水産委員会 第3号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1949/03/30
会議録
○石原委員長 これより会議を開きます。 まず農林大臣に対する質疑をお願いいたします。鈴木君。
○鈴木(善)委員 森農林大臣に対しまして、水産政策上きわめて緊要な問題につきまして、数点お尋ねしたいと思うのであります。 まず第一点は、漁業法の一部を改正する法律案を、政府は本國会に御提案になる御用意があるかどうかという点であります。第四國会におきまして、漁民の多年の、要望でありますところの協同組合法の成立を見たのでありますけれども、その基本法であるところの漁業法の一部改正法律案が、いまだ御提案になつておりませんために、協同組合の設立促進につきましても、また漁村の今後の諸般の再建復興の対策につきましても、非常に低迷困惑いたしておるような現況であります。すみやかに漁業の憲法とも称すべきところの漁業法の改正法律案を本國会に御提案なられることを期待するものでありますが、これに対する政府の御所見を伺いたいと思うのであります。
○森國務大臣 申し遅れたのでありますが、このたび、はからずも農林行政をやらしていただくことになりまして、この水産行政に対しましても、責任のある位地に置いていただいたわけでありますが、御承知のごとくまことに非才なものであり、水産の知識はまことに乏しいのであります。どうか水産委員の諸君の御指導によりまして、この重大時局における水産行政を完全になし途げて行きたい、かように考える次第であります。至らぬ者でありますが、どうぞ格別の御指導をお願いいたしたいのであります。ことに行政面にはまつたくのしろうとでありまして、この点につきましても、ひとえに皆様の御指導と御鞭撻を切にお願いする次第であります。 今御質問の漁業法改正法律案を出すのか出さないのかというお尋ねでありましたが、これは本國会にぜひとも出したい。こういう考えをもちまして、目下成案を急いでおるのであります。一應の案の内容につきましては、非公式に皆様の御意見等も伺つたのでありますが、なお細部にわたつて今なお結論を得ない点があるのでありますが、すみやかに成案を急ぎまして、ぜひとも本國会に提案いたしたい準備を進めておるわけであります。
○鈴木(善)委員 次に水産物の統制の問題であります。新聞等の報道によりますと、生鮮食料品のうち、野菜につきましては、四月一日から統制を撤廃するという政府の御発表があつたようでありますが、水産物の統制につきましては、いかなる対策をお持ちになつておられるか、民自党の公約といたしましても、生鮮食料品、水産物の統制につきまして、現在のような統制方式ではとうてい水産物の増産確保並びに配給面におきましても、消費者に十分なる満足を與えるような運営ができないということは、國民的な、要望であります。この点につきまして、野菜にとられたような方策を水産物につきましても、政府はおとりになる御決意をもつておられるかどうか、この点をお伺いしたい。
○森國務大臣 蔬菜につきましては、御承知の進り四月一日から全面的に統制を撤廃いたしたのであります。水産物におきましても、御承知の通りその資材を連合國から仰いでおる関係等もありまして、今ただちに全面の統制を撤廃するということのでき得ない事情に置かれておるのであります。しかしながら現在のものをこのまま統制を継続するかということについては、大いに檢討を加えなければならぬ、問題がありまして、すでに市中の販賣店におきましても、配給拒否という意味において相当の魚が自由販賣の形になつておることもわれわれ認めておるわけであります。從つて今日の統制様式を変更いたしまして、いま少し現実に即した統制方式に改めていきたい、かようなことを考えて目下研究を続けておるわけであります。全面的に統制を撤廃するということは許されない事情もありますので、この統制方式を変更するという形によつてこれをしたい、かように考えております。
○鈴木(善)委員 ただいまの水産物の統制の改善につきまして、なお御希望を申し上げまして、すみやかなる政府の対策をお願いしたいと思うのであります。それはただいま大臣もお話になりましたように、現在漁業者が出荷いたしましたものを、配給拒否をするとか、あるいは價格がマル公を割るとか、さらに末端の配給面におきましては、ほとんど均分配給が行われていない。國内的にこれを見まするならば、統制のよつて立つ根拠はすでにないとわれわれは考えておるのであります。しかも近い機会に為替レートが設定されて、漁業用資材等の相当の値上りが予想されます場合に、今日の國民の購買力とにらみ合せて、物價の値上げということが困難を予想される段階におきましては、どうしても生産、消費の需給の円滑化によつて漁業の維持発展を期待するほかはないのであります。この見地からいたしまして、問題は國際的な面に理由の多くがあるのでありまするから、政府におかれましては十分この実態を把握していただきまして、現在行われておりますところの官僚統制を、抜本的に改善されるの措置をすみやかにおとりになることをお願いしたいと思うのであります。 次に現在全水産業者が最も悩み苦しんでおります問題は金融の問題であります。今日までの水産金融が、多く復興金融の面に依存しておつたことは御承知の通りでありますが、今回の予算の編成におきまして、今後この復金融資に漁業の設備資金を仰ぐことはほとんど期待できないという段階に立ち至つたようでありますが、しからば今後の水産金融をいかにするか、今日のままにこの金融難を放置いたしますならば、わが國の水産業は今二十四年度をもつて壊滅の重大な段階に立ち至るであろうことをわれわれは深く憂慮いたしておるものであります。この復金融資が実施できない段階に立ち至りました場合には、これにかわる水産金融の対策いかん、これはきわめて重大な問題でありますので、大臣の御抱負を伺いたいと思うのであります。
○森國務大臣 復興金融金庫の機能が本年度において相当窮屈になるように考えられるのであります。從つて農林、水産漁業に対する金融はどこに求めるかという問題でありますが、昨年の九月より本年の三月まで農林水産業の復興金融の機関として、中金の貸付によりまして相当のわくを確保いたしたのであります。三月までで約二十一億円ぐらいの程度であつたのでありますが、御承知の通り農林、水産業の資金は相当長期の金融を必要といたすのでありまして、この三月末で一應打切られるようなことになつてはたいへんなことになります。現在この復興金融を要求しておるものは、地方において貸付が妥当であると認めたものもすでに十億円以上にも上つておるような情勢でありますので、ぜひ政府といたしましては、この三月以後継続いたしまして、この方面の中央金庫の経営によりまして、農林水産の復興金融をはかつて行きたい。かように考えて相当の額を要求いたしておるのでありまするが、皆さんの御期待に十分沿うかどうかと存じまするが、この面において金融の道を開いて行きたい、かように考えておるのであります。
○鈴木(善)委員 水産金融の問題につきまして、なお具体的に二、三お尋ねしたいと思うのであります。それは先般政府が実施されましたところの漁業の手形制度による金融面であります。これは現在巻網漁業に対しまして二億四千八百万円の融資が行われておるわけでありますが、これはただに巻網漁業だけに適用さるべきものでなくて、機舟底引あるいはかつお、まぐろ漁業あるいは定置漁業、それらの漁業に対しましてはもとより、漁業全般に対してこの漁業手形制度を確大実施されることが適当と思うのでありますが、この漁業手形制度を巻網漁業に限らず、全般の漁業に対して拡大実施される御用意があるかどうか、その点をまずお伺いしたいと思うのであります。
○森國務大臣 御承知の通り手形金融は特殊漁業に限つておるわけでありまするが、今日までの成績を見ますると、当初予期しておつたような相当な効果をあげておるように考えられるのでありまするから、将來におきましては他の漁業の面に対しましても、これをできるだけ普及いたすように関係方面と折衝いたしたい、かように考えておるわけであります。
