内閣委員会厚生委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/04/22
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 本日は厚生省設置法案につきまして、内閣委員会と厚生委員会との連合審査会であります。内閣委員長でありまする私が委員長の職務を行います。 各省設置法案に関しましては、常任委員長会議におきまして、すべて内閣委員会に付託されることになつたのでありまするが、その時は当該所管の常任委員会と連合審査会を開くことに申合せたのであります。御承知のことと存じまするが、内閣委員会には現在十二の各省設置法案が付託されておりまするので、当該所管の連合審査会も、できますれば一省一日で終りたいと考えております。質疑は皆さんに十分していただきたいと存じまするから、質疑なさる方はあらかじめ御通告を願います。質疑は通告順によつてこれを許します。 まず厚生省設置法案につきまして、政府委員の提案理由の説明を求めます。亘政府委員。
○亘政府委員 ただいま議題となりました厚生省設置法案につき、提案の理由を御説明申し上げます。 國家行政組織法によりまして、國の行政機関の組織は、本年六月一日までに法律で定めることとなつたのでありますが、本法案は、これに伴いまして厚生省の任務、権限、組織、附属機関、地方支分部局、外局について所要の規定を設けているものであります。内容といたしましては、現機構を簡素化し、事務の能率的運営を意図しております。 何とぞ御審議の上可決されんことをお願い申し上げます。
○齋藤委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありまするから順次これを許します。福田昌子君。
○福田(昌)委員 今回予防局が廃止になりましたが、その廃止はどういうものを基準にして廃止になりましたか、まずそのことを伺いたいと思います。
○葛西説明員 ただいま、厚生省の方の局の廃止につきまして、予防局を廃止いたしました理由についてのお尋ねでございますが、予防局の仕事と公衆衞生局の仕事とは、実は御承知のように非常に関連があるわけでございます。そういう意味からいたしまして、公衆衞生局と予防局とを合せて一つにし、さらにそうなりますと、仕事の分量が多くなり、課の数が多くなるということから、環境衞生部というもので環境衞生の仕事だけをくくりまして、部長がこれをとりまとめて、局長のもとでまとめて行くということにいたしたのでございます。かいつまんで申しますと、そういうわけなのでございます。
○福田(昌)委員 公衆衞生局と予防局の仕事の範囲が類似しておるから一つにしたというお話でありますが、類似性をもつて事を判断いたしますと、別に公衆衞生局と予防局だけに限らないと私どもは考えるのであります。しかもこの課の数におきましても、公衆衞生局そのものにおいても、すでに多くの課があつたのでありますが、そういう多くの課をかかえておる公衆衞生局に、さらに予防局という分野を統合したということに対しまして、機構の簡素化というような先ほどの御説明でありましたけれども、そういう点を照し合せまして、どうも不合理に感ずるのでありますが、この点についてひとつ御説明をお願いいたします。
○葛西説明員 ただいま、若干説明が私惡かつたかと思いますが、関連があると申し上げましたのは、もう少し詳しく申し上げさしていただきますと、衞生関係は御承知のように、厚生省におきましては現在は四局あるわけでございます。ところがこの四局の中で、特に密接な関係があつて仕事がうらはらになつておる——非常に緊密な連絡をとつて行かなければならないというものが、この予防局の方の仕事と公衆衞生局の仕事とであるのであります。たとえば一例をとつて申し上げますと、参考資料にありますように、予防局で所管しております保健所の仕事というようなものになつて参りますと、これは衞生の各般の仕事に関係がありまするが、特に公衆衞生の仕事、乳肉衞生、あるいは食品衞生、栄養の問題にいたしましても、環境衞生の問題にいたしましても、実は非常に関連が深いのでございます。從來といえども、ちよつと連絡を密にいたしませんければ、とかくこの仕事が離れがちになつて困るというふうなことであるわけでございます。例をとつて申し上げますれば、医務局というような仕事は、これは御承知のように医療に関しまする、人と物とのいろいろな整備をやるようなことでございまするが、さらにそれだけで、病氣になつた者をなおすというふうなことだけでは不足であるというふうなことから、御承知のように予防衞生というような仕事がある。さらにそれを廣めて行きますと、御承知のように環境衞生と申しますか、公衆衞生というようなものになつて参る。そうなつて参りまするものですから、非常に予防衞生あるいはその先のさらに環境衞生でやつて行くというような仕事とは、非常に密接な関係があるわけでございます。現在わかれておりまする間でも、特に両局の間では仕事の関連が密接でありますものですから、特に連絡を密にするように配意しておるわけでありますが、行政簡素化をして、局の数を減らすということが必要であるということになりますれば、まずここらをとりまとめて、課が多過ぎるから、さらに環境衞生部というふうなものでくくつてやつて参るということにいたしますれば、ごらんのように、参考資料の末尾につけてございますが、現在の課を統合するといたしましても、七つの課が直接局長のもとでやつて参る。環境衞生部の方におきましては、現在は四つの課をまとめて参るというふうなことになりまして、必ずしも事務分量が多いということもないのではないかというふうなわけで、この案に相なつたわけであります。
○福田(昌)委員 予防局を廃止するということについて、私は厚生省の新機構の一覧表を見せていただきまして、公衆衞生局の項におきまして、予防局がこの中に統合されたことをもつて行政の簡素化がはかられたというお話でございますが、その行政の簡素化ということに対しまして、私十分な納得が行かないのであります。さらにもう一つは、この厚生省の新機構というものはやはりある程度人員の整理というものを考慮に入れて当然なさつたわけでございますが、その人員の整理というようなものを考慮いたされた場合におきまして、やはり予防局というものを公衆衞生局に入れられた方が最も合理的であつたかどうかということに対して、私は日本の現状、ことに予防衞生ということに対しまして、大衆の認識が非常に低い。また政治的にも、施設の面におきましても、非常に遅れた存在にあるところの予防衞生という面から考えました場合においても、非常に不合理なものを感ずるのでございます。そういうような面に対しますところの御説明を願いたいと思います。
○葛西説明員 ただいま福田委員からたいへんありがたいお説がありまして、公衆衞生の仕事、なかんずく予防衞生の仕事というものについて立ち遅れがしておつて、こういう方面大いにやらなければならぬというふうな意味の御発言があつたように拜承いたしたのでありますが、私どもまことにその通りに存じておるわけでございます。ただ予防局を廃止いたしまして、公衆衞生と一緒にするというのも、ただいま人員の点についてのお尋ねがありましたのでありますが、現在のところで申しますると、実は予防局の関係と、それから公衆衞生の人の割りふりを見ますと、これは比較の問題でありますが、公衆衞生の方面の人が実は非常に少いような現状になつておるわけでございます。そういうようなことからいたしましても、これを一緒にいたしまして、そうして彼此融通すると申しますか、たとえば先ほども申し上げましたように、一例を保健所にとつて申し上げますれば、保健所の仕事というものは実は栄養の関係、あるいは予防課の結核その他の関係、あるいは防疫というような関係、そんなような各種の方に、御承知のように非常な関係があるわけでございます。そういうものでありまするから、一局の中にこれをさらにとりまとめましてやつて参るということになりますれば、人員の彼此融通もできる点もありまするし、また連絡等もより一層緊密になるのじやないか、かように考えておるわけでありまして、私どもこれを廃止いたしますことが、決して予防衞生をないがしらにする、あるいはまた公衆衞生の方のさらに一段とやつて参らなければならぬことをないがしらにするという心持は毛頭ございません。
○福田(昌)委員 ただいま御説明のありました箇條につきまして、もう少し具体的な数字をもつて御説明願いたいと思います。
○葛西説明員 公衆衞生局の昭和二十四年度におきまする標準予算定員は百三十四名ということに相なつております。それから予防局関係の昭和二十四年度の標準予算定員は一千三百五十八名ということになつております。この中には御承知のように千余名の例の衞生統計関係の職員も含んでおりまするが、そんなふうになつております。衞生の関係では公衆衞生が先ほど申し上げましたように百三十四名であります。藥務局の関係が四百三十七名であります。それから医務局の関係が医務出張所を除きまして、二百六十四名というふうなことになつております。公衆衞生の関係の方が非常に少いと申し上げたのは、ただいまの数字に基いて申し上げたのであります。
○福田(昌)委員 社会局、兒童局、保險局も人員を聞かしていただきたいと思います。
○葛西説明員 社会局の関係は二十四年度の標準予算定員によりますと百二十二名でございます。それから兒童局関係が九十一名でございます。それから保險局の関係、これは特別会計は除いて一般会計だけでありますが、二百七十名というようなことに相なつております。
○福田(昌)委員 そういたしますると、公衆衞生局に予防局を統合いたしまするについて、どれだけの人員が省けるのですか。
○葛西説明員 ただいまのところ、御承知のように各省の中の定員をどれだけ減すかという点については、まだ正確にきまつてはおらないのでございます。ただ私が申し上げましたのは、概括的に申し上げまして、非常に密接な仕事がありまするし、あるいはまた言葉をかえて申しますれば、仕事のうらはらになるような、そんなふうな関係にありまするから、これを彼此融通することができて非常に便利になるのじやないかというふうに申し上げたのであります。
○福田(昌)委員 普通私どもが考えました場合におきましては、機構におきましても人員におきましても、大きいところに小さいところが併合されるということはよく聞くのでございますが、今回の例においては、小さいところに大きなところが併合されたような、妙な錯覚を私どもは感ずるのでございます。しかも今のお話によりますと、この厚生省の設置法案ができました当時におきましては、厚生省の人員をどの程度に削減するかがきまつていなかつたようなお話でございますが、そういうことがきまつていないときに、こういう法律をおきめになつて、しかも小さいところに大きいところが統合されたというようなことは、どうも私了解に苦しむのであります。
○葛西説明員 小さいところへ大きなところを統合したというようなお話でございますが、これはあるいは名前がちようど公衆衞生局ということになつていますから、公衆衞生局に予防局を統合した、こういうかつこうになるわけであります。これは言葉の言い方でありますが、公衆衞生局と予防局を一緒にして、何という名をつけるかということになりますと、これは釈迦に説法みたいになりますが、そういう観念を普通パブリック・ヘルス、公衆衞生、こう呼んでおるのでありますから、名前を公衆衞生局にした。言葉をかえて申しますれば、廣い意味の公衆衞生になつたので、元通りの公衆衞生のところへ持つて行つて予防局をくつつけた、かようなことではないのであります。これは参考資料の一番最後の厚生省の新機構をごらんいただきますと、ここにあります七つの課のほとんど大部分は予防局の課が行くわけでございます。この中で公衆衞生局の方の課というものは、実は初めに掲げてあります庶務課と栄養課の二つの課だけでございます。その余の幾つかの課は全部予防局の課でございます。そうして公衆衞生局の方にありまするものは、環境衞生部というようなものでくくられまして、部長のもとで仕事をやつてもらう。実際の方はむしろ逆のようなかつこうになつております。名前は御承知のように公衆衞生局といいますから、かつこうは、いかにも予防局を廃して公衆衞生局になつたようになつておりますが、あるいは両局を合して一つの新しい局にして、その名を廣い意味の公衆衞生局とつけた、かように御了解をいただいて、実質もさしつかえない、かように存ずる次第であります。
○福田(昌)委員 この厚生省の新機構が決定いたします前に、藥務局が廃止になる、あるいは兒童局が廃止になるということが問題になつておりまして、あるいは決定的な線にまで行くというようなふうに新聞紙上で読んだことがあるのでありますが、この両局が廃止にならずして、まつたく青天の霹靂のごとくに予防局が廃止になつたということは、名前の廃止であるというような御説明ではありましたが、何としても了解しがたいないものを含んでいるように思います。その点について御説明願います。
○葛西説明員 こういうような新しい機構になりますまでのいきさつについてのお尋ねがありましたから、若干冗長になるかもしれませんが、その間のことを申し上げさしていただきたいと思います。御承知のように、初め政府が行政機構の簡素化をやるというようなことが発表になりました際に、今福田委員がお述べになりました兒童局と社会局、この二つが一緒になるという案は、実は本多國務大臣の手元におきまして、内輪の話でございますが、まず厚生省はこの二つを一緒にしたらよかろうというような案がつくられたのでございます。それがさらに省に持ち帰りまして、今度はどうするかということになりましたときに、私どもといたしましては本多國務大臣の手元で、内閣の中でいろいろディスカッションいたしまする過程におきまして、厚生省の機構としては、まず藥務局を医務局にくつつけてこれを部にすることによつて行政簡素化をしたらどうだという案を、厚生省の事務の案といたしまして、内閣の方に提出いたしたわけでございます。そのあとでさらにまた行政管理廳の本多國務大臣の手元におきましていろいろ案が練られた、聞くところによりますると、むしろ本多國務大臣の手元におきまして練られました最初の案というものは、藥務局を医務局にくつつけて一局を整理するというのです。それが一つと、さらに公衆衞生局と予防局と一緒にする案、並びに衞生統計部、國立公園部を一應課に格下げをするとという案がお手元でつくられて、原案として閣議に出たように聞いております。なおさらに閣議で御議論になりまして、藥務局等はこれを置くことが必要である、唯一の厚生省における生産行政であるというようなことで置いた。それから兒童局の方は、第二次の本多さんの案におきましても、政府の部内でございますが、これは整理するのは適当でなかろうというようなことで残り、結局最後には公衆衞生と予防とを一緒にする案が残ることになつたようでございます。現在厚生省の内局にありまする七つの局を簡素化する場合に考えられますことは、これはやはりいろいろ議論になつた、政府部内において檢討されましたその案以上には御承知のように出ないと思います。言葉をかえて申しますれば、今の兒童局を社会局に一つに統合する案が一つの案、もう一つの案は医藥という意味で藥務局を医務局と一緒にしてこれをくくりつける案、もう一つは公衆衞生と予防を一緒にする案、仕事が多過ぎればさらにそれを部でわけるという案、この三つの案よりほかは、御承知のように保險局をどうするというわけにも行かない、社会局をどうするわけにも行かない、医務局を今どこにくつつけるというような案も立たないわけで、こういう案が一應考えとしては成り立つと考えるのでございます。こういう案をいろいろな判断から適当に出しまして、そうして部内でいろいろ檢討したわけでございますが、先ほど來申し上げておりますように仕事の関連もあり、いろんな点において便利のある公衆衞生局と予防局を一緒にして一つの局にする。仕事が多過ぎるから環境衞生という一つの部をつくつて行くということがいいのじやないかというように落ちついたわけでございます。
○福田(昌)委員 ただいまの御説明で、この機構変革の場合において、一應考えられたことは私たちよりも常識において考えられる当然のことであります。從いまして医務局と藥務局を一緒にするとか、あるいはまた兒童局と社会局と一緒にするというようなことも、私たちは一應はひそかに考えられた案でございまするが、藥務局を医務局と一つにするよりも、公衆衞生局と予防局と一つにした方がいろんな点において新機構として有利であるということ、また社会局と兒童局と一つにするよりも、やはり公衆衞生局と予防局と一つにした方が有利であるというように考えてみましに場合に、私はどういたしましてもこの公衆衞生局と予防局を一つにした方が、特別この新機構において有利である、非常にうまく行くようには考えられないのであります。そういうような点についてもう少し具体的な御説明を願いたい。
