農林委員会 第29号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/05/22
会議録
○小笠原委員長 これより会議を開きます。 この際閉会中の審査についてお諮りいたします。閉会中審査すべき事件といたしましては、早稻田柳右エ門君外十五名提出の競馬法の一部を改正する法律案、それから、特殊農業地帯並びにその他農政一般に関する調査の件及び木材及び薪炭の需給対策に関する件これらの事件でありまして、その目的は、右各事件について事実情調査、その他継続審査を行う必要があるためといたしまして、閉会中に審査をいたしたいと思いますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決しました。では後刻書面をもつて閉会中審査申出書を議長に提出いたします。 —————————————
○小笠原委員長 次に移りまする前会に引続き酪農振興臨時措置法案を議題とし、質疑に入ります。竹村君。
○竹村委員 私いろいろお聞きしたいと思いますけれども、長くなると皆様に御迷惑と思いますので、要点だけを聞きたいと思います。一番中心になる問題は第十條だと思います。この第十條には非常に問題が多いのであります事けれども、そのうち十條の六についてお聞きしたい。「工場又は事業場の製造又は処理設備の能力に対する集乳量の比率が百分の七十を下る虞があるとき。」とあります。すでに能力が七〇%以下になつたときは取消されることになるのであります。こうなりますと、今日の小さい工場はおそらく五〇%の能力はないのであります。そうなると結局七〇%以上の集乳量を持つということは、明治とかそういう大きな工場だけが結局集乳を独占することになると思いますが、その点についてお聞かせ願いたいと思います。
○遠藤委員 ただいま十六條の六についての御質問がありましたが、この点については、現在ある酪農の工場を一應認めて参りまして、この工場のコストを下げて行くということが主眼になつて参りますので、いろいろな他の競争工場ができて行くことによつて、お互につぶれて行くような結果にならないようにしたいということであります。なるほど森永や明治の工場もありますけれども、中小の工場もたくさんあるわけでありまして、それらを現状において、とにかく混乱を來さないようにして行くという考え方を持つておるのであります。
○竹村委員 おそらくいろいろな方面で調査した場合におきまして、今日の工場は大体原料やいろいろの関係で設備能力の五〇%が常識です。それが七〇%で押えられると、製造することを奪われるという結果になると思いますが、そのときにはどういうことになりますか。
○遠藤委員 その問題は現在の能力の押え方によると思うのでありますけれども、大体現在動かしておる能力の七〇%というふうに押えて行きたい、こういう考えであります。
○竹村委員 そうするとこの十條の六はそういうふうに改正されるお考えですか。これではそう見られないですが、訂正されるのですか、ひとつお伺いしたい。
○遠藤委員 ただいまの質問の点は提案者の間でもう少し相談をしましてお答えをいたします。
○竹村委員 それでは十條で問題になる問題点だけを申し上げておきます。まず十條の二「農林大臣は、前項の規定による登録の申請があつたときは、左の場合を除いては、申請に係る工場又は事業場についてその申請者を登録し、且つ、その旨を告示しなければならない。」これはいいですが、その次から一、二、三、四、五、六とありますが、これだけ全部一々申し上げておつたら時間がかかりますので、よく愼重にお考え願いたい。これはどうもわれわれの納得の行かない條文ばかりであります。その点だけ申し上げて、あとでいろいろ御質問いたします。 それから大体現在はこれが生産過剰になつているのか、いないのかというような全般的な点ですが、これの問題になるのはおそらく北海道だと思いますが、北海道の現状はどう思われるか、お伺いします。
○遠藤委員 現在は多少乳製品の余裕ができたようなかつこうをしておりますけれども、これは御承知のように、今までの乳幼児への配給は、六箇月未満の乳幼児に配給しておつたのでありまするそれを昨年の九月から十二箇月すなわち満一年未満の乳幼児に配給する建前にかえて参りました。その結果、ただいまといたしましては牛乳、及び乳製品の生産と需要とはちようどとんとんになつて参りまして、需給のバランスがとれて來たという実情になつております。この数量が多事少タブついたという感じを與えましたのは、要するに配給の方を非常に規制いたしまして、極度にやかましい規則でも、つてやつておりましたので、それを多事少ゆるめると同時に、配給の事対象においても拡大して参りたい。それが今の露場要の実情に合うというふうに考えておる次第であります。北海道についてもそれは同じことがいえると思うのであります。
○竹村委員 この法律を見ますと、どうも農林大臣の権限が相当にあるわけであります。そして設備等の点でもいろいろな制限があつて、新しくそういう工場をこしらえるという場合においては、この法律ができ上るならば、非常に制限を受けると考えるのでございます。たとえば農民自身が設立いたしますところの協同組合等において、こういう條項に欠格するといいますか、設備がそれに満だないようなものでも、農民自身が自分が牛を飼つて、自分たちの組合でこれを製造するという場合には、どうなるかという点をお尋ねいたしたい。
○遠藤委員 その点は酪農の振興の將来のために、きわめて重要な点だと思うのであります。この法律の建前としましては、從來一つの工場がある。その工場を休止の状態にして、新しくそこへ同じような形の工場をつくつて行くというような建前をとると、資材の点からいいましても、その他のあらゆる面から考えましても、非常に困難が出て参りますので、そういう建前をとらないで、むしろ現在ある工場を社会化して行く、その工場に対して、あるいは農民の方に生産者の方の株をだんだん拡大して持つて行くというようなことで、現在は工場の技術、経驗、及び資本力等を、そのまま利用する方向へ持つて行くことを理想として、こういう案をつくつておるわけであります。なお協同組合等ができまして、だんだんいろいろの工場をつくつて行くということになることを、決して阻止すべきものではないのでありまして、この考え方としましては、大体一千町村程度の、すでに進んで來ておるところの酪農地帯に指定酪農地を設けて行くという考えでありまして、その他の地帶においては多々ますます弁ずるのでありまして、協同組合等の工場はますますけつこうだと思います。
○竹村委員 そういたしますと、現在ある大きな工場をできるだけ社会化して行くという趣旨は非常にけつこうであります。しかしこれをこういう形において統制することによつて、現存優秀な設備を持つておる所に全部——全部というよりも、統制されるのだから、そこに集中的に集つて行くことになつた場合に、漸時社会化して行くとおつしやいますけれども、現在の機構のもとにおいては、なかなか社会化はできないと思うのです。そして片方で統制だけやられて、そしてそういうところに集中的にやるということ自体は、やはり價格の面においても、あるいはいろいろな点においても、そういう大きな集中的に集る所が左右できるような結果にならないかと思うのでありますが、この点についてお尋ねいたします。
○遠藤委員 その点につきましては、牛乳の生産者の協同組合をつくつて参りまして、協同組合が工場との間に團体協約等によつて、取引條件をだんだん改善して行く、あるいはその経営の内容に向つても、強力な発言ができるようにして行きたい、そういう考え方を基礎にしているわけであります。
○竹村委員 それでは、そういう條項は第何條に入つておるかお教え願いたい。
○遠藤委員 直接の規定はありませんけれども、全体の構想がそういう考え方でできているわけであります。
○寺島委員 今の竹村さんの関連質問でありますが、この法案の提案者遠藤三郎氏は、すなわち本法によつて、集中生産のかなたに漸次酪農民が独占資本に圧迫せられる形態化を、社会化によつて匡救するという抱負を述べられたのでありますがそういう抱負を述べられる以上においては、明治牛乳その他大メーカーの株を、いかなる形において分散されておるか。ないしは現実酪農民が株の所有をしておるかどうかという現状と、将来いかなる措置によつて、言うところの社会化、すなわちこれらの株が酪農民の手に渡つて行くという措置を講ぜられるのであるか。過去については別途として、現状を分析し、将来にわたつてひとつ展望してもらいたいと考えます。
○遠藤委員 その点につきましては、御指摘のように、現存は株を開放してありません。しかし大資本の経営自体が酪農民との強調ができなければ、経営がだんだん困難になつて参つております。現に森永等におきましても、株を開放するという方針でだんだん進んでおります。これは、要は酪農民の力がだんだん強くなつて、そして工場との間に対等の取引をすることができるようになり、しかもどんどん力が強くなつて、酪農民との協調がなければ工場の経営ができなくなるというように持つて行くことが、解決する一つの端緒になつて行くと思うのでありまして、そういう方向に向つてますます保育しなければならぬ、こういう考え方から、この法案全体はできているというふうに私は考えているわけであります。
○寺島委員 どうもそこのところが私はのみ込めない。見識の相違かもしれませんが、あなたは社会化されるとおつしやいますけれども、一部の酪農民は、それによつてあるいは若干の株を渡されて、あだかも株式の民主化が、その会社ないしは資本主義の骨格に対する特殊なにない手であるかのごときイリュージヨンを起させる。そういう形によつて満足をさせられるでありましようが、たとえばただいまのお話によれば、森永製菓は株を開放するやに聞く、あるいは明治牛乳も株を開放するという話もある。しかし現在においてはさような処置をとられていないとすれば、酪農民の自然発生的な力の結集によつて、この辺をコントロールするのは、これは当然の処置であつて、答弁の資料にはならない。それはあなたの希望であるし、單なる社会の経済現象に対する見通しよりも、はるかに淡き夢のごとき案である。その夢のごとき、ユートピアの案です。いわゆる本立法の社会化の規定にはなり得ないと思う。社会化は私は大賛成である。大賛成なるのゆえをもつて、現状において酪農業の大乳製品業者の管理、所有形態はかくかくなるも、本立法によつてこれこれコントロールされ、さらに加うるにこれこれの措置によつて、言うところの社会化が行われるのだということでなければ、私は少くとも法案審議の対象論にはなり得ないと思うので、願わくばそういう点について御用意を願いたいと思います。
○野原委員 提案者の一人としまして、ただいまの御質問に御答弁を申し上げます。今の酪農業が大資本によつて独占されておるということに対する、酪農民等の経済的関連の問題でありますが、ただいまの遠藤君の説明で多少不備の点がありますので、私から補足いたします。実は明治製菓では、すでに酪農民に開放しておりますのは大体十七パーセント程度が開放されておる。森永製菓では約三十パーセントが酪農民に開放されておる。それから北海道興農会社では大体五十パーセントがすでに酪農民のものになつておるという状態であります。すでにこのパーセンテージは漸次ふえて行く傾向にあるということでありまして、淡い單なる夢ではない。現実にそういう傾向が非常に顯著だという事実を申し上げておきます。
○寺島委員 私はただいまの野原さんの御趣旨は了承いたします。ただ本法によつて、逐次酪農民対製酪資本家との間に社会化を企図するという意図は、法の全体を流れておる精神の上に看取することがかたいのである。こういう意味において御質問いたしたわけなのであります。どうぞ御了承願いたいと思います。
