地方行政委員会 第36号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/08/24
会議録
○菅家委員長代理 それではこれより会議を開きます。 委員長が御病氣のため私が委員長の職務を代行いたします。 この際御報告申し上げることがございます。すなわち前回の委員会において決定し、理事会にその起草を一任されましたシヤウプ博士あての要望書については、八月四日、五日の両日、理事会を開いて案文を作成いたしまして、渉外課において飜訳の上、去る九日渉外課より民政部を通じて経済科学局に送達した次第であります。しかるに同局から博士に傳達されたという適知に接したのでありますが、右要望書説明のための面会申し入れに対しては、その後しばしば渉外課より連絡いたしましたが、未だに何らの回答に接しておりません。以上御報告申し上げます。 なお去る八月五日警視廳において全國十大都市の警察隊長会議がありまして、委員長病氣事故のために、不肖私が代理をいたしましてその会議に列席をいたしました。その会議の内容は大体をここにメモにして記録しておりますが、議事進行の関係上、内容の報告は省略いたしまして、もしその内容等において御質問等があれば、ここに文書にしてありますからごらんを願いたいと思います。 次に小委員の追加選任についておはかりいたします。地方財政に関する小委員を一名、警察及び消防に関する小委員を二名、それぞれ追加選任いたしたいと思いますが、これについては投票の手続を省略して、委員長より指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅家委員長代理 御異議なしと認め、委員長より指名いたします。地方財政に関する小委員には藤田善光君を、警察及び消防に関する小委員には川西清君、及び谷口善太郎君をそれぞれ指名いたします。 それではこれより最近の治安状況について、政府当局より説明を聽取することにいたしますが、まず一般状況について齋藤國警本部長官より説明を聽取することにいたします。齋藤國警本部長官。
○齋藤説明員 最近の治安の状況は、おそらく私から御説明申し上げなくても、國鉄の人員整理を皮切りといたしました官公廳の人員整理問題に端を発しまして、六月の初めにおける國電ストから引続きまして、いろいろの世間を騒がせるような事件が起きたのであります。しかしながらこれらの起りました大きな事件は、ほとんど檢挙ができたという形になつていることは御承知の通りであります。ただ山下事件につきましては、今日まで最後の結論を出すまでにまだ捜査が進んでおらず、捜査中でありますが、その後の三鷹事件にいたしましても、あるいは平事件にいたしましても、高萩の炭鉱事件にいたしましても、警察側としてはほとんど事件の処理がほぼ終つたという形になつておるのであります。これらの事件は、当時一般に予想をせられました國内の治安に対する不安の予想よりはむしろ若干平穏のうちに終熄したというように考えられております。今後もおそらく過去一、二箇月の間に起りました事件よりも、さらに一層ひどくなるというような治安の不安條件は、現在のところないと申し上げてよろしいと考えます。國鉄の人員整理に関しましても、もちろん三鷹事件のような世間を聳動させる事件は発生いたしましたが、世間一般には、その知られておらない人員整理に関係した各地方におけるいろいろな暴行、住居侵入あるいは関係者を軟禁状態に陥れたというような事件は、約百件前後起つておるのであります。また全逓関係にいたしましても、不法行為が今まで約十七件起つております。しかしながらこれらは國全体の治安に影響を及ぼすというほどの問題ではありません。しかしかような事件は今後も地方的にぽつぽつ起るであろうと私は考えております。まつたく平靜であるとは決して申せないと思うのであります。平事件は、当委員会におかれましても詳しく御調査になりましたので内容には触れませんが、今日まで逮捕いたしましたのが百五十人、起訴になりましたのが百二名であります。百五十人のうち共産党員が約六十名と聞いております。三鷹事件は御承知の通り昨日七名が起訴になりまして、合計八名起訴ということになつております。またただいま逮捕せんといたしておりますのが一名ありますことは、これも新聞によつて御承知だと考えるのであります。ただいま捜査中の大きな事件といたしましては、福島縣の金谷川、松川の中間における鉄道事故でありますが、これはただいま捜査中でありまして、まだ逮捕檢挙というところには参つておりません。若干日のうちには、見通しがつくようになるであろうと考えております。列車妨害事件は、ただいまの問題を初めといたしまして頻々として起つておるのであります。これは鉄道関係から御報告があるだろうと思いますから、私は報告を省略いたしますが、われわれの方の統計では、本年一月以降千六百七十八件生じておりまして、檢挙件数が四百五十八件、逮捕者が六百五十八人ということに相なつておるのであります。この鉄道の列車妨害事件も、おそらく今後急速には終熄困難ではなかろうかという見通しをわれわれは立つて、対策を練つておる次第であります。 いま一つ最近に目立つた事件は、朝鮮人同士の乱鬪事件が相当ふえつつあるということであります。その最たるものは、先般下関において起りました朝鮮人の居留民團と、朝鮮人連盟の間における乱鬪事件であります。最近居留民團が所々において支部を設け、その活動の強化をはかつておるのでありますが、これに対する朝連側の妨害と見るのが大体正鵠を得たものだろうと考えております。下関の事件はやはりこの範疇に入るのでありまして、八月の十五日に小野田におきまして、民團が韓國の独立記念行事といたしまして、小野田市内を行進いたした際に、朝連側の約二百名ほどがこれに暴行を加えたということに端を発するのでありますが、これが二十日の早曉三時ごろ、さらに下関におきまして乱鬪事件になりまして、朝連側が民團側の事務所及びその幹部の家屋等、約二十軒を破壞いたしまして、数人の傷害事件を起したのであります。警察といたしましては約千名ほどの警察官を動員いたしまして、この乱鬪事件の被疑者の逮捕にあたりますとともに、治安の確保に万全を期しておるのであります。これがこのまま終熄いたしますか、さらに派生的に事件を拡大するような事故が起りますか、ただいまわれわれの方は嚴重に監視中であります。ただいまのところでは、さらに派生的の事件の起るような樣子が見えないのであります。民團側にいたしましても、朝連側にいたしましても、不法者に対しては断固警察は檢挙をいたすべく決意を固めておる次第であります。 本年の上半期の一般の犯罪の状況をこの際御参考に申し上げておきたいと思います。本年の上半期の一般犯罪の状況は、昨年の上半期の状況に比べまして、件数におきましては若干減少をいたしておるのであります。総数におきましては一%減の七千六百六十件の減少ということになつております。その内容を見ますと、凶惡犯が相当減少をいたしております。強盗が二六%、窃盗が二二%、賭博が二七%減ということに相なつておるのであります。その他の犯罪はすべて増加をいたしております。涜職において二七二%、背任において一二一%、暴行において一七〇%、これらは著しい増加でありますが、横領が四九%、傷害が七〇%、猥褻が五九%、いずれも増加に相なつておるのであります。一言にして申しますと強窃盗といつたような單純なる犯罪が、非常に減少を來しておりますけれども、凶惡犯にいたしましても、知能的の犯罪、混み入つた犯罪、こういうものが著しく増加をいたしておるのであります。犯罪全体といたしましては、むしろ惡い傾向をとつておるのではないか、かように考えておるのであります。今後の官公廳及び会社工場等の人員整理、今後の日本経済、國民経済の状況がどうなつて行くかということが、治安と非常に大きな関係を持つておると考えております。ただいままでの状況はさような状況でございます。あとは御質問によりましてお答え申し上げます。
