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5回国会衆議院1949/05/11

大蔵委員会 第29号

発言数
62
登壇者
10
会派数
5
開催日
1949/05/11

会議録

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 会議を開きます。  復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案、興業債券の発行限度の特例に関する法律案を一括議題として質疑に入ります。田中織之進君。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 今度の復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案に関連いたしまして、本年度の予算編成の関係から、復金の貸出しにつきまして、根本的な方針の轉換が行われたのでございますが、これは過般のドツジ声明にも基礎を置くものであり、政府の方針に対しましては、われわれ予算審議の関係からも、復金の新規貸出しをまるきりやめてしまうことに対する何らかのこれにかわる対策を、政府に対してただして参つたのでありますが、その点がいまだ完全にわれわれの納得の行くものではございませんので、その点について政府の方針を明らかにしていただきたいと思うのであります。このことは経済九原則の実施過程において、いわゆる集中生産の方式が強行せられる関係から、中小企業に対しては深刻なる影響を與えるのであります。また今後の経済再建の基本的な方向として、貿易の振興ということも当然これに付随して参るのでありますが、貿易振興の見地から考えましても、また九原則の実施に伴う集中生産の犠牲として、中小企業の方面における非常な困難な情勢が看取せられるときでございますので、私はこの際復金の方針の大きな轉換に対処するところの、これらの方面に対する政府の金融的な処置をいかに進められるつもりであるか。まずこの点を伺いたいと思うのであります。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 ただいまの問題は、私どもも非常に重大な問題だと考えておりまして、鋭意対策を檢討中でございますが、ただいま明白にお答えをいたし得る状況にはございません。ただしかし、必ずしも対日援助見返資金の関係のみでなく、日本側の措置としても幾らかずつでも、いわゆる空白を生ぜしめないような金融措置を講ずる必要があることはもちろんでございますので、その方面につきましていろいろと現在考えております。そのことの概要をごひろういたしたいと思います。  昨日も申し上げましたように、まず第一の問題といたしましては、本日議題になつておりまする興業債券の発行限度を拡充いたしまして、同時に興業銀行の増資を本年度中に行うことによりまして、興業債券の発行限度が二百億になる。そのうちすでに現在の資本金で十倍発行いたすことになつておりまして、すでに発行したものもございますし、今後に残つておるものもございますが、大体百五十億円程度はこの面からいわゆる産業設備資金が期待されることになると思います。これはもちろん復興金庫の融資のごとき、いわゆる特殊金融はございませんから、その性格は違つたものになると思いますけれども、ともかく資金量としては一應これが確保できるものと考えております。  次に勧業銀行において、やはり同樣債券発行の問題があるわけでございます。これは現在法律上は発行限度が二十倍になつておるのであります。そうして現在発行の余力は約二十億残つておりますが、これは勧業銀行を預金銀行に改組するか、あるいは特殊の使命を残して債券発行も認めるかという問題がまだ解決しておりませんので、懸案になつておるわけでありまするが、現在のこういう状況に対処いたしましては、やはり勧業銀行は二十倍まで債券が発行し得るように、現在の法制通り行えるようにいたしたいと思いまして、これは近々に結論が出るのではなかろうかと考えております。その際におきましては、勧業銀行は現在資本金は十億でございますが、でき得るならばここ一年くらいの間にさらに増資をも計画する。あわせてこの面からもある程度の調達を資金量として確保したいと考えております。それから農林中央金庫、商工中央金庫等につきましても、現在債券の発行余力はいずれも若干残つております。これは金融機関再編或の問題を合せまして懸案となつており、かつその発行余力があるにかかわらず、現在実際上発行が停止されておりますが、これを発行し得るように一日も早くいたしたいものと考えております。  そういう際におきまして、今度は債券は発行できることになつても、その消化がその次の問題になるわけでありますが、私どもの試案といたしましては、現在預金部を中心にいたしまする郵便貯金の増勢等が相当顯著でありまして、預金部としては地方債二百三十三億を消化しても、なおかつ私どもの推算では、年度を通じますれば約百八、九十億の余裕が生ずる見込みでございます。從つてその資金を全額金融債の所有に充てるということは、いささか問題かとも思いますけれども、相当程度は預金部資金によつて、特に農林中金、商工中金などの債券のある部分、あるいは興業債券で一般市中の消化が困難な部分を引受けることをも考え合せることによりまして、こういう特殊金融の穴も補うことは不可能ではなかろうと考えております。  次に運轉資金の問題でございます。御承知のように、現在の融資準則は主として財政資金を確保するという建前で、全金融機関の預貯金の増加分に対する三割ないし三割五分の國債、復金債、地方債を保有しなければならぬことになつておつたわけでありますが、財政金融の根本的な條件がかわつて参りましたので、そういう意味の融資準則を置きますことは、意味がなくなつたわけであります。そこでこれも相なるべくんば最近の機会におきまして、これは預金の増加額をとるがいいか、あるいは総貸出しの残高をとるがいいかというところに、技術的な問題が多少残つておりますが、そのいずれにいたしましても、たとえば二〇%とか二五%とかは、公團関係の認承手形、貿易手形、スタンプ手形、農業手形のごとき一連のものの流通を円滑にする信用制度を拡充するという趣旨をも合せまして、それらの資金として常に留保するようにする。そしてたとえばこれを二〇%ときめました場合に、現在地方銀行等でそのパーセンテージまで行つておりませんものは、毎月の状況を見まして、逐次そのパーセンテージを上げて行くということによりまして、從來の財政資金に留保いたしておつたくらいの資金の量は、流通過程における資金の十全なる供給をするという建前から、それにかわる方法を考えたいと思つております。実は私どもといたしましては、四月一日からでも実施いたしたらと思つたのでありますが、これは内外にいろいろな見方、技術的な難点、その他がございましたために、延び延びになつておりますが、ごく近い機会に成案を得てただちに実行することにいたしたいと考えております。なおその上に日本銀行政策委員会が近く発足するでありましようから、なおそこで十分にそういう事項について檢討していただいて、新しく所要の修正を加えていただくようにいたしたいと考えております。  次に見返り資金の関係でございますが、これは從前、本委員会で御審議いただいておりました当時と、私の知つている限りにおきまして、今日まで全然新しい発展がないようでございまして、実は私どももそれに対しては非常に焦慮しておるような状況でありますが、かりにある程度具体的にこれがきまるようになりますれば、それを見返りにする暫定的の融資というようなことを考え得ることは、当然のことと思つておりますので、若干でもその具体的な見込みがつくことが、一日も早いことを期待しておるようなわけであります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 これらの長期資金並びに運轉資金につきまして、資金量の面で若干のものを確保するような目標をお立てになつておるようでございますが、はたしてそれらの資金が調達できるかどうか。すなわち興業債券、農林中金あるいは勧銀の債券等の償還についても、まだ確たる見通しを持つておらないところに、私の質問申し上げる理由があるのでありまして、その点につきましては、後ほども触れたいと思いまするが、一應予定しておりますそうした資金量が確保せられるといたしまして、それらのものが実際に貸し出されると申しますか、使われて行く方法でありますが、在來のような興銀あるいは勧銀、農林中金等の貸出しの方式に基いてやられるものか。この点復金の機能というものがまるきりかわつて参り、機能が停止される関係から、重大な問題であると思うのですが、一應政府が予定しております資金量を確保いたしましたとして、それがどういう形で貸し出されるかということについて、これは根本的に考えなければならない問題だと思うのですが、その点について何か具体的な構想をお持ちかどうか、伺いたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 この点は先ほど申しましたごとく、現在のところ明確にお答えをするだけの状況になつておりません。ただ復金融資が事実上停止と同樣の状態となりまして以降、各大産業はもちろんでございますし、中小金融、農業金融等につきましても、その窮状の最もはなはだしいものについて、たとえば日本銀行の融資斡旋部等がその間に介在いたしまして、会社の状況と同時に、一方におきましては興業銀行その他の市中銀行の間に入りまして、あつせんにこれ努めておるというような状況でございますし、同時にわれわれ政府側におきましても、非常に困るようなものにつきましては、各方面の應援を求めまして、少しずつでも問題のほぐれるように努力いたしております。それから今後かりに興銀なり勧銀なりが資金量として確保されておるその融資について、從來通りやるのかどうかというお話でございますが、これは一口に申しますれば、やはり從來通りというのが適切かと思うのであります。と申しますのは、少くとも現在の機構の上で、そうして九原則の線から行けば、やはり金融機関の自主性ということが非常に強調されておる。それは理論的には預貯金者の保護ということでもありましようが、同時に現在の機構においてはそうせざるを得ない。一方においては、復金その他の特殊金融というものが全然否定されておりますし、それから財政上の余裕もない、こういうことでありますので、今のところは、そういう行き方をとらざるを得ないのではなかろうかと考えておるのであります。ただその場合に、今度できます日本銀行の政策委員会が、どれだけ事実上の指導勧奬ということがそこに働き得るかというところに、今後の問題があるかと思うのであります。それで制度としてそういうものを規制いたします場合に、たとえば從來の融資準則を信用統制法に切りかえるということももちろんございますが、それにいたしましても、保証もせずに政府も責任を負わぬのに、銀行に対して、お前はここにこれだけ貸せということは、現在のこういうような諸般の政策の根本理念から申しますと、そこまで行き切らぬのではなかろうか、こういうふうに考えております。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 ちよつとお諮りいたします。ただいま本委員会に付託されております議案に関して、衆議院法制局長より発言を求めておりますので、これを許可するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 御異議がないようですから、法制局長の発言を許可いたします。法制局長官入江俊郎君。

