大蔵委員会 第27号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/05/09
会議録
○宮幡委員長代理 これより会議を開きます。 議案の審査に入りますに先だつて、ちよつとおはかりいたします。一昨七日田中委員より日本銀行法の一部を改正する法律案の審査に関連いたしまして、國会法第五十一條により本案に関する公聽会を開いてほしいとの動議が提出せられましたが、これは理事会での協議の結果、公聽会を開いて本案の審議を進めることにいたしましたから、衆議院規則第七十七條により本案に関し公聽会を開くことにつき、あらかじめ議長の承認を得たいと存じますが、この点御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮幡委員長代理 それではさよう決定いたします。なお会期も切迫して参りましたので、理事会におきまして、公聽会開会日を一應來る十三日午後一時よりと決定いたしましたが、その間日時が少いので、種々の開会手続及び公述人の選定等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、この点につきましても御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮幡委員長代理 それではさようとりはからうことにいたします。 —————————————
○宮幡委員長代理 これより議案の審査に入ります。本日は主として金融関係の法案を審議いたします。復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案、協同組合による金融事業に関する法律案、興業債券の発行限度の特例に関する法律案、保險組合に関する法律案、外國保險事業者に関する法律案、及び日本銀行法の一部を改正する法律案の六法案を一括議題といたしまして、質疑に入ります。質疑は通告順によりまして、まず小山長規君。
○小山委員 質疑に入るに先だちまして、ちよつとお願いがあるのでありますが、お諮り願いたいと思います。と申しますのは、きようの金融関係の法案は相当やつかいな法律案でありますので、あつちこつち飛びますと、聞いておる方も非常にやつかいでありますので、できましたならば、各法律案に質問を集中するような方法をおとり願いたいと思いますが、お諮り願いたいと思います。
○宮幡委員長代理 ただいまの小山委員の御希望でありまするが、本日は委員会が多数開かれております関係で、午後はただいまのところ委員室がございません。午前中で審議を終るようなことになるかもしれません。ただいまの小山委員の御希望はごもつともと存ぜられますので、本日は主として日本銀行法の一部を改正する法律案、復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案、興業債券の発行限度の特例に関する法律案、この三案に一應質問を限定いたしたいと思いますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮幡委員長代理 ではさようとりはからいまして進行いたします。
○小山委員 それでは日本銀行法の一部を改正する法律案について質問申し上げます。最初に法文の解釈を一應伺いまして、それから本論に入ることにいたします。 第十三條の二にありますところの「他ノ金融機関トノ契約関係ニ関スル基本的ナル通貨信用ノ調節」、これについての法文の解釈を御説明願いたいと思います。
○愛知政府委員 十三條の二に契約関係に関する問題という趣旨があるのでございますが、それは主として日本銀行が中央銀行としての機能を営みまするために、たとえば中央鍛行から市中銀行に対する貸付金の契約をいたしまする場合、それからいわゆるオープン・マーケツト・オペレーシヨンで國債その他の有價証券を賣買するような場合を予想いたしておるのでありまして、さらに具体的な、たとえば一例を申し上げますならば、最近問題になつておりますようないわゆる法律適用の範囲、その具体的な利率の決定等をどうするかというようなことについて、市中銀行としては日本銀行から金を借りる規定がある。日本銀行としては一定の條件によつてならば、これを貸すことを承認するというような契約関係のことを意味しておるわけでございまして、さような趣旨に御了解願いたいと思います。
○小山委員 その次に十三條の三の四の所にあります「有價証券ニ付行フ公開市場操作」、これについてお伺いいたします。
○愛知政府委員 十三條の四の有價証券について行う公開市場操作と申しますのはいわゆるオープン・マーケツト・オペレーシヨンによりまして、日本銀行が公開市場におきまして賣買いたしまする有價証券の種類、條件、あるいは賣買の開始あるいは停止の時期の決定及び変更というようなことを、意味するわけでございます。
○小山委員 その次に第十三條の三の一にもどりますが、「業務ノ運営ニ関スル基本方針」は大体どういうものを予想せられておりますか。それをお伺いいたします。
○愛知政府委員 業務運営の基本的な方針と申しまするのは、当面の具体的な問題について例をとりたいと思うのでありますが、いわゆる総合予算の均衡によりまして、一般的に申しますると、財政から金融に対する要請が、非常に少くなるような状態になつたのでございますが、そういう客観的の情勢に基きまして、たとえば対日援助資金によりまして、日本銀行所有の國債の償還が行われる場合、あるいはさらに進んで市中銀行の債券の償還が行われます等の場合におきまして、その償還を受けた日本銀行あるいは市中銀行の資金を、いかなる操作によつて金融をするかというようなことにつきましては、中央銀行のいわゆるフアンクシヨンになるわけでありますが、そういう場合の基本的な政策の決定ということは、ここにいわゆる業務運営の基本の方針ということになると思うのでございます。なおまた一般的に、日本銀行も一つの法人であります以上は、その法人としての業務運営のための、たとえば定款の制定その他というようなことも、あるいはまた経費予算の審査というようなことも、また一つの業務運営の基本的な事項と言うことができると思います。
○小山委員 その次十三條の三の八に参りまして、「日本銀行ノ経費ノ予算」の決定ということの中には、たとえばこの政策委員会事務局を設置するとか、あるいは事務局長を置くとか、その他調査関係の人員を設置するとか、そういうことまで含まれますか、どうですか、
○愛知政府委員 ただいまお話の点につきましては、お答えの前にちよつと申し上げておきたいと思いますが、この政策委員会なるものは日本銀行の最高の意思決定機関でもありますので、從來の観念によりまするところの日本銀行というものは、それ自体が全部いわば今お話の事務局というものに当ることになるかと考えるわけでございます。しかしながら政策委員会だけの立場におきまして、特に部局を設ける必要があるというような場合におきましては、やはり日本銀行の運営の基本の問題と思いますので、この中に入るというふうに解釈いたすのが適当かと思います。
○小山委員 それから第九に参りまして、「法律又ハ契約関係ニ依リ」云々、この意味が非常にわかりにくいのでありますが、どういうことでありますか。
○愛知政府委員 第九号のまず「法律ニ依リ」という点につきまして御説明いたします。実はこの政策委員会の事項に関する立案と過程におきまして、御存じのごとく現在の金融の統制ということにつきましては、法規的な根拠になつておりますものは、金融緊急措置令という終戰の次の年の緊急勅令に基礎を置いておるものであります。これがいわゆる融資準則でございますが、現在の新しい事態に應じまして信用統制法というようなものを、これと並行して私どもとしては制定していただくことが、適当かと考えておるわけでございますが、諸般の情勢上その運びに至りませんで、後日の問題に残つたわけであります。しかしながらいずれ法律によりまして、そういうような信用統制の基本的な事項をきめていただく必要があるかと考えるのでありますが、そういう場合におきましては当然日本銀行の改組に伴いまして、政策委員会あるいは日本銀行それ自体に、そういう信用の統制についてのある程度の政府の権限というようなものを、委任することが適当であると考えられることも、当然起つて來ると思うのでありますが、それを予想して「法律」ということをここに書き入れたわけでございます。 次に「契約関係ニ依リ」云々でございますが、たとえば契約関係によりまして、中央銀行たる日本銀行から資金の供給を受けました場合に、その資金の使途あるいはその他について、金融機関の檢査を日本銀行が行う場合があると思うのであります。これは從來におきましても、いわゆる取引先銀行の檢査ということで、日本銀行が考査を市中銀行に対して行つておるわけでございますが、そういう点につきまして契約関係によつて金融機関の檢査をするというようなことを、第九号にうたつたつもりでございます。
○小山委員 そういたしますと、契約関係による信用調整ということは含まれていないわけですか。
○愛知政府委員 ただいまその例として申し上げたのでありますが、もちろん契約関係によつて信用の調整に関する政策事項をも行うわけでありまして、たとえばこれも一例でございますが、國債の償還を受けたそのかわり金につきまして、あるいは日本銀行として、市中金融関係に対してそれに相照應して貸付金をしたような場合に、その使途等について、いわゆるひもつきの貸付をするというようなことがかりに行われるような場合におきましては、契約関係によつて信用の調整に関する具体的な事項が、きまる場合もあるかと想像されるわけであります。
