大蔵委員会 第28号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1949/05/10
会議録
○宮幡委員長代理 ただいまより会議を開きます。 議案の審査に入ります前に、ちよつとお諮りいたします。昨日御決定を願いました日本銀行法の一部を改正する法律案に関する公聽会の開会承認要求の件につきましては、同日議長の承認を得ましたので、衆議院規則第七十七條によりまして、あらためて正式に決議をいたします。ただいま審議中の日本銀行法の一部を改正する法律案に関し、來る十三日の午後一時より公聽会を開会するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮幡委員長代理 御異議ないようですから、さように決定いたしました。 なお衆議院規則第七十九條によりまして、公聽会開会報告書を提出することになつておりますが、これは委員長に御一任を願います。 —————————————
○宮幡委員長代理 それではこれより議案の審査に入ります。昨日より質疑継続中になつております金融関係五法案、及び專賣法関係五法案につき質疑を継続いたします。この際政府委員より発言を求められております。これを許します。愛知政府委員。
○愛知政府委員 昨日御審議いただきました日本銀行法中改正法律案につきまして、説明の足りない点があるように思いまするので、若干補足いたしまして御説明いたします。 今回法案に出ておりまする日本銀行の政策委員会は、昨日申し上げましたように、日本銀行の内部機関でございまして、行政官廳ではないわけでございます。 それから次に大藏省との監督関係を申し上げまするならば、今回の法律案が、日本銀行法中の一部改正ということになつておりまするために、現行法の大部分が今後におきましても存続いたしますので、その関係を御説明いたしますると多少補足できるかと思いまするので、その点を御説明いたしたいと思います。 現在日本銀行法によりますると、現行法律の第四十二條によりまして、日本銀行は主務大臣の監督を受けるということが明瞭になつております。これらの点につきましては、今回の改正案にかかわらず依然有効であるわけでありまして、從つて政策委員会が日本銀行の内部機関である限りにおいて、政策委員会をも含む日本銀行全体に対して、大藏大臣の監督権は依然存続するわけでございます。なお現行法の第四十三條によりますると、主務大臣すなわち大藏大臣は、日本銀行の目的達成上特に必要ありと認めるときは、日本銀行に対し必要な業務の施行を命じ、または定款の変更その他必要な事項を命ずることを得ることになつております。これも依然存続するわけでございます。その他現行法を逐一読みますることは省略いたしまするけれども、そのほか日本銀行の業務、財産の状況等に関しまして、何どきでも大藏省は日本銀行から報告を徴し、檢査をいたし、その他監督上必要な命令処分をすることができます。 それから日本銀行監理官という制度がございます。これは現行法四十五條によつて規定されるのでございまするが、日本銀行監理官も依然存置されるわけでございまして、常時日本銀行の業務を監理することになつております。それから役員の行為が法令、定款、主務大臣の命令に対する違反あるいは公益の侵害、及び日本銀行の目的達成上特に必要ありと認める場合等におきまして、総裁、副総裁につきましては内閣におきまして、理事、監事、参與につきましては主務大臣が、解任することができることになつております。これは現行法の第四十七條でございます。それからその他業務の内容につきましては、たとえば銀行券の発行関係等につきましては、直接主務大臣の認可、あるいは通貨発行審議会の議決に基き、閣議を経て主務大臣が決定するというようなことになつておりまするので、たとえば最高発行限度の決定、限外発行の継続、限外発行税の割合、あるいはまた発行の保証になりまするところの物件の價格充当限度、地金銀取引というような、銀行券発行の根本になりまするような事項は、依然として現行法によりまして、大藏省の、あるいは通貨発行審議会によつてこれを決定することになつておりますので、この点も今後において変更はございません。 変更になりまする大藏省の監督関係につきましては、大きく申し上げますると二点ございます。その一点は、基準割引歩合、基準貸出歩合は從來は認可制度になつておりまして、これは現行法では第二十一條に規定があつたのでございますが、今回の政策委員会の設置に伴いまして、日本銀行の政策委員会にその権限を移讓することになつたわけでございます。それから移讓いたしまする第二点は、公開市場操作をもつて債券の種類の認可を移讓することにいたしたのでありまして、これは現行法の二十條の第五号でございます。この二点が権限移讓の具体的な事例でございます。そのほか新たに今回提案いたしました法律案によりまして、たとえば昨日御説明いたしましたリザーヴ・イクイプメントの規定、それから証券に関するマージン・イクイプメントの規定というようなものは、從前のような機構でありますならば、その一部があるいは大藏大臣認可ということになつたかもしれない性質のものでございますが、これは今回の法律案によりまして、政策委員会の所掌する事項といたしたわけでございます。しかしながらこれらにつきましては、実は信用統制法というようなものが今後立案される場合におきまして、その法律によつてどの権限だけを日本銀行に委任するかということが、さらに詳細に規定さるべきものだと考えるのでございまして、現実のところでは、これらの点についてはさしたる問題はないかと存ずるのでございます。 以上が從來の監督と今後の監督との相違でございますが、次に政策委員会の任務とするところと、行政府の意図するところと、相反したるような場合の措置でございますが、これは今回の法律案の第十三條の六号によりまして、政策委員会の任命、委員の罷免権の規定があるわけでございます。委員として委員に適せざる者と内閣において認めたるときには、罷免権の行使ができるわけでございます。大体以上が大藏省と日本銀行との関係でございます。 次に監督の対象及び日本銀行の責任の具体的な分解でございますが、主務大臣の監督の対象といたしましては、日本銀行の法律によつて委任されました事項、あるいは日本銀行として、中央銀行としての当然行うべき政策の決定ということにつきましては、政策委員会全体が責任を持つておりますから、政策委員会に対して大藏大臣が監督することになつたわけでございます。ただその発表の方法、外部に対する代表というようなことにつきましては、議長がこれを総理するわけでございます。同時に委員会で決定せられました事項が、業務執行の最高責任者であるところの日本銀行総裁に決定が通達されました以上は、日銀の業務執行については総裁が監督の対象になり、すなわち責任者であるということになるわけでございます。 それから日本銀行総裁の政策がどうなるかということでございますが、その第一点は政策委員会の委員に職責上なるわけでございますので、日銀の政策決定についても、いわば五分の一だけ意思決定に参與することになるわけでございまして、その限りにおいては委員として政策決定についても、主務大臣の監督の対象ということになると思うのであります。それから先ほど申し上げましたように、政策委員会の決定に從つて業務を執行いたします責任者は、日本銀行総裁でございますから、その限りにおいては直接大藏大臣の監督を総裁が受けることになるわけでございます。そのほか日本銀行の職員、その他日銀の政策委員会とは関係のない業務に関する限りにおいては、直接やはり業務執行の最高責任者として総裁が直接大藏省の監督を受ける、こういうことになると思うのであります。なおこれを縮めて申し上げまするならば、政策決定については政策委員会が日銀の最高責任者であり、業務執行については総裁が責任者であり、また日銀個有の職員の任命等につきましては、総裁がその責任者である、こういうふうに相なるわけでございます。大体昨日申し残したと思いますることを、以上の点で補足御説明申し上げます。
○宮幡委員長代理 それでは質疑に入ります。前尾委員。
○前尾委員 ただいま御説明の中で、責任は確かにボードとして私はなくちやならぬことではあると思いますが、代表についてはボードは日銀の内部機関でありますから、むしろ日銀総裁ということになるのじやないかと考えられるのですが、その点についてはいかがですか。
○愛知政府委員 この点は政策委員会で決定せられました事項を日本銀行政策委員会として外部に発表するというような場合においては、議長がこれを総理して発表すべきものと思うのでありますけれども、これを具体的に業務執行の面におきまして外部に代表するのは、執行機関としての日銀総裁になるというように考えられるわけでございます。 なおさらにつけ加えまするならば、たとえば金利調整法によりまして市中銀行等の金利の最高限を決定いたしまする場合に、政府側が必要があると認めたときは、從來は日本銀行総裁をして金利統制委員会の議を経て、一つの意見をきめさせるような規定になつておりますが、その点は今回の改正に伴いまして、そういう政策事項については、今回のこの法律案の附則によりまして、「日本銀行総裁」と從來ありましたところを削りまして、そのかわりに「日本銀行政策委員会をして」というように改められて、その他も從來通貨発行審議会その他で、日銀総裁が総裁として委員等をやつておりました分につきましては、これを変更する必要はないというように考えまして、そのままにいたしたわけでございます。そういうところで具体的なけじめがつくことになるかと思うのであります。
○前尾委員 ただいまの御説明は必ずしも私承服しないのでありますけれども、これは実際に日本銀行が二途に出るという感を抱かしめることのないように、なおその限界について十分御研究願いたいと思います。 次の問題に移りまして、委員の中で大藏省を代表する者、それから経済安定本部を代表する者、これが議決権がないわけでありますが、單なる議決権を持たずに、ただ自分の意見を述べるというのでは、ほんとうは委員の資格がないように思うのでありますが、この議決権を與えなかつた理由をはつきりさせていただきたいと思います。
○愛知政府委員 この点は政策委員会は日本銀行の意思決定の機関であつて、行政官廳ではないというところからいたしまして、日本銀行の與えられました権限の範囲におきましては、役人が入らずに、役所がその意思決定に投票権を持つて参加しない方が、適当であるというふうに考えたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、別個に日本銀行という組織全体に対しては、政策委員会をも含めて大藏省の監督下にある関係上、この委員会には行政官廳との連絡を緊密にする、また政府の政策を誤りなく各位に傳達するということを確保すればそれで十分である、こういうふうに考えておるわけであります。
○前尾委員 しかし「大藏省ヲ代表スル者」あるいは「経済安定本部ヲ代表スル者」でありますから、すなわち大藏大臣であり、安本長官であるというくらいの資格があるわけでありますから、どうもこの点ははなはだ矛盾したような感じがあるわけであります。監督権との関係において非常に私は矛盾しておるような感じを抱くわけであります。それからむしろこれは意見にわたるわけでありますが、日銀総裁というものが委員であるということについても、これは逆に、むしろ議決権を持たない單に意見を述べるという。もし大藏省なり安定本部を代表する人が、そういう資格であるならば、日銀総裁もそうした方がいいのではないかというふうに考えるのでありますが、それに対する御意見を明確におつしやつていただきたいと思います。
○愛知政府委員 この点はお説のようなすつきりした考え方も一つだと思うのでありますが、先ほどから申し上げておりますように、日本銀行の内部の意思決定機関ではございますが、同時に最高の業務執行の責任者もその中に参加しておりました方が、より一層政策の決定機関と、執行機関との連繋を確保するゆえんではなかろうかというふうに、考えましたわけでございまして、最近フイリピンの中央銀行法その他にも、これと似たような構想がとられている点にもかんがみて、かようにいたしたわけであります。
○前尾委員 十三條の六の四号に「職務上ノ義務ニ違反シ委員ニ適セザルモノト内閣ニ於テ認メタルトキ」とありますが、職務上の義務として現在考えられているものはどういうようなものでありますか。
○愛知政府委員 この政策委員会の委員は公務員と同樣な性格をも有するものでございますから、たとえばその委員会におきまして決定した事項について、これを漏洩しないこと、その他あたかも公務員と同じような性格の点に違背するような場合が、ここに該当するかと思いますし、また先ほどちよつと申し上げましたように、委員に適しないというようなことになりますと、政府の意向と背反するというようなことも、その中には入り得るのではないかと考えております。
○前尾委員 第十三條の九の二号の「内閣ノ許可アル場合ヲ除クノ外報酬アル他ノ職務ニ從事スルコト」と書いてありますが、内閣の許可する場合というのは、現在どういうようなものを予測されておるのでありますか。
○愛知政府委員 この点につきましては原則的にフル・タイムに勤務をしていただくのが当然と思うのでありますが、たとえば日本銀行とほとんど常識的に関係のない会社等の監査役をやつているとか、あるいは経済團体の名誉職的な顧問、会長とかいうようなことをやられる点については、さしつかえないのではなかろうかというふうに考えております。
○宮幡委員長代理 次は北澤直吉君。
○北澤委員 先ほど政府の方からいろいろ御説明になつたのでありますが、政府の説明によりますと、この政策委員会というものは、日本銀行の内部機構の一部であるということでありますが、今度の法律改正によりますと、どうもこの政策委員会というものは、日本銀行とは別個に独立の人格を持つておるという規定になつておる。たとえば日本銀行法の第二十條には「日本銀行ハ左ノ業務ヲ行フ」とこう書いてあるのに、これとは別個の政策委員会というものがこういう事項をつかさどる。日本銀行の業務に規定されていないいろいろな業務を行うというふうに書いてあります点もそうでありますが、それからまた國会に対する報告を出す場合に、政策委員会として報告を出す、日本銀行として出さずに政策委員会として出すという点も規定されている。それからまた委員会の議長はこの委員会を代表する、こう書いてありまして、どうもいかにも二本建の二重人格を持つたようなかつこうになると思うのであります。この政策委員会の業務もこの二十條の日本銀行の業務の中に記入して、日本銀行の業務のうちで政策委員会がこういうものを扱うのだ、こう書けばこれは日本銀行の一部になるわけであります。どうもこの修正案のままでは、この政策委員会と日本銀行とは別個の業務を行うというふうに見えるのでありますが、その点に対する御見解を承りたいのであります。 それからもう一点は、政府の御説明によりますと、政策委員会というものは、日本銀行の最高の意思決定機関である。從つて政策委員会が決定した事項については、この政策委員会が大藏大臣に対して責任を負う。この決定した事項を日本銀行総裁が執行する場合においては、その執行については、日本銀行総裁が大藏大臣に責任を負う、こういうことでございますが、そういたしますと、日本銀行の大藏大臣に対する責任が分散しまして責任の統一を欠く。意思決定に対する責任か、執行に対する責任かわからぬ。責任が分明しないことになりまして、非常に困つた事態が起きはしないかというようなことを心配するわけであります。この点に対する政府の御意見はどうでありますか、承りたいと思います。
