P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
5回国会衆議院1949/04/13

地方行政委員会 第9号

発言数
41
登壇者
6
会派数
4
開催日
1949/04/13

会議録

中島守利民主自由党

○中島委員長 これより会議を開きます。  本日の日程の審査に入るに先だちまして御報告申し上げます。すなわち去る九日委員長より提出いたしました委員派遣承認申請書に対し、昨十二日議長より承認を得まして、本日より委員が大阪に出発することになつております。     —————————————

中島守利民主自由党

○中島委員長 これより去る五日、本委員会に付託せられました地方配付税法の特例に関する法律案、内閣提出第二八号を議題といたします。  つきましては、本案に対しまして、前回の委員会におきまして、社会党の門司君より公聽会を開きたいという意見が提出されておつたのでありますが、その際、委員長より理事会を開いて協議するというお答えをいたしておいたのであります。本日理事会を開いて協議の結果、公聽会を開くことは事務的にも時間を要するので、この際便宜参考人として町村会、市長会、及び府縣知事会のうち自治体警察及び六・三制の問題について理解ある、関心の深い人、及び自治労連、日教組の各代表を招きまして、意見を聞くことにした方がよいということに、理事会では決定いたしたのであります。以上理事会の決定通り参考人を呼んで意見を聞くことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島守利民主自由党

○中島委員長 御異議ありませんければ、さように決定いたします。  まず政府より、ただいま議題になりました地方配付税法の特例に関する法律案に関し説明を聽取いたします。この法案はたいへん印刷物中の誤りが多くて、正誤が参つております。この法律の第一條は條名を削除されて、第二條全部削除されております。いわゆる單行法になつておりますから、さよう御注意を申し上げておきます。それでは木村國務大臣の説明を聽取いたします。     —————————————

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 ただいま議題となりました地方配付税法の特例に関する法律案の提案の理由並びにその内容の大略を御説明申し上げます。  わが國当面の最大課題であります経済的自立態勢の確立をはかりますためには、財政の面におきましては、経済九原則にのつとり、國地方を通ずる綜合予算の均衡をはかることの緊要なるは、論をまたないところであります。もとより地方財政は深く窮乏いたしているのでありますが、なおこの趣旨に基き、さらにその歳出の徹底的縮減を行い、歳入の最大限の拡大をはかることといたしますとともに、國庫財政の都合により、地方配付税の繰入額は、昭和二十四年度に限り、地方配付税法に定める繰入率に基く額によらず、総額五百七十七億円にとどめることといたしましたため、その繰入率を変更する必要がありますので、この法律案を提出したのであります。  何とぞ十分御審議の上、御賛同あらんことを願うものであります。

