地方行政委員会 第28号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/05/21
会議録
○中島委員長 これより開会いたします。 本日は都合により、一旦休憩して午後一時より再会いたしたいと思いますが、いかがですか。 〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
○中島委員長 御異議なきものと認め、暫時休憩いたします。 午前十時四十一分休憩 ━━━━◇━━━━━ 午後四時二分開議
○中島委員長 これより本委員会を再開いたします。 地方財政法の一部を改正する等の法律案並びに地方税法の一部を改正する法律案、これを議題にいたします。右両案につきましては、すでに質疑は大体終了いたしたのでありますが、ここに門司君より緊急に質問いたしたいという申出がありますから、ごく備少な時間においてこれを許したいと考えます。
○門司委員 樋貝國務大臣にお聞きしたいのでありますが、それは警察官の退職手当の問題であります。國家警察の諸君が退職いたしまする場合には、ただちに退職金等の支給が行われるようでありますが、昨年地方の自治警察に引継がれました警察官の退職する場合には、いまだに退職金の支給がなされていないのであります。内務省直轄のときの警察官であつた者が、地方の自治体に移りました場合におけるこれらの処置がどうなつておるかということであります。これは非常に大きな問題でありまして、全國の九万幾らかおりまする自治警察の警察官の全部の諸君に関係する問題でありまして、地方の自治体といたしましても、このためには非常に悩まされておるのであります。この点について國務大臣としてどういうお考えをお持ちになつているかということであります。聞くところによりますと、政府は何か近いうちに一般の退職手当の支出を停止するような意向があるということさえ傳えられておりまして、そして警察官の士氣に相当大きな影響を持つておるということの陳情があつたのであります。この点について大臣の御意見なり、これに対する御処置のお考えを伺いたいと思います。
○樋貝國務大臣 ただいまのところ、ちようど恩給と同じようなぐあいに、自治体の方へ轉じて行きました先の自治体の方でいずれ昇給しますから、その昇給した人を標準にしての手当を與えるというような考えでおりますために、從つて國の職員としての在職期間というものに対する國からの手当ということが、ただいまでは当面の問題になつて参らなかつたような事情であります。しかし実質的には國の方で働いておつた人々でありますために、國の方で地方の財源にも十分にその点、助けなければ、実行できないだろうということを考えておりますようなわけで、非常に遅れましたのは、はなはだその点については私どもも怠慢であつたかもしれないけれども、しかしその目的は当事者から言えばかえつてその方が余分にもらえるのだろうというような考えを持つておつたわけであります。ほんとうから言えば、自治体においてその費用を調弁いたしまして、それから國の方に、いるものは言つて來るというような形をとるべきでありますけれども、現在においては、御承知のように國の予算もすぐには行えないというような状態でありますから、今度の整理につきましては、一般についての原則を適用しておりますけれども、しかも今のような停止だということはきめたわけではないのでありまして、從つて遅れておりますけれども、それに対しては別に反対するというような意味は持つておりませんようなわけであります。遅れた点については、当事者に対して、はなはだ氣の毒だと思つておるような次第であります。それ以上は地方に対して財源を與えるほかないと思いますから、その点は十分に考慮いたしたいと思います。
○門司委員 そこです。地方に財源を與えるほかないというお話でございますが、実際の問題として、國警の諸君は退職すれば、ただちに退職手当がもらえ、地方自治体の方は財源の関係からでもありましようが、当然國の警察官として勤めた間の退職手当がもらえないということになりますると、これは非常に薄給で働いておりまする警察官諸君にとりましては、やめます場合の退職金というのは非常に大きな問題でありまして、ただいまの大臣の御答弁のようなことでは、なかなか地方は納得しないと思うのであります。できるだけ早く支拂うということではなくして、ひとつ退職いたしまする場合には、即時これの支拂いのできるように、ぜひ努力していただきたいと私は考えております。ひとつ大臣から、そのへんに対して明確なる御答弁をいただいておくことが、この際必要だと思います。なお大臣の御答弁を求めておきます。
○樋貝國務大臣 ただいまのお話は、ちようど恩給になる者と、恩給にならない者とがあると思いますけれども、警察官のうちの恩給になるものにつきましては、今度の退職をいたしますについて、幾らか逓減いたすのは事実であります。それから恩給にならないものに対しましては、逓減しないという考えで進んでおりますようなわけであります。それで退職手当は御承知の通りに今までにおきましても、また國警としてやめました場合においても、権利として要求するのじやないのですけれども、大体においてはそういうことを考えて、一つの既得の権利のようなぐあいにして、それを尊重して参りたいという考えを持つておりますようなわけで、今回において退職いたしますについて、恩給になる者が恩給と今までの例によるところの退職手当と合せて取得するのは、うますぎるではないかという議論が出まして、それがために多少の割引はいたしますけれども、そんなにたくさんの割引はしないつもりであります。それで中央におけるいろいろの原則を、そのまま地方にも適用されることになつて参るようなわけで、ただいまお尋ねの点につきまして、遅れましたことは、まことにお説の通り、給與を受ける方の側に対して非常に氣の毒を感じておりますけれども、今までやめました者は、今回の整理でやめたのではない。それを見越してのやめた人々でありますから、その点今お話のごとくに、退職自体はあるいは延ばしておる地方もあるかもしれませんが、しかし中央から延ばすようにという指令は出したのではないのであります。その点について各地方々々に異なつた事情があることを御参酌願いたいと思います。