入江俊郎法制局長

○入江法制局長 ただいまこの委員会に付託になつております國家公務員共済組合法、それからたばこその他の專賣法、その他一、二の法律案につきまして、最近関係方面から私を通じまして一つの修正の参考意見を示されたのであります。これはあくまで参考意見でありまして、その採否は國会側の自主的な判断によるのでありますが、特にそのことを國会側に私を通じてお傳えをしておくようにという希望もありますので、この際一應申し上げておきたいと存じます。  最初の國家公務員共済組合法でありますが、これにつきましては、今回提出になつております部分は、さしあたり捨ておきがたい諸点の改正として案ができ上つておるのでありますが、これについて今回の改正の部分と関係なく、組合法全般について根本的に考え直してはどうかというのが、一つの参考意見として示されたのであります。  それは一つは、國家公務員法と本法との関係がどうもはつきりしないので、本法は國家公務員法で保健、厚生等の制度が完備するまでの暫定的な法律であるということを明らかにしてはどうか。  それから第二は、共済組合自体の性格から見て、これを國家行政機関の一種であるというふうにしてしまつて、その專從職員等は、國の一般職の公務員にしてはどうか。また從つてこの会計は特別の資金として積み立てて、これを管理してはどうか。さらにこの主管大臣は現在大藏大臣になつておりますが、この組合の目的にかんがみて、これを厚生大臣ということにするのがいいのではないか。ただ財務の関係においては、その限度で大藏大臣がこれに関與するということにしてはどうか。さらにまた共済組合には共済組合審議会がありますけれども、この審議会においても、本人が出ていろいろなことを言い得るけれども、さらに本人以外の弁護士であるとか、あるいはまた証人であるとかを本人の希望によつて出頭せしめて、十分その利益を伸張するような手段を講じてはどうか。これら数点につきまして参考意見として考えてみたらどうか、という話合いがありました。  これらは私は立法的あるいは法制的立場から見れば、十分可能と思います。しかしながらこれは根本的の改正でありますので、その点の内容の問題については、十分当委員会で御審議を願うほかはないかと思うのであります。  それからついでに、たばこ專賣法、塩專賣法、しよう脳專賣法につきましても、参考意見の呈示がありましたので、あわせて申し上げておきたいと思います。この三專賣法を通じまして、多くの点において行政官廳の権限に委任をする部分が多過ぎる。それで関係者の権利義務に関係のある事項を、法律でもう少しよく明定すべきではないか。單に公社であるとか主管大臣であるとかの判断で、物がきまつて行くような建前は、十分考えなければならぬという点が一点。  それから第二点は、この法律におきまして、刑法の規定の適用を排除しております。そのためにきわめて子供でありましても、この罪に形式的に当るというと、処罰されるとか、いろいろな刑法の原則を排除しておる点があるので、英米法的な考えから申しますと、よほど問題であろう、十分考え直す必要があるのではなかろうかという点であります。  それから第三点は、ややこまかい点でありますが、しよう脳等につきまして、一年間の製造高を公社等できめる。あるいは行政官廳できめる。その数を越えて製造すると処罰される。そういうような処罰を伴うような数量の決定方法については、できるだけ法律で何らかの標準をきめるべきである。こういうような意見の提示があつたのであります。條文等について一々こまかいこともありますが、これは必要に應じて專門員の方々等にも申し上げますが、大体專賣法については、以上のような点が大きな問題として示されておるのであります。  それからもう一つ、外國保險事業者に関する法律というのがやはり御審議中と存じますが、これにつきましては、外國の保險事業者と日本人との間にどうも差別待遇をしておるのではないか。そうであるとすると、これは非常におもしろくないから研究をするようにしてはどうかということでありました。私があとでこれを檢討してみますと、なるほど若干の違いはありますけれども、しかしそれは日本の会社と外國の会社との違いから來るのであつて、いわゆる差別待遇ということにはならないのではないかと思うのでありますけれども、そういう参考意見の提示もありましたから、あわせて申し上げておきます。  それからもう一つ、保險組合に関する法律というのがやはり問題になつております。これは中小企業等協同組合法の協同組合であつて、保險を目的とする組合でありますから、中小企業等協同組合法の適用を受ける組合です。ところが中小企業等協同組合法は、ただいま商工委員会の方で御審議中ですが、これにつきましても一つの修正参考意見を提示されております。そこで、もしそちらが直るならば、保險組合に関する部分もそれに應じてやはり直す必要が起るのではなかろうかと思うのでありまして、これについてもあわせて考えてみたらどうかというような参考意見の提示がありました。  以上申し上げた点でありますが、要するに私はただ法律的立場からのみ申し上げるのであつて、政策面等につきましては十分委員会におきまして御決定願いたいと思うので、御参考として以上のことだけを申し上げておきます。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 法制局長に対し何か御質疑はございませんか。なければこの問題については、あとで理事会に御相談申し上げたいと存じます。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 それでは前にもどりまして、田中織之進君。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 先ほど資金の調達の面で、貿易手形、あるいは認証手形、農業手形等があげられておりますが、貿易手形による貸付の状況を調べてみましてもわかりますように、貿易手形を利用するものは、われわれの見解をもつてすれば、比較的大資本に限られておるように思われるのであります。貸出しの口数その他を檢討すればすぐわかることでありますが、そういう関係からやはりこうした貿易手形等の利用ができないところの零細なる企業者の金融問題が——予算が通過いたしまして、実施過程に入つておりまするけれども、ここ数箇月を出でずして、そうした問題が深刻な経済的な混乱となつて現われて來るのではないかということを憂慮する建前から、特に在來の方法によつてやるんだというただいまの局長の説明でございまするが、この点はきわめて迅速に具体案を策定して、われわれにも御提示を願いたい、かように思うのであります。  次に今度の復金に対しまする六百二十四億数千万円の交付公債による出資の問題でございまするが、この交付公債をいかにして消化するかという問題も、きわめて重大な問題だと思うのでありますが、これは当然見返資金特別会計と見合いになつておる問題だと思うのであります。先ほどの銀行局長の御説明では、これは一應見返資金特別会計の関係において予定はされておるのでありまするが、まだ予定以上に進展をしておらないというような意味の御発言があつたのであります。この点に対する見通しを伺いたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 まず第一の貿易手形の問題でございますが、これは田中さんの御指摘の通りの状況でございまして、実は從來貿易手形の扱いに習熟しておりますのは、具体的に申しますれば、東京銀行その他の大銀行でございます。それから從來そういうところに取引関係を持つておりましたものは、やはり主として大業者でございまするので、特に中小の貿易業者、終戰後に貿易に志しあるいは地方的に一生懸命努力しておられる向きについての資金繰りが、十分円滑でなかつたという点につきまして、先ほど申しましたようにとりあえず融資準則をかえまして、正確な数字はただいま持つておりませんが、現在貿易手形に対する市中銀行の融資の残高は大体百数十億円と記憶しております。ところが現在の貿易計画が予定通り順調に行くといたしますならば、本年度の資金を確保すべきものが約五百億円程度になるわけでございます。その資金の量を何とかして確保したいと思いますので、先ほど申しましたように、從來財政資金等に留保せられておつたような考え方を、主として貿易手形その他の配給手形、農業手形等に留保するという考え方、しかも地方銀行がまだ貿易手形には習熟していないのでありますから、場合によればそのパーセンテージに相当する金額で、実際ただちに貿易手形に融資ができないというものがあれば、それに相当する金額を、たとえば日本銀行へ預け金とするというようなことも考えまして、地方銀行と大銀行との間で協調して、日本銀行があつせんの仲立ちをとりまして、総額的にこれがこなせるように考えたい。こういうことで、実は私どもの案は予算の編成と同時にできておつたわけでありますが、先ほど申しましたようになかなかむずかしい問題もございますので、今まだ結論が出ておりませんが、きわめて近い機会に、この点については成案を得てお示しすることができると思います。     〔委員長退席、塚田委員長代理着席〕  その次の復金債の償還の問題でございますが、すでに予算の説明書にも出ておつたと思うのでございますが、これはやはりただいま田中さんのお話の通り、私どもといたしましては見返り資金が、これによつて出します交付公債の全額を償還してくれるということを前提に考えているわけでございます。すでに予算のときに御審議願つたと思いますが、御記憶を新たにしていただきます意味で簡單に申し上げますならば、現在復金債券の発行高は千九十一億円でございます。そのうち二十四年度の予算におきまして、政府が現金で出資いたしまする全額は三百億円であります。それから、本法案によります交付公債によりまして六百二十数億円が政府出資となるわけでございますが、そのほかに先般國会を通過いたしました石炭鉱業等の損失補償のためにする交付公債がございます。そのうちの百四十一億は復金が交付を受けまして、そしてそれを復金債の償還に充てるわけでございます。でありますから、すでに御承認を得ております現金の分と、それから交付公債の新勘定赤字に対する補償の分と、まずこれが債券の償還に充てられます。大体私どもの計算上の見込みでは、本年の十月初旬に、本法案によります交付公債による出資によつて出ますところの交付公債を見返資金特別勘定で買い上げてもらえば、それで復金債の始末が全部片づくというような順序になるわけでございます。從つて先ほど申しましたように、これはそのときまでに見返資金特別勘定の使途が明確になつて、そうしてかねがね関係方面からも内示がございますように、償還がそのときまでに期待できるものと考えておるわけでございます。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 ただいま御説明にありましたいわゆる三百億、これは予算ですでに計上されておるものでございまするが、こうした國民から徴收した税金によつてまかなわれるという形で、復金債が償還されるというようなことでは、私はほんとうの金融的な効果というものがきわめて疑わしくなると思うのでありまして、当然同時に今議題になつておりまする興業債券の発行限度の引上げの関係におきましても、あるいは先ほど銀行局長が説明されました勧銀債券、あるいは農林中金、商工中金等の債券の未発行額の消化というような点につきましても、私はこれこそ見返資金特別会計によつて調達さるべき筋合いのものではないか。     〔塚田委員長代理退席、委員長着席〕  予算に盛られておるような三百億というものを、國民から徴收したところの税金によつて行うというようなことは、むしろ私は金融本來の趣旨に背反するものだ、かような見解を持つておるのでありまして、ことにこの点はまた先般も大藏大臣から、いわゆる鉄道並びに逓信の建設公債の二百七十億以外に、見返り資金関係で確定的になつたものはないのだ、こういうことでございますが、予算の説明書、その他の関係から見まして、この見返り資金の関係で公債の償還、ことにわれわれがその利子のみならず、元本の支拂い停止を主張しておりまする軍事公債をも含めた公債の償還等に振向けられ、それは結局資本の本質から参りまして、そうした方面、ことに銀行の手持の公債等が償却せられるという関係から、自然に金融の面に多少の貢献をして参ると思うのでありますが、これは私資本の本質から來る問題でありまして、こうした見返資金特別会計と、ことに米國の援助による関係のこうした特別会計というものが設置せられている以上、そうしたものが援助資金の本來的な性質から見ましても、やはり特に経済再建九原則の急速なる実施過程において、そのいわば犠牲者として出て來るところの中小企業方面、また農村方面、こういう方面に積極的に活用せられなければならないと思うのでありまするが、これは銀行局長から御答弁を求めることはあるいはむりかもしれませんけれども、先ほど述べられました一應政府の方で予定されておる資金量の調達面にあたつて、見返資金特別会計の運用との関係において、われわれの期待しておるような方向に向つて進み得るものであるかどうか。期待が持てるかどうか。そうした点についてもしお答え願えれば幸いだと思うのであります。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 これは田中さんのおつしやる通り、私からお答えするのは実は資格がないと思うのでありますが、ただ私の承知いたしておりまする限りでは、二百七十億の公債については、これは確定的なものであると思いますし、從來のいろいろの話合いから言えば、私は六百二十四億六千七百万円は、もうほとんど見返り資金としては、確定に近い運用の対象ではなかろうかと想像いたします。それを前提にいたしまして本法案ができておりますことは、先ほど申しました通りであります。その合計が八百九十四億になるわけでございまして、千七百五十億と八百九十四億の差額の約九百億というものが、今後どういう形でどういうふうに配分されるかということが、全然私どもまだ知り得ざる状況にあるわけでございますが、ただいま田中さんの御指摘のような御意見については、ただいま安定本部を中心にいたしまして、日本側としてはいろいろと案をねつているように聞いておるわけでございます。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 この復金に対する政府出資の関係で、本年度からは復金に剩余金が出た場合には、國庫に納付しなければならないことになるのでありますが、二十四年度における復興金融金庫の貸付、回收その他の関係から、はたして國庫に剩余金が納付せられるような結果になるものかどうか。その点についてこれを復興金融金庫の運用の見通しに関連する問題であります。われわれといたしましては復金の貸付が從來きわめていろいろな問題を惹起しておるという関係は、十分批判しなければならないと思うのでありますが、一面また終戰後の日本の経済再建のために、復金の演じて参りました役割の非常に大きかつたということも、これは率直に認めなければならぬという観点から、きわめて関心を持つておる問題でございます。ことに剩余金に関連いたしまして復金の今後一年間における運用について、何か伺えれば幸いだと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 昭和二十四年度國庫への納付につきましては、貸付金の利息收入を九十五億円と見ておるわけでございます。貸付金利息收入九十五億円の中で、事務費その他いろいろの復金運営のための経費が、九億一千万円と計上しておるわけであります。それを差引きました残額八十五億九千万円を、一般会計に納付することに予算が成立いたしております。これは私見でありまして、実際は運営の掌にあたつておる人の見込みでございませんと、はつきりしたことは申し上げかねますが、私が見ておりますところでは、この程度の納付金は大丈夫できるのではなかろうかというふうに考えております。ただ、ただいまもお話の通り、現在貸しておりますものの元本の回收、これを徹底的にやるということになりますと、それとの関連が生じて参りまして、利息の收入等についても現在金融梗塞の折柄でございますから、多少危惧の念なきを得ないわけでございますが、まずこの点についてはあらゆる努力を拂わなければならぬと考えております。なおこの予算以上に利息の收入がございました場合は、それも当然予算以上に歳入にあがるわけでございまして、復金自体でそれ以上の利息收入を得ましても、自由に処分することはできないのでございます。これは今のお尋ねとはちよつとわきに参りますけれども、元本の貸出金の回收を七十五億円と予定いたしておるわけでございまして、この分はそのうち二十五億円は債券の償還に充てられるわけでございますが、この分がもし七十五億円以上に元本の回收がありました場合には、そのふえただけが新規融資をし得る五十億円にプラスされることに、いわゆる彈力條項できめられておるわけでございます。しかしながらこの回收がはたして二十四年度にできるかどうかということにつきましては、実は相当困難ではなかろうかというふうに見込んでおるわけであります。

