農林委員会 第20号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/05/12
会議録
○小笠原委員長 これより会議を開きます。 前会に引続き土地改良法案を議題とし質疑を継続いたします。深津君。
○深澤委員 土地改良法案についての質問でありますが、この法案は非常に廣汎なる、しかも日本の農業にとつて非常に大きな計画であると思うのでありますが、この土地改良法案の通過によつて、いかなる改良計画を持つておられるか。もしそれが準備されておりましたならば、一應お伺いしたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 この法案の通過による計画と申しますか、実は経済復興五箇年計画におきまして、日本の農業がどうあるべきかということを、昨年安定本部を中心にいたしましていろいろと檢討いたしたのでございますが、それが今度のドツジ・ラインによりまして一應ストツプ状態になりましたが、私どもといたしましては、日本の農業の將來占める地位というものを、あの計画の中でかくあるべきものと考えておつたのであります。それでその計画は一つの理想でございますが、その計画によりますと、五箇年間に各種の土地改良によりまして、米に換算いたしまして大体八百万石余の増收を來すということになつておるのであります。
○竹村委員 関連してお尋ねいたします。そういう増收計画をされておるといたしますならば、日本における輸入食糧というものを相当少なくすることができる。そういたしますと、現在輸入食糧に対していろいろな形で出しておる補償金というか、そういうものを相当減額することができると考える。つまり増收をしたならば、それだけ輸入食糧を少なくできる。そうするとそれだけの差額金大体どれだけに当たるか。その金額をお知らせ願いたい。その金額がそれだけ減額されるならば、土地改良事業にも相当の補助金が出せるはずです。その点をひとつ明確にしていただきたい。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまのお尋ねの点につきましては、二つの問題があると思うのであります。一つは人口増加の問題であります。年々百万人余の人口が増加いたしておりますので、二合七勺平均といたしましても、食糧の面におきまして年に百万石近い自然増加があると思うのであります。もう一つは二百万トン程度のものを海外から輸入いたしまして、それでやつと二合七勺の配給を維持しておるという程度でありますが、二合七勺というものは十分であるかどうかという点の問題、この二つの点がございます。かつての昭和十一、二年ごろには、朝鮮、台湾から米が、千三、四百万石くらい入つておりました。これはトン数に直しますと、ちようど二百万トンくらいに当るのであります。そのほか台湾の砂糖が百万トンないし百二十万トン入つておりましたが、これも御承知のように含水炭素で米と同樣な成分でございますので、しかもカロリーからいたしますと、砂糖の方が一割多いのであります。從いましてこの百万トンないし百二十万トンというものは、米に換算いたしますと、成分におきましてやはり七、八百万石に当るものであります。そのほか畜産関係におきまして、濃厚飼料、とうもろこし、あるいはふすまとか、その他コプラかすというようなものでありますが、そういつたようなものが年々百万トン入つておりますが、これも現在におきましてはきわめてこれは寥々たるものでございますので、從いまして國内におきまして、家畜の食うものと人間の食うものとがお互いに食い合いをする。また結局相当な部分の人間が食つておつたものが今家畜が國内の食糧を食つているということも考えられます。それと満州の大豆及び大豆かすでございますが、これも年々八、九十万トン入つておつたのであります。そういつたような支那事変の前におきまして、相当日本人が十分に働けるだけのものを食つておつたというふうな状態のことを考えてみますると、今の人口の自然増の問題とからみ合せまして、今後日本の経済再建の上に、十分各人が働くという意味合からいたしまして、早急に私は輸入は減少するとは思われぬのであります。現在の水準を維持する限り、また人口増加を補つてあまりある限りは、輸入防遏になりまするけれども、そういつたようなフアクターがございますので、これは急に輸入の減少まで行けるかどうかということは、私は疑問に考えております。
○深澤委員 もちろん人口増加により輸入は減少できない。この点はよくわかるのであります。しかしながらもしこの土地改良事業が起らなかつたならば、人口増加の分だけはそれだけまた輸入を殖やさなければならぬ。これははつきりしております。從つてそういうふうに輸入を増加しますならば、やはりそれだけは補給金というものは殖えて行く、從つて土地改良事業をやるのであるから、殖やすべきものを殖やさないで済むのでありますがゆえに、その差額金というものは莫大な利益で、この利益は國家全体が利益をするのでありますから、國家においてこの改良事業に対するところの補助というものを、見越して多くとることが正しいと思うのですが、この点いかがですか。
○伊藤(佐)政府委員 ただいま仰せのように、土地改良事業は少くとも輸入の防遏に対して、大きな力を持つということは御説の通りであります。從いましてわれわれといたしましては、今度の九原則にもございますように、輸入の防遏に対して効果のある——九原則には基礎的の生産資材ということで書いてございますが、最も基礎的な生産資材といたしまして、食糧増産の基礎になりまする土地改良については、何らかの機会において、この法律の制定を契機といたしまして、ぜひとも考えていただきたいというふうに考えているわけであります。
○深澤委員 昨日もちよつと質問して、まだ明確になつていないのでありますが、本法案は、現在全國に起つておりますところの、非常に荒廃した日本の農地の積極的な改良面に、これが利用されることが望ましいのでありまするが、一体この法案が通過いたしますれば、ただちにこれを積極的に実行するという積極性を持つた法案であるか、あるいは下からそうした土地改良の要求があつた場合に受けて立つ法案であるか、この法案のそういう積極性を持つた法案であるか、あるいは非常に消極的な法案であるか、そういう点についての御意見を承りたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 これはどうも非常にむずかしいお尋ねでありまするが、われわれの考えておりまするのは、この法案によりまして土地改良事業を促進して参りたい。しかしこの形式といたしましては、これはあくまでいわゆる上の方から押つけてやるということでなしに、盛上つて來る力によつてやるという形で参りたいというのがこの法案の趣旨でございます。
○深澤委員 つまりこの法案の根本的な趣旨は、農地改革の後に來るべき当然の日本の農地の能率の高度化というところに目標があるのでありまして、むしろわれわれの考えからいたしますれば、農地改革を宣傳し、促進したように、またこの土地改良をも十分徹底せしめあるいは急速にやらしめるというようなことが必要であるということを考えるのであります。また日本の食糧関係から申しましても、そういうことが要請されていると思うのであります。從つてただ下から盛上つて來るものを待つているというようなことでありましては、成立した法案の趣旨が十分生かされることができないのではないか、こういうぐあいに考えるのでありますが、その点いかがでしようか。
○伊藤(佐)政府委員 御説の通りに、この法律によりまして、農地改革後の最も大きな問題でありまする土地生産力の高揚をはかつて行くという積極的なねらいを持つているのであります。そのために、これはむろんその趣旨の徹底には努めなくてはなりませんが、形といたしましては、あくまでもやはり盛り上る力でやつて参りたいというふうに考えております。
○深澤委員 内容に入つてお尋ねいたしまするが、昨年、二十二年度の水害以來、未復旧の耕地が相当にあると思うのであります。なおあの侵略戰爭の際において、何ら肥料を與えずして、農民の努力によつてのみ持ちこたえられて來た日本の農地というものは、非常に荒廃の極度に達していると思うのであります。從つて土地改良の必要は、農民の間から熾烈な要求となつて現われていると思うのでありますが、当面災害復旧のために必要な耕地が相当あると思います。もしもこれに土地改良を行うならば、まつたく穀倉地帶となり得るような場所が多々利根川沿岸等にもあるのでありますが、こういうような災害復旧の必要である耕地に対して、現在農林当局はどういう急速なる土地改良計画を持つておられるか、その点もしございましたらお伺いしたいと思うのであります。
○伊藤(佐)政府委員 最近非常に災害が年々起つているのでございますが、二十四年度の初め、この四月一日現在におきまして——、これはわれわれの方面から見ました、すなわち從來の方向で行けば、政府が補助金を出して復旧をいたすべき性質のもので、今四月一日現在で残つております分は、耕地といたしまして六万六千三百四十町歩であります。それから農道等にいたしまして一千七十七万件、水路、溜池あるいは取入口というようなものでありますが、そういつたようなもので七万三千四百箇所、これだけのものが現在残つているわけであります。
○深澤委員 それから土地改良の事業内容として、開田または開畑というものがあるのであります。これは開拓関係に関係して來る問題であると思うのでありますが、日本の全面積に対する耕地面積の割合というものが非常に僅少でありまして、日本の食糧問題を解決して、自給自足の態勢を整えるためには、開田、開畑というようなものが非常に必要であると考えるのであります。從來の開拓関係とこの土地改良事業の内容をなすところの開田または開畑との関係は、どういうような関係にあられるのか、ちよつとその点をお伺いしたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 これは從來と申しますと、非常に多年にわたるもので、一部はお手元に差上げました土地改革に関する参考資料にも載つているのでありますが、最近の問題といたしましては、特に終戰後、大きく土地改良なりあるいは開墾、開拓の問題が取上げられて参つております。その終戰後のものにつきまして申し上げてみますと、開墾の関係でございますが、これは昭和二十年の十一月から本年の三月までの間におきまして、田畑合せまして三十四万九千八百町歩ができております。そのうちで田が二万一千三百七十町歩でありまして、畑の方が三十二万八千五百町歩ということであります。それから土地改良の方でありますが、これは資料を調べましてあとで申し上げます。
○深澤委員 開田開畑の関係も非常に促進しておりまして、四國地方に相当するような開拓が行われておるというようなことも聞いておるのでありますが、しかしながらおそらくこの開田開畑の統計の基礎は、政府の補助金あるいは机上プラン等によるところのものではないかと私は考えるのであります。われわれが開拓地の実情を見ますると、いまだそれが自耕畑としてこれを扱うような程度に参つていないと思うのであります。從つてせつかくの開田開畑あるいは開拓の地点は、もつと熱意を持つて指導しなければ、遂にまた荒廃地に帰する危險性が多分にあると思うのでありますが、この点についてどういうような方針を持つておられるのかお伺いしたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 今深澤委員の仰せになりましたように、確かに戰後急速に行いました開拓事業につきましては、相当われわれの方としても反省する点があるのであります。これは一面にはたびたび問題になつております林野との調整、これにつきましては、すでに十分注意いたしまして、それぞれの方法をとつてございますが、すでに開墾されました土地につきましての営農指導という点に、特に重点を置きまして、現在実施いたしておるような次第であります。
○深澤委員 それから最近農村に税金の過重と、供出の過重というような関係において、農地の耕作放棄が相当起つているようであります。しかもその耕作放棄されるところは非常に地方も劣等なところであり、あるいは耕作に不都合なところが相当行われていると思うのであります。現在におきましても一万数千町歩の耕作放棄があると言われておるのでありますが、もちろんそれをまたかわりにつくつておるというような人々も相当あると思いますが、現在全然手をつけずに放置されているという土地がどのくらいおありになるのか。そうしてそれらに対する土地改良の面から、どういうぐあいにお考えになつておるのか、その点をお伺いしたいと思うのであります。
○伊藤(佐)政府委員 耕作面積の点につきましては、今ちよつと私の方の資料がございませんので、後ほど調べまして申し上げますが、つまり耕作をしないということにつきましては、いろいろな原因があろうかと私は思うのであります。必ずしもそれが土地改良の対象になる土地ばかりとも限らないのでありまして、これは別な面の税金の関係とかあるいは労力の関係とか、いろいろな面があろうかと思うのであります。それから数字につきましては農政局の方でわかつておると思いますので、後ほど調べてお知らせ申し上げます。それから先ほどお尋ねのありました土地改良の点でありますが、この土地改良はちようど戰爭中昭和十八年から第一次、第二次、第五次まで始めておるのでございますが、それによりますると、各種の暗渠排水、客土、灌漑、排水、機械揚水、耕地整理というようなものを合せまして、面積は三百四十一万三千町歩であります。これは実際問題といたしますと、同じ一枚のたんぼにつきましても、暗渠排水をやり、同時に客土をやらなければならぬというところもございます。また排水をやりました場合には、必ず一方で灌漑水が必要であるということもございますので、面積はダブつておりますが、こういつたような成績になつております。
○深澤委員 御承知のように、日本の農村には相当山間農村がございまして、その山間の農村では相当大規模な用水路を必要とするのであります。ところが最近における山林の濫伐等によりまして、相当この用水路が破壞されまして、一反歩に対する水利費の負担というものが相当厖大なものがあるのであります。そういうような関係において、農業経営自体に大きな危機をもたらしておるということが言えるのでありますが、こうした山間部面の用水路の荒廃、その復旧というような問題について、何か御計画を持つておられるならば、ひとつお伺いしたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまのは山間部のお話でございましたが、ひとり山間部に限りませず、中腹あるいは平地地帶におきましても、同樣な問題があるわけであります。これらの問題につきましては、土地改良事業の中に当然包含されると思いまして、その面で修復等につきしましての國庫補助の道を講じて参りたいと思います。これは從來も同樣でございます。
