内閣委員会人事委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/05/14
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 本日は行政機関職員定員法案につきまして、内閣委員会と人事委員会との連合審査会であります。内閣委員長でありまする私が委員長の職務を行います。まず政府の提案理由の説明を求めまして、続いて質疑に入りますが、質疑は通告順によつてこれを許しますから、あらかじめ御通告を願います。それではこれより政府の提案理由の説明を求めます。
○本多國務大臣 ただいま提案になりました行政機関職員定員法案の提案理由について御説明いたします。 御承知のごとく國家行政組織法が施行になりますと、これに基いて各省各聽の組織及び定員を法律で定めることになるのでありまして、政府はこの機会を絶好の機会として、行政機構の簡素化と職員の縮減とを行い、多年の懸案であり、かつ國民の輿論でもありますところの行政整理を断行せんことを期し、各省各聽の設置法案はすでに御審議をお進め願つているのでありますが、ここにこの行政機関職員定員法案を提出した次第であります。 すなわちこの法律は、國家行政組織法に基く各行政機関、すなわち内閣の統轄のもとにおきまする総理府、法務府、各省及び経済安定本部の職員の定員を定め、政府はここに定められました定員の数にまで、職員の数を本年六月一日から九月三十日までの間において逐次整理するものとし、これに必要な事項を定めたものであります。以下その大要について御説明いたします。 まず各行政機関の職員の定員の定め方でありますが、この法律は本府または本省と外局とを区別いたしまして、そのおのおのに置かれる職員の総定員を定めております。しこうしてこれらの行政機関の内部部局、地方支分部局及び附属機関別の定数は、右のおのおのの総定員の範囲内で、各大臣が行政事務の実際に應ずるよう適切に定めることといたしております。各行政機関の所定員は第二條に列挙しておる通りでありますが、この新定員の算定の決定にあたりましては、昭和二十四年度予算の査定における標準予算定員に対し一般会計三割減、特別会計二割減を目途とし、これに各省各聽の事務の実情を詳細に勘案して、最も合理的な数に決定したのであります。この新定員決定の基礎につきましては、それぞれ主管大臣より御説明をいたすこととなりますが、その総計においては八十七万千二百七十九人となり、これを旧定員に比較いたしますと、本年度予算において認められた新規増員を含めて約二十四万人の減員となり、これにより現実に退職する職員の数は、約十七万人前後となる予定であります。 以上の整理に際し必要な事項は、附則の各項に定められているのでありますが、その主要な点は次の通りであります。 まず地方自治法附則第八條の規定に基き、都道府縣に勤務しております政府職員の新定員は、地方自治法の建前から、地方自治法施行規程で定めることが適当でありますので、同施行規程の定めるところに讓り、その新定員を越える職員の整理については、一般政府職員と同じに取扱うことといたしました。 次に御承知のごとく、國家公務員法は職員に対してその意に反して免職せしめる等、不利益な処分を行つた場合には、その職員は人事院に対してその審査を請求することでできる旨の規定を設けているのでありますが、今次の整理を円滑に行います上には、この審査請求に関する規定は適用しないものとする必要があるのであります。 次は日本專賣公社及び日本國有鉄道の職員の整理に関してであります。御承知のごとく、本年六月一日より右の両公共企業体が発足することとなるのでありまして、大藏省及び運輸省の職員の担当部分が、右の両公共企業体に移管されることとなるのでありますが、この職員についても整理を行う必要がありますため、特にその定員を定め、一般政府職員の整理と同様の方法で整理することといたしました。しこうしてこの場合、公共企業体労働関係法によりますと、職員の免職等の事項は團体交渉の対象とし、これに関し労働協約を締結することを妨げないこととするとともに、これに関する苦情は、苦情処理共同調整会議が解決することと定められているのでありますが、この規定も今次の行政整理には適用しないことといたしました。 最後に今次の行政整理により退職する職員については、その退職後の生活を保護するため、十分なる退職手当を支給すべきことはもちろんであり、政府は他の失業対策とともに、この問題についても深甚なる考慮を拂つております。但し現下のわが國の経済、財政状況のもとにおきまして、退職手当の金額につきましても、本年度の均衡予算のもとで決定しなければならぬこともまた認めざるを得ないのであります。よつてこの法律は附則第十一項におきまして、退職手当についての根本方針を定め、その具体的規定は政令に讓つておるのであります。 以上がこの法律案の内容の大要でありまして、政府は確固たる決意のもとに今次の行政整理を行い、もつて現下のわが國力に相應する適正なる行政機構の規模を定め、この新たなる規模のもとにおきまして、能率的なる行政事務の遂行に万遺憾なきを期したいと考えております。 何とぞ政府のこの決意を了とせられ、愼重御審議の上、すみやかに御議決あらんことを希望いたします。
○齋藤委員長 これより通告順によつて質疑を許します。成田委員。
○成田委員長 ただいまの本多國務大臣の定員法の提案理由の説明を開きますと、退職者の生活保護のために、退職手当については十分の考慮を拂わなければいけないというお話があつたと思いますが、最初私たちが新聞紙上で承知いたしておる範囲におきましては、政府は四箇月の退職手当を出すということを考えられておつたらしい。ところがそれが三箇月に切下げられた。またきようの朝日新聞だつたと思いますが、その報道によりますと、これは非常に喜ばしいことと思いますが、六箇月とか七箇月に増額されるという報道があつたように思います。現在政府においては、大体何箇月くらいの退職手当を出される御方針ですか。
○本多國務大臣 ただいま御説明申し上げました通り、二十四年度の予算の範囲内におきまして、でき得る限り退職者の立場を考慮してこれを決定いたしたいと思いまして、ただいま立案中でありますが、大体の政府の意向は、ただいままとまる過程にございます。ただこれを発表いたしますまでには、関係方面等の了解も必要でありますので、まだここにその数字を明らかにすることはできませんが、大体從來の例を尊重いたしまして決定いたしたいと思つております。新聞によく傳わつております三箇月、四箇月、ことに朝日新聞に出ております六、七箇月と言われるのは、全部の、勤務年数の短かい人、長い人をひつくるめて平均したものではなかろうかと思いますが、平均したものでありましたならば、その程度になるであろうと思つております。
○成田委員 平均すれば六箇月あるいは七箇月になる。そう了解してよろしいのでございますか。
○本多國務大臣 そうです。
○成田委員 次に政府の今回の行政整理の方針は、私たちはそうは思いませんが、多過ぎる官吏の整理によりまして、日本の財政のがんになつております人件費を節減することでそのねらいの一つであると、そう承知しておるのであります。それでは大体その退職手当の金額もきまりましたし、現在失業対策費として二十四年度の予算に組まれておる金額もきまつておりますが、今回の整理によつて、大体どのくらいの人件費の節約、経費の節約ができるのか、お答え願いたいと思います。
○本多國務大臣 お話の通り、人員が大体見通しがつきましたことと退職手当の方針も大体の案ができましたので、その計算は大藏省において急速にただいま調査中でございます。これは別な機会に大藏大臣から説明していただいた方が、予算の点は間違いがなくてよろしいと思いますので、その方からお聞きを願いたいと思います。
○成田委員 大体の金額を、目途でよろしゆうございますが、おわかりになりませんか。
○本多國務大臣 わかりません。
○成田委員 それでは退職手当については、ちよつと留保しておきます。
○有田(喜)委員 先ほど國務大臣は從來の退職手当の例を尊重してやるというお話でしたが、普通の場合とかような行政整理の場合とは趣を異にしておつて、特別の行政整理の場合には、普通の退職手当のほかによけいなものが出ておつたのが從來の例でありますが、さようにおとりはからいくださることと確認していいでございましようか。
○本多國務大臣 お話の通りでありまして、一箇年を給料の半箇月分にだんだん加算して行くのが普通退職の場合でありまして、特別の場合にはその十割を加算する。つまり倍という從來の方針を尊重して行きたいと考えております。
○有田(喜)委員 そのおぼしめし、けつこうでございまして、私も賛成なのでありますが、ただ氣にかかるのは、予算の範囲内云々ということでございます。予算の範囲内ということは、おそらく人件費の範囲内と狹く解釈すれば、さような財源は困難であると思う。もう少し廣い意味に解釈してしかるべきだと思うのであります。ことに今回の行政整理は異常なことですから、さように多少廣い幅に考えていいと思うのでありますが、政府の御見解はいかがでございましようか。
○本多國務大臣 この予算の移用の範囲につきましても、実は主管大臣からお聞き取り願つた方が、確かなところがわかるのではなかろうかと思つておりますが、大体基準を決定いたしますと、それだけの退職手当はどうしても支出を要することになつて参ります。それが人件費の範囲内で処理できるか、さらにもう少しほかの費目にも流用の範囲を廣げて行かなければならぬかということになつて來るのでありますが、その辺の点につきましては、きまつただけの退職手当はとにもかくにも二十四年度予算の範囲内において調整して拂うという方針で進めておりますので、必要なる程度の移用を行わなければならぬと考えております。どの程度まで行くのかという点については、私どもとしては今のところ申し上げかねますが、この点についても、大藏大臣からでもお聞き取りくださればその範囲がわかろうと思います。
