大蔵委員会 第37号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/05/20
会議録
○川野委員長 これより会議を開きます。 去る十八日付託になりました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税務署の増設に関し承認を求めるの件を議題として、まず政府の説明を求めます。 —————————————
○正示政府委員 ただいま議題になりました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税務署の増設に関し承認を求めるの件につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 政府におきましては、本年度五千百四十余億円に達する租税收入を適正に確保するため、各般の施策を講じつつあるのでありますが、なかんずく徴税機構の整備強化をはかるの要きわめて緊切なるものがあるを認めまして、その一として荻窪税務署外五税務署を増設することといたしたいのであります。 現在税務署は、全國に総数四百九十七あるのでありますが、このうち特に廣汎な区域を管轄し、課税物件の分布廣く、かつ多数納税者を擁する税務署につきましては、その区域を分割して税務署を増設することが、納税者の便宜をはかるためにも、はたまた課税の適正化を期するためにも緊要と存ぜられるのであります。しかしてかような見地から税額、納税者数、区域の廣狹、將來の発展性、職員数等を総合勘案いたしますと、いまだ相当数の税務署の増設の必要が認められるのでありますが、本年度におきましては特に廳舍の建築費が予算上制約を受けておりますので、さしあたり今回は荻窪税務署外五税務署の増設することといたしたいのであります。 さきに所得税、法人税等主要税目につきまして申告納税制度が採用されて以來、納税者と税務署の関係は特に緊密なものがあるのでありますが、今回これらの増設が実現されることになりますならば、納税者の受ける利便はもとより、円滑適正な税務運営に資するところけだし大なるものがあろうかと存ずるのであります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いする次第であります。
○川島委員 簡單にお尋ねしておきたいと思いますが、この新しい税務署の設置に伴つて、税務官の数と、目下問題になつております定員法との関係はどういうふうになつておりますか。
○正示政府委員 お答え申し上げます。定員法は目下本國会におきまして御審議中でございますが、このたび六税務署を増設いたしましても、税務関係の定員をふやすことにはなつておりません。すなわち目下御審議中の定員法に定められました定員の範囲内におきまして、今回増設をする税務署の職員をもまかなつて参る、かような考えでございます。
○川島委員 そうなると、たとえばここに出ております埼玉縣大宮市に、関東信越財務局の一部として増設になる。そうすると埼玉縣下の目下存置されております税務署内の税務官をやりくりして、その他もあるでしようが、大体そういうことにして新しい増設税務署内に配置をするということに理解してよろしいのですか。
○正示政府委員 最も直接的には現在の浦和税務署の職員が多くわかれることは、お話の通りであります。なおその他私どもといたしましては、今回の新しい定員に基きまして、全國的に定員の適正な配置ということを考えておりますので、廣くは全國にわたりまして適正配置を考えまして、むろんこれは住宅その他の制約はございますが、現在の定員の範囲内におきまして、その人物その他の状況を考え合せまして適正な配置をはかりたい、かように考えておる次第であります。
○川島委員 今の税務署の実態からいつて、現員ですらもなかなか内部的に事務的にも容易でない。そして能率が上らぬ上に、いろいろの事件なども埼玉縣はことに起しておるのですが、そういう人のやりくりで、はたして新設税務署の事務的な能率、また公正な課税等が円満に遂行され得るとはちよつと思われないのでありますが、そういうことについて当局には確信がおありでありましようかどうか。それをひとつ聞かせていただきたい。
○正示政府委員 御指摘の通り、先般來当大藏委員会におかれましても、特に小委員会を御設置になりまして、浦和の不祥事件につきましては御調査をいただいたわけであります。われわれとしては非常にこの点遺憾に存じまして、善後策を着々実行いたしておるのであります。ただいまの川島委員の御指摘の点につきましては、私どもも、これはなかなか一挙には参らない困難なことでございますが、いろいろの対策を準備いたしております。その一端といたしまして、今回一部の整理はございますが、これは事務の面における堪能なものはできる限り避けまして、一般の納税者の方々に御迷惑をかけないようにしたい、かように考えております。さらにまた現在おります職員につきましては、昭和二十四年度におきまして相当額の再教育の経費を予算上計上していただいたのであります。この再教育によりまして、能率を一段と向上して参りたい、かように考えております。さらに先ほども申しましたような配置の適正化をはかつて参りたい。現在でも大都市と地方の税務署を比較いたしますと、大体におきまして地方の税務署にはなお相当有能な税務職員がおるのでございまして、そういう人たちを住宅等の関係で大きな都会へ持つて來るということが、從來非常に困難を感じておりました。これらの点につきましてはある程度の予算の計上が認められておりますので、でき得る限り住宅施設等の整備をはかりまして、有能な人材を困難な、特に都市方面へ配置できますように、まず物的な整備もいたさなければならぬと考えております。なおまた今回の機構の改正等に伴いまして、從來税務署が中心に財務行政を執行して参りましたが、重要な部面につきましては、新しく財務局から分離されましたところの國税局という所に相当の有能な人材を配置いたしまして、こういう方面からの税務署の負担の軽減と申しますか、事務負担に対する適正な執行を援助できる体制を整えたい、いろいろの考えをもちまして、ただいま御指摘になりましたような御心配をおかけいたさぬように、與えられた人材を最も有効に活用いたしまして、この難局を切り拔けて参りたいというのが私どもの計画でございますので、御了承いただきたいと思います。
○川島委員 くどいようですが、定員法が定まる直前において、こういう税務署の新設総計六箇所、この六箇所を織り込んで今度の定員法というものができたのか。こういうものを織り込まない以前に定員法をつくつたのか。その関係はどうなつておりますか。
