大蔵委員会 第16号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1949/04/18
会議録
○宮幡委員長代理 ただいまより会議を開きます。貿易特別会計法案を議題といたしまして、質疑を継続いたします。風早君。
○風早委員 前会に貿易計画の内容について質疑を続行中であつたのでありますが、貿易計画については、その当局が依然としてきようも來ておられないようでありますから、経理局長にこの会計上の問題だけについて伺います。貿易計画については、貿易廳長官が來られるまで留保したいと思います。 この貿易特別会計のうち、特にいわゆる見返り資金につきまして、その内容がはなはだ不明確であります。これはこの前も見返り資金勘定の特別会計法案が出ましたときに、これに対する反対意見の理由として結論だけをあげておいたのでありますが、問題は実は貿易特別会計にあるのでありまして、このいわば通り拔け勘定の中で非常に疑問があるのであります。これについて御質問したいと思います。この問題は千七百五十億円であります。対日援助物資関係收入といたしまして、対日援助による輸入品の國内放出代金として、千七百五十億円が計上されております。そのうち六百十六億円は輸入補給金である。さらに輸入一般物資関係の收入といたしまして、すなわち輸出代金でまかなつて輸入する物資の國内放出代金の分であります。これが千三百八十五億円、そのうち二百十七億円はやはり輸入補給金である。この千七百五十億円と千三百八十五億円との合計が三千百三十五億円でありまして、結局そのうち八百三十三億円は輸入補給金であるということになるわけであります。ところで歳出の方は、輸出代金の支拂費といたしまして、これは貿易廳の買上輸出品の代金であります千八百八十六億円が計上されておる。そうしますと、この三千百三十五億円の歳入から、この千八百八十六億円というものを差引きますと、千二百四十九億円になります。このうち八百三十三億円が含まれておるのでありまして、実際は千二百四十九億円から八百三十三億円を引いた四百十六億円というものが出ますが、これがすなわち入超の黒字分ということになるだろうと思われるのであります。つまり四百十六億円のみが、対日援助物資から生ずる事実上の黒字であるというふうに計算されるのであります。ところでこの千七百五十億円というものがもしも援助資金というのであるならば、それは実は千七百五十億円ではなくて、四百十六億円にすぎないということがここに出て來るわけであります。言いかえますと、千七百五十億円から四百十六億円を差引きまして千三百三十四億円、こういうものは一体どういう性質のものであるか。もちろんそのうち八百三十三億円は税金から取上げ、輸入補給金として計上されたものである。そうしますと、それをさらに引きまして残る五百一億円というものはどういうものであるか。ここのところがよくわからない。これはドル勘定に一應入つておる勘定であろうと思うのでありますが、ドル建と円建とを込みにしておるのじやないか。この辺のところがはなはだ不明確でありまして、御説明を仰ぎたい。この五百一億円というものは何であるか、さしずめこの点についてお伺いいたします。
○村岡政府委員 ただいまのお尋ねにお答えしますが、先日申し上げました通り、輸出のための代金の支拂いは千八百八十六億、また輸入の方では対日援助関係のものを除いた一般の輸入の代金收入が千三百八十五億、その数字に間違いございませんが、援助物資の対象になります千七百五十億の金額については、これは千七百五十億も純然たる通り拔けの関係でありまして、お話のように六百十六億を差引きました金額については、これは一般消費者からの代金收入として貿易特別会計に入つて参り、六百六十億円はこれは一般会計から輸入補給金相当額として、特別会計にやはり歳入として入つて参る。 〔宮幡委員長代理退席、委員長着席〕 それを合せまして千七百五十億円をそのまままた歳出として、対日援助見返資金特別会計に繰入れますので、貿易特別会計の円の上におけるプラス、マイナスの関係から行けば完全に通り拔け勘定になります。從いまして今の千七百五十億円の歳入歳出の関係を除いた、このほかの一般の輸出と一般の輸入というものについてのプラス、マイナスの関係が今度の新年度の特別会計予算の実体的なプラス、マイナスになつて現われて参るはずであります。この特別会計の歳入歳出の範囲としては、輸出に基きます千八百数十億の支拂い、また一般輸入に基きます千三百八十五億の收入のほかに、いわゆる貿易外の取引になるものもございます。またその他事業費会計と経費勘定との間の取引というような、いろいろの要素がございますので、單純に今お話になりましたような差引計算だけからは、実体の全体の数字が出て参らないのであります。別途御審議を願いました本年度の特別会計の数字の中に、今申し上げました貿易外の取引の歳入歳出でありますとか、その他の経費勘定との間の数字とかが現われて参りますので、その内容をごらん願いますと、ただいまの点は申し上げましたような程度であることがおわかり願えるだろう、かように思います。
○風早委員 千七百五十億円というものについて、これは純然たる取引勘定であるということはもちろんわかります。しかし問題はこの千七百五十億円の特別会計の立場から、出されておるのじやないのでありまして、やはり貿易特別会計の問題として出しておるのであります。そこでこの場合においても今お答えのいろいろな貿易外收入その他も、事実上は計算に入らなければ、現実の收支がわからないことはこれはわかります。しかしながら純粹にこの千七百五十億円の外資が入ることによりまして、貿易関係というものから生じますその差引の入超黒字分は、四百十六億円であるという問題は、これは依然として残ると思う。そういう意味において私が先ほど計算いたしました通り、結局千三百三十四億円は、実際には貿易関係から生ずるプラスではないということを、計算したのでありまして、貿易関係からプラスが生ずると考えられる最大限度のものは、四百十六億円にすぎない。その残りの千三百三十四億円というものはどこから出ておるかということは、やはりこれは十分追究するに値するものでありまして、そのうち八百三十三億円は補給金としてはつきりしております。その残りの五百一億円というものはどういうふうにして出るのであるか。通り拔けにいたしましても、千七百五十億円をその特別会計へ繰入れるためには、やはりその実がなくてはならぬと思うのでありますが、その実の一つは千八百三十三億円であることは今申し上げた通りです。その他の五百一億円はどこから出ておるか。たとえば四百億円という輸入補給金とは称せられておらないけれども、貿易会計の補給金が四百億円あるわけです。そういうものがやはりその中へ入つておるのですが、四百億円は一体どこに使われておるのか、こういう点が明確でないのでありましす、もう少しわかるようにお答え願いたいと思う。