○有田(喜)委員 大藏大臣もけつこうでございますが、しかしこの行政整理をやつていらつしやる主管大臣である本多國務大臣が、むしろ積極的に大藏大臣と折衝して、そうして今私たちの希望するところの要望を達してもらうようにしてもらいたい。單に大藏大臣云々で逃げられずに、法律整備の解釈は一應切り離しておるということになつておるのでありますから、もちろん予算の調整の問題もございましようが、しかしそこは主管大臣として力強く御折衝を願いたいと思います。
○本多國務大臣 お話の通り、私どもとしましてはでき得る限り廣く、流用等も予算の上において調整を行つて出すようにいたしたいということで、その方針は決定いたしておるのでございます。
○成田委員 引続いて本多國務大臣にお尋ねいたします。ただいまの御答弁で、最初の政府案でありますれば三箇月あるいは四箇月が、平均六箇月あるいは七箇月に上つたということは非常に喜んでいるのであります。しかし退職手当というものは、被解雇者が新しく職を見つけるまでの生活のつなぎ資金でなければいかぬと思います。御承知のように、現在非常に就職難のときに、半年あるいは半年余りで新しい職が見つけられるかどうか。そういう点から考えましたならば、六箇月あるいは七箇月でも少きに過ぎると考えるのでありますが、その点について本多國務大臣はどうお考えですか。
○本多國務大臣 これにつきましては、さいぜん申し上げました通り、從來の例もありますので、それを尊重してやるという方針になつておるのでありまして、失業の期間が二年、三年、もつと長期にわたるということを予想して、それだけの間生活ができるだけの退職金ということについては、そこまでは考慮いたしかねております。
○成田委員 最初この退職手当の規定は、定員法に規定する方針であつたと思うのでありますが、それが関係方面との折衝の関係もあつて、政令にゆだねられた。このために前の内閣委員会の審議のときも、この定員法を上げるまでには、ぜひとも具体的に退職手当の額を決定したいという御意見があつたのでありますが、もし具体的にきまりましたら、それを法律に規定する御意思があるかどうか。政令というものは一應非人情的なものであります。必ずしも政府のやることを信用しないわけではありませんが、これを法律に規定しまして、権利義務の関係をはつきりしていただくという御意思がないかどうか、お伺いいたします。
○本多國務大臣 関係方面との了解がつきましたならば、本日にもこれは委員会に御説明申し上げたいと思つておりますが、御承知のように附則に原則を定めまして、その内容にお示しいたしますけれども、政令にするということに決定いたしておりますのでこの方針をただいまのところ変更する考えは持つておりません。
○成田委員 次に淺井人事院総裁にお尋ねいたしたいと思います。 人事委員会でこの行政整理の問題が取上げられましたときに、淺井人事院総裁は、今回の行政整理はまつたく科学的な根拠からやるのでなくして、政治的な行政整理なのだ。人事院としてはこれに関與しない、責任を持たないという意味で、全然これには関與されない方針だつたいとう御意見を承つておるのでありますが、現在においても、この方針はかえておられないかどうか。
○淺井政府委員 お答え申し上げます。科学的と申す言葉の意味でございますけれども、要するに人事院が担当いたしております人事行政の立場から申しますれば、一体何人が余つて、何人人が足りないかというような問題は、職階制の完成を前提といたすわけであります。もとより人事院といたしましては、職階制の完成の一日もすみやかならんことを欲して努力いたしまして、すでに一應職階法の草案を完成いたしたのでございますが、これはこの会期中に間に合いますかどうかはわからないのでございます。こういう状態でございますから、人事院のいわゆる人事行政の立場から申しますれば、一体政府に何人人が余つておるかということはちよつと申し上げる立場にはなく、また政府部内におきましても、人事行政上のきわめて完全な人事記録というものは、まだ國家公務員法の命ずるようには存在しておらない現状でございますから、このたびの行政整理におきまして、一体行政整理をやるべきであるか、やるべきでないか、もしやるとすれば何人やるのであるかということは、國会及び内閣において御決定いただきたい。こういうふうな考えを持つておるということを申し上げたのでございます。
○成田委員 この問題に関連いたしまして、これはわが党の松澤委員並びに私が人事委員会で質問いたした点でありますが、公務員法の第七十八條は職員の意に反した降任または免職をやる規定でございますが、この第七十八條に基きまして三月三十一日に人事院施行規則が出ました。これを今回の行政整理に適用される御意思があるかどうか。私たちは政府の考えている行政整理も、人事院規則によつて法的な裏づけをするのではないかというような心配から御質問申し上げたところ、淺井さんはつきりとこの点には御回答があつた。速記録にも載つておるのでありますが、念のために大事な点でありますから読み上げてみたいと思います。「國家公務員法のいかなる規定も、この大量の行政整理というものを予想してできた規定ではございません。すなわち國家公務員法においては、その意に反して免職された、すなわち不利益な処分を受けた場合は、人事院へ訴えて出ることができるという規定のあることは、御承知の通りでございます。行政整理において数十万人の人間がこの不利益な処分を受けるということになれば、ことごとく人事院へ訴えて來た場合は、これは何年かかつても、とても審査のできるものではないと存じます。すなわちこれは國家公務員法が、そもそも基礎において、行政整理というようなことを考えていなかつたということの証拠になるだろう…」云々という御答弁をなさつておるのでありますが、内閣委員会で私この点本多國務大臣にお尋ねいたしました。ところが今回の定員法においては第七十八條が発動されている以上、当然第七十八條によつて、意に反した降任、免職をやるのだ、第七十八條の適用が当然これにあるのだという御説明だつた。私から申し上げるまでもなく、この國家公務員法並びに人事院規則の適用というものは、人事院総裁の責任においておやりになる。その当面の責任者が、この第七十八條の適用をしないというお考えを持つているにかかわらず、本多國務大臣の方では当然適用があるということは、まつたくの矛盾であります。本多國務大臣の御意見というものは違法のお考えではないかという考えを、私は持つておるのでありますが、これについて人事院総裁のお考えを承りたいし、また本多國務大臣の御意見を承りたいと思います。
○淺井政府委員 今回の行政整理については、法律の根拠を持つております。すなわちただいま御審議を願つておりますところの法律の中に、整理ということがはつきり書いてございますから、これが今回の行政整理の第一のよりどころになると存じます。人事院としては、さいぜん成田さんの御質疑にありましたように、第七十八條に基いて出しました人事院規則を、今回の行政整理に適用するという意向は、全然持つていないと私の申しましたことを、ただいま変更する意思はございません。從いましてもし今度の行政整理に関しまして——これはかりにでございますが、かりに人事院規則の制定等の必要がございましたならば、この第七十八條の第四項における人事院規則はこれを停止いたしますか、あるいは廃止いたす決心でございます。
○成田委員 ただいま淺井人事院総裁がこの定員法にその規定があると言われたのでありますが、私の解釈では、この定員法に規定はないのであります。と申しますのは、この定員法の附則の第六項、第七項に、日本專賣公社の職員については定員まで逐次整理される、あるいは日本國有鉄道の職員についても定員まで逐次整理されるという規定がありまして、これが第七十八條の規定になつておる。ところが國家公務員についてはその規定が全然ない。そこを本多國務大臣に追究いたしましたが、本多國務大臣の言われるのは、國家公務員法第七十八條の規定に基いてやるのだ、だから規定しなかつたということをはつきり御答弁になつておる。人事院総裁と本多國務大臣の御答弁の間には大きな食い違いがある。それについて本多國務大臣の御意見を承りたいと思います。
○本多國務大臣 どういうことですか、よくわからないで困つておるのですが、第七十八條の規定と今度の定員法の附則にうたつておるところと、少しも矛盾しないと思います。
○成田委員 ただいまの本多國務大臣の御答弁も何だかわからないのであります。一昨日だつたと思います。一昨日の内閣委員会で、私は淺井人事院総裁の説明をたてにとつて、第七十八條の規定並びにこれに基いた人事院規則の適用は、今回の行政整理には絶対にやらない、そういう御意見だということを私申し上げましたら、本多國務大臣は、法律が出ている以上、それを廃止する規定がなければ当然適用されるのだ、すなわち第七十八條は適用されるのだという御答弁だつたのです。ただいまの淺井人事院総裁の御意見では、第七十八條の適用はない、もしそれが適用されるようなおそれがあれば、それに基く人事院規則は廃止するというまでの強い御意見、まつたく相反した御答弁なんです。これについて本多國務大臣の御意見を承りたいと思います。
○本多國務大臣 定員を超過する人員の整理を行いますということを附則に示しましたのは、第七十八條を根拠として示したのでありまして、何ら第七十八條の精神を侵しておるところもなければ、反しておるところもないと考えております。
