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5回国会衆議院1949/05/16

大蔵委員会 第33号

発言数
87
登壇者
12
会派数
5
開催日
1949/05/16

会議録

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 これより会議を開きます。  議案の審査に入ります前にお諮りいたしたいことがございます。去る十三日の議院運営委員会におきまして、各委員会の理事の人数をそれぞれ二人増加し、これを民自党及び新政治協議会におのおの一名ずつ割当てることに決定いたしたのであります。これより理事二名の追加選任をいたしたいと思いますが、これは前例により委員長において指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 御異議ないようですから、委員長において指名いたします。石原登と、内藤友明君の二名を理事に指名いたします。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 次に貸金業等の取締に関する法律案に対する質疑を続行いたします。小峯柳多君。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 中小企業の問題は非常に古い問題でありますが、なかなか具体的な解決には入つて來ておりません。中小企業の問題の中心的な課題が中小企業の金融問題にあることも、すでにもう説の定まつておるところでありますが、この問題も言われること古くして、解決はいつでも遷延されて來ておるように思います。  本國会の今までの経過に徴しましても、中小企業金融に関する問題が、どうも積極的に取扱われていないような感じがいたします。ここに上程になつておる貸金業の取締に関する問題は、そういう意味で積極的ではありませんが、中小企業の問題に触れておる問題といたしまして、私どもは非常に深い関心を持つておるわけであります。そういう角度から中小企業金融の問題について、一通り政府当局から意見を承りたいのでありますが、最初に今年度における中小企業金融の具体的な実施方策に関しまして、何か御用意があるか。從來復興金融金庫の代理貸し等の制度もありましたが、御承知の通り復興金融金庫は実質的に解消いたしております。そういう意味で、本年度における中小企業金融の方策として、具体的にどうしてこれを進めて行くおつもりであるか。事務当局の見解を伺いたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 お答えいたします。ただいまの問題につきましては、事務当局といたしましても、いろいろの制約のもとにではありますけれども、鋭意檢討を続けておるわけでございます。そのうちのおもな点を申し上げますと、まず第一は、融資準則というものを現在の事態に應じたように改正をいたしたいと考えております。ただいま関係方面にもわれわれのいろいろな案を提示いたしまして、研究を続けて参つておるわけでございます。長期産業資金の問題もございますが、とりあえず直接中小企業に対してどれだけの効果があるかという点については、具体的に明らかにすることが困難でございますけれども、たとえば中小企業として行うところの輸出産業について、貿易手形をできるだけ優遇するというようなこともその一つでございます。それから各種の配給手形、公團認証手形あるいは農業関係におきます農業手形というようなものを、できるだけ優先して扱いたいということで、私どもの案といたしましては、各金融機関、特に銀行が主たる対象になるわけでございますが、総貸出残高の二〇%あるいは二五%というような程度の資金量は、そういう手形のための資金ということで留保するというようなことが、財政から金融への要請が少くなりました時期においては、当然そのくらいのことは、金融統制の一方法として考えてしかるべきではなかろうかというように、現在考えておるわけでございます。もし総貸出残高について、ある程度の比率を國がここで決定することが困難であります場合には、その比率に及びますまで、毎月の資金の運用について若干ずつそういう方面への資金をふやして参りまして、短かい期間内におきまして、たとえば今申しました二五%というようなところが、ぜひその方面に留保されるように、というようなことを現在考えております。政府部内ではすでに成案を得ておるわけでございます。  それから次にはとりあえずの考え方といたしましては、御承知のように中小企業の金融のために特殊の機関を設置するということを、從來考えて参つたのでありますが、総合財政の均衡という観点と財政の現況からそれが許されない状態でございますから、既存の金融機関をできるだけ活用するということで、中小金融に特に関係の深かつた興業銀行、勧業銀行、商工中央金庫、この三者に対しましては、とりあえず日本銀行から貸付金をできるだけ状況に應じてふやして参るということも、これは現に実行中でございます。それから次いで先般御審議をいただきました興業債券の発行限度が拡張になることになりましたら、興業銀行の中小事業部の機能をできるだけ活用して参りたいと考えております。それから先般御説明したかと思いますが、現在農林中央金庫におきましては、債券の発行限度を拡張しなくても約二百億近くの発行余力がございます。それから商工中央金庫につきましても、大体まだ発行余力は相当ございます。これをとりあえず発行できるようにさせて参りまして、これを相当部分は預金部資金で引受けるということによつて、その方面の資金繰りを樂にするということを、これまたできるだけすみやかな機会に考えたいと思つておるわけでございます。  それからその次には、多少問題はあろうかとは思いますけれども、政府の保障ということが困難な状況でありますが、できるならば日本銀行に信用保障基金というようなものを設定いたしまして、たとえば二十億の保障基金ができますれば、大体それの五倍程度の融資あつせんを通じて、各市中銀行等から期待することができるのではなかろうかということも、一案として考えておるわけであります。なおそのほかに御承知のように既存の無盡会社がございますし、市街地信用組合等もございますので、その方面の資金の円滑な運営ということについては、なお一層援助して参りたいと考えておるわけであります。  なお一口に中小企業振興のための金融と申しますと、非常に範囲が廣く具体的にきわめてつかまえにくい問題でございますけれども、私どもが調査いたしました大分古い調査ではございまするが、昨年の六月末現在で各銀行、信託会社等の大体大規模な金融機関でございますが、そこから残高二、三百万までの程度の——大局から言つて、いわゆる中小金融ということが言えると思うのでございますが、それに貸しております貸出しの残高は、六百二十一億程度に達しておるかのように推定されるわけであります。御参考までに申し上げておきます。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 ただいま廣汎にわたる構想を伺いまして、その通り推進できるならば相当効果があるだろうと思いますが、ただこれはいやみでなく申し上げたいのでありますが、ただいまの御説明からも、私どもがほんとうに使わなければならぬ中小企業金融の問題としての御答弁のように思えないわけであります。なぜかと言いますと、今の最後の御説明にもありましたように、二百万円、三百万円というような百万円單位の数字になりますと、実はほんとうの意味から言つての中小企業金融にはなり得まいと思うのであります。またこの機関にいたしましても、勧銀、興銀、商工中央金庫等のいわゆる金融機関を通じます金融というものは、中小企業金融には違いありませんが、もう一つ、今実際必要になつております金融の面からは、少し離れているような感じがするのであります。私どもの観点から言いますと、これは正しい意味の金融と言えないかもしれませんが、中小企業金融は、もし金融という面を経済施設的な面で取上げれば、当然今伺つたような範囲にとどまると思うのでありますが、もし社会政策として、あるいは社会施設として金融の問題を取上げなければならぬとすれば、そこに中小企業金融の本質的な問題があるように、実は感ずるのであります。言葉をかえて言いますと、金融以前の金融というふうな面が必要だと思うのであります。歴代の内閣も、また毎回の國会でも中小企業金融の問題が一應は出るのでありますが、その本質に触れた問題がどうも出て來ていないように思います。ことに日本の経済における中小企業の占める割合の面、あるいは日本の資本主義の歴史的な面などから考えますと、どうも社会政策や社会施設で考えなければならぬような面に、むしろ中小企業金融の本質があると思うのでありますが、その本質に対する見方——銀行局長としましては、どうも金融の中の中小企業金融とお考えになるだろうと思いますが、私どもは金融以前の金融というものがなくてはならぬと思います。少しややつこしい御質問でありますが、その御見解を伺いたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 ただいまの御説はまことにごもつともだと思うのでありまして、私どもも今銀行局の立場において與えられた條件のもとにおいて、経過をお話いたしたわけであります。それで社会政策としての金融以前の金融という点につきましては、実は私どもも勉強が足りませんので、的確に意見を申し上げかねる点も多いのでありますが、意見にわたるのでございますけれども、関係方面等の意向をそんたくいたしますと、いわゆる金融以前の金融というようなものについての施設を考えるならば、むしろこれは財政的な手段で考えるべきではなかろうかというのが、一口に申しての意見ではなかろうかと思います。その点につきましては、金融あるいは銀行行政ということからもつと離れて、少くとも財政をも総合して考えなければならぬのではなかろうかと思います。もしできますならば、相当額の政府出資を仰いで、中小金融のために、特に從來の観念からする金融よりももつと滲透した意味の施設が、最近の情勢においては私もぜひ必要じやないかと思います。その点については財政の観点から、はたしてその資金をどうやつて供給し得るかということに問題があるように思うのでありまして、金融機構として今の九原則の考え方から参りますと、日本銀行からの資金の供給、また既存の金融を通しての金融ということになりますと、非常にむずかしいのではなかろうかと感ずるのであります。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 銀行局長としてのお立場としては、今の御答弁がせいぜいだろうと思います。しかし銀行局のお立場で、少し頭の持つて行き方をかえて、廣い意味で金融の問題を取上げると、こういう問題がもう少し滲透しやしないかと実は考えるのであります。先ほどの御説明にも無盡会社の問題に触れ、信用組合の問題に触りております点は、その点今までよりはよほど進歩しているだろうと思います。私の申し上げたいのは、堂々たる店舗を持つた銀行、信託あるいは特別銀行などに行つて金を借りるという場合には、すでに中小企業金融以上のものだと考えているわけでありまして、そういう意味で、これら無盡会社の問題、またここに上程になつている貸金業の中で取上げるべきいろいろの日がけ貯金制の金融の問題について、御意見を伺いたいと思います。  最初に無盡会社でありますが、無盡会社の法律は非常に古いように承知しております。累次の改正はありましたが、現在の環境から見ますると、どうも法律の方のたけが少し短くなつているような感じがするのであります。たとえば最近は十万円以上などと言つており、あるいは営業地域につきましても、隣接の府縣に限つているように承知いたしておりますが、その無盡が少しせいが大きくなつて來ておりまして、古い法律では背たけが足りない無盡業に対して、積極的に改正するような御見解あるいは御意向がありましたら、伺つておきたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 おつしやる通りに、無盡業法は大正四年の制定でございまして、非常に古いので、私どもといたしましては、金融業法全般の改正をかねてから企図しているものでありますが、その一環としてぜひこの問題も取上げなければならぬと考えているわけであります。  それからなお今回の貸金業の法律でも取上げてありますが、日がけ貯金をみなす無盡にするというようなこと、あるいは從來の頼母子講等についても相当廣範囲に現に上りつつあるので、これについても、当局としても育成して参りたいというようなことは、当面とりあえずそういう全体の業法を改正せずに取上げた方がいいと思つて、取上げたようなわけであります。同時にいわゆる無盡会社の特殊性というものと、現在の先ほど來お話のような客観的な情勢との間に、どこに調節を見出すかということは、私どもとしてはやはり相当重大な問題でございまして、從來の無盡業法の感覚としてでございますならば、これをあまり大きな組織にしない方がかえつていいのではなかろうか。たとえば無盡会社の中には、現在地方銀行等の壘をはるかにましているような大企業になつているものもございますが、他面においては純粹の無盡会社にとどまつている例もあるわけでありまして、それらの扱い方が、一口に全部を從來の観念の無盡として扱うのは、非常に問題が廣汎になつて参りまして、この点についてはなお現在の情勢に即しつつ、しかも無盡業をどういうふうに育成したらいいかということの調節を見出しつつ、できるだけすみやかな機会に成案を得たいと考えているわけでございます。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 無盡に対する行政の問題の中で、少し最近状態がかわつて來て困つている点が一つあると思うのであります。たとえば從來無盡会社の中央金庫的な役割をしておつた庶民金庫がなくなつております。しかし今日の状態まで発展して來た無盡会社を総合的に運営するためには、やはり中央金庫的なものが必要だと思います。そういう中央金庫的なものに対するお考えでもありましたら、伺つてみたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 無盡の中央機関の問題は、庶民金庫が國民金融公庫にかわつてしまいます関係上、いわゆる中央関係が現在なくなつたわけでございます。それに対する対策といたしましては、先ほどもちよつと申しましたが、本來の無盡業法で予想しておりましたような無盡については、私は必ずしもいわゆる中央機関がそう重大な意味を持たないかとも思うのでありますが、同時にこれまた先ほど申しましたように、非常に大規模に、一般銀行とさしてかわらない程度の業務の拡張が行われ、預貯金の額なども非常に多くなつているものも非常にたくさんございますので、それらに対しましては日本銀行を直接中央機関として扱うことに考えております。すでに中央銀行とそういう契約のできようとしております会社が、少くとも三社はございます。逐次その業態の内容に應じてこれを拡張して参りたいと考えております。それから從來の無盡業法における無盡の程度のものの中央機関といたしましては、大体各地方ごとに普通銀行と契約を結びまして、普通銀行が日本銀行との間にクッションに入つて、無盡会社の基礎を堅実にしたいというふうに考えております。とりあえずのところはそれによつて懸念なくやつて行けるのではなかろうかと考えております。從つて無盡会社だけの中央金庫というようなものを別個につくることは、ただいまのところは考えておらないわけでございます。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 ただいまの御答弁了承いたしましたが、中小企業金融の資金を活用します場合に、先ほどの最初の御答弁にも、興業銀行の問題、勧業銀行の問題が出ましたが、そういう場合に金融のチヤネルとして無盡会社を使うというようなことは考えられないか。現在はなくなつておりますが、復金の代理貸しみたいなものを、その使用するチヤネルとしてこういうものに求めれば、もつと効果があつたと思うのであります。興銀とか勧業とか、これはなるほどそういう面で多少ほかの銀行に比べれば経驗もあるし、見識も確立していると思いますが、何にしてもあれだけの店舗の大構えの近代感覚の金融業務の中に、中小企業が入つて行くことは実は負担なのであります。そういう意味で一番末端にまで毛細管的に廣がつている無盡会社を利用することになつたら、違つたと思うのであります。たとえば住宅金融の問題でも、こういうふうな機関を利用して流すようになると、もつと効果が上るのではないかと考えますが、その辺の見解を伺いたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 無盡会社を、復金に類するようなものが今後できまする場合、あるいはそういうような制度ができました場合に代理貸しの機関に使うことでございますが、実は復金が存続しておりました二、三年の間でも、この代理貸しについてどこを選ぶかということについては、実にめんどうな問題がございまして、御承知のようにその際においても、やはり主力は勧銀とか興銀に置かざるを得なかつたわけでございます。從つて無盡会社の場合におきましても、上から別に流す資金と自己資金とを区別して、誤りなく代理貸しができるようなところを選ぶといたしますと、えてして無盡会社の中でも大きなものに——かりに拡げるとしても限定せざるを得ないというような点も、考えなければならぬと思うのであります。ただ、ただいまお話の住宅金融の問題などは、私といたしましては、もし住宅金融について特殊の制度ができました場合に、その政府資金あるいはそれに準ずるようなものを、無盡会社を通じて代理貸しをするということは、きわめて適切な措置だと考えるわけでございます。昨年八月の金融業法の示唆の中にも、住宅の問題は特に取上げられているのでありまして、御承知のように住宅金融金庫の設置の問題は、この國会にも実は出したかつた問題でございます。もしそういう場合におきましては、住宅金融は場合によつては無盡会社を末梢の機関として利用することを、やはり考えたかつたわけでございます。現に住宅無盡会社というものも、すでにたしか四社あるわけでございます。かりにそれから政府資金が流されることを想像いたしますと、それと住宅無盡あるいは他の無盡会社の自己資金と適当にあんばいして操作ができる。これは無盡の性質にかんがみましても、住宅金融というようなものは非常に適した性格を有していると思います。問題は、住宅金融に流し得る金の調達さえ確保できますならば、ぜひそういう方法を考えたいものだというふうに思つている次第でございます。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 非常に行き届いた御構想を伺いまして敬意を表しますが、一体銀行局というものは、どうしても扱う資金量の点からいつても、普通銀行的なあるいは特殊銀行的な感覚になりやすいと思いますので、どうか感覚を廣く持たれまして、こういう面にも日本で非常に必要とする——資金量からいえば小さいが、大切な面があるということをよく御承知願つて、この面に対する一般の御研究を煩わしたいと思います。  なお、今申し上げたのは中小金融なのでありますが、実はその下に庶民金融というもう一つ零細なものがあるのであります。その問題に対する点を伺いたいのでありますが、今上程になつております貸金業等の取締に関する法律案は、その面に対する影響が非常に大きかろうと思うのであります。以下は庶民金融の問題について質問したいのでありますが、最初にこの法案は一体どういう点に重点をおいて出しておられるか。提案の理由は先般も伺いまして、額面通りに伺えば一應納得するのでありますが、もつとつつ込んで、伺いますと、一体今の一般庶民金額というか、貸金業は弊害が多過ぎるから、これを押えてやろう、そうして中にいいのがあつたら取上げようという感覚で行つているのか。それとも庶民金融の分野としてこれを育成しなければならぬ。しかし惡いものは押えて行こうというのか。どつちに重点をおいてこの法案を書いておられるのか。