○村岡政府委員 御質問の趣旨をあるいは私の方で誤解しておるかもしれませんが、援助物資に基いての輸入の取扱いは、この貿易特別会計の歳入歳出の面から行きますれば、完全に通り拔けであることは間違いございません。ただ何がゆえにこういう貿易特別会計で援助物資の扱いをいたすかと申しますと、御承知のように援助物資がやはり輸入の形で入つて参りますと、それに伴います取扱いの経費がかかりますので、先ほどから申し上げました千七百五十億円の数字は、六百十六億の補給金と合せました数字ではございますが、実は御説明が若干足りませんので、援助物資が入つて参りましてから、消費者に賣り渡すまでの間のいろいろな輸入の諸掛、これは実はほかの一般の輸入と同じように、援助物資につきましても千七百五十億から六百十六億を差引きましたその金額で、消費者に賣り渡すのでございませんで、そこに約四十八億円という輸入諸掛の見通しを立てまして、それをプラスいたしました消費者に賣り渡すわけであります。從つて貿易特別会計の收入といたしましては、援助物資については一般会計からの六百十六億と合せて、さらに四十八億の援助物資取扱諸掛を合せた、つまり千七百五十億に四十八億を加えました千七百九十八億が貿易廳の手取りになります。ただ四十八億の金は消費者に轉嫁いたしますけれども、同時にこれは輸入の諸掛として、援助物資の取扱いに從事いたしました実務担当者に支拂われるわけであります。差引いたしますと、依然としてやはり援助物資につきましては、貿易特別会計は千七百五十億円を受けとり、さらに千七百五十億円を右から左へ他会計に繰入れるという関係になりますので、御質問の点は、どこまでも援助物資につきましては、貿易資金特別会計は何らプラス、マイナスがないということを申し上げるほかないのであります。
○風早委員 そうすると四十八億円というものは、端的に言つて八百三十三億円の中に含まれておるわけですか。そういうわけでもないのですか。その点をちよつと伺いたい。
○村岡政府委員 一般の輸入物資につきましても同樣でありますけれども、輸入のための諸掛は、これは政府の賣渡し價格の中に含めて計算するという建前になつております。從いまして援助物資等の補助金のあるものについて言います際には、そういうものは國内のマル公基準で賣るのであります。從いましてそれに要しまする諸掛は、これは八百三十三億円の補助金の中でまかなつて計算されることにして、初めて貿易特別会計は通り拔けの勘定になる。黒字になる。そういう結果になります。
○風早委員 そういたしますと、四十八億円という問題は、これは考える必要はないのでございますね、八百三十三億円というものはりつぱに計上せられておる補給金でありまして、その中に含まれておるものであれば、補給金の実質がそれだけ減つておる。言いかえれば、それを買い受ける者あるいは補給金をもらう者が、実質それだけやはり諸掛を差引かれてあるというだけの問題でありまして、全体の、私の申しましたこの計算の仕方には何ら変更はないわけで、四十八億円という問題はむしろ拔きにした方が簡單だと思います。そうでなくして私がお聞きしておるのは、実際にその勘定、千七百五十億円は通り拔け勘定として特別会計へ繰入れられるということは、形式としてはいいのでありますが、私はその実質を伺つておるわけであります。結局千七百五十億円と称せられるその外資が入つて來るに從つて生ずる輸出入の政府の收入関係、その黒字というものは、実際には四百十六億円しかないのだということを認められるかどうか。私の計算をもう一ぺん言いますれば、その千八百八十六億円から千三百八十五億円を引いたものが、これがすなわち入超の黒字でありますが、そのうち実は八百三十三億円を含んでおるから、これを差引いた残りとすれば四百十六億円になる。これだけが入超の黒字として実質生ずるものである。この点を認められるかどうかということを聞いているわけです。
○村岡政府委員 どうもお尋ねの趣旨がはつきりのみ込めません。
○風早委員 もう一ぺん説明しましよう。それはきわめて簡單な算術でありまして、まず輸入援助物資関係の收入として千七百五十億円が計上せられた。これはほかならぬ貿易会計の事業費勘定の予算額としてここに計上されてあるもの、これを私は問題にしておるだけでありまして、きわめてこれは貿易会計の実態をなすものであります。さてその輸入援助物資関係收入が千七百五十億である。そうしてそのほかに輸入一般物資関係の收入が千三百八十五億円である。そこでその両者を加えますと三千百三十五億円になりますから、これが結局援助物資の賣り買いをめぐつて生ずる実質上の收入である。こう認められると思うのであります。但しその中に八百三十三億円の補給金が入つております。他方におきまして歳出面はどうであるかと言えば、これは申すまでもなく輸出代金の支拂費であります。すなわち貿易廳が買い上げました輸出品に対する代金の支拂費であります。それが千八百八十六億円として計上せられてあります。從つてその歳出歳入を差引けばいいのでありまして、それがすなわち千二百四十九億円になる。但しそのうちには依然として八百三十三億円は含まれておるから、それをさらに差引いたものが四百十六億円になる。すなわち実質上この輸出入から生じ、またこの貿易の歳入歳出の收支をとつてみますと、入超から生ずる黒字分というのは四百十六億円になるであろう。こういうことでありますが、それはお認めになるかどうかということであります。