○小山委員 ちよつと前へもどりますが、七の規定は最初の法案になかつたと思いますが、「証券業者ニ対スル貸付、」これはわかるのでありますけれども、証券業者に対する投資というのはどういうことですか。
○愛知政府委員 投資につきしまては、たとえば株式を所有するというような意味を含めておるつもりであります。
○小山委員 それから第十であります。この政策委員会は、國会に対してその次に述べておるような事項を報告するとありますけれども、「必要ナル法律ノ改正」の報告ということはどういうことですか。
○愛知政府委員 これは日本銀行の政策委員会が、主務大臣を経由して、國会に対して必要な改正のリコメンデーシヨンをするというような趣旨が一つと、そのリコメンデーシヨンに基いて改正せられたる法律がかくのごとくなつたという報告、こういうものを含むものと解釈いたしております。
○小山委員 第十三條の四に移りまして、大都市銀行から政策委員会の委員を選任するということになるのでありますが、大都市銀行の中には、日本興業銀行とかあるいは観業銀行というような、普通は特殊銀行と言われておりますものも含まれますか。あるいは普通のいわゆる市中金融機関、商業銀行だけを含みますか。
○愛知政府委員 日本興業銀行及び日本勧業銀行等從來のいわゆる特殊銀行は、ここにいわゆる大都市銀行の中に入れて釈解いたしておるわけでありまして、その趣旨は從來のごとく特殊の法律に基いて特権的な存在としての特殊銀行というものは、できる限りすみやかにそういう状態を解消いたしたいということが、考えられておるわけでございまして、別途御提案申し上げております興業債券の問題等もございますが、たとえば興業銀行については、一應現在のところは普通銀行として再建整備後は発足いたしておる等の関係もございますので、ここには大都市銀行の中に入れてしかるべきものと考えておるわけであります。
○小山委員 ただいまの興銀、勧銀を含むのはいささか当を失するかと思いますが、これは意見にわたりますので、あとで申し上げることにして、第十三條の七の「総理」という意味、これは非常にわかりにくいのでありまして、「総理」というのはどういうことを——たとえば企画と立案というようなことまで含むかどうか。あるいは日銀の前の法律にありました掌理という言葉との間にどういう違いが起りますか。これをひとつ詳細に御説明を願いたいと思います。
○愛知政府委員 第十三條の七の、「議長ハ政策委員会ノ会務ヲ総理シ之ヲ代表ス」とございますが、これは今お話がございました掌理ということと、私は大した違いは字句の上ではないように考えるわけでございまして、一面において合議体としての政策委員会が、表決によつてきまりましたところの事項を、他に対してそれを代表する、その責任を持つということと、それから政策委員会の法律に基く権限によつて與えらた仕事を全般的に統括をし、これを掌理するということに解釈いたしておるわけでございます。しかし同時に日本銀行政策委員会は、あくまでも日本銀行の最高意思決定の機関であるということにおいて、そこで決定せられました意思を代表するということでありますので、日本銀行の最高意思が決定されたものを、内外に対してこれを代表するということになります。たとえば政策委員会の所掌事項については、從來の観念によるところの日本銀行を指揮監督することも当然でございましよう。外部に対してはその意思を表現する、その代表責任を特つということになるかと思うのであります。 なおつけ加えておきますが、從來の観念におけるところの日本銀行は、いわゆる執行機関ということになりますので、執行機関としての日本銀行のいわば行政的な面については、從來通り執行機関としての対外的な発言その他については、日本銀行総裁がこれを行うことになるかと思うのであります。
○小山委員 ただいまの説明では「総理」の意味がまだはつきりしないのでありますけれども、だんだんあとで質問して行くに從つて明らかになりはしないかと一應思いますので、質問をこのまま続けます。その総括的な質問に入ります前に伺いたいのは、この法律に限つて文語体になつておりますが、今はたいていの法律は口語体が原則であろうと思いますが、文語体に特にされた理由があるのでございますか。
○愛知政府委員 これは現在の慣行といたしまして、文語体でつくられておりましたところの旧來の法律を修正いたします場合には、便宜上從來の法律と合せて読みやすくいたしますために、文語体、かつ、かたかなですることになつておりますので、その慣行に從つただけでございます。
○小山委員 本論に入りますが、この政策委員会の最もかんじんな点は、政策委員会のいろいろな運用にあるだろうと思います。それで第一に委員を選考されるときの方針というものが、たとえば具体的にどういう方法で、市中銀行なら市中銀行から関係者を選任するか、あるいは地方銀行の関係者を選任するか。また商工業團体の場合はどうするか。農業関係の場合はどういうふうな方法をもつて選任するか。その具体的な選考方針をお伺いしたいと思います。
○愛知政府委員 この任命につきましては、内閣がこれを任命することになつておるわけでございますが、でき得る限りその任命につきましては、法律案の上に掲げられておりますように、眞に学界のすぐれた経驗と識見を有する方で、しかも法律案にございますような、さらにこまかい、たとえば大都市銀行、地方銀行というふうにわけて、すぐれた経驗と識見を有する方を選定するにつきましては、各業界の意向を十分に参酌いたしました上で、内閣がこれを任命するようにしていただきたいものであるというふうに、われわれ事務当局は考えておるわけでございます。おそらくたとえば地方銀行につきましては、御承知のように十三日会というような事実上の團体ではございますけれども、地方銀行の運営につきまして、全國の地方銀行を集結いたしました連絡機関がございますので、そういうところに諮問をするというのも一案かと思うのであります。かつそれも單数の候補者にあらずして、相当数の候補者を推薦していただきまして、その中から内閣の責任によつてお選びするという方法をとることも一案かと考えられます。商業、工業等につきましても同樣かと思うのであります。また農業につきましても同樣でございますので、ただいまのところこの法律案が國会の御承認を得る段取りになりましたならば、関係各省とまず第一に緊密に連絡をいたしまして、その推薦の方式についてもできるだけ誤りなきを期したいと、考えておるわけであります。
○小山委員 この一番かんじんな委員会の運営方針について、非常に疑問の余地が多いのでありますが、委員会の定足数というものがきめてありません。何人出て來れば会議が開けるのか。あるいは出席した委員数が偶数であるときには、議長はどういうふうにこれをさばくのか。そこで決定できないのか。あるいは偶数の委員が出て來まして、賛否二つにわかれた。あるいはたとえて申しますると、議長を含めて四人の委員が出て來まして二対二にわかれたときには、議長はそれをさらにもう一票行使して採決できるのか。あるいはそこでその日の会合はお流れになるのか。その辺のことがこの法律自体にはきめてないのであります。これは運用にまつということではあまり亂暴すぎるような氣がするのであります。その辺のところはどういうふうにお考えになつておるか。ひとつ政府の方針を伺いたいと思います。
○愛知政府委員 まずこの問題につきましては、この政策委員会というものは、もしこれが日本銀行がかりに官廳であるといたしまするならば、その委員会もやはり官廳であるわけでございます。と申しまするのは、この委員会というものが從來の観念によるいわゆる委員会と性格を異にしておるものでございまして、從來の観念から言えば、むしろ日本銀行の重役会といつた方が、あるいは適切かと思われるわけでございます。從いまして、この委員も任命されますのには、いわゆるフル・タイムの勤務でございまするし、原則的に兼職も許されないということでございまするので、原則としては毎日フル・タイムで日本銀行に勤務するということが、この委員会の根本の建前になつておるわけでございます。從つていわゆる職権による当然の委員を除きますれば、総数四人でありますけれども、その四人の方は常に何と申しますか、オン・デユーテイーであるというふうに解すべきものであると考えるわけでございます。 それから表決権の問題でございますが、これは法律案にございますように、役所を代表しておりますものは議決権を有しませんので、五人の委員が議決権を有するわけであります。そのうちの一人は議長に互選せられますので、可否同数の場合には議長がその投票をされるということによつて、運営することになると考えておるわけであります。
○小山委員 全員が出て参りまするならば、五人の中で議長が一人、その他の委員が四人ということになりますが、たまたま一人の人が事故があるとか、あるいは長期欠勤するといつたようなときは四人になる可能性が非常に多いと思う。その四人になつた場合に、議長はどういうふうにこれをきめるか。始終賛否相半ばした場合にお流れになるのか。議長がさらに一票を行使してそこで採決するのか。この辺は運用上の問題といたしましては非常に重大な問題であろうと思います。
○愛知政府委員 ただいまちよつと私の申上げましたことに、誤りがありましたから訂正いたします。五人の議決権を持つているところの委員が各平等に表決をいたしまして、そうして多数決に從う。それからただいま、御指摘のような事態が起りました場合、一人が議決権を行使し得ない状態になつたときは、二対二のままでお流れになる。議長は議長としてのキヤスチング・ボートを行使し得ないというのが、大体考えられているやり方でございます。しかしそのことは先ほど來御指摘の通り、この法文の上では必ずしも明確になつておらないわけでございます。