この法案に現われた文言から見ると、大いに育成するというふうに受取れるのでありますが、全体から受ける感じからいえば、非常に弊害が多いからこれを押えよう、中にいいものがあつたら拾つて行こうというふうに、消極的にしか受取れないのであります。この法を貫く精神というか、その全体の行き方に対する御見解を伺つておきたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 本法案につきましては、ただいまお尋ねのありました点が、実は私どもとしても最も問題の点でございます。これを非常にはつきりと明瞭に御説明することは、なかなか立案者としてもむずかしい点もあると思いますが、私はやはりその両面が同じような程度において取上げられることが、最も適当ではなかろうかと思うのであります。すなわち從來においても殖産会社というようなものに対しては、大藏当局としては実態の把握に努めただけでありまして、よほど惡質なものでない限りは、告発等の措置はとつておりません。多分告発等の措置にまで至りましたものは全國で一件、多くても二件くらいであると承知しております。ところが実際には非常に多くのものができておるわけであります。私といたしましては、一昨日も申し上げましたように、たとえば預金の受入れというような点についての定義をできるだけこまかく、しかも各地において取扱いが異なることのないように、行政上におきましても法律で與えられたわくの範囲内において、できるだけ細心の注意を常に拂つて参りたいと思つておりますが、その趣旨は良質のものはいわゆる公正な運営を保障して参らなければならぬ。しかし良質のものに対して公正な運営を保障する限りにおいては、法律の趣旨に反するような、あるいは一般的に金融に対する信頼を失わせるようなものについては、断固として取締つて行かなければならぬ。そういう取締りによつて良質のものが堅実な運営を保障されるというのではなかろうかと、考えておるわけでございます。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 先般の貸金業等の取締に関する法律案の提案理由の中に「たくみに仮装して」というような文句がございます。またそれに関連して「銀行法との違反行為をなすもの多数生ずる状態になつた」というふうにうたつてありますが、仮装してそういう違反行為をなすものが多数生ずる状態になつたという、その多数という状態について何か具体的な資料でもお持ちでしたら、承りたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 私どもの手元にただいま集まつておる資料について、私としてもまだ不満足なのでございますが、いわゆる日がけ貯金制度による貸付の業務を行つております殖産会社と、一口にいわれておるものだと思うのでありますが、これがほとんど全國に廣がつておるようであります。特に報告が早く集まりましたのは九州地区でございます。その会社の数が約三百に達しておるわけであります。その発生的な原因を尋ねますれば、何と申しましても一般の金融梗塞、特に先ほど來御指摘のような事情でありますので、庶民階層や零細企業者に対する金融の道が、ほとんど封殺されておるというので、その人たちはわらをもつかむ氣持で資金の供給を要望しておると思います。ただいまにおいては、既存の庶民金融機関である無盡会社や信用組合は、やはり採算上有利確実な会社のみを相手にしなければならないのであるから、でき得るならばその金額も大きい方が会社としては望ましいことは当然でありますし、また担保を要するというようなことで手続も自然煩瑣になる。そういうことで零細な会社や庶民階層は、こういう既存の会社ではあきたらないので遊離して行くというようなことから、こういうようなものが自然発生的に現われたことは明確であると思うのであります。從來発生いたしました殖産会社等におきましては、貸付の手続などきわめて簡便でありますし、一定の金額を拂い込めば、その何倍かの融資を受け得るというような、いわば安易な考え方が非常にその方面の人々に受けたのであろうと思うのであります。ところがこれは銀行法規の違反という法律上の問題はもちろんでありますが、同時に現在は一方の方はわらをもつかむ氣持でおられる。それに対して簡易にこれに應じて行くということは、一見すると非常にいい制度のようであつて、單に官僚が法律だけに照してこれを云々するのはいかぬというふうに考えられるのでありまして、それもごもつともでありますけれども、同時にやはりこういうような殖産会社が、できるだけ健全な基礎に立つて、これを利用する人々の將來長きにわたつての信頼をかち得て行くというためには、やはり親心で峻嚴なところは峻嚴にしなければならぬのではなかろうかというのが、私どもの考え方でございます。從つて提案の理由などに、十分私どもの氣持がよく現われておりませんことは、率直に認めるのでありますが、銀行法規に反するというようなことよりは、今回のこの法案の適用において、率直に申しますれば行政運営上のうまみというものが、相当重視されて考えられなければならないのではなかろうか。また法文等といたしましても、非常にそこまで微妙なところを詳細にわたつて書きますことは、事実不可能でもございますので、それらの点につきましては、ざつくばらんに申しますと、行政当局の今後のやり方を御監視いただきまして、そこに至りますまでは当局に御信頼を願うということで、やらしてみていただきたいというふうに考えておるわけであります。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 非常に周到な御答弁をいただきましたが、私は殖産会社に対しては実は特別な関心を持つておるのであります。それは先ほど來私の質問で申し上げましたように、中小企業金融の問題を多少勉強して参りまして、この問題に実は触れて参つたのであります。しかしなかなかこれにも御指摘のように非常な弊害がありまして、弱みにつけ込んでほんとうに零細な人たちから、むしろしぼりとるようなものがままあるように思いまして、こういう点に対しましては、私ども政治を預かる建前からいいましても、断固として取締りもするし彈圧してもいいと思うのであります。ただしかしその中に自然発生的に芽生えて來た、一つの何かいいものがあるように思うのでありまして、その状態はちようど無盡業というものが自然発生的に起つて來て、それを法律をつくつてだんだん育成し、監督して來た。その初期の状態に当るような感じがするのであります。率直に私どもの意見を申しますと、これは新しい金融分野であろう。こういうものは独立の單行法をもつて育成する方向に持つて行くと、中小企業金融の中に明いておつた穴が、多少埋まるのではないかと考えるのでありますが、ただ弊害の多いようであります。その面については行政当局のやり方を期待してくれという御答弁に、私満足するのであります。現在殖産会社に対する取締りというか、行政上の扱いはどうなさつておるか、この点を伺いたい。と申しますのは、これは先般熊本にあつたことだそうでありますが、熊本の財務局からいずれ貸金業に対する取締法が近く出る。それに少し先ばしつたのでありましよう。殖産会社に対する手入れというか取締りが行われた。そのために非常に業界にショックを與えておるらしいのであります。私から申し上げるまでもなく、金融の仕事は信用が基調でありますから、一旦そういうひびが入りますと、預けておつたもの、またそれを利用しておつたものに対する影響が、非常に大きいのであります。こういうことの扱いはよほど愼重でなければならぬと思いますが、かなりその扱い方が、私は現地を調べておりませんのでよく知りませんが、少しきつかつたような趣に聞いておるのであります。そういう意味で、この法律ができない前の取締りを行政上どうなさつておるか。この点を伺つておきたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 実は今年初め以來、この種の殖産会社についての調査、特に実体をできるだけ詳細に把握いたしたいと思いまして、本法案の立案にもそれをもちろん貴重な資料にいたしたいと思いまして、財務局、地方部等、大藏省の地方機関を動員いたしまして調査をいたしました。その調査の過程において行き過ぎがあつたかと思う点は、私も率直に認めまして、中にはそういう情報に基きまして、別途に具体的に電信で訓令をいたしました例もございます。ただ根本の調査の方法といたしましては、実体を把握したいというだけのことでありまして、この点は檢察側とも十分に打合せまして調査を命じまして、たしか四月十三、四日ごろに通知を出しておりますが、それにも不当にこの調査によつて刺激を與えないようにという趣旨も十分表わしてございますし、またこれが他に利用されないようなことも必要であると思いましたので、特に法務廳、最高檢察廳とも緊密に数回会同をいたしまして、檢討をいたしたような次第でございます。從いまして先ほど申しましたように、あまり目に余るような、特に一つの会社としても、背任とか横領とかいう事実が、相当瀝然として現われつつあるものに対してのみ、檢察側にも所要の手続をとつたようなわけでございます。正確にそういう手続をいたしましたのは、たしか一件であつたと思います。それからその他は場合によりまして一、二のものについては警告的な懇談をいたしまして、行き過ぎと思うところを事実上是正してもらつたものも一、二社ございますが、それ以外はただいま申しました通り、実態の把握にとどめておるわけでございます。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 御答弁をいただいて、当局のお考えも私どもとやや近いのでありますが、この貸金業の法案を通読いたしますと、現在問題になつておる庶民金融会社というものは、預かり金のようなものを一切やめてしまうと、貸金業に帰るか、それとも預かり金を合法的に扱うために、無盡業にみなされるかという二つになるように考えます。私の考えは先ほど來申し上げますように、これは一つの分野なので、自然発生的に起つたものであるから、これを育成して何か貸金業と無盡業の中間体のようなものができないか。そしてそれに対する監督取締りをして、これを保護育成して行けばおもしろい金融面ができはしないかと考えておりますが、この法文の中にはそういうふうになつておりません。そこでこの法文に從つてお伺いしたいと思いますが、預かり金を扱う庶民金融会社のようなものは無盡とみなすのだと言つております。いわゆるみなし無盡であります。このみなし無盡と本來の無盡との間に、差はもちろんあるのでありますが、行政上どういう区別をなさるおつもりであるか。みなすということで一律にお扱いになるおつもりか。先ほど來の御答弁ですと、行政上なかなか含みのあるお扱いを考えておられるようにもとれるのでありますが、その点をもう一度明確にしていただきたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 この法律でみなし無盡という言葉を使つたのでありますが、法律的に申しますと、やはりみなし無盡をやります場合は、現行の無盡業法の免許をとらざるを得ない。法律的にはそういうことになるわけでございます。これはまたほんとうの私見でございますけれども、ただいまのお話のようにあるいは日がけ無盡会社というものを、別個に從來の無盡と切り離してつくるということも一案ではなかろうかという意見が、私どもの局内にもあつたようなわけでございまして、先ほど申し上げましたように、無盡業法の全般の改正を取急ぎまして、なお実際の事態に即應するように考えてみたいと思つております。現在は今申しましたように無盡業法の免許をとらざるを得ない。ところがその免許は事前に関係方面の承認をとらなければならないというように、非常に行政上も拘束を受けておりますので、その方面については実情を詳細に訴えまして、関係方面の好意ある支援を待ちたいと考えております。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 無盡業の免許に関しまして関係方面のお話が出ましたが、私どもは少くとも無盡くらいのものは関係方面との総括的なお話合いで、事務当局の見解できめるようなところまで持つて行かなければいかぬであろうと思います。中小企業金融あるいは庶民金融の本質から言いましても、あまり大上段に振りかぶつた認可というようなことは、実情に沿わないと思うのでありますが、その辺に対する御意見がありましたら承つておきたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 これは実情を申し上げるのでありますが、ただいまの状況では無盡会社は新設のみならず無盡会社の店舗の増設等につきましても、まつたく銀行と同樣に扱われております。その点につきましては何とかして実情に沿うような事態に改善してもらいたいものであるというふうに、考えておるわけでございます。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 ただいま御答弁をいただきましたが、私はそこが非常なこの貸金業の問題のポイントだと思います。なぜかと言いますと、日がけ貯金会社、庶民金融会社というようなものは、預かり金をすることが特徴になつておりますから、自然無盡会社とみなされるものになるであろうと思います。そこで法律でそれをうたつておりますが、しかし一旦認可をするときに、これは実は袋小路につき当るのだ。こちらに逃げろ、但しこの道は通れぬぞと言うことと一緒であろうと思います。そういうことになりますと一体どこに根本があつてこの法案を書いておるか、非常に疑わざるを得ないのであります。これは関係方面と政治的な折衡になるかと思いますが、ぜひ強く折衡をされてその道をあけておきませんと、この法律が死んでしまいますし、私どもはそういう袋小路になつておる附帶條文では、この法律を通すには少々首をひねらざるを得ないのであります。重ねて強い御見解を承りたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 この点は私どもまつたく同樣に考えております。私どもとして背水の陣でこの提案をいたしましたからには、その背水の陣によつて漸次事態を打開したいと考えております。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 なお無盡とみなされる場合に、金利の問題があるのであります。御承知のように臨時金利調整法によりますと、金融機関の金利は相当大げさな経過できまるようになつております。もしこの通りにこれを実施して参りますと、みなされた無盡と本來の無盡の間に、金利の差も実はつけられないようになるのではないかと思うのであります。もし非常に内容のある、そしてまた育ててもいいようなものを育てる場合に、これを本來のものとみなされたものと同じように金利上の制限を付することは、形式を生かして実質を殺すことになると思いますが、この金利の扱い方に対する御見解がありましたら承つておきたい。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 まず臨金法を御説明いたしたいと思いますが、無盡会社につきましては、現在でも預金についても、臨時金利調整法が実際上適用されておりまして、貸付その他につきましては通用いたしておりません。從いまして現在の無盡会社でございましても、他の銀行よりは貸付あるいは金利利回りが、実際上高位になつておるわけでございます。これらの点は法律によらずして、実際は業務方法書あるいはその他事実上の話合いということできまつております。先ほど申しましたように日がけ無盡というような特殊なものにつきましては、從つてこの提案の理由にちよつとミスプリントがあつたのでありますが、金利調整法を適用し得る状態に置くというだけでありまして、今ただちに他の金融機関と同樣にこれを適用し、あるいは準用するということは全然考えておりません。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 御答弁でわかりましたが、その御答弁から実際上の運営について承つておきたいのでありますが、もしこの法案が通りまして、実際上経過期間もありますが、みなされる無盡として発足した場合には、その金利の適用などについては、從來かなり自然発生的なものでありますし、業態も不明確なものであつて、業者の数が十分当局の方につかまれていないかもしれませんが、信用のある者の会をつくるなり、そういう人たちに集まつてもらつて、実際上運用する場合に合理的な金利水準などについて当局と打合せる、あるいは相談をする用意があるか。そういうふうなことを心がけて行かれるおつもりであるか。この点を承つておきたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 今の問題は法律的に申しますと、先ほど申しましたように、現在としては無盡業法が適用されますので、他の無盡会社と同樣に現在の扱いとしては業務方法書等によつて、これがきめられることになると思うのであります。しかし性質が性質でございますから、あるいは場合によればこれは地域的にも考えなければならぬという問題もございましようし、またこの届出を受理された会社で一つの協会をつくるということなども、もちろん適切な措置かとは思います。ただこれを公の当局との交渉團体にするということになりますと、事業者團体法その他に抵触するおそれもございますので、その辺のところは行政上の運営の問題として、御趣旨に沿うように考えて参りたいと思つております。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 この法案が実施されます経過期間を入れれば、大体四箇月くらいの間に貸金業になるか、無盡業にみなされるかということになると思いまいが、その経過期間中の行政上の取締りという問題はありましようが、進めて行く方法について伺つておきたいとと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 私どもの考え方といたしましては、その経過期間中におきまして非常に前途にむずかしい問題があるようでございますが、こういう程度のものについては無盡会社として育成ができるという目安をつけ、一方におきましては貸金業者としてやつてもらうということにして、漸次貸金業者の方になつてもらうよりしかたがないものにつきましては、從來出ておりました預金の整理あるいは他の既存の会社への合併、あるいは新設された無盡会社になり得る状態のものとの合同というようなことも考えるということで、その間にいろいろと具体的に準備を進め、また関係の方々とお話合いを進めて参りたいと考えております。またすでにこういう法律案が制定されるということになりますれば、その経過期間中において新たによほどひどくその短期間の間にあばれまわるというようなものも、惡意を持つてあばれまわるというものでない限りは、彈圧することは考えられないというふうに信じておるわけであります。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 経過期間中の取締りの問題ですが、もちろん惡意があるものにつきましては、断固としてこれを取締つていただきたいと思います。しかし育てて行つて新しい金融分野の補填になるようなものにつきましては、どうか親心をもつてこれを指導し、育成してもらいたいと考えます。なおその間また最近の問題にもどりますが、無盡業法の改正の問題ともからみ合せまして、できれば一つの独立の業態をうたつた日がけ貯金会社と言いますか、そういうものに対して單行法として新しい金融分野を開く意味で、御研究を願いたいと思います。これは單に金融的な面をいたずらに複雜にするという面から申し上げるのではなくして、これは自然発生的に今日まで來たのでありますから、素朴な形であるが新しい金融分野が生れはしないかという時期を持つております。微力ではありますが、中小企業方面を多少勉強しておりまして、その感を強くするのであります。その意味でその期間中も御研究を怠りないように、また私どもも党の機関、政調会を通じてこの研究を続けて参りたいと考えております。以上をもつて質疑を終ります。