○村岡政府委員 幾度も同じことを申し上げるようでありますけれども、援助資金に基きます千七百五十億については、八百三十三億円の一般会計から輸入補給金の繰入れがあり、さらにそれを含めて千七百五十億円の一般会計よりの繰入れがあるというだけでありまして、しかも八百三十三億を引いたところで——消費者から引いたものですから、貿易会計の上から見て、全然今の貿易援助資金はないということをあらためて申し上げるほかはないのでありまして、その他の一般の輸出入の関係において、今のお話の輸出の代金が千八百八十六億円であり、一般の輸入に基きます收入が千三百八十五億円であるということもお話の通りであります。むしろ千八百八十六億円と千三百八十五億円の差額というものを問題にされて、ただいまのお話の点は意味があるのではないか、かように考える次第であります。
○風早委員 全然收支は、つまり入超とか出超はある得ないという話ですが、もともと建前は千七百五十億円というものがどこからか出て來ておる勘定になつておるわけです。これは日本の中から出て來ているのではなく、これが通り拔け勘定としても、とにかく一つの会計を構成し得るということは、それだけのものが新しく生れることを意味しておる。また生れて來ているものと理解させられてあると思う。しかるに実際においては、その中には八百三十三億円というものが、少くもこれは補給金として含まれておるのであります。千七百五十億円のうちには六百十六億円でありますが、さらにそれからまた生ずる、それに関連して入り得る、つまり向うから五億三千三百万ドル入つて参るということになれば、それだけの入超を見越して輸出というものが計画せられておるわけでありましよう。輸出が十億ドル余り、それから輸入の五億三千三百万ドルを引いたもの、大体においてそういうような輸出入計画が立てられておるわけです。そういたしまして、結局その入超分として、千七百五十億円というものは、一應プラスになるものとして計算されておるわけです。だからこそこの千七百五十億円というものは、実質上これがあるいは建設公債に行きますとか、また國債償還になるとか、あるいは産業投資になるとか、そういうような実があるものとしてこれが説明せられておるわけです。どうも経理局長は私の質問をさつぱり理解されないのでありまして、貿易廳長官なり、安本長官なりぜひ呼んでいただきたいのです。何度言つてもしようがないのでありまして、全然私の質問の要点がわからない。私はこの千七百五十億円というものが、全予算の運営のてこである。こういうものが新しく加わつておるから、これでいろいろな建設公債はもちろんのこと、そのほか國債償還なり、あるいはまた産業投資なりができるというふうに、一般國民は感ずるであろうと思うのです。現に國会におきましても、多数はそういうふうに感じた。ところが事実はそうでないということを、私は初めから指摘しておるのでありまして、そのことを貿易会計におきまして明らかにしたいと考えておるわけであります。千七百五十億円と申しましても、そのうち実は八百三十三億円は補給金であり、言いかえれば國民の税金でありまして、國民の税金負担がすでにそれだけその中に入つておる。從つて千七百五十億円と申しましても、それだけ引いたものが初めて実際に日本にプラスになつたものと考えられる。ところがそれだけでなくして、今申しますように、実際こうやつて收支を見てみますと、その他にさらに五百一億円というわけのわからないものがあるのであります。どこから出て來たものかわからないものがある。実際には四百十六億円しか使い道がない。こういうふうな計算になるように数字が出ているのです。この貿易会計から私は計算しておるのであります。だからしてその点が明らかにならなければ、この千七百五十億円の説明というものが決してつくものではない。ただ形式上これは通り拔け勘定であるというその数字はとにかくといたしまして、実際に千七百五十億円というものが、その実があるかどうかということを、最初から私は問題にしておる。その実がはなはだ怪しいものであるということを、証明しようとしておるわけでありまして、そうするとこれは産業投資だ、國債償還だと言いましても、はなはだ怪しげなものになつて來るのであります。どうしても現実に手当をしなければならない問題が起つて來る。こういうことを考えるがゆえに、この点をどこまでも究明しなければならないと考えておる次第でありまして、この問題の根本の点がおわかりになるのでなければ、お答え願つてもむだであろうかと思うのです。貿易廳長官がお出になつておりますれば、その辺についてお答え願いたいと思います。
○宮幡委員長代理 議事進行について——ただいまの風早委員と政府委員との質疑應答を承つておりますと、これは何度やりとりいたしましても結論の出ない問題のようにうかがわれます。しかしながら風早委員の御意見を抑圧し、この質問をどうしようという考えは毛頭持つておりません。この点について貿易廳当局と御懇談することは十分やつていただきたい、かように考えておりますが、ただいまの質問は一千七百五十億の援助資金の歳入歳出の通貨勘定ということで、政府の考えておることと風早委員の考えておることの食い違いがあるように——私の錯覚かもしれませんが思われるのであります。從いまして本法案なるものはすでに予算も衆議院を通過しておりますし、予算の裏づけになる実体法でありまして、ぜひともこれは時間的に早く審議を終らなければならぬ立場にありますので、委員長のおとりはからいで、風早委員の疑問とせられる点は貿易廳当局と機会をつくられまして、御得心の行くようにひとつ御談合することに願いまして、何とかこの際観点の違つております質問で、長く対抗することがないように、おとりはからいをいただきたい。どうぞ委員長にしかるべくお願いいたします。