○小笠原委員長 井上君。
○井上(良)委員 今の問題ですが、立案者がそういう意図をお持ちでございますならば、酪農協同組合を組織させて、協同組合において、原料、牛乳の製品化をはかるという方向をとることが、最も牛乳生産農民に與える利益を確保することになり、経済的にもその方か実際必要でないかと考えますが、そういう点を何で一件本法から抜かしたか。
○遠藤委員 ただいまの御質問の点は非常に大事な問題だと思うのであります。と言いますのは、私ども過去の農業恐慌のときに際会いたしました際に、たくさんの協同組合についてできました酪農工場というものがみなつぶれて参りました。私どもの考えといたしましては、すべて協同組合でやつて行けるならば、協同組合でやろうという建前で行くことが最もいいと思いますけれども、なかなか現在の園内情勢はもちろんでありますけれども、世界情勢をながめて見ましても、それは困難であります。特に貿易が再開されまして、ブレトン、ウツズ協定に入つて行くようになりますと、アメリカのネツスルやカーネーシヨンと競争しなければならないような状態になつて参ります。そういうときには、小さな協同組合でやつておつたようなものは、たまりもなくつぶれてしまいますので、むしろ方向としては、現在の工場をそのまま活用し、そのままそれを社会化して行くような方向で考えることが正しいというふうに考えたわけであります。その結果といたしましては、いろいろ困難な問題に遭遇すると思いますけれども、これ要するに協同組合を強化して参りまして、実力をだんだんつけて行くということによつて、最後の終局の目的を達成して行く。こういう考え方を持つておるわけであります。
○井上(良)委員 酪農協同組合が非常に微弱と言いますか、資本家的な生産の上においては、非常に対抗するのにぐあいが悪いという一方のお考えをもつて、現在の既設設備と言いますか、既設生産会社を社会化するという方向で解決をしたい。こういう御意見ですけれども、しかしその社会化するという問題は、理想としては非常に説明が簡單に行きますが、これを具体化する場合になつて來ますと、非常に困難な問題が横たわつております。これは牛乳関係の社会だけを社会化するということだけではなしに、やはりあらゆる生産会社が社会化されるという方向の一環として考えらるべきものであつて、この問題だけを特に社会化するという方向は、他のいろいろな関係から非常に困難であります。社会化するという方向は、酪農協同組合の方向をとる方が最もいい方法であります。酪農協同組合でもつて、現在の設備を買收してもいいのであります。その権利を酪農協同組合が肩がわりしてもいいのであります。そういう方向こそ社会化の方向であるのであります。あなたの言う社会化の方向というのは、單に会社の株を持たしたらそれでよいのだ、実権は別なものがやつていいのだという考え方とは違うのであります。農業協同組合をつくつておるというゆえんはそこにあるのであつて、その点をわれわれはもう少し檢討を加えなければ、簡單にこの案に賛成するというわけには参りませんが、その方向についてもう一度お事伺いしたいと思います。
○遠藤委員 協同組合が自力で経営するということは、お話のように理想だと思います。できれば終局の目標といたしましては、農民の自主的な團体であるところの、協同組合が経営するという方向へ持つて行きたいと思うのであります。しかし現実の事情といたしましては、一挙にそれができませんので、漸次株の持数をふやして行くとか、あるいは経営の内容に参加をして行くとかいうようなことから、逐次それを進めて行くというような考え方をもつておるようなわけであります。
○寺島委員 ちよつと遠藤さんにお伺いいたしたいのですが、将来のブレトンウツズ協定の締結によつて、やがて日本の農産物が世界のマーケットにおいて、そのコストを争うということは御所論の通りでありますが、ただいま言われましたカーネーシヨンその他の製品と、現在の日本の乳製品が、すでに三百六十円に決定をいたしております。この一算入れ来りたるところ——二、三倍も安い價格において日本の米は仕切られておる。私が輸出商ならば米の輸出商をやる。明確に食糧管理法第五條によつて、そこで食管の長官から輸出商の指定を受けて、米を輸出すれば一番もうかることである。あなたがおつしやつたこの問題について、たとえばカーネーシヨンその他と、三百六十円建におけるそろばんをはじけばすぐ出ることでありますが、私は製酪の專門家ではないのて、ブレトン・ウツズを御引用になりてのだんだんのお話でありますので、計算指数をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○遠藤委員 ただいまの御質問でありますが、それは現地の日本の酪農業が置かれておる事情をまず反省してみたいと思うのであります。御承知のように非常に乳價が高くなつて参りました。しかも購買力はそれに及ばないという事情で、どうしても乳價をある程度下げて行かなければ、日本の酪農業というものは成立ちにくくなつております。この乳製品の價格を下げるには、その價格構成であるところのコストを見て参りますと、約五割が原料牛乳の價格であり、約二割が工場の諸経費であり、面出分程度が副資料の諸経費であります。輸送の他の経費がその残りというような事情になつております。しかるに最も大きな問題として今ぶつかつておりますのは、ただいま為替レートが一本になつたことによつて、現在の飼料價格が三倍、ものによつては三倍程度までなるものが出て参ります。乳價を下げなければならぬときに來て、むしろそのコストの五〇%を占めておるところの乳價が非常に上ろうというような傾向を持つておるのでありまして、この乳價を下げて行く一番大きな筋金は、やはり農家の自家飼料を確保するというところに根本があるという考え方から、飼料圃をつくつて行く。これを基礎においてこの酪農振興法というようなものを考えたような次第であります。アメリカと日本の為替関係からいたしますこまかな計算については、ただいまここに資料を持つておりませんが、後ほど調べてお答えしたいと思います。
○寺島委員 ちよつと伺つてみたいのですが、現在單一為最レートの設定が日本の飼料價格に及ぼす影響とでもいうような経済現象のとらえ方において、どうも二倍ないし三倍必然的に上つてしまうのだというような御所論のように承つておりますが、大蔵省の主税局が出しておる——これは三百三十円の計算でありますが、三百三十円の計算等における輸入價格調整費の問題が明々白々存在しておる。米に対しても、いずれ内閣は根本的な問題について措置しなければならない。その一環として、当然現政府のものにおいて、これは飼料にも私は及ぶだろうと思います。胃袋に壁はないのだ。壁があるのは農林官僚の頭にだけ壁があつて、胃袋には壁はない。えさというものは形をかえて結局胃袋に入つて来るものである。そういう考え方のもとに、当然二倍、三倍という價格になるかどうかということは、將來の予見すべからざる事情であろうと思う。あるいはあなたのおつしやるようになるかもしれない。ならないということは、私は現政府の大藏大臣その他の閣僚の答弁を聞いておるときに得られた大体の結論である。にもかかわらず、あなたが二倍ないし三倍、價格調整費をふつとばすような口吻で御説明なされたが、その御所論の根拠についてちよつと承つてみたいと思うのであります。
○遠藤委員 價格調整費の問題については、御承知のように飼料部門についても大体三百三十円で計算いたしまして、三十億程度の價格調整費が必要だと思うのであります。しかし價格調整費もそういつまでも続けられるものではないというふうに私どもも心得ておりますし、なお現在としましては、でき得る限り價格事調整費はとらなければならぬと思いますが、將來は價格調整費というものはだんだんなくなつて行く。そのときを考えて参りますと、二倍ないし三倍程度引上げて行くことは、やはり覚悟をして、酪農振興の基本的な準備をしなければならぬ。こういうふうな考え方を持つておるわけであります。
○寺島委員 ちよつと申し上げますが、遠藤さんが三十億とおつしやるのは、多分二十七億云々のことだろうと思いますが、一割上つても二億七千万円、これは國家財政の上においては問題ではない。あなたのおつしやるようになれば、日本の耕作農民のために慶賀欣祝にたえない。えさの値段が上るというかわりに、米價が二倍半とおつしやるが、私の計算では総プールで二・三倍米がはね上ることができれば、それは日本の耕作農民のために慶賀欣祝にたえないことでございますが、これはいずれも明日の問題であり、今日の問題ではない。二倍ないし三倍に上ることは本立法を必要といたします答弁の理由になりにくいのではないか。これは議論になりますから、この程度にしまして、私の番がまわつて來てから、また御質問します。
○深澤委員 私はこう考えるのです。要するに一般の農産物價格にも共通する問題でありますが、結局價格が非常に安いということが根本問題であります。飼料は高い高いというが、ほんとうは農産物價格が非常に安いのだ。それから結局今の一般の農業、特殊農業でも同じですが、その生産に必要ないろいろな物資や資材の價格が非常に高い。ところが農産物價格が安いというところに問題がある。現在飼料が高いことによつて、その飼料によつてつくり出されるところの農産物價格自体が安いというところに、問題がある。これはすでにはつきりしておりますので、輸入される粉乳一トンに対して九万八千何百円である。國内における生産價格は三万九千円であるというような、すでにこのような開きがある、こういうふうな大きな開きの上に立つて、いわゆる國際競争場裡に日本の農業が出て行かなければならぬということになるのですが、そういう観点から非常に根本的な問題を解決しなければ、これはもう國際場裡に立つて日本の農業がお互に発展して行くということはできないと思います。従つてこの法案一本で、日本の酪農業が國際的な地位を獲得するというようなことは、思いもよらぬことだとわれわれは考えます。この法案自体がそうした大きな問題を解決し得る何らの力はないということが一つだと思います。 もう一つは、この牛乳の総合供出の問題があるわけですが、食糧臨時確保措置法の農業計画に基いて、牛乳を一般の主食と同じように扱う、こういうことですが、しかしその牛乳の中には二つあると思う。一つは乳幼児あるいは病人等に使われる。これは主食と同じように扱われる部門である。それから一般の喫茶店やその他の社交場裡に使われる一般用とがある。この場合において、第十條第二項の規定によると、生産される牛乳の全部が主食として扱われるというようなぐあいに解釈できるのですが、その点は一体どういうぐあいにお考えになつておるか。牛乳全体を総合供出の中に入れるのか。乳幼兒あるいは病人に使うもののみを総合供出の中に入れるのか。
○遠藤委員 ただいまの第一項の御質問でありますが、日本の農産物の價格が世界の農産物に比較して非常に割安であるという点はお話の通りだと思います。從つてこの酪農振興法案だけでもつて、酪農の基本的な振興ができるとは思わぬという御意見でありますが、それもまつたくその通りであります。ただ一つ一つ基礎を築いて行くという考え方で、一つの前進であるというふうにお考えいただけばけつこうじやないかと思います。 それから第二の御質問でありますが、その点につきましては、酪農指定村については配給用の練粉乳の基礎になる生乳を指定村からは供出をして行く、その他の地域ではほとんど自由になつています。指定村の供出についても第九條に書いてありますように、「賣渡の時期その他賣渡に関し必要な事項について農林大臣の定めるところにより、」こう書いてあります。供出数量や供出の時期、それから供出量以外のものについては、自由に販賣ができるという規定がここから出て来るわけでありまして、全部を供出して、それを全部配給するという建前になつておらぬのでございます。
