農林委員会 第46号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/09/08
会議録
○小笠原委員長 これより会議を開きます。 本日はまず食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。 この際河野委員より災害対策に関する件について質疑の通告があります。これを許します。
○河野(謙)委員 まず今回の災害につきまして、現在までに農林省が調査をまとめられた点、並びに現在までにこの災害に対していかなる対策を立てられたか、これを御報告願いたいと思います。
○藤田説明員 今年災害が非常にたくさんございまして、御承知のようにデラ台風、フエイ台風、ヘスター台風、それからジユデイス、キティー等、そういうふうに数次の災害があつたわけであります。この被害の状況について、現在私どもの方でも調査をいたしておりますし、縣の方からも被害の報告が参つておりますが、しかしながら災害が激しければ激しいほど、その都度においての調査がまだはつきりまとまつておりません。從つて正確な数字を申し上げることもちよつと不可能なのですが、ただいままで調べてわかつておりますのを大体申し上げますと、デラ台風、フエイ台風、ヘスター台風、これにつきまして、大体昭和二十四年産の陸稻、水稻関係で被害がありますと考えられております面積が、陸稻で一千八十九町歩、水稻で一万四百八十六町歩、こういうふうに相なつております。しかしなおこれはその後またどんどん調査も明確に参つております。この数字はなおふえて行くのじやないかと考えております。それから最近のジユデイス台風による農作物の被害の関係、これも各縣からの資料がまちまちでございまして、集計が非常に困難でございます。大体今まとまつておりますのは八月十七日現在程度であります。その後まだちよつとまとまりができておりませんが、それで参りますと農作物に対する関係におきましては八万七千町歩程度の被害であります。それからキティー台風による水稻関係の被害でありますが、これも九月の六日現在で一應縣から参つておりますものを集計いたしております。それで考えますと、大体流失、埋没の関係が約六百町歩、冠水、浸水が二万一千八百町歩、倒伏の関係が八万三千六百町歩、その他が一万二千町歩、こういうふうになつております。これもわれわれがもつと被害が大きいと考えられております縣がまだ参つておりません。さらにひどい被害になるのじやないだろうかと想像いたしております。大体このキティー台風では、現在報告の参つておりますので集計いたしますと、約七、八十万石程度の被害、こういうことになつております。われわれの想像ではもつとひどく、おそらく百五十万石程度の被害があるのじやないかと思つております。なお調査につきましては、今後どんどんと各縣の資料も明確なものが参つておりますのを集計いたしまして、また御報告いたしたいと思います。 それでこれらの被害につきまして農政局関係で対策としてやつておりますことの一つは、肥料の特配の問題があるわけであります。これにつきましては、デラ台風については鹿児島外十七縣に対しまして窒素質肥料を約五千九百トン、ヘスター台風につきましては、三重外五縣に対しまして千六百トン、ジユデイス台風につきましては、佐賀外五縣に対しまして三千七百トン、キティー台風につきましては、栃木に対しまして二百五十トン。こういうふうにいずれも肥料の特配をいたしております。最近は災害関係の肥料につきましては、できるだけたくさん見ようというふうなことで、申請がございます分は、できるだけ申請に近い数量の肥料を特配して行こうというふうなやり方でやつておりますので、肥料についてはきわめて迅速に申請通りのものが割当てられておる。こういうふうな事情になつております。なお以上の台風全部を通じまして過燐酸関係で五百トンばかりのものを特配をいたしております。 それからもう一つの問題は農業保險の問題でありますが、特に水稻で流失埋没をいたしましたようなものについて、何かすぐにあとの作物を植えたい。しかしながら收穫は皆無であつて、それの資金も得られないというふうなものにつきましては、保險金の仮拂というようなことを認めてやる必要があろうということで、大体現在五億七千万円程度、これにつきまして中金の方と話をいたしまして、收穫皆無地の支拂い保險金から、手持ちの保險料を差引いた額についてできるだけ先に融資させるというふうなことで話をいたしまして決定をいたしております。從つてこれによつて各線でもしもこういうふうな該当の所があります縣は、中金の支所と話合いを進めていただくというふうなことにお話をいたしてございます。ある一二縣では、すでに話がついてある程度確定しておるということも聞いております。 なおこの五億七千万円は一応デラ、フエイ、ヘスター、こういうふうな災害関係の大体收穫皆無地の保險金というものを頭において計上いたしました。その後のジユデイス及びキティーについては、なお災害もあることでありますから、これについては資料がまとまり次第、やはり同じような方法で中金に交渉いたしまして、仮拂いの資金としての融資について、極力便宜な方法がとられるように進めて行きたい。かように考えております。 なお大きな問題といたしましては、災害地の補正の問題、あるいは來年度における事前割当の問題、あるいは事前割当計画の変更の問題、こういうふうなものもあるわけであります。これらにつきましても、われわれといたしましては実情がはつきりわかり次第、非常に現在の割当のむりだというふうな地帶につきましては、これを補正いたすなり、あるいはどうしても補正まで待てないというふうな問題につきましては、事前割当計画の変更というふうな考え方でも進めて行きたい。これは個々の問題として処理をいたしたいというふうに考えておるわけであります。 なおそのほか農政局関係といたしましては極の問題があります。災害地のあとにまく種子を確保する問題であります。これについては、御要望のありますものについて迅速に処理いたしております。適当な種のないようなものもあつて困る場合もあるわけでありますから、お話の申込みのありました都度これを迅速に処理いたしたい。種子については大体手配がついて順調に進んでおるというふうに聞いております。なお農政局以外の問題といたしましては、たとえば金融の問題というふうな大きな問題があるわけであります。これにつきましても農政局といたしましてはできるだけ御援助を申し上げたい。たとえば資材でございますが、そういうふうなものの購入資金について非常に、不足を來しておるということは事実であります。資材については資金さえ許せば何とか確保し得るような現況でございます。結局は金の問題だろうと思いますので、資金の融資の問題について、私どもで御援助をいたしたいというふうに考えております。
○小笠原委員長 遅れておいでになつた委員諸君に申し上げますが、今先般来の台風に対する災害問題について質疑を継続いたしております。
○河野(謙)委員 一、二点お尋ねしたいのです。災害の対策は順次立てられておるようでありますが、総括的にはかつての失敗を繰返さぬように、すべての措置を迅速にやつていただくということをお願いいたします。 それからなお災害保險の問題でありますけれども、昨年の台風を受けまして相当赤字を背負つておる府縣が多いのであります。その元金の問題さへも困つておりますが、さらに利息の補填も非常に困つております。かさねてまた本年の台風を食いまして、相当これらの縣においては保險金の赤字の問題について悩んでおるわけであります。これにつきまして金融的の措置を農林省があつせんして、同時に少くとも利子の補填は、政府でこれを責任を持つて処理してやるというふうなことについてのお考えがあるかどうか、これをひとつ伺いたいと思います。 それからもう一つ補正の問題でありますけれども、從來補正を見ますと、本省の意図と違いまして、末端においては、補正をする場合に、生産全体の補正をしないで供出の補正だけをやる、從つて自家保有分の補正が忘れられておるという傾が非常にある、本省の方ではさようなことはないとおつしやられるかもしれませんけれども、末端においてはさような間違つた補正をやられたところがあるのでありますが、これにつきまして、末端におきまして明確を欠いておりますので、もう少し補正である以上は、生産全体についての補正でなければならぬはずでありますから、かような事例がたくさんありますので、この補正についての根本的な本省の方針をこの機会に明確にしていただきたい、そうして末端においてのいろいろ取扱上の誤診を、この際訂正するようにしていただきたい、かように希望するものであります。
○藤田説明員 金利の問題で、國が金利を助成すべきだというふうなお話のようでありますが、これは一應ごもつともだと考えておりますが、なかなかこの金利を國が持つということについては、財政その他の見地から困難な点もたくさんあろうと思つております。ただいま考えておるところでは、それはできるだけ何か地方費補助等の措置によつて、借入金の利子等について御配慮が願えないだろうかということ、つまり縣で何か考えていただけないだろうかということを私どもとしては思つておるわけであります。なおこの点につきましては、私どももできるだけのことは考えたいと思つておりますが、きわめて困難な事情になつておることを御了承願いたいと思います。 それから補正の問題につきまして、生産計画、つまり供出だけでなしに生産、計画から補正すべきた。つまりこれは先ほど申し上げましたような事前計画の変更であります。事前計画の変更の手続をとつて行かなければならぬという縣も、たとえば鹿児島縣でありますとか、あるいは佐賀縣こういうふうなところではそういう御要望もあるわけでありますが、單なる供出量の補正だけでは解決のできない部分もあると考えますので、これはよく事情を調べまして、できるだけ――これはまだ関係方面と折衝をいたさなければならぬ問題ではあるし、われわれといたしましては、できるだけ御趣旨に沿うように努力して行きたい、こう考えております。
○河野(謙)委員 委員長にちよつと御了解を得たいのですが、この機会に緊急を要するいもの問題について、食管の長官にお聞きしたいのですが、よろしゆうございますか。
○小笠原委員長 ちよつとお持ちください。大森委員もただいまおいでになりましたが、先般來の災害対策に対する質疑をやつております。災害問題の方を先にきめてしまいたいと思いますが、災害問題についてどなたか御質疑はありませんか。
○深澤委員 災害問題について農政局長にお伺いいたしたいのであります。デラ台風の一般的な被害の問題ももちろんでありますが、特に今年の低温濕潤の氣候によつて、おそらく数十年来まれに見るいもち病が発生しているのであります。ことに高知縣のごときにおいては、非常に大きな問題になつているわけであります。ところがこの被害の評價というものが、農業災害補償法によりまして五割以上を越えてはならないことになつているわけであります。しかし高知縣のごときはまれに見るものでありますので、これに対しまして五割以上の災害補償をするような運営ができませんか、どうか、これが一点。 第二点といたしましては、そういう被害に対していろいろな手段を講じたわけであります。種の消毒や薬剤撒布、あるいは被害わらの処理というように、いろいろな防除の方法を論じたのでありますが、それすら効を奏しなかつたような現状において、保險金の支拂いというものが常に査定か遅れまして、その窮状を救うのに役に立たないような状況であるのであります。從つて地元といたしまして、保險金の前拂いというような要求があるのでありますが、これについては、どういうぐあいにお考えになつておりますか。もう一点は最近東北方面をまわつたのでありますが、災害補償法が農民に喜ばれていないという事実があるのであります。つまり災害々々の状態に応じて支拂金が制限されているということのために、負担はますます重くなつて来るが、災害に対する補償金というものはまことに貧弱で少い。こういうようなことで、おそらくどこの府縣を計算いたしましても百万円近い現金がかかつておるのであります。しかし災害に対しては非常に少く見積られているというような関係上、農家自体がまつたくこれでは災害に役立たないというようなことで、共済保險に対する信頼の念が薄らいでいる事実が各地にあるのであります。これはおそらく災害特別会計の上におきましても、私は大きな困難な問題が起つて来るのではないかと思うのであります。しかしながら農民といたしましては、計算してみて結局損であればこれに協力しないという傾向になつて来ることは必然であると考えるのであります。これは根本的な問題であると考えるのでありますが、これをどういうぐあいにお考えになつているか。以上三点についてお伺いしたいと思います。
○藤田説明員 第一点のいもちの災害の場合には五割ということになつているという点でありますが、特に高知縣につきましては五割で打ち切ることが非常に実情に合わない。せつかくいろいろの手段は盡したが、どうしても防げなかつたというふうな関係からいたしまして、これを上げてもらいたいという御要望があるのであります。大体一期稻については百パーセント見よ、二期稻については七割見よ。それから三期稻以降の分につきましては五割程度見よ。こういうふうなことで、つまり一期稻及び二期稻について特別に例外的に見よ、措置を講じよということで、現在進めておるわけであります。 それから保險金が非常に遅くて因るというお話でございますが、これは先ほど申し上げましたように、大体收穫皆無地に対して保險金が遅いために、後作の関係上困るという点もございます。これは先ほど御説明申し上げましたように、約五億七千万円という金を中金と話しまして、保險金の仮拂金、前渡し金というようなことで、その程度は融資を受けるというふうなことで措置をいたしております。從つてこれは具体的に中金支所と縣の各團体の方とで御相談をいたし、至急におとりきめいただけば、その金は出るということに相なつております。 それから全体的に保險制度の問題でございますが、率直に申しまして、現在の保險料の程度では、毎年特別会計は赤字になつて行つております。相当大きな金の借入れもしております。しかしながら農家の負担も増すことでありますから、保險料というものはそう上げるわけにも行かないというようなことで苦慮いたしております。われわれといたしましては、來年度の予算については、できれば一つの基金というふうなものが設定されて、その基金によつて、突発的な災害があつて保險金が拂えないというふうな場合には、便宜その基金から拂えるというふうな制度を設けたいということで、大体これが五箇年計画にいたしますと、七、八十億の金になるのでありますが、われわれの見当としては、まず来年度の予算として二十億程度、これを基金として積んで行きたい。本年度の予算の中には、たしか八億程度のものが一般会計から繰入れられておると思うのであります。それを増額いたしまして、二十億程度のものを一般会計から繰入れて、一応積立てておきたいということで、財政当局とも話をして行きたいというふうなことを考えております。
○深澤委員 昭和二十二年のあの台風以來、耕地の特に災害復旧が遅々としてはかどつていないのであります。政府自体もこれに対する予算は、非常な削減というよりは、むしろほとんどないような状態になつておるようであります。昨日も東北地方から陳情に來られた耕地協会の方々の御意見によると、先日増田官房長官に会つたところが、そういうことは農林大臣の腕が弱いからだというようなことを――じよう談か、どういうときに出た言葉か知れませんが、そういう言葉を聞いて帰つたということが陳情の中に盛られているのであります。これはまつたく日本の農業が非常に片手落ちな扱いをされているということが言えると思うのであります。生産の面、あるいは米價の面、あるいはその他物資の配給の面においては、農業自体が惠まれていない。だが農民はそれに対して非常な協力をしておる。耕地の災害や、土地改良の問題については、ほとんど政府はこれに対して重点をおかないというこの現状に徴しまして、どこへ参りましても、耕地の復旧問題は、あげて農民の大きな問題になつているのであります。これは地方町村の行政をあづかる者、あるいは縣政をあづかる者といたしましても、その中間に立つて非常に困つておるというのが今日の現状であると思います。從つて農林省はこの現状を見まして、耕地の災害復旧を重点的にまずやるべきである。食糧の増産ということは、日本の他の重要産業と同等の立場において、これを見て行かなくてはならぬという強力な発言を政府部内でなす必要があるのではないかと思うのであります。もしも農林大臣の腕が弱いことによつて、農業がこういうぐあいにまま子扱いをされているとするならば、われわれは農林当局に対して、もう少しがんばつてもらわなければ困るという考えを持つているのであります。全体的な農業災害の問題については、どういう見通しを持つておられるのでありますか、二十二年度以来ほとんど復旧がなされていない。もし復旧がなされておつたとすれば、それは地方自治体の負担において、しかも政府の補助金を期待してやつておる。そのために、ある地方においては地方財政が破綻しておるという現実があるのであります。これに対して農林省はどういうお考えを持つておられるか、またこの二十二年以来の耕地の災害復旧に対していつこれを完全に復旧できる見通しと確信を持つておられるか。この点についてひとつお伺いいたします。
○川名説明員 耕地の問題につきまして私からお答えいたします。 ただいま耕地に関する災害の復旧事業、特に耕地の復旧について非常に遅い、政府のとつておる手段が貧弱であるという点を御指摘になりました。この点私どももまことに申訳ないと存じております。現在昭和二十年以来の災害で、まだ復旧されていないものが相当な数になつております。耕地としては大体三万町歩程度あると思います。これにつきましては、二十四年度は全面的に補助を打切られたという事態に到達いたしております。まことに申訳ないと思つておる次第であります。農林省としましては、この耕地の復旧問題につきましては、全力をあげて前のように復活いたしたいと考えまして、目下それぞれの関係方面に交渉中であります。なお耕地以外の公共施設の復旧につきましても、現在残つておりますものを、何とかしてこの二十五年度くらいまでには片づけなければならないというような目標で、目下進んでおります。なるべくそういうふうにわれわれも努力して、その予定通りにやつて行きたいと考えております。大体われわれが考えております程度は今申し上げましたような数字でありまして、耕地の復旧、復活と、それから過年度災害の復旧の早急な実現に向つて努力いたしたいというふうに考えております。
○深澤委員 それからもう一つお伺いいたしたいことは、今度の災害によつて、減收はいろいろ新聞でも発表されているようでありますが、農政局としては、どの程度実收において被害があつたかということについて、何か確実な数字がございましようか。ありましたらお聞かせ願いたい。
○藤田説明員 先ほどちよつと申したのでありますが、キティ台風につきまして、現在農政局の方に縣から報告が来ております数量を合わせますると、大体七、八十万石程度であります。しかしながら私どもの予想として考えますと、今度のあのキティ台風は、風の害が相当ひどく、ちようど出穂期になつておりますので、なかてに対する被害が相当多いのではなかろうかという見込みをつけております。おそらくそんなことでなく、これわれわれの係の者の大体の想像でございますが、あるいは百五十万石程度ぐらいまでは見込んでおかなくてはならないのではないかということを言つておるわけであります。これはしかし正確な調査をいたしませんと、確実にはならぬと思います。
○小笠原委員長 それでは薬師神君。