中島守利民主自由党

○中島委員長 これより質疑に入りますが、質疑の順序は通告順によつて許します。生田和平君。

生田和平民主自由党

○生田委員 わが國の地方財政の窮乏は、まさにその極に達しておると申されておるのであります。またただいま木村國務大臣の本案に対する御説明のうちにも、深く窮乏いたしておるということを申されておるのでございます。しかるに人おのおのその見るところを異にするのでありまするが、政府は地方財政の現状が、どの程度に困つておるかということの認識が非常に必要だと思うのであります。ゆえにこの際國務大臣より、府縣がどのくらい困つているか、市がどのくらい困つているか、町村の財政がどんなに困つておるかということを、ごく理解しやすいように御説明をお願いいたしたいのでございます。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 お答えを申します。ただいまも提案理由で申し上げました通り、地方財政の窮乏状態は、まことにほとんど限界に達しておるように私どもは考えております。ただいまの御質問で、都道府縣、市、町村、この三段にわけまして、縣がどれくらいであるか、市がどれくらいであるか、町村がどれくらいであるかということは、後刻資料によりまして御報告申し上げたいと思いまするが、よく御承知になつておりまする通り、地方に國が付託しておりますところの事務と申しまするものが、だんだん増嵩して参つておりますかたわら、給與ベースのごときも、三千七百円ベースでありましたのが、六千三百円ベースになり、非常な増額になつた。その上さらに警察制度の改革によりまして、自治警察をまかなわなければならぬ、それから消防署をまかなわなければならぬ。そこへもつて参りまして六・三制、これも今年度は新制中学校の建築費の最終の年度に入つております。そういうことで全國の町村を通じまして非常に困憊しておりまして、半数以上のものが制限外賦課をして、非常にむりにむりを重ねております。やむを得ませんから、かたわらでは、好ましいことではありませんけれども、一種の強制寄付でも仰いで当面を過しておるというような状況であります、こういうことがだんだんに深まつて参りますと、民主政治というものの前途に非常な障害を起すのではないか、今度の配付税のごときも、御承知のように、地方團体といたしましては、ほとんど既得の権利のごとく考えておりました法律に定めておるところの率が、所得税、法人税が増額になりましたためもありますけれども、しかしながらこの法律でもかえて、これを五百七十七億に減額しなければならぬというような状況に相なつておるのであります。もつとも先ほど説明に申し上げましたように、國の経済自立の上に、総合予算のバランスを得るためにやられるということでありますので、これもどうもやむを得ないことではありますけれども、私どもも非常にこの処置について苦慮いたしております次第であります。ただいま御質問の都道府縣あるいは市町村にわけましては、別に資料をもつて詳細に御報告いたしたいと思います。

生田和平民主自由党

○生田委員 ただいま國務大臣の御説明によりますと、六・三制その他自治体警察の費用等によつて、地方財政が窮乏しているということを承つたのであります。しかるになおかつ本年度におきまして、地租、家屋税、住民税等によりまして、百七十億の増税をせられているのでございます。この地方財政窮乏の機会におきまして、さらに増税をせられたということは非常に矛盾するのでありますが、いかなる考えを持ち、また地方自治体がなおかつ増税に耐えるというお考えであるか、この点を承りたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 生田委員の御質問、ごもつともなことでありますが、二十二年度の決算を対象といたしまして、地方財政の予算を組んでみますると、先ほど申し上げましたように賃金ベースもかわりますし、物價の高騰その他町村事務負担の増しました関係で、どうしても今年度は四十億の数字をもつて現わさなければ地方財政がまかない切れぬように、地方財政委員会では断定いたしました。殊にまたそれが今度の配付税の圧縮その他によりまして、三千六百億くらいに圧縮いたされましたために、その結果はまことに好ましくない。殊に地方民の負担に対しまして、氣の毒ではありますけれども、言わばやむを得ず増税をしなければならぬというようなはめに相なつたのであります。この財政の対象となりまする対象物につきましても、いろいろと審議推考を重ねまして、あれこれとやつて見たのでありますが、どうもいずれも担税的限界に達しているようでありまして、まず閣議に出しまして成立いたしましたのは、わずかに住民税、事業税の一部と、なお新しく地租家屋税の率の増率というようなものでありますが、鉱区税のようなものを設けまして、これで百七十億円ばかりの増徴の案をただいま持つております。いずれ本委員会に提出いたしまして、御審議をお願いいたしますことに相なると存じます。

生田和平民主自由党

○生田委員 地方財政委員会におきましては、第一次の予算をお組みになつたときに、配付税を八百六、七十億円におきめになたつように承つておるのであります。その当時すでに地方財政委員会では、この増税の案をおきめになつたということも承つておるのでございます。ただいま國務大臣の御答弁によると、配付税が五百七十七億に減つたから、やむを得ず増税をした、こういうふうにとれるのでありますが、本員の承るところによりますと、五百七十七億円にきまる前に、すでに増税の計画をお立てになつたように承つておるのでございます。もし私の聞き違いでありましたならばさいわいでございますが、明らかにいたしたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 生田委員のおつしやる通りであります。私の申し上げ方がちよつと惡かつたかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、何と言つても二十四年度の予算を組みますには、四千億に近いものが出て参ります。二十二年度を基本として起算してみましても、昨年度二千四百億くらいでありまして、一躍倍にはなりませんけれども、非常な増強でありまして、配付税の率その他國の予算がきまりません前に財政委員会においてこういう増税の案を審議いたしたことは事実であります。ただいま申し上げましたのは、そういうことをやつておりまするが、なかんずく配付税が減額せられたので、一層これに重点を置かざるを得ぬことに相なりましたということを申し上げたいつもりであつたのであります。私の言葉の表現が惡かつたのでありますが、おつしやつた藤りであります。

