農林委員会 第23号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/05/16
会議録
○小笠原委員長 これより開会いたします。 それでは理事の追加選任を行います。去る十一日議院運営委員会におきまして、図書館運営委員会並びに四十五人以上の委員会を除く各委員会の理事の委員数をそれぞれ二人増加いたすことになりました。これは民主自由党及び新政治協議会に各一名ずつ割当てることに決しました。つきましては、本委員会も民主自由党及び新政治協議会より各一名ずつ理事を追加選任いたさなければなりませんがこれは前回通り委員長において指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それでは民主自由党より野原正勝君、新政治協議会より吉川久衛君を理事に指名いたします。 この際農業資産相続特例法案の審議についてお諮りいたしたいことがあります。本法律案はもとより本委員会の所管でありまして、さきに議長から付託されたのでありますが、その内容は民法における相続に対する重大な特例をなすものでありまして、これの審議は愼重を要するものと思われますので、一昨日法務委員会と連合審査会を開いたのでありますが、さらにこの際本案については、法務委員会の法律的な見地から十分検討していただいて、本案に対する法務委員会の見解を承りまして、その上で本委員会の態度を決することにいたしたいと存ずる次第でありますが、さようとり運んで御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議がなければさように決します。なお会期が接迫している折柄でありますので、十八日までに意見をまとめていただくように申し入れたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なければさようとりはからいます。 —————————————
○小笠原委員長 それでは食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし審議に入ります。坂本實君。
○坂本(實)委員 今回の改正は主要食糧の配給統制の厳重かつ効率的な運営を目的とするということでありまするが、問題はわが國の食糧の絶対量の問題をまず吟味してみなければならぬと思うのであります。われわれが昭和二十四年の米穀年度におきまする需給関係をみますると、百八十三万トン余のものをどうしても輸入に仰がなければならないということであります。われわれはいつまでもかような輸入食糧によつて、日本の食糧問題を解決して行くということは、とうていこれは考えてはならないことでありまするし、あくまで自給自足の態勢を早く確立しなければならない。かように考えるのでありまして、かような意味におきまして、過般可決をみました土地改良法のごときも、われわれはこの狭い國土を極力ひとつ改良して、少しでも多くの食糧を増産しなければならない。かように考えておるのでありますが、それにはさらに干拓、開墾等の問題もありまするが、一体政府はこの根本問題をどのように考えておられるかということを、まずひとつお伺いをしておきたい。さらにまた今回為替レ—トが設定されたのでありますが、この為替レ—トによつて、今後の輸入食糧が一体どういう影響を受けて来るかということ等について、ひとつ政府の所見をただしておきたいと存じます。
○安孫子政府委員 御承知のように、從來とも朝鮮あるいは台湾から千万石ないし、数千万石の輸入をみまして日本の食糧の需給が均衡を得ておつたのでありまするが、その領土を喪失いたしました現状におきまして、相当量のものを食糧の輸入によつてまかなつて参らなければならぬ実情は、さしあたりのところ万やむを得ない現象であろうと存じます。また農業生産が急速になかなか発展し得ない実情にかんがみまして、ここ当分の間相当量の外國食糧の輸入をもつて、需給の均衡を維持して参らなければならぬことは事実であろうかと存じます。しかしながらいつまでも大量のものを國外にその供給を仰いでやつて参らなければならぬことは、経済の安定事なりあるいは日本の経済の健全な姿といたしましては、いろいろ問題があると存じます。われわれといたしましては、できるだけ国内の自事給態勢を確立して参らなければならぬと考えております。もつともこの辺の見方については、御承知の通りいろいろの議論がございまして、むしろ農産物については、主食の増産というよりも、輸出農産物の増産をはかつて、それによつて得ました外貨によつて食糧を補給することが、日本の今後の行き方ではないかという考え方もあると存じます。また一方の議論といたしましては、できるだけ日本の主食の増産をはかつて、輸入食糧を少からしめることが適切ではないかという考え方もあるわけであります。いろいろこの点については意見の相違もあろうかと思いまするが、われわれといたしましては、できるだけ主食の輸入を少からしめることが、現状におきましては日本の経済の再建の上に最も必要なことではないかと考えておりますので、農林省といたしましても、主食の増産確保という問題について、いろいろ検討をし、またその方向に向つて努力をいたしておる次第であります。 それから為替の関係と、食糧輸入の関係についての見通しのお尋ねでございます。御承知のように、現在の外國食糧の輸入は、資金関係から申しますと、大部分がガリオア・フアンドで入つております。一九五〇年からこの傾向が多事少かわつて参りまして、ガリオア・フアンドが減りまして、一部コンマーシャル・フアンドで、日本の自力によつて食糧を輸入するという方向に切りかえられつつあるのであります。ただいままでのところは、為替関係のために、数量等の問題は格別影響を持ちませんが、しかし國内の農作物と外國の農作物との比較の問題において、価格の問題において問題を起す可能性があると思います。またその問題は、日本の価格水準を漸次國際的な水準とマッチさせる方向から申しましても、十分われわれとしては真剣に考えて参らなければならぬ問題だと存ずる次第であります。
○坂本(實)委員 この根本問題につきましては、多くの議論もあると思いまするが、一應この程度にいたしまして、さらに具体的な問題でありますが、配給の対象になりまする消費者、あるいは労務者あるいは轉落農家といつた問題についてでありますが、ことに私はこの際轉落農家の問題について、ひとつ十分政府の御意見を承つておきたいと思うのであります。実は過般本委員会におきましても、農繁期を望まして、轉落農家がいよいよ一粒の保有米もなくなつて來ておるという実情からいたしまして、埼玉、群馬、千葉各縣にわたりまして、この実地調査をいたしたのであります。その際われわれが特に感じましたことは、いわゆる今日の供出制度の問題に入りまするが、事前割当をする、そうしてそれをまた実収穫によつて補正して行く、こういうのでありますが、その補正が適正かつ妥当に行われておるかどうかという問題であります。災害等がありまして、これに対して中央補正があり、さらにまた地方補正を考慮するというのでありますが、どうも妥当に行つておらないのではないか。從つて先に府縣知事から大体八百万石程度の還元米を要求されたのです。これを政府は三百万石に削られたということでありますが、これは一体どういう見解からさようなことになつたのかという点をひとつお伺いしておきたいと思います。さらにまた轉落農家の実態調査ということでありますが、われわれが今回の視察によつて各市町村等につきましてその現場を見ますると、問題は食糧管理台帳が一体整備されておるかという問題であろうと思うのであります。これは比較的整頓されておる所もありまするが、いまだ十分でない点は、われわれも十分認めざるを得ないと思うのであります。いずれにしろ、だんだん轉落農家の数がふえていて、自分たちは裸供出をしている、こういうことを主張いたしておるのであります。これらの点については、われわれは憂慮すべき問題であると思うのでありましで、何とかひとつこれに最も公平妥当な対策を、すみやかにとつて行かなければならぬと思うのであります。 さらに先ほど申しました実収穫の把握という問題でありますが、これにつきましては、いわゆる府縣の農業調整委員会と、さらにまた農林省の作物報告事務所の見方が、非常に違つておる点が特に目立つのであります。作報の調査によりますと、まず第一に土地の面積が非常に過大に評価される。むろん実収高が評価されるのでありますが、私たちは作報の仕事の状況を見まして、かなり大きな犠牲を拂つてやつておるのでありますが、これがまつたく秘密主義になつておりますから、從つて農家もまつたくこれに納得が行かない。また農業事調整委員も納得が行かない。これだけ大きな犠牲を拂いながら、しかもこの作報の仕事に対して、むしろ了解するどころではなく、逆におもしろくない感情が対立しているような感じを受けるのでありますが、かような点についても、ひとつ私たちは是正しなければならないと思うのであります。かような点について、一体政府はどのように考えておられるかという点について、ひとつ伺つておきたいと存じます。
○安孫子政府委員 最初に補正の問題をお答え申し上げたいと思います。先ほどお話がございました、当初八百万石程度府縣から要求があつたのに対して、三百万石程度に政府が決定をした理由いかんというお尋ねでございますが、これはお話の通り、還元米の数字ではございませんので、昨年の秋におきまする二十三年産米の実収高に対しまする補正の訂正の問題でございます。御指摘の通り、府縣から補正数量として要求されたものを総合いたして見ますと、おおむね八百万石であつたのでありますが、事前割当数量が二十三年事産米については六千三百万石弱であつたと思います。これに対しまして、補正を八百万石にいたしますと、おおむね五千五、六百万石程度の二十三年産米の実収という数字になるわけであります。昨年の作況をもつていたしまして、そうした数字は、私たちといたしましては、また一般的に申しましても、これは納得のできないものであろうと思います。しかしながらこの点については、府縣当局もまことに真劔な主張をいたされましたので、実は作況報告事務所あるいは食糧事務所の調査並びに府縣の御意見、またわれわれの方の地方の、例の出張して調査いたさせました点、各方面の資料を総合勘案いたしまして、補正を大体三百万石程度に決定いたした次第でございます。その後十二月におきまして推定実収高が発表されたのでありますが、おおむねこの推定実収高との間には、大きな狂いはなかつたと考えております。 次に轉落農家の防止措置はどういうふうに考えておるかという点でございます。これは非常に根本的な問題でございまして、供出制度自体の考え方から問題は発生して來るのであろうと考えます。あらゆる資料が完全に整備されまして、公正妥当なる供出割当が実施されますならば、轉落農家の問題というものは、理論的にはあり得ない問題であります。御承知のように現在においては、完全保有農家と不完全保有農家の二つに農家は区分いたされておりまして、完全保有農家については、供出農家でありますがゆえに、その農家に対します食糧の配給ということは考え得られない。不完全保有農家については、保有数量がどれだけその農家について持つか、その維持日数の点が問題になるのであります。これが先ほど申しましたように、完全な資料のもとに実施いたしますならば、轉落農家の定義の問題でございますが、要するに完全保有農家に対する配給、あるいは不完全保有農家に対しまする維持日数の違いというようなものは、ひつくるめて轉落農家の問題として論議されておるのでありますけれども、そうした問題は理論的にはあり得ないのでありますが、実際問題としては非常に深刻な問題であるわけであります。一つの原因といたしましては、今の供出制度が上から一應数量が農業計画としておろされております。それが縣に参り、あるいは市町村に参る。その農業計画のうち特に問題になるのは、供出量でございます。これが市町村において何万石あるいは何千石というふうにおりて参りますと、そこの実収高が従来のいろいろの材料によりまして確定をいたしておらぬ、それに供出数量が参りますために、ある村においては全体の数量が非常に甘い、またある村においては非常に辛いというような現象が、どうしても不可避的になるのであります。生産量から保有数量を引いたものが供出数量になるわけでありますから、それが上からおりました数字との食い違いによりまして、比較的甘い村と辛い村とが出て来ておるのであります。甘い村につきましては、各農家とも保有量のほかにプラス・アルフア—を持ち得るという状態の村もあります。ある村におきましては、きついために保有量を食い込んで出さなければならぬ村が出て来る。またこれが村から各農家に下つて参ります際に、またそうした問題が惹起されておるのであります。その結果、法律の建前は先ほど申し上げた通り、そういうものが出ないはずのものであるにかかわらず、現実におきましては完全保有農家が保有を食い込んで供出をしておる部面、あるいは一部保有農家がある場合には配給を受けておらぬという面が出て来ております。この問題を解決いたしますためには、先ほどお話がございましたように、管理台帳とか、あるいは生産高の把握、あるいは公正な補正の決定等、いろいろ客観的な資料を整備して参りまして、またこれに関係いたします者といたしましては、公正な立場において割当あるいは補正を決定して行くということが、どうしても必要であろうかと思います。その点についていろいろ努力をいたしておるわけでありますが、しかし現実の問題としては、どうしてもそうした部面が残りますために、われわれといたしましては、農繁期等において轉落農家の救済措置を、何とか考えて参らなければならぬと存じております。この辺になりますと、各縣の実情によりまして、その年の農業生産に支障のないように処置を講じて参るというようなことで、目下努力をいたしておる次第であります。轉落農家の防止策につきましては、やはり今後とも客観的な各種の資料を整備し、またこれに関與いたします者が、公正妥当な結論を得ることに、相協力してやつて行くということが最善のことであろうと考えております。 なお轉落農家の発生いたします理由は、そのほかに実収前に補正が行われるということが一つ問題として残つております。補正をいたすのが大体十月末から十一月でありますが、実収が確定いたしますのが十二月でございますので、その間補正をした後におきます作況の変化というものは、特に関東以西においては惹起されまするので、この辺の動きが轉落農家の問題に関係があると存じております。この辺も予想いたして補正いたす部分もございますので、完全とは申せませんが、やはり十分の補正を適正にやつて行くということに努力して、この事態を改善して行きたいと存じております。 それから作報の問題でありますが、実は作報の調査は、ただいまの統計技術面から申しますと、最も進んだ理論的の根拠を持つ調査でございますので、この結論につきましては、私どもといたしましても正しいものであると考えております。ただこれを行政面に使いますについて非常に困難をいたしております点は、要するにただいまの作報の面積の問題にしろ、あるいは生産高の問題にしろ、縣べ—スとしての数字しか出ておらない。なわ延の点についてもある縣においては、なわ延が五千町歩あるということが、理論的なはじき方をして出たといたしましても、一体それがどこの村にあるかということがわからないのであります。ただ縣全体としてどこかにそれがあるはずだということでありますので、この点がわれわれといたしまして、行政面にあの数字を活かして行く上に非常に困難をいたすのであります。また実収高にいたしましても、縣全体としての実収高はこれこれであるということは言えるのでありますけれども、何村、もつとこまかく申しますと、だれが幾らであるというところまで、この統計は進んでおらぬ。実際に行政上そうして参りますためには、少くとも町村の段階まで、なわ延の面積にいたしましても、実収高にいたしましても、作報の数字というものがかたまつて参らなければならぬと存じます。從つて農林省といたしましては、作報の機能をそこまで伸ばして参るという方向で進んでおるのであります。それが確立いたしますまでにはやはり多少時日を要しまするので、その間の状況につきましては、われわれとしては、縣の御主張なり、あるいは食糧事務所の希望、その他農業調整員の方々の御意見を十分織りこ込みまして、その間、時間的な問題のあるところを、できるだけ公正に補填して参りたいとも存じておる次第であります。
○坂本(實)委員 ただいまいろいろ御意見を承つたのでありますが、提案理由の説明の際にもお話がありました通り、轉落農家の実態の把握の困難ということは、われわれも一應認めるのであります。しかしながら、実際現場に行つて見まして、あすから食うものがない、自分がつくつた米のありつたけを出し、なお足りないために、ほかから買つてまでこれを出したというような、実に悲惨な状況もあるかのように見受けるのであります。これに対しましては、少くとも政府は、もつと根拠のある立場において処理されなければならないものであると考えるのであります。ことに作報の行き方について、今いろいろお話もありましたが、少くとも農家においても、あるいは町村当局においても、あるいは農業調整員の方も納得することが必要なのでありまして、これなくしてはいつまでも水かけ論であると考えられるのであります。せつかく作報の仕事に重点をおいて農林省がお考えになるとするならば、今のような秘密主義を廃して、少くとももつと民主的なお考えに改めなければ、この問題は永久に解決できない問題であると考えるのであります。特にこの点については御留意を願いたいと思います。 さらに、三月二日付で連合軍総司令部から覚書が参つておるのでありますが、主要食糧配給制度の強化に関する件につきまして、いろいろ例を示されておるのであります。実際消費事者の立場に置かれますと、食えないからわずかな農園でも開いていろいろいろふうをいたしておるのでありますが、この例の中を見ますると、耕作上面積に対する最高限度の設定というようなこともうたわれておるのであります。消費者は、主食を補うためにばれいしよをつくるとか、さつまいもをつくるとか、いろいろいろふうをするのでありますが、これに対してどういうお考えでこれを指導されるのであるか、その辺の御意見も承つておきたいと存じます。 〔委員長退席松浦委員長代理着席〕
○安孫子政府委員 スキャップ・インの例示いたしました中に、消費者として許容さるべき、主要食糧作付面積の最高限度の設定ということがございますが、この点の御質問だと思います。実は消費者であつて、相当廣い面積の耕作をいたしておる者、特にそれが主食をつくつている場合には、その事情を考慮して配給したらいいのではないかというのがスキャップ・インの趣旨でございます。しかしながら、戰争中もそうでありますが、戦後におきましても、相当家庭菜園を奨励いたしましたし、現在の窮迫している食糧事情におきましては、やはり家庭菜園を相当奨励して行かなければならぬと存じます。それを非常に押えつけるような方策は、私どもとしてはとるべきではないと考えております。しかしながら、指令の趣旨もございますので、大体消費者で六十坪以下のものについては問題にしない、二畝以上三畝なり四畝つくつておる者、しかも消費者としても扱われておる者については、しかるべく考えなければならぬのではないかと考えておるわけであります。この点については、われわれといたしまして一應の案を持つているのでありますが、近く閣議にもお諮りいたしたいと考えております。それは人口区分は生産者及び準消費者、並びに純粋の消費者というふうに区分いたしまして、準生産者、すなわち相当大規模の家庭菜園的なものをつくつて主食を得ている者につきましては、ある程度の差引配給はすべきであると考えております。しかしこの差引配給の率をあまり高くいたしますと、増産の趣旨からも適当でありませんので、これは相当軽い意味の差引配給をしたいとえ考ております。そういう方法によりまして、家庭菜園の普及奨励、あるいは増崖という区分に支障を来さない程度、また配給制度強化の方針から申しましても許容されるのであろうという線を設定して、問題を解決して行きたいと考えております。
○坂本(實)委員 われわれが地方をまわつて見ますと、漁村部落等においては特にこの問題があります。山の陰とかほんの空間地を利用して、いろいろくふうをしてやつておる状態でありますので、あまりそれが極端になると、せつかくの増産意欲を阻害することになると思います。これらについては特に実情を御考慮になつて、妥当な施策が望ましいと思うのであります。 さらにもう一点伺いますが、食糧配給公團の基本金の増額問題であります。われわれ食糧公團の問題についてはまた別に意見を申し述べる機会もあると思うのでありますが、この食糧公團の今度の増額は、参考資料にもありますように、特に電話その他小運搬器具を用意するために必要な資金だと思われますが、産地側における集出荷の問題、あるいは需要者側における持込み配給の問題というような幾多の問題があるのであります。現在の公團の配給業務をもつと能率化しなければならないことは、政府当局も御承知になつていると思うのでありますが、今度の増額が先ほど申しましたような使途があるからなされるものとしても、もつと積極的に考えてみる御意思はないか。中途半端なことでは、この配給業務が円滑に行われないと考えられるのでありまして、これらの点について所見を伺つておきたいと思うのであります。
