内閣委員会運輸委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/05/06
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 本日は、運輸省設置法案につきまして、内閣委員会と運輸委員会との連合審査会であります。内閣委員長であります私が委員長の職務を行います。 まず政府の提案理由の説明を求めまして、続いて質疑に入りたいと思いますが、質疑は通告順によつて許すことにいたしますから、あらかじめ質疑をせられる方は御通告を願います。政府の提案理由の説明を求めます。運輸大臣。
○大屋國務大臣 ただいまより運輸省設置法案の提案理由について御説明申し上げます。 國家行政組織法は六月一日から施行されることとなつておりますが、これに伴いまして、從來行政官廳法のもとに暫定的に存続を認められて來た運輸省官制、氣象官署官制、海運局官制等を廃止しまして、國家行政組織法の基準のもとに、運輸省の中央組織のみならず、地方組織、外局、附属機関を網羅して、その所管事務の範囲を明確にし、あわせて運輸省のおもなる権限を規定した運輸省設置法を制定することが必要となつたのであります。 他方におきまして、このたび國営事業として行つて來た國有鉄道事業が公共企業体として、すなわち日本國有鉄道として六月一日から発足し、運輸省から独立して、企業と行政の分離を行うことになりましたので、運輸省の機構の再編成を必要としたことと、さらに内閣の方針としての行政の簡素化の見地から、運輸省関係の行政機構を刷新することになつたので、新たなる構想のもとに運輸省設置法案を提出することになつた次第であります。 以上簡單に、この法律案を提案いたしました趣旨を御説明申し上げましたが、次に、この法律案の内容の概略とともに、從來の運輸省関係の行政組織と異なる点について御説明いたしたいと存じます。 この法律案は、國家行政組織法において定められた基準に從つたため、各省の設置法とほとんど同樣であります。 第一章の総則中第三條は、運輸省の行政上の任務の大略を定めたものでありまして、運輸省の任務として、水運、陸運、港湾、船舶、陸運機器、船員、観光、氣象、倉庫業、海上保安、海難の審判を一体的に遂行する責任のある官廳であることを明らかにしたものであり、第四條は、運輸省の所掌する事務の動的部面を明確にしたものでありますが、権限が発動する対象は人の場合が多いので、主として國民に権限を行使する場合はいかなる場合であるかを、列挙的に規定しております。 第二章は、本省の組織を定めたのであります。その第一節は、運輸審議会の規定でありますが、これは運輸行政が公共の福祉と密接な関係にあるところから、運輸行政を公平かつ合理的に行い、行政の民主化をはかるため、運輸審議会という機関を設けることにいたしました。そして運輸行政のうち、公衆と最も関係の深い、運輸事業の免許、運賃の決定等を運輸審議会に諮り、その意見を尊重して行うことにいたしました。運輸審議会の委員は七人で、会長には運輸次官をもつて充て、他の委員の任命は國会の同意を要することにいたしました。 第二節は、本省の内部組織でありますが、從來鉄道総局、海運総局、陸運監理局の二総局一局のもとに、十三局四部の組織があつたのでありますが、日本國有鉄道の発足という理由と、行政機構の整理という見地から、海運、船舶、船員、港湾、鉄道監督、自動車の六局と、大臣官房の観光部のほか、海運局長の海運調整部、鉄道監督局内の國有鉄道部と民営鉄道部、自動車局内の業務部と整備部の、六局六部に圧縮いたしました。 第十九條から第二十八條までは、大臣官房及び各局の所掌事務の範囲を規定したものであり、各局の事務担当の分配を明らかにすると同時に、大臣官房及び各局の事務を合した総体をもつて見ますれば、運輸省の所掌事務の範囲を明らかにし得るのであります。 さらに第三節は、本省の付属機関でありまして、運輸省に残置する付属機関として、中央氣象台、船舶試驗所、海務学院、高等商船学校、海技專門学院、商船学校、航海訓練所、海員養成所を規定しましたが、このうち高等商船学校と商船学校とは、國立学校設置法に基く商船大学、商船高等学校としたいと考えておりますが、一應從來のまま規定いたしました。なお、その他の付属機関として、船員職業安定審議会と、期間よう船料審議会と、造船技術審議会とがあります。 第四節は、地方支分部局制ありますが、これには海運局、公共船員職業安定所、港湾建設部と陸運局とがあります。海運局、公共船員職業安定所及び港湾建設部は現状通りでありますが、陸運局は、現在の特定道路運送監理事務所の事務に、從來鉄道局等で所掌していました鉄道、軌道、小運送、倉庫、鉄道車両製造事業等の監督行政事務を一元化して陸運局の所掌とし、日本國有鉄道の発足とともに設置することになつたのであります。なお都府縣ごとに置かれておる道路運送監理事務所は、八月三十一日まで暫定的に存置し、九月一日以降は、特に國家行政事務として行わせる必要があるものを、陸運局の分室を設置して所掌させることにし、その他の事務は地方公共團体に委讓することにいたしました。陸運局の分室の設置につきましては、國会の承認を求めるべく、あらためて御審議願うことといたします。 次に第三章は、運輸省に置かれる外局でありまして、これには船員労働委員会と、海上保安廳とがありますが、これらにつきましては、詳細はそれぞれ労働組合法、海上保安廳法の規定に讓ることといたしました。また從來運輸大臣所轄のもとに存在していた海難審判所につきましては、このたび海上保安廳の所轄のもとに移し、審判につきましては、從來通り独立して、職権を行うようにいたしました。 最後に、附則のことについて一言いたしますれば、これは経過規定を明らかにしたことと、機構改正に伴う関係法令の整理を規定し、鉄道局長を陸運局長と改め、または海運総局長官を運輸大臣と改める等、所要の改正をしたのであります。 以上、この法律案の制定の趣旨及び内容の概略を御説明いたしましたが、この法律案は、國家行政組織法との関係から、六月一日から大部分を施行いたしたいと存じます。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決あらんことを御願い申し上げる次第であります。
○齋藤委員長 これより質疑に入りますが、念のため一言しておきます。申すまでもなく、本案は運輸省の機構に関する問題でありますからして、從つて御質問も機構に関する点のみに制限せられまして、運輸行政の運用等につきましては、また別に運輸委員会において十分檢討せられることと思いますから、この旨をお含みの上で御質疑願います。米窪滿亮君。
○米窪委員 運輸大臣にお尋ねしたい点は、運輸省設置法提案理由の御説明のうちに、第一章の総則中の第三條に、運輸省の所管事務として港湾ということが入つておるのであります。これは当然のことだと私は考えておりますが、一部には港湾建設は建設省に持つて行くべきだという意見があるようであります。現に建設委員会においても、そういう議論が出ておるやに承つております。こういう意見の出て來るゆえんは、大体防水、治水という観点から、河川の修理、それを延長して行きまして、河川が港湾に入る場合においては、当然建設省の任務がそこまで及ぶという機械的な考え方で、そういう意見が出て來るのだと思う。ところが日本の事情を見ますと、河川港というものはきわめて少い。たとえば石巻、酒田等、いわゆる港湾としての價値から言うと二流、三流の港湾であつて、そういうわずかな例をもつて、神戸であるとか、横浜であるとか、そういう港における港湾建設の事業まで、これを建設省でもつてやるという考え方は、日本の海運業発達のために、私は決して能率を上げるゆえんではないと思う。そういう点を諸外國の例をもつて見ましても、河川が港に入つておる港湾は相当あるのでございますが、その場合においても、その港湾の建設という事務については、ほとんど全部例外なくハーバー・マスターの権限におかれておる。しかもそれが運輸省の統卒のもとに置かれておるのが現状であります。そういうところから考えまして、いわゆる防水、治水という建前から見た建設事業の範囲内に港湾を入れてしまうということは、日本の海運の健全なる発展のために、私はよろしくないと思つておる。これに対して運輸大臣はどういうお考えを持つておるか、それをまずお伺いしたいと思ます。
○大屋國務大臣 ただいま米窪君の御質問の港湾の建設的方面につきましては、まつたく同君と政府は所見を一にするものでございます。すなわち港湾の建設は、一般の建設と大いにその趣が異なつておりまして、やはりその港湾の建設の特殊性から考えまして、港湾の建設の特殊性から考えまして、港湾を運営するところのものが、その建設をつかさどるということが、最も能率を上げ、適当であると信じておりますので、私といたしましては、港湾建設は、やはり運輸省がこれを所管して行くものと、かたく信じておる次第であります。
○米窪委員 次に、先ほど大臣の御説明のうちに、商船学校、高等商船学校、この問題が言われたのでございますが、すでに今日総計六十、あるいは七十の單科大学、あるいは総合大学ができて、今月から出発することになつておる。ところが高等商船学校だけはその例に漏れまして、現に同じような種類の学校、すなわち水産講習所は、大学として発足することになつておる。ところが商船学校だけは、この國会にも大学令の中に入つて來ておらない。そういうわけで、出発が遅れておるわけでありますが、商船学校、高等商船学校を大学に昇格するということは、業者の非常な要望であるとともに、海員の要望であり、海員教育という建前から見て、そういうぐあいに発展することが望ましいと思うのでありますが、先ほど大臣のお言葉によると、その辺がどうなつておるか、あいまいです。それはいつから発足するのであるか、そうして何ゆえに他の大学と同列にこれが発足できないのか、その辺のいきさつを、さしつかえなかつたならば、承りたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいま御指摘の問題は、実は運輸当局といたしましては、商船学校を大学令に基きまして、大学に昇格をせしめるという考えを強く持つておるのでありますが、この点につきまして、自余の諸大学の昇格と同時に、この問題を解決いたすということにつきまして、実は関係当局とまだ協議が十分ととのわない次第でございまして、そのために今回他の大学の昇格と歩調を一致することができなかつたという実情にあるわけでございます。
○米窪委員 最後にお尋ねしたい点は、大臣の御説明の最後の方に、海難審判所の所管の問題について御説明があつたのでありますが、現在は、これは大臣の指揮、命令、監督ということの範囲できめておられる。ところがこの改正原案によりますと、これを海上保安廳の所管に移すということになつて、格下げの形である。從來海難審判ということは相当問題があるのでありまして、私ども議会に席を持つてから、毎年のようにこの問題を質問したり、あるいは取上げておるのでありますが、海員の二重刑罰ということが、今日非常に重大な問題になつておる。たとえば海上における船舶の衝突であるとか、あるいはその他の海難事故については、当然海上における運航その他の專門知識を持つておる海難審判所が、まずその調査に当るべきである。すなわち海難審判所に属しておる理事官が事件の起つた現場に行つて、何ゆえ衝突が起つたか、あるいは何ゆえ事故が起つたかということを調べる。そういう專門的見地から調べなければ、正当なる審判が行われない。ところが從來日本では、間々地方の檢察廳あるいは地方裁判所が最初にこれに関與して、そうして割合に海上における知識の少い人たちがこれを取扱つて、そうしてわれわれの目から見ると、妥当ならざる判決を下されておる。あるいは妥当ならざるところの起訴が行われるということになつて、そうしてそれが行われた後に初めて專門的ないわゆる告訴、起訴なり、あるいは裁判が海難審判所で行われる。この点については、海員の迷惑が非常に多いと同時に、船主である事業主の迷惑も非常に多い。そこでわれわれは、この二重刑罰を避けるために、地方の海難審判所が手をつけて、そして審判を下すまでは、陸上の一般の地方裁判所あるいは地方檢察廳は手控えてもらうということを政府要路者にお願いして、大体において了解を得て、そうしてそのわれわれの趣旨が行われて、それに不服なものは高等海難審判所へこれを上告する、あるいはさらに陸上の高等裁判所でこれを取扱うというぐあいに、順序を正して來ておる。しかもその当時は高等海難審判所は運輸大臣の直轄下にあつた。それであつてもなおかつ陸上の地方裁判所では海難審判所よりもさきに海難問題を審議して、最高裁判所はただ形式的に取扱うという程度になつておつたところが、この運輸省設置法案によると、一段下げて、これが海上保安廳長官の監督ということになりますと、これはただいま申し上げた海上事項があとまわしになり、蔑視されるという傾向にますます拍車をかけることになる。運輸大臣の指揮監督のもとにあつてさえ、そういう偏頗な一方的な悪い結果を見ておつたのに、これがその下の運輸省の外郭官廳である海上保安廳長官の指揮命令を受けることになれば、これは海難審判所の権威が落ちて、一般の陸上の裁判所あるいは檢察廳が先鞭をつけて、問題を処理するという弊風をますます助長することになると私は思う。しかも海上保安廳は、私はそう思いませんが、口さがなき方面では、これは第二の日本の海軍であるという非難さえもある。すなわちここにあります通り海上保安廳は海上における治安その他密輸入の防止とか、そういつた檢察事務を取扱うのが海上保安廳である。この海上保安廳へ海上における不祥事その他の審判問題、すなわち海上における最高の裁判所をこの檢察廳のもとへ隸属せしむるということは、ますます日本の海上保安廳が將來海軍の下地になるという非難を裏づける形になつて、これは外國人から考えても、はなはだ悪い印象を與えるものだというふうに考えております。何ゆえにここで從來運輸大臣の所管のもとにあつた海難審判所を一段下げて、海上保安廳、しかも檢察事務を取扱うところの、ちようど陸上で言えば檢察廳というようなところへ、公平なる海難審判をなすそういう機構を持つて行かなければならなかつたか、その点私はまことにふしぎであります。この点については、私はこれは現状通りがいいと思いますが、なぜそういうふうに変更されたか、大臣の明確なる御答弁を承りたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいまの御質問の要点は、現在運輸大臣の監督下にあるものを、なぜ海上保安廳に管轄をさせて、格下げをしたか、かつまたその響きはおもしろからざる響きを與える。また機能的にも障害を受けるのじやないかという御趣旨のようでありますが、運輸大臣の管轄を海上保安廳の管轄下に移行いたしましても、この海難審判の機能それ自身に対しては、ごうも從來と変化はございませんので、從來通りの機能が発揮できる仕組みにいたしております。從いまして、保安廳の方に格下げをしたから仕事が十分に行かないというような懸念は、私はないと信じておる次第であります。なおまた後段の御心配の点も、これはほとんど米窪さんの杞憂でありまして、そのようなことはないと私は思います。これをさらに詳しく御説明いたしますならば、結局海難に対する審判も、終局的には海上交通の安全をはかるために海難の発生を防止することでございますから、海上の安全を確保いたしまして、治安を維持することをその任務としております海上保安廳と、その事務が性質上密接な関係にあります。なおまた海難審判所の審判に対應いたします檢察官である海難審判理事官も、現在は海上保安廳長官の指揮下にあるわけでありまして、海難審判所の審判の主たる対象となる船舶職員及び水先人の免状に関する事務なども、海上保安廳で所掌している現状でありますから、海難審判所を海上保安廳に移管した方がむしろ合理的であると考えられるのであります。なおまた今回のこの移管の措置につきましては、行政機構の整理の方針にもかなつたものであるという考え方をいたしているのであります。すなわち海難審判所を海上保安廳長官の所管のもとに移管いたしましても、海難審判所の職務遂行は、最初申し上げました通り、その本來の性質上独立的であることは言うまでもないわけでありますから、ごうも事務的にはさしつかえがございません。なお審判官の任免は從前通りこれを運輸大臣が行うことになつておりますから、これまた御了承をお願いいたしたいと思います。