○正示政府委員 お答えいたします。これは先年も税務署の増設ということは当委員会の御承認を得たこともございます。その際におきましても私どもは定員というものの増員はなかつたのでありますが、当時は一方におきまして定員の余裕がある程度ございまして、事情は違うのでございます。今回も実は四十数箇所の増設ということを予算上計画いたしましたが、御承知のように、予算の上におきましても定員の増加ということは要求いたしていなかつたのでありまして、むしろ予算は、御承知のように、今度の定員法よりはある程度内輪でございますが、定員を整理するという建前で予算はできておつたのであります。私どもとしては、根本的には税務署はむしろ分離する。大き過ぎるようなものを二つにわけるのであるという考え方をもつて——もちろん二つにわけますれば、それに伴つてある程度人手をふやさなければならないのでありますが、そのために定員を増加するということは、從來ともとつておらないのでございます。從いまして今回の定員法との関係においても——これはもちろん政府部内におけることでございますが、六箇所程度の税務署の増設のために特に定員をふやすことは考えておらなかつたのでありまして、はつきり申し上げますれば、定員法は本案を織り込み済みでつくられておつたということを申し上げたいと思います。
○川島委員 それからもう一言お伺いしますが、先年埼玉縣の川口市に税務署が設置される場合に、若干川口市民から寄付をつのつたように承つているが、今度の増設の税務署は、大宮はもちろんでありますが、全部の六箇所に対しての建設費の一部を地元民に若干負担させるという方針をもつているかどうか、これを伺いたい。もしもつているとすれば、どういう関係でそういう予算を十分とらないで負担をかけるのか。そういう点のいきさつを聞かしてもらいたいと思います。
○正示政府委員 御指摘の通り、從來は廳舍等の整備に多少経費が足りないために、地元に御迷惑をかけたようなこともあつたのでありますが、昨年以來この点につきましては、税務署の増設の際は、まず廳舍の経費を予算に計上するという建前をとつております。今回大宮に新設いたします分につきましては、予算上経費を確保いたしております。從いまして地元に御迷惑をかけることはないということをはつきり申し上げることができると思います。その他につきましても、この増設に伴つて新しく御迷惑をかけることはいたさない方針で進んでおります。
○川島委員 なお最後に一言お伺いしておきますが、この六箇所の税務署を新設するに先だつて、その建築は大藏省の直営でやるのか、それともその地方における競爭入札にして請負でやらせるのか。その点をお伺いします。
○正示政府委員 役所の営繕工事は原則として建設省直営ということになつておるのでございますが、今回の増設にあたりましては、建設省で直営いたすものは東京の荻窪税務署ということになつておりまして、ほかは既存の建物を政府において直接金を渡して買收する、こういう建前で進んでおります。
○川島委員 そうするとこの六箇所のうち、おおむね既存の建物について、何か目標がもうあるということになるのですか。
○正示政府委員 さようでございます。
○島村委員 私の問わんとするところは、新しく制定せられんとする定員法との関係をお伺いしようとしたのでありますが、幸いに川島委員からの前段の御質問によりまして、政府委員の答弁を伺いまして了承いたしましたので打切ります。
○風早委員 まずお伺いいたしたいのは、御承知のようにシヤウプ使節團が來朝せられまして、今、日本の税制、税機構の根本的な改革について、政府もまたその協力を求めてやられるということになつておるわけです。またわが大藏委員会といたしましても、これに対して全面的な協力を仰いで、やはり確固たる税制並びに税機構の確立をはかりたいと念願いたしておるわけであります。そういう際に、今何も急いでこういつた機構の拡充をやられる必要はなかろうと思うのであります。シヤウプ博士の來訪ということの以前に、すでにこういうことは考えられておつたのであろうと思いますが、今にして見れば、もう少しこれを待つて十分な実情調査、ことにシヤウプ使節團は実情の調査ということに、非常に力点を置いておられるように見受けられるのでありますが、実情の調査の上に立ちまして、全体的な税制、税機構の改革の中でこの問題を解決していただいたら、よりよいのではないかというふうに考えられるのであります。そういう意味で、今突如こういうものを、あるいは突如でないにしましても、いまさらこういうものをこの際に出されるということは、かえつてまずいのではないかと考えるのでありますが、その点について政府当局の所見を承りたいと思います。
○正示政府委員 御指摘の根本的ないろいろの改正問題につきましての御所見につきましては、まことに御同感の点も多いのでございますが、実はこの税務署の増設につきましては、かねてから私どもとしまして、管内の事情等につきましては絶えず調査をいたしておるのでございます。先ほども申し上げましたように、主として納税者の方方の利便という点から考えましても、なおできますならば四十数箇所つくることが望ましいということを、前々から調査の結果考えておるのでございます。ところが先ほど申しましたような事情のために、なかなか思うにまかせません。そこでやむを得ず最小限度に圧縮をいたしまして、嚴選に嚴選を重ねました結果、ここに今度六箇所増設することになつたのでございますが、たとえばこの中で浦和のごときは、これはもう風早委員もよく御承知のように、現在では相当の管轄区域になつておりますし、納税者の数、また署員の数から申しましても相当大きいのでありまして、署長なり課長なりのもとにおきましてこれだけの署員を統轄し、これだけの無税者に應接して行くということになりますと、いろいろと納税者の方々にも不便を與えるような面も多いかと思うのであります。かような見地から、嚴選に嚴選を加えまして、なお先ほど申した予算上の制約等もあわせ考えながら、まあこの程度のものならば一應設置できる。こういう見通しを持つて案を出したような次第でございます。根本的な問題につきましては、風早委員と私ども同感の点もございますが、この問題はそういうふうに、いわばきわめて事務的な私どもの考え方から、十分調査をした結果提案いたしておりますので、何とぞ本件につきましては、共産党の方々もこぞつてひとつ御賛同をしていただきたいということを、この際お願いしておきます。
○風早委員 むろん当局としては、その必要からやられようとしておることは言うまでもないのでありまして、一應その理由を持つておられると思います。大宮の場合にいたしましても、これは浦和税務署長もやはり言つておりましたが、大宮にもう一つつくつてもらわなければ、とてもやり切れないということであります。しかしそれはどういうところから來るかと申しますと、これは釈迦に説法になりますけれども、結局一つの、たとえば浦和なら浦和の署だけをとつても、それだけでも人数が足りなくて非常にやりにくいのだ。納税者の側はますますふえるし、とてもやれないのだというところから大体來ておるわけであります。そういう意味でおそらく今部長はこの納税者の利便ということを言われるのだと思うのであります。しかしながらこれは確かにとる方から言いますと、利便には違いないのでありますが、納税者の側から言いますれば、これははたして利便であるかどうかはまた別問題なのであります。そもそも今の人数では足りないということには、まだいろいろそこに原因があるのでありまして、つまりまず税制そのものがはなはだ不備である。また今までの税の取立て、しきたりというものに非常な不合理がある。実情に即しない。つまり課税すべからざる者にまで課税対象が及んでおる。あるいはまた課税すべからざる額にまで課税が及んでおるといつたような根本の矛盾の問題がありまして、そこからとても手に負えないということになつておるのではないかと、われわれは固く信じておるのであります。