内閣委員会 第12号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1949/04/20
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 本日の議題に入ります前に委員の異動を御報告いたします。昨十九日に委員の牧野寛索君及び芦田均君が辞任せられまして、その補欠として山口六郎次君及び北村徳太郎君が議長の指名で補欠選任せられました。また本日委員の苫米地義三君が辞任せられまして、その補欠として有田喜一君が議長の指名で補欠選任せられましたことを、この際御報告申し上げておきます。 なお辞任せられました牧野寛索君及び苫米地義三君は理事でありましたので、理事の補欠選任を行いたいと思ひまするがいかがとりはからつたらよろしゆうございますか。
○小川原委員 理事の補欠選挙はその手続を省きまして、委員長において御指名あらんことを望みます。
○齋藤委員長 小川原君の動議に御異議ありませんか。
○齋藤委員長 御異議がなければ、理事の補欠として山口六郎次君、有田喜一君を理事に指名いたします。 本日の議題に入りまするが、昨日まだ提案理由の説明を聞きませんでした電通信省及び郵政省の各省設置法の一部を改正する法律案は、政府委員が午前中はさしつかえがありますから、午後に延ばすことにいたします。また内閣関係でまだ提案理由の説明がないのがありますが、官房長官がまだ來られないから、官房長官が來られますまで、國家行政組織法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。質疑の通告がありますから、これを許します。木村君。
○木村(榮)委員 本多國務大臣に質問いたしたいと思います。各省設置法案並びに行政整理のための法案を審議する前に、こうした法案を審議する私たちとしての最初に知つておきたい点を五、六点質問してみたいと思います。 第一の問題といたしましては、行政整理に伴う人員の首切りは、いろいろなうわさが立つておりますが、大体結局どの程度か、これが第一。 それから大体そのことは、法律が出ましたら、行政機構の方は簡單に改革できるとは思いますが、しかしながら諸般の情勢その他人員の関係なんかで、本格的に軌道に乘るのには、そう簡單には行かないと思いますので、大体人員整理なんかはいつごろまでに完了する見込か、こういう点について、ごく簡單でけつこうですから伺いたいと思います。
○本多國務大臣 人員は定員法に盛り込みまして、定員がきまつて、それに伴つて整理が行われるということになるのでございます。一般方針としましては、整理については、一般会計三割、特別企業体において二割という方針をもつて進んでおりますが、実情に沿うように今内容を檢討中でございます。 いつごろまでに整理を終るかという御質問でございますが、これは十月一日には定員法の人員と実際とが、一致する結果になるように進む方針になつております。
○齋藤委員長 ちよつと木村君に申し上げますが、官房長官が來られましたから、二つの法案の説明を聞きまして、それからあなたの質問を続けたいと思いますが、いかがですか。
○木村(榮)委員 よろしうございます。
○齋藤委員長 それでは内閣関係で、まだ提案理由の説明を承つておりません國立世論調査所設置法案、地方自治廳設置法案、この両法案について提案理由の説明を求めます。 —————————————
○増田政府委員 政府はこのたび國立世論調査所設置法案を提出したのでありますが、ここにその提案の趣旨を御説明申し上げます。 完全な民主政治が実現されるためには、自由な國民の意思、すなわち民意に基礎を置き、世論の動向に準拠した政治が行われなければならないので、このたび政府は國民の世論を行政施策に反映させて、行政の民主化を一層促進するために、その調査機関としてここに國立世論調査所を設置しようとするものであります。このことに関しては、すでに昭和二十一年十月十一日付をもつて、衆議院において國立世論調査研究所設置に関する建議が議決せられ、当時の衆議院議長から内閣総理大臣あて通告があつたものであります。 公正な世論を尊重するということは、民主主義政治の根本原則でありますが、從來これを的確に把握することが困難であつたのであります。しかるにこの世論を科学的方法によつて正確に打診しようとするのが、輓近特に米國において発達した世論調査法であります。世論調査の方法は、米國において戰時中異常な進歩発達を遂げたのでありまして、特に七つの政府世論調査機関があり、これらは民間世論調査機関と竝んで、おのおのその特色を発揮し、政治の民主化に寄與しつつあるのが現状であります。わが國にあつても現在政府におきましては総理廳官房審議室内に世論調査部をおいて、政府施策のための世論調査を実施しつつありますが、さらに一層調査の公正と自主性とを完璧にするため、独立機関とし、この人員、予算をもつて本國立世論調査所にあてたいと存じます。 國立世論調査所の目的とするところは、もつぱら政策の樹立に役立ち、行政の円滑な運営に資するために、科学的方法によつて公正に世論を把握することにあるのでありまして、事の性質上、その立場は、時の政府はもちろんのこと、党派にとらわれない、嚴正公平な自主的機関でなければならないのであります。そのゆえに法案の第一條に「自主的に」と明記し、また本調査所は機構としては、総理府の附属機関として設置され、これを運営するものは、世論調査の科学に関係のある民間の学術團体、すなわち日本社会学会、日本世論調査協会、日本心理学会、日本應用心理学会、日本新聞協会、日本統計学会、日本学術会議等の推薦した七名の学識経驗者から成る世論調査審議会が、自主的に独立してこれに当ることになつているのであります。 調査所が行つた調査の結果は、内閣及び関係行政機関に報告されるとともに、これを公表し、内閣及び関係行政機関はこれを施策の立案、実施に役立てて、行政の民主化及び能率化と行政費の軽減をはかることができるのであります。 なお本調査所は、関係方面の特別な要請もあり、その設置を急がれていたものでありまして、総理府設置法と並行して同時に発足せしめる必要から、今國会において本法案の審議をお願いする次第であります。 以上が本法案の提案理由であります。十分御審査の上御協賛あらんことをお願いいたします。 次に本委員会に付託になりました地方自治廳設置法案につきまして、その提案の理由及び主要な事項の概畧を御説明申し上げます。 新憲法は、地方自治に関し特に一章を設け、地方自治の保障はわが國の政治組織の基本原理であることを明示いたしておるのでありますが、この條章に基き、地方公共團体の組織及び運営に関する基本的事項を規定した地方自治法が、新憲法施行と同時に施行されましたのを初め、警察法、消防組織法、教育委員会法、地方財政法等、一連の地方自治に関する法律が相次いで制定施行せられ、ここに地方自治に関する諸制度は、おおむね整備せられるに至つたのであります。 かくのごとく制度としての地方自治は一應完成の域に近づきつつあるということができるのでありますが、これらの制度的措置が進むにつれまして、反面において地方財政の逼迫、地方出先機関の整理等の諸問題を初め、次のごとき各種の困難な問題が発生してまいつたのであります。 すなわちその第一には、地方公共團体の自主的体制が確立された結果、國との間に新たな意味の緊密な連絡を保つ必要を生じて参り、第二に、これがため地方公共團体の運営の実情に即した主張を常時國の地方行政に関係のある諸施策に反映せしめる必要をさらに生じて参つたことであり、第三には、地方公共團体の自主性の強化により、地方公共團体相互間の連絡協調を、ともすれば不円滑ならしめる結果となり、地方公共團体間に、その運営上に著しい不均衡を生じて來たことであります。これらの事態に対処して、國家公益と地方公共團体の自主性との間に、適当な調和を保つ措置を講ずることが、地方自治の本旨を確保するゆえんであるとともに、國家施策の円滑な遂行を期することとなるのでありまして、この目的を達成するための具体的方策として、地方自治に関する総合的連絡調整機関を政府部内に設置せられたいという要望が、昨年以來地方公共團体一致の要望として、廣くかつ熱心に主張せられてきたのであります。政府はこれらの地方公共團体一致の要望にこたえるとともに、かたがた地方自治に関する行政部面と、財政部面とを、別箇の政府機関が掌理していることの不便を克服し、民主的かつ能率的な行政運営をはかるため、今回行政機構刷新の一環として、地方自治の総合的連絡機関たる地方自治廳を設置しようとするものであります。 次に本法案の内容について簡單に御説明を申し上げます。まず地方自治廳の任務について申し上げます。地方自治廳は、以上の趣旨にかんがみ地方自治運営の現状に即應して、國と地方公共團体との連絡及び地方公共團体相互間の連絡協調を、さらに緊密ならしめるとともに、國家公益と地方公共團体との自主性との間に、適当な調和を保ちつつ、地方公共團体の自治権を擁護し、もつて地方自治の本旨の実現に資することを任務とするまつたく新たな性格の機関でありまして、もとよりこれによつて地方公共團体の事務処理について、新たな監督等を加えようとするものではないのであります。 