○新井(茂)政府委員 ただいまの風早委員の御質問の点、お話がいろいろございましたが、結局千七百五十億円というのは、アメリカからの対日援助物資の見返資金として出て來る金額でございます。それはその通り物資が入つておりまして、金も入つて來るわけでございます。しかしながら一面そのままの價格で國内にそれを賣つたのでは、一般の物價に非常な影響を來すという意味におきまして、これは國内におきまするほかの物資の價格の調整の問題とまつたく同じでございまして、その價格を調整いたします意味におきまして、一般会計から八百三十三億というのが、全部こちらの会計に入りまして、それによつて價格を補給して参つて、現在の基礎物資の價格をそのままに維持して行こうという趣旨でございます。從つてお話の通りに、会計全部をひつくるめて参りますと、結局それを差引けば四百億幾らというものが全体の黒字と申しまするかこういうふうなことになる。これは計算上そういうことに相なると考えます。
○風早委員 それでよくわかりました。これはだれでも認めなければならない数字でありまして、それを一應お認めになつたことはよくわかります。こういうことは、今宮幡委員の議事進行の発言もありまして、私もその趣旨は賛成でありますが、大体私の質問の内容は、決してただ一般論や政策論を鬪わしておるのでないのでありまして、意見の相違というよりも、こういう事業費勘定の数字の内容でありますから、この質問については十分に御了承願いたいと思います。 そこで貿易廳長官にさらに伺いますが、この五百一億円というのは、ドル勘定と円建とがこみになつておるように考えられておるのでありまして、その辺のところはわれわれにはまつたくわからないのです。ドル勘定に入つておるものと円建と、こういうような関係が適当に操作されておるらしく思えるのですか、そういう点について少し解明していただきたいと考えるわけです。今五百一億円と申しましたのは、まだ貿易廳長官はそのときに來ておられませんでしたから、念のために申し上げますが、四百十六億円が残つて、それに千三百三十四億円プラスしたものが一千七百五十億円になるのでありまして、その一千三百三十四億円ということがわからない。しかしそれはどこから出るかというと、八百三十三億円まではわかる。その残りの五百一億円というのがまだわからない。これはどういう勘定になつておるのかということをお聞きするわけです。
○新井(茂)政府委員 この特別会計は直接にドルの勘定とは結びついておりませんので、結局ドルによつて、こちらに輸入になりました物資を國内に賣りまして、この円の代金がこの会計の收入になる。かような建前になつております。それから輸入の補給金の方は一般会計から円として入つて参るということで、從いましてこの会計自体としては、ドルとの間には直接のつながりはないわけでございます。從つてそれが入りまじつておるというふうなことはないと思います。
○風早委員 ドルと入りまじつておるということはないというお答えでありますが、そういたしますと、この五百一億円というものの出所は何であるか。先ほど私が伺いましたのは、大体この貿易特別会計の歳入の中には、一般会計からの受入れが四百億円あるのでありますが、そういうものはこういうところにやはり使われておるのでありましようかということを、さつき経理局長にお尋ねしていたわけであります。この点につきまして、なお新井次長からお答え願いたいと思います。
○新井(茂)政府委員 お尋ねの趣旨はちよつとよく了解しないかもしれませんが、この輸入物資を賣り拂いました金額が全体で三千百三十五億に相なりまして、これは純然たる收入としてこの会計に入つて來るわけでございます。それに対しまして、物價の補給金といたしまして、八百三十三億を一般会計から收入して來る。そういたしましてこの物資を國内向けに賣り拂いまするときに、結局三千百三十五億で賣り拂うべきであるけれども、これの價格を調整いたしますために、八百三十三億を差引いた金額で賣り拂う。かようなことになつて参るわけでございます。
○風早委員 簡單にしますが、今のお答えでは実に困るのです。そんなことはよくわかつておるのでありまして、その三千百三十五億円というものは、八百三十三億円を含んでいる。これがすなわち歳入関係になつておる。そうして歳出関係か千八百八十六億円ある。その差引きであるところの四百十六億円というものが今問題になつておりまして、それと千三百三十四億円との差引きの五百一億円というものかわからない。四百十六億円はたしかにこれは歳入歳出から出て來る、いわゆる純粹の黒字分として考えられるものであるが、それ以外のものとして、八百三十三億を差引けば五百一億円というものが残るが、これはどこからその財源を持つて來られたか。つまり純粹の黒字が四百十六億円であるということを認める限りにおきましては、五百一億円というものは、別途にどこからか出て來ておらなければならないのでありまして、そのうちには、この四百十六億円の一般会計からの繰入金が、入つておりますかどうかということを、聞いておるのであります。そのことにつきましては、今少しもお答えがないのでありますが……。
○小山委員 議事進行について……。ただいま風早委員と政府委員との間の質問は、まるで食い違つておるのであります。それと申しますのは、風早委員か今おつしやいましたところの五百一億円というものは、特別会計に入つておりますところの一般の援助物資を除外した輸出入の黒字分であります。これはたしかに五百一億です。援助物資の千七百五十億プラス千三百八十五億の物資がアメリカから輸入されて來るのでありまして、そのうちの千七百五十億は援助物資特別会計の中に通り拔け勘定になり、そのほかに日本としては、外國に輸出しますところの千八百八十六億の輸出の代金がドルその他ポンドで入つて來る。この千八百八十六億は日本から外へ向つて出て行く。そうして外貨に入つて來て、また円建てに伴うところの日本の円建の勘定が千八百八十六億円、それが見返り勘定を除いた勘定で、円勘定を越えた輸入が千三百八十五億になると、この差が当然五百一億になることはあたり前で、そういう点からひとつ質問應答を続けてもらいたいと思います。