島村一郎民主自由党

○島村委員 私は興業債券の問題についてちよつと簡單に御質問申し上げたいと存じます。この債券の償還の期限はおよそ何年ぐらいでありましようか。それと利率の問題についてお伺いしたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 現在の條件につきましては、年限は一箇年になつております。それから発行者利まわりは日歩にいたしまして二銭六厘、年にいたしまして九分五厘強、それから應募者利まわりは公募の場合が日歩の二銭二厘八毛、年八分三厘五毛、非公募の場合は日歩二銭六厘、年利九分五厘強とこういうことになつております。しかしこの期限、條件等につきましては現在研究中でございまして、もしこの消化が確保されるようでございますならば、できるだけその年限等は長くいたしたい。長くいたさなければほんとうの産業設備資金の供給はできないというふうに、考えておるわけでございます。

島村一郎民主自由党

○島村委員 実は私のお伺いしたい点は、今後段に御答弁のありましたその問題で、消化の見通しはどうか、それから消化させる方法はどうかというようなことに懸念がありましたために、償還の條件あるいは利率をお伺いしたのであります。消化の見通し等につきまして、あるいは消化の方法等につきまして、御答弁をいただきたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 現在まで増資債券を発行いたしました回数は六回でございまして、二十四年の一月二十五日から三月末までの間に六回、都合九億一千四百万円の債券を発行いたしております。その消化の状況は各銀行、信託銀行、信用組合、無盡会社、農業協同組合、保險会社というような金融機関で全部消化いたしております。  それから今後の見通しといたしましては、これは話合いであくまで行くべきであるか、それとも融資準則的なもので一定の比率を求めて、各金融機関の協力を仰ぐべきかという二つの問題がございますが、とりあえずは話合いで行くという方が穏当ではなかろうかと考えております。  それからこれは私の試案なんでございますが、今後債券の発行高が多くなりました場合に、援助資金を持つて來れば非常にありがたいのでありますが、それは別といたしましても、先ほどもちよつと申しましたが、興銀債等については三分一くらいまでは預金部が引受けてもいいのではなかろうか、また農林中金とか商工中金とかいうような中小の金融面については、さらにその比率をふやして、半額くらいまでは預金部が持つてもいいのではなかろうかというように考えております。  それからいささかわきに入りますが、勧業債券等については発行の條件、利まわり等をくふういたしまして、一般大衆への消化ということに重点をおきたいと考えております。