○深澤委員 それからちよつとお伺いしたいと思いますが、農地委員会とこの土地改良区との関係であります。この土地改良区に行われるところの交換分合、あるいは土地の取得というような問題が起つて來るのでありますが、これと農地委員会との関係をどういうぐあいに調節せられるのか、この点ひとつお伺いいたします。
○伊藤(佐)政府委員 交換分合を行いまする場合は、法律にございますように三通りあるのであります。と申しますのは、主体が三つあるのであります。一つは市町村の農地委員会が主体になつてやりまする場合、もう一つは土地改良区がやりまする場合、もう一つは農業協同組合がやりまする場合であります。それぞれの規定がございますが、農地委員会が行います場合におきましては、これは交換分合の対象となる土地の耕作者の二分の一以上の同意を得まして、その同意があつた場合に計画をする。さらにその計画そのものにつきましては、同じくその交換分合の対象となりまする耕作者の三分の二以上の同意がありまして、初めて計画ができるのであります。その計画につきさらに都道府縣農地委員会の認可を得まして、初めて効果が発生するということにいたしております。それから協同組合につきましては、これは組合の性質上、すべての関係者の同意を得ました上で、府縣知事の認可を得まして、初めて交換分合が行われるのであります。それから土地改良区の場合におきましては、これは当然工事を伴うのが普通でございますので、換地処分計画の際にやりまして、それは同じく都道府縣知事の認可を受けて交換分合が行われるということにいたしております。
○深澤委員 この土地改良が行われました後において、地力が増進いたしまして増産が行われることは間違いないのでありまするが、これは先般本委員会の調査班が、埼玉縣二合半領を調査した場合におきまして、水災にあいました耕地の復旧を行いまして、またただちにもとのような良田にはなつたのでありますが、その費された費用というものは全然無視せられて、他の一般のたんぼと同じように供出割当が來たために、非常に農家は苦しんでおるのが今日の現状でありまするが、この土地改良を行つて相当の費用を投じたその土地改良区からの増産に対して、ただちに増産部分を供出対象にするというようなことは、これはいたずらに土地改良の促進をはばむ結果になるというような考えを持つておるのでありますが、この土地改良による増産分に対して、供出割当等はどういうぐあいにお考えになつておるのか。あるいはまた課税等の問題については、どういうぐあいに処置せられるのか。この点ひとつお伺いしたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまお話の、災害復旧を相当な費用を投じてやつた地区についての供出割当の問題でございますが、この点につきましては、内部的に省内でいろいろ相談をいたしておりますけれども、まだ申し上げるようなところまでに至つておりません。税金の問題につきましては、これはちよつと私どもの関係を離れますので、何ともお答えいたしかねます。
○深澤委員 この課税問題は、私は超過供出分に対しても課税するというようなことによりまして、相当大きな問題が起つていると思うのであります。この土地改良によりまして増産された部分に対して、ただちにそれは所得であるから、これに所得税をかけるということになるとするならば、土地改良をやることによつて、かえつて負担を重くするという結果になると思うのであります。從つてこの点につきましては、今後とも土地改良による増産部分に対しましては、一定の期限を切りまして、その課税免除をするとか、供出の免除をするとかいうような処置が講じられなければ、おそらく土地改良は円滑に促進しないであろうということを憂うるものでありますが、これに対する農林当局の方の御意見を拜聽し、また今後どういう御努力をせられるか、ひとつお伺いしたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 現状をまず最初に申し上げますと、深澤委員の仰せのように、土地改良がされたものにつきましては、一應供出の対象になつております。但しそれはことしから土地改良をいたしますと、ただちにその土地改良をされただけのものがことしから供出の対象にはなつておりません。御承知のように現在の供出割当の基礎になりまする生産数量というものは、過去五箇年間のうちで最大最小の必要な土地をとりましたものの平均になつております。從いまして土地改良を昨年からやりまして、本年から効果を発生するという場合、現実に考えて見ますると、その数字は本年は一つも入つておりません。來年からまず五分の一程度のものが入つて來る。最後に六年目に全額が入つて來る。こういつたようなことになつております。しかしわれわれの方といたしましては、それではまだ十分でもございませんので、いろいろ内部的に相談いたしておりますが、先ほど申し上げました通り、まだ申し上げるまでには至つておりません。
○深澤委員 この改良区の設定によりまして事業が進捗いたしまして、その賦課金の問題または換地処分等の清算金の徴收等について、その滯納があつた場合におきましては、國税滯納処分によつて徴收するというようなことで市町村長に委任して、それを強行するというような規定があるのでありまするが、少くとも土地改良というものは、働く農民が円満に民主的に相談をいたしまして、運営しなければならない性格を持つていると思うのであります。そういう國体に対しまして、賦課金あるいは換地処分等に対する徴收を、國税滯納処分と同じような方法において徴收するという規定を事前に設けておくことは、いたずらにその円満な團体の経営の障害になるのではないかと考えるのでありますが、こういう規定を入れられた当局の意図はどういうところにあられるのか、それをお伺いしたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 この土地改良区というものは、御承知の通り公共的な性質を持つた法人でございます。それでこの組合費の賦課徴收、清算金徴收等につきましても、むろんこれはできるだけ自発的に、さような強行手段によらないで行く必要があるのでございますが、最後にやむを得ない場合におきましては、組合の公共性から申しましても、組合そのものの事業を円滑に推進する意味からいたしましても、何らかの手段を講じて組合費を賦課徴收しなければ、組合そのものの事業がうまく行かないので、やむを得ない最後的な手段としてこういう方法を認めたのでございます。
○深澤委員 それから土地改良によりまして地力が増進した場合、その中に土地の所有者が組合員となつておつた場合においては、土地改良の施行によるところの地代の増額を認めるというような條項もあるのでありますが、この地代はいかようにしてこれを計算してはじき出されるのか、その点を一つお伺いいたします。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまの場合におきましては、農地委員会の意見を聞きまして、具体的な個々の例につきまして、かつ知事の認可を得て初めて決定するわけであります。
○深澤委員 本法案の大体につきましてはわれわれはその必要性を認め、この法案の結果起るべき日本農業の発展ということが予想せられまして、法案としては異議がないのでありまするが、問題はこうした土地改良法案を制定したといたしましても、今日の日本の農村の実情といたしましては、自力をもつてこの土地改良を完遂するということは、はなはだ困難であると思うのであります。從つてしばしば言われておりますように、この農地の改良ということはまつたく公共的な性格を持つているものであり、今も開拓局長が申されましたように、改良区は公共的性格を持つておる。こういうようなことによつても明らかな通り、まつたく國家の公共事業であるというようにわれわれは考えるのであります。從つて現在の農村においてはこれを負担し得ない状態にあるのでありまして、本法案の施行に当つて予算の範囲内において補助をするということであつては、せつかくの法案が実際に生かされることがはなはだ困難であろうと考えるのであります。こういうことからも衆議院はこれを憂えまして、土地改良に対する予算の増額を各党一致で、これは院議として決定しておる次第でございます。この法案が実際に生かされることをわれわれは念願するのでありまするが、予算の範囲内ということであるとはなはだ心細いのであります。從つて、本法案のうちの補助金の部分に対しまして、予算の範囲内という漠然たるものでなしに、望ましくはわれわれは全額國庫負担を考えているのでありまして、相当大幅な補助金を出し得るような法案の内容を明確にしておく必要があるのではないかと考えておるのでありますが、その点についてどういうぐあいに農林当局はお考えになつておるか、御意見をお伺いいたします。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまの、予算の範囲内において補助金を交付するという規定は、はなはだ漠然として、かつ心細いではないかというお話でございますが、法文に書くということになりますると、どうもこういうことにならざるを得ないのであります。われわれの氣持といたしましては、先ほど來申し上げておりまするように、先般の院議の御趣旨と同樣でありまして、この法律の成立を機といたしまして、土地改良の事業を大いに促進いたしたい、それに必要な予算等の措置につきましては、できるだけ早い機会におきましてぜひとも講じていただきたい、かように存じておる次第であります。
○深澤委員 もう一つ最後に、ちよつと聞き落したことがございますからお伺いしたいのであります。今まで耕地整理組合におきまして耕地整理が行われておつたのでありますが、今度農地の改革をやりましていろいろな問題が判明して参りました。私の山梨縣下におきましても、おそらく五十に近い耕地整理組合が、耕地整理はしたが、あとの分筆登記ということが全然なされずに放置されているという事実があるのであります。從つて農地改革の場合において、買收あるいは賣渡し関係において、非常に困難を來しまして、現在においても、その分筆という問題につきましては非常に苦心をしておるような状態であります。そういうような耕地整理組合の跡始末がまだ完全にできていない。そういうものに対して、この法案が通つたといたしますならば、どういうぐあいの処理をされるか、その点をお伺いしておきたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 耕地整理の工事はできたけれども、分筆登記、いわゆる換地処分ができていない所が相当あることは、御説の通りであります。それでこれはいろいろな原因もありましようが、最近特に、そういつたような費用の負担者というものが從來は地主であつた。ところが現在の農地改革の結果現在の法律で費用を負担すべき者は、すでに実力もなし、また手も離れてしまつたというような関係が、さらにこれを阻害しておる大きな原因であります。從つて今度の法律が成立いたしますれば、そういう点が明確になりますので、費用の負担者もはつきりいたし、またそれによつて分筆登記等の促進によりまして利益を享受する者は耕作者であるということがはつきりいたしますので、一層促進されることと考えております。
○深澤委員 從來の耕地整理組合の跡始末というものは、ちようど農地改革にかかつて初めてそれがストツプしたのじやなくて、もう十年も以前に完了しておる。それなのに換地処分も完了していない、分筆登記も完了していないというような問題の責任については、一体どういうぐあいに措置されるか。その費用は一体だれが負担するのか。それは現在の新たなる耕作者が負担するのか、あるいは新たなる賣渡しを受けた所有者が負担されるのか。その点をひとつ明確に御答弁を承りたい。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまの、從來すでにずつと前にできておりまして、なおそうした手続が遅れておるという点につきましては、これが原因といたしましては、そういう一種特殊の技術を持つた人が非常に少いということもございます。それらの点につきましては、でき得る限り今後いろいろな方法を講じまして促進をいたしたいと考えておるのでありますが、費用の負担につきましては、これは原則としては話合いで行くということにいたしております。
○深澤委員 その点に非常に地元では問題になつておるようでございますから、從來の耕地整理組合が補助金はとつてしまつて、仕事はまだ完了していないということなんでありますから、あくまで元の耕地整理組合としてその責任者においてその問題をはつきり解決すべきである、こういう点をひとつ当局が明確にすべきであると考えるのであります。その後賣渡しを受けた小作人が、そういう問題についての一切の責任を負うということになりますのは、つまり土地を買い受けた農民に対して負担をさせてはならないという、あの農地改革の趣旨から申しましても、はなはだこれは不適当であると考えますがゆえに、從來の耕地整理の始末は、全部從來の耕地整理組合の責任においてこれを解決するということを、明確にひとつ当局が御指令を願いたい、こう思うのであります。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまのお話は、原則といたしましては、これはおつしやる通りと考えております。ただそういう義務を持つた人に、すでに負担力なしというふうな点が、現実の問題といたしましては随所にございますので、その辺のことにつきましては、現実と法制的な点とをにらみ合せて、今後十分に実際上の問題として研究いたしたいと思つております。
○小笠原委員長 寺崎君。
○寺崎委員 事務的の小さい問題でございますが、この土地改良法案が通りました場合に、その小さい事務的の問題が必ず起つて來る。そのために政府の御意見をお伺いしておきたいと思いますが、土地改良事業は当然國家の責任においてやるべきものだという、ただいまの深澤委員のお話と、私の考えも同一であります。けれども、この法案によりますと、その一部の補助金を政府が受持つという程度のものであります。今後もまたさようなことでこの法案の実施が行われることとなります場合に、地主と小作人の立場をお伺いしてみたいと思います。まず地主の分からいたしますと、組合員となるものが、地主がよいか、小作人がよいかということは、その土地、その所の事情によつて生ずるものでありまして、地主が組合員となつて事業費の負担をした場合、小作人に対して普通の小作料のほかにどんな收入を要求することができるか、年額事業費の何割を徴收することができるかというようなことを、縣知事に裁断をまかせるということは、それはよくないと考えます。そういうことは大よそ本法案に最初からはつきり盛り上げるのがほんとじやないか。その次には小作人の立場でありますが、小作人が組合員となつて事業負担金を支出した場合には、もしこの小作人が耕作をやめようとする場合に、その耕作権を買上げて、政府あるいは次の耕作者はどんな支拂いをするのか。現在の小作人が支出をしておつた事業負担金に対してどういう支弁をするか。その次には土地に対して、地主と小作人の立場でありますが、土地の所有権があつて小作人が事業負担金を出した場合には、その土地に対して二つの権利ができることになる、その土地の所有権と、もう一つ土地改良事業に対する土地の所有権がかわつた形においてできることになる。そういうことで、この二つの権利をめぐつて、相剋摩擦が行われるかというような不安を感じておるものであります。これに対して政府はどういう御信念を持つておるか、その点をお尋ねしたい。
