政府支払促進に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/05/23
会議録
○岡野委員長 これから会議を開きます。 本日の議題に入ります前にお諮り申し上げたいと存じます。これから休会中に開くことになりましたのですが、遠方の方々にたびたび、お出ましを願うわけに参りませんので、近所の方で小委員会を開いていただいて、促進調査委員会というものにいたしたいと思いますが、御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡野委員長 御異議がなければそういう小委員会を置くことにしまして、委員の方は委員長に御氏名をおまかせくださればまことにけつこうと存じますが……。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡野委員長 御異議ないと存じますから申し上げます。 村上勇君、澁谷雄太郎君、 島村一郎君、飛嶋繁君、 高間松吉君、小山長規君 千繁三郎君、早稻田柳右衛門君、 西村榮一君、河田賢治君 内藤友明君 それに岡野清豪を加えます。それで小委員会には私が兼任させていただきたいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡野委員長 御異議がございませんから、そう決定いたします。 次にもう一つお諮り申し上げたいことは、ただいままで理事であられた河口陽一君が委員を御辞任になりましたので、理事の補欠選任を行いたいと存じます投票の手続や省略しまして、委員長で御指名申し上げたいと存じすが、御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡野委員長 御異議がございませんので、内藤友明君を理事に御指名申し上げます。 それでは運輸省関係方面の事情を御説明願うために、運輸事務官の田中健之助君にお話をお願いたいと思います。田中健之助君。
○田中(健)政府委員 運輸省の鉄道関係の事情を御説明申し上げたいと存じます。鉄道関係の物品購入の代金あるいは工事関係の請負代金、そういつたものが相当支拂いが遅れておりまして、メーカー並びに工事関係の会社に非常に御迷惑をかけておることは事実でありまして、私どもといたしましては、できるだけすみやかにこの支拂いの遅延の状態を解消させたいということで、ずつと努力を続けて参つたのでありますが、そしてその努力に相当程度を奏してはおりますが、何分にも二十三年度の私どもの受取ります運賃收入、そういつたものの中におきましても、まだ受取られていないものが相当残つておるものであります。これもできるだけ督励をいたしまして、その收入をはかつておるのが現状であります。それから二十四年度に入りましても、運賃値上げはこの五月一日からやりましたが、四月は旧運賃ベースで收入が入つて来ております関係上、この二十四年度全体の予算といたしましては、均衡予算で收支はバランスしてはおるのでありますが、遺憾ながら四月に関する限りは、運輸收入というものは旧ベースでしか入つていないということが一つと、それから工事勘定、すなわち鉄道の建設改良等をやります工事勘定の財源が、二十四年度におきましては見返り勘定から融通を受ける。こういう建前に予算が編成されたわけでありまして、この見返り勘定の方からの融通というものが実はまだ実現されていないと申しますのは、貿易資金の方から見返り勘定の方に黒字が入つていないために、從つて見返り勘定から鉄道が融通を受ける予定の金額がまだ入らない。かような事情もありまして、現在われれれの入手し得る限りの資金を総動員いたしまして、極力未拂いの解消ということに努力しておるのでありますが、まつたく私どもの氣持が十分実現されない。資金の裏づけがなくて十二分に実現されていないという点はまことに遺憾でありまして、申し訳ないと思いますが、今後もできるだけ見返り勘定からの融資その他極力金繰りに努力いたしまして、一日も早く支拂い遅延の解消に努めたい、かように考えますので何分事情御了承願いたいと考えております
○庄司委員 運輸省のお方に念のためにお伺いしておきたいのでありますが、運輸省は港湾統計調査費用のもとに、湾岸関係の都道府縣に統制調査のために補助金を出しておりますが、宮城縣の場合三万二千八百円ですが、昭和二十三年度におけるかような三万二千八百円というような港湾、統計調査費の補助金額を年度を越えて昭和二十四年四月三十日に御交付なされているようでございます。これはひとり宮城縣だけの問題でなく、他の運輸省関係の港湾を持つているそうした統計調査をやつている都道府縣等にも関係のあることと思いますが、まことに金額はただいま申し上げたように三万二千八百円でございますから少額ではございますが、かような年度を越えなければ交付されないというような建前になつておりますかどうか、伺いたい。