そういう意味におきまして、このままでいくら機構をふやそうとも、人数をふやそうとも、それは結局根本のやり方を改めない限りはどうにもならないのであります。シヤウプ博士が來訪されてわれわれがこれに非常な期待をかけるというのも、やはりこの点について根本的な改革を要求しておるからなのでありまして、それを待つて、その中で初めてこの機構の拡充なりその他の問題が、具体的に取上げられるのであると考えるのであります。そういう意味で私は第一の質問を発したのでありまして、やはり今急いでやられるという必要を私どもは認めないのみならず、これはかえつて有害であろうと考えるのであります。先ほどの川島君からの御質問に対するお答えの中で、定員については何らかわりない、定員法の変更を要しないというようなお話でありまして、ますますこれは政府の提案理由なるものとの間に、自己矛盾があるのではないかというような感を深くするのであります。いくらふやさないと申しましても、新しく同一管内にしましても一つの独立した税務署を創設するということになりますれば、やはり署長から総務あるいは直税、間税、経理等いろいろな部課ができるわけでありまして、それぞれ相当の陣容を整えなければ、一人前の税務署になれないわけであります。全然定員を動かさないでやるということは、実は考えられないのであります。しかももし二つにでも割つて、たとえば浦和の場合にいたしましても浦和を二つに割つて、そうして大宮に持つて行くということになれば、これでは何にもならぬ。かえつて不便になるだけでありますが、そういうことでこの新しい税務署の創設がなされるのではなかろうかと思う。建物の費用だけは一應すでにとつてあるということでありましても、やはりそれの維持も必要でありましようし、いずれにいたしましても先ほど申しましたように、各部署というものがそれぞれいるのでありまして、今まで雇いであつた者、あるいは三級官であつた者もだんだん引上げて行く。そうしてこれを課長にする、部長にするということになるかもしれませんが、そうすればやはり下が足りなくなる。どうしてもこれは増員ということにならざるを得ないと私どもは見通します。しかしそれをやらないのだ、定員を動かさないのだということになりますると、どういうふうにして一体新しい税務署をつくつて、能率を倍にすることができるとお考えになつておるか。さしずめこの問題を、納得の行くように説明していただきたいと思います。
○正示政府委員 前段の問題につきましては、私どもといたしましてもシヤウプ・ミツシヨンに対しまして、できる限り実情を御理解いただきまして、税の軽減、納税者が相当数減る程度まで軽減されるということが実現されるならば、これは非常に望ましいことであり、またぜひともそういう方向にまで持つて行つていただきたいと切に希望いたしまして、いろいろ準備いたしております。それにいたしましても、これは見通しでございまするが、急速にそういうふうに行くかどうかもなかなか今日判定はできません。そういう点から申しまして、先ほど申し上げましたように、たとえば大宮に税務署ができるということだけで、その居住の人は今まで浦和まで行かなければならなかつたのが大宮ですむということだけでも、納税者の方に利便になるということは爭えないと考えます。それから後段の御指摘の問題につきましては、これは非常にごもつともな点もありまして、私どもといたしましても、むろんこういうふうにふやして、人もふやすというようなことができるならば、これは一番イージーな方法かと思うのでありますが、國家全体の立場から言いまして、一方におきましては行政整理ということも必要になつております。私どもの目下の考えといたしましては、從來漫然と事務を処理して來たような傾向が相当ありますので、この際税務事務につきまして科学的な檢討を行いまして、機械的な事務とそれから非常に知能的な事務とを截然と区分いたしまして、機械的な事務を從來は相当の高級職員がやつておつたようなこともございます。これらの点につきましては、もつぱら機械的な事務をやる者を訓練いたしまして、そういう事務に、いわばにわとりを裂くに牛刀をもつてするというようなウエイストが多々見受けられるのでありますが、そういう点をまず改善いたしたいと思つております。たとえば浦和でも御承知のように帳簿の記帳というようなことがなかなか励行されておらぬ、また少くともタイムリーに行われておらぬということが指摘されておるのでございますが、これらの点につきましては、從來税務署では内部事務と外部事務との区分がはつきりなされておらなかつたようなところもございますので、この際内部事務いわゆる帳簿整理に当る者はもつぱらそれに当らせまして、外に行く者とは截然と区分いたしまして、こういうことをやることによりまして——有能な人が從來は両方の事務をやつておりましたようなことをやめまして、調査件数が非常に少いという場合には、その調査の件数を相当に高めるように能率の向上をはかりたい。また内部につきましても同じようなことでありまして、非常に記帳になれた人にもつぱら当つてもらうという態勢におきまして、記帳能率も上げて参りたい。かような方向に事務の区分、分担、その責任の所在をはつきりするというような態勢をとることによりまして、現在與えられました定員の範囲内におきましても、これらの合理化によりまして相当能率を上げる、かような見通しを持つておるわけでございます。仰せの通り、今まで普通の事務官でありました者が課長になり、また課長であつた者が署長になるということは当然考えております。その下をどうして補充するかというお話につきましては、ただいま申し上げましたような諸般のくふうをこらしまして、能率を高めることによりまして今までのウエイストを省いて参りたい、かような考えを持つておりますので、御了承いただきたいと思います。
○風早委員 もうあと一点だけお伺いいたします。今の御説明では理由としてはきわめて薄弱であつて、人員をふやさないでそんなうまいことができるならば問題はないのでありますが、なかなか実情はそうではないと思うのであります。またそういう機構の改革、内部の職員の能率増進が一挙にしてできるものでもないのでありまして、しかもこれは局部的にできるものではないのでございまして、全体のやり方が根本的に改まる。その中で初めて解決できる問題だと考えるのでありますが、それはとにかくといたしまして、この税務署の増設につきまして、いろいろ世間には取沙汰もあるのであります。今提案理由としては、納税者の利便をはかるというきわめてけつこうなる御趣旨でありますが、実際には区民としてははなはだ迷惑千万である。税務署がこの上ふえたら、またとんでもないことになるという危惧の念の方が実は強いのです。私どもはその税務署の内部のことは知りませんが、外部の納税者の側のそういう氣分、動向につきましてはいささか知つているつもりでおります。それによれば、まつたくこの増設に対しては反対の機運が強いのでありまして、その点は十分に政府におかれましても御承知ありたいと思うのであります。一例をあげますと、これは私どもが國民の代表として選ばれました地区でありまして、実は特に詳しくその方面のことを知つているわけでありますが、まず劈頭に上つております荻窪であります。これは杉並の税務署とは独立に新しく荻窪につくろう。