風早八十二日本共産党

○風早委員 大藏大臣がお見えになりませんから、大藏大臣の分は留保いたしまして、二、三お伺いしたい。今回出ました復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案、並びに興業債券の発行限度の特例に関する法律案は、非常に関係が深いと思うのであります。できるだけ両方の関係を考えながら二、三の質問をしたいと思います。大体復興金融金庫の役割が非常に変化いたしまして、それに伴つた新しい産業資金計画については、まだ出ていないように思われるのでありますが、まずこの点の全体を明らかにしていただきたいと思います。今田中織之進君からの質問に対して、個々の点ではお答えがあつたと思いますが、全体として、ことに長期の産業資金計画について、政府の現在持つておられる計画を話していただきたいと思います。ことに今度興業銀行の社債発行限度を二十倍にするといいましても、そんなことでは復金の演じておりました厖大な機能に取つてかわるべくもないのでありまして、他方におきまして見返り資金の中から、かりに政府が期待される通り産業資金の方へまわるといたしましても、これもまた大したものじやないのでありまして、これらについて産業資金計画の全貌を明らかにしていただきたいと思うのであります。しかしながら私はその前に、一体今まで復金はどういうことをやつて來たか、政府から莫大な出資を仰いでいる銀行でありまして、今までも資本金の千四百五十億円は言うまでもなく全額政府出資であります。その後の一切の負担も政府が背負つている。今田中織之進君も言われましたが、これはみな税金から出ている。ついでながら千七百五十億円の中から出すといいましても、その千七百五十億円もやはり私本会議その他で説明いたしましたように、補給金であり、結局は税金から出ているのでありまして、別に外からもらつたものではないわけであります。こういつた大事な税金から出している出資をもつてできております復金というものが、もしも復金自身が腐つておつたら、いくらこれから金を出すといいましても、どうにもならないわけであります。今まで復金の役割についてはいろいろ問題がありまして、また非難もすでにあつたのであります。しかしこの際に復金の役割についてもう一度はつきりさしておかなければ、またまたもしも興業銀行あたりがそれに一部かわるような役割を持つことになつた場合におきまして、その興業銀行が同じような手でやるということになれば、いくら國民の税金負担によつて出資をいたしましても、結局弊害のみが出て來て、それによつては決して再建はできないと考えるのであります。そういう意味で私は前國会におきまして、これはどちらの委員会からでありましたか、とにかく國会から大藏省並びに商工省に対して、復金の融資の実際の使途についての監査資料というものを要求したわけであります。それについて今回も先刻政府の方は大いに勉強をせられまして、この復金の大口融資先監査資料というものをその一、その二として出されたのであります。われわれはこれに基いて大体監査内容の資料としたのであります。しかしこれを見ますと、この監査資料なるものが、極端に言えばはなはだしくあいまいで、またインチキではなかろうかという感を深くしたのでありまして、この点についてまず政府の御説明を願いたいと思うのであります。具体的に申しますればきりがないのでありますが、たとえば復興金融金庫大口融資先監査資料その二とありますこの厖大な方のものでありますが、昭和二十四年四月となつております、大藏省、石炭廳両方でやつたものでありますが、それの第百五十四ページに、麻生鉱業株式会社に対する監査資料というのがあるのであります。その内訳を一々ここで申すことはできませんが、その終りの百五十九ページに、所見といたしまして、「以上を要するに当社の復金融資借入金については、他への流用関係は見受けられず資金は概ね所期の目的通り使用されたものと認められる。」こういうふうになつておるのでありまして、この通りであるならば何も問題はないわけであります。しかしながらわれわれがたまたま手にいたしました、おそらく同じ監査の任に当られた人の監査であると考えられる資料によりますれば、まつたくこの結論とは違つて、非常な乱脈をきわめた融資の使途状況であるということがわかるのであります。こういう点につきまして政府はこの監査資料に対して責任を持たれるのかどうか。またそういうふうな、もつと実際を割つた資料があるならば、それを出していただきたい。その点をまず伺いたい。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 まず第一の全体の資金計画の問題でございますが、これは先ほど來るる申し上げておりますような現在の状況におきましては、情勢もかわつておりますし、また資金計画の性格も私はかわらざるを得ないというように考えるような時期でございますので、御満足の行くようなものをつくることはちよつと困難ではなかろうかと思うのでありまして、あるいは予想を中心といたしましたアカデミックなものはつくり得ると思いますけれども、政府の見込みとしてお出しするようなものは、実は自信をもつては出し得ないのではなかろうかと思うわけであります。一應の見込みのものはございますけれども、公式のものとしてお出しすることのできるものは、ただいま持つておりません。なおこれは安定本部等とも相談いたしまして、もしお出しできるようなものがありますならば、関係の方からでも御説明するようにいたしたいと思います。  それから復金の監査の問題でございますが、この際ちよつと申し上げておきたいと思のであります。先般も申し上げましたように、実はこの問題は、一億円以上の融資の残高を持つておるところだけでも八十三社もあるわけでございまして、弁解がましくなるかもしれませんが、たとえば大藏省銀行局におきましても、復興金融課というのはわずか十人足らずでやつておるわけでありまして、そのほかにもたくさんの仕事を持つておりますので、方々の人々の應援を求めて、ことに炭鉱会社につきましては石炭廳が主になつてやつたわけでございます。ただいま御指摘の、もし同じ会社について別の報告が出ておるといたしますと、それは私の不勉強であるかとも思いますが、見ておりませんので、別にモディファイせずに監査をして参りましたものに対しまして、印刷の都合等もございますので、要領をピック・アップしたものをつくらせまして、それをとりあえず急いで綴つて提出いたしたようなわけでございます。もしこの会社につきまして一例としておあげになりました別の見方が、同じ人によつてなされておるようなものがあるというようなことでございますれば、さらに念を入れて調べまして何分の御回答をいたしたいと思います。  それから復金の法律のたしか三十一條によりまして、政府は復金の融資先の監査ができることになつておるわけでございますが、何分これは檢察当局の捜査等と違いまして、帳簿を主としてやりますので、なかなかこれは苦心がいりますので、実は從來においてもいろいろ問題がありそうだと思うところを調べましても、なかなかよく調べ得ない。それで別の手で調べました場合に、いわゆる復金法三十一條の監査ではわかり得なかつたような事実が出て來るというような事例もあつたようなわけでございますので、ただいまのところ、大急ぎで一億円以上の融資先を総当りに当つた結果、一應の報告として政府としてこれをお出しいたしたようなわけでございますので、その辺御了承願いたいと思うわけでございます。

風早八十二日本共産党

○風早委員 産業資金計画につきましては、ぜひ安本の最近の作業に基くものにつきまして、大藏省の御協力によつてできたものをひとつ御提出願いたいと考えるのでありまして、それによりましてまた御質問いたしたいと思います。  第二に、復金の融資先の実際の使途状況についての監査の問題でありますが、今若干お答えはありましたけれども、大体この監査資料というものができるについては、それぞれの経営につきまして、これよりもはるかに詳細な監査が一々できておると思うのであります。私はただ一つだけたまたま麻生鉱業の監査資料を手に入れたのでありまして、これは明らかにいろいろ文章がこれとまつたく一致しておるというようなことから、同じその監査者がやられたものだと考えざるを得ないのであります。そんなことをここで一々証明する必要はないのでありますけれども、それでこの資料は非常に重要な資料だと思いますから、私今手元に持つておりませんけれども、こういうふうなものをやはり各委員に当然配付せらるべきではないか。これの方が、はるかに今提出せられました監査資料よりも、内部の分析を十分にやつておる。そこで初めてどうしたならばこの事態が改喜できるか、またこれからの融資というものはどういうようにすべきかという、いろいろな結論も出て來はしないかと考えております。そういう点で政府は、ことさらこういつたような結論を出して、何もなかつたのだ、全然問題はそこになかつたと認められるというふうなごまかしをされるということは、ただ責任のがれという問題だけでなく、これは結局再建にとつて非常に不利益であると考えるのでありますが、政府はそういう資料を即刻出してくださる意思をお持ちになりますかどうか。その点をお聞きしたいと思います。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 これは第一回國会あるいはそれ以前からの問題と思いますが、私ども当局といたしましては、復金の融資について何の隠し立てもしておらないのみならず、むしろいろいろの方からこれを御批判いただいた方が、ただいま風早さんがおつしやつたような再建のために役立つと私は確信しております。そういう点から御要求のものは、從來でも残りなく出しておるわけでございますが、何分御承知のように、一社の関係だけでも厚いものになりますと非常に大部でございますので、便宜上、これは先ほど申しましたようにピック・アップいたしまして、できるだけ多くの会社の概況をお知らせいたそうというふうに心がけておる次第でございまして、実はまだ私自身なども各社についての監査報告は、全部は読み切れない状況でございます。印刷の都合その他もございますので、御要求によりましては、その原本を國会の御要求としてごらんいただければ、何にもかもさらけ出して、私ども隠しておることは一つもないということを断言いたしたいと思いますから、何でもお調べいただきたいと思います。