○愛知政府委員 この委員会は私どもの見解では、あくまで日本銀行の内部のものであることは、先ほど申し上げた通りでございまして、法律案の構成から申しましても、ごらんの通りに一番最初のところが「第九條第一項第四号の次に次の一号を加える」ということで、現行法の第九條第一項というものは、日本銀行の定款の規定でございますが、その中に「政策委員会ニ関スル事項」というものを「役員ニ関スル事項」よりも前、資本金額等の次にこれを挿入するということ。それから本文で「第一章ノ二政策委員会」となつておりますのは、第二章が役職員の規定になつておりますが、その前にこれを加えるということで、法律の構成としても、内部の一部であるということを書いたつもりでございます。それから第二の第二十條の現行法の業務との関係でございますが、第二十條が狹義における中央銀行としての機能であり、十三條の三に掲げましたところは、その中で特に重要なもの、あるいは廣い意味におきまして今回政策委員会の設置に伴つて出したもの、先ほど申しましたような、より一層法的色彩の強いものを、廣義の中央銀行の機能といたしまして、ここに挿入いたしたつもりでございます。なお昨日大藏大臣からも答弁いたしましたように、大藏省といたしましては、とりあえず今回のところは政策委員会の設置ということで、かような法律案を提出いたしましたわけでありますが、別に日本銀行というものそれ自体について、眞に今日の時代に即應するような全面改正を企図しておるわけでございまして、その際に、その他にも実は変なところが相当ございますので、あわせて立法技術上も整備いたしたいと考えておるわけであります。 それからその次の責任の統一の点でございますが、その点は先ほど分解して御説明申し上げたわけで、分解して申し上げますと、やや奇異な感じを持たれることはやむを得ないかと思うのでありますが、この点は政策委員会というものは意思決定の機関であり、それを執行する者は総裁である。そういうふうにわけて考えますれば、責任の所在ということはおのずからそこに分解して考えなければならぬわけであります。しかし政策委員会の一員に総裁が職務上加わつているというようなことで、その責任の統一ということは運営上おのずから確保できるものと、私どもとしては信じているわけであります。
○北澤委員 そうしますと、もしこの政策委員会というものが、日本銀行の一部としてあるならば、この政策委員会が外部に行動するという場合には、やはり日本銀行として行動した方が筋に合うのではないか。政策委員会じやなく、日本銀行として外部に対して行動するとした方が、事態に合うじやないかと思いますが、その点はいかがですか。
○愛知政府委員 そういうことももちろん考えられるわけでありますが、場合によりましては、日本銀行として外部に代表してよいと思います。そのときに、先ほど來申しておりますような見解が、なかなか微妙な点がございますので、政策委員会として決定されたことについては、総裁がこれを代表するということの方が、その点かえつてはつきりするのではないかと考える次第であります。なお從來から日本銀行に一つの既成概念とでも申すようなものもございますので、その上にかぶさつての中の機構ではありますけれども、從來のわれわれの既成観念によるところの日本銀行の上にできた政策委員会であるということを、クローズアツプいたしますためには、かえつてその方が適当な場合も多いかと考えるわけであります。
○北澤委員 どうも今の御説明でははつきりしないのですが、たとえばこの政策委員会が國会に対して報告するという場合に、もし日本銀行の一部であれば、日本銀行として國会に出して行くのでありまして、政策委員会としていろいろな金融状態の改善とか、法律の改善というものを出すのは少しおかしいじやないかと思います。 もう一つは、意思決定については政策委員会が責任を負う。執行については総裁が責任を負う。こういうことは一應理論的にはわかるのでありますが、実際問題といたしまして、そこにどうしても責任の紛淆を生じまして、執行する方では、それは決定の方の責任だというように、お互いにどうも責任のなすり合いをするようなことが、起りはせぬかということを心配するわけであります。 もう一点申し上げたいのは、日本銀行法の第二十條に、先ほど申し上げましたように、日本銀行は左の業務を行うと書いてありまして、今の政策委員会の行う業務のことはここに記入してないのであります。そうしますと、この監督の條項にあります「主務大臣ハ特ニ日本銀行監理官ヲ置キ日本銀行ノ業務ヲ監視セシム」、この場合における日本銀行の業務というものは、政策委員会の業務に入つていないと思いますが、そういう点についてどういうお考えでありますか、お伺いしたいと思います。
○愛知政府委員 その点は私どもの見解では、監督の規定は先ほど申しましたように、日本銀行が一体として、その中の政策委員会でありますから、政策委員会をも含めた日本銀行に対する監督ということに、当然解釈してしかるべきものではなかろうか、こういうふうに考えております。從つて日本銀行の監理官が、たとえばいかなる会合にも出席できるというような点についても、同樣に解釈していいのではなかろうか、かように考えております。
○北澤委員 御説明のようでありますならば——日本銀行の業務の、第二十條の日本銀行は左の業務を行うというものの中に、この政策委員会の行う業務を規定するとすれば、今のような解釈が出ると思いますが、この二十條に規定しないで、ただ委員会の業務というように規定しますと、このいわゆる日本銀行の業務の中に入らないじやないかということを心配しますが、その点に関する御意見を承りたいと思います。
○愛知政府委員 その点は、本法案の第十三條ノ三の第一号に「第二章ニ規定スル職員ニ依リ行ハルル日本銀行ノ業務ノ運営ニ関スル基本方針ノ決定」ということが、以下全体の政策委員会の業務にかぶさる規定になつておりますので、日本銀行の業務については、全般的に政策委員会が基本方針を決定するわけでありますから、その基本方針の決定をも含めて、日本銀行の業務ということが言えると思います。從つてこれも当然監督の対象になる、こういうふうに解釈できると思います。
○北澤委員 改正案の十三條の二、三、四、五、六、七は、そうすると、この日本銀行法第二十條の日本銀行の業務の中に入らぬと思いますが、その点に関しましてはどうですか。
○愛知政府委員 ただいまの点は、私の見解をもつていたしますと、第二十條の業務の中には、政策委員会の業務は入らないかもしれませんけれども、政策委員会の所掌事務がかようにきまりましたことによつて、日本銀行の廣義の業務は、それだけ拡張したことになると思うのであります。從つて監督規定については、從前の規定はその対象が廣がつて監督されることになる、こういうふうに解釈しているわけであります。
○北澤委員 どうも御説明ではわかりませんが、これ以上は申し上げません。もしお話のようでありますれば、この二十條の日本銀行の業務の中に、この政策委員会の業務も全部規定して、日本銀行の業務の中で委員会はこれをつかさどるのだ、こういう規定にすれば、その点は間違いはなかろうと思いますが、これ以上は意見になりますから、申し上げません。
○宮幡委員長代理 次は風早八十二君。
○風早委員 同じ問題になつてはなはだ恐縮でありますけれども、前回の御答弁の中でたしか愛知銀行局長は、この政策委員会は重役会議なんだというようなお話があつたと思います。これは失言であるか、あるいはまた少くとも非常に妥当を欠いているではないかと、私は考えるのであります。ところが、今日これはまた内部機関であるというように、はつきりと特に念を押して答えられているのでありますが、これもやはりこの條項の中で、いろいろ矛盾を來しはしないかと考えるのであります。一方におきまして政策決定機関であるということが言われる。政策決定機関であるということと、内部機関であるということとは、もちろん矛盾はしないと思いますが、それを矛盾しないで理解しようとすれば、当然この間から小山委員その他から問題になつております議長問題は起らないじやないか。その場合には当然総裁が議長になる。そういう点につきましても、いろいろ議長問題が起る余地が與えられている。議長は委員の中で総裁を選ぶ場合もある。選ばれれば、その場合は総裁が議長になるといつたような、非常に苦しい考え方がとられていることは、大体池田大藏大臣の御答弁でも明らかであつたと思う。そういう点から言いますと、これが政策機関であるということは一應は認めますが、單なる内部機関であるということも、今までの観念で言います内部機関であるということは、はなはだ不完全な規定ではないかと思います。ましてや重役会議である、株主会における重役会議と同一にこれを類推して理解するというところに、この新しい政策委員会というものの性格を、しいて今までの古い商法の観念に閉じ込めようとする問題があるのじやないか、そこにむりがあるのじやないかと考えるのであります。そういうふうな新しいこの政策委員会というものの大きな時代的な意味を、政府は鮮明にしていただきたい。そうすれば区々たる條文の不完全ということは、そこから自然にすなおに修正できると思う。どこまでもそういう今までの観念で、その中に政策委員会を入れておく。あるいは内部機関あるいは單に重役会であるというふうにしてしまわれれば、かえつていろいろな法律上の疑問が出て來るわけです。今、北澤委員からもいろいろな角度から御質問がありましたが、私も同樣な問題を出してみますと、やはり第十三條の三の第十号でありますが、そこにおきまして、「左ニ掲グル事項ニ関シ主務大臣ヲ経由シテ行フ國会ニ対スル毎年ノ報告」とあるわけです。要するに國会に対する報告義務というのは、総裁ではなくして、直接政策委員会がこれを持つているというところに、非常に今の問題があると考える。これは当然、かりに主務大臣を経由するといたしましても、総裁がやつてしかるべきではないか。今までのいろいろの御説明ではですよ。特に内部機関である、重役会であるという場合におきましては、特に日本銀行を代表して対外的な責任を持つと言われるところの総裁が、國会に対する報告義務を持つ。ただ内部でいろいろな政策決定をやるべき事項というものを、いくら並べられてもかまわないのでありますけれども、対外的に國会に対して責任ある報告をなす場合におきまして、この政策委員会がその義務を負うということになりますと、逆にいえば、國会というものはその報告に対してだれにその責任を追究して行くか。これは結局政策委員会に追究して行くのでありまして、総裁はその場合に、場合によつては自己の負うべき責任を政策委員会に轉嫁するという、この前の委員会でどなたからか出ておりました疑問がやはり出て來るわけです。そういう点でこれはどつちから参りましても、いささか修正が必要になつて來やしないかと考えるわけです。私が積極的に修正意見を出すというわけではありませんけれども、こういう点についてはなおもう少し明快な御答弁をお願いしたいと思います。
○愛知政府委員 まず第一に重役会と昨日申しましたことについて、補足いたしたいと思います。私が重役会と申しましたのは、いわば既成観念ではなくして、むしろ新しい感じにおいての重役会という言葉を使いましたので、既成観念からする重役会というふうにおとりになつたとすれば、その点は訂正をいたしたいと思います。私の申し上げんと欲したるところは、たとえば英語で申しますならば、デイレクタース・ボードと申したらよろしいかと思うのでありますが、要するに意思決定の機関であるという趣旨を、簡單に重役会というふうな表現を使つたのでありまして、と申しますことは、從來の総裁とかあるいは理事とかいうことは、むしろ今回はこの委員会の設定によつて、言葉は惡いのでありますが、格下げになりまして、執行の責任者になつたわけであります。意思決定の責任者は從來ならば理事を中心にする。いわゆる世上言われております日本銀行の丸テーブルであつたのでありますが、今回できます政策委員会がそれにかわる丸テーブルになる。こういうような趣旨を簡單にそういう表現で申し上げたわけであります。從つて、私の解しておりますところでは、これは日本銀行という、中央銀行としてのフアンクシヨンを営むについての意思を決定する機関である。そういう限りにおきましては、あくまでも日本銀行の内部機関である、こういうふうに考えるわけでございます。ただ、中央銀行という特殊の性格に基きまして、すでに御承知のように、たとえばあるいは行政官廳が所掌すべきであるかもしれない事項を、相当日本銀行に委任してやつてもらつていることもございます。それからまた今回にわかに、先ほども申しましたように、ある程度從來の大藏省の権限もここに委讓したわけでございます。その委讓された権限を行使するについての意思を決定する機関が、政策委員会であるということにおいて、他の株式会社等とはまつたく性格の異なつた、非常に公共的色彩の強いものになつたものと解釈いたしているわけであります。それから國会に対する関係は、昨日も率直に申し上げたのでございますが、そういう公共的な色彩の強いものであり、かつ本來は行政部で決定すべき事項の一部が、ここに移讓されております関係もございますから、國会に対する責任者であるところの主務大臣を経由して、そうして國会に御報告するということに考えたわけでございます。それから責任の限界点につきましては、くどいようでございますが、ここに法律上與えられた権限によるところの事項については、政策委員会がこの責任者であり、これを実際にその下において執行するものは総裁である。こういうことに法理的には解すべきであると考えるわけでございます。
○風早委員 重役会というものはデイレクタース・ボードであるというような御説明でありまして、若干今までの説明以上にわかつて來たような点もあるのでありますが、大体こういうふうな傾向は一つのアメリカ的な組織方法として一應私どももわかるわけです。そういたしますと、問題は、やはりこの構成メンバーが相当問題となつて來ると思うのでありまして、昨日も私は積極的な意見をまじえて、御所見を伺つた次第でありますが、こういうふうに單なる一部の階級の代表者によつて、國家のいわば最高の金融機能をつかさどるその機関の統制をやるということは、はなはだ民主的という立場から言いましても、これは非民主的ではなかろうか。また実際にその決定せられる政策そのものの性質から申しましても、非常に妥当を欠くのじやなかろうかという疑問が濃くなるのであります。これは前会に私も出しましたが、ほかの委員からもあとでまた同樣な質問が出ておつたところの、結局あるバンキング・ボードというようなものの一つの発展というか、あれが出て來たのではないかというふうなことを申しましたが、このデイレクタース・ボードというものを出されるに及びまして、その感はますます深くなるわけです。これはアメリカにおきましては、一應それでやつているかもしれません。いろいろな事情もありましようし、そこから出たのであろうと思いますが、日本の場合に、あらためてこういうデイレクタース・ボードというものをつくる場合におきましては、そのデレクターというものは何もそれが特別に金融業に関して、特にいわゆる金融業者の立場に立つた人たちが、決定的な表決権を持ち得るような仕組みにしなければならないということは、日本の実情には合わないのではないか。ことに少くも産業方面、農業方面、また産業の方でも中小企業、商業者でもやはり中小商業、こういう方面の意見というものは、金融に対しては、あるいは人によつては一人ぐらい出て來るかもしれませんが、それもたつた一人でありまして、その意見というのは結局採決に対しては何ら有効ではないわけであります。こういうふうな点を考えてみますと、もう少しこの委員の構成についても、根本的に考えなければならないのではないか。こういう点は今までそういう意味の新しい委員会ができるごとに、常に問題になることでありますが、今金融の問題につきましては、特に産業との関係、それから農業との関係、そのかなめになつておる重要な部分であります。それが結局一部の金融資本家の意思によつて、その決定を見るということになりますと、いよいよ日本の國民経済に対しても、非常な影響が現われて來るのであるということを考えるわけであります。從つてこの構成の問題につきましては、大藏当局としても立案当局としてやはりもう少し廣く、現在の國情に即應して日本的に考えて行く意思はないか。そういう点をあらためてひとつ今度は銀行局長の御意見を、伺つておきたいと思います。
