内閣委員会 第7号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/04/11
会議録
○齋藤委員長 これから会議を開きます。 本日の議題は経済調査廳の業務実績に関する経過報告聽取の件及び新聞出版用紙割当事務廳の業務実績に関する経過報告聽取の件であります。まず経済調査廳の業務実績に関する経過報告の件を議題に供します。 木村榮君から質問の通告がありますからこれを許します。
○木村(榮)委員 この前ちよつとお尋ねしたのですが、今日は経済調査廳の偉い方が來ておられますから質問してみたと思います。 今年の方針のところで「経済違反事件の調査に関連して発見した惡質業者の大口脱税行為については、主務当局への通告を励行し、徴税増加について積極的に協力するとともに、惡質業者等に対する行政処分の発動を実施せしむる。」こういうことがございますが、これは大体経済調査廳でどういう目的に基いておやりになるのですか、その点を御説明願いたいと思います。
○國塩政府委員 経済調査廳の仕務は、御承知のように統制経済の励行を確保して、經済秩序を維持して行くことにあるのであります。從いましてこの主たる仕務は、経済統制規則が励行せられるように、國民がこの規則あるいは諸般の制度によつて、経済活動を間違なくやるように指導して行くのが第一の仕務でありますが、その間におきまして、政府の指導にどうしても從わない者に対しましては、これを告発しなければならないということになつておるのであります。しかしてその場合におきましては、惡質な大きな違反者を対象として告発するという方針をとつておるのであります。そうした違反を発見し、告発した場合におきましては、經済統制違反に関連して、種々の法規の違反が発見されることがあるのであります。あるいはその間窃盗、強盗というような犯罪も伴つていることもありましようし、また詐欺というような犯罪も伴つていることもありましよう。そういう場合におきましては、こうした犯罪はそれぞれ檢察廳あるいは警察の方へ連絡しなければならないのであります。また脱税についても同樣でありまして、経済違反に関連して脱税行為があるという場合におきましては、同じくこれは関係官廳の方に通告する。こういうことになつておるのであります。そうしてまた業態いかんによりましては行政処分を必要とするものもある。たとえば許可認可を必要とする事業でありまして、惡質な違反行為があつた場合は、許可認可を取消し、または停止するという制度が設けられておるのもあるのであります。そうした場合におきましてはその行政処分をなす権限を有する官廳に違反を通告、連絡する。そうしてその官廳の判断によりまして必要と認める場合は行政処分を行う。こういう仕事があるのであります。それをここに記載しておるわけであります。
○木村(榮)委員 ただいまの答弁によると、経済調査廳というものは何でもやるものだから、脱税であろうが、強盗であろうが、殺人であろうが、それはもちろんやる。これは現行犯の場合は、一般の人民にしてもどんどんやつておることなのですから、さしつかえないと思います。しかしながら少くとも経済調査廳の大きな方針として、徴税増加について、積極的に協力して脱税を防ぐということは、これは経済調査廳の法律には書いてないと思うのです。経済統制、経済の監査、その他経済法に関する違反の摘発ということは書いてあるが、税務署に協力して脱税を捕捉しようということは書いてない。関連はあるでしようけれども——協力して行政監査という面の問題を持つて來た場合には、行政機関の行うようなことも、経済調査廳としては管理する権限を持つておるわけなんですから、そうすればただに脱税の方たけやつて、税務署が不当なる税金をおつかぶせて、そうして業者がやつて行けないということに対しては、一方的にほおかむりしておる。ただ脱税や徴税増加ということに対してのみ協力して、税務署がやつておることを何ら問題にしないことは片手落ちで、目的に沿わないと考えますが、そういう点はどういうふうにお考えでしようか。
○國塩政府委員 経済違反事件を取扱うのでありまして、その経済違反事件の取調の過程において、いろいろ他の方の違反を発見した場合においては、これは各官廳の申合せで連絡をするということになつておるので、連絡をするのであります。むろん脱税行為そのものを摘発するのは税務署あるいは警察署の権限であります。われわれの方としてはその連絡をするという仕務をとるにすぎないのであります。税務署そのものが、不当な課税をいたしておるという場合におきましては、これはただいま木村委員の御質疑のように、われわれの調査廳の権限の中には、それを監査する権限は與えられておらない。從つて経済調査廳としては、もしさような場合においては、非公式に連絡するということは、あるいは可能かと思い、またやらなければならないかと思いますが、公の権限としてはできないことになつております。
○木村(榮)委員 大体わかりましたが、この今年度の方針というのを見ますと、今の経済調査廳が目的としてやつてきたことを、相当逸脱した点がたくさんあると思う。それはそれとしまして、たとえば第二のところに、指定生産資材及び指定配給物資中、左の物資についてと書いてあつて、調査の対象になるものの中に、たとえば薪炭がございます。薪炭なるものは、去年の年末に農林省では買上げをストツプした。しかも農林省の話だと十一月末現在で七億円くらいのストツクがあるという状態である。縣外移出は禁止されておる。しかも農林省の買上げが停止になつておる。しかも薪炭生産者がたくさんこしらえても賣れない、賣れなければ金にならないからやつて行けないというふうな現状が、木炭その他薪炭の生産縣においては起つてくる。こうようなものを大分御審査なさつたようでありますが、結論的にはどういう結論が得られたか、一体政府側のやり方が惡いのか、生産者がめちやくちやにこしらえて、いらぬものをたくさんこしらえたのか、そういつた現象に対してどういうふうにお考えになるか、しかも当時においては、一般薪炭は不足しておる。生産者においては余つておつても買つてもらえぬ。買つてもらえぬから金がないので横流しをやればすぐとつつかまる、こういうことはどこに責任があるか、どういうようにお考えになるか伺いたいと思います。
