地方行政委員会 第11号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1949/04/16
会議録
○中島委員長 これより会議を開きます。 前会に引続き地方配付税法の特例に関する法律案、内閣提出第二八号を議題とし、質疑を続行いたします。藤田君、建設大臣が予算委員会の方にまだ用事が残つておりますから、建設大臣への質疑だけを先に済ましていただいて、その次に木村國務大臣に対して質疑を願いたい。
○藤田委員 私の質問は大部分は木村國務大臣に対してでございます。多数の委員の御質問によりまして、私の聞かんとするところを大体盡しておりますが、國民大衆にまだ納得の行かぬ点が二、三残されております。その点を中心にいたしまして、簡明に木村大臣の率直なる御答弁をお伺いしたいと思います。 まず第一に、本年度予算編成にあたつて、木村國務大臣は地方財政の現状をどういうふうに認識されてこの予算編成に参画されたか、もう少し具体的に申しますと、地方財政と國家財政はどちらが窮地にある、困つておるという認識を持たれておつたか。この点に関しまして、まず大臣の率直なる御答弁をお願いしたいと思います。
○木村國務大臣 藤田君は御欠席になつておつたようでありますが、この問題につきましては、たびたびこの委員会で御質問があり、答弁いたしておいたつもりであります。さらに繰返して申し上げますると、地方財政というものが非常に窮乏であるということは、私は大いに認識いたしております。どういう点で窮乏しておるかという具体的なことも、再度繰返してこの委員会で申し上げておりますから、その具体的な窮乏の状況については、ここに略します。窮乏いたしておることは、私もよく承知いたしております。また國の財政が枯渇しておるか、地方財政が枯渇しておるかというお問いでありまするが、地方財政、國の財政を相通じたものが國家の財政でありまするから、個々に離して考えますることもできましようけれども、大体これは一貫したものであります。國の財政の緊縮をはかろうとしますと、両方の相まつたものをもつて、その均等な予算をつくらなければならぬものと、かように考えております。地方財政が非常に窮乏しておりまするだけ國の財政も相当な窮乏で、窮乏のみならず、ただいまの國家経済の立場からいたしまして、非常な危機に、今度の予算を組みますまで、瀕しておつたものである、こう考えております。
○中島委員長 藤田君にちよつと申し上げますが、建設大臣は非常に急いでおりますから、なるべく建設大臣に対する質疑を先に終りたいのですが……。
○藤田委員 私は建設大臣に対する質問は省略いたします。木村國務大臣だけにお願いいたします。
○中島委員長 それでは建設大臣に質疑を希望している者がありますから、藤田さんをあとにしてそれを先にします。谷口君建設大臣だけの質疑を。
○谷口委員 建設大臣に特に私お聞きしたいのは、現に地方公共團体でなしつつある各種の建設、特に土木事業、その中でも震災、戰災その他によります災害で非常に困つている地帶の土木事業の、今日までなさなければならない仕事の量と、大体でき上つている量との割合です。これを全國的に全部というようなことは申しませんが、重要な点をお示し願えたらけつこうだと思うのですが……。
○益谷國務大臣 お答え申し上げます。大体本年一月末までの予算を超過いたしましたいわゆる超過の仕事であります。災害の点を申し上げますると、四十二億程度の査定見積り金額中の未交付金があります。それだけの仕事はできております。從つて今回御審議願つておりまする予算が通過いたしますると、なるべくすみやかに超過の仕事に対して補助金を交付いたしたいと存じておるのであります。各府縣別には今手元には資料はございません。また記憶はいたしておりませんが、全國を通じて一月末までに大体四十二億程度の超過の仕事をいたしております。その後天候等に惠まれておりまする関係上、年度末までにやはり相当の分量の仕事ができたものと思つております。しかしながら、私どもの見積りといたしましては、全國を通じて大体五十億ぐらいの量の仕事ができておるものと存じております。
○谷口委員 特に水害対策でありますが、私どもの聞き及んでおるところによりますと、ことしもし今の状況の中で二百ミリ以上の雨が降つた場合には、おそらく五、六百億にわたる損害が必然的に來るような状況にある。特に耕地、つまり田でありまするが、田の被害は、昨年度までの建設の状況から見ると、そして今年予算が削減されて、ほとんど見るべきものが、新しい事業もしくは継続事業にないような状況に捨てておいた場合、專門家の予想では、今申しましたように、二百ミリ以上雨が降れば、相当廣範囲な被害が必ずある、こういうふうに私ども聞いておるのでありますが、そういう点は建設省ではどうでございましようか。
○益谷國務大臣 御承知の通り、近年水害がだんだん増加いたして参つておる傾向になつているので、実に心配をいたしておりまするが、先ほども申しました通り、本年は天候に惠まれましたために、超過の仕事が相当各地方においてはかどつております。ゆえに今回予算が通りますと、なるべくすみやかに予算を投じまして、出水期までに重要緊急地点を、地方自治体とも十分に協議をいたしまして、これに対する應急の処置を講じて参りたいと思うのであります。そうしてなるべく災害を防止いたし、また軽減いたして参りたいと思うのであります。
○谷口委員 應急の処置とおつしやるが、具体的にはこれはもちろん予算を伴うわけでありますが、それに対するどういう具体的な御用意がありますか。
○益谷國務大臣 重要地点に対しては、昨年以來やつております。全般的に御承知の通り、今日災害を復旧いたすのには、まだ非常に事業量をふやさなければならないのであります。でありまするが、重点的に緊急地点に対する復旧工事をいたして、災害を防止して参りたいと思うのであります。全般的に工事をやるわけには参りません。すなわち予算が乏しいのでありまするから、重点的に使いまして、最も効果的に金を使つて参りたい、かように考えております。
○谷口委員 昨年度の継続事業で大体七百億ぐらいの事業が残つております。それに対して今年は、今大臣もおつしやつたように、五十億程度の予算しか見積られていないとすれば、インフレーシヨンと物價改訂によるいろいろな値上りを別にしましても、実に十二分の一ぐらいの予算しか、必要量に対して見ていない。これを重点的にとおつしやいますけれども、こういう全量の上でほとんど一割にもならないほどの予算で、この恐るべき状況をそのまま見過ごすというわけには、國民として行かないと思うのです。だからもつとこの点について積極的なる、どうでも國土の荒廃からまぬがれるような対策を、私ども政府に持つてもらいたいと思います。そういう点について大臣の今のお答えでは、私どもちよつと納得も行きませんし、不安も解消するというところまで行かないのでありますが、もう少し具体的なはつきりした言葉でお話願えませんかどうか。
○益谷國務大臣 私の申し上げたことについて、何か誤解をしておられるようであります。五十億の予算をとつて、それで災害復旧費に充てておるという趣旨ではございません。本年は御承知の通り中小河川に対する災害復旧費は、大体百億の予算をただいま御審議を仰いでおる次第であります。私の申しました五十億というのは、昨年予算以上の仕事を地方公共團体において、災害を防止するため、災害復旧工事に努められておりますが、そのオーバーをいたしました事業が、大体年度末までに金額に見積つて五十億程度の、これは國庫補助の金額であります。御承知の通り中小河川に対する災害復旧の補助は、三分の二になつておりますから、三分の一は地方負担であります。五十億に対する三分の一を加えたものが事業量であります。國庫補助を出さなければならぬ未交付のものが五十億、ということを申し上げておきます。予算が通過いたしました際には、御承知の通り公共事業費は年間を四つに割つて、第一、第二、第三、第四・四半期として区分をいたしておるのでありますが、なるべく多く出水期までに災害復旧費を通して、災害を防止し、軽減いたして参りたいと思うのであります。中小河川に対する災害補助の予算は大体百億であります。これとてももとより私どもは十分とは存じておりません。足りないながら與えられた予算を最も効果的に効率的に使つて参りたい。そのためには重要地点に集中して参りたいという考えでございます。
○谷口委員 開墾あるいは干拓入植施設というようなもの、あるいは農業水利、土地改良というようなもの、それから民有林の造林造成の問題、こういうすべて農業生産関係の問題では、ほとんど國家予算が計上されないで、融資によつてまかなうというふうな予算の方針のようでありますが、その点はどういうふうになつておりますか。
○益谷國務大臣 ただいま御質問の点は、私の所管でございません。農林大臣の所管であります。
○谷口委員 庶民住宅の問題で、私ども國会の初めごろに聞き及んでおりましたのは、庶民住宅金庫とでも申しましようか、相当のものを計上して、そうして今の住宅難に対する緩和策、建設の方針を政府は持つておられたように聞き及んでいたのでありますが、この庶民住宅に関する金庫設立はおやめになつたように聞いておりますが、おやめになつたのでありますか。
○益谷國務大臣 庶民住宅金庫と申しますか、住宅金庫と申しますか、私は住宅対策委員会の愼重なる、熱心なる御研究の結果を参考といたしまして、立案はいたしましたが、遺憾ながら今回御審議を願う予算には提出することができなかつたのであります。すなわち政府の出資にかかる住宅金庫というようなものをつくつて、そうして御協賛を願う計画を持つておつたのでありましたが、遺憾ながら今回の國会に提出をいたして御審議を願う運びには参りません。まことに遺憾に存じておるのでありますが、私はこの計画に対しては放棄もいたしておりません。断念もいたしておりません。別途に、何か別の方法によりまして——いかなる形になりますか、これは今日から確言を申し上げることはできないのでありますが、何とかして庶民住宅の建設に役立つような資金と申しますか、そういうものを公團、金庫ということになりますか、またどういうことになるか、いまだ明確に申し上げることはできないのですが、何かの形で金融金庫のようなものをつくりたいというので、今日なお努力を続けておる次第であります。
○谷口委員 私、京都の者であります。京都は幸いに戰災を免れておりまして、家があるわけでありますが、その京都のような所でも非常な不足状態になつております。東京に來て見まして、燒け野原で、この中に、たくさんの人たちが——一室に三世帶も五世帶も詰まつておるという状況で、住宅問題は、食糧問題と並んで、今日本の國民にとつて非常に大きな問題だと思うのであります。住宅がないために、いろいろの社会風教上の問題も起りますし、犯罪も起りますし、絶望的な生活が人民の間に非常に廣がつておるのでありますが、これに対する非常に至急な対策が必要なときに、こういうふうにせつかくあなた方が御立案なさつたような住宅建設についての融資の道が許されなかつたという点について、私どもは非常に遺憾に思うのでありますが、一体どこが許さなかつたのか、あるいは閣議の予算決定について、こういうことが許されなかつたのか、それとも別に何か事情があつて、そういう御計画が許されなかつたのか、そういう点についての御事情を、私どもの今後のことに非常に重大なる関係を持ちますので、お聞きできれば結構だと思います。
○益谷國務大臣 ただいま申しました住宅金庫と申しますか、私の計画が実現いたさなかつたのは、谷口さん御承知の通り今日の窮乏した國家財政のためであります。
○谷口委員 私は実はきのうも國家財政の窮乏、あるいは國家財政の緊縮、そういうことを木村國務大臣からも、非常に耳にたこが出るほど伺いましたし、今また建設大臣から聞かされたのでありますが、私ども昭和二十四年度の予算を見まして、二千数百億の金が、わずかの石炭や鉄、あるいは肥料といういわゆる安定帶物資を生産する独占的な資本家に價格助成金、調整金として渡される。こういう点で國家財政の窮乏というよりも、國民から非常にたくさんの税金をとつて、そして國民の生活を安定させる、たとえば住宅の問題、あるいはまた國土を荒廃から守るための土木事業、あるいはこの席上で問題になつております地方配付税として、当然地方が受取つてしかるべき三三%の税率を引下げるというような状態で、地方へ負担を轉嫁するようなやり方、こういうことをやつて、その半面に二千数百億の金を独占的な資本家に與えておるという國家財政こそ、人民の生活を少しも考えずに、ただ独占資本家に奉仕する予算にすぎない。ですからきのうから、またきようにかけて國家財政窮乏ということを聞かされておりますが、私どもはそういうことでは納得できないのでございます。この点について私どもはいずれもう少し大きな國民的運動が起つて來ることを確信しておるのでありますが、從つてこういう予算では私どもは非常に承服できない。地方の配付税を減額される問題につきましても、地方公共團体に課されておる公共事業あるいは建設の問題等につきましても、今までの状態では、ほんとに政府は國民の生活安定ということにつきましては、少しも考えていない、こういうふうにしか思われないのであります。いずれ大藏大臣がお見えになりましたら、別の面で配付税の問題を御質問するつもりでおりますので、建設大臣に対してはこれだけで終ります。
○千葉委員 建設大臣に二点だけお伺いしたいと思います。地方の配付税が削られまして地方が非常に困つております。今回の建設省の公共事業費の配分案を見ますと、二百七十四億五千万円になつております。この中で建設省所管の河川、砂防、道路、住宅というような地方費に対する補助が三五%あるいは三四%、また住宅のごときは一九%というふうになつておりますが、この公共事業費の二百七十四億と、この平均の三〇%ということになると七十五億万円程度になりますが、それを地方は何によつて負担するか。地方公債でこれを支弁するよりほかないだろうと思いますが、この二百三十億の地方公債の中で、文教の方にまわつて行くのもありますし、大体建設大臣のお考えでは、二百三十億の公債で地方の負担がまかない得られるというお見込みでございましようか。あるいは公債以外から何か支弁するというようなことをお考えになつておられましようか。
○益谷國務大臣 地方の財政の行詰まつておることは十分承知いたしております。地方財政と申しまするか、このことについては私あまり存じませんが、私の所管いたしておりまする公共事業は、地方の財政と密接なる関係をもつておることは十分認識をいたしておるのであります。申すまでもなく最も金額の多いのは河川の費用であります。大体百六十八億程度のものがあると記憶いたしておりますが、このうち中小河川の改良は、御承知の通り半額國庫補助であります。そのほかにむろん直轄河川、北海道河川などがあります。これは全額國庫の負担でございます。なお先ほど申しました中小河川に対する災害復旧費は三分の二國庫補助であります。これが大体百億。その他九億の金がございますが、これは水災地の方面に向けますとか、地盤沈下の方面に向ける費用であります。こういたしますと、大部分の予算は二分の一ないし三分の一。中小河川は九億六千万くらいしかないわけであります。これが二分の一の補助金であります。その他は多くは北海道河川並びに直轄河川の費用でございます。ただいま申しました百億は三分の二補助をする。もとより六・三制の問題とか、いろいろ地方において負担すべき金額はございますが、地方の人は災害復旧並びに河川の改修を熱心に要望いたしておられますから、今回御審議を仰いでおりまする二百三十三億の公債ではきゆうくつでありましようが、どうにかこうにかまかなつて行けるものと私考えておるのであります。またどうしてもできない場合には別途の方法を講じたいとは思いますが、ただいまのところでは、この起債金額でどうにかこうにか地方でまかなつていただけるものと存じておる次第であります。
○千葉委員 價格調整費のうちで輸入補助金に八百五十億支出いたしておりますが、この價格調整費のうちで、多くは食糧の輸入に対する價格補正の問題であります。ところがこれを少くして行くためには、どうしても建設省所管の災害復旧費を増大して、これによつて食糧を確保しますと、輸入しなくても済むことになります。從つて輸入補助金もいらないことになる。これははつきりしておるのでありますから、どうしても総合予算、いわゆる均衡予算の面から考えましても、災害復旧費を増額して、それによつて輸入補助金を少くすることが建前だろうと思います。この見地から申し上げますと、建設省はどこまでも食い下つて、建設省所管の公共事業費の増額をはかることが、いかなる面から見ても必要と考えるのであります。しかしいろいろ事情があつて困難と思いますが、建設大臣におきましては、さらにこの面につきまして御努力を願いたいのであります。ただいまのところは希望に過ぎませんが、ここでひとつお願いいたしたいことは、先ほどの御答弁の中で重点的にこれを行う、まことに少い予算の中から重点的に行うことはけつこうなことですが、重点的に行いますと、ここに矛盾が出て來る。というのは地方の貧弱な財政でありますから、ある地域を重点的に行います結果、その地域が非常な予想以外の負担を増すことになつて、地方としてはどうしてそれをまかなつていいかという、地方自体の財政が困つて來るのであります。そこでお願いしたいことは、この補助金の率を彈力性のあるものに昭和二十四年度だけはかえて行つたらどうか。今回國家の財政窮乏のために三三%というのを一六にかえるような措置もあえてせんとしているわけでありますから、それと逆に今度は補助金の率をかえて行う。そして彈力性を持たせて、非常に困つているところは六〇%の補助を出す。ある所は五〇%出すというように、この三五%とか、三四%とかをもう少し彈力性を持たしたらどうか。そして地方財政を緩和することが、さしあたり貧弱財政のときには考えられるのではないかと思うのであります。そこで建設省としては、この議会に補助金の率をかえることを提案する御意思があるかどうか、この点を承りたいと思います。
○益谷國務大臣 補助率はただいまのところではかえる意思はございません。重点的に仕事をいたしますと、矛盾を生ずるというお話でありますが、これは十分考えて行かなければ、お話のようなことが起るかと思つております。先ほど申し上げました通り、重点的に地方の公共團体と協議をいたしてやりたいと存じているのであります。
○野村委員 この際建設大臣に二、三簡單にお尋ねを申し上げたいと思います。 今回の予算の編成事情にかんがみまして、本案の提案のごときも想像されるのですが、すでにこの災害関係については、今日に至るまで根本的な施策が施されてなければいけなかつたと思いますが、財政等の関係上、現在災害対策の工事を施行いたしておりますのは、ほんとうにやむを得ざる緊急の措置であり、重点的のみに限られている。特に先般の災害対策委員会等からうかがいましても、中小河川の災害の復旧は非常に憂慮にたえないものがあります。特に地方の公共團体の窮乏、財政の状況から見て、この災害こそただいま千葉委員からお話がございましたごとく、等閑に付し得ない現実性を持つておる。しかもこれは他面行政整理だとか、多くの失業者の対策にもなるのでして、苦しい予算編成事情にはありますが、何とか根本的な対策をとらねばいけないと思います。しかもこの災害関係こそ、緊急にいろいろ生産等あるいは都道府縣民の生活にも関與いたしますから、こういう意味において、第一に優先的に、何をおいてもやらねばいけないと思います。この半面戰災を受けた多くの都市、これも等閑に付し得ない事情に置かれていると思います。しかも戰災を契機にしまして都市計画だとか、いろいろ復興については一日を許さないものがある。とかく災害の超重点、こういう見解から都市計画なり、戰災都市の復興というようなことが等閑に付されることになりますと、これまたゆゆしい問題でありまして、例を東京にとりましても、街路は御案内の通りこわれつ放しで、民心に與える險しいいろいろな影響もあるのです。しかも今日これを断行いたしますならば、國費、諸費を投じましても、將來非常に経済になり、また災害の復旧と同樣一つの失業救済にもなるのであります。建設省のこういう戰災復興都市に対する御見解を伺いたいと思うのです。 それから、なお今回の配付税等を中心にして地方における重要なる財源の対象を失われる、そこで六・三制のごとき非常に危殆に瀕し、その結果寄附金に頼らなければならぬという非常に憂慮すべき段階になる。しかも住宅が拂底のために、校舍を相当当てているような事情が各都市にありまして、この点に対しては住宅問題を何とか解決をつけて、從來あつた戰災の校舍そのものを教育の機関に開放して、解決しなければならないという急務に追われているので、住宅対策をさらに確立して、半面この六・三制に関する危機をこういう面からも緩和しなければならぬと考えるのであります。この二点に対しまして、建設大臣の御所見を承りたいと思います。
○益谷國務大臣 戰災都市の復興については、野村委員の御意見通り、急いでやらなければならない重要な仕事でございます。建設省といたしましても、乏しい國家財政にかかわらず、都市計画について、もとより大きく申しますとわずかとは存じますが、できるだけの予算をもらいまして、都市計画を進めて参ろうと思つているのであります。今回都市計画の費用として、予算は大体九億四千万円と記憶しておりますが、今國会において御審議願つている次第であります。 なお住宅問題については、申すまでもなく今日最も住宅に苦しんでおられるのは勤労階層であります。もとより燒けた学校を建設することはやらなければならぬ仕事でありますが、私の所管の上から申しますと、勤労階層に対する住宅難を、一日もすみやかに解決しなければならぬと存じているのであります。從つて今回はわずかでありますが、二十五億の予算をもらいまして、庶民住宅を建設いたそうと考えている次第であります。なお先ほど谷口委員の御質問にお答え申しましたごとく、今日住宅をつくるには資金の方面に隘路があります。從つて低利、長期の金融をやつて行かなければならぬ建前から、先般住宅金庫というものを計画いたして参つたのであります。これが何かの形で金融の方面に道を開きたいと存じて、今日熱心に努力をいたしておる次第でございます。