○安孫子政府委員 公團の基本金の増額につきましては、この前の國会においても、御審議によつて五千万円の増額をしていただいたわけであります。その当時から申し上げておりましたように、実は当時の財政状況からして最少限度のものを御審議いただいたわけでありますが、どうしても足りませんので、今回また御審議をお願いすべく改正法律案を提出した次第であります。この基本金の使途は、電話とか金庫、あるいは運搬具とか、そういう実務面において、どうしても必要なものの充実でありますので、消費者に対しまするサ—ビスを向上させる意味から申し上げましても、万やむを得ないものである。かように考えておりますので、御審議を願いたいと存じておるわけであります。これにからみまして公團の末端機構を將來どういうふうに考えて行くかというお話であつたかと存じます。公團の末端機構につきましてはいろいろ議論がありまして、最もゆるやかと申しますか、サーヴイス面を強調する結果からでありましようが、登録制をとつたらどうであろうか、あるいは全面的な、代位制度をとつたらどうであろうかというような御議論があるのであります。われわれといたしましても、要するに食糧管理が円滑に、また消費者のためにもなるように運営されることが、最も望ましいことでありますので、その観点からいろいろ從來から検討を加えて研究しておるわけでございますが、結論といたしましては、現在のような一應表面的には平静であるかのように見えます食糧問題も、実は一枚皮をはいで見ますと相当深刻な問題がありまして、需給の均衡を何とかやりくりをつけておるという段階におきましては、やはり統一的に末端まで、一つの機構によつて運営されることが最も消費者のために望ましいし、また食糧管理の上から言つても、最も妥当であろうという結論を出しておるのであります。換言いたしますならば、原則として末端機構はこの際は現状のままで行くことが、最も適当であるという結論を実は私どもといたしましては持つておるわけであります。しかしながら閉鎖機関処理委員会の管理に属しております旧営團の精米所、配給所等が多少ございます。このうちの一部をテストケースといたしまして、あるいは代位制を加味した運営をして見たらどうであろうか。これは多少とも今後食糧事情が緩和いたしました際に、どういう方向に問題を持つて行くのが適当であるかということを、この際多少ともテストして見たら、どうかという考え方もございますので、その点も多少考慮はしております。しかしながら原則的には、やはり現状の組織をもつて末端が参りますことが、最も適当であろうというような考え方をいたした次第であります。
○坂本(實)委員 公團の運営につきましては、さらに意見を申し述べる機会があると存じますので、これはこの程度にいたします。 最後にもう一点、今回統制の対象となりますいも類の加工品の範囲を明確化するということでありますが、私は先般千葉件下の視察に参りました際に、特にそういう感じを受けたのであります。一体総合配給というものが行われる以上、また同時に総合供出というものが行われてもいいじやないかという考えをいたしたのでありますが、この点についてどうお考えを持つておられるか。この機会にただしておきたいと存じます。
○安孫子政府委員 間違つておりましたならまた御質疑を受けたいと思いますが、問題はおそらく米といもとの代替の問題であろうかと存じます。要するに総合供出でありますがためにという考え方をとるならば、米とかんしよとの間に一定の比率を設けて、米を出すかわりに、いもは相当出してもいいという措置を講じてしかるべきではないかという話であろうかと存じますが、これは一面また消費者の立場を御考慮願いたいと私ども考えておるのであります。やはり昨今におきましても、都市におきましては米の食い率が一体どれくらいであるかということは、実に消費者としては深刻な問題でございます。年間におきまする米の配給率を上げて行くことは、量の確保と同時に、食生活の安定の上に欠くべからざる問題であるのであります。一定のカロリーさえとれ、はそれでいいじやないかという議論もあり得るかと思いますが、やはり日本人の食生活から申しまして、米をどれだけとるかということは、消費者の立場において、最も深刻な問題でありますがゆえに、その観点からいたしまして、総合供出の理論的な立場から申しますならば、一定の交換比率をもつて出すならば、米であろうがいもであろうがかまわないわけでありますけれども、全体の立場から申しまして、ただいまお話のございましたような意味のかんしよと米の代替供出を無制限に認めるということは適当ではないじやなかろうか。かように考える次第であります。
○河野(謙)委員 坂本委員の質問に関連して長官にお聞きしたいのですが、先ほど資本金の問題が出ましたが、私が聞くところによりますと、食糧管理局の経理は、いわゆる販費代金はそのまま一本のパイプで末端から本部まで流れてない。言葉をかえて申しますならば、各縣の支局において販売代金を操作しておるという話を聞いております。それがために各支局において相当持資金を持つておる。私の聞いておるところでは、まだ事実の調査は済んでおりませんが、ある支局においては、この手持の資金を銀行に融資しておるというような、非常に腐敗した事例があるやに聞いております。およそ各公團の資金の操作は、とるべき金は末端から一本のパイプで本部まで流れる。また支出の方は当初の予算に従つて別箇のパイプで本部から資本が流れる。かようになつておることが例であります。しかるに食管の関係の食糧公團におきましては、今申し上げましたようなまつたく異例的な経理事務が行われておる。それがために、本部においては國の予算の関係で金融関係の操作に困つておる現状にあるにかかわらず、末端の支局においては、今申し上げたように金が遊んでおる。またその金を故意に手元にためておいて、銀行の方の便宜をはかるというような事例があるやに聞いております。もしさような事実があるとすれば、これは不穏当なことであり、また今後食糧公團の経理事務を、根本的に私は改正しなければならぬと思いますが、それにつきまして政府といたしましていかなる御見解をお持ちになつておるか。これをひとつ伺いたい。 それからついでに伺いたいのですが、今総合供出、代替の問題が出ました。今の供出は米を基準にして米石換算で大小麦もやつておるようですが、私はこの換算率は当を得てないと思うのです。たとえば小麦のごときは非常に農家から見て率が悪い。從つてなるべく小麦を出さないでほかのもので出すということで、相当小麦の収穫があるにかかわらず、内地の小麦の供出が減つておるというような事実の上から見まして、今の換算率は当を得てないと思うのです。政府は今後この換算率を改める御意思がないかどうか、これもひとつ伺いたいと思います。
○安孫子政府委員 食糧配給公團の経理面について、地方支局が相当販売代金を手持しまして、それを各方面に融通しておるというような事実がもしあるといたしますならば、これは非常によろしくないことだと私は考えます。やはりこれはすべて中央に吸収し、また中央において示した範囲内においての予算をもつて、経理をして行くというのが原則でありますし、また昨今の経済情勢からいたしましても、当然これはそうした方針によつて強行すべき性質のものと存じます。よく調査をいたしてみたいと存じますが、あるいは地方営團から切かえました関係上、その当時におきまして、多少そうした事情もあつたのではないかと想像いたされますが、もし現状においてもさような事実がありますならば、これは至急是正いたしたいと存じます。 それから換算率の問題でございますが、これはいろいろ技術的な根拠に基いて、一應出しておるのでありますが、この間にいろいろ誤りもございましようし、あるいは見方の違いも出て参ると思います。また供出に対する影響等も考え合さなければならないと存じますので、十分御意見の点を参配して檢討いたしてみたいと思います。
○松浦委員長代理 それでは渕通義君。
○渕委員 私はこの食糧管理法の一部を改正する法律案におきまして、食糧の適正配給ということが考えられるわけですが、そういつた問題を研究するに際しましては、少くとも現行の農家の保有量を、相当根本的に考えなければ、現在のごとき保有率をもつてこの食糧管理法を実施するならば、農村には相当むりが來ると信ずるのであります。従いまして農家の保有率の問題につきまして、私の考えている問題を申し述べて、政府の御意見をただしたいと思うのであります。もともと保有率の問題は、食糧増産確保の問題と関連する問題でございますけれども、まず今日の農家の保有量というものは四合と、一應きまつておりますが、はたして四合の保有でもつて、農家が労働しておるかということを詳しく研究し、また実際農村に入りまして統計資料をとつてみますれば、決して四合では働けない。農家と申しましても、いろいろ種類がございますが、大多数は四合では働けない。少くとも五合ぐらいの米を食わなければ、政府の要請にこたえるだけの増産はできないと私は考えておるのであります。御承知の通り、農業は非常な重労働でございます。從つて重労働におきましては、四合五勺ないし五合、特に農家におきましては、御承知の通りいろいろと冠婚葬祭というものがございまして、その間に消費するものが相当の量に上つております。そこで私は現に農村は四合以上食べておる現実というものを、まずはつきり認識してもらはなければならない。もし今後農村に対するところの統計というものが、かりに完備しましたことを考えるならば—だんだん完備へとたどつておりますが、もし完備いたしましたならば、現在の供出方式であるところの生産量から保有量を差引いた残りを出しますれば、おそらく統計の完備した後におきましては、四合ぎりぎりで、四合以上食べることはできないということが、当然の問題として起ると思います。現事在は幸か不幸か、統計が不備なるがゆえに、四合も、五合も六合も食べる場合が、ある農家におきましては起る。それで辛うじて政府の要請する食糧増産をやつておる。そこで私はこの現実というものをはつきり認識していただきたい。一歩進んで言うならば、もし現在の保有量というものを四合で打切るとするならば、農家には働くだけのカロリーを與えるために、塩干魚というものを相当に適正に配給してもらはなければならない。今日農民は米四合をもつてその蛋白源を供給しておる、そこにむりがある。そこで少くとも四合の保有率でもつて打切るとするならば、それをカバーする、働けるだけの蛋白源を與えるだけの、塩干魚の配給を適正にしてやらなければならないということが考えられるのであります。 次にこの保有率の問題ですが、総合保有制というものは、御承知の通り今日の状態におきましては、大体縣単位になつておりますために、その結果は一体どうなつておるかと申しますれば、米作地帯、畑作地帯といつたおのおの生産形態の違つておるところにおきまして、非常なむりが起つておる。その結果日本の美風であるところの、りつぱな郷土食というものが失われておるということを、深く考察してもらはなければならない。たとえば縣の総合保有率というものを米、麦、かんしよとわけてみまする場合、米が七十、麦が二十、かんしよが十というようなことになつて來ますときに、あるものの実際の生産というものを、米が三十、麦が五十、かんしよが二十という比率でやれば、百パーセント程度になります。こういつたことを適正にするならば、その村の保有率というものは、現在の縣単位の総合保有量で言うならば、米が二十、麦が二十、かんしよが十、こういうことになりますと、結局五十パーセントの残りというものは、事還元米をとらなければならない、還元配給を要求する結果となる。從つて現在の縣単位の総合配給というものは、還元をますますふやす方法以外にないと私は考えます。從つて郷土食をどんどんふやす意味におきましても、縣単位の総合保有率というものを、各市町村単位に持つて行くならば、適正なる郷土食が生まれると信じます。こういつた点に対して政府はどうお考えになつておるか。 また家畜の問題につきましても、農村における牛馬の飼料の今日の保有率というものは、わずか八斗になつておりますが、これも一石二斗くらいに保有率を高めて行く、また乳牛を飼つている場合におきましては、乳牛の頭数に應じてスライドして行く、こういつた一連の農家の保有量というものをはつきりとして行かなければ、今後農村の食糧の生産は生まれない。特にこの管理法によつて厳正公平にこの法律が実施せられるあかつきにおきましては、農村はまつたく四合において働けなくなるという結果になると思いますが、政府当局は、現在の農家の総合保有制における四合配給、総合保有制度に対する関係をどう改める考えか、それを承りたいと思います。
○安孫子政府委員 これは御承知だと存じますが、俗に四合保有と申しておりますのは、これは年齢別の保有数量の加重平均値でございまして、内容を申し上げますならば、農家につきましては、一歳から七歳までが二合、八歳から十五歳までが三合五勺、十六歳以上が四合六勺という基準で、これを年齢別加重平均いたしますと、大体四合になるということになつておるわけであります。ただいま申し上げたことは、余分なことでございますが、結局加重平均でありますこの四合保有では、農家は生産に支障を來すのではないかというお尋ねでございますが、作物報告事務所等におきまして、一部調査したデーターもございます。これによりましても、四合で十分だという結論は得ておりません。経営規模別いろいろ違いますが、やはり経営規模が大きくなるに従いまして、この消費量が四合が五合になつておる、あるいは五合ちよつと超えておる。六合までは行つておりませんが、一番高いところで五合くらいじやなかつたかと記憶いたしております。その内訳を見ますと、やはり冠婚葬祭等に使いますものが、相当多いのであります。内容といたしましては、必ずしもこの四合で非常に支障を來しておるという数字ではなかつたかと私は考えております。しかし農家経済自体といたしまして、四合では相当きゆうくつであるということは、事実であろうかと思います。従つて一面これは供出の問題と関係いたして参るわけでありますが作物報告事務所等の調査が、客観的に冷静にすべての生産高がぐんぐん上つて來るということになりますれば、これは増産の結果、上つて来たものではなく、從來の隠れておりました生産が、数字面に現われたのだということになりますならば、やはりそれと並行いたしまして、この四合ペースの問題を考究してみなければならない、かように私は考えております。 それから総合保有率の問題でございますが、いろいろ郷土食の関係からいたしまして、不合理な点があるというお話でございますが、この点は宮崎縣については特別の事情もあるように私は聞いておりますが、これは十分研究いたしまして、別にお答え申し上げたいと思います。
○渕委員 今の総合保有量の問題については、私の言いました府縣単位のものを、全國的に市町村単位にするということについても、政府当局の御考慮を願えるのですか。
○安孫子政府委員 現状におきましても、大体その後府縣におきまする総合保有を縣単位に—町村の特殊性に應じまして、縣としての保有率をきめて運営いたしておると私は承知しております。それが地方々々の実情によつて多少かえておる縣が相当あると思います。
○渕委員 今長官の申されました縣の実情において、町村々々に縣自体が勘案して行くということでございますけれども、むしろ総合保有率ということを一つの理論的根拠とするならば、各村単位にやるのが最も理論的に合致するのではないかと思います。そうすることにおいて、別に政府当局において手間がかかるという面がある方面にあるのでございますか。ちつとも手間がかからずに、かえつて農家の供出を増すことになると信ずるのでありますが、さよう政府当局において御考慮願つて実行に移してもらいたいと思います。 次に労務加配等農家保有の問題でございますが、農家の保有制度が生れましてから相当年数がたつております。農家の保有がきまりました当時には、四合というコンスタントがございます。これに対して労務加配は、数度の改正によつて相当量を増しておるのでございますが、その労務加配の基準と、農家保有のコンスタントとの関係をはうきり話してもらいたいと思います。どういうわけで農家保有がふえないで、労務加配がぐぐんと上ることになつておるか。その点を……。
○安孫子政府委員 農家の保有率につきましては、大体動かないで来ておりますが、労務加配は、どんどん増加をしておる。その間の因果関係と申しますか、あるいは相対的な関連はどういうわけでそうやつたのかというお尋ねでございます。先ほども申し上げましたように、農家の保有量につきましては、まず冠婚葬祭等を考慮に入れないで、実際に農家の人の食べるだけを年間通じて考えるならば、農繁期にはあるいは一升飯を食べるかもしれませんが、一年間通じて見まするならば、現在の日本の食糧事情におきましては、その辺が大体最高限である。また農作業にもそう大きな支障は來たさない。全体的な調整におきましては、その辺が適切であろうというふうに考えまして、これをそのままにしておるわけでございます。一方労務加配の方は、食糧事情が相当終戦後窮迫しておりましたので、非常に圧縮に圧縮を重ねてやつて来ておるのでありまして、多少事態が緩和されました機会において、昨年この率をきめて、これを上げましたが、これは農家との比較において、そう不均衡を来たしておるとは考えておりません。よく例にとられますのは石炭労務者については六合であるが、農家は四合であるというのは、非常に不均衡であるいう御議論もしばしば承るのでありまするが、石炭労働者に対しましては、働いている人だけについての六合でございまして、家族構成全体からこれを平均的にならしてみますと、やはり農家の保有は日本の現情におきましては、最も高い水準を保つておるということが言えると思うのであります。端的に申し上げまするならば、労事務加配の方は、配給を受ける方の立場でありますがゆえに、終戦直後のいろいろな事情からいたしまして、非常に低いところに持つて来ておかれたものは、多少改善したというふうに私どもは考えております。
○渕委員 配給、保有量問題につきまして、いろいろ議論を闘わしておるのでございますが、実は安孫子長官は、現実の農村の配給量は不満足であるが、一應妥当であるということであります。私が調査しました結果と申しますか、東京都の統計を調査して見ますと、配給外に購入されているという問題でございますが、これを六大都市について見ました場合に、大都市には一日一人の米の消費量が百七十八グラムということになつております。実際の配給は百三十九グラムであるから、大体四分の一が物交あるいは自由購入している。小都市は二百四十四グラムで実際の配給が二百七グラム、農村では先に申しましたように、実際の消費量が三百八十五グラム、冠婚葬祭を入れて五百九十グラムということになつておりますが、このことを考えてみますと、実際農家の数量は、統計調査局の近藤博士ともいろいろ協議したのでございますが、平均四合五勺は必要であるという結論を、統計調査局でも出しているようでございます。作報はこれでいいと言つておりますが、近藤博士は四合五勾は絶対必要であるという結論を出して、今日学問的な理論体系をつくつておるのですが、これについてどう考えておりますか。
○安孫子政府委員 四合が全体のバランスから申して適当であつて、農家もその辺のところでがまんをしてもらわなければならぬと私の申し上げたのは、先ほども申したように、現在の生産数量をもつてしてはそういうことを考えざるを得ない。こういうことであります。從いまして統計調査局等が四合五勺という実際の数字をお特ちかもしれませんが、これは実際はそれだけのものを消費しておる事実もあるのではないかと存じます。しかもそれを端的に申しまするならば、生産に上つて來ないものがあるという前提においての考え方であり、從つて生産量に純粋の増産の形でないものが出て來ることになりますれば、その辺は並行して考えて行かなければならぬ。こういうふうに考えます。
○渕委員 次に食管の基本的の問題に触れるのでございますが、それに入る前に一言お尋ねしたいと思います。今日御承知の通りかんしよの消費者価格と生産者価格の差額に非常な距離があるのです。これをいろいろと調査研究してみますると、かんしよはああいつたほとんど水分を九〇%近くも持つておる生産物なるがゆえに、供出が一度に参ります。その結果かんしよの腐敗率が非常に大きい。かんしよの腐敗率を掛けた結果、消費者価格と販売者価格との値段が高くなつている。私はこういうことを聞いているのでございますが、政府はかんしよの腐敗率を幾らにみておるか。
○安孫子政府委員 生産者価格と消費者価格の価格差の問題は、もちろんただいまお話のございました腐敗率の問題も加味せられ、あるいは運賃のプールの関係も加味されておりまして、開きが出ております。腐敗率につきまして、間違つた数字を申し上げてもいかがかと思いますので、午後に具体的に檢討しまして、申し上げたいと思います。
○渕委員 腐敗率のパーセンテージはまだお待ちになつておらぬということですが、私の観察と申しますか、縣内あたりの事情を調査しました結果によりましては、十二、三パーセントという結論が出ている。しかし食管のパーセンテージとは大体倍くらい差がある。食管の方で考えている。パーセンテージは五%くらいではなかつたかと想像するのでありますが、そこでかりに五%なら五%の腐敗率を見込んでかんしよ価格の値段をきめるということになりますと、森農林大臣は非常に得意になつて、今後のかんしよの貯藏につきましても、不朽方法か何かするということのようですが、このかんしよの貯蔵法について一大発見をされておるということであります。今後かんしよは絶対に腐敗しないという一つの理論のもとに進んでおることを聞いておりますが、そうした場合に、かんしよの値段というものは、当然今まで五%腐敗したものだけ差引かれるということになれば、その五%の経費はかんしよの生産者価格にプラスして高くするお考えはないか、その点をひとつ。
○安孫子政府委員 大臣が説明されたのは、想像でございますが、おそらくキユアリングの問題ではないかと思います。キユアリングを実施いたしますれば、腐敗が減ることは事実でございます。従いまして今度も政府といたしましては、援助資金を相当廣くいたしまして、キユアリングの普及をはかりたいと考えております。キユアリングをいたしましたいもについては、それだけコストが高くなりますし、また数量も減るわけでありますから、普通の価格よりも高い値段になり得るということは考えられると思うのであります。
○渕委員 大体政府はその物理操作と申しますか、それを実行することによつて上るパーセンテージ、腐敗のパーセントを何パーセントにお考えになるか。