○愛知政府委員 ただいまの御意見に対しまして二つ問題があると思います。第一にこの際バンキング・ボードの点につきましても昨日お話がありましたが、必ずしも十分お答えする機会がありませんでしたので、あらためて簡單に申し上げたいと思います。 御承知のごとく昨年八月中旬に、新金融立法に関するその筋の非公式提案というものを受けました。その提案の骨子は四点あるわけでありまして、一つがバンキング・ボードの設置であり、第二が日本銀行の改組であり、第三が市中一般の銀行についての銀行法の修正であり、第四が特殊金融機関の問題、こういう四つの問題があつたわけであります。今回のこの法案は、その四つのうちの大体第二の線をとつておるものであります。当時のバンキング・ボードというものは、むしろ行政官廳の機構の改革であります。具体的に申しますならば、日本銀行の一部と大藏省銀行局の大部分とが合体するような、行政機構の改革の提案であつたのであります。それから第二の中央銀行の改組については、今回の案のようなデイレクタース・ボードをつくる。そのデイレクタースというのは中央銀行の株主であるところの銀行と、それからその他の学識経驗者からなるもの、それから本來日本銀行の業務の執行をするもの、大体三つのカテゴリーから理事を選びまして、そこで中央銀行のデイレクタース・ボードを構成する。こういうような考えであつたのであります。大体この第二の線に沿つておるものではなかろうかと考えられます。私見でありますが、当時の提案の中で現在の日本の状態において最も取入れやすい、また考えてもよい点の一つは、この中央銀行改組の問題であつたと思うのであります。現在のところ、昨日大藏大臣がお答えいたしましたように、 〔宮幡委員長代理退席、委員長着席〕 いわゆるバンキング・ボードの方は、まず大体さたやみになつたと考えてもよいのではないかという情勢でございますので、私どもとしてはこの日本銀行法の改正をまず取り上げて、ついで第三、第四の問題について逐次案を練つて参りたい。実は事務当局といたしましては、全部に通じての案を昨年末にすでに用意してあるのでありますが、諸般の情勢をにらみ合せまして逐次日本の実情に最も沿うように、少くとも日本の実情においてのみ込みやすいものから手をつけて行きたい、かような考えであります。以上はバンキング・ボードについての経過をごく簡單に申し上げたわけであります。 それから次に委員の構成につきましては、いろいろな考え方があると思うのであります。私は風早さんの御提案は、ごもつともな点が多々あると思うのでありますが、政府当局といたしましては今回の案が最も適当であろうというので、こういう立案をいたした次第でございます。その点は昨日大藏大臣からお答えいたしましたところによつて、御了承願いたいと思います。
○風早委員 参與という諮問機関がやはり存続しておるわけだと思いますが、これと政策委員会との関連、よくこの規定を調べておりませんけれども、これは重複しておるというようなことがないわけですか。
○愛知政府委員 実はこれも率直に申しますけれども、この委員会の構成その他勤務の條件等々を考え合せます場合におきまして、むしろ参與制度はこの際廃止した方がよいのではないかとも考えたわけであります。ところが現在参與になつております方々は全部兼職でございまして、本業をほかに持つておられまして、そして随時参集されてその時々の金融情勢を懇談されることになつております。法律的にこれといつてはつきりした権限を持つておられませんが、同時にそれらの方々を全部この委員会に吸收するといつても、実際上不可能でもございますので、とりあえず存置することにいたしましたが、追つて先ほど申しましたような日本銀行法の全般的の改正の際には、あわせて考慮いたしたいと考えております。現在のところはとりあえず両立いたしますけれども、くどいようでありますが、参與については法律的にはつきりした権限もございませんし、金融懇談会のような性格でございますので、並行してさしつかえなかろう、かように考えております。
○小山委員 いろいろ他の方からも監督のことで御質問がありましたが、どうもはつきりしない点がありますので、重ねて質問をいたしたいと思います。 まず政策委員会はその権限に属する事項は、多藏大臣の許可を受けたりしないで、独自にきめられるのかどうか。つまり大藏大臣は政策委員会がきめたことは取消し、あるいは変更の行政処分ができないのかどうかということをお尋ねします。
○愛知政府委員 その点は具体的に申しますと、政策委員会として、たとえば今回権限の移讓を受けました基準割引歩合の決定とか、公開市場操作におけるところの債券等の種類の決定というようなことが、具体的な問題でございますが、こういう場合には法律でもつて権限を與えられております以上、その権限に基いて決定いたしましたことを、行政的に取消すというようなことは考えておりませんし、また不適当だと思うのであります。ただそういうことが議せられます場合に、大藏省の意見というものは職権による表決権は持つておりませんけれども、まず委員会において十分これを発言する、そして政府の意向を各委員にできるだけ詳しく説明する。あとはそこでどういうふうに取上げられても、直接それに対して行政上の取消し処分というようなことは考えておりません。ただ、先ほど來いろいろ御意見もあつたようでございますが、日本銀行全体に対しては監督命令もございまするし、それから主務大臣の命令に違反する措置をした場合には、解任というようなこともあるわけでございまするので、それらの点で法律的には十分に措置ができ得るような仕組みになつておるものと、解釈いたしております。
○小山委員 そうしますと、政策委員会はその権限に属する事項は独自にきめられて、しかも大藏大臣はこれを取消しはできない。たとえば現在世間で問題になつておりますところの高率適用の問題がある。この問題は、おそらく現在ほとんど委員会に出て來られる人は、高率適用の排除ということは全員が賛成されるのではないかというような感じがする。ところが政府はそういうことを希望しないという場合に、高率適用を排除する政策をきめられた場合に、その場合には取消しはできない。こういうことになるのでありますが、それを何とか、日銀総裁に高率適用を排除しろということを政策委員会がきめて指示する。指示した場合に、今度は日銀総裁がその政策委員会がきめたことを執行しなかつた。政府の意図とは合致するけれども、政策委員会の意図とは合致しない。こういうような事態が起りました場合には、政策委員会は日銀総裁に対して、どういう監督の方法を用いますか。その辺のところをお伺いいたします。
○愛知政府委員 その点は率直に言いますが、必ずしも明確に説明がしにくい点でございます。今高率適用のお話が出ましたけれども、現在高率適用については、法律的な制度はどうなつておるかと申しますと、あれは日本銀行と市中銀行との契約に基くものでございますから、権限的あるいは法律的に申しますると、大藏省は、この高率適用ということだけを取上げれば、何らの権限も持つておりません。しかし日本銀行全般の業務に対する監督ということで、間接的あるいは大局的に、これに対し干渉することはできると思うわけでございます。それが今度は法文上も明確にこの委員会の所管事務になつたわけでございます。 それから小山さんの第二の設例については、ただいま申しましたように、明確に割り切れた答弁を申し上げることはできないのでありますけれども、政策委員会の決定した事項については、第十三條の二において、日本銀行総裁を含む日本銀行に対して、指示し監督することが権限としてできるわけでございます。その監督に違反した場合にはどうなるかと申しますると、純粹な法律論から申しまするならば、政策委員会の決定に違反したような行動をした日本銀行総裁は、日本銀行法の第十三條の二に違反するものでございますから、直接大藏省からの監督下にある日本銀行の総裁に対して、責任を追究することになろうかと思います。從つてその場合にはかえつて——今のお説に対するお答えでありますけれども、大藏省の意図するところとはたまたま合致しておつた総裁が、責任を問われるということになつても、その御説明の場合においては、いたしかたないのではなかろうか、こういうふうに考えます。
○小山委員 ただいまのお答えでよくわかりましたが、そもそもそういうふうに非常に割り切れないということは、先ほど前尾委員も言われましたように、日銀総裁がこの委員に入つているということに原因が胚胎しておる。あるいはさらに一歩を讓れば、この委員会の最も主要メンバーであるところの議長になり得るというところに、その原因が胚胎しておるように思われますので、この点、何かすつきりした代案をお持ち合せはないのでございますか。
○愛知政府委員 この点は、この法律案を國会に御提案申しましたからには、私どもとしては代案を持つておりませんわけでございまして、私見としてはいろいろ実は考えられもするのでございますが、申し上げるのもいかがかと思いますが、いろいろ微妙な関係も内外にわたつてあるようでもございまするので、それらのいろいろの要素を勘考いたしました結果、政府としてはこの案をもつて最善のものとして、御提案申し上げた次第でございます。
○荒木委員 ちよつと今の御質問に関連して、小山委員の御質問その他でもつて、政策委員会の性格についてだんだんとはつきりして來つつありますが、今も愛知局長がお話になりましたように、関係方面との折衝その他に、初めの政府の考え方とあるいは関係方面の考え方との折衝上のあやを率直に伺つた方が、むしろいわば暗中模索的な質問を繰返すよりも、早道のような氣がいたしますが、速記をとめてでも率直な御説明を願えれば仕合せだと思います。
○川野委員長 それではちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○川野委員長 速記を始めてください。
○小山委員 一つこの際質問したいのですが、委員長は互選になりまして、これは大過なければ四年間、あるいは大過があつても四年間はするのであろうと思うのでありますが、これは私はその前提といたしまして、一つは日銀総裁が議長になり得るのは、あらゆる面から考えておかしいというのが前提になるのですけれども、かりに日銀総裁が議長になりました場合にも、これがまた四年間続くということが非常におかしいのではないか。これは日銀総裁が、自分が立案したものを自分が執行するという実際の現状に照してみまして、また四年間さらに独裁を続けるのはおかしいではないかというようないろいろな観点から見まして、委員長に一つの任期を付すべきものではなかつたのかと考えるのでありますけれども、委員長の任期についてはお考えにならなかつたかどうか、その点を伺いたい。
○愛知政府委員 議長は委員である限りにおいての議長でございますので、日本銀行総裁は本來の任期が五年でございますが、たとえばその任期の途中にあります人が、あと二年の任期を残しておるというような場合には、かりに議長に選挙されましても、二年経つて総裁たる資格を失えば当然委員たる資格を失い、從つてまた当然議長たる資格を失うわけであります。新たに日本銀行総裁が職権上委員になり、それを加えて互選をするということになるわけであります。それから議長の任期については、そういうわけで委員たる任期に拘束されますので、特に議長の任期ということは考えなかつたわけであります。
○宮幡委員 日本銀行法等の一部を改正する法律案に質問が集中しておりますが、少し面をかえまして、外國保險事業に関する法律案について一、二事務的なお尋ねをしてみたいと思います。第一に伺いたいのは、提案理由の説明書に書いてあるのでありますが、終戰後の外國保險会社の日本でやつております保險事業が、日本損害保險会社の消化できない再保險の引受けを行つておる。こうなつておりますが、これは具体的にどういうことでありましようか。
○愛知政府委員 日本会社の消化できない再保險とは、具体的に申しますと、捕鯨船の再保險契約であります。
○宮幡委員 それから日本保險業者と衡平の條件のもとに、これは先方さんから参りました書面等に書かれてある、いわゆる非日本人の商業的地位を平等にしろというような意味から現われた言葉だと思うのでありますが、外國保險業者がつまり日本で公式の損害保險の事業を始めるといたしますと、かつての戰前の日本の保險事業の実態から考えますと、また再保險という問題が盛んに起つて來る。日本の保險事業会社というものは、かつてはこの保險料のさやとりをやつておる当時、世界の金融市場を支配しておりましたところの、英國ロンドンにありまする保險会社に、ほとんど日本の金融経済がにぎられておつたというような実情があつたわけでありまして、具体的に今そういうことを言つてよいかどうかわかりませんが、この法案を審議する上にまず浮んで参りますのは、英國のロンドンに駐在しました当時の三井支店長あたりが、かなり英國に押えられておりまする一つの力から、日本の政変等にも関與したというような例を、われわれは教えられておるわけであります。これをただ衡平な條件のもとにおきまして、保險事業が國際経済の中へ、日本のゆがんだ経済の実情の中から入つて参るということは、非常に心配になつてならぬのでありますが、この外國保險会社が日本で行います再保險の種類、條件等につきまして、政府としてのお見通しがありましたならば、この際お知らせを願いたいと思います。
○長崎説明員 ただいま御質問になりました点につきまして、若干説明かたがたお答えいたします。 外國の保險会社が今後いかなる状態で活動するかということにつきましては、いろいろ見方もあると思います。戰前の状態を見ますると、大体昭和八年から十五年の平均の統計によりますと、收入保險料にいたしまして、損害保險におきましては、日本の保險会社の收入保險料の二・六%程度となつております。それから見ますると、今後大した程度のこともないのではないかというような見方もあるわけであります。また最近免許を與えましたホーム及びコンテイネンタルという、戰前出ておりましたアメリカの保險会社に対して、四月八日に免許を與えたわけでありますが、まだ十分その仕事も緒についておらないというような状況になつております。一方輸出入積荷の海上保險契約といつたものにつきまして、終戰後司令部の免許によりまして、大体外國の保險会社がそれを行つておつたわけでありますが、最近日本会社にも外貨建海上保險契約が許可されるというような状況になつておりまして、だんだんに日本の保險会社も、從來の外國保險会社がやつておつた分野に出て行けるのではないか、そういうふうに考えておるのであります。そうして司令部の方でよく言われますことは、まずこちらの方で閉鎖的な観念を拂拭して、そうして外國の保險会社を衡平な條件で迎えることによつて、初めて日本の保險会社の進出ということもできるようになると、考えられておるわけであります。 なお特に外國の保險会社の日本で行う事業に対して、何か規制する方針がないかという点につきましては、日本にありまする物件等につきましては、外貨建で契約をするということは不必要でもあり、またいろいろ弊害がありますので、原則として円建でやつてもらう。特に生命保險につきましては、外貨建の生命保險契約ということがあつては、非常に弊害が起ると思いますので、そういうことのないようにいたしたいと考えております。
○宮幡委員 ただいまの御説明でありましたが、なお伺いたいのであります。生命保險の場合は今の御説明である程度の納得が行くわけでありますが、火災保險等の場合におきますと、日本の火災保險事業をやつておりまする会社と、今度免許を與えました外國の保險会社、この間に——円建で一應けつこうでありますが、円建で保險料に等差があるのですか、ないのですか。同じ保險料でやるということになるのでありますか。
○長崎説明員 現在免許を與えました二社につきましては、日本の保險会社と同じ保險料率でそれを認可いたしておりまするので、現在のところでは、別の料率が使われるということはないと考えます。
○宮幡委員 そうすると國内的な観念だけで参りますると、日本の損害保險会社がこの会社に國内において再保險をするという機会は、現われて來ないと解釈してさしつかえないでしようか。
○長崎説明員 それは日本の保險会社が受けました保險契約で消化できないものがありますれば、日本に進出して参つた外國会社の再保險ということはあり得ると思います。逆に外國の保險会社が日本でとりました契約について、日本の保險会社に再保險するということもあり得まして、結局日本の保險会社と外國の保險会社が、日本で再保險の交換をするという條件になつて参ります。
○宮幡委員 そういう機械的にできるという考え方ではなくして、再保險することによつて利ざやが生れて來る、一つの手数料が生れて來るというような機会は絶無でなければならぬと考えますが、無手数料で、單に受けた保險をそのまま再保險するということは、りくつでは言えますけれども、実際問題として起らないことであります。実際問題としては仲介料がなくて再保險するという事実は考えられないのです。その点をはつきりしていただきたい。これは円建の場合であります。
○長崎説明員 その点は日本の保險会社が外國の保險会社に再保險いたしますれば、日本の保險会社が手数料をとる。それから外國の保險会社が日本の保險会社に再保險をいたしますれば、その再保險をいたしました外國の保險会社が手数料をとるということは、いずれも再保險の慣習から言いまして、当然許されることであると考えます。
○宮幡委員 ちよつとわからないのでありますが、これはできることを許されておると思いますが、そういう行為によりまして、日本の保險会社が單に危險の負担を外國保險会社へ移行いたしまして、その間に何か利益が生れるというような弊害があると思うのですが、そういうことは全然ないように仕組まれておるかどうか。再保險する事実を否定するのじやないのであります。日本人と契約いたしました日本の損害保險会社が、これを外國保險会社へ円建で再保險をするということにおいて、何か利益することがあるようでは、この外國の保險事業を國内で許すということは、非常に重大に考えなければならないと思うのです。その点を心配しておるのでありまして、この法案ではそれがはつきりしておらぬのであります。