○野村委員 大体了承はできましたが、先ほど申し上げた戰災の校舍、この校舍に今戰災を受けた人たちが入つて、この問題が解決がつかないのですが、これに対して優先的に解決する具体的の方途がございましたら承りたいと思います。
○益谷國務大臣 建設省といたしましては、ただいまお答え申し上げた通り、いわゆる庶民住宅を建設いたして参りたいと思つておるのであります。庶民住宅と申しまするのは、地方團体に対しまして國庫が半額の補助をいたしまして、これを安く一般庶民階層に賃貸しをいたすのであります。 その他自己資金の人に対しましても、でき得る限りの資材の方面とかいろいろの関係から、住宅建設の助成をはかつて参つておる次第であります。さりながらこれも帰するところ、國家財政に十分なゆとりがありませんので、本年はようやく二十五億で庶民住宅を二万三千五百戸つくりたいと存じておるのであります。 なおこの機会に申し上げておきたいと思いまするが、庶民住宅以外に轉用住宅あるいは余裕住宅というのがあるのであります。余裕住宅については建設省といたし各地方に対して熱心に慫慂いたしておるのでありまするが、これはどうも思う通りに、余裕住宅を一般庶民階層の住宅に轉用することがうまく行つておりません。各府縣からの報告によりますると、余裕住宅をいわゆる庶民住宅に轉用するというような数がまことに少いのであります。これは各地方廳に対してさらに熱心に勧奬いたして参りたいと存じております。
○野村委員 今戰災校舍を占有しておる方々はほんとうに氣の毒な、立ち上れない庶民階級の人々であります。どうか半面この地方財政を考慮しながら、この教育の復興の関係もございまして、これらを優先的に大臣の理解と努力によつて解決するように、計画の順位を考えてやつてもらいたい、こう思うのであります。
○井出委員 建設省の所管になつております砂防行政でございますが、從來河川砂防は建設省、それから林野砂防は農林省、こういうふうに分轄されておつたのでございますが、近時砂防行政の一元化というふうな声を聞くのでありまして、一元化ということがまことに聞いたところがよいせいか、実態を見きわめないで、これに対する一部の賛成等を見受けるのであります。けれども実際問題は、この河川砂防の方の土木工学的な立場から林野砂防をながめるということは、これは非常にむりがあるのでありまして、山林砂防というふうなものはやはり植林その他治山治水の源泉でございますが、どうしても林学的立場に立たなければならぬ、こう私は考えるのでございます。建設大臣とされてはその点砂防一元化、特に建設省へこれを統合するという声が起つておるのに対して、どのようにお考えになつておられるか、この機会に御所見を伺つておきたいと思います。
○益谷國務大臣 砂防のことはただいま井手委員のおおせの通りであります。私の方は河川砂防いわゆる渓流砂防であります。農林省は山林砂防を所管いたしておるのであります。農林省の砂防は、御承知の通り造林の方面ももとより砂防は必要でありますが、もう一面考えて見ますと、私の方は川を扱つております。根本的に川を治めるのにはどうしても山を治めなければなりません。そういう建前から砂防の一元化を建設省においては考えておるのであります。これに対してはいろいろの意見があります。これも私聞いておりまするが、建設省は砂防を一元化いたして参るという計画を持つております。今回内閣に御承知の通り行政組織と申しまするか、機構と申しまするか、これに対する審議会を設置いたしまして、近く発足いたすはずであります。この審議会の意見を十分に尊重いたし、さらに國会の皆樣方の御意見を十分尊重いたして、建設省の案を総合勘案いたしまして、砂防機構の改革と申しまするか、総合的改革に資したいと存ずる次第であります。從つてまた建設省としての案はありまするが、まだ政府として確定的な考えはないわけであります。審議会の意見と國会の皆さんの意見を十分に尊重して参りたいと存じておる次第であります。
○藤田委員 質問が中断いたしましたが、しばしば木村國務大臣は地方財政に対する見解を言明しておられる、少し質問がくどいというような御答弁がございましたけれども、私は両院の速記録は全部読みまして、なおかつどうもはつきりしない点をここで重ねて質問いたしておきます。多少重複するかもしれません。地方財政に対する木村國務大臣の御認識まつたく同感でございます。しかしながらどうも國務大臣としての施策は、この御認識と事ごとに反しておるのではないか、たとえば先般都道府縣の財政の最高責任者であります総務部長会議を招集しながら——総務部長はその都道府縣民に全貌をはつきりいたすために、非常に期待を持つて、東京にわざわざいそがしい間を割いて上京したのでございまするが、私が会いました数名の総務部長は、いずれも大臣が簡單なごあいさつだけで、一言もこの重大問題に対する見解の発表がないということで、失望落胆して帰つたようなことをお聞きいたしました。特にその総務部長会議の席上で、予算の事務責任者であります大藏省の主計局長のごときは、地方財政はよく知らぬというような暴言を吐いております。私達はかかる危險なる人物によつて、地方財政の死活を制する重大な予算が組まれたことを知りまして、実は呆然としたのでございます。木村國務大臣が地方財政は非常に困つておることはよくわかつておるということを繰返し強調されますが、たとえば一片の地方配付税特例法で配付率を大巾に引下げまして、一方においては地方税を増徴したいというような、非常に矛盾した御答弁をわれわれは聞いておるのでございます。一方で配付率を減らしながら、他方で地方税を増徴するというのは、どういう理論に基いておるものかということをお伺いしたいと思います。 次に昨年できました地方財政法の第二條の第二項には「國は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共團体に負担を轉嫁するような施策を行つてはならない。」というふうに、法律ではつきり明示してありますが、この地方財政法が施行されて一年足らずにして、早くもこの特例法というような無法な法律によりまして、この財政法の根本精神を蹂躙されようとしておるのであります。この点に関しまして財政法第一條のいわゆる地方財政の健全性を確保し、地方自治の発達に資する自信がありますかどうか、第二点としてお伺いしたいと思います。 それからもう一つ昨日龍野委員からも質問があつたやに拜聽いたしておりますが、配付税の本質というものに関しまして、大臣はどういう御見解を持つておられますか。この三点についてお聞きしたいと思います。
○木村國務大臣 この間の総務部長会議には顏を見せただけで、あまり懇切なる指示なり、協議をしなかつたのは、どういうわけかというお尋ねでありますが、実はあの二日間というものは、非常に國会が多忙でありまして、ここでも委員会が継続されておりましたし、予算委員会もありましたし、参議院でも午後の五時ごろまで地方財政委員会がありましたので、遺憾ながら、私は参りましてただ簡單なあいさつをした後、二時間余りおつていろいろ御議論を拜聽したのであります。大体総務部長会議を開きましたところの趣旨は、今回の配付税の減率に関しまする善後措置の協議をするというよりも、かかる成行きに相なつたということの了解を得るための一つの催し、いわゆる納得ができぬまでも、地財の方のこれまでとりましたところのやり方について、了解を得るということが本旨でありましたので、それには事務当局が出かけまして、るる申し述べたのでありまして、私はその報告も受けて聞いております。ただみずから個々にお目にかかつて協議なり、了解を得るということが、私の時間の都合でできなかつたことは、私自身といたしましても、まことに遺憾に思つておる次第であります。 それから財政法の第二條についてでありますが、これは昨日も大分御質問に相なつたようでありますが、第二條の二項に、「いやしくも自律性をそこない、又は地方公共團体に負担を轉嫁するような施策を行つてはならない。」とある。こういうことに配付税の減額がもどりはせぬかというお尋ねのようでありますが、政府の見解では、これも大分問題になりましたが、公共團体に負担を轉嫁するような施策とは考えておりません。またいやしくも自律性をそこなうということに相なるとは解釈いたしておりません。これは第二條と両々相まちましたるところの條項でありまして、要約しますが、第二條には「いやしくも國の政策に反し、又は國の財政若しくは」云々ということが書いてあります。ここに配付税を減額いたしまして、その配付税の減額いたしましたるものを他の予算にむりに、持つて來て、不均衡にそれを支出いたしますような予算が組まれておりまするならば、地方を犠牲にして、地方の配付税を減額してまで、他の國費の方へ轉用したということに解釈できるかもしれませんけれども、今回のこの均衡予算というものは、配付税のみならず、あらゆる部面において非常な削減と圧縮をいたしました関係から、政府といたしましては、配付税を減額して、これを犠牲にして他の支出にこれを充用したというようには考えておりません。 配付税の本質につきましては、地方の財政が均一に不公平なくまわるということに本旨を置いて、もと所得税、法人税、附加税をもつて充てておりましたものを、國税に移管いたしまして、國税からこの法律によつて配付税を受けるという方法をとつたもので、地方税としましては、非常に大事な税であるということを覚えております。
○藤田委員 財政法の第二條に対する大臣の見解は、私とまつたく反対でございまして、これは見解の相違でございまするから、私はこれ以上追究いたしません。地方配付税の本質に関する大臣の御答弁は、これは非常に言葉がまずいと思いますが、全然まだ御勉強が足らぬのじやないかというふうに感じます。私はここで、私から配付税の本質に対する説明をする必要もないと思いますが、いま少しく熱意をもつて、配付税の本質をきわめていただきたい。これは要望でございます。 次に御質問いたしたいことは、ただいま大藏委員会に付議されております米國対日援助見返資金特別会計法という法案がございます。その第四條によりますと、ちよつと朗読いたします。「援助資金は、通貨及び財政の安定、輸出の促進その他経済の再建に必要な使途に充てるため、國債に運用し、若しくは國債の償還に関する費途に使用し、又は公私企業に対する資金に運用し、若しくは公企業に対する資金に使用することができる。」というふうになつております。この見返り資金総額一千七百五十億のうち、この第四條によりまして、國債に充てる額は相当厖大な額に達するということを拜聽いたしております。特にその中には二百五十億円という建設公債も含まれているというようなことを聞いております。ところが非常に弱小財政でありますし、彈力性もない地方債というものに対する費用の使途が全然規定されておらぬのであります。私は地方行政を審議する委員といたしまして、この法律にどうして國債だけを取上げて地方債を考慮しなかつたか。その間のいきさつがございましたならば、大臣からお聞きしたいと思います。
○木村國務大臣 まことに適切なる、ごもつともな御質問であります。これは國債ということが、本文に限られておりますことは交渉の結果でありましたが、この主体が連合國の発動によりましてできましたことでありまして、まず原文である國債ということでこの規定を置いておけということで、この運用の施行細則のうちには、國債と限らず、公共事業の云々ということに規定されておると確かに記憶いたしております。
○藤田委員 ただいま大臣の御答弁を拜聽いたしまして非常に安心しました。ぜひ施行細則に入れていただきまして、この資金によりまして少しでも地方財政の窮乏を救うという熱意を示していただきたいと存じます。 次に本年度予算の地方債のわくは二百三十三億になつております。この内訳をまだはつきりされていないようでございますが、この内訳に関しまして事務局長からひとつ御説明願いたいと思います。
○荻田政府委員 本年度の地方債の発行総額は、一應二百三十三億になつておりますが、そのうち三十六億円は昨二十三年度において、地方に対しまして起債の約束をしたのでありますが、関係方面の承認を得られずにそのままになつておりました。この額にまず優先的に振り向けます。從いまして純粹に二十四年度の地方債といたしましては、百九十七億になつております。これをどのような事業、どのような團体に対して振り当てるかということは、いまだはつきりした成案を得ておりませんが、たとえば先ほどもお話の出ました公共事業費の地方負担部分だけでも二百五十億くらいになりますので、そのほかに公共事業以外のいわゆる單独事業、その中には災害あるいは公企業的なもの、あるいはほかの一般の事業というようなものを含めまして、相当額が予想され、一應われわれとしましては六百億程度のいわゆる臨時的経費というものがあると思いますが、この六百億に対しまして二百億足らずの起債を割当てるのでございますから、相当きゆうくつでございます。從いましてこの差額の四百億余りは一般財源をもつて地方はまかなわなければならない、こういうような事態になつておると思つております。
○藤田委員 次に、地方財政委員会より、大藏省にむしろ質問するのがいいかもしれませんが、住民税を今度大巾に引上げられますが、これをなるべく軽減されまして、教育税というものを新設されるというお氣持はございませんかどうか、この点は長年その道の專門家が研究しているところでございますが、國税として目的税たる教育税が取れないならば、地方税としてぜひとも教育税という大義名分のはつきりした税を創設されるということが、地方財政救済の一つの有力な方法ではないかというふうに考えておるのでありますが、この点に関しまして大臣の御答弁をお聞きします。
○木村國務大臣 目的税としての教育費を徴税するというような案を持つておらぬかという御質問のようでありましたが、いろいろこれについては議論もありまして、目下研究をいたしております。ところでまだその結論を得ませんので、もつと詳しい説明を要しますれば、政府委員から説明いたします。
○荻田政府委員 教育費の財源としまして税を取るということにつきましては、一つの考えとしましては、現在ありまする教育委員会というようなものを單なる機関ではなくして、一つの公共團体として独立の会計を持つたらいいじやないか、こういう思想もあるわけでありますが、これは地方自治の一体性を乱すということを考えまして、われわれは好ましくないと考えております。 第二段としまして、しからば教育に関する費用につきまして、特定の税を制定して、いわゆる目的税としての教育税をつくつたらどうか、こういう議論があるのでありますが、現に都道府縣あたりで見ますと、税收入の半額以上が教育費に充てられておる、こういうような状況になつております。從いまして、もしそのような目的税をつくりますと、大体現在の税收入の半分以上をこつちにつぎ込んでしまう。そういうことになりますると、教育だけの観点からはあるいはいいが、逆に税をそれだけ限定されますると、かえつて財政上束縛を受けるというようなことも起るかと思います。そういうことが考えられまするので、この総額を教育目的税に充てるというようなことは好ましくないのじやないか。もしそういうことになりますと、税を歳出の科目と同じ数だけつくる。教育税、警察税、土木税というようなことになつて好ましくないのじやないか。むしろ総合一体的に、地方團体の財政が運営された方がいいのじやないか。ただ特に教育について特別の臨時的な経費を要するという場合に、いわゆる標準率の超過課税をするというような場合には、これは教育のためにこれだけの超過課税をするのだということが、納税者にはつきりわかるような方法をとつて税を課する、いわば一種の目的税的な運用をするのが適当ではないかと考えております。大きな問題でございますので目下研究中でございまして、いまだはつきりした結論を得ておりません。
○藤田委員 これは非常に重大な法律の不備だろうと思います。これは私個人の研究の結果でございますが、住民税が今度大巾に増徴になりますが、たとえば私の郷里の熊本市におきましては、約千五百万円の住民税を組込むだろうと思いますが、昨年度におきましては異議申立てを許しまして、二百万円減額いたしております。ところがその歳入欠陷を補給する道が現在のところではないようでございますが、今後住民税が増額された場合に、この異議の申立てという事態が相当頻発するだろうと思います。現在國税に関しましても、税務署に更正決定を申請すれば必ず軽くなつております。この風潮はもう津々浦々まで及んでおりまして、住民税に関しましては、相当大幅の異議申立てが出はしないかというふうに想像いたしますが、こういう際におきまする当初の見込額の減收をどういうふうにして補充するのか、荻田政府委員の御見解をお伺いしたいと思います。
○荻田政府委員 これは歳入においてほかに増收があるとか、あるいは歳出において節約が加えられるというようなことで、その減收がカバーできればいいわけでございますが、それでもできない場合にどうするかというお尋ねだろうと思います。その場合にはさらにそのほかの税を増徴するとか、あるいは住民税を増徴するとか——住民税は御承知のように納税義務者一人当りをもちまして一應の標準がきまつておりまするから、二百万円なら二百万円の減收がありますれば、住民一人当りの当初の予定が低くなるわけでありまするから、さらにそれに割増して課税をするというふうな方法をとらざるを得ないと思います。
○藤田委員 私最後に、質問でなくて希望を申し述べまして、まだ私の質問はありますが、打切りたいと思います。今回の予算編成にあたりまして、地方財政を担当される木村國務大臣の立場は非常に苦しかつたというふうに想像いたしております。しかし苦しい大臣の立場が、具体的な施策にそれぞれ反映していないということは非常に残念に思います。特に私は、國務大臣として木村さんが國策に協力されたという点は当然だろうと思いますが、國務大臣と委員長の立場の矛盾ということを非常に強調されておりますが、この論法から立場を弁解されるとなりますと、今後たとえば地方自治廳というような新しい役所ができました際に、そこの長官がまた委員長としての立場と國務大臣としての立場、いわゆる二重人格を強調されまして、責任を回避されるという惡い前例が残りはしないかということを非常に恐れております。從來行政長官たる大臣と國務大臣としての大臣の二重人格がありましても、かかる口実によつて責任を云々された大臣はないんじやないかと思います。政界の大先輩であり、四回も大臣をやつておられます木村さんに対するわれわれ若い者の苦言として、ぜひひとつフランクな氣持で私の要望を聞いていただきたいと思います。 最後に、地方公共團体一万余は、今度の予算によつて非常などん底に落ち込むだろうということは常識になつております。特に二十四年度の年度末における公共團体の財政逼迫は、想像に絶するものがあるだろうと思います。この苦しい地方公共團体に対しまして、かりに予算が原案通り可決されたと仮定いたしましても、今後において追加予算等で、十分この地方の声なき声を大臣は拜聽されまして、徹底的に善処されるように希望いたしまして私の質問を終りたいと思います。
○中島委員長 この際お諮りいたします。大藏大臣、文部大臣は予算委員会の都合で今日御出席がありませんから、質疑は十八日に継続いたしたいと考えております。午後は本委員会において、本法案に対し参考人の意見を聞くことになつております。それで午前の質疑はこの程度にいたして一旦休憩し、午後一時二十分から再開して参考人のお話を聞くことにし、十八日には継続して質疑をいたしたいと考えます。 それではこれで休憩いたしまして、午後一時二十分に再開いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 午後一時四十五分開議
○中島委員長 これより本委員会を開会いたします。 午前の会議に引続きまして、地方配付税法の特例に関する法律案を議題といたします。 本法案は一般的関心及び目的を有するきわめて重要なる法案でありまして、地方配付税減額は、地方自治体にとり、その影響するところきわめて大なるものがありますので、本委員会としては愼重なる審査をいたして参つたのでありますが、去る十三日の本委員会におきまして、地方配付税減額の影響について、全國都道府縣知事会、全國市町会、全國町村会、日教組及び自治労連の各代表より、それぞれ参考人として御意見を承ることに決定いたしまして、本日ここにおいでを願つた次第であります。 しこうして、地方財政の現況はきわめて窮乏を告げ、非常に惡い事態を招來いたしておりまして、本委員会としては常に多大の関心を拂い、その打開策に苦心しておる次第でありまするが、わが國当面の最大課題でありまする経済的自立態勢の確立をはかりますためには、財政の面におきまして、経済九原則にのつとりまして、國、地方を通じて総合予算の均衡をはかることは論をまたないところでありますが、われわれといたしましても、本案の審査に愼重を期して参つたのでありまするが、本日参考人各位より、多年の経驗と研究に基く貴重なる御意見を拜聽いたしますことは、委員会における審査に一層の権威を加えるとともに、多大の参考になることと確信いたす次第であります。私はここに委員長といたしまして、本日御出席くださいました参考人各位に深甚なる謝意を表するとともに、忌憚なき御意見を述べられんことを切にお願いいたします。 それでは会議を進めるにあたりまして、その順序を申し上げますと、まず参考人全部の方々から御意見を伺つた後において、時間がありましたら委員諸君の参考人の方々への質疑を許すことにいたします。 なお時間の関係から、その発言は大体十五分くらいといたしまして、発言は発言席でお願いいたします。発言のときはごめんどうでも御職名と御氏名をお述べになつていただきたいと思います。 それでは、本日の参考人の御氏名を一應御参考に申し上げます。 東京都知事 安井誠一郎君 茨城縣副知事 越村安太郎君 北海道札幌市長 高田 富與君 全國市長会 事務局長 菊山 嘉男君 全國町村会長 伊藤 幟君 全國町村会副会長 齋藤仙太郎君 日教組副委員長 成田 喜榮君 日教組中央 執行委員 峰村 三雄君 自治労連中央 執行委員長 菱 信吉君 自治労連中 央執行委員 三田 朝丸君 津田沼町長 白鳥義三郎君 それではまだ安井誠一郎君がお出でになつておりませんから、茨城縣副知事の越村安太郎君より御意見を述べていただきたいと存じます。
