農林委員会 第43号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/08/03
会議録
○小笠原委員長 これより会議を開きます。 それでは食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案及び食糧増産確保基本法案を一括議題とし、その審議を継続いたします。村上清治君。
○村上(清)委員 私は食糧廳長官にちよつと簡単なことでお尋ねしたいと思うのであります。このたびの行政整理によりまして、各府縣の食料検査院の整理が行われるのであります。この食料検査院の整理の方針は、どういう方針でやられるおつもりか。この点をひとつお答え願いたい。どういう原則のもとに整理をやるか。
○安孫子説明員 御承知のように、ただいままでの経過から申し上げますと、定員法が改正されまして、食糧廳関係は二割を整理せねばならぬというはめに陥つております。実際を申し上げますと、末端の業務はますます複雑になり、また正確を期して参らなければならぬ状況にもございますし、二割の整理であつてはこの点非常に困難をする。また末端の職員に対しても、非常にきつい仕事を押しつけなければならぬという状況で、食糧廳としてはこの点非常に悩んでいるわけでございます。農林省として全体的にこの間をどう調整するかという問題も残つておるわけでございますが、ただいまお尋ねの整理の基準をどうするかという点については、さしあたり私どもとして、自発的な希望者をとつて参りたい、かように考えております。従つてこういう該当者についてはかように処置するということは、ただいまのところ考えておらない次第であります。
○村上(清)委員 自発的の希望者だけで大体食糧廳の方針に沿うようであればけつこうですが、そうでない場合も予想されるのであります。最近私の聞くところによりますと、全國の食糧検査院の整理の比率について、何か農林省で一つの腹案があるように聞いておるのであります。地方別に大局的に申しますと、東北はどのくらい、中部はどのくらい、関西はどのくらいというような、一つの目安を持つておるかのように聞いておるのでありますが、さようなことはありませんか。
○安孫子説明員 ただいまの段階においてはさようなことはございません。またお話の中にもございましたが、自発的な希望者のみによつて充当されるかどうかについても、私どもとしてはまだ自信を持つておりません。
○村上(清)委員 それではもう一言具体的にお尋ねをします。私の聞いたことは、あるいは誤りかもしれませんが、このたびの整理については東北地方は特に多く減らす、こういうようなある責任のある方面から出た話を聞きまして、これは検査員そのもののことじやない。検査制度は、御承知の通り食糧検査、集荷という点に非常に重大な関係があるのでありまして、特に東北地方は地勢の関係上、交通機関の関係上、また気候の関係上、私ども考えますには、中部以南と比べて人手を多く要すると思うのであります。ことに御承知の通り早場米の制度がありまして、単作地帯であります東北地方は、これがために非常に恩恵に浴しておるわけであります。かりに他の地方よりも極度に多くの整理をされまして、業務が間に合わぬ、現在でさえ手が足りないのが間に合わなくなるというようなことになりますと、これが延いて早場米の検査に間に合わない。今まででさえそういうことがたくさんあつたのでありまして、奨励金をもらえるものが、手が足りないために奨励金をみすみすもらえない。一府縣で数億の金をもらえない。早場米の制度は御承知のごとく、単作地帯の恵まれない農民に対しては重大なことでありまして、私は検査員の行政整理のことを申し上げるのではなくて、この結果当然受くべき単作地帯の農民の、非常な損害を招くというような立場から申し上げるのでありますが、さような東北地方は特に多く減すというようなことがもしありといたしますならば、これは非常な間違いであると私は考えます。今申し上げましたように、比較的町村も大きくて、検査員の業務の範囲が廣いのであります。しかもちようど早場米の検査時期は天候の悪い時期に当りますので、この点も考慮されまして、もし私の聞いたことが誤りであれば幸いですが、さらにこの点を長官からはつきりお聞きしたいと思います。
○安孫子説明員 食糧行政の最も基本的な役割を基礎的にやつておりますのは、やはり食料検査員でありまして、ここの充実が最も重要だと考えております。特に新集荷制度になりまして、政府が直接農民に支拂事務を行つているという制度のもとにおいては、ここを充実いたしませんと、生産者の立場においても、また政府の会計の面におきましても、いろいろ問題がおきる可能性を持つているわけであります。従いまして新集荷制度を実行するにあたりまして、当時の食糧管理局としては、検査事務その他末端におきまする人員の充実、おおむね一万人を要求いたしたのでありますが、それが結果におきまして三千数百名の増員のみによつて新集荷制度がスタートいたしたわけであります。今回の行政整理によりまして、それもほとんど人員増がないような形において、新集荷制度を実行せなければならぬというはめに立至つておるわけであります。その結果生産者にいろいろな迷惑を及ぼす点もあり、またその他の点についてもいろいろ問題をおこしてはならぬということで、ただいま末端を督励はいたしておりまするが、どうしてもむりな点があるのでありまするが、私ども責任者といたしましては、できるだけこの問題を生産者等に迷惑を及ぼさないようにやつて行きたいと努力いたしております。なおただいまのお話の、東北地方において特に整理の比率を高くするという話が出ておるという点についてのお尋ねは、全然さようなことはただいま考えておりません。先ほど申し上げましたように、自発的な希望者というものをただいま考えておる途上でありまして、全國的な基準というようなものについて何ら考えておりませんので、この点は重ねてお答えをはつきり申し上げる次第であります。
○村上(清)委員 もう一言。食糧廳長官はさように考えておらないということは了承いたしましたが、私のただいま申しました、あなた以外に農林省の責任のある方がそういうようなことを言われた事実がないか、お聞きになつたことはないか。これは私がこの間郷里へ帰つて初めて聞いたことで、非常に驚いたのであります。あなたがそう言つたとは聞いておりませんが、あなた以外にそういうことを発表した人があるということを、お聞きになつておるかおらないか。
○安孫子説明員 そういうことをほかに発表した人があるかないか私は存じません。しかしそうした基準につきましては、最後的に私が責任を持ちますので、そういうことを言つた人がかりにあつたといたしましても、そこで決定はいたしませんので、最後に出て来る問題でありますから、その問題についてはその際に十分考慮しなければならぬ。ただいまのところはさように港えておらぬというわけであります
○野原委員 ただいまの村上君の質問の問題でありますが、事は非常に重大だと思います。長官の御説明で一應納得はしましたが、そういううわさが出たということだけでも、これは聞き捨てならね問題だと私は思う。ただいま村上君から東北地方の特殊事情というふうなことのお話がありましたが、われわれも東北の実情をよく知つておりまして、同じ食糧の取扱いをしますにおきましても、取扱い数量に比較いたしまして非常に廣汎な地域にわたつておる。あるいはまた雪が降るというふうないろいろな事情等によりまして、当然人員の配置は関東、関西等のいわゆる暖國地帯から見れば、むしろずつと多くなければならぬとも考えておるのでありまして、整理の際におきましてはその辺の実情をよく考えられて、むしろ私どもをして率直に言わしむるならば、東北地方のような所こそは一律に二割などということでなく、むしろ東北地方はできるだけ減員を少くするということでなければ、とうてい実際の仕事はやつて行けない。私はさように考えておるのでありまして、それを事もあろうに、単なるうわさであればけつこうでありますが、むしろ東北地方をよけい整理するというふなうわさが飛ぶということは、まことにどうも東北の実情を全然無視した話であります。まことに困つたことと思うのです。その点を今後の行政整理にあたりましては、特に長官としまして、十分考えの中に入れられまして、適当に善処されることをこの際つけ加えてお願い申し上げます。
○井上(良)委員 私も行政整理に関連して二、三質問したいのです。今村上さんの御質問によつて、食糧廳の整理方針についての大体の御意見を承つたのでありますが、しかし新聞の傳えるところによると、農林省の今回の行政整理は四千三百余名、このうち約半数が食糧廳関係、しかもそのうちの大部分が検査員を淘汰する、こういう大体方針のように新聞は傳えております今長官の話では、一定のわくを設けて、わくによつて整理しない。ます第一に自発的な退職希望者を求めて、それからやりたいと考える、こういうお話ですが、もし自発的な退職希望者が予定通りの人員に達しなかつた場合は、はたしてどういう整理基準の方針によつて整理しようとするか、これを示してもらいたい。これは坂本政務次官にも伺うのでありますが、農林省としては、今回の行政整理をいかなる基準によつて整理しようとするか、そうしてその整理内容について、詳細な点をこの際御説明を願いたい。いつ整理を始め、いつ整理を完了する予定であるか。そうしてその整理の内容はどうであるか。人員その他について詳細な御説明を願いたいと思います。
○坂本説明員 お答えを申し上げます。第五国会によつてきまりました定員法に基きまして、当然行政整理を農林省においてもなさなければならないことは考えられるのでありまして、いろいろ御意見もありまするように、この問題は非常に重要な問題でもありまするので、過般来しばしば省議も開きまして、これの一應方針をきめるために、行政整理の委員会を省内に設けまして、いろいろ今お話がでまするような問題を取上げまして、研究をいたしておるのでありまするが、ただいまの段階におきましては、具体的な成案を得ておるようなわけでございませんので、この点ひとつ御了承を願いたいと存じます。なおまた先程来いろいろお話がありましたが、いろいろなうわさが世間にもあるかとも思いまするけれども、現段階におきましては、何ら具体的な成案がないのでありまするので、従つてこれらはすべてその根拠はまつたくないというふうにひとつ御了承を願いたいと存じます。
○井上(良)委員 私は驚いたことを聞いたのですが、定員法によつて整理するのですから、当然定員法によつて農林省の定員は法的に決定されておるのです。そうしますと当然過剰人員を整理しなければならぬことになるのです。それがなお整理の方針が全然きまつていない、こういう話ですが、もしそういうことでありますと、それはゆゆしい問題です。農林省は一体定員法を何と考えておるのですか。この点をはつきりしてもらいたい。
○坂本説明員 もとより行政整理をなさねばならないという点は、御指摘までもなく十分承知をいたしております。従いましてそれに対する方針を決定いたしますために、今のような委員会も設けまして、そうしていろいろな角度からこれを検討いたしておる。しかし具体的な問題として、今ここにお話する段階でないという点を申し上げたのであります。
○井上(良)委員 具体的なことについて話はできないというけれども、定員法によつて整理する人員はきまつておるのです。これに農林省はまだきまりませんか。それを伺いたい。
○坂本説明員 将来におきまする各部局に対する大よその輪郭はきめたのでありますが、整理の基準をどの点に置くかということにつきましては、まださような問題に基体的に入つていないということでございます。
○井上(良)委員 その各局、各廳の整理の人員は何ぼの人員になつておりますか、それを発表願いたい。
○坂本説明員 ただいま資料を持ち合せませんので、後刻御報告を申し上げます。
○井上(良)委員 御承知の通り、農林省は現業廳でありまして、他の官廳と大分意味が異なるのであります。しかも日本の再建の上に中核をなします食糧の生産並びに配給の仕事を中核といたしまして、わが國全体の農業の最高役所でありまして、そういう面から非常にこの役所の動きというものは、わが国の再建の上に重大な任務を背負わされておるのであります。今食糧長官の話もありました通り、現に食糧廳が新しい食糧事務を遂行するのについて約一万人を要求した、しかし実際は三千人余りしか認められないのだ。この事実から推しまして、今回農林省が整理しようとする定員法に基く整理が、いかに乱暴な整理であるかということが明らかであります。それは単に法に照して、いわゆる天くだり的に、機械的に、ことさら現業二割、非現業三割というこの型で整理しようとされておる。これは日本の農林省に負託されたその国家的任務を遂行する、国民的な要望に沿つた整理ではないのであります。われわれは何もなまけものや、能率の非常に悪い、いわゆる国家の役人として、また国家の従業員として適当ならざる者をあえて使えとは申しません。これは整理をしなければなりません。しかしながら一方的に、機械的に、天くだり的にやるということは、かえつて現業を混乱せしめ、いろいろな事務能率を滞せしめて、國の重大な機能というものが混乱に陥るということを、われわれは予想しなければならぬ。一体一万人いるという一つの要請を立てておいて、それを三千人でやれ、三分の一以下の人間でやれという意味は、いかに現業がむりな仕事を抑制されておるかということが明らかであります。それをさらに整理しようという、こういう行き方は、さらに一層過酷な、いわゆる作業の負担が加わつて來るということがわかり得るのです。そういう基本的な根拠に何ら立たず、単に定員法の示すところによつてやるんだ、こういうのですか。その点をもう一つ明確にしていただきたいと思います。
○坂本説明員 國会で定められました定員法に基きまして、政府といたしましては一応考えをまとめて行くということ以外にはあり得ないと思うのでありまして、いろいろ事業分量の面におきましては、お説のような点もあると思いまして、いろいろその点につきましては苦慮いたしておるのでありますが、国会が定めました方針に基いて仕事を進めて行く以外にはあり得ない、かように考えております。
○井上(良)委員 しからば食糧廳に例をとりますならば、新しい食糧行政を執行するについて、一万人雇うていただかなければ責任のある仕事ができぬとして要求されたものを、三千人に押えておるのです。すると実際仕事のできぬ場合の責任はどうしますか、これを伺いたい。
○坂本説明員 ただいまお説のような場合があるかもしれませんが、これはまた別途に考慮いたしまして、政府といたしましても案をつくり、また国会にも御相談する機会があるかとも思いますが、先ほど來繰返して申し上げます通り、ただいまの段階におきましては、国会の定められました定員法に基礎を置いて仕事を進めるということでございます。
○井上(良)委員 ただいまのところはやむを得ないと、こう言うのですが、そのやむを得ないというのが実に大きな損害を國にかけるのです。すでに皆さん経験されております通り、いわゆる林野廳の木炭特別会計を廃止したことによつて、どういう一体大きな損害をこれから受けなければならぬことになつているか。このこと自身を堀り下げて話をしますと、もつと木炭の事務所に働く從業員の質と量を拡充いたしまして、真剣にこの事務と取組みましたならば、こんな大きな赤字は出なかつたのです。わずか全國二千人の少数の人間に、扱い切れないだけの多数の薪炭を扱わしたというところに、ここに問題があるのです。全國六千万石からとれる米、さらにまた麦、かんしよ、ばれいしよ等を含めて、新しい方式による食糧事務をとろうとする、この行き方をやることにおいて、当然國全体が利益になるという方針のもとに私はこれが立てられていると思う。それを三分の一以下にちよん切つて、その上にまだ整理しようという。これで実際検査がうまく行かず、まだ検収がうまく行かず、受渡しがうまく行かなかつた場合の責任はだれが負うのですか。この点を、あなたはもつと真剣に考えて話してもらわぬと困る。きのうやつた木炭の問題で、われわれはひしひしとその責任を考えているのです。一体そのときの損害はだれが負うのですか。それを伺いたい。
○坂本説明員 先ほど來申し上げます通り、いろいろ事業分量とこれに從事いたしまする職員の数という問題につきましては、当然ある程度の均衡が保たれなければならないことは申すまでもないのであります。また一回職員自身の資質を向上し、大いに能率を増進するという面もあると思いますが、これにはおのずから限りがあると思うのでありまして、今お説のような場合に参りますならば、すみやかにこれを補つていく措置は、当然講じなければならないと考えるのであります。十分この点は現実に即しましてやつて行きたいと思うのであります。
○井上(良)委員 そうしますと、もし定員法による整理によつて、國の行政事務が非常な渋滞を來して來た。また、いろいろな面で国民にも大きな迷惑をかける事態が発生するということになりますと、新しくここに臨時的に職員を雇い入れる。そして定員法が修正されるというか、また新規予算がとれるというか、そういう何かここに新しい手を考えてやるまでの暫定的なずれとして、定員法による整理は一応整理として、整理直後において、現実に車がまわらぬのでありますから、この歯車をまわすために、ここに臨時的な職員でも雇おうというのですか。この点を伺いたい。
○安孫子説明員 ただいまお話のございましたようないろいろな問題もからんで参りまするので、善後措置につきましては十分考究したいと考えております。