○藥師神委員 大藏当局が見えておらぬので、農政局長にのみ要求してもどうかと思いますが、災害地の復旧に対しては今農地改良などについても、四囲の状態からいろいろむずかしいようでありますが、しかし今度の災害については、どうしてもこれは了解を求めて早急な対策を講じなければならぬと思います。これらに対しては、單に農業関係のものばかりではない、あるいは水産関係のもの、一般土木関係のもの、各種にわかれるわけでありますが、これらについては政府の助成が相当大幅に認められることをわれわれは期待しておるわけであります。しかし目下の情勢としては、これが思うように達成できるかできないかはわからないわけでありますが、いずれにしても、地元負担が相当この場合にもいるわけです。これはつまり労力で補われる分もありますけれども、相当地元負担の点については借入金をしなくちやならぬ。この点の融資関係が相当むずかしい関係になつておる。先ほど河野委員からも金利の問題があつたわけでありますが、この点については、地元負担に対する融資の点も、相当政府として考えなくてはならない。單にこれは農政局の方の責任として申し上げているのじやないのであります。これは最も関係方面に強く要請してもらわなくちやならぬのでありまして、かりに政府の助成が予定通りあつたとしても、地元の負担は相当高額に要するのであります。この点については、融資の点がまず第一であるとともに、その上に金利の問題については、どうしても災害関係のものは、これまた予算措置を講じなくてはならぬわけでありますけれども、少くとも年五分五厘ないし六分くらいのものにはやらなくてはいけないと私どもは思つておるわけであります。いずれにしても、この点は予算措置を講じなければならぬわけでありますから、これからわれわれも努力しようと思つておるわけでありますが、特に農政局の方面におかれましても、農村関係の問題については、特にこの点の努力をお願いしたいと思うわけであります。 次に災害地の減額補正の問題も、先ほど河野君から出ましたが、私は食糧長官にお伺いしたいと思いますけれども、長官がいらつしやいませんから質問を保留いたします。
○小林(運)委員 先ほど農政局長から陸稻並びに水稻の災害の大体の御報告がありましたが、今回の台風によりまして、養蚕、特に桑園の被害が相当あつたと思います。その点について、農政局の方に御報告がありましたら御報告願いたいと思います。
○藤田説明員 実はまだ私の手元までその数字がまとまつて來ておりません。これはわかりません。
○小林(運)委員 それではまたあとで御報告願うことにしまして、農政局長も御存じのことと思いますが、農業保險の問題につきまして、特に養蚕業の保險金が、今年度の予算に消費者負担の分として、生糸の賣上代金の方に含まれておつたのでありますが、御存じのように、今回蚕糸業の各種の統制が撤廃になりまして、保險金の帰属があいまいになつて、マル公の中に入つて來ないというような状態になつておりますが、本年度の予算の保險金はどんなふうにされますか、政府のお考えを承りたいのです。
○藤田説明員 蚕繭関係の保險につきましては、從来製糸業者が負担をいたしております分が、統制を撤廃いたしました関係上製糸業者からはとれない、それで一般会計にこれを持つてもらいたいという問題であるのでありますが、私どももその事情はもつともだと考えておりますので、われわれといたしましては、本年度の追加予算並びに来年度の予算から、これを一般会計で負担していただくように切かえていただきたいということで、大藏当局にも交渉をいたしたいということで、現存やつております。
○小林(運)委員 その点、本年度の予算はこれから補正を大藏省とお話になられるようですが、大体見込みはございますか。
○藤田説明員 これはまだ実は来年度の予算が非常に急がれておりますので、むしろ本年度の追加予算の査定の方が遅れております。おそらく来年度の予算が一応形がついてから、本年度の追加予算、こういうふうに逆になるのだろうと思います。まだそこまで見当がついておりません。しかし相当大藏当局としては難色があるのではないかというふうに想像はいたしております。
○小淵委員 今回のキテイ台風の被害は、群馬縣のこうむつたところはまことに甚大なんですが、なかんずく浅間高原の例のかんしよ、白菜、種ばれいしよで有名な嬬恋村の被害が非常に多いわけなんです。あそこのかんらんが、今実は出荷の最盛期に入つているわけですが、あそこの被害の状況をただちに調査いたしましたところ、あそこは非常に大きい村で、一つの村が郡馬縣内の四つの郡を集めたような廣汎な地域ですが、それが全部分断されてしまつているわけです。それでかんらんが切つてあるもの、荷造りをしてあるもの、これから切らなければならぬものが相当あるが、それが全部腐つてしまうというので、非常に心配いたしまして、縣当局もあそこへ出張して調査いたしましたところが、結局今のところのルートは、長野縣の鳥居峠を通つて眞田を経て上田へ出て行くより仕方がないというのですが、これが貨車が間に合わないので結局出ない。そのルートには架橋するところが一つあるのでこれも解決しなくちやならぬ。何とかこれに対しては至急手を打たないと、大阪、東京の青物市場の大部分を、出荷してまかなつているかんらんの問題ですから、消費地としても非常に困る問題である。地方の経済の上からも非常に躍起となつて心配しているわけなんですが、それらの報告を大体どの程度に受けているか、またこれに対する対策をどういうふうに立てておられるか、また立てておられないといたしましたら、至急建設廳の方と打合せをして、この問題の解決を早急にいたすようにしてもらわないと、この特産のかんらんの問題は非常な重大問題に立つておるので、お伺いをしたり希望を申し上げたりしておきます。
○藤田説明員 実はまだこの問題については、詳しく聞いておりません。從いましてさつそく調査いたしまして、縣ともよく打合せしまして、できる限り善処したい、かように考えております。
○小淵委員 早急にひとつお願いします。
○小笠原委員長 その他災害問題に対して御質疑ありませんか。――それでは農政局長にちよつとお伺いいたしますが、このたびの災害、震害等に対する問題が全図の各方面に起つております。政府の方では、まとまつた大きな所に取り上げるけれども、部分的の小部分の大被害のある所は、取扱い等にどうも差等をつけるようなことを聞いておるので、はなはだ遺憾を感じております。今度はそのようなことがないように、小部分といえども、大被害のある所は取上げて、この災害の対策と同様な取扱いをしなければならぬ、こう思つておりますが、その方面に行きわたつておりますか、その点をお伺いいたします。
○藤田説明員 あるいはそういう点について、なお手の足らぬところがあるかもしれぬと考えますので、今後とも大きな被害の問題については、できるだけ漏れなく対策を立ててやつて行きたい、かように考えます。
○小笠原委員長 それでは午前中をこの程度にして、午後はこの災害問題並びにいもの問題、食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案に関する一切の問題の質疑を継続いたしたいと思いますが、これについて皆さんから政府委員の御要求が新しいのがあれば、今のうちに申し出を願いたい。――安孫子さんはおいでになります。農政局長も見えられると思います。農林大臣、その他安本、物價廳も要求して、午後来ることになつております。主計局長はまだ返事は來ませんが、大体來ることになつております。 それでは午前中はこの程度といたしまして、午後一時半より開会することとして暫時休憩いたします。 午前十一時四十三分休憩 ――――――――――――― 午後二時一分開議
○松浦委員長代理 それでは午前に引続いて会議を開きます。 質疑を継続いたします。藥師神岩太郎君。
○藥師神委員 いずれ農林大臣あるいは物價廳長官が見えるそうで、あらためて質疑したい点がありますが、さしむき食管長官に二、三お尋ねしてみたいと思います。 問題は、この災害地におけるところのかんしよの問題であります。われわれの地元の方に関係することで、はなはだ問題が小さいようにも考えられるわけでありますけれども、非常に困つておることと、また一面から言えば、問題は全國的に考究さるべき問題だと思うわけだから、お尋ねするわけでありますが、ちようどデラ台風のために災害を受けたのは、愛媛縣でも宇和島市と八幡浜市を中心とする西四部が一番被害を受けたのであります。ことに水産関係が一番に被害を受けまして、これはおそらくデラ台風で災害を受けた縣の全部の被害よりも、四郡の被害が多かつたと思うわけであります。犠牲者が二百四十幾名に達したのであります。それでこの一面から言えば、漁業復興のために応急融資も大体三億円余りのものを出してもらうような了解がついておるわけであります。ところがこの地帶はいわゆる段々畑でありまして――段々畑も全國的に、長崎縣なども相当ありまするし、その他各地に散在はするのでありますけれども、こういうふうに四郡にまたがつて、しかもそれがほとんど段々畑であるというようなところは、全國でも類例がないのであります。そういうわけであつて、この部分においては、平年作の場合でも供出をやりまするというと、あとの食糧に非常に混乱を來しておるのであります。それは米が均等配給になるなれば、そういう問題は起きませんけれども、そういう地帶に対しての米の配給というものは、まことにかすかな量であつて、地元民はいも、麦をほとんど交互作にやつておるのでありますけれども、これを出す側に米を配給しろと言うのでありますけれども、なかなかそういうわけに行かないのであつて、米の配給量というのはきわめて少いのだから、どうしてもかんしよとそれから裸麦の保有を大部分食糧の中心としておるのであります。ことにこの南方地帶の郡には、水田というものはほとんど絶無と言つてもいいのであります。それでこの段々畑が約七千町歩以上に達しておるのであります。 それで私は、この間も長官にもお会いしたときに申し上げたように、米の換算率をぜひこの際は引上げる必要があるということを力説したことがある。そういう地帶においては、生産農村の保有量というものを確保せしむることが一つである。一方においてはいもの配給辞退というものが今日相当起きておりますが、これは各種な原因もあるでありましよう。鮮度の点や何かにおいて非常に劣つているし、一面においては米のやみ買いをしてもそれの方がおいしくもあるし、また得策だという考えもありますが、相当量配給辞退が出ております。北海道なんか特にこの傾向が顕著に現われるのではないかと思うのであります。その一つの原因は、米の換算率というものがきわめて低い点が大きに考えさせられるわけであります。――われわれのところにおける昔からの経済通念というものは、ほしかんしよ一貫目と米一升を一つの物交の換算率として長く認めておつたのであります。ほしかんしよ一貫目は、これは各地で違いますけれども、われわれの縣におけるようなでん粉量の多い所であつても、ます生かんしよ三貫強であります。ほしかんしよ一貫目をつくるのに、東北方面ではおそらく四貫目はいると思うのでありますが、約三貫であります。そのほしかんしよを一貫目と米一升というものが昔からの物交の経済通念となつて行つたのは、今日生いもで米一升に一貫四百とか五百とかいうことは、たとえカロリーの点においては同じであつても、消費者の側からいつて非常にきらうことであるし、生産農家として保有量の点からいつてもこれはたいへんな問題になるわけであります。しかも昨年の例をみますと、千葉縣のごときは三千五百万貫くらいの供出割当を出したものが、六千万貫以上出たということを聞いているのでありますが、これは豊作とか凶作とかいう問題ではないのでありまして、手品師ではないのだから、結局割当の基準というものが一面において誤つていたことの証査であり、一方においては米作地帶でありますから、米を裸供出して場も、大部分は米によつて食糧というものがまかなわれるということを、雄弁に物語つておると私たちは思うわけであります。ところが私が今例にあげたような地帶というものは、米の收穫はほとんどないのであります。米の配給というものはわずかな量しか配給がないのであつて、どうしてもかんしよと麦を主食にしておるのでありますから、保有量というものを十分に持たせなくてはならぬのであります。米や麦なれば、今度の福島縣かどこかのように、三パーセント以上の超過供出も出るようなところもありましようけれども、これは二年も三年も、貯藏の仕方によりましては貯藏ができるのでありまして、われわれの縣においては、かつて戰時中に三十八年間貯藏しておつた眞赤になつたもみを供出した例さえあるのであります。いも類はそういうような貯藏は絶対にできないのであります。その点において、私はもつと考慮を拂われる必要があるのではないかと思うわけであります。ところで今度のデラ災害によりまして、ほとんど村内において食糧を大量に買入れなくては、食糧が満たし得ない村が三箇村あるわけであります。特にひどいのが二箇村でありまして、これはおそらく何分の一しかとれないでありましよう。こういう点に対しては、割当の減額の補正ということはもとよりであります。個々人から言えば、なお食糧を確保して、超過供出のできるものもたまにはあるかもしれませんけれども、村全体を考えた場合においては、おそらく大量のものを需給しなくては食糧が確保できない現状にあるのであります。こういう場合においては、どうしても隣接の町村とこの問題をかみ合せて解決づけることが一番よい方法でありまして、これを一応供出して、その上に配給價格によつてそのいもを十日分とか五日分とか配給するような方法では、米の配給が少いから、この地帶の食糧は確保できぬのであります。それと同時に、配給のいもなどでは貯藏に耐えぬことは御承知であろうと思うのであります。われわれの方面でも、遅くとも十月の下旬ぐらいまでに掘らなくては越冬する貯藏には耐えないのであります。それで配給や何かに出して、一晩でも二晩でも野積みされたものは、貯藏には耐えぬのであります。ほとんどいもを常食と言つてもいいと思うのであります。戰時中に大阪毎日が大阪食糧科学研究所の技師を連れて、実地へ来て調査をしました。その報告というものが、戰時中に、昭和十六年でありましたか、四日間にわたつて新聞に発表されたのでありますが、ひえの村というのは東北のどこでありましたか、いもの村というのは私のおるところの宇和島市の中にあるが、ここでは学校の生徒を統計しておりますけれども、四十幾家庭の子供を調べたのによりますと、朝は全部いもの飯、いもだけをかまの中で練つて食つているのが四十七、八家庭のうちにおいて四十家庭にのぼるのであります。晝はいもをむしてそれを食う。晩に麦飯を混ぜたものを食うというのが、これがほとんどの者がやり來つておる慣例でありますが、こういう点において、今申し上げましたように、單に減額補正ではなくして、そういう一村に対して、どうせ一万貫や二万貫の不足で済むのではないのでありまして、これを一縣供出したものを三日分とか五日分とか配給するのでは間に合わぬのでありますから、少くとも來年の四月まで食うくらいのものを適期に貯藏させなくてはならぬのであります。村のうちで余剰ができる分はもとよりでありますが、隣接町村とこの問題をかみ合せて解決して、そうして新鮮なものを適期に、來年の四月くらいまでの間の食糧を貯藏させておかなければならぬ。こういう大きな現実の問題に直面しておるのであります。それで私が出て來るときにも、この対策委員会を開いて、縣段階において解決のつくことは、できるだけ縣において解決をつけるというので出て来たのでありますが、こういう場合において、中央ではどういうお考えを持つておられますか。これは縣の方で、何とか縣段階で操作すれば、こつちは知らぬ顔をしておればよいのが、中央でつくるといろいろな制約に縛られてやれないのか、あるいは特別に御配慮になるのかどうか、その点をひとつ切実な問題だから、お聞かせ願いたいと思います。
○安孫子説明員 お話を要約いたしますると、特殊地帶につきましては、政府の買入れ、賣渡しの操作をいたさないで、直接町村同志あたりで、かんしよについての取引と申しますか、需給の統合をはかる措置が講じられるであろうか、こういうようなお尋ねのように拜聽しました。これは現在の食管法の建前から申しますと、その点はできないことになつていることは御承知の通りだと思います。すべて主食は政府において買入れ、政府を通じて配給するというのが現行法の建前でございます。話のありました特殊地帶については、やはりそういう建前で参るわけでありますが、Aの町村が非常に凶作で、Bの町村が相当の豊作であるという場合に、あの町村である程度の話をつけられまして、操作上いろいろ便宜な手段を講ずることも適当であるようにも考えられます。しかし食管法の建前から申しますと、やはり政府の手を通じてそれをやるということに相なりますので、地方的な問題ではあろうと存じますが、やはり縣当局とその辺について十分お打合せをいただきまして、町村同志の話合いというのじやなく、やはり実体はそうであつても、根本におきましては政府の手を通じて賣買が行われるということに、いろいろ御研究を願う必要があるじやないか。この辺の実情については、やはり縣の方からいろいろお話がございますれば、現在の統制のもとにおいて、できるだけの便宜な方法を考えて参りたいと思います。
○藥師神委員 大体お氣持はよくわかつたのでありますが、ただ問題は、食管法の建前から行つて実施することができないことはよくわかつておりますが、私の申し上げる趣旨は、今言つたように、一応政府が買い上げたものをまた普通の消費者に配分するような、鮮度の悪いものを何日分とかいうふうに配給を受けたのではやれぬのでありまして、どうしても来年の四月くらいまでの食糧を貯藏さすことでなくてはならぬのでありますから、それで今の食管法の建前から行つて、價格の面において、政府機関の配給公團にしても一切手を触れないでも、帳簿上のやりくりによつて、配給價格を出すという建前で進まなければならぬかと思うわけでありますが、そういう災害地帶であつて、恒久的なものではなくして、今度の臨時措置としてやる場合には、そういうようなことを、いわゆる生産者價格をもつてやることはできないかということが一つです。これも今の食管法にかかつてどうしてもいけないといえば、そういう公團の機関の手を経ないでも、そういう操作をしたものは、一応政府買上げとして帳簿に載せて、そのプール計算によつて差額を出すことがほんとうだとは思うわけでありますけれども、何分にもそういう標高の高いところは三百五十メートルに上るようなところでありまして、被害が大きいわけでありますから、できれば生産者價格で取扱つてやることの方が、実情に即した方法ではないかと思うわけであります。いずれこれは縣の当局者、その他孫の出先機関からも話があるだろうとは思いますけれども、こういう地帶は全國でも類例がないのでありまして、先ほど申し上げたように、水稻はほとんどないのでありまして、畑ばかりである、しかも半漁半農であつて、いもと麦とにほとんど七、八十パーセントの食糧を依存しているのであります。そういう関係で、これは重大な問題であるから、この点は法を無視することはできませんけれども、一つの災害対策としての特別の措置を願うことはできないかという意味なのであります。もう一應その辺をお聞かせ願いたいと思います。
○安孫子説明員 実情につきましては、私ども十分了承いたすのであります。それで本年のいもを來年あたりまで貯藏いたしまして、隣村の食糧の供給に充てるというようなことも、どうしても必要であろうと存じます。今度のかんしよの対策につきましても、貯藏いも等については、相当の経費も含んで價格の面において見ておりますのでその充てることのできる隣村等において、その辺のことを活用していただきまして、その間の調整がとれるようなことも考えられると存じます。何せ災害を受けました地帶でありまするので、私どももできるだけ実情に即したような方法を講じて参りたいと存じますが、ただただいまお話のありましたような、生産者價格でこれを出すというようなことは、ただいまのところできませんので、この点は除きまして、あと実際上の需給操作の面において、できるだけ便宜な方法を、現在の法制のもとにおいてできるだけのことを考えて参りたいと存じます。これはただいまお話がございましたように、おそらく愛媛縣の方からも直接お話のあることであろうと思います。ただいまの実情についてのお話を十分了承いたしまして、その辺の具体的操作については、縣当局とお打合せをしたいと存じます。