○米窪委員 今の運輸大臣の御説明は私納得できません。実質的には何ら從來とかわりはない。そして海難審判官の任免は第十條によつて運輸大臣が命令することになつておる以上は、しかも聞くところによると、運輸大臣の指揮監督を受けるという現行法通りにしておいても、何ら予算はそれでふえるのでない。海上保安廳に移つたから、それで予算が減るというわけでもないということであれば、何ゆえにこういう格下げの印象を與えるような改正をしたか、その理由がわからぬ。なるほど海難審判所の理事官は海上保安廳に属しておるかもしれませんが、檢察官である理事官と裁判官とはこれは当然分離すべきものであつて、裁判官の所轄まで海上保安廳に移すということはこれは改悪だ。しかもこの点については陸上の裁判所の方でむしろ同情して、君らは改正するのになぜそれでだまつておるかと言つて、海難審判所の方へ働きかけておるということも聞いておる。こういうぐあいに、いろいろの観点から見まして、予算もふえるのでない。それからその他の点について現行法の方がはるかに明瞭、明確なる印象を與えるというのに、何を好んで海上保安廳へ海難審判官まで所轄を変更しなければならぬか、もう一度その点をお聞きしたいと思います。
○大屋國務大臣 それはただいま御説明申し上げました通り、海上保安廳は、海上の保安の維持というような点の管掌をいたします主務官廳でありますとともに、船舶船員及び水先案内に対する免状の発給というような事務も兼ねてやつておりますし、また海難審判所の理事官も海上保安廳がこれを所轄しておるというような点から見まして、かつまた一面今回の行政整理の観点から見まして、取扱います仕事にごうまつも從來と変更を來さないということにおきまして、今回のこの措置がむしろ合理的であるという考え方で移管をいたした次第でございます。
○米窪委員 繰返して申しますが、理事官が海上保安廳の長官の指揮監督命令を受けるから、審判官も受けなければならぬということは私は俗論であると思う。それから海上交通に関係があるから、審判官もこの海上保安廳に移すということは、海難の内容がよくおわかりになつておらぬ。海難は必ずしも衝突するといつたような刑事問題を伴うものばかりじやない。坐礁ということもあれば、あるいはその他の一切の海難事故がある。その意味において從來は海難審判所は独立をして、運輸大臣の外廓團体として運輸大臣の直接指揮命令を受けておつた。しかも行政整理の関係とおつしやるが、海上保安廳になつたらば、海難審判所を減員するとかいうことが要請されておるのですか、その点をひとつお尋ねしたいと思います。
○大屋國務大臣 それは同じことを繰返すようでありますが、要するに海上の治安維持あるいは船員ないし水先案内人の免状の発給というような事柄を海上保安廳が所掌いたしております。しかも海難の事変はそれらの仕事——海難ということは御説の通りいろいろな場合がございますが、仕事が海上の保安を所掌しております海上保安廳で、しかもこれが審判の理事官まで持つておりますから、その点に対しまして私はやはり海難審判の仕事は海上保安廳でやつて一向さしつかえないと信じておるわけであります。 なおまた今回の行政整理をやりましても、審判所の職員には減員は少しもいたさないということもやつておりまするかたがた、機能的には運輸大臣の管轄下にあります現在と少しもかわらずにやつて行けると信じて、この措置を講じた次第であります。
○米窪委員 運輸大臣の直接の指揮監督の現状のままで、実質的にはかわらないというのだつたら、何を好んで海上保安廳の長官の指揮命令を受けなければならぬというぐあいに改正したか、眞意がよくわかりません。しかしこれ以上は運輸大臣と私の見解の相違でありますから、これは討論の際に讓りまして私の質問はこれで打切ります。
○齋藤委員長 柳澤義男君。
○柳澤委員 大臣にお尋ねいたしますが、第六條の規定に運輸審議会に関する性格と申しますか、運輸審議会の決定は尊重して、運輸大臣が事務を処理するという規定がございます。この審議は諮問機関であるように見えますが、その決定を尊重してという用語が非常にあいまいでございます。これはある程度の意思の補充機関でありましようか、單純なる諮問機関でございましようか、その点をまず明らかにしていただきたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいまの御質問ですが、運輸審議会は諮問機関であると思われるのでありますが、この條文の日本語の書きまわしは、「運輸大臣は、左に掲げる事項について必要な措置をする場合には、運輸審議会にはかり、その決定を尊重して、これをしなければならない。」こういうふうに書いてあります。ところがこの英訳で関係筋と打合せたもので、その解釈に役立つものを読みますと、英文では「ザ・ミニスター・オブ・トランスポーテーシヨン・シヤル・コンサルト・ザ・トランスポーテーシヨン・カウンシル・アンド・シヤル・エツクスピイデイシヤスリー・キヤリー・アウト・ネセサリー・メジユアース・ウイズ・ハイ・リガード」というように書いてあります。これを日本語で尊重しなければならない、ねばならないというのでシヤルという字を使つてある。そこで英文の方の書き方を見ますと、シヤルという字が使つてあつてウイズ・ハイ・リガードとなつておりますので、実は私もこの点に疑問を持ちまして、しばしば関係筋と協議をいたしたのでありますが、日本文の文章も英文の文章も、ともにこれはいわゆる法律的に解釈いたしますれば、法的には強制ではないように思われますが、どうも英文の方を見ますと、シヤル……ウイズ・ハイ・リガードというのが少し強く解釈されますので、これは強制であるか、あるいは諮問機関であるかということをしばしば研究いたしましたが、法律的には諮問——強制的ではないのですが、この審議会の意見を相当ハイ・リガードに——高度に尊重しなければならない、こう当局との話合いになつておりますので、この辺でひとつ御判断を願いたいと思います。
○柳澤委員 ただいまの御説明もつぱら飜訳であるということをはつきりさせていただいた程度でありまして、その本質、性格は依然としてわかりません。これは飜訳以上に何かもつと明確にすることはできないのでございますか、その飜訳に苦心する以外に、最近いろいろな法規ができまして、ことに審査会とか審議会があります。ひとつには單純な諮問機関の場合があり、時に意思補充の、たとえば大臣だけの意見でも決定できない審査会の決議と、しかも決議だけでもできないで、それと相まつて初めて効果の生ずる、たとえば檢察廳法の第二十三條による審査委員会の決定のごときものもあれば、あるいはまた完全に決議機関である場合もあります。このようにいろいろにわかれておりますが、この場合こういうふうな條文が出まして、國民がこれを見てはたしてどういうふうに解釈するか、一々まさか原文がこうであるからという解説もできますまいと思いますが、これを何とかもう少し原文を付度してもけつこうでありますが、一層日本の立法としてはつきりした性格につくるというようなことは、許されないものでありましようか、その点お伺いしたい。
○大屋國務大臣 この條文の和英両文言をただいま申し上げましたので、また日本文の方の、尊重しなければならない、という文字の解釈のしようによりましては、ほとんど全部その審議会の議に運輸大臣が束縛を受けるという見方も成立ちましようし、尊重するのだから尊重して、ある程度は運輸大臣の自由裁量の余地が残されておるというふうな解釈もできるかと思うのでありますが、私たちはともかくもこれを條文としてここに掲げました次第でありますことを御了承願いたいと思います。
○柳澤委員 ただいまの御説明は、まつたく了解することにかえつて骨が折れるほどむずかしいことでありますが、それ以上は私はお尋ねすることをこの問題としてはとどめます。 さらにこれに付随いたしまして、第八條に委員は七人をもつて組織する、しかもその会長には運輸次官たる委員をもつて充てるということになつておりますから、この七人の委員の中には、もちろん運輸次官が入るわけでございます。しかも会議の法則にのつとつて運営いたします。でありますから可否同数の場合は、常に運輸次官が決定権を持つというように考えられるのでありまして、その点はほとんどこの審議会なるものを形式に流れさせ、まつたく形式的に行うにすぎない。かえつてこういう形式だけならば、事務の能率を非常にはばむではないかというような憂いもあるのですが、この委員の七人、運輸次官を委員長として決定するという点もやはりこれは何といいますか、英文で示された通りということになるのでございましようか。
○大屋國務大臣 やはりこれも関係筋としばしば協議をいたしまして、委員の数は外部から六人、しかもこれは常用といいますか、常雇いの少くとも一級官ということになつておりまして、その議長は運輸次官ということになつておるわけであります。
○柳澤委員 ただいまの問題はこれで終りまして、次にさつき他の委員からお話があつたと思うのですが、第二十六條港湾局の事務の内容につきまして、一、二、三、四、五はまつたく土木建築関係に考えられます。從つてまたこれに付随いたしまして、第三十九條の港湾の建設部の設置、さらにその事務内容としましての四十六條を檢討いたしますと、まつたく土木建築の範囲に限られております。そういたしますれば、土建の範囲、目的からいたしますと、建設省が行つておる多くの仕事の部門に当てはまるのではなかろうか、また建設省の事務に移した方が、かえつて機械材料その他技術上の面からも一貫作業ができて、非常によろしいのではないかと思われるのであります。從いましてこれらは建設省の方に御割愛せられてはどうか。何だかセクシヨナリズムに災いされておるような感じもいたしますので、重ねてそのところをお伺いする次第です。
○大屋國務大臣 ただいまの問題はしばしば論議いたしたところでございますが、この港湾の建設の部面は、なるほど土建の仕事の分野ではございますが、一般の土建の仕事とは、その内容性質が著しく專門的になつておりまして、港湾の建設は、やはりこの港湾を運営いたしますところが、これをつかさどるというのが最も合理的であり、かつ能率的であるという点につきましては、これを建設省の事務に移すよりも、はるかにパーセンテージが多いと確信いたしておる次第でありまして、單純に建設土建の仕事といいましても、さような意味合いにおきまして、これはやはり從來通り運輸省が所轄するということが、最も妥当であると考えておる次第であります。
○柳澤委員 その問題は見解の相違かもしれませんから深くお尋ねいたしません。その程度で打切りますが、次にそれに関連いたしまして第二十八條の九に「道路運送に関し、道路の調査及び研究に関すること。」という点がございます。これは道路運送という点に重点を置いて、運送に関するのだというように読めば読めないこともありませんが、これはむしろ重点は、もつぱらこの「道路運送に関し、」という言葉になりますと、「道路の調査及び研究に関すること」の方がこの九の内容をなすのではなかろうかと思います。そういうことになりますと、建設省の設置法の第三條に扱われております道路の調査研究というものと、まつたく抵触するような考えを持たれる。なるほど道路運送法は両省の共管でございましようが、道路法は建設省の專管に属するところでありまして、道路の調査及び研究に重点があるとするならば、やはり建設省の方へ一本にして行つた方が、いろいろな摩擦その他の支障がないし、かえつてよくはないかと思うのですが、その点はいかがでございましようか。
○大屋國務大臣 同じ道路にいたしましても、建設補修をつかさどる建設省の観点から見た道路と、道路上に輸送を担当いたしております自動車運送を專管いたしておりまする運輸省が道路を見る場合と、おのずからそれぞれの所掌によつて観点が違うのでございまして、運輸省が道路上の運送を完遂いたしますためには、やはり道路の調査及び研究ということを必要といたす次第で、これは從來もやつておるわけで、今回新規にこれを加えたことではないのでございます。
○柳澤委員 ただいまのお話でよくわかりますが、もしさような御意見だとするならば、この第二十八條の九は「道路運送に関し、」で切れておりますが、最近の口語文章の構成技術と申しますか、用語の使い方から申しますならば、ただいま大臣がおつしやられるように、道路運送に重点を置くという表現をいたす場合には、「道路運送に関し、」で切れずに、「道路運送に関する道路の調査及び研究」とかようになるのが、合理的ではないか、かように考えるのですが、その点はいかがでございましようか。
○小幡政府委員 お話のように、道路運送に関する道路の調査というふうにいたすのも、一つの文章であろうと思いますが、これでもはつきりそうとれるじやないか、同じことじやないかと私どもは考えております。意味はそういう意味でございます。
○柳澤委員 そういう意味でありますれば、私はこの点は了承いたします。
○齋藤委員長 次は尾崎末吉君。