○小笠原委員長 それでは暫時休憩をいたします。午後一時半から再開いたします。 午後零時二十三分休憩 ————◇————— 午後四時五十四分開議
○小笠原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案を議題とし、その審査を進めます。この際御報告いたしておきます。坂本實君より本案に対する修正案が、委員長の手元に提出されております。これは印刷物として諸君のお手元に配付してある通りであります。以上御報告いたします。それではこれより本案に対する質疑に入ります。
○松浦委員 この際質疑を省略してただちに修正案の説明を求められんことを望みまする
○小笠原委員長 ただいまの松浦君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではその通り決しました。この際修正案について坂本君の説明を求めます。
○坂本(實)委員 ただいま議題に相なりました。食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案につきまして、修正案を提出いたします。 私はこの際各党各派の協同修正案につきましてその趣旨を弁明いたしたいと存じます。まず修正案文を朗読いたします。 食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案の一部を次のように修正する。 第一條中食糧品配給公團法第三條第三項の改正規定の前に次のように加える。第一條第一項中「(グルタミン酸ソーダを含む。)及び「罐詰」を削る。 附則に次の一項を加える。 2 食料品配給公團は、食料品配給公團法第一條第一項及び第十五條第一項の規定にかかわらず、この法律施行の際現にその所有し、又は占有する罐詰を処分することができる。この場合には、食料品配給公團法第二十五條第一号の規定は、適用しない。以上が修正案であります。この際簡単に修正の理由を申し述べるのでありますが、公團統制方式につきましては、すでに本委員会において同僚議員各位からもいろいろ政府当局に対して質疑が繰返えされたのでありますが、ともかく各種公團は一應この際機関を存続いたしまして、来年三月末日までこれを存続することにいたしたのでありますが、しかしながらなるべく早い機会におきまして公團そのものの改廃ないし、取扱い物資等については、これを整備しようといたすのであります。この際食料品配給公團において取扱つております「グルタミン酸ソーダ」及び「罐詰」は主として、これは輸出向けの商品でありまして、比較的國内需要の面が少ないのでありますから、この際むしろこれを同公團の取扱い物資からはずすことの方が妥当である。かように考えまして、この修正案を提出いたした次第であります。以上簡單に趣旨の弁明をいたした次第であります。
○小笠原委員長 これより本案並びに修正案を一括議題として討論に付します。
○松浦委員 この際、討論を省略して、ただちに採決されんことを望みます。
○小笠原委員長 ただいまの松浦君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それでは討論を省略して、ただちに参法八号藤野繁雄君外十八名提出の原案並びにそれに対する修正案を一括議題として採決いたします。採決の順序はまず修正案について採決した後、原案を採決いたします。 それではこれより採決いたします。坂本實君提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○小笠原委員長 起立総員、よつて修正案は可決いたしました。 次にただいま修正と決しました部分を除いた原案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○小笠原委員長 起立総員、よつて本案は修正議決されました。 なおこの際本案に関する委員会の報告についてお詰りいたします。これは前例によつて委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう取扱います。 —————————————
○小笠原委員長 次に食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。それでは運輸省の業務局長はお急ぎのようですから、業務局長に御質疑のある方、深澤君の発言を許します。
○深澤委員 食糧の円滑なる配給のためには、單に農民から供出しただけでは円滑の配給を確保し得られないと考えるのであります。それには食糧の全國的な輸送というものが伴わなければ、食糧問題の円滑なる配給は不可能であると考えているのであります。現在運輸関係の不円滑のために、ある所におきましては年間米が配給されているにかかわらず、ある半面におきましては代替の食糧が配給されておるというような状態があると思うのであります。われわれの計算からいたしまするならば、現在農民が供出いたしました三千二百万石以上の米をもつていたしまするならば、一人平均少くとも六斗に近い米が配給されなければならないと考えているのでありまするが、現に東京においては一人平均四斗程度の米の配給しか受けていないというところに、この食糧の産地から消費地に対する円満なる輸送が欠けているのではないかという考えを持つているのであります。 〔委員長退席、松浦委員長代理着席〕 そういう観点が一つと、それからもう一つは、さつまいも等の配給の関係においても、輸送が非常に不円滑なために、全國生産量の五%の損耗量を見なければならないということがあるのでありますが、昨年度における食糧の輸送関係につきまして、運輸省としては万全を期せられたらどうかという点についてまず御質問申し上げたいと思います。
○藪谷政府委員 深澤さんの御質問にお答えいたします。昨年は生産計画に対しまして、全輸送計画は安本において、運輸省、農林省、商工省等の生産官聽並びに輸送担当官廳が協議いたしました結果、全貨物の輸送責任計画は一億三千万トンでありましたが、その実績は一〇〇%の実績を收め得たのであります。そのうちで食糧品、ことに主食に対しましては一〇〇%の計画を組み、かつ一〇〇%以上の実績を示しております。米で申しますと、昨年度は大体三百二万五千トン、麦は百五十二万四千トン、小麦粉は主として輸入食糧でありますが、八十六万トン、ばれいしよ、かんしよ合せまして二百八万トン、大豆が三十九万トンといつたような程度でありまして、今申し上げました通り計画よりも上回つた実績を收めております。本年度の計画は大体生産官廳たる農林省、あるいは輸入の状態等を勘案しまして、米におきましては大体六%増、それから麦は一五%増、小麦は二%増、かんしよ、ばれいしよは大体一〇〇%、それから大豆は一〇九%、こういう見込みであります。ことに本年度は一億四千万トンの計画を全体のわくとして、持つておりまして、すでにこの三月以來、輸送要請よりも全体としての輸送力が上まわつておりまして、貨車のまわりその他が非常によくなつて参りましたので、食糧がいかに出ましても、おそらく鉄道の輸送力としては要請にこたえ得るものと思つております。ただ昨年深津さんの御指摘になりましたかんしよが、大阪方面で腐りかけたような例を聞いておりますが、その事実を調べますと、関東方面で相当主食の米のまわりがよいために、配給しても引取り手がない。從つてこれを大阪に運んでくれということで、農林当局も非常に御苦心されて、鉄道としてもその要求のままに大阪へ送つたのでありますが、大阪でも同様米の入手が容易になつたために、いもの配給を受ける者が非常に少い。こういうような状態で引取りが非常に悪い。鉄道当局としても非常に迷惑をいたしたような次第であります。早場米の輸送等が順調に行きましたので、その倉庫等の収納場所が相当一ぱいであつたということも事実であろうと思います。かような次第で、農林当局といえども何ら計画には狂いはなかつたのでしようが、そうした需要者の需要不振と申しますか、そういうような結果から生れた事故だと思つております。深澤さんの懸念されるような点は、本年度は特に農林当局と密接な連絡をとりまして、輸送に遺憾なきを期したいと思つております。種ばれいしよにつきましては、昨年度は、北海道が御承知の通り主でありますが、大体三十万トンの実績を示しておりまして、海でも大体同様の実績を收めております。なお輸送関係としましては地方の駅まで、あるいは到着地から消費先までの自動車あるいは荷牛馬車等による輸送力の問題があろうと思いますが、これにつきましても資材その他輸送力の遺憾なきを期したい、こう考えております。
○深澤委員 食糧の輸送については、昨年の実績が一〇〇%以上を突破し、本年もまた十分御自身があるということにつきましては、われわれもはなはだ心強いのでありまするが、しかし一面にわれわれが伺うところによりますと、今日の日本の鉄道は、戰争直後その復旧が遅々として進んでいない。しかして鉄道の線路のごときは、二十五年の生命限度に達しているものが五〇%にも上つている、國鉄の危機が到來しておるというようなことを、われわれは開いているのでありまするが、こうしたことも今日の日本の事情としてさもあるべきものであるというぐあいに考えまして、輸送関係におきまして非常に憂慮をしているのでありまするが、この点について運輸当局はどういうお考えを持つておられるのか、ひとつ念のためにお聞きしたいと思います。
○藪谷政府委員 大体戰前に比べまして貨物輸送量は二〇%程度増しております。これに対しては、貨物優先の原則を終戦後もとりまして、経済復興に消費したい、こういう考え方から、輸送カといたしましては一三〇%の輸送力を持つております。ことに先ほど申し上げました通りに、他の出荷の低調に伴いまして、輸送力は現在余つておりますから、輸送力自身としては何ら本年度は心配いらないと思います。線路その他の保修は、戰事中から相当消耗なり老廃いたしておりますが、戦災によつて受けました程度のものは大体百パーセント復旧をいたしましたし、水損に対しましても本年度の予算は非常に辛いのでありますが、保守修繕程度のものは十分とつておりますので、運轉事故あるいは輸送の支障等には、決して心配ないと確信している次第であります。
○深澤委員 このたびの政府の原案と、して、去る本会議において決定事いたされました定員法によりまして、鉄道関係におきましても、相当の人員整理があると思うのであります。これに対しましては、國鉄労組等は、現在より減員されることは輸送関係に対して大きな影響を與えるというようなことも、予算委員会の公聽会等においてもわれわれは伺つたのでありますが、よし線路その他の貨物等において準備ができておりましても、これを運営するのは人の問題であります。この人が今度の定員法によつて整理されることによつて、なお十分に輸送できるという確信ありやいなや、それをひとつお伺いしたい。
○藪谷政府委員 今回多数の減員を見ることは事実でございますが、減員いたしますと同時に業務の合理化を行います。たとえば仕事の取扱いを簡易にしたり、そういうことによつて現員を減らす。あるいは機械力を用いるとか、種々の経営の合理化をいたしまして、また職員にも労働強化にならない程度において能率の増進をしてもらつてやりますから、整理がありましても、先ほど申しましたような輸送には決して支障はないと信じております。