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員 一昨日逐條的なお尋ねをいたしましたし、ただいま総論と申しますか、理論的な構想のもとに小峯委員から詳細にわたる質問があり、政府当局から懇切なる御回答がありまして、ほとんど問題の点は解決いたしておるのでありますが、今度は少しきわめて短かい時間の間に、俗論にわたりますが、ただいまの庶民金融の実態に触れる問題について二、三お尋ねをしてみたいと思うのであります。これはあらかじめ申しておきますが、理論的なことは小峯委員で盡きておりますので、俗論的ないわゆる実際問題であります。その点あらかじめ御了解願いまして、御回答をいただきたいと思います。  現在のやみ金融の実態、自然に発達して参りました庶民金融というものが幾多の弊害を流しておる。こういう観点で取締りが必要である。こういうことが本法律案制定の重大な一つの原因になつておるわけでありますが、それも十分首肯できるわけでありますけれども、一体やみ金融の実態というものを、大藏省なり銀行局なりにおきましてほんとうに把握しておるかどうか。むしろわれわれに言わしむるならば、やみ金融の実態というものは公認されておりまする市中銀行その他の機関の方が、現在のやみ金融の親方じやないか。わかりやすく言いますと、銀行の看板をかけた店頭あるいはその裏口において行われるところの金融の方が、およそ中小企業の再建というような面におきまして障害をなす。金融やみ街道というものが完全にでき上つておる。そういう問題に対しましては冷淡ではないでしようが、ある程度見のがしておるようなきらいさえ感ぜられるわけであります。その具体的の事例は、國の最高機関の衆議院の速記録にとどめて毒舌を申し上げませんが、こういう意味におきまして、実際の庶民の所要いたします資金を市中銀行に求めたい。具体的の例で申せば、きよう五万円ほしい。こういう意味で銀行へ飛んで参りますと、いや私どもの方では本店に禀議しなければなりませんし、資金のわくはありませんというようなことで、ほとんど借入れということは絶望の状態であります。貸せないと言うのがほんとうであります。それからある場合においては、銀行で定期なり他の方法によりまして三万円預金をしておる。きよう急に十万円の金がほしい。この預金も担保にいたして保証人も立てましようと言いましても、預金担保の九割までは貸せましようけれども、あとは貸せないということで、結局せつかく蓄積しておりました三万円の金は、一割引された額においてしか運用されない。かようなことでは現在の庶民の金融というものには適合できないのであります。急に入り用ができた。これをすぐしかも安易に調達ができるという機関が必要であつて、その要請にこたえてできたのが、現在弊害もありましようが、多数の庶民金融であろう。かように考えております。從いまして本取締りの主体といたします法律を見ると、一方的にただ預金を受入れるということを全面的に禁止してしまう。さもなければみなし無盡に行け、このみなし無盡に行くためには関係筋の認可がいる。まつたく袋小路に追い込まれて、その入口に火をつけられたような形になつて、燒死する以外に方法がないという現実なのでありまして、この預金の受入れということに対して、もう少し檢討してみる必要があるのではないか。たとえて申しますならば、こういう庶民金融で貸す貸付金の限度を五万円以上は貸せない。國民金融公庫の例においても、一口五万円程度にする。こういうような観点から五万円なら五万円を限度として、それ以上は貸してはならない。不特定の多数人に五万円しか貸せない。こういうような限界のもとにおいて、それをまかなえます限度における預金の受入れ、こういうものを許容してやる方が、庶民の金融に対して実態にマスターするものであろう。貸付の限度を定めておいて、それに所要なる資金を預金として受ける。その反面において、実際の運営において二万円預かつておる方に対して、五万円ほしいという者があるならば、三万円は信用で貸してやるということによつて、初めて預金の持つております資金の運用が効果的になり、効率的になるわけであります。取締りに対しまして、單に預金の受入れということを全面的に封鎖するのではなくて、ほんとうの許された市中金融機関がことごとく本街道でなくやみ街道を歩いておる。かような時期におきまして、しかも庶民はそれによつて金融は得られないという、こういう状態を救いますためには、平生のささやかなる蓄積をこの機関に委託させまして、それを見返りといたしましてある限度をきめた金額を許す方が、庶民金融の実態に合うと思います。これはきわめて俗論で実態論でありますが、この点に対するお考えを承りたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 ただいまのお話は一一ごもつともでございますが、たとえば現在市街地信用組合や無盡会社におきましても、貸付については非常に金額の制限をやつております。それをやりますために同時に預金の受入れというものも許されておりますが、今回のこの法案におきましては、先ほどもお答えいたしましたように、率直に言えば非常に微妙なところでございまして、とにかく今のところはいわゆるやみ金融と言われておりますが、その実態が私どもかいもくわからないわけであります。今回この法律案の御制定を願いました場合に、初めて正式に申告が出、それを受理するということになつております。そこで業態が非常に明確になつて來る。またその期間において、いろいろ私どもとしても從來考え及ばなかつたような興味のある問題も起つて來ると思うのであります。それらに應じまして事後適切と思われる改正を加えて行くことにいたすより、現在はしかたがないであろう。なお預金の受入れということについて、私どもの解釈は総論的には一昨日申し上げましたが、なお具体的に精細にひとつ檢討して、各地方への指針にいたしたいと考えております。その程度で現在のところ御了承願うよりほかにないようなことになつております。