○成田委員 私が申し上げておるのは、國家公務員でないところの日本專賣公社とかあるいは日本國有鉄道の職員については、特に第六項、第七項で明文をもつてその定員まで逐次整理されるものだということが書いてある。國家公務員についてはそれは書いてない。なぜ書いないかということを私が御質問申し上げましたところ、それは第七十八條が当然生きておるのだ、そのまま適用されるのだ、淺井人事院総裁の御意見がどうであろうと当然適用されるのだ。淺井人事院総裁は、今回の行政整理にはこの第七十八條は適用されていないということを言つておる。そこにまつたくの食い違いがある。
○淺井政府委員 これは私からもう一度御答弁を申し上げた方が、問題がもつれないかと存じます。一体この人事院というような人事行政をやりますものが、行政整理にも関係できないということはないのでございます。それは現に國家公務員法の中にも人員減少ということがございますから、それはさしつかえないと思うのでございますが、すでに申しましたように、このような大量の行政整理というものは予想しておらない。もとよりこの人事行政が完備いたしますれば、一度にまとめてこのような整理をしなければならないというような事態が起らないことが、すでに理想なのでございます。たださいぜんのお尋ねは、今回の行政整理の第一のよりどころがどこにあるかということでございましたから、そこでこの定員法だとお答えを申し上げたのであります。これに対して成田さんは、そのような規定は國家公務員に関してはないという重ねての御質疑があつたのでございます。ところがそれはこの附則の第三項に、各行政機関の職員は、九月三十日までに、逐次整理されるものとするという規定がちやんと入つておるのでございまして、その間他と区別はございません。この整理ということは、結局その意に反して免職せられることもあろう、こういう意味でございます。 次に第七十八條に基いて出しましたところの人事院規則が、今回の行政整理に適用されるかどうかということの御質疑があつたように存じております。私はそれに対してすでに過般成田さんに申し上げましたように、今回の行政整理には第七十八條に基く人事院規則は適用しないということを重ねて申し上げるつもりでございます。すなわち今回の行政整理について、何かもしもかりに人事院規則のようなものを出すことが必要であるといたしますならば、それは別のものにいたしたいし存じております。ただこの別のものを出しますときに、どこに根拠を求めて人事院規則が出せるかと申しますと、定員法の中に人事院規則によるということが書いてございません以上は、第七十八條に形はよるほかはないと大体思つているのでございますが、もしそのような人事院規則が出たといたしましたならば、すでに出ておる第七十八條の人事院規則とは全然違つたものである、そのように御承知を願いたいと思います。
○成田委員 そういたしますと、本多國務大臣がただいま第七十八條を基準として法律で定めた、この基準という言葉は御撤回になりますか。
○本多國務大臣 定員を超過する人員を整理する、これが公務員法の第七十八條の精神でありまして、それを根拠として整理の方法を定めたのが附則でございます。
○成田委員 そういたしますと、やはり第七十八條を基準にしておる。淺井人事院総裁は第七十八條というものは行政整理に全然関係ないということになると、どうもお二人の御答弁に食い違いがあると思う。
○淺井政府委員 本多さんのお答えになりましたところと、私の申し上げましたところとは矛盾をいたしていないと思います。つまり本多さんが第七十八條でよいと言われましたのは、決して第一のよりどころがこの定員法であるという意味を否定なされるものではないのでございます。すなわち第七十八條によると仰せられましたのは、私が申しましたように、もしも人事院がこの行政整理に関し、何か人事院規則を出すとすれば、その人事院規則によるということをこの定員法に書きません以上は、その人事院規則の法的根拠は形式的に第七十八條によらざるを得ないということの意味でございます。從いまして、前に出しました國家公務員法第七十八條による人事院規則は、この場合には適用しないということは、はつきりお答えが申し上げられると思います。
○成田委員 どうも淺井さんの御意見を承りましても、実質的にはやはり第七十八條を根拠にしているという感じを受けるのであります。この点これ以上追究するのをやめまして、次にただいま淺井人事院総裁が、今回の行政整理でもし人事院として必要な措置を講ずる点があれば云々というお話でございましたが、その必要な措置というのは、この前の内閣委員会で問題になりましたのですが、整理基準の問題について触れられておる点じやないかと思うのですが、そう考えてよろしうございますか。
○淺井政府委員 その整理基準という言葉でございますが、一体整理基準があるかないかということが第一問題になろうと存じております。もし人事行政がちやんとここで完備いたしました段階に参りますれば、人事記録というものは、ちやんと各行政機関が持つておりますから、はつきりわかるのであります。ところがその道程に至りません今日におきまして、一体だれから先に首を切るかということは、なかなかその基準はむずかしいのでございます。人事院といたしましてはこの点に対して、内閣の御方針の行政整理に反対する意向は毛頭ありませんけれども、人事院にこの基準を出せという御希望も、その御希望通りにはからい得ますかどうかは、はなはだ疑問でございますが、ただ消極的な基準は二つはつきり出せると思います。それは第七十八條について出しました人事院規則の部分を、もう一ぺん新しい人事院規則で繰返すことでございます。その第一は平等取扱いの原則、第二は組合活動をしたために不利益を受けない、この二つの基準——実はこれは消極的な基準でございますが、これはもしも今度人事院規則が新たに出ますならば、前の規則とは別にもう一度繰返す考えでございます。それ以上何か出せるかということは非常にむずかしい問題で、ここでお答えいたす段階に参つておりませんから、どうぞあしからず御了承願います。
○成田委員 本多國務大臣は、整理基準の問題については、当然人事院の方で定めてくれるだろうというような御答弁があつたのであります。ただいま淺井人事院総裁の御意見を承りますと、いわゆる公平の原則と、労働組合に関係したから不利益な取扱いをしてはいけないというこの縱つの消極的な規定しか今予想されておらない。これでは今回の十七万、公称二十四万というような行政整理が、直属長官のかつて氣ままな考え方によつて行われるという危險性が相当あるのであります。淺井人事院総裁は、当然人事院総裁として、國家公務の利益を擁護する立場にある。この行政整理というものは、たとい政治自に行われましても、その技術的な面において、あまり不利益な不公平な行政整理が行われないように、はつきりした整理基準をお示しになるのが当然であろうと思う。本多國務大臣は人事院総裁におんぶしているから、ぜひともそういう消極的な規定でなしに、詳細な規定をお定め願いたいと思う。
○淺井政府委員 成田さんの御意見はよくわかつたのでございますが、その基準をどのようなところに求めまするか疑問で、はなはだむずかしいことでございますし、ことに政府案によりますと、人事院に対する訴えの道がとざされておるわけでございます。そういう場合に、抽象的な基準を出しまして、どうしてその実行を期し得るかという点が、非常に問題になつて來るのでございます。そこでこの点は非常に悩んでもおるところでございますが、今日はつきり申し上げる段階には達しておりません。
○成田委員 ただいま淺井人事院総裁が触れられたのですが、訴えの道がとざされている八十九條から九十二條の適用廃除でございますが、どうも政府のやつているところを見ますと、國家公務員法を制定するときには、公務員は國民全体の奉仕者であるから、誠実に執務しなければいけないというような規定を設け、一方公務員の利益は擁護するということになつておるのでありますが、國家公務員法に基いてどんどん適用される規定というものは、公務員を縛る方にばかり適用されておる。現に今回の行政整理においても、この公務員の身分保障の規定でありますところの八十九條、九十二條これは全然適用廃除になつておるのでありますが、これに対しまして淺井人事院総裁は、行政整理には積極的には参與されないといたしましても、行政整理の面において國家公務員の利益が侵害された場合は、当然人事院総裁としての義務として、政府に対して強い発言があつてしかるべきだと思うのですが、この八十九條、九十二條の適用廃除について、淺井人事院総裁はどういう御処置をとつたか、現在どういう御意見を持つておられるか承りたい。
○淺井政府委員 この問題は、正直なところ人事院といたしましては最も苦しんだ問題でございますが、第一に申し上げますことは、この規定は非常に重要な規定であるということは申し上げるまでもないことでございます。すなわち一方におきまして國家公務員が同盟罷業の権利をとられ、團体協約を締結する権利をとられましたその代償として、いわばここに設けられておる規定であるということは、成田さんも御同感であろうと存じます。そこでもしもできることならば、この規定を、つまり訴えの道をとざさないということは、まことにけつこうなことだと思いますし、また人事院といたしましても、そのようにしなければならないと存じますが、これを他の方から見ますと、この訴願の規定を認めましたことによつて、ほんとうに國家公務員の利益が保護できるかどうかということにつきましては、非常な疑問がございます。というのは非常に矛盾しておるようでございますが、この訴願を人事院が引受けるということは、非常に勇ましいのでございます。しかしながらさてここに数十万の訴願が一つの行政機関に集まりましたとき、しかも今回の整理に明確なる基準を人事院が出し得ないものといたしますれば、各省の自由裁量の範囲にまかされた部分が多くなつて來る。そういう場合に、その訴願をどう取扱つて、どう裁決すればいいかということは、非常な問題でございます。明治九年に士族の祿を廃止して、これを金祿公債にかえましたときの訴えというものは、明治九年から大正十二、三年ごろまでかかつておつたということは、有名な事実でございますが、非常にたくさんの訴願が一つの機関に集まりましたときに、はたしてこれをこなして、利益を擁護し得るかどうか、そういう方法で引受けて、形式的には非常に勇ましく見えますが、はたしてこの方法でほんとうに國家公務員の利益が保護できるかということは、非常に断言しにくい点がございます。でございますから、この両面からものを考えなければならないと存じておるのでございます。
