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5回国会衆議院1949/04/23

大蔵委員会 第20号

発言数
105
登壇者
9
会派数
5
開催日
1949/04/23

会議録

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 ただいまより会議を開きます。  昨二十二日本委員会に付託に相なりました國民金融公庫法案、及び日程を追加して同日付託に相なりました有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたしまして、まず政府の説明を求めます。中野政務次官。     —————————————

中野武雄民主自由党大藏政務次官

○中野政府委員 これより説明いたします。  國民金融公庫法案の提案理由を御説明いたします。一般の金融機関から資金の供給を受けることが困難な國民大衆に対して、その生活の再建をはかるために必要な資金を供給し、民生の安定と社会秩序の維持をはかることの必要なことは、あらためて申し上げるまでもないところであります。しかして從來右のような金融を担当しておりました庶民金庫と恩給金庫は、金融機関再建整備法による最終処理の結果、庶民金庫についてはその資本金の全額を、恩給金庫についてはその資本金の九割を損失補填のために切捨てられたため、かような金融を担当する能力を失つたのでありまして、その機構の整備を必要とするに至つたのであります。從つてこの際右両金庫の機能が比較的類似している点を考慮し、両者を統合して新たに國民金融公庫を設立し、一般金融機関の供給すること困難な國民大衆に対する金融を行わしめようとするものであります。  この國民金融公庫は、その行う金融の性質上資本金を一般に仰ぐことが困難でありますため、その資本金は政府の全額出資によることとし、昭和二十四年度において十三億円の政府出資を予定しております。次に業務の範囲としては國民大衆の生活再建のため緊要な小口の事業資金の供給に限ることとし、生活資金その他消費的な資金の供給を行わぬこととするとともに、從來庶民金庫の行つていた無盡会社及び市街地信用組合の中央機関業務、恩給金庫の行つていた恩給担保の貸付業務等については、今後これを行わぬことといたしました。  以上のような性格と業務内容を持つ公庫については、その業務の民主的な運営を確保するため、國民金融審議会が設置され、業務の運営に関する重要事項につき大藏大臣の諮問に應じ、また進んで意見を述べることになります。この審議会の委員は関係官廳の代表のほか、産業各界及び國民各層の代表者をもつて構成されるのであります。さらにまた公庫が政府の全額出資による機関であるという特殊性に基き、その役員及び職員は國家公務員として取扱われるとともに、その会計に関しては、公團等の予算及び決算の暫定措置に関する法律に基き、公庫の予算決算について國会の議決を経ることとし、その経理の適実を期することといたしたのであります。  以上が國民金融公庫法案の大要でありますが、すみやかに御審議の上御賛成あらんことを切望します。  次に有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案提出の理由を、御説明申し上げます。  今回改正しようといたします点は、株主登録制度の簡素合理化ということであります。現在の制度のもとでは、株主の登録を要する会社として、比較的小規模の会社が指定せられ、これらの会社は指定を受けた際、その株主全部について証券処理調整協議会に報告し、爾後毎月これら全株主の異動について報告をすることとなつております。ところが今回、株主登録制度の範囲を拡張し、大会社にも株主の登録をさせる必要が生じたのでありますが、きわめて多数の株主を有する会社が零細なる株主に至るまで、その異動を逐一報告することは煩瑣にたえませんので、本制度を簡素合理化し、五千株以上の株主についてのみ登録をすれば足ることとするとともに、株式分布状況報告書等を提出させ、株式民主化の実態を報告させようとするものであります。このほか、さきに閉鎖機関の特殊清算人の地位を解かれました日本銀行を、証券処理調整協議会の協議員から除く等、若干の改正をいたそうとするものであります。  以上の理由によりまして、この法律案を提出いたしました次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。     —————————————

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 次に揮発油税法案及び酒税法等の一部を改正する法律案を一括議題といたしまして、質疑を継続いたします。内藤友明君。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 酒税法等の一部を改正する法律案につきまして、二、三お尋ねしたいと思います。  私の時間はごく短いのでありますから、要点だけをお尋ねしたいと思います。今日の政治問題で何と申しましても一番大きいものは、税金の問題であると思います。この税金の問題のために、上るべき生産が上らないようなこともあり、また人心をして何となく暗くしておることも見受けられるのであります。ことにこの問題で根本的なことは、納税者と徴税者とが極端に対立関係にあるということであります。これはまことに遺憾しごくなことでありまして、今日、日本の國におきまして、これほど困つた問題はないと思うのであります。納税者は、税金というものは、何だか知らぬ、ただとられるものだというふうに考えまして、できるだけ納めないようにいたします。從つてこのごろの事業の経営というものは、できるだけ合理的に脱税するということが、その根本要件だと考えるようになつて來ました。言葉をかえて申しますと、経営学の理論は、今日はまつたく一変したかのごとき感じを與えられるのであります。ところでまた一方、税務署側からいたしますると、税務署側は税務署側で、税金というものは、とにかくとるものだということになりまして、税務官吏もこれは人でありまするから、氣持の上でいろいろ考えることがある。かりに納税者に対して反感でも持つておりますると、その反感のため、何とかひとつ腹いせというふうなことで税金をとる。こういうふうなことで、これは少々極端な言い方でありまするが、とにかく強権を用いまして徴税にとりかかつておるということであります。今日、税務官吏ほど國民から嫌われておるものはないと思います。警察官吏よりもこのごろははなはだしいのではないかと思うのであります。この両者に対立関係のあることを何とか緩和するということが、政府のあげてやるべき問題ではないかと思うのであります。國民に対しましては、國及び地方の財政状況をよく知らしめて、こういうふうな金がかかるのであるから、どうしても納めてもらわなければならぬというふうな、いわゆる民族の自立に対する崇高なる義務であるということを教えなければならぬ。もちろんこういうことに対しまして、租税完納運動中央本部というものも設けられておるのでありますが、この運動だけではまだ物足らぬと思います。また神田の共立講堂で映画をやりましたり、漫才をやりましたり、そのあとで平田局長が御講演をなさつて、なかなかこれも効果があるのでありますが、そういうふうなことだけでは、私はこの両者の対立関係を緩和することにならぬのではないか。國の政治がもつとこの問題を取上げてやらなければならぬのではないかと思うのでありまするが、そういうことにつきまして積極的な施策を、これは主税局だけの問題ではないのでありますが、大藏省全体としてお考えなさることはないかどうか。まずそういうことをお尋ねいたしたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 内藤委員のまことにごもつともな御意見でございまして、私どももいかにすれば円滑に、よく理解をしてもらつて納税していただくか、このことに努めるのが最も緊要なことだと考えておるのでございます。それにつきまして役所側といたしましても、根本はできるだけ適切なる調査をやりまして、公平に納税していただくような措置をとるということが、何よりも大事だと考えますが、それと同時に、実際私どもしじゆう注意しておるのでございますが、その納税者に対する場合におきまして、よく懇切丁寧に内容を説明しまして、納得をして納めてもらうようにすることは、やかましく申しておるのでございますが、何といたしましても税金の負担が相当高いのと、それからいま一つは、納税者の数が多数ある。それと、今まであまり実は納税していられなかつた方々が、新たに所得税の納税者等に多数入つておられるというようなこともございまして、その辺をうまくやるのには、実は苦心をいたしておるのでございます。從いましてこういう点につきましては、ますます今後努力いたしまして、少しでも毎年よくなるように持つて行きたい。一ぺんによくするということは、私この機会になかなか申し上げにくいと思いますが、とにかく去年よりはことしはよほどよくなつたと、こういうようなところへ持つて行くべく全力をあげてみたいと考えております。今御指摘のように、予算の内容なり、税法の趣旨、内容等をよく國民にわかつていただくというのが、何と申しましても、一番大事なことだと私ども考えております。ただこれにつきましては、單に役人が言うよりも、むしろ國会の議員の方々がそういうことにつきまして、大いに啓発、啓豪をしていただきますれば、その方がむしろ非常に有効かと考えるような次第でありまして、このことは單に役所だけのことではなかなかうまく行かないと考えまするので、役所といたしましてはできる限りよく丁寧に調べまして、懇切丁寧に納税者に当るということによりまして、極力摩擦を少くして、円滑に納税ができるようにということに努めたいと思いますが、同時に社会の有識者層におきまして、ほんとうに理解ある態度をもつていろいろお骨折りを願いまするならば、何とかして、相当重いが、不平不満を少くして納まるように持つて行きたい。かように私ども考えておる次第でございます。納税宣傳等につきましても、今御指摘のようなことは、この段階にありましてはたいして実は重要性がない。むしろ予算の内容なり、税法の内容なり、課税の方法等につきまして、具体的によくわかつていただくということに、われわれといたしましては全力をあげて盡して行く、かように考えている次第でございます。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 次に農業所得税について一、二お伺いしたいのであります。農業所得の計算方法につきましては、昨年の六月、私どもが当局と詳細打合せまして、委員会でまとめてきめたのであります。從つて今年は昨年の二、三月のようなああいうむちやなことはなかつたのでありまして、まことにこの点は喜ばしいと思つております。しかしまだ十分でないところが残つておるのであります。一例を具体的に申し上げますと、自家用消費の米の計算のやり方でありますが、昨年の一月から十二月までの自家用米は、政府の計算によりますと一石三千六百八十二円の計算であります。しかし実際は一月から六月までのものは一千七百五十円であります。七月から十月までの分は一千八百十六円の米代であります。三千六百八十二円のものは十一月、十二月の消費の分だけであります。こういうことになるのであります。かりにここにその農家が六石消費するということにいたしますと、税務署側の計算によりますと二万二千九十二円となります。しかしこれはほんとうの計算をいたしますると、一万九千八百七十八円でありまして、その間二千二百十四円というものは、税務署側が收入にあらざる收入として計算をして、これに対する税金をとつておられるということになつておるのであります。こういうことははつきりしたひとつの誤りでありまして、もちろんこの所得税全般につきまして、近くアメリカから專門の方がお見えになるというのでありますが、そういう專門の方がお見えになる前に、こういう明確にわかつている誤りを正しておきませんと、なるほど日本の國はこういうまずいことをやつているのかというふうに、笑われるのじやないかと思うのでありますが、大藏省の方でこういう明確なものを、さつそくお改めなさるような氣持がおありかどうか、それをお尋ねしたいのであります。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 農業所得につきましては、御指摘のように昨年度の大藏委員会で非常にいろいろ御檢討を願いまして、私どももそういう趣旨に極力即應しますように、所得の標準率等の作成につきましても具体的に指導いたしまして、標準率も大多数公表いたしましてできましたので、今のお話のように、ところによりましては非常に成績がよくなりまして、ほとんど申告だけで済ませておるところが全國で相当ありますことは、御指摘の通りであります。つきましては、この方法については本年度もさらに一段と檢討を加えまして、円滑に参るようにいたしてみたいと思つております。今御指摘の農業所得を計算する場合の農家の自家用米、あるいは自家用食糧の所得の計算の問題でありますが、これは御説のような考え方もありますことは私ども承知いたしておりますが、所得税法の根本的な建前といたしましては、毎年收穫した農作物は收穫した年度の收入にする。一定の生産費を費しまして、それに対しまして一定の年に農作物が收穫になる。その收穫物はその收穫した年度の收入にする。これが所得税法の所得の計算上の原則に実はいたしております。これは明治初めの所得税法が始まりまして以來、その年の收入金額という言葉がございますが、その解釈上ずつと昔からやつている解釈でございまして、この解釈は私は今日でも正しい解釈だと考えております。これをもしもお話のようなふうにいたしますると、年によりましてかえつて所得の発生時期と課税の時期とが相当ずれまして、逆に負担の適正を欠く場合があると思います。今日は米價がしり上りでありますから、御指摘のようにいたしますと、かえつてその年だけは負担が若干軽くなるということになるのですが、反対に若干下つたような時がありますれば、非常に重い負担を、農家がすでに負担力がなくなつた時代に負担しなければならぬ。こういう結果にも相なると思いますし、なるべく所得は所得の発生したときに接近しまして、その年の状況に應じて課税した方がよいのではないかという趣旨からいたしますと、收穫年度主義というこの解釈が、私どもよいのではないかと考えておりまして、いろいろ御意見もありまして研究いたしてみたのでありますが、現在のところこの解釈なり、この方法を変更することはいかがであろうかと、かように考えておる次第であります。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 今の御意見はいつも承る御意見でありまして、まことに不満なのでありますが、しかしこれはここで御議論しておりましてもしようがないからやめます。そこで実は昨年の臨時國会でありましたか、監理第一課長の忠さんといろいろ論議をかわしました計算方法であります。この間いただきました「農業所得に対する農業所得税の実務要領」というのに出ております。ところがこの中に一つ落ちているものがある。それは必要経費のところでありまして、十六項に早場米奬励金のことが載つておつたはずであります。この早場米奬励金は半分は所得の計算の中に入れる。半分は入れないということで、忠さんと妥協がつきまして、この妥協もずいぶんもみにもんだのでありますが、それを委員会に持ち出しまして、平田さんからその通り実施するという言明をされて、この間調べてみましたら速記録にちやんと残つておりました。ところが税務署へ御通牒になりましたものの中に、それはやつかいなものと考えられたのか、十六項がどこかへ逃げているのであります。これは誤つて落されたのか、委員会できめたことを無視されたのか、どういうものかひとつお伺いしたいと思うのであります。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 ちよつと速記をやめていただきたいと思います。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 速記をやめて……。     〔速記中止〕     〔委員長退席、宮幡委員長代理着席〕