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員 結局みなす無盡へ移行できます現在の庶民金融機関は、一應救済の道があるかもしれませんが、貸金業で残るものは自己資本の運営だけに限定されるのであります。自己資本の貸金業で成立する分野は小さいのであります。また危險も多くなるわけであります。そういう意味から行きまして、これは小峯委員からも、繰返し繰返し申されておりましたが、またただいま銀行局長さんからの將來の研究についての御意思の発表がありましたが、これらを総合いたしまして、ぜひともこの点について一段の御研究をなさつていただきまして、こいねがわくばこの法案が実施せられる直後、あるいは直前に開かれると思う次の國会におきまして、われわれの委員会におきましても、庶民を救済する適切なる金融機関の創設というような面から一應の研究もいたしますが、政府当局といたしましても、その点にぜひひとつ重点を置かれて御檢討願いたい。これはこの法案自体に不足を申すわけですないのでありますが、何か満たされざる感じがはなはだ多いのであります。この点を特にお願いいたしまして、もう大体逐條的なお尋ねも終えたし、討論は小峯委員から出ましたので、この程度で質問は終らしていただきたいと思います。どうぞ庶民金融、それに関連いたしまする日本の零細産業、これらを育成する意味において、一段の熱意をもつて御檢討をお願いいたしたいことを、特にお願いいたします。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 どうもこの法律を見ておりますと、最近の庶民金融の梗塞状態に対する根本的な解決方策が示されずに、現象的に現われて來ておる部分を取締ろうとするところに、この法律の運用いかんによりましては、現在の庶民金融の梗塞状態を、いよいよ激化させるような事態になりはしないかということを憂慮するものであります。そういう観点から実は時間が十分ございますれば、中小金融、庶民金融の問題について政府の確乎たる方針を承りたいのでありますが、この点について先ほど小峯委員から総括的な、また理論的な御質問もありましたので、また今までに他の委員諸君からも出ておることと思いますし、他の法案に関連しても一應伺つておるのでありますから、本日はその点についての質問は行わないことにいたしますが、この貸金業等の取締に関する法律の運用にあたりまして、問題は現在の庶民金融の梗塞の根本的な原因を除去することという点に思いをいたされまして、運用上格段の御考慮を拂われることを、まず希望しておきたいのであります。この点もあるいは質問が出たかとも思うのですが、第二條の「業として行う」ということ、これがいつも問題になるのであります。ことにこれは例外になつておりまする三の項に関連するのでありますが、質屋営業と兼営的に貸金を行つておるのが、実情だろうと思うのです。そうした関連におきまして、またこの点は先ほどの小峯さんの質問ではつきりしたようでありますが、物品の賣買という点に関連いたすのでありますが、あるいはこの住宅の賣買、それから最近になりますればミシンというようなものにつきまして、ミシン会社あるいは住宅建設会社の方で、かけ金によりまして、一種の月がけというような形で金を集めまして、これはもちろん住宅なりミシンを個人に提供するということが本來の目的でございますが、その間実際の運用過程におきましては、一種の貸金業的なものが行われておるのが事実だろうと思うのであります。こういうような関係と関連いたしまして、第二條の「業として行うもの」という意味を明確にしていただきたいと思うのであります。まず質問の第一点としてその点をお伺いいたします。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 第二條の「業として」という言葉は、他の法令と同樣の解釈でございまして、特別にここで特殊の意味を持つたものではございません。他の法令と同樣にということは、反復継続して行うということであると考えます。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 ちよつと田中委員に御相談いたしますが、午後に願いたいと思いますが……

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 午後に継続さしていただきます。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 それでは專賣関係三法案の討論採決に入るに先だちまして、風早委員より緊急質問の申出がありますのでこれを許します。風早八十二君。

風早八十二日本共産党

○風早委員 專賣関係の法案審議はもう終了しておりますので、緊急質問の形で政府に一点だけ伺います。それは今日の新聞で拜見いたしますと、地方財政委員会からショウプ博士並びに税制審議会に提出する、地方税制改革に関する意見書というのが出ておるようであります。それによりますといろいろ附加税の問題も出ておりますが、特にタバコの消費税の創設という問題が、はつきりとした形で出されております。「道府縣市町村ともに独立税として日本專賣公社にタバコ消費税を課する、この課税標準は專賣公社から区域内のタバコ販賣所に賣り渡されたタバコの價格とすること、賦課率は道府縣市町村それぞれ百分の十ずつとする。」ということが出ておるのであります。政府はこの点については大体御承知のことと思いますが、こういうことが一体政府におかれましてはできるとお考えになつておるか。今もうタバコの値段というようなものもおよそその限界に達しておるのではないかと思いますが、これをもしも設定いたしますれば、またまたタバコの値段が上らなければならないということになるのは、必定であるように見受けられるのでありますが、大体こういう意見書というものはこれで実現性があるかどうか。この点について政府の所見を伺つておきたいと思います。これによりましてわれわれは專賣法案関係の討論の資料にいたしたいと考えております。

原田富一專賣局長官

○原田政府委員 ただいまの御質問に対しましては、私のような事務当局が申し上げるのは適当でないと存じますが、大臣も出席しておりませんので、事務当局の意見として申し上げたいと思います。タバコに対しまして地方税消費税をかけたいという意向は、前からままあつたように承知いたしております。これに対しまして、私ども事務当局の考えからいたしますれば、現在のような状態においては、これ以上値段を上げることは相当むりだと存じておるのであります。從つて現在の價格の上にさらに消費税をかけるということは、日本の経済の現状におきましては、相当むりなやり方だと考えております。そういう実際問題からいたしましても、こういうことはむりだと私も考えております。  なおまた、今日新聞に出ておりました記事の内容を、具体的に私は承知いたしておりませんので、これに対する意見もはつきり申し上げられませんが、地方税消費税をかけるといたしまして、全國一律に同じ税率にするのか、あるいは府縣によつて異なるかという問題もあろうかと存じますが、この辺は内容をよく承知しておりませんので、はつきりしたことは申し上げられませんが、各府縣によつて税率が違うといたしますと、日本のような狹い地域におきまして、東京と横浜でタバコの價格が違うということは、これはいろいろ混乱も起きるもとでありまして、適当ではないと思うのであります。現在專賣制度をしいておりまして、タバコによつて國の歳入を上げております建前をとつておる以上は、やはりこれに対する地方税というものをかけるのはむりであつて、國の歳入として上げて行くのが、建前としてもほんとうでありますし、もし地方にタバコによつてある財源を與えるということならば、專賣益金の中からさくという方法を考える方がほんとうじやないか。私ども事務当局としてはかように考えておる次第であります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 それではたばこ專賣法案、塩專賣法案、しよう脳專賣法案、この三案につきましては、すでに質疑を打切つてありますので、これより右三案を一括議題として討論採決に入ります。右三案に対しては、いずれも修正案が提出されておりますので、まず提出者の趣旨説明を求めます。提出者宮幡靖君。

