内閣委員会農林委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1949/05/07
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 本日は農林省設置法案、農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、この二つの案について、内閣委員会と農林委員会との連合審査会であります。まず政府の提案理由の説明を求めまして、それから質疑に入りますが、質疑は通告順に從つてこれを許しますから、あらかじめ御通告を願います。念のために申し上げておきまするが、質疑は本日の議題についてお願いをいたします。本日の議題は、農林省の機構改革でありまするから、農林行政の運用につきましては、また農林委員会において審議せられることと思いまするから、これを御承知の上に質疑をしていただきたいと思います。
○森國務大臣 農林省設置法案につきまして、その提案理由を御説明いたします。 御承知のごとく、各省大臣の所掌事務及びその権限等の事項は、從來行政官廳法及びそれに基く各省官制によつて定められていたのであります。しかるにこの法律は、本年五月三十一日限り失効いたすことになつておりまして、これにかわりまして第二國会において成立いたしました國家行政組織法が、本年六月一日から施行されることになつております。この國家行政組織法は、國家行政機構の大綱を定めたものでありますが、各省共通の事項を規定しておるに止まるものでありますので、農林省の任務、権限、所掌事務の範囲、内部の組織、地方支分部局及び附属機関の名称、所掌事務等を明確ならしめるため、別に法律を制定する必要があるわけであります。農林省設置法案は、この必要に基き制定いたすものであります。 次に農林省設置法案の内容の概略について御説明申し上げます。 第一章総則におきましては、農林省の任務及び権限につきまして規定いたしております。 第二章におきましては、農林省の内部部局として、官房のほか農政局、農地局、農業改良局、畜産局及び蚕糸局の五局についてその所掌事務を掲げ、地方支分部局として農地事務局及び作物報告事務所の所掌事務を掲げております。このほか農事試驗場等の試驗研究機関、その他農林本省の附属機関についてその名称、任務を掲げております。なお、これら附属機関の細目につきましては、農林省令で、審議会等の諮問機関の細目につきましては、政令で定めるようにいたしております。 第三章におきましては、外局として食糧廳林野廳、水産廳を掲げ、地方支分部局といたしましては、食糧事務所、営林局、営林署及び木炭事務所を掲げまして、その所掌事務についてそれぞれ詳細に規定いたしております。 外局の附属機関につきましても、農林本省の場合と同樣に、名称、任務等について規定いたしておりますが、細部の点につきましては、農林省令または政令で定めることといたしております。 なお水産廳につきましては、第二國会で成立いたしました水産廳設置法がありますので、権限、所掌事務等については、この法律の規定によることといたしております。 第四章は職員に関する規定でありまして、任免等の人事管理に関する事項につきましては、國家公務員法の規定により、定員については、別に法律の定めるところによる旨を明確にいたしております。 第五章は公團に関する規定でありまして、農林省の所轄する公團については各公團法の定めるところによる旨を規定しております。公團の整理統合が実現いたしました場合には、当然その名称、数等につきまして変更を加える予定であります。 附則は各官制その他関係法令の廃止規定及び現在農林本省の地方支分部局であります資材調整事務所を、本年七月三十一日までに、また同樣農林本省の附属機関であります國営牧野事務を本年六月三十日までに廃止いたすにつきましての必要な経過規定等であります。 以上がこの法案を提出いたします理由であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたすものであります。 次に農林省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案につきまして、提案理由の御説明をいたします。 第一に、農林省の外局として置かれる水産廳につきましては、水産廳設置法があるのでありますが、水産試驗場、水産講習所その他の附属機関につきましては、現に官制があるのみでありますので、國家行政組織法の規定に從つて、本年六月一日以後は法律で規定いたす必要があります。別に提案いたしております農林省設置法案の形式とそろえまして、水産廳設置法を改正いたす必要があります。 第二に、國家行政組織法の建前からいたしますと、委員会というものは、各省の外局として置かれるもので、相当廣汎な行政官廳的権限を持つものに限られるわけであります。農林省におきましては、この委員会に該当するものはないのでありまして、從來委員会という名称を使用しているもので、法律中に掲げられているものを、それぞれ名称を変更して整理いたす必要があるのであります。 第三に、從前存しました諮問機関等で、現にその必要のなくなりましたものにつきましての、関係官制の廃止規定であります。 右がこの法案を提出いたす理由であります。何とぞ愼重御審議の上すみやかに御可決あらんことを切望いたすものであります。
○齋藤委員長 質疑に入ります。坂本實君。
○坂本(實)委員 ただいま提案理由の説明を伺つたのでありますが、この際二、三の点につきまして質疑を試みたいと存ずるのであります。 まず農林省の本省関係におきましてお伺いをしてみたいと思うのであります。新しい機構におきましては農地部と開拓局を合わせまして農地局ができることに相なつておるのでありますが、むろん從來の関係からいたしまして、特にこの開拓事業は重大なものであります。これは今回次長一名を置いてこれを所管されることに相なつておるのであります。はたしてこれがうまくできるかどうかということにつきましていささか疑念を持つものであります。同様從來の農政局がそのまま存続されることになるのでありますが、從來農政局の中には農業協同組合部というものがありまして、協同組合の指導監督をされておつたのであります。申すまでもなく、今日の日本の農村の経済を安定させ、農家経営を確立するということは、最も農業協同組合の活動、健全なる運営というものにまつべきものが多いと思うのでありますが、これもただ農政局ということにいたしまして、こういつた部を廃せられるのでありますが、はたしてこれによつて確実なる運営ができるかどうかというような問題、さらにまた從來ありました統計調査局というものが、新しい機構におきましては廃止されることになつておりますが、これを今度の新しい機構を見ましても、各局にそれぞれ調査事務が相当あるように見受けられるのでありますが、これは今日の日本の食糧事情から見ましても、輸入を仰がなければならない実情からいたしまして、確実な調査、確実な統計資料を持つておるということは、非常に必要なことだと思うのでありますが、各局が分散してそれぞれ資料を集めるということで、はたしてその実があがるかどうか。はたしてどこでこれをまとめようとせられるのであるかというような点につきまして、ひとつ御所見を承つておきたいと存じます。
○森國務大臣 機構の改正に関して御質問であつたわけでありますが、協同組合の部を農政局から廃止いたしたのであります。協同組合はお話の通り、ようやく今発足いたしたばかりでありまして、今後これらの育成につきましては、よほどの努力をしなければならないと考えておるのでございます。しかし御承知のことと存じますが、農業協同組合は過去に存在いたしておりました農業会とまつたくその意味を異にいたしておるのであります。ややともしますれば、農業協同組合は、農業会の変形したもののごとくに考えられるのでありますが、非常に意味が違つておるのであります。まつたく農業を営むそれ自体の人々が、その協同の力によつてその業態を保護し、発達いたして行くという意味において、自治的に設立されたものでありまして、自由意思によつて設立されておるのでありますから、昔のように強制的にこれを組織し、あるいは行政官廳がいたずらにこれに指導し、命令するということは全然許されない性質のものであるのであります。しかしながらこれらの協同組合が、今後発展するにつきましては、あらゆる面からこの発達を助長する政策をとつて行くことは、もちろんのことでありまするが、今回協同組合部を廃しましたために、この協同組合に対する行政が緩慢になる、あるいは手薄になるということは全然考えておらないのであります。さようなことは絶対ないと確信を持つておるのであります。ただいたずらに部を設けましたからと言つて、必ずしもその仕事が重大化して行くということは考えられないのであります。行政整理の面から、いろいろの関係上も考慮いたしまして、この協同部はつくらなかつたのであります。しかしながら協同組合の助長に対しましては、この協同組合設立の趣旨に沿いまして、一日も早く独立して、りつぱな成果をあげるように、政府としては考えて行きたいと思つておるのでありまするが、これに対して部を設けなくても、決してその行政については支障を來さないと考えておるのであります。 なお今回統計調査局を農業改良局の一部にいたしたことにつきましての御質問でありましたが、お話の通り、日本が食糧を海外から輸入しておるという現状から見ましても、この農業統計ということが、普通の内閣統計と非常にかわつた意味を持つておるということは、申し上げるまでもないのでありまして、この意味から独立いたした統計を必要といたすのであります。しかしながら今日農業改良局を設けましたゆえんのものも、増産を奬励し、日本の食糧事情を緩和する上において、あらゆる部面において農業を改良して行かなければならぬのでありまするが、この改良施設をいたすことと、農業の実体をつかむということも、これまた離るべからざる事情がありますので、局を廃しまして、農地改良局の一部といたしましたけれども、この統計等の部面におきましては、從來と少しもかわらず、さらに一層強化をいたしてその成果をあげて行きたい。かように考えておるわけであります。 なお今回農地局を設けまして、その農地局のうちに從來の開拓局を包含いたしたのでありまするが、これに対して、あまりにも單純ではないか、特別な部でも設けたらどうかというような御質問でありましたが、これは相当考えられないでもないのであります。またさようにした方がいいではないかというような勧告も受けておるのでありまするが、これも先ほど申しました通り、組織そのものよりも実際の効果をあげることが行政の目的であります。ことに末端の組織といたしましては、從來通り各地に農地事務局を持つておりまして、すべての土地改良、開拓、開墾等の事業を掌握いたしておるのでありまするから、本省にこれらの部を必ずしも設けなくても、私は必ずその目的に向つて行政し得られるものと、かような確信を持つてこの機構を改革いたしたのであります。