こういう場合に新しく廳舍があるというだけのことが理由になつて、せつかく店があるのでからそこへ半分移して能率を上げてやろう。それまでならばけつこうでありますが、やはりそれからそれへとそういう機械的な問題だけでなく、もつと実質的にいろいろな問題を引起して來るということが考えられるのであります。杉並というのは、大体中小地主が区政や町政に強い支配力を持つておりまして、杉並区会のごときも四十五名の議員の中で三分の二以上は、こういう地主的なボス勢力と言われる者によつて占められているのであります。今までこれらのいわゆるボス勢力と、警察と税務署というものが、あるいは同業組合を通じその他の関係を通じて、今までいろいろないきさつを起しているのであります。大体ただいまの実情を申しましても、この同業組合というものも、やはり今までは大体警察の管轄ごとにつくられているのであります。その單位で税務署を場合によつては買收するということも現にあるのです。そうしてまた他面において、それを基礎にして大きな脱税をやるということもある。その負担というものを、あげて零細な業者の方へ重税としてかぶせて來るというふうなことが事実あるのでありまして、最近杉並につきましてはいろいろな不正事件がすでに摘発されつつある。浦和のさわぎどころではないのでありまして、この腐敗振りというのはもう実に目に余るものがあるのであります。こういう方面から問題を見て参りますと、わけるということは一体どういう意味があるか。これははなはだ問題になつて來るのであります。この杉並区内に御承知と思いますけれども、内田一派という大ボスがある。これは民自党系ではありますけれども、あそこの民自党の最も有力な古川という民自党の党員の方とも相当に対立しておりまして、いろいろおもしろい問題があるのであります。この内田一派は絶大な勢力を持つておりまして、荻窪の方面では荻窪の警察協力会であるとか、あるいはまた荻窪警察署管内の商業者連合会であるとか、その他各種の同業組合、信用組合、学校の後援会その他旧町会の勢力を完全に牛耳つておりまして、そういう勢力を利用して、いわゆるボス関係の大脱税に多大の便宜を與えているというようなことが、現に上つて來ているのであります。この内田氏自身も、映画館だとかあるいは荻窪駅前のマーケツトなどを経営しておりまして、莫大な利益をあげながらも、非常に御承知のように軽い税金しか納めておらぬということもわかつているわけであります。私の申したいのは、大体警察署の管轄と税務署の管轄というものとがピタツと一致いたしまして、一警察、一税務署ということになつて來ますと、今まではこれは常識では一應考えられないことでありますけれども、一つの警察が自分の警察の管内でないところにある税務署に対しては、相当の働きをやる。しかしながら同一管内になると、これはもうわからなくなつて参ります。そこにいろいろな結託のようなことが行われて來るという実情があるのでありまして、これはすでに杉並では一般の区民から、この点については非常な危惧を持たれておるのであります。今年の四月何日でありましたか、非常な重い税金を苦にして、関根道子というげた屋の女主人が自殺をした事件は、杉並区民に非常な憤激を與えておりまして、その遺骨と位牌を町民が税務署だとか警察に持ち込んで、杉並税務署の横暴といつたような声がずいぶん起つておつたのであります。そういうことは新聞にも出ておりますから大体御承知かと思いますけれども、大体杉並の税務署の名前も一々言う必要はありませんがたくさんあがつております。大体直税課の係員でありますけれども、この杉並区民の言うところによると、あれは鬼のようなやろうだ、こういうふうに呼ばれているくらい恐怖のまとになつている。こういうことを一体政府当局は御承知であるかどうか。こういう際に今あらためて荻窪にできるということになると、今度はその荻窪の警察と杉並の警察と二つにわかれておりますので、荻窪の警察と荻窪の税務署、杉並の警察と杉並の税務署、こういうふうなタイアツプができないものでもないという危惧を区民は持つているのです。これは私どもはただ区民から聞くだけでありまして、そういうことについて今の政府の御説明だけでは、われわれもとうていこれを納得させるだけの説明にはならない。こういうまじめな業者が非常に危惧を持つということは、やはりこの増設問題というものも、もつと根本的に考え直して出直すべきではないか、ということを裏づける一つの理由になるのではないかと、私は信じております。結局税務署の腐敗と横暴というものが今までずいぶん否定されておりましたけれども、少くとも杉並あるいは浦和について、これは明らかになつておる。また中野についても今まさに問題になつて來ておるわけでありますが、こういうふうなことはおそらく全國の多数の税務署について、同樣に言えることではないかと考えるのです。こういうふうな実情を十分に勘案せられまして、この問題に対処していただきたい。ただ、今までそう考えておつたから、この際に早いところやつてしまおうというような安易なことでは、結局また罪の上塗りというようなことにならないとも限らないのでありまして、この点はひとつ愼重に再檢討していただきたいと考えるのであります。大体荻窪の地区に関する限りは、税務署の新設ということに対しては絶対に反対しておる。反対運動の機運というものも今起つて來ておるというような実情を申し上げて、政府の再考を煩わしたいと考える。部長にお答え願うことは、一体こういう実情を御承知であるかどうか。また説明せよとおつしやれば、幾らでも説明しますけれども、大体こういう実状を御承知かどうか。そういうことについて今強引にこの増設をやつて行くということが、はたして妥当であるかどうか。この点についてあらためて所見を伺いたいと思います。
○正示政府委員 風早委員からるると御説明の点につきましては、むろん先般來新聞等でも御承知の通りであります。私どもも監督の責任者として、常に財務局を通じまして、いろいろと調査をいたしておるものであります。遺憾ながら現在杉並税務署その他におきまして不正のあることは事実であります。こういう不正の問題につきましては、檢察当局の手によりまして、それぞれ摘発粛正が行われておるわけであります。今後われわれとしては部内の粛正につきまして、さらに一層努力いたす方針でございます。ただいまお話のように、税が非常に重いことから、こういう弊害も起つているというふうな点につきましても、むろんわれわれとしましても、十分そういう点を考えまして、先ほども申し上げましたように、税制の合理化、負担の軽減という点につきましては、それぞれ努力をいたしておるのでありますが、なかなか一挙に参らないのはまことに残念であります。納税者の方々に重い負担をしていただけばいただくだけ、税務官吏としては行いを嚴正にいたしまして、また執行の面におきましては、納税者の立場に立つて、懇切に常に相手を納得させることのできるような十分な調査をいたしまして、その上で課税の適正をはかつて行くということでなければならぬということも、お話の通りであろうと思うのであります。数多い中でありましてなかなか理想の通り参りませんが、先ほど申し上げましたように、そういう方面につきましても具体的に改善の案を立てておるわけであります。