○井上(良)委員 この際その点ははつきりできない立場にあろうと思います。一方において首を切つて、そのあとですぐ臨時雇を雇うなどということでは、何のために整理したかわからなくなりますから、整理する者の立場から言えば、そういうことは言えまいと、われわれもあなた方の立場を了承はするのでありますが、しかしその場合、一体予算はどうなつていますか。そういう場合に、かりにわれわれがやむにやまれぬ現実の要求から増員を要求し、それがただちに本雇の官吏として採用できぬものでありましても、たとえば臨時的な職員として雇う場合にも、これは予算が要るのであります。その予算はどこかにあるのですか。これをはつきり伺つておかなければならない。
○安孫子説明員 先ほどお答え申し上げたのは、いろいろなことを考えているということを申したのでありまして、御質問の点は、ある一つの方向がきまつて、その予算的措置がどうかというようなお尋ねでございますが、そういうこともありますけれども、いろいろなことを目下考究をしておるということでございます。
○井上(良)委員 私はこれ以上この問題に食いさがつて質問はいたしませんが、この際特に我孫子長官及び坂本次官に注意を申し上げておきたい点は、われわれが薪炭需給特別会計による薪炭統制の撤廃の前後の経過から考えて、非常にこの間においてむりがあつたということが現実に明らかになつておるのであります。これはさらに本委員会で具体的に審議を進めることになつておりますが、ちようど食糧廳において扱つております食糧廳の特別会計の内容においても、もしかくのごときむりな人員をもつて、むりな操作をいたします場合は、そこに必ずまた國が大きな損害を背負わなければならないという結論がではせぬかということをわれわれは憂えるのであります。現に私どもが昨年來各地方のいろいろな実情を調べて参りましても、そこには人員不足に伴ういろいろのむりが行われておるのであります。たとえば生産地においては六十キロ建で積み出したものが、実際消費地においては六十キロない。あるいは欠量、減耗等のいろいろの故障がある。また実際さつまいもにいたしましても、あるいは麦、ばれいしよにいたしましても、いろいろもう少し手当を加え、もう少し行き届いた取扱いをいたしますならば、こんなに大きな損はしないのにというような具体的な事実がたくさんあり得るのであります。これが積り積つて結局には國全体が大きな損害になり、また消費者の大きな負担になつておる事実をわれわれは知つておるのであります。わずかの人件費を惜しんで、わずかの人の操作を惜しんで大きな赤字を出し、国に大きな負担を與えておるというこの事実を、責任のあるあなた方としては、何とかこれをやはり法は法として一応は認めましても、この法が現に食糧廳に当てはめた場合に、あるいは現に農林省に当てはめた場合に、いかにむりな法律であるかということをもつと強力に主張されて、すみやかにこの定員法の根本的修正と、更に食糧事務の円滑なる運営に合致する新しい改正を要求する必要があると思う。それを何らやらずに、単にその場のお茶を濁して行こうというような行き方は、責任のある人のやるべきことではないと思うのです。私は木炭の特別会計の廃止に伴う三十四億に、将來巻き起つて参りますところの約二十億を想定する合計六十億に近いこの赤字を目の前に控えて、これは決して他人事ではない。よその会計ではないのです。私は食糧廳の特別会計は、むりをすれば必ずこういうことが起つてくるということを、強く皆さん方に警告しておきたい。ぜひひとつ優秀な官吏を集め、優秀な人の能率を、できるだけこの國再建のために協力願う新しい手を打つてもらわなければならぬと私は思うのであります。ぜひひとつその点に対する十分なる御注意を願いたいということを私はこの問題についてお願いしておきたい。 それからついででありますから、いまひとつ別問題について伺つておきたいのであります。それは最近関東、関西を通じまして、特に沼田地帯にざりがにというのが非常に猛威をきわめまして、稲の発育に非常な害を與えている現実を、われわれは至るところで知つておるのであります。これの撲滅については、たびたび農政局を通して要求をいたしておりますけれども、政府は何らこれに手を打つてくれないのであります。これはちようど山のまつくいむしと同じような性質のものでありまして、まつくいむしに対して林野局が、思い切つた手をなかなか打たれないと一緒で、このざりがにの撲滅に対しても、農林当局はなかなか積極的の手を打とうとしない。そのために一層これが猛威をきわめまして、その被害地域は年々拡大しているのであります。現に私どもの関係しております大阪地方におきましても、本年もうすでに千五百町歩以上の水田がこのために侵されているのであります。昨日も農政局長にこの問題についていろいろ陳情申し上げ、また農林大臣に申し上げたのでありますけれども、遺憾ながらこれを撲滅する薬がありながら、その薬に対して何らの処置を農林省はしようとしないのです。そうしますと、当然これはその収穫の上に重大な被害を持つて來るのでありますから、そうなりますと、その収穫の方を押えております食糧廳としては、この被害を、補正割当の場合差引いてくれるのであるかどうか。一方何ぼこれを撲滅して、そういう被害のないよ、うにしてくれと頼んでも、これを一向やらぬのですから、そうすると、今度はできる方を押さえる食糧廳の方においては、そのできたものは当然だということで、全部とるにも元がないのですから、その場合補正割当に対してどのような対策を講じようと言うのですか、この点明らかにしておいてもらいたい。 それからこれは米償問題について伺いたいのですが、農林当局としましては、先般來大臣を通していろいろこの問題について意見を聞いているのですが、特に食糧廳長官としまして、一体わが國の米償は、現行バリテイー方式による算出によつて決定されておりますが、この方式をあくまで正しい方式として、今後とも続けてやつた方がよいと考えますか。それとも最近新聞の傳うるところによると、米償対策審議会を中央に設けて、この審議会の公正な決定によつて米償をきめたい、こういう御意向のように承りますが、そうすると、事務当局としては、一にかかつてこの米償対策審議会の公正な決定にまつ、これに一切の信頼をかけますか。それとも農林当局としては、こういう方向にきめてもらうことが正しいという、事務当局としての意見をお持ちでございますか。これに対する食糧長官の責任ある御答弁をいただきたい。
○安孫子説明員 ざりがにの点は農政局におきましても、できるだけその撲滅について御苦心をなさつているように聞いているのであります。それでそのざりがにの被害の結果、相当減収になつたような場合には、もちろんその事情は考慮しなければならぬと思います。しかしそういうことのないように、農林省としてはやつて行かなければならぬという点は、間違いのない点だと思います。 それから米價の問題でございますが、先般の閣議で米價審議会を設置することに御決定を得ましたので、近く発足をいたしまして、米價に関しまする基本的な方針についての十分なる論議を費やして参りたいと考えておりますが現行バリテイー方式が現在の段階において全面的に適当であるという点について、現実にそうなるか、ならぬかは別としましても、私どもとしましては疑問を持つております。バリテイー方式はいかにもそのときの経済情勢におきまする價格の比率と申しますか、バランスにおいて考える点から申しまするならば、一つの方式であろうと存じますが、今後ますます国内食糧を確保して参るという段階におきまして、生産費を償つて行くという観点からいたしますると、やはり別の考え方もあり得ると思うのであります。この点について、バリテイー方式自体についていろいろ、公正に論議を加えてみる必要は十分あろうと私は考えております。しからば現在の段階において、ただちに生費費を中心としたような考え方に切りかわりができるかどうか、この点もいろいろ問題があろうと思いますけれども、この点を十分この審議会におきまして御検討を願いまして、今後の米價対策に大きな間違いを來さないようにして参りたいという考え方をいたしておるわけであります。
○井上(良)委員 この際長谷川さんに伺います。いろいろ農産物價に対して日ごろ御検討を加えられておられるのでありますが、今度農林省を中心にした――これは経済安定本部も同意されておるだろうと思いますが、米價審議会を各方面の権威者を集めてつくられ、そこでいよいよ米價の公正な決定をするというよりも、諮問をするといいますか、意見を聞くといいますか、そういう形式をとられるらしいのでありますが、物價廳の当面の米價決定の責任者でありますあなたといたしましては、この審議会の結論をお待ちになるのでありますか。それとも物價廳は一応バリテイー方式ならバリテイー方式で行くとか、あるいはまた外国穀物相場との関係においてきめるとか、何とかこの際新しい方式を出そうといたしますか。この点をまず伺つておきたいと思います。
○長谷川説明員 従來から農林委員会においても、米價審議会について御要請がありましたので、本年度の米價から一応民間の有力なる各位の御参集を得た審議会というものをつくりまして、その御意見をできるだけ取入れて米價を決定することにいたしたいという考え方から、審議会をつくることをきめていただいたのでありますが、具体的に米價をいかにして算定するかということにつきましては、ただいま食糧廳長官からもお話がありましたように、現在はバリテイー計算でやつております。従來は生産費計算というものを中心に考えておつたようなわけでありますが、最近はまた国際價格との関連をいかに考えるかというような問題もあるのであります。わが國といたしましては、これらのいろいろの方面から、最終の米價をきめなければならないというふうに考えておるのであります。ただ終戦後やつて参つておりまするバリテイー方式そのものを、本年度の米價からすぐかえることができるかどうかという点につきましては、相当問題があろうかと思うのであります。私事務的の考え方といたしましては、従來の方式に何か語つた点なり、あるいはさらに改善をすべき点等が見出されるならば、そういうものをできるだけバリテイー方式に取入れまして、本年の米價を決定するというような方向で考えたい。こういうふうに考えております。
○井上(良)委員 私の伺つておりますのは、一応事務当局としての御意見と、いま一つは米價審議会の決定といいますか、政府に対しての答申になつて來ると思いますが、その答申は参考として承りますか、それとも大体その答申の態勢によつて米價を新しく考えて行こうとするか、これが非常に大事になつて來ます。でないと単なる意見を聞いたにすぎないということになつてしまつて、米價審議会が、かりに現行のバリテイー方式はわが國農業生産の現状から妥当でないという結論を出しました場合、はたして事務当局はこれに賛成されるかどうかという問題が、ここに現実の問題としては起つて來るのであります。それにもかかわらず事務当局は、いやあくまでバリテイー方式を貫くのだ、もちろんバリテイー方式の生産資材なり、あるいはまた基準年度についてのいろいろな問題がございますが、これらの問題に対しては、いろいろな科学的な検討は大いに採用するが、しかしバリテイー方式はやめない。この方式で本年も行きたいのだというこの意見をまず審議会に持込んで、審議会でこのバリテイー方式のいろいろな欠陥を是正する審議会とするのか、それとも米價全体を今御説明になりました通り、たとえば食糧管理法に規定してありますような生産方式――生産費を割出した上できめようとするか、あるいはバリテイー方式がいいか、国際價格に均衡をとるがよいかという、この三つの観点からいずれが正しいかという結論を審議会が出しました場合、それに物價廳が從うか從わぬかということが問題なのであります。ここに非常に政治的にも大きな問題がございますし、また農民に與える影響も大きいし、また全体の物價の関係も非常にかわつて参りますから、この点を伺つておるのであります。
○長谷川説明員 米價審議会で取上げられました御意見につきましては、われわれといたしましても、できるだけその線に沿つて具体的に米價をきめるということにいたしたいと考えておるのでありますが、ただバリテイー計算方式を今年の米価からいきなりかえて行かれるかという点につきましては、いろいろの関係もございまして、なかなか困難な点があるのではないかというふうに考えるのでありまして、できますればバリテイー方式を改善するという方向で御意見が採用できるならば、非常に好都合ではないだろうか、こういうふうに考えておる次第であります。
○井上(良)委員 もう一点だけ伺います。いま一つは、バリテイー方式で大体行こうというあなたの御意向ですから、大体そういう一つの案が審議会に提案されて、議論の中心になつて参るということが想像されますが、これに伴いまして考えなければならぬ問題はバツクペイの問題ですが、現在決定されましてから九箇月ですかバツクペイを認めておりますが、あと三箇月は認めてないのです。これを認めて行くことが正しいのじやないかという意見でありますが、これに対してあなたはどうお考えになりましたか。
○長谷川説明員 例のバツクペイの算定方式の問題だと思うのでありますが、この点につきましても、今度できました米價審議会等で十分御意見を承りましてさらに改善する必要がありますれば改善したいというふうに考えておるのでありますが、いまのところ、一応その審議会の御審議をまつてからひとつ考えるということに、御了承願いたいのであります。
○深澤委員 その前にちよつと米價審議会の構成の問題について、これは農林大臣に責任ある御回答をいただきたいのでありますが、とりあえず坂本政務次官に質問いたします。 新聞によれば米價審議会の構成が発表されております。ところが生産者代表として決定されている中に、日本農民組合の主体性派の代表は認められておるが、日本における最大の農民組合である日本農民組合統一派の代表が全然無視されておるという点、一体どういう意味でこれを無視したか。もう一つは消費者代表として、労働組合関係の総同盟を認めておるにもかかわらず、総同盟より大きな組織を持つておる産別を無視しておるという点。それから国会代表として各政党、共衛党よりも小さい新政治協議会は認めておるにもかかわらず、共産党を無視しておる。この点はどういうところに根拠があるのか、それだけひとつ明確なる回答を願いたい。
○坂本説明員 米價審議会委員の選考につきまして、いろいろ深澤委員から御質疑があつたのでありますが、実はこれに対しまする具体的な決定は何一ついたしておらないのでありますので、御趣旨の点も十分考慮いたしまするが、ただいまのところ何ら具体的にきまつたものはございませんので、御了承願いたいと思います。
○深澤委員 政府は常にそういうことを言つて言いのがれるのであります。しかしすべての新聞に具体的に発表されておる。火のないところに煙は立たないのであります。政府自体がこれを決定されておるというぐあいにわれわれは考えておるのでありますが、しかし政務次官がまだ決定されていないというならば、一応それを信用いたしますが、今後決定される場合に、今私が質問いたしましたような点に対しては、どういう考えを持つておるか、この点をはつきりお伺いしたいのであります。
○坂本説明員 深澤委員の御意見もありますし、十分ひとつそれらの点も考慮いたしまして、慎重に決定をいたしたいと考えます。
○深澤委員 米價の決定は単にこれは政党政派の問題ではないとわれわれは考えます。全日本の農民の生産意欲を高揚させ、日本の食糧問題を解決する重大なかぎであります。從つていかなる党派、いかなる組合の意見といえども、これを取入れて、そこに一つの結論を見出すというところに、真の民主主義的な運営があると思うのです。こういう意味において、もしもこれらの民間における重大なる役割を果しておるところの各農民組合、労働團体、あるいは政党の意見を全然取入れないどういうことになるとすれば、これはまつたく社会から、あるいは農民から大きな批判を受ける結果になると思うのであります。そういう意味において、われわれはこういう点を政府に厳重に警告しておく次第であります。 それから米價問題についてでございますが、大体物價廳並びに農林省は、米價問題に対しての確信がないようにわれわれは考える。ただ米價審議会をつくつて、その意見によつて決定して行くのだという方針なのか。それとも米價審議会に対して、あらかじめ農林省、あるいは物價廳の案を提示して、それによつて米價審議会が審議するのか、一体どこに重点を置かれて米價審議会の運営をやつて行かれるのか。その点をひとつ明確にお聞きしたいのです。これは食糧廳と安本の両方から御返事を願いたい。
○安孫子説明員 私どものただいま考えております点は、いろいろ米價の決定に関しまする基本的な方針については、一案を提示いたしたいと考えております。それから本年度の米價に関しまする具体案につきましても、会議の途上におきまして、適当なる機会に提示をいたしまして御審議を願いたいと考えております。
