部委員会 第3号

発言数
65
登壇者
9
会派数
5
開催日
1949/03/26

会議録

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 これより会議を開きます。  去る三月十九日理事互選の際、理事一名が保留されておりましたが、この際長野長廣君を理事に指名いたします。     —————————————

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 大学設置に関する件を議題に供します。本問題は、以前より文部委員会において活発な意見が、文部当局並びに大学設置委員会との間に闘わされていたことは、記録に明らかなところであります。大学設置とこれが行政の問題は、まことに重要な問題であり、まだまだ檢討すべき幾多の問題が残されておると考えますので、本日はこれらの問題について、諸君の御意見や御檢討を願い、かつ当局より現在までに処理した問題や、將來に残された問題について御説明を願い、本委員会における論議が実際の面において生かされるよう御努力をいただきたいと考える次第でございます。  それでは文部当局より、本問題について御説明を願うことといたします。

稻田清助文部事務官(教科書局長)

○稻田政府委員 ただいま委員長のお話のありました問題のうち、いわゆる大学校案に関しまする経過につきまして、一言私から御説明いたしたいと存じます。  このいわゆる大学校案と申しますものは、昨年の七月ごろ大学校試案として世間に出ましたものを中心といたしまして、各方面からこれに対しまする意見の開陳があ、つたのでありますが、特に教育刷新委員会におきましては、わが國の教育制度の全般について審議せられる立場から、この大学校試案に対しまして、教育刷新委員会としての意見をまとめ、発表されたのであります。この大学校試案に対しまする教育刷新委員会の意見が、かなり根本的に相違する点もございますので、文部当局といたしましても、爾來とくとこの問題について研究して参つたのであります。ところが御承知のごとく、先般新たに発足いたしました学術会議におきましても、研究者養成という観点からして、この大学校試案に対しまして関心を持たれて、かくのごとき法律について政府が研究する場合には、学術会議の意見を尊重するようにという申入れもございました。あるいはまたかくのごとき案を審議する場合には、特別の審議会に付して十分に審議してから法案を提出するようにというような勧告もあつたようなわけでありますので、いろいろ彼此勘案いたしまして、目下考究中でございます。いわゆる試案と申しますものは、文部省といたしましても、もちろん確定した案ではないのでございまして、ただいまのところ、まだ確定案を用意するには至つておらないような状況でございます。一應の経過の御報告を終ります。

伊藤日出登文部次官

○伊藤説明員 新しい新制大学の設置につきまして、今日までいろいろと審議を進めておりまする経過を一應御報告申し上げたいと存じます。ただちよつと今手元に正確な数字がございませんので、数字の点は後刻関係の局長なりが参りました際に、はつきりした御答弁を申し上げようと存じます。  御承知のように、終戦後わが國の教育制度の全面的な改革が行われまして、六・三・三・四の新しい教育制度が樹立いたされ、御承知の通りに大体六・三・三・四の三まで遂行いたして参つたのであります。本年度におきまして新制の高等学校の卒業生を出しまするので、新しい新制大学をぜひとも本年度から発足いたしたい、かように考えまして、文部省といたしましては、それぞれ新しい大学の設置につきまして、いろいろと本年の初めから準備を整えて参つておるのでございまするが、新制大学につきましては、公私立学校のうちで約十二校はすでに昨年認可をいたしまして、発足いたしておるのであります。この新しい新制大学につきましては、昨年の十二月十五日に閣議決定をいたしまして、新制高等学校はとにかく第一回の卒業生が今年出るのであるから、新制大学は昭和二十四年度から実施するということを決定いたしておるのであります。これに関しまして、昭和二十四年度から新制大学を開設したいという申請がありました学校の数は、國立におきまして六十九、公立におきまして三十四、私立百二十三、それから農林省あるいは運輸省の所管に属しまするものの学校が三、合計二百十九が申請をいたして参りまして、これに対しまして昨年の八月に大学設置委員会に対し、これらの新制大学の認可の可否を諮問いたしたのでございます。それから委員会におきましては八つの審査会を設けまして、なお專門の事項に関しましては二百余名に及ぶ專門委員を嘱託いたしまして、書類上の審査を実施いたしますると同時に、実地視察もあわせて行いまして、この二百十九校の新制校を三回にわけましていろいろと審査をいたして参りまして、本年三月の初旬にとりあえず最後の決定を見たのでございます。その結果といたしまして、まず第一回には公立十四校、私立におきまして六十五校を委員会におきましては適当であろうと決定いたしておるのであります。第二回におきましては、國立の学校が六十七校、公立のものが幾らかございましたが、これらの数字につきましては後ほどはつきりしたことを申し述べたいと思います。  ただいまそのような状況に立ち至つておるのでありまして、これらに対しまして、文部省といたしましては十分この設置委員会の意見を尊重いたしまして、審査の上で認可申請をいたして参りたい、かように考えて、これらに伴いまする予算措置あるいは法的な措置をそれぞれ決定いたそう、かように考えて今日まで参つておる次第でございます。一應今日までの概略を申し述べておきたいと存じます。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 何か御意見はございませんか。