○伊藤(佐)政府委員 最初の小作料の改訂の問題でございますが、地主が組合費を負担して組合員になつた場合、小作料を縣知事だけにまかせておくのはどうも適当でないということでありますが、これは法文等で書きますことは、非常にいろいろな場合がございますので、非常に困難かと存じます。從いまして実際のその土地その土地の実情に最も明るい町村の農地委員会の意見を聞いて、その上で知事が裁定をするというのが、最も実情に適した方法ではないかというふうに考えまして、さようにいたしたのでございます。それから逆の場合に、これは小作者が組合員になりまして費用を負担して、その後小作を離れるといつたような場合のことでございますが、これにつきましては逆の場合も同樣に考えておるのであります。実際に出しました費用ということではなくて、そのときに残つておりまする土地の増加額というものを対象にいたしておるのであります。それから第三点は、小作者が組合員になつた場合には土地の上に二つの権利が生ずるのではないかというお話でございますが、これは見方によると思いますけれども、土地の所有権というものは二つできるというのではなくて、今の小作者が今度は小作を離れます場合の補償の問題というふうにわれわれは考えておるのであります。補償の額については現存する土地の増加額によつて解決をしたい、かように考えております。
○八百板委員 負担の問題でありますが、個々の農民が利益を受けるものに対しては、農民みずからが負担すべきであつて、國家の補助金というものは出すべきではないという見解に傾いておるという話が前にあつたのでありますが、この考え方は、この土地改良法を制定するにあたつてどういうふうに当てはめられておるか、その点をお尋ねしたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 この土地改良法は、御承知のように永続的な立法でございまして、從つて私どもとしては、土地改良事業あるいは災害復旧等で、ただいま八百板委員の仰せになりました個々の農家が負担すべきものであるということにつきましては、軽少なものについては負担してもらうようなこともあると思いますが、農家の負担にたえないようなものにつきましては、現在の予算におきましても、ちようど時期的なずれがございまして、今年の本予算においてはやむを得ない点がございますが、今後の問題としては、何とかしてさようなものも予算的な措置を講じていただきたいというように考えておる次第であります。
○八百板委員 今年は予算上出せなかつたが來年度からはよけい出すようにしたい、そういう角度に立つてこの法案を出したというお話ですが、その点については、今年度はこの程度であつたが來年度からは数字的にどの程度よけいに取れるという、大体の予定が立つておるかということをこの際お尋ねしておきたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 われわれの希望といたしましては、來年度からということでなくて、むしろ本年度内において、できるだけ早い機会にということを熱望いたしておる次第でありますが、なおその金額等については、これは一般の財源等の関係もございますので、今からどのくらいかと申し上げることはできかねる次第であります。
○八百板委員 今年度中に何とかしたいということは、財政的に何らかの支出を講じたいという意味だろうと思いますが、そうすると追加予算とかいうような形において、この問題を取上げて行くという御意思のお話であるか、その点を明瞭にしていただきたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 これは先般院議御決定の際に、農林大臣から本会議においてお答えをいたされましたように、院議の御趣旨に沿つて、本予算ではだめであるが、できるだけ早い機会にやるというお答えがあつたのであります。われわれとしては、追加予算等の機会がありますればぜひとも予算的な措置を講じたいというふうに考えておるのであります。
○八百板委員 院議の決定に対して具体的な処置を可及的すみやかにとろうというお話でありますが、もうすでに今会期はあと二、三日しかないという状態になつておるのでありますが、このときにあたつてなおかつ具体的な資金融通の処置も講ぜられる、さらにまた今お話のように、できるだけ早くということでありますが、これはこの会期中にその点明瞭にしていただけるだけの準備が進んでおるのであるかどうか、事務局の御見解を伺つておきたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 本会議の御決議の際に、農林大臣からも本会期のうちにそういう具体的な措置を御報告できるかどうか、あるいはできぬかもしれぬということをお答え申してあるのであります。われわれとしても今いろいろとやつておりますが、予算的な措置につきましては、御承知の通りまだ今のところ見当がついておらぬような状態であります。それから資金的の措置につきましては、これまた御承知の通り、今見返り資金でありますとか、あるいは預金部の資金につきましてはいろいろ交渉を進めておりますが、現在の段階ではまだ司令部等との関係におきまして、これだけというふうなことを申し上げる段階に時期的に至つておらないのであります。
○八百板委員 きのうの大臣のお話では、昨年度における二十億の融資を、まことに自慢げに説明せられておつたのでありますが、実際四十億を予定いたしたものが、わずかに二十億が融通されただけでありまして、われわれとは逆の見解に立つのでありますが、この二十億の融資のうち、土地改良関係にどの程度の融通が行われておるか、それをこの際伺つておきたいと存じます。
○伊藤(佐)政府委員 第三、第四両四半期合計いたしまして五億であります。
○八百板委員 傳えられるところによりますと、昨年の二十億の実績にかんがみまして、大体この五倍の農林金融の道を講じつつあるというふうに聞くのでありますが、たとえばこれを百八億と計上いたしまして、そのうち対日援助見返り勘定から六十五億、預金部から四十三億の融資を受けてこのまかないをつけて行きたい、そのうち土地改良にまわるものとしては、対日援助見返り勘定から十一億八千万円、預金部から十五億六千万円ということを聞いておるのでありますが、かような資金の計画がどの程度に進んでおるかということを、もう少し具体的に御説明を願いたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 これは日本内部において経済安定本部とわれわれとの間で一應固まつた数字、それから現在経済安定本部がこれに基きまして司令部と事務的な交渉をいたしておる程度のものでありまして、まだ決定には遠い数字でございますので、その意味でお聞きをいただきたいと思いますが、土地改良法関係の事業に対して、見返り資金から五十七億、それから預金部資金から十九億というものを安定本部とわれわれの間で事務的の了解をつけて、目下それぞれ交渉に当つておる次第であります。なお見返り資金につきましては、司令部の方からそれに関しまして、一、二鉄道あるいは逓信関係というようなはつきりしたものもありますが、それ以外のものにつきましては、まだ具体的にどういう事業に貸す、あるいはまたどういう機関でどういう利率で貸すということにつきまして、何ら意思表示がございませんので、日本政府側としても、ただいま申し上げましたのは向うに対する要望として出しておるような実情であります。
○八百板委員 資金関係についてお伺いしたいのでありますが、御承知のように、農地改革による土地の賣渡し代金の会計があるはずで、百億を越える金額になつておるだろうと思いますが、その点どういうふうな数字になつておりますか、この際ちよつと伺つておきたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 農政局の方から聞いておりますところでは、現在三十億円あまりであります。この六、七月ごろになると多少ふえる予定のようでありますが、現在のところは、三十億ばかりであります。それでその額は全部今預金部の方に預け入れをしてあるわけであります。それでその分から相当部分を土地改良あるいは災害復旧というような方面に、少くともつなぎ資金という意味におきましても出してもらいたいということで、内部的に折衝いたしておりまして、農政局といたしましても、その考え方で今関係方面あるいは大藏当局と折衝中であります。それには簡單な法律がやはり必要でございますので、何とかしてこの國会に出していただきたいというふうな考え方で、今進めておる次第であります。
○井上(良)委員 ちよつと関連して質問したいのですが、問題は今八百板君が質問しております、個々の農家の利益となる事業に対しては補助金をすることはならぬ、中止するということが本年の土地改良から実施されることになりまして、全國の土地改良事業を実施しております地区並びに関係者は、非常な恐慌を來しておるわけであります。そこで今説明を聞きますと、それに対する何らの具体的な処置が政府として打たれてない。ただ何とか資金を融通してやりたい。また次に何とかひとつ考えようというくらいのことで、現実の農繁期、植付を控えて、何ら処置を講じておられないということは政府の責任ですよ。しかも將來何とかしてやりたいと思うという一つの希望をかすかに表明されておるだけで、やるという確信を持つていない。問題はそこなんです。これはわれわれが承るところによると、関係方面の意思として、個々の農家の受ける利益については、個々の農家の責任においてやれ、そういうものに國が補助すべきではない。そういう意見に基いてこの予算的措置が講ぜられておるということであります。この関係方面と政府との間の話が解決されなければ、この問題は解決できないのです。そういう方向に解決する自信を持つていますか。政務次官がおられますが、私は大臣にお伺いしたいのですけれども、大臣が見えておりませんから、政務次官にお伺いするのですが、そういう方向に交渉する自信があるのですか。將來は土地改良とか、災害復旧については、個々の利益になるものについては補助しない。縣営または國営等の大規模な公共事業的性質を帶びたものでなければいけない。こういう補助事業の性格の変化については、與党たる民主自由党の中においても相当反対がある。その結果は各党共同提案となつて本会議の決議になつている。この院議を無視し、院議に沿わないやり方はわれわれは賛成できない。必ず近き將來希望に沿うように責任をもつてやる。もし行かなければ腹を切る。——これは日本農業全体の問題でありますから、それだけの確信と自信をもつて政治をやつてもらわなければならぬが、それだけの自信があるかどうかを伺いたい。
○苫米地政府委員 ただいまの井上君の御質問にお答え申し上げます。政府としては、今後も最善の努力を盡して関係方面と折衝を継続することにいたしております。本年度はすでに予算もきまつていることでありますから至難のことであるとは存じますが、それにもかかわらず、農民のためにできるだけの努力を盡すという決心にはかわりがありません。なお將來に対しては、必ず所期の目的を逹するようにいたし得る確信を持つております。以上お答えいたします。
○八百板委員 ただいま次官よりのお話によりますと、確信をもつて処理するというお話でありますが、昨日この問題について大臣に伺いましたところが、そういう事務的な問題は私の関與するところではないと言つて、私に対する答弁を拒否したのであります。私はこの際そういう態度をもつてこの法案を出されることをもつては、とうていこのような重大なる法律を、内容的に完遂することはできないではないかということを非常に心配いたすものであります。御承知のように、農業以外の産業の面におきましては補助をしないという原則を立てながらも、依然として打切らないで、相当補助金的性質の支出が出されていることは御承知の通りでありますが、農業方面だけがなぜまつ先にその犠牲を受けて削られなければならなかつたか。ただ入れものだけをつくつても、中身がなかつたならば何にもなりません。土地改良法というようなものをつくりましても、それは一つの事業を行うための規則でありまして、問題は内容に盛られる事業そのものでなければならないのであります。その事業そのものを決定するものは、言うまでもなく財政的金融的措置でなければなりませんが、そういう問題についてはわしは知らぬというような態度をもつて臨むことは、この大きな法案を決定するにあたつて、まことに聞き捨てにならぬ態度ではないかと私は思うのであります。この点次官より大臣によく傳えていただきたいということを要望いたしまして、同時にこの際次官のこの問題に対する考え方を、もう一ぺんはつきりお答え願いたいと思います。
○苫米地政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。昨日の大臣との問題は、比率等のこまかい点に触れたので、大臣はそういうことは事務当局の方で知つているので、自分の方では関與しない、その点について言われたものであつて、この根本の問題についてそういう態度をとられたものではなかろうと信じております。 なお今日の御質問等につきしまして、この委員会終了後大臣によく報告をいたしまして、御趣旨のあるところを徹底いたしたいと存じております。
○八百板委員 比率の問題について、そういう問題は事務的な見解に基いてのお話であろうと言われるのでありますが、しかしながら、この事業そのものが公共的性格を持つものであるといたしますならば、どれだけ政府の補助の割合があつて、どれだけ個人負担の部分があつて、しかもその中でどれだけ融資の道を講じなければならないと見られる面があるかということを明確にすることは、この法案の基本的性格を決定するものであります。こういうふうな法案そのものの基本的性格を決定する重要な問題について、それは事務当局の者以外は知らぬというような態度でおられることは、何と説明せられましても、私の納得し得ざるところであります。しかしこの問題を私は今ここでこれ以上申し上げようとは思わないのであります。 具体的な法案に関連する問題についてもう少しお尋ねしてみたいと思うのであります。先ほど局長のお話によりますと、八億の予算的支出のほかに、金融的措置の相当額の考慮が拂われているということを聞いたのでありますが、補助の率は一律に行われるものであるかどうか、一律に行われないものとするならば、どういう基準に從つてその補助の率を決定し、その結果本年度の事業計画の上においては、平均してどのくらいの補助率を見込んでおられるか、そういうふうな点をこの際御答弁を願いたいと思うのであります。