○葛西説明員 先刻申しましたように一應三つの案につきまして、どうするかということでありますが、御承知のようにいろいろな経過をたどつて今日になつておるわけでございます。一利一害いろいろあろうかと思うのでございます。ただこの藥務局等の問題につきましては、唯一の生産行政にまとまつておる。まとまつておるからこそこれを医務局にくつつけるという案も立つわけでありますが、これはさらに局にして置く方がいいというふうに考えられましてこういう案が出たわけであろうと思います。仕事の関連から申し、あるいはまた人のうらはらになつておつて非常に便利に能率的に仕事が運ばられるというような点から考えれば、この案が一番合理的なのじやないか、かように考えているわけでございます。
○福田(昌)委員 こういう各省の新機構をおきめになります場合において、他の省との関連ある事項につきましてこれを統合して、いわゆる民間で騒がれておりますセクショナリズムを排すというようなお考えのもとにおきまして、こういう新機構の案をおつくりになつたかどうかということをお聞かせ願いたい。
○葛西説明員 各省にわたつております共管の事項を整理するという案は、政府の方の行政機構簡素化の際には一應取上げたのでありますが、だんだんと國会に提案を早くして結論を急がなければならぬというような関係で——これは言い過ぎておりますればあとで取消しますけれども、私の聞くところによれば各省の共管事項をこの際ごたごたとやつておつてはなかなか結論がつかないので、一應現在のままでやつて行く、やがていろいろ機構刷新についての行政機構の委員会等もできるようでありますので、そこでやつた上でさらに共管事項というようなものは整理される、かように私は了解しております。間違つておりますればあとで訂正いたします。
○福田(昌)委員 各省の新機構の決定の場合において、他の省との共管事項について何ら話合いをつけていないということに対しては、きわめて私は遺憾と思うのでございます。私といたしましてはそういうことをまず第一に取上げてやつていただきたかつたのでありまして、各省内々々におきまして、個々別々に省の中の縮小をはかり機構の改革をはかるよりも、むしろ私は他の官省との共管事項というものを第一に取上ぐべきであつたと思うのであります。今後そういうことにつきまして特に御配慮の上、共管になつておりますことをきわめて簡素化するように御配慮願いたいと思います。 次に私といたしまして質問させていただきたいことは、このように公衆衞生局と予防局が一緒になりますれば、地方の衞生部というものがいきおい整理の大きな対象になつて行くのではないかと思うのであります。從いましてこの地方衞生部の行政整理についてはどういうお考えをお持ちであるか伺いたい。
○葛西説明員 地方の部制の問題につきましては、御承知のように地方自治法の改正をやらなければならないわけでございます。地方自治法の改正という問題は、実は私どもの直接の所管ではありませんので、そういう立場から申さずに厚生省というような立場から申し上げることをお許しいただきたい。厚生省といたしましては、地方の衞生部というようなものにつきましては、人員整理の問題がありましたが、これは別途取上げるといたしまして、とにかく衞生行政というような特殊の專門の行政をやつて参りますためには、独立した部をもつてこれが知事に直属して仕事をして参るということが、どうしても必要であるように私どもは思つております。地方の行政整理という問題は、あるいは人員を淘汰するという大きな問題、あるいは地方財政をどうするというようなさらに大きな問題から決定をされて來る問題ではあろうと思いますけれども、一應私ども厚生省の立場といたしましては、ぜひかような意味におきまして衞生部という特別な部は存置をさせていただきたい、かように考えております。関係の方面等にはこの旨をとくと傳えて、その面に努力しておるような次第でございます。
○福田(昌)委員 地方衞生部の今後の活動というものは、私たちといたしましては最も期待しておる点であります。從いましてこの地方衞生部を縮小されるということは重大なことになります。この地方衞生部の縮小ということを考えてみまする場合に、私たちといたしましては兒童局が社会局に統合された場合、また藥務局と医務局が統合された場合というようなことを想像いたしてみますると、何と申しましても地方衞生部というものは、公衆衞生局と予防局が統合されたほど大きな影響をこうむる場合はないと思うのであります。今回のように厚生省の新機構の場合に、不幸にして予防局と公衆衞生局が統合されましたから、從つてこういうような機構の改革をいたしますると、いきおい衞生部というものが、何と申しましても、地方廳におきましても、行政整理の対象として大きなパーセンテージを占めて來るということは当然考えられると思うのであります。從つて厚生当局におきましては、今日この機構改革を遊ばしました予防局と公衆衞生局を統合した場合に、地方衞生部にいろいろな影響を及ぼすということを御考慮に入れてこの予防局を御廃止になつたのでございましようか。
○葛西説明員 ただいま地方の衞生部の將來起るべき統合あるいは縮小というような問題と、中央における公衆衞生局並びに予防局の統合の問題との関係が、非常に密接であるような御意見でありましたが、これはたいへん失礼でありまするが、実は私はさようには考えておりませんわけでございます。かりにこの新しい機構ができましても、衞生の関係は公衆衞生局、医務局並びに藥務局の三局あるわけでございます。仕事の分量等から考えましても、事務の便宜上、能率化というような点からかようにいたしたわけでありまするので、これによつてさらに仕事がどうこうということはないと思うのであります。私どもは、地方衞生部の問題は、先刻御相談を申し上げておりますように、地方衞生部については、はつきりと存置をしたいという熱望を持つておるものでありまするが、私どもは今の中央の機構の統一が直接地方の機構に響くとは考えておらぬわけでございます。
○木村(榮)委員 議事進行についてちよつと発言したい。 今日は連合審査会でございますが、この前の内閣委員会の申合せでも、大体連合審査会はすみやかにやるという関係上、一日くらいでとりやめようというような話をしておつたのです。その点は今度の議会の会期の点も考えまして了承いたしますが、そのような申合せをした以上は、関係大臣やその他の政府委員の諸君もたくさん出席してもらつて御答弁を願う、このことが最もこの審議を早めます、また一日でもやろうという私たちの熱意だつたと思うのです。にもかかわらず今日は、この大事な連合審査に対して、説明員だけお出になるというようなことでは、今日一日というのは私たちは承服しがたい。從つて今日いろいろな点について質問のあるお方は御質問なさるのもけつこうだと思いますが、今日一日ではないということを確認いたしまして、基本的な問題は、大臣の出席を求めてもう一ぺんやりたい、このことを提案いたします。
○齋藤委員長 大臣は今日病氣で出られません。それから政務次官は、今日何か大臣が出なくてはならぬ会合があるので、二時から三時までその方に出られます。なお申しておきますが、大臣はおられなくても政府の代表者がおりまして、政府の代表者の言明についてはむろん大臣はその全責任を負われまするからして、大臣不在の場合においては、やはり政府委員をして大臣にかわつて説明をさしてさしつかえないと思います。
○木村(榮)委員 そのことについて私は申し上げたいのですが、ただいま次官のお方の説明を聞いてみますと、あとで取消すとか、このことについて私がこういうことを申し上げるのはどうかと思いますとか、まことに何か他人のような話をやつておられる。そういうことでは困るのです。だからそういつた意味合において、むろん責任のあることは認めますが、少くとも連合審査会というものは相当大事な委員会でございますから、よほど政府の方としても責任ある方が御出席になるなり、また答弁の場合においてもあとから取消すとか取消さないとかいつたような無責任なる答弁はされないようにしてもらいたい。そうでないと私たちとしては承服いたされないのであります。從つて私は何もこだわるわけではなりませんが、今日一日だけではないということを申合せていただきたい。このことだけでけつこうだと思います。
○齋藤委員長 質疑を継続して、その模樣によつてきめます。
○福田(昌)委員 ただいまの御説明によりますと、地方衞生部の行政整理ということについては、厚生省の機構改革の場合には少しも考えていなかつたというように承つたのでありますが、これは私は当事者の方々にとりましては非常な不覚なことをなさつたと思うのであります。今日地方衞生部におきましては人員整理の対象になりはしないかと思いまして、非常な不安の氣持を持つておるのであります。もし地方衞生部が公衆衞生局と予防局とが一緒になることによつて少しも影響をこうむらないのだ、何ら特別なことはないのだとお考えでありましたならば、その旨を傳達なさることが必要であろうと思います。そうすれば地方衞生部がむだな運動をする必要もなくなるわけです。地方の行政機構の改革は厚生当局の知つたことではないというようなお話かもしれませんが、そのくらいのことはなさるべき責任があると私は思います。
○葛西説明員 地方の部制の問題は、先ほども申しましたように地方自治法の改正ということが政府から提案になるわけでございます。それから中央の機構をかりに一緒にいたしましても、それは地方の衞生部の存廃の問題とは直接関係はないというわけで、それほど重大には考えていないわけであります。
○堤委員 ただいまの福田昌子さんの御質問に対する御返答、まこと私は意外に存じます。各府縣において衞生部が今日いかなるところの動搖を來しておるかということを政府当局は御存じであるかないかということを御答弁願いたいのであります。
○葛西説明員 地方の衞生部がどんなふうにしておるかということにつきましては、実は私どもの所へも地方の衞生部等からぜひ必要であるということをいろいろ申して來ておりますので、よく承知はいたしております。ただ中央でこうすることがただちに地方の部の存廃には直接影響はないと考えておる、かようなことを申した次第であります。
○堤委員 もしそうした空氣を御存じでございますならば、かゆいところに手が届くところの政治があつてしかるべきであると私は思うのであります。民自党の厚生委員の方々もさぞや地方からの陳情がたくさんあつて、御面接になつておられることだろうと私は思います。必ずしも社会党とか野党の厚生委員だけがそれを承つておるというわけのものではないと思いますので、ひとつ政府はこの点について地方の衞生部には影響はないということをはつきり答弁なり公表なりをする必要があるということを私は御忠告申し上げておきたいと思います。
○齋藤委員長 今の堤さんのは質問ではありませんね。
○堤委員 意見でございます。
○齋藤委員長 意見なら承つておきます。 福田さんよろしゆうございますか。
○福田(昌)委員 よろしゆうございます。
○小川原委員 簡單にお尋ねしたいのですが、少しこの問題よりはずれておりますけれども、関連して重大な問題でありますのでお尋ねしておきたいと思います。その点委員長にお許しを願いたいと思います。 製藥につきまして、非常にたくさん製藥が出ておるので、たいへんに余つておるような情勢ですが、これについて統制をお省きになるかどうか。それから藥價が非常に高い。この値段ははたして適当なものとしてこれをお定めになつたのかどうか。こういう点をお聞かせ願いたい。それがやがて機構に関する問題に重大な関係がありますから、縁が遠いようではありますけれども、そういう点から一應ひとつ聞かしていただきたいと思う次第であります。
○葛西説明員 製藥の関係につきましては、実は統制が現在二つあるわけであります。一つは生産資材——藥のもとになる生産資材の統制と、それからでき上つて参りました医藥品を配給して参る点の統制、この二つがあります。私どもといたしましてはでき上つた藥を統制して参るという点は、お述べになりましたように大分品等も出て参りまして、配給統制を解いてもさしつかえないものについては、できるだけ、現に解きつつあるのであります。先般も二十六品目ばかりの医藥品については配給統制を解きましてやつておるようなわけであります。この方面は今後もたくさんできたものについては、でき得る限り統制を解いて参るといような方針でやつて参りたいと考えております。ところが先にあげました指定生産資材の統制の方は、まだ資材が十分でもありませんので、経済安定本部の計画によつてわけておりますので、その方の統制は目下のところは簡單にこれを解いて行く見透しは立たないような実情であります。
○小川原委員 今この統制を解くことになるとどういう弊害が起るのでありますか。われわれから見ると統制を解いた方が非常に円滑に行くと思います。統制々々と言つておると、はなはだ粗惡な品物が出ておるのです。御案内の通り注射をして非常に困つた人も出て來ておる。私も実際ここに注射藥を持つておりますが、見てもらうとこれはいかぬ、注射してはならぬということで注射いたしませんが、現在お見せしてもいいような品がある。これは一体自由でなく、統制する、そうして一部の人たちの了解によつて市場に現われるということになりますと、こうしたものはどうしたらよいのであるか。その点について御見解をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○葛西説明員 ただいま私どもの方は配給統制の方のわくはできるだけ解いて参りたいと考えておるわけであります。これが現在まだ解けないと申しますのは、実は医者の手元に必要なものだけをわけなければならないような品物を、もし配給統制を解きますと、一方に固まつてしまつて、必要なところに行かないというようなことがあつては一大事だ。生産額のきわめて少いものについてだけはまだ統制をやつて行かなければならぬ、こういうわけであります。指定生産資材の方面につきましては、これは全体の他の工業の資材と藥の関係とは競合いたしたりしておりますので、そういうような十分でないものもありますから、必要の方面に多くやるというわけで、統制をいたしておるわけであります。 それから粗惡な藥が非常に出るという御意見、これはまことに私ども申しわけないと思つております。役所の方においても特に監視課というような課をつくりまして、地方廳を督励いたしまして拔取り檢査等をいたしまして、惡いような藥をつくつておる会社等には相当の処罰をし、あるいは適当に世間に発表して、その会社の自覚を促すというようなことをやつておりますし、これからもその方向にはうんと力を入れて、なるべく粗惡なものが出ないように、かように戒心をいたしております。
○小川原委員 價格はどういうふうにごらんになつておりますか。それぞれの價格がついておりますが、それぞれの品物に対しては適当な價格であるとして御認めになつたことであろうが、われわれは專門家ではありませんが、專門的な知識からそれを眺めますと、まず暴利であると言わなければならぬような品物も相当多くあるのであります。こういう点は当局はどういうふうに御認めになつておるのでありますか、もしそういうことが明らかになつたならばすでに値段を改訂して、そうしてこれを安くするというお考えか。まだやはり統制して行かれるというお考えか。そういうものはただちに自由販賣にしようというお考えか。その点をはつきりひとつお答えを願いたい。それから統制を解くということになると、業者から統制を解かぬでくれという陳情がしきりにある。また一方から見ると、統制を解けというと、それはよかろうといつて口では約束するが、なかなかその場に行くと統制を解かない。そういう関係は複雜なものがあろうと思いますから、当局は公平な立場、高所大所から眺めて、現在どういう考えであるか、率直なお話を承りたい。
○葛西説明員 現状を申し上げますと、現在のところでは実はあらゆる物價については物價廳において、價格を査定いたしまして物價をきめておる。その中に藥の関係等も入れておるわけでございます。今非常に藥が高い、暴利というようなものもあるのではないかというお話がございましたが、実は私どももそうではないかと思つて取調べてみますと、実は原料の値上りというものが非常にあるわけであります。御承知の通り医藥品は基礎の原料が、甲のものが乙になり、乙のものが丙になり、丙のものからさらに藥をつくるというようなものが化学藥品等には非常に多いわけであります。そうなりますと、原料の價格が上つて参りますと、どうしても價格を引上げて参らなければならないという状態になつて、累次上げて現在のようになつて來ておるわけであります。しかし下げるという努力を決してしないというわけではありませんので、若干でも安くなるということでありますれば、物價廳に至急に連絡いたしまして、できるだけ安くするように、先ほど申しましたように、よい藥を給供するということに努力しておるつもりでございます。さらに家庭藥——ざつくばらんに言えということでありますから、一例を申し上げてみたいと思いますが、家庭藥の関係等については、実は價格の統制をはずしてもらいたいということもあり、内々物價廳とも打合せをしておるわけでありますが、いろいろな関係でまだそれをやるだけの域に達しておりません点は非常に遺憾であります。そういうようなこともあります。この中には業者の中ではつけておいてくれという要望のものもありますし、また解いてくれというものもあります。大体は解いてくれというような氣持なのでありますが、そういうようなものについては、少くとも私どもは解いて行くというふうに努力して行きたい心持だということだけを申上げておきます。