今野武雄日本共産党

○今野委員 伊藤次官に質問いたしますが、予算措置とそれから立法措置というようなことを今言われましたが、それはまだきまつていないのですか。

伊藤日出登文部次官

○伊藤説明員 予算措置は、御承知の通りに今度の二十四年度の予算に盛り込むべきものでありますから、確定をいたしておりません。法的措置につきましても、まだ今議会にお諮りをして確定いたすものでございますから、法的な方もまだ確定いたしていない、こういう状況でございます。

今野武雄日本共産党

○今野委員 それの今までの経過は報告できませんか。

伊藤日出登文部次官

○伊藤説明員 それでは予算の今日までの経過につきまして、ごく概略をお話しておきたいと思います。ただいま大藏省とわれわれの方とで折衝いたしまして、一應事務的におちついておりまする経費は、新制大学発足のために約九億の金額を計上いたしております。これはもちろん國立大学に関する部分だけでございますが、この九億の中で、新制大学が発足いたしますると、旧制の專門学校と申しまするもの、あるいは旧制の大学は、一部分生徒を募集しないので経費が不要に落ちるわけであります。從つてその不要事に落ちた分を新しい大学の方へ組みかえることになりますが、その経費が九億の中で約六億あります。それで残りの三億が新しい大学のために純粋に増加した分でありまして、これをわれわれは大体設備費の充実に使用したいと、かように考えております。  それから法律の方は、なお目下研究いたしておりまして、関係方面、特に法制局あたりと目下折衝いたしておるという程度でございます。

今野武雄日本共産党

○今野委員 ただいまの御説明では、大体三億が新しい設備の方にまわるように思われますが、そうですか。

伊藤日出登文部次官

○伊藤説明員 もう一つ申し落しましたが、ただいま申しました三億の金は設備費の方でありまして、学校建築のためになお経費をほしいと思つておりますが、これは公共事業費の中に組み込まれます経費でございまして、その方は未確定でございます。

今野武雄日本共産党

○今野委員 その三億の設備費でおそらく十分ということはないだろうと思いますが、その不足の状況などがおわかりだつたら、ちよつとお知らせ願いたいと思います。

伊藤日出登文部次官

○伊藤説明員 不足の現事実の状況は、具体的な数字は今持つておりませんので、たいへんお答えしにくいのでございますけれど、私どもが使いまする金は、とりあえず來年度の新制大学のジュニア、コースの一年生をすべり出すために、とにかく当面必要な方面の設備の充実の金でございまして、大体この程度ならばすべり出しができるのではないかと一應考えておるのでございます。

今野武雄日本共産党

○今野委員 それの具体的な資料がございますか。

伊藤日出登文部次官

○伊藤説明員 おそらくこれをどういうふうなものにどういうふうに持つて行くかということは、予算が確定いたしませんと決定しにくいと思うのでございます。從つてただいまは、見ていただくような資料はございません。

今野武雄日本共産党

○今野委員 非常に奇妙だと思いますが、こういうものが、どういうふうに算出されたかよくわかりません。何か要求があつて算出されたようにも考えられますが、その点いかがですか。

伊藤日出登文部次官

○伊藤説明員 予算を算出いたしまする基礎の数字はあるのでございます。しかし現実にこれを配賦する際に、その算出しました基礎そのままを実施するか、どうかということも、金額がはつきりきまりませんと決定いたしかねますので、ただいまごらんに入れるような資料がない、こう申しておきます。大体主として使いますのは本でございます。それから理科系統の実驗、実習の施設、こういう方面に主として用いようと考えております。