○伊藤(佐)政府委員 補助の率でございますが、大規模の國営用排水事業、これは大体面積にいたしまして受益面積三千町歩以上ぐらいのところを從來押えております。こういつたものは基本的な施設についても非常に金がかかりますので、こういう箇所については國営農業水利の補助率は六割であります。それからそれよりも規模の下つて三百町歩ないし三千町歩ぐらいまでの程度のもの、いわゆる都府縣営の農業水利、あるいは土地改良事業については、五割國庫補助をいたして参るのであります。さらにそれ以下のものについては、これは四割程度であります。それから災害復旧については、共通的な水利とか、共同ため池、取入口といつた公共施設については六割五分の補助をするのであります。
○八百板委員 そうすると、規模の大きいものに対して直接國家の補助が多いという結果になるわけであります。それでは取扱いとして必ずしも妥当であるとは言えないと思うのであります。その点をどういうふうに考えておられますか。われわれとしては、その面積規模というよりも、その事業そのものの性格を吟味して、それに基いて補助の率を決定される行き方がほんとうではないかと思いますが、その点お伺いいたします。
○伊藤(佐)政府委員 大体面積を一つの基準にいたしておりますのは、それだけの大きな面積の事業になりますと、おのずから構築物等の費用が違つて來るのであります。その辺から割出しまして、六割、五割、四割というふうにいたしておるのであります。
○八百板委員 その点ちよつと納得行かないのでありますが、しばらく話を別に進めまして、御承知のように今度のこうした事業の中には、八億の予算をもつてまかなわれております公共事業よりも、もつと多くの、たとえば緊急開拓の三十七億とか、灌漑排水二十二億というようなものがちよつと多いものだと思いますが、こういう土地改良的支出を、どうしてこの改良区の事業の中に包括するようなことを考えられなかつたのか、その点をひとつ……。
○伊藤(佐)政府委員 改良区はこれらの事業はすべてできるのであります。改良区の事業の中に、第二條に掲げる各事業その他これに附随して必要な事業ということになつておりまして、改良区はこれらの事業をすべてできることになつております。
○八百板委員 そうすると、当然そういう從來全額國庫負担によつて行われておつたものや、それらの事業が改良区の形において行われることになるだろうと思うのでありますが、そういうふうになりますと、そういう形によつて行われるところの改良事業と、さらには協同組合などが主体になつて行われるところの改良事業とか、いろいろ出て來るのでありますが、そういうふうなものの運営上の差異というものは、どんなふうに考えられているのか。
○伊藤(佐)政府委員 從來の率でやつておりますものは、今後改良区が行いましてもその率で参ることになつております。別にそれによつて特に変更はございません。
○八百板委員 そうすると、この規定の中に、理事、監事の選任について、半数は総会の選挙によつて選ばれ、半数は知事の任命というようなことになつているのであります。改良区のごときものが、役員の半分が天くだり的な性格の役員が出て、ほかの方はそうでないということが起つて來るのでありますが、この矛盾をどういうふうに考えておられるか、この点をお伺いいたします。
○伊藤(佐)政府委員 この監事を半数は知事の任命にいたしましたのは、これは実は関係方面の考え方を入れたのでありますが、アメリカにおいてはこういつた公共的な法人の監事はすべて全員任命による制度になつているそうであります。日本といたしましては、全員任命ということは適当でございませんので、折衝をいたしまして、半数だけ任命する。これは向うの考え方としては、監事というものはこの部内における監査をする役であるから、この部内から出すことは適当でない。そこで全員部外から出しているのであります。日本の実情としては適当でないと考えますので、半数だけそういたしたのであります。
○八百板委員 水利組合などが、從來ボス的な勢力の温床になつておつたことは、常々われわれの心配しておつたところであります。從つて水利組合法を一日も早く改正するなりなんなりしなければならぬというふうに考えておつたのでありますけれども、こういうふうなものが解散せられまして、その施設が新しい形において引継がれることになるだろうと思いますが、そういう際に、これらの保守的勢力が再び新しい形の中に乘り移つて來るような点が心配せられるのでありますが、そういうふうな点につきましてはどういう考慮を拂われたか、この際ちよつとお尋ねしておきたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 その問題はこの法律には直接の関係はございませんので、特別この法律としては考慮を拂つておりませんが、これは耕作者が今度は主体になつてやるのでありますので、農地改革後の農民の自主的な精神に基いて、おのずからそういう点は決定せらるべきものであると考えるのであります。
○井上(良)委員 三点ほどちよつと質問したいと思うのです。一つは從來の土地改良事業あるいは開拓等に対する政府補助金の使途の問題であります。これが最初各縣から要求し、團体から要求した通り、実際それが具体的に使われておるのかどうか。この問題については、政府として補助金を出したまま、その精査については会計檢査院の方になるかわかりませんが、具体的にその結果についての報告を求め、これが予定通り実施されておるのかどうかということについての、査定というものが行われてないのであります。金は一般國民から取上げて特別に関係の方面にこれを補助する。補助した結果については、少しも具体的に精査されてないという実情にあるようですが、その点について一應伺いたい。
○伊藤(佐)政府委員 補助金の使途が計画通り行われておるかどうかという点でございますが、われわれといたしましては、これは大部分はさように行われておると思いますが、しかし中にはさようでないものも絶無とは申されません。これらの使途につきましては、十分今後注意もいたしますが、一方会計檢査院あるいは最近におきましての経済安定本部の方で、特に現地につきまして視察をいたしまして、われわれの方にもその結果を報告して注意をいたしておるような次第であります。
○井上(良)委員 從來の補助金がはなはだ計画通り行つていないということが明らかになつた。その他そういうことでは実際われわれとしては賛成できませんし、また今後経済安定本部の方面でそういうことをやつておることも、諸官廳がするべきだ。たとえば開拓にこれこれの補助を出した。しかしちつとも開拓しておる実績というものは現われてない縣があります。あるいはまた土地改良をやるということで補助金をとつておきながら、実際はその三分の一しか使つてないという地域もあります。はなはだしきは、この点を伺いたいのですが、各縣に耕地協会というのがありますが、各縣の耕地協会というものに対して、政府から出て参りました補助金の何割か、何分かを耕地協会が当然取得するものなりということで、耕地協会の経費のような形で、各縣に按分される補助金の中から、耕地協会の経費がまかなわれておるように承つたのですが、それは事実ですか。もし事実とすればどういう法律的根拠においてやつておるのか、この点を明確にしていただきたい。
○伊藤(佐)政府委員 各縣の耕地協会は、御承知のように換地処分等の仕事を主としてやつております。その他水利に関する調査等もやつておりますが、それらの点につきましての、いわゆる調査委託、これは耕地協会のみならず、いろいろな学校その他の学術的な團体等にいたしておりますが、それらの点につきましての具体的のものはやつておりますが、今おつしやつたような各縣の補助金の頭をはねるということは、聞いてもおりませんし、さようなことはないと私も確信いたしております。
○井上(良)委員 さようでないことを私も望んでおるのでありますが、実際われわれが各地方に参りますと、いろいろな具体的な意見をその問題に関連して伺うのでありますから、明らかにいたしたいと思つて聞いたのであります。 次に問題にしておかなければならぬのは、先ほど私が質問いたしました個々の農家への補助事業の問題でございますが、この問題についてわれわれが過日関係方面に交渉に参りました場合においても、政府部内においてすでに個々の農家の利益を対象とする補助事業については、個々の農家の責任においてやることに賛成しているんじやないかという意見が出ておるのであります。これはおそらく農林当局ではないと思います。他の財務当局あるいは安本の内部にそういう人がおるのかもわかりませんが、政府部内の歩調が合うていないのであります。そのようなことではとても向うに納得させ、得心をさすことはできないのでありまして、政府部内においては大藏、安本等において、農林当局の考えと同じような考え方に立つて、食糧増産の見地から個々の農家を対象とする補助事業であつても、これは積極的に行わなければならぬという意見になつておりますか。この点を政務次官に伺いたい。
○苫米地政府委員 ただいまの御質問の内容はいろいろ技術的にもわたつておる点がありますから、開拓局長から答弁していただきます。
○伊藤(佐)政府委員 予算成立までの過程におきましては、政府部内でいろいろ討議をいたすのであります。そのときにはどんな意見もいつも出るのでありますが、結果といたしましては本年のような予算的な措置にきまつた、こういうことであります。
○井上(良)委員 いろいろな意見が出るというのではなしに、たとえば大藏当局は一体そういう処置に賛成しておるか反対しておるか、安本当局はどうかということを聞いておる。政府の歩調がそろわなければ関係方面を納得さすことはできない。政府の部内において意見が対立して、ある部分についてはそれは当然そうすべきである、いやそれはそうしてもらつては困るということで、その二つの意見が向うへ反映したのでは何にもならぬ。政府部内の意見を統一して、そうして一本の姿で当るということでなければいかぬので、そのことを私は聞いておるのです。
○伊藤(佐)政府委員 政府といたしましては最後に閣議で意見がはつきりときまつたのであります。
○井上(良)委員 私は土地改良に対する補助事業については公共事業のわくからはずしてもらいたい。御存じの通り土地改良は食糧増産を目的にした事業でありまして、國内食糧の自給体制を確立するという國家的目的を果しておる事業でありますから、そういう見地から考えますと、これを公共事業のわくの中においてまかなうところに、いつも毎議会、毎予算的処置において問題になるのであります。これをなぜ食糧増産費として別のわくで予算的処置を講じないかということです。食糧増産費として要求するならば、当然処置される問題であるにもかかわらず、これを一般公共事業のわくの中で処置するところに問題があるのであります。農林省は農林省自体の責任において、食糧増産という大きな國家的役割を果さなければなりませんから、その立場から食糧増産費という特別処置を講じることが絶対必要であると思いますが、そういうお考えはありませんか。この点を伺つておきたい。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまの御意見は確かに一つの御意見と存ずるのでありますが、いろいろな点からいたしまして愼重にこれは研究をいたしたいと考えております。
○吉川委員 これはきわめて重要な問題であると思うのですが、大分皆様お疲れのようですから、ごく簡單にお尋ねいたします。この法案を通読いたしますと、土地改良区というものを主といたしまして、農業協同組合が事業主体となることは第二義的なお取扱いに見られるのでありますが、これはこの法案のできた後に発せられた、昭和二十四年五月八日の総司令部渉外局で発表になつた、日本における農地改革の諸原則にもとるようなことはないかどうかということを、まずお尋ねいたします。
○伊藤(佐)政府委員 さようなことはないと考えます。
○吉川委員 対日理事会の総司令部へ発せられた指令、連合軍の最高司令官が日本政府に対して発せる諸指令、ことに一九四五年十二月九日附の指令によりますと、日本政府は農業機構を長い間阻害していたところの諸弊害を根絶するために、農地改革の計画を起案するように下命された、その中の五つ目に、この農地改革の裏づけとして農業協同組合法の制定を覚書をもつて指定されておるのであります。この第一條の目的によりますと、この法律は農業経営を合理化し、農業生産力を発展させることが主たる目的となつております。そうすると農地開放の裏づけとしての農業協同組合——農業協同組合はその第十條の第一項第五号に「農業の目的に供される土地の造成、改良若しくは管理又は農業水利施設の設置若しくは管理」ということが明記されております。農業協同組合はかつての産業組合法と違いまして、ドツチデールやライフアイゼンの協同組合法を受け継いだものではありません。かつての産業組合に見るところの信用、購買、販賣等の流通面を主たる目的とした團体と違いまして、農業の生産協同組合的な性格を第一義に盛つたところの法律であります。從つて農業協同組合は今回の農地開放の裏づけとして、あくまでも日本の生産力を増強する目的のために、農地開放後に、せつかく自作農になつた農民が小作農に轉落しないようにという思いやりから生れたところの農業協同組合法であります。この協同組合法をもつて今回の土地改良の事業主体とすることが、私はむしろ司令部の一九四五年十二月九日に発せられた覚書の思いやりあるところの精神ではなかろうかと思うのです。しかし今回発せられた五月八日の総司令部渉外局の発表によると、何かその間において背馳するような疑惑を持つのでありますが、これに対して政府ははつきりした御確信をただいま持つておいでであるかどうか、その辺を伺つておきたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 農業協同組合は現在でも農業協同組合法によりまして、こういう事業ができることは御承知の通りであります。そこで今度の土地改良法による事業については、公共的な事業を行うために一部の人を強制することも場合によつてやむを得ないのであります。そういう部面は、これは農業協同組合の立場からいたしましてできないのであります。そこで農業協同組合本來の立場からしてできるようなことは、むろん協同組合法でできるのでありますが、本法によりまする利益をさらに一層つけ加えまして、農業協同組合の利益を享受してもらうという意味でこの中に加えたのであります。從いまして、今おつしやいました総司令部の指令にこれは大いに合致しているものと考えます。