生田和平民主自由党

○生田委員 二十四年度における財政の見透しにつきましてお尋ねいたしたいのでありますが、去る四月七日附の資料をいただいたところによりますと、財政委員会の案は歳入三千四百六十億四千三百万円、歳出が四千二十五億八百万円差引五百六十四億六千五百万円の歳入不足になつておる。同日附で資料をいただいたうち、総司令部案に基く推計によりますと、歳入は三千三百八十八億五千九百万円、歳出は三千三百八十八億五千九百万円となつておりまして、この間歳入において七十一億八千四百万円、歳出において六百三十六億四千九百万円の食違いができておるのでございます。つまり地方財政委員会の案と、政府が現に議会に予算を提出せられておる根本の数字である司令部の案とは、結局六百三十六億四千九百万円の欠陷が生じておるのでございます。もとより司令部の推計案は、大体バランスを合わしております。ただ歳入及び歳出全面にわたつて、特に歳出におきました多大の削減をいたしておるのでございます。この六百三十六億四千九百万円の不足は、机上ではバランスは合わせるでありましようが、実際その行政を運用するときに、はたしてこれが円滑に実施ができると思われておるのでありますか、御意見を伺いたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 まことに適切なる御質問であります。私どもは速記に残つてどうかと思いますが、良心的に率直に申し上げますと、事実これは確固たる自信を持ちません。これははつきり申し上げてよろしいと思います。しかしながら、こういうふうに圧縮されました以上は、何とかくふうを凝らしまして、この範囲内でつじつまを合せて、二十四年度限りでありますから、どうも二十四年度限りはやつて行くよりほかに方法がない。しからば、どうしてやつて行くかということに立ち至りますと、これもどうもそうした点から、打つて参りますような名案も浮びそうにございませんので、なるべく地方に國が委託しております事務を簡素に整理してもらいまして、その方面で相当に、また一方、公共團体自体でこの趣旨をよくのみ込んでもらうよう極力努力をいたしまして、公共團体自体がこの趣旨によつて、みずから経費の節約をして行くというようなことよりほかに、やり方がありませんので、この趣旨をよく了解してもらうことにつきましては、どうしても地方財政が独自に確立いたしますような方法をとらなければならぬ。それにはこの五月に政府が行うところの、全般にわたる税利の改革、これは御承知のようにアメリカから識者が参りまして、それを中心に案を立てるということでありますから、その際にわれわれの方といたしても、相当な圧力をもちまして案を立て、審議をいたしまして、進言というか。建言と申しますか、いたしまして、地方財政の独自な立場の確立をすることを期する。この点は総理大臣にいたしましても、そういうことを認められておられるようでありますから、それまでのところ、何とか地方の了解を得てやつて参りますよりほかに方法はない。予算委員会でも、そういう方法のないことは、実は為政者として無責任である、こういうお叱りを盛んに受けましたけれども、どうもこれは、生田委員もおつしやつたように、一ぺんに六百億もすべての幅において削減されますと、なかなかただちに案が立つわけのものではなかろう、それは一つは私どもの努力も足らず、ふつつかのいたすところでありましようけれども、これは率直に、私の良心の命ずるところによつて申し上げるわけでありまして、これは事実であります。しからば、よけいなことでありますが、地方財政委員会において決議したことは、お前は委員長ではないか、委員長である國務大臣が、閣議できめたことにサインをしたということは二重人格である。責任の帰着をはつきりしなければいかぬという追究を、予算委員会でも、参議院の方でも、盛んに浴びせかけられております。私もそれは十分認めております。おりますが、地方財政委員会と申しますものは決議機関でありまして、あれは執行権というものがちつともない。執行権のない決議機関が決議をする。その決議をいたしたことについては、委員長といたしまして重大な責任はそこにあります。ありますが、その決議は地方財政委員会としての立場、地方財政委員長といたしまして、これは妥当なもの、適当なものであると認めてその決議を了承いたしたのであります。また一方、國務大臣といたしまして、國の財政の面に携つておりますと、これはまた國策の方面は全般的な國策として、日本経済再建の原則が確立せられる場合において、それとこれとはまた立場が違う場合が起つて参りますので、私は國務大臣として國策の遂行に順應しなければならぬ、こう考えておりまして、サインをいたしたのであります。そういうふうな責任問題が起つて参りますと、將來この制度が改正せられません限りは、地方財政委員会の決議のありました通りを國策でやらないと、その都度ごとに委員長である國務大臣が責任を問われなければならぬということになつて來ると、これはどういうことに相なるか。これは一つの法の不備ではないか、こういうふうに私感じるのであります。よけいなことを申し上げて相済みませんが、予算委員会なり、参議院の地方行政委員会で、こういう問題がたびたび出まして、私は追究を受けておりますので、御参考にもなろうかと思いますので、一言申し上げておきます。