今野武雄日本共産党

○今野委員 人件費はこの中に含まれておりませんか。

伊藤日出登文部次官

○伊藤説明員 三億の中には人件費は含まれておりませんので、残りの六億が大体人件費でございます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 大学校試案の問題で、大臣にお伺いしておきたいと思います。これは第四國会ですでに前大臣のときに、経過については大体お話を伺つておるのですが、まだ確定した案というものが提出されておりませんから、この委員会においてその内容を深く論議することはできないと思います。現在ではこの問題をめぐつて、大学の教授その他にも相当な関心が高まつて來ております。そこですでに試案というものをめぐつて、いろいろな代案も出て來ておるようなわけでありますから、一体これが今國会に提出されるものかどうか、將來の見通しというものに、みな非常な関心をもつておるようであります。この点まず大臣にお伺いいたしたいと思います。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 松本さんの御質問の点は、大学校を今國会に出す見通しで考えておるかというような点であるかと思いますが、文部省といたしましては、先ほど申し上げましたように、まだ原案をつくつておりません、これからつくろうとしておるわけで、各方面の試案のようなもの、御意見等、非常にたくさんございますので、それらを十分考慮いたしまして、なおこれからも各方面の意見も聞いて、原案をつくりたいと考えております。それで今國会に原案ができて提出できるかどうか、実はまだ未定でございまして、少くとも國会早々に出せるようにはできておりません。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 文部省が原案をつくられるについては、いずれいわゆる試案というものが中心になることが当然だろうと思います。そこで教育刷新委員会でこの試案を從來のような取上げ方でもつて進められるのか、あるいはこれ以外に何か協議会というようなものを設置される御意向があるかどうか。現在すでに大学校対策全國協議会というようなものも民間にはできております。また労働組合法の改訂問題も各地で公聽会なども催されておるというようなわけですから、試案をめぐつてそういう協議会あるいは公聽会というものを開いて、そうして十分な審議の期間を置いて、國民の批判を仰ぐということが絶対に必要な條件であると私どもは考えておるのでありますが、そういう方法をとられる御意思があるかどうかを承りたいと思います。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 先ほども申し上げましたように、各方面の御意見を聞いてきめたい、こういう方針でありますが、どういう形においてこれを聞くかということにつきましては、まだはつきりした成案をもつておりません。しかしそうぐずぐずしておるわけには参りませんから、できるだけ早くそういうことも考えてきめたい、こういう状態であります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 從來あらゆる法律案が十分の審議期間もなしに、非常な無理をして通したという例がたくさんありますので、こういう重要な法案は特に大臣においてその点留意されんことを望みます。  それから最近におきましては、大学校試案について関心をもつておる教授あるいは学生——この点について一應ここではつきりいたしておきたいと思いますが、昨年の十二月八日でしたか、劔木次長が大学校試案について経過その他を説明された中に、改正の絶対反対を主張する側は学生たちであるというお言葉がございました。しかしその当時でもすでにそうたつたんですが、現在では学生に限らず、教授、特に関西方面では非常な國民運動が展開されているような状態であります。そういう運動をしておられる方々、またわれわれも憂慮しておりますのは、大学校として出すことはやめて、これをいろいろな法律に分断して提出いたし、この大事学校の目的を達しようとしているというような疑いが世間で持たれております。こういう疑念は早くはつきりさせる必要があると思いますので、大体教育に関する法律案で今國会に提出される予定になつておるもの、その内容も詳細はまだわからないでありましようが、ごく概略の趣旨をここに明確にしておいていただきたいと思います。

稻田清助文部事務官(教科書局長)

○稻田政府委員 ただいまの御質問のうち最初の部分でございますいわゆる大学校をいろいろ分離して出すのじやないかという疑いがあるという点でございます。これは別に何も分離して出すという意図は、ただいまのところ確定的に持つているわけではありませんけれども、自然法律の性質上、たとえば國立学校であれば從來の官立学校官制に相当するような一群の法規が必要となつて参ります。それからまたこれに関連いたしまして、学校教育法の一部を改正する必要も生じて参事ります。そういうようなわけで、別途の意図をもつて大学に関しましても幾つかの法規が用意されなければならないというような状況にあるようなわけであります。