○藥師神委員 大体了承したわけでありますが、この本年度のいも類の事情というものは、一般的に相当豊作を予想せられるわけであります。むしろ超過供出の処分という問題に、政府は苦慮するというような段階に逢着していると私たちは見るわけであります。ただ問題は、今申しましたように、三千五百万貫の割当で六千万貫以上も出るというところもあれば、超過供出を強要されるために、保有食糧ないしは飼料にたいへん困つている地帶もあるのでありますが、それは他の食糧作物との関係において、非常なる難易があると思うのでありまして、こういう点は將來においても、そういうような一切米作をやらない。しかも麦以外をつくつていない、從つてそれを主食にしておる、米の勤労配給は受けられないという地帶については、中央においても――これは愛媛だけの事情ではありませんが、特別にお考えになる必要があるのじやないかと思うのであります。たとえば、例をあげて申し上げますると、われわれの縣は昔からのかんしよの主産地でありますが、たとえば本年度の割当が、かりに五千万貫あるとして、そういうような災害を受けた特殊地帶というものがあるために、そこに五百万貫から差引いて、その食糧の需給操作を出先機関ないしは縣の方において相談してやるという場合において、私は大局から見る場合において、今申し上げましたごとく、いも類の飽和とは申しませんけれども、結局超過供出に悩むという現段階においては、あるいは縣当局者のごときは百パーセント供出ということを面子の上からも希望はいたしましよう。けれども実情というものはそういうふうになつておるのでありますから、その点は中央においても、出先機関ないしは縣からの申入れのあつた場合においては、そこに十分な了解をしてもらいたいと私は思うわけであります。 なお冒頭申し上げました米との換算率において、特にその地帶においては、今言つたように食糧の保有の点から、非常に悲痛な叫びが出ておるのでありますが、なお私は消費の面から見てもこれはたいへんな問題であると思うのでありまして、これはできれば米の換算率を少くとも一貫八百ないし二貫匁くらいにかえる必要があるということを、私はこれまで党の方にも主張しておるのでありますが、これはその筋の方の関係もあることを十分知つております。むろん熱量の点においては異議はないわけでありますけれども、食糧としての價値の上から言つて見ますると、嗜好あるいは味、貯藏の難易、処理の点、一般にいもの食糧としての処理というものは普及していない。こういうようなあらゆる角度から見て、この相対的の價値というものは、私が冒頭に申し上げましたごとく、ほしかんしよ一貫匁と米一升という物交の通念、というものは、やや実際に近いのではないかと思うわけでありますが、しかもその量から言えば、半分に足りないような現状においては、非常なる不自然を生じておると思うのでありますが、これは本年度の操作の上においてかえられる意思がおありにならないか。あるいはその点の了解が得られないか。その間の事情をお聞かせ願いたいと存じます。
○安孫子説明員 從來自由経済時代におきまするいろいろな物資の間の取引の率、物量的な意味においてのいろいろな率というものは、私どもは非常に意味のあるものだと考えております。やはりいろいろな経済現象そこに集約されまして、そこで長年の体驗からいたしまして、一つの交換率のようなものが、自由主義経済時代にあつたわけでありますが、そういうデータというものを尊重すべきであるし、またそこに、非常に廣い意味において考えますと、合理性があるということが非常に多いと存じます。從いまして、ただいまお話のありました点は、私ども十分わかるのでありますが、現在の換算率は、ただいまお話がございましたように、主としてカロリー計算の上から行つておりまするために、実は從來の慣行とはなはだしく違うような率が策定されて、それによつて從来とも運営されて來ておる次第でございます。これをことしのかんしよについて変更することができるであろうかどうかというお問いでございますが、実はかんしよの交換率、あるいはいろいろな統制上の問題その他の問題につきましても、いろいろ関係方面と折衝いたしたのであります。まだ全面的に解決はいたしておりませんが、少くともかんしよの問題につきましては、実現が非常に困難ではないか、かように思います。と申しますのは、カロリー計算の上から言うとそういうことになりますが、從来の取引慣行がこうであつたということだけでは、なかなか、関係方面の了承を得るわけに行きませんし、またこの査取引慣行というものが、全國的な取引慣行でもございませんので、その辺でいろいろ説明上苦しい点もありますので、この点もつと私どもも勉強しなくちやいかぬと思いますが、さしあたりのところ、現在までの状況におきましては、その換算率を今すぐにかえるということは、非常に困難な状況にあることと思います。
○藥師神委員 大体農林大臣と物價廰から見えたときに、総合的にこの價格の問題に触れてみたいと思うわけであります。それでこの程度にいたしておきたいと思いますが、最後に一言食糧廳長官に御考慮願いたいと思うのは、今の換算率というものは、私は單に昔からの物交の通念によつて了解を得るということは至難であろうと思うわけでありますが、長官自体が実際において、この配給のいもを一貫四、五百受ける方がよいか、一升の米の方がいいかということをお考えになれば、これは即座にわかることでありまして、しかも鮮度の悪い、創つて食わなければならないようないもを配給するということは、非常に大きな不自然がある。それだから一面においてこれが食糧の非常に緊迫した時代であれば、そういうむりも通すのがいいかわかりませんが、今日超過供出の分に特別会計の赤字に悩まなければならぬという見通しの段階において、許されるものならば、まずそれを主産地の食糧を確保する意味において飼料をうんと確保する意味において、また消費者にもある程度換算率を満足し得る程度にかえるということが、私はこれは單なる農村における通念ではなくて、実際の政治ではないかと思うわけであります。この点はそういうふうに努力してもらえば、消費者の方における配給辞退の現象というものの何割かは、これによつて食いとめることができる。そしてそれがつまり消費者が換算率に満足するということであり、主産地としてもその保有食糧というものにある程度満足し得ることになる。これが実際の政治ではないか、かように思うわけでありますが、それの達成できるように、できるだけ努力を拂われるようにということをお願いして、一応私の質疑を打ち切ることにいたしたいと思います。
○原田委員 長官にお尋ねしますが、近次新聞の傳えるところによりますと、米の供出後の自由販賣ということですが、これは、私は一つのゼスチュアだと思います。しかしいもに至つては一応全部統制のわくをはずす、こういうことが新聞に出ている。またその次には供出だけは認めるが、そのあとは一般の配給にする、こういうふうな記事も見ておりますが、はたしてこのいずれがほんとうであるか、この際お伺いしたいと思います。 第二点は、去る六月の十八日にいもの價格のことについて長官にお尋ねしたのですが、沖縄百号は三等級に属する、そしてその價格は澱粉の多寡によつて決定した、こういう説明でした。ところが私の方で試驗してみると一八・五、いいのは一九・〇、一九・三五というような結果が出た。ですからこれを何ゆえに三級に落したか。わが熊本縣のごときはもちろん、九州各縣のこれによる損失は莫大なものです。私の縣だけでも約二億数千万円という等級格下げによつて生ずる損失があるのであります。これについての政府当局のお考えを重ねてお伺いしたいと思います。 第三点は、過般の地方長官会議の場合に、いろいろ供出問題について協議があつた。そして早期供出と認めるものは要するに九月二十日までは奨励金制度をもつて進む、こういう話であつたということを聞いております。はたしてこれが事実であるかどうか。九月の二十日と言いますと、まだ九州各縣でも、それぞれの縣でも同じだと思いますが、これで打ち切られては非常に困る、少くもそういう制度によつてやられるならば、十月の二十日までにしてもらわなければ困るというような地方的要望が非常に頻繁にあるわけであります。この点も從來はいもの食糧としての價値というものを全國的に認めた。ところが今日多少食糧にゆとりがとれたからということによつて、こういうことをただちに計画するということは、まことに当を得ていないと思います。しかも食確法を今からでも審議して、食糧を確保しなければならぬこの時代――特に数回にわたる台風の被害をこうむつているという場合に、いもの統制のわくをとるというようなことはまことに当を失したことではないかと考えるが、この点について長官の御答弁を伺いたい。 なおもう一点、九州地区は、もしいもが統制のわくをはずされた場合には、耕作希望者がいなくなる。ですからそういう場合には、熱帶的な地方でありますので、代作として何をもつて経済の埋め合せをするかと正いうことが、私ら農民として重要な点であります。それについて政府は轉作としての優秀な品種の作物の選定をしておられたか、どうか、われわれの方でも、多少の体驗からこういうようなものがよかろうというような見当をつけておりますが、政府自体が計画的にそういうことを立てておられるかどうか、この点をお伺いしたい、この四点だけをお伺いいたします。
○安孫子説明員 第一点のいもの統制撤廃の新聞記事等があるが、この点は大体どういうふうになつておるのかという点であります。この点については、御承知のようにいろいろ各方面で御意見なり批判がございます。これは事実であります。主として食糧需給の面とあわせまして、政府の会計上の問題からもこの点が問題になつておることは事実であります。しかしながらかんしよの從來果して参りました使命を考えますと、戰争中並びに戰後においても、非常に貴重な食糧であつたと存じます。これがある意味において日本の食糧危機を救つた作物であるということが言えると思います。 〔松浦委員長代理退席、野原委員長代理着席〕 ただちに今統制を撤廃をしてはたしてよいものであるかどうか。この点については、私どももいろいろ異論もあるし、また考えてみなければならぬところもあろうかと思うのであります。また今後の食糧事情からいたしまして、かんしよを今ただちに統制を撤廃してしまつて、それでよいのであろうかどうかという点についても、いろいろ先の見通しをもちまして研究を要する点があろうと思います。從つてこの点については、新聞等いろいろな記事が出ておりますけれども、事務当局といたしましては、この辺先々の食糧需給の状況まで考えあわせまして、目下檢討を続けておるという段階でありまして、結論は出しておらぬ次第でございます。この点については各方面の御意見を十分に承つて、誤りのない措置をとらなければならぬ、こういうふうに存じております。 それから沖縄百号の問題でございますが、これは早期供出期間中は一等格上げをしたいと考えます。澱粉含有量の関係から主として等級がきまつておるのでありますが、この点についてただいまいろいろこまかい資料なり御意見が出たのでありますから、その点は私ももう一度再考してみたいと思いますが、十分各方面とも檢討を続けました結果、さような等級をきめたのでありまして、もう一度御質問もありますので再檢討はいたしたいと思います。ただ本年度の問題については、沖縄百号は早期供出の期間、特に第一期の間だけは一等級格上げをして、その間の生産者に対するいろいろな応急措置を考えて参りたいと思つております。 それから、一体いもの統制をはずしたあとの措置をどうするかという点でございますが、実は私どもとしてこれは統制をはずすともはずさぬとも結論を出しておらぬのでありまして、この点についてお答えをするのも、どうかと思いますが、統制をはずすといたしますならばそのあとは一体どうするのかということは、私どもといたしましても相当愼重に研究をしなければならぬ問題だと存じます。これは日本の農業経営の將來のあり方の問題からも檢討を必要とするでありましようし、また統制を撤廃いたしました物資について反省をいたしてみますと、何らその後の準備なくして急激に統制をはずしておるそのあとの混乱というものが、私ども相当目につくのであります。從いまして、統制をかりにはずすといたしますならば、そのあとの取引の道筋と申しますか、段取りと申しますか、そうしたものをどう考えて行くか、あるいは生産に対する影響をどう考えて行くのかというようなところまで、やはり檢討を加えてみなければならぬと思つて、お話の点については、問題の重要な点は私どもも十分了承いたしておりまするので、あわせてその辺も考究をいたしておるという状況であります。
○原田委員 ただいま供出後のいもの統制というものは今檢討中だ、さような御答弁であつたと思いますが、しからば現在檢討中でありますならば、当分はいもの統制ははずさないということで承知してよろしいか、なおまた農林委員として、いもは供出後の残りの分を一般の配給にしてもらいたいという要求をいたしております。その線で政府はやられるつもりなのかどうか。農林大臣の新聞紙上の説を聞きますと、ちようど私どもの要求したようなことでお話になつておるようであります。なお今の沖縄百号を格上げして早期供出だけを認めるということは、九月の二十日という期限を切つておられますが、その期限をもう少し延長される御意思があるかどうか、重ねてお尋ねいたします。
○安孫子説明員 いもの統制の問題については、事務当局といたしましては、いろいろな案について研究を続けておるという段階でございまして、結論をただいまのところ持つておりません。 それから沖縄百号の問題は九月三十日までだけ一等級格上げするというふうにいたしておりますが、これも各方面の御意見を十分取入れまして、まずこの辺が全体的に見て最も妥当なところであろうということで結論を出しておりますので、私どもといたしましては、ただいまのところこれを変更するような考えは持つておりません。
○渕委員 まずいもの問題が出ましたから、いもの問題を先に質問いたしたいと思います。いもの早期供出に対しまして、政府は全國の経済部長を召集いたしまして、早期供出に対しては割増しを認めるということになりまして、各縣はその段階におきまして、現在着々と割増しのできることを期待しつつやつておる現状でございます。しかるに私の得ました情報によりますと、早期供出の割増しが関係方面の了解が出ていない、こういうことを承つたのでございますが、政府はもし了解が出ていないものを、了解が出るものという仮定のもとにこれを全國に実行して、しかもそれを取消しをしないということは、大きな政府の失態じやないかと思いますが、その点に対する政府御当局の御答弁を願いたいと思います。
○安孫子説明員 歩増しの問題は、私どもは早期供出の実効をあげます上において、歩増し制度が非常に有力な方策であるという見解のもとに、原案といたしまして歩増し制度と奨励金両建で実は方針を立てまして、関係筋と折衝いたしたのであります。この歩増し制度は、御承知のように昭和二十一年度において実行いたされまして、その後二十二年、二十三年は歩増し制度はなく、奨励金だけで来た沿革を持つております。ただいまお話のありましたように、実はいもの問題が相当急を要しますために、成案を得ましてからこれを府縣に示すのでは非常に手遅れになりますから、全國を東の方と西の方と二区にわけまして、経済部長その他関係官にお集まり願いまして、本年度のいもの対策の概要について実は指示いたしたのであります。その際歩増し制度の問題も出しておる次第であります。但しその当時は関係方面との関係において、この歩増し制度が非常に困難であるという状況が判明いたしておりましたので、刷物にはその点は書いてありましたが、口頭でこの点は関係方面との話合いにおいて非常に困難であるから、今後この点について変更があるかもしれないということをつけ加えております。だんだんお話を承りますと、その補足をいたしました点は、府縣段階において抜けまして、それが末端に流れているという御指摘のようでございます。從いましてこの歩増し制度をやめましたことによる償いと申しますか、その点を奨励金の増額の方で実は見たのであります。そういうことで大体本日中ぐらいに関係方面の了解が得られるのではないかと考えております。從いましてその点が確定いたしましたならば、ラジオその他を通じまして全國にはつきりしたいと存じております。いろいろ時期が遅れましたために、その点いろいろ、御批判もあると思いますし、また経済部長会議等におきまして、いろいろその点は事情を釈明しておつたのでありますけれども、必ずしもその通り末端に流れていないという点については、早急に何かしら手を打ちまして事態をはつきりさせたいと考えます。
○野原委員長代理 ちよつと申し上げますが、大臣がせつかくお見えでありますから、大臣に関する質問を先にひとつお願いいたします。
○渕委員 私は八月二日の委員会におきまして、政府当局に麦の補正につきまして、還元されまする麦につけるところの値段の問題について質問いたしたいのでございます。事は事務当局の問題と思われるかもしれませんけれども、実に重大な問題でございます。生産者が補正をされまして、出したものを再びまた補正の結果それをもらわなければならぬ、もらいたいという事態に立至りましたとき、その消費者價格においてもらわなければならぬということになつたならば、まじめな人は損をする、いわゆる今までのあり來りの政治になると存じます。少くとも森農政は、まじめな農民の味方であるということを標榜される以上は、まじめな農民のために最も公平なる判断を下してもらつて、その價格の問題を早急に決定してもらわなければ重大な結果を來たす。特に今後超過供出を食確法によつて認める場合において、将来の供出制度に大きな暗影を投ずると信じまするので、その点をはつきりこの際御答弁をお願いいたしたいと思います。
○安孫子説明員 大臣からお話もございますが、一應私から事務的な話、あるいは先の見通しを申し上げたいと思います。問題は二つあろうと思います。一つは一般的に還元制度を認むべきにあらずやという問題が一つあります。もう一点は渕さんの御関係の宮崎縣あるいは佐賀縣、熊本縣等におきますることしの特別の事情に基く問題、この二点が主であります。一般的な還元制度につきましては、昨年來いろいろこの点について交渉いたしておつたのでありますが、御承知のようにただいまのところ還元米あるいは還元麦制度というものは、制度的には、どうしても認めがたいということになつておりますので、價格の面について適宜な措置を講じ得ないというのが現状でございます。これは供出の適正化と並行的に考えて参らなければならぬ問題だと存じまするが、しかしやはりどうしても全般的に完全な適正化というものが行われにくい以上、部分的にもいろいろ還元できる作用を持つ配給を考えて参らなければならぬ実情は、私も十分承知いたしております。まだその点について十分なる了解を得ておらぬのでありまして、この点は非常に私どもも遺憾でありますし、今後とも機会を見まして、この点交渉を続けて参りたいと考えております。 それから本年度の特殊事情によりまする宮崎、熊本、佐賀、長崎もあつたかと思いますが、還元の措置の問題は、御承知のように補正前に全部供出があつてしまつた。しかも縣別における供出完了ということが、いろいろな事情からそういうことにならざるを得なかつたというようなお話の点も了承いたしておるのであります。この点につきましては、一般的な還元制度とまた違つた意味を持つておりますので、何かしら便法を講じまして、生産者の御要望にこたえたいと苦慮いたして来ておるのであります。まだ関係筋との間においてその結論を得ておりません。なかなか困難な状況にございまするが、この点はなお努力をいたしまして、何とか解決をしたい、こういうことを考えておるわけでございます。
○渕委員 ただいまのお話を聞きますと、なかなか困難である。なるほどわかりますが、この問題は関係方面に價格の問題で折衝するということは愚であると信じます。何となれば、先ほど、申しましたごとく、還元米というものを認めない。またこれをいまさらあなた方が理論的にいろいろな問題で交渉されるのも、これまた愚である。何となれば、りくつが合わないものは取り上げません。現在の食糧管理法によりますれば、還元來ということは絶対あり得ない。そういつたりくつに合わないものを合せようとするところにむりがある。そういうものは、いさぎよくかぶとを脱いで、價格の問題だつたならば、國内の会計操作においてできる問題であると信じます。何となれば、昨年いもでもつて百何億の赤字を出したということが問題となつた。この消費者價格にあらざるところの生産者價格で、全國八万石の超過麦に対しまして、どれだけ欠損が行くかということを考えましたならば、百億に対してはもつと少い額であると信じます。從つて政府内におきまして、農林大臣の腹においてこの問題は解決してもらいたい。いまさら関係筋に交渉されても絶対解決しないという見通しを私は持つております。從つて大臣の腹においてよろしい、おれがやろうというだけの、思い切つた男らしさをもつて解決してもらいたい、私はこう信ずるものでございます。
○森國務大臣 一応さようなことも考えられ、またそういうようなことをやつてやれぬことはないかもしれませんが、あくまでも行政は法規のもとにはつきりとせなければならないのでありますから、食確法によつて、そういうことはでき得ないということを御承知の上に、そういうことを御要求いたされることは、少しむりではないかと考えます。私が行政的にそれをやつてやれぬことはない、こうおつしやいますが、それをやることは法規を無視したことになりますから、その点はよく御考慮願いたいと存じます。
