逓信委員会 第11号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/05/09
会議録
○辻委員長 これより会議を開きます。 簡易生命保険法案及び郵便年金法案を一括議題として討論に入ります。松本善壽君
○松本(善)委員 私は民主自由党を代表いたしまして、本簡易生命保険法案及び郵便年金法案に対し、賛成の意を表するものであります。 簡易生命保険及び郵便年金の両事業は、創始以来、幾多の難関に逢着しながらも、きわめて順調な発展を遂げ、現在簡易保険は契約件数九千一百万件、保険金額千四百四十二億円、郵便年金は契約件数百八十余万件、年金額三億九千万円を算している事実は、両事業がいかに國民大衆の福祉増進と、生活安定に寄與しつつあるかを、如実に物語るものであります。しかるに両事業に関する現行の法令は、旧憲法の法体系に属しておりますがゆえに、幾多の点において昭和憲法の要請に沿わない点があるのであります。今回提出の法案は、新たに両事業の基礎法を制定するものでありまして、全面的に從來の欠陥を補うとともに、さらに新情勢に適應した進歩改善の跡を示しておるのでありまして、さきに制定を見ました郵便及び為替貯金等に関する法律と合せて、郵政事業関係の法令は、ここにほぼ整備の完結を見たものと思うのであります。両法案の内容も、本委員会における審議の経過に照しましても、おおむね適当でありまして、特に修正を要する点もないと考えるものでありますが、特に今回の制定を機として行われた保険金及び郵便年金額の最高限の引上げは、國民一般に対して両事業の効用を一段と高めます半面、事業経営の基礎を強固ならしむるものでありまして、きわめて適切な措置と思われるものであります。ただ一言いたしたいのは、保険、年金積立金の運用が、現在両事業の経営主体の手によつて行われていない事実であります。このことは別途の要請から來たものではありますけれども、両事業本来の形から言つても、両法案の建前から言つても、なるべくすみやかにこれを本然の姿に返すべきが望ましいことであり、かつそれが両法案に対する画龍点睛をなすものであろうと思うのでありまして、私は政府当局がこの点につき、この上とも努力を拂われんことを希望する者であります。 最後にこの両法案の実施のあかつきにおいては、政府はこれが運営に遺憾なきを期し、ますます両事業の発展をはかり、両事業を通じて國民の福祉増進に努力せられんことを希望して、私の討論といたす次第でございます。
○辻委員長 次に松井政吉君
○松井(政)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、今から申し上げる諸点につきまして、政府に強く要望を申し上げて、本案に賛成をいたしたいと考えております。 その第一は、ただいま松本委員も申し上げましたが、積立金の運用に関する基本的なものを、やはり郵政省に確保したいということであります。そのために政府に別段の努力をお願いしたいということが第一点であります。 第二点は積立金運用の第七十條に規定いたしてあります公共團体に対する貸付、二審目の國債、地方債、社債その他の有價証券の應募、引受または買入となつております。この規定の範囲内において、公共團体だけでなしに、でき得ればきわめて金融逼迫しております中小企業体の社債等の関係において、役立つ方法に運用していただくことを要望いたしたいと考えます。 その次に要望いたしたい事柄は、第三章の簡易生命保險郵便年金審査会の問題でありますが、非常に重大な事柄でありますので、この審査会の運営にあたりましては、きわめて民主的な方法によつて取扱つていただきたいということを要望いたすのであります。 その次に要望いたしたい事柄は、やはり同じような事柄でありますが、第二章契約の第六條第二項であります。「保険約款は、簡易生命保險郵便年金事業審議会の議を経て、郵政大臣が定める。」こうなつております。郵政大臣が定める場合において、審議会の議を経てというこの審議会も、きわめて愼重に民主的に取扱つていただきたいということを要望いたすのであります。 以上の諸点を要望いたしまして、本案に賛成をいたします。
○辻委員長 田島ひで君。
○田島(ひ)委員 私は共産党を代表いたしまして、この両案に対し、次の條件をつけまして、一應賛成いたしたいと思います。 第一には保険契約並びに年金約款の制定または改正等について、大幅の権限を持つておりますところの審議会制度でございます。提案理由によりますと、一應民主的な方法とあり、人員の構成等について、学識経驗者、加入者代表よりなるとありますが、民主的な眞のあり方よりいたしまするならば、学識経驗者よりは、むしろ民主的な大衆の代表といたしまして、民主團体、たとえば労働組合、農民組合、協同組合あるいは婦人青年團体の代表よりなると、こういたしたいと思います。 第二といたしましては、保険金並びに年金の最高制限額、あるいは最低制限額の引上げについて、諸般の事情からやむを得ないといたしまするも、これに伴う從業員の労働強化についてであります。政府は、この事業について支障を來さないよう人員を確保している。