次に地方自治廳の所掌事務でありますが、地方自治廳は、現在、地方自治に関する國の機関として、行政の部面を担任しておる総理廳官房自治課と、財政の部面を担任している地方財政委員会の、双方の所掌事務を統一的に処理いたしますほか、上述の地方自治廳設置の趣旨に基く、新たな地方自治に関する総合連絡に関する事務をも処理するわけであります。なお地方自治廳がその任務を十分に遂行することができるための制度的保障として、二つの方法が規定されているのであります。その第一は、地方自治に影響を及ぼす國の施策の企画立案及び運営に関し、地方自治権擁護の立場から、必要な意見を内閣及び関係行政機関に申し出ることであり、その二は、國家行政組織法第十六條第一項の規定による地方公共團体の長の申出を受理し、これに関する調査を行い、関係各大臣に対し必要な指示をなし、その他適当な措置を講ずることであります。 次に地方自治廳の組織でありますが、この点につきましては、地方自治廳の所掌事務を強力に遂行できるようにするとともに、地方公共團体の意向を、如実にその施策の上に反映せしめ、もつて民主的な、かつ能率的な事務処理を期することにしたのであります。すなわち地方自治廳は、國務大臣をもつて長官といたしますとともに、衆、参両議員の中から各院の指名した者それぞれ一人、全國の都道府縣知事、市長及び町村長の連合組織が、その代表者として推薦した者それぞれ一人、並びに学識経驗のある者一人、都合七人の地方自治委員をもつて組織する地方自治委員会議を地方自治廳に置くことにしたのであります。地方自治委員会議の権限としては、まず第一に、地方自治廳が所管事務を処理するにあたつては、その重要な事項については、一々地方自治委員会議の意見を聞かなければならないこととしたことであり、第二に、地方自治廳の所管事務に関して、関係機関に意見を提示することができることとしたことであります。なお地方自治廳の内部部局といたしましては、官房のほか連絡行政部及び財政部の二部を置くこととし、連絡行政部においては、連絡の事務及び現在の総理廳官房自治課の所掌事務、財政部においては、地方財政委員会の所掌事務をそれぞれ分掌することとしているのであります。 最後に本法の施行期日その他についてでありますが、本法は地方財政委員会の存続期間及び各省設置法の施行期日とにらみ合せ、本年六月一日からこれを施行することとし、準備手続は事前においても行うことができることとしているのであります。以上地方自治廳設置法案の提案の趣旨及びその内容の概畧を御説明申し上げた次第であります。何とぞ愼重御審議の上すみやかに議決あらんことを切望いたします。
○齋藤委員長 この際ちよつと御報告いたしておきたいことがあります。昨日法務委員会から、法務廳設置法案の一部を改正する法律案について、連合審査会を開きたいという申出がありました。その日時は後日決定することといたしまして、法務委員会と連合審査会を開くことに別に御異議はありませんか。
○齋藤委員長 それではさように決定いたします。 これから質疑を継続いたします。
○木村(榮)委員 そういたしますと大体一般会計三割、特別会計二割、十月一日ごろまでに完了するということがあつたわけでありますが、大体の失業対策といつたものがあるわけですね。数字的なものはいいのですが、あるとかないとかお答え願いたい。 それとにらみ合せて、行政整理によつて國家財政の歳出の面が、退職金その他のことを考えましても、どのくらい程度今後において減つて來るかという点も、あわせて御答弁願いたい。
○本多國務大臣 失業対策につきましては、行政整理の結果の人員が確定いたしますと、それについて関係省で檢討を加えまして、失業人員の想定をやつて計画を立てることになるのでありまして、これを目下所管大臣において研究中であると考えます。さらにこの行政整理の結果、予算にどういう影響を及ぼすかということにつきましても、人員が確定いたしましたあとでなければ、正確なことはわからないと思います。今日のところではまだ人員が内定いたしておりませんので、その点についてもお答えいたしかねる状態であります。
○木村(榮)委員 本省関係というか、中央においてこういうことが行われますと、各地方の行政機関においても、大体そういう行政機構の改革とか、あるいは首切りとかいうことがあると思いますが、これは大体どのくらい予想をなさつておるか、そしてまた内閣の方としては、連絡をとつて指導なさる方針かどうかということを伺います。
○本多國務大臣 人員の想定の御質問かと存じますが、これはただいまのところでは、原則をもつて想定していただくほかにはないのでありますが、原則は原則でありますけれども、でき得る限り実情にも即するようにというので、さいぜん御説明申し上げました通りに、調査中でありまして、いましばらく時日をいただきまして、内定いたしました上で御説明申し上げたいと存じます。
○木村(榮)委員 詳細な点は調査中でおわかりにならないと思いますが、大体この十月までにおやりになると、当初御発表なさつたように五、六十万くらいな人員が整理されると思います。そういうものと民間の失業者を合せて——これは関係所管大臣でないとそれぞれわからぬと思うのでありますが、本多國務大臣の予想では、大体今年一ぱいにどのくらいな失業者が出るかという点を、お考えになつておつたならば、承つておきたい。
○本多國務大臣 この点は私からは、現在のところではまだ申し上げかねます。
○木村(榮)委員 これは樋貝國務大臣に承つた方がいいのではないかと思いますが、いろいろな行政機構の改革などもございますが、簡單に言えば警察の機構改革と言いましようか、これをおやりになるような方針があるかないか。またこれに伴つて警察官の増加あるいは首切り——これはむろんないでしようが、そういうこともお考えになつておるかどうか。それを承つておきたい。
○本多國務大臣 今回の行政整理におきましては、警察関係は除外する方針をもつて進んでおります。そのために私の方では、警察の機構改革あるいは人員整理については、今回は考慮いたしておらないのでございますが、これについては國家警察、自治警察等の問題について相当所管大臣においては研究中であるようであります。
○木村(榮)委員 これは定員法がまだ決定しておりませんからどのようになるか不明だと思いますが、中央氣象台ではもうすでに人員淘汰と申しましようか、首切りと言つた方がいいかもわからぬのですが、始まつておるやに承つております。聞くところによれば、そういうことをやると去年あれは一ぺん整理があつたので、今の人員でようやくやつている。これを向うからの報告などを見ますと、氣象関係のものはある程度やれるが、漁業関係の調査、また農村関係の氣象の観測と言いますか、そういつたことが非常に困難になつて、ただ航空関係の調査だけをやることになつてしまう。ところが現在日本においては、御承知のように飛行機は一台もない。しかしいろんな点においてはそういつた調査もむろん必要だと思いますが、農漁業関係においてはほとんど調査のための活動ができなくなるということが報告されております。これは所管大臣でなければ御返答もむつかしいと思いますが、こういつたことを考えますと、定員法というものを無視して、いろんな機関においても首切りができるわけなんですか。
○本多國務大臣 若干の整理は、本年度の予算を査定いたしまして、その予算がすでに國会を通過しようといたしておりますが、これに伴つて行われておるのではないかと思います。しかしただいま氣象台方面の職員についての特別なる事情についてお話がありました点については、私の方におきましても十分考慮いたしております。
○木村(榮)委員 これは整理の対象になる官公廳の從業員だけでなしに、一般の民間の、農村の人も都市の人も、行政整理、出先機関の廃止とかその他のことについて、相当不安な向きもあつて、行政機関そのものが動搖しておる。これはもう爭うことのできない事実だと思う。たとえば國会に來ますいろんな陳情を見ましても、道路監理事務所を廃止してもらつては困るとか、出先機関を廃止してもらつては困るとか、いや廃止してくれとか、とてもいろんな陳情が錯綜しております。はたして今度の内閣は、この國会において何かの措置をとるかとらぬかといつたふうなことで盛んに迷つておる。その結果が相当各末端の行政機関に影響しまして、仕事どころじやない、首の問題だから、あるのかないのかわからぬから、いいあんばいにやつておいてくれといつたふうなことや、その他いろんな面を通して相当不安な状態だと思う。從つてこの際関係大臣の本多さんその他政府といたしましては、本会議を通して、大體行政機構の改革の大綱並びに行政整理の失業対策の問題、そういつたものを國民大衆に御公表なさつて、一つの方途をはつきりお示しになるといつたふうなお考えはございませんか。