○田中(健)政府委員 実は私鉄道特別会計の方を分担しておりまして、運輸省の一般会計の方は官房会計課長がやつておりますので、その方に連絡いたしまして後刻御返事申し上げます。
○千葉委員 田中事務官にお伺いしたいのですが、現在鉄道関係はどの程度の未拂いになつておりますか。そのうちで予算内のものと、予算外の二つにわけてお聞かせを願いたい。
○田中(健)政府委員 実は私のほか委員会できよう來ておりまして、この会議のことを実は聞いていなかつたものですから、数字を今持つておりませんので、まことに申し訳ありませんが、あとから詳しく申し上げたいと存じます。
○千葉委員 あとでお答えくださればけつこうですが、ついでに、今政府の二十三年度の受取るべき勘定が、いまだ未收入になつているということですが、これはどういう勘定でございますか。
○田中(健)政府委員 それはまず進駐軍の運賃でございます。これがまだ多少残つている。進駐軍の運賃は受取る手続きが相当やつかいでございまして、これは普通の運賃賃率で受取るのでなく、実際かかつた実費を收集いたしまして、そうして運送量と一緒に第八軍の方に書類を提出する。それを第八軍は自分の方の貸料と比較対照いたしまして、そしてよければオーケー、そのオーケーをもらうまで一々対照するもりですから相当手間どる、それが一つ。それから軍に第八軍だけが見るのでなしに、日本政府都内で大蔵省で一々チエツクする。そういつた手続が相当事めんどうなものですから、なかなか政府支拂額も確定は遅れますし、現金收入も遅れる、こういうことが一 あります。それからあと貨物運賃関係がやや遅れる、まあそのニつが大きなものであります。
○千葉委員 もう一つついでにお調べ願いたいのですが、先ほど建設公債の二百七十億のうちで鉄道関係百五十億、その見返り勘定の中で、向うあるいは安定本部を通じて、あるいは直接なり御交渉の結果、一時に來る金額がありますか、あるいは漸次見返り勘定の蓄積と同時に鉄道の方に交付になるのか。それからお見通しとしてはいつごろ来るかという点を……。
○田中(健)政府委員 鉄道の工事勘定の二十四年度の予算総額は百六十五億となつておりまして、そのうち見返り勘定から融通を受けるのは百五十億、あとの十五億は鉄道内部の資金でまかなうということになつております百五十億は一年間全体であり、しかも建設改良工事は漸次進展して來ますから、分割融通を受ける、こういうことになるわけでありまして、最初の話では、私どもその見返り勘定は、御承知のようにアメリカの七月から始まります一九五〇会計年度のアメリカからの援助物資を賣り拂うことによつて出る貿易資金の黒字、これが総額この前の三百三十円のときの計算では七千百五十億ということで、それを財源に見返り勘定に鉄道とか逓信とかに融通するほか、経済再建とか国債償還に充てるわけですが、私どもは今年の七月から始まるアメリカの一九五〇会計年度の援助物資を当てにしている代金であるから、四月、五月、六月はあぶないのではないかということで、実は打明けたところ大蔵省に聞いてみたわけです。そうしたらその点は心配ない。四月、五月、六月でも食糧その他が入つて來ているのだから、貿易資金に黒字が出るわけだから心配はない。こういう話で安心をしておつたのですが、実際はやはりわれわれの心配しておつたような現実で、まだ見返り勘定から鉄道の方への融通ということは実現されておらない。こういう現状なんです。それで私どもとしては、この二十四年度の工事勘定の仕事をやつて行く上において、資金の入りぐあいが、こちらの工事の必要に相応して入つて来ることが非常に実際問題だという点で、二十四年度は建設改良工事がやりずらいい、工事が完了しても金が拂えぬということはに、また民間に御迷惑をかけるということになつて、これは非常にやりづらいということで、実は心配しておるわけであります。現実はそういつた事情でおりますから、その点を御了承願います。
○千葉委員 非常にはつきりわかりましたが、そうしますと今の百六十億のうちで、百五十億が漸次入つて来るのは確実であるとすれば、鉄道自身のためにも、また民間の業者のためから考えても、そこに金融投資というものはできないものでございましようか。たとえば現在預金部に二百億ぐらい余つておるようですが、そういうものを一時借りて拂う、工事に必要な部分だけは民間に拂つてやるということはできないものでしようか。
○田中(健)政府委員 実はお話の御趣旨のようなことは、一部一般会計の方にお願いしてやつております。と申しますのは、国庫予備金からこれを一時借り入れる、そうして見返り勘定からの融通あるいはまた一般運輸收入がどんどん入るようになりますれば、そこから返して行くというようなことで、現在國庫予備金を多少借りております。そういうことでできるだけただいま促進しておるような次第であります。