○鈴木(善)委員 もう一つ最も重要な金融対策といたしまして從來割合に冷遇されておりましたところの零細漁民に対する金融問題であります。これはもとより個々の漁業者に対して融資をするということはきわめて困難な事情にありまするから、協同組合を通じてこれが金融は確保さるべきであると考えるのであります。第四國会におきまして、私どもが水産業協同組合法案を審議いたしました際に、漁民の多年の要望である自主的な漁民の團体はできても、これに対する資金、資材等の裏打ちがなければ、協同組合の真の目的を達成することができない。こういうことを大きな條件として政府に御要求いたしたのでありますが、今日沿岸漁業におきまして、最も困つておる問題は金融の問題であります。從いまして今後政府は漁業團体に対して融資を円滑にいたしますために、特別な措置を講ぜられる御用意があるかどうか。また農林漁業復興金庫のような特別な沿岸漁業に対する融資の機構を整備される御意向があるかどうか。この点をお伺いしたい。
○森國務大臣 特殊の金庫をつくることは、一應考えたのでありまするが、いろいろの事情で特殊金庫を特別につくることは許されないような財政状態であるのであります。今御質問の零細漁業者に対する金融でありますが、これはもちろん個人相手に金融をつける道は不可能でありますので、やはり漁業協同組合という團体を目当にいたしまして、適当な措置を講じて行きたい、かように考えております。
○鈴木(善)委員 最後に為替レートの設定を見ました場合に、漁業用資材の輸入にあたつて、相当値上りを來たすことが予想されますが、政府は補給金として約一千億円の予算を組んでおられるようでありますが、この漁業資材の輸入について、これが補給金の確保の見通しについてお伺いしておきたいと思うのであります。
○石原委員長 皆さんに申し上げます。今政府委員の大藏省の銀行局長が出席しておられますから……。
○森國務大臣 為替レートの決定でありますが、どういう程度に決定せられるか、いずれにいたしましても水産漁業の資材面において値上りを生ずるようなことが予期されるのであります。その場合において、今計画しておりまする補給金をどの程度に出すかということは、品物を考えて補給金というものが考えられるのでありまするから、ただ漁業全体に対して補給するということは考えられないのであります。この資材の値上りに対しましては、魚價等の問題に檢討を加えて、できるだけ水産企業の成り立つような方法をとつて行きたい。かように考えておるわけであります。
○鈴木(善)委員 漁業用資材の輸入の大体の見通しは、大臣も御承知の通り二十四年度におきましては、重油三十万トン、漁業用の絹糸、綿漁網用の綿花が六万梱、マニラロープ等が三千万ポンド近いものを予想されるのでありますが、これに対する為替レートの額が三百三十円ないし三百五十円に設定されるといたしますならば、相当額の補給金がなければわが國の漁業はこの面から非常な重圧をこうむるわけであります。これは非常に重大な問題でありまして、私どもといたしましてはこの補給金を漁業用資材の面に十分確保されて、漁業の安定維持のために万全の措置を講じていただきたいということを特に希望いたしまして、私の質疑を打切りたいと思います。
○夏堀委員 漁業金融の面について、鈴木君からいろいろ質問がありましたので、私の言わんとするところは盡されたような感じもいたしますが、二三伺いたいと思います。日本の漁業形態のあり方と、沿岸漁業の今後の発展をどうするかということは非常に大きな問題であります。日本の漁業は捕鯨事業のごときは科学の力と資本の力によつて非常に大きく発達して來たのであります。これはまことにけつこうなことと存じます。しかし一方沿岸漁業の方は、ほんとうの零細漁民が原始的な漁業をやつておる。そういうような大小の漁業協同組合及び漁業権の面に、現在目的として現われておる漁業の民主化及び生産増強の面とにらみ合せて、農業協同組合のあり方と比べて、一体どうしたものか、実にふしぎにたえないのであります。農業協同組合の農地改革等においてのあり方は、大地主の犠牲において法律化されて、それで働く農民の手に耕地が與えられた。けれども漁業の面は大きな資本と科学の力によつて、沿岸漁業が圧迫されるような形態になつておるのだが、これでは零細漁民を保護しようとした法律が行われるかどうかということであります。一例を申し上げますと、某々会社が数十億円の多額な漁獲を示して、莫大な利益を上げることはできるであろう。しかもこれは國家の力によつて、たとえば資材資金の相当大きなパーセンテージを漁業財閥に與えておるのであります。しかし一方は金融難に悩んで、日女の生活すらできないの、だ。同じ漁業者においてこういう大きな懸隔があるならば、これをどう調整するかということからも、今後の日本の水産のあり方を相当研究しなければならぬと思うのであります。私個人の意見といたしましては、國際漁業のようなものは、國家が十分な力を貸して、十分な利益を上げるのはけつこうだと思う。しかしそうした面は一線を画して、いわゆる國際漁業として、大いに発達するように努力すべきじやないだろうか。しかしその力によつて、たとえば機船底引のように、沿岸漁業をこれから保護せんければならぬという立場であるにもかかわらず、こうした面にまで侵入するということ、何かしら組合までも無視、してやるというような行動は、まことに目に余るものがあると私は存じております。漁業の民主化、漁村の振興、こうしたことが大きく漁業財閥的な力によつて阻害されておることは、漁業協同組合及び漁業権の目的とする漁業の民主化とあわせて、決して民主化ではなく、非民主化という線に陥るおそれは多分にあると私は思うのであります。そうした観点から、ただいま金融難ということはいかんともすることができないのでありますが、こうした場合にすべてが九原則によつて自立経済の建前でありますから、私ども漁業に対する金融面においても、自立し得る金融面にまで発展しなければならぬではないかと考えられるのであります。ただいま金融面に対する御答弁もありましたが、私はなおこの根本策として一時的な金融、これはけつこうなことでありますけれども、これは臨時金融措置ですからこうした面において根本的にこの自立経済の線に沿うべく、金融面を漁業者の手によつて自立し得る態勢にもつて行かなければならぬじやないだろうか。これは中小企業にもありますけれども、いわゆる信用保証制度もありましようし、あるいは今度の漁業権の問題はどうなるかわかりませんけれども、免許料の相当額の徴収ということもありましようし、そういう面を強く取上げて行く。特に私が申し上げたいのは、ただいま申したような大漁業に対するあり方が、できるだけ沿岸漁業民をあまり妨害しないという意味と、もう一つはその力によつて沿岸漁業が立ち行くようにという構想で金融面を展開することはどうだろうか。それはどういう方法でやればよいだろうかといえば、一つの漁獲高に対して、その比率によつて何パーセントかの積立てをするわけであります。これによつて大漁業者は相当な額の積立てができることもありましよう。沿岸漁業者は漁獲が少いから大したことはありませんけれども、そうした積立金を基金として信用保証制度――これは漁業権という字句は当らないかもしれませんけれども、そういう保証制度として、特に今中小工業のやつておるような信用保証制度でもよろしいのですが、これはあとで何かの方法によつて研究して適当な形態を見出したいと思う。そういう方法によつて大漁業者の力によつて沿岸小漁業者が救われるような体制をとることが、こうした段階においては最も必要なことと存じます。ただ大きい力が無限にその力を伸ばして、零細漁業に圧迫を加えるようなあり方では、今後の日本の漁業の民主化を平等に持つて行くことは絶対にできないと思いますので、こうした点に対して農林大臣はどんなお考えを持つておりましようか、伺いたいのであります。
○森國務大臣 夏堀委員のお話によるように、資本漁業が零細漁業を圧迫するというようなことは、今日民主主義として許されないのであります。資本漁業は資本漁業の立場があり、それが沿岸漁業を脅かすというようなことがもしありといたしますならば、これは十分是正をする方針を立てて行かなければならぬと思うのであります。金融の問題につきまして、零細漁業者が自己の信用を高め、漁獲高を考えて金庫をつくるという御創意のようでありますが、これは政府においてもその面において考えておるのであります。農林漁業金庫あるいは中小企業者の金庫あるいは住宅金庫、あるいは教育金庫というようなものの構想を練つたのであります。それを今ただちに実現することに至つておりませんが、お話のような零細漁業者が自分の努力を基準とし信用を高める上において金庫を設立するということは、最も妥当なことであると考えるのであります。そういう方面の金融問題については、目下水産廳においても成案をいたしておるようなわけでありますから、御期待に沿い得ることも必ずしも絶望ではないと考えるわけであります。もしも先ほど申しました資本漁業が沿岸漁業を圧迫するような事実がありますならば、これはあくまで是正する方策を立てなければならぬと考えております。