○小川原委員 もう一点だけお尋ねします。たいへん御親切な御答弁で、何も包み隠さずお話で私満足いたします。なおお耳に入れておきたいと思いますことは、社会の状態が非常に不安になつて参りました。これが医者にかかろうと思うと、なかなか今日の医者代というものは金をたくさんとられる。それが一本の予防注射である程度までは自分の力でからだをよくして行くことができる。それが今度は賣藥店に行つてみると非常に高い、驚くべきものがある。はなはだ不都合千万なものがあります。そういうものを公然と統制をして賣らしておる。この統制が非常にいけない。それはわれわれも常識から考えて品の不足なものを統制を解けというようなむちやなことは言いません。われわれの解けということは、相当に品があるのだ、この相当に品があるものをなぜ統制しているのだという不安があるからお尋ねしているので、きわめて常識的なことだと思うのであります。そういうものを今のお話で、大体自分らも解いた方がいいと思うのだが、物價廳は解かぬのだ、そう平たい言葉ではなかつたが、こういうようなお言葉のように承れたのですが、これは一体官廳と官廳でありますから、努力すればできることだと思う。民間と官廳ならばなかなかこれはできぬのです。けれども厚生省という官廳と、物價廳という官廳で、同じ責任をとらなければならぬという間柄にあつて、それができないことはないと私は思う。これはその努力が足らぬからだと思う。これは人ごとだと思つておるからだ。政治は人ごとじやないのです。なるほど役人であるからおれは事務だけとつておればよいのだと言うが、そうではない。その事務をとる人が治者にもなり、被治者にもなり、医者にも行けない人がおるのですから、これは努力してもらわなければなりません。そうしてただちにこれを解いてください。解かないと、これは社会不安で相当な問題が起ります。一日でもそういう不安に國民を置くということは、今日の政治の民主化ではないのであります。そんなことはもう年寄りがましく言う必要はありませんが、どうか即刻これは解いてもらいたい。そうしないと、困つておる人が藥を買うて、自分のからだよくするということはできはしません。これはあなたに申し上げてもしようがないことでありますから、今日は大臣がお見えになりませんが、大臣にもこういう質問があつたということをおつしやつてくだすつて、そして解いていただきたいと思います。それについて私は参考に承りたいと思いますが、何か御答弁くださる材料がありましたならば、材料を聞かしてください。私もそういう方面について研究したいと思います。 以上希望のようではあるが、質問もしておきたいと思います。それが一点と、この資料をひとつ出していただきたいということ、人口に関する資料と、今申しました統制藥品に関する品目と値段を、まことに御迷惑なことでありましようが、出していただきたい。それによつて当局に迫りたいと思います。
○葛西説明員 ただいまは私どもがこうやりたいと思つておるが、役所の中でやれることを努力が足りないというふうなおしかりのお話でありましたが、たいへん恐縮をいたしております。できるだけ統制をはずしてさしつかえない、しかも要望があるというふうなものについては、全力を盡してさように処置したいと考えております。大臣にもそのことはよくお傳えをいたします。
○田代委員 第一の質問といたしましては、この設置法案の審議はきわめて重要な問題であります。ところが本日この席上におきまして、こういう分厚い資料をテーブルの上にたたきつけて、そうして即刻これで審議しろ。先ほどの次官の説明によりましても、大体何が何やらさつぱりわからぬのであります。大体設置法案というものはこういう内容で、アウトラインはこうである、どれくらいの人員をこうして、そうしてこういう部局をこうして、課をこうしてというアウトラインを説明されるなり、あるいはまたこういう資料を提供されるならば、少くとも数日前にもらわなければ審議は不可能であります。ところがまず第一番にこういうやり方をされること自体が、まつたく古い二十年も三十年も前の官僚的なやり方でありまして、こういう態度をなお続けられるかどうか。われわれはこういう態度をもしなされるならば、審議は不可能であるという点を主張せざるを得ないのであります。まず第一番にその点に対しまして、どういう態度でもつてこれを審議されようとしておるか。これに対する答弁を求めます。
○葛西説明員 今日出して、すぐ分厚い書類で審議をしろというふうになつたことは実は申訳ないのでありますが、設置法は御承知のように非常に早急に國会に提案するということに相なりました関係から、資料等もなかなか早急にできずに、その点は申訳ないわけでございます。 先ほど政務次官からも御説明があつたのでありますが、現在の機構とかわりました点を委員長のお許しを得て申し上げたいと思います。設置法としてかわりましたのは二点ございます。一つは先ほど來御議論になりました公衆衞生局と予防局を一緒にして、そうしてその課が非常に多いものでありますから、その中の環境衞生に関係のある部分だけをとりまして、環境衞生部というものを置くことになりました点が一点でございます。第二点は現在は予防局に衞生統計部というものがありまして、人口動態並びにそのほかの衞生諸般の統計をやつておる部があるわけでございます。そのほかに現在は大臣官房の総務課に統計係というようなものがありまして、省全般の統計のとりまとめをやつておるわけでございます。この衞生統計と、大臣官房にあります統計係とを統合いたしまして、統計調査部ということにいたしまして、これを大臣官房へ持つて來たという点、この二点だけがかわつた点でございます。人員の点は御承知のようにまだ御決定になつておりませんので、確定はいたしておりません。從つてこうなつたというように申し上げることはできません。
○田代委員 そういたしますと厚生省の関係いたします問題は、現在社会的な問題といたしましても、また日本の当面の失業者が非常に増大し、病人が非常にふえておるというような事情におきましては、最も重要な問題でありまして、根本的にこういう厚生省のごとき省を簡素化するとかいうような名目のもとにこれを圧縮するという方向に持つて行く事態というものは、もつてのほかであるというふうに私たちは考えるのでございますが、大体この設置法案を立案されるにつきましては、社会保障に対するどういう観点からこういうものを意図されたのであるか。この点に対する御説明をお願いします。
○葛西説明員 ただいま田代委員から厚生行政につきまして、非常に御同情のあるお話を承りまして、私どもとしては感謝に堪えないわけであります。私どもも決して仕事の面をおろそかにしようというふうに考えて立案をしたわけではございません。私どもはできるだけのことをして、できれば機構、人員等も相当数を擁して仕事をして参ることができるような状態でありますれば、きわめて望ましいことではあると考えるのでありますけれども、また別の面から行政の機構を整理し、あるいは人員を整理するということはまたやむを得ないことであろうというふうに考えまして、連絡もとり、何と申しますかやり得る最小限度の方法でやつて参る。これでやつて参りますれば、能率を下げることなくして、御指摘になりましたように、社会保障あるいは國民の保健衞生という面を下げることなくしてやつて参ることができるという自信をもつてこれをつくつたわけでございます。
○田代委員 今の御説明を聞きますと、依然としてはなはだ不満でありまして、とにかくできる状態であるならばという前提から出発されておるのでありまして、現在の社会情勢からいたしまして、また國民の健康状態からいたしまして、これはそういうできることであれば、あるいはなければというふうな消極的な受身な立場でなく、積極的にこれはどうしてもやらなければならない、積極的にこういう社会保障をどんどんやらなければならない段階に達しておる。國際的にも日本の文化的な立場を明快にし、國際的信用を高める立場から申しましても、何はともあれ、十分な金は使わなければならぬじやないか、受身の立場に立つということでなくて、むしろ拡充するという立場に立たなければ私たちは理解できないのであります。これは全國民の要望であると思う。ところが現在のこの政府当局の立案に対する態度自体というものが、とにかく金がないから、またいろいろの圧力があるから、これを廣げるというような基本的な態度をまつたく放棄されましたへつぴり腰の單なる便宜主義から來た立案であるというふうにしか理解されないのでありますが、その点に対しましてどういうようにお考えでありますか。
○葛西説明員 私はこういうふうにいたしましても、現在よりも能率を下げることなくしてやり得る、こういうことを申し上げさせていただきます。
○田代委員 現在より以上拡充されなければならないというふうには理解されないのでありますか。
○葛西説明員 私どもの仕事につきましては熱意は持つておるつもりでありまして、私どもこういう機構になりましても、現在よりもさらに努力をして能率を下らぬようにぜひやつて参ることを申し上げておきます。
○田代委員 それでは部局の廃止、併合、拡充ということになりますと、これは当然人員の問題との関連なくしては十分理解されないのであります。それで定員法との関係はどうなつておるかということをお尋ねいたします。
○葛西説明員 人員はただいまのところでは御承知のように政府の閣議決定がございますので、あの線に沿うて厚生省におきましても人員を整理して、この機構でもつてやつて行けるという信念を持ちまして、この機構の改正案を御提案申し上げておるわけであります。
○田代委員 そういたしますと現在の厚生省の内容といたしまして冗員があるというふうにお認めでございますか。
○葛西説明員 冗員ということでございますが、たとえば勤務時間等も三十六・六が四十八時間にもなつておるというふうなこと、それから職員もまたさらに一層努力をいたしましてやつて参りますれば、これくらいのことをやりましてもやつて行ける、かように考えておるわけであります。
○田代委員 そういたしますと今のお言葉は大体現在の勤務員、從業員で過不足なくして、別にこれによつて人員が減るとかふえるとかいうことはないという御説明でありますか。
○葛西説明員 この設置法には実は人員のことは何も書いてございません。定員法の御審議のときにそれが出て來るわけでありますが、これは厚生省においても今申し上げましたように、四十八時間というふうなことになつて参りますれば相当人員を節減ができる。それからさらに政府の閣議で御決定になりました人員というものを厚生省の部面において整理をいたしましても、職員が努力をいたしまして大いに能率をあげてやつて行ける、こういうふうに申し上げたわけであります。
○田代委員 はなはだ不満でございまして、実際においてこういうものをこういうふうな形で設置するについては、人員が大体どれくらい減りまた節約できる、労働時間の延長によつてどれくらいのことが節約できる、労働強化によつて大体これくらいのことができるというような、少くともそういうアウトラインなくしてはこういうものは設置できないのでありまして、そういうことに対する説明が全然ないのでは、われわれこの審議に対してはなはだ行悩みであります。定員法が出てから初めてはつきりさせるというふうなことは、きわめて不親切ではないかというふうに存じます。そのアウトラインだけでも説明してもらいたい。
○葛西説明員 私どもは全然定員の削減ということを無視してこの案をつくつたわけではないのであります。閣議ですでに決定をされまして、こういう点についてはどれくらいの整理ができるというふうな閣議の線に沿うて、一應の見通しを立てまして、そうしてそれを入れましても現在の機構にあてはめてやつて行ける、こういうふうに考えておるわけでございます。
○田代委員 依然としてあなたは抽象的でわかりません。そのアウトラインが大体閣議で決定しておる人員の内容はどうかということを求めておる次第であります。
○葛西説明員 私が申し上げましたのは、閣議できまつたというのは先般新聞紙上に出ましたごく大ざつぱな非現業ほぼ三割、現業二割というような線でございます。実は何人どうなるかというふうなことはまだ政府の御決定がありませんので、ここで申し上げるまでに至つておらないわけでございます。
○木村(榮)委員 ちよつと関連して……。厚生省だけが遅れておると思うのです。この間私は内閣委員会で伺つたら、逓信省においては大体三万八千人整理する、どこから何人ということまでは今言えぬけれども、大体人間の数は合計三万八千人の整理、このことはもちろん各省とも今田代君が言つたようにアウトラインはわかつておると思う。本多さんもそう言つていました。もう一つ私は前に関連して言いたいことは、あなたは田代君の質問に対して、突如としてこれをやらなければならぬようになつたからこの法案を出したと言つておる。私は納得できない。というのは御承知のように國家行政組織法というのが昨年の第二國会においてすでに決定いたしました。その國家行政組織法が決定した以上は、各省とも機構改革が当然起つて來る。國家行政組織法ができたときから厚生省の当局も腹案を持つておつたかどうかは知らぬが、もうちやんとそれくらいのことはやらなければならぬことになつておる。それをあなたが今日にわかにやらなければならぬから出す、このような答弁は私だちとしては承服できません。この点についても御答弁願いたい。
○葛西説明員 実は今のような厚生省設置法を用意いたしましたことは、今お述べいただきました通りでございます。ただ資料をつくつてお届けいたしますことが実は遅れましたわけでありまして、御承知のような閣議の決定あるいはまた関係方面の御了解というようなことで、こういうふうに遅れておるわけでございます。資料を皆様方のお手元に差上げますことが遅れましたことをおわび申し上げたわけであります。私どもの準備をきのうきよう始めたと申し上げたわけではないつもりであります。
○木村(榮)委員 さつきの答弁では突如としてこしらえなければならぬようになつたから、資料がなかつた。大体資料が元です。それはこれくらいでいいのです。それから私がもう一点聞きたいのは、逓信省の方では三万八千と言われたが、今の厚生省の方で——わからなければわからぬでよい。何もむりに言いなさいというわけでないから、厚生省の方ではまだそのようなことは言えませんかという私の質問でございますから、言えませんと、かようにおつしやるか、言いますとおつしやるか、二つの話だから、この点だけを御答弁願いたい。
○葛西説明員 私どもの方でも閣議の線に沿うていろいろ計算はいたしておりますが、正確にどれだけ整理いたすということをまだお目にかけるものが出ておりません。かように申し上げておるわけであります。
○木村(榮)委員 だからさつきから問題になつておりまするように、非常に哲学的な禪問答のような答弁をなさらないで、首を切ることは切るのだが数はわからぬ、かように解釈してさしつかえないわけでございますか。
○葛西説明員 整理のありますことは、私どももあると思つております。ただ具体的に何人をどうするということを申し上げる段階に至つておりません。
○田代委員 先ほどの予防局の公衆衞生局への合併の理由を承りますと、どうしてもこれをしなければならないというような明確な理由が私たちには理解できないのでありまして、ただ行政整理をやるというその絶対命令にとにかく歩調を合せなければならない、そういうような便宜主義的な説明しか得られないのでありますが、承るところによりますと、予防局長が実はやめられたので、この際予防局も廃止して、そうしてこれになたを入れた方がいいじやないかというふうなうわさも実は一面にあるようであります。こういうことであるならばわれわれははなはだ納得が行きませんので、もう少しそういう点を明確にしていただきたいと思う。それから先ほど標準定員ということを申されましたが、標準定員ということはどういうことであるか。実際において標準定員にまで各部局の定員が満ちているか。また不足しているかというような点も御説明願いたいと思います。
○葛西説明員 予防局と公衆衞生局を統合いたしましたのは、今田代委員からは人の点に関連してお話がありましたが、さような意味では全然ございません。先ほど來申し上げておりますように、今の医療関係の問題とさらに進んで予防衞生、それから進んで環境衞生、公衆衞生、そういうものが非常に関係があり、うらはらになつて仕事をして参る。密接に連絡をして行く、局がわかれておつても密接に連絡すべきであり、さらに一つにして部というものをつくれば、事務の整理もできるというようなことでやつて、能率を落すことなく連絡をとつてやつて行ける、かようなことが予防局と公衆衞生局を一致統合して新しい公衆衞生局をつくることになりました理由でございます。それから先ほど申し上げました二十四年度の標準予算定員と申しますのは、先般國会において御議決になりました予算の定員のことでございます。
○田代委員 予算定員と申しますと、どういうことですか。