○深澤委員 整理されても心配がない、合理化を行つてそれをまかない得るということが言われておりますが、一体この機械力を用いて、合理化するというようなことは、具体的にどういうようにされるのか。鉄道、運輸関係におきまして、人員を減らすことによつて機械化する部面は、われわれはありそうもないように心配するのでありますが、その点はどういうようにされるのか伺いたいと思います。
○藪谷政府委員 昨年度も相当機械化いたしたのでありますが、荷役方面ならば、大体荷役機械を整備する、貨車の手押し等ならば、簡易な移動機を備える、あるいは入れかえのガソリン・カーを設ける、あるいは保線関係ならば、保線の砂利ふるい、あるいは保守の点におきまして、いろいろと機械を整備して、酸素のハンマーの機械とか、いろいろ機械化を予算の許す限りやつておるのであります。日本の鉄道におきましては、そう世界の鉄道に比べて機械化は劣つておりませんが、アメリカ等に比べますれば、まだ十分機械化の余地が残つておりますので、今後もでき得る限り機械化して行きたいと考えております。
○深澤委員 機械化することによつて、十分万全を期するということに対しましては、まことにけつこうでありますが、結局それは予算に制約されると私は思います。本日鉄道の一部拂下げが決定されました場合におきましても、現在鉄道にまかしておけば非常に赤字を生む、そういうことであつては、かえつてこれを民営にした方がよろしいというような院議によりまして、拂下げが決定しておるようなわけでございまして、もちろん予算に制限がなければ、そういう機械化も続々おやりになれると思うのでありますが、現在赤字続きの国鉄といたしましては、そういう御希望を持たれても、それは実際には行えないのではないか。從つて鉄道当局が考えられておる機械化ができないとするならば、むしろ人員を減らすことによつて、この食糧輸送上に大きな支障がもたらされるのではないか。こういう輸送の一面から、食糧の配給が非常に不円滑になるという結果になることをわれわれ心配するのでありますが、この点について、もう一度御確信のあるところをお聞きしたいと思います。
○藪谷政府委員 拂下げの問題につきましては、御承知のように、あの法律は戰時中買收いたしました二十二線につきまして、公共の利益に合致するように、また地方の交通の便益を増して、同時に国鉄の財政の改善をはかるということにありまして、しかもあれはわくをきめた、拂下げるならばかようかようの條件で、かようかようの方法で行えという抽象的な授護法であります。具体的な線につきましては、今後なおその法律の趣旨に從つて決定を見るわけであります。財政に寄與するかしないか、個々の路線について國鉄側として十分検討いたしたいと思つておりますが、あれは本年度の予算とは関連がございません。しかしもし適当な線があつて拂下げる場合には、收入がそれだけ増すわけでありまして、それだけ余裕ができますと、あるいは合理化をする、あるいは機械化をする場合に、予定より金がいつたような場合には、決算において、あるいは途中に予算の修正を行つて、有利なような機械化その他がますますぐあいよく進むものと思つておりますが、先ほどもお答え申し上げました通り、現在本年度の予算では非常につらいけれども、本年度の輸送力の点につきましては、十分計画通りやり得るものと確信いたしております。
○竹村委員 この主食輸送については大体日通等と契約がされておると思いますが、その契約の大体の内容と、どういう形で契約されておるかということを、伺つておきたいと思います。
○藪谷政府委員 食糧の輸送の元請は日通がいたしておりまして、鉄道の運賃はそのうちから支拂われるわけであります。鉄道の面におきましては地方地方から來る要請を農林省で集めまして、またこちらの輸送状態を見まして、輸送計画を立てて終端の駅まで運ぶ。それをまた消費先まで日通が小運送をもつて、責任を持つて輸送する、こういうことに相なつております。
○竹村委員 それでは、たとえば協同組合等がトラツクを買い入れましたり、あるいは農民の農閑期を利用して小運搬等輸送ができる場合におきましては、これは日通と再び再契約をして、そのものに許すという方針ですかどうか。
○藪谷政府委員 それは運輸省の問題ではなくして、食糧営團及び日通との関係かと思います。
○竹村委員 これは公團に拂下げられた場合においては、そうかもしれませんけれども、政府米の場合は一体どうなるのですか。
○藪谷政府委員 政府米の場合は、先ほど説明いたしましたように、やはり日通が一元的に引受けまして、それで日通の自家の輸送力をもつてやる場合もありますし、下請させる場合もあります。いろいろな場合があろうかと思います。
○竹村委員 それは大体請負わす、そうすると、私の考えでは、日通がこれを独占しているというように考えられるのでございますが、たとえばこれに対する輸送料金、運搬料金というものは、どういうような率できめられているかを伺いたい。
○藪谷政府委員 小運送料金の点につきましては、物價廳においてこれを決定しております。
○大森委員 私もちよつと関連して、……先ほどからお話もあつたのでありますが、輸送に対しましては、輸送がやはり物價の原動力をなすものだと思う。そこで肥料などを運搬する場合でも、今や独占的に日通にやらしておる。そのためには、現在私どもの地方では、三倍、四倍とつておる。四倍くらい平氣でとつておる。こういうことをあえてやらせるということは、私は非常に遺憾に思うのでありまするが、これはどうしても日通なら日通一本でやらせなければならぬかどうか。あるいは他の民間業者が、これを何かもう一つやりたいという場合においては、これを認可する意思がないかどうか。私は、こういう時代においては、どうしても競争をやらせる、こういうことでなければいかぬ。さらにもう少し進んで申しますると、今や地方においては、トラックをうんと買わして、貨物自動車を買わしたのを、やはり認可をいたした。しかしながら現在は出先官廳の道監でこれを取締つて仕事をさせない。私の地方だけでも百台あまりあるでしよう。これはなんたることだ。買わしたは買わした。買わしてみんな認可をやつた、しかしながら現在になつてからは、どうであるかというと、道監がそれを全部整理して、歩いておると、おい貴様なんだ、というようなことで、個人の営業はできないということになつておるのであります。そこで私は、個人営業ができないのならばむしろ買わせなければよろしい。しかしながら、買わした以上、やはり認可した以上、仕事をさすということでなければならない、こう思うのであります。そこで、こういうことをいつまで申し上げてもしかたがないが、今結論をお尋ねいたすのでありまするが、日通とあるいは貨物自動車などは、一縣一つになつております。この一縣一つのやつを民間の業者と二本建てにやる意思はないか。また汽車の陸揚げなどに対しまして、日通だけにやらせず、これを民間にもやらせるという御意思があるかどうか、これに対して重ねてお尋ねをいたしたい。
○藪谷政府委員 從來は、御承知の通り、無用の競争を避ける意味におきまして、また全国の統一性が長所であります点から見まして、一駅一店主義をとり、次第に合同いたしまして、日通というものができ上り、全國の輸送量の大体半分以上は占めた。しかし現在におきましても、日通以外にも小運送店があるのであります。しかしながら大きくなり過ぎた日通としまして、独占の声が高まりましたので、これを是正すべく、最近のうちに日通のほかにも鉄道の駅に対して競争の免許をいたそう、新規の免許をいたそう、こう考えておるのであります。鉄道と日通の小運送関係はさような次第で、複数制になります。 今度は鉄道の関係のない地場の自動車の問題だろうと思います。この問題については、トラック事業者が現在においても数個あります。日通も地場営業をやつておるのであります。從つて現在でも数個でありますから、競争は自由であります。ただ新規免許をするかどうかという点につきましては、一應整理いたしましたこの現行の業者を整備するという終戰の方針で、最近までは免許がそう多くはなかつたと思いますが、今後は自由競争の原理によりまして、おそらく自由に免許されるものと思つております。 それから最後に、誤解があられるようでありますが、組合が持つておる自動車で運ぶ場合に、自己の荷物ならば、これは自家用車の免許としてけつこうであります。しかしながら他人の荷物を、営業行為をやる場合に非常に問題になるのでありまして、これは現在の法規上から見まして、営業者は、日通に限らず、トラック業者、営業の免許を受けた者をやはり一方においては保護せなければならぬ。從つて組合は自動車をもつて自己の荷物を運送されるのは自由でありますが、そこにやはり嚴然たるわくがあるのがほんとうではないか、こう考えておる次第であります。
○松浦委員長代理 ちよつと大森委員に申し上げます。きようは時間もたつておりますし、有田商工政務次官も、物價廳からも見えておりますから、関連質問はなるべくひとつ簡單にお願いいたします。
○大森委員 では簡單に、そうすると、今承りますると、大体日通の方に対しましても、また何かほかの方にもそれにかわつてやらしておるというのであつたか、この点ははつきりわからなかつた。しかしながらもしも他から日通のほかにそうした業をやらしてくれというものが請願をいたした場合には、どういう方針をとられるかということが一点と、なお今自家用と営業者との区別のお話があつた。私の申し上げましたのは自家用であります。しかしながらこの自家用の余力というものに対しては、地方では地方の一縣で合同をいたしておりまする貨物自動車に対して、余剰労力によつて働く場合、そこに二割の、いわばかすりと申しまするか、権利金と申しますか、何かこうしたものを納めればやらせる、こういうことを大体今や実行いたしておるのであります。これは私は非常に遺憾に思う。大体これはどうかというと、昔の清水の次郎長が、東海道一円はおれのなわ張りだと言つてかすりとつていたと同じように今わが石川縣において、トラック業者が戰時中のような一つのかたまりをこしらえて、北陸貨物自動車株式会社というものをつくつた。その権利のために、個人自家用自動車を持つておりますが……。
○松浦委員長代理 大森委員に申し上げますが、簡潔に願います。
○大森委員 その余力を持つている。その余力によつてほかの仕事をする場合には、その権利者である貨物自動車に二割を納めればやらせてやると言う。この点はくどいようでありますが、遺憾に思う。そうであるならば、その余剰労力を持つた人たちに一つの組織をさせて、そうしてやはり営業者としてやらすことができるかどうか。また自家事用であるが、自家用だけでは、今では自分の仕事はない。これを営業としてやりたいという者に対しては、認可をするかしないか。こういう三点に対してお尋ねをいたします。
○藪谷政府委員 元請から下請の関係で、その歩合をとつておることは、これは輸送業のみならず、すべての事業にあるかと思うのであります。その程度については、意見の相違かと思うのであります。それから余剰力をもつて運べという点は、ごもつともな点だと思いますが、余剰力があるような者ならば、その所有そのものが、今の輸送力のトラックの少い時代においては、國家的には研究の余地があるかと思います。それからその免許について、自家用車が営業車になるということは、手続をふめばけつこうだと思うのであります。