○大森委員 私は簡單に要点だけをお尋ねいたしたいと思います。三千町歩以上の農地改良事業というものは、これは國に何箇所ございますか。そうしてこうしたことが何か補助等の関係に制限されるのではないか。私どもの地方などにおきましては、大体一村をまとめましても、五百町歩の田地しかないのであります。しからば三千町歩ということになると、その附近中まとめなければならぬということになるのであります。こういうような事業というものがあるのでありましようか。これを承りたい。さらに縣営等のものに対しましても、四割に対しましては幾らという限度があつたかどうか、これを私は聞き落しましたので、ついでに承りたい。 次に私は第四章の補則の補助金のところにおいて、「國は、その予算の範囲内において、農地の改良、開発、保全又は集團化を行う者に対して補助金を交付することができる。」とある。できるというのだから、してもしなくてもいいことになりはせぬか。でありますから、この「交付することができる。」これを交付するということにして、「ことができる。」というのを削除してはどうか。こういうことを私からお尋ねいたすわけであります。
○伊藤(佐)政府委員 最初のお尋ねの三千町歩以上の地区は全國で幾つあるかというのは、現在着手いたしておりますのが、三十一ございます。それから縣営でやつておりまする三千町歩以下五百町歩以上くらいのものが百六十八くらいあります。 それから補助金について、「交付することができる。」というのを交付する、ということにしてはどうかというお話でありますが、これは法律上の用語例でございまして、「範囲内において」という頭がかぶつておりますから同じようなことであります。
○大森委員 三十幾つあるということは、そうするとこれは開拓團のやつておる農地改革なんですね。そうじやないのですか。これをお聞きしたい。
○伊藤(佐)政府委員 ただいま申し上げましたのは、いずれも既耕地の分でございます。たとえば新潟縣の阿賀野川沿岸両岸にわたつてやつておりますとか、その他天龍川、大井川いろいろ各地でやつております。明治用水あるいは愛知縣の宮田用水でありますとか、大きいものが幾つもあります。これはいずれも三千町歩以上でございます。
○大森委員 そういたしますと、なお私はこれに対して三千町歩以上六割ということでなく、いまや土地改良の問題はいろいろ論議されたのでありますから、くどいことを申し上げません。しかしながらいわゆる一村においてこぞつて耕地整理をなすというがごとき問題が起きた場合に、それが五百町歩しかないということであれば、その六割の補助を受けるということができないと書いてあるのですから、私はそうした特殊のものばかりでなく、それはやはり土地改良をいたしまする上においては、一村が主体となつてやるべきものに対して六割にするというような方法にかえていただくわけには行かないか。私はそうでなければ土地改良の特殊な土地ばかりにこれを補助するというようなことになるのであつて、全國の土地改良事業の補助に対する趣旨が違うのではないか、こういうふうに考えるのであります。
○伊藤(佐)政府委員 面積の点を大体標準にしておりまするので、御質問ごもつともと存じますが、実は三千町歩以上にわたりますようなものは、ため池をつくるにしましても、あるいは水路をつくるにしましても、非常に費用がかかつて、結局農家の一反歩あたりの負担が大きいのであります。だんだん少さくになるに從つて費用の負担も少さくなつて参りますので、その辺を押えまして、五割とか六割とかあるいは四割とかいうようにいたしたのであります。
○小笠原委員長 他に質疑はありませんか——別に御質疑がないようであります。質疑は終局いたしました。ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○小笠原委員長 速記を始めて。それでは引続きの案につきましては、都合により午後採決いたすことにいたします。 —————————————
○小笠原委員長 次に移ります。油糧配給公團法の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。
○河野(謙)委員 油糧配給公團の増資の問題については、前会質問の途中で打切つておきましたが、本日安本から東畑さんがお見えになりましたので、一言御意見を伺いたいと思います。私は前回の当委員会におきまして、油糧配給公團の十五億増資の問題につきましては、その内容について、私は油糧公團自体の資金繰りについて非常に疑いを持つておる。もつと具体的に申しますと、資金繰りが非常に惡いためにかような結果を生むのではないかという疑いをいまだに持つておるのであります。しかしこの問題につきましては、もう少し詳細なるデーターをいただいて、研究させていただきたいと思います。私が今伺わんとするところは、前会の御説明によりますと、油糧公團が十五億増資を必要とするのは、製品の手持が多いために、そこに非常な資金がいる。それがゆえに十五億の増資をするのだ、かようなことでありますが、これからさきが私は伺いたいところです。製品の手持ちが多いがゆえに資金がいるということでありますが、それではたとえば肥料公團は一体どのようなことをやつておるか。製品を施肥の時期まで当然手持ちすべきである肥料公團が、製造会社から買い取つたものを、施肥の時期でないのにむりに農家にいたして農家の金をしぼり上げておる。御承知のように現在の配給状況を見ましても、昨年の十月から本年の春の稻に使う肥料を配給しておる。ただいままた、すでに春の肥料の配給が終つて、現在は秋肥の配給をしようとしておる。かような矛盾した肥料の配給は、肥料公團自体が肥料を手持ちすべき資金がないためにかような矛盾したことをやる。これがために非常に農家が迷惑しておる。同時に迷惑するのみならず、肥料配給の体系が乱れておる。昨年の暮れから稻の肥料の配給をしたために本年の麦の追肥に大部分の肥料を——稻に使うべき肥料を農家は麦の追肥に使つてしまつておる。かようなことはすでにお耳に入つているはずで、もし肥料公團に手持ち資金がないために製品が持てない。製品を持つために手持ち資金がいるのだという趣旨で増資をされるならば、ほかの農林省の管轄の公團と同樣に、なぜ肥料公團にも増資をして施肥の時期まで肥料を持たせるという措置をとらないか、しかもこれはかつて政府がとつた措置であります。それをこの一年間において、かようなことで農家に非常に迷惑をかけておる。この点につきまして、安本といたしまして、いかなるお考えであるか、それをまずお伺いしたいと思います。
○東畑政府委員 お答えいたします。油糧配給公團に増資をいたすことにつきましては、農林省の方から御説明があつたと思うのでありますが、貿易資金の会計が、三月末現在以後は、なるべく現金取引ということにきまりました。本年の三月末現在におきまして、油糧配給公團が、貿易資金会計に対して相当の未拂い金を持つておるという現実があつたのであります。ほかの公團につきましては、その以前において、肥料公團あるいは主食の公團におきましても、相当未拂い金があつたのでありますが、公團御当局の御努力によりまして、その未拂金が解消しておつたという現実から、実は油糧配給公團に基本金がふえたといういきさつになつております。さてこれを現実に見ますと、油糧配給公團が十五億円の増資ができ、ほかの公團におきましては、食糧配給公團以外は増資してないというのが現実の姿でありまして、その点におきましては、実は河野委員からお話になりました通りの問題があると思うのであります。ここで肥料配給公團につきましては、昨年來相当御努力を願い、ほかに政府といたしましては、農村の協同組合に前渡しをする、その場合に権利だけはこれを公團が持つて、これを赤字として今回の予算においてもその一部が一般会計から繰入れられて、権利はこれを國が持つておるという建前で、協同組合に前渡しという形で資金繰りをつけた次第であります。このことにつきましては、河野委員十分御承知と思いますが、そこで政府といたしましては、今後の肥料配給公團等が、たとえば今後の春肥、秋肥等におきまして相当のストツクができる、あるいは農家が前渡しを受けない場合におけるストツクができるという事態に対しましては、相当憂慮いたしておるのでありますが、公團の運轉資金につきましては、御承知の通り從來の復金融資のわく内において、これをさらに償還の範囲内で貸すという方針はきまつております。それを各公團の実績によらず、おのおのの公團の今後の運営に應じて、いるようなものはわく内で貸すという融資の道がきまつておるのであります。その他さらにそれだけで、融資が今後不可能であるということを憂慮いたしまして、考え方としまして、市中金融機関から公團が融資できないかどうか。もう一つは政府が財政の收支の余裕金の出た場合において、一時の短期間の金融を出せないかどうかという、こういう二つの問題が今後の公團の融資問題にからんで起つて來るわけであります。前者の方につきましては、実は関係方面の了解が得られない。後者、要するに財政の收支の一時の余裕金を公團に財政資金として一時融資するという問題につきまして、目下関係方面でせつかく努力をいたしておりまして、そういう方面でやれば、これは政府資金でありまして、しかも財政の一時の余裕金の一時貸付ということになりますが、そういう形でおいて今後の公團運轉資金の問題を解決したいと目下努力中であります。現実において油糧配給公團のみが基本金がふえる、これは実は貿易資金にそのまま返す金であります。他の公團と非常にアンバランスであるという御質問につきましては、事実その通りであります。それから起る融資問題につきましては、政府としても今後十分研究をいたしたいと存じております。
○河野(謙)委員 油糧公團の貿易廳関係の勘定繰りの問題は承知しております。しかしこれは單に油糧公團に限つたことでないのでありまして、肥料公團といえども莫大な金額を扱いまして、貿易廳とは相当な取引をしておるわけです。 しかも今五千万円か六千万円の内部の肥料とあわせて、六十日の認証手形によつてやりくりをつけておるわけです。しかるに油糧公團だけにやるということは、そこに私は先ほど申し上げたように、油糧公團自体の資金繰りに疑いを持つわけです。これは別途会計檢査院あるいは安本の監査の方の報告を私は資料として要求いたしまして、よく私たち檢討をしたいと思う。ただその問題を別にいたしまして、肥料の場合に本日大臣もお見えになつておりますが、この秋の肥料から適期まで政府自体が肥料を手持ちとして、その間の資金繰りは政府の責任においてして、そうして肥料を配給するように努力をされるのみならず、それを具体化さしてもらわないと、非常に今の肥料の配給は混乱する、むだな肥料の消費が行われるということを、これは十分御承知の上でありますから、この席でもう少し具体的に、私はこの秋の肥料からいかにするかという御言明をいただければたいへん仕合せだと思います。同時に先ほど前渡しについては金利が必要だとおつしやいましたが、これは金利の問題ではない。御承知のように農林省は、農家が金が詰まつて來たために、農業手形の制度を一方においてしいておられる。金の問題ではない、金利の問題ではなくて、一方においては農業手形の制度をしいておる現状におきまして、今お話のように、なるほど金利を実際やつておりますけれども、かようなことで農家は決して満足しておるのじやない。非常に迷惑しておる。なお今の状態におきまして、今後農家がますます資金難になつて來るときに、この肥料の前渡しの状態を続けられることは、今後農村として非常に大きな問題が残る。同時にもう一つ、私がこれを強くお願いしておりますのは、油糧の場合は、大体消費は都会が多い。都会地に重点を持つたところの油糧の場合には、政府自体がある期間手持ちをしてやる。農村だけが使うところの肥料につきましては、政府が保護的な措置をとられないということは、都市と農村との政治の平等ということが現在すでに問題になつておりますこのときに、さらにまたかような農村に対して非常に不平等な措置がとられるということは、これは非常に大きな問題であります。從いまして今申し上げましたような事由で、話はもどりますが、この秋からも肥料は少くとも適期に配給する。適期に配給するまでの資金の措置は政府において必ずとるということを、もう少し具体的にお話いただかなければ納得ができないのであります。この点をあらためて御答弁願いたいのであります。
○東畑政府委員 この秋の肥料につきまして、政府で融資するについて、はつきり責任を負えというお話でありますが、全体の公團に対する運轉資金は非常に制約を受けておる。この制約を受けておる範囲内において、各公團には、非常に季節的なものとしからざるものとがあるということも、十分承知いたしております。從いまして農業協同組合におきましても、資金のある限りにおきまして肥料の貯藏というものをもちろんわれわれといたしましてはやつて行きたいと考えております。しかしそれにしてもなお相当のストツクができるという場合につきましては、われわれとしましては復金融資の公園のわく内において、こういう季節的なものにつきましては優先的にこれを確保したい、なおそれで足りないものにつきまして、先ほど申しましたようなことを目下関係当局で協議中でございまして、ここに具体的にこうすると言う段階でございませんけれども、少くとも公團の融資のわく内におきましては、こういう季節的な、農民の経済に密接なものにつきまして、政府におきまして目下公團のストツクということが必要であるということにつきまして、裏づけの資金につきましては努力をいたしておる。目下こういう状況でございます。
○河野(謙)委員 最後に、今のお言葉のように、非常に困難な事情の伏在しておることもよくわかりますが、特段と肥料公團の資金の点につきましては、この秋から実施に移るようにお骨折り願いたい、かように要望いたします。同時に私は油糧公團の問題につきまして、関係方面のいろいろ関係もあると思いますけれども、貿易廳の拂いといい、また資本を増加するといい、いずれにしてもこれは大きく考えれば政府の金です。右から出すか左から出すかの違いであります。油糧公團がすぐ解散して新しく公團ができるという最後のどたん場に、そういうふうな措置をどうしてとらなければならぬのか。もちろん関係方面の関係もあるでしようが、いずれにしても先ほど申しましたように、同じ政府のふところのことです。右か左かの違いだけのことです。これはどうも納得が行かないのであります。しかしこの問題につきましては、あとで井上委員から御質問があるようですから、私はこの程度で打切りますが、ただ油糧公國の最近における会計檢査院の監査の結果、または安本の関係方面の監査の結果とを、これはすでにおできになつておると思いますから、データとしてあすにもいただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を一應打切ります。