○門司委員 一向わからない。私の聞いておりますのは、こういう支拂いが非常に遅れておりますため、大臣も先ほどから遅れたのは申訳ないというお話でありますが、申訳ないということだけでなく、明確に、ただちに支拂うような方法を講ずるからというようなお話が願えるかどうかということであります。しかも実際すぐ支給していただくような手段を講じていただきませんと、先ほどから申し上げましたように、非常な薄給で働いております警察官が、退職いたしてすぐ困るのであります。大した金ではありません。月俸一万円ぐらいで二十年以上勤めておつた者でも、今の算定基礎から申しますと、十一万か十万円程度で済むのです。それ以下の警察官も多いようでありますし、それ以上の警察官は数はそうたくさんはありませんので、大した額にならないと思います。遅れたことは非常に遺憾であるということでなく、退職と同時に、國家警察の職員と同じように支拂うようにしていただくのが私の希望でありますが、この点をもう一度、くどいようでありますが、大臣の御答弁を要求するものであります。
○樋貝國務大臣 今の恩給になるような部分につきましては、恩給に通算されない職に轉じて行きました場合においては、先とにらみ合せまして、ただちに拂うということになつております。しかし御承知のように末端では、手続でよほど遅れたりしておりますが、なるべく早く行くようにということでやつておるのであります。おそらくお話は整理前のことであろうと思いますが、ひどくたまつておるのは、すぐ行くように手続をとります。御趣旨に沿うと思います。今度の整理はまだ始まりませんから、それはしばらくお待ちを願いたいと思います。
○門司委員 さらにもう一つお聞きしておきたいのは、最近神戸市において例の公安條例の設定に関して、これの反対運動のために、労働組合の諸君がデモ行進を行いましたときの取締りによつて、警察官との衝突が起つて、相当数の負傷者を出し、さらに檢束者を出しておるという情報を聞いておるのでありますが、当局はこれに対して情報を得ておられるかどうかということであります。この点をひとつお伺いしておきます。
○樋貝國務大臣 ただいまのは、神戸市の公安條例をめぐつた事件でありまして、申すまでもなく自治体警察のことでありますから、平常の場合においては私の方では知らない建前になつております。しかし國警を通じましての情報を始終各地から得ておりますので、その範囲でお答えいたしますが、ちようど五月十九日の十四時から、神戸市役所において市会の本会議が開かれました。そこで市の公安條例が付議された結果といたしまして、三十対十二で原案通り可決されましたようなわけで、そのときにちようど電産その他の労働組合と、朝鮮連盟の人たちで、約四百人ばかりが傍聽を迫りました。一齊に議場に至ろうといたしましたので、從つて非常な混雜を起しました。そこで市の警察官と衝突したということになつておりますので、入口とか、手すりなどを破壊する等の行為が出たために、遂に神戸市警で器物破毀、公務執行妨害というようなことで、十三名だけ檢束したという事実があります。おそらくはそのことでありましようが、それ以上は國警としては情報を得ておりません。
○門司委員 さらに詳報によりますと、その間に双方に相当数の負傷者があつたことと、最近の情報では、これらの收容されております諸君に対する差入れその他に参りました者を、ただちに檢挙しておるというような情報を得ておるのでありますが、この問題については、ただいま大臣の御答弁によりますと、直接関係がないというお話でありますので、深く私どもは追究はいたしませんが、こういう問題の起つて來るゆえんについて、一應大臣のお考えをお聞きしておきたいと思うのであります。これは神戸市における公安條例の設定でありますが、公安條例、保安條例というようなものは、市あるいはその他の自治警察だけではありませんで、國警が直接関係を持つております都道府縣においても、こういう條例が出ております。從つて公安條例に対する当局のお考えをひとつお聞きしておきたいと思うのであります。これは速記にさしつかえがあれば速記をとめておいていただいてもけつこうだと思いますが、日本の現状は軍政下にありまして、地方の警察官が、おのおのそういう團体の行動に対して、違反に対する取締りをするというのと、軍政部直接、それらの違反に対しましても、やはり取締りの任にあたつておりますので、それから考えて参りますと、今急にいろいろな問題を引起してまでも、公安條例の必要がないではないか。公安條例は御存じのように、集会その他に対しまして多く届出制をとり、さらに届出制だけでなく、許可制をとつておる。しかもそれは七十二時間前に届出よということで、実際上憲法で保障された國民の権利が、かなり大幅に縮小されております。そういう点で現在の地方あるいは中央における諸團体というものが、自分たちの持つておる権利を施行するために集まることすら、非常に大きく制約されておる。從つてこれに対して大きく反対することはふしぎでない、あたりまえだと考えておりますが、こういう條例が次々と出て参りまして、今日本の國に、いたずらという言葉は強過ぎるかもしれませんが、必要以上の波瀾を起しておる事実は随所にあるのであります。從つて警察の所管大臣であらせられまする國務大臣として、この條例に対してどういうお考えをお持ちになつておるか。これがどうしてもなければならないというお考えを持つておられるのであるか。あるいはその他のお考えをお持ちになつておられるか。その点を一應お伺いしておきたいと思います。
○樋貝國務大臣 一般の條例がどういうことを規定するかということは、今までと同じような内容を持つとは私は考えておりませんので、各地方でその必要に應じて別なことを規定すると思いますから、從つて私のお答えすることも、その地方に合わぬかもしれないけれども、しかし一般的の考えとしては、各地方々々が必要と認めて、合法のものと、言いかえればその地方の公に選出された人間によつて、これが必要と考えれば、それが憲法や法律に反しない限りにおいては、やはりそれを合法的と見なければならない。それに対して押しかけてもらつたり、ぶちこわしてもらつたりしたのでは、はなはだ困る。その点だけは考えていただかなければはなはだ困ると思います。それを当然なことだと考えられては、はなはだ困るのであります。それに対しては、もし相当でなければ、いろいろな合法の手段によつても、それを処置する方法もありますから、その方法に出てもらいたい。言いかえれば、乱暴な方法でこれを阻止するということに出てもらいたくない、こう考えております。