○長崎説明員 その点は別にこの法案には出ておりません。その点につきましては結局日本の保險会社が、相当経営を合理化してサービスもよくするということによつて、公正な競爭によつて、なるべく外國の保險会社の必要以上の契約が出ないように努めて行くというような方向に、進んで行くよりほかないと考えております。
○宮幡委員 どうもお答えの趣旨が徹底いたしませんが、またの機会に讓つてもよいのですから、その程度にしておきます。それではこの円建の場合をいま一應考えてみたいと思うのです。外貨建、特にドル、ポンド建という面から逆に考えますと、日本の免許を受けた外國保險会社が円建で受けた保險会社、これを本國の保險会社にドル建またはポンド建で——とにかく外貨建でもつて再保險する。こういう行為は認めておるのですか。認めようとするのですか。禁止しようとするのですか。
○長崎説明員 それは本法に記しております外國保險会社が、たとえばロンドンと再保險するという場合には、保險料をロンドンに支拂わなければなりません。そういつた再保險料の支拂いというもの、すなわち再保險の送金ということが許されるかどうかは、為替管理法の問題になるわけでありまするが、その面において再保險料の支拂いということになりますれば、外貨の流出ということにもなりますが、一面保險事故が起りまして、保險金の支拂いということになりますれば、外貨の流入ということになるのであります。從來の為替管理のやり方から行きますれば、大体損害保險の再保險につきましては、再保險料の送金ということは許されないことになつております。また再保險の國際性ということから申しましても、これを送金する理由はないかと考えております。
○宮幡委員 それは表の話でありますが、こういう方法でもし行つたとしましたらどういう結果になるでしよう。日本にある外國保險会社が円建で受けた保險契約である。その同一系統の支店なり本店なりがロンドンにあるといたしまして、ロンドンで他の保險会社へこれを再保險する。もつとレートの低い所へ再保險する。そうして英國の貨幣のポンドで支拂つて向うで契約しておる。こういうことは事実上許されないと考えていいのですか。もし許されるならば現在の為替事情から申しますと、お互いに現送される、あるいは為替決済をするということのみを基準として、この問題は考えられないわけであります。その点についてどんなふうな御見解を持つておりますか。
○長崎説明員 今の御質疑の点は、多分外國の保險会社が日本へブローカーのようなものを派出いたしまして契約をとらせて、そうしてポンド建でロンドンならロンドンで契約するというような場合を、さされるのかとも考えられるのでありますが、そういうものはこの法律の第三條の第二項によりまして、「何人も、日本において免許を受けない外國保險事業者の締結する保險契約について、日本において代理又は媒介の行為をしてはならない。」ということになつておりまして禁止せられております。
○宮幡委員 この法律はロンドンには及ばないと解釈しておるのですが、ロンドンでポンドでもつて拂つて再保險しておるものを、この法律で規制ができるかどうかということです。
○長崎説明員 今申し上げましたのは、日本で免許を受けない保險会社のブローカーが契約の募集をするという場合、そのブローカーはこの法律によつて押えられるということを私申し上げました。今宮幡委員から御質問のありました点は、日本へ進出した外國の保險会社が百パーセントそれを再保險する、全額再保險した場合というような御質問のようでありますが、それは直接にそういう契約によつてロンドンで締結するというようなことは、この法律によつて阻止することはできません。ただ再保險の場合も再保險のブローカー等を日本へ送つて、内地でいろいろブローカー的な行為をした者は、やはり第三條の第二項によつて押えることができるということになります。
○宮幡委員 それでは大体その点はわかつたのですが、そういう観点から考えますると、この法案はどうも國内的な簡單な法案として考えられない。もし外貨建においてアメリカなりイギリスなりにおきまして、どんどん日本で受けた物件を再保險するということになりますと、ただいまの三百六十対一の條件を長く続けますと、保險事業を國内に——ただいまは二つでありますけれども、今後これを増加して衡平の條件でもつて円建で営業させて行きますことが、それ自体日本の経済の衰微を意味する。かように考えられるのでありまして、損害保險の契約をめぐりますところの経済的の動き、あるいは金融の動きというものは、決して日本経済再建のために軽視できない面であります。この点は本日は時間の関係がありますので、この程度にしておきまするけれども、ぜひとももう少し御当局で御研究を願つて、そうしてこの保險事業を許すことによつて、法文の上にも日本人と非日本人とは対等の條件である、衡平であると言つておりながら、実はそのことによつて日本経済が吸いとられる、かような場合ができるならば、これはもつともつと非日本人を衡平にしろという関係筋の覚書でありまするけれども、その解釈によりますと、日本人が衡平な條件を受けられるということは当然な主張であろう。そういう点を強く主張いたしまして、この法案について特に委員会として愼重な審議を重ねたいと思うのであります。本日はこの程度でおきますが、ぜひその点について御当局でもう一段の御研究を煩わしたいと思います。
○川野委員長 午前はこの程度にいたしまして、午後一時半から再開いたします。 午後零時十二分休憩 ━━━━◇━━━━━ 午後二時六分開議
○川野委員長 午前に引続き会議を開きます。 日本專賣公社法の一部を改正する法律案及び日本專賣公社法施行法案に対しては、ほかに質疑はございませんか。
○田中(織)委員 專賣公社の発足が六月一日よりということになつておるのですが、大体予定通り一日に発足できるように準備が進んでおりますか。その点お伺いいたします。
○原田政府委員 ただいまお話のありました二つの法律案、それとタバコ、塩、しよう脳の三專賣法案、これが國会を通過いたしますれば、法制的の部分はそれでよいわけであります。実際の準備は六月一日発足する予定で進めております。
○川野委員長 ほかに質疑はございませんか。——ほかに質疑もないようですから、右両案に対する質疑は以上をもつて打切つて、これより両案を一括議題といたしまして討論、採決に入ります。
○前尾委員 討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。
○川野委員長 ただいまの前尾君の動議のごとく決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議ないようですから、これから右両案を一括議題として採決いたします。右両案に賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
○川野委員長 起立総員。よつて右両案はいずれも原案の通り可決いたしました。 なお報告書の作成その他につきましては、委員長に御一任願います。 —————————————
○川野委員長 次は國の所有に属する物品の賣拂代金の納付に関する法律案に対し、質疑を続行いたします。田中織之進君。
○田中(織)委員 國有財産局長がお見えになつたようでありますから、一、二お伺いしたいと思うのであります。政府は國家財政の歳入を確保するという見地から、國有財産の処分を計画されておるようでございますが、先般も財産局長がお見えにならないときでございましたが、本委員会において資料を要求した関係もあるのですが、まだその要求いたした資料をお提出にならないようであります。大体大藏省の國有財産局として、さしあたり國有財産の処分についてお考えになつておる計画がおありのことと思いますので、その点についてお伺いできれば仕合せだと存じます。
○舟山政府委員 ただいま資料のお話がございましたが、この委員会で御要求になりました物納財産に関する資料は、すでに提出済みでございますが、この件でございましようか。——國有財産一般の処分方針と申すものを御説明申し上げたいと存じます。ここで扱つておりますのは、土地、建物、船舶、事業所、事務所等における重要な機械器具、特許権の権利、有價証券類というものを國有財産として扱うことになつておりまして、いわゆる動産、言葉をかえますれば物品の類は、現在の國有財産法の國有財産とはなつておりません。このことをちよつと御了承願つておきたいと存じます。國有財産には現在政府が直接行政目的のために使う行政財産があります。また政府としてはさしあたり不用になりましたもの、これを普通財産と申しておりますが、政府として不用になつたものは普通財算に組み入れまして、普通財産は政府としては長く持つておることが本旨ではございませんので、できるだけ早く換價処分して國の歳入に充てるという建前になつております。終戰後においては、この普通財産の中には元軍用に使つた財産が多額に組み入れられまして、処分の対象となつているという状況であります。それから先年行われました財産税、戰時補償特別税により認められたる物納財産も、普通財産の中に入つておりまして、できるだけ早く換價処分をして歳入に充てるという建前になつておる次第であります。本年度の予算に計上せられておるものは、主としてこの普通財産の処分による收入、また普通財産の管理、貸付とか、一時使用を認めておるものの一時使用料の收入というものが、本年度の歳入になつておる次第であります。最近問題になつておる不用官有財産と申します問題は、これとは別個に最近吉田総理大臣から御発議がございまして、從來國の行政財産として使つておる財産についても、この際國の事務、事業を再檢討することによつて不用になる財産があるのではないか。これを裏から見ますれば、國家の事務を減少して國家の行政機構の縮小をはかり、それによつてなお不要の財産が生み出されて参る。これを賣却すればかたわら國の歳入増加になるのではないかという考えでございまして、私どものこれまで扱つて参りましたいわゆる普通財産の整理とは、別個の問題として提起されている次第でございます。
○田中(織)委員 從來大藏省の國有財産局の関係のものと、今新しく現内閣によつて政治的に取上げられておる不用な官有財産の処分の問題とは別個であるという。たしかに行政財産となつておるものを行政費の節約、國の行政事務の整理という見地から処分するということになりますと、他の特別会計との関係等も出て來るので、そうあるべきだと存じますが、從來國有財産局でやつておる普通財産に組み入れたものの処分につきましても、処分價格の点については原則として時價ということになると思うのですが、はたして一定の基準を持つておられるのかどうか、そういう点について、散発的でありまするが、われわれ國有財産の処分に関して聞くところによりますと、その間にアンバランスがあるように見受けるのでありますが、拂下げ價格の点について何か統一的の方針を持つておられるかどうか。
○舟山政府委員 國有財産の拂下げ價格でありますが、財政法の規定によりまして、國の財産は適正なる対價をもつてするのでなければ、これを讓渡することはできないということになつておりますので、この適正なる價格ということが問題になるのであります。これはその拂下げの当時における時價と解すべきものと解しておるのでありますが、先ほど申しましたように、國有財産には土地、建物のごときもの、あるいは主要なる事業所等における機械器具、あるいは船舶といつたようなものがありまする関係上、その時價の算定はそれぞれのものについて、おのずから一定の目安を立てなければならぬ問題を生じておるのであります。機械のごときは大部分がマル公がございますから、こういうものはマル公によつて処分するということでよろしいのでありますが、土地、建物のごとき不動産になりますと、何がはたして一般の時價であるかということについて、非常な困難に逢着するのであります。御承知の通り不動産市場というようなものは一般にはございません。從つて不動産が大量に取引される市場がないために、時價というものは立ちにくいのであります。しかしわれわれの考えといたしましては、あくまで一般時價によるという建前をとつておるのであります。ただこれは捕促に困難なために、便法といたしましては、その当該建物の適正價格というものも算出いたします。土地などになりますと、政府の賃貸價格という全國共通の目安もございますので、類地から当該土地の時價を算定することが比較的容易なのでありますが、問題は建物でございます。從いまして、やむを得ずその建物を今建設するとすれば、幾らでできるであろうかという算出方法も用いております。ただしこれにつきましては、経過年数による減價、あるいは損耗度による減價を引きます。ただ適正價格による價格の評定というものはあくまでも一つの参考でございます。これに加えて精通者の評價に関する意見というものも参酌いたしまして、そこに実際拂下げ價格というものが出て参るわけであります。こういう複雜な手続をいたします関係上、大体の許可の基準というものがきまつておるのでありますが、個々についていろいろ御意見も出て來ることは、あるいはやむを得ないことであろうかと考えておる次第であります。
○田中(織)委員 その点について、これは私の郷里の和歌山市において起つた問題でございますが、あそこの元のいわゆる軍用廳舍の市の方への拂下げの問題を、財務局を通じまして折衝いたしておるのであります。結局時價の問題でありますが、元來軍用廳舍ができるときには、いわば地元から寄付したような形であつたものが、終戰後國有財産に繰入れられまして、今回新しく新制中学あるいは高等学校等の廳舍のために、あるいは市立の病院の病棟に充てる等のために、自治体の方から申請をいたしておる場合におきましても、そういう軍用廳舍になる前の事情というものが、ほとんど考慮されておらないと思うのですけれども、拂下げの対象がそういう地元の自治体であるというような場合には、特段の考慮が拂われてしかるべきじやないかと思うのでありますが、そういう点の取扱いはどういうふうになつておりましようか。
○舟山政府委員 この拂下げの相手方による價格のしんしやくということは、現在の法規上むずかしいことになつております。公共團体等が会計法上随意契約を結ぶというような点につきましては、いろいろ有利な取扱いがあるのでありますが、國有財産の処分にあたつては相手方の人間、また当該物件が國有になりました動機というようなものは一應離れまして、現状において適当なる價格を評定して、これを拂下げ價格とすることになつておりまして、その間政府側において任意のしんしやくをすることはできないことになつております。但しただいまお話になりましたような旧軍用財産というようなものにつきましては、実はこれを民間の用途あるいは企業用の用途に供します場合には、元軍のために建てられたという特殊事情のために、非常に効率を損することが多いのであります。軍用建物でありますために、非常に経済的採算というようなものを度外視して、非能率的に建ててあるといつたような場合が多いのでありますが、こういうものは轉用の目的によりまして、適宜しんしやくしてもよい扱いにいたしております。
○田中(織)委員 次に本省において処分の最終決定を行いますものと、あるいは地方財務局等の権限に付されておるものとの限界についてお伺いをいたしたいのですが、これは廣島市のもとの陸軍の被服廠の関係でもつておりました機械、もつと具体的に申しますとくつをつくる機械の問題です。これが終戰後現在は貸與という形になつておると思うのですが、現在これの貸與を受けておる授産場的なもの、また協同組合的なもので、市並びに縣の拂下げの具申書が財務局の方へ出ておるが、書類を出しましてもなかなか決済がつかない。財務局の方では自分の方に処分権限がないかのごとく言つておるのでありますが、それかといつて本省の方に書類がまわつて來ておるかと思うと、その点がはつきりしないというようなケースが起つておるのですが、大体これは金額その地の関係において、財務局で処分し得る限界がきめられておるのかどうか。その点の事情について御説明願いたい。
○舟山政府委員 國有財産の処分につきましては、現在の扱いといたしまして、賣拂い價格の決定というような問題については、ほとんど全部財務局に委任してあるというように、御了承くだすつてけつこうでございます。本省で直接やりますよりも、実情をよく間近に見ておる財務局でやりました方が、迅速かつ適実に行えるという建前のもとに、権限はできるだけ地方に移讓しております。ただいろいろの申請書類が輻輳いたしますのと、手不足のため財務局で処分が遅れておるということがあることは、はなはだ遺憾でございますが、そういうものはまた個別に御指摘いただきますれば、本省でもその処理を促進いたしたいと考えております。大体地方でお膳立ていたしますが、台帳價格二十万円以上のものにつきましては、司令部の個別の許可を得ることになつておりますので、地方で準備はいたしましても、全部本省に禀議して参るということに相なつております。