○加藤(充)委員 私は今の点に関連して簡單に御質疑をしたい。結局訴願権を剥奪してしまうということについて、何か勇ましいとかい勇ましくないとかいうようなお話があつたと思うのですが、去年の十一月に行われた公務員法の改正案審議の間に、淺井さんはたいへん勇ましい発言をおやりになつたことを今覚えていらつしやるかどうか、それをひとつ聞きただしてみたいのであります。二十三年十一月十一日の人事委員会の淺井さんの発言を見ますと、これは拔き出したものですが、人事委員会の組織及び権限の強化、これが公務員法改正の主眼点であるというようなことを言つておりまして、「不偏不党、いかなる勢力の制肘をも受けることなく、嚴正公平な人事行政を行うとともに、國家公務員の福祉と利益との保護機関としての機能を果すためには、この委員会は、そのために必要とし、かつ十分な権限が與えられるとともに、あとう限りの独立制が確保されること…。」これが公務員法改正の理由の一つであるということを言つておるようであります。それからそれに関道して職務の分限、服務、懲戒、保障等に関する改正の点の説明に至りましては、「任命権者が職員の休職、免職、復職、退職等のことを行う場合には、この法律及び人事院規則によらなくてはならない」ことにしたのだ。「職員がその意の反して降任され休職され、または免職される事由を、法律及び人事院規則で定めること」にしたというのですが、今の御答弁によりますと、第七十八條に適用云々関係がどうもおかしくなると思うのであります。そしてまた給料の点、また退職金の問題、あるいは意に反したる退職の問題にも関連すると思うのであります。公務員の福祉というものは、そういう廣汎な内容を当然に包含したものだと思うのでありますが、その点について去年の十一月二十二日の人事委員会の淺井さんの発言答弁の中には、「この法案が公務員の福祉をはたして守つておるかどうか」ということについて「さいふを持つておりますところと離れた別個の機関、すなわち人事院とか、人事委員会とかいうものができまして、そこで何か合理的な給與をきめて、これを明らかにする。これに対して」云々ということを言つております。それに続いて「今のようなやり方では、從來大藏当局が給與をきめていたときと今度と、結局において違いがないじやないかというようなお尋ねでございまするが、これは現に大いに違つておると思うのでございます。もしもあれを人事委員会という独立の機関がきめませんで、大藏当局にまかしておきましたならば、結局何が合理的なる給與であるかということは少しも世間にわかりませんで、当局そろばんから出たものしかない、こういうことになると思います。」これではいれないから人事委員会の職務権限というものが強化されたのだ、だから賛成してくれ。それからそれに続いて「この身分の保障でありまするとか、不当なる処分に対するところの訴えでありますとか、そういう点はいずれもこれ國家公務員の福祉を守る手段になつているように思います。」と言われておるのでありますが、今までの御答弁を見ますと、あの新聞記者なんかといろいろなもんちやくを起して箝口令を引きまくつて、結局何が何だかわからぬような、不偏不党といいますものの、結局上からと言つては語弊がありますが、よそのさいふを持つておる所とは離れた、しかも人事院はそれに対して独立な、強固な、必要にして十分な権利を持つた独立の機関であると、たいへん勇ましいことを言つたにもかかわりませず、それと違つた官廳方面からの方針、もつとはつきり言うならば、民自党の、あとにまた質問を続けさせていただきますからきようはこれでやめますけれども、インチキな行政整理をやる方針、それを不偏不党ではなしに、それに合わして、定員法は結局準備中であるとか、あるいは完備というまでに至つていないとか、わかり切つたようなことを言いながら、それに数字を合わせて、無責任きわまる定員法の数字をただ結論的に出して來てしまつた。こういう不見識な定員法の定め方というものは、職階制とかなんとかいうことが公務員法の中心あるいは人事院の中心的な機能であるし、それを定めるということが職責になつておりますときに、そういうものと別個に、ただ結論を合せた首切り、天くだり天引き首切りということに人事院が同調しているということ以外に理解の方法がないのであります。こういうことについて前には非常に勇ましく、必要にして十分な権限、大藏省に握られたのでは福祉が守れませんから、独立の権限で、さいふを持たない人事院がやります、何でも持つて來い。これが公務員法改正の主眼である、御賛成を願います、といつたような、非常に勢い込んだ勇ましい発言答弁をなさつておりますが、初めは脱兎のごとく終りは処女のごとくという言葉がありますが、どうも人事院総裁は、事はやるとなると悩んでおります、苦しんでおります、いたしかたがありません、と言つて、天くだり行政整理、べらぼうきわまる首切りに数字を合せた定員法を通してくれということはもつてのほかである。要するの私どもは、繁文縟礼、複雜怪奇な官僚機構、官僚政治というものに賛成するものではありません。私は東京に初めて出て人事院というお役所を拜見したが、あすこに人事院ビルデイングと書いてある。あのビルデイングの表現の仕方も、文部省がきめたかなづかいに反している、間違つている。こういうでたらめきわまる人事院ビルデイングは看板をおろすか、あのかなづかいを改めて、それだけのほんとうに勇氣のある勇まして発言をなさるだけのことをやつていただきたい。今ごろになつて、訴願権を引受けたと言つてもしようがない。あの昔の武家の秩祿を取上げた明治維新当時のあの問題を持つて來て、こんなことになるからやめますと言うのでは、看板に偽りあり、羊頭を掲げて狗肉を賣るにひとしい。はつきり言うならば、退職金の勧告をしたこともない。退職金なしに首切られる人間ができる。この恐慌期に、永久に復職の目途がないようなときに、何十万と首切られて行く。それに何もやらない。こういうことであれば、淺井総裁を含めた人事院の高級官僚のサボあるいは機構をまつ先に改正されなければならない。簡素化されなければならない。機構の澁滯のために、結局看板に偽りありで、下級公務員諸君の負担になつているということをひとつ勇氣を鼓して御答弁願いたい。
○淺井政府委員 加藤さんからだんだんとささやかな問題にまで至つていろいろ御注意をこうむつた次第でありますが、終りは処女のごとくというようなお話もございましたけれども、人事院は決してかような態度をとつておるとは私どもは考えておりません。吉田内閣の五千三百円のベースに対して、だれが六千三百円ベースを通したのであるか、また國会の多数党を占めておられる内閣の行政整理に対して、天下の行政機関中何人がかくのごとき消極的態度をとり得るものであるか、これすなわち人事院が持つておる独立性であり科学性である、とこういうふうに思つております。つまり加藤さんの御主張は、今度の行政整理というものは、初めから悪いものだときめてかかつておられるところに、私どもとの態度の相違が出て來るわけでありますからこれは立場の相違でございます。どうぞあしからず御了承願います。
○成田委員 淺井人事院総裁の御答弁でございますが、整理基準については非常に消極的なことしか考えていない。非常にむずかしいと言われる。本多國務大臣は内閣委員会で全部人事院おんぶしておる。首を切られる者にとつては、むずかしいからといつて、かつてにやられては迷惑だ。ぜひとも政府としてはつきり合理的な整理基準を示すべきだ。すでに法案も上ろうとしておる直前でありますから、本多國務大臣といたしましては、これに対して当然ここで何らかの具体的な腹案をお示しになる必要があると思う。ぜひそれを承りたい。
○本多國務大臣 私も人事院から人事院規則をもつて整理の基準が示される、あるいは示されるであろうというようなことを言つたことはないのでありまして、人事院規則で整理の基準を定めるとすれば、人事院規則をもつて人事院から出されることになるのであつて、政府としてはこの整理の基準については、私の方からは公正にやるという以外には、基準は決定いたしておらないということを申し上げた次第であります。
○成田委員 どうも御答弁がわからないのですが、では淺井人事院総裁の方でその基準をお定めになりましたのですか。
○淺井政府委員 私は別にこの整理の基準の一切をお引受けするということは申し上げておらぬつもりでございます。それは先刻の御答弁にも明らかであります。
○成田委員 淺井人事院総裁はこの整理基準についてすべてをお引受けになつていないと言い、本多國務大臣はそれを期待されておるようです。これの成立は目前の問題である。首を切られる二十四万人の從業員並びにその家族の者にとつては、まことに生命の問題です。それに対して責任当局が互いに責任をなすりつけ合つている。こういうことではとても定員法の執行はできない。もう少しまじめな責任ある御答弁を願いたい。
○本多國務大臣 今回の整理にあらためて人事院から整理基準が出されないとすれば、政府が公正にこれを処理して行くだけでありまして、私も人事院総裁に、人事院規則でもつて整理基準を示してもらいたいということを引受けてもらつたこともありません。