○坂本(實)委員 ただいま農林大臣から、まことに御信念のある御答弁をいただいたのでありますが、われわれももとより機構そのものが仕事をするものではないと思うのでありますが、特にこの際ひとつ、日本におきまする農林省の仕事が実に重大な役割を持つておることに思いをいたされまして、さらに一段とその実をあげられんことを要望するのであります。 さらにこの際資材調整事務所の問題についてお伺いしておきたいと思います。これは原案によりますと八月三十一日に廃止をする。しかしながら府縣に委讓の困難なものについては、なお当分の間食糧事務所で所掌せしむる。こういう方針のようでありますが、一体府縣知事に権限を委讓されるものはどういうものがあるのか、さらにまた食糧事務所ではどういう仕事をされるのかということが明らかでないのであります。これは日々当面いたす問題でもありますし、この際この点を明らかにしていただきたいと思うのであります。
○細田説明員 今のお尋ねの資材調整事務所の府縣に委讓する事務がどういうものであるかということにつきましては、まだ具体的にきまつておりません。これは御承知のように、資材調整事務所でやつておりますところの切符切り等の仕事は、経済安定本部が農林、商工、その他の関係者の分を一括いたしまして計画的にやつておるわけでありますが、われわれの方といたしましては、國内的には安本等と十分打合せをいたしまして、なお関係方面の折衝を終えて、具体的にきまつて來ると考えますので、そういう関係で現在まだ具体的にきまつておりません。
○坂本(實)委員 資材の問題に関連いたしまして、お伺いをいたしておきたいと思いますが、農政局の所管事務の第八号に「肥料、農機具、農藥その他の農業專用物品の生産、流通及び消費の増進、改善及び調整を図ること。(他省がその生産を所掌する農業專用物品の生産に関することを除く。)」こういうことになつておるのでありますが、この際農業用資材はなるべく農林省でまとめられることが必要である。かように考えておるのでありますが、この点につきまして、現在商工省関係との所管上におきまするいろいろな摩擦があることは、非常に農民としても迷惑するのでありますが、これらにつきまして、十分円滑なる運営ができる見通しがあるかどうかという点について、伺つておきたいと存じます。
○森國務大臣 私からお答えいたします。從來農林省が当然取扱うべき品目でありながら、これが資材統制のために他省に所管されておるものがあるのであります。農機具のごとき、あるいは漁網綱のごとき、あるいは肥料のごとき、これは当然農林省が責任をもつて生産し、配給しなければならない物資と考えておるのであります。しかるに今申しましたように、資材の統制等の関係から、御承知の通り肥料は、商工省が生産面に化学肥料として考えて所管いたしております。また漁網綱のごときも、綿糸の工業化という意味から商工省に所管されておるのであります。また農機具のほとんど全部が商工省に所管されておるのでありますが、今回行政組織の改善にあたりまして、商工省が通商産業省とかわります機会に、両省よく協議のもとに、これらは適当にその責任を明らかにしなければならぬということを考慮いたしまして、この農機具の中におきましても、わが内地において使用するところの農機具は、すべて農林省において生産まで所掌すべきものである。また漁網綱のごときも、当然これを水産の上から申しましても、農林省が所掌すべきものであるという氣持で、両省の間にこの話をいたしまして、この組織法の上において、今お読みになつたような條文を設けまして、今後はこの問題については、両省において十分協調いたしまして、摩擦の起るようなことのないように、その実績をあげて行きたい、かように考えているわけであります。
○坂本(實)委員 最後にもう一点、公團関係につきましてお伺いしておきたいと思うのであります。この原案によりますと、從來の五公團そのままが載つているのであります。これはその存続期間が六月末日をもつて切れるのでありますが、これに対していかなるお考えがあるのか。われわれは当時公團の存続期間延長につきましての協賛を與える際にも、なるべく早くこれは整理をすべきものであるということを主張いたしておつたのでありますが、はたしてこれは六月末日までに、はつきりした見通しがつくのかどうかということについて、ひとつ御所見を承つておきたいと存じます。
○森國務大臣 これは別に法案といたしまして今明日中には提案いたすことになつていると思いますが、五公團の中に、これを整理いたしまして、食糧公團、食品公團、肥料公團の三つをとりあえず存置いたしまして、なおかつその取扱い品目につきましても相当整理をいたし、できるだけ経費のかからないようにして目的達成をいたしたい、かような構想を持つているのであります。別の法案として御審議を願うことになつていることを御承知願います。
○柳澤委員 簡單に要点だけお尋ねいたします。ただいま大臣の御説明で、八局十一部が五局四部に縮小される、かような部局の整理合併ということは、御説明でよくわかるのでありますが、これが実質的にはどの程度の縮小になるのでありましようか。これは行政整理に関連する問題ではありますが、御説明願えればけつこうだと思います。実質的にと言いますと、人員の上からでもけつこうでございます。
○細田説明員 今度の定員法案として別に御審議を願うと思いますけれども、それに載つて参ります人員の関係を数字で申し上げてみますと、標準予算定員が十万七千三百五十二人でありますが、それに対して今度の行政整理によりまして減員を必要といたします数字が二万一千二百六人であります。そのほか、四月以降の本年度の新予算で新しく新規増員として定員の増加を認められております者が八百五十六人あります。そこで差引きまして、新らしい農林省の定員としては八万七千二人、こういうことになります。大体二割程度の数字に全部をならしてなることになつております。
○柳澤委員 よくわかりました。次にもう一点お尋したいのは、肥料、農機具、農藥といつたようなものの生産についてでありますが、今度設置される通商産業省設置法の中にもほとんど同樣のものが規定されている。これはただいま大臣の御説明によると、農機具のごときは、内地で使用するものは全部農林省の責任においてつくるというような話合いが、両省の間にできているというようなお話でありまして、さような話合いによつて摩擦を未然に防ぐことを得ますならばまことに幸いでありますが、いやしくもこの設置法を法律としてここに定める上におきましては、この條文の上からは当然権限の分野が明らかにされておらなければならない。ことに通商産業省設置法の十四條の二にあります化学肥料のごときは、炭酸カルシユームだけは除くということをうたつておりますが、その他の点については化学肥料の生産増進、改良及び調整をはかることがうたわれております。さすれば、本農林省設置法案の第八條の規定と非常に牴触するような観があります。話合いだけで、法律の規定としてこれを守つて行くということはなかなか困難ではなかろうかと思います。何かこれについてはお話合いの結果、別の政令でもつくられるお考えなのでございましようか。その点を伺いたい。
○森國務大臣 肥料の方は本來私の方でやるべきものと考えているのでありますが、これらの資材、鋼材、電力等の関係で、現在は從來通り化学肥料だけは商工省が責任をもつて生産を所掌するということになつております。農機具等の生産につきましても、まだ細目にわたつてこれこれの品物はというふうに、はつきりいたしておらないのでありますが、農林省の氣持としましては、内地に必要なる農機具は当然農林省が所掌すべきものであるという氣持で、通商産業省の法文と照合していただいた場合においては、何だか両方に所管するようにも書かれておりますが、商工省においても輸出向きの農機具等も相当生産するのであります。また農機具によりまして、あるいは発動機の大きいものであるとか何とかいうものは、從來の関係で通商産業省が所管するというような考えもあるわけでありますので、細目にわたつては双方今後円満なる交渉をいたして行きたい。いずれにしても、政府の責任によつて、こういう品物の生産に支障のないようにやつて行きたいと考えているわけであります。
○柳澤委員 お尋ねいたしたいことは、その支障のない話合いについて、何か別に法令化するお考えなんでしようか。
○森國務大臣 法令というよりも、むしろ行政面において双方協調できるものと確信しております。