○門司委員 時間をつぶしてはなはだおそれ入りますが、大臣の答弁が私の聞くことと離れておりますので、時間をとりますことを同僚各位にも、委員長にもおわびします。私はそういうことを聞いておるのではありません。こういう公安條例というものを、各地方の都道府縣並びに市町村の警察でこしらえますので、こういう問題が起つております。しかしその問題については、私どもの方からいたしますれば、現在の日本においては、個々の都道府縣あるいは市町村の條例でそれをきめなければならないほど切迫した問題ではないのではないか。その一つの理由としては、やはり軍政下にあるということが一つの大きな理由にもなると思います。同時にまたかりに警察関係の諸君が、自分の管轄区域内で集会をするとか、あるいはデモ行進をするとかいうことを全然知らないわけに行かない。從つてこれを好意的に自分の方へ届けてもらいたいというような程度であるならば、私は大した問題は起らなかつたと思います。しかし全然そういうことではなく。國民に当然與えられた、憲法で保障された自由の團体行動に対して、これを許可をするというようなこと、あるいは時間の制限をするということ、何時間前に届けなければならないというような時間の制限をする、こういうことが條例で定められますので、それらの運動をいたしまする現在の労働組合あるいはその他の民主團体というようなものは、自分たちの持つておる、憲法で保障された権利というものが、非常に大きく侵害されておる。そういう点が間違いを起す一つの原因でありまして、今起つた問題は、單に神戸市の問題でありますが、やはり今警視廳でもきめようとしております。これはおそらく國警の関係を持つておるかと思いますが、その他の國警と直接関係を持つております府縣においても、やはり公安條例というものが次々に定められて來る。從つて大臣は、單にそれは合法的の手段——なるほど地方自治法の制定によりますならば、地方の條例に対しては、合法的にこれを改廃する権利を住民は持つておりますが、事件が起つて、これを改廃するということよりも、むしろ今起りつつある事件をいかになくするかということが、警察の本來の建前でなければならない。それの主管大臣であります樋貝國務大臣は、それに対してどういうお考えを持つているかということであります。さらに突き進んで申しますならば、主管大臣であります國務大臣から、それらの條例に対する一つの基本と言いますか、見本と言いますか、——私はないに越したことはないと思いますが、先ほどから申し上げておりますように、警察官が、集まる場所を知らなかつたとか、あるいはデモ行進を知らぬとか、管内に起つた事件を知らぬということでは困りますから、好意的にこういう問題は届けてくれぬかというこの程度ならば、そうやかましく言わぬつもりでおります。そういう程度のものにしたらどうかということについて、大臣の一つの意見でも、注意でも、各都道府縣の警察あるいは警察をつかさどつておりますその他の者に対して、指令でもお出しになるお心構えがあるかどうかということであります。その点をお聞きしておきたいと思います。
○樋貝國務大臣 今の御質問と私の申し上げたこととの間には、どうも食い違いがないように思つておりますが、私どもの考えでは、警察については、大体去年から地方々々に原則としてまかせる。地方の事情によつて警察を施行して行けというような態度をとりまして、残つたものを國警でしりをぬぐつて行くという建前でありまして、今までのように戰時中行われたような警察などと、まつたく逆の方向をとつておることは事実であります。從つて地方々々でよしと考えるならば、もし憲法に違反するというようなことならば別ですけれども、そうでない限りは、大体において地方へまかして行くという態度からすれば、その地方で公に選出せられた議員たちが集まりまして、これがよしとすることは尊重しなければならぬ。私の方から、これをこうやつた方がいい、ああやつた方がいいと言うことは、これは勧告や事実上の忠告なら別ですけれども、法律的にそういうことをやるということはできないと思います。さらに非常事態になれば総理大臣が発動いたしますから、從つて私どもの方としても同樣な命令をいたしますけれども、今のところは別に命令というところまで参りませんので、地方へまかしておるわけであります。地方廳ごとにどんなものを規定するかということは、一概に言えないと思いますが、私の方から禁止命令を出すことは避けたいと考えております。 それから今お話のデモ行進云々でありますけれども、今起りました事件はデモ行進ではないと思います。從つて平穏無事なデモ行進——今日もそこら辺に國鉄の從業員が約三百名ほど來ておりますが、別に事故を起したこともない。メーデーにおいても同樣に事故を起したこともないようであります。しかし神戸における事件はデモではないと思います。
○門司委員 そんな御答弁では、少し聞かなければならない。私はデモ行進自体が惡い、いいと言つたことはない。それを取締ろうとする公安條例をこしらえるから、そういう問題が起る。平穏なるデモ行進をどこに取締る必要があるか。平穏なデモ行進なら、何も取締規則をこしらえる必要はないのであります。それを二十四時間前、あるいは七十二時間前に届出るとか、許可をするとか、一体憲法で定めております團体の、ことに民主團体の行動に対して、これを許可制にすること自体が、私は憲法の違反だと思う。百歩譲つても、私は届出だけでいいと思う。そういう條例をこしらえるから、問題が起ります。デモ自体で問題でないと思います。そこで大臣は、法律でこれを画一的に命令できめるわけに行かないというお話でありますが、少くとも日本の警察をつかさどる大臣として、それならどこに大臣の権限と責任とがあるかということであります。警察権は全部地方公安委員が知つておるから、あるいは都道府縣、市町村並びにそれらの議員が知つておるから、おれは何も用はないというような立場ならば、私はあなたの職責を一應疑わざるを得ないのであります。これは言い過ぎる言葉であるかもしれませんが、しかし私は法律でこれをきめるとか、命令でこれをするということではなく、あなたのできる範囲において、各都道府縣なり、市町村警察なりの主管者に対して、そういう御注意でも願えぬかということであります。