○菅家委員長代理 次に鉄道関係の治安状況について、運輸省の監督局長より説明を求めたいと思います。
○石井説明員 鉄道関係の治安状況について概略御説明申上げたいと思います。 鉄道関係の治安状況として御説明申し上げるべき項目は、一つは先般の人員整理に伴う一般の不法行為その他の問題でございますし、いま一つは列車妨害の関係であります。いま一つは引揚列車の治安状況、この三点ではないかと思うのであります。 最初に人員整理に伴う不法行為について申し上げますならば、これはただいま齋藤長官から御説明がございましたように、全般的に見ますると、きわめて平穏裡に終始いたしました。もちろんその間三鷹事件の発生があつたのでございますが、あるいは暴行、脅迫というような事件は、全國的な大整理に伴うものといたしましては、きわめて少数ではないかと考えられるのであります。 なおその後におきまする退職者の状況でございますが、これは國鉄におきまして七月十三日國鉄退職者援護委員会を制定いたしまして、退職者に対しましての再就職のあつせん、生活の援護等を強力に推進する措置を講じておりまして、八月二十二日現在では、二万七千名ほどの就職者をみておるわけでございます。この就職先は鉄道弘済会等の鉄道関係の外郭團体以外にも、その他の官公廳、あるいは工業関係、商業関係等相当各方面にわたつて廣く就職をみております。それから労働組合の最近の情勢については、すでに皆さまも御存じのことと思うのでございます。いわゆる民同派の主張いたしますところの中央委員会が、去る十五日成田町におきまして開催せられまして、そしてこの中央委員会によりまして、十八日から國鉄当局と第一回の團体交渉に入つておるような次第でございます。委員長は加藤閲男氏が再び選任されました。副委員長には菊川孝夫、書記長には星加要ほか二十二名の委員が、新たに中央鬪爭委員会に選任されたのでございます。組合の状況はこうなつております。 それから列車妨害につきましては、これは先ほど長官から御報告があつたのでございますが、私の方の資料に基きましての数字を申し上げますと、大体昨年度の列車妨害の件数は、一箇月平均にいたしまして、大体百二十件から多くても百五十件程度でございました。ところが本年度に入りまして急激に増加をいたしまして、五月には二百六十四件、六月には五百十七件、七月に至りましては一千五百四十二件という激増を示しておるのでございます。そして最も多いのは七月七日の日でございまして、それは一日八十件という最高の数字を示しております。しかしながらこの趨勢も七月下旬から急激に減少し始めて参りまして、一日平均が三十件見当となり、八月に入りましては、大体一日平均二十件前後というふうに、件数といたしましてはだんだんと減つて参りましたが、事件といたしましては、だんだんと作為的なものがふえて参つておるような情勢でございます。発生地域は全國的に散在してございますが、特に主要都市附近が多いようでございます。列車妨害の種類は、最初は大体投石が多かつたのでございますが、その後におきましては投石が次第に減じて参りまして、そのかわり線路に石を並置するというような方法が特に多くなつて参りました。七月分では線路に石を並置したものは、全体の件数の五七%七分を示しておるのであります。七月分の妨害件数千五百四十二件に対しまして、犯人を檢挙いたしました数は二百七十四件でございまして、全体の一七・六%になつております。被害はこの妨害件数のうち脱線が六件、車輛破損が百十件でございます。その被害件数は妨害件数に対しまして七・五%にあたつております。負傷者は三鷹事件を除きまして二十二名となつております。三鷹事件は御承知のように六人の死者と重軽傷者十八名を出しております。最も甚大な被害を見ているような次第でございます。こういう状態でございますので、この対策といたしましては、特に重要線区並びに連合軍関係が特に深い線区に対しまして、あるいは特に列車妨害の多く見られます線区に対しましては、特別の線路巡檢体制を整えて、巡檢を効果的ならしめている次第でございます。そのほか線路の通行、構内出入の取締を強化いたしまして、あるいは保線業務の嚴守、その用具の員数などの点檢などを行つて、不法持出しを防止いたすというようなことをやつております。また運轉資材のある室内に係員以外の者の出入を嚴禁するというようなことにあたつております。こういうようなわけでございまして、全体の件数といたしましては減少の傾向にあるのでございますが、はなはだ作為的な事件の性質が多くなつて参つておるようでございます。今後ともこの点に十分留意して、妨害事件の発見並びに防止、そのために生じますところの不測の被害の防止に努めるように努力いたしておる次第でございます。 引揚者の輸送につきまして一言申し上げますれば、本年六月二十七日より再開せられました引揚者の輸送につきましては、いろいろな事件が起つたことは御承知の通りでございます。これに対しましては過般ポツダム政令三百号が制定せられまして、その後は比較的順調に行われておるようでございます。國鉄といたしましては鉄道公安官を配置いたしまして、駅頭並びに列車内につきましては、政令の規定するところに從いまして無用の出入、あるいは乘車等の禁止に当つております。また一般警察とも緊密な連繋をとつて、警備を実施いたしておるような次第でございます。鉄道関係の公安官の配置並びにその状況につきましては、別に國鉄から公安局長が見えられておりますので、御質問がございましたならば局長より御説明申し上げる次第でございます。はなはだ簡單でございまするが、國鉄関係の治安状況の一般につきまして御説明を申し上げました。あとは御質問によりましてお答えいたしたいと思います。
○菅家委員長代理 次に海上保安状況について、海上保安廳大久保長官より説明を聽取いたします。
○大久保説明員 私海上保安廳の大久保でございます。ただいまお手もとに資料をお配りいたしますが、海上保安廳における業務の大体につきまして御説明を申し上げます。 海上保安廳は昨年の五月創設いたされたのでありますが、大きくわけまして二つの任務を持つております。その一つは海上における治安の維持の任務であります。他の一つは海上における航海の安全をはかるというこの二つの任務でございます。海上の治安維持の任務におきましては、不法入出國、密貿易の取締り、犯罪の予防、鎭圧、犯人の捜査逮捕、さらに暴動騒乱の予防鎭圧といつたような任務を持つております。海上の安全を保持しまする方面におきましては、海上における海難船舶の救助、それから海難を起しまする予防手段といたしまして、船員の免状を発行いたしましてその試驗を行う。さらに船舶の建造にあたりまして、その製造檢査を行い、かつ海上におきまして航行しておりまする船舶の安全上の諸檢査を行います。さらに海難が起りました際におきましては、その原因を取調べます。さらに海底にありますところの機雷の掃海を行う。暗礁や岬には燈台を建てる。あるいは海底の測量をする。かような一連の任務をもちまして、航海の安全をはかる任務を遂行いたしておりまする次第であります。 海上保安廳の全体の機構といたしましては、全國に九つの管区本部を設けております。この管区本部の下に、下部機関でありますところの海上保安部、海上保安署を置いております。海上保安部十五箇所、海上保安署二十三箇所を置いております。このほかに一つの機関といたしまして港長事務所を持つております。これは港における船舶の交通整理をいたしましたり、あるいは港における危險物の碇泊取締り、そのほか航路障害になりますような一切のものに対する取締りをいたしておりまするいわば海上交通警察のような仕事もございます。そのほか水路観測所八箇所を設けておるような次第でございます。ただいま私が御説明いたしておりまするのは、ただいまお配りいたしました海上における治安を中心とする保安業務の現状というところに書いてございます。