生田和平民主自由党

○生田委員 責任問題については、私追究をやめてこの程度にやめます。次に承るところによりますと、二十四年度の地方財政計画が、未だ閣議の決定を経ざるに先立ち、あるいは地方財政担当の当局の反対意見があつたにもかかわらず、大藏大臣は私案をひつさげてドツジ公使と計数上の折衝を始めたように承つているのであります。もう少し具体的に申すと、地財当局は配付税八百五十五億円を要求されたにかかわらず、大藏当局は地財当局の反対を無視して、配付税七百二十億円あるいは六百五十六億円の案を持つて、ドツジ公使と交渉を開始したやに承知しているのであります。もし右樣り事実がありますれば、大藏大臣のこの行為について、木村國務大臣はいかに考えられるのかをお伺いしたいのであります。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 まことに遺憾なことであると思う次第であります。

生田和平民主自由党

○生田委員 次は、國家財政は健全財政方針にのつとりまして、殊に本年は九原則実施により、剩余予算をも編成いたしているのであります。しかるに地方財政は年々歳々赤字公債をせおつておるのでありますが、本年はさらに百七十億の増税をした。國家財政が健全財政で行くのに、ひとり地方財政のみが取残されて、窮乏のどん底にあるということは、何といたしましても、しのびあたわざるところであると思うのであります。今日のこの状態に対して、木村國務大臣はいかなる決意を持つておられるか、その御心境を承つておきたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 それは先ほども申し上げましたように、地方税制の根本的な改革をいたしまして、地方は地方といたしまして、独自に、自立に安心の行くような徴税の方法をとるということにいたさなければならぬ。これが最も私は当面の急務である、こう考えております。來るべき六月に税制の改革がありますならば、その改革によりまして成案になりましたものを、來年度から、かりにわれわれの希望するようなものが通りますならば、これを通さねばならぬと思います。できることでありましたならば、來年度の実施ということに待たずして、総理大臣の議会におけるところの御答弁にもあつたかのように承つておりますが、臨時議会でも召集していただいて、ただちにこれは法律となつて実施せられるようにやつて行きたい、こういうふうに考えております。