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員 まずたばこ專賣法案に対する修正案を申し上げます。本修正案は、あとの二案も同樣でありますが、日本共産党を除く各派共同提案であります。   たばこ專賣法案の一部を次のように修正する。   「國会は、煙草專賣法(明治三十七年法律第十四号)の全部を改正するこの法律を制定する。」を「煙草專賣法(明治三十七年法律第十四号)の全部を改正する。」に改める。   第九條第一項第六号を次のように改める。   六 たばこ耕作上必要な経営的及び技術的能力を有しないと認める場合。   第二十四條を次のように改める。  第二十四條 耕作者の耕作したたばこ又は收穫した葉たばこが風害、水害、震害、ひよう害、干害、病害その他の災害にかかり、著しい損害を受けたときは、公社は、その耕作者にその損害の二分の一に相当する金額の範囲内で大藏省令で定める額の補償金を交付することができる。   第二十五條を次のように改める。  第二十五條 耕作者が左に掲げる事業を行うことを目的とする團体又はその連合体を組織したときは、その規約を添附して遅滯なくその旨を公社に届け出なければならない。   一 たばこの耕作並びに葉たばこの乾燥及び調理の方法の改良。   二 たばこの耕作の経営及び技術の向上に関する指導及び宣傳。   三 肥料その他葉たばこの生産上必要な資材の共同購入。   四 災害に因り耕作者の受けた損害に対する共済。   五 葉たばこの生産上必要な試驗その他の共同事業。   六 たばこ種子の配布のあつ施。   七 葉たばこに関する公社の査定及び收納に伴う事務に対する助力。   八 公社の耕作者に対して発する指示等の傳達。   九 この法律の違反の自発的予防。  2 前項に掲げる事業を行うことを目的とする團体又はその連合体は、左に掲げる要件を備えなければならない。   一 耕作者(法人である場合を除く。)の相互扶助を目的とすること。   二 團体員が任意に加入し、又は脱退することができること。   三 各團体員が平等の議決権を有すること。  3 公社は、第一項目に規定する團体又はその連合体に対し、第一項第五号から第九号に掲げる事業に関し必要な指示をすることができる。  4 公社は、前項の規定による指示を受けた團体又はその連合体に対し、当該年度の予算の範囲内でその送示された事業に要した費用の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。   第六十三條第二項を次のように改める。  2 前項の規定により代金の延納を許可する場合においては、公社は、大藏大臣の承認を明けなければならない。   第七十九條第三項を次のように修正する。  3 第一項の場合において、國税犯則取締法に規定する收税官吏の職務は、前項の規定により大藏大臣が指定する公社の役員又は職員の管轄区域に應じ公社の総裁の推薦に基き大藏大臣が指定する公社の職員並びに左に掲げる司法警察職員及び國家公務員(以下「司法警察職員等」という。)が行う。この場合において、財務局長の職務を行う公社の役員又は職員の管轄区域に應じて指定された公社の職員は、財務局の收税官吏と、税務署長の職務を行う公社の役員又は職員の管轄区域に應じて指定された公社の職員並びに司法警察職員等は、税務署の收官吏とする。   一 警察官及び警察吏員。   二 海上保安官。   三 司法警察職員として職務を行う日本國有鉄道の役員及び職員。   四 森林官吏。   五 税関官吏。   六 收税官吏。   附則第十四項を次のように改める。  14 事業者團体法(昭和二十三年法律第五九十一号)の一部を次のように改正する。   第六條第一項第四号二の次に次のように加える。    ホ たばこ專賣法(昭和二十四年法律第 号)第二十五條第一項の規定により届け出たたばこ耕作者の團体及びその連合体。   第七條第三号を次のように改める。   三 削除   附則第十五項を次のように改める。  15 日本專賣公社法の一部を次のように改正する。   第一條中「煙草專賣法(明治三十七年法律第十四号)、塩專賣法(明治三十八年法律第十一号)及び粗製樟脳、樟脳油專賣法(明治三十六年法律第五号)」を「たばこ專賣法(昭和二十四法律第 号)、塩專賣法(昭和二十四年法律第 号)及びしよう脳專賣法(昭和二十四年法律第 号)」に改める。   第二十七條第一号から第七号までを次のように改める。   一 葉たばこ、製造たばこ用巻紙、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油を買い入れること。   二 製造たばこ、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油を製造すること。   三 製造たばこ、製造たばこ用巻紙、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油を販賣すること。   四 半たばこ、製造たばこ用巻紙、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油の生産者の指導及び助成に関すること。   五製造たばこ、製造たばこ用巻紙及び塩の販賣者の指導及び助成に関すること。   六 半たばこ、製造たばこ、製造たばこ用巻紙、塩、にがり、粗製しよう脳及びしよう脳原油の輸出及び輸入を行うこと。   七 舞各号に掲げる事務の外たばこ專賣法、塩專賣法及びしよう脳專賣法に定められた事項の実施に関すること。   第四十五條第一項第一号中「煙草專賣法、塩專賣法及び粗製樟脳、樟脳油專賣法」を「たばこ專賣法、塩專賣法及びしよう脳專賣法」に改める。  以上が修正の文案であります。  その理由が簡單に申し上げます。   一 全文改正の場合の柱書は「煙草專賣法(明治三十七年法律第一四号)の全部を改正する。」と表現するのが適当と認められること。   二 第九條第一項第六号に規定する欠格條件を具体的に規定する必要があると認められること。   三 第二十四條の耕作者の耕作した葉たばこが、災害により損害を受けた場合における補償金につき、その限度額を法律に規定する必要があると認められること。   四 たばこ耕作者の組織する團体またはその連合体については、その事業活動の性質上事業者團体法の適用除外團体とする必要があると認められるので、この法律中にこれの團体の性格、その行う事業の範囲及び事業者團体法の適用除外の規定を設ける必要がある。なお製造たばこ小賣人の組織する團体またはその連合体については、大部分商工協同組合法に基く團体に改組されている事実に徴し、別に事業者團体法の禁止條項の適用除外の規定を設ける必要がないと認められること、このため第二十五條第一項及び附則第十四項につき所要の修正を加える必要がある。   五 たばこ耕作者の組織する團体またはその連合体に対する交付金につき、その限度額を大藏省令に委任せず、第二十五條第四項中に規定する必要があること。   六 第六十三條第二項に規定してある代金延納を許可する場合には、すべて大藏大臣の承認を受けさせることに修正するを適当と認められるので、大藏大臣の定めた條件に從つて延納を承認する事項は削除すること。   七 第七十九條第三項は、專賣取締を行う司法警察職員及び國家公務員は政令をもつて定めることになつているが、人権に関するものであるので、政令に委任せず、本法中に明らかに規定するの要があると認められること。   八 附則第十五項の日本專賣公社法の一部を改正する規定は、公社の業務内容を本國会に提出された改正たばこ專賣法、塩專賣法及びしよう脳專賣法に基く公社の権限と一致させるよう措置する意図に出たものであろうが、両者の間特にしようのう事業に関する者項に差異があるので、これを一致させる必要があること。  以上がこの修正案を提出する理由であります。   塩專賣法案に対する修正案。   塩專賣法案の一部を次のように修正する。  「國会は、塩專賣法(明治三十八年法律第十一号)の全部を改正するこの法律を制定する。」を「塩專賣法(明治三十八年法律第十一号)の全部を改正する。」に改める。   第十條を次のように改める。  第十條 公社は、製造者に対し、塩、にがり又はかん水の製造方法、貯藏場所又は貯藏方法についてあらかじめ公社の定めた標準に從うように指示することができる。   第十六條を次のように改める。  第十六條 製造者が津波の害、風水害、震害その他の災害に因り、塩、にがり又はかん水について減失、損傷その他の事由に因る損害を受けたときは、公社は、その製造者にその損害の三分の二に相当する金額の範囲内で大藏省令で定める額の補償金を交付することができる。   第十七條第二項を次のように改める。  2 公社は、前項の規定により委託又は指示を受けた團体又はその連合体に対し、当該年度の予算の範囲内で、交付金を交付することができる。   第二十九條第五項を次のように改める。  5 特別價格以外の價格で買い受けた塩が第一項の用に供されたときは、公社は、その用に供した者に対し、特別價格と前條第一項の賣渡價格との差額の五分の四に相当する金額の交付金を交付することができる。   第三十一條第二項を次のように改める。  2 公社は、特に必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、担保提供額が買受代金の三分の一を下らない範囲内において、担保の提供を免除することができる。   第三十六條第一項を次のように改める。  第三十六條 公社は、販賣人に対し、営業所及び貯藏所の設備、引取方法、備えて置くべき塩の種類及び数量、塩の販賣及び保存の方法並びに塩を販賣する場合における販賣先、用途、数量及び時期について、指示することができる。   第四十三條第三項を次のように改める。  3 公社は、塩の需給調整上特に必要があるときは、製造者に対し、かん水の讓渡先、用途並びに讓渡の数量、時期及び場所を指示することができる。   附則第二十二項を次のように改める。  22 事業者團体法の一部を次のように改正する。   第六條第一項第一号ロを次のように改める。    ロ 削除  その修正の理由を申し上げます。  一、全文改正の場合の柱書は「塩專賣法(明治三十八年法律第十一号)の全部を改正する。」と表現するのが適当と認められること。  二、第十六條の塩の製造者が災害により損害を受けた場合の災害補償金、第十七條第二項の塩業者の組織する團体またはその連合体に対する交付金、第二十九條第五項の塩を特別用途に使用した場合の交付金、及び第三十一條第二項の塩を賣渡した場合の延納担保の免除につき、それぞれ大藏省令をもつて定めることにしてあるが、いずれもその限度額を法律に規定する必要があると認められること。  三、第五十條第二号に規定してある罰則を伴う公社の指示については、できる限り詳細に規定する必要があるので、第十條、第三十六條第一項及び第四十三條第三項の指示事項の内容を具体的に表現するよう、所要の修正を行うの要があると認められること。  四、附則第二十三項において、事業者團体法第七條を改正して第十七條の塩業者の組織する團体及び第三十六條第二項の塩販賣人の組織する團体につき、事業者團体法の禁止條項の適用を除外することになつているが、塩製造者の組織する團体は今回中小企業協同組合法に基く團体に改組されることになつていること、並びに販賣人の組織する團体についても、必要に應じ中小企業協同組合法に基く組合を結成するよう指導することとし、両團体とも事業者團体法の禁止條項の適用除外の取扱いをしない方が適当と認められること。  以上がこの修正案を提出する理由であります。  次はしよう脳專賣法案に対する修正案であります。   しよう脳專賣法案の一部を次のように修正する。   「國会は、粗製樟脳、樟脳油專賣法(明治三十六年法律第五号)の全部を改正するこの法律を制定する。」を「粗製樟脳、樟脳油專賣法(明治三十六年法律第五号)の全部を改正する。」に改める。   第七條第五項中「第一項又は第二項の割当は」の次に「申請数量の範囲内において製造能力等を基準として決定する。この場合においては、」を加える。   第十條を次のように改める。  第十條 公社は、製造者に対し原料の採取及び使用の方法、製造の方   法並びに貯藏の場所及び方法について、あらかじめ公社の定めた標準に從うように指示することができる。   第十七條第二項を次のように改める。  2 公社は、特に必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、担保提供額が買受代金の三分の一を下らない範囲内において、担保の提供を免除することができる。   次に修正の理由を申し上げます。  一、全文改正の場合の柱書は前と同じように、「粗製樟脳、樟脳油專賣法(明治三十六年法律第五号)の全部を改正する。」と表現するのが適当と認められること。  二、第七條中に粗製しよう脳またはしよう脳油の割当基準を設ける必要があると認められること。  三、第十七條第二項は粗製しよう脳またはしよう脳油を賣り渡した場合の代金延納担保の免除につき、大藏省令をもつて定めることにしてあるが、その限度額を法律に規定する必要があると認められること。  四、第二十四條第二号に規定してある罰則を伴う第十條の指示の内容を具体的に表現するよう、所要の修正を行うの要があること。  以上がこの修正案を提出する理由であります。  三案に対する修正案につきましては何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同を得たいと存じます。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 修正案の趣旨説明は終りました。これより三案の修正案及び原案を一括議題として討論に付します。討論は通告順にこれを許します。田中織之進君。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつております三專賣法案に対する修正案及び修正案を除いた原案に対して、二、三の希望條件を付して賛成するものでございます。  まず今回の三法案の提出にあたりまして、ただいま宮幡委員より提案せられましたような廣汎なる修正を行わなければならないような、きわめてずさんなる原案を國会に提出されたことに対しましては、政府当局は十分反省してもらわなければならないと思うのであります。近時國会に提出せられまする政府提出原案には、どうもこれらの法文等が十分整備されておらない。率直に申しますならば一夜づけのものの出ることがしばしばでありまして、こうしたことは政府の権威にも関する問題でありますから、今後は十分そういう点に留意せられることをまず警告するものであります。  次にわれわれは今回の三法案に賛成いたします基本的な態度といたしましては、專賣制度そのものに対しましてわれわれはこれに賛成するという建前からであります。しかし專賣法律案の中で塩並びにしようのうにつきましては、專賣制度を継続するかどうかということについて根本的に檢討しなければならない事情も、発生しておると思うのでありますが、そういう根本的な檢討は別の機会に讓りまして、一應この三案につきまして專賣制度を継続するという建前で、われわれはこの三案に賛成するものであります。  まずたばこ專賣法につきましては、今回タバコ專賣に関する特別会計におきましては、從來のただ財政的な面で一般会計への繰入れに主眼を置いた特別会計の運営が、先般の特別会計法の改正によりまして、固定資産の償却充実というような面で、特別会計に益金の一部分を留保するというような、特別会計における收支均衡予算制度が確立されたことは、非常に專賣制度の存続の上において健全味を加えるものとして、これもわれわれ賛成しておるものでありますが、タバコ專賣にあたりましてはもちろんこの財政收入に寄與するという点が、今日この專賣制度存続の何といつても最大の理由になつておることは、十分認めるのでありますけれども、最近のタバコの賣れ行き状況というようなものを檢討してみますと、ただ單に財政收入をあげる上にのも急でありまして、タバコの質そのものについての考慮がともすれば第二義的、三義的に付されるということが現われて來るのでありまして、特に今後はタバコの質的な向上の点に一段と留意してもらいたいと考えております。同時にタバコの販賣價格というものが、財政需要の面からすでに最高限度以上に引上げられておるという点から、これは勤労大衆にとりましてもただ單なる嗜好品ということでなくて、ある意味から申しますならば、生活必需品の部分をなしておるという関係から、良質なものを廉價で提供するという面について、特に專賣当局の今後の努力を要請したいのであります。  塩專賣法につきましては今日わが國の塩業の実情から、外國塩に依存する度合が多くなつておることは、現在の状態としてはやむを得ない事態でございますけれども、あくまでも國内製塩の自給態勢を強化するという線が、忘れられてはならないと考えるのであります。終戰直後の國際経済等の封鎖された状態のもとにおきましては、せめて國内の食糧、塩の確保という点から、自給製塩等についても相当大がかりな奬励方策が講ぜられて、今日全國に相当数の平がま製塩業者が、製塩を続けておるわけでございます。今回これらは全部指定製塩業者という形で、從來の自給製塩の取扱いというものが、根本的に変改を加えられることになつたのであります。特にこれらは國の要請に基いて設備を拡張し、今日製塩業を継続しておるのでありまして、いろいろそういう設備その他の関係からコスト高になつておるという関係を、十分配慮してやらなければならない関係がありますから、特にこれらの平がま製塩業者の製塩の賠償にあたりましては、賠償價格について少くともコストをカバーするだけの特別の考慮が拂われるべきである。この点について專賣当局の善処を要望したいのであります。さらに專賣三法案の全般を通じまして、なお政令にゆだねられている事項が多々あり、さらに罰則の点につきましては、法案の審議にあたりまして先に指摘したところでございますが、今回罰金刑等につきましても経済情勢の変化を理由にいたしまして、相当強化されて参つておりますが、この点につきましてはこれは財政罰というだけの理由で、刑法の免責規定を十分適用されない関係に相なつておるのでありまして、この点につきましてもわれわれはさらに徹底的な修正をいたしたい考えを持つておりますが、諸般の事情から今回は先ほど提案された修正案程度におちついてわけでございます。しかしこの罰則の適用にあたりましては十分実情にマツチするように、これまた運用上特別の考慮を拂つていただきたい。以上の諸点に対する強い警告と希望意見を付しまして、修正案並びに修正案を除いた原案に対しまして、賛成の意見を表明するものでございます。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 風早八十二君。