○成田委員 これは多分一昨日の有田委員の質問に対して、本多國務大臣が御答弁になつたと思いますが、私の記憶に誤りがなければ、本多國務大臣は、これは当然人事院の権限なのだから、人事院において人事院規則を定めるはずだというふうに御答弁になつたと私ははつきり記憶いたしております。そういたしますと、本多國務大臣は、今まで人事院にそういうことをお願いしたこともない。單に腹の中でそう思つていただけだ。これではまことに無責任きわまる態度だといわなければならない。首を切る方はいいのですが、首を切られる方になると整理基準は当然示されるべきである。これから考えようというのでは、あまり私は怠慢な態度ではないかと考えております。これからお考えになるのですか。
○本多國務大臣 そこは人事院のいわゆる独立性でありまして、人事院におかれまして、今回の行政整理に対して適当な基準を定める決心をされてお出しになればそれによる。しかしお出しにならない場合には、これは政府が公正にこれを執行して行くのであります。
○有田(喜)委員 私は一昨日の質問をもちまして、いわゆる行政整理につきましてはいかなる基準でおやりになるかということを詳しく、あるいは老朽、あるいは弱朽その他いろいろな例をあげて本多國務大臣にお聞きしたのであります。いろいろと考えがあるが、その問題は人事院総裁のやることだ、人事院総裁からいろいろな案が出るだろう、それを参酌して政府も適当なる処置をするということをはつきり言明された。しかもそれはわれわれがこの審議をやつておる間にもお示し願えるでしようかと聞いたら、本多國務大臣も多分そうなるだろうと言つてわれわれに相当安心感を與えた。それで私は質問を打切つた。ところがただいま成田委員との質疑應答を聞いておりますと、まだ人事院総裁にもさようなことは頼んでない、自分がそう心の中で思つておつた。しかも人事院は独立の機関だからその統制力がないとか、政府の力が伸びぬとかいうような、実に変な御答弁。そうなればはつきり自分自身としてはこういうような基準で行きたいとおつしやればいい。それをこの前には逃げておられる。きようは二人の前では実に相矛盾したようなわけのわからぬ御答弁。実に私は何のためにわれわれはこうした貴重な時間を費して質疑をしておるか、そういうあいまいなことを言われては質問をする者にとつて迷惑千万、またこの委員会、議会というものを軽蔑しておる。そこをあくまで探究しなければならぬ。今の言葉が誤りなら取消してくださつてよろしい。ひとつはつきりと御答弁を願いたい。
○本多國務大臣 これは私の今日までの答弁が悪かつたそのせいか知りませんが、まつたく誤解であります。整理をする基準が示めされるとすれば、人事院で示されるであろうという観念によつて私は答弁して参りました。これは政府からこういう基準を人事院規則で定めてくれということを政府が人事院に勧告すべき筋合いのものではないのであります。しかし行政整理の進行状況については、事務的に状況は報告しておるのでありまして、これは人事院の方で独自に考慮せられまして、対処せられるべき問題であるのであります。もし整理の実行の段階までに示されない場合には、政府が公正なる態度をもつて最善を盡して行くベき問題であるのであります。
○齋藤委員長 有田君にも成田君にもちよつと注意しますが、政府の見解はわかつております。間違つておるというならば、それは檢討の手段もとれるが、政府は政府の意見として述べておる。同じ質問をしばしば繰返されることは御免こうむります。
○有田(喜)委員 行政整理は六月から九月までにやることになつておる。もうすぐ始まるのです。そこにおきまして、いかなる基準と方針で行くかということは非常に重要だ。しかもそのことをやるのが人事院であるのか、行政管理廳であるのかわからぬというようなことでは、われわれ安心できない。そこで人事院に内閣の手が及ばぬというなら、これは管理廳でもけつこうです。いずれにしてもどこでやるということをはつきりここで明答を與えてくださいまして、そして公正にやるなら、いかなる方針で公正にやるかというふうな具体案を示してもらえれば仕合せだと思います。どこでやるかということを、この際はつきりしていただきたいと思います。
○本多國務大臣 この質問者の期待しておられますところは、整理の基準を項目をあげてでも案があるなら発表しろという意味だろうと思いますがこれは政府として、行政整理の目的にかんがみまして、公正にやるという以上に、その項目別にここで申し上げることはできないのであります。 〔発言する者あり〕
○齋藤委員長 委員長は議事を整理する権能がありますから、同じような質問を繰返しておつては議事の進行がはかどりませんので、同じ質問なら許しません。
○成田委員 今本多さんは、政府の責任において公正にやると言われるのですが、私たちが質問しておるのは、人事院において本多國務大臣の考えによつてやるのであるかということをお聞きしておる。公正にやるということは当然なことです。どちらがその責任の衝に当つてやるのであるかという、その点だけをはつきりお答え願いたい。
○本多國務大臣 これは政府が責任をもつてやるのであります。御承知のように、任免の権限を持つております者は各省大臣でありまして、それが責任を持つて行うのであります。
○齋藤委員長 それ以上は法理論に対する見解の相違じやないですか。
○成田委員 この前の内閣委員会で、本多國務大臣に私が御質問申し上げたのは、この定員法の提案理由の説明が、大体私たちの想像するところでは、國家公務員が多過ぎる、そのために人件費が多い。これがひとつの行政整理をやるねらいのようであつたが、ただいま私の質問いたしますのは、この行政整理によつてどれだけの人件費が削減されるか、國家経費負担が軽減されるかということを御質問申し上げたところが、今のところわからないといたしますと、この大切な行政整理をやる一つの大きなねらいというものは、全然五里霧中でおやりになつておるのであつて、まことに私たち遺憾に考えます。 もう一つは、人員が多過ぎるかどうかという問題でありますが、この前私は米國、英國あるいは日本の例を引きまして、決して日本の國家公務員は多くないということを申し上げたのですが、本多國務大臣はその際、私が数字的に説明してもらいたいと言つたら、これは自分の感じとしては、日本の公務員は多過ぎるという抽象的な御答弁であつた。そのとき資料のお持ち合せがないと思つて、私はそれ以上御質問を申し上げなかつたのですが、もう日がたつておりますし、はたして日本の國家公務員が他國に比較して多いかどうかということを、数字的にはつきりお示し願いたい。今まで政府は六人に一人ぐらいの公務員だから、多過ぎるということを絶えず宣傳されまして、それが國民の氣持ちに入つて行つておる。これは統計を濫用していることになると思う。はたして何人に一人ぐらいになつておるか、それを英國、米國と比較して、日本の公務員の割合が多いのかということを数字的に御説明願いたい。
○本多國務大臣 日本の行政機関の公務員の数が何人ぐらい多過ぎるかということを数字をもつて示せと仰せられますと、これはただいま提案いたしております定員以上のものが、多過ぎると思われる数字であります。さらに外國の例をとつてとのお話でありますが、諸外國においては、この前も申し上げました通り、行政事務の内容も違いますし、また國力にも相違がありまして、これを比例にとつて論じましても、わが國の実情に必ずしも当てはまるとは存じません。從つて今回の行政整理は、わが國の國情に即して立案したものでございますから、必ずしも外國の一般國民の数と官吏の数との比率には当てはまらない面もあろうかと思いますので、さよう御了承願いたいと思います。
○成田委員 ただいまの本多國務大臣のお話では、定員法に示された定員以上のものがむだな人員だというようなお話でありますが、例を全逓にとつてみましても、そういうことは私は当らないと思います。今回逓信関係で約四万八千の人員整理を企図しておられるのでありますが、今まで全逓では、大体計費にして約二十万人が一時間ずつの超過勤務をやつている。これは超過勤務手当の方から逆算されるのでありますが、今までの人員でも四十八時間制になりまして、さらに一箇月約二十万人で一時間ずつの超過勤務をやつている。ところが四万八千の整理をやつたならば、相当の超過勤務をやらねばならぬ。それが超過勤務の予算がないからと言つて出さない。それで現に全逓の人は超過勤務を拒否しようというような段階にまで來ている。政府が示された以上のものは過剩の人員だということは、具体的な例から言つても決して当らないのであります。これについて政府はどうお考えになつておられるか、お尋ねしたいと思います。
○本多國務大臣 今回提案いたしております数まで人員を整理しましても、あとの仕事は支障のないようにやれる確信を持つて決定したのでありまして、一々こまかい部分のことの説明をここで申し上げかねますが、そういうふうにして決定したものでありまして、あとのことは支障なくやつて行けると思つております。
○成田委員 本多國務大臣のお話は、支障なくやれると言われているのですが、今の全逓の一例を見ても、これは絶対に支障がないはずはない。國鉄においても同じ、その他の官廳においても同じです。もしこの行政整理をやつた結果、あるいは通信が杜絶したり、あるいは鉄道の運輸が杜絶した場合には、これで支障なくやれるというお考えで強行された政府の責任であるということを申し上げまして、私の質問を打切ります。
○齋藤委員長 次は加藤充君。