○河田委員 進駐軍の運賃などにつきましては、前々から何箇月間も遅れるというような状態であつたのか、それともことに昨年度末から本年度にかけて遅れるようになつたのですか。大体どれくらい請求されまして、その運賃が確実に入るまでのおよその期間をお聞きしたい
○田中(健)政府委員 手続といたしましては、前月の運送実績を翌月の二十日までに收集いたしまして、それをまとめまして第八軍の方へ要求する、こういうことになつておりますが、何と言いましても、全國津々浦々の輸送でありますので、しかも運送数量だけでなしに、それにかかつた実費もまとめなければならぬ、こういう両面の相当な作業がありますので、なかなか二十日までというのが集まりにくいという内部の事務上の問題もあります。しかしそれはできるだけ急がせまして、遅くも翌月の月末くらいまでにはまとめておるわけでありますが、そのまとまつたものを第八軍に出しますと、第八軍の方で調べた輸送数量と一々チエツクする。それは貨車一車から調べるのであります。貨車一車がどこからどこまで動いた、こういう調べを一々チエツクするものですから、なかなか第八軍の事務も手数がかかるということであります。それからいよいよ第八軍でオーケーがありましても、先ほど言いますように大蔵省その他ありますので、実際現金をもらう段階までたどりつくのは二、三箇月は大体かかつております。
○庄司委員 こういう実例があります。東北本線の大河原というステーシヨンのプラツトホームに上屋工事をやらせまして、落札者は八万五千円で落札し、工事がりつぱに竣工して、検査の結果パスしたのですが、そういう代金が満八箇月経過しても未拂いで、ようやくこのごろ受取つたそうですが、八箇月間も要するというこの遅延の理由は那辺にあるか御承知でございましようか。そういうことを是正せんがためにお伺いするのであります。
○田中(健)政府委員 二十三年度は、実は年度全体の予算の編成と予算の実行上非常な特殊性があつたような次第であります。と申しますのは、御承知のように二十三年度におきましては、七月に物價改訂がありました。ところが予算編成は、物價改正前に物價改正を予想いたしまして、予算を組んだという事情であります。しかるにこの予算で見積もりました物價騰貴の予想は物によつて、よく見たもので七割、低く見ましたのは三割、四割しか予算では見ていなかつた。ところがいよいよ七月、八月、九月にかけまして物價改訂の作業が進むに應じまして、予算で見た騰貴率よりも実際の物價改訂は上まわつたという事実があつたこと、それに即應いたしまして、私どもとしては事業量はできるだけ工事その他圧縮を加えたのでありますが、なかなかその作業も困難であつたという事実が一つあります。 それから第二は、福井の震災を初めといたしまして、水害が数回起きております。この震災は、水害、風災でもつて鉄道の受けました損害は、應急復旧に要する経費だけで大体三十億くらい、こういうことになつております。少くともそういつた災害復旧に要する経費の増だけなりとも、前段で申し上げました物價改訂の差はともかくといたしまして、これだけにせめて追加予算を何とかお願いして処置したい。かように考えまして大蔵省とも折衡いたしまして、大蔵省の了承は大体得たのでありますが、遺憾ながら國全体の財政状況、また関係方面の意向その他がありまして、結局追加予算は二十三年度に関しましてはただ三千七百円べースから六千三百円ベースの切りかえに伴う追加予算しか計上しなかつた。今申しました震災、風水害による諸経費の増とか、あるいは物價改訂の上まわつたことによる経済の不足分に伴う追加予算、こういうものは全然計上しなかつたわけであります。しかし鉄道といたしましては震災あるいは風水害に伴う應急工事というものを全然捨てておくわけに行きませんので、既定予算のわくの中で、できるだけのことをやつたのでありますが、ただ追加予算があるかもしれないという一脈の期待が現場その他にありまして、本省や鉄道局でできるだけ押さえに押さえたのでありますが、契約としては予算の範囲内でしかやつておりませんが、事実上何といいますか、追加予算を見越して物品その他の事実上の手配をやつた傾きが多少あるわけであります。そういつたことが予算実行に相当重圧を加えておる。これはいなむべからざる現実だろうと思います。そういつたことが重なりまして、この予算実行上相当きゆうくつになりまして、金拂いにも相当困難を来したという事情があつたように見受けるのであります。そういつたことでお話のような七月も八月も遅れるというような現状が―その工事は予算のわく内いで正式の契約でやつたものと思いますが、ほかからの事実上の金繰りの困難ということの影響を受けたのではないか。これは今お話を聞いたばかりの單なる推側でありますが、そういうことだろうと思つております。