○田中(織)委員 処分の方法は当然公入札の形をとるものだと思うのですが、公入札によらない何か特殊の拂下げなり処分の方法がありますかどうか。 それからこれは今直接審議の対象になつておる法律にも、國の所有の動産の関係においても、支拂いの延納その他についての特例が設けられておるようでありまするが國有財産の場合においても、支拂いにつきましてそういう特例が行われておるかどうか。ことにこれは國有財産局の関係かどうか。あるいは農林省の開拓の特別会計の関係になるのかとも思うのでありますが、たとえば國営で開墾いたしました開墾地を、開拓者に拂下げるというような場合の取扱いについては、どういうようになつておるかという点をあわせて伺います。
○舟山政府委員 國の財産の賣買は原則として一般競爭契約、すなわち競賣で参ることに相なつておりますが、会計法規で特例を設けまして、特定のものあるいは特定の場合には、随意契約でやることになつております。たとえば公共團体がその公共の目的のために使うという場合には、これは随意契約で参る。それから企業方面につきましても詳細の規定がありまして、これこれの場合には随意契約でいいということになつております。國有財産の拂下げの問題につきましては、競賣の方法をとることは少いのでありまして、会計法規で随意契約の相手方となり得る適格者を選びまして、それに随意契約でもつて拂下げて行くという方針をとつております。競賣によりましては、あるいは拂下げ價格が非常に高いところにおちつくかもしれませんが、その企業の性質とか目的とかが、國家目的から見てふさわしくないといつたようなところに落ちることは、避けたいというようなところから、そういう取扱いをいたしておる次第であります。 それから延納の規定でございますが、これは原則として一時拂いとなつておりますが、ただ相手方が公共團体であるとき、それから教育目的あるいは社会事業の目的のためには、五箇年の延納の期間を認めております。なおほかに別個に多くの特例法がございまして、旧軍用財産及び財産税等の物納の物件につきましては、三年以内の延納の道が開かれております。
○田中(織)委員 大体國有財産局でやつておられる國有財産の処分についての、方法その他は了解できたのでありますが、一應國有財産局の普通にやつております普通財産の処分とは、別な形において現在考えられておる不用官有財産の処分の問題については、当然大藏省の方も参画しておると思うのでありますが、これの大体二十四年度中における——これは目下調査中のものに属するとは思いまするが、大体輪郭でもおわかりになればお知らせ願いたいと思います。
○舟山政府委員 不用官有財産の処分の問題につきましては、これは現在とにかく形の上では各省が行政財産として使つております財産について、整理をしようというのでありまして、その不用であるかいなかの判定につきましては、一段と高い政治的見地、政策的見地からおきめ願わなければきまらない問題であろうかと思います。つまり各省、各廳におきましては、それぞれの行政財産というものが、その省に属しまする事務、事業に必要欠くべからざるものとして考えておるわけでありまして、事務当局に対してこれはいらないものではないかという判断は、ちよつとできかねるかと思います。しかし今度の内閣の御方針に從いまして、閣議決定をもつて各省大臣に直接内閣総理大臣から御命令がありまして、各省大臣がその責任をもつて、不用と認められるものを書いて出すということになつておるのであります。ところが当初の閣議の申合せがありましてから、なかなかその報告が出ない。これでは困るというので、最近國有財産の主管廳でありまする大藏省が、主人役を買うことにいたしまして、各省の事務当局と連絡して一定の基準を示しまして、調査報告だけをとりあえず出させるということにいたしたわけであります。從いましてどういうものが出て來るかは、まだわかつておりませんし、從つてまた不用財産の見当は幾らくらいになるかということも、全然見通しはつかないわけでございます。しかし御参考までに申し上げますと、行政財産は昭和二十二年度末の台帳價格では四百二十五億ばかりに相なつております。これは台帳價格、言いかえれば取得價格でありますが、非常に安くなつておりますので、これを時價に直せばどのくらいになるかといつたような推算の方法もあるかと思いますが、まだ自信をもつて申し上げる段階には達しておりません。
○風早委員 大体今まで各委員が質疑されましたのと重複いたしますから、この際は資料の提供だけをひとつお願いしておきたいと思います。質問としては、担保の問題があつたのでありますが、この点については田中委員からのお尋ねで、大体の御回答はあつたように思いますから、國有財産の物品関係のおもな品目、数量、金額——アルコールの場合がここにあがつておりますけれども、その他の專賣品などもやはりこの場合に適用されるのかどうか、その点もあわせて大体品目、数量、金額といつたようなものを一見してわかるように、資料をひとつ提供していただきたいと考えるわけであります。それから從來の取扱いの実情でありますが、これはそれに即して品目、数量、金額について御説明願えればけつこうだと思います。なお利息の点はどういうふうになつておりますか、この点をひとつお聞きしたいと思います。
○舟山政府委員 ただいま御要求の資料はできます限りさつそく調整いたしまして、配付いたしたいと存じます。それから御質問の点につきましては、後ほど担当官が参りまして御説明申し上げます。
○川野委員長 ほかに御質問はございませんか。——なければ、ただいま風早君の質疑に対する答弁は保留いたしまして、質疑を打切りいたしたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 それではこれにて質疑を打切ります。 —————————————
○川野委員長 次は所得税法等の一部を改正する法律案、臨時宅地賃貸價格修正法案を一括議題として質疑を続行いたします。
○田中(織)委員 主税局長がお見えになつているので、前々から一應伺いたいと思つていた問題がありますが、滯納整理に関する問題で最近和歌山縣に起りました事例について、主税局長の御方針を伺いたいのですが、一つは海南税務署で起つた問題でございます。所得の総額が三十五万円という更生決定でございまするが、その所得の更生決定にあたりまして、この対象になつておる人は漆器の問屋さんでありまするが、六反ばかり農業もやつておるのであります。海南税務署の方針といたしまして、協力委員制度によりまして漆器の協同組合の関係で指数をつくつて、農業所得を織り込んで三十二万円ということで確定申告をいたし、それに相應する十二万八千円ほどの税金額がすでに納められておつたのでありまするが、農業所得の関係から税額で一万八千円の分について処分が行われたのであります。しかも当日は軍政部から滯納整理の視察に來られておつた関係もあつたということが判明したのでありまするが、その一万八千円の農業所得の分、これは当然所得額の確定にあたりまして見込まれておるという関係から、確定申告と同時に納税するとともに、その分に対する異議の申立てを行つておる過程におきまして、徴收官の方では十二万八千円のほとんど大部分のもの、ことに確定申告の分が納つているということが、滯納整理に出発するというときにはまだよく調査してなかつた。向うへ滯納整理に参りまして、いや、私の方は納めておるということで、徴收薄を見ると入つておる。せつかく來たのだから異議申立てをしているが、一万八千円だけの分について執行をするという形で、自轉車三台のうち二台を差押えて、同時に物件を出納官吏が占有するということで、オート三輪車に載せて持つて帰つたという問題であります。もちろん國税徴收法の規定によれば、動産は差押え官吏がこれを占有することができるという規定はあるようでありまするが、差押えの調書につきましても、本人に保管を命ずるということが印刷で刷り込んでおるような実情の場合に、税務署の方の内部の手違いの点も私はあると思うのですが、ことに十万円以上の滯納整理というので出かけたところが、十二万八千円納まつておつて、問題になつておる一万八千円が残つておるという場合に、私は一應差押えをすることは当然のことだと思いますが、そういう物件をことに税務官吏が占有をして税務署へ引上げることは、税金は一回限りのものではないので、將來の納税思想の涵養という点から見て惡影響を與える。当日は何十件も滯納処分にまわつたそうでありまするが、物件を引上げたのはそういう特殊な事情のあるのは一件だけ。これは海南市の黒江町という所でありますが、町内で非常に評判になつておるために、先般私の所へも來てそういう事情の話をして、大体最近の税務所のやり方が、よくないということで、非常な抗議的なものを受けた。ことに漆器の問屋さんであるので、自轉車を持つて行かれた関係から営業上重大な支障を來しておるので、当然職務権限の範囲を逸脱して行われた行為であるから、営業妨害として告発するのだと言つて、相当強硬な清見を述べておつたのでありますが、滯納整理についていろいろの悲劇さえ生んでおる状態のもとに、これはなまなましい実例でありますが、きわめて遺憾なことだと思います。こういう点について主税局長の方では、第一線の收納官吏に対してどういうような指示と方針を示されておるのか、伺いたいと思うのであります。 第二点は同じ滯納整理に関する問題でありますが、これは和歌山市における実例であります。製材工場あるいは鉄工所等に税金の滯納整理に参りまして、まつ先に動力線のスイツチを切る。あるいは製材の製材機だとか、のこをはずして税務署へ持つて帰るという実例が、数件にわつたておるのであります。製材工場で動力線のスイツチを切られてしまえば事業の継続は不可能であり、滯納税金を納めるために新しくかせぐにしても、それができなくなるのでありますが、そういうふうに本省から、ただちに動力線のスイツチを切つて、滯納整理の苦痛を與えろというような指令が出ておるものかどうか。これはわれわれ納税確保という点については、國家的な見地から協力する建前におきましても、そういう実例が出ることがきわめて税務官吏の行過ぎでもあるとは思いますけれども、與える影響は少くないと思いまするが、この際主税局長に明確なる御答弁を伺つておきたいと思います。
○平田(敬)政府委員 今の田中委員のお話は、具体的なケースについてのお話でございましたが、そのケースにつきましてはよく調べた上でございませんと、的確なお答えはいたしにくいのであります。從いましてそのケースに対する具体的なお答えでなくして、一般的なことに関しまして若干お答え申し上げておきたいと思います。今お話のように異議の申立てがございましても、徴集猶予をしないという原則の規定になつております。從いまして私ども異議の申立てがありまして、誤謬があることが明らかな場合は、まだ手続がすんでいなくても徴税をやらないようにいたしております。異議の申立てがありましてもまだ審査がつかない、どちらかというとまだ直る見通しがついていないという場合は、徴收法規に從いまして適当な措置をやるようにいたしております。その際においては今の二件ともほんとうに差押え物件が適切であつたかどうか、これが一番問題の要点であろうと思いますが、この場合におきましては、一般的にはなるべく営業等の場合におきましては、営業の継続に重大な障害を與えないようなもの、しかもそれによつて政府の徴税が確保されるというものを選んで差押えをするのが、一般的には一番いいという考え方でございます。ただ個別的の場合によりますと、その際の具体的な実情によりまして、若干現場官吏の認定によつておりますことは、やむをえないことでございますが、今お話の場合につきましてどういう事情なり、いきさつのもとにそういう処置をとりましたか、その点につきましては調べました上で、別途に適当な措置をすることはさしつかえないと思いますが、方針といたしましては営業に支障を來さないもので、しかも差押えの効果を発揮し得るものということを一般的な方針といたしております。自轉車など場合によりますと押える例は多いだろうと思います。機械なんか押える場合にはなるべくその場に置いておきまして、場合によりましては差押えましても使用できるように、いろいろ注意いたしております。從いまして個別的ケースにつきまして、今適切なお答えはいたしかねますけれども、一般的にはさような方針でございますことを、この際申し上げたいと存じます。 〔川野委員長退席、宮幡委員長代理着席〕
○田中(織)委員 一般的な方針は私も大体理解できるのでありまするが、ただそういう一般的な方針を公式的に第一線の徴税官吏が行うということが、法務当局に対する不信を助長することになると思いますので、この点は私はやはり嚴重に監督してもらわなければ、納税成績の上に與える影響が惡くなるということを警告したいのであります。ことにこれは先般本委員から小委員をあげて、その小委員の諸君が実情を調査されました浦和税務署のケースにつきましても、問題のあつた点でございますが、十万円以上の滯納があるということで出かけたところが、すでに一週間も十日も前にそれが收納されて、帳簿にはそういうふうに記載されておる。向うに行つて納めたという領收書を見て、初めてこれは十万円以上の滯納じやなかつたことに氣づくというようなことは、はたして滯納整理のために、特別班等を各税務署において編成してやつておる滯納整理と言えるかどうかということに、多大の疑問をもつのです。從つて再審査の関係のすみやかなる最終決定も必要でございますが、收納関係と滯納整理との関係に、十日も一週間もの間完全な整理をやらずに、いきなりその現物に出かけるというようなことによつて、今回の海南市におけるような問題でも起つて來ておるので、ともすればそういう——これは十万円以上の大きな金額の場合でありますが、わずかばかりのことで責任者のおらないような場合には、結局二重に税金を納めて、その上に不足分の差押えを受けるというような事態も起るので、そういう税務署内で滯納整理にあたつて差押え等を行う場合には、それだけの時間的な予裕がないものかどうか。現場に行つて初めて徴收簿を見たら入つておつた。しかしわずかでも残つておるのだから、せつかく來たのだからやつちやえという態度でやることは、いずれにしても職務の遂行の上から見ても、きわめてふまじめなことであると考えるのです。よく最近税金を二重にとられるというようなこと、これは当然二重どりということになれば官権横暴の問題だということになると思いますし、浦和税務署等の場合においては、はたして徴税官吏である事務官以外の者も出かけて、税金をとつて着腹しておるというような実例があつたように聞いておるのでありますが、そういう問題が起るもとになると思うのであります。そこで滯納整理等に出かける場合には、それだけ十分の調査をしてくださるのが普通だと常識的に考えるのであります。最近税務署の滯納整理、收納等の関係あるいは財産税関係等の連絡というものが、実際にどういうふうになつておるか。これは局長に要求することはむりかもしれませんけれども、第一線の税務署で税額の決定から令状の発行、收納督促、あるいは滯納整理のための差押えというような関係が一体どういうふうになつておるか、一應の方式でひとつ御説明願いたいと思います。