○本多國務大臣 まことに御説のような点もあろうと思いますが、これには政府が一日も早く方針を決定し、そうして必要なる行政整理の範囲を確定いたしまして実行することが最も必要でありまして、そうした考えをもつて一日も早く、混乱とか、人心の不安とかいうようなものを起さないように善処したいと考えております。
○青木(正)委員 概括的な問題につきまして二、三お伺いしたいと思います。ただいま定員法のお話がありましたが、定員法は大体いつごろ御提出になる御予定でありますか。見当がついておりましたらお伺いしたいと思います。
○本多國務大臣 ただいまのところ、定員法の進行状況を申し上げますと、さいぜん申し上げましたような整理率の原則はありますけれども、これに基いて原則的な数においてもそう動かないように、しかも内容において、でき得る限り実情に沿うようにということで檢討を加えて参りましたが、大体においてその内査定が終つたところでありまして、さらにこれを成案にいたしまして、閣議にはかつて政府の意見を決定いたしたいと考えております。これらの事務のためになお数日を要するものと考えますが、議会の御審議を願う期間も考えなければなりませんので、できる限り促進いたしたいと思つております。
○青木(正)委員 この行政機構の改革につきましては、もちろん最も理論的にやらなければならぬということも、ごもつともと思うのでありますが、私ども考えまして、理論倒れということもありますし、またあまりに合理主義の不合理ということもございますし、お役所の方で役所の方々がいろいろ整理の問題を取上げますと、ともすればあまりにも合理主義に偏して、かえつていわゆる合理主義の不合理という点に陷りやすいということもあると思うのであります。そこで行政整理はどうしても達観的にやるほかはないのじやないかというふうに私どもは考えるのでありまして、その見地からいたしまして、今回の行政整理の各省設置法案を拜見いたしますと、なるほどごもつともの點も多々あるのでありますが、もう少し大局から見て、整理する点もあるのではないかということを私どもは考えるのであります。それはたとえば人事委員会と総理府の関係について見ましても、人事委員会の方でいろいろ恩給の問題をやつておる。それから総理府の方でも恩給の問題を取上げておる。もちろん取扱う権限あるいは範囲等は違うのでありますが、しかしそういう面に統合する余地があるのではないか。あるいは人事委員会の方でいろいろ給與のいわゆる企画官廳としてのごとをやつておるわけでありますが、一方総理府の方におきまして新給與の実施本部というものがある。それぞれの任務は違うのでありますが、そういう面におきまして、もつと達観的に統合する余地があるのではないかということを私ども考えるのであります。今回の行政整理をなされるにあたりまして、そういつた点を考えて見ますときに、各省の意向に基いて、それによつて整理なさるというやり方をおとりになりましたものでありますか。それともまた本多國務大臣の方におきまして、大局から大体の大きな線だけはおきめになつて、そうして各省にそれに合うようにしてもらうという行き方でおやりになつたものかどうか。もちろんそれははつきりとどうということは言えないと思うのでありますが、大体の氣持が、各省側の考え方を基礎にしてまとめたものか。あるいはまたそうでなしに、総括的に國務大臣の方で大体の方針をお示しになつて、それによつてやるようにしたのか、その点を伺いたいと思います。
○本多國務大臣 ただいまお話の通り、人員整理というものは結局大局的に考えて、それから詳細に入つて行くという方法でなければいかぬと思うのでありまして、政府が一般会計三割、特別企業会計二割という方針を決定いたしましたのは、大体の達観によるものでございます。そういう達観による目安はきめましたけれども、その方針に基いて、でき得る限り内容において実情に沿うようにというので苦心しておるような次第でございます。 さらに人事院あるいは裁判所等の問題でありますが、今回は行政管理廳の、所管内の行政機構についてやるという方針で進んでおりますために、人事院、裁判所等については、行政管理廳としては、管轄権もありませんし、十分に手が届かないわけであります。そういうことのために、立法機関においてもそうでありますが、司法機関等において人員がふえ過ぎるというようなことがありますと、これまた國家財政上憂慮すべき事柄でありますから、そうした人事院あるいは裁判所、國会等についても、それらの行政機構人員の調整は、國会のみこれをやり得るという建前になつておりますので、さらに審議会等を設けまして、その審議の結果については、國会の御協力をお願いしなければならぬ場合が出て來るだろうと思います。恩給等の問題につきましては、今のところでは人事院では恩給はやつておりませんが、人事院に準備ができましたならば、向うに移るという建前に、この総理府設置法案の中でなつております。
○青木(正)委員 御説明によりましてよくわかりましたが、大体一般会計三割、特別会計二割という基準につきましては、あるいは行政整理審議会の答申等によつたことと思うのでありますけれども、どういう点でこの三割、二割ということをおきめになりましたか。その点をお尋ねして見たい。
○本多國務大臣 ただいまお話のありました通りに、行政機構の審議会の答申にもありまして、さらに行政整理をやるについて、目安をどの程度にきめるかということを考慮いたしました結果、このくらいの整理をしても、あとは支障なくやれるであろうという達観に基いてきまつたものであります。
○齋藤委員長 午前はこれで休憩いたしまして、午後一時半から続いてやりたいと思いますが、いかがですか。
○齋藤委員長 では休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ————————————— 午後一時四十三分開議
○齋藤委員長 休憩前に引続いて会議を続行いたします。 議事に入る前に委員田中萬逸君が本日辞任せられまして、その補欠として高橋英吉君が議長において補欠選任せられましたことを御報告いたします。 なおこの際今後の委員会の運営に関しましてお諮りいたしておきたいことがあります。散会後の理事會におきまして、まずただいま付託されておりまする各省設置法の提案の理由を聽取しました後は、内閣関係の審議を進めて、ある程度質疑をなしました後に、法務、外務、大藏、厚生等、各常任委員会と連合審査会を開いて、連合審査会は一省について一日くらいで終了して、各省設置法案のすべての質疑が終りましたのちに採決を行いたいということを、大体申合せた次第であります。それでよろしゆうございましようか。
○齋藤委員長 なお先ほど地方行政委員会から、地方自治廳設置法案に関しまして連合審査会を開きたいという旨の御希望がありましたから、地方自治廳設置法に関しましては、明日関係方面から委員長と理事に來るようにと連絡がありましたので、明日午前十一時半に先方に参りまして話をして参りますが、午後、地方行政委員会と連合審査会を開いてはどうかと存じます。よろしゆうございますか。
○齋藤委員長 御異議がなければさようにとりはからいます。連合審査会をなるたけ早く済ました後に本委員会の意見をまとめたいと存じます。 それではこれから郵政省及び電氣通信省各設置法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を求めます。小澤逓信大臣。 —————————————
○小澤國務大臣 ただいま議題となりました郵政省設置法の一部を改正する法律案及び電氣通信省設置法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。 逓信省におきましては、今回、政府で企図いたしました行政機構の徹底的簡素化の方針に即應いたしまして、過般の第三回國会において成立を見ました郵政省設置法及び電氣通信省設置法につき、ただちに機構簡素化の具体案の研究にとりかかり、鋭意愼重なる檢討を加えて参つたのでありますが、今般成案の決定を見ましたので、ここに本法案を提出いたしました次第でございます。 以下、両法案に規定せられておりまする機構縮小の具体的内容につきまして、その大要を申し上げます。 まづ郵政省の方でありますが、郵政省の機構改正の大きな点は、第一には本省監察局、郵務局、貯金局、簡易保險局の四局には、現行設置法におきましては、それぞれ三部ないし四部を置いておりまするが、今回この部制をすべて廃止することとし、またこの四局の局長には、特に理事をもつて充てることにいたしておりましたものを、この理事もまたとりやめることといたしました。しかしながら厖大かつ廣汎なる郵政省所掌の郵便、貯金、保險の各業務運営の、責任部局としてのこれらの各局の重要性にかんがみまして、監察局とともに特に部制にかえ、局長の補佐役として、次長一人あてを置くことといたしたのであります。 第二には、現在の設置法における人事局、資材局、建築局の三局を廃止しまして、いずれもこれを大臣官房の部に縮小いたしまするとともに、人事局及び経理局に置くこととなつておりました次長も廃止することにいたしたのであります。 