○小山委員 この点は法文の上に明示する必要があるのではないかと思います。 次にもう一つお伺いしたいのは、この政策委員会がきめましたことを、執行機関でありますところの日本銀行総裁が行わなかつた場合には、どういうふうな事態に立ち至るか。その監督規定は全然ないのでありますが、そういうことはこれを意識的に行わないということでなく、感情的にというようなことはおそらく想像されませんけれども、日本銀行総裁の金融全般に対する所見が政策委員会によつて、採用されなかつたという場合には、意識的にこれは日銀総裁といたしますれば國家のために相ならぬというようなところから、実施しない場合もあり得ると思います。その場合に政策委員会は日銀総裁の任免権はない。この中には載つていないのでありますから、その監督というものは実に弱いものになりはしないか。その日銀総裁の任免権というのは大藏大臣が持つておりましようが、この任免に対して政策委員会が大藏大臣に助言するというようなことをお考えにならなかつたかどうか。
○愛知政府委員 これは率直に申しまして、そこまでは考えなかつたわけであります。と申しますのは、先ほども申しましたように、政策委員会というと、ちよつとこれは言葉がいかにも変な感じを受けるのでありますが、日本銀行のいわば本來の重役会といつた方が、從來の日本的の感覚であろうかと私は思います。從つてそこで決定いたしましたことは、当然に執行機関としてはそれを執行してくれることを期待するという以上に、実は考えなかつたのであります。なお同時にこの委員会には、日本銀行全体に対する監督権を行政府として持つておりますところの大藏省を代表する者、それから経済安定本部を代表する者もこの中に参加いたしておりまするので、そういうことの起らないようにやつて参りたいと考えておるわけでございます。
○小山委員 その点は法制としては非常にずさんであるというような氣がいたします。それで最後に一つ質問があるのでありますが、この政策委員会の委員は全部原則として兼職を禁止せられております。その結果われわれどもの考えによりますと、おそらく業界の一流人物というものは出て來ないのではないか。また通常の議事運営の行き方にいたしますると、議題とか議事運営のやり方というようなものはおそらく議長が用意し、議題に供せられるところの資料その他も議長が用意する。從つてその議事の運び方あるいはその結論に対する用意とかいうようなものは、すべて議長が用意することになつて、議長の思うがままにこの運営は行われて行くようになると思います。そうしてみますると、この委員会の議長にだれがなるかということが、非常に重大な問題になつて來るのであります。ところがただいまの局長のお話によりますと、この政策委員会は日本銀行の重役会であるというふうに、お考えになつておるようでありますが、法制の建前は決してそうではないのでありまして、日本銀行を監督し指導するということになつており、かつ大藏大臣が今まで持つておりました日銀総裁に対する権限を、相当大幅に委讓しておるのでありまして、日本銀行に対しては相当強い監督権を持つていなければならぬと思います。しかるにもしもこの場合に、先ほど申しましたように、議事の運営も從來の普通慣例の運び方というようなことを考え、また日銀に対して政策委員会が持つておりますところの権限というものを考えて参りますと、日本銀行総裁もまた政策委員会の議長になり得るというこの法制の建前というものは、非常におかしいのではないか、こういうふうに考えるものであります。日本銀行総裁がかりにこの議長になりました場合には、結局自分が議長としていろいろ計画し、立案し、運営しておつたところのものを、委員会の決議という一つの手続をとりまして、そうして自分がみずからこれを執行する、こういうふうな結果になります。それで日本銀行の政策がどんなに非難さるべきものでありましても、それは委員会がきめたのである、実は日本銀行総裁が議長としてこれを計画し意図して実現したにもかかわらず、これは委員会のきめたところで、日本銀行総裁の責任ではないというふうに弁解の余地を與え、そうしてまた從來大藏大臣の監督下にあつたのが、今度はみずからが監督してみずからが執行するということになる結果、何人にも監督されない日銀総裁というものができ上る。これは非常に大問題ではなかろうかというふうに思うのであります。それからこれを法理論的に考えますと、議長というものはこの委員会を代表する権限を持つております。從つて日本銀行総裁がこの議長になつた場合には、みずから議長としての日本銀行総裁と執行機関としての日本銀行総裁が、取引ではありませんけれども、その間に一人でもつて二重の人格を得て、いわゆる法律上で申しますと双方代理というような規定の精神にも反する氣がいたします。その政策委員会の議長というものは、株式会社の議長とは違うのではないか。やはり監督、執行の関係から申しますならば、國会の議長と総理大臣というような関係にあるのではないかというふうに考えるのでありますが、以上のような観点に立ちますと、日本銀行総裁もまたこの委員会の議長となり得るというところの互選の規定は、はなはだ妥当を欠くような氣がするのであります。これに対しまして政府の御所見を伺いたいと思うのであります。
○宮幡委員長代理 ただいまの小山君のお尋ねは、本件の重要性にかんがみまして、今大藏大臣の出席を要求しておりますから、大藏大臣出席の上で御答弁願うことにして、この際保留いたしたいと思います。
○小山委員 承知いたしました。私の質問は一應これで終ります。
○宮幡委員長代理 次は北澤直吉君。
○北澤委員 日本銀行法の改正につきまして二、三点質問したいと思います。十三條の三の第十項に「左ニ掲グル事項ニ關シ主務大臣ヲ經由シテ行フ國會ニ対スル毎年ノ報告」とありまして「イ、金融機關ノ状態及運營、ロ、必要ナル法律ノ改正、ハ、当該年中ニ於ケル監督政策ノ變更、ニ、實施シタル政策及其ノ理由」、こういうのでありますが、これは日本銀行政策委員会は國会に対して責任を負わない地位にあると思います。こういう金融問題については、直接大藏大臣が國会に対して責任を負うのでありますから、國会に対する報告は大藏大臣がする、國会に対する責任は大藏大臣が負うべきものであつて、單に大藏大臣を経由して政策委員会から國会の方に出すというのは、ちよつと筋違いではないかと私は思います。國会に報告する場合には、國会に対する責任者である大藏大臣が、その責任を負うべきであると思いますから、これに対する答弁を承りたいと思います。
○愛知政府委員 ただいまの点はまことにごもつともでございまして、この日本銀行政策委員会は先ほど來申しておりますように、日本銀行であつて政府ではないわけでございますし、從つてまた國会に対して責任を持つものではないわけでございます。しかしながら從來大藏大臣として日本銀行の業務につきまして持つておりました権限のうち、一部を委任したことでもございますし、また日本銀行というものそれ自体がいかなる法人であるということについても、相当從來から法理論的にも問題の点もございますし、いわば公法人的な機関であり、またたとえばアメリカ流の考え方で申しますならば、ある程度いわゆるガバメント・エージエンシーに近いものであるというような見方もできるかと思うのであります。その辺のいろいろの考え方や氣持を「主務大臣ヲ經由シテ」ということによりまして、諸般の関係を考えましてこういうような案をつくりましたわけでございまして、私どもも率直に申しますと、ちよつと奇妙な感じがすることは否定できないと思います。
○北澤委員 次に第十三條の四の政策委員会の委員の任命でありますが、先ほども小山委員から御質問はありましたが、政府の説明によりますと、この政策委員会というのは、日本銀行の最高の意思決定機関である。それから総裁、副総裁、理事は執行機関である。こういうお話でありますが、もしそうであるならば、執行機関である総裁以下は、政策委員会においてこれを選任するとした方がいいのではないか。先ほどの話にもありましたように、意思決定機関が、その決定を執行機関をして執行させる上にも、はなはだいいと思いますので、総裁以下はこの政策委員会において選任する、こういうかつこうにしたらどうか。たとえば会社には株主総会があり、これが意思決定機関である。そしてその執行機関が社長または重役その他である。この社長重役その他は、株主総会において選定する。要するに総裁以下は意思決定機関において選定するという方が筋が通り、運営上よいと思いますが、そういうお考えは、日本銀行の場合においてできないものでしようか。
○愛知政府委員 この点も実は考え方がいろいろあると思うのでありまして、全然総裁以下の執行機関と意思決定機関とを切り離すという考え方も、成り立つとは思うのでありますけれども、たとえば現在他の銀行等におきましても、いわゆる重役会と執行機関というものが渾然一体となつているような状態であることにもかんがみ、また先ほどから申し上げておりますように、特殊の性格を有しております日本銀行というものにつきましては、ひとり総裁くらいはこの最高意思決定機関の中に参加するという建前をとつた方がよいのではないかというように考えたわけでございます。 それからなお任命権の問題につきましては、御承知のように執行機関たる日本銀行に対しても、別途政府としてはいろいろの法的事務の委託等もしております。そういう関係から、やはり執行者としての最高責任者である総裁以下のいわゆる從來の重役については、直接内閣が任命権を持つ方が妥当である。こういうふうな、氣持でこのような立案をいたしておる次第であります。