伊藤日出登文部次官

○伊藤説明員 なお補足して申し添えたいと思いますが、ただいま説明いたしました大学の設置法あるいは学校教育法の一部を改正するという法律案を、この議会に出したいと思つているのでございますが、これらがただいま私どもが意図しております内容は、決して現在問題となつております大学校の焦点に触れているものではないのでございまして、先ほど申しましたように、どうしても新しい大学をつくるた、めには大学の名前あるいは各大学に教授助教授その他を何人置くということを、いわゆる昔の学校の官制に当ります部分を出しませんと、新しく大学が、発足して参りませんので、その点を規定する法律はぜひこの國会に早々に提出いたして御審議を願いたい、かように考えている次第でございます。問題になつておりますいわゆる大学行政法、の部分をこれらの法案の中に盛り込むというようなことはちつとも考えておりませんので、この点は一應補足して申し述べさしていただきたいと思います。  そのほか、今議会に私どもが提出いたしたいと考えておりまする法律案のおもなるものを申し上げますと、まず第一に文部省の設置法を出したいと思つております。それからただいま申しました國立学校の設置法を出したいと思つております。それから私立学校もできれば出したいと思つております。それから学校基準法というものを出したいと思つております。それから教職員の免許に関しまする法律を提出いたしたいと考えております。それから先ほど申し上げました学校教育法の一部を改正する法律、それから社会教育法、公共図書館法、教育委員会法の一部改正の法律、教育委員会法の施行に伴う法令の整備に関する法律、新聞研究所設置に関する法律、國立遺傳学研究所設置に関する法律、それから文部省調査局教科書の出版に関する法律、國立自然教育園設置に関する法律、この程度のものを出したい、かように考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 私立学校法と大学校の関係はどうなりますか。

稻田清助文部事務官(教科書局長)

○稻田政府委員 いわゆる大学行政法と申しますれば、國立大学に関しまする行政管理の系統を規定する法律になるだろうと思います。それから私立学校法は、私立学校に関しまする各種の管理及び私立学校経営の財團の組織といつたような、私立学校ばかりに関しまする法律を予想されます。

圓谷光衞民主自由党

○圓谷委員 大学校のことにつきましては、前國会の際にも文部当局より説明を聞き、私どももここでいろいろ意見を述べたのですが、結局いわゆる試案は、大学は不当な支配を受けないで自治の確立をしろということと、それから國民との直結をはかるようにしろ、第三には教育行政の地方分権は大学にも認める、財政面においては大藏官僚のコントロールをしなければならぬというような御趣旨のように思つていたのですが、それに対して、この文部省内に今ある教育刷新委員会の方が、教育行政面におけるところの機構で、結局地方の審議会は行政機関でなくて、一つの諮問機関であるというような考えから、その方を非常に強調している。これに対して最も強く反対しているのは学生なのでありまして、学生の方は目的論において、職業的の目的が多いからこれは低文化であるということと、この大学の審議会の中にも学生を入れなければいかぬ、こういう二点のように思われているのでありますが、結局は文部省においてこれらの意見を総合して、文部省自体が一つの独自の案というものをつくつて、ここにわれわれと相談しなかつたらば、いつまで過ぎてもこれは成立しないのじやないかと私は思うのです。これらの意見がわかつておるのですから、ただ一つお伺いしたいのは、教育刷新委員会あたりのときには、大学院というものを大学の六・三・三・四の上に設けて、これは学問をもつて奉仕するところの、年齢その他年限を超越して、ここに研究機関を設けるということで、この六・三・三・四の四の大学の低文化政策をそこにおいてカバーするという意見があつたのですが大学院の問題についてはどんなふうにお考えになつておりますか、これをお伺いしたいのであります。

剱木亨弘文部事務官

○剱木説明員 大学院の問題につきましては、ただいま設置委員会に諮問いたしまして、大学院の大体の基準を今、特別委員会をつくつて研究してもらつております。これは同時に学校教育法にあります学位の問題と関連がありますので、あわせて研究してもらつておるのでありますが、大体基準がわかりますれば、その基準に從いまして、今後の大学院のあり方について計画を進めて行きたいと思つております。

圓谷光衞民主自由党

○圓谷委員 そこでこの大学校についての一つの成案を得る方法といたしましては、先ほど申しました通り文部当局において一つの原案をつくるということと、もう一つは公聽会か何かを開いて、廣く意見を聞くようなふうにして、その成案を見るようにしたらいかがなものでしようか。そういう考えも文部省で持つておりますかどうか。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 公聽会を開くかどうかということについては、先ほど申しましたようにまだ未定なのであります。しかしとにかく各方面の御意見を聞いてやろうということで、今どういうふうにしてそれを聞こうかということを考えておるわけでありまして、それを公聽会にするかしないかということはまだ未定にしております。