○越村參考人 私は茨城縣副知事の越村安太郎でございます。本日地方配付税減額についての影響につきまして簡單に申し上げたいと存じます。 この影響は、大体理論的あるいは抽象的に申しますると、今回中央におきまして、所得税及び法人税の三三・一四%というものを地方の固有財源として、法律をもつてはつきりきまつておりましたものが、政府の予算編成の都合上、これが一六・二九%という半分以下の比率にかわりまして、五百七十七億というように減額されたふうに聞いておりますことは、非常に地方にとりましては大きな問題であると存ずるのであります。地方自治が憲法並びに地方自治法によつて確立せられたにもかかわらず現在地方の財政方面におきましては、七、八割という数字が中央に依存しておる現状でございます。しかもその中で配付税の占める比重というものは非常に大きいのであります。地方におきましては、この配付税の多寡によりまして、地方予算が非常に大きな影響を受けるのでございます。それを政府の財政の都合によりまして、一方的に減額されるということでありますると、地方財政の確立ということは、ほとんど根底からくつがえされるという結果に相なるわけでございまして、この点地方側としましては、政府がもつと地方自治の本義に立脚しまして、地方財政の自立性というものを尊重していただくということを、切に希望いたしてやまない次第でございます。 この地方配付税は、御承知のように、以前は國税の附加税として地方が徴收いたしておつたのであります。從いましてこれはわれわれとしましては、地方の固有の財源である、このように理解いたしておるのであります。それが戰時中になりまして、財政面におきましても中央集権的な措置をとるということになりまして、これが今日の配付税という形式でもつて地方に交付されておるのであります。この配付税は、もとより一部理論的には地方の財政調整という意味もあるのでありまするが、根本的には何と申しましても、地方の固有の財源として、地方におきましては最も大きな財源であるのでございます。從いましてこれを今日國の財政の事情によりまして、地方側の意見もほとんど聞かれず、また責任官廳である地方財政委員会との十分なる連絡も協議もなくてきめられたというように聞いておるのでありましで、こういう問題につきましては、非常に地方側としては了解に苦しんでおるところでございます。 さらにこれを実際的な方面について申し上げますれば、本來三三・一四というパーセントをもつて配付されますると、一千百余億円という数字が出るように承つております。それが五百七十七億という半分の数字であります。地方としましては今日非常に財政の需要が増額いたしておるのであります。もともと地方の一万余の公共團体の財政の総額というものは、中央政府の総額と並行して來ておるのであります。それが今日中央の方におきまして、確固たる資料もなくして、一方的に地方財政のわくをきめまして、それに基きましてこの配付税額が決定されたのであります。從いましてこの財政需要に應ずるだけの地方の財源というものは、まつたく危機に当面しておるのであります。たとえて申し上げますると、今回の地方職員あるいは教職員等のベースの引上げに伴いまする財源にもこと欠くような事情でございます。また中央から各種の助成をもつて施行されますところの、公共事業その他の事業の地方負担分にも非常に困難を來しておる事情でございます。ことに大きい問題は、御承知のように六・三制の学校の施設あるいは戰災復興に要する施設等に対する地方の経費というものは、ほとんどこれを望み得ない状況であるのであります。勢い地方としましてはむりな措置をして、あるいは寄附に仰ぎ、あるいは必要な経費をも削除してその方にまわすというような、非常なる地方財政の混乱を來たしておるような次第でございます。中央におきましては、行政の部面におきまして、タツチされる部面がむしろ直接的でないことが多いのでありまするが、地方におきましては、現実に校舍が要る、生徒を野天教育をするということもできないのであります。また橋が壞れたという際には、これは一日もほおつて置けないのであります。このような際におきまして、配付税が少いから財源がないからということでほおつて置けないという、地方第一線行政の非常に大きな悩みがあるのでございます。 最後にこれらに対しまする希望といたしまして、当委員会の特に御考慮を煩わしたい点を申し上げたいと思うのであります。第一は、この際配付税の額を法定の率に確保されるように將來御考慮いただきたいという点が一つであります。第二は、もしこれが非常に困難であるという場合におきましては、見返り資金特別会計の処理等の際におきまして、地方の財源あるいは公共事業費等の方にまわしていただく、あるいは助成金の額を増額していただくというような点につきまして、格段の御考慮をいただきたいという点であります。第三には、近く税制の根本的な檢討が行われるように聞いておるのであります。その際におきましては、地方財政独立の見地から相当地方に有力な財源を付與いたしていただきたい、このように考えるのであります。たとえば配付税制度というものは必要最小限度にとどめまして、これを從來のように地方の固有財源として、所得税あるいは法人税の附加税として地方が徴收し得るような方途をお考えいただきたいと考えるのであります。この三点を特に当委員会の方で御考慮いただくようにお願いいたしまして、私の口述を終りたいと思います。
○中島委員長 次に高田富與君。
○高田參考人 私は札幌市長の高田富與であります。地方配付税減額のはなはだ当を得ないものであることのゆえんを各位にお訴え申し上げる機会をお與えいただきましたことは、まことに感謝にたえないところでありますが、私はさような知識をあまり持ち合せておらないばかりでなく、きのうの午後に突然その選に当てられまして、時間的にも余裕がなく旅先でもありまして、資料を十分に蒐集して、御聽取願いますことを、はつきりとりまとめることができなかつたことは、事の重大なるにかんがみましてはなはだ遺憾に存ずるところでありまするが、しばらく御清聽をわずらわしたいと存ずるのであります。 陳述の便宜上、まず私は一般論的な所見を申し上げまして、ついで具体的に実情の一端を申し述べ、最後に今後の地方税制の改正につきまして、特に御留意を願わなければならないことについての私見を附言いたしまして、各位の御善処を御懇請申し上げて引下りたいと存ずるものであります。 まず一般論的の所見でありまするが、その一つとしてあげられますることは、地方財政法違反の点であります。仄聞するところによりますれば、ただいま御審議中の予算案並びに地方配付税法の特例に関する法律によりますれば、所得税及び法人税の收入見込額を三千三百七十四億余といたしておるとのことでありまするから、地方配付税は同税法に基きまして、その三三%余の一千百十三億でなければならないのに、ただいま申し上げました地方配付税法の特例に関する法律によりまして、一六・二九%を確定割合として、昭和二十二年度の繰入れ不足額をも加算して五百七十七億を計上しておるとのことでありますが、これはおそらく國家財政の都合に基くものであろうと思うのであります。かように國家が國家財政の都合によつて、一方的に法律で保障されておるこの地方財政の利益を蹂躙いたしますることは、はたして許されるべきことでありましようか、はたして國民の納得するところでありましようかは、多く申し上げる必要をみないと思うのであります。御承知のごとく、地方財政法第二條には、「國は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共團体に負担を轉嫁するような施策を行つてはならない。」と地方財政の基本原則を定めているのであります。申すまでもなく、地方財政法は私どもの方から申しますれば、地方財政の憲法であります。もしも國家財政の都合によりまして、地方配付税を減額せんとするものでありまするならば、明らかに國家はその都合によりまして、地方公共團体に負担を轉嫁するものであり、また一方的に、かつてにその率を変更するというように相なりまして、地方公共團体の自律性をそこなうものであることは言うまでもないのであります。國家みずからがかように法律違反をあえてするというものでありますることは、多言を要しないところでありまするからして、私どもから申しますれば、國家の施策によつて窮乏にあえぐところの地方財政が、ますます窮地に陷るという理由ばかりでなく、私は法律違背という点において、とうてい看過し得ないものがあると存ずるのであります。 その第二としてあげなければならないのは、地方配付税の本質上、減額ははなはだ不当であるということであります。地方配付税は申すまでもなく、所得税附加税にかわるものとして制定されたものでありまして、決して國が地方公共團体に対して、恩惠的に分與するとか、あるいは涙金のように交付するものであるというような性質のものでないことは申すまでもありません。言葉をかえて申しますれば、國家が地方公共團体の財政援助のために、余剩を交付するというようなものではないのでありまして、元來地方公共團体に属するところの、その個有の財源なのであります。おそらく私想像いたしまするのに、徴税の簡素化であるとか、あるいは地方財政の調整というような目的からいたしまして、かような制度をとるに至つたものと思うのでありまして、從つて國家がその都合によつて、これを減額するというようなことは、失当のはなはだしいものと言わざるを得ないと思うのであります。 その三は、いわゆる経済九原則にのつとりまする國家と地方公共團体とを通じての総合予算の均衡ということに背馳して、地方財政をますます窮地に陷れるということがはなはだ不当であるということであります。仄聞いたしまするのに、政府は昭和二十四年度の予算の総額を國家の方は七千三十億とし、地方の方は三千五百十億として、それぞれ各種の歳入を見込んでおり、その地方の三千五百十億には、たとえば遊興飲食税のごとく、過去の実績に照らしまして、過大な見積額を計上しても、なおかつ二百三十三億の起債を見込まなければならないということになつておるということでありまするが、はたしてさようであるといたしまするならば、國家の方は黒字予算のために地方配付税を減額し、そのために地方の方においては一般税收に非常なむりな数字をあげまして、なお足りないので、その不足を起債に求めるということに相なりまするからして、さようにいたしまして、辛うじてまかなつて行かなければならないということに相なりまするので、國家の予算は、あるいは均衡を得たということになるかもしれませんけれども、國家と地方を通じての総合的な予算は、從來よりも著しく不均衡に相なるということになりまして、私は経済九原則に背馳するところのものであるということも明らかであろうと思うのであります。 その四は、昭和二十三年度と対比いたしまして、地方予算の総額を三千五百十億と押えることそれ自体がすでに不当でありまして、從いましてこの不当なわく内に減額いたしましたところの地方配付税の額を当てはめまして、ようやくつじつまを合せるようないたし方をいたしたことそれ自体が、はなはだしく当を得ないということであります。政府は二十三年度地方予算の総額を二千六百三十億と押えたはずでありますが、地方公共團体の二十四年度の所要経費は、物價や賃金の高騰に基く自然の膨脹において、すでに二十三年度の二倍を要すると思うのでありまするが、これを極度に切詰めることによつて、かりに二十三年度の五割に止めるということにいたしましても、二十四年度地方予算の総額は三千九百四十五億となるのでありまして、前年度との対比というきわめて素朴な計算から観察いたしましても、地方財政委員会の四千二十五億という数字は妥当なものであるということがわかると思うのであります。從つて地方予算の総額をむりに三千五百十億と押えましたことは、地方配付税の率を半分に引下げて計数を合せようとするためのものであるというふうにも観察せられるのでありまして、言葉をかえて申しますれば、予算の総額においてはなはだしいむりがある上に地方配付税の減額というむりが重なるということが明らかでありまして、地方財政はますます破綻を來たすほかないのであります。 その五としてあげなければならないのは、地方公共團体の意思いかんにかかわらず、國家の施策に基くところの地方公共團体の経費の膨脹に徴しましても、きわめて不当な措置であるということであります。申すまでもなく、地方公共團体は大体昭和十三年以來國家の方針に制約せられまして、直接戰災を受けない市町村といえども、あらゆる施設は荒廃しておりますが、これが復旧さえ容易でないところへ、國家の施策によつて新たな経費の膨脹を避け得ないで呻吟しているのが地方公共團体、なかんずく市町村なのであります。例を教育施設にとつてみまするのに、從來の小学校その他の校舍等の施設がすでに荒廃いたしまして、かろうじてこうやく張りで間に合したところへ、新学制の実施がもたらされたのであります。これは申すまでもなく市町村がすき好んでとつた制度ではないので、國家の施策によつてやむを得ずやつていることなのであります。そこで新学制の実施について私の札幌市に例をとつて実情を申し上げまするならば、市の中心にある小学校の校舎のごときは、すでに壽命盡きて非常に危險な状態にありまするが、改築困難でありまするので、多数のささえ棒をいたしまして、かろうじて保つておるような状態であります。屋根が腐朽して雨漏りがし、窓わくが腐朽してあけたてが思うように参らないなどは、全小学校の校舎に及んでいるような状態であります。從いまして、年々修理に要する経費だけでも相当多額に上つておるのでありまして、この経費や、國の施策に基くたとえば給食施設を新たにいたさなければならないというような経費等も、一般市費ではとうてい間に合わないので、PTAが醵金を父兄に求めて、やうやく間に合せているような状態であります。そこへ新学制の実施でありまするから、財政上の負担は容易ならないものとなつているのでありまして、札幌市においては、校舎について見ましても、二十四学級の学校を、三校建設しなければ生徒を收容しきれないという状態であります。御承知のように北海道は半年が冬でありまして、半年が積雪の中で暮さなければならないというようなところでありまするから、暖い地方と比べまして、建築構造が異つて、建築費が多額でなければなりませんし、またどうしても屋内運動場というものを必要といたしますのでその諸度調便費を加えて三校での建設費を見績りますというと、大体九千万円を超過するということになるのでありますが、二十四年度も二十三年度同樣の國庫補助及び起債が認められるといたしましても、その総額は三千六百万円程度に過ぎないのでありまするから、少くとも五千四百万円は一般市費の負担となるのでありまして、かように政府の施策によつて市町村においては歳出の膨脹を來して参るので、なかなか容易なことではないのでありまするが、腐朽しているとはいえ、從來の校舎が存在する非戰災地である札幌市でかくのごとき状態でありますから、戰災市町村の財政上の困難はまつたく想像のほかであろうと思うのであります。これが一般論的な所見でありますが、時間が参りましたので、具体的な事情は申し上げるいとまがございませんが、ただいま教育費について申し述べたことによつて、他の費目についても御推察をいただきたいと存じます。ことに警察、消防並びに保健所の移管等に基きまして、それぞれ政府は財源措置をいたしましたが、今年度の場合を考えますと、政府の財源措置をもつていたしましては、とうていこれらの費用をまかなえないことも、すでに各位御承知の通りであろうと思うのであります。なお最後に附言いたしたいと思うことも申し述べる時間もございませんので、この点ははなはだ遺憾でありまするが省略いたしまして、別の機会にあるいは書面等でお願いいたすことにいたしたい。かように存ずる次第であります。
○中島委員長 菊山嘉男君。
○菊山參考人 私は全國市長会事務局長の菊山であります。 配付税の減額せられますことによつて各地方のこうむりまする影響につきましては、先のお二方のお述べになりました通りでありますが、今回事務官僚の方面でこのことを立案されました人たちが、その理由として申されておるのを聞きますると、地方は國家に比較してまだ財政上の余裕があるんだ、まだもう少しく圧縮する余地があるんだということと、もう一つは、その証拠としてせつかく地方に與えられているところの遊興飲食税のごときものをとつていない所もあるんだということをあげられておられるようであります。しかしながら遊興飲食税をとつていないという所はほんのわずかな例外であり、特殊の事情のある所であり、これをもつてこの大切なる配付税の減額の理由にされますることは、一般の地方にとりまして、まことに迷惑であるということは、よく御承知を願いたいのであります。またこの地方財政にはなお圧縮する余地が多いという議論は、これはまことに暴論であると私どもは考えざるを得ないのであります。御承知の通りに、最近地方財政が非常に困つておりまするのが、先ほどもお述べになりました通りに、まず第一に六・三制の施行であります。それからその次は警察費が、各自治体においてこれを受け持たなければならぬということになつた事情、それからまた戰災の復旧でありますとか、災害の復旧でありますとか、失業救災等の仕事に多額の経費を要するというのが地方の実情でございます。これらの費用のうち六・三制の施行は、先ほども述べられました通りに、國策として取上げられて、むりにと言つては語弊があるかもしれませんけれども、國家の政策として地方がこれに順應するように強制せられたものであります。警察の制度においてもその通りでありまして、小いさな自治体においてどれほど財政上の圧迫を受けているかということは、御承知の通りであると存じております。その他災害復旧あるいは失業対策等は政府におかれましても大いにやつておられますけれども、その政府予算の足らざるところを、地方がそれぞれ補つて実施をいたしているのが現在の実情でございます。國会において相当多額のこれら費用を議決されましても、これを実際に第一線において実施いたしまするのは地方の責任であります。しかもおのおのそれに相当の金額をつぎ足しをしてやるという建前になつておりますことも、御承知の通りであります。これらの費用を計算いたしますと、ほとんど各市等におきましては、その八割程度がこれらに使われているということも、これまた御承知の通りでございます。これらの厖大なる費用の歳入としての根幹をなしますものは、申し上げるまでもなく配付税でございまして、この配付税をあてにして各地方は仕事をやつているのであります。それを政府の一部の官僚の人たちの説によりますと、配付税はいわゆる分與税だ、分與税は國の恩惠によつて分與するものだと、そうはつきりはおつしやいません、けれどもそういう考えを持つておられるのではなかろうかと思われる節があるのであります。でありまするけれども、これは御承知の通りに、もとの附加税の変形でございまして、地方におきましては当然の権利として考えておるのであります。これをただ政府一方の御都合によつて召し上げるということになりますると、さきに申し述べましたような財政上の非常な苦痛、國策遂行上における非常な障害を生じますると同時に、地方民の政府に対する信頼と申しまするか、感情の上においても、はなはだおもしろからざる影響を來すのではなかろうかと心配をいたしているような次第であります。しかしながら今日になりましては、どうしても地方の事情を最もよく御承知になつておりまする國会の方々のお力によりまして、正常の道に返すよりほか寄るべきところがないと思いますので、それらの事情をとくと御承知くださいまして、どうぞよろしくお願いをいたしたいと存じます。
○中島委員長 伊藤幟君。