生田和平民主自由党

○生田委員 なお一つ配付税の過程についてお伺いいたしたいと思います。地方財政が今日のごとく窮乏の極に達しておることは、すでに前からも御承知であつたと思うのであります。またこの配付税が、大藏省の考え方がよほど加わりまして減つたのではないかということを伺つておるのであります。この間に処しまして、木村國務大臣は、総司令部との間においていかなる折衝をせられたか、いかなる努力をせられたかということを、一應参考に承つておきたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 予算の九原則による構成についての折衝は、大藏大臣の手元においてどういう折衝が行われたおりましたかということは、われわれの方では容易にこれを探知することができません。今生田委員の仰せられるようなことはあとでわかりましたが、私どもとしましても、GHQの方へできるだけの足を運びまして、この事情を大いに開陳しておいたつもりであります。なかんずく事務当局の荻田局長は、その成行きなり現状なりをつぶさに知るために、ほとんど毎日、約一週間以上でありましたか、徹夜したようなこともありまして、おもにドクター・フアイン顧問との方と折衝をはかつておりましたが、こちらが主張いたしますることが、どうも見解の相違でありまして、入れられてもらえなかつた結果になりましたことは、まことに遺憾であります。閣議でも私といたしましては相当に折衝をたびたびいたしまするし、大藏大臣も数回にわたりまして個人的に訪問いたしまして、その了解を得るために折衝をいたしたのであります。それでありますから、私の力が及ばなかつたので、こういう結果に相なりましたが、これもどうも一方、九原則の基本によるところの財政圧縮の國策の線で押されたというような結果に相なつておりますということを申し上げておきます。

生田和平民主自由党

○生田委員 ただいま大臣から承るところによりますと、荻田事務局長が直接交渉の任に当られたということでありましたが、その交渉の経過をできるだけ率直に、どういう模樣であつたか、そうして事がここに至つたかということを、局長からでよろしいからお答え願いたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 局長に説明いたさせます。

荻田保総理廳事務官(地方財政委員会事務局長)