風早八十二日本共産党

○風早委員 それではこれはぜひ各委員にも参考資料として配付していただきたいと思うのでありますが、昭和二十四年一月十四日麻生鉱業株式会社資金監査報告書、この監査期日は昭和二十三年十一月二十九日から十二月九日に至るまででありまして、担当者の事務官の名も明記してあるのであります。しかもこの文章がまつたく同じありまして、これは明らかに同じ政府の責任のある調査であるということは十分に考えられますので、それが必ず大藏省にはおありだと思いますから、これはぜひお願いしたい。しかし麻生鉱業のはたまたま手に入れたのでありまして、おそらくほかの経理についてもあると思うのであります。それを一々みなあげておつたのでは、いくら政府でもそれはたまらないと思いますから、その点は一例として、私がたまたま入手しておるものだけを申し上げた次第であります。  それによりますと、これは決して分量の問題ではないのです。ここではとてもそんなに詳しいものを出しておれないというお話でありますけれども、分量は短かくても、結論といたしましてどういうところに一体今まで融資の問題があるか、また非難を受けるに値する問題はどういう点であるかということを、率直に出していただきさえすれば、二ページでも三ページでもかまわない。数ページを費してでもその結論がこういうふうな状況では、何にもやらなかつたと同じようになるのであります。問題がないのじやない、必ずあるのでありまして、その問題がどこにあるかということを示していただきたい。この場合におきましては、経理が全面的に乱脈でありまして、内容に幾多の不正もあるのであります。帳簿という点から見ましても非常に不備で、でたらめでありまして、たとえば未決算勘定というようなものの整理ができておらない。それから麻生家というものとこの株式会社とは、こういう大きな一流の大手筋の炭鉱会社でありますし、当然この会計ははつきり区別されておらなければならないにもかかわらず、はなはだその間に乱脈をきわめております。この麻生家に対する仮拂い金というものがただ多いというだけではなしに、それは仮拂い金の中に赤字のままで放置されておるというところがたくさんあるのであります。そういうような点は、こういうことが結論に出ておれば、これはただちに改めて行くことができるのであります。傳票なんかにいたしましても、炭住あるいは一般設備等の区分というものがなかつたり、補助表というものには誤記があり、脱漏があり、鉛筆書きがあり、残高の記入がないとか、また帳簿の保管整理というものが不十分であるとか、関係官廳に提出する書類、またはこの許可書、認可書というようなものの保存というものが、きわめて不完全であるというふうな、実に経理上からいたしましてもイロハである、できておらないということがあるのであります。しかしこれはただルーズでやつておらないという問題だけではないと思うのです。こういうふうにしておいては結局わからないじやないか、わからないのだということで、その結果起つて來ておりますいろないろな問題を隠蔽してしまうということになるのでありまして、それではまじめに経営を立て直したり——実際この経営の状態は惡いのでありますが、立て直して、たくさん復金から融資を受ければ受けるほど惡いのです。そういう実に矛盾がある。いやしくも國家の税金を取上げて復金から出資をしたという限りは、それがほんとうに生産の増強に役に立つ、設備の増強に役に立つということでなければならぬと思うのでありますけれども、それができないというようなことが当然起つて來るのでありまして、しかもそれをまるきり何もわからないようにごまかしてしまう、こういうことになつてしまうのであります。これははなはだ遺憾だと思うのであります。ことに麻生一家というものが自由自在に会社の金を使つておるという点は、自然その金が一体どこにどういうふうに流れておるかという問題にもつながつて來るのでありまして、たとえば二十三年の九月現在で会社の麻生一家に対する貸金残高は、六百二十三万五千円に達しております。その利息というようなものも事実拂つておらない。規定の利息は一應年四分ということになつておりまして、それも二十年以降は拂つておらない。こういうふうなことになつておるのであります。社外の貸付というようなことにつきましても、それがまつたく單なるいろいろな商業的な方面の資金に使われておるというようなことがたくさん上つております。また素灰というようなものもやみに流しておることもあるのでありまして、こういうふうな会計上の問題が、結局はいろいろな不正の問題にもはつきりとこれが連関を持つておるということを考えてみますと、やはりそういう点については、大藏当局としては何ら顧慮する必要はないのでありまして、もう少し眞劍に檢討していただきたい。のみならず事実そういうふうな檢討が、すでに責任ある事務官によつてなされておるのでありますから、これを十分に政策の上に取上げ、今愛知銀行局長が率直に言われましたように、そういう愛知銀行局長の言われるそのお言葉の態度は、非常に私は敬意を表するのでありますが、そういうような意思が事実出ておらないのであります。それでやつておつていただければ問題はないし、われわれもその改善に対して全幅の協力を惜しまないものでありますが、残念ながら事実はまつたく所見という形でもつて、一切こういうふうな事実を出しておられないのであります。私はこれはただ單に麻生鉱業だけの問題ではないと思います。ほかの経営についても、おそらく資料がありましようし、それを見れば、それぞれの担当官は相当の分析をちやんとやつておられると思うのでありまして、それによつて初めて問題が解決されて行くべきものであると固く信ずるものであります。そういう意味で政府はこの監査資料に対しては、まず責任を十分に感じていただきたい。これは何らかの形でこれに対する訂正増補をしていただきたいわけであります。それによつて初めて私どもの質疑もまともにできるのでございます。最初から頂戴した資料がインチキであるということになれば、これは何を論議したところでむだになりますから、ぜひこの点はお願いしたいと思います。  そこで政府は今の資料も出してくださるということでありますから、私は先に進みまして、二、三の質問をいたしてみたいと思います。今後復金が融資をする場合におきまして、また興業銀行が融資をする場合におきまして、その融資の方法そのものについて、あるいはまた融資先の使途状況監査ということについて、どういう方法をとられるか。今までのいろいろな經驗をもとにして、今後の融資並びにその根本的な態度につきまして、さらにその使途の監査方法につきまして、政府の率直なる御意見を伺いたいのであります。

愛知揆一大藏事務官(銀行局長)

○愛知政府委員 先ほど來お話の通り、復金の融資先の監査については、実際はまず私どもの今までの態度といたしましては、御批判はいろいろ受けておりますけれども、何とかして融資を適正ならしめたい。少くとも擬制融資というようなことがかりにも予想されるような所には、昨年の中ごろから何とかして押えたいという態度でやつておつたのでありますが、それと同時に監査が非常に大事になつて、乏しい人間をかき集めて監査に当らしたわけであります。そういうような状況でございますので、一億円以上の監査が済みましたならば、さらに範囲を廣げまして、そのほかの所にも当つてみたいと思つておりますが、大体これらの会社の監査の結果を総合し、直接監査に当つた人たちの意見をとりまとめますると、おのずからそこから対策も生れて來ることも御指摘の通りだと思います。今後は新しい融資が原則的になくなりますので、復興金融金庫自体の機構といたしましても、今度は回收の方に全力をあげざるを得ない。回收ということと監査ということは相伴うものでございますので、そこに重点を置いて、復興金融金庫自体といたしましても、すでに職制の変更等を行いまして、その方に重点を置くことにしておる次第であります。政府といたしましても力のある限り支援し、監督し、指導して行こうというふうに考えております。

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員 風早委員の御質疑が継続中でありますが、元來大藏委員会は第一國会以來、財政金融委員会の昔から、質疑等は盡くしまして、反対、賛成にかかわらず、きわめて円満な運営を保つて來たことが傳統であります。ただいま拜聽しておりますと、復金制度に対しまする風早委員の御質疑は、大要過去のせんさくでありまして、こういうことも將來のために大いに盡さなければならないと考えることは同感でありますが、この会期も差迫つた折におきまして、過去の監査とかあるいは御意見等につきまして、政府当局と微に入り細にわたり質疑を盡すことは困難であろうと存じます。風早委員の御質疑や御主張を封殺する意味ではありませんが、他の機会におきまして適当の機関を設けるなりいたしまして、この大藏委員会としては、來年の二月末をもつて消滅すべき復興金融金庫法でありますから、復金の最後の結末をつけるために國会の責任においてその跡始末をとる、かような立場におきましても、別の機会に別の方法をもちまして、論議すべき筋合いのものでありまして、ただいま提案されております法律案自体に直接関連の少い問題ではなかろうかと思いますから、委員長から各委員にお諮りを願いまして、この際質疑を打切りまして、審議を進められんことを切望いたします。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 風早君に御相談いたしますが、ただいま宮幡君の御要望もございましたので、復金の過去の問題等につきましては、後日日を改めて檢討する、こういうことにいたしたいと思いますが、風早君いかがですか。

風早八十二日本共産党

○風早委員 私がどれだけ質問するかということは、宮幡委員は全部御存じないのです。私はすぐ済むつもりで政府にいろいろ御質問して、幸いに愛知銀行局長からは率直な御答弁がありましたので、私は愛知銀行局長の御答弁に対しては十分満足しておるのであります。でありますから、これ以上この機会に問題を廣げるというようなことは考えておらないのでありますから、あと二、三分でも五分でも質疑を継続させていただきたいのです。そうしますればこの問題は円満に解決すると思います。そうでなく、今のように途中でとめられてしまいまして——むろん動議は多数で通るでありましようが、そうしますと、これははなはだ妙なことになつて來るのではないかと思いますので、その点は大藏委員会の傳統に免ぜられ、ぜひ宮幡委員の御同意をお願いしたいと思います。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 宮幡君に御相談を申し上げますが、ただいまの……

