文部委員会 第2号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1949/03/24
会議録
○原委員長 これより会議を開きます。 本日の議題に入ります前にお諮りいたしたいことがございます。委員会において審査をいたしますものは、國会法第四十七條により、付託された事件についてでありまして、その他に所管事項について審査または調査をいたします場合には、衆議院規則第九十四條により、國政調査の承認要求書を議長に提出し、その承認を得る必要があります。つきましては、本日國政調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 御異議なしと認めまして、さようとりはからうことにいたします。なお案文につきましては、次のようにいたしてはいかがかと思いますが、御意見があつたならば、おつしやつていただきたいと思います。 國政調査承認要求書 一、調査する事項 文部行政に関する事項 二、調査の目的 文部行政確立のため 三、調査の方法 関係各方面より意見並びに説明聽取、参考資料の要求等 四、調査の期間 本会期中右によつて國政に関する調査を致したいから衆議院規則第九十四條により承認を求める。 昭和二十四年三月十四日 文部委員長 原 彪 衆議院議長幣原喜重郎殿これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 御異議なければさようとりはからうことにいたします。
○原委員長 これより本日の議題に入ります。文部省所管事項について、文部大臣より説明を聽取いたします。高瀬文部大臣。
○高瀬文部大臣 本日は文部省予算につきまして、ただいままでの状況、経過等について御説明を申し上げることにいたしたいと思います。係の者から御説明申し上げまして、私からもまた補足なり御質問にお答えすることにいたします。
○剱木説明員 ただいままでの予算の折衡の経過をごく簡単に申し上げます。 文部省予算といたしまして、本年度各般の経費について要求いたしておつたのでございますが、大蔵省との折衡経過におきましては、非常に困難な状況ではございましたが、文部省予算の大体の線は、一應事務的には一致いたしたのでございまして、その総額は三百八十一億六千二百万円という線で、一應事務折衡をいたしておつたのでございます。なおこの三百八十一億の中には、公共事務費は別にいたしておるのでございまして、文部省の一般的な予算でございます。その中でも最も多額の経費を計上してありますのは、小学校及び中学校の教員給の國庫負担でございます。これは現在予算の基礎といたしましては、大体小学校については五十人について一・五、中学校については五十人について一・八という事をもつて計上されておつたのでございます。そのほか定時制の高等学校の教員及び新制大学の実施に伴う経費及び私立学校の経営費及び戰災復旧費び貸付金、育英会資金貸付金、それから直轄学校の経費、國宝の保存関係、科学研究費の補助に関するもの、博物館等、おもな項目はそういう項目にわたつてでごいましたが、ただいまこの三百八十一億につきまして、最後的な折衡の段階におきまして、相当の消滅をする必要に迫られておるのでございます。
○原委員長 ちよつと劍木さん、失礼ですが、予算がまだ確定いたしておりませんので、ただいまより國会法五十二條により、委員会の決議により秘密会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 それではこれより秘密会といたします。議員以外の方は恐縮でありますが退場していただきます。 ————◇————— 〔午後三時五十八分秘密会に入る〕 〔午後四時五十一分秘密会を終る〕 ————◇—————
○原委員長 それでは速記を始めてください。——秘密会はこれをもつて終り、公開いたしたいと存じます。 ただいまの秘密会のうち特に秘密を要するものがありますれば、衆議院規則第六十三條により適当に処置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 それではさようとりはからいます。 なお本國会に提出を予定されておりまする大学校につきまして、当局より説明を聽取いたしたいと思いまするが、大学校の問題はあとまわしにしまして六・三制の問題につきましてほかに御意見ございませんか。