○葛西説明員 現在おる実人員という意味でありませんで、前年度の予算である定員、これをさらに今度は行政整理で減すものが出て來るわけでございます。前年度の予算、言葉をかえて言えば二十三年度の予算が当然二十四年度へ移つて参ります。その数を押えておるわけでございます。さらにこれに何割かを減しますれば、それからさらに減つて参る。先般國会の御議決をいただきました予算は、大藏省の主計局において若干削つたものを御議決になつておるわけであります。
○田代委員 私が先ほどから申しましたように、実は機構の問題は、当然これは人員の問題との有機的な連関なくしては十分理解ができないのであります。ところがその面に関しましては、まだアウト・ラインすら御説明がないのであります。私は定員法なり、はつきりそういう見通しがつきましてから、あらためてこの問題を十分質疑をいたしたいというふうに質問を保留して、これで打切ります。
○齋藤委員長 池田君、本多國務大臣に対する何か御質問がありますか。本多國務大臣は今來られましたが、参議院の方にも用があるらしいから、御質問があればこの際においてやつていただきたい。
○池田(正)委員 きわめて簡單なことですけれども、厚生大臣もおられませんから、行政機構の問題は本多國務大臣に関係ある問題でありますから伺います。機構改革の中で今問題になつておつた予防局と公衆衞生局との合併の問題ですが、これはやむを得ないとして、そこで公衆衞生局の中には環境衞生部というものがある。この環境衞生部というものの項目を見ますと、從來の予防衞生局に属するものがほとんど環境衞生部となつて独立した形をとつている。そこで公衆衞生局というこの名前を予防衞生局と修正してもらいたいということですが、これに対してひとつ御見解をお伺いしたい。
○葛西説明員 言葉の問題ですから私からお答え申し上げます。実はそういう話も審議の途中でございまして、何か予防という文字は出ないかということで、檢討いたしたわけでございます。ところが予防局にありまする仕事と、公衆衞生局の仕事を合せますると、やはり公衆衞生、パブリック・ヘルス、こういう観念が一番あてはまるわけでございます。ことに予防衞生と申しますと非常に狹い概念になつて参ります。間にポツをつけて予防・公衆衞生ということになりますと——予防及び公衆衞生というふうにすればなんでございますけれども、そういう名前はちよつとつけにくいというわけで、閣議においてもこれは御檢討になられました結果、いい名前がない。予防衞生というとこれはお医者さんもおいでになりますが、特殊な観念で予防衞生という文字からは非常に狹い観念しか出て参らない。この中のごく一部、予防課とかそのほかのごく一部しか含まれた観念でない。從つて予防という名前は非常にむずかしい、衞生予防とするか、それもむずかしいというわけで、いい名前がありませんものですから、やはりパブリック・ヘルス・ビユーロー公衆衞生局という名前よりほかないということで、実は公衆衞生局というようになつたわけであります。しいて申しますれば、前の公衆衞生局はパブリック・サニテーションというような意味で、あとのものはパブリック・ヘルス、しいて言えば健の字を使つた公衆保健という観念に当るかもしれない。ところが厚生省の中には保險局、ソーシャル・インシュアランスという保險というものもあつて、それと非常にこんがらかつておかしい。パブリック・ヘルスというなら公衆衞生でありますから、それでよくはないか。いい名がなかつたものでありますから、やはり公衆衞生局と、かようになつたわけであります。文字だけの御説明を申し上げます。
○池田(正)委員 これは実は私個人のことでなくして、名前の問題ですから、何とかひとつ相談して、予防という字をつけて予防公衆局とでもして、あまり長くなけば衞生という字を拔いてしまつてもいいから、それを何とか考えてもらいたい。これは党としても公に取上げた問題ですからぜひひとつお願いしたい。 それからもう一つ、この中に國立公園部がありますが、現在の名前で言えばこれは公衆衞生局の下にある。お医者さんの下に國立公園という性格のものがあるということは不合理じやないかという意味で、これはどうしてもぜひとも官房の中に入れてもらいたい。これも私個人の意見ではない、党の意見ですから、ぜひひとつそういうふうに修正願いたいと思うのですが、あらかじめ本多國務大臣の御意見があつたら伺いたい。
○本多國務大臣 ただいまの御意見につきましては厚生大臣とも協議いたしまして、十分考慮してみたいと思います。
○齋藤委員長 本多國務大臣に質疑をいたしたい方が一人あります。青柳君。
○青柳委員 一点伺つてみたいのであります。これは本法案と地方出先機関との統合の関係であります。本法案を見ますのに、第二章の第三節に地方支分部局があります。駐在防疫官事務所並びに医務出張所に関する規定があるのであります。これらの出先機関は近き將來に行われんとしております出先機関の統合の際になお存続するものとしておきめになつたものでありましようか、どうでありましようか。その点をお伺いしたいと思います。
○本多國務大臣 実は出先機関の整理につきましては、根本方針を、府縣單位以下の区域を管轄する出先機関はこれを廃止して、府縣に移讓したいという方針をきめてやつたのでございます。從つて防疫駐在官で府縣單位のものは廃止になつているところもございます。ただいまのお話のは府縣單位以上の廣域の機関だろうと思いますが、これはそこまで及びたかつたのでございますけれども、提案までに結論に到達することができなかつたのでありまして、今後なお行政制度の改革問題として審議して行きたいと考えております。
○青柳委員 そういたしますると、府縣より上の單位にあるこれらの出先機関は、本國会中にはその廃止については別におきめにならぬ、こういうお話でありますか。
○本多國務大臣 会期も余り少いことでありまするし、おそらく今提案しております以外の廣域の機関については、今度の國会で解決を見ることは困難ではないかと考えております。
○青柳委員 その点がはつきりしておりますれば何もないのでありまするが、もし本國会中に府縣單位以上の單位に位する出先機関の廃止が行われるとなりますと、本合同審査はそれがきまつてから行わるべきであると存じます。その点につきまして本多國務大臣のお考えを伺いたい。
○本多國務大臣 厚生省関係におきましては、今國会で府縣單位以上の廣域の出先機関の廃止等について御審議をお願いするようなものはないかと考えます。
○青柳委員 わかりました。
○齋藤委員長 次は木村君。
○木村(榮)委員 私が準備いたした質問は厚生大臣がおられませんから、この次の機会に内閣委員会その他で厚生大臣に質問いたしたいと思いますが、ただ一点だけ参考までに承つてみたいと思うことは、大体これを見ますと、なかなかたくさん項目ばかりうまく書いてございます。ところが今までこういつたものができますが、大体なわ張りと責任のなすり合いが多いのです。そこで私は話をうんとくだいてひとつお尋ねしてみたい点は、たとえばびろうな話になつて來ますが、あの鉄道の停車場のレール上の現象でございます。糞尿物語りになつて來ますが、ああいつた風な現象です。大阪の駅に行つてごらんなさい。レールの上は糞の山です。ああいつたものは鉄道省が監督すべきものか、厚生省が監督すべきものか、社会保健衞生といつたふうな関係から言えば、國際的な大きな問題である。そういつたことは何十年この方かしらんが、このごろはちよいちよい私も旅行いたしますから見受けるのですが、特に大きな駅においてはこれを毎日のように目撃いたします。今日に至るまで何らほとんど具体的な措置が講ぜられない。一事が万事です。これは一つの例です。小さいと言えば小さい具体的な例ですが、このような現象を見たときに、ここにたくさんうまいことが書いてあるけれども、なかなかうまいことを書いただけではできないのです。そこで私の意見ばかり言つても問題にならないから、鉄道の糞はどこの管理になるのですか。
○葛西説明員 正確に申し上げますれば、直接管理していただくものは鉄道の構内でございますから運輸省でございます。しかし厚生省といたしましても今のようなことは公衆衞生、環境衞生の面から重大な関係がございますので、積極的に運輸省にお願いして、そういうものはとつてもらうように、即刻運輸次官にもお願いいたしまして、その措置を講じてもらうように努力をいたします。
○木村(榮)委員 そこで私の質問を延長いたしますが、駅の場合はいいとして、汽車が進行いたしております場合は所在がわからぬ。もし傳染病などを振りまいてあるいた場合には、たいへんなことになる。鉄道沿線全部に振りまくのですから、これはじようだんじやないのです。一事が万事です。そういうことがあるからその辺のけじめをよくしてもらいたい。たとえばさつき民自党の方から質問があつたが、國立公園においてはこしらえるのは建設省が大きな役割を占めてこしらえて、できてしまうと厚生省に移る。また公衆衞生の中の便所の話になるが、あの便所は最初はよいがだんだん惡くなる。予算がないから放つておく。それでだんだんだめになる。その辺のなわ張りがはつきりしない。絶えずなわ張りが動搖している。そういつた風なことをうまく処理するようにこの法律はできているかいないかという点を承つておきたいと思います。どこでそれをうまくやるか、こういうことを承つておきたい。
○葛西説明員 今お述べになりましたような問題につきましては、いかに文章をはつきり書いておきましても、やはりそういうふうな問題はどうしても起きて参りますので、これには言い古された言葉でありますが、各省あるいは各機関の間によく連絡を密にしてやるということよりほかにしかたがないのでありまして、組織をおきますと、これはいかに詳しく書いても、いかに詳しくきめてもそういう問題は起きて來ることだと思います。私どもといたしましては、從來より一層緊密に連絡いたしてやつて参るようにしたいと考えております。
○木村(榮)委員 このごろ町外れの方に行きますと、よく進駐軍の命によつてごみを捨ててはならない、こういう札が立つている。日本にも厚生省があることでございますし、日本の人民にいたしましても、ごみを捨ててはならないくらいのけじめがつかなくて、進駐軍の命でなければわからぬというのでは、まことにもつて情けない話ですが、しかしながらそのような札を立ててもらわなければならないところに問題があると思う。そういつたことに対しては、一体厚生省は今後どのような手を打つ御方針であるか。
○葛西説明員 ただいまのようなことは実際私どもも目撃いたしまして、実に申訳のないことだと思いますが、あの進駐軍の命令によりというのは、おそらく地方軍政部の方からのいろいろな指示があつてやらされておることで、これはもうそんなことを言われるまでもなくやらなければならぬことで、今回環境衞生部というものを新しく設置していただこうということになりましたのも、実はそのような方面に相当施策を講じて参りたいと考えております。ことにそういう方面になりますると、これはどうしても國民一般が公衆衞生と申しますか、そういう方面の理解を得ることが非常に必要になつて來るわけでございます。今度は厚生省におきましてもそういうふうな公衆衞生とか、あるいはまた廣く一般の衞生、社会福祉という面で國民一般に訴え、弘報宣傳というふうな機構を総務課の中につくつておりまして、予算等も千二百万円ばかり今年いただいておりまするが、そういうふうなもので國民一般に訴えることがぜひ必要だと思います。ごらんになりましたかもしれませんが、今月号の厚生時報といふ宣傳雜誌があります。あれの表面には都市の環境衞生をきれいにしたいというふうな寫眞を入れましてやつておるわけでございます。お述べになりましたような点全部この環境衞生と申しまするか、公共衞生ということでございまして、環境衞生部を中心にいたしまして今のようなことでやつて参りたい。かように考えておるわけでございます。
○木村(榮)委員 これも最近のできごとですが、例のサンマータイムというものが、日本の氣候風土から言つて、また生活の環境から言つて、いろんな状況から見て、日本の國民にとつては健康上いいものか惡いものか。厚生省は大体どのようにお考えになつておるか承つておきたいと思います。
○葛西説明員 実は國民の健康にいいか惡いかという点でございますが、私どもの方もできるだけそういう資料を整えたいと思いまして、若干統計等をまとめたいと思つておりますが、実はまだ正確なものがまとまつておりません。これは常識的に申しましてもわかりますように、実はずつと遠い所から通うような人等であります場合には相当むりの行くことはわかり切つたことですが、多数の一時間とかあるいは一時間以内とかいうような近い者については、さほどの影響はないのではないかと実は内輪で話し合つている程度でございまして、具体的にあれ以來の統計の数字をもちましていかなる結果が國民全体に出ておるか。小さいものはあるいはあるかもしれませんが、全体的な衞生統計部等でとりまとめた数字はまだ集まつておりません。從いまして厚生省としてあの問題についてどうなつておるかというふうなことを申し上げる段階にまだ至つておりません。
○木村(榮)委員 こういつたものが戰爭後にわかに始まつて、しかもこれは法律でやられまして、相当根拠があつて、このことがいわゆる夏時間として日本の國民の保健衞生上非常にプラスの面があるといつたような國民を納得させ、また私たちが現に経驗いたしましてもまことにけつこうだというだけの調査報告といつたようなものが出てこそ、初めて私たちはこういつたものにも承服ができると思う。ところが今聞い見まするとたいしたものはない。まあやつて見るかというくらいの話で、簡單に日本の八千万の國民の生活に日々影響を及ぼすようなことがきまつたのじや困るので、その点はしようがないということになると、厚生省なんかはこの問題にはあまり関知していない、かように解釈してさしつかえございませんか。日本の政府ではあまり知ろうとは思わない、かように解釈してさしつかえございませんか。
○葛西説明員 今の夏時間の問題は、実はいろいろな観点があるわけでございます。電力の節約であるとか、あるいはいろいろな御承知のような観点がありますが、ただ私は今申し上げましたのは保健衞生上いかなる影響を與えておつたか、その基礎の数字をどう思つておるかということでありましたものですから、まだありませんと実は申し上げたわけでございます。
○木村(榮)委員 私どもは非常に関連性があるからこういうことを聞くわけでありますが、たとえば昨年例のジフテリア予防接種によつて、私の縣においても三百何十名の子供が発病いたしまして十六名なくなつた、こういつたことを私たちは現に目の前に見ております。そのようなことが法律できまつてやらなければならないのだが、日本においては実際そのようなことをやるような注射液の生産設備、生産技術があるかどうか、こういうことも大きな問題になつて來ると思う。こういうことを問題にしないで法律をきめて、それやれといつて殺人注射をやつてもらつたのではとんでもないことになる。一事が万事、このような國民大衆として納得が行かない点が出て來る。そういうことがたくさん書いてある。書いてあるがその裏づけとなるような実際の予算にいたしましても、あるいはその他いろいろの技術的面にいたしましても、研究の問題にいたしましても、そのことがはたして行われるかどうか、このことを大体承つておきたいと思う。
○葛西説明員 今のジフテリアの注射事件についてはまことに申訳ないことをでかしまして、実は恐縮いたしておるわけでございます。ただ予防接種法を実施いたしまするときに、先般國会で御審議をいただきますときも申しましたように、ああいう事件がたびたびあつては困るわけでありますが、ほとんど稀有の事件でありまして、從來日本でもあの生物学的製剤のものは相当やつておつて、かような事件は今までの経驗ではなかつたわけであります。たまたま御承知のような一製剤所の不注意のありましたために、しかもそれが國家の檢定の目をくぐりまして、かような悲惨な事件が起きて何ともおわび申し上げようもないことをしでかしてしまつたわけでございますが、それからさらにあのことにつきましては、あるいはさらに從來より一層嚴密な國家檢定をするように規則等を改めますとか、あるいはさらに製剤所は檢定だけでは間に合いませんから、技術も人も十分そろつたいい製剤所でかようなものはさせるというようなことにいたしますとか、あるいはまたかような從事者に拔取り檢査にはかような注意が必要であるということを、さらにあの事件が起きましてから記憶の新たな間に、関係者を集めて講習をいたしますとかいろいろやつて参つて、再びかような事件を起さないようにということで、実は私ども中央地方呼應いたしまして戒心をいたしておるようなわけでございます。ここにありまするいろいろな文句につきまして、羊頭を掲げて狗肉を賣るようなものはないかというお尋ねでございますが、これは私どもとしましてはできるだけ憲法の第二十五條にもありますような精神に沿いましてぜひやつて参りたい。ただいまの御質問は私どもに対する非常ないい御訓戒というふうに拜承いたしまして、將來とも努力をいたす覚悟であることを申し上げておきたいと思います。