われわれとしてはあらゆる施策を総合的に進めて参りたいという考えを持つておるわけでありまして、税務署の分離という問題も、これは見解の相違ということに相なるかもしれませんが、やはりあまり廣く管轄いたし、多数の納税者を相手にいたすということになりますると、どうしてもただいま申しましたように、個々に調査するというふうな面におきまして手ぬかりになつて來る。今御指摘のようなことは、納税者の側の事実につきましては私ただいま承知いたしておりませんが、たとえばそういう場合におきましても、昨年以來新設いたしました査察官というものができますことによつて、かりにそういうことがありますれば、査察官の方で調べるというふうな能勢に持つて参りまして、これを矯正して行くことが正しいのであるというふうに考えておるのであります。大体の考え方といたしましては、あまり大きなボリユームの事務をかかえておるということによつて、適正に事務が運営されませんので、これを分離いたしまして、内部的にも先ほど申し上げたような合理化をはかつて参ることによりまして、運営の適正化に資したい。こういう念願で私どもはこの案を出しておるわけであります。決して今お言葉の中にありましたように、警察と結託してどうのこうのというふうなことは、毛頭考えておらぬことはもとよりであります。期するところは、納税者の方々に常に親しみやすく近よりやすいような税務署にしたいということを念願としておるのでありますが、これはむろん今日一方においては税制の問題と関連いたします。しかし私どもはそういう理想を高く掲げまして、そういう方向に向うべく分離案というものも考えておるわけであります。この点はひとつ私どもの意のあるところを了承いただきまして、御了解を願いたいと思います。
○三宅(則)委員 私は税務署設置に関しまして約十点ばかりお伺いいたしたいと思います。一ぺんにいたしますと混乱いたしますから、二、三点ずつわけて御質問いたします。はなはだ簡略のようでありまするが、この町村をわける場合において、たとえば杉並区のようなところは、区全体をわけたらよいと思いますか。それとも一部分わけてさしつかえないものであるか。たとえば大宮市のごときも、北足立郡の北都部の方だけは大宮にやるとか、南部の方は浦和にやるとかいうことがあります。これは地方民にとりましてはなはだ迷惑ではないかと思いますが、どんな考えでありましようか。その点をひとつお伺いいたしたいと存じます。
○正示政府委員 お答えいたします。行政区画とその他の官廳の管轄区域を一致さした方がよいか、あるいはこういうわけ方の方がよいかという御質問のように拜聽いたしたのでありますが、私どもは主として交通の利便というふうな点も考えまして、必ずしも行政区画に拘泥しないという建前をとつておるわけであります。
○三宅(則)委員 第二の問題でありますが、税務署の職員につきましては、前の委員からも御質問があつたと思いまするが、割合に民衆的でないということを言われておると私は思つております。特に私の選挙区は愛知縣でありまするが、愛知縣などまわつてみましても、一番いばつているのが税務署官吏である、また贅沢をしているのも税務官吏であるということを言われておるのでありまするが、はたして当局もそれを是認していらしやるか、いらつしやらないでありましようか。もしくは民衆の声が間違つているのであろうかどうであろうか。私はこれに対して一試案があります。ほかの官吏よりむしろ税務官吏の方が仕事も多く、また直接民衆に接するのでありますから、たとえて申しまするならば、多少月給などは多くてもよろしいのではないかと思つております。これに対するお考えがあるかどうかということと、もう一つこれに関連いたしておりまするが、税務官吏というものは直接民衆に接する機関でありますから、もう少し高級的な、もう少し常識のある、もう少し社会通念に練達な士を窓口にすえてもらいたい。もしくは町村をまわつて、これらの人が民衆を指導し、親切に視察を行つて税務行政をやつてもらいたい、かように思つておりまするが、今政府御当局にはどういうお考えがありまするか。普通のやさしい官吏と同樣にお扱いになるということは、はなはだ私は不見識であると思つておりますが、いかがでありましようか。
○正示政府委員 私どもも実は税務官吏の中の一人でありまして、ただいまのような事例があるということにつきましては、先ほど來重々恐縮いたしておるのであります。何しろ今七万余りの職員がおりまして、現に新聞等にも報道されておるようなところもありまするので、全然ないということはむろん申し上げられないことでありますが、しかしこれは三宅委員も御承知かと存じますが、昔は税務署の役人というのは、他の役所の模範であると言われたこともございます。一時に税がふえまして、新しい税が創設されまして、そこへもつて來まして大都市などは住宅難というようなことで、急速に若い方が税務署に相当入つておるのであります。今平均年齡が二十五歳というふうな状況でございます。そこへもつて來て相当の権力を持つておるというようなことから、そういう誘惑の機会が多いという点で、まことにこういう事態を起しましたことは遺憾であります。この点につきましてただいま非常に御同情のある、待遇問題等についてもう少し考えたらどうかという御所見に対しましては、実は今もつて一部一般の役人よりは、ほんの少しでございますが優遇されておるのでございます。しかしこれは私どもとしましては、從來の職階制というようなものもまだいわばなかなか幼稚でございまして、先ほど申し上げましたように職務の区分をもう少し細分いたしまして、こういう仕事ならばこの程度の職階が與えらるべきであるというふうに、もう少し細密な組織をつくることによりまして、ただいま御指摘のように重要な職務を行う者については、それにふさわしい職階を與えるというようなことをやつて参らぬことには、なかなか問題は解決しないというように考えております。從いまして優遇というような問題につきましては、いろいろ今申し上げたような方法によりまして、將來できるだけそれにふさわしい待遇を與えて行くように、やつて参りたいと考えておるのであります。
○三宅(則)委員 第四番目でありまするが、私の信じますところによりますと、過去における税務官吏の方々は、多少横暴とは申しながら、今よりもずつと品位もあり、また熱心に仕事を勤められておつたと確信いたします。しかるに今の税務官吏の中には、往々にいたしまして今仰せになりました通り、行き過ぎあるいは権力の濫用等がかなりありまして、はなはだしきに至りましては聞込みもしくは外見等によつて決定するというような、はなはだ根拠の少いことによつて決定せられる場合が多いと思います。これを是正いたしまするために私はかように考えておりますが、いかがでありましようか。少くとも今までは税務署長の威嚴というものが下級官吏にまで徹底しておつた。しかるに近ごろでは労組というものができたそうでありまして、税務署長も労組によつてきめるというようなことであります。はなはだ威嚴が徹底していない。税務署長は民衆に対して親切に熱心に調査せよということを仰せになりますが、たまたま係官においてそれと反対の行動に出るという場合がありはしないかと考えておりますが、この点についていかなる責任を持つておられるかということが一つ。 さらにまた今までも税制改革はありましたが、今度シヤウプ博士がおいでになりましたので大変化があると思いますが、私が常に考えております事柄は、官吏が一方的に民主納税に関する決定をするということは、はなはだ行き過ぎである。いやしくも民主納税になつた以上は、民衆の声を反映せしめて、官吏と共同の責任において決定するのが、これが合理的な納税と考えております。しかるに各町村に十数名の税務調査員なり財務調査員があればけつこうでありまするが、少くとも國民の代表者を入れて、それらの意見をある程度まで愼重にしんしやくいたして決定するのが妥当であると思うが、この二点についてお答えを承りたい。