○夏堀委員 ただいまの、大きな力を持つた漁業者が沿岸漁業を圧迫するということは、これは例がいくらもありますので、適当な機会に具体的に申し上げてもよろしいのでありますが、これに対しては政府は責任をもつて是正願いたいと思います。 それから今の金融関係であります。政府もお考えになつておりましようし御研究にもなつておりましよう。しかし当常任委員会においても、事重大な問題でありますので、小委員会を設置してこれに対して十分研究調査したいと思いますから、委員長におかれてはよろしくお取上げを願います。 なお水産省設置問題は、九十議会からの大きな問題になつております。これは水産廳として出発した形になつておりますが、最近巷間伝うるところによりますと何かこの廳も局の方へ格下げするのではないかといううわさもぽつぽつ聞くのでありますが、私どもは日本水産は講和條約の成立によつて非常に大きく発展するだろう。そのために今からその準備を進めておく必要があるのじやないかとも考えておりますので、水産省まで持つて行きたい、こう考えておるのでありますが、こういうことに対して農林大臣はいかなるお考えを持つておりまするか、それを伺いたい。
○森國務大臣 水産廳が農林省の内局になるというようなデマが一時飛んだようでありますが、絶対さようなことはありません。今後組織法の上におきましても、また今回の行政機構の整備におきましても、決して現状を破壊するようなことはないことを言明いたす次第であります。つきましては水産省の問題でありますが、これはかつて來叫ばれた問題であります。日本の水産業の重大性から考えて、農林省の一外局よりもさらに進展されて水産省をつくるべしという御希望なり、御意見は、過去において今日まで継続して叫ばれておることであります。しかし外局として水産廳としてほとんど独立したごとき形式をとつて行きます上におきましては、その内容の拡充によりまして、單純なる水産省として立ち行くことも、現在の水産廳としてその内容を拡充して行くことによつて同じ結果を得るのではないか、かように考えておるのであります。また内閣の組織の上におきましても、水産省を近き将來に実現するということは、この場合まだ申し上げる機会に至つておらないことを御承知願いたいと存じます。
○夏堀委員 もう一ぺんお伺いしたいのです。これはこの前の委員会でも質問しておきましたが、さんま漁の漁期の撤廃の問題であります。これは九月二十日まで禁漁になつておる。これは法律で定めておるのでありますが、しかしこの漁の現状は、どうであるか、北海道は六月からこの漁があるのであります。しかもこの漁法はほんの原始的な、むしろに何か穴をあけて、ぽんぽんはねるものをとるとか、あるいは防波堤の突端にちよつと電気を当てて、たもでそれをすくつて相当の漁獲を上げたということも聞いております。そうしたような大きな資源がある場合に、この漁獲を禁じて一体何の効果があるか、私はふしぎにたえないのであります。九月二十日までの禁漁というものはどういうところから始まつたのか、これは福島、茨城方面のさんまは沿岸に集まつて來る。これをとらないで置いて東京の初さんまの價格をねらうという自由主義経済の頭からではなかつたか。しかし今はその反対に生産第一主義であり、統制の時代でありますからして、その当時の考え方とはちようど反対になつておりますから、こうしたあり余る漁業資源に対しては、むしろ漁期を撤廃して、北海道、東北に対して、もつと早くさんまをとらして、食膳に供することが当然だろうと思います。反対の理由もあるかもしれませんが、しかしそれはごく小さい問題であつて、一部地方の小さな利害関係であると思うのであります。たとえばもしこれを制限し、あるいは撤廃に反対するということであれば、いわし、かつおのような回遊魚に対しては何の制限もない。たださんまに対してのみである。あり余る資源をそのままにして置くということはもつたいない気もいたします。私はこのさんまの漁期の撤廃を主張しておるのであります。これに対する当局の御意見を伺いたいと思います。
○飯山政府委員 夏堀さんのさんまの禁漁期に関してお答えいたします。ただいまさんまは北海道において六月に魚獲される、こういうお話であります。從來さんまに関しましては、北海道から大体南下するというような説になつております。なおさんまの漁業の発達は、先ほど申されました常磐地方が大体主産地になつておつた関係上、常磐地方の業者の要望によつてと、もう一つは繁殖保護の見地から禁漁期が設けられた、かように考えておるのでありますが、夏堀委員のお話で北海道のさんまと常磐のさんまとはその種属が違うのではないか、こういうお説を伺つたのでありますが、この点はさらに科学的に研究を進めなければはつきりと判断ができないのじやないか、かように私は考えるのであります。從つてもし北海道のさんまと常磐に回遊するさんまが、種属が別だということであれば、これはおのずから解決される道があるのではないかと思います。しかし現在の九月まで禁漁いたしておりまするのは、大体同一種属だ、從つて北海道において早期にこれを漁獲すれば、魚体がまだ十分に成熟しない、つまり産卵期に到達しない小さなものをとる。こういうことから出発しておるように考えております。ですからその限界が、種属が一つであるかないかという判断をはつきりしない限りは、水産廳といたしましては、今の漁期撤廃ということはちよつと同感できかねるのではないかと考えます。
○冨永委員 私はこの場合、農林大臣がたいへん時間を急ぐようでもありますし、またほかの委員からも質問があるようでありますから、質問の要領は簡單に申し上げますが、問題はきわめて重大でありますので、大臣におかれましては確信のある、しかも責任を持つて御答弁を願いたいと思うのであります。それは先ほど鈴木委員からお尋ねになりました水産物の統制の問題に関係いたすものでありますが、つい最近経済九原則に基く農林省の方針という新聞記事が出ておつた中に、こんぶの統制を撤廃するという記事が出ておつたのであります。御承知の通りこんぶの統制撤廃は第四國会のときに委員会におきましても請願が取上げられ、本会議でも可決をせられておつたのでありまするから、その統制撤廃の記事が出ましたことは必ずしも異とするものでなく、生産者もこれが関係業者、集荷機関、荷受け機関それぞれの態勢においてやつたのでありますが、任再今日なおこれらに対する発表が明確でないのであります。ここに列席せられている水産廳長官におかれても、これは賛意を表しておられるが、しかもその現実的なあり方としては、必ずしも明確な発表に接しないので、水産業者は金融その他の面から非常な困難な場面に当面いたしておりまして、おそらく生産という面にも非常に大きな影響を來すことは、まぬかれない事実であることははつきりいたしておりますだけに、農林大臣におかれましてはこの場合強力な政治力をもつてこれが統制を撤廃せらるることをお考えになつておられるものか、あるいは何らかの事業関係において全然見込みがないとするならば、その農林省の方針を具体的に率直に明らかにしなければ、これに関係する生産者その他の人間は非常に大きな迷惑をいたす事実をお考えくださいまして、御答弁を願いたいと思うのであります。