第三には、官房に官房長を置くこととなつておりましたが、これを廃止いたしたのであります。 以上本省としましては、從來の機構に比し、三局を減じ、又官房長一、次長二、各局の部長十三、合計十六の長を減じ、別に四次長を置き、差引十二の長を整理いたしておるのでございます。 次に郵政省の地方機関の設置そのものについては、別に変更を加えておりませんが、その内部組織については、大体本省に準じて構成すべきでありまして、その意味では、現在のものより簡素化せらるべきでありますが、ただ地方の状況に應じまして必ずしも画一的に法律に規定することが妥当ではありませんので、これら機関の性質にかんがみて、その構成を省令で定めることに改めたのであります。以上が郵政省機構縮小の大要であります。 次に電氣通信省について申し上げます。電氣通信省の機構改正につき、まず特に申し上げておきたいと存じます点は、現在の設置法の構想でありまするいわゆるライン・オルガニゼーシヨンの完徹という理念を、今回の機構簡素化の方針と調節させながら、いかに生かすかという点であります。これについては、いろいろな意見や要望もあつたのでありますが、結局從來の組織段階を一齊に一段づつ繰り下げるよりほかに、設置法の構想を生かす方法はないということになつたのであります。 さて、機構改正の主要なる内容を申し上げますと、第一には、総務長官を電氣通信監に改め、長官官房を電氣通信監室とした点であり、第二には、業務部門、施設部門担当の理事二人を廃止して、新たに業務局及び施設局を置いた点であり、第三には、現在の業務部門、施設部門の各局を、ただいま申しました業務局、施設局の部といたし、業務総務室及び施設総務室を廃止した点であります。また第四には、現在の局に置くことのできた部もまたとりやめた点であり、第五には人事局を廃止して大臣官房に人事部を置いた点であります。 以上第一ないし第五の改正によりまして、現在の設置法の根本理念は保ちながらも、機構簡素化の実をあげることに苦慮いたしました結果、現在の設置法による構想とほぼ相似た形でありながら、全面的に一段縮小せられた規模の構成をとることといたしたのであります。以上の縮小によりまして、理事二人を減じ、局は九局を整理し、二局を設置、差引七局を減じております。ただ部の段階につきましては、若干増加することとなつたのであります。なほ地方機関につきましては、現在の設置法に規定せられました段階はぜひとも実施する必要がありますので、何ら変更はございません。 以上が本省関係でありますが、次に外局関係におきましては、電波廳では、現在の設置法による四部を三部に縮小いたし、また航空保安廳では二部制を廃止しまして、次長一人を置くことといたしております。いずれも最大限度の縮小を実施しておる次第でございます。これをもちまして、今回の両省の機構簡素化の内容の説明を終ります。 何とぞ十分御審議くだされましてすみやかに可決せられんことを切望する次第でございます。
○齋藤委員長 御質疑はありませんか。
○青木(正)委員 先ほど委員長のお話で、明日は他の委員会と連合審査会を開くということでありましたので、その前に本多國務大臣に、午前中に引続き総括的なことをちよつとお尋ね申し上げます。定員法を近くお出しになるというお話でございましたが、定員法は各省別の法案としてお出しになりますか、それとも一本におまとめになりますか、その点を伺いたいと思うのであります。と申しますのは、全部をおまとめになるのに非常に時間のかかるというようなことがありますと、種々の点に何か不便があるのじやないか、むしろまとまつた省ごとに出して、審議の円滑をはかつた方がよいのじやないかという点も考えられますし、また全般から見なければいかぬという点もあるのでありますが、その点政府はどのようにお考えになりますか。
○本多國務大臣 定員法は一本で制定する方針になつております、内容は各省各廳ごとに定められますけれども、法律としては一本に行く方針であります。一本であるために、いろいろ審議が遅れやしないかという点はまことにごもつとものようでありますが、私どもそういう考えで非常に急ぎまして準備をいたしておりますので、大体最後的なところまで今日來ておりますから、そう遅れないうちに御審議に供することができると思います。
○青木(正)委員 その点はよくわかりました。つきましてはなるべくまとめるのに時間をおとりにならぬようにお願いいたします。次に行政整理について、行政整理法というような法律を出すという新聞報道があつたのでありますが、あるいはそうでなしに國家公務員法の人事院の規則によつておやりになるということも承つております。ただ今回のような行政整理をやる場合に、はたしてあの規則で処理が円滑に行けるかどうか。と申しますのは御承知のように整理に対する異議の申立て処理の問題等も、あの規則で行きますとなかなか処理するのに困難な部面も出て來るのではないか。むしろ今回のごとき行政整理にあたつては、ああいう規則によらないで、特別の法律によつて処理する方が適当じやないかという点も考えられるのであります。その点について政府のお考えはどうでありますか。
○本多國務大臣 ただいまお話のありました点については、政府においてもいろいろ考慮いたしたところでありまして、今なお考慮中ではありますが、ただ公務員法の規定によつて整理はできるのでありますから、これでやることにするか、またこれを一層円滑に、しかも整理をはつきりしてやるためには、特に整理法を設けた方がよくはないか、ことに今回のごとく多量の整理に際して、一々訴訟等が起きるということでありましては、人事院の仕事もたいへんなことになつて來ようと思いますので、そういう点についても訴願の除外等の法律をつくつておく必要がありはしないか、あるいは関係事業方面に対する天くだり人事などというものが從前にはあつたのでありまして、そういうことのために、これが二年間は就職が禁じられておるけれども、今回のような場合にはこれを除外して、どこへでも就職できるような道を開くべきではないかというような点、さらにまた整理の基準等についても、明確化した方がよくはないかということにつきまして、いろいろ研究いたしたのでございますが、これは行政管理廳独自できめがたい問題が多いのでありまして、これらについては所管官廳である人事院の方からも、何らかの意見があつた場合に考慮したいと考えております。さらにまたそれには、行政整理の進行状況を向うにも緊密に連絡をとつて行く必要があると考えて、こちらの状況は向うに連絡いたしております。別に意見が食い違つておるというわけでも何でもございませんが、未だ考慮中と考えております。これが結果が得られないときにはどうなるかと申しますと、公務員法の規定で完全にやれるではないかという有力な意見もございますので、そうなることと考えております。
○青木(正)委員 どうぞその点について円滑に処理できますように、せつかくの御努力をお願いいたします。次にただいまお話になりました整理の基準問題でありますが、これについてはいろいろ考え方があると思うのです。今までのやり來りでありますと、いわゆる老朽淘汰という言葉もありまして、大体老齢になつた人に退職してもらうという考え方も持たれておつたのであります。しかしまたアメリカあたりの考えでありますと、失業対策の面から見ましても、むしろ若い人にやめてもらう、また事務の能率の低下を來さぬようにするために、勤続年限の少い人にやめてもらうというような考え方も一部には行われておるのでございます。これをどうするかという問題は、非常にむつかしい問題でありまして、これも先ほどお話のように行政整理法という法律をつくつて基準を定めるということも、一つの方法かと思うのでありますが、つくらないにしても、いずれにいたしましても、政府として一定の基準を設ける必要があるのではないか。そうしませんとその上級の官吏の考え方によつてやめさせるというようなことがありましてもどうかと思いますので、できることならば、そこに何らかの基準を設けて、單に老朽淘汰という行き方で行くか、あるいはまた先ほど申し上げましたような、むしろ失業対策の問題、あるいは事務能率の低下を防ぐという見地から、若い者、あるいは勤続年限の少い者をやめさせるというようなこと、そういつた点につきましての、まだはつきりした基準をつくるまでには行つていないと思うのでありますが、大体の政府のお考えがありましたならば伺いたい。
○本多國務大臣 ただいまお話のありました人員整理の基準は、最も人事院に関係の深い点でありまして、これをいかなる内容、いかなる基準を設けるか、さらにこれを法律化するかいなかということについては、いまだ結論に達しておらないのであります。
○青木(正)委員 次に中央の行政整理に伴いまして、地方も大体これに準じて行われると思うのでありますが、府縣の段階まで政府の方で基準を示してやるということを考えられているのか、市町村の段階に対しましては、どういうお考えを持つておりますか。