○尾崎(末)委員 先ほど柳澤委員から御質疑になつた点と同樣な点ですが、ダブルようであつて違つた点だけを御質問申し上げてみたいと思うのであります。それは運輸審議会の性格に関しては、先ほどの御説明でわかつたように思うのであります。しかしこの運輸審議会というものは常置されるのでありますが、これは大臣に直属しておるものか、もしくはあとの方の第二十七條の鉄道監督局というものにこれは常時関連を持つて來るものであるか、どちらかということを、まずお答え願いたいのであります。
○大屋國務大臣 ただいまの御質問の点は、この機関は大臣に直属いたし、かつ常設的なものでございます。
○尾崎(末)委員 そういたしますと、あげられておりますところの仕事が、監督局の方と同樣なことを書いてありますので、これはなわ張り爭いの起る心配はありませんが、そういう点について御答弁を願います。
○大屋國務大臣 御質問の点でありますが、監督局は大臣の直属の部局でありまして、大臣の意思を遵奉して、種々の立案行政をいたすところであります。また審議会の方も同じ運輸事務を種々檢討いたします場合におきましては、やはりこれは大臣直属の機関でございますので、同じ問題を両機関で取上げましても、そこに衝突するとか、あるいは二重になるとかいうことはないと考えます。すなわち一方の監督局は日常の行政の執行、立案機関であり、また一方はどちらかといいますと、いわゆるアドバイスというような意味が多分に含まれておりますので、片一方は実行、実施、一方は勧告という、おのずから分野がそこに私ははつきりわかれて、支障なく行くものと考えております。
○尾崎(末)委員 大体わかりました。同じ審議会に関する問題について、第六條の第一号に「日本國有鉄道における基本的な運賃及び料金の設定若しくは変更又はこれらに関する認可」とこうあります。大体運賃の決定並びに変更等に関しましては、國会の議決を経なければならないことになつておりますが、その関係はどういうことになりますか。
○大屋國務大臣 これは在來も物價局と運輸省との共管になつておる性質の仕事でございまして、ただいま御指摘の点も、國会の承認を経るものはもちろんでありますが、それを経る前にその審議会で審議をするという意味と御解釈願いたいのであります。
○尾崎(末)委員 ただいまの点了承いたしました。そこで大体六條の九に関係のあることでありますが、省営バス並びに省営線の中で、拂下げ、讓渡をなさるという計画に関してであります。この計画は今までしばしば御質問申し上げたところでありますが、あらためて伺つておきたいと思うのであります。それは財政の都合上予算を捻出する、こういう立場を主として尊重せられて拂下げをなさるつもりであるのか、あるいはこれらの路線の性質によつて拂い下げる場所があり、あるいはそのままにして置くというようなはからいをなさるつもりであるか、最近この問題について、しきりに各地から陳情が参つておるようでありますから、あらためてこの点をお伺いしてみたいと思います。
○大屋國務大臣 御質問の後者に属する考えを主といたしまして、かてて加えてその結果、これが財政の逼迫の幾分の補いにもなればけつこうだという考えを持つておる次第であります。
○尾崎(末)委員 もう少し言い残した審議会の問題でありますが、第八條にあります審議会の会長は次官をもつて充てられるのであります。そうした場合に、さつき英語によつて御説明なされたような強い意味においての勧告というか、決議というか、そういうことをいたす場合におきまして、大臣の下におられるところの次官が、大臣以上の権限を振うというようなことが、あるいは出て來ることを予想せられますが、そういう場合においての適当なるはからいについて、何か御構想があるかどうか、承つておきたいと思います。
○大屋國務大臣 こまかく分析的に考えますと、その機関の委員長は次官であるから、その次官がその委員会を牛耳るというような場合もあり得るかと思いますが、大体におきまして、行政官廳である運輸省の長である大臣と次官は、一体不可分の意味合いにおいて日常の執務をいたしておりますがゆえに、尾崎さんの御心配のようなことは、発生せしめないように運営して行けるものと考えております。
○尾崎(末)委員 了承いたしました。次は第十九條の二項に定められてあります「大臣官房に、観光部を置く。」これでありますが、今後のわが日本にとりまして非常に重大な任務を持たされるのが、観光事業であろうかとも思うのであります。しかるに海運局、船舶局その他の局と比較いたしまして、決して観光のことがそう劣つていないだけではなくて、あるものにはまさつておるような点も考えられるのでありますが、なぜこれを局にしないで観光部として置かれたか、これについての事情を伺つておきたいと思うのであります。
○大屋國務大臣 御説の通り、この観光の仕事は、現在もまた將來も非常に重要な事柄であります。從つてこれが行政をいたしますところを、部よりも大きな機構である局にしなかつたのは、どういうわけであるかという御趣旨でございます。ごもつともな次第であるのでありますが、とりあえず現在のところでは、これを部で処理いたして参りまして、現在よりもさらに観光行政の規模が——すなわち観光客がどんどん参るというような場合、また講和條約でも締結されて、國際的に対等の地位が確保できますようなあかつきには、さらに発展することも予想されますが、さような場合にはもちろんそれを局に引上げるが、ただいまの観光行政の規模の点におきましては、今行政整理もいたしておるやさきでございますから、部をもつて処理いたし、やがてこれが発展いたします場合には、さらに進んで局にするという考えをもつてかようにいたした次第でございます。
○尾崎(末)委員 運輸大臣の御説明はよく了承いたしました。これは御説明の中の消極的な一つの考え、いわゆる外部からどしどし観光の仕事がふえて参つた場合は、局にするという言葉が一部あつたようでありますが、外部からそういうことになつて來るのを待たずに、進んで観光部の方でどしどし仕事が出て來るように御努力を願つて、できるだけすみやかに観光局に直していただくように、その点を、希望を申し上げておきます。 それから第二十一條の三項に「運輸省に、運輸省参與二十人以内を置き、省務に参與させる。」という一項があります。ぽつんとあるだけで、これが性格がはつきりいたしていないようでありますが、この参與というものの性格を御説明願いたいと思います。
○大屋國務大臣 この参與という制度は、何をするというわけでなしに、運輸行政一般の事柄に対しまして、いわゆるアドバイスを受けるという氣持で置いてある制度であります。
○尾崎(末)委員 審議会とこの参與とがダブつて行くようなことが考えられないでしようか。私はそういうふうな感じがするのですが、その点についての御説明を願います。
○大屋國務大臣 審議会の方は、実体の仕事を、あらゆる事実に基いてただちに実施し得るというようなお膳立てまでも整えるところまでやつて行く、常設の日々仕事をとる実体的の機関でございますが、参與の方はただいま申しました通り、運輸行政全般に対する、いわゆる勧告というようなものを受ける機関でございますので、もちろん万般のことを取扱います関係上、同じ事柄を取扱いますかもしれませんが、そこで進み方と取扱い方に非常な厚薄の相違がございますので、尾崎さんの言われるようにダブつて非常にむだであるというような懸念は、私はないと考えております。
○尾崎(末)委員 その点わかりました。次に第二十七條の第五号の鉄道司法警察に関する件であります。鉄道警察は相当に成績を上げて参つておるようでありますし、旅行する者に対しまして、相当信頼感を持たれておることは申すまでもないのでありますが、この司法警察に対して、現在と比較して、どういう程度に積極的に司法警察の運用をおやりになるおつもりであるか、そういう点についての御計画があれば承つておきたいと思います。
○大屋國務大臣 これはひとつ鉄道総局長官に説明いたさせます。
○加賀山政府委員 終戰後旅行者の乘車の秩序が乱れまして、また荷物方面ではいわゆる悪性事故と申しておりますが、拔取り等が非常に頻繁に行われまして、これに対してどうしても当局として人を配置いたしまして、御乘車のおせわをしたり、また荷物の拔取りを防止する見張りをして行くというような方策をとりませんと、十分に行かなかつたのであります。最近に至りまして、多少それらの情勢は緩和されておりますけれども、まだ急速にそういつた人たちの配置を除く、という段階までは至つていないのでございます。非常に多くの人を配置するということは、経営上から見まして、財政負担がふえますので、これも考えなければならないが、適度の、経営から見てやむを得ない人員を配置して、これにしつかりした訓練を與え、そして乘客のおせわをする。また荷物の拔取り等の見張りをして、あるいはこれらの紛失を防止するということは、ぜひ必要だと考えておりまして、本年度におきましても、これを持続するという意味合いにおきまして、なおその方策を続けて來ておる次第でございます。非常な拡張は今のところ考えておりません。あくまでも一般警察にかわりまして、その補足的役割を果すところに、重点を置いて参りたいと考えております。ただ一般警察と異なつて、鉄道自体がみずから、鉄道の運営を警備するという立場から参りますので、その点一般警察とは異なつた性格を持つていると思う次第であります。
○尾崎(末)委員 その点につきましては、経費の許す範囲内におきまして、できるだけ積極的におやりを願いたい、こういう希望を申し上げておきます。 あと簡單に二件で終りますが、この法案の第四條にさかのぼりまして、第四條の六に「職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理し、並びに職員を訓練すること。」とあります。これは鉄道運賃の値上げ等に関しましても、しばしば御質問を申し上げ、意見を申し上げました通り、一方に運賃を値上げする、それに比例する以上に十分にサービスその他の点において、努力しなければならないことはもとよりなのであります。職員を訓練することはまことに賛成だと思うのでありますが、訓練することについて、何らか新しい構想をお持ちになつておるかどうか、それを伺つておきたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいま尾崎君の御指摘になりました点は、運輸本省の方の職員を意味するものでございますので、御質問の趣旨は、鉄道がコーポレーシヨンになりました現場の現業員の点に関するものと拜聽いたしたのでありますが、それにつきましては、鉄道総局長官から御説明いたさせます。
○加賀山政府委員 從來教習所等につきまして教養をつけますと同時に、現場におきまして、職場自体におきまして、しつけと申しますか、訓練をして参つたのでございますが、これも戰爭中から少しずつ戰前のようなぐあいに行かなくなりまして、見劣りするようになつておりますことは、まことに遺憾に存じております。御承知のように、六月一日から公社になるのでございますが、それまでの間におきましても、今申しました教習所は依然として存置してございますし、また職場における教養に重点を置きまして、新しい從事員の訓練に努めておる次第でございます。今後も一層その点につきましては、やつて行かなければならぬと存じておる次第であります。
○尾崎(末)委員 いま一点でしまいでありますが、これは大臣に御答弁を願いたいと思います。それは國有鉄道の総裁の選任が近く迫つておるのでありますが、これに関しまして、民間各所での批評を聞きますと、この総裁にいわゆる官僚の古手を持つて参る、そうしてある一種のそういう方面のうば捨山のような形に持つて行くのではないか、こういう意見が各所にあるのであります。つきましては國会が閉会中に、この総裁の選任が行われると思いますので、強く希望を申し上げますならば、今申しましたような、國民が心配しておるようなやり方でないところの総裁を任命せられたいと思うのでありますが、この総裁の選任について、現段階においては、どういう程度までお考えになつておるか、おさしつかえなければこれを伺つておきたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいまの御質問の点は、まず第一段階といたしまして、監理委員を五人選任をいたしまして、それを議会の承認を求めて、しかる上でこの五人の監理委員が総裁を選ぶという手続に相なつておる次第であります。このコーポレーシヨンが六月一日からスタートいたします関係上、私といたしましては、この監理委員を今議会中に議会の御承認をお願いしたいと思つております。しこうして総裁を選任するのは、この五人の監理委員が推薦をいたすのでありますから、運輸大臣といたしましては、この選出方法につきましては何らの関係も持たないわけでございますが、鉄道の監督者である運輸大臣といたしましては、尾崎委員の御心配の点は、まことにごもつともの次第でございますから、大臣としての心構えとして十分これを注意いたす所存でございます。
○尾崎(末)委員 御説明の通りに、建前は五名の監理委員ができて、これによつて互選をするということに相なつておるようでありますが、実際問題としては、なかなか表面の建前通りに参らないで、さつき申し上げたような弊害が生じて來ることを心配をいたしますので、今大臣がお述べになつたような態度をもつて、どうぞ國民にこれ以上の杞憂をかけないように、そういうやり方についての最善の努力を希望いたしまして、私の質疑を打切ることといたします。
○齋藤委員長 次は池田正之輔君でありますが、お見えになりませんから、前田郁君。
○前田(郁)委員 この法案を見ますと、最も重大な問題は、運輸審議会の問題であると思うのであります。先ほど柳澤、尾崎両委員よりこの点について質問をされまして、大臣からも御答弁がございましたが、聞いておりますと、運輸審議会は諮問機関であると思うというような、あいまいな御答弁であつたようでありまして、私どもはこの点をはつきり御答弁を願わないと、この法案に対する修正その他ができないと思うのであります。そこで私どもはこの法案をいろいろ檢討いたしますと、まつたく大臣が言われた通り、諮問機関であるようでもあり、決定機関であるようでもあるのであります。ことに私どもはこの第二十條の第四項の「各局の長は、運輸大臣の指揮に從い、その所掌事務に関し、運輸審議会の決定を実行に移すため、必要な措置をとらなければならない。」こういうような條文もございまして、運輸審議会の決定を実行するということで、この決定がものを言つて行くというようなことでありまして、どうもこれは決定機関であるのじやないかというような感じがするわけでございます。この点をもう少し明確に運輸大臣から御答弁を願いまして、そうしてこの法案に対する私どもの考え方を第一着に決定してみたいと思うわけでありますが、その点を明確に御答弁をお願いしたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいまの点は、この審議会は諮問機関であると私は思うのであります。しかしてこの審議会の決定を運輸大臣は実行にあたつて尊重しなければならぬということになつておりますので、この意味から見ましても、運輸審議会は諮問機関であつて、実行機関ではない。実行の責任者は運輸大臣である。但しその諮問機関である審議会の議を実行するにあたつては、尊重して実行しなければならぬ。その尊重という意味を敷衍いたすために、英文の文言も先ほど御紹介申し上げたのですが、その尊重するという度合を、運輸大臣がどういうようにそれを考慮いたすかという問題が問題であると思つております。