○安孫子政府委員 間違つたらあとで訂正をいたしたいと思いますが、キユアリングをいたしましても、水分の発散がございますので、目減りは相当ございます。純粋の腐敗率の比較にはならぬと思いますが、またキユアリングをいたしましても、全部が全部腐敗ないというわけにもいかぬかと思います。少くとも余分以下になる。率はちよつと忘れましたが、あとで調べて価格を織り込みます際に、いろいろ控除した数字は申し上げますけれども、半分以下にはなるというふうに存じております。
○渕委員 あまりつつ込んで言うようですけれども、非常に百姓は真剣でございますから、できるだけ数字を出してもらつて、政府のそろばんにうまく見合うような方向にもつて行つて、利益が出るだけは、かんしよの価格を上げる方向に努力をお願いしたいと思います。これで質問を打切ります。
○松浦委員長代理 午前中はこの程度にとどめまして、午後は一時より再開いたします。暫時休憩いたします。 午後零時十四分休憩 ————◇————— 午後一時四十五分開議
○坂本委員長代理 休憩前に引続き会一議を開きます。井上良二君。
○井上(良)委員 食糧管理法一部改正法律案について数点質問をいたしたいのですが、私が一昨日要求いたしました資料がまだ提出されませんので、この資料が出ました後に、さらにその資料に基きまして質問をいたすことに了解を願いたいのであります。 そこでまず第一に伺いたい点は、この法律を出すに至りました政府の意図は、司令部から食糧確保に関する指令があつた。その食糧確保は政府の手持米をできるだけゆたかにする必要から、一方は食糧確保臨時措置法を改正すること、一方は配給統制を厳重に行うこと、この二つから出ております。しかし問題は、政府の倉庫にあります管理米を、いかに公正に配給するかという立場から考えます場合は、当然この法案は具体化される必要がありますけれども、問題は、それを公正に行うだけの具体的な資料なり、また対策なりが十分確立されなければ、そういう準備なり資料が整わぬ先に、配給統制を行いました場合は、末端配給には大混乱を生じて来るのであります。この面から質問をいたしたいのでありますが、その配給統制をやろう、配給割当をやろうというところの政府の割当の基礎的な数字と言いますか、それは一体いつの数学をもつてやろうとしておるのか。多分これは先ごろ行われました國勢調査による人口調査によつて大体所要数量を押えて、それを各縣別に割当ててやろうとしておるのじやないかとわれわれは想像されるのであります。また現に政府が去る四月以來各縣に対してそれぞれ予定わくをおろして、その予定わくによる配給統制を実施しようとされておりますが、一体現在の農家の人口動態、特に消費人口、それから農家人口、労務加配を受けます人口、さらにまた一部の保有農家の人口、こういうものを押えるのには非常にむずかしいのであります。実際上非常に困難であります。それを一体政府は、どういう資料とどういう方法で、この配給割当の基礎になる人口を押えようとするか、これを一應御説明願いたいと思います。
○安孫子政府委員 食糧管理法の一部を改正いたしまして、適切正確な配給を実施しようというのであります。端的に申し上げますると、今回改正しようといたしまする大部分の條項は、從來法律上の根拠はありませんでしたが、通牒その他によりまして、この條文にある方針によつてこれを実行して参つておるのであります。従いまして、大筋のやり方といたしましては、從來とかわりはございません。ただ法律事項になりますために—またそれが指令の意味にも合致してくるのでありますが、このやり方が厳格に行われるところに、いろいろの問題を惹起する可能性があると考えております。ただいまのお話もその点を御指摘になつていることと存じますが、お話の通り、これを厳格に実行して参りますためには、基礎的な資料を十分整備しなければ、いろいろ問題を起こすことその通りだと存じます。かりに申し上げますならば、現在の人口は、昨年内閣において実施いたしました、常住人口調査の結論に基きまして、その後の帰還者、あるいは轉入、移入の関係等を月月考慮いたしまして、基礎的な数字を算定いたしております。また保有数量につきましては、管理台帳その他の資料によりましてこれを算定いたし、なお月々の状態は、縣ごとにいろいろ実情がかわつておりますために、その方面と十分な連絡をとつて配給量をきめておるわけであります。御指摘の通りに、配給台帳あるいは食糧管理台帳といとものは—配給台帳はそれほどでもありませんが、管理台帳というものは、現在十分整備いたしておりません。地方により記載事項もまちまちでありますし、また一部正確な調査をいたしておる所としからざる所とございます。従いまして、一定の方式によりまして、正確な食糧管理台帳の整備をはかりたいと考えておりますが、これは本法施行と同時に—ただいまから準備はいたしておりますが、あわせてこれらの裏づけとなります、各種の資料の整備をはかつて参りたいと考えておる次第でございます。
○井上(良)委員 本法の第八條の二に、農林大臣は毎月配給計画を知事に指示して、知事は実施計画を定めて公團、市町村長に指示する、こうなつております。そうすると、具体的に申し上げますと、政府から配給の実施計画によつて公團及び市町村に指示される数量と、現住人口による通帳の発行との間に、数量の食い違いが起つた場合にどう処理しようとされますか。
○安孫子政府委員 毎月配給計画を定めて都道府縣知事に指示するということは、要するに人口動態を正確に把握いたしますためには、四半期その他の計画ではいかぬのであつて、やはり毎月毎月の実情打合せによつてやらなければならぬという趣旨から、毎月主食の配給計画を定めて指示することにいたしておるわけでありますが、それでもなおかつ現実の問題と合致しないという部面が出て来ると思います。そうした場合、従来はどういうことになつておつたかと申しますと、知事といたしましては、配給上の責任を持つておりますために、公團の手持を食い込んで配給をしておつた。やみと申しますと語弊がありますが、中央との打合せなくしてその間の操作が行われておつたというのが実情でございます。あるいはまた、農家用が足りませんという場合は、一般消費者のわくにおいてこれを解決しておつたということもあるのでありますが、そうした場合、現実の面とどうしても食い違う点については、縣の方から再び中央と打合せをいたしまして、中央の了解のもとにおいて、その問題を解決して行くという措置を講じて参りたいと思つております。
○井上(良)委員 そうすると、たとえば一週間分とか十日分持つておりました公團のランニング・ストックは認めないのですか。全然そういう操作米は認めずに、あとの実情により報告を受けて処置するということになると、たとえば百人なら百人、二百人なら二百人、だぶつく人口が生れた、いわゆる通い帳と実際指示された数量との食い違いがここに起つた際、これは法律によれば配給できない数量になる。そうなると全体に遅配をさせておいて、それらの人に配給するようにするのか、それともそういうだぶつく人口については、政府の指示を得なければ配給できないことになるので、それには配給をしないことになりますか。ランニング・ストックは一切認めない、操作米は一切許さない、わくの融通は一切認めないということになるか、そのことは具体的にどうなりますか。
○安孫子政府委員 ランニング・ストツクは、一週間なりあるいは十日なりを公開に持たしておきます。その点は從來とかわりございません。また御指摘のような事態が生じた場合、そのための用意といたしまして、できるだけ應急用という名前のもとに、府縣知事に多少のわくを與えておきたいと思つております。
○井上(良)委員 ランこング・ストックを持たしておくということになりますと、今申しましたような事態が起りました場合は、そのストックを使つてさしつかえないのですか。
○安孫子政府委員 ただいまのような事態が生じました場合は、さしあたり應急用のわくをもつて一時をつなぎまして、その事態の内容を本省と相談いたしまして、話のついたところであとを処理して行くことになると思います。
○井上(良)委員 さらに大事な点は、配給台帳を絶対信頼できるものと政府はお考えでありましようか。われわれといたしますと、配給台帳は、御存じの通り末端配給機関が持つておるものでありまして、実際人口との上にいろいろ動きやかわりが起ります。從つて人口の動態を正確に押さえることが必要であり、單に配給所から報告されて参ります人口だけを基礎にして配給量をきめるということでは、いろいろな問題が横たわつて参ると思います。政府はここに新しき配給台帳の整備をするために、人口動態の確実な調査を必要としはしないかと思いますが、その点についての対策を何かお考えでありますか。
○安孫子政府委員 配給台帳については、おおむね正確だとは存じまするが、多少問題の点もないとは考えられないのであります。人口の把握あるいは人口のクラスフイケーシヨンにおいて、もう少し適切な資料を整備することの必要なことは確かだと存じます。われわれはその点について実は住民登録法の制定を期待いたしておつたのでありますが、予算等の関係からいたしまして、住民登録法が今國会に提案にならなかつたのであります。大体住民登録法の趣旨に基きましたような一定の調査を、今後できるだけ早い機会に全国的に調査したいと考えております。
○井上(良)委員 話はもとへもどりますが、政府からおろしました実際数量と、現実の人口との食い違いによる場合は、いわゆる應急米によつて処置をする、こういうことですから、現実の配給操作の面において遅配は起らないと政府はお考えになつておりましようか。非常に大事なことでありますから、この点を伺つておきたいと思います。
○安孫子政府委員 必ずしも実はさようにはならないのではないか。たとえば現物操作の関係からいたしまして、実情上遅配の起る場合もあると存じます。また從來やつておりました方法が、地方によつてまちまちの点もありますので、それを一定の方式に切りかえますために、その間に多少の行き違い等もありまして、遅配を生ずる場合もあろうかと存じます。原則的にはないと思いますが、やはり時期あるいは特殊事情によつて、遅配が起る場合も考えられると存じます。
○井上(良)委員 その次に大事な点は、人口の増加率を政府は一体どういう算定において押えておりますか。それから都市に轉入して参ります者、轉出して行く者、その率を一体どいう基礎で押えられておりますか、それを一應御説明願いたい。
○安孫子政府委員 人口の増加率は厚生省関係の人口調査所の資料に從つて私どもは取扱つております。それから轉出入の関係は、たとえば東京都にどれくらい入るかという一應の想定はいたしますけれども、これを現実に配給の面で処理いたしますためには、やはり轉出入の手続を処理いたしたものについて考えておる次第でございます。
○井上(良)委員 次に農家保有量の問題ですが、農家保有量というものは、一体一定量確保されることになつておりますけれども、現実の供出の割当の関係から、この農家保有というものがいつも脅かされ、はなはだしきにいたりますと、これを削らなければ供出の完納ができないというような地帯が、非常に最近多くなつておりますが、そういうふうに非常に極端な面と、農家の保有というものが相当余裕のある地帯と、この二通りあるわけであります。そこでもちろん供出の割当にも関係をして参りますが、農家の人口動態、実在人口、いわゆる食糧管理台帳、この台帳の作成の方法、これは一体最も公正に、最も正確にいたすのには、どういうやり方をとろうといたしておりますか、非常に大事でありますからこの点を伺いたい。これは一部保有農家にも関係をして参ります。
○安孫子政府委員 從來の食糧管理台帳は、大体中央の指示に基きまして、そうした台帳をつくることが適当であろう。そのためにひとつしつかりやつてくれというような意味においてやつた。これは随分前だと思います。それが一つのきつかけになりまして、市町村等において管理台帳を作成しておるのであります。この点を全国的に整備して、非常に強力正確なものにするという試みは、十分今までなされておりません。從つて管理台帳の現実の姿は、市町村によつてはございません所もありますし、ありましても非常にずさんである所もありますし、また非常に性格である所もあるというまちまちな状態であります。私どもといたしましては、この点を何とか整理せなければならぬと考えておりますが、何かしら一定のフオームをつくり、ある程度の規則の上の統制力と申しますか、整理方針を確立いたしまして、管理台帳の整備をはかつて参りたいと考えております。
○井上(良)委員 これは先般私どもが轉落農家の実情を調査に参りましたときに、奈良縣のたしか大正村であつたと思いますが、台帳は非常に正確なものをつくり上げてあつたのであります。それはひとつの委員会制度のようなものをつくりまして、いわゆる耕作反別、農家人口、年齢別、異動別、あるいはまた地方、耕地、水利等のもろもろの関係を全部調査いたしまして、それによつてそれが一應でき上りますと、部落全体の公聽会にかけて、そこで全部の立会いの上で、この調査が正確なものであるかどうかということを確めた上で実施するというやり方をとつておるのでありますが、しかしこういう正確なやり方をいたしましても、他面正確なものでなしに、かえつて政治的ないろいろな働きによつてごまかされてしまうというような地方があるために、正確にやればやるだけ損をするというような声を聞くのでありまして、もうこの次からはこういう資料は縣へは出さぬ、從來やつておつたやり方で行こうというようなことで、正直者がばかをみるというような実情を、私どもは実際に見て来たのであります。從つて管理台帳の作成はあくまで公平妥当な、たれが見ても納得できる資料と方法によつてつくり上げなければならぬと考えますし、なお特にこれが一番影響して参りますのは、一部保有農家の問題でありまして一部保有農家に対する取扱いというものは、大体実行組合長なり、市町村長の政治的な手腕によつて左右される部分が非常に多いのであります。從つて実際上これを正確にするためには、そういう市町村長等の政治的な動き、あるいは考慮というものを全然粉砕する一つの実例がつくられませんと、実際政府の意図することにならず、かえつて村においては、勢力の弱い一部の保有農家の面に非常に重く割当がかかり、また早くから飯米をなくさなければならぬという実情になりますから、その点はとくと一つ管理台帳作成による方法というものを、十分あらゆる資料を集めて検討されて、りつばなものをつくるようにしていただきたいということを考えるのであります。 次に伺いたいのは、さきに坂本君かだれかが、消費者が主食を耕作しております面積の問題について質問されておりましたが、二畝に区切つた理由、二畝以上は供出させるというが、飯米を認めるといいますが、これは非常に問題でございまして、長官も申されております通り、いわゆる家庭菜園にこれが影響して来ます。何も都市あるいは都市周辺におります消費者大衆は、すき好んで家庭菜園を持つておるのではないのであります。お金持で道楽でやつておるのではないのです。現実の食糧窮迫から、やむを得ずいろいろな方法を講じて、いもの一貫匁でも五百匁でもとりたいということでやつておる人が多いのです。そういう場合と、それから一つはこれらの小面積を耕作しておりますのは、大体耕作してもあまり収穫のない、実際上は収穫の問題にならないような地域を、大部分の者が耕作しておる。またこれがしろうと園藝で、しろうと耕作であるという関係から、ほとんど問題にならぬ収穫であります。なお二畝つくつておるからこれだけ収穫があろうということで主食を差引かれるということになりますならば、これはつくれなくなつてしまいます。実際の問題として、これに対しては政府の方では差引きする量を考慮する。普通純生産者とは区別をして非常に率を低くする。こういうお話でございますけれども、しかしそれは、どれだけの率にこれをきめようと考えておるかしりませんが、満足な生産のないものを、それにあんばいすると言つても半分以下というわけにも参りますまい。半分以下に参らぬものとすれば、実際これに及ぼす影響ということを考えなければなりません。それからいま一つは、これらは別に農業協同組合に正組合員として入れるわけのものでもありませんし、從つて肥料とか種子というものは全然配給を受けておりません。しかるに一方において主食をつくつただけ差引かれる。こういうことになつたときの影響と言いますか、こういうものを十分ひとつ考慮しないと、これはいろいろな問題を起こして來ると思いますので、この点に対する御意見を伺いたい。なおあんばいするという主食差引きの量の大体の内容、どれだけ引こうとするのか。これを一應伺つておきたいと思います。
○安孫子政府委員 二畝以下はそういう措置を講じないという意味で先ほど申し上げたわけでございます。だから六十坪ぐらいのものをやつておる者はほつておいていいじやないか。それ以上のものについて、主食をつくつている場合には、多少のものを考慮していいのではないか。こういうふうに思つておるわけであります。お話の通り、また先ほど申し上げましたごとく、家庭菜園なり農業増産の観点からいたしますと、そうしたジレンマのある問題でございますので、その辺は十分愼重に考えて農業増産なり、あるいは消費者の現在の生活に脅威を與えない程度に考えて参りたいと考えております。なおこの問題は、実際的には各地方において現実に從來行われておる所があるわけであります。東京都で申しますと、世田ケ谷区の一部においてこうした措置が行われております。私の記憶では神奈川、静岡、和歌山そのほか二、三縣あると思いますが、これが全縣的ではありませんが、地方によつてそうした措置を講じておる所があるようでございます。しかもその結果について、非常にこの家庭菜園なり農業増産上に支障を来しておるかと申しますと、必ずしもそういう悪い面があまり出ておらぬようでありますから、その点は私ども十分愼重にその差引率等については研究いたして参りたいと考えますけれども、從來の各地にありまする例をも参酷いたしまして、これが農業増産に非常に悪い影響を及ぼすことのないように努力して参りたいと考えております。
○井上(良)委員 次に先般料飲店再開が実施されまして、従来旅館に対しましては主食を持ち込んで宿泊ができましたが、あの法律によりますと、旅館に宿泊する場合には外食券によらなければならぬということになりまして、そうしますと、外食券というものは今後相当多く発行され、またこれが利用されることになろうと思いますが、この外食券によるところの主食の需要量、これを一体政府はどう見込んでおいでになるのか。この点を一應伺つておきたいと思います。
○安孫子政府委員 現在織り込んでおりまする外食券の数量を、私ただいま手持ちいたしておりませんので、後刻調べまして御返事申し上げます。
○井上(良)委員 次に公團の資本金の増加に基づきまして、いろいろな什器を買い込む、現在の配給所の能率を高めるために資本金を増加したという意見でありますが、これによつて購入する什器と、從來の什器との関係、たしか公團を設立いたしましたときには、従来食糧営團が持つておりました什器は、政府に賣り渡したのではないと考えております。食糧営團の財産として食糧公團に貸しておるという形になつておる。従来食糧営團が持つておりましたときの什器が、今日そのまま公團に使われておるのじやないか。それと今後新しく政府の資金によつて買う什器との関係を、どう一体処理されるのか。しかもこれはこの一年間で解散をされるということを想定した場合に、一体どうなるのかということ。われわれは一應政府財産と民間財産との区別をどうするか。この点を伺つておきたいと思います。
○安孫子政府委員 食糧営團が持つておりました什器、備品につきましては、閉鎖機関の管理に属しておりますもので、ただいまそれを借りて使つておるという形でございます。その後基金によりまして買つたものは、これは政府の備品として処理をされておるわけでございます。あるいはお話の点からはずれるかもしれませんが、従来借りておりました備品什器等は、相当長いこと使つておりますので消耗して参つておるものもございます。それから地域的にいろいろ人口もふえておりまするので、その辺で補充をする部分も出て来るのであります。これはまた別途交渉中ではございますが、電話は今度は借りられないという規則ができましたために、その辺の手当もしなければならぬ。しかしこの点については、いろいろ関係筋とただいま折衝はいたしておりますが、今度のものには電話は入つておらなかつたかと思いますが、そうした関係からいたしまして、これをどうしてもふやして行かなければならぬという事情になつておるわけであります。この経理の区分につきましては、借入品と直接購入品との区分ははつきりと立ててはおりますし、また將來も区分をはつきりいたしたいと思つております。
○井上(良)委員 区分ははつきりできると思いますが、問題は電話以外はみな大体消耗品ですから、そうしますと前のものがつぶれた。ところがつぶれたという報告は政府にするでしようが、それとこれとごちやごちやになりはせぬかという危険がここにあるのですから、よほど区わけということは、同じ人が使つておりますから、同じ末端配給所で利用するのですから、むずかしいのじやないかと考えるのですが、いつその公團の閉鎖機関が持つておりますこの什器を、公團が全部買つてしまつたらどうか。そうしたらやつかいなことはなくなる。それを全部買うとすればどのくらいの金がかかるか。食糧配給公團がここ半年や一年で、ただちに民間にまかしてやつていいというような事態にはなかなかならぬと想像されるのでありますから、そうするならば、その閉鎖機関の持つておる什器というものは、金を出して借りておるというのならば、いつそのこと買い込んでもらつた方がいいではないかという考え方が一應成立つのでありますが、それに対する考えはどうでありますか。
○安孫子政府委員 その点は私もさように考えます。適当な機会に清算事務が終了をする時分におきましては、そうした方針でもつてはつきりさせてもらいたい、かように考えます。