○宮幡委員長代理 先ほど大藏大臣が御出席まで保留しておきました小山君の再質問をこの際許します。
○小山委員 大藏大臣が御出席になりましたので、質問をいたします。この日銀法の改正におきましての一番大事なことは、この委員会の運用であろうということで、先ほど來、質問をしておるわけでありますが、ことに政策委員会の議長に何人がなるかということが、この政策委員会のあらゆる問題を決定する要素になりはしないか。その場合に、まずこういうことから私申し上げるのでありますが、委員は大体兼職を禁止されておる。從つて各業界の一流の人物というものは、おそらくこの委員会には入つて來る可能性が非常に少い。こういうことからいたしますと、おそらく普通の議事は、議長の意図したごとくになつて参るであろう。議長が議題を選び、あるいはその目的を定める。そうしてだんだん議長が意図したような方向に、この政策委員会というものが運用されて行くのが常態ではなかろうか、というふうに考えられるのであります。そういたしますと、これに関連して來るのでありますが、日本銀行の総裁もまたこの委員会の議長になり得るという規定がここにあるのであります。ところが日本銀行の総裁がこの議長になりました場合に、ただいま申しましたように、あらゆる議事が運ばれ、議題が選ばれ、そして結論が生じて來るという結果になるといたしますならば、日本銀行総裁はみずから意図したところをそのまま政策委員会で決定して、そしてそれをみずから執行するという形になります。これはこの日銀法の改正によりまして、政策委員会には大藏大臣の権限が相当大幅に移讓されておる。監督、指導しあるいは監督、指導される関係にありますにもかかわらず日本銀行総裁がこの議長になりました場合に、みずから決定してみずからが執行する。監督される者と監督する者とが、実際問題としては同一人物であるという結果になるのであります。そうしますと、日本銀行の金融政策というものがどんなに非難されるような政策を決定いたしましても、日銀総裁としてはこれは政策委員会が決定したのだから、自分の責任ではないというような言いのがれのできる余地が出て來る。そしてまたこれを法理論的に申し上げますと、自分が議長であつてこれを執行して、しかも議長は委員会を代表するのでありますから、日本銀行との間に、いわば一種の法律上——これは法律行為とは申しませんが、二重人格的な一つの性質が出て來る。これを法律上の言葉で言いますと、双方代理みたいな形になつて來る。これも非常におかしいではないか。元來政策委員会の議長というのは、普通の株式会社の議長というようなものじやなくて、株式会社の議長はたいていその株式会社の社長がなるのでありますけれども、それとはよほど趣が違うのです。これはあたかも監督執行の関係から言いますと、國会の議長と総理大臣との間のような法律関係になるのじやないか。こういうことをいろいろ考えますと、日本銀行総裁もまたこの委員会の議長になり得るというこの規定が、非常におかしいじやないかというふうに考えられるのでありますが、大藏大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○池田國務大臣 日本銀行の政策委員会の議長は、委員の互選によつてなることに規定いたしてあるのであります。從いましてお話の通りに、日本銀行総裁も議長になり得ることにはなつておりますが、必ずしもなるとも、きまつておりません。これは個々の場合について考うべきことでありまして、政策委員会にある程度大藏省が今までやつておつたことを讓つておる場合もあるのでありますが、全体といたしましては、大藏大臣が相当監督し得るものと考えております。委員の方で、日本銀行総裁をお説の通りに議長にしない方がよいということになりますれば、ほかの人がなることになると思うのであります。
○小山委員 確かにおつしやる通りでありますけれども、実際問題としましては、先ほど申しましたように、從來この委員会に出て來るのは、おそらく日銀総裁以下の人が相当出て來るに違いない。現在のような兼職を許さないということに非常に問題があるのでありますけれども、実際の問題としましては、おそらく日本銀行総裁が議長になるという態勢のもとに、委員各位が選ばれるということになりましようから、もう結論はわかり切つておるのでありまして、日本銀行総裁が必ず議長になるような態勢で、委員会が選ばれそうな氣がするのであります。そういたしますと、先ほど申しましたような非常におかしな関係になつて來る。だからこれは、根本においてこの規定に、日本銀行総裁は議長にはなれないのであるという規定を、挿入する必要があるように考えるのでありますけれども、重ねて大藏大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○池田國務大臣 政策委員会の候補者は各界の有力なる方を任命いたすべく、ただいま準備をいたしております。人物といい、閲歴といい、申し分のない方を選任すべく、各方面に手配を今いたしておるのでございまして、私は相当の人物が任命できると考えておる次第でございます。しかもまた兼職を許さないということにつきましても、程度の問題でございまして、委員としての職務執行に弊害がないと認められる場合には、ある程度の兼職もいいのではないかと考えております。
○宮幡委員長代理 北沢委員に質問の継續を許します。 なおこの際お願いいたしますが、政策的な大きな問題についての御質問を願いまして、事務的のことは政府委員から伺うことにいたしたいと思います。
○北澤委員 政策委員会の委員は内閣において任命する、こうなつておりますが、この委員というものは非常に重大な仕事をするわけでありますので、私はこれを單に内閣だけにおいて任命することにせずに、内閣が國会の承認を得て任命する。ちようどアメリカ連邦制度の理事は、大統領が上院の承認を得て任命することになつておりますが、私はやはりこの委員も、内閣が國会の承認を得て任命する。そうして國民の代表機関である國会の意思をこれに反映させる、そうした方がいいのではないか。もう一つはそうした方がこの委員会というものは政府からある程度独立する。そうして金融と財政というものをある程度わける。そういう見地から申しましても、内閣がかつてに任命するということでなくて、國会の承認を経てこれを任命するということにした方がいいと思うのでありますが、それに対する政府の御所見を承りたいと思います。
○池田國務大臣 本委員会はいわゆる行政官廳ではないのでございまして、特殊の経済法人でございますので、私は國会の承認は不適当ではないかと考えておる次第でございます。もちろんアメリカの方ではそういうふうになつておりますので、議論はあつたのでありますが、一應行政官廳ではないという考え方のもとに、内閣総理大臣の任命でけつこうではないかと考えております。
○北澤委員 委員を任命する場合に、從來日本におきましては中央集権の慣習が強くて、地方というものを無視するような形が多かつたのでございますが、新憲法によつて日本におきまする地方自治の発展をはかるということになつておりますので、こういう委員を任命する場合におきましても、なるべく中央だけでなく、地方も含んで地方の利益をも代表させる。もちろん農業に関した代表もあるのでありますが、その農業以外の方におきましても、これまでのような中央集権的に考えずに、地方分権的な考えを入れまして、そうして地域的に片寄らないような任命の仕方をした方がいいと思うのでありますが、政府におきましては、そういう考えを持つておりますかどうか、承りたいと思います。
○池田國務大臣 お説の点もありますので、金融機関の関係から出ます意味におきましては中央の大銀行、そうして地方の銀行から一人ずつ出すことにいたしております。農業関係の方は、これは主として地方でございまするが、農業関係の方が一人出られますことも、十分に地方の氣持を反映し得ると考えております。
○北澤委員 次にこの政策委員会の「議長ハ政策委員会ノ會務ヲ總理シ之ヲ代表ス」となつておりますが、一方日本銀行法によりますと、総裁は日本銀行を代表する。そうしますと、外部に対して日本銀行を代表する場合には、日本銀行総裁がこれを代表するのである。こいうふうに了解されますがどうでございましようか。
○池田國務大臣 日本銀行業務の執行機関といたしましては、日本銀行総裁が代表することに相なります。
○北澤委員 この政策委員会の議長というのはやはりこれは外部に対しても意思決定機関として代表することが、あり得るということになるのでありますか。
○池田國務大臣 日本銀行の業務の執行につきましては、日本銀行総裁がやりますので、直接この委員会が執行するのではございません。
○北澤委員 次にお伺いしたいのは、日本銀行総裁は政府が任命する。それから政策委員会の議長は互選によるということになつておりますが、この政策委員会の議長も、やはり政府が指名する委員の中からこれを任命するというふうにしまして、政府と政策委員会との関係をより一層密にした方がいいとも考えるのでありますが、これに対する御意見を承りたいと思います。
○池田國務大臣 業務の執行機関は日本銀行総裁がその責任者であり、また日本銀行総裁は委員になるので、この政策委員会の議長につきましては、やはり互選の方が民主的でいいのではないかと考えております。