風早八十二日本共産党

○風早委員 私は日本共産党を代表いたしまして、專賣関係の三法案に反対の意見を述べるものであります。前の國会におきまして日本專賣公社法が制定せられ、引続いてこの國会におきまして続々專賣関係の法規の整備がなされつつあるのでありますけれども、私はこの際に日本の專賣制度の本質と役割というものに関して、根本的な反省が必要ではないかと感じておるのであります。けだし戰後の最近の段階におきまして、わが國の專賣制度には大きな特徴が加わつたものと考えられる。この特徴を明確にしておかないと、專賣制度と國民経済、國民生活との必然的なかつ正しい関連づけを見のがすことになると思うのであります。そもそもわが國におきまして、專賣制度というものは明治三十六年のしようのう專賣、三十七年のタバコ專賣、三十八年の塩專賣、大体日露戰爭前後に初めて歴史に登場したものでありますが、專賣は製造から販賣に至るまで、すなわち生産関係から流通関係に至るまで、一切の関係におきまして國が主体となつておるものでありまして、これは國営の雄なるものであると思うのであります。この國有國営というものは、一部少数者の手に資本の集積、集中と独占が行われまして、かえつて生産力の発展を妨げるということになりました場合において、日程に上るのが資本主義発展の順調な姿でありまして、この場合におきましては、たとえば戰後のイギリスに行われつつあります炭鉱國有、あるいはイングランド銀行の國有あるいはまた最近行われました鉄鋼業の國有、それらのごとき、そこには一面におきまして進歩的な意義も含んでおるということができると思うのであります。專賣制度というものは一八八〇年のドイツのビスマーク宰相の專制政治のもとで見られますように、もつぱら財政上の必要のため、もしくはもつぱら軍事的な要請に基いて、特定の物資の國有國営として発生いたしております。專賣制度がビスマーク的國有と言われるのも、そのゆえであると思うのであります。わが國におきます專賣制度は、その発生当時まさしくビスマーク的國有の典型的なものであつたと考えます。タバコの場合は、ただ日露戰爭による戰時財政負担の激増を裏づけるものであり、塩の場合は最初から軍事的な目的を持つておつたのであります。しかるに日露戰爭が終りましても、ことにタバコの專賣益金は日露戰爭による増税に加えまして、実質上の間接消費税の増收を企てたものにほかならなかつたのでありますが、明治政府はこの緊急の財政の需要というものがなくなりました以後におきましても、依然としてタバコの專賣というものを、同樣な財政目的のために継続して参つたのであります。その証拠には明治四十一年以後、大正、昭和年代を通じまして、公債発行を除いた國家財政收入における專賣益金收入は、これは常に十数パーセントを維持していたことに現われておるのであります。しかるに第二次大戰が終りまして、わが國民経済が根本的な建直しを要請せられ、その場合に、國民生活の安定と向上ということが一切の再建の根本的な前提條件になりました今日におきまして、政府は少しもこの專賣制度の根本的な反省をすることなく、依然として旧態依然たるビスマーク的な專賣制度というものを維持しておる。むしろそれに輪をかけておるのであります。現に財政收入の中に占める專賣益金の收入というものは、戰後二十数パーセントないし三〇%以上にも達しておるのであります。タバコの專賣益金というものは実に極端な大衆課税であります。われわれ國民は主食に次いでの生活必需品としてタバコをのんでおるのでありますけれども、同時に莫大な税金を拂つておる次第であります。私の場合を実例にとりますれば、私は毎日ピースを二箱のみます。國会に活動してめちやくちやに疲れますので、ますます本数は多くなります。このピース十本入り一箱の総原價は、これは政府からきわめて懇切に提供されました資料によりますれば、原材料費、賃金等を含む製造費並びに販賣費、一般管理費すべてを合せて五円四十八銭三厘にすぎないのであります。このピースを政府は六十円で賣つております。一箱で五十四円五十一銭七厘でありまして、実にもう超超過的独占利潤と言わなければならぬと思うのであります。これは九〇〇%の驚くべき税率を持つた天下無類の大衆課税であります。私は月々政府にタバコだけでも三千二百七十一円の税金を完全に支拂つておるのであります。一箱にとめておる人もやはり月々一千六百三十五円五十一銭の税金を支拂つておるのであります。しかもこのタバコたるや、また天下一品まずいのでありまして、これは天下周知の通りであります。國民は決して満足してこのタバコを吸つておらないのであります。私はタバコにつきましてこの新しい專賣法として法律が整備せられましたことについては、その労を多とするものでありますけれども、しかしすべての問題は、われわれがいかにまずいタバコを、いかに高く大衆課税として税金を拂いつつのんでおるかという、この一点に集約せられると思うのであります。これをもつと良質のうまいタバコを、もつと安くのませるということができるようになる專賣制度、その場合には私は今までの專賣制度に関するあらゆるいろんな問題、矛盾というものがすでに解決いたしておると思うのであります。そういう根本的な反省をこの際当然なすべきであるのに、政府はまつたくそれを怠つておられる。ただ旧態依然として今まで通りのしきたりで、ますますそれに輪をかけて、財政收入一本で税金目当でこの專賣というものを考えておられる。この意味におきまして私は日本共産党を代表して、まず反対しなければならぬのであります。このタバコがなぜ高いかということにつきましては、これは生産原價が高いのではないのでありまして、今申しました、ただ財政收入一本の見地からこの問題を取扱われておるということにある。これを改めればこの問題は改まつて來る。さてこの生産原價でありますが、この原價につきまして、これはこの原價の内部構成を見ますればわかるように、そこに支拂われておりますところの給料、あるいはまた製造費の中に含まれておりますところの耕作者に対する賠償費、こういうものが実に僅少でありまして、ほとんどこれは問題にならない。生活費を切込んだ賃金であると言わざるを得ないのであります。こういうことをそのままにしておき、かついろいろ生産に対する技術上の補助、指導というものが現状のままでありますならば、この生産原價は確かにこの程度に安いものでとどまるかもしれませんけれども、しかしながらよいタバコを多量につくつて行くというその根本の問題は、少しも解決されないと思うのであります。この問題を解決するためには、かねがね私どもが主張しておりますように、このタバコの專賣局の從業員の賃金の問題にいたしましても、また耕作者に対する賠償費の問題、それから技術的な改善のための政府の支出ということにつきまして、根本的に政府に対して改善を要求したいのであります。それによつてのみこのタバコというものの問題が解決すると思います。その上に立つてわれわれはこの法案というものが、初めて眞に國民生活、またひいては國民経済の発展に役立てることができると思うのでありまして、それなくしていくらこういう法文を整理いたしましても、それはまつたく意味をなさない。こう申さなければならないと思うのであります。  さらに問題は塩であります。塩の場合におきましては、塩の專賣は最初から多かれ少なかれ軍事的なる目的をもつておつたのでありますが、今日においても依然としてこれはかわらない。これはやはり正常な意味での國有國営に属するものではなくして、ビスマーク的な專制時代の專賣の一つの種類であると考えるものであります。この塩につきましては新しい問題が今日起つております。それはもちろん今日に始まつたことではありませんけれども、戰後におきまして輸入塩というものの役割が非常に増大しておるということ、これは必ずしも今日はもはや軍事的な目的であるということは言えません。しかしながら外資というものの利益のために行われるということは、これはわれわれが今日吉田内閣のもとで行われております外資全般に対して非難しておることによつて、大体証明せられておると思うのでありまして、塩に関してもその例外をなすものではないのであります。この外塩一トン当りが約二十ドルといたしまして、これはどういう為替の換算率をとりましようとも、非常に高いものについております。そこに根本の問題があるのであります。これについては質疑の際に私はいろいろと資料も出しておりますので、もはやこの討論では省いておきますが、いずれにいたしましても政府はこの外塩を入れんがために、結局は内塩すなわち國内の製塩業者に対して、非常な犠牲負担のしわ寄せをやつておるということであります。これについては政府は意識的にそういう方針でやつておるわけではないという説明はあつたのでありますけれども、事実客観的にはそうならざるを得ない関係になつておりますので、われわれは積極的に政府がその逆に國内の製塩業者を助ける、これを復興さして行くという確固たる方針を立てれば、問題はおのずから解決して行く。すなわち外塩を非常に不経済的に入れて行くということが阻止できると考えます。またその可能性は十分あるのであります。今日白塩に直して問題を考えてみますと、これは少くとも日本で眞空式の生産方式によりまして製塩をいたすならば、外塩を十分に駆逐する可能性はあるのでありまして、問題はこの眞空式の製塩というものに対して、どれほどこれを政府が助長して行くかという誠意、その実質的な裏づけいかんにあるのでありまして、それを政府は少しもやろうとしておらない。今までもうほとんど大部分の製塩業者というものが、依然としてこの平がま式の非常に旧式な非能率的な生産方式をとつておるというのも、これはとうてい業者が独立の力でもつてこの眞空式に建直して行くということができないことは、実情が示しておるのでありまして、どうしても資金の面、あるいは資材の面、技術の面で政府が指導を與えなければならなかつたと思うのであります。現にあります少数の眞空式製塩方式は、ほかならぬ政府がやはり相当の補助を與えてそうなつておる。しかるにこういうふうな補助を今日では全然やつておらないし、また平がま式の多数の製塩業者が今つぶれんとしておるのを、いかなる面からもこれに対する救済方策を講じておらない。少くもこの國会中におきまして、われわれはこの製塩業者が一番今困つておる、特に平がま式の製塩業者が今もう生きるか死ぬか、もう破滅するかしないかという瀬戸際に立つて、政府に要望しておりますところの價格の決定もまだやらない。そうして一万一千円という平均的な價格をいずれの生産方式に対しても押しつけたままになつておる。これはいずれはそれぞれの生産方式に從つて價格差をつけるというようなお話もありますが、それは遂にこの國会中に見られなかつたのでありまして、われわれははなはだ遺憾とするところであります。かように結局今政府は多数の製塩業者を見殺しにしようとしているのであります。われわれはこの一点から申しましても、この塩專賣に対する政府の方針というものには、はなはだ疑問を持たざるを得ないのであります。ことに外資を助けないと申しながら、事実はこれを助けて、そうしてまたこれによりまして、他面ソーダ工業に対しては多分のいろいろな恩典を付與しておるのでありまして、これらも当の製塩業者の立場に立ちますならば、これは非常に怨嗟の的になつておると考えるのであります。われわれはこういう意味においても、今日の破滅せんとしつつある製塩業の立場をも含めて、政府の塩專賣政策というものに根本的に反対せざるを得ないのであります。なおしようのうについても今日いろいろな問題がまだ残つておるのでありますけれども、われわれとしては当面の問題として、この場合には適正價格の決定ということはやはり要望したいと思う。こういう点についても政府の現在の政策に、はなはだあきたらないのでありまして、かたがたわれわれはこの点についても政府に信頼を表明することはできないのであります。全体としてこの專賣問題については政府に対してただ反対するだけでなく、政府自身がこの際に根本的に專賣制度の再反省をやつていただく。そうしてもはや今までのような專賣政策ではどうしてもこれは大衆負担をいたずらに増大させるばかりであり、また中小商工業者をいたずらに破滅させるばかりである。ひいては日本の経済の再建に重大なる支障を與えるということにならざるを得ないということを確認されんことを切望して、私の反対討論を終りたいと思います。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 荒木萬壽夫君。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいま議題になつております三法案に対する宮幡委員より提案の修正案、及び修正部分を除く原案に対して、專賣公社発足に伴います当面の余儀ない改正案といたしまして、賛意を表するものであります。但し三法案に関しまして田中委員からも御指摘に相なりましたように、非常に厖大な修正を必要とするがごとき状態において提案されたことに対しては、今後の政府側の反省を求めたいと思います。さらにまた各專賣製品の品質の向上、ないしは生産量の適正化についても、さらにまた新しい制度の切りかえに伴う各般の混乱に対しましても、政府は十分なる注意と努力を拂われまして、善処されんことを要望いたす次第であります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 宮幡靖君。

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員 ただいま議題となつております三法案につきましては、すでに修正意見を申し述べてありますが、修正の理由で申しました通り、その要点は政令、省令等に委任されております事項を法律において制定しよう。國会は國の最高権威でありまして、行政府がみだりに法律に便乘して独善的な行為をやるという部面を矯正する修正でありまして、この点はすでに申し述べました。もちろん民主自由党は修正案に対して全面的に賛意を表するのであります。しかして修正案を除きます原案につきましては、各委員からそれぞれの御議論がありましたが、それぞれ傾聽すべきものであろうと考えております。しかしながら荒木委員の仰せられます通り、專賣公社発足と並行的にどうしてもこの改正が必要であるということは、他のいかなる理由によつても否定せられない事実でありまして、まずもつて三法案の修正部面を除く原案に対しましても、わが民主自由党は全面的な賛意を表するものであります。しかしながら他の委員からも要望がありましたが、特にタバコの点においては、これは現在は理論がどこにありましても、あるいは実情がどうありましても、ほとんどぬきさしすることのできない日本の財政事情でありまして、経済九原則を強力に実施し、均衡財政が推進するとともに、確立せられる経済の安定という場合に考うべき諸施策の法案でありまして、さしあたりはタバコに対して議論の余地はないように考えております。ただ塩の方においてはその賠償價格が、本年平均一万一千円で予算に計上されておるのでありますが、これの操作及びこれの増額については前々から営業者から熾烈な要望があり、また実情も平均一万一千円というものは必ずしも妥当でないものだ、かように考えておりますので、今後塩の專賣実施にあたりましては、なお一段の努力とくふうを願いたいことをお願いしておきます。また燃料確保の問題でありますが、これは年間計画はただいままだ未確定のようでありますが、承れば大体第一・四半期といたしまして精製炭が一万五千万トン、格外炭が十一万五千五百トン、亞炭四万五千九百トンというようになつておるようでありますが、こういう数字の問題だけでなく、事実これを確保いたしまして営業者に協力していただくために一段の御努力を願いたい。またさような意味において電力供給の面においても、これは商工省と御連絡を願いまして、製塩上、万遺憾なき方向に御努力を願いたい。また営業関係の金融についても非常に金詰まりとなつております。営業自身の性質がその利益を蓄積して運営して行くということのできない関係上、設備の改良とかあるいは改善とかいう費用、さらに最小限度の維持費に至りましても、これは金融処置を要するものでありまして、こういう面から見て営業が金融難に陷りまして、経営困難になる等の場合がありますと、これは明らかに行政上の罪になろうと考えておるのであります。この面についても專賣当局において各方面と御連絡をとられ、適切なる処置をとられんことを特に民主自由党の要望としてお願いいたしまして、原案に賛成の意を表する次第であります。     〔賛成者起立〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 起立多数。よつて三修正案はいずれも可決せられました。  次に各修正案の修正部分を除いた各原案について採決をいたします。賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 起立多数。よつて三案はいずれも修正議決せられました。  なお報告書の作成その他につきましては、委員長に御一任願います。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 次にちよつとお諮りいたしますが、本日理事寺島隆太郎君が委員を辞任せられましたので、その補欠選任をいたしたいと思います。これも先例により委員長において指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 御異議がないようでありますから、それでは寺本齋君を理事に指名いたします。  午前はこの程度にいたしまして午後一時半より再開いたします。     午後零時五十七分休憩      ————◇—————     午後二時十七分開議