○前田(郁)委員 この問題はこれ以上質問することを避けます。私はいろいろ質問したいのでありますが、柳澤、尾崎両委員の質問と重複いたしますからこれを省略いたしまして、この法律が非常に重要な法律であり、しかもこの運輸審議会が最も重要なものであるということは、皆さん御承知の通りでございますが、この附則の第二項によりますと「第九條の規定により、運輸審議会の最初の委員が任命される日の前日までは、運輸大臣は、第六條第一項の規定にかかわらず、同條同項各号に掲げる事項について運輸審議会にはからないで措置をすることができる。」こういう規定があるのであります。この附則の意味は、運輸省の発足にあたつて運輸省としては最も重要なことでなければならぬと思われるのでありますが、当然設置されなければならぬということを、設置されぬでもよいというようなことが前提としてあるようなふうになつておりますので、私どもはその点まことに不可思議に考えておるような次第であります。そうして日本國有鉄道について研究してみますと、その旅行法第一條においては、内閣は、日本國有鉄道法施行前において両院の同意を得て、監理委員会の委員を指名し得ることになつておるのでありまして、こういう点から考えまして、どうも私どもはこの運輸審議会というものが、これに対してすこぶる弱いような感じがするのでございますが、これに対する大臣の意向をお聞きしたいと思います。
○大屋國務大臣 前段の御質問のこの條文の趣旨は、万が一この新機構のスタートの以前におきまして、委員の任命ができなかつた場合の措置をこの條文に掲げたのでございます。しかし実際の考えといたしましては、今國会中にこの委員の選定をいたし、これが議会の御承認を得ることに努める考えでございますから、実際この條文の発動はないものとただいま考えております。 それから後段の御質問は、ちよつと失念いたしましたが、何でございましたか……。
○前田(郁)委員 それでは大臣の御意向を十分尊重いたしまして、運輸審議会を新運輸省の発足と同時に設置していただきたいと存ずる次第であります。 それからこの法案の中に盛つております第十九條以下運輸省の内部部局でありますが、海運関係につきましては海運、船舶、船員、港湾という四局を置いてありますが、陸運関係においては鉄道監督局、自動車局に二局を置くにすぎないのでありまして、日本の國有鉄道あるいは私設鉄道というものを監督する立場から考えまして、どうも鉄道の関係が閑却されておるような感じがするのであります。運海関係は以前には管船局一局であつたのが、現在においてはだんだんと範囲が廣くなりまして、今回は四局を置いて管轄管掌するということになつております。陸運についてはこの程度でさしつかえないとお考えになつておられたのではないかと思うのですが、この点に対する御所見を伺いたいと思います。
○大屋國務大臣 御指摘の点でありますが、鉄道の面においても御承知のようにコーポレーシヨンは独立いたしますが、この監督機関といたしましても、日本國有鉄道並びに私鉄の二部面に対しまして、それぞれ一局ずつを設けたいと一應は考えてみました。なおさらに自動車の面においてもいわゆる業務方面の行政と整備方面の行政と、それぞれやはり一局ずつを設置いたしますことも一應は考えてみたのでございますが、時あたかも行政整理でできるだけ機構の圧縮をするというようなときでございますので、鉄道方面においては私鉄、國鉄をそれぞれ部をもつて処理する、また自動車の面においても業務、整備の両面を局のかわりに部でもつてやつて行こうというふうに結論的にいたした次第でございます。これを御了承いたいと思います。
○前田(郁)委員 よくわかりました。次にお尋ねしたいことは、海運局に海運調整部というものを置くことになつたのであります。調整の必要なことはもちろんでございまして、陸運と海運との調整もあり、また陸運においては鉄道と自動車との調整が必要であると思うのであります。このために特別の調整部を置かないで、海運のみ調整部を置かれた理由はどういうわけでありますか、その点を伺いたい。
○大屋國務大臣 海運関係については、在來は御承知のように総局制をとりまして、その下に局を置きまして、これで総合調整ができておりましたが、今回は海運行政の四局をばらばらにそのままにしておくのでは、やはり総合調整が欠くるところがあると考えましたが、さりとて行政整理をやる建前上、從來の総局制をそのままに存置しておくことは不適当であります関係上、完全ではございませんが、やはり海運行政の全面を調整いたしますために、海運局の中に調整部を置きまして、その部をして調整統一をはかつて行く、こういうふうに考えた次第であります。なおまた海運にのみ調整部を置いて、陸運においてなぜ自動車と鉄道の調整をしないかと申しますと、これは官房でその調整の仕事をやらせることになつております。
○前田(郁)委員 次にお伺いしたいことは、先ほど尾崎君からもちよつと御質問があつたようでありますが、観光事業の重要性にかんがみて、観光部を置くということはけつこうなことでございまして、むしろその発展を期するために、総合的な観光行政を管掌する特別の局を置くべきものと考えておるような次第であります。第三條の第六号に「運輸に関連する観光」こういうことがあるのでありますが、これはどういう意味でございますか。
○大屋國務大臣 観光ということを廣く解釈いたしますと、單に運輸に関する面のみならず、いわゆる各般の行政面にわたり得ると考えられるのでありますが、特に運輸省で扱います観光を運輸省でつかさどるという意味合いにおいて「運輸に関連する観光」——観光と言いぱなしですと、各省の所掌に属する事柄がたくさんございますので、そこで運輸省の扱う観光は、いわゆるわれわれの常識的の観光の主たる部分ではございますが、そこに特に多少とも関係を明瞭化いたしますために、「運輸に関連する」という字を観光の前につけた次第であります。
○前田(郁)委員 観光の問題についてもう一つお尋ねしたいのであります。第四十條二十三号に「運輸に関して、海上の観光事業の発達、改善及び調整を図ること。」第二十四号「運輸に関して、海上の観光地域及び観光施設を調査し、及び改善すること。」こういうことが書いてございますが、これはどういうことを意味しておるか、たれでもよろしゆうございますが、御答弁を願いたいと思います。
○下山説明員 第四十條の二十三、二十四、二十五の点は、観光の関して海運局の海上観光に関する権限を書いたわけでございます。観光全体の権限は運輸省の権限の中に入つておりまして、それをさらに海上については海運局、また陸上に関しては陸運局の方に入つております。そういう意味であります。
○前田(郁)委員 次にお尋ねいたしたいのは、第二十九條に中央氣象台は船舶試驗所や海務学院や海員養成所と同一の付属機関というふうになつておるのでありますが、民生上、産業上重要な氣象行政を行うところのこの中央氣象台は、その使命から見ましても、またその規模から見ましても、外局とすべきではないかと思いますが、この点に対して運輸省のお考えをお聞きしたいと思います。
○大屋國務大臣 お説の通り、中央氣象策の仕事は、各般に重大なる影響のある非常に大切な業務でございますが、現在のような外局の機構にいたしませんでも、その仕事の遂行上さしつかえはあるまい。かつまた外局でなしに直接付属機関といたしましても支障がなかろうという考えで、かような仕組みにいたしておいた次第でございます。
○前田(郁)委員 次に第五十一條でございますが、陸運局は日本國有鉄道の監督に関する事務を分掌することになつていないようでありますが、これで國鉄、私鉄、自動車の総合行政の完全を期することが、できるかどうかということにすこぶる疑念を抱いておるのであります。これに対する当局のお考えを聞きたいと思います。
○大屋國務大臣 この陸運局は御指摘のようなことでございませんで、私鉄並びに國鉄、それから軌道、道路運送事業、小運送その他の陸運の発達改善云々というふうになつておりますので、私鉄も國鉄も、ともに陸運局で監督のできるように、この條文はなつておるわけであります。そういうふうに二十二号をお読み願いたいと思います。
○前田(郁)委員 第五十四條の陸運局の分室の問題であります。大体分室は十七箇所とかというような説明を承つていたのでありますが、まだどこどこに置くとか、そういう点はおきまりになつていないかどうかということをちよつとお聞きしたいと思います。
○大屋國務大臣 御指摘の通りでございます。目下どこに設置するかということを研究中でございます。
○前田(郁)委員 それからこの附則の第十六項によりますと、道路運送監理事務所及びその職員は、これに相当する分室及びその職員となり、同一性をもつて存続するということが書いてございますが、分室の置かれるところはこれでいいといたしまして、置かれないところはどういうことになるのでございましようか、その点をちよつとお聞きしたいと思います。
○大屋國務大臣 実はこの條文は抹殺していただきたいと考えておる次第であります。
○前田(郁)委員 最後にもう一つお尋ねいたしたいのでありますが、新たに設立されます日本國有鉄道の内部機構でございます。もちろんこれは私どもが今この法律を審議するときに関與するところではありませんが、その機構がすでにおきまりになつておりますならば、一應これを承つておきたいと思います。これは日本國有鉄道の設立の意議から申し上げましても、非常に重大なる問題でございます。私どもも深い関心を持つておるわけでございますが、もしできておりましたらお聞きしたいと思います。
○大屋國務大臣 お説の通り最も重要な点でありますが、現在はとりあえず現在の形で参りまして、監理委員ができて、新規の総裁ができましたときに、それらの人々によつて、それが考究されるべきものである。またその際は運輸省といたしましても、監督の立場からこれを考究するというので、ただいまのところは、まだそういうような意味合いで着手をいたしておりません。
○前田(郁)委員 私の質問はまだございますけれども、これは追つて運輸委員会におきまして質問いたしたいと思いますので、本日はこれをもつて打切りたいと思います。
○齋藤委員長 池田正之輔君。
○池田(正)委員 運輸省の設置法は、檢討すけばするほど、各方面にわたつてきわめて重要な部面が多いので、これに対してはなおわれわれも今後十分檢討して行きたいと考えております。そこでこれに対して私いろいろお尋ねいたしたいことがありますが、これはわれわれの内閣委員会の席に讓りまして、きようは幸いに運輸委員の方々と御一緒でありますから、私ここで特にこの場合、運輸省の大臣以下の方々に注意を喚起する意味において発言を求めたのであります。それはたとえば港湾の建設の面、先ほど來御議論になつておりますが、あるいは行政の面、これは今後一体今の設置法でいいのかどうか、それはいろいろの角度から御議論があることと思います。ただ私どもが見のがしていけないことは、この間これに対して、たとえば地方の二十四府縣の知事の会合において、一つのまとまつた意見を出しております。それに基いて、ある縣の者が本省に陳情に行つたところが、それはおそらくは運輸省の現在の諸君が考えておることと反対な方向の陳情であつたために、お前の方では、それではもう補助金はいらないのかということを言われたというて帰つて來たのであります。これはおそらくそれを言われた方は、そう大して深い意味はなかつたのだろうと思います。しかしこの重大な問題に関連して、不用意にもそういつたような感情的な言葉をさしはさむというような考え方では非常に困る。これは重大な過失だと思います。そこでこれは大臣にも十分御注意を願いたいということが一点。 それからもう一つは、大臣はその当時のことを御存じないと思いますが、大体港湾行政及び建設に関する面は、もともとは、御承知のように港湾に関する面の一番大きいところは、建設は昔の内務省、それから逓信省の管船局、それから地方自治体、それから税関係における大藏省、こういつた大きな部門にわかれておつたのであります。それが戰時中に逓信省の管船局の諸君が、海軍の諸君と共謀して、それに某大船会社が中に介在して連日連夜、築地等の待合に会合し、私はその場所まではつきり知つております。およそどの程度金を使つたかということまで大体わかつております。そうしていわゆる軍國主義の当時の時局に便乘して、そうして緊急輸送という名前のもとにでつち上げて、港湾行政その他を全部今日の運輸省に統轄した。そのことのよしあしは別として、そうして重大な動機があつたということを、私はここに大臣及び当時関係した方はおそらく今日運輸省の首脳部の方には少いと思いますから、特にこの際このことを申し上げて注意を喚起し、あわせて運輸委員の方々はいずれもわれわれより優秀な方々でありますから、その間の事情もお詳しいと思いますけれども、御参考までにこのことを申し上げて、私の質問は内閣委員会の場合に讓りたいと思います。これで私の発言を終ります。
○齋藤委員長 有田喜一君。
○有田(喜)委員 わが國の自立経済をはかります上におきまして、貿易の振興はもとより必要でありますが、これと相まつて海運の進展をはかることもまた当然であります。この意味におきまして、今回の運輸省の機構改革は、相当重要な意味を持つておると私は思うのです。御承知の通り、運輸省の行政はきわめて特異な行政でありまして、運航、造船、船員、港湾というようなものが、四位一体となつて統一総合せられるところに、海の特異な面があると私は考えます。先進海運國の例を見ましても、おおむねさようなぐあいに相なつておるのであります。先ほど來いろいろと御意見もあるようでありますが、運輸大臣の御答弁を伺つてみますと、やはり海事行政の総合化、立体化ということを相当強くお考えになつておるように見受けて、意を強うするのでありますが、もう一度ここではつきり運輸大臣は、この海事行政の総合化という点に対して、いかなる所信を持つておられるかということを明確に披瀝していただきたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいまの御質問でありますが、この海運の各異なる行政を、ばらばらにいたしておりますのでは能率が上らない。またその海運発展の実を上げることはできないということで、できるならば私は現在のようなこの四つの異なつた方面を締め括る一つのはつきりした中心をほしいのであります。しばしば申し上げます通り、行政整理というようなことをやつております関係で、從來の制度をそのまま持ちこたえるということが、各般の情勢から判断いたしましてできませんので、はなはだ不本意ではありますが、海運局の中に調整部というものを置いてこれの統一をはかる。統一をはかりますが、一局の中の調整部でありますから四つの行政に対して画然と命令を出すような上級の立場でないということに一点の不満があるのであります。とにかくこの形でやつてみまして、もしも所期の実効が上らないという場合には、また別途の考慮をいたしたい、さような含みを持つて考えておる次第であります。