○渕委員 少し議論的になりますけれども、大臣のおつしやることもよくわかります。それは食管法による理論的根拠がない、だから大臣はむりだとおつしやる。しからば過去において還元米というものはあり得ない。一部保有農家には供出の責任はないわけです。それを供出しなければならぬという段階に追い込まれておる日本の農村の現状を、まず把握してもらいたい。議論がましくなりますけれども、私はそれ以上言いたくありません。私もわかります。だから過去において悪いことをやつた。私は申します。今後しからば食管法によりまして、一部保有農家に対しては絶対に供出責任はない、それを実行してもらいたいということをお願いして、質問を打切りたいと思います。
○藥師神委員 私はかんしよの價格その他の問題につきまして、農林大臣に四、五点お尋ねしたいと思いますが、その前提においてすでに新聞では閣議で大綱を決定されたということも傳えておりますが、また一面においては、試案といつていいか、決定事項といつていいか、まだ私も判断に迷つておるのでありますが、大体政府のとるべき方針と見るべきものだと推定しておるのでありますが、どの程度までそれが進んでおるのか、この点を一応承りたいと思います。
○安孫子説明員 かんしよの價格並びに本年度のかんしよの集荷配給に関しまする対策要綱というものがあるのであります。これは先般閣議で御決定を願いまして、ただいま関係方面に行つておるのでございます。関係方面の檢討も大体済みまして、もうあしたくらいには大体アプルーバルが來るのではないか、こういう見通しを持つております。ただそれまでは正式の発表を実は嚴禁をいたされておりますので、事務当局の取扱いといたしましてはさような取扱いでございますが、大体そういう段階に来ておるのでございます。
○藥師神委員 その点は了承したわけでありますが、私がこれから質問申し上げることに対して、農林大臣から答弁をいただきたいと思いますが、米の値段について今度米價審議会というものを設けて、そうして審議を続けておる。私はこの問題について政府に――物價廳においても、農林省においても、標準となるべき案というものがないということを開いて驚いたわけでありますが、あつてもこの場合は政治的影響の点で出されぬのかも存じませんけれども、一面から見れば、委員会の意見というものを民主的に非常に尊重するようにも考えられる。一面から見れば政府の責任轉嫁とも見られるわけであります。そういう点が私は非常にあいまいだと思うのでありますが、しかしこの点は一歩譲るといたしましても、いもの問題は、これは單に物價廳や農林省だけで一方的にきめられて、その他の民間團体の意見というものを徴されないところに、非常に大きな矛盾と不合理があると私は思うのであります。それだけにいもというものを軽視されておるものか、その点に対して私ははつきりと農林大臣の意見を承りたいと思います。
○森國務大臣 米價審議会におきまして政府が原案を出さないことはずるいというようなお話でありますが、審議会はすでに御承知の通り、どういうふうにして價格をきめることがいいか、現在のパリティー指数はこうこうこういう構想をもつて現在までやつて参りました。この現在やつて來たところのパリティーの考え方がなお修正すべき点がありはしないか。もしパリティー式によつてやるとすれば、この間政府が発表いたしましたパリティーのとりかたについて是正する点があるか、どうかということを一つ承り、またパリティーではいけない、やはり原價生産によつてやつて行くことがいいという御意見であるか、これをお尋ねしておるわけであります。もちろん政府といたしまして一は、パリティー指数に対しましても、また原單位の生産費についての調査も技術的には考えております。決してこれを責任を轉嫁するというようなずるいことは考えておらないのでありまして、これはこの委員会でも、先になるべく民間の意見を聞いて價格を決定した方がいいという御意見もありましたので、ああいう組織をつくつたのであります。決して委員会に責任を轉嫁するというようなことは毛頭考えておりませんから、その点を誤解していただきたくないのであります。なおしからばかんしよの價格については、政府は一方的にきめておるではないか、なぜそういうふうなものを相談をしないかというようなお氣持のように伺つたのでありますが、由来日本といたしましては、米というものが食糧の主となつておるのであります。米に比較して、從来いもにいたしましても、麦類にいたしましても、その他の雑穀にいたしましても、そのカロリーなり、あるいはその生産の状況なりによつて價格が査定されておるのであります。それでありますから、本年の現在行われておりますところの米の生産費というものも、ある程度合理化できるのでありますから、その米の價格を考慮いたしまして、大体このくらいな程度が妥当ではないかというようなことで、さつまいもの價格もきめたようなわけであります。はつきりとパリティー指数によつて、一六〇とか一七〇ということは出なくでも、はつきり米の債務の状況が推測されるのでありますから、それを考えで、現在のいもの價格を推定いたしたような次第であります。
○藥師神委員 それでは私の本論に入つて、具体的な質疑をいたしたいと思うのであります。農林大臣においても、本年度のかんしよの超過供出の分については相当頭を悩ましておられると思うのであります。これはおそらく推定はつかぬのでありますが、こまかいものの買入れ停止、あるいは特別会計の赤字累積というようなものからにらみ合せて行けば、今度のいもの超過供出をいかに処理するかという問題は、最も重要な問題と考えるわけであります。内定しておる点から見ても、どういうことがあるかというと、実に不可解千万に思うわけでありまして、超過供出分は基本價格に対し、規定の倍率の價格二・二五倍で買入れる。これは正しい。但し生かんしよに対しては一定時期に特別買入れ價格を適用する、こうなつておる。先般この委員会で農林大臣が言われたように、まず六千万貫くらい超過供出を買おうと思うという意見であります。これを見ると数量の問題は一面無制限に買うというようにも考えられるし、時期的には非常に制約を加えているように考えられる。そこには何ら限界のない捕捉しがたい文句が入れてある。これはもう少し生産農民にもはつきり納得し得るようなことを、どういう手段でやられるのか、あるいはその大綱がまだ党の方の態度、あるいは政府の方の態度がはつきり一致していないので、こういう不確定な文字が使つてあるのかどうか、この点をひとつ伺いたいと思います。 その次にはほしかんしよの問題でありますが、ほしかんしよにできるだけするということは、いわゆるラッシュ時代の腐敗をできるだけ防止するために、貯藏のできるように、あるいは遠隔輸送の便宜ということから問題になつておる。豊作を予想せられる今日の段階において、生いもの方はいくらか上げた。ところがほしかんしよは反対に昨年から下げたのは、どういう意図からであるか、これを御説明が願いたい。 次に貯藏かんしよの價格に関する問題でありますが、キユアリング貯藏によるものは、十貫につき百七十円で買入れる、普通の貯藏のものは百四十円で買入れるごとに大体きめられておるようでありますが、もとよりキユアリング貯藏によつたものは、普通の貯藏よりも建設費、その他の費用はかかるでありましようが、キユアリング貯藏によつたものは、普通貯藏よりもいもの品質がよいということが立証できるかどうか、日本においてはキュアリング貯藏というものは、私は單にほんの試みの程度であると了承しておるのであります。大農組織の土地において、集荷その他において便利な立地條件にあればよいでありましようが、日本のような農業環境において、この施設を全面的に普及することは、これはどうかとおもうのであります。われわれの地方は、昔からのいもの主産地でありますけれども、生いもで出すことを非常にきらう、ほしかんしよにすることを希望しておる。これは環境によるものでありまして、山間部のような通風、採光の困難な所ではほしかんしよはなかなか困難ある。海岸部のような通風、採光のよい所ではほしかんしよが非常に楽にできるわけでありまして、そういう地帶においては一部落に一箇所づつのキユアリングの施設を持つても、これの集荷その他においては非常な困難を來すわけでありまして、総体論としては、私は日本の農業環境においてはキユアリング施設というものは不向きではないかと思つております。しかしその論はあとまわしとしましても、これに要する、費用は政府が最初の見込みから見れば助成を相当するものだと見ておつたものが、今日ではこれを貸し付ける。大体において資金五億円ぐらいのものを貸し付けるというふうでありますが、しかし一旦このいもの統制というものが近き將來に解除されることになれば、この貯藏設備というものは、不用に帰するようにも考えられるのであります。またこれの施設をするものも、いも加工をしなければ倉庫にすればよいという考え方でやつておるところもあるのであります。しかしその設備は設備としてよろしいのでありますけれども、キユアリング貯藏によるものとふつう貯藏によるものとは、施設費が要るからといつて貯藏費を特別に高率のものを拂うという理論的根拠を私は聞きたい。東北あるいはその他の平坦地においては、あるいは日本の農業においては、ああいう施設も部分的にはよいところもあるかもしれませんが、われわれの地方のように、昔からいもの主産地であり、段畑地産布においては、キユアリング施設は向かぬのであります。そういう所でふつう貯藏をして完全に来年の四月まで貯藏し得る地帶のものが安くて、そういう施設を加えたものが高いという理論的根拠を私は聞きたいのでありまます それから次には貯藏料を出すのは翌年の三月以後でなければ出せないということがあるわけであります。私はこんなことを考える者は実際にいもというものを知らないのだと思います。私は大臣のみを責めておるのではない。いもを知つておる者はこんなことをきめるはずはないと思います。いもは大体地方によつて違いますが、どんな暖いところでも大体十一月の上旬には掘つてしまう。それをラッシュ時代に腐らすからこれを貯藏する。一旦貯藏したものは、長く置けば腐敗率というものは上昇するであろう。これはわかつておる。越冬したものは腐敗率というものは多くなつて来る。だから貯藏費用というものも、しかも昨年の一等いもにほぼ匹敵するくらいの貯藏料を百七十円も出すのでありまする昨年は一等は百八十円余りで買つた。そういう高額な貯藏料を出すにかかわらず、三月以降でなければ貯藏料は出さない。そうすると十一月の上旬、囲つておるいもを十二月に出しても一銭も拂はない、一月に出しても二月に出しても拂わないということは常識では考えられない。三月といえば、四月にはおそらくいも種を伏せなくてはならない、種苗をつくらなくちやならぬ。私たちが言うのは、何ゆえに貯藏さすかという問題は、ラッシュ時代に水蒸氣も蒸発していない生いも、ついておる土もかわいていないものを、そのまま俵裝して、そして陸上の輸送力の点も考えずに、消化能力も考えずに、一時に出してしまうから、そして野積みにしておるから腐敗さすのが根本の原因であります。これを緩和さすために貯藏さすのでありますから、少くとも十一月に貯藏して十二月に供出するものはかりに五円なら五円、一月に供出するものは八円、二月は十円というふうに段階を設けて、一たび貯藏したものは、キヤーリングの貯藏にしろ普通の貯藏にしろ、貯藏費を拂うのが当然ではないか。われわれの頭ではこういうことは判断できぬのであります。こういうものをつくつたら、いもの耕作農民から言つたならばボロくそにやられてしまう。こんな実情に沿わないことはわれわれは絶対に承服できぬのでありますが、この点について一應農林大臣の御意見を承りたいと思います。
○森國務大臣 超過供出の制度についての御質問でありましたが、政府は総合配給の立場から一合七勺ということを約束いたしておるのであります。政府といたしましては、二合七勺の総合配給は責任をもつてやらなければならぬのでありまして、今回いもの七億万貫の割当に対しましては、これは当然政府として引受けなければならぬのであります。その引受けについては、昨年は御承知の通り、十月に三億万貫、十一月に二億四千万貫でしたか、大量の供出がありまして、しかもそれが無計画でありましたがために、輸送等も非常に悪化しておつたためもありましたが、腐敗いたしまして、まことにもつたいない申訳ないことをしでかしたのであります。それでありますから、本年はまず第一に配給の計画を立てまして、そうして配給の計画と見合わして、供出も各府縣のがそれぞれ違いますから、各縣別に供出の計画を立てて、そうして昨年のような轍をふまないようにいたしたい。かように考えておるわけであります。超過供出の時期ということについては、いろいろ考え方もあろうかと存じますが、超過供出ということは、必ずしもいつでもこれを拒絶するという意味ではないのであります。大体檢査、集荷ということを計画いたしまして、その場合に超過される場合においては、その超過も受取るのであります。ただそこで政府といたしましては、超過供出に対する奨励金を出すということは、過去の食糧事情のきゆうくつなときに、一應の供出を終つた上において、何とかひとつもう少し供出してもらいたいという政府から懇請の立場においた場合において、特に奨励金を出して超過供出をしてもらつたのであります。從つていもの場合において考えておりますことは、三合七勺の配給の計画に基いて、七億万貫なら七億万貫を計画的に供出していただく。その間に超過の場合においては超過供出もその價格をもつて受入れますが、さらに食糧の事情等を考えまして、ある一定の時期以後においてさらに供出をしてもらうという要請をした場合において、奨励金を出すという氣持を持つておるのであります。 次にほしかんしよの問題に対しては事務当局よりお答えいたします。キユアリングに対するお考えでありますが、これは意見の相違と思います。さように御高察になるかもしれませんが、私はキユアリングは必要であるということを考えておるのであります。ことにキユアリングと普通の穴藏貯藏とはその結果において非常に違うのであります。穴藏の貯藏は自然の姿において貯藏したのでありますが、キユアリングは生理上一つの層をつくらせて行くのでありますから、腐敗の点等においても穴藏の貯藏とは全然性格が違うのであります。目的がそこにありますから、キユアリングに対しては特別の價格をもつて買う。しかも必ずしもさつまいもは二月三月に食つてしまうものではありません。この施設で行きますならば四月、五月あるいは六月の候までもいもが貯藏し得られるのでありますから、その点から行きますとキユアリング施設というものを奨励をして行きたい。こういう氣持を持つておるわけであります。
○安孫子説明員 切りぼしかんしよと基本値格との関係ですが、基本價格については昨年よりも多少よくなつておる、切りぼし價格の方では下つておるのはどういうわけかというお尋ねであります。切りぼしかんしよが昨年よりも下りましたのは、昨年は一等の原料いもでつくりました際に、それに一定の加工賃その他を加えまして上等の價格を出したのであります。そういう立て方であります。今年は原料いもの等級は考慮せずに、全体的に見まして、ごく精選された一定の規格のものは一等の切りぼしかんしよという扱いをいたしたいと思つております。そういう関係でただちに去年と比較ということも適当でないかと思います。それから基本價格の点も率直に申し上げますと、実は等級等の関係がございまして、お話のように非常に去年よりも上つておるという実情もないのであります。昨年はただいまお話がございましたように、今年の規格で申しますと一等、二等というものを平均いたしまして、そのグループが百八十八円だつたと思います。本年はその辺を平均いたしますと、百七十何円かになると思いますが、そう基本價格を切りぼしかんしよとの價格の間にバランスを失しておるということはないと私ども考えております。逆に申しますと、実は去年は切りぼしかんしよが非常に優遇されすぎたという逆の感じを持つておるわけであります。
○藥師神委員 私はいもの処理の問題について、超過供出の云々の問題について、必ずしも現在継続審議になつておる食糧確保臨時措置法と並行することを主張するわけではないのであります。いずれにしても、米が現在及び過去においても日本の主食の中心、量に十おいても、あらゆる面から見ても、主食の中核をなすものであることは、だれも認めるところであります。もしこれを統制を撤廃するとしても、現在主食と名づけているもののうちで、いも類が眞先に統制を解除される立場に立つということも万人の認めるところであります。いも類、雑穀、そうして米というふうになつて行くのが順当だと思うわけであります。しかし私は今冒頭に申しましたごとく、豊作なるがゆえに悲鳴をあげて、結局その措置に悩んでおるという今日の段階において、やはりこれを不徹底な超過供出の分に対して先般農林大臣が言われたような、ある限度を切つて買うとかいうようなあいまいなことでは、農民は納得しないのであつて、むしろ超過供出の分はこれを自由販賣にまかすとか何とか、そうした徹底したところの政策がなくてはならぬと私は思うわけであります。今の段階においての超過供出の分をかりに自由販賣にまわしたところで、必ずしも私は米におけるところの食確法と背馳するものではないと思う。ただこれをいいかげんな、あいまいなことでやると、技術操作の上においても非常にむずかしい問題が派生して来るし、なお農民は納得しないのでありまして、場合によれば超過供出の分は自由販賣にすることもあり得るお見込みかどうかを、農林大臣に伺いたいと思うのであります。 なお貯藏の問題でありますが、私は一番にここに問題にしているのは、貯藏費の問題であります。キユアリングによる貯藏と普通の貯藏とは――私は農林大臣のお話を開いてみると、まるでキユアリング礼讃者のように聞こえるのでありますが、おそらくキュアリングで貯藏したものをごらんになつたことはないのじやないかと思う。私も見たことはないのでありますが、これを予想してここで議論することは私は避けたいと思うのであります。ただ今言つているように電氣で貯藏して層ができたから、いもの價値がいいという判定になるということは、だれからお聞きになつたか知りませんけれども、実に不可解千万だと私は思います。普通の貯藏、かりに貯藏であつても、これは排水のいい南向きの温度のいい所だつたら、おそらく普通の貯藏であつても五月までも六月までもおります。品質も優秀なものがおります。われわれの所の方ではもう数百年来やつておるのでありまして、今ごろのかけ出しのいもつくりとは違うのであります。それで問題の焦点は、三月までキユアリングで貯藏したものはなるほどよろしいです。あなたのおつしやるように五月でも六月でも出せるというのですから、いものめずらしい時分に出すというお考えならば、それもよろしいのであります。しかし貯藏するというのは、自家用の食糧として貯藏する分と、供出用として貯藏する分と二つに区分されなければならぬと思うのであります。その操作というものは、適期の掘り時にすでにきまつていなければならぬ問題ではないかと思うのであります。今の價格操作において、十一月、十二月、一月、二月に出さなければならない供出用のいもを、一銭も貯藏費を出さないでここへかこわすということは、どういう角度から見ても肯定さるべき問題ではないと思う。これは水分の多寡によつて違いますが、キユアリングにしろ、普通の貯藏にしろ、貯藏すればある一定の水分というものは蒸発しなければ、いもは貯藏にたえられません。水分の多寡によつて一割減るか、一割二分減るかは知りませんけれども、量目は減るのであります。それが織り込まれて、年を越せばだんだん腐敗率もいずれにせよ多くなるのだから、今言つたように具体的に言つてみれば、どうこの貯藏費を割当てるかは技術方面でやられたらいいのでありますけれども、一応かこつたものは、十二月に供出するものも、一月に供出するものも、二月に供出するものも貯藏費というものを加算しなければ、こういうことを農民が肯定し得るかという問題に私は重点を置いている。こんなばかなことは素人でも考えぬと思うのであります。われわれの所においては、五里離れた所に全國一というような工場を持つております。わずか五里の所へ送るのに、陸上の輸送が問題で、消化能力も考えず、しかも一時に出すから、近い所におつても駅頭には何十万貫のものが堆積されて、何十日間も放置されるから腐るのであります。問題はこのラツシユ時代を緩和するのに、一方においてはほしかんしよにさせ、一方において貯藏さすのでありますが、私は貯藏させて貯藏料を拂うのならば、一応貯藏されたものは、食糧としての貯藏には必要ありませんが、供出を目的としてこのラツシユ時代を緩和するということが意図されるならば、一應貯藏されたものは、十二月であつても一月であつても二月であつても、等差をつけて、これを支拂うのが当然である。三月以降でなくては貯藏料は拂わないという矛盾は、どこを押して来たつてこんなものは出て來ないと思う。この点についてもう少し政治ならば――実際に少々の食い違いはあつたにしたところで、早掘りの問題でもちよつとごらんになればわかりますが、期をわけて、九月十日に出したものは、どれだけで買う。第二期に出したものはどれだけで買う、第三期にはどれだけで買うというように等差をつけてある。理論的にやつても等差をつけたものが、これと同じ計数が出て來なければならぬ。早掘りに対してこういうことをやるならば、貯藏に対しても当然こういう比率で一応出て來なければ、それを出させぬことでは、このラッシュの緩和は絶対にでき得るものではないと思う。しかも三月までのラツシユに対しては出さない。供出は三月以降であつて、それまでのものは供出用として貯藏させないのか。この点に関連しても大きな問題があるのでありますから、この点もう少しわれわれの納得し得るような御答弁を願いたい。