○柳澤委員 ただいまの御説明では、現在話合いした両当事者においては、それを守つて行くことができるかと私思いますが、本來の建前が條文の上で、一方には化学肥料ということがうたつてあります、農機具についても同樣でありますが、先ほど御説のように、資材の統制等の理由によるということでありまして、私どもは資材の統制の理由というようなことでありまするならば、あるいは原料及び資材の生産流通は産業省においてなされるのが至当であるかもしれませんけれども、原料の流通を通商産業省より受けて、農林省において肥料そのものをつくることを全般的に統一することは、不可能でもないと思うのであります。また資材の点では、農機具、漁網、綿糸その他についても、原料はあるいは他省において所管することもけつこうと思いますが、資材の流通を受けて、漁網あるいは農機具そのものを生産することについては、農林省の方に統一した方が仕事の上から非常によいのではないかと考える次第であります。從いまして、先ほど大臣の御説明のように、おのおのその役割をわけるとすれば、この両方に牴触するようなおそれのある條文に対しては、今申したような文章をさしはさんで、條文の上に明らかにしたらいかがかと考えるのでありますが、お考えはいかがでありますか。
○森國務大臣 一應さようにも考えられるのでありますが、今日の肥料の生産等の事情から考えまして、これは御承知かと存じますが、農林省が所管するか、商工省が所管するかということは、以前行政機構の上において、ずいぶん議論があつたわけでありまして、その当時とりあえず從來通り商工省と農林省と共管という氣持で、生産は商工省がやり、その配給の責務は農林省が持つというようにしたのであります。今お話のやうに、農林省が当然所管すべきものであるというふうに考えられないのでもありませんけれども、今回の行政機構の原案といたしましては、肥料は商工省に所掌せしめるということに、一應結論を得たわけであります。農機具等は、利用の上から申しましても、お話の通り農林省がその実体をつかまなければなりませんので、商工省が生産し得る部面もあるかもしれませんけれども、内地用としての農機具は、農林省がこれを所掌するということにいたして行きたいと考えておるわけであります。通商産業省の面においては、農機具にしても簡單な農機具を考えたらどうだというような意見も一應あるようでありますが、政府といたしましては、この農業用の機具は、その利用の面から考えても、すべて農林省が責任を持つて生産すべきものである、こういう氣持で行きたいと考えております。
○柳澤委員 通商産業省も新たなる機構の設置であり、農林省も根本的と申し上げられないまでも、ここで機構の大改革をするにあたりましては、十分折衝せられて、改むべきは敢然と改めていただけないものかと考えた次第でありましたが、ただいまのお話を承りますと、どうも本來の農林省の仕事から幾分わきに流れて、統一的でないように考えるのでありますが、大体御説明を承りまして了承いたします。 最後に、通商産業省がこしらえる農機具は、賣物にすることが結局目的であり、化学肥料においても賣物にする、商品にするということが目標になる。しかしながらわが國の現在の農業改良、農業政策の重大な目標から考えますると、農林省の建前はそうでなく、いかに現在の日本の農業に当てはめて適用して行くかというところに重点があると考えまするので、商品として生もうとする通商産業省の考え方と、農林省がこしらえようとする農機具、肥料の考え方とは、おのずからそこに大きな目標の差異ができて來るので、やはり統一的にして行く方がいいのではないかと考えてお尋ねいたしたのでありまするが、お話合いで十分に効果を発揮せられるものでありましたら、さような本來の目的に向つて、十分効果のあがるようなお話合いを願いたいと存ずる次第であります。
○森國務大臣 この際一言申し上げておきます。お話の通り、肥料は農業の重大な役割を持つものでありますので、農林省におきましては、この生産過程において十分なる監督をいたしておるのであります。御承知のように、ややもしますれば賣物という誤つた考えからして、ついに不良な肥料を生産させるような場合があります。現に一昨年でありましたか、ある工場の生産いたしました肥料、しかもこの工場が責任を持つて含有肥料成分を保証した。ところがその成分が非常に少くて農業者が迷惑をいたしました。これは農業者が一々分析鑑定もできませんために、ついに誤つてそういう肥料を使用いたしまして、非常な損失をこうむつて問題が起つたことは御承知の通りであります。由來政府におきましては、責任を持つてこの肥料を生産せしめなければならないという立場から、肥料成分の檢査を嚴重にやつておりまして、各工場もまた責任を持つて調査をいたしておりまするが、その分析に安心できない点もありますので、政府は特に肥料檢査官を設けまして、そういう不良肥料の販賣を絶対させないという方針で、嚴重なる監督を加えておることをつけ加えて申し上げておきます。
○齋藤委員長 よろしゆうございますか。
○柳澤委員 よろしゆうございます。
○齋藤委員長 では平野君。
○平野委員 先ほどの坂本委員の質問と重複する点がありますので、ごく簡單にお尋ねいたしたいと思います。 第一は、土地改良事業の重大性にかんがみまして——從來五部であつた開拓局の部制をこの際全廃するというような、実に思い切つた簡素化でありますが、事柄が非常に重大でありますので、これではとうていその目的が達し得られないのではないかという危愼の念を抱きまするがゆえに、本案に対しましては賛成を躊躇いたしておつたのでありますけれども、先ほど大臣のかたき信念を拜聽いたしまして、いささか安心をいたしたのであります。しかしながら、すでに公共事業費の著しき圧縮によりまして、土地改良事業はほとんど中断のやむなきに至つておるような状態でありますので、一般國民は政府が農地改良に対してきわめて熱意が乏しいのではないかという疑いを持つておりまするときに、さらに機構をかくのごとく圧縮するということになりまするならば、國民の不安を一層大ならしめるおそれがあると思うのであります。しかしながらもとより仕事は機構によつて得られるものではないのでありますがゆえに、必ずしも機構が縮少したからといつて、そのおそれはないと思いますけれども、しかし一般農村方面におけるところの、政府の熱意がはなはだ低下しているということを、この機構圧縮によつて一層裏づけられるおそれがあると思うのであります。しかし大臣は、機構を圧縮することによつて、さらに一層この土地改良の目的を強化するのだという御信念でありますから、その信念に対しまして敬意を表するものでありますが、しかしながらこの際この機構を圧縮することによつて、決して土地改良事業を放棄するものではない。すでに國会におきましては、全國一致をもつて土地改良の完全実施を要望しておるのでありますが、この國会の要望を政府が予算の面において躊躇しておるような実情でありますから、今後はそういうことは断じてない。あくまでこの簡素化せられた機構をもつて、一層強力に土地改良事業を促進するのだということを、きわめて問題が重大でありますので、念のため重ねて大臣の強き御信念のほどを承つておきたいと思うのであります。 次に中央出先機関のうち、農林資材調整事務所を八月三十一日に廃止するのでありますが、このうち府縣に委讓困難な分は、当分の間食糧事務所においてやるということでありますが、このうちどの部分をやるのかということについての先ほどの質疑に対しまして、政府の答弁では、これは経済安定本部並びに関係方面との関係もあつて、まだ決定していないというような御答弁でありましたけれども、仄聞するところによりますと、この臨時物資需給調整法に基くということに藉口して、農林資材調整事務所を廃止して、これを食糧事務所の分室あるいは農林省の分室という名儀にして、全然その機構を廃止しない。ただ看板の塗りかえに終るのだというような、臨時物資需給調整法に藉口してこの行政整理にそのまますりかえようという計画があると聞いておるのでありますが、そういうおそれがあるかないか。單に看板の塗りかえということだけならば、いかに國会が行政整理を要望し、政府がそういう案を発表せられましても、その内容には何ら変化がないとしますれば、まことにこれは國民を愚弄するもはなはだしい結果になると思いますので、その点におきまして、その内容をいま一度詳細に承りたい。單に看板の塗りかえに終るのかどうか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○森國務大臣 二の問題からお答えいたしますが、決して行政整理に対して、ごまかすというような考えは毛頭持つておりません。われわれの氣持といたしましては、できるだけ統制は撤廃する。また今日地方自治体が相当力強く踏み出して來ておるのでありますから、今日政府がやつておりますことを地方自治体に移管するという方針は、決して変つておらないのであります。ただ御承知の通り、その資材の関係方面の了解を得なければ、自由に消費されないというような品物については、ただちにこれを地方自治体におまかせすることはできないのでありまして、そういうものに局限いたしまして、そして眞にやむを得ないものだけは、今日食糧事務所に一部その仕事をやらすつもりでありまするが、大体においては、これはすべて地方自治体にまかせたいという氣持で整理をいたしておるのでありますから、決して整理に藉口して表面をつくろいながら、事実はやつておらないというようなそしりは、決して受けないつもりでおるのであります。 次に農地改良等に対する政府の方針でありまするが、これは本会議においても、満場一致をもつて御決議になつておるようなわけでありまして、政府は農業政策の上において、土地改良の必要なことは十分承知いたしておることは、いまさら申し上げるまでもないのでございます。御承知の通り、予算の編成がいろいろな事情のために、当初考えました予算を計上することを得なかつた事情もお察し願えることと存じますが、そういう意味におきまして、当初の計画が実現でき得なかつたのであります。しかしながら今後予算の施行の上におきまして、今から予測は許されませんけれども、この土地改良事業に対しましては、さらにこれを増額し、あるいはこれを見積つて行くという機会を得ることがありますならば、政府の当初の考えによりまして、十分なる施設とは申し上げられなくても、相当の予算をもつてこの事業を遂行いたしたい、かように考えております。限られた予算の範囲でありますから、重点主義にこれらの公共事業を行わざるを得ないような情勢になつておりまするが、決して政府としては、土地改良はどうでもよい、災害復旧をしないでもよいというような、さような水くさい考えは毛頭持つておりません。ただ今お話のように、制度を縮小いたしたということが、何だか土地改良事業に対する政府の熱意が欠けておるようなふうに、國民に認識を與えるのではないかという御心配をしてくださつたわけでありますが、決して政府といたしましては、今日食糧増産のためには、何をおいてでもやつて行かなければならないというように、農林行政の方針を向けておるわけでありますから、土地改良に対しましても、決して冷淡ではない。ただ行政機構改革の上におきまして、縮小したように一應考えられますけれども、その行政面においては、決して皆さんに御心配をかけないように行政をやつて行きたい。かような確信を持つておることを御承知願いたいと存じます。