○田中(織)委員 大藏大臣に小山委員も北沢委員も御質問になつておるのでありますが、まだ明確に理解できない点がありますので、お伺いいたしたいと思うのであります。この日銀の政策委員会と大藏省との関係、ことに大藏大臣との関係がどういうようになるかということをまず伺いたいのです。先ほどからの愛知銀行局長の説明、またただいまの池田大藏大臣の御説明によりまして、これは別に行政機関でなく、日銀の中に置く一つの経済法人だという御説明でありますけれども、この法案の中には、從來大藏省が行つて参りました一般金融機関の金利の決定、取引金融機関の日本銀行預け金の割合の変更、一般金融機関の証券業者に対する貸付、投資及び貸付担保に関する事項の決定等、大藏省が自体で決定していたものを、この委員会に委任する形になつておると思うのでありますが、そういたしますと、いわゆる金融行政の執行の責任が、きわめて私は不明確になると思うのであります。これはむしろ日銀の中へ置くということよりも、大藏省の中の金融行政の部門をこうしたコミテイーの形によつてやる方が、從來から言われておる金融機関の整備、並びに金融政策の一環的な決定並びにその執行という見地から、適当ではないかとわれわれ考えるのでありますが、この点について、特にこの政策委員会の決定事項に対する大藏大臣の責任との関係、金融行政の責任者としての大藏大臣との関係がどういうようになるのか、まず伺いたいと思います。
○池田國務大臣 こまかな問題は政府委員からお答えさせますが、この政策委員会は、日本銀行の貸出し金利の決定等をいたすことになつております。これは從來も相当部分やつておるのであります。いろいろな支障がありますれば、別に金利調整法その他で十分監督ができるのでございまして、この程度の委任は從來からの例を見ましても、適当ではないかと考えております。こういう政策委員会ができましたから、大藏大臣は金融関係にタツチできないというふうなものでもないと考えておるのであります。
○田中(織)委員 政策委員会ができましても、金融行政に対する大藏大臣の所管事項というものは、当然変更にはならないことは十分承知しておるのでありますが、この政策委員会の決定事項は、いわゆる執行機関としての日銀が——別にこの委員会には事務局等は設けられないのでありまして、当然日銀がその決定に基いて執行するということになると思うのであります。そういたしますると、日銀の機構も現在のような状態ではいけないのぢやないかと思うのでありまするが、この政策委員会の設置に伴いまして、日銀の機構についてこれを改革する御方針があるかどうか。
○池田國務大臣 ただいまのところ日銀の機構につきまして、根本的の改革をいたす考えはございません。大体從來通りでやつて行けると考えておるのであります。しかし情勢を見まして、その必要があれば考慮してもよろしゆうございますが、ただいまのところ機構の根本的改革は考えておりません。
○田中(織)委員 そういたしますると、政策委員会の決定事項のうちで、日銀を通じて執行される部分以外の、ことに一般の市中銀行に対する関係とか、あるいは証券関係にも重大な影響のある事項が、この政策委員会で決定されるのでありますが、そうしたことは從來通り大藏省の銀行局その他の機関を通じて、執行されるということに了解していいのですか。
○池田國務大臣 從來大藏省できめておりましたのを、今度の改正によりまして、日本銀行へ委任いたしました、移りました分は、日本銀行でやつて行くことに相なるのであります。條文にはぎようぎようしく書いてあるようでございますが、証券取引業に対しまする日本銀行との間の関係を確立いたしましたのも、たいした重要な問題でないということはございませんが、大体日銀でやつても支障ないようなことと考えております。
○田中(織)委員 從來から大藏省を金融省と、いわゆる國庫の收支に関する財政省的なものと分離しろという主張が、大藏省内部にもまた大藏以外のところにも、前からあると思うのでありますが、そういう関係から、これがたとえば公安委員会あるいは教育委員会というような意味を持つた委員会として発足せられるということであれば、新しくできた委員会制度の運用のいろいろな批判もありましようけれども、われわれには一つの進歩として考えられるのでありますが、これがもちろん行政機関としてではなしに、ただ單に日銀に関連する政策の決定機関としての政策委員会では、きわめて不徹底ではないかという感じを持つのであります。われわれ日本社会党では、從來からそういう意味における金融管理委員会的なものに進めると同時に、それが大藏省の職能の改革による能率の向上ということにもなるという見地から、われわれはこれを一歩進めて、大藏省の中の金融関係の行政部門が、こういう委員会組織による運営に向つて進むことが年來の主張でありますので、そういう点から以上の意見を申し上げたのでありますが、まだそこまで政府当局のお考えが進んでおらないということは残念であります。 次にこの政策委員会と、先般國会を通過成立いたしました見返資金特別会計の運用との関係であります。見返資金特別会計の関係の窓口は、日本銀行が当ることになつておるようでありますが、見返り資金の運用につきましては、安本を中心にして運営委員会が持たれて、いろいろ産業資金等の配分と申しますか、そういうようなものについても計画をお立てになつておるようでありますが、この政策委員会と見返資金特別会計の資金の運用との関係を、どういうふうに調整して行こうとされておるのか。この点につい大藏大臣から伺いたい。
○池田國務大臣 大藏大臣の機構の問題におふれになりましたから、この機会に申し上げておきますが、私はただいまの大藏省内に、金融部門をわけるとか、あるいは主計局の予算、決算の関係をわけるとかいう議論があるというお言葉でありますが、これは全然ございません。省外でそういう議論をする人があるやに聞いておりますが、私はただいまの制度が一番よいと考えております。すなわち歳入歳出は一人の人で握るべきであり、また歳入歳出、すなわち財政部門と金融部門との関係は、今非常に密接であり、離すべからざるものと私は考えておるのであります。 次に見返り資金の窓口は日本銀行にあるというお話でございますが、これは誤解のないように申し上げておきます。対日援助見返資金特別会計は大藏大臣の所管でございまして、日銀は何も関係ございません。それは特別会計の預金を日本銀行に置いておくというだけの問題でございまして、その点は誤解のないように願います。資金の運用その他については、全部大藏大臣でやることに相なつておるのであります。ただ扱い方の内部の手続の問題といたしましては、安本が総合官廳であります関係上、大藏省並びに各省の職員が集まりまして、どういう方面にこの金を使つたがよいかということを、不審議しておるだけの問題でございます。しかして私の新聞を通じて見るところによりますと、かなりピントがはずれておるのではないかと考えておりますので、きようの閣議でも申しておきましたが、まだこれはどういう方面に使うとははつきりきめていない。ただどういう考え方で行つたがよいかということを、事務当局で審議しておるだけのものでございまして、私はそう権威のあるものとは考えておりません。こういう問題は、予算のときに申し上げておきましたように千七百五十億円、しかも二百七十億円を鉄道、通信の特別会計に使う。あとの千四百九十億円は厖大なものでございまして、これは一一できますれば國会の審議を願うほどの重要な問題でございます。從いまして関係方面と十分連絡をとりつつ閣議できめたい。こう考えておるのであります。新聞にときどき出ますように、これで見返り資金のわくがきまつたとか何とかいうようにお考えになりますと、見当違いのことが起つて來ますので、もう少しこの使途につきましては愼重に考えたいと思つております。
○宮幡委員長代理 次は風早八十二君。
○風早委員 せつかく大藏大臣がお見えになつたのですから、この法案の基礎的な問題につきまして一、二伺ひたいと思います。これは前年來から遂に頭を出さなかつたのでありますが、金融業法案というようなものが出るというようなお話で、いろいろとりざたされておりまして、その場合にバンキング・ボードというような機構についても、問題になつておると聞いておつたのでありますが、今回の日銀法の改正によりまする政策委員会というものは、大体あのころのバンキング・ボードの構成、あるいはその性格というふうなものと、どういうふうに違つて來ておるか。バンキング・ボートについては、何ら政府としては國会に出されたわけでもありませんし、一應問題外でありますが、私どもが今回の法案の本質をはつきり理解します上において、非常に有益でありかつ必要でもあろうかと考えるのでありまして、その点についてせつかく大藏大臣がお見えでありますから、御説明を一應お願いしたいと思います。
○池田國務大臣 昨年夏ごろ新聞を通じまして、金融業法の問題が世間に傳わつたことは、私も承知いたしております。しかしその後あの金融業法の問題は、さたやみになつたと私は考えております。
○風早委員 さたやみになつたでありましようが、いずれにしてもその根源は同じところだと考えるのでありまして、今伺いたいと申しましたのは、それらの経緯を通じてこの日銀法改正の根本的な趣旨、これからだんだんと財政金融の問題、その関連の問題について伺いたいと思いますが、一應まず概括してどういうところにその趣旨があるか。これは特にあのバンキング・ボードの構想との関連でやつていただきたいと思います。一般的なことは説明書にもあるのでありますけれども、その点で非常に新しい性格というものがわかりはしないか。先ほどから小山委員その他からいろいろ有益なる質問も出ておつたのでありますが、やはりこの角度からもう一度御説明願えれば、非常にけつこうだと思います。
○池田國務大臣 金融業法すなわちバンキング・ボード、あるいは日本銀行の改組とかいう問題は、新聞紙上で見ただけでございまして、あまり詳しくは存じません。しかし私の今の考えでは、あれはさたやみになつたというか、たな上げになつたので、新規まき直しで考えて行くことになつたと思つております。從いましてそういう問題とこの問題との関連は考えたくない。関連はないと自分は思つております。