○安孫子説明員 いろいろこまかい点に入つておりますので、私から一應考え方、感じを申しておきます。お手元に出されました物價廰の資料に基いて御議論なすつておられるかと思いますが、消費者價格は、明年三月以降配給するものの價格は幾らかという観点からのあるいは御議論ではないかと思うのであります。貯藏したものについてはコストがかかりますので、三月以降配給するものについて値段を上げておるのであります。三月以降配給するものについては從つてどうしても二月の半ばとか、その時分に供出をしてもらわなければならぬわけであります。買入れ價格、買入れ方法から申しますと、どうしても二月の中旬以降の買入れになるという結論になろうかと思います。貯藏いたしたものについては十一月の末、十二月、一月と毎月ある程度の貯藏費を出すべきであるという御議論は、私どもは理論的にはごもつともだと思うのであります。実は私どもの方から申しますと十二月時分に出ますものが、はたしてそのいもが貯藏したいもであるか、あるいは貯藏してないいもであるか――これは御專門であられますので、いろいろ御教えを願いたいのでありますが――ということが判明いたさぬではないか。そうしますと、どうしてもそこにいろいろ間違いを起しやすい。それからまた今年のかんしよ対策といたしましては、できるだけ早掘りをやつてもらいたい。それからできるだけおそく出してもらいたい。それで時期別な平均化をはかりまして、かんしよに対するいろいろな問題をできるだけ防いで、適正な配給をやつて行きたいという考え方のもとに立案をいたしておりますので、ただいま申し上げた貯藏いもとしからざるものとの問題、十二月とか十二月におきます時期の判別の問題、ただいま申し上げましたような今年の根本的な思想の問題から、時期というものを相当繰下げまして、さような考え方をいたしておるのであります。この点あるいは私ども実情をあまり承知していない者の言うことかもしれませんが、そういう考え方から申し上げたのであります。
○藥師神委員 最後にお尋ねしたいのですが……。
○野原委員長代理 簡單に願います。
○藥師神委員 承知いたしました。しかし私は食糧廰長官といも問答はしたくないのでありますが、われわれのような暖かい方面に住んでおる者でも、十二月になつて貯藏したいもを貯藏いもだとかなんとかいうような御認識では、何ぼ議論したところではじまらぬのであります。大体暖かいところでも、十一月の十日ぐらいまでにみな掘つてかこうのであります。貯藏したいもを翌年の一月、二月まで持ち越そうと思えば、われわれの方で十一月の下旬ぐらいまでには大体掘るのであります。そうしなければ発芽力もありません。貯藏力も持ちません。それで結局私がこういうことを聞くのは、農村も非常に困りますが、実際の問題としてこれは大不平になると思います。それとラッシュ緩和にはならぬと思いますから申し上げておるのであつて、りくつとお考えになつては困る。こういうふうなきめ方をすれば――おそらくしろうとでもこういうきめ方はせぬと私は思いますが、一旦きめられましたならば、貯藏するのは作物報告所でも地方事務所でもわかるのであります。地方地方で十五日なら十五日、二十日なら二十日違いますが、一應仮貯藏にしろ本貯藏にしろ実入りも同じだし、また單に黒斑病ばかりではない、あらゆる病氣がありますから、腐敗も長くかこえばかこうほど多くなるわけでありますから、三月に出すいもと十二月に出すいもとは同じ取扱いはできない。できないけれども、そこには貯藏費を出すのは――これはあなたの御答弁ではない、この間米價審議会において今の物價廰の方の御答弁だつたから、私はそれをあなたに向つてどぎつく言わぬのでありますけれども、あのときには三月以降のものには貯藏費を出す。ところが三月までのものには貯藏費は出せぬという御意見であつたから、私は実に驚いた。そういうことになつたら將來これはたいへんな問題が招來すると思うのであります。この点を申し上げておるのであります。 なおもう一つ最後にお伺いしたいのは、この超過供出について何と申しますか循環供出というのがある。配給したものをまた買い込んで供出するというのが至るところに行われておりますが、これは農林省の統計から言つてもゆゆしい問題だし、また実情から言つてもゆゆしい問題です。この二十三年度の循環供出というもののお見込みはどのくらいありますか。何かこの推定の標準でも立つておりますか。今年もこれは繰返されたのでありますが……。
○安孫子説明員 循環供出の推定量は、実は私ただいま承知しておりません。あるいは課といたしましては想定をいたしておるかもしれませんが、あるいはないものかもしれません。この点はよく打合せまして、この次の機会にでも、もしありましたならば御報告いたしたいと思います。私どもちよつと見当をつけかねているわけであります。
○河野(謙)委員 大分いもの問題がにぎやかでありますが、この機会に、この時期まで來ましたから、あらためて本年度のいもが政府としてどのくらい收穫される見込みであるか、それをまず伺いたいと思います。当初予定されました十六億万貫何がしですか、そういうことで依然として対策を立てておられるか、その点をひとつ伺つておきたい。 〔野原委員長代理退席、薬師神委員長代理着席〕
○安孫子説明員 今年の生産見込みは、実はまだはつきりいたしておりませんが、九州、四國方面は相当悪いように承知しております。関東地帶はなかなかいい見込みであります。全体といたしますれば、やはり事前割当数量を多少上まわるところじやなかろうか、こういうふうに思つております。
○河野(謙)委員 次にお伺いしたいのは、政府が買い取る、また政府に賣り渡すべしと規定してあるが、逆を言えば、政府が買い取るべしということに私は解釈しておる。ところがこの春の木炭の問題なんかにしましても、最近ではじやがいもの例を見ましても、また麦の例を見ましても、農民には賣り渡すべしとなつておつて、政府が買い取るべしという解釈でなく、これを買い取ることを拒むという事例があるのであります。これは法制の根本でありますから、この点についての解釈をはつきりとひとつ伺いたいと思います。
○安孫子説明員 食管法に関しまする限りは、政府に賣り渡すべしというものは、やはり政府がそれを買うという考え方であります。もちろんそこに買うことにつきましては、いろいろ規格の問題でございます。この点に適合いたしますものは買うというのが原則であります。
○河野(謙)委員 よくわかりました。もちろん買い取る場合に時期的にいろいろの段階をつけたり、また品質の問題等についていろいろの規定があることは当然であります。しかし最近のいもの例を見ましても、聞くところによりますと、政府はあらかじめ買取り数量をきめておる。それ以上の数量は買わないというようなことさえも耳にするのでありますけれども、かようなことは今の御説明から行きますとまつたくあり得ないことであります。たとえば超過供出は何千万貫をもつて打切るというような話を聞くのでありますが、こういうことは当然あり得ないと思いますけれども、世間に傳わつておるところのこれらの超過供出は何千万貫をもつて打切るというようなことはまつたく誤りであるか、それともいものできぐあいによつて超過供出が一億万貫にもなり、一億五千万貫にもなるというふうに解釈していいか、そこをひとつ伺いたい。
○安孫子説明員 事務的に申しますと、ただいま申し上げましたように、政府が規格に合うものを買うということ、それでこれを時期的操作その他の観点からいたしまして、いろいろ計画を立てておるのでありますが、この計画を立てますのは操作の関係と、たとえば超過供出六千万貫なら六千万貫というようなものの一應の想定でございます。なぜそういう想定をいたしておるかと申しますと、やはり経理の関係から私ども一応の目算を立てなければならぬという点から、さような想定をいたしまして、実はやつておるわけでございます。それを立てましたことは、すなわち逆にそれ以上は買わないのだという考えではございません。もしそうした措置を講ずる必要が、場合によつてありといたしますならば、それは別個の問題として考うべきものであると思います。
○河野(謙)委員 そういたしますと、予算的の問題から一応の目安として六千万貫買うとか九千万貫買うということであつて、收穫の多寡によつてその超過供出が一億万貫にもなるし一億五千万貫にもなる、また逆に五千万賞になるというふうに解釈していいわけですから、その点はよくわかりました。 次に一つ念のためにお尋ねしておきたいのですが、たしか先月と思いますが、農林省は全國の経済事部長と申しますか、縣の責任者を集めて、いもについてのいろいろ指示をされた。たとえば價格についても大体このくらいだろう、特に早掘りかんしよにつきましては大体歩増しが第一期の九月十日までは六割、第二期の九月二十日までは四割というように――これは内示だつたそうでありますが、指示をされた。それがただちに縣におきましては地方事務所に報告され、地方事務所はこれを全國の農家に報告して、それに基いて現在早掘りかんしよの供出は進行しておるのであります。現に第一期の九月十日までのは終ります。ところが最近新聞を見ますと、おそらくその筋からの御意見だと思いますが、歩増しはできないということが傳えられております。この差増しができないことはほんとうであるかどうであるか、その筋との交渉の経過並びにもし歩増しができない場合には、これらの歩増しがあると心得て供出された農家に対しては、いかなる措置をとられるか、私が申すまでもなく、歩増しがあると心得て早期供出をされた方には、当然縣からの指示に基いて供出の補正をしなければならぬ。これらの早期供出を担当した農家が、供出完了ができないのは当然であります。これらの点について補正される用意があるか、また價格等の点につきましても、これは政府の初め内示した案と相違した場合に、その相違したためにこうむる損害を補償する用意が政府にあるか、実はくどく申し上げますが、九月十日を目前に控えて、内示案に対してもしかわつた案が出る場合を予想しました場合に、この内示案の修正がまだ通過させてないという現状でありますので、この点ひとつお伺いしたいと思います。
○安孫子説明員 お話がございましたように、先月の末から本月の初めにかけまして、全國を二区にわけて、かんしよの対策について府縣当局と相談したことがあります。その際の原案には、歩増しの問題を入れて話をいたしました。しかしその際、これは当時関係方面との関係において相当困難であるという状況が判明いたしておりましたので、われわれの対策としてはそういうものを持つておるのであるが、この実現性は相当困難であるということを実はつけ加えておるのであります。先ほども申しましたように、その点について、だんだんに末端に参りますに從つて、ぼけて来るようにお聞きしております。それでただいままでの結論では歩増制はやめる。そのかわり当初たとえて申しますならば、一等についての第一期の早出し奨励金が百十円でありましたものを、百二十円上げて二百三十円にいたしました。大体その辺はバランスをとつて價格の面でこれを考えて行くということになつております。それで問題として残りますものは、経済的な関係よりも、むしろ供出完遂の問題が多少場所によつて残ろうかと思います。もちろん從來のかんしよの供出の実績を見ますと、一三〇%とか、あるいは場合によりますと二倍、三倍出ておる所が多いのであります。大部分の農家につきましてはその点は問題はないと思いますけれども、特殊の農家につきまして、早出しをしたがゆえに完遂が数量的にできない地方も多少あるかと思います。その点は実情に感じまして、補正の際において考えてみなければいかぬのじやないか、こういうふうな考えをいたしておる次第であります。
○河野(謙)委員 各縣の方を集めて内示された場合に、これは実現困難な問題ではあるけれどもということがつけ加えてあるということでありますが、それを疑うわけではありませんけれども、各縣においては、これをきわめて実現性のあるものとして、それぞれ末端に指示しておるのであります。そこで今さら縣の当事者の責任を追究しても――この追究はしなければいけませんけれども、追究をしても供出の歩増しの問題は片づかない、そこでただいま非常に御親切な御答弁がありましたが、少くともこの一反歩六百貫も八百貫もとれる所から、早期供出をしたために、二百貫程度しかとれないという所は、当然そこに供出が完遂できないという結果が出て來るのでありますから、これはひとつ、実情に沿つた上で、補正の点をお考え願いたいということを特に希望いたしまして、私の質問を終ります。
○渕委員 一点農林大臣にお伺いしたい。最近しきりと朗報説が傳えられる折から、小麦協定にも日本が参加することになつた、同時に國際食糧緊急割当会議の発表によると、今年度よりは米の割当の廃止というようなことが新聞記事に出ているのでございますが、こういつたことを考えると、世界における食糧事情が非常に好轉して参り、そういつたわくが、撤廃されるという段階になりますれば、必然日本の農業政策にも相当影響する問題だと思います。こういつた世界食糧経済の面から、日本の農業政策に対する農林大臣の將來の構想を承りたい。
○森國務大臣 問題が非常に大きいのでありますが、この小麦協定には日本とドイツは加盟いたしておりません。今回小麦協定に加入せざるを得ないような情勢が動いているようでありまするが、まだ政府としては入るとも入らぬとも態度は決定いたしておりません。これに加盟いたしますれば、現在小麦は八十五ドルで向うの岸壁渡しになつているのでありますが、ここ四箇年の間は、向うのきめた最低價格によつてこれを輸入し得られるのであります。これはたしか六十八ドルであつたと存じますが、輸出国が一定の数量をきめて輸入國へ責任を負わすという建前になつているのであります。輸入國から輸出國に対して要求した場合においては、輸出国は責任をもつてそれだけのものを輸出しなければならぬ、こういう協定になるのであります。現在輸入しているものよりは十七ドルばかり安くなつて来るのでありますが、どの程度に日本は割当てられるか、要求すべきかということは今後の問題であります。しかしまだこれに加入したとも加入せぬとも決定いたしておりません。 なお米の統制が撤廃されたのでありまするが、今の價格によつてたしか百六十ドルと考えていいと思うのでありますが、これはとても高いのであります。しかもこれはバーター制でありまするから、日本がそれだけの見返り物資の輸出力がなければ、いくら米が輸入されるという條件に置かれましても、これは輸入することができ得ないのであります。ただアメリカにおきましても、また南方諸國におきましても、食糧の輸出が自由になることは、非常に世界の食糧事情を明るくするわけでありますが、日本といたしましては、この明るくなつた食糧をどうして受け入れるかという問題に突き当りますので、これを解決しなければ、いかに米をばらまいておられましても、また麦が安く買い上げられましても、日本としてはこれを手に入れることができないのであります。御承知のように、現在アメリカの陸軍の軍費から援助を受けているという情ない段階において、しかも小麦がよほど安くなつては参りましたけれども、これを輸入ということのみに依存でき得ないのでありまして、日本としてはできるだけ食糧の増産をいたしまして、いかに安く買えましても、こういうものに依存しないような態度をとつて行かなければならないと思います。しかも現在におきましては、内地の食糧よりも為替レートの関係から非常に高くつくという情勢でありますから、こういう條件が付與されましても、決して食糧問題に安易をむさぼることはでき得ないと考えているわけであります。
○渕委員 大臣のお氣持はよくわかりましたが、現在バンコツクあたりの状況を見ますると、相当日本との貿易が盛んになりつつあります。特にシャム國は、私二年ほどおりましたが、日本の機械を導入しなければ経済再建はできない。特に現在特別調達廳長官をしておるところのプラ・サラサス氏のごときは、日本に対する絶大なる信頼を持ちまして、ぜひ日本との貿易を復興し、なお多くの機械器具を輸入したい、現在の実情におきましてそういうことになつております。しからばタイ國といたしましては日本からそれだけの物を輸入するならば、当然バーターによつて米を向うが出すでありましよう。こういうことを考えなければならぬと思うのでありますが、大臣はそれに対して、どうお考えになつておりますか、お伺いいたしたい。
○森國務大臣 もちろん今日の為替関係から、バーター制によらなければならぬと思いますが、それに向うが欲しいというところの重工業がどれだけできるかという問題であります。しかもそれが百六十ドルというような高い價格で價格がきめられるのでありますから、そういうものを日本の機械工業がどういう程度にバーターして行けるかという問題であります。もちろん南方諸國だつて米ばかりつくつてもしかたがないのでありますから、いろいろな物を欲しいでしよう。日本もまた食糧がこういう状況でありますから、欲しいのでありますが、しかし両方とも有無相通ずるその中間をいたす重工業というものを考えてみなければ、簡單にこれは解決できない問題であると思います。シャムといたしましては、日本の車両なり、あるいはいろいろなそういう機械器具が欲しいでありましよう。日本といたしましては、それを向うへ送るだけの余裕があるか。今日貿易が盛んである、盛んであると言いましても、実際貿易はこういう重工業の面においてはあまりまだ十分に進んでおりません。むしろ軽工業の方が盛んになる情勢があります。しかもその軽工業たるや、まだはつきり輸出が結ばれていないためでありましようが、滯貨が非常に多くなつて、輸出は今日決して常道に乗つておるということは言い得ないようにも考えられる面もあるのであります。從つてこういう事情が許されるにいたしましても、なかなか南方の米を、どんどんとこちらの欲するように輸入するということは困難な問題ではないか、かように考えておるわけでございます。