○平野委員 ただいま決して看板の塗りかえに終るものではないという大臣の御明言を得まして、私非常に安心したものでありますが、ついてはその具体的な一、二の点についてお尋ねしたいと思います。木材に関する需給統制というものは、現在農林省の資材調整官が取扱つておりますけれども、これなどはすでに建築の許可制度が知事に移管され、また木材の生産責任というものは知事が持つておるのでありますから、当然知事に移管せらるべきものであると考えるのでありますが、その点はどういうふうに相なるのですか。
○森國務大臣 木材等の統制につきましては、なるべくならばすみやかに、近く機会を得まして撤廃してもよいではないかというような考えも持つのであります。ことに今日輸送証明書というようなめんどうくさいことをやつておりますが、こういうようなこともやめてよいじやないかというような構想も持つておりますので、もちろんこういうふうな仕事は、輸入物資でもありませんし、またあくまでも需給調整法によつて重要物資として取扱うべきものでありますけれども、これは地方自治体におまかせしてもよいのじやないかというようなことも考えられるのであります。今日調整事務所でやつておりますその取扱い物件につきましては、今いろいろ関係方面との折衝もありまして、今整理をいたしておるのであります。自治体の今日の情勢より見て、おまかせしてもよいというものが相当あろうと思いますので、先ほど申し上げました通り、やむを得ないものにあつてのみ、政府がこれを所掌して行きたい、かように考えておるわけであります。
○深澤委員 まず農林省の任務の問題についてお伺いしたいのでありますが、農林省の官制が廃止せられまして、本法案に基く新たなる農林省の機構がつくられるということになるのでありまするが、これは從來の官僚機構を脱皮いたしまして、眞に國民の公僕として、農林畜水産業並びに農山漁家のために奉仕するところの農林省になるのであるというぐあいに私は考えております。そういう意味から、第三條に規定しておりますところの農林畜水産業の改良発達あるいは農山漁家の福祉の増進をはかるというこの農林省の任務は、今までのような農民を支配し、農民に命令するという官僚的なものから脱皮いたしまして、眞に農民とともに農民を指導し、教育して、そうして日本の遅れた農林畜水産業を発達せしめる。そうして農山漁家の福祉を増進して、憲法に規定するところの、健康にして文化的なる生活を確保するというところに、農林省の重大任務があると思うのでありまするが、現在の実情といたしましては、重税のために、あるいは供出のために、農民自体が非常な困難を來しておるようであります。これに対しまして、農林省の長としての大臣は、眞に日本のこの農林畜水産業の改良発達をはかり、農山漁家の福祉を増進するために、全機構をあげて挺身するというところの御信念が、この機構によつて実現され得るかどうかというその信念をまずお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 お答えいたします。お説の通り、今後の農林行政といたしましては、上から農林漁業者に対して命令するというような氣持であつてはならないのであります。長い長い一つの惰性と申しますか、官僚統治の氣持が、まだ全部抜け切らない各行政の事情を、われわれよく承知いたしておるのであります。私は、そういうふうなことであつてはならない。今お述べになりました通り、働く農民とともにあり、かせぐ漁業者とともにある。この氣持で農林行政をやらなければならないということを、私は深く信じておるのでありまして、微力ではありまするが、この農林行政の責任を背負いました以上は、從來われわれといたしましては行政されておつた人間である。この行政されておつた氣持を持つて、どうかひとつこの行政の各部面をやつてもらいたいということを、行政の各人人にお願いいたしておるのであります。この氣持で、新しく皆樣の御協賛になる農林省組織法に基きまして行政をやつて行きたい、かように考えるのであります。しかし御承知の通り、この農林行政と申しましても、非常に廣範にわたつておりますので、今ただちに本年から、この点もあの点もすべてが改まつて行くというようなことは容易なわざではないのでありまするが、私はこの氣持で漸次日本の行政を改めて行きたい。この氣持を持つていることを御承知願いたいと存じます。
○深澤委員 農林大臣のお氣持はよくわかつたのでありまするが、現在農林省の機構といたしましては、特に地方などにおきましては人員の非常に少い関係において、往々にしてそのうちの事務官憲が非常に不親切になり、十分に農民を指導し、啓発することができないような事情にあると思うのであります。從つて今述べましたような農林省の任務を完全に遂行するためには、農林省自体は、相当の人員をふやさなければならないということになると私は考えております。そうしなければ、今申し上げましたような農林省の機構を十分に農民のために、農業あるいは畜産、水産のために役立てることができないというような考えを持つておりまするが、最近におきましては、農林省の人員を相当減すというような傾向があるようであります。これでは先ほど申し上げましたような、農林省の任務を遂行することに逆行する方向じやないかと私は考えるのでありますが、この点について、農林大臣の御意見を拜聽したいと思います。
○森國務大臣 政府は各行政面につきまして、相当の整理を行うということを声明いたしており、先ほど政府委員が説明いたしました通り、約二割の整理を行うことにいたします。しからば現在ですら行政の面と行政される面との間に十分なことが行つておらぬではないか。それに人を減して、どうしてその円満なる行政ができるかという御質問でありまするが、私は今日の行政の状況は、戰爭以來非常に統制も強化されましたためでもありましようが、相当以上に膨脹いたしておるのであります。この際相当数にこれを整理することは、決して不可能ではないという氣持で、行政整理に着手いたしたのであります。私は各末端における行政事務に携わつておる人々に対しまして、できるだけそういう人の手数を省き、そうして事務を簡捷にして、ほんとうの仕事に熱中してもらうように、行政面の整理とともに事務の簡素化ということも考えて行く。そうして能率を上げてもらうことが、私の今回行政整理に対する希望でありまして、必ずやその氣持によつて行政いたして行きますならば、人員が相当整理されましても、決して國民諸君に御迷惑をかけるということのないようにいたし得る、かように信じておるのであります。整理の面におきましても、できるだけ末端の方面に対しましては整理をすることを少くいたして、そうしてそういうふうなことの起らないようにいたして行きたい、かように考えておるわけであります。
○深澤委員 その問題につきましては、また細部にわたつて御質問申し上げますが、第二点といたしましては第四條の四十五、四十六、四十七の問題であります。四十五におきましては、「主要食糧の供出の割当を行うこと。」。四十六におきましては、「主要食糧を買い入れ、賣り渡し、加工し、交換し、交付し、又は貯藏すること。」第四十七は「主要食糧の價格を決定すること。」というのが農林省の権限の中にあるのであります。主要食糧の供出割当という問題でありまするが、供出割当という問題は、戰時中の東條内閣当時の言葉でございまして、事実は第四十六に書いてありますように、これは政府の買い入れであります。從つてこの供出ということが非常に農民に対して圧迫的な感じを受けさせるのであります。しかるに現在、なおかつ事実上は四十六に掲げておるように主要食糧は買い入れとしておるにもかかわらず、四十五においては供出という言葉を使つておる。この点を一体大臣はどういうようにお考えになつておるか。それから四十七の主要食糧の價格の決定でありますが、現在主要食糧の價格というものは、まつたく生産費の半分にしか当らない價格で政府は買い上げておられる。この價格も一方的に政府が決定されておる。これに対して農民は非常に不満であります。從つて價格の決定については、農民並びに消費者等を含めた審議会等をつくりまして、これを決定するというような方法でやつて行くべきだというのが、全國的に起つておるところの声であります。この問題について、あくまで政府は一方的に主要食糧の價格を決定されて行かれる方針であるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 文字にとらわれるわけではないのでありますが、適当な文字がないのであります。供出ということが長い間使われて参りましたので、この供出という文字を使つておるわけであります。お話の通り政府がこれを買い上げるわけでありますが、買い上げるということは賣ろうと賣るまいと自由である場合に賣買があるのでありまして、そこに法的措置によつて責任を持つて買收に應じるという氣持からこの供出という言葉が使われて來たと思いまするが、買い取るということは自由賣買のごとくに、賣ろうと賣るまいと俺の自由だという立場におるわけではないのでありますから、そこに義務づける氣持でここに供出という言葉を使つて來たのだろうと思います。價格の点におきましては、お話の通り今日はパリテイー指数を基礎として定めておるわけでありまするが、生産費の半ばにも達しない、こういう御説でありましたが、どういう御計算によるものであるかわかりませんが、米の生産費というものは、その地方々々、また作付の状況、耕作者の実態等によりまして、種々まちまちなものであるのであります。ただ一方的物價というものの基準によりまして、また物價の値上り等の全國的平均の指数等を勘案いたしてこのパリテイー指数を定めて参りました。そしてそれを基準として今日は價格を決定いたしておるわけであります。しかしこれは生産者の氣持も消費者の氣持も考えねばならない。ただ政府が一方的にやつておるのは不都合ではないかという御意向でありますが、適切なる價格を生み出すことについては、政府といたしましても相当考慮を拂つて参つたわけでありますが、今日の事情におきましては、やはり現在やつております指数を基準といたしまして生産者價格をきめて行きたい。この道をとるよりほかない、かように結論を得ておるわけであります。