○伊藤參考人 私は全國町村会長の伊藤幟でございます。福島縣本宮町長を勤めております。町村長を代表いたしまして齋藤副会長、白鳥常務が参つておりまして、自治警察並びに六・三制のことにつきましては御両人から参考意見を申し上げますので、私は町村財政と、おもに配付税について申し上げたいと思います。その参考意見を申し上げる前に、私は地財委員を勤めておりますので、地財委員の私といたしましては、今回の政府の処置に対しましては、絶対反対であるということをまず申し上げておきます。 政府の決定にかかわる本年度の地方歳入を見ますと三千三百八十八億円になつており、さきに地方財政委員会で発表いたしました地方財政の歳入総額の四千二十五億円と比べますと、そこに大きな開きが見出されるのであります。思うに、これは歳入の面におきまして、地方配付税が大幅に削減されたからであります。この一両年來の配付税の地方財政全体の中において占むる割合を見ますと、昭和二十二年度におきましては一八%であります。二十三年度におきましては一九%であり、これに対して本年度におきましてはわずかに一四%なのであります。これを見ましても本年度の配付税額がいかに極端に減額されておるかがわかるのであります。もし配付税が政府決定のように五百七十七億円にすぎないとしますれば、地方財政には約六百億円という大穴があくようになるのであります。この穴をどうして埋めるかということ、そうしてはたして埋め得るかということが、地方公共團体の大きな問題となり、このままで行きますれば、おそらく地方公共團体の死活問題になるであろうと考えるのであります。全國には一万六の町村がありますが、そのうち相当数は、百戸あるいは二百戸以下のいわゆる貧弱、弱小町村であるのでありまして、その弱小町村の歳入予算のうち、十万円あるいは五万円というような少額の配付税が減額されますと、これらの小さな村の財政には、命取りの実際の問題が起きて参るのであります。むろん健全の財政から見ますと、この税收入において收支のつじつまが合うことは、私ども町村民といたしましても、町村長といたしましても、これはその通りでありますが、地方の実際としては、すでに独立税の税源はまつたくあさり盡されておりますとともに、この標準賦課率をたいていの町村におきましては超過をいたしておるのであります。ことに六・三制の校舍建築、戰爭中はそのままでありました小学校の修理、増築等に対しましては、財源の措置に困りまして、全國一万の町村の大部分が、余儀なく町村民の寄付を仰いでおりますので、このまま行きましたならば、税の負担とあわせて寄付の負担は、まつたく町村民の生活を脅威するであろうことは皆さんも御承知の通りであります。本年度においては、かなりの増税が計画に見込まれているようであります。すなわち、地租におきましては、從來百分の二百でありましたものがこれを百分の五百に、家屋税におきましては、從來百分の二百五十でありましたものが百分の五百に、また住民税は、昨年度は平均九百円でありましたものが、今回は千四百五十円に予定されておりますから、この税がこのままではたして徴收されるかということを考えますと、まことに困難な状況にあるのであります。こればかりでなく、昨年政府は國民健康保險法を改正されまして、町村直営といたし、義務加入にいたしたのでありますが、現在特殊な客観情勢から見まして、どうしてもこの國民健康保險組合を開店しなければならぬような現況に追込まれつつあるのであります。漏れ聞くところによりますと、厚生省はこの國民健康保險の掛金の徴收権を、税金同樣に町村に付與するように内定しているような話もありますが、私ども全國町村会で調査をいたしますと、現在組合を経営している町村におきましては、一戸平均千五百円または千六百円の負担金を出さなければ経営ができないというような実情にあるのであります。健康保險組合の事務費に対して政府は助成金を持ちますけれども、医療費に対しましては、政府はいまだかつて民間の要望をいれず、助成金がないために非常に大きな負担を持つているのであります。その点から見ますと、この地方町村民の税の負担と健康保險組合の負担を合せますれば、税の負担は吉田総理が議会で発表した意見のように、天井を突くばかりでなく、國税の負担と地方税の負担と合せますれば、すでに天井を破つているような現状にあるのであります。今申し上げましたように、健康保險組合も特殊客観情勢から見まして開業せざるを得ない情勢に追込まれておりますことを、特に委員の皆樣に申し上げる次第であります。 次は、地方歳出の対策といたしまして、私ども町村の理事者といたしまして、できるだけ二十四年度の予算の歳出を節約しなければならぬと考えておりますし、また地方の町村議会におきましても、自分の町村でありますから、町村会を開くたびごとに町村長とひざを交えまして、いかなる方法をもつて町村費を節約するかということを常に檢討しているのであります。財源が枯渇して相当詰まつておりまするから、町村におきまして節約する一番大きな眼目としては、人件費でありますが、自然とこれは節約をしております。今政府が発表しまするように、人員整理をするということになりますれば、一万六の町村のうち、ごくわずかの町村しか人員の整理はできないと私どもは見ております。でありますから、どうしても節約をしなければならぬ、六百億の大穴を埋めなければならぬということになりますと、私ども町村長の立場から言いますれば、町村民の利益と幸福を責任を持つておるのでありますけれども、万やむを得ずして、この國家の代理事務をお返しするより方法はないと私は考えておるのであります。この点から見ますと、どうしても町村の予算の節約というものは、六百億という大きな見通しは立たないという結論になると私は考えるのであります。また今回の政府が議会に提案いたしました予算の増加支出、——予算のうち純然たる行政費の予算の支出を、昭和二十二年度と本年度と比べますと、約三倍九分になつております。この地財委員会で集計いたしました四千二十五億の案も同率に増加をいたしておるのでありますが、政府が決定いたしました三千三百八十八億を、二十二年度当時の地方予算と比べますと、三・三倍の増加というふうになつておるのであります。基準ベースの改訂は中央も地方も同樣、物價の値上りも同樣である。この同樣なものさしをもつて政府が計画したものが、一方の倍率が三・九倍であり、一方の倍率は三・三倍という点から見ますと、今度のこの地方分與税の減額は、まことに一方的な方法であり、この結果は地方財政を非常な窮地に、政府そのものが陷らせることになると私は考えるのであります。以上申し述べたように、この窮地に追い込まれました地方財政の破綻を救うの道は、どうしてもこの際種々なる客観情勢はあるでありましようが、特に政府並びに議員各位の御考慮を願いまして、配付税の増額をしていただく以外には道がないという結論に到達すると私は考えるのであります。しかるに政府の決定したこの配付税の額五百七十七億は、昨年度よりは約八十億増加しておりますけれども、基準ベースの改訂、または物價の値上り、ことに自治警察は、昨年度は七月より実施しました。また年度半ばして消防を地方に委讓したのでありますから、本年は一年間の予算をとらなければなりません。昨年は約半年の予算でも間に合つたのであります。この点から見ますと、わずかに八十億の増加を見ておるのでありますけれども、配付税は昨年より減額したるは事実であると思わなければならぬと私は考えるのであります。配付税のことにつきましては、市長代表の札幌市長さんから種々御意見がありましたし、私も同意見なので、これは時間の都合上省略いたしますが、政府の御都合で配付税の率を、一方的に改廃するということは、私は新憲法上の今日、まことに困つたことであると思います。われわれの基本人権が憲法で保障されるように、地方自治権も保障されておりまして、この自治の確立の基礎はこれまた御承知のように地方財政の確立でなければなりませんから、札幌市長さんのおつしやつたように、地方財政法に特にこれが明記されておるにもかかわらず、これを破壞されましては、地方自治体の運営、地方民の幸福の保障ということが絶対にできないと私は思うのであります。どうしてもこの際委員各位のお骨折りによりまして、地方自治体がまことに危機に迫つておる今日を救つていただいて、日本の新憲法の擁護のためにも立つていただきたいということをお願い申し上げます。結局私が申し上げることは、六百億のこの不足の穴を埋めるということで、重ねて申し上げますが、地方配付税を増額するほか方法はないと思います。ことに私ども地財委員会は二百三十三億の地方債に対しましては、これは地方公共團体から借受けますと、九分六厘の利子を拂いますので、相当の利拂いをしなければならない。もしこれが政府で借入れをしますと、御承知のように五分の利子で間に合いますから、この差額が年に二十億になるのであります。地方民にいたしましても、全國民でありますから、全國民が二十億の地方負担をよけいにするということは、まことに不経済なことでありますから、既得権として、私どもは配付税の額がここに千億以上の額になるのでありますから、この二百三十三億の地方債のわくは、政府にお返しいたしまして、地方配付税を減額しないで、現在の法律できまつた通りに配付してもらいたいということを、政府当局に申入れたのでありますけれども、未だこれが解決しないことは、まことに残念なことであります。どうぞ以上申し上げた次第でありまして、結論は、私はあくまでこの際地方財政の逼迫を補うの道は、配付税を現在通りにしていただくほか道がないということでありまして、重ねて皆さんに御要望申し上げますとともに、近く予定されておりますところの税制改革におきまして、かくのごときことが日本の國に、日本の地方自治に再び繰返されることのないように、確実な地方税制を確立されんことを要望いたす次第であります。
○中島委員長 次に齋藤仙太郎君。
○齋藤參考人 私は全國町村会副会長の齋藤仙太郎であります。私は六・三制の危機の問題、なお六・三制の理想と現実、六・三制の経費の問題、地方町村の要望につきまして、簡單に申し上げたいと思います。 いろいろ困難を押し切つて実施されました六・三制教育制度は、これまでも幾多の難関に逢着いたしまして、地方の町村が戰後の苦しい財政をやり繰りしながら、あえて六・三制の完遂に努力して参りましたのは、ひとえに國家再建の基礎が教育にあることを信ずるがゆえであります。この信念があればこそ、難航に難航を続けながらも、とにかく六・三制をここまで盛り立てて参つたのであります。しかるに六・三制がようやく九年制に入ろうとするやさき、いまさらこれが危機に陷つたということは、一体どうしたことでありましようか。文化國家の理想を掲げて、六・三制の実施に地方町村を狩りたてて参りました政府は、この事態に対し、いかに対処しようとしているのでありましようか。 六・三制の理想と現実の問題、新憲法の掲げる教育の機会均等はまことにりつぱな理想であります。しかるにこの理想のもとに発足いたしました新制中学の生徒のうち、教室に惠まれているのは約半数でありまして、あとの半数は寺院の一角、物置小屋、廊下、地下室はまだしも、馬小屋で授業を受けているようなありさまであります。このことは今日ではもはや周知の事実であります。雨が漏るためにかさをさして授業をやつているという惨たるところもあるのでありまして、こうした制度と実体との間の食い違いが、常に六・三制の完成を脅しているのであります。 次に経費の問題でございますが、このような六・三制の完全実施を阻んでいる最大の原因の一つが、経費の問題にあることはあらためて申すまでもありません。この点でも制度と現実との間に大きな食い違いがあるのであります。と申しますのは、政府は校舍建築費に対しては、二分の一、設備費に対しては三分の一の補助を約束しているのでありますが、政府の補助金は現実とはおよそかけ離れた單價を基礎として割出されております。せつかくの補助金も実際に要した経費のごく一部分にすぎぬ実体であります。たとえば政府は校舍の坪数を算定する場合に、生徒一人当り〇・七坪を基準としているのでありますが、実際には一人当り二・二坪以上を必要とするのでありまして、政府の算定基準は実際の三分の一にも満たぬありさまであります。そうした実体でありますからして、町村にとりましては、この制度を守り立てることはなみなみならぬ苦労でありまして、特に貧弱な町村にとりましては、六・三制経費は何分にも最大の支出項目となつているのであります。政府の交付金や、税收入のような公費だけではまかない切れず、結局地方住民の寄付金で急場を救つておるような次第であります。ために義務教育は無償とするという憲法の趣旨とは反対に、義務教育の年限延長のために、父兄は寄付金に追われているようなありさまであり、むりを押し切つて始められました六・三制が、今日まで曲りなりにも実施されて参りましたことの裏には、右のような困難と鬪う涙ぐましい努力が拂われているのであります。昭和二十三年度には、國際間には冷たい戰爭という相言葉が流行いたしましたが、わが地方町村では、六・三制は町村長の命とりという言葉が流布されておるのでありまして、このことはいかに六・三制が地方町村を悩ましているかを端的に物語るものであると思います。このような事態は、國家として一日も放置することのできぬ事態であります。もし政府が眞劍に六・三制の完遂を考えているとすれば、少くとも町村財政が名実ともに立ち直るまでの間、その経費は全額これを國庫負担とする暫定措置を講じてまでも、これを決行する決意を示す必要があると思います。このことは実に全國町村が今日まで一貫して持ち続けて参りました要望でありまして、全國一万有余の町村代表者は、昨年五月右の決議を携えて、時の政府に迫つたのでありますが、遂に実現を見ずに今日に及んでおります。当時野党にあつた民自党は、右経費につき七割國庫負担を公約したのでありますが、もしこの約束が実現されるとしますならば、それだけでも地方町村民は六・三制の前途に明るい光明を見出すことができるのであります。われわれは六・三制を危機に陷れるような文教予算が國会でうのみにされるとは信じません。くれぐれも目前の財政難のために地方町村が六・三制の実現のため今日までささげて参りました惨憺たる努力を水泡に帰さないよう、國家百年の大計を誤らないよう切望する次第であります。 私最後に二十三年度、二十四年度のこの六・三制の建築につきまして、ちよつと申し上げたいと思いますが、二十二年度には三十一億二千万円の國庫補助があり、二十三年度には四十五億余円の補助がありました。それに相当なる起債もありましたが、政府はこれをもつて地方の建築がされたと思われておるかという点につきまして、私は遺憾に考える次第であります。これだけの補助額があつてさえも、地方におきましては、一戸平均少いところで五千円以上の寄付金になつております。多いところは一万円以上にも相なつておるところが私の方の地方ではあります。私は福岡縣の町村長会長をいたしておりますために、この六・三制の問題につきましては、始終会合いたして協議をしておるような次第であります。この寄付金をとるということにつきましては、並々のことではありません。皆樣も國民の代表として、公僕として代議士になられてここにおいでになつておりますが、結局公僕たる代議士も、わが故郷のことはよく御存じと私は思います。これがためには相当に町村長あたりは首を切られております。実に町村長、町村民、國民はこのためにいかなる悲惨な目にあつておるかということは、代議士各位もよく御承知と思います。二十四年度におきましてこの補助金を打ち切られるということになりましたら、これはどうなりましよう。私は縣会議員もしておりますが、そうでなくても、町村のため、縣のため一身をささげてやつておる人間であります。私の所は、共産党が多いやら、いろいろな面から非常な反対が出まして、二十三年度の建築の寄付も今日までできておりません。二十日の日に町民大会を開くことになつておりましたが、この六・三制配付税の問題につきまして、私は副会長であるがゆえに、もう十日ばかりここに來ておりますが、帰られないので、電報を打つやら、手紙を出すやらして、二十二日に町民大会を開くことにしておりますが、至るところの地方町村において、首にかけてこのことは心配いたしておるような次第であります。この点を代議士各位はよく御了承くださいまして、大藏大臣がいかなる予算を出しても、代議士各位が全面的に國民の公僕として当られましたならば、何とかこれはならぬことはないという確信を持つております。私はほんとうに心から涙を流してお願いする次第であります。どうかよろしくお願いいたします。
○中島委員長 成田喜榮君。
○成田參考人 私は日本教職員組合の副執行委員長の成田でございます。教育費が地方財政に大きな影響を持つということは、先ほど來の公述人諸氏の述べられたところでも明らかでありますし、すでにこれは天下周知のことになつておるのであります。そこで私がただいま申し上げようといたしますのは、地方配付金の減少と、並びに文教予算の中で、半額ないしは何割かの國庫負担となつておりますものの減少によりまして、それがいかに地方の財政に響くかということについて、具体的に数字をあげて申し上げたい、こう思うのであります。 御承知のごとく、文部予算は、公共事業費のわく内におけるいわゆる六・三建築費、これを当初において百十六億を計上いたしましたが、結果としてはそれがゼロとなつたのであります。わずかに災害復旧費が十二億ばかり残されたのであります。それから文教予算の一般会計におきまして五百七十四億の要求をしたのでありますが、それが結果としては三百四十七億に減少いたしたのであります。その特に重要な点は、小学校、中学校の教員費、國庫負担分と、定時制高等学校の教員費の國庫補助分であります。その減額がどういうような結果をもたらすかということについて、次に申し上げたいと思います。 ただいまもお話があつたのでありますが、まず建築の方について申し上げますならば、昭和二十四年度におきまして生徒数が約五百円に達します。それを学級数にいたしますと、十一万七千九百五十六になるのであります。この十一万七千九百五十六の学級が当然生じて参りますが、それに必要な教室、これを一学級一教室としても、その数だけが必要であります。しかし新制中学の教育の内容から申しますならば、一学級一教室では、この教育の性質から足りないのであります。少くとも十三万九千百八十八の教室が必要になつて参ります。この十一万七千九百五十六の教室に対しまして、現在の不足数は五万二千四百十六教室であります。前に申しました十三万九千から申しますならば、七万三千六百四十八の教室が不足となつて参るのであります。これは最小限度の必要数なんでありまして、本來の新制中学の教育の面目を発揮するためには、まだまだこの数倍の教室並びにその他の施設を必要といたすのであります。これに対します予算の要求額は、その必要数をさらに年次計画を立てて、結局約一八%にすぎない國庫負担分の百十六億を要求したわけであります。私どもが組織を通じまして詳細な数字の檢討をして、必要額を算出いたしますと、國庫負担分だけでも三百四十四億は必要である、こういう見解に達しているのであります。私どもの見ますところでは控え目だと思われます要求すら、全然いれられない結果に相なりますと、勢い現在のような悲惨な教育の状態がよりはなはだしくなる。それが新制中学のみならず、小学校にも当然影響いたして参ります。小学校においても現在二部教授、三部教授を行つておりますものは多数あります。それが強化されます。一方、高等学校の校舍の轉用ということも考えられますので、その方面にもやはり大きな影響が加わつて参ります。從いましてこの一事が、地方の教育の全般に強く響いて來るのであります。 次に申し上げますのは、小学校及び中学校の教員費の減少であります。これは当初文部省は一学級当り五人として、小学校は一・五、新制中学は一・八という基準でもつて予算を要求したのでありますが、結果としては、小学校一・三五、中学校一・七という基準によつて査定がなされたのであります。それで小学校の場合を例にとつて申し上げますと、一・三五ということになりますと、小学校には校長あるいは養護教員あるいは事務にあたる職員が、各校一名ずつ必要になつて参りますので、それを差引きますと、結局学級を担当する教員は全國的に見まして〇・九八人になります。これだけですでに教育が完全に行われないということを明らかに示すものであります。それをさらにまた切り詰めて考えました場合に——これは実例を申し上げる方が早いと思いますから実例を申し上げますが、和歌山縣に例をとりますと、和歌山縣は現在生徒数が十一万三千二百八十二人であります。そこで教員定数を、査定額によりまして五十人について一・三五といたしますと、三千五十八人の教員が必要になつて参ります。ところが現実の学級数が二千八百三十九ありまして、学校数が五百五、從つて校長の数が五百五人でありますので、それを加算しますと三千三百四十四人という数字が出て参ります。これは先ほど申しました養護教員も事務の職員も入れないで、校長だけを加えてそういう数字が出て参ります。そうしますと、五十人について一・三五には足りなくなる。結局和歌山縣では一学級当りの教員数が〇・九一人にしかならない。校長を加えただけでもそういうことになるのであります。これは御理解いただけると思いますが、地方におきましては、なかなか五十人單位の学級の編成はできません。全國的に見まして四十四人になるのでありますが、いわゆる山間僻地の多い所では、三十人あるいは二十人というような小学級しか編成できない事情にあるのであります。五十人を標準とするところにむりがある。それで一・五でもむりがあるのを一・三五に切り下げたために、こういうような結果を招來したのであります。一方において、この標準を立てたために、現在教員数との間に食い違いができて、いわゆる首切りの現象を起している所もあるのであります。一つの例として廣島縣を申し上げますが、廣島縣では生徒数が二十七万六百六十五人でありまして、これを五十人につき一・三五の定数で算出しますと、七千七人の教員数になるのであります。ところが現在の教員数は八千百七十八人でありますから、從つて八百七十一人という教員は首を切られるというふうな結果になるのであります。時間が十分にございませんのでその他のことは簡略に申し上げますが、定時制の高等学校の場合には、予算の削減によりまして全國で一万二千の教員の経費をまかない得るのみで、今までありましたところの臨時職員、從來の嘱託とか、講師というものは、全部首を切らなければならないというような結果になるのであります。これは定時制高等学校の教育の崩壞であります。かくのごとき予算削減の結果が、全面的な教育の崩壞の結果をもたらして参ります。しかしながら教育を中止するわけには参りません。あくまでも教育を遂行するということになれば、結果として地方の住民に対する直接的な大きな負担がかかつて参るのであります。そういう見地からわれわれとしては、あくまでも教育費、ことに義務教育費は全額國庫負担で行かなければならないという主張を持つておるのであります。それらの点につきまして代議士各位の御協力をお願いしたい、こう考えるのであります。