○小淵委員 蚕糸の問題についてお伺いをし、御意見を少し求めたいと思います。蚕糸業の振興をはからなくてはならないということは、九原則の線からも考え、輸出の振興から、どうしても蚕糸業の振興をしなくてはならないということに結論づけられるわけであります。この蚕糸業の面を顧みるに、その過去というものはきわめて波瀾万丈の歴史を持つておるのであります。なおこの蚕糸業の特殊性からいたしまして、企業の面にいたしますれば、相当なパーセンテージを原料価格が占めるということ、またこの蚕糸業が危殆に瀕するときに、多数の養蚕農家の経済上に直接影響のあるということを考えまするときに、どうしてもこの蚕糸業の安定をしなくてはならない。糸価の安定をしなくてはならないということも結論づけられるのでありますが、この蚕糸業の安定施策に対して、政府が今どのように考えておられるか、もしお考えがありましたらそれをお聞かせ願いたいと思うのであります。 次に蚕糸業に関する金融の問題でありますが、この金融は、一應本年度の春繭の金融については当局のお骨折りによつて、スタンプ手形制度によつてそのまかないはできたのでありますが、これはあくまでもやはり購買資金の関係から現在の蚕糸業の全般を見ますると、この購買資金がなお生糸の資金にまわるということは、なかなか困難性が伴つているのでありまして、この金融の円滑なることが糸価の面にも直接影響して参りますために、この金融の問題については、どうしても生糸金融の制度を何とか考えてもらうことが、最も蚕糸業の振興のために好結果をもたらすことであろうと考えます。極端に金融の問題については、現在業者並びに蚕糸関係全般が苦しい立場にありますので、この点についてどういうお考えを持つておられまするか、お伺いいたしたいと思うのであります。 それから次に五千六百掛の繭の買入れに対して、生糸の買上げが三万俵ということに決定になりまして、それがすでにさきに七千俵というものが大体繊維公団に受入れになつておりますが、その金の支拂いがどのようになつておりますか、きわめて早い間に支払いがなされておるかどうか、現在の実情、それから将来になお最初の七千俵以外の二万三千俵というものについての、大体の見通しをお伺いいたしたいと思うのです。 それから最後に輸出生糸業者の所管は、これは農林省に所轄されておるのかどうかということをお聞きいたしたいと思うのです。以上四点をお伺い申し上げたいと思います。
○最上説明員 ただいまの御質問に対してお答いたします。 第一に糸價の安定の問題でございまするが、わが國の蚕糸業の安定のためにも、また海外の生糸の需要者に安心して生糸を買入れさせるためにも、糸價も安定させることが必要でありますることは十分認めておりますし、また生糸の需要をはばんだ一つの原因が、過去におきまして生糸の價格が非常に安定しなかつたということにありますることも、明瞭な事実でございますので、糸價を安定しますために、何らかの特別の措置を講ずるように目下研究中でございます。 それから第二の金融の問題でございまするが、蚕糸業の安定のためのは金融の問題が最も重要な問題でありまするこもは、ただいま小淵委員が申された通りでございます。繭につきましてはある程度の金融のを道講じたのでありまするが、生糸につきましても、いわゆる往時行われました生糸の輸出商あるいは生糸問屋に対しまするエキスポートアツカウント、あるいは別約融資の復活をはかるように、目下日銀当局と折衡中でございまして、これは何らかの形でぜひ昔行われておりました別約融資というようなものを復活いたしまして、生糸の融資の円滑をはかりたい、かように考えておる次第でございます。 それから五千六百掛の生糸の買上げの問題でございます。これは実は通商廳業者の所管でございますが、便宜上私からお答えいたします。これにつきましては、さしあたり買い上げまする七千俵につきましては、約二億円ほどすでに支払いを完了したのでありまするが、残余につきましてもできるだけ早い機会に支払いをなすべく目下督促中でございましてこれはここ数日中に支払いを完了するように予定いたしております。なお残りの二万三千俵でございますが、これにつきましては目下日銀当局と交渉をいたしまして、買上価格を基準とする特別の金融の道を講じまして、生糸金融の円滑をはかりたい、かように考えまして目下交渉中でございます。なお輸出商の問題は、これは通商産業省の所管でございます。
○小淵委員 糸價安定の問題はただいま考究中とのことでありますが、これはすでに統制を解除した今日におきましては最も急を要する問題であり、目前にひかえた夏秋蚕の受入れの問題等もありますし、またこれら價格の決定等もありまするので、この点は特になるべく早急の間に樹立していただきたい御希望を申し上げたいと思うのであります。 それから金融の問題につきましては、ただいまそれぞれ御努力をされておるとのこと、また別約手形等の制度をお考えになられでおるということでありまするから、これはまことに適切なことであると思うので、これもなるべく早急の間にこれが融通できますように御努力をお願いいたしたいと思うのであります。 なお生糸の繊維公団によつての買上げげについては、これも聞くところによると、支拂いが非常に遅れておるのと、またその資金等の用意されておつたものが、あるいはその方面によりは先に他の方面へ流れる、そのために遅れるというようなこと多少耳にいたしますので、どうか公団の方と連絡を密にいたされまして、なるべく支拂いの早くできますようにお願いをいたしたいのであります。 さらに輸出生糸業者のことについては、通信省の所管であるというのでこれはやむを得ませんが、この三万俵の買上げについて、輸出業者が何か別な口銭のようなものを要求し、これに対して農林省が中に入つて何か決定をされたというようなことを、ちよつと耳にいたしたのですが、この辺の経緯が、もしおわかりでしたらお聞かせを願いたいと思います。
○最上説明員 輸出業者の問題は、先ほど申しましたように通商産業省の所管でございますが、輸出に関しましていわゆる何らかの口銭的なものを要求するというようなことは、糸價の最低価格を維持するということから見ましてもおもしろくない措置でございますので、そういうことに農林省としてぜひ避けたいと考えておるのでございます。ただしかしながら輸出に要しまする電報料その他の経費等につきましては――輸出の復興上実際に要した経費等につきましては、ある程度の考慮を拂わなければいけないのでございますから、そういつたような輸出の振興上特別の費用がいる場合には、そういうものについては特別の考慮を拂う、かような考えております。
○小淵委員 ただいまの、輸出生糸については、関係があるのだというので、電報料その他については輸出振興上何らか考えなければならないと思つて、この点に多少タッチしておるというようなお話でありますが、これは私は急に聞いたので、あるいはちよつとピントがはずれるかもしれないのですが、この一俵について二千五百円ずつの蚕糸振興基金というものを問屋業者が要求をして、それを了承したということを、また中へ農林省が入つてこれをあつせんしてきめたというようなことを聞いているわけなのですが、これはもともと七万俵の糸を、三万俵の買上げをしてもらう。要するに犠牲の半分以下のものを補つてもらおうということに持つて行きましたその経緯から考えましても、いかにこの犠牲が大きいかということがはかり知れるのでありまして、この犠牲の上になお一俵について二千五百円ずつの輸出業者から金をしぼりとるというようなことは、私はもつてのほかだというふうに考えておるのであります。そういうふうな金でありましたならば、たとえ一俵二千五百円としますと二万三千俵の生糸はきわめて多額の金額になるのでありまして、一億に近い金額になるのではないかと思うのです。こういうような金額は電報料その他にかわるべきではないと私は思う。こういうような点から考えましても、こういうようなことがありましたら、指導的な立場にあられる農林省としては、この点はよく注意をしていただいて、業者がより以上の苦しい立場に追い込まれないように、一つ御配慮のほどが願いいたいと思うのです。 さらに、これは輸出振興基金であれば全体的な問題でありまして、今まさにおぼれんとしてそのためにわずかなわらをもつかんだその金の中から、一億になんなんとするような金をその口銭として、名前はかわつていてもとらぬということは、これは一つの商法の手段とはいいましても、実に残虐なことであるというふうに私は考えますので、この点にぜひそういうようなところにお入りになつたのでありましたならば、こういうような指導でなく持つて行くように、これからでもできると考えますので、これは私の意見としてお願い申し上げておきたいと思います。
○小笠原委員長 薬師神君、蚕糸の方ですか。――では簡単に願います。
○藥師神委員 時間がないようでありますから、簡単に蚕糸局長に一、二お伺いいたしたいと思います。 御承知のごとく各府縣の農業会というものが解体しておりまして、新たに協同組合が生れたのであります。それで私はこの蚕糸行政との関連性について責任のある御答弁を願いたいと思うのでありますが、この農業解体後におけるところの農業協同組合は、いわゆる下から盛り上る力によつて自主的に生れた。それで各府県においてあるいは農協連に養蚕の方を包合しておる所もあり、あるいは独立しておる所もあり、これは各府県の情勢によつて違うのでありますけれど、しかしこれまでに至るところの蚕糸行政、むしろ養蚕の面でありますが、この点については蚕糸局は、從來といえども蚕糸業法に基いて、特にこの点を指導といいますか、奨励といいますか、そういう面が非常に露骨に行われて来ていると私は思うのであります。たとえばわれわれの県からしますと、われわれはこの蚕糸業というものが予定のごとく復興して行つて、養蚕実行組合そのものが農業協同組合になり、そうしてその連合体というものが順次生れて來る、いわゆる下から盛り上る力によつて生れて来るというのであるならばけつこうだと思うのであります。ところが現在において、われわれいわゆる世界一の名前をすら有するところの生糸の主産地におるのでありますが、その点において、われわれとしては養蚕というものは今実にさんたんたるの域にある。独立の可能性が少い。從つて総合でやつて行つて、いま少しく復興したあかつきにおいて独立しても遅くはないのではないかという、いわゆる総合主義でわれわれは進んで来たわけであります。ところが蚕糸局は、県の蚕糸課を通じてどこまでも境界をつくつて、それによつてこれの分離をして来たのでありますが、これはよく聞いてください、われわれは今日している養蚕業の立場といものを考えるから、ある意味においては部分的には独立すべき可能性りある面もあるのですけれども、しかしある意味においては独立しない可能性のある面も多いわけです。だからこれがある程度の復興をするまでは総合でやろうという一本で進んで来たのであります。御承知のごとく農業会時代は、これは蚕糸課というものを各懸ともに持つておつて、相当な人員を収容して蚕糸行政をやつて来た。この人の始末も何もつけないで、そうして蚕糸局はこれを特にこの協同組合の方からわかれさせようという方針のもとに、各府県の蚕糸課を通し、蚕糸課では各地方事務所を通して、どこまでもこれにたてついて来た。たてついて来たと言うと語弊があるかもわかりませんが、こういう二本建の方法をして来たことほ紛れもない事実であります。われわれの県においてもこれが二本建になつておつて、今でもしておつて問題は絶えないのです。これまで農林省の中においても、いろいろこのなわ張り根性に終始していることは、私よく知つておりますが、この問題はどういう理由のもとにこういう方法をとられたのであるか、生産者及び養蚕家の希望によつてやるならばけつこうでありますけれども、頭からそういう方法をとつてきて、われわれのいわゆる協同組合のやつている方針と全然相反するところの方針を、どこまでもつつぱつて行くという根拠はどこにあるか、これをはつきりと私は承りたいと思います。 それからもう一つは、全乾連との関係でありますが、これも私は蚕糸局が指導性をもつておると思う。この乾繭組合というものも、いわゆる養蚕農民の考えによつてつくられたものではないと思う。私も一つの役員でありますが、全乾連をつくつたことも蚕糸局が中心になつて指導性を持つておると思う。ところが今日は蚕糸の統制というものが解除されて、全乾連の存続ができないような状態に追い込まれておるわけであります。ごとにその中で繭の約二千貫ぐらいというものは、統制廃止後においてこれを製糸家に流しておる。そのこげつきが約一千二百万円に近いものがあるわけであります。これは全乾連そのものは養蚕家の組合であつて、何も営利的な仕事をやつておるのではなくて、どこまでも政府の代行機関であるわけであります。少い繭の調節をするために政府の代行をやつておる。ところがその二千貫のうちどれだけ問題になるかわかりませんが、製糸家といえども四竹二十円から三百六十円の為替レートに下つた以上は、そこに欠損が出て来るのであります。してみますと、この問題がなかなか早急に解決つかぬことも想像し得られるのであります。この点についても、蚕糸局の方で十分努力されているということを私聞いておるわけでありますけれども、これを結論的に見て、どれだけロスになるかという問題であつて、そのロスは全乾連すなわち養蚕家の負うべきものか。私たちの考えからすれば、これは一銭といえども全乾連が負うべきものではないと思う。そのロスができれば、すなわちこの統制解除後において流した繭によるところの損害が出て来れば、当然これは政府で支弁しなくてにならないと私は思うのでありますが、この二つ問題について、はつきりした御答弁を承つておきたいと思います。
○最上説明員 第一の協同組合の問題でございますが、これは組合の設立当時においては、地方によつていろいろの事情があつたのでございましようけれども、現在におきましても、農林省が一律にこういうことにするとか、あるいにああいうことにするとか、そういつたようなことでなしに、地方の実情によつてやる。決して当局でこういうふうに総合で行けとか、あるいは単独で行けとか、そういうことをこちらから言うようなことは、協同組合の性質から見て適当ではございませんので、地方々々によつてその実情に應じてやるような指導方針をいたしておるのでございます。從いまして、協同組合は農民自体の自由意思による組合でございますので、地方によつてそうすべきものだと確信をいたしておりますし、またそういうことで今後も指導いたしたい、かように考えておるのでございます。 なお全乾連の問題につきましては、いろいろの問題があることも聞いておりますが、この経理の問題等につきましては、私はまだ詳細に数字的な根拠を承知しておりませんので、今後よく経理的の状況を見た上で善後処置を考えたい、かように考えております。
○藥師神委員 はなはだどうも徹底せぬ答弁を承るわけでありますが、第一の問題は、これは蚕糸局から指令を出した、指令と言つては語弊があるかわかりませんが、そういう方針で各地方廳へ出したことはないのですか。私はあると思うのだが、この問題については、これをなぜ養蚕農民の自主性によつてやらさないのか、蚕糸局のみの意見によつて、地方の事情も知らないで――われわれの縣を例にあげてみたらわかるが、十二郡ある所で二部独立しておる。この二部独立したという理由も、蚕糸局が中心になつておる。地方事務所まで動員してやつておる。そこには製糸家も介在しておる。そのもとというものは蚕糸局から出ておる。われわれはそういうふうにしておるから、独立する可能性がない。全乾連で、組合の方の出資も、当時においてほ農業会が大部分出した。養蚕農民では出せなかつた。現在においても、協同組合で大部分持つておるわけであります。これだけの金を養蚕農民に全部負担をかけることはできないわけだ。そういう情勢になつておるところへ、独立する可能性のあるものだけは独立させて、あと残つたものだけを協同組合の方で引受けて立つて行けますか。私たちは縣下全部が養蚕農民の独立し得る連合体をつくる域に達するならば、独立もけつこうだと思う。そういう段階に至らないのに、中央からどういう指令を出したか知りませんが――私はある程度のことは知つておるが、とにかく二本建で、どこまでも横やりを入れていいというりくつはないと思う。それは一つの蚕糸局の権限といいますか。勢力範囲といいますか、そういうものを侵蝕するためにやるならいいが、結局は養蚕協会なるものを中心に、諸計画もこれを通じて出さない。農協が出さないことは間違いないということにわかつておるはずだと思うあやふやだと思う。この点をはつきりさせていただきたい。言えなければ、私に材料を何ぼでも出します。 それから第二点の問題は、金額の多寡の問題ではないのでありまして、この二千貫のロスがどれだけできるかわかりませんが、少くともこの全乾連というものは政府の代行機関でやつたのが。全乾連が損するときにはよろしい、もうけるときに全乾連がやる、そういうものでは絶対にないと思う。この少い繭を調節する。一応それを集荷して、これを乾燥して、保管しておる。しかもその損害が起きて来る場合には、統制解除後に起つて来て、それまでの経営上においてロスが出たのは、当然連合会が責任を負うべきものでありまして、全乾連すなわち養蚕農民が、今後もこれをやらないということのために、出資金のうちに相当食い込まなければならぬ段階になつておる。金額の多寡ではないのであります。これは政府の方で責任を当然持つべきであろうと思います。たとえば今の三万俵買入れるうちに、どうしても処置をとらなければいけないと思うのですが、私は全乾連の予算から見ると、雑損にそういうものを見込んでおるから不都合だということを言つておるのであります。これに対するはつきりした意見を聞きたい。金の多寡ではないのであります。