○森戸委員 六・三制の問題は、わが國の教育の基本的なものであることは御承知の通りでございますが、このたび予算の関係並びにその他から非常な危機も当謝しておるように傳えられておるのでありまして、委員長初め私ども文部委員は、これに対して非常な関心を持つておるのであります。日本社会党におきましては、ことにこの問題について重大な関心を持つておりまして、ぜひともこの六・三制の完盡をしていただいて、これを裏づける予算の確保が昭ましいということを政府に要望いたすような決議を、実は昨日中央執行委員でいたしたわけでありますが、この六・三制の問題は、申すまでもないことでありますけれども、米國の教育使節の強い勧告に基いてなされたという点を、特に私ども考えることであります。第二に、これは一文部省の案でなくして、教育刷新委員会という日本における教育に関心を持つた専門家の一致した勧告に基いてなされたものであるという点であります。第三には、第一次吉田内閣——このたびは第三次の吉田内閣ですが、第一次の吉田内閣でこれが取上げられて、日本の教育刷新の基本政策となつたということでございます。第四には、これはただ日本だけの問題でなく、中外に宣明されて、外國においても日本の建設にこの教育の制度をとつたということが廣く傳えられまして、強い賛同と支持とを得ておるという、ただ日本だけの問題ではないという性質を持つておることであります。さらにこの問題に対する國会の審議の経過は、六・三制に対するいろいろな問題につきましても、各党は一致でいつも決議をして参つておるような状態でございます。文部省においては——私一年半ほどおりましたけれども、その全努力といつてはやや強いかもしれませんけれども、主要な努力は、困難やに見える六・三制を貫徹するという方向に向われたのでありまするし、日本の國民も、実はこの制度に日本の國にとつては重い経済負担であるし、なかなか善しかつたのでありまするけれども、一度この新しい教育刷新の方向がきまりましたときには、全力をあげて非常な犠牲を忍んでもこれに努力を盡して参つたような状態であります。かような特殊な方策でありますのに、その方策が今日急に予算等の事情から大きな変更でも受けるということでありまするときには、これにまことに日本再建にとつて憂うべきことであると私は考えておるのであります。先ほどから文部大臣も強い決意を持たれておりまするけれども、どうかこの六・三制の完遂と、これを保障する予算を獲得することに最善の努力を盡していたたきたいと思う。先ほども圓谷委員等から御指摘になつたように、地方ではこれがためにすでにいろいろな計画もいたしておりますして、その責任を持つておるところの市町村長等も多数にあるのであります。さらにこの教育の制度という基本的な政策が、一年二年三年くらいの間に大きな轉換をするということに、まことに新しい日本を建てて行くという國としては遺憾なことでございまして、あくまでこれは堅持されて行くことが必要であろうと思うのであります。なるほど今日のような経済状態にある國でありますから、これを行うには幾多の困難がございますけれども、みずからこの困難を突破してやるという決意でなされたのでありまするし、ことに第一次吉田内閣のときに決定されまして、実は七億余の予算で、これではとうていできなかつたので、私文相の責を負いましたときには、里子をもらつたような形で、最善を盡して、実は一年半努力して参つて、ようやく育ちかけたところで、またこれが困難な事情に置かれるということは、私この上なく遺憾なことと思うのであります。しかもこれは日本再建の基本政策であるだけでなく、一千万の子供たちにも影響がありまするし、親たちにも強い影響があると私どもは思つております。こういう政策がぐらつきますと、子供たちにも、先ほどもしばしば御指摘になつたような、いろいろな思想的にも好ましくない影響があるのではないかと私は思いますので、そういう面からも、これはぜひとも堅持していただきたい。 さらにいろいろ聞くところよりますると、日本の経済の事情から、教育の面では一應予算を縮めなければならぬというようなお話ではございまするけれども、私は日本の再建をただそろばんだけで物的な面からのみ重点を置いて考えることは、ことに今日のような日本においては、大いに考えなければならぬことであると思います。この点においても、アメリカの事情と日本とはたいへん違いますので、アメリカにおいて成功した政策がそのまま必ずしも日本に成功するとは私は思いませんが、どうか政府におきましては物的の生産と並んで、あるいはより以上に人間の生産に重点を置いていただきたいと思うのであります。 かつて九十議会でありましたか、第一次吉田内閣のときでありますが、石橋さんが、教育のことは困つておるときにはあとまわしでもよいというような話をされて、議会はあげてこれに反対をしまして、文教再建の決議を満場一致でいたしたような事情があるのであります。今日はややその時のよう事情に置かれておるのではないかと私は心配をいたしておるのであります。さらにこの六・三制は、巷間でしばしばアメリカの方々の勧告によつて行われたものであるというような説も述べられておるのでありまして、この困難な政策が行われて、また二、三年の後に轉換するということでありましては、私は教育をややもてあそぶような印象を受ける人があつても何とも言えないのではないかと考えるのであります。