○加藤(充)委員 まつ先に今の関連事項で、これはまた記録にのつとり過ぎるかもしれませんが、昨年の十二月十二日の内閣委員会の議事録を拜見さしていただきますと、当時の岩本國務大臣は、「但しこの減員のためには、少くとも働けるという、やりくりができるという、事務に澁滯を來さないでなし遂げられるという態勢を整える」云々ということであつて、はからずも今の御答弁と軌を一にしたことになるのですが、私どもはこういう抽象的な文句を聞かされただけでは、責任ある審議は遂げられないと思うのです。從つて事務に澁滯を來さないということであれば、一体どの程度まで事務の澁滯を來さないというのか、またそれに必要な人員はどれだけ必要であるか、そうしてその根拠はどうであるか。そういう結論を下された資料を——私はここでどの資料と言わないでも責任者はおわかりのはずですから、そういうような事務に澁滯を來さないところの人員、こういうものを判定された責任ある根拠を立証する資料をひとつ提供してもらいたいと思う。なおそれについていま少し親切丁寧な責任のある、紋切型じやないところの——公証役場の公正証書の判こみたいな答弁をわれわれは聞きたくない。いやしくも数万の輿望をになつて國会に出て來たのでありまして、そういうようなばかなことを言つて子供扱いをすれば、大きく言えば官僚は人民の公僕であるという建前を忘れて、依然として今まで通りのやり方で言葉巧みに責任を回避し、しかも圧制をやつておるという非難を免れないと思う。從つてそういう点について、資料の点もむろんですが、その前にいま少し責任ある、男らしい、子供扱いをしない答弁を求めてやみません。
○本多國務大臣 御調査に必要な資料はでき得る限り提出いたします。
○加藤(充)委員 その資料は追つて出してもらわなければなりませんが、前の岩本國務大臣と今の言葉とまつたく同じなんです。こういうようなことでは理解できないのであります。いま少し打碎いた詳細な説明を——その詳細の限度はあとを聞いてからにいたしますが、ただいまの答弁をお願いしたいと思います。
○齋藤委員長 ちよつと加藤君に申し上げますが、主務大臣に対してそういう答弁を求めておられるのですか。
○加藤(充)委員 委員長がおわかりにならなければ、委員長に説明しなければならないのですけれども……。答弁を求めておる要点がわからないというならばもう一回説明しますけれども、おわかりになつておるはずだと思いますから、さつそく答弁してもらえればよいと思います。
○本多國務大臣 詳細にと漠然と言われましても、すでに提案理由に相当詳細に申し述べたつもりでありまして、そのうちのどの点であるかということがはつきりいたしませんと、際限のないことになつて來ますし、またどういう答弁をしていいか私にも思い当らないのであります。
○加藤(充)委員 さつき読んだのですが、もう一回読みます。但しこの減員のためには——減員というのは首切りです。——少くとも働けるという、やりくりができるという、事務に澁滯を來さないでなし遂げられるという態勢を整える云々と言つておる。私はその当時直接には聞きませんが、今の御答弁を聞いてみるとこれと同じです。この程度では責任ある審議はわれわれできないと思う。從つて今成田君の質問によると、このべらぼうなことをやられる、いいかげんな天くだりのことをやられては業務の破壊を來すということです。業務の破壊を來されてはたまつたものではありません。從つて事務に澁滯を來さないやり方ができるかどうかという説明をいま少し詳細に承つておきたい。
○本多國務大臣 質問の要点がややわかつて参りました。今日までと同じような事務を何とかして合理化してやつて行く、事務量を何とかして軽減するということが伴わなければならぬという意味の御質問だと思います。その点につきましてはでき得る限り行政事務を簡素化する、その上御指摘のありました逓信省方面におきましては、零細なる貯金の仕事、これを切上げて行く、あるいは簡易保險等も少額のものの勧誘等はこれをやめて行くというようなことによつて、すべて各省の大臣が皆様に定めていただきます定員法の定員の範囲内において簡素化し、合理化いたしまして、事務量もそのために今までよりも軽減できるようにくふうして支障なくやつて行く、こういうことになつております。
○加藤(充)委員 今の答弁は一言にして言えば合理化ということなのですが、合理化ということの内容をいま少し頭の悪い私にわかるように説明してもらいたい。
○本多國務大臣 ただいま逓信省につきましては、私の記憶しております政府で決定したその一端を申し述べたのでございますが、各省の末端におけるいろいろな合理化、簡素化、そういうことにつきましては、一々私からは御説明申し上げかねますので、他の機会に各省大臣から御説明を御聽取願いたいと存じます。
○加藤(充)委員 その問題はこれで一應やめておきます。その合理化、簡素化の点に関連して、これは成田君がすでに質問をしたところですが、こまかい問題ですけれども、そういうことについては政府がかねがね言つておつたし、あるいは民自党の人たちが選挙のときに言つておつたように、官公吏は國民十人について一人に割合でおるとかいうことの数字の根拠、こういう問題もやはりわれわれが簡素化というような政府の方針を判断する場合においては、相当関連のある問題だと思いますので、この点も合理化ということを御説明したと同じく、あなたは御存じのはずだと思うのです。そういうことがわからなければ合理化の説明もわからない。その点についてもひとつ成田君の質問に引続いて、もう一回明確にあなたが理解しておる範囲で御答弁願いたい。
○本多國務大臣 ただいま申し上げましたほかに、たとえば統制事務等につきまして、指定資材品目等の減少というようなことにも努力いたしまして、この統制撤廃のできる面においては、それぞれ事務が減少し、簡素化されて行く、そういう方向に全般的な合理化を進めて行きたい、こういうことで各省におきまして、人員を減しまして、支障を來さないように努力しつつあるのであります。
○齋藤委員長 ちよつとこの際申し上げます。この部屋は午後一時から考査特別委員会で使うことになつておりますから、そのおつもりで御質疑を願います。
○加藤(充)委員 それはいくらでも部屋があるから場所をかえてもよいが、そういうことでは了承しかねます。その理由以外に私は簡單に質問を続けて行くだけの良識は持つておるつもりです。それで数が減つたということ、簡素化ということですが、私はここでこんなことをいろいろ問題にしてもしかたがありませんが、人事委員会というような人事院の組織、これも私は一つの委員会制度的なものであると思うのであります。人事院という名称になつても、あるいは人事官会議という名称があつても、やはりこれは一つの委員会制度的な行政機構だと思うのであります。そこには三人の人事官がいらしておるのでありますが、当初からの御答弁は、質疑の発展のうちに明確にされた通りに、三人寄つて文珠の知惠ということがありますけれども、しかし三人寄つてもさつぱり事務が澁滯してさばけぬという事実は、これは見のがし得ないと思うのであります。その点についてひとつ淺井総裁の御答弁と、それからそのときにあわせて最近の行政機構のいわゆる簡素化の問題については、協議会だとか、審議会だとか、あるいは委員会だとかそんなものがいろいろな権限を持ち、持味を持つて出て來ておりますが、こういう委員と公務員との関係、またそういう委員になつている数字の総計、こういうふうなものをはつきりとひとつの御答弁を願いたいと思います。それからあわせて一面においては行政の簡素化というようなことが行われておりますが、しかしながら反面においては、警察機構なりあるいは刑務所制度なり、あるいは裁判所制度なり、このことについては過ぐる本会議におきまして、簡易裁判所の増設、そうしてまた判事の増員というようなものが通つたようでありますが、こういうふうな問題、それから徴税官吏というようなものをどんどんふやしておるわけなのでありますが、そういうふうなことについて行政の簡素化ということと関連させて、前半については淺井さん、それから後半については、本多さんに御答弁願いたいと思います。
○淺井政府委員 お答え申し上げます。ただいまの人事院が三人の人事官をもつて組織することについて、能率が上らないと仰せられましたが、会計檢査院もやはり三人の檢査官をもつて組織せられておりますし、國家公安委員会その他多くの委員会は多数の委員会制度を持つておりますが、これがすなわち加藤さんなんかがかねがね最も熱心に主張せられる民主化の一端でございまして、一体民主政治というものは独裁政治よりもひまのかかる政治でございますから、それはやむ得ないことだと思つております。ただ人事院の場合におきましては、新しいものは、非常な抵抗を受けつつ育つて行きつつあるものでございますから、加藤さんのお目からごらんになりますならば、少しく手間取つておるようにも存じますが、これはきわめて民主的にやりつつあるからでございます。さように御了承願います。
○本多國務大臣 機構の簡素化をはかつている際に、國税廳のごとく機構が拡大されますということは、機構簡素化の趣旨から申しますと、まことに残念なことに考えておりますが、しかし今日の國税徴收事務の重要性を考え、さらにまた司令部方面の指示にもよるところでございまして、この國税廳機構の新設はやむを得ないことと考えております。但し今御指摘がありました税務官吏がどんどんふえて参るというお話ですが、これはお話のように昨年より非常に急激に増加しております。しかし今回はこの行政整理によりまして、税務官吏も相当の定員減を断行いたしまして、そうして今度國税廳が機構の上においては拡大いたしますけれども、定員におきましてはその定員の範囲内でこれを処理して行くということになつておりますので、人員の点においては拡大いたしておらない次第でございますから、何とぞ御了承願いたいと存じます。