○平田(敬)政府委員 御指摘のようにこの税務署の整理が十分でないために、納税者に迷惑をおかけしておるような例も、私どもも最近は相当あると聞いておりまして、その点につきましては嚴重な処罰をいたしておるような次第であります。ただこういうことに相なりまして、税金を直接税務署に拂い込むような組織に現在なつておりませんで、郵便局でも普通銀行でもいいし、あるいは税務署の管轄区域以外の場所において納めてもよろしい、それによりまして極力納税の便宜に資しよう、かような制度に相なつておるわけでございます。從いまして納税者がたとえば郵便局なり銀行に拂い込んで、その知らせが税務署に來ます間に、ある程度期間がかかることになるわけでございます。東京都内の場合でございますと、先日お話のように、私調べに行つたら普通郵便の整理その他がございまして、どうも一週間くらいかかる。これは極力早くまわすようにということで、関係の官廳、銀行等についても頼んでおりますが、なかなか実際上それが簡單に行きませんである程度かかります。從いましてその際におきまして、結局方針としましては滯納整理に行く場合にはよく徴收簿を整理しまして、ほんとうに納まつておるかどうか、そういうような処理につきましては嚴重な引合せをして行くべきだということは、嚴重に申し渡しておるわけであります。若干食い違いがありますので、税務署の帳簿ではまだ未納になつておる、実際本人はお納めになつておるということが、ときどき実際問題としてあり得る場合があるのであります。ただその際におきましても、たとえば納期が一月末になつておる場合におきましては、一月末からある程度期間を置いて整理いたしまして、それから滯納処分に行くという行き方にした方が正しい。但し納期一ぱいには納まらずに遅れて納まつておる、こういう状態でありますと、納期からある程度余裕期間を置きましても、手違いを生ずるといつたような場合がありまして、なかなか簡單に行かぬところが多いのであります。しかし方針といたしましては極力御指摘のように、税務署の署内の簿書の整理をすつかりやりまして、それに不備の点とかそういう間違いを少くするように、私どもとしては努力いたす考えであります。と同時に納税者の方におかれましても、ある程度受取書を保存して置かれますことを、あわせてお願いしておるわけでございますが、もちろんさようなことにつきましてもよくお互いに注意をいたしまして、必要な措置をとつて行くというようにいたすべきかと考えます。この点につきましては、今度の税務署の仕事の内部のやり方等につきましては、なお一段と能率化を考えまして、極力間違いが少くなるように努力する考えでございます。
○前尾委員 臨時宅地賃貸價格修正法案について二、三お聞きしたいと思います。まず第一に宅地について、最近の経済事情がかわつておりますから、改正されるのはけつこうでありまするが、おそらく最近のいろいろな実際の賃借料は非常に変則なものであつて、それは標準にすることができないというようになるわけです。そこでおそらく現行でいろいろおきめになるということになるでしようが、そういうようなやり方について一應の御説明を願いたい。それから次にそれと地代家賃統制令との関係は、どういうふうになるかということをまずお聞きしたい。
○平田(敬)政府委員 今回の賃借價格の改正は、いわば宅地だけの部分的修正を私ども考えておる次第でありまして、一番の中心問題としてやりたいことは戰災地でありまして、戰災地におきましては今までのたとえば最高地、今までの近い土地、中庸地など、同じ土地の中における土地の状況が從來とよほどかわつております。その点を極力バランスをとるようにいたしたい。たとえば同じ宅地でありましても、都内の宅地と郊外の宅地とは、以前は大分賃貸價格でも差がございましたが、それは最近においては平均化しておるような傾向もございまして、同じ一等地でもその後における状況の変化によりまして、場合によつてはかえなくちやならぬという事情もございますので、そういう点を第一の是正の目標にいたしたいと考えております。 その次は各都市間におきまして、ある都市は比較的発展しており、ある都市は比較的発展していない、こういうふうに全体の各都市間に、前の調査当時と比べましてアンバランスが生じておる、そういうことにつきましても第二として補正を加えたい。そういたしまして、全体といたしましてはむしろ現在の大体のレベルは、全國平均が現在の賃貸價格と同じようになるように持つて行きたい。これは統制の関係その他いろいろございますので、実際の賃貸價格をそのままにしてやりますと、いろいろめんどうな問題になつて行きますから、むしろ大体におきまして現在の全体のレベルと同じところに持つて行きまして、内部における不均衡を是正して行きたい、こういう方針で進みたい。若干やつてみますと、すなわち賃貸價格が高くなる場合もありますし、場合によつてはへこむかと思いますが、目標はそういう場合において修正したいと考えるのであります。そういたしまして是正の方法といたしましては、まず基準地区と申しますか、標準的になりますあまり状況の変化のない都市を幾つか選びまして、そこを目途としまして、その都市と比べてほかの都市はどういう状況になつておるかということで補正して行きたい。その際におきまして大体二つにわけまして、同じ都市なら都市内部における状況がよほどかわつている。戰災都市はそういう所があります。こういう都市に力を入れて調べるために特別地区と称しますか、そういう地区をきめる。そういう地区につきましてこの地区ごとに全部調べ上げまして、内部のバランスをはかる。これに反しまして、そこまでは同じ土地の内部においてはそれほど状況の変化はない。しかし標準都市に比べると全体の地方が下つておる、あるいは上つておる、こういう場合におきましては、標準となる地区に対しまして一定の歩合で賃貸價格を補正して行く、こういう方法によりまして極力全國的にバランスのとれ、かつ同じ地区内におきましても、各地区間に均衡のとれるような賃貸價格を大多数で修正して行く、かような大体の計画を申し上げておきます。
○前尾委員 地代家賃統制令との関係はどうですか。
○平田(敬)政府委員 地代家賃統制令との関係は、修正した後においてどうするか。これは確かに問題になると思います。現在の統制令もやはり賃貸價格が一つの基準になつておりますが、でき上りました後において統制をどうするということを、あわせて検討願うつもりでございます。
○前尾委員 基準地区調査会でありましたか、大藏省にそういうものが置かれて、財務局にまた標準地の地方調査会と言いますか、そういうものを置かれて、大藏省ではほとんど形式的なものになるのではないかというような氣がするのですが、その関係はどういうふうな関係ですか。
○平田(敬)政府委員 大藏省においてはどういう地区を基準地区として選ぶかという点に主たる観点を置きまして、そういう意味のことを委員会に諮問して決定いたしたい。各財務局におきましては、その基準地区に対しまして各地区がどういう状況になるかということにつきまして、委員会の諮問を経てきめたい、かように考えております。
○佐久間委員 午前中お伺いしました外國保險会社のことで質問したいのですが、よろしいですか。
○宮幡委員長代理 どうぞ。
○佐久間委員 時間の都合もございましようから、一つ一つお尋ねしたいのですけれども、大体総括的に一應御質問申し上げたいと思うのでございます。一月十四日の覚書によりまして、從來日本において保險業を営んでおつた外國保險会社が今度仕事ができるようになる。なおまた新しく免許を受けるならば、それによつてまた日本内地で保險事業を営むことができる、こういうことになるわけでございまするが、今まで日本の保險事業がいろいろの面におきまして、産業資本としての受持つ分野は大きいものがあつたと思うのであります。しかしそういうぐあいに戰爭の後において、相当いためつけられておるこの日本の保險事業が、いまだ建直りをなさない今日におきまして、外國保險会社が続々と有力な資本をもつて、強固な基礎の上に内地で仕事をするということになりますと、その結果は大きな影響を來すであろうと予想されるのであります。そこでまず第一に一番われわれが考えておりました点は、今日まで保險を監督する行政という監督面におきまして、実は銀行局保險課の一部がこれを監督して参つたような次第であります。しかし今後予想せらるる外國保險会社の進出というような面から考えてみますると、こういつた小さいデパートでこれを監督し、複雜化して行く行政面を規律して行くことは、容易でないというような考えを持つのであります。どうしてもこれはもう少し大きい面から監督して行かなければなるまいかと考えるのであります。そういう点で、前にこの問題については幾多の申出があつたように記憶しておるのであります。たとえて言うならば、最近におきましてもアメリカあるいは英國の業者と日本の業者と委員会をつくつておりますが、そこにおきましても、今までのような監督行政では困るというようなことを申されて、保險委員会とか保險廳のような大きなものをつくつてもらつて、今後この事業を推進して行かなければならぬのではないかというようなことが議論されまして、二回ほど決議されたように記憶しておるのであります。その前にもあるいは金融懇談会とか、あるいは芦田内閣当時にもそういうようなことを聞いておりますし、その以前にもそういうことを二回ほど申し出てあるように承知しておるのであります。しかし今日依然として、なおかつ銀行局の中の保險課がこれを主宰しておるというような現状でございます。こういう状態ではたして將來外國保險会社が参りまして、ますます業務が錯綜して参りますのを監督して行く上において、支障を來さないでやつて行けるかどうかということを考えたときに、將來政府はどういう意図をお持ちであるか、伺つてみたいと思うのであります。
○愛知政府委員 ただいまの御意見は私も全体としてまことにごもつともと考えておるところでございます。実はただいまお話の通り、再三再四保險業界はもとよりでございますが、その他の方面におきましてもいろいろの御意見が出ておるのでありまして、ことにただいまお話のように外國保險会社が進出をして参る。それから別に当委員会にも御審議を願つておる保險組合というものが、今後できるということになりますと、その行政の分量も非常にふえるわけでございまして、ただいまお話のような全般の信用政策の面における保險の地位というものが非常に高いと同時に、反面において行政上の監督という面から申しましても、非常に多くの手数がかかる事態に最近なつて参つておるわけでございます。それに対して現在の保險行政に当つておるものは、御承知のように國家が直接に社会保險として行つておるもの、その他農業保險というようなものを別にいたしまして、民営の保險——生命保險及び損害保險の分野に対する監督行政に当つておりますものは、銀行局保險課で、課長以下事務官が十八、九名、アクチユアリ関係三名、大体これだけの人数でこれだけの仕事を担当いたしておるわけであります。沿革的に申しましても、古く商工省にこの行政の責任がありましたとき以來、大藏省が引継ぎましてからも、かくのごとく小さな一課になります前は、相当大きな人数と機構でもつてこの仕事をやつておつたのであります。最近のような状況でございますと、私どもの立場から申しますのはいかがかとも思いまするが、とうてい銀行局として保險の行政を責任をもつてお預かりするということは、あまりにも重大な段階になつたように考えるわけであります。このことを申してはこれもいかがかと思うのでございますが、現在銀行局といたしましては、古くは外局でありました預金部の関係も一課で所管いたしております。それから今後ますます重大になつて参るかと思いますが、國民貯蓄関係の仕事なども、ことに最近まで一つの局でこれを担当しておつたのでありますが、これもまた一課で担当するというような状況でございまするので、私見といたしましては少くとも保險行政について、民間の経営する生命保險と損害保險に対する監督行政、並びに今後予想されまする外國保險事業や保險組合関係の行政について、できれば一つの独立した部局がほしいものであるということを考えておるわけであります。ただこれはあくまで私見でありまして、政府全体としては現在行政整理の段階にもございまするので、なかなか言うべくして取上げにくい問題であるとは思いまするが、事務的の点から申しますれば、ただいま御指摘の通りに私も実は考えておるわけであります。ただ最近業界等から要請が出ております保險廳の設置ということになると、あるいは政府が現に直接経営いたしておりまする社会保險的なものを、保險廳でもつて自分で経営をするかたわら、監督行政というようになるのはいかがかと思われまするので、その点については必ずしもそういうような方向が適当とは、考えておらぬわけであります。
○佐久間委員 それに付随しまして私から希望を申し述べたいのでありますけれども、この保險という仕事が非常な專門的知識と技術を必要とすることは、御承知の通りであります。しかるにこれを監督する人が始終かわつて行く。その都度また新たに覚えて、はなはだしいのは半年ぐらいでかわつてしまう、こういうような状態であつたのであります。そういうようなことを今後も反復して行きますれば、自然この特別の技術だとかあるいは経驗を必要とする保險事業を監督する資格において、非常にわれわれはいかがかと考えるのでありまして、こういうことも將來ないように政府におきまして十分御注意願つて、長くこの業務に携わつて行つて、そうして十分研究させるというようなぐあいにしていただきたいと念ずるものでございますが、これは私希望として申し述べておきます。あえて御答弁を求めないのでございまするが、そこで今度外國保險会社が進出するにあたりまして、ここにやつて來られるのは、戰前におきまして生命保險はたいしたことはございませんでしたが、損害保險においては相当多数参つております。今後もそれらの保險会社が続々と出て参ることは必定であると存じます。そこですでに午前中宮幡委員から再保險のことを御質問なされておるようでございまして、おそらく当分の間は再保險におきましても片貿易であろうと存ずるのであります。向うからもらうということはなく、こちらから出す方が多いのではないかと思うのでありますが、それらのことにつきましてあらかじめ政府の考えを承りたいと思います。
○愛知政府委員 これは御質問ではないということでございましたが、保險の監督行政に当るものにつきましては、最近におきましては專門的な知識、経驗を必要といたしまするので、できるだけ更迭をしないように考えておるのでありますが、將來とも御意見のほどをできるだけ達成するように、考えて行きたいと思う次第でございます。それからただいまの再保險の問題でございますが、これはお話のように今後どういうような状態になりますかにつきましては、御承知の通り私どもとして見通しを持つておりませんので、樂観的にも考えられませんが、大体の傾向としては当面のところお話のような片貿易になる傾向が、相当ありはしないかということは懸念いたしております。
○佐久間委員 戰前におきましては、大体において片貿易が多かつたと思うのですが、どのくらいの取引があつたか。どんなぐあいにそれはなつておつたか。おわかりでございましたら御発表願いたいと思います。
○愛知政府委員 この機会に大体戰前におきまする外國保險事業者の活動状況につきまして、午前中にも御質問がございましたので、簡單に御説明いたしたいと思います。大体戰爭直前でございますが、昭和十四年から昭和十六年にかけまして、日本で保險事業を営んでおりました外國保險業者の数は、生命保險に四社、損害保險は四十八社を数えております。生命保險会社は四社とも東京に支店を設けておつたわけであります。損保の方につきましては、東京以外に横浜、大阪、神戸等に支店を置いて活躍しておつたわけであります。なおこれら外國保險事業者がその時期に到達しておりました金額は、一社当り平均いたしまして、生命保險会社は七百五十万円、損害保險会社は二十五万円程度であつたわけであります。それから次に昭和八年から十五年までに至りまする間に、これらの会社が收入いたしました保險料と、その期間に新たに契約いたしました件数、それらについて申し上げまするならば、まず生命保險会社の收入保險料は六百七十八万六千円でございます。損害保險会社は八百七十七万五千円でございます。前者すなわち生命保險の場合の日本のその当時における全会社に対する比率が、ちようど一%でございます。それから損害保險の場合におきましては、日本の全会社に対しまして、二・六%であつたわけでございます。それから昭和八年から十五年までの新契約高の平均を申し上げますると、生命保險会社におきましては件数にいたしまして九百五十四件、金額にいたしまして四百九十万円、これを日本の会社のその当時の平均に比較いたしますると、比率は件数にいたしまして〇・〇三%、金額にいたしまして〇・一二%という比率になるわけでございます。それから損害保險会社につきましては、外國会社におきまする件数が六十二万六千九百二十件、金額は二十七億二千二百七十五万三千円、この件数は日本の会社の総件数に対しまして、総平均に対しまして一・六%、金額にいたしまして三%というような状態でございまして、生命保險関係におきましては、外國会社の進出はわずかなとるに足りない程度でございますが、損保につきましては、当時においてもある程度の比率と業績を、外國保險会社が上げておつたという状態になつておるわけでございます。