○中島委員長 次に峰村三雄君。
○峰村參考人 私は日本教職員組合中央執行委員の峰村と申します。貴重なる時間をお借りいたしまして一言申し上げたいと思います。 ただいま成田副委員長から説明がありましたが、私は最初に地方自治体の今日まで果して來たところの役割について、一應申し上げたいと思うのであります。地方自治体のおもなる今日までの仕事は、教育、土木、警察、勧業等のいわゆる中央政府の法的委任事項を地方の自治体は処分して参つたのであります。これに必要な財政的な裏づけは、昭和十五年の税制が改革されるまでは、主として地方自治体においては、いわゆる府縣町村の附加税によつて大部分をまかなつて來たのでございますけれども、十五年の税制の改革以後は、主として中央の配付金ないしは交付金によつてこれをまかなつておつたのでございます。先ほども自治團体の関係方面の係の方から御説明があつたように、大方その経費の七、八十%というものは、これらの財源によつてこれをまかなつて來たのでございます。ところで二十四年度の國家予算と地方の配付金ないしは交付金の問題を見ますと、從來の地方財政のあの法案によりまして三三%を配付することになりますと、大体千二百億円の金が配付されなければならないという結果になるのでございますが、新聞で御承知のように、本年はわずかに五百億程度の金が配付されるということになつたわけでございます。こういうふうな結果が地方にどのような影響をもたらすかということについて、先ほども幾多の方から説明があつたようでありますが、まず経済上には、中央に大幅に國家の予算というものが吸收されることによつて、地方においてはもしもこの案が通つた場合には、何らかの財源を見つけなければならないということで、地方自治体の財政上に非常な混乱を來すことは予想されるのでございます。また治安上の問題に関しましては、警察の金が非常に縮小されたことによつて、はたしてその機能を果し得るかということに幾多の疑義を持つものでございますが、わけて首切り行政等があつて、幾多の失業者が出て参つたときに、それに必要な失業救済の制度というものが十分に確立していないと、治安の紊乱というものを相当予想することができるのでございます。從いましてこの地方の警察力を維持するために、主としてどこによつてそれらの必要な財源をまかなうかと言うと、いわゆる地方のボスと警察というものが結託し、警察が弱体化するというような心配も多分にあるのでございます。 次に直接私どもの関係しておるところの教育上の影響につきましては、先ほど來六・三の建築あるいは定員の問題についてるる公述人の方から説明があつたように、これもゆるがせにできない大きな問題を巻き起すのでございます。すなわち成田副委員長の方から話がありましたように、現在五万二千四百十六教室というものが不足しておるのでございます。つまり二十二年出発当時、古い青年学校ないしは小学校の高等科の教室というものが大体三万一千ほどあつたのであります。そのほかここにもお見えの父兄の方々の多くの寄付金や、あるいは中央からの交付金によつて、昨年までに建てた坪数は大体三万三千教室ほどができ上つたのでございますが、なお五万教室というものが不足しておるのでございます。この不足を一体何で補つているかというと、二部授業を約五千教室やつております。詳しくは五千七百七十七教室が二部授業でございます。それからお寺、旧軍隊が使つたところの馬小屋を改良したもの、あるいは学校の宿直部屋を改造したもの、これらによつてまかなわれているものが一万九千ほどあるのであります。なお超満員の教室——五十人も、六十人ものすし詰め教室が、大体八千教室ほどあるのであります。これらは何とかして國の力によつて解決しなければならないと思うのでございますが、これ以上に今年度の生徒数の増加は、大体八十八万人の生徒が日本全國でふえて來るのでございます。この子供たちは、本年の予算が打切られることによつて、全部青空教室で勉学しなければならないと思うのでありますが、新制中学校は大体一日六時間の授業をしなければならないので、おそらく二部授業をするというようなことは不可能である。その不可能な部分はどこに影響するかと言うと、全部それらのものがあの小学校の小さな子供たちに影響して來るのであります。可憐な、かわいい子供たちは、一日に二部授業、三部授業として、うしろにお見えのお母さんたちは朝八時には一番上の子供を送り出し、十二時には次の子供を送り出し、午後三時から三番目の子供を送り出すというような煩雜な登校もしなければならないのでございますが、私どものように勤め人の家庭であつたら、まだそうした時間的余裕もありましようが、地方の農村において、朝から晩までせつせと働く父母の方が、こういうふうな授業をしたならば、非常に農業の生産の上にも、また家事の切りまわしの上にも大きな影響を及ぼすものと考えるわけでございます。このような現状を何とか收拾したいと思いまして、地方の自治体の町村長、あるいは府縣知事は、いろいろと苦労しておるのでございますが、たとえば富山縣の例をとつてみますると、富山縣では、昨年の秋米の代金が入つたときに、春肥を買うまでは農家は金はいらないというので、その金を借りて、そうして四月になつたら中央から建築予算が交付されるから、それで支拂うと言つて、金を借りて学校を建てたのでございますが、ここでばつさり切られることによつて、町村長を初め多くの関係者は非常に困窮に陷つているのでございます。あるいは西に飛びまして、中國福山市の例をとつてみますと、福山市においては、同一市中に三つの新制中学校が同時に出発したのでございますけれども、学校は建てかけたが予算が打切られるというので、市長を初め関係者は総辞職をしなければならないのではないかというような情勢に追い込まれておるのでございます。総体的に見まして、今年の予算は地方に直接まかなわれるという金が非常に少いのでございます。たとえば文部予算について見ましても、一應二十一年には一・四%が文教費に使われ、二十二年三・三%、二十三年四・二%、二十四年四・九%と、一應上昇はして來ております。これがノーマルな経済状態のときには、こうした比率もわれわれは納得できるけれども、昨年の一%と今年の二%とがつり合うというような、こうしたインフレの高進時期においては、これらの問題はあまり頼りにならない数字でございます。しかも驚くことに、ここではつきり申し上げたいと思いますが、文部省の予算について見ますと、最も私たちが心配しておるところの、直接子供たちに使われるところの経費は非常に少くて、昨年の予算と今年の予算の増額されたそのふくらんだ部分の比率を見ると、大臣官房においては六四・一%ふくらんでおるのでございます。次に大きなところは、社会教育局が五九・八%やはりふくらんでおります。最も現場に使われるところの教育費というものは学校教育局でございますが、ここから出る金は三二・六%であつて、ちようど大臣官房のふくらまし率の半分にしか達していないということでございます。特にこのうちで庶務課というのがございまして、ここでは主として中、小学校の教員の給與の面を予算の上に盛つておるのでございますが、ここでは三三・五%だけしかふくらんでおらなくて、教職員課いわゆる現場とは少し離れたところでは、五九・一%というような比率をもつてふくらんでおるのでございます。こういうふうな傾向が從來もあつたのでございますが、特に建設費の問題について、地方においては新制中学を非常に重点的に考えて、校舍の建築、校舍の建築と言つて推し進めたために、小学校の経費というものは、教員の國庫負担分のほかに、設備費の問題は主として父兄の方に仰がれておつたのでございます。新潟市の例をとつてみますと、ある町で九万円の負担をしておるのに対して、PTAの負担は五十三万円になつております。昨日現地から持つて來た調査していただいた報告によりますと、多くの町村は町村の負担の大方二倍から二・五倍の金がPTAによつてまかなわれているというふうな状態であります。 次に教員の首切りについては、先ほども申されたのでありますが、私たちは、われわれの同志が首切りされるというようなセクト的な考えでなくして、現に教員数が、たとえばある山間地の学校について見ますと、二十五人のクラスが六学級あると、そこには昨年までは校長とそれからだれか教員が休んだときに行くような教員が一名で、計八名であつたのであります。ところが今年五十人を一單位としての算出計算で予算を地方にばらまかれますと、これはちようど総計百五十人で、それを五十で割ると三クラス、それに一・三五をかけると四名、昨年八名おつたところが今年の予算では四名しかまかなえないということになりますと、ただいま地方ではすでに新学期が出発しておりますけれども、いよいよ中央からの金が來なくなつたときには、府縣はこれに対して裸予算を組んでそして現状を維持するか、ないしは予算の來ない部分の四名というような教員を首切ることによつて、從來單式であつたものが今年から複式の、つまり一年と二年とを合せた授業をして行くというような結果をもたらすのでございます。この点については、私どもはたびたび議会の方へ参りまして、議員の方にもお願いしておつたわけでございますが、大体今のところ、予算がこのように組まれつつあるのでございます。こういう状態において、この窮状を救い得るかどうかという点について、私は一言申し上げたいと思うのであります。先日予算委員会において、権威者の発言によりますと、何とかしてこの急場を打開するために、地方は一つの独立税を考えなければならないというような発言があつたのでございますが、その独立税を課することが、はたしてできるかどうかという点について申し上げたいと思うのでございます。これについて安本からの発表によりますと、昨二十一年の六月には國家の総通貨の五一・八%が地方にばらまかれておつたのでございます。ところが二十二年の六月には二八・五%、去年の六月には二〇・一%というふうに、逐次地方にある金は大きな都市へ吸收されておるのでございます。また全農の報告によりますと、普通農村においては、秋の收穫から一月、二月に貯金が大体山に達し、七月において底をつくというのが今までのあり方でございますけれども、二十三年においてはすでに一月から三月に大体九十八億円の金が預金から引出されておるのであります。これを二十一年の一月から三月に三十億円の貯金をしたことと比べますと、農村の金詰まりは雲泥の差があるということをわれわれは承知しなければならないのであります。しかも一戸当りの收支計算を見ますと、二十三年度の一戸当り農村は大体七千二百六十七円の收支赤字ということになつておるのであります。こういう状態に対して、われわれはこの際地方に対して新たなる財源を見つけて、独立税のために一般大衆から金を徴收するということは、ほとんど不可能であるということを断定しなければならないと思うのであります。かてて加えて政府は今年度の一人当りの所得を三万五千七百三十四円と見つもりまして、多くの税金を徴收することに計画されておるのであります。住民税において五割、土地の使用税において二割、家屋税において二・五倍というような税率が先ほどどなたからか発表されたが、かように多分に引上げを見るというと、ほとんど地方において新たな財源を見つけるということは、不可能であるとわれわれは断ぜざるを得ないのであります。それどころかおそらく今年の八月、九月には、担税能力がないのではなくて、納税能力がない人さえも出るのではないかと心配するのでございます。これに対して、われわれは一体教育をどういうふうにしたらよいのか、この点について考えたいと思うのでありますが、教育はその性格より見ても、一朝一夕にしてできるものでございません。しかしながら今の政府は、まず日本の復興に対しては食糧の増産が第一である。次には経済の復興である。しかる後に教育だ、こう言つておるのでありますが、私どもはこういうふうに序列をつけることによつて、はたして過去の歴史においてどの國が復興しておつたかということを疑うのでございます。つまり私どもは食糧も、経済も教育も、三者提携して、総合的な計画のもとに、逐次かわらを積み重ねるように進んで行かなかつたならば、一國の繁栄ないし興隆ということは、とうてい不可能ではないかと考えるのでございます。その意味におきまして、私は食糧、経済、教育というものに比重をつけることなく、この三者を並行させて、そして総合的な計画のもとに、自動的に國家予算を支出するような道を講じていただかなければならないと考えるものでございます。先日文部省の内藤庶務課長が、われわれは多少不満がありましたが学校教育財政法というようなものの案を一度考えておつたようでありますが、不備であつても教育の面についてはこうした法案もつくつていただいて、これ以上現在の父兄あるいは地方自治体に迷惑をかけることなく、憲法に保障されたところの、義務教育の経費はすべて國庫で補うという原則に立つて、何とか教育を円満に解決するような方法を、法の上で規定していただき、当面の問題としては教育予算、あるいは公共事業費についてさらに追加計上されるような方法をとつていただかなかつたならば、教育の崩壞は火を見るよりも明らかであると思うのであります。重ねて申し上げますが、食糧、経済教育というような序列をつけることなく、三者を総合的に、自動的に財政面を支出操作できるような方法を、一日も早く確立していただきたいことを議員諸公にお願いいたしまして、私の公述を終りたいと思います。
○中島委員長 次は菱信吉君。
○菱參考人 日本自治團体労働組合総連合の委員長をしております菱でございます。今度配付税の問題が当委員会で非常に大きな議題になりましたについて、われわれをお呼び願いましていろいろ申し上げる機会を與えてくださいましたことをまず厚くお礼申し上げます。今度の配付税の減額が與える地方財政、あるいはわれわれ人民の生活に対する影響につきましては、やはりこのように地方配付税を減額する政府のやり方、政府の財政政策、今の独占資本の政策自体がどういうものであり、それがどういう形になつて現われて來るかということと、非常に密接に関連いたします。從つて單に配付税の影響はどうなるかということを申し上げるのではなしに、そういう点と関連してこれから申し上げたいと思います。 まず第一に、今年度の地方税の配付額を見ますと、一般に五百七十七億円というように言われておるのでありますが、実はこのうち正味は五百五十億でありまして、残りの二十七億は実はとつくの昔に國庫が地方財政に対して與えていなければならなかつたはずの繰越の配付税である。私は二十三年度の補正予算の公聽会で、参議院の方に参つて申し上げたのでありますけれども、あの補正予算で政府は実はわれわれ職員の給與改善費の一部として地方財政に足して、今年と來年で返済するということになつておりました三十余億円を緊急補正予算に計上しまして、これを本年度中に返せというようなやり方をした。私はこのことを今申し上げた二十七億の繰越の問題とからんで考えざるを得ないわけであります。こういうように政府は常に一方的に自分本位の考え方をいたしまして、地方財政に対しては、すべて便宜的な、そのときどきのお座なり的な仕方を押しつけて來ている。そのために地方財政が非常に苦しむ。破綻の姿を今表わして來ているというのが問題の中心点ではないかというように考えるのであります。今申し上げました國の財政政策、政府がどのように地方財政を虐待しておるか、あるいは直接われわれ人民大衆の生活に関係のある地方の支出を押えておるかということについては、先ほどまでいろいろ各参考人の方から申されたのでありますが、私からも二、三例をあげて申し上げたいと思うのであります。一つはまず一番大きな問題ですが、國がいろいろな税源の中で、一番とりやすい、そして税源としてはかつこうな、つまり金額も上るし彈力性もあり、そして年を通じて平均的に收入されるというような、質のいい、量も大きい税金をすつかりとつてしまつて、いわばその残つたかすを地方財政に與えておる。地方財政では非常にとりにくい彈力性のない、惡い税金を與えられておる。やむを得ませんので、全國一万の自治体は、法定外の独立税、これは八十近くあるわけですが、ミシンに税金をかけたり、農機具に税金をかけたり、ラジオに税金をかけたりして、何とか財源あさりをして金を得ておる。しかしもちろんそういうようなものは問題にならないわけですけれども、そういう状況であります。こういうように税金の方面では、非常に地方財政を虐待する一方、御存じのように、現在自治体が負担している國の事務が多い。私どもが調べましたもので申し上げますと、これは一つの例として申し上げるわけですが、昭和二十三年度の福岡縣の國政関係の支出が十二億四千万円であります。 〔委員長退席、生田委員長代理着席〕 このうち実際に國庫から支出された金額というものは、わずか五三%、東京の場合には、都の國政関係支出が約六十億ありまして、そのうち実際國から支出を受けたものは四六%というような状況であります。私先日横浜の向うの茅ケ崎という所に行つて参つたのですが、そこで聞いた話を申しますと、御存じのように、自治体はいろいろ國政事務が押しつけられているわけですが、皆さんにも御関係のある先般の衆議院の選挙費は、実際に二十五万三千円かかつた。ところがこれは純然たる國政事務で、地方財政法にもありますように、全額は國庫負担とする筋合いのものである。ところがこれに対してわずか二十万六千円、つまり約五万円近いものを自治体の負担に押しつけているのであります。あるいはまた統計費、これは商工、農林、水産、その他労働関係、いろいろな統計が國政事務として、自治体にまかせられておるわけですが、この統計費のために二十三年中に幾らかかつたかと言いますと、三十七万二千円出している。市ではありますが、非常に貧弱な茅ケ崎市でそれだけの金を使つて國の統計事務をやつた。それに対して補助という形で金が來たのは、きわめて僅少な十万二千円というような金額であります。これは一つのほんの例でありますけれども、こういうように、どんどん仕事は自治体に與える。しかもその自治体で仕事をするのは、全然法令でやり方がきめられておつて、実際に自治体のやり方を全然無視して、一方的に押しつけた形で仕事をやらせておる。そうしてその財源を全然保障しない状況であります。こういうことになつて参りますと、いきおい地方財政が金詰りになつて來るのは当然であります。いよいよ苦しくなればいきおい借金、つまり地方債なり、町村債というものを起さざるを得ない。現在この地方債が非常な金額に上つておりまして、東京だけでもたしか年に二十億くらいの負担になつていると思いますが、この利子が毎年々々非常に高くなつて來ておる。しかも借り入れる條件である償還期限というものは、やはり三年くらいに短縮されて來ておりまして、非常にこの地方債を莫大にかかえて、四苦八苦の状況にあるわけであります。先ほど例を申し上げました茅ケ崎などでも今年の三月に新制中学の営繕費に充てるために、預金部に地債を買つてもらつた。つまり借金したわけですが、その金額は五百五十四万円、その利子が九分二厘という非常に高い利子であります。預金部では相当安い利子で大衆の貯金を預つていると思いますが、今申しましたように、非常に高い利子で預金部から貸している。ですから、一般の市中銀行から金を借りるというような場合には、もつととられるということが予想されるのであります。そういうようなことで、非常に國が大きな負担を財源の保障なしに自治体に押しつけているということが、現在地方財政が非常に逼迫した唯一最大の原因であります。なぜそれではそういうようなことをやるのか、これは言うまでもなく、皆さんが十分に御檢討されました今年の七千三百億という厖大な一般経済の予算を見ましても、あの内容はほとんどわれわれ人民生活の安定、あるいは維持のために使われていない。ほとんど大部分は少数の独占資本を中心にした一部特権階級の分取りにまかせるような、そういうように言わざるを得ないような少数者のための利益を守る経費に全部使われている。しかしいかに國の予算が独占資本に奉仕する予算であるといつても、多少はやはりわれわれ人民大衆の仕事はしなければならない。先ほど日教組の方がるる申し上げたような教育の問題であるとか、あるいは土木、あるいは生活物資の配給その他たくさんしなければならない仕事があるわけであります。しかし國は今のような金づかいをしておりますから、そういう仕事をやる金がない。それでそういうような仕事はどんどん自治体に押しつける、そうして金はくれない、財源は保証しない。自治体では法令によつて、そういうやむを得ない最小限度の仕事はやらなければならない。しかしその財源は一向國では保証されないということで、非常に大きな赤字に苦しみ、大きな負債を背負つておるわけであります。ですから今度の配付税の減額に伴う影響、あるいはその対策ということを考えます場合にも、われわれはまず第一にこういう國の予算の行き方、國の財政政策そのものを根本的にかえなければ、いつまでたつても問題は根本的には解決されないのではないかというように考えるのであります。二十四年度の予算には御存じのように、五百億の公共事業費というものがあるわけですが、そういうものの中には六・三制の予算がゼロであるというような、非常にむちやなことが見られ、また反面河川の災害その他の関係費用ですが、そういうものも百七十五億というようなことで、非常に大きいというようにも思われますけれども、一方今年の大体災害を中心にした土木費の見込みは一千億ぐらいになるのではないか。