○正示政府委員 最初の問題は、署長の命令に從わないような署員があるというふうな御趣旨でありますが、この点につきましては職務命令には從うということで、われわれは現に指導いたしております。從いまして署長の命に從わずして不当な行為をした者につきましては、適当な処分をする方針であります。 それから第二の問題でございますが、これは非常に重要な問題でございまして、別の機会に、またあるいは本委員会等におきましても、大臣からも申し上げたと思うのでありますが、この申告納税制度は從來の日本の所得税のやり方等から考えまして、非常に急速にかわりましたので、この過渡的にいわば民主的に選ばれた委員会の少くともアドヴアイスを聞きまして、それによつて決定するというようなことが、非常にスムースに仕事をする方法ではないかという考えをもちまして、しばしばそういう提案もいたしておるのでありますが、遺憾ながら今日まで実現はいたしておりません。ただ大臣のお考えとして私ども承つておりますところによりますると、このたびのシヤウプ・ミツシヨンの御來朝を機会に、さらにこういう面につきましても大臣としては御努力なさる。またわれわれもその意を体して努力いたす。こういう予定になつておりますので、御了承いただきたい。
○三宅(則)委員 私は各地に税務署を民衆の接触しやすいとこころ、もしくは交通の利便のところに置くということは根本趣旨において賛成でありますが、実際におきましてはある一定のボスによつてやられるということが懸念せられるということを聞いております。私もそれには反対です。しかしながら業界の情勢を聞きまするのには、ボスでなくして実際組合長とかあるいは労組の方の意見もけつこうでしよう。こういうような諮問機関が制度として設けられないといたしまするならば、事実この二十四年度の決定にさつそくそれを利用いたされて、参考に供せられたいということを希望いたしておりまするが、現段階においてはそれは不可能であるかどうかということを、お伺いいたしたいと思います。 もう一つつけ加えておきまするが、われわれといたしましては決してこれに反対するものではない。現に私は與党であるけれども、與党でありましても國民の声というものは十分に尊重いたさなければならぬと思いますが、大臣の意思と次官あるいは各税務署の意見とが相一致しないような点があつたならば、嚴重にやつてもらいたいということをひとつこの場合御誓言願いたいと思います。
○正示政府委員 最初のボスと結託してというようなことは毛頭考えておりませんし、また現在税法上團体諮問という制度がございまして、この團体諮問という制度によりまして業者團体に諮問するということになつておりまするが、これまた諮問でございまして、その團体の意見によつて拘束されないという建前になつておりますことを、御承知いただきたいと思います。最後の点は非常に政治的な問題でございますが、私どもは役人として、大臣の意思に即應した仕事をするという固い決意を持つておりますことを申し上げます。
○前尾委員 ただ一点だけお聞きいたしたいと思います。先ほど風早委員から他の角度からお話があつたのでありますが、民主自由党として、現在行政整理の段階であり、各種の出先機関の整理をやつておる折柄、この六つの税務署を増設されるのでありますが、はたして六つ程度のものであるなら、どういう意味をもつて現在の政府の大方針に反してまで、増設する必要があるかということが第一点。それから六つの税務署については、ずいぶん嚴選されたようなお話でありますが、拜見いたしますと香住のような小さな税務署もあり、大宮のごときは私はぜひ増設させることを希望するものではありまするが、あまりにも基準が無方針である。どういうような方針のもとにこの六つの税務署をお選びになつたか。それについての御意見を伺いたいと思います。
○正示政府委員 御質問にお答えいたします。この六つの税務署を選びましたのは、非常に私どもとしても苦心いたしたのであります。まず第一に先ほど御説明にも申し上げました通りに納税者数、職員の状況、管轄区域、こういうような点から選びました。その次は予算の制約上、既存建物で買收できるようなものをお持ちの所ということが、第二の基準になつておるのであります。從いまして大方針に反してまでと言われたのでありますが、この点は私どもは定員の増加というようなことをいたさず、出先機関の整理といたしましても、仕事がやめになつて整理されるならけつこうなのでありますが、御承知のように税務署の方の仕事はそのままでありまして、いわば納税者の利便という点からやはりこれだけつくるということがいいという考え方でございます。香住につきましては多少小さな点もございますが、納税者数等から見ますと、一應つくるのが至当じやないかという考え方でございますので、この点につきまして実はもう少したくさんございますとはつきりした点もあるのでありますが、六つだけでありますので、多少御指摘のような点があることはあしからず御了承願いたいと思います。
○川野委員長 ほかに質疑はございませんか——質疑がないようですから、本法案に対する質疑はこれにて打切ることにいたします。
○島村委員 税務署設置の問題に対しましては、討論を省略してただちに採決に入られんことを希望いたします。
○川野委員長 島村君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 それでは討論の申込みもございますので、本問題に対しましてはこれより討論に移ることにいたします。河田賢治君。
○河田委員 共産党は本問題に対しまして反対の意見を申し述べます。もちろん納税者の側からいえば、個人申告としてはたくさん税務署のあつた方が、交通その他から便利ではありますが、しかし現在のような課税方法、また徴税のやり方、所得税の問題、こういうような問題から見ますならば、今日こういう税務署をふやすということは、結局國民大衆に対しましても、警察官よりも税務署が恐ろしいと言われておるほど、今日税務署のやり方はむごいものがあるのであります。從つてこういう点からしましても、私たちはまず第一に從業員、職員の生活の安定をさせ、汚職だとかいうような問題がなくても十分生活ができるようにすることが先決問題だということ、第二には現在所得税の問題が改革の俎上に上つておりますが、これなども急速に政府はやるべきであつて、こういう問題をまず出してから後に、税務署の機構あるいは組織の問題に入るべきだということ、第三には徴税の方法、これらもたくさん質問いたしましたごとく、盛んに大口の脱税があり、あるいは大口の納税者に対してのいろいろな課税上の問題では非常にルーズなところがある。しかも一方非常に生活に困つた人に対しては、むちやくちやな課税が行われておる。こういう点がやはり改められて、初めて税務署の増設というような問題に入るべきだと思うのであります。從つて私たちは今日こういう税務署がただ増設されて、それによつてこの日本の税務のいろいろな問題が改革されて行くというふうには考えないわけであります。こういう点から私たち共産党は、今日この税務署の増設に対しましては反対する次第であります。