海上保安廳は船と職員とが一体となつて活動しなければならない性質の仕事でございますが、いわゆる司法警察の仕事をいたしておりまする海上保安官は、全職員七千五百二十七人に対しまして、わずかに二八%、二千百余人でございます。船艇の中心となりまするところの巡視船と申しまして、海上の治安維持、海難船舶の救助にあたりまする船といたしましては四十七隻、約五千トンでございまして、このほかに救難用曳舟が六隻、一千七百トン約二千トン程度がございます。この四十七隻並びに六隻、合計五十三隻の船は、海上保安廳が出発します際におきましては、わずかに二十八隻で出発いたしましたので、その当時から比べますれば、勢力は約倍加しておるとも言えるわけであります。そのほか港務用船八十隻、約三千トンといつたような状況でございます。海上保安廳は職員の訓練によつて質的強化をいたしておりますほか、二十四年度におきましては、巡視船六隻、内火艇十隻の建造を計画いたしまして、目下それぞれ起工式をあげまして建造途中にある次第でございます。今年度中には海上に新しい十六隻の船が任務につき得る状態になるものと存じておる次第でございます。 次におもなる治安関係の任務の密航、密輸について申し上げますと、海上保安廳は、昨年五月から本年の四月末日までに檢挙しましたものは密航百四件、人員二千六十四名、密輸九十件、人員四百八十五名であります。合計いたしまして百九十四件、二千五百四十九名ということに相なつております。主として出て参りますものは、朝鮮、台湾方面との間に行われておりまして、藥品、生ゴム、牛皮、その他が入つて参りまして、あるいはまた砂糖、米穀等も入つて参りますし、わが國からは自轉車、機械部品、雜貨類、文房具等が出て参るようでございます。密入國、密貿易の経路といたしましては、当初関門海峽方面に非常に集中いたしておりましたが、海上保安廳創設以來、警察方面とも連絡をとりまして、関門海峽におきまして取締りを嚴重にいたしました結果、対馬を中継地といたしまして、九州北岸に上陸して來る傾向があつたのであります。その後対馬に私どもの方の警備艇を常時配置いたしますようになりましてから、最近は仙崎を中心とする山口縣の海岸、博多、長崎港を中心とする北九州、その他さらに最近は舞鶴方面から能登半島、佐渡、新潟方面、西南方面は鹿兒島から豊後水道を入り、あるいは紀伊水道を入つて阪神方面あるいは名古屋方面、さらに遠く房総方面にまで及ぶといつたような状況に相なりました。密航密輸のルートが單線コースからほとんど複々線——非常に廣汎なる面にわたりまして取締りを要するように相なつて参つたような状況でございます。これらの密航、密輸の方法は、小さな船舶に非常に大勢の密航者が乗船しておる、あるいはその船に密輸物資を満載して來るといつたような状況でございます。何と申しましても船の利用による密輸というものは非常に金額が大きいのでございまして、とうてい陸上における想像も及ばない密輸取引が可能になるわけであります。この点に関しましては、取締りといたしましても十分注意の必要があると存ずる次第でありますが、最近は密航密輸を企てる方面におきましても、次第に船が欠乏して参りまして、その船の利用につきましては非常に困難を感じておるような状況に承知いたしております。かような関係で日本の船舶を利用するといつたようなものが相当多くなつて参つておる傾向であります。その日本人を使つて密航ないし密輸をするというような例が相当多くなつております。これあたりは、密航密輸をする関係國における非常な船舶の逼迫状態を物語るものであろうと考えておる次第であります。これらの密航密輸をやりますものは、相当な武裝をいたしております。從來もこの取締りには非常に困難をきわめておるような次第であります。ことに海上保安廳は諸般の関係から、いまだ裝備が特に不十分でございまして、このために最近は煙幕を張つて逃亡するといつたような船が現われております。これらの停船命令に應じない船に対しましては、海上保安廳の船舶はみずから逃亡船に衝突をいたしまして、逮捕いたしました事例が、漁業関係その他におきまして約三件出ておるような次第であります。 次に密航密輸と並んで海上保安廳関係の大きな犯罪は、漁業関係の密漁の犯罪であります。密漁関係では檢挙しましたものが四百四十二件、一千三百七十九名に及んでおります。この不正漁業の大半は禁止区域違反でございまして、三陸方面から北海道方面に侵入をいたしまして、たまには流血の惨を見た事例もあるような次第であります。その七〇%は瀬戸内海において行われたものでございます。そのほか対島、愛媛縣方面におけるダイナマイト使用による惡質の漁業違反もあるわけであります。これらの使用船舶は相当速力も早く、ダイナマイトその他の兇器を所持して抵抗するようなものもある次第でありまして、この取締りには非常に困難を感じておるような次第でございます。これらの漁業取締りに関しましては、農林省、國警その他関係方面と協力をいたして、つとめてその解決並びにその防止に努力しておるような次第でございます。 その他の犯罪といたしまして、経済統制令違反がございますが、これまた昨年の五月から本年の四月までに檢挙しましたものは、六百件八百六十五名に上つております。この犯罪は逐次統制の緩和に從つて減少するものとは存じますけれども、船舶による経済統制令違反は非常に金額が大きいのでございます。この点につきまして、密輸と並んで海上は注目を要する点であろうと存じております。 次に海上における海事法令違反でございますが、これは安全法その他に関する違反の点であります。これは昨年の五月から本年四月までに檢挙しましたものが百十二件、百三十三名であります。これは今後における海上法規の整備その他取締りが完璧に從いまして、逐次消滅に向わさなければならないものだと存じておる次第であります。 なお今後の問題といたしまして、海上保安廳は、どういたしましても船舶がなければ十分なる職務遂行はできない次第であります。昭和二十五年度におきましては緊急に海上船舶を増強いたしまして、海上取締りの、從來海上における点を押えておりました取締りを、逐次線を取締るという方向に向いまして、これを廣げて参りまして、海上の治安の維持並びに海難船舶の救助に遺憾なきを期したいと存ずる次第でございます。はなはだ簡單でございますが、御説明申し上げまして、詳細はただいまの統計資料その他にございますから、御一覽を願いたいと存ずる次第であります。
○菅家委員長代理 この際政府当局に対する質疑を許します。谷口君。
○谷口委員 齋藤國警長官に一、二お尋ねしようと思うのでありますが、下関における朝鮮人同志の乱鬪事件について、長官は先ほど御報告になりました。それによりますと居留民團が各所に支部を設けて活動し始めたことに対して、朝連側がこれを妨害する目的で、方々に乱鬪が起ることになつた、こういうふうに御報告になつたのでありますが、私どもの方に入つておる情報では、まつたく逆なものがあるのであります。ここに朝鮮人連盟からの國警に対する抗議書が参つておりまして、多分あとから齋藤長官に代表が手渡しすることと思いますが、それの一部分をここで申し上げますと、長官の方では、居留民團が支部をつくろうとするそういう運動に対して、朝連側が襲撃を加えておる、こういう報告であつたのに対しまして、そうではなくて、まつたくその逆であることがここに書かれております。 すなわち、八月十五日に下関に居住する朝鮮人の八月十五日解放記念日に際して、その行事を未然に妨害するために、朝連の下関支部管内大坪分会に対して民團側暴力團が積極的に先に手出しをしておる。数十名が奇襲を敢行して、同分会の設営になる慶祝用の松の門あるいは裝飾物、こういうものを破壞して、病氣中の同分会班長、金三龍氏に暴行を加え、三週間にわたる打撲傷を負わしておる。それだけでなく、さらに朝連の小野田支部事務所を破壞する目的で、トラック六台に石ころ三十貫、棍棒数百本を満載した約二百名の居留民團側が攻撃に來ておる。