○本多國務大臣 地方公共團体全体に対して、中央政府の方針に準じてやるという方針を決定いたしております。但しその方針の中には、すでに自主的に相当整理が断行されているところもございますので、そうした公共團体に対しましては、すでに整理された分も勘案して、整理をしてもらうという方針になつております。これを中央政府の職員に対しますように、行政整理を法律化して、はつきりした行き方をしてはどうかという意見もあります。それに対して、人員までも法律でもつて整理を強制するということは、自治権に対する行過ぎな干渉になりはしないかという意見等もありまして、これも研究中でございます。
○青木(正)委員 もう一点承りたいのでありますが、昨年の十二月ごろでありましたか、関係方面から、退職資金の基準が三箇月分くらいということで、新聞に見えておつたようでありますが、政府の方のお考えとしまして、いろいろ新聞等に出ておりますのは、二箇月ないし四箇月というようなことも出ております。これはどの程度に——まだおきまりになつていないとは思うのでありますが、もし御方針がありましたら承りたいと思うのであります。
○本多國務大臣 退職手当につきましては、從來閣議決定をいたしました準則がございます。これは普通に退職する場合の二倍の退職手当を出すという内容になつているものでございますが、財政緊縮の折ではありますけれども、ぜひ從來の例だけはくずさないようにしたいという方針をもちまして、関係方面とも折衝中であります。從來の準則にきまつておりますものに対しまして、年数の少い人は四箇月未満という人もありますので、月收の四箇月程度までは少い人たちに認める。但し四箇月を最低とするといたしましても、十日とか二十日とかいう人たちはまた別に考慮しなければならぬと思いますけれども、原則としてはそういう方針を内定して進んでおります。これは実は退職手当が失業保險金に満たない場合、失業保險金は今のところ御承知のように本俸の六〇%、六箇月間ということになつております。さらにまた九箇月間まで延長してはどうかというので、関係方面と今折衝中でありますが、その金額に満たない場合には、その差額は政府が失業者に支給しなければならぬことになつております。九箇月まで保險金が拂われることになりますと、六〇%の九箇月でありますから、五箇月四分までは政府の責任ということになります。私どもといたしましては、月收の四箇月を拂うことになりましても、失業保險金九箇月ということになるとすれば大差はないと考えておりますので、退職する人たちが、失業の証明を一々あとからもらうよりも、なるべく一まとめに支拂いができるようにという見地から、そういう方針をきめておるのでございますが、これはまだ決定に至つておりません。
○齋藤委員長 小川原君質疑の通告が出ておりますが、ありませんか。
○小川原委員 ありません。
○齋藤委員長 木村君。
○木村(榮)委員 本多國務大臣にお尋ねいたしますが、政府は行政機構の改革をやつて、今までの官僚機構によつて相当たくさんな不正があつた。と申しますのは不正が比較的簡單にできるような機構であつたというのも、遺憾ながら認めなければならない点であると思います。そこで今度の機構改革によつて、こういつた点をどのように改善されようとしておるか、ひとつ具体的に御説明願いたいと思います。特に税務署の徴税機構の改革について、もし方針がありましたならば承つておきたいと思います。
○本多國務大臣 今回の機構改革は、機構の簡素化、能率化を目標にいたしてやつたのでありまして、特にただいまお話の不正防止という観点からやつたものではありませんが、機構が明確化され、簡素化され、またいろいろな権限がはつきりいたしました結果は、そうした不正の防止にも役立つだろうと考えております。御指摘の税務署の機構につきましては、出先機関の税務署についての機構改革までは及んでおりませんが、税務署の不適正な課税が多いと言われる非難に対する機構の改革として、どういうことを考えているかと申しますと、税務署に從來の所得調査員のような審議機関を設けてはいかがということにつきまして、政府においても檢討中であります。
○木村(榮)委員 そういたしますと、今度の行政機構の改革は、機構の簡素化がねらいであつて、簡素化したならば、從つて不正もなくなるという建前に立つわけだと思うのです。これについての一つの例なんですが、今官房長官や次長の方がお出でにならないから答弁できないかもわからないが、たとえば國家行政組織法の一部が改正になつて、昨年この國家行政組織法をこしらえますときに、非常に委員間で問題になつて、局の中で、課の上に部を置くという点、これは從來官僚制度の場合、部が非常にじやまになるということが檢討されまして、最初の原案においては部があつたが、とうとうこれが削除されてしまつた。ところが今度の改正を見ますと、また元のような方向へ復活いたしまして、部を置くことが認められている。この点なんかは部を置くことによつて簡素化される場合もあるかも存じませんが、そういつた見方でなしに、部というものを置くと、どうしても屋上屋になつて困る。局と部と一体どこが違うか、しかも現在の高級官僚間における力の関係は、局と部とがたいてい似たりよつたりで、非常に困るといつたふうな観点から、当時は廃止になつたのですが、これが復活されたことは、今本多國務大臣の御答弁とは、これは例外にはならないかもわからないが、幾分私たちは納得の行きかねる点もある。そこで簡素化して不正がなくなるというのはこれはちよつと合点が行きませんが、私たちの見解によれば、機構の改革ということはむろん簡素化もしなければいかぬ。窓口事務も簡單に行かなければならぬということも大きな問題でございますが、同時にやはり簡素化されたことによつて、一般國民大衆が便利になつて、利益を得なければならない。利益を得るためには、今のような、どうも合点の行かない不正なんかがあつては困る。だからどうしても簡素化ということは、その裏づけといたしましては、官僚独善になり、官僚横暴になつて、そうして不正なんかも簡單にできるということもなくすような機構が整備されなければならぬと思うのです。その点については、各省のそれぞれの所管大臣から、明確な御答弁になると思うのですが、もし何かそういつたことも、こういつた点で考慮しておるという点があるならば、お聞かせ願いたいと思います。
○本多國務大臣 部の問題については木村議員の言われた通りの経過をたどつて、今日まで來ておるのでありまして、何とかして段階を少くするために、部はやめたいと思つたのでありますが、結局簡素化しようとして考えてみますと、課には大きく、局には小さく、しかも他の局内の事務とは、まつたく分離した性格のものがあるという場合に、やむを得ざる場合ではありますけれども、部を適宜に設置することによつて、機構の簡素化ができるという結論に達しましたので、きわめて例外的な場合と考えまして、部を置くことにいたしました。今日までの行政機構で行きますと、部を置くことができるとなつておりますと、むやみに課であつたものが部にせり上つて來るという傾向があつたのでありますけれども、今回これが法律化されて参りまして、一々國会の承認を経なければならぬということになつて参りましたので、この特別に考えておりまする部という制度を利用して濫設されることは、今後は起らないと考えております。 それから機構簡素化について、不正が防止されることに、いくらかでも役立つかという意味のことでありましたが、これは外局であつたものを内局に入れるということにいたしまして、責任範囲を明確化いたしましたので、その点においては從來よりも不正も防止できるだろうと考えております。
○木村(榮)委員 小澤逓信大臣にちよつとお尋ねしたいのですが、午前中の委員会のときに、本多國務大臣の答弁によりますと、大体定員法によつて一般会計三割、特別会計二割の行政整理をやる方針だということでありますがそういたしますと、逓信省は特別会計でございますから、その二割の方に該当するのではないかと思います。ところがこの逓信省のうちの二割と言いましても、現業、非現業が御存じのようにあるわけであります。そこで逓信省といたしましては、大体二割のうち現業の方を何割ぐらい、非現業の方を何割ぐらい——これは機械的にわからぬかもしれませんが、もし大体の御方針があつたら承つておきたいと思います。
○小澤國務大臣 おそらく本多國務大臣もお答えになつたと思いまするが、非現業三割、現業二割というのは一つの目標だけでありまして、現実に即しまして断行する場合には、あるいは非現業でも二割五分になるところもあるでしようし、また一割五分になるところもあるでしよう。大体逓信省といたしましては、予算を編成する際は、三万八千程度でやろう——というのは、昨年六万人以上整理いたしておりますので、現実の面から見ますと、現業方面はほとんどかすかすなんであります。もし二割を整理することになりますと、現在のサービスをもちろん維持はできない。たとえば郵便であれば日曜は配達をよすとか、あるいは電話も電信も日曜は休む、あるいは電報は夜中に扱わないということにすれば、いくらでもできますけれども、現在のサービスをそのままにして削ることには、おのずから制限があるのです。從つて戰前のいわゆる職員の能率を中心にして、その能率が一ぱい一ぱいに働いた場合の限度以外には、整理ができない現状になつております。從つて本多國務大臣の方ともいろいろ考えておりまするが、とにかく逓信省としては、現業方面にはほとんど余裕がないのでありまして、非現業の方をできるだけ多く整理の目標にしようと思つております。でありますから大体の率から申し上げますと——率はとつておりませんけれども、今申し上げました通り、数はおそらく現業が多いでしよう。しかし比率から申しましたならば、非現業が非常に多く、現業はごく少いと思います。