○中島委員長 御質疑ではなくて議論になつておりますので、質疑はこの程度にとどめていただきたいと思います。 次に私より青木経済安定本部長官に対して、委員の大体の空氣を代表して質問をいたしたいと思います。当委員会では、現在の入場税の、はなはだ高率なることについては、非常に不滿を持つております。但しこれを軽減しようとしましても、地方財政の不安動搖も心配しまして、決行し得ずにおつたのであります。昨日物價廳の第五部長の説明を聞いたのでありますが、私どの間に御答弁が了解を得ないのであります。ここに長官の御出席を煩わして、確固たる答弁を要求するのであります。 その意味は、現在の映画、演劇を通じて経済統制が撤廃されたならば、入場者が増加して、入場税の地方における財源が確保し得るのではないかという、お互いの委員の間に見通しを持つておるのであります。これに対して長官の御答弁を煩わしたいと思います。
○青木國務大臣 ただいまの委員長の御質問にお答えいたします。御承知の通り演劇の料金につきましては、すでにその統制を撤廃いたしまして、映画の料金については、現在すでに一般の公定料金のほかに、特に経費のかかつた映画について特別料金を許可しておりますが、本來映画料金のごときものを統制する必要を考えますれば、これは統制する必要はないと思いますので、すみやかにこれを撤廃する方針であります。
○中島委員長 お諮りいたしますが、青木長官はすみやかに撤廃するという意思であります。過般野村委員の提案になつております百分の十五を百分の十に低下せしめるという御議論に対して御異議ありませんか。皆さんの御意見を伺います。
○谷口委員 ちよつとそれは今の委員長と青木長官との間の質疑應答に……。
○中島委員長 しかしこれは決定されたのではありません。
○谷口委員 決定されたのではないのですが、何かこの間からここの委員会で論議されておる問題の内容と、若干違つておるような氣がいたしました。今委員長のお尋ねになつたところは、映画料金そのものの統制撤廃の意思があるかないか、こういうことであつたと思いますが、この間から本委員会で特に野村委員からの説といたしまして出ておりますのは二つあると思います。一つは映画料金の統制を撤廃することによつて、高級なものはもつと上げてもよろしいのでありますが、別に入場税を安くすることによつて、映画料金を安くするということが、地方の財源として入場税はむしろ余計にならない、こういう意味であつたと思うのであります。從つて映画料金の統制だけを撤廃して入場税の増徴を見込むということになりますれば、業者はむしろいろいろな口実を設けて料金の方だけを上げて行くという傾向が起る可能性もあると思います。そういう点ではこの間からのこの委員会での論議とは、かなり意義を異にすることになると思いますので、その点もう少しはつきりしたいと思うのであります。つまり青木長官にお尋ねしたいのでありますが、映画、演劇と申しましてもこれはピンからキリまであるわけでありまして、映画にしましても、製作費が非常にかかつて高くなるもの、また同時に上映館も設備が非常によくて、普通の場末の館よりは、はるかに経費のかかるものは、統制を撤廃することによつて若干の値上げをやつて、その経済的なバランスをとる、こういうことが可能ではなかろうか。しかしその反面に私どもは大衆的なもの、もしくは普通の設備のところでは、むしろ映画料金は下げていただく。つまり映画料金を下げると同時に税率も低くして、より安い料金で映画もしくは演劇が見られるようにして行きたい、こういうことを考えておるのであります。そこで二つの問題があるわけでありまして、映画料金の統制の撤廃と申しても、ただ單に撤廃というのではなくて、非常に高級なものは必要であろうが、普通のものはむしろ安くしなければならないという意見を私は持つておるのであります。今長官の御答弁によりますと、全面的に映画料金の統制撤廃をやるというお考えのようでありますが、そういたしますと、逆に業者は映画料金を高くするという可能性があるのでありまして、このことは当然安定本部、物價廳でお考えの物價体系に相当の影響を及ぼす。このことはきのうでしたか次長がお見えになつたときに、物價体系に影響を及ぼすから、これは撤廃できないとおつしやつたのであります。その点をもう少しはつきり御説明願えたらと思います。
○青木國務大臣 昨日の答弁がただいま御質問にございました委員のおつしやる通りとすれば、それには内容的に詳細な説明をいたしたものと思いますが、私がただいま申しましたのは、映画、演劇、こういうものについてこれまでやつて参りました経過から見て、こういう映画料金のようなものを統制しておくということそれ自体が、われわれの考えとしては適当ではないということで、ぜひこれはすみやかに撤廃したいということの方針を私は申し上げたのであります。
○中島委員長 谷口君、あなたの御議論は、この間私から申し上げたのでありますが、統制を撤廃しましても、私はごく末端のものは映画料金を上げることがないということに見通しておりますが、これは法律で規定しなくてもその懸念はないように察するのであります。現在の入場税が高いために入場者が少くて困つておるのですから、入場税が下つた分だけは料金も低下することは、大体の大衆的映画館の空氣であります。私はただいま申し上げた統制を撤廃して、そうして映画は相当な料金で入場者を求めるというような関係が、地方財政を危うくしない原因を持つのではないか、こういうことだけなのでありまして、この高い映画も高い料金をとることはあまり賛成しておりません。しかしながら今は地方財政を憂うる点が相当に強いのであります。その意味にしかすぎないのであります。
○谷口委員 委員長のお言葉はやはり本質的に問題がかわつて來ると思います。入場税を安くすることによつて、全体として観覧者の負担する金が安くなれば文句はないのであります。映画料金を撤廃するということをその一面にうたえば、料金つまり観覧者の負担する金高は同じだが、税金の額が減つて來て、それだけ業者がもうける。一般大衆には何らの利益も及ぼさないという、おそろしいことが結果として起つて來ることが多いだろうと思う。私どもは入場税を安くしたとすれば、それが大衆の負担を軽減する。確実に負担軽減になるという施策のもとに入場税を安くすべきであつて、それが業者の利益を擁護するという形になるような状態でやつてはならぬと思う。そういう点で入場税を安くするということを、まず考えるとすれば、特殊なもの以外は統制を撤廃しないことが前提にならなければ、多くの業者を利せしめることになると思うのであります。そういう点については、委員長はそういうことはなかろう、大衆の声だとおつしやつても、なかなかもうけることには抜け目のない連中ですから、そうは行きません。やはり法律的に大衆の負担を軽減するということを擁護するような、確実な手段を講じておくべきだと私どもは思つております。