それで対して騒擾を未然に防ぐために、朝連側は事務所を守つておると、これに対しまして彼らは奇襲を加えて、その事務所に襲撃を加えておる。すなわち当連盟小野田支部に参集した大衆は、同日午後三時ごろに解散しておるのであるが、その解散したことを察知した居留民團側が、山岳地帶に隠してあつた六台のトラックを動員して小野田市内に侵入して一斉に挑発的な暴力行為を加えた。このときに小野田炭鉱の日本人労働者数名も、通行中の日本人市民も、この暴行團のために非常な暴行を加えられている。これに対して警察はただ傍観するのみで、何ら居留民團側の暴行行為に対して、これを取締ることをやらなかつた。こういうふうな報告が出ております。その他この抗議書は長いから申しませんが、すべて向う側からやつて來ている。事実襲撃されているのは朝連側の事務所でありまして、小野田にしろその他のところにしましても、すべて襲撃されている事務所は朝連側であつて、朝連側が逆に向うの支部やその他を襲撃した事実はないことになつております。これは非常に明らかなことであつて、その都度下関署長に対しては抗議をし、また署長もいろいろ回答をしておられますが、こういう非常に明らかなことであるにもかかわらず、國警の方では逆に居留民團の各所につくる支部に対して、あるいはそういう組織運動に対して、朝連側が襲撃を加えて暴行をする。これを妨害するというところにこの事件の本質がある。こういう報告であつたのであります。こういう点は非常に食い違いがありまして、はたしてどちらが正しいのか、これはもちろん調査しなければわかりませんが、しかし今長官の御報告によりましては、ただ支部をつくる居留民團に対して、朝連側が襲撃を加えた。ところが朝連の抗議書によりますと、朝連の事務所が何月何日何時、どれだけの人間によつて襲撃を加えられているかということがはつきりしておる。私どもが判断しますと、事務所の襲撃を受けたのは朝連側であるというこの事実は、國警長官の報告がまつたくうそであるか、あるいは間違つた報告に基いてなされておるか、そのいずれかと断ぜざるを得ないのであります。この点國警の方では具体的な、どういう報告が來ておりますか。ひとつ聞かしていただきたいと思います。
○齋藤説明員 私が先ほど述べましたのは、全國の大体の傾向を述べたのであります。そしてまた下関事件もそういつた傾向の一つの中に入るものだと申し上げたのであります。ただ下関事件におきまして、民團側にも不法行為があります。朝連側にも不法行為があります。さようでありまするから、両方とも不法行為は断固取締ると述べたのであります。ただ下関事件の最も大きな不法行為は、朝連側が加えたということを私は報告を受けておるのであります。事件の詳細は取調べが済みますれば明らかになるだろうと思います。それまでお待ちを願いたいと思います。
○谷口委員 下関事件で朝連側が最も大きな不法行為をやつたという、その具体的なことをここでお話し願えませんか。今一番問題になつていると思われますのは、小野田警察署を占拠したというような問題があるのであります。しかしこれは先ほど申し上げました炭鉱労働者に傷をつけた居留民團側が、約百五十名ばかり警察に入つて、そうしてこの暴行を受けた朝連側が、これに対して警察へ抗議もしくは保護を申し出て行つた代表がいるのでありますが、それに対して警察の中で、この警察に行つていた百五十名の者が非常な暴行を加えた。結局混乱が起きまして、むしろ警察占拠という形になつたようでありますが、これに対しまして翌十六日の午後一時ごろ、朝連側代表が署長と交渉した際に、なぜ署長の面前で暴行を加えた居留民團側に対してこれを取締らなかつたかという朝連側の代表の抗議に対して、現行犯でも暴行は相手方の告訴がなければ檢挙できないのだというようなことを署長は言つております。この八月十六日の小野田警察署占拠という問題は、明らかに朝連側の代表だけが行つており、その前に居留民團側が百五十名も警察に行つて、警察の中でこの代表に暴行を加えて、警察はそれをただ傍観しておつたという内容にあるようであります。こういう点についても私どもは非常に不審をもちますので、その根本的に大きな事件を起したという点を、具体的にお漏らし願いたいと思います。
○齋藤説明員 まず大きな事件と申しまするのは、二十日の午後三時から五時ごろまでの間に、朝連側の約三百人の人たちが、民團側の事務所及び民團委員の家屋約二十戸を破壞いたしまして、そうして数名に傷害を與えたという事件であります。
○谷口委員 それは幾日でありますか。
○齋藤説明員 八月二十日の午後三時であります。
○谷口委員 その件につきまして、ここではこういう報告が出ておると思います。八月十五日以來の警察側の無責任にして奇怪なる態度は、ついに民團側の破壞的暴力行為を助長する結果として作用し、去る八月二十日の破壞的集團暴力行為となつた。 すなわち二十日午前零時、民團側暴力團約二十数名は、白鉢まきに日本刀、手裏劍、手製手榴彈等で武裝、当連盟下関支部管内大坪分会方面に大挙來襲し、当連盟員数名に、背後より日本刀でめつた切りにし、当連盟下関支部管内第一分会長夫英明氏に瀕死の傷を負わせ、金國(二十歳)氏の右肩に手榴彈を投げつけた。さらに花田と称する二十歳の青年は、警察官の面前で背中を突き刺されたが、警察官は犯人を逮捕しなかつた。同日午後二時半頃、大坪町所在の当連盟小学校に対し、数百名の警察官は包囲網を形成、折柄当校で開催中の朝鮮人教育者同盟定期大会を急襲し、事件とまつたく関係なき数十名の教師を令状なしに逮捕し、一般大衆をも不当檢束した。この際、当連盟宇部小学染兒童金君順(十五歳)は、警察官の暴行によつてコン棒で頭を割られ、ほか二名の兒童も同樣重傷を負わされた。暴力團民團員の累進的な破壞的暴力行為に対して、何ら適切な措置をも講ぜず、最少限度の警察執行権をも行使しない日本警察が、事件とまつたく関係なき当連盟員に対する非人道的暴行を敢行している。こういうことを書いておるのでありまして、もちろんこれも私今長官からの御報告と、この朝連側の抗議の内容にある報告との間の食い違いにつきましては、十分なる調査をしなければならないと思いますが、しかしここにおきましても集團して暴行を加え襲撃しているのは警察官といい、あるいは居留民團側といい、朝連の学校その他事務所に來ているのが彼らの方でありまして、こつちから向うへ行つた事件でないのであります。こういう点につきましてやはり私どもは長官が、今おつしやつたように、デモ的な形勢、デモ的事件の本質という中の一つのものとして、下関事件におきましても朝連側が暴行の主体になつており、あるいはその挑発者になつている、そういうことには考えられないのでありますが、この点についてどうでしようか。もう少し伺いたい。
○齋藤説明員 ただいま谷口さんより報告をしろというお話ですが、その件につきましては、私の方はまだ承知しておらないような事柄が相当多いのであります。事件はただいま懸命に捜査中でありまするから、詳細判明をいたしましたる後に、また御報告を申し上げたいと思います。
○谷口委員 ほかに質問のある方もあると思いますし、簡單に申し上げますが、そういうお考えでしたら、先ほどの長官の報告によりますと、あれはだれが聞いておりましても、下関事件という事件は、居留民團の方に一つの支部組織というような運動が起つておる。これに対して朝連がそれを妨害するように反響を加え、騒擾事件が起り、暴行事件が起るというような報告をなさることは、まつたく軽卒であります。あの報告を聞いたすべての人が、朝連側が非常に暴力團であり、暴力行為を積極的にやつておるという結論しか出せないような御報告であります。こういう一方的な報告——まだ調査が十分にできていないならば、そういう一方的な判断をもつて御報告をなされるということは、それこそ社会不安をかもすものであり、事件の本質の認識を誤まらせるようなものであると思うのであります。ぜひひとつ今後は、いやしくも國会の委員会で、そういう軽卒な態度で御報告をなさらないようにお願いしたいと思います。