○青柳説明員 今まで局長が御説明になりました説明事項について少し補足して申し上げたいと思います。実は農業協同組合に改組いたします際に、蚕糸局の方針というようなものは、これを明示したことがあるのではないというよう御説明であつたのですが、実はわれわれもあの協同組合に改組いたします際にこれに一に農民のお気持次第でやるべきのが至当じやないかという気持が十分あつたのでありまして、その当時農民側から政府の意見はどうかというような御質問が多々ございました際に、蚕糸局の見解といたしましては、今御説明になりましたように、われわれとしても、むりにも組合をつくりまして、農民の足手まといになるようなことは、極力防がなければいかぬというような氣持からいたしまして、養蚕の単独の組合ををつくるという意見があるならば、これはむしろ養蚕の緻密な地帯にについては、そういうことをやるのがよかろうというううな意味合いの通牒は出したように覚えているのでございます。決して農民の自由意思ををためてこうやれというような意味合いの通牒は出していないように伺つております。 それから次に共同乾繭の問題でございますが、その損失はどうするか、政府の命令に従つて調整繭を取扱つているその共同乾繭に対して損失を加えるのは不当ではないかというような御質議のように思いますが、実はあの共同乾繭の持つております繭は、極力早く放出するようにわれわれとしては準備を進めておつたのでございますが、しかしあの二千貫か、三千貫くらいの程度のものは煮残しになつておりますけれども、あの指令は実は単一為替レート設定前に出しておつたのであります。しかしとにかくレートが変更されたがために、一、二の所におきましては、その損失の問題でいざこざが起きているということを私は承知しております。しかし大部分のものはすでに話合いがつきまして、片づいているように考えているのでありまして、もしある一部のもので損矢がありますならば、この際に糸の買上げというような特別措置が講ぜられておりますので、共同乾繭に対しましては、繭ではありますが、廣義の損失補償というような意味合いで、糸の買上げを現在やつておりますので、生産者にある程度浴せしめて、この問題は解決して行きたいというような気持から、共同乾繭の当事者にもその意味のことは傳えてあるのであります。なるべくそういうような損失がかからないように、またかかるにしましても、極力減額するように努めさしているのでありまして、契約ものにつきはしては、製糸家に極力引取らせるように、現在交渉を進めている次第であります。
○小笠原委員長 青柳さんにちよつと伺いますが、ただいま農民の意思を束縛するのではないが、通牒だけはお出しになつたという御意見がありましたが、本省の通牒というものは、農民に対して下部の役人はそれを非常にかたくとつて、そして遂にそれが農民の意思を束縛するような事情がありますが、その通牒の写しなるものを午後二時までに提出できますか、いかがでしようか。
○青柳説明員 ございます。
○小笠原委員長 それではどうか午後二時までにここえ御提出を願つて、さらに質問を継続することにいたしますから、どうか繰合わして関係者は御出席を願います。それでは午前中はこの程度にいたしまして、午後一時半より再開することにいたします。暫時休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ――――◇――――― 午後三時十一分開議
○小笠原委員長 それでは休憩前に引続き会議を開きます。 蚕糸の方を、薬師神君
○藥師神委員 日程も少いようでありますから、できるだけ簡単にいたしたいと思います。ただ二点だけとらえて答弁を促しておつたのでありますが、私は第一の問題を一番重視しておるわけでありまして、この指令云々という話でありましたけれども、指令は出ていない。主任官会議というような話でありますが、私にはどちちでもそれでよいと思つている。問題はどこにあるかというと、私はこの事情というものはよく知つておる。私は愛媛県の農業会長をやつて、現在でもその生産陣を担当しています。全乾連の方も幹事をしておるのでありますが、これも私はやめることにしております。全部やめてしまつて、正面からこの問題にぶつかつて行きたいと思う。私は自前の手前みそを述べようと思わぬ。ただ蚕糸局長が先ほど言われたように、農民の自由意思において蚕糸協同組合をつくる、養蚕協同組合をつくる云々ということを言われたけれども、私は主任官会議のときでも、訓辞なり何なりの内容ということは、私は知らねわけでありますけれども、少くとも、蚕糸局が中心になつて農協に対して反対の行動をとられたということだけは、指導方針をとられたということだけは、これは私はおおう余地はないと思うのです。農協の指導方針と、蚕糸局を中心とする指導方針というものは二元的になつている。つまり露骨に言えば、農協をかたきのようにしてこれをやつて来たということだけは、争う余地はないと思います。私はここに名前を出してもいいのですけれども、機会において個人の名前を出すこともどうかと思うから、これは言わなくても、あなたの方でわかるはずですけれども、ある一蚕糸業の指導者とも言うべきものが蚕糸局に来ておる。むしろこれは、私は縣の蚕糸家の方ではこれを使うと言つており、それには大製糸家というものが大きな因縁関係があるということを私は知つている。それがわれわれから見ればコンマ以下の人間です。要するに、それらの人々がかきまぜて、大将になりたいために策動するのであつて、眞の養蚕家のやることでも何でもない。それを使つてかけずりまわつてこの問題をやつている。一面から言えば、蚕糸局のまるでひものような態度で活動している。それで先ほど言つたように、われわれの県は十二郡ある。十二郡のうち、現在二部独立している。ところが農業会の当時においては、蚕糸行政というものは、ひつくるめて農業会の蚕糸課でやつていたわけです。いまだにその形態というものは残つておる。徳島のごとくこれが独立しているところもあるし、愛媛のごとく、生産縣の中に包含されているところもあるが、そのままの形態が残つている。ところが一部分においては蚕糸局のどういう指令か命令か知りませんけれども、その結果というものは、それが中心になつて縣の蚕糸課が主体になつて、地方事務所まで使つて、そうしてどんどん独立の問題をしている。養蚕家の自由意思でやつたのではないのです。十五名以上ありますれば労働組合をつくることはつくれるのですから、それもほんとうに農民の自由意思でやるならよいのだけれども、実際はそうではないのです。十二郡のうち、二郡だけ独立して、どういう結果を招来するかというと、独立のできない郡だけは農協の方で引受けなくちやならぬ。収支償う郡だけ独立して、一体どういうことになる。これでは養蚕行政が二元的になつてしまう。私はこう言えばはつきりわかると思うが、あまり長いことに時間がかかるから申しません。実に私は言語道断だと思う。われわれは冒頭に言つたことく、何も養蚕協同組合なり、あるいは連合体なりが独立することを阻止するわけではないのです。愛媛のごときは四つにわかれておる。農業会が四つにわかれて、協同組合の連合会になつておるけれども、それでも今日は存続ができないわけです。これは各縣の事情によつて比較的うまく行つてるところもありますけれども、総体的に言えば、今日四つにも六つにもわかれたというものは、今日の経営ほほとんどできない状態になつておる。すでに今日では全国的に農業協同組合の連合会というものを合同なければならない、他の事業母体だけは合同しなければならないという機運は全国的にみなぎつておる。おそらくこれは近き將來にこれが合同する機会が到来すると思う。GHQの方でこれを容認する時期が近き將來に來る思つておる。そこに持つて行つて蚕糸局が中心になつて、農民の自由意思でこしらえたならばよろしいが、むしろ天くだり式にそういうふうに各府縣の製糸家を通じてこういうふうに独立し、われわれの縣のごとき一部分だけ独立してかたわになつておる。一体この責任をだれが持つかという問題です。総合的にやつて行く場合であつても、これが独立する場合であつても、全縣が同一の行動でなくてはどういう結果を招来するか、はつきりとわかるはずです。私はそこに中央官廳における1つのなわ張りと言いますか、努力のの温存と言いますか、こういうものが從来においても同じ農林省の課においても、各局においてあつて、私はいまわしい事実で苦い体験をなめさせられておる。養蚕農民という独立したものがない、養蚕をやつておる者は専業の養蚕家というものはほとんどない。皆農業協同組合の会員である農民で、養蚕というものが独立しているものはほとんどありません。決して今の農業協同組合なるものは養蚕家の敵でも何でもない。自分らの連合会、その中に総合的にやつておりてどこに不都合があるか。しかし養蚕業が発達して、元のごとく行かないにしても、相当に復興して行つて、十分養蚕の方の連合会というものの養蚕経営というものが可能になつた暁においては、わかれることはけつこうだと私は思う。それもただ役人の考えのみによつてこれをつつつくということはね末端においてはどういう不自然な結果を襲来するかということを、われわれは現実に知つている。これは私は、この際は時間もありませんから重ねて答弁を要求しません。またの機会にこの推移を見て、この問題に対して徹底的に追求してみたいと思つておる。 第二点の問題は、これは私はこの間監査をして驚いたわけです。ただ問題は努力になつておるということも私は会長らも聞いたわけであります。まさにそうだろうと思いますが、ただれが全連のほうでは早く処分することを念願しておつた。五億円以上の金をむりして借りて、保有繭を扱つているのだから、一日も早く手を抜きたいことはやまやまなんだか、そこは蚕糸局ばかりではない、安本の方でもこれにタッチして掣肘したということを私は聞いておる。そのいずれがどこに原因があるにしたところで統制解除後においてその二千貫を流したか、あるいは統制解除以前にこの指令は出しておつたか、そういう事務的な問題に私は拘泥するのではない。いずれにしても統制を解除したことは政府がやつた。統制を設けたことも政府がやつた。これは同じだと思う。結局私の言うのは、全乾連のやつて行つた保有繭の取扱いというものは、政府の代行としてやつていた。全乾連をしてやらしめたのではないか。そこにもつて來て運営上に起つて来るところの欠陥は当然全乾連が負うべきものでもあるけれども、この為替操作その他によつて、ここへ大きな欠損を来すという場合においては、三万俵の糸を買い入れるということも、この不自然な状態をある程度匡救するという意味から出て來ている。これは金額の問題ではなく、しりはこの間全乾連の決算においては百五十何万円というものが雑損として出ている。これはわれわれは認めるわけにはいかない。ということを言つておいた。たといこれが五十万円であろうと百万円であううと、養蚕農民にしりを持つて行くべきではない。とかくこれまでのやり方というものは、私は資本家ばかり養護するようなことをやつていると思う。養蚕農民の出資金にまで食い込むようなことをさしてはいかぬ。たといそれが一銭でもいかぬ。当然政府が責任を持つべきものではないか。この点をはつきり承つておきたい。金額の問題でも何でもない。あなた方の努力によつて、政府が補償しなくても回収できることを私たちは希望しますけれども、順序として幾らのそこにロスが出ても、その責任がどこにあるかという答弁さえ聞けばいいわけです。
○最上説明員 全乾連の損失の問題につきましては、十分研究をいたしまして善処をいたしたいと思います。
○深澤委員 養蚕連の成立について何ら通牒を出したことはない。主任官会議では何かそういうことを話したことがあるというが、その内容について何か記録等があると思いますから、どういうぐあいに話されたのか、それをひとつお聞きしたい。
○青柳説明員 実はその方面の係りでありませんものでございますから、午前中の御質問に対して不用意にお答えを申し上げしたのですが、帰つていろいろ調べてみますと、主任官会議で実は府縣の人たちが協同組合成立に対して一体どうすればいいのか。蚕糸局の意向はどんなものかというような質問がありました際に、局長から午前中にお願いたしましたようにとにかくこれは農民が自主的に設立するのであるだから農民の意思に反してどうこうというわけではないが、蚕糸局にどうかというもし質問があるものならば、これはでき得れば、蚕糸の精密な地帯については単独がよくはないかと思つているという意味合いのお話を申し上げた次第であります。
○深澤委員 その主任官会議における蚕糸地帯については独自なものをつくるべきであるというその結論が、実は地方に非常に大きく影響しまして、先ほど藥師神委員が言われたように一般農協と養蚕農協との間に非常な摩擦が起きたのであります。しかもその養蚕農協設立に際しましては、往年の製糸業者の技術員が非常に働いて、そうして単独の養蚕農協をつくつた。その背後には独占的な製糸資本家の多額の費用が流れているということも巷間傳えられているのであります。まさに蚕糸局の養蚕地帯は単独のものをつくるというその結論が、それとマツチいたしまして、末端においては大混乱が起きて、いまだに一般農協と養蚕農協との間における対立は解消していない。事ごとにこの問題が摩擦となりて、非常に農民は迷惑をしておる。これはまつたく蚕糸局として重大な責任を感じなければならない問題だとわれわれは考えます。それから養糸局の態度は、この設立された養蚕農協を非常に重要視して、そうしてあの差額金の還付の問題、補助金等の問題については、これに全部流しておる。一般農協の方においてこの内容の調査をしようといたしましても、縣の蚕糸課においてはこれを発表しない。それでいろいろな手を通じて本省へ来て、初めてどこの縣にはどれだけ補助金、差額金が流れておるかということもわかつたというほど、非常にえこ偏頗な扱いをしておるということがはつきりしておるのであります。しかも今日の状態として、私の縣なんかでもそういう問題があるのでありますが、この還付金や補助金の問題が非常にあいまいに処理されておる。こういうような問題すらあるのであります。これはまさに蚕糸局が指導いたしまた単独の養蚕農協をつくるという方針が、根本的にはその災いの元になつておる。こういう点についてどういう責任を感じておられるか、ひとつ御意見を承りたいと思います。
○河野(謙)委員 ちよつとそれに関連して、ただいまの御意見ですが、私は神奈川縣でありますけれども、神奈川縣に関する限り、今やはり二つになつておりますけれども、さような、いわゆる背後に資本家があるとか、また背後に政治勢力があるとか、また背後に官廳の指導あるということではなしに、農民の自由意思のもとにでき上つておる。これは神奈川縣に限らず、全國的に見れればかように自由意思のもとにでき上つておるものもあると思う。これは必ずしも一二の縣を持つて断定できないと思う。もし今お話のようにその背後に蚕糸局があつたり、また政治的勢力があつたり、また資本があるとすれば、おのずとこれに対しては十分な監督もし、指導もしなければならぬと思いますけれども、必ずしも私は全養蚕組合がいけないという結論にはならないと思う。これは単に養蚕問題だけじやない。畜産問題もあるし、また果樹問題もあります。あらゆる問題で、これはどこまでも二つになろうと一つになろうと、農民の自由意思によつて指導する。自由意思を制限するものがあれば、これは問題外であります。しかし自由意思によつてできておるものについて、さらに一つにまとめなければならぬという指導原理を持つことそれ自身が、農民の自由意思を躊躇するものであると思う。その意味において、私どもの縣の実情からいたしまして一應申し上げる次第であります。
○藥師神委員 私は奇怪な意見を聞くと思うのであります。私は二元的になつていいという縣はおそらくないと思う。少くとも蚕糸局の指導方針は、農協をちゆうに浮かしてしもうておるんじやないかと思う。養蚕農民という専業のものがあるはずがないのであります。皆農協の会員ではないか。それは要するに蚕糸局の方と農協とよく協調をとつて、独立する可能性があるものは、独立することを何も阻止することはないわけである。二本建でやつて行つて、ほんとうに農業行政も蚕糸行政も行われることは絶対ありに得ない。神奈川縣でもどこでも一本でなくちやならないはずである。いわんや助成金なりすベての還付金なりを、養蚕協会を通じなければ出さぬということを蚕糸局は声明しておる。これが大きながんである。農協を通じて絶対に出しておらぬ。そこに大きな問題がひそんでおる。ことさらに摩擦を起さしたのは蚕糸局である。私は時間がないからここで保留すると言つたが、この問題はわれわれの自党内から異論が出て来るのであれば、絶対にこのままこの問題を放つておくことはできない。たとえば今のような全乾連の問題にしたところで、これは零細な養蚕家が出したと思うておられるかもしれませんが、全乾連の資金なるものは、養蚕組合も出しておるけれども、農協からも出しておる。現在の養蚕家だけでは全乾連の出資も、単位組合の出資も全部は負いきれない現状にあるのが今日の実態です。この点をはつきり頭に入れてこの問題に対せられんと困るので、私が言うのは代行機関であるから政府が責任を負う、これができぬのならば追究はせぬ。そのかわりこの問題は保留しておきます。
○小笠原委員長 お互い関連質問の場合には、討論にわたらぬように一つ一つ区切つてやつていただきたいと思います。
○最上説明員 農業協同組合の設立指導方針の問題でございますが、これは設立当時の主任官会議等において、いろいろ質疑等がありました際は、実は私はおらなかつたのでございます。とにかく農業協同組合は農民の自由な意思による組合であるということは、蚕糸局の一貫せる方針でございまして、蚕糸局において、農業協同組合をこういう方針で指導しようとか、ああいうものにしようとかいうことを先にきめて、地方に言つたことにないのでございます。いろいろ質疑等があつたときに答えたことはあるのでございますけれども、あくまでも農薬協同組合というものは、農民の自由な意思によつてつくるべきものだということは、私ども常に考えて指導して参つたところでございまして、また今後といえどもそういう方針で参りたい、かように考えておる次第でございます。これは地方によりましていろいろ事情も違つておりますので、その設立方針等についても、また地方の事情によつて異なることがあるのも当然かと存じますが、将来といえどもあくまでも農業協同組合は農民の自由な意思できまる方針によつて設立せらるべきものだ、かようなことで指導して参りたい、かように考えておる次第でございます。