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員 それは今おつしやる通り、決して言論を抑圧する意味じやないのでありますが、元來この大藏委員会の中には、復金制度に関する小委員会を設けて來たのが從來の例であります。それでありますから、ただいま議論しておるような問題は、当然從來慣例的に設けられておりましたその小委員会において審議すべきことで、そこに移すことが適当だと思います。決して風早委員の御質疑をあと二分で打切れとか、三分で打切れとかいう要望ではなくして、國会の会期とにらみ合せて、この委員会としてとるべき当然の方針だと思つて動議を提出したわけであります。この点は私どもの方からかえつて風早委員にお願いいたしまして、何とぞ御了承願つて、小委員会なり設置いたしまして、大いに國家のために全智全能を傾けて、復金制度の監査なりあるいは今後の清算について御研究くださることはけつこうだと思います。それには双手をあげて賛成するものでありますが、一應本委員会に付託されました各法案の審議の進行状況を見合せまして、私はあえて動議を提出した次第でありますから、どうぞ委員長から風早委員にもこの点よく御了承願われて、ぜひとも動議の通り御採決願いまして、審議を進められんことを重ねてお願いいたします。

塚田十一郎民主自由党

○塚田委員 今宮幡委員から打切りの提案があり、風早委員からもう少し質問させてくれということでありますが、私自分の感じから申し上げますならば、法案そのものに直接の関連のない質疑は——もし御本人がなおやりたいと言うなら、それまでおとめする意思はないが、ことに二、三分でけつこうだとおつしやられるのでありますから、それは適宜なさるのがいいじやないかと思います。ただ関連いたしておる問題は非常にたくさんあると存じますので、一應問題の所在は風早委員から今摘出されたのでありますから、理事会にお諮り願つて、別途に何らか考えることにして、その辺の線でひとつお打切り願つたらいいじやないか、こういうように考えます。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 それでは風早委員から二、三分間というお話でございますので、この点を許すことにいたしたいと思いますが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 それでは風早八十二君。

風早八十二日本共産党

○風早委員 宮幡委員御提案の小委員会の件は私も大賛成でありまして、ぜひそういう形でこれは徹底的にやつていただきたいと思います。この際私は一言皆樣方に十分主張しておきたいのは、私が今日出しておりますこの質問は、まつたく今日の法案に即した、法案そのものの審議上の質問でありまして、それ以外の何ものでもないのであります。今日は復金の融資に関する問題が出ておるのでありまして、復金の融資にあたりまして、もしも復金の融資方法が納得ができません場合におきましては、いくらこの法案を通すか通さないかということを論義してもしようがないのであります。でありますから、この点についての政府の所見を伺つておるわけであります。  次にこの資料につきましても、これはこの法案を審議するために政府からわざわざ國会へ出された資料でありますが、この資料の内容について少しでも不備があれば、それについては当然審議上これを問題にして行くということは、許されることであると考えるのでありまして、その点はひとつ十分に御了承願いたいと考えるのであります。宮幡委員から小委員会の御提案がありましたから、私はそれに賛成しまして、もう多くは言いたくないのでありますが、ただ一言だけ申し上げます。復金の融資にあたりまして、措置当を得ないものという昭和二十二年度の決算の会計檢査院の報告でありますが、國会自体へ配付せられましたこの資料によつても、非常に復金の融資が放漫であるということ、それからある特定の会社に対して融資が非常にえこひいきになされたということ、この二点が強く指摘せられておるのであつて、その証拠はここに上つておるのであります。今日は時間の関係も十分考慮いたしまして、それらを一々ここに引合いに出すことは省きますが、そういう点を十分考慮願いまして、過去のことであるといいながら、結局こういうようなことについてはつきり國会の態度をとつておきませんと、また今後同じようなことがとられるおそれがある。これは復金だけでなく、これから興業銀行がそういう役割を持つて來る、あるいは勧業銀行がそれに補充して同樣な役割を持つて來る、あるいはまたそのほかの機関が動き出すということになりましても、問題の本質は同じでありまして、根本はこういつた融資機関は眞に融資の目的に合致するような融資の方法を決定され、さらにその相手方の被融資者がいかにそれを使途したかということについては、ほんとうの責任のある監査ができるような仕組みを立てることが前提であると考えておりまして、そういう点については結局小委員会で國会としての積極的な方法なり意見なりをまとめて、政府に提議するようにいたしたいと思うのでありまして、この点についての質疑を打切りたいと思います。  興業銀行の債券の発行限度増大につきましては、いろいろ問題があるのでありますけれども、これらについて質疑をしておりますと、また五六分では済まなくなるのでありますから、これは一應次の機会に讓ります。小委員会の今の提案をひとつ具体的なものにしていただきたいということを、最後にお諮りして私の質疑を終ります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 復金の問題につきましては、あとで理事会にお諮りいたしまして、小委員会でも設けて檢討することにいたしたいと存じます。ほかに御質疑はございませんか。——風早委員に御相談申し上げますが、先ほど大臣に対する質問が留保になつておるようでありますが、大臣はマーカット代將との会見定例日になつておりましてお見えになりませんので、大臣に対する質問は後日に讓つていただきまして、両法案に対する質疑はこれを打切りたいと存じますが……

風早八十二日本共産党

○風早委員 これは大藏委員会の各委員におきましても同じような感じを持つておられると思いますが、一体この大藏委員会には、めつたに大臣が出たことがない。今度の会期中一回かせいぜい二回だつたと思います。これくらい忙しく縁の下の力持ちをやつておるこの委員会に対して、あまりに政府はけしからぬと思うのでありまして、こういう点は政府委員も大いにやつていただきたいと思います。委員長も嚴重に警告していただきたい。今日はせつかくの委員長の仰せでありますから、大臣に対する質疑は後日に延ばすことに私は同意いたします。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 大臣に対しましては委員長から嚴重に警告を発することにいたします。  それでは両案に対する質疑は、これにて打切りたいと存じますが御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 御異議がないようでございますので質疑を打切ります。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 それでは國家公務員のための國設宿舎に関する法律案につきましては、すでに質疑を打切つてありますから、これより討論採決に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。宮幡靖君。