今野武雄日本共産党

○今野委員 大学校の問題について、先ほどの松本さんの質問並びに御意見と重複するところがあるかもしれませんが、劔木さんの十二月の説明でも、また今の圓谷さんのお考えでも、実は反対しているのは学生たちだというお考えが、まだまだあるのだろうと思います。ところが事実は、專門委員の方にも何か参つていたようですが、大阪では、たとえば阪大など理学部では教授会全体をあげてそれをやつております。それから工学部でも教授團ということでそれをやつており、それから東京大学その他においても、教授が熱心にこの問題について研究し、またいろいろな運動を展開しておるわけです。それで先ほど申したように、最初大阪でできましたが、現在では全國の大学校対策協議会といつたものもできて、学生たちも、自分たちの案は固執しないで、教授たちと一緒になつて動く、こういうような空氣がはつきりと出まして、すでにその動き方の共同のプログラムというようなものもここにできておるのであります。そういうような動きについて、文部省は今までのように劔木さんの認識の程度でもつて進もうとするのか、それとも現実にそういう動きがあるということを認めて、そういうことを考慮してこれからやつて行こうとするのか、その点についてお伺いしたいと存じます。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 ただいまの御質問の点でありますが、劔木次長がどういうことを申しましたか、私は聞いておりませんからわかりませんが、決して学生方面だけがこれについて熱心にいろいろの意見を考え、そして運動しておるというふうには私は解釈いたしておりません。私自身日本学術会議の会員でありますが、学術会議の中にも、やはり大学校試案なるものについて学者の間にいろいろの意見があるということも私は知つておりますし、各大学の教授の間にいろいろ意見があるということも知つておりますから、その点は考えておりません。ただしかし、ああいう一團の運動となつてやつているという点については、学生の部面が非常に大きな部分を占めておると私は考えております。

剱木亨弘文部事務官

○剱木説明員 大学校試案につきまして、学生だけが絶対反対だと申し上げたということで、松本委員からもお話があつたそうでありますが、大学校試案に対しまするいろいろな反対なり、異なりました意見がたくさんありますことは、十分承知いたしておるのでございますが、しかし大学校の目的は大学の自治を確保するための法律だと私ども解釈しておるのでありまして、その根本において絶対的に反対があるというふうには私ども考えていないのでございます。ただ学生運動の一部分におきまして大学校絶対反対という声があるということだけは、私どもも申し上げたのでございますが、これは大学校に対する違つた意見があるという面と、それから大学校そのものはすでに絶対的にいけないのだという声があると考えますが、その面は学生運動の一部にあるというふうに私ども申したことがあると思いますので、ひとつ御了承願いたいと思います。

今野武雄日本共産党

○今野委員 今の劔木さんの御意見はやはり少し事実と違うように思うのです。現に大阪の大学教授会その他でもつて決議しておるのも、やはりはつきりとあの試案に対して反対ということを決議しておるのでありまして、その点大学校そのものに対する反対といつたようなことは、実はあり得ないことなのであります。あの試案がなければ、それに対する反対というものはないわけなのでありますから、少し誠意のない答えのように考えられます。  なお私は先日のこの委員会のときにも申したのですが、一九四七年の四月十一日に連合國軍の総司令部から発表されました極東委員会の指令に、日本教育制度の原則というのがございますが、これは発表されている以上、日本の政府として当然これに從つてやるべきものとわれわれは考えるのでありますが、その中の教育行政と財政ということに対して述べている中で、特に教育についてこういつておる。日本政府は非公式の諮問、委員会その他を通じ、あらゆる階層の代表から助言を求めなければならぬ、こういうことを申しております。教育に関するところに特にこのことを置いておるのは、私は理由があることだと思うのです。なぜならば終戦までは日本の教育に関する事柄はすべて勅令できめられておつた、予算関係だけが議会にはかられるようなわけだつたのです。從つて從來ともに文部省はとかく秘密主義が多いという非難が非常にたくさんあつたのであります。そういうものの惰性が今日でもまだ残つておるように考えられる。だからこそこういう極東委員会の指令において、特に教育に関しこういうことが言われておるのはそのためじやないかと私ども考えるのであります。この点において私は文部省がもつとフラン、クに、各界の意見を非公式にでも聞く機会をたくさんつくるべきだ、こういうふうに考える次第であります。