○高間委員 今政府委員の御説明によりますと、進駐軍方面に貸してある運賃の総額は所管外であるからわからぬということでありますが、その点にそれとしましても、鉄道省が運賃、請求する根本基準といいますか、形式がもちろんあると思うのでありまして、一箇年分を一度に請求するのではなくて、三箇月なり六箇月なり請求すべき基準がおありと思います。一方から入つて来ないから支拂いが遅延しておりたと言われるが、そこに何らかの基準をもつて請求をしておいたなら、たとい五箇月かかつて金がもらえようが、八箇月かかつてもらえようが、順々に請求しておくのでありますから、一期間だけ、つまり三箇月なりの間だけの運賃の未收入があると思うのであります。従つて運賃方面はもちろん小さい会社もおありでしようけれども、大部分は日本通運からとるものと私は考えておるのでありますが、こういうふうな方面の請求をなまけておるとは申し上げませんけれども、そういうことを早く請求しないから、結局收入の面が遅れておるのだ、こういうふうに私は考えるのですが、その点、鉄道省が持つておるところの明確な基準をひとつお示し願いたいと思います。
○田中(健)政府委員 ただいま貨物運賃の收入状態について御質問かあつたわけでありますが、貨物運賃につきましては眞荷主と直接に國鉄が契約をする場合と、今お話のありましたように日通が眞荷主にかわりまして國鉄と貨物運送契約を結ぶ場合と二通りあるわけでありまして、眞荷主と取引する場合におきましては、全部現金で即日運賃も收入しておるわけでありますが、日本通運その他運送会社が眞荷主にかわつて國鉄と契約する場合におきましては、日本通運といたしましても実に専賣物資とかその他各種の統制資材の輸送の元請契約を農林省あるいは大藏省の専門局、あるいは農林省、あるいは食糧公團、あるいは石炭配給公團とか、各種の統制團体と結んでおるわけでありまして、そういつた大量の元請に伴う日通への運賃收入というものが、やはり一月か一月半遅れるという事情がありますので、國鉄といたしましても日本通運からもらう運賃収入がどうしても一月余りは遅れる、即日入つて來ないという事情があるわけであります。それにつきましてはこちらといたしましては日通に絶えずやかましいことを言つておりまして、日通本社としましても各支社なり支店を督励して大いにやつておりますので、この方面は相当改善されては來ておりますが、しかしやはり一月余りはどうしても遅れるという事情になつております。それから進駐軍からもらう運賃の基準、これは先ほども言いますように、普通の運賃の倍率によつてやつておりませんで、実際かかつた実費で毎月もらつておるという事情がありますので、その月々で輸送数量も違いますし、実費も物價その他の変動があれば月々かわる。こういうことの手数が相当めんどうで、確たる基準というものが明確には出て來ないということで、どうしても月々の請求になる、こういう事情でありますから、その点ひとつ御了承願います。
○高間委員 私のお伺いしているのは、私は言葉が下手かもしれませんけれども、そういうのではなくして、進駐軍に請求するのは月々請求する日本通運は六十日なら六十日で請求するとすれば、残つておるものは、一回請求してその次のが残つておるとか、あるいはその次の月と二回分残つておるとかいうので、わずかな額しか残つておらないので、鉄道省が支拂うのに困るから拂わなかつたというほどの額は残つておらないと思うのです。同時に一方には六箇月も八箇月も今お聞きすれば拂われておらぬのがあるにかかわらず、一方は一月なり六十日くらいでもらえるものを、そのバランスがとれないということはないのであつて、鉄道省の赤字に二十何億あるそうですけれども、その赤字の以外に、請負業者やあるいは当然支拂うべき支拂代金を拂うくらいの金は、鉄道省になくして拂えないのでなく、鉄道省の方で、なまけおつて手続をくずくずして拂わないというのが、私は本筋ではないかと思うのです。その点をひとつもう一度……。請求するのは一箇月遅れて、その手続にあちこちをまわつておつて遅れるのが一箇月であつて、六十日ですから九十日、そうすると毎月請求しても九十日、ですから三回分が残れば、残つた額というものはわずかであるということがはつきりとわかると思うのですが、その点鉄道省はそういうふうな請求に対して、政府の金であるから漫然と請求しないでおいて、支拂う方も默つておるから拂わないというような、傾きが多いように見受けられるのですけれども、その点ひとつ明確に御答弁願いたい。