○大森委員 今の御答弁、まことに遺憾に思う。下請業者というものが歩合をとることはあたりまえなんだということははつきりしたが、今日の時代に、自家用のものに、認可をいくらしろと言つても、営業の認可をしない。認可をせずにおつて、営業を停止して、そうしてそれを集めてお前たちは何々会社へ何割納めよというがごときことは、これはどうかというと資本家を擁護する。官僚すべてが集つて、資本事家から何かもらつておるか、あるいは右の手に盃を持つてつぎつぎ権力で押えておるのかわからないが、しかしながらかくのごときことをこれが当然だとして、独占事業にやらせておくということは、私は考えなければならぬと思う。今日の時代に、こうして戰時中に固めて一つにしたところの会社が、どこまでも権利をとつて、それがあたりまえだとあなた方がお認めになられるということであれば、これはけしからぬと思う。やはりそれであたりまえなのでありましようか。そういうふうに出先の道監がこれに干渉して、そうして余剰労力というものに対して、それは、もうだめなんだ、もうきようから鑑札は取上げると言つて、全部ナンバーを取上げて、何十台というものをやめさせる。そしてそれをどうかひとつやらせてもらいたいと言うと、それならば二割納めろと言うがごときことは、これは今日の時代にそれがいいのでありましようか。そういうことが実際上今日の時代に適当だと考えておられるのでありましようか。これは私は大きな問題だと思いますが、これに対してお答えを願います。
○藪谷政府委員 鉄道関係の日通との元請に対しましては、鉄道省としては大きな問題だと思いますが、これに対してお答えを願います。
○藪谷政府委員 鉄道関係の日通との元請に対しましては、鉄道省としては先ごろ複数制にしまして、日通以外の者にも許可いたします。それからあとの、たとえば米の輸送とか、あるいは木材の輸送とか、そういつたものの元請は、先ほども申し上げました通り、農林省なり公園と日通の問題でありまして、運輸省の問題ではございません。それから免許の許可を押えるとか押えぬとか、そういうことにつきましては、具体的に承れば調査をいたしたいと存じております。
○松浦委員長代理 それでは物價廳の長谷川第二部長が見えておりますから、その関係に入ります。
○井上(良)委員 この際特に米價問題について伺つておきたいのですが、御存じの通り、食糧確保臨時措置法が一部改正されるにあたりまして、その改正の重要点が超過供出を法制化するところにありますので、この法案を審議する上に一番大きな中心となる問題は、いわゆる生産割当なり供出割当なり、それに伴う農家経済をまかなう米價の問題が合理的でなければ、この法案の目的を達することができませんから、特に所管省でありまする物價廳において、本年國会を通過しました政府提出の昭和二十四年度の予算、これが具体化されました場合に、わが國の経済状況は一体どうなるという見通しを立てておるのか。特に物價の指数がどう動くか。それから重要な点は、昨年度に比較しますと、本年度は相当重い負担が国民にかかつて参ります。その関係は、まわりまして、物價がある程度引上げられるという見通しが当然立つて参ります。そういう一つの方向を持つておりますときに、依然として農業パリテイーの方式をもつて米價を算定して行くという考え方、いま一つは單一為替レートが設定されて、今後わが國の自給経済において不足する食糧の一部を、これによつてまかなわなければならぬという面も予想されておりますから、この單一為替レートの設定に基く外國農産物價格と、わが國の農産物價格との均衡を、どう一体調整しようとするか。これらの総合的な見地に立ち、米價に対する一つの方針を、まず物價廳として明らかにしてもらいたいと思います。
○長谷川(清)政府委員 今後の物價の見通し等に関してのお尋ねでございまするが、御承知のように経済九原則のねらつておりますところは、なるべくすみやかに日本経済を安定せしめて、しかる後に経済の自立をはかるということが主眼点になつておるのでありまして、物價の面から見ましても、從いましてなるべく現行物價水準を動かさない範囲内において、できればやつて行きたい。こういう線が今後大きく現われて來るのではないか。そのためにあるいは國民生活等におきまして、それぞれの面において、相当の負担が加重せられるということは、ある程度予想しなければならぬところではないか。こういうふうに考えておるのであります。しからばその場合におきまして、米價がどういう関係になるかということでありまするが、現在やつております方式は、ただいまお話のありましたように、いわゆる農業パリティー方式によつて米價を算定しておるのでありますが、先ほど申しましたような、今後の物價の見通しであるということでありますならば、勢い農業パリティー指数を從來のように大幅に上げるということは、あまり考えられないと思うのであります。しかしながらまた一面、今回為替レートが三百六十円に決定せられましたこと等によりまする影響が、若干消費資材面に現われて來ることも予想せられるのでありまして、今のところ、本年産米價の算定基礎になりますパリティー指数が幾らぐらいになるかということは、もとより予測できないのでありまするが、あまり大きく上るというしかうには考えられないというふうに思つております。特にお話の中にあります單一為替レート設定に関連いたしまして、國内米價と國際米價との関係をいかに調整するかというお話でありますが、この点は非常にむずかしい、いろいろの角度から考えなければならない、非常に困難な問題であるのでありまするが、一應考えられますことは、現在のわが國の米價は、いわゆるパリテイー計算によつて農家の購入いたしまする鉱工業品の債権の値上り別にパリティーをとつて引上げられております関係上、一應國内物價の面におきましては、一般の物價と米價の上昇率は均衡がとれておるという考え方が成立つのであります。もちろんパリティー計算の具体的内容につきましては、これはいろいろ御意見もあると思いますし、また將來われわれもいろいろ研究の上改善の余地は認めるのでありまするが、一應そういうふうに考えられる。そうしてきめられました國内の米價が、アメリカのと申しまするか、外國の米價と割安であるか、あるいは割高であるかという事関係になりますと、その前にまずアメリカの農産物價格が、アメリカの卸賣物價指数と申しまするか、アメリカの物價に対してどういう関係にあるかということを、一應考えてみる必要があると思うのであります。結局は日本の米價が日本の物價に対してどういう関係にあるかという点と、アメリカの農産物價格が、アメリカの物價に対してどういう関係になつているかという、この四つの点が交錯いたしまして、考えられなければならないのではないか、こういうふうに考えるのであります。ざつとした考え方をいたしてみますると、大体アメリカの現在の物價水準は、戰前の物質水準の二倍程度になつておるようであります。農産物の價格は大体二倍半程度に上つておるようであります。從いましてアメリカの農産物の價格は、アメリカの物價に比較いたしましては、若干割高になつておるというような関係もあると考えますが、これを國内物價と比較いたしまする場合において、われわれが考えなければなりません点は、特に現在われわれが比較いたしまする價格は、シイフの横浜における價格を中心に考えておるのでありまするが、もちろんこれには輸送賃等が相当入つておるのでありますので、それらの点も考え合せて、同時にまた現在のアメリカの穀物相場が將來どのような方向をたどるであろうかというような点、また日本の米價が將來どのような方向をたどるであろうかというような点も、合せて考えなければならないのではないかというふうに考えておるのでありまして、いずれ具体的にこれをどういうふうに調整するかという問題につきましては、また皆さんの御意見をも聞きまして、十分に研究して参りたい、こういうふうに考えている次第であります。
○井上(良)委員 物價廳としましては、單一為替レート設定に基くアメリカの農産物價格に対應いたしまして、わが國の農産物價格というものが実際安い、つり合いがとれてないという考え方ですか。それともまだそこまでの結論が出てないということになつておりますか。これは非常に大事なことでありますから、その点をまず伺いたい。
○長谷川(清)政府委員 この問題は先ほど申しましたように、いろいろの方面に関係いたしておりますし、いろいろの面から檢討を加えなければ最終の結論は出ないと考えるのであります。まだ最終的にどうという結論まで持つておるわけではありません。ただ先ほどちよつと申しましたように、一應國内の米價は國内の物價と均衡がとれてでき上つており、アメリカの農産物價格はアメリカの物價に比較しまして、二割方程度上昇しておるということ、そしてそれを具体的にアメリカの卸賣價格について申し上げてみますると、大体現在小麦が一ブツシエル二ドル程度でありまするから、これを内地の石に直しますると、大体石当り十ドル、これをかりに三百六十円レートではじいてみますると、三千六百円ということに相なります。一方國内の今年の小麦の値段はどのくらいであろうかと考えますと、これはまだ正式にはきめられておりませんけれども、三千円ちよつと上まわる程度ではないかというふうに予想せられます。そういたしますると、アメリカの市場價格と内地における公定價格は、その間にやはり二割程度の開きがあるということが考えられるのであります。その二割程度の開きを、先ほど申しましたアメリカの一般物價水準の値上り率とアメリカの農産物價格の値上り率の差、それが大体二割程度あるという点、將來のアメリカの農産物價格がむしろ上昇というよりも先安の傾向にあるというような点を考えてみますると、数字的には、大体一つの動き方というものが表われておるのではないかというふうに考えるのでありますが、これは先ほども申し上げましたように、ただ一つの見方でありまして、これをもつて全般を見ることは困難ではないかと思います。いろいろの資料等によりまして、さらに研究を進めて行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○井上(良)委員 これは私どもも專門的に結論を出したのじやないのですけれども、御承知の通りわが國の農産物の生産者價格とアメリカの農産物價格を比較いたしまして、世上におきましては、ともかく日本のと比べれば二倍あまりアメリカの方が高いのだ、こういう常識論が淳朴な農民の頭へ響いた場合、これは供出の上に非常に影響して來るのであります。政府は一体この事実を何とするか。それに対しては、われわれから四百億からの税金をとつて補給金を出しているじやないか。それを何で一体生産者價格の方へまわしてくれぬのか。こういう意見が農民の方から起つて來ました場合に、われわれこの問題を審議する者として非常に困るのです。実際言いますと、そういう常識的な議論がちまたに行われまして、科学的な計算の基礎に立つ理論が案外とられずに、アメリカの物價と日本の農産物價格と比べたらこうではないか、おれたちは二倍半も安く賣つてるではないか。しかもおれたちから税金をとり上げた金で、四百億も補給金を出しておるではないか。それを何ゆえに生産者價格に持つて來ぬかという意見が出ますから、こういう点について十分結論を得るような案を、政府において考えて來なければならぬということと、それからこの際伺つておきたいことは、近く麦、ばれいしよの補正をやるそうでありますが、これにあたつて当然政府がこの七月に麦、ばれいしよの生産者價格を大体きめなければならない。從つてそれをきめる基礎になりますのは、農業パリティーの指数の問題です。そうしますと、現在農業パリティーはどの指数に一体上つておるかということをこの際明らかにしてもらいたいと思う。それに大体予想として七月の暫定米價の決定は、数字はおよそどのくらいになるのか。これは最後的な決定はいろいろな関係があつて発表できますまいが、およそ麦の場合は一石当り三千円というお話が今ありましたが、ばれいしよは十貫目当りどのくらいになるという想定か、これをひとつお話願いたいと思います。