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員 國家公務員のための國設宿舎に関する法律案につきまして討論に入る前に、まず修正意見を申し上げます。本修正案は、日本共産党を除きます各党共同提案にかかるものでありまして、その修正の條項を朗読いたします。    國家公務員のための國設宿舎に関する法律案に対する修正案  國家公務員のための國設宿舎に関する法律案の一部を次のように修正する。   第十條第一號、第二號及び第四號を次のように改める。   一 衆議院議長及び衆議院副議長   二 參議院議長及び參議院副議長   四 最高裁判所裁判官   同條第七號を第八號とし、以下順次一號ずつ繰り下げ、第七號として次の一號を加える。   七 衆議院事務總長及び參議院事務總長   第十九條但書を次のように改める。   但し、公邸及び無料宿舎にあつては、六十日、有料宿舎にあつては六月をこえてはならない。   附則に次の二項を加え、附則第三項を第五項とする。  3 宿舎審議会は、第三條第二項に掲げる事項につき調査審議の結果を國会に報告しなければならない。  4 宿舎審議会が第三條第二項に掲げる事項につき調査審議を完了するまでは、國家公務員に貸與すべき宿舎に関しては、この法律の規定にかかわらず、なお從前の例による。  以上が修正案であります。その理由を簡單に申し述べます。  第十條の公邸を供與さるべき資格者の中に、衆議院の副議長、参議院の副議長等が落ちておりますのは、立法の上の間違いであろうと存じます。また最高裁判所の裁判官は現に公邸を供與されておりますが、それが單に裁判所長官となつておりまして、最高裁判所の裁判官が載つておりませんので、これを明示するのが適切であろうと考えたわけであります。また第十條の七項の次に、衆議院の事務総長及び参議院の事務総長を加えたのも、各院の副議長を加えたのと同じような意味におきまして、これは提供されるものとして追加さるべきものと考えたわけであります。第十九條の但書は、義務居住者あるいは有料の宿舎にいるものが、その義務なり責任が果てた場合は、すみやかに退居しなければならないという本條の規定に対しまする範囲を、但書的に規定しておりまするが、その期間が一樣に六十日という原案は、住宅難の現状におきましてはなはだ適切でないと考えまして、これを無料宿舎にあつては六十日、有料宿舎にあつては大体民法の精神に合致いたしますように六箇月、かように訂正いたしたいと存ずるものであります。なお附則に設けました各項は、本法律案の構成全部にわたりまして、運営の大綱すべてを宿舎審議会に委任されまして、むしろ國会の立法権と行政監督権がことごとく審議会にゆだねられたきらいがありますので、國会がやはり当然の使命として宿舎審議会の決定を監視する。かような意味において、この審議会の結果については、これを國会に報告することにいたし、國会において重ねてこれを審議する。こういうような制度が正しいではなかろうかと考えているのであります。この宿舎審議会ができ上りますまでには相当の期間がいるので、この法律施行後、宿舎審議会の調査審議の結果が現われますまでの取扱いにつきましては、從來の慣例によりまして、この法律の規定にかかわらず処理して行くような附則を設けまして、経過的な措置を講じたいと考えた次第であります。なおこのほかに有料宿舎、無料宿舎、その他退去の件につきまして、委員の間におきまして、借地借家法を準用すべきであるというような御議論もあつたようでありますが、この点は、國有財産である建前から考えまして、ただちにこの意見を取上ぐべきかどうか後日の研究にしたい、かように考えたのであります。要は、ただいまの國家の均衡財政の建前から、行政整理を実施する際におきまして、行政整理の結果といたしまして、義務居住者なり責任居住者なりが退去すべき状態が生れると思うのであります。しかしながら住宅難の現状は、これは何人も否定することはできないので、この住宅難のときに、いたずらに注文解釈にとらわれまして、これを苛酷に処理するというような非難を受けることは、はなはだ適切でなかろうと考えまして、ここに緩和いたしたのであります。しかしながら官舎をあてがわれるというときに、從來の慣例は、居住者に居住を命ずるという辞令を出しておつたのであります。その是非善惡は別といたしまして、この法律にかかわらず、居住者に対しましては、國家あるいは行政廳もこれに協力いたしまして、すみやかにかわるべきところを探してやり、法律の條文にかかわらず、このことがすみやかに運営できるように当局にお願いするものであります。  以上がこの修正案を提案した理由であります。わが民主自由党は、この修正案を除く原案に対しましては全部賛成と意を表する次第であります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 田中織之進君。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま宮幡委員の提出せられました修正案並びに修正案を除いた原案に対して、強い希望條件を付して賛成するものであります。  この法律は審議の経過にかんがみましても、いろいろな欠陷のあることはいなまれないのでございます。ことにこの法律に規定せられまする國設宿舎の実情を政府当局も十分把握せられておらないことが、委員会審議を通じて明らかになつておるのでございまするが、わが党といたしましては、先般議会を通過いたしました予算の中に、十一億円という國設宿舎に関する経費が計上せられておるのでありまして、現下の住宅事情の逼迫しておる折から、この予算が早急に実施せられまして、住宅難を緩和せられることに寄與したいという大きな動機から、きわめて不備な点も見受けられるのでありますが、これに賛成するわけであります。特に強い希望を申し述べておきたいのは、有料、無料の宿舎ともに、ことに無料宿舎は、無料という形をなしておりますけれども、國家公務員に対する現物給與の一部分であるという考え方から参りまするならば、ただちにそれが公務員の実收に影響して來る問題であります。ことに有料宿舎の場合といえども、合理的な使用料を徴收することは、財政的な見地から言えばそれはうなずけるのでございまするが、これは多分に國家公務員に対する國としての厚生施設的な性格をもつておるものでございますかる、そういう点で十分そうした國設宿舎の趣旨を徴して、ただ機械的に民間の家賃との均衡の一点だけをとらまえて、使用料等を設定されてはならないという点。次に第十九條の四項、國設宿舎を明渡す場合の條件といたしまして、「國の事務、事業の運営の必要に基き先順位者が生じたとき。」これはきわめて誤解しやすい條項であります。もちろんこうした趣意のものは宿舎審議会において行われることと思うのでありますが、これの決定にあたりましては、ただ國の事務、事業の運営という面のみとらまえて決定することのないように、具体的に申しますならば、下級の公務員が入つておるところに、上級の公務員が入つて來たからというようなことで、下級の者を追い出すような弊害を起さないように、順位の決定にあたつては特に格別の考慮を拂うと。以上の諸点につきまして、これが運用上格段の注意をして、ことに修正案に盛られておりますように、宿舍審議会において諸般の事項について調査審議をいたしました結果につきましては、すみやかに國会に報告して、本來ならば國会の承認を必要とするというところまで持つて行きたいのでありますが、その点は運用によりまして、十分その効果をあげていただくことを強く希望いたしまして、これに賛成をするものであります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 荒木萬壽夫君。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりまする法案に関します宮幡委員の修正案及び修正意見、及び修正部分を除く原案に賛成の意を表するものであります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 風早君。

風早八十二日本共産党

○風早委員 私は日本共産党を代表して、宮幡委員の提案されました修正案、從つてまた修正案を除く原案に対しましても、反対の意見を表明するものであります。  大体この法案の中で最も問題になりますことは、申すまでもなく第十九條の但書でありまして、この但書によりまして、有料宿舍に入つている人たちは、退職の場合、その他の條件ができました場合におきまして、いかなる場合があつても六十日を越えない期間に、立ちのかなければならないというような規定があつたわけであります。これがいかに実情を無視し、ことに有料宿舍にある下級の職員たちに対するその居住権の否定になり、ひいてはその生存権の否定にもなるということは、今日の住宅難の実情その他低賃金という実情によりまして、十分にこれは明らかだと思うのであります。こういう意味におきまして、いやしくも有料宿舍という場合におきましては、これは当然に國家が賃貸借をやつておるのであるというふうにみなして、これは少くとも一般の借家法による借家人の保護というものの規定を準用すべきであるということを、私は主張しておつたのであります。しかしながらここにはただ單に六月を越えてはならないというふうなことになつておる。これはもちろん原案から見ますれば数段の進歩でありまして、その点は共産党といたしまして大いにこれを多とし、支持するものであります。しかしながら六月を越えてはならないというのでは、これははなはだ不十分でありまして、借家汚によりますれば、解約の申入れが少くとも六箇月前になさるべしというわけでありまして、実際問題として六箇月以内に立ちのきを要求せられることはあり得ないのみならず、さらにこれが裁判にかかり、調停にかかつた実情を見ましても、いかなる場合でも大体一年あるいは二年以内に立ちのかなければならないというようなことにはならないのでありまして、こういう実情に照しましても、六月を越えてはならないというのでは、非常にこれは保護規定としては不十分であるというふうに考えるのであります。もしも今からでも、有料宿舍に居住する職員に対しては、この場合において借家法の規定を準用するという修正案について考慮してくださるというようなことが、委員会において決定せられるならば別でありますけれども、それがこのまま通るということになりますれば、これは共産党としては反対せぜるを得ない。そうしますと、現在の実情ということになるのでございますが、現在むしろそれぞれの地域におきまして、あるいは國鉄、あるいは逓信の從業員諸君は、それぞれのその組合の力によりまして、大体適当にこの問題についての解決を與えておつたわけであります。今まで幸いにこれがはつきりした法律になつておらなかつただけに、むしろ実情に應じて解決しておつた。そういうふうな可能性も今度は非常にこれで阻止せられるということになると考えるのでございまして、かたがたこの案に対しては反対せざるを得ないのであります。いわんや原案に対しては、申すまでもなく絶対に反対でありまして、原案であれば、もうこれはまさしく居住権の否定、ひいては生存権の否定でございまして、憲法の違反になるということはかねがね主張した通りであります。  以上の理由によりまして私は本案に対して反対の意見を表明いたします。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 内藤君。

内藤友明新政治協議会

○内藤(友)委員 私は新政治協議会を代表いたしまして、ただいま宮幡委員から述べられました修正意見、並びにそれを除く原案に対しまして、賛成の意を表します。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。まず宮幡君提出の各派、共同提案の修正案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 起立多数。よつて本修正案は可決されました。  次に本修正案の修正部分を除いた原案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 起立多数 よつて本案は修正議決いたしました。  なお報告書その他につきましては委員長に御一任願います。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 次に、復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案、興業債券の発行限度の特例に関する法律案を一括議題として、討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。宮幡靖君。