○佐久間委員 ただいま詳細に御報告をいただきましてよくわかりましたが、損害保險が戰前におきまして、相当大きな役割を演じておつたということは、ただいまの計数でもよくわかるわけであります。この損害保險はいわゆる國際性を非常に持つておるわけでありまして、現在すべての事業が國営になりつつある英國においてすら、損害保險だけは手をつけることができないということ、これはすなわち各國との取引が非常に円滑に行われておるのと、國家がこれに対して非常な援助を與えて、市場を世界に伸ばそうとしておるというふうなことに、起因するものであると考えております。 さて日本の現状を見ますと、戰爭中各所に資金を投下して市場を廣げたのでありますが、戰爭のためにほとんどこれがなくなつてしまいまして、裸にされたようなわけであります。裸でよちよち歩いている状態でございますが、その間に外國保險会社が参るのでございますから、料率というような点におきましても、今のいわゆる料率を協定して行くことができないような現状におきましては、この点に関して料率の競爭というようなことが起りはしないか、ということを懸念するのでございます。そういう場合に強力な基礎の上に立つておる外國保險会社には、とうてい太刀打ちはできないだろうと思うのでございますが、こういうことを予想したときに、政府はどういう考えを持つておられるでありましようか。
○愛知政府委員 この点につきましては私どもも実は相当心配を持つておるわけでございますが、提案の理由にも御説明いたしましたように、一月十四日の覚書等に基く精神でやつておりますのと、それから午前中御説明いたしましたように、最近四月の上旬に免許いたしました両外國会社におきましても、料率等については日本の会社と同じようにするという了解のもとに、やつております関係もございますので、私どもとしては進出される外國の保險事業者に対しては、國内においては他の日本の会社に対するのと、まつたく同樣の監督方針で参りたいと考えておるわけであります。ただ料率の問題等になりますと、今後の問題としては、日本の会社相互間におきましても、あるいは相当競爭が起るということもあり得るかもしれないような情勢でございますが、その取扱いは一方外國会社が入つて参りますと、ますます困難になつて参りますけれども、できるだけこれは根本の精神にのつとりまして、外國側の好意ある協調を期待するということを申し上げたいと思うのであります。なお監督については日本側とまつたく同じ基準に立つて監督をいたしまするし、また協定等が行えないような性質のものにつきましては、できる限り好意のある協調を求めるということを、特にいたして参りたいと思います。
○佐久間委員 それから生命保險のことですが、先ほど御説明がございました通り、生命保險の方は今まで外國会社の進出ということは、大したことはなかつたと承知しておりますが、今後市場を用いた場合に、あるいは相当出て來るのではないかということが予想されるわけでございます。これもまた損害保險と同じように、相当戰爭の痛手を受けておるわけであります。たとえて申すならば、敗戰によつて政府が当然負担すべき戰爭死亡傷害保險による補償金十八億円を、他の産業と同じように軍需補償打切りにより、補償金三十八億円に含めて、赤字補填をもつて保險会社に補償せしめたのであります。こういう大きな負債を持つておる。これは何か資産の賣却益をもつて國家に返すということになつておるように存じておりますが、そういつた大きな負債を持つておるのであります。そこへもつて來て外國保險会社が参りまして、あるいは利益配当というようなことをもつて、証券を賣り出すというような場合におきましては、日本の生命保險会社としては、これに対して太刀打ちができないことになるのじやないかと思うのであります。こういうものに対して政府はこの三十八億円でなくとも、そのうちの十八億円は少くとも何らかの方法で切つてやる、というようなお氣持はないかどうか伺いたい。
○愛知政府委員 ただいまのお話は金融機関再建整備法によりまして、生命保險会社に対してただいまお話の通り約三十八億円の政府補償をいたしたのでございますが、それと関連する問題と存ぜられます。これは御承知のようにその後資産等の値上りのために、賣却益、評價益等が生じますので、三十八億円ほとんど全部が再建整備法によりまして、政府に返還することになると思うのでございます。そういう状態にただいまなつておるのでございます。ただいまお話の戰時中の戰死保險金、これは当時の政府の勧奬に基いて行われたものでございますが、約十二、三億ないし十八億円程度になつたかと推算されるのでございます。この政府の補償三十八億を返還する場合に、それだけの金額はむしろ政府の責めに帰すべきものであるから、返還するものがあつた場合には免除してくれということにつきましては、実は当該の会社等からも、大分前からいろいろな陳情要請を受けておるわけであります。この問題につきましてはいろいろな見方があるわけでありまして、損害保險の場合におきましては、戰爭保險金はすべて政府の負担とされた経緯もございますので、それとの衡平論から言えば、これを免除してやるのがしかるべきこととも考えられますが、同時に生命保險会社が全部で十八でございますが、その中の三社ほどは全然再建整備法による補償をもらつていないところもあるわけでございまして、そういう会社におきましては、戰時保險金についてももうすでに自己の責任において負担し終つた問題でございますので、そういうものとの権衡論から考えますと、やはり他の補償と同じように、資産の評價増があります場合には、これをやはり返還させるのが妥当であるという結論にもなるわけでございます。こういうような点がいろいろな方面で考えられますので、その賛否両論の間に処しまして、現在政府としては、最後的にこれを免除するというところまではもちろん考えておりませんが、その賛否両論について、なおよく各会社別にも檢討いたしまして、近く結論を出したいというふうに考えておるわけでございます。
○佐久間委員 それから利益配当のことでございますが、内容の充実しておる会社が一、二あるかのように聞いておりますが、これらは利益配当をやればやれるというようなことを言つておるようでございます。他の大部分の会社は利益配当はできないということを聞いておりますが、もし正式に監督監査いたしまして、会社の基礎を危くするものでないということであるならば、あえて一社でも利益配当をお許しになりますかどうか。その点を伺つてみたいと思います。
○愛知政府委員 配当問題につきましては率直に申しますが、非常に現在われわれといたしましても、むずかしい段階になつておるわけでございまして、これまたいろいろの観点から問題とし得る点であると思うのであります。しかし現在当局といたしましては、昨年末から今期の決算期を控えまして、いろいろ愼重に考慮いたしました結果、御承知かとも存じまするが、いわゆる今期の決算についての三原則、十四基準というようなものをつくりまして、通牒という形ではないのでありまするが、かなり強い勧奬の基準として各社に示しまして、その協力を求めておるわけであります。これはその結果において配当ができるかどうかという問題にもなつて來るわけでございますが、私どもといたしましては純粹に客観的な立場に立ちまして、各生命保險会社が一方において経営の合理化をはかり、また他方保險契約者に対するサービスをするということで、新契約の獲得ということを各社が考えられるのももつともでございますが、私どもとしてまず第一に望むべきことは、社内の健全化ということに重点を置くべきであつて、相なるべくんば社外に流出するということは避けたいという氣持を持つておるのであります。そういう氣持で決算の一つの客観的な基準というものをつくりまして、それを各社の現実の数字に当てはめて参ります。そうしてその結果において、なお社外に流出をし配当し得るというものがあれば、これは承認するという態度をとつておるわけであります。すでに一社につきましては、実際上配当の承認を與えております。それから漸次これは各社の状況に照しその原則と照しまして、社外へ流出してもよろしいと思われますものについては、それを承認して参るつもりでおるわけでございます。
○佐久間委員 そういたしますと、今の御説明でその間の事情はよくわかりましたが、そういうことになりますと、自然弱小会社というものは非常な窮地に陷るということも考えられるわけであります。そこで今の保險会社のうちには、相当内容の惡いものもあると私は思うのであります。こういう自由競爭になる前に相当な、何と申しますか、そういう窮地に陷る会社を見ておつて、そのままで置くということはどうかと思うので、何らかの方法をもつてこれらを合併して行くというようなお考えはありませんか。
○愛知政府委員 ただいまの御質問に対しましては、的確にお答えするだけのまだ段階になつておらないのであります。ただいま申しましたように、純粹に客観的な基準を決算について考えておりまして、それに各社の数字を具体的に当つてみまして、その結果どうしても窮地に陷らざるを得ないというようなものがありました場合には、まずその社の建直しということ、経営の健全化ということについて、できるだけの努力を拂うようにしていただきたいものであるという、そこまでしか現在のところは考えておりません。いろいろな考え方もございましようが、ただいま合併ということについては、当局側としてはいまだ積極的に勧奬するというところには行つておらぬわけでございます。
○佐久間委員 大体その点ははつきりいたしました。今度外國保險会社が進出するにつきまして、保証金が一千万円以上ということにおきめになられたようでありますが、英米の会社であれば信用の程度も高いし、その点内地は三千万円、外國会社は一千万円ということでよろしいかと思うのでありますが、フイリピンあたりからも來るようなことを聞いておりますし、あるいは中國からも今後來るであろうし、朝鮮あたりからも來るのではないかということも予想いたしますが、そういう場合には内地の三千万円と平等にということになりますと、英米もある程度三千万円程度に引上ぐべきが当然ではないかと思うのでありますけれども、それはさておきまして、地の外國会社が出て参ります場合におきましては、どういう基準を設けてこれを規制して参ろうとするのでございますか。
○愛知政府委員 これはフイリツピンの会社でありましても、中國の会社でございましても、この法律案によりまして英米の会社とまつたく衡平な立場において、監督して参る趣旨になつております。從つて外國保險会社の供託金は一千万円という原案になつておりますが、これは英米会社に対するのみならず、かりに中國、朝鮮等の会社が出て参ります場合も、やはり同樣にこれを適用して参るつもりでございます。そのほかの点につきましても、この法案によりまして、全然英米に対すると同樣の立場をとつて参りたいと考えております。
○佐久間委員 それから罰則の問題でございますが、罰則は外國保險会社に対しても適用されるのでございますか。
○愛知政府委員 そうでございます。罰則も適用いたされます。
○佐久間委員 あまり一人で時間をとるということは、非常に審議を急いでおるいろいろの法案がございましようから、実は逐條にお聞きしたいこともあるのでありますけれども、この辺で一應やめたいと思います。いろいろ御親切に御答弁いただきまして、私の質問した限りにおきましては、十分納得の行きましたことを感謝しております。なおこまかいことは留保しておきまして、他の機会に余裕がございましたらば、こまかく逐條的に審議して参りたいと存じます。
○宮幡委員長代理 この際風早委員に申し上げますが、主計局法規課長佐藤政府委員がお見えになつております。先刻保留いたしました答弁をしていただきたいと思います。
○佐藤(一)政府委員 第一番の國有物品の数量金額等でございますが、実はこの物品と申しますのは、政府の会計上の実務から申しますと、御承知のように國有財産以外の動産を申しておるわけでありまして、これは各省の大臣にその管理の一切をまかしてあるのでございます。それで國務大臣といたしましては常々國有財産のように帳簿を整理してございません。從いまして今ただちに申し上げる数字を実は持つておりませんが、もし御希望でございましたら各省からこれを取寄せたい。それから二番目のお話の担保でございますが、これは現在におきましてはすべて実行上は國債をもつて行つております。ただこの法律におきましては、今後におきましては場合によつては債務者の都合というようなことも考えまして、確実なる社債というようなものもこれに含ましめる方が便利ではないか、こういう意味におきまして、それを含めるような規定にしてあるわけであります。利息につきましては大体通常のその当時の市場の金利というものを頭に置きまして、契約においてそのつどきめて参る、こう思つております。
○内藤(友)委員 愛知さんに二、三お尋ねしたいと思います。金融関係の法律が出ておりますが、これをずつと見ますると、やはり農村軽視の議論が非常に濃く出ておるのが看取されるのであります。いずれ安定本部は対日援助資金の千七百五十億の内訳をお尋ねしたいと思つておるのでありますが、聞くところによりますと千七百五十億のうちから、農林金庫に出しますのが百五十億内外だと聞いておるのであります。その額の少いのに意外の氣持を実は持つておるのであります。これはだれが考えてもすぐわかることでありますが、対日援助資金がどうしてできるか。二十四年度には日本の國内へ向うから入れました物資を賣りさばきました金がそこへまわるのであります。ところがその中で一番多いのは米であります。その米はこれは私の調べたところによりますと、向う渡しで八千四、五百円以上になると思います。こちらへ参りますと運賃とかいろいろなものをかけまして、大ざつぱに申しまして一万円になると思います。これを今の消費者價格まで切り下げなければならぬのでありますから、その切り下げるために補給金を出す。その補給金は六百十六億、その六百十六億というものは、税金から出るのでありまして、つまり六百十六億というものは大ざつぱに申しまして、農民が半分出していると見てよいのでありますが、そういうものが積り積つて千七百五十億になる。そのうちから農村に融資するものは百億内外、こういうふうな片手落ちなことがありますので、食糧の増産をいたしますると対日見返り資金なんか私はもういらなくなるものだろうと思うのであります。こういう方面に金を使つてこそ、初めて私は日本の経済復興も意義がある、ほんとうにできるのだと思うのでありますが、そう行つておりません。そこで今度提案されましたこの法律を見てみましても、私はそういうところがあると思うのであります。そこでひとつ二、三お伺いしたいのでありまするが、まず協同組合による金融事業法という法律についてであります。この法律を見ますると実は名前がまことに大きな名前でありまして、ことに第一條を読んでみますると、たいへん大きなわくを入れてしめつけられておるのであります。内容を申しますると、これは市街地信用組合——これをこの法律でやろうとせられるのでありますが、市街地信用組合というものはこのごろ私はいくらあるかは存じませんが、二、三百ぐらいあるものであろうと思うのであります。ところが協同組合で金融事業をやつておるものは、けさ中金からこういう印刷物をもらいましたが、これを調べてみましても、信用事業を営みまする簡易農業協同組合は一万二千ある。漁業協同組合を今設立最中でありますが、これもおそらく千は越すだろうと思うのであります。そのほか森林組合も近く法律が出まして、森林協同組合とかになるそうでありまするが、こういうものを合せますると私は一万七千ぐらいになると思うのであります。一万七千ぐらいなものをわくの中へ入れずして、わずかに二、三百あるものを取締るために、協同組合による金融事業に関する法律というような名前が出ておりますが、少しこれは名前が大き過ぎるのではないかと思いますので、この名前をひとつおとりかえになる御意思があるかどうか、まずそれを伺いたいのであります。
○愛知政府委員 これはまことにごもつともな御意見でございまして、ただいまのところでは別途中小企業等協同組合法の審議が進んでおりますので、それに対しまして中小企業等協同組合法の営む金融事業に関する点を、ここで書きたいというのが主たる目的でございます。從いまして題名が少し大き過ぎるという御意見はごもつともと存じます。なお市街地信用組合は現在たしか全國で三百十一あるかと思います。しかしここでちよつとつけ加えておきたいと思いますのは、私どもの考えでは中小企業等協同組合のみならず、協同組合によりまする金融事業につきましては、できますならば、やはりこういうような思想で、一貫して行きたいものであるということを考えておりますことが、題名に現われているわけでありますが、しかしその点につきましては、日本銀行法の改正の点についても申されました通り、全般的に金融関係の法規について、最近の機会に総ざらいですつきりした形のものをつくりたいと思つておるわけでございます。今ただちにこの中に他の協同組合を律しようとする考えはないわけであります。 それから農村軽視のお話がありましたが、私どもは全然そういう氣持を持つているわけではございません。ただたまたまこの國会に提案いたしました金融関係の法規に、農村関係を直接に規定するような法律案がございませんために、そういうような感じをお抱きになつたかと思うのでございますが、たとえば実際的に預金部資金の導入を初めといたしまして、現在許され得る状況のもとにおいて、できるだけ農村の金融についても、力を入れたいというふうに考えておりますことも、あわせて御了承願いたいと思います。