かような事情から社会党といたしましては六・三制をあくまで完全実施していただいて、しかもそれに必要なる予算を政府に確保するように努力をしていただきたいと思うのであります。これは再建日本が國民に対してまた世界に対して文化的な、平和な日本をつくろうとする意思を表明するものであると思いますので、どうか委員長並びに委員の方々は、このような線において政府を鞭撻いたしまして、せつかく吉田内閣が日本國民に始めたこのよい制度を、あくまでも守つて行くようにしていただきたいと存ずるのであります。
○松本(七)委員 六・三の制度が非常に危機にさらされておるということがうわさされておりまして、今國民は非常に憂慮をしておりますが、なお文部大臣のお話でも、委員会の方の御報告によつても、今後相当努力すれば見込みなきにしもあらずというようなときでから、この機会に、この衆議院の文部委員会といたしましての一つのはつきりした意思を、政府に対する強い要望として、ここに全会一致で決定しておいたらいかがかと思うのであります。それに基いて、あとは委員長より参議院の方の委員長と協力しながら、関係方面にも強く要望を傳えていただくというようなおとりはからいを願いたいと思うのであります。それでまだ予算も正式に提出されておりませんから、ごく抽象的な言葉にはなりますけれども、私がここに提議いたしたいのは 政府に教育刷新の基本制度である六・三の完全実施の方針を堅持し、かつこれを実行するに足る予算を計上すべきである。こういうことで、委員会の意思をはつきりさせていただきたいと思います。どうか全委員の御賛同を願いたいと思います。 なおこれは今日は少し早うございますが、正式に予算が提出になりました場合には、その予算に現われた教育予算、特に六・三制の予算の状態いかんによつては、特に六・三制予算について、これを中心にした公聽会を予算委員会の方で開いてもらうというようなことも、本委員会としては働きかける必要があるのではなかろうかと考えられるのであります。こういう点もあわせで皆さんの御賛同を得たいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○原委員長 ただいまの松本七郎君の御要望に対して、御意見のある方はお述べいただきいたいと思います。
○渡部委員 日本共産党としましては、元來予算が具体的に示されもしない間に、また首班の施政演説もない間に、こういう具体的な問題についての決定をするということは、道筋ではないというふうに考えるわけでありますが、しかし日本社会党から提案された事情については、非常に事が重大であり、緊急であるという理由から、大体においてその案文その他についてにこの場で審議するとして、賛成するものであります。というのは、これまでの内閣の予算においても、六・三制の実施に関するものは非常に不十分であつて、このために最近参議院から派遣された調査においても、ある地方では六・三制の実施建設問題を中心として、すでに税金の十倍ないし、三倍くらいの寄附をとられながら、しかもこの六・三制の実施に向つておつたわけであります。こういうときにもしこのたび新設のための経費がまつたく無視さしれるか、あるいは極度に削減されるようなことがあるとすれば、これは実に重大なる教育上の破壊的な結果を來すだろうと考えられるわけであります。もしそういうことになりますれば、すでに調査されておるように、二百四十万人の教室を持たない児童が出るわけであり、また現にそれに関連して児童の犯罪数が日に月に激増しているという状態、さらに不就学児童が最近急テンポをもつてふえておるというような状態、さらにまた学力の低下の状態、こういう日本の教育の危機がいよいよひどくなつて、まさに破壊的なものになるに違いないという方向を現実に示されておるわけでありますから、それがさらに増大して來るに違いないと思われるのです。この六・三制建設費の問題に対するこのような状態は、これは日本の教育全般に関する軽視の問題であり、日本の國民としては、だれしも満足できないところであることは、はつきりしておるわけなんです。このような状態は、他のすベての大学以下の教育における、いろいろな施設の問題とも関連するものでありまして、この点については、今後委員会の進行のうちに、われわれの調査しておるところ、われわれの考えておるところを具体的に申し上げるつもりでありますが、ともかくも教育に関するこのような考え方が六・三制の中に具体的に現れておるという事実に対して、日本共産党は徹底的にこれを批判し、またこういう傾向に対して、あくまでも抵抗して行かなげれはならないと考えておるわけてあります。