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員長代理 速記を始めてください。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 今御指摘の点につきましては、大藏委員会でも非常に御意見がございましたので、私ども極力その趣旨でやるべく努力いたしたのでございますが、どうも解釈で一律に何パーセントか控除するということは、必ずしも理論に適しないということで、これは早場米を出すためにいろんな費用がいる。あるいは收穫が少いということは個々の農家の所得の計算上適実にやるという趣旨で、具体的な方法といたしましては、それぞれの農家の実情に應じまして、適切な所得計算をやることにいたしておるわけでございまして、御趣旨のあるところは十分体しましてただ一律に何割であるということだけを見合せて実行に移しておる次第でございますが、御了承願いたいと思うのであります。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 時間も実はあまりありませんので、農業所得税のことにつきましては、いずれ臨時國会で提案されることになろうと思いますから、そのときに委曲を盡したいと思つております。  そこで今日提案されておりまする酒の税金でその他についてお伺いしたいのであります。実は私はあまり酒のことはよく存じませんので、的はずれのお尋ねになるかもしれませんが、ひとつお許しいただきたいと思います。二十四年度の酒の税は六百五十億となつております。これだけの税金を上げるための酒の生産計画というものがあるのかどうか、それを伺いたいと思います。すなわち特級酒は何万石、一級酒は何十万石というふうな具体的な計画があつて、六百五十億という酒税が出て來るのではないかと思います。もしやこの六百五十億を上げんために、一級酒を特級酒に名前だけかえてみたりせらるるようなことがなかろうか、ということも考えられまするが、この点をひとつまずお伺いいたしたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 本年度の酒税は、実は三月と四月分は現行法で庫出しを計算しまして、それによつて見積つております。それから五月分以降新税法が適用になるものとしまして計算いたしております。從いまして両方を申し上げませんとよくわからないかと思いますが、まず四月から三月までの分としましては清酒の一級は一万三千石、二級は一万石、合成酒が三千石、みりんが千石、しようちゆうが四千石、ビールが二万八千石、雜酒が約二千石、全部合せまして六万一千石ほど特價酒で見ております。そのほかに配給酒の方が全部合せまして十三万三千石でございまして、両方入れますると十九万四千石が、実は旧税法によりまして庫出し予定の石数でございます。そういたしまして問題は新税法の五月以降の分でございますが、この分といたしましては清酒の特級が約五万五千石ほど見込んでおります。それから一級酒が十五万四千石、二級酒が四十四万一千石、合成酒の一級は四万七千石、二級酒は二十二万一千石、みりんが一万八千石、しようちゆうが十八万四千石、ビールが五十二万二千石、雜酒が三万六千石、果実酒が二万三千石、合せまして百七十万一千石、先ほどの二十四年の三月、四月全部入れまして百八十九万五千石の課税石数を基にいたしまして、それぞれ新旧税法によつて出しております。今御指摘の特級酒の方は、從來一級酒の中から特別に、まず地方で予選をやりまして、その予選をパスしたものの中から、さらに中央に集めまして嚴選いたしまして、特級酒を設ける方針にいたしております。先般も第一回の審査をいたしたのでございますが、できぐあいは相当いいようでありまして、千百五十円の新價格で大丈夫賣れるのじやないか、かように見ておる次第であります。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 今局長のお話では千百五十円の酒が賣れるというお話でございますが、実は今までの一級酒も九百五十円でございまして、消費はやや減退しておつたかのごとく聞いておるのであります。だんだんと不景氣になりますので、はたして千百五十円の酒が賣れるかどうかという懸念を持つておるのでありますが、しかし局長は賣れるというのでありますから、あえてお尋ねいたしません。  そこで次にお尋ねいたしたいことは、酒の原料のつき減りでありますが、最高二割五分まで認めてあるのでありますが、この二割五分の制限ではたして特級酒ができるかどうか。またそう御指導なさつておられるのかどうか。一級酒の中のいいものを特級酒にするというきわめて安易な考えで、特級酒をこしらえるのか。そこらあたりをお漏らし願いたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 以前の非常にいい酒は、御承知のように三割ないし四割くらいつき減りいたしまして、つくつていた酒が相当多かつたのでございますが、とにかく貴重な主食になる米を使うことでございますので、戰時中以來搗精歩合を強制的に引下げさせまして、御指摘の通り二割五分を最高にいたしておつたのであります。今回特級酒を設けるにつきましてそれをさらに緩和するかどうか、私どもも一應研究いたしてみたのでありますが、しかし何といたしましてもそういう食糧事情のきゆうくつな中から、米をもらつている際でありますから、つき減りはやはり二割五分にいたしまして、あとは技術を極力改善いたしまして、二割五分でできる限りいい酒ができるようにという方向で指導いたしまして、それでできたもののうちから、お話のように特にいいものを特級酒と指定して、相当な値段で賣りさばきたい、かような考え方で二割五分の制限は、目下の場合引上げる考えはないことを申し上げておきます。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 今度酒の税金は下つたのでありますが、ところでひとつお伺いいたしたいのは、酒の小賣屋さんは手持ちのものがあると思います。これは以前酒の税金の上つたときは、手持ちのものに対しての税の差額を納めさせられたのでありますが、今度は逆に拂いもどしされるのかどうか、それをお伺いいたしたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 小賣業者がどうしても施行期日までに賣りさばくことができなかつたものに対しては、一定の檢査をいたしまして、そのものにつきましては公團に買いもどさせる、こういうことにいたしますれば、大体酒の小賣業者の値下りによる損もカバーできると考えまして、そういう方法によつて極力損失がないようにいたしたい方針であります。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 時間がありませんので結論だけお尋ねしたいと思いますが、公團のことでありますが、これは存続なさるのか、廃止なさるのか、それをお伺いしたいのであります。酒は、実は酒という商品ではないのであります。極端な言い方かは存じませんが、酒というのは税という商品だと私は思うのであります。從つて、公團をなくして、税という商品を野放しにしたときには、生産者ははたして安んじて生産することができるかどうか。それは從來のような問屋でもつくればいいじやないか。金融上の問題でも心配してやるというようなことになろうかと思うのでありますが、それではまだ不十分なような氣がいたすのであります。政府は公團というものについて、どういうお考えをお持ちなのか、それを伺いたいのであります。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 公團は政府の方針に從いまして、廃止する考えでございます。廃止した後におきまして、公團があつた場合に比べまして、たしかに若干いろいろ不便な点もございますが、それはそれとして、何らかの対應策が立ち売るものと私ども考えておる次第であります。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 酒はまだ需要と供給とがマツチしておらぬと思うのでありますが、これを自由販賣に持つて行くということは、非常な危險があるのではないか。その危險の一つは、密造酒がその自由販賣に便乘するおそれがあるのではないかと思うのでありますが、そういうことについて平田さんはどういうお考えか、お聞かせ願いたいのであります。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 密造酒につきましては、御承知の通り、全國的に非常に最近大くなりまして、その取締りに腐心しておるのですが、これは根本的には前々からよく御意見のありますように、正規の酒の数量をできるだけふやして、値段を引下げまして対抗するという、この根本的な方策ができないと、なかなか拔本的にむずかしい点が多々ございます。ただしかしながら一方財政上の事情がございまして、なかなか税率を引下げるわけに行きませんので、やむを得ず相当高い酒を賣りさばいておるわけでございますが、さようなときにおきましては、他方やはりこれは取締りを強化いたしまして、極力絶滅を期するように努力いたしたい。今回は改正によりまして、実はしようちゆうの値段は特に引下げることにいたしております。四百五十円に特別に自由販賣のしようちゆうの値段を低くいたしまして、これを相当密造酒の横行しておるようなところで賣りさばきまして、それによつて大衆の消費にあてますと同時に、他方取締りを強化するということで行きますれば、相当有効な措置が講じ得るのではないかと考えておるのでございますが、何しろ現状は非常に密造酒が盛んでございまして、私どももよほどの努力を重ねないと、なかなかこの問題は簡單に行かぬのではないかというふうに考えておりまするが、とにかく本年度といたしましては、比較的安い自由販賣酒を出すことによりまして、他方密造の取締りを強化いたしまして、極力少くするように努力いたしたいと、かように考えております。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 このごろ農村の協同組合が、組合員のこうじをつくることをしきりに希望いたしておるのでありますが、これを全面的にお許しなさるお心持ありやなしやをお尋ねしたいのであります。あるいは農家がこれによつて密造酒をこしらえるというおそれがあるからいかぬ、と言われるか存じませんが、それは農家の問題でありまして、農業協同組合から言いますと、みそを煮ましたりすめためのこうじは、今までこうじ屋さんに持つて行きますと、非常に割損でありまして、これは一々そういう実情を申し上げませんでも、おわかりのことと思うのでありますが、そういうことで農業協同組合は、まじめなこうじ製造をやりたいという考えを持つておるのでありますが、これはお許し願いたいという御希望を含んだ質問でありますが、ひとつそれに対していいお答えを願いたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 こうじの免許につきましては、大分あちこちから要望がありますことは、お話の通りでございますが、ただ現在はこうじの正式免許業者が、なお全國的に相当数はおるのでございまして、そういう際に新たに免許いたしますと、今御指摘の通り密造酒の種になるおそれが相当ございまして、新規の免許は極力いたさない方針に実はいたしておるのでございます。從いましてこの問題はいま少しく密造酒との関係を考えまして、その上でしかるべく方針をさらにあらためて檢討してみたい、かように考えておる次第であります。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 酒のことにつきまして、もう一つお尋ねしたいのは、今度大藏省設置法案というものをお出しになられましたが、この十八條に、財務局の機構が書いてあります。この中に從來ありました鑑定部というものがなくなつております。     〔宮幡委員長代理退席、委員長着席〕 ところがこの鑑定部というものは、酒類の行政のために存しておつたものでありまして、業界の人が非常に存続を希望しておるのでありますが、ことに今年の暖冬異変のときの、酒のかわりましたときの指導よろしきを得ておりますので、非常に業者は喜んでおるのであります。ことに一級酒というものが、これから出て來るということでありますと、いよいよこういうふうなものが必要ではないかと思うのであります。私は根本においては役所の数を減らすということには大賛成でありますが、しかしほかを減らしてもこの方を生かしておいたならば、よかつたのではないかと思うのでありますが、平田さんがこういうのに御同意なさつたお心持を、お伺いしたいと思うのであります。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 鑑定部は大分昔からありまして、実は全國の酒造業者は数千人おりますが、その釀造の指導に当つておりまして、その結果大きな釀造業者につきましても、そう品質の惡いものができるようなことなく、相当機能を果して來たと私どもは考えております。なかんずく清酒の一級、二級の審査につきましては、責任をもつてやらせておるのでございますが、主税局といたしましては、率直に申しまして残しておいてもらいたいのはやまやまなんでございますが、ただ内閣全体の方針といたしまして、とにかく相当部局を減らさなければならぬということに相なりまして、私どももそういう一般方針に從わざるを得なくなつたというのが、私どもの偽らない氣持でございます。從いましてそうなりました上は、極力鑑定部の今までの機能は存置する必要がございますので、何とかしまして有効に私どもとしては善処したい、かように考えております。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 余す時間が少いのでございますから、あと一、二お尋ねしたいと思います。  次は物品税であります。物品税の四十六に「飾物、玩具、搖籃並に遊戯具、乳母車類、同部分品及附属品」、こういうのがここに出ておるのでございますが、この「部分品及附属品」というのはどういうものなのか。たとえて申しますと、子供の三輪車でありますが、あの三輪車にベルをつけてありますが、あれは別に子供用の三輪車のベルというものはないのでありまして、大人の自轉車のベルを持つて來てつけておる。大人の自轉車のつけておれば税金はかからないで、子供のだと税金がかかる。それから握りゴムでありますが、あの握りゴムも別に子供用のためにつくつておるのではない。大人用のものを持つて行つてつけておる。それで子供のには税金がかかるが、大人のものにはかからない。ゴム輪のごときもそうでありまして、医療器械なんかに使うゴム輪も、子供がおもちやに使うゴム輪も同じなのでありまして、子供の遊戯具に使うと税金をとられるが、医療器械のための部分品ならとられぬ。こういう妙なことがあるような氣がしてならぬのでありますが、それらは何か解釈上うまいぐあいになつておるのかどうか。まことにつまらぬようなお尋ねかも存じませんが、それをお伺いします。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 ただいまの点は何号でございましようか。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 現在の四十六であります。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 具体的な事例を調べまして、後ほど責任あるお答えをいたします。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 それでは取引高税についてひとつお伺いしたいのでありますが、昨年取引高税法をここで審議せられましたときに、平田さんの方から、印紙の回收は学校慈善團体が集めてどこかへ持つて行きますると金をくれる、こういうふうにやると、学校へ行つている子供が、物を買うと印紙をもらつて來たかと責めたてて、からめ手から脱税を防止することになるのだから、一石二鳥になるというお話で、われわれはまことにいいお考えだというので、実は感心いたしたのであります。ところがその後の実施状況を見ておりますと、一向そういうことはないのであります。この印紙を集めることについて、ただ一つ私の目に触れたのは、東横デパートに何とかいう女学校が、印紙はこの箱へ入れてくださいというので、箱が一つかかつておりました。從つてその印紙というものはもうデパートで捨てるか、めんどうくさいから家へ持つて來てどこかへやつてしまうか、ということになつてしまつたのでありますが、ああいうことなども、何か実施面にいろいろな不都合なところがあつたのかどうか。また現在まであの印紙を集めて、交換した金がどれほど出ておるものであるか、それをひとつおわかりになれば、お聞かせいただきたいと思うのであります。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 取引高税の印紙につきましては、お話のように極力学校等で集めてもらうことによつて、励行をはかろうという最初の考え方で参つたのでありますが、率直に申し上げまして、少し出し方がけちけちいたしまして、少し少いために手数がかかつてなかなかうまく運用されない。私どもは最初相当大きな額面の印紙ですと集めると相当な額になる。大きなものと小さいものと取合して集めていただきますと、学校等も相当な金になるのではないか、かように考えていたのでありますけれども、一方なかなかめんどうなのと、小さいものばかり集めますと額が非常に少くて、費用倒れになるということがありまして、成績が上らなかつたのは事実でございました。今まで返しましたのは一千万円弱くらいじやないかと思うのでありますが、なお今後三月間は持つて來ますれば古い印紙につきましても、やはり旧來の法律によつて返すことにいたしておりますが、このような点がいろいろありまして、印紙はやはり日本の実情と申しますか、國民の実際にどうもあまりぴつたりしないんじやないかということを考えましたので、今回はこの制度をやめまして、申告納税一本で行くことにいたした次第であります。