○長谷川(清)政府委員 ただいま井上委員から、今回為替レートが三百六十円と決定せられましたのにつきまして、園内米價が非常に割安であるというような印象を農村に與えることは、政府としても十分考えなければならないという御注意でございました。われわれといたしましても、まことにありがたい御注意だと考えます。なおその点に関しまして一應の考え方を申し上げてみますと、よく現在の輸入小麦の價格は、レート百六十円であるということが言われましたときの價格は、アメリカの小麦を横浜に持つて來まして、横浜までの運賃諸がかりが全部かかつたその値段と、内地の庭先價格と比較して計算を出したわけであります。そうしますと、お話のようにざつと八割程度は高くなつておるのが事実であります。しかしながらこれをもつとこまかく考えてみますと、先ほど申し上げましたように、一例でありますが、アメリカにおける穀物價格がアメリカでは幾らしておるかということを計算するのも一つの方法であります。それをやつてみますと、大体石当り三千六百円程度にアメリカの小麦はなつておるということでありまして、内地の價格は今年大体三千円ちよつと上まわるのではないか。現在の農業パリティー指数は四月末日で一四三・三三という数字になつておりまして、昨年の麦がきめられましたときの農業パリティー指数は一一〇でありましたから、大体三割方上昇しております。從つて本年産の麦の價格は大体二十二年の三割方上昇するであろうというふうにお考えになつていただいていいのではないかと考えておりますが、その價格は三千円ちよつとということでありますから、アメリカの三千六百円と比較いたしますと二割方安いということになります。ところがアメリカの農産物價格は、御承知のように戰爭中の特殊な需要があつたために、また戰後は世界全体の食糧不足をアメリカが一手に引受けておつたという関係から、相当高くなつております。一般物價に比較しますと二割方上つておるという点をあわせて考えてみますと、大体トントンになつておるという一應の見方もできると考えるのであります。しかしこれをもつて何も今の米價がこのままの形においていいとか悪いとかいうことを申し上げておるのではないのでありまするが、ただ数字上そういう比較検討も成立つということを御参考までに申し上げた次第であります。
○井上(良)委員 いまひとつ根本的な方向として、從來パリティー指数によつて米價を算定して來たのですが、これによるよりほかに適当な計算の方法が見つからぬ。米價の決定には生産費を基礎にして算出するということは、理論的には正しくても、日本のような非常に異なつた農業形態のもとに行われておる所では、非常に厄介な問題でありますために、この方法を採用しておるのでありますけれども、最近單一為替レートが設定されて、外國との取引が盛んになつて來るということになつて來ますと、国民生活のあらゆる面に、また國内生産の面に大きな影響を持つて來ます。そういう点から、物價廳としましては、一應從來やつて來ましたパリティー方式による米價算定のやり方というものは、ひとつ飛躍をいたしまして、やはり相当の農産物直結がどう動くか、それにわが國の農産物價格をどう合わして行くかという方向をもつて行かなければだめじやないかという考え方をもつでおりますが、それに対する御意見はどうでありますか。
○長谷川(清)政府委員 現在のわが國の経済状況は、いわゆる占領下にある特殊な環境に置かれておるのであります。從つてその價格形成等につきましても、これは国際経済からある程度切り離された價格がつくられることもやむを得ない面が多々あると考えるのであります。從いまして、いまただちに國内のすべての物價を國際價格に再編成するということは、なかなか実現困難ではないかと考えております。しかしながら將來の方向といたしまして、國内の價格を國際物價に漸次再編成する方向に向うべきであるということにつきましては、われわれもそういうふうに考えておる次第であります。
○井上(良)委員 それから現行のパリティー方式を、いまただちに新しい算定方式に改訂できないとしますと、当然二十四年度産米はこの方式によつて算出されると思いますが、そうなりますと、昨年來米價のパリティー方式による算定の基礎になつておりまする農家の生産資材なり、生必物資の品目のとり方なり、またウエイトの置き方なり、いろいろな問題が横たわつておりまして、これらの問題が一体どうこの一年間に改善されたかという問題、そうして將來一体どういう改善をこれに加えて行こうとするか。それからこの出発点です。農家の使用しております生必物資なり、工業生産品である生産資材というものの一つの指数というものと、それから米價を算定します基礎になつております。あれは昭和九年から十一年でしたか、この間のとり方というものが、非常に実は問題になつているのであります。これを何とか改訂を加えてもらわなければ、いわゆる工業生産の値上りとつり合いがとれぬという意見が、原則的な通り相場の意見になつているのです。これをあなたの方では、この一年間どいうふうに檢討を加えて行くか、そうして今度の新しいパリティー方式による算定方式に、一体どう現われて來るかという点をお聞きしたいのでございます。
○長谷川(清)政府委員 新米の價格に採用いたしまするパリティー計算の具体的の品目なり、ウエート等につきましては、昨年度の農家経済調査の資料をとりまとめておりまして、その資料に基きまして、昨年と違つた品目なり、あるいはウエートなりを採用することになろう。こういうふうに考えております。なお品目なり、ウエートのとり方につきましては、農業團体その他からいろいろの意見も出ておりますので、われわれといたしましても、未だ最終的には結論を得ておりませんが、いろいろ研究をしているような状況でございます。基準年次の点につきましても、いろいろ御意見がありますので、研究を重ねてはおりますが、おそらく、基準年次については、今のところやはり九、十、十一年を採用することになるのではないかというふうに考えております。
○井上(良)委員 もう一点伺いたいと思います。それは中間マージンの問題です。御承知の通り去年もこれは問題になつたのでありますが、この生産者價格から消費者價格の場合に、約五十一億三千百万円というものが食糧管理局の人件費というもので入つております。いま一つは、政府職員の経費を消費者價格の中へ織込むということはこまるというので、昨年もずいぶんこれは問題にしたのでありますが、政府機関として食糧行政をやつておりますから、公團、配給所における経費を見積るのはやむを得ないとしましても、政府が食糧行政を行わなければならぬ責任があつてやつている費用まで、消費者が負担するということは非常に迷惑です。これはぜひ今度改めてもらいたい。いま一つ営團マージンの中に損耗量というのが織込まれておりますが、この損耗量もこの間の農林委員会で大分問題にいたしまして、この計算がまつたく目分量の計算になつている。少しも現実の事実を把握した上の計算ではない。一俵当りこれこれ、十貫当りこれこれと、こういうきめ方をやつている。これが年間三億円近い金に上つている。こういうものを全然あなたの方は檢討を加えずに、消費者、價格をきめられた日には、消費者はたまつたものではない。それらの点についてひとつ伺つておきたい。
○長谷川(清)政府委員 食糧管理局の人件費の大部分が消費者債権に織込まれているという点でありますが、これはいろいろ意見のあるところでありまするが、一應いわゆる食糧管理局の人件費のうち、行政的事務をするもの以外の者は、現業的な仕事をしているのだという考え方からいたしまして、消費者價格の算出に織込まれることになつたのでありますが、從來から問題になつておりました食糧調整委員会のごとき、いわゆる行政的な面をやつておる経費につきましては、これを一般会計の負担にするように、本年度から改めた次第であります。なお損耗量の点で事ありますが、これは米についてはたしか十五兆の目欠を見込んであるのであります。この一・五%の目欠が多いか少いかという点にいろいろ問題があるかと思いますが、これは長年の実績がこの程度になつているのでありまして、最近特にこの数字を使つたというり性質のものでないのであります。もつともお話のように、この見方が甘いか辛いかという点は、消費者にも相当影響のあの点でありますので、現在農林省の食糧管理局におきまして、営團について実際の損耗率がどの程度にあるか事ということを検査をしてもらつておりまして、将来この一・五%より違つた事実績が現われるようでありますれば、その際にはもちろん新しい資料に基ずいてかえたい。こういうふうに考えております。
○寺島委員 私はごく簡單に長谷川さんにお尋ねいたしたいのであります。與党の立場から質問いたすのでありますが、私の考え方を午前中に示してありますから、それに沿つて率直にお答え願えればけつこうです。私は実にきようの長谷川さんの井上さんに対する御答弁を聞いておつて、隔世の感を実は催している。あなたが第三國会で永江農政のもとにおいて、政府委員としてこの席にあられまするや、昂然としてこういうことをあなたは言われておる。一昨年は実に農家の実態調査は百七十八戸にしか過ぎなかつた。しかるを五百九十九戸にふやしているのだ。しかも雇傭労賃騰貴率その他公租公課等を全部あげて、今やこのパリティ一・システムはこれをもつて完璧だというふうな、概念的な御説明をあなたはなすつておられる。あなたは首を傾けるようでありますから事もう少し申しますと、当時の同僚であつた成瀬喜五郎君との質疑應答を繰返して読むのもなんですが、それに明々白々に出ている。ところが今井上君の御質問ないし先日私と食糧管理局長官と、きようは農林大臣との間にとりかわした質疑應答によりますれば、米價が安いのだと率直に食糧管理局長官は認めておられる。米價は安うございますと、その口でりつぱに言つておられる。 そうして農林大臣もたしかに國際價格その他に比べて、過去において米の値段は安かつたのだ。純朴なる農民大衆は、アイツシャー式パリティー方式なるものの具体的計算を御了解願えないだろう。なかなか事こまかに計数について承知をしないだろうと思う。と言われた。こういうようなことで、何年間か日本の農民は安い米債で大体やつて来たのだ。この低米價がやがて低賃金に通ずるのだということを、この前論述しておいたのですが、これはりくつにわたりますから、きようは井上さんの前で、アメリカの小麦價格についての御議論ですが、これはアメリカの小麦はたまたま現在先物が安くなつておる。これは言うまでもない。食糧政策がニュー・ディールの一環として行われるならば安くなるだろう、こういう思惑から、非常に安くなつているところでやつておられますけれども、現実の数字は私の計算によれば、向うのものが一トン当り小麦にして約三万七千二百円、日本の小麦が二万一千九十円、あなたの言う二割という話とは大分違つておる。しかし物價廳から出した数字によると、御丁寧にもアメリカの運賃ないしは保険料というようなものは四〇%かかつておる。ところが計算してみると、実際問題として四〇%はない。たとえばシャムの米の例などを引いてみても、そんなにかかつていないということを考えてみますと、私は結論とし申てし上げたいことは、井上さんが言われたように、今や國際米價とかけ離れた米價にそのまま放任しておくということは、いわゆるあなたの御承知である内閣家計費実態調査によれば、やみに流れておる米を捕捉する、納得のできる供出制度というものが、困難になつて来るのであります。こういうことから考えますと、私は三つの点について申し上げるのですが、第一点は、国際水準にある世界穀物の統計が、ほぼ近年において完備しておる状態においては、ある一定の騰貴率を示したときには、これだけ日本のでき上つたパリティーにかけて、これをコントロールするのだ。また反対に別の所論をせられる人のように、非常に小麦の價格が下つて来るのだ。そうした場合に、やがて日本の農家は圧倒されるのだというような場合に、すでに氣の早いあなたの故郷である農林省の農業改良局の一角においては、もはや日本の禾本科的作物は前途が薄いのだ。よろしくこれ耨耕作物に切りかえるべきである。これは大槻博士もそういうことを言つておられる。また高田保馬博士の経済原論の冒頭に、九州大学の楼上からながめた筑前平野の菜の花を何で忘れようぞ、と言われています。これほどあつた菜種が今や麦にかわつている。それが再び菜種に返るのだ。すなわち禾本科作物から耨耕作物の轉換を考えなければならぬかもしれぬ。しかし米をつくり麦をつくる耕作農民に対しては、こういう價格政策で、イロア資金やガリオア資金といつたわからない難解の権威で、農民から収奪した以上、これは一定指数を上まわつた場合、もしくは一定指数を下つた場合には、一定の計数をもつてこれをコントロールするという算定方式を今日において用意しておくことが、耕作農民にとつて最も了解をやすからしむる政策の第一なりと思いますが、これに対してあなたの御所見を伺いたい。