柏原義則民主自由党文部政務次官

○柏原政府委員 先ほど文部省がひとつ公聽会でもやつたらどうかという御意見でありましたが、公聽会は皆さん方が國会でやるので、文部省は公聽会をやつても悪いことはありませんが、公聽会は委員会でやるのじやないのですかね。教育委員会法案等を見ても、はでではありませんが、相当各層の声を聞いて各委員がそれを参考にして、ある程度原案を直したこともありました。そういうぐあいでありますから、大学校のような重要な問題については、衆議院で公聽会を開いてもらつて、参考になるところは大いに取入れることは決してむりなことじやないと思うので、フリーにできることだと思います。この間も学生がやつて参りまして、学生の意見はちつともいれないじやないかといつて取りまかれましたが、それはいれぬことはない、法律なんだから、隣組なら君の意見をいれてオーケーができるが、法律をつくる場合には君らの意見を通そうと思つたら学校をやめて代議士になれ、また君らの意図を代表する代議士を、國会を通じて支援したらいい、君らの意見がただちに法律になるということはないといつて帰つてもらつたが、学生並びに教授はずいぶん騒いでおるということは事実のように思うのであります。それを無視して抑えてやるということは、事実においてはできぬことだろうと思うので、民主化された今日においては相当そういう方面の考慮も将來拂わねばならぬだろう。こういう考えを持つておるわけであります。決して秘密主義でやるというようなことはありません。それでは法律は通りません。そういう考えはないと思います。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 衆議院の文部委員会で公聽会を開くかどうか、それは文部委員会として決定いたします。われわれの言うのは、試案をめぐつてすでに問題になつておりますから——もちろん原案ができてからでも公聽会を開いていただくこと大いにけつこうです。しかし現にああいう試案が出て問題になつておる以上は、そういう公聽会を開いて、できるだけよく多くの意見を聞き、そうして原案を作成するという過程がわれわれは必要であるということを主張しておるわけです。それを開くかどうかはまだ現在のところきまつておらないという文部大臣のお答えでありましたが、あの試案を中心にした公聽会を開くことが可能であるかどうかについて、一つ文部大臣の意見を承りたい。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 とにかく試案といわれるものがあつて、それについて教育刷新委員会でも取上げていろいろ議論をされて、違つた意見が出ておるようであります。それから大学の総長会議あたりでもあれについていろいろ意見が出ております。その他教授の方からも出ておる。そういうようなことから文部省としてはあの試案そのものについて、すぐどうしようということは考えておるのではありませんので、あの試案も一つの参考であり、ほかの方々の意見も参考であり、それで原案をつくつて行きたい、こういうことを考えております。しかし御承知のように文部省が原案をつくるにつきましては、やはり関係方面との交渉も必要であります。それらをやりながらやつて行く、こういう考えで行つております。その過程におきまして公聽会というお話でありましたが、議会でいう公聽会というものが文部省でやる場合にそのままは当てはまらぬと思います。各方面の意見を聞くという意味で公聽会とおつしやつたのだろうと思いますが、そういう意味で意見は聞きたいと思つておりますが、どういう形においてこれをやるかということについてはまだ未定であります。

今野武雄日本共産党

○今野委員 その点について私も議会においてはこれは当然のことなのですが、ここでさつき極東委員会の指令を私が特に読んだのは、ここで日本政府はと書いておる。それから、非公式の諮問委員会その他を通じて、と書いてある。助言を求めよ、と書いてある。そういう点で、あまり格式ばらないでもいいから、公式にやる教育刷新委員会とか、総長会議とか、そういうものの意見、だけしか取上げないという態度、それじやなくてもつと非公式に、みずからも非公式なものを開いてよろしいし、あるいはすでにそういうものがあればそういうものの意見も十分に聞く態度を文部省で持つべきだ、こういうふうに考えるのでありますが、その点いかがですか。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 その点は今野さんのおつしやる通りであります。先ほどから申しますように、何らかの形において各方面の意見を開きたい、それによつて原案を考えたい、こういう方針で行つております。

今野武雄日本共産党

○今野委員 それでは現に実はここで全部の名前は上らないですが、さつきの全國協議会、これは日本学術会議の委員の山内一郎君、伏見康治君、武谷三男君、古島敏雄君、東大教授の出隆君、渡邊一夫君、飯塚浩二君、福原満洲雄君、中野好夫君、助教授の森有正君、阪大の伏見君、荻原君、京大、九大から早稻田、法政、商大、北海道大学その他いろいろな大学の教授たち、それに学生の代表も集まつてこういうものをつくつているのです。そういうものの意見を聞く氣はありませんか、お伺いいたします。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 そういう特定の機関に対して意見を聞くことは別に今考えておりません。そういう機関でおつくりになりました意見はむろん参考にいたしたい。今おつしやつたように非公式の諮問とし聞くか、いろいろの方法を考えたいと思つておりますが、刷新委員会だけの意見を聞いて、それが日本全体の意見だとは考えないつもりでおります。