それからもうすでにやつていなければならない仕事で、今まで金がなかつたために、繰越しになつている仕事が七百億くらいある。計千七百億くらいの金がいるというような現状を考えますと、わずかその一割にすぎない経費しか、國は公共事業費に見ていないという状況であります。そういう負担が一体どこにかかつて來るのかということをわれわれは考えなければならないと思う。また道路費のように、非常にふえているものもあるわけであります。もちろんこの道路費がはたしてどういう道路費であるのかということも非常に問題でありますが、この道路費の増加そのものが、実は非常に自治体の大きな負担増になる。なぜかと言いますと、こういうような仕事のうち、相当の仕事は自治体がいわば請負でやる。その金を建設廳関係からもらうわけですが、その場合に相当自治体が自腹を切る形にならざるを得ないものが多いわけです。つまり一定の土木工事にはやはり單價というものがあつて、それだけはどうしてもかかるわけですが、政府の方では、実際金を出すときには、その單價をいわゆる査定をいたしまして、非常に実際に遠い金額に切下げてしまう。そのために自治体の負担が非常に重くなる。ですから公共事業費の道路費のふえたということは、地方の民生上に非常にいい施設がどんどんふえて來るということを意味しなければ、地方財政は、國の方で非常に仕事をどんどんやつてくれるので助かるのだということを意味しない。むしろ逆であるというようなことになるのであります。そういうふうに考えますと、單に配付税の問題だけでなく、この配付税の與える地方財政に対する影響をなくするためには、このような國の予算全体、七千五百億という額そのものの再檢討、このものの建直しをまずやらなければ、問題は解決しないと考えておるわけであります。 そこで配付税の減額がどういう影響を地方財政に與えるであろうかということでありますが、この点については、今までの参考人の方々もいろいろ申されたように、まず第一に政府もそれを計画しているように、地方の人民大衆に対する非常に重い税金になつて來ることは明らかである。現に住民税、これも五割の制限外課税があるということも考えますと、大体倍になる。われわれの所得は、政府は一應今年も千六百円ベースというたいへんありがたいものを押しつけておるのでありますが、住民税の方はその倍額を押しつけておる。あるいは家屋税なり地租なりというものも、それぞれ二倍ないし二倍半という金額になるわけであります。しかもこれは從來われわれ倍家人が拂つておるというのではなかつたのが、今度は家を借りておる、土地を借りておるわれわれが、地主なり家主に拂わなければならないということで、非常に大きな負担になると思うのであります。いろいろ今年は政府の宣傳にもかかわらず、どんどんわれわれの生活費が高くなると思いますが、地方財政の面においても非常に大きな負担増加というものを政府が予定している。そういう予定した配付税を二分の一に減らしたのであります。この影響がどういう深刻なる打撃を地方の農村、あるいはわれわれ勤労大衆に與えるかということは、別に申し上げる必要はないと思います。まずこのことは十分お考え願いたいと思うのであります。 それから現在配付税が地方財政の上で、どの程度の割合を占めているであろうかということを考えますと、二十三年度の予算では、これは地方財政委員会が計算したものでありますが、三六・五%、三割七分が配付税であります。それから二十四年度になりますと、地方財政の全歳入のうちの二六%、もちろんこれは配付税を千四十九億と算定したときの地財委の計算ですから、今はかわつて來ているわけですが、そういう数字になります。また具体的に見ましても、東京のように配付税に依存している程度の少いところは別としまして——東京の二十四年度の予算書を見ますと一割二分くらいになつていると思いますが、これは別として、近在の都市で見ますと、横浜では二六・五%、たびたび出て來ますが、茅ケ崎では二三%という数字になつておる。大体大ざつぱに地方財政の四分の一は配付税によりかかつているということが言えると思います。これが半額になるということでありますから、非常に大きな影響が出て來る。横浜の例で申し上げますと、現在歳出の基礎として人件費が六千三百円ベース、これも非常に問題があるわけですが、物件費の方は去年の十一月の物價が、あまり動かないという計算で見ている。この物件費の單價については、今度の配付税の二分の一減額という問題にも関連しますので、脱線しますけれどもここで申し上げますと、今度の地方予算の大きさをきめる場合に、地方財政委員会では戰前の昭和十二年の三・二倍という予想で計算したのだそうですが、それをどういうわけかわかりませんが、大藏省では二・四倍と査定して、非常に配付税なども減らしたということを言われおるわけです。横浜の場合には、そういうことで非常に今年の物價はやはり上ることが見通されるにかかわらず、上らないという前提で、そこに配付税の減額が來るわけであります。今年の予算で見ますと、所得税、配付税は去年の六割増しになつておりますから、本來ならば、配付税はやはり六割ふえるのが当り前でありますが、横浜の場合には六割ふえるべき配付税が一割六分、大体二割程度しかふえないということになれば、どういう影響がまず人件費の方に來るであろうかという点を申し上げますと、現在横浜の職員の給與の平均は六千三百円の平均で八千百円になつておるのであります。ところがこのように配付税が減らされると、やはり人件費の方は大体一億二千万円程度切り詰めなければならない。そうなればこのベースを七千百円に引下げて、つまり八千円を千円少い七千円に吏員の俸給を減らして、しかも職員は全然ふやすことはできない。大体停年制を布いておりますが、停年に來た人百人ぐらいをやめてもらう、首にする、そんなことでようやくこの一億二十万円という不足が何とかカヴアされるということになるわけであります。これはたいへんなことで、もしわれわれが給與の減額をがえんじないということになれば、その割合においてわれわれの仲間が無條件で首を切られるということを意味するわけであります。現在いかに自治体の仕事の面で人間を減らすことのできない條件下にあるかというような点は、詳しくは申しませんが、こういうことからわれわれは非常に大きな影響が自治体の仕事の上に來る。またわれわれの生活の上にも來るのだというように考えておるのであります。 それから仕事の面の方にどういう影響が來るかということですが、やはり八億ぐらい入るべき配付税が、六億ぐらいしか入らないということになれば、約八千万円から一億円ぐらいの事業費の方を節約しなければならない。ところがかりに事業費を全然減らさない、今やつておる仕事を減らさないということを建前にすけば、いきおいこの節約は極端な消費節約にならざるを得ないと考えるのであります。たとえば今まで活版刷りにしておりましたものを謄写版印刷にする、あるいは古封筒を使つたり、用紙の裏面を利用するとか、古いほど紙を活用するとか、それからこれは非常にけつこうなことですが、町内の会議なんかで今まで菓子など出しておつたのをやめるとか、そういういろいろなことをやる。それならばこの不足は補えるかと言えば補えない。これは市債に対するわくとも関係があるわけですが、全然新しい計画というようなものはできない。
○生田委員長代理 ちよつと注意しますが、大分時間がたつておりますから……。
○菱參考人 わかりました。ほとんど新しい仕事ができない。去年の契約で継続事業になつているものが相当あるわけですが、そういう継続事業などは一切打切つて、仕事は半端になつてしまうというようなことで、非常にむりをして、ようやくつじつまを合わせざるを得ないというようなことになるのであります。これは横浜の一つの例を申し上げたわけでありますが、そういうようなことで非常に配付税の減額が及ぼす自治体の財政に対する影響、あるいは仕事の面に対する影響というものは深刻であります。まだそのほかになお寄付金が非常に大きくなるだろう。この寄付金についても先ほどお話があつたのですが、大体住民税の二倍ないし三倍というような大きな寄付金がいろいろな形でとられておつたわけですが、それがさらに今年は大きくならざるを得ない。この寄付金そのものがもともと財政法違反で、つまり元來やつてはならないはずのものですが、そういうようなものが非常に大きくなる。そういう点からやはり大衆の負担が非常に重くなるだろうということは、容易に推察されるわけであります。それから先ほど申しましたような、國が仕事をどんどんやらせる。やらせなくても自治体としては最低限度住民の生活を守る、あるいは産業振興のための仕事をやらなければならないわけですが、そういうような仕事に対する裏打ちがいよいよなくなりますから、もし一定の負担以上の負担が、その自治体でむりだということになれば、そういう仕事をどんどん切り捨てて行かなければならない。先ほどほかの方から申されたように、青空教室、三部教授というようなものも現出して來るわけであります。 〔生田委員長代理退席、委員長着席〕 そこでなおいろいろ申し上げたいことがあるわけですが、時間の御注意も受けましたので、一應あとでまた御質問を願いまして、それによつてお答えすることにいたします。 以上申し上げましたことを総括しますならば、結局今度の配付税の減額によつて、もちろんその他のいろいろの原因も重なり合つて出て來るわけですが、ことしの地方財政は破綻というよりも、非常に大きな混乱になるのではないか。しかも今この予算をきめるときはいいのですが、きめてから四、五箇月、つまりことしの八月か九月ごろには、非常にたいへんなことになつて來るのではないかというように考えるのであります。最初に申し上げましたように、現在の地方財政が、なぜこういうように逼迫した事情で苦しんでいるかと申しますと、とりもなおさず國が独占資本の利益を追求するような予算をとつて、一切の負担を地方の公共團体に押しつけている。つまり独占資本の利益を保証するための財政機構の上での、いわば安全弁として地方財政を考えているということなんですが、はたしてこの安全弁の役割がいつまで続くだろうかという点に、われわれは非常に大きな問題をかけているわけであります。 非常に長時間ちようだいいたしまして恐縮でありますが、なお具体的な点につきましては、私どもの組合からさらに申し上げますので、十分お聞きとりを願いたいと思います。以上で終らしていただきます。
○中島委員長 次は三田さんに願います。
○三田參考人 私やはり自治労連の副委員長の三田であります。 地方財政の問題につきましては、過日予算委員会の公聽会の席上で一應触れておいたのですが、まず今度の地方財政は、今委員長から申し上げました通り、政府が均衡予算をとる。もちろんわれわれとしては均衡予算そのものには賛成なんですが、具体的にどういう方策でやるかということを少しも政府は考えていない。均衡予算をとるために中央財政を黒字にした。そのために地方財政が赤字になつた。これではほんとうに地方財政の均衡は保てないと私は申し上げたのですが、今度の場合でもやはり同じことをここで申し上げたいと思うのです。基本的な政府の考え方について私は申し上げたいと思うのですが、一体地方自治というものは先ほど來いろいろな公述人の方々から言われておる通り、今度の憲法でほんとうに日本を民主化するのだ、そのためにはどうしても地方自治を民主化しなければ民主國家は建設できない。この建前のもとに憲法で特に章を設けて、地方自治を確立させようということになつたのであるし、また國民もそう考えてあの憲法に賛成してできた憲法であると考える。ところが今日の状態を見ますと、地方自治に対する政府の考え方は、われわれとしてははなはだ疑問に思う。ということは、配付税は今日地方自治の実際の運営をして行く上においては絶対に必要である。しかもその役目は非常に大きい。こういう大きな問題の法律の改正案を審議するときに、予算案だけは予算委員会をきよう通過したということを聞いておりますが、こういうふうに予算案を通過さして、そうして法律をあとにする。このことについては、池田藏相は先般この委員会で、何か先例にそういうことがあるのだということを言つておられたのを私は聞いたのでありますが、私は地方自治体の住民として、はなはだ遺憾だと思う。こういうことはやはり当該の法律改正案を先に審議して、十分討議した上でこれを予算にかけべきだと思う。本日は政府の閣僚も見えませんけれども、私はこのことを質問してみたいと思う。さらにもう一つわれわれとして奇怪に思うことは、もしもこの改正案がこの委員会を通らなかつた場合には、予算委員会との関係はどうなるかという点を考えてみますときに、まつたく政府の考え方というものは、何かしらん地方自治を軽視して、戰爭中のあの官治性の中央集権的な考え方で、地方自治を考えているのではないかというふうに考える。この点でわれわれはもつと深くこのことを考えなければならない。同時に政府に対しても猛省を促さなければならないと考えるのであります。 そこで今度は具体的の内容に入つて見ますと、まず第一に考えられることは、配付税というものは今日地方では非常に大きな重みをなしておりますが、われわれとしては配付税は基本的にはあまり大きくならない方がいいのです。ほんとうのことを言えば、今日地方自治体をほんとうに確立するためには、あくまでも地方自治体が、自分の力で自分の仕事を十分やつて行かれるような財源を持つておることが必要なんです。ところが御承知の通り、今はそういうわけには参らない。あくまでも有力な財源は國家が握つておる。そして地方自治体には、そのとつたかすを與えておるというような現状です。むずかしい言葉で言いますと、有力な財源というと應能税、つまり能力によつてとる税金は中央でとつておる。地方では物税、物件税を中心としてやらしておる。こういうことではいくらたつても地方自治の確立はできない。そこでわれわれとしても今日の地方自治体の財政の立て方は、地方財政、中央財政ともに相互関連性の上に立つて財政需要というものを十分に見て、その上で配分すべきであるとわれわれは考えておる。ところが今の政府の考え方は、決してこのような考え方ではない。ここにわれわれは今後考えなければならない問題があるのではないかと考えております。しかし当面の問題として、今そういうことを言つておつたのでは間に合わない。そこで急場をしのぐために、どうしても配付税というものは現在の法律の通りわれわれは出してもらいたいということを強力に主張するものであります。でなければ地方自治体は今までもいろいろ言われた通り、まさに崩壞に瀕する。今の地方自治の行政というものは、すべてが直接地方の住民とつながつておる。地方の住民ということは申すまでもなく國民である。同じ人間であります。この國民全体に密接な関係を持つている。ところがこの深い関係を持つている地方自治の行政というものが、今申しました通り六・三制の問題も、災害復旧の問題も、あるいはこれから申し上げる人件費等における問題、あるいは地方自治のいろいろな問題、つまり地方住民の福祉の問題であるとか、勧業関係の問題、土木の問題、こういう点が少しもできなくなつてしまう。今度の予算を見ましても、國家予算は年間組んでおりますが、地方では年間予算を組むことができない。岡山縣の予算は七箇月分を組んでおります。あとの五箇月分はどうするのかといつても、これに対する方策もない。近縣の千葉縣へ行つて見たのですが、八箇月分しか組んでいない。あとの四箇月分はどうなるのかといつても、これは何とか政府で対策を立ててもらわなければ見通しがつかないといつている。こういうふうに一番重大な予算が、年間予算が立てられなくて、七箇月分の予算を立てたり、あるいは八箇月分の予算を立てなければならないという実情を、このままにしておいていいかどうかということを私は率直にお聞きしたいのであります。これは事実であります。市役所でもそういうところがある。私はここで問題を提供するのですが、その予算の中でおもしろいのは、すべての予算が大体八箇月しか組んでいない、予算の建前でやむを得ないのではないかと思うのですが、どういうものか議長、副議長、議員の報酬は予算が年間組んであつて、人件費その他一切は八箇月分、あるいは七箇月分である。これで一体どうするのだ、おかしいではないかといつたところが、やはり公選されているものだからしかたがないといつて笑つて済ましてしまつたのですが、こういうふうな非常に納得の行かない予算を立てなければならない実情に現在ある。これがどういう影響を與えているかと言いますと、第一番に予算そのものが七箇月分や八箇月分を組まれたのでは職員に與える影響が非常に大きい。大体あとの五箇月分ないし四箇月分というものは一体どうなるかというような不安動搖の念を非常に與える。このために事務能率に大きな阻害を來たしているという実情です。こういうことを政府がそのまま強行して配付税を減らして行くことになれば、そのままの予算ではどうしてもやつて行かれない。從つてこれは一般住民としても大きな問題になつて來る。地方の行政事務が停滯する、あるいは運営が阻害されることになつたならば、たとえば戸籍謄本をとりに行くにしても、あるいは生活保護費をとりに行くにしても、あるいは道路の復旧にしても、どうも能率があがらないし、できないということになれば、当然その日に行つてその日にもらつて來られる謄本も、五日なり一週間かかる。生活保護費もその通りで困つている。皆が役所へ行つてもらつて來るものが、もらつて來れないことになるのではないかということをわれわれは今から憂えている。今どなたかからも申されましたが、地方にはまだ財源があるのではないかということを政府は考えていて、そういう措置をとつているのかもしれない。率直に申し上げて地方の財源は相当苦しいと思うが、これを別個な面から、地方住民の担税力の面から簡單に申し上げてみたいと思う。 昨年地方税が改正になりまして、相当地方税の主力をなすところの地租、家屋税、あるいは事業税というような三收益税が相当大幅に上りました。東京などでも、私は前から区役所にいるのですが、大体昨年土地については九倍くらい上つております。家屋については四倍くらい上つております。事業税は御承知の通り所得が中心になつておりますので、所得の決定が大きく増額されてこれがまた相当ふえております。從つて國民の担税力の面から、今年かりに地財委あるいは政府で考えているように、さらに土地を二倍半、家屋を倍にする、そして住民税を九百円から千円に上げることになれば、これは單に地方の住民として考えれば大したことではないかもしれませんが、やはり負担というものは國全体として考えなければならぬ。所得が大幅に上つても、これは税率が上らなくて見込み額が上つている、こういうふうになつて來ると、現在私は滯納整理の方でいろいろ今まで心配しておつたのですが、從業員の話を聞いても、すでに地方自治体の國民の税負担はもう満度に達している。それが証拠には、相当困つていて——ずるくて納めない者もあるが、ずるくなくてほんとうに困つていて納めない者が相当ある。とりに行つても氣の毒でとれない。しかしやむを得ないから差押えはして來るというようなことで、大体地方の状況を調べてみますと、三十%くらいの滯納がある。件数にすれば厖大なものです。今度そういうものに地租や家屋を上げて、また事業税がふえて來る、住民税もふえて來ることになつたら、はたしてこれで完全に納税成績が上るかどうかという点に、私は深い疑問を持つている。徴税機構を幾ら強化しても、それができないとなつたならば、やはり國の均衡予算というものは破られるのではないかということを、私は前にも申し上げたのであります。こういう点を十分考えて行くならば、今日どうしても配付税はやはり法律通り三三・一四%でどうしても支給する必要がある。でなければ國家予算そのものの均衡が破れるおそれがあるという建前のもとに、私はあくまでも配付税の現在の法定額通りの支出を主張するものであります。 さらにもう一つ教育費の問題でありますが、先ほど日教組の方からも申し上げましたが、今日教育費は非常に減額されて、まつたくないにひとしい。今まですら教育費の問題は非常に困つていた。私は現に経驗があるのですが、雨の漏る教室、馬小屋教室、すし詰教室、こういうことは今日日常茶飯事である。ところが最近われわれ知つているのでは留置場教室というのがある。これはどういうことを言うのかと申しますと、現在学校が足りません。從つて東京都ですら他へ委託する。そうすると目と鼻の先に学校があつて、しかも一里先の委託された学校へ行かなければならぬ。通うのに非常に不便である。大体一時間近くかかる。しかも行つた学校は天井に大きな穴が明いている。しかも腐朽した教室で、一度地震があればぶつ倒れるから、今までそこで授業をしておらない教室へ委託兒童として入つて、しかも驚くことには机もない、腰かけもない、ガラスもない、板の間へ新聞紙を敷いて、その上で子供がうちからみかん箱を持つて行つたり、あるいは字を書く板を肩へ掛けて持つて行つたりして、教育をやつている。私はこれを非常に憤慨して、即刻これを直せというので極力——私はPTAの会員でありますが、PTAの諸君と一緒に行つて、これをやつと直すことができた。しかもPTAの寄附金は入会費が三百円で月額八十円、校友会費百円という金をとつていて、なおかつこういう状態である。こういう事実をわれわれは率直につかんで、これを早く是正しなければならない。子供が学校へ行つて板の間へすわらせて、机もなく、いすもなく、天井からは雨が漏る。吹き通しで、一日に二人くらいづつかぜひきが出て來る。こういうような教育では、われわれ國民として六・三制に対して大きな疑問を持つ。しかもこれが義務教育ということになつておれば、われわれは義務教育の立場から、政府の責任を追究しなければならない。 さらに申し上げたいことは、税の負担の問題でも、事業税は相当高いから困難である。