○齋藤説明員 私は全國的に最近の傾向として申し上げたのでありまして、また下関事件につきましても、私の今まで受けました報告におきましては、私は軽卒な報告とは思つておらぬのであります。しかしながら、谷口委員のお話の点もありますので、事件を調査の結果、さらに御報告をすることがあるのであろうと申し上げたのであります。
○門司委員 簡單に二つばかり國警にお願いしたいと思いますことは、一つは非常にいろいろな事件の起つておりまする際に、ことに最近われわれが感じますることは、福島縣を中心とする東北方面に、割合に集團的の暴行事件が多いように考えられるのでありますが、これは何らかの特殊事情があるのかどうかということであります。その内容は、事件の発生するような地方的のいろいろな條件の一つとして、たとえば警察力の取締りに関する手薄の状態があるということか、あるいは事件が発生するような要素を地方的に持つておるというようなことか、その点のお考えをお伺いしたいと思うのであります。 それからもう一つは、この間の委員会までは、警察法に関する政府当局の改正の意思は、ほとんどないというような御答弁があつたと思いますが、最近の新聞を通じて見ますると、樋貝國務相は、この警察法に対して何らかの修正案を持ち合しておるというような意見の発表があつたように、われわれ承知いたしております。この間の事情、さらに政府当局がお考えになつておる警察法に対する改正の意見等がおわかりになつておるなら、この機会に御発表を願いたい、こういうことであります。
○齋藤説明員 福島縣におきまして、最近いろいろな事件が特に多い、これには何らかの特殊事情があるかというお尋ねでございますが、私もその点を注視をいたしておるのであります。特に福島縣は警察力が弱いからああいう事件が頻々と起る、かようには私は考えておりません。ただいろいろな條件が寄りまして、炭鉱の労働爭議あるいは國鉄関係の組合員の動き、全逓関係の動き、これをさらに外部から援助する團体の動きというようなものが、福島縣にはどういうわけか相当強く滲透しておる。これには福島縣の経済的な條件とか、あるいは縣民性とか、そういうものと何らかの関係があるかということを、私の方も注視をいたしておるのでありますけれども、この後段の点につきましては、まだ私は確信を持つて御報告を申し上げるようなものを得ておりません。各位におかれましての御意見も伺いたいというような氣持でおるような次第であります。 それから警察法の改正の問題は、われわれ事務当局といたしましても、まだ何とも申し上げる時期に達しておりません点を御承知願いたいと思います。
○門司委員 私が質問申し上げましたものを、さらにつつ込んで申し上げますると、実は警察法の改正が考えられておるという時期に、特に一つの地方に限つて、長官もお話のように、何らかのそういうものを発生する條件を備えておるかのごときことが考えられるという面でございますが、たとえば警察法の改正にいたしましても、この事件発生のいろいろな要素になつておりまするものを取除くということが考えられないで、ただ單に警察法の改正によつて、それらの起つて來たものを彈圧する——彈圧するという言葉はあるいは惡いとお言いになるかもしれませんが、これをむやみに取締るという角度からのみ、警察法の改正が行われるならば、これはいたずらに混乱を導くだけのことであつて、決して私は治安の状況をよくするという方向には向わぬと思うのであります。從つて私は、こういう特殊の地域における——特殊の地域におけると言うと言い過ぎるかもしれませんが、地方における事件発生の原因というものを、もう少し当局も調査し、またわれわれも研究する必要があるかと思います。これらの点に対する御意見を実は伺つておきたかつたのでありますが、いまだ長官の方で、そうは考えておるが、しかしはつきりしたものがないというようなことでありますならば、これ以上は質問いたしません。ひとつその点については、警察法の改正にあたりましては、その改正の骨子とするものは、やはり社会のそうした事件の起りやすい條件その他を十分考えていただいて、そうして警察法の改正を立案していただきたいということを、この機会に申し上げておきます。 それからその次は鉄道関係であります。鉄道の被害防止に対して、いろいろ先ほどから御意見もありましたが、私どもが拜聽いたしておりますると、鉄道における公安官の任務というもの、これは今何千人おるか、私よくわかりませんが、もしおわかりでありますならば、その数をお示しを願いたいと思うのであります。この公安官と被害防止との関係でありまするが、この点が私は明確になつておらないと考えるのであります。鉄道の被害の防止は、多く地方の警察官がこれに当つておりまして、私は最近の実情を見て、非常に遺憾に考えるのであります。十二万五千に限られた警察官が、いろいろな事件が発生して非常に忙しい今日の状態の上に、鉄道を守らなければならないということのために、鉄道沿線に何町おきかに配備してあつた事実を私は見たのであります。鉄道当局は公安官を持つておりまするが、この公安官と鉄道路線の警備の関係は一体どうなつておるのか、公安官は特に鉄道の列車内における治安だけをやつておるのかどうか、その点をひとつお伺いをいたしたいと思うのであります。
○芥川説明員 公安官の数でありますが、公安官の数は現在三千三百、これが專任の鉄道公安官であります。それから今お話のありました被害防止との関係でありまするが、公安官の持つております任務は、國有鉄道の列車または停車場における現行犯罪についてというところに、司法警察職員等指定應急措置法できめられておるわけであります。そうしてこれを受けまして、いろいろな列車妨害がたくさん起りますので、私どもの方といたしましては、公安局の事務分掌規程の中に、施設の警備というのを一項入れておるわけでありますが、公安官が事前に事故防止あるいは犯罪を、徹底的に捜査するという権限はないわけでありまして、これはあくまで檢察当局の方にお願いいたしまして、犯罪の捜査をやるということに相なつておるわけであります。
○門司委員 それではなお技術的でありますが、國警の長官にそのことでお伺いしておきたいと思いますことは、鉄道の警備は、先ほどの公安官の関係ということがほぼ明瞭になつて参りましたし、私どもまたそういうことを考えておりましたが、この場合鉄道の警備に当る警察当局は、自治警察であるか、國家警察がこれに当るべきか、この点おわかりになりましたらお答え願いたいと思います。
○齋藤説明員 鉄道関係の犯罪、ことに路線における犯罪それから列車内における犯罪も同じでありますが、これは現在の警察法では、やはりその地域によつて自治体警察と國家警察にわかれるわけであります。しかしながら路線に対する犯罪は、これは地域別でもやれないことはありませんが、もう一つ列車の中は、今自治体の区域を通つておるから、今國警の区域を通つておるからと、わけるわけに参りませんので、これは協定をいたしまして大部分は國警の方でやつております。それから自治体警察の警察官にも乘つてもらう場合もあります。ことに大都市の自治体警察の警察官には、一緒に協力してもらいます。自治体と國警と協力して、そうしてお互いに列車を分担するというようなかつこうにいたしまして、列車内は取締りをやつております。そうしてこれを、最寄りの主要駅、多くは自治体警察にすぐ連絡する、それによつてまた國警の縣本部とも連絡するというように、互いに協力してただいまやつておるわけであります。警察法の建前から、嚴格に申しますと、地域地域で違うということであります。