○荻田政府委員 これは委員長、速記をとめていただきたいと思いますが……。

中島守利民主自由党

○中島委員長 速記をとめることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島守利民主自由党

○中島委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

中島守利民主自由党

○中島委員長 速記を始めてください。

生田和平民主自由党

○生田委員 もう一つ伺いたいのであります。去る十一日木村國務大臣は、参議院の地方行政委員会におかれまして、委員西郷吉之助氏の質問にお答えて、本年度地方配付税は五百七十七億と大幅に削減されたその結果、六・三制の実施、自治体警察の維持が非常に困難となつた。そこでわれわれとしては地方財政を圧縮しなければならないということを申されております。またこれが打開策として、國からの委任事務を思い切つて縮小する以外に方法はない。こういうふうに述べられておると新聞にも報道されておるのであります。配付税の問題につきましては、今回のごとく税率まで引下げて行わなければならぬようでは、地方としては常に不安状態に置かれるということも申されている。そこで明年度からは配付税をとりやめて、昭和十五年以前の形にもどして、所得税、法人税の府縣、市町村附加税をとる方針をもつて、現在地財事務当局に具体案の作成を命じている、これによつて地方税收入の安定をはかりたいとの意味を述べられておるようでありますが、もしさような御答弁があつたといたしますると、われわれはここに非常に遺憾の意を表さなければならぬと思うのであります。前段の國からの委任事務を思い切つて縮小するということにつきましては、これはいろいろ議論があります。のみならず今日において議論することは尚早だと思いますから省略いたします。後段の配付税をとりやめて、十五年以前の形にもどす、そうして所得税、法人税に対し、府縣、市町村において税を徴收することについては、一言注意を喚起いたしたいと思います。なるほど今回のごとく多年の歴史を顧みず、しかも突如として配付税を半額に切り下げるごときことは、まことに意外とするところであります。政府原案によつても二十四年度限りの特例として、お出しになつておるのでありまして、明年も必ずしもかくあるべしと、まだ即断はできぬと思います。今回は九原則実施によつて、政府が予想していない予算を編成しなければならぬことになりましたが、これがまた明年にも同じ方法で、はたしてなるかならぬかということは私はまだまだ疑問と思います。現行配付税が法定せられるに至りますのには二十年の歳月を要しておる。昭和七年八月地方財政調整交付金制度の要項が内務省から発表せられ、これが日本における地方交付金制度の始まりであります。爾來幾多の紆余曲折を経まして、臨時町村財政補給金、地方財政調整交付金、臨時地方財政補給金等の制度がたびたび生れて、昭和十五年になつて初めて分與税法として制定せられた。また昨二十三年度におきまして名前を配付税法と改められ、内容を整備し、今日に至つたものであります。かくのごとく長年月間に歴代内閣、政党、都道府縣、町村並びに多数の学者間において辛苦研究の結果でき上つたのが、現行配付税法でありまして、決して一朝一夕に成立したものではありません。しかも法律の本質が、経済力の偏在に起因する負担の不公平を是正することを根本理念としておるものであります。わが國の現状におきまして、戰時中並びに戰後を通じて、経済発展において、都市と農村との跛行的現状が著しくなりまして、富の偏在が一層強くなる傾向があることを直視いたしまして、また日本経済が原則的に資本の自由なる活動を許される限りにおきまして、経済発展の地域的なる跛行性と、それから生ずる経済力の偏在は、とうてい避け得ないと思います。從つて大都市と中都市、あるいは農村との間の財政力の懸隔は、今後も一層はなはだしくなると思うのでございます。かかる現状において、軽々しく昭和五年前の形にもどし、所得税、法人税附加税制度に還元するようなことがあるなれば、たちまち負担の均衡は破れ、町村財政に一大波紋を惹起することを断言するのであります。私は木村國務大臣が、地方財政の責任者として、すべての税制の上にくふうを凝らし、研鑽をせられることは、まことに望ましいことでありますが、いやしくも國務大臣が、議会において議員の質問に答うるにあたつては、十分の研究と確信を有するものでなければならないと信ずるのであります。木村國務大臣のこの点に対する御研究と、また附加税還元の予約をせられたことについて、一應御意見を承りたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 参議院で西郷委員にお答えいたしましたことは、速記録にもあると思いますが、これはただ私だけの私案であります。こういうふうにお断りいたしまして、地方税法の確立を企図いたしましたがために、そういう考えを持つておりましたので、そういうふうに答弁をいたしておきましたけれども、私の信念が、そこへ持つて行こうというところまでは、まだ十分かたまつておりません。地方問題、ことに地方行政、地方財政についてまことに堪能な、エキスパートであらせられる生田委員のお説を、ただいまとくと拜聽いたしまして、この税制改正に伴います問題は、今後一層よく研究をいたしたいと考えております。

生田和平民主自由党

○生田委員 ただいま木村國務大臣から、將來よく研究をしよう、まだそれは自分の考えとして確定していないということを承つたのでありまするが、私はなお蛇足ではあるかもしれませんが、議会における言明はいろいろの揣摩臆測を生じます。これが主務大臣の意見であるということになると、その波紋は大きいと思います。もとより内部的には、前段申し上げました通り、いろいろのくふう御研究があることは望ましいことでありますが、これをいやしくも私案としてでも公表するときには、相当の確信を持たれなければならぬと思うのであります。ただいま大臣の御言明によりまして、まだそこまでは行つていないということでありますから、これ以上申し上げることはないと思います。私の質問はこれで一應打切ります。

中島守利民主自由党

○中島委員長 千葉三郎君。

千葉三郎民主党(第九控室)

○千葉委員 木村國務大臣にお尋ね申し上げたいのですが、先ほど生田委員からの御質問の、七百二十億円という、この当初の政府の方針である配付税、その根拠はどうして七百二十億円にしたか。配付税の三三・一四は八百五十五億になるわけですが、それを七百二十億に査定した根拠を第一に承りたい。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 七百二十億という数字は、試案によつて大藏大臣から各位へ示されました数字でありまして、御趣旨のように、そのときすら正規のわれわれの要求なり、予定とは、法律の技術によらないところの差額が、百五十億ばかりあります。それを檢討、折衝して参りますると、大藏省の見方と、地財の方のわれわれの見方と、約三百億ばかりの見解の相違がありまして、大藏省では、地方の公共團体の方でもつととるべきところの税をとらないでおる。とらない額が予定に含まれておつて、税收入が少い。もつとこれは努力してとればとれる。具体的に実例を申し上げますと、遊興税のごときものであります。こちらではそうまではとれない。そういう数字の見解の相違がありまして、そして三百億もあれば、百五十億くらいは、かくのごとき財政の枯渇しておる場合だから、國の方へまわしてもよかろうじやないかというような大藏省の案で、それは提出したものであります。しかしそれはほんの試案で、試案として一度各位に示しただけであります。その後御承知の通りのような状況であります。