こういう面からいろいろ考えて見なければならぬ。單に数字だけでわれわれはこういうことを考えることはできない。配付税がいかに重大な役目を持つているかを痛感するのであります。 最後に申し上げたいことは、こういうふうな地方財政の立て方というものは、これは明らかにわれわれは自治体の職員、下級労働者の首切り、低賃金、労働強化を強行しようとする意図のあるものだということが、私は言えると思う。今のように八箇月予算、七箇月予算ということになつて來れば、どうも自治体としては言うまでもない、首切りを断行せざるを得ないというようなことにも私は考えられる。これは明らかに、政府が意識的にこういうことをやつておるのではないかということにも、われわれ職員の側から見れば考えられる。これらがきわめて重大な問題である。政府の行政整理、首切り、企業整備、こういうふうに一連の方策として、こういうことが行われているのではないかということが当然考えられる。われわれはこういうふうな意図を持つておるものとすれば、これは重大な問題である。今実際には御承知の通り人は決して余つておりません。私東京都の区役所にいるのですが、非常に忙しい。毎日夜業をしておる。遊んでおる者はありません。地方の役場あるいは町村役場に行つても大体おわかりでしようが、実際遊んでおる者はあまりいない。しかも先ほど申し上げましたように、委任事務は七〇%、八〇%増加しておる。一番多いところは八五%に増加しておる。こういうふうにして政府から委任せられたものは、どうしても法律でやらなければならぬ。政府は、政府自体の仕事であるならばこれは大きなものであるから、そういう仕事は一應中止しろ、延期しろ、あるいは繰延べしろ、こういうことでいろいろな方策が立つでしよう。しかし自治体にはできない。こういうことは実際市町村長の方々も苦しい。どうしても直接住宅に関係があるのですから、こういう仕事は法律できめられておるから、これはやめてもよいとか、またどうでもよかろうということはできない。どうしても直接関係がある以上責任を持つてやらなければならない。われわれ職員でも同じことです。そういうことを考えたときに、こういうふうに忙しいのに、首切りというようなことを政府がもし考えておられるならば間違いである。もしそれを強行するならば、自治体の運営というものはまつたく半身不随となるか、全身不随となつてしまうことを私は考えておるのであります。 なお最後に申し上げたいことは、今日この國家財政との関連性において、私はこういうことを考えておる。地方財政と國家財政とは紙の裏表のようなものであると考える。先ほどもちよつと触れたのですが、こういう点を考えてみなければならない。單に國家財政のみが黒字であつて、地方財政が赤字であるということは不合理だ。地方財政と國家財政は紙の裏と表のようなものである。現在地方財政はすでに赤字の現象がはつきりわかつておる。配付税あるいはその他の問題で、もしも減額されるならば、これはもうすでに赤字が出ておる。從つて裏からもうすでに破れて來る。こういうことになれば、その破れた面が國家財政に当然大きな影響を與える。やがて表も破れるでしよう。こういうことを考えてみるときに、ほんとうに日本の均衡財政というものが確立されなければならないということを考えるならば、地方財政もやはり黒字にすべきだ。どうしても國家財政、地方財政ともに黒字にならないならば、やはり同業に比重において國の財政も一部赤字にし、そうして地方財政の大きな赤字を黒字財政の黒字の部面で埋めるべきだということを私は考えておる。今日の配付税の問題につきましては、あくまでも現行の規定通り、当然國会でこれを支給するようにすべきである。こういう意味合いにおきまして、今の改正案、つまり一六・二九%というような改正案に反対いたします。なぜかというと、さらに問題になるのは、昨日も私は聞いたのですが、國のこういうふうな交付金、政府の支出金、配付税とかあるいは國庫支出金というものが、こういうふうな方法でちよいちよいかえられたのでは、地方の理事者も、吏員も、職員も、全然仕事がやつて行かれない。どうして方策を立ててよいかわからない。毎年々々こういうふうにかえられることが、もしこのままの仕方で、それが前例となつて行われるならば、今後の地方行政というものはどうしても運営が立たない。毎年、年度々々その当初において混乱を來す。そればかりではない。先ほど申し上げたように職員の面にも大きな影響を與える。こういう面におきまして、私は今後の運用上の問題があり、先ほど申し上げましたようないろいろな理由があつて、とにかく私としてはこの配付税はあくまでも現行通りを主張いたすものであります。
○中島委員長 白鳥義三郎君。
○白鳥參考人 全國町村会常任理事白鳥義三郎であります。私に與えられました課題は、自治警察が今回の地方配付税の減額によりまして、どのような運命に逢着するかということを、具体的に委員会に訴えろということでございました。時間も経過しております関係上、非常に簡單でございますが、私これから私の方の町の例をとつて訴えたいという考えであります。 自治体警察がいいか惡いか、これはもう言うまでもなく、私たち最もこれを歓迎しているのでございます。というのはこの自治体警察によりまして、初めて警察の民主化ということがはかられるのでありますし、また地方自治の振興もこれによつて期待し得るのでございますので、決してこの自治体警察という制度そのものを私たちは忌避するものではございません。できるだけこの制度を盛り立てて行きたいという熱意に燃えているのでございますが、悲しいかなこれが運営にあたりましてはいろいろな障害がございます。今までも財政面におきましていろいろの困難もございましたが、今回のように地方配付税が非常な減額を見ますと、一体自治体警察を維持して行くことができるかできないか、非常な疑問になつているのでございます。実例を申し上げますと昨年度の私の町の——千葉縣の津田沼町でございますが、津田沼町の自治体警察の予算は、総額におきまして二百三十万でございまして、警察吏員一人当りにつきまして、七月当初におきまして、私たちの方で警察費を負担することになつたときで約十万六千円がはりでございました。それが今年の三月の第三回の追加更正予算になりますというと、一人当り約一二万円ということに追加更正をして参りまして、國の方からは、地方配付税の方で財政的措置を講じていただきましたものが、一人当り九万四千八百七十円ということでございました。その不足分はもちろん一般町の歳入面から捻出してそれに充てたのでございます。今年の当初予算におきましては、縣の方かの指示によりますと、警察吏員一人当りが十七万八千七百四十四円の割で財政的措置を講じてあるというような通知がございましたので、私たちもできるだけその線に沿つて予算を編成したのでございます。もちろん國の方で財政的措置を講じていただいたこの十八万円弱の金額では、とうていまかないきれませんので、累次にわたつて警察当局の方と交渉を重ね、公安委員会の方の御意見も承りまして、町会の決議を経て編成いたしましたものが、一人当り十九万円、総額四百三十七万円の予算を組んだのでございます。この一人当り十九万円の予算を組みますのにも、実は非常に困りまして、最初町の青少年の不良化防止のために社会教育を振興したいという願念で、約百万円ばかりの予算をそちらの方に組んでおきましたものを削りまして、自治体警察の方の予算に轉化したのでございます。そういうような苦しい予算措置をいたしまして、ようやく一人当り十九万円の警察費の予算を組み終つたのでございます。もちろん警察の方から最初に要求がありましたものは、二十数万円に上つております。それを削つてここまでに押し詰めて参つたのでございます。ところが最近になりまして、地方配付税が当初もくろまれておりましたものの半分にもなるというようなことになりますと、これは一体私たち自治体の当事者といたしまして、今後自治体警察を維持して行くことができるかどうか、非常に憂慮にたえない実情にございます。もしもこのままで押し進めて参りまするならば、私たちも町の財政的破綻を防止するために、やむを得ず警察費の予算をもう一度削除、更正して行くよりほかに道がないのじやないかということを考えます。もちろん他の一般財政の方も緊縮しなければならぬことは言うまでもないのでございますが、警察費におきましても、相当斧鉞を加えて行かなければならないのじやないかというふうに懸念しております。そうなりますと、警察の方は警察の方で、当然それだけの予算がなければ十分な活動ができないのでございますから、結局その逃げ場所を、あまり好ましくないと言われております後援会、その他の組織によつて費用を捻出して行くより道がないのじやないか。そこに自治体警察がまことにけつこうな制度ではありながら、こういう財政的な困難の伴います場合には、かえつて自治体警察が運行上非常に大きな弊害を伴うじやないかと懸念する次第でございます。一体に自治体警察の方の予算と申しますれば、これは私から申し上げるまでもなく御存じのことと思いますが、町村といたしましてもなかなか斧鉞を加え得ないのでございますが、それにかてて加えまして、突発的な事件が起りますと、捜査費その他において非常な厖大な予算がいります。札人事件が一回発生いたしますと、私たちの方の聞いておる範囲では、大体その捜査費に三十万から五十万の厖大な予算を追加しなければならぬという実情にございます。從つて警察費は、追加予算を計上するたびに相当多額な増加を來しておるのでございまして、昨年度におきましても、役場費におきまする追加計上額と、警察費の追加計上額とを比較いたしますと、約倍になつております。役場の方でも賃金ベースが上りましたために、相当多額の追加計上をいたしたのでありますが、警察費の方はさらにそのほか捜査費あるいは施設費等のために、役場経費の倍額くらいのものを追加計上して來てしまつているのでございます。もちろん今年度におきましても、当初予算で一人当り十九万円と申しても、これが一箇年経過いたしますれば、おそらく一人当り五万なり、六万なりの追加計上をしなければならないような場合になつて來るのじやないかというふうに考えるのございますが、そういうことを考えますと、ますますもつて今後後援会その他に依存しなければならない方の経費が多額になり、それだけまた自治体警察の運営について暗影を及ぼすのじやないかと心配しておる次第でございます。これは昨年度の例でございましたが、岡山縣の神島外村というところでは、自治体警察は費用がかかつてしかたがないというので、つい分村してしまつたそうでございます。これは人口五千人以上の町村に置くということになつておりますためにどうも自治体警察を維持して行くためには経費がかかつてやりきれないから、おれのところでは分村してしまえ、人口が五千人以下になれば自治体警察を置く必要がないのであるから、わけてしまおうというので、村を二つにわけてしまつたそうであります。神島外村と白石島村と二つにわけてしまつて、自治体警察を廃止したという話を聞いております。また愛媛県におきましても、三島町におきまして同じような事例が起りまして、ここでも分町の計画が進められているというようなことを聞いております。現在の町村自治体の区域と申しますれば、これはもう何十年か前にきめられた区域でございますので、自治権の伸長をはかりますためには、どうしても隣接の町村が合併して、もつと財政的面を強固にしなければならぬということは、よくわかつているのでございますが、かえつて自治体警察があるために、それと反対の現象が起きている。これくらい町村の財政に重い負担をかけているのだということは、私が今あらためて申し上げるまでもないのでありますが、今まででもそうなんであります。それが今年度のように、突然配付税を半額にもされて、從つてまた警察費の方に充当すべき金額が少くなるというようなことでありますと、町村といたしましては、当然なすべき町村自体の事業が、何ひとつできないというようなことに相なつてしまうのでございます。この点とくと議員諸公におかれましては御考慮くださいまして、配付税の減額というようなことでなしに、ひとつ特別のおはからいをいただきたいと考えている次第でございます。自治体警察というのは、たとえて申しますれば、これは性能のりつぱなアメリカ製のジープでございましよう。実に強力なものでありましよう。りつぱなものでありますが、いかんせん、これは金を食う、ガソリンを食う車であります。今まででもガソリンを食つてしかたがなかつたのでありますが、ガソリンをたつぷりと配給していただきませんと、苦しまぎれに私たちはやみのガソリンをぶちまぜるということになり、惡いガソリンを入れざるを得なくなつてしまう。そこに臭いガスも発生いたしますし、自治体、ジープそのものの運轉も支障を來すというようなことに相なると考えておりますので、ぜひこの点皆樣方の特別なおはからいによりまして、何とか配付税の減額というようなことにならないように、おとりはからいをいただきたいと考えて、お願いする次第でございます。
○中島委員長 最後に安井参考人。
○安井參考人 たいへん遅れて申訳ありません。その前に委員長にお伺いしますが、予算は今きまつたということを伺いましたが、きまつたのですか。
○中島委員長 原案の通り上程になつております。
○安井參考人 原案の通りで上程になれば、おそらく原案通りにきまるのだろうと思うので、ここでむだな議論をしてもつまらぬことであると思いますが、ただせつかくお呼び出しでありますから一言申し上げます。 私は配付税の減額の影響について話せというお話ですが、配付税の減額の影響ということは、端的に言えば五百億減つた、こういうことですが、しかし配付税の減額が影響するという問題は、減額が影響するかどうかという問題ではないのであつて、今年度の地方財政の総額を三千四百何十億で切つたがそれが適当であるかどうかということで、問題はそれによつておのずから配付税の額というものもきまつて來るのであります。そこで本年度の財政の三千四百億なり三千五百億なりが妥当でないということは、皆さん今日前々から徹底するようにお話しになつたと思いますから、これは申し上げる必要はないと思います。もし、そうであるとすれば、当然配付税を増額してもらわなければやれない。これは自明のことだと考えます。 次にそこで一体こういう配付税を減額することについてのもう一つ残つている問題は、配付税の本質の問題があるのですが、大藏当局の説明する配付税というものは、ひとつの財政調整の交付金なんであるから、その年その年の地方財政の総額を勘案して、そしてこれだけ他に税なら税でとる。——國庫支出金でありまして、あるいは公債のわくを認める、なおかつ三百億なら三百億、五百億なら五百億足らぬという場合にこれを出すのであるから、從つて税率はその年度々々の地方財政の状況に應じてかわるのが当然なんだ、從つて、過去においても毎年かわつておるのだ、こういうのが大藏当局の説明なのであります。しかしその配付税というものは、そもそも配付税をこしらえたときは、昭和五、六年の非常な不況の時分に、地方町村の臨時救済のために救済配付金というものを起したのであります。これが元なのですが、制度としての配付税になつたのが昭和十五年でした。そのときの思想というものは、所得税と附加税と二本でとるのはめんどうだから、所得税は國税の一本にしてしまおう、そうしてそのかわりに地方にはこれを還元する形において配付税を置こう、こういう当時の大藏省と内務省地方局との相談づくで、配付税というものが起きた。そのときに話合いをした当局が現在おらぬのですが、そのときの話合いについて内務当局は、これは所得税附加税にかわるべきものであるという考え方で、恒久的な地方財源だという解釈をとつておるはずなのであります。ところが当時の相談をやつたのは、今の大藏大臣が主税課長の時分ですか、直税課長か何かをやつておつた時分に当つたと思うが、彼に言わせれば、これはそうじやない、財政の一つの補給制度なのだ、こういう見方であつて、今日の予算編成については、大藏当局がかような思想でやつて來ておる。その思想をもとにして、今度の三千五百億という地方財政予算が妥当であるということを國会が御承認になるならば、それに対して五百七十七億円の金を出す。それに必要なように地方税法を改正するということはあたりまえのことである。これは筋の通つた話である。最初に申し上げたように三千五百億という地方財政予算を妥当なりと認定すると——今日の時局下においてもちろん非常に儉約をし緊縮をしなければならぬのだが、なおかつ妥当なりと認定をする上においてのことでありますが、そうすればそれはそれでよいわけであります。そこで残る問題は一体そんなようなことで將來われわれ地方財政を担任をして、地方自治の拡充なり、地方財政の自主性を主張しておる地方自治法、地方財政法の上に立つて、そういう制度で許されるかどうかという問題が新しく一つ残る。そういうような考え方であるならば、これはどなたかさきにお話になつたように、どうしても恒久的な性格を持つ所得税附加税なり何なりに切りかえてもらわぬと、地方財政は將來の目安がつかない、財政計画を立てようと思つても計画が立たないことになつてしまう。そういうことをお考えになるならば、ひとつ次の五月ですか七月ですかシヨープ博士が來て税制の改正をやるというのですから、そのときにはこの地方行政委員会の皆さんの強力な主張によつて、とにかくこの形を恒久的な基本的な、自主的な地方財源であるという形に立法をしてもらわぬ限りにおいては、地方自治制というものは成り立たないことになる。 そこで一体今大藏当局が考えられるようなことがかりに去年まで適当であつたと仮定しましても、昨年地方自治法を出し、さつきの話のように地方自治の拡充ということが日本民主化の基本だ、こういうことを規定をして、地方分権の強化をはつきりと大きな看板で出しておる。それからそれを裏づけするところの地方財政法を昨年出しておる。地方財政法において財政負担をはつきりきめておる。そうしてそのときにこの地方配付税法において三三・一四%をきめた。こういうことになりますれば、昨年以前における旧制度のもとにおいては、地方公共團体の財政というものは、國家財政の隸属財政であつた。また隸属行政であつたのですから、今のようにこれをいじられても、常に從属しておつた形において一應承認ができるのでありますが、昨年新しい地方自治の自主性、地方財政の自主性というものをはつきり掲げて、しかもそれに必要な立法をして、そうして同時にそのとき地方配付税の率を改正して三三・一四%にしたということに関する限りにおいては、地方配付税というものも同時に地方財政の自主性を擁護する恒久的立法だということに考えなければ筋が通らないのです。從いましてかりに過去において大藏当局が考えたようなことが成立つとしましても、今年においてはそれは成立たない。これはやはり三三%で出さなければならぬのであります。そこで問題はその三三%で出せば、それは三千五百億が一應地方財政として適当なんだから金が余るではないか、五百億だけよけいにやることになるではないかという議論が出るのであります。そこで私はそれは非常な間違いなんだ、これは私は三千五百億を肯定しておるのではないのでありますが、かりに肯定をした上に立つても、この五百億は出さなければならぬという根拠が十分にある。というのは今申しますように地方財政の自主性をはかることは、國家の補助金とか、國庫支出金とか、公債のわくとかいうものをできるだけ少くして、できるだけ配付税によつて自主性のある自己財源によつてまかなう。そうしてやむを得ず足らないものについて補助金を出すとか、あるいは公債のわくを認めるという順序にならなければならぬ。そこでかりに五百億ここに余つた金があるとするならば、今年の二百三十三億という公債で——先ほどもお話があつたように、九分六厘の預金部資金を借りてさえ、約一割に近いが、二百三十億の金を借りるとすれば、年には貧弱な財政に困つておる地方團体は別に二十三億の利子負担をしなければならぬ。こういうような矛盾は一体考えられない。そこで五百億のうちから二百三十三億は、この公債をやめて、それを渡して二十三億の負担軽減をはかることは当然であり、またかりに利子があるなしにかかわらず、これを出すことが理論であるはずであります。そのほか御承知の地方財政は、現在では、おそらく今度の予算でも約六〇パーセントくらいを國庫支出金とか、あるいは國庫補助金とか、公債に隸属することになるだろうと思いますが、自主性とか自治権とか言いながら、依然として実質は隸属財政である。そこでこの隸属財政は、あらゆる機会において、少しでも少くして行くことが自治法と地方財政法の本旨なのである。かりに二百三十億の借金はやめてしまう。次に金がまだ余るではないか、そんなものはやらぬというならば、國庫が支出する補助金を、かりに今の補助の率が適当であるならば、その補助の率を下げればいいのであります。そうしてその下げたものを自主性のあるものでまかなつて行けばいい。そうすればそれだけ國家に隸属する地方團体の形が清算されて行くわけであります。本來言うならば、自分の持つておる全部の財源を、地方に今のような補助とか何とかいうものでなく——結局補助とか國庫支出金といつても、國税で取上げたものが何らかの形で出て行つておるので、地方の税に移すとか、あるいは國税の配付税の形で渡すとかして、自主性を持たして行けば、何もかわつたことはない。ただその場合において、技術的には非常なめんどうはあるのであります。國の財政なり、われわれ東京都とか何縣というようなものは、これが一本の財政で経理ができますから、その補助金の処分とか起債の処分は非常に簡單でありますが、実際一万を越える都道府縣の市町村という厖大なものにおいて、非常に財政のアンバランスになつておるお互いの間の調整をすることは、補助金をどういうふうに減して、これを配付税でまかなつて行くかということは、事実は技術的には非常に困難なことである。技術的には非常に困難なことではあるが、理論はちつとも困難ではない、理論はそうなる。その理論の上に立つて常にこういつたような不自然を、法律の精神に照らして、不健全になつておる部分を修正するのが政府の任務でもあり、また國会の任務でもあると思う。そういう点をひとつ今後御研究を願いたいと思うのであります。今これ以上申し上げますことはどうかと思いますから、この辺で失礼をいたします。