○木村(武)政府委員 御指摘の点は私ども調査をいたしまして、まだこれは中間的な結論を見ただけでお手元に差上げておらぬのでありまするけれども、林野当局に対しましては監査の結果を送つておるのであります。その結論といたしましては、御指摘の通りに薪炭特別会計が一手買取り制度をやつておりながら、資金繰りの都合ということではあるけれども、買いどめをした措置は妥当でないのじやないかと思います。緊急にその対策を講ずる必要がある。こういうことであるのでありまして、その結果、会計檢査院の方でも、結局薪炭特別会計の資金の、特別会計としての操作面が、あまりうまく行つていないのじやないかということで、現地調査を開始し、そのストツクがあまり多過ぎてさばき切れていないという状況はどこに原因があるか、こういうふうなことを調べておるわけであります。ただ実は長野縣にただいま会計檢査院が大挙出動いたしまして、いろいろ檢査をいたしておられるようでありますが、非常に買上げ場所がたくさんでありますので、長野縣だけを調べるのでも、たしか四十日ばかりかかる、こういうふうな状況になつております。御指摘のような点につきましては、さつそく関係当局の注意を喚起いたしまして善処を促しておる。こういう状況であります。
○木村(榮)委員 まだたくさんございますけれども、今日は他の方から御質問があると思いますから、あとは保留いたします。 ただ一つちようど今日は用紙割当廳の方から成田さんが來ていらしやるから関連事項として質問いたしたいのは、用紙割当の状況、これも一つの大きな経済統制の一環をなすものだと思うのです。最近新聞紙上などでは、ずいぶん横流れというようなことが報導されております。用紙割当廳の運営並びに現にやつている用紙割当の内容、そういつたものは、経済調査廳として行政監査に関連している大きな問題だと思うのです。相当な御意見があるのは当然であると思いますが、監査されたかされないか、あるいはされたならばその結果において、どういう結論が現われたか、それを承りたいと思います。
○木村(武)政府委員 お手元に経済行政監査実績報告というものを差上げておいたのでありますが、私どもの限られた陣容で当面の國民生活確保、あるいは経済復興の指定生産物資、こういうふうな基礎的な物資について、逐次重点的に監査をやつているわけであります。そこでただいまお話の紙につきましては、お話のような点がいろいろあるということは聞いておりますが、ただいまのところは手がまわりかねているのであります。紙につきましては若干金融面その他の関係からいつても、少し緩和しておるというようなことではありますが、今すぐに紙の方にというわけにもなかなか行きかねるというようなことから、手がついてないというような情勢でございます。もし緊急にその調査をやる方がよかろうという御意見でございますならば、緊急に着手してその結果について御連絡いたします。
○木村(榮)委員 そこで最初の問題に帰つて來ますが、大体経済調査廳が、当初法案が出てわれわれが審議したときとは、相当逸脱した目的外のことに、二月から入つておると申しますか、かんじんのことをやつておらない。だからそういう結果になる。たとえば木炭の問題についても、新聞用紙割当のことについても、そういつたことが一向できていない。それで今までのような答弁になると思います。特に新聞用紙割当廳については、この附則に書いてある通り、用紙割当に対してそれを國会で審議して、存続せしめるかどうかということまで議決を経なかつたならば、存続できないという官廳である。こういつた大きな統制的なことを扱つておるのですから、経済調査廳はこういつた調査内容に対して、もつと積極的にやらなければならぬと思う。当時、経済調査廳をこしらえるときにも、いつまでもこういう経済調査廳というものがあつて、これの仕事があるようなことでは日本の経済には困る。アルバーという向うの係の人も、君たちはそういうことを早くなくすることの一つの手段として、これを積極的にやつてくれというような話も聞いておるわけです。そういつたことから考えても、もしそういつたことを調査していただかないと、とにかくこれを見ると、國民全部経済違反の犯人ばかりおるから、片はしから檢挙して行くということになつて、当初私が心配したような経済Gメン的なやり方しかやつてない。だから当時の野党派の民主自由党——今の政府党の方も、当時は野党派であつたから、こういつたものに対しては大反対をされた。今國務大臣になつていらつしやる樋貝さんあたり、この反対の急先鋒で、いわゆる法学的な立場から、なかなかしつかりした意見を述べられたと私は記憶しておるわけであります。そういつた立場から考えても、今のようなやり方では困ると思います。しかしながら私だけが言つておつても、他の方の意見もあるのでぐあいが惡いから、これでやめて、あとは後日に讓ります。 —————————————
○齋藤委員長 次に新聞出版用紙割当事務廳の業務実績に関する経過報告聽取の件を議題といたします。まず政府委員から説明を求めます。
○成田政府委員 ただいま委員長のお示しの議題について、新聞出版用紙割当事務廳の長官として御説明申し上げます。 お手もとに新聞出版用紙割当機構についてという資料を差上げてあります。実績に関する資料は、実は明日文部委員会の方に重点を置いて御報告申し上げることにいたしましたので、資料は今日間に合いませんが、大体の経過を御報告いたします。 まず第一に新聞出版用紙割当の現在の機構を大体御説明申し上げた方が、御参考になるのではないかと思うのであります。新聞出版用紙割当事務廳と申します役所は、昨年八月、第二國会を通過しました新聞用紙割当事務廳設置法というものができましたので、その前の事務局が事務廳になつたのであります。別に事務廳には、新聞出版用紙割当審議会が置かれておるのであります。この事務廳と審議会との権限関係ということを、ちよつとよそと変つておりますから、御説明申し上げます。割当事務廳と申しますものは、これは臨時物資需給調整法に基くいわゆる紙の割当の主務官廳であります。この役所におきまして、新聞出版用紙の割当の申請書を受けつけまして、割当の原案を作成する。そうしてその案を新聞出版用紙割当審議会にかけるのであります。この割当審議会は、事務廳に置かれておる審議会でありますけれども、割当の原案であるとか、あるいは用紙の割当に関する政策、基準、手続というようなものを決定する権限を持つておるのであります。事務廳からこの審議会に提出しました割当案、原則、基準等を審議会が決定しまして、審議会の決定しましたものに基いて、事務廳が割当切符を発行する。あるいは発行した切符に基いて、受取りました用紙の適正消費を監督するというような仕組になつておるのであります。そうして國務大臣の一人が、総理大臣の委任を受けて、その事務廳と審議会とを管理するということになつておるわけであります。國務大臣は審議会の決定事項について納得が行かないことがあるときには、審議会の再審査を求めることができるのであります。審議会は再審査はいたしますけれども、決定権は審議会側にある。國務大臣も審議会の決定権をくつがえすわけには行かないことになつておるのであります。 