○木村(榮)委員 そうしますと、大体非現業三万八千人ぐらい、これは相当増減はあるでしようが、三万八千の対象となる者は、大体非現業の方が多いであろうといつたふうに解釈しておけばいいですね。
○小澤國務大臣 そういう意味ではありません。三万八千の内訳を、現実に数をとつてみたならば、現業の方が多いでしよう。現業の方が多いでしようが、比率から見たならば、現業はごくわずかであつて、非現業の方が多いであろう、現実の数はおそらく現業が多いと思います。
○木村(榮)委員 そうしますと逓信省では、去年六万人ぐらい大体整理している、今年三万八千か四万になるか存じませんが、去年から今年にかけて十万くらい減るわけですが、そのくらい減つても一向さしつかえない、こういうふうにお考えになつておるわけですか。と同時に今度特別会計を見れば、大体大ざつぱな点はわかる。見返資金の会計によつて逓信事業の復興といつたようなことも考えておりますが、この裏には相当現在の機構の改革以外の設備の改善、そういつたことも相当具体的に御考慮なさつておるのでございますか。
○小澤國務大臣 昨年度六万人、さらに三万八千人と合わせた程度で、現在のサービスが維持できるかどうかということが第一点だつたと思います。これはかなり困難な面がありますが、日本の現状から見ますと、私どもはこの困難を忍んでも、何とか國民一般の負担を軽減するという方向に向うことが適当であると考えて、ぎりぎりのところまで進んでおります。從つて今申し上げたように、三万八千をあれするということは非常に困難ではありまするが、できるだけ現在のサービスを落さないで、その整理を三万八千程度で行きたいと考えております。ことに木村君も御承知の通り、逓信省の事業は人一人減ることが、必らずしも得するものではないのであります。たとえば保險の勧誘員が一人ふえればそれだけ増收になり、あるいは電話の交換手が一人ふえることによつて非常に増收になる場合がたくさんあるのでありまして、要するに逓信省の仕事というものは、人間の手で一人一人増收をはかつて行くのでありますから、決して他の非現業官廳のように、これを減らしたからといつて、ただちに逓信省の独立採算制に利益があるという結論には行かないのであります。そういう点等も考えまして、この整理にあたつては、ここにおられる本多國務大臣にも十分逓信省の現実を認識してもらつて、むりなことはしないで——むりなことをして國家が損すれば何にもなりませんから、そういうことを極力了解をいたしつつ進んでおります。
○木村(榮)委員 なかなか小沢さんはうまいので……きようはこのくらいにしておきます。次に國立世論調査所、これは組織法の第八條によつてできたものではないかと思います。あの当時も今の第八條によつて委員会、審議会を設けるとか設けないとかいうことで相当もみまして、これはやめようという議論もあつたようですが、とにかくこの八條によつてこういうものができてしまつた。これはこれくらいでとどめるのか、またこれは状況によつて違うでしようが、今後も続々こういうものをこしらえる見込みですか、それを承つておきたいと思います。
○大野木政府委員 これらにつきましてはいづれ法律によることとなり、國会の承認を経ると思いますので、今後はそうたくさんできることはないと存じております。
○木村(榮)委員 このことを私がお尋ねいたしますのは、この間民主政治教育連盟というのが解散しなければならぬ。そのほか食糧対策委員会とかいうのがございましたが、これも解散しなければならぬことになつた。これは憲法の八十何條かによつて、法的根拠のないものには政府から補助金が出せないわけで、たくさんあつたものがどんどんなくなる。当時私たちが檢討したときには、何でも商工省だけで審議会あるいは委員会というような恰好のものが八十何ぼかあつたと記憶している。また各省とも大体どの官廳でも何かの形で平均五、六十はある。それがみな補助金をとつておつたわけですが、今度は例の民主政治教育連盟が解散したような、かつこうで行けば、ほとんどみな総倒れになる。そうしますと、この組織法の第八條によつてこういつた法律化をせぬと、予算上の措置が伴わなくて動けませんから、今度は、組織法の八條によつて、こういつたものが法文化されて、どんどん出て來る危險性があると思うが、本多國務大臣はこれに対していかようにお考えになるか。この点を承つておきたいと思います。
○本多國務大臣 今お話のように、いろいろな理由をかまえて不急の機関まで濫設されるということがありましては、これは國家経済にも影響を及ぼす問題でありますから、そういう問題については、その必要性を十分檢討いたしまして進みたいと思います。
○木村(榮)委員 そうしますと、あまりそういつたものはこしらえぬという方針だと解釈してよろしいわけですか。
○本多國務大臣 できる限り、そうした複雜な機関は縮小したいと考えております。
○木村(榮)委員 さつき青木さんから御答弁になつた中にもありましたが、國家公務員法との関係において、今度の整理対象になつた者の就職の点は別個に考えたいといつたことがあつたのですが、これはごもつともなことだと考えます。それに関連してどうしても失業対策というものが具体的に立たないと、いくらこれに特例を設けてもらつて就職してもいいということになつても、どこへ就職するかという段になると就職先がない。こうなると法律上はさしつかえないということになつていても、現実には就職先がないということになつて來る。政府といたしましては一般会計から三割、特別会計から二割と言われますが、そうすると定員法によつて大体どの部門からはどれくらいの失業者、どの部面からはどれくらいの失業者が出るということはわかると思います。たとえば電氣なら電氣関係の技術者はどのくらいの失業者が出る。逓信関係はどのくらい、あるいは事務系統の者はどのくらいとか、鉄道なんかですと運輸の專門的な仕事の面はどのくらいと、大体大ざつぱでもわかる。そういたしますとどうしてもその面における日本の産業状態が檢討されまして、こういつたふうな復興計画があるから、そういつた面にこれだけの技術者なり、あるいは特殊な才能を持つた者を吸收できるということがあらましわかつていないと、一般失業者には、大きな不安状態が引起るのではないか。そこでまだ檢討中という御答弁で、具体的なことはわからないとすればやむを得ないといたしましても、大体今私が申し上げましたようなことに対しての方針は、少くとも今議会はむりにしても、失業者がどんどん出て來るまでには、間にあわなくてはならぬと思いますが、そういうような対策は、見込みがございますか。
○本多國務大臣 これは労働省におきまして、いろいろ失業者の発生数の見通し、さらにこれをいかなる場面に吸收するかという見通し、そういうことを調査いたしまして、一應の計画は常に用意しておることと思いますので、労働大臣からひとつ機会があれば説明してもらいたいと思います。
○高橋(英)委員 私は國家行政組織法の一部を改正する法律案の第十七條について主としてお尋ねしたいと思います。この改正法によつて次官は一般職になつて、特別職であるということが削除されることになつておるのですが、明治藩閥政府以來のところまでさかのぼらなくても、最近の次官の地位に対する一般職と特別職の変遷について御説明願いたいと思います。特別職と一般職という言葉は、近ごろできた言葉かどうかしらないけれども、要するに次官に任用される人々の資格とか、範囲とかに対する最近の変遷を御説明願いたい。
○本多國務大臣 從來の次官は、御承知のごとく今日一般職と言われておる性格を続けて來たのでありましたが、國家行政組織法制定の際に、一般職を特別職といたしたのでございます。特別職となりますと、これは議員も兼職できるし、その他一般の人からも採用ができる、こういうふうに性格がかわつて來たのでありますが、これを今回はさらに一般職の次官に改正をしたいというふうな経過でありまして、古い経過についてはここに用意がありませんので御説明申し上げかねるのでございますが、ここに現われておる経過は以上の通りでございます。
○高橋(英)委員 行政組織法で特別職となつたのですが、その前の行政官廳法の何かで特別職となつておつたのではないですか。
○本多國務大臣 そういうことはないと思います。
○高橋(英)委員 行政組織法以前は一般職ですか。