労働強化はななさいという弁明ではございましたが、政府の弁明にもかかわらず、実際にはもうすでに各地において想像以上に労働強化がなされております。特に直接大衆との交渉を持つておりますところの新規契約締結事務並びに保険金還付支拂い事務等でありまするが、昭和二十三年度人員においても、すでに事務上において完全に消化していない状態であります。このためあらゆる事務面において、極端に事務の簡素化がなされておりまして、現在四十八時間以上の超過勤務をなしております。労働強化が非常になされておる。二十三年度において完全消化ができないでありまするから、その結果すでに今日呼吸器病などが出て、あるいは職場放棄というような形も現われております。具体的に事実を申し上げますと、時間が長くなりまするから申し上げませんが、このような状態でありまするから、昭和二十四年の定員が大体二十三年度より四千四十二名減るといたしますれば、この人員で事務面を正常にいたしますとしても、小額契約者を解約させる仕事は非常に多くなります。大体政府の五箇年間でこれを解約させるという方針によりましても、新規契約事務面で六〇%、支拂い事務の方では三一七%も増加すると予想されております。この方の人員を減らさないといたしましても、とうてい本年度の目標額は達せられぬ。非常に人員の不足を來すのであります。 これに加えまして、第三といたしまして、二十四年度の新規契約目標が大体二十億という政府のプランでございまするが、この目標達成には、二十三年度において、すでに募集員が最大限度の能力を発揮いたしましても、割当額の新規募集は非常に困難な状態であります。二十四年度目標において、小額契約者の乗りかえが、大体終る程度でありまして、眞の新規契約は、おそらく望まれないと私どもは考えておるのであります。プラン倒れになるのみならず、支出面が増加いたしまして、差引は、結局政府の机上プランは赤字になるということが明らかであります。 第四といたしまして、保險の新規契約の意欲を高めるということが、何らかの形でなされないならば、新しい契約をとるということが非常に困難な状況にあります。契約者であるところの勤労大衆に利益を與えるような方法、たとえば從來なされておりましたところの長期継続還付金を復活するとか、あるいは先ほどから社会党の委員の方も申されましたように、積立金の運用を社会事業の方面の施設に使う、あるいは契約者の勤労大衆のための方面に運用するというような方法がとられなければ、新しい契約はとうてい望み得ない。なお個々の法文につきましても、たとえば第三章の第五十五條におきまするところの審査会制度、この審査会によりますと、契約者に非常に不利な状態になつております。望むことならば、私どもはこの條項をとりたいと思いまするが、この條項の置かれました範囲におきましても、審査会の運営をよほど民主的に、またその構成人員を民主的になされないならば、これは契約者にとつて非常に不利な状態になります。なお両法案が、國家の経営する非常利事業であり、國民の経済生活の安定をはかり、その福祉を増進するという目的よりいたしますれば、眞に社会政策として、勤労大衆の生活保障の施設としての本來の使命を果すためには、根本的に改善、積極化を必要とする点が非常に多いのでございます。この点におきましても、独立採算制を強行いたしました結果、営利事業化して、非営利事業としての本質がほとんど失われておると私どもは見るのでございます。根本的には、わが党はかかる事業はどうしても國営人民管理による以外、その眞の本來の使命を果すことは望まれないと考えるのでありまするが、他面両法案の実施にあたつては、以上の理由から、審議会に民主的の民主團体の代表を加える。そうし、て眞の民主的な運営を期すること、労働強化を避け、目標達成のためにはむしろ必要人員を増加する。それから積立金を勤労大衆の利益になる社会施設のために運用する等の方法が、即時具体化されることを條件といたしまして、一應賛成の意を表するものでございます。
○辻委員長 討論は終局いたしました。 これよりただいま議題となりました簡易生命保険法案及び郵便年金法案を一括して採決いたします。 両案について原案の通り可決するに御賛成の諸君の御起立を願います。 〔総員起立〕
○辻委員長 起立総員。よつて両法案はいずれも原案の通り可決いたしました。(拍手) なお衆議院規則第八十六條による報告書の作成につきましては、委員長に一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めまして、さように決定いたします。 —————————————
○辻委員長 この際お諮りいたしますが、逓信従業員の福利厚生に関する小委員の田島ひで君が委員を辞任いたしましたので、小委員が一名欠員になつております。補欠小委員の選任をいたしたいと思いますが、小委員の選欠につきましては委員長に一任願いたいと思いますが、いかがでありますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めまして、それでは田島ひで君が再び委員となられましたので、同君を小委員に指名いたします。残余の日程はいずれも延期いたします。 本日はこれにて散会いたします。次回の開会日は、公報をもつてお知らせいたします。 午後二時十八分散会