千葉三郎民主党(第九控室)

○千葉委員 ただいまの御答弁によりますと、率直に言うと大藏省にしてやられた、やむを得ず引下つたのだというような印象を受けたのでありますが、國務大臣としてGHQに交渉に行かれた、その時の事務的なお話は承りましたが、大臣みずからぶつかつてみて、いかなる感じを受けたか。地方財政に対して大藏省の当局が非常に軽く考えておつたように聞いておりまするが、連合軍当局は、地方財政に対してどの程度に熱意をお示しになつておつたか。あるいはきわめて冷淡であつたか。その間の大臣みずからの感じをお話し願いたい。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 私が参りまして折衝いたしました印象は、きわめてよかつたと、うぬぼれかもしれませんが思いました。こういうようにまで圧縮せられるものでない、起債のごときものも相当に了解を得るような感じがいたしておりました。私も今回行きましたのが初めてではありません。実はこれまでも内務にもおつたことがありますし、たびたび参つておりまして、顏なじみでもありまするので、ただ一度や二度会つたときの印象だけでこれを断定するものではありませんが、これまでの経驗からいたしまして、相当了解してくれる、いい印象があつたと私は感じました。これは私の錯覚だつたかもしれないが、そういうふうに私も考えますし、また部内の方でもそういうふうに考えておりましたわけであります。

千葉三郎民主党(第九控室)

○千葉委員 大臣は非常に樂観されておつたようでありますし、また当時大藏当局も、七百二十億円の配付税は、これは実現できるものというように、全國の議長会議に沢田藏相みずからお話になつておるようであります。その結果といたしまして、各府縣の中には、七百二十億を基礎として骨格予算をすでに組んだ府縣があるのであります。その後、五百七十七億に減らされた。しかしあの問題は大体三月の初旬から始まつておりましたので、その当時の七百二十億ということは、もう絶対過半数の民自党内閣であるから、これは実現できる、しかも大藏省当局においても、地方財政委員会においても、大体よかろうというお考えのようであつたから組んだというような府縣もあるのでありましたが、五百七十七億になりますと、そこにまた穴が明いて來る。それは一体どういうふうな処置でやるか。ただいま遊興飲食税というようなお話もありましたが、この遊興飲食税によりますと、都市と違いまして、地方農村ではほとんど財源がありません。そこで非常に困却をするのでありまするが、こうしたような、錯覚と言えば錯覚でありましようけれども、その当時の措置としてはやむを得なかつた、この穴を大体どういうふうにお考えになるでございましようか、その点を承りたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 それは先ほど生田委員の御質問にお答えいたしたことで盡きるように思いまするが、今の飲食税、遊興税というものは、これは大藏省の見解、税收のいわゆる差額の見解のことでありまして、將來これをもつてこの穴を大部分埋めようなどというようなことを申し上げたつもりではありません。何しろこの大きな欠陷は、何としても、先ほど申し上げましたように、できるだけひとついろいろくふういたしまして、現にその方法につきまして、昨日から都道府縣の総務部長会議をいたして、この内容をすつかり詳細に赤裸々に開陳いたしまして、この善後措置について今研究をいたして、きようもまだ会議をやつております。何とかいたさなければならぬという考えでありますが、先ほど申し上げまするように、何といたしましても、どうも地方税の増收をはかりますにいたしましても、ほとんど限界点に達しておるようでありまして、ただいま設けましたのが百七十億くらいの増徴でありまして、あとは節約をしてもらうとか、あるいは國庫関係の事務を大幅に縮小してもらいまして、経費の削減をはかるということ以外には、ただいま率直に申しまして案は持つておりません。