○本多國務大臣 今日の一般職に当るものと思います。
○高橋(英)委員 終戰以後行政官廳法か何かで特別職になつていたのではないですか。
○本多國務大臣 そうではありません。
○高橋(英)委員 そうしますと特別職を一般職に改正せられるのは、國家公務員法の改正によつて、各省次官が一般職になつたからだというふうな簡單な理由になつておるようですが、さようにとつてもよろしいのですか。
○本多國務大臣 その通りでございまして、これは國家公務員法において特別職となつていたものを、そのあとで國会の決定を見ました公務員法において、一般職になつたのでございますから、國会の意思を尊重したものであります。
○高橋(英)委員 國家行政組織法が施行されることを前提としてつくられた法律ではないのですか。現在施行されておる官制に基いてそれを再確認したと言いますか、それを公務員法によつて明確にしたという程度に止まつて、行政組織法の施行された場合まで予想してつくられたのではないと思います。簡單に申し上げますが、たとえば政務次官の問題です。政務次官の設置法は、御承知のように行政組織法が施行されれば、そのとたんに消えてなくなる法律なのです。しかもこの國家公務員法においては、やはり政務次官なるものがあつて、特別職となつておるのです。從つてこの國家公務員法というものは、現在行われておる官制に基いて、それを系統的に改めて明記したに止つて、やがて施行さるべきところの國家行政組織法の施行の場合をも予想したものとは考えられないのです。もしそうだとすれば、当然政務次官の特別職なる文字も、これは國家公務員法へ入れておくことは不体裁なものである。行政組織法が施行されればなくなつてしまう政務次官でありますから、これを特別に特別職とするということを書く必要があれば、政務次官設置法の改正法案として出されるとか、何かそういう特別の取扱いをされるべきであるにかかわらず、この國家公務員法に明記してあるところを見ますと、これは國家行政組織法の施行を予想せずしてこしらえたものではないかと思いますが、いかがですか。
○本多國務大臣 國家公務員法制定当時のその心持を、想像して申し上げることはできませんが、國家公務員法ももちろん長い將來の理想を考えてつくつたものであると思います。但しその際、政務官を特別職として列記した事情については、おそらく國家行政組織法の場合と考えがかわりまして、次官を一般職として、これには議員の兼職も認めない。そのかわり議会との連絡はもつぱら政務次官をしてあたらせるという構想にかわつて來たものであろうと私は想像いたしております。
○高橋(英)委員 そうしますと、形式的には公務員法が改正になつたから行政組織法を改正するということになるわけですが、その点については、公務員法改正の際には一言も論議が盡されておりません。政府の説明の中にもそれが入つていないのであります。從つて、この問題は少しも論議されずして國会を通過しておるのでありますから、これは第二國会において、衆議院も参議院も、ともにこれが最も理想的なものであるとして通過せしめた。すなわち院議をもつて通過せしめた國家行政組織法を改正するという、非常な大問題であると思いますが、そういう実質上の理由がまだわかつていないので、あらためてここでお聞きしたい。國家行政組織法において各省次官を特別職にするというのは、これは結局官僚政治の弊を打破して、政党政治を確立し、政治力の滲透をはかるためで、政治的に誇張して言うならば、これを特別職にするか一般職にするかということは、官僚と政党との決勝点になり、これが一つの天王山であるとも称されておつたのでありますから、多年官僚政治の弊害に呻吟してそれに苦しんだ政党人は、全員一致して第二國会において特別職として、ひとり一般官僚ばかりではなく、廣く人材を天下から集めて次官にせしめるという制度にしたのであります。それを変更する理由はどこにありますか。それの実質的理由をお聞きしたいと思います。
○本多國務大臣 ただいまの実質的な理由といたしましては、次官を特別職ということにいたしますと、これは議会側の人が就任する場合もありさらに外部から議員以外の人が就任する場合もあります。そうなりますと、やはり議会との連絡機関といたしまして、政務官に近い制度は不可欠ではないかと思います。さらにまた特別職ということになりますと、議員と兼任する人もありましようから、どうしても事務方面を見る先の案にありました事務次官のような制度が必要ではなかろうかとも考えます。そうなると非常に複雜になり、屋上屋を重ぬるような機構になつて來るのでありまして、これは能率の上からも、また機構簡素化の精神にも相反する結果になりはしないかと思うのであります。これらを実質的に考慮いたしまして、この際はやはり國家公務員法で定められたときの精神を考えまして、一人の次官を一般職とし、政務次官の制度はこれを恒久化して、議会との連絡機関として設ける、こういう行き方にすべきではないかと考えているのでございます。
○高橋(英)委員 今の御答弁からいろいろ総合して考えますと、はつきりわかるのですが、今度一般職になる次官の職務権限と、昨年國家行政組織法の原案として政府から提出になつて、衆議院を通過し、参議院において削除になつた総務長官の職務権限とは同一と解していいのですね。法文から見ても同一になつておりますが、これは同一ですね—そうしますと、政務次官の構想が國会内にあると称せられておりますが、これはどこでやつているのか。今まで國会側でやるようになつていると理由書にありますが、これは内閣委員会でやつているのか、運営委員会でやつているのか、國会側とは何をさすか、そういうこともひとつ御答弁願いたいと思います。國会側でやつており、政府もあるいは考えられているのではないかと思う、政務次官の職務権限は——内輪ですからザツクバランに質問しますが、第二國会において國家行政組織法の原案として政府が出され、衆議院を通過したあの次官、すなわち特別職の次官、これは全然事務的な関係はないのであるが、今回考えられているという政務次官法の職務権限と、ほとんど同一の言葉が使つてあるのです。そういう意味において、あのときの原案の特別職の次官と、今度の政務次官とは職務権限が同一でありましようか、違いましようか。
○本多國務大臣 ただいまのは主として大臣不在の場合の代行の権限の問題を指しておられのではないかと思いますが、大臣の代行をさせるということにつきましては、多々研究しなければならぬ点があろうかと思います。しかし政務次官の権限については、政務次官設置法を國会側で提案すべく研究中でありますから、そちらで御考慮願つた方がいいと考えております。
○高橋(英)委員 そうしますると、國会側で考えておる政務次官の職務権限、いわゆる副大臣、大臣不在の場合は代決するという職務権限について、政府はどういうふうにお考えですか。
○本多國務大臣 大臣の不在の場合において、何人かが大臣の代行ができるという規定を設けるといたしますと、その代行者のやつたことは、ことごとく大臣と一体でなければなりません。從つて閣議等の問題もあり、責任の問題もあり、從來は大臣が不在の場合には他の國務大臣をして当らせるというようになつておつたと思いますが、そういう点もありまして、これは相当研究調査の必要があると考えております。
○高橋(英)委員 研究調査もいいのですが、これらは長い問題でありますし、相当政府としてのお考えもあると思うのですが、その点についての明確なる御答弁を求めなければなりません。それによつて私どもは、行政組織法の次官を特別職にすべきか、また政務次官をあちらの方で許してくれるならば、その点についてもまた考慮しなければならぬかという考え方も起るのであります。この点をまず前提としてはつきりしてもらいたい。何と言いましても特別職の次官ができ上つて、多年にわたる民権伸暢のために戰つて來た政党関係者は、われわれの時代が來たのだ、民主主義の確立こそこの條文によつて決定されたものだと、非常に喜んでおつたにもかかわらず、今度こういうふうな後退といいますか、逆もどり的の改正が行われることになつた。先ほど木村君の質問にもあつたように、参議院の方では部をなくしてしまつた。衆議院の方では部を置いておるのに、参議院の方ではとつてしまつた。また特別職であつた次官を一般職にしようというこの点は、大体においていわゆる官僚の反撃であり、逆襲であると私どもは考えておるのであります。すなわち國会議員の門が相当に狹くなつておる今日において、ますます門戸を狹くするというこの重大なる改正の問題について、その前提として、私が今までお尋ねした政府の副大臣に対する関係を、はつきり御答弁願いたいと思うのであります。これについては本多國務大臣の御答弁も私は要求するのでありますが、國家行政組織法の関係において最も奮鬪せられ、その間の事情を最もよく知悉せられておる小澤國務大臣が、ちようど臨席せられておりますから、小澤國務大臣の意見も併せて拜聽したいと思います。