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員 ただいま上程されております二法案、そのうちの特に復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案、この法案は、復興金融金庫は幾多の不正あるいは堕落の事実を天下に公表した点は大いに是正し、これにつきましては、また將來にわたりましても十分監査等の手続をなすべきでありますけれども、一般市中銀行から供給されない産業資金を供給いたしまして、日本産業経済の復興に寄與しました功績というものは、これを全面的に否定することはとうていできないものでありまして、しかも経済安定九原則の忠実な実施によりまして、復興金融金庫はその法の定めております。明年の二月をもつて、終末を告げようという状態でありまして、本年は貸付や資金の供給に專念いたしますよりも、むしろ資金を回收して、剩余金を生せしめまして、國庫に返納する。かような一つの集約期であろうと考えられておりますが、本委員会において本案の審議中にも、委員の発言の中に、政府は千四百五十億の出資をしておるではないか、こういうような御議論があつたのでありますが、出資するとはなつておりましたが、今まで出資を履行して來なかつた。復金債の発行によりまして、多くは日銀その他の銀行の引受けによつて資金の調達をして参つたものでありまして、政府出資の未履行分をこの際解決いたそうとする措置であります。しかもすでに本年度の予算は成立いたしまして、三百億の出資は計上されております。その他登録公債で交付いたします六百余億というものは、これは一種のこもつき出資と申すと言葉が惡いのかもしれませんが、復金債と相殺的な処置を講ぜらるべきものでありまして、これがためあえてインフレを助長する危險、あるいはその他の弊害も伴なわないものである。むしろ復興金融金庫の有終の美を收めるための当然な措置でありまして、かかる法案に対しましては、わが民主自由党は何ら反対すべき理由を認めないものであります。もつとも、過去の復興金融金庫の融資にからみましての各種の問題は、先刻も申しましたように、適当なる機関を設けまして十分檢討いたしまして、國民の期待に反しないように処理することは、また本委員会の使命であろうとも考えておりまするが、これは別個の問題であります。本案それ自体は、現在の実情におきましてまことに適切なものであると考えまして、わが民主自由党を代表いたしまして、原案に全面的に賛成の意を表するものであります。  次に、興業債券の発行限度の特例に関する法律案、これはやはり経済安定九原則を忠実に実施いたします関係上、今まで俗な言葉で申せば、道樂者のやつておつた仕事というようなことで、借金政策でまかなつて参りました國家及び各種の産業の実情を、均衡のとれたものに持つて行こうという本旨から考えまして、予算といわず各種の法案がこれに歩調を合せるように組まれた。從いまして復興金融金庫の方の融資関係が、もし從來のような形で行われないとしますると、現在本年度の予算を通じまして、また各種の今日國会を通過しました法案をながめますと、一体産業資金というものはどこから出て行くのだ、一体産業資金の供給というものはどういうふうに考えておるのだという疑問が、当然に起るものであろうと思います。一部には簡易保險の積立金を、これはただいま大藏省で預かつておりますものを、あるいは郵政省にもどしまして、これを別途な方面に運用したり、地方債の引受けを預金部においてなしたりする等の金融措置は考えられておりまするが、全般的には産業金融というものはどこから出て來るか、こういうことが、大きな疑問であります。実は時間が許すならば、この全般的な金融政策につきまして、本委員会といたしまして政府当局に一應の所信をただすべきでありましたが、その機会を失つておるのでありますけれども、いずれにいたしましても、それでは産業資金がどこから出て來るかと言われますると、興業債券の発行限度を拡張して、ここから生れて來るものが行くのだということが適切な証明にしかなりません。あとは一千七百五十億の見返資金特別会計の中から生れまする、將來に期待されましたところの運営のみでありまして、むしろかような法案は即刻通して、実施に移しまして、國民が金詰まりに悩んでおりまする実情を、善意に救済すべきものであると確信するものであります。從いまして、本案はむしろ委員会の審議が遅れまして、公布の日の遅れましたことをかえつて遺憾とするものでありまして、すみやかな実施に多大の期待をかけまして、しかしこれによつて幾分なりとも産業資金の緩和という面にも役立ちますことを、絶大な希望を持ちまして、わが民主自由党を代表いたしまして、原案に賛成の意を表明する次第でございます。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 田中織之進君。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されておりまする両案に対しまして、反対の意見を申し述べます。  この両法案の審議を通じまして、政府が産業資金の調達のために努力せられるということは了とするのでございまするが、政府側の明らかにされましたところによりましても、ことに経済九原則の実施過程において、その犠牲者として出て参りまするところの中小企業者の問題、また農民、漁業者の問題、こうした面に対する金融的な措置等については、何ら確たる方針が示されておらないのであります。このことは中小企業者にいたしましても、あるいは農林水産業の方面におきましても、いわゆる國家財政と金融の分離の関係から、予算の面においてこれらの方面に向けられる支出というものも、著しく削減されておる現在の段階において、むしろこうした形において調達せられるところの資金は、重点的にその方面に振り向けられなければならないにもかかわらず、政府のこうした方面に対する方針が明確でないこと自体が物語りまするように、こうした形において調達せられるものが、結局独占資本の擁護に陷るということは明らかであると思うのであります。ことに復興金融金庫に対する交付公債による出資の面は、ただいま民自党の宮幡委員の討論の中にもありましたように、積極的に産業資金の面に直接的に動くというものでは断じてないのでありまして、復金債券を持つておる銀行資本に振り向けられる形のもので、積極的に産業資金の面にまわすことは期待できない。そういう観点からわれわれは、これらの資金が結局において中小企業者、農民、労働者のむしろ犠牲の上において、独占資本を擁護する結果になる、こういう一点から、両法案ともに遺憾ながら反対するものであります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 荒木萬壽夫君。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりまする両法案に対して賛成の意見を述べるものであります。  先ほども御指摘がありました通り、現下の産業資金難は深刻なものがございます。きわめてわずかで乏しいながらも、興業債券の発行限度の特例に関する法律によりまして、資金を提供されますことを認めまして、本法案には賛成するものでありますが、同時に政府といたしましては、ともすれば千七百五十億の例を見返り資金にすべてをおつかぶせておられるようでありますけれども、現実はなかなか外國の例を見ましても簡單ではないというこれを伺つております。よしんばこれに依存するとしましても、これが効果を有効適切に発揮せられるように、全力を傾注せられんことを希望いたします。  さらに復金関係の法律につきましては、これはやむを得ざね処置といたしまして、賛成の意を表するものであります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 風早八十二君。

風早八十二日本共産党

○風早委員 私は日本共産党を代表して、両法案に対して絶対に反対の意見を表明するものであります。  その理由は、まず第一に、政府はこの重大なる両法案の提出に際して、確たる産業資金計画を持ち合されないということでありまして、それでは全然これから先の資金問題、特に産業資金問題についての見通しは立たないのであります。そういう非常なあいまいな状況のもとで、いたずらにこういう法案をつくつても、まつたく有害無益であると考えるからであります。  次に、特に復金につきましては、復金がなるほどその貸付金を回收いたしまして、これからは新しく復金債の発行をやらない。その回收したものの限度内で新しい買付をやるということを規定する意味におきまして、いわゆるインフレーション政策に対する抑止というような建前を一應とつておるのでありますが、しかしながら実際におきましては、この回收された金はどこへ貸付けられるか。このことを考えてみました場合においては、われわれは一方において今日政府がはつきりととつておりますところの集中生産方式というものとにらみ合せて、これを理解せざるを得ないのであります。そういたしますと、これらの回收した金はもはや大中小のまじめな産業資本家に行くどは考えられない。ことに中小の資本家にこれが行くということははなはだおぼつかないのでありまして、その回收される額がきわめて限定されたものである限りにおきまして、なおさらこれはきわめて特定の巨大な資本家のものにのみ貸付けられるということは、火を見るよりも明らかであると考えるのであります。また回收の面においても、今までの復金融資の仕方というようなことを大体考えてみますと、まだ復金がほんとうに自己清算をしたというようなことは、その機構の上からも少しも考えられないのでありまして、同樣な復金の機構をもつてしては、必ずやまたこの回收についてもはなはだえこひいきがあるであろう。巨大な資本家からはろくに回收しないで、かえつて弱小資本家からぐんぐんと回收して行くというようなことが起らないとは、少しも保証できない。そういう点を考えてみますと、またしてもこの新しい復金に関する法案は、大資本家擁護であると断定せざるを得ないのでありまして、これが第二の反対理由であります。  興業銀行の社債発行限度の拡張にいたしましても同樣でありまして、やはりこの復金の問題と関連してでなければ、これは理解することはできぬのであります。これらのまた一方におきましては、産業資金計画が確と立つておらないということ、また地方におきまして、集中生産方式というものが確立しているということの両方からいたしまして、結局その資金の新しい融資能力の及ぶところは、巨大な特定資本家の擁護になるという結論が出ざるを得ないのでありまして、この点についてもまたわれわれはこの法案に絶対に反対せざるを得ないのであります。  今日資本家は、いわば國家財政を食い物にして、國家財政の負担ということについては、直接國民の重税の負担において初めてその経営を成り立たせて行く。それでもまだまだ赤字だ、赤字だと言いながら、ますます國家財政を食い物にして行く。從つてまた税金の負担を増大さして行くという実に矛盾した状況にあるのでありまして、このことは言いかえれば、もはや今日はこういう巨大な資本家というものはみずからこの経済を担当して行く、産業再建を担当して行く能力がないということを示すのでありまして、かたがた現在すでに非常に少数の者の手に厖大な産業設備や資金が集中せられているということは、一方から申しますれば、この経営というものに対して無能力であるこれらの巨大な資本家を排除して、これにかわつてもつと民主的な、人民的な管理にこれを移して行くということにならざるを得ない。もうそこまで來ていることを、われわれはいまさらのごとくに痛感するわけであります。そういう意味におきまして、これらのきわめて反動的なる両法案に対しては、共産党は絶対に反対の意見を表明するものであります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 討論は終局いたしました。これより採決いたします。復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案、興業債券の発行限度の特例に関する法律案、右両案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 起立多数。よつて両案とも原案の通り可決いたしました。  なお報告書の作成その他につきましては、委員長に御一任願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時六分散会

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