そこで割当機構、事務局と審議会の関係において、しばしば問題となる点は、ただいま申し上げましたように、重要事項の審議決定権は審議会の方にある。事務廳は割当の主務官廳でありますけれども、割当に関する重要事項、またその具体的な割当は、審議会の決定したものに從つてこれを決定しなければならぬ。こういうことになつておるわけであります。それから審議会は事務廳に置かれておるのではありますが、普通の調査あるいは諮問的の機関でないのでありまして、決定権を持つたものであります。主務官廳たる事務廳あるいは監督権たる國務大臣も、審議会の決定をくつがえすだけの権限はないわけであります。 それでは審議会の委員はどういうふうに選んでおるかと申しますと、最初は別といたしまして、毎年半年ごとに三分の一ずつの委員が交代するのでありますけれども、この交代のときも、新しい委員の候補者は、審議会の委員長が選定いたしまして、審議会自身がこれを選挙する。こういうことになつておりますから、候補者を立てることも、選任することも、審議会自身が結局やることになつておるのであります。從いまして審議会の構成自身につきましても、政府は発言権がない。ただ特別にぐあいの悪いような候補者が出て参りましたようなときには、國務大臣がそれに故障を申し立てることができるというようになつておりますけれども、さようなごく消極的な條項以外は、審議会の構成自身に、政府側は積極的な発言権を持つていないわけであります。それからまた審議会の決定することについても先ほど來申した通りに、これをくつがえす権限はないというわけであります。それにもかかわらず審議会の決定事項につきましては、政府は責任をとる、こういうことになつておるわけであります。この点が用紙の割当等について、ほかのこの種の機構と非常に違う点とされておるのであります。これはまた数年來のいろいろないきさつがありまして、また総司令部の方の意見なども入りまして、このような機構ができ上つておるということになつております。今回の行政機構改革におきましては、政府の決定案は割当事務廳を内閣の内局である割当事務廳——名称は割当局となるかもしれませんが、内閣の内局といたしまして割当局、それから別に総理府の内局として割当局を置く。別に総理府に割当審議会を置くということになるであろうと思つております。そうしてその割当局と審議会との関係は、現在の関係をそのまま移す、こういうようなことになると思います。 次に割当事務廳が二十三年度一年の間に行いました主な事業経過を御報告申し上げます。新聞出版用紙を含めました洋紙——洋紙の生産が、わが國において最も多かつた年でありまする昭和十五年度におきましては、洋紙の総生産量は二十一億二千百万ポンドということになつておるのであります。昭和十五年におきまして総額二十一億二千百万ポンド、同じ年に新聞が使いました新聞巻取紙の量は、五億六千八百万ポンド、その年に出版関係に消費されました紙の量は二億三百万ポンド、これと比較しまして、この二十二年度、二十三年度の数字を申し上げますると、昭和二十二年度におきましては、洋紙の総生産量は四億九千四百万ポンドであります。すなわち昭和十五年度の四分の一ないし五分の一ということになるわけであります。二十二年度の洋紙の総生産量四億九千四百万ポンド、このうち新聞のために消費されましたものは、一億八千九百万ポンド、また出版関係に用いられました紙は二千八百万ポンド、また二十三年度におきましては、洋紙の総生産量は五億七千四百万ポンドでありまして、そのうち新聞に消費されましたのは二億一千万ポンド、出版に用いられましたのが三千八百七十万ポンドであります。二十四年度に入りまして、すなわち今年度の新聞出版用紙の生産見込みはどうかと申しますと、これは商工省の方から申し上げることでありますようけれども、大体見通しは非常にいいのでありまして、よほどその量がふえて來るのではないかと思われておるのであります。しかし総量がふえるのがただちに新聞出版の方にまわされるとは限らないのでありまして、たとえば今年は相当量が輸出の方に振向けられることになつております。また從來非常に不足でありました教科書でありますとか、学習用の用紙という方に、ある程度振向けられなければならないのであります。しかしそれにもかかわりませず、新聞出版関係の用紙も多少はふえるのではないか、こういうように見ております。 次に二十三年度内において新聞関係の用紙の割当はどういうぐあいかと申しますと、現に割当廳で用紙の割当をいたしております新聞社の数は、総数で三百七十三社ございます。それに対して月平均一千九百四十万ポンドの紙を割当てておるわけであります。この三百七十三の新聞社の中には日刊新聞もございますし、非日刊の新聞もあるわけでありまして、日刊新聞の中には、大きいのは三百五十万部から、小さいのは一万部以下まで及んでおるわけであります。 それから昨年度中に行いましたおもな新規割当に類するものを申し上げますと、まず第一に昨年の八月以降、一般日刊紙に対しまして、一週間一回四ページ版を発行するだけの紙の量を新たに割当てたのであります。これは一箇月約二百二十万ポンドを必要といたします。一般日刊紙はこれによりまして、一週間一回だけ四ページの新聞を発行しているということは御存じの通りであります。もつとも十万部以下の新聞はこの分に当てられた紙を四ページを出しませんで、部数をふやす方に使つてもいい、こういうことになつているのでありまして、十万部以下の新聞のあるものは部数をふやすのに現に使つております。 次に昭和二十三年度九月以降学生新聞の割当というものをいたしました。これは学生数、千名以上の大学あるいは高等專門学校の学生新聞に対しまして紙を割当てたのであります。これは量といたしましてはごくわずかでありまして、新たにつけ加えました紙は五千ポンドでありますが、これに今まで割当を受けておりました各大学、專門学校の紙を一應留保して、これをプールいたしまして、月一万四千二百ポンドということにいたしまして、これを申請のあつた現在で約三十六校の学生新聞というものに割当てておるのであります。 次に昨年の十一月全國にわたつて新聞の轉読希望の申込みを受付けたのであります。これは新聞用紙の割当を、読者の希望に應じて、読者の購読希望が多い新聞社に対しましては紙をふやす、読者の購読希望の少い新聞社に対しましては紙を減らすという方針で、読者の希望を募つたわけであります。全國から六十五万近い轉読の申込みがあつたわけであります。この購読調整の試みにつきましては、新聞社の間に非常に猛烈な競爭が行われまして、種々不正なこともあつたわけであります。