○井上(良)委員 この際農林大臣及び安本の方に質問を二、三いたしたいと思います。第一はわが國の食糧需給態勢の問題であります。絶対量が不足をする現在において、政府は今後わが國の食糧需給態勢をどういう角度で確立しようとするのか。特に日本の從來やつて來ました澱粉質を中心にする米麦生産を、基本的にわが國の農業政策として確立して來ております。このいわゆる澱粉質中心の、米麦中心の食糧政策は、あらゆる面で経済的にもまたお互いの栄養の上から考えましても、大きな矛盾と不合理があるということは、もう明らかになつておる。從つて今後わが國がこの限られた國土において、限られぬ人口を養うのには、どうしても総合的な、栄養食糧への方面轉換をやる必要がある。しかるに農林省自体の計画は、この総合的栄養食糧への新しい道を進むのにあらずして、依然として古い米麦中心主義の増産が進められておるということであります。この見地に関しまして、農林大臣はわが國の將來の食糧をどう確立しようとするか。單に粒食本位の米麦を中心とする主要食糧の確立に進もうとするか。それとも総合的な栄養食糧によつてわが國の食糧問題の確立をはかろうとするか。この点についての大臣としての所見を伺いたいと思います。
○森國務大臣 井上さんにお答えいたします。この問題につきましては、井上委員も非常に御苦心を過去においておやりになつたことと思います。國民生活の上から澱粉食、ことに粒食にならされて來た日本の國民が、今後その食生活を根本的にかえて行かなければならぬことは申し上げるまでもないのであります。しかしこのことは一朝一夕にはなりません。しかし現日本の食糧段階は井上委員も御承知の通りであります。しばらくの間は海外の輸入も仰がなければならない情勢でありますが、私としては、一日も早く食糧だけでも独立いたしたいとかように考えております。しかし食糧の独立ということが旧態依然たる粒食の穀物を主食としての食糧生活であつてはいけない。今後どうしてもこれは栄養本位において、食生活を國民全般が考えて行つてもらわなければならない。戰爭中われわれがならされて來た粉食、あるいはパン食等の習慣を、今後とも持続して行かなければならぬと思うのであります。しかしそれにいたしましても、カロリー本位の食糧であつてはならないのでありますから、ここに栄養價値のある食糧を総合的にやつて行かなければならぬことはもちろんであります。水産動物による蛋白給源を要求することはもちろんでありますが、これはただ單に政府の施策のみによつて容易に行わるべきことではないのでありまして、政府はもちろんその方針に進みまするが、國民といたしましても、日本の食糧事情を十分に理解して、從來のような何でもとにかく腹一ぱい食べておけばそれでいいというような、栄養價値を無視した食生活であつてはならないのでありますから、この点を國民自体が、日本の食糧事情の將來を考えて、國民みずから改良して行くように政府は指導し、また國民もその氣持になつていただかなければならぬと思うのであります。この意味から申しまして、水産物の増産、あるいは畜産酪農の奬励等も、食生活の上からこれを総合的に取入れて行かなければならぬ、かように考えておるわけであります。
○井上(良)委員 大体わかりましたが、すなわち量から質への、食生活の改善、これがわが國將來の食糧の方向でなければ、わが國の食糧問題の基本的解決はないのでありまして、その面から油糧の受け持ちます重要性はきわめて大きいのでありまして、この油糧がいかに食生活の中に合理的に取入れられるか、すなわち澱粉、蛋白、脂肪が、われわれの生活に合理的に取入れられるとき初めてわれわれの食生活は安定するのでありまして、その一つである脂肪の確保は、今後わが國の食糧の上に絶対的な大きな地位を占めて行かなければならぬと、私は確信しております。しかるにこれに対する政府の施策はまつたくなつていない。最近民間側から、かえつて司令部側のいろいろな要請やあつせんによつて油脂資源の確保についての運動が展開されておりますが、それといえども、やつと今年の計画において、戰前の水準にどうにか手が届くという状態にまでこぎつけただけで、しかもこれがアメリカのいろいろな事情によつて、いつ何どき変更されるかもしれぬというきわめて不安な油脂輸入状況の前途になつているわけであります。この際大臣は今みずから御答弁をされました通り、わが國の將來の食糧は、総合的な栄養食糧へ切替えなければいかぬという一つの方向を明確にされたのでありますが、その裏づけとして、この油脂資源の確保、特に輸入油脂資源の確保というものはきわめて大事であります。この輸入油脂資源の前途について、一体どういう見通しを持たれているか、また國内産の油脂資源の確保について、農業計画その他の点についてどういう手を打たれているか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○森國務大臣 脂肪、蛋白、澱粉が三要素であることは、肥料の三要素と同じ意味でありまして、まことにわれわれ食生活の上の重大な要素であります。その分量に差異こそあれ、一つとして欠いてはならない要素であります。今井上委員は、外國より輸入するところの油糧に対して、どういう対策を考えているか、また國内の油糧資源についてどういう対策を持つているかという御質問でありまするが、海外より輸入されるものは、こちらが懇請いたしましても、はたしてその懇請いたしましたことが必ずその通り來るか來ないかということは、これは不安な情勢にあることは、井上委員もかつて御経驗なすつたことと思うのであります。ただ大体において、一應從來の関係から、このくらいのものはぜひ輸入せなければならないという、連合國の日本に対する占領政策の氣持から、これが許容されるのでありまするが、しかしこれとてもいつ何時中絶するやらそれは主要食糧の輸入も同じ立場にあるのであります。われわれはそういう最惡の場合をも考えなければなりませんが、まずそういうふうなことはないといたしましても、ただ單に輸入されるから輸入されるものに依存するということであつてはならないと思うのであります。日本みずからがこの問題を解決する当然な責任がありますので、この油糧の給源といたしましては、水産漁業はもちろんのこと、また農産物といたしましても、この油糧、食糧の増産に対しましては、從來やつておりますることを一層強化いたしまして、そうして國民が総合的な食生活のできるように考えて行きたい。かように考えているわけであります。もちろん外國からこういうようなものの輸入が杜絶するというような場合を想像いたしますと、それはまつたく日本が過去の戰時体制におかれたのと同一でありまして、全然ひとり油糧原料のみならず、あるいは主要食糧の輸入を仰ぐことができないようなことも想像されるのでありまして、政府といたしましては、最惡の場合も考慮いたしまして、今後内地の資源開発に十分なる力を注いで、一日も早く独立し得られる食糧態勢をつくりたいとかように考えているわけであります。
○井上(良)委員 非常に話は抽象的ですが、具体的に伺いたい。大体政府の方から出されました資料によりますと、二十四年度の輸入油脂は大体十万五千トンという話でありますが、これは大体司令部の方との話がついておりますか。この点を明らかにしてもらいたいことが一つ、それからこれは大臣に伺いたいのですが、大体油糧資源その他蛋白、脂肪の配給について、現在のように絶対量が不足しておるときにおいては、この原料を確保し、かつ適時適量を公平な配給を行うためには、どうしても統制方式をここ当分、需給が円滑になりますまでは続けなければならぬとわれわれは考えますが、この油糧及びみそ、しようゆ等の食品に関連いたしまして、政府は今後この統制を一体どうしようと考えておるか、先ごろ新聞によりますと、森さんはみその配給は撤廃してもよろしい、こういうことを大胆に発表されて、非常に國民に大きな不安を投げかけたのでありますが、現実のみそ、しようゆの配給の状況、油の配給の状況から考えますと、今日配給が全國的に適時適量を受けるためには、統制を必要といたすようにわれわれは考えておりますが、この点に対する見通し及び政府の所信を伺いたいと思います。
○森國務大臣 お示しのような食品は、御承知の原料の輸入を余儀なくしておるような情勢であります。從つてなおこの統制方式を継続して行かなければならないと考えておりまして、近くこれらの公團法も、この三箇月間延長されましたこの期間に整備いたしまして、皆様の御審議をお願いいたしたいと考えておるわけであります。輸入油糧の見込み等につきましては、他の政府委員よりお答えをいたします。
○三堀政府委員 お手元にお配りいたしてあります二十四年度の見込みは、これはまつたく農林省内部におきますところの需給の見込みでありまして、この内容の数字につきましては、まだ関係方面の全面的な了解をつける程度には至つておりません。
○井上(良)委員 次に原料資源の問題でございますが、この法案にも出ております通り、過去六箇月の未拂い代金としての十五億円を必要とするということでありますが、先に河野さんからも御質問がございました通り、油糧公團は原料の大部分を大豆その他の原料を貿易廳から引取り、これをメーカーに賣渡す、そうするとメーカーからは油と残かすを買いとる。こういう形で資金を運轉していると思いますが、過去六箇月の十五億にもなる金を、一体どういうことにいたしておりましたか。メーカーへ賣り渡したら、ただちにメーカーからこれだけの金を支拂つたらよいのであつて、六箇月のたまつた金が十五億になるから、この際拂わなければならぬから、ひとつ政府の金を出してくれる。こういう案のように思いますが、その間に一体賣掛代金はどうでありますか、回收はついていないのですか、この点を明かにしていただきたい。
○三堀政府委員 お手元に資料としてお配りいたしてありますように、毎月毎月入つて來るものと、賣り拂うものともちろんあるわけでありまして、月月油糧公團といたしましては買い入れますし、また賣拂いをするわけでありまして、その差額が先ほども申し上げましたように、ある月には十億になり、ある月には十五億にもなるのでありまして、その間にもちろん動いているわけであります。
○井上(良)委員 この資金のいわゆる総決算に結局十五億いるということで、この法律案が出たと思いますが、これと同じような状態が、たとえば食料品配給公團の中のみそ、しようゆにもあります。特にみそ、しようゆの方を担当している食料品配給公團におきましては、製品を買上げるということから、原料資金については各製造業者の個人負担になつている。ところがここで妙な経過をたどつておりますのは、油糧公團につきましては、その原料は油糧公團自体が確保している。それでこれをメーカーに賣り渡す。できました油はメーカーから買い取る。残かすは指定業者にこれを賣り渡している。指定業者からみそ業者はこれを買わなければならぬ。そして今度またできた製品は政府の機関に賣り渡す、ここに指定業者という民間の原料を扱ういわゆる問屋というものとそれを引取る製造業者があつて、政府の統制原料が一時民間の手に完全に渡るということになつてしまうと、この引取りのためにみそにおきましては第一・四半期は三十億、第二・四半期は三十五億を必要とする。それで賣掛代金を公團からもらいましても、結局第一・四半期は十億、第二・四半期は十五億という金がなければいわゆる予定の計画数だけの原料を確保することができないことになつているが、この方の資金については何らの手当てをしておらない。これは一体どうするつもりですか。全然放つて置くのですか、この点安本生活物資局長及び農林大臣に伺いたい。
○東畑政府委員 公團の運轉資金については、政府からこれを出して、民間のメーカーの運轉資金については何ら世話しないというお話でありますが、民間のメーカー及び問屋の融資につきましてはこれは一應市中銀行の融資のわくがあるわけでありまして、そのわく内でメーカー対金融機関の取引によつて融資はつくはずだと思います。井上さんの御質問の点は、メーカーに原料仕入れ代金を融資しないではないかということですが、そういうわくがございまして、あとは個々のメーカーの信用によつて借入れるかどうかという問題になるのであります。政府といたしましては、そういう融資のわくは考えておるわけであります。
○井上(良)委員 そこで問題が一つあるのですが、油糧公團では原料たる大豆なら大豆、コプラならコプラを貿易廳から買いとつておる。ところが食料品公團は、みそ、しようゆの方では原料を扱つてはいかんことになつておる。ところがその原料たるや片方の油糧公團から出て來るところの油のしぼりかすをもらつておる。これはまことに妙なことになつておる。そこへ指定商人が入りまして、二万八千円か二万六千円の一トンの原料から手数料として八百円をとつておる。單に政府の方から配給割当の計画書が來まして、それを各メーカーに割当てをする手間をやつておるだけで、一トンについて八百円の手数料をとつておる。そんなものはいらないではないか。直接油糧公團に結付けば何もいらないものではないか。一トン八百円は消費者負担になつて來ておる。消費者はそれだけ高いものを買わされておる。そして途中に民間業者が置いてあるということから、原料の匁減りをしたり、横流れをする危險が百パーセントある。何でこんなトンネルを別にこしらえなければならないのか、その点を明らかにしてもらいたい。
○三堀政府委員 御存じの通りにみそにいたしましても、しようゆにいたしましても、業者が数千あるわけでありまして、各縣ともいずれも数百の業者をかかえておるわけであります。これらの業者がそれぞれ公團と結付くことは、実際問題として不可能なのでありまして、その間に必ず卸業者的なものが介在いたしまして、輸送なり何なりしなければならない。こういうのが実情でありまして、そういう意味で指定業者を使つておるわけであります。
○井上(良)委員 それは公團にやらしたらいいでしよう。そのりくつで行くなら油糧公團はどうしますか。油糧公團はみずから原料を扱い、搾油工場は全國に散在しておる。原料は皆油糧公團自身で送つておる。しかるにみその方だけは特別に指定業者をきめて、原料は指定業者のトンネルをくぐつて行かなければならない。そしてそのくぐり賃が一トン八百円となつておる。しかもこの原料たるや政府のものである。民間のものじやない油糧公團の門口を出るまでは政府のものである。途中で民間のものに化ける。そんな手間は必要としないのです。油糧公團はそういうやり方を認めておる。食料品公團にこんな二重手間をやらす。しかも原料仕入金に非常に業者は困つておる。そのためにいつも食料品公團の方はメーカーからのいろいろな苦情を聞かなければならぬ、また製品についても十分な檢査監督があつて、うまく行かないという現状にある。だからこれはひとつあなたの方で考えてもらつて、原料は油糧公團の仕事をさしております搾油業者から出て來るのですから、それをやつてもらいたい。はなはだしきは大豆ミールとか大豆粉、こんなものまで油糧公團に買上げさして、油も何もしぼらないのに、わざわざこの指定業者のトンネルを通してみそ、しようゆのメーカーにやつておる。油をしぼるのなら話はわかるが、油はしぼらぬのに油糧公團で渡してトンネルを通さしておる。これはどういうわけですか、明らかにしていただきたい。