○門司委員 あまりくどく聞きませんが、実際その点でもう一つお聞きしておきたいと思いますことは、現在の公安官が列車の中、あるいは駅の構内の司法警察の取締りをやつておるということでありますが、現在の状態を見ますと、制服の警察官が乘務警察官として乘つておるようです。そうしてこれが國家警察でない、たとえば下関の警察署の署員がある地域まで乘つて來て、そうしてそれがさらにその次へ継承されておるというのが現実だと思います。私どもが知りたいと思いますことは、そういう公安官制度があつて、そうして列車内の現行犯に対する取締りは公安官がやつておる。にもかかわらず警察官がこれに使用されると申しますか、列車の中にも警察官が取締りに乘らなければならない、ことに線路の妨害等に対しては、やはり警察官が当るということになつて参りますと、今日の公安官制度自体に、非常にわれわれは何か奇異な感じを受けるのであります。この点もう少し國警あるいは自治警察、さらに公安官との間に、職務分担と言いますか、被害の防止の点について打合せができてなければならないと思います。われわれはその点解しがたいのでありますが、この点も関係をもう一度、どちらからでもけつこうでありますからお伺いしたらと思います。
○齋藤説明員 足りないところは鉄道側から補足せられることと思いまするが、この列車内の警備もわれわれとしましては公安官だけでやつていただけるなら、これに越したことはないのであります。しかしながら今もお話のように公安官の数は全國で三千人ということであります。公安官だけではやれないという場合が相当ありまするので鉄道側と協議をいたしまして、必要に應じて警官を乘り込ますということをやつております。それから鉄道路線の警備は、これは大体原則としまして鉄道の公安官なり、ことに鉄道の保線関係の人たちに、保線の維持という面でやつてもらつておるのであります。ふだんの鉄道路線の警備に警官が当ることはまれであります。特殊の必要のある場合に、公安官だけでは手薄である。あるいは鉄道の保線員では手薄であるという場合に入れるのであります。犯罪が起りましてから後は、鉄道公安官とも密接な連絡をとりながら、犯罪自身の檢挙は警察が主として当つておるわけです。
○立花委員 今日説明をお聞きいたしましたのは、根本的に現在の治安状況の現実を確認するとともにそれに対する警察制度の改正の問題が問題だろうと思うのですが、その点は当委員会におきましても警察制度の問題が、來る國会では問題であるという意味から、一週間に一回、警察制度小委員会をもやるということを、前の委員会でおきめになりましたことから見ましても、明らかだと思います。そういうわけで今日政府側の御説明を聞きまして私感じましたことは、現在第一線に立つておられる國警あるいは海上保安廳、あるいは鉄道関係の方、その方たちの説明が、一樣に現在政府が考えておると傳えられておりますところの警察力の増強あるいは装備の拡充、そういうものに対する必要がないということを裏書きしておるのでありますが、この点をもう一度具体的に、各長官からお聞きしたいと思う。たとえば國警の説明によりますると、大体警察側としては現在まで起つた思要な問題の事件の処理は終つた。むしろ最初考えておつたことより平穏裡に終つたということを言つておりまして、さらに今後一層治安が惡くなるだろうという見通しは、全然ないということを言つておられます。しかも結論とされましては、こういう治安状況の一時的の混乱が、人員整理あるいは國民経済の動向と非常に至大な関係がある。今後の治安状況の問題は、そういう人員整理とかあるいは國民経済の動向の問題の方が重大であるということを言つておられるのですが、こういう観点に立たれまして、今後の警察のあり方について、どういうふうなお考えをお持ちになつておられますか。もちろん政府自体としてのお考えを御発表願うということはできないと思いまするが、その意味で私きのう樋貝國務大臣の出席を求めておつた。今日いらつしやつていませんので、責任ある政府の答弁としてはいただけないかもしれませんが、政府が警察行政の基本方針をおきめになる場合に、やはりその重要な基礎となりますものは、各第一線におられる長官の状況報告が重大であろうと考えるのです。またその意見が重大であろうと考えるのですが、きようこの委員会で行われた國警長官の報告から、國警長官としてはどういうふうな御意見をお持ちかということを御発表願いたいと思うのであります。
○齋藤説明員 私が申しましたのは、過去一二箇月間にあつたような治安の状況は、これ以上惡いような状況はそう心配しなくてもよくはないかと申し上げたのでありまして、過去一二箇月の治安の状況というものは、きわめて惡かつたと私は思うのであります。そうしてこの間における警察の能率というものも必ずしも十分ではありません。これは一般國民の方が御承知の通りであります。これらにかんがみまするときに、制度の面におきましても、またことにいろいろの裝備、施設その他の点におきましても、警察は大いに改善をしなければならぬ点が多々あるのであります。このような状態をもつて、私はとうてい國民の方々に御満足を願えないと考えておるのであります。
○立花委員 しかしただいま門司委員からの質問に対しまして、齋藤長官は福島では警察力は弱くはないということをはつきり御答弁になつておられます。その他の一、二箇月間の問題と申しますと、下山事件あるいは三鷹事件があるのですが、下山事件において、警察力の貧困をお感じになつたのかどうか、あるいは三鷹事件において警察力の貧困をお感じになつたのかどうか。もし齋藤長官が警察力の貧困ということを言われるならば、この事件について警察力の貧困をどういう点でお考えになつたのか、お答え願いたいと思います。
○齋藤説明員 私の申しましたことを曲解されましては、非常に迷惑をいたします。私は福島縣におきましては、警察力が弱くないとは申したのではありません。他の府縣に比べ特に福島の警察は弱いということはない。大体全國並であるという事味で申し上げたのでありまして、福島においては警察力が十分であると申し上げたのではありませんから、この点は誤解のないように願いたいと存じます。福島の平の事件にいたしましても、また三鷹の事件あるいは今お話の下山事件等におきましても、私は警察がもつと科学的な捜査の方法、施設でありますとか、あるいは機動力でありますとか、警察力がもつと充実、向上しておるならば、もつと早く片づくであろう、簡單に片づくであろう、また場合によつては事故が起らなくても済むかもしれない。これは制度、施設、その他全体を合わせた警察力という点から申し上げるのであります。
○立花委員 続いて質問があるのですが、これ以上は齋藤長官にお尋ねする必要もないと思うので、次の運輸関係の方のお尋ねしたいと思う。運輸関係の方でも御報告になりました結論といたしましては、たとえば最初の人員整理の問題につきましても、第一回の團体交渉をもつてやつておる。あるいは妨害の問題につきましても減少の傾向にある。あるいは引揚げの問題につきましても、順調に進行中という報告がなされておるのでありまして、この面におきましても現在の鉄道関係の警備と申しますか、公安官の増強ということは、あまり必要もないように考えるのですが、この点に関して御説明願いたいと思います。
○石井説明員 私が申し上げましたのは、たとえば列車妨害につきましても、件数は減つておるけれども、非常に作為的な事件が多くなつておるというふうに申し上げたいと思つております。また引揚げ輸送、あるいは組合関係につきましても、過去におきまして相当大きなトラブルがあつたのでございます。ただいま現在の段階としてこのような程度になつておるということが、今後とも引続いてこうであるということを申し上げたつもりはないので、事情によりましては、またどういう状態が起るか、不測の事態に対しますだけの十分な警備力は持ちたいという氣持においては、これは現在においてもかわりがないと思うのであります。ただ鉄道公安官と申しますものは、一般警察官吏ではございません。多少法的にも行動範囲制を約されておりますので、必ずしも鉄道公安官だけを充実しさえすれば、鉄道の警備がそれで十分に行くというわけにも参りかねるかと思つております。一般警察力の充実がやはり第一の問題ではないか。こう考える次第であります。