○深澤委員 そういう方針であるのに、主任官会議において、養蚕地帯においては単独につくるべきであるという意見を出したということ自体が、その自由意思を結局そういう方向へまとめようとする意思がおありになつた。そうしてそれが末端に強く響いて、それがさらに養蚕農協の単独の成立に非常に役立つたという結果になつておるのであります。でありますから、今のお話では自由の意思にまかせるということを言いながら、方針としてはやはり一つの養蚕地帯においては単独農協をつくるという方針が出ておつた。そういうことについて大きな責任を感じなければならぬと思うのであります。そのために非常に迷惑しておるのであります。
○最上説明員 当時主任官会議等において、どういう質疑が行われておるか、私実は現場にいなかつたのでございますけれども、聞きますのにいろいろ質問がありまして、蚕糸局としてはこういう場合にはどういう方針でやることを希望するかというような質疑が行われた場合に、緻密な地方においては単一な組合で行くことが望ましいというような軽い意味で答弁をしたというように聞いておるのでありまして、決して役所が天くだり的に、こうしろああしろというようなことで申したのではない、かように聞いておるのであります。
○深澤委員 現在の官僚組織のもとにおいて、局長がこういう方針が望ましいという程度のことが発表されるや、末端においてはそれを金科玉として実行することは、これは幾多の問題においてはつきりしておるのであります。そういう意味において、末端ではそういう方針が強く生かされたということが言えるのであります。從つて自由意思でやるならば、その場合に養蚕地帯等においては単独なものが望ましいと言うこと自体がわれわれは間違いだと考える。從つてそういう意見を出したこと自体が末端の混乱の原因になつておると思うので、われわれはその当時の決定に対する責任を感じてもらわなければならぬというように考えるのであります。 その問題はそれといたしまして、もう一つは蚕糸局が蚕糸五箇年計画をもつて農民を指導されておる。これに対して農民も最初は非常に熱意を持つていた。ところが単一為替レートの決定によつて養蚕自体が非常に不利な状態になつておりますが、今日の農村の金詰りの状態において、養蚕を將来やつて来た地帯では、やはりこれに頼らざるを得ないという状態になつておる。しかし価格の問題から言つて、養蚕をやるべきか、あるいは果樹に転換すべきかというような大きな悩みがあると思う。これに対して、政府自体が養蚕の将来性というものに対して明確な線を出していないと思う。將つて農民は非常に迷つておる、こういう意味において、蚕糸局としては一体養蚕農民を養蚕というものに全力をささげさせて、なお将来において悔いのないという確信があるかどうか。われわれも末端に参りますとそういう点を非常に聞かれる。これに対して政府は一体養蚕に対して自信を持つて、あの五簡年計画はなお遂行する自信がおありになるかどうか、農民がそれに頼つて行つて、養蚕によつて生活できるという保障を政府は與えることができるかどうか、こういう点についてお伺いしたい。
○最上説明員 現在の蚕糸業が非常に苦しい状態にあることは御承知の通りでありますが、これが將來の見通しについては、蚕糸業の直接海外の市況を敏感に受けます関係上、見通しを的確につけまして將來を下するというようなことは、現衣の状況のもとにおいてに困難だと存じます。しかしながら私どもの見解をもつていたしますれば、蚕糸業は現在統制が撤廃され、為替のレートが四百二十円のものが三百六十円になり、その後海外の不況あるいは國内の金詰りというようなことから、非常に苦境に立つておるのでございます。今後は海外の市況等に非常に制約されるのでございますが、しかし諸般の情勢から考えまして、少し長い目をもつて見ましたならば、蚕糸業の將來は決して悲観するにあたらないのではないか、かように私どもは考えるのでございます。その理由といたしまして、現在の生糸の生産は、昨年は約十三万俵程度でございまして昭和の初めから十五、六年までの平均をいたしますと、生糸は約七十万俵の生産をいたしまして五十万俵輸出をする。約二十万俵程度國内に消費をされておつたのでございますが、現在海外の輸出は相当不信でございます。ことにアメリカ方面は、一般の市況の影響を受けて非常に不振でございますけれども、これは生糸だけが不振であるのではなくして、一般の経済界、一般の商品の売行きが非常に不振であるのでございまして、決して生糸だけが特別に不振であるのではなく、またその不振が生糸に特別の原因があるわけでもないのでございます。從いまして一般の経済界が回復すれば、漸次生糸についてもその消費が回復するものと考えます。またアメリカ以外のヨーロツパ方面につきましては、少くとも上半期の成績から見ましても、昨年より相当程度ヨーロツパ方面についての輸出は増加をいたしております。從いまして輸出につきましては、主たる市場のアメリカが非常に不振でございますけれども、これはいわば一時的の原因であつて、決して恒久的の原因ではない。また一般的に見ましたならば、アメリカ以外のヨーロッパ方面をも入れましたならば、輸出の不振というものはそれほどはなはだしいものではない、かように考えるのであります。また輸出が不振でありましたならば、國内にできるだけ消費させるという方針でございますので、戦前の状況を見ましても、木綿が十分ありました時代におきましても、生糸は二十万俵ないし三十万俵、昭和十五年のごときは四十数万俵、昭和十六年のごときは五十二万俵以上の生糸を國内に消費をいたしておるのでございまして、輸出が一時的に不振な場合には、國内にできるだけ消費をさせるという方針をとりましたならば、戦前のわずか二割程度の生産にすぎない現在程度の生産をもつてしては、決して蚕糸業が行き詰まつたというようなことは考える必要がないのではないか、むしろ積極的に海外に対する消費のをしたならば、まだまだ輸出は今から伸びる機会もございますし、また國内に対する消費の統制等も緩和されましたので、今後とも――現在のいろいろな悪条件が一時に來たために非常に困難な状況にございますけれども、蚕糸業というものは今後漸次立直るのではないか、かように考えておる次第でございます。
○深澤委員 蚕糸業の將來というものについての御意見を今拝聽したのでありますけれども、最初は自信がないと言い、またあとではいろいろな理由から將來望みがあるのではないかというような見解でありますが、それはすべてが仮定論の上に立つて言われておるので、結局農民に対して大丈夫だ、保証するというような自信をわれわれは持つことができないのでありますが、從來の実績というようなものによつて、今日の段階における立論をすることは、これは非常に情勢がかわつておりますので、非常に困難ではないかと思うし、さらに國内市場というような問題についても、今日の國内状況は、金詰まりあるいは失策というような状態において、主食ですらも買えないという者も出ておるというような状態で、國内消費というような問題は、相当困難であるというぐあいにわれわれほ考えるのであります。從つて政府が大きな手を打つことなしに、この養蚕の現状を打開するわけには行かない、こういう見方をわれわれは持つておるわけでありますが、ともかくもこの問題については、われわれの要求としては、政府に一定の方針を出してもらう。そうしてこういう方針であるから大丈夫である、この確信を農民に與えなければ、いかに五箇年計画を遂行されようとしても、これは遂行できないということが言えるのであります。 もう一つの問題として、こういう具体的な問題があるのであります。戦争前に養蚕をやつておつた、そこが從來どうしても桑園にしなければならないという所があります。ところが戦争中あれを全部強制的に根抜いたしまして、そうして麦の作付をやつた。今日政府の推進する五カ年計画によつて、そこを桑園にまた転換しようとしておる。蚕糸局ではこれをどんどん要求しておる。ところが農政局の方では、作付を依然として割りつけておる。蚕糸局と農政局の方に何ら通関がなくて、農民はその間に挟まつて困つておるというのが今日の現状であります。これは、先般私は農政局長にもこの点はこの席上において質問したのでありますが、回答得なかつたのであります。こういう問題はおそらく全國各地至るところにあるわけであります。從つて桑園に配置する場合においては、農政局の方と具体的な通路がとれて、その部分は麦の作付からはずすから、それでは桑園にせいということでないと、農民自体が政令二途に迷つておる状態であります。こういう点について何か方針を立てられたことがあるか、あるいは農政局と十分打合せをなされたことがあるかどうか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
○最上説明員 作付の問題につきましては、食糧の問題ともからみ合いまして、非常に複雑な、また場合によつては困難な問題になるのでございますが、よく地方の事情を考慮いたまして從來ともいろいろ協議をいたしておつたのでございますが、今後ともこの問題は中央といたしましても、蚕糸業者といたしましては一番大きな問題であることも十分承知しておりますので、適地適作という方針から見ましても、桑園にすることが最も適したような所はこれを桑園にして、食糧の方との関係を調整して参りたい、かように考えております。
○小淵委員 先ほど深澤委員の質問されたことについての局長の答弁について、私不満足の点があるので、なお局長にお伺いしたいと思うのです。先ほどの蚕糸業の將來の見通しについてということで、一応蚕糸局としては今のところ見通しがつかない。しかしながら私自身としては、大体將來の明朗な見通しがあるというような御答辞のように要約されると思うのですが、かりにも蚕糸局は蚕糸業全般を主管しておる局でありまして、將來の問題についての見通しは、お互いになつてみなくてはわからないということは、これは言うまでもないことであると思いますが、一應大きい見通しをつけて進まなければならないし、またそれに対してのすベての施策を施して行くという決心を、まず持つて行かなければならないというふうに考えておるのです。蚕糸業は言うまでもなく、明治の初りから長い施策として日本の國にほんとうにマッチした、きわめて繊細工業も行われ、農家の金銭収入の上にも直接関連のあるところの、非常な傳統のある産業であるが、戦争中御承知のように、國内に全部これを消費せざるを得ない立場になつたので消費し、一方競争繊維が極端な進歩を揚げたために、ただいま蚕糸業の生糸の輸出が非常に不振になつておることは、これは否めない事実だと思うのです。かつてもこういうふうなことはいくらもあつたのです。しかしながらそういうふうなときにはねあらゆる施策を官民一体になつて、あるいは海外にこの事業の増強こういう状況に結果としてなるわけであります。
○藥師神委員 それでは私の本論に入りたいと思いますが、第一の問題でありますが、これはやがた今おつしやる買えないという第二の問題に関連性をもつておると思うのであります。すでに特別会計というものの実態が破産に瀕しておるのであります。どんな計画があつても、買おうと思つても買えない現状にあるのであります。それでこの七月二十一日に一方的に特別会計をやめてしまうということになると、私はこの前にも申し上げたけれども、この問題というものはどこまでも二つに考えなくてにならぬのであつて、卸売業者から債権を確保し、それを早急に徴収して、未拂いの分を拂うということも一面においては肯定のできないこともないのでありますけれども、われわれはこの際に歴然と二つに別けたいと思います。すでに破算しているのだ。この整理というものがいつまでかかるかわかりませんが、今の長官のお話では、来年六月くらいまでかかる間もあるようにおつしやつておりますが、これはとにかく薪炭特別会計の整理という面と、もう一つは現在売りかかつているところの未拂いの分を早急に解決つけなければならぬ。二つの面にわけてこれは考えなければならぬと思うのであります。また政府としては、それだけの誠意がなければならぬと思うのであります。ここではその一の分に、目下金融機関とも交渉中であるというようなことが二、三書いてありはしますけれども、とにかくこの問題は御売業者に対する債権が確保され、これが思うようにとれなければ破産するという性質のものではないのであつて、これは別途に一日も早くこの問題を解決して、生産者には困らないように拂つてやる。これは政府の責任だと私たちは考えるのであます。それと、第二の問題と関連性があるのでありますが、厳密に法律的にいうならば、政府は七月三十一日以前に製炭されたものを全量買い上げる義務はないとあるが、これははなはだ不可解に思うのであります。それとその末端においてもしこれを買い入れるというと、特別会計の赤字は累増することになり、結局最後は國民の租税負担となるから、これは買い上げられないとある。私はこれを解剖してみると、一方においては、厳密な法律の解釈からいえば買い上げる義務はないという。次には、ますます特別会計の欠損が多くなるから、ひいては國民の租税負担となるから買えないというのであります。これは実にあいまいな、インチキな感じを持つのであります。いやしくも政府として委員会に回答なさるならば、私はもつとはつきりした理念に立つて回答してもらいたいと思うのであります。これは法理的供出によつて、買う必要がないといえばそれでよろしい。われわれがあると見るか、ないと見るかは、これは別であります。しかしこれが反対に、現在の状態においては特別会計の方で、林野庁がお考えになつたより木炭の生産が順調に進んだ。一方に暖冬異変その他において消費が非常に少かつた。從つて大消費地においてはいくらか供給過剰の状態になつている。あるいは場合によれば木炭の価格も下るかもしれない。また政府が一時に処分するということになれば、ある程度引下げてこれを処分しなければならない。してみると、それにいくらか赤字が出て来るということも想像できますが、もしこれが反対の結果であつたならば一体どうなるか。供給不足になつておつて、いまだに消費都市においても木炭というものに困つているとかりに仮定しても、今の場合においての薪炭の特別会計は、事実上破産しているのだから、これが反対であつても買えない。赤字が累増するから買わないと言つておるのじやない。かりに利益があつても現実は買えないのだ、金がないのだ。薪炭特別会計が破綻に瀕したということは、いろいろな原因もあるけれども、結局はこれまでの特別会計の経営の面において大きな欠陥があつたということを言い得るのであつて、昭和十五年から今日まで一回のたなおろしもしないでやつて來たところに大きな原因がひそんでおる。これが終戦直後にでも実態が把握できたならば、おそらく今日までずるずるに特別会計が続いては行かなかつただろう。もう少し足元の明るいうちに処理さるべきものであつた、また方法が講ぜらべき問題であつた、われわれはかように思うのであります。ここにこの委員会に答弁なさつておることは、法律的根拠から買う義務はないということなれば、これも私は國民に対してはなはだ不親切な答弁であると思うのありますが、これは一歩を譲つて法的根拠がありとこれを仮定しても、次に加えた國民の負担が増すから、あるいは赤字が累増するから買わないということはいかにも認識不足だと思う。われわれの目から見れば、今言つたような、春に暖冬異変もなし、むしろ供給不足である場合を考えても、実態は買えない。どうにも手も足もでない現状に立つておる。林野庁の方でお示しになつた姿を見ても、これまでに三十四億幾らというものが欠損になつておる。それから整理する上においては二十億出るだろう、その後の経理において五十四億いくらという欠損になるのでありますから、五十五億の薪炭手形は一ぺんにけし飛んでしまう。われわれはもつとこれ以上欠損が出て來やしないかと思つている。そうしてみると、何らか他に措置を講ぜぬ限り木炭は一俵も買う余地は残されていない。この点をもう少し正直に政府はもつとおおらかな気持ちで取上げる必要があるのじやないか。私はここ二十万幾千トンの滞貨があるうちで、あなたの方から、結局法律上買う責任が別ないというのはわずか三〇%か四〇%で、その他の大部分は私は買われるものと思つておつた、ところが今聞いてみると、わずかに一万トンくらいのものが計画の中に入るが、あとは全然買えない、こういうことになつて来ると、単に政府の方では薪炭の特別会計を廃止した。もう買えないというだけでこういう問題が済まされる問題かという観点にわれわれは立つのです。石炭にしろ、肥料にしろ、すべて生産の基準を立ててかかるわけであります。それに及ばない場合もあるけれども、それより生産の方が上まわる場合もあるわけなんです。上まわるからといつて石炭も肥料も政府が買わずに済まされるかという問題だ。これは法律的の議論をしておるのじやない、実際問題としてそういう場合がたくさんある。本年度の生産目標が石炭三千五百万トンなら三千五百万トン、四千万トンなら四千万トンという基準を立てた場合に、四千五百万トン生産できたら國家としては喜ぶべきことじやないか、五百万トンよけいに生産しても、当然政府が買うべきものじやないか。それを生産割当て基準から超過たからそれを買わないということが、どこをつつついて出て来るかということを、私はふしぎに思うわけです。結局この委員会に対する答弁なるものは、だれがおつくりになつたのか知りませんが、私は遺憾千万に思うわけであります。この点を、生炭業者もやはり國民です。生炭業者のみが國民じやないから、少数生炭業者の犠牲において多数の國民の負担を救おうという御意見かどうか、その辺がどうもわれわれは納得できないのですが、その辺を少し納得の行くように御説明願いたい。