○三堀政府委員 今の問題は公團が卸賣り的業務を営むか営まないかという点に結局問題がかかつて來るのだろうと思います。油糧公團が卸業務的なことまでやるとなれば、それももちろん解消するわけでありますが、油糧公團はその下に全國に縣支部という機能を持ちます。從つて非常にたくさんの人員の整備をしなければならぬという問題になるわけでありまして、それを公團の機能においてやるか、あるいは指定業者の機能でやつて、その間の手数料を渡すか、こういう問題だろうと思うのでありまして、これはどちらがいいか價値判断の問題とわれわれは考えておるわけであります。なお今度食料品公團と油糧公團が一緒になれば、原料問題なんかにつきましても、いろいろな点で非常に明確に行くんじやないかと考えております。
○井上(良)委員 つまり私の言いますのは、油糧公團の運営においては、油の原料たる大豆その他の原料を買い上げることを行つておる。ところが片方みそ局及びしようゆ局の方には、その原料は扱つてはいかぬ。單に製品だけ扱つたらいいということになつておる。しかもその原料たるや政府の物なのです。これは自由に賣つておる物とは違う。一つの統制品である。しかも大部分が輸入である。それを途中で何ゆえに民間のトンネルを通さなければならぬか。大豆のような非常に各方面から買わなければならぬ物でさえ油糧公團が全部買い上げておる。しかもみそのようなものは、原料は油糧公團の指定した業者において、生産されておるしぼつたかすをもらつておるわけです。さらに私が今言つたようにはなはだ遺憾に思うのは、輸入であります大豆ミール、大豆粉を油糧公團に買い上げさして、何ら手も加えずに指定業者のトンネルを通すだけで、何万トンというものが手数量をとられておる。これが皆消費者の負担になつておるのでありまして、その点を直してもらいたいと言うのです。そうでないと消費者が負担にたえないという点をやかましく言つておるのです。 いま一つお考え願いたいことは、六箇月間の未拂い代金に十五億の利子がいるのですが、金利はこれに含んでおるのですか。それからいま一つ明らかにして置きたいことは、他の公團の金融の措置について、從來復金を通していろいろ対策が講ぜられて來たが、復金の融通はなかなか思うように行かないようになつた。今後一体こういう処置はあらゆる公團に起つて來はしないかと思います。これに対して政府としてはどういう手を打とうとしておるか、これは河野さんも先にちよつと触れておりましたが、私からも明らかにしておいてもらいたい。
○三堀政府委員 前段の問題は先ほどの繰返しになりますが、要するに公團が卸賣り機能をやらないといたしますれば、どうしても指定業者的なものを使わざるを得ないわけなんでありまして、もし指定業者を使わないで、直接やるとしましても、これは結局みそなりしようゆなりのメーカーが集まりまして、組合的なものをつくつて、それで原料を扱わなければならぬということになりまして、だれかがそういう企業をやらなければならぬわけでありまして、ただその間の手数料が適正に査定されておるかどうかという問題にかかるのだと思います。だれがやつても金はかかるわけでありますから、從つて價格、その他の問題につきしましてはもつと適正にやつて行かなければならぬと思つておりますし、現在私どもはやつて行つておるものだと思いますが、御指摘の点があればなおその点十分研究いたしたいと思います。
○東畑政府委員 後段の点についてお答えいたします。先ほど河野さんに申した通りでありますが、復金の公團の融資のわくというものが、大体七十億程度あるのではないか。七十億くらいのわくの中で各公團の性格によりまして、運轉資金を出すということははつきりいたしております。それだけで問題が解決されればいいのでありますが、それ以外に今後の公團の運営上より、多くの資金がいるという点についてどうするか、こういう問題につきましては、ただいまのところ、はつきりこうするというだけの実はわれわれといたしまして考えは持つておらないのであります。ただいま考えておりますのは、一つは市中金融機関から一旦金を借りるということにつきまして、さらに関係方面と折衝をいたす。もう一つの点は財政收支の季節的余裕が出ますので、この余裕金、財政資金を一時公團に借り受けをして、一年間の短期で一時借入金という形で借り受ける道はないか。この二点について公團の融資の問題に善処したいと努力をしておりますが、前者の点につきましては、なかなか御了承を得るに至つておりません。そういうことをお答え申し上げておきます。
○深澤委員 油糧資源の問題につきまして、現在はアメリカ本國からほとんど入つておるようでありますが、從來大豆等は満州から相当入つておつたし、今後もそうすることが運賃その他の点において非常に便宜かと思うのでありますが、この満州大豆を日本に輸入するという点について、農林当局はどういうお考えを持つておられるのか、それをちよつと聞かしていただきたい。
○森國務大臣 御承知の今日のわが國の國際上の立場から考えまして、今ただちに満州大豆の日本への輸入を懇請するというようなことは、ひとり一方的な考えではでき得ないのであります。でき得べくんばそうしてもらいたいという希望は持つておりますけれども、これを具体的にお答えすることは不可能な情勢にあることを御承知願いたいと思います。
○深澤委員 中國の事情も現在はおちついておりませんが、近くおちつくという見通しを持つておるのであります。そうした場合におきまして、政府はこの満州大豆を入れるために努力する熱意があるかどうか、その点お伺いしたいのであります。
○森國務大臣 申し上げるまでもないのであります。
○深澤委員 この油糧公團の基本金の増加の問題でありますが、一千万円を十五億一千万円にするというこの内容については、貿易廳に対しての支拂いというものが問題の根拠になつておりますが、一体これは損失であるか、それともどういう性質を持つたものであるか、それをお伺いいたしたい。
○三堀政府委員 もちろん損失ではございませんので、ただ未拂金になつておるだけでございます。
○深澤委員 これだけの額を動かすという場合におきましては、油糧公團の経理内容というものが明瞭にされる必要があります。この資料がいまだ提出されておらないのでありまして、それを十分われわれは檢討して、この問題を決定すべきであると考えるわけであります。もう一つはこの油糧公團は七月一日まで延期いたしまして、あとのまた機構の問題になつて來るのでありますが、延期の場合におきまして、われわれは公團方式に対する全面的な檢討をするというような意見がまとまつておつたようでありますが、すでに会期も迫つておる。一体七月一日期限の公團の処置をどういうぐあいにされるか、この点についてお伺いしたいと思います。
○三堀政府委員 公團法につきましては、ただちに國会に提案の手続をただいまとつておりますので、間もなく御審議願う運びになると思います。
○深澤委員 資料の点は……。
○三堀政府委員 資料の点は、ただいま印刷中でありまして、これも今明日中には提出せられると思つております。
○小笠原委員長 これにて質疑要求者全部の質疑は終了いたしました。よつて本案に対する質疑は終了いたしました。引続き討論採決でありますが、本案は予備審査中でありまするから、参議院を通過いたしましてからこれを行うこととして、本日は午前中は、もう午後になりましたが、この程度にいたしまして、午後三時から再開することにいたします。暫時休憩いたします。 午後零時五十九分休憩 ————◇————— 午後四時四十五分開議
○小笠原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 議事に入る前に御報告いたします。本日内閣提出による土地改良法施行法案が本委員会に付託となりました。報告いたします。 それではまず土地改良法案を議題とし、討論に入ります。坂本實君。
○坂本(實)委員 私は民主自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました土地改良法案につきまして賛成の意見を申し述べるものでありますが、この機会に、一言希望を申し上げておきたいと存じます。 元來土地改良法案は、農地改革後におけるわが國農業生産力の発展のために、きわめて重要なる基礎條件の整備に寄與せしむることを目的とするものでありまして、わが党は本法案の成立に賛意をおしむものではありませんが、土地改良事業の実施にあたりましては、多額の資材資金を必要とし、漸次窮乏に向いつつありますわが國農家が、今後はたしてかかる経済的負担に耐え得るか、疑問とせざるを得ないのであります。つきましては、本法案補助百二十六條に、「國は、その予算の範囲内において、農地の改良、開発、保金又は集團化を行う者に対して補助金を交付することができる。」とありますが、今後農地の改良事業等を行うものに対しましては、全額國庫補助を交付せられるよう、委員長は本委員会を代表して政府に対し強力に本委員会の意のあるところを傳達せられ、これが実現をはかりますよう、特段の御配慮を願いたいことを特に希望する次第であります。 以上簡單でありますが、賛成の意見を申し述べる次第であります。
○小笠原委員長 次に井上良二君。
○井上(良)委員 私は社会党を代表しまして本法案に賛成の意見を述べたいと思います。 御存じの通り、わが國の食糧の現状、並びに農家の経済の現状から考えまして、どうしても農地の徹底的な改良をはかる必要があるというところから、われわれは第三國会以來この問題を取上げまして、衆議院の各派の農村出身の議員の方々の協力を得まして、土地改良に関する強力な運動を展開して参つたのであります。しかしこの土地改良を行いますにはいろいろな法律が横たわつており、またいろいろな措置が輻輳しておりまして、いろいろな点で一本の姿となつて行うことができない状態にありますので、これらのいろいろな関係法規を整備し、また土地改良を國が行い、縣が行い、あるいはまたその他團体が行う場合の、一つの法的な規定を必要とする見地から、本法案の檢討にいろいろの努力を重ねて参りまして、やつとここに成案を得て本日ここに可決されることになりましたことは、われわれの喜びとするところであります。この法案の審議の過程におきまして、いろいろな角度から、わが國の農業のあり方につき、また土地改良施行に関するいろいろな問題について論議が重ねられたのでありますが、特にここで重要な問題として、この際われわれがやかましく政府にその実現方を要望しなければならぬのは、本年度の予算的措置によつて、個人の利益を対象とする事業は補助しないというこの性格の変化については、われわれ絶対に賛成をするわけに参りません。從來続けて参りました通り、わが國の農業が、一層農地開放その他によつて零細化し、細分化しております今日においては、これらの事業はどうしても國が大きな保護の手を差伸べて、その目的を逹するような措置を講じてやらなければでき得ない現状にあるということを、よく関係方面にも御認識願いまして、また政府一本の姿でその主張を貫かれまして、これら個人の利益を対象とする補助事業でありましても、結論は國全体の食糧を確保するということになるのでありますから、こういう見地から、すみやかにこれら補助事業に対する十分な一つの措置を講ずるとともに、今坂本君からも御発言がありましたように、これら事業の全体の経費というものは、今日國があらゆる産業に対して、補助及び差益金を出しておる。この実情から、当然國がこれらの事業に対する全面的な経費を持つというところへ、將來持つて行くように御努力願いたいと思いますとともに、なおこの補助の問題につきましては、院議でもつてすでに決議されておりますから、政府はこの院議をあくまでも尊重せられて、また村の人、農村の方々が切実な要望として、今日一島根縣の地方においてさえ、八万人に余る署名運動が展開されておるこの生々しい事実を忘れることなくして、ぜひひとつこの補助事業に対して積極的な手を打つていただきたいということを、私はお願いをいたしますとともに、なおこれらの経費は、さいぜん私が質問いたしました通り、公共事業のわくにあります関係から分捕りが行われ、いろいろな面でわれわれとしても非常に困る点がありますから、將來は一本の予算的措置を講ぜられて、下部の農民及び耕地の担当者が不安のないような措置を講じられるようにお願いいたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。
○小笠原委員長 竹村君。
○竹村委員 私は日本共産党を代表いたしまして本案に賛成するものであります。しかしながら本議会におきまして農業に対しましては、大きい質的な変化を與えるような、予算的措置と、そしてそういう政策が行われていることを私は見のがすことができないのであります。なぜならば、この法案の審議を通じて見ましても、農林大臣は農業は少くとも企業でもなければそれ以外のものでもないという答弁をされておりますけれども、明らかに農業を企業として認められているがごとき政策が随所に見られております。たとえば公共事業費の予算の削減等によるところの災害復旧費、あるいは土地改良事業費に対するところの削減等を見ましても、農業をして單に企業であると見るがゆえに、そういうような政策が行われるのであります。しかしながら今日農業のあり方を見ましたときに、すでに本委員会の委員諸君全部がひとしく認められておりますように、農村の至るところにおきまして事前割当によるところの供出の不公平、あるいはその強化、あるいは米價にいたしましても、少くともパリテイー計算方式によるところの不つり合等によりまして、さなきだに農村は悲惨な道をたどつているのであります。しかも供出等にありましてすら、供出ができないために、あるいは娘を賣つておるというような実情が農村にあるときにおきまして、こういう土地改良が國民の全体の負担においてなされなければ、とうていその所期の目的を逹することができないということは、事実において証明されているのであります。しかもこの土地改良を行うとするならば、たとえば現在輸入されているところの輸入食糧は相当減少することができ得るのでありますが、もしこれが人口増加等によつて減少せざるといたしましても、この土地改良事業を行わなければ、少くとも輸入食糧を増大しなければならない。輸入食糧による多額の補給金等を國費をもつて支出いたしておる現状からして、これを減少することができ得るといたしますれば、土地改良に対するところの全額國庫負担こそは、私は当然であると考えるのであります。その意味におきまして私はでき得れば本條文の第百二十六條にうたわれておりますところの、先ほど民自党の諸君が言われましたごとく、これを全額國庫負担において行うというように改めたいのでありますが、諸般の事情を考慮いたしまして、この土地改良事業というものを、全額國庫負担において行うごとき措置を、強力に行うよう政府を鞭撻するという希望を付しまして、私は本案に賛成いたします。