○風早委員 それは偶然その数字が一致したのかどうか知りませんが、この五百一億というのは、そういう意味で問題にしておるのではない。私が歳入と言つておるのは、援助物資を区別しておるのではないのでありまして、両者を合わせなければ歳入にはならない。歳入というものは一方援助物資関係の收入があれば、結局これを基準にいたしまして、一般物資の関係の收入につきまして、その両者を合わせたものが三千百三十五億なんです。それに対して歳出の方は輸出代金の支拂費だけで、それが千八百八十六億円、それでありますからその両者を差引きますと千二百四十九億円が残り、その中にはしかし八百三十三億円が含まれておる。これをさらに差引きますと四百十六億円残る。これがすなわち黒字です。それはすでに貿易局次長も認められておる数字なんですが、四百十六億円なんです。でありますから、私はこの四百十六億円以外のものは、千七百五十億円の中ではどういうことになるかということを私が計算してみますと、八百三十三億円と四百十六億円を加えたものを千七百五十億円から引けば、あと五百一億円が残ります。これがどこから出ておるのかわからない。それは四百億円の一般会計の繰入金か。これはそれに充てられておるのかということを聞いておるのです。
○新井(茂)政府委員 ただいまのお尋ねのこの一般会計から基金として繰入れます、ただいま風早委員の仰せの四百十何億円というものは、何らの関係はありません。
○川野委員長 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○川野委員長 速記を始めてください。
○風早委員 この四百億円というのは大まかに言つてどういうところに使われているのか。どういうところへ使うつもりで四百億円を一般会計から繰入れたか。その点を積極的に出していただけばいいのです。こういうところへも入つておるのではないかということを聞いておるのです。
○新井(茂)政府委員 さつき関係がないと申し上げましたのは、援助物資の見返り資金と四百億との関係がないということを申し上げたのでありますけれども、一般輸入とここに掲げてございます輸出代金の支拂いとの間には、つまり輸出代金の支拂いの方が時期的に見て多くなる関係から、從つてこの間の調整をいたす意味におきまして、四百億を一般関係から繰入れていただきまして、これによつて貿易特別会計を運用して参りたい。かようなふうに大体の計画ができておるのであります。
○風早委員 少しはつきりしませんけれども時間をとりますから、大いに讓歩してこれは打切りまして、貿易計画の質問に移りたいと思います。これはこの間若干触れておきましたから、その続きとしてやりたいと思います。ほんとうは貿易廳から次長が來られておりますから、もう少し最初からやりたいと思いますけれども、大体経理局長から伺つたことで一應は済ましておきます。そこでこの前この貿易計画の特徴につきまして、計画が過大ではないか。ことに昨年の実績に比しまして、輸出においては二倍ないし二倍半くらいの計画が立てられておるし、輸入におきましても一・四倍から一・五倍くらいの非常に大きな計画が立てられておるわけでありますが、こういう計画を実際に実行して行かれる見通しがあるのかないのかということについて、國民に確信の持てるだけの御回答を願いたいというのでありましたが、これはお答えからさつぱりその確信はないように考えるのであります。その点につきましても貿易廳次長から簡單に確信があるのかないのか。確信があるとするならばどういうふうに——これは昨年もずいぶん貿易計画の過大の見積りによりまして、非常に困つたのでありますが、今年はそれよりもつと困る條件がある。すなわち昨年困つた條件は少しも解消されておらないのみか、アジアの市場を見ましてもまた國内の生産力状況を見ましても、ますます困るような條件が殖えておると考えるのでありますが、にも拘わらずこういう過大な、いわば水増しの計画がなされておるということについては、どういう見通しがあるかということについて、簡單でいいですからお答え願いたい。
○新井(茂)政府委員 ただいまお尋ねの輸出計画の問題でございますが、昨年は御承知の通りに約二億六千万ドル輸出いたしまして、これに対しまして本年度は約倍近くの計画ができておりますので、一應御疑問の点もあると思います。お話の通りいろいろ日本の輸出を阻害しております原因がございまして、今年度の目標はなかなか簡單にこれを達成できるという確信があるということまでは、申し上げられないのでございますが、しかしながらあらゆる手を打ちまして、この計画を達成いたしたいと考えておるのでございまして、現に本年の契約高を見てみますと、一月には大体一億一千万ドルでございます。それから二月には少し減りましたが、四千四百万ドルの輸出契約もございまして、この数字等から見て参りますと、日本の國全体をあげて輸出貿易の振興に努力いたしますならば、この程度の数字は実現不可能ではないというふうに考えておりまして、現在までのところ輸出金融の問題あるいは資材の割当、並びにこれが最優先取扱の問題につきましても何とか具体化いたしたい。かように考えて努力いたしておる次第でありまして、この数字は必ずしも過大ではないと考えております。
○風早委員 今、必ずしも過大ではないというわけでありますから、少しは過大だということになると思う。しかしながらこれは少しどころではない。というのは、今平均して大体二倍足らずと言われましたが、輸出につきましては二倍から二倍半、あるいはそれ以上かもしれない。こういうふうに昨年の実績に比しまして、非常な過大な見積りがしてあるわけであります。こういう場合におきましてこの輸出が十分に可能であるという、納得の行くお答えがありさえすれば、問題は半ば以上解決すると思うのであります。ところがこの輸出につきましては、非常な不等價交換の事実が嚴然としてある。これによりまして、輸出業者はそうでなくても非常に不利な條件に置かれておるわけであります。これは御承知の通りです。念のために日銀の調査局の調べの、いわゆる輸入業者卸賣價格とFOB價格との関係を見てみますと、はなはだしいのは八倍以上、もつとひどいのもあるようでありますが、大体八倍以上になつておるようなものもあるわけであります。