監査を非常に嚴重に行いました結果、六十五万近い申込みのうちから二十五万程度の申込みを有効なものといたしまして、あとは全部不正競爭に基くものとして無効にいたしました。二十五万程度の申込みに対して、希望の新聞紙の購読ができるようにとりはからつたわけであります。しかしこの制度は、新たに紙を割当てたのではございませんで、今まで出ておりまする新聞を轉読するだけの申込みでありますから、一方においてふえましたところは他方において減つておるわけであります。從いましてこのためには新しい用紙を必要としなかつたわけであります。次に二十三年十一月から北海道、及び九州の炭坑地の新聞八社に対しまして、炭坑天の増産意欲を鼓吹するために、その土地の新聞社に、特に石炭版というものを編集してもらいまして、それを炭坑地に配るという目的をもちまして、炭坑版用の紙を若干割当てたのであります。そのために新たに使いました紙は約十万ポンドであります。次に昭和二十四年二月以降、労働組合の機関紙に対して紙を割当てたのであります。これも学生新聞に対すると同じ方法でありまして、從來若干の労働組合の機関紙、あるいは機関雜誌に用紙の割当があつたのでありますが、これを一應留保いたしまして、それに新たに十六万ポンドの紙をつけ加えまして、総量月額二十二万五千ポンドといたしまして、それを新たに申請する労働組合に対しまして、その組合員数に應じて割当てたのであります。
○池田(正)委員 労組だけですか。
○成田政府委員 そうです。さつきの十五万はこれは今年の二月から実施しておりますが、現在で約二十二万五千ポンドの中で、七割四分程度の紙をすでに割当てております。次に昭和二十四年の三月に政党用の機関紙の用紙の割当てをいたすことになつたのであります。これにつきましてはまだ実は結論が出ておりませんので、委員会においてせつかく研究しておる最中であります。 次に出版関係の用紙割当の事情を申し上げますと、昭和二十三年度中に用紙を割当てた書籍は初版約二万点であります。また重版が六千点、雜誌が千七百種類ございました。その用紙量は書籍のために二千二百八十万ポンド、雜誌が千五百九十万ポンド、合計三千八百七十万ポンド、こういうことになるわけであります。雜誌は大体におきまして一番割当の多いものが、月八万部くらい、少いものは五百くらいのものもございますが、この最高八万部、最低五百部くらいの間におきまして、三箇月ごとにその雜誌の発行状況、編集内容等を檢討いたしまして、良否に從つて割当を増減しておるわけであります。ただ雜誌界は最近の業界の不振に基いて相当経営が困難になつておりまして、休刊したり、廃刊したりするものも多くなつて参りましたので、また賣行きが非常におもわしくありませんので、返品が非常に多いのであります。この返品が多いために用紙が非常にむだに使われておるのではないか、そういう賣れもしない雜誌を多部数印刷いたしまして、配給会社の倉庫には山のように返品があるということが最近問題になつておるのでありまして、その用紙のむだのないように、いかに割当てるべきかということを委員会におきましても、事務廳におきましてもせつかく研究中であります。書籍は大体初版の方は一期三箇月ごとに五千種くらいございますが、それも多いのは普通の書籍で三千部、それから少いものは五百部くらいの割当を行うわけであります。以上が大体昨二十三年度中に行いました割当の実績でございます。説明の概略はこれをもつて終りまして、あとは何か御質問がございましたらお答えすることにいたします。
○齋藤委員長 経済調査廳から今配付した資料について説明を求めたいと思いますが、別に御異議ありませぬか。
○池田(正)委員 何分くらいかかりますか、長かつたらそれは午後にしようじやありませんか。
○齋藤委員長 それではちよつと申し上げますが、今報告を聞き取りました新聞出版用紙割当事務廳の業務実績に関する経過報告と、先ほど議題となりました経済調査廳の業務実績に関する件と一括して審議をしていただきたいと思います。さよう御承知願いたいと思います。
○木村(榮)委員 ちよつと成田さんにお聞きしたいのですが、審議会の委員のメンバーはどなたですか。
○成田政府委員 先ほどの御説明中審議会と申し上げ、委員会と申し上げまして、そのことについて御説明申し上げなかつたのでありますが、割当事務廳には実は審議会というものが設置せられるはずであります。この審議会に関しまする審議会令というものが諸般の事情からまだ施行されておりませんので、現在は旧制度によりまする委員会というものを準用しておるわけでありますが、この委員会の任務は——具体的にお尋ねになるのですか。
○木村(榮)委員 いや、前の委員会のは知つております。
○成田政府委員 その委員会が現在も活動しております。
○木村(榮)委員 そうしますとこの法律は大体八月の三日から出ておるわけで、附則には今の昭和二十一年勅令五百六十六号ですが、これを廃止することになつておるのだから、実質的にはこれを廃止することになつておるわけなんで、この法律で廃止しなければならぬ建前でしよう。現にこの法律は発動しておるが、実際上この法律は使つていないということになるわけですね。
○成田政府委員 仰せの通り法律によりますと審議会が動き出さなければいかぬわけであります。政府といたしましても法律が出ます前に、審議会令というものを起草いたしまして、これを関係方面に提出しておつたわけであります。いろいろな事情からどうしてもその筋の同意が得られませんので、今日まで延び延びになつておるわけであります。國会に対してもまことに申訳ないことと思いまして、今期の國会が始まります前に、ぜひ審議会令を出したいということで督促を続けて参つたのでありますが、最近非常に審議の状況が進捗して参りまして、遠からず審議会令というものが出ることになつております。審議会令が出るまでは用紙割当規程と申します從前の制度を準用しようということに、法務廳と打合せをいたしましてやつておるわけであります。この用紙割当規程はいまだ実施になつておらぬわけであります。