○風早委員 その点はやむを得ませんから引込めますが、この法案の趣旨によりますと、大体財政と金融の分離ということが大きな問題として出て來ておる。新しい特徴として出て來ておるのであります。この点につきまして、はしなくも大藏大臣の先ほどの御答弁のうちで、財政と金融は密接不可分であるというふうなお話がありました。そういうふうに考えておるというようなお話がありましたが、私もそう思つておる。まつたく同感でありまして、現在ますます國家と金融資本との結びつきというものは、強くなつて來ておる一方であります。またそうならなければすべての経済、金融の運行もできないわけであります。その点につきましていろいろ疑問が起るのでありまして、さしずめたとえば、國家の資金計画というものに対しまして、一体この新しいポリシー・ボードというものはどういう発言権を持つておるのか。またその決定と政府の計画というものと食い違つた場合におきましては、どういうところでこれが調整せられるのか。そういう点につきまして御所見を伺いたい。
○池田國務大臣 今度の予算で從來よりは財政が金融におつかぶさつて行くということは、よほど改められたのであります。しかし財政が金融におつかぶさる程度がよほど少いからといつて、財政は金融とは離れることのできないものだと考えております。 しこうして第二の御質問の日本銀行の政策委員会ができたために、財政面にどれだけの発言権があるか、あるいは資金計画にどれだけの発言権があるか、こういうことになりますと、大したことはないと考えております。具体的の問題を承れば、それについてお答え申し上げまするが、この委員会が設けられたからといつて、從來よりもこういうふうにかわるのではないかというようなことは、あまりないと考えております。
○風早委員 具体的な問題といたしましては、先ほどちよつと田中織之進君からも出ておりましたが、大体見返り勘定の運営についてでありますが、これについては、最近大藏大臣は、今までとはちよつと違つたことを言つておられるように新聞では拜聽したのであありますが、ここであらためて一應委員会として質問いたしたいことは、見返り資金の運営については、このボードは何ら介入しないのか。これはどこまでも大藏大臣の專権に属しておるか。その点をお伺いたしたい。
○池田國務大臣 その通りでございます。関與いたしておりません。
○風早委員 どうも日銀法の一部改正ということの重要性について非常に疑問を持つておる。これは大体今日は大藏大臣の御答弁によつてのみ、問題を理解し得るにすぎないのでありますけれども、私の一應推定いたしますところでは、この政策委員会というものは、何といつても前に出ておつたバンキング・ボードの一つの変形であるというようにしか、実は考えられないのでありまして、これから相当の役割を持つて來るのではないかと考えるのであります。しかし今の御説明でありますと、ほとんど大して新しくこういうものをつくつたいわれがないようにも考えられるのです。この点はあらためて伺つておきますが、こういう財政と金融との分離という問題として、新しい特徴を見出した場合におきまして、この金融面について、今までと違つて、大藏省が今まで持つておられた、あるいはその監督のもとに今まで日銀がやつておつたところとは独立に、このボードに新しく金融に関する政策の最高の決定権というようなものが出て來たのかどうか。ある部分につきましてもそれは出て來たのかどうか。そういう点について新しい政策委員会の特徴について、御説明願いたいと思います。
○池田國務大臣 最初の見返り資金の問題と政策委員会とは関係がないと申し上げたのは、法律的の問題でございます。実質的にはそれは見返り資金で、復金債券を償還した場合、その償還を受けた銀行と日本銀行との間におきましては、相当の影響があることと思うのであります。すなわちそれは日本銀行の政策につきましては、この政策委員会が関與する程度においては、これは実質的の関係はあると考えております。 第二の金融行政につきまして、この政策委員会はどの程度のことをやるか。あるいは大藏省の権限がどの程度委任されたかということになりますと、この法案に書いてありますように、割引歩合の決定だとか、あるいは取引銀行間の貸出しの規整だとか、あるいは証券業者に対する規定という程度のものと考えております。
○風早委員 次は第十三條の四、すなわち政策委員会の組織の問題でありますが、先ほどからこの点についてもいろいろ御質問もありましたから、できるだけ重複を避けて伺いたいと思います。これによりますと、結局実際に表決権を持つておるのは、金融資本並びに商工農の資本家ということになると考えるのでありますが、先ほどその間における総裁の立場につきまして、いろいろ論議があり、私も大体小山委員並びに北沢委員の御意見に非常に近いのでありますが、その問題については一應お答えもありましたので、もはや差控えたいと思います。問題はこういう新しい政策委員会というものに、何ら労働者側の代表という者の意見が反映する仕組みができておらないという点にあるのであります。事は國の金融政策の最高の決定ということにあるのでありますからして、どうしてもこの点については、むろん金融関係に実際に從事しております労働組合というものも、その一つでありますけれども、廣く労働階級の代表また一般の中小業者なり、あるいは農民なり、こういうふうな勤労階級の代表というものが、やはりこれに発言権を持つて、決定権にも参加して行くということで、初めて待望の政策委員会というものができるのだと思います。私どもはこの点につきましては、かねがね國家最高経済会議というものを持ち、かつ発表して参つておりますけれども、政府は相かわらず今までの重役会とあまりかわりがないような、こういう委員会の組織というものを考えておられるにすぎないのであります。これについてもう少し根本的に日本の財政と金融との密接不可分な関係を考えて、かつ実際問題として、この政策委員会と政府、すなわち特に大藏省とのいろいろな計画決定の内容の食い違いというふうなものを考えた場合におきまして、最高にあつてこれを調整して行き、日本の経済すなわち金融も財政も含めました大きな日本の経済の基礎的な資金面につきまして、決定して行くというような唯一のもの、そういう新しい構想を大体予想しておられるのかどうか。相もかわらずやはり大体この程度で問題をやり過して行かれようとしておるのであるかどうか。そういう点についてひとつ忌憚のない御意見を伺いたいと思います。
○池田國務大臣 この政策委員会に勤労階級の代表を入れることについての御意見につきましては、大体マーケツト・オペレーシヨンの政策をきめるのでございまして、勤労階級を入れるということは、この際適当でないと考えて入れなかつたのであります。なおこの政策委員会につきましては、法文にありますように統合資金計画をやる安本、また財政金融面をつかさどつておる大藏省から一人ずつ出まして、意見は十分述べ得ることに相なつておるのであります。ただいまのところ私はこの程度で、大藏大臣の持つておる金融上の地位は、そう縮小されたとかあるいは非常に財政金融のつながりを阻害するようになるとは考えておりません。
○風早委員 この際伺つておきたいのでありますが、日本銀行法の第一條の目的のところに「日本銀行ハ國家経済総力ノ適切ナル発揮ヲ図ル為國家ノ政策ニ即シ」云々ということがあります。また第二條には「日本銀行ハ專ラ國家目的ノ達成ヲ使命トシテ運営セラルベシ」こういうことがある。これらの國家の政策とか國家目的という概念は、大体日本銀行法ができました昭和十七年当時にさかのぼつて、その当時の背景に基いてこれを理解せらるべきだと考えるのであります。今日大分その背景はかわつて來ておる。ことに最近におきましてまた非常にかわつて來ておるわけであります。そういう点について、これらの言葉は一体どういうふうに理解せられるか。この言葉のままでやはりさしつかえないと考えられるか。こういう点について何らかこの目的の規定についてかえて行かれるような方針でも、一應腹案として持つておられるか。これらのことについて聞かしていただきたいと思います。
○池田國務大臣 お説の通り昭和十七年につくられました法律でございまして、言葉等につきまして相当変更しなければならぬ條文があることはお説の通りでございます。從つて先般來これが全文改正につきまして手をつけておるのでありまするが、今國会に間に合わなかつた次第でございます。適当な機会に民主的なりつぱな言葉に書き直して、提案したいと考えております。
○風早委員 大藏省の日銀監督権について、どういう変更が生じて來るのか、あるいは生じないのであるか、この点について伺いたいと思います。
○池田國務大臣 監督権につきましてはあまり変更はないと考えております。從來より違います分は、この法文に書いてある通りでございますが、詳しくは銀行局長より御説明いたします。
○宮幡委員長代理 いかがですか、まだ大きな問題がありますか。
○風早委員 だんだん小さくなつて行きます。問題が具体的になつて行きますので……。
○宮幡委員長代理 それでは大藏大臣に対する質問として、石原登君。