○井上(良)委員 次にこういうような資材をふやすことによつて、持込み配給の能率はどのくらいになりましようか。大体今までわれわれの調べたところによると、持込み配給というものは年間のうちで大体四割くらいしか行つてない、あと六割は店頭渡しになつておる。これがいつも末端においては問題になりまして、特にいもを配給する時期等におきましては、各家庭の主婦は悲鳴を上げておるのです。実はこの価格のきめるもとが、消費者価格は店頭渡しまたは持込みということになつておる。だからサーどスのよい所は持ち込んでくれますけれども、サービスの悪い所はほとんど持ち込んでない。全國的なものを調べてみましても、半分くらいしか行つていない。半分は全然持ち込んでない。しかも持ち込んでおる大部分は米である。ほかのものはほとんど持込みをやつてないという実情である。一番困るものを持ち込んでないのに、一番喜ぶものは持ち込んでおる。こういう現実の姿にあるわけですが、これだけの資金を使つて、これだけの什器を買入れて、どれだけ持込みの能率が上ると考えておりますか。これを伺いたい。
○安孫子政府委員 その点は一昨日資料としても要求されておるのでありますが、非常にむずかしい。どのくらい金額をふやせば持込み配給の率が現在よりもよくなるか、何パーセントくらい上るのだというお尋ねですが、実ははつきりした御返事ができないのであります。ただいま私どものとつております方針は、一品種五口以上配給できる場合においてはそれは持込みをやれ、但しいもは除きます、この辺を最小限度の要求として、公團に強く要請をしておるわけであります。その結果がおそらく御調査になりました四割という数字になつておるのではなかろうかと存じます。それでたとえば五日を三日にする、あるいは一品種でなく、三品種なり二品種なりでも五日以上のものは、家庭持込みをやらせるということになりますと、現在の什器のみでなく、人員をもつてしてはなかなか困難だと私どもは考えております。これをふやすことについては、この前も國会において、五千人だつたかと思いますが、定員の増のお話も大体認めていただいたと考えておりますが、その後の情勢によつて、この定員増もただいま見合せておるような状況でありますので、この金額をふやすことによつて、ただいまの四割が五割になる、あるいは六割になるということを期待できないと思います。しかし現在よりも悪くならぬ、多少ともよくなるということには、ぜひ努力して参りたいと思つております。
○井上(良)委員 多少くらいではしんぼうできないと思うのです。問題は、私は店頭渡しまたは持込みということになつておるところに問題があるのでありますから、持込みが全体としてできないということならば、店頭渡し一本に改めてしまう。そのかわり消費価格をそれだけ下げる。つまり全体を持込みにするために、人件費なり什器なりが莫大にふえる。そのために消費者の負担が重くなるということも一應考えられますけれども、全体的にわが國の食糧増産その他を考えまして、政府がこのまま末端配給を続けて行く限りにおいては、持込み配給は望まれない。そうなればいつそのこと店頭渡し一本に改めてしまう。そのかわり消費価格をそれだけ切り下げるという手を打つた方が、私は正直でいいと思う。持込み配給をするというから、一方では少々むりしても持込み配給しておるが、他の方では一向しないという不平がある。そういう点から持込み配給をやめてしまつて、店頭渡し一本にしてしまうというふうに改めるか、それともさらに一歩進めて、末端配給は—先にだれかが質問しておりましたときにお答えになりましたように、問題はこれをいわゆる登録制にしてしまつて、末端は切り離す。そうすればみなサービスをよくして、競争して持込みを一生懸命にやるようになる。持込みを一生懸命にやらぬ所はこの次に登録しない。そういう行き方があるわけですから、この際どちらかを一つやられた方が非常に消費者のためにいいのではないか。こう私は考えますが、それについてどうお考えになりますか。
○安孫子政府委員 非常に端的な右か左かどいうようなお話でございますが、登録制をとることによつて、その問題が解決するのではないかという点は、これは私は疑問だと思つております。と申しますのは、あるいは一、二度はやるかもしれませんが、やはり一定のマージンにおいてこれをやるということになれば、マージンが少い、もつと上げてくれなければ配給はできないのだという形における要求が出て来るのであつて、それを長きにわたつて、自分の経済負担において持込みを続行するということは、一般論としては私は考えられないのじやないかと思います。しかもいろいろ窮迫して参りまして、食糧操作が小きざみ配給で困難な場合に登録制をとりますことは、消費者の方でサービスをする家庭に対しましては品種のよいものをやるとか、あるいはいろいろな便宜を供與するが、しからざる家庭についてはそうでないというような、悪い面も出て来る可能性があると思います。現状の食糧事情からいたしますと、総合判断としては、現在の直配の形が最も適当ではないかという見方をしておるのであります。この点はいろいろ見方があろうかと思いますが、私どもが彼此研究いたしました結果、その辺が一番妥当ではないかと考えておるのであります。それならば、一面今度は家庭持込みということを全然やめてしまつて、全部店頭渡しだということで行く、そのかわりある程度の価格の引下げが行われるわけでございます。これは一つの考え方であろうと思います。ほかの方々からも、ほかの場所においてそうした御意見を非常に承るし、そうすべきでないか、そういうふうに食糧事情がまだ安定期に入つていないときは、消費者といえどもそれくらいの協力はすべきじやないかというふうな考え方で、そういう御主張もあるのであります。しかし現在の家庭の状況から申しますと、いつも店頭に行くんだということも、どうも踏み切れない点がございまして、実は今のようにできるだけある程度のものを持込み配給をさせるという方向で行つておるわけでございますので、研究問題としては、あるいは店頭渡し価格あるいは持込み価格とを区別いたしまして、店頭でやりました場合には安くする、持つて來た場合には加算されるというようなはつきりしたことにした方がいいのではないかということも、実は研究しておるわけでございます。その点は一方的に全然やめるとか、全然野放しにしてしまうという形ではなくて、何か適当の方法がないかということを、研究しておることを申し添えておきます。
○井上(良)委員 次に配給代金の問題ですが、御承知の通り、米価がたびたび改訂されましてから、今日四、五人の配給を受けますとたいへんな金額になりまして、この支拂いに非常に困つておるのであります。最近企業整備または金融等のために、工場の賃金の支拂いが非常に悪くなり、実際上配給の食糧がそのまま購入できないという家庭も至るところに起つておりますし、また工場に配給しておる労務加配米におきましても、工場いろいろな金融その他の関係から、これを購入することができ得ないという事態が起つておるのであります。これら購入代金の支拂いをある者は猶予してあげる。ある者はまた月給日まで待つてあげる。ある者はまたそんなに一度に引取らずに、これを数回に区分して賣つてやるようにするという操作をやるべき必要があろうと思いますが、これについての御意見はどうですか。
○安孫子政府委員 いろいろなケースがあると存じますが、一般論から申しますと、掛賣にしたらどうかという問題があります。それから会社等において給料の不拂いがある場合には、あるいは掛賣なり、何なりしたらどうかというようにいろいろあるのでございますが、ただいまのお尋ねは、主として会社の給料の不拂いの場合の措置についてのお尋ねでございましようか。一般的にですか。
○井上(良)委員 一般的にもあります。会社においてもありますし、農村においてもあります。
○安孫子政府委員 大体掛賣の問題は、非常に生活が困窮いたしまして、どうしても買えないという者に対しまして、食糧管理法なり、その面において掛賣という制度を認むべしということが、一つの議論としては成立つと存じます。しかしながら私どもは、そうした問題は食糧管理法等において考慮すべきものではなく、もつと廣い意味において失業対策なり、その他の方面において問題を解決すべき性質のものであると考えております。ほんとうに食うに困つて買えないという者につきましては、生活救護法の適用も現行法としてはございますので、この点は食糧管理法の面において解決すべき問題でなく、もつと廣い意味の、失業対策あるいは社会保険、失業保険という面において考えるべき問題であるというふうに考えておる次第でございます。 それから会社が不拂いしたために買えない場合にどうするかという問題でございますが、これもただいま申し上げましたような原則に基いて、掛賣は認めない。そうした場合に掛賣を認めますことは、非常に言いがかりのようでありますけれども、かえつて会社の給料の不拂いに対する口実を與えるような場合も、ある面では出て来る場合があります。あるいはまた不良会社の救済策に堕するような場合も、露骨に言えば非常にあり得るのでありまして、その点は、食糧管事理法としてはそうした方針をとらない。ただ非常に困つておる場合に、その日にとりに來ないから、あとはもう打切つてしまうということは適当でないだろうと存じます。それは何日かして金の調達ができた場合にに、それを渡してやるという措置は講じて参りたいと考えております。原則的に掛賣はやらない。これはただいま申し上げた理由で、そういう考え方をしておるわけでございます。
○井上(良)委員 原則的に掛費はやらないと言うが、政府は原則的に掛賣で米を買つていないのです。農家へ現金と引きかえで買つていないのです。買うときは現金と引きかえで米を買わずに、賣るときにはほんとうに困つた人にまで—実際上あなたのおつしやるように、救護法にかかるような場合には、そんなものは問題にならぬのです。これは人間として一人前の生活のできぬ人を助けることになつておりますから……。しかし働きに行きながら給料がもらえぬ。あるいはまだ収入がないのでそれだけを買う手元金がないというので、次の月給なり収入のあるまでひとつ待つてくれ、あるいは待てなければ小口で賣つてくれというので、何も金を拂わぬというのじやない。それをあなたの方じや、救護法や失業救済の方でやつてもらつたらいいと言うが、これは失業しておるわけじやない。そこは大分違う。これは食糧管理法においてぜひやつてもらわなければならぬ。一つは小口で賣つてくれるということ。一つは月給まで、あるいは次の収入まで待つてくれということです。これは農繁期においても困つておることでもありますから、それをもつとはつきりとしてもらいたい。認めないというのじや困る。
○安孫子政府委員 政府が掛賣で買つておるのだからというお話がございましたが、現在は支拂証票というものを出しております。これがすぐ金になるわけでありますから、掛賣で買つておるというふうには考えておらぬわけであります。 それから生活保護法の適用を受けないような場合で、給料が非常に遅れておるためになかなか買えない場合、分割して渡してくれ、あるいは月給をもらつたときに拂うから現物は前に渡してくれ、こういう二つの例を御指摘になつておるようでありますが分割の点については研究して見る価値があると思いますけれども、給料をもらつたときに拂うから現物を先に賣れということは、やはり掛賣になりますもので、この辺は現在の立て方においてはむりだと考えております。
○井上(良)委員 やろうという腹があれば実際にできるのです。昔はみなそうやつておつたわけです。それが食糧営團ができ、公團になつてからむずかしくなつてしまつて、みな困つておるわけです。実際は労働者や勤める人ほどまじめな者はない。ほかの金を拂わないでも、米と家賃は拂うというのが、一つのくせになつておる。そういう建前だから掛賣しても絶対倒れはない。もし倒れがあるというのならば、会社の方に話をして会社の方がら差引いてもらつてもよいし、いろいろな手がある。ただ集金の手間がよけいかかるということになればこれは別ですが、それはまたその方で全体をプールしておるから、別にそんなに大きな欠損になるわけでもない。小口はぜひ認めてやつてもらいたい。いわゆる一升買いをぜひ認めてやつてもらいたい。一ぺんに引取るのを、三べんなら三べんに引取るというやり方を認めてやれば大分助かる。これはほんとうの声なき声ですから、これをひとつよく聞いて、それにマッチするようなやり方を、公團の方へご指示をねがいたいと思う。この点もう一度はつきり御答弁を願いたい。
○安孫子政府委員 こういうことを申し上げると何ですが、一升買いの問題は、今後端境期に入りますので、どうせ小刻み配給をしなければならぬので、結果的にはここしばらくはそうなるのじやなかろうかと考えます。しかし御指摘の点も十分研究いたしまして、なるべく事態に即應するように考えて行きたいと思います。
○井上(良)委員 くどいようですが、これから一層いろいろな問題が消費者生活に影響を及ぼして來ますから、ぜひひとつ御考慮を願いたいと思います。 次に政府拂下げ後、食糧公團に買取りまして、また今度消費者に賣ります場合に出て來ます欠量の問題です。この資料によりますと、配給用の主食の欠量の補償方法として、どういうことをやつておるかというと、玄米で拂下げた価格から搗精率を九六%としてあるものを、精米出来高を五十七・六キロといたしまして、そこで今度欠量を見なければならないというところから、これを五六・七四キロに押さえておる。ここで、〇・八六キロの欠量を認めて、一俵あたり二十円八十六銭が補填されておる。これは二十三年の六月までの勘定です。七日以降においては三十六円六十一銭が補填されておる。そこで二十三年の四月から九月に至る間の数量と金額が出ておりますが、それによると米麦だけでもつて五千九百万円、いもでもつて四千百万円、その他を合計いたしますと全体の欠量金額は一億三千九百万円を出しておる。これをもし年間に想定いたしますと、少くとも三億円近い欠量がここに起つておるのでありますが、この欠量は消費者に轉嫁されるのでありますか、政府が補償するのでありますか、この点を明らかにしてもらいたい。
○安孫子政府委員 大体原則といたしまして政府が需給上のロスは見ておりますので、政府において補填するような形になつております。
○井上(良)委員 そうしますとこれは政府資金で補填をしておりますか、その点伺いたい。
○安孫子政府委員 結論的にはそういうことになると存じます。但し実情を申しますと、全部が政府においてこれを負担しておるのではない部分もあると思います。やはり現実の配給等において多少欠量がある。あるいは産地においてあつたものが消費地においてはないものもありまして、その間実情から申しますと、多少消費者負担—直接的な形ではありませんが、消費者負担となつておる部分もあると思います。原則的には政府が負担するということになつております。
○井上(良)委員 玄米で買い取ります合は一俵六十キロ建で買つておるのではないですか。
○安孫子政府委員 六十キロ建で買つております。
○井上(良)委員 それがどういうわけでこんなに莫大な欠量を生ずるのですか。輸送途中でなくなるのですか。それとも初めからないものをあるとして買つておるのですか。
○安孫子政府委員 両者の場合があろうと思います。六十キロ建で買つておりますが、戰争中相当検査制度がくずれたと申しますと語弊がありますけれども、従前のようにがつちりした検査が行われなかつた実情がありますために、地方によりましては検査が十分できなく、中には六十キロないものを買つておる場合もあると思います。この点についてはできるだけ元のようにしつかりした検査制度をたてまして、正量取引が確実に行われるように努力いたしておるわけであります。今までの実情はそういうものもあつたということは率直に認めざるを得ないかと存じます。
○井上(良)委員 それからいまひとつ、一体欠量があつたとかなかつたとかいうのは、だれが調べておるのですか。政府の金を渡すのでしよう。そうするとたとえば六十キロあつたとかなかつたとか、あるいはいもはこれだけ腐つたとか腐らぬとかいうことは、だれが一体認定するのですか。
○安孫子政府委員 政府の職員がやつております。
○井上(良)委員 政府職員がどこでやつておりますか。
○安孫子政府委員 産地におきまして買入れます場合は、御承知のように食糧検査員がやつております。着地におきましては、大体運送は陸運は日通がやることになつておりまして、着地におけるかんかんその他はやはり食糧事、務所の職員が立会いましてやつております。しかし大部分の実情から申しますれば、公團職員の場合が多かろうと思いますけれども、やはり政府においてこれを受入れておるという形をとつておるわけでございます。
○井上(良)委員 産地における買入れの場合の検査は、政府の検査員がおりますからよろしいが、着地における場合は、駅に着きまして、ただちに公團の倉庫に入つてしまうのでありまして、そうしますと、公團の倉庫からすぐそれを精米にかけるのです。そんなにかんかんではかつて一々これはなんぼある、これはなんぼあるということを見て精米しておる事実はありません。たとえて言いますと、昨年政府が茨城一号といういも—これは水つかりいもですが、これを東京都に配給しようとしたら、どこもそんなものは食えぬといつて断られた。このいもを関西の大阪、京都、神戸へ持つて來て、大阪への割当だけが、たしか二百五十万貫くらいあつたと思いますが、これがどこもかしこもお断りだ。そうしてあつちの配給所、こつちの配給所と、ぐるぐると配給所めぐりをやつて、とうとうほとんど全部腐らしてしまつた。これで市民がいもに対して非常な不安を来したために、その後出て来るいもは皆お断りというわけで、いもの配給辞退が起つた。このためにいもは莫大な腐敗を出しておる。ところがその現実を抑えておるのは、だれが押えておるかといえば、公團職員です。だから公團職員からこれこれの欠量なり、腐敗がありましたという報告に基いて、政府はそれを認定するだけなのです。食糧事務所は現実はそういうことなのです。従つてわれわれはこの欠量の数字の上には非常な山があると見なければならぬ。政府職員は現実にタッチしていない。そうして公團の方から言うて参りました数量をそのままうのみしておる。あるいはこれを一部査、定しておるところもありましよう。しかしどこの配給所にどれだけいもが腐つておるか、どこの配給所から精米所に入つた米になんぼ欠量があつたかというようなことを、一々かんかんにかけて欠量分を調べておる政府職員はありません。そうすると公團と政府との間は、まるきり政治的な取引によつて、この欠量分がきめられて、その補填金が支拂われておるということになつておる。そうわれわれ解釈していいですか。
○安孫子政府委員 政治的という点は除きまして、いもの場合には実情はそういうことであります。大体政府が産地でいもを買いますと、すぐにこれを政府が公團に賣り渡してしまいます。公團のいもとして輸送が行われておりますために、途中、あるいは着地におきまして政府職員が検査するという場合はほとんどございません。従つてロスの認定等は公團においてやるという結果になつております。米につきましてはやはり精米所等に統制検査の関係でもございますが、食糧事務所の職員を派遣いたしまして、ときどき検査をいたしております。そんな点から資料が全般的ではありませんけれども、整備して来ておりますので、この点は全然野放しになつておるということはございません。そういう実情であります。
○井上(良)委員 單に抜取り検査をやつておるということは私も認めます。認めますけれども、たとえば入荷した拂い下げようとする玄米を、全部そこで検査して正量をはかつて賣り渡しておるという事実はない。これはないのです。ここに実は公團運営の上に非常な暗い陰があるわけであります。いわゆる欠量分をある一定限度見積れば、それを政府は認めるのですから、これはだれもタッチできないのです。そうじやというより方法はない。この資料には昨年十月からの分はまだついておりませんが、おそらく昨年の秋からのいもその他のものについては、相当の欠量があるとわれわれは押さえておる。しかも昨年来御承知の通り、早場奨励金の関係がありまして、十分乾燥しないところの米が相当供出されておる。そういう関係から目減りというものが相当多いという実情もある。これらに対して何ら政府が監督検査の手を打たず、單に公團から言つて來た数字をそのままのんでおる。これはわれわれがここで申し上げるのはおかしい話ですが、某公團においては公團の総裁、公團の支局長、あるいは支局長の家族、その他の者の名前によつて、傍系会社に莫大な金を出資しておる。一体その出資金は一公團の支局長ができるかどうかということで、司直の手でこれを調べた。いろいろ調べた結果、結局はこの欠量というものに目をつけて、欠量による公團の益金というものが相当莫大な金に上つておる。一体この欠量はどういう数字で算出しておるかということで、いろいろ調べておるという事実を私は知つておる。これはまつたく野放しになつておる。それはあなたが今おつしやる通り、なるほど食糧事務所の職員が精米所に参りまして、抜取り検査はしておりましよう。しかしそれは單に抜取り検査をしておるだけであつて、いわゆる作報のサンプリングよりももつと不正確な数字に報告されて来るのではないかと思う。そういうものを基礎にして、それで欠量を認めて行くというやり方は賛成できない。しかもいも十貫目に対して十四円もの欠量を認めるなどというのは、これはあまりにも数字が甘いではないかと私は思います。この点に対するお答えを聞きたい。
○安孫子政府委員 食糧事情がもう少し緩和いたしておりますならば—産地から参りました米を、駅において十分な検査をし、これを政府の手によつて一旦確実に受取りまして、これを公團に拂い下げるという余裕がありますならば、この点は十分はつきりした計数上の基礎を握つて処理ができると思うのであります。たとえば現在におきましても、東京に相当凍結米がございますが、かくのごときものは、やはり政府において十分受入れをいたしまして、一定倉庫に保管いたしまして、適当な機会にこれを放出するという措置を講じておりますので、その点ははつきりいたすのでありますが、すべての主食につきまして、そうした処置ができることが、できるだけ早い機会に到達すれば、お尋ねの点においてはつきりした御返事ができると思うのであります。しかし事情が右から着いたものを左にすぐ配らざるを得ないというような状況におきまして、公團の倉庫に入る、すぐ精米にするというようなときに、その中途において精密な検査をやつて処理することは、配給の上にまたいろいろ支障を來すために、從來非常に確実な方法において考えられた受入れ検査が相当くずれておるということは、これは率直に認めざるを得ないかと思います。できれば御趣旨に沿うように、この点のはつきりしたことをつかみ得るように努力して参りたいと存じます。いもについては、なかなかそうした処置を講ずることは、今後においても困難じやないかと思います。