○森國務大臣 ひとり水産業だけではありませんが、統制を撤廃するとかしないとかいう問題につきまして、非常に業者が神経過敏になつておるのであります。業者の中には統制のために相当の利益を上げている階級がないとは言えないのであります。統制を撤廃するということを発表いたしますと、喜ぶ人はこれはじつとしていてもそれが実現するのだ、こういう立場であります。また統制によつてもうけておつた人は、どうしてもこれは統制を継続せねばならぬというので、懸命な反対行動をとるのであります。しかも今日日本の食糧事情が連合國の好意に基いてお願いしておるということから、総合食糧という立場から考えてみまして、容易に簡單にこれを発表し得ないのであります。しかしながら統制ということは、本來需給関係より國民が乏しいものをわかち合うという気持で行われたものでありまするが、今日はすでにその当時と事情のかわつておる物資が相当できておるのであります。そういう統制を撤廃いたしましても、消費者も生産者も迷惑をこうむらぬ、こういう段階に入つたものは、統制をはずして行つていいと思うのであります。この考え方から水産物の方を見てみますと、相当統制を撤廃してもさしつかえないものがあるのであります。しかしこれをいつからやる――野菜のごときははつきりとこの見通しがつきましたので、四月一日からこれを実行することになつたのでありまするが、関係方面においては蔬菜の撤廃はこれはさしつかえない。しかしこれと同じようにその他の食料品も統制を撤廃するという理由にはならないのだということを、特に注意をされて承認を受けたようなことであります。今御説のこんぶのことにつきましては、すでに冨永委員もその生産需給の状況をよく御承知のことと存じます。こういうふうなものを今日撤廃いたしましても、生産者、需要者が大なる苦痛を感じないという立場に置かれる場合においては、これはよろしく撤廃してもいいと思うのであります。しかし今申しましたように統制によつて利益を得ている階級がありますので、そういうものが非常に大騒ぎをいたしまして、反対行動をとるというようなことが起りますと、せつかくこちらが企図いたしましたことが途中で挫折せなければならぬというようなこともありますので、愼重に研究をいたしまして、はずすべきものはぐんぐんとはずすようにいたしたい、かように考えておるわけであります。ことさらこんぶについてこうするということを今日申し上げることを差控えたい、かように考える次第であります。
○冨永委員 今の農林大臣の御答弁は私の質問の趣旨には実は必ずしも沿うてないと思うのであります。私はもちろん水産物の統制をはずすときにお考えになられることは、大臣のお述べになつた通りだと了承するものであります。もちろん手放しに統制を撤廃されることは生産者は必ずしも望むところではないのでありまして、金融、輸送、資材その他の裏づけがあつて初めてまた農林大臣がお述べになつたような関係事情を考察に入れまして、統制を撤廃されるものであることは私も了承するものであります。でありますが、私の質問の要旨は、農林省の方針だとしておそらく間違つて新聞で伝えられたものであるとは考えられまするけれども、そうした新聞記事が出ておりまするし、また農林省の関係当局は、やはり同様の意思を持つておられますることが事実でありますだけに、農林省としては統制をはずすお考えがあつても今実現が不可能であるならば今年は少くも統制の撤廃をすることはできないというような意思表示をすみやかにせられることでなければ、生産者初め集荷機関、荷受機関、業者、一般関係方面がたいへん困難に当面しておる、これが水産漁獲収獲の上に大きな影響を來しているから、その意思表示をいたしていただきたい、こういう意味合いを申し上げておるのでありますから、水産物統制撤廃の方針をお示しいただきましたのでは、私の質問からはずれておるように思いますので、遺憾ながら再質問をいたしまして、これは今のところ日本の状況から統制撤廃は困難だから見通しはつかない、こういう御答弁でも好ましくはないがやむを得ない、そういうふうに私どもは承知をいたしまして、それぞれの向きに伝えて善処いたしたい、かように考えますので、恐縮でございますが再質問いたす次第であります。
○森國務大臣 新聞等にはいろいろ自由の筆で書かれますので、新聞記事を一一お取上げくださることははなはだ迷惑でありますが、たとえばこんぶをつかまえられて統制をはずす用意ありやいなや、こうお尋ねのときに、はずすともはずさぬともこれはこういう席では申し上げられないのでありまして、はつきりきまればこれは賃任をもつて発表いたす、その時期まで責任は負えないわけでありますから、どうかその辺を御了察を願いたいと思います。
○冨永委員 やむを得ないと思います。どうも今までそういう次第で、水産廳長官と押問答して來たわけでありますが、今の大臣のおつしやつた新聞記事を信用する云々は、これは関係農林省水産廳当局が、業者にそういう意思表示をしておられるだけに、新聞記事が裏づけられておるのであつて、この新聞記事だけをうのみにして業者がどうこう申し上げておるのではないということを了承願いたいと思います。 もう一つ重ねてお聞きいたしたいと思います。その問題はにしんとほつけの價格の問題でございます。これもやはりぜひ農林大臣にお聞きおきを願つて、御答弁を願いたいと思うのでありますが、これも大臣の強力な政治力をもつてこんなふうな問題に対してはお考えを願いませんと、たとえば昨年――こまかいことを申し上げて大臣は御了承にならぬと思いますが、二十六円のほつけの價格を三十九円に臨時價格として昨年認めたのに対し、今年いろいろな社会情勢がかわつているのに、公定價格を三十九円の去年臨時價格として認めた價格で抑えていることは、きわめて不都合なことと思いますが、しかしこれは発表になつたのでありますからとやかく申すことは遠慮いたしますが、ただ漁獲される以上当然製品化されるのであり、その漁獲が始まつているにかかわらず、たとえばひと塩の價格、その他製品の價格をいまだに発表に相ならぬために、二百万貫の漁獲をするほつけ漁業者が非常に大きな迷惑をしている。北海道としてはにしんに次ぎ、少くともいわしが今日あまり買えない市場におきまして、ほつけは大宗漁業であるにかかわらず、これに対する鮮魚の價格を、今月初めからとれておるのに、十七日に発表し、しかもこれの製品價格、ひと塩價格を今もつて発表しないということは、去年の價格でやれということでありましようけれども、それは諸般の情勢から見てあり得ないことだということも御了承願えること、だと思うのであります。これは非常に小さいようでありまして、大臣の御答弁になる範囲でないようにもお考えになるかもしれませんが、これらの問題は、どうしても大臣の強力な政治力をもつて、基本的な考えをおきめおき願つて処置願わなければ、水産増強のためには非常に大きな阻害になると考えますので、問題は小さいようにお考えになられては困るので、特に大臣のお考えを承りたいと思うのであります。
○川村委員 関連いたしまして二、三御質問申し上げます。 第一にさんまの漁期撤廃のことについて夏堀委員から御質問がありましたが、私もこれに双手をあげて御賛成申し上げるものであります。水産廳長官の答弁の中に、さんまの回遊状態、すなわち北海道のさんまと内地のさんまとはおのずから種類が違うごとく言われたが、それは同一であるという意見をそこに盛られなければ、漁期問題を檢討することができない、まことに不可解の答弁であつたと私は考えるのであります。なぜならば、水産廳長官は斯界のエキスパートであつて、われわれ崇拝しておつた。しかるに今さんまの種類は北海道と三陸のさんまが違うようなことを考えておる長官に至つては、まことに不可解千万だと思いますが、私が過去の経驗からいたしまして、さんまはまず北海道の北端から回遊して來ることははつきりしております。漸次南下して三陸、最後には千葉縣方面に來て漁期が終る。こういうことになつておることははつきりしておるのであります。北海道のごときは、特に五月から八月までであつたと思いますが、この間は一種の禁漁にひとしいところの制度になつております。混獲は一認める、言いかえればいわしの旺盛な時代には流し網をわれわれが経営いたすのですが、その時分に流し綱にかかるさんまは、これをとることはよろしいけれども、さんまの産卵時期を見て本格的にさんまのみを漁獲する漁法は許されない。かようになつておるので、わずかに混獲を認められて、そうして内地方面に輸送しておるというような状態になつております。
○石原委員長 川村君にちよつと御注意申し上げます。ただいまは冨永君の御質問に関連することだけにしてください。