○石原(登)委員 私から質問したいと思いますのは、先ほどから各位によつて指摘された問題でありますが、どうかこの政策委員会の権限というものと、大藏大臣との関係、並びに政策委員会と國会との関係、この問題が明らかになつていないようであります。そこで一番初めに聞きたいのでありますが、先ほどから銀行局長の御説明によりますと、この政策委員会が日銀の重役会、言いかえれば日銀総裁の諮問機関とでも言いますか、そういうものに一應かえてよろしい、こういう御意見のようであります。実は私も從來さように解釈しておりました。少くとも日本の金融の本体でありまするところの日銀が、ただ單に総裁の意思によつて動くことの危險を指摘して、今後は政策委員会の民主的な運営によつて、その円滑な運営をはかろう、こういうようなものになると私は考えておつたのでありますが、どうもこの改正條文によりますと、政策委員会は大体日銀の外郭の機関であるのか、あるいは日銀の内部の機関であるのか、その間が明らかになつていない。そのいずれであるかによつて、私どもはこの法文全体についての考え方をかえねばならないと思うのでありますが、大体この政策委員会というものは、日銀の外部のものであるか、それとも内部のものであるか、この点をひとつお聞きしたいと思います。
○池田國務大臣 政策委員会は日銀の内部の機関でございます。
○石原(登)委員 さようにいたしますると、日銀の内部の機関であるものが日銀自体を指示するとか、あるいは監督するとかいうような言葉はあてはまらないのであつて、どうもこの全体がしつくり行かない。もつとこれをつつ込んで申しますと、政策委員会が決定した事柄に対しては、日銀総裁はこれに從わなくちやいけない。同時に政策委員会に相当大巾な権限が與えられてありまして、これに対して大藏大臣の監督あるいは指示というものが明確にされてありません。さらに政策委員会の考え方と政策自体との考え方が競合した場合におけるその間の扱い方についても、ちつとも明らかにしてないのでありますが、大体政策委員会の考え方と大藏省の考え方が齟齬した場合に、この場合は政府はこの政策委員会の決定を廃棄する権限があるのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○池田國務大臣 政策委員会は先ほども申し上げましたように日銀内部の機関でございまして、この決定は日本銀行総裁の業務を監督いたします。しこうして大藏省との関係は從來通りでございますが、政策委員会の決定にゆだねられたものにつきましては、それだけ大藏大臣の権限が移つたわけで、その他につきましては從來通りであります。
○石原(登)委員 さよういたしますると、この法律によつて大藏省が政策委員会に移した権限によつてきめられた事柄によつて、大藏省と政策委員会——言いかえれば政策委員会の表決には、大藏省も安定本部の代表者も加わらないことになつておりますが、この二人の代表者の意思に反してこの表決が行われた場合には、これは当然國会の意思にも反するようなことになると思います。政府が國会の意思に從つていろいろな行政を行うわけでありますが、さよういたしますると、この政策委員会というものは、國会の意思に反して金融政策を強行するというようなことになつて参りますので、これは非常におかしなことになると思うのでありますが、この点はどういうようなことになりましようか。
○池田國務大臣 從來と問題は同じでございまして、日銀総裁が大藏大臣あるいは内閣の意思に反したことをやつておれば、從來通りの規制方法があるのであります。しこうして今度ふやしました日銀の移讓問題は大した問題ではない——と申してはなんでありますが、こういう民主的な政策委員会を設けました関係上、ある程度の権限の移讓をいたしたのであります。しこうしてこの政策委員会の決定によりまして、日銀のやりまする事柄が財政金融上よくないということになりますれば、また適当な処置をとる、こういうことに相なります。
○小山委員 監督のことでお伺いしたいのでありますが、政策委員会は日本銀行を監督するということになつておるにかかわらず、監督権を行使する何らの規定がないのであります。たとえば先ほど局長に質問したのでありますが、政策委員会のきめたことを日本銀行の総裁は國家的な立場と申しますか、そういう立場で政策委員会の決定事項が妥当でないというふうにお認めになり、あるいは故意かあるいは國家的な関係からか、これを執行しなかつたというようなときに、どういうふうに監督権を発動するのか。これは大藏大臣が任免権を持つておるのでありますから、大藏大臣が任免権を発動されるわけでありましようが、少くとも日本銀行総裁の任免——任は別にしまして免の方は、この政策委員会の助言を求めるというようなことを考えるべきではないかと思いますが、その点はいかがでありましようか。
○池田國務大臣 政策委員会が日本銀行総裁を監督する、こう規定いたしておりますが、これは内部のことでございまして、法文に別に書かなくともよいと思つております。それから日本銀行総裁の任免権は内閣が持つておるのでありますが、それについて政策委員会の助言を求めるとかどうこうということは、これは行政的のことでございまして、法文に書かなくとも効果は達し得るのではないかと考えております。
○小山委員 それは実際問題にしては助言を求めるというふうに、行政を運用されるという意味でありますか。そういうことはしなくてもよろしいのであるという意見でありますか。
○池田國務大臣 程度の問題だと思います。
○風早委員 この法案改正につきまして、特にポリシー・ボードに関しましてメモランダムが出ておると思いますが、もし出ていたらひとつ知らせていただきたいと思います。
○池田國務大臣 メモランダムは出ておりません。私自分の考えを向うに申し述べまして相談しただけであります。メモランダムという特別の覚書あるいは指令は來ておりません。
○風早委員 この委員会に対する関係方面の具体的な関係、それは今まで大体慣習で各委員会がやつておるような程度を出ないものでありますか。特別に何かこのボードに関して機関ができるというようなことがあるのでありますか。そういう点についてひとつ伺いたいと思います。関係方面に日銀の政策ボードに関して特別な係ができるというようなことはあるわけですか。
○池田國務大臣 これはこういう制度を設ける必要があるという話が両方から出まして、私並びに事務当局で話をつけて法案を提案いたした次第でございます。このポリシー・ボードが日本銀行にできます関係上、関係方面に特別の機関ができるか、こういう御質問のようでございますが、特別の機関はできないと考えております。
○田中(織)委員 先ほどの小山君並びに石原君の質問に関連するのでありますが、これはいわゆるバンキング・ボードというような考えの変形したものにすぎないというような氣がしてならないのでありますが、そうしたものが大藏大臣を通じて、委員会の決定いたしました政策については、國会に報告するということになつておるところに、多少われわれの理解することが間違いでないというような裏づけにもなると思うのでありますが、アメリカにあるこうした委員会の関係はバツキング・ボードという性格がはつきりしたものでありますから、当然國会に対する関係というものが出て來ておるのだと思うのであります。大藏大臣も先ほどこの委員の任免等について、國会の承認を経るというようなことについても考えぬでもなかつたが、今の段階ではその必要はないと思つておる、こういう御答弁ですが、少くとも私はこの委員会の決定事項と大藏大臣の責任との関係で、どうしてもここはあいまいになる部分が必ず出て來ると思いますが、そういう関係からこの委員会の委員の選任については、國会の承認を経るべきだと思いますが、その点大藏大臣のお考えを重ねて伺つておきたいと思います。
○池田國務大臣 委員の選任について國会の承認を経ることを考えなかつたではないか、こういうお答えじやないのであります。そういう議論もないことはあるまいというのでありまして、私の考えとしてはそういう考えは一つもなかつた。ほかの人にはそういう議論をする人もあるやに聞いておつたというのでありますから、御承知置きを願います。先ほどお答えいたしましたように、行政官廳ではございません。日本銀行という特殊の経済法人の内部機構でございますので、内閣総理大臣の任命でけつこうだと私は思つております。しかし金融組織その他の問題につきましては、経済、社会の変化に即應して、改善すべきことは改善しなければならないのであります。しかしてお話しの通りに、金融業法的の考え方に進んだ方がいいということになれば、これはその際に愼重に考慮すべき問題だと思います。ただいまのところは今まで申し上げたことで御了承願いたいと思います。
○田中(織)委員 この点は予算等に関する大藏大臣の言明の中にもあつたのでありますし、また本來ならばこれとともにと言えばおかしいのですが、今後の金融政策の重要な面としての信用統制法の立案は、進められておることと思うのですが、どうも今会期には間に合わないようであります。そこで今後信用統制法ができるできないは別問題といたしまして、これについて大藏大臣として今お考えになつておるかどうか。最近融資準則についても改革が行われるやの新聞報道等も拜見したのでありますが、大藏大臣は信用統制の問題についてどういうことをお考えになつているか。統制法の提案の見通し等について承りたいと思います。
○池田國務大臣 信用統制法は大体立案を終つたのでございまするが、関係方面との折衝のため今議会には間に合いません。しかしわれわれの考え方といたしましては、從來にも増して金融の強固性を発揮させなければいかぬ。また租税で徴收したものを今までの金融債で償還するという場面も、相当多くなつて來ると思いますから、いろいろなそのときどきの金融状況を見ながら、統制を加えて行きたいと考えております。今信用統制法の内容につきまして、ここで申し上げることはいかがかと思つておりますから、差控えますが、逐次行政面でできるだけの統制を加え、いわゆるデイスインフレの線に沿つて経済の建直しをはかりたいと思つている次第であります。