これは單に日本共産党だけが考えておるばかりではなく、おそらくは皆さんも考えておられるところでありましようし、またわれわれ以上に現実にこの問題にぶつかつており、教育の危機に直面しておる学界、教育界や、学生や、父兄や、一般の大衆までが、非常に重大な関心を佛つて、もしもそのようなことがあるならば、われわれは大きい國民運動として、そのような傾向を導く施政に対して抵抗して行かなければならかいという決意を示しておるわけであります。われわれはこういう状況の中にあつて、社会党から提案されました問題を、ここでさらに各委員諸君とともに審議しまして、そして全委員会の名において、しかも満場一致であるということをはつりした形において、政府に要望すると同時に、この実現については、委員会全体が日本の教育を防衛しなければならぬという、ほんとうの決意をもつて今後進めて行くべきではないかと考えるわけであります。
○圓谷委員 社会党の松本委員より提案になりました六・三制の予算措置についての要望事項は、わが党においても賛成するものであります。賛成するどころではなく、これについては、政府当局初め、党においては、ほんとうに全力をあげてこの予算をとらんとしておるのであります。先ほど森戸委員からもお話がございました通り、この六・三案は栄國の教育使節團の勧告にもよりしたが、刷新委員会が、ほんとうにこれこそ日本文化國家の再建の基礎であるとして、これを内閣に建議いたし、そうして、委員会が満場一致をもつてこれを決議して出発したのであります。その当時アメリカの異論は、日本で最も大きな國会の仕事は、戰いに敗れても教育の改革に一番先に手を染めたことであり、これは偉大なる事業であるとして、そのとぎ礼讃しておるのであります。しかもまた、これが第一次の吉田内閣においてスタートを切つた関係上、わが党においては、第三次吉田内閣のもとにおいて、特にこの問題については重大関心をもつておるのであります。憲法において、力をもつて世界を制覇せんとするときには、兵役の義務を國民に課しまして、兵はもちろんのこと、飛行機、軍艦をつくり、また國民に対して食糧まで提供させ、そうして國家予算の大部分をこれに投入しておつたのでありますか、今回六・三制を義務制として布いた以上は、國家がこの子供の入るべき教室を、しかも半額の補助をもつてやるというくらいのことは、國民の総意によつてできないことはないと確信をしておるのであります。しかも昨年アイオン台風が吹けば、一夜にして二百八億の予算を國会は決議しておる。わずかに五十億、六十億の金ができないということは、われわれ國民の代表として、子を愛する父兄が、なけなしの金を出してまでも、今この六・三制をつくろうとしておる、この心持にこたえねばならぬと私は固く信じておるのであります。この点よりいたしまして、ただいま共産党の渡部委員からもお話がありました通り、各党一致をもつてこの要望を政府に強く迫り、またわれわれ委員といたしましても、あらゆる努力をいたして、何とかしてこの六・三制の本年度予算に対して、乏しきながらも國民にこたえるだけの決意をいたしたいのであります。賛成いたします
○原委員長 ほかに御意見ございませんか。
○船田委員 すでに森戸委員その他から詳しく御意見の御開陳がありましたので、いまさらそれにつけ加えて申し上げることは差控えますが、一々ごもつともと考えるのでありまして、手続の点から申しますれば、形式的に言つて多少疑いがあるのではないかとも思われるのでありますが、先ほど松本委員から御提案がありました要望につきまして、本委員会の意思をはつきりといたしておくことにつきまして、私は國民協同党を代表いたしまして賛成いたしますとともに、全会一致で決議をすることができますように、他の委員諸君にもお願い申し上げます。
○原委員長 ほかに御意見ございませんか。
○松本(六)委員 私も、わが党を代表いたしまして、ただいまの御提議に対して全面的に賛成をいたします。よろしくおはからいを願います。
○原委員長 ほかに御意見ございませんか。——それでは松本君の御要望を政府に申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 御異議なしと認めます。
○圓谷委員 この際大学校設置の説明を当局はなさるという先ほどの本委員長のお話でありましたが、これはこの次の委員会に渡つて、本日はこれにて散会するようおとりはからい願いたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 それではさようとりはからいます。 なお、委員会の定例日は明日になつておりまするが、次会の日取りは、散会後理事の方にお残り願いまして、御協議いたしたいと思います。 それでに本日はこれをもつて散会いたします。 午後五時二十一分散会