つまりこれは一々今品目をあげませんけれども、特に対米の輸出品につきましては、この間の不等價交換の関係があまりに著しいかのごとく思われるのであります。これをまた特に同じ調査によりまして、この外國輸入業者の手数料というものが、全体のFOB價格の中で占める割合を見てみますと、はなはだしいのは七、八十パーセントぐらいに達しておる。それに対してそういうものに限つては、わが國内の卸賣價格に対する比率というものは、非常にわずかなものになつておる。つまりほとんど輸出業者はもうけがなく、かつそれを輸入し向うへ賣る業者は非常な利益を上げておる。こういうような関係が各品目について多かれ少かれありますが、特に対米関係のいろいろな品目につきまして著しく現われておるわけであります。こういう点を見た場合に、輸出業者の輸出意欲というものは、おのずから非常に減退せざるを得ない。そこでこれに対しましては、どうしてもこれは補給金というような問題も起つて來るのでありますが、今回は輸出品目に対しては、まつたく補給金を出さないというのが原則になつておる。こういうようなことから見ましても、輸出がこれから振興せられるということは少くも雜品、その他——今まで輸出業者と言われておりました中小の企業者の側におきましては、ほとんどその可能性に乏しいのじやないか、こういうようなことが当然見通されるのであります。にもかかわらず政府が樂観的に、これは多少は困難だが、とにかくやれるつもりだというようなお答えでは、どうしても納得が行かないと思う。もう少し輸出そのものについての政府の見解を伺いたい。
○新井(茂)政府委員 お話の通り、この輸出計画は必ずしも樂観をすべきものではございませんが、しかしながら先ほども申し上げました通り、現在の契約状況その他を見ましても、非常に伸びておるような関係もありますし、それから、今度の輸出計画ではもちろん補助金は出さないことになつておりますけれども、資材の優先配給とか、あるいは輸出金融の確保とかいうようなあらゆる施策を集中いたしまして、これによつて何とか輸出計画を確保して参りたいと考えておるような次第でございます。 それからまた昨年輸出が非常に伸びなかつた原因の大きなものは、いわゆる通貨問題でありまして、海外におけるドル貨の不足のために非常に輸出が少かつたというようなことがありましたが、昨年の下半期より関係各國との間に通貨の決済協定、並びにそれが裏打ちになりますところの貿易協定を漸次締結いたしまして、そのために昨年の下半期の輸出は、だんだんと伸びて來たような事情にもあるのであります。それで今年度におきましては、こういう協定をさらにでき得る限り拡大いたしまして、それによつて通貨問題も難関を切り拔けて行くというように、考えておる次第でございます。 それからまた先ほど日本の輸出品の不等價交換の問題のお話がございましたが、この点につきましては、私どもとしても、実は正確に輸出品の價格が適正であるかどうかを知る資料がございませんので、この点についてははつきりしたお答えは申し上げかねるのでありますが、この問題を解決いたしまするためには、何としても海外に情報を入手できるような機構を持つとか、あるいはまたさらに日本の関係業者が海外に渡航できるということが、一番重要な問題であろうと考えておりまして、その点に関しましても関係方面に、機会あるごとに懇請をいたしておるような次第でありまして、この問題が解決いたしましたならば、そういう点の問題も非常に解決されまして、日本の輸出貿易の振興にも、相当役に立つものと思つておるような次第であります。さようにいたしまして——これはもちろん官廳だけの力ではなかなか困難でございますが、日本全体をあげて輸出の振興に力を入れますならば、計画しておりますような輸出はでき得るものと考えておる次第であります。
○風早委員 今のお答えの中にいろいろ外國の情報を得るとか、あるいはこちらの輸出業者を向うへ派遣していろいろその実情を調査させるとか、こういうことにつきましては、もとよりそれ自身としては、はなはだけつこうなことであると思います。しかしながらそういうことによつて、この問題は少しも解決するのではないのでありまして、この不等價交換というのは、わかつてみたところで、今のままのやり方ではおそらく不等價交換で終つてしまう。こういう点についてはやはり貿易のやり方に対して、これを根本的に等價交換の方向へ持つて行くだけの、強力な手段がとられなければならぬ。それにはまたおのずから相手にもよるのでありまして、はなはだしい不等價交換になる相手國もあり、またそうでなくて、対等平等な資格で取引のできる相手國もあり得るのでありまして、その辺をもつと多角的な貿易体制に切りかえて行くことが必要である。特にアジア諸國に対する貿易の増進は、非常に必要であると考えるのでありますが、それにつきまして大体この輸出に若干の資材の優先配給もやれば、あるいはまた金融面についても便宜を與えると言われますけれども、それらの恩惠をこうむる部面、品目というものはきわめて限定せられておるように、見受けられるのであります。この点については政府からももつと廣くしていただきたいのであります。大体時間の関係上、私の方で積極的な質問をいたしますが、要するに金属機械の製品の輸出というものには相当の骨を折つておられる。また纎維製品の輸出についても同樣でありまして、これらの三つの部門につきましては確かにある程度資材、金融についても便宜を與えておる。しかしながらそれにもかかわらず、これらのものが輸出されるということは、全体として今問題になつておりますところの飢餓輸出になりはしないか。これは今日私はちよつとここに持つて参りませんでしたが、國際経済新聞にもこの問題が大きく扱われておりましたが、飢餓輸出の問題ということが、まさに今政府がとろうとしておられます輸出計画に、非常にはつきり現われて來やしないか。金属機械製品というようなものは、だんだんと國内需要向き國内市場あてでなくして、國市外場あてである。