○木村(榮)委員 予防接種の話は大分あつたので私はやめますが、大分見解が異つている。私どもの地方の病院で発病いたしました子供の治療に当つて、約二十日間ほとんど病院に泊り込んで、手塩にかけて治療に当つた小兒科の医学博士がおります。この方からこの問題について約半日くらい專門的にいろいろ意見を拜聽したわけでありますが、その結果名前を申し上げてもいいですが、この医学博士のお方の説明によると、大体檢定とかいうことは問題ではない。そもそも檢定しなければならないようなものをこしらえるようなことに問題がある、こう言つておる。これは非常に技術的な、科学的なものであつて、それが完備さえして、一定の技術を持つた者が、一定の設備をした工場と言いましようか何と言いましようか、そういつた製作をいたしますところでこしらえたならばそのような危險は起るものではない。ところがそれを法律できめてやる。今までは発生した場合には、ただその附近だけを予防接種すればよかつた。從つて生産量は少くてよかつたから、北里研究所とか傳研というようなところで非常にうまくやつておつた。ところが今度は傳研や北里研究所なんかでやつておつては間に合わぬ。大体研究所というものはそういうものをこしらえるものでないというような妙な議論が起つて來て、傳研や研究所の仕事は閉鎖してやめさしておる。そうして商賣人にどんどんこしらえろこしらえろ、こうなつておる。これは金もうけでありますから、早くやれというわけで、歓迎はしませんが、早くこしらえる。商賣上こしらえてもいいから、それだけの設備と資金、あるいは資材、人の問題というようなことを根本的に檢討した場合においては、ただ單に檢定々々、檢査々々で檢査倒れになつてしまいます。檢査官を製作者よりよけい入れなければならぬというようなことになつてしまう。そのようなことでは困ると思うのです。これに対してはどのように考えておりますか。大体機構全般的にそのようなやり方がある。
○葛西説明員 ただいまお述べになりました御意見通りに考えております。檢定よりもむしろやはりつくるところを押えて行く、信用あるものをつくるようなものにつくらせるということがもとであることは申すまでもないわけでございます。それで実は從來とも、今お言葉ではもうけ主義にずいぶんやらしたというようなお話もございましたが、これは十分注意をして許したわけでございまするが、さらにその許します基準を高めまして、相当な設備のあるもの、相当の技術者のおるものというようなものを選びまして、これは相当数を減ずるつもりでございます。そうしてそういうものに許すということにしたい。それから現在ある事件が起きましてからは、御承知のように予防接種法を一時停止しております。再檢定——日本國中にありますものの拔き檢査をいたしまして再檢定をしております。そうして二度檢査をいたしまして合格したものだけ使うというようなやり方をしておりますから、これから出て参りますものはさらに嚴重な檢査をする。 第二には、檢定と申すことも、これはやはりあれだけの法律をもつてやります以上は、どうしても檢定も必要でございます。今人間がうんといるじやないかというお話でございますが、これはつくり方によりまして、御承知のように液をたくさんつくるわけであります。ロツトと申しまして、大きなガラスのびんの中へ入れて液をつくります。その液を攪拌いたしますれば、同じ液ができるわけでありますから、それを適当に拔き檢査をして嚴密な化学檢査をして、同じ番号をもつてやりますれば、その液は安全ということになりまするので、十分注意はいたしてやらなければなりませんが、二度ばかりそれを檢査することにいたしておりますから、將來は万々かような間違いはないだろう。今お述べになりましたように設備や人、あるいは資材等のもとで押えて行くという御意見については、私どももまつたくさように考えておりまして、今後つくりますものは、現在四十くらいありまする製剤所を十数箇所ないし十くらいのところにしたいというわけで、今関係方面と打合せをしております。これらは相当基準も高い技術を持ち、相当の設備を持ち、相当の資材の配給、監督の目の届くものにまず製造させる。それからそこでできたものについて、今のように拔き檢査ではございますが二度の檢査をいたしまして、それでやつて行くというようなことで、安心をして予防接種がやつて行けるようになる、かように信じておるわけでございます。
○木村(榮)委員 まず國立病院が特別会計になるわけですが、職員の方は特別会計になつた場合には、雇用関係はかわつて來ますか。
○葛西説明員 雇用関係はかわりません。やはり國立病院でありまして、ただ特別会計になりますと計算を別にするというだけのことであります。あたかも逓信省が特別会計でありまして、逓信省の者が官吏であると同じでございまして、現在の雇用関係、身分の関係はかわりません。
○木村(榮)委員 それから特別会計になれば、入院料とか、いわゆる医者代は今までより高くなるのですか、安くなるのですか。見通しでいいですから……
○葛西説明員 医療費は、現在では國民健康保險の單價にずつとよつておりますから、國立病院等では一割引でやつておると思いますが、それがなくなるというふうなことは、これは國立病院が特別会計になつたとか、ならぬとかいうことは別の問題だと思います。
○木村(榮)委員 基本的なところは厚生大臣にお聞きいたしますからもうやめますが、ここを見ますと、「公衆衞生局においては、左の事務をつかさどる。」こう書いて二十五か項目がありますが、この中には墓地、旅館、興行場、公衆浴場とか、皇居外苑とか、京都御苑、新宿御苑等たくさん書いてあるのです。けつこうなことでございますが、一体このくらい書けばもう少しこまかく書いてもらつてもよいと思うことがある。と申しますのは、たとえば貧民窟とかいうようなところ、下が濕地なんか多くて、非常に不衞生的な住宅、あるいは煤煙なんかが非常に多くて國民の健康を阻害するような住宅地というようなことが書いてないようですが、どこかに書いてありますか。書いてあればけつこうですが、私ちよつと見ましたが、書いてない。
○葛西説明員 ただいま御指摘になりました非常に不衞生的な地区、あるいは風紀上いかがわしいような地区というようなものをきれいにする、不良住宅地改良というようなことではないかと思うのでありますが、これは実は建設省で所管をすることになつております。建設省で不良住宅地改良事業法でしたかがありまして、その方は建設大臣が所管をすることになつております。もちろん衞生の面というような点につきましては先ほども申し上げましたように、両省協力をいたしてやるという点は、申すまでもないことであります。
○木村(榮)委員 そこで私はお尋ねいたしますが、國立公園の保護による日本國民の保健衞生と、そういつた不良住宅の管理改善によるところの保健衞生と、どちらの方が大体厚生の方に近いわけでありますか、教えていただきたいと思います。
○葛西説明員 今の不良住宅の点というのは、実は不良住宅地区改良法でやるということになつておるのでありまして、ここに書き上げましたのは実は例示でありまして、ほかにもいろいろあるのですが、書き上げ切れぬからそういうふうになつておるわけであります。 第二にお尋ねになりました今の公園というようなことと一体どつちがどうなるかというようなことでありますが、今の不良住宅の改良というようなものも、実は單に衞生だけというようなことでありますれば、厚生大臣が所管をするということも、これは一つの意見として成立つわけでありますが、不良住宅の改良というものの目的には実は保健衞生の問題はもちろんありますが、そのほかにも今の風紀風俗というような問題があつたり、あるいはまた防犯と申しますか、あるいは地区の整理というような建設的な面もあつたりなんかするようなことから一應建設省という所で所管することになつておるわけであります。先ほども申し上げましたように仕事をどこの省でやるかという点は、はつきりと今のようにわかれないようなものが御承知のように非常に多いわけでございます。例をもつて申し上げますならば、保健衞生とか、あるいは防犯だとか、あるいは風俗だとかいうふうに縦に切つてあるものと、それから建設というふうに横へ何と言いますか、物をつくる、あるいは道路をつくる地区を整理するというような仕事とある。そうするとクロスするところでは、どうしてもどつちの省にも関係があるということに相なるわけでございます。そういうふうな関係からいたしまして、どうしても一方は向うでやるということに相なつたわけでございます。
○木村(榮)委員 そこでだんだん承つて來ますと、わかつて來るわけなんですが、いわゆる厚生省の担当いたしますところの根本的なものの解決がついていないから、そのように末端に至つては一方においてはここは建設省でやる、ここは厚生省でやる、やれ庭掃除だとか、やれ公園の穴掃除だというふうな妙なことをやつておるが、それもけつこうなことなんです。というのはいわゆる厚生省の目的の一番大きなものは、さつき田代君が言いましたように、日本の一般國民大衆の中から病氣の点においてもだんだんこれをなくして、ほんとうに保健衞生の上においてはりつぱなものにするというのが目的だと思います。そのためにはどうしても積極的にそういつたことを守るような機構をやらなければならぬ、これが根本だと思います。こういう観点からこの厚生省設置法案を見ますと、そういう観点からの設置法案ではなくてできてしまつたことの跡始末、いわば人間が死んで火葬にすることや、どこへ持つて行つて埋めるということや、たれてしまつたくそをどつかへ持つて行つて捨てること、このような政策ばかりです。そもそも含水炭素をたくさん食つておる日本の國民は大ぐそをたれておる。これをもつと栄養價のある物をとつて行けば、そういう面もどんどんかわつて來る。都会の便所もくその山にならなくてもよい。そういうことを考えましても、もつと基本的な点をやらなければならぬところが大いにあるのに跡始末ばかりである。お寺の坊さんのやるようなことをここでやるようである。やるべきことはそのほかたくさんある。そういう点でもあなたと論じてもつまらぬから林厚生大臣と一戰戰わしたい。きようはこのくらいにしておきますが、そういう点はどうも御考慮になつていないようだが、いやそうではない、この辺ではこういうふうなことを積極的にやつておるという何か御意見があれば伺つておきたいと思います。
○葛西説明員 どうも厚生省のねらいの見当がはずれておるというふうな意味の御叱咤でありますが、厚生省は御承知のように設置法の第四條にもございますように「社会福社、社会保障及び公衆衞生の向上及び増進」という憲法第二十五條を目標にして具体的に書き上げましたのが一から六まであるこの目標に從つてやつておるわけであります。栄養の改善というふうなことも実は中に書いてありまして、今お述べになりましたように必ずしも大食いをしてやるというようなことでなくてもいいじやないかというふうな指導もやるわけでございます。力が足りませんで、なかなか十分に行つておりません点は申訳ありませんが、やるつもりでございます。それから文字の点で、坊さんのやるような跡始末のようなことばかり書いてあるということでございますが、これは実は具体的にこういう事項があるものでございますから一一書き上げたのでありまして、そういう御印象を受けられるとすれば表現の仕方が惡いわけであります。何もここに書いてあるものしかやらぬというわけではありません。第四條には、憲法第二十五條の國として努めなければならない仕事を厚生省がやつて参ることを書き上げてありますが、これに連関して從來からやつておる仕事をここに書き上げたのでございまして、今お述べになりましたように廣く氣をつけて行かなければならぬと思います。しかしさつき縦横の例を引いて申し上げましたように、いろいろ保健衞生というような仕事は、学童等のことはやはり学校でやつてもらわなければならぬし、あるいはまたそれぞれの省に雇つておるような人ならば、それぞれの省でやつてもらわなければならぬ、あるいはまた汽車の中の衞生は運輸省でやつてもらわなければならぬというふうに、やはりいかにわけましてもやむを得ないことがございますので、そういうふうなよその省に関連のある公衆衞生の向上、あるいは社会福祉というような点につきましては、今後十分連絡をして憲法二十五條の趣旨の通るようにやりたいと存じておる次第でございます。
○木村(榮)委員 今日の最後にもう一点だけお尋ねしたい。去年ぐらいから特に顯著になつたことでございますが、國立療養所や病院のお医者さん方が非常にたくさんおやめになる。いろいろ原因を聞いてみますと、月給が少くてどうもうまく行かぬ、こういうことであります。また患者の側から聞きますと、いろんな問題がたくさんございますが、待遇の問題がきわめて惡い。いろいろな配給食糧なんかをめぐつての不正や不平が起つて來るということが大分あるらしい、こういうことで、療養して早く健康体になつて働いてもらわなければならないところの連中が、病院に行つてどろぼうにあつたり、あるいはまたとんでもないけんかの中に入る、このような傾向がある。その根本的なものは確かに國家予算の問題に関係があると思いますが、これでは非常に困る。そういう点を、もう少しほんとうに患者も安心して療養ができ、またお医者さんの生活が保障されて、療養さしてやる、治療に当るということができるように急速にかえて行かれるような方針はございませんか。そういうことはどうでもいいから跡始末だけやつておけばいいというお考えでありますか。
○葛西説明員 これはもうお答え申すまでもなく、ぜひいいお医者さんを得て患者にも御迷惑のないようにすることは、國立病院とか國立療養所の使命であることは申すまでもございません。ただ何と申しましても今のように相当のお医者さんがやめて行くことは事実でございます。これはできるだけいい人を得るように、しかも給與の問題も努力をいたしますことはさることながら、そのほかに國立病院等ではお医者さんや看護婦というようなものが研究ができる点も、お医者さんの集まる非常な魅力でもあるようであります。わずかではありますが本年の予算等には、かようなものが若干見込んでありますし、できるだけいいお医者さんが安心して集つてやるようにぜひしたいと思つております。 食糧の点につきましてはいろいろな点が私どもの耳にも入りますし、定めし國会の皆樣方のお耳にも入ることと存じます。私どもできるだけそういうことのないように努力したいと思います。今度の設置法にもあります医務出張所にも命じまして、かような事件等がありましたら私どもにすぐ連絡をして、実情を調べて間違いがあつたら正すように努力をして來ておるわけであります。今後ともそういう点については十分努力をして國立病院、療養所の本來の目的に沿うようにいたしたいと考えておる次第であります。
○床次委員 簡單に二、三御質問を申し上げます。今回の改正の主要な点は公衆衞生局の関係でありますが、結局におきまして公衆衞生局と予防局を合せて一つにしたという形だと思います。人の面について申しますと、局長が一人減つて、そのかわり部長が一人ふえたという形に見えるのでありますが、しいてかかることをする必要があるかどうかということを私はお尋ねしたいと思います。なぜかと申しますと、今度の新しい公衆衞生局になりますと、公衆衞生局長は非常に大きな廣汎な、しかも重要な仕事を担任するのであります。かつての予防局におきましても実はいろいろ緊急な問題がありまして、相当予防局長としては責任が大きかつた。過重とは申し上げませんが、相当責任の大きかつたことを見ております。今度公衆衞生局長に直属するところの数課がありますが、これをこの際もつともつと拡充してやつて行く必要があるのではないかと思います。しかるにもかかわらず環境衞生部、國立公園部という二つの部をも兼ねるということにつきましては、よほど公衆衞生局長がしつかりしておらなければ、この大事な衞生行政というものが相当障害を受けるのではないかということを懸念するのであります。この点につきまして御当局の御意見を伺いたいと思います。 それから次に國立公園部がここに入つておりますが、先ほども同僚委員から御質問がありまして、あるいは官房にでも持つて行つたらどうかという御意見もありましたが、將來のわが國の観光行政という立場から見ますと、やはり観光行政の一環として國立公園の行政のあり方というものをかなり考えて行く必要があると思います。はたして公衆衞生局にこうやつて一つの部として置いておくことがよいかどうかということについては、御当局のお考えもあることと思いますが、將來観光行政に関し、國立公園部のあり方について何か政府にお考えがあるかどうかということを、第二点としてお尋ねいたしたいと思います。 それから第三は、これに関連したことでありますが、参考に聞かせていただけばけつこうであります。今度文部省の改正におきまして、体育関係の仕事が相当縮小されたように承つておるのであります。公衆衞生の立場から申しますと、國民の健康を増進するという意味において、厚生省は大きな責任を持つておられますが、はたして將來の國民の体力、國民の健康の積極的増進方法において欠けるところなきやいなや。厚生省の立場におきまして、この点の御意見を伺いたいと思います。以上御質問申し上げます。