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 午前に引続き会議を開きます。  一昨十四日付託されました公認会計士法の一部を改正する法律案、及び地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関出張所、税関支署出張所及び税関支署監視署の増設に関し承認を求めるの件を一括議題として提出されました。議案の趣旨説明を求めます。三宅則義君。     —————————————

三宅則義民主自由党

○三宅(則)委員 ただいま上程されました公認会計士法の一部を改正する法律案は、ただ第五十六條但書中、「昭和二十四年十月一日」とありますのを、「昭和二十五年四月一日」に改めるという法案であります。その趣旨を申し上げます。  現在の計理士におきまして、本年の十月一日までは監査、証明ができるということになつておりましたのですが、今公認会計士の特別試驗というものが行われつつあるのでありまして、現在まで公認会計士ができ上つておりません。第一回の予備試驗がありまして、今度九月に再び本試驗があるわけでありますが、これによりましても、現在の状況から考えますと、人数の上においても少く、合格者も割合に少数であるということを聞いておりますから、政府の要望いたしますごとく、昭和二十四年十月一日から証券取引法その他に対する監査、証明というようなことは、当然でき得ないという段階になるのじやないかということを懸念する者であります。よつてその施行期日をもう半箇年延期いたしましたところの二十五年四月一日に改めてもらいたいというのが、本提案をいたしました理由であります。どうぞ皆樣の愼重審議を得まして、本案に賛成せられんことを希望する次第であります。

伊藤八郎大藏技官(主税局税関部長)

○伊藤(八)政府委員 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関出張所、税関支署出張所及び税関及び税関支署監視署の増設に関し、承認を求めるの件の提案の理由を御説明いたします。  最近における外國貿易の趨勢に対應し、税関行政の円滑な遂行を期するため、東京税関支署羽田飛行場出張所と、大阪税関富島出張所の二出張所及び岩國税関支署の上関監視署、嚴原税関支署の比田勝監視署、佐賀監視署の三監視署を増設したいのでありますが、これを必要とする理由を順次に申上げます。  まず東京税関支署羽田飛行場出張所は、第八軍の指示によりまして、昨年の十二月十四日から、航空機による貨物の轉出入並びに旅客に対する檢査取締りを実施しておりますが、この税関業務は早急に行うよう指示されました関係上、とりあえず法令に基かない單なる事務所として設けられたので、事務遂行上多大の不利不便を生じていたのでありますが、本年に入つてさらに連合軍総司令部の覚書によつて、本邦に入出國する財産、貨物は一切通関を要することとなり、かつ近親訪問入國者に対しては、旅券の査証をもあわせ行うこととなつたので、同所における貨物の取扱い件数は激増することが予想せられますので、これを法令に基く出張所とする必要が痛感されるのであります。  大阪税関富島出張所は戰災によつて一時廃止となつていたのでありますが、戰前は大阪港の轉出貿易の約七割を取扱い、その中枢となつていたのでありまして、最近貿易の振興に伴い地元関係業者から税関出張所再会の要望もあつて、とりあえず昨年の十一月に大阪税関富島分室を設け、一帶の輸出入事務を取扱つて來たのでありますが、單なる分室では対外的に不都合の点が多いので、これを法令に基く出張所といたしたいのであります。  次に上関監視署は廳舍の所在位置が隣村の上関村にあるので、現在の室津監視署の單なる名称がえであり、比田勝と佐賀の両監視署は、対馬が密貿易の根拠地となつている現状にかんがみまして、監視網を充実して、密貿易の徹底的取締りを行う必要があるからであります。  以上の二出張所及び三監視署の増設は行政機構縮小の折柄でもありますので、これと見合いに事務量の比較的に少い東京駅出張所と敦賀港駅出張所の二出張所及び室津監視署、松島監視署、若津監視署の三監視署を廃止することにしております。何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことを希望いたします。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 ただいま議題となつております両案に関しての質疑はあとまわしにいたします。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 日本銀行法の一部を改正する法律案につきましては、すでに質疑を終了いたしましたので、これより本案を議題として討論採決に入ります。  討論は通告順によつてこれを許します。田中織之進君。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつております日本銀行法の一部を改正する法律案に対して、反対の意思を表明するものであります。  本改正案が提出されました大きな理由といたしまして、本年度の予算編成を契機といたしまして、財政と金融が截然と分離され、その線から金融制度についての整備を行い、またこれに対する政策の決定を行うために、日銀に政策委員会を設置するというのが、本改正案の滑子でございますが、われわれは財政金融の分離ということには反対するものではありませんので、この財政と金融の分離の線に沿いまして、金融政策の一元的な運営並びにこれに伴います金融制度の整備ということが、必要であろうと考えるのであります。まず第一に本改正案によりますれば、直接対象になつております日銀の制度機構の改正にあたりましても、きわめて、つぎはぎ的な部分的な改正でありまして、根本的な見通しを持つておらない。われわれといたしましては、從來から金融の國家管理を強く押し出しておる関係から、現在の金融政策、金融行政に関する部分、金融制度をそのままにいたしまして、こういう部分的な改正を行うということに対しまして反対するものであります。われわれは日本銀行は中央銀行といたしまして、発券業務一本にむしろ限定すべきである。こういう考えを基本といたしまして、現在大藏省に統轄いたしております金融行政に関する部門は、これを民主的な金融管理委員会に切りかえまして、ここで金融政策、金融行政の統一的な運営をはかるべきであるということを主張いたしております関係から、今回の改正はそうしたわれわれの主張する基本的な線に、何ら沿つておらぬということが言えるのであります。  先般大藏大臣は、あげて大藏省から金融行政を分離することには、反対しているということを申されましたけれども、われわれは現下の財政金融の実情から見まして、金融行政の部門はこれをそうした運営の面から、大藏省よりむしろ分離すべきであるという主張を持つているのでありまして、この政策委員会が金融行政の面にむしろ重点を置きまして、金融省にかわる委員会制度といたしまして、金融管理委員会のような金融政策全般に関する決定を行う機関に御変更なさるならいざ知らず、現在のままの日銀内部の機関にすぎない日銀の政策委員会制度には反対をするものであります。  次に、この政策委員会は、一見民主的な組織の原則である委員会制度をとりまして、ことにこの委員会の委員は他の兼職を許さないということで、金融上の重大なる政策決定に專念できるかのごとき形をとつておりますけれども、本委員会における本案の審議の経過に徴して明らかなごとく、現在のような不徹底な、あいまいな性格のもとにおきましては、委員に十分なる人材を得るということも至難であり、さらにこれに対する大藏大臣の監督権限というものが、何ら軽減されるどころか、むしろ実質的には強化され、日銀の総裁以下執行機関は、まつたく大藏大臣の從属機関的な性格を持つて來るのでありまして、そういう意味において、一見民主的に見えるこの政策委員会は、実は一つのカモフラージュ的なものでありまして、眞の金融の民主化の線に沿うものじやないという点が、反対の第二点であります。  さらに第三点といたしましては、本改正によりましてできる政策委員会の國会に対する責任が明確ではない。これはもちろん行政機関ではないという政府側の説明でございますけれども、政策委員会の決定は、金融行政の重大な面に対する影響力をきわめて強くもつておるのでありまして、さればこそ本改正案の中にも、政策委員会の決定事項並びにそれの実施過程における金融状況等については、國会に大藏大臣を通じて報告するという規定が挿入せられておるにもかかわらず、この政策委員会の委員の選任にあたつて、國会の承認を求めるというような規定もないのでありまして、大藏大臣以下政府当局の説明によりまして、金融行政の重大な一環を担当するところのこの政策委員会の、立法府に対する責任態勢が明確になつておらないということが第三点であります。  第四点といたしましては、現内閣の金融政策というものに対する一貫性の欠如していることは、あらゆる機会にわれわれの指摘とているところでございまするが、二十四年度における確固たる資金計画も、われわれを納得さしめるだけのものをいまだ政府が用意しておらない。さらに政策委員会の設置に伴いまする今後の金融政策の運営と、きわめて密接な関係にあります信用統制に対する方針、並びに経済再建の線に沿うところの金融機構の整備の賛題に対する確たる方針というものが、当然この日銀制度の改革に伴つて示されなければならないにもかかわらず、それが今日まで示されておらない。  以上の点にかんがみまして、われわれはこうしたきわめて不徹底な日銀制度の改革、またその性格のきわめて不明確な政策委員会によるところの金融政策の一貫的運営ということに対しては、何らの期待を持つことはできないのであります。むしろ本法案を政府において撤回をせられまして、今私が指摘いたしました諸点を十分に取入れまして、根本的な日銀制度の改革案、それに伴いまする金融行政機構をいかにするかというような根本的な面にわたるところの檢討を十分に重ねられまして、國会の審議を経るようにやつてもらいたい。そういう意味合いにおきまして、本法案に対しまして遺憾ながら賛成することのできないことを表明いたしまして、反対討論を終る次第であります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 荒木萬壽夫君。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいま議題になつております日本銀行法の一部を政正する法律案につきまして、賛成の意を表するものであります。  提案理由にもありましたごとく、九原則が出まして以來、ドツジ・ラインにおいて日本の金融財政が動いておりますときに、この政策委員会の使命が、金融行政の動向をきめます機関として、重大使命を持つておりますことは、申すまでもないところでありまして、今まで通貨信用の操作の面におきましても、日本銀行が、いわば、政府機関、なかんずく大藏省と遊離したがごとき状況において、独断專行的な動きをしておつたことを非常に遺憾に思つている一人でありますが、それがこの政策委員会の設置によりまして、市中銀行の代表ないしは産業界の代表が加わりまして、いわば比較的民主的に運営されるということになりますこと、そのことは從前の運営面にやや進歩を認められるという見地に立つて、賛意を表するものでございます。  しかしながら、ただいま田中委員の御指摘になりましたがごとく、政府側におきましては、金融部門全般についての、いわば金融業法的な法案御提出の腹案もおありになるやに聞いておりますものの、ただこの日本銀行の組織の改変、しかも政策委員会だけの一部分を取上げられたということは、本來全般的に新しい日本の財政金融界の要請に應ずべき立場において、再檢討を要する段階に達しております今日といたしましては、もとより適切ではございませんので、政府側も言明されるごとく、近き將來において全面的な檢討を加えて、あらためて國会の審議にまちたいという御意向のようでありますから、さような総合的な、全般的な改正につきましては、その機会に讓る意味合いにおいて、部分的ではありまするが、從來のやり方に一歩を進めた意味合いにおいて賛意を表することは、先ほど申し上げた通りであります。  しかしながら質疑應答を通じて政府側の意向等も承りましたものの、この政策委員会の性格が必ずしも明確ではございません。日本銀行内の内部機構であるという説明でありながら、実は政府全体の責めに帰すべき重大事項であるところの諸般の金融政策を、決定機関として取扱う意味合いにおいて、名目は日本銀行内部機構ではありましようけれども、実質的にはまさに行政官廳とでも目すべき機能を持つておるのでありまして、そういう見地に立つてこれを見ます場合に、政策委員会対日本銀行そのもの、及び政府との関連ないしは立法府との責任の限界というものが、きわめて不明確であります。このことは從來、いわゆる法律適用につきましても、その影響しまする効果において、まさに政府みずからの全体の責任においてなさるべかりしものが、日本銀行内において独断で決定せられておつたことにもかんがみまして、それ以上の大幅の金融政策の決定権を持ちまする本委員会としては、もう少しくその性格なり権限なり、もしくは責任の範囲を明確にさるべきものでありますが、これらの諸点は、本來この政策委員会がいかにあるべきかということを再檢討する。しかしその再檢討は、金融業法とも言うべき全面的な再檢討の機会に讓りまして、さし向きの欠陷である権限もしくは責任の限界点の不分明な点は、そのときに是正することを留保いたしまして、以上申し上げるように、さしあたりの当面の措置としては、余儀なきものとして賛意を表するものであります。さらにこれが運用にあたりましては、まずもつてこの委員の選任でありますけれども、政府の御提案の理由にも申されまするがごとく、この政策委員会の生れ出ました重大な使命にもかんがみ、さらに金融はあくまでも生産の増強ないしは民生の安定、さらには貿易産業の振興を期するという、その國家目的のための手段でありまして、あくまでも金融のための金融であつてはならないのでありまするから、委員の構成が、日銀総裁ないし金融代表が名実ともに委員として行動されるメンバーの中では、絶対多数を占めておることにかんがみまして、その人選につきまして、單に金融のための金融ということを考えるような眼界の狹い方でなく、眞の金國民が信頼して、いわば政府にかわつて重要なる金融政策の決定に当るにふさわしき人を嚴選されることを、私は政府に要望いたしまして、初めに申し上げましたごとく、当面の措置として不備ではありますが、いささかでも金融民主化のために前進した案といたしまして、賛意を表する次第であります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 小峯柳多君。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 私は民主自由党を代表いたしまして、ここに提案になつておる日銀法の一部を改正する法律案に関しまして、賛意を表したいと思います。  先般本院を通過いたしました二十四年度の総合的な、眞に均衡を得た予算の強行によりまして、財政と金融とが自然明確に区分されるようになりました。その観点から言いまして、わが國の経済政策の中に占める金融の位置、役割が非常に重大になつて参つたと存じますが、新予算における見返資金特別会計なども、これの運用が金融の形になつて、日本の産業政策に非常に重大な影響を與えると思います。そのことも金融政策の重大性をますます引上げて來ておるものだと考えます。かようにわが國の全体の経済政策における金融政策の位置が、非常に重大になつて参りましたので、今荒木委員からもお話がありましたように、金融のための金融だけに視角を限つた金融政策では、これからの日本の金融政策をまかなつて行けない状態になつていると思うのであります。かような意味で從來の金融のための金融と言うか、金融だけの視角から日銀の業務を推進して参つた行き方を、産業的なあるいは貿易的なもつと廣い視角で取上げねばならぬようになつて参つたと思います。ここに今回の改正案の生れて來た根本的な理由があると思います。しかし他の委員からも御指摘があつたように、制度自体といたしましては、多少不明確な点があると思います。しかしこの点も本來連邦準備制度の中に生かさるべきこの種の委員会と、中央銀行制度の中に生かそうとするところに由來するものでありまして、この不明確もむしろわが國の特殊な金融態樣から生れておるものと見なければならないと思います。もちろん改正すべき方向は明確になつておりますから、実際の経驗に徴して改める必要もあるとは考えますが、ともかくこれだけのことをやりましたということも、日本銀行の運営に関しては、いわば画期的な進歩であろうと考えます。こういう意味で私どもはこの法案の通過に賛成するものであります。なおこの機会に私ども民主自由党の立場を申し上げますと、われわれは経済政策に対しましては、自由主義経済政策をとなえて参つております。しかし自由主義経済政策は、何もかも自由に放す、自由放任の経済ではないのでありまして、基本的な、一般的な財政金融政策に関しましては、これに必要な統制なりあるいは管理を加えて、自由放任経済ではない、自由にして公正な経済を考えるように参りたいと思うのであります。そういう意味から言いまして、中央銀行の運営に関しますこの種の管理なり、統制は、今後もますます必要であると考えます。その必要性の中でこの政策委員会が十分な活躍を、また役割を果すことを願いながら、本案に党の代表として賛成するものであります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 風早八十二君。