しかもそれが一定のきわめて近隣の善隣諸國からは、はなはだ好ましくないと考えられるような用途に使われる。そういうふうなことになりはしないかという点を、私は非常に心配するのであります。この金属機械類の予定輸出額は一億四千百万ドルに達しておりまして、輸出総額のこれが二三・二%、非常に大きな割合を占めております。しかしこれは今日本の再建、日本の各重要部門特に交通部門、石炭電力こういうようなものの再建のために、非常に必要な資材でありますが、それらが今後ますますその國外市場に重点が置かれて行くということは、はなはだこれは逆ではなかろうか。日本再建に役に立つのでなくして、逆じやなかろうかという疑問であります。これは昨年二十三年度の輸出分に対しましては、十六倍にも増強しようというのでありますが、はなはだこれは疑問だと思うのであります。せつかく生産計画におきまして鉄鉱が百八十万トンから二百万トンに計画数が非常に上つて行く。アルミにいたしましても二万トンから二万五千トンに上つて行く。こういうふうにして一方で上げて行く。かつそのためには一方で輸入をしなければならない。石炭や鉄鉱石や重油などの輸入というものは、二十三年度の前期の数字をとりますと、五倍半というふうな輸入をして、またこれで非常な補給金も上げなければならない。こういつたような実にまことにりくつに合わないばかばかしいことを、やつておるように見えるのでありますが、こういう点について政府はどう考えられるか。同樣にこの纎維につきましても、やはりこれは全体の総額の五四・四%という比率を占めておる。ほとんどこれが出て行くのでありますが、やはりそのためにわれわれ國民の側におきましては、綿布、綿織物をさつぱり消費することができない。これもまた飢餓輸出の典型的なものでありまして、こういう点につきましても政府はみすみすこういう飢餓輸出をやつて行かれるのか、さらに飢餓輸出につきましては、なおそれには非常な低賃金でもつて、輸出を強行するという問題も含まつておるのでありまして、かたがたこういう方向が政府の積極的なる方針としてとられるのであるか。こういう点はぜひ政府当局としてはつきりしていただきたいと思います。
○新井(茂)政府委員 機械金属の輸出は、お話の通り昨年度に比較いたしまして、相当よけいに計画をいたしておりまするが、これが海外におきまして、相当需要がふえて來ておるような状況からいたしまして、この輸出計画を増加いたしておるような次第でございます。一面その原料でありまするところの鉄の原料につきましては、これはやはり海外から輸入をいたしておりまして、それを日本において加工して輸出するということでございまして、これは必ずしも飢餓輸出ということではなかろうと思うのであります。それで現在そういう方面の生産設備といたしましては、相当日本は余つているのでありまして、結局原料が足りないためにそれが動いておらぬというふうな状況でございますので、從つて海外から原料を入れまして、これによつて製品をつくつて海外に出すということは、それだけ國内にも不合理ができて來るということに相なるのであります。すなわち今度の鉄鋼の計画におきましては、約百八十万トンの計画にいたしますると、その中で輸出をいたしますものは約六十万トンになつております。それに対しまして、原料として輸入いたしました鉄鉱石並びに石炭によつてできる製品が、約百万トン近くでございまするので、從つてそれだけ余分に日本の國内に鉄鋼が落ちて來るということになるのでありまして、日本としてはこの輸出貿易によりまして、大いに國内の機械を増加することができるというふうに存じておるのであります。 それから纎維につきましても、これもやはりその原料でありまする綿等を海外から輸入いたしまして、それに加工して輸出をいたしておりまするが、その得ました代金によりまして輸入した綿花等の代金を支拂つておりまするが、それは輸入したものの全部を輸出に向けているのではなくて、これによつて輸入したものの約三割以上というものは、國内向けの原料として使用いたしているのでございまして、從つてこの点についても輸出を大いに増加いたしまして、それによつて原料の輸入をふやすということになりますと、それだけ日本に残るところの國内向けの纎維製品の数量が、ふえて参るということでございまして、この点につきましても、輸出を振興することによつて日本が飢餓に陷ることはないものと、私どもは考えておるような次第でございます。
○風早委員 今時間の方の御注意もありましたから……。はなはだ今のお答えでは一々納得しかねるのでありますが、これで打切ります。そうして他の質問は保留いたしまして、討論の際に讓ることにして、これで打切りたいと思います。
○川野委員長 ほかに質疑はありませんか。 他に質疑はないようでありますので、貿易特別会計法案を議題といたしまして討論に入ります。討論は通告順にこれを許します。宮幡靖君。
○宮幡委員長代理 ただいま議題となつております貿易特別会計法案は、昭和二十四年度の予算に対しまする実体法の一環をなすものでありまして、その趣旨は貿易資金特別会計法を改めて、さらに貿易会計を明確に経理しようという趣旨であります。その本旨に反対すべき何らの理由もございません。よつてわが民主自由党は原案に賛成の意を表する次第であります。