○井上(良)委員 次に配給食糧の品質の問題でありますが、政府は米を買うときには、一等、二等、三等と等級をわけて米を買つておる。そして消費者の方には別に等級がついておらぬ。はな、はだしきは等外米のような米が相当まじつておる。あるいはまた粉を見ても非常にこまかいのと荒いのとがある。はなはだしきは、最近問題になつておりますが、石がまじつておつたり、砂がまじつておつたというようなものが配給されている。全然品質検査などはされていない。しかも同一価格でプール計算で賣るのはよいのですが、これはこれだけの規格で、これだけの製品でなければこの価格では買いとらぬ。あるいは工賃は出さぬというような、ひとつの責任制を持たせたらどうか。全然それをされていない。だから非常に能率のよい、またサービスのいい製品を出しておる所と、非常に悪い所と二通りある。これを一つにプールして消費者に賣りつけて、しかも不潔なそういう粗難物がまじつておつても、平氣でそれを賣つておる。これら製品の検査についてはどういう手を打つておるのですか。
○安孫子政府委員 品質の問題は今後ともますます重要になつて參るのでありまして、この点については、乏しいながらも、現在の食糧事情のもとにおいてでき得るかぎり品質の向上をはかつて参りたいと考えております。従いまして、昨年から製品の検査制度をしきまして、事務所の検査員をして製品の檢査もいたさせておるわけであります。まだ御期待に沿うほど十分とは参らぬかと存じますが、今後ともこの点は努力して参りたいと考えております。一等、二等、三等で買いとつたものを、プール計算で消費者には一本価格で買つておるということは、井上さんも十分御理解になつていると思いますので省略いたしますが、製品檢査についてはできるかぎり努力して、石がまじつておるものを平氣で賣るというようなことのないように努めて参るつもりで、体制も大体そういう体制にいたしておるわけであります。
○井上(良)委員 他の食品関係を見てみますと、よい製品を出した工場に対しては次の割当をふやして行く。そのかわり悪い製品の所はどんどん落して行つて、そういう工場は要らない。よいものをつくつてくれということで、そういうメーカーへの割当はふやしておる。それと同じように製粉、精麦、その他配給食糧を加工しておる工場に対しては、一つの規格をきめて、何はこう、何はこうというように、ちやんと一つの規格をきめて、その規格に合致しなければ割当を少くするぞということをやると、大分みな一生懸命になつて来る。かように思いますから、そういうふうにやつていただきたいと思います。 その次に米価の問題でございますが、御承知の通り、近く麦の価格をきめなければならぬ。七月に大体新年度の米価をきめるのですが、政府はこの際、これはいずれ食糧確保臨時措置法の場合に質問しようと思つておりますけれども、想定米価を、大体麦ばれいしよの価格をきめる場合に、毎年きめるのですから、この七月には当然米価のパリティーを算出せなければならぬのですが、私は最近為替レートが設定されてからというものは、從來のパリティー方式による米価の算定の方式は、この二十五米穀年度からはかえなければならぬと考えますが、あなたはどうお考えになりますか。依然としてパリテイー方式を採用して行こうというか、いわゆる外國の農産物価格と均衡のとれる米価を、ともかく一應わが國の米価を算出する上における基礎にしなければいかぬのじやないかという考え方を、私は持つに至つておるのですが、あなたはどうお考えですか。
○安孫子政府委員 私が申し上げるのはあるいは適当でないかと思いますが、私だけの考え方といたしまして、今ただちに國際的な穀物価格と均衡のとれた國内の穀物価格をきめるということは、まだその段階にはないのじやないかと考えます。やはり国内におきまして、経済全般から見まして、均衡のとれた農産物価格をきめることが適当である。この水準を、順次経済全体として国際水準に近よらせる努力をして参らなければならぬかと思いますが、今ただちに穀物価格だけを國際穀物価格の水準まで一足飛びに持つて行くということは、適当でないというふうに大体考えておるわけでございます。そうした考え方をとる場合にパリテイー方式というものが適当ではなくて、別の方式をとるべきだというお考えでございますが、私はやはりパリテイー方式というもので、その間の均衡のとれた価格を出すことがよいのじやないかというふうに考えます。ただパリテイー方式を採用するにいたしましても、その内容、指数その他についていろいろ研究する余地はあると思いますけれども、原則論としては、パリティー計算方式でよいというふうに考えております。
○井上(良)委員 いずれこの問題は、食糧確保臨時措置法のときに詳細に質疑をいたしたいと思いますが、大体七月に麦、ばれいしよの価格を決定するにあたつて、米価が新しい価格に算定をされる。その場合消費者価格はどうなりますか。
○安孫子政府委員 消費者価格は、ただいまのところ、来年の三月か四月まではかえないという方針になつております。
○井上(良)委員 次に輸入の見通し、及びこの六月から十月に至る端境期の食糧対策についてでありますが、先般政府がこの間の需給の見通しについての政府発表をいたしておるのを伺いましたが、大体この五月以降の食糧輸入ざつと百万トンですか。これの見通しについての確実な話合いは、関係筋ともう成立したのでございますか。これを一應伺いたい。
○安孫子政府委員 大体話がついております。
○井上(良)委員 次に麦の補正の問題、それから割当の問題。本年の麦の収穫は政府はどう押えられておりますか。それから割当はどう考えられておりますか。これは来る二十七日か何日かに中央農業調整委員会を開いて、ここで政府は麦の供出割当その他についての会議を開くという話でありますが、そういたしますと、大体もう案ができておるはずで、ありましようから、それをひとつ伺いたいと思います。
○安孫子政府委員 麦の作況に関連いたしまして、麦の補正の問題でございますが、大体現在の麦の作況につきましては、三月末日現在であつたかと思いますが、食糧事務所で一應調査いたしたところによりますと、全國的におおむね一割程度の減収であつたかと存じます。作報におきましてもある程度の調査があるのでありますが、急ぎました関係で、私どもが直接食糧事務所で調査させたところによりますと、結論的には、平年に比較いたしまして、地帯によつて異なりますが、一割見当の減というふうに考えております。麦の事前割当数量は二千十四万六千四百九麦石、被害減収見込みが二百三万四千九百三十四麦石という約一割、しかしその後天候の変化もありますし、大体の状況といたしましては、むしろ回復しておるのじやないか。麦作については、特に御承知のように、収穫期におきまする天候が最も大きな影響力を持つのでありまして、この際どうということを結論づけるにはまだ早かろうと存じます。 それから麦の補正の問題は、これから私の方といたしましても、地方に人を出して作況を調査し、また府縣においてもまとめ、また作物報告事務所の調査もありますし、この際は中央食糧調整委員の方々に一應別の目で、全國的に均一した見方をとつてもらつて地方的なアンバランスのないようにやりたいというような段取でもつて、ただいま計画を立てて進めつつある次第でございまして、具体的方針につきましては、まだ何らきめたものはございませんし、今後その作業にとりかかりたいと思つておる次第でございます。
○井上(良)委員 そうすると補正の方針もまだきまつてないわけですか。同時に今度補正をして、それからまた超過供出を要請するものについての対策なんかも、全然きまつていないのでございますか。
○安孫子政府委員 大体補正に関しまする一定の段取はきめておりまするけれども、その基本方針というようなものについてはきめておりません。
○井上(良)委員 次に伺いたいのは、早掘りかんしよ及び早期供出による早場米の、この年度に食込む分の予想量、これをおよそどのくらいに踏んでおりますか。
○安孫子政府委員 これは参議院において資料の要求がございまして、御説明申し上げたのでありますが、昭和二十四米穀年度需給推算というものを推定いたしまして、発表いたしたのでございます。これについて昭和二十四年産の生かんしよ、いわゆる早掘りかんしよは九十九万二千三百三十三石、トン数にいたしまして十四万八千八百五十トン。それから二十四年産の早場米は七百万石、トン数にいたしまして百五万トンというものを見込んでおります。
○井上(良)委員 そういたしますと、大体これでこの十月までの年間においては、輸送その他のズレが起りまして遅配が多少ありましても、いわゆる遅配というものはなしに行けるという見通しを持つておるわけですね。
○安孫子政府委員 これは新聞等にも出ましたので、需給の状況等については資料もこちらに参つておるかと思いますが、大体の見通しといたしまして、ただいまお話のございましたように、こ十四米穀年度は、時期的にはいろいろの問題もあり、地方的には多少遅配等を起す場合もなきにしもあらずとは存じますけれども、年間合体を通じますならば、遅配、欠配を起さずに、この年度は大体行けるという見通しを持つております。そのためには今後輸入食糧約百万トンというものを大きなフアリターとして予定しておりますし、また今年の米作二十四年産米の作柄というものも、大体順調であるという前提に立つておりますので、この点に大きな狂いが参りますれば、これは別問題でございますけれども、しからざる限り、いわゆるたな上げをするような遅配とか、そういうものは起さずしてやつて行けるという見通しを持つております。
○井上(良)委員 最後に一点伺いたいのですが、先に申しました、この五月以降十月までに輸入する予定の外国食糧百万トン、これは大体対日援助資金、ガリオア資金によつて入ることになろうと思いますが、その後の見込み、つまり二十五年度のわが國の食糧年度の見通しの場合に、さきに長官は、輸出をやつてその資金によつて輸入食糧を相当買わなければならぬようになりはせぬかという見通しだという話しですが、そごまで大体話が行つておりますか。この点を一應伺いたいと思います。
○安孫子政府委員 一九五〇会計年度、この七月から来年の六月までのアメリカの予算関係は、まだ事実は確定いたしておらないわけであります。ちよつと速記をとめていただきたい。
○坂本委員長代理 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○坂本委員長代理 速記を始めてください。
○井上(良)委員 なお私は、さきに申しました割当の基準になる人口動態の問題について、資料に基いて質問をいたしたいところがありますが、資料もまだ出て参りませんから、これで私の質問をひとまず打切つておきます。
○坂本委員長代理 次は竹村奈良一君。
○竹村委員 今度の改正の中で、第二條でございますが、農林大臣が指定を明らかにせねばならぬ理由でここに書いた、こういうふうに言われておるのであります。その明らかにしなければならなかつた従来の弊害を、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○安孫子政府委員 非常に大きな弊害ということではありませんが、たとえばいもの加工品一農林大臣が指定するものでなく、加工品であるものがすぐにこの適用を受けるというようなことになると、いもようかんとか何とか、そういうものが入つて來るが、そういうことは適当でないだろうというようなことで、そのうちどうしても農林大臣として主食としてやらなければならぬものを指定する。こういう意味で、改正をいたしておる次第でございます。
○竹村委員 そういたしますと、近いうちに、いも等は主食からはずすという大体のお考えに出ているのでしようか。それともそういうような主食品であつても、加工品になつたならば、その統制をはずしてもいい、こういうお考えですか。
○安孫子政府委員 現在の食糧事情からいたしまして、いもを主食の中からはずすということは、困難でありますし、ここ当分適当でないと考えております。従いまして、いもを主食、あるいは食糧管理法の適用から排除するということは全然考えておりません。 それから加工品になればそれははずすのかということでありますが、加工をさせることについて、その間にいろいろ問題もありますし、またそれは結局、主食の横流れという問題も出て來るのでありまして、ただ結論的に、いもようかんというようなものまで本法の適用がただちに及ぶということは、適当ではないという考えで、農林大臣の指定するものというふうな限界を設けた次第でございます。
○竹村委員 それでは、たとえば正直にいもを、政府のおつしやる通りに、超過供出を全部やるものと、それから何といつていいか、片方で何とか加工して賣るものと、経済的な所得において、非常な相違を来しております。それを是正するためには、いもの超過供出の分に対しては、いわゆるいもの価格をどれだけ引き上げる用意をされているかということを、お聞きしたい。それが従来と同じようにされているのだつたら、加工する者とくらべて、正直に超過供出する者は不利益である。こういう点をひとつ……。
○安孫子政府委員 いもの超過供出倍率を今年はどうするかというお尋ねになるのではないかと存じますが、これは米麦、並びにかんしよ、ばれいしよ等につきまして、ただいま折衝中でございます。昨年と同様の倍率は、かんしよ等についてはなかなか困難ではないかという見通しを私どもは持つております。
○竹村委員 それはそのくらいにしまして、第八條でございますが、第八條の改正になつておる趣旨は、結局ここにも示されておるように、大体配給計画を農林大臣が府縣知事に渡す、府縣知事は市町村長に指示する、こういうことになつておる。これを強化するというのでありますけれども、本年度の配給を見てみましても、先般来本委員会において委員長が報告されましたように、一部の保有農家、あるいは轉落農家に対する配給が、十分うまく行つていない。それをまた農林大臣がそれ以上に強化されても、おそらくその結果はうまく行かないということで、この法案だけで解釈されてもうまく行くかどうか、それからもう一つは、たとえば今までやかましく言われておる各地における、轉落農家と一部保有農家に対する還元配給の問題でありますけれども、これが本委員会において報告されてから、どういうような措置をされたか、最近の話によりますれば、各地ではまだそのまま、あまり措置をとられてない。あの調査に行つたところにおいても、ある程度緩和されたけれども、実に遅配、欠配が多い。たとえば最近の北海道では、三月三十日現在で十四日分の遅配がある。あるいはまた今まで調査されたところからの報告を聞きましても、実際そのまま改善されていない。これに対してどういう措置をとられるか、たとえば農林委員会でも調査いたしまして、その調査報告はおそらく委員長から報告して、すでに農林省も御承知だろうと思いますが、これに対して何らの措置もとられないということになりますと、國会の調査なんかは有名無益で、必要ないということになりますが、この点についてどういう措置をとられたか、それについて今まで報告のあつたところの各縣に対して、縣別に今お手元になかつたらあすでもけつこうでございますので、どういう措置をとつたかという、詳細な表にしたものを出していただきたいと思います。もしわかつておれば聞かしていただきたい。
○安孫子政府委員 この前にお話のありましたときに、あるいはその後におきましても、いろいろ実情の把握に努力いたしまして、当該縣のわくの増加を、実情を捕捉してきめるという措置をとつておるのであります。大体の縣におきましては、もちろん十分とは参りませんけれども、ある程度の事態の緩和は見られておると考えます。最も端的に申しまするならば、埼玉につきましては問題は解決いたしておりません。しかしこれも近い中に埼玉、千葉、茨城は解決すると私は考えております。それから北海道の遅配の問題でございますが、これは調査をして見なければわからぬのでありますけれども、本米穀年度に入つてからの、十四日の遅配というのではないのではなかろうかというふうに考えております。と申しますのは、二十三年は無事に経過したと思いますが、二十二年度だつたかと思いますが、食糧年度の終期において、遅配たな上げという措置を政府としてとつたと思います。従つて二十二年度の分につきましては、北海道も問題はないのでありますけれども、二十一年度に相当遅配があつた、その遅配を全國的に打ち切るという措置をはつきりとらなかつたように記憶しておるのであります。北海道はそのときの遅配の分も今なお継続しておるという計算上の数字をもつて、遅配というものを考えておる部分があるようでありますが、あるいはこの点は誤解かもしれませんけれども、そうした問題も北海道にはあるということを、お含み願つておきたいと存じます。
○竹村委員 今おつしやつたように、埼玉、千葉その他は近く解決する方針のようでございますが、もちろんそう一挙には行かないとは考えられますけれども、しかし從来の食糧管理法におきましても、そういうことは当然問題が起ればすぐわかるようになつているはずであります。それがこういうふうに國会で調査いたしましても、その後なお二週間以上たたなければ解決の見通しがつかないというほどの原因は、こういう食糧情勢に携わる人員が十分ないのではないかと考えます。これに対して十分あるのか、ないのか、その点をお聞かせ願いたい。
○安孫子政府委員 だんだん食糧行政も資料の整備をいたしまして、非常に細部にわたつていろいろな整理をやつて、その上に積み上げて行かなければならないような段階が來ております。それだけに人手が相当要るという状態であります。現在の人数をもつてその仕事が完全にできるかというお尋ねでございますが、率直に申しますならば、現在の人数でもなお相当努力してもらわなければ、十分な資料の整備ができないような状態にあるということは、申し上げられるかと存じます。
○竹村委員 政府委員のお話によりますと、農林大臣の方針とはちよつと食い違つておると思う。その点ひとつこの次に続行されるときに、農林大臣を呼んでもらいたい。なぜならば今日定員法において—今定員法を國会に提出されておりますけれども、これによりますと、食糧廳関係の人員は相当減るようになつておる。しかも食糧検査員も減るようになつておるし、その他の人員も減るように出されておるのでありますけれども、今のお話によりますと、少いことがはつきりして来ておる、少いところに、この重要な食糧を扱う者を、また片一方で首を切つてなお少くすることになると、ますます遅配、欠配、それから一部の轉落農家の配給がおろそかにされて—それは二週間ぐらいはどうかなるだろうというお考えかもしれないけれども人間一日でも飯を食わなければ生きていられない。それをいたずらに二週間も三週間も延ばしておいて、できないやつを首を切るというのであるか、農林大臣から答弁を聞きたい。これは委員長にお願いしておきまして次に移りたいと思います。 次に麦の値段が最近きまると思います。麦の値段のきめられることは、おそらく幾らできまるかしれませんが、これは報奨物資がつくものだと考えるのでありますけれども、今度の麦に対しましても、やはり国家は報奨物資で補償する考えでおられるのかどうか、これをひとつ伺いたいと思います。
○安孫子政府委員 報奨物資を裏づけるつもりで大体話をまとめつつあります。
○竹村委員 その報奨物資の中にはどういう種類の品目をお考えになつておりますか。
○安孫子政府委員 詳しい資料を手もとに持ちませんので、大体申し上げますが、綿織物あるいは地下たび、それからタオルがあつたかと思います。それからタイヤ、チユーブ、そういうゴム製品というものであります。
○竹村委員 こういう報奨物資が農家に渡される末端の配給機構でありますが、それはやはり、たとえば衣料品等においては、これは米麦を供出せしめたのは町村長の責任をもつてするのですけれども、実際集荷に当るものは、末端の協同組合が集荷に当つております。報奨物資と名のつくものは、結局これは代金と同じではないけれども、大体代金と同等に考えられると思う。從つて麦を出したら、米を出したら、それに対して、その量に相当してお渡しになるものであると思うのでありますが、その場合に、実際集荷した者にお渡しにならぬで、ほかの商人から渡すというような制度——まあ、渡すというわけではないけれども、そういう制度であるわけです。たとえば衣料の登録店に落選したものは、協同組合といえども、これは扱われない。これを政府はどう改善して行くか、当然代金を拂うべきものは拂う性質のものです。從つて協同組合に一元的に報奨物資というものをお渡しになる考えがあるかどうか。しかもそれをお渡しになる考えがあるのであつたら、何箇所から渡されるかという点を御説明願いたいと思います。
○安孫子政府委員 衣料品あるいはゴム製品の報奨物資の取扱いについては、これは長い沿革が御承知のようにございまして、端的に申しますと、商業者系統、協同組合系統の間に争いがあつた問題でございます。われわれといたしましては、農家の希望に沿いまして、最も公正な立場において選択をさせたらよいのではないか。生産農家がある商店からとりたいというならば、その意思を尊重すべきである。また協同組合からとりたいというならば、その意思を尊重すべきであつて、どちらかでなくちやならぬということはいかぬのではないかと考えております。從つて商業者と、協同組合が公正な立場において、消費者に結びつきができるということを話してまとめてもらいたいということで、農林省としては商工省といろいろ折衝いたしおるわけであります。この点については、大体その線において近いうちに解決を見るのではないか。かように考えております。