○長谷川(清)政府委員 その問題については、ただいま申し上げましたように非常にむずかしい問題で、御指摘の点は十分承つて、なおせつかく研究してみたいと思う次第であります。
○寺島委員 別に政府に議論をふつかけておるのではないのですから、御意見の点はよく承つて去々ということではなくて、私は與党の議員として、現政府の農業政策を推進して行きたい、かように考えておりますから、御了承を願いたい。 次に、フイツシヤー式パリテイー・システムは、今日の段階においては行いにくいものだということです。去年あなたが成瀬喜五郎君との間に——今は議場に見えておりませんが、成瀬君との間に行われた問答の中に、やみ債格を入れないということをあなたは非常に言つておる。しかし今や民主自由党のいわゆる善政によつて、だんだん公定値格ははずれて行つておる。あなたが虎の子のように大事にしておつた七十一品目は、公定債格によつてのみ行わんとした。このパリティーの品目というものは、とらえんとするに姿なき実体に飛び去つておる。 このときに、もはや不可解なオーリドツクスを用いるの方法は、はなはだ困難な段階に際会いたした。よろしくパリティー計算は理論上の根拠にかんがみて、実効債格を事明細にこれを取入れなければ、現政府の民主自由党のもとにおける物債聽の部長としては、いささか沿わ事ない意見ではないかと考えますので、差迫つたこの問題に対して、現実に政治は生き物ですから、去年のことを引用してとやかくは言いませんが、この際物債聽の立場として御所見事を承りたい。
○長谷川(清)政府委員 御指摘の点も、パリティー計算の内容といたしましては最も重要な点でありますが、特に今お話のように、漸次自由債格品が多くなつて参りますと、現在のシステムがそのままでいいかどうかということは、非常に研究しなければならない点でありまして、この点については本年の米債をきめます資料が出そろいましたときしに、その資料と、現実にそのときに公定債格をはずれました品物の数等とにらみ合せてみて、何らかの方法を考えてみたいということで考えておるようなわけであります。
○寺島委員 何らかの方法を考えてみたいということですが、その方法ができれば次の臨時國会に生まれることを実は大いに頼みにしておるのです。 次にパリティー計算において、あなたの言われることは、不可解のオーリドツクスの一環をなすべきものであると思います。天候その他の自然的條件というものを一つも考えておらない。これは明々白々なることであろうと思う。あなたは大体農林省の役人だつたから、このことはわかるはずである。ところが物債廳のいすにすわるや、米というものはあたかも炭鉱生産か機械生産と同じようなふうに考えておる。そこでこれは根本的にもどつて参りますと、いわゆる生産費計算ということがきわめて困難であるというりくつにもうかがわれる証拠でありますが、私は農産物價格は天候その他の自然的條件にきわめて支配される特殊の産業である。從つて價格決定にあたつて、必需資材、すなわちあなたが農村に割当でておられる必需資材を出せりとは言いながら、おてんとうさまには罪なし、いかんともいたしがたきこの天候の諸條件が豊凶に及ぼして、一定の計数條件が出て來る。たとえば過去の五年なら五年、七年なら七年というふうに統計をとつて——私は五年という案をとつて考えておりますが、五年の案をとつて、そこに豊凶のいずれかの場合において、不当にその價格が左右せられる場合といえども、やはり農民が保障せられるというような制度を、ひとつ考えてみられることがよかろうかと思いますが、これについてごく簡単にその御出意見を承りたい。
○長谷川(清)政府委員 御承知のようにパリティー計算は最近採用した制度であります。従つて未解決のいろいろの問題が残つておるのでありますが、その中で、御指摘の点は確かに大きな問題であります。さいわいにパリティー計算を始めましてから、大体平年作を維持しておつたものでありますから、この問題があまり大きく取上げられずに今日に至つたのでありますが、しかし理論的にはもちろん豊凶の差をどういうふうに調整するかということが大事なことでありまして、これにつきましてもなおよく御意見等も拝聽いたしまして、研究して行きたいと考えております。
○寺島委員 私の申した三点についてはよく検討されるということでありますから、一癖その程度で了承いたしますが、ただこまかい点について一点伺います。これは食糧管理局長官とも話した点でありますが、その内容について御存じの、例のバツク・ぺーを七月に行うことは理論上正しいのではなく、やはり十日に行うのが妥当である。そうすればやはり十月にバツク・ぺーを行うという方向にお考えを願えないものかどうか承りたい。
○長谷川(清)政府委員 バツク・ぺーの問題につきましては、実はパリティー計算は生産費計算でもありませんし、むろん再生産費主義でもないわけであります。ただその均衡價格をつくるという意味だけを持つシステイムであります。ところがバツク・ぺーを主張せられる根拠は、來年度の再生産費を保障しようという考え方に出発するのでありますから、パリテイー計算に再生産費的な色彩を持たせろ、こういう意味になろうかと思うのであります。そういうことを考えますと同時に、しからば十月に決定された米價が、生産費より見てはたしてどうであろうかという点を、一懸調べてみる必要があるのではないかということが問題になつておるのです。その辺をだんだん深く掘り下げてみますと、たとえば昨年あるいは一昨年のように、肥料の値段のごときは、大体春肥と秋肥の値段は違つております。秋肥の方が高くなつている。パリティー計算に採用しておりますところの價格は、秋肥の高い價格が採用してあるのであります。ところが現実に農家の使用した肥料は春肥でありまして、安い肥料を使用しているにもかかわらず、パリティー計算の計算上では高い肥料を使つたことにして計算ができている。理論的にそういうことになるわけです。從つて生産費を保障するという意味においてバツク・ぺーをするということを考えます場合には、同時に第一次にきめた價格が生産費的にどうであつたかということを、一ぺん振り返ろうじやないかというところから出発いたしまして、現在の三級方式というのが生れているわけであります。三級という比率につきましては別段理論的根拠があるわけではないのであります。根拠があまりありませんので、これをかえることは事情によつてはできると考えますけれども、全然過去にさかのぼらなくてもよいということを考えるわけには行かないのではないかと考えております。
○松浦委員長代理 次は商工関係ですが、吉川君。
○吉川委員 私は主食供出リンク衣料品の取扱いの機構に関しまして、商工省にお尋ねをいたしたいと思います。この問題は食糧を増産し、これを確保するということが、日本の國民生活安定上きわめて重大な問題でありますので、本委員会においては各党まつたくこの問題には重大な関心を持つて、この懸案解決に向つて政府の御意向を伺つて参つたわけであります。農林大臣、安本長官には御意見を伺つたのでありますが、商工大臣においでを願つたのでありますけれども、昨日も遂に待ちぼうけを食わされてしまいました。本日はまた大臣が見えるかと思いましたら、大臣がお見えにならないで、有田商工政務次官がお見えになつたということは、かえつてむしろ私どもの歓迎するところであります。何となれば、この重大問題について有田さんのような新しい感覚を持つた、ものわかりのいい政府委員がおいでくださつたということは、商工大臣以上であろうと私事どもは大きな期待を持つて、これからお伺いをするわけであります。 去る二十日の本委員会におきまして、農林大臣、安本長官の言明の内容を申し上げますると、本年度の麦、ばれいしよ供出リンク衣料品の登録小売業者別取扱い数量の割当は、消費者たる供出農民の希望する度合に應じて、地方長官において決定するものとする、但し右の措置を実施するにあたつては、リンク用衣料品の配給時期を遅延させず、かつ農民の自由な意思を反映させるとともに、各登録小売業者のいずれにも差別的取扱いをせざるよう留意するものとするというような言明でございました。これに対しまして商工省は確認をいたたけるかどうかをお伺いをする次第であります。
○有田政府委員 この問題は大体安本において発表になることになつております。安本長官が皆様にさようお話になりましたら、その線において商工省としても異存はないのであります。さよう御了承願いたいと思います。
○吉川委員 私が予想いたしました通り、非常にはつきりとものわかりのよい御返事をいただいて、まことにありがたいのであります。それにつきましては、実はここに地方長官において決定するということがございますけれども、それに対する安本長官の言明では、今からでは技術的に麦、ばれいしよに関しては間に合わないから、そこで地方長官にまかせるのだ、次に米やかんしよについてはそれに間に合うようにやりたい、こういうお話でございましたが、私どもが実際上そういう問題を今まで見て参つた考えからいたしますと、地方長官にこの問題をまかせるということは、今日まで中央において非常にごたごたいたしましたこの問題が、地方へこれを移したという、だけで、おそらく地方長官のもとにおいて、この問題の決定までに相当な紛糾が続けら事れるのではなかろうかということを憂慮するのであります。これは私どもから見ますと、中央できめなければならない問題であつて、地域によつて特殊性があつて、その特殊性によつて特別の扱いをしなければならないというような内容を持つた問題ならば、あるいは地方におまかせになることもけつこうでございますけれども、ただ間に合わないから地方長官にまかせるのだということでありますならば、かえつてこの問題の解決は遅延するのではなかろうかということを憂慮するのであります。むしろこれは、ただいまのような有力な民自党に支えられるところの強力な政府によつて、中央においてこの際はつきりと御決定をいただくことの方が、この問題解決の一番近道であると考えるのでありますが、いかがお考えでございましようか。
○有田政府委員 御説ごもつともでありまして、たしかにさような考えもできると思うのでありますが、すでに安本長官なり、あるいは農林大臣からお話があつたことと思いますが、麦並びにばれいしよの報奨物資の衣料品の配給につきまして、目前に差追つた問題でありまして、しかも御存じの通りに、今日の段階におきましては、各縣におきましていろいろと事情を異にしておりまして、現段階においては、安本、農林、商工と集まりまして——大体決して皆様方が、御満足の行くラインでないことはよく了承しておるのでありますが、この点でひとつ何とか御了承願つて、そうして地方長官において、公正厳正に配分の方法を御決定願いたい。かように考えておる次第であります。