○木村(榮)委員 それはおかしなことですね。去年これをこしらえるときには、待つたなしで早くやつてくれということで、野溝國務大臣が陣頭に立つて成田さんが大奮鬪してやられたわけです。当時の與党は、こういつたものは運用の面において実際やれるかやれないかわからぬような箇所があるから、これを改革して行こう。しかも言論出版集会結社の関係の分は相当憲法違反の疑いも出て來る。愼重審議でやらなければいかぬと言うのに、当時多数を頼んだ政府が、この法律でなければいかぬと言つてうむを言わせず押し切つた。與党の諸君が問答無用で押し切つた。ところが今聞けば、法律はこしらえたけれどもやつてないということになれば、どうなるのです。日本はどうなるのですか。法律はあるが法律通りやらぬというならば、法律があつてもなくても同じだ。これはないも一緒でしよう。日本の法律はこしらえて出してもやらなくてもいいということになるのですか。新聞用紙に関してはそれでさしつかえないということならば、今の割当とか何とかいうものはでたらめと認めてさしつかえないと思うがどうですか。あなたが責任者で、昨年これだけはやらなければいかぬと言つて、大いに大声叱咤された方ですが、現に実施してないというのはお話にならぬ。これは法律でやることになつておるが、間に合わぬから早く早くとやらしておいてやつてしまつたが、その法律は全然どつかに行つて、ほかのことでやつておる。こういうような不都合なことはない。これは議会で議決した法律は無効だということを表わしたことになるから、大きな責任問題だと思うが、どうお考えになるか。
○成田政府委員 まことにただいま木村委員の仰せの通り、昨年は事務廳設置法の國会の審議を非常に早急にお願いいたしまして、日程の詰つておるところを通していただいたわけであります。そのおもなる目的は、やはり旧制度によりまする委員会がはなはだ法制的根拠が不分明である。早く法律をつくつて、法律に基く審議会を制定しなければならぬというところにあつたのも、仰せの通りであります。ただこの設置法に基きまして、審議会令を制定するという手続につきましては、政府としていち早く準備をいたしましたし、その後できるだけの処置をして参つたのでありまするが、何分政府としてはちよつと手の及ばぬような事情に基いて、今日まで遷延いたして参つたのであります。決して設置法の精神を、せつかく法律をつくつていただきなから、その精神を蹂躙して、放置して顧みぬという意思はございませぬ。設置法ができましたために、割当機構全体が非常にはつきりと、しかもしつかりした根拠できまつたのでありまして、審議会令は出ておりませんけれども、旧制による委員会は新しい法律の精神に基いて仕事をしておるのであります。その点だけでも一大進歩であると私どもは考えております。
○木村(榮)委員 まああなたと法律論をやつてみてもしようがないが、どうも法律をこしらえて法律を守らぬ、精神だけはやつておるということになれば、これは法律はなくても精神はやつているということになればよいことになるわけでありますが、これではたいへんなことになる。ところで具体的な問題として、九州の毎日新聞が三箇年間に一万連を横流ししておつたという例があります。そこで去年割当事務廳設置法ができて、その後八月三日に法律として公布になつておる。そうしますと、大体この法律が半年も前から適用されなければならぬのに、その後におけるところの用紙の横流し、やみ流しは相当頻々として起つておる。この責任は一体どこにあるか。割当事務廳設置法というものがないことになると、成田さんは長官でない。法律が適用してないから長官がない。こう見てさしつかえないと思うが、長官ということになれば妙なことになる。長官は、法律は適用してないが、自分の考えでは、法律でやつている。しかしやり方は、法律はそつちのけにして前のでやつておるということになれば、用紙の横流しとかいろいろな責任は一体だれが負うのですか。これは横流しした者が負うのだ、この割当の根本になる審議会が不当な割当をしておつたと、法律的には見なければならぬ。しかしながら現にそんなものはないということになれば、一体法的根拠のないものが責任を負うのですか。その点は嚴密に言えば、成田さんは長官でないということになる。その精神はあるけれども、現実にはない、こういうことになりますれば、精神は長官で本物はないということになる。
○成田政府委員 木村委員にお答え申し上げます。先ほど言葉が足りませんところがあつたと存じますが、事務廳設置法は、精神的のみならず、実体的に存在しております。昨年の八月三日以來施行されております。ただ設置法中の審議会に関しまする部分は、審議会の細則でありまする審議会令が出ませんために、実際的に施行できないということになりましたので、設置法中の審議会に関する部分のみを旧制を準用しておる。こういう趣旨を申し上げたのであります。從いまして私は長官でありますし、また事務廳の権限の中にございます。第三條に書いてございますが、「割当てられた新聞出版用紙の供給及び消費について檢査を行い、もし正規に反する事実があると認められるときは、適当な措置を講ずること。」というこの機能は、事務廳において行つておるのであります。この機能は臨時物資需給調整法に基いておりまして、割当主務官廳が割当物資の適正消費について、檢査監督を行うことになつております。罰則もあるのであります。その職能は事務廳において十分果しております。
○木村(榮)委員 いやそれはそうですがね、新聞出版用紙割当については、これは附則で勅令は廃止になつておる。そうすると今の事務廳が持つております権限は、ここに書いてある第六條に、「新聞出版用紙の割当に関する方針、基準及び手続。個々の新聞及び出版物に対する用紙の割当。」これは審議会の議に付し、その議決に從つてやらなければ効果がないということに法律的になつておる。これは現にやつていないから、法律的に言えば使えないことは、現実の問題だと思うのです。そこであなたがさつきおつしやつた、いろいろ何か話がまとまらないと言つたようなことで、うまく行かぬということはあると思うが、多分私の想像で思うのですが、それでは少しおかしな話であつて、あなた方の個々の間柄の話ではそれで通るかもわからぬが、そういうことを法律に基いて、一々ここへ持ち出してもらつては、私たちは困る。だからその当時今の民主自由党の方々も、非常にそういう点にたくさんの疑義があるから、もう少し延ばして、そういう点も早く一應解決づけるようにしよう、だからこの法案は審議未了にしておこう。あながち反対ではないが、しかしながらたくさん研究を要する点があるから、もう少し延ばして、お互い各党寄つて——これは各党の問題でない。言論、出版、集会、結社の憲法に規定された國民の基本的権利の問題に関係する問題だから、もう少し超党派的に愼重審議してきめようじやないかということを、いくら私たちが主張いたしましても、当時野溝國務大臣を先頭とする與党の者は、うむを言わせず押切つて、今日私どもの予想したと同じことが行われておる。あの当時の速記録を見ればわかる。この責任は少くとも当的一番の関係者であつた成田長官において重大なものだと思う。あなただけを責めるわけではないが、そういつた関係もございますから、ざつくばらんに、いろいろ報告も承つて、私たちとしては対策を立てなければならぬ問題が起つて來ると思う。いつまでもあなたの責任を追究しても始まる問題ではございません。從つてこの法律自体について、割当方法とか、審議会の方法とか、その他全般的の機能の運用についても再檢討して行きたい、こう思うのです。そういう点については長官はどういうお考えを持つておりますか。