千葉三郎民主党(第九控室)

○千葉委員 ただいまの御説によりますると、大体地方に百七十億というような増税はしかたがないが、それ以上は負担能力から見てもむずかしいというようなお答えのように承りましたが、この配付税をただいまの五百七十七億を、さらに増額をすることは、きわめて困難である。この点に対しては自信がないという仰せでありますが、もしここに予算を修正するというようなことがありました場合には、木村國務大臣は賛成なさいますかどうか、それを承りたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 國会は國権の最高権威でありますので、國会の御意思によつて御修正になるのは、私は異存はございません。

千葉三郎民主党(第九控室)

○千葉委員 先ほどの生田さんに対する御答弁中に、地方財政委員会の決定は、決議機関であるから、國務大臣としては閣議に出席した場合には國策に從う。從つて地方財政委員会の決議の方は第二義的に見るというような御答弁であつた。この論旨をもつて参りますると、近くシヤウプ博士が來朝され、それによつて地方の財政の根本的改革をなさるというようなお言葉もありましたが、そのときにまたせつかく地方財政委員会の希望なり決議なりを決定しても、もし閣議に出て閣議の意向と反した場合には、これを弊履のごとく捨てるというような結果になるのであります。その場合に、先ほどの法案の説明のように、地方が眞に困つておるならば、あなたは職を賭して、こういう問題に敢鬪していただきたいのでありますが、地方財政委員会の委員長として、良心的にその決議に御賛成であつたならば、むしろ閣議をひつぱりまわす、そうして閣議がこれを顧みなかつたならば、むしろこれをやめるというくらいまでに、地方のために御決意が願えないだろうか。このこと自体が連合軍に対しても、ほんとうに地方財政の重大さを認識する一つの動議になるのじやなかろうかというようにも考えるのでありまするが、今後大きな税政改革問題を控え、また現在当面に横たわつておる配付税の問題にいたしましても、何となく地方財政を担当する現在の陣営がいかにも物足りない、頼りないという感じをひとしく與えておるのです。こういうようなときに立ち上つて、良心的に御活動を願えないものだろうか。これは、はなはだ言いにくい言葉でありますが、地方の財政を思うのあまり申し上げる次第でありますので、どうぞその辺の心中を御披瀝願いたいと思います。

木村小左衞門民主党(第十控室)地方財政委員会委員長

○木村國務大臣 私は現職に決して恋恋としてかじりつきたいという氣持は持つておらぬことを明らかに申し上げます。けれども先ほど申し上げたような次第でありまして、あなたの見解と私の見解とは相違があります。私も閣僚の一員でありますので、政府全体の都合を考えなければなりません。この際責任をとつて辞するという考えは持つておらぬことをはつきり申し上げます。

谷口善太郎日本共産党

○谷口委員 私はこの問題は非常に大事だと思いますので、大体三つの問題についてやや詳しくお尋ねしたいと思つたのでありますが、本日は時間もありませんし、できれば続けてやりたいと思いますので、次の機会に譲りたいと思います。それにつきまして政府の方へ私の聞かんとするところを大体傳えておく方がよいと思いますので申し上げておきます。  第一は法律問題としての見地から御質問申し上げ、第二に、九原則実行の立場からやむを得ないものだという御説が非常に強いのであります。これに対する見地からの質問と、第三は地方自治体の財政が今どういうふうになつておるかという見地からお聞きしたいと思います。それで地方財政委員会を御担当なすつていらつしやる木村國務大臣の御出席はもちろんでありますが、なお大藏大臣と、できれば総理大臣の御出席をお願いしたいと思います。

中島守利民主自由党

○中島委員長 本日はこの程度で散会いたします。次会は十六日午前十時半から開会いたします。     午後零時四十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