○立花委員 それでは現在のところでなお拡充を要するという御意見をはつきりお持ちなんでございますか。
○芥川説明員 公安官の数につきましては、六月一日の公共企業体になりましたときに一應これがきめられたのでありまして、現在の情勢において、今國鉄の監督局長からお話がありましたように、かりに列車妨害に対しましても、大体行政整理をやりましたとき、あるいは下山事件、三鷹事件、こういうふうなカーブを描きまして、そのときに上つて、八月になりましてからやや落ちている。これは先ほど説明がありました通りであります。しからば公安官として増強の必要があるかどうかという御質問だと思いますが、現在の公安官といたしまして、かりにこの人数をそのままにしておくという場合に、私は公安官の質の向上ということも当然考えられる問題だと思うのであります。同時に公安官自体の装備の問題でありますが、先ほど國警長官からもお話がありましたように、鉄道自体でやればおまかせしてもいいくらいだというお話でありましたが、御承知のように公安官は全然武装されていないわけであります。從つて列車の場合におきましても、國警または自治体警察の警乘あるいは移動警察官に乘つていただいている状態でありますので、もちろん現在の状況といたしましては私個人の考え方から考えまして、公安官はこの数では不十分であるというふうに考えるのであります。
○立花委員 次に海上保安廳の方にお尋ねいたしたいのですが、海上保安廳の御説明によりましても、あるいはこのお配りになつた資料によりましても、犯罪は逐次減少の一途をたどりつつある。密輸の問題におきましては対外関係がありますので問題外といたしまして、密漁あるいはその他の犯罪といたしましては、特に減少の一途をたどりつつある。しかも密漁の問題に関しましては、この資料の結論といたしまして、補足的に水産行政の助長の面から、この取締りに考慮すべき点があるというようにお書きになつておりますが、こういう点から見ましても、やはり水産行政自体を何とか改善しないと、單なる取締の面における密漁の防止という面では、とうてい防止できないじやないかという点が現われているようなのでありますが、こういう面からいたしまして、海上保安廳といたしまして、今後の保安廳の増強、裝備の問題について、どういう御意見か、お聞かせ願いたいと思います。
○大久保説明員 海上保安廳は何と申しましても船を持たなければ仕事ができない。現在海上保安廳が持つております巡視船の主力をなしますものは、木でつくりました木船でございます。速力は八ノットであります。大体戰爭中に二年くらいもてばいいだろうというのでつくりました。船を、終戰後だましだまし、なでるようにいたしまして使つております次第であります、現在密航、密輸、密貿易に使用します船で、十ノットをくだる船はほとんどないと思うのでありますが、八ノットというような速力で取締りができるかできないかという点は、これはもうまつたく自明の点であろうかと存ずる次第であります。さらにそのほかに本船でありまして、非常に古い船体でありますために、荒波に向つて航海するということが非常に困難であります。しかも馬力は十分でない。かような関係で完全な海上の職務遂行は、ほとんど困難でありまして、常に修理して病院に入つておる。かような関係でございまして、何としてでも海上保安廳は、まず船の裝備を充実しますことが、何をおきましても現実の問題であると考えます。次に人の関係におきましても、海上保安法では武器を携帶することができるということを認めておるにもかかわらず、海上保安廳は無裝備でございます。かように非常に劣惡な船と、無裝備の状態におきまして、なおかつその任務には全力をあげて盡しておる次第でありまして、状況は先ほど御説明申し上げました通りであります。そこで治安関係にいたしましてもすでに数名犠牲者が出ておりまするが、ダイナマイト漁業、その他密航者の兇惡なる兇器の所持、さらに瀬戸内海に出ます海賊も兇器を所持しまする関係からいたしまして、またその数も決して減少しない状況にあるのであります。また経済統制の違反につきましても、これは將來はあるいは減少するものとは存じておりますが、遺憾ながら現実の問題としましては、一向減らないような状況でございます。なお海上保安廳は以上の治安関係の任務のほかに海難船舶の救助の任務がございまして、これは万國の船に対しまして、海上保安廳はその責任を持つておる次第でございます。この海難救助は現在非常に海難船舶が多いのでありまして、毎日二時間おきに一隻くらいの海難船舶を出しておるような状態でございます。この海難船舶の救助の場合には、人命財貨の救済のためにどうしてもその船をひつぱり得る、曳航力のある船を保有しておる必要がある。ところが最も救難を要する荒天において出動できない。しかも海難船舶を曳航できない。こういうような船をもつてしましては、とうてい任務の遂行はできない次第であります。海上保安廳におきましては海上保安廳の装備強化拡充ということは、もう現今におきまして必然的な任務になつておる次第であります。
○立花委員 政府のお方がそういうふうに國民に対する責任を御痛感になつて、事務を敏捷に、円滑にやるという方向に進まれるということは非常にけつこうでありますが、問題はその方法だと思うのです。一昨年のGHQからの日本政府に対する警察制度に関する書簡の重大な根拠になつておりますところの報告書には、非常に重大な意見がついております。それはこういうことなんです。日本の警察機構は民衆に奉仕するものではなくして、政府当路者の野心達成のために創設されたものであるということが、はつきりと結論的につけ加えられておりまして、日本の警察のこれからの方向は、警察の民主化であり、地方分権化であるということをはつきりうたつておりまして、日本の現在の警察法はそれに從つてできておるのであります。われわれが現在聞いておりますところの、現在政府で考えております警察法の改惡というものは、この線から非常に逸脱いたしましたところの、むしろこの報告書が警告いたしておりますころの、ある一部の野心達成のために創設されるという傾向が非常に多いのであります。その際に今三長官の述べられました現状からいたしますところの警察力の拡充増強の方向が、こういう一部の野心達成のための方向に行くのではなし、むしろ民衆警察の方向に行くべきである。その警察民主化の方向に進みつつあるという確認がわれわれに得られない限りは、われわれとしてはただいま行われました三長官の現状報告からいたしましては、これ以上の増強あるいは装備の拡充ということは必要ないと考えられるのですが、そういう点で次の委員会には、三長官だけではなしに、ぜひひとつ責任ある政府の警察法改正に対する御意見を承りたい、質疑應答をいたしたいと思いますので、できたら樋貝國務大臣あるいは増田官房長官の御出版を願いたいと思います。
○菅家委員長代理 承知いたしました。それでは井出君。
○井出委員 大久保海上保安廳長官に伺います。最近の新聞紙の報ずるところによりますと約四、五十隻の日本の漁船が、國籍不明の何か怪船舶のようなものに拿捕されたというようなことを聞いております。これはあるいは保安廳の権限外、水産廳などにもかかつて來ましようし、あるいは大きくは外交問題でもあろうかと存じますが、これにつきまして保安廳の方に、何らかの情報が得ておられまするものなりいなや、ないしはこちら側に許可された範囲から越境をしていたという不法があるのか、そういうことに関連をいたしまして情報がもし入つておりましたらお話を願いたいと思います。