○成田政府委員 この設置法の附則で廃止しましたのは、割当事務局の臨時設置法であります。これは割当事務局の官制は当時なくなつたのでありますけれども、割当委員会は、別に用紙割当規程というものができていて、これはまだ廃止になつておりません。昨年の八月に設置法が実施になりましたときに、審議会令が同時に施行されるはずでありましたのができませんでしたので、割当規程の方は廃止の手続がとられていないのであります。と同時に審議会令が出ませんので、設置法の審議会に関する部分が施行できない。その間にあながあくということを懸念いたしまして、その法律関係についてわれわれは法務廳と相談いたしました結果、この用紙割当規程の委員会に関する部分を準用するということに、法務廳の見解を聞きまして、それに基いてやつております。
○木村(榮)委員 それは法律的にはいろいろなことが言えるでしようが、当時にさかのぼつて、あなたは当時の関係者として、そういうことがあつては困るから、この法律案はもう少し延ばしていいではないかというわれわれの意見に対しては、これでなければいかぬということを言われた。その責任はまぬかれません。法律はやはりあとから出たものが、古いものに優先します。すべて日本の今までの判例から言つても、新しいものが優先して法の対象になつて行くのは当然です。前のものは惡いから、欠点があるからこそ新しいものができるのであつて、前のがいいならば、なにも新しいものをこしらえる必要はない、惡いから改めようというので、できたものを運用しなかつたならば意味はないと思う。そういう点で長官は、そういうへりくつをやめて、確かにそういう点は間違つておつたということはお認めになつていいように思う。從つてそういう観点から、いろいろな用紙割当の問題は、大いにひとつ檢討しなければならぬということを、率直に認められても私はいいと思う。どうですかその点は。
○成田政府委員 りくつを申すわけではありませんけれども、とにかく設置法を、つまり審議会の根拠法をつくるということだけでも一大進歩であります。この根拠に基きまして審議会令をつくらなければならなかつたことはお説の通りでありまして、それが今日まで延びましたことにつきましては、ある意味におきまして不可抗力ではありますけれども、政府当局者といたしまして責任は認めます。ただ当時設置法をつくらなくてもよかつたのじやないかというお説に対しましては、当時つくつてもまだ審議会令は今日まで遅れておるような有樣でありまして、設置法をつくつておかなければ、全般がさらに遅れておつただろうということを、われわれは今でも思つておるわけであります。
○木村(榮)委員 そこで当時、あなたはお氣づきなさつていたと思いますが、当時私たちが一番問題にしたのは、こういつたものがそのときどきの勢力関係によつて利用されて、そうして不当なることをやられては困る。力の強い者が廳を利用して新聞の割当用紙をひつたくる。つまり力関係によつて、割当あるいは出版活動が阻害されることになれば、これは憲法にも違反する大きな問題だから、そういう点が運用の面において現われないように、この廳をつくるにあたつては、超党派的に檢討を加えて、そこで不当な利用をされないように、私たちも相当この問題は愼重にやろうというので何回も相談いたしました。從つて今のような状況でございますと、今のこの法律を使つて、この法によつて、たとえば現在の多数党である民自党の方が、自分の方に都合のいいことをなさるということがあるとは私は考えない。しかしながらそういうことではなくて、こういつたものをもやもやにさしておきますから、一部の官僚的な力によつて、これが運営される危險性がそのまま残つておるわけである。だからして用紙割当なんかというものは一部の力関係によつて、勝手に左右されるべきものではない。最も公平にやるのは当然のことなんですから、そういう点で当時この法案自体が持ついろいろな欠陷を指摘したわけなんです。そこでちようど私が指摘したと同じようなことが、運営しない前からもう現われるような傾向がある。今は内部的な力関係というだけではないと思いますが、そういう面が現われるのは、やはりこの法自体が妙なものだからそういうことになる。だから最も公平な割当をやるために、ひとつ再檢討してもらいたい。当時委員会の構成も非常に問題になつたので、その点をひとつ御研究くださつて、まあ内部的なこまかい問題は、文部委員会の方でございますから、向うでいろいろ追つて御説明になるだろうと思いますから、機構自体の問題を檢討して、せつかく民主自由党の内閣が行政整理をやるのだから、あるいはこういつたものも行政整理の対象になるかもしれない。だから法律で運用していないような廳が一体必要か必要でないか、これは大きな問題です。法律にのつとつてできた廳が、その法律はたな上げしておいて、ほかのことをやつておる。この廳なんていうものは必要か必要でないかという立場からも、もちろん檢討の要がある。その点を申し上げておきます。
○池田(正)委員 今木村君から指摘された点は私も同感です。しかしこれは追つてわれわれとして十分檢討した上で考えたいと思います。少し具体的な問題で、先ほど長官が読まれた数字、たとえば用紙の生産量の問題だとか、割当量、これをひとつお願いしておきます。それからもう一つお願いしておきたいのは、戰爭中の新聞社に割当てた数量、東京だけでけつこうです。それから今の木村君の話と関連して來るのですが、この委員会がすべての決定権を持つて、そうして三人ずつの欠員を委員長が推薦する。これはまつたくわけがわからないと思う。そうすると次の委員は、委員長の個人意思によつて選ばれるという形になつておるのですが、その責任は政府がとる。これについて一体あなたはどうしたらいいか、何か改革するという意図を持つておられるかどうか。その点をひとつお尋ねいたします。