○深澤委員 米價その他のものの決定についての、パリテイー方式に対するわれわれの主張の生産費方式の理論は別に讓るといたしまして、こういうようなぐあいに、農民の供出した生産物を、法律によつてこれを買い上げ、價格を一方的に決定することになりますれば、農業が私企業でなくて公共的な性格を持つておるということは明確であります。この点はいろんな場合において議論されるのでありますが、農業が私企業であるか公共的な性格を持つたものであるかということについて、はつきりした御意見をお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 これはかつて農林委員会でもお答えいたしたと思うのでありますが、今日のすべての生産面におきまして、自由奔放な考え方は許されないのであります。今日日本が起き上る上におきましては、私企業であり、またそれが公共的な性質を帶びておるということは、いずれの産業にも、また業態にも結びつけられると思いますが、この氣持から、農業は自由自在に自分が勝手につくつて、自分が賣れるのだというような氣持で農業は経営でき得ない。やはり今日の國民のための食糧生産という公な仕事を持つ意味におきまして、政府はある面におきましては、これに一つの法的措置をいたすと同時に、また政府は責任を持つてその業態を保護して行くということも考えて行かなければならぬと思うのであります。これはいずれの産業においてもさように論じ得られる。かように考えております。
○深澤委員 第三点は本省の内部部局の問題であります。七局を五局に減少いたしたのでありまするが、まず第一に統計調査局を農業改良局に併合いたしまして、統計調査部というものにしたのでありますが、元來日本における農業統計が非常に不完全であるということは間違いない事実であります。日本が國際的な地歩を確保するために、世界の農業センサスの上に間違いない数字を出すということも必要であると考えております。また日本における農業の実態を、数字的に確実に把握して行くということも必要であると考えますが、統計調査局の任務は一切の行政面から制約されず、独自の立場において、日本のこの実態を科学的に把握して行くという大きな任務があると思うのであります。そういう意味において、この統計調査局の局としての独立性を持たせることは、日本の今後の農業の発展の上に最も必要であるというぐあいに考えるのでありますが、これが農業改良局に合併されることによつて、その統計調査局としての任務の独自性が非常に阻害される危險はないか、こういう点が一点であります。 第二点といたしましては、開拓局が農地局の中に含まれるのでありますが、今日の日本の食糧事情といたしまして、もちろん現実の耕地の生産を高めることも必要でありますが、さらに多くの農地を造成いたしまして、この日本の食糧危機を打開するということが非常に大きな任務であると考えます。從つて開拓関係は、非常に積極的なひとつの独自の計画をもつて遂行しなければならない大きな任務があると思う。現在世界の各國に比較いたしましても、もちろん山嶽地帶の関係もございまするが、全面積に対しまして一割五分程度の耕地であるという例は、ほかにあまり例がないのであります。從つて開拓計画、開拓事業というものは、日本における食糧問題の解決と相まつて重大なる任務があると思う。外國食糧の輸入をまたずして、日本が食糧自給の態勢を整えるということは、將來日本の独立のために、最も基本的問題であると考えるのであります。そういう意味から申しましても、開拓局の必要性はわれわれは痛感しておるのでありますが、これを農地局に合併して、その姿が非常に影が薄くなつて行くという傾向があるのでありますが、この二点について御意見をお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 統計局を改良局に糾合いたしたことについての御意見でありましたが、お話の通り、日本の統計ははなはだ不完全であります。これが諸外國と関係のない日本の立場でありますならば、内地の迷惑であつてどんな統計をつくろうともこれは自由であります。これから國際場裡に臨む——ことに食糧を海外から輸入されておるという関係から、特別にこの食糧に対する統計の正確なることを必要とするのは、申し上げるまでもないのであります。先ほども坂本委員の御質問にお答えいたしました通り、統計調査局を統計調査部として改良局の方に包合せしめる、この統計調査局の機能に対しましては、決してこれを縮小いたしておらないのであります。ますますこの統計の重要性を考えておりまして、その正確なる数字の統計されることを考えて行くのであります。しかし改良局にこれを統合いたすということは、改良局の事業といたしまして、いろいろ改良に対する施設を行う上においては、当然統計数字が必要になつて來るのであります。必ずしもこれは全然関係のないものではないのでありまして、これを一局にまとめまして、ますますこの便宜を得て行くということになるのでありまして、統計調査局を改良局に入れましたがために統計事務があがらない、あるいは改良局の仕事が困るというようなことは全然ないのでありまして、相互相まつて、改良の事業もあがり、また統計の事務もさらに一層強化して行きたい、かように考えておるのでありまして、決して局を廃しましたことによつて、御心配くださるようなことはない、かように確信をいたしておるわけであります。 なお開拓につきまして、これは重大な仕事であるにかかわらず、これを部も設けずして、局の中に置くのではないかという御質問でありまするが、これも先ほどお答えいたしました通り、狭い日本の國土を、いくらかでもふやして行くということは必要なことでありまして、すでに当初予想されました百五十六万町歩の開拓地があるということで、一應計画を立てられたのでありまするが、その実際の数字におきましては、今日その通りの実績をあげることはでき得なかつたのでありまするが、しかしなお開拓をすべきもの、あるいは干拓を必要とする部面も相当あるのであります。これらの土地拡張につきましては、現在におきましても、また今後におきましても力を入れて行くつもりであります。しかし御承知の通り食糧事情が緊迫いたしておりますので、五年後、あるいは七年の後に耕地になるという、前途遼遠とも言うべき事業に対しましては、この際相当英断を下して、打切つて行かなければならないということも、予算の関係上考えられるのであります。最も早く効果をあげる土地の拡張、こういう方面に一層の力を入れて行きたいと思うておるのでありまするが、この開拓事業の重大性はよく承知いたしておるのであります。しかしこれを農地局の中に包合いたしましたからといつて、その事業が頓挫するの、あるいは停頓するというようなことは、断じてあつてはならないし、またさようなことは毛頭考えておらないということを御承知を願いたいと存じます。
○深澤委員 第八條の農政局のいろいろな事務関係の内容であります。先ほど他の委員からも質問されたのでありますが、協同組合の任務は、現在日本の農業関係にとりましては、非常な重要性を持つておるのでありますが、この農業協同組合に関する指導育成ということは、これは農林省といたしましても重大なる仕事であると考えるのであります。これを一体協同組合課にするのか部にするのかこの点をひとつお伺いしたいのであります。 もう一つは、かつての本会議におきましても、大臣は日本の今後の農業において、農村工業の必要を相当力説されておつたのでありますが、われわれも日本における今日の農村の疲弊の状態から考えまして、また今後起り得る農村の恐慌に対しまして、これに耐えて行くためには、農村に工業を興しまして、これによつて農村の失業人口を吸收し、あるいは農村の現金收入を得るというような方向を考えなければならないと思うのでありますが、この農村工業に関する指導の機構はどういうぐあいにされるのか、ちよつとこの点をお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 協同組合の指導等につきましては、御説の通り最も重要な時期であります。政府におきましても、今生れましたところの協同組合が、ほんとうの力を現わしてもらえるように、一日も早くその時期の來ることを望んでやまないのでありまして、農政局に統計部を設けずして、統計課というものをつくつておるわけでありますが、これは部を置いて必ずしもいい成績があがるとも考えませんから、成績があがらないというような氣持は考えておりませんので、あくまでも協同組合の、一日も早くりつぱに一人立ちのできるように、あらゆる指導をいたして行きたいと、かように考えておるわけであります。 なお今回農村工業を課にいたす方針をきめましたことは、今日の農業はどうしても動力の関係から申しましても、経営の上から申しましても、労力の分配上から申しましても、あらゆる地方的な工業、簡易な工業を取入れて行かなければならない、こういう氣持を持つておるのであります。農村工業と申しましても、御承知の通り種々雜多ありますので、その地方の資材、資源等の関係から勘案いたしまして、その地方に適当なる工業をやつて行くということでなければならぬと思うのであります。しかもこれは農業が主体であつて、工業というものは分業である、この氣持から工業を統轄して、まとめて行くという相当の指導が必要であるのでありまするが、今日まで課というものがなくて、ただ一部において指導奬励をいたしておつたのであります。今日の農業の情勢から見ましても、その方面に大いに力を入れて行かなければならぬ、かような考えをもちまして、農村工業課というものをつくりまして、あらゆる農村に適應する工業について研究を加え、これを実際に行うような指導をして行きたい、かように考えておるわけであります。