内藤友明国民協同党

○内藤(友)委員 実はいろいろお尋ねしたいことがあるのですが、私ばかり時間をとつて恐縮でありますから、これで終りたいと思います。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 政府は今回税法の全面的改正をやられませんで、近く見える予定になつておると承つておりまするシヨウプ・ミツシヨンが見えてから、十分檢討を加えたい、こういう建前のように承つております。ところで私から申し上げるまでもなく、今まで同僚委員から一再ならず御指摘になつたようでありますけれども、今年度の所得税だけでも三千百億円に上る大増税でございまして、ことにこれを前年度に比べました場合に、源泉分と申告分との比較から申しましても、現実に勤労所得者の負担が非常に重くなり、おそらくは源泉分の七割見当の増税に対しまして、勤労階層はおそらく倍になるのじやないかとおぼしきくらいの、重負担だと思うのであります。しかも一方輸入食糧等は貿易資金特別会計の操作によりまして、極力安く國内に流す手はずで今まで配給されておつたのでありますが、これがとりやめになりまして、相当値上げをするというおもむきであり、かつまたそれに伴つて國内食糧も、他の理由からでございましようけれども値上げになるという。生活物資の負担がそれだけふえて來るのに、税負担は所得が名目的にある程度増しましても、前年度に比べて負担力以上の重税を課せられるというふうなことからいたしまして、たださえ九原則の実施に伴いまする企業合理化に基いて、労働攻勢はおのずから強からざるを得ない情勢にありまするのに加えまして、食糧の値上りあるいは税負担の過重ということから、一般大衆は非常な圧力を感じておる実情であると思うのであります。またそういうことからいたしまして、九原則の本來の建前から申せば、あるいは逆行するような形の價格補給金までも、相当出す建前になつておりますが、そういう意味合いでの物價政策が、今申しましたような角度からくずれて行きはせぬかというふうなことすらも、おそれるような次第であります。從つて私は全般的な面はいずれ論議される機会があろうかと思いますけれども、せつかく政府が新聞に発表しておりまするところによれば、所得税は大体二千二百億円見当でとどめるというような案を、お持ちであつたように思うのでありますが、そういうことが実現しないで、シヨープ・ミツシヨンが來るまでお預けになるということは、その間のギヤツプが非常に問題でありまして、そういうふうな意味からシヨープ・ミツシヨンがはたして來るのか來ないのか。來ることはたしかなようでありますが、來るについて向う樣から何らか具体的な御指示でもあつたのかどうか。いつごろ見えるのか。そうしておよそどのくらいかかつて税制の改革をし、大衆負担の軽減をする成果が、およそいつごろから実現できるものか。その辺の見当をお伺い申したいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 私どもも確かに今の所得税がどうも最近の経済情勢にマツチしていない、相当重い負担はいたしかたないといたしましても、もう少し何とか合理化したいものだということを強く考えまして、いろいろな案をつくつてみたのでございますが、御指摘の通り結局あと延ばしということに相なつたのでございます。今シヨープ博士の來朝のことをお尋ねでございますが、おそらく五月の初旬に見えるのではないかと思います。すでにそのミツシヨンの一行の一人でありまするドクター・コーエンという方が、これは新聞にも司令部で発表になつておりますが、現在見えておりまして、資料の調製等に目下とりかかられておるような次第でございますから、シヨープ博士がお見えになりますれば即刻全体の檢討を願いまして、なるべく早い機会に結論を見出すように、私どもといたしましても全力をあげて盡したいと考えておるのであります。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 税法の全面的な改正問題等につきましては、後の機会に讓るといたしまして、一、二簡單にお尋ね申したいと思います。脱税金額というものがどのくらいかということは、なかなか押えにくいという二、三日前の主税局長の御答弁であつたようでありますが、まことにその通りで、調査が非常に困難と思いますが、およその推算はお考えかと思いますので、お伺いをしたいと思います。共産党の諸君がことに地方あたりで言われますることは、高額所得、やみ所得が捕捉を免れておる金額はおそらくは数千億であろう、昨年あたりは四千億くらいは少くともあるのだということを言つておられたことを、私は聞いたことがあるのでありますが、それだけの脱税がはたしてあるかどうか。私もよりどころを持ちませんけれども、相当の脱税があることは認めざるを得ないと思うのであります。またそれが本來捕捉されるならば、所得の少い下層の人々、一般大衆の負担がそれだけ軽減されることになるわけでありまして、やみ所得の捕捉、あるいは脱税の防止、こういうことにつきましては、せんだつて予算についてのドツジ公使の声明にも、やみ所得と脱税の防止がまず第一に攻撃さるべきことで、それなくしては税制改革を論議できないという意味のことを、言つておられたようでありますけれども、こういう点につきましては、從來政府、ことに主税当局はいろいろ御苦心になつておると思いますが、今後具体的にいかなる対策をもつて臨まれんとするのか。なるべく現実に即した具体的な方策がおありであるならば、承つておきたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 脱税がありますことはたしかに事実でございまして、私どももその調査にいろいろ苦心いたしておるわけでございます。ただ率直に申し上げまして、幾ら額があるということは、先般予算委員会でも申し上げましたように、責任がある額は申し上げがたいのでございますし、また実際上できないと思います。昨年査察部を設けまして、鋭意大きな調査漏れの所得の捉捕に努めておるわけでございますが、最近の集計によりますと、調査の結果ふえた税額が六十一億くらいという実績が上つております。後ほど詳しく内容を申し上げてもよろしうございます。そういうところから申し上げましても、相当大きな脱税があることは事実でございます。ただそれが数千億あるということは、どうも私ども判断いたしかねる。幾らあるということは軽々には言えないのではないかと、考えておる次第でございます。從いましてこの調査につきましては、極力努力する必要があることは、先ほどから申し上げておる通りでありまして、現実査察部を設けましてやつております結果、今までは手がつかなかつたことで、最近相当の実績を上げつつあるようでございます。一億円以上の差額を発見した例も少くないのでございまして、かような点につきましては、今後におきましても鋭意努力いたすつもりでございます。本年度といたしましては、一定額以上の所得者並びに一定資本金以上の会社につきましては、更正決定をやる際に必ず財務局に一定のスタツフを置きまして、これが調べた上で決定をやる。かようなシステムを考えております。ただ熟練した官吏が少いので、最初から相当多数の人についてやるわけに参らないと思いますが、新規にできる限り有能な熟練者を訓練し育てて行きますと同時に、現在おります人員を税務署から財務局にある程度引上げまして、財務局に國税調査官か査察官という名前で相当多数置きまして、その連中が大きな所得者の調査に当ることにいたしますと、たしかに今までよりも実際に即した、しかも適切な課税ができるものと考えております。本年度といたしましては、ぜひそれを実施いたしたいと考えております。査察部も昨年九月から活躍し始めたのでございますが、最初はなれなかつた点もございまして、一面においては若干御迷惑をかけておるようでございますけれども、最近におきましては相当よくなつたようでございますから、今後におきましては調査はさらに実績を上げるものと考えております。その方法によりまして極力課税漏れがないように、努力いたしたいと考えておる次第でございます。

風早八十二日本共産党

○風早委員 ちよつと関連して……。今脱税の問題が荒木委員から出されておりまして、政府は査察部を設置して、すでに約六十一億の実績をあげておると言われるのでありますが、査察部としては大体どういう方法によつて査察をやつておいでになりますか、簡單でよいですから御説明願いたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 所得は主として第三者通報の資料に基いてやつていたのでございますが、これですと非常に断片的でございまして、必ずしも適切でございませんので、最初におきましては大体会社なり個人の状況について、探聞的な方法により資料を集めまして、それに基きまして相当適切な効果があがると認められる部分に対しまして、調査することにいたしております。相当脱税の嫌疑のある場合におきましては、あらかじめ裁判所から令状をもらいまして、現地に赴いて調査をいたしております。特に惡質で帳簿等を隠匿するおそれのあるものにつきましては、場合によりましては状況を調べて責任者の拘引等も行いまして、徹底的な取調べをいたしておるような次第であります。行き過ぎは極力是正しなければならぬと思いますが、正しいやり方でどこまでも努力して、適正を期したいと考えている次第であります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 ちよつと風早君に申し上げますが、あまり質問しますと共産党の持時間がなくなりますから……。