○野村委員 今青木長官からお話がありましたこの問題については、地方の財政の補填の問題に対してお互いが心配いたしておるのであります。谷口さんは藝術文化的の方面に対しては体驗者であります。このことは先般來の各委員会を通しても、一番よく理解をされておることと思います。一体こういう映画、演劇に対する料金そのもののわくを統制すること自体が、藝術文化にふさわしくないということも言つております。それからパリテイー計算云々ということに対して、谷口さんあたりからもいろいろ御意見も出たようであります。この料金の統制をすることによつて、全國の二番館以下の大衆映画館というものは、当然現在の三十円というものをはるかに下まわることによつて、非常に観客層も増しますし、これによつて利するところが多い。また相当の都市における映画館等によつては、これによつて設備の改善もできましようし、さらに藝術的な、良心的な作品ができる。ただ單に私は、この問題は企業家なり資本家の、擁護的の立場で言うておるのではないのでありまして、問題はこの百四十億になんなんとする地方公共團体の財源、これを十分補填をするというところに問題がある。その結論としては、この不合理な料金の統制のわくをはずすということが、委員会としても一番結論を得る目やすがつくのである。こういう点から先般政府委員も來てお話を伺つたので、釈然とするところがなかつたのでありますが、今青木長官の言明によつて明確にこの見通しはついたと思います。この点は谷口さんの今の御所見のような御心配はないと私は信じております。これは企業家の経営に一方的にわれわれが加担するのではない。公正な文化、映画、演劇の重要性から考えて、しかもなおかつ地方の財政ということを考えながら、われわれはそういうふうに意見を述べておるのでありまして、今の長官の言明等によつて、すみやかに実現ができますならば、この問題の見通しがつくと思います。この点に対しては、むしろ進んで共産党の委員各位も、非常に共感の意をいろいろ委員会においても拜聽いたしますので、これによつて私は結論に入り得ると、こう思うのです。今の長官の言明に対して全幅の賛意を表すると同時に、私はこの入場税の軽減に対する核心をつかまえ得たとこう考えております。
○谷口委員 つまり料金があつて、それに十五割かけて五十円とかいうことになつておる。だから統制額というものは税額を加えた額ではなくて、税額が脱けた額が統制額だと私は思つております。しかし一般的には見る者の側から言いますと、両方合せて五十円とか四十円というものが入場料金と考えられる。だから税額が下つて、その分だけ入場料が下る。つまり一般大衆から見て入場料が下ればいいのでありますが、その両方の額が業者に行くとすれば、これは一般大衆の負担によつて業者を利せしめることになる。これは私は十分考えなければならぬと思う。今野村さんがおつしやつたように、特に製作者その他の業者に対しては、今の状態は非常に氣の毒であつて、もつと收入がなければならぬということを私たち考えております。しかしそれは大衆の負担によつて業者が利益があつてはならないのでありまして、たとえば入場税を下げて、そうして料金が下つて來る。見る者にとつての料金が下つて來るといつた意味において、たくさん見るという形で業者が利益を得る。こうなれば負担の割合が多くなるという意味になりませんので、そういう形で業者の收入を多くすべきだと私は考えており、またそうなり得ると考えております。だからここは入場料金の統制を撤廃するということを前提にして、入場税の引下げをやるということになりますと、非常に混乱が起りますから、入場税を軽減されるならば、この際は、少くともある特殊なものを除く以外には、統制を撤廃しないという建前でやつていただけば、これは一般大衆に負担が轉嫁されて、業者がもうかるといつた不合理が防止できるとこう私どもは考えております。そういうふうになれば、けつこうだと思います。
○中島委員長 大体谷口君のお話のようにみな考えておるわけです。料金は上げさせない、下げてもらいたいという希望はみな持つておるわけであります。しかし相当なものに対しては、相当な料金を拂つてよろしいのではないか。というのは特別料金になりますけれども、特別料金をとつておるものはわずかです。指定席を持つておるというようなところだけに、大体限られておるようでありまして、特にいい映画を観覧させたものは相当に自由に料金を上げて、そうして入場者を求める、入場者はそれを批判して入るというようなところに行きたいというのが、大体の空氣らしいのであります。谷口さんの御議論はごもつともでありますが、大体統制のわくをはずしてもらつて、地方の財源を維持して、税額を低下せしめようということが多数らしいのでありますから、どうぞこの上は議論になりますから、ただいまの野村君の案に賛成かいなかを決定してもらいたいのであります。これは決定的ではありません。ただその筋の承認を求める手続を運ぶ上に必要でありますから、大体の御意見をまとめて、そうして意見を聞こうと思つておるのであります。会期もあと二日でありますので、少し皆さんに、むりに押しつけるような向きもありますが、これもやむを得ないことだと御承知願いたいのであります。
○谷口委員 賛否をお問いになればやはり議論をやらなくてはならぬと思う。私議論はやりませんが、そういうことになつて議論にわたるからまあまあということにはならない。賛否を問うということになれば、議論をやらなければ賛否は問えないと思うのであります。私ども共産党といたしましては、入場税の撤廃を要求しておりますでの、そういう意味で今十五割が十割に下るということで賛成いたしますが、しかし根本的には入場税の全廃ということは、先ほどから繰返しますが、大衆の負担が軽減されるばかりでなくて、大衆の負担が軽減されることによつて観覧人の数も増し、業者も今の困つた状態から解放されることになる、こういう意見を持つております。そうすることによつて、今の日本の文化財といたしましては大きな意義を持つております映画、演劇の非常に困つた状態を打開して、もつとりつぱな映画、演劇を発展させなければならぬ、こういう立場から、私は入場税の全廃、少くともこういうものに関する全廃を提唱しており、同時に入場税もしくは観覧税というようなものの中で、大衆に何ら関係のない、むしろない方がいいような、あるいはゴルフとか、あるいは競馬とか、マージヤンとか、あるいはそれに類した高級賭博には、今政府の考えでいらつしやることでは非常に手ぬるいので、考えていらつしやる十倍でも、二十倍でも、五十倍でもいいから税金をとつて、大衆的な文化の発展に向つて私どもやつてほしい、こういう案を持つておるのであります。