○井上(良)委員 農林大臣にちよつと二、三点伺つておきたいのです。それは最近森農政と言いますか、一つの方針が非常にぐらつき出しておる。こういうことを言うのははなはだ失礼な言葉でありますけれども、たとえて言いますと、最近民自党の政務調査会でいろいろな農林行政についての政策を発表されております。たとえて言いますと、農林五公團を廃止するというようなことが新聞に書かれておる。これに対して森農林大臣は、肥料及び食糧の公團は廃止するわけには相ならぬ、こういうことが新聞に傳えられておる。また一方、主食の一部超過供出分に相当するものを、米券によつて自由販賣の取引を始めるという草案まで政調会から発表されておる。これに対してもまた森農林大臣は全面的に賛成されてない。さらにその後いもの統制を撤廃する、こういうことが再び、発表され、これが非常に閣議の問題になつて、各閣僚からはずせはずせと言われて、遂に森農林大臣は――これは新聞記事ですから、どこまで信用してよいかわかりませんが、九月千句から統制を撤廃すべきであるとの意見であつたが、森農相は時期尚早であるとの強い発言があり、結局本年度供出終了後の十一月ごろから実施することを申し合せた模様である。こういう新聞記事が出ている。こういうことが出ますということは、一体農林行政全体に、どういう影響を與えるかということを考えてもらわなければ困る。たとえば公團廃止問題をとりましても、もちろんこれを秘密的に、公團運営をどういたすか、民主的にどういうぐあいにやつたら能率的に行くかということを研究されることは、これは当然やらなければならぬことであります。ただしかしこれが一つの政党の意見といたしまして、しかも政府與党の重要な機関からこれが発表されるということになりますと、一体現在の公團の運営というものは、どういう状態になるかということは、ただちにわかつてくるのでありまして、公團に勤務しておる從業員は、これがために非常に動揺いたしましようし、また関係のいろいろな仕事をしておる人々はそれぞれ思惑いたしましようし、不測の損害が與えられるということをわれわれは考えなければならぬ。そういうことを全然考えずに、こういうことをどんどん発表されるということは、及ぼす影響がきわめて大きいのであります。しかも一方、これとこれとはよいけれども、これとこれとは相ならぬというような中途半端な声明をしてみたり、あるいは一方また農林大臣も党の強い要求に遂に屈して、一部どうもやるんじやないかというような氣持を與えてみたり、これは非常に私ども國の農林問題を檢討しておる者といたしましては、まことに遺憾なことであります。私はこの前の委員会にも申し上げたのでありますが、党が一つの政策を具体的に檢討されるのは一向かまわない。しかしそうでありましても、政府をみずから持ち、みずからの政府をつくつております以上は、党の政策はただちに政府の政策にこれが採用される、また政府に大きな政策の変更を與え得る重要な問題でございますから、非常にその取扱いは慎重にせなければならぬことは当然であります。そういう場合に米券の意見を具体的に草案まで発表し、はなはだしきに至りまして現在われわれが審議中の食確法の一部改正案をさらにこの案によつて修正するのだ、こういうことが発表されたりしておる。またいもの統制を撤廃するというようなことは、食確法の一部改正案を議会へ提案をして、この長期にわたる審議をいたしておる眞意がまつたくどこにあるかということを私は疑わざるを得ない。これは実際言えば與党としてはなはだ不謹慎なやり方じやないかと思う。少くとももしそういうことが必要であるとするならば、まず與党は、現在この継続審査になつておる食確法の一部改正案を撤回すべきである。撤回しておいて、これにかわるこういうよいものがある、これによればさらに食糧増産ができるということをやるべきであつて、それを現にやつておることを全然ひつくりかえす反対的なやり方をやることは、はなはだ遺憾であろうと思う。この点に対して、これは農林大臣としては非常に大事でありますが、われわれが少くとも今まで政府から承りました日本の現下の食糧というものは、現在なおかつ年間やはり約二百万トンの必要な食糧を輸入しなければ、二合七勺の配給ができない状態になつておる。三箇月あまりというものは、どうしても食糧が足らぬのです。足らぬがゆえに、非常にむりでありますけれども、農民の協力を求めて重たい供出を願つておるわけであります。この供出のわくの中には、やはり米麦、かんしよ、ばれいしよというものは入つておる。これを一部はずしてしまつて、はたして二合七勺、國民に公約しました最低カロリーを補給するものが確保できるかどうかということは、常識でわかるのです。農林大臣は私は民自党の農林大臣とは思つていない。少くとも日本の農林大臣、日本の食糧を確保し、國民の食生活を守つて行かなければならぬ重大責任に立つておる農林大臣として、一体いもに対してどういう考え方を持たれておるか。あなたはいろいろいもの操作が今までうまく行かなかつたために、いも大臣とあだ名されるほど、いもに熱心に対策を立てられ、キユアリング装置によつて腐敗を防止しようというところまで努力されておる点については、われわれは敬意するのでありますが、また本年には、等級的にいろいろ價格をかえられ、あるいは時期によつて價格をかえられるというように、まことに合理的な対策が立てられおることについて、われわれは非常に敬意を表します。しかしいま一つの考え方というものは、そういう努力を片つぱしからぶちこわしておる。こういうことではほんとうに日本の食糧の安定性というものはあり得ない。少くとも日本が自立的に外國から食糧援助を仰がないようになるまでには、少くとも主要食糧として、現在政府が抑えておるものは統制をはずすわけには行かないという不動の信念を持つて進まなければ、政府の食糧確保はできないと私は考えるのですが、これに対する農林大臣としての所感を伺いたいのです。
○森國務大臣 農林行政について動揺しているのではないかというおしかりやら激励やらの御言葉を伺つたのでありますが、決して動揺もうろたえもいたしておりません。新聞に出ますことに一々責任を持つておりましてはきりがないのでありまして、今政府といたしましては、食糧確保臨時措置法の一部改正案を皆さんに御審議願つておるわけであります。この審議を、次回の國会にはぜひ皆様のお力によつて通していただきたいということが、いちず考えている点であります。しかし政治というものは生きものでありまするから、政党といたしまして、いろいろ政治の局面について研究を重ねて行くことは、これはひとり自由党だけでなしに、あなたの党においても十分御研究をなさつておられると思います。從つて食糧事情の動きによつていろいろ問題が起つて來ると私は思います。五公團の廃止の問題は、民自党がずつと以前から主張いたしておる問題であります。しかし今日の統制の現状から、これを簡單に撤廃するということが非常な困難があることは、第五國会の当時にも皆さんよく御承知と存じます。しかしながらいずれはこれを廃止するということを前提として考えて行つた場合には、とうなるか。五公團を一時にさつぱりやめることができるかどうか。これはおのずからそこに研究されて来ると思うのであります。民自党はいつ発表したか知りませんが、五公團廃止ということを言つたかもしれませんが、現段階におきましては、食糧事情なり肥料の事情なりを考えて、そうやすやすと公團というものを廃止することはできないと私はここで申し上げてもよいと思います。 なお米券の問題につきましては、これはいつかも農林大臣は、食確法に対する代案があるごとく言つておるが、お前は持つておるかという、たしか井上さんの御質問があつたと思いますが、私は持つていないということをはつきり申し上げました。この米券による最後の供出ということにつきましては、自由党として考慮をせられて、秘密裡に研究が、進められてあつたわけであります。ところが先般農林委員長でありますか、二、三の幹部の人が総理大臣に会われまして、そうして、こういうことを党として考えているということを進言されたのであります。総理はその話に対して、研究をすべきものである。是非を言われたか、どうか知りませんが、そういうことが総理の耳に入つたわけです。入つた以上私としましては、この米券問題に対して無関心でおられないのであります。もちろんこの米券問題の内容を党から聞きまして、そうして事務当局とも研究を重ねて、どうしてこれが実現し得られるか、実現した場合に、どうなるかということの研究の歩を進めておるようなわけであります。 またいもの統制のことも、党からああいうことが発表されたのでありません。あれを農林大臣あてに申入れがあつたのであります。閣議の内容を申し上げるとかえつて悪いかもしれませんが、そういう申入れがあつた場合に、どう処置するかということが閣議に出まして、統制をはずすとか、はずさぬとかいうことは、政府としてもそう簡單には行かないのでありますから、いかに自由党の申入れでありましても、十分考慮はしますが、この申入れ通りに私としてはただちに同意はでき得ないということを答えておつたようなわけであります。民主自由党のそれらの政策に、政府が必ず責任を持たなければならぬということは、私は行政の責任者として考えて行かなければならぬ問題でありますが、政党において百のことがきまつたから、百とも政府がこれを行政面に現わして行かなければならぬということは、行政の責任者としてないのではないか、かように考えておるわけであります。もちろんこういうことは政党の自由でありますが、そういうことでなるべく國民を迷わすことのないように、私も党の幹部等にも申し入れておるわけであります。これは井上さんから自由党の幹部に御注意を願われてもけつこうだと私は思うので、あります。私は食糧問題につきましては、二合七勺ということにはつきり責任を持つておりますから、統制をはずすとか、はずさぬとかいうようなことは、二合七勺という需給推算を完全にやるということに責任を持つておりますから、御承知願います。
○井上(良)委員 今のは民自党の政調会の問題でございましたが、いま一つこれはあなたの直接所管されております食糧廳また経済安定本部の生活物資局、この方から、先般米麦で二合五勺配給して、いもの統制をはずすというような方向の檢討を加えておるということが新聞に出たのであります。これは非常にセンセーシヨンを起した。ある新聞のごときは社説まで出しているようなわけで、この記事は非常に大きな波紋を描いております。農林省自体においても、そういうことが考えられておるのではないかということが言われるのでありますが、少くとも現行の二合七勺でさえ國民の食糧というものは決して安定をしておりません。やはり三合以上の配給が一日も早く実現されるように、食糧の増産なり、また輸入の確保をやらなければならぬ。そういう建前にあつて、かりに米麦をもつていたしまして三合五勺を配給するといたしましても、米だけで三千万石しかありませんから、これでわずか五箇月か六箇月分の配給しかない。あと内地産の麦がたかだか一箇月余りしかありません。そうしたあとはほとんど外麦またはその他の雑穀によつてまかなわなければならぬということになつておつて、年のうち半数以上は粉食によらなければ生活ができないという事実から、われわれは二合五勺米麦案というものに、そう簡單に賛成するわけには参りません。それよりもやはり総合カロリーを高めて、國民の食生活を安定するという方向をとらなければいかぬので、そういう面に政府が積極的に手を打つべきであろうじやないか、こう私どもは考えております。そういう点について政府みずからの内部においてそういう檢討が加えられておるかどうか、そういうことは全然デマであるかどうかということを、この際大臣として明らかに言明が願いたい。
○森國務大臣 あの発表は農林省といたしまして非常に迷惑を感じておるわけであります。しかし行政面におきましては、ああだろうか、こうだろうか、と下手な碁打ちのように一つの石を打つにしても、下してみたり、上げてみたり――研究することはこれは必要だと思う。それだから二合五勺の主食にしていもをはずした方がどうだろうか、いやそれはやはりいけないから、今のようにいもを入れなくちやいけないとか、いろいろの面から研究することは、当然だと思つております。現在のやり方を完全なものとは私は思つておりません。しかしあの問題も安本でありますか物價廰でありますか、相当研究を進めておつた一つの考え方でありまして、それがどういうところからか、未定稿のまま新聞社の方に漏れたようであります。農林省としてはこれは全然知らないのであります。ところがたまたま私の方で、食糧問題について基本方針をきめるについて会合を物價廰といたしたのであります。そこでその原稿を持つておる新聞記者は、いよいよ食糧配給の基礎問題を物價廰と農林省が研究しておるのだという推測のもとに、二つの新聞社が発表したようであります。これは内容もよくわかつているわけでありますが、はなはだ行政廰といたしましては不謹愼なことであり、これが國民を迷わすということについても、非常に私はその責任を考えなければならないと思うのであります。一層綱紀の粛正をはかりまして、そういうことが各省ともできないように一層の注意をいたしたい、かように考えているわけでありますが、この問題につきましては、さような経過でありまして、農林省といたしましては非常に迷惑を感じているわけであるから、この点御了承願いたいと思います。
○井上(良)委員 さらにもう一点米價審議会の問題について伺いたいのです。いよいよ米價審議会が設立されまして、本年度産米及びかんしよ等の價格を、民主的に廣く生産者及び消費者一般、学識経驗者等を集めて審議されておりますが、これは農林大臣と安本長官との依嘱によつてできておる審議会であります。私はこの前、物價廳の第二部長に対して、本審議会の決定を承認するか、それともこれは單に参考として聞くか、いずれかということを質問をしたのです。これに対して物價職の方では、大体承認をしたいつもりで行きたい、こういう御答弁をされておりました。本年の米價が幾らにきまるかということは、本年の供出を確保し、來年度の食糧増産の上に重大な影響を持つのであります。從つて、この米價審議会がいずれ結論を出すと思いますが、その結論をもつて農林大臣は本年の米價の決定をいたそうとするか。あるいは政府は今別に案を持つていて、それを一つの参考としようとするか、これはもちろん占領下にありますから、関係方面の考え方も相当参考にされるだろうと考えますが、一応そういういろいろな困難な実情のもとに、審議会としても百識をもつて檢討を加えられると思いますが、そうしますと、審議会の決定を農林大臣は支持しようといたしますか。それとも別に政府は政府で特に参考にすると言いますか、これは非常にこの委員会の決定の上に、また米價決定の上に重大な関係を持つておりますから、この点を明確に願いたいと思います。
○森國務大臣 委員会は審議進行中であります。委員会に対しましては、米價をいかに置くべきか、その上においてパリティー指数で行くべきか、あるいは生産原價計算によつて行くべきかということについての意見を伺つておるわけでありますから、その結論の出ぐあいによつて、政府は考えなければならぬと思います。やはり小委員会をつくつておられるようでありますが、委員会の結論の、パリティー指数によつてやるべきだ、しかもパリティー指数によつてやる場合においては、政府が現在やつておるような、考えておるようなことではいけないから、こういう点をこういうふうに修正しろというような意見をつけて、パリティーでやれという答申があるか、あるいは生産原價に、よつてやれという答申があるか、それは結論を見なければわかりませんが、いずれにいたしましても、委員のあらゆる方面からの御意見を聞きまして、そうして政府の責任によつてきめるわけでありますし、その結論は最もこれを尊重いたしまして、その結論が抽象的な結論であるか、あるいは具体的な結論であるか、その二つの見方によつてかわつて行くとは存じますが、もちろん審議会の意見を尊重いたしまして、誠意を示して、さらに立て得るべき場合には立てます。また立てなくても、すでに審議会においてはつきりした基礎ができます場合においては、その基礎を政府においては取入れて行つてさしつかえないのではないか。ただ今井上委員もお話のように、関係方面等の問題もありますから、一方的に政府としてはきめられませんが、政府としては、あくまでも白紙で臨み、その結論のいかんによつて態度をきめて行きたい、かように考えておるわけであります。
○井上(良)委員 一番大事な問題は農林省の態度でありますが、米價決定の問題は物價廰が大体責任の所管廰であるから、農林省としては、一応生産廰と言いますか、食糧を確保し、増産をはからなければならぬ責任のある立場において、米價の算定はこういうことにしなければだめだという強い要求をいたす立場にあるのでありまして、それに対して物價廳の方では、この米價がわが國の賃金、指数にどう響くか、物價にどう響くかということからそろばんをはじき出そうとするものであります。そういう関係から、生産費を償わない実情にありましても、まあ全体の物價安定の関係から、米價はこの程度でというのが大体今までのやり方ではなかつたかと思う。少くとも御存じの通り、年間二百万トン、食糧全体で約四百億もの輸入補給金を出して、主要食糧を輸入している現状のもとにおいて、國内における食糧の増産がいかに大事であるかということはわれわれはよくわかつておりますから、本年は農林大臣としては、農家の生産費を償い得る、再生産をやり得られる米價をきめるというかたい自信と確信をもつて当つてもらいませんと、いかに米價審議会が公正な米價、適正な米價を決定して参りましても、依然としてパリティー指数による線で押して來る空氣が強いのではないかと私は予想している。その場合にやはりあくまでも生産費を基礎にした、できるだけ農家の再生産が確保でき得る線において米價をきめて行く。その場合かりに消費費者價格との間に相当の開きが出るということになりましても、消費者價格に対する補給金なら補給金という手もありましようし、いろいろの手はあるのでありまして、かつて消費者價格に対しては相当の補給金を出したこともあるのでありますから、そういう面から、國内における食糧を確保するという見地から、農林大臣こそ、この米價決定に対して重大な責任を感じてがんばつてもらいたいということを私は申し上げたい。 その次に重要な点は、この米價決定に関連をして、最近政府のいろいろな方面から漏れて参りますところによると、減税その他の関係がございまして、事実は肥料の補給金を打切る、特に飯米農家に配給している分、あるいは蔬菜または果実に配給しております肥料の補給金を本年は打切る。來年はまた全画的に打切るといううわさが強いのであります。大体國内における肥料の補給金がざつと百七十億ほどでございますが、これを打切られるということが米價決定よりあとでありました場合には、たいへんな問題が起つて來ます。これもあくまで農林大臣としては、肥料の補給金を打切るか、打切らぬかということがまず閣議できめられて、打切られるということになれば米價をどうするかということに話を進めてもらいませんと、大きな政治的な問題か起つて参りますから、これらの点についても農林大臣としての御意見を伺つておきたい。 いま一つ、重要な問題は、土地改良及び農業水利、災害復旧等に対する予算の問題であります。これは当然政府が食確法の一部改正の裏づけといたしまして、食糧を最大限に増加する対策をとる責任があるのであります。この点から、私どもは来るべき臨時國会に相当大幅な土地改良及び農業水利、災害復旧等の更正予算が提出されることを大きく期待しておりますが、これに対して農林大臣としては、一体どういう態度でもつてこれを闘いとろうとするか、闘いとる自信があるかどうかという点をこの際言明してもらいたいと思います。以上二つをお伺いいたします