○田中(健)政府委員 この政府支拂いの遅延、得に國鉄の支拂い遅延という問題は、実は大分前から問題にされた問題でありますし、私どもといたしましても、事業運営上支拂いが遅れるようなことでは、國鉄を相手にしておられる民間の方に対しまして非常に御迷惑をかけて、今後の取引の円滑も阻害されるというような運営に支障を來すという面も多々ありますので、自衛上から言つてもできるだけ早く支拂わなければならぬ、こういう氣持でその方向に大きいに努力して來たつもりではありますが、國有鉄道としてつらい点は、現金を扱う箇所が全國津々浦々にあるわけです。駅の数だけ申し上げましても四千数百、こういう駅で零細な金を扱つておるわけでありまして、その收入いたしました金を集めるにも、一々実は列車を利用いたしまして、列車の中に現金を入れる金びつというものを備えまして、各駅から集めて收集する、こういうことであります。それから一方金を拂う場合には、本省とか本局で支拂う場合はまだいいのでありますが、いなかの駅あたりで金を支拂う場合は、やはり本局から金を送つてやらなければならぬ、こういう不便があるわけであります。ところが御承知のように列車が混みますので、こういつた現金を現送するということに相当な手数もかかりますし、経費も食うのみならず、現金の現送ということは盗難その他非常な危険がある。こういうことで毎日集めるということが非常に困難になつて来たわけであります。これは戦争中からでありますが、戦争中からその危険と困難が倍加いたしましたので、実は日本銀行の代理店のない所におきましては、普通の銀行なりあるいは郵便局に駅の收入を毎日預けまして、それが数日たまつてまとまつたところで運ぶ、こういうふうなことに一部して來ておるわけであります。そういうふうで金の集まりも遅くなつたという面も一面あります。それから全國津々浦々にそういつた事務機関を持ち、それから出納関係も全國にたくさん所在しておるわけであります。そういうところの手元金と言いますか、最低の手持ち現金というものがいるわけであります。あるいは輸送途上の現金のわくというものがいるわけであります。ところが鉄道といたしましては、予算上そういつた運輸資金を別途留保する措置が講ぜられておりませんので、その最低の手持ち現金あるいは輸送途上の現金の額に相当するだけは、しよつちゆう最低持つていなければならぬ。この額が実は物價騰貴その他あるいは給與の改善とか、そういつたことに伴いまして相当額になつて來ておる。こういう事情があります。そういつたところがやはり何と言いますか支拂い遅延の一つの原因をつくつておるという面もありますので、その点ひとつ御了承願いたいと思います。
○岡野委員長 ほかに御質問ございませんか。御質問なければその次に特別調達廰の経理局長のお話を伺います。加藤政府委員。
○加藤(八)政府委員 特別調達廰の支拂いの状況につきまして御説明申し上げます。その前に特別調達廰の支拂いの手続が、日本の一般官僚の支拂いと非常に違つた点がございますので、その点をひとつお含みいただけないと、これから申し上げることがわかりにくいと存じますので、どんな点が日本の一般の官廰の支拂いと違つておるかという点を二、三申し上げたいと存じます。 まず一番違つております点は、仕事が済みまして、あるいは品物を納めまして、金をもらうには必ず進駐軍側の受領官と申しますか、レシービイング・オフイサーと申しておりますが、いわゆるレシートと申しますか、調達受領書をもらいませんと一切金を拂つてはいかぬということに、スキヤツピンが出ておりまして、この点がまず第一番に非常に困難なことであります。一般の契約者の方々は、これをなるべく早くとるように努力をされておるようでございますが、そのレシートには大工が何時間働いたとか、左官が何時間働いたとか、あるいは使いました資材はこれこれを幾ら使つたというふうに全部詳しく書いたものが出るのでありまして、これをもらいますることが相当時間がかかります。大きな工事あるいに大きな作業なんかになりますと、2箇月も三箇月もかかるようなものもございます。軍の方でも、最近これが支拂い遅延の大きな原因であるということを認識されまして、最近各レシーヴイング・オフイサーに早く出すようにということを督励されておりますので、逐次よくなるとは存じますけれども、これが一つの大きな手数でございます。 それから第二の点は、いよいよレシートをもらいますと、業者の方々がそれによりまして支拂いの請求をいたします。この請求書のつくり方でございますが、これは御承知のように法律第百七十一号がございまして、公定價格のないものは全部公定價格のあるところまで分析して價格を出すというような非常に困難な仕事でございます。それに要しました資材、労務、並びに諸費というようなものを三つにわけまして、それぞれ分解をしなければならぬのでございまして、これはあながち進駐軍の仕事に関する問題だけでなく、一般の政府支拂いの問題でありますけれども、得別調達廰の支拂いには特にこれに抵触するものが多いのであります。と申しまするのは、軍に納める品物は日本向けの一般の規格と違つておて公定價格をそのまま適用できるものが少いのでありまして、そのたびごとに例外價格の許可申請をするとか、あるいはそういう手続をしなければ、一つのものをさらに分解して公定價格のあるところまで細分して行くというような仕事がございまして、これには相当手続がかかりますし、またこれができまして請求する場合には、釘一本、ガラス一枚まで、全部使つた数と、單價とをかけた表を出すことになりますので、大きな工事になりますと、一件書類が五寸にも一尺にもなるというものさえあります。