○川野委員長 討論は終局いたしました。これより本案を議題として採決いたします。本案を政府案のごとく承認を與うべきものと議決するに賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○川野委員長 起立多数。よつて本案は政府原案のごとく承認を與うべきものと議決するに決しました。 なお報告書の作成その他につきましては委員長に御一任を願います。 暫時休憩いたします。 午後四時四十五分休憩 ————◇————— 午後五時十分開議
○川野委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 協同組合による金融事業に関する法律案を議題として討論採決をいたしたいと存じます。本案に関しては修正案が提出されておりますので、まず修正案の趣旨説明を求めます。提出者小山長規君。
○小山委員 協同組合による金融事業に関する法律案に対する民主自由党、民主党、社会党の共同提案になる修正案並びにその理由を申し上げます。 まず修正の部分を読み上げます。協同組合による金融事業に関する法律案の一部を次のように修正する。第二條第三項を削る。これが一つ。第二に、第二條及び附則中「第七十九條」とあるのを「第七十七條」に改める。この二つであります。 第一の理由といたしましては、大藏大臣の監督を有効ならしめ、協同組合による金融事業の健全な運営を確保するためには、第二條第三項を削除いたしまして、いわゆる免許の規則條項を排除するのが必要であります。これがこの修正案を提出する理由であります。 第二の修正理由は、中小企業等協同組合法案におきまして、保險協同組合に関する條項が商工委員会において削除せられましたに伴いまして、條文の配列が変更されたからであります。 以上をもつて終ります。
○川野委員長 修正案の趣旨説明は終りました。これより修正案及び本案を一括議題として討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。河田賢治君。
○河田委員 ごく簡單に反対の理由を申し上げます。いろいろ法制が整備されるということはけつこうなのでありますが、今日中小企業は、御存じのように集中生産のために続々と破滅しつつあります。またこれに伴いまして金融におきましても、同樣大銀行あるいはその他の特殊な銀行にすべての資金を集中する。こういう関係から、今日信用組合その他におきましても非常に経営が困難になつて來ております。政府としましては、いろいろ中小企業の振興策とか、あるいは中小の金融機関を充実するとかいうことを絶えず申しておりますが、実際にやることはそうではなくて、やはり今日の大独占資本の利益のための政策にほかならぬのであります。從つて今日このような法案が提出されましても、現実にはやはり中小の金融機関の経営が、ますます今後困難になることは明らかなことであります。私たちは日本の民族産業を守り、また日本のこれら中小工業を守つて行く。またそれに應ずるところの金融機関を守つて行く。こういう立場で現在市街地信用組合におきましても、これは現行の法律案のままでも大体やつて行けると思うのであります。新しく法律をつくつて、そしてまたいろいろこめんどうな手数をかけなくても、これは十分できるのでありまして、こういう立場から私たちは本案に反対する次第であります。
○川野委員長 田中織之進君。
○田中(織)委員 私は日本社会党を代表しまして、本案に対して賛成の意見を述べるものであります。しかしながらこの法律を見ますると、協同組合による金融事業に関する法律案ということになつておりまするけれども、これはむしろ信用組合法の規定でありまして、その他の協同組合による金融事業は、それぞれ別の法律によつて規定せられておるのであります。法律のタイトルのような大上段から振り構えたような内容が盛られておらないのであります。さらにこれは商工委員会において審議せられました中小企業等協同組合法において、すでに市街地信用組合法そのものは、修正によりまして廃止になりますけれども、中小企業等協同組合法の中におきまして、市街地信用組合が生きることに相なつておるのであります。その中小企業信用組合関係の預金者、並びにその他の債権者及び出資者の利益を保護するために、この法律が制定された、こういうような事情にありますために、われわれは中小企業等協同組合法に賛成したと同じ立場で、そういう点においてきわめて割り切れないものを持つておるのでありますが、一應賛成するものであります。しかし一言希望を述べておきたいのは、中小企業に対する金融その他庶民金融に関しましては、当然政府におきまして金融業法等の制定にあたりまして、十分庶民金融に重点を置きまして、庶民銀行等の独自の組織を考えなければならない。それは先般國民金融公庫法が制定せられるときにも、われわれが指摘いたしましたように、こうした形だけは整えましても、その内容に盛るところの金融的な政策において欠ける点が多々あるのでありまして、こうした形骸がつくられるならば、その形に沿つて十分必要なる資金が流れるように、大きな金融政策の操作について、今後政府当局において一段と努力せられることを強く希望いたしまして、修正案並びに修正案を除きました部分につきまして、賛成の意を表するものであります。
○川野委員長 荒木萬壽夫君。
○荒木委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりまする協同組合による金融事業に関する法律案に関し、小山委員より述べられました修正案並びに修正部分を除く原案に賛意を表するものであります。
○川野委員長 小山長規君。
○小山委員 私は民主自由党を代表しまして、修正案に賛成いたしまするとともに、修正部分を除く原案に対しましては、次に述べるような條件を付して賛成するものであります。その條件と申しまするのは、わが党がさきに中小企業等協同組合法案を審議中の商工委員会に対しまして、次の趣旨の修正を申し入れたのでありますが、この修正案が可決されることを條件として賛成するものであります。わが党で申し入れました修正案を流れる趣旨は、現在の市街地信用組合を大いなる変動なしに、中小企業等協同組合法案の中に吸收するというところにその眼目があります。そうしてその明細をただいま申し上げますが、わが党が申し入れました修正の條項は、第一には、中小企業等協同組合法において第五條関係でありますが、「信用協同組合」という名称を「信用組合」と改めること、第二には、第六條関係でありますが、從來の原案には、信用組合の組合員たる資格を有するものの中に、事業協同組合を含めていなかつたのでありますが、事業協同組合も信用組合の組合員たる資格を有するものと改めてもらいたいということであります。