風早八十二日本共産党

○風早委員 私は日本共産党を代表いたしまして、本案に反対の意見を表明するものであります。提案理由の説明によりますると、財政と金融との分離に伴う新しい事態に即應するために、日銀の機構と機能を整備すると称しておるのでありますけれども、この前提は完全に誤つておるのであります。財政と金融の分離などということは、官僚の頭の中でのみ考えられることであります。また紙の上では書くことができるだけなのでありまして、事実の上ではそんなものはありもしないのであります。実際は財政と金融とがますます緊密さを加えて、國家と独占資本との癒着結合の実体をなしておることを、証明しておるもの思うのであります。問題はむしろ両者の結合の仕方にあるのでありまして、この点におきましては、同じ戰後経済でも九原則以後の最近の段階において、新しい特徴を加えたことを見逃すわけには行かないのであります。その特徴と申しますのは、金融独占資本が今までよりももつと有効に國家権力を使いこなそうとしていることであります。戰後の巨大な銀行資本は、自己が支配しております産業資本に対する融資の負担の一部を、補給金あるいは各種の政府出資金の形で財政負担に——言いかえますと税金の負担に負わせて参つたのであります。しかしながらその結果は、財政の際限のない膨張となり、巨額の復金債その他実質上の赤字公債の発行と、日銀引受けとなつたのでありまして、結局相当の負担が銀行資本にはね返つて來たのであります。そこでこれではいけない、もつと身軽になつて産業支配力を強化しようといたしまして、今度はその財政負担を文字通り、とことんまで、税金負担にしようと決意したのが、九原則を惡用した吉田政府の現在の政策であると考えるのであります。二十四年度の予算が一般会計の赤字公債はもとより、復金債の発行をも停止いたしましたことは、結局このことを意味するものにほかならないと思います。しかしそれは負わさるべき犠牲負担が軽くなつたわけではないのであります。一部特定の資本家だけへの二千二十二億円に上ります補給金、あるいは八百四十二億円に上る政府出資金等があります限り、負担が軽くなるはずはないのであります。ただ負担を直接引受けるものが日銀からほかのものに加わつただけであります。新たな犠牲負担者はたれであるか。結局吉田内閣のもとにおきまして、労働者は首切りと低賃金と権利の剥奪とにより、農民はまた低米價と強制供出と重税に加えるに封建的な長子相続制の足かせによりまして、学生は学生で六・三制の御破算と大学校案などによりまして、中小商工業者及び内外の独占資本に結びついていない産業資本家は、重税と資金の締出しの板ばさみによりまして、また今回多数の市町村長までがあるいは公共土木事業費の削減、あるいはまだ地方配付金の半減ということによりまして、非常な破滅に瀕しているのであります。吉田内閣のいわゆるデイスインフレ政策の正体というものは、およそかくのごときものだと考えるのであります。  さて以上のごとき判断を前提といたしましてこの法案をつぶさに檢討いたしてみますと、その眼目とするところは、第一に國の金融信用統制に関して從來よりも廣汎な権限を日銀に與えたことであります。すなわち從來大藏大臣に属しておりましたところの基準割当歩合、あるいは貸出歩合等の決定の権限、あるいはオープン・マーケツト・オペレーションの権限であります。さらにこれはまだ日本においては実際にやつておらないのでありますが、いずれ將來においては発生することが予想せられているところの、銀行その他の金融機関の証券業者に対する貸付及び投資、いわゆるつなぎ資金の問題もあるのでありますが、これらの権限も與えられているのであります。かくのごとき廣汎かつ強烈な権限を與えられているのにかかわらず、この政策委員会の構成を見ますと、この政策委員会の構成はあまり問題にならないような貧弱なものであります。と申しますのは、労働組合代表その他の民主的な國民代表が、これに加わつておらないというようなことは一應おきましても、金融界の代表そのものにいたしましてからが、大した人物が得られないことは、大体新聞の下馬評などに上つております候補者の顔ぶれから見ましても、はつきりしていると思うのであります。また大藏代表、安本代表なども加わつておりますけれども、これは結局國家と金融資本との癒着結合というもののシンボルとして出ているだけのことでありまして、少くも一万田氏程度の総裁ががんばつております限り、いずれにいたしましても歯の立つしろものではないのであります。概してかくのごとき委員会なるものは、現在存置せられておりますところの参與の上に、屋上屋を架する無用の長物でありまして、これは民自党のある大藏委員さえも申しておられます通り、まつたく失業対策委員会という批評があるのでありますが、私もまた同感なのであります。その結果はローマ法王廳たる日銀というよりも、ローマ法王たる日銀総裁の独裁が一層激しくなることは、今から想像に余りあるものがあるのであります。ただ異なるところは、対外的に政策委員会が大藏大臣あるいは國会に対して直接責任を負うことになることによりまして、ローマ法王たる総裁は自己の独裁の責任をこの政策委員会に轉嫁し得る、こういう便利を持つことになつただけであります。これこそは日銀機構の民主化どころか、逆に独裁化の仕上げにほかならないと考えるのであります。われわれ日本共産党は現在すでに金融機関の國営人民管理、少くも日銀及び九つの大市中銀行というものを統合し、國営にし、かつ人民管理に付するということの客観的な條件は、この金融関係の実情からいたしまして熟していると確信するものでありますけれども、しかし他面におきましていまだ主体的な條件がこれに照應しておらないということも、また認めざるを得ないのであります。そこで現在の段階におきましては、われわれの要求するまず第一にして最小限のことは、日銀機構全体の民主化であると考えるものであります。それゆえ單に民主的なる粉飾を軽く施して、上から設けられたところのこの政策委員会というようなものをもつて、日銀機構全体の民主化ということにすりかえようとするような本案に対しては、絶対に反対せざるを得ないのであります。  なお日本銀行法の第一條、第二條に規定いたしておりますこの法律の目的というものは、まつたく戰時色が粉々としておるものでありまして、そこに規定しておりますところの國家目的というものに対して、何らかの変更を加えることがないという改正案は、結局國家目的の名のもとで金融資本の独裁強化ということを合図しておるものと、断言せざるを得ないのであります。また第十三條の二に「通貨信用ノ調節其ノ他ノ金融政策ヲ國民経済ノ要請ニ適合スル如ク作成シ指示シ又ハ監督スル」云々ということがありますけれども、しかしながら國民経済の要請というのは一体何であるか。たれがこれを規定するのか。ここに問題があるのであります。これらローマ法王廳なり、特に実質におきましてローマ法王がこれを上から決定するということになりますならば、問題は少しも解決しないのであります。これらの理由によりまして、日本共産党は本法案に対しては反対の意見を表明するものであります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 内藤友明君。

内藤友明新政治協議会

○内藤(友)委員 私は新政治協議会を代表いたしまして、本案に賛成いたします。ただ先ほど來各委員がお述べになられたように、この政策委員会は確かに從來の日銀のあり方よりも、形式的には少しは前進しておると思うのであります。そういう意味において賛意を表するのでありますが、しかしこれは一歩をあやまりますと、屋上屋、かえつてその方面のボスを育成するというようなことになるのであります。今風早委員からこまごま述べられましたが、あるいはまさにその通りになるかとも思うのであります。從つて政府がこの法律をほんとうに運用せられます場合には、その点に十分御注意せられまして、ほんとうにこの法律が要求いたしますようにやつていただきたいと思うのであります。こういう氣持を述べまして、本案に賛成いたします。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 討論は終局いたしました。これより採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 次に本日説明を聽取いたしました公認会計士法の一部を改正する法律案に対しまして、御質疑はございませんか。——別にないようですから、これより討論採決に入ります。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 討論を省略して、ただちに採決せられんことを望みます。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 ただいまの小峯君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 御異議がないようですから、さよう決定いたします。これより本案を議題として採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関出張所、税関支署出張所及び税関支署監視署の増設に関し承認を求めるの件を議題といたします。本案につきまして質疑はございませんか。——質疑がないようですから、質疑はこれにて打切ります。

小峯柳多民主自由党

○小峯委員 この問題も趣旨が明らかでありますから、討論を省略してただちに採決されんことを望みます。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 ただいまの小峯君の動議のごとく決するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 御異議がないようですから、さよう決定いたします。  これより本案を議題として採決いたします。本案を政府原案のごとく承認を與えるべしと議決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 起立総員。よつて本案は政府原案のごとく承認を與うべきものと議決せられました。  なおただいま議決いたしました三件につきましての報告書の作成その他につきましては、委員長に御一任願います。     —————————————

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 この際、大藏省設置法案に関して、内閣委員会と当委員会との連合審査会を開催せられたいという動議を提出いたします。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 田中君の内閣委員との連合審査会を開きたいとの動議がございました。この動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 起立総員。よつて田中君の動議のごとく決しました。  暫時休憩いたします。     午後三時二十二分休憩      ━━━━◇━━━━━     午後四時三十二分開議

島村一郎民主自由党

○島村委員長代理 では先ほどに引続きまして、委員会を開会いたします。  きようは本会議との關係もありますので、これにて散会いたします。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

島村一郎民主自由党

○島村委員長代理 御異議なければ散会いたします。     午後四時三十三分散会

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