農林委員会 第12号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1949/04/22
会議録
○小笠原委員長 これより会議を開きます。 議事に入る前に御報告をいたします。去る十九日、第九控室、民主党の小林運美君が委員を辞任せられ、その補欠として同じく第九控室民主党の芦田均君が、議長において委員に指名せられました。 次に本委員会に予備審査のため付託せられております馬籍法を廃止する法律案及び農業災害、補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案は、参議院を通過し本院に送付され、正式に本委員会に付託と相なりました。 なお去る二十日、農業協同組合自治監査法を廃止する法律案及び二十二日に食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案が、それぞれ予備審査のために本委員会に付託せられました。以上報告いたします。 それでは前回に引続き馬籍法を廃止する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。——別に質疑もないようでありますから、これにて質疑は終了いたしました。 引続き本案に対する討論に移ります。討論の通告はありませんから、この際討論を省略してただちに本案に対する採決を行います。 本案を原案の通り可決するに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。よつて本案は原案の通り全会一致をもつて可決せられました。 なおこの際報告書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではそのようにいたします。
○小笠原委員長 それでは次に移ります。農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案を議題とし、審議をいたします。 まず政府の提案理由の説明を求めます。
○苫米地政府委員 農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案につきまして、その提出理由を御説明申し上げます。 この法律案の内容は、農業災害補償法第十二條によりますと、食糧管理特別会計は水稲、陸稲、麦の農作物共済掛金の一部を農業共済再保険特別会計に繰入れて負担いたしますとともに、この負担金を食糧の賣渡し價格の中に織込みまして、消費者に負担させるように定めているのでありますが、昭和二十三、二十四の両年度におきましては、食糧管理特別会計は負担金を消費者價格に織込まずに負担するようにいたしたのであります。しかして食糧管理特別会計から農業共済再保険特別会計に繰入れます金額につきましては、その財源を一般会計から食糧管理特別会計に繰入れることにいたしておりまして、すなわち昭和二十三年度の食糧管理特別会計負担金約十億六千万円のうち五億円につきましては、その財源は一般会計からの繰入金によることといたし、すでに第四國会におきまして予算上並びに法律上の措置が講ぜられたのであります。同様にいたしまして、食糧管理特別会計負担金の二十三年度分残高約五億六千万円と、二十四年度分約二十三億三千万円との合計約二十八億九千万円につきましても、その財源は一般会計からの繰入金によることといたし、これに伴う予算並びに法律案が今國会に提出せられているのであります。以上の通りでありまして、何とぞ愼重審議の上、すみやかに御賛同あらんことを切望いたす次第であります。
○小笠原委員長 これにて政府の説明は終りました。引続き本案に対する質疑に入ります。通告によりまして、寺崎覺君。
○寺崎委員 私は本案について反対ではございませんけれども、生産者の立場から少しばかり本案と関連した気持で政府の意見をお聞きしたいと考えております。生産者はただいまのところ供出にあるいは農産物價格に、非常に経済的に苦しんでおります。その農業共済保險としての掛金は、毎年々々一定の掛金をかけながら、常にその共済保險からもらうところの金は非常に少いというのを、一番苦しんでおるようであります。農産物價格の中に共済金の掛金をぶち込めとか、あるいは國庫負担で農家の負担金をやつてくれとか、いろいろなことが陳情のたびごとに織り込んでございますが、私どもも農家の生活、経済というものがどんなに苦しいものであるかということを十分考えてみますときに、これは消費者の負担すべき金額を政府が一般会計から出すということになりますならば、生産者の掛金のごときも、一般会計の方に全部打込んでもらつて、國庫負担ということにしていただきますならばというのが、農民全部のただいまの気持でございます。これを一般会計に繰入れるというようなお氣持があるかないか。もしないとすれば、米價の方へ掛金の一部を繰入れろというようなお気持でもございますか。農民側のこの気持をどの程度まで政府はお考えくだすつておるのか、そのお氣持を聞きたいと存じます。