○三浦説明員 藥師神委員の、この、回答文ははなはだ不親切である。もつと丁寧に回答したらどうかという御意見であります。私どもとしては、ここに御指摘を受けて、そこに矛盾の感があるがごとき感じをするほど実情をべて丁寧に実はやつたつもりであつたのであります。文章が適切でなかつたので、そういうおしかりを受けて恐縮に存じます。そこで政府は法律的には買う義務はないということは、淡々として法律上これを解釈した場合は、こういうふうになるところでその資料をお求めになられた、あの委員会の際も、いろいろとお話が出ましたことく、当時の薪炭需給調整規則には、政府でなければ売つてはならぬとあるじやないか、政府は買わなければならぬということはないが、政府でなければ、おる次官が、この不合理な定員法の改正に対して、十分な御努力を願うことをわれわれも期待しているのでありますが、さらに農林省の各部局に起きまして、臨時職員というものが相当あるのであります。そうしてこの臨時職員の力によりまして、現在までも不足しておつた定員外の力によつて行政というものが行われておつたということは、これは食糧庁におきましても林野廳に起きましても、あるいは統計調査局等におきましても、そういう事実があるのであります。ところがこの臨時職員というのは、超過勤務手当あるいは旅費等の予算措置が何でもない。まつたくわずかの支出によつてまかなわれておつたということなんでありますが、もしも今後において定員法が十分改正された場合におきましてはこの臨時職員に頼るところか非常に大きいものがあると思います。ところが、この臨時職員というものは、まつたく最低生活が補償できないような状況であります。この臨時職員に対して、超過勤務手当、旅費等の予算的措置を今後講ずる御意志があるかどうか。現在は講じられていいいと思いますが、この点についてぜひひとつ御努力を願いたいと考えるのでありますが、この点に対する御意見を承りたいと存じます。
○坂本説明員 今御指摘になりました臨時雇等につきまする経理上の扱い等につきましては、実はまだ十分承知をいたしておらないのでありまして、これは十分研究もしてみなければならないと思いまするし、またさような人の力を借りて、そうして今後の運用をしていかねばならぬというふうな問題があるといたしますならば、もちろんそれの待遇上については考えなければならないと思いますが、事柄は非常に困難な問題でもあり、また非常にやつかいな問題ではないかど考えまするが、どこまでも仕事に渋滞があつてはならないし、間違いがあつてはなりませんので、その線に沿いまして、御意思のあるところも十分尊重いたしまして、善処いたしたいと考える次第でございます。
○深澤委員 もう一つ時間をお借りしたいと思いますが、現在の農林行政の面において、昨日も論議されましたように、あの林野庁の赤字の問題にいたしましても、これは農林省、安本並びに大蔵省と三省において出した結論といたしましても、あの赤字を緊繁することは今後の人員の身分保障の問題にかかつておるということが明確に資料にもあるのであります。さらに食糧廳におきましても、今後の食年行政の円滑なる運営のためには、検査員等の整理ということについては、末端各自治機関におきましても、これは困るというような意見が強力に出ております。さらに作報等の問題にいたしましても、これに坂本政務次官が発議せられまして全國における土地調査というようなことが院議として決定されております。こうい点を考える場合におきしても、作報等は重大なる責任を持つということになるのであります。その作報自体が現在郡の段階においてすらも、日曜も休まない、あるいは定時刻を相当超過して、超過勤務手当なしに仕事をしておるというのが今日の実情であります。さらに町村段階における仕事をやろうということになるならば、現在の人員のおそらく二倍、三倍を必要とするというのか今日の現状であります。こういう点につきましては、坂本次官も十分御了承のことと存ずるのでありますが、実際面においてはこの行政整理によつて行政官廳の運営が麻痺する危険が多々あるのであります。こういう実例を申し上げましてひとつ町にあられたときの気持を持たれまして、われわれはこの不合理なる定員法をこの臨時國会においては修正いたしまして、そして真に日本のこの困難な時期における行政問題の運営を完全にやられるために努力を願いたい。これを希望いたしまして私の質問を終ります。
○吉川委員 八月一日でありしたが、私のお尋ねしたことに対して森農林大臣は、供出の割当問題にいたしましても、また補正の問題にいたしましても、そのよるところは作報あるいは食糧事務所の報告をとるというお話でありました。しかし今深澤委員のお話にもありましたように、もしそうであるとすれば、食糧事務所の検査員あるいは作報の職員は、どうしても充実されなければならないと思う。午前中からもるる御質問やお答え等がありましたけれども、私の叩いているごくこまかい点でありますが、ひとつお答えを願いたいと思います。この食糧事務所の検査員は、私各地方を歩いて見まして、少なくともう二割は増強しなければならないというように伺つておりますが、定員法によりますと、二割を切られるわけであります。そうするとここに四割の差が出てくる。それでは政府機関としてのこの情報機関が、非常に不完全なものになるのですが、この点について私は農林大臣は、定員法の改正をする意思ありやいなやということをお伺いしましたが、さようなことはただいまのところ考えていないということでありますが、これほぜひ御考慮願わなければならない問題であると思います。それから作増の職員の問題でありますが、これは創立して日が浅いために、まだ定員が一ぱいになつておりません。この一ぱいになつていないのをさいわいに、中央機関でもつてこの定員に食いこんで行くようなやりくりをやられるというようなことがうわさされておりまかず、さようなことがただいまお考えになつておいでであるかどうか。この点をはつきりしておきたいと思います。
○坂本説明員 深澤、古川両委員の御質問にお答えします。林野庁におきます今の薪炭会計の問題、ことにその出先機関である木炭事務所の関係、あるいはまた今日の食糧供出制度、あるいは供給制度におきます食糧事務所の相当している仕事とといつたようものが非常に重大であることは、私もよく承知いたしているのでおります。ことに今御指摘がありましたように、検査員の問題でありますとか、作報職員の充実の問題等につきましても、私はその事柄が非常に重大でもあるし、またぜひなさねならない問題であるという点についても同感な点もありますが、先ほど来申します通りどこまでも國会の意思によつて決定しました定員法を、われわれが忠実に一応履行するのが私どもの仕事であると思いますので、かような面に向つて仕事を進めているのであります。今後におきましては、御意思の点についても十分われわれれも考えまして、誤りのないように善処することについて決してやぶさかのものでありませんので、この点御了承願いたいと思います。
○吉川委員 ただいまの政府の食糧政策を拝見いたしますと、どうも流通面に重点をおいて、基本的な生産ということにほとんど力を入れていない。これはまことに私ども遺憾に思うのです。そこでその一つの例といたしましても、先ほど井上委員の御指摘になりましたざりがにの問題についても何らの措置をとられない。またただいま政府がうんかの駆除用の石油の配給を行わないために、すでに発生しつつあるとこのこのうんかの前に、農民は非常に不安の念におびえつつあります。もしすみやかにこれが配給の措置を講じられないならば、昨年と同じように非常な惨害をこうむるのではなかろうかということが憂慮されているのであります。こういうような問題に手をつけて、そうして食糧の増産をやる。それが確保の裏づけになるのだということに、もう少し強い施策を実行していただかなければならないと思うのですが、ただいま農林省においてはこの問題についてほとんどお考えになつていないようでありますが、もしお考えになつておるならば、その点をはつきりお聞かせ願いたいと思うわけであります。
○坂本説明員 食糧の増産につきましては、十分われわれも意を用いておるのでありまして、今具体的な例につきまして街指摘がありましたざりがにの駆除でありますとか、あるいはうんかの駆除等につきましては、それぞれ担当の者を奨励をいたしまして、御趣意に沿うようにすみやかにその対策を講じたいと考ております。いずれまた担当の者からそれぞれ詳細に御報告を申し上げる機会もあるかと存じますが、一應私からも十分担当の者を督励いたしまして、遺憾のないようにいたしたいと考えておる次第であります。
○井上(良)委員 この際坂本次官並びに食糧廳長官、食糧部長に三点ほど答弁を明確にしておきたい点がありますが、一つ本日民治党の幹事長廣川弘君、遊説に上りました途中において、米の供出後の自由販売のことに触れて、米券を持つて自由販売を断行するつもりであるということを発表されております。これについては単に民自党の党の政策として天下に声明することは、大いにやられてもけつこうでありますが、私の質問しようとする点は、この談話中に農林当局と了解が成立つておるということが発表されておるのであります。今われわれが第五國会以来継続審議をやつておりますごの食糧確保臨時措置法の一部改正法律案は、現下わが國の食糧事情において、なかなか容易ならぬというところから、いわゆる連合軍の要請に基いてこの法律案の改正が審議されておるのであります。この改正案と関連をいたしましてわれわれが考えます場合、はたして供出後のいわゆる出要食糧の自由販売というものが今日許されるかどうかということを、まず明確にお答えを願いたい。同時にこの廣川民事党幹事長の公表に対して、一体何と政府は考えるか。それからもう一つは、廣川氏は農林当局と話合いができておるということを公表しておる。そういう話合いをした事実があるかどうか。これを明確に願いたい。以上の点をまず伺います。
○坂本説明員 お答えを申し上げます。ただいま本委員会におきまして御審議を願つております食糧法につきましては、前回の委員会にも申し上げましたが、これについて、政府は何ら代案を用意しているものではないということはしばしば申し上げた通りであります。從いまして廣川幹事長の車中談と申しますか、出先におきまするお話等につきましては、実は私まだ新聞記事も見ておりませんが、別段農林省と打合せのあつたものでありませんし、われわれの別にあずかり知らないところでありますから、御了承願います。
○井上(良)委員 食糧長官はどうですか。そんな相談を受けたことがありますか。
○安孫子説明員 ただいま政務次官の言われた通り、私もその点は存じておりません。
○井上(良)委員 さらに確かめておきたいのですが、政府としては供出後の米の自由販売ということは、今日の情勢ではできないというはつきりした答弁ができますか。
○坂本説明員 今日の食糧事情におきましては、当然今の供出制度というものを存続する以外には方法がないと考えます。
○井上(良)委員 非常に誤解されやすいですから、私はそういう点を明確にする必要があると思います。今麦の供出が約半分の進行状態にあり、さらに引続いて米及びかんしよの供出が控えているのでありますから、政府はこの際明確な線を出す必要がある。まして國会に継続審議まで面倒をかけております法律を提出しておいて、一方におては供出後の自由販売をするがごとき印象を天下に宣傳するということは、わが國の食糧の根幹をゆすぶるものでありますから、この点については政府も明確な線を出していただきたいということを強く要求しておきます。 次にお尋ねしておきたいのは、最近シベリアから引き上げて参ります引揚船上における問題の中で、特に引舟者に対する食糧の問題が非常にやかましい問題になり、信洋丸のごときは、このために船長をつるし上げにしたというような問題が起つている。その原因は乾パンの腐つておつたものを配給したということで問題を起しており、さらにその後に入りました船においても同じ問題が起つている。一体かくのごときものを事実農林省は配給したことがあるかどうか、また、もしかくのごとき事実があるとするならば、何ゆえにかくのごときものを検査せずに積み込んで配給したか、そういうことについて私は明確にしなければならぬと思います。御承知の通り、最近いろいろな御注意によつて、食糧に関する中毒事件その他はだいぶ少くなつたといえども、すでに本年に入りましても各所において中毒事件が起つております。たとえば乾うどんの問題、パンの問題、乾パンの問題が起つている。これらはいずれも加工されたものでありまして、原穀で配給いたしますならばこんな問題は起つて來ない。それをことさら政府は、備蓄その他の名目においてつくつたものを、一定の時期が来たのを放出するためといいますか、とりかえなければならぬためといいますか、そういう問題から、えてして検査が不十分の結果起つている。そうして多くの人に迷惑をかけているのでありますが、これに対して農林省としては何ら手を打たれていない。そこでまず引揚船内に起こつております食糧の問題、それからその後起りました乾パン、乾めんその他の中毒事件に対する善後処置の問題、これらに対してどういう措置をとられて来ているか。これについて伺いたいのであります。
○安孫子説明員 加工食料品に関連いたしまして、いろいろな問題を奮起いたしますことに御指摘の通りでございます。われわれといたしましては、この点をできるだけ少くし、りつばなものを消費者に配給することについていろいろ努力をいたしているわけでありますが、これは先般も委員会でお話が出たのでありますが、しからば一律に原穀で配給するという方針をこの際とるかということにつきましては、実はまだ方計をきめておりません。これは先般も申し上げました通り両論あるのでありまして、消費者のところにはすベて原料でやつて、消費者は自分の欲する形において消費させた方がいいということと、いろいろな事情からやはり今までの形体において消費者の手元に渡してらいたいという議論と両方でございます。この点ただいまの段階では、大体県の考えに従つてやつておるという部分が相当多いのであります。もちろん乾パン等は別でございますが、うどんその他の関係についてはそういうふうな段階にある。これを中央において一律にどちらの方針に早急に切りかえてしまうというところまでは、ただいまのところ考えておりません。しかしこれを縣が無計画的にやることは、いろいろ國会等におきまする御批判もあり、また一般の御批判もありますので、この点を、中央においても相当責任を持つ態勢を確立いたしますことが適当と考えまして、先般の食糧管理法の改正に伴いまする政令の改正におきまして、この加工計画については中央の承認を受けて実行するようにという措置を講じたのでございますが、この点についてはわれわれも十分な責任をもつて参りたいと考えておる次第でございます。なお引揚船の乾パンの虫食いのことが記事に出ておつたのでありますが、これがつるし上げ事件の一つの原因となつたというので、私ども心配いたして、ただいま調査をいたしております。結論はまだ判明いたしませんが、もし事実であるとするならば、おそらく相当前に出したものの貯蔵中における食虫いか何かではなかろうかと想像はいたしますが、これは判明いたしましたならばあらためて御報告いたします。そのほかどこでございましたか。二千名程度の乾麺の中毒事件が一時新聞に大きく出たことがございます。これは乾麺の中に石灰でありましたかを相当入れたという事が新聞記事に載つておつた。これは事実を調査いたしましたところ、それほど大きい二千名というような問題でなく、ごくわずかの人数であつて、そうした工場につきましては、ただちに原料停止措置を講じたという報告が参つておる次第でございます。
○井上(良)委員 いま一点で終りますが、これは大体さようでこの食糧確保臨時措置法の委員会がひとます終つて、また休会に入るごとになりますが、この審議が非常に延びておりますのは、今も吉川君から御指摘かございました通り食糧増産に対する政府の、必要対策とというものが並行されなければならぬというのが、継続審査へ延びました大きな原因であるのに、しかしながらその後政府は、一体食糧増産確保に対して国会が要求いたしておりますもろもろの具体的な施策をどう解決して来たか、また解決する自信があるかどうか、たとえば土地改良に対する団体及び個人経営の保障をどうしようとするか、農業水利等に対する保障をどうしようとするか、あるいはまたは見返り資金を一体どうこれらにうまく利用しようとするか。また税の問題をどう解決しようとされるか、これらに対して少しも政府から具体的に説明がありません。これは本委員会として非常に遺憾であります。農林次官はそういう点に対して確信ある一つの方向を取られておるかどうか、この際私は特にこの問題に関連して伺つておきたいと思います。