○竹村委員 近いうちにこれは解決を見るのではないかという御答弁でありますけれども、これは実に重大な問題なのであります。私先般も協同組合法の改正のときに、この問題を質問いたしましたが、大体難点のあるのは商工省と、それから経済安定本部だというように言われておりましたので、そのときに商工省と経済安定本部を呼んでもらいたいということを、委員長にお願いをしておいたのでありますが、これは次の何かの機会に呼ぶという約束をいただいておるのであります。その点では両方面に來てもらうように、この点委員長にお願いをしたいと思うのであります。それから農林省の腹を聞きたいのでありますけれども、そういう形で商人と納得の行く形で、受償者が納得が行くなら商人でも何でもけつこうと言つても、実際の実情から考えて、報奨物資は報奨物資として当然農家に渡たるべきものでありますが、それが商人に扱わした場合において、実際問題として必要な最のものが、実際使える形で渡つていないということを農林省は知つておられるのか。もし知つておられたらお伺いいたしたい。
○安孫子政府委員 たとえば綿製品なんかにつきましては、方針として二十三年度から原反で渡すというような方針をとつておりますので、農家に使えない状態で渡つておるというふうには、私ども実は考えておらぬのであります。大体使える状態で渡つておるのではないかと思つております。あるいは錯誤があれば訂正をいたします。
○竹村委員 そういう農林省の考え方は間違つております。実際これはこまかいことになりますと、事実農家の重大なる問題でありますから、そういう考え方を改めてもらいたいと思います。それはどういうことかと申しますと、たとえば報奨物資は、一俵に対する点数制になつております。それはたとえば東北のような十俵とか、五十俵とか、百俵とか出す人は別ですけれども、関西の方では大体少しずつしか供出しない農家がある。こういう場合に、たとえば麦なら麦は八点原反で渡すと言つたところで、やはりそれを加工した上衣等の場合もあるわけであります。そういう加工したものは、一品に対して八点なら八点、あるいは十点なら十点とされて割当てられる。それで一俵出した者には四点しか渡さないという場合があるわけであります。そうするとその者には実際は反物を切つて渡さなくちやならない。原反で渡す場合には、一俵について四点しか渡さない。たとえば三尺とか四尺とか切つて渡さなければならないということになる。役場で報奨物資に対する切符を出し、その切符を受取りこれを商人に渡しますれば、商人は品物を個人に渡す。三尺なら三尺に切つて渡すようになる。これを協同組合にお渡しになると、これは協同組合の支部があつて、まとめてこれを受取る。そうして一反を切つたらもつたいないから、くじ引できめてこの組が今度受取つておけ、この次來たら次の者に渡すという形で、ほんとうに反物は反物として使用することができる。こういうことになつております。これが末端の実情であります。從つてこれはたとえば選挙によつて、おのおの好むところへ登録し、当選した協同組合は指定するけれども、当選しない協同組合は組合員が好まないんだから、この組合に扱わさぬというところに大きな矛盾がある。というのは、その選挙方法自体が間違つておる。あのときは衣料登録店三分の一なら三分の一を残して、三分の二だけしかできない。ほんとうに選挙していない。ほんとうに選挙するのだつたら、全部これを廃止して、いわゆる三分の一を現状として認めず、全部選挙するならば、協同組合はおそらく落選しない。そういう一つの制限をしておいて、公正なる選挙であるというふうに考えておられるところに大きな問題がおるのであります。そういう考え方で農林行政というものは—たとえば報奨物資の意義というものは、非常に農民に対してうまく行かないと思うのでありますけれども、こういう点に対して農林省自体としては改めていいとお考えになるのであるか。それをお伺いいたしたいのであります。
○安孫子政府委員 昨年の末にありました改選期の際に、七割は現状で、三割だけ更新したのではなかつたかと思いますが、こういう措置は適当でないと思つております。この点につきまして相当商工省とも交渉を続けましたが、解決しないで来ておるわけであります。この点が近く解決されるのではないかと考えておるわけであります。それから末端における点数の関係からしまして、端切れの問題でありますが、これはやはり協同組合等が取扱いまするならば、その間適当な調整ができるので望ましいことであると考えます。
○竹村委員 この点につきましては、先ほど申しましたように、商工大臣、安本長官の出席をぜひ願いたい。これは一挙に解決しないと、六月の麦の供出に対して相当阻害になると考えますから、どうぞ委員長においてよろしくお願いいたします。 それから続いてお尋ねいたします。第十三條の二でございますが、「農林大臣ハ必要アリト認ムルトキハ都道府縣知事二対シ主要食糧ノ管理二関シ必要ナル事項ノ報告ヲ命ズルコトヲ得」こういうことになつておつて、また知事は市町村に対してそうすることができる。いろいろな点において、この食糧行政の大体というものは、もちろんわくは國においてきめられるかもしれませんけれども、大体実際の衝に当る者は知事であり、市町村である、こういうことになつておりますが、これに対して、いわゆる農業調整委員等がありまして、それに關與して行くだろうと思いますけれども、こういうように國家が当然やらなければならぬものを、縣並びに市町村にその仕事を負わすということになりまする場合において、大体現在そう耐え得るかどうかということが問題です。それに対して、一体國は市町村に対して、大体平均どれだけのこれに対する補助をやつておられるか、この点をひとつお聞きかせ願いたいのです。
○安孫子政府委員 國の供出に関しましては、國の行政でありますので、これは全額國庫で負担すべき建前になつておるわけでございます。しからば供出関係の事務の経費として幾らこれを見るべきかという点について、いろいろ縣当局とも従来お話合いを続けて來ておりますが、十分な結論を出しておりません。府縣等におきましては、幾らでありましたか、一石当り四十円だつたかと思います。四十円くらいはかかるということであつた。私どもの見方といたしましては、石当り十円見当でいいのではないかというので、その間いろいろ開きがあるわけであります。府縣当局の主張されます四十円の内訳というものも、いろいろと檢討いたしてみておるのでありますが、別に配給に関する事務につきましては、半額国庫、半額地方財政という立て方になつておりますので、供出と配給の面を事務費の区分において峻別しますことは、非常にむずかしい面もありますので、府縣当局とわれわれとの見方に違いがあるのではなかろうかと思います。大体ことしの予算におきましては、石当り十円見当で予算を組んでおると存じます。ただこれでもつて府縣当局は十分満足しておるわけではございませんので、大体それの四倍くらいは、どうしてもいるのだということで、話合いはつきませんが、現在の財政の状況からいたしまして、二十四年度はそういう予算にいたしております。今後とも、もう少しこの内容を十分検討して、区分を明確にして、合理的なものにして参りたいと考えております。
○竹村委員 町村に行くと、町村にはどれだけ経費を出されておりますか。
○安孫子政府委員 大体経費を府縣知事に渡しまして、府縣知事が町村の方にまわすことになりますので、一町村当り幾らということは、ちよつと申しかねます。
○竹村委員 それでは農業調整委員会の費用、これは町村に対して事務費と人件費を含めて、一町村当り幾らくらいになつておりますか。
○安孫子政府委員 これはあとで数字が間違つておりましたら訂正いたしたいと思いますが、一町村あたり一万一千円くらいじやなかつたかと思います。ちよつと少な過ぎるような感じがするのですが、調べましてまたあしたなりはつきりしたことを申し上げます。
○竹村委員 私は五万円か、それくらいに思いますが、それにいたしましても、数字をお調べ願いたいと思いますが、大体町村で配給事務を個々別々にやらなければならぬ。そこへもつて来て供出というものを一手に引受けなければならぬ。それが五万円—六万円といたしましても月に五千円程度である。そんなことでは町村はやれない。やれないのをこういう條文を出して責任は町村に負わすというような形にしておる。そういうようなことでは実際は町村は金の出どころがない。当然町村がしなくてはならぬものであつたならば、これは仕方がないけれども、さなきだに補助という性格のものではなく、國家の委任事務であると思う。この委任事務のものを、たとえばこれは書記の一人くらい置いたつてできるはずはない。それをこういうことでやれということになると、町村長なんかはおそらく非常にやりきれない。本日の新聞を見ましても、全國で町村長の供出問題、あるいは地方税の値上げをやらなければならぬというので、非常に困つておる。おそらく辞職する者が続出するようなことが報ぜられておるが、これに対して、農林省はおそらくよいと考えられてはおらないでしようけれども、それに対してどういう政策をとられておるか、予算がないから仕方がないというだけでは、問題は解決しない。その点ひとつどういう方針をとろうとしておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○安孫子政府委員 やはり実質的に問題を解決しますためには、予算を十分とるというのが最も端的な方法でありまして、そのほかにいろいろ考えてみましても、適切な方法はなかろうかと思います。今後の予算折衝におきまして、十分御期待に沿うような努力をやつて参りたいと考えております。
○竹村委員 いろいろお伺いしたいのですが、あまり時間をとると怒られますから、簡単に質問いたしますが、実はこれは和歌山縣に二十二年度産米の問題で起つた問題でありまして、いまだに引いておるのでありますけれども、和歌山縣において割当の際に、地方事務所が各町村に割当てる際に相当水増しをした。しかし今度供出をさせるときには、地方事務所までは水増しはとつていないが、地方事務所から町村に水増ししますがために、そのとつた分だけは非常にあいまいなことで問題になつておる。検察廳の問題までになつたものがあるが、いろいろな形で出されておる。それは大体一千俵水増し供出せられているというようなことにあるのですが、これは和歌山縣の河根村とか石垣村、こういうような所にこういう事件が起つておるのですが、これに対して、こういうことは二十二年度産の問題でありますから、おそらくもう解決されたと思うのでありますけれども、そういうことが起りました場合に、農林省は一体どういう処置をされたかということをひとつお聞きしたい。続きまして熊本縣でございますが、熊本縣の久米村という所では、実際の割当より十俵五升不足した、こういうような事態が非常に多いわけであります。また三重縣では、実際三重縣の多気郡佐良村西神田、羽根くまという三十九歳の人でございますが、夫に死にわかれ、そうして供出に際しまして非常に重い負担であつた。収穫は六石八斗にすぎなかつたのであるが、これに対して割当は七石八斗だというので、本年一月二十日に二名の子供を残して死んでおるのであります。こういう問題に対して、農林省は一体どういう処置をされておるか。死んだ者に対しても、お前らそれは自分かつてに死んだというような悲惨な結果になつておりはせぬかどうか、この点について伺いたい。
○安孫子政府委員 和歌山の水増しの問題は、昭和二十二年というようなお話でありましたが、これは食糧確保臨時措置法の制定前におきまして、戰争中もあつたのでございますが、一定数量を確保する意味合いから、水槽し割当というものが地方々々において行われておつたのであります。これは事実そうだつたと思います。やつておらないところもありますが、そうした現象が至るところにあつた。決して当初は悪意があつて行われたものではなく、やはり供出数量を確保するという建前から、そこにゆとりを持つた割当をして、結果的にこれが水増しになつておるという面があつたのであります。しかしこれは非常に弊害がございまして、場合によりますと、この水増しされた数量が出たために、ただいまもお話のございましたように、一千俵あるいは五百俵というものが、町村なりあるいは府縣の團体において処理されて、これが一つのいろいろきゆうくつな食糧事情の潤滑剤にもなつた面はありますけれども、またある場合には悪用されたという面もありますので、この点は厳重に是正する方針をそのまま確保し、なお食糧確保臨時措置法が実施されることになつてからは、こうした問題は起る可能性がないというふうに考えております。今後はこういう問題はないと私どもは確信いたしております。 それから三重の、供出が重いために子供を残して死んでしまつたというお話でございますが、調査をしてみなければ私どもとしてもわからないのですが、おそらく事実だろうと思います。根本的には、供出がある農家について非常に重くかかつておるという例が、先ほどから繰返して申し上げますように、ある場合にはあるのであります。そのたためにいろいろ家庭的な事情もおそらく加わりまして、そうした結果になつたのであろうと思いますが、それに対して農林省はどう考えるかということを言われますれば、非常に遺憾である、そうした不公正な割当が行われないことに、われわれとして努力して参らなければならぬという考えを強くするのでありまして、そのほかにあるいは物的措置を講ずるのかどうかというような御質問でありますれば、そういうものは考えておらぬということをお答えするほかなかろうと思います。
○竹村委員 それではひとつ超過供出の代金支拂いの問題についてお答え願いたいのでございますが、実は滋賀縣におきまして、経済査察廳が何でも超過供出をした町村の代金は、たとえばあれは事前割当以下のものであつて、超過供出をした、そうして金をもらつたというようなことで、非常に手を入れまして、それが問題になつておる。これが関西でも至るところで問題になつておると思うのですが、これに対して一体どう考えておられるか。私の考えでは、もちろん法律的に考えますならば、事前割当をやつて、そうしてこれが補正される、補正されたものに対してまた超過供出をさせて行く、そこに問題の発生はあると思うのですが、それを超過供出を三倍ぐらいに買い上げるというのを、事前割当が内輪であつたために一應補正して、そうしてそれから上に出したものを超過だと考えて三倍の金をもらつた、これを詐欺とか何とかいうのでひつくくるということになると、その根本にさかのぼらぬと問題は解決せぬと思いますが、一体これに対して農林省はどう考えておられるか、重ねてお伺いします。
○安孫子政府委員 滋賀縣の問題は端的に申しますと、要するに事前割当が個人におりていなかつたということが前提になるようであります。個人におりておらないうちに補正が始まつた。補正が町村まで行きました際に個人に、たとえばある農家について百俵の事前割当というふうに考えておつたけれども、補正が振り合いをつければ二十俵になるということで、八十俵というものを事前割当の数字だとしておるした。要するに補正を織り込んだものを事前割当の数字としておるした。從つてその八十俵以上出来たものについて超過供出の代金を支拂つたというのがどうも問題の根本のようであります。要するに末端の個人割当が行われないうちに補正があつて、その補正を織り込んだ事前割当というものをきめて、そうして超過供出を出させたというようであります。一番根本になりますのは、個人割当を早急に末端までおろさなかつたという点に問題が残つておるのであります。従いまして食糧確保臨時措置法の御審議の際にも触れざるを得ないと思いますが、改正法案の中には、個人割当はいろいろ將來問題を起しやすいので、文書をもつて個人に通達をするというふうに直したいと思つております。それからなお行政措置といたしましては、個人にやはり書きもので渡して、それで町村の台帳をつくりまして、台帳の割当数量と農業計画上の割当数量と個人のを照合いたしまして、チエツクいたしておくというようなことを、様式行為によつて確実にいたしておきたい。そうすればただいま申し上げましたような犯罪行為と申しますか問題は惹起しないわけであります。そうした措置を講じたいと考えております。
○竹村委員 この問題はおそらく農林大臣に御答弁願わなければわからないことだと思いますが、結局そういうことで、とにかく問題の中心はやはり事前割当というものを早期におろさなかつたというところに原因があるわけですね。そうするとその責任は一体だれが持つか、これは縣知事が負うか、農林大臣が負うか、いわゆる政府が負うかという問題ですね。これは一体どちらになるのですか。
○安孫子政府委員 やはり食糧の割当関係を担当いたしておりまする者全体としての責任であると思います。
○竹村委員 そういうことになつておるものを、いわゆる個人の、末端のそういうことを知らすして受取つて、知らずして金をもらつた町村長が調べられなくてはならぬし、その者が罪を云々されなくてはならぬというようなことになりますならば非常にめいわくしごくで、從つてこういう町村長に委任するということは、この改正案から見てもはなはだ不合理だと私は思う。これに対してどう考えますか。
○安孫子政府委員 これは事案の内容を詳細に調べなければわからぬと思いますけれども、單に偶然そういう結果になつたからいろいろ問題を起しておるのではなくて、そこに犯意があつたかなかつたかという問題がひとつ問題になろうと思います。犯意があるということでこの問題を起しておるのではないというふうに想像いたします。
○竹村委員 それではひとつ変つた方面からお聞きしたいのでございますけれども、大体補正割当をするという場合は、これは縣全体の補正をされるという場合は、政府が個人々々になされるのであれば別でありますけれドも、縣に対して一括して補正されるという場合におきましては、これはやはりその縣において、それだけ補正しなくちやならぬところの減収があるということが原因として、一括補正されることと思います。從つてそれに対して超過供出をまた一括して縣に目標を示される。体のいい言葉で懇請だと言つておるが、これは懇請ではない。実際はこの超過供出は強制なんです。そういうことをされるがゆえに、問題が起つて来ると思いますけれども、そういう縣に対して超過供出をただ懇請されるのだつたらば、数量を示されず超過供出の懇請をされるならいいと思いますが、それを府縣別に、これだけ超過供出だというような目標を示されるために、そういう問題が起ると思いますが、これに対してどういう法的根拠で目標を示されたか、それを伺いたい。
○安孫子政府委員 補正をいたしました縣に超過供出目標を示したのはどういう根拠からかという御質問でありますが、これは御承知のように、補正をいたしましても、その縣の一部地方におきましては、やはり相当豊作のところもあるわけであります。縣全体が押しなべまして、全部災害をこうむつておるというわけのものではございません。非常に極端な例を申しますならば、新潟縣につきましても、昨年は補正をいたしております。しかも超過供出目標を三十六万石という大きいものを示しておる。だから私は、補正をいたしたからと言つて、その縣に対しましては超過供出の目標というものはあり得ないということにはならないと考えておるわけであります。要は係り段階におきまして、相当増収のあつた部分に重点的に超過供出目標数量を與え得るかどうかという問題になろうかと思います。それが、非常に遺憾なことでありますが、状況によりましては、縣が全般にそれを押しなべてしまうということになりますと、補正を受けました農家に超過供出の目標が行くというような不合理な結果を生ずるのであります。また補正にいたしましても、状況によりますと、縣が全般に補正を割つてしまうというような結果、超過供出のできる農家でありながら補正を受けるという結果になつて参ります。そこはやはり割当て及び補正関係者、食糧調整委員の方々の良識にまつて、補正を要すべき農家に重点的にこれをやり、あるいは超過供出につきましては、超過供出のできるような農家に重点的にそれをかけて行くというような措置が必要ではなかろうか、こういうふうに、非常に抽象的な議論でございますが考えておる次第ございます。
○竹村委員 よくわかりましたが、おつしやるような事前割当をし、しかも実際減収したものには補正をし、減収しないものには懇請して超過をとるという、こういう煩雑な事務に対して、ほとんど一人の事務員も置けないような補助で十分であるとお考えになつているかどうか。この点について政府のお考えを伺いたい。
○安孫子政府委員 ただいまの予算の点は、私は市町村の実情から申しまして非常に困難なことであると考えます。しかし食糧調整委員の方々の全面的な協力を得ますならば、ある程度その点の公正な割当というものは可能ではないか。なお一面政治的ないろいろな動きから離れて一、各種の資料というものが整備して参りますならば、その間において相当公正な割当てが、現在においても今よりよくなる可能性はあるように考えております。