○山添政府委員 御承知のように、政府負担と農民負担の区分につきましては、農民の方が直接負担いたします部分は、全國最低の共済掛金率、すなわち冨山縣でありますが、その部分は一律であります。それから上を越します部分につきまして、異常災害と申しております部分につきましては、政府が半分、農民が半分、それから超異常災害、すなわち東北の冷害あるいは関西方面の早害等につきましては、全額政府持ちということに相なつておりまして、結果から申し上げますと四割五分ぐらいが政府持ちになつておることは御承知の通りであります。これを農民の側からいたしますると、掛金は出すけれども、実際もらうものは少い。これは保險の特質でありまして、おそらく火災保險などでは、かけるけれども、金をもらわぬと不平を言う人は一人もないだろうと思いますが、農民諸君の方としましても、金はもらう方がいいわけであります。これはもちろんであります。支出自身から申しましても、保險といたしましては、長期にわたつては收入と支出と均衡を得べきものでありますが、最近の状況は年々政府が災害のために多くの持ち出しをいたしておるのでありまして、本年におきましても、米につきまして約十億円ばかり再保險金を支拂いました。そのために政府としては六千六百万円の、預金部からの借入金をいたして、おるような事情になつておるのであります。一般的に申しまして保險の掛金はりくつ上合つておりますけれども、最近のところでは相当の赤字をここ二年ばかり出しておる勘定になつております。今までのしりがちようど十一億円ばかりマイナスになつておるような実情であります。さてそれにしましても、現在の経済情勢のもとにおきまして農家の負担が多い。特にインフレーシヨンの関係上、金額が上つて参りますと、比例としては同じでありましても絶対額が大きくなりますために、非常に負担が重くなるように考えられる。こういう点もあります。できるだけ軽減をいたしたいとは考えますけれども、現在の負担区分の方法をただちにかえるとということは、いろいろ関係上至難であると考えております。それでは一般消費者に政府が負担しております部分をかけないで、税金の財源から出す。それならばむしろそれはそれでけつこうであるけれども、農家が現実に負担しておる部分も消費者にかける意思なきやいなやということにつきましては、元來消費者の方面に負担させることもまた困る。こういう何といいますか、賃金政策、物價政策との関連における政策として、二十三、二十四年度に財政上の理由もあるけれども、これは消費者負担にしないで、一般会計の負担にするということでございますので、農家負担部分を消費者の方に轉嫁をするような措置をいたしますことは困難と思います。それでは残された手段として、生産費の中に入れるかどうか、あるいは現在入つておるのかどうかとういう点につきましては、現在の米價のきめ方は、申すまでもなく御承知の通りのパリテイー計算でありまして、從つて生産費を一々分析いたしまして、積み上げた價格ではございませんので、その中に盛り込むという措置はできないのであります。現在パリテイー計算の中に観念上入つておると考えるやいなやということにつきましは、実は私どもも確たる考えがつかないのであります。と申しますのはただいまの基準年次、パリテイー計算の場合の基準年次になつておまます昭和九年かつ十一年当時には、この農業保險の制度はまだございませんでした。同時にまたその当時の價格というものは、自由経済の價格でありまして、生産費を積み上げてできた價格というわけでもございません、そこでりくつの上から申しまして、入つておるとか入つておらないとかいうことは、本來成り立たないのであります。そういうふうに考えております。
○寺崎委員 パリテイー計算には明らかに入つておらないと私は確信いたします。それはあのパリテイー計算の七十四品目の中には、そういうものは入つておりません。当時なかつたからと今農政局長は言われるのでありますけれども、当時なくても、生産費の中に、そういう経費が含まれていることは政府御当局は御存じのことと思います。それで入つておらぬならば、今後入れる意見があるかないか。 それからもう一つは、この農業共済保險というものは、農民お互いが災害をこうむつた場合に、助け合うという意味からできたものであろうと思いますが、その共済金を受ける区域は、毎年毎年受ける。毎年金をもらうけれども、かけるものは毎年ただかけるばかりで、一向に災害をこうむらないというようなこともありますが、これも現在の農村の形態においては不合理である、農民お互いが災害を助け合うて行くというほどのことでなく、國民全般が考えるべきものであるということから考えますときに、これは全部國庫負担でやるべきものである、そうして災害をこうむつた場合には、農家が災害のために損害をこうむつたその一部の金の支拂いを受けるという程度にすぎない、こういう性質から考えてみますときに、これは当然國家がやるべきものである。それを農民から掛金をかけさせてやるということは、現在の火災保險であるとか、生命保險であるとかいうようなものと同一の考えをもつて農業共済保險をやつておるのではなか。私は性別において断然違うものだということを考えますが、政府当局はこの点について、どういうお考えを持つておられますか。お聞きしたいと思います。
○山添政府委員 パリテイー計算の中に入れる考え方は持つておりません。かりに入れるといたしましても、基準年次における掛金というものは、ないわけであります。かりにあつたといたしましても、結局掛金率というものは、当時と今とだんだん変つては來ておりましようけれども、別に変化があるわけではない。そういたしますれば、結局掛金の額というものは、大体米價に比例してきめておる。入れても入れなくても結論は同じことになりますので、それは入れる考えはございません。入れるか入れぬかということは、パリテイー計算ではなくて、生産費で米價を決定するというような場合に、十分考えなければならぬ。こういうことでありまして、パリテイーでやつておりますときは、問題にならなと思います。 それから相当國家補償法的な考え方で行くべきではないかというお考えにつきましては、むろんそういうふうに考えておるのでありまして、健康保險等、ああいう社会保險におきましても、おおむね國が持ちます部分と、事業者が持ちます部分と、労働者が持ちます部分とで、それぞれ構成しておるようなわけでございます。この農業災害補償法におきましても、先ほど申し上げますような共済掛金の負担区分をもちまして、全体として約半分程度は國家の負担、一般負担ということになつておるのであります。元來この法律は農業共済保險法という名前だつたのですが、閣議の方で農業災害補償法という名前にかえられました。かえられました精神は、寺崎委員の申されたような趣旨が、内容はかわつていないけれども、表題として現われたわけでありまして、そういう考え方をいたしておることは、いたしておるのでありまして、今後社会保障の制度等が拡充せられますに伴つて、やはり農業共済の方も同一精神で進んで行くべきものと考えておるのであります。考えといたしましては、全然同感であります。しかし負担区分をどうするかという現実の問題になりますと、これは財政上の点、その他いろいろございますので、そう一挙に現状をかえるということは先ほど申しましたように、きわめて困難であるというふうに思つておるのであります。