○加藤(充)委員 これはまたあとで問題にすることにいたします。もう一回確かめますが、結局行政の簡素化であるとか、あるいは負担の軽減だとかいうようなことを言つておりますが、これはそういうふうなものは表看板の偽りであつて、結局國民の大多数から見れば、この行政簡素化によつて何一つ解決されるものじやない。いわゆる税負担も軽くならなければ、その他憲法での保障されるような住みいい、基本人権の保障された生活を享受するということはできないのであります。ただ結局これは時勢の変化で必要のないところのものは削つて行く。しかし全体としていわゆる官僚機構、それから官僚性、こういうふうな根本的なものは相かわらず重点的に配置して強化して行く、これは人民の利益とは全然関係なしに、上からの特に最近のいわゆる外資導入、集中生産、いわゆる貿易中心になつて、しかもその内容は飢餓貿易というものをやつている。こういうふうな戰後の日本の——これはすぐどこからか文句が出そうですが、いわゆる独占資本、こういうふうなものの利益を強化して行くのであつて、われわれは行政の簡素化というものは、いわゆる人民に対する、國民に対するサービスを中心にした人民の公僕の実体を打立てるべきだと思うのであります。そういう点から見れば、官僚統制が撤廃される範囲内においては簡素化するというようなことを言つておりましたが、これはやはり官僚統制そのものを別に終止符を打つというような一つの方針でやられているのではなく、官僚統制も必要なところはやはりさつき申し上げたように、基本的な政策によつて確保して行く、しかもそれ以上それをさらにうまくやつて行くために、必要なものは強化するというやり方なのであつて、これはいわゆる行政整理、そしてその行政の簡素化、同時にまたその中心である官僚性の撤廃、官僚機構の打破、こういうような方向からこのたびの行政整理、いわゆる首切りが実行されておらない。こういうふうに私どもは理解するのでありますけれども、その点についてひとつ御答弁を願いたいと思うのであります。
○本多國務大臣 ただいまの御発言は大部分私どもと見解を異にするのであります。私どもといたしましては現在の日本といたしまして、今回行政機構にしても人員の整理にいたしましても、これはぜひやらなければならぬことであり、適当なことであると考えております。
○加藤(充)委員 先般人事院の顧問制の問題についていろいろ問題になつて、外國人の顧問を置くのか置かないのか、それに対して特別な取扱いをすることを予想してはいないかというようなことが問題になつておるようであります。きようはそのことは問題にいたしませんが、いろいろ出て参る委員会制度、これは行政面にも出て参ります。あるいは経済面においても出て参ります。すなわち日銀の政策委員会というようなものを中心にいたしまして、行政面にも、経済面にもたくさんの委員会制度が出て來る。協議会制度、審議会制度的なものが出て來る。そういうふうな問題が出て参りました今日において、いわゆる五〇%以上の外資導入が一企業会社についてOKで手放しでやれるというような非常にうらぶれた情ない外資導入の線につながれまして、そうして行政面におきましても、大学法案なんかが問題になつておりますように、また経済面におきましても、そういうものが事業上各業界の代表者というような構成になつて、各種の委員会発言権を持ち、あるいは参加する。そうして形の上ではそういうところに正面立つて出て参りませんけれども、実際上は日本の外資導入を中心にした貿易中心の集中生産の方針を具体的に現実的に動かして行く。こういうようなブラツク・チエンバー的な最高方針、こういうきめ方が行われまして、それが民主的だと淺井さんは言われましたが、行政面、経済面に現われた審議会や委員会制度に出て参りまして、そうして実際上は一面においては徴税機関あるいはその他の彈圧機構の拡充に相なり、一面においては確かにこれは過去の天皇制度、官僚機構の一應の解体的な役割の意味合いも持つかもしれませんけれども、しかもそれに便乗し、その裏に実際は今申し上げたような形で、いわゆるブラツク・チエンバー的なところに蟠居し、そこに潜入して来たところの、情なくも日本の買弁化した賣國的な政策を最高の方針としたところの勢力、こういうものが結局行制機構の中に発言経を持つて、今までの天皇制官僚機構の中に蟠居した官僚は、結局そういうブラツク・チエンバーできめられた最高政策を、独占財閥の方針というものをただ執行して行くというような形のものになり終る。これは一面において進歩的な性格を持ちながらも、日本民族の独立と日本の民族産業の防衛と発展のために、あるいは日本の政治権力の中心、それの執行機関であるところの行政機構の中に、そういう勢力があるということになれば、日本の官僚機構、日本のお役所というものは、まつたくこれは日本の独占資本家とそうして國際金融資本の便乗者となれ合つたところの一つの形を、日本の國政の中に導入して來てしまうということになるのであつて、その点われわれは一面における天皇制官僚機構の一應の民主化的なものだと満足し喜んで、その民主的な方向にわれわれは賛意を表するわけには行かないのであります。眞劔に憂國の熱情なり、責任を大臣が持たれるならば、その点についての御答弁を願いたいと思います。
○本多國務大臣 憂國の至情については、同じ考えを持つておるのでございますが、今回の提案は日本の明朗なる民主化の線に沿うものでありまして、まつたく見解を異にいたしましております。
○加藤(充)委員 私はどうも質問は下手ですが、まじめにやつているつもりなんです。答弁がうまくて責任をぼやかして、昔の官僚のいわゆる大臣答弁と同じような答弁で、肩すかしを食わされたような感じがするのであります。しかしながら私は最後に、今までの質疑應答の中に——まだこれは続くでしようが、少くとも今までの質疑應答の中に明確にされた、私個人の了承をした点を明確にいたしたいと思うのであります。そしてまた一面製府に対する勧告なり、注意を喚起したいと思うのでありますが、大体どうも今までの無責任きわまるやり方では、せいぜい民自党の人たちが、そして民自党の政府が廣言して、公約して來ましたように、大衆課税負担に苦しんでおるこの人民に対して、行政整理によつて結局その負担を軽減させるのだという、これは具体的に公約の実行の上には一つのプラスにならぬばかりでなしに、そういうわなでつり上げて行つて、大衆にはたいへんな負担をぶつかけることに相なる。公約を裏切ることなく実行されるということであるならば、結局今の点についてどうも私どもは不安を持つのみならず、また進んでは反対だということを言わなければならないと思う。 それからもう一つは民主化という言葉である。憂國の赤誠を披瀝したと答弁に言われるのでありますけれども、半面において高級官僚を中心にしたとうとうたる汚職事件、こういうふうな問題が今起きておるのでありまして、こういうふうな一部の高級官僚、あるいは官僚性自体の中に尾を引いて蟠居しているところの不正腐敗、そうしてそこから來る事務の停滯、これらの過去の官僚性の打破という点をはつきりと民主化の内容の中に持ち込んで來なければ、やはり窓口におけるところの人民の官僚に対する不平不満というものは解消されない。こういうふうな人民の不平不満に便乗して、そうして形のかわつた、複雑な変貌を遂げつつありますところの日本の官僚機構の改組それに伴う行政整理をやるというのであるならば、それはさつきから言つておるようにごまかしであつて、しかもそのやり方の中には、さつき申し上げましたように民族の独立という面から見て、大きな危險と負担を背負い込んでしまう、誘導してしまう外資導入と同じような線が、経済面ばかりでなく、この國家権力の中枢的な方面にも、一面委員会制度、審議会制度というような形をとりながら導入されて來る。それに氣がつかないのであれば注意をしたいし、それに氣がついて大臣の答弁よろしくあつてごまかしておるというのならば、大臣も今の政府もあるいは民自党も、行政整理というものの方針は民族の独立を危うくするものである、こういうふうに私どもは思うので、この点について質問は下手でしようけれども、われわれの質問があり、つたない言葉ではあるけれども、重要な意見の開陳なり注意の喚起があつたということを銘記して忘れないようにしていただきたいと思います。なお……
○齋藤委員長 加藤君、なるべく質問は簡明にしてください。なおこの連合会に注意しておきますが、昨日協議の結果、連合会は午前中に終了するという條件つきで開いておりますから、そのおつもりで発言していただきたい。
○加藤(充)委員 それでは簡明にやります。こういう点について結局民自党は最後に残つた公約を非常にインチキな方法でやつて行く、そうしてだまされた者が悪いとかいうのでなくして、日本民族の体戚に関する重大問題だということを考えて行政整理をやつていただきたいと思います。
○齋藤委員長 あなたのは御希望ですか。質問ですか。
○加藤(充)委員 希望であると同時に、私の質問に対して肩すかしみたいな無責任な答弁ばかりなさるので、これ以上やつてもしかたがないから、質問の趣旨だけを徹底させて、これで打切ります。
○齋藤委員長 次は赤松勇君。
○赤松委員 簡單に質問いたします。先ほど同僚成田委員から退職金額の問題につきまして質問し、これに対して本多國務大臣の答弁があつたのであります。そこでさらに、この退職手当はどのような形で支給されるか、この点をお尋ねしたい。
○本多國務大臣 これは遅滯なく一時金をもつて支給されるだろうと思います。
○赤松委員 十一日の閣議におきましては、特別会計のうち、國鉄関係は二段階制、つまり九月までに九万人、來年の三月までに三万人の予定を御破算にして、九月までに十二万人を整理してその人件費を浮かし、これを退職手当の増額にまわすというような決定が行われたと聞いております。ただいま本多國務大臣は、遅滯なく全額を支給する、こういう御答弁でございますが、そういう予算的措置はできておりますか。
○本多國務大臣 退職期間の問題の審議の過程のおきまして、ただいまお話のような、國鉄に対する三万人を延ばしたらどうかというお話が出たのでございますが、結局これも原案通り九月一ぱいにやるということにいたしまして、それに対應する退職手当も、予算の流用等によつて同じ取扱いでやることに決定をいたしておるのでございます。
○赤松委員 重ねて御質問を申し上げますが、私はこの退職を認めて御質問したのではないのであります。ただいま整理の対象になつております勤労階級が、非常な関心を持つている問題でございますので、重ねて御確認を得ておきたいと思うのでありますが、先ほど御答弁のように、必ず遅滯なく全額お支拂いになるかどうか、この点を明確にお答え願いたいと思います。