○深澤委員 第十二條の蚕係局の問題でありまするが、ここに列挙されておる関係におきましては、蚕糸の檢査とか需要調整ということに非常に重きをおかれておるようでありますが、今日農村において、一番問題になつておりますのは蚕繭の問題であると思います。つまり繭を生産せずして、蚕糸の問題は論じられないのでありますが、この蚕繭の生産に対するところの蚕糸局の内容というものが、ほとんど見受けられないのでありますが、この点は一体どういうようにお考えになつておるかお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 お答えいたします。蚕糸業は私が申し上げるまでもなく、相当古い年代を経ておる産業でありまして、今日指導の方針におきましても、これを積極的にこういうふうに飼うのだ、ああいうふうに飼うのだというような指導をする時期ではもうないのであります。今日の蚕業の行政の上におきましては、品種の改良あるいは蚕病の予防という方面、またこの飼育の上におきましても、小さい技術の面でなしに、團体としての行動を指導して行くという面が残されておるのであります。それでありますので、蚕糸局の仕事といたしましては、昔のような小さい、こまかい、手をもつて教えるというような指導でなしに、大きい立場から蚕糸業を保護して行くという氣持で奬励して行きたいと思うのであります。まず個人としてできないところの蚕病予防はもちろんであります。また品種の改良ということ、あるいは施設の改良等、あるいは桑園の経営におきましても、今日まで食糧増産のために桑園が非常に荒廃に帰しておりまして、ことにこれらの改植等につきましての、桑苗の生産等も手遅れになつておるのでありますから、そういうふうな全般的な指導をやつて、桑苗の生産であるとか、あるいは桑園の改良につきましても、肥料の増配をするということによつて行政をして行きたい、かように考えておるのであります。昔のように掃立はどうするか、眠起の取扱いはどうするのだというような、さ細な問題には今日立入る必要のないまでに、養蚕家自体が技術の向上もできておるわけであります。ただ今後行政の上におきましては、御承知の通り為替レートが三百六十円に定まりまして、現在の繭の價格で行きますと、四百二十円というレートによつて勘定されておりましたために、非常な打撃を蚕糸業にこうむるのであります。今後この蚕系業の養蚕家のこうむる打撃をどういうふうにして緩和して行くか、目下懸命にその対策を練つておりますので、近くその成案を得ることと思うのであります。養蚕は專業的に行われる場所もありますが、一つの重大なる農業の副業として今日まで続けられて來たのでありますから、農家の收入が相当あつて、そうして副業としての價値を損じないように、また大きく國家の上から申しますれば、衣料の問題を解決する上におきましても、全部これは國産であります関係上、今後この産業の発達ということについては、相当の力を加えて行かなければならぬと思うのであります。このやさきにレートの一本立てによりまして、非常な打撃をこうむりまするので、この打撃をどう切り拔けて行くか、養蚕家の失望しないように、せつかく今対策を研究いたしておるわけであります。近くこの問題につきましても、皆樣に発表する機会があろうと存じますが、こういう面に蚕糸局としての行政の方針を持つて行きたい、かように考えておるわけであります。
○深澤委員 御意見は拜聽したのでありますが、為替レートの決定によりまして、終戰後において桑園をつくつたところの養蚕農民が、非常な失望をして、一体これで養蚕ができるかという不安にかられておるのであります。われわれも現在の價格においては、おそらく養蚕農民が生産に対して熱意を持つことは、はなはだ困難であろうというぐあいに考えております。それにまた対應いたしまして、中小の製糸関係におきましても、その業態が非常なる困難な事情に遭遇しておると思うのでありますが、これに対しまして、近いうちに成案を得るというようなお話でありまするが、はたして養蚕農民の生産意欲を満足させ、それから中小企業の製糸家をして、十分その業務に打込むことができるような対策があられるかどうか、そういうことについてひとつお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 はなはだむずかしい御質問でありますが、御承知の通り、政府は先に蚕糸業五箇年計画というものを樹立いたしたのでありまして、桑園の増加、從つて産繭の増加、そうしてこの繭を処理する製糸設備の増加、こういう面につきまして計画を立てたのであります。ところが製糸設備というものは機械設備でありますので、この五箇年計画がすみやかに達成できたのであります。しかるにこの原料であるところの養蚕の方が、食糧事情等の問題もありましたが、桑園の復興が遅れ、また反当りの收量につきましても、計画通り進んでおりませんけれども、製糸機械の設備は一歩も二歩も先んじて完成いたしたのであります。これが今日の蚕糸業の状況であることは、深澤議員も御承知くださると思うのであります。この場合に製糸がどうして経営されておつたかと申しますと、これは統制をいたしまして、五千六百掛の繭を買上げて、そうしてそれによつて製糸はこれだけの生産費がかかる、そうしてそれからこれを賣る場合においては、これだけの價格によつて賣らすという、いわゆる原料から販賣までが一つの統制の基準に乘つて参つたのであります。しかも先ほど申しましたように、原料が非常に不足いたしまして、御承知の一かま当り六百目、七百目ひけるところの製糸機械の能力に対して、二百目か三百目くらいしか原料がない、こういうふうな事態で、今日経営いたしておりまするから、そこに不合理経営となりまして引合わない、生産費が高くかかる、こういうふうな悩みがあるのであります。今日養蚕がぐんぐん進んで参りまして、産繭が増加いたして参りますれば、製糸の工程におきましても、眞に合理化されまして、生産費を切り詰めることができるというようなことにもなるのでありまするが、御承知の通りの産繭がまだ反当り八貫目か九貫目くらいにしか上昇いたしておりませんために、原料不足ということになつて來るのであります。今政府の直面いたしております問題は、為替レートの切下げによりまして、五千六百掛の生糸をひいた滯貨が、ここに三万俵ほどあるのであります。この滯貨生糸をどう処理して製糸家の損失を緩和してやるかという問題に第一突き当つておるのであります。次の問題は、製糸家が原料繭として持つておる繭は、五千六百掛の掛目の繭を持つておるのであります。この原料繭は、おそらくことしの六月、七月くらいまでには製糸の原料として使用されるものでありまするが、さてこの五千六百掛として買い込んだところの原料繭を、三千六百円のレートによつてどうしてこれが引合うか、しかも輸出は近ごろアメリカにも滯貨いたしておりますので、思うような輸出ができておりませんとすれば、これを國内に使用せなければならぬという問題が起つて來るのであります。これは第二の解決せなければならぬ問題であります。 次には養蚕農家が五千六百掛ということを考えて、すでに生産の工程に入つておる。近く春繭の生産も見るというような時期でありますので、養蚕家に対しまして、予想を裏切られた失望をどうしてまかなつて行くかというこの三つの問題に今日直面いたしておるのであります。今政府はこの問題につきまして、第一の問題を解決し、第二の問題を解決し、さらに第三の問題を解決いたすように、いろいろ研究を進めておるわけであります。しかし今日九原則に基きまして、輸出を第一義といたすことになつたのでありますが、向うが買わなければ、いかに輸出をするところの絹糸がありましても賣れないのであります。そうしますれば、これは生産費を下げて行くということにより道がないのでありまして、生産費を下げて行くということについては、製糸工程においての合理化によりまして、これを相当に整備するということも考えられるのであります。先ほど申しました通りに、原料が第一に不足いたしておるのであります。それでありますから、ここに統制を撤廃いたすというようなことをかりに予想いたしますならば、製糸企業の上におきましては、相当の出血を見るのではないかということも予想されるのでありまするが、これも今日の為替レート一本立てに対する産業の犠牲として、あるいはやむを得ない現象ではないかと考えるものでありますが、できるだけその出血を少くしようというので、資金等の面につきましても考慮を拂つておるのであります。具体的に申し上げることのでき得ないことは残念でありまするが、この三つの問題の解決に、全力を蚕糸当局とともにやつておるようなわけであります。
○深澤委員 その次にお伺いしたいのは食糧廳の問題であります。御承知のように、食糧廳は年間五千億に上る特別会計の上にたつて運営いたしているのであります。さらに本年度は独立採算制が採用されまして、その運営については相当責任が重いと思うのであります。ところがこの食糧廳の内部部局を見ますると、総務部、食糧部、食品部というものはありまするが、最も重大なる予算をもつて運営しておるところの食糧廳に、一体経理部をどうして廃したのか、從來食糧管理局時代はあつたようでありまするが、今度独立採算制をとりまして最も経理部の必要性を痛感するときに、どうして経理部を廃止されたのか、この点についての御意見をお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 経理部の存置につきましての御意見でありましたが、経理部を置けば形式的には完全するわけでありまするが、外局等の他の関係等もありまして、総務部において、この経理部のやつておつた仕事をやつて行くということにいたしまして、三部制をとつたわけであります。