○有田(喜)委員 港湾行政を建設省に移したらどうかという意見があつたようでありますが、私は港湾運営の面と建設の面ときわめて密接なる点から見まして、さように簡單に建設省に移すべきものではない、かような信念を持つております。先ほど來申しますように、海事行政の総合化という点から見まして、ことに港湾行政の從來の複雜性を少しでも單一化して行くという意味から言いましても、この問題は軽軽に委讓とかなんとかすべき問題でないと思います。もう一度運輸大臣の所信を承りたいと思います。
○大屋國務大臣 その点に関しましては、有田君と私もまつたく同意見でございまして、この港湾建設は港湾の運営に関する一般建設とは異なる特殊な面がございますので、やはり運営と建設は、一箇所において管轄する必要があると私も強く考えておる次第であります。
○有田(喜)委員 いろいろとさような意見が出ますゆえんのものは私は日本人は、せつかく海國日本でありながら、海の特異性と申しますか、海の必要性の認識を欠いておる点が多々あるように見受ける。つきましては海事思想の普及ということを、もつともつと強力に國民一般に徹底せしむる必要があると思う。運輸大臣は海事思想の普及に対していかにお考えになつておられるか。
○大屋國務大臣 まつたく同感でございます。現在の日本といたしましては、やはり外國貿易に関しまして、自國船を多量に、十分に使つて、いわゆる運賃收入を獲得するという事柄が、現在の日本としましてはことさらに重要であると考えますので、運輸大臣といたしましても、海運行政はこの見地にのつとりまして、実施いたしたいと考えておる次第であります。
○有田(喜)委員 海事行政の総合化の問題と関連いたしまして、御承知の通り労働省に労災保險とか、その他労働関係の保險が厚生省より移管されておるのであります。そのときに、同時に船員保險、すなわち船員の労働保險も、船員の労働を扱つておるところの運輸省に移管さるべきであるということが一應閣議で決定されたのであります。いまだそれが実現に至つておりませんが、一体その後はいかなる状態になつておるか、伺いたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいま御指摘の点は非常に同感の節もございますので、この問題につきまして研究中でございます。
○有田(喜)委員 その問題は研究の段階でないと思います。実行するかどうか、すなわち運輸大臣が力強く関係方面と当つて、これを実現するかどうかということにかかつておると思うのです。研究という段階でないと思います。ひとつしつかりやつてください。
○秋山政府委員 船員の保險関係につきましては、かつて運輸省に移管する方針が閣議の決定になつたのでありますが、関係方面における社会保險の総合化、あるいは一段の飛躍を求めるための調査團、その他の來朝等がございまして、いろいろと研究が行われておりますために、実施が途中で一應ストツプになりましたことは御承知の通りの事情でございますが、その後社会保險全体の改善につきまする案の勧告を、日本政府がいかに取扱うかということが目下研究の段階になつておるのでございます。從いましてその解決とともにこれをいかなる程度に、またいかなる方法によつて実現するかということを決定されるというような段階になつておるのでございます。從いましてただいま大臣が答弁申しましたことは、実施方法について研究中である、こういう御趣旨だつたと思つております。一言補足いたします。
○有田(喜)委員 実施方法についての研究とならば私も了解できますが、この問題はすみやかに解決すべき問題だと私は思います。ひとつ運輸大臣、力を入れて急速に解決していただきたいと思います。 次にお伺いしたいのですが、この海の行政を総合して行くということはきわめて必要でありますが、昨年から御承知の通り海上保安廳というものができました。海上保安廳が運輸省にあるゆえんのものは、すなわち運輸省が海の行政をつかさどつておるがゆえに、海上保安廳が外局としてあるわけであります。この海上保安廳とそれから運輸本省の海の関係は、きわめて緊密なる連繋のもとに運用しなければならないと考えます。すなわち船舶檢査のごときは、もちろん海上保安とは関係がありますが、一面から見ますれば、やはり造船行政の一部である。また船員行政と不可分の関係にあるのであります。 〔委員長退席、小川原委員長代理着席〕 要は海運総局、今回のいわゆる海運関係の各局と海上保安廳とが最も緊密なる連繋をとつて、眞に兄弟のようなつもりで運用して行くことが、私はきわめて肝要と考えます。運輸大臣はその両者を握つておられる主管大臣であります。その間の調整と勉強はきわめて必要でありますが、運輸大臣はこれに対していかに対処されておるか、お伺いしたいと思います。
○大屋國務大臣 ただいまの点に対しましては、有田君の御意見とまつたく同感でございます。
○有田(喜)委員 同感だけではしかたがないのでありまして、ひとつ実際の面におきまして、私は老婆心までに申しておるのでありますが、大臣よく目を光らしてくださいまして、その間の調整連繋が円滑に行きまして、両者の設置の御趣旨に反せざるようにひとつ御注意願いたいと思います。 それから今回の運輸省の機構改革を見ますと、大臣もおつしやる通り、多少海事行政の総合一元化という点に遺憾な点があります。しかしこれもあるいはやむを得なかつた点があつたかもしれませんが、この段階に至るまでに運輸大臣は、たとえば今回の通商産業省に実現されることになつておるように、海の行政を総轄するところの次官補、すなわち海事監というような特殊な制度をお考えになつたかどうか、またそれをお考えになつて関係方面なり、その他に強く折衝されたかどうか、さような点もしおさしつかえなければ伺いたいと思います。
○大屋國務大臣 この通商産業省の場合は非常に厖大な局部があるので、次官一人ではそれの締め括りができないというので、通商の面に関するエキスパートを大臣の補佐官として、そういうポストを一つ設けることにいたしたのであります。運輸省におきましても、ややそういうような感があるのでありますが、ただいままでのところでは、海運行政を調整部によつて統一をして、これを成功に導きたいということにのみ專念しておりまして、ただいまの御質問のようにこれに次官補とか、あるいは、海事監とかいうものを置く試みをまだしたことはございません。
○有田(喜)委員 一海運局長の下に海運調整部があつて、それでもつてこの大事な海の行政を総轄することには大した期待はできない。ことに他の局長と並立するところの海運局長のもとにおいてさような調整をやることは、かえつて弊害が生ずるおそれもあります。ひとつ大臣はこの海の行政の特異なる点を御考慮になりまして、次官補的なものを考えて、眞の海の行政の総合をやることについて、ぜひとも御考慮を煩わしたいと思います。 次にお伺いしたいことは観光局の問題であります。これは先ほど來質問が出ましたから、私は重ねてくどくどしくは申しませんが、何と申しましても、貿易外收支の改善の関係から見まして、今日観光事業はきわめて重要だと思います。大臣は講和條約もまだ済まない今日の段階では、まだ部程度でいいじやないか、こういう御答弁があつたように思いますが、私の考えではさような考え方ではいけない。すなわち將來性を考えて、たとえ人数は少くても、そこに機構として大きな構えをすることが必要だと思います。たとえば今外務省がありますが、外務省は実際睡眠の状態であります。しかし將來を考えればこそ外務省を存置する必要がある。往年の航空廠に対しましても、存在は小さいのですが、航空に対する構えを相当大きくやつた時代があります。日本の行政の重要性を考えまして、今日の段階ではたとい小さくても、將來に伸びる可能性のあるものは、今からその構えをしておくことが必要だと考えます。この観光部だけでは日本の將來の貿易外收支の改善という点から見まして、非常に心もとない感じがいたすのであります。大臣は今日は原案がここに出ておるから、おそらく原案を固執されるでございましようが、近き將來において観光部ではもの足りない。大いに観光を強化するという御決意があるかどうか、その点をお聞きいたします。
○大屋國務大臣 観光によつて國富を増し、日本経済に有力に寄與せしめたいという考えにつきましては、有田君とまつたく同感でありますが、現在の段階におきましては、部をもつて処理をいたし、將來——將來といいましても、ごく近き將來に、もつとヴオリユームがふえて参りました際には、また内部からふやすべきものもございますが、その取扱いの量がふえましたときには、すみやかにこれを上級の局部に改組いたすという点につきましては、まつたく同感で、またさようにすべきものであると考えております。
○有田(喜)委員 どうも日本人は目先のことばかり考えて、將來のことを考えることが少いように思います。私は行政機構というものは、ヴオリユームの関係も大事であるかもしれませんが、さようなことは人数だけあればいいのであつて、機構そのものは、わずかの人間でも將來性のあるものに対して、相当の備えをやらなくてはならぬと考えます。せつかく大臣も努力するとおつしやいますから、私は大臣の言葉を信頼いたしますが、單に観光の問題のみならず、運輸省機構全体の問題といたしまして、將來を考えて一層よき機構にされんことを私は切望いたします。 なお小さい問題で恐縮でありますが、運輸審議会の問題は先ほどからいろいろ論議せられましたので、省略いたしますが、そのうちで小委員会というのがございます。この運輸審議会が多数のメンバーを持つた大審議会ならば、小委員会はあるいは必要であるかもしれませんが、わずかに委員長を加えて七人にすぎない、この審議会においては、どうして小委員会が必要であるか。むしろ小委員会のごときは不必要だと考えますが、何か特別な理由がございましようか。
○大屋國務大臣 これはことさらに意味はありませんが、問題を処理して行く関係上、それぞれ專門的に深くコンクリートにやつて行く場合には、やはりさような制度を設けた方がいいのではないかという意味合いで、これを設けた次第であります。
○有田(喜)委員 見解の相違になるかもしれませんが、わずか七人くらいの審議会において小委員会というのはどうかと思います。ことに小委員会の附則を見ますと、過半数の出席がなければ開かれないという規定があるにかかわらず、小委員会にそれを讓つて、そうして小委員会議決が審議会の議決と同じ効力を持つというようになつているのは多少むりがあると考えます。その他お伺いしたいことがありますけれども、時間もありませんので、もう一点だけお伺いしますが、海上保安廳の機構を見ますと、私の記憶が少し違つておるかもしれませんが、海上保安廳法の組織の第二條に「船舶の安全に関する法令の海上における励行」ということが書いてありますが、現行法もやはりこの通りでございましようか。
○大久保政府委員 海上保安廳の第二條は現行法と同樣であります。
○有田(喜)委員 私の記憶が間違いなかりせば、この「法令の海上における励行」ということは、いわゆる海上において船舶の安全のために必要な法律を嚴守しておるかどうかということを取調べるなり、監督して行くということのように私は考えておるのであります。先般船舶檢査が海上保安廳に移管されましたけれども、これはやはりこの條項から発足しておるのでしようか、どうでしようか。
○大久保政府委員 ただいまお尋ねの船舶檢査行政を海上保安廳に移管いたしましたのは、第二條の「船舶の安全に関する法令の海上における励行」それに関連いたしまして、その末尾に「その他海上の安全の確保に関する事務並びにこれらに附帶する事項」というような関係からいたしまして、関連するものとして含めた次第であります。
○有田(喜)委員 あとの方から類推してさような解釈ができるかもしれませんが、先ほど來大臣にお願しておきましたように、この檢査——私は最初は、檢査はいわゆる竣工檢査のときはもちろん船舶局がやつておつて、そのでき上つたものを海上においてちよいちよい見ることが海上保安廳の役割だと思つておりますが、それがほとんどが海上保安廳の方に行つてしまつた。これはどちらに行つてもいいのでしようが、船舶檢査の仕事は、船舶行政という面と非常に密接な関係がありますので、ひとつよく連繋をとられまして、せつかくできた海上保安廳が、あまり趣旨を没却されないようによく運営をやられんことを切望いたします。私はこの程度で質問を打切ります。
○小川原委員長代理 田中堯平君、なるべく簡潔に願います。
○田中(堯)委員 審議会のことについてですが、どうもはなはだはつきりしないと思うのです。徹底せる民主主義政治をやろうという今の社会において、どうもはなはだわけのわからぬものを置いております。ついてはこのことについてひとつお聞きしたいのは、かりに運輸審議会と大臣との見解が相反した場合にはどうなりますか、それをまず伺いたい。
○大屋國務大臣 この法文の解釈をたびたび申し上げるのですが、大臣はある案件の実行に当つて、運輸審議会の意見を尊重しなければならぬということになつておりますので、それはそのときの具体的の問題に直面して、大臣の判定にまつよりほかしかたがないと考えております。
○田中(堯)委員 そうすると、大臣は運輸審議会がかようかようの決定をやつた、しかしそれはいかぬというならば、場合によつては無視してもいいというわけですか。
○大屋國務大臣 大臣が尊重して実行するというのでありますから、これはいわゆる頭から必ず尊重しなければならないというのと、尊重して実行しなければならないというのとの間に、多少の意味合いの差があると考えております。大臣の意見と審議会の意見が相反した場合には、大臣は大臣の判定をもつて処置をする、あるいは否決する場合もあり得ると解釈しております。
○田中(堯)委員 そこで委員会の決定を大臣が不承々々ながら実行して、はなはだおもしろからぬ結果になつたというその責任は、たれがとるのですか。
○大屋國務大臣 責任の当事者は当然大臣でございます。
○田中(堯)委員 先ほどの御答弁では、運輸審議会に関する部分は飜訳であるかのように言われましたが、これは間違いないことですか。
○大屋國務大臣 これはその筋からアドバイスのありました英文を一部引用したわけであります。