○竹村委員 私の経験からしますならば、町村に食糧の供出が始まり、配給が始つてからずいぶんになるのでございますが、それに対する国家の補助というものは、あなたがおつしやるように、その事務を全部やれるだけの費用をつぎ込んで来たかどうか、これはつぎ込んでいない。戦争中は別といたしましても、敗戦後になつてもできていない。たとえば食糧調整委員に対する補助にしても、一年にわずか五千円か六千円しか出していない。国家の仕事であるものを、家業をなげうつて、しかも自分が農業をやりつつ供出する人間が、費用を一文ももらわないでやらなければならぬ。やらなかつたらば、おまえが悪いのだというような、そういう議論が一体どこから出るか。これはやはりそういうものに対して、國家の仕事を委任するだけの補助をしていないところに原因があると思うが、これに対して農林省としては、それは予算がとれないから仕方がないのだという御答弁になると思いますが、それに対して、これは大藏大臣にとつくりと聞きたいのでありますが、こういうことの起る原因は、農村における食糧情勢の悪化に対して、国家が十分に補助していないところにある。ところが農林省は今予算がないから仕方がないとおつしやる。これに対しては、私は農林大臣がおいでになるついでに、ぜひ大藏大臣も来ていただくように委員長にお願いしたいと思います。 そこで続きましてもう一つお願いしたいのは、実は最近御承知のように、中小工業者が資金に困つて労働者に対して賃金の遅配、欠配をやつておる。この事実は至るところにあります。もしそれを早くくれといつて請求するとおまえは出て行けというようなことが各所にある。また最近九州におきましては、配炭公團の廃止によつて、労働者諸君が賃金がもらえないので、配給を受ける代金がなくて非常に困つておる。 〔坂本委員長代理退席、委員長着席〕 こういう場合におきまして、実際にこれはなまけて遊んでおつて、そうしてその金がないというものは別問題でありますけれども、働いておつて、当然もらうべき賃金がもらえないという場合において、食糧を受けるときこれを現金で買うことができないというような事態が、当面の大きな問題になつて來る。本年度においてはおそらく八月以降になると、この問題は深刻な問題になつて來ると思うのであります。これに対して政府は掛賣り制度を考えておるかどうか、この点をひとつ伺いたいと思います。
○安孫子政府委員 これは先ほど井上さんからのお尋ねのありました際に、実ははつきり申し上げておつたのですが、ただいまの私どもの考え方といたしましては、掛賣りということは考えておらぬのであります。やはりそれはいろいろな社会施設なり、失業保險なり、そうした方面で考えるべきであるというふうに考えております。
○竹村委員 それでは掛賣りを考えていないと言われますけれども、昔の通りの米屋さんで、ありましたならば、これは情誼上掛賣りをされて、そうしてある程度の飢えをしのいで来たわけであります。こういう場合だから、社会施設は考えると言いましても、先ほどあなた自身がおつしやつておるように、社会施設に使うところの予算というものは、今日組まれていない。従つて政府は予算がないからいたし方がないということになるのですが、そういう場合には、勢い生きるためには何とかしなければならないということになつて参りますと、いわゆる配給公團の倉庫等が非常に危機に瀕して來るのじやないかと思いますけれども、これに対してどういうふうにお考えになつておりますか。
○安孫子政府委員 そうりした場合事態が急迫して参りますれば、先ほど申し上げましたように、生活保護法等の適用もありまするので、いろいろ問題があるかと思いますけれども、倉庫が非常に危殆に瀕するというような事態常は、まあそう予想しなくてもいいのではないか、それは状況によつてわかりませんけれども、そういうふうに考えております。
○竹村委員 ちよつと委員長にお願しておきます。先ほどからの質問の中で答弁いただかないことがありまして、先ほどの委員長にもお願いたしまして、御承認を受けているわけでございますが、あす質疑を続行する際に、まず大蔵大臣、それから安本長官と商工大臣にひとつ御出席願うようにお願いしたいと思います。 それでは農林大臣がお見えになりましたから、ちよつとお聞かせ願いたいのですが、先ほどいろいろ実例をあげまして、轉落農家の遅配の問題、あるいはその他配給の問題について本國会で調査いたしましたことも、二週間以上たつてまだ解決されていないということにつきまして、その原因はいわゆる食糧管理局の人員の不足だというように答弁をなされたので、そのことについて大臣にお伺いしたいのでございますが、現在でもそういう人員が不足しているのだからしかたがないのだという御答弁でありますか。農林大臣は反対に、定員法で食糧関係の人員を整理する、首切る、こういうように言つておられるのですが、何割くらい首切られますか。
○森國務大臣 原則といたしまして、事務の方は本省関係が三割、出先の末端の方は二割という標準をもつて—これは各省共通のものでありますが、しかしの内容をよく勘案いだしまして、欠員等も相当ある面もありますし、その間に仕事のさしつかえないようにやつて行きたい、かような考えをもつて整理して行きたいと思つております。
○竹村委員 現在でも不足する。そのために食糧配給の考え方について、先ほども申しましたように、当國会で調査したものに対しても、二週間以上も対策が講ぜられないというのが現状である。その現状においてなお整理をされるのか。先般來お尋ね申し上げましたならば、心配するな、おれが引受けた、こういうように内閣委員会との連合委員会でもおつしやつたのでありますが、はなはだ心配な事態がここに現われて來ておる、そういう際に、なお首切られる、こういうように言われるのですが、そういう食糧関係の者に対しては、もう首は切らないというようにしなくては、円滑に行かないと思うけれども、この点ひとつお伺いしたいと思う。
○森國務大臣 よく御承知とは思いまするが、配給事務は公團がやつているのであります。食糧事務事というものは、農産物の買入れ、生産、それから検査、この仕事をやつているのです。それですから公團の整理においても、末端の配給事務を持つておるところの製粉工場であるとか、あるいは運輸事務に携わつておる、こういう者は整理の方から除外しております。末端の配給に不都合ができて、消費者が迷惑するなどということがあつてはとんでもないことでありますが、そういうことの全然ないように考えております。それから農産物の検査、買入れ、精算というものが非常に複雑であり、また重要でありまして、それが遅れれば生産者が非常な迷惑をこうむるのでありますから、検査の厳正を期すことと、それから精算の迅速を期すということが、食糧事務所としては最も重大な課せられた仕事であります。從つて今までは作報事務所というものもありましたが、食糧事務所自体においても、これは地方廳でもやつておりますが、統計であるとか、いろいろやつかいな分掌的な仕事があるのであります。それが課せられておりますから、はなはだ大事な仕事が遅れるようなことがあつてはたいへんでありますので、今後はそういう仕事をできるだけ簡素化して、そういう複雑な事務をやめさせるというようにして、行政整理に対して行きたい、こう思うのであります。これは永久の問題ではありませんけれども、資材調整事務所の取扱つている物資が地方廳に移管し得られるものはこれを移管しまして、取扱い物事件をできるだけ少くして行く。しかしこの物件とともに、現在資材調整事務所の仕事を食糧事務所の中に併置するように考えておりまするから、これらの事務の繁閑によりましては、これが協同をして互いに助け合つて行く、こういうことにして行政整理に対する欠陥をなくしたいと思つておるのであります。
○竹村委員 これは農林大臣にお聞きいたしまして、大体その真意はよくわかるのでありますが、しかし今おつしやつた配給は公團でやつている、その、通りであります。しかし私の先ほどお尋ねいたしましたのは、そうではなく、いわゆる配給指令とか、そういうものに渋滞を来しておる。たとえば轉落農家が、どれくらい為るかということの調査が遅れておるがゆえに、先ほどから何べんも申しますけれども、国会が調査いたしましたものでも、その対策が、三週間以上たつているのになお調査中であり、近いうちに解決するというような御答弁しかいただけない。その原因を尋ねますれば、人手が足りないのだということになつておるのでありますが、そういうことではなしに、直接政府がおやりになる事務が停頓しているという現状にあるということが、先ほど政府委員から言われておりますが、この点それでも首を切らなくちやならぬのだ、こういうようにおつしやるならば、それ以上われわれとしてはいたしかたないわけでありますけれども、こういうように、現われておる事実に即して、こういう部面の首切りはしない、というよりもむしろ考慮するというお考えがあるかどうか、この点だけをひとつお伺いします。
○森國務大臣 整理の方針はきまつているのであります。ただ整理したために、角をためて牛を殺すということにしてはならない、かように考えておるのであります。ところが当初御承知の通り、まだこちらにまわつておるかどうかしりませんが、定員数が農林本省一体に定められれば非常に都合がよかつた。ところが食糧廳、水産廳、林野廳という、この外局がおのおの別々に定員がきまりましたので、外局と本省との問のいわゆるプール式なことが融通性がなくなつたのであります。実は年報事務所なんかは、今度二割の整理をいたしましても、出血はほとんどありません。そういう情勢で、作報事務というものはさらに重要視せなければならぬ問題でありますが、一應こういうふうな、人の整理をすることのいらぬような場面もありますし、今のように画一的にやれば、非常に出血のおびただしいという場面もありますが、そこの融通性がほしかつたのであります。ところが今申したような各廳別々の定員数が定められたので、ありまして、今後さらにこの会期中に、実際の仕事の面によつては、農林省という省の内部において、仕事の繁閑によりまして主務大臣がこれを考えて、閣議の了解を求めて融通し得られるような便法をひとつ考えたらどうか、こういうような構想を今練つておるわけであります。この気持は、今申しましたように、画一的に整理して、角をためて牛を殺すというようなことがあつては申訳ないのでありますから、事務の整理をするとともに、また能率も上げていただくようにいたして行きたい。ことに食糧事務所の末端でやつておりますのは、各個人別々の台帳をつくつて行く、しかもその台帳が、御承知の通り六十一歳で勘定したものが、月別で満六十歳というようなことで勘定しなければならぬということになつて、一層複雑化して来るのであります。もう一面には、幽霊人口調査という指令が出ておりますので、これは今日まで行政整理とは切離して考えているのであります。生産農家、準生産農家、消費者の三段階にわけて、いわゆる住民登録の問題が、経費等の関係から、さらに農林省で調査を引受けてしなければならぬというようなことになつたのでありますが、これは今日の定員とは別個の問題として考えておるようなわけであります。いずれにしましても、問題として考えて行きたい、かように考えておるようなわけでありますが、整理々々と、整理をして、それがために國民諸君が非常な迷惑をこうむるというようなことは絶対してはならない、こういう方針でいろいろ研究を進めて行きたいと考えておるわけでありまするから、この点ひとつ御了承を願いたいと思います。
○竹村委員 それはそのくらいにしておきまして、大体供出代金の支拂いは、即時現金拂いにするということを、ラジオや新聞で言われておるのでございますが、これは非常に重要な問題であります。政府は新聞やラジオで、現金拂いをする、現金拂いをする、こういうふうにおつしやつておるのでありますが、末端に参りますと私、実は末端の組合長をしておりますので、非常に困つておる。もちろん協同組合の預金に、供出した日付で振り込んでおきまして、利子はつけますけれども、実際は現金が來ない。ところが新聞やラジオでは、現金で即時拂うのだと言いますので、農民はそれぞれ通帳を出して、困つてるからすぐにとりに行く。これは実際は、私の考えでは、全部現金で政府がお拂いになるのではなかろうと思います。それだけの金はちよつとないだろうと思う。その点一体現金で拂うとおつしやつておる事が、大体二十三年度でけつこうでありますが、二十三年度の一月の月にはどれだけ供出があつて、二月の月にはどれだけあつたか、月別の供出量と、そして月別現金で支拂われた額、これをひとつ、あすでもけつこうでございますから、すぐお出し願いたい。このことについての資料はそういうことにしておきますが、実際の点を、納得の行くようにお話願いたいと思います。
○安孫子政府委員 これは、竹村さんもよく御存じのことだろうと思いますが、現金で拂うと申しますのは、ほんとうのキヤツシユで拂つている意味ではございませんで、受入れますと同時に、支拂い証票を生産者に対しまして政府が佛つておるわけでございます。これを銀行等に持つて参りますれば現金化できる、こういう意味のものでございます。その間、直接政府に賣込んでおる場合よりも、委託販費と申しますか、販賛を委託しておるような場合があります。協同組合等が相当中間に名前を出してやつている。そうすると、そこで預金等に振り込む、あるいはその方の事務的な手続がかかり、預金に振り込んだものをすぐ出すということになると、組合の方に金がないということで、農村の方に金が行かないという問題が起きているのじやないか。従つて政府が現金で拂うという問題と、農民に金が行かぬという問題は、ちよつと性質が違うのであります。支持い証票で拂うことで現金化するという意味で、政府は申しておるのでありまして、あとで中金その他からの組合等に対する金融の措置をもつと円滑にやるということによつて、御指摘のような問題が解消するのじやないか。また組合の事務能力を充実することにつて、解決する面が相当あるのじやないかというふうに考えておる次第でございます。
○竹村委員 大体その手続はよくわかつておるのでありますけれども、それでは、もしそれが一月なら一月中に全部完了されたとして、各支拂い証票を持つて銀行あるいは協同組合等にとりに行きまして、協同組合はその信用程度において、あるいは中金とかその他で金を引出して来るのでありますけれども、それが一時に行われた場合には、現金化することができぬと思いますが、その点を伺います。
○安孫子政府委員 それはできます。ただし金融操作の面から、そうした一時にその金を全部引出すということは望ましいことではありませんけれども、そういう事態が生じますならば、それに應ずる予算は持つております。操作はできます。
○竹村委員 わかりましたが、先ほどお願いしました商工大臣、あるいは安本長官、大藏大臣等々がお越しになりましたならば、また質疑を行うことにしまして、本日はこれで打切ります。
○小笠原委員長 それでは深澤君。
○深澤委員 食糧管理法の一部改正の提案理由の説明を見ますと、今までははなはだしく中央と地方の問に、配給計画と割当の関係において齟齬があつた。こういうような説明がなされておるのでありますが、一体中央と地方にどういう齟齬があつたか、その根拠をひとつお伺いしたいと思います。
○安孫子政府委員 改正食糧管理法案において、第八條に列記しておりますような手続規定は、従来とも通牒によりまして、こうした方針でやつて来ておるのであります。この点については、実態的に何らのかわりはございませんが、そのため、この手続によりまして、農林大臣が府縣に対して一定のわくを月々與えておるのであります。ところが府縣におきましては、その一定のわくを越えまして実際上配給をいたしておる。その間いろいろ末端において不合理なことがあるといたしましても、ほおかむりをいたしまして、わくを越えて月々出しておる。それが年度末におきまして、相当大量のものが、わくの超過として結果されて、需給上に大きな狂いを生じさせておる。こういうことを意味しておるのでございます。
○深澤委員 そういう事実があるとするならば、今後それを是正して行くということのためには、従来各縣に割当てた具体的な、数字的資料というものをわれわれは必要とすると思います。従つて、ひとつこの資料の御提出をお願いいたします。 それから第二点といたしましては、輸入食糧が配給量の四分の一に相当するというようなことになつております。その具体的な内容をお伺いしたいと思うのでありますが、今年度に対する輸入の懇請量、並びにアメリカが最近発表されておりますところの、日本に対する援助食糧の数字が三百二十万トンとか新聞に発表されております。懇請の数量よりも非常に多いようにわれわれは承知しているのでありますが、その間の事情をひとつお聞きしたいと思います。
○安孫子政府委員 先ほど申し上げました第八條関係で、これを完全に実行して、参りますためには、こ裏といたしまして、各種の資料の整備が必要なことは、先ほどから申し上げました通りでありまして、そのために食糧管理台帳の整理、あるいは食糧配給台帳の整理、あるいは人口の区分の整理というようなことを行政面においては実行して参りまして、その資料に基いて、この八條の規定が運用されて行くという問題であるのでありまして、この整理の点につきましては努力して参りたいと思つております。 それから大体所要食糧のうち、外国の食糧がどの程度であるかということでありますが、これは二十四米穀年度主食需給推算を参議院におきまして発表いたしまして、こつちにも参つておりますが、これをごらん願いますと、需要高の総計が八百万トンであります。要持越しを加えますと、約八百八十万トンというものが需要総計になるわけであります。これに対しまして、輸入食糧が百八十三万トンという数字を示しております。提案理由で御説明になりました数字は、大体従来の数字の平均を掲示したものだと考えるのであります。それから外國食糧が幾ら入るかということについて、まちまちだというお話であります。たとえば三百万といえば二百五十万というようなUPの電報とかが、いろいろ入つて参りますが、これは、主食のみでなくそのほかの食糧、先ほど申しましたような油糧原料でありますとか、砂糖でありますとか、そうしたものを含めますので、ああした数字になるのでありまして、いろいろな数字は、一つは日本の年度で考える場合と、向うの会計年度で考える場合との食い違い、それから品目の食い違いというようなことによつて、いろいろ新聞にあらわれます数字は違つて参るのでありますが、大体品目が、ここで論議されておりますものよりも多いという点において、トン数が大きくなつております。
○深澤委員 もちろんアメリカの年度と、こつちの米穀年度との相違は承知しておるのでありますが、一應そういう年度と年度との食い違いはあるといたしましても、こつちの今年度の懇請量に対して、向うから許されておるところの輸入予定量というものとの比較でありますが、その比例がどういうぐあいになつておるか、もしはつきりわかつたら、お伺いしたいと思います。 それからもう一つは、砂糖とか、そういうものが含まれてたくさんになつておるというお話でありますが、今年度も砂糖等が主食として配給されるような計画になつておるかごうか、その点もひとつ御説明願います。
○安孫子政府委員 本二十四米穀年度は、砂糖を主食として配給する考えはございません。 その前の点ですが、これは輸入食糧の、ガリオア・フアンドで考えます物資の名前を一應申し上げてみれば大体御了解がつくかと思いますが、穀類があるわけであります。これには麦類、雑穀類、一部米が入つております。それから大豆、油糧原料、砂糖、塩がございます。それから脱脂ミルクその他雑品、こういうふうなものでございます。それで、それをどこで区切るかということによつて、全体としてはたとえば三百万トンであるが、小麦と雑穀と米だけをとつて見ると、二百何万トンであるというような食い違いが出で來るわけであります。品目としてはそういう品目であります。
○深澤委員 そういうことは予算の説明書にも出ておるのでありますが、その数字から見ますると、こちらから懇請したよりも非常に多い数字が予定されておる、こういうぐあいに私は考えておるのでありますが、その点はどういうぐあいに考えておられますか。
○安孫子政府委員 決して懇請いたしましたものよりも大きい数字にはなつておりません。相当圧縮されております。
○深澤委員 その次にお伺いしたいことは、この運用面について、非常にまだ不十分な点がある、こういうようなことでありますが、第一に消費者人口、の問題であります。罹災証明書の濫発が非常に行われて、そのためにいわゆる幽霊人口等が起つたということを説明されておるのでありますが、一体どの程度罹災証明書のためにそうした食糧がむだ消費されたか、その根拠がございましたならば、お伺いしたいと思います。
○安孫子政府委員 これは数字でもつて後刻御報告したいと思います。
○深澤委員 それからもう一つは、労務者人口に対する就業労働者数の不正申告、これも同時にお知らせ願いたいと思います。その次にもう一つ、消費者人口の要素としての轉落農家の人口でありますが、この実態の把握がはなはだ困難であるというぐあいに言われておるのでありますが、一應限界反別を決定いたしますると、結局轉落農家の人口数というものは出て來ると思います。おそらく農林省では明確につかんでおるであろうと思うのでありますが、その農林省でつかんだものに自信がないから、轉落農家の実態把握は困難であると言うのか、それとも農林省のつかんだ数字と、各縣のつかんだ数字との問に非常な開きがあつて、そのためにどつちがほんとうかわからんから、この轉落農家の実態把握が困難であると言われるのか、その点を聞きたいと思います。
○安孫子政府委員 轉落農家につきましては、私どもとしましては、計算上はつきりした数字を出しておるのであります。しかしながら、縣が申されるものと相当大きい食い違いがあるのであります。われわれがいろいろモデルをもちまして、この轉落農家並びに自己保有農家の数を計算しましても、なかなかこれが縣の方と話合いがつかぬ数字になつておる。縣の方は実情を主として申されて來ます。その間大きな食い違いがある。原因もいろいろあろうかと思いますが、根本には生産高の見方の違いが出て来る。ペースとしては大体話がまとまりましても、実際においてなかなか承服できないという面が出て來る。その辺の実態把握がなかなか困難である。そういう意味で申しておる次第であります。
○深澤委員 今安孫子さんは、縣の方のつかみ方が実情に則しておらぬというようなお話でありますが、縣も結局事前割当の場合におきましては、本省で決定されました反収によつてこれを計算しているのであります。從つて数字の根拠というものは、中央と何ら違うところはないと思います。そういう意味において、縣と農林省との間に開きが出るということは、非常に解釈に苦しむのでありますが、その点はいかがでありますか。
○安孫子政府委員 やはり縣といたしましては、中央のきめました数字だけをとつて縣の需要推算というものは立てません。実際はやはりその縣の実情、あるいは縣の当初要望しました補正数量に対しまする中央からの補正が少かつた点の事整、その他のものを考慮いたしまして、やはり縣としての需給推算を一應組んでおるわけであります。その組みます際に、やはり縣のいろいろな実情を織込んでおりまするために、どうしても中央で算定をいたしました数字となかなかつき合わない。いろいろ議論がわかれるという面はあるのでございます。