○成田政府委員 池田委員の御質問にお答えいたしますが、最初の資料の点は承知いたしました。さつそくととのえましてお配りいたします。 それから委員会の構成の問題でありますが、先ほどもちよつと申し上げました通りに、委員会は最初二年前に各方面の推薦ということでできたのでありますが、できてからの半年ごとの、三分の一ずつの交替に際しましては、新しい委員の候補者は委員長が立てる。その委員長が立てた候補者について委員会が選挙してきめる。こういうことになつておるわけでありますが、委員会が自分で自分の仲間をかえて行くということなのであります。しかも候補者は委員長が立てる。こういうちよつとかわつた制度なのであります。私どもの考えといたしましては、規定に半年ごとに三分の一の交替ということが書いてありますのは、半年ごとに三分の一ずつ新しい外界の空氣を入れよう。こういう趣旨であります。しかるにその選任方法はどうであるかと申しますると、今までの委員長が候補者をきめて、それについて委員会が選ぶということでは、極端な場合を申しますると、現実にそういうことが起つたと申すのではありませんけれども、理論的に極端な場合を考えてみますと、委員長の思想なり、傾向なりと同じ人がずつと選ばれて、その類が集まるというようなことにもなりかねないような制度なのであります。これは私どもの意見といたしましては、はなはだ民主的ではない。せつかく三分の一ずつを交替するのであるならば、そのときに廣く候補者を求め、そしてそのときどきの外界の氣分を委員会に注入すべきではないか、こういうふうに考えておるのであります。現に昨年の夏設置法をつくります際には、その趣旨に基きまして、委員改選の際の候補者は、政府側が選びまして、そして政府側が立てた候補者について委員会が選挙を行う、こういう規定を立てたのであります。しかるにそれによりますと、時の政府が自分に都合のいい候補者のみを立てて、委員会に押しつけるのではないかという意味の非常な反対がありまして、政府側も撤回いたしまして、そして次には、委員長と政府側が協議して候補者を立てるという案が出たこともございますが、これもいかんということで、関係方面の部局が、この点については非常に強硬でありましたので、委員会以外から候補者を立てるということについては、なかなか実はむずかしかつた。私どももこの点は大いに主張いたしたのでありますが、結局最後に、それでは委員長が候補者を立てるけれども、それが不適当と認める場合には、政府側はその撤回を求めることができるという一項を挿入することによりまして、かろうじて委員の選任について政府の発言権を消極的ながら認めてもらつたというようなかつこうになつております。しかし今日におきましても、私どもといたしましては、委員の選任方法はきわめて非公開的であり、非民主的なものと思つております。
○池田(正)委員 ただいまの委員長選任の方法については非常に不満なのでありますが、当局者も不満だということだから、これはそれでおいて、これをどう改革するかということが残された問題かと思うのであります。これはしかしあとに讓りまして、そういう面で意見が一致したということをはつきりさしておきます。 次にこういうことを一体権限のない長官に聞いていいのかどうかわからぬけれども、割当てた用紙の横流しということについて、これは当然監督しなければならぬ問題だと思います。それと同樣に、先ほど話の中に出た雜誌や本の配給の方法ですが、これは日配が一本になつてやつております。ところがこの日配というものは、本を持つて行つても、それを配給もしないで倉庫の中へぶち込んでおくという現実の面もあるはずであります。そういう面は一体監督する意思があるのか、また監督する意思がないのか、その点を一つ伺いたい。
○成田政府委員 ただいまの御質問は、実は事務廳の権限の範囲外でございますから、御答弁はちよつとさしさわりがあるかと思いますが、割当てました紙でできました出版物の、日配を通しての配給機構については、從來も御承知の通りいろいろな問題があるわけであります。ただ日配も書籍をたくさん賣るための機関なのでありますから、割当事務廳の方で大体これはいい本である——割当事務廳の方で紙を割当てますときは、大体の基準は法律にも書いてあります通りに、その出版物の社会的有用性であるとか、文化的價値であるとか、あるいは需要があるかどうか、賣れるかどうか、あるいは文化的に價値の高いものであるかどうか、あるいは社会的に役に立つものであるか、こういう大きな標準に基いてきめるわけであります。これを配給する会社の立場になりますと、いかに社会的有用性がありましようとも、また文化的價値が高いものでありましても、実際賣れないものを一々小包にして地方の末端に配つて、またそれが帰つて來るというようなことで、送る價値がないというような考えもなり立つのではないかと思うのでありまして、從いまして立場が違います関係上、割当事務廳がたくさん紙を割当てた出版物を、日配の方で必ずしも同じ比例で重要視する、あるいは軽視するということにはならないのであります。そこでまた多少の食い違いが出て來るのではないかと思つております。
○池田(正)委員 それから今の主として出版関係の割当を決定するときに、出版協会との関係はどうなつていますか、出版協会が原案を作成して委員会に押しつけて來る。あるいは個人的なつながりにおいてやつておるとか、そういう権限があるのか。現実にそういつたことをやつておるということを、われわれは見たり聞いたりしておるのですが、その点をお伺いいたします。
○成田政府委員 昨年の夏までは、新聞につきましては新聞協会、出版物につきましては出版協会が割当原案を作成いたしまして、事務廳がつくりました原案と同じ價値において見たのであります。委員会が両方の原案を比較檢討しながら決定をするというような形をとつておるのであります。御承知の通り昨年の第二國会におきまして、事業者團体法というものができまして、民間の業者團体が物資の割当の原案をつくることは禁止されておるのであります。その結果といたしまして出版協会は現在におきましては割当原案は出さないことになつております。原案としては出しませんけれども、いろいろ委員会の方で意見を聞くことは事実ございますが、昨年の夏以前におきまする意味の原案は、今日では出しておらないわけであります。
○池田(正)委員 今もなおかつ意見を徴しているということですが、出版協会と自由出版協会と両方から取つておりますか。
○成田政府委員 これは出版協会だけであります。これはその以前に原案を出しておつたのも出版協会だけでありました関係で、その後も続いているということになつております。
○池田(正)委員 それはどうもおかしなことで、前のことは別として、今もなおかつ参考意見として資料を集める程度にやつているのだと思いますが、もしそうだとすれば、自由出版協会からも取るのが私は妥当だと思います。これは御注告を申し上げておきます。それからこの間私も行つたわけですが、例の政党に割当てる紙の問題であります。今政党に割当てる紙が二十万ポンドだということをこの間お聞きしたのですけれども、その通りとすれば、労組が二十二万ポンド、炭鉱が十万ポンドということに比して、政党に割当てる二十万ポンドというのは、余りにも少いではないかと考えられるのですが、この二十万ポンドというのは、どこからどういうふうに割出した数字であるか伺いたい。