風早八十二日本共産党

○風早委員 脱税の問題は非常に重要なので、もうちよつとお許し願いたい。政府は脱税の額は全体として数千億というようなことは、はつきり言えないと言いますが、これはだれしもはつきりは言えないのであります。大体今まで國民所得が一つの基準になり、大まかに言えば、控除前の課税対象額というようなものとの差額、それからいろいろな他の要素を差引きまして推計をやつておつたわけです。そういうやり方は、すでに全國税務労働組合あたりでも利用してやつておる。また全体としての脱税ではないが、まだ税金を課し得る対象の額の推計は、それ以上にはちよつとできそうもないのでありますが、そういうものは政府は大体どのくらいに見積つておられるか。この間の五千数百億というのは、たしかに政府関係で推計せられたもののように思うのです。そういうふうな点について、私ども二十二年度並びに二十三年度を通計して、約八千億ちよつとと推計したのでありますが、これは過大である。しかし政府も大体六千億足らずはそういう計算方法によつて認められるというふうに、私どもは了解しておつたのでありますが、その点いかがでありますか。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 先般予算委員会で詳しく御説明申し上げたのですが、風早さんは大口脱税八千億という推計を新聞に出しております。それは國民所得と課税所得の差額に対して五〇%の税率をかけて八千億、それが大体大口脱税だ、こういう結論のようですけれども、これにつきましては私ども実は全然そういうことに賛成いたしがたい。差があることは事実であるが、その中には免税点以下のものもありまして、課税所得は暦年でありませんので、そういうものが相当多数入つております。國民所得と課税所得との開きの中においても、勤務所得と農業所得との部面におきましても五、六千億の開きがありますので、そういうものは大口脱税の項目にはならない。それを入れておられるところに非常にどうかと思う節がありまして、課税所得と國民所得の差額におきまして五千数百億の所得額の差があるのですが、これはしかし風早さんの御指摘のように、國民所得の見積りが、そういうふうな正確な差額を求めて出すのにはたして適当なものであるかどうか、それも非常に問題でありまするし、しかもその中には中小商工業者の所得も入つておることでございますので、その金額といえども大口脱税だというわけには参らない。從いまして、こういう方法で大口脱税所得を計算するのは、どうも根拠がないと思う。先ほども申し上げましたように、査察部で調査した実績はまさに大口脱税所得と思いまするし、それより少し多いことは事実でございますし、これはまた私ども極力調査しなければならぬと思いまするが、非常に大きな金額があるということを、あまり根拠ありげにお話になりますと、どうも少し迷惑すると、率直にこの間申し上げたような次第でございますので、その点重ねて趣旨だけを申し上げておきたいと思います。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 脱税関係の数字的なお話を承ることは、今少くともむりであると思いますが、わかりましたら適当ななるべく早い機会に、お教え願えればけつこうだと思います。それに関連しまして、各税を見積られます場合に、國民所得から割出されるかどうか。ともかく一定の樣式に從つて推定せられることと思いますけれども、これだけの税がとれるはずだと政府側で推定をされましたものを予算に盛られます場合は、おのずからそれぞれの税に應じまして、戰爭前からある程度の歩どまりを推定して予算面に盛られるということを、何かの機会に承つたように思いますが、そういう歩どまりという見地からいたしまして、およそとり得べき税金の何パーセントくらいを、二十四年度には各税についてお見積りであるか。それを戰爭前に比較して、簡潔に御答弁願えれば仕合せだと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 ずつと古くは、大体各税につきまして五%か一〇%くらい——税によりまして若干違つておりますが、いわゆる徴收税と称しまして、実際のあるべき課税標準に対しまして税率を適用しました金額から差引きまして、実際の実收額を見積るのが例であつたのでございます。現在も普通一般の租税につきましては、おおむねその類似の方法をとつております。ただこの所得税につきましては、昨日も塚田委員のお話に申し上げましたように、課税が予算申告納税制度になつておりますが、早くからなかなか納まらないで、結局確定申告にまつものが多い。しかもその後に更正決定をやりまして、年度のぎりぎりで相当多額の更正決定をやるということに相なつております関係上、その年度の收入に相当多く入つて來るということを見込みますのは、相当歳入の計算上危險性がございますので、七六%程度を本年度の歳入に見込んでおることは、昨日申し上げた通りでございます。これは理想から申しますと、一方においては税率の合理化ができ、片方においては申告の促進、運用のさらに徹底をはかりますれば、昨日も申し上げましたように、大体九〇%以上その年度の收入に入るようなぐあいに行くのが理想だと私考えておりまするが、現在においては、やはりその程度しか見込み得ないのではないかと考えております。ただこれは昨年度は七一%、二十二年度はたしか六〇%くらいしか当該年度に入つていないのでございますが、運用の適正化と、税制の合理化と、それから納税者の理解とによりまして、徐々にこの率を高めて行くように、私どもといたしましては努力して参りたい、かように考えておるのであります。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 現在の税金が非常に重い。ことに一般的に見て、所得税にいたしましても、大衆課税的な性格が濃化されておる。そういう意味合いから言つて、單に勤労者のみならず、事業所得面についても、何らかの意味での基礎控除、ないしはその他の控除が考えられねばならないというふうなことを、昨日塚田委員からも御指摘に相なつたのでありますが、私も同感でございます。重複を避けまして、その中でも私は農業所得は特に、事業性もございましようけれども、勤労性が他に業種に比べて非常に高い業種じやないか。從つて農業所得については、勤労所得と同率の控除をすることが適当であるかどうかは問題といたしましても、農業における勤労性の度合いに應じて、勤労控除的な控除を考えたらどうか、ということが念頭に浮ぶのでありますが、そういう考え方のもとに、今後何らかの考慮を拂わんとする御意向があるかどうか。この点を伺つてみたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 事業所得の、ことに小さい方の部面におきましては、その所得の中に勤務的な要素が入つておる。なかんずく農業所得でございますと、自家労賃がその農業所得の相当な部分を占めるわけでありますが、そういう要素があることは、たしかに御指摘の通りであろうと考えます。ただこれをただちに、しからば所得税の制度において、勤労控除的な考慮を取入れるかということになりますると、これはなかなか簡單にその方法を見出しがたいのでございまして、私どもはむしろ事業税の負担が非常に平均フラツトな負担でございますので、その方の事業者の事業税につきまして、税率に差別を用いる等の方法を先に考慮するのが、妥当な解決方法ではなかろうか。下の方の事業者の所得になりますと、所得税よりも事業税の方が、むしろ相当大きな負担になつておる例が多いようでございます。從いましてむしろこの方の負担を若干調整するかしないかという問題を、先に研究してみたらどうであろうかと考えております。  それから農業者と事業者につきまして、一つは家族労働と申しますか、扶養控除を受けない人で、共同して経営に從事しておる。しかも家族であるために給酬等も受けていない。生活は一緒にやつておる。こういうものにつきまして、從來は基礎控除も家族控除も認めていないわけでございますが、この点については、少くとも扶養親族程度の控除は最小限必要じやなかろうか。基礎控除的な控除をやるかやらぬか、そこまで行きますかどうかは、問題でございますが、扶養親族程度の控除は必要じやなかろうかということで、そういう方向につきましてはとくと研究してみたいと、かように考えております。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 最近税の滯納が、税が重いということからいたしまして、非常に多いことは、機会あるごとに政府の説明等でも認めておられたところでありますが、結局税が重いのは、ある程度今の日本の現状からいたしまして、やむを得ないとも言い得るのであります。從つてまた同時に、極力税を納めやすくするというあらゆる考慮が必要であると思うのであります。そういう意味合いにおいては、政府当局でも從前からいろいろと御苦心になつておることは、私どもわかるのでありますが、その一つの方法として、私はこの間本会議におきましてもちよつと御意向を聞いたのでありまするが、御答弁がよく徹底しませんでしたので、もう一ぺん承りたいと思います。聞きますると、アメリカあたりでは、それぞれの業種に應じまして、徴税に便利なように、また納める側からも非常に便利なようにということを考慮に入れまして、業種別の帳簿のつけ方を、言わば一定の規格を設けて、非常にわかりやすくしておる。それによりまして、納める側も記帳しやすいし、税務署側も、税を捕捉するのに非常に便宜であつて、効果をあげておると聞くのでありますが、そういう意味で日本におきましても、業種別に簿記と申しますか、その規格を統一して、一見して納税者側も便利であり、徴税の方からも効率を上げるというような考慮のもとに、さような措置を講ぜられる御意向ありやなしや、その点をお伺いいたしたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 所得税や法人税の円滑な納税が確保されるためには、御趣旨の通り前提といたしまして、やはり経営者が自分で帳簿を記載するということが、私はどうしても大前提だろうと考えます。從いまして、いかにすれば帳簿をよく記載するようになるかということにつきましては、政府としましても極力配意してやるべきものと考えるのでございますが、ただこの方は、経営の実情によりましてもいろいろ違つておりまするので、今は主として商工会議所あるいは農業協同組合その他の團体が中心になりまして、いろいろ簿記のつけ方、帳簿のつけ方等を指導しておりますが、それに、できますならば政府も参加いたしまして、極力簡便な、しかも相当有効な帳簿の記載ができまするように、私どもといたしましても協力いたしてみたいと考えております。アメリカ等の課税の実情を見ましても、やはり十数年前はいろいろトラブルが多かつたらしいのですが、その後、記帳というものが非常に発達しまして、それと同時に他方会計士の制度等が発展して來ましたので、最近ではよほど円滑に納税ができておるようであります。また経営もそれによつて非常に裨益するところが多いということを聞いておりますので、私、これは長い計画といたしまして、ぜひ日本におきましてもさようなことができるように、政府といたしましてもできるだけ努力して行きたいと、かように考えております。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 さらに今の問題に関連いたしまして、今度の改正案によりまして、納税預金制度を設けるというお話でございますが、まことにけつこうであると思います。同時に納税証券というものを創設したらどうか、ということを考えるものでありますが、すなわち予定されました税收を見合いにいたしまして、納税証券を賣り出す。納税者はこれを買つて納税に備える。さらにまた、これに適当の利子を付しまして、投資的な効果までもねらえば、なおさらけつこうであろうと考えます。それにさらに轉々流通し得るような性質を帶びさせれば、一層利用率は高まろうかとも思いますが、そういうようなやり方において徴税に便ずる。それによつて税收を、ともすれば年度末に集中しまする時期的なずれを平均化して、政府支拂いの遅延の原因を除くという効果も、期待し得ようかとも思うのでありますが、そういうことも、さらに今後の税制改革等の場合に考え合せられたら、いかがかと思うのであります。いささか意見にわたつて恐縮でありますけれども、こういうことにつきましての主税局長の御意向を承りたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 本年度はさしあたり、比較的簡便と申しますか、ただちに実行に移し得る納税準備預金制度と申しますか、これをまずいたしまして、極力この実行をはかり得るように努めて参りたい。行き方といたしましては、毎月大体商工業者の方々は、取引高税として賣上げ金額の一%をお拂いくださるわけですが、そのほかに業態によつて違いますけれども、二%とか三%とか、その辺の額を納税準備預金に毎月振り込んでもらうというようなことにいたしますと、私は所得税の納税はよほど円滑に行くように考えておりまして、極力そういう方向で、團体等を通じまして、実地指導をいたしたいと考えております。  御指摘の納税証券につきましても、いろいろ研究いたしておるわけでございますが、それにつきましては、相当証券の発行という手数がかかりますのと、それをいかなる方法で運用すれば、はたして効果があがるか等につきまして、なお相当研究を要する点もございますので、この制度につきましては、趣旨はまことに私けつこうだと思いますが、いかなる方法によれば最も実効をあげ得るかということを、あわせて考えてやりませんと、これがやはり一種の手数倒れになるおそれがありますから、かような点も考え合せまして、今後研究しまして成案を得ますれば、あるいは制度化することも考えてみたいと、かように思つております。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 法人税につきましては、今回は最小限度の改正として、資本蓄積に資するようなプレミアムについては、課税しないという趣旨の改正になつております。せんだつて税制審議会案として、新聞に発表せられました案を拜見したのでありますが、なかんずく資産の再評價が行われないために、減價償却が思うように行かぬということで非常に不便であることは、新聞紙上等でけんけんごうごうと傳えておる通りでありますが、あれが政府案とはなり得なかつたかもしれませんけれども、政府側には必ずや——少くとも事務当局では法人税法の全面的な改正も、もくろまれたように聞いておりますが、向う樣との折衝の結果、もちろん最小限度におちついたものと推察いたしますけれども、できますなら、資産の再評價を税法上取入れるということについて、向う樣の御意向がどうであつたかということを、速記なしでけつこうでありますが、その辺のいきさつをお聞かせ願えればけつこうだと思います。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 速記を始めてください。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 取引高税について一、二、伺いたいと思います。今度取引高税法を改正されまして、非課税範囲を拡大されておりますが、この非課税範囲の拡大によりまして、改正前の課税範囲に対しまして、どのくらいの減收になるか、お伺いしたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 印紙納付制度を現金納付制度に改めますために、一箇月分が実は翌年度にずれることになります。その金額が、約四十四億円程度、これは減收ではございませんが、一年ずれる金額でございます。そのほかに、三万円の免税点を設けましたのと、それから若干の非課税範囲を拡張いたしましたために、その金額が、合せまして約九億一千万円程度減收になるものと計算いたしております。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 取引高税は、これは民自党がずいぶんおきらいになつて、去年あたりから廃止するすると盛んに言つておられるのでありますが、私どもも、もちろん税金が減ることは、一般大衆のためにけつこうであるとは思いますけれども、そもそもこの取引高税が設けられましたのは、インフレが緩慢ながら高進して行く最中において、ことに税收の期間的なずれが免れ得ないにかかわらず、この税は毎日少くとも一億五千万円くらいの現なまが入つて來るので、それによつて今問題となつておりますような、政府支拂いの遅延等も非常に防止できる。地方公共團体に対する補助金等もスムースに流れて行つて、全國民が潤うだろうというのがねらいであつたように思うのでありますが、これは單に党派的な根性を離れまして、この税そのものとしては、日本の現状においては、もとより最良の税とは思いませんけれども、國家財政の需要に應じ、また國民経済の実情に即する意味においては、そうそうのつけから非難さるべき税とは私は思いませんが、遺憾ながらこれによりまして取引状況がはつきりする意味合いにおいて、やみ利得者たちが痛い目にあいそうだからというところから火がつきまして、盛んに反対をとなえられたのが実情だと思います。そういう意味合いにおいてかどうかは知りませんけれども、とにかく廃止が延びましたのは、民自党の公約が実現されなかつたというつまらない非難は別といたしまして、國民経済あるいは國家財政上は仕合せであるような考えを私は持つのであります。そういう意味において考えます場合に、取引高税の本來の建前から申しまして、非課税範囲が拡大されればされるほど、課税されなかつた範囲の事業者たちはほつとするかもしれませんけれども、取引高税を存置する以上は、取引高税の本質がだんだんとそれだけ弱められて行くという関係に立つと考えますが、その点について主税局長はどうお考えになるか、御所見を伺いたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 取引高税の長所は、御指摘の通り非常に低い税率で廣汎な課税をするというところに、私は取引高税の長所があると考えます。物品税等は、非常に限られた物品に対して相当高率な課税をする。從いまして脱けると非常に脱けた弊害が多い。取引高税の場合には非常に負担が軽いから、手数さえ問わなければ納税はしやすい。そういう点から考えますと、免税範囲をあまり拡張しますことは、実はやはり取引高税の本質にあまり即しないと思うのでございますが、ただ先般の國会で相当修正を受けまして、免税範囲がある程度拡張になつたのでありますが、そのすでに拡張されておる種目と権衡をとつてみて、どうしてもこの辺が妥当であるというような向きにつきましては、これはやはり私どもは考えるのが妥当だろうと思いまして、今回はごく限られた範囲におきまして、さような趣旨からしまして、若干の拡張の提案をいたしたような次第であります。この範囲をあまりに拡大して参りますことは、これは取引高税の本來の性質から申しますと、御指摘の通りいかがであろうかと、私どもも考えております。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 印紙納付を現金納付にされましたことも、一つの改善のようではありますが、物品税のほかに取引高税があるというということは、本來の建前から申しますと、いささか脱線ぎみではないか。のみならず、印紙納付であればこそ脱税が押え得るので、実際上今までの実績が、取引高税について脱税が相当程度あることを私ども承知しておりますけれども、しかしそれは、先ほどお話が出ましたような、小学校の生徒に集めさせて、学用品を買うような金を返してやるというふうなやり方だけだつたから徹底しないので、たとえばこれをある程度集めれば、一定の歩合に應じて宝くじが引けるとか、あるいはたばこが買えるという考え方を織り込むことによりまして、一般大衆、消費者の協力を得るような道もおのずからあろうかと思うのでありますが、問題はその印紙納付制度そのものに罪があるのではなく、印紙納付をさせやすいようにする手だてが十分でなかつたところに欠陷があるのでありますから、その点を改正すれば、むしろ現金納付よりも印紙納付の方が、取引高税が本來の目標としますところの成果をあげるには、有効適切であると考えるのでありますが、少しやぼな質問で恐縮でありますけれども、その点どういうお考えか、お伺いしたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 印紙の制度は、私はたしかに理想的な一つの制度だと考えます。ただしかし、遺憾ながら日本の営業者の中には、どうもはなはだ失礼ですけれども、こういう非常にめんどうなことをやるのにふなれな方が多くて、こういう方面からいたしまして、どうもかえつて取引高税に対しまして非常な反感と申しますか、感情に即しない点が私は逆に多かつただろうと考えるのであります。一方消費者の方面に対しましても、あるいはやり方のまずかつたところもたしかにあるかと思いますが、十分な関心が買われなかつたというような点もございますので、率直に申し上げまして、実施してみた結果に應じまして、この際としては、やはり私どもとしても廃止した方がよいだろう、かようなことを考えておるような次第でございまして、申告納税にいたしましても、最近の印紙納付の実際から申しますと、成績はそう惡くなるようなことはあるまい。逆に申告によつて納まるように私どもとしては努力して参りたい、かように考えております。