これが一つの支拂い遅延の大きな原因になつておる次第であります。 その次には、その請求書をもらいますと、いよいよ官廰側の方で支拂の手続をいたすわけでございますが、現地におけるその請求書の査定、あるいは特別調達廰の査定、さらにこれが大蔵省まで行かないと金がもらえないのでございます。これは終戦処理費の所管大臣が大蔵大臣になつております関係上、従来でございますと、仕事が済んで、もうすつかり金をもらう段階になりましてから初めて予算を大蔵省に要求しなければならないようなことになつておつたのであります。これでは非常に困るというので、大蔵省とも交渉いたしまして、本年の一月から一括配賦を受けまして、その中から拂つて行くというふうにいたしておるのでございますが、今でもなお一番最後に支拂う場合には、やはり一件書類をつけまして大蔵省に参りまして、予算の令達を受けます。その令達を受けて金から拂うというようなことになりまして、遅れて参るのでございます。そのほかいろいろ進駐軍関係の支拂いには、ペイメント・データーと申しまして、英文で書きました、使つた内容の明細を業者の方々が出さなければ金を拂つていかぬとか、いろいろ手続がございますが、大体大きく申しまして以上のような段階になるのでございます。ちようど昨年の十月末に調査いたしましたものがございますから、その統計を申しますと、この統計はちようど一口百万円以上で、もうその仕事が済んでおるにもかかわらず金を拂われていないというものを、全國にわたりまして調べたものでございます。これは特別調達廰だけでなしに、その当時まだ特別調達廰が現在やつております仕事のうち府縣のやつておつたものもございます。その他いろいろほかでもやつておりましたが、それを全部とりまとめた数字でございます。仕事がすでに完了しておりますけれども、進駐軍側のレシートがもらえないというものが、金額にしまして、比率で申しますと二九パーセントございます。それからレシートはもらいましたけれども、さつき申しましたような法律百七十一号関係の書類をつくるというような関係で、業者の方々において非常に手数がかかるものですから、レシートをもらつたけれども、請求書を出しておらないというものが三九パーセントございます。それから官廰側で査定しておるとか、あるいは大蔵大臣の手続中というような、いわゆる官側の支拂い遅延の原因でございますが、これがちようど三〇パーセントになるのであります。この結果をみますと結局支拂い遅延の原因は三方面にあつて、その一つは、連合軍側のレシートの発行が遅れれておるというのが一つの原因であり、それが二九パーセント、それから業者の方々が請求書を出すのに手間どつておるのが三九パーセント、それから支拂い官廰側がいろいろ手間どつておるというのが三〇パーセントというような数字になつておつたのでございます。おそらくこの原因が大体現在においてもそんな情勢で流れて来ておるのではないかと存ずるのでございますが、御参考までに、ちよつと古い統計でございますが、申し上げておく次第でございます。
○岡野委員長 ほかに御質問はございませんか。
○逢澤委員 今特別調達廰のお方のお話では、この調査によると、一番最大の原因をなしておるものは、法律百七十一号に基因したもの、三九パーセントはそれだ。それでこの議会ではなかつたのですが、法律百七十一号に対しては、入札によつてこれをやつたものは、入札それ自体が價格のマル公と是認するということに一應の解釈がなる。これは各方面から競争入札によつてやつたものだから、一般マル公價格というものがそこに成立つという理論になつて來ると思います。そういうような解釈になると、そういうようなものが解消されるような見通しがあるかないかということをひとつお尋ねしておきたい。またそれに対するどういうよな対策をお考えになつておるかということをお聞かせ願います。
○加藤(八)政府委員 私その点まで説明を申し上げておくべきであつたのを忘れまして、はなはだ恐縮でございますが、この國会において法特百七十一号の改正案が可決されまして、結局会計法に從いまして、予算價格を立てて競争入札をいたしたものに、その内訳書をつくる必要はない。こうなりましたので、この点は今後の支拂いでは非常な便益となりまして、おそらくこれによつて半数以上の支拂いが促進されると私は確信いたします。ただあの法律の附則に、從前の契約の分につきましてはなお従来前の規定による、こうありますので、これは今後の契約の分から始めてそういう簡便になりますけれども、すでに契約をしてやつております。ことに競争入札でなかつたような場合ですと、その点は適用になりませんので、あの法律の施行の結果ただちにその分がよくなると思いません。