○田中(堯)委員 一部ですか、全部ですか。それともう一つお聞きしたいのは、設置法案の他の箇所においても、そういう飜訳をされた部分がありますか、どうですか。
○大屋國務大臣 その問題はあるところもありますし、ないところもあります。しかし全体的に申しまして、大体独自に立案したものとお考え願います。
○田中(堯)委員 今のお言葉と最初のときのお言葉と大分食い違つておるように思います。というのは運輸審議会に関しては、原文までお写しになつて飜訳に苦心したという苦心談までお話になつた。私どもは明らかに飜訳というふうに解しておりますが、そこでひとつお聞きしたいことは、日本の政府が法案を出し、國会でこれを決定するということは、私どもはこれを國のうちの政治——内治と申します。これに対してもしそういうようないろいろな干渉といいましようか、注文と申しましようか、そういうものがあるということになると、これは外交上、國際上ゆゆしき問題でありまして、占領政策の基本にも背馳するものであると私どもは考えますが、大臣の御所見はどうですか。
○大屋國務大臣 他のことは存じませんが、この運輸省の設置法案に関する限り、審議会に関する問題は勧告のあつた一部を申し上げたまでで、飜訳ではございませんし、なお爾余の分に対しましては、口頭その他によつて勧告を受け、その勧告を消化いたしまして、政府の独自の見解に基いて起案いたしたものと御承知を願います。
○田中(堯)委員 しつこいようですが、もう一言このことについてお尋ねします。まずシヤルのことですが、シヤルを何もすぐに、しなければならぬ、いけないと私どもは考えないのです。マストとも違うし、これはそういうふうに一つの危惧を持つておるような場合にも使うけれども、妥当であるという意味が一般にシヤルには含まれておると思うのです。わざわざこういうふうにしなければならぬというふうに法的の義務をつけるような飜訳をされたことはついては、何かそれについても勧告なり、指示なりがあつたわけですか。
○大屋國務大臣 日本文の尊重しなければならないということの英文を御披露したので、尊重するというのがウイズ・ハイ・リガード、ねばならないがシヤルでありまして、シヤルがマストなり、あるいはその他の義務の形であるか、命令の形であるか、あるいはもつと軽い意味であるかという事柄を諸君に御判断を願う意味において申し上げたわけでございます。
○田中(堯)委員 今度は労働問題について伺いたい。新機構を見ますと、今度は船員労働委員会というものがあるわけですが、なるほど船員については、船員法その他特別な労働法規があるにはあるのですが、これを特に運輸省の中にそういうふうな委員会を設ける必要はなくして、むしろこれは地方労働委員会の一部局なり、あるいは專門的な機関をそこに設けて、これに付置すべきであると私は考えるのですけれども、どういうわけでこの海上労働者に対してのみ、こういうふうな委員会を運輸省に置かれるのか、これを御説明願いたい。
○大屋國務大臣 船員に関する労働問題処理の機関は、世界的にこれは同一慣習になつておりまして、やはり運輸省的のところで船員の労働問題は取扱つておるわけで、わが國におきましても、その慣習にのつとりまして、船員以外の労働行政はあげて労働省に一任いたしておりますが、船員に関しては、船の行政をいたしまする運輸省でやることにいたしてあるわけであります。
○田中(堯)委員 学校問題で、商船学校を大学にする予定であるということですが、希望としては一刻も早くそうしていただきたいと思います。そこでこれは何も運輸省の管下に置かなくても、やはり文部省の管下に置くことの方が至つてりくつに合う、妥当であると思うのですが、どういうわけで運輸省の管下に置かれるのですか。
○大屋國務大臣 船員の養成訓育という問題に対しましては、船舶行政と不可分の関係がございまする意味合いにおきまして、長い間の歴史があるのでございまして、その意味合いにおきましても、また現在技術的の予算というような面におきましても、從來文部省ではとうていやつて行けない、あるいは設備という関係もございまして、從來ずつと船舶行政をつかさどるところに商船学校が直属しておつたわけでありまして、その習慣を踏襲しておるわけであります。一概に学校と申しましても、必ずしも商船学校を文部省に持つて行かなければならぬという理由はごうもないと考えております。しかしながら最近のいわゆる大学にこれを昇格する、学校行政を統一するという考え方が強く主張されて参りました関係上、運輸省と文部省との間に交渉を行いまして、また関係方面の御意向もございまして、ある一定の期間運輸省に存置して置くが、ある一定の期間後はこれを文部省に移管するという交渉の経過になつておる次第であります。
○田中(堯)委員 運輸審議会にいたしましても、またもう一つ運輸省参與ですが、私ども非常に心配することは——どうもこれは私のみならず世間がそう言つておるのですが、高級退職者のうば捨山になるおそれがある。高級退職者の救済機関になるおそれがあるということを世間一般心配しておるのですが、これに対してこれを用心する規定はどこにも見えないようです。なぜそうしないか、ことに参與のごときは二十名ということになつておるようですが、ただでこれを使うわけには行かぬ。やはり相当扶持を出さなければならぬ。屋土屋みたいなものを一ぱいつくつて、そうして國費をこれに使う、一方では十二万も行政整理をして飯の食えない状態に勤労者を追いやつてしまうというのであつては、これはたれが見ても承服しがたいのですが、何とかして今の参與、運輸審議会の制度がそういうような高級退職者のうば捨山にならないような用意はなされておるでしようか、どうでしようか。
○大屋國務大臣 田中君のただいまの御指摘の前段の点でありますが、審議会の委員がいわゆる役人の古手のうば捨山になることを防ぐ規定はないかということであります。そういう規定は條文の中に入れておりませんが、これは議会でその任命にあたつて承認を要するのでありますから、もし田中君などが御不満の人選が出て來たという場合には、どんどんひとつ遠慮なしにはねていただけば、從つてお氣に入るメンバーをそろえることができるようなちやんとりつぱな方法が整つていることを御了承願いたいのであります。 なお参與につきましては、これは監理委員と仕事がダブらないという理由は先ほど申し上げました。この参與の経費の面でございますが、これに対しては報酬を與えないのでございますし、御指摘のような弊害はないと思つております。
○田中(堯)委員 最後に、これは米窪委員から質疑があつたかと思いますが、海難審判所を海上保安廳に直属せしめるということは、これは何としてもわれわれ承服できないわけです。と申しますのは、これはすでにこまごましい説明がありましたから省きますが、海上保安廳がよつて字のごとく海上の保安機関であり、さらには水上警察のような性格を持つた、いわば檢察機関的性格を持つた役所でありますが、海難審判所はもちろん行政廳ではあるが、審判をやるという意味で、やはり審判所的性格を持つた所である。檢察廳が裁判所を支配するということは、おそらく全世界例がないじやないかと思うのですが、專門委員も來ておられますので、世界の大体の例、そういう立法例があるのかどうかということを、御研究になつておればちよつと御発表願いたい。私の言いうことは、自分でつかまえて來て自分でお前は罰金何ぼ出せ、お前は悪いから損害賠償をどれだけしろと、自分がつかまえて來て自分が処罰するということは、近代の法律論に全然背馳する。これは植民地では行われるか知らぬが、文化國家では行われない、そういう立法例があるかどうか……。
○大久保政府委員 お答えいたします。第一は海上保安廳の性格についてでございます。先ほど來非常にこれを檢察廳一点張りの役所であるというようなお話もございましたが、海上保安廳は海難予防という面につきましては、非常に廣くいろいろ助長行政の範囲まで含めまして実施いたしております機関でございます。そこで海難審判所も御案内のごとく、新しい法律によりまして、海難に予防ということを目的にいたしておるわけであります。そこで海難の予防に関しましては、海上保安廳も海難審判所もひとしく提携して進むべき機関と相なつておるわけです。なおまたこの海難審判所の行います裁決と申しますのは、これは裁判所類似の手続をとつておりますけれども、実体的に申し上げれば、これは行政行為でございます。船舶職員に対しましては、海上保安廳が発足いたしましてこれに対する処分行為をやるか、やらぬかという問題でございます。ただその行政行為の手続を慎重にいたすために、所要の手続法を定めておる、かような筋合いに相なつておるわけでございます。ただ先般來御発言のように、行政行為でありましても、その決定はつとめて慎重に処断する必要がございますので、大臣からも御答弁いたしましたように、海難審判所のその審判行為に対しましては、あくまで独立性を持たせまして、これに対しましては独自の判断で裁決を行う、かようにとりはからつておる次第でございます。御心配の点は多分防ぎ得ると考えるわけであります。
○田中(堯)委員 さつき申しましたが、外國にこういうふうな例があるかどうか。
○大久保政府委員 外國にもその例はございまして、アメリカ等におきましては、やはりアメリカの海上保安廳のような制度において、これを一体としてやつておりますということをつけ加えて申し上げておきます。
○田中(堯)委員 私の調べたところでは、アメリカではいろいろな特殊の事情でこれに類似の制度を持つておるようですが、それ以外の國は、イギリス初め欧州諸國は、全然これとは正反対の制度を持つておるようですが、その辺の御研究はなさつておられますか。
○大久保政府委員 これはいろいろ諸外國の制度の例等も研究いたしましたが、アメリカのやつております制度は、やはり一つのいい点を持つております。今後海難審判所を一層その本來の目的に向つて前進させます上において、一つの改善をなして行きたい、かように考えております。
○小川原委員長代理 滿尾君亮君。
○滿尾委員 三つ四つお尋ねいたしたいと思います。第一に内部機構でございますが、拜見いたしましたところ、海運関係は内容別の局をお立てになりまして、これを横に並列せられておる。ところが陸の方の関係は内容別に縱割になつておる。この配列機構が思想が非常に混乱しておるように私には見受けられる。運輸大臣は、統一した思想をもつてこういう機構をお考えになられたのでありますかどうか。
○大屋國務大臣 それは混乱していないのでありまして、現在は鉄道の方も海運と同じやり方に並べてあるのですが、大部分の主体をなす鉄道が外に出て行つて参りますから、さて監督行政だけが本省に残るので、それを大づかみに國鉄と私鉄の二つにわけた次第であります。
○滿尾委員 思想混乱のきらいがあるかどうかにつきましては、これは見解の相違と逃げられればいたしかたありません。しかしながら鉄道にいたしましても、自動車にいたしましても、主管業務の内容におきまして、かくのごとき並列をすることが可能であることは、思想混乱のいたすところであると考えるのであります。さらに私は今回の機構改正が、運輸省積年の懸案につきまして、解決の歩を進めておられないことを感ずるのであります。運輸大臣は道路局を建設省から持つて來て、自動車の行政と彼此一体とすることをお考えにならなかつたかどうか、また自動車製造事業を商工省の関係からおとりになつて、なぜ一貫したところの自動車行政をお考えにならなかつたのであるか。私の考えるところによりますと、船舶にいたしましても、その他の陸運の末に至るまで、交通機関というものは、運輸大臣が最初の製造から最後に動かします面まで、一元的に御掌握になることが陸運行政の理想であると考えるのであります。長年この点につきまして、運輸省の過去の歴史は努力して参つたはずであります。今回の千載一遇のこの改正にあたつて、この点についての努力の跡の見えないのを非常に残念に思うのでありますが、それについては何らか御事情がございましたかどうか。ことにさきの第二十八條第二項第四号等に至りますと、タイヤ、チユーブの配給であるとか、その他につきましては、新しい車のタイヤは商工省が握る。動いておる車の分だけ運輸大臣が握る。一つのゴム製品であるところのタイヤ、チユーブを両省でわけてとるということは、將來に向つて重大なる禍根を残す。この点について大臣はどういうふうにお考えになつておりますか、お伺いいたしたいと思います。
○大屋國務大臣 滿尾君の御意見、御指摘の通りに、道路行政を運輸省に持つて参り、あるいは自動車製造行政を運輸省に持つて参るということが、もしできたらたいへんけつこうなのでありますが、今回の機構改正に対しましては、それどころではなしに、運輸省にあるものをよその方にかつさらわれるという危機にしばしば直面いたしまして、まだそのうちの一部はもやもやいたしておりますことは、御承知の通りの次第でありまして、実は御趣旨のようなことは積極的に考えませんでした。但し現在機構に盛つたものを、よその省にとられるということに対しましては、とられることがはなはだ不合理であるという信念のもとに、大いに防戰これ努めておる次第でありまして、さような意味合いと御了承願いたいのであります。
○滿尾委員 それでは過去の経過はよくわかりましたが、防禦のためには攻撃をしなければいかぬという私見をひとつ申し上げまして、他日ぜひ理想的形態に対する御努力をこの上とも運輸大臣に熱望してやみません。 さらに次の問題に入ります。第四條第一項第四十一号によりますと、運輸大臣の権限として「自家用自動車の使用を調整すること。」というのがございますが、私はこの條文は少しお考えが違つてやせぬかと考えるのであります。なぜかなれば、自家用自動車は本來ならば自由にこれを使わせる、自由にこれを所有することが憲法の保障した人権であろうと私は考える。しかしながら、運輸大臣の行政の対象といたしまして、一旦緩急あり公共の福祉を保全するときには、自家用自動車に対して適当なる調整をなさるということは、道路運送法においてすでに存じている通り。從つて、この條文で手放しで無條件に自家用自動車の使用を調整すると御表現になつたことは、お間違いではないかと私は考える。なぜかなれば、ほかのことは、一般のいろいろ鉄道、軌道に対しますところの免許にしても、特許にしても、一般民衆に対して禁止されているのが原則である。それを運輸大臣が免許し、特許せられる自家用自動車におきましては、運輸大臣が干渉の手をさしのべるのは例外的事象である。まつたくものはうらはらになつている。これに対しまして、同じようにただ平明に運輸大臣は自家用自動車の使用を調整することとお書きになりましたことは、必要以上に廣範なる表現をとられているものでありまして、私は人民の基本的権利を侵害するものと考えますが、この点についての御所見をお伺いしたい。