○内藤(友)委員 お答えによつて、この法律を足場にいたしまして、農業協同組合、漁業協同組合にまでこの金融事業法を拡大されるという考えが、少しおありなさるということを承つたのでありますが、しかしこれはよほどひとつよくお考えになつて、やつていただきたいと思うのであります。 そこで第二番目にお尋ねしたいのは、第三條であります。この第三條に自己資本充実の規定があるのであります。すなわち出資額が外部負債の百分の三を下ることを得ずとありますが、これに対する罰則規定がないのであります。すなわち実際には免許取消しという強い処罰が行われるものと思われるのでありますが、その辺の処置はどういうことになつておりますか、それを伺いたいと思います。外部負債の増加は貯金増加でありまして、貯金の増加ということは最も好ましいことであるのでありますが、もしこの貯金増加によりまして、百分の三の均衡が破れた場合、ただちに増資の方法をとられるのかどうかという問題などもありますので、その辺のことを少しお伺いいたしたいと思うのであります。
○愛知政府委員 第三條につきましては、私どもの意図しておりますことは、この協同組合の設立の方式がきわめて簡單でございまして、極端に申しますならば、四人の発起人が集まつて金融事業を営む協同組合もできるというような、いわば少し誇張して申しますならば、ほとんど自由設立というようなことになつておるわけであります。ところが金融事業は別に申し上げるまでもございませんが、預貯金者の保護、その他の債権者に対する信用の保持ということが何よりも大事でございますので、やはり実質的に内容の健全性ということを確保するためのよりどころが、何かなければならないというふうに考えまして、こういう規定を入れたわけでございます。從いましてお説のように預貯金を増加するということも最も大切なことでございますが、万が一にも取付というようなことのないようにという配意から、最も適正と思われる比率をここに掲げたわけであります。なおこういう問題につきましては、これは出資の基準をきめたわけでございまして、こういうことについて一々罰則で拘束するということも、またかえつていかがとも思いますので、いわば強いリコメンデーシヨンというような趣旨に解釈ができておると思うのでありまして、実際問題としてきわめて短期間の間にその比率が下まわるというようなことがございましても、これは実行上やむを得ないかとも思います。つねに三%以上を保有していてほしいという趣旨を、ここに明確にいたしたいということのためにこうしたのであります。
○内藤(友)委員 次に興業債券の発行限度拡張等についてお尋ねしたいと思うのでありますが、興業銀行は長期金融機関であるという性格から、債券発行限度を拡張せられることと思われるのであります。しかし興銀は長期金融を担当するものでありまして、今回の法的措置は、まず商工金融に重点が置かれたような感じを持てるのです。ここが私が冐頭に申し上げましたように、何ゆえにこれと同じような性格をもつて農林、漁業を担当しておりまする農林中金の長期資金調達方法としての農林債券の限度を拡張されないのか、そういうことを法的にお考えなさつておられないのかどうかということを心配するのであります。ことに土地改良でありますとか、昨年、一昨年の農業の災害復興という非常な痛手を受けておるのでありますが、そういうことにつきましての行政的支出が本年は非常に圧縮されまして、災害復金などはゼロになつておるのでありますが、当然こういうことは長期、低利の資金というもので、考えて行かなければできないのであります。なるほど商工業のそういう方面の心配も、これは私は必要がないというのではございませんけれども、それにも増して、食糧を増産する農村の災害復旧などに、もつともつと金を出さなければならぬと思うのでありまするが、今回はそういうことの処置がなされておりません。 〔宮幡委員長代理退席、委員長着席〕 これは私がまことに遺憾至極だと申し上げた一つの内容なのでありますが、近き將來に農林中金の債券発行限度を拡張せられるお心持がありますかどうか。もしなければぜひ拡張願いたいということを、この際強く御希望申し上げたいのであります。
○愛知政府委員 興業債券の限度につきましては、御承知のように現在が十倍でございますので、その比率を二十倍にしようといたしておるのであります。これに類するものといたしまして、実は勧業銀行も同樣の地位にあるわけでございますが、勧業銀行については現行法が二十倍ということになつておるわけでございまして、二十倍まで発行いたそうとすると、去る三月末の状況で発行の余力が現在の限度で参りますならば、百八十八億あるわけであります。 それから農林中央金庫の場合でございますが、これは現在発行限度が十倍になつております。從つてその発行の限度が四十億で、三月末に二十億九千万円を発行いたしておりますが、発行余力が十九億一千万円ということに相なつておるわけでございます。私どもといたしましては農林中央金庫の債券については、この十倍ができることならばこれをさらに引上げたいという氣持を、痛切に持つておるわけでございますが、なかなか関係方面等との折衝が済みませんでしたがために、現在の状況におきましては、まずもつて十倍の限度内に置いてありまするところの十九億の発行余力を、何とかして活用させてもらうようにしたい。これは内藤さんもよく御承知のごとく、実は昨年の八月の金融機構改正の非公式提案というものによりまして、農林中金全体の改組というものが取上げられておつたのでありますが、ようやく最近においてそういうことがあまり論議されなくなつたような情勢でもございますので、とりあえずのところ今お話のような状況に相なりまして、まずもつて中金の債券の残りました限度を発行さしてもらうことについて、ただいま鋭意折衝いたしておるわけでございます。もしそれが実現できるということになりましたならば、引受先でございますが、これなどは預金部資金を運用させてもらうということができますならば、とりあえずここに相当額の資金が得られることになります。まずこれでスタートをして、同時に並行的に中金債券の拡張あるいは中金の増資ということを考えて参る、こういうように考えておるわけであります。
○風早委員 ちよつと議事進行について……。どうも質問が非常に店が廣がりまして、資料なんかを私ども準備するにつきましても、一体きようどれに中心があるのかさつぱりわからない。それで関連質問もいろいろありますけれども、それぞれの質問者があつて、非常に店が廣がつて來るのでわれわれも追いついて行けない。やはりきよう三つなら三つ、どれどれをあげるということは、大体そういう御希望があるでありましようから、それに集中してひとつ質問をやつていただきたい。私もできるだけきよう片づけなければならぬという法案は、集中して片づけるように協力いたしたいと思いますから……。 —————————————
○川野委員長 それでは所得税法の一部を改正する法律案、及び臨時宅地賃貸價格修正法案、この二法案を議題として、この二法案に対する質疑をお願いいたします。
○河田委員 臨時宅地賃貸價格修正法案について、この問題を考察する資料的なものでありますが、最近地代家賃が一應統制になつておりますので、地代家賃のマル公の陳情等がありますが、その具体的、標準的な例と、それから第二にやはりこれにも相当やみがあると思います。政府の方で入手されておるものについて、そのやみ價格を一應お聞きしたいと思います。
○平田(敬)政府委員 今の点は物價廳が所管いたしておりますので、私からあまり詳しく申し上げることはいかがかと思いますが、若干知つておる範囲におきまして参考までに申し上げます。現在賃貸價格は、宅地と家賃につきましては大体におきましてやはり昔の実際の地代家賃を基準にしまして、そのレベルを維持するという方針で統制價格がきまつておるようであります。ただ家屋につきましては御承知の通り修繕費等が相当高くなつております。それから公課が高くなつておりますので、そういう方面につきましては修正の要素に入れまして、それぞれ最近の統制價格がきまつておるようであります。宅地につきましても地租の値上りを現在として見込みまして賃貸價格をきめておりますが、全体のレベルとしましては、やはり昔のものを基本にいたしまして統制價格をきめる、かような方針になつておると思います。そこで実際問題としましては相当やみと申しますか、公定外の地代なり公定外の家賃のありますことは御承知の通りでございまして、これは相当各方面の対策を講じて取締りはいたしておるようでございまするが、実際におきましては宅地は一種の権利金といつたような方面から、相当拔けられておる面もあるようでございます。家屋につきましても借主がかわるときに、実際問題として相当変更を加えているというような実情があるようでありますが、基本は先ほど申し上げましたような趣旨で、統制價格ができておるように承知いたしております。
○河田委員 関係当局の方がおられませんので非常に遺憾ですが、借地問題についての紛爭状態がおわかりになりますか。
○平田(敬)政府委員 紛爭問題としまして特に調べたものが実は手元にございませんが、どういう点でございますか。
○河田委員 つまり地上権としての借地です。家を建てるについてそれに対する土地所有者との間に紛爭です。
○平田(敬)政府委員 今回の賃貸價格の調査と実は直接関係がございませんが、まことに残念でございますけれども、今手元に材料を持ち合していないのでございます。
○河田委員 実は今度の地方税におきまして、地租の改正があり、あるいは家屋税の改正がある。そういう面から、この宅地の賃貸價格の昭和十三年でしたかの改正を一歩進めて、もう一度改正し直すという関係があるわけです。そこで実は私たちはこの具体的な地代や家賃の問題、あるいはやみの問題を一應檢討してこの問題を考えたいと思うのです。單に法規だけの問題ではない。こういう点から私たちは先ほどから質問しておるのです。これもおわかりにならないとすればやむを得ないですが、地租などの納税についての滯納、こういうものについてはいかがでしようか。
○平田(敬)政府委員 統制の関係は、租税に関する限りにおきましては今回地租家屋税が増徴になりますので、当然統制價格を変更いたしまして、その部分につきましてはもちろん統制價格の範囲内で納めるように改正になるはずであります。課税は直接関係する部分はその面でございまして、ただ実際問題としてはいろいろな問題がありますが、それはまた他の適当な機会に説明することにさせていただいたらどうかと思います。 それから今御質問の地租家屋税等の滯納の状況でありますが、実は今までの地租家屋税は割合に低い。賃貸價格に対しまして百分の二百とか百分の三百とかいう数字になつておりますが、その他の租税が最近昔に比べまして高くなつておる点から考えますると、比較的低いわけでございまして、統制價格の修正が昨年実は少し遅れましたために、納税者に相当御迷惑をかけた点があるようでございますが、実際問題としましては割合に低いために、若干の滯納はあろうと思いまするが、所得税なりその他の問題ほど納税に困難を感じておる向きがあるようには聞いておりません。この方は直接には地方財政委員会の方で所管しておりますので、私は今それについて詳細の資料は持ち合しておりませんが、概観いたしますると、他の租税に比べまして地租家屋税の滯納は、どちらかと申しますと少いじやないかと考えております。
○田中(織)委員 すでにほかの委員の方から質問が出たかもしれませんが、大体承りますと、來年の二十五年度くらいに賃貸價格についての改訂を行うという御方針のようでありますが、大体インフレの進行は緩漫になつておるとは言いながら、現在の経済情勢というものはまだ安定したいという段階にはないと思います。從いまして経済條件が変動しておる過程において、賃貸價格を改訂するということは、影響するところがきわめて大きいと思われるのでありますが、大体二十五年度中に賃貸價格を改訂するという一般的な方針が、確定的になつておるのでございましようか。その点を確かめておきたいと思います。
○平田(敬)政府委員 今の問題は相当重要な問題で、実は私どももいろいろな見地から研究いたしておるのでございます。一つは、今定められております賃貸價格は何しろ非常に古うございますし、状況は大分かわりつつありますので、一方においてはなるべく早く改正を加えて、現在の状況に適するようにした方がいいという意見がございますが、お話のように他方におきましては今なお経済の変動による影響が、土地家屋等になりますと遅れて現われますので、今後相当変化する可能性が多いのでございます。そういう際におきまして、相当な手数をかけて一般的に改訂をいたしましても、また二、三年で改正しなければならぬということになりますと、せつかくの調査が手数倒れになる点がございますので、私どもとしましてはあまり急いでやるのはどうであろうかと実は考えております。しかしながら何しろ地租家屋税は地方の相当な財源でありながら、実際上統制の関係なりいろいろな関係からいたしまして、今日では非常に少い財源にしかなつていない。この財源を相当伸ばしまして有力な財源にするためには、やはり何と申しましても課税標準を適正にしなければならぬ。そういう要請がございますので、今後研究いたしまして、できますならばなるべく早い機会にやるようにいたしたいと考えておりますが、ただ來年度におきましてはつきりやるというところまでは、目下のところ私ども決意いたしかねております。しかしそういう要望がございますので、なお今後そういう点につきましてはとくと研究いたしまして、善処いたしたいと考えております。
○田中(織)委員 この修正法案によりまして、調査が一つの結論を見出すまでには多少の時日を要すると思います。從いまして実際の地租の徴税の関係、賦課の関係等は、この調査と一應並行して現在の賃貸價格に基いて行われるものと思うのですが、大体先ほどの局長の御答弁で、レベルは変更しない。動かさないで、大体その中におけるいろいろの條件の変化による凹凸、アンバランスを是正するのが、この修正法案の目的であるという御説明でございますが、二十四年度における地租の課税額の面に、この修正の結果出て來た結論に基く関係が現われて來るような事情が、予見せられるでしようか、どうでしようか。
○平田(敬)政府委員 今回の修正は大体お話の通り、凹凸のはげしいものに対する應急的な補正調査と申しますか、そういう趣旨でいたしまするので、極力実益の乏しいところは手を省きまして、こまかいところまでは行かないが、はげしいところについては、相当簡易な方法でならすという方針でやつております。現在もいろいろ準備的な調査をいたしておりまするが、できれば法律案にございまするように、十月一日には確定し得るように進めたいと思つております。
○宮幡委員 ただいま議題になつております所得税法等の一部を改正する法律案、臨時宅地賃貸價格修正法案、この両案の質疑を打切り、さきに質疑を打切られました國の所有に属する物品の賣拂代金の納付に関する法律案とあわせて議題とし、討論を省略し採決せられんことを望みます。
○川野委員長 宮幡君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 それでは宮幡君の動議のごとく決しました。 まず國の所有に属する物品の賣拂代金の納付に関する法律案を議題として採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案のごとく決しました。 次は所得税法等の一部を改正する法律案を議題として採決に入ります。賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○川野委員長 起立総員。よつて本案は原案のごとく可決いたしました。 次は臨時宅地賃貸價格修正法案を議題として採決に入ります。本案に賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案のごとく可決いたしました。 なお報告書の作成その他につきましては、委員長に御一任願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十四分散会