○宮幡委員長代理 次は荒木萬壽夫君。
○荒木委員 遅れて参りまして、重複してお伺いして恐縮でありますが、先ほど石原委員からの御質問に対するお答えで、大体私の疑問は解決されたような氣もいたします。つい今しがた大藏大臣は、この政策委員会は行政官廳でないという御言明でありましたので、私もわかつたような氣はいたしますが、大藏大臣が本來持つておられた権限を、この政策委員会に委任されたということと、この政策委員会なかりせば日本銀行が從來行つたであろう仕事の内容、その両者についての政策委員会の決定、処理した結果と日銀総裁の責任、また同時に大藏大臣が委任せられました範囲においての結果、ないしは決定等に関しまする政府との責任関係上、どうもぴんと参りませんが、ごめんどうながらもう一ぺん御説明願いたいと思います。
○池田國務大臣 從來日本銀行総裁の権限に属しておりましたのを、衆知を集め、実際の経済界の事情を加味して、日本銀行総裁をして行わしむる方が、民主的でありより効果的であるという考えのもとに、日本銀行内部に政策委員会を設けまして、日本銀行総裁を監督することに相なつたのであります。そして政策委員会が設けられた機会におきまして、從來大藏大臣の承認を得てやつておりました日本銀行と、一般金融あるいは証券業者との関係につきまして、ポリシイ・ボードができました関係上、一部の権限を委任いたしました。また割引歩合につきましても、從來は実質的にはほとんど日本銀行総裁がやつておつたのでありますが、金融業者が二人入り、あるいは商工、農業者が入りますので、この際委讓した方がいいと考えまして、委讓いたしたのでございます。しかしてそういうものにつきまして、大藏大臣の考え方、内閣の考え方と違つたことが行われた場合におきましては、これは從來の例にもどりまして、いろいろな法規の監督に移つて來るのでございます。
○荒木委員 そういたしますと、この政策委員会が実施もしくは決定いたしました事柄等は、毎年大藏大臣を通じて國会に報告するということになつておりまするけれども、その監督関係においては從來と同樣であるといたしますると、ことさら政策委員会の責任において、大藏大臣を経由機関として國会にさようなことを報告するということは、無用のことのように思います。換言しますれば、その責任者たる政府みずからが國会に報告し、國会に対して責任を負えばいいのであるが、何か独立した行政官廳の政策面の責任を國会に対して持つような形に、政策委員会が飛び出して來ております。私は政策委員会としての報告をする必要はなさそうに思いますが、その点は政府側としてはどういうふうにお考えになりますか。
○池田國務大臣 お説の点もある程度理由のあることと思いますが、國会に対しまして御審議を願つた政策委員会が、どういうことをやつたかということを御報告するのも、また参考になり裨益するところが多いと考えまして、報告することにいたしたのであります。
○荒木委員 その政策委員会が報告しました内容が、実は政府ないしは大藏大臣の御意向と違つたことを実施した、あるいは政策を決定したということにつきましても、なおかつその違つた、いわば誤つた内容そのものを報告し、同時にまた本來の政府の考え方も並行的に、いわば人事院の國会に対する関係のごとき立場に立つのでございましようか。蛇足でありますがお伺いいたします。
○池田國務大臣 人事院の立場とは違いまして、もし政策委員会のとりました報告が、大藏大臣の意見に反したりするときには、日本銀行法にある規定によりまして、大藏大臣は十分監督できることに相なつておるのであります。
○川島委員 多少重複の点がありますが、ちよつとお伺ひしておきたいのであります。今大藏大臣は、政策委員会の決定が政府の政策と食い違いを生じた場合には、政府はそれは変更もしくは取消しを命ずることができるような御答弁であります。そこでお伺いしたいのですが、日本銀行法の二十一條にありまする、「主務大臣ノ認可ヲ受クベシ」という原則以外のものについては、いかなる決定をなしてもよろしいという権限を、政策委員会は持つているのかどうか。これ以外にも大藏大臣の認可を最終的には受けなければならぬような事項が、今度の政策委員会にはあるかどうか、これをまずお尋ねしておきたい。
○池田國務大臣 その点は從來と同樣でございまして、もし日本銀行業務の全体から申しまして、監督上不適当でありますときには、四十二條とか、あるいは四十六條でございましたか、いろいろな命令をすることの規定があるのでございます。
○川島委員 そうすると、政策委員会というものがかりにできても、ただ大藏大臣の意図する範囲内において、日本銀行の中で從來総裁が行務をやつておつた範囲を、ただ委員が出て行つて、それを勘案、実施するという案を立てるということにすぎない。そうなつて來ると、この法律案の提案の説明にもありますように、経済の九原則に基く当面の通貨政策は、デイスインフレーシヨンの確保であろうと思います。ここにこの法案を提案した大きな理由があるのだと思うのでありますが、このデイスインフレーシヨンの確保ということと、この日銀法の改正の中に盛り上げた重要問題であるこの政策委員会との関連というものが、きわめて明確にわれわれ看取できない点があるのでありますが、大藏大臣はデイスインフレーシヨンの確保ということと、この政策委員会を設置する事態との関係において、どのような考え方でこの政策委員会というもを創設することになつたのか。その点の所見を伺つておきたいと思うのです。
○池田國務大臣 御質問の点が大きいのでわかりませんが、とにかく今までの日本銀行のやり方を、もつと民主的に各方面の知識を入れてやつて行こうというのが、この改正法案の趣旨でございます。しこうして、日本銀行は政府の政策に順應いたしまして、デイスインフレの線に向つて行くというのは、これは從來とかわりないのでございます。
○荒木委員 先ほどの大臣の御説明で、わかつたようなわからぬような氣持がいたしますが、言葉をかえて申し上げますと、政策委員会は日本銀行内の機関であるというお話でありますが、政策委員会が所掌いたしまする事柄について、從來日本銀行総裁が行つておりました範囲については、日本銀行総裁のための諮問機関的立場に立つかどうか。それからまた、大藏大臣が委任せられました範囲内におきましては、これまた大藏大臣の、あるいは政府に対しまする諮問機関的立場に立つのかどうか。と申しますことは、責任関係は從來と同樣であるという御説明でございますので、これが決定機関にあらずして、責任関係が從來通りである限りにおいては、言葉をかえて言えば諮問機関だというふうなことが言い得ようかという氣持がいたすのでありますが、そういう関係におきましての御説明を、今一應ごめんどうながらお願いいたします。
○池田國務大臣 政策委員会は、日本銀行総裁の諮問機関ではございません。意思決定機関でございます。
○荒木委員 意思決定機関であるといたしますと、日本銀行総裁は、政策委員会の所掌しまする範囲においては、総裁としての責任は持たない。かように考えてよろしいかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○池田國務大臣 総裁は、政策委員会の決定に基いて行務を執行するのでございます。
○北澤委員 十三條の九の第一項に、「國会若ハ地方公共團体ノ議会ノ議員其ノ他公選ニ依ル公職ノ候補者ト為リ又ハ積極的ニ政治活動ヲ為スコト」ということが書いてありますが、積極的に政治活動をなすことができないというのは、たとえば政党の党員にもなれない。政党の党員はこれに入れないというようなことでありますかどうか。
○池田國務大臣 党員であることは、さしつかえないと思います。
○北澤委員 最近のアメリカのいろいろな委員会、海事委員会とか、そういう委員会を見ますと、同じ党員で委員となり得ない最高限度を制限しておるのでありますが、一つの党に属する人が、その委員会の大部分を占めるということになると、非常に困るというわけで、最近そういう制度がアメリカにありますが、そういうような制限を設ける必要はないというお考えでありますかどうか。
○池田國務大臣 私は、そういう制限は今日本で設けるほどのものではないと考えております。
○川島委員 今荒木君からもお話があつたのですが、そうすると、大臣の答弁によりますと、日本銀行の総裁は、その政策委員会の決定事項につき、もしくは総裁としての責任は、政府に対してはないということになるのでしようか。
○池田國務大臣 お話の点は、大藏大臣は政策委員会を監督するか、あるいは日本銀行総裁を監督するか、こういう御質問でございますか。
○川島委員 いや、この政策委員会が意思決定機関であるとすると、総裁の責任は大藏大臣、政府に対してはない。その責任は政策委員会が負うということになるのですか。
○池田國務大臣 総裁か、政策委員会か、こういう質問だと思いますが、全体でございます。
○荒木委員 ちよつとわかりませんので、重ねてお伺いいたしますが、政策委員会が意思決定機関でございまして、その決定しましたことを執行するのが日本銀行総裁、こういう立場に立つように御説明があつたと思うのであります。言いかえれば、政策委員会が所掌しまする範囲において決定しました事柄に関する限りは、日銀総裁は政策委員会の下級機関である、かように考えてよろしいかどうか、お伺いしたい。
○池田國務大臣 その通りであります。日本銀行全体を政府が監督いたしておるのでございます。
○宮幡委員長代理 ただいま議題となつておりまする六法案につきましては、次会に質疑を継続いたします。 本日は、委員室の関係で、これをもつて散会いたします。なお明日は、午前十時定刻開会の予定であります。 午後零時三十七分散会