荒木萬壽夫民主党(第九控室)

○荒木委員 改正案を是なりとしてお出しになつた主税局長にいろいろなことを申し上げるのは、実は内心恐縮でありますけれども、政党政派を離れまして、良心的にそんなふうに思うものですから、一、二伺つたような次第であります。印紙納付が現金納付になることによりまして、おそらくは脱税が今までよりはもつと多くなりはしないかと、私はおそれるものであります。所得税が申告納税制度になりまして、これが徹底されないために税の滯納が多い、徴税成績が上らないということは、一再ならず承つております。取引高税の印紙による納付は、おそらく所得税の申告納付の成績よりは、成績がよいのではないかと私は思うのでありますが、所得税の申告納付制度について、今後周知徹底を大いにはかつて、そうして理想状態にまで育て上げて行くという努力が、一方においてなされまするならば、取引高税を存置することがやむなしとする前提におきまして、印紙納付の制度をさらに周知徹底する、消費者の協力を容易ならしめるような考慮を十分に拂うというふうなことも、あわせて必要でなかろうかと思うのであります。  さらにまた月額三万円以下の少額取引については、免税するということになつたようでありますけれども、この改正とても、本來間接税の性質を持つたものが、取引高税だと思うのであります。その間接税が、ある取引高によつて免税されるというそのことが、私は合理的でないと考えるのであります。そういう意味合いにおいて、三万円以下の免税点の設置は、納税者側から言つて一見適当であるかのごとくであつて、実は全國民経済的には、租税制度としては必ずしも改善ではない、かように私は考えるのであります。しかしながらこれらについての主税局長の御意向等は、承りたいということそれ自身どうかと思いまするので、質問は申し上げないことにして、所見を申しぱなしにさせていただきたいと思います。  要しまするに、割合苦痛なくして相当まとまつて税收が、しかも毎日々々入つて來るという意味合いにおけるこの税は、こういう敗戰國のインフレ高進下においては、非常にいわばいい税だ。だから、新しい税を設ければ、いつの世においてもほめられることはないので、惡評をこうむることは必至であるが、そういうことにめげないで、政府たるものはすべからくこれを培養して行かねばならぬというのが、かつて京都大学の汐見三郎博士が、税制懇談会で発言しておられたことであつたように記憶いたしますけれども、私の考えといたしましては同感でありますが、願わくは私はこの取引高税が存置されます限りは、本來の取引高税の特質を全國民経済的見地において、最も有効適切に活用するというような方向に、改正は持つて行かるべきものと考えるのであります。これに対しましては御答弁を求めません。大分時間も過ぎましたので私はこの程度で打切りまして、よい機会がありましたからお許し願つて、発言させていただきたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 今お話の三万円の免税点の問題につきまして、ちよつと御答弁申し上げたいと思います。これは印紙で納めます場合におきましては、非常にこまかいことになりますので、そういう必要がないのでありますが、毎月申告するということになりますと、あまり零細な金額を毎月納めるのは、納税者の方もたいへん手数でございますし、役所の方もたいへんな手数になる。そういう要素も考えまして、三万円ですと、月三百円の税金でございますので、これらのものは非課税にした方がよいのではないか。また実際問題にいたしましても、小納税者になりますと、なかなか消費者に轉嫁することは困難な場合もございますし、從つてその分がかりに営業者の事業所得になりましても、そう不当に利益を與えるものでも必ずしもないのではないかということを考えまして、三万円の免税点を置いたらどうか、こういうように考えたわけでございまして、これは申告納税制度にしたことと関連して、少くとも申告納税にする以上はさような点に免税点を置くことは妥当と、かように考えた次第であります。

前尾繁三郎民主自由党

○前尾委員 ただいま三万円の免税点の問題が問題にされているのですが、おそらく仰せの通り三万円というと三百円程度で、手数は非常にめんどうだということで置かれたのだと思います。そうなりますと、第二項にあります営業所が二つ以上の場合につきましても、営業所ごとに申告するということになりますれば、三万円は一営業所について置いた方がよい、かように考えるのでありますが、その点についてはどうお考えでありますか。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 手数の点だけを考えますと、御指摘の通り各営業所ごとにわけてやるのも、一つの方法であろうと思うのであります。しかしながらやはり同時にその金額は、その営業者として、はたして公正であるかどうかということも、あわせて考えていただく方がよかろうと考えまして、私どもやはり営業所が数箇所ある場合におきましては、まとめたところで金額を見るというのがいいのではないか、かように考えたのでございます。実際問題といたしましては、拔け道をふさぐと申しますか、そういう効果が多いので、あまりその辺で害になる面が比較的少いかと思いまして、政府といたしましては両方含めて考えた次第でございます。

前尾繁三郎民主自由党

○前尾委員 そういたしますと、三万円の金額が非常に少な過ぎるような感じを私は持ちますが、五万円がいいか、その点は別といたしましても、あまり三万円に限る必要はないので、もう少し引上げたらいいのじやなかろうかというような氣がするのでありますが、御所存を伺います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 この金額は理論から申しますと、先ほど荒木委員のお話になりましたように、実は取引高税の本旨から言うと、少しどうも即しないところがあるのであります。ただ先ほど申しましたように、小納税者の場合におきましては、轉嫁の問題も実際問題としてなかなか困難な場合もございまするし、それから手数の点もありますので、三万円ぐらいがどうであろう。金額から申しましても三百円、このへんで設けた方がどうか。これを額を引上げますとますます本旨に反することにも相なりまするし、どうもその辺の考え方が非常にはつきりしなくなるので、私どもとしましては、やはり三万円ぐらいが今の段階としていいのではないか、りつくを申しますと、もう少し下の方でなくてはほんとうはおかしいかもしれないと考えておるのでございますが、現在の取引の実際から見まして、あまり零細な営業者から、毎月税金を納めてもらうのもどうであろうということで、三万円にいたしました。農村方面におきましては、三万円でも相当納税者からはずれる部分があるようでございまして、機構の簡素化もできると考えておりますので、三万円にいたした次第であります。

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 この程度にいたしまして、午後二時より再開いたします。     午後零時二十六分休憩      ━━━━━◇━━━━━     午後二時十三分開議

川野芳滿民主自由党

○川野委員長 午前に引続き会議を開きます。平田政府委員。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 先般三宅委員からお尋ねにあずかりました。二十三年分の申告と更正決定の概況でございますが、詳しいことはまだ來ておりませんので、概算で來ておりまするところを申し上げて、御了解を願いたいと思います。  確定申告の総人員は、五百七十一万九千人、所得金額で三千九百四十七億、それに対する税額が六百二十九億。六百二十九億というものは、確定申告で申告した税額として出ております。それに対して更正決定した額は、概算でございますが、人員で四百九十八万二千人、所得金額で四千六百八億、税額で千六十四億程度更正決定をいたしております。大体概況はさようなわけであります。

川島金次日本社会党

○川島委員 まず最初にお伺いいたしたいのは、本年度の予算の中で織物税、物品税——織物においては七十二億、物品税においては九十五億、この増額が昨年度よりされており、この増額を見越された根拠について、まず資料がありましたならば、お示しを願いたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 織物税につきましては、昭和二十三年の十一月から昭和二十四年の一月まで、三箇月間の課税額を年額に換算しまして、それに対して二割程度の増加を見込みまして計算いたしました次第であります。それから物品税につきましても、同樣に昭和二十三年の十一月から二十四年の一月までの課税実績を、年額に換算いたしまして、これに生産の増加見込みを三〇%程度見込みまして、計算いたしております。それから物品税につきましては、若干組みかえをやつておりまするが、組みかえによりまして、その新規物品の課税による増加額と、それから組みかえによります減收額等を差引きまして、全部合計いたしまして算出いたした次第でございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 今の織物税の七十二億の算定の基礎は漠然とわかつたのですが、大体この纖維品は、二十四年度は配給がおもなものだろうと思う。そうすると、二十四年度の織物の配給計画というものは、二十三年度よりも相当多くなるということが想像される。この点について何か詳しい資料はないのですか。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 課税の関係につきましては、課税の実績をもとにしまして、値段の関係とか供給の見込み等を、ごく概算で大まかに見込んでおりまして、こまかい一々の配給数量に基きまする計算は、從來ともいたしていないのでございます。こまかくやりましても、結局におきまして概算でやりましたのと大差ないのと、かえつて場合によりますと、あまりこまかく書きますと、その計算方法のいかんによりましては、違算を生ずるおそれがございますので、大体課税実績に基きまして、それに大まかな増減を見込んで計算をいたしておりますので、もしもこまかい織物の配給でございましたならば、あるいは適当の機会に商工省方面にお尋ね願うことを、お願いいたしたいと思う次第であります。