○大久保説明員 日本船舶の拿捕問題は方々で起つております。昭和二十三年の一月以來、朝鮮方面で十八隻、ソ連関係で二十三隻、中國方面で十七隻、台湾で一隻、合計五十九隻に及んでおります。このうち交渉の結果帰還いたしましたものは、朝鮮関係で九隻、ソ連関係で十八隻、中國関係で二隻、台湾関係で一隻、合計三十隻であります。そこでマツカーサー・ラインを越えたかどうかという点につきましては、從來のものはあるいはそういう場合もあつたろうとも存ずる次第でありますが、最近の東支那海におけるものは、漁船の船員の帰還いたしました者の申出によりますると、マツカーサー・ラインの内側であつたということを申し述べております。一隻は撃沈され、数隻は攻撃をせられまして、数名の負傷者、数名の死者を出しておる次第であります。この点につきましては非常に日本の漁業、その他日本船舶の保護の上から考えまして、重大であると存じまして、関係方面と連絡いたしまして、必要な手続をいたしまして、所要の措置を講じつつある次第でございます。
○立花委員 資料に関してお願いいたしておきたいのであります。実は読賣、朝日、日本経済新聞等に、最近吉田総理大臣がGHQに対しての警察制度改正に関する要望の話がたびたび出ておるのです。また最近のGHQからの警察に関する書簡の問題に関しましても、やはり政府からGHQに対する警察制度改正に対する要請、あるいは意見の開陳があつたと思うのですが、これはさいぜん申しましたGHQからの日本政府に対する書簡、一昨年の書簡のあの線の修正に関する意見が、多分に含まれているとわれわれは推測しておるのでありますが、次の機会に政府の責任者の御出席、ある場合には、どういう要請をGHQに対してしておるのか、はつきり文書か、あるいは何らかの形で委員会にお示しを願いたいと思います。
○谷口委員 私は次の委員会のことでありますが、特に警察制度改正に関して現状を知つておく意味から、現在の人員、それから装備、訓練、あるいは公安隊のごときものの組織の状況その他につきまして、これは國警の則はもちろんでありますが、自治体警察を含めた全体についてのことを、政府当局からよくただしたいと思いますが、その点について樋貝國務大臣及び官房長官の御出席をぜひお願いいたします。ただとの内容といたしまして、現在國警及び自治体警察における装備、動員力、機動性、あるいは人員、その他いろいろありますが、そういうものを中心にして、ぜひ資料を集めて來てもらいたいと思います。
○野村委員 この委員会としては警察制度の改正に関することを継読審議で附託されているわけであります。そこで今まで委員会が会を重ねて、相当大臣各位からもいろいろな機会に治安に関することを伺つたわけでありますが、特に今日は最も実際にあたつておる三長官から、最近における治安関係の概況を詳細に伺つたわけです。そこでわれわれとしては近く臨時國会も開備をされるであろうということが相想される。そこで、この委員会としてはこの最も大事な治安に関する警察制度の改正の問題を具体的にとりまとめて行かなければならぬ。われわれは職責上そう考える。そこでまず大臣に尋ねて行くよりは、一應本委員会として具体的にもう少しつつ込んで、そうしてその必要に應じて所管大臣にさらに御出席願うこともよかろう、こう思います。さつきいろいろお話がありましたが、率直に國民の立場において、最近の不安な治安の状況は默過することはできない。しかも一應御説明ありましたが、その反面一應これに具体的に手をつけたというだけで、あらゆる最近に起つた事件について、すつきり國民は納得できない。しかも國民の公共の福祉、民衆に奉仕する治安の確立という点については、三長官に伺つてもわれわれは納得することができない。こういう点において、この委員会はこれに対する十分の方途を講じなければならぬ責任がある。次回の委員会においてはそういう観点から、まず私は一應委員間相互に、忌憚のない國家再建の完全なる治安の維持の方途を研究し、その後において大臣に意見をただすもよかろう、こう思います。私は臨時國会の開会も考えられるので、なるべく早く会を進めて意見をとりまとめることを要求いたしたいと思います。
○菅家委員長代理 そうすると、野村君のお話は、次回の委員会においては先ほど立花君、谷口君から樋貝國務大臣、増田官房長官の出席を求めることの要求があつたのですが、それは中止して、その前に協議してやつたらいいという御意見ですか。
○野村委員 私は今共産党の方から御要求があつたが、それでまた質問に終始して漫然と会を重ねて、大臣にものを聞く会、大臣にこごとを言う会に終つてしまう。そういうことでは私はいけないと思う。そこでこの委員会としては閉会中数回やつて來たのですから、大体の研究もできている。そういう点から一應この委員会だけでまとめて行つて、その後においても遅くないと考えております。
○谷口委員 その点についてですが、今野村君がおつしやつたのは、この前正式の理事会であつたかどうか知らぬが、委員長初め私どもがみな集まつたときに、これについては懇談会の形式でもいいから、とにかく正規の委員会外で集まつてやろうということを言つているわけで、野村君もその点を言つていると思うので、私ども反対いたしません。ただ正規の委員会で明らかでないことを明らかにするということは、そういう懇談的にわれわれの意見をまとめるという一方の仕事の成果を確実ならしめるために必要なことだと思う。 引読いて緊急質問を齋藤國警長官にいたしたい。それは古物営業法の実施に関することでありますが、七月一日からその実施になるにあたつて、各警察及び國警ももちろんそうだと思いますが、この前の委員会であの法律のできるときに、古書籍、つまり古本屋さんは事情が非常に他の業者と違うから、あの法律をそのまま適用しないで、そこに便法を設ける。これは施行細則をきめるときにそういうふうにするということを政府が明言している。これは私質問して御答弁は得ているのでありますが、しかし今度の施行にあたりましては、全然それが実行されずに、古書籍も取締対象になつている。この点なぜこの委員会ではつきり明言されたことが実行されなかつたか。この点が一つです。 それからあの法律によりますと、古物を賣りに來るお客から買う場合に、その賣りに來る人を確認する必要があると書いてある。住所、性名、年令等を確認するということが書いてありまして、その確認のためにたとえば米穀通帳を持つて來るというようなことを要求されるのはやむを得ないと思いますが、その上にさらに現在では、すべて拇印を取つているわけです。これは強制されて、拇印を取らなければいけないというふうなことが警察の方かう言われている。拇印を取るということにつきましては、もちろんいろいろ論ずべきところがあると思いますが、しかし日本の警察制度におきまして、拇印を取るということは、非常に普通の人間にとりましては恐ろしいことをされる。言いかえますと人権を蹂躪する政治的意味を持つのであります。ところが本を一册賣りに來ましても、一々拇印を取らなければあの法律に反することになつて、業者は罰せられる。これが法律に書かれてないのにそういうことを実行させているようでありますが、この点についても私ども非常に不審を感ずるわけであります。なぜ拇印を強制的にとらせるようにしたか。そういう法律的根拠いかんということを、はつきりここでお示しを願いたいと思うのであります。
○齋藤説明員 ただいまの二件の点は、これは間違つたお答えはできませんから、十分調べまして、次の適当の機会に、私なり、他の政府委員からお答えいたします。
○菅家委員長代理 この際了承をお願いしたいのであります。前会において本日各地方行政の地方視察の実地調査の報告を聽取することに決定いたしておつたのでありますが、これは都合によつて次会に讓りたいと思いますから終了承をお願いしたいと思います。 それでは本日はこれをもつて散会したいと思います。次会は八月三十日月曜日、警察治安関係に関する小委員会を午前十時から、それから三十一日にこの委員会を開いて地方財政、治安に関する件を議題といたし審議することにいたします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時四十二分散会