○深澤委員 農林省がその轉落農家の数をはじき出す場合においては、全國的に集計された農家人口と生産高というものに根拠を置くのでありますが、その大きな数字をもつてはじき出す場合と、縣の段階に参りまして、縣の人口と生産高の数字において出す場合と、数字上においても相当に開きが出るという観察をわれわれは持つのでありますが、その点について、農林省はどういうぐあいにお考えになつておりますか。
○安孫子政府委員 端的に申しますと、人口などの問題についても、非常な食い違いが出て来るわけで、昨年の八月に実行いたしました常住人口調査、これは府縣別に出ておるわけであります。それに対しまして、各府縣の人口増加率というものを加味いたしまして、人口を出しておるわけであります。これが必ずしも府縣側と意見が一致しない、自分の縣はその後増加率が非常に多いということを主張されるのでありまして、こまかい保有量の計算、あるいは保有農家の数というようなところまで入らない。一番根本においてはそういういろいろなトラブルがあるのでありまして、この点が実際われわれといたしましても悩んでおる点なのであります。
○深澤委員 縣は実情に即して計算をするから、農林省の計算と食い違うのであるということになつて参りますと、農林省は結局実情というものは全然参酌せずに、ただ統計上の結論からやるということで、そこに齟齬があると思うのであります。そういたしますると、一体農林省は、農林省が組み立てたところの数字によつて結論を得た数字の方が正しいか、あるいは縣の実情を加味したところの割出しの方が正しいのか、どういうぐあいにお考えになつておるか。
○安孫子政府委員 はつきりした数字は別といたしまして、たとえば農家の保有量というものは、計算上からいたしますと、大体五十数万トンで解決し得るという一定の基礎を持つておるわけであります。それをことしの三月から約一月かかりまして、縣別に各縣の年間の需給数字というものを査定いたしますために、府縣と交渉いたしました結果、いろいろと論議を闘わして見ますと、それが結局七十万トンくらいになるのであります。またこの委員会にもいろいろ御議論がございますように、各地でいろいろの問題が起きております。農家用については、そうしたものを縣が言われる通りにいたしますれば、これはもつと大きい数字になるわけであります。食糧管理局というのは計算上だけであつて、府縣の方は相当実情を反映した数字だから、結局その数字をとればそれでいいのじやないか。あるいは理論的にお前の方で出した数字で押しつければそれでいいじやないかというふうにおつしやいますけれども、そこはやはり両方で十分話合いをつけて、そこへ持つて行くというのが、現在の段階におきましてはやむを得ない措置であるし、またそれが結果的には大体いい結果を生じておるのだというふうに私は考えております。
○深澤委員 そういう結論から、大体農林省はあまりに机上のプランに過ぎておる、あるい縣の方はあまりに実情を参酌し過ぎるという状態だというふうに、一應お聞きしてよろしゆうございますか。
○安孫子政府委員 完全な資料を十分整備しておりません今までの段階におきましては、そうした観察が一つの見方だと思つております。
○深澤委員 その次に今度の食糧管理法の改正の重要なる根拠は、総司令部の覚書というものが大きな根拠になつておるようでありますが、その中に示された六項目がございます。その中に消費者中に、主要食糧を耕作しておつた者の耕作面積が問題になつておるのであります。これは従来も各縣とも問題になつておるのでありますが、農林当局としては、今までの割当計画といたしまして、この消費者中の耕作面積を全面積の中に繰入れて、そして生産高をはじき出して、その生産量を事前割当の基礎にされて來たかどうか。その点お伺いしたい。
○安孫子政府委員 いわゆる家庭菜園的なものでありますが、そういうものは生産量の中に算定いたしておりません。
○深澤委員 東京周辺を見ますと、家庭菜園的なものということが言い得るのでありますが、地方に参りますと、一般農家がつくつておる耕地の中に二畝、三畝、あるいは五畝というぐあいに消費者がつくつておる場合があり得るのであります。そういうところを全部農家の生産反別として計画し、その反別に反収をかけて生産量を出しておる。そういう点は農民にとつて供出加重となる重大な問題だと思います。もしもそういうぐあいにしてあるとするならば、結局消費者は供出の責任はないのであります。從つてその消費者のつくつておる反別に対する生産量の割当は、全部生産者が受けておる。つまり架空の割当を受けておるということになりますが、その点は今までどういうぐあいに処理されて來たか伺います。
○安孫子政府委員 一体どの規模のものから生産者というかという点については、はなはだ遺憾なことでありますが、従来食糧管理法の建前の上から、はつきりしたものができておらぬのであります。それでその辺の区分をこの際はつきりいたしたいと考えております。おそらく実情は地方によりまして異なると思いますが、やはりその部落なりにおきまして、あれは生産者だときめた者について、事前割当をしておるのじやないかと思います。床屋さんが一部裏の方に何かつくつておるというふうなものについては、事前割当をしていないのが普通じやないかと考えております。
○深澤委員 その点については、私の縣の経験から申しますと、大体五畝以下は消費者として扱つております。ところが北陸方面の相当耕地の廣いところでは、一反歩以下は消費者として扱つておるというふうなぐあいになつております。私の縣だけでも、おそらく消費者の扱つておる反別が二三百町歩に上つておる計算になつて來ます。その二三百町歩というものが全國的に計算されますと、相当大きい数字になる。これは今までおそらく各縣とも相当問題になつて来たと思う。大体山梨縣などの例に見ますと、消費者がつくつておる反別まで耕作面積として調査に入れております。そしてその基礎によつて割当をしておる。從つて供出の責任は全然負わないところの消費者の面積が、生産割当の中に入つておるという事実がある。こういうように供出過重の一つの原因になつておる点について、どういうぐあいにお考えになつておるか。
○安孫子政府委員 やはり五畝なり、一反歩なりの消費者と生産者との限界を立てますれば、それを除いたものについての生産高というものについて供出ということは考えられるのでありますから、それがダブつて処理されておるということでありますれば、その点が過重であるということは、りくつの上では言えるがと思います。
○深澤委員 その次は、完全配給農家に対する不必要なる配給の撲滅ということが、総司令部の覚書の第六項目にある。これは非常に問題になる項目でございますが、完全保有農家というものが、もちろん今までの事前割当の数字上の計算から申しますならば、何ら還元配給を受ける基礎はないのであります。ところが事実上は現在の供出制度におきましては、この完全保有農家が保有量を割つて出さなければならないという事実があるのであります。つまり裸供出をやるという事実があるのであります。しからば今後この完全保有農家に還元配給しないという原則を確立し、それを実行するならば、完全保有農家の保有を割るところの供出は、これを強制することができない。現在においては食糧確保臨時措置法によつて保有優先の原則は確立されておりますが、実際は保有優先でない実情にある。こういう点についてこれは非常に大きな問題になるのでありますが、まずこの点について一括的な当局の御意見を拝聽させていただきたいと思います。
○安孫子政府委員 スキャップの趣旨は大体こういうことだろうと私どもは理解いたしております。もちろんこの点についての認識の相違はあろうかと思いますが、完全保有の農家について、これが保有に食い込んで出されるという事態が、現状において相当普遍的にあることは私ども認めざるを得ないと思います。また司令部にいたしましても、ある程度これを理解いたしております。それに対しまして従來還元米というものが出ておつたのでありますが、還元米がそうした農家のみに配給をされるのであれば格別問題はないかと思いますけれども、率直に申しますならば、この還元米が末端に参りました際に、保有を食い込みました完全保有農家のみに配給されているかと申しますと必ずしもそうじやない。ある部落に百石の還元米が行きますと、保有を食い込みました完全農家のみに重点的に配給をいたしますことが、なかなか実際上困難でありますがために、平等割というような措置を講じられておる所が多々あるのであります。そうしますと、保有を食い込んでおらない農家、完全保有農家に対しましても、還元米が行くという現実の姿もあつたわけであります。そうした点がいろいろ問題視されまして、そうした完全保有農家に対する不必要な配給はやめるようにすべきじやないかというような意味を持つて来ているわけであります。それで現在の食糧確保臨時措置法の建前から申しますと、保有を割つて供出農家が供出をすることはあり得ないのでありますが、繰返して申し上げますように、現実の姿は必ずしもそうなつていないので、いろいろ統計の相違の問題、あるいは実収高が後に発表される関係、あるいは補正の関係とがからみ合いまして、ある村では非常に甘い供出割当が來、ある村は結果的に非常に重い供出割当になる、その結果供出農家が保有を食い込んででも出さざるを得ない事態になる。こういう事態をなるべく法律の精神にのつとるような形に、私どもとしては持つて行きたいと努力いたしておるわけであります。そのためには各種の資料の整備をして、その調整して行くのであります。急速にそれが可能であるということも望み得ないのであります。その点につきましては、農家用の米、食糧というようなものについて、適当な調整をとつて参らなければならないと思つておる次第であります。
○深澤委員 今まで農林当局の傾向といたしましては、食糧確保臨時措置法には保有優先の原則が確立されているにかかわらず、実際の面から申しますれば、供出完了をやらなければならないということで、非常に供出に全的な努力をささげて参りました。傾向といたしましては農民側の受けとる農林省の姿といたしまして、供出優先の姿を農民自体は考えております。こういうことは多くの悲劇を生みつつあるのであります。ことに私は先日農林委員会の調査に参りまして、具体的に群馬縣あるいは埼玉縣の実情を聞きました場合において、全然自分のものすら持つていない者が、供出を完了するために買つてでも出さなければならないというような、強制をあえてしておるという事実があります。もちろんそれに対しましては、背後からもつと大きな圧力もあつたことは間違いない事実でありますが、こういうことはまつたく食糧確保臨時措置法の蹂躙を農林省自体がやつておる、こういうことが言い得るのであります。従つて当局は一体保有優先を原則として今後やつて行く確信をもつておられるか、その点について御意見をはつきり伺いたい。
○安孫子政府委員 特定の農家について非常に重い供出割当が行くというのは、國全体の割当が非常に重い結果そうなるのだということでは、必ずしもないと私どもは考えております。相当部分は、公正な割当が行われることによつて相当解消し得ると私どもは考えております。群馬縣等におきましても、たとえば邑楽郡が非常に困窮した状態にある、その現実の姿はまさしくその通りだと思います。しかしながらそれが群馬縣自体の調整方法において、あの事態をより以上緩和できなかつたかと申しますと、非常に批判的になるようでありますが、相当緩和し得る部分があつたと見ておる次第であります。要するに、たとえば食糧調整委員等が、自分の郡あるいは自分の村というようなものの利害を非常に強く強調することによつて、全体の調整がとれない。非常に惨害の起きました地帯がひとりでひつかぶつている、そういうような地帯も全部とは申しませんがあり得るのでありまして、その辺が公正に行われますならば、ただいま御指摘のような悲惨な事態が、ある程度緩和し得ると考えております。法律の精神は保有優先という建前をとつておりますので、この精神にのつとりまして、行政の運営、割当の実務がそれを実現し得ますように努力して参りたいと考えておる次第であります。
○深澤委員 保有優先はもちろん全般的な方針として考えられると同時に、これは個々の農家に対して具体的に実行すべきであると考えております。もちろん縣全体として、あるいは村に参りましても不公平な割当があることは事実われわれは認めるのであります。それが不公平に行われるならば、真に下から積み上げて來た方法においてやり得るならば、現在の割当においても、あるいはあのような悲惨な事実を出さずに、供出完了できる可能性もあるかと私どもは考えております。しかしながら現実にはそれが地方の農村が完全に民主化されていないため、地方ボス等が幡踞いたして参りまして、供出を牛耳つているというような関係におきまして、非常な不平等が行われているのであります。しかしながら、その場合において供出の完了ができなかつた農家を点検いたしました場合、ほとんどその保有する品物がない。そういう実情にあつても、なおかつそのものに対して供出をさせざるを得ないということ自体が、保有優先のこの法律の原則をまつたく踏みにじつているのであります。こういう場合において、農林省は事実その者にないとするならば、供出の割当を緩和し、あるいは明確な事情があつて現在供出すべきものがないという場合においては、これを猶予すべきではないかと考えるのであります。そういう個々の場合に当つてこの非惨な事実を避けるための処置として、保有優先の実行をやる確信がおありになるかどうか、その点についてお伺いいたします。
○安孫子政府委員 二十三年度産米につきましては、その点も考慮いたしましたために、どうしてもいかん農家に対しましては、猶予の道を開こうということで、これは府縣知事会議の際の申合せでありますが、そうした方法を講じまして、その緩和方を実は考えたわけであります。これを実行いたされました縣が数府縣あつたと思います。
○深澤委員 具体的な事情を申しますと、埼玉縣の吉川町ほか数箇村の村におきましては、事実われわれが調査して聽取した場合に、各村々におきまして相当の買出し供出をやつておるのであります。これは埼虫縣廳の調査によりましても、吉川町が八百五十石の買入れ供出をやつておる。それから早稲田村が七百六十三石の買入れ供出をやつておる。しかも約一週間の間は公然と他府縣からトラックによつてそういう品物が運搬されることを、事実上何ら取締りがなく、供出の完了のためにそういう食糧管理法の無規まであえてしておる。こういう事実があつたのであります。こういうことが日本の各所にあるとするならば、農民の生産意欲は減退し、土地放棄等が続々として起るという心配をわれわれは持つのでありますが、こういう事態の発生によりまして、農林省はこれをまつたく看過しておつたというような事実があるのでありますが、この点についてはどういうぐあいにお考えになりますか。
○安孫子政府委員 埼玉縣の二合半領、あの一帯についてそうした問題が発生いたしましたことは十分承知いたしておるのでありまするが、これもいろいろその内情に立ち入つて調査をしてみる必要があると思いまするので、われわれの方としても、これが十分な調査をいたしております。しかしその理由はともあれ、現実にそういう姿であるということについては、何とか事態を収拾しなければならぬと存じますので、その点についてただいま埼玉縣と折衝をいたして、近いうちに私は解決するのであろうと考えておる次第でございます。買入れ供出のために他府縣から相当雑穀や何かを買つて、そうして供出したという事例、この点は非常に私どもは遺憾だと存じます。いろいろな事情がありまして埼玉縣としては最後にあんな事態を惹起したのでありますが、その辺の事情の緩和方につきましては、今後とも努力して参りたいと思います。非常に急でございまして、その連絡をとる間にあの方がずつと進んで行つたというような事情が起きまして、あんなことになつたのであります。
○深澤委員 それからもう一つの事実として、これは群馬縣の邑楽郡にあるのでありますが、事前割当の場合に、利根川の水災によつて数百町歩の土地が、まつたく川原になつた。われわれも現場を見て参つたのでありますが、それを大体相当程度復活するという見込みで事前割当をやつた。ところがその後の水災によつて再びまつたく砂川原になつておる。ところがそれに対してなお事前割当はそのまま強行された。その砂川原に二名以上の割当が行われておつたために、まつたく供出ができないというような状態になつておるのであります。それでもなおかつ供出免除が行われないという、この矛盾した事実をわれわれ見て来たのであります。こういうような事実に対して、当局はどういうぐあいにお考えになりますか。
○安孫子政府委員 そうしたものは補正をすべきであろうと思います。また補正する余地が私はあつたのではないかと思うのであります。群馬縣については、先ほど申しましたように、そういう点についていろいろ縣としても操作をする部分があつたのではなかろうか、こういうふうに考えております。また農林省としましては、その点を十分今後監督して参りたいと思います。
○深澤委員 なおそうした悲惨な事実の背後には、結局実情に即した補正が行われてないということであります。事前割当は、申し上げるまでもなく災、害なかりせばという前提のもとに立つ、た割当であると思います。日本のよう、な被害の多い地帯におきましては、その後における相当の被害があるのでありますが、その被害が認められないというところにこういう悲惨な富突が出て來ると思うのであります。具体的に申し上げますならば、埼玉懸の二合半領のごときは、事前割当が二石一斗一升である。しかし昨年の作事報実収調査は一石七斗こ升二合になつておる。あるいは群馬懸の中野村のごときは事前割当が二石玉斗七升七合、作報の実収事調査は一石七斗というような大きな開きがあるのであります。これに対して、農林省は実情に即した補正を行つていないというところに裸供出の原因一があると思うのであります。今後事前一割当に対する補正を、農林省は実情に即してやるところの考えを持つておられるのか、そうしてこの悲惨な事実、そうして農民の間に起つて來るところの生産意欲の減退、土地放棄等を防止するために、実情に印した補正割当をやるお考えがあるかどうか、この点をひとつ伺いたいと思います。
○安孫子政府委員 補正を行いますのが、一東北、関東においては大体作事況が確定しましたときであります事るが、西の方面においては、ま、だ作柄が確定しないときに行われるのが通例であります。そのためにどうしても補正の際の実収推定高との間に開きが出て來るのであります。完全にその間の調整を、補正のみによつてやることは困難でありますけれども、その差につきましては、その後の農家自体の実態に付随をいたしまして、これを適正に考えて参りたい、こういうふうに患つてお事ります。
○深澤委員 まだ食糧法の問題もございますから、供出問題については、あとはそのときに護ることといたしたいと思いますが、その次に公團運営の問題であります。この食糧公團が現在配給の実権を握つておるのでありますが、現在地方におきましては、農業協同組合が供出の場合には実際の品物を扱つておるのであります。これが配給の場合にもその実務を行おうとするならば、まつたく公團の経費の節約となると同時に、農協自体も供出と配給との面が一元化いたしまして、その運営についても非常に便利であるというぐあいに考えておるのでありますが、末端の配給を農協にまかせる方針を持つておられるかどうか、そういうことを考えられておるかどうか、この点をひとつ伺いたいと思います。
○安孫子政府委員 山村あるいは準農村等におきましては、地方営團から代位配給という形におきまして農協等が取扱つておるのであります。ただいまのところ、それを相当拡張するという考えは持つておりません。
○深澤委員 それから先ほど井上委員も質問されたのでありますが、現在供出物に対するところの検査というものが、まことに十分に行われていないのであります。これは事実食糧事務所の人々に聞きましても、実際の検査というものは、実物の三パーセント程度しか行われてないということが言われているのであります。もちろん現在の人員をもつてしてはそれもやむを得ない事実であると考えるのであります。そういうような状態においては、先ほど申しましたところ。欠減量等の問題も出て参ります。品質等の問題も十分に検査されないという不合理が出て参るのであります。従つて今後こうした欠減の問題を解決し、さらに品質の向上をいたしまして、消費者に公正なる品物の配給をいたすためには、現在の人員をもつてしてはまことに少いという考えを持つておるのでありますが、これは実際に携わつておる人々にそういう要求が来ております。しかるに政府は出先を二割減らさなければならないという実情に立つているようでありますが、そうなるといたしますれば、この検査等の問題がまつたく憂うべき状態になるのではないかと思うのであります。この点について食糧管理局の責任者といたしまして、確信を持つて午後現在まで以上、欠減量あるいは品質の問題については間違いのないという確信があられるかどうか、その点をひとつ伺いたいと思います。
○安孫子政府委員 檢査の問題は一つは人員の問題もありまするが、検査員の素質なり、あるいは技能、あるいは考え方というものが、やはり大きいフアクターをなしていると考えておるのであります。戦争中この検査制度がすつかりくずれました、その惰性から來ておるという点で、いろいろ検査が軌道に乗らない点もあると思うのであります。人員の問題もさることながら、その方面の訓練も、われわれといたしましてはこれからやつて参つて、検査の完璧を期したいと考えまして、檢査員等を始終集めまして、その方の訓練をいたしておるわけであります。
○深澤委員 あとは明日に保留いたします。
○小笠原委員長 本日はこの程度にとどめまして、次会は明十七日午前十時より開会することにして、本日はこれにて散会することにいたします。 午後五時十二分散会