○川村委員 でありますから、はつきりこれはさんまの回遊状態は北海道から始まつて、三陸、そうして千葉縣で終ることになつておるのであつて、同一種類であるということをはつきり申し上げます。從つてこの漁期について撤廃は必然起る問題であつて、早急にすべきであると断定せざるを得ないのであります。この点において十分御研究なさつて、一日も早くさんまの漁期の撤廃をしていただきたい。 それから第二にこんぶの問題で冨永君から質問がありましたが、すでにこんぶの統制があるがために、どういう状態になつておるとかいうことは、第四國会においても十分われわれ意見を述べておいたのであります。特にこんぶの生産地は北海道であります。もちろん北海道の優秀なこんぶは、今日價格が相当上まわつておるし、十分はけ口があります。しかし統制があるために根室、釧路方面の大量の下等品のこんぶは、統制價格があるがゆえにはけない。過去におきましては支那方面に貿易を開始されておつたのでありまするけれども、今日かような状態で支那方面に十分はけません。從つて滞貨は相当にあるのであります。でありまするから食糧事情はあの統制した当時とは相当にかわつております。こんぶを食わなくともどうにかたえられる状態になつておりますので、これもあまり大臣が大事をとらぬで、大衆の食糧に大きな影響を及ぼすものでなければ、統制を撤廃しなければならぬという現段階において、こんぶの統制も一日も早く解くということに方針をとつていただきたい。 第三は價格の問題であります。先ほど冨永君からほつけの價格の話がありましたが、ほつけの價格ばかりではありません。水産物の價格は、特に漁期というものがあるので、漁期が経過しますと、結局せつかくとつた魚も公定價格で賣られないために、生産者が非常な困惑をするという状態になつておりますので、どうか價格の高い安いでなく、われわれは高いことを望みますけれども、消費者の立場を考えますときに、不当な價格は許されないのでありまするけれども、價格をいち早く漁期前に発表して、安心して計画も実際の生産もできるようにしなければ、いわゆる水産廳としての使命を果すことができないばかりでなく、各般にわたる迷惑がありますので、この点も御考慮いただいて、この三点だけは特に私からお願いをいたしまして、さんまの漁期の撤廃、こんぶの統制撤廃、價格のすみやかなる発表、この三点をお願いして大臣並びに長官の御答弁を願いたいのであります。
○飯山政府委員 川村委員にお答えいたします。先ほどさんまの種族の問題で御教示をいただきましてまことにありがとうございました。私は夏堀委員からのお話で別種族である、こういうことを伺いましたので申し上げたので、それ以上この点についての御教示をいただいたことにしていただきます。それからこんぶの件でありますが、先ほど冨永委員からも水産廳ではそういう趣旨になつておるのだ、こういうようなお話がちよつとあつたのでありますが、水産廳といたしましては、公式にはそういう意見を発表したことはないのであります。ただ新聞に出たということについては責任は持ちませんけれども、しかしわれわれはこんぶの実情から見てこれはぜひはずすべきものだ、こういう考え方は持つておつた。これは私どもが公式に発表はいたしておりませんが、この点は御了承願いたい。第三の價格の問題でありまするが、これは昨年の七月に大体鮮魚の價格が総体的に改正を見たのであります。しかしその当時は、御承知の通り水産関係は三割三分以上の低廉である。一般の物資は大体二倍ないし三倍、その当時において一般物資との價格の権衡がとれなかつたということはこれは事実であります。しかしながらこの價格につきましては、いわゆるプライス・コントロールというような関係がありまして、容易に主食にかわるべきものだというような見地から非常に困難でありますので、最近のような原價計算もしくはパリティー計算によらずに、不漁によるところの價格という点で、ようやく昨年の十二月におきましても一部の改正がありました。それから先ほどにしんの價格について西村君から御質問がありましたが、あれも原價計算やパリティー計算では認められない。しかし水産試驗場の科学的発表によつて今年はにしんが不漁である、こういう事実と申しますか、招來するであろう事実は不漁である。それならばやむを得ないということで、不漁対策としてあれが出たのであります。今後一般の水産物に対する價格を全面的に是正するということにつきましては、これは今簡單にこうする、ああするということは申し上げられない。もちろん物價につきましては水産廳が当の官廳でありません。物價廳の主管でありますが、われわれは資料を提供して、できるだけ業者の経済に合うように努力はいたしますけれども、物價について直接これをお答えすることは非常に困難であります。さよう御了承願います。
○石原委員長 ちよつと委員諸君に希望します。本日の主題は金融問題でありまして、金融問題を通じての御質問、御希望を大臣及び銀行局長等へ御発言を願いたいのであります。その他のことは次の機会にお願いをいたします。
○小高委員 私は農林大臣に國の根本政策を伺いたいのであります。それから金融問題が生じて來ると思うのであります。物を持たない日本を、どうして物を生み出す日本に切りかえて行くか。これはけだし國をあげての大問題であり、同時に政治に志すものが、一様に視線をその方向に向けておると思うのであります。この意味においてわが國の産業中、農業あるいは工業またその中にいろいろ部類わけがございましよう。しかしこれらの重要産業中、日本の水産の位置というものをどの程度に政府がお考えになつておられるか。まず第一に國の施策の見方として、水産業の重要性を私ども十分考えて唱て來ておるのでありますが、この地位をどの程度に見ておられるか、これを第一に伺いたい。そこに金融の問題も、あるいは資材の問題も、貿易方面にこの水産製品を大いに用いて、外貨を獲得するすべての施策も、これより生じて來るのであろうと思いますので、まず第一に農林大臣から重要産業中の水産業の位置についてお尋ねいたしたいのであります。
○森國務大臣 わが國における水産業の位置という御質問でありましたが、私はわが大和民族が過去幾千年來の生を受継いで参りましたこの長い間、水産業というものがいかにわが民族のために力強くあつたかということを深く感謝いたしておるものであります。東洋における水産國、四囲海をめぐらしまして、昔から漁業によつてわが民族は生活をいたして、自分の氏族を養つて來たといつてもよいのであります。ことに日本人の体質は、牛肉というものを近き時代において供用したのでありまして、過去においては牛肉よりも水産物によつて蛋白資源を求め、そして民族が今日まで長らえて來た、かように考えておるのであります。こういう考え方から推論いたしますれば、わが大和民族と水産業は切つても切れない関係を持つておるのでありまして、ことに國土の狭いわが國といたしましては、この四囲海をめぐらし、水産物によつて生活を営んで行くということを、一應われわれは承認しなければならない立場にあるのであります。從つてわが國における水産業というものが、実に重大性があるというということはおのずからそこに明らかになつて來ると思います。この立場におきまして、わが國はこの水産業の重大性を考え、ますます水産物の増嵩ということに力を盡して行かなければならぬと思うのであります。しかし現在の社会、経済組織は複雑化しておりまして、ひとり水産業のみをいかに重大なりと考えましても、それに集中することはでき得ないのであります。ことに國土を狭めました日本の國が、民族は年々増加いたして行くことを考えますと、どうしてわが民族が食生活を全うして行くかということを考えますと、やはり将來主食として考えておりまする農産物の増嵩と、そして栄養給源としての水産物と、総合的に歩調を合せて進まなければならぬ。かように考えておるわけであります。わが民族を養う一環を背負う水産業といたしましては、わが國にとつて最も重大なる産業の一つであるということは深く考えておるわけであります。
○小高委員 ただいまの御説明で、大体わが國の水産業がいかに國是といたしまして重要な地位にあるかということがわかつたのであります。そうなりますと一つの不可解なる事実といたしまして、先ほど夏堀委員からも御意見がありましたが、何ゆえかかる重大産業であるところのこの面において、独立した水産省というような一つの省によるところの指導、あるいはこれに関連したところの、まだまだ海洋の調査、研究もしなければならぬし、水産試驗場の活躍も期さなければならぬ。いろいろあれやこれやに手が及んで來るのでありますが、かような重大性を認めておりながら、何ゆえ政府が水産業をかくのごとく常に恵まれざる位置に追い込んでおるか。これは一つの見方の誤りであると思う。國策遂行上の一つの誤謬であると思う。しからばその誤謬を訂正するに何がふしぎがあるか、こういう考え方を持たざるを得ないのであります。それに関連していろいろ銀行局長、あるいは水産廳長官にお尋ねしたいこともありまするが、これは他の機会に讓りまして、ただ一点誤謬を改めて、すみやかに、有力なる一つの力を持つている産業でありますので、水産省の設置をはかる方向に歩をお進め願い、同時にそれに関連するすべての、ただいま先輩委員から御意見が出ました事柄を解決して行きたい、かような希望を抱いておりますので、この水産省問題に対して、それから金融問題も、重ねて申し上げるようでありますが、あらためて銀行局長に質問したいと思います。その点再びお答えが望ましいと思います。