○葛西説明員 第一にお述べいただきました予防局というものは非常に緊急な用事がある、特に急性傳染病等の場合に非常に緊急なことがあつて、大事な、しかも忙しい仕事であるという点は、私どもも実はその通りに存じております。そういうことからいたしまして、実は今度床次委員もお述べになりましたように、かつこうから申しますれば予防局を公衆衞生局と一緒にして一局をつくり、環境衞生部をつくつたから、実は局長が部長になつた、結果から見れば同じことだということはその通りでありますが、これを一緒にしてやると今のような点もできないという点から、先ほど木村委員のお述べになりましたような環境衞生というような点もきわめて重要でありますので、環境衞生という面でくくつて、事実は公衆衞生局長はほとんどこの課で、表で申し上げますれば庶務課というごく小さい課と栄養課というものだけが予防局の從來ありましたものにくつついただけでありまして、ほとんど局長みずから課長を指揮してやるところは、実は予防局である、実態はその通りのわけであります。でありまして、あとは環境衞生部長に大づかみにつかんでおいていただきまして、それをさらに公衆衞生局長が見て行くというふうなことに実際はなるわけであります。なぜそういうようなことをするかという点については、先ほど來、福田委員その他の方々もお尋ねの通りでありまして、その局長は非常にたいへんだろうという点については実はそういうふうにも思いますが、人事等にも十分考えましてやりますれば、これをもつてやつて行ける、かように考えておるわけであります。 それから第二にお述べになりました國立公園部の所属の問題であります。忙しい公衆衞生局にさらにこういう部をつくり、あるいは本質的にこういうものはどうであるかというふうな点でありますが、私どもは実はこの國立公園部を、先ほど本多大臣からは林大臣と御相談になつて善処をされるというような意味のお言葉であつたように拜聽いたしておりましたが、公衆衞生局にこれを置きましたのは、主として從來の沿革と現在からかようにすることが適当であろうという意味でここに置いたわけでございます。沿革と申しますのは床次委員よく御承知のように、この法律が二十年近く前用意されますときにも、國民の健康増進というふうな面から國立公園の問題を取上げたというような点もあり、そのようなことから実は公衆衞生局に今もありますし、一應置いたわけであります。これはそれだけのことであります。ただ將來こういうものをどうするかというような点については、御承知のように内閣のもとに観光審議会がございまして、これで今の観光事業の振興というような点で御審議になりました結果、内閣の方に、総理大臣に答申をされました中には、こういうものと、それから運輸省方面にありまする観光部と申しますか、今は課でありますがそういうもの、あるいはまた名勝というようなものまでも一緒にした、あるいは建設というような部面も一緒にした一つの観光廳というようなものをつくることが理想ではないだろうかという意味の答申もあつたように聞いております。しかし現在かようにわかれております以上は、先ほども申しますようにやはり連絡をとつてやつて参るよりほかはないのではないか、かように考えておるわけであります。 それから文部省の体育局の関係についてお尋ねがありましたが、特にこれはまた厚生省の立場からでよいから何か考えがあればというような御意見でありましたが、実は文部省設置法案もまだ國会に提案になつておらないかと思いますが、その草案にも、お話のように体育局がなくなりまして、それぞれの局に分属されるようなかつこうになつているように拜承いたしております。そうなりますとやはり実は國民の健康増進の問題について関心を持つ厚生省としても無関心ではおられないわけであります。ことに最近保健所の行政というものが延びて來ておりまして、こういうものと連絡をとつてやるということでありますれば、さらに新しいかつこうのものが考えられるのではなかろうかというようなわけでありまして、先ほど來申しましたように、今回の設置法の案には間に合いませんでしたけれども、内部では実はいろいろ文部省等ともかような意味から打合せをいたしておるような次第でございます。將來この点はいろいろまた文部省のお立場もあろうと思いますが、両方相寄つて研究して、適当な成案を得たい、かように考えている次第であります。
○床次委員 第一問についてちよつと重ねて申し上げます。前の予防局の所管しておりました課の中に、さらに栄養課が加わり庶務課が加わる。ここに一つの公衆衛生局の強化されたものができましたことは、これは確かに増加されました点から見て、非常によいことではないかと思います。しかしながら残りました環境衛生部と國立公園部の問題につきましては、先ほども申しましたように、結局前の予防局長が環境衛生部長になつたという形だけのように見受けられますが、一應所管から申しますと一つの局に二つの部と直属の数課が入つたということは、仕事の内容から申しますと相当多きに過ぎるので、あるいは從來通りの局にしておく、そうして今度の環境衛生部が局になつて、そこに國立公園部をつけておくということも一つの見方だと思います。予算その他から見て大した意味もないように思います。もちろん先ほど申しました栄養課が片一方にできることはけつこうだと思いますが、そういう課の所管はできることと思います。局を一つ廃止するほどのこともないではないかと思います。今度の公衆衛生局の仕事がてんでしにくくなるような結果を起すのではないかということを私は縣念するのであります。この点につきましては御当局は十分愼重な態度をとつて仕事をやられることが必要ではないかと私は考えまして、重ねて一應お尋ねいたす次第であります。どうしても一つ局をなくさなければならぬかどうかという点をお尋ねいたしたいと思います。
○葛西説明員 これはあるいは事務当局でありますものがお答えをするのもどうかと思いますので、後刻相談をいたしまして、そういう根本的な方針の問題でありますので、御質問の要旨を傳えまして、もし他日でよければ政務次官なり大臣がお見えになれば大臣のお口から適当の機会にお述べ願うことの方がいいのではないかと思います。
○齋藤委員長 床次君、よろしゆうございますか。
○床次委員 よろしゆうございます。
○齋藤委員長 逢澤君。
○逢澤委員 ごく簡單にお尋ねしたいと思います。厚生省というものは残りますが、今回の局課の統合、分合によりまして私は能率が下るとは思わないのですが、ここに設置法案の四十條の一に「社会事業の助長及び監督を行う」ということが書いてあるのですが、この社会事業に対するやり方は從來と違つた観念がありますか。從來より積極的にやろうという氣持がありますか。その点をひとつお伺いします。
○葛西説明員 ただいまの御質問の趣旨が実ははつきりいたしませんので、あるいは間違つておりましたら重ねてお答え申し上げさせていただきますが、厚生省設置法による今後の社会事業というふうなことになつて参りますれば、これは憲法にありますようなふうに社会保障という目標に向つて努力をして参りますことは申すまでもないことでございます。新しい憲法下においては當然やつてもらわなければならぬと思うのでございますが、この設置法の前とあととでやり方をどうするかというふうな点については、別段今の方針を設置法でかえるというような意味はないと存じます。
○逢澤委員 そこで次に私は質問いたしたいと思うのですが、四十一條に書いてあります災害救助法、それからその次の三に持つて行きましてその他の「保護を要する者の保護及び救助」ということが書いてあるのです。その範囲は相当廣いと思うのですが、大体そういうものの範囲についてちよつとお伺いしておきたいと思います。
○葛西説明員 災害救助の場合における保護の対象は、これは災害の罹災者の應急救助でありますので、かりに川が切れて全部水にかぶつてしまう、たき出しをしなければならぬというようなことがありましたときには、これはその地区における全住民が貧富を問わず、老幼男女を問わず、一週間なりあるいは三日間なりたき出しをいたすというふうなときには、全部が對象になつて参ります。ところが平常の状態におきましてこれを救護して参るというような場合になつて参りますと、実は一番最低のものは生活保護法でございますが、生活保護法ということになりますれば、これは生活をすることのできない者に最低生活をやらして行くことになつて参ります。ところがまたその中間になりますような場合、たとえば兒童福祉施設として入れなければならぬというふうな点になりますれば、若干の経費をとつてもやつて行くというふうな点がございます。その救護なり保護の種類によりまして段階があるように存じます。
○逢澤委員 もう一つ、その次のその他「前各号に掲げるものの外保護を要する者の保護」というのは、それはどういうところをお考えになつておりますか。その点お伺いいたします。
○葛西説明員 あり場所がわかりませんので正確にお答えできませんが、その他の保護というのは、今申したような罹災者とかあるいは生活保護法とかのほかにありますものは、たとえば特殊婦人でございますパンパン・ガールみたいなものを保護するというようなこと、あれが病氣がなおつて、將來再起させるためにいろいろやつてやるというような保護等は、今のその他という中に入るかもしれません。あるいはまた肢体不自由者とか、めくらの人の保護とかいうのも今の範囲の別の立場から保護を加えて参ることもあろうかと思います。
○逢澤委員 そこで私まことに残念に思いますのは、そうなると戰爭による犠牲者に対する考え方がどこにもないように考えられるのです。その次に四十二條の一と二に、「傷痍者保護更生」とか、あるいは「傷痍者に対する授産及び職業補導」ということは書いてありますが、これは傷痍者に限定しておるのでありまして、一般の戰爭犠牲者に対する氣持が何ら一つもこれに現われていないのであります。この点は厚生省の設置法案作成に当りまして、考えを及ぼしたか及ぼさぬかということにつきまして一應お尋ねしたいと思います。
○葛西説明員 ただいま申し上げましたように、実はその他という中へ今の戰爭犠牲者と申しますか、未亡人と申しますか、遺族と申しますか、さようなものは入らないのではないのでございます。それの保護もやり得るのでございます。ただ特にそういうものをここに特記いたしませんでした理由は、実は具体的な案がまだありませんので、具体的にそういうものをどうするということが成立たぬものでございますから、実はそれを取出してなかつたわけでございます。なぜ具体的にそういうものが成立たないか、しかし実際は生活保護法の適用があります。あるいはまた子供をかかえた遺族でございますれば、母子寮というふうなものにも入れてございます。しかしそういうものに対する特別の保護の体系というものが、実はまだ打立てられないのでございます。これにつきましては、御承知のように昭和二十一年の二月に出ました連合軍司令部の指令第七百七十五号というものがございまして、その関係で実は非常にむずかしい問題になつております。しかしあの関係も特別に理由が立てば、何もさしつかえはなかろうかと思います。そういうので具体的な案が、成立ちますれば、たとえば傷痍者の保護というようなものについては、昨年の二月に連合軍司令部の承認を得て特別な仕事をやるということが実はきまつたわけであります。そこでそういう具体的な特別な仕事ができましたものですから、身体障害者の保護については特別に書いて掲げたわけでございます。今の遺族なり、あるいは未亡人なりといつた方々の点につきましては、特別にまだそういうふうな承認を得て具体的にかような仕事をやるのだという特記する仕事はないのであります。生活保護法でやる。母子寮でどうする。保育所でどういうふうにするということはありましても、そのほかに実は特に掲げるものがなかつた関係上特別に書かなかつたのでありますが、しかししないという趣旨ではありません。今御指摘になりましたように、その他の保護という中で十分そういうものができればこの局においてできることは申すまでもありません。
○逢澤委員 未亡人の問題につきましては、先般來小委員会などにおきまして、相当愼重に研究が進められておりまして、やがてあなた方のお手元にいろいろの案が出ると思います。從いましてそれはその他の部で取扱いができることになると思いますが、未亡人以外にも相当な戰爭犠牲者がある。これは一般の犠牲者ではなく、一家全滅とか、三人の子供をまるつきり失つておるというような人もある。傷痍軍人の方々もお氣の毒でありますが、それ以上にお氣の毒な方々がたくさんあると私は思う。これらに対し厚生省として今まで御研究になつたことがあるか。こうもやらなければならぬのであるが、しかし例の通牒の次第もあつて厚生省としては手がつけられぬということならこれは別です。しかし調査をなさつたことがあるかどうか。調査したがこういう通牒の次第もあつて実施することができないというのか、どちらであるか一應承りたい。
○葛西説明員 今の戰爭犠牲者と申しますといろいろな犠牲者があるわけでありますが、戰災をこうむつたというようなものの人数なら、いろいろの調査等も若干は持つております。あるいはまた子供をかかえた未亡人、それも戰爭の犠牲を受けた方々でありますが、こういうものの調査も若干はあります。今局長から申し上げたかもしれませんが、現在集めておる母子の資料もあります。そのほかに廣く戰爭の犠牲を受けた者という意味の調査は実はないわけであります。戰災者の保護につきましては、これは今の生活保護法等でやる。あるいは引揚げて來た方々も戰爭の犠牲者ですが、これらも生活保護法でやる。また引揚げについては若干生業資金、その他の保護のあることもおつしやる通りであります。それから傷痍者の方も今御指摘の通り、若干の施策も認められまして、これも手をつけております。ただ残つております問題が子供をかかえた未亡人の方々の問題、これが特別に取上げて何をするかという案が実はまだ立つておらぬわけであります。
○逢澤委員 まだそのほかにあろうと思います。三人ある男の子をまるつきり失つた、そうして老夫婦が残つておるというような氣の毒な者があります。そういうような者もひとつ調査していただきたい。私はこの際そうした戰爭犠牲者、つまり家族を失つてしまつたというようなもの、主要な家族を戰死させたというようなものに対しては、もう少し積極的な調査をしていただきたいと思います。そうしてこれは経済的の問題だけではなしに——むろん生活に困つておるものに対しては生活保護法というものがあり、これによつて無差別平等の原則からやつたらよいではないかということも一應考えられる。しかしながらこの考えの中には同じ生活保護法を受けるのにも、私はいろいろの事情があると思う。実際仕事を怠けて、仕事もせずに生活の保護を受ける階級もある。あるいはまた公職のために倒れて、そうして一家の生活の中心を失つて、それがために生活保護を受けるというようなものもある。今申し上げたように、長男以下三人のものが戰死したために生活に困つておる。それは三人の男の子がほんとうに國家のために犠牲になつたのだ、こういう考え方からすると、怠けたために家計を営むことができない、それと同じ意味合いの保護は受けない、そういう階級がたくさんあると思うが、それらを御研究になつておるかどうか。こういうようなものに対しては同じ生活保護法でもつてこれを同一の立場で考えることは誤りだと思います。こういうものに対しましては同じ保護をするとしても、怠けて生活できないものと、今前段に申したようなものとに対しては、経済的の立場は同じといたしましても、了承し得るような方法をお考えになる必要があると思います。こういうものについて御研究なすつたことがあるかどうか。
○葛西説明員 ただいまお尋ねになりました点は特に國家の犠牲、戰爭の犠牲になつた者について特別の保護をするかどうかというようなお尋ねかと思います。この問題は生活保護法をつくるときに十分研究をされた問題でございます。御承知ようにこの生活保護法の前は、兵隊に行つた者、兵役関係のためいろいろやつた者、一家の支柱が兵隊にとられて、兵役のためにけがをして食えなくなつた者等に対しては軍事扶助法というものがございます。これは一番手厚い保護をいたしておつたのであります。それから戰災を受けた者については、これは戰爭中にできたものでございますが、戰時災害保護法というものがございます。これは軍事扶助法までは至りませんけれども、一般の救護法よりも高い保護を與えておつたのでございます。救護法というのは年令の満たない者、六十才以上の者で生活に困つておる者を救護するというような、大体三段階の制度があつたのであります。これが御承知のように終戰後そういうことではいかぬ。新しい憲法の線に沿いまして、しかも二十年十二月に連合軍の指令が出まして、救済、福祉に関する計画を政府が立てよというようなことになつた。これには原因のいかんを問わず無差別平等に保護をすべきである。原因は問わない、戰災によろうと、兵役服務によろうと、あるいは今御指摘になつたようなかりにのんだくれになつたために貧困に落ちたというような者にあつても、一應最低生活を保護するものは生活保護法でやるのだ、この線をとつてそうして今までのような三段階にわけて保護しておつたものを全部廃止したわけであります。根本的には今のどういう理由でどうなつたという者について特別に保護をするということは認められておらないわけでございます。ただ傷痍者でありますとか何とかいうことになりますと、一般の人よりはハンデキャツプがあり、そのハンデキャップを埋めるために若干の方法が必要だ、あるいは引揚者というものには若干のハンデキャップがある。それをどうするという問題については、それは特別なものがいる。しかしそれであるから金額を多くするというような從來の保護というものは認められないことになつております。昭和二十年十二月十四日附のディレクティヴだと思いますが、そういうことになつております。そういうふうな意味の調査はその当時も十分いたしております。未亡人の問題にいたしましても、やるといたしますれば、若干のハンデキヤップを埋めるための施策という線で考えるよりほかはないような現状になつております。