第三には、第十條関係でありますが、原案によりますると、組合員の出資の最高限度を、四分の一まで持つことができるように規定してあつたのでありまするが、これは信用組合の場合には大口出資者が故意に脱退することによつて、信用組合の基礎を危うくさせるおそれがありますので、これを改めまして、一つの組合の出資口数は出資総口数の一〇%を越えてはならないというふうに、修正してもらいたいということであります。第四には、十一條関係でありますが、原案によりますと、組合員の代理人による議決権、あるいは選挙権は、一人一代理をもつて原則としておるのでありますが、信用組合のような大規模の組合におきましては、この議決権または選挙権を行う場合には、一人の者が十人まで組合員を代理できるように改めてもらいたいという趣旨であります。第五には、原案によりますると、信用組合を設立いたしますのに四人の組合員をもつて組合ができることになつておるのでありますが、これは弱小の組合を濫立させ、金融界を撹乱するおそれがありますので、信用組合を設立する場合には三百人以上の組合員がなければならないというふうに改めんとするものであります。第六には、五十五條関係でありますが、大規模の組合におきまして総代会を設ける規定がありまするが、総代会におきまする総代の定数は、組合員の総数が二千人を越える信用組合にあつては二百人を下つてはならない、こういうようになつているのでありまするが、これをそれぞれ千人以上の組合員を有するもの百人の総代というふうに、改めてもらいたいという趣旨であります。第七には、同じ第五十五條関係でありますが、この千人以上の組合では総代会において役員の選挙、定款の変更、除名並びに総代の補欠選挙ができるように改正してもらいたいという趣旨であります。第八には、原案によりますと、信用組合におきましても他の協同組合におきますると同樣に、剩余金の配当は年六分以上をなしてはならないということになつておるのでありますけれども、信用組合におきましては資本の充実が大事でありますので、その資本を集めるために、剩余金の配当は主務大臣の承認がある場合には、六分以上もなし得るような規定を挿入してもらいたいという趣旨でおります。第九には、原案によりますと、信用事業を行う協同組合連合会の預金の受入れまたは貸付は、連合会を直接にまたは間接に構成する者になし得るということになつておるのでありますけれども、これは單位組合の存立を危うくするおそれがありまするので、これを連合会を直接に構成する者だけに限つて、預金の受入れあるいは貸付をなし得るという規定に改めてもらいたいという趣旨であります。第十には、原案によりますれば、組合の業務もしくは会計が法令、定款、規約に違反し、または組合の運営が著しく不当である場合には、組合員は無制限に檢査の申出ができるようになつており、その場合行政廳は檢査をしなければならないということになつておるのでありますが、これを信用組合に許しますると、一部不平者がこの檢査権を濫用するおそれがありまして、そのためにせつかく健全に発達しつつありますところの信用組合の信用が傷つけられ、あるいは取付騒ぎを起すというようなことがあつてはならないというので、この規定を信用組合及び信用組合連合会に関しましては適用しないというふうに、改めてもらいたいという趣旨であります。第十一には、三十六條関係でありますが、役員の任期が原案によりますれば二年になつておりますのを、三年に改めてもらいたいという趣旨であります。 修正を申し込みました理由は、ただいま申し上げたところで盡きておるのでありますが、協同組合による金融事業に関する法律案は、これの組織法となつておりますところの中小企業等協同組合法によつて設立されまするところの、信用組合に対しての監督規定でありますが、さきに申し上げました修正案が可決されましたあかつきにおいては、この監督法によりまして不健全金融機関の濫立も防ぐことができるし、預金者の利益を擁護することもできまするし、金融の円滑をはかることもできると思いまするので、以上の條件を付して民主自由党を代表し、賛成の意を表するものであります。
○川野委員長 討論は終局いたしました。これより採決に入ります。 まず小山長規君提出の修正案の採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○川野委員長 起立多数。よつて本修正案は可決せられました。 次に右修正案の修正部分を除いた原案について採決いたします。賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○川野委員長 起立多数。よつて本案は修正議決せられました。 なお報告書の作成その他のことにつきましては委員長に御一任願います。 —————————————
○川野委員長 次にお諮りいたしたいことがございます。それは閉会中の審査に関する件でありますが、本委員会としては去る三月二十四日、議長の承認を得て税制及び金融制度に関する諸調査をすることとなつておりましたが、議案審査に追われて、調査を継続し得なかつた次第であります。つきましては今度の閉会中に諸調査を進めたしと存じますが、それは議院の議決によつて特に付託された事件について、閉会中もなお審査ができるという國会法第四十七條の規定に基き、あらかじめ審査事件及び審査目的を記載した閉会中の審査申出書を議長のもとに提出せねばなりませんが、閉会中の審査事件として、一、復興金融金庫に関する事項、一、税制に関する事項を議長に申し出るに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議ないようですからさようとりはからうことにいたします。なお閉会中の審査申出書の提出その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。 —————————————
○川野委員長 なお、本会期中に設置いたしました復興金融金庫調査に関する小委員会、及び税制に関する小委員会につきましては、閉会中の審査事件に基き、閉会中も存続して設置いたし調査を進めたいと存じます。しかしこれは閉会中審査事件が付託されました場合に設置さるべきものでありまして、この際便宜上あらかじめ閉会中審査のための右小委員会を設置いたしておきたいと存じますが、この点御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議ないようですからさよう決定いたします。なお小委員及び小委員長の選任につきましては委員長及び理事に御一任願います。 —————————————
○川野委員長 次に閉会中の審査事件が議院で議決され、正式に委員会に付託されました場合には、それに基きまして実施調査のための委員派遣をいたしたいと存じますが、閉会中の委員派遣には御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議ないようですから閉会中の審査事件が付託された後におきまして、本件に基き委員の派遣をすることに決定いたします。なお委員派遣には、派遣の目的、派遣委員の氏名、派遣の期間、地名等を記載した委員派遣承認申請書を議長のもとに提出して、その承認を要しますので、委員派遣承認申請手続等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十一分散会