○森國務大臣 先ほどお答えいたしたわけでありますが、決して水産業を軽率に扱つておるわけでありません。もちろん現在の農林省の機構の上におきまして構想されておることにおいても、食糧廳というものを外局として設けたい気持を持つております。現在水産廳あり食糧管理局あり、林野局あり、食糧の立場から申しますれば水産も大事である。それなら食糧省をつくれ、あるいは國土が大事であるから國土省をつくれ、水産が大事だから水産省をつくれ、そういうような議論が成立つことは一應うかがえますけれども、食糧が大事であつて水産が軽い。あるいは林業が大事であつて水産が軽いというようなそういうわけ隔てはありません。いずれもそのおのおのの立場において重要性がありますから、水産省を置く段階にまで今日まだなつておらぬということを御承知願い、決してこれは水産業がわが國として重大であるけれども、先んじて食糧省をつくらなければならぬ。水産省をつくらなければならぬという議論は成立たぬのでありまして、これは廳でありましても、その内容の拡充によりまして、独立省以上の仕事が必ずしもでき得ないことではないのであります。この機構の上において独立したからそれで重大視している。りつぱなものであると考えておるというわけではないのであります。
○小高委員 今の答弁で大体了承いたしましたが、しからば水産省になるまでの間、省にひとしきところの予算面、――價格差補給金等の伝えられる二千億の、この方面にある程度の振向け、それらの予算面を特に考慮するということを特にお願いいたしたいのであります。この希望を申し上げまして質問を打切ります。
○玉置委員 私はごく率直に御質問申し上げます。それは先ほどの鈴木委員からの大臣に対する御質問に対しての答弁で、アウト・ラインを知ることができましたが、さらに金融問題でつつ込んでお尋ねしたいことは、当局におかれて目下立案中である。成案を得次第出すということでありまするが、その金融機関の設置の成案はいつごろまとまる見込みであるか。またいつごろ國会に提出される御意思であるか、これをまずお伺いしたいのであります。 御承知のように、にしん、漁業、にしんは大衆魚として、しかもかつては國策として強力に統制をいたし、今日なおそれが継続されておるのでありまするが、これが経営の面にわたりましては、昨年以來諸般の情勢変化に伴いまして非常に金融難に陥り、今年のごときはまつたくその極に達し四苦八苦の状態で、経営者はその資金を求めることに苦労いたしたのであるが、どうしても資金を得られないというような状態であります。しかるに一方においてはこれに強力に統制を加えるというために、ほかの方から資金を求める道がない。こういうことをどういうふうに政府当局は考えておられるか。大衆魚であるから統制のわくがはずされないというような、めんどうな面もありましようが、生産者から言わせますと、統制かなければむしろ個人的に金融の道をはかることもできる、かように叫んでおるのであります。從いましてこれに対する当局のお考えも併せてお伺いしたいのであります。
○森國務大臣 統制撤廃の問題は、先ほど來いろいろお答えいたしましたことによつて御承知を願いたいと存じますが、金融の面におきましては、長期の貸付のために農林、漁業復興の資金を相当額求めまして融通いたしたい、かように考えて努力を払つております。これは別段機構を設けるまでもなく、すでに昨年の九月に制定されまして、本年三月まで継続しておるのでありますが、四月から継続して行けばよいわけであります。 なお沿岸漁業の零細漁業者に対する金融は、先ほど夏堀委員からもいろいろ御注意を受けたわけでありまして、これは今成案を急いでいるわけでありますが、今いつそういうようなものをつくり上げるかということは、まだ申し上げる段階に入つておらないと思います。もちろんこれは加入漁業者の出資をまつてやるわけでありますから、特殊の金庫組織になるわけであります。この金庫組織は、先ほども申し上げました通り中小企業金庫、教育金庫、住宅金庫というようなことも一時設置すべく構想を練つたわけでありますが、資金等の関係からこれが実現でき得なかつたのであります。そういう事情でありまするから、今いつこれを皆様にお諮りするかということは、はつきり申し上げかねる次第であります。
○玉置委員 先ほど、これも冒頭に鈴木委員からの御質疑で大体知ることができましたいわゆる三百万漁民が重大な関心をもつて注視しております漁業法の問題であります。提案されるということではございますが、いつごろこれが提案されるか、あまり遅い時期に提案されますと、公聽会その他によつて愼重審議を期するために、審議未了になるおそれもありますが、いつごろお出しになるかということを、はつきりお伺いしたいのであります。 ついでにもう一つ、これは物價廳にも関係することでありますが、先ほども委員の方からお話のありましたように、大臣の政治力にまたなければ解決ができない重大な問題であると思うので質問いたしますが、それは魚肥の問題であります。にしんその他の魚肥を、リンク米の問題に関連して非常に安く價格がきめられているというように見られるのですが、これがリンク米の点から考えますと一應ごもつともではありまするが、しかしながらにしんの肥料二十四貫詰一俵つくる原料がどれくらいかかるかと申しますと、御承知のように、かりに昨年の價格にしまして三百九十円、これを工場へ運んで來まして四百二、三十円になりますが、四百円とこれを見まして、十三箱を要するのでありますから、結局五千二、三百円原料代だけでかかる。それにさらに燃料費、包装費、労銀こういうものを加算いたしますと、どうしても六千円以上のものに原價だけでなるわけであります。これに対しまして、昨年のごときは十月になつてもようやく三千五、六百円しか價格をつり上げない。原價に満たないこうした價格政策は、私は非常にむちやだと考えておるのです。当然この價格を改正しなければならぬと思うのですが、いかなる理由のもとにこうして置かれておるか。当然價格を上げて均衡をとつていただかなければ、これがために非常に、やみその他のあまり芳ばしからざる問題が生じて來ると思うのでありますが、これに対する農林大臣の御方針を承りたいと思います。
○森國務大臣 この法案でありまするが、法案は、あらかじめ原案につきましては皆様も御承知くださつておるわけであります。またあの法案に対して、皆様の御意見を一應事務当局としては承つておるわけであります。今大体まとめまして、関係方面と交渉をいたしておりますから、その承認を受け次第、一日も早く御審議にあずかることにいたしたい、かように努力をいたしておるわけであります。相手のあることでありますから、いつ出すということまでは申し上げかねる次第であります。 なお漁肥の問題でありますが、これが御承知の飼料に――えさになつておるわけでありますが、これは非常に不自然な立場に置かれてあるのであります。これがやはり魚肥として一部において米のリンク制になつておるわけでありますが、その價格の査定につきましては、現在行われておるところの市場價格というものとマル公價格の間に非常な價格差がありますので、いろいろ法規にそむくようなこともまま出ておるやに聞いておるのであります。私は魚肥のごときは、つくろうと思つてつくる場合もありますけれども、あるいは魚が一時にとれて、その処理に困つて腐敗するという事情のもとにできることもありますし、こういうものに対するところの價格をきめるということは根本的に間違いではないか、かように考えておるのであります。このたび公團の整理を行いますので、現在飼料公團、いわゆるえさの公園がこの魚肥を取扱つておるわけでありますが、もしも飼料公團を廃止するというような段階に立ち至りますれば、こういうようないわゆる不自然なる飼料というものは、取扱い品目よりこれをはずしてもよいのじやないかというようなことも考えておるのであります。公團の整理がここしばらくの間にいずれか決定せられると思いますので、そういう場合に、こういう不自然な統制というものはできるだけ緩和して行きたい。かような気持をもつておることをお答えといたしておきます。