川島金次日本社会党

○川島委員 それでは次に、先般來大藏当局は、税制の根本的な改正を意図しておるという底意だけは、各委員会で明確にしておるのであります。その根本的改正の具体的な実施の面につきましては、五月のシヨープ博士が來朝した後においてと、こういうことを言われておる。     〔委員長退席、宮幡委員長代理着席〕  このことは、少くとも何かシヨープ博士の來朝に名をかりて、当面緊急にやらなければならない税制改革、ことに所得税の零細所得者に対する軽減、それを通じて國民生活の安定に寄與するという緊急な問題について、時間をかせいでいるという形である。まことにこういうことは、私は日本政府としての、野坂君の言い草ではないが、いささか自主性を欠いている感じが強い。しかも大藏大臣は、所得税その他の改正はやるんだが、二千二十億円に上る例の價格調整金が若干ゆとりがあるし、その方をプールとしておいて、税制の改正のときにその方から財源を見つけ出そう、こういうことを言われておる。そうすると二千二十億の價格調整金には、相当水増しがあるとも言つて過言ではないと私は思う。こういうことのできる事柄について、もうすでに一應財源の予定をしておるということであるならば、ぼくはもう当初において、できるだけの税制改正を行い、そして零細所得者の過重なる負担を、幾らでも軽減するという熱意と努力が、政府にあつてしかるべきなのであろうと思うのですが、それをやらない。そこで端的にお伺いするのでありまするが、かりにシヨープ博士が参りましても、参らぬでも、政府においてはすでに税制の改正を考えておる。考えておる以上は、何らか政府の自主的な税制改正の構想というものが、少くとも最小限度なければならぬと私は考えておる。そこで大藏委員会で、事務当局として、ざつくばらんに何か税制改正に関する構想があるならば、その構想の最小限度でもよろしいんでありまするから、ここで具体的に何かその底意の一端でも表示をすることができないか、それをひとつ伺いたいのです。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 税制改正案の具体案の詳細につきまして、まだお話するのは少しいかがかと存じますが、私どもの基本的な考え方といたしましては、所得税におきまして、基礎控除、それから扶養親族の控除、並びに税率、この重要な三つの点につきまして、最近の経済情勢に適合したような変更を加えるということが、所得税におきましては何よりも緊急なことと考えております。昨年相当その点につきましても改正を加えたのでございまするが、その後において相当な情勢の変化もございまするし、さかのぼつて少し古い時代に比較いたしますると、なおいろいろ檢討すべき要素が多数あるように考えております。從いまして、かような点につきましては、あらゆる材料を整えまして、合理的な説明ができるような案をつくりまして、私どもとしましては、一刻も早く実現いたし得るようにはからつて、努力してみたいと、かように考えております。  それからいま一つは法人税の問題でございます。法人税の問題につきましては、先般税制審議会の案といたしまして、世間に公表いたしましたことは御承知の通りでありまするが、減價償却に関する問題、それから資本金に対する超過所得税の是正の問題、並びに全体としての法人税の、事業税を通じました税率の負担の問題、かような問題につきまして、これまた最近の情勢に適合して、あくまでも合理的な姿に法人税をするという見地から、でき得る限りの資料と案を整えまして、極力実現をはかるように努めたい、かように考えておるのでございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 今の局長の申される税制改正の場合の重点となるべき基礎控除、扶養家族控除並びに税率、この点はそれでよろしいのですが、今の物價事情、農村における零細所得、都市における勤労者、中小業者の生計、物價の事情等を勘案し、一方において日本の今日置かれておりまする財政の現状、こういうことを勘案いたしまして、私は少くとも基礎控除というものは今の一万五千円を二万五千円、あるいは三千円ぐらいに引上げる。扶養控除の点におきましても、現在の千八百円を、少くとも最低限度においてはまず倍の三千六百円くらいに引上げる。こういうことをわれわれは最低限度において考えておるのでありますが、そういう基礎控除、扶養控除の控除額の引上げ等について、もつと数字的に具体的な——大藏事務当局においては何らかの構想があつたように、私は伺つておりますので、これは参考のためでよろしいのですから、その数字的な構想があれば、それを一應私どもに聞かしてほしい、こう思うのであります。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 具体的な率の問題になりますと、現在におきましては、一方におきまして財政の支出を幾ら削減できるか、その問題と関係いたして参ります。それと、その他税にかかわるべき財源がどれほど求め得るかということに相なりますので、つまり具体的に來るべき改正につきまして、どういう具体案をもつて臨むということまで申し上げまするのは、少しいかがかと存じますが、私どもかつて考えましたところによりますと、基礎控除は少くとも二万円程度に引上げたい。家族控除は二千四百円程度に少くとも引上げるようにいたしたい。かような案は作成したことはございます。これにつきましては、なお今後における財政計画等の関係もございますから、そういうものをにらみ合せて具体案をつくりませんと、結局机上の案にすぎないということになりますので、シヨープ博士がおいでになつた場合におきまして、具体的にどういう案で行くかということまでは、目下申し上げかねますことを、御了承願いたいと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 ちよつとしつこいようですが、もう一言それについてお伺いしておきたいのです。たとえば今日の勤労所得税は、先年の芦田内閣当時に、扶養家族二・五人、しこうして三千七百円ベースの者に対しては、勤労所得税は無税という形であれは改正したと私は記憶しておる。その後賃金ベースが六千三百七円になつた。そうすると、当時賃金ベースを三千七百円もらつておつた人が、二・五人の家族の場合は無税であつたが、ベースが物價の事情で当然引上げられ、その引上げられて六千三百円になると、とたんに独身者は、およそ三千七百円のベースに比較すると倍近い税金がかかる。それからまた家族がおつても、それに相当の税額を負担するという形になつて、六千三百円にベースを引上げても、その面においてはかえつて非常な苦痛を感ずる形になつておる。こういうことで、私どもの考え方としては、これは最低限度の話ですが、六千三百円の公務員の平均賃金ベースを、いろいろ意見はありまするが、かりにこれを國民生活の最低保障線とする。こういうような考え方から行きまして、勤労所得の面において例をとるのでありますが、六千三百円ベースのもので、独身者は別でありますが、少くとも扶養家族を持つ者に対しては勤労所得税は、六千三百円ベース以下の者については課税をせぬということによつて、この困難な勤労者の台所を守つてやる、こういう考え方が必要ではないか。事務当局においてはそういう考え方を、今度の税制改正をやる場合に、どの程度まで織り込んで行こうとするか。私どもはそういう考え方を持つておるのですが、それに対して事務当局の考え方はどうであるか。その点を承つておきたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 六千三百円のベースがきまりました場合は、実は現在の税法で税金を負担するものとして、六千三百円がきめられたような次第でございまして、從つてりくつを申しますれば、極端に言えば、きめられた当時に比較して物價なりその他が上つていないとするならば、税金は今のままでいいではないかという一つの議論があるわけであります。從いましてそういう角度から單純にこの問題を解決するのはいかがであろうか。私どもは所得税のシステムといたしまして、最近の全体の物價、賃金の状況、國庫財政の状態あるいは他の所得税の関係等からいたしまして、基礎控除、家族控除等はできる限り引上げずという方向のものに、どこまで上げ得るかという角度で案を作成たらどうであろうか。もちろん今の税制は三千七百円ベースをきめました当時つくりましたものでありますから、お話のような点も一應考究の材料にすべきものと考えますが、それよりもさらに廣汎な見地から、諸般の角度から檢討いたしまして、でき得る限り所得税の負担の公平な課税ができるように、案を作成いたすべきものではないかと考えておるのでございます。

川島金次日本社会党

○川島委員 その点は水掛論になりますからやめますが、次にお伺いしたいのは昭和二十二年度の滯納額はおよそ二百四、五十億くらいあつたのではないかと記憶しておるのですが、その二十二年度の滯納の整理の状況はどうなつておりますか。もう一つついでに二十四年度における確定申告における人員、所得額、税額、それと予算額との対照において、どの程度滯納が今生じておるかという二つの事柄について、お伺いしたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 租税の滯納が多いことは御指摘の通りでございまして、私ども極力この整理について努力いたしておるのでございます。なかんずく大口の方の滯納を片づけることに昨年から非常な努力をいたしまして、先般当委員会に提出いたしましたように、非常に大口の滯納は最近整理が促進しまして相当減つておりますが、他方新規に査察部等の力によりまして、相当大きな脱税を発見したようなものの税額が、なかなか納まらないで滯納になつておるものも相当ございます。まず極力大きな滯納税額から片づけるという方針のもとに、目下いろいろ努力いたしておりますが、なかなか思うように滯納が減らないのを非常に残念に思つております。本年一月末現在で滯納の金額が四百九十八億円。そのうち所得税が一番大いわけでございます。申告所得税の方が三百六十億円ほど滯納になつていたのでございます。その後確定申告あるいはさらに二月におきまして、この計数はある程度促進されておるものと考えておりますが、さらに新たに一月の確定申告に対しまして、更正決定をいたしたわけでございますが、これがやはりなかなか思うように入らないところがありまして、現在相当残つておるようでございます。その状況でございますが、先ほどちよつと申し上げましたように、確定申告に対しまして更正決定いたしました額が、税額で一千六十四億円。申告で出ました額が六百二十九億円。これは若干重複しておりますので、純粋に更正決定後における申告所得税の分の大体の確定税額は、概算でございますが、約千四百億前後じやないかと見ております。それに対しまして三月末現在で、先般お手もとに数字をお示ししましたように、千百億円程度入つております。四月になりましてからなお若干整理期間中に入つて來ると考えておりまするが、それにいたしましても相当な金額が本年に繰越されるものということで、金額におきまして二百億円程度。二十三年度の申告所得税におきまして、本年度に繰越す分を二百億円程度見込んでおりますことは、先般申し上げた通りでありますが、なかんずく所得税においてかようなことになりますのは、どうも申告の成績がおもしろくないのと、最後に幾分詰まりましてから、確定申告に対して更正決定いたしまして、その税額がなかなか納税者が資金にお困りなところが多いと見えまして、納まらないということに相なつておるのであります。二十四年度といたしましては、最初から税金を納めてもらうように極力宣傳いたして参りたい。まず申告で納まるようにいたしたい。それと同時に納税者におきましても、納税準備預金等を極力利用していただきまして、これをもちまして納期において比較的円滑に納められるようにいたしまして、滯納者がなかなか全体といたしまして減らないのではございますが、本年度は極力減らすように努力いたしたい。かように考えておる次第であります。

川島金次日本社会党

○川島委員 二十二年度の滯納分は……。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 二十二年度から繰越された滯納の額は、特別に調べたのではございませんが、昨年申告所得税で本予算で約百六十億ほど見込んでおりましたが、百四十億か五十億程度は本年度において完結いたしたものと大体なつております。

川島金次日本社会党

○川島委員 もう一つ伺いますが、今年の予算の説明書の中で、勤労所得、給與所得者の課税人員が大体予想されて一千百万人くらい。それから営業、農業合わせて大体七百何万かの人員が予想されておる。そこで質問するのですが、二十三年度に大藏省が算定予想しておりました申告、源泉増收分におけるそれぞれの人員と、今度は確定によつて明瞭になつた人員との間に食い違いがなかつたかどうか。もし食い違いがあつても、それは確定において余分になつたか、それとも予定よりは人員の上においては少くなつたかということは、今度の二十四年度の税制の上にも非常な関連がありますので、その点を明確にしていただきたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 今予算との詳しい比較は、手元に持ち合せていないわけであります。若干の差はあると思いますけれども、大体大きな差はないかと思います。  二十三年度の課税の実績見込みでございますが、これはもう先ほども三宅委員にお答え申し上げました通り、確定数学ではございませんが、それを御参考に申し上げてみますと、源泉課税の方は人員で大体千百三十万人になると考えております。農業で三百八十三万人、営業で二百四十九万人その他の事業が七十二万人、合せまして七百四万人くらいの申告納税分の人員になるものと見込んでおります。

川島金次日本社会党

○川島委員 そのことについてはまたあとで別個に直接お聞きしたいと思いますから、これでやめます。  そこでさらにお伺いいたしたいのは、この取引高税の問題、このことはだれかお伺いしたかもしれませんが、私は聞いておりませんので、あるいは失礼になるかもしれませんが、取引高税の本年度の全國取引高はどの程度に見ておるかということと、その取引高の中で捕促される取引高というものは、どの程度と見てこの予算ができたかという内容について、ちよつと伺つておきたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 取引高税につきましては、昨年度からすでに実施しておりまして、一定の課税の実績が出ておるわけでございます。この実績に対しまして、本年度は税率の変更等もございませんので、物價生産等の状況の変化を考えまして、今年度の歳入見積りを出したわけでございます。從いまして取引金額は税率で換算していただきますと、おのずから出て参りますが、取引金額の方から詳しく計算いたしておりません。最近の課税実績に対しまして、それぞれその後における生産、物價等の状況の変更を考慮いたしまして、本年度の歳入見込額を出しておるわけでございます。從いまして反対に推定いたしますれば、取引金額が出て参りまするが、今計算いたしておりませんので、必要でございますれば後ほど計算してお答え申し上げます。