○中島委員長 これをもちまして参考人の諸君の御意見の陳述は全部終了いたしたのであります。参考人諸君に対する質疑がございますならば、この際お許し申したいと思います。
○谷口委員 今東京都知事の安井さんがおつしやつたように、本会議に予算案を上程しておるわけですが、私どもの考えによりますと、この私たちが現に審議しておる配付税法に関する特例が通らなければ、予算が成立しないと私ども思つておるわけですが、それが現に皆さんごらんの通り本会議にかかつて、そうしておそらくこの夕方可決されるだろうと思います。そういうふうに非常なむりなことが現國会で行われておるわけであります。それで私ども本会議に出たいと思うのですが、二、三簡單にお尋ねしたいことがあります。 それは日教組の方にお尋ねするのですが、今義務教育費、國庫負担法によりまして、教員のいわゆる給與が半分だけ國庫から出ることになつており、それが先ほど人員の問題に触れられておつたわけでありますが、私聞き及んでおるところによりますと、少からぬ縣に、この國から出る教員の給料の國庫負担の分が、実際上教師にわたらないで、その地方公共團体の赤字を補填する方にまわされておるという実情がある。こういうことを聞いておるのでありますが、もし事実がありましたら、二、三お示し願いたい。と申しますのは、これは教育にとりまして、その結果は教員数を減すか、あるいは教員の給料を低くするかという、教員諸君に非常に大きな影響があると同時に、一方にそういうことをやらなければ、もう自治体の財政がまかなえないほど窮乏しておる一つのりつぱな証拠になると思うのです。そういう点で事実がありましたらお知らせ願いたいと思います。
○成田參考人 お答えいたします。今の御質問ですが、それはつまり教員の定員の問題と実人員の問題から起つて來ることだと思うのであります。概数でございますけれども、小学校の例を申し上げますると、先ほど申し上げましたように、最初文部省が一学級五十人として、その定員を一・五人として予算の編成をした場合に、定員が三十二万人いるのであります。ところが実員が二十九万なにがしになる。そこに開きがあります。それで地方にその定員に應じて國庫負担分がまわされたときに、それが他の方面に流用されておるという事実が出て來るわけであります。ところが今度定員定学制のわくをつくりまして、昨年度負担分のあとの四半期分の分配のときに、額をしぼつてしまつたのです。そうするとその過剩分が全然なくなるわけです。それで二十四年度になりますると、先ほど申したように、一・三五というふうに切りさげられますから、さらにそれが減少して來る。こういう結果になるわけであります。以上簡單にお答えいたします。
○谷口委員 ちよつと私の質問がまずかつたとみえますが、そういう國から與えられる國庫支出金を、その自治体が実際に横流しというと言葉が惡いのですが、他の方へ流用しているという例があつたら、二、三聞かしていただきたいと思う。
○峰村參考人 お答えしたいと思います。本日その該当の数字を持つて來ておりませんが、ただいま成田参考人からお話のあつたように、二十九万余と文部省に出して各府縣からは報告されておるのでありますが、私ども教員の組合で調べたところによりますと、大体二十七万人というような数字も出ておるのでございます。そうするとそこに約二万人の数字というものが、どつかの縣で使われておるということでございます。はつきり実例を申しますと、私は山梨縣の出身でございますが、山梨縣のある地方事務所では、ある中学校の教員という辞令を出して、それを地方事務所で使つておつたという事実は確かにあります。そういうような例は各府縣の教育委員会の事務局あたりに相当あることは、本日それのはつきりした府縣の名前をもつて來ておりませんが、あることは承知しております。
○谷口委員 それから六・三制問題、その他によりまして、現在の教育が非常に危機にあることは、先ほどから皆樣のお話によつてもよく承知しましたし、今日までのいろいろな事情を私ども知つておりますので、よくわかるのであります。その結果先ほどのお話にありましたように、二部教授があり、三部教授があり、青空教室があり、馬小屋教室がある、そういう非常にかわいそうな状態に兒童たちは今放置されておるわけでありますが、勢いその結果兒童たちは惡い遊びを覚えたりするようなことから、犯罪を犯すということが考えられるわけであります。そういう点で特に終戰後小学校、新制中学を通じての子供たちが、恐るべき犯罪の方向へ向いておるという、それを見る数字がありましたらお示し願いたいと思います。
○成田參考人 お答えいたします。犯罪の事実があることは、私どもも十分認めております。まあこういう席でどうかと思うのですが、極端な例を申し上げますと、新制中学の女生徒がやみの女に化したというような実例も耳にしておるのでございます。但しそういうことのこまかい数字は、今手元に材料を持つておりませんので、具体的にお答え申し上げることはちよつと困難かと思います。
○谷口委員 きのう政府からお渡し願いました資料の中で見ますると、地方税の独立税もしくは附加税、地方で徴收される税金に対する配付税の割合、これは割合が書いてないので、私目算したのですが、大体低いところで東京とか大阪とか神奈川というところは二十二、三パーセント、しかし大体の府縣は四〇%以上、多いところは五五%にもなつておるのです。つまり地方で集める自治体の税金、それに対する配付税の割合、つまり配付税というものは、地方の税收入にとつて半分に近い割合を占めておるということが言えるわけです。從つてこれが減額されることはたいへんなことになるわけでありまして、先ほどから皆樣のお話もそこのところに集中されておるように、私どもも、その点が今後非常に重要な問題だと考えて、この間から審議しておるのであります。一方別に政府からいただいた資料によりますと、その地方税の中で、事業税もしくは特別所得税というものの徴收率が非常に低いのであります。昨日いただきました資料によりますと、昭和二十三年度の徴收率は、事業税が大体二十七億七千万円ぐらいあるところを、実際に徴收されておるものがたつた三三%にすぎぬ。それから特別所得税は四千九百万円余りあるのが二九%にしかなつておらぬ。こういうふうに地方税で徴收される率が非常に惡いのでありまして、これは地方の役人諸君の怠慢であるかという問題も出るかと思いますが、しかしそうではなくて、事業税が拂えない状態に地方民があるのではないかと私は思うのであります。そういう点につきまして、全國町村長会長の伊藤さんあたりから、実際に拂えないのかどうかという実情を、お聞かせ願います。
○伊藤參考人 ここに計数を持つておりませんけれども、事業税は法定が一円に対して七銭五厘だと思います。先ほど岡山縣会の例もあつたのでありますが、過般上京した際に、本会の副会長であります岡山縣の副議長のお話を聞きますと、岡山縣では財源の処置に困りまして、決定外の一円に対して九銭というものを出しましたところ、これが縣会の論爭の的になり、議員の多数はこの原案を知事に返す。知事はしからば縣会を解散するというとろまで行きまして、すつたもんだのあげく、最後にようやく認めたということになつておりまして、決して地方が事業税を軽くしておるものではないのであります。私は福島縣の縣会議員をも兼ねておるのでありますが、二箇月に一ぺんある縣会のたびに、事業税が非常に重いということが、実例をあげて叫ばれておるという実例もあるのであります。これは所得税の附加税でありますれば、所得税の全部にかける率から見るのでありますから、今の率で、たとえば一〇%なら一〇%、二〇%なら二〇%の附加税が加味されるなら納得が行くのであります。それで特殊な営業は別として、農業以外の営業には事業税というものがあります。それが地方税改正のために農業も含んだすべての営業に賦課されることになつたのであります。これは、主食生産に対しては免除されておりますが、その他に賦課されるため、農家には非常に困つた所得税の二重負担になるような問題であります。これが末端におきまして、地方公共團体の税務主任、税務吏員と各戸との非常な論争の的になつておる状態でありまして、大体においてこれはなかなかとりにくい。各地方民はこの負担に應じ切れないという実情にあることを申し上げます。
○谷口委員 つまり國がかける所得税が非常に重くて、とても事業税は出せないような状態に住民がある。大体こういうわけでありますね。
○伊藤參考人 私の考えはさようであります。
○谷口委員 先ほどどなたでしたか、岐阜縣が非常にたくさん寄附金をとらなければならぬ実情にあり、配付税が減ればさらに寄附金が多くなるだろう、こういうふうにおつしやつたわけでありまして、私どもも今日まで相当多額の寄附金が、特に六・三制問題などでは地方住民に來ておる、この実情を知つておるわけでありますが、この寄附金が今年もつとひどくなるということもお互いによくわかる。ところが寄附金とは申しますけれども、実際は納得づくで出してもらつておることは事実でありまして、強制寄附はこれは許されていないということはわかつておるのでありますが、表面納得づくではあるが、実際はいろいろの近所同士の義理合いだとか、出さなければ惡いだろうとか、自分の子供が学校へ行つておるからとか、そういう義理人情がいろいろあつて、いやいや出しておるのではないかと私ども想像するのであります。そういう点について、いやいや出しておるのであるが、非常に圧迫になつておるのではないか、そういう点皆樣方がどういうふうにお考えになつておるか、実際の衝に当つておられる町村長の方々の御意見をお伺いしたいと思います。
○齋藤參考人 お答えします。私の縣におきましては、新制中学という点につきましては、もちろん義務教育ということで、縣民も相当考えておるようであります。それで新制中学の寄附金を出さなければならぬというような氣持は相当あるかと思いますが、この寄附の割当については、非常に役場の方でも困りますが、町村民においても非常に困つておる。何をもつて準備にするかというような点で、ただ一律に、さつき申しましたのは、一戸当り五千円、七千円、こうなつておりますが、ほんとうに金のない貧弱な家にも七千円かけるわけには行きません。すると今までは非常な資産家にと申しますが、それが結局田畑は農地方によつてとられ、現金というものはあまり持たぬ人が多いのであります。そういう人に十人分も二十人分もということになると、五万、七万という金をかけなければならぬ。この点が非常にどこもひつかかつておるようでございます。
○谷口委員 配付税が一六%以下に下げられますと、これは地方の財政を圧迫することは当然であります。 その結果勢い寄附金というような、いわゆる私どもの言葉でいえば、やみ課税をやるというようなことになると思うのでありますが、そのやみ課税のいわゆるやみ担税能力はもはや底をついておる、從つてもし五百七十七億に減されて予算が通つた場合、地方財政の上においては、もはや寄附金でまかなわなければならぬが、実情は、そういうことは実行不可能になつておるという事実があるのではないかと思うのであります。その点について皆樣のお考えを承りたい。
○伊藤參考人 私は縣の税制審議会委員をやつておりますが、地方の法定外の独立税を苦しまぎれに、これは縣並びに地方町村の代表、議員の代表、学識経驗者の代表が、年数回研究をしております。数回研究いたしましても、新税というものはなかなかありません。一つの例を申し上げますと、過般いよいよ苦しまぎれに、これは私の方では温泉税というもの——入湯税というものはとつておりますが、これは温泉営業者はふろがあるから、温泉税というものが取れるのであります。今度はそのふろ場に税をかけたらどうか、極端なのは今日個人の家庭にふろを持つておることは一つの特異の例が多い、それでふろにも税金をかけたらどうかというような極端な論が出ましたが、私どもはふろに税をかけることは、農村、農民に税をかけることになるから反対だというので、ふろ税の問題で福島縣の税制審議会では一日もみまして、結局得るところはなかつた。こういうことになりましたから、独立税を考えましても、一般地方民はこれはなかなか負担にたえない。先ほど私が申しましたように、もう底をついたとか、天井に行つたとかいうところではなく、天井を越してしまつた例が多いのであります。一つの例を申しますと、谷口さんがやみ税とおつしやつたように、昨年の学校建築費ばかりではなく、自治警察の寄附を行つておるのであります。これに対しまして、中には万やむを得ない処置として、負担能力のあるものにやるので、結果としてやみ所得者に負担させるから、地方のボスがますます勢いがついて來るということになりまして、たくさんの惡結果があつた例もあるのであります。こういうようなことから、配付税は元通りにしなければならぬということは、先ほど皆さんから申し上げた通りでありまして、新しい税というものはなかなかないのであります。
○谷口委員 今までにも非常に地方が困つて、そのために特に町村では財政のやりくりができなくて、学校も建たない、提防も礎きかけたままで捨ててあるというような状態で、困つておやめになつた村長や町長さんが相当あると思う。たとえば岡山縣のごときは、そのために自殺した村長さえあるが、実はこの國会には、そういう情勢がよく反映していないと私は思うのであります。そういう点もし自殺したとか、あるいはおやめになつたとかいうことがまざまざとわかる数字がありましたら、お知らせ願いたいと思います。
○伊藤參考人 自殺した村長さんのことは、報告はありましたが、今名前と場所は失念してわかりません。調べればわかります。私どもの方では、六・三割のためにやめた町村長を調べておるのでありますが、いずれも家事の都合上、あるいは病氣のためという日本人の習性を出しまして、せつかく調べました結果をゼロになつてしまいまして、そのために今調べ直しをしておるのであります。以上のような次第で、残念ながらその全体的な結果をつかめないのであります。やめたのは二百八十何人という報告が來ておりますが、今申し上げたような理由で、はつきり六・三割のためにやめた、あるいは供出のためにやめたという方は一人もないのであります。
○谷口委員 資料ができましたらぜひいただきたいと思います。 最後に、先ほど申し上げましたように、予算が本会議にかかつておるわけであります。これは民自党が絶対多数ですから通るにきまつております。そうすると、安井さんではないが、われわれがここでいかにがんばりましても五百七十七億というものは通るわけです。あとから法律とつじつまを合わすというようなわけで、小さな洋服をこさえて置いて、あとから手を切つて合わすということになると思います。先ほど財政法の第二條の問題でどなたかおつしやつたようでありますが、私どもも今度の政府の予算措置は、明らかに財政法第二條に違反しており、地方に負担を轉嫁するやり方であると思う。ところがその轉嫁のしかたが、今皆さんごらんの通り、配付税に関する特例がまだ審議中に、予算の方はそれが先に通つておるという、法律をきめない先に法律のない予算を通すようなむちやをやつておる。こういうことで地方に対しておそろしい、いわば無謀な法律破壞による圧迫、あるいはしわ寄せをやつておるのでありますが、こういう國会多数党のやり方に対して、皆さま方、たとえば日労連としまして、日教組としまして、地方公共團体の責任者の皆さまとしまして、今後どうしたらいいか、どういう御決意を持つているか、それを一應承つて置きたいと思います。
○菱參考人 私どもこういうふうに考えております。それは現実にやはりこういうむちやなやり方に対して、大衆は憤慨すると思うのですが、まだ現在全國の被害者が憤激して立つというところに行つていないのは、非常に残念だと思います。私どもはこの非常にむちやくちやな財政政策——具体的にいろいろな例が出て來るので、そういう具体的な事実を知つていただく。全國民が事実を知れば必ずこれに憤激する。もしその憤激が一つの政治的な形をとるとすれば、このようなむちやくちやな地方財政を圧迫するような私力というものは滅びるではないか、後退する時期が來るのではないかと考えている。また同時に、長時間労働を強要しているものに、われわれ労働組合として戰う決意を持つているわけですが、組合としても当然そういう方向へ努力しなければならぬのではないかと考えます。
○門司委員 今谷口さんから、ほぼ私の言うことを聞かれておりますので、聞く必要はないのですが、ただこの次に來ますのは、先ほどどなたかからもお話がありましたように、住民税を約六割上げるということ、地租が一倍半になるということ、家屋税が倍になるということ、そのほか小さい財源ではありますが、狩猟免許税であるとか、廣告税というようなものを五割値上げして、約二百億の財源を見つけているようですが、この二百億の財源と、先ほどの起債の二百三十億を合せると大体四百億内外、ちようど配付税の削られただけが浮いて來るのであります。これはわれわれが議論いたしましてもすでにあとの祭りのような形になつておりますが、しかしわれわれ委員会といたしましては、あるいは與党の方々といえども、この無謀な案には賛成なさらぬと思う。もし賛成でなければ、今本会議に上程されておる予算案を、さらに追加更正しなければならない状態になつて來る。そのためにわれわれが政府を窮地に追いつめるということは、國民に政治のあり方をよく知らしめるゆえんだと考えます。しかし実際問題として、そういうふうに税金がふえて來ることに対して、地方の責任者であられます皆樣方は、なお町村でこれだけの税金が徴收し得ると思つているかどうか。ことに政府の出した統計を見ますと、住民税のごときは四五%しか徴收ができていないというこのやさき、またこれを六割値上げして、地方でこれを徴收することのできる自信をお持ちになつているかどうか、念のために伺つて置きたいと思います。
○伊藤參考人 この点に対しましては、私先ほど発言いたしましたとき申し上げたのでありますが、門司さんはお見えにならなかつたかもしれません。住民税が千四百五十円となり、地租の百分の二百が五百となり、家屋税の百分の二百五十が五百となるというようなこの増徴に対しまして、私どもといたしましても、はたしてこの通り徴收ができるかどうかまことに疑問と思います。ことに農地が開放されました今日、地租の増徴は農民に影響するところ非常に多いと思つて心配いたすのであります。私はこの際これらの増徴を廃止しまして、この法律の率通りのものを配付税として交付すれば、それでまかなわれると思うのであります。私は地財委員を勤めておりますが、現在の政府の案に対しましては、地財委員の一人としてあくまでも反対であるということを発言の最中に申し上げた次第であります。
○門司委員 私はさらにつつ込んで聞きたいのですが、昨日実はこの委員会で、地方財政委員会の委員長である木村國務大臣の答弁したところによりますと、この税金を増加したのは、地方財政の運営の上に必要であるからしたのである、配付税の減つたということは、國家の予算面から見て、地方にこれだけの税金がいらないからこれを削るのであるという、非常に矛盾した答弁がなされたのであります。從つて私はその点をさらに突き進んで聞いておこうと思つておつたのでありますが、地財におきましては、おそらくあなたも地財の委員でありましようし、さらに地財は御存じのように、各公共團体の代表のお集まりでございますので、そういうことを地財委員として要求されたかどうか、配付税と別個のものであるということを木村國務大臣は昨日答弁しておりますので、その点さらにお聞きしておきたいと思います。
○伊藤參考人 私、先月の下旬に補欠選挙で町村会長に就任いたしましたので、その後手続をいたしまして、四月六日に地財委員に就任したのであります。その前の運営の内容については私から申し上げかねますし、また私の記憶しないところであります。しかし漏れ聞くところによりますと、土地使用税は、たとえば農地におきましては、当時研究いたしました案は百分の六百であつたようであります。その結果から見ますと、今回の二倍半あるいは二倍は相当減額されたように聞いておるのであります。しかし私は地財委員に就任いたしましてから、この地財委員会の伊藤という委員といたしまして、これには賛意を表していないのであります。
○中島委員長 この際参考人各位に申し上げますが、本日は御多忙中にもかかわらず、本委員会に御出席くだされ、種々貴重な御意見をお述べくださいまして、地方配付税の特別に関する法律案の審査に多大の参考になりましたことを、委員会を代表して深甚なる謝意を表する次第であります。 この際つけ加えてごく簡單に申し上げておきますが、本委員会といたしましては、配付税の特別に関する法律の問題は、非常に重要視し、現在の地方自治体に與える影響、極端に申せば民主政治の確立の上に影響する関係等のために、種々研究をし、審査をいたして今日に至つたのであります。そういう次第で、第一現在における配付税の減額について、本年さらに行われるところの税制の改革に対する問題に対し、また來年度におけるこれらの税制に対する改革というような方面に対して、できるだけ本会は努力するつもりであります。どうぞそういう意味において御了承を願つておきたいと思います。 それでは本日は、これをもつて散会することといたしまして、次会は明後十八日、月曜日午前十時半より開会することにいたします。 午後五時十五分散会