○逢澤委員 二十年の十二月に出された通牒を当局はあまり重大視過ぎておるのではないか。その当時と今日とは事情がよほど違つて來ておる。特に社会情勢がその当時とはよほど違つて來ておる。未亡人の問題にしましても、政府がやらぬといつても、われわれはやる決意を持つておる。今指摘しましたような問題につきましても、政府がもう少し熱意をもつてやつていただきたいと思います。政府がやらぬとすれば、われわれは独自の考え方で陳情を重ねて行こうと思つております。しかしながらわれわれがやる前に政府がよほどの決意と熱意をもつてそれを調査して、その当時はこれを許されなかつた傷病者に対する問題にしましても、先ほど次官から御指摘のありましたように、これが若干緩和されたということは、その当時と事情の変化による結果そうなつたのだと思います。さらに、無差別平等は私もいいと思うけれども、ただ私どもが申し上げるのは、生活に困つておる人の物質上の問題だけでなく、生活に困らない人には何か精神的なやり方があると思います。このことにつきましても十分なお考えをいただきまして、こういうような事情がある、國内事情はこうで、こうすることが社会情勢上非常に必要なことだということを、向うへ行つて当局としてお話して下さることを要望しておきたいと思います。私のお尋はこれで終ります。
○丸山委員 四つばかり質問いたしたいと考えておりましたが、先ほど來の質疑應答で重複になると考えますので省略いたしまして、新機構の問題についてお伺いいたします。 私がこれを拝見いたしますと、公衆衞生局が直轄しておる課は旧予防局であります。すなわち二局が一局になつて予防局が廃止になつた形になつておりますが、実は予防局は廃止にならなくて、公衆衞生局と名前をかえ、公衆衞生局が部に落ちて環境衞生部になつたという印象を受けるのであります。ところが環境衞生部に属しております仕事は、ここに書いてありますのを見ますと、大分多岐にわたつております。八つばかりあると思いますが、これこそ重要なものでありまして、先ほど問題になつておりました糞便の問題等も、やはり清掃、衞生の改善及び向上をはかるという方に入りまして、今の荒廃した國土には非常に重大な問題であると考えます。その重大なものを取扱うべき局が部に落ちたという印象を與えられることは、はなはだ遺憾に考えられます。行政整理を基盤とした機構の改革は、國家の今の財政から必要やむを得ないものかもしれませんが、しかしそれもやはり重点的に、必要なものは廃止しないで、影響の少いものから廃止して行くことが当然だと考えます。その意味におきまして、こういう重大な結果を及ぼすものが、局から部に落ちたという印象を與えるような機構をこしらえたことははなはだ遺憾に考えますので、もしこれを実績に徴しまして政府において、あるいは私どもからも、この部は局になる方が至当であるというふうに考える場合には、これを局に復活せられる意思をお持ちになつておるかどうかということをお伺いいたしたいと思います。なおそのほかのことは重複になりましたので省略いたします。
○齋藤委員長 ちよつと丸山君に御相談します。今の御質問はなかなか大きな質問であつて、事務次官が答えるのはどうかと思います。いずれ大臣が出るときがありましようから、大臣にお尋ねになつてはどうですか。
○丸山委員 保留いたします。
○齋藤委員長 次は苅田君。
○苅田委員 ただいま御注意がありまして、こまかい質問は厚生委員会でこれを審議する機会をつくるという御証言を得ましたので、その前提のもとに、本日は大筋のことだけを少しお伺いしたいと思います。 第一にお伺いしたいのは、大体今の医学は病氣になつてからなおすというよりも、病氣にならない処置を講ずるというふうに進んでおる。これはどこの文明國家もそうだと思います。厚生省の医療行政もおそらくその線に沿つてやつておると思うのですが、違いございませんでしようか。
○葛西説明員 その通りだと思います。もう少し申し上げまますれば、今の病氣になつたらなおすというよりは、むしろそれを予防するという立場、あるいはまた環境を整理してかようなものにならないようにやつて参る点に重点を向けて行かなければならぬことは御同樣に存じます。
○苅田委員 次官の床次委員へのお答の中に、一應予防局は廃止したけれども、これは公衆衞生局の中で、局長みずから予防衞生方面の陣頭に立つてやるのでむしろこれは充実するのだ、こういう御答弁があつたのですけれども、それに相違ございませんでしようか。
○葛西説明員 ただいま床次委員はちよつとお見えになりませんが、私はそんなふうには申し上げなかつたのです。むしろ機構を合理化して能率を上げるようにする。実際形から見れば、今丸山委員もお述べになりましたように、庶務課、栄養課というようなものが加わつて予防局が本体になる。公衆衞生局の大部分を占めておつたのは、むしろ環境衞生部になるようなかつこうになつている。しかしこれらのものは彼此関係があるから一つにしてやることにした、かように申し上げたつもりであります。
○苅田委員 形の上のことは一應問題にしないといたしまして、実際の部面で予防衞生というものを從來よりも進めなければならぬことはわかつている。日本の予防衞生はほかの進んだ國の國から考えると、予算の点から言つても施設の点から言つても、はるかに遅れていることは厚生省ももちろん御存じだと思う。私の希望としては、今度の組織法がかわりますときには、ぜひその方を実質上充実してもらいたいと考えるのです。厚生省もやはり予防の面は從來よりもつと充実せしめたいという御希望ですが、そういたしますと、実質上その仕事に当ります者が、從來よりも人数がふえ、あるいは予算もとる、設備も充実させるというようなことが新しい機構で望まれるかどうか、この点をお伺いたしたいと思います。
○葛西説明員 ただいまの御質問は、簡單に申し上げますれば人を減らして仕事がうんとやつて行けるか、裏から言えばそういうお尋ねだと思いますが、そういうことになりますれば、若干人を減らさなければならぬという点も、先ほど申し上げた通りでございます。仕事の点はさらに充実をしてやるというふうに考えております。もう一ぺん言葉をかえますれば、あれがなければ完全な仕事ができないというふうには考えておらぬわけであります。
○苅田委員 それでは具体的にお聞きしたいのですが、予算衞生研究所とかそういう研究所などは、費用なり、あるいは施設の点は今度は拡充されますか、この点ひとつお聞きしたいのであります。
○葛西説明員 予防衞生研究所というお名指しでありますが、予防衞生研究所の経費は今は数字を持つておりませんが、本年度御決定いただきました予算は、相当増しておることになつております。ただ人間等は、まだこれも決定いたしませんが、研究機関等は一律の整理ではなくて、欠員等を適当にやるというようなことで整理をされますが、予算額等においては相当増して充実した仕事ができることに相なつております。
○苅田委員 実際政府が望んでおられるように、人員を減らして仕事が充実できるという点は、なお詳しく御説明いただかなければ納得できないのでありますが、これはこまかい点についてはあらためて厚生委員会でお尋ねいたすといたしまして、次に兒童局の問題ですが、從來から兒童局は局として新設されていながら、ほとんど仕事ができていなかつた。これは特に末端で、その実際の行政方面の関係の深い者はだれもそれを申しておるのですが、新しい機構の改革にあたつて、こういう点が考慮されて、実際によけいに仕事ができるような措置が講ぜられてなかつた。これも大筋のお尋ねなのですがお聞きいたします。
○葛西説明員 兒童局につきましては、先ほど経過を申し上げますときに、これをあるいは部にしたらどうかというような案があつたことも御承知の通りでありますが、今の兒童行政がきわめて大事であるというような点からこれを整理せず、現状のままで兒童局としてやつて参るということになつておりまして、予算においては兒童局の経費を若干ではございますが、昨年度よりも増してやつて行けることに相なつております。
○苅田委員 私が申しましたのは、つまりほとんど仕事をやつていない現状であるということの御認識の上に立つて、ほんとうの仕事をするというような措置が講ぜられるかどうかということをお聞きしたわけです。
○葛西説明員 仕事ができないとおつしやる点、これはいろいろ機構の点もありましようし、あるいは人の能力というような点もありましようし、あるいは予算の制約もありましようが、機構という点で特にどうこうということはございません。
○苅田委員 それでは、この点もなお厚生委員会でもう少しつつこんでお聞きしたいと思います。次に從來の保險の面につきまして、あるいは重複になつたり、いろいろな点で不都合の面が生じておる。現在の社会保障制度審議会におきまして、この点についてのいろいろの対策が立てられると聞いておるわけですが、それとにらみ合せて保險局の組織を考えられますときに、何らかの措置が加えられたかどうか、御檢討があつたかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○葛西説明員 各種の社会保險を統合してやることがきわめて必要であることは、これは申すまでもありません。それで社会保障制度調査会におきまして、実は特別な部門をつくりまして、これの統合について檢討いたしております。御承知のように昨年七月日本政府に手渡されました社会保障制度に対する勧告案の中にも、こういうものの統合という点がうたわれております。ただしかし具体的にまだどれをどうするという点もなかなか大きな改革でもありますし、なかなか具体的な案が立つておらぬわけであります。現在でもそういう各種の連絡というような制度が一應わけてございますが、連絡というような点から、ここにもありますように現在保險局の中には庶務課というものを置いてあります。しかしまだ現在これを機構の上に現わして、機構の上でそれらの統合という問題をどうするかという段階に実は至つておらないものでありますから、できればそういうふうにしたいと考えておるのでございますが、実はまだ何ら機構の上では考えられておりません。これはやがて御決定をいただくことと思います。先般國会で御決定になりました社会保障制度審議会がスタートいたしますれば、そういうふうな点についての具体的な御研究が進み、適当な結論が出れば、当然機構の上でもそういうものを考えなければならぬ。かように考えております。
○苅田委員 最後にひとつお諮り願いたいと思います。今度の厚生省の設置法なるものは非常に重大な意味を持つておると思います。これによつて厚生行政がうまく行くか、行かないかということの大きなもとを決定すると思います。それでこれだけの審議でもつて、この法案をどうするかということを御決定になるのは非常に軽率だと考えるのです。ぜひこれについて公聽会を開いて、もつと関係の深い方面からの意見を聞く機会をつくつていただきたいということをお願いしたいと思います。
○齋藤委員長 公聽会のことは、いずれ結局開くようになりますが、その時期はいずれ御相談してお知らせします。 次は堤ツルヨ君。まだあとに二人ありますから、どうか簡單に願います。
○堤委員 健康保險医の件についてでございますが、政府はお医者さんに対しましての支拂いは、どういうふうにしておられますか。またどういう見解を現在持つておられますか。まず政府の方で今までやつて來られた支拂いについての御処置を簡單にお伺いいたしたいと思います。
○葛西説明員 健康保險の支拂いが実は現在非常に遅れておつて申訳ないのでございますが、先般國会を通りました例の社会保險診療報酬支拂基金法によります基金があります。これで一月分ずつ先に概算渡しをいたしまして、そして各お医者さんから集まりました請求書を基金に集めまして、その基金から一ぺんにまとめて支拂いをする。便利になつたわけで、さようにいたしております。しかし予算が若干不足もいたし、非常に診療を利用される方が多く、滯納も若干あるというようなことで、なかなか予算のやり繰りがつかぬというようなこともあり、いろいろな関係で支拂いが非常に遅れておりますが、先般おそらく厚生委員会で保險局長からお話があつたかと思いますけれども、これを早めるために非常に努力をいたしております。それから基金の改正の法律案も今までは一月分ずつ前渡ししておつたのですが、一月半分を前渡しして基金の資金を余計にしてやろうという法案がたしか國会に提案になつたかと思います。そういう改正もやろうということになつております。
○堤委員 実際さんざんな目にあつておるのはお医者さんで、各地方においては患者を放棄するところまで行つております。なぜならばその訴えによりますと、十一月分をほかから借りて拂つてやつたのだからしんぼうせよというような恩に着せたやり方である。十二月分を三月中ごろにもらつた。辛うじて一月分を四月中ごろに三分の一だけもらつた。こういう状態です。地方からも、またきようは事実東京都の方からもこういう陳情があるのでございますが、こういつた收益の八割が、健康保險法に入つておる組合員を占めておるというので、この問題は非常に大切な社会問題であると思います。しかし医者が患者を拒否いたしますようなことがございましては、今後の社会保險にも大いに影響いたすと思います。こうした医者の申立ての実情と今お答えになつたことを少し違いがると思いますので、はたしてどちらが正しいのか、もう一度しつかり聞いて來なければわからないのでありますが、ずいぶん医者の恨みごとを聞いておりますので、私はどうかこの辺を愼重になんとか手をつけてもらいたいと希望を持つておりますが、少し政府の今のお答えはごまかしがあるんじやないかと考えております。
○葛西説明員 遅れていることは事実でございます。法律も改正いたしまするし、できるだけ早く渡すように努力をいたしつつあります。また今後とも努力いたします。遅れていることは申訳ないことだと思います。
○齋藤委員長 松谷天光光君
○松谷委員 こまかい点については厚生委員会に讓りまして、根本的なことだけ伺つておきたいと思います。御答弁いただくときには、どうも今まで私伺つておりまして、非常に言葉の綾が多過ぎて私どもには率直にのみ込めない点がございますので、どうか御答弁は率直に伺わせていただきたいと思います。 まず当局は現在の機構を御決定になつた際には、一つの確信を持つて決定されたと解釈をしておりましたが、今回ここに公衆衞生局と予防局とを合致させることになつたその厚生当局としての根本的なお考え、なぜこれを一緒にしなければならなかつたか、それほど二つの局があつてなきがごとき状態であつたのか、あるいは一つにした方が能力が増すと考えられたのか先ほどから伺つておりますと、どうも一つにした方が能力が増す、いわゆるそれだけより以上に実績が上げられるとは、どの御答弁にも出ておらないように拜聽いたしました。少くとも現在よりは劣らないという御答弁でございましたが、私どもは機構改革をいたしまする場合には、少くとも現状維持ではなくして、これから先へ進めるという、先ほどもどなたか同僚委員の方が言われましたが、少くとも進歩性をもたせた改革でなければ、意味はないと、かように考えますが、この点まず第一に伺いたいのであります。
○葛西説明員 たいへんこれはむずかしい質問で、私からお答えするのもどうかと思いますが、この行政整理をするというこのことと、それから今の能率を上げるというふうなこと、場合によればこの整理をしてさらに能率を上げる場合もあると思います。それからまた整理をするということは、何と申しますか、やむを得ない立場でするという場合もあると思うのであります。整理をしなくちやならぬ、最も大事な理由によつて整理をするという場合もあると思うのでございます。私どもが先ほど來申し上げておりますのは、できるだけ行政の能率を阻害しないと申しますか、かような意味から申しますれば、むしろ消極的な意味において、これをもつてしても行政の能率を下げず、一致して努力してやれば、さらにも能率も上げられるのじやないかと、かように申し上げておつたつもりでございます。
○松谷委員 少くとも私は機構改革をする場合には、いわゆる行政整理から來てやむを得ずどこかの局をはずさなければどうにも予算が成立たぬ。いわゆる健全予算という名に隠れた予算の面から参りまして、結局行政整理という問題からこの局の統合やら、廃止やらという問題になつて來るということは、これは政治の邪道ではないかと考えざるを得ないのであります。少くとも一つの省の設置なり、あるいは局か部の設置というものは、それが少くとも大衆の幸福、國民の成長、國家の発展ということにやはり主眼が置かれてなされなければ、正しい行政機構の確立というものはあり得ないと思うのでございます。今度の行政機構は、いわゆる行政整理というものから來たところの機構改革であるというように、今の御答弁からは解釈ができるのですが、そう解釈をしてよろしゆうございますか。いわゆる邪道的機構改革の一つであるというふうに解釈をいたしましてよろしゆうございましようか。