○逢澤委員 もう一つお尋ねしたいのですが、特別調達廰は契約に対して前渡金を支拂つておりますか。現今では前渡金は支拂つていないのですか。
○加藤(八)政府委員 ただいまのお話の点は、われわれも、連合軍関係の遅延によりますような場合は何ともいたし方ない点もありますので、なるべく業者の方に前渡金でも差上げまして、金を繁いで行くようにしたい、こう考えまして、ちようど会計法の臨時特例に、連合軍関係のものにつきましては前渡金がやれることになつております。ただその場合の率でございますが、これはスキヤピンの一八七二という最高司令官の指令が出ておりまして、その場合に三〇パーセントをこえてはならない。日本の会計法だともつと出せるのです。しかし会計法の方の指令によりまして、工事であつたら、工事の見積金額は三〇パーセント以内、あるいは毎月々々繰返すような仕事でありますと、その一月分の三〇パーセント以内、こういうようなことに相なりまして、それ以上は出せないのであります。しかしなるべくこれを出しまして、幾分でも業者の方の便宜をはかるということと、それから向うのレシートがとれましたならば、それによる詳しい積算書をつけなくとも、概算拂いといたしまして、できた金額に対する八〇パーセントまでを差上げる、そしてあとで残り二〇パーセントは精算が済んだときに上げるというようにいたしまして、概算拂いの方を極力やつております。これも大蔵省は従来は六〇パーセントしかやつていかぬということでありましたが、それでは困るというので、本年の初めかかこれを八〇パーセントに引上げてもらいましたので、現在では、まず仕事ができて、レシートをもらいますと、八〇パーセントの概算拂いをいたしております。
○千葉委員 この未拂いの先ほどの御説明から言いますと、昨日から十月調査したということでありますが、ごく最近のものはありませんか。
○加藤(八)政府委員 私の方は本廰ほかに支局が入つてございますが、支局関係の数字がまだ全部集まつておりませんので、一部類推になりますが、本廰だけははつきりしておりますから、申し上げます。本廰の契約いたしました額は、これは何と申しますか、断面図でございまして、現在未拂いになつておるものの契約件数を全部調べたのでございますが、二十三年度中に契約しても、拂われてしまつたものは入つておらぬ点を御承知いただきたいと思います。年度末で、件数にいたしますと、七千二十八件でございまして、契約金が百七十億八千五百万円でございます。二十三年度中に四月末日まで拂つたのですが、予算のある限り拂いまして、それに対して百五億千四百万円を拂つた次第であります。残りは結局六十五億七千百万円となるのでございますが、これは契約に対する未拂い金でございまして、この六十五億という金額が全部仕事が履行されておるかどうかという点になりますと、これはまだ履行されていないものも含まれておるのでございます。結局ほんとうの支拂い遅延は、現実に給付が履行されてから初めて向うに請求権が出ますので、それに対して支拂われないのがいわゆる支拂い遅延だと思います。ただいま申しました、この六十五億というのは契約に対して今まで拂つた金額の残りということになつております、しかしこれに対しまして、請求書が幾ら出ておるかと申しますと、ちようどこの年度末の整理の末日に計算いたしますと、金額にいたしまして、四億ちよつとでございます。これは年度末に非常にたくさん拂いましたので、特に減つたのだろうと思いますが、そのとき現在は四億であります。しかも今日までどうなつておるかと申しますると、二十四年度の予算の令達が非常に遅れまして、大蔵省からいただきましたのは、つい先月の二十九日でございますが、その日現在で計算いたしますると、請求件数で約八百十五件ほどでございまして、金額にいたしますと、七億余というような次第であります。
○千葉委員 今のこの未拂いの中で昭和二十二年度のものがございますか。
○加藤(八)政府委員 昭和二十二年度のものが若干ございます。これは事情を見ますと、P・Dが出ないのに、その当時現地部隊が、かつてと申しますと語弊があるかもしれませんが、復員その他に関して日本側に相当やらしたものがございます。この支拂いなんかになりますと、先ほど申しましたスキヤツピンの一八七二号というものでは拂えなくなつて來まして、特に司令部に報告をしてからでないと拂えないというようなことになつておつた関係上、そんなひつかかりで拂つてないものが、若干ございます。あと法律六〇号の檢査で精算が一部はつきりしないという関係で、未拂いになつておるものもございます。
○千葉委員 今のP・Dの関係じやなくてレシートの関係が、やはり多いようですが、あのレシートの制度がかわつたときに、八軍團と、あるいは一軍團、二軍團と各軍政府の間の連絡がなくて、形式を間違えたりするようなものに対しては、支拂いをいまだにしてないというような事例もあるやに聞いておりますが、これは日本人にとつて非常に酷でありまして、あのむずかしいレシートを一々書くということは、よほど時間を経過しないとなれませんから、特別な措置を講じていただかないと、業者は泣く一方でありますが、あの当時のものはもうすでに皆済でございましようか。