○寺崎委員 ただいま末端の事情を見てみますと、災害の種類におきまして、虫害が除外されていることで非常に困つているものでございます、虫害であるが、あるいはそれが病害であるか、はつきりしない場合もございます。判定の仕方によつて、それは災害から除外されるような部面も起つて來るわけでございますが、さらに災害の起る区域が毎年一定されていると、さつき申し上げたように、それを農家全般の災害に普及せしめるという意味からいたしますと、虫害まで災害の項目の中に入れていただきたいと考えます。これに対して当局はどんな考えを持つておられますか。
○山添政府委員 できるだけ近い機会にそういうふうにいたしたいと思つております。
○小笠原委員長 他に御質疑の通告もありませんから、これについて質疑は終了いたしました。 引続き本案に対する討論に入ります。討論の通告もありませんからこの際討論を省略して、ただちに採決に入ります。 本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」を呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 異議なしと認めます。本案は原案の通り全会一致をもつて可決いたしました。 なおこの際報告書の件についてお諮りいたします。これは前例によりまして、委員長及び理事に御一任を願いたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 異議なしと認めます。それではそのように決しました。 —————————————
○小笠原委員長 次に獸医師法案を議題とし、審査をいたします。まず政府の提出理由の説明を求めます。苫米地政府委員。
○苫米地政府委員 ただいま御審議を願います獸医師法案の提案理由を説明いたします。 戦後諸般の情勢の大きな変化に伴い、獸医業務について見ましても、畜産の生産増殖の健全化は、國民経済上その重要性を倍加し、さらにまた最近公衆衞生の領域への関係も一層深くなり、獸医師の使命は一段と重加して参つたのであります。しかるに現行獸医師法は大正十五年に制定され、その免許資格については、大学もしくは専門学校の卒業者または免許試驗の合格者等区々にわたり、一般に水準が低く、新情勢に即應しない点が多く認められるに至りましたので、獸医師の水準を一層高め、その資質の向上をはかり、獸医業の健全な発達を期し、畜産業の発達と公衆衞生の向上に寄與させることが必要となつたのであります。 一方学校教育制度の根本的改革もようやく達成されるに至りましたので、これに対應いたしまして、左記要旨により、現行獸医師法を全面的に改正することとしたのであります。 第一は、免許に関する事項の改正でありまして、從來獸医教育を行う大学、專門学校の卒業者、または獸医師試驗に合格した者に農林大臣は獸医師の免許を與えておつた点を改め、新制大学を卒業しかつ獸医師國家試驗を受けて合格した者にのみ免許を與え、新制獸医師の称号を用いることを得ることとして、從前の獸医師との間に区制を設けることとしたのであります。また免許の欠格事由につきましても、從來精神病者、盲、つんぼまたはおしの者等には免許を與えなかつたのを、改め、これらの者にも獸医師免許審議会の議を経て與え得る道を講じ、免許の相対的欠格事由に廣い含みを持たしたのであります。 第二は、獸医師國家試驗に関する事項でありまして、從來の獸医師試驗は農林大臣が行い、かつ学力檢定試驗の性質を持つておつたのを改め、今回は獸医教育を行う大学の卒業者並びに外國の獸医師または外國の獸医学校卒業者であつて、審議会の承認した者に対して課する得業試驗の性質を持ち、これが実施機関として新たに獸医師免許審議会をして試驗の執行に当らしめることとしたのであります。 第三は、獸医師免許審議会設置に関する事項でありまして、その目的は獸医師國家試驗の執行機関となるほか、免許に関する重要事項の諮問機関となるのでありまして、獸医師である委員二十五人を各方面の職域から農林大臣が民主的に選考委囑し、斯界の高識練達の人をもつて審議会を構成し、これらの事務の運営の実効を期することとしたのであります。 第四は、獸医師の診療業務に関する事項の改正でありまして、從來の診療業務に関する制限、家畜に新たに鶏を加え、また獸医師の就業の態様を明らかにするため、獸医師は毎年定期的に届出をなすこととし、家畜衞生の万全をはかるとともに、獸医業の適正を期することとしたのであります。 第五は、戰時特例として昭和十五年に設けられた獸医手制度及び昭和十七年末成年者に対する免許に関する臨時特例は、ともに新情勢に即應しないのでこれを廃止することとしたのであります。 以上が獸医師法案の要旨の大要であります。何とぞ愼重御審議の上すみやかに御可決せられんことを希望する次第であります。
○小笠原委員長 これにて政府の説明は終りました。 この際お諮りいたします本日は本案の提案理由の説明を聽取することにとどめまして、質疑は次会からこれを行うことといたしたいと思います。御異議ありませんが。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小笠原委員長 異議なしと認めます。それでは本日はこの程度にとどめします。 これにて散会いたします。 午後二時二十九分散会