○深澤委員 それからこの食糧廳の運営は、食糧を生産する者とそれを消費する者との関係において非常に重要であるのでありまするが、この食糧廳の機構の上において、相当の人員整理が行われるというような話を聞いているのであります。これは定員法が出ますので、その際における論議にもなりましようが、定員法は内閣委員会においてやられるので、われわれの意見を申し述べる機会がないと思うのでありまして、この際お伺いしたいのであります。現在うどんやうどん粉、精麦、精米等の食糧檢査が行われているのでありますが、実情といたしましては、人員不足のためにその檢査が品物の三〇%をやることによつて済まされておるというような実情があるのであります。先ほど大臣が言われましたように、人員を整理しても、その人々の能率増進によつて問題が解決するのだというような御意見でありますが、実際において、食糧檢査の場合においては、製品の三%程度の檢査によつて全体を檢査したということになつているのでありますが、こういうような関係におきまして、消費者もあるいは生産者も正当な檢査を受けていないということが言えるのであります。從つてこの人員の不足という問題から、食糧問題の上に大きな影響があるようでありますが、この点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、小川原委員長代理着席〕
○森國務大臣 食糧廳の末端であります檢査事務でありますが、今お述べになりました精粉であるとか、あるいは精麺等の加工品の檢査は、大体一つの規格によつて生産されるのでありまして、一々これを細密にわたつて檢査するのが当然でありますけれども、その生産の工程の状況から考えまして、大量檢査もあえて——これは十分ではありませんけれども、不当ではないと考えるのであります。ただ困りますことは、米であるとか麦であるとか、あるいはいも類等の檢査であります。これは大ざつぱな大量檢査もできませんので、十分なる檢査をしなければ、消費者に迷惑を來すのでありまして、この点に対しましては、末端において相当の苦心をしてくれておるのであります。ことに今日は代金の清算が末端の事務取扱いのうちになつておりますので、場合によりましては、最盛期においては徹夜しなければ精算ができないというような苦労もされることを承知いたしておるのであります。この事情をよく承知いたしておりますので、今回の整理につきましても、できるだけ末端には及ばないようにいたしたい、かような考えを持つておつたのでありますが、いずれ各省定員法の問題において御審議を願うことと存じますが、農林省の本省関係、それから外局関係というものは、定員が分離されていたのであります。食糧廳は幾ら、水産廳は幾ら、林野廳は幾ら、本省は幾らというふうに定員が外局と本省と分離されまして、省内における融通がきかないという窮屈な定めになりまして、非常に行政面に支障を來すような向きがあるのではないかということを心配いたしておるのでありますが、できるだけ先ほども申しましたように、事務を簡素にいたしまして、いたずらなる統計を依頼するとか、あるいはいたずらにではないまでも、複雜なる調査をさすとかいうことを今後省略いたしまして、ほんとうの仕事に專念してもらえるように行政事務の簡素化をはかつて行きたい。かように考えておるわけであります。
○深澤委員 非常に長い時間をお借りしたのでありますが、最後にもう一点お伺いしたいことは、先ほどほかの委員からも質問されたようでありますけれども資材調整事務所の問題であります。これは指定生産資材の関係もありまして、縣に移管するとか、あるいは食糧事務所に移管するとかいうような方法をとられているようであります。しかもその移管される方針といたしまして、われわれといたしましては十分納得が行かないのでありますが、八月三十一日に廃し、但し府縣に委讓の困難なるものについては、なお当分の間食糧事務所で所掌せしめるという場合に、当分の間というのはまことに不安定な見通しでございまして、こういうような状況において農村の必要とする重要物資が扱われるということは、農民にとつては非常に不利益であるというふうに考えるのであります。 〔小川原委員長代理退席、委員長着席〕 われわれといたしましては、資材調整事務所を存置いたしまして、十分にこれを農村のために役立てるということが妥当であると考えるのであります。 なお最後に申し上げたいことは、各地方の食糧事務所等からこの人員整理の問題につきまして電報が参つております。大臣の出身地であられる滋賀縣からも参つておるようであります。つまり食糧事務所、農林省関係等の人員整理によりまして、食糧の供出関係あるいは配給関係に非常に困難な事態が出て來るというような趣旨であります。この問題については、定員法の方の問題でございますが、いたずらに國家の予算を節約することによりまして、人員を減らしましても、その結果はかえつて逆に大きく食糧その他の問題について、國家といたしましても、國民といたしましても、損失を招くというような結果になるのでありまして、われわれといたしましては今日食糧問題の重大性を考え、さらに日本農業をもつと育成発展させなければならない今日の段階においてその指導の面にあたる農林省の人員をいたずらに整理することは、決して日本の経済再建のためでないということを申し上げまして、私の質問を打切りたいと思います。
○森國務大臣 資材調整事務所を残した方がいいではないか。みんなが困るではないかという御意見でありましたが、本來政府といたしましては、資材調整事務所はこれをすべて地方自治体に移管いたしたいというのが原則であります。しかしながら今ただちにこれを地方自治体に移管するということはでき得ない事情が、その取扱物資等にあるのであります。それでとりあえず廃止するという原則ではあるが、どうしてもこれが地方事務所に移管されるものは、当分これを食糧事務所において取扱かつて行く、こういうことにいたしておるのでありますが、当分の間というような茫漠とした頼りないことでは困るというお話でありますが、これは今どれどれを統制をはずしていいか。あるいはこれこれを地方自治体に移管していいかということを、せつかく檢討を加えておるのでありまして、それがいつまでに必らずできるという、はつきりした日数が定りませんので、当分のうちということに規定するよりいたし方なかつたのであります。なお食糧事務所の末端に対して、そういうふうな人員整理をした場合においては、食糧問題が非常に心配されるのではないかというような御意見でありました。御承知の通り食糧公團によりまして、食糧の配給等の仕事をやつておるわけでありますが、食糧公團の整理もいずれやるのでありますけれども、末端配給については整理から除外されておるのであります。人員を整理したがために、その食糧配給が消費者に非常な迷惑を來すというようなことがあつたらたいへんなことになりますので、さらにこれを充実いたすような氣持をもちまして、この整理の面から除外をいたしておるのでありまして、配給等につきましては、決して心配をしていただくことはない、かように確信いたしておるわけであります。
○齋藤委員長 竹村奈良一君。
○竹村委員 私ほかへ行つておりましたので、大体深澤君からいろいろ逐條的なお話があつたと思いますので、総体的なことをお伺いしたいと思います。 この農林省設置法というものは、おそらく農林行政の根幹をなすものであると私は考えておるのであります。從つてこれによつて農林行政というものは円滑に行くのだ、こういう農林大臣のお考えで、こういうものを出されたと私は思うのですが、農林省にとつて農林行政の一番根幹をなすところのこの設置法を、内閣委員会にまわされたという理由を承りたいということと、それからもう一つは、これによつていわゆる森農政なるものが十分やつて行けるお考えだと私は思うのですが、そういうお考えで、これによつてやるならば、今日の農林行政というものは十分やつて行けるというお考えであるかどうか。これをまずお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 内閣委員会になぜ出したかという御質問でありますが、これは議院運営の方式によりまして、内閣組織法のすべてのものが内閣委員会に御審議を願うことになつておるのであります。特に農林省と関係がありますので、今日のように合同協議が行われておるようなことと存じております。農林行政をこんな機構においてやる確信があるかという御質問でありましたが、私は皆樣がこの農林省設置法案を御可決くださるならば、この設置法案に基きまして、はなはだ微力でありますけれども、農林行政をこの組織のもとに遂行いたして行くという確信を持つておりますことを、お答えいたしておきます。