○風早委員 私は日本共産党を代表して、この法案に反対の意見を表明するものであります。 大体この貿易特別会計というものは、その根本において、今までの貿易資金特別会計とは性格を異にして参りまして、主として通り拔け勘定ということになつて來ておりますから、それ自身会計の帳簿面だけ見れば、あまり問題はないようでありますけれども、しかしながらこの通り拔け勘定ができるその背景といたしまして、一方におきましては貿易計画というものが前提になつておる。また他方におきましては、この通り拔け勘定が、主として今度は米國対日援助資金特別会計への繰入れという問題が、大きな問題として出て來ておるのでありまして、これらの前提なりあるいは背景なり、こういうものについてわれわれは全面的に反対の意見を持つておるのであります。從つてこういうものの通り拔け勘定である貿易会計の勘定そのものにも、非常な問題が起つて來ざるを得ない。先ほど質疑におきまして私が追究いたしました点、すなわちこの千七百五十億円の実体が、やはりどうもはなはだあいまいでありまして納得が行かない。そのうち四百十六億までは、一應この貿易関係から生じて來る実体的な黒字であろうとは考えられるのでありますが、それ以外のものにつきましては、結局これは多かれ少かれ補給金であり、從つてまた國民の税金負担でまかなわれておる。こういうような非常なインチキな内容のものでありまして、これはすでにこの見返資金特別会計法案の審議に際しまして、私どもは反対討論をやりましたのと同樣の趣旨で、ますますその趣旨が強められて、ここに反対の理由としてあげざるを得ないのであります。 次にこの貿易計画でありますが、二十四年度の貿易計画は、二十三年度の貿易計画に比べましても非常な水増しになつておる。この実現の可能性というものは、いろいろ政府当局からの御説明もありましたが、少しも確固たるものはないし、事実政府におきしてもはなはだ確信を持つておられないことは、ありありとうかがわれるのであります。こういう水増しの、いわば乱暴な輸出計画によつて、この貿易資金特別会計を考えられるならば、必ずその会計は大きな破綻を生じなければならぬ。言いかえればそこに一つの資金上の新しい赤字を生まざるを得ない。そうでなければ千七百五十億円というようなものも、事実これを全予算のてことして活用することはできないのでありまして、そういう点から非常な危險を含んでいるものであるということが言えると思うのであります。しかもこれをむりに強行しようとする場合には非常なむりが起りまして、ことに輸出におきましては、いわゆる飢餓輸出という形がますますはつきりして來る。これは政府から先ほどの弁明もありましたが、政府が最もこの点については責任を負わなければならない点であろうと思う。事実國民の多数はこの輸出向けの産業の前途については、非常な悲観的な氣持を持つていることは、疑いない事実であろうと考える。これに対して政府はそれを押切つてやられるということについては、非常な責任を負わなければならないと私は考えるものであります。ことにこの飢餓輸出という問題の内容が、ただ單に日本の再建に必要である金属機械の製品を、國外に向けてどんどんと放出してしまう。纎維製品につきましても同樣である。こういうように國民の消費生活なり、あるいは産業再建なりに非常な困難を與えて行くのみならず、その向けられる用途につきまして、特に金属機械の製品輸出の場合におきましては、はなはだその用途が疑わしいものがあるのでありまして、われわれは今日戰爭をやらないということを、憲法によつておごそかに宣言もしておるし、またそういう戰爭に巻き込まれるような方向をとらないということは、当然わが國民として努力すべき重要なる目標であると考えるのでありますが、遺憾ながらこういう輸出のやり方は、その重点がますます金属機械の製品輸出にかたよつて行くということ、しかもその企業の規模を見ますと、ほとんど一部少数の大企業にのみこの輸出関係の恩典が與えられて、結局中小の企業というものは非常な不利益をこうむる。かたがた為替一本レートの問題も間近に迫つておることでもありますし、これらが相表裏いたしまして、日本の輸出向けの中小企業の大部分というものは崩壞せざるを得ない。こういうことを見通してみました場合に、この法案の役割というものは非常な危險なるものであると考えられます。これらの理由によりまして私はこの法案に対しましては絶対に反対であります。 なおもつと詳細なる反対論旨も持つているのでありますけれども、時間の関係もありますから本委員会におきましてはこれで打切りまして、本会議にこれは持越して反対討論に付したいと思います。私の反対討論はこれで終ります。
○川野委員長 荒木萬壽夫君。
○荒木委員 本法案は、從來の貿易資金特別会計法を廃止いたしまして、今までの法案の不備を補つて、貿易会計の経理の全貌を明らかにしようとする新立法であると考えられまして、貿易中心のわが國経済に処する意味におきまして、適切なる立法であると考えるのであります。以上の意味におきまして、民主党は本案に対しまして、賛成の意を表するものであります。
○川野委員長 討論は終局いたしました。 これより貿易特別会計法案を議題といたしまして採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。 なお衆議院規則第八十六條による報告書作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。 —————————————
○川野委員長 なお過日各新聞紙上に発表され、委員の各位もすでに御承知のことと存じますが、浦和における公金消費事件に関し、國税徴收に関する過誤、怠慢または不正について、本委員会においても問題の性質上、これが実地調査の必要を認めますので、現地に委員派遣を行い、該問題を大藏委員会の立場から調査いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議なしと認めます。なお派遣委員の人選、派遣日時等に関しては、委員長に御一任願いたいと存じますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議なしと認めまして、そういうことにいたします。 それでは衆議院規則第五十五條の定めるところにより、議長あて委員派遣承認申請書を提出する必要がありますので、ただいま朗読いたします。 委員派遣承認申請書 一、派遣の目的 國税徴收に関する過誤、怠慢又は不正の調査 一、派遣委員の氏名 これはあとで発表いたします。 一、派遣の期間 二日間 一、派遣地名 埼玉縣浦和市浦和税務署 右により委員を派遣したいから衆議院規則第五十五條により承認を求める。 昭和二十四年四月十八日 大藏委員長 川野 芳滿 衆議院議長幣原喜重郎殿 以上であります。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十二分散会