○坂本説明員 土地改良その他の予算の伴いまする問題につきましては、非常に困難でありますることは御承知の通りであります。なお第五国会におきまして本委員会で御審議の途上ににおきまして各委員から披露されましたいろいろな御意見につきましての御質問には、一応前回の委員会においてお話を申し上げて置いたのでありますので、当時井上委員はあるいは御欠席であつたかと存じますが、そのほかいろいろな問題につきましては、その後関係方面ともいろいろ実は連絡をいたしております。 リンク物資の問題でございますが、この昭和二十四年度の麦、ばれいしよの供出に伴いまするリンク衣料品の配給については、都道府縣の共同に受け期間の荷受け比率に関して、農薬協同組合と商業協同組合の各連合会に、いかに荷割りするかの問題があつたのであります。これは六月一日付の算通省次官通牒によりまして、農民の希望する度合に応じて知事が決定することに相なつたのでありますが、その後各都道府縣で供出農家の投票を実施いたしまして、その度合を決定いたした所もありまするし、また農民代表その他関係機関の意見を求めて、知事が決定した所もありまして、その決定の方法はいろいろありましたが、その結果は、各府縣につきまして別に資料も配布いたしたいと存じまするが、商人側と協同組合側と半々の所もございまするし、あるいはまた四分、六分になつている所もございまするし、いろいろでございます。問題は米、かんしよに間に合うように、本委員会に現われました空気を反映いたしまして、これに十分の見通しをつけるということなのでありますが、実は麦、ばれいしよの供出に伴いまするリンク衣料の各都道府縣における共同荷受け機関に対する荷割りは、各知事に一任されたことは先ほど申しました通りでありまして、これにつきましては、各府縣知事も非常に困難を感じたのでありまして、何か明瞭な方針をひとつ指示したい、かように考えまして、いろいろ今通産省とも協議をいたしておるのでありまするが、遅々として運ばないことはまことに遺憾であります。しかしながらこれについては、今後といえどもなおひとつ十分努力をする所存でございます。もちろんこの問題が容易ならない点も十分承知をいたしておるのでありまして委員会等におきましても、十分御協力を願わなければならないと存じておるのであります。
○河野(謙)委員 この機会に目先に迫つておりまする早掘りかんしよのことで長官に伺いたいと思います。この早掘りかんしよの問題は、もちろん農家の希望というよりは、政府の方の希望に基いて農家が協力するという形のものが、特に本年のいもの生産事情等からいたしまして、昨年に増して早掘りかんしよに多数のものを政府は出させるという御方針だと思うのです。それにつきましては、現在各末端に出ております政府の指令と言いますが、方針は、早掘りかんしよの中で一番多量を占めるところの沖縄について、三等の取扱いをしろというような指令が出ているやに聞いておりますが、これはまつたく機会的な取扱いでありまして、最盛期の沖縄と違いまして、早掘りの特に本月中に出す沖縄につきましては、当然これは一等として取扱うべきが妥当である。また現に昨年まではさような取扱いをしておつたのでありますが、本年に現りまして特にこの早掘の沖縄を三等として取扱わせるというような指令を出されたことにつききまして、いかなる理由によるか。またそれが間違いであると私は思うのでありますが、現にさようなことで縣が指導しておることもありますので、この点をちよつとお伺いしたい。同時にもしさような指令が出ているとするならば、すみやかにこれを昨年同様に一等として取り扱うように訂正していただきたい、かように思うのであります。
○安孫子説明員 沖縄百号を三等に扱つておりますが、それを早掘の際だけは一等に扱つたらどうかという御意見のように拝聴いたします。実は沖縄でありますとか、あるいは茨城一号は、いろいろ消費者側の問題もございますので格下げした形になつております。また昨年割当をいたします際にも、できるだけ作付計画を減らしまして、消費者にも喜ばれる品種をつくることに指示をいたしておるのであります。しかし現実の実情を聞いてみますと、茨城一号のごときは、依然として昨年程度のものは出るのではなかろうかと考えておるのであります。それで今度のかんしよにつきましてどういう対策を持つかということでございます。昨年は御承知のように、いろいろ問題を惹起いたしましたので、今年はどうしても計画出荷をさせなければならぬ。計画出荷をさせるについては、どうしても早掘を非常に勧奨する必要があろうと思います。この早掘の勧奨につきましては、やはり経済的に早掘奨励金というようなものを出したいと実は私どもとしては考えておるわけでございます。そのほかに合せて歩増制度もとつて行つたらどうかということも考慮いたしております。しかしこれはまだ省といたしまして最終的な決定をいたしておりません。価格の点については、物価廳との関係もございますので、最終的な結論には達しておりませんが大体そうした方向によつて、できるだけいもの殺到期に殺到する量をを少からしめて、早掘を奨励して計画的な出荷を勧奨したいと考えておるわけであります。その際沖縄の問題でございますが、早掘の場合だけは三等を一等にするという形において問題を解決しないで、奨励金という形においてやつて行こうというふうに考えております。早堀の際にだけ格上げをするというふうに私午前中ちよつとお答え申したような記憶もございますが、ただいまの考え方はそうではなく、早堀のものについては、その等級に関しましての奨励金を出して行きたい、こういう考えでございます。
○河野(謙)委員 重れてお尋ねしますが、三等を一等に取扱わぬかわりに、奨励金を持つて補うという御趣旨でありますが、さような場合に、その奨励金の額は大体三等と一等との差額の程度のものを出すというふうに了承していいのですか。同時に奨励金は八月一ぱい九月中というように期日があると思いますが、それらにつきましてもまだ決定はしてないようでありますが、今お考えになつておる段階では、どの程度に考えておられますか、これもこの際伺いたいと思います。
○安孫子説明員 おそらく一等価格以上の奨励金額になろうかと思います。しかしながら一等のものにやはり相当の奨励金が出ますから、一等と三等との差額のようなものはある部分は残ることになろうかと思います。一等の価格は比較的奨励金は少くし、三等のものについては比較的高い奨励金を出すというやり方ではなく、一等、二等三等おのおのについて一定の奨励金を出すことになりますから、そうした基本の等級格差についての差というものは、多少残ると思います。しかし三等の価格であつても、奨励金を出さない場合の一等の価格よりは安いというようなことはないと考えております。 それからもう一点は時期の問題でございますが、これはいろいろむずかしい点もありますので、ただいま議論をしておるところでありまして、実は大体の見当ということは、まだお話し得る状況にはございません。早急にきめたいと考えております。
○河野(謙)委員 重ねてもう一つ伺いたいのですが、三等、二等、一等という区別は、これは出荷最盛期におけるところの各品種のいもの状態を基準にして立てておられると思うのであります。それが八月の状態におきましての差等をもしつけるとすれば、おのずとそれは違つて来る。現に沖縄のごときは八月におきましては、他の太白その他の一等とか二等とかいういもに比較いたしまして決して劣らないのであります。これは私が申し上げるでもない。でありますから、最盛期におけるところの差等と早期時期におけるところ差等、これはおのずと基準が違つて来る、從つてどこまでも早堀の場合の等級というものと、最盛期におけるところの等級というものとは、別個に考えていただくのが実情に即したやり方ではないか、かように思うのであります。なお今奨励金の大体の額等につきましては、お話によりまして大体わかりましたから、この点はそれでいいのでありますが、どうぞ等級の問題につきましては、早堀の時期は時期だけの実情に即した等級を、別個に考えるということを私は希望として申し上げる次第であります。
○寺本委員 私も今のことについてお尋ねしたいと思います。いもが統制から解かれるのでにない、相かわらず主食として統制されるという前提として私はお尋ねしたいと思いますが、昨年あたり――私熊本でございますが、このいもにもやはり超過供出制度というものが認められてはありますが、一定量供出したあとは、東京でさえも配給辞退の傾向があつたような状態でありますから、ことに熊本や鹿児島のごときはいもの産地でありますし、ことに両方とも僻陬の方にありますので、輸送上も困難な関係にありまして、増産のために供出後の多量のいもが腐放しております。超過供出という制度もありますが、だれも買う人もないし、取扱う所もないので、せつかく増産したいもを腐敗さして困つておるような状態であります。乾燥いもにすればいいという説もありますが、ちようど十一月から三月ごろまでは、九州地方はかなり天候が悪くて、乾燥いもというものは、ごく少量はできますけれども、大量にはなかなかできない。せつかく乾燥して手を入れましても、それが腐敗するような状況でございます。それでお尋ねしたいのは、今食糧管理法で禁止されておりますが、小型の澱粉工場を、たとえば町村の農薬会などに許しまして、澱粉の姿で供出せしめるというようなお考えがおありになるかどうかということをお伺いしたいと思います。
○安孫子説明員 生産者からかんしよのかわり澱粉形態において買入れをしたらどうかという御議論も、前からいろいろ千葉の方面からもお聞きしておるところであります。ただいまのところまだ結論に達しておりませんが、いろいろ品質その他の問題で難点が出て来はしないかというようなことを恐れているわけでございます。そうした点が十分自信を持ち得るならば、一つの方法としては考えられるのじやないかというふうに存じております。それから合せて受入れの際の検査の問題になるわけでありますが、末端におきまして、穀粉の形において供出をされることになりますと、この品質検査の問題がやはり政府としては重要な仕事になつて来るかと思います。そのへんの陣容の配置等についてもやはりあわせて考えなければ、早急にその方式を採用するということも困難ではなかろうかと考えておる次第であります。
○寺本委員 大体わかりましたが、早急にそういう方法がとられないとおつしやいますけれども、事実は毎年々々この問題は、相当二、三年前から澱粉で供出せしめたらどうかという意見もございます。從つてこういういもの増産地においては、毎年々々これを繰返しておる現状で、腐敗する量も相当の量に達しておる状況でございます。ひとつ至急に考究されて、万全の措置をとられんことをお願いいたします。
○山村委員 ただいまいもの質問が出ましたので、私はいもの縣といたしましての千葉県の関係もありますので、いもの問題からひいて供出の根本問題にお尋ねをいたしたいと思うのであります。 まず数字的な問題をちよつと伺いたいのでありますが、これに現在におきましてはばれいしよが配給になり、配給途上にあるかと思うのでありますが、その政府の買い入れましたばれいしよで配給拒否にあつたもの、しかも腐つてしまつて政府の損失になる貫教というものに、大体どれくらいの貫数が見込まれておりますか、その点をお伺いいたします。
○安孫子説明員 またはつきりした数字はわかりませんので推定で申し上げます。今回のばれいしよにつきましては、政府が買いましてから、配給のルートに乗りまして消費者に行きまする間において、要するに腐敗したものはおおむね五パーセント程度ではなかろうかと思います。
○山村委員 ただいま五%という御答弁があつたのでありますが、実際はそれ以上相当の腐れがあるのではないかと私は考えております。しからばその前にさかのぼりまして、去年のかんしよが政府のルートに乗つてから、はたしてどれくらいのロスがあつたか。
○安孫子説明員 これはもうはつきりしておるのでありまして五%という数字であります。
○山村委員 かつて自由経済当時にはおそらくいもを腐らすということはほとんどなかつたであろうと思います。おそらく五%以上あると私は考えておりますが、それだけに粒々辛苦、農家の方々がつくられたいもやばれいしよを、この途上において腐らせるということは、これは少くとも統制の欠陥にあるということにつきましては、ひとしくどの委員の方々も認らられるところであろうと私は信するものであります。しからばこのときにおいて、先ほど寺本委員から、この供出後あるいは穀粉形体において出すことを認めたらよいでにないかというような御意見も出たようであります。私はどうしてもこれは特に民自党の公約といたしまして、供出完遂後の自由販売という政策を高らかに揚げておりますので、先般森農林大臣は、どこをとまどいされましたか、自分はそういうことを言つたことはないという御答弁をされておるようでありますが、これはおそらく何かの勘違いではないかと思うのであります。少くとも民自党としてこの政策を掲げておることは、天下の認むるところであるのでありますが、やはり私はこのいもの供出完遂後の自由販売などは、一番やさしい問題であり、またモれによつて得るところの実利というものは、国家的にもまた出産者といたしましても、はたまた消費者といたしましても、相当大きなものがあると思うのでありますが、これについての当局の御意見はいかがなものでありましようか、御答弁をわずらわしたいと思います。
○安孫子説明員 昔の自由経済のときでありますれば、ほとんど腐らさずにいもは供給した、所要な所に流れて行つたというお話はその通りかと思います。しかしながらその当時は、これは私の想像で、個人的の考えでありますが、買手というものが相当強かつた時代でありまして、生産者の側におきましては、やはりいいいもでなければ出なかつた、買い手としては買わなかつたという時期でもあつたかと思うのであります。現在におきましては、むしろ買い手が非常に弱いようなことでありまするので、ただちに腐敗するおそれあるものでも、やはり場合によれば買わざるを得ない情勢ございますので、その辺の事情につきましては山村さんも御理解願えるじやないかと思います。もちろんそれによつて統制技術上の欠陥を免れようと抗弁をしようという考えじやございませんが、そういう事情のあることを御了承願いたいと存ずる次第であります。今後検査の方面において十分厳重にやつて参りまして、規格のものだけを買うということについては、私どももちろん努力して参らなければならないと考えております。それからかんしよの超過供出後の自由販売はどうであるかというお尋ねでございますが、現在いもの持つておりまする食糧需給上のウエイトに、御承知のように年間を通じまして約三十四、五日だつたかと存じます。要するに一月以上の食糧をいもがかぶつておるわけであります。この点から申しますと、日本の食糧の需給状況が、今なお相当緊迫した伏態において操作をやらなければならぬ段階におきまして、ただちに超過供出後の自由販売という措置をとることは、なかなか困難であろうと事務的には考えておる次第であります。
○山村委員 あえて長官の御答弁に討論的な意味で申し上げるのではないのでありますが、買手の問題はおそらく自由にいたしますならば、あるいは澱粉加工の面において、これはひいては甘味のあめ、菓子等の方面への買手はいくらでもつくことと思うのであります。從つてその御心配は絶対無用であると私は思うのであります。これは特に私の参考意見として申すのであります。そこで一つ坂本政務次官にお伺いしたいのでありますが、先ほどのどなたかに対する御答弁の中にも、供出完遂後の自由販売という問題については、なんら今のところお考えのないような御答弁があつたと聞いたのでありますが、なるほどただいま長官からの説明の中に、今日本の食糧事情は非常に緊迫した状態であるということは、これはよく知つております。しかしながら緊迫したと私どもの認識する数字というものが、はたして本当に現実と合つておるかどうかということについては、相当疑問なきを得ないのでございます。現に農林当局、あるいはまたいろいろの方面の統計数字というものをないがしろにするのでにないのでありますが、終戦日後におきまして、一千万人の餓死者が出るだううというようなことを想像されたあの食糧危機においてすら、ほとんど餓死者も出なかりたという現状や、あるいは今日において各地方を旅行してみましても、去年、一昨年あたりは、どうしても米を持つて歩かなければ旅行できないにかかわらず、ほとんど米を持たず旅行できるという現実においては、食糧のあることのよき証拠であるといわざるを得ないのでありますが、かりに数字的面をもつて取上げてみましても、六千二百万石の実数字にして、麦の一千八百五十万石、この合計が八千万石の数字で計上される次第でございます。なおこれに対しまして雑穀その他もございますのでかつかんしよ等も加えましたならば、見方によつては九千万石、あるいは一億に近いものがあるのじやないかというような推定もできるのでございます、かりに八千万人といたしますと、八千万石あれば足りるというようなことを思うときに、各地において米を持つて行かなくても旅館にとまれるというこの現実は、あるいは食糧が意外にもとられているものがあるのじやないかというような見方があるのも当然だと思う、私は食糧が現在あるかどうかという根本的な問題よりも、もしも供出完遂後の米麦あるいはかんしよばれいしよ等が自由に売れるということに相なりましたならば、これによつて一層生産意欲が刺激されるということはわかりきつた事実であります。また、今まで自分が食べていた米を節約して、代替の食糧をもつてし、自由に、ある程度の納得ずくで、自然経済におけるところの米が市場の方に流れるということを考えますと、私は供出完遂後の自由販売を思い切つて行つたら、これによつて非常に食糧問題が好をすると見得るのでないか、これは私見でありますが、そういう考えを持つております。おそらくこの気持はことによると、農家の方々のほとんどの気持であり、あるいは言わず語らずの間に、政党の政策関係によつて意見は違つておりますが、どなたもこの委員会におきましても、供出完遂後の自由販売を心の中では願つているのではないかと見えるのでございます。(ノーノーと呼ぶ者あり)この点から考えましても、あるいは関係方面からむずかしいという場合もあるかもしれませんが、少くとも私たちは、日本人の力によつて食糧問題が解決できるならば、勇気を振つてその是なりと信ずる道に進むことこそ、初めて日本民主主義の國をつくるところのただ一つの方法でもあると思うのでありますが、特に増産意欲を大いに増発する点と、かつまた、現内閣のいわゆる與党であるとこらの民主自由党の公約という点からいつても、現内閣の、特に農林当局として、この点について研鑚されることは当然のことかと思いますが、もう一度この供出完遂後の自由販売問題について、坂本政務次官からはつきりと御見解を聞かしていただきたいと思う次第でございます。