○中島委員長 谷口君も理論的には野村案にただちに賛成はしないようでありますが、しかしその税の低下について喜んでおるはずでありますから、その他御異議がなければそういう方向に進みたいと思うのですが、どうですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 それではそういうことにはからいます。そういう関係におきまして、地方税法の一部改正の法案は、明日の午前中に討論に入りたいと思います。 —————————————
○中島委員長 次に本日は地方財政法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。本法案に対する質疑は大体終了いたしました。ただいま委員長の手元に修正案が提出されております。これが趣旨弁明を許します。
○川西委員 地方財政法の一部を改正する等の法律案に対しまして、共産党を除く各党の提案にかかりますところの修正案の理由を簡單に申し述べます。すなわち次の二点で修正を加えることが適当と認められるのであります。 修正の第一点は、地方財政法に関するものでありますが、現行法によりますれば、その第十八條におきまして國の負担金、補助金、支出金は、地方公共團体が國の事務を行うために必要かつ十分な金額を基礎として、これを算定しなければならないことを規定しており、さらに同法第十九條におきましては、これらの支出金は、その経費の支出時期に遅れないようにこれを支出すべきことを規定しておりますが、それらの規定に違反した國の措置について不服のある地方公共團体に対しては、別にその救済策としてとり得る手段が示されておりません。しかるに同法第十三條におきましては、地方公共團体が委任事務等のために要する國の財源措置につきまして不服があるときは、内閣を経由いたしまして國会に意見書を提出する道を開き、内閣はこれに対しまして意見を付して遅滯なく國会に提出すべきことを規定いたしておりまするから、これと同じ方途を前の場合にも講じまして、彼我均衡を失しているのを是正する。すなわち國の負担金、補助金等の支出金の算定、または支出時期その他支拂いの遅延もしくは不拂い等、支出全般について地方公共團体に不服のある場合にも、内閣を通じまして國会に意見書を提出させて、異議を申し述べる道を與え、もつて地方團体の異議が、近來の國の財政事情等から、政府の一方的意向によつて軽視されることのないように措置する必要がありまするから、そのように條文を附加いたしまして修正しようとするのであります。 次に修正の第二点は、同じく地方財政法の一部を改正いたしまして、京都市ほか四大市にも当せん金附証票、すなわちいわゆる宝くじの発賣を認めようとするものであります。さらにこれに関連いたしまして、当せん金附証票法の一部に所要の改正を加えようとするものであります。地方財政法第三十二條によりますれば、いわゆる宝くじの発賣は都道府縣に限られておりまするが、地方財政の現状と各市の熱心なる要望等によりまして、さらに京都、大阪、横浜、神戸、名古屋の五大市にもその発賣を認めるようにいたしたいのであります。もつともこれらの五大市が商標等を発賣する場合におきましては、その所轄府縣とよく連絡をいたしまして、その時期、方法等におきまして調整をなし、摩擦と混乱を避けまして、よくその目的を達するように遺憾なきを期することが肝要であると思うのであります。以上二点の修正に伴いまして、法案の体裁、字句の修正等法文の形式上の修正を要することはもちろんであります。修正案の要旨は以上の通りであります。御審議の上、御賛同あらんことを望みます。
○中島委員長 川西委員からただいま趣旨弁明の説明がありました。 五派協同提案にかかる修正案及び原案を一括して討論に付します。足鹿委員。
○足鹿委員 ただいま川西委員から地方財政法の一部を改正する等の法律案に対する修正意見が提出されました。私どもこれに異議はないのであります。また他の原案につきましても、不満足ではありますが、現在の財政法が持つ欠陷を肝干除去いたしまして、一歩よい方向に進むことにおいて賛成をいたしたいと思うものであります。この際二つの点について要望いたしますから、特に委員長において本会議上程の際に、強く次に二点を御強調願い、政府においてもすみやかにこの要望事項に対して努力し、善処せられるようにとりはからわれたいと存ずるのであります。 すなわちまず第一に、地方財政法の第十條の規定による、國と地方公共團体の分担区分については、なお一層の調査検討をして、いやしくも國政事務のために、地方公共團体に対しその経費を負旦せしめることのないよう努力せられたい。この点についてであります。今回の改正案を見ますと、十八項目にわたつて國と地方公共團体との区分が明確にされたことは喜ぶべきことでありますが、まだ他にたくさん区分の明確ならざるものがあることは、各位の御存じの通りであります。從つてこれは、すみやかなる機会においてこれを明確化し、現在窮乏にあえぐ地方自治体に、國の委員事務の重圧を加えるがごときことのないように努めなければならぬと考えるものであります。第二点といたしましては、修正案の第二十條の二の規定は不十分であるから、國の負担金に属する支出金に対すり地方公共團体の請求権を確立する法律的措置を講ずるよう努力すること。この点につきましては、ただいま五派共同の修正案が提出されました。しかしこれでは、まだ十分であると言うわけには参らないのであります。先般の委員会におきましても、木村國務大臣は、門司委員のこの点に対する質問に対しまして、政府としてもそのような措置を講ずることに対して御異存はない旨の御答弁がありました。ただ問題は、法律的ないしは技術的な問題におきまして、この取扱い方はきわめてむずかしいのでありまして、その点において、あえて私どもは別個な修正案等を出すことをさしひかえまして、これは政府並びに私どもの共同の努力によりまして、この点をはつきりし、地方公共團体が、多大の犠牲を拂つて國家の委任の仕事をした場合に、いやしくも泣き寢入りになるようなことなく、まて時期を菱しく遅れて支出金等を受けることの不便を完全に除去いたすよう、法律的な措置を講ずる必要があると存ずるのであります。 以上二点につきまして私どもは要望をいたしますので、委員長におかせられましては、このわれわれの意思を正しく委員長報告に織り込まれまして、國会を通じ、政府に対する委員会の意向を反映せしめられるように御善処をわずらわしたいと存ずるものであります。