○森國務大臣 米價について一言私の考え方を申し上げておきたいと存じます。農産物の價格は食管法によりまして生産費を基礎とし、四囲の環境を勘案してこれを定めるのが原則であります。ところが御承知のインフレ時代になりまして、生産費をつかむことが非常に困難である。生産資材が日々月月に変化して上昇して参りますから、生産費をつかむことが非常にめんどうであるという立場から、一応食管法にはそういうはつきりした査定の原則があるにもかかわりませず、臨時的に、便法としてパリティー指数を持つて参つたのであります。しかしこのパリティー指数は御承知の通り、そのものの豊凶ということがあまり考えられていないという欠点、あるいはその他二、三のウエイトの中におきましてもりくつに合わないような問題を腹藏しておりますので、必ずしも完全なものとは言えません。ことに基準年度をいずれにとるかということを考えてみますと、一層これは議論が起つて來るのでありますが、何分インフレ時代でありまして、やむを得ずこのパリティー指数によつて米價をきめて参つたのであります。またパリティー指数の内容を把握するについても、相当の研究が積まれて、まず二十三年の米價につきましては、大体成功を来したような氣持にも考えるのでありますが、まだ不完全な点は見のがし得ないように思うのであります。しかし諸物價、ことに生産費はやや落ちついて来たようにも考えられるのであります。この場合農林省といたしましては、あくまでも生産費というものを基準として、四囲の環境を考慮して米價をきめるということが強き主張なのであります。あくまでも農業生産者の立場を考えて行くのが、われわれの最も大事としておることであり、米價をきめる上においてもそういう氣持を持つておるのであります。しかし安本にできておる行政機構の中から物價廰がまず表に出ました。米というものは一般の国民の消費財である。これが高くなればただちに労銀が上る。労銀が上ればただちにまた物價が上るという悪循還を考えねばならぬ。過去の例から見ましても、とにかく米というものは生活費の相当重大な座を占めておる関係上、物價廰の立場としましては、一般の生活者の氣持を考えて考慮を進めて行くような態度をとるのもやむを得ないと思います。ここで生産者の立場と消費者の立場という二つの流れが出て来るわけでありますが、政府としてはこれをうまく調節をとつて、適当にきめて行くということでなければいけないと考えるのであります。しかし農林省といたしましては、あくまでも生産者の生産費を償い、利潤の幾分でもこれを見る。いわゆる再生産し得られる價格を保持して行きたいという氣持を持つておることをひとつ御了承願いたいと思います。 なお補給金の問題でありますが、補給金は予算の構成の上から、明年度において全廃されるのが原則となつております。これは一氣にはずすと産業界に非常に影響を與えますから、追い追いにはずして行く、ある段階を経てこれを全部撤廃するということになつておるのでありますから、肥料の補給金も当然これはある段階に参りますれば廃止ということに逢着することと考えるのであります。今世間でいろいろ論議されておりますものは、肥料の補給金をいつからはずしたらいいかという問題であります。すでに本年度の秋肥料は、ほとんどもうこの九月で配給が終つてしまうわけでありまするから、本年の米の生産はすでに七月までの肥料を配給いたしておるのでありまして、よし本年度内に補給金がはずされたといたしましても本年度の米價には関係を及ぼさないということになるのでありまして、もし春肥から幾分でもはずされて行くということになれば、二十五年産の米穀あるいはその他主査要食糧、小麦、ばれいしよもこの補給金の恩恵を受けないという数字が出て参りますから、そこにおいて價格の更正も考えて行かなければならぬと思うのであります。しかしいずれにしましても、急激な変化は産業界に非常なシヨツクを與えますから、できるだけ障害のないように補給金をはずして行きたい、こういう考え方であります。從つて肥料の補給金廃止に対しましても、でき得るだけ農業者が迷惑しないよう、またそれによつて農産物價格が相当に維持されるということを十分注意してやつて行きたい、かように考えておるわけであります。 なおもう一つ残りましたが、土地改良の問題につきましては本年度の実行予算編成についてああいうふうな処置をとらざるを得ないということになりまして、この原則は二十五年度の予算におきましてもかわらないと思うのであります。ただそういう場合において、過去の土地改良に対する政府の責任というようなことも考えられますので、今後公共事業的な土地改良ということは、從来通りかわらないのでありまするが、從來簡單に助成しておりまして打切つたというものに対しましては、資金の面等よりこれらの事業の完遂に努力いたしたい。また土地改良というようないわゆる生産に対する特別なる助成経費というようなものは、公共事業費の性質と違うということも考慮されているのでありまするから、でき得べくんばこの立場として予算の要求はでき得ないか。予算編成の技術の上からどう考えられますか知りませんが、農林省といたしましては、主務省としてそういう希望を持つて予算の編成に臨んでおるわけであります。結果はまだ何とも申し上げられませんが、とにもかくにも食糧増産といたしましては土地改良が最も重大な仕事であり、これは今後年々に継続して行かなければならぬ重大な仕事と考えておりまするから、予算の面においてもできるだけの努力をいたすつもりでいたしております。
○藥師神委員長代理 深澤委員と吉川委員と大森委員より発言の申出がありましたが、時間もだんだんたつて來ましたので、大臣にだけなるべく簡略にお願いします。それでも時間がたてば途中で打切りたいと思いますので、そういうことでお願いいたします。
○深澤委員 第四にお伺いいたしますが、米價審議会の構成にあたつて、私はこの前坂本政務次官に対して、この構成は新聞に発表せられるように、共産党やあるいは産別、日農統一派、こういうものを除外することはまことに不公平な処置ではないかという追究をしたのであります。坂本政務次官は十分了承して公平にやるという御答弁があつたのでありますが、しかし事実はそれらの團体政党を除外して米價審議会を構成されておる。この理由はどういうところにあるのかお伺いします。
○森國務大臣 これは物價廳と農林省と事務当局において選考をいたしたのでありますが、政党というようなことはもちろん考えておりません。また生産者團体というものが、幾つありますか私しつかり知らないのでありますが、そういう点においても事務当局において選考いたしておつたのを決裁いたしたのでありますが、各政党代表者という意味では決してないのであります。もちろんこれは國会議員として出ていただく場合においては、本会の承認を求めなければならぬことになつておりますが、内閣において審議会を設けております例を見ますと、衆議院とか参議院とかいう意味でなしに、参與的な立場でひとつ関係してもらうというような軽い氣持で人選をいたしました。学術経驗者その他という立場で御苦労を願つたのでありまして、政党のどうのということは、毛頭私としては考慮いたしておらなかつたことを御了承願います。
○深澤委員 今の問題につきましては、今後ともあり得る問題でありますから、われわれは現在とられておる米價審議会の構成は、まことに不公平であるというぐあいに考えますがゆえに、これは大臣が関知されなかつたようでありますが、この点は十分ひとつ警告を発しておきたいと思います。 それからその次の問題といたしましては超過供出の問題でありますが、今年度のかんしよについては超過供出は相当出ると思います。これを無制限に超過供出として二倍半の價格で買うという御意思があるかどうか、これが一点。 それから米の問題についても、從来通り三倍で買上げるということを考えておるかどうか。この点をひとつ。三点お伺いしたいと思います。
○森國務大臣 いもの超過供出につきましては、あくまでも超過供出の奨励金というものは、先ほど申しました二合七勺の配給があぶない、何としてでも、むりしてでも出してもらいたいというところで初めて奨励金を出すのであります。これはもう早場米の供出でもその通りであります。早場米、早掘りを出してもらわないと食い継ぎができないという段階において、初めて奨励の意味をもつて特別の價格をもつて買入れておるのであります。米のごときも、初めは農林省から地方へ参りまして、どうか出してください、出してくださいと哀訴懇願して早場米を出してもらつたというのがこの超過供出の特別價價格の意味であります。それでありますから、今十五億万貫くらいを予定いたしておりますいもは、中には十七、八億万貫だ、二十億万貫だと想像される場合において、むりやりに出してもらうという段階にはない、かように考えておるわけであります。しかし今食確法の建前といたしまして、政府にこれを賣るべしとなつておりますから、政府へ持つて來られた場合においては買取ります。これは受取らざるを得ないので受取ります。それが昨年のような混乱を來してはならないというので、計画的出荷をお願いしておるわけであります。そうしてある時期に参りまして、特別にいもの配給操作の上において、奨励金を出してもいい、今度こそ奨励金を出すべきだというときにおいて超過供出に奨励金を出す。こういう考え方を持つておるわけであります。超過供出を一応割当てる場合に、超過供出が出ましても、それはあたりまえな價格においてこれを政府が受取る義務がある。かように考えておるわけであります。 なお米に対しましても、現在は三倍にした超過供出の奨励金を出す。米は特に米食を一般の國民が要望いたしておりますので、幾らでも米の超過供出ということを政府といたしましては要望いたしておるわけでありますから、米の超過供出に対しましては奨励金を出す。この考え方を持つておるのであります。
○深澤委員 それから税の問題でありますが、シヤウプ勧告案の結果によりまして、農業課税に対しましては源泉課税というようなことになることをわれわれは聞いておるのでありますが、源泉課税になりますとこれは重大問題であると考えます。政府は非常に税金をとりやすくなるが、農民の方といたしましては非常に心配しておるのですが。この点について、農林当局はいかなる考えを持つておられるか。この点をひとつ伺いたい。
○森國務大臣 この問題はシヤウプ氏の意見がまだ中ごろ過ぎでないとわからぬようで、われわれ知らぬのでありますが、この源泉課税と申しますか、これはシヤウプ使節團の方から一応――使節團ではなかつたのでありまして、関係方面から諮問があつたのであります。ということは、農家が供出したときに金をもらうのだから、そのときに金をとつておくと政府もせわもないし、納税する者もいいではないか。そういうふうにしたらいいではないかという向うの氣持で、一応意見を聞いて参つたのであります。しかし、農業者全部が供出をするわけではありません。そうすると早く納める者があり、あとから納める者があり、まちまちになつて来る。また人間の心理状態から申しましても、一万円受取るのだが、そのうち一千円引かれて九千円しかもらえない。一万円もらうつもりをしておつたのが九千円になつた。千円ただ取られたような氣持がする。これは月給から税金を引かれるときに、そのくらいなら初めから安い月給で、税なしの方がいいという氣持がすると同じだと思うのでありまして、これにつきましては相当考慮をしなければならないと考えております。またシヤウプ使節の案がどの程度になつておりますか、地方税制の問題でまだやり方がわかつておりません、なお近いうちに発表されますから、その場合において大著としてもいろいろ法制化するだろうと思いますが、農林省においても、諮問を受けたときに賛否両論あつて、必ずしも意見が一致いたしておりません。また私といたしましては、どうもそのときにとるのは、政府としては便利かもしれぬが、納税者の心理状態は、どうせとられるものではあるけれども、そのときに引かれるということはどうも変な氣持がするということも考えておるわけであります。
○深澤委員 もう一点。ただいまの税の問題に対しましては、われわれは所得者のふところに入る先にとるという源泉課税は、悪税の最たるものであると考えます。從つてこういう税の取立て方をするならば、おそらく全図の農民としましては、これは非常にわれわれは生産意慾を阻害する結果になると思います。そういう意味において、農林省も、これは今後の問題でございますが、十分この点をくみとられて、御努力を願いたいと思います。 その次の問題といたしましては、先ほど井上委員からも申されたのでありますが、災害復旧は二十二年度以來ほとんど耕地に関上る限りはうまく行つておりません。もしか行つておつたといたしましても、町村、縣が政府の補助を予定してやつた地元負担になつております。しかるに政府の方ではこの予算は全部削除したということで、非常に困つておる状態があるのであります。昨日も東北の農地協会の方々が陳情されたのでありますが、そのとき秋田の佐々木君という人が増田官房長官に会つたところが、それは農林大臣が腕が弱いからとれぬのだという言葉すら言つたということを、この委員会において陳情のときに言つたのであります。われわれはそういう言葉の節々は十分に信頼はいたしませんが、ともかくもそういう考えを持ちつつ農民は非常に災害復旧の問題では苦しんでおる。これに対して、このたび開かれる臨時國会に対しましては、農林省あげてこの災害復旧並びに土地改良に対する追加予算の獲得のために努力願いたい。これについての決意をお伺いしたいのであります。 もう一つは、最近われわれが頻々として耳にすることは、食糧管理特別会計が相当の赤字を生んでおるというようなうわさが飛んでおるのであります。これはすでに苦い経驗としまして、薪炭特別会計の赤字の問題があります。非常に大きな政治問題化しておるのであります。これがもし食糧管理特別会計の中にそういう問題があるとするならば、これは実に薪炭以上の問題であると考えますがゆえに、われわれはこれについて農林当局の確信がおありになるかどうか。この三点をお伺いしたい。
○森國務大臣 予算の獲得につきましては、ドツジ・ラインに沿うての予算の編成でありますから、いかに努力いたしましても公共事業費等に盛り込めてもらえぬものはもらえぬのであります。それに対して決して農林省はぼんやりいたしておるわけではありません。極力この経費の予算見積に対しては努力を継続いたしておることを、御承知願いたいと存じます。なお後段の赤字問題については、いろいろデマが飛んでおります。私はこの間食糧については決してこの端境期は心配ない、余裕綽々、昨年よりは一層の保有量もあり、心配がありません、こういうことをはつきり申し上げたのでありますが、いや、ああいうことを農林省は言うておるが、実はどうもあの在庫米なんというものは、だれが勘定したものでもないし、いい加減なものだというようなデマが飛びまして、これはある相当な立場の人からも、心配して私は注意を受けたのでありますが、私が全國の在庫米を調査させましたところが、決してさようなことはないということがはつきりわかりました。またもしそういうことがあるならば、各府縣の食糧の委任を受けている知事が黙つておりません。あるあると言うて、おれのところの保有米はありはせぬじやないか、とんでもないことじやないかと言つて、知事が承知いたしません。だから決してそういうことはありません。また公團には赤字があるというようなうわさも立つて、おるようでありますが、これは会計檢査院も檢査しているようであり、大藏省も檢査をいたしておるようでありますが、木炭の赤字はあれは品物のない赤字であつたのであります。食糧公團には切ぼしかんしよ等あるいは澱粉等の手持がありますので、会計経理の上から赤字のように言われておりますけれども、これはみな在庫品があります。決して木炭のように、物はなかつたというようなことはないのでありまするから、どうかひとつ、いろいろのデマもかつてに飛ぶわけでありますが、私が責任をもつて申し上げておりますから、どうぞさように御安心を願いたいと思います。
○吉川委員 時間がないようですから、簡單にお伺いいたします。早場米の供出の問題でありますが、高冷地の單作地帶の生産米に対する奨励金、これについて特に御配慮を願いたいということをかつてお願いをしておいたのでありますが、何ら御配慮をいただいたような結果が現われていないように思うのです。標高とか緯度等によりまして差等をつけていただくように私は要請をしたのでありますが、單作地方においては非常に割の悪いところの農業を経営しておる。その人々が奨励金を欲しいというので早稻をつくるようになる。それだけで一割ほどの減收となる。のみならず、早く金にしたいということから、あまりに早期に刈取りをする。そのためにまた相当の減收になる。食糧の増産確保を政府は御期待をしておられるのにもかかわらず、まつたく減收を奨励するような結果になつておるということは、はなはだ遺憾だと思いまして、特にこの点について免税、減税もしくはその他の特別の措置が配慮されてしかるべきであるということをお願いしておいたのでありますが、それについてどのようになつておりますか、伺つておきたいと思います。
○安孫子説明員 今年度の早場米については、先ほど來大臣からもお話がございましたように、いろいろの観点からいたしまして、從來のように野放図な早場米ということは適当じやないということで、一應の計画性を持たしたいと実は考えております。その計画性を持たせまする根拠といたしまして、一應の目安を府縣に立ててもらつております。府縣の方からこの二、三日中には大体計画が出て参ります。その基準として私どもが一應縣当局にお話を申し上げました点は、過去三年間にわたる早場供出の実績というようなものを平均いたしまして、本年の供出予定数量に掛けましたようなものを基準といたしまして、それに縣の実情その他を勘案して、一つ縣としての見込を立てて、農林大臣の承認を得ていただきたい、こういう指示を今いたしておる次第でございます。高冷地の問題は、從來の実績の中に出ておる部分もあろうかと思います。そういうものはそれなりでそういう形で出て参ります。それから高冷地に対しまする減税その他の措置の問題でございます。私その点の詳細をまだ承知いたしておりませんので、関係局と相談をいたしまして、もしできましたら明日でもお答えを申し上げたいと思います。
○吉川委員 これは農林省と大藏省の当局がいられるときに私が御注文をしたので、大藏省は、減税問題についてはきわめて困難な実情ではあるけれども、十分調査をし檢討をして、期待に沿うようにしたいと言われておりますから、よく承知しておられるはずなんです。この高冷地の單作地帶に対する取扱いについては、格段の御配慮をお願いしておきたいと思います。 それからもう一点、第五臨時國会の中途におきまして、競馬法の一部を改正する法律案が審議されましたときに、全会一致をもつて修正議決をした事項の中に、競馬投票券の発賣による純益の三分の一を畜産振興費に充当することということを議決したわけであります。なお私が本会議において緊急質疑を行いまして、日本の農業経営は、これから有畜農業というよりは、むしろ畜産農業に移行しなければならないような状況にある、こういうときに農林省の畜産局の予算が、去年の九億何がしに対して本年は六億に足らない、かえつて減つておるじやないか。これに対して二十三億余円の三分の一、七億何がしをこの振興費に充てるのは当然である。これに対して次の臨時國会に補正しなければならないが、それに対する大藏大臣の決意はどうだということを尋ねましたら、十分わかつておりますから善処いたします、こういうことを答弁されたのであります。これは農林大臣もよく御存じのはずでありまして、ついては今回の補正予算に関しましては、この七億何がしの予算を増加されて補正されておるかどうか、この点を伺つておきたいと思います。
○森國務大臣 吉川さんのお話の通り、第五國会においてはそういう問題が起つたのであります。農林省におきましては、畜産に関する経費があまりにも貧弱である。できるだけこれを明年度予算においては増額をいたしたいと努力を継続いたしております。補正予算に対してはたしてそれが出し得られたかということは、御承知の数回にわたる災害等のために経費も非常にかかつておりますので、はたして補正予算にそれが出し得られるか、補正予算といたしましては臨時的なものでなければならぬのでありますから、すでに年度の終りにも近づいておる場合でありますので、はたして御要求のような予算が出るか、農林省といたしましては相当考慮を拂つておるのでありまするが、まだ結論に達しておらぬことを御承知を願いたいと思うのであります。 なお競馬の利益の三分の一を特に畜産奨励に用いるという昨年の御決議であつたのでありますが、競馬の三十万なら三十万というものを一権國家の收入に予算づけておりまするから臨時にさらに三分の一を増加するということにいたしますれば、その三分の一をどこかから歳入の方へ持つて來なければならぬ。ことに予備費を持たない予算でありますので、そういう融通はでき得ないのでありますが、この競馬の收入というものは必ずしも私は確定的なものではない、かように考えるのであります。今日までインフレーシヨンの代であつて、競馬としましては相当馬券が賣れたのでありますが、これが財界等の状況を考えて見ましても、金融の状況を見ましても、商工と言わず、農業と言わず、だんだん資金の枯渇が目に見えて來るのであります。今後日本は再建のために、財政の上においても相当緊縮をして行かなければならぬ、從つて國民の生活も一層緊縮を加えて來なければならぬ。その場合に、今日予想されておるような競馬の馬券というものが、ああいうふうに賣れるだろうかということも想像されるのであります。そうしますと競馬の賣上金というものはまつたく当てになつてならないというような氣持もするのであります。この当てになつてならないというような財源をもちまして恒久的な施設をやる。ことに畜産の事業というものは一時的のものではありません、これは長く腰をおろしてやつて行かなければならぬ、牧野の改善にしても、畜牛の普及にしても、あるいは酪農の普及にしても、一年や二年でかわるというようなことではいけない、少くとも五箇年計画、七箇年計画を立てて行かなければならぬ性質のものでありますから、こういう恒久的な事業をやるのにそういう收入を財源とするということは、よほど考えなければならぬ、かようにも考えるのであります。しかし現実においてそういう御意見もあり、また現実においてそういう收入もあるのでありますから、できるだけ畜産方面に対しての施設を増加して行きたいという氣持で、予算の編成に当つておるようなわけであります。