今野武雄日本共産党

○今野委員 今特定のものをあげましたけれども、しかしこういうような相当有力なものが現にあることは、文部省にとつて幸いではないかと私ども思います。そういうような関心があるものを、参考にするという程度は、今おつしやつただけではよくわからないのですが、むろん参考でよろしいですけれども、何らかの形で、協議会などで文部大臣において願いたいといつた場合においでを願えますかどうか、その点もお伺いいたします。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 そういう機関がどういうものでありますか、それがまたあまりたくさんできて、一々文部大臣必ず出ろといわれると、時間もなくなりますから、私自身が必ず行くというお約束はできませんが、文部省の方から説明がほしいという場合には、むろん文部省から行つてお話できることはお話する考えでおります。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 大学校案についてほかに御意見ございませんか。この程度でよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 それではさようにいたします。     —————————————

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 去る二十四日の本委事員会におきまして、六・三制完全実施に対して熱烈な御意見の御交換があり、当局に対して各党一致して要望することにきまりまじた。要望事項につきましては委員長において文部大臣に申し入れておきました。これに対して文部大臣より御意見を承りたいと思います。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 前回の委員会で満場一致で六・三制の実施に関する予算を確保して、六・三制実施を要望するという点について熱烈な御要望の要旨はよく承りました。私もむろんまつたく同じ意見でありまして、この前にも申し上げましたように、私といたしましては、全力を盡して御要望に沿うように努力をいたす覚悟でおります。現在のところ、また依然として確定をいたしておりません、見通しはきわめて困難な現状にありますが、まだ必ずしも絶望でない状態であります。今後とも御要望に從いまして、全力を盡して努力いたす覚悟でございますから、さよう御了承をお願いいたします。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 公共事業費の内示案の五百億のわくの中での操作ができるかどうか、いかがでございますか。     〔速記中止〕

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 速記を始めてください。

剱木亨弘文部事務官

○剱木説明員 先ほど新制大学の審査の結果につきまして、数の御質問がございましたので、この機会に御説明させていただきます。  今回の新制大学の申請総数は國立、公立、私立、その他を入れまして二百十九校でございます。そのうち三校だけが途中で申請を取下げましたので、実際審査をいたしましたのは二百十四校でございます。二百十四校を大体二回にわけまして、審査をいたしました。第一回の審査におきましては公立十八、私立九十五、合計百十三校につきまして審査いたしました結果、公立につきまして十四校、私立について六十五校、合計七十九校が可と認められまして、三十四校が二十四年度から開設を不可と認められたのでございます。第二回は國立は六十八、公立は五、私立は二十五、その他が三、その他と申しますのは、他省所管の水産講習所及び商船学校でございます。これが三、合計百一校が審査にかかりまして、そのうち國立は六十七、公立は四、私立が二十一、その他が二、合計九十四校が可と認められまして、五校が二十四年度から開設を不可と認められたのでございます。從いまして合計いたしますと、二百十四校のうち百七十三校が可と認められ、三十九校が不可となりまして、なお審査未了のものが二校残つております。大体数の統計だけ申し上げておきます。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 予算に関連してお伺いいたしたいのですが、中小学校教員の國庫負担金の問題で、せめて昨年の率を確保していただきたいと思いますが、その方法をどういうふうに文部省としてとられますか。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 義務教育に関する國庫負担金のことだろうと思いますが、小学校の教員につきましては、御承知のように五十人一クラスに対して一・五とか、中学校に対しては一・八というような大体の標準がきまつておつたわけであります。それが財政整理、行政整理等でどういうふうにかわるかという問題でありますけれども、その点も予算がきまつておりませんために、まだはつきりとは、申し上げられない状況でありまして、教育の立場からいえば、これはできるだけ一クラスに対する教員の割当数というものはむろん多い方がよいという考えではおります。しかし國の財政状態いかんによりましては、なかなか理想通りには行かないという場合も考えなければならぬ、そういう程度のお答えでありまして、まだ來年度予算につきましてははつきりとしたお答えができないのであります。

今野武雄日本共産党

○今野委員 今の点についてお伺いしたいのですけれども、傳えられておる数字によりますと、現在ある教員が首切られなければならないといつたようなことも出て來るように考えられるのです。これは府縣によつてでありましようが、現に和歌山縣の場合などにははつきりとこれが出て來るわけですが、そういうような点についてはいかがお考えになつておりましようか。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 まだはつきりわかりませんが、文部省としてはできるだけそういうことのないようにしたいということで考えております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 昨年の八月に義務教育費國庫負担法改正に伴う了解事項というのが、大藏省の主計局長と文部省の学校教育局長との間にとりきめられたということでありますが、その後の成行きを御説明願いたい。