○竹村委員 それではお尋ねいたしますが、この設置法によりますと、協同組合を育成強化するという面については、先ほど來質問があつたかわかりませんけれども、非常に縮小されておる、これによつて協同組合がはたして十分育成できるかどうか。今日協同組合は少くとも農民の自由な意思によつて、自由に発展せしむべきだということを言われておりますけれども、それができない。まだそこまで農民は民主的に、自分の組合を自分でつくつて行くという考え方が徹底していない。その証拠には、本日農林委員会へ提出されましたいわゆる協同組合法の改正法を見ましても、それが今まで自分の敵対的な反対の立場にあるものを役員に入れないというようなことを、農民自身がきめずして、少くとも法律によつて規定しなければならないほど、農民が民主化されていないという現実において、協同組合の育成指導というものについて、この機構を縮小されても、しかもまた協同組合におきましては、いろいろな面において実際協同組合に保障されておる、たとえば農民に與えられた十六原則によつて保障されておるいろいろな業務というものが、いろいろな形において事実の面においては非常に圧迫をこうむつておる現状であるのでございます。そういう場合において、こういうように、これを育成する課を縮小されて、はたしてやつて行けるかどうか。この点をお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 その点はたびたび御質問がありましてお答えしたわけでありますが、この機構において十分やつて行ける確信を持つております。
○竹村委員 やつて行けるとおつしやいますが、それではこれは先ほどから質問があつたかもわかりませんが、たとえば報奬物資あるいは農村衣料の問題についても、現在あのような状態で協同組合に渡つていない。そういう問題も早急に解決されるかどうか、そういう点をお尋ねいたしたい。それからもう一つは、おそらく問題が出盡しておると思うのですが、たとえば先ほど深澤君が申しました資材調整事務所の廃止の問題でありますが、あれは府縣に委讓するとおつしやいますけれども、あの統制物資の中には委讓のできないような統制物資が非常に多い。この問題についてもし廃止した場合には、どういう部面でどう処理されるか。今研究中とおつしやられればそれまででありますけれども、おそらく一年間延ばさずしてわずかの期間延ばすというのには、何か考えがあるに違いない。今現に委讓するとおつしやいましたけれども、今委讓できないものがある。こういう面をどういうふうに解決されるか。そういう点を一つお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 資材調整事務所で取扱つております物資で、どうしてもできないという、お説のような次第でありますが、そういうものは、食糧事務所に資材調整の部を設けまして、そこで取扱つて行く方針を持つております。 なお協同組合に対するいろいろな仕事が、まだ未解決ではないかというお話でありますが、これは部を持つたから、その問題が早く解決する、部がないから、その問題が解決しないという問題ではないと思つております。今おあげになりましたような資材等の取扱い物資に対しましては、目下極力これを実現するように、推進いたしているわけでありますから、さよう御承知願いたいと思います。
○竹村委員 それでは食糧廳に配給できない品物をまわす、そうしましたら、この食糧廳の規定を見ますと、ここには総務部と、食糧部と、食品部というような部が設けられております。経理はもちろん、総務課かどこかでやられるだろうと思いますが、そういう所でやられても、米、麦その他でいろいろ困つているところへ、そういう物資を押しつけて持つて行く、しかもそこにはおそらく特別会計で扱うのが五千億以上も越えているということを考えなければならぬときに、経理に対する專門の課を置かないというようなことになつて來て、はたして経理方面ができるかどうか、おそらく私はできないと思うのですが、これでやれるかどうかという点を、ちよつとお伺いしたいと思います。
○森國務大臣 それは決して御心配くださらなくとも、やり得るとこつちは確信を持つているわけであります。
○竹村委員 農林大臣一人の確信では、われわれ非常に困るのであります。これはやはり國民の重要な、毎日の食糧を扱う所ですから、そういう所の人員を整理すれば、ほかの今まで扱つていないものを扱うことになる。それから経理の方面は、別に総務部で扱うということにやられても、もし一朝そういう物資を腐敗せしめたり、配給の面で遅配欠配を起したり——そういうことは確信はおありになるでしようけれども、確信が間違つたら、あるいは農林大臣一人じやなしに、國民全体が迷惑することになるのであります。私はあえてその問題を問題にしているのですが、こういうような面で、こういうことをやらないでも、もつとほかにやるところがあると思うのです。それでもなお確信があつて、この部にやらせるというならば、その場合において、もしかんしよその他の面において腐敗を起したり、あるいは損害を起したり、あるいは経理を間違えたりするというようなことが、実際においてこういうふうに縮小した結果起るかもしれない、それを経理官を置かなくてもやれるとおつしやつただけでは、安心できないのであります。これに対してもしそういう弊害が起つた場合には、どういうふうにされるのか、改正されて、また経理局でもお置きになるというお考えがあるのか、その点をお聞きしたい。
○森國務大臣 心配すればきりのないことでありますが、食糧事務所でそういう事務を取扱うにつきましては、これは縣に移管いたしましても、食糧事務所に一部併合いたしましても、仕事と人間はついて行くのでありますから、決してさような御心配はないと存じております。
○竹村委員 それではもう一つお伺いしたいのですが、大体これでやられると、現在の人員を配置轉換いたしまして、なおどれだけ失業者を出さなければならないのか。どれだけ整理されるのか。その人員をひとつ明らかにしていただきたいと思う。
○細田説明員 これは定員法の内容になりますけれども、数字を申し上げてみますと、大体整理をされます人数は約二万人ばかりであります。大体現状の予算定員の二割近いものが整理されるということになるのでありますが、ただこれは一應予算定員上二万人近いものが整理をされるということでありまして、そのうちには、御承知の定員はありましても、現在大体欠員というものが相当あるわけであります。これが地方末端に至るまでたくさんありますが、現状の正確な数字が得られておりませんので、いわゆるほんとうに血の出る整理なるものがどのくらいになるかという、はつきりした数字は現在においてはまだ出ておりません。
○齋藤委員長 竹村君にちよつと申し上げますが、大臣は四時半にどうしても行かなければならぬところがあるらしいので、まだ十分ありますが、そのつもりで願います。
○竹村委員 現在二万人くらいのうち、血の出るのははつきりわからぬ、こういうお話ですが、失業に見舞われるという人に対して、大臣は一体どういうふうな失業対策とどういうような方法をもつてこの人たちの生活を安定して行こうとされておるのか。この点を伺いたい。
○森國務大臣 失業対策につきましては、政府において相当の計画をもつて、ことに労働省所管といたしまして、これらの対策を考えておるわけであります。轉換配置等のことも考えられるでありましようし、また土木事業等の問題も考えられるのでありましよう。それはその当該者の家庭の事情等によりましておのずから定まるものと考えるのでありますが、今度の整理した者すべてが必ず失業するとは考えられませんので、その整理した人に対する実情について、できるだけ考慮を拂つて行きたい。かように政府は考えておるわけであります。
○竹村委員 できるだけの考慮だけではどうも安心ならぬので、実際首を切られるという身になつてみれば、はつきりした見通しを聞かないと、できるだけ心配してくれる、そのうち何とかしてくれるだろうでは生活はできない。それで大体失業者に対しては、できるだけほかに仕事を見つけるというふうに言われますけれども、見つからない場合においては、手当をどのくらい出すかという点もはつきりしてもらいたい。それからできるだけのことをしたいという配置轉換の場合、どういう方面に向けられるかという点もひとつお聞かせを願いたい。
○森國務大臣 退職給與につきましては、いずれ定員法と一緒に御相談を申し上げることと存じまするが、まだ関係方面との折衝、あるいはまた予算関係等もありますので、はつきり申し上げられません。しかもまたどの方面へどういうようにして、これを轉換するかというようなことも、今具体的に申し上げられぬことを御承知願いたいと思います。
○竹村委員 それでは政府の方では、整理する方ははつきりしたけれども、失業対策あるいは手当等についてはまだ未定だという、実に無責任きわまることをやつておられるというように解釈してよいですか。
○森國務大臣 解釈は御自由でありますが、定員整理に対しましては、その整理に対してどういうふうな手当をするか、それはともにあわせて提案するつもりであります。
○齋藤委員長 これで質疑の通告者は全部発言を終りました。他に御質疑のある方は願います。
○木村(榮)委員 三十四條に表が出ておりまして、その中央に中央農地委員会議というのがございますが、そこに「農地調整法その他の法令によりその権限に属させた事項を処理し、及び農地に関する重要事項を調査審議すること」となつておりますが、中央農地委員会その他農地調整法関係に規定されました各縣の農地委員会の、今まで持つておりました権限といつたようなものに対しての変更をなさる御意思は、今のところないわけでございますか。
○細田説明員 これは名前がかわりましたけれども、内容については全然現状を変更する考えはございません。
○木村(榮)委員 そういたしますと、この委員会は組織法の第八條に書いてございます「審議会又は協議会」というこの條項によつて大体御決定なさつたものである、かように解釈してさしつかえございませんか。
○細田説明員 その通りでございます。
○木村(榮)委員 そういたしますと、「諮問的又は調査的なもの等第三條に規定する委員会以外のものを云う」ということに活弧してなつていますが、この「等」というのを入れたのは、当時、組織法をこしらえますときに、労働委員会と農地委員会と二つあるので、これを合法的に存置さすために、すなわち大体この二つの目的のために「等」を入れた大きな含みがある。かように当時の政府側の答弁だつたのですが、そのことを御勘案の上今の農地委員会の制度をそのまま存続された。この点はさように解釈してよろしゆうございますか。
○細田説明員 その通りです。
○齋藤委員長 それでは連合審査会はこれで散会いたします。 午後四時二十九分散会