○成田政府委員 ただいまの御質問の通りと思いますが、労働組合あるいは炭鉱等と比較して、政党の機関紙に割当てる紙の比重が軽いのではないか、どこから二十万ポンドという数字を割出したかという仰せでありますが、労働組合は御承知の通り、わが國の組織労働者五百五十万ないし五百七十万と言われているのでありまして、それに対する割当という意味で、割合に多く取つたのではないかと思うのであります。紙の割当は、そのときどきの、実は用紙の需給状況で伸縮がいろいろございますので、政党用二十万ポンドというのは少いという仰せでございますけれども、これは現在におきまする紙の余裕というような点からいたしまして、まあぎりぎりのところだというふうに御了承を願いたいと思います。
○池田(正)委員 それでは私は希望だけ申し上げておきます。二十万ポンドときめられた、これがふやすことができないとすればやむを得ませんが、これの割当については、よほど注意をしてもらわないと、たとえば実績中心で行くのか、あるいは政党の議員数で行くのか、あるいは得票数で行くのか、相当これは問題だと思います。そこで私は今ここで考えたことは、労組との関係、労組というものはある意味において政党とほとんどダブつておる。そういう面もあるし、これは十分にお考えを願わないと相当の問題になると思います。そこで今までのあの委員会の扱い方は実績主義で來ておるようですが、その実績というものは非常に当てにならぬ実績です。というのはつまらぬ地方の新聞でも、手まわしよくやつたやつは紙の割当をもらつておる。手遅れしたやつは東京のどんないい新聞でも割当をもらえない。地方の町の二流三流のつまらぬ新聞でも割当をもらつている。そういう実情があります。まして政党の関係を持ち出してははなはだ恐縮ですけれども、たとえば民自党のように急に大きくなつた政党は、これは相当必要な面が出て來る。これがまた小さくなれば減るのが当然であつて、私個人の意見ですが、そういうような面も勘案して、十分公正妥当な割当の決定に導くように、当局としても考えていただきたい。希望意見を申し上げて私の質問を打切ります。
○木村(榮)委員 簡單に一つだけ今のに関連してお伺いいたします。政党機関紙の問題ですが、大体今あなた方の方では、政党機関紙はないと見ておられるが、政党機関紙はとてもあると思います。いなかなんかに行けば、私のいなかでも島根新聞というのは民主党の機関紙です。これははつきりしておる。そういうふうにちやんと保守政党は機関紙を持つております。たとえば民主自由党は読賣新聞、これはほとんど機関紙のようなかつこうになつておる。そういうふうにちやんとあるのです。アメリカなんかにおいては、六十何パーセントが機関紙だと言われておる。しかも割当の実績は、この前も問題になつたように、戰爭前と同じように、毎日新聞でも、朝日新聞でも、満州、朝鮮などに出したときと同じような割当を出しておる。今そういうところには日本の新聞は一部も行つていない。そうしてその他の民主的なものの割当については、減紙々々でやつておる。そのために法律も無視してどんどんやつておる。こんなことはいわゆる言論を圧迫する憲法違反だと思う。從つてさつきの説明によれは、二十四年度は相当生産高が増加して輸出に向ける方針らしいが、輸出なさるなら、新聞用紙などは國内に余つておつて、これは十分だということになつて輸出する。輸出なさるくらいならこんなものは統制を撤廃する。商工省関係で、マル公ならマル公という、價格面では、ある程度やる必要があるが、割当などやるべきではない。これは文化的なものであるとか、いいとか惡いとかは、一部の委員会の五人や十人の頭で決定するものでなく、惡いものは人は買いません。人民大衆自身がいい惡いを判別する。それをかつてに、これはいい、これは惡いということを選別する。人の言論を圧迫して憲法違反だ。從つて今日輸出するような條件になれば、こんなものは急速に大機構改革をやつて、あるいは今のような統制方法を撤廃するのが、一番いいと思いますが、それに対して長官はどのような御意見を持つておられますか。
○成田政府委員 池田委員また木村委員の御意見もございましたが、委員会及び事務局におきましても、その点を十分考慮いたしまして、政党の機関紙の用紙割当については、愼重にやつておるつもりでございます。ただ池田委員から、組合機関紙がある程度政党機関紙的色彩があるというようなお話がありまして、また木村委員から、ある新聞はある政党の独自の機関紙の役割を勤めておるというようなお話がありましたが、一般日刊新聞がどの政党に利用されましようとも、それは全然別なことでございまして、今度計画しております政党用機関紙というのは、純粹の政党の政策、綱領、あるいはそのときどきの資料を党員に連絡したり、あるいは一般國民に対する宣傳、啓発用に使うというような、いわゆる機関紙と銘打つた新聞の、ごく限られた狹い意味の機関紙ということになつておるわけであります。
○木村(榮)委員 從つてそこで問題です。一方では商業新聞だからと言うて今までの実績で割当をやつて、そうしてやみ流しがどんどん出るようなことをやつておる。そうして、一方政党だからというので、特定のものだから、実績に應じて云々ということで、鼻くそほど割当てる。ここに間違いのもとがある。だから根本的に檢討し直さねばならぬ。一方にやみ流しをやらしておいて、一方には紙がないからというて割当を鼻くそほどやる。これではいかぬ。それに輸出もやる。これでは日本はまるで憲法がなくなつて——出版が保障されても紙がなければ出版はできません。紙の問題は出版活動の問題と——これは憲法の問題です。だからよほど愼重にやらなければいかぬと思う。このように法律などを無視してやつておる。こういうでたらめなことでは、最高裁判所に訴えたら一体どうなるか、たいへんな問題になります。責任の所在は明らかにしなければならぬと思う。從つてこういうでたらめは困る。長官は相当責任を感じて今度はうまくやられないと、行政整理がたいへんなことになつて、こういうものは早く首にしてしまわなければならぬということになります。
○齋藤委員長 それでは質問は次に継続することにして、本日はこの程度にしたいと思いますが……。
○坂本(泰)委員 長官は政党の割当については早急にきめるおつもりですか。
○成田政府委員 近々やるつもりであります。
○坂本(泰)委員 その前にこの委員会を開いてもらいたいと思います。社会党としては、この割当については非常に不満があるし、質問しなければならぬ点がありますから、その意味で、続行するなら早いところでお願いしたいと思います。
○齋藤委員長 それでは、時間もないので、本日はこれにて散会いたしますが、あとの議題とそれから委員会の日取りは、理事の方でひとつ御相談を願いたいと思います。 午後零時二十一分散会