川島金次日本社会党

○川島委員 この取引高のことについては、昨年この税を設定する当初において、大藏省では明細な調査をしました。多分それの推定でありましようが、かなり詳しい年間取引高というものを出したことを私は記憶しておる。その中で六〇%あるいは七〇%とれるものとして、こういう計算が成り立つたという説明を私は聞いておる。少くともその実績だけでなく、この税を引続き続行する以上は、二十四年度の日本の産業の状況、基礎産業の生産の計画その他を中心として、一年間の取引高というものはおおよそ推定される。その推定された額に対して捕促される取引高の課税はどの程度かということは、あらかじめ推定の数字であつても明瞭であるべき筋合いだと、私は考えるのであります。そこでその資料がなければあとでよろしいのでありますから、それができておれば、あとでわれわれに配付していただきたいということを希望しておきます。  それから最近反税運動という問題が、本会議その他でも非常に重要な関心事になつておりまして、私どもの党におきましても、この問題がいろいろの論議の対象となつており、われわれとしては、それぞれ具体的な方面へ具体的な折衝もしたことがあるのであります。一体局長としては、この反税運動という一種の言葉に対して、どの範囲が反税運動であるかということについて、ある程度明確にしておいていただきたいと思う。場合によつてこの反税運動という言葉だけをとらえて、何か組合あるいはその他の者が三人あるいは五人と衆をなして税務署へ行く。そうして課税額に対していろいろの疑義があるので、それに対する抗議をする。その抗議をすること自体が何か反税運動に持つて行かれるというような不安が、相当このごろは強くなつて來ておる。納税者が正しい意味において税務署に出頭して、口頭でそれぞれ折衝することは、必ずしも反税運動とは認められないのであります。ところが実際は、税務署はそういう考え方でなくして、何か事がめんどうになると、それを反税運動のわく内に入れて納税者をおどしつける。こういつた事例が実はあるのであります。そういうことがありますので、この際税務当局、ことに局長において、反税運動とはどの程度のものを言うのかということについて、國民の前にある程度明確にしておく必要があるのではないか。また各税務署の税務官に対して、反税と目されるもの、反税でないものというはつきりした境界線はつけられないでも、少くとも大体の大づかみな線を税務署に嚴重に示達して、納税に対して善良な國民を協力せしめるように仕向けることこそ、私は税收入を確保する上においてきわめて必要なことだと思う。ところがそうでない事態が実はあちらこちらの税務署にある。そういう意味合いにおいて一應税務当局の見解を表明しておいていただきたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 今御指摘のようなお尋ねに対しまして、完全なお答えをいたすことはなかなか困難な点もございますので、大づかみのところを申し上げたいと存ずるわけでございます。一番問題になります点は、昨年國会の審議を経まして御協賛を得て成立いたしております國税犯罪取締法の第二十二條に規定がございます。この規定によりますと、「國税ノ納税義務者ノ為スヘキ國税ノ課税標準ノ申告ヲ為サルコト若ハ虚偽ノ申告ヲ為スコト又ハ國税ノ徴收若ハ納税ヲ為ササルコトヲ煽動シタル者ハ三年以下ノ懲役」云々とあります。この規定に典型的に該当するような行為がございますれば、私は反税運動になるということを申し上げることができると思いますが、その他の場合におきましては、一つは税務代理士法に関連いたしまして、税務代理士法によつて一定の税務代理業務を業としてやる場合におきましては、税務代理士法によりまして、認可を受けました税務代理士しかできないわけであります。從いまして税務代理士法に該当するような行為につきましては、あの規定の適用を受けますので、それに関連して行き過ぎがあれば、その規定によつて処罰を受けるようなことがあるかと思います。その他の場合におきましては、よほどのひどい公務執行妨害になるような例もままあるようであります。極端に申し上げまして、多数の者が税務署に押しかけて、署長の承認を得ないで部屋に入り込んで強談判をするといつたような例がございますが、そういう場合は、場合によりましては刑法に触れるといつたようなこともあろうかと存じます。態樣によりましていろいろございますので、全部を網羅的に御説明申し上げますことはなかなか困難でございまするが、さような点が主として関係のある部面かと存じます。御意見のように、私どもはまじめな團体の意見等はよく聞いて、課税の参考にするようにということは言つております。從いまして、ところによりましては非常にうまく行つておるところもございます。ところによりましては税務署のやり方がなれていないのと、一方におきましては、やはりそういう團体の方々がこれも十分なれていないのとで、どうも衝突を起して、非常におもしろくない事例まで來しておるような例もございますが、さような点につきましては極力税務官廳としましても判断を誤らないようにして、まじめな納税者の場合においては、納税心を阻害するようなことなく、むしろ円滑に納税し得るようにして行きたい。この反面、ほんとうに惡質な運動に対しましては、断固強硬な態度をもつて臨む。かような方針で極力指導いたしておりまするが、漸次最近におきましては、さようなことにおいても大分経驗を積んで來ましたので、本年度におきましてはさらに一層よく指導いたしまして、適切な効果を生むように努めて参りたい考えている次第であります。

川島金次日本社会党

○川島委員 そこでもう一ぺん先ほど質問しましたことにもどるのですが、取引高税のことについてお尋ねするのを忘れましたから、もう一ぺん聞いておきますが、これは私が承知しておる範囲の事柄で、実際に事実があつたのですが、取引高税の最後の徴收をする場合に、税務官が営業者のところへ参りまして、いわゆる天くだり的な一方的な査定をする。それでお前のところはこれだけ納めてもらいたい、いろいろ事情もあるだろうが、これはひとつ政府も困つておるから、國家に寄付するつもりでいや應なしに出してほしい、こういつたことを言つて取引高税を徴收して歩いた事実がある。税金と國家の寄付とはおよそ意味が違うので、税の意味をなさない。そういうことを非常にやつたということについては、私はいろいろあると思うのですが、やはりこの取引高税についても、一般の所得税と同樣に大藏省から財務局、財務局から各税務署ごとに年間の割当をして來たという事実が、そういつた現象を生ぜしめたのではないかと私は思う。その他いろいろ事情があろうと思いますが、大部分は財務局の割当ということが、重要な理由になつているのではないか。事実上において今私が申し上げたことが非常に頻々としてあつたのであります。大藏省としては一体その財務局を通じて税務署ごとに、この取引高税の最後の徴收の場合は、大まかな割当をして、各税務署にそれを督促し、それを強行せしめるというような指令でも出してやつたのであるか、それをひとつ伺いたいと思います。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 取引高税の実施につきましては、今御指摘のように、取引金額をよく調べもしないで、何でもいいからとにかく出しておいてくれ、わずかの金額だから出してもらいたい、こういうことを言つておるという例を私どももたまたま耳にいたしましたので、こういうことは断じてあるべきことでないというので、通牒をたびたび出しておりまするし、それから先般会議におきましても、そのことは特に嚴達いたした次第でございます。これは御承知の通り、税金は税法に從つて徴收すべきものでございまして、取引金額がないのに、とにかく納めてくれなんということは、言語道断だと私ども考えておりますので、その点は今後におきましても特によく注意をいたすつもりであります。それから目標のお話がございましたが、これはほかの税と同じように、いろいろ目安としてつくつております。つくつておりますが、これは私ども先ほどから言つておりますように、税法を適正に施行しますときの一つの努力目標にすぎないのでありまして、それにとらわれるあまり、税法以上のことを断じてやるべきでない。税法の通りにやつて目的に達しないならもちろんさしつかえない。この反面適正な税法の執行をいたさないで目的に達しない場合は、適当の責任を問われるかもしれないという意味合いのものでありまして、これにとらわれるあまり、あるいは御指摘のような実情に相なつたかと思いますが、嚴重に今後におきましては判断の誤りのないように、十分嚴達いたしたいと思いますので、その点御了解願いたいと存ずる次第であります。

川島金次日本社会党

○川島委員 今の割当のことについてもう一ぺん尋ねておきたいのですが、二十三年度——もちろん二十二年度も大体その方針でやつて來たのですが、税務署はことに農業所得税については、一反歩畑については幾ら幾ら、たんぽは幾ら幾ら、こういうもう動かすことのできないような所得額を定めて、それを農業所得税として農家から徴收するということが、一昨年も昨年も強行されて來ている。從つて、その範囲で納得できる農業所得者ならばよいのですが、一律一体でやつて來ているために、どんな環境の惡い、水利の惡い、あるいはその他の條件の劣つている農家に対しても、標準的に一律的にやつて行くために、その標準が背負い切れない、こういう事態が農家には相当あつた。ああいう事柄を二十四年度にも強行して行く大藏当局の方針であるのか、ああいうことをまた指示してやらせるつもりであるか、それを一應伺つておきたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 農業所得の計算の場合におきまして、御指摘の通り、反当りの所得を計算しておりますのは、これは実は今始まつたことではございませんで、何十年來この方法でやつて参つて來ているのでございます。そうでございませんと、一つ一つの農家について調査がなかなか困難である。むしろそういう方法によりまして、極力いい標準をそのかわりつくりまして、標準の適用の仕方にはいろいろ研究する必要がございますが、基準を示してするのが、むしろ所得の公平を期するゆえんではないかと考えまして、この方は多年大藏省で昔からやつている方法でございますが、今後におきましても農業所得については、やはりそういう方向で極力指導して参るよりほか、ないのじやないかと考えるのであります。ただ、つくり方に問題があろうかと考えますが、今までやはり中庸農家というものを選びまして、その点を標準にしてある程度の收支調査をいたしまして、それをもとにして、この地域は反当りいくらというのを実はつくつているわけでございます。この中庸農家を選定するにつきましてよく注意しなければならぬのと、それから標準率を適用いたします場合におきまして、やはり御指摘の通り必ずしも標準通りでない農家もございますし、反対に標準よりもいい農家もございますし、從つて今までもやかましく言つているんですが、なかなか徹底いたさなかつたのですが、本年度といたしましては、極力標準を適用する場合に上下の差別をつけて適用するように、できますならば同じ一村内におきましても数段階にわけまして、適正な所得を得るようにしたらどうであろうかということを、政府としては極力指導しております。これは一つの標準でございますから、從つて所得を申告される場合には、所によりましては相当よりどころになりますし、標準を公開いたしましたために、昨年は所によつては納税が非常に促進されているところもございます。反対に、公開いたしました標準はもう絶対に動かせないのだ、という誤解を受けている向きもあるようでございますが、もしも標準で当てはめたところと実際の所得が違う場合におきましては、違つた事情をよくお申し開き願いまして、できますればほんとうの所得によつてやるべきものでございますから、一つの便法だということを特にこの機会に強調いたしまして、行き方としてはああいう行き方をとつて、極力課税の公平を期するようにしたらいいのではないか。標準のつくり方、適用の仕方については今後一層の檢討を加えて、いいものにして行きたいと考えている次第であります。

川島金次日本社会党

○川島委員 農業所得の場合に一定の標準を設けて納税の指導をする。これは私必ずしも惡いとは思つておりません。しかし標準並びに標準以上のものに対してはそれで納得できるのですが、まま災害があつたりあるいは虫害があつたり、あるいはいろいろの事情で條件が惡いところも、その標準で押しつけるということが、実際はかなり税務署にあるのであります。そのために零細な農家が負担の過重に悩んで、非常な苦痛を感ずる。結果においては農業をやめる者もできたり、あるいははなはだしいときは——埼玉縣でも実はここ二、三箇月の間に発狂した者とかあるいは自殺をした者とかが、三日おきぐらいに新聞に出ておるような状態でありますが、そういうところに非常な誤りがあるためであるからであります。それで私は今局長の申されたように、やはり一村の中でもいろいろ條件が違うものがありますから、それを一々全戸ごとに区別をするということは、なかなか容易じやないということは私は了承できる。そこでできるだけ上下の差別の段階を設けて、なるべく農業所得に対しては課税の適正を一層期するということが、きわめて大切なことであろうと思いますので、そういうことについては一段の努力を私は希望しておく次第であります。  それからいろいろこまかいことばかり聞くようでありますが、最近政府は料飲店の再開を行う。この料飲店の再開はいろいろの意味もありますが、主として地方財政の財源にも充てたい。ひいてはまた國の税收入の増加も期待する。こういう事情が料飲店再開の目途の中に、重大な要素となつて織り込んであると私は考えております。そこでこの料飲店の再開を実現する場合に、一体地方財政においてはどのくらい税の増收が見込まれるのか。同時に國の收入においてもどの程度の増收が見込まれるのか。そういつたことについて、すでに調査があつたと私は思うのでありますが、このことについて何か見通しがありましたならば、それを聞かしていただきたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 料飲店の再開に伴いまして、今主として増收の出る部面は、私はむしろ地方の遊興飲食税関係だろうと考えております。この方は、今まではいかにも表から禁止されておりましたので、事実上行かれておりましてもなかなか課税いたしがたく、またいたすのはどうも行き過ぎだということで、禁止営業につきましてはほとんど課税いたしておりません。從いまして、この部面につきましては相当な増收が出る考えでございます。本年度の地方税を大体見込む場合におきましても、今までの状況でございますと、遊興飲食税が全國で約三十億円程度ではなかろうかと、地方財政委員会の調査ではなつております。本年度におきましては、少くとも百二十億円以上は見込めるのじやないか。大藏省といたしましては、公開になればもう少し見込み得るのじやないかという考えを持つておりますが、少くとも百二十億程度は遊興飲食税関係で税收が上り得るのじやないか、かように見ております。所得税の方では実際は從來も実所得で課税するという主義にいたしておりまして、現実の收入がある場合におきましては、その原因の何であるかを問わず、その所得が沒收または追徴されるまでは課税する方針でおりますので、從來も相当課税いたしております。從いまして、その方でそう大きな増收を期待するのはむりではなかろうか。若干の増收はあると思いますが、大して大きな金額を見込むのは困難であろう。かように考えておる次第であります。

川島金次日本社会党

○川島委員 続いてお伺いいたしますが、きのうでしたか、おとついでしたか、吉田総理大臣は参議院の予算委員会か大藏委員会でしたか、記憶がないのでありますが、タバコを民営にしてやつてみたらどうかというようなことをかなり明確に話をしておるらしい。大藏当局ではこのタバコの專賣の問題を民営に移すというような、事務当局においても何か構想をもつて準備をされておるのか、民営の方がよろしいと考えておられるかどうか、それをひとつ聞かしていただきたい。

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員長代理 川島委員に御相談いたしますが、ただいま專賣局の方の政府委員が見えておりませんので、ただいまのお尋ねは次会に專賣局長官の出席を求めて、答えていただくことにいたしまして、保留をいたします。