○本多國務大臣 これはさいぜん申し上げました通り、その点は明確にお答えできます。その通りであります。
○赤松委員 行政機関職員定員法案の附則は非常に重大であると思う。附則の第五項に「國家公務員法第八十九條から第九十二條までの規定は、」云々というのがございますが、これは御承知の通り、國家公務員法におきましては、その意に反して行われた場合には三十日以内に人事院に提訴することができ、人事院はその提訴に関しまして、十分に事の理非を判定いたしまして、それを行うということになつておるのでございます。この点につきましては、実は國家公務員法制定当時人事委員会におきまして、國家公務員法はあらゆる法律に優先するというような建前でわれわれは審議して参つたのでございます。しかるに今度の定員法によりますと、この國家公務員法そのものが惡用されておりまして、國家公務員法で規定してある公務員に対する保護規定がまつたく蹂躙されておるのであります。この点に関しまして、一應淺井人事院総裁にお尋ねしたいと思います。
○淺井政府委員 お答え申し上げます。國家公務員法が重要な法律であつて、他に優先するということは、國家公務員法自身の規定にもありますように、從前からあつたものがこれに抵触または矛盾するということでございまして、その範囲においての優越性を認めたものでございます。およそ一つの法律が、どんな場合でもいかなる法律にも優先するということは、これは立法技術の上からいかがであろうかと存じます。從いまして今回の定員法が成立いたしました場合は、これは普通法に先だつ特別法の意味において、行政整理のよりどころがここにもあるということは明瞭であろうと存じます。
○赤松委員 同じく附則の第六項、第七項に、日本專賣公社の職員と日本國有鉄道の職員の整理に関する規定がありますが、從來國会におきまして、たとえば日本國有鉄道法あるいは公共企業体に関する法律等において了解して参りましたところによると、この法律が六月一日から施行されますならば、当然國家公務員法の適用外になるのでございます。そこで公務員でないから、当然これはその範囲外に置かるべきものであると思うのでございますが、この点に対しまして、政府の御見解をただしておきたいと思います。
○本多國務大臣 ちようど六月一日という境をもつて日本國有鉄道と專賣公社の職員が公務員でなくなりますが、これはやはり同じ方針をもつて人員整理をやることにいたしておるのであります。日本國有鉄道、專賣公社、ここにいろいろそれらに対應する労働関係法の機関を設置するのにも相当時日を要することでもありますし、さらにまたそうした方面との労働協約を今から締結してやるというような方法をとりましたならば、所期の期日までに整理を完了することも困難になつて來ると考えられます。そういう点を考えまして、この際は公務員に対する場合と同じように、それらの公共企業体労働関係法の適用をしないことにいたした次第でございます。
○赤松委員 どうもこの点は法律違反のような感じがするのであります。そこで日本專賣公社及び日本國有鉄道は、別段の法律があるのでございますから、これは当然企業官廳でございます。ですから、日本國有鉄道自身あるいは日本專賣公社自身が整理を必要とするかどうかを自主的にきめるべきであつて、この際政府が定員法で一括して行政整理の対象とするのは、明らかに違法行為であると思うのであります。ことに、また第四項は「地方自治法附則第八條に規定する都道府縣の職員(雇傭人を含む。)の定員は、同法に基く政令の定めるところによるものとし、当該職員については、前項の規定を準用する。」こういうことになつておりまして、國有鉄道あるいは專賣公社のみならず、廣く地方自治團体に対しましても、この法律を準用するというようなことは、先ほど申しましたように、すでに國会を通過しておる法律に抵触するものでもあり、また地方自治團体に対しまして、政府がかくのごとき画一的な行政整理の案を出されるということは違法行為である。かように考えるので、重ねて政府及び人事院総裁の御見解をお尋ねしたいと思います。
○本多國務大臣 公共企業体の労働関係のことにつきましては、さいぜん御答弁申し上げた趣旨で、その場合の例外としての規定を附則に盛つたのでありますが、府縣に配置されております自治法の附則に基く職員は同じ國家の公務員でありまして、それはその施行規則で定員を定めることになつておりますから、そういう方法によつた方が妥当であろうと考えたのでありまして、公務員としての扱いは何らかわりはないのであります。
○赤松委員 例外として正しいかどうか、その法的根拠はどこにあるかということをひとつ明確にしていただきたい。
○本多國務大臣 これから法的根拠をはつきりつくるのでありまして、これは実際問題としてそういう方法をとつておりましたならば、整理が順調に行かない心配もありますので、この際そうして法的根拠を明らかにして、整理を円滑に順調に選びたいという考えであります。
○赤松委員 法的根拠をこれからおもむろにつくる、つくる前に必要だから整理をするのだとおつしやいますが、別にそうあわてて國有鉄道及び専賣公社の整理をお急ぎになる必要が一体でこにあるか、その理由を明確にしていただきたい。
○本多國務大臣 附則に規定しております期日までに整理を完了するというところに目的があるのでありまして、法的根拠がすでに明らかなものでありましたならば、いまさらここに御審議を煩わす必要がないのであります。それを明らかにいたしたいのであります。
○赤松委員 でございますから審議をしておるのでございまして、法的根拠がないのに、今なぜ専賣公社、國有鉄道に関してそうあわてて整理をしなければならないか、その必要性、理由を明確にしていただきたい。
○本多國務大臣 國有鉄道、さらに専賣公社について、なぜこの際整理をやらなければならぬかという必要につきましては、この二つともこの程度の減員をしても仕事を支障なくやつて行けるであろうということがその根拠でありまして、この際國費の節減という点から考えまして、そういう結論の出たものは一刻も早く國費負担を軽減する意味におきましても断行すべきである。これが根拠でございます。
○赤松委員 その支障を來さない根拠と、どのくらい費用が節減できるかということを明確に御答弁願いたい。
○本多國務大臣 支障を來さないと申します根拠は、今日まで政府におきまして十分調査いたしました結果、その確信を得たことが根拠であります。さらに幾ばくの経費の節減になるかということにつきましては、さいぜん全般的な問題も出ておりますから、一緒に別の機会に大藏当局に説明を御聽取願いたいと思います。
○赤松委員 その調査の結果をひとつ明らかにしていただきたい。もう一つは大藏当局に聞かなければ、人件費がどれくらい節減できるかわからないような、そういう國務大臣が行政整理をお取扱いになるということは、まつたく徳田君じやないが、驚くべきことだと思う。そこであなたは全然そういう経費の節減、人件費がどれくらい浮かぶということを考慮されずに行政整理をおやりになつたと了解してよろしいか。
○本多國務大臣 調査の結果は出しておる通りであります。人件費について全然見当なしにやつたかというお話でおりますが、これは御承知の通り、概括的には一人当りの賃金ベースもあります。その一人当りの賃金ベースで計算したものが給料の金額であり、さらにそれに出張費とか事務費とかいうものを、その整理される人たちの立場に應じて計算しなければなりませんので、人を減らせば大体どれくらい給料において経費が節減になるかということは私ま全然無関心ではありません。しかし御承知の通り、予算の計数上の整理は相当複雜にわたつておりますので、その受持ちを大藏省がやつて処理してくれておるのでありまして、その結論が出ましたならば、私から御説明してもさしつかえないのであります。
○赤松委員 人件費を節減して、そうして國家財政の負担を軽くするために行政整理をおやりなるのか、それとも行政整理をやるということが主眼目であつて、その財政上の問題はこれは全然無関心でないにしても、第二義的なものであるのかどうか。それから先ほどその根拠につきましては、この定員法でうたつてあるということをおつしやいますが、それでは了解できないから質問しておるのでございまして、そういう根拠が明白にならないものを、ただ多数でもつてこの法律をしやにむに根拠を明らかにせずに押し切つて行くということは、非常に不当であると思うのでございまして、重ねて本多國務大臣にお尋ねしたいと思います。
○本多國務大臣 ただいまのこの定められた定員で支障なく仕事をやつて行けるということを私は申し上げたのでありますが、定められた定員を内部的にいかに配置して、そうして支障なくやつて行けるか。これが質問の要点かと存じますが、この定員が定まりましたならば、この定員の範囲内において各部局の区別は各省大臣がきめることにいたしております。でありますからこれもどういうふうな配置になつて行くかということは、別の機会に各省から省令で出るのですけれども、腹案等もあろうと思いますから、御説明申し上げたいと思います。これの眼目についての質問でありましたが、これは行政機構を簡素化し、しかも能率を上げるためにやるのでありますが、そのいろいろな眼目の中で何が重点かと申しますと、ただいま御指摘のありました財政的負担を軽減するということが、一番大きな眼目であろうと思います。
○青木(正)委員 議事進行について…。この委員室は午後一時から考査委員会で使うことになつておりますので、質疑はこの程度にて終了し散会されんことを望みます。
○齋藤委員長 ただいまの動議について採決いたします。今の動議に賛成の方は起立を願います。 〔賛成者起立〕
○齋藤委員長 起立多数であります。これにて散会いたします。 午後一時八分散会