○吉川委員 大臣のお言葉を伺つておりますと、政府の御答弁だと思いますけれども、これは農林大臣としてはさように御謙遜にならなくてよろしいのではないか、大藏大臣の御答弁を伺つておるような氣がするのです。從つて大臣のそのお氣持が畜産局の局長以下の方々に影響しまして、七億と、ただいま、あるところの既定の予算である六億との差額の一億だけが要求できるのだということを私のほかに聞いたのであります。さような御遠慮をなさる必要はなくて、むしろ日本の畜産を猛烈に振興することによつて、税の財源も強固になつて來るということになるので、國勢を増強するためにも、日本農業の基本であるところの畜産の振興予算をわれわれは院議でもつてきめたのでありますから、この院議を尊重していただけばそれでけつこうでありますから、どうか農林大臣は御遠慮なく、大藏大臣に強く要求されて、この院議を尊重していただくということに、格段の御配慮を願いたいと思います。
○原田委員 今吉川委員から競馬の問題についてのお話がありましたが、私も過般大藏大臣に、畜産の振興費として競馬のマージンをもらいたいと申し上げたところが、大藏大臣のお答えには、六億数千万円あるのだが、その差額だけをやろう、差額というのは一億二千万円ばかりの限度である。ところが現在の農村恐慌を控えました今日において、畜産を離れた農業というものはあり得ないと思うのであります。しかも有畜農業で多角経営農業を奨励しなければ、おそらく農村の再建ということはおぼつかないということはすでに大臣がよく御承知だと思います。ところで畜産局の予算が六億くらいではたして完全な奨励ができるか、これはどんなしろうとが考えてもできないということがはつきりと言えると思う。そういう意味から、競馬のマージンをその方に利用してもらいたいというのが委員会の総意によつて決定した問題だと思います。しからば大臣は、この農林委員会で畜産の問題に対して、少くとも農業問題をやりますのには地方の涵養をやらなければならぬ。地方の涵養をやるには金肥に依存せず厩堆肥をもつてやらなければならぬ。畜力の利用によつて確かに農村の経済復興はできる。しかもそれによつて労力が節約できる。こういうふうな一石二鳥の畜力を何らか軽視しておるような傾向にあるのであります。御承知の通り、畜産法ができまして來年はちようど五十年の期限になるのでありますが、最近の畜産の動きというものはまことに貧弱である。しかも核心に触れたものはない。あらゆる機構がくずれて、畜産の重要点はあつちからもこつちからもさかれ、ばらばらの状態になつて、畜産は瀕死の状態にさらされておるということを、私は申し上げても過言ではないと思う。今後の農業経済あるいは増産の目的達成というものには、畜産を取入れなければおそらく私は完全でないと思う。どうか農林大臣は、この問題はぜひマージンを畜産の奨励費に全額をもつて充てるように御努力を願いたいと思う。もちろん委員の総意でありますから、委員もこの点は結束をして当らなければならぬ。かように悲壮な決意を持つておる。農林大臣が弱腰で大藏省に太刀打ちができないようなことでは、私ども寂寥を感じます。ぜひ奮起していただきたい。この点をしつかり獲得していただくように御努力願いたいと思います。その点大臣に一應伺いたいと思います。
○森國務大臣 御希望、御意見等まことにごもつともでありまして、農林省といたしましては、委員の総意に基いてその実現に努力をいたすのはもちろんであります。しかし政府全体の立場といたしまして予算編成についての原則があるのであります。こういうことを申し上げていいかどうかわかりませんが、ある一定の限度が総予算に考えられるのでありまして、しかもこれが特別の分において非常な増加を考える。特別の分において減額をするということは、均衡上でき得ないのでありまして、そこが今日の困難な予算編成の点なのであります。前年度から新しき事業は一切これを認めないという原則のもとに、しかも標準予算より越えてはならないという見地から、國民の負担を軽減するということをモットーとして予算編成原則が示されておりますので、われわれといたしまして非常な努力は続けております。まだまだ追加予算も解決いたしておりませんし、本予算はもちろんのことでありますし、公共事業費もなおさらのことでありまして、今後にかかつておる問題でありますが、農林省といたしましては、御意見の通りあくまで努力は続けております。続けておりますが、今申しましたような政府の考え方といたしまして、明年度の予算編成はそういう鉄則のもとに行わざるを得ないという事情にあるので、非常に農林省をいたしましては苦慮をいたしておることをひとつ御承知を願いたいのでありますが、なお農林省といたしましてはあくまでも努力をいたすつもりであります。また農林委員諸君におきましても、どうかひとつ十分なる御支援を願いたいと思います。
○藥師神委員長代理 ちよつとこの際委員長から農林大臣に申しておきたいのですが、この問題はその筋の了解も得ておるのですが、しかし予算の取扱いとしては、すでに三十億というものは歳入予算に立つてすでに決議をされておるのだから、まあへんてこな問題ですけれども、結局この委員会においては、競馬の方で三四%というような控除率を設けて、そうして三十億もの金を儲けている。そうして畜産施設にはほとんどわずかのものしか出していない。それが三分の一くらいは出してもよいではないかというところから始まつたのであります。予算の取扱い上から言えば大臣の言われる通りでありますが、とにかくその筋の了解もあるのだから、今年度かりに三十億の歳入予算に立つていても、これが自然増になつて、そこに自然増收ができれば今後補正予算ができるわけでありますから、これに努力をしてもらえば、われ、われもみな満足するわけであります。なお他に財源があればけつこうであります。予算の建前からいえば、競馬でもうけたから畜産にも使うというのはへんてこな話なんでありますが、問題はそういうところから出ているんだから、ぜひそういうふうにひとつ御努力願いたい。
○大森委員 私は大臣にちよつとお尋ねをしてみたいと思います。早場米の問題についていろいろお話あつたのでありますが、実は私の方では早場米の奨励金を出しておる。先ほどからのお話を聞くと、今度本年の早場米があまり今までのようにしいられておらない点もあるのではないか。それはどういうことかというと、大体檢査をいたしますと、今までの檢査とは違いまして、四等米に下げられるものが多い。四等米は奨励金がつかないということになつておるそうであります。そういたしますると、先ほど深津君からお話があつたようでありますが、大体地方においては早場米を出して、そうして幾らかの奨励金をもらうという目的によつて、減産もかまわずにやつておつたものが、今度食糧事情が幾分緩和されて来たことによつて、その目的が半ばさかれておるというような状態になつておる。これに対しまして非常に農民は蹶起して、大挙をして陳情に行こうじやないかということを言つております。そこでそういうことをいたしてはならないというので、わが縣下からは代表者をあげて、陳情に参ります。それは下げられました四等米に対しても奨励金を出してもらいたいというのでありますが、これに対しまして、下げられました四等米に対しても奨励金を出していただくことができないかどうか、大臣の意見を伺いたいと思います。
○森國務大臣 実はこの早場米の制度を制定した理由は、皆さん御承知の通りでありまして、今さら申し上げることもないのでありますが、実は昨年のごとき、ある府縣でありますが、全縣下早場米になつてしまつたのであります。ことにはなはだしいのになりますと、今日稻を刈つておつたのが、あくる日米になつておる。こういう事実がありまして、それが早場米でありますので、農業倉庫へ積んで、それを東京へ送ろうと思つたら、ちようどあの時分に水が出て橋が落ちて、トラックが通れない。こういうわけで米がだんだん下積みになつておりまして、とうとう五百俵近いと聞いておりますが、どうにもこうにも手のつかぬ米になつてしまつた。米撰機にかかるようなものではない。きのう稻でたんぼにあつたやつが、ちやんつとめて俵に入つておる。こういうことが実際にあつたのであります。これではなんぼ東京の人が米にあこがれましても、精米もできないようなものでありまして、これではせつかくの米をもつたいないことにするわけであります。またそういう意味で早場米を奨励しているわけではないのでありますから、本年度は先ほど食糧長官が申しました通り、各府縣の実績に割当まして、檢査も巌重にやつて、ほんとの米の味の出る檢査をいたしまして、三等までは奨励金を出してみる。今年は非常に作柄がいいから、おそらく四等米は実際できないだろうと思います。まじめに調整さえしていただけば、今日稻こきして、一晩のうちに米になるというような乱暴なことさえしなければ、私は相当の品質の米は今年はとれていると考えております。なおこの早場米は、わせをつくつて收量の少いものを供出して、幾らかでも高く賣ろう。こういうような氣持のように傳えられるのでありますが、これは先ほど吉川さんもお話になりましたように、非常に増産を阻害する点もあるのであります。私の方の近畿地方では、たいがい中てからおくてをつくりまして、いい所になると、十俵もとるのであります。しかしずるい農家は、早場米の奨励金があるからというので、ことさら農林一号のようなものをつくりまして、そうしてりつぱな十俵もとれるような田で、五俵かそこら稼いで早場米を出して奨励金をもらつた方が得だというように、自己の收入を考えて、國家全体の増産をはからないというような、悪質な農家もできて来るのであります。これは近畿地方のいい土地でありますが、福井、石川、富山、新潟という北陸地方は、昔から加賀米とも申しまして、北陸米は早く出るという、これは特別な土地であります。あちらの方へ行きますと、必ずしもおくてをつくり、また中てをこしらえたから收量を増すというのではないのでありまして、おくてや、中てをつくりますと、寒さが早く來て、かえつて收量が減る。むしろわせをつくつた方が收量が多い。ところが今まではわせの完全な品種ができておらなかつたのでありますが、今は農林一号というような新しい品種ができまして、これをやつて見ますれば、決して中て、おくてよりは收穫が減らない。しかも、成熟が早いから安全である。こういうように漸次改良されて行くということが考えられるのでありまして、一概に早場米を出すためにわせをつくつて、收量の少い物を犠牲を拂つてつくつているということの意味にも考えられないのでありますが、いずれにしても食糧事情がこうなつて参りますと、單作地帶の救済ということも多分に考えられるのであります。しかし單作地帶と申しましても、寒冷地、高冷地、以外にも相当無印があつて、やむを得ないといような場合もありますが、これは相当皆さんにも研究をしていただき、私も研究を進めまして、そうして單作地帶に対してどういうような処置をとるかということは、今後残された大きな問題だと考えております。早場米供出に対しましては、そういう見地から年は考えまして、もみを出してもらつても困る。また生米を出してもらつても困る。そうして新しい米であつて、しかも東京へ持つて行こうが、北海道へ持つて行こうが、りつぱに食糧になるところの一等、二等、三等というような食糧を出してもらう。こういうことにいたしたのであります。幸い北陸方面は非常に生育が良好でありますから、おそらく四等米というものは、まじめに乾燥して、調整さえしていただければできないのではないかと考えておるのであります。
○大森委員 その点でありますが、農村もまじめにやつておりますが、檢査もまたまじめ過ぎるかもしれないのであつて、相当大きな量が四等米に下つたということであります。そうすると、四等に下つたものに対しては奨励金が出ないということですか。それをちよつと伺いたい。
○森國務大臣 さようでございます。
○大森委員 どうありましても出ないということであれば、これはどうもいたし方もないことでありますが、これはいずれも縣の方から参るとは思うのでありますが、私は大体内意を伺いたいと考えて申し上げたのであります。 なお農業政策ということに対していろいろな御議論がありましたが、第一に考えるべきものは食糧をつくるということであります。私この前も申し上げたかと思いますが、今日本の食糧というものは、どなたがお話になつても、二百万トンくらいは補給してもらわなければならぬというようなことを言つておりますが、この間私の地方をまわつて見ましたところ、反に大体三石とる篤農家がたくさんおる。それを見ますと、日本には私どもの言うようにするならば、決して米を輸入する必要はない。それは確信を持てるということを、この前申し上げて、坂田君かだれか、反駁いたしたのでありますが、それで本年は私特にまわつて見て来た。そうすると一反歩に五石はとれます。私は一町三反歩耕しておるが、何のそれがしという篤農家の指導を受けてやつたのでありますと言つて、出ております穂まで持つて来て、私どもに報告したのであるが、これがどうであるかと言うと、ちようど五石でありますから、同じ面積から普通の倍額とることになるのであります。だからこれを私は縣の知事などに言つて、なぜこれを指導し、実行しないかということを要求いたしたが、農林省に反対がある、農林省の技術者連中が、そういうものはいけないと言つて反対をいたしたということである。実は私は本年もそれを言つたが、確証を得なかつたがためにそれまで要求をいたさなかつたのであります。今年こそはと十日以前にずつとまわつて見て來たところが、大体七、八人の若い連中――二十七、八から三十五、六くらいの、蹶起した連中は、何の仕事をしようかと考えてみた結果が、やはり農村でなければいけないということを私は確信いたしたから、その人の指導を受けてこういうふうにやつたのであるという実話を聞き、また実際に耕地を見て参つた。それによりまして、まことに私は感服しました。そのときはその地方にずつとそのことを話もして参り、報告演説にかねて、皆さん、こういうふうになつておる所があるから、見て來てくれということを話した。時間が長くなりますから簡單にいたしますが、こういうふうにして、実際にできるという経驗を持ち、そして実際にやつておる問題を、農林省の技師あたりが阻害しておるということはいかなるゆえんか。また先ほど肥料をつくるのに補助金がなくなるというお話があつたが、これによりますと金肥などはいらない。金肥など使つておるやつがいるからいけないので、土地を改良して養つて行かなければならない。こういう点において、一村に百戸あるところならば、おそらく金肥だけでも百万円の節約ができるのである。こういう農村経済ということを質問から振り立てて、農村を指導すべきではないか。これらをなぜ一体農林省の技術者連中が阻害しておるかということに対して、私は農林大臣に伺う。そうしてさらによく研究をしていただきたい。これは大きな問題であります。
○藥師神委員長代理 どうぞ簡單に願います。
○大森委員 簡單にと言われるけれども、これは先ほどから言われているような枝葉末節の問題じやない。先ほどから、米がないから入れるか、どうか、何だかんだと言われるけれども、日本でつくれば何でもない。日本に米をつくつて日本全國民をまかなうというところまで農業政策を持つて行くことが、われわれの使命でなければならぬ。しかるにただ今までの通り報告書を見て六千何百万石しかない。こういうことによつて割当をしておるから、今日なおかつ米が足りない。われわれの考え方から言うと、本年でも昨年でも少くとも八千万石とれておるという確信を持つておる。しかしながら現在そういうふうに扱つていない。けれどもこれは断言できないから、もう一押しこういう方面における農業政策を各農民に教えて、技術的に科学的に、こういうふうにしてやつて行くならば、私は日本の食糧事情はただちに明年解決できるのである。こういう確信を持つて申し上げるのでありますが、農林大臣いかがでありましようか。農林省に何かこういうことを阻害しておる人があるというならば、私どもの、実際に五石とつておるところを見せてやりたい。五石とれるということを確信してつくつておるところを見せてやりたい。あるいは私のところでは六石はとれますという者がある。また麦でも一反歩に九石五斗からとつておる者がある。こういう栽培の方法があるということを技術者が知らずにおつて、ただそれを阻害しておるというがごときことは、日本の農林行政をあやまらしておるのであるということを、私は断言していいと思う。かくのごとき者は一日も早く退陣させて、こうした最も進歩的の、日本は日本として生きて行かなければならぬというところから、食糧事情を解決づけられる農業政策を実行してもらいたいということを要望いたしますが、農林大臣は、どういうふうに考えられますかちよつと伺つておきたい。
○森國務大臣 簡單にお答えいたします。何と申しますか、三十年、四十年牢固として象牙の塔に立てこもつておる一つの流れがあるように見るのであります。米も富民協会のレコードはたしか八石四斗鳥取縣でとつたのがあります。しかしそれはその当時の経済事情から許されなかつたのであります。米の二十三円やそこらの時代でありますから、それはもう問題にならなかつたのであります。今日今大森さんのお話になつたような、隱れた篤農家というものが相当全國に散在しておるのであります。これはひとり米の増産だけでなしに、いろいろ養蚕の方面においても、あるいは畜産の方面におきましても、特殊な体驗を積んで、りくつは知らないが、とにかくこういう成績をあげておるというりつぱな篤農家があるのであります。そういうことを取上げて、ただちにこれを科学的に説明して普及するというのが農地改良局のできましたゆえんであり、また農事試驗場、農業研究所というものを総合的に縦横の連絡をとりましたのも、その方針なんであります。私といたしましては、この象牙の塔に立てこもつておるかたくなな技術では將來いけないのだ、そういうりつぱな技術をあらゆる面に取入れまして、そうしてこれを実行に移して行きたいという氣持を持つておるのであります。一應、だまされたと思つてその仕事をやつて見ろ、それでいけなければいけないのだ、科学的に説明して、これを普及すべきものでなければ中止したらよい。必ず何らかの特長があるのだから一應そういうものを取上げて試驗する。たとえば苗しろの仕方につきましても、あるいは植え方につきましても、いろいろの研究から、こういうふうにして苗しろをこしらえるとこれだけとれる、こういうように植えればこうだという、いろいろの技術を地について研究を重ねておられる方々がたくさんあるのであります。私は今後そういうものを取上げて、その原理を確かめるとともに、いいと信じたらただちにこれを普及して行くという処置をとりたい、かように農事試驗場等に対しまして考え方を持つておるのであります。大森さんのお話になりました点につきましては、なお後に実際を承りまして、調査をする、あるいは視察をやるというような手段をとりたい、かように考えております。
○大森委員 もう一言簡單に申し上げます。今大体お話がございましたが、あとで委員会として單作地帶を見るということになつております。大体北海道へ行かれる人と、東北、北陸地方、私の所は單作地帶でありますが、大体見て來ることに委員会の話がなつております。そのときに農林省のそうした役人に行つてもらつて、お前たちは何と言つてもこういうものはいいのだぞということを見せた方が、今後の指導の上において最もいいのではないか。実は私は今年の春こういうことを言つたために、たいへんなことだと坂田君あたり言つたが、私はおかしくて仕方がない。これは卓上の報告だけを見ておる人は六千百万石しかないと言うけれども、私どもから見るとばかばかしくて話にならない。そんなことで日本國民が生きて行けるかどうかということをはつきり申し上げてよい。これは外國の関係があるから申しませんが、そういうわけである。詳しく私は今の説明を申し上げませんが、種の点においても何百万石違うというまき方である。そういうことをよく研究しなければ、食糧事情というものは解決がつかない。今言つておることはとれてからの相談である。とることを考えなければならぬ。お互いにとれてから、どうしても足らぬとか言つておるが、とることを考えるということが私は政治でなければならぬ、こういうふうに考えますから、どうかひとつ委員会がこれを調査するように、何箇所なりとも私御案内いたしますから、これならという得心が行くようならば、それらを取上げて、來年からそれをそうした人たちにやらせるようにどうかよろしくお願いします。
○藥師神委員長代理 本日の会議はこの程度にとどめまして、次会は明九日午前十時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十一分散会