○葛西説明員 邪道的機構改革という意味は私はどういう意味か存じませんが、厚生行政というものが大事であることは申すまでもありません。私どもこれはぜひ伸べなければならぬという熱意は相当持つておるつもりであります。しかし行財政の整理ということがさらに必要であるという段階になれば、これをも満たし、さらに能率を下げずにやつて行くという大事な部面もまたある、かように考えております。
○松谷委員 そういたしますと、少くとも今度のこの機構改革は、いわゆる從來の公衆衞生局、あるいは予防局のその局としての運営自体に一つの欠陷があつた。あるいは両局を置くということによつて一つの弊害が出たというような例から、あるいは仕事が非常に重複しておつたという点からではなかつたと解釈をいたしてよろしゆうございますか。
○葛西説明員 これは局というものの機構は、抽象的にあつて、ただ絵に描いただけでなくして、それを動かす人というふうないろいろな点もあるわけであります。從いまして、こうする方が能率が上る、こうする方が能率が上らないということもいろいろ考えられるわけでありますが、現在の段階におきまして、今の行政整理をやらなければならぬというふうな状態からいたしますれば、かようなことによつてもやつて行けると信じておる次第であります。
○松谷委員 先ほどどなたか委員からも出ておりましたが、またこのいわゆる図から拜見いたしましても、大体從來のいわゆる公衆衞生局と予防局とを一緒につき合せた、言いかえれば別にそこに一つの局を新しく創造したというのでなくして、つまりあつたものを寄り合せたというような感が非常に強いのでございますが、この場合はたして当局のお考えは、いわゆる今までやつておつたことを、その程度で両方やつて行くのだ、從來予防局と公衆衞生局の二局の持つておりましたその内容を、同等に考えておいでになつたのですか。あるいはまた今度は公衆衞生局として、特に予防面ではなくして、公衆衞生防に重点を置くのだとか、あるいはまた予防は重要であるから予防の方に重点を置くとか、この運営は一体どちらに重点を置かれんとするのであるか、やはり両方とも重要であるというお考えでおられるのか、これを伺います。
○葛西説明員 私どもこの機構を統合いたすという案を提案いたしましたのも、予防がより重要であるか、あるいはまた公衆衞生局の所管しておるものがより重要であるか、というような意味ではございません。ともに両方とも國民衞生の上からやつて行かなければならない、こういうふうな立場だと思うのであります。
○松谷委員 そういたしますると、私はその重要なる二つの部面を二人の局長によつて分担させる場合、あるいは一人の局長によつて分担させる場合、一体どちらがよりよい行政の面を発揮して行けるか、これはやはり限りある人間でありますから、二人の局長をもつて、二つの局によつてこれをなすのが私はよりよい成績を上げ得るのではないかと考えさせられるのでございます。どうも今までのお話から伺いまして、ここに予防局を廃止して公衆衞生局と改められるというその内容的な意義はないように考えます。今回の厚生省の機構改革は、あつてなきがごとき状態ではないかというような感がいたすのであります。ことに二つのことを同等の重要さでやらなければならないという場合、その予算の面におきましても、やはり從來通りの予算をこれに使うといたしますならば、予算の面でも大した効果はないのではないかと考えざるを得ないのであります。 なおいま一つ伺つておきたいことは、今度の機構改革が発表されるに至るまで、私どもはこれはいわゆる行き当りばつたり的な機構改革じやなかろうかという不安を持たされた事実がございます。それは御承知のように、私どもは最初から予防局の廃止、公衆衞生局の設置ということは、うわさにも聞いておりませんでした。第一次として厚生省がお考えになられたと傳え聞きましたものは、兒童局の廃止の問題でありましたが、その報が傳わりまするや、全日本の女性、母親、子供たちは、もろ手をあげてこれに反対の意を表したのであります。たうして私ども全政党、また全婦人團体が結束いたしまして、兒童局廃止に向つて強い反対の運動を起し、意志表示をいたしました結果、遂に兒童局は廃止しないで済むという段取りになつたように記憶しております。その次に聞かされましたものは、藥務局の廃止はどうかという点でありました。そこで今度藥務局は廃止されるのかと考えておりましたところが、また漏れ承りますると、これに対しましても相当の運動が開始された。これは傳え聞いたことでありまするから、それが正しいかどうかはわかりませんが、厚生省はどうしても行政整理の面からどこかの局を落さなければならないのだということになりまして、そうした運営の最も鈍い、いわば非常におとなしい、國民の世論も弱い予防局を落すのが一番適当ではなかろうか、問題がなくて済むのではなかろうかという、安易なる行政機構改革の結果として現われて來たのではないかということが多分に懸念されるのでございますが、この点はいかがでありましようか。
○葛西説明員 おそらく松谷委員の御出席の前でございましたか、先刻どなたかから御質問がありましたので、実は今日に至りますまでの行政管理廳とのいろいろな折衝の経過について申し上げたのでありますが、重ねて申し上げることを避けて要点だけ申し上げさしていただきます。 私どもとしましては、行き当りばつたりと申しますか、あるいは抵抗の弱いところをどうするという氣持でこの案を決定したわけではございません。ただ松谷委員がお述べになりましたのは、予防局と公衆衞生局と合せる案は初耳だつたということでありましたが、行政整理の問題が起りましたときに、初め行政管理廳において本多國務大臣の手元でつくりました案の中には、兒童局をやめることと一緒にその案があつたのであります。それがいろいろな事情でああなつたりこうなつたりして、結局こういうことになつたわけでありますが、それは重ねて申し上げても御迷惑だろうと思いますから、申し上げずにおきます。
○松谷委員 私の考えておりますことが思い過ごしといたしますならば、たいへん幸いだと存じます。今まで伺つておりました点を見ましても、今度の行政整理の行き方は、能率は全然下げずに済むとおつしやつておられますが、私どもとしては、これだけを拜見したときにはどうもそこに何かあるような氣がいたしました。そこで少くとも所管官廳、ことに事務当局とされてはいわゆる行政整理から出て來たところの機構改革に対しましては、厚生行政実施の面においてこういうことでは從來よりも以上に能率は促進できないのだという懸念があるような場合においては、もつと強く政治面に対する一つの正しい意見を出していただくべきではないかと考えるのでございます。確かに行政機構なるものは、政治の一環として、その中には政治的な含みが多分に含まれておるものでございますが、少くとも國民の幸福という面におきまして、経驗深い事務官僚から最も正しい厚生行政に対する一つの意見を強く出していただくのが、やはり政治をより正しく運営して行く一面ではないかと考えます。もちろん今日まで言われておるようないわゆる官僚政治という意味でなくして、厚生行政面における事務官の意見として、これでなければならないという一つの強い要望もおありだろうと思うのですが、今日見ておりますと、逆に今度は政党の威力に押されまして、その正しい事務官僚の意見は通らなくなる面があると考えます。これはどの政党にしてもそういうおそれが出て來るのではないかと考えますので、こういう点については事務官僚の方々の正しい意見を今後強く出していただきたいと願う次第であります。 なおこまかいことでありますが、最後に一点伺いたいのは、この図を拜見いたしますと、医務局だけ次長というのが見えておりますが、他の局には次長はないのでありましようか。そうだとすれば何ゆえに医務局だけに次長をお置きにならなければならない必要があるのでしようか。その点を簡單に伺わせていただきたいと思います。
○葛西説明員 事務官僚、特に私ども事務官僚であろうと思いますが、事務官僚の指摘したほんとうに正しい意見が通らぬで、むしろ今のものは邪道的な行政整理の案であるということを先刻おつしやつたように思いますが、先ほども申し上げました通りに、憲法の精神から厚生行政を國民のためにやつて行かなければならぬという熱意は、私ども十分持つているつもりでございます。しかし厚生行政の進展ということとまた別の面で、國民全体のもつと高い立場から、あるいは経済九原則とか——私どもがこういうことを申し上げてはたいへん恐れ入りますが、そういう立場から、さらに行政整理あるいは財政の整理をやつて行かなければならぬということも、また正しいことではないか。こういう両面からやつて行くことによつて、ほんとうの厚生行政も成立つのではないか。國家全体が進まずして厚生行政だけ進むということがあり得ないことは申すまでもない。かような意味におきまして、行政整理という面で案を立てるということも、やはり厚生行政のためになることである。かように考えて立案しておつたことを申し上げさせていただきたいと思います。 それから医務局だけに次長があつてほかにないかということでございますが、それは医務局だけに次長を置くのでございます。これは実は医務という仕事の特別の関係から來ておると思うのであります。実は社会保障制度が整いますと、医療制度全般の改正という問題もございます。また目下國会で御審議を願つておる國立病院の特別会計という問題もございます。それとまた医療という一つの特別な技術的な面もございます。從つて次長と申しますのは、どつちかと言えば事務屋として事務的な仕事をする者を置き、局長にはむしろ医師の技術官である方を置くということが、この局に必要であるように思いますので、事務の内容と人との間の繋がりというところから、この局には特に次長を置くということになつておるわけであります。
○松谷委員 今のお話の中で、厚生行政だけ伸びても國家が伸びなければ困るとおつしやつたのでありますが、私は今日の厚生行政を見てこれで十分とは決して考えておりません。これは長い間厚生行政に携わつておいでになる次官自身が御苦労を積まれておられる点と考えます。今日まで厚生省より厚生大臣は伴食大臣であり、伴食の省として扱われておつたのでありますが、厚生省が國家の行政の中でそうした非常に肩身の狭い思いをいたしております間は、明日の健全な日本の再建というものはあり得ない。少くとも厚生次官がそうした一つの遠慮がちな御意見ではなくて、どうかもつともつと厚生行政をより強く、この際よほど厚生行政というものが大きく飛躍しなければ、他の省と肩を並べるところまではとても行かないのではないかとさえ考えておりますので、むしろずうずうしいと思われるくらい厚生大臣は十分に主張し、十分に意見を出し、十分な予算の獲得を大藏大臣に迫つていただきたい。かように附け加えさしていただきまして私の質問を終ります。
○齋藤委員長 最後に山本久雄君。
○山本(久)委員 私は厚生委員でないために今日まで質問する機会を得なかつたのでありますが、本來ならば大臣の答弁を求めたいのでありますけれども、先刻聞きますと、大臣の責任をもつて答弁すると申されますのでお尋ねしてみたいのですが、原子爆彈症の救済治療について当局はいかなる措置を今日までとつておられるか、まずこれを承りたい。
○葛西説明員 原子爆彈の研究につきましては、予防衞生研究所の支所が御承知のように廣島と長崎にございまして、この点につきましてはアメリカの方からも相当の資金を持つて参り、こちらの方からも予算を相当とりまして、あそこで予防衞生研究所の指揮のもとに研究をいたしておるわけであります。
○山本(久)委員 ただいまの答弁を聞きまして、私の質問する意思とは少し違つておるのであります。なるほど研究をやつておられることは事実なのです。昭和二十年の八月六日に、人類史上にかつてない原子爆彈が廣島に投ぜられた。それから旬日を出でずして長崎に投ぜられた。しかも廣島に投ぜられたときには、原子爆彈というものであるかということさえも何人も知らなかつた。從つてその当座の應急処置としても、医者はそれぞれ自分が判断をしてやつたようなわけであつた。ところが終戰後の翌年にアメリカ本國から赤十字社の支部の病院の一部を借りて、そうして研究を始められた。私どもも当時市の助役をしておりまして、再三この研究室に入つて見ましたが、アメリカで研究をされるのは、この原子力の威力についての研究、その惨害、毒素がどういうふうになつておるかということについての研究をされたのである。從つて何らその原子爆彈症にかかつておる者に対する救済、治療にはさらにならない。言いかえれば、むしろ一つの見本にされて、そうしてあらゆる角度からこれを研究されて、おもちやにされたような傾向がある。しかもそれから一年後には関係方面から、爆彈症という名称を医家に対して禁ぜられた。そこで、現在では原子爆彈症というものは医家の方にはないのであります。この原子爆彈の惨害は私が申すまでもなく、終戰後すでに三年有半、今日までその毒素が残つておる。ただいままで私が承るところによると、各委員の方々が、それぞれ戰災によつて、たよるべき子を失つた、あるいはまた自分の最も生活の根拠としておるところの主人を失つた。あらゆる戰災者の救済について述べられておつたが、私の申し上げるのはそれ以上である。もちろん廣島においても戰災、あるいはまた戰地において戰死された、あらゆるものすべては一通り廣島の市民も長崎の市民もなめておる。そこに持つて行つてなお原子爆彈症を受けたのであるから、二重苦、三重苦というまことに同情すべきことになつておる。しかも終戰後ほとんど四年近い今日になりまして、なお間歇的に季節のかわり目に常に爆彈症が出て來る。かぜをひいたために余病を併発する。いろいろな面で悩んでおる。この治療を國家が今日までしていないということについては、國の怠慢であると私は叫びたい、ただいま次官は、國立病院においても研究しておると言われるが、研究じやない。研究してもらうんじやなくて、この救済、治療を行う道をどうしておられるか。このことについて私は実は尋ねたい。もし眞にこの救済をするとなれば、現在ではそうたいした数はいない。おそらく廣島では千数百人ぐらいなものだろうと思います。長崎はもつと少い率だろう。いま一つには、十五、六あるいは二十までの、だんだん婚期に近づいて來ようという女の人たちが、顏にあの火傷を受けたためにひつつれて化物みたいな顏をしておる。一生結婚することができないと言つて、日夜泣いておるものが幾らあるかわからない。こういう者に対しても整形手術を行つてやるべきではないか。この人類史上にないあの惨害をこうむつた者に対して、当局は調査もしておられないんじやなかろうかと思う。私はこの意味において厚生省は、速急にこの実地調査を行つて、——研究ではございません。戰災を受けて財物をなくし、そうして生活の本拠となるべきものを失い、その上に原子毒素を受けて、三重苦にあえいでおる者を救済してこそ初めて厚生省の本務を達するものだと思う。今まで委員の方々がそれぞれ意見を述べておられましたのは、私に言わしめますれば、それは軽い問題である。全國で都市の戰災地が百以上ありますけれども、廣島と長崎の原子爆彈というものは、かつてないあの猛烈な惨害をこうむつた。これに対して縣なり市なりが幾たびか陳情したはずであります。政府はこれに対してどんな措置をとつておられるか。現在までとつておられる措置を私は承りたい。御答弁を願います。
○葛西説明員 私御質問の趣旨を取違えまして、実は予防衞生研究所のことを申し上げたのでありますが、ただいまは実に言葉に盡せない氣の毒な方々のお話がございまして、実は深く感銘いたした次第であります。実は私たいへん申訳がありませんが、寡聞にして、ただいままでどういうふうな救済の措置をとつておるかということを、率直に申し上げまして、実は今存じておりませんので、至急取調べまして、もし何らかの措置がありますれば後刻御報告申し上げさせていただきます。またただいま調査等を講じ、相当な措置をとるようにというふうな意味のお話もございました。國立病院とか、あるいはまた保健所というふうなものもございますし、何らかいたしますように努力をいたしてみたいとかように考えております。ありますれば御報告を申し上げます。
○山本(久)委員 次官の御答弁で、私は重ねてこの際お願いしておきますが、大した予算はいただかなくともよかろうと思うのであります。今日二十四年度の予算はまことに圧縮されておるのでありますから、これは各省ともお困りになつておろうと思いますので、私は多くの要求はいたしませんが、少くも現在國立病院があるのでありますから、わずかな残つておりまするその原子爆彈症の悩める者に対して、これに無料救済の手を延べる機関をつくつていただけるかどうかということを、大臣と御相談なさつて、数日のうちでよろしゆうございますから、どうか御返答をお願いいたします。これをもつて私の質問を終ります。
○齋藤委員長 それでは本日はこれで散会いたします。 午後五時二十二分散会