○奧村委員 たびたび水産常任委員会で水産金融について会議を催しておりますが、どうも結論に近ずかないように考えられます。問題が多岐にわたつて、水産金融以外の問題に話がそれますと、何べん集つても、今後あくまでも結論に到達しないと思いますので、どうかひとつ問題を水産金融のみに限つて御質疑をしていただきたいと思います。
○川村委員 ただいま奥村君から意見も出ましたが、委員長は多分水産金融の重要性からこれのみを取上げたと私は考えて了承するのでありますが、一應水産常任委員会に付議すべき議案を、理事会を開いて、ただ一つ金融の問題のみを取上げるというようなことをするから、意見のある委員はそれぞれの立場から各般にわたつて質問を試みる、こういうようになると考えておるのであります。でありますから、どうか理事がありまするので理事会を開いて、そうして今度はどういう問題を取上げるかというようなことを相諮り、さらに理事は各党から出ておりますので、今度どういう問題を一体委員会に取上げるかというようなことも、相談をして取上げて行けば、今のような金融のみを取上げた場合に各般にわたる質問が出ないと考えますので、いわゆる議事の進行上理事会というものを重視いたしまして、委員長の手元において、たびたび理事会を開かれんことを要望しておきます。
○奧村委員 ただいま河村君から御意見が出ましたが、すでに前会に引続き水産金融に関してこの会議が続行されておるのでありますから、いまさらそれを元にもどして理事会を開いて、議題を新たに審議するということは不可能であろうと思います。一應水産金融の結論を得るまでは、この問題に限つて質疑を進めて行くようにせられたいと思います。
○石原委員長 委員長はその方針をとつております。
○玉置委員 せつかく大臣がお忙しいところを御出席いただいたのでありますから、本論を多少はずしてお伺いしておるのですが、ただ一つだけ、今の御答弁に対して非常に満足いたしました。
○石原委員長 簡單にひとつお願いいたします。本会議が始まりましたから。
○玉置委員 肥料政策につきましては、現段階においてかわるべきだという観点から御質問したのですが、でき得るならばわくをはずし、自由取引ということにしていただくと万全を期することができると思います。あとは非常にこまかいことでありますから、後刻に讓ります。
○石原委員長 お諮りします。金融の問題につきましては、小委員会を設けたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり」〕
○石原委員長 多数のようでありますから設けることにいたします。委員の数及び選定の方法はいかがいたしたものでしようか。
○冨永委員 その御決定は委員長に一任いたしたいと思います。
○石原委員長 委員長に一任いたしたいということでありますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 さよう決しました。 お諮りします。價格差の補給の問題について、冒頭に鈴木君より質問がありました。その答弁はあまり満足ができないのであります。すでに、ドルと円との関係が一本レートとなり、輸入すべき漁業資材は非常に高價になる。また魚價は引上げない、こういう場合において、價格差補給金も何らの考慮が政府にないとすれば、漁業は成り立たないと思います。よつてこの際委員諸君の総意のもとに、この價格差補給等の詳細の資料を、書面をもつて提出すべきことを大藏省、農林省、安本等へ要求したいと思いまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石原委員長 異議ないと認めまして、以上のようにとりはからいをいたします。もう少し継続いたします。
○川村委員 漁村金融の問題について申し上げます。すでに各委員から質問がありまして、窮屈であることはもう御承知の通りであります。特に沿岸漁民に対する金融はまことに窮屈であることは、私どももよくわかつておるのであります。先ほど鈴木君の質問に対しまして、近く提出されようとするところの漁業法と相からん、漁業権は國家補償となるという原案になつてお、るということを漏れ承るのであります。もちろん國家補償になりますればおそらく補償する時分には、國債をもつて補償することと存じます。
○石原委員長 河村君、簡單に、銀行局長が見えましたから……。
○川村委員 その國債をもつて補償する場合に、國債か漁村の金融としてどの程度に現われるのであるか、また漁村金融に対して、その國債を消化する意味において補償するのであるか、この点をお伺いいたしたいのであります。
○飯山政府委員 河村委員にお答えいたします。補償の点については、あの法案がまだ決定的の段階に行つておりませんで、その点もまだ交渉が残されておるのでありますが、大体の観念として、あれが二十二箇年として均分返還をして行く、それから日本銀行の承認を得て現金化することができる。これによつて幾分でも金融の道にしようというのが一つのねらいであります。それから額の方は、あれが実は関係先の方と、大体免許料が漁獲の五パーセント以内、それを大体財産税の際に評價されました評價に基いて、それの十一倍というような案は出ておりますけれども、これは決定いたしておりません。非常に多過ぎるというような見解を述べられて実は困つておるのでありますが、大体は、あれができる、だけ業者の金融の道になるようにという考えを含めてあるのでありますが、まだ決定的な額と率というのが御報告できないのであります。
○長谷川委員 銀行局長さんにちよつと一言お聞きしたいのですが、経済九原則の実施に伴いまして、生産から末端配給の機関に至るまで各種の團体がありまして、さらにまた加工等によつて輸出産業等もあるのでありまして、これらに対していかなる画に影響があるか、これらを重要視してその金融を続けて行くかというようなことに対して御答弁を願いたい。申し上げることは簡單でありますが、非常に廣い面にあると思いますので、ひとつ恐れ入りますがお願いいたします。
○愛知政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問は非常に重大であり、かつ非常に廣汎にわたつておるわけでございますので、ちよつとくどくなるかもしれないと思いますが、御説明いたしたいと思います。 九原則の関係でまず最初に、御承知のようにいわゆる総合予算の均衡ということが実行される段階に入つて参りましたわけでありますが、その際に金融問題との関係で最も深刻な問題と思われます点は、從來復興金融金庫あるいは農林漁業関係におきましては、昨年の秋以來の農業復興金融制度といつたような、政府が出資をし、あるいは政府資金が債券の形その他によつて介入しておりますような金融制度というものが、一應現在までに出ておりまする総合予算の面からは、原則的に消えたことでございます。この点が私どもとして最も現在深刻な問題としてこの対策をいかにするかということを、非常に頭を悩ましておるわけでございます。ことに具体的に申しますると、二つの問題があると思いまするが、一つは、長期の固定する資金を、この経済復興の波瀾の多い一段階において、どうやつて調達をするかということが一つでありますが、それに対する対策をどうやつて行くかということであります。それから第二の問題は相当長期にわたるけれども、事の性質上長期間においては回收はできるけれども、当面のところいわゆる金融に乘り得ないかあるいは乘せることが非常に困難であるというような種類の問題について、どういうふうな対策を講ずるか、具体的に申しますと、この二つになると思うのであります。 さらにもう少し掘り下げて申しますれば、第一の類に属します問題としては、たとえば水産関係にいたしましても、漁船の建造はもちろんでございまするし、その他長期の施設に対する資金をどうやつて調達するかという問題でありまするし、それから第二の類に入ります問題としては、たとえば漁業手形でございますが、御承知のように漁業手形については一部復金が保証する、間接的に國家が保証するような形で、短期ではございますけれども、その保証ということを基礎にして一般金融機関の割振りを促進したわけでございます。かような次第でございまするので、まず第一に機構として先ほど農林大臣の御答弁にもありますように、私ども大藏省の立場からいたしましても、農林復興金融金庫というようなものが、現在の段階ではどうしても必要ではなかろうか、またそれがかりにいろいろの関係でできないとしても、せめて昨年の、二十三年度の第三・四半期から如めました農林復興特別融通というような形のものがこの段階ではどうしても必要であろうと思つておりましたところが、一應現在の段階ではそういう計画が挫折をいたしたわけであります。 