○小幡政府委員 ただいまの御質問の件でありますが、第四條に書いております通りに、「運輸省は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。但し、その権限の行使は、法律に從つてなされなければならない。」ということになつているのでありまして、ここにあげております各項目は大体こういう項目にわたつての権限がある。但し実行する上については、法律に定めるところによつてやらなければならない。この意味は御承知の通り、道路運送法五十二條、五十三條に、自家用自動車使用に関する法律がはつきりと示されている。この法律に從つてやらなければならぬということになるのでありますから、從つて公共のために必要だというような御趣旨のことは、その法律の條文の中に現われて來る。こういうふうに考えるのであります。ここに掲げておりますのは、ただそのほかにも個々にあると思うのでありますが、單に自家用自動車の使用を調整する、これだけではなしに、こういう表現の仕方でもつて実は項目を掲げたにすぎない。私どもはかように解釈しているのであります。
○滿尾委員 ただいまの御説明ははなはだ私は不滿足であります。なぜかなれば、第四條の表書きのその権限の行使は法律に從つてなされねばならぬということは、およそ國の行政官廳が一切の行政行為をするにあたつて、遵守すべき鉄則である。空氣のごとく水のごときものである。從つて、そのことを持つてこの表現の不完全を逃げられるのは、私はわが意を得ないと思う。なぜかというと、こういうふうに書いておきますと、將來必ず法律の適用につきまして必要以上に誤解を生ずる。なるほどりくつの上では今御説明になつたような逃げ方もあるけれども、これは少くともほかの一号から四十号までのものと、この四十一号のものとは、性格が違つておるということを御認識になつておるかどうか、その点についてお伺いいたしたい。
○小幡政府委員 ほかの條文が非常に制限的なものになつておると言われる点はよくわかります。但し例をとつて申しますと、その次の船舶関係の方あたりを見ましても、労働問題に対して、「船員の労働爭議に関し、あつせんし、調停し、及び仲裁すること。」と書いてありますが、こういうものでも、公共的に見て必要のあるときにあつせんするのであるし、調停するのであつて、何でもかんでもやるのだという意味ではなかろうと思うのであります。これを掲げるのに一々そういう心構えといいますか、一つの副詞的なものをつけるという行き方にしますと、ずつとそういうことを書かなければならぬということになりはしないかと思うのでありまして、他意はないのであります。
○滿尾委員 あつせんし、調停することと、四十一條の使用を調整することとでは、たいへんな内容の差がある。このあつせんするということは、まつたく頼まれてはたからあつせんするだけのことであつて、その当事者の権利義務を侵害するものではない。ところが四十一條の使用を調整するという言葉のうちには、積極的に自家用自動車を使用している人間の権利を侵害する行為を含んでおる。從つてここには確然たる性質上の差がある、かくのごとき点につきまして、本日この席で大臣なり政府委員なりの最後的御返事をいただかないでもよろしいのでありますから、ぜひこの点についてさらに御研究を賜わり、お考え直しをいただければ非常に仕合せであります。そうでなければ、私はこの点はあくまでも食い下る決心でございます。他日に保留しまして、次の質問に移ります。
○小幡政府委員 非常にこだわつておられるように私考えますが、大体運輸省ではこういう権限を持つておる、またよその省でもこういう権限は、各省間の権限というものにつれて書かれておるものだと思うのであります。公共の福祉に沿うとき以外は権限がないとかいうふうなことを表現しておるものではないのであつて、運輸省ではこういう権限を持つておるのだということを表現せられておるのであつて、これにこだわられるのはむしろおかしいような氣がいたすのであります。
○滿尾委員 これを漫然と権限で書かれるからこそ私は心配いたすのであります。公共の福祉に限つてこういうことをおやりになるというのなら、一つも申し上げることはないのであります。でありますから、正しいつり合いのとれた線までこの表現についてお考えをいただきたい。漫然と権限を有するぞと大上段に振りかぶられたのでは、人民はたまつたものではない。言葉の性格がほかのものとははつきり違つておる、違つていなければこういうことは申し上げません。これは明々白々一点の疑いをいれない、從つてこの点についての御再考を煩わしたい。 その次は第八條の運輸審議会の問題でありますが、さきの代議士からたくさん質問がありましたので、私はほんの簡單に申し上げます。私の疑問に思いますことは、運輸次官を委員長にした点に一つある。從來わが國の役所の慣行は、こういう委員会をつくりましたときに運輸大臣を会長にします。そして会長たる運輸大臣が、行政大臣たる運輸大臣に向つて答申をするというやり方が非常に多く行われた。まつたくお座なりま審議会であり、行政官廳が責任を回避する道具としてのみこれをつくつたと私どもは考える。私どもは内部においてそういう感情をはつきり持つておる。ところが今度は大臣が会長にはなられなかつたけれども、次官が会長になつておる。大臣と次官と置きかえたのでありますが、かつて見ましたような意味の形に堕するおそれがある。どういうわけで次官をおやりになつたのか。私は次官が七人の委員の中に参画しておりまして、そうして事務当局の意見をほんとうに詳細に忠実に委員会に徹底せしむるに遺憾のないようにすることは、非常に必要だと思うのであります。その点は異存はありませんが、次官たる委員を会長にする必要はない。これはぜひ民主的に互選によつておきめになるのが、審議会の目的を達成するのに一番いい方法だと考えますが、大臣の御所見を伺いたい。
○大屋國務大臣 やはりそれは從來大臣がこの種のものの会長をやつておつたのを、大臣はその他の政務事務で非常に忙しいから、專門的な運輸省の事項に対しては最も通曉しておる次官がその会の主宰をする、いわゆる委員長になる、会長になるという趣旨でそういうふうにやつたわけであります。
○滿尾委員 ただいまの御答弁では、まつたく要領を得ない。次官が專門的知識をもつて委員会に入つて來ることはけつこうであります。しかしその次官がなぜ委員長にならなければならぬか、その点がわからないのであります。もちろんその委員の互選によつて、たまたま次官が互選されるのは毛頭私は異存はない。しかし最初から制度として常に次官が会長に当らねばならぬという根拠がわからぬのであります。
○大屋國務大臣 それは考えの差で、次官をしても悪いということは必ずしもないと私は思うのであります。
○滿尾委員 それでは次の問題に移ります。この委員のことをきめましたものの中に、第九條に廣い経驗という言葉があります。これは田中議員とまつたく正反対の見解からお伺いするのでありますが、この廣い経驗、高い識見——高い識見というのはちよつと雲をつかむような話でわからぬのですが、廣い経驗というのは、運輸行政に関する廣い経驗なりや、いかなる経驗なるか、お伺いいたしたい。
○大屋國務大臣 それは社会万般のことに対する廣い経驗も、運輸業務に関する廣い経驗も、すべてを包含したものと御解釈を願います。
○滿尾委員 この廣い経驗ということは、しからば人生における経驗と解釈すべきものでありましようか、お伺いしたい。一番年をとつた人が、一番商賣をかえた人がこれに該当するということになりますか。
○大屋國務大臣 廣い経驗の所有者というのは、必ずしも年をとつた者が一番廣い経驗を持つておるとは申されぬので、滿尾君のごとき御年輩の方でも非常に廣い経驗を持つておる方があるということを御承知願いたいのであります。
○滿尾委員 大臣の廣い経驗の説は、これまた私の一向了承せざるところ、よくわからぬ。次の問題に移ります。 私はこの委員会の報酬、待遇が非常に悪いということを感ずる。大臣から先ほど委員会の御答弁がありましたが、私はこれは法律的には大臣を拘束しない、しかし政治的には大臣を拘束する。從つて政治上の動きにおきましては、この委員会は非常に重要な働きをいたすのであります。しかるにこの委員会を構成しておる委員を公務員たる資格を與えて、役人にしておる。しかもその待遇は次官級の待遇をやつておる。私はこの待遇は非常に薄きに失すると思う。こういうことで一体この委員会が公正なる構成ができるか。ことにこれはもつと年限が長ければいいのですけれども三年たてばかわる。しかもそれは次官級の月給取りだ、それでもつて一体運輸審議会なるものがほんとの働きを盡し得るかどうか。この構想につきましては一番大事なポイントを見落しておると思う。私の考えでは大臣の倍くらいやつて、いかなる外部からの不当なる影響力に対しても、毅然として信ずるところを行い、その目的、つまり第五條にあります通り、公共の利益を確保するために公平かつ合理的なる決定をさせる。それにはどうしても審議委員の待遇をりつぱなものにし、年限も相当延長し、ほんとうに安定した立場を與え、特別司法官たるの立場を賦與しなければ、この制度は画龍点睛を欠くと思いますが、大臣のこの点についての御所見を伺いたい。
○大屋國務大臣 ただいまのお説はまことにごもつともな点が多々ございますが、本委員会の構成メンバーの給與といたしましては、一應この辺で妥当ではないかという趣旨で立案いたしたものであります。
○小川原委員長代理 滿尾君どうか御趣旨を簡單に……。
○滿尾委員 海運局のことについて一言触れますが、これは先ほど有田君から大分話がありましたので、ほんとうに蛇足を一言伺つておきたい。それは海運調整部でありますが、これは海運局長の部下であると官制の上では拜見いたしますが、そういうことになつておりますか。
○大屋國務大臣 まさにお説の通りでございます。
○滿尾委員 さよういたしますならば、海運局の中にこういう妙な部を設ける必要はない。海運の統合総合性を発揮させるというのならば、局長の上にこれを置いてこそ意味がある。それを四人の局長を並べておいて、その配列の順位は上席でございましようけれども、その局長の下に総合性のある部を置くということは非常におかしなことである。これはどうしてもその一人の人間を置くならば、四人の局長の上に置いてこそ意味がある。下に置いてこういうぬえ的なものをつくることは、カツトすべきものであると私は考えますが、大臣は海運局長の下に置いて、なおかつ横に配列しておる局長をコントロールできるとお考えになつておるかお伺いしたい。
○大屋國務大臣 その御指摘の点はまさにそういう恨みがございますが、四つの上に置くということになりますと、やはりその置き方に非常に苦心をいたしますので、どうも置きようがないというので、やむを得ず海運局の中に置いた次第でございます。
○滿尾委員 これで終ります。
○小川原委員長代理 柄澤登志子君。
○柄澤委員 資料としていただきました改正機構と現機構を比べてみますと、先ほどからいろいろ海上保安廳につきましては質問もございましたし、当局の御答弁もあつたのでございますが、その機構が保安廳に限りまして拡大している点があるのでございます。これは警備救難部という名前になつておるのでございますが、この機構改革も、民自党吉田内閣の行政機構改革並びに人員整理の大方針のもとに行われておると思うのでございます。これが具体的に人員、経費その他におきまして、どういうぐあいになつておるかということにつきまして、前から委員会におきまして御質問申し上げていたのでございますが、今日は大久保長官も御出席になつておりますので、ただいまの政府の大方針と、ここに現われておりますこの矛盾につきまして、御答弁を煩わしたいと思うのでございます。
○大屋國務大臣 こまかいことは長官にお聞きを願いますが、ただいまの矛盾ということはないのでありまして、在來の機構よりも今回の設置法案の機構が一つふえておりますわけは、船舶の檢査を船舶局から海上保安廳の方に移管いたしましたために、一つこちらがふえたわけで、総体的には決してふえておらぬのであります。
○柄澤委員 大久保長官からなお詳細にわたりまして御答弁願いたいと思います。
○大久保政府委員 柄澤委員にお答えいたします。海上保安廳の今回の機構改革の一番大きな目的は、現在日本の近海に非常に起つております海難に対して、どういう敏活な処置をとるかという点が最大の眼目でございます。例を申しますれば、火事は三十八分間に一回起つておりますが、海難は二時間置きに一回起つておるような状態でございます。そこでこの日本の近海における人命並びに船舶財貨の救助に対する動的な敏活な措置を急速にとらなければならぬために、從來の保安局ではそういうような動的な面とあわせて、たとえば船舶の檢査行政でありますとか、あるいは船員免状の発給の点でありますとか、そういつたような監督的な靜的な行政もあわせて考えなければならぬ、かような関係からいたしまして、どうしても人命救助その他に対する動的な面が若干牽制される面がございまして、今回動的な救難関係のこと、それから靜的な監督的な保安関係のことというふうにわけた次第でございます。かように職制は分割増加いたしましたけれども、全体の人員といたしましては、現在種々算定いたしておりますけれども、行政整理に基く削減人員は約七百六十一人に相なるわけであります。海上保安廳職員全体といたしましては、決して増員はされていないのでありまして、乏しい人員をいかに有効に使うかという点に配慮いたしたということを御了承賜わりたいと思うのであります。
○柄澤委員 ただいまあらゆる方面におきまして、予算を削減するという理由で、生活を破綻する賃金の遅配までがどうにも解決ができない状態でございますが、この海難の根本的な一掃に最も関連のございます氣象台からの陳情が、最近私どもにはひんぴんとして参つておるのでございます。かかる根本的な対策を打捨てまして、このような非常にぬえ的なと申しますか、あるいは実質的にもつと拡大されておるのかもしれませんけれども、ただいまの御答弁では私どもは納得できないのでございますが、そういう点につきまして、どういうふうにお考えになつておられますか。さらにこの点に私ども特に注意いたしますのは、日本の運輸並びに全般の行政を、講和会議を前にいたしまして、國際的にも納得させなければならないときなのでございます。そうして海上保安廳につきましては、特に國際的な方面から、日本に対して注意があつたはずでございまして、そういう方面に対しましても、申し開きすることのできるだけの実体を持つておられるかどうか、そういう点から御質問申し上げておるのでございます。その点につきまして特に御答弁を煩わしたいと思います。