○坂本説明員 日本の食糧問題を解決するために、一日も早く自給自足の態勢ができますことを、われわれもまた望んでいるのであります。しかし別段階におきましては、二割五分程度の食糧を輸入しておりまして、御説の通りにはたして国内の生産されます食糧で自給自足できるかどうか、政府の持つております資料としては、とうてい足りないということに明らかでございます。ただいまお話の通り、終戦後逐次いろいろの諸情勢が好をいたして参つたのでありまして、食糧事情もいくらか緩和したかという感じもいたすのであります。たまたま今かんしよ、ばしれいしよ等いもについての統制に関する御所見でありますが、もちろんかようなものを政府が一手に買取り、万遍なく供給するということは非常に技術的に困難でありますことは、従来の経験をもつても明らかであります。從つて十分の見通しができ、国民の食生活の上に何ら不安がないということになりましたならば、これらの問題も十分考慮しまして、改めるものは改めたいと考えております。ただ、今の法律のもどにおきましては、一部を統制をはずすにしてもいろいろ法律上の関係もございますし、一応また農民には増産を奨励いたしておりますので、いろいろこれは慎重に扱わないと、非常な混乱も来る問題であると考えているのでありまして、十分正確な資料を把握して、ひとつ御意見のような点も考慮しながらわれわれの今後おける政策も立てて行きたいと考えております。さよう御了承願いたいのであります。
○小淵委員 おいもの貯蔵のことについて長官にお伺いしたい。先月末の委員会のときと記憶しておりますが、貯蔵についての資金の問題、電力の問題等についてお伺いしたところ、まだきまつておらないというので、それではなるべく早急の間にひとつ方向をきめて聞かしていただきたいとお願いしておいたわけなんですが、資金の面は大体どんなふうに貸付けができるのですか。利率あるいは期間は大体方向がきまつたのか。電力等の問題は、地域々々によつて配電会社の方、あるいは通産省の方との打合せがある程度済んでいるのかどうか、伺いたい。
○安孫子説明員 キユアリングの電力関係につきましては、電力局長とも再三交渉いたしまして、電力局の立場から申しますと、電気を熱資源に使うことは、ロスがありますので、悲常に好ましくない、原則的には押えるという方法から、動力源としては使うが熱資源としては使いたくないというのが恨本的な考え方でありますが、食糧の貯蔵問題については深い関心を持つて中央からは各電力関係の方面に、その地価々々によつて、話のつくような所は十分話にのつて相談をしてくれという通牒が出ているはずでございます。地方的にその方きまつて参ると思います。それから資金の関係は実はエード・フアウンドが出すことにはなつておりますが、利率並びに償還期限等がまだ確定いたしておりませんるこれを待つていると、ことしのかんしよ貯蔵に間に合いませんので、中央金庫と話をして、つなぎ融資をするということにいたしております。それで当初計画は八百数通りございましたが、先般一括いたしまして、いろいろな条件を明確にして、府県知事に申請しておりますものをもう一度再調査して、八月十五日までにまた中央に持ち出すように指令をいたしました。これが間もなく上つて来ると存じます。そうしますれば、つなぎ資金としては中金から出す、そのうちエード・フアウンドが確定すればその方面に切りかえて行くということになつている次第でございます。もつとも中央金庫には、自己資金ででもやるからさしあたり融資をしてくれということで持ち出されておるものが協同組合で二百くらいあるということでありますので、この方面もただいま審査をいたしていると了解しております。
○小淵委員 そうしますと、大体その貸付をするということは、期間的に遅れるが、つなぎ資金を出すという上からは見通しがあるということに承知してよろしいと思うのですが、そうしますと貸付けの対象は、もちろん協同組合もあれば、個人もあれば営利法人もあれば、いろいろなものが申請されていると思うのですが、大体そのつなぎ資金なりの貸付けをするというのは、営利法人でも個人でも協同組合でも、何でもするかどうかということをいま一度お聞きしたいと思う。
○安孫子説明員 中央金庫の機能から申しまして、協同組合その他農林中央金庫の扱えるものについてなろうかと存じます。営利会社等についてはエード・フアウンドの貸出しの窓口が大部分協同組合等については中央金庫を使うことに話がついておりますが、そのほかのものについては、あるいは勧銀とかいうものを通さなければいかぬと考えております。この点はまだ確定いたしておりません。
○藥師神委員 時間もありませんから、簡単に食糧長官にお伺いしたいのですが、このキユアリングの施設というものは、私寡黙にして知らぬのですが、新聞などで見ると、農林大臣が有頂天になつてこの問題をやるようにも受けとれるし、これは食糧長官かあるいは農政局のほうか、どちらでこれは大体やるというものですか。それからなお申込みみの分布状況と申しますか、どういうふうにこの申込みが多いのか、ちよつとそれをお聞きしたい。
○安孫子説明員 キユアリング倉庫は私どもの方で所管いたしております。それから申込みの状況でありますが、やはりいもの多い所が多いということになつております。
○藥師神委員 いもの多い所と言われるが、それはいものない所では申込みはありません。私はそういうことを尋ねているのではないのでありまして、われわれの方は昔からいもの集散地です。今のかけ出しのいもの産地とは違う。そういう意味から見ると、実際本場なのですが、何ゆえにそういうような甚大な価格を投じて今日そういう施設をしなければならねか、われわれは不思議に思うわけであります。いい例をあげてみると、戦時にほしかんしよをつくるのにも、千切りかんしよをつくれというのでやつたのであります。それから一生懸命切つたものを水にひたしてほしたところがほとんど全部腐らしてしまつた。それはどういうわけで始めたかと言うと、わずかばかりサンプルをつくつて、それで飯かなんかにたいて、大臣が食うて見たら、これはいい、やれということでやつたということを聞いておるのです。しかし末端の農家は迷惑千万な話で、たださえかわきにくいものを水につけたのですから、なるほどあくは抜けてきれいにはなるのてすが、たまつたものではない。とにかく役人はそういうことをしたがるのであります。われわれの方面では、そういうキユアリングはなくても東北のように水分の多い、または温度の低いところではそういう施設も必要かもしれませんが、われわれの方の温帯の地方では、仮囲いと言つて農地に穴を掘つて囲つても数箇月間はもつわけです。それから御承知でもありましようが、種苗にするいもというものは、非常に掘りとる時期というものがある。発芽力を持つている、われわれの方で言えば十月の末から十一月の初めに堀らなければ、これは種いもにはならない。ところが市場に出すもの、あるいは自分で食うものは、長く置くほど糖分が増すから、非常に食いよい。ところがこれは貯蔵力がない。今日のいもの扱い方を見ると、掘つて盛んに蒸発最中のものを、すぐ俵に詰めて一箇所に積み上げるのだから、どんなことをしたつて腐る。この点に大きな落度があるのではないかと思う。少し値段というものを、目方の増量するだけのものを高く買つてやるならば、農家自身が仮貯蔵をする。たとえば一貫目十八円のものが、一割減れば二円増す。その上に仮囲いを要するだけの費用というものを加算してやるならば、腐らすよりも現地でいくらでも仮囲いをするわけです。そういう方法が一切とられていない。先ほどかんしよ、切りぼしの問題についての御意見があつたようですが、私たちの市のうちでも、二十万貫のほしかんしよをつくつております。ほしかんしよは海岸部のほうが空気の流通もいいし、よく、かわくのです。農村の、木に包まれる方はかわきにくい。そういうかわきにくい方面のものは澱粉に落とす必要もあるのでありましよう。けれどもこういう乾燥のしいい所の方は、ほしかんしよにする方が、愛媛県のいもで大体三倍――三三%近くたまるのでありますから、一貫目十八円のいもを三貫目切つても五十四円です。それでもつてほし上がつたものは百円以下で買うのですから、加工貸もそういうふうにした方が得なのです。そのようにいもを腐らすのなら、全力をあげてほしかんしよにするのが一番よい方法ではないかと思う。われわれがふしぎに思うことは、鉄道の輸送統計から見ても、昭和十二年と昨年をを比校してみると、あらゆる産業は破壊されて、その六〇%復興したか、六五%復興したか、それぐらい物資の不足している際に、鉄道の貨物の輸送量は昭和十二年に比較して三三%ふえておる。どこにこういう矛盾があるかと言うと、今日まで、いもで言えば生いもは結局産地のみて食つておつた。それを俵に入れてあつちへ送つたりこつちへ送つたりするような統制のために、盛んにむだな輸送をやつているからこういう不自然な統計が出て来る。これは先ほど山村委員その他からもありましたけれども、できるだけ早くこういうものに統制を解くことの方がよいと思う。これは関係方面の了解がなければやれないわけですから、あなたを責めても問題は解決がつかぬと思いますが、そういうような大きな不自然を輸送の面からも見ておる。いもなどを大体遠方に送つて食わすということは、すでに根本的に間違つているのであつて、それ澱粉にするなり、ほしかんしよにするなりして食糧にまわしてもいいのではないか。俵に詰めておくとどんどん蒸発する。いもを一晩俵にに入れて、十俵ばかり置いておいて手をつつ込んでごらんなさい。中は湯のようになつておる。愛媛県に来る北海道の男爵薯の種いもが三千俵腐つている。倉庫にそれが山のように積み重つているから、どんなにしても腐らざるを得ぬ。人間をあれだけ積み上げてみなさい。息も何もできないのだから腐つてしまう。いもも生きておるのです。
○小笠原委員長 薬師神君なるだけ簡潔にやつてください。
○藥師神委員 キュアリングもいいのですけれども、もう少し実情に即したように、専門的にお考えを願いたいということの苦言を呈しておきます。
○安孫子説明員 いもの統制についていろいろお話もあつたのでありますが、私どもも、いもの統制については、いろ問題はあろうかと思います。性質がやはり腐敗性を持つておりますので、米麦等と違う性質を持つていることが一つ、それからたとえば二合七勺を配給した。そのうちC・P・Sの価格変動を見ますと、二合七勺満配したということによつててC・P・Sのインデツクスがきまつて行くのではなくして、そのうち麦芽で幾ら配給されたかということによつてごのインデツクスが安定するのであります。いもばかり一月分二合七勺配給したのでは、消費者の家計上には決してプラスにならない。配給はしたけれども家計の上には非常に赤字になるということは、はつきりした事実でおります。その辺の事情は米麦とよほど違つた性格を持つているということでありますので、この点は今後の統制の上に十分考えておらなければならぬ点だと存じております。 それから貯蔵の問題は、もちろん穴蔵貯蔵あるいは風穴貯蔵をやつておるのでありますが、場所によつては、地下水の関係その他でやはり穴を掘れない所もあります。それでキユアリングは一番新しい貯蔵方法であるがゆえに、これをできるだけ普及させようという意図を持つてやつたのであります。私どもとしましては、これをはなばなしくやろうという考えはございませんので、ほんとうにできるところを確実にやつて行きたい。こういう意味で考えておるので、県当局にもその趣旨を申し上げてやつて行くつもりでございます。ただいまの千切りの問題もございますし、また反省をしてみますれば終戦直後の高速度粉砕機の未利用資源の問題等ありまして、やはりわれわれとしましては新しいものにすぐに食いつくという形ではなく、地道にやつて行きたい。従つてキユアリングもそういう方法で考えて行くつもりであります。
○井上(良)委員 ちよつと伺いますが、さきに寺本君から質問をしておりますところを聞いておると、何か供出以上のいもは買うのを手控えておるとかいう話ですが、それに事実ですか。もしそういうことでありますならば、食糧管理法においては一切政府が一手買取りになつておりますから、自由に街へ売つたりることができないのです。農家の保有はきまつておるのです。できたものは政府の方が全部買上げる責任があるのです。それを買上げぬで農家の方に非常に迷惑をかけておるというのは、政府の操作か非常に悪いのではないかと思いますが、その点はどうでしようか。
○安孫子説明員 御指摘の通り、ただいまの法律ではほかに売ることは禁止してある。全部政府が買うという一手買取りの建前でございますから、拠否ということはございません。いろいろ拒否をされたという話を聞きますが、これはあるいは規格に合わないがゆえに買わなかつたということはあろうかと思いますけれども、われわれとしましては、全部買うという方針でやつておる次第であります。
○寺本委員 先ほど申し上げましたように、熊本や鹿児島は非常にいもの出盛りで、今年の三月ごろまでは、超過供出したくても取扱う所がない。食糧管理局長官はそういうお考えかもしれませんが、末端でそれを取扱つておる協同組合、それからそれを収買する公団も、とにかくもう運びがつかないから取扱わないのです。農家は売りたくても事実法律では売れるようになつておるけれども、実際は売れないのです。そういう状態が、全国にはないかもしれません、一部分のものですが。それだがら先ほど私は部分的にでも何か便法を講じてもらわなければ、せつかく増産せよ、増産せよといつてつくつたいもが売れない。そういう場合は應急に中央からでも手をまわして、あるいは阪神地方だとか、東京あたりまで大量に持つて来るとか、何か方法を講じてもらわなければ、地方だけにまかしておけば、腐るから、損をするから取扱うべきものも取扱わない。事実は売りたくても売れないのですからそのことははつきり申し上げておきます。
○深澤委員 二点ばかり伺いたいのでかが、先ほど米價審議会に対して、農林省は一次案を提出するというような話があつたのであります。近く米價審議会も開かれるそうでありますが、一体本年の米に対して、農林省はどういう方針を持つておられるか。もつと具体的に申し上げますと幾らの見当で米をきめられようと具体的に考えておりますか。その点を、もし話がまとまつておるならば伺いたいと思います。
○安孫子説明員 ただいままでのところ実は全然話がまとまつておらぬわけでございます。いろいろな算式に基いて、各農業団体等においても試算しておるものございます。しかし農林省としましては、その方向で行くかということはまだきまつておりません。最近においてようやくいろいろ意見の交換をしておるという程度でございます。
○深澤委員 政務次官にちよつとお伺いすると同時に、希望するのでありますが、われわれの方の農民組合関係に入つた情報によりますと、政務次官の縣の那珂郡の山間部落の六箇村においては、秋肥をすでに買わされておる。もしもこれを受取らなければ、権利放棄であるというようなことで、公団からその秋肥を買つたのです。ところが農業協同組合はそれに多額の金を拂つたために、預金がほとんどなくなつて取付け状態になつておるというような報告があるのでありますが、これに類するような問題が全国的に、先般の委員会においても論議されたように、あるのでありますズ、肥料公団は独立採算制になつたというような関係で、とにかく早く農民に肥料を押しつけて金をまとめておるというようなことが、事実においてあるのでありますが、これは今日の農村金融をますます圧迫させる大きな原因になつておると思うのであります。これに関しまして、農林省は、さような不合理なことをやつてはいけないという通牒を出す必要があるとわれわれは考えるのでありますが、その点についてどういうぐあいにお考えになつておりますか。
○坂本説明員 深澤委員の御質問は、肥料の押し付け配給をやめて、農民の必要に応じて引取れるようにすることという御意思であると思います。肥料の需要は春と秋に集中的であるのでありまして、その割合は、春は七割程度、秋は三割程度であるのであります。しかるに肥料の生産は多少の相違はありますが、大体各月平均的に生産をされるのでありまして、その割合は六対四の程度でございます。従いましてその間に適当な調節が必要であるのでありますが、現在の金融事情では、その調節をただ一箇所で実施することが許されないのでありまして、肥料生産者、肥料配給公団及び肥料取扱指定業者とともに、農民の方々に御協力を願うほかはないのであります。右ようの次第でありますので、何分御了解を願いたいと思うのでありますが、これらの措置はあくまで農民の方々の自発的御協力を期待しておるのでありまして、決して押しつける掛図を持つておるものでございませんし、また押しつけられ、それを拒否したことが配給を辞退したというふうに意味するものではないのでありまして、かような誤まつた措置が行われないように十分監督をいたす所存でございます。
○小笠原委員 それでは本日この程度にとどめまして、次会は公報をもつてしお知らせすることといたします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時十八分散会