○中島委員長 お諮りいたします。ただいま足鹿君より要望事項が二つございます。これを委員長報告に、委員会の要望として加えますることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 異議がなければさよう決します。
○千葉委員 ただいまのお話、まことに同感でございますが、私は特に第十條、第十一條のうちで「食糧、薪炭その他生活必需品の供出に要する経費」この分担がきわめて不明確でございますので、これをはつきりしていただくことが、地方自治体のためになると思いますから、特にこの点をうたつていただきたいということ。それからもう一つの問題は、先ほどもお述べになりました補助金の問題でありますが、補助金——政府の支拂金が非常に遅れております。過般問題になりましたところの一億八千五百万円の選挙の立てかえ金ばかりではございません。昭和二十二年度における災害復旧費その他がいまだに未達のものが多いのでありますから、これらのものを早く政府が支拂うように、何か措置を講ずるということが、地方自治体の財政の窮迫を救うゆえんと思いまするので、これらの二点に対しまして、でき得るならば具体的にこういう事例もあるということを加えていただいたらどうか。その点につきまして、以上二点を申し上げまして、この修正案に賛成するものであります。
○谷口委員 共産党は地方財政法の一部を改正する等の法律案につきましては、伸念ながら反対せざるを得ないのであります。今川西委員から御提出になり、足鹿委員の要望が、共産党を除く他の諸党の御賛同によつて修正案が通つておるわけでありますが、この修正案につきましても、理論的にも実際的にも、何らこれは効力のないものだと私どもは考えざるを得ないので、やはり賛成できがたいのであります。私どもの全体として賛成できない理由を簡單に申し上げますと、今一部分は千葉委員からもおつしやつたようでありまするが、この地方財政法の第十條に、「國と地方公共團体相互の利害に関係のある事務を行うために要する経費は、國と地方公共團体とが、これを負担する。」という條項がありまして、第二項に、それらの意義を持つ事業の内容が、十四個のものとして掲げられております。今千葉委員はその中の一つをおつしやつたと思いますが、私どもの考えによりますと、これは全部國が全額その経費を負担すべきだ、こういうふうに考えておるのであります。また第九條の地方公共團体だけの負担でいたさなければならないとされている事業のうち、第二項の第七号、第八号、第九号、第十号及び第十一号まで、これは國と地方公共團体とが両方で負担すべきである。こういうふうに私どもは考えており、そういう意味の負担区分の明確な規定をこしらえることができるならば、私どもは賛成するのでありますが、そうではなく、今度出されました修正案は從來の慣例を單に條文に現わしたものにすぎないのでありますので、賛成しがたいのであります。 第二の問題でありますが、國が負担すべき補助金、もしくは負担金、支出金、これを地方公共團体へ渡すについての問題であります。今川西委員の修正案は、國が負担すべきものを、まだ地方公共團体に渡してないような場合、地方公共團体としては、その支出金の算定及び支出の時期について不服のある場合には、内閣を経由して國会に意見書を提出することができる。こういう修正案でありまするが、これはいくらきめましても、実際は何の効果もないものだと私どもは思うのであります。この委員会においても問題になりましたように、本年の一月に行われました衆議院選挙の國の当然負担すべき経費が、地方公共團体によつて支出されておる。それをいまだに國が地方公共團体に渡していない。この問題は、ここで詳しくは論じませんが、これは今申しました地方財政法の第九條でも、第十條でもなく、第十一條の、國が全体として負担しなければならないという規定の中にある第二項の第一号「國会議員の選挙及び國民投票に要する経費」であります。これを地方公共團体が支拂つてしまつて、それが大きな穴になつておるにかかわらず、いまだに國が支拂わない。こういう不信行為をやる國を相手に、單に國会に意見書を出したくらいで、とてもとても國は出すはずはないと思うのであります。こういうことを書いてあつてもなくても、地方財政法の第二條であつたと思いますが、「地方公共團体に負担を轉嫁するような施策を行つてはならない。」という規定がありますから、当然國は責任上、誠意があり、國に拂う氣がありならば、拂つているはずであります。拂う氣がなく、全然出す氣がないものに対しては、いかに國会に意見書を出しても、やはり出さない。こういう國を相手に、言つてみれば、出すべきものを出さず、拂うべきものを拂わない、そうしてほおかぶりをしているという國を相手に、地方公共團体が自分の立場を守るためには、強固な法的な措置が必要であると私どもは考えます。そこで当然これは地方公共團体の直接請求権を確立して、そしそれでも足りない場合には、それに対するいろいろな、たとえば損害あるいは他から融資をした場合の利子延滯料金、こういうものを國からただちにとれる、差押えしてでもとれるという條項を入れるべきだと私どもは考えております。そうでなければ、今度の吉田内閣では選挙の費用すら出さずにおいてほおかむりをしている。そういう政府を相手にやる場合には、地方團体に相当強固な権利を與えなければならないという意味であります。修正案もそこまではやつていないのでありまして、ただ形式上國会へ意見書を出すということをきめておるのであります。その形式でしたら現行の法律の中には、十分他に條章があるわけでありますから、こういう問題は何ら効果のないものだと私どもは思うのであります。そういう意味で簡單でありますけれども、この地方財政法の一部を改正する等の法律案につきましては、全体的に修正案を含めて私どもは反対するものであります。