○大森委員 私はやはり本案に賛成をいたすものであります。各委員から申されましたが、なお重ねて私からも要求をいたしまして、その実行方を御依頼申し上げたい。それは現在の土地改良費は全面的に打切られておる。各地方から私どもにあてまして、あるいは知事、私の縣などは、それぞれの人が出て運動をいたしておる。そしてこの問題は個人的の災害こそは最も國家の補助をもつてなさなければならないものであると思う。大きなものはまたいろいろな方法でやれる方法はありましよう。しかしながら個人的にこうむつた災害を、何の補助をもここにいたさないということになれば、現在の段階において、農民個人がこれを復興して、そして耕地としてこれを耕すことができるかどうか、この点は私どもといたしまして憂慮にたえない点であります。そこで私どもが常に申しておりますことは、こうした既耕地を荒廃せしめ、そして山のてつぺんに参りまして立木を切り、そこを開拓をいたしておる。その開拓地なるものは二年、三年たたなければおそらく麦一本はえないというような状態の所を、國庫負担によつて大きな金をかけておる。これらはいわゆる轉倒しておるのではないか、こういう点を何かやり繰りする。そうしたものは今全國に、私どもの見ておるところでは相当ある。私の所では千五百町歩の開拓でありますが、これらを考えますと、おそらく五百町歩にもならないと思う。しかしながらそれに要した費用というものは大きなものであります。こういう点を、はつきりと調査をいたしまして、こうした方面から、私はこの今日の土地改良の個人の災害に対しても、あるいは款項流用し、そしてその方面に持つて行くということを要望するのであります。今私どもの知つております範囲においては、おそらく三分の二はむだなことをやつておる。その経費たるやどうなつておるかというと、どの組合においても、何十万円は前のそこの指導者であつた会長とか、あるいは組合というものが使い込んでおるというような状態でありまして、始末がつかないということが私どもの縣下における状態であります。くどいようでありますけれども、こうしたものを整理いたしまして、そしてこの最も必要なるところの、個人的に災害をこうむつておりますところの災害復旧に対しまして、補助するということが最も妥当なことではないかと思うのであります。この点を私は強く要望いたしまして、この案に賛成をいたすのであります。
○寺崎委員 私は新政治協議会を代表いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。 現在の日本で一番大切な問題は食糧の問題であります。その食糧の問題を解決するためには、土地の改良をし、食糧の増産をすることであります。その土地改良をし、食糧の増産をする。それによつて受けるものは、國家がその利益を受けるのでありますから、この点に対する経費は全部國庫負担をもつてするというのが私どもの主張であります。私どもはこの意味において全力を盡してこの法案の通過とともに、予算的裏づけをとるという方針で進みたいと考えます。政府はさらにこれに全力をあげて、この法律が空文にならないように努力せられることを望んで賛成の意を表します。
○小笠原委員長 他に本案に対する討論の発言はありませんか、別に御発言もありませんからこれにて討論は終局いたしました。引続き本案に対して採決いたします。原案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○小笠原委員長 起立総員。よつて本案は原案通り、全会一致をもつて可決いたしました。(拍手) なおこの際報告書の件についてお諮りいたします。これは前例によりまして委員長に御一任を願いたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたします。 —————————————
○小笠原委員長 それでは次に移ります。土地改良法施行法案を議題とし、政府の提案理由の説明を求めます。苫米地政務次官。 —————————————
○苫米地政府委員 ただいま上程されました土地改良法施行法案につきまして、その提案理由の要旨を説明申し上げます。 土地改良法案につきましては、先般の御審議によりその内容を御承知のことと存じますがこの土地改良法の制定されました場合におきましては、從來存じておりました耕地整理組合、普通水利組合及び北海道土功組合をどう処置するかの問題を初めといたしまして、土地改良法の施行に伴う関係法令の整備等が必要となつて参るのであります。土地改良法施行法案は、かような土地改良法の施行に伴う必要な措置を講じようとするものでありまして、その要点と致しますところは、まず第一に、土地改良法の施行に伴い、耕地整理法及び北海道土功組合法は廃止し、水利組合法は水害予防組合法として改正することとし、現存の耕地整理組合、普通水利組合及び北海道土功組合は、一定の要件を具備するものは土地改良区またはその連合への轉換を認め、しからざるものは、三年を経過したときに解散せしめるものといたしておるのであります。第二には、土地改良事業を施行した場合には地方が増進するため、地租の値上りを來すのでありますが、これについては、地租上の恩典を與えることといたし、土地台帳法の特例として所要の規定を設けておるのであります。 以上のほかに関係法律に所要の改正を行うことといたしております。本來この法案は、土地改良法案中に規定し提案いたす予定でありましたが、他の法律の例にならい、これを別個の法案といたしたのであります。 何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたします。
○小笠原委員長 ちよつと速記を止めて……。 〔速記中止〕
○小笠原委員長 速記を始めてください。 引続き本案に対する質疑に入ります。竹村君。
○竹村委員 提案理由の説明の中で、水利組合法は水害予防組合法として改正することとし、こうなつておりますが、水害予防組合法というものはもうすでに内閣から出されておるのかどうか。それからもし出されておるとしたならばどの委員会にあるのかということを一つ。それからもう一つは、いわゆる土地改良をやりまして、賃貸價格の点がどういうふうに改正されるのか、されないのか。そういう点をお聞かせ願いたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまお尋ねの、普通水利組合をこちらの方に持つて來まして、土地改良をする場合に、現在の水利組合法は自動的にその部分ははずれるわけであります。災害予防組合法というものを特別に出す必要はないのでございます。これは実体であります。書き方が惡いかもしれません。
○竹村委員 この説明の中には、水害予防組会法として改正することになつておるのであります。その点をはつきりひとつお伺いしたい。
○伊藤(佐)政府委員 現在の水利組合法は、普通水利組合と、災害予防組合と二種類あるわけであります。その中から普通水利組合に当るものをはずしまして、こちらの方へ持つて來るわけでありまして、法律上の手続といたしましては、水利組合法の改正になると思います。
○竹村委員 農林次官にお聞きいたしたいのですが、水害予防組合法というものは、もうすでに提案されて、どこかの委員会で審議されており、しかもその水害予防組合法というものは至つて封建的で、昔のちようど赤紙で兵士を召集したような形で水害を予防するような法案であると私承つておりますので、その内容をひとつお聞かせ願いたい。その点と、そういうところに水利組合を合併されるということになると、はなはだ迷惑千万であると考えますので、その点をひとつお聞かせ願いたい。
○伊藤(佐)政府委員 事務的な点でありますので、私からお答えを申し上げますが、そこへ合併ではなくて、現在の水利組合法の中から、普通水利組合をはずして來まして、それに当るものをこの土地改良法の中に入れる、こういうのであります。
○竹村委員 先ほど申しました、いわゆる賃貸價格の点の御説明を願いたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 これは現在の耕地整理法におきましても認めておるのでございますが、それと同樣でありまして、この土地改良法に基きまして、土地改良事業を行います、その結果地價が上りました場合におきましても、三十箇年間は、これは特段の措置をもちまして、その上つた地價によつて租税は徴收しないとこういうのであります。
○竹村委員 もう一つお尋ねいたしたいのですが、耕地整理組合が現在ある。それもすでにその事業を終つておるものもありますけれども、いろいろ費用の点で問題が解決していないというような組合もある。おそらくこの資料を見ましたならば、書いてあるだろうと思いますけれども、何分今配られて、見るわけにも行きませんので、その点御説明願いたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 私から申し上げます。これは二つの場合があるわけでありまして、現在の耕地整理組合が、三年間たちましても事業が終了しないという場合は、組合を解散するということになつております。解散いたしました場合には、当然清算が行われるのでございます。 それからもう一つの場合は、現在の耕地整理組合が三年以内に今度の土地改良区という法人に乘り移る場合でありまして、その場合におきましては、現在の耕地整理組合の組合員が、今度のこの法制に基きまする資格を有する者が三分の二以上組合員としてあります場合、その場合におきまして、総会におきまして、三分の二以上の組合員の出席のもとに、三分の二以上の議決をもつて可決されました場合には、次の土地改良区に現在の耕地整理組合が乘り移る。その場合におきましては、前の権利、義務はあとの区が承継するということにいたしてあるのであります。
○竹村委員 もう一つお尋ねいたします。これの五條の八でございますけれども、「耕地整理組合がその組織を変更して土地改良区となつた時にその耕地整理組合の組合員であつた者は、その耕地整理組合が土地改良区になる前に生じたその耕地整理組合の債務については、耕地整理法第八十一條の規定による責任を免かれることができない。」ということになつておるのですが、これはもとの耕地整理組合の債務については一切前の條項によつて清算しなければならぬということになつておりまして、それに対して費用あるいは補助等は、政府が規定に從つてやるという約束をした分だけはお出しになる考えであるか、それを伺いたい。
○伊藤(佐)政府委員 ただいまのお尋ねの場合は、耕地整理組合が新しい土地改良区になつた場合でございまして、耕地整理法の八十一條と申しますのは、組合員は連帶責任を債務に対しまして負つておるのでありますが、それを引続き改良区の組合員も引継ぐということにいたしたのであります。それから政府が、そういつた前に出して、おつたものに対して、今後この新しい区に対しても、補助金等を交付するかというお尋ねでございますが、このことにつきましては、本年度の予算におきましては、現在の耕地整理組合につきましても補助金の道が打切られたのであります。從つてそれが復活する機会がありますれば、当然これは復活することになるのであります。
○石井(繁)委員 ただいま竹村委員が言いました水害予防組合ですが、これは非常に建設委員会の方で問題になつておるのでありますが、もしこれが通過しないというと、この法律がへんぱなものになろうと思うのであります。片方における法案の通過を見ない前に、こちらがいち早く通過をさせてしまつて、片方でそれを修正等されるようなことになりますと、たいへん困ることになるのですが、その点についてはいかがお考えですか、お伺いしたいと思います。
○伊藤(佐)政府委員 これは水害予防組合とは、実は関係はございません。現行法におきましては、その二つが、すなわち、利水の方と治水の方と、これが一緒になつておるわけでありますが、そのうちの利水の部面を切り離しまして、土地改良区に今度変更をいたしたのでありまして、特にそういう御心配のような問題はないと思つております。
○井上(良)委員 一つは、この耕地整理組合、普通水利組合、北海道土功組合を、土地改良区へ轉換を認める、しかしながら三年を経過したときは解散せしめる、こういうのですが、この三年という日時を置いたのはどういうわけですか。こんなに長くかからなければ清算ができないというのですか。たいがいはこんなに長いものはないのです。從つてわれわれはこんなに長い年次を置かなくてもいいではないかという考え方です。これに対する考え方。 それから一つは、土地改良事業を施行した場合、地力が増進するため、地租の値上りを來すのでありますが、これについては地租上の恩典を與えることといたし、土地台帳法の特例として、所要の規定を設けておりますという、この地租上の恩典というのは、具体的にどういうことですか。それを明らかにしていただきたい。
○伊藤(佐)政府委員 前の三年は長過ぎるではないかという点でございますが、これは清算に三年を要するというのではございませんで、現在やつております耕地整理組合は、大体今後三年もあれば、事業が完了するのではなかろうか。今ただちにこれを解散させるとか、一年以内にとか、そういうことになりますと、事業の性質上たいへん困難を來たしますので、大体三年くらいで完了するとしますれば、経過的には現在の法規で終了されまして、それでなお終了できないものに対しましては、土地改良区に新しく乘りかえるなり、あるいはまた解散するというのでありまして、清算については別途その以後になるわけであります。 それから地租法の恩典と申しますのは、先ほど竹村さんにお答えを申し上げましたように、この土地改良事業を行いまして、地方が増進し、地價が上つたというふうな場合におきましても、今後この事業施行後三十箇年間は現行法と同じように地租を上げない、こういう規定であります。
○小笠原委員長 他に質疑はありませんか。ないようでありまするから、これにて質疑は終了いたしました。 次に、本案に対する討論に移ります。討論の通告もありませんから、この際討論を省略して、ただちに本案に対する採決に入ります。原案に賛成の諸君の御起立を願います。
○小笠原委員長 起立総員。よつて本案は原案通り全会一致可決いたしました。 なおこの際、報告書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長に御一任を願いたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 異議なしと認めます。それではさよう決します。 次会は明十三日午前十時より開会することにいたしまして、本日はこの程度で散会いたします。 午後五時二十六分散会