○加藤(八)政府委員 御説のようにほんとうにあれはなれない業者にとつては困難な仕事でございまして、そのために非常に御迷惑をおかけしておる次第でありますが、軍の方でもレシートの遅いものは全部監督者が行つて、各部隊ことに督励をいたしました。ちようど昨年の暮ごろから今年にかけてずいぶんやられましたので、本廰並びに支局ともその点については非常に早くなりました。ただ全國的にやつておる仕事がございますが、こういう仕事になりますと、レシーヴイング・オフイサーが東京に一人おりまして、しかもその仕事が全國にまたがるということになりますので、全國の資料が集まつて参りませんと、東京のレシーヴイング・オフイサーがやれないので、その関係のものが非常に遅れておりまして、この点は始終われわれとしても八軍の方にやつてくれるようにお願いしておりますが、向うとしても、責任者がほんとうに内容を確かめて、これだけのものを受取つた、あるいはこれだけの仕事をやらしたという確認をしてやらないうちはサインをしてくれませんから、延びるのがあるようであります。
○岡野委員長 ほかに御質問ございませんか。――それでは特別調達廰関係のお話はこれで打切りまして、次に貿易廰次長の新川茂君のお話を伺います。
○新井(茂)政府委員 貿易関係の支拂いの延滯いたしおりますのは、先般別の委員会で御説明申し上げましたのは、たしか四月八日現在で六十四億六百万円ばかりであります。この支拂いが遅れておりました原因は、御承知の通り、この中の大部分は輸出品の政府の買上げ代金に今般の議会におきまして立て方が少しかわりましたが、これまでのやり方は貿易資金特別会計と申す特別会計がございまして、その特別会計は大体輸入品の國内への支拂い代金が收入になりまして、それでもつて輸出品の代金は支拂う。かような立て方になつております。そのほかに二百五十億の借入れが認められておりまして、これによりまして輸出物資の買上げ代金をまかなつておる。かような立て方に相なつておるのであります。ところがその輸入代金が、品物を賣りましてもなかなかすぐに入つて参らないというふうなことで、非常に貿易資金特別会計の手もとが苦しくなつて参りまして、借入れ限度は――もちろん全部借入れをいたしましたけれども、なお金がないために支拂いをすることができない。かような状況になつております。それが今度の議会におきまして、貿易資金特別会計は立て方がすつかりかわりまして、從來の輸入品の賣拂い代金の中でアメリカの援助資金によりまするものはこれをすべて他の得別会計に拂い込みまして、貿易関係といたしましては、一般会計より繰入れ並びにそのほかの一時借入金によつてこれをまかなつて参るということになります。そのために一般の会計からの繰入金を百億、一時借入金を百億、それで大体延滯しておりました六十四億は――その当時のものは支拂いを了しておるはずでございます。もつともはずと申しましたのは、実はこれは貿易廰が直接に支拂いをいたすものではございませんで、御承知の通りに政府貿易におきましては貿易公團というものがございまして、その公團においてこれらの操作をいたしております。その関係で貿易公團が品物を買上げますときに、貿易廰の方からこの買入れに要するところの資金の貸付けをいたしまして、この貸付金で公團が支拂いをいたすというふうなやり方に相なつております。それでこの法律が通りましてから、貸し出しましたものは約百億余りになりますので、大体この六十四億の未拂金はそれによつて支拂いを了しておる、かように存じております。
○岡野委員長 何か御質問はございませんか。――御質問もないようでありますから、貿易廰関係はこれで打切ります。また時期を見まして、ほかの官廰の支拂い状況を伺うことにいたします。 この際お諮りいたしますが、本委員会としては、先に閉会中審査に関しまして協議決定し、議長にその旨申し出たのでありますが、それが議院において議決され、閉会中も継続して審査し得ることになりますれば、本委員会として委員を全国に派遣いたしまして、政府支拂い遅延の現状について実地に調査することに、今後の委員長の審査に適当と考えられますので、派遣の目的、派遣委員の氏名、派遣の時期、派遣地名及びその他の手続等につきましては、委員長に一任願うことにして、委員を派遣するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡野委員長 それでは御異議なしと認め、さよう決します。ちよつと速記をやめて……。 〔速記中止〕
○岡野委員長 それで速記を始めてください。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十一分散会