○大久保政府委員 お答えいたします。氣象台と海上保安廳との関係は非常に密接でございます。先般東京湾でマイルス・ヴオーン氏の遭難いたされました際の突風の調査に関しましても、私どもの方の水路関係の機関、燈台関係の機関、それから先ほどからお述べになつております海難の原因を探究する機関並びに氣象台と共同調査をいたしまして、そうしてああいう突風問題に対する措置をとつた次第であります。また燈台は全國にすみずみまで配置いたしておりますが、燈台におきましてはいろいろな氣象を観測いたしまして氣象台にこれを通報する、あるいは水路局では海象を観測するとか、天体を観測するとかいつたわけで、日々密接に連繋をいたしまして、海難に関連ある氣象の測定、これの通報というものに協力いたしております次第でございます。 なお海上保安廳に対する國際的な問題を十分了解せしめ得る措置をとつておるかどうかという御質問のように承りましたが、海上保安廳は御案内のように、発足にあたりましていろいろ関係國から疑問を持たれたのでございます。しかしこの点につきましては、しばしば私どもも事情を十分御説明をいたし、また現場にも御案内をいたしまして、つぶさに御視察を願つておるわけでございますが、先ほどからも御説明いたしましたように、海上保安廳の最大の目的は、現在日本近海における海難の防止、航海の安全というものに最大の主力を置いております。これに対しましてはほとんど今回の法律改正によりまして、海の地図をつくりますことから、海の交通整理をいたしますことから、あるいは海を歩く船を檢査いたし、その船の運轉する船員の免状を発行いたし、海難が起りました場合にはそれを取調べて審判所に申立てをする、審判所はそれに対して決定をして將來の防止の対策を講ずる、一旦SOSが出ました場合には、ただちにおもむいて危險を顧みず救助する、あるいは航路に沈船その他の障害が起りました場合におきましては、これを引上げるといつたような関係の海難の防止、航海の安全というものに関しましては、今回の法律の御協賛をいただきますれば、ほとんど海上保安廳は全責任を持つて包括的な活動ができる、かようなことに相なるわけでございます。このほかに海上保安廳は海上の治安任務も持つておりますが、これは法律にもございますようなあるいは密航、密輸の取締り、あるいは海上における犯罪の防止というものもございます。これらは現在日本の置かれておる一つの経済的その他の諸問題から起る面がございますが、いずれこういうものはだんだん解消いたしまして、海上保安廳は全力をあげて航海の安全に努力するという面が、さらに將來発展するだろうと考えておる次第であります。はなはだ簡單でございますけれども、お答えを申し上げる次第であります。
○柄澤委員 運輸大臣にお尋ねいたしますが、ただいまの御答弁では、海難を救助するという海上保安廳の本來の大目的を解決するには不十分だと思うのでございます。運輸大臣としては、海難が起きてからSOSを出したり、どうこうする前の最も大きな役割をいたしておりまする氣象台の予算がほとんど組まれずに、ここが人員整理されまして、神戸の海洋氣象台などは廃止の運命になつているということでございます。こういう機構改革と海上保安廳の人員をふやすとかなんとかいうような、少い人員でも十分やつて行くというような、あるいは部局をふやしてやつて行くというような点についてどういうふうにお考えになつていらつしやいますか。これは非常に矛盾ではないかと思いますが、この点について運輸大臣の御見解を承りたいと思います。つまり実質的には氣象台の機能を麻痺させるような機構改革を片一方にやつていて、それの派生的に出て來るところの問題に対して、部局をふやしてこの対策をとるというような、こんなでたらめなやり方はないように私どもには考えられるのでございますけれども、運輸大臣はこれについてどういうふうにお考えになりますか。
○大屋國務大臣 ただいまの御質問でございますが、海難の予防をいたす先駆的の氣象台の方の仕事が、非常に重要であるという御意見、これはまことにお説の通りであります。今回の行政整理にあたりましては、その点も十分に取入れまして考慮いたしている次第でございます。
○柄澤委員 大臣の御答弁では満足が行かないのでございますけれども、運輸委員会におきましてなおこまかい点は御質問申し上げたいと思つております。これで海上保安廳につきましては質問を打切りたいと思います。 機構改革の一覧表の中には、ただいま日本國有鉄道法の施行法が上程されつつあるわけでございますけれども、その関係から鉄道総局というものが廃止になりまして、鉄道監督局の中にさらに國有鉄道部として編入になつておるのだろうと思いますけれども、資材局とか工作局とか、電氣局とか施設局とか非常に廣範な、日本の國有鉄道全般を動かしていたこの組織が今度新たに鉄道監督局の中に入りまして、民営鉄道部と國有鉄道部とが相並んで改正機構として出ているのでございますけれども、ただいままでの運輸行政がこれらによつて十分に行われるかどうか。これらの問題はもちろん定員法とからみまして、行政整理の問題にからんで來ると思うのでございますが、その点についての運輸大臣の御答弁を承りたいと思います。
○大屋國務大臣 鉄道運営の実体が全部コーポレーシヨンという形で六月一日から本省より分離いたしてしまうのでございまして、いわゆる本省に残ります事務は、そのコーポレーシヨンを監督する事務だけが残りますので、御指摘の工作関係であるとか、電氣関係であるとか、あるいは資材関係というような仕事は、コーポレーシヨンの中で処理をいたして参るという考え方になつているわけでございますから、さよう御了承を願います。
○柄澤委員 運輸省設置法案につきまして、新たな機構改革に関連いたしまして、もう予算も大体決定しておりますし、定員法も上程されることになつておりますし、人員の計画をもし大臣の方から御説明願えればけつこうだと思います。
○大屋國務大臣 本日は設置法の機構の問題を論議いたしておりますので、行政改革の人員の点は違う機会で申し上げたいと思つております。
○小川原委員長代理 運営に関する問題は運輸委員会でやることにして、今日は機構に関する問題に限つて御質問を願いたいと思います。
○柄澤委員 密接な関係を持つておりますけれども、運輸委員会におきましてそれらについてなお詳しく御質問申し上げようと思いますから、これで質問を打切ります。
○小川原委員長代理 木村榮君。
○木村(榮)委員 遅くなりましたから一点だけお尋ねいたします。さつきから運輸審議会の問題が大分問題になつて、私聞いておりましたけれども、まだ結論がついていないと思います。そこで飜訳であるとかないとかいうことは別個の問題といたしまして、私のお尋ねしたい点は、第七條に規定いたします運輸審議会と、五十五條に規定いたしました道路運送審議会とは、國家行政組織法の同一の條項によつて設定したものであるかどうかということを承つておきたいと思います。
○大屋國務大臣 お説の通りであります。
○木村(榮)委員 そういたしますと、その場合には國家行政組織法の第八條によつて設定されたものと認めてさしつかえございませんか。
○荒木説明員 その通りでございます。
○木村(榮)委員 そういたしますと、そこまで明確になつて來ますと、この運輸審議会の今の内容が非常に問題になると思います。私は少くともこの運輸審議会がこのような内容と権限を持つたものとしたならば、いわゆる現業官廳である運輸本省としての立場から、國家行政組織法の第二十一條によつて、たとえばここに書いてある「現業の行政機関については、特に法律の定めるところにより、第七條及び前條の規定にかかわらず、別段の定をすることができる。」このような規定がある。これによつて規定されたものならば、この運輸審議会というものが今持つておるような権限がある程度認められる場合があると思う。これを八條によつてやられるということになりますと、非常に大きな問題があると思う。從つてまた第五十五條に規定いたします道路運送審議会というものは、これは國家行政組織法の第八條によつて規定されてもいいような條文に法律的になつておる。ところが第七條に規定されました運輸審議会は、これは同じ審議会であつてもその内容が根本的に異なつておると私は解釈しておる。これを同一の國家行政組織法の法律によつて規定したというのは、これはたいへんなお考え違いである。その点が明確化されておりませんから、飜訳であるのじやないかというふうなことでつつ込みますと、あいまいな返答しかできないのだと私は思います。重ねて伺いますが、この点についてはさつき御答弁になつた通りと解釈してさしつかえございませんか。
○荒木説明員 まさに運輸審議会の根拠は國家行政組織法の第八條でございまして、第二十一條ではございません。しかしながら第八條におきましても、第八條の付属機関にはいろいろなものが包攝され得るわけでございまして、いろいろの種類があり、いろいろな強弱があるわけでありまして、運輸審議会を第八條の根拠によつて設置いたしましても、何ら國家行政組織法違反の疑いはない、かように考えております。
○木村(榮)委員 そこでこの問題につついては、この間大藏委員会と合同審査のときにもやつたのでありますが、そうしますと、それならばなぜ第三條の二項、三項なんかによつて規定されますようないわゆる委員会といつたようなものを決定したか、第八條によるところの委員会は「審議会又は協議会(諮問的又は調査的なもの等第三條に規定する委員会以外のものを云う。)」ということになつておりまして、大体諮問的または調査的なもの等という、等というものがついておりますから、どんなものでも決定権を持つておるものだ、何でも審議会、協議会で締められるというような御見解を大藏当局がなさつておつた。もしそうだとするとたいへんなことになつてしまつて、この國際行政組織法でこしらえた、この根本的な第八條の規定の精神と相当違うということになれば、今度の事態において、吉田内閣はこの國家行政組織法の第八條の規定を改正する意思があるならともかく、これはこのままにしておいて、そういう解釈をなさるのは間違いである。それだけのものならば、なぜ一体第二十一條の現業の行政機関については運輸省はこれを適用しなかつたか、この点について御意見を承つておきたい。
○荒木説明員 それは諮問的機関であるという点におきましては、もちろん諮問的機関であるということが法律の性格において言えると思うのでありまして、たとえばこの審議会の決定を運輸大臣が尊重しなければならぬと思いますけれども、審議会の決定がすなわち國家意思の決定ということになりまして、行政処分としての効果を発生するのではないのでございまして、大臣がその決定を尊重いたしまして、大臣の意思決定としてこれを行使する場合においてのみ、國家意思とし行政処分なりとして、いわゆる外局における運輸審議会がその名において行政処分をするというものではないのでありまして、性格的に申しますと八條に入れてさしつかえない、かように考えております。
○木村(榮)委員 そうしますと、非常に明確になつてけつこうだと思います。組織法の第八條によつて規定したものであつて、從つてこの審議会というものは何ら決定権を持つたものではない、ただ單なる諮問的なものだということが今の御答弁で明確になつたと思いますが、さよう解釈してさしつかえありませんか。今までの答弁ではその点があいまいであつた、諮問的なものではあるが、また何か非常に大きな決定権を持つておるかのごとく御答弁になつておる。そうして英語の飜訳の問題まで発展するわけでありますから、今の御答弁のごとく率直にこれは諮問的なものであつて、決定権がないということを大屋運輸大臣も御承認なさるならば、今後運輸本省が新たに発足いたしましていろいろな問題を審議いたします場合に、私たちが審議いたしたこの運輸審議会の権限というものが、この委員会において明確に規定されて、このことによつて非常に円滑に行くと思いますから、この点をはつきりと今の御答弁のように諮問的なものだというふうに解釈してさしつかえありませんか。
○大屋國務大臣 それは私の答弁にもその問題を説明しております。諮問的のものでありますが、大臣はその実行にあたつてこれを尊重しなければならぬ、こう書いてあるので、その尊重をいかようの程度に尊重するかという問題に、問題があると申し上げておるわけであります。
○木村(榮)委員 いや、尊重するとか尊重せぬとかいう問題は、これは主観的な問題でございますから、別に私たちは論じたくない。ただこの審議会そのものの性格が、諮問的なものだということを御答弁になればさしつかえないと思います。
○大屋國務大臣 ただいま申し上げた通りであります。
○木村(榮)委員 この問題から発展いたしまして、今度は全般的な問題についてうまく御説明を願いたいと思いますけれども、それをやつておりますとたいへん長くなりますから、きようはやめまして、その次の内閣の委員会で質問したいと思います。
○小川原委員長代理 柳澤君。
○柳澤委員 私先ほど御質問いたした点で一点取落した点がございますのでお尋ねいたしたいと思います。この運輸審議会の委員は特別職でしようか、一般職でしようか。
○大屋國務大臣 特別職であります。
○柳澤委員 「両議院の同意を得て任命する。」とありまして、特に両院の同意を入れたことも、特別職の國家公務員の規定から來ておるものと私どもは考えておりますが、仰せの通り特別職であるならば、第九條の二項の一には國会議員または地方公共團体の議会の議員を委員にしてはならぬという規定がある。二には政党の役員を委員にしてはならぬという規定がある。特別職であれば、こういう制限を設けて、議員及び政党の役員をはじき出すということは、かえつておかしいのではないかと思いますが、この点はいかがでございましようか。
○大屋國務大臣 特別職でありますが、運輸行政の純粹性を保つ意味合いにおきまして、政党員、國会議員というものを排除した、こういうふうに御解釈を願いたいと思います。
○柳澤委員 運輸行政の純粹性を保つためというお話でありましたが、先ほど大臣もおつしやられたように、國会議員の中にも廣い経驗と高い識見を有する者、ことに運輸に関する長い経驗を持つ方もあるだろうと思います。議員であれば何がゆえに純粹性を害されるのでございましようか。
○大屋國務大臣 一般の常識といたしまして、國会議員等の方が非常に高い識見、知識を有することは、言うまでもないのでありますが、さような人々をいわゆる公務員という形に採用して、特別の行政機関にあずからせるということは、なるべく避けた方がいいということは、古來いずれの場合においても常識となつておるわけでありまして、その点を取入れての措置と思います。
○柳澤委員 どうも審議会とか審査会とかいうものに、ほかの例から推しても議員が入つておる。また政党の役員が入つておる。ひとり運輸の審議会についてのみ、さように議員は純粹でないとお考えになられることは、はなはだどうも御答弁不満足に存じますが、きようはこの程度で打切ります。
○小川原委員長代理 これにて通告者の質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十三分散会