それから第二の漁業手形の問題にいたしましても、これは今申しましたように、普通の短期の金融ではございますけれども、やはり裸の漁業手形でございますと、どうしても一般の金融機関がこれに対して資金を向けるということはきわめて困難か、あるいは不適当、つまり不円滑だということが言えるわけであります。その陰の力になりましたところの復金というような、特殊の政府的な機構が、やはり今後新規の融資はもちろん保証融資などもできるとしましても、非常に小規模なものになるので、この問題におきましても新しい大きな問題が出て來たわけでございます。漁業手形のごときは実は率直に申し上げますが、先ほど御質問がございましたが、あぐり綱というような程度にとどまらず、もしできるならばいわし綱、底引にも拡張しよう、さらにそのほかにもくふうを凝らすようと言つておつたところが、そういうことで挫折をいたしたありさまでありまして、率直に申しまして当惑をいたしておるのであります。大体この九原則との関係において、現在新しく問題になつて参りましたこの二つの種類の問題があることは、今申し上げたわけでございますが、しからば今後一体どういうふうに考えるべきかということにつきましては、非常に残念でございますが、ここに具体的に事務当局の案として申し上げる段階までには実はまだ行つていないわけであります。ただこれは一般問題でありますけれども、たとえば預金部資金というのが二十四年度に、いろいろこれは前提がございますけれども、常識的に達観的に申しまして、二十四年度中に大体三百五十億円ぐらいは新しい資金の蓄積ができるのではないかと予想いたしております。その中で優先的にその資金で消化しなければならないものとして、地方債があるわけでございます。この地方債がようやく二百三十三億というものが一應承認を受けでおるわけでありますが、それを優先的にこなした場合に、百億余りのものが一應計算上は残るかつこうになつております。本來非常に零細な大衆の預貯金、あるいは簡易保險、あるいは郵便年金というようなものでできておりまする預金部資金でありまするから、これはやはりできるだけそういうような資金の源泉として蓄積させる役に立つために、これを運用すべきが当然と思つておるのであります。そういう感覚から、たとえばこの水産の問題などにどれだけの金を使い得るかということが一つ考え得る方法ではなかろうかと思つております。しかしながらこれまた御承知のように預金部資金は終戦直後の指令によりまして、國償と地方債だけは運用ができないことになつております。今計算上見込みとして余裕があるようなかこうになつております百二十億足らずの金にしましても、これを実際他の面に運用を計画しようといたしますると、根本的にいろいろ從來の指示を考え直してもらう必要が起つて來るわけでありまして、それらの点につきましても先ほど申し上げましたように、今日の現状におきましては、実は毎日いろいろと勉強いたしておるのでございますが、水産の資金のみならず、一般的にそういつた資金面についての確たる対策がまだ立つていなもという現状であります。
○長谷川委員 いまだその方法ははつきりしておらないというお話でありますが、いずれにいたしましても、本日論議が非常に長く続けられておりまして、いかに水産物が重要視されておるかということは御承知の通りであろうと思います。ぜひともこの方面に向いまして、九原則の実施に伴いまして、なるべく大きく水産方面に向つて御金融あらんことをお願いいたしまして、いずれの機会にかまた細目について御質問申し上げることにいたします。
○奧村委員 農林大臣のおられる時に質問したかつたのでありますが、やむを得ませんので、水産廳長官にお尋ねをしたいと思います。水産金融の問題を解決する考え方に二筋道があると思うのであります。すなわち遠洋漁業を中心にする資本企業に対する金融と、今回出発しつつある水産協同組合法による漁業協同組合その他の協同組合及び連合会、これを中心とする沿岸漁業め金融、この二つはおのずから性格が違つておるのであります。たとえば農林復興融資で相当の金が出ておりましても、ほとんどこれはみな資本漁業の方へ金が出ております。沿岸の漁業にはほとんど金は出ておりません。ところがすでにこの協同組合法は二月十五日に実施になつておりまして、四月十五日には系統團体は解散されて、新たに協同組合がすぐ設置されねばならぬ、この協同組合の結成で一番の問題は金融であります。特に長官もよくお感じになつておられるように、今度の水産物協同組合法は主として零細漁民、漁民を中心とした職能的な協同組合であります。漁民が中心でありますから非常に資金の面においては弱い。どうしても國の力である程度融資してやらなければ協同組合は成り立ちません。ところがこの協同組合に対して融資をする、この方針が何も立つておらぬ、いかにして融資するか、この方針はただいま農林大臣にしても、水産廳長官の御答弁にしても、ほとんど責任ある御答弁は得られておりません。これで沿岸の協同組合が順調に、円満に結成され発展して行くでしようか、少くとも水産廳として、また政府として、協同組合及びその連合会、また新たにできた生産組合、これらに対する金融に対しては、こういう構想のもとにこういう金融の道を講ずるという方針だけは、ここではつきりしていただかなければ、せつかくの協同組合結成の仕事が進まぬと思います。この点長官の御意見を承りたいと思います。
○飯山政府委員 ただいま奥村委員から協同組合が結成されても、その資金の面において施策がなければ漁村の繁栄はない。これはごもつともであります。しかし具体的の施策と申しましても、ただいま銀行局長のお話にもありました通り「二十四年度における予算並びに資金の関係というものは明確ではないということは、ただいまもるるお話があつたのであります。われわれといたしましては、國家の資金計画並びに予算関係を除いて特段な金融対策というものは立ち得ないのであります。これは考えなり言葉はいろいろありましようけれども、現実において具体的な施策を立てるということは、この資金の基本がきまらなければ、私どもとしては立て得ないのであります。ただしかし方向としましては、協同組合に対しては中金というものが――一般の水産業には御承知の通り融資はいたしておりませんが、中央金庫は十五億の融資はまつたく漁業会を通じたところの漁民への資金になつておる。遠洋漁業には行つておらぬのであります。復興金庫からのものがお話のように遠洋漁業に行つておる。それから先ほどの農林水産復興特別融資、二十三年度において約五億七千万、これはみな漁業会を通じた関係のものであります。両方合せますと約二十億になるようでありますが、それだけは二十三年度においても出ておる。しかし二十四年度においてはただいま申しました通り、われわれとして計画して案本にも要望はいたしておりますけれども、武藏当局のお話のように根本が定まつておらぬ関係上、ここで遺憾ながらただいまの具体的な方針をお示し申し上げることはできかねるのであります。
○奧村委員 ただいまの御答弁ではまことに不満足ではありますが、しかし水産廳のお立場としてその苦衷は察しております。ただ念を押してお願いして置きたいことは、この協同組合及び協同組合連合会に対する何らかの國からの融資の道を講じなければ、これらの團体は結成され、また発展しないということを長官が十分御認識あつて、善処を願いたいということを申し上げたいと思います。
○砂間委員 重要な点は大臣が出席した時にお尋ねしたいと思います。この前の委員会の時、水産廳長官が農林中央金庫から十五億の融資が出ておる。これは沿岸の零細漁民に対する融資だというふうに申されたのですが、その内容について資料を出していただきたいということをお願いして置いたのです。まだ今日手に渡されないのですが、いつ渡していただけるか。私の調べたところによれば零細漁民に対する融資だというようなととを言つておるけれども、実際には零細漁民に渡つておらぬのです。これは一つの逃げ口上みたいなことであつて、こんなことでごまかすのではなくし、て、もつとはつきりした方法を確立していただきたいということ、それから融資の内容についてぜひ資料をお願いしたいと思います。
○石原委員長 しかるべく早く資料を出すように請求いたします。 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後三時三十八分散会