川島金次日本社会党

○川島委員 それでは次に、二十二年度にもはげしかつたのでありますが、二十三年度にも密造が相当あつたわけであります。二十三年度には一体密造しました者に対する檢挙の数はどのくらいあつたか。密造はどのくらいあつたか、これを一應聞かしていただきたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 酒類の密造が相当多くて、私どもその対策にいろいろ腐心いたしておりますことについては毎々申し上げましたし、先般もこの対策につきましてはいろいろ申し上げたのでありますが、大体密造として昨年、昭和二十三年一月から十二月の間に反則として、罰金でありますが、檢挙しました件数につきましては、全國で一万六千九百三十八件ほどであります。二十二年は一万四千八百七十四件でございますから、相当件数はふえております。そうして罰金相当額といたしまして通告して徴收しましたものが、昭和二十三年の一月から十二月までの間において九千九百七十八万円ほどであります。

川島金次日本社会党

○川島委員 この一万六千九百三十八件の中で檢挙された日本人と、日本人にあらざるものが多少あるのではないか。その内訳はできておりますか。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 今ここに統計はございませんが、最近檢挙しております大口のものは、日本人以外のものが相当ございます。それにことに都会附近のいわゆるカストリというものは、ほとんど日本人以外の者が多うございまして、現在その密造につきましては相当多数の警察官、税務官吏を一時に出動せしめまして、これの反則の取締りに当つておるのでありまして、その面が相当ありますことは事実だろうと思います。

川島金次日本社会党

○川島委員 最後に三、三まとめてちよつとお伺いしておきます。このことについて私は過般の予算委員会でもちよつと触れて、大藏大臣の答弁を求めたのであります。当時時間を急いでおりましたので、大藏大臣の明確な答えも、それに対する私の重ねての質問も遠慮してしまうという形でありましたので、最後にお伺いしておきたいと思います。先般も主税局長がその席上に列席されておつたので、さだめしお聞き及びであろうと思うのでありますが、税務官の責任制の問題であります。私どもの経驗あるいは法文上のいろいろの調査によりましても、どうも実際面においては税務官に非常に責任がない。こういう形から申しましていろいろ税務官の忌まわしい事件が起る。またそれによつて國民の生活の上に非常な恐怖を感ぜしめたり、少なからざる損害を與えたりする場面が非常に多いことは、主税局長もさだめし御承知であろうと思います。この間も私は申し上げたのでありますが、今度の税制改革をやります場合には、税務官の責任制をぜひとも確立する必要があるということを、私は強く考えておるのであります。たとえば埼玉縣なども、今浦和税務署が問題になつておりますが、税務官に非常に若いふなれな者が多いということは、われわれも予承するのでありますが、今日ではその惡質な者が非常に多くなつて來ておる。これは國の税の徴收の上にとつて、まことに重大な問題であろうと思うのであります。そこで今度の税制改革を機会として、税務官の責任制をぜひとも確立する必要がある。  まず第一には、先般も申し上げたのですが、納税者の側から言えば、納税者の受取りました税金の通知に対して、それが仮更正であろうと確立更正であろうとそういうことは問わないで、納税者がそれに対して著しく不服がある。こういうことで異議の申請をいたしますことは、今の規定で認められておるのでありますが、実際にはただ机上で認められておるというだけで、税務署も他の都合もあるでありましようが、その申請に対してほとんど手をつけていないというのが実際であります。その理由については税務官がふなれである、あるいは人員が足りないということも、さだめしあるであろうと思うのでありますが、かりそめにも法規上異議の申請を受付けていいのだということに明確になつておる以上は、その申請に対してできるだけ誠実に対処することが、建前でなければならぬと思うのです。ところが実際においてはそうでない。出しても一箇月経ち二箇月経つてもそのままになつて、最後にはその問題はいつの間にかよそへ片づけられて、たちまち督促が來る、差押えが來る、競賣をするというのが普通のあり方であります。そういうことでは納税に対して國民の力強い協力を得るということの建前から言つて、これをきわめて不可能なことに追いやるような結果になるおそれが十分にあると思います。そこで納税者が申請をした場合に、少くとも一箇月、あるいは四十日というような期限を切つて、四十日なら四十日の間、あるいは一箇月なら一箇月の間に、税務担当官から納税者に何らの通知がなかつた場合には、納税者の提出いたしました異議の申請の内容を正当なものと認めて行く。いわゆる一つの制限期間を設けて、それによつて何らの通知を受けなかつた納税者に対しては、納税者の側から言えば、自分の出した申請が正当であると認められたことにして、ただちにその税を郵便局もしくは銀行に納入をする。それで片がつく。こういうことにすると、忙しいではあろうが、税務官に一つの責任を負わせ、責任制を確立するという一面にもなり、國民にとつてもきわめて簡便な形になり、煩雜で貴重な時間を費すことも少からしめることになるではないかと思う。これに対して事務当局はどういうお考えを持つておられるかということが第一点。  第二点は、税務官がことさらに、もしくはその税務官として当然負うべき責任を怠つて、税の査定に対して著しい過誤があつた。たとえば百万円の所得に対して、怠慢かもしくはことさらの氣持で百五十万円、あるいは百万円の所得に対して、ことさらにあるいは怠慢によつて八十万にしたとか七十万にしてみるということが今日ある。そういうことであつてはならぬ。しかもそういうことをしても、税務官には何らの責任がないという形に今日なつておればこそ、そういう問題が瀕発するのではないかと思う。そこで私は、故意または過失によつて税の査定について重大な過誤があつた場合には、その担当の税務官に対しては、やはり何らかの処置をするということで臨まれることが、かなり必要ではないかと思う。そういうことにいたしますれば、さだめし税務官も税務官としての責任を感じ、きわめて適正、公正なる査定をして、最大の苦心と努力を拂つて行くことになるのではないかというふうに思うのでありますが、そういつたことについて、税務官の責任を追及するような措置を、明確に法文の中に表わして行くことはどうかということが第二点であります。  第三点は、たとえば完納者、税金をすでに納めた者に対して督促状をよこしたり、あるいはまたはなはだしきは差押えの通知を発送したりすることが、今日では非常に多いのであります。そういうことは事務的な齟齬のため、人員の不足のためというだけでは済まされない問題であろうと思う。それによつてまじめな善良な納税者が、いかほど困難を感じ迷惑をしているかということは、まつたく枚挙にいとまないのが現実の姿であります。たとえば完納した納税者に対して督促状を出し、あるいは差押えの通知を出すと、それを受取つた納税者はもとより善良なまじめな納税義務者ですから、あわてふためいて税務署へ行つて一日暮れてしまう。それも近ければよいが、二里も三里も遠いところから行つて、しかも窓口だけではらちがあかないで、担当の責任者の手のすくまで待たされ、二時間も三時間も経つてようやく話がついて、これは間違つたんだと言われて納税者はすごすご帰つて來る。こういうことによつて納税者に貴重な時間を空費せしめ、その上一日の営業を放擲せしめた実質的な損害は相当なものであろうと思う。そういつた國家が善良な國民に不測の損害を與えたり、実質的な費用をかけさしたりした場合は、その費用の弁償をしてしかるべきだと思う。ところが今の法律ではそういうものが一つもない。ですから税務官吏は、間違えば間違つたときでよろしい、本人が來たときこれは間違つたと言つて帰せば済むのだ、というような氣軽な立場で過誤を犯しているために、よけいそういうことが起るのではないかと思う。そういう事柄もやはり改めまして、今度の税法の改正を機会に、私の言う税務官の責任性を確立する。そのために國民に不測の実質的な損害を與えたものに対しては、政府は進んでその損害を補填する。あるいは実費を弁償してやるというくらいなことを必要とするのではないか。そういう事柄によつて、繰返して申し上げますが、こういうあやまちができるだけ少くなつて來る、ということにもなるのではないかと思うのであります。あまり重ねて申し上げるといけないと思いますから、この三点について、一体事務当局の專門家として、どういうふうに考えられるか、それを明確に聞かせてほしいと思うのであります。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 まことにどうも私ども平素非常に注意いたしておるのでございますが、注意が届かないで、非常に納税者の方々にも、ことに最後に御指摘になりましたようなことにつきましては、御迷惑をおかけいたしておりますことは、私どもも平素から非常に恐縮に考えておるところでございます。趣旨におきまして、税務官吏に責任を持たせる方向に將來持つて行くということにつきましては、私ども全面的に賛成でございまして、極力そういう方向に持つて行きたい。仕事の分担等につきましても、はつきり責任を明らかにしてきめて行く。職階級等もそれに應じまして適切な職階をつけて、重大な責任のある者には相当な待遇をする。そうでない者につきましては普通の待遇で済ますといつたようなことにつきまして、さらに一層推し進めて参りたいと考えております。今までのところ熟練した官吏が少いために、実際問題といたしまして、ほんとうはもう少し熟練した有能な官吏にやらせなければならないのを、仕事が過多のためにやむを得ずそうでない者にまでやらしておるような現状でございまして、これは一刻も早く私はこのような事態を改善して行く方向に向つて、進んで行くべきだと考えておるのでございます。從いまして税務の運営全体につきまして、御趣旨のような趣旨で行くことにつきましては、趣旨といたしましては私どもまつたく賛成でございます。從いまして内容といたしましては、もしも税務官吏が重大な過失あるいは故意に非常に職務に反するようなことをやる。あるいは法令に違反したようなことをやる、こういう場合におきましては私は仮借なく責任を問うて行くべきものだと思います。それは行政措置によりましてあるいは減俸あるいは懲戒等のことができますので、そういう方向で極力やつて参りたい。それと同時に税務官吏としての職責をりつぱに果した者につきましては、どんどん職階が上つて行きまして、相当な待遇を與え得るようにいたしたい。こういう方針で今後この税務行政を進めて参りたいと考えております。  そこで最後に、この法的措置をどうするかというお尋ねでございますが、審査の出た場合におきまして、これも私ども極力調査した者以外の者に、審査を担当せしめるというような制度を早くとつたらどうかと思つておりますが、残念ながら審査の件数が多いのと、それから何しろ非常に熟練した官吏が少いために、それだけ分担してやらせることができなくて、從來も欠陷を感じながらなかなか実行できなかつたのでございますが、完全に全面的でなくても、少しずつでもそういう方向に行くように、ことしからさらにやつてみたい、かように考えております。  それから御指摘のように、一定期間を過ぎて何ら税務所から意見がない場合は、申請があつたものと認めるということになりますと、勢いただ單純に期限が來ますとまた却下する。それではトラブルが一向解決されないということにもなりますから、問題はむしろそういうものをいかにすれば最も有効適切に機敏に裁き得るか、いかにすれば熟練した官吏を配置することができるかということにあろうかと思います。從いましてそういう方向に極力努めまして、この問題を解決の方向に進めるようにしたらどうかと考える次第でございます。從いましてまたさらに賠償等の問題につきましても、むしろ行政上の責任を徹底的に追究しまして、それによつてやつて行くということで、この際極力善処するという方向で進めて行きたいと考えております。

川島金次日本社会党

○川島委員 最後に一言申し上げます。これは非常に小さな問題なのでありますが、この機会に当局の意見を聞いておきたいと思うのです。局長も御承知の通り昨年われわれの仲間が主張して婦人用の木製のくし、何と言うか專門語はわかりませんが、あれは物品税からとりはずしたと思うのです。その当時われわれもうつかりしておつたのですが、同じくしでありながら、セルロイドのくしに対しては木製のくしと別個に扱つて、今日まで物品税を存続さしておる。こういうことで私どももそれをうつかりしておつたのですが、私もどうも合理的ではないように感ずるのであります。從つて木製のくしなどを物品税からはずした以上は、その品質のいかんにかかわらず、大体同じようなものであるセルロイドでつくつたくしなどは、物品税からこの際はずしてやるべきではないか。こういうふうにわれわれは一應考えるのでありますが、事務当局はその問題についてどういうふうに考えておるか。それを伺いたい。

平田敬一郎大藏事務官(主税局長)

○平田(敬)政府委員 ただいまの点は、昨年の國会の御要望に應じてそういう改正をいたした次第でありますが、ただ私どもやはり木製、つげ製の方は除いて課税をいたしております。その他の木製とか竹製になりますと、これはいかにも品質、値段の低いものが多い。これに比べてその他の製品はそうまでもなかろうというので、一應つげ以外の木製のくしと、それから竹の製品、これは非常にくしの中で下の方のものだという意味で除外いたしたのでありまして、工業的に生産されるセルロイドとか合成樹脂などのくし類がありますが、こういうものについては若干の物品税がかかつてもいたしかたなかろう。かように考えておる次第であります。  それから先ほどの取引高税の取引額の概算の数字ができましたので、ちよつと申し上げます。大体在來の計算方法を用いて計算してみますと、取引額の総額が九兆九千六百四十六億、そのうち非課税の取引の分が三兆三千八百九十億、課税取引が六兆五千七百五十億、このうち大体八〇%捕捉可能といたしまして、先ほど申し上げたような改正による増減を考えまして、四百五十一億という数字を算定をいたしておる次第であります。

宮幡靖民主自由党

○宮幡委員長代理 本日はこの程度で散会いたしまして、明後日午前十時三十分より再会し、本法案に対する質疑を継続いたします。  これにて散会いたします。     午後三時二十九分散会

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