○中島委員長 これをもつて討論は終局いたしました。 これより採決いたします。本法案に対する修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中島委員長 起立多数。よつて修正案は可決されました。 次に修正部分を除いた原案について採決いたします。賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中島委員長 起立多数。よつて地方財政法の一部を改正する等の法律案は修正議決されました。 本案に対する委員長の報告等のことは委員長に一任されんことを希望いたします。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 それではさように決しました。
○門司委員 全ほど入場税の問題が出ましたが、別段異議はありませんが、この際一應聞いておきたいと思いますことは、先ほどからのいろいろのお話のようなことになつて、当局の財源措置との関係がどういうことになりますか。当局もわれわれと同じような見解をお持ちになつているかどうか、この点を当局からお聞きしたいと思います。
○木村國務大臣 当局の意思をお答えいたします。先刻來の安本長官の答弁の通り異議はございません。
○門司委員 異議はないでしようが、それでなくて、たとえば入場税を下げて地方財政に影響があるのかどうかということであります。われわれが考えますのは、もちろん國民の負担の軽減につとめなければなりませんが、入場税を下げることによつて、地方財政にどういう影響があるかということは、これまた地方から考えれば大きな問題であります。從つてこの点を明確にしておきたいと思います。税率を下げて大勢の観覧者があつて、それによつて増税ができるという見通しが立てば、見る方もすべてがよくなると思いますが、あなたの方のお見通しはどうでありますか。
○木村國務大臣 御質問の趣旨よくわかりました。当局といたしましては入場税の税率は実に高いと思います。何か機会がありますとか、あるいは他に財源がありましたならば、これは卒先して税率を下げるべきものであるとは考えております。しかしながらただいま地方財政窮乏の中から、家屋税、地租のごときも倍に増税をしなければならない。それ以上にいろいろな種目の地方税をあさつて参りました。こういう機会に地方税として最も重きを置いております入場税を低減するということについては、実に不安が多かろうと思います。野村君の御意見にありましたように、かえつてこれを低減すればその税收はよほど増して來るから、これに影響しないという御意見がありますが、それは一つの観点から見ると、あるいは実情から見たならば、そういうことになるかもしれませんが、しかしながらこれにつきましては十分確固たる見通しがないと私どもは見ております。そういう不確実なものをこの際下げていただくということについて、当局にこれを賛成するかせぬか、こうお尋ねがありますならば、これは賛成をいたしかねるということをお答えするよりほかに方法はないだろうと思います。
○千葉委員 委員長に対する希望でありますが、この財政法と明日出される地方税制の問題ですが、参議院の方は同時に修正案を考えておられる。そこで場合によると両院協議会ということになるかもしれぬと思いますが、そのときに單に運営委員会におまかせにならないで、当委員会に一應お諮り願いたいということを委員長に希望するのであります。 —————————————
○中島委員長 この際閉会中の審査についてお諮りいたします。本委員会の重大なる使命と、会期の切迫等を考え、委員各位の熱烈な希望によりまして、閉会中は継続審査を行いたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議なしと認めます。さよう決します。 閉会中の審査につきましては、國会法第四十七條第二項により、各議院の議決を経なければなりませんので、これが審査中入書を議長に提出したいと思います。すなわち閉会中審査すべき事件の審査の目的については、前回の当委員会の打合せ会において協議いたしました。閉会中審査すべき事件は、地方財政に関する事項、地方自治に関する事項、警察及び消防に関する事項、選挙に関する事項、閉会中の審査の目的については地方財政の確立、地方自治権の確立、選挙法改正及び警察制度、消防制度の民主的改善等を議題といたします。右申入れをなすにつきまして御異議ございませんか。
○千葉委員 ただいまの委員長の御説明の中に地方自治法というのが拔けておつたようでありますが、故意に拔かしておいたのでありますか。
○中島委員長 地方自治としても、もつと廣くいたしました。右申入書に基き、閉会中の審査を便ならしむるため、それぞれ小委員会を設置いたしたいと思いますが、いかがでございましようか。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 地方財政法に関する小委員会、地方自治に関する小委員会、警察及び消防に関する小委員会、選挙に関する小委員会をそれぞれ設置することにいたします。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 つきましては各小委員長及び小委員の選任は、委員長において指名するのに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議なしと認めてさよう決します。 —————————————
○中島委員長 次に当委員会の審査を一層充実せしめるため、委員派遣の申請をいたしたいと思います。これに対して御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 衆議院規則第五十五條により議長の承認を必要といたすのでありますが、これが議長に提出する委員派遣承認申請その他万般の手続につきましては、委員長に一任願いたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議なしと認めます。 本日はこれにて散会いたします。明日は午前十時より委員会を開会いたします。 午後五時二十二分散会