剱木亨弘文部事務官

○剱木説明員 昨年の國会で小学校及び中学校の義務教育費の負担が定員定額制ということが法律で決定になりまして、その定員定額は政令をもつて定めるということになつているのであります。その政令をもつて定める開始の時期をいつにするかということにつきまして、大体大藏省との間に十月をもつて定員定額の時期にするということで、覚悟をいたしておつたのでございますが、実は定員定額を決定いたしますのに、非常に詳細な調査を必要といたしまして、その基礎資料を得るために非常に困難をいたしましたために、定額を大藏省と最後的に決定するのが非常に遅れたのであります。現在ではその定員定額を十月にさかのぼつて実施するかどうかという問題につきまして、なお大藏省と完全に一致しておりませんので、今交渉中の状態でございます。

今野武雄日本共産党

○今野委員 やはり予算のことになり、ますが、先ほど伊藤次官からお話があつたのですが、新制大学の場合、人件費の方を既存の國立大学の中から創つて、そつちへ出すというのですが、その実際の状態を調べてみますと、そのために國立大学の副手や、それから特別研究生というものの費用はさつぱり出なくなつてしまつて、今後多数の者が研究を続けて行けないというような事情にあるかに承るのでありますが、その点御説明願いたいと思います。

剱木亨弘文部事務官

○剱木説明員 伊藤次官から説明がありましたのは、大体主として來年度は旧制の專門学校は一年を募集いたしませんので、残りますのは二年と三年が残るわけでございます。從つて一年分に相当いたします教員の数は、これは予算から給料に関する限りは削られて参るのでございまして、その削られた員数を今度は新制大学の一年に充当して行くという面が一つと、それから多少旧制の大学におきましては、二十四年も旧制のままで一年から募集して入りますので、この点は予算上落ちるものはないのでございますが、現に欠員等もございますので、その欠員の操作によりまして、多少はこの新制大学の方に振り向けるものが考えられますけれども、今御承知のように現在おります副手とか助手とか、そういう旧制大学の定員を削つて新制大学に持つて行くという操作をいたすわけではございませんので、その点は御心配いただく必要はないと思います。ただお話の中にありました特別研究生は、これは定員とは全然別個の問題でございまして、ただいまその存続につきましては、相当困難な実情に直面しておりますが、なお私の方としてはできるだけその存続をして行きたいというので、努力をいたしておる次第であります。

今野武雄日本共産党

○今野委員 ただいまの助手は含まないので、実は副手と特別研究生の場合ですが、この場合には特別研究生にいたしますと、これを途中までやつて、そしてそれ以後続けられなければ、特別研究生として卒業できぬということになります。しかも自然科学や、あるいは技術方面の場合にはこの人たちが、技術上研究や何かにおいても、相当大きな貢献をなしておるわけです。そういうようなものが削られることは日本の学問の発展を、そうでなくても予算が足りなくて非常に押えておるのを、なおさら押える。非常に学問の低下ということを意味するわけでありますが、この点について文部大臣はいかがお考えになるでしようか。

高瀬荘太郎緑風会文部大臣

○高瀬國務大臣 予算がはつきりいたしませんから、はつきりお答えすることはどうかと考えますが、かりに特別研究生に対する研究費が二十四年度からなくなるということがありましても、今まで特別研究生としてやつておられる人たちに対する研究費がなくなることは、私は決してないと確信いたしております。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 今の副手の問題ですが、從來の無給副手を有給にすることは、たしか第三國会のときから問題になつて、辛うじて一部分これが有給になつたかと思いますが、その後のこれの拡張について経過と今後の見通しを御説明願いたい。

剱木亨弘文部事務官

○剱木説明員 お話の通りこの前無給副手につきましては、これが有給化いたしまして本官に直したのでございますが、それはある講座におきまして必要とする副案の数を算定いたしまして、その基準に基いて有給化いたしたのであります。從つて現在はその無給副手の措置は、そのときすでに終つておると考えるのでありまして、さらにこれを有給化する副手は一應現在はいないというふうに考えております。

原彪民主党(第十控室)

○原委員長 ほかに御質問がなければこの程度にいたしたいと思います。  去る二十四日の委員会において決定いたしました國政調査の件は、委員長において二十五日議長に提出し、議長において承認いたされましたから、この点御報告申し上げます。  それではこの程度で散会いたします。     午後三時三分散会

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