○吉川委員 政府次官は民事党の中核幹部として、また商工行政の責任ある担当者といたしまして、日夜たいへん活躍されておいでで、お忙がしいから、あるいはお耳に入つていないかもしれませんが、実は今年二月九日であつたかと思いますが、福岡縣知事からこの問題に関しまして、商工省の繊維局長あるいは商工大臣に宛てまして、この問題解決の意見が上申されていることをお聞き及びかと思いますが、それによりますと、大体昨年の十月繊維局が主宰されました知事の会合から四箇月たちまして、やつとこさその五〇%ずつわけあつて処理したというような上申書の内容のように伺つております。もしそうであるとするならば、私の想像通り、これはかえつて供出のためにも、割当供出数量確保のためにも、たいへんな影響を及ぼすと思うのでありますが、その点についてお聞き及びでありますか。あるとするならば、かえつて地方廳にまかせると、結果はたいへんな混乱を招来してまずいということになるのではないかと思いますが、いかがでございましようか。
○有田政府委員 さような意見も安本なり農林、商工の間にいろいろ話があつたのでありますが、結論するところ麦、ばれいしよの報奨が目前に迫つておるので、この際は供出農民の意向を十分参酌してやるようにという、今あなたが申されました線において、地方長官に委譲するということになつたわけでありまして、御了承を願いたいと思います。
○吉川委員 そういたしますと、安本長官の言明なすつたことを確認していただいた限度において、それの具体的な問題についてはつきりさせていただきたいと思いますが、第一審に農家が供出前に希望購入先を町村長に提出をいたします、町村長は供出割当量に比例して、小売店側の取扱い数量を算定する、そうして小売店側の比率をつくりまして知事に報告をいたします。地方長官はこの比率によつて決定の上、購入割当証明書というものをそれぞれ共同荷受機関に交付するというようなお取扱いをしていただけば、この問題はきわめてスムースに運ぶのではないかと考えるのでありますが、これについていかがでありますか。 〔松浦委員長代理退席、坂本委員長代理着席〕
○有田政府委員 その方法につきましては、こまかい指示は政府からは長官にいたさないのでありますが、長官において供出農民の意向を参酌して御決定を願うという方法になつております。
○吉川委員 ただいまのお答えによりますと、非常なこれは好ましからざる結果を招来することを私は憂慮いたしますので、その点は一つ御再考を願わなければならないと思います。そうしてもう一つ安本長官も農林大臣も、米とかんしよの場合には間に合うように措置したい、安本長官は努力するということをはつきりとおつしやつたのでありますが、これは遅くとも七月までに行わなければならないと思いますが、これについて御意見を伺いたい。
○有田政府委員 私といたしましても安本長官の考えの通り、できる限りすみやかなる機会においてこれを決定すべきものである。かような見解を持つておる次第であります。
○竹村委員 ただいまの点で大体わかつたのでありますけれども、ここに一つ残つておる点は、昨年度の衣料品の登録選挙にあたりまして七割の既存業者を残して、三割だけ改選された。この改選の場合におきましては、農民が自由に自分たちの出した供出に対する報奨物資を受取るのが、たとえば自分たちでこさえた農業協同組合からこれを受けようとする場合においても、わずかに三割だけの改選であつたがために、その選にもれた協同組合があるのであリます。そのときに知事がその選にもれた協同総合から買わしめるという方法は、現在ではとれないのでありますけれども、從つて、米、かんしよの場合において、その農民が自由に協同組合から受取ろうとした場合において、たとえば現在の登録店の改選というものを全般的に、百パーセントの面で改選しなければならないと思うのでありますが、これに対して商工省はどういうふうにおやりになる考えか、具体的にお答え願いたいと思います。
○有田政府委員 この前の三割、七割というお話のときは、吉田内閣以前の問題でありまして、わが党内閣といたしましてはさようなけちくさい考えは持つておらないのであります。全部放り出してやりたい。かように考えております。
○深澤委員 そうすると地方長官にまかせるということは、三割、七割の制限を全部撤廃して、農民の自由意思によつて選択させるという意味で地方長官にまかせるというのか、その点ひとつはつきりさせていただきたい。
○有田政府委員 お答えいたします。ただいまの場合は登録の更新のことを言つておるのでありまして、その麦、ばれいしよの問題については、今登録の更新をただちにやるということには、やはり一定の時日を要するのでありますから、これは一應地方長官に一任しよう。しかしながら登録の更新についてただいま質問があつたのは、たしか昨年の六月か七月かと思いますが、三割だけ更新したというけちくさいやり方であつたのでありますが、わが党内閣においては、そういうけちくさいことをやらない、かように申し上げた次第であります。
○深澤委員 そういたしますと知事に委譲されたという内容は、現状のまま結局知事がどういうぐあいにしてもよいという意味でまかされたのか、あるいは知事によつては今までのものを全部撤廃してやるというような場合でも、それは知事にまかしておくのかどうか。その点をひとつ。
○有田政府委員 御存じの通り、衣料品の配給は統制規則というものがありまして、登録店以外はできないわけであります。從つて縣知事にまかせましても、その範囲内で、登録店以外は販賣は許されないのであります。しかしながら約一万二千の農業協同組合のうち、七千ほどはすでに登録済になつており、あと五千ほどが登録されていないので、今度の選挙におきましては、商人も農業協同組合も平等な立場において、自由闊達に登録の決定をさせるということを考えておるのであります。今度の麦、ばれいしよの問題につきしましては、今までの登録店がありますので、登録されたる農業協同組合あるいは登録店を通じて配給する。しこうしてそれについては、供出農民の意向をしんしやくして配分を決定されるよう地方長官に希望して委譲するわけであります。
○吉川委員 現内閣においてはけちなまねはしない、全部について登録更新をやる。たいへんけつこうな御返事をいただいたわけでありますが、もう一つはつきりいたしておきたいと思うのです。そのために、二十日の安本長官の言葉をもう一ぺんひつぱり出しますと、農業協同組合またはその全國連合会を、新たに小賣または卸賣として登録することについては、次回の登録更新の際に、一般商業者と無差別に取扱うものとすると言つておるのであります。そこでこの次回ということについて、私は期日を聞いたのでありますが、安本長官は米、かんしよに間に合うようにしたいと言うだけであつて、私の七月までにという問に対して、はつきりした御返事がいただけなかつた。有田政務次官は、非常にはつきりしていられますから、御返事いただけそうに思いますので、この点をはつきり伺いたいと思います。今まで長い間、農林省と商工省とはどうも話合いがうまく行かない。そのために、供出の問題に支障を來したり、委員会がこの問題のために貴重な時間を費し、政府委員の方にも尊い時間を費させておる。こんなことをいつまでもやつておるようでは、日本の國民のための政治は期待できない。そういう意味で心配をしておるわけでありますから、ひとつ明確な御答弁を伺つておきたいと思います。
○有田政府委員 昨日全國の商業者大会がありまして、本日その方々の代表がお越しになつて、今度の政府の決定であるところの供出農民の意向をしんしやくしろということについて、いろいろ疑惑のある御質問がありました。一年間ほんとうに汗みどろになつて働いたものを非常に安く供出された労苦に対する報奨物資は、供出農民の意向を十分参酌してやるということについては、商工省としてあなた方からこれに対する攻撃を受ける何ものもない、かようにはつきり申し上げて帰したような次第であります。今まで商工省は、農林省に対するこれらの問題についてセクシヨナリズム的なところがあつたかもしれませんけれども、私が商工政務次官に就任いたして以來は、さような考え方は絶対許していないのであります。さらにただいま御質問になりました時期の問題は、安本長官が発表すべきものでありまして、商工省としてこれを発表することは越権の沙汰でありますので、惡しからず御了承願いたいと思います。
○井上(良)委員 報奨物資のうち特に商工省所管の関係のものが多いのでありますが、途中ですりかえられて、どうも約束通りの品質のものが來ないのです。商工省はこれをどう防ごうとするのか。いま一つは、全般的に見まして、男用と言いますか、男子のものが非常に多くて、婦人、子供のものがほとんど配給されない。農村はほとんど家族労働によつてやつておる関係から、婦人用の作業衣、あるいはまた婦人用の衣料が非常に要求されております。しかるに單一のものばかり出されるので、何とか米、いもの報奨については、特別の考慮を拂つていただきたいということをお願いしておきます。
○有田政府委員 井上委員のお話、もしもさようなことがあつたといたしますれば、商工省の非常な手落ちでありますので、具体的な事実をお示し願えば、ただちにそれに対する対策を講じたいと思います。またこれは漁網の問題などでも同じでありますが、役人と役人の間は実にうまく行つていないということを、私は商工政務次官になつて痛感したのであります。この点につきましては、よく農林省と話合いをいたしまして、農林省の御意向に従つて私どももやりたいと考えておりますが、農林省と商工省と安本との間で、そういうような生産計画をつくるわけでありますから、商工省だけの手落ちでもないのであります。もしもそういう間違いがありましたならば、それは農林省なり安本にも責任があるのであります。すべて農林省、商工省、安本の間において、来年の報奨物資についてはどういう計画でやるかということが決定され、さらに商工省がそれの生産に移るのでありまして、その点は私どもの方からも連絡をとりますけれども、本委員会においても、安本並びに農林省と御連絡願いまして、また來年女ものばかり行つて、男ものが來ないというおしかりのないよう御指導を賜わりたいと思います。
○深澤委員 報奨物資に対しまして、昨年は苦い経験をもつておるのであります。それはどういうことかと申しますと、農村では作業衣が非常に必要であります。從つて強靱な綿織物を要求しておるのでありますが、昨年は報奨物資として非常に薄い銘仙が配給になりまして、そのために農家は非常に苦しんだのであります。農家はそういうものは必要でないから、一般に賣つたのでありますが、八百円で配給されたものを六百円でなければ買わないということで、非常な不満があつたのであります。聞くところによりますと、賣れなくて困つておるストック品を、報奨物資の方に振り向けたのだそうであります。これは全國食糧調整委員会でも問題にいたしまして、時の食糧管理局長官からも、その問題は十分究明をするというような話であつたのであります。この点はわれわれも軍政部等に陳情した経驗があるのでありますが、どうか農家に対する報奨物資は、強靱な綿織物をお願いしたい。銘他のごときは供出意欲を減退せしめる原因になると思います。
○有田政府委員 ただいまのお話は一昨年のことでありまして、昨年並びに本年は、全部綿一本という線でやつておるのであります。特に雜繊維あるいは綿製品は、今度はほとんど統制をはずすことになつておるのでありまして、報奨物資はほとんど将来は綿一本、かように御了承願いたいと思います。
○坂本委員長代理 本日はこの程度にとどめまして、次会は明二十三日午前十時より開会することにいたします。 本日はこれにて散会にいたします。 午後六時五十一分散会