○本多國務大臣 高橋委員からさいぜん官僚と國会との決勝点であるというようなことが言われたのでありますが、この次官制度の問題について、必ずしも特別職として議員がその地位を占めなくても、大臣が各省の官僚を統率いたしておるのでありますから、大臣が強い政治力を持つてこれを統率いたしますならば、私はあえてその心配はないのではないかと考えております。
○小澤國務大臣 この問題は、高橋君も御存じの通り、第二國会において私が中心になつて参議院の協議会までも出席して、しかも私の発議でこの法律案が出たのであります。從つてこの問題に対する論議は、もう高橋君の言われる論議、本多國務大臣の言われる論議も、散々し盡されておるのであります。もう論議の問題ではなく、どういうふうにまとめるのが一番いいかという時期になつておるのであります。そういう意味から、私は今ここで散々鬪わされた議論をお互いに鬪わすよりも、もう少し檢討して、最後の段階に入る見方が大体一致すればいいのではないかと思うのでありまして、高橋君がこれから質問せんとするところも大体私には想像がついておりますから、一應ここでこの問題に関する限り質問を打ち切つていただいて、お互いに研究するという氣持になつた方がいいのではないかと思つております。
○高橋(英)委員 本多國務大臣も明答を避けておるようでありますし、小澤國務大臣の含みのある御答弁によつて一應質問を打ち切りたいと思いますが、ただここで閣僚諸公にひとつお考え願いたいと思うことは、この問題が出るたびに機構の問題ではない、人の問題が政治であると言われるのであります。今本多國務大臣が言われるように、大臣が強かつたら省内が統一できると言つておる。けれども過去の経驗から見て、大臣一人がおつても省から浮び上つて、何も仕事ができないというのが実情であります。それからまた政務次官制度なるものもあるけれども、これも浮き上つておつて、御承知のように無用の長物とも言われるところの存在になつておるのであります。あの明治憲法のごときも、あの憲法は私どもまことに理想的な憲法である、含みの多い、どういうようにも解釈できる憲法、人によつては、あの憲法はほんとうに民主的に活用できる最も理想的な憲法であると思つておつたけれども、御承知のように人が惡かつたので、ああいうような憲法になつて今日の憲法にかわつてしまつた。でありますから、運営のいかん、人のいかんによつてどうこうという論議は、法治國におきましては全然問題にならない。まず機構から、制度から民主的にしなければならない。そしてほんとうの政党政治を確立し、官僚勢力を打破するように向わなければならぬというように思つておるのであります。幾ら政治の力が強くても、大臣一人では思うような仕事はできないのでありまして、大臣は常に浮き上つておる。各省政務次官も無用の長物視されて、何ら省内に対する権威がない。政務官になつたものが、異口同音に発する歎声は、せめて人事権の一片でも持つことができたならば、省内に対してわれわれの政治力を非常に滲透さすことができる。ほんとうに官僚政治を政治家の政治とすることができるというふうに言つておるのを聞くのであります。私も大藏省の参與官をちよつとやつたけれども何のことかわからない。これは公知の事実なんでありますから、とにかく一たび獲得した國会議員の権限と言いますか、もしくは民権の勝利の一つの現われと言いますか、そういうものを一片の官僚の反撃、逆襲で奪回されたのでは、とうていわれわれの期待する理想的な民主政治はできないと思う。そういう意味において私も一つの案を持つておるのでありまして、これは党においても大体決定しておる案でありまするが、参議院の方の第二國会における修正は、ちよつと行過ぎだつたと思うのでありまして、小澤國務大臣も両院協議会に出席されてその中心となつて協議を進められたけれども、とにかく閉会までにあと二、三十分しかないというので、参議院の修正が昔のような保守的な貴族院的な、反動的な修正でなくして、もつと急進的な官僚政治の抑圧と言いますか、打破に最も貢献するような修正の方針でありましたから、少しく私どもとしても行過ぎだつたと思うけれども、それを容認したような次第でありまするが、その参議院の行過ぎに対しては、われわれまた考慮するのにやぶさかならないものでありまするから、そういう点において、私どもはすでにほとんど決定している党議に基いて、必ずそれは他党の方々の共鳴を得、賛成を得ることだと存ずるのであります。質問はこの程度に打切つて、他の機会においてこの点に対する見解なり、修正動議なりを提出したいと思います。
○木村(榮)委員 ちよつと今の高橋委員の質問に関連しているからお尋ねしておきたいのですが、第十七條の改正の問題で、前には「次官は、大臣を助け、政策及び企画に参画し、省務を整理し、大臣不在の場合その職務を代行する。」こういうことになつておつた。今度のは「省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する。」これだけでございますので、今度の改正の要点は、次官はただ單なる事務的な次官だ、こういう建前からああかわつたのであつて、前にこれはずいぶん問題になつて、今の職務を代行するというようなことは一体どういうことか。大臣がおらぬときには、閣議にも出て來て堂々と意見を述べてやる。そのときに、帰つて來て今の方針はどうも反対だつたということになる。不在だつたらさしつかえない。大臣がおらない、不在ということは一体どういうことかという問題がある。大阪の方へ出張してこれも不在、病氣で休んでおつたときも不在、院内におつたけれども閣議に出なかつた場合も不在だつということになれば、この限界というものはあいまいだ。この大臣不在という場合に非常に問題がある。これは理論の焦点で、最後まで結局あまり結論が出なかつたけれども、行政の簡素化ということで強行突破されたわけです。——これはもちろん民自党内閣のときではないのですが、とにかくこういつたようにかえられたのは、今度の内閣においていろいろ根拠があつてかえられただろうと思うのです。これは全然一部改正というものではなくて、根本的に性格がかわつて來ると思うのです。もちろん問題は、私が最初に申し上げましたように、この書き方は省務を整理とあるのであつて——省務を整理という言葉は前にもございますけれども、結局前の一番大きな問題は、大臣不在の場合はその職務を代行するというので、省務などというのは言葉のあやで書いてあるというふうなものだと思う。今度はこの点がなくなつているから、ただあとの事務的なことをやる次官、こう解釈してさしつかえないわけですね。
○小澤國務大臣 その通りだと思います。
○高橋(英)委員 木村君のただいまの発言は、ちよつと事実を誇張しておられはしないかと思うのです。なるほど木村君は、今の大臣不在の場合の代行には、最後までこれは疑問がある。それは結局、あなたの言われたのは内閣法第十條「主任の國務大臣に事故のあるとき、又は主任の國務大臣が欠けたときは、内閣総理大臣又はその指定する國務大臣が、臨時に、その主任の國務大臣の職務を行う。」ということになつて、臨時に國務大臣を指定することになつておりますから、その間の区別はどうかというふうなことが問題になつておつたけれども、これはほかの人はだれも言わない。頭のいい木村君だけが言われておつたので、そう大して問題になつていない。その点が非常に委員会で議論になつたというふうに言われるのは、木村君だけの主張だつたので、大した問題ではないと思います。たとえば私どもは、副大臣という俗称による行政組織法における特別職の次官は、議長と副議長との関係を考えればいいと思います。これはいろいろ違つた面もありまするけれども、要するに議長と副議長であつて、人によつては、あるいはあつてもなくてもいいような知事と副知事の問題のようなものでありますから、この点について大臣不在の場合に代決するところの、いわゆる俗称副大臣的な性格を御判断願いたいと思うのであります。この知事、副知事の場合や、議長と副議長の場合と違つて、官僚陣営へたつた一人大臣が乘込んで行くよりか、もしくは副大臣なり特別職の次官が付添つて行つておつた方が、より政治力を浸透するためにいいか惡いかという問題になつて來ると、私どもは信じております。大臣一人では浮上つてしまつておるという從來の定説に、政務次官の性格も何とかしてかえて、國会との緊密な連絡、政策の浸透をはからなければならないという民主主義確立の根本問題こそは、この次官を特別職にするかしないかということにかかつて來ると私どもは信じているのであります。どうぞそういう觀点から、ひとつ御研究願いたい。
○齋藤委員長 ほかに御質疑がなければ、本日はこの程度で散会したいと思いますが、どうですか。
○齋藤委員長 それでは本日はこの程度にいたします。なお明日は午後一時三十分から地方行政委員会との連合審査会を開きます。午前中は先ほどお話いたしましたように、委員長及び理